令和二年東京都議会会議録第十七号

○副議長(橘正剛君) 七十二番岡本こうき君。
〔七十二番岡本こうき君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○七十二番(岡本こうき君) 都が七月上旬に実施した調査で、都内飲食店事業者の受動喫煙防止条例の認知度は九九%と非常に高く、都内飲食店のうち屋内全面禁煙は六九%に上り、昨年度の調査四三%から大幅に増加しました。喫煙可能室は飲食店の一〇・五%で、都が推計していた従業員がいない割合一六%よりかなり低い数値でした。都民の都条例への評価は、よい取り組み、ややよい取り組みだと思うが八七%で、喫煙者も七二%がよい、ややよいと評価しています。
 都議会自民党だけが反対し、他の会派が全て賛成して制定されたこの条例ですが、施行後の条例の浸透率も、都民からの評価も極めて高いものになったといえます。条例の制定及び周知に尽力してこられた小池知事及び関係の皆々様に心より感謝を申し上げます。
 さて、条例制定に伴い、福祉保健局は市区町村の公衆喫煙所の設置に、一カ所当たり上限一千万円、補助率十分の十の補助金を出しています。受動喫煙の防止、路上へのポイ捨て防止のため、一定の必要性があるものと認識しています。
 一方、ごく一部とは思いますが、昨年十月二十九日の厚生委員会で取り上げたように、慎重さを欠いた区の喫煙所設置に近隣住民の反対運動が起きた例もありました。
 また、ことし四月に喫煙所での新型コロナウイルス感染事例が報道され、喫煙所の三密該当性も指摘されています。また、今後、都税収入、都財政も厳しくなると想定されます。来年度、この事業の予算総枠を下げるマイナス予算や補助率のあり方も検討すべきです。
 そこで、公衆喫煙所での感染防止策と来年度の補助金に関する方針について、都の見解を伺います。
 産業労働局は、民間の中小飲食店や宿泊施設の喫煙専用室の設置に上限四百万円の補助金を出しています。一方、たばこ規制枠組条約、FCTC第八条ガイドラインやWHOは、屋内の喫煙所を推奨しておらず、また、改正健康増進法の附帯決議では、喫煙室のない屋内完全禁煙実現に向けて取り組むとされています。
 この補助金は、条例の施行前は喫煙施設の分煙化を促す意味がありましたが、条例が施行された現在では、禁煙の施設を分煙化することにもなってしまいます。もちろん顧客ニーズへの対応など、事業者のさまざまな実情も理解するところではありますが、いずれ終了を検討すべき時期も来るのではと考えます。
 また、先ほど述べたコロナ三密該当性や都財政の問題も共通します。これらを踏まえ、この補助金の来年度の取り組みの方向性について見解を伺います。
 次に、喫煙目的施設についてです。
 健康増進法では、シガーバーなどの喫煙を主たる目的とする施設で、対面でたばこを販売する施設は施設内での喫煙が認められています。冒頭述べた調査では、飲食店の五・六%がこの類型と回答しています。この施設に該当すれば、従業員がいる場合も喫煙営業ができることから、都条例による飲食店規制を免れる方法であるかのように捉えられている嫌いも見られます。この要件は政令で定められていますが、事業主の方々にわかりづらく、十分理解されていないのではと思われます。
 シガーバーではない居酒屋が、たばこ事業法の出張販売許可と主食を提供しないことのみをもって、喫煙目的施設のステッカーを張っている例も見られます。このような事例に対する都の取り組みを伺います。
 次に、第二の受動喫煙ともいわれる、香りの害と書いて香害についてです。
 香害、香りの害とは、柔軟剤、合成洗剤、除菌消臭スプレー、芳香剤などに含まれる香料などの化学物質による健康被害のことです。
 昨年、私から生活文化局にお願いしたところ、東京くらしWEBとらぶるの芽、二〇一九年九月号、自分にはいい香り、隣では気分が悪くなる人も─柔軟剤のにおいの苦情相談が寄せられています─を発行していただきました。改めて感謝を申し上げます。
 さて、昨年十二月からことし三月にかけて、日本消費者連盟など七団体がアンケート調査を行ったところ、七千四百人以上が香りでぐあいが悪くなったことがあると回答し、うち六千三百人以上が、その製品は柔軟剤だと回答しています。
 症状としては頭痛と吐き気が多く、ともに六割以上を占めています。さらには、約二割に相当する千三百人以上が、学校に通えない、仕事を休んだり職を失ったことがあると回答しており、教育や労働の機会が奪われている社会問題に発展しつつあります。
 香害、香りの害による体調不良は、現時点では原因や病態、発症機序は不明とされていますが、原因物質として考えられる柔軟剤成分、香料成分、マイクロカプセル成分、カプセルの破片のPM二・五サイズ程度のマイクロプラスチック、揮発性有機化合物、VOCなどについての有害性を明らかにし、都民に周知していくべきと考えます。福祉保健局の見解を伺います。
 あわせて、東京都健康安全研究センターで調査研究することも検討されるよう求めます。
 先ほどの香害アンケート集計では、病院で香害被害に遭ったという回答は二千三百人以上で三割を超えます。化学物質過敏症支援センターだけの集計ですと、八割以上の方が病院で香りの害に遭ったと回答しています。
 がん患者の方は、薬物療法や放射線治療によってにおいを感じにくくなったり、逆に敏感になったりすることがあり、日常によくあるにおいにも不快感や嫌悪感を生じることが知られています。
 国立がん研究センター中央病院では、エレベーター内に面会者、付添者へのお願いとして、においの強い香水や整髪料等の使用は控えていただくようお願いを掲示しています。エレベーター内というのは、ほぼ全ての面会者が目にする場所ですので、非常に周知効果が高いと思います。
 都立病院及び公社病院は、年間延べ入院患者約百九十万人、外来患者約二百七十万人と多くの患者の方々が利用しています。がん患者、ぜんそく患者、妊婦、慢性疲労症候群、化学物質過敏症、その他の方々が、においで苦痛を受けることのないよう取り組みを進めるべきと考えますが、病院経営本部の見解を伺います。
 消防庁救急隊員においては、従前より、においを発する製品の使用は控え目なものとすることとしていると伺っておりますが、引き続き配慮をお願いいたします。
 なお、強いにおいを控えるなどの強いという表現を使うと、個人差や主観面の問題があるため注意が必要です。国民生活センターも、自分がなれたにおいは感じにくくなり、使用量が徐々にふえると注意を呼びかけています。においが強いかどうかではなく、とりわけ病院や医療関係者においては、可能な限り化学物質によるにおいを発しないよう注意を呼びかけるべきではないかと思います。
 次に、児童養護及び自立支援についてです。
 三月十八日の厚生委員会で詳しく述べましたが、児童養護施設の退所者は法的なトラブルに巻き込まれやすい傾向があり、弁護士による法律相談の必要性が高いと思われ、児童養護施設の退所者やそのサポートに当たる自立支援コーディネーターが弁護士に相談しやすい仕組みづくりを今後検討していただきたいと思います。
 まずは、退所者に法的なニーズの実情を調査すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、ヘイトスピーチ対策についてです。
 オリンピック憲章人権尊重条例に基づき、都はこれまで、五回にわたるヘイトスピーチに該当する表現活動の概要を公表しています。日付、該当する言動、態様、どこの区内かが公表されています。発言者の氏名や団体名、集会名、公園名や具体的な場所などは公表されていません。報道などと照らし合わせて特定できる場合もありますが、都の発表では具体的な事例と結びつけて考えることは困難です。
 都条例に基づく公表が制裁目的ではなく啓発目的であるとしても、集会名、主催団体名、特に重要な意味のある場所、言動がなされた状況などは、啓発のためにも、もう少し詳しく公表されるべきではと考えます。
 条例に基づく公表の目的や考え方及び今後より詳しい公表をしていくべきではないか、総務局の見解を伺います。
 災害時に虚偽の情報が流されるということは、過去にも近年にも見られます。
 二〇一一年東日本大震災では、石巻市で外国人窃盗団が略奪しているとか暴動が起きているというデマが広がったとのことです。
 二〇一六年熊本地震では、動物園からライオンが逃げたというデマ情報が流れ、熊本市動植物園に百件を超える問い合わせ電話があったということです。投稿者は偽計業務妨害罪で逮捕されました。また、火災の誤情報も流されました。
 二〇一八年大阪北部地震では、外国人に対する差別的なツイートが相次いで起こり、法務省人権擁護局が、災害発生時にはインターネット上に差別や偏見をあおる意図で虚偽の情報が投稿されている可能性もあり得ますとツイートし、注意を呼びかけました。
 災害時、虚偽情報に惑わされないよう、正確な情報発信に都がどう取り組むかについて伺います。
 災害時の差別やデマは、現在の新型コロナ禍にも共通する点があると考えます。
 知事の専決処分で制定された新型コロナウイルス感染症対策条例の四条三項は、不当な差別的取り扱いの禁止を定めています。都は、差別解消に向け、具体的にどのような取り組みをしているのか伺います。
 研究者によれば、うわさは、不安、怒り、善意の感情と根底で結びついて拡散されるのだそうです。COVID-19に関する非科学的なデマ、えせ科学の言説、さらには我々都民ファーストの会の議員提案条例案に対する誤解、無理解による批判、それらを発する人や拡散しようとする人の心理には、先ほど述べたことと通ずる面があるように思います。続きは、あさって十月二日の厚生委員会で述べたいと思います。
 次の質問です。
 新型コロナウイルス感染症の対応に当たる保健所の業務負担は大きく、保健所の体制強化に恒常的に取り組むことが重要です。九月四日に発表のあった疫学調査を担うトレーサー班の強化拡充も検討いただきたいと思います。
 保健所の体制強化にどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 国の持続化給付金では、各地で虚偽申請による不正受給の摘発事例が発生しています。経済産業省では、情報提供窓口を設置するなど、調査の体制を強化しているようです。
 都は、休業要請、時間短縮要請の協力金を膨大な件数扱っていますが、支給または不支給が適切になされる必要があります。
 都のポータルサイト上に協力の申し出をいただいた店舗をPRしていますが、中には不適切な申請が抑制されたものもあったのではと考えられます。
 掲載後に自主的に申請が取り下げられた事案はどの程度あったか、また、不適切な受給を防止するためにとった仕組み及び支給後に問題が判明した場合の対応について伺います。
 国分寺市泉町の都有地について、国分寺市が市役所移転の新庁舎建設用地として取得を希望し、昨年十月、小池知事は市に売却する方針を示されました。消防署や市医師会の災害対策本部、避難活動場所となる都立武蔵国分寺公園などとも隣接する場所で、市役所新庁舎が災害対策のさらなる拠点となることに地元の期待も大きいところです。
 都は、国分寺市と緊密に連携をとりながら、都有地の売却に係る手続を着実に進めていく必要がありますが、売却に向けた現在の進捗と今後の取り組みについて伺います。
 国立市は、非認知能力を伸ばす幼児教育推進プロジェクト、ここ好きに力を入れて取り組んでいます。知事は、メッセージの中で、幼児教育を推し進めている国立市の取り組みも参考とする旨、発言されました。
 国立市の取り組みの一つであるここ好き広場へ行こう、親子通所事業は、子育て広場において週二回、一歳児の親子を対象にプログラムを実施するもので、重要な取り組みと考えます。
 子育て広場においてさまざまな取り組みが行われるよう市区町村を支援すべきと考えますが、福祉保健局の見解を伺います。
 都教育委員会は、幼児、児童の資質、能力をさらに育成することを目的として、モデル地区と共同で研究開発を進めており、今年度は国立市もモデル地区となっていると聞いています。
 就学前教育と小学校教育との円滑な接続に向けた取り組みについて伺います。
 以上です。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 岡本こうき議員の一般質問にお答えをいたします。
 私は、保健所の体制強化についてお答えさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症への対策を確実に実施していくためには、最前線を担う保健所がその機能を十分に発揮することが必要であります。
 都はこれまで、各保健所へ職員を派遣いたしまして業務支援を行うほか、入院先の調整機能を保健所にかわって担う本部や保健所支援拠点の設置など、保健所の体制強化に取り組んでまいりました。
 お話にありましたトレーサー班についてでございますが、疫学調査等の業務を担う八名の保健師、看護師を今月採用いたしたところであります。そのうち四名は多摩府中保健所に、その他は都保健所の業務を必要に応じて支援する機動班として、保健所支援拠点に配置をしております。
 今後、感染者の急増への備えをさらに固めるため、トレーサー班の増員を進めてまいります。
 また、保健所のDX、デジタルトランスフォーメーションを推進する一環でございますが、今月から、多摩立川保健所にLINEを活用した健康観察アプリを先行導入いたしまして、自宅療養者の日々の健康状態を把握しております。保健所の負担軽減にも寄与するこの取り組みを今後、全ての都の保健所で導入していく考えであります。
 さらに、今後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に備えまして、保健所を設置している区市に対して、看護師等の雇い上げや業務委託の経費等への支援を開始するなど、区市町村と連携しながら保健所の一層の体制強化に取り組んでまいります。
 その他のご質問につきましては、教育長、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 就学前教育と小学校教育との接続についてでございますが、子供たちが小学校の学習等を一層意欲的に進めるためには、就学前教育における遊びを中心としたさまざまな体験を通した学びと、小学校での各教科を中心とした学びとを円滑に接続する必要がございます。
 そのため、都教育委員会は昨年度から、荒川区をモデル地区に指定し、五歳児から小学校低学年を一まとまりにした教育の内容や方法の研究を進めているところでございます。
 さらに今年度、福生市とは、やり抜く力や自尊心等の学びに向かう力の基盤の育成に関する研究に取り組んでおります。
 また、お話の国立市とは、福祉部局との連携による市独自の幼稚園、保育所、小学校の接続プログラムを開発するなどの研究に取り組んでいるところでございます。
 今後は、これらの研究成果を都内に広く周知し、学びの連続性を重視した取り組みを推進することで、さらなる教育の質の向上を図ってまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、公衆喫煙所についてでございますが、都は、屋内外の受動喫煙を防止するため、平成三十年度から、地域の実情に応じて区市町村が行う公衆喫煙所の整備への補助を実施しており、昨年度までに二百十一カ所の公衆喫煙所が整備されました。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、限られたスペースで複数の方が利用する喫煙所では、三つの密の状態が生じる可能性があるため、都は、本年四月以降、区市町村に対して繰り返し、喫煙所における三つの密を避ける取り組みを依頼するとともに、ホームページやSNSにより、都民や事業者に対する普及啓発を行っております。
 引き続き、区市町村のニーズや社会経済の状況等を踏まえながら、本事業の今後の方向性を検討してまいります。
 次に、健康増進法における喫煙目的施設についてでございますが、喫煙目的施設とは、喫煙する場所を提供することを主たる目的とする施設であり、都はこれまで、国からの通知等に基づき、事業者や関係団体に対して、この要件を周知してまいりました。
 この喫煙目的施設にどのような施設が該当するのかわかりづらいとの意見が寄せられていることから、都は、国に対して、明確な基準や要件等を整理した上で広く周知するよう繰り返し要望し、今月から、国のホームページに、飲食や遊技等、喫煙以外の行為を主な目的とする施設は喫煙目的施設に該当しない旨が明記されました。
 引き続き、保健所設置区市と連携し、このホームページを含め、喫煙目的施設の要件を周知徹底するなど、事業者における受動喫煙防止対策の取り組みを一層推進してまいります。
 次に、児童養護施設退所者の自立支援についてでございますが、都は、施設を退所した児童が、自立し安定した生活を送ることができるよう、入所中はもとより、退所後も継続して相談支援等を行う自立支援コーディネーターを専任で施設に配置しており、その施設数は現在五十七でございます。
 コーディネーターが施設退所者から受ける相談件数は年々増加するとともに、相談内容も、金銭トラブルや国籍問題など法的な助言を必要とする事例がふえております。
 今年度は、施設退所者の生活や就労状況等に関する実態調査を実施し、お話の退所後の法律相談の必要性など自立支援に関するさまざまなニーズを把握するなど、今後とも、施設退所者の自立に向けた支援に取り組んでまいります。
 最後に、子育て広場についてでございますが、区市町村では、乳幼児及びその保護者が身近な地域で相互に交流を行う場である子育て広場を設置し、育児に対する不安解消や親子の孤立化防止を図っております。
 都は、こうした区市町村の取り組みを支援するため、広場の整備費や運営費の補助を行うとともに、職員の資質向上を図るための研修などを行っております。
 広場では、子育てについての相談や情報提供等を行うほか、親子体操や工作教室などさまざまな親子向けの講習等を実施しており、今後、お話の事例を初め、他の区市町村の参考となる取り組みについて、担当者向けの説明会や広場の職員を対象とした研修等で紹介するなど、区市町村の取り組みを支援してまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、受動喫煙防止対策に取り組む事業者への補助金についてでございますが、東京二〇二〇大会に向け、喫煙ルールが異なる地域からの旅行者であっても、東京での滞在を楽しむことができる受け入れ環境を整えていくことは重要と考えております。
 このため、都では昨年度、旅の拠点である宿泊施設や多くの旅行者が利用する中小飲食店における喫煙専用室の設置等を支援する補助を開始し、これまでに約三百五十件を支援してまいりました。各事業者に対しましては、利用者数の制限を設けるなど、喫煙室での三密回避の対応を行っていただくよう依頼をしているところでございます。
 今後、補助金の利用動向のほか、事業者を取り巻く経営環境や受動喫煙防止対策の進展などの社会状況の変化も踏まえながら、来年度の取り組みの検討を進めてまいります。
 次に、感染拡大防止協力金の適正な受給の確保についてですが、既に支給が完了しております第二回までの協力金については、それぞれ十三万件を支給対象として想定していたところ、第一回では約十二万八千件、第二回では約十一万四千件と、非常に多くの申請をいただいているところでございます。
 協力金では、こうした膨大な申請に対して適正な審査を行うため、まず、事前に税理士等の専門家が営業実態などについて確認する仕組みを設けておりまして、申請の半数以上はこの制度を利用しております。
 また、申請の受け付け後に申請内容について不明な部分や疑問がある場合、職員による現地確認や電話でのヒアリング、文書による問い合わせなどにより、受給要件を満たしているか否かを確認し、適正な支給に努めてまいりました。
 支給後におきましても、不適切な事例が明らかになった際には、申請時に提出のあった誓約書に基づきまして、違約金の請求を行うなど厳正に対処してまいります。
 なお、ポータルサイトにより、ご協力いただいた店舗についてご紹介などしたところ、取り下げとなった事案が、結果として四十件程度ございました。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 柔軟仕上げ剤などの香りによる健康影響に関するご質問にお答えいたします。
 柔軟仕上げ剤などの香りにつきましては、それらを苦手とする方がおり、中にはぐあいが悪くなる方もいらっしゃいます。香りでぐあいが悪くなる原因や病態等は現時点では明らかではなく、国は、化学物質過敏症などとの関係性や病態の解明のための研究等の進捗を踏まえ、詳細な調査を検討することとしております。
 都は、国の動向を注視するほか、香りの強い製品を使用する場合には、用法、用量を守り、必要以上に使用しないよう心がけることなどを住居環境に関するガイドラインに盛り込み、パンフレット等で都民に周知をしております。
 今後、室内環境保健に係るホームページの一層の充実を図るなど、化学物質による健康影響を防ぐための普及啓発等に取り組んでまいります。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕

○病院経営本部長(堤雅史君) 都立、公社病院でのにおいに関する取り組みの推進についてでございますが、病院での療養におきまして、においが治療に及ぼす影響を最小限に抑えるべきことは、ご指摘のとおりでございます。
 例えば、これまで、がん患者の多い駒込病院では、患者や面会者に対しまして、柔軟剤や化粧品等の使用を控えるよう呼びかけをいたしております。
 また、都立、公社各病院の職員には、香水や柔軟剤等のにおいに注意するよう指導してきております。
 今後は、ホームページや入院案内はもとより、院内の掲示やデジタルサイネージ等、これまで以上に多様な手法により院内外への普及啓発を進めますとともに、においのもととなる芳香剤を極力置かないなど、一層の環境整備を図ってまいります。
 さらに、職員のみならず、患者と接する窓口業務や病棟作業等の委託事業者にも、病院の接遇研修への参加を求めるなど、さまざまな観点から取り組みを強力に推進してまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、不当な差別的言動に関する公表についてでございますが、人権尊重条例の規定は、発言者に対する制裁ではなく、概要等の公表により、不当な差別的言動の実態を広く都民に伝え、いわゆるヘイトスピーチは許されない旨、啓発していくことを目的としてございます。
 公表に当たっては、ヘイトスピーチを受けた相手の方々の人権に配慮しつつ、表現の自由を不当に侵害することのないよう、外部の専門家から成る審査会の意見を踏まえて慎重に検討し、表現の内容、日付、行われた市区町村名等を公表してございます。
 引き続き、審査会の意見を伺いながら、場所、言動がなされた集会の状況等、効果的な公表の仕方を工夫し、都民に対して発信してまいります。
 次に、災害時の正確な情報発信についてでございますが、災害発生時には、さまざまな災害情報を迅速に収集、分析した上で、正確な情報を的確に都民、被災者等へ伝えていくことが重要でございます。
 都は、災害時にみずから収集、確認した情報や国や市区町村、警察、消防等の公的機関の情報をもとに情報発信を行い、都民にはそれらの信頼できる情報源をもとに冷静な行動を促すこととしてございます。デマ情報や事実誤認と思える情報を察知した場合には、情報の真偽を確認し、誤った情報であればツイッター等で訂正情報を発信し、都民に正確な情報が伝わるように努めることとしております。
 今後も、都民、被災者等が災害時において的確な行動ができますよう、平時から訓練等の場も活用し、迅速かつ正確な情報発信に努めてまいります。
 最後に、新型コロナウイルスに関する差別解消に向けた取り組みについてでございますが、都は、東京都人権プラザにおきまして、新型コロナウイルスに関連した不当な差別等についての相談に応じており、丁寧にお話を伺った上で、相談の内容により適切な専門機関を紹介しています。加えて、五月には弁護士による特別電話相談も実施をいたしました。
 また、都民に向けた啓発として、「広報東京都」やホームページにおいて、人権に配慮した冷静な行動をとるよう促すとともに、ストップコロナ差別を、都民に知事が直接呼びかける動画を作成いたしました。
 引き続き、適切な相談対応やあらゆる機会を捉えた啓発を行うことによりまして、感染症に関する差別解消に取り組んでまいります。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) 国分寺市泉町の都有地についてでございますが、本件土地は、かつて都が施行した区画整理事業において換地を受けた土地の一部でありまして、現在は北側に都立多摩図書館及び東京都公文書館が立地しております。
 都は昨年十月、国分寺市から、本件土地を新庁舎建設用地として買い受けたい旨の申請を受け付け、防災拠点の形成や住民サービスの向上等の観点から、市の事業に協力すべきと判断をしまして、土地の売却方針を決定したところでございます。
 現在は、土地売却価格の算出に必要となる地中埋設物の調査を実施しております。
 今後、都としては、市の計画を踏まえ、令和三年度で予定がされております国分寺市議会における議決後、速やかに売買契約が締結できますよう、土地の外部鑑定評価など必要な手続をしっかりと進めてまいります。

○議長(石川良一君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時三十六分休憩

   午後六時開議

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