○副議長(谷村孝彦君) 七十三番入江のぶこさん。
〔七十三番入江のぶこ君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕
○七十三番(入江のぶこ君) 報道によりますと、今月二十六日に発生した岩手県大船渡市や山梨県大月市の山林火災によって大きな被害が発生しております。お見舞い申し上げます。
まだ終息の見込みがつかないとの状況とのことですが、この間、東京消防庁としても消火の支援を行っていると聞いております。現在の対応状況について、消防総監に伺います。
さて、五月にはSusHi Tech Tokyo 二〇二五が開催されます。世界中から投資家やスタートアップが集い、未来の都市像を議論、展望する重要な舞台です。こうした場を多くの人々に共有してもらうことが大切です。
例えばフランスのVIVA TECHNOLOGYは、子供たちも参加できる日を設け、テクノロジーに触れられる機会を提供しています。また、アメリカのサウス・バイ・サウスウエストでは、音楽祭や映画祭も組み合わせて、地域全体で大きく盛り上がっております。
今年のSusHi Techで新たに設けられる都民向けパブリックデーは、楽しみながら未来を実感できる場となることが期待されます。また、東京全体で様々なサイドイベントを開催し、食、文化など東京の魅力を広く伝えていただきたいです。そして、国内外のグローバルイベントと連携したPRを行うことで、SusHi Techの価値をさらに高めることができると考えます。
SusHi Tech Tokyo 二〇二五の開催について、知事の見解を伺います。
三回目となる今回のSusHi Techでは、ビジネス面での強化も求められます。スタートアップと投資家などの商談機会を拡充するとともに、アプリのマッチング機能を活用して事前に有望な商談相手を探し面会予約をすることで、当日会場での商談が効率的かつ効果的に行えるようになります。数多くの商談を生み出しビジネスにつなげていくためにどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
このSusHi Tech Tokyoのように多様な人材が言語の壁を乗り越えて交流することは、世界に開かれたエコシステムをつくり上げていくためにも極めて重要です。
私は、昨年の予算特別委員会で、こうしたグローバルな交流をさらに活性化することの必要性を指摘し、都は、今年度からイベントを開催する民間事業者への支援を開始いたしました。私も先日、交流イベントの一つに参加しましたが、スタートアップの皆さんが海外投資家からの資金調達や海外への事業展開などについて、英語で活発に議論し交流を深めていました。改めてこうした機会が若い世代と世界をダイレクトにつなぐ窓になると確信しました。
都は、グローバル交流を促進する取組を今後も積極的に進めていく必要があると考えますが、見解を伺います。
東京からグローバルに展開するスタートアップを生み出すための土台として、都は、TIB、Tokyo Innovation BaseやSusHi Tech Tokyoの構築を進めてきました。この大きなプラットフォームを生かして、スタートアップの成長を強力に後押しし、東京発のユニコーンを輩出すべきです。
東京は、日本のスタートアップの約七割が集い、また、数多くの大企業や投資家が集まるという集積の強みを持ちます。こうした中からダイヤの原石を見いだし、それを徹底して磨き上げるということが重要です。
東京から世界に羽ばたき、社会を大きく変革するようなスタートアップを生み出していくためにどのように支援を展開していくのか、見解を伺います。
金融の世界では、ブロックチェーン技術を活用したWeb3分野でのイノベーションが進み、暗号資産やデジタル証券などの商品はさらに社会に広まりつつあります。日本でも暗号資産への投資が増加しており、金融庁が暗号資産を有価証券に並ぶ金融商品として位置づける方向で検討に入っているとの報道も出ています。フィンテック分野におけるこれらのイノベーションの成果が都民の投資の選択肢をさらに広げ、貯蓄から投資への流れを加速すると期待されます。こうした新しい分野の取組を都民に分かりやすく浸透させていくことが必要です。
都は、かねてよりデジタル証券普及に向けたシンポジウムなどに取り組んでいますが、関係者との連携を一層密にし、フィンテックのさらなる振興に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
東京ベイeSGプロジェクトについて伺います。
今回公表されたバージョン二・〇では、二〇三五年のベイエリア、臨海副都心は、私がこれまで議会で求めてきたとおり、世界レベルのアートやエンタメ、スポーツ大会、ナイトタイム観光などにより、魅力を高め新たな創造地となる姿が描かれております。民間企業の皆様からは画期的なご提案もいただきました。
例えばグリーン水素をメインのエネルギー源にして、サーキュラーエコノミーを実現した最新のエンターテインメント施設などを官民一体で構築すること。そこでは、シニアや女性の皆さんの雇用を生み出し、さらには世界に羽ばたくアーティストや和食の料理人を育成していくことなどです。持続可能でウエルビーイングなベイエリアをぜひ実現していただきたいと思います。
今回のバージョンアップにより、未来に向けてベイエリアでどのようににぎわいのあるまちづくりを目指していくのか、知事に伺います。
二〇五〇東京戦略について伺います。
私は、昨年度より東京ナイトタイム戦略の推進を求めてまいりました。人と人がつながる、コミュニティができる、イノベーションやクリエーションが生まれるという特徴があるのがナイトタイムです。ナイトタイムを盛り上げる官民の取組を面的に広げ、世界に発信していくことで、東京のさらなるプレゼンス向上、経済活性化が実現すると考えております。
先月公表された二〇五〇東京戦略に、戦略的なナイトタイム観光の推進が新たに加わっていることを高く評価いたします。さらなる飛躍に向けて取組の一層の強化が重要です。
そこで、ナイトタイム観光の推進について、新たな戦略の中でどのように位置づけられているのか、見解を伺います。
東京を訪れる外国人旅行者にとって一番の楽しみとなっているのが食です。二〇五〇東京戦略は、世界一の美食都市の政策を掲げています。二〇二二年、コロナ禍の中でも新規に立ち上げることができた食のフェスティバル、Tokyo Tokyo Delicious Museumは、東京ベイeSGプロジェクトVersion二・〇のアクションプランにも位置づけられています。食の魅力は世界最高の観光都市、東京を実現する上で大変重要であり、また、飲食業界の振興も必要です。
インバウンドをさらに活発にするためにも、世界の旅行者に対して東京の食の魅力を一層広く伝えていくべきと考えますが、見解を伺います。
東京のさらなる成長と経済活性化に向かう上で、観光の力は重要であり、特に夜の時間帯は大きなポテンシャルを秘めています。二〇五〇東京戦略にはナイトタイム観光の推進が盛り込まれ、都の方針としてしっかり位置づけられました。
ナイトタイム観光の活性化に向けては、有識者による議論でも意見があったように、地域全体で夜を盛り上げようとする行政の旗振りが重要です。その上で、安全・安心の確保とにぎわいづくりを両立できるよう、都民や地元の事業者が関わりながら取組を進めていくことが大切です。
こうした視点を踏まえ、ナイトタイム観光の新たな展開に向けた取組が必要と考えますが、見解を伺います。
さて、映画をはじめとした日本のコンテンツ産業の海外売上高が五兆円規模となり、基幹産業となっています。とりわけ、日本の映画やドラマシリーズ作品は海外の有力な賞を受賞するなど、ますますの発展が期待されています。こうした日本映画や海外の作品の舞台として、東京のまち並みが登場することは、そのロケ地の訪問を目的とした観光客の誘致につながります。
一方で、一部の映画関係者の間では、東京での撮影は困難であるとの認識も根強く、東京での円滑なロケが可能となるようなサポート体制をつくることが重要です。
そこで、東京での映画撮影などに対する誘致を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
二〇五〇東京戦略では、文化、エンタメの力を総結集し、東京が世界を魅了と明記していただきました。都のこれまでの文化施策を振り返ると、まず文化関連予算は、この十年間で国は横ばいなのに対し、都の予算は一・五倍となりました。芸術文化分野が危機的状況に陥ったコロナ禍では、いち早く支援策、アートにエールを立ち上げ、二万人以上のアーティストなどを支援してきました。そして、芸術文化魅力創出助成やライブステージ応援助成など、要望していたエンターテインメント分野にも支援対象を広げていただきました。
また、東京芸術文化相談サポートセンター、アートノトの開設や創作環境を提供するSTART Boxなど、アーティストなど個人への支援も進めています。このように、幅広い文化施策は多くの方から評価を受けております。
芸術文化の力で世界を引きつける都市東京の創造性を一段と高めていくためには、その担い手であるアーティストなどへの支援をさらに充実させていく必要があると考えますが、見解を伺います。
都立中央図書館は、港区から渋谷区の神宮前五丁目地区に移転することが決まりました。そのエリアでは劇場や創業支援などの機能が予定され、中央図書館は、創造、交流図書館をコンセプトに、まちづくりの軸になるとされています。新たな図書館においては、映像や音楽やメディアアートなども充実させ、来館者の創造性や可能性を広げていくことを目指していただきたいです。
多様な人々が楽しみ、発見しながら、最新のテクノロジーも活用し、改めてリアルやデジタルの本の価値や重要性も認識する、そんな体験の場となるように新たな都立中央図書館を整備していくべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
都内経済を支えている中小企業の倒産件数が増加する中、後継者不足や経営悪化を理由とする件数も年々増加しており、事業承継が喫緊の課題となっています。有名な飲食店などサービス業が大手企業や外資とのM&Aを検討しているとのご相談もあります。M&Aによる第三者承継は、中小企業にとって有効な選択肢の一つとなっているものの、譲渡先企業を見つけられない、自社を正当に評価してもらえるのか不安といった声もあります。
都内の中小企業が第三者承継を活用して事業承継に取り組んでいけるよう支援を拡充すべきと考えますが、見解を伺います。
さて、メンタルヘルス不調による都内公立学校の教職員の休職者数は令和五年度に八百三十名に上るなど、依然として厳しい状況が続いております。休職となった職員がその後安心して気持ちよく職場に戻れるようにする対策が重要です。
民間企業では、メンタルヘルス不調により休職している場合、所属部署の上司が関わることを控え、むしろ職場から切り離す形で療養に専念する環境を整えるという方向性になっています。また、上司が休職者の職場復帰に向けて環境を整えていくことが重要です。教育長の見解を伺います。
日本では、博士号取得者が必ずしも社会で十分に評価、活用されていないことなどにより、海外の大学や企業に移るケースが見られます。優秀な人材が海外で活躍することは大変重要ですが、国内の様々なフィールドで博士人材が活躍していくためには、企業との連携強化、研究環境の充実などが求められます。
そこで、多くの大学が集積し学生が集まる東京において、博士人材の活躍に向け取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
最後に、港区の日の出ふ頭は水上バスやレストラン船が発着する桟橋があり、東京港における舟運の拠点の一つです。そして、日の出ふ頭からの東京港の美しい眺望は世界にアピールできるほどの魅力を有していますが、そのポテンシャルを十分に生かし切れない状況であります。
そこで、日の出ふ頭を、舟運はもちろん、ナイトタイム観光も可能な新たなにぎわいの拠点として大規模にリニューアルすべきと考えますが、見解を伺います。
質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 入江のぶこ議員の一般質問にお答えいたします。
まず、SusHi Tech Tokyoについてであります。
世界中のあらゆるプレーヤーが東京に集い、持続可能な未来の都市について語り合う、夢やアイデアが交差する中から社会を変えるテクノロジーが生まれていく、こうした未来を実現するわくわくを次代を担う若者や子供たちに伝え共有したいと思っております。
新たに設けますパブリックデーでは、スタートアップの技術のすごさを学ぶツアーに加えまして、大型ロボットの操縦体験やVRを活用したゲームなど、家族連れや学生たちも楽しめる様々なプログラムを展開してまいります。
また、国内外の都市や企業などと連携いたしました交流イベントを東京の至るところで開催をし、食や音楽なども楽しんでいただきます。今月開催されました愛知のTechGALAなど、各地のカンファレンスとも連携いたしましたPRを通じて幅広く参加者を集め、みんなでSusHi Techを盛り上げてまいります。
次に、東京ベイeSGプロジェクトについてであります。
かつて渋沢栄一や後藤新平ら偉大な先人たちは、持続可能性を希求し、大胆な未来のビジョンを描きました。その精神を受け継ぎまして、五十年、百年先を見据え、ベイエリアを舞台に、自然と便利が融合する持続可能な都市をつくり上げる取組を進めております。
これまで、中央防波堤の巨大実装エリアで、空飛ぶクルマや再生可能エネルギーなど様々な最先端技術の実装を進めるほか、SusHi Techなどの場を通じまして国内外に取組を発信してまいりました。
今般、これらの成果を踏まえまして、まち中への実装の加速やにぎわい創出などの観点からアップデートいたしました。
成長の鍵となるGXやDXを強化するとともに、多様な主体の連携、参画を促す機会をつくってまいります。さらには、文化、エンタメ、スポーツの世界有数の発信地としていくため、噴水や光の演出による唯一無二の体験を生み出すなど、官民連携で広大な空間や水辺を生かしたベイエリアならではのにぎわいを創出してまいります。
先駆的な取組で未来のまちづくりを牽引し、新しい価値を生み続ける世界のモデル都市を実現してまいります。
なお、その他の質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
〔教育長坂本雅彦君登壇〕
○教育長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えをいたします。
まず、新たな中央図書館の整備についてでございますが、世界の図書館が創作活動や利用者の交流の場となる役割を果たす中、そうした機能を新たな中央図書館に取り入れ整備を進めることは重要でございます。
このため、都教育委員会は、中央図書館に関し、所蔵している本やデジタル技術を使った創作活動やワークショップによる交流を支援する拠点として整備を図ります。
この整備の場所は、誰もが集い、つながる開かれた智の創造拠点をエリアの将来像に掲げまちづくりを行う神宮前五丁目地区といたします。また、同地区に導入予定の劇場や起業支援等、多様な機能と連携を図り、複合的で総合的な効果を発揮できるよう、新たな図書館の整備に取り組んでまいります。
次に、心の病で休職する教員の職場復帰の支援についてでございますが、精神面の不調で休職する都立学校の教員が円滑に職場へ復帰できるよう、休みに入った直後から専門家がサポートし、管理職も適切に対応することは重要でございます。
これまで都教育委員会は、心の病の病状が回復しつつある教員について、専門家が相談をして職場への復帰訓練のサポートを行ってまいりました。来年度から、休みに入った直後から臨床心理士等が病状を把握し助言を行い、職場への復帰に向けた継続的な支援を開始いたします。
また、休職する教員への管理職によるサポートに関し、これまで学校の要請に応じノウハウ等の提供を行ってまいりましたが、今後は、休職者の出る全ての都立学校に対応を行ってまいります。
〔消防総監吉田義実君登壇〕
○消防総監(吉田義実君) 現在、各地で発生している林野火災への対応状況についてでございますが、岩手県大船渡市の林野火災には、二月二十七日、消防庁長官から、消火活動及び指揮支援活動を行うため緊急消防援助隊として部隊を出動させてほしい旨要請があったことから、消防車両四十一台、消防隊員百二十一名を二月二十八日未明より派遣いたしました。
一方、山梨県大月市の林野火災には、消防総合応援協定に基づく応援要請により消防ヘリコプター一機を出場させ、二月二十七日から空中消火を実施しております。
今後も災害の動向を注視し、応援体制に万全を期してまいります。
〔スタートアップ・国際金融都市戦略室長吉村恵一君登壇〕
○スタートアップ・国際金融都市戦略室長(吉村恵一君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、SusHi Tech Tokyoでの商談についてでございます。
起業家と大企業、投資家などを結びつけ、協業や資金調達などスタートアップの成長につながる具体的な成果を生み出していくことが重要でございます。
このため、五月のSusHi Techでは、商談件数五千件の達成に向け商談場所を大幅に拡充するとともに、マッチング用のアプリにつきまして、条件に合った相手を自動で推薦する機能の追加や、面談の申込みから日時、場所の予約などを円滑にできる機能改良を行います。
また、海外の有力な投資家に対して有望なスタートアップとの面談に向けた個別のコーディネートを行うなどにより、効果的な商談機会を生み出してまいります。
次に、グローバルな交流の促進についてでございます。
東京からイノベーションを生み出すためには、世界から多様な人材が集まり、言葉の壁を越えて交流することが重要でございまして、都は今年度から、英語による民間の交流イベントへの支援を開始いたしました。事業者が持つネットワークを生かし、世界各都市のプレーヤーによるセッションや、海外の女性起業家を招いた勉強会などが行われ、東京と世界の新たなつながりが多数生み出されております。
今後、こうした事業者との連携をさらに進めるとともに、TIBや世界中から多くの人々が集まるSusHi Techの機会を生かして様々な交流イベントを実施するなどにより、言葉の壁のない東京の実現につなげてまいります。
次に、世界に羽ばたくスタートアップの創出についてでございます。
都は、来年度、社会を変革するテクノロジーやアイデアを持ち世界市場に挑戦するスタートアップを集中支援する新たな取組、SusHi Techグローバルを開始いたします。実力と熱意を持ったグロース期の企業約百社を選抜し、世界で戦うためのマインドセットやビジネス、資本戦略の練り上げと実践を国内外の投資家、海外での上場経験を持つ経営者、さらにはグローバル企業など様々な支援者が強力にサポートいたします。
特にポテンシャルのある企業には、海外展開に向けた都からの資金支援やトップセールスを含めた強力なプロモーションを展開し、その飛躍的成長を後押ししてまいります。
最後に、フィンテックの振興についてでございます。
革新的な金融技術を都民の便利で豊かな生活につなげるには、関係者が黎明期の技術がもたらす未来を共有し、社会に幅広く浸透させる取組が重要でございます。
このため、デジタル証券につきましては、昨年に引き続き発行企業や金融機関などが参加するシンポジウムを来月開催し、発行ノウハウや課題などを学び合うとともに、今回は小口発行が可能な利点を生かし、個人が投資を通じて企業を応援する取組などについて議論を深めます。
また、五月のSusHi Techでは、Web3がもたらす未来を語るセッションを行い、技術の発展と普及を促します。
こうした取組により、フィンテックの振興を加速してまいります。
〔政策企画局長佐藤章君登壇〕
○政策企画局長(佐藤章君) 二〇五〇東京戦略におけるナイトタイム観光のご質問にお答えします。
ブロードリスニングで集まった二万七千件を超える声も踏まえ、観光分野を戦略の柱として新設し、訪れるたびに新しい体験や発見がある、世界を引きつける東京へというビジョンを掲げております。
その実現に向け、旅行者が東京の魅力を夜間も含めて余すことなく楽しめることが重要であり、官民が連携し、光や水景などを生かした多彩な夜間コンテンツの充実や、地域に根差したナイトタイム観光などに取り組んでいくこととしております。
今後、新たな戦略の下、都市の魅力を磨き上げ、世界中の誰もが夢中になる東京を実現してまいります。
〔産業労働局長田中慎一君登壇〕
○産業労働局長(田中慎一君) 四点のご質問にお答えいたします。
初めに、旅行者に向けた食の魅力の発信についてでございます。
外国人旅行者のさらなる誘致を図るためには、東京の多彩な食の魅力を効果的に伝えることが重要でございます。
都は現在、東京のグルメを堪能できる大規模なフェスティバルの開催や、地元で受け継がれてきた食文化を体験できるツアーの実施などに取り組んでおります。
来年度は、東京ならではの食材や調理方法などをPRする取組につきまして、参加メディアを増やし、海外への発信を強化いたします。また、和食をはじめ、東京で楽しめる多彩な料理や都内におけます食のイベントを紹介するウェブサイトを新たに設け、食の情報を一元的に提供いたします。
これらによりまして、食の魅力を生かした旅行者誘致を進めてまいります。
次に、ナイトタイム観光の新たな展開についてでございます。
東京が国際観光都市としてさらに発展していくためには、ナイトタイム観光の活性化が必要不可欠でございます。
これまで都は、都庁舎のプロジェクションマッピングや地域におけるライトアップへの支援などを行い、夜間における観光の魅力向上に取り組んでまいりました。
来年度は、地域の実情を踏まえたナイトタイム観光を一層推進するため、優れた取組事例などを関係者間で共有する場を設けます。また、先導的な取組を進める地域を都が選定いたしまして、地元自治体や事業者が住民の声を聞きながら取り組みます生活環境と調和した夜間の誘客を後押しいたします。
これらによりまして、持続可能なナイトタイム観光を推進してまいります。
次に、映画撮影等を通じた東京の観光振興についてでございます。
映画等により、東京の魅力を国内外に広く発信することは、旅行者を誘致する上で効果的でございます。
都は現在、ロケ撮影の支援窓口を設置し、映画関係者と道路交通や施設管理者との調整を後押しするほか、海外作品の撮影等に必要となる経費を助成しております。
来年度は、撮影ニーズの高い地域を担当する専任スタッフを新たに配置し、地元関係者との連携を深め、より円滑なロケにつなげてまいります。また、海外の映画関係者を招きロケ地ツアーを実施するほか、撮影経費の助成限度額を引き上げ、海外作品のロケ地としての活用を一層促してまいります。
これらにより、映画等を通じた旅行者誘致を進めてまいります。
最後に、中小企業の事業承継に向けた支援についてでございます。
都内産業の持続的な成長のためには円滑な事業承継が不可欠であり、後継者の確保が困難な中小企業にとって、第三者への承継は効果的な手法でございます。
そのため、都は、事業承継を検討している企業に対しまして、アドバイザーが訪問し助言等を行うとともに、M&Aの手続についてきめ細かな支援をしてございます。
来年度は、さらに事業承継を進めるため、中小企業振興公社に登録した後継者不在企業と創業希望者とのマッチングを行います。また、小規模企業が正当な価格で譲渡できるよう自社の評価を行う場合、対象経費の全額を助成いたします。
これらによりまして、中小企業の事業承継を強力に後押ししてまいります。
〔生活文化スポーツ局長古屋留美君登壇〕
○生活文化スポーツ局長(古屋留美君) アーティスト等への支援についてのご質問にお答えいたします。
芸術文化の振興には担い手となるアーティストの持続的な活動への支援が不可欠であり、都はこれまで、東京文化戦略で掲げた助成メニューの多様化や若手支援など様々なプロジェクトを推進してまいりました。
来年度は、若手アーティストに創作場所を提供するSTART Box事業においてアトリエを拡充するとともに、新たに舞台芸術の稽古場なども整備いたします。また、活動資金や契約といったアーティストの困り事をサポートしているアートノトでは、芸術系大学で学生向けに講座を実施するなどアウトリーチ活動を充実いたします。
こうした取組により、アーティストの活動を多面的に後押ししてまいります。
〔総務局長佐藤智秀君登壇〕
○総務局長(佐藤智秀君) 博士人材の活躍促進についてのご質問にお答えをいたします。
高度な専門知識と能力を持ち、社会の成長、発展を牽引できる存在である博士人材が社会の様々な分野で一層活躍するためには、企業と大学と学生が連携し、博士人材のキャリアパスを多様化することが必要でございます。
このため、都は来年度、政策連携団体が行う研究や事業などで博士課程在籍中の学生などに教育や研究に資する実践的な場を提供してまいります。さらに、活躍の場を広げるため、民間企業、大学のニーズ調査等を実施いたします。
こうした取組を通じまして、博士人材の有する高度な知見の活用機会の創出につなげてまいります。
〔港湾局長松川桂子君登壇〕
○港湾局長(松川桂子君) 日の出ふ頭の再整備につきましてのご質問についてお答え申し上げます。
鉄道網との接続性に優れた日の出ふ頭は、立地条件のよさに加え、周辺の大規模再開発事業の進展により、多くの人々の往来が期待されますことから、舟運の拠点として高いポテンシャルを有していると認識しております。
都はこれまで、桟橋の整備や事業者と連携し飲食を楽しめる小型船ターミナルの整備を進めるなど、舟運の活性化に取り組んでまいりました。
今後は、さらなるにぎわいの創出に向けまして、周辺の再開発の動向や様々な事業者などの意見を踏まえながら、日の出ふ頭全体の将来像について検討してまいります。
○議長(増子ひろき君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後三時十一分休憩
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.