○議長(増子ひろき君) 十一番さんのへあやさん。
〔十一番さんのへあや君登壇〕
○十一番(さんのへあや君) 初めに、お台場海浜公園噴水整備事業について伺います。
昨年九月、小池都知事は議会に諮る前の段階で、お台場に世界最大級の噴水を次年度につくると記者会見で発表。その後、本会議答弁において、総事業費二十六億四千万、維持管理費に最大年間二億円を見込んでいることが明らかとなりました。
私の地元江東区も含めた臨海副都心における事業であるため、関心を持って調査と都民への情報公開を進めてきましたが、事業計画のプロセスがブラックボックス化されていることや、朝令暮改な都の計画が明らかとなり、都民からは反対の声が上がっています。
都としてどのような事業者から噴水設置の要望を受けたのか情報開示請求を行ったところ、臨海副都心まちづくり協議会の予算要望書のみ、しかも要望書は噴水事業の構想が出た後に作成されており、これをもって噴水事業を実施する根拠としているのは、時系列から見て論理破綻しています。
そこで、都知事就任以降、情報公開を一丁目一番地としてきた小池都知事にお伺いします。
臨海副都心まちづくり協議会からのお台場地域におけるにぎわい創出の要望を受け、どのような検証を基に、なぜ噴水の建設に至ったのか。都の見解と、都民に分かりやすく伝わるよう都知事の答弁を求めます。
次に、都が試算する経済波及効果九十八億円の算出根拠です。
都として噴水の観覧者は年間三千万人を見込んでいるとのことですが、東京ディズニーリゾートの令和五年度来園者数は二千七百五十万人です。見込みが甘過ぎると思います。
噴水の有無にかかわらず訪れる人が多分に含まれていると推察しますが、都が試算する経済効果の算出根拠は、誰が何を基準に計算したものか改めて確認します。
さらに、お台場海浜公園水域内における水質測定では常に大腸菌が検出されており、令和五年八月には、最小値と比較しておよそ九千倍もの大腸菌が発生していることがさきの文書質問で明らかとなりました。
東京や他県の下水道から汚濁負荷が流入している海水を噴き上げるべきではありません。この点を指摘したところ、都は、先日の答弁では部分的に上水を使うと、突如方向転換されました。都はこれまで、海水を使用することを前提に、塩害対策について文書質問で回答していたにもかかわらずです。
おととしには、水不足で都知事自らが節水を呼びかける事態となりました。貴重な上水をレインボーブリッジの地上高百二十六メートルよりもはるかに高い百五十メートルもの高さまで噴き上げることに都民は納得するでしょうか。都の工業用水道事業は廃止され、都内町工場は高い水道料金を負担しています。
こうした背景を踏まえ、水質問題や安全対策、周辺環境への配慮について、都の見解を伺います。
本来、公共の場に設置される噴水については、その水質基準は国の法令にのっとって厳しく管理されています。噴水により発生する飛沫が汚染されていると、周辺環境への汚染や人体へ病原菌が感染するためです。
本事業において、噴水管理を行う上での根拠法をお示しください。
上水も管理状態によってはレジオネラ菌が発生するもので、特に噴水などエアロゾルを発生させる設備を通す場合は、レジオネラ症感染の危険性が高まります。水質管理基準もなく、周辺環境への配慮がなければ、国際的な批判を受けることは免れません。こうしたリスクを負ってまで、お台場に世界最大規模の噴水を公金で建設、維持すべきでしょうか。
お台場海浜公園では、多くの屋形船が集い、伝統的な花火とドローンショーという先進的技術が融合した、日本ならではのよさが詰まったイベントが定期的に開催されております。臨海副都心へのにぎわい創出を図るならば、日本らしさがあふれるコンテンツで盛り上げたり、お台場を経済特区として若者やベンチャー企業を呼び込むなど、多額のお金をかけずともできることがあります。
世界最大規模の噴水が、後世にわたって、都民の都政への信頼を大きく毀損させた象徴となってしまうことを強く懸念しております。
次に、無痛分娩費用助成について伺います。
東京都の少子化対策二〇二五において、無痛分娩の費用助成が盛り込まれましたが、医療従事者や都民からは、本事業が少子化対策の一環として実施されることを疑問視する声が多数寄せられています。
多様な価値観や考え方を尊重しながら施策を展開しているとのことですが、麻酔薬を使わない自然分娩を望む妊婦がいるにもかかわらず、無痛分娩に限定した補助をするのはなぜでしょうか。合併症などにより、無痛分娩をしたくともできない妊婦にとって不公平が生じると思いますが、都の見解を伺います。
また、無痛分娩のみに対して助成を行うことにより、日本の周産期医療体制や地方の産科医、診療所に対して、様々な影響が生じることが推察されますが、都はどのように捉えているでしょうか。想定される影響について、近隣県や政府、各地医師会と丁寧に確認調整されているのか確認します。
東京都内でも、無痛分娩の実施に伴い、羊水塞栓、子宮破裂等の負傷、疾病や後遺障害、死亡が報告されています。こうした有害事象が生じたときの都としての対応をお示しください。
都は上限十万円の助成を行うとしていますが、麻酔としての部分は実質一万円前後、約九万円前後の自由診療の上乗せ部分にまで補助することが妥当かどうか、検討の余地があると考えますが、都の見解を確認します。
世界では、無痛分娩を見直す流れがあり、都の取組は、国際出産イニシアティブの考え方に逆行しています。国際出産イニシアティブ十二項目の五番目には、陣痛中に薬を使わずに安楽に過ごす方法や痛みを和らげるための方法を、安全な第一選択として提供しましょうとあります。
無痛分娩のみに助成することは、都として無痛分娩を推奨することにならないでしょうか。都としての見解を伺います。繰り返しとなりますが、多様な産み方があるのだからこそ、全ての分娩を対象に助成すべきと考えます。
最後に、電動キックボード及びモペットの安全対策について伺います。
二〇二三年七月に改正道路交通法が施行されて以降、電動キックボードが第一当事者となる事故件数が都内で増加傾向にあり、重大事故の発生は時間の問題です。
規制緩和を不安視する多くの都民からの声を受け、私は先日、電動キックボード及びモペットによる事故から都民を守るための、日本で初めての超党派議連を立ち上げました。
諸外国では、電動キックボード利用者による交通ルール違反が多発、歩行者を巻き込む死亡事故も発生したことから規制が進む動きがありますが、日本、特に都心部では大手のレンタル事業者が事業を拡大し続けています。
事故件数の増加とともに拡大し続けるシェアリングサービスですが、利用者に対する安全利用について、都はどのように事業者と連携し、取組を行っているでしょうか。また、都民の声を通じて都に寄せられる電動キックボードに関する意見などを事業者にも伝えるべきと考えますが、現状を伺います。
独自に調査したところ、昨年一年間で電動キックボードが首都高へ侵入した件数は九件もありました。道路交通法を知らない方であっても電動キックボードを利用できてしまうことから、都として安全対策や安全利用を促す周知啓発を行う責任があると考えます。特に、日本語を母国語としない利用者や外国からのインバウンドに対する周知について、都の取組を伺います。
また、現行のルールでは時速六キロ以下であれば歩道への乗り入れが可能となっています。自転車同様、歩行者を接触事故から守るためにも、自転車専用の通行空間の整備が求められます。都道における自転車通行空間の整備状況についても伺います。
電動キックボードと同様、販売店を通さず個人でも購入が可能となっているペダル付原動機付自転車に対する安全対策も求められています。
ネット販売などを通じて、保安基準を満たしていない車両を購入し、ナンバーをつけずに乗っている人をまち中で見かけます。販売事業者に対し、保安基準への適合性等について審査を受ける型式認定制度を促すなどの取組が必要と考えます。
安全性が確保されていない車両に乗ることは、本人だけでなく周囲に危険が及ぶと思慮しますが、都としての現状の取組はいかがでしょうか。
行政が介入して移動支援をすべきは、交通弱者とも呼ばれる高齢者、障害者や小さな子供を連れた方々です。安全性よりも利便性を取ってしまうと、都民を危険にさらすことにもつながりますので、都としても在り方を再考していただきたいと思います。
以上、再質問を留保して、私の一般質問を終わります。(拍手)
〔港湾局長松川桂子君登壇〕
○港湾局長(松川桂子君) さんのへあや議員の一般質問にお答えいたします。
私からは、四点のご質問にお答えいたします。
まず、臨海副都心に整備する噴水についてでございます。
コロナ禍以降、来訪者数の減少等で地域の活力が低下し、地元の事業者や水域利用者からにぎわいを求める声があり、来訪者からは、楽しめる施設を増やしてほしいなどの声も寄せられております。
このため、都は、臨海副都心のプレゼンス向上とさらなる発展に向けた取組の一環として、新たなランドマークとなる噴水を整備することといたしました。
次に、噴水の経済波及効果の算出根拠についてでございます。
噴水の整備による経済波及効果につきましては、専門的な見地から客観的に算出するため、外部委託を実施いたしました。
具体的には、台場地区への新規来訪者の消費額と既来訪者の滞在時間増による消費額をもとに算出したものでございます。
次に、噴水の周辺環境への配慮等でございますが、噴水の整備による周辺環境への影響等につきましては、基本設計の段階から継続して検討しており、関係機関等と引き続き調整を行い、必要な対応を行ってまいります。
最後に、噴水の管理を行う上での根拠法についてでございます。
お台場海浜公園に整備する噴水は、船舶交通の安全等を図ることを目的とする港則法や、東京都海上公園条例等に基づきまして、適切に管理運営してまいります。
〔福祉局長山口真君登壇〕
○福祉局長(山口真君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、無痛分娩費用助成の対象についてでございますが、都は来年度、希望する方が安心して無痛分娩を選択できるよう、費用助成を開始することとしております。無痛分娩では、硬膜外鎮痛法が一般的に行われており、この方法を用いた無痛分娩を費用助成の対象とすることとしました。
次に、無痛分娩費用助成の金額についてでございますが、都内の無痛分娩費用は平均約十二万円であり、一定の自己負担を勘案し、助成金額の上限を十万円とすることとしました。
最後に、無痛分娩費用助成の考え方についてでございますが、無痛分娩は、子供を産み育てたいと望む方が安心して出産するための選択肢の一つでございます。
〔保健医療局長雲田孝司君登壇〕
○保健医療局長(雲田孝司君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、無痛分娩の費用助成についてでございますが、都は、無痛分娩の現状などにつきまして、医療機関への実態調査や医療関係者、関係団体などとの意見交換を実施しており、これらも踏まえ、制度設計を行っております。
次に、無痛分娩に係る医療機関の対応についてでございますが、都は、希望する方が安心して無痛分娩を選択できるよう、無痛分娩の費用助成の対象医療機関について、原則として国が作成した無痛分娩の安全管理対策などに関する自主点検表の全項目を満たすことを要件といたします。
なお、都はこれまでも、医療機関において、分娩時における死亡事例等が発生した場合には、医療法に基づき立入検査を行うなど、適切に対応しております。
〔生活文化スポーツ局生活安全担当局長竹迫宜哉君登壇〕
○生活文化スポーツ局生活安全担当局長(竹迫宜哉君) 電動マイクロモビリティーに関する三点の質問にお答えをいたします。
まず、シェアリング事業者と連携した取組についてでございますが、都は昨年度、シェアリング事業者等の団体と電動キックボードの安全利用普及啓発に関する協定を締結いたしまして、都の交通安全イベントなどに協力を求めるとともに、都の啓発リーフレットや都民からの声を共有しております。
次に、インバウンドに対する周知の取組についてでございますが、都は、電動キックボードを含む特定小型原動機付自転車の安全利用を促進するため、都が作成をいたしました啓発リーフレットの英語版をウェブサイトで広く周知いたしております。
最後に、安全な車両の普及についてでございますが、都は、道路運送車両法の保安基準に適合した車両であることを示す性能等確認済みシールを啓発リーフレット等に掲載し、利用者に確認を呼びかけております。
〔建設局長花井徹夫君登壇〕
○建設局長(花井徹夫君) 都道における自転車通行空間の整備状況についてでございますが、都は、自転車通行空間整備推進計画に基づきまして整備を進めており、令和五年度末までに累計四百四キロメートルが完成しております。
〔十一番さんのへあや君登壇〕
○十一番(さんのへあや君) お台場海浜公園の噴水は、いつ、誰が発案されたものですか。最終決裁者である小池知事の答弁を求めます。
〔港湾局長松川桂子君登壇〕
○港湾局長(松川桂子君) 臨海副都心に整備する噴水に関する再質問についてお答えいたします。
コロナ禍以降、来訪者数の減少等で地域の活力が低下し、地元の事業者や水域利用者からにぎわいを求める声があり、来訪者からは、楽しめる施設を増やしてほしいなどの声が寄せられております。
このため、都は、臨海副都心のプレゼンス向上とさらなる発展に向けた取組の一環として、新たなランドマークとなる噴水を整備することといたしました。
○議長(増子ひろき君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時十一分休憩
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.