午後一時開議
○議長(増子ひろき君) これより本日の会議を開きます。
○議長(増子ひろき君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。
○議長(増子ひろき君) 次に、日程の追加について申し上げます。
議員より、議員提出議案第一号、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例外条例三件、知事より、東京海区漁業調整委員会委員の任命の同意について外人事案件三十三件がそれぞれ提出されました。
これらを本日の日程に追加いたします。
○議長(増子ひろき君) 昨日に引き続き質問を行います。
七十八番宮瀬英治君。
〔七十八番宮瀬英治君登壇〕
○七十八番(宮瀬英治君) 最初に、がんです。
二人に一人ががんになる時代。自分や自分の家族ががんになるのではないかとおびえています。早期発見が重要です。
私は、七年前から、血液一滴で十三種類のがんが超早期に分かる取組を知事に提案し続けてきました。その中で、昨年ついに都は、尿の中のマイクロRNAから七種類のがんが超早期に分かる取組に対して、東京都ベンチャー技術大賞を厳正な審査の下、授与しました。血液と尿、どちらも共通するのは、そのたんぱく質内にあるマイクロRNAを凝縮し、分析することで、がんが分かるというものです。このマイクロRNAは、昨年のノーベル生理学・医学賞を受賞した注目の新技術です。
そこで、私はこの商品を実際、自腹でやってみました。知事、食道がんでした。正確には、食道がんの気があり、このまま放置するとステージ一になるといったことが数値で示されました。私は、経過観察を続け、いずれ精密検査を受けるつもりです。現在の公的がん検診は五つに限られ、対象外の膵臓がんなどは、自覚症状が出たときには既に治療困難であり、この技術に期待が集まります。
一方で、この製品には課題もあります。それは、一回当たりの検査に約七万円ものお金がかかることです。私は、この取組をより安く、そして健康診断のオプションとして、誰もが気軽に利用できるようにしたい。厚労省の担当と協議しましたが、国が支援するには、財源の問題や時間がかかり、厳しい状況です。
いずれにせよ、都は、中小企業などが開発したがんの早期発見など都民に役立つ商品やサービスの普及に向けて支援すべきですが、見解を伺います。
今後、この会社に限らず、都は国に先駆け、マイクロRNAによる技術や検査方法が広く普及するよう、がん対策を強化すべきですが、このたび知事特別賞を出した知事の見解を伺います。
がん早期発見、診断、手術の成功は、医師の経験や技量によるところが大きく、助かるか否かは医者ガチャといっても過言ではありません。一方、都立病院には、年間約四十万人もの膨大な病床や医療データがあります。それらを収集し、AIを活用することを提案します。AIを単にデータ入力の効率化だけではなく、診察や手術など医療行為の補助機能として活用すべきです。それらデータは、都の医療政策にも生かすことができます。AIを活用することで、医療の質向上につなげるべきですが、見解を伺います。
次に、災害対策です。
昨年元旦の能登半島地震では、東京消防庁のエアハイパーレスキュー隊が、一月二日に準備を終えていましたが、実際の救助活動は、発災から約六十時間後の一月四日となり、ご遺体の回収が中心であったと聞いております。
私は、首都直下地震でも、全国から迅速な援助が受けられず、助かる命が助からないのではないかと懸念しています。
総務省消防庁の担当と協議すると、陸路が遮断され、通信が滞り、出動が遅れたのが原因とのことでした。さらに、災害時、現在の無線では、大容量のデータ通信ができません。
そこで、安定した通信を確保するため、スターリンクなどモバイル衛星通信機の活用を提案します。通常のネット回線が、パンクや倒壊などで使えなくとも、人工衛星による確実なネット回線が使えれば、緊急時の情報共有が大幅に改善されますが、消防総監の見解を伺います。
現在、既に、都や区市町村の防災部には、大災害に備え、スターリンクが配備されていますが、医療チームも全国から都内で活動します。DMATや災害基幹病院などの十二病院に加え、八十三全ての災害拠点病院にも、スターリンクなどを導入すべきですが、都の見解を伺います。
また、警視庁も、災害時の連絡手段が、無線、紙、ファクスに頼る可能性があるため、今後の導入を要望します。
都庁、区市町村、消防、警察、災害拠点病院などにスターリンクなど衛星通信機があれば、全てがネットでつながり、大容量データ通信が発災時から可能です。例えば、動画やZoom会議、LINEグループなどで情報共有ができ、より迅速な判断と対応が可能です。
都は、関係機関と災害時に確実に連絡が取れるよう、複数の通信手段を確保するとともに、大規模訓練の実施を通じて実効性を高めていくべきですが、見解を伺います。
しかし、スターリンクにも弱点があります。それが太陽フレアです。四か月後の二〇二五年七月以降、太陽の活動が最も活発になり、大規模停電、ネット、携帯が二週間途絶、一一〇番や一一九番、さらには羽田飛行などに甚大な影響が懸念されています。イギリスの保険会社によると、東京の被害額は、世界最多の三千四百億円規模と予想され、国も官民対策会議を開くなど警戒を呼びかけています。
二年前の本会議で私の指摘に対し、都は、国の動向を注視するとの答弁でした。しかし、私が内閣府や総務省のご担当と協議したところ、都も無線システムを含む社会インフラ対策を検討すべきだとの見解が示されました。
そこで、都は、太陽フレアの危険性を広く周知し、併せて重要な都有施設の対策を講じるべきと再度指摘しますが、見解を伺います。
次に、宇宙です。
日本の自動車産業が転換期を迎える中、宇宙産業は、世界で約百四十兆円の規模の成長が見込まれます。実は、ロケット発射は、東側が海であることが重要ですが、日本、特に東京は、小笠原諸島を有する絶好の立地にあります。国も、宇宙基本計画で、日本がアジア中東地域での宇宙輸送のハブを目指す、三〇年代前半までに、ロケットを年三十基打ち上げるとしており、大分県では宇宙港、宇宙ポートの建設が進み、福島県ではロケット実証実験場が稼働しています。
しかし、都では、ほぼありません。内閣府と協議したところ、担当も、東京にこそ宇宙関連企業の支社が集中し、人と技術がそろっていると期待しています。
そこで要望ですが、都は、将来的には伊豆・小笠原諸島などにロケット発射場や宇宙実験場、宇宙港などを整備すべきです。東京に宇宙港ができれば、ニューヨークまで約四十分との報道もあります。まずは人材を育て企業とつなげること、そして、企業同士を結びつけること。国内外の宇宙産業の動向を踏まえ、助成金など都独自の支援を導入することで、民間の宇宙産業への参入を後押しすべきです。見解を伺います。
次に、台湾有事です。
中国の習近平氏は、台湾に対し、武力行使は放棄しないと発言しており、当時の米軍司令官は、中国が二〇二七年までに台湾に侵攻する準備を整えると議会で述べました。台湾有事は日本、そして東京有事です。
都内には、国の中枢機能、東京港など多くの重要インフラ、米軍、自衛隊の基地があり、攻撃対象となる可能性が高い。ミサイル防衛は国の仕事ですが、避難や救援は都道府県の役割です。しかし、都の計画では、有事発生時の対応にとどまり、国が都に対して安全確保を求めている都内の生活関連等施設への事前の対策がありません。
ウクライナ戦争でも、オデッサ港などの物流拠点が真っ先に攻撃されましたが、東日本の物流の六割を占める東京港には、シェルターや避難計画がないと私は一年前より指摘してきました。また、有事では、自衛隊や米軍基地周辺の住民も被害に遭うリスクがありますが、同様です。そのときになって対応するのでは遅過ぎます。
私は、内閣府や防衛省の担当と協議しましたが、都も主体的に関わるべきとの意見がありました。都が優先的にシェルターや避難計画をつくるべきは、麻布十番からではなく、攻撃目標になりやすい都内の重要施設や生活関連等施設からです。
このように、都は、有事の際の計画を見直すべきと考えますが、見解を伺います。
物価高です。
コロナ禍に続く物価高の中、重税で多くの都民が苦しんでいます。国会では、いわゆる百三万円の壁が議論されていますが、都税収入への影響はどれほどなのか、現在議論されている政府案百二十三万円、与党案百六十万円、野党案百七十八万円のそれぞれを伺います。
また、知事は、都税収入が減ることをよしとするのか、それとも都民への減税には否定的なのか、知事は国の動向を注視するというのみで、その賛否を述べません。政治家としての賛否を小池知事に伺います。
選挙です。
さきの総選挙では、私は投票所入場券を持たずに投票所に行きましたが、そこで職員が、私の名前と住所のみを口頭で確認し、身分証などによる本人確認はなく投票ができました。また、SNS上では、なりすましが可能ではないかとの投稿も見られます。
選挙は、民主主義の根幹であり、本人確認を徹底すべきですが、罰則を含めて見解を伺います。
最後に、満員電車です。
都営地下鉄三田線は、一部が八両編成化されましたが、私は、残りの車両の八両化を都議会で何度も取り上げてまいりました。都営三田線の完全八両編成化は、地元の長年の悲願であり、都は早急に実施すべきと考えますが、見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
〔産業労働局長田中慎一君登壇〕
○産業労働局長(田中慎一君) 宮瀬英治議員の一般質問にお答えいたします。
二点のご質問をいただきました。
まず、中小企業の優れた製品等の販路拡大についてでございます。
中小企業が、革新的な製品やサービスの受注を獲得していくためには、信用力や知名度の向上を図ることが効果的でございます。
このため、都は、東京都ベンチャー技術大賞の受賞企業に対し、市場展開に向けた助言など経営面の支援を行うとともに、展示会への出展等によるビジネスチャンスの獲得をサポートしまして、製品等の普及促進につなげてまいります。
次に、宇宙産業への支援についてでございます。
宇宙産業は、民間を中心に産業化が進むなど、成長が期待される分野であります。
このため、都は来年度から、中小企業に対し、新たに宇宙分野で開発経験のある企業等によるセミナーに加え、参加企業や関連機関等の交流会を実施いたします。また、衛星等に係る機器やサービス開発などに必要な経費を助成いたします。
これらによりまして、東京における宇宙ビジネスの活性化を図ることとしてございます。
〔保健医療局長雲田孝司君登壇〕
○保健医療局長(雲田孝司君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、がん対策についてでございますが、都は、新たな技術によるがんの検査方法に関する調査研究の充実を図り、効果検証を進めるよう国に提案要求しており、引き続き、取組を求めてまいります。
また、新たな技術による検査方法の研究開発の状況等を踏まえ、必要に応じ関係機関に情報提供してまいります。
次に、都立病院の医療情報のデータ利活用についてでございますが、都立駒込病院は、都道府県がん診療連携拠点病院としての院内がん登録を通じて、がん医療の質の向上に向けて取り組んでおります。
さらに、今年度からは、内閣府のプロジェクトである全国の中核的ながん専門病院の診療情報を収集し、統合するデータベース構築の取組に参画しております。
本事業を通じ、集積したデータやデジタルツールの活用などにより、医薬品開発への応用や効果的な治療計画の立案などにつながることを目指し、着実に取組を推進してまいります。
最後に、災害拠点病院における通信手段の確保についてでございますが、都は、大規模災害時の初動対応をより迅速に行うため、災害拠点病院の指定に当たり、衛星電話の保有や衛星回線のインターネットが利用できる環境の整備を要件とするほか、防災行政無線を配備しております。
また、来年度、大容量のデータ通信が可能となる新たな衛星通信設備を各二次保健医療圏の医療救護活動を統括、調整する医療対策拠点となる災害拠点病院に配備してまいります。
〔消防総監吉田義実君登壇〕
○消防総監(吉田義実君) 大規模災害時の通信障害への対策についてでございますが、大規模災害時には、通信障害により、災害現場での情報伝達等に支障が生じるおそれがございます。
このことから、更新する情報通信工作車に、より高速かつ安定した情報通信が可能なモバイル衛星通信機器を積載する予定でございます。
今後とも、大規模災害時の通信障害へ備えてまいります。
〔総務局長佐藤智秀君登壇〕
○総務局長(佐藤智秀君) 三点の質問にお答えいたします。
まず、行政における災害時の通信確保についてのご質問でございます。
都は、大規模災害時に、区市町村や防災機関等との通信を維持するため、震度七の地震にも耐えられる独自の防災行政無線を整備しております。具体的には、光ケーブルや多重無線、閉域LTE、静止軌道衛星など、多様な手段を用いるとともに、多ルート化することで、ネットワークの冗長性を確保しております。
さらに、今年度から、容易に利用できるモバイル衛星通信機器を全区市町村に配置し、運用を開始いたしました。
こうした通信手段を運用するとともに、今後も関係機関と連携した訓練を重ねることで、大規模災害時にも確実に使用できる通信を確保してまいります。
次に、太陽フレア対策についてのご質問でございます。
国は、太陽フレア等の宇宙天気現象が社会インフラにもたらすリスクの軽減を目的とした新たな予報、警報基準を導入するため、警報システムを開発し、実用化に向け運用方法を検討中でございます。都は、その動向を注視しております。
また、太陽フレアが発生した場合においても、災害時の連絡手段を確保するため、電波障害に有効な光回線などを活用した通信網を整備するほか、停電も想定し、非常用電源を確保するなど対策を講じております。
引き続き、国の動向も踏まえて、適切に対応してまいります。
最後に、有事の際の計画についてのご質問にお答えをいたします。
都は、今般、国際情勢の緊迫化やこれまで実施した国民保護訓練の成果などを踏まえ、東京都国民保護計画の変更素案を公表いたしました。
素案では、ミサイル攻撃への対処を強化することとし、緊急一時避難施設の指定の推進、避難行動の普及啓発、実践的な訓練などを盛り込んでおります。生活関連等施設においては、国や関係機関と連携し、有事の際の警備の強化、危険物資等の使用制限等、立入り制限区域の指定等の措置を講じることを引き続き定めております。
今後とも、武力攻撃などの場合に備え、都民の安全・安心を確保してまいります。
〔主税局長武田康弘君登壇〕
○主税局長(武田康弘君) 二点のご質問にお答えをいたします。
まず、いわゆる百三万円の壁の見直しの都の影響額についてでございますが、今月四日に国会に提出された税制関連法案による個人都民税の減収額は、国が公表した地方税全体の減収額を基に機械的に計算をいたしますと約三十六億円となりますが、現在、国民生活や経済に与える影響等を踏まえ、議論が重ねられており、都としては、引き続き、動向を注視してまいります。
次に、いわゆる百三万円の壁の見直しについてでございますが、現在、国民生活や経済に与える影響等を踏まえ、国において議論が重ねられているものと認識しております。
〔選挙管理委員会事務局長川上秀一君登壇〕
○選挙管理委員会事務局長(川上秀一君) 投票所における本人確認についてでございますが、総務省通知により、選挙人が投票所入場券を持参していない場合、本人確認書類の提示を求めることや氏名、住所等の確認を行うこととされております。
なお、なりすまし投票の疑いがある場合は、区市町村選挙管理委員会が警察と連携して対応を行っており、詐偽投票罪の対象となることをホームページ等で周知しております。
今後も、投票所の設置、管理を行う区市町村選挙管理委員会の会議等において、適切な対応を求めてまいります。
〔交通局長久我英男君登壇〕
○交通局長(久我英男君) 都営三田線の八両化についてでございますが、三田線では、車両更新に合わせて、令和四年度に、十三編成を六両から八両に長編成化し、輸送力を増強いたしました。
一方で、現在もお客様の増加が続き、また、都心部を中心に大規模なオフィスビルやマンションの建設が進んでいることなどから、次期更新車両についても長編成化することとし、令和九年度に一編成、その後、令和十一年度までに十編成を八両編成化いたします。
今後も、輸送需要の変化を踏まえまして、快適通勤を推進してまいります。
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