委員長 | 吉野 利明君 |
副委員長 | 三宅 茂樹君 |
副委員長 | 泉谷つよし君 |
副委員長 | 中嶋 義雄君 |
理事 | ともとし春久君 |
理事 | こいそ 明君 |
理事 | 中村 明彦君 |
くりした善行君 | |
鈴木 隆道君 | |
高橋かずみ君 | |
西崎 光子君 | |
たぞえ民夫君 | |
大西さとる君 | |
いのつめまさみ君 | |
門脇ふみよし君 | |
相川 博君 | |
木内 良明君 |
欠席委員 なし
出席説明員東京オリンピック・パラリンピック招致本部 | 本部長 | 荒川 満君 |
次長 | 並木 一夫君 | |
技監 | 福島 七郎君 | |
企画部長 | 細井 優君 | |
参事 | 重田 敏光君 | |
参事 | 梅田 弘美君 | |
招致推進部長 | 中嶋 正宏君 | |
招致戦略担当部長 | 保坂 俊明君 | |
新施設建設準備室長 | 末菅 辰雄君 | |
公募準備担当部長 | 野崎 誠貴君 | |
知事本局 | 局長 | 吉川 和夫君 |
総務部長 | 大井 泰弘君 | |
計画調整部長 | 梶原 洋君 |
本日の会議に付した事件
二〇一六年に開催される第三十一回オリンピック競技大会及び第十五回パラリンピック競技大会の東京招致に関する調査審議及び必要な活動を行う。
報告事項(説明・質疑)
・IOC評価委員会報告書について
・IOC総会について
閉会中の継続調査について
○吉野委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック招致特別委員会を開会いたします。
初めに、議席について申し上げます。
過日の委員会におきまして理事会にご一任いただきました議席につきましては、ただいまご着席のとおりとなりましたので、ご了承願います。
○吉野委員長 次に、本委員会の運営について申し上げます。
過日の理事会において、お手元配布の運営要領に基づき運営していくことを申し合わせました。ご了承願います。
これより第三十一回オリンピック競技大会及び第十五回パラリンピック競技大会の東京招致にかかわる事項について調査を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取及び閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
初めに、所管二局の長から、それぞれあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。
○荒川東京オリンピック・パラリンピック招致本部長 まずは、昨日の応援大パレードに、ご多忙の中、またお暑い中を、吉野委員長を初め都議会の先生方が超党派で大勢ご参加いただき、沿道の皆さんへ大声援を送っていただき、大変ありがとうございました。心より御礼申し上げます。
開催都市決定まで、きょうで残り八日となりました。本部職員、全力を挙げて取り組んでおります。吉野委員長を初め委員の皆様のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
それでは、当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
次長の並木一夫でございます。技監の福島七郎でございます。企画部長の細井優でございます。参事で事業調整担当の重田敏光でございます。参事で事業企画担当の梅田弘美でございます。招致推進部長の中嶋正宏でございます。招致戦略担当部長の保坂俊明でございます。新施設建設準備室長の末菅辰雄でございます。公募準備担当部長の野崎誠貴でございます。最後に、本委員会との連絡を担当いたします総務課長の樋口正勝でございます。
なお、連絡調整担当部長の藤森教悦は、他の公務のため、本日の委員会を欠席させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
○吉川知事本局長 知事本局長の吉川和夫でございます。
私ども知事本局職員一同、間近に迫りました二〇一六年オリンピック・パラリンピックの開催都市決定を何としてもかち取るために、招致本部と協力しながら全力で取り組んでまいる所存でございます。吉野委員長を初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
総務部長の大井泰弘でございます。計画調整部長の梶原洋でございます。当委員会との連絡を担当いたします総務課長の鈴木勝でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○吉野委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。
○吉野委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○細井東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 それでは、私からご報告させていただきます。
資料といたしまして、資料1、IOC評価委員会報告書の概要について、資料2、第百二十一回IOC総会(開催都市の決定)についてをお配りしてございます。これらの資料に基づきましてご説明申し上げます。
まずは、表紙をおめくりいただきまして、資料1、IOC評価委員会報告書の概要についてをごらんください。
今月二日、IOC、国際オリンピック委員会は、評価委員会の作成いたしました二〇一六年大会の四立候補都市に関する報告書を公表いたしました。本報告書は、IOC評価委員会が、それぞれの大会開催計画であります立候補ファイルの内容を検証するために四都市を訪問し、競技会場視察や質疑応答などを実施し、その結果をまとめたものでございます。
東京には、本年四月十四日から四月二十日まで公式訪問が行われました。その際は、都議会の皆様に大変お世話になりました。改めて、この場をかりて御礼を申し上げます。
今回の報告書は、後ほどご説明いたしますが、IOC委員が総会での投票の際の参考にするためのものでございます。したがいまして、昨年六月の立候補都市発表時における報告書のように数値化して優劣をつけるというものではございませんで、資料に記載されておりますように、各都市の大会計画のすぐれている点や課題とされている点につきまして具体的に記述したものでございます。
東京につきましては、極めてコンパクトな大会計画、都そして日本国政府による財政保証及び豊かな財政力、公共交通機関による効果的な輸送システムなどにつきまして、評価委員会から高い評価を受けました。
一方、世論の支持率が比較的低いこと、選手村の建設予定地の敷地の大きさ、選手村、オリンピックスタジアム周辺の交通が課題とされております。
支持率に関しましては、今では八割に高まっておりまして、その他の指摘も技術的なものでございまして、十分対応可能で問題のない旨、IOCに既に説明済みでございます。
他都市の状況につきましては、記載のとおりでございます。
次に、資料を一枚おめくりいただきまして、第百二十一回IOC総会についてをごらんください。
二〇一六年のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市は、十月二日のIOC総会におきまして、IOC委員百六名による投票で決定されますが、各立候補都市には、投票前に最終プレゼンテーションと質疑応答の機会が与えられております。
スケジュールにつきましては資料をごらんください。
四都市による最終プレゼンテーションの終了後、現地時間十月二日午後五時十分、時差が七時間ございますので、日本時間では、三日、土曜日の午前零時十分になりますが、IOC委員による投票が行われます。この投票は、一都市が過半数を獲得するまで行われ、各回とも最下位得票都市が脱落してまいります。したがいまして、今回は最大三回の投票が行われる可能性がございます。
投票の結果、選ばれる開催都市につきましては、現地時間二日午後六時三十分、日本時間三日午前一時三十分にIOCのロゲ会長より発表される予定となっております。
なお、各都市のプレゼンテーション及び投票、結果発表などにつきましては中継をされる予定となっております。
いよいよ開催都市決定まで八日となりました。去る十七日には出陣式、昨日二十三日には原宿表参道で応援大パレードを開催し、都民、国民の招致機運は最大限の盛り上がりを見せているところでございます。都議会を初め都民の皆さんの力を結集していただきまして、十月二日のIOC総会に臨んでまいりたいと考えております。
以上で、簡単ではございますけれども、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
○吉野委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○大西委員 それでは質問させていただきます。
今までの招致活動については本当に頑張っていただきましたことに対しては、本当に敬意を表させていただきます。
ただ、今回のこの招致活動を振り返って、現時点でその活動自体が十分であったのか、それとも、まだ、し残したところが少し残っているのか、その辺をまずお伺いさせていただきます。
○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 東京都といたしましては、これまで、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会などと緊密に連携をいたしまして、全力で招致活動に取り組んでまいりました。
まず、招致活動で東京をアピールする上で最も重要な大会開催計画である立候補ファイルにつきまして、アスリートや競技団体、国、その他、数多くの関係者と調整の上、東京が求める最高の内容のものを策定いたしました。
そして、四月にはIOCの評価委員会を迎えまして、各界を代表する方々にプレゼンテーションをしていただくとともに、会場視察では、スポーツ界を初め数多くのボランティアの方々にご協力いただくとともに、随所で日本の誇る最新技術を紹介し、東京の開催能力の高さをアピールしてまいりました。
また、六月のローザンヌでは、数多くのIOC委員に対して、直接、東京の計画について説明してまいりました。
このほか、招致委員会を中心に、メキシコのアカプルコですとか、トルコのイスタンブールというところで開催されました各国のオリンピック委員会の会議や、ベルリンでの世界陸上大会など大規模なスポーツ大会の機会をとらえまして東京の魅力をアピールするなど、国際プロモーション活動を展開してまいりました。
さらに、オリンピック専門の海外メディアへの積極的な招致活動ニュースの発信を初めとした内外のメディアの活用も図ってまいりました。
このように、私どもとしましては、IOC委員に対する個別訪問や都市への招聘が禁止されているという制約の中で、IOCの招致活動ルールにのっとりまして、海外におけるあらゆる機会を活用して、一二〇%招致活動に取り組んできたものと考えております。
○大西委員 一二〇%頑張っていただいたという自己採点でございますが、特に日本が弱いとされてきたロビー活動というのが最初からいわれております。このロビー活動に関してはどのような活動をされていたのか、お伺いいたします。
○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 ロビー活動の主な対象者は、投票権を持ちますIOC委員ですとか、彼らに対して影響力を持ちます国際競技団体の有力者、さらには世界アンチドーピング機構、WADAのメンバーなどでございます。こういった方々に対しまして、招致委員会の河野事務総長、竹田JOC会長を初めとしますJOCや国内の各種競技団体のメンバーが、それぞれの人脈を通じまして、国際スポーツ大会や会議などのさまざまな機会をとらえ、まさに世界をまたにかけまして、専門的かつ効果的に展開してまいりました。
また、招致都市の代表といたしまして、石原知事ご自身も、六月にはローザンヌ、七月にはシンガポール、八月にはベルリンに赴きまして、投票権を持つIOC委員や関係者に対しまして、東京の開催計画の優位性、都市の魅力などを直接訴えるロビー活動を実施してまいりました。
○大西委員 石原知事を中心に結構頑張ってきたというお話ではございますが、私は、一つそこで疑念を持っております。それは、この都議会議員がどこまでそれに参画したのか、どれだけ活用されたのかというところを私はいま一つ納得ができないなというふうに正直思っているところでございます。
ご存じのように、百二十七人、たくさんの議員がおられます。その中には、英語のみならず、フランス語やポルトガル語で夢を見るぐらいのネーティブに近い議員もおられるわけでございます。そしてまた、英語のみならず、ここにいる議員の皆さんというのは、選挙を通して人の心をつかむ、つかんできたからこそ、初めて勝ってきてこられるわけですね。そういう人の心をつかむということにたけた、また、交渉力にたけた議員がたくさんおられるわけでございますから、これをもっともっと活用すべきではなかったのではないかなというふうには私は思っております。
ただ、一方では、先日、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会の方から依頼を受けて都議会議員の派遣というのが決まったわけですが、当初二十人から三十人というお話が十五人で落ちつき、その後、世論の動向から人数がさらに十人に減ったという、これは私はすごく残念なことだとは思うんですが、それだけ能力を持った都議会議員の諸先生方をもっともっと使うべきだったというふうには考えておりますが、それに関してはいかが思っておられますでしょうか。
○細井東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 都議会の皆様には、これまでの招致活動において節目節目でお力をいただきまして、大変感謝しております。
国内はもとより、海外におきましても、昨年九月の招致特別委員会として北京パラリンピック大会視察の際などに現地でご活動いただきまして、大きな効果があったと考えております。改めまして、心より御礼申し上げます。
IOC総会が行われますコペンハーゲンにおきましても、派遣団の十名の先生方の強力なサポートのもと、現地での最後の招致活動に懸命に取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。
○大西委員 今ちょっとお話もちらっと横から出たんですけれども、こういうような都議会議員をもっと、自費ででも行かせるようなチャンネルをたくさん提示するのも一つだったかなと。国内の中での招致活動の機運を盛り上げるイベントの参加のみならず、その辺にも力点を置かれたら、もっとよかったのかなと思いつつ、ただ、残り八日でございます。
候補になれるかなれないかというのは--我々の選挙、終わったところですので、選挙に例えますと、自分らが当選できるかできないか、どこまでやっていいのかというのが、これは本当にわからないわけでございますが、ただ、ここに勝ち抜いてきている皆さんは、最後の最後まであきらめずに、最後の一日でも必死になって頑張ってきているわけです。この八日間、ラストスパートにすべての力をかけていただきたいということを私から要望させていただいて、そして最後、何をされるのかお伺いいたしまして、この後の時間を門脇委員にお譲りしたいと思います。
○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 二〇一六年大会の開催都市が決定される十月二日まで、ただいまお話にありましたように、もう残り八日でございます。まず、総会直前まで、IOC委員一人一人に東京への投票をお願いするため、招致委員会、JOC関係者を中心としまして、コペンハーゲンにおいて招致活動を進めてまいります。
また、投票権を持つIOC委員に対する最後のアピールの場でございますIOCの総会における最終プレゼンテーション、これを最高の内容に仕上げるべく、努力を続けてまいります。
東京の大会計画の優位性や都市の魅力、環境最優先の大会などを改めて強く訴えることは当然でございますが、IOC委員の心をとらえることができるような内容をつくり上げたいというふうに考えております。
また、国内では、十月二日夜には、この都庁舎を初めとしまして、都内各地でパブリックビューイングを設定して、最高の盛り上げを図ってまいります。
○門脇委員 それでは、時間の都合もありますので、私からは一点に絞ってお伺いをいたします。
その前に、先ほど招致本部長からもありましたとおり、昨日のパレード、私たちも参加させていただきまして、また、事務方の皆さん、本当にお疲れさまでございました。
私もずっとこういう仕事をさせていただいて、都民の皆さんの熱い思いというものを自分自身でもしっかりと感じさせていただきましたし、また振り返ってみますと、三年前に国内の招致都市の決定があって、あのとき私、たまたま最前列に座っていたんですけれども、東京という名前が出た瞬間、本当にうれしく感じ、それ以降、このオリンピックあるいはパラリンピックにかかわるイベントにはほとんどすべて参加をさせていただいてまいりました。その意味でも、いよいよ決戦のときが目の前に迫ってきたんだなという実感を、きのう、行進をしながら思わせていただいたところでございます。
出陣式の日に田中議長から話がありましたように、もうここまで来たら、あとはやるべきことはすべてやって、何としても招致を獲得していく、誘致を決定していくということがすべてだと私自身も考えております。
さて、私自身も、前オリンピック、一九六四年、昭和三十九年のときは小学校四年生でございましたけれども、ちょうど家の前を聖火ランナーが通りまして、それを日の丸を振りながら一生懸命に応援をしたことが思い出されます。
その中で、私たち民主党は、二〇一六年のオリンピック・パラリンピックの招致に関しまして、未来への責任も含めた議論を大いに行い、招致実現に向けて活動をしてまいりました。私たちの提言としては、平和構築に重点を置く大会理念として、広島、長崎と連携をすることにより、聖火リレーと平和の日を結び、平和の希求を世界に発信すること、オリンピズムを第一として、経済波及効果などは、これは悪いことではないんですけれども、結果としてもたらされるものだと自覚をすること、そして、大会後の長期的展望や環境面から、負の遺産を積み残さないように、関連経費もコンパクトな品格のあるオリンピックを目指すこと、国立霞ヶ丘競技場ですけれども、国立でのメーンスタジアム整備を国に再度求めていくこと、築地市場移転と切り離したメディアセンターの配置、アジア外交を重視した招致活動など、正直なところ、いろんなことを申し上げてまいりました。
その結果、東京計画は、大会理念が、平和に貢献する世界を結ぶオリンピック・パラリンピックとなり、メディアセンター計画が東京ビッグサイトに変更され、利便性が高まり、財政的にも軽減をされてまいりました。
そして、繰り返し申し上げますけれども、いよいよ来月の二日、第百二十一回IOC、国際オリンピック委員会総会がデンマーク、コペンハーゲンで開催をされ、私は現地には参らず、一庁の五階で応援させていただきますけれども、東京はこの計画に基づいて最終プレゼンテーションを行いますけれども、以上、いろいろなことを申し上げましたけれども、そのことを全体的に踏まえて、改めて招致本部長に決意をお伺いいたします。
○荒川東京オリンピック・パラリンピック招致本部長 ただいま門脇委員から、平和構築に重点を置くオリンピック・パラリンピックといったことなどにつきまして、都議会民主党が重要視している点についてお話がございました。これらの点が、ご指摘が以前からあったということについては、我々としては十分認識しているところでございます。
特に平和につきましては、オリンピズムの目的が人間の尊厳保持と平和な社会の推進にあることがオリンピック憲章で明記されております。我々の目指す東京大会もまさにこの目的を実現するために、大会理念を平和に貢献する世界を結ぶオリンピック・パラリンピックとしたものでございまして、世界最高の環境の中でアスリートがつくり出す最高のドラマを見せられるような大会としたいということを立候補ファイルの中で明記してございます。
また、平和の理念を言葉ではなくて実践、実現するためにも具体的な行動が重要であるということの認識から、これもまた立候補ファイルの中において、聖火リレーや事前キャンプなど、連携事業を全国自治体との間で行っていくというようなことも明記させていただきました。
さらに、平和の理念などに加えまして、東京大会の強みでございます、コストのかからないコンパクトな会場建設や大会運営を実現しまして、大会期間中はもとより、大会前あるいは大会後の全期間を通じまして、次代を担う若者たちが主役となり、スポーツを通じた人間教育と国際交流を進めることができる社会を築きたいというような願いを持っております。
これまでもこうした点について都議会のご理解をいただき、招致活動のさまざまな面でご支援をいただいてまいりましたけれども、オリンピック・パラリンピック招致に携わった者といたしまして、全力投球をしてまいりたいというふうに決意をしております。どうか最後の最後までご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○鈴木委員 それでは、私から、何点かにわたり質問をさせていただきたいと思います。
二〇一六年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市決定まであと八日となりました。招致活動もいよいよ最後の舞台を残すのみになりました。
これまでオリンピック・パラリンピック招致特別委員会においては、大会の東京招致に向けて積極的に議論を重ねるとともに、昨年は北京に赴き、パラリンピック競技大会を視察するなど、精力的な活動を行ってまいりました。
また、都議会招致議員連盟においても、賛同の署名活動や、各道府県を訪問して協力の要請活動等、さまざまな催しへの積極的な参加を通して、東京での大会開催を大々的にアピールしてきたわけであります。
これらの活動で私が感じましたのは、都民、国民の底力、あえていえば日本の底力というものがあったというようなことをいっても過言ではないのではないかと思います。
それは、町会の方々、または経済界、商店街の皆さんが、一九六四年に東京大会のあの感動を得たものをもう一度という思いや、あらゆる人々がスポーツに親しめるような環境をつくろうというような、そういう思いを心に抱いて、誇りを持ってボランティアとして積極的に取り組む姿が私には大変印象に残っております。
また、在外公館や知事の要請に基づいて、さまざまな情報を収集し、国外で活動をした経済人も、あらゆる知恵を出して、また人脈を通して協力をしてくれたと聞いております。
私も実は、自分がジャパントレードサービスという海外の広告の媒体代表をしている会社の社長をしておりますが、百二十数カ国とつき合っているわけでありますが、やはりまず一番最初にいえるのは、オリンピックに立候補できるということに対して、それぞれ立候補した国の都市、または国民が誇りを持っているということです。
ただ、日本で果たしてそれがあるのかというと、私は必ずしもそうではないということをいわざるを得ないかもしれませんが、ただ、世界の常識としては、オリンピックに立候補できるという国、都市を持っているということに対して誇りを持っているというのが世界の報道であります。
そして、我々が今その首都東京でこのように、知事を初め、海外にいる商社マンの人、またはいろんな財界人を通して、多くの人が外務省の、または日本高官の人たちと連携をとってそれぞれ話し合いをして、またはいろいろなことの理解をいただくような活動を地道にやっぱりしてきた成果というようなものが、実は大きく今反映をされているということも事実でもあり、議会としても、それぞれの議員の人が、人脈や、または地縁を通してボランティアでそれぞれの国へ赴いたり、そういうような努力をしてきたことも、これは事実であります。そういう多くの人たちの心が結集をして、今あと八日に迫ったオリンピック招致に向けてのところに来ているというのが私は現実だというふうに思うんですね。
ですから、そういう中で、やはりスポーツと平和の祭典、またはオリンピック・パラリンピック競技大会を開催できる国、この国、日本をおいてほかにないという思いを強くしているのは、恐らく私一人ではないというふうに思います。
しかしながら、このような段階に至っても、招致活動は税金の無駄遣いであるというような一部意見があるというふうに聞いています。果たしてそうなのでしょうか。誤解を解く意味で、改めて何点かお伺いをしたいというふうに思います。
昨年六月に東京が立候補都市としてIOCから承認されて以降可能になった国際招致活動の中で、IOC委員の支持を取りつけるべく、これまでさまざまな活動をしてきたと聞いております。その中で、昨年の北京出張はどのような目的で行い、どのような成果があったか、具体的にお伺いをいたしたいと思います。
○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 昨年八月、九月に開催されました北京オリンピック・パラリンピック競技大会におきましては、東京招致に向けたPR、IOC委員初め関係者に対するロビー活動、大会計画である立候補ファイルの策定に資する知識や情報の入手を目的といたしまして、当本部からも部門ごとに担当の職員を派遣し、さまざまな成果を得てまいりました。
具体的には、まず広報関係につきましては、JOCのジャパンハウス内に設置いたしました東京招致のブースにおきまして、コンパクトな会場配置計画や東京の環境政策など、その魅力を余すことなくPRしましたほか、関係者に対して東京招致に向けたロビー活動を展開いたしました。
また、施設関係につきましては、競技会場はもちろんのこと、主要施設の一つであるメディアセンターの構造などにつきまして、つぶさに行った現地調査の成果を東京のメディアセンターの施設計画の変更に生かしております。
また、二十六の国際競技連盟及び国際パラリンピック委員会から、立候補ファイル策定に必要な東京の競技会場の承諾書を得るために、これらの団体が集結いたします、この北京オリンピック・パラリンピックの場を活用いたしまして、一つ一つの団体に対して個別に接触して説明を行ってまいりました。
さらに、大会組織委員会の主催するオブザーバープログラムへの参加や、実際の競技の視察などを通じまして、観客の誘導など、大会運営において留意すべきポイントを把握してまいりました。
以上、申し上げましたとおり、昨年の北京への出張は、立候補ファイル作成にとって不可欠な出張であったと考えております。北京におきまして私たちが得ました成果につきましては、障害者や高齢者に配慮したスムーズな観客誘導や、負荷を最小限にとどめたセキュリティーなど、東京の大会計画に最大限生かすことができまして、結果として、最高の立候補ファイルをIOCに提出することができました。
○鈴木委員 IOC委員との接触以外にも、立候補ファイルの作成に大いに役立ったり、北京に集まっていた国際競技団体の了解を効率的に取りつけたとの大きな成果があったことはわかりました。
私も実際に中国に、オリンピック、パラリンピック両方の開会式、それから向こうの中国のオリンピック委員会の委員の方々とも食事もし、会合もしました。一番そこで教わったのは、やっぱりその国が誇りを持ってオリンピックを、この国で、自分の国で開催をしたい、そして多くの世界の人たちとともに、共存共栄というか、ともに生きていきたい、若人のそういう心を本当に酌んで、やはり心としてお互いにつながっていくということが一番大事なんだということを中国側の方々がいわれていました。
やはりお互いが人間として一番基本的に持たなければいけない、そういう考え方というものが、実は東京のこのオリンピック招致の僕は基本になっていると思いますし、そういうようなものを実際に体現、体験するために、我々議会も向こうに行き、向こうの方とお互いに心をつなぎ、そして一番大切なものを我々はその中から得てきたというふうに確信もしています。
では、六月のローザンヌ出張はどのような目的で行い、どのような成果があったのかを改めて伺います。
○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 本年六月にスイスのローザンヌで行いました立候補都市によるIOC委員に対するブリーフィング、これが正式名称でございますが、これはIOC委員に対しまして、各立候補都市がそれぞれの開催計画の技術的な側面について説明することを目的とした会議でございました。
これは、オリンピック・パラリンピックの開催都市を決定するプロセスとして、二〇一六年大会に向けて初めて導入されたものでございます。
東京はまず、四十五分間のプレゼンテーションにおきまして、環境を最重視した大会理念、コンパクトな会場計画、盤石な財政基盤といったすぐれた計画ですとか、あるいは都市の魅力、日本の誇るおもてなしの精神など、IOC委員、当日は九十二名出席いただきましたが、この方々に対しまして直接訴えてまいりました。
また、招致ブースを設置いたしまして、そこに訪れていただきました五十名を超えるIOC委員に対しましても、IT技術の活用などによって、詳細かつ具体的に東京の計画をアピールしてまいりました。また、国内外のメディアにも同様にPRしてまいりました。
現地には石原知事がみずから出向きまして、JOCの竹田会長や招致委員会の河野事務総長とともに精力的に招致活動を展開してまいりまして、与えられた機会を最大限活用し、IOC委員に対してプロモーション活動を行い、大きな効果があったというふうに考えてございます。
○鈴木委員 なるほど、IOC委員に対して直接立候補都市がプレゼンテーションを行う大変貴重な機会であり、その中で東京は十分立候補ファイルの内容を説明し、IOC委員の理解を得たということはよく理解できます。
実際に世界でプロモーションし、また、いろいろな会合をやるときに、情報を駆使し、そしてそのPR活動にどのような知恵を働かせて、しかもその中で最低限の経費で最高の効果を生むようなことの努力をするというのは、東京ももちろんそうしたと聞いていますが、世界じゅう、これは四都市も当たり前のことでございまして、そういうことをした中で、やはり今いったような、そういう人脈、または皆さんの心をIOCの委員の方々に伝えていったということを、私は特にローザンヌに関しては非常に高く評価をしたい。これは、うちの会社にもそういう情報が入っていますので、具体的に申し上げてもいいんですが、時間がないということで申し上げませんが、非常に多くのやっぱり成果を得たということを、私もほかの海外のメディアからも聞いています。
いずれも招致活動として大きな成果があり、無駄遣いでないということは、これは確認するとともに、むしろこれが当然であったということがいえるかというふうに思います。
次に、今月二日に発表されたIOC評価委員会報告書について伺います。
新聞報道等では、四都市の中ではリオデジャネイロの評価が最も高く、招致レースで一歩リードしたかのような記事も見受けられますが、実際のところ、評価委員会報告書はどのように受けとめればいいのかを改めて伺います。
○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 今回のIOC評価委員会報告書におきましては、各都市の評価の要約であるサマリーと呼ばれる部分が巻末にございますけれども、委員お話しのような、リオデジャネイロが高い評価である旨の記載がそこにございます。
しかしながら、その記載は、各都市の大会計画、すなわち立候補ファイルにおける表現ですとか、評価委員会訪問時のプレゼンテーションにおける技術面での方法について評価した部分でございます。したがいまして、四つの立候補都市の大会計画の内容そのものを総括した評価ではございません。
四都市とも具体的な指摘がされている中で、東京の課題とされました点は技術的な指摘でございまして、計画の根幹にかかわるものではございません。しかも、いずれも解決可能でありまして、先ほどご答弁いたしました六月のローザンヌにおけるブリーフィングなどでもIOC委員に既に説明済みでございます。
一方、東京は、計画の強みであります開催理念や環境を重視しましたコンパクトな大会計画、充実した輸送システムや財政力などにつきまして、正当に高く評価されていることから、全体といたしましては、評価委員会から高く評価されているものと受けとめております。
○鈴木委員 IOCの評価委員が四都市を比較して評価したものではないことや、東京は東京で、その計画が正当に高く評価されているということはわかりました。
繰り返しになりますが、開催都市決定まであと八日であります。都議会としても、議長を団長とする十名の派遣団を、決戦の地、コペンハーゲンに送るわけであります。都や招致委員会と一体となって、最後の招致活動を行う予定でもあります。私もその一員として同行させていただいて、精いっぱい活動をするつもりであります。
きのう石原知事もちょっと発言をしていたというふうに思いますが、やっぱりこのオリンピックを開催したいという思い、その都市が持っているそういう情念というか、世界の中で本当に今まさに東京がするのが最適であるという、そういう強い気持ちというようなものが恐らく一番大事なんだろうというふうに思いますし、その気持ちをやはり向こうのプレゼンテーションで、または向こうの方々にすべてぶつけて理解をいただいて、何としても招致をかち取るべきだと、かち取らせてもらいたいと思っておりますが、最後に、総会に臨む本部長の決意を伺いたいと思います。
○荒川東京オリンピック・パラリンピック招致本部長 ただいま、これまでの招致活動に言及したご質問がございましたけれども、まさにその招致活動の締めくくりといたしまして、天王山が一週間後に迫ってきております。
これまでの活動を振り返ってみますと、いろいろと思い出されますけれども、三年半前の都議会の招致決議から始まりまして、国の閣議了解や国会の招致決議、そしてIOCに対する申請ファイルや立候補ファイルの提出、さらには、ただいまお話のありました北京やローザンヌでの説明会、そして国内、都内での世論喚起など、短いながらもいろいろなことがございました。
しかしながら、本部職員はもとより、招致委員会や知事本局を初めとする都庁各局がよく連携をしてくれまして取り組んでくれたというふうに思っております。
ただ、いつも申し上げていることでございますけれども、本部長就任当初は、なかなか予算面でも人員面でも、招致活動の体制がまだまだ未熟でありました。
しかしながら、当特別委員会や議員連盟を初めとした都議会の先生方の叱咤激励、そして署名活動や全国道府県訪問、さらには海外でのスポーツ関係者への訪問など、まさに休日を返上して自主的な応援をしていただきました。そういったようなことがあったればこそ、我々もここまでやってくることができたのでありまして、改めて都議会の絶大なるご支援、ご指導に心から感謝を申し上げる次第であります。
いうまでもなく、招致活動は都民の税金や企業の寄附金、協賛金があってこそできるものでございまして、資金の使い方につきましては、他の行政と同様に、効率性、必要性などの観点から厳しくチェックしておりますし、また、招致のために予算を認めていただいた都議会のご意思に十分こたえられるように、職員一同、全力を挙げて取り組んできたつもりでございます。
これまでちょうだいいたしました、都内はもとより、全国の自治体、企業、国民、都民の皆さんの一人一人の熱い思いを胸に抱きまして、日本人の心意気、東京人の気概をIOCに向けて訴え、悔いの残らない戦いをするつもりでございます。
鈴木先生を初めコペンハーゲンにご一緒する先生も、また、日本に残って熱い声援をいただける先生方も、ともに戦って招致をかち取りたい、こういうふうに決意をしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○木内委員 いよいよ、足かけ四年にわたって取り組んでまいりましたこの招致活動、開催都市決定まであと一週間、最も直近の本委員会でありまして、後世の歴史がこの経過を渉猟するときに、きょうの委員会の質疑というものの重さと意義が大きく刻まれるであろう、きょうの質疑だと思います。短時間ではありますけれども、何点かお尋ねをしたいと思います。
なお、恐らく時を同じくして、シカゴでも、リオでも、マドリードでも、最後の一週間、大変な努力と、また必死の今準備が行われているであろうということを考えますと、本委員会に与えられた使命、役割の大きさに、実は武者震いをするような思いもするわけでございます。
招致本部はもとより、知事本局、それぞれ今までの努力、大変なものがあったわけでありますけれども、大きな実を結ぶように期待もしたいし、私ども一千二百万都民を代表する都議会議員一人一人が懸命な思いで、あと一週間、いい結論が出るように執念を持って取り組んでまいりたい、こう思うわけでございます。
既に各会派、先ほどの民主党さんからも自民党さんからも、東京招致への大きな意義について、それぞれの立場から重点的に意義が述べられたわけでございますが、私ども都議会公明党は、一つは、持続可能な低炭素、低エネルギー社会をリードする世界初のカーボンマイナスオリンピックという点、さらに、一千ヘクタールの緑の創出、街路樹倍増など、豊かな水と緑の回廊に包まれた美しい都市東京の再生、そして三点目に、徹底したバリアフリー、ユビキタス技術も活用した、だれもが暮らしやすいユニバーサルデザインのまちづくり、そして四点目に、トップアスリートがみずからの限界を突破するその姿を目の当たりにすることによる感動を通じて、未来を担う子どもたちに夢を与える、こうした以上四点、もとよりでございますけれども、世界平和への貢献という視点にも実は大きな重きを置きました。
東京がさらなる発展を遂げ、世界の範となる都市の姿を造形する上で極めて高い意義を持つという、こういう確信のもとで支援に全力を注いできたところでございます。
十七日には、この都庁で五百人を超える関係者が一堂に会し、開催都市決定を前にした盛大な出陣式が行われました。また、きのうは原宿の表参道で、何人かの委員からも言及がありましたけれども、開催決定応援大パレード、代々木公園でのトップアスリートとスポーツ体験イベント等が、いずれも好天に恵まれて大成功裏に開催されました。人々の盛り上がりと熱気を、まさに実感したところであります。
十月二日の決定の日に向けて、東京招致を期待する人々の声は加速度的にますます高まってきている実態があります。本年四月に招致委員会が調査した支持率八〇%というものを、今では大きく上回っていると実感をするものであります。
非常に多くの人々、団体などが東京招致を心から願う熱い思いと、東京のすぐれた開催計画を披露する場として、コペンハーゲンにおけるこのIOC総会は、何度も申し上げるように、その集大成であります。
総会におけるプレゼンテーションはもとより、招致を支援する都市や国を挙げての大きな盛り上がりをアピールすることが極めて大事であって、招致決定への執念と決意の大きな国が、都市が勝つんだと、こう思うわけでございます。
そこで伺うのですけれども、近年、招致に成功した都市、例えばロンドンや、あるいはロシアのソチにおきましては、それぞれ総会に臨んできた陣容についての特徴があったと思うんですが、ご報告を願いたいと思います。
○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 二〇一二年の夏のオリンピックをかち取りましたイギリスのロンドンの場合、当時のトニー・ブレア首相が、総会が開催されましたシンガポールに赴きまして、投票権を持つIOC委員に対して直接の働きかけを行いました。
また、政府関係者、競技団体、民間の方を初め、多くの若者を含む、六百名以上と聞いておりますが、多くのサポーターがシンガポールに集結をいたしまして、ロンドン招致を望む国民の熱い思いをIOCに対して示しました。
また、二〇一四年の冬季オリンピックを開催いたしますロシアのソチに関しましても、約三百名と聞いておりますが、多くの人々が正式派遣団とともに中米のグアテマラシティーに入りまして、招致決定の瞬間を見守ってまいりました。
このとき、ウラジミール・プーチン大統領が総会に出席いたしまして、最終プレゼンテーションにおいて、流暢な英語とフランス語によるスピーチを行い、IOC委員に対して力強く支持を訴えかけたところでございます。
○木内委員 やはりいろいろな側面といいますか、特徴があったと思うんですが、特に今強調されたのが、それぞれの都市の存在する国の、実は代表者たる首相や、あるいは大統領という立場の方が出席をして、熱くこの招致を訴えているという点に、今、強く強調があったように思うわけであります。
これは答弁は結構ですけれども、きのう、きょうの報道を見ていますと、我が国においても総理の出席が全くないわけではない、可能性が今検討されているということのようでありますので、きょうの質疑の状況というものを、ある形態を通じてでも結構ですから、ぜひ国の代表たる総理にもお伝えをいただきたい、このことも要望しておきたいと思うわけであります。
まさに最後の最後まで関係者が力強い声援を送り続けることが、成功に向けての不可欠の要件である。この熾烈なレースの中で、充実した内容と強い熱意を余すところなく伝えて、そうしてIOC委員の心をしっかりとつかまなくてはいけない、こう思うわけであります。
直近のこの質疑でありますから、具体的に手のうちを明かすわけにはまいらないと思いますけれども、いろいろな企画や準備がある中で、例えばどんな取り組み体制を予定しておられるのか、許される範囲内でお答えを願いたい。
○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 IOC総会が開かれますコペンハーゲンには、競技団体などのスポーツ界を初め、各界から多くの関係者が現地入りをいたしまして、国内外のメディアに対する独自の記者会見などを通じて、東京の計画の優位性や都市の魅力、そして招致に対する熱意を発信していくこととしております。
また、オリンピアンはもちろんのこと、二大会連続でパラリンピックに出場されました田口亜希さんなど、二名のパラリンピアンも現地入りしまして、東京がオリンピック・パラリンピックのアスリートにとって最高の環境を提供できることも訴えてまいります。
また、IOC委員に対する最後のアピールの機会となります四十五分間のプレゼンテーションにつきましては、「日本だから、できる。あたらしいオリンピック・パラリンピック」を示すため、最後の最後までベストを尽くして内容をつくり上げてまいります。
さらに、デンマーク在住の地元の日本人会の方々にも応援をいただくほか、日本から、招致決定の瞬間を見届けようと、二百二十名を超える一般市民の皆さんも現地応援ツアーへの参加を予定していると聞いております。
さらに、招致大使である間寛平さんが、アースマラソンの一環としてコペンハーゲン入りをするほか、現地の子どもたちを対象とした水泳教室やサイクリングイベントなどを開催いたしまして、招致メンバーとともに、東京の強い熱意、日本の思いをアピールしていただく予定でございます。
○木内委員 ぜひとも東京招致をかち取るために、都議会としても一致団結して、私どもは全精力を傾注してまいりたいと、こう思っております。心を一つにして、関係者がともに出陣をするわけであります。本部長の決意を伺って、質問の結びとしたいと思います。
○荒川東京オリンピック・パラリンピック招致本部長 これまでの私の経験の中で強く印象に残っていることを申し上げますと、実は昨年の九月に特別委員会が北京パラリンピック大会を視察しましたときに、私も同行させていただきました。そのときに実に多くのことを学ぶことができました。中でも、IOCが北京オリンピックのために設けた北京事務所というのがございまして、そこの代表の方々と意見交換をする機会がありまして、その中で、招致を獲得するために重要なことは何かというようなことが話し合われまして、それは国民の情熱をIOCに訴えることだと。当初支持が低くても、それが高まったときに、それが情熱になるんですと、こういう大きな励ましをもらったことを今でも印象深く残っております。
また、その後、最近ロゲ会長が、エモーショナルなプレゼンテーションが非常に重要であると。つまり感情に訴える主張が大切だということもロゲ会長がおっしゃっております。まさに今、先生がおっしゃったことと通じるものだと思います。
その情熱、つまり国民、都民のオリンピック・パラリンピックに対する支持は、現在では八割に達して、特に二〇一六年に日本を支える年齢層に成長しております十代の若者の支持がしっかりと八割を維持しているということが民間調査でも証明をされております。
ここまで至りましたのは、先ほどから申し上げていますように、都議会の先生方の強力な支えと率先行動、そして私たちに対する激励の言葉があったからでありまして、改めて心から感謝申し上げます。
東京の主張は、ご承知のように、平和と環境を重視した大会の開催、アスリートが最高の記録を出し、ヒーローになれるひのき舞台の提供であります。このような明確な主張を持ち、しかも財政的にしっかりと裏づけされた実現可能な計画はほかにはなく、IOC委員を十分納得させるものであるというふうに自負しております。
あとは、残されたこの数日間に、日本の総力を挙げてIOC委員にアタックすることであります。既に招致に成功したロンドンやソチに負けないよう、国の代表者も加わった、より強固な体制が組めるよう、全力を挙げて取り組んでおります。
そして、木内先生を初め都議団や各界からの応援団とともにコペンハーゲンへ乗り込み、東京の計画のすばらしさを主張し、日本人の熱意、情熱を訴えて、横一線といわれている戦いから抜け出して勝利を獲得したいと決意しております。私の後ろにいる職員ともども、心よりよろしくお願い申し上げます。
○たぞえ委員 開催都市決定直前の委員会になりますが、私は日本共産党の見解も示しながら質問いたします。
東京都がオリンピックを招致する動機として掲げたのは、都市計画戦略という現都政が目指す政治目標にオリンピックを重ねるものでした。このことは、立候補ファイルにおいて、都市再開発を中心とする計画である「十年後の東京」計画とオリンピック招致が一体であることにもあらわれています。一メートル一億円もの外環高速道路の計画や九兆円もの税金を投入する今回の開催計画だからこそ、税金の使われ方に都民の批判が巻き起こり、結果、支持率低迷にあらわれていると思います。
近年開催したシドニーは、自然との調和、選手が主人公、北京は、一つの世界、一つの夢などと比べても、東京は余りにも自己都合の側面が強く、オリンピック運動の目的や現代のオリンピックが直面している問題の解決という点から見てもふさわしくありません。
そのことは、都民の支持率が五五・五%と低いことにもあらわれており、都民の合意が形成されている状況にはないというふうに考えられます。
そこで、第一に報告書について伺います。
IOC評価報告書は、開催都市が決定される重要な文書です。報告書は総括として、リオデジャネイロは詳細で質は非常に高いと述べ、東京は得られた情報は質の高いものと述べております。
一方、支持率では、リオは八四・五%で強い支持を得ていると評価していますが、これに対して東京は五五・五%で、相対的に低いという懸念がある、このように表現されています。
さらに、多くの施設が既存施設と記載されながら、実際には新規で建設する必要があることがわかった、明瞭さが欠けていると、このように指摘がされていますが、これはどういうことなんでしょうか。
○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 IOCが定めます立候補ファイルにおける競技会場の分類の区分は、全く新しくつくる新設会場、あと既存会場を改築する恒久的な工事を必要とする既存会場、また、恒久的な工事を必要としない、ほぼそのまま使える既存会場、それと、オリンピックのためにそのときだけ仮設でつくる会場という、この四区分で示されてございました。
今月二日にIOCが公表いたしました評価委員会報告書におきまして、IOCが新設会場と分類した六つの競技会場につきましては、現に都民に利用されている施設を改築するなどいたしましてオリンピック・パラリンピックの競技会場とする計画でありますことから、東京としては、これを恒久施設工事が必要な既存会場と分類したものでございます。
これまでIOCの基準を踏まえ分類してまいりましたが、IOC評価委員会報告書で新設会場というふうにみなすのでありましたら、これはIOCがあのような見解を持ってございますので、その分類に従うまででございます。
ただ、こうした指摘を受けまして、今回の評価委員会報告書に対しまして、東京の計画は現存している会場をそのまま競技会場として使用する計画だったが、IOC評価委員会の視察により、追加的な施設整備などの計画変更を伴う建てかえが必要であると、そのとき指摘されたというような受けとめ方が一部にされてございますが、これは正しくございません。
これまでも繰り返し委員会の場で申し上げてまいりましたが、東京はこれらの六会場につきましては、大規模なものを含めまして恒久施設工事が必要との認識に基づきまして、整備計画及び建設費用など、必要な事項につきましてはすべて立候補ファイルに盛り込み、オープンにしてまいりました。
したがいまして、今回の指摘は分類の問題でございまして、これによって追加的な施設整備など計画変更を生じるものではないというふうに考えてございます。
○たぞえ委員 分類の問題といわれましたけれども、例えば辰巳の水泳競技場計画ですが、実際には既設の水泳場の隣の海浜公園に新たにプールを建設する計画ですよ。それをつくらなければ、現飛び込み台以外の水泳競技は基準として適用されないということになりますと、既存の施設を延長するのではなくて、全く別の施設をつくるということになるのは明らかなんです。
招致賛成の立場の人の中には、新しい施設はほとんどつくらないという認識の人も多いもとで、これは我が党が一貫して指摘をしてきたように、立候補ファイルにごまかしで記載したというふうに私は指摘をするものです。
報告書はさらに、先ほどの報告にもありましたように、選手村の敷地の狭さへの懸念、ホテル客室がより高い料金に直面する、さらには、大きな魚類市場に近接し、交通の流れと騒音が指摘されるなど、立候補ファイルそれ自体に無理とごまかしがあると、このように欠陥ファイルだと厳しく批判されているわけであります。この事実をどのように本部としては受けとめているのでしょうか。
○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 評価委員会報告書の全体の成果については、先ほどご答弁申し上げましたけれども、今お話がございました指摘事項、これは確かに評価委員会報告書にございました。
ただ、今回は、評価委員会報告書といいますのは、四都市の優劣をつけるというものではなくて、それぞれの計画につきまして、すぐれている点、課題となる点を四都市ほぼ平等に指摘をいたしまして、IOC委員に投票の際の参考にしてもらおうという趣旨のものでございます。
その中で、他都市と比較するわけにはいきませんけれども、東京のそういった、今お話がありました指摘につきましては、各テーマの技術的な側面でございまして、すべて解決可能でございます。
また、これらにつきましては、先ほどもご答弁申し上げましたが、六月のローザンヌにおけるテクニカルブリーフィングにおきまして、IOC委員に対して既に説明済みでございます。
その一方、東京の計画の優位性でございます開催理念ですとか、環境を最優先した大会、それと盤石な財政基盤といった、これまでアピールしてきたものにつきましては、正当に高く評価されてございますので、私どもとしては、全体的に今回の評価委員会報告書は東京の計画を非常にすぐれたものと高く評価しているというふうに考えております。
○たぞえ委員 IOCから事実を指摘されているわけですから、それが向こうに説明したとかいうことではなくて、立候補ファイルと比べてみて、その指摘事項をやっぱり謙虚に都民に説明する必要が私はあると思います。
第二に、支持率に直結している招致活動のあり方です。
招致委員会が十七日に行った招致成功を願う出陣式で、日本体育協会の森喜朗会長が乾杯の前のあいさつで、出征兵士の気持ちで千人針をしっかり腹に巻いて、負けたら帰ってこんぞという気持ちで行ってほしいと発言をしました。余りにも時代錯誤的な感覚だと思いますが、本部はどう思っているんですか。
○細井東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 森元総理の発言につきましては、私どもが言及する立場にございませんけれども、東京招致への都民、国民の熱い思いに対して、ぜひとも招致をかち取って帰りたいとの強い思いをご自身の言葉で表現されたものと、このように認識しております。
○たぞえ委員 この方の発言は、強い思いの言葉、それを超えて、戦地に行って五輪招致を得るような感覚なんです。五輪招致は戦争ではないんですよ。招致の中心を担う人がこういう感覚では、オリンピック招致の看板に偽りあると、このように報道されているとおりだと思います。たとえ開催地に選ばれなくとも、その後のお互いの健闘をたたえ合う五輪精神を発揮する場でなければならない、このように思います。
次に、招致を盛り上げるねらいで実施している都内六十二区市町村のイベント、ムーブメントです。
招致活動を推進すると、一律一千万円を上限に自治体にそのお金が配られていますが、九月末までに支出するイベントは百三十九回、昨年度の九月末までの二十四回に比べて断トツです。既に九月の上旬までに一億五千六百万円執行してきました。オリンピック招致のときだけのばらまきは、自治体の自主的な住民参加活動をゆがめるものです。
ことし四月に開催した「たいとうオリンピック・パラリンピックアスリートイベント」は、関心を効果的に高めるとして、台東区と東京都が共催して、招致応援党の街頭演説会、シンポジウム、エイサーの踊りなどで四時間。四人のパネリストが一時間半、オリンピックの体験などを語るシンポジウムも開かれましたが、幾らの謝金を出したのでしょうか。
○重田東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 その事業におきましては、シンポジウムにパネリストとして出演しました四名のオリンピアンに加えまして、司会者の謝金、また、打ち合わせなどの拘束時間、交通費、諸経費を含めまして百四十五万円でございます。
また、一部のオリンピアン及び司会者につきましては、午後に行われました街頭演説、パレードに参加しておりますので、そうしたものも含まれた全体の金額でございます。
○たぞえ委員 一人当たり、四人と司会を入れましても約三十万円ですね、一時間半。宣伝カーの運転手の日当は五万円、総額で三百九十三万円です。この事業費は全額東京都の委託金です。世間相場から見ても、異常な振る舞いだといわざるを得ません。
招致を盛り上げようというならば、本来ボランティアで立ち上げていく。そこにオリンピックの精神があるのではないですか、どう思われますか。
○重田東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 各事業に出演していただいておりますアスリートの方も、やはり生活がございますので、すべてボランティアというわけにはいかないというふうに思っております。
○たぞえ委員 それは最低、交通費とかはあると思いますよ。しかし、運転手さんに日当五万円なんていうのは、東京の相場にはあり得ないことではないですか。しかも、そのほかにも綱引き大会、ホオズキ市、三宅島の浜辺の掃除、こういうものまで出るんです、上限一千万で。際限のない税金の支出ですよ。
しかも、開催都市が決定される十月二日以降も、こういうイベントに対して委託金が配られると、こういうふうに局はいっておりますけれども、結果が出た後でも、まだイベントをやりなさいと、開催計画をしているところには。それはちょっと行き過ぎではないか、まさにそれこそばらまきだと、再検討するべきです。
都民が望んでいるのは、そうした莫大な税金をかけて大騒ぎをするというよりも、暮らしのレベルを引き上げて、開催都市と名乗り出るならば、それにふさわしい生活都市東京をつくり上げる、このことが私は先決だと思います。今、都政に必要なのは、スポーツ施設の整備や恒久的な競技者支援を中心としたスポーツ振興の展開を軸にして、オリンピズムの根本精神の実現を第一にしたオリンピック運動に盛り上げた上で、大会招致については、簡素で住民の生活向上とあわせて開催される大会のあり方を提案しながら、広範な都民の議論のもとで再検討をするべきなのです。
我が党は、この問題について一貫して基本的な立場は筋を通しています。それは何よりも、オリンピックを口実にした「十年後の東京」という巨大な都市東京をつくるレールが敷かれたと。このもとで際限のない税金がつぎ込まれている。このことを一貫して委員会でも指摘をしてきました。
東京都はこうして、本来のオリンピックのあるべき精神を口では掲げていますが、実際には、スポーツ施設等を見ても大変な、全国の都市の中でもおくれた状態の解決に十分な手を差し伸べず、このまま突っ走っていくということは、オリンピック開催都市の姿勢としてはあってはならない、このように考えます。
その意味で、十月のIOC総会においては、東京は開催されるかどうか、それは決定はわかりませんけれども、現在の東京都のオリンピックの方針から見れば、私は開催都市として選出されるべきではない、このことを主張して終わります。
以上です。
○重田東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 先ほどオリンピックムーブメントの事業についてお話がございました。私自身、ムーブメント事業の会場に幾つもお伺いさせていただきました。そこでは、憧れの選手を間近にしまして、目をきらきらと輝かせている子どもたちの姿がいつもございました。トップアスリートとサッカーができた、あるいは野球の指導をしてもらった、本当に喜んでおります。
また、トークショーや講演でも、オリンピアンの皆さんからは、みずからの体験に基づいて、努力すれば夢がかなうんだというのを、必ずそういうお話をしてくださっております。そのことが子どもたちに対して力強い励ましになっていると考えております。パラリンピアンの皆様も同様に、人間の持つ可能性のすばらしさを訴え、感動を与えてくれています。
こうしたお金には換算できないかけがえのないものを、次代を担う子どもたちや地域の人々に伝えている事業であるということをぜひご理解いただきたいと思います。
○吉野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉野委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
午後三時十一分休憩
午後三時三十七分開議
○吉野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
本委員会に付託されております調査事件についてお諮りいたします。
本件は、本定例会中に調査を終了することができませんので、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時三十八分散会
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