オリンピック・パラリンピック招致特別委員会速記録第十七号

平成二十五年六月三日(月曜日)
第四委員会室
 午後三時開議
 出席委員 十七名
委員長いのつめまさみ君
副委員長淺野 克彦君
副委員長藤井  一君
副委員長吉野 利明君
理事高橋かずみ君
理事野上 純子君
理事くまき美奈子君
山内れい子君
佐藤 由美君
伊藤こういち君
鈴木 隆道君
高橋 信博君
林田  武君
山口  拓君
吉田 信夫君
小沢 昌也君
川井しげお君

 欠席委員 なし

 出席説明員
スポーツ振興局局長細井  優君
次長理事兼務岸本 良一君
理事雜賀  真君
総務部長中山 正雄君
スポーツ施設担当部長三浦  隆君
スポーツ祭東京推進部長川合  純君
大会運営担当部長松村  博君
招致推進部長松永 竜太君
連絡調整担当部長早崎 道晴君
広報戦略担当部長山中 康正君
競技計画担当部長延與  桂君
施設計画担当部長福田  至君

本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行う。
委員会調査報告(中間報告書)について
閉会中の継続調査について

○いのつめ委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック招致特別委員会を開会いたします。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 板垣スポーツ事業部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、委員会調査報告について及び閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 初めに、委員会調査報告について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布のとおり、委員会中間報告書(案)として取りまとめられました。
 朗読は省略します。

委員会中間報告書(案)は本号末尾に掲載〕

○いのつめ委員長 お諮りいたします。
 本件は、お手元配布の案のとおり、中間報告することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○いのつめ委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 次に、委員会調査に関する委員長の口頭による中間報告について申し上げます。
 本件は、理事会において協議の結果、第二回定例会におきまして、委員長による口頭報告を行うことを申し合わせました。ご了承願います。
 なお、委員長の口頭報告の内容につきましては、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○いのつめ委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○いのつめ委員長 次に、本委員会に付託されております調査事件についてお諮りいたします。
 本件は、本定例会中に調査を終了することができませんので、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○いのつめ委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○いのつめ委員長 この際、スポーツ振興局長から発言の申し出がありますので、これを許します。

○細井スポーツ振興局長 お許しをいただきまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 当委員会が設置されましてからこれまでの間、オリンピック・パラリンピック招致に関するさまざまな事項にわたりまして調査、ご審議いただきました。また、数々の貴重なご意見を賜り、まことにありがとうございます。
 この三月には東京招致への支持率が七七%に達するなど、招致活動の支援の輪は全国に広がっております。これもひとえに皆様方のご尽力のたまものと深く感謝をしております。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催都市決定まで、残すところ三カ月余りとなりました。職員一同、必ずや招致をかち取る決意で引き続き全力で招致活動に取り組んでまいります。
 今後とも、いのつめ委員長を初め委員の先生方には、よろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、簡単ではございますが、御礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○いのつめ委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ごあいさつを申し上げます。
 平成二十三年十二月十五日に当特別委員会が設置され、平成二十四年八月二十八日から九月一日までロンドン・パラリンピックの視察等、皆様には熱心に調査活動にご参画いただきました。
 私が委員長を昨年十一月に仰せつかりましてから、副委員長、理事、委員の皆様のご協力をいただき、委員会を進めることができましたことに深く感謝申し上げます。
 二〇一六年よりも低い招致予算で、課題でありました七七%の支持率を得ることができました。三月の評価委員会視察も無事計画どおり行われ、高い評価を受けたと報告を受けました。
 日本を元気に、被災地に希望を、子どもたちにスポーツの感動と夢を、九月七日のIOC総会まで油断することなく、適正な支出のもと、実現に取り組んでいただきたいと思います。
 また、九%の反対の声は都政に対するご不満の声かもしれません。招致実現の暁には、心一つに開催できるように、都民ニーズにこたえる都政であってほしいと願います。
 委員の皆様には、今期最後のオリンピック・パラリンピック特別委員会ですが、再度この委員会にご参加されますようお祈り申し上げ、私のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
 午後三時六分散会

オリンピック・パラリンピック招致特別委員会中間報告書(案)

 本委員会は、平成23年12月15日に設置され、2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行ってきたところですが、これまでの経過について別紙のとおり中間報告いたします。
平成25年6月3日
オリンピック・パラリンピック招致特別委員長
いのつめまさみ
東京都議会議長
中村 明彦 殿

1 本委員会の設置
(1)設置の経過
 本委員会は、東京都議会として、2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行うことを目的として、平成23年12月15日の平成23年第四回定例会本会議において、小林 健二君外112名の動議により、下記の要綱のとおり設置された。


オリンピック・パラリンピック招致特別委員会設置要綱
1 名称  オリンピック・パラリンピック招致特別委員会とする。
2 設置の根拠 地方自治法第110条及び東京都議会委員会条例第4条による。
3 目的  2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行う。
4 委員会の組織 委員の定数は、17名とし、委員長1名、副委員長3名、理事3名を置く。

(2)委員及び役員
ア 議長は、平成23年12月15日の本会議に諮り、次のとおり委員を指名した。
山内れい子君 西沢けいた君
伊藤 興一君 小山くにひこ君
淺野 克彦君 中村ひろし君
高橋 信博君 高橋かずみ君
野上 純子君 山口  拓君
たぞえ民夫君 藤井  一君
鈴木 隆道君 大西さとる君
小沢 昌也君 川井しげお君
吉野 利明君
イ 平成23年12月15日の委員会において、次のとおり委員長、副委員長及び理事が互選された。
委員長  山口  拓君
副委員長 藤井  一君
副委員長 小沢 昌也君
副委員長 吉野 利明君
理事  高橋かずみ君
理事  野上 純子君
理事  大西さとる君
ウ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成24年6月5日の平成24年第二回定例会本会議で報告し、承認を受けた。
平成24年4月4日付け

○辞任  西沢けいた君
     小山くにひこ君

○選任  新井ともはる君
     佐藤 由美君
エ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成24年9月19日の平成24年第三回定例会本会議で報告し、承認を受けた。
平成24年9月12日付け

○辞任  中村ひろし君

○選任  柳ヶ瀬裕文君
オ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成24年10月31日の平成24年第一回臨時会本会議で報告し、承認を受けた。
平成24年10月26日付け

○辞任  新井ともはる君
     大西さとる君

○選任  くまき美奈子君
     いのつめまさみ君
カ 平成24年11月9日の委員会において、山口拓委員長と小沢昌也副委員長の辞任が許可され、欠員となった委員長及び副委員長1名並びに欠員となっていた理事1名が次の通り互選された。
委員長  いのつめまさみ君
副委員長 淺野 克彦君
理事  くまき美奈子君
キ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成25年2月20日の平成25年第一回定例会本会議で報告し、承認を受けた。

○辞任  たぞえ民夫君
     柳ヶ瀬裕文君
○選任  林田  武君
     吉田 信夫君

2 調査研究及び必要な活動の状況
 本委員会は、17回の委員会及び12回の理事会を開催並びに1回の視察を実施し、次のとおり調査研究及び必要な活動を行った。

年月日 委員会の調査事項 理事会の調査事項
平成23年
12月15日(木曜日)
1 委員長、副委員長及び理事の互選
平成24年
2月6日(月曜日)
報告事項(説明・質疑)
オリンピック・パラリンピック招致活動について
1 運営要領について
2 本日の委員会運営について
3 今後の委員会日程について
4 その他
2月23日(木曜日) 報告事項(説明)
申請ファイルについて
1 本日の委員会運営について
2 その他
3月8日(木曜日) 1 報告事項(質疑)
申請ファイルについて
2 閉会中の継続調査について
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 今後の委員会日程について
4 その他
5月29日(火曜日) 報告事項(説明)
IOC理事会における正式立候補都市の承認について
1 本日の委員会運営について
2 その他
6月7日(木曜日) 1 報告事項(質疑)
IOC理事会における正式立候補都市の承認について
2 閉会中の継続調査について
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 今後の委員会日程について
4 その他
8月28日(火曜日)
から9月1日(土曜日)
視察 英国ロンドン市
(1)オリンピック・パラリンピック競技大会に係る実地調査
(2)ロンドンパラリンピックの開催状況に係る調査
9月12日(水曜日) 報告事項(説明)
ロンドンオリンピック・パラリンピックにおける招致活動について
1 本日の委員会運営について
2 会期中の委員会日程について
3 その他
9月26日(水曜日) 閉会中の継続調査について
11月9日(金曜日) 1 委員長、副委員長及び理事の互選
11月16日(金曜日) 報告事項(質疑)
ロンドンオリンピック・パラリンピックにおける招致活動について
1 本日の委員会運営について
2 その他
12月3日(月曜日) 閉会中の継続調査について
平成25年
1月30日(水曜日)
報告事項(説明)
(1)立候補ファイルについて
(2)IOC評価委員会について
1 本日の委員会運営について
2 その他
2月8日(金曜日) 報告事項(質疑)
(1)立候補ファイルについて
(2)IOC評価委員会について
1 本日の委員会運営について
2 その他
3月8日(金曜日) 閉会中の継続調査について
4月10日(水曜日) 報告事項(説明)
IOC評価委員会訪問の実施状況について
1 本日の委員会運営について
2 その他
4月17日(水曜日) 報告事項(質疑)
IOC評価委員会訪問の実施状況について
1 本日の委員会運営について
2 その他
6月3日(月曜日) 1 委員会調査報告(中間報告書)について
2 閉会中の継続調査について
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 その他

3 調査・検討の概要
 本委員会は、平成23年12月15日に設置された後、1年6か月にわたり、精力的に調査研究及び必要な活動を行った。
 委員会では、継続的にオリンピック・パラリンピック招致のスケジュールを確認するとともに、招致活動の現状について報告を聴取し、質疑を行った。この間、開催基本計画の策定、申請ファイルの提出、正式立候補都市の承認、立候補ファイルの提出、IOC評価委員会の訪問など様々な招致活動が行われている。
 また、4年に一度という限られたオリンピック・パラリンピック開催の機会をとらえ、ロンドンパラリンピックの開催状況等の視察を実施した。
 本委員会における調査研究及び必要な活動の具体的状況は、次のとおりである。
(1)オリンピック・パラリンピック招致活動
 オリンピック・パラリンピック招致活動については、開催都市決定までのスケジュール、他の申請都市の状況、開催都市決定の仕組み、招致体制、世論調査、これまでの招致決議の状況について説明があった。
 具体的な質疑では、今回の招致活動の特徴、招致活動の見通し、世論調査の手法や結果の具体的内容、2020年大会の経済効果に関する見込みなどの確認が行われた。
 国内での招致活動については、全国の道府県での気運醸成策、支持率の更なる向上策、インターネットを活用しての世論喚起の方策、具体的なPR活動、招致決議の状況などの質疑が行われた。国際的な招致活動については、国際的プロモーション活動の重要性や人材確保策、地震に対する不安を払拭するための取組などについて質疑が行われた。
 また、2016年大会招致の負債返済方法、招致活動に関する経費、マーケティング専任代理店契約、復興専門委員会の検討状況などについても質疑が行われた。
(2)申請ファイルについて
 申請ファイルについては、平成24年2月13日にIOCに提出されたことが報告され、次に、大会ビジョン、会場配置コンセプト及びレガシー、競技及び会場、環境及び気象など11章からなる内容について説明があった。また、2020年大会開催に伴う復興支援策を検討するために設置された復興専門委員会の中間報告についても説明があった。
 具体的な質疑では、東京開催の意義、大会レガシーの継承、競技会場の整備、医療体制、招致予算の概要、大会期間中の交通混雑解消策、テロ対策、他都市の申請ファイルの特徴などについて議論が行われた。
 復興専門委員会の中間報告に関しては、大会準備期間における事業や招致段階での取組などについて質疑が行われた。
 また、ロンドンオリンピックにおける国際プロモーション活動や東京の安全性をアピールする取組についても質疑が行われた。
(3)IOC理事会における正式立候補都市の承認
 現地時間平成24年5月23日に、カナダ・ケベックで開かれたIOC理事会において、立候補を申請した5都市の中から、東京、イスタンブール、マドリードの3都市が立候補都市として選定された。発表された評価結果では、東京が、14項目のうちメディアセンター(IBC、MPC)、宿泊施設、輸送、医療及びドーピングコントロールなど7項目で最高評点を獲得し、総合評価で非常に強力との評価を得たことが報告された。
 具体的な質疑では、IOCによる評価の具体的な内容、IOCによる世論調査結果などの確認が行われた。
 また、災害対策、受動喫煙対策、今後の広報戦略、障害者にも配慮した施設整備、オリンピックスタジアムの整備規模や経費、ロンドンオリンピック開催時に設置されるジャパンハウス、オフィシャルパートナーなどについても議論が行われた。
(4)視察(英国ロンドン市)
 平成24年8月28日から9月1日までの間、オリンピック・パラリンピック競技大会に関する実地調査及びロンドンパラリンピックの開催状況に係る調査を実施するため、英国のロンドン市を視察した。
 視察では、ロンドンパラリンピック開会式・個別競技の開催に係る運営や施設の状況調査、JSC(日本スポーツ振興センター)のロンドン事務所長からの説明聴取と意見交換、JPC(日本パラリンピック委員会)及び都で設置したジャパンハウスでの日本代表経験者との意見交換や在英国日本国大使館への訪問などを行った。
(5)ロンドンオリンピック・パラリンピックにおける招致活動について
 ロンドンオリンピック・パラリンピック開催期間中の招致活動については、ジャパンハウスでの招致活動、国際レセプションの開催、IF(国際競技連盟)との調整、IOC及びロンドン大会組織委員会が主催するオブザーバープログラムへの参加、オリンピックパークを中心とした各種競技会場や会場周辺の輸送状況の視察、IOCホテルなど宿泊施設等の視察などについて報告があった。
 ロンドン大会での成果と課題、ロンドンでの招致経費、立候補ファイル提出に向けての取組、カヌー施設の建設や国立競技場の改築、大会終了後の施設利用などについて質疑が行われた。
(6)立候補ファイル及びIOC評価委員会について
 立候補ファイルについては、平成25年1月7日にIOCに提出されたことが報告され、次に、大会の全体的なコンセプト、政治及び市民の支援、環境、財政など14のテーマからなる内容について説明があった。
 IOC評価委員会については、東京訪問の日程、評価委員会委員、評価委員会対応の方針などについて説明があった。また、9月7日のIOC総会までの国際招致活動の流れについても説明があった。
 具体的な質疑では、立候補ファイルについては、東京の強み、都民の支持率、選手村の整備内容、宿泊施設、輸送インフラの整備、施設整備に当たっての液状化対策、開催準備基金の使途、大会開催時の市民生活への影響を抑えるための取組などについて議論が行われた。
 IOC評価委員会については、東京訪問時の具体的な対応やアピールポイントなどについて質疑が行われた。
(7)IOC評価委員会の東京訪問
 平成25年3月4日から7日まで行われたIOC評価委員会の東京訪問については、概要や成果などの報告があった。

4 今後の予定
 平成25年の今後の主な予定としては、6月14日から16日まで国内オリンピック委員会連合総会がスイスのローザンヌで開催される。その後、IOC評価委員会の報告書が公表される予定であり、7月3日、4日にスイスのローザンヌで開催されるIOCテクニカルブリーフィングで、立候補ファイルに関するプレゼンテーションなどが行われる。
 そして、9月7日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されるIOC総会で、2020年オリンピックの開催都市が決定する。

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