オリンピック・パラリンピック招致特別委員会速記録第五号

平成二十二年二月二十六日(金曜日)
第四委員会室
 午後一時二十四分開議
 出席委員 十六名
委員長吉野 利明君
副委員長三宅 茂樹君
副委員長泉谷つよし君
副委員長中嶋 義雄君
理事ともとし春久君
理事こいそ 明君
理事中村 明彦君
くりした善行君
鈴木 隆道君
星 ひろ子君
高橋かずみ君
原田  大君
たぞえ民夫君
大西さとる君
いのつめまさみ君
木内 良明君

 欠席委員 一名

 出席説明員
東京オリンピック・パラリンピック招致本部本部長荒川  満君
次長並木 一夫君
企画部長細井  優君
参事重田 敏光君
招致推進部長中嶋 正宏君
連絡調整担当部長藤森 教悦君
知事本局局長吉川 和夫君
総務部長大井 泰弘君
計画調整部長梶原  洋君

本日の会議に付した事件
 二〇一六年に開催される第三十一回オリンピック競技大会及び第十五回パラリンピック競技大会の東京招致に関する調査審議及び必要な活動を行う。
報告事項(説明)
・二〇一六年東京オリンピック・パラリンピック招致活動報告書について

○吉野委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック招致特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員の辞任及び選任について申し上げます。
 議長から、去る二月十日付をもって、相川博委員の辞任を許可し、新たに原田大議員を選任した旨、また同じく議長から、去る二月十八日付をもって、西崎光子委員の辞任を許可し、新たに星ひろ子議員を選任した旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員を紹介いたします。
 原田大委員です。

○原田委員 どうぞよろしくお願いします。

○吉野委員長 星ひろ子委員です。

○星委員 どうぞよろしくお願いいたします。

○吉野委員長 紹介は終わりました。
 次に、議席について申し上げます。
 議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますので、ご了承願います。
 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 これより第三十一回オリンピック競技大会及び第十五回パラリンピック競技大会の東京招致に係る事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の説明聴取を行います。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○荒川東京オリンピック・パラリンピック招致本部長 一言、報告並びにお礼を申し上げます。
 一昨日の二月二十四日に、二〇一六年オリンピック・パラリンピック競技大会招致活動報告書を発表いたしました。本報告書は、招致活動を詳細に記録いたしますとともに、全体を総括して、成果と課題、活動に要した経費を明らかにし、今後への提言を行ったものでございます。将来において、日本が招致等に挑戦する際の海図として活用されますことを願うものでございます。
 これまで、吉野委員長を初め委員の皆様方には、多大なるご支援、ご協力を賜りましたこと、改めて心から厚く御礼を申し上げます。
 本報告書の内容並びに当委員会での審議につきましては、今後の都政に生かしてまいりたいと存じます。引き続きのご指導、ご鞭撻を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、報告書の内容につきまして、細井企画部長からご説明させていただきます。

○細井東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 それでは、私からご報告をさせていただきます。
 報告書本体は約六百ページに及ぶものとなっておりますので、お手元のA3資料、二〇一六年オリンピック・パラリンピック競技大会招致活動報告書についてによりましてご説明させていただきます。
 ただいま本部長からも申し上げましたとおり、一昨日、二月二十四日、招致活動報告書を発表いたしました。作成に当たっては、招致委員会の河野事務総長を初めとする招致関係者や外部有識者から成る報告書作成委員会を設置し、検討を行ってまいりました。検討結果を取りまとめた本報告書については、招致委員会理事会へ報告され、了承を得ております。
 報告書の構成でございますが、二部構成となってございます。
 第一部、招致活動の記録では、四年間に及ぶ招致活動の内容と事業経費について、時系列で詳述してございます。記述に当たっては、単に事実の記載だけにとどまらず、主要な事業については、準備の方法や調整過程、実施に当たっての課題等にも言及してございます。
 第二部、招致活動の総括と提言は、この報告書の最も重要な部分でございまして、招致活動の全体を概観し、その成果、課題、今後の日本の再挑戦に向けての提言等について記述してございます。
 このほか、資料集として、招致活動記録年表などを巻末に収録してございます。
 資料を一枚おめくりください。本報告書のポイントについてでございます。
 初めに、1、東京のとった招致戦略についてでございます。
 まず、〔1〕として、東京は、先進的な環境施策、コンパクトな会場計画、東京都の強固な財政基盤等で他都市との差別化を図ってまいりました。次に、〔2〕として、オリンピアン、パラリンピアン一体となった活動を展開してまいりました。また、〔3〕にございますように、最終プレゼンテーションでは、総理大臣も出席し、リオの台頭、オバマ大統領を擁するシカゴに対し、環境施策、財政基盤、情熱を全面にアピールしてまいりました。加えて、〔4〕にございますように、国際招致活動においては、知事を先頭に、あらゆる機会をとらえ、積極的なプロモーション活動を展開してまいりました。
 次に、2、東京の計画に対する評価についてでございます。
 昨年九月に公表されたIOC評価委員会報告書では、東京の計画が高く評価された一方で、競技会場に関する技術的側面などで幾つかの課題が指摘されております。
 次に、3、今回の招致活動がもたらした成果についてでございます。
 今回の招致活動は、さまざまな成果を東京及び日本にもたらしました。
 具体的には、まず〔1〕として、国による財政保証の発出やIOC総会への総理大臣の出席など、招致活動における国の関与が明確化されたことが挙げられます。また、〔2〕として、都民のスポーツ実施率向上やオリンピック教育の推進、障害者スポーツの振興など、日本、東京のスポーツ振興に大きく貢献したこと、〔3〕として、アスリートとの交流を通じて、青少年の健全育成が推進されたこと、〔4〕として、東京の計画を訴える中で、地球温暖化対策を世界に対して強くアピールできたこと、最後に、〔5〕といたしまして、ユビキタス技術やアニメなど、日本、東京の文化や最先端技術を全世界に発信することにより、世界における日本、東京のプレゼンスが向上したことなどが成果として挙げられます。
 続いて、資料の右側にございます、4、招致活動の課題についてでございます。
 今回、東京が開催権を獲得できなかった点について、招致活動の課題を五点挙げてございます。
 まず、〔1〕として、IOC委員の心に訴える強烈なメッセージ、次に〔2〕として、国際スポーツ界における日本のプレゼンス、〔3〕として、国、スポーツ界、経済界の一体感、〔4〕として、過去の招致活動のノウハウ、〔5〕として、さらなる世論の盛り上がりと熱のこもった招致活動の展開を挙げてございます。
 次に、これらの課題を受けて取りまとめた、5、今後への提言についてでございます。
 まず、〔1〕のIOCや都民、国民に賛同が得られるメッセージの発信でございますが、今回、東京の環境を最重視した開催理念は、南米初を掲げたリオに及ばなかったこと、また、都民、国民から熱のこもった賛同が必ずしも十分に得られなかったことなどから、IOCや都民、国民に賛同が得られる力強いメッセージを提案することを提言しております。
 また、〔2〕として、IOC委員などオリンピックファミリーからリップサービスでない本音を聞くことができるよう、日常からの人間関係の構築を行うとともに、国際スポーツ組織やその事務局へ人材を送り込むため、ヒューマンリソースを強化することを提言として挙げてございます。
 さらに、〔3〕として、国際競技大会や国際スポーツ会議を日本へ積極的に誘致することが有効であることなどを挙げるとともに、〔4〕にありますように、国際プロモーション専門の責任者の登用など、国際プロモーション体制を強化することを挙げております。
 また、〔5〕として、オリンピック・パラリンピック招致を国家プロジェクトとして位置づけ、早期の国会決議と財政保証の発出、招致担当大臣の設置、スポーツ基本法の早期成立などを提言するとともに、〔6〕として、在外公館や経済界などの多様なネットワークを活用をした国を挙げての招致活動についても提言してございます。
 このほか、〔7〕として、今回の招致活動の最終局面で高まった世論の支持率を維持、向上させていくため、地域スポーツの振興やアスリートの自主的な活動などにより、国内招致支持層のすそ野を拡大していくことも提言として挙げております。
 最後に、〔8〕でございます。今回の招致活動では、計画策定やプレゼンテーションのノウハウ、IOCや国際スポーツ界との人脈、計画書やポスターといった多くの有形無形の財産を蓄積することができました。今後、日本が再び招致に挑戦する際には、これらの貴重な財産を最大限活用するとともに、より費用対効果の高い取り組みや事業を選択することで、招致活動経費の圧縮を図っていくことが可能であることを提言しております。
 資料を一枚おめくりください。最後に、招致推進活動経費についてでございます。
 経費支出の総額は百四十八億五千万円で、当初予定の範囲内となってございます。内訳といたしましては、計画策定や国際プロモーションなどの招致経費が六十四億六千万円、国内世論の維持形成やオリンピズム普及啓発などのムーブメント推進経費が八十三億九千万円となってございます。
 東京都の支出額は、東京都実施の事業が七十五億円、招致委員会に対する補助金が二十五億円となってございます。
 招致委員会の支出額は、当初予定より一億五千万円節減の七十三億五千万円となりました。
 招致委員会の収入につきましては、世界的な金融危機とそれに伴う景気後退などの影響を受け、寄附金、協賛金収入が四十一億六千万円にとどまっているため、不足分の六億九千万円の民間資金を借り入れることといたしました。その結果、収入額は、都補助金二十五億円を含め、七十三億五千万円となってございます。
 なお、招致委員会の借入金についてでございますが、返済に関して公費の投入はいたしません。
 招致委員会では、来年度の事業計画についての検討を行っているところでございまして、今後も、東京、日本のスポーツ振興や、将来のオリンピック・パラリンピック招致に賛同いただけます企業、団体から寄附を募ってまいりますとともに、招致活動で得た事業ノウハウなど有形無形の財産を活用しながら事業を行っていく予定でございます。
 以上の結果、収入、支出とも百四十八億五千万円となってございます。これらの招致推進活動経費は、日本における国際スポーツ大会の開催や次のオリンピック・パラリンピック招致活動を、より世論から支持される形で行い、勝利に導くための貴重な投資であったと考えております。
 なお、参考として、招致推進活動経費の収支内訳を資料にお示ししてございます。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○吉野委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○くりした委員 招致委員会と電通との間に結ばれていた各事業における契約書、及び招致委員会と電通との間に結ばれた特命随意契約各事業の以下の内容についてわかる資料をいただけるようお願いします。
 一、契約金額。
 二、費用の内訳。これは具体的な仕事の内容がわかるようにお願いいたします。
 三、都から捻出をされた分担金の額。
 四、電通から出された見積書。
 五、招致委員会による積算根拠。
 六、特命理由。
 以上、よろしくお願いします。

○たぞえ委員 私からは三点お願いいたします。
 まず、第一点、報告書三五七ページの招致活動の都庁内各局との連携について、各局別に経費を出してください。
 二つ目、一五六ページの、東京が参加した海外のスポーツ関係国際会議や国際スポーツ大会での経費のすべてについて。
 三つ目に、資料集四八七ページから五一〇ページまでの、国内における盛り上げ活動、国内スポーツ大会における盛り上げ活動、みんなのオリンピック実施、招致ふるさと特使派遣、区市町村ムーブメント共同推進事業の各事業の一つ一つについての経費をお願いいたします。
 以上です。

○吉野委員長 ほかにないですね。--ただいま、くりした委員、たぞえ委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉野委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○くりした委員 この際、二〇一六年オリンピック・パラリンピック招致の審査に関して、本委員会への参考人招致を求める動議を提出いたします。

○吉野委員長 速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○吉野委員長 速記を始めてください。
 それでは、委員会を暫時休憩いたします。
 午後一時三十九分休憩

   午後一時四十六分開議

○吉野委員長 先ほど休憩をいたしましたが、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 理事会で先ほどのくりした委員の動議について協議をいたしました結果、各会派持ち帰って協議をしていただくということになりましたので、そのような形で協議をさせていただきましたので、ご了解いただきたいと思います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
 午後一時四十七分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る