午後一時開議
○議長(増子ひろき君) これより本日の会議を開きます。
○議長(増子ひろき君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。
○議長(増子ひろき君) 昨日に引き続き質問を行います。
三番東まり子さん。
〔三番東まり子君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕
○三番(東まり子君) ホームドア整備の加速について伺います。
武蔵野市のJR中央線の駅である吉祥寺駅、三鷹駅、武蔵境駅では、毎日十万人以上が利用しているにもかかわらず、ホームドアが設置されていません。地元武蔵野市民からは、ホームドア設置について多くの要望を受けています。
都は、昨年夏に鉄道事業者や国が参画する協議会を立ち上げ、先日、二〇二八年までに約六割のホームに設置を目指すとして、事業者と共同宣言を行いました。武蔵野市内のJR中央線の駅は利用者も多く、ホームドア整備が急がれる重要な駅であり、早期整備を進めるべきと考え、都の見解を伺います。
次に、防犯対策について伺います。
いわゆる闇バイトが関係する犯罪への対策は、喫緊の課題です。バイトという言葉の軽さから誤解を招き、犯罪が多発していると考えます。武蔵野市内でも不審者の目撃情報があり、住民の方からは、自分の家も強盗に押し入られるのではないかといった不安の声を聞きます。
都が令和七年度予算案に新たに計上した、家庭用防犯カメラなど、防犯機器への補助実施に当たっては、市区町村において住民の負担をさらに減らすなど、動きがあると聞いています。新たに始まる補助事業について、市区町村が主体的に利用できるよう、都が支援する必要があると考え、見解を伺います。
また、こうした闇バイトをはじめとする犯罪への対策を強化していく上では、それを担う執行体制の強化も重要です。
都は先般、令和七年度の組織改正案を公表し、現在の生活文化スポーツ局を再編し、新たに都民安全総合対策本部とスポーツ推進本部を設置することとし、本定例会において、生活文化スポーツ局を生活文化局に改める条例を提出。これまでの取組を一層推進する体制となることを期待し、今回局を再編し、新たに両本部を設置する狙いについて、知事の見解を伺います。
次に、働く女性の健康課題について伺います。
国の調査によると、女性特有の健康課題により、勤務先で困った経験があると答えた女性従業員は約五割に上ります。こうした状況を踏まえ、我が党はこれまでも女性の健康課題による経済損失や対応の必要性を指摘してきました。
国では、事業主の行動計画に女性特有の健康課題への取組を盛り込む法改正が検討され、課題認識は広まりつつあるものの、事業者として何をすればよいか分からないと感じている企業も多く、働く女性が増加し、その活躍が一層期待される中、女性ならではの健康課題に対処していくことが急がれます。
都は、女性活動をリードしていくために、働く女性の健康課題への理解や職場環境の整備を企業に促していくべきと考えますが、松本副知事の見解を伺います。
次に、災害時物資輸送のラストワンマイル対策について伺います。
能登半島地震においては、発災後数日間のうちに地域内輸送拠点に送られてきた大量の支援物資が滞留し、避難所へ物資を速やかに届けられなかったという課題が顕在化しました。避難されている方々の生活を守る支援物資は、発災後速やかに提供しなければなりません。
市区町村において、避難所で物資配布などを円滑に行うことに加え、地域内輸送拠点で送られてくる物資を仕分けして、避難所まで迅速に届けられる体制をあらかじめ準備しておくラストワンマイル対策が大変重要となってきます。
都は、市区町村に対して、ラストワンマイル対策を支援すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、境浄水場再構築について伺います。
都の浄水場は、高度経済成長期に集中的に整備されてきましたが、いよいよ大規模浄水場である東村山浄水場の更新が二〇三〇年代から始まると聞いています。東村山浄水場の更新時には、大幅に施設能力が低下するため、水道局では、あらかじめ代替浄水場として、世田谷区や渋谷区など、区部の広い地域に給水する境浄水場を再構築することとしています。
水道事業では、大量のエネルギーを使用するなど、環境に対して影響を与えていることから、初の代替浄水場整備については、今後の浄水場の脱炭素化に向けた指針となるような取組を進めていくべきと考えます。
そこで、境浄水場再構築における環境負荷低減に向けた考え方と現在の取組状況を伺います。
次に、医療DXの推進について伺います。
武蔵野市において救急医療などを担ってきた吉祥寺南病院が、昨年九月末で診療を休止しました。二十四時間体制で患者を受け入れている二次救急医療機関の休止は衝撃的なニュースでした。
高齢化の進展に伴い、救急医療の需要が増加する中で、救急医療体制の確保は喫緊の課題です。複数の病院に断られ、救急患者の受入先の選定が困難な東京ルール事案も増えており、医療圏ごとに設置されている地域救急医療センターの役割は、ますます重要となります。
都は、転院先調整を担う救急患者受入れコーディネーターを東京消防庁に配置し、転院搬送調整を行っていると聞いています。今後さらに医療DXの活用により業務効率を向上させていく取組を導入していくことが急務だと考え、都の見解を伺います。
また、こうした転院調整を円滑にし、医療連携を緊密にするためには、医療DXの核である電子カルテが重要と考えますが、その核となる電子カルテについて都内医療機関の導入率は、令和五年時点で、病院が約七割、診療所が約六割にとどまっています。医療機関の経営環境が厳しくなる中、電子カルテの導入をより促進するための取組について、都の見解を伺います。
次に、外国人旅行者向けのマナー啓発について伺います。
昨年の訪日外客数は三千六百万人を突破し、過去最高を更新しました。都内各地で多くの外国人旅行者が東京観光を楽しんでいる姿が見られ、好調なインバウンド需要は地域経済に多大な恩恵をもたらしています。
一方で、外国人旅行者が多く集まる場所では、マナー違反による都民への影響が懸念されます。例えば、電車の中で大きな荷物を座席に置いて、ほかの乗客が座れなくなったり、指定の喫煙所以外の場所で喫煙をするなどのケースが見受けられます。
外国人旅行者は、日本の習慣やルールを熟知していないために、無意識にマナー違反をしていると考えます。よって、外国人旅行者が多く利用する駅や観光スポットで、現場で掲示を行うことで、マナーの周知を図ることが効果的だと考えます。市区町村や鉄道事業者と連携し、具体的な外国人旅行者へのマナー啓発を進めるべきと考えます。都の見解を伺います。
次に、多摩地域における下水道管の老朽化対策について伺います。
八潮市の道路陥没は、県が管理し、十二市町の下水を受け入れる流域下水道管に起因すると報道されており、約百二十万人に下水道の使用自粛が要請されるなど、市民生活に甚大な影響が生じました。
国はこれを受けて、陥没箇所と同様の大規模な下水道管を対象に緊急点検を関係自治体に要請し、都においては、清瀬市など四市にまたがる流域下水道幹線が対象となったと聞いています。
多摩地域の流域下水道は、昭和四十年代に導入され、三十市町村の下水の大部分が、市町村が管理する公共下水道を通じて都が管理する流域下水道幹線に集められて、下水が処理され、長年にわたって市民生活を支えています。
多摩地域四百万人の生活を支える流域下水道が将来にわたって適切に維持管理され、健全に保たれることは極めて重要であると考え、流域下水道幹線の老朽化対策と八潮市の道路陥没を受けた対応について伺います。
次に、子供政策の推進について伺います。
都が一月に公表したこども未来アクション二〇二五では、多様な手法で子供の声を聞き、対話を実践しながら子供政策を推進していくこととしています。あわせて、市区町村との連携が不可欠です。子供政策の現場を担う市区町村と連携しながら、子供の意見を把握し、具体的な施策につなげていくべきと考えます。都の見解を伺います。
次に、健康食品の安全対策について伺います。
健康食品の機能性表示食品は、国に科学的根拠を届け出ることで、脂肪の吸収を穏やかにしますなどの表示が可能となり、消費者に広く受け入れられていますが、昨年三月に小林製薬が製造販売した紅こうじを含む機能性表示食品は、全国的な健康被害をもたらし、大きな問題となりました。都は紅こうじの問題を受け、今後どのように取り組んでいくか、見解を伺います。
最後に、マイナンバーカードと運転免許証の一体化の広報啓発について伺います。
マイナ免許証は、運転免許証とマイナンバーカードを一体化したもので、いよいよ三月二十四日スタートと聞いています。運転免許証の一体化を都民へ広く周知するために、一体化にどのようなメリットがあるか、また、普及に向けてどのように広報啓発を行っていくのか。警視庁の取組を伺います。
以上で一般質問を終わります。(拍手)
[知事小池百合子君登壇]
○知事(小池百合子君) 東まり子議員の一般質問にお答えいたします。
生活文化スポーツ局の再編についてであります。
社会情勢の変化や事業動向を踏まえつつ、直面する喫緊の課題を迅速に解決するためには、機を逸することなく対応していくことが重要でございます。
今回の組織改正でございますが、闇バイトを利用した凶悪犯罪の増加など、犯罪が多様化、巧妙化している状況、また、国際大会を連続して開催し、都民の注目がスポーツに集まる機会を捉まえまして、施策を一層推進する体制を構築するものでございます。
それぞれ本部組織とすることによりまして、これまで築き上げてまいりました局との連携関係を生かしつつ、意思決定を迅速化し、機動性を高め、実効性ある施策を強力に展開をしてまいります。
残余のご質問につきましては、副知事、警視総監、都技監及び関係局長が答弁をいたします。
〔副知事松本明子君登壇〕
○副知事(松本明子君) 働く女性の健康課題への対応に関するご質問にお答えいたします。
未来への原動力は女性の力。その確信の下、女性が様々なライフイベントに合わせて働き方を選択し、仕事で力を発揮し続けられる環境を整えることが重要でございます。女性が月経や更年期などに伴う就業上の困難や悩みを解消し、活躍を続けられるよう支援してまいります。
来年度は、女性特有の健康課題への企業の理解を促すため、経営者向けのセミナーや働きやすい環境づくりへのコンサルティングを新たに実施いたします。また、勤務の仕組みや福利厚生を通じて働く女性をサポートする企業の優れた取組の事例紹介を充実させまして、ウェブサイトなどにより広く発信してまいります。
全ての女性が希望する働き方を実現できる社会を目指し、女性活躍の輪を広げてまいります。
〔警視総監迫田裕治君登壇〕
○警視総監(迫田裕治君) マイナンバーカードと運転免許証の一体化についてでありますが、本制度では、マイナ免許証のみ、マイナ免許証と運転免許証の両方、それから運転免許証のみの三通りの保有形態が選択可能となります。
一体化のメリットといたしましては、マイナ免許証のみを保有する方は、住所変更等の手続が区市町村への届出にワンストップ化され、警察での手続が不要となること、また、マイナ免許証を保有する方で講習区分が優良または一般の方は、オンラインでの更新時講習が受講可能となること等が挙げられます。
警視庁におきましては、これらのメリットを含め、マイナ免許証の運用開始について、運転免許証の更新連絡はがきへの掲載のほか、ポスター、ユーチューブ等での情報発信や区市町村との連携などにより、さらなる周知に努めてまいります。
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕
○東京都技監(谷崎馨一君) JR中央線のホームドア整備についてでございます。
ホームドア整備の促進には、鉄道事業者の積極的な取組が不可欠でございます。JR東日本は、武蔵野市内の吉祥寺、三鷹、武蔵境の三駅で、ホームドア整備に向け設計や工事を進めております。
また、今年度、協議会において取りまとめました事業者への直接補助や技術、施工面における対策の共有などの加速策を活用し、令和十年度末までに中央快速線や中央総武緩行線などを中心に整備を進めていくこととしております。
都は、鉄道事業者に新たな補助制度など加速策の活用を促し、ホームドア整備に向けた取組を進めてまいります。
〔生活文化スポーツ局生活安全担当局長竹迫宜哉君登壇〕
○生活文化スポーツ局生活安全担当局長(竹迫宜哉君) いわゆる闇バイトへの対策についてのご質問でございます。
都では、地域での注意喚起を図るため、必ず鍵かけ、補助フィルムや補助錠の設置など、被害を防ぐためのポイントを示したポスターを市区町村等に配布し、都民に具体的な対策を呼びかけております。
また、来年度から防犯機器等を購入する都民に対し、市区町村を通じて一世帯当たり二万円を上限に補助することとしておりますが、補助額の上乗せや対象品目の選定などにつきましては、市区町村の判断で対応できるよう準備を進めております。
今後とも市区町村と連携し、地域の防犯力向上につながるよう取り組んでまいります。
〔総務局長佐藤智秀君登壇〕
○総務局長(佐藤智秀君) ラストワンマイル対策についてのご質問にお答えをいたします。
今般公表した避難所運営指針の素案において、地域内輸送拠点での物資の仕分け方法や在庫管理、避難所への輸送手段の確立を目指すべき基準としてお示しいたしました。
また、地域内輸送拠点の運営マニュアルや、地域内輸送拠点から各避難所へ迅速に配送するための物資供給計画の作成など、区市町村が直ちに取り組む具体的な方策をガイドラインに取りまとめております。
さらに、拠点運営に必要となるハンドリフトや通信関連資機材などの配備を促進するため、新たに区市町村を支援するための補助金を創設し、避難所に確実に物資が届く体制の確立に取り組んでまいります。
〔水道局長西山智之君登壇〕
○水道局長(西山智之君) 境浄水場の再構築についてでございますが、浄水場では水処理等に大量の電力を使用することから、大規模浄水場更新に向けた代替浄水場の整備を機に、環境負荷のさらなる低減を図ることが重要でございます。
このため、境浄水場の再構築では、浄水場の入り口から出口まで自然流下で水処理が可能な施設配置とするとともに、貯水池からの標高差を活用した小水力発電設備を導入することといたしました。これまでに既存施設の撤去が完了し、令和七年度から高度浄水施設と送配水ポンプ所の築造工事等に着手をいたします。
今後の環境に配慮した浄水場整備のモデルとして、境浄水場の再構築事業を着実に推進してまいります。
〔保健医療局長雲田孝司君登壇〕
○保健医療局長(雲田孝司君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、救急医療における転院先の選定についてでございますが、搬送先の選定が困難なため、地域救急医療センターで一時的に受け入れた患者について転院先を迅速に確保するには、患者情報の伝達にデジタル技術を活用することが有効でございます。
このため、都は、来年度から転院先を調整する救急患者受入れコーディネーターの業務に音声マイニングシステムを導入し、転院元の医療機関から聞き取った患者情報をテキストデータ化して、転院先の医療機関に提供いたします。
こうしたデジタル技術の活用によりまして、業務を効率化し、調整時間の短縮を図ることで、より迅速な転院先の選定につなげてまいります。
次に、電子カルテの導入促進についてでございますが、医療機関相互の連携を効果的かつ効率的に行うには、医療機関が電子カルテを導入し、情報共有の取組を進めることが重要でございます。
都は、二百床未満の病院や有床診療所に対して電子カルテの導入などを支援しており、来年度は二百床以上の病院や無床診療所を対象に加えるほか、小規模な医療機関への補助率を四分の三に引き上げてまいります。また、医療機関でのDXを推進できる人材育成を進めるため、新たに研修受講経費などへの補助を行います。
こうした重点的な支援によりまして、電子カルテの導入を加速させ、デジタル技術を活用した医療連携を推進してまいります。
最後に、健康食品の安全対策についてでございますが、都は、都民に健康食品を安全に利用してもらうため、正しい知識の普及啓発や適正販売に向けた事業者講習会のほか、試買調査による監視指導、医療機関からの健康被害情報の収集などに取り組んでおります。
紅こうじを含む健康食品の健康被害事例を受け、来年度は、健康食品の使用前に医師などへの相談を促す啓発を行うほか、健康被害情報を収集する医療機関を拡大いたします。また、様々な有害物質に対応する最新機器を導入し、検査体制の充実を図るなど対策を強化いたします。
こうした取組によりまして、健康食品による被害の未然防止や拡大防止を一層推進してまいります。
〔産業労働局長田中慎一君登壇〕
○産業労働局長(田中慎一君) 外国人旅行者へのマナー啓発についてのご質問にお答えいたします。
東京が海外から多くの旅行者を呼び込む上で、日本の習慣やマナーを正しく理解してもらうことは重要でございます。
都は、これまで、市区町村が実施するマナー周知等の取組への助成のほか、駅や電車内、空港の広告媒体を活用した啓発、ウェブサイトでの情報発信などを行ってまいりました。来年度は、市区町村におけるマナー周知の対応事例などを共有し、地域の実情を踏まえたさらなる取組を後押しいたします。
また、鉄道事業者等と調整を図りまして、交通機関などのサイネージで放映する啓発動画につきまして、その期間や場所を増やし、外国人旅行者に対する発信を強化いたします。
これらによりまして、日本の習慣やマナーを適切に周知いたします。
〔下水道局長佐々木健君登壇〕
○下水道局長(佐々木健君) 流域下水道幹線の老朽化対策についてでございますが、全幹線延長約二百三十キロメートルを対象に、計画的な調査により健全度を把握し、状態に応じた補修などを実施しております。
八潮市の道路陥没を受けた対応では、直ちに国道及び都道を巡視するとともに、国の要請に基づき、清瀬水再生センターへ流入する流域下水道幹線約十九キロメートルの緊急点検を実施し、さらに、腐食するおそれの高い箇所については追加の点検を行い、異状がないことを確認いたしました。
引き続き、流域下水道幹線の予防保全型管理に取り組み、多摩地域の安全・安心を確保してまいります。
〔子供政策連携室長田中愛子君登壇〕
○子供政策連携室長(田中愛子君) 市区町村と連携した子供政策の推進についてでございます。
都はこれまで、子供の目線に立った先駆的、分野横断的な取組について、包括補助事業を活用して市区町村を支援するなど、市区町村と連携しながら、子供の声を踏まえた政策を推進してまいりました。
こうした取組を引き続き後押ししますとともに、来年度は、地域活動や自然体験など、学校外の多様な体験活動の創出や、地域の特色を生かした遊びの機会の創出に取り組む市区町村を支援する補助制度を創設いたします。
子供のニーズを捉えた取組を地域に広げるため、子供がプロジェクトの企画段階から参画し、様々な意見を反映した取組を優先採択するなど、市区町村と連携し、実効性の高い子供政策を展開してまいります。
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