太陽の輝きと同じくらい、子供たちの笑顔がまぶしい夏休み。お気に入りのビーチで海水浴もいいけれど、東京に聳える山々をハイキングしながら、森林浴というのもいい。地図に方位磁石、水筒にお弁当と、準備が整ったら、いざ出発！ところで、めざす山頂はどの山か・・・・。じつは、東京には奥多摩方面を中心に有名な山々がたくさんあることをご存じだろうか。
奥多摩最奥に位置する東京都最高峰の雲取山（2018メートル）をはじめ、鷹ノ巣山（1737メートル）や御岳山（929メートル）・三頭山（1528メートル）・御前山（1405メートル）・大岳山（1267メートル）の奥多摩三山など、登山・ハイキングコースの名所があちこちに存在し、どの山に登るかあれこれ悩むほどだ。そんな数ある東京の山々のなかで、今回は真夏の森林浴にぴったりの冷涼コースをセレクトしてみた。
めざすは日の出ずる山、その名も“日の出山”だ。日の出山は、西多摩郡の日の出町に位置する高さ902メートルの山で、奥多摩登山の入門コースとして親しまれている。その隣には御岳山が顔をのぞかせるが、何でも御岳山から日の出山を眺めると、ちょうど朝日が登る（＝日の出）ことから、この名前が付いたとか。
さて日の出山ハイキングコースには、御岳山コース、吉野梅郷コース、金比羅尾根コース、白岩滝コースなどいくつかあるが、夏に涼を求めて森林浴をするなら、やはり何といっても“白岩滝コース”がお薦め。アクセスは、JR 五日市線「五日市駅」からバスに乗り、約15分の「白岩滝」バス停下車、徒歩約20分ほど。ハイキングコースの途中に出くわす麻生山の岩壁でちょっと一休み。白糸を垂らしたような美しい滝が、雨乞い淵の話で有名な「白岩滝」だ。高さ約18メートルで、3段の滝を中心に大小約15の滝がある。白い岩肌とエメラルドグリーンに輝く淵のコントラストが神秘的で美しい。夏の暑さを一気に忘れさせてくれるはずだ。白岩滝のオアシスを満喫したら、さらに足を進めて、いざ日の出山頂へ。森林の緑色のカーテンの中を散策しながら頂上へ向かうと、そこには新宿副都心がパノラマのように広がる。帰りは、麗にある“三ツ沢つるつる温泉センター”で温泉浴もいい。森林浴と温泉浴の2つを楽しめる、欲張りな日の出山ハイキングコース。
みなさんも是非一度チャレンジしてみてはいかが。
文／麒麟 写真／武居英俊