オリンピック・パラリンピック招致特別委員会速記録第十八号

平成二十一年三月九日(月曜日)
第十二委員会室
 午後一時二分開議
 出席委員 二十二名
副委員長吉野 利明君
副委員長中嶋 義雄君
副委員長大沢  昇君
理事西岡真一郎君
理事川井しげお君
理事石川 芳昭君
理事曽根はじめ君
理事三宅 茂樹君
鈴木 隆道君
たぞえ民夫君
高橋かずみ君
大西さとる君
長橋 桂一君
村上 英子君
大西由紀子君
松村 友昭君
鈴木貫太郎君
串田 克巳君
高島なおき君
山下 太郎君
田中  良君
名取 憲彦君

 欠席委員 一名

 出席説明員
東京オリンピック・パラリンピック招致本部本部長荒川  満君
次長松田 二郎君
技監福島 七郎君
企画部長並木 一夫君
参事重田 敏光君
参事梅田 弘美君
招致推進部長中村 長年君
連絡調整担当部長藤森 教悦君
計画調整担当部長中嶋 正宏君
施設計画担当部長藤井 寛行君
参事保坂 俊明君
知事本局局長吉川 和夫君
総務部長大井 泰弘君
計画調整部長松浦 將行君

本日の会議に付した事件
 二〇一六年に開催される第三十一回オリンピック競技大会及び第十五回パラリンピック競技大会の東京招致に関する調査審議及び必要な活動を行う。
報告事項(質疑)
・立候補ファイルについて
 閉会中の継続調査について

○吉野副委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック招致特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員長が所用により欠席するとのことですので、委員会条例第十条に基づき、私が委員長の職務を代行いたします。よろしくご協力のほどお願いいたします。
 次に、先般の人事異動に伴い、本委員会に出席する幹部職員の追加がありましたので、荒川本部長から紹介があります。

○荒川東京オリンピック・パラリンピック招致本部長 さきの人事異動に伴い変更のありました当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
 参事で事業企画担当の梅田弘美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○吉野副委員長 これより第三十一回オリンピック競技大会及び第十五回パラリンピック競技大会の東京招致にかかわる事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項に対する質疑及び閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 報告事項については、既に説明を聴取いたしております。
 その際要求のありました資料については、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 資料説明に入る前に、一点ご報告させていただきます。
 参事で国際事業担当、山越伸子につきましては、本日、体調不良のため、申しわけございません、欠席をさせていただきます。
 それでは、資料の説明をさせていただきます。
 去る二月二十日開催の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明をさせていただきます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございますオリンピック・パラリンピック招致特別委員会要求資料の表紙をおめくりくださいまして、資料1、四都市の立候補ファイルの主な項目についてをごらんいただきたいと存じます。
 本資料は、去る二月十二日、東京がIOCへ提出いたしました立候補ファイルにつきまして、他の、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードの各立候補都市と合わせた四都市の立候補ファイルに記載されております主な項目についてお示しした表でございます。
 一番左の列、大会の理念等は、各都市のそれぞれの強みや特徴をあらわしました大会の理念につきまして記載したものでございます。
 次に、会場計画の特徴でございますが、東京は八キロ圏内に九五%の競技会場を配置し、シカゴにつきましては八キロ圏内に二十二、約七三%の競技会場を、リオデジャネイロはアスリートの七三%が競技会場及び練習会場から二十五分圏内に滞在しています。マドリードは十五キロ圏内に八五%の競技会場を配置するなど、このように記載されております。
 次に、大会組織委員会予算でございます。東京は三千百億円でございまして、そのうち仮設整備費八百二十四億円が含まれております。以下、シカゴは四千百億円のうち仮設整備費が八百七十五億円、リオデジャネイロは三千億円のうち仮設整備費が四百九十六億円、マドリードは二千九百億円のうち仮設整備費が三百四十九億円となってございます。
 次に、恒久施設整備費でございます。東京は、競技施設二千二百六十九億円、国際放送センター、メーンプレスセンター、いわゆるIBC、MPCに百五十一億円、選手村は八百九十九億円となっております。他の都市につきましては、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 次に、財政保証でございますが、シカゴ以外の都市では国の財政保証を受けてございます。
 最後に、世論調査の結果でございますが、東京は全国で七〇%、シカゴは全国の調査は記載されておりませんで、都市で七七%、リオデジャネイロは全国で七一%、マドリードは九二・六%となっております。
 一枚おめくりをいただきまして、資料2、IOCに提出いたした政府保証一覧をごらんください。
 立候補ファイルに添付してIOCに提出いたしました政府保証についてお示ししたものでございます。大会開催計画に対する国の支援状、オリンピックマーク等の法的保護、財政保証などIOCから求められているすべての事項につきまして、内閣総理大臣を初め各大臣から保証をいただいております。
 以上で、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○吉野副委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○串田委員 私からは、立候補ファイルについて質問をさせていただきたいと思います。
 去る二月十二日、国際オリンピック委員会、IOCに、オリンピック・パラリンピックの詳細な開催計画である立候補ファイルが提出されました。
 立候補ファイル策定に当たっては、充実した宿泊施設や大会期間中の安全対策など、申請ファイルにおいて高く評価された項目について一層のブラッシュアップを図るとともに、庁内各局との連携のもと、精力的に取り組んでこられたものと思います。改めてそのご努力に敬意を払います。
 そこで、策定に当たった中村招致推進部長に、立候補ファイルにおける計画のすばらしい点、アピールポイントはどういったところと認識されているのか、伺います。

○中村東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 立候補ファイルのアピールポイントについてでございますが、戦後六十年以上にわたり、一貫して平和を堅持してきた日本だからこそ掲げることができる、平和に貢献する世界を結ぶオリンピックという大会理念、そして、世界の都市の中で最も先駆的な取り組みをしている環境対策と、都市の中心で開催し、最もコンパクトな大会計画のもと、選手が自己最高記録を出し得る舞台を用意する世界最高の環境、ヒーローたちのひのき舞台という大会コンセプト、この二点こそが立候補ファイルの全編を貫く東京大会のアピールポイントそのものであり、IOC委員、そして世界の人々に東京の大会に対する熱い思いを訴えることができると考えております。
 また、具体的な内容といたしましては、競技会場の七割は既存施設を利用し、経費を最小限度に抑制すること、全国で二兆九千四百億円の大きな経済効果が期待できること、また、最先端の環境技術を駆使した世界最初のカーボンマイナスオリンピックの実施、パラリンピックを機に東京のバリアフリー化の促進など、立候補ファイルには東京を元気にする内容が数多く含まれております。

○串田委員 今、中村部長からお話しいただいたように、東京、日本だからできるすばらしい大会理念と大会コンセプトに基づく開催計画は、他の都市に一歩も引けをとらないどころか、申請ファイルと同様、第一位の評価が得られるものになったと思います。こうした東京の計画のよさを、どんどん都民、国民にPRすべきです。
 一方、悲しむべきは、一部に、オリンピックの開催が多額の税金を必要とすることを理由に掲げて反対している人たちがいることです。
 果たしてこれは事実なのでしょうか。手元にある立候補ファイル日本語版で確認してみました。
 九〇ページのテーマ7、財政には、オリンピック競技大会の予算詳細、大会組織委員会予算の収入の記載がされておりますが、公的支援の欄にはゼロとなっており、大会組織委員会の予算三千百億円には一円も税金が投入されないとされております。
 そこで確認ですが、オリンピック大会の運営に多額の税金が必要であるというのは事実でしょうか。

○保坂東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 オリンピック大会の運営費についてでございますが、スポンサー収入やチケットの売り上げなど、民間資金を最大限活用するため、税金等を投入することは想定いたしておりません。

○串田委員 また、輸送インフラ整備費についても確認をいたしました。四〇〇ページのテーマ15の輸送には、輸送インフラの一覧が示されています。
 表15の6の3の計画中のインフラには、オリンピック競技大会とは関係なく建設予定のインフラである首都高速中央環状品川線など、東京にとって必要不可欠な輸送インフラが記載されています。
 一方、大会を開催する上で必要な新たなインフラを記載する表15、6の4の追加インフラには、該当なしと書かれており、オリンピックの開催のみを目的とした輸送インフラの整備は必要ないと解釈できると思います。
 そこで確認ですが、オリンピック大会の実施に当たっては、多額の輸送インフラ整備費が必要であるというのは事実でしょうか。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 立候補ファイルに記載いたしました輸送インフラについてでございますけれども、既に「十年後の東京」計画などに定められた事業でございまして、東京の機能をさらに向上させるため、オリンピック開催の有無にかかわらず必要不可欠なインフラであると考えてございます。
 委員ご指摘のとおり、オリンピックの開催のみを目的としたインフラの整備は行わないため、オリンピック大会の実施に当たって多額のインフラ整備が必要であるという事実はございません。

○串田委員 オリンピック大会の運営に税金が必要とされず、開催のために多額のインフラ整備費が必要でないことが確認できました。こうした事実と異なることを声高に唱えることは、すぐにでもやめるべきと提案をさせていただきます。
 ところで、これまで招致本部、招致委員会、そして私たち都議会が一体となり、招致機運の盛り上げに取り組んできた結果、都民、国民の招致に対する支持も着実に高まってきています。しかし、他の都市も数字を伸ばしてきている折、さらなる支持の拡大が必要です。
 こうした状況の中、いよいよ本格化した招致レースに他都市も全力で取り組んでくるものと思いますが、開催都市決定まで二百日余りと迫った現在の招致本部長の決意をお伺いして、質問を終わります。

○荒川東京オリンピック・パラリンピック招致本部長 去る二月十二日に、英語とフランス語による立候補ファイルを提出いたしました。日本語にしまして四百五十ページに上るファイルでございます。
 ちょうど一年前に申請ファイルを出しまして、これまでの間、北京大会を踏まえた新しい基準が出されたり、あるいは、その間に、IOCや国際競技団体に対しても説明という機会がございました。
 実際に、各種の国際競技団体の役員が日本に来日しまして、専門家による現場の調査などもございました。
 また同時に、海外に出かけていきまして、IOC関係者に対してプレゼンテーションもやってきましたし、さまざまなことが立候補ファイル作成と同時に並行して行われてまいりましたけれども、職員が一丸となって取り組んでくれたので、冒頭申し上げたように、立候補ファイルを出すことができました。
 申請ファイルの段階では、都議会などのご理解と協力を得まして、コンパクトな会場ということや、あるいは東京の安全性、環境のよさ、交通の利便性の高さなどを強く打ち出すことができまして、そのおかげで七都市の中でトップの評価を得ることができました。
 このたびの立候補ファイルも、今後、評価委員会の来日、評価を受けることになりますけれども、四都市の中では、申請ファイルに負けない評価を得ることができるというふうに確信をいたしております。
 後は、この計画のすばらしさをIOC委員に強く印象づけるための招致活動を展開することと、都民、国民の皆さんのオリンピック・パラリンピック開催に対する熱い情熱をIOCに届けることであるというふうに考えております。
 このため、残された二百日を国や区市町村、関係機関が連携を一層密にして、都議会のご指導もいただきながら、多くの皆さんと一体となって、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

○大西(さ)委員 私からも、今ちょっとお話がありました交通輸送に関して、特に立候補ファイルの十五番ですか、この輸送に関して何点かお伺いをいたします。
 先日、私、一般質問の方で、石原都知事に東京都の交通インフラの整備についてちょっとお伺いしたところ、石原知事からこういう答弁をいただいたわけですね。「東京の鉄道は世界に類を見ない高密度で、正確、安全ネットワークを形成しておりますが、一方、車の交通渋滞による都市の機能不全は、今や東京の最大の弱点でありまして、これを解消することが喫緊の課題であると思っております。都は今までも幾つか案を講じて試みようとしてきましたが、何分、東京というほとんど計画なしに増長した都市の非常に複雑な構想のために、なかなか妙案に至りませんでした。」こういう知事答弁をいただいているわけです。
 今回のオリンピックは八キロ圏内というコンパクトを売り物にしているわけですから、当然、この八キロ圏内、コンパクトな中に相当数の人が来るわけでございます。ここでの交通渋滞は非常に危惧がされるわけです。ふだんでも込んでいる都内の特に中心部、そしてその中で今回は、オリンピック関係者の専用車線を設けるということでございますので、当然、それ以外のところは大変な渋滞が起こるのではないかという危惧もしております。
 その点を踏まえて、何点か質問させていただきます。
 東京都としては、現在の東京都内における輸送力をどのように、どの程度を考えているのか、お伺いをいたします。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 現在、都内には、総延長千五十四キロメートル、七百六十駅の高密度な鉄道網が存在いたしまして、その安全性や効率性、確実性などは世界最高の水準にあると考えてございます。
 とりわけ輸送力については、都心を中心に運行されている地下鉄が一日当たり七百七十万人、JRなどを含む都内の鉄道合計でいいますと約二千四百万人の方々を輸送してございます。世界で最も鉄道輸送力のある都市の一つでございます。

○大西(さ)委員 それでは、オリンピック大会期間中、観客がたくさん来られると思うんですが、この方々の移動の需要というのはどのように考えておられますでしょうか。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 観客の移動需要についてでございますけれども、二〇〇二年FIFAワールドカップ日韓大会など、過去の大規模イベントにおける実績などを踏まえ、二〇一六年大会の競技スケジュールや会場の収容人員をもとに推計を行ってございます。
 その結果、大会期間中の移動需要は延べ約八百五十万人、一日当たり最大七十八万人程度でございまして、そのうち五七%は都内から、四三%は都外から各会場へ移動すると予測してございます。
 なお、海外から来られる方の観客に占める比率でございますけれども、一九九八年の長野オリンピックや昨年の北京オリンピックでの海外でのチケット販売の販売比率がおよそ一五から二〇%を占めたといわれていることから、二〇一六年の東京大会におきましても同様な傾向になると考えてございます。

○大西(さ)委員 今一五%から二〇%の外国の方ということは、八百五十万人のうちの百万人ぐらいはふえるわけでございますね。
 一番最初に伺いました現在の東京都の鉄道の輸送能力、それと、大会期間中に発生する、たくさんのお客さんが来られる、また東京都内に日本全国から集まってくる観客数の需要のギャップ、これが要するに期間中の込みぐあいになるということが考えられるわけですけれども、その辺は今、これからの取り組みはどのように考えておられるんでしょうか。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 現在、都内における平常時の鉄道利用者は一日当たり約二千四百万人であるのに対して、大会期間中の観客数は最大でも一日七十八万人程度にとどまると予測されてございます。
 大会期間中の観客数は、平常時の鉄道利用者数に対し、約三%の割合となります。一方、東京圏における地下鉄の昨年の実績データによりますと、オリンピックの開催される八月の輸送人員はピークの月に比べまして七%程度減少する傾向があることから、都内の鉄道は十分に増加する輸送需要に対応できると考えてございます。
 なお、スタジアム周辺など大会輸送需要が特に集中するエリアにおきましては、競技スケジュールなどを踏まえまして、輸送需要を詳細に予測し、効果的に鉄道の運行本数の増発や、運行時間の延長、シャトルバスの増便などを行う予定でございます。

○大西(さ)委員 今、比率は三%であるということで、八月は七%減るから、その分は需要は問題ないというご答弁であったわけですけれども、最初の三%というのは、これは東京都全体の話ですね。ところが、私が聞きたいのは、八キロ圏内、オリンピックを行う場所ですから、大変申しわけないんですが、今のご答弁はちょっと、やはり私は若干おかしいと思います。これはぜひ、今後もう一度計画を立てるときに、その八キロ圏内の中はいかに込むかということを徹底的に洗い出さなければ、全体平均でやればどうしても実質の数値と異なってくるということをとりあえず私から指摘をさせていただきたいと思います。
 次に、オリンピックスタジアムが今の予定しているところに決まったとしたらの、ちょっと仮定ではございますが、来場する九万四千人の観客、これをどのようにスタジアムに輸送されるのか、お伺いいたします。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 オリンピックスタジアムにおきましては、陸上競技やサッカーが開催される際は、最大九万四千人の観客が来場されると予測しております。
 輸送計画といたしましては、九万四千人の観客の方々に会場周辺の見物客の方々六千人を加えた約十万人の観客を九十分以内に最寄りの交通機関まで到着できる能力が必要でございます。
 そのため、一時間当たり、既存の地下鉄などで三万八千人、BRTで約一万三千人、臨時バスで約一万六千人を輸送可能な能力として確保いたします。
 現在の輸送計画をもとに、群衆移動やシャトルバスなどのシミュレーションを実施した結果、観客などが十分円滑に移動することが可能であるということを確認してございます。

○大西(さ)委員 十分確認をしているということでございますが、大変恐縮なんですけれども、十万人を九十分以内にというのは、これはなかなか厳しいのではないかと、正直私は思います。ぜひもう一度じっくりとシミュレーションをし直していただきたいと私は思うんですが、この十万人の観客を輸送するために、このオリンピックに合わせて公共交通を拡充することは必要だと考えますが、東京都はどのように考えておられますか。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 スタジアム周辺につきましては、観客の輸送需要が集中する地域になることが予想されるため、BRT、シャトルバスも含め、鉄道やバスなどの公共交通機関などを重点的に強化することが必要と考えてございます。
 このため、鉄道につきましては、都営大江戸線勝どき駅を改良することに加え、運行本数の増発や運転時間の延長を行う予定でございます。
 バスにつきましても、臨時のバスターミナルを設置することに加えまして、周辺駅と会場を直結するBRTやシャトルバスの運行を行う予定でございます。
 また、観客などの移動経路につきましては、快適に歩行できるよう、歩行空間の整備を進めてまいります。

○大西(さ)委員 勝どき橋の改良、これは今でも大変な状況になっているのも事実でございます。ぜひこういうのとあわせて、どんどんどんどん前を向いて充実をしていただきたいなと私は思います。
 一方、このファイルの中にパーク・アンド・ライドのことが書かれておりまして、一万五千台分の駐車場を整備するとなっております。この駐車場はどこに設置する予定なんでしょうか、お伺いいたします。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 パーク・アンド・ライドでございますけれども、パーク・アンド・ライドは、自宅から最寄り駅近くの駐車場まで自動車で移動いたしまして、電車などに乗りかえて最終目的地に向かうことを可能とする手段でございます。
 大会期間中は、観客の利便性の確保と、都心方向へ流入する交通の抑制を目的として実施する予定でございまして、二〇〇二年FIFAワールドカップなど過去の大規模イベントにおける利用実績を踏まえ、一万五千台程度の駐車場を郊外部に確保する予定でございます。
 駐車場の設置地につきましては、利用者の利便性を確保する観点から、東関東自動車道路など主要な高速道路のインターチェンジと鉄道駅が近接している場所を予定してございまして、現在、設置場所について検討中でございますけれども、例えば湾岸千葉インター周辺など設置箇所は十カ所程度になる模様でございます。

○大西(さ)委員 まだ最終決定はされていないということでよろしいですね。
 パーク・アンド・ライドの一番の目的とすることは、都内への自家用車の流入を抑え、公共交通の利用を促すものであるのは、もうだれもが承知していることだと思いますが、一万五千台分の駐車場が整備され、都心への流入を抑えることができれば、これは将来的に、オリンピックが終わった後にでもとても有効な交通施策として、後世にいい遺産として残すことになると思います。
 今、千葉の方だとかおっしゃられましたけれども、僕もひょっとしたら最初八キロ圏内でそういうのを整備されるのかなと思って、それよりももうちょっと外に必要じゃないですかということをきょう述べようと思ったわけなんですけれども、例えば東京都内でいうと足立区や世田谷区、大田区、江戸川区、こういう一番端に着いたところに大きなパーク・アンド・ライドができて、そこに置いて都内に入ってくる。また、千葉や埼玉、神奈川とも協議して、その辺に大きなところをどんどんどんどんつくることによって整備することで、将来の東京の環境的な問題も、交通渋滞も大きく変わると思いますので、私は、ぜひこういうのは進めていただきたいと思います。
 ちなみに、ちょっとここで、恐縮なんですけれども、私が見てきた海外でのパーク・アンド・ライドで、これはすごいなと思ったことをちょっとだけお伝えさせていただきます。
 アムステルダムなんですけれども、流入抑制のためにアムステルダムではパーク・アンド・ライドは相当数整備されていますが、都心の駐車場は大体三十分一ユーロだったわけです。そして一時間で二ユーロ。ところが、郊外のパーク・アンド・ライド、大きなところ、電車のひっついているところに行きますと、駐車場代は一日ずっととめても二ユーロ、要するに都心の一時間分なんですけれども、驚くのは、そこに乗ってきた、乗車してきた人の全員のチケットを、往復分、都心までのがついている。六人で乗ってきたということで六人だっと行きましたら、そこでチケットが六枚、往復分もらえるわけですね。これは物すごく得で、鉄道業者からしたら大変な話ですけれども、パーク・アンド・ライドを整備していく、利用促進するためには物すごくおもしろい例かなと。
 このようなシステムは、レースで有名なルマン市とか、いろんなヨーロッパの各地で見られたわけでございますが、この話はオリンピック招致本部では非常に守備範囲を超えている問題かとは思いますが、このような交通の複合政策をぜひ参考にしていただきたいなと思います。
 それでは次の質問にいきますが、大会期間中、混雑率、電車の乗車率というのはどの程度を考えておられるんでしょうか。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 先ほどご答弁させていただきましたけれども、オリンピックの開催される八月の輸送人員は、ピークの月に比べまして七%程度減少することが期待されます。また、大会期間中は、鉄道の運行本数の増発や、十分なシャトルバスの運行などを行います。
 今後とも、関係機関と連携しながら、これらの対策について詳細な検討を進め、大会期間中においても、観客の皆様などの円滑な移動を図るとともに、都民の皆様に与える負担を最小限にとどめるよう取り組みを進めてまいります。

○大西(さ)委員 今なぜ私が乗車率のことを聞いたかといいますと、我々日本人と、特に欧米人では、乗車率というものに対する認識が物すごく違うと実感しています。二〇〇六年の十一月六日にここで開かれましたオリンピック招致特別委員会で私の方からお話しさせていただきましたが、私、当時勤務していた民間企業でアトランタのオリンピックをずっとぼうっと期間中見ていた経験があるわけです。そのときに、アトランタも地下鉄がある程度整備されておりまして、とあるときに、大きな大会が終わって、メーンスタジアムからだあっと人が流れてきた。その中で、僕もその中にいて、地下鉄に乗ろうとしたんです。地下鉄はもう今の山手線ぐらいにばんばんばんばん来たんですけれども、物すごい混雑をしている。やっと自分の前まで来たら、前を見たら、全くすいているんです。すいている中ででも、まだまだ乗れるのにな、あっと思いながらもドアは閉まってしまう。そして、やっと自分が乗ったときに、その理由がわかったんですけれども、ある程度ふわっとした状態になったときに、もうちょっと入ろうとしてきた人を、そこの一人のお父さんが、扉の方に向かって、チルドレン・ヒア・ノーモア、こういうわけですね。要するに、子どもがいるんだから、もう入ってくるなということをいうわけです。そうすると、みんな、おうおうという感じで入ってこなくなる。これが向こうの満員の常識なんだなと。
 それから、いろんな外国人、特に欧米系の白人を中心としてお伺いすると、女性の体とひっつく、こんなことはあり得ないよというのがあちらの常識であって、私が一度おもしろいのを見たのは、北千住を私、通るんですけれども、北千住の駅で朝、物すごいラッシュになっているのを、白人の方々が何人かでビデオを見ながら、ほらほらほらという感じで、多分、あれ、母国へ帰って、日本人というのはこんなエコノミックアニマルだろうなんていう感じで笑っていると思うんですけれども、そこまでの状況の違いがあると思いますので、僕らの、日本人の普通の乗車率というので考えてはじき出すと大変な間違いが出るということをぜひここでお伝えしておきたいと思います。
 次に話を移しまして、輸送施設などにおける多言語表記というのはどの程度進めることにしておられるのか、ちょっとお伺いいたします。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 鉄道駅などにおける多言語表記でございますけれども、大会期間中、多くの外国人の方々が来日される予想がされるため、円滑、快適な移動のためには重要な施策と考えてございます。
 このため、現在においても、オリンピック競技会場予定地の周辺など重点整備エリアを設定いたしまして、案内サインやバス停の多言語表記を推進しております。英語のほか、中国語、韓国語の併記を進めているところでございます。
 今後は、大会期間中、IOCの公用言語でございますフランス語などその他言語につきましても併記することにつきまして、関係機関と連携し、検討を進めてまいります。

○大西(さ)委員 このご質問をさせていただいた裏には、日本語と英語、そして今、中国語と韓国語が普通になってきているということでございますが、これを、先ほどのヨーロッパ系の方から見れば、中国語と日本語と韓国語、これは多分何が書いてあるかわからない、全くわからないと思うんですね、我々が例えばアラビア語を見るがように。その中で、アルファベット表記は英語だけなわけでございますから、これは僕らでもフランスへ行って、ドイツへ行って、わからないながらも、ある程度の駅の名前が読み取れる、そういうこともあわせて、やっぱりフランス語などの、もう一カ国語ぐらい、そういうふうな横文字的な、アルファベットにもとを発するような言語も必要じゃないかなと思って、質問させていただきました。
 最後になりますが、今現在、輸送に関していろいろなこういう問題を感じておられますが、どのような問題を一番強く感じているのか、また、その問題をどのように解決していくのか、お伺いをいたします。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 輸送部門におきましては、立候補ファイルに示した目標を確実に達成するため、大会開催までに詳細な輸送計画を策定いたしまして、大会開催時には、大会関係輸送を確実に運営し、また、不測の事態に対しましても臨機応変に対応できる体制づくりを進めることが重要であると考えてございます。
 このため、開催都市決定後につきましては、国土交通省や警視庁及び鉄道会社など関係機関と連携いたしましてオリンピック輸送センターを設置いたしまして、具体的な輸送計画の策定を、専門家も加え、検討を進める予定でございます。
 今後とも、当センターの体制や運営方法などにつきまして検討を進め、だれもが快適、迅速、確実にアクセスできる大会を確実に実現してまいりたいと考えてございます。

○大西(さ)委員 冒頭にも申し上げましたように、交通の問題というのは何百年も先を見据えてやらなければならない問題でもございます。当然、東京都だけではなかなか厳しいかとも思いますが、国交省を含む国とも協議をしていただいて、そして、私は思うんですけれども、このオリンピックというのを一つの契機にしてでも、こういう快適に移動できる交通インフラを徹底的につくるということも、これまた大切なことかとは思います。
 私は、先日の一般質問の中でLRTなんかいいんじゃないのという話をいたしましたが、LRT一本つくるには、地下鉄の二十分の一の金額でも済むわけですし、まち並みも、ヨーロッパにはすばらしいところもたくさんできてきています。そういう意味でも、先ほどの串田先生の質問の中でも、公共交通にぼんぼんとお金をかけるというふうな人がいるという話も出ていますけれども、私は、ここで必要な分はどんどんどんどん前向きに整備して、本当にすばらしい東京をつくっていくことが、オリンピックのプラスの遺産を後世の僕らの子どもたちや次の世代に残していけるものだと思いますので、ぜひそういうところを考えていただきたいということをお願いいたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○長橋委員 私からも質疑をさせていただきます。
 きのう、おとといですか、都庁の都民広場で「Tokyo Snow Style in都庁」ということで、スポーツムーブメントの事業をやっておりました。けさの新聞にも出ていましたし、私も、昨日、短時間ではございますけれども、迫力のあるイベントを見させていただきました。そういうことで、昨日のイベントは生活文化スポーツ局が主催をしたそうでありますけれども、これも大きくいえばオリンピック招致へ向けたスポーツ機運の盛り上がり、これに貢献したんではなかろうかなと思うわけであります。
 そういう中で、私もこの委員会で、いわゆる区市町村のムーブメントの事業について質問をしてまいりました。昨年質問したときには、区市町村ムーブメント事業六億二千万、全区市町村が委託してやる、しかしながら、なかなか手を挙げてもらえるのか、こんなような質問をさせていただきました。そのときには、六億二千万、この予算が余るようだったら失敗につながる、区市町村ムーブメント、しっかり取り組んでもらいたい、こんなお話をさせていただきましたし、また、当初は、区の方は何をやったらいいんだろうか、こんな声も聞きましたし、どうすればいいのか、また、予算については、入れていいのか、補正予算を組まなきゃいけないのか、そんなことをお伺いしたことがございます。
 そういうことで、いよいよもう年度末でございます。この区市町村ムーブメント共同推進事業、まずは二十年度の実績、どうだったのか、お伺いをいたします。

○重田東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 都と区市町村によりますオリンピックムーブメント共同推進事業につきましては、平成二十年度、四月からスタートした事業でございます。実施主体の区市町村は、当初予算に計上ができなかった、あるいは補正の手続、それから、新規の事業でまだ実施のノウハウの蓄積がないなど、ご指摘のとおり、当初はなかなか手が挙がらない状況でございました。
 しかしながら、徐々に各区市町村の熱意と地域の特性を生かした取り組みなどがなされるようになりまして、都は一つ一つの事業に対しまして相談や実施方法のアドバイスなど個別具体的な支援を行い、最終的に百三十九もの事業が実施されることとなりました。今年度末までに都内六十二の全区市町村で事業が実施される予定でございます。
 なお、予算の執行率は現時点で約八割と見込んでございます。

○長橋委員 大変なご努力で、また区市町村も、都と調整をして百三十九事業、これからやるところもあろうかと思いますけれども、六十二区市町村でございますので、複数回各区市町村がこの事業に手を挙げた、こういうことでありますので、予算についても八割というのは評価すべきだな、こう思うわけであります。
 いよいよことし、まさに決定の年を迎えて、二十一年度、そういう中で、この事業を引き続き継続すると聞いておりますし、きょういただいた資料でも、世論調査が前回から一〇%伸びて七割までいった。この区市町村のムーブメント事業も、広く都民に周知した、また盛り上げたということで貢献をしたんではなかろうかと思うわけであります。
 二十一年度の予算、これも同じように組んでいると聞いておりますけれども、この実施時期も含めて予算の実施状況、どういうふうに取り組むのか、お伺いをいたします。

○重田東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 都と区市町村が連携してこの事業に取り組んできましたことで、地域でのオリンピズムの普及、そしてオリンピック・パラリンピック開催への賛同の輪が広がり、それが開催支持率の向上にも結びついたというふうに考えております。
 こうしたオリンピズムを一層浸透させることは、オリンピック開催の有無にかかわらず非常に意義のあることでございます。
 このため、二十一年度につきましても、二十年度と同額の六億二千万円を予算計上してございます。実施に当たりましては、十月二日の開催都市決定に向け、区市町村と連携して効果的に事業展開を行ってまいります。

○長橋委員 予算書を見ればわかるわけでありますが、二十一年度も六億二千万を計上している。十月二日の開催都市決定までにこれを積極的に事業展開をしていくということであります。
 昨年の実績を見ますと、百三十九事業、一番初めにやったのは、四月十三日であります。最初の事業は、日暮里・舎人ライナー開業記念イベントでございました。そこからスタートして、島も含めて展開をされたわけでありますが、この実施状況を見ますと、四月は、この日暮里・舎人ライナーの開業イベントの一件だけであります。五月も一件、六月も一件、七月になってふえてきまして、ピークを迎えるのは十月なんですね、去年は。もちろん、地域のイベントに合わせて組んでいるのだろうと思うんですけれども、来年度は、このムーブメント事業、さまざま工夫をして、また、二十年度、実施をして、当初はなかなか区市町村も戸惑ったのが、繰り返すことによってノウハウもつかんできたんだろうかと思いますが、同じ予算がついて、ことしの九月まで予算を全部使い切れとはいいませんけれども、実施についてはさらにムーブメントの盛り上げのためには工夫をしなければいけない、こういうふうに思うんですが、来年度、どうした工夫をしてこの事業に取り組むのか、ご答弁をいただきたいと思います。

○重田東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 ご指摘のとおり、二十年度はスタートダッシュが鈍かったということもございまして、二十一年度は四月の年度当初から事業がスタートできるように早目の準備に努めまして、一月には区市町村が実施を希望する事業の素案を募集してございます。現在、十月二日の開催都市決定に向け、効果的、重点的にこの事業を展開していくために、区市町村と連携し、二十年度に培いました経験やノウハウを生かしながら調整を行っておりまして、事業計画を策定しているところでございます。

○長橋委員 ノウハウの蓄積もあろうかと思いますし、二十一年度の事業でありますけれども、今から、また既にきめ細かな調整を図っているということでございますので、ぜひしっかりと事業展開を行って、まずは支持率の向上、七〇%からさらに上がるよう努力をお願いしたいと思います。
 次に、いよいよこのムーブメント事業を進めていく中で、四月にIOCの評価委員が来日をします。日程も決まっておりますが、IOCの委員が来たときにどういうプレゼンテーションをするのか、また立候補ファイル、そのファイルの中身について評価をしに来るわけであります。ですから、IOCの委員が東京に着いたときからの、ここから勝負だと私は思います。ただプレゼンテーションをすばらしくやるだけではなくて、IOCの委員が日本に着いてから帰るまでの間、さまざまな形でアピールをしていくことが大事だろうと思うわけでありますが、そういう中で、移動の際目に触れるもの、東京はどういうところであるのかということも大事だろうと思います。そのツールとしては、当然、広告もあろうかと思いますけれども、恐らくIOCの委員は、成田空港に着いて、道路を走って東京に入ってきて、ホテルに行って、そして今度は施設である会場にも見に行くんだろうと思うんですね。当然、そのルートについても検討されているんだろうと思いますけれども、そうした広告を含めたIOCへのアピール、どのように考えているのか、伺います。

○重田東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 招致実現のためには、四月に来日しますIOC評価委員会のメンバーに東京の熱意を伝え、強く印象に残すことが、ご指摘のとおり重要だと考えております。このため、評価委員会の移動や視察ルート沿いを中心に統一的なデザインの招致フラッグや横断幕などを集中的に掲出するシティードレッシングを展開してまいります。これによりまして、IOC評価委員会に歓迎の意をあらわすとともに、招致機運の盛り上げをアピールしていきたいというふうに考えております。

○長橋委員 シティードレッシングということでございますので、都庁もドレッシングをしたらいいかと思いますが。そういう言葉もあるんだなと思って今お伺いをしました。(発言する者あり)じゃ、それは今後よろしくお願いします。
 ぜひ東京の第一印象、また招致委員の皆さんも出迎え等になるかと思いますけれども、第一印象も大事でありますし、それがプレゼンテーションの中身にもつながってくるだろうと思いますので、恐らくルートも今、種々検討しているかと思いますし、一部決まっているかもと思いますけれども、そのルートの地域の方々にもご協力をいただく、そういった取り組みもするべきだと思っております。
 次に、十月決定の直前に、九月、アジアユースパラリンピックゲームが行われます。東京では初の開催であろうかというふうに聞いておりますし、もちろんこれについては福祉保健局が担当しておるわけでありますけれども、十月の直前にアジアのアスリート、パラリンピックですので、障害者の方々のアスリートが東京に集結をしてくるわけであります。その開催が、オリンピック開催都市決定の一カ月前ということでございます。ぜひこの機会を利用して、東京招致、さらに印象づけることが大事だろうと思います。
 私も北京パラリンピック、行かせていただきましたけれども、ボッチャというゲームがあります。これはパラリンピックの独特のゲームで、見させていただきましたけれども、なかなか興味深いものでございました。恐らくアジアユースパラリンピックゲームズ、この方は、二〇一六年ではありませんけれども、次の舞台はオリンピックだ、そういう思いでこの大会に出られる方もいるんじゃなかろうかと思いますけれども、この九月に開催されるアジアユースパラリンピックゲームズ、どのように招致に向けて活用するのか、ご答弁をいただきたいと思います。

○重田東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 本年九月十一日から十三日まで、陸上、水泳などの競技が繰り広げられますアジアユースパラゲームズは、アジア各国、地域の障害のある青少年が参加する国際的な大会でございます。オリンピック開催地決定の一カ月前に開催されますこのアジアユースパラゲームズは、二〇一六年のオリンピック・パラリンピック招致をアピールする絶好の機会であると考えております。
 障害者スポーツを都民、国民にとって一層身近なものとし、パラリンピックムーブメントの一層の向上に資するとともに、大会に参加します各国の選手や競技団体、関係者などにオリンピック・パラリンピック開催地としての東京の魅力を効果的にPRできる場でもあるというふうに考えております。
 このため、関係局や大会組織委員会などの関係団体と協力いたしまして、相互に連携してPR活動を実施するなど、東京招致のアピールに努めてまいります。

○長橋委員 ぜひこうした取り組みもやりながら、最後まで気を抜かないで十月二日を迎える、こういうことだろうと思います。
 最後になりますけれども、大会理念について若干お伺いをいたします。
 きょうの資料にも大会の理念が四都市併記でなっております。もちろん東京は、平和に貢献する世界を結ぶ大会ということで、平和をこの大会理念に掲げております。そういう中で、平和に対する取り組み、これはどう具体的にしていくのかというのはなかなか難しいことだろうと思います。
 石原知事も、世界平和の実現に大きく貢献をしていく、こういう答弁もされておりますけれども、ちょうどあしたが東京大空襲の日であります。三月十日、昭和二十年三月十日に東京大空襲がございました。あしたで六十四年目を迎えるということであります。それから、三月十日の後、広島、長崎の原爆の投下があったわけでありまして、大変多くの一般の方が犠牲になった日であります。そういったことも含めて、日本ならでは、平和という理念を掲げたんだろうな、こう思うわけであります。
 そういう中で、この立候補ファイルに、大会三年前からプレユースキャンプ、ユースキャンプで平和教育をやっていく。あえて、この立候補ファイルの中に、原爆が投下された広島、長崎においても実施をすると書かれているわけでございます。広島と長崎、これは世界的にも知られているわけでありますけれども、立候補ファイルに記載したということは、当然、広島、長崎に行って、立候補ファイルを出すに当たって了解、また説明をしてきたんだろうと思うわけであります。
 そういう場合に、大体、出向いて説明しに行くのは松田次長だと思うんですけれども、次長、広島、長崎に行ったんですか。また、どういうことで行ったのか、状況についてちょっとお話をいただけますか。

○松田東京オリンピック・パラリンピック招致本部次長 立候補ファイルでは、平和の理念をより強く打ち出す、こういうことといたしました。具体的には、広島、長崎における事前キャンプ場招致や連携事業を実施する、こういう表現をすることといたしました。このため、広島、長崎両自治体に記載の了解をいただきますとともに、今後の協力をいただくために伺ったところでございます。
 それぞれの市、県ともに市長さん--長崎は市長さんに直接お会いすることができました。広島でも、副市長さん、お会いすることができました。また、長崎県では、県教育長に直接お会いをいたしまして、こちらの立候補ファイルの趣旨を説明させていただきました。非常に前向きに受けとめていただきまして、今後の招致活動、さらにまた決定後の取り組みについて協力をしていくということでご了解をいただいたところでございます。
 今後、この理念の具体化に向けてそれぞれの自治体とさらに調整を進めていきたい、このように考えております。よろしくお願いいたします。

○長橋委員 やはり松田次長が広島、長崎を訪問してご説明をした、大変にご理解を示していただいて協力の意向もあったかと思います。既に三十三の都道府県で招致決議もいただいているわけであります。いよいよ後は、十月二日に向けて、知事が先頭になって、何としても東京招致をかち取る。そのためには、ムーブメントだけではなくて、今度は具体的にIOCの委員の方々、大体百票ですから、これをどう取り込むといいますか、獲得をするかという取り組みだろうと思います。
 知事も、今月初めには、みずから国会に出向いて、お願いに上がったと聞いております。三月二日には自民党さんに行ってお願いした。三月三日には公明党に行って、我が党の太田代表にも会って、招致の支援をお願いした。民主党にはまだ行っていないようでございますけれども、ぜひ機会を設けていただきたい。ぜひよろしくお願いをいたします。それどころじゃないかもしれませんけれども。
 さて、いよいよこの十月二日に向けて、本部長、やはり平和、そして環境の理念を掲げて勝負をするわけであります。後はどれだけ票を獲得するのか、これからが戦いでありますので、そういったことを含めて、決意を本部長にお伺いして、終わりたいと思います。

○荒川東京オリンピック・パラリンピック招致本部長 冒頭、私どもの企画部長から説明ございましたように、四都市の立候補ファイルの比較表といいますか、資料がございました。それをごらんになってもおわかりのとおり、平和ということを強く打ち出しているのは東京でございまして、また環境についても、カーボンマイナスということで、他都市にはないものを打ち出してございます。
 しかしながら、それぞれの都市が特徴なり強みを持っておりまして、どの都市も強豪であるなということを、ああいう表を見ても改めて感ずるところでございます。
 つい先日、オリンピックの事情に非常に精通しております専門家の話を聞く機会がございました。そのときのお話によりますと、日本は非常に三つの強みがあるということで、一つは、開催する能力は十分であると。それから二つ目が、経済も人材も非常に信頼されている、信用されているということ。それから三つ目が、これまでオリンピックや国際スポーツ大会を非常に経験をしている、十分経験があるということ。この能力と信頼と経験ということをその方はおっしゃっておりまして、あと必要なのは、東京招致を実現するための外交力である、こういうお話がございました。
 この外交力というのは、まさにIOC委員に対する招致のPR活動、票を集めるということでございます。しかしながら、現在は、非常にIOC委員との接触がかなり厳しくなっておりまして、例えば、オリンピック招致を目的として個別訪問なり、あるいは個別面会をするということは禁止されております。しかし、こういう中にあっても、何としてもやはり票を獲得しなくちゃならない。あるいは、それによって招致実現をしていかなくちゃならないということで、そのためのPRを進めていくには、やはり日本におられるIOC委員、それからJOC、各種競技団体、こういったところがIOCとのネットワークを持っておりますので、そういったネットワークを活用する。それから、国の各省庁、マスコミ、海外企業、民間企業などとの連携をして、さまざまなアプローチを重ねていって、総合的、多角的に取り組んでいくことが必要だろうというふうに思います。
 それから、このたび評価委員会が来日いたしますけれども、またとない公に認められた接触の機会でございますので、こういった機会を、ご質問にございましたように、区市町村、それから民間団体、あるいはスポーツ団体と一体となってムーブメント事業を展開して、招致機運の盛り上げを示していきたいというふうに思っております。
 これまでの大会の招致実現の状況を見ましても、途中段階では非常に有利と、当選間違いないというふうにいわれていた都市が最後に大逆転されたということがございますので、一時期の評価に一喜一憂することなく、しっかりと最後の勝利の瞬間というものを見据えて、関係機関と連携をとって取り組んでまいりたいというふうに考えております。どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。

○松村委員 東京の計画は、世界一コンパクトをうたい文句にして、オリンピックにかかる費用も節約しているように見せています。
 しかし、実際は、石原知事がやろうとしているオリンピックは莫大なお金をかける計画であることを我が党は代表質問で取り上げました。ところが、石原知事と招致本部長は、IOCの質問の仕方にすりかえた答弁を行いました。
 そこで、伺います。まず、競技場施設などについてです。
 メーンスタジアムと選手村の用地費について、対外的な用地買収の必要性はないことから記載はしていませんと本会議で答弁されましたが、ようやく用地買収の必要性は認めました。それでは、一体幾らかかると試算しているのでしょうか。

○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部計画調整担当部長 今回の本会議での代表質問に対しての私どものご答弁は、オリンピックスタジアム及び選手村の用地は現在都有地であり、対外的な用地買収の必要はないことから、立候補ファイルには記載しておりませんというものでございまして、これは用地買収の必要性を認めたものではございません。
 立候補ファイルでは、施設整備の確実性を問う意味で、用地買収の有無に関しての記載を求めておりまして、オリンピックスタジアム、選手村ともに、用地は都有地であることから、対外的な用地買収の必要はないことを記載したものでございます。
 なお、両施設の用地は、臨海地域開発事業会計の所管でございますが、整備手法や運営形態などにつきましては現時点では定まっておりませんので、この会計間の取り扱いを含めた土地の処理方法についての具体的なお答えはできません。

○松村委員 結局、結論は、現時点では具体的に答えられないということに尽きるのでしょう。大体それは議会の常識ですよ。だって、目的事業を持った会計ですよ。ここに例えばメーンスタジアムを恒久的に建設する。ならば、結局、臨海会計なりに穴があいて、それをやはり一般財源、都民の税金で賄わなければならないなどということは、議会の常識ですよ。勝手に、例えば公園用地、そこに施設を建てる、それはやはりそういうところの犠牲といいますか、一般会計の公園用地には、直接すぐにそういう土地買収の必要性は生じないかもしれませんけれども、そうじゃないわけですよ。ですから、やはりお金がかからないということとは全く違うではありませんか。
 それでは、選手村工事費、これ、この資料の記載では、八百九十九億円ですけれども、仮設整備費を入れたら千二十五億円です。用地買収費は含まれているのですか。

○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部計画調整担当部長 先ほどご答弁申し上げたとおり、用地費につきましては掲載してございません。

○松村委員 我が党の試算では、両施設の用地費は五千億円近くかかるものと思われます。
 次に、液状化対策費については、スタジアムの整備費の中で見込んでいますと答弁しましたが、幾らと見込んでいるのですか。耐震護岸や避難ルートの整備費についても示していただきたいと思います。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 液状化対策費についてでございますけれども、スタジアム本体は、支持地盤まで基礎ぐいを打ち込むことや、くいの強化など構造物自身の耐震性を高めて、安全性を確保いたします。
 また、スタジアム周辺部につきましては、地盤改良などの液状化対策を行うこととし、これらの費用はスタジアムの整備費の中、八百九十八億円の中で見込んでございます。
 次に、護岸整備につきましては、晴海地区におきまして、既に平成十二年度から都の既定事業といたしまして耐震性を有する護岸などの整備を進めていることから、オリンピック施設の整備費としては計上してございません。
 さらに、避難ルートの整備につきましては、大会時までに晴海地区の南の豊洲方向へは環状二号線の豊洲大橋を整備いたしまして、北の勝どき駅、豊海方向へは環状二号線と補助三一四号線、人道橋の三つの橋梁を新たに整備する計画でございます。
 これらの費用につきましては、環状二号線と補助三一四号線は、それぞれ計画中の輸送インフラ整備に含まれてございます。また、人道橋については、スタジアムの施設整備費八百九十八億円の中で見込んでございます。

○松村委員 結局、それぞれ幾ら見込んでいるのかと聞いているのに、答えていません。後から追加追加で膨大な財源投入になることは目に見えています。なぜならば、この液状化対策、例えば今臨海副都心地域で行っております液状化対策などをもとに試算すれば、これだけの広大な地域で二千七百億円もの費用がかかると我が党は試算いたしました。
 また、晴海の護岸整備費、これは既定でやっているからといいますけれども、これも二百億円も費用がかかると試算されます。
 立候補ファイルで明らかにされた施設整備費など、この資料でも競技施設、メディア、選手村含めて四千百四十三億円というふうに立候補ファイルで明らかにしましたけれども、これに用地費や液状化対策費などなどを見込んだ費用は、さらに五千億円以上はかかり、結局、競技施設などの整備費は一兆円もの費用を要するオリンピックといわなければなりません。
 都は、これまで、パンフレットなどをつくり、大量にばらまき、また広報東京で、競技施設整備費は三千二百四十九億円と皆さん宣伝してきたんですよね。
 しかし、私は、やはり競技施設などに一兆円かかると訂正すべきだし、そのことを都民に知らせるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部計画調整担当部長 申請ファイルの基本になります開催基本計画におきまして、競技施設の整備につきましては、三千二百四十九億円ということで発表いたしました。これに伴います税金の部分、一番肝心な部分の税金の部分ですけれども、これは二千四百六億円ということで計上してございます。
 それにつきましての今回の立候補ファイルでの計上でございますが、この税金相当に当たります公共施設の整備費につきましては、さまざまな努力をいたしまして、競技施設につきましては、二千二百六十九億円に圧縮してございます。
 今回、IBC、MPC、すなわちメディアセンターにつきましては、ビッグサイトに増築をすることになりましたので、その百五十一億円を計上しましても、約二千四百二十億円ということで計上してございまして、申請ファイル当時に比べましても、同規模のもので圧縮したところでございます。

○松村委員 そうしますと、これまでパンフレットやさまざまな広報でこのぐらいの費用がかかる、都民の税金はこのぐらいだということを正確に都民に知らせるわけですね、訂正して。
 同時に、用地買収費やその他の費用も中に含まれているといいながらも、用地費は含んで、現時点ではまだ整備手法が定かに定まってないからと、立候補ファイルには記載しなくていいんだということになると、都民に通用しません。私たちが繰り返しいっているように、正確にどのくらいの事業費がかかるオリンピックで、これは後で質問いたしますけれども、そのうち都民の税金はどのくらいなのか、国や民間がどうなのかということをはっきりすべきです。
 先ほど大会経費、これはオリンピックとはさまざまな手段でかけませんけども、仮設費用がふえれば、その分は全部、もし赤字の場合には、直接施設をつくった東京都などがかぶらなければならない危険性もあるというふうに思います。このことを、要望かたがた指摘しておきます。
 さらに、競技施設の計画も、本当に都民や議会をいわば欺くような説明を繰り返してきたというふうに思います。例えば水泳競技場です。当初、東京ビッグサイトといいました。ここに設定いたしました。我が党が、ビッグサイト、国際展示場は、構造上、重量に耐えないということで、できないことを関係者から知り、ただしましたら、その隣接地に仮設を建てるなどといいました。
 実際、競技関係者が国内選考のときに視察したときには、あそこですと指さしたということを私ども伺い、じゃ、民間地の買収かというふうに具体的に委員会でもただしましたけれども、今度はそれを辰巳の国際水泳会場を使うといい出しました。辰巳はせいぜい飛び込みしかできないと追及してきました。立候補ファイルではどういう計画になったのでしょうか。

○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部計画調整担当部長 立候補ファイルにおきます水泳会場の計画でございますが、これは辰巳の国際水泳場を抱えます辰巳の森海浜公園の公園内におきまして、常設、仮設整備などを行いながら水泳四種目を行うという計画でございます。

○松村委員 それは新設の計画ですね。

○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部計画調整担当部長 辰巳の森海浜公園におきましては、現在辰巳国際水泳場がございますので、その機能も活用しながら今回のオリンピックの計画をしてまいりますので、新設ということではなくて既存施設で恒久的な工事が必要なものという区分で私どもはIOCに説明をしてございます。

○松村委員 パネルを使わせていただきます。これが今、夢の島公園で、さまざまな競技施設がつくられるところです。今いいました辰巳の国際水泳場、現施設はこのブルーのところです。ところが、今度立候補ファイルで出された水泳競技会場は、こちらに恒久施設をつくり、点線が仮設の二つの競技場施設で行うという計画になっています。
 今のご答弁で、現辰巳の国際水泳場を活用するといいましたけれども、これ、全然別ですよね。今ここでしょう。今度つくるところは、ここに二つ、ここに恒久施設、もう少しわかりやすく、こちらの図面では、ここが今の国際水泳場、ここですね。このグリーンでいうと、この広大な森、森林、ここに恒久施設をつくって、この芝生広場、ここに仮設をつくるということですね。
 実際、計画を見ても--こちらに配置図面が、皆さん方の計画、立候補ファイルに載っている計画です。わざわざこちらのユースプラザのほうからデッキで海の方を渡って、こういう施設までつくる。そして、ここの国際水泳場に誘導する計画だと思うんですけれども、どうして既設施設の改修だとかいうんですか。現にここは使いません。活用されません。新たに全然別のところのこういう広大な緑、公園、これが犠牲になるというか、すべてつくられるんです。全く違うではありませんか。再度お答えください。

○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部計画調整担当部長 辰巳の国際水泳場につきましては、オリンピック競技大会のときに競技会場と密接不可分な練習会場として使用いたします。
 そういう意味で、私どもとしましては、辰巳国際水泳場を基点としながら、水泳四種目が実際に一体的に競技できる競技会場ということで、今回辰巳の国際水泳場という名称でIOCに説明したところでございます。
 それと、先ほどパネルの方で委員ご説明になりましたが、森になっているところをつぶして常設会場というお話がございましたけれども、現在その部分は、都立公園などに移設をします樹木を育成するための圃場でございます。したがいまして、公園区域ではございませんので、ここの現在育成している樹木につきましては、海の森ですとか、ほかの都立公園、また辰巳の海浜公園そのものでございますが、そういうところに移設をしまして、樹木、緑につきましては大切に扱っていくという考えでございますので、一言ご説明させていただきます。

○松村委員 全くのごまかしですよ。IOC及び都民をだますようなやり方は、私は許せないというふうに思うんです。
 もう一つ、同じようなことが体操、バスケット、バトミントン、近代五種、アーチェリーなどの競技を行う夢の島ユースプラザなどでもいえます。これも既存施設の改修などといっても、同じこの図面でわかりますので、見ていただきたいと思うんですけれども、これが今ユースプラザがあるところです。現のユースプラザはここの位置ですね。隣の清掃工場ですか、土地を使いながらも、ここにアリーナA、B、C、それからアーチェリーも現在のBumBにはありますけれども、ほんの小さい、もちろん観客席もありません。そこにアーチェリー施設があるということで、そこはもちろん全面つぶして、仮設の練習場と恒久施設で夢の島のコロシアムになっているところの手前に大きくつくります。
 既存施設の活用とか改修じゃ全くないですね。全面的に今のBumBを取り壊して、新たな新設のアリーナ、それからアーチェリー競技場をつくるわけです。ところが、これも既存施設の活用などというふうに立候補ファイルで記載している、これ、おかしいのではありませんか。

○中嶋東京オリンピック・パラリンピック招致本部計画調整担当部長 今お話ございました夢の島公園のユースプラザの体育館につきましても、先ほどの辰巳の国際水泳場と同じような考え方でございまして、既にそこにはBumBといいます昭和五十年代の老朽した体育館がございます。そこの地を活用いたしまして、今回新しく改築ということで体育館をつくるということでございますので、競技会場全体についての区別の一貫性は、私どもはとれているというふうに考えてございます。
 また、重要なのは、この整備にどれだけかかるのかということをトータルでお示しするということでございますので、その点につきましては、新設でつくるもの、あるいは既存会場で恒久的な工事が必要なもの、合わせまして都民の皆様の税金の前提となる恒久施設整備費については幾らかかるのかということは、先ほどもご答弁しましたが、全体像を発表してございますので、これによって十分都民の皆様には正しい説明をしているというふうに私どもは考えてございます。

○松村委員 今のIOCも、なるたけ簡素で抑制していこう、肥大化をやめようということなんです。だから、新設競技会場は幾つなのか、既存が幾つなのかということを厳しく求めているというふうに思います。
 ところが、既存施設の改修とか既存の活用などといいながら、今の答弁だと、そこにあった地域ですか、そこに建てるから、たとえ丸々新たな新築の施設をつくっても、それが既存の活用だなどということは、私はまさに、本当に都民を欺くような説明の仕方や計画になりかねない、きちっとそういう点を明らかにやはりすべきだというふうに思います。
 次に、インフラ整備についてです。
 外環道については、立候補ファイルでは、輸送インフラの整備について具体的な整備計画の定まった事業記載が求められています。外環道については、事業主体など具体的な整備計画が定まっていないことから記載しておりませんといいました。
 それでは、国幹会議が開かれて、事業主体が定まったら、オリンピックの費用に含まれるのですね。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 IOCの定める二〇一六年立候補手続及び質問状によりますと、立候補ファイルに輸送インフラの整備計画を記載するに当たっては、事業の責任組織や建設日程などの項目を記載することが求められてございます。
 外環道につきましては、二月の立候補ファイル提出時点におきまして、こうした内容を定める整備計画が決定されていなかったことから記載してございません。立候補ファイルは、IOCからの質問に沿って、各都市が提出時点における--東京で申し上げますと本年二月になります、提出時点における計画について回答するものでございます。IOCから提出後の訂正や修正の手続について示されたものはございません。

○松村委員 IOCの記載がそういうふうになっているからといって、それでは都民に対する説明には全くなってないじゃありませんか。
 次に、オリンピックに関連し、石原知事がこれまで言及してきた多摩新宿線、それから羽田-築地トンネルについて、知事はやらないといっておりません。だとしたら、これもオリンピックインフラ整備に入るのではありませんか。そういう説明を都民にすべきではありませんか。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 先ほどのご答弁のとおり、立候補ファイルには事業の具体的な内容について記載することが求められてございます。多摩新宿線、羽田-築地トンネルにつきましては、具体的な事業内容が全く定まっていないことから記載してございません。

○松村委員 石原知事が、オリンピック関連で発言している構想や研究を指示しているものです。やらないとはいまだかつていっておりません。いえないんですね。
 それから、首都高速五号、六号線の拡幅も、中央環状新宿線や品川線関連で、私、都市計画審議会の委員をやっておりますけれども、結局、新宿線、品川線の延伸と一体となってボトルネックを解消するんだということで事業費が二百億円かかります。これもなぜ入れていないのでしょうか。

○藤井東京オリンピック・パラリンピック招致本部施設計画担当部長 都内ではさまざまな事業主体により数多くの事業が現在も実施されてございます。この中で立候補ファイルに記載する輸送インフラにつきましては、「十年後の東京」等において計画されておりますインフラ整備の中から、大会時における確実な輸送、日常交通への影響緩和などの主観点から、大会の開催に密接に関連するインフラのみを選定してございます。
 三環状道路につきましては、都心部へ流入する通過交通を分散し、交通渋滞を緩和する観点から記載しているものでございます。その事業効果からネットワークを新しく新設整備をする、こういった箇所に限定して記載してございます。
 首都高五号線、六号線の部分的な改良に当たります拡幅工事につきましては、こうした観点から記載してございません。

○松村委員 晴海通りの延伸も含めてないんですよね。恐らくこの答弁を求めても、密接に関連したものでないという、それは招致本部ですか、委員会が出しているからということで、この臨海部の施設計画には欠かせない渋滞解消やそういうことが今必要だとして、実際上工事が始まったり、そういう計画が今浮上している、そういうことも含めようとしておりません。
 立候補ファイルに記載しないで済んだ理由はあれこれいいますが、いずれにしても、知事がオリンピックをてこにやろうとしているインフラ整備には間違いありません。これらを合計すれば、オリンピックをてこに石原知事が進めようとしているインフラ整備はまさに九兆円を超える巨額なもので、他の立候補都市と比べても異常で、まさに道路だらけのオリンピックです。
 石原知事は、東京に道路さえつくれば日本がすべてうまくいくようないい方をしていますけれども、まさに道路つくって暮らしが圧迫される。大企業と東京栄えて地方滅ぶではありませんか。完全にお金の使い方を間違えています。
 立候補ファイルのコンセプトに何と皆さん方書きましたか。飽くことのない開発と拡大でなく、既にあるものを生かし、かつてあったものを再生すること、そして、それらを強固に結びつけることが私たちの願いである、それは世界が直面しているさまざまな危機を体現する都市の魅力と可能性を最大限に追求することを通じて都市と人間を再生することであると、文章だけは立派なものがこの立候補ファイルに書いてありますね。私もびっくりしましたけれども、ところが、皆さんやっていることはまさに逆ではありませんか。成熟した都市を見据えるなどといいながら、飽くことのない開発を拡大する外環を初めこれだけの道路をつくらなければならない、何が成熟した都市なのでしょうか。
 一体この莫大な財源をだれが負担するというのですか。負担について国と民間、事業収入の割合をどう見込んでいるのか、示してください。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 オリンピックにかかります総事業費という定義はございませんので、それぞれ分けてご説明していきますと、招致活動経費、それから、ただいまご説明申し上げました競技施設等整備費、それからオリンピック組織委員会の予算がございます。
 第一の招致活動経費でございますけれども、これにつきましては、東京都と招致委員会を合わせまして百五十億円でございます。そのうち招致委員会の補助金を含めました東京都が百億円を負担いたしまして、五十億円は民間からの資金を充てることとしてございます。
 それから、ただいま藤井部長がご答弁しました第二の施設整備費でございますけれども、これにつきましては、恒久施設整備費については、競技会場二千二百六十九億円、IBC、MPC百五十一億円、選手村八百九十九億円、計三千三百十九億円でございまして、この費用の負担割合でございますが、国及び都が二千三百八十一億円でございまして、民間による資金調達は九百三十億円を想定してございます。
 なお、国と都の負担割合でございますが、平成十九年九月十一日の閣議了解において、使用施設の整備に要する経費につきましては、国の負担割合は二分の一以内とするとされてございます。今後、国からの補助金を最大限活用いたしまして、都費の負担を軽減してまいります。
 第三のオリンピック組織委員会の三千百億円でございますけれども、これにつきましては、IOCの分配金千九十億円、スポンサー収入七百三十億円、チケット収入七百八十億円と、税金の投入は予想してございません。
 以上でございます。

○松村委員 招致活動費百五十億円といいながら、既に百五十一億円を皆さん方、数字として出していませんか。もう百五十億円を上回っておりますし、また来年度の予算で、それ以外に十四億一千万円を計上しております。これは十月以降の費用として、組織委員会を立ち上げなければならない。その他ムーブメントを切れ目なく行っていく。今の数字の中にこの十四億一千万円入っているんでしょうか。
 また、この立候補ファイルに、私ども全然知らなかった、ページ二七ページ、コミュニケーション計画の予算というものが出ております。これは二〇〇九年から一六年までの予算、大会中にやる四億円は除く、それは組織委員会がやると。それ以外の九十二億円、これは一体どういう予算なんでしょうか。だれがこの九十二億円受け持つんですか。それは今いった十四億一千万円と別枠ですか。そして、今、事業費はどれだけかかるという中で述べた数字とは全く別建てなのですか。それともその中に含まれているのか、最後にお聞きします。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 まず、前段の招致推進の経費でございますが、二十一年度予算は、十八年度決算、十九年度決算、それから二十年度の決算見込みを想定いたしまして、それに二十一年度予算を組んでございます。
 したがいまして、これらをトータルしますと、トータルでは百五十億円以内におさめるものでございます。

○松村委員 九十二億円の答弁がありません。後で説明願いたいと思います。今後追及したいと思います。
 最後の最後に、もう一点だけ。民間資金といいますけれども、一体どのぐらい集まったんですか、現に収入された金額を現時点に立って教えてください。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 民間からの資金でございますけれども、現時点、民間からの寄附の申し出、お約束をいただいている金額は四十一億……(松村委員「入った収入」と呼ぶ)恐れ入ります、直近の歳入した金額については現在把握してございませんので、後ほど補足します。

○松村委員 見込み、見込みと、これまで再三聞きました、数字は。しかし、現に幾ら入ったんですか。それによって私はさまざまな活動というものが当然成り立つと思いますよ。後で、事業をやりっ放し、民間から入らなかった、どうするのか。都民は大変心配しております。
 この点について、きちっとすべきではありませんか。現時点で幾ら民間から収入されたんでしょうか。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 民間からの寄附金等につきましては、お約束をいただいた時点で、三年間に分割していただくもの、それから二十一年度の一番最後にいただくもの、それぞれ相手方のお約束でございます。したがいまして、お約束していただいた金額はしっかり収入してまいります。

○松村委員 現在幾ら集まったんですか。分割もいいんですけれども、現在幾ら入っているんですか。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 お待ちください。
   〔発言する者あり〕
〔松村委員「ごめんなさい。時間がなかったので、申しわけない」と呼ぶ〕
   〔発言する者あり〕
〔松村委員「答弁漏れだからでしょう。それは委員長がチェックすべきだ」と呼ぶ〕
   〔発言する者あり)
〔松村委員「何いってんだよ。答弁しないからでしょう」と呼ぶ〕

○吉野副委員長 今、待ってくださいというふうにいっていますから。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 委員会におきます寄附金収入でございますけれども、現時点では二十二億一千六百万円、協賛金収入が約三億円でございます。

○松村委員 終わります。

○たぞえ委員 初めに、世論調査について伺います。
 立候補ファイルでは、最新の世論調査では、国民の七〇%、都民の六九%が東京でのオリンピック・パラリンピック開催を希望していると記載しました。
 二〇〇七年十月に実施した申請ファイルに向けての世論調査支持率は、全国で六二%、東京で六〇%で、他の各都市では、シカゴは七九%、リオデジャネイロが七八%、マドリード八六・七%、東京は立候補都市四都市の中で最下位にとどまりました。半年後の〇八年六月に行ったIOC調査では、全国五九%です。ここでも最低です。
 今回の調査では、他の三都市、シカゴ七七%、リオデジャネイロ八二%、マドリード八九・四%ですが、この数値についてどのような見解をお持ちですか。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 委員ご指摘の他の三都市の世論調査の結果でございますが、東京より高い数値の都市もございますが、他の都市は金融危機が表面化する以前、シカゴは二〇〇八年、マドリードが二〇〇八年の六月。または金融危機の影響が出ない、直後の時期、シカゴ、リオデジャネイロが二〇〇八年十月実施でございます。ということから、本年一月に実施しました東京都の支持率が特に低いとは考えてございません。
 また、支持率も上昇傾向にあることから、引き続き十月二日の開催等に向けて、さらに支持の拡大ができるようPRに努めてまいります。

○たぞえ委員 東京以外の三都市の実施した調査は十月なんですよ。直近じゃないですか。東京一月でしょう。そんな、世界同時不況の発生したあのころの調査じゃないんですよ。同時期なんです。
 申請ファイルの調査結果が出たとき、石原知事はマスコミに責任を転嫁しましたけども、今回の数値が出てきて、ようやく国民の七割を超える方から応援をいただいた、このようにコメントされました。
 ようやくという支持率に引き上げた調査機関ですけれども、調査を請け負ったヤフーバリューインサイト株式会社、この企業は、オリンピック招致についてどういう見解を持つ企業ですか。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 調査を行いましたのは、ヤフー株式会社の関係会社でございますヤフーバリューインサイト株式会社でございます。
 ヤフー株式会社は東京招致のオフィシャルパートナーといたしまして協賛をいただいていますことから、私どもの招致活動及びオリンピック・パラリンピックムーブメントの推進の趣旨に賛同していただきまして、積極的に支援していただいている企業と認識してございます。

○たぞえ委員 ヤフーは、一般競争入札によって調査機関として選定がされたのかどうか、確認します。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 招致委員会では、オフィシャルパートナーでございますヤフー株式会社の関係会社ヤフーバリューインサイト株式会社と調査方法について交渉を行いまして、同社を選定してございます。
 また、ヤフーバリューインサイト株式会社は、マーケティング、それからデータ解析の大手ということでございます。招致委員会では、活動資金を民間企業から調達していく必要があることから、オフィシャルパートナーの東京招致を積極的に支援してくれる企業と密接な関係を構築するため、ヤフー関係会社でございます、インターネット調査に実績のあるヤフーバリューインサイト株式会社を選定いたしたものでございます。

○たぞえ委員 民間資金を調達する必要から緊密な関係を構築していく。これは資金集めのためなら競争入札もない、そういうことじゃないですか。
 このヤフー、これが発した設問、マスコミにも公表されていますが、開催を希望しますかというもので、通常行われる世論調査の複数回答に比べて一本の答えを求めている。回答の選択は極めて限られているんです。招致推進の立場にいる調査機関であること、その機関が、同時に、設問はたった一問で都民にそれを問いかける、公平性を欠くんじゃないでしょうか。
 このような手法で、また推進の立場にある企業が世論動向を正確に把握することはできないと私は思いますが、どういう見解ですか。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 公平性が担保できないんじゃないかという委員のご指摘でございますけれども、今回実施しました世論調査では、都内や全国の人口構成を反映いたしました提携モニターから無作為に抽出いたしました三千人という十分な標本数を用いて実施しているところでございます。公平で客観的に行われたものと認識してございます。
 また、インターネット調査であることの利点を生かしまして、開催計画の具体的な内容や経費が記載されている招致委員会及び招致本部のホームページを見ることができるよう調査票の画面にリンクを張りまして、開催計画の正確な内容がわかるようにいたしました。
 このように、招致活動の内容を客観的に把握した上で調査を行い、回答してもらっており、調査の公平性、客観性については、全く問題ございません。

○たぞえ委員 公平で客観的に行っているから大丈夫だと踏んでおられましたが、事実に大きな問題が指摘されているんです。例えば、世論調査の方法です。前回申請ファイルの際は、調査期間は八日間、対象者数、東京二千人、東京以外四千人、こういう人たちからの回答で行われましたが、今回は調査期間、対象者数は何人だったんですか。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 今回の調査でございますけれども、人数、都内で一千人、全国で二千人でございます。
 それから、実施の時期でございますけれども、今回の調査の期間でございますけれども、二十一年の一月七日水曜日から九日の金曜日でございます。

○たぞえ委員 調査はわずか三日間です。調査対象数も、東京の千二百万人口に対して、回答を寄せたのはわずか千名、〇・〇一%の都民の声しかとってないんです。
 立候補ファイルという世界に計画を発信する極めて重要な責任ある世論調査としては、期間も人数も極端に少ないんじゃないでしょうか。しかも、統計的にも十分な標本を用いたという答えでありますが、その提携モニターの範囲にしかすぎません。
 最近、生活文化スポーツ局が去年十二月に発表した都民生活に関する世論調査があります。都内に住む満二十以上の男女青年たちで、八月に十七日間かけて、調査員による戸別訪問面接聴取法というのを用いて、三千標本から調査結果を得ました。
 調査は、初めに、アンケート協力依頼のはがきを送って、アポなしで留守宅にも行くんです。留守だったらフリーダイヤルで電話下さいと、このように在宅日を聞いて、あくまでも徹底した戸別訪問面接で行っている。
 皆さんもご記憶がある世界都市博覧会開催中止をめぐる際の調査方式でも、直接面接方式をとって、正確にあの当時でも都民の意思をつかんでいるんです。
 今回のヤフーによる対象者の通知と回答者はリサーチサイトに登録している人だけなんです。
 現に、生活文化スポーツ局が行った世論調査で、あなたはインターネットを利用していますかという問いがその調査の中にあるんですけれども、利用してないという人が三七%なんです。四割近くはインターネットを使っていない、これが都民の実態なんです。
 今回の調査では、インターネットを利用してない都民を初めから対象から外している、そういうことになるんじゃありませんか。
 聞きます。調査対象者は全年齢ですか、どうですか。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 今回の調査の対象でございますけれども、下は十五歳以上、上は七十歳以下というものでございます。

○たぞえ委員 マスコミ発表は六十九までですよ。七十歳以上の都民は初めからインターネットでも調査対象から外している。東京の高齢者人口というのは二百七十万ですよ。初めから七十歳以上は世論調査の対象にしない、そういう調査じゃありませんか。
 立候補ファイル、ご苦労されてつくったようでありますが、読んでみますと、世代を超えて人々が結びつき、互いに支え合う社会、これがレガシー計画だと銘打っている。
 「十年後の東京」でも、世界に先駆けて超高齢社会の都市モデルを創造すると。スローガンはにぎやかですが、オリンピックとなると、高齢者は初めから取り除く、こういうやり方は、到底都民に対する公平性が保たれているといえないじゃありませんか。
 項目についても伺いますが、世論調査での調査項目は幾つあったんですか。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 項目数で申しますと、八項目でございます。

○たぞえ委員 立候補ファイルに記載した項目は幾つですか。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 二項目でございます。

○たぞえ委員 ファイルを見ますと、開催を希望しますか、大会が実現したとき観戦したい競技は何ですか、この二項目だけです、IOCに報告したのは。今、調査したのは八項目といいましたね。世論調査結果は、都民にはそれだけの質問をしておきながら、ファイルにはたったの二項目。しかも支持率以外の数値は何にも回答がない、この申請ファイル。あなたが直接観戦したい競技は何ですかと質問は書いてあるが、何を観戦したいか、答えが書いてないですよ。
 都議会とマスコミ発表には四つだといいながら、実際にIOCには二つしか報告しない。IOCが書いています。世論調査が実施された場合は詳細を提出してくださいと要求しているじゃありませんか。IOCに隠して出せない理由があるんですか。はっきりいってください。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 まず、世論調査の結果でございますけれども、IOCからは具体的な調査の手法等は指示されておりません。シカゴ等は全国調査の結果が出ていない、こういうことでございます。
 今回お示ししましたIOC立候補ファイルには、二つの質問に答えましたけれども、外部への公表につきましては、四つの項目につきまして大きく公表してございます。その他の項目につきましては、例えば招致大使としてふさわしい人を教えてくださいとか、こういった内容につきましては、今後の招致戦略上ございますので、調査結果につきましては、公表を控えているところでございます。

○中村東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 世論調査の立候補ファイルへの記載ですが、IOCからは詳細について本部の方に提出を求められておりますが、こちらの立候補ファイルの掲載につきましては、各都市の判断に任せるということになっております。
 したがいまして、他の都市におきましても、同じような判断のもとに記載されております。

○たぞえ委員 設問の中で、招致計画のコンセプトの中で重要と思われるものはという問いがありますが、この中で、地球を結び、平和のとうとさを訴える大会、これが断トツです。開催に当たって重要なことについては何ですかという問いに、子どもたちが健全に育つ環境の整備、これも断トツなんです。大変大事な意見だと思うんですよ。
 こういう大事な都民の声を招致の戦略上公表しない。これでは回答を示した国民を愚弄するんじゃないですか。皆さん、このファイルの一ページ、その答えを書くように紙面をとってあるんですよ。詳細に記載をしなさいといっているのに、なぜ設問の中身を書かない。(並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長「委員長、企画部長」と呼ぶ)質問中でしょう。何いっているんですか。
 質問しますよ。IOCには削って、悪いことは質問しないんですか。IOCが全貌を出しなさいといっているのに、こちらの戦略上の都合だといって出さない。これは余りにもIOCに対して不誠実ですよ。ちゃんと都民や国民に世論調査をやったんですから、全部公表するのが行政としての責任じゃないですか。どうですか。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 世論調査の結果でございますけれども、まず、戦略上公表できない以外の部分、例えば今委員ご指摘のコンセプトの中で重要だと思われるもの、それから、大会に当たって重要だと思われるのはどれですか、子どもたちの健全に育つ環境整備、こういったものはことしの二十一年一月十五日の東京オリンピック・パラリンピック招致委員会からの記者発表で発表してございます。
 発表してございませんのは、先ほどいいました、招致戦略上、今後公表を差し控えるものでございますので、今委員のご質問の大会開催に当たって重要だと思われるもの、一、子どもたちが健全に育つ環境の整備、六二・八%。この内容についてはプレス等してございます。

○たぞえ委員 公表したから私だって知っているんですよ。何でそういうことを、都民に発表して、都議会にも報告しているのにIOCにいわないんですか。世界に発信したファイルとしては到底これ、私、信用できないと思います。
 もう一つ聞きますけれども、インターネットで答えた方々、回答者に謝礼はあるんですか。

○並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長 今回の調査では、回答に協力していただきますと、インターネット上の買い物等で使用できますポイントサービス、これ、ヤフーポイントと申しまして、五十ポイント、約五十円相当でございますが、支給されるシステムとなってございます。
 また、都の生活文化スポーツ局が実施します都民生活に関する世論調査では、約百円程度のボールペンを差し上げている、したがいまして、ごく普通だと考えてございます。

○中村東京オリンピック・パラリンピック招致本部招致推進部長 先ほどの世論調査の件について、少し補足させていただきます。
 立候補ファイルに各都市それぞれの判断で記載しております。シカゴ、リオ、それぞれその都市の招致戦略上の判断に基づいて立候補ファイルに記載しております。
 したがいまして、我々も各都市に負けるわけにいきません。絶対招致をかち取りたいという意向でそのような戦略をとっているわけでございます。

○たぞえ委員 世論調査について一言申し上げておきますが、ことし二月二十一日から行われたFNN世論調査、産経新聞とフジニュースネットワークがオリンピック調査を行いました。
 東京オリンピックの開催について、あなたは賛成ですか、反対ですか。賛成五八・三%、反対三〇・九%、わからない、どちらともいえない一〇・八%。こういう結果も出ています。
 ですから、何を私、招致本部に申し上げたかったかというと、インターネットという特別の方法では、この立候補ファイルという最後のIOCに出す、要するに計画書ですよ、それで足りるのかということですよ。なぜもっと他都市のように時間をかけて、都民のさまざまな年齢層からそれを酌み出さなかったのか。こういう問題が今回残ったんじゃないでしょうか。
 もう一つ質問をいたします。ムーブメントです。
 先ほど質問もありましたが、ムーブメント事業費確定分一覧表によりますと、七月二十六日に開催した日の出町の二〇〇八・日の出ふるさと触れ合い祭り、五輪音頭を音楽テープで流して、やぐらの上で踊って、オリンピックを模した花火を打ち上げる。十月四日、五日の墨田の子ども祭りでは落語の公演、一月二十五日の檜原村スポーツイベントでは、一六年オリンピックに競技種目にない野球で選手を招いて野球教室や練習試合、トークショー。私の地元の世田谷でも、八月、多摩川の花火大会が行われました。この写真がそのときのナイアガラの滝だそうであります。五色の花火が打ち上がっております。
 昨年まではこうした各市町村のイベントは、それぞれの住民が企画して自分たちでやってきた。ところが、今年度に入りますと、特定の招致という目的を盛り込んだ招致活動費の支出が膨れ上がるので、区市町村の事業費にそれが入っています。
 これまで区市町村で開催したイベントの、開いた回数と委託金の総額は幾らですか。

○重田東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 三月四日の時点で、これは委託費の額が確定したということでございますが、五十六事業、額としては一億八千万円ほどでございます。

○たぞえ委員 私は、自治体が行う花火大会や盆踊りは結構なことだと思うんですよ。しかし、知事が、オリンピックはもうかるんだ、こういう発言をされて、専門家からも、オリンピックは巨大なビジネスだ、このように指摘していますように、招致という特定の目的を使った活動を委託金支出要綱までつくって市町村に手を挙げさせる。委託金の支出要綱を読んでみますと、市町村が申請すればほとんど都と委託契約を結ぶ、そういう内容になっています。
 上限の満額一千万円を交付したのは多摩市と江戸川区の二つのイベントで、そのほかのところでも、五百八十万、七百万、八百四十万円、ざらです。この委託費は財政調整でもなければ、市町村交付金でもありません。
 自治体の財政のポケットに入ってくるものじゃありません。イベントにオリンピックを盛り込めば、必要な額が何の抑制も働かなくても都からお金が流れ込んでくる。こういうものです。だから、オリンピックアピールしか使えない、こういうお金なんです。
 だから、都民から、もっとほかにも使う必要があるんじゃないか、こういう声が指摘されますが、オリンピックだけの制約金だということです。
 ことし十月二日選考されますが、その選考が行われる直前の九月の末までに、ことしは一年間やっていますけれども、二十一年度は半年間なんです。どういう根拠で今年度と同じような規模の財政を組んだんですか。

○重田東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 オリンピズムの普及、推進ということにつきましては、オリンピックの開催の有無にかかわらず、非常に意義の深いことでございますので、二十一年度につきましても、二十年度と同額の予算を計上しております。

○たぞえ委員 今年度は十二カ月、来年度は六カ月です。ですから、来年度予算案でいえば、一カ月一億円使っていくという計算なんです。仮に予算どおり使わなければ、国際競技大会支援の予算を申請ファイル作成費用に流用したように、余ったら何でもほかに使えるということに絶対なってはならないと思います。
 急激な景気の低迷と財政の悪化で、多摩の各自治体だけをとっても、今大ピンチです。大手自動車会社の工場などが集積する羽村市では、市税収入が六%、法人市民税が四五%の減、大変危機感を募らせています。
 だから、市長会から、都の予算編成に対して、介護保険の利用料減免とかコミュニティバスへの財政支援、住宅用火災警報器を設置してほしい、消防力の充実、おくれている信号機の増設、そういう要望が市長会から東京都に出ているんです。
 オリンピックということで、単純なイベントだけにお金をつぎ込むんじゃなくて、さまざまなものにその支援を強めてもらいたい、市町村はこういっています。
 打ち上げ花火も五輪、踊りも五輪、何でもかんでも五輪、五輪以外に使えない、こういうことじゃなくて、区市町村の自治権を尊重して、自主的に都民の税金を使えるように都民の活動を支援することこそ最大の仕事だと思いますが、伺います。

○重田東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事 オリンピックムーブメント共同推進事業でございますが、オリンピズムの普及啓発を通じまして、スポーツ、文化の振興、国際交流の推進、青少年の健全育成、環境問題など、さまざまな価値を地域にもたらすことを目的としてございます。
 区町村から出されました計画、予算の範囲内で効果的、効率的に事業を実施していきたいというふうに思っております。

○たぞえ委員 世論調査とムーブメントを聞きましたけれども、お金の使い方というのは想像を絶するような方法ですよ。
 先ほど申し上げた世田谷で行われた花火大会、一晩--一晩といったって、一日じゅうやっているわけじゃないですよ、夜中。この一瞬、三百五十九万円、こういう使い方ではなくて、もっと区民の暮らしを支える方向に(発言する者あり)私は花火大会は賛成ですよ。しかし、オリンピックにしか使えないという財政支援じゃなくて、もっと地元の区市町村を支えるようなそういう立場が必要だということを申し上げた次第です。
 終わります。

○大西(由)委員 用意した質問はほとんど終わっていますので、改めて質問することはないなと思いながらおります。
 このきょうの議論を聞いても、今何でこの時期に東京でという思いがいたしますということだけを意見としていっておきます。

○吉野副委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉野副委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○吉野副委員長 次に、本委員会に付託されております調査事件についてお諮りいたします。
 本件は、本定例会中に調査を終了することができませんので、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思います。
 これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉野副委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
 午後三時六分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る