令和二年東京都議会会議録第十五号

令和二年九月十八日(金曜日)
 出席議員 百二十六名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番成清梨沙子君
四番平  慶翔君
五番藤井あきら君
六番内山 真吾君
七番もり  愛君
八番森澤 恭子君
九番上田 令子君
十番山内れい子君
十一番やまだ加奈子君
十二番西野 正人君
十三番林あきひろ君
十四番藤井とものり君
十五番原田あきら君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番龍円あいり君
二十一番あかねがくぼかよ子君
二十二番保坂まさひろ君
二十三番関野たかなり君
二十四番米川大二郎君
二十五番菅原 直志君
二十六番斉藤れいな君
二十七番伊藤しょうこう君
二十八番田村 利光君
二十九番柴崎 幹男君
三十番舟坂ちかお君
三十一番清水 孝治君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番米倉 春奈君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番伊藤こういち君
三十九番大松あきら君
四十番清水やすこ君
四十一番白戸 太朗君
四十二番本橋ひろたか君
四十三番馬場 信男君
四十四番佐野いくお君
四十五番細谷しょうこ君
四十六番栗下 善行君
四十七番中山ひろゆき君
四十八番奥澤 高広君
四十九番大場やすのぶ君
五十番小宮あんり君
五十一番神林  茂君
五十二番早坂 義弘君
五十三番高橋 信博君
五十四番西沢けいた君
五十五番河野ゆりえ君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とくとめ道信君
六十番上野 和彦君
六十一番のがみ純子君
六十二番まつば多美子君
六十三番たきぐち学君
六十四番田の上いくこ君
六十五番両角みのる君
六十六番西郷あゆ美君
六十七番村松 一希君
六十八番森口つかさ君
六十九番鳥居こうすけ君
七十番後藤 なみ君
七十一番つじの栄作君
七十二番岡本こうき君
七十三番石川 良一君
七十四番川松真一朗君
七十五番小松 大祐君
七十六番中屋 文孝君
七十七番鈴木あきまさ君
七十八番山口  拓君
七十九番曽根はじめ君
八十番清水ひで子君
八十一番とや英津子君
八十二番池川 友一君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番桐山ひとみ君
八十九番増田 一郎君
九十番おじま紘平君
九十一番木下ふみこ君
九十二番福島りえこ君
九十三番ひぐちたかあき君
九十四番鈴木 邦和君
九十五番滝田やすひこ君
九十六番森村 隆行君
九十七番入江のぶこ君
九十八番菅野 弘一君
九十九番鈴木 章浩君
百番宇田川聡史君
百一番吉原  修君
百二番中村ひろし君
百三番里吉 ゆみ君
百四番尾崎あや子君
百五番あぜ上三和子君
百六番橘  正剛君
百七番高倉 良生君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番山内  晃君
百十一番山田ひろし君
百十二番伊藤 ゆう君
百十三番木村 基成君
百十四番荒木ちはる君
百十五番小山くにひこ君
百十六番増子ひろき君
百十七番石毛しげる君
百十八番大津ひろ子君
百十九番尾崎 大介君
百二十番秋田 一郎君
百二十一番三宅 正彦君
百二十二番山崎 一輝君
百二十三番三宅しげき君
百二十四番高島なおき君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 一名
五十九番  遠藤  守君

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事多羅尾光睦君
副知事梶原  洋君
副知事武市  敬君
副知事宮坂  学君
警視総監斉藤  実君
教育長藤田 裕司君
政策企画局長中嶋 正宏君
総務局長山手  斉君
財務局長潮田  勉君
消防総監安藤 俊雄君
主税局長砥出 欣典君
生活文化局長野間 達也君
都市整備局長上野 雄一君
福祉保健局長吉村 憲彦君
福祉保健局健康危機管理担当局長初宿 和夫君
産業労働局長村松 明典君
建設局長中島 高志君
戦略政策情報推進本部長寺崎 久明君

九月十八日議事日程第一号
第一 第百六十三号議案
令和二年度東京都一般会計補正予算(第十号)
第二 第百六十四号議案
東京都行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百六十五号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百六十六号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百六十七号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第六 第百六十八号議案
東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百六十九号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第八 第百七十号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第九 第百七十一号議案
東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第十 第百七十二号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十一 第百七十三号議案
東京都立食品技術センター条例を廃止する条例
第十二 第百七十四号議案
警視庁の設置に関する条例の一部を改正する条例
第十三 第百七十五号議案
東京消防庁の設置等に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百七十六号議案
東京消防庁国分寺消防署庁舎(二)改築工事請負契約
第十五 第百七十七号議案
環二築地虎ノ門トンネル(二)遠隔制御設備工事請負契約
第十六 第百七十八号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十八)請負契約
第十七 第百七十九号議案
小名木川護岸耐震補強工事(その六)請負契約
第十八 第百八十号議案
中川護岸耐震補強工事(その二百五)請負契約
第十九 第百八十一号議案
土地の信託の変更について
第二十 第百八十二号議案
東京都江戸東京博物館外六施設の指定管理者の指定について
第二十一 第百八十三号議案
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター定款の変更について
第二十二 第百八十四号議案
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター中期目標について
第二十三 第百八十五号議案
東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例
第二十四 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第八号)の報告及び承認について
第二十五 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第九号)の報告及び承認について
第二十六 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
議事日程第一号追加の一
第一 東京都名誉都民の選定の同意について(二財主議第三一四号)
第二 東京都名誉都民の選定の同意について(二財主議第三一五号)
第三 東京都名誉都民の選定の同意について(二財主議第三一六号)

   午後一時開会・開議

○議長(石川良一君) ただいまから令和二年第三回都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(石川良一君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

○議長(石川良一君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   十一番  やまだ加奈子さん 及び
   六十四番 田の上いくこさん
を指名いたします。

○議長(石川良一君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(広瀬健二君) 令和二年九月十一日付東京都告示第千百七十号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案二十三件の送付並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく専決処分三件の報告及び承認についての依頼がありました。
 次に、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき通知がありました。
 次に、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の規定により、健全化判断比率及び資金不足比率について、それぞれ報告がありました。
 次に、東京都債権管理条例に基づく私債権放棄について報告がありました。
 次に、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づく専決処分について報告が二件ありました。
 内容は、東京都体育施設条例の一部を改正する条例外二件の報告について並びに訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告についてであります。
 次に、教育委員会教育長より、令和二年度東京都教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価、令和元年度分について報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、住民監査請求について、地方自治法第二百四十二条第三項の規定により通知がありました。
(別冊参照)

○議長(石川良一君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第二回臨時会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(九ページ)に掲載〕

○議長(石川良一君) 次に、先般の人事異動に伴い異動のありました説明員をご紹介いたします。
 福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君。
〔理事者挨拶〕

○議長(石川良一君) 以上をもって説明員の紹介は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、閉会中の議会運営委員の辞任及び選任について申し上げます。
 お手元配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、それぞれこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、お手元配布の名簿のとおり指名いたしました。
〔議会運営委員辞任・選任名簿は本号末尾(六九ページ)に記載〕

○議長(石川良一君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、東京都名誉都民の選定の同意について三件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(石川良一君) 会期についてお諮りいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 今回の定例会の会期は、本日から十月八日までの二十一日間といたしたいと思います。これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕

○議長(石川良一君) 起立多数と認めます。よって、会期は二十一日間と決定いたしました。

○議長(石川良一君) この際、知事より発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事小池百合子さん。
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 令和二年第三回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を述べさせていただきます。
 都民の皆様のご支持をいただきまして、都知事としての二期目を邁進する中、初めての都議会定例会を迎えました。未曾有の難局の中でありますが、都議会の皆様と力を合わせ、東京の明るい未来を力強く切り開く決意であります。
 引き続き、都民のため、東京のための議論を尽くしていきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 まずは、新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。
 感染拡大防止の徹底と社会経済活動の推進。ウイルスとの長い闘いの最中にあって、これらを両立させることこそ、私たちが直面している大きな命題であります。そのための取り組みの一環として、虹のステッカーをシンボルに、都民、事業者双方のお力添えをいただきながら、店舗などにおける感染防止を徹底していく。都内全域で一日も早くこの実現を図るべく、先般、専決処分により、新型コロナウイルス感染症対策条例を改正いたしました。同じく、営業時間の短縮要請に応じていただいた飲食店に対し、速やかに協力金を支払うための補正予算についても、専決処分を実施したところであります。この間の都民、事業者の皆様の多大なるご協力に、心より御礼を申し上げます。
 引き続き、皆様と一丸となり、見えざる敵に負けることのない持続可能な経済都市をつくり上げていきたいと思います。
 今後の感染症流行期を控え、危機に対する備えを先手先手で講じていく。その中核となる東京版CDCの設置について準備を加速しております。ここでは、平時より専門家、国、大学などと連携した政策立案、調査分析を行い、有事の際には、医療体制の確保を初めとする危機管理や的確な情報収集、発信等を一体的に担います。
 特に強みとなるのが常設の専門家ボードであり、その知見を最大限に生かした効果的な対策の推進に向け、来月にはこの新たな拠点を立ち上げ、順次体制を整備しながら、早期に本格運用を開始してまいります。
 また、医療提供体制のさらなる充実に向けましては、旧都立府中療育センターを活用し、新型コロナウイルス感染症専用の医療施設を開設するとともに、都立、公社病院における専用病床を約一千床まで拡大いたします。
 さらに、東海大学のご協力をいただき、同大学の附属病院を専用病院として運営いただくなど、都内各地に専用病床を確保し、患者受け入れの迅速化や治療の効率化を図ってまいります。
 このほか、秋から冬を見据えまして手を緩めることなく対策を強化するべく、本定例会には総額三千四百十三億円の補正予算案を提案いたしました。医療機関に対する補助により、最大四千床を目指しまして病床を確保するとともに、民間検査機関による機器の導入を支援するなど、検査体制のさらなる充実を図ります。
 あわせて、防ごう重症化、守ろう高齢者の観点から、高齢者施設等に対しましてPCR検査の実施経費を補助し、高齢者等につきましては、インフルエンザ予防接種の実費負担を軽減するといった新たな取り組みを進めてまいります。
 さらに、生活福祉資金貸付の推進や中小企業制度融資の拡充によって、引き続き、都民、事業者の資金需要を支えるほか、経済活動の安心の確保のため、事業者による感染症対策の実効性を高める取り組みを盛り込みました。
 今後のさらなる対策に備えるべく、財政調整基金への決算剰余金の積み立ても行うなど、引き続き健全な財政を維持しながら、時機を逸することなく、都民の命と健康、そして社会経済活動を守るための施策を果敢に講じてまいります。
 同じく本定例会には、新型コロナウイルス感染症対策条例のさらなる改正を行う条例案を提案いたしております。都による検査体制、医療提供体制の整備や、都民、事業者による感染拡大防止のための努力義務など、それぞれの具体的な責務を明確にすることにより、対策の実効性を一層高めてまいります。
 現在、感染者数につきましては再び増加することへの警戒が必要であり、医療機関への負担が長期化している状況にも変わりはありません。新たな内閣とも連携しながら、引き続き幅広く対策を進めてまいります。
 都民、事業者の皆様、そして医療従事者の皆様には、長きにわたりご尽力いただいており、改めて感謝を申し上げるとともに、今後とも、感染拡大を抑え込むべく、一人一人のご協力を心からお願い申し上げます。
 各国における最新のGDPを見渡しますと、年率換算でアメリカは三〇%以上、イギリスも六〇%近くと軒並み大幅に減少し、我が国も二八・一%という戦後最大の落ち込みを記録いたしました。その主な要因は、感染拡大による個人消費の冷え込みであり、感染拡大防止と社会経済活動を両立させる新しい日常をしっかりと確立しなければ、日本経済は危機的状況から抜け出すことはできません。
 加えて、スイスのビジネススクールIMDが公表した二〇二〇年の世界競争力ランキングにおきまして、我が国は過去最低であった昨年の三十位から三十四位へとさらに順位を落としました。かつて日本は、このランキングで世界トップを誇ったものの、順位が急落した一九九七年以降、四半世紀近く低迷が続いております。
 感染拡大による経済の停滞を打ち破る。そして、世界と伍していくための競争力を飛躍させる。今こそ、そのための取り組みを進めなければ、日本は世界から取り残され、都民、国民の幸せを実現することはできません。言語の壁が高く、デジタルの力で新たな価値を創造するデジタルトランスフォーメーションも著しくおくれている我が国は、この現実を直視し、世界を見据えた施策を講じることが急務であって、内向きの議論に終始している猶予はないのであります。
 こうした危機感のもと、首都東京が力強く推し進めていくべき取り組みとして掲げたのが、東京の未来は都民と決めるをスローガンとする東京大改革二・〇であります。不透明なウイズコロナの時代におきまして、都民の皆様とともに希望ある未来を切り開くためには、これまでの発想にとどまることなく、さらなる改革を大胆に展開していかなければなりません。何よりも大切な都民の命を守り抜く。誰もが生き生きと輝く東京をつくり上げる。そして、トランスフォーメーションを一気に加速し、世界から選ばれる都市へと変わっていく。改めて強い決意を胸に刻んでおります。
 この新たな大改革の第一の柱は、都民の命を守り、稼ぐ東京の実現であります。爆速で進めるデジタル化によりまして東京の経済を新しい成長へと導くとともに、持続可能な発展の礎を築く、魅力と強さを兼ね備えたまちづくりを推進することで、世界における東京の存在感をさらに向上させてまいります。
 デジタルの力で都民生活の向上と経済の活性化を図るスマート東京の実現は、東京の経済の新しい成長に不可欠な取り組みであります。その第一歩を踏み出すプロジェクトとして、ここ西新宿において、スマートポールの試行運用を進めております。5Gや高速Wi-Fiといった通信機能を初め、混雑状況を把握するセンサーや行政情報を配信するサイネージを搭載するなど、都民生活の質の向上につながる新たなインフラとなるものであり、広く普及を目指してまいります。
 そして、同じく先行的に進めているのが、都市から生まれるさまざまな情報を蓄積、活用して新しい価値を生み出す都市OSと呼ばれるデータ基盤の構築であります。このたび、いわゆる大・丸・有地区、竹芝、豊洲の三つのエリアにおきまして、都市OSを基盤に新たなサービスを展開する民間プロジェクトの支援を開始いたしました。こうした取り組みをモデルに、官民の力を結集し、スマート東京の確立を加速してまいります。
 再びアジアナンバーワンの国際金融都市へ。強い決意のもと、都はこれまで、我が国初の金融プロモーション組織であるフィンシティー・トーキョーの設立や、シティー・オブ・ロンドンとの連携を初め、かつてない施策を積み重ねてまいりました。その成果は、最新の国際金融センターランキングにおいて、ニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界第三位、アジアでは第一位を獲得するという形で確実にあらわれております。
 不安定な国際情勢の中、人、物、金、情報が集まり、生活環境や治安のよさなども兼ね備えた東京が、安定した国際金融都市として世界から選ばれ続ける。そのためには、この半年、一年が極めて重要であり、アジア諸都市との競争がますます激化することを念頭に、スピードあふれる施策を進めていかなければなりません。
 このたび、産学官で外国企業誘致等を加速する体制として、Team Invest Tokyoを立ち上げるほか、国とも連携しながら、世界をリードする国際金融都市としての地位をさらに確たるものとしたいと思います。
 人々の生活を大きく変革するサービスをグローバルに展開しているアメリカの巨大IT企業も、かつては若い起業家たちが立ち上げた小さな一企業でありました。最先端のニーズを機敏に捉え、新たな製品やサービスを次々と生み出すスタートアップの育成は、東京のさらなる成長に欠かせません。
 今般、東京は、スタートアップの育成環境を評価する都市ランキングに初めてランクインし、全体で十五位、アジアでは北京、上海に次ぐ三番目の評価を受けました。また、東京の集積を生かした連携により、イノベーションの創出を図るスタートアップ・エコシステム東京コンソーシアムが、このたび国の定めるグローバル拠点都市に選定されたところであります。
 これらを追い風に、引き続き、世界に誇るスタートアップ都市を目指した多彩な施策を展開し、東京発の新たなビジネスを強力に推し進めてまいります。
 柔軟な働き方を可能とし、生産性の向上はもとより、感染症対策としても有効なテレワークは、東京の持続的な成長の原動力となります。先日、経営者団体、労働者団体のトップと一堂に会し、そのさらなる定着に向けたテレワーク東京ルールの普及につきまして、ともに取り組む共同宣言を行いました。今後、このルールに基づき、企業等においてテレワークを経営戦略として位置づけ、実効性ある具体的な取り組みが展開されるよう連携を図ってまいります。
 持続可能な発展の基盤となる魅力と強さを兼ね備えたまちづくりに向けて、まず取り組むべきは、災害に強い都市の実現であります。日本各地に記録的な大雨や暴風をもたらし、都内にも深い爪跡を残した相次ぐ台風から約一年。先日も台風十号により、九州地方を初め各地で被害が生じました。改めて、亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 都はこれまで、河川監視カメラの増設、樋門等の施設改良、電源確保や物資備蓄の充実、そして島しょ地域を含めた無電柱化の推進など、風水害への備えを幅広く強化してまいりました。命を守る避難の確実な実施に向けては、的確な防災情報の発令のほか、新たな避難先の確保、避難所における生活環境の改善や感染症対策の強化など、コロナ禍との複合災害を防ぐ観点も踏まえ、区市町村を支援する施策をきめ細かく展開してきたところであります。今後、こうした対策を地域防災計画風水害編の見直しにも反映させてまいります。
 さらに、防災まちづくりを強力に推し進めるため、国との連絡会議を立ち上げ、具体的な検討を重ねてまいりました。まちの高台化や建物上部への避難スペースの確保といった風水害対策、そして道路に接しない敷地の解消による不燃化建てかえの促進など、木密地域の地震対策につきまして、先日、国とともに具体の方策案を公表したところであります。
 このように、ハード、ソフトの両面から災害への備えを不断に固めていく上で、これからはデジタルの活用も大きな鍵となります。最先端技術による防災対策のさらなる進化など、新しい視点に立ちながら、年度末までに防災プランを改定し、災害から都民の命を守る取り組みを着実に進めてまいります。
 東京の新たな魅力を生み出す築地のまちづくりにつきましては、早期のにぎわい創出に向けた先行整備事業に関し、東京二〇二〇大会の延期という状況の変化を踏まえまして、実施方針を見直すこととしていたところであります。事業の早期着手が困難となった中、民間のさらなる創意工夫を引き出し、より効果的にまちづくりを行うべく、先行整備とそれに続く本格整備の事業者を二〇二二年度に一体的に募集する方向で、実施方針を検討していくことといたしました。民間の力を最大限に活用しながら、東京の価値を高め、持続可能な発展へとつながるまちづくりを推進してまいります。
 都市の活力を生み出す人が輝いてこそ、東京が輝く。こうした確信のもと、知事就任以来一貫して人に焦点を当てた施策を展開してまいりました。こうした姿勢はこれからも変わることなく、人が輝く東京は、新たな大改革の第二の柱であります。きめ細かな取り組みにより、誰もが持てる力を存分に発揮し、一人一人が生き生きと躍動する活気に満ちた都市をつくり上げてまいります。
 そのための最重要課題の一つとして取り組んできた待機児童対策は、着実に成果を上げております。本年四月一日現在の都内の待機児童数は、三十年ぶりの二千人台となる二千三百四十三人まで減少いたしました。認可保育所は、この一年間で二百五十九カ所、約一万八千人分の定員が整備され、待機児童ゼロを達成した自治体もふえております。
 引き続き、待機児童の約六割を占める一歳児の受け入れ促進など、区市町村と連携したさらなる対策を展開することで、男性も女性も、育児に仕事に生き生きと活躍できる東京の実現に邁進してまいります。
 不確実性が増す時代において、子供たちがみずからの力で未来を切り開く。そのための自立性や主体性、課題解決力を伸ばす教育の推進に向け、新たな東京型教育モデルの検討を開始いたしました。誰ひとり取り残さない視点に立って社会全体で子供たちを支え、一人一人に着目した質の高い学びを実現するべく、総合教育会議の場で教育委員会と議論を深め、今年度中に策定する次期教育施策大綱へと反映させてまいります。
 我が国の国際競争力が凋落する中、高い語学力や豊かな国際感覚を身につけたグローバル人材を数多く育てなければ、世界との差は広がるばかりであります。
 令和四年度、立川に公立として全国で初めて開校する小中高一貫教育校におきましては、義務教育期間における外国語授業を通常よりも一千時間以上多く確保し、高い語学力を育成します。あわせて、生徒全員が海外で研究やボランティアに取り組むプログラムを実施するなど、十二年間の一貫教育のメリットを最大限に生かしながら、世界を舞台に活躍し、世界から選ばれる東京を支える人材を輩出してまいります。
 障害の有無にかかわらず、全ての子供たちの意欲的な学びを後押しするため、島しょ地域で初めて、八丈町に特別支援学校高等部の分教室を設置する検討を進めております。同町の小中学校において、特別支援学級に在籍する子供たちが増加傾向にある中、分教室の設置を着実に推進し、一人一人の学びのさらなる充実へとつなげてまいります。
 こうした福祉や教育の取り組みを初め、子供の目線に立った政策を推し進め、子供の負担を徹底的にサポートしていく。その先に、子供が笑顔で子育てが楽しいと思える社会をつくり上げるべく、来週、有識者によるこども未来会議を立ち上げます。未来を担う子供たちを大切にすることを最優先とし、あらゆる場面で子供や子育てを支える社会を目指して、何をなすべきか。従来の枠組みにとらわれることなく幅広い議論をいただいて、子供の笑顔があちこちで咲く、未来への希望にあふれるまちの実現へとつなげてまいります。
 就労に困難を抱える方々が、社会の担い手として生き生きと活躍する場となるソーシャルファームにつきましては、先般定めた基準に基づき、認証の取得を目指す事業者の募集を来月上旬より開始いたします。今後、事業者に対し支援内容を幅広く周知し、今年度中に都が認証したソーシャルファームを誕生させることができますよう、着実に取り組んでまいります。
 人と人とのつながりこそが都市の活力を一層高める。そうした確信のもと、未来の東京戦略ビジョンにおきましては、コミュニティを戦略の核の一つに据えました。来月、新たな政策連携団体である東京都つながり創生財団を設立し、外国人が安心して暮らせる多文化共生社会づくりや、人がつながり助け合う共助社会の確立など、地域コミュニティの活性化に向けた事業を順次進めてまいります。
 また、活発な地域コミュニティの形成には、良好な住環境の整備も欠かせません。住生活を取り巻く状況が大きく変化する中、戦略的に住宅政策のバージョンアップを図るとともに、来年度末には住宅政策審議会の答申を踏まえた新たな住宅マスタープランを策定し、人が輝く東京にふさわしい住宅政策を展開してまいります。
 さらに、地域における安心な暮らしの確保のためには、地域医療の充実も重要な課題であります。その一翼を担う多摩北部医療センターについて、施設の老朽化を踏まえ、引き続き、地域医療を取り巻く環境変化に対応した安定的な医療提供を図るべく、改築の検討に着手してまいります。
 東京が変わる、そのために都政が変わる。東京が世界から選ばれる都市へと変わっていくためには、制度や仕組みの根本にまでさかのぼった構造改革を強力に進めなければなりません。新たな大改革の第三の柱は、都民ファーストの視点での行財政改革、構造改革であり、国難ともいえる危機に直面している今こそ、社会システムの大きな変革を促すべきときであります。
 デジタル化の加速や産業構造の変化への対応など、ポストコロナを見据えた東京と日本のさらなる成長へとつながる社会の構造改革について、先日、有識者を交えた議論を開始したところであり、来月末を目途に意見を取りまとめてまいります。
 加えて、クオリティー・オブ・サービス、QOS、すなわち都民サービスの質を飛躍的に向上させ、都民の期待を上回る価値を提供する都庁をつくり上げるべく、都政の構造改革を推進いたします。先端技術を徹底的に活用するとともに、仕事の進め方をゼロベースで見直し、障害となる規制にも切り込むことで、世界に輝く東京を支える強固な組織を築いてまいります。先週には、この改革を牽引するコアプロジェクトを選定いたしました。早期に成果を生み出し、これを突破口に全庁一丸で構造改革に邁進していく。年度末には構造改革実行プランを策定し、その具体的な展開を図ってまいります。
 かつて、昭和から平成へと元号が変わった時期、都庁は新宿へ全面的に移転いたしました。このたびの平成から令和への移り変わりに当たっては、都政を丸ごとデジタルの世界へと移行いたします。先端技術を駆使して、より高い価値を創造していく、このバーチャル都庁構想を初めとした構造改革を力強く推し進め、都政をさらに進化させてまいります。
 また、本定例会には、都における行政手続のデジタル化を徹底するべく、これまでのオンライン通則条例を抜本的に改正する東京デジタルファースト条例を提案いたしました。この改正により、書面で行うことを前提としてきた都の行政手続を大きく転換をし、いつでもどこでもデジタルで手続を完結できる環境を整えてまいります。
 そして、今後、我が国が持続的に成長していく上でも、デジタルの力は欠かせません。東京と全国が距離と時間を超えて、それぞれの個性や強みをつなぎ、新たな価値を生み出していくことこそ、日本全体の発展の大きな鍵であります。まさしくデジタルファーストの取り組みで、日本中がいつでも結びつき、東京と全国がともに栄えながら、激化する国際競争にも打ち勝っていく。集中か分散かという議論を超えた全国各地とのつながりの中で、東京が我が国全体の発展を牽引していきたいと思います。
 このたびのコロナ禍におきましては、社会経済活動が大きな制約を受ける中、人々のつながりも分断を余儀なくされました。活気あふれる持続可能な東京への復興を図る上では、デジタルの力で人々がつながりを取り戻し、新しいコミュニケーションを育みつつ、心豊かな生活を続けられる社会をつくる観点が重要であります。
 感染防止を図りながら、人と人がつながる場をつくり出す。いかなる状況においても、子供たちの学びをとめない。芸術、文化、スポーツ活動を続けられる環境を整える。今後の政策展開に当たりましては、あらゆる場面において人が輝き続ける社会を実現するサステーナブルリカバリーを新たな視点に据え、変化に柔軟に対応しながら新しい価値をつくり出す、しなやかで強靭な東京を築いてまいります。
 新しい日常を定着させ、デジタルトランスフォーメーションを推進しながら、一人一人の持続可能な生活を実現していく。こうした観点から政策をさらに練り上げるべく、社会及び都政の構造改革をてことして、未来の東京戦略ビジョンのさらなるバージョンアップを図ります。そして、その成果を結実させる形で、都政の新たな羅針盤となる長期戦略を年度内に策定をし、都議会の皆様、都民の皆様とともに、成長と成熟が両立した東京の輝かしい未来をつくり上げていきたいと思います。
 このたび、名誉都民の候補者として、石井幹子さん、瀧澤利夫さん、横尾忠則さんの三名の方々を選定させていただきました。
 石井幹子さんは、照明デザイナーの先駆者として都市や建築を光で彩る新たな魅力を開拓し、国内外で人々に希望や活力を与えておられます。
 瀧澤利夫さんは、江戸切り子職人として最高峰のわざを持ち、伝統の継承にも精力的に取り組むなど、その発展に長年にわたり貢献されています。
 横尾忠則さんは、日本人ならではの感性を表現した独自の作風で世界的評価を不動のものとし、美術家として多方面で活躍されておられます。
 お三方につきましては、都議会の皆様のご同意をいただき、来月、名誉都民として顕彰したいと考えております。よろしくお願いを申し上げます。
 先般開催されましたテニス四大大会の一つ、全米オープンでは、大坂なおみ選手、国枝慎吾選手、上地結衣選手、日本人三選手が優勝する快挙をなし遂げました。ウイルスとの闘いで日々緊張が強いられる中、私たちには大きな勇気と感動を与えてくれた大変明るいニュースであります。ふだんとは異なる環境にあっても地道に鍛錬を重ね、栄冠に輝かれた各選手に、心からの敬意を表したいと思います。
 この大会では、選手、関係者に定期的なPCR検査を実施し、システム判定の導入によりライン審判の数を減らすなど、安全・安心な運営のための対策と工夫が随所に見られました。入念な準備に支えられ、コロナ禍において、改めてスポーツの力を世界中に示した意義ある大会でありました。
 東京二〇二〇大会もまた、人類が一丸となって見えざる敵に打ちかち、そのきずなをさらに強めた象徴となる極めて意義の高い大会であります。その主役であるアスリートの方
々を初め、ボランティアの皆様、子供たち、そして大会を心待ちにしている全ての人々のため、国、組織委員会とともに準備万端整え、未来への希望をともす祭典として成功させる。菅新総理や森会長と力を合わせまして、新型コロナウイルス感染症対策にも万全を期すことで、大会成功への確かな道のりを歩んでまいります。
 東京で開催するオリンピック・パラリンピックにおきまして、都民、国民と感動を分かち合う瞬間を迎える。こうした思いを都議会の皆様と共有をし、希望ある東京の未来のために全力を尽くしてまいります。ご理解、ご協力、よろしくお願いを申し上げます。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、予算案一件、条例案十三件など、合わせて二十六件の議案を提案いたしております。よろしくご審議のほどお願いいたします。
 以上をもちまして私の所信表明を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。

○議長(石川良一君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○六十七番(村松一希君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一から第三までを先議されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一から第三までを先議することに決定いたしました。

○議長(石川良一君) 追加日程第一から第三まで、東京都名誉都民の選定の同意について三件を一括して議題といたします。
〔広瀬議事部長朗読〕
一、東京都名誉都民の選定の同意について三件

二財主議第三一四号
令和二年九月十八日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 石川 良一殿
東京都名誉都民の選定の同意について
 このことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。
       記
     石井 幹子

      略歴
現住所 東京都港区
石井 幹子
昭和十三年十月十五日生
昭和十三年  東京府(現東京都)生まれ
昭和三十七年 有限会社Qデザイナーズに入社
昭和四十年  二年にわたりフィンランド、ドイツの会社でデザインを学ぶ
昭和四十三年 石井幹子デザイン事務所(現株式会社石井幹子デザイン事務所)を設立
昭和五十四年 第二十五回照明学会賞
平成元年   東京タワーのライトアップを手掛ける
平成四年   第八回東京都文化賞
平成五年   レインボーブリッジのライトアップを手掛ける
平成十年   国際照明デザイナー協会優秀賞
平成十二年  紫綬褒章
平成二十四年 東京ゲートブリッジのライトアップを手掛ける
令和元年   文化功労者

      事績
石井 幹子
昭和十三年十月十五日生
 昭和十三年十月十五日、東京府(現東京都)に生まれる。
 昭和三十七年、東京藝術大学卒業後、有限会社Qデザイナーズに入社。照明器具のデザインを担当した際に、光の素晴らしさに感動し、照明デザインの道に進むことを決心する。
 昭和四十年から昭和四十二年にかけて、フィンランドの照明器具会社で照明器具のデザインを、ドイツの照明デザイン会社で建築空間の照明デザインを学ぶ。
 昭和四十三年、石井幹子デザイン事務所(現株式会社石井幹子デザイン事務所)を設立する。
 昭和五十四年、社団法人照明学会(現一般社団法人照明学会)の第二十五回照明学会賞を受賞する。
 平成元年、東京タワーのライトアップを手掛ける。
 平成四年、第八回東京都文化賞を受賞する。
 平成五年、レインボーブリッジのライトアップを手掛ける。
 平成十年、国際照明デザイナー協会優秀賞を受賞する。
 平成十二年、紫綬褒章を受章する。
 平成二十四年、東京ゲートブリッジのライトアップを手掛ける。
 令和元年、文化功労者として顕彰される。
 氏は、照明デザインが定着していない中で、その普及を目指すとともに、都市照明、建築照明、光のオブジェやパフォーマンスなど新たな照明デザインの魅力を開拓してきた。これまで国内外で多くの光を中心としたイベントを手掛け、照明デザイナーの先駆者として今もなお活動を続けるその姿は、人々に希望や活力を与え、広く都民が敬愛し、誇りとするところである。

二財主議第三一五号
令和二年九月十八日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 石川 良一殿
東京都名誉都民の選定の同意について
 このことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。
       記
     瀧澤 利夫

      略歴
現住所 東京都江東区
瀧澤 利夫
昭和十三年八月二十二日生
昭和十三年  長野県生まれ
昭和二十九年 有限会社北信硝子に入社
昭和四十年  独立し、瀧澤硝子加工所(現有限会社瀧澤硝子工芸)を構える
平成二年   第二回江戸切子新作展優秀賞
平成三年   東京都伝統工芸士認定
平成八年   第八回江戸切子新作展江東区長賞及びデザイン賞
平成九年   第九回江戸切子新作展江東区議会議長賞
平成十五年  京都にて初の個展開催
平成十九年  経済産業大臣指定伝統的工芸品「江戸切子」にて伝統工芸士認定
平成二十年  江戸切子のアクセサリーを商品化
平成二十二年 第二十二回江戸切子新作展グラスウェアータイムス社奨励賞
平成二十四年 瑞宝単光章

      事績
瀧澤 利夫
昭和十三年八月二十二日生
 昭和十三年八月二十二日、長野県に生まれる。
 昭和二十九年、上京し、有限会社北信硝子に入社。職人としての修業を始める。
 昭和四十年、独立し、瀧澤硝子加工所(現有限会社瀧澤硝子工芸)を構える。
 平成二年、第二回江戸切子新作展で平皿「籠目」が優秀賞を受賞する。
 平成三年、東京都伝統工芸士に認定される。
 平成八年、第八回江戸切子新作展で手付き鉢「篭編み」が江東区長賞及びデザイン賞を受賞する。
 平成九年、第九回江戸切子新作展で大皿「孔雀」が江東区議会議長賞を受賞する。
 平成十五年、京都にて初の個展を開催する。
 平成十九年、経済産業大臣指定伝統的工芸品「江戸切子」にて伝統工芸士の認定を受ける。
 平成二十年、江戸切子のアクセサリーを商品化する。
 平成二十二年、第二十二回江戸切子新作展で花器「鬼灯」がグラスウェアータイムス社奨励賞を受賞する。
 平成二十四年、江戸切子職人として初めての瑞宝単光章を受章する。
 氏は、職人として高度な技術を習得するとともに、作者として使う人の心を大切にするという思いで作品を作り続けている。
 最高峰の技を持ちながらも展示活動や江戸切子講座の専任講師を務めるなど、江戸切子の伝統を後世に伝える活動に精力的に取り組み、その発展に長年にわたり貢献している。
 氏が作り出す精緻なカットの美しい文様は、見る人に感動を与えるとともに、今もなお果敢に挑戦し続けるその姿は、多くの人々を魅了するとともに、広く都民が敬愛し、誇りとするところである。

二財主議第三一六号
令和二年九月十八日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 石川 良一殿
東京都名誉都民の選定の同意について
 このことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。
       記
     横尾 忠則

      略歴
現住所 東京都世田谷区
横尾 忠則
昭和十一年六月二十七日生
昭和十一年 兵庫県生まれ
昭和三十五年 株式会社日本デザインセンターに入社
昭和四十一年 京橋の南天子画廊で初の絵画展開催
昭和四十四年 第六回パリ青年ビエンナーレ展版画部門グランプリ
昭和四十七年 ニューヨーク近代美術館で個展開催
平成十三年  紫綬褒章
平成十四年  東京都現代美術館で個展開催
平成二十年  第三十六回泉鏡花文学賞
平成二十三年 旭日小綬章
平成二十四年 朝日賞
同年     横尾忠則現代美術館開館
平成二十七年 第二十七回高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)

      事績
横尾 忠則
昭和十一年六月二十七日生
 昭和十一年六月二十七日、兵庫県に生まれる。
 昭和三十五年、株式会社日本デザインセンターに入社する。
 昭和四十一年、京橋の南天子画廊にて初の絵画展を開催する。
 昭和四十四年、第六回パリ青年ビエンナーレ展版画部門グランプリを受賞する。
 昭和四十七年、ニューヨーク近代美術館で同美術館史上初めて存命のグラフィックデザイナーとして個展を開催する。
 平成十三年、紫綬褒章を受章する。
 平成十四年、東京都現代美術館で個展を開催する。
 平成二十年、初の小説「ぶるうらんど」が、第三十六回泉鏡花文学賞を受賞する。
 平成二十三年、旭日小綬章を受章する。
 平成二十四年、朝日賞を受賞する。
 同年、兵庫県神戸市に横尾忠則現代美術館が開館する。
 平成二十七年、第二十七回高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)を受賞する。
 氏は、大衆的なイメージと神秘的なイメージの混在した独自の作風を確立し、国内外を問わず数多くの美術館での個展開催、展覧会への出品により、世界的評価を不動のものとした。
 昭和五十五年にグラフィックから画家に転向し、以降も美術家として多方面で活躍し、日本人ならではの感性を表現して多くの人々を魅了し感動を与え続ける姿は、広く都民が敬愛し、誇りとするところである。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の選定に同意することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の選定に同意することに決定いたしました。

○六十七番(村松一希君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明十九日から二十八日まで十日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明十九日から二十八日まで十日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、九月二十九日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時三十七分散会


文書質問趣意書及び答弁書

2財主議第301号
令和2年9月10日
東京都議会議長
 石川 良一殿
東京都知事 小池百合子

文書質問に対する答弁書の送付について

 令和2年第二回東京都議会臨時会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。

上田令子議員
山内れい子議員
宮瀬英治議員
中村ひろし議員

令和2年第二回都議会臨時会
文書質問趣意書

提出者 上田令子

質問事項
一 新型コロナウイルス感染症の緊急対策について
二 東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例について
三 コロナ禍にあたっての小池知事のガバナンスについて

一 新型コロナウイルス感染症の緊急対策について
1 令和2年7月補正予算について
ア 国庫支出金を活用する考え方について
今回の補正予算では、歳入の多くを国からの交付金等が占めています。ついては、以下伺います。
a 国庫支出金が今回、東京都へ支給された経緯と目的をご説明ください。
b 交付額が適正か、過不足はないのか、具体的にご説明ください。
c 使途についての考え方、都としての裁量はどの程度あるのか、具体的にご説明ください。
d 都民からの行政ニーズと行政需要をどう判断したのか、漏れているニーズはないのか、具体的にご説明ください。
e 国からの交付金等は使い切らなければいけないのか、余剰金はどの程度、流用したり、繰り越したり、基金に積んだり、区市町村に交付できるのか、法制度上の根拠を示して、ご説明ください。
イ 基金残高について
a 各種基金の残高見通しにつき、お示しください。
b 財政調整基金が大幅に減ったが、今後の財政需要への対応に向け、危機意識と対策、今後の積み増しにつき、考えをお示しください。
ウ 今後の財政運営について
a 今年度は当初予算よりも確実に法人二税が減収すると思われます。年度内の見通しとそれへの対応財政努力について、お示しください。
b かねてより、予算を執行する現場では、年度末の公共事業など予算を年度末に無理やり使い切るといった無駄が生じているとの指摘がある。新型コロナウイルス感染症対策にかかる補正予算があてられた新規事業等で活用されなかった場合同様のことが発生することを懸念することから執行に関する考え方を伺います。
エ 医療従事者等への慰労金の支給について
a 人件費にかかる今回の施策で解決できることできないことをお示しください。
b 慰労金について非課税にできないか、ご所見をお示しください。
c 都立・公社病院においても、大量退職の懸念はないか、一時金なので今後どうサポートできるか、対応策とご所見をお示しください。
オ 新型コロナウイルス感染症患者受入医療機関臨時支援金について
現在の医療現場の一番の課題、コロナ対応していない医療機関の減収の問題、今後の経営支援につき、取り組みをお示しください。
カ 感染拡大防止対策等への支援全般について
対象機器や経費は現場の意向は反映されるのか、使途を限定的にして利用する医療機関にとって使い勝手が悪くなってはいないか、との懸念がある。ご所見をお示しください。
キ 重点医療機関等の体制整備について
a この事業によって3,000床確保を目指すということだが、現時点の状況と本事業での解消の見通しをお示しください。
b 軽症者向け宿泊療養施設として都が確保していたホテル等施設の当初からのこれまでの確保数・利用人数、ホテル施設等との契約状況、現状の充足状況を伺います。
c 東京都における「超過死亡」における人数と率について12月から6月における、過去5年間平均と令和元年から本年6月までの数値と、その見解を伺う。
d 検査体制について、知事記者会見では一日の検査件数を増強すると都度語られてきましたが、具体的に検査体制をどう強化するのか、検査件数をどのような検査機関を使って増やすのか、これまでの課題を含め具体的にご説明下さい。
e 目黒区5歳女児虐待死事件では、加害者養父の過去の書類送検を含む情報がまずFaxで送られて、結果的に見落とし、女児は命を落としました。古式ゆかしい情報交換にあり、厳しく当時上田は指摘させて頂いた次第です。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の検査結果について、東京都は発表が著しく遅く、Faxでの集計が原因であると指摘されて久しいのですが、これまでの検査から集計までの経緯とプロセスと課題点、エラー等はなかったか、今後どう改善するのか伺います。
ク 妊産婦総合対策事業について
a 個々の妊産婦や医療機関・助産師への本事業の情報提供はどのように行うのでしょうか。
b 陽性となった場合、帝王切開の強制・誘導はされないか、自然分娩を希望したときにどのように支援していくのでしょうか。
c 陰性となった場合の通院病院等との情報共有と対応は、どのように進めていくのでしょうか。
d ハイリスク妊婦への情報提供は、どのように進めていくのでしょうか、区市町村による対応も含め伺う。
e 新生児が陽性の場合の出産後のサポートについては、どのように進めていくのでしょうか。
f 寄り添い型支援事業は、委託事業を想定しているとのことですが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的にお示しください。
g 都や区市町村の従来の施策、ことに区市町村の妊婦健診・保健師との連関につき、ご説明ください。
ケ 児童虐待・DV等相談における支援体制の強化について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的にお示しください。
b 補助事業を想定しているとのことだが、対象事業者はどのような組織・企業を想定しているか、具体的にお示しください。
c 都や区市町村の従来の施策との連関につき、ご説明ください。
コ 自殺相談について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的にお示しください。
b 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的にお示しください。
c 都や区市町村の従来の施策との連関につき、ご説明ください。
d 有名俳優の自殺報道もあり、自殺件数増加が懸念されます。新型コロナウイルス感染症が日本において感染が広がり始めた1月末から緊急事態宣言下、解除後の今日に至るまで東京都における自殺件数の推移を伺います。
サ ひとり親支援について
a 「収入が減少した」児童扶養手当受給世帯へ追加給付ということであるが、どのように決定をするのか、対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的にお示しください。
b どのように支給するか具体的にお示しください。
c 世帯把握はしていると思われるが、現金支給の他に、区市町村等と連携をしてどのような支援を講じているのか伺う。
シ 障害者就業・生活支援センター(生活支援)強化事業について
a 本事業の内容について伺う。
b 都の従来の施策との関連につき、ご説明ください。
ス 家賃支援給付金について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的にお示しください。
b 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的にお示しください。
c 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、ご説明ください。
セ 飲食事業者の業態転換支援の拡充について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的にお示しください。
b 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的にお示しください。
c 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、ご説明ください。
ソ 新事業獲得に向けたイノベーション創出支援事業について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的にお示しください。
b 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的にお示しください。
c 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、ご説明ください。
タ 受発注創出事業について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的にお示しください。
b 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的にお示しください。
c 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、ご説明ください。
チ 新しい日常に対応した観光事業者等の受入環境モデル発信事業について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的にお示しください。
b 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的にお示しください。
c 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、ご説明ください。
ツ オンライン東京ツアー発信事業について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的にお示しください。
b 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的にお示しください。
c 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、ご説明ください。
d 今後、都民や他道府県民、インバウンドへの周知をいかに進めていくのか、ご説明ください。
e また、アクセシビリティ対応につき、具体的な想定し得る取り組みを示して、ご説明ください。
テ IT人材育成事業について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的にお示しください。
b 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的にお示しください。
c 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、ご説明ください。
d 区市町村やハローワーク等、他の機関や就業支援事業者と連携していかに雇用につなげていくのか、ご説明ください。
e 障害者については本事業の対象となり得るのか、希望があったときの対応・支援・合理的配慮につき、具体的な想定し得る取り組みを示して、ご説明ください。
2 補正予算編成のあり方について
ア 令和2年7月補正予算編成の契機と時期、プロセスにつき、時系列でご説明ください。
イ 令和2年7月補正予算に先の知事選挙における小池知事の公約がどのように反映されているのか、具体的な項目を示して、ご説明ください。あるいは、逆に補正予算が小池知事の公約に影響を及ぼすことがあったかなかったか、ご所見をお示しください。
ウ 令和2年7月補正予算の編成が7月5日以前に始まっていたと側聞しますが、小池知事の再選を前提としたものではなかったのか、ご所見をお示しください。

二 東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例について
小池知事は1期目の知事選挙公約に則り、年間給与を50%削減してきています。この点は、当初の公約を支持する立場から評価するものです。一方、知事就任以来、総人件費は増加しています。
1 知事給与の削減は1年ごとの時限条例により実施されてきていますが、いつまで継続するのでしょうか。小池知事の在職中、継続するのか、何か政策目標が達成されたことをもって本則に復するのか、お答えください。
2 トップだけが給与カットするのでは「身を切る」だけの給与パフォーマンスになってしまいます。知事給与カットを契機に、総人件費を削減し、「身を切る改革」につなげていく考えはないか、ご所見を求めます。
3 知事退職金についてはどうしていくのか、ご所見を求めます。
4 知事給与に比べ、決裁権を持たない知事特別秘書の給与は高額で、職務・責任からして均衡を欠いているが、現行額で適正である根拠を具体的にお示しください。

三 コロナ禍にあたっての小池知事のガバナンスについて
1 このような時期(知事選直後・新型コロナウイルス感染症蔓延危機の最中)異例の局長・幹部人事発令について
コロナ禍にあり、局長クラスの大幅な人事異動があった件について、混乱を招くのではないか危惧されます。このタイミングの人事について知事の見解を伺いたいと思います。
ア 元福祉保健局長の内藤淳氏は、病院経営本部長時代から都立病院の実情を熟知しているなどだけでなく、コロナ禍以前から感染症対策に精通していた。最も手腕を必要とされる人材であったはずであるのに交通局長への異動は考えがたいです。有事には、組織益を優先するよりも都民のために結果を出す『実力者』を留任すべきだと考えますが、なぜこれまでのコロナ対応の経験値が発揮できるとは思えない交通局長へ内藤氏を異動させたのか伺います。
イ 週刊誌報道によると、『築地と豊洲』の著者であり、元中央卸売市場次長、現公益財団法人東京都環境公社理事長である澤章氏が、都の慣例では65歳まで在任するはずであるにも関わらず、61歳である7月末に突如として多羅尾光睦副知事より、退任が通知されました。理由は「局長経験者として高度な意思決定にかかわったにもかかわらず、社会的常識を逸脱した行動が目に余る」とのことです。「社会的常識」とは何なのか、澤氏の「社会的常識を逸脱した行動」とは何だったのか具体的な説明を求めます。
ウ 公益財団法人東京都環境公社は外郭団体であり、これまでも野田数氏のTSS及び東京水道株式会社就任にあっては、外郭団体は東京都とは独立し運営されている企業であり、都は人事に関しては関与しないと再三再四にわたり上田の質疑に対して答弁を繰り返しているにも関わらず、なぜ公社人事に副知事が直接かかわったのか、根拠法や条例、同社社則等をお示しの上、都度の決裁権者・手順を含めた発議から人事の発令までの時系列の詳細の説明を伺います。
エ 最終的に人事を決めたのは誰なのか、誰が発してどのような決定文書であったか明らかにした上で知事なのか都と公社どちらの人事部なのか、伺います。
2 職員の職場環境とメンタルヘルスについて
ア コロナ禍にあり、未曾有の状況及び前述の「粛正人事」と都民に指摘されかねぬ人事異動も散見され、幹部職から一般職員、現業に至る職員のモラルとモラール、モチベーション低下を懸念するものです。1月からこれまでの、東京都職員の自殺、病気休暇及び病気休職、定年を待たない退職、公務災害の状況について前年度と比べた推移について原因別状況を伺います。
イ 同じく小池知事となってからの推移を問う。
3 知事の学歴報道を受けての都民・都議会への説明について
7月5日放送の、テレビ東京の新型コロナウイルス感染症に関する特別番組に小池知事は出演されて、『女帝 小池百合子』を掲げて池上彰氏が「読んだのか」と尋ねた際に「読んでいない」と答えられましたが、6月3日のカイロ大学の卒業証書類の提示と説明を求めた私の一般質問では、明確な答弁をなさらず、結局都議会議場の場で、都民と都民の代表に向けての公表も説明もなされませんでした。後日、私的な記者会見の場で公表されたと側聞しますが、コロナ禍のような有事においては、トップの信頼性が何よりも求められます。この間東京都知事選挙も執行されましたが説明責任を果たさぬまま、当選で禊が済んだわけではありません。
卒業証書類については、学籍番号が不明で、エジプト外務省のスタンプがない、「10月の試験の結果、カイロ大学は12月29日に学位を授与すると決定した」とあり、以前上田が「「卒業証書」で記された試験を受けたという1976年10月はサダト大統領夫人のアテンドのため10月9日以降を日本で過ごし当時の東京新聞インタビューでは「9月に卒業した」と語り、産経新聞では「卒業式を終え」帰国したと書かれています。大学の卒業時期は、社会通念上本人が間違うわけがないのに齟齬が生じていることを不可思議に思います。試験はいつ行われたのか、真の卒業はいつなのか事実をご説明下さい。」と、文書質問した疑義は都議会議場の場で未だ晴らされておりません。本来、自身の「学歴」というものは、一政治家のために、内政干渉の疑義を惹起させるようなご迷惑をかけかねぬ外国政府からの説明ではなく、自ら証明し公表し説明すべきものであり、国際都市東京の知事であれば、公開された議事録の残る場で説明する責任があります。30万部を超えようとするベストセラーとなった同書を読まれた上で、いつ都民に公の場で説明するのか所見を伺います。

令和2年第二回都議会臨時会
上田令子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 新型コロナウイルス感染症の緊急対策について
1 令和2年7月補正予算について
ア 国庫支出金を活用する考え方について
a 国庫支出金が今回、東京都へ支給された経緯と目的を伺う。

回答
今回の補正予算の主要財源である国庫支出金は、国の第二次補正予算での増額により、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金と新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が大宗を占めています。
このうち、地方創生臨時交付金については、新型コロナウイルス感染症への地方における様々な対応や取組を支援するため、地域の実情に応じて、家賃支援を含む事業継続や雇用維持等への対応を後押しするとともに、「新しい生活様式」等への対応を図る観点から拡充が図られ、各自治体へ交付されるものです。

質問事項
一の1のアのb 交付額が適正か、過不足はないのか、具体的に伺う。

回答
国の第二次補正分に係る地方創生臨時交付金の東京都への配分に当たっては、感染者数の状況など、東京の実態を踏まえた配慮が一定程度なされたものの、引き続き財政力による調整が行われたことから、東京の実情を踏まえた財政支援を行うよう、今後も国に対して積極的に働きかけていきます。

質問事項
一の1のアのc 使途についての考え方、都としての裁量はどの程度あるのか、具体的に伺う。

回答
地方創生臨時交付金は、新型コロナウイルスの感染拡大の防止及び感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援を通じた地方創生に資する事業が交付対象とされており、例えば、家賃支援や飲食店等における3密対策など、各自治体が地域の実情に応じてきめ細かに実施する地方単独事業への充当が可能です。

質問事項
一の1のアのd 都民からの行政ニーズと行政需要をどう判断したのか、漏れているニーズはないのか、具体的に伺う。

回答
今回の地方創生臨時交付金の第二次補正分については、国費の充当が可能な事業の中から、中小企業の方々との日常的な意見交換などを通じ、都民や中小企業のニーズを踏まえた上で、都独自の事業に財源を充当したものです。
具体的には、感染拡大の影響により売上が減少した中小企業等の法人及び個人事業主を対象として、国の家賃支援に上乗せする「東京都家賃等支援給付金」などに財源を充当しています。

質問事項
一の1のアのe 国からの交付金等は使い切らなければいけないのか、余剰金はどの程度、流用したり、繰り越したり、基金に積んだり、区市町村に交付できるのか、法制度上の根拠を示した説明を求める。

回答
一般的に、国からの交付金等について、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第18条第2項に基づき、交付金等の額が確定した場合において、既にその額を超えて交付されている時は、その額を国へ返還しなければなりません。
その上で、今回の地方創生臨時交付金の第二次交付分については、交付対象事業区分ごとの交付限度額の範囲内で相互に融通することが可能とされており、また、国の予算において繰越明許費とされているため、交付金を財源として実施する事業費を翌年度まで繰り越すことができるとされています。
基金については、対象事業に充当されることが条例により担保されているなどの一定の要件を満たす場合に限り積立てが認められます。
なお、東京都に交付される交付金を区市町村に交付することは、制度上可能とされていますが、本交付金は国から区市町村にも交付されています。

質問事項
一の1のイ 基金残高について
a 各種基金の残高見通しを伺う。

回答
令和2年8月3日時点での令和2年度末基金残高見込みは、財政調整基金が926億円、特定目的基金が9,187億円となっています。

質問事項
一の1のイのb 財政調整基金が大幅に減ったが、今後の財政需要への対応に向け、危機意識と対策、今後の積み増しにつき、考えを伺う。

回答
今後の財政需要に対し、特定目的基金や都債など、これまで培ってきた財政の対応力に加え、徹底した歳出の精査など無駄の排除により、財源の確保に努めていきます。
なお、財政調整基金については、今後、東京都財政調整基金条例に基づき、令和元年度決算剰余金の一定割合を積み立てることを予定しています。

質問事項
一の1のウ 今後の財政運営について
a 今年度は当初予算よりも確実に法人二税が減収すると思われる。年度内の見通しとそれへの対応財政努力について、伺う。

回答
都税収入は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う相当程度の減収に直面するリスクが高まっており、今後の財政環境は一層厳しさを増すものと認識しています。
そのため、今後とも、歳出の精査を一層徹底し、事業の成果や決算の状況を厳しく検証するなど、事業評価の取組の更なる深化を図るとともに、令和2年度予算の執行についても、令和3年度の予算編成作業と一体的に必要な見直しを行っていきます。

質問事項
一の1のウのb 年度末の公共事業など予算を年度末に無理やり使い切るといった無駄が生じているとの指摘がある。新型コロナウイルス感染症対策にかかる補正予算があてられた新規事業等で活用されなかった場合同様のことが発生することを懸念することから執行に関する考え方を伺う。

回答
今回の補正予算に掲げた施策の展開に当たっても、各局と連携しながら、予算の適切な執行管理に努めます。
なお、今後とも、事業の進捗状況を踏まえ、補正予算も含め、歳出の精査を徹底します。

質問事項
一の1のエ 医療従事者等への慰労金の支給について
a 人件費にかかる今回の施策で解決できることできないことを伺う。

回答
国の補正予算で措置された慰労金は、医療機関、介護サービス事業所・施設及び障害福祉サービス施設・事業所等に勤務する職員が、感染すると重症化するリスクが高い利用者との接触を伴うこと、継続して提供することが必要な業務であること及び医療機関等での集団感染の発生状況から、相当程度心身に負担がかかる中、強い使命感を持って、業務に従事していることに対して支給するものです。
慰労金の支給手続について、国は、申請受付及び支給事務等は原則として国民健康保険団体連合会が、審査・交付決定の事務は都道府県が行うこととしています。
都は、医療従事者等が速やかに慰労金を受給できるよう、医療機関向け及び介護・障害分野向け等に、それぞれ専用のホームページを開設するとともに、コールセンターを設置するなど、きめ細かく支援していきます。

質問事項
一の1のエのb 慰労金について非課税にできないか、所見を伺う。

回答
国が定めた実施要綱では、今回の慰労金は、所得税法の非課税規定に基づき、非課税所得に該当するとされています。

質問事項
一の1のエのc 都立・公社病院においても、大量退職の懸念はないか、一時金なので今後どうサポートできるか、対応策と所見を伺う。

回答
都立・公社病院では、指定医療機関として感染症医療において重要な役割を果たしている四病院を中心に、全ての病院において、医師、看護師等の職員が強い使命感や責任感の下で一丸となり、新型コロナウイルス感染症患者に対応しています。
新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止・収束に向けてウイルスに立ち向かい、感染すると重症化するリスクが高い患者との接触を伴うなど、相当程度心身に負担がかかる中、強い使命感を持って、継続して業務に従事している医療従事者等の日々の労に報いるためのものです。
今後、対象となる医療従事者等に確実に慰労金が給付できるよう取り組むことはもとより、新型コロナウイルス感染症の対応に必要なマスクや消毒薬の確保、治療等の業務を行った職員に対する特殊勤務手当の支給など、最前線で感染症に立ち向かう職員をサポートしていきます。

質問事項
一の1のオ 現在の医療現場の一番の課題、コロナ対応していない医療機関の減収の問題、今後の経営支援につき、取り組みを伺う。

回答
都は、新型コロナウイルス感染症患者の受入れを行っていない医療機関も含め、感染拡大防止対策に取り組む医療機関等への支援を行うとともに、勤務日数等が一定の条件を満たした医療従事者等に対する慰労金を支給します。
また、令和2年7月4日に行った厚生労働大臣及び経済再生担当大臣に対する新型コロナウイルス感染症対策に関する要望の中で、通常診療を含め、医療提供体制が確実に維持されるよう、医療機関の実情を踏まえた支援策の拡充について要望しています。

質問事項
一の1のカ 感染症拡大防止対策等への支援全般について、対象機器や経費は現場の意向は反映されるのか、使途を限定的にして利用する医療機関にとって使い勝手が悪くなってはいないかとの懸念があるが、所見を伺う。

回答
国が令和2年6月16日に示した「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)実施要綱」によると、医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業は、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者と一般の患者が混在しない患者動線の確保など、院内等での感染拡大を防ぐための取組を行う医療機関等を支援するものです。
補助対象経費は、新型コロナウイルス感染症に対応した感染拡大防止対策や診療体制確保等に要する費用であり、医療機関の様々な取組を柔軟に支援することが可能となっています。

質問事項
一の1のキ 重点医療機関等の体制整備について
a この事業によって3,000床確保を目指すということだが、現時点の状況と本事業での解消の見通しを伺う。

回答
都は、新規陽性者数が増加している状況を踏まえ、入院が必要な陽性患者が確実に入院できるよう、医療提供体制を強化することとし、重症患者用100床、中等症等患者用に2,700床の確保を医療機関に要請しており、令和2年7月末現在で2,400床を確保しています。
引き続き入院重点医療機関の指定を進めるなど、病床の確保に取り組んでいきます。

質問事項
一の1のキのb 軽症者向け宿泊療養施設として都が確保していたホテル等施設の当初からのこれまでの確保数、利用人数、ホテル施設等との契約状況、現状の充足状況を伺う。

回答
都は、新型コロナウイルス感染症の検査で陽性となった方のうち、症状がない又は医学的に症状が軽く、必ずしも入院治療が必要でない方(以下「軽症者等」という。)がホテルを活用した宿泊療養施設で療養を行えるよう、新規陽性者数の動向を踏まえながら施設の確保を行っています。
宿泊療養の実施に当たっては、福祉保健局において方針を検討した上で、都として決定し、令和2年4月7日に宿泊療養施設を開設して以降順次、軽症者等の受入れを行ってきました。
運営状況は、「東横INN東京駅新大橋前」では208室を確保し4月7日から6月30日までの契約期間に利用者223名、「東京虎ノ門東急REIホテル」では431室を確保し4月15日から6月30日までの契約期間に利用者202名、「イーストタワー(品川プリンスホテル)」では919室を確保し4月17日から6月30日までの契約期間に利用者248名、「アパホテル&リゾート(両国駅タワー)」では1,111室を確保し5月1日から7月31日までの契約期間に利用者344名であり、「the b 八王子」では196室を確保し5月1日から7月31日までの期間に利用者664名となっています。
5月中旬以降の新規陽性者数の減少を受け、福祉保健局において方針を検討した上で、都として決定し、運営規模の見直しを図り、7月においては一時的に「the b 八王子」の1施設の運営となりました。
7月以降再び新規陽性者数が増加してきた状況を踏まえ、都は、4月14日から20日まで及び6月12日から23日までの間に宿泊療養施設の公募に対し応募のあったホテルとの調整を進め、7月16日に「the b 池袋」、7月23日に「デイナイスホテル東京」、7月29日に「東横INN新宿歌舞伎町」及び「東横INN東京駅新大橋前」、7月31日に「イーストタワー(品川プリンスホテル)」での運営をそれぞれ開始し、7月末時点で6施設2,000室を超える部屋数を確保して軽症者等の受入れを行っています。
4月から7月末までの宿泊療養者数は、7月以降に運営を開始した5施設の485名を含め全体で2,166名、7月31日時点の宿泊療養者数は288名となっています。
なお、現在運営を行っている施設との契約期間は、1施設が当面9月末まで、その他の5施設が10月末までとなっており、今後の新規感染者数の状況等を踏まえて、福祉保健局において対応案を整理し、都として契約期間の延長等について判断していきます。

質問事項
一の1のキのc 東京都における「超過死亡」における人数と率について12月から6月における、過去5年間平均と令和元年から本年6月までの数値と、その見解を伺う。

回答
都では、新型コロナウイルス感染症の超過死亡に関する統計資料は保有していません。
なお、厚生労働省の研究班が令和2年7月31日に「我が国における超過死亡の推定」として取りまとめた分析結果を公表しています。この分析では、令和2年1月から4月までの全国の超過死亡を都道府県別に二つの分析手法で分析した結果、一つの分析手法により都では55人の超過死亡があったと推定されるとしています。

質問事項
一の1のキのd 検査体制について、知事記者会見では一日の検査件数を増強すると都度語られてきたが、具体的に検査体制をどう強化するのか、検査件数をどのような検査機関を使って増やすのか、これまでの課題を含め具体的に伺う。

回答
都では、必要とする人が診療や検査を迅速に受けられるよう、令和2年10月までに1日当たり1万件の検査能力の確保を目指し、検体を採取する体制の整備と、検査処理能力の増強を両輪で推進し、検査体制の拡充を図っています。
検体採取の体制については、当初、各保健所に設置する新型コロナ受診相談窓口から受診案内を受けた新型コロナウイルスに感染した疑いがある患者に対し、新型コロナ外来のみでの検査が行われていましたが、令和2年4月15日付の国の事務連絡により、地域の診療所と連携して検査を集中的に実施する地域外来・検査センター(PCRセンター)の仕組みが設けられ、さらに6月2日には唾液を用いたPCR検査が導入されており、都は、医師会等と連携しながら新型コロナ外来及びPCRセンターの設置を促すとともに、唾液を用いたPCR検査の診療所への導入を進め、検査機会の拡大を図ります。
検査処理能力については、当初、新型コロナウイルスに係るPCR検査の実施機関は、国の機関を除き、東京都健康安全研究センターに限られていましたが、3月6日から民間検査機関による保険適用の検査が導入され、民間検査機関の活用が進んでいます。
令和2年7月末時点での都内の検査処理能力は1日当たり約8,600件ですが、都は、民間検査機関や大学病院等における、より高効率な検査機器の導入を支援することにより、検査処理能力の拡大を進めていきます。

質問事項
一の1のキのe 新型コロナウイルス感染症の検査結果について、東京都は発表が著しく遅く、Faxでの集計が原因であると指摘されて久しいが、これまでの検査から集計までの経緯とプロセスと課題点、エラー等はなかったか、今後どう改善するのか伺う。

回答
新規陽性者に係る情報の連絡については、これまでファクシミリによる送受信の方法によっていましたが、令和2年3月以降、陽性者の急増により保健所と都の双方において情報の確認や共有が滞った状況となったことを踏まえ、都は5月に改めて保健所に対し、発生届の提出とともにオンラインの感染症発生動向調査システム(NESID)への入力の徹底を依頼しています。また、8月には、国が新たに導入した新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)への入力を徹底するよう依頼し、これらのシステムを活用して陽性者の情報を把握しています。
また、入退院の状況や宿泊療養の状況など陽性者の詳細な情報について、都から業務支援のため各保健所へ派遣している職員を通じ、都庁内に設置した患者情報管理センターに集約し、都独自のデータベースを構築して保健所と情報を共有することにより、一体的な取組を進めています。

質問事項
一の1のク 妊産婦総合対策事業について
a 個々の妊産婦や医療機関・助産師への本事業の情報提供はどのように行うのか、伺う。

回答
都は、新型コロナウイルス流行下における妊産婦総合対策事業について、検査の流れや、陽性となった方への相談支援などを、分かりやすく紹介するリーフレットを作成し、区市町村、医療機関、助産施設等に配布するとともに、かかりつけ医等を通じて妊産婦に情報を提供しています。
あわせて、都のホームページも活用し、本事業について広く周知しています。

質問事項
一の1のクのb 陽性となった場合、帝王切開の強制・誘導はされないか、自然分娩を希望したときにどのように支援していくのか、伺う。

回答
検査を希望する妊婦に対しては、検査の性質上、偽陽性や偽陰性が一定の割合で起こりうることや、結果が陽性になった場合、医師の判断により分娩方法等が変更となる可能性があることなど、事前にかかりつけ医が丁寧に説明することが重要です。
都は、東京都医師会や東京産婦人科医会と連携して、説明に必要な事項を整理し、事業の開始前に、かかりつけ医へ周知しています。

質問事項
一の1のクのc 陰性となった場合の通院病院等との情報共有と対応は、どのように進めていくのか、伺う。

回答
妊婦の方が、かかりつけ医以外の医療機関で検査を受けた場合、本人の同意を得て、検査結果を検査実施機関からかかりつけ医へ情報提供することとしています。

質問事項
一の1のクのd ハイリスク妊婦への情報提供は、どのように進めていくのか、区市町村による対応も含め伺う。

回答
都は、新型コロナウイルス流行下における妊産婦総合対策事業について、検査の流れや、陽性となった方への相談支援などを、分かりやすく紹介するリーフレットを作成し、区市町村、医療機関、助産施設等に配布するとともに、かかりつけ医等を通じて妊産婦に情報を提供しています。
あわせて、都のホームページも活用し、本事業について広く周知しています。
また、区市町村では、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、関係機関と連携して、継続した支援を実施しています。

質問事項
一の1のクのe 新生児が陽性の場合の出産後のサポートについては、どのように進めていくのか、伺う。

回答
都は、新型コロナウイルスの感染が認められた妊産婦で、自身の健康だけでなく、胎児又は新生児の健康や出産後の育児等について不安を感じ、相談を希望する方を対象に、保健師等の専門職が対応する寄り添い型支援を実施します。
支援に当たっては、定期的な訪問や電話などにより、不安や悩みを傾聴し、健康管理や育児に関する専門的な助言等を行います。

質問事項
一の1のクのf 寄り添い型支援事業は、委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的に伺う。

回答
新型コロナウイルスに感染した妊産婦に対する寄り添い型支援の実施に当たっては、新型コロナウイルス感染による健康不安や育児不安など様々な悩みを抱える妊産婦に対して、健康管理や育児に関する専門的な指導やケアを行うことが求められます。このため、専門職による対応が可能である、公益社団法人東京都助産師会へ委託をしています。

質問事項
一の1のクのg 都や区市町村の従来の施策、ことに区市町村の妊婦健診・保健師との連関につき、伺う。

回答
都は、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握して、継続した支援を行うため、保健師等の専門職による全ての妊婦との面接や、産後ケア等を行う区市町村を、とうきょうママパパ応援事業を通じて支援しています。
区市町村では、こうした取組に加え、妊婦健康診査や新生児訪問指導、乳児家庭全戸訪問、乳幼児健康診査などを通じて状況を把握し、必要な場合は、関係機関と連携しながら支援につなげています。
さらに、今回、新型コロナウイルスに感染した妊産婦に対する支援を実施することとしており、都は、こうしたあらゆる機会を活用して、区市町村と連携して妊産婦の不安解消に取り組んでいきます。

質問事項
一の1のケ 児童虐待・DV等相談における支援体制の強化について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的に伺う。

回答
感染防止に配慮した児童虐待・DV等相談支援体制強化事業は、新型コロナウイルス感染症の感染防止に配慮した相談支援体制の構築・強化を図ることを目的に、児童養護施設の退所者や若年被害女性、配偶者からの暴力等の被害者等に対し、相談・支援等を行う民間団体を支援するものです。
都は、ホームページにより事業について広報し、本事業を活用した取組に係る利用者への具体的な周知は、それぞれの民間団体が行います。

質問事項
一の1のケのb 補助事業を想定しているとのことだが、対象事業者はどのような組織・企業を想定しているか、具体的に伺う。

回答
感染防止に配慮した児童虐待・DV等相談支援体制強化事業は、児童養護施設の退所者や若年被害女性、配偶者からの暴力等の被害者等に対し相談・支援等を行う民間団体を支援するもので、おおむね120団体を想定しています。

質問事項
一の1のケのc 都や区市町村の従来の施策との連関につき、伺う。

回答
感染防止に配慮した児童虐待・DV等相談支援体制強化事業では、都の児童相談所が既に支援を継続している家庭を対象に、現在の相談対応に加え、テレビ電話を利用した相談支援を試行的に実施するとともに、児童養護施設の退所者や若年被害女性等を支援する民間団体が従来から行う相談対応のオンライン化を支援します。
また、配偶者からの暴力等の被害者に対し相談・支援等を行う民間団体に対しては、事業費の一部を助成するなどの支援を行ってきましたが、本事業で、さらに、民間団体が実施する、テレビ電話を活用した相談やオンライン会議による関係機関との連携・調整等のための機器導入等を支援します。

質問事項
一の1のコ 自殺相談について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的に伺う。

回答
都は、自殺の背景となる多重債務、失業、いじめ、過労、健康問題、家庭問題などへの相談に的確に対応するため、自殺相談専門の電話相談やSNS相談を含む自殺の予防に関する様々な相談窓口の情報を掲載したリーフレットを作成し、区市町村や関係機関を通じて周知しています。
また、こうした相談窓口を掲載した常時携帯可能なポケットサイズの相談メモを作成し、都内の小学校、中学校、高等学校等を通じて児童生徒に配布しています。
さらに、3月と9月の自殺対策強化月間では、インターネットの検索サイトでの自殺に関連した検索と連動して、電話相談やSNS相談に誘導するウェブ広告を展開し、周知しています。

質問事項
一の1のコのb 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的に伺う。

回答
令和2年度の自殺相談専門の電話相談及びSNS相談は、特定非営利活動法人メンタルケア協議会に委託しています。

質問事項
一の1のコのc 都や区市町村の従来の施策との連関につき、伺う。

回答
都は、福祉、医療、経済、教育等の関係機関や民間団体、有識者からなる自殺総合対策東京会議を設け、多様な分野が幅広く連携しながら、様々な施策を推進しています。
また、地域での実践的な取組を推進するため、東京都地域自殺対策推進センターを設置し、自殺対策を支える人材の育成や区市町村の計画策定を支援しています。
さらに、情報提供や意見交換等を行う区市町村連絡会を年間3回程度開催しており、区市町村や関係団体と連携した自殺対策を実施しています。

質問事項
一の1のコのd 新型コロナウイルス感染症が日本において感染が広がり始めた1月末から緊急事態宣言下、解除後の今日に至るまで東京都における自殺件数の推移を伺う。

回答
警察庁の自殺統計における令和2年1月から同年7月までの都内で発見された自殺者数は、1月168人、2月160人、3月178人、4月124人、5月172人、6月184人、7月202人(全て暫定値)であり、令和元年は、1月177人、2月192人、3月180人、4月180人、5月202人、6月146人、7月194人です。

質問事項
一の1のサ ひとり親支援について
a 「収入が減少した」児童扶養手当受給世帯へ追加給付ということであるが、どのように決定をするのか、対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的に伺う。

回答
ひとり親世帯臨時特別給付金の実施主体は、都及び区市であり、都は、町村分の実施に必要な経費を令和2年度7月補正予算に計上しました。
都は、ひとり親世帯臨時特別給付金についてホームページ等で周知するほか、町村を通じて、児童扶養手当受給者資格者等に対し、手続の方法等を記載したリーフレットを送付しています。
町村は、8月の児童扶養手当の現況届受付の機会を活用し、受給資格者に対し、個別に周知を行っています。
追加給付については、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した受給者等が町村に申請し、都で内容を確認した上で支給を決定します。

質問事項
一の1のサのb どのように支給するか、具体的に伺う。

回答
ひとり親世帯臨時特別給付金の追加給付については、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した児童扶養手当受給者等が町村に申請し、都で内容を確認した上で、対象者に直接支給します。

質問事項
一の1のサのc 世帯把握はしていると思われるが、現金支給の他に、区市町村等と連携をしてどのような支援を講じているのか伺う。

回答
都は、生活資金の緊急貸付や納税の猶予など、感染拡大による影響でお困りの方が利用できる様々な制度や相談先をまとめたサイトを、ひとり親家庭支援センターのホームページに新たに開設しました。
母子及び父子福祉資金の貸付けでは、新型コロナウイルス感染症の影響で返済が著しく困難になった場合は、その支払を猶予することとしています。
また、区市町村と連携し、児童扶養手当を受給する全てのひとり親家庭を対象に、食料品など生活に必要な物品を入手できるよう支援しています。

質問事項
一の1のシ 障害者就業・生活支援センター(生活支援)強化事業について
a 本事業の内容について伺う。

回答
障害者就業・生活支援センターは、障害者雇用促進法に基づく支援機関であり、都内に6か所設置しています。
障害者就業・生活支援センターでは、勤務先の休業等により自宅で過ごすこととなった障害者への生活支援を強化するため、新たに人材を配置するなど、訪問、電話及びリモート面談等の支援の充実を図っています。
また、障害者を雇用する企業や医療機関との連絡調整等を行い、在宅生活が長くなった障害者が安定した生活を維持し、円滑に職場復帰するための、きめ細かな支援を実施しています。

質問事項
一の1のシのb 都の従来の施策との関連につき、伺う。

回答
都は、障害者就業・生活支援センターを通じて、雇用、保健、福祉、教育等の関係機関と連携しながら、障害者の就業及びこれに伴う生活に関する指導・助言、職業準備訓練のあっせんなど、障害者の職業生活における自立を図るために必要な支援を行っています。
今般の令和2年度7月補正予算により、障害者就業・生活支援センターの体制を強化し、新型コロナウイルス感染症の影響により在宅生活が長くなった障害者に対する生活支援をきめ細かく実施していきます。

質問事項
一の1のス 家賃支援給付金について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的に伺う。

回答
本事業の対象者は、原則として国の家賃支援給付金の給付決定を受けた都内の中小企業等であり、事業者からの相談や問合せには、専用のコールセンターの設置に加え、都のホームページやSNSの活用により対応しています。

質問事項
一の1のスのb 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的に伺う。

回答
迅速な給付につなげるため、給付金の申請受付及び審査業務の支援等を円滑に行うことができる企業に対し、業務の一部を委託します。

質問事項
一の1のスのc 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症により厳しい経営環境が続く中、とりわけ家賃については売上の増減に関わらず負担が生じることから、今般、国の家賃支援給付金に都が独自の上乗せを行い、都内の中小企業等の事業継続を着実に支援することとしました。

質問事項
一の1のセ 飲食事業者の業態転換支援の拡充について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的に伺う。

回答
本事業の対象者は、新型コロナウイルス感染症の影響により、テイクアウトやデリバリーなどの業態転換に取り組む都内の飲食事業者であり、好事例などをまとめたリーフレットや専用のポータルサイトによるPRを行っています。

質問事項
一の1のセのb 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的に伺う。

回答
公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施主体となり、事業を実施しています。

質問事項
一の1のセのc 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、伺う。

回答
本事業は、テイクアウトやデリバリーなどの新たな業態転換の取組を支援するものであり、これにより、新型コロナウイルス感染症により売上の減少等の影響を受けている都内の飲食事業者を着実に支援していきます。
また、本事業の実施に当たっては、区市町村にも情報提供を行い、周知を図っています。

質問事項
一の1のソ 新事業獲得に向けたイノベーション創出支援事業について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的に伺う。

回答
本事業の対象者は、新型コロナウイルス感染症対策に関連し、かつ今後のニーズの高まりが予想される新たな技術や製品の開発に取り組む都内の中小企業であり、都のホームページやメールマガジンによるPRのほか、都内の商工団体を通じて広く周知を図っていきます。

質問事項
一の1のソのb 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的に伺う。

回答
公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施主体となり、事業を実施しています。

質問事項
一の1のソのc 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、伺う。

回答
本事業は、ウィズ・コロナ社会における新たな需要獲得に向けた集中的な支援を行うものであり、これにより、都内の中小企業のイノベーションを一層促進し、感染症防止と経済社会活動との両立を図っていきます。
また、本事業の実施に当たっては、区市町村にも情報提供を行い、周知を図っています。

質問事項
一の1のタ 受発注創出事業について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的に伺う。

回答
本事業の対象者は、新型コロナウイルス感染症により厳しい経営状況にあり、新たな販路開拓の取組が必要な都内の中小企業であり、都のホームページやSNSを活用して周知するほか、効果的なPRのためのノウハウや技術を専用のウェブサイトで発信していきます。

質問事項
一の1のタのb 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的に伺う。

回答
公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施主体となり、事業を実施しています。

質問事項
一の1のタのc 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、伺う。

回答
本事業は、対面型による商談会や展示会の開催が困難な状況の中、オンラインを活用した新たな商談機会の創出などを支援するものであり、これにより、感染症の影響を受けている都内の中小企業の業績回復と新たな販路開拓を着実に後押ししていきます。
また、本事業の実施に当たっては、区市町村にも情報提供を行い、周知を図っていきます。

質問事項
一の1のチ 新しい日常に対応した観光事業者等の受入環境モデル発信事業について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的に伺う。

回答
本事業は、新型コロナウイルスの感染防止に向けた先進的な取組を行う都内の観光事業者を支援するもので、事業者の募集に当たっては、都のプレス発表やホームページへの掲載に加え、区市町村や業界団体を通じて周知しました。

質問事項
一の1のチのb 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的に伺う。

回答
委託先については、他事業者の参考となる先進的な取組事例を収集し、ウェブサイト等で効果的に情報発信を行うことができる事業者を選定していきます。

質問事項
一の1のチのc 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、伺う。

回答
これまでの受入環境整備に向けた支援施策の成果を踏まえ、都内観光事業者や地域が「新しい日常」への対応を効果的に実施できるよう支援していきます。

質問事項
一の1のツ オンライン東京ツアー発信事業について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的に伺う。

回答
本事業では、都内観光協会と協力し、自宅にいながらにして、リアルタイムで東京の観光を体験できる新たな方策として、ウェブ上で観光スポットを巡るオンラインツアーを実施します。
ツアーの周知については、専用サイトに情報を掲載するとともに、都の広報媒体や、観光協会による発信などを行っていきます。

質問事項
一の1のツのb 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的に伺う。

回答
委託先については、オンラインツアーの円滑な運営やプロモーションを効果的に展開できる事業者となる予定です。

質問事項
一の1のツのc 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、伺う。

回答
本事業は従来の都内の観光協会が行うリアルな街歩きツアーを、オンラインに替えて、情報発信等の支援を行い、今後の新たな地域の観光の方策としてモデル的に取り組むこととしています。

質問事項
一の1のツのd 今後、都民や他道府県民、インバウンドヘの周知をいかに進めていくのか、伺う。

回答
オンラインツアーの周知については、専用サイトに情報を掲載するとともに、都の広報媒体や観光協会による発信などを行っていきます。

質問事項
一の1のツのe アクセシビリティ対応につき、具体的な想定し得る取り組みを伺う。

回答
高齢者や障害者の方でも参加しやすいよう、ツアーへの参加方法等について、サイト等でわかりやすい説明を行うなど、事業者や観光協会と連携し、適宜、工夫を行っていきます。

質問事項
一の1のテ IT人材育成事業について
a 対象者をどのように把握し、周知していくのか、具体的に伺う。

回答
本事業の対象者は、新型コロナウイルス感染症の影響で離職した若者等としており、ハローワークと連携したPRに加えて、本事業の専用のホームページを開設することなどにより周知を図っていきます。

質問事項
一の1のテのb 委託事業を想定しているとのことだが、委託先はどのような組織・企業を想定しているか、具体的に伺う。

回答
本事業における委託先としては、IT関連のスキルを付与する職業訓練ときめ細かい再就職支援を一体的に実施することが可能な民間事業者を想定しています。

質問事項
一の1のテのc 国の施策や都や区市町村の従来の施策との連関につき、伺う。

回答
本事業は、IT関連のスキルを付与する職業訓練と、きめ細かい再就職支援を一体的に行う新たな事業であり、都の施策はもとより、国の雇用対策や区市町村が行う雇用就業施策を十分踏まえ、総合的に実施していきます。

質問事項
一の1のテのd 区市町村やハローワーク等、他の機関や就業支援事業者と連携していかに雇用につなげていくのか、伺う。

回答
本事業の実施に当たっては、ハローワークや区市町村と連携して、事業内容のPR等を行うことにより利用を促進し、正規雇用での再就職につなげていきます。

質問事項
一の1のテのe 障害者については本事業の対象となり得るのか、希望があったときの対応・支援・合理的配慮につき、具体的な想定し得る取り組みを伺う。

回答
本事業は障害者の方も対象となり、その障害特性など、個別の事情を十分に踏まえ適切に対応していきます。

質問事項
一の2 補正予算編成のあり方について
ア 令和2年7月補正予算編成の契機と時期、プロセスにつき、時系列で伺う。

回答
令和2年度7月補正予算は、6月12日に国の第二次補正予算が成立したことを踏まえ、同月26日に各局に対し補正対象事項を示した上で、各局からの予算要求を基に、財務局による予算の調整を経て、7月8日の知事査定の場において議論を行い決定したものを補正予算案として取りまとめ、同月17日の令和2年第二回都議会臨時会に御提案し、御審議いただいたものです。

質問事項
一の2のイ 令和2年7月補正予算に先の知事選挙における小池知事の公約がどのように反映されているのか、具体的な項目を伺う。あるいは、逆に補正予算が小池知事の公約に影響を及ぼすことがあったかなかったか、所見を伺う。

回答
今回の補正予算は、医療機関等の従事者に対する慰労金をはじめ、国の補正予算の速やかな事業化とともに、感染拡大の影響に伴い都民生活や都内経済が置かれた厳しい現状を踏まえ、中小事業者や医療機関への支援など、都独自に取り組むべき対策について予算計上したものです。

質問事項
一の2のウ 令和2年7月補正予算の編成が7月5日以前に始まっていたと側聞するが、小池知事の再選を前提としたものではなかったのか、所見を伺う。

回答
今回の補正予算の編成は、令和2年6月に国の第二次補正予算が成立したことを踏まえ、国の補正予算の速やかな事業化とともに、感染拡大の影響に伴い都民生活や都内経済が置かれた厳しい現状を踏まえた対策に迅速に取り組むために行ったものです。

質問事項
二 東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例について
1 知事給与の削減は1年ごとの時限条例により実施されてきているが、いつまで継続するのか。小池知事の在職中、継続するのか、何か政策目標が達成されたことをもって本則に復するのか、伺う。

回答
知事の本来の給与水準については、公平性、公正性をより一層高める観点から、第三者機関である特別職報酬等審議会の答申を踏まえ、都議会に条例を提出し、御審議を頂いた上で改定を行っています。
その上で、知事の給与の減額措置を行う場合には、あくまで特例的な措置であることから、期間を定め、その都度、都政を取り巻く状況等を総合的に判断した上で、実施していくべきものと考えています。

質問事項
二の2 トップだけが給与カットするのでは「身を切る」だけの給与パフォーマンスになる。知事給与カットを契機に、総人件費を削減し、「身を切る改革」につなげていく考えはないか、所見を伺う。

回答
都はこれまでも、職員定数の見直しや給与構造改革など、総人件費の抑制に取り組んできました。地方公務員法では、職員の給与について、人事委員会勧告を尊重すべきとされており、今後とも、勧告内容も踏まえつつ、総人件費の抑制に努めていきます。

質問事項
二の3 知事退職金についてはどうしていくのか、所見を伺う。

回答
今回の条例改正については、都政改革に向けた知事の決意と姿勢を明らかにするために実施したものであり、あくまで、知事自身の政治姿勢に基づいて給与を減額するものです。
都は、退職手当について、社会・経済情勢の推移、国や他の自治体の動向等を総合的に勘案しつつ、これまでも数次にわたり支給率を見直してきており、今後も適切に対応していきます。

質問事項
二の4 知事給与に比べ、決裁権を持たない知事特別秘書の給与は高額で、職務・責任からして均衡を欠いているが、現行額で適正である根拠を具体的に伺う。

回答
特別秘書の給与は「東京都知事等の給料等に関する条例」に基づき、以下の給与を支給しています。
・村山特別秘書
月額895,000円(指定職給料表4号給)、年額18,181,924円
・宮地特別秘書
月額818,000円(指定職給料表3号給)、年額16,617,670円
特別秘書は知事から直接命を受け、政策形成に係る特命事項などについて、知事を直接補佐しており、都政に果たす役割に鑑みれば、現行額は適正であるものと考えています。

質問事項
三 コロナ禍にあたっての小池知事のガバナンスについて
1 このような時期(知事選直後・新型コロナウイルス感染症蔓延危機の最中)異例の局長・幹部人事発令について
ア 元福祉保健局長の内藤淳氏は、病院経営本部長時代から都立病院の実情を熟知しているなどだけでなく、コロナ禍以前から感染症対策に精通していた。最も手腕を必要とされる人材であったはずであるのに交通局長への異動は考えがたい。有事には、組織益を優先するよりも都民のために結果を出す『実力者』を留任すべきだと考えるが、なぜこれまでのコロナ対応の経験値が発揮できるとは思えない交通局長へ内藤氏を異動させたのか伺う。

回答
人事異動は、組織の活性化等を図るほか、職の設置や退職等によって生じる欠員を補充するため、適宜行う必要があります。その際には、その時々の行政課題に的確に対応できるよう、職員の能力・実績を踏まえ、異動を実施しております。今回についても現下の重要課題に迅速かつ的確に対応するため、組織改正とあわせ、職員の能力・業績を踏まえた人事異動を実施したところです。
なお、個別の人事異動の理由については、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため、お答えしかねます。

質問事項
三の1のイ 週刊誌報道によると、『築地と豊洲』の著者であり、元中央卸売市場次長、現公益財団法人東京都環境公社理事長である澤章氏が、都の慣例では65歳まで在任するはずであるにも関わらず、61歳である7月末に突如として多羅尾光睦副知事より、退任が通知された。理由は「局長経験者として高度な意思決定にかかわったにもかかわらず、社会的常識を逸脱した行動が目に余る」とのことである。「社会的常識」とは何なのか、澤氏の「社会的常識を逸脱した行動」とは何だったのか、具体的な説明を求める。

回答
公益財団法人東京都環境公社は都の政策連携団体であり、政策連携団体については「東京都職員の退職管理に関する条例」に基づき、外部有識者による退職管理委員会への諮問を経た上で、適切な人材を推薦することが必要な団体として指定されており、それにより都職員を推薦しています。
通常、団体の役員の推薦に当たっては、人事担当の副知事から団体の現役員に、事前にお伝えをしており、今回の同団体への推薦に当たっても、理事長に後任候補者の推薦を口頭で伝達しています。
なお、当日の具体的な発言内容や今回の役員人事に関しての推薦理由につきましては、同団体の役員人事に密接に関わることであり、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため、お答えしかねます。

質問事項
三の1のウ 外郭団体は東京都とは独立し運営されている企業であり、都は人事に関しては関与しないと再三再四にわたり答弁を繰り返しているにも関わらず、なぜ公社人事に副知事が直接かかわったのか、根拠法や条例、同社社則等を示した上、都度の決裁権者・手順を含めた発議から人事の発令までの時系列の詳細の説明を伺う。

回答
公益財団法人東京都環境公社は都の政策連携団体であり、政策連携団体については「東京都職員の退職管理に関する条例」に基づき、外部有識者による退職管理委員会への諮問を経た上で、適切な人材を推薦することが必要な団体として指定されており、それにより都職員を推薦しています。
通常、団体の役員の推薦に当たっては、人事担当の副知事から団体の現役員に、事前にお伝えをしています。今回の同団体への推薦に当たっても、7月10日に理事長に後任候補者の推薦を口頭で伝達した上で、同月13日に団体側に後任候補者の略歴書を送付し、正式に推薦を伝達しています。
同団体は、今回の推薦を踏まえつつ、団体自らの経営判断により理事長を選任しています。具体的には、7月22日に理事会を開催し後任者を理事候補者に選任し、同月31日に評議員会を開催し理事に、8月3日に理事会を開催し理事長に選任しています。

質問事項
三の1のエ 最終的に人事を決めたのは誰なのか、誰が発してどのような決定文書であったか明らかにした上で知事なのか都と公社どちらの人事部なのか、伺う。

回答
公益財団法人東京都環境公社は都の政策連携団体であり、政策連携団体については「東京都職員の退職管理に関する条例」に基づき、外部有識者による退職管理委員会への諮問を経た上で、適切な人材を推薦することが必要な団体として指定されており、それにより都職員を推薦しています。
今回の同団体への推薦に当たっては、7月10日に理事長に後任候補者の推薦を口頭で伝達した上で、同月13日に団体側に後任候補者の略歴書を送付し、正式に推薦を伝達しています。
同団体の役員人事については、団体自らの経営判断により決定するものであり、都からの推薦を踏まえつつ、理事会、評議員会の決議を経て、同団体が理事長を選任したものと認識しています。

質問事項
三の2 職員の職場環境とメンタルヘルスについて
ア コロナ禍にあり、未曽有の状況及び前述の「粛正人事」と都民に指摘されかねぬ人事異動も散見され、幹部職から一般職員、現業に至る職員のモラルとモラール、モチベーション低下を懸念する。1月からこれまでの、東京都職員の自殺、病気休暇及び病気休職、定年を待たない退職、公務災害の状況について前年度と比べた推移について原因別状況を伺う。

回答
令和2年1月から現在までの知事部局の常勤職員の自殺、病気休暇及び病気休職、定年を待たない退職並びに公務災害の状況については、現時点では把握していません。
なお、現在把握している直近の状況について、自殺者数は平成30年に1人、病気休暇及び病気休職を30日以上取得した職員数は平成30年に702人で、そのうち精神障害を理由とするものが最も多く464人、次いでがんなどの新生物を理由とするものが58人です。
また、定年退職を除く退職者数は平成30年度に737人、公務災害の認定件数は平成30年度に269件で、そのうち針刺事故等による血液汚染が最も多く106件、次いで挫創関係が80件です。

質問事項
三の2のイ 同じく小池知事となってからの推移を問う。

回答
知事部局の常勤職員における自殺者数については、知事就任前の平成27年は1人、知事就任後の平成28年は0人、平成29年は2人、平成30年は1人です。
病気休暇及び病気休職を30日以上取得した職員数については、平成27年は628人で、そのうち精神障害を理由とするものが最も多く380人、次いで新生物を理由とするものが76人です。平成28年は613人で、そのうち精神障害を理由とするものが最も多く397人、次いで新生物を理由とするものが57人です。平成29年は670人で、そのうち精神障害を理由とするものが最も多く426人、次いで新生物を理由とするものが64人です。平成30年は702人で、そのうち精神障害を理由とするものが最も多く464人、次いで新生物を理由とするものが58人です。
定年退職を除く退職者数については、平成27年度は791人、平成28年度は760人、平成29年度は741人、平成30年度は737人です。
公務災害の認定件数は、平成27年度は351件で、そのうち針刺事故等による血液汚染が最も多く164件、次いで挫創関係が89件です。平成28年度は264件で、そのうち針刺事故等による血液汚染が最も多く108件、次いで挫創関係が79件です。平成29年度は238件で、そのうち針刺事故等による血液汚染が最も多く102件、次いで挫創関係が65件です。平成30年度は269件で、そのうち針刺事故等による血液汚染が最も多く106件、次いで挫創関係が80件です。

質問事項
三の3 コロナ禍のような有事においては、トップの信頼性が何よりも求められる。自身の「学歴」は、自ら証明し公表し説明すべきものであり、国際都市東京の知事であれば、公開された議事録の残る場で説明する責任がある。『女帝 小池百合子』を読まれた上で、いつ都民に公の場で説明するのか所見を伺う。

回答
大学の卒業証書は、これまでも公にしており、先般、記者会見の場においても改めて公表したところです。なお、令和2年第二回都議会定例会において、「卒業証書・卒業証明書の提出に関する決議(案)」が出されたものの、賛成少数により否決されています。

令和2年第二回都議会臨時会
文書質問趣意書

提出者 山内れい子

質問事項
一 感染拡大防止協力金や家賃支援給付金について
二 コロナ感染に関する家族支援について
三 児童虐待・DV等相談における支援について
四 障がい者施設等のコロナ対策について

一 感染拡大防止協力金や家賃支援給付金について
今回の補正予算では、「東京都家賃等支援給付金」の支給が盛り込まれ、国の家賃支援に上乗せする制度となっています。都の休業要請に伴って実施した「感染拡大防止協力金」は、NPOも含めて広い範囲の事業者を支援する制度でしたが、手続きの煩雑さや提出書類の多さ・難しさがあり、また不支給の決定についても事業者が納得できない場合もあったと聞いています。東京都は事業者の数も種類も多く、事務処理量が膨大であり、コールセンターが対応しましたが、コールセンターでは判断が困難なケースも出てきます。今後家賃支援給付金についても同様のことが起こり得ると考えます。不支給決定に対して説明を求めたり不服申し立てをするようなしくみはどのようになっているのか、協力金、家賃支援給付金それぞれについて伺います。

二 コロナ感染に関する家族支援について
最近、子どもへの感染があちらこちらで報告されています。例えば、保育園に通っている子どもが感染した場合、自宅や病院で過ごすことになります。その際、小学生のきょうだいはどうするのか、また保護者が仕事を休む場合緊急事態宣言中はコロナ休暇という有給休暇になりましたが、今はそれに当たらないということです。家族の中でだれが感染したとしても家族をまるごと支援する体制が必要です。
1 小学校、中学校、高校、幼稚園、保育園で感染者が出た場合、学級閉鎖などの対応をどのようにするかのルールはあるのか伺います。また、それぞれの施設について、感染者が教職員等と子どもでの違い、家族に感染者がいる場合や濃厚接触者の対応、症状の有無による違いがあるかについても伺います。
2 家族はそれぞれ子どもの数や同居高齢者の有無など家族構成も事情も違うので、必要な支援も違います。家族に応じた支援を実施するには、使える支援策を家族ごとにコーディネートできる機能が必要です。こうした仕事は区市町村でなければできず、相談・コーディネートを行う自治体に対して都は支援すべきと考えますが、見解を伺います。

三 児童虐待・DV等相談における支援について
今回、児童虐待・DV等相談における支援体制の強化に初めて1億円を計上しました。「ステイホーム」で児童虐待、DVは深刻化しており、対策の必要性が指摘されているところです。ところが、対象経費はタブレット導入やSNSによる相談窓口開設費用、マスク・消毒液購入など、イニシャルコストのみです。支援団体のニーズに合っているとは言えません。生活者ネットワークの調査では、今必要なのは、若年女性やDV被害者が一時的に身を寄せて支援者と相談しながら今後どうしたらよいか考えるための「立ち寄りセンター」(宿泊できる一時滞在所)であり、設置のための賃貸料や支援員、心理カウンセラーの人件費・交通費などが求められています。現行制度ではフォローできないこうした支援やニーズの高い支援にこそ税金は使われるべきです。
この事業を実施するにあたっては、支援団体に聞き取り調査をしたうえで、必要としている経費に使えるよう工夫していただきたいが、見解を伺います。

四 障がい者施設等のコロナ対策について
障がい者施設では、利用者、事業者ともに、感染した場合の具体的な方策が見えず、不安をぬぐえないそうです。コロナ対策は今後も続くので、具体策があるなら公表してほしいという声を聞いています。
1 これまでに、障がい者で病院、宿泊療養施設(ホテル)に入院、療養している人がいるか、東京都は把握しているのか伺います。
2 入院、療養している場合、障がい者の介助(介護)は誰が行っているのでしょうか。また、介助者、介護者が足りない場合はどうしているのか伺います。
3 神奈川県では、5月中旬頃から、ケア付き宿泊療養施設を設置しています。この実績を踏まえて、6月19日厚労省は、都道府県に事務連絡を出し、ケア付き宿泊療養施設を検討するよう求めました。ケア付き宿泊療養施設設置について都の対応について伺います。
4 療養施設の準備ができたとしても、介助・介護の人材が不足する場合があります。必要なら派遣するという事業者がありますが、派遣を依頼しているのか伺います。
5 以前、感染の疑いのある障がい者のPCR検査を保健所に求めた際に断られたという話を聞きました。障がい者のPCR検査体制はどうなっているのか伺います。また、障がい者が安心して通所または在宅支援を受けるには、利用者も事業者も全員がPCR検査を受けられるようにしてほしいと考えますが、都の対応はどうしているのか伺います。

令和2年第二回都議会臨時会
山内れい子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 今回の補正予算では、「東京都家賃等支援給付金」の支給が盛り込まれた。都の休業要請に伴って実施した「感染拡大防止協力金」は、不支給の決定について事業者が納得できない場合もあったと聞いている。不支給決定に対して説明を求めたり不服申し立てをするようなしくみはどのようになっているのか、協力金、家賃支援給付金それぞれについて伺う。

回答
東京都感染拡大防止協力金で不支給の決定を行った場合は、文書にて不支給となった理由をお知らせするとともに、専用のコールセンターを設けて対象者からの問合せに対応するなど、丁寧な説明を行っています。
なお、当該決定は、行政不服審査法に基づく行政不服申立制度の対象となる「行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為」には該当しないものと考えています。
また、家賃等支援給付金については、原則として、国の家賃支援給付金の給付決定を受けた中小企業等を対象としており、給付金ポータルサイトやコールセンターを通じて、制度内容の周知や問合せへの対応をきめ細かく行っていきます。

質問事項
二 コロナ感染に関する家族支援について
1 小学校、中学校、高校、幼稚園、保育園で感染者が出た場合、学級閉鎖などの対応をどのようにするかのルールはあるのか伺う。また、それぞれの施設について、感染者が教職員等と子どもでの違い、家族に感染者がいる場合や濃厚接触者の対応、症状の有無による違いがあるかについても伺う。

回答
小学校、中学校、高校、幼稚園又は保育所において、子供や教職員等に感染者が発生した場合、設置者及び区市町村は、保健所等と連携を図りながら、感染者の状況を把握するとともに、濃厚接触者の範囲を確認し、臨時休業等の規模や期間を判断しています。
それぞれの施設において、感染者が教職員等であるか、子供であるかにより、対応に違いはありません。
家族に感染者がいて子供や教職員等が濃厚接触者に特定されたり、発熱等の症状があるなど感染の疑いがある場合には、幼稚園を含む学校では出席停止の措置を行い、保育所では登園自粛を要請することとしています。
また、子供や教職員等に症状がなくても、設置者によっては、家庭内に感染が疑われる方がいる場合などに自宅で休養するようお願いしているところもあります。

質問事項
二の2 家族はそれぞれ子どもの数や同居高齢者の有無など家族構成も事情も違うので、必要な支援も違う。家族に応じた支援を実施するには、使える支援策を家族ごとにコーディネートできる機能が必要である。こうした仕事は区市町村でなければできず、相談・コーディネートを行う自治体に対して都は支援すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
保護者が新型コロナウイルス感染症により入院し、児童を家庭で養育することが困難となった場合には、児童自身も濃厚接触者となることから、児童相談所は、保健所と連携しながら、医療機関に一時保護委託を依頼しています。
在宅で生活する要介護高齢者や障害者の家族等が感染者や濃厚接触者となった場合は、区市町村や地域包括支援センター、相談支援事業所等が相談に対応し、必要な支援を行います。
都は、要介護高齢者や障害者に確実に必要なサービスが提供されるよう、区市町村や関係団体に対し、保健所や居宅介護支援事業所、相談支援事業所等と連携して対応するよう周知しています。

質問事項
三 今回、児童虐待・DV等相談における支援体制の強化に初めて1億円を計上した。生活者ネットワークの調査では、今必要なのは、「立ち寄りセンター」(宿泊できる一時滞在所)であり、設置のための賃貸料や支援員などが求められている。この事業を実施するにあたっては、支援団体に聞き取り調査をしたうえで、必要としている経費に使えるよう工夫していただきたいが、見解を伺う。

回答
都は、児童養護施設の退所者や配偶者からの暴力等の被害者等を支援する民間団体から、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、退所者同士のサロンや関係機関との会議の開催が困難になっていることなどを伺っています。
感染防止に配慮した児童虐待・DV等相談支援体制強化事業では、感染防止に配慮した相談支援体制の構築・強化を目的として民間団体が行う、タブレット等を活用したオンラインによるサロンや会議の開催などの新たな取組に係る経費を補助の対象としています。

質問事項
四 障がい者施設等のコロナ対策について
1 これまでに、障がい者で病院、宿泊療養施設(ホテル)に入院、療養している人がいるか、都は把握しているのか伺う。

回答
障害のある方が新型コロナウイルスに感染した場合には、障害の程度や基礎疾患の有無等の個別の状況を把握し、個々のケースごとにかかりつけ医の意見等も参考にしながら入院先や療養先の調整を行っています。

質問事項
四の2 入院、療養している場合、障がい者の介助(介護)は誰が行っているのか。また、介助者、介護者が足りない場合はどうしているのか伺う。

回答
障害のある方が新型コロナウイルスに感染した場合には、介助の必要性等の個別の状況に応じ、かかりつけ医の意見等も参考にしながら、対応可能な医療機関への入院調整等を行っています。

質問事項
四の3 神奈川県では、5月中旬頃から、ケア付き宿泊療養施設を設置している。この実績を踏まえて、6月19日厚労省は、都道府県に事務連絡を出し、ケア付き宿泊療養施設を検討するよう求めた。ケア付き宿泊療養施設設置について都の対応について伺う。

回答
都は、新型コロナウイルス感染症の患者を重点的に受け入れる医療機関の整備を進めており、その取組において、障害者や透析患者、妊産婦、小児、認知症などへの専門的な対応が可能な病床の確保を働きかけています。

質問事項
四の4 療養施設の準備ができたとしても、介助・介護の人材が不足する場合がある。必要なら派遣するという事業者があるが、派遣を依頼しているのか伺う。

回答
現時点では、都はケア付き宿泊療養施設の整備や、介護事業者への人材の派遣依頼は行っていません。

質問事項
四の5 以前、感染の疑いのある障がい者のPCR検査を保健所に求めた際に断られたという話を聞いた。障がい者のPCR検査体制はどうなっているのか伺う。また、障がい者が安心して通所または在宅支援を受けるには、利用者も事業者も全員がPCR検査を受けられるようにしてほしいと考えるが、都の対応はどうしているのか伺う。

回答
現在、新型コロナウイルス感染症が疑われる方については、医師の判断によりPCR検査等が行われており、障害の有無にかかわらず、必要な方は検査を受けることができる体制となっています。
また、患者との濃厚接触者や感染のリスクが高いと考えられる方については、保健所の判断により検査を実施しています。
今後は、感染した場合に重症化のリスクが大きく、感染拡大の拠点となるおそれがある施設などで、集中的に検査を行う区市町村の取組についても支援していきます。

令和2年第二回都議会臨時会
文書質問趣意書

提出者 宮瀬英治

質問事項
一 新型コロナウイルスの第二波について
二 感染状況の把握について
三 PCR検査について
四 会社員における感染対策について
五 生活困窮者への対応について
六 夜の街対策について
七 東京五輪について
八 道路状況について
九 災害対策について

一 新型コロナウイルスの第二波について
1 新規感染者数など感染が数値的には緊急事態宣言時よりも広がっている状況が続いている。
江東区長が「第二波が来たという認識を持っている」という報道があったが、都には第二波が来たという認識があるのか?またその認識がないとするならば、第二波の定義や都内の感染関連の数字状況がどうなれば第二波としてとらえるのか都の見解を伺う。
2 経済は2年から3年は停滞するとの見方は多くのエコノミストが言っており、税収も減少すると予想される。その対策を今から都が先手を打って積極的に行うべきだと考えるが見解を伺う。

二 感染状況の把握について
1 新たなモニタリング項目においては感染状況と医療体制がレベル分けされ、1段階から4段階まであるが、1と2、2と3、3と4には何がどうなれば移行するのか参考値でもかまわないので、客観的に数字に基づいて示すべきと考えるが福祉保健局の見解について伺う。
2 2020年7月21日現在、すでに感染状況がレベル4の最大値であるが、これ以上感染が激増した場合は、レベルの引き上げが出来ない。福祉保健局の対策について伺う。
3 感染が拡大する中においても、ベッドの空きにまだ余裕があることや、入院患者数や高齢者の感染者数の少ないことを理由にひっ迫していないとしているが、新たなモニタリング項目にはそれらは含まれていない。今後は高齢者に関する指標やベッドやICU占有率など危機に直面した適切な新たな指標を設定すべきと考えるが、福祉保健局の見解を伺う。
4 新規感染者の数だけでなく、現在の区市町村別の検査数、年代別の感染者数、重症者数、死者数、ベッドの占有率などを毎日公にすべきと考えるが福祉保健局の見解を伺う。
5 感染者向けの大規模仮設病棟を建てるよう提案してきたが、現在の進捗について伺う。

三 PCR検査について
1 戦略的PCR検査が求められているが、歌舞伎町におけるPCR検査スポットの設置や一日当たりの検査数に焦点が当てられており、全体的な戦略が伝わってこない。また区市町村ごとにもばらつきがあり改善すべきと考えるが、見解を伺う。
2 検査処理能力は現在1日あたり何人で、今後何人にしていくのか見解を伺う。
3 現在PCR検査を行うパターンはどのようなものがあるのか。また心配な方が自主的に検査する場合は可能なのか、有料か無料か、金額について伺う。また自己負担が多い場合には都における補助が必要と考えるが見解を伺う。
4 さらには中国武漢市で行ったように他国の一部の都市においては、市民全員検査を行っているが、全員検査についての都の見解を伺う。

四 会社員における感染対策について
1 「3密にならぬよう気をつけてください」といくら行政がお願いしても、会社に行くために会社員は3密である満員電車に毎日乗らざるを得ない。緊急事態宣言下においては、会社はテレワークや時差通勤を実施していたが、現在は「テレワークや時差通勤はしない、会社に来るように」と会社から言われ多くの会社員が、満員電車における感染の恐怖に怯えている。コロナ禍における満員電車について見解を伺う。
2 以前テレワークができ支障がなかったにもかかわらず、再びテレワークを実施しない会社に対して、「テレワーク推進のお願い」だけでは通用しない。実効的な対策を考えるべきと考えるが見解を伺う。
3 都の実施するテレワーク補助事業が7月末をもって締め切られる。現在の申請状況を伺うとともに、コロナ禍が続く中、補助事業の大幅延期を検討すべきと考えるが、見解を伺う。
4 電車やバスなどに乗る際には、大声を出さないことやマスクを着用することなど可能な範囲である程度義務化すべきと考えるが見解を伺う。

五 生活困窮者への対応について
1 新型コロナウイルス感染症拡大による経済的困窮者への支援について、どのような取り組みをしているのか伺う。
2 とりわけひとり親家庭は、親がコロナに感染したら子供を預けられる場がないことが懸念されている。また身寄りや親兄弟がいても高齢等の理由で預かるのを嫌がるケースも予想される。それらの場合を想定し、子供の安全の確保ができる場所を確保すべきと考えるが、現在の取り組みと受け入れ状況等進捗を伺う。

六 夜の街対策について
1 夜の街という表現が大雑把であり、まじめに対策を行っている店舗も影響をうけている。地域や店舗も特定できていることから、そのような表現は控えるべきと考えるが見解を伺う。
2 店舗におけるコロナ対策の責任を明確にするためにも「食品衛生責任者」に準じた「感染防止責任者」制度を導入するなど、体制を検討すべきと考えるが見解を伺う。
3 まっとうな感染対策を行わずに陽性者を出したにもかかわらず、その店舗にピンポイントで休業要請をかけて都民の血税である協力金を供出することは都民の理解を得難いと考える。また一人でも何も感染対策を行わず感染者が発生したら店舗に対しては店舗名を公開するなど食中毒が発生した店舗に対しての処置と同等の対応を検討すべきと考えるが見解を伺う。

七 東京五輪について
1 マスコミの調査によると3割近くの都民が五輪開催について「中止すべき」と考えている。東京都は東京五輪の開催が本当に可能だと思っているのか、またその根拠や根拠となる数字は何か伺う。
2 これまでに東京五輪に費やしてきた都の税金はいくらに上るか伺う。
3 都の東京五輪準備において、コロナの影響によって準備が滞っている事業はあるのか伺う。
4 中止になった場合、その都等の判断や決定が遅れれば遅れるほど都税が無駄になる可能性がある。その場合の都の対策について伺う。
5 中止、延期などあらゆるパターンを想定し、開催するためのコスト、開催までの月単位での開催取りやめのコストを比較してシミュレーションを行うべきと考えるが、その有無ならびに見解をうかがう。

八 道路状況について
1 コロナの影響によって自転車や自動車の交通量が増大し、道路状況に変化が生じている。事故やトラブル等の件数について伺う。
2 とりわけUberEats等による宅配事業が活用されているが、交通マナーの問題が指摘されている見解を求める。また自転車配送員の背負っているバッグが黒であり文字も小さく危険であると聞いている。バッグのロゴを大きくすることや自転車マナーの向上など会社側や業界団体に改善を促すべきと考えるが、見解を伺う。

九 災害対策について
コロナ禍における水害や震災などの対策は急務であると3月より主張してきた。以下伺う。
1 都立病院や公社病院などをはじめ災害拠点病院や災害拠点連携病院における被災者の受け入れ態勢の整備は急務であると考えるが、見解および進捗を伺う。
2 避難所での感染対策について進捗を伺う。
3 避難場所である都立公園は野外であるため3密になりにくいと考えられるため、避難所の機能を補完するため、避難者から食料等の物資を求められた場合にも対応できるよう、都立公園においても物資の備蓄を検討すべきと考えるが見解を伺う。

令和2年第二回都議会臨時会
宮瀬英治議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 新型コロナウイルスの第二波について
1 江東区長が「第二波が来たという認識を持っている」という報道があったが、都には第二波が来たという認識があるのか伺う。また、その認識がないとするならば、第二波の定義や都内の感染関連の数字状況がどうなれば第二波としてとらえるのか見解を伺う。

回答
令和2年7月22日に開催した東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議では、現場で治療にあたる医師や感染症の専門家から、現在の状況が第二波かどうかは分からないが、少なくともそういう心構えで乗り切る姿勢が必要との意見を頂きました。
都としても、こうしたご意見を踏まえ、第二波という心構えをもってより一層の警戒をする必要があると認識しています。
今後とも、都内の新規陽性者数や新規陽性者における接触歴不明者数といった感染状況や、入院患者数や重症患者数といった医療提供体制に係るデータ等を基に、専門家に分析・助言を頂き、その結果を踏まえ、現状の評価を行ってまいります。

質問事項
一の2 経済は2年から3年は停滞するとの見方は多くのエコノミストが言っており、税収も減少すると予想される。その対策を今から都が先手を打って積極的に行うべきだと考えるが見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症は、都内経済に大きな影響を及ぼしており、都税収入が相当程度減少していく可能性があるなど、今後の都財政を取り巻く環境は一層厳しくなることが想定されます。
こうした中にあっても、都政に課せられた使命を確実に果たしていくため、基金や都債、決算剰余金といったこれまで培ってきた財政の対応能力を最大限発揮するとともに、令和2年度予算の執行については、歳出の精査など無駄の排除を徹底し、令和3年度予算の見積方針の発出により本格化する予算編成作業と一体的に必要な見直しを行います。
これらの取組により、都民の命を守り、東京の経済を支えるための感染症対策をはじめ、災害への備え、少子高齢化への対応など、必要な施策を講じていくとともに、将来を見据え、未来の東京を力強く切り拓いていくための様々な取組へ財源を振り向けていきます。

質問事項
二 感染状況の把握について
1 新たなモニタリング項目においては感染状況と医療体制がレベル分けされ、1段階から4段階まであるが、1と2、2と3、3と4には何がどうなれば移行するのか参考値でもかまわないので、客観的に数字に基づいて示すべきと考えるが福祉保健局の見解について伺う。

回答
感染状況、医療提供体制の状況については、数値による目安を設けるのではなく、モニタリング項目に加え、地域別の状況などモニタリング項目以外の状況も踏まえて総合的に分析する仕組みとしています。

質問事項
二の2 2020年7月21日現在、すでに感染状況がレベル4の最大値であるが、これ以上感染が激増した場合は、レベルの引き上げが出来ない。福祉保健局の対策について伺う。

回答
感染状況の総括コメントにおける判定区分は、専門家による議論を踏まえ、リスクの程度をより分かりやすく提示するために定めたものです。
都としては、この分析結果を基に、モニタリング会議で検討し、必要な対策を講じていきます。

質問事項
二の3 感染が拡大する中においても、ベッドの空きにまだ余裕があることや、入院患者数や高齢者の感染者数の少ないことを理由にひっ迫していないとしているが、新たなモニタリング項目にはそれらは含まれていない。今後は高齢者に関する指標やベッドやICU占有率など危機に直面した適切な新たな指標を設定すべきと考えるが、福祉保健局の見解を伺う。

回答
都は、医師や感染症対策の専門家の意見を踏まえ、新規陽性者数など医療の需要を示す「感染状況」と、入院患者数など、医療の供給を示す「医療提供体制」の二つの区分を柱として入院患者数や重症患者数など七つの項目を設定しモニタリングを行っています。
運用に当たっては、7項目に加え、世代別の新規陽性者数や地域ごとの発生等の状況を含め専門家が分析を行うとともに、原則として毎週実施しているモニタリング会議に、分析に基づくコメント・意見を頂くことで、都民に現在の状況が的確に伝わるよう取り組んでいます。
今後も、感染の動向を踏まえ必要な情報を分析し公表を行うなど、適切にモニタリングを実施していきます。

質問事項
二の4 新規感染者の数だけでなく、現在の区市町村別の検査数、年代別の感染者数、重症者数、死者数、ベッドの占有率などを毎日公にすべきと考えるが福祉保健局の見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症については、都民の不安を少しでも解消するために、感染している方のプライバシーの保護にも十分配慮しながら、患者の発生状況と併せて年代別の状況や重症者数などを公表しているほか、区市町村別の患者数の状況や、既に退院若しくは療養を終了された方の累計数について情報提供を行っています。
今後も、都内の感染状況や医療提供体制が分かりやすく伝えられるよう工夫をしながら情報提供を行っていきます。

質問事項
二の5 感染者向けの大規模仮設病棟を建てるよう提案してきたが、現在の進捗について伺う。

回答
都では、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、旧都立府中療育センター施設を活用し、患者受入れのための専用医療施設を設置することとしました。
規模は約100床とし、中等症程度までの患者の受入れを想定しています。
令和2年10月中を目途に、必要な改修工事等整備を行い、完了後速やかに運営を開始する予定です。

質問事項
三 PCR検査について
1 戦略的PCR検査が求められているが、歌舞伎町におけるPCR検査スポットの設置や一日当たりの検査数に焦点が当てられており、全体的な戦略が伝わってこない。また区市町村ごとにもばらつきがあり改善すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
感染拡大を抑制する上で、感染者を早期に発見することが重要です。そのためには、患者との濃厚接触者のほか、クラスター発生が多く確認されている業種や地域に属する方など、感染している可能性が高いと判断された方に対して、迅速かつ積極的な検査を実施することが必要です。
都は、区市町村と共同で感染防止対策を推進するため、区市町村が地域の状況を踏まえて実施する感染拡大防止に向けた取組を支援していくこととしており、高齢者施設等における感染拡大防止のための検査についても支援していきます。

質問事項
三の2 検査処理能力は現在1日あたり何人で、今後何人にしていくのか見解を伺う。

回答
令和2年7月末時点での都内の検査処理能力は、1日当たり約8,600件です。都では、10月までに1日当たり1万件の検査処理能力の確保を目指しています。

質問事項
三の3 現在PCR検査を行うパターンはどのようなものがあるのか。また心配な方が自主的に検査する場合は可能なのか、有料か無料か、金額について伺う。また自己負担が多い場合には都における補助が必要と考えるが見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症が疑われる方について、医師の判断により新型コロナ外来等で検査を受ける場合は保険適用となり、窓口での自己負担分についても公費負担となります。
保健所の積極的疫学調査の結果、濃厚接触者に該当した方の検査については、保健所が実施する行政検査となり被検者の費用負担はありません。
また、令和2年7月15日付けの国の事務連絡では、特定の地域や集団、組織等において、関連性が明らかでない患者が複数発生しているなど検査前確率が高いと考えられ、かつ、クラスター連鎖が生じやすいと考えられる状況にあると認められる場合は、濃厚接触者に当たらない場合であっても、行政検査の対象にすることができるとされており、この場合でも被検者の費用負担はありません。
これらの行政検査に該当しない方については、自由診療として全額自己負担での検査となり、検査のための費用は医療機関それぞれが定めることとなります。
自由診療の検査については、国が設置している感染症対策分科会において、広く一般に推奨されるわけではないが、想定される課題や留意点を踏まえつつ、社会経済活動の観点から個別の事情などに応じて検査を行うことがあり得るとされており、メリットとして、感染者を明らかにし二次感染を防止すること、デメリットとして、偽陽性の方に対する保健所や医療機関の対応が生じること等が挙げられ、両者のバランスを考慮する必要があるとされています。
都としては、自由診療による検査の在り方について、国や企業等の動向を常に注視していきます。

質問事項
三の4 中国武漢市で行ったように他国の一部の都市においては、市民全員検査を行っているが、全員検査についての見解を伺う。

回答
令和2年7月15日付けの国の事務連絡では、特定の地域や集団、組織等において、関連性が明らかでない患者が少なくとも複数発生しているなど検査前確率が高いと考えられ、かつ、濃厚接触を生じやすいなどクラスター連鎖が生じやすい状況にあると認められる場合は、その地域や集団、組織等に属する方を行政検査の対象にすることができるとされています。
また、令和2年8月18日付けの国の事務連絡では、検査前確率が高いと考えられる地域において、医療施設、高齢者施設等に勤務する方や当該施設に既に入院・入所されている方及び新規に入院・入所される方について、施設内における新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、幅広く行政検査を実施することは可能とされています。

質問事項
四 会社員における感染対策について
1 緊急事態宣言下においては、会社はテレワークや時差通勤を実施していたが、現在は「テレワークや時差通勤はしない、会社に来るように」と会社から言われ多くの会社員が、満員電車における感染の恐怖に怯えている。コロナ禍における満員電車について見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症を乗り越えていくためには、暮らしや働く場での感染拡大を防止する習慣である「新しい日常」の定着に向けた取組の実践が必要です。
このため、都は、経済団体や企業等に対し、人との接触を減らし感染症対策としても有効である、テレワークや時差出勤等のスムーズビズの実施を呼び掛けており、公共交通機関の利用に当たっては、混んでいる時間帯を避けるよう呼び掛けを行っています。
令和2年7月現在、朝のピーク時間帯の利用者数は、継続してテレワーク等に取り組む企業もあり、感染拡大以前の同年2月中旬と比べ約3割の減少となる一方、時間帯によっては一部混雑している列車も見られます。
こうした状況の中、都では、引き続き、スムーズビズの実施を呼び掛けるとともに、鉄道事業者においては、車内アナウンス等での呼び掛けや窓開け等に加え、ホームページやアプリ等を通じて、混雑状況について情報提供を行っています。
都は、鉄道事業者等と連携し、感染症拡大防止と経済活動の維持との両立を図るスムーズビズの取組が継続して行われるよう働き掛けていきます。

質問事項
四の2 以前テレワークができ支障がなかったにもかかわらず、再びテレワークを実施しない会社に対して、「テレワーク推進のお願い」だけでは通用しない。実効的な対策を考えるべきと考えるが見解を伺う。

回答
都は、公労使会議において、「テレワーク・デー」や「テレワーク・ウィーク」の設定など、テレワークの促進と定着を図るための新たなルールづくりに向け、検討を進めるとともに、企業の従業員等が自宅以外の場所でもテレワークを実施できるよう、多摩地域にモデル・サテライトオフィスを開設したほか、市町村や民間事業者が行うサテライトオフィスの整備に係る補助を強化しています。

質問事項
四の3 都の実施するテレワーク補助事業が7月末をもって締め切られる。現在の申請状況を伺うととともに、コロナ禍が続く中、補助事業の大幅延期を検討すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
事業継続緊急対策であるテレワークの導入助成金の申請件数は、7月末で約2万9千件となっています。
緊急対策としての助成事業は7月末で終了しますが、今後ともコンサルティングや補助率10分の10、最大110万円の機器等環境整備への補助等により、テレワークの導入を促進するとともに、その定着に向けた支援の強化を図っていきます。

質問事項
四の4 電車やバスなどに乗る際には、大声を出さないことやマスクを着用することなど可能な範囲である程度義務化すべきと考えるが見解を伺う。

回答
都は、新型コロナウイルスを乗り越えていくために、暮らしや働く場での感染拡大を防止する習慣として、手洗いの徹底・マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保等の「新しい日常」の実践を推進しています。
また、7月15日の知事の臨時記者会見においても、新型インフルエンザ等対策特別措置法第24条第9項に基づき、改めてマスクの着用や三つの密を避けた行動のより一層の徹底をお願いしたところです。
引き続き、あらゆる機会を活用し、都民に対して、「新しい日常」の徹底を促してまいります。

質問事項
五 生活困窮者への対応について
1 新型コロナウイルス感染症拡大による経済的困窮者への支援について、どのような取り組みをしているのか伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症の影響により収入の減少等があった世帯に対しては、東京都社会福祉協議会で緊急小口資金などの生活福祉資金の特例貸付を実施しています。
また、住居を失うおそれのある困窮者に対しては、地域の生活困窮者自立相談支援機関で住居確保給付金を支給しています。
都は、区市町村と連携し、児童扶養手当を受給する全てのひとり親家庭を対象に、食料品など生活に必要な物品を入手できるよう支援するとともに、1世帯当たり5万円、第2子以降1人につき3万円等のひとり親世帯臨時特別給付金を支給しています。

質問事項
五の2 とりわけひとり親家庭は、親がコロナに感染したら子供を預けられる場がないことが懸念されている。また身寄りや親兄弟がいても高齢等の理由で預かるのを嫌がるケースも予想される。それらの場合を想定し、子供の安全の確保ができる場所を確保すべきと考えるが、現在の取り組みと受け入れ状況等進捗を伺う。

回答
保護者が新型コロナウイルス感染症により入院し、児童を家庭で養育することが困難となった場合には、児童自身も濃厚接触者となることから、児童相談所は保健所と連携しながら、保護者の入院先と同じ医療機関での一時保護委託を調整し、困難な場合は、他の医療機関での委託を依頼しています。
8月末までの医療機関への委託は11事例であり、そのうち3事例がひとり親家庭となっています。
今後とも保健所と連携しながら、必要に応じて医療機関への一時保護委託を実施していきます。

質問事項
六 夜の街対策について
1 夜の街という表現が大雑把であり、まじめに対策を行っている店舗も影響をうけている。地域や店舗も特定できていることから、そのような表現は控えるべきと考えるが見解を伺う。

回答
いわゆる「夜の街」については、接待を伴う飲食店など、密閉、密集、密接の三つの密の危険性が高い店舗等が集まる場所を表現するものであり、都民に注意喚起を促すために用いているものです。
なお、国においても専門家会議等において、接待を伴う飲食店でのクラスター発生等を表現する言葉として用いております。

質問事項
六の2 店舗におけるコロナ対策の責任を明確にするためにも「食品衛生責任者」に準じた「感染防止責任者」制度を導入するなど、体制を検討すべきと考えるが見解を伺う。

回答
都は、「東京都新型コロナウイルス感染症対策条例」を改正し、感染拡大防止のためのガイドラインの遵守、施設への「感染防止徹底宣言ステッカー」の掲示等を事業者の努力義務として規定し、事業者の責務を明確にしました。
また、ステッカー掲示店舗における感染拡大防止の取組の実効性を確保するため、都の職員が、ステッカーが掲示されている店舗に赴き、ガイドラインに沿った感染防止策が実施されているか確認する取組を開始しました。
これまでも感染症対策に専門的な知見を有するアドバイザーが、現地に赴き、実践的なアドバイスを行うことにより、事業者による感染症拡大防止の取組を支援しています。
こうした取組を通して、店舗における感染防止策が確保されるよう努めてまいります。

質問事項
六の3 まっとうな感染対策を行わずに陽性者を出したにもかかわらず、その店舗にピンポイントで休業要請をかけて都民の血税である協力金を供出することは都民の理解を得難いと考える。また一人でも何も感染対策を行わず感染者が発生したら店舗に対しては店舗名を公開するなど食中毒が発生した店舗に対しての処置と同等の対応を検討すべきと考えるが見解を伺う。

回答
都は、陽性者が発生した店舗等に休業要請を行い、協力金を支給する区市町村を支援する取組を開始する予定であり、補助の要件等については、現在、区市町村の意見を踏まえながら検討しています。
店舗名の公表については、国が令和2年7月28日に取りまとめた「飲食店等におけるクラスター発生防止のための総合的取組」において、クラスターなど感染者が発生し、感染経路の追跡が困難な場合には、感染拡大防止の観点から、関係者の同意なく店舗名を公表できるとされ、また、感染防止策が適切に講じられていなかったことが感染の要因であると考えられるときは、その旨を公表して感染防止策の徹底を促すとされています。
都としては、国が示した考え方を踏まえながら、今後、感染者が発生した場合の情報の公表方法について区市町村と調整していきます。

質問事項
七 東京五輪について
1 マスコミの調査によると3割近くの都民が五輪開催について「中止すべき」と考えている。都は東京五輪の開催が本当に可能だと思っているのか、またその根拠や根拠となる数字は何か伺う。

回答
東京2020大会は、令和2年3月24日、知事も同席した安倍内閣総理大臣とIOCのバッハ会長との電話会談において、令和3年の夏までに開催することが決まり、3月30日、都、IOC、組織委員会、国との会議で、令和3年7月23日を開会とする新たな開催日程で合意し、IOC臨時理事会で承認されました。
4月16日に開催されたIOCとのエグゼクティブプロジェクトレビューにおいて、大会経費については、サービスレベルの水準を最適化・合理化する施策を今後、検討するとともに、延期により生じるコストの削減を図るものとすることで、IOC、国、組織委員会とともに認識を共有しています。
6月10日には、組織委員会とIOCが作成した、令和3年の大会までのスケジュールであるロードマップがIOC理事会で報告されています。今後とも、都は、IOC、IPC、組織委員会、国などの関係機関と連携し、安全・安心な大会の実現に向けて取り組んでいきます。

質問事項
七の2 これまでに東京五輪に費やしてきた都の税金はいくらに上るか伺う。

回答
令和元年末に公表された大会経費Ⅴ4における1兆3,500億円のうち、都の負担は5,975億円となっており、平成30年度までの決算額約1,172億円に、令和元年度の決算(見込み)額約2,082億円を加え、約3,254億円を支出しています。

質問事項
七の3 都の東京五輪準備において、コロナの影響によって準備が滞っている事業はあるのか伺う。

回答
令和3年の大会開催に向けてのロードマップを踏まえ、都は、IOC、IPC、組織委員会、国などの関係機関と連携し、大会準備を進めていきます。

質問事項
七の4 中止になった場合、その都等の判断や決定が遅れれば遅れるほど都税が無駄になる可能性がある。その場合の都の対策について伺う。

回答
令和3年の大会開催に向けてのロードマップを踏まえ、都は、IOC、IPC、組織委員会、国などの関係機関と連携し、安全・安心な大会の実現に向けて取り組んでいきます。

質問事項
七の5 中止、延期などあらゆるパターンを想定し、開催するためのコスト、開催までの月単位での開催取りやめのコストを比較してシミュレーションを行うべきと考えるが、その有無ならびに見解をうかがう。

回答
令和2年4月16日に開催されたIOCとのエグゼクティブプロジェクトレビューにおいて、大会経費については、サービスレベルの水準を最適化・合理化する施策を今後、検討するとともに、延期により生じるコストの削減を図るものとすることで、IOC、国、組織委員会とともに認識を共有しています。
6月10日には、組織委員会とIOCが作成した、来年の大会までのスケジュールであるロードマップがIOC理事会で報告されています。
今後とも、IOC、国、組織委員会などの関係機関と共同で議論を行い、大会の準備を進めていきます。

質問事項
八 道路状況について
1 コロナの影響によって自転車や自動車の交通量が増大し、道路状況に変化が生じている。事故やトラブル等の件数について伺う。

回答
令和元年及び令和2年の2月、3月、4月、5月における交通事故件数については、次のとおりです。

○ 自転車を第一・第二当事者とする交通事故件数
2月 3月 4月 5月 計
令和元年 972 1,221 1,241 1,175 4,609
令和2年 980 925 604 668 3,177
増減 +8 -296 -637 -507 -1,432

○ 自動車を第一当事者とする交通事故件数
2月 3月 4月 5月 計
令和元年 1,792 2,303 2,144 1,862 8,101
令和2年 1,697 1,715 1,095 1,051 5,558
増減 -95 -588 -1,049 -811 -2,543

○ 業務中の自転車を第一・第二当事者とする交通事故件数
2月 3月 4月 5月 計
令和元年 47 60 56 43 206
令和2年 52 50 40 49 191
増減 +5 -10 -16 +6 -15

注 「第一当事者」とは、最初に交通事故に関与した車両等(列車を含む)の運転者又は歩行者のうち、当該交通事故における過失が重い者をいう。
また、過失が同程度の場合には、人身損傷程度が軽い者をいう。
「第二当事者」とは、最初に交通事故に関与した車両等(列車を含む)の運転者又は歩行者のうち、当該交通事故における過失が軽い者をいう。
また、過失が同程度の場合には、人身損傷程度が重い者をいう。

質問事項
八の2 とりわけUberEats等による宅配事業が活用されているが、交通マナーの問題が指摘されている見解を求める。バッグのロゴを大きくすることや自転車マナーの向上など会社側や業界団体に改善を促すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
事業で自転車を利用する場合の交通マナーについては、事業者による従業者に対する自転車の安全教育の強化が必要と考えます。
都は、自転車安全利用推進事業者制度を定め、事業者に対して、自転車の安全利用に関する定期的な情報提供に努めています。
さらに、交通安全教育等に取り組む事業所内リーダーを育成するため、自転車安全利用TOKYOセミナーを開催し、事故の現状や事業所における研修の実施方法、保険の必要性などを周知し、事業者の取組を支援しています。
従業者に交通ルールやマナーを浸透させるには、事業者自らが、自転車の利用形態に応じた適切な教育を行うことが重要です。今後とも、配送手段として自転車を利用する事業者への支援強化を含めて、事業者の自主的な取組を促進するため、更なる普及啓発に努めていきます。

質問事項
九 災害対策について
1 都立病院や公社病院などをはじめ災害拠点病院や災害拠点連携病院における被災者の受け入れ態勢の整備は急務であると考えるが、見解および進捗を伺う。

回答
都は、災害時に、主に重症患者の収容・治療を行う災害拠点病院や、災害拠点病院を補完し、主に中等症患者等の収容・治療を行う災害拠点連携病院を指定しています。
災害時には、災害拠点病院や災害拠点連携病院でも、新型コロナウイルスに感染した傷病者を受け入れることが想定されることから、各病院は適切な対策をとることが求められます。
現在、国や関係学会から、医療機関向けの情報として「新型コロナウイルスに対する感染管理」や「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」等が示され、また、国立感染症研究所からは「新型コロナウイルス感染症医療施設内発生対応チェックリスト」等が提示されており、都では、医療機関向けのホームページを開設し、これらの情報の周知を図っています。
今後とも、災害時に、新型コロナウイルス感染症患者も含めた、多くの傷病者を安全かつ円滑に受け入れられるよう、院内感染対策に加え必要な取組を進めていきます。

質問事項
九の2 避難所での感染対策について進捗を伺う。

回答
都は、「避難所管理運営の指針」の中で、発災時の避難所での感染症防止対策として、適切な換気や手洗い、手指の消毒の実施を定めており、区市町村はこの指針に基づき、避難所の適切な感染防止対策を行うこととしています。
新型コロナウイルス感染症対策に当たっては、4月以降発出された国の通知を周知するとともに、5月に都として避難対策全般にわたる留意事項を整理した対処方針を通知しました。
6月には、対処方針を基に、区市町村の職員や避難所開設に当たる地域の方等に向け、具体的な避難所内のゾーニングや動線、必要な物資の例などを盛り込んだガイドラインを作成し、区市町村に周知しました。
また、一般社団法人日本衛生材料工業連合会や特定非営利活動法人コメリ災害対策センターなどの民間事業者と物資の調達に関する協定を締結しており、発災時には、協定に基づき、避難所での感染症対策に必要な物資等を確保し、区市町村を支援することとしています。

質問事項
九の3 避難場所である都立公園は野外であるため3密になりにくいと考えられるため、避難所の機能を補完するため、避難者から食料等の物資を求められた場合にも対応できるよう、都立公園においても物資の備蓄を検討すべきと考えるが見解を伺う。

回答
東京都地域防災計画では、避難者のための水、食料、医薬品の備蓄や配給は、区市町村の役割としています。
都立公園で、避難者から物資の提供を求められた場合には、避難場所の運営者である区市町村に速やかに連絡し、物資の配給を求めるとともに、近隣の避難所などに関する情報を収集し、避難者等に提供します。
なお、これらの区市町村の備蓄を支援するため、公園管理上、特段の支障がなく、備蓄品が食料等災害応急対策に必要な物資である場合などに倉庫の設置を認めています。
これまで、10公園において、地元区市により防災倉庫が設置されています。

令和2年第二回都議会臨時会
文書質問趣意書

提出者 中村ひろし

質問事項
一 新型コロナウイルス感染症対策の補正予算について

一 新型コロナウイルス感染症対策の補正予算について
新型コロナウイルス感染症について、3,132億円の補正予算が提案されました。国の第2次補正予算の対応や都独自の取り組みを迅速に実施するためとのことです。しかし、検査件数が増えたことを理由としていますが、感染者数は増え続け、連日3桁を上回っています。より緊迫感を持って対応することが必要であり、以下、補正予算に関連して新型コロナウイルス感染症対策について質問します。
1 企業へのさまざまな補助制度が設けられたが、手続きは、簡便かつ迅速さが求められる。一方で感染拡大防止の呼びかけとして都がガイドラインを設けステッカーの掲示された店の利用を呼び掛けるが効果が十分とはいえない。補助の要件として感染への対策をとりステッカーを貼ることにしても負担はそれほど大きくはないうえ、効果を上げることができる。検討すべきだが見解を伺う。
2 かねてから都として家賃補助制度の創設を求めていたので、国の上乗せ支給を行うことは評価する。そのうえで、支給手続きは簡便とし迅速に支給する必要がある。今後の手続きの方法と支給の時期を伺う。また、今回の支給により必要とする企業や家賃の実態が分かれば、次に必要となった際の予算の見通しが立てやすくなる。さらに大きな感染の波が来た場合、都独自の支給を行う必要があるが、見解を伺う。
3 医療機関への臨時支援金や体制整備への支援が計上されている。しかし、これまで病床を空けて協力していても都の給付が遅くて経営環境が悪化する病院があると聞く。今後、迅速な対応を病院に依頼するためにも、早期の支払いが必要である。支給の状況はどうなっているか。時間がかかる理由は何か。急ぐべきだと考えるが見解を伺う。
4 緊急事態宣言後の感染の再拡大については、予想を上回る速度で、無症状軽症の方の療養施設となるホテルや、中等症、重症の方の病床確保が困難となった。今後、ワクチンが開発されるまでの間、計画的に一定の枠を確保することが必要だが見解を伺う。あわせて、新型コロナ専門病院を設置する必要があるが見解を伺う。
5 自殺防止相談における支援体制の強化については重要である。そのうえで、自殺を考える方々を含む、さらに多くの方々が不安から精神疾患、うつ病などになっていると考えられる。自殺を考えるに至る前の対策としても、精神的に厳しい状況にある方の相談体制の強化、支援する必要があると考えるが見解を伺う。
6 補正予算では保育所について感染症対策への支援が計上されているが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため利用の自粛を要請した認可保育所については、利用者負担額が減免されるが、その補填について、市区町村の負担が大きい。都としての支援が必要と考えるが、見解を伺う。
7 臨時会の初日の知事発言では、公約に掲げた「東京都版CDC・疾病対策予防センター」の創設について触れているが、具体的な構想について伺う。
8 東京都版CDCに関連して、知事の発言では、国や大学との連携を主張するが、今すぐにでも行うべきは、市区町村との連携である。保健所のある区市とは緊密な連携が必要であり、保健所のない市町村には情報をより共有し一体的な取り組みが必要である。自治は尊重しつつ、危機に瀕しては、都と市区町村が連携を強化し一体として取り組めるようにすることこそがすぐにでも必要と考えるが見解を伺う。
9 新型コロナウイルスでは担当する福祉保健局が多忙になり、他局から一時的に職員の応援をさせている。感染者数が減った際に元の局に職員を戻したが、今回のように急速に感染者が増えると、再度の応援には時間がかかり対応が後手に回ってしまう。次なる未知の感染症への備えとして福祉保健局や保健所の体制強化は別途検討が必要だが、その前に、今回の新型コロナウイルスについては、ワクチンや特効薬が普及し一定の終息を見るまでは、一時的に感染者が減少しても、体制を維持することが必要と考える。この感染症が収まらなければ、他局の事業も従来通りにはできないことから、まさしく都政の最大の課題として認識し対応することが必要である。他局からの応援による柔軟な体制強化だけではなく、福祉保健局の感染症の担当の人員を異動により増強し、当面その体制を維持すべきと考えるが見解を伺う。
10 「区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業」について、共同で事業を行うには、前提として強力な連携と情報共有が必要である。しかし、都が管轄する市町村では都の基準で情報を公表するので、感染者が地域で感染したのか都心で感染したのかさえもわからず、退院者の数も公表されないので感染者数が累積されて不安だけを与えている。地域住民に対する普及啓発も項目としてあるが、その基礎となる情報公開が欠けている。決して油断してよいわけではないが、個人情報は守ることを前提にして、より市町村の住民の行動変容につながるよう、情報公開のあり方を変える必要があると考えるが見解を伺う。
11 区市町村が集中的なPCR検査を行う場合に経費を支援するとのことだが、そもそも都はその前提として区市町村が設置するPCRセンターの検査能力、実施状況等を把握するよう早急に調べる必要があるがどうか。緊急の場合に近隣市区町村で協力し合えるよう、全都的に調整すべき場面もあると考えるがいかがか。PCR検査能力を1日あたり1万件を目標とするが、そもそも1万件で足りるとする根拠は何か。また、区市町村の検査能力を把握し、その上乗せでいつまでに、どうやって行うのかを検討する必要があるが見解を伺う。
12 区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業で、権限のある都ではなく、権限のない区市町村が休業要請をする場合に支給されることになる。権限のない自粛要請は強制力がないが効果があるのか。
13 保健所の運営体制強化とあるが、いまだに感染状況をFaxや紙でやり取りする仕組みを変える必要があるのではないか。具体的には「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」を確実に導入し、国・都・市区町村・保健所・病院にリアルタイムで状況が把握できる状況にする必要がある。現在の導入状況はどうか。早急に導入すべきと考えるが見解を伺う。
14 医療機関の体制整備に関して「新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム(G-MIS)」の導入も支援すべきと考える。システム導入のサポートを行い、着実に完了させていく必要がある。現状の導入状況はどうか。早急に導入すべく都が支援すべきだが見解を伺う。

令和2年第二回都議会臨時会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 新型コロナウイルス感染症対策の補正予算について
1 企業へのさまざまな補助制度が設けられたが、手続きは、簡便かつ迅速さが求められる。一方で感染拡大防止の呼びかけとして都がガイドラインを設けステッカーの掲示された店の利用を呼び掛けるが効果が十分とはいえない。補助の要件として感染への対策をとりステッカーを貼ることにしても負担はそれほど大きくはないうえ、効果を上げることができる。検討すべきだが見解を伺う。

回答
事業者のガイドライン遵守と利用者の安心確保に向けて、感染防止徹底宣言ステッカーの掲示を「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」の支給要件の一つとしています。
引き続き、ステッカーの取組を行っていない事業者に対しては、ガイドラインの徹底やステッカーの掲示を働きかけ、ステッカーの普及拡大の取組を推進してまいります。

質問事項
一の2 かねてから都として家賃補助制度の創設を求めていたので、国の上乗せ支給を行うことは評価する。そのうえで、支給手続きは簡便とし迅速に支給する必要がある。今後の手続きの方法と支給の時期を伺う。さらに大きな感染の波が来た場合、都独自の支給を行う必要があるが、見解を伺う。

回答
都の家賃支援は、原則として、国の家賃支援給付金の給付決定を受けた中小企業等を対象としており、国からの給付決定通知書を提出書類とすることで審査を大幅に簡略化し、支給手続を迅速化していきます。また、多くの事業者からの申請を迅速かつ効率的に処理できるよう、ウェブ申請を基本として利便性の高い申請システムの構築を図り、8月17日から申請受付を開始しています。
今回の都の家賃支援は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営状況にある中小企業を支援するため、国の家賃支援給付金に都が独自に上乗せ給付を行うものであり、これにより多くの中小企業の事業継続を着実に支援していきます。

質問事項
一の3 医療機関への臨時支援金や体制整備への支援が計上されている。しかし、これまで病床を空けて協力していても都の給付が遅くて経営環境が悪化する病院があると聞く。今後、迅速な対応を病院に依頼するためにも、早期の支払いが必要である。支給の状況はどうなっているか。時間がかかる理由は何か。急ぐべきだと考えるが見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業、医療機関・薬局等における新型コロナウイルス感染症感染拡大防止等支援事業は、令和2年7月27日の臨時会で補正予算が可決され、翌日7月28日から、各医療機関からの申請受付を開始しており、速やかに交付を行っていきます。
医療機関への臨時支援金やその他の医療提供体制の整備に係る事業は、令和2年8月には各医療機関への周知及び申請受付を開始し、できる限り早期に支援金等を交付できるよう、準備を進めています。
新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関を支援し、医療提供体制を確保するため、支援金等の迅速な交付に努めていきます。

質問事項
一の4 緊急事態宣言後の感染の再拡大については、予想を上回る速度で、無症状軽症の方の療養施設となるホテルや、中等症、重症の方の病床確保が困難となった。今後、ワクチンが開発されるまでの間、計画的に一定の枠を確保することが必要だが見解を伺う。あわせて、新型コロナ専門病院を設置する必要があるが見解を伺う。

回答
都は、新規陽性者数が増加している状況を踏まえ、入院が必要な陽性患者が確実に入院できるよう医療提供体制を強化することとし、入院重点医療機関の指定を進めるとともに、重症患者用100床、中等症等患者用2,700床の確保を医療機関に要請し、令和2年7月末現在約2,400床を確保しています。
また、検査で陽性となった方のうち、症状がない場合又は医学的に症状が軽く、必ずしも入院治療が必要でない方が、宿泊療養施設で療養を行えるよう、7月末時点で6施設、2,000室を超える部屋数を確保しています。
引き続き、新規陽性者数の動向等を踏まえ、必要な病床や宿泊療養施設の確保を進めていきます。
さらに、都では、旧都立府中療育センター施設を活用し、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる専用医療施設を設置することとしました。
規模は約100床とし、中等症程度までの患者の受入れを想定しています。
令和2年10月中を目途に、必要な改修工事等整備を行い、完了後速やかに運営を開始する予定です。

質問事項
一の5 自殺防止相談における支援体制の強化については重要である。そのうえで、自殺を考える方々を含む、さらに多くの方々が不安から精神疾患、うつ病などになっていると考えられる。自殺を考えるに至る前の対策としても、精神的に厳しい状況にある方の相談体制の強化、支援する必要があると考えるが見解を伺う。

回答
都は、精神保健福祉センターや都保健所で、こころの不安や悩みに関する相談を実施しています。
また、自殺相談専門の電話相談とSNS相談では、精神症状や心理的問題などを含め、様々な相談に対応しており、令和2年6月から、SNS相談と深夜、早朝時間帯などでの電話相談の回線数や相談員を増やしました。
さらに、相談・支援を必要としている人にこうした相談窓口を利用してもらえるよう、自殺の予防に関する様々な相談窓口の情報を掲載したリーフレットを作成し、区市町村や関係機関を通じて周知するとともに、ポケットサイズの相談メモを作成し、学校を通じて児童生徒に配布しています。
新型コロナウイルス感染症の影響による自殺リスクの高まりが懸念されることから、令和2年6月から7月にかけて、福祉、医療、経済、教育等の関係機関や民間団体、有識者からなる自殺総合対策東京会議の計画評価部会と重点施策部会を開催し、感染症の影響を踏まえた具体的な対策を伺ったところであり、今後、これらの意見も踏まえながら、区市町村や関係団体と連携した自殺対策を推進していきます。

質問事項
一の6 補正予算では保育所について感染症対策への支援が計上されているが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため利用の自粛を要請した認可保育所については、利用者負担額が減免されるが、その補填について、市区町村の負担が大きい。都として支援が必要と考えるが、見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症により、認可保育所等が臨時休園等した場合の「利用者負担額」は、保育の提供を受けた日数分の保育料を日割りにより計算して得た額とし、減免することとなっています。国はこの取扱いについて令和2年2月27日付事務連絡「新型コロナウイルス感染症により保育所等が臨時休園等した場合の「利用者負担額」及び「子育てのための施設等利用給付」等の取扱いについて」等により通知しています。
利用者負担額を日割り計算により減免した分は、通常の施設型給付費等の負担割合により、都が4分の1を負担しています。

質問事項
一の7 臨時会の初日の知事発言では、公約に掲げた「東京都版CDC・疾病対策予防センター」の創設について触れているが、具体的な構想について伺う。

回答
いわゆる「東京版CDC」は、都や保健所が持つそれぞれの情報を分析・評価して、都民に正確な情報発信を行うとともに、危機発生時には的確な判断に基づき効果的な対策を推進していく新たな拠点となるものです。
現行の東京都健康安全研究センターなどの機能を集約するなど、都自体の機能強化を図るとともに、国立感染症研究所や厚生労働省、大学・研究機関等とも有機的に連携することで、危機に対する備えを一段と高めていくものです。

質問事項
一の8 東京都版CDCに関連して、知事の発言では、国や大学との連携を主張するが、今すぐにでも行うべきは、市区町村との連携である。保健所のある区市とは緊密な連携が必要であり、保健所のない市町村には情報をより共有し一体的な取り組みが必要である。自治は尊重しつつ、危機に瀕しては、都と市区町村が連携を強化し一体として取り組めるようにすることこそがすぐにでも必要と考えるが見解を伺う。

回答
地域における感染拡大防止対策を効果的に進めるためには、地域の実情に精通した区市町村と連携した取組が重要であり、都はこれまでも感染予防策等に係る情報提供や技術的支援など、様々な取組を区市町村と連携しながら実施してきました。
令和2年7月31日には新型コロナウイルス感染症対策都区市町村協議会を開催して、各種情報や課題の共有を図り、解決に向けた方策等を検討しましたが、今後とも区市町村と連携して感染拡大防止の取組を推進していきます。

質問事項
一の9 他局からの応援による柔軟な体制強化だけではなく、福祉保健局の感染症の担当の人員を異動により増強し、当面その体制を維持すべきと考えるが見解を伺う。

回答
都では、効率的に事業を執行するため、毎年度、人員や組織を精査し、必要に応じて第一回定例会で東京都職員定数条例等の改正を行い、各事業の基本的な執行体制を定めています。
また、年度内に不測の事態が生じた場合、事案の性質や緊急度、恒久的措置の必要性等を考慮し、一時的な職員応援対応、人事異動又は組織設置など適切な対応を図っています。
新型コロナウイルス感染症対策については、職員応援を中心に対応していますが、令和2年7月には、これら職員応援対応に加えて、福祉保健局の組織改正を行いました。具体的には、検査・医療提供体制の確保や患者情報の管理など、新型コロナウイルス感染症に対応する機能を一体的に整備し、感染症対策の基盤を確立するため、福祉保健局健康安全部感染症対策課を改組し、同局内に「感染症対策部」を設置して人員増加を実施しました。
引き続き、柔軟な応援体制も併せて活用することで、感染症対策等に係る万全の体制を確保していきます。

質問事項
一の10 都が管轄する市町村では都の基準で情報を公表するので、感染者が地域で感染したのか都心で感染したのかさえもわからず、退院者の数も公表されないので感染者数が累積されて不安だけを与えている。決して油断してよいわけではないが、個人情報は守ることを前提にして、より市町村の住民の行動変容につながるよう、情報公開のあり方を変える必要があると考えるが見解を伺う。

回答
都は、新型コロナウイルス感染症の発生状況等については、プライバシーの保護にも十分に配慮しながら、年代別・性別の感染者数の状況や入院者数、重症者数の状況のほか、退院・療養終了者数についても公表しています。
区市町村別の情報については、累積患者数に加え、令和2年7月29日から退院・療養終了者数についても公表しており、区市町村と連携しながら、都民の不安軽減や適切な行動につながるよう、的確な情報発信に努めていきます。

質問事項
一の11 区市町村が集中的なPCR検査を行う場合に経費を支援するとのことだが、そもそも都はその前提として区市町村が設置するPCRセンターの検査能力、実施状況等を把握するよう早急に調べる必要があるがどうか。緊急の場合に近隣市区町村で協力し合えるよう、全都的に調整すべき場面もあると考えるがいかがか。PCR検査能力を1日あたり1万件を目標とするが、そもそも1万件で足りるとする根拠は何か。また、区市町村の検査能力を把握し、その上乗せでいつまでに、どうやって行うのかを検討する必要があるが見解を伺う。

回答
都は、東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトに都内における検査実施件数を掲載しており、その中には、各PCRセンターから日ごとに報告を受けている検査実施件数も含まれています。
また、集団感染の発生時など、多くの検査を緊急に実施する必要がある場合には、都から医師を派遣するなどの応援体制を整備しています。
都内の検査処理能力の拡大については検査需要を考慮し、10月までに1日当たり1万件の確保を目標としています。令和2年7月末時点での都内の検査処理能力は1日当たり約8,600件ですが、今後、医療機関等における検体採取体制の整備と検査処理能力の増強を推進し、目標達成を図ります。

質問事項
一の12 区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業で、権限のある都ではなく、権限のない区市町村が休業要請をする場合に支給されることになる。権限のない自粛要請は強制力がないが効果があるのか。見解を伺う。

回答
地域における感染拡大防止対策を効果的に進めるためには、地域の実情に応じた区市町村の取組が重要であり、都は区市町村の取組を支援し、協力して対策を進めていきます。

質問事項
一の13 保健所の運営体制強化とあるが、いまだに感染状況をFaxや紙でやり取りする仕組みを変える必要があるのではないか。具体的には「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」を確実に導入し、国・都・市区町村・保健所・病院にリアルタイムで状況が把握できる状況にする必要がある。現在の導入状況はどうか伺う。早急に導入すべきと考えるが見解を伺う。

回答
国が導入を進めている新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)については、都内の一部の保健所で先行利用し、説明会を開催するなど、都としても導入に向けた働きかけを行ってきた結果、令和2年9月1日時点で、都内31か所の保健所中30か所で運用を開始しています。
引き続き、保健所等の運用状況等を把握するとともに、改善に向けた現場の意見等を取りまとめ、国に対して必要な要望を行っていきます。

質問事項
一の14 医療機関の体制整備に関して「新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム(G-MIS)」の導入も支援すべきと考える。システム導入のサポートを行い、着実に完了させていく必要がある。現状の導入状況はどうか。早急に導入すべく都が支援すべきだが見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム(G-MIS)は、全国の医療機関の病床や医療スタッフの配置状況、医療機器や医療資材の確保状況等を一元的に把握するために、国がWEB上で提供しているシステムであり、これまでに、都内全ての病院がこのシステムを利用できるよう、国から利用のためのIDが付与されています。
現在、都内の病院でシステムの利用が開始されており、都は各医療機関において円滑な導入が図られるよう、必要に応じてサポートしていきます。

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