オリンピック・パラリンピック招致特別委員会速記録第三号

平成二十四年二月二十三日(木曜日)
第四委員会室
 午後一時開議
 出席委員 十七名
委員長山口  拓君
副委員長藤井  一君
副委員長小沢 昌也君
副委員長吉野 利明君
理事高橋かずみ君
理事野上 純子君
理事大西さとる君
山内れい子君
西沢けいた君
伊藤 興一君
小山くにひこ君
淺野 克彦君
中村ひろし君
高橋 信博君
たぞえ民夫君
鈴木 隆道君
川井しげお君

 欠席委員 なし

 出席説明員
スポーツ振興局局長細井  優君
理事産形  稔君
総務部長安藤 英二君
スポーツ事業部長板垣 一典君
スポーツ祭東京推進部長川合  純君
大会運営担当部長早崎 道晴君
招致推進部長松永 竜太君
施設計画担当部長佐野 克彦君

本日の会議に付した事件
 二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行う。
報告事項(説明)
・申請ファイルについて

○山口委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック招致特別委員会を開会いたします。
 これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の説明聴取を行います。
 なお、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○松永スポーツ振興局招致推進部長 招致委員会及び都は、この二月十三日、IOCに申請ファイル英語、フランス語版を提出いたしました。本日は、お手元に参考資料として日本語版をお配りしております。
 それでは、申請ファイルの概要をまとめました資料第1号、申請ファイルの内容についてご説明いたします。
 申請ファイルは、全十一章から構成されており、IOCからの質問項目に答える形で作成したものです。
 まず、第1章、大会ビジョン等でございます。大会開催日程は、オリンピックが七月二十四日から八月九日、パラリンピックは八月二十五日から九月六日でございます。
 開催動機につきましては、オリンピック・パラリンピック開催は、一九六四年大会以来の長年にわたる夢であること、また、東日本大震災からの復興を目指す日本にとって明確な目標となり、全世界の人々への感謝を示す場ともなることを挙げております。さらに、スポーツの力が困難に直面した人々を励まし、勇気づけることを世界に示すと、スポーツの力を強調するものとしております。
 大会ビジョンは、どんな大会を目指すかということでございますが、千三百万人もの人口を擁する都市の中心で開催し、スポーツ、文化、祭典が統合され、訪れたすべての方々が、東京、そして日本のおもてなし、友情、楽しさ、美しさを堪能できる大会を目指しております。
 次に、レガシーでございますが、一九六四年東京大会のレガシーであるスポーツ施設の改修、改築や新規施設の整備を行うことで、東京のスポーツ環境が大きく改善いたします。また、都市の緑化及び都市環境の改善は、今大会の主要なレガシーとなります。さらに、パラリンピック大会の開催により、障害者の社会参加が大きく進むとともに、スポーツ施設や公共交通を中心にバリアフリー化が加速いたします。
 次に、オリンピックムーブメントへの貢献でございます。二〇〇八年北京大会に続き、二〇一八年平昌冬季大会と二〇二〇年東京大会が短い期間に開催されれば、アジアのオリンピックムーブメントの発展を加速させる機会となります。
 次に、会場配置コンセプトでございますが、東京の現存するオリンピック遺産を象徴するヘリテッジゾーンと発展する東京の姿を象徴する東京ベイゾーンの二つのゾーンの中心に選手村を配置いたします。また、国立霞ヶ丘競技場、国立代々木競技場など、一九六四年東京大会の会場を使用することで、オリンピックレガシーのすばらしさを証明する会場計画としております。
 次に、第2章、競技及び会場でございますが、前回同様、アスリートを第一に考えたコンパクトな会場配置としており、選手村を中心とした半径八キロ圏内に、オリンピックスタジアムなど二十八競技会場と、IBC(国際放送センター)、また、MPC(メーンプレスセンター)を配置いたしました。
 なお、オリンピックスタジアムは、国が建てかえを検討している国立霞ヶ丘競技場を活用することとし、選手村は会場配置の中心である晴海地区に置くこととしております。
 また、多摩地域では、現在整備中の武蔵野の森総合スポーツ施設を活用、さらに、被災地支援の観点から宮城スタジアムをサッカー予選会場として使用することとしております。
 続きまして、第3章、環境及び気象でございます。東京のすぐれた環境技術は、前回の招致活動でもアピール材料の一つでございましたが、今回も、過去四年間で都内に新たに四百六十三ヘクタールの緑を創出した実績に加え、大会の環境対策が東京都の「二〇二〇年の東京」計画に合致していることを記載しております。
 次に、第4章、宿泊施設でございます。選手村から半径十キロ以内に八万六千室以上、半径五十キロ以内に十四万室以上と、前回同様、質、量ともに充実したホテルインフラをアピールする内容となっております。
 続きまして、第5章、輸送でございますが、都は既に広範囲な鉄道、高速道路ネットワークなど充実した輸送インフラを有しており、これらを活用し、市民生活への影響を最小限にとどめつつ、円滑で確実な大会輸送を実現してまいります。
 次に、第6章、医療サービス等でございますが、東京には、医療機関や医療スタッフ等、すべての面において世界最高水準の医療提供体制が整っております。
 また、ドーピングについては、スポーツ基本法に基づき、国がドーピング防止活動を推進しております。
 続きまして、第7章、セキュリティーでございます。日本の治安は世界のトップレベルにございます。さらに、すべての競技会場は、世界的に見ても厳しい日本の耐震基準に適合しております。
 次に、第8章、情報通信技術等でございます。東京におけるワイヤレスブロードバンドサービスは、多くの競技会場が立地する東京中心部をほぼ一〇〇%カバーしております。
 続きまして、第9章、法的側面等でございますが、招致委員会の組織と構成という質問項目がございます。招致委員会に、国、経済界、スポーツ界等の代表者から成る評議会を設け、国を挙げた招致体制となっていることをアピールしております。
 次に、第10章、政府及び市民の支援についてでございます。招致にかかわる閣議了解、そして政府保証書をいただき、提出しております。さらに、今回、スポーツ基本法の成立を背景に、早々と衆参両院での国会決議がなされております。
 また、現段階で、六五・七%の国民の皆様に二〇二〇年東京大会開催へのご支持をいただいております。
 最後に、第11章、財政及びマーケティングでございます。都が東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金として四千八十八億円を準備していることなど、盤石な財政基盤をアピールしております。
 また、招致予算については、前回招致活動の経験やノウハウを最大限に活用し、前回の半分に当たる七十五億円に圧縮しております。
 申請ファイルの概要につきましては以上でございます。
 続きまして、お手元の資料第2号、復興専門委員会中間報告についてご説明いたします。
 都は、昨年末、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催に伴う復興支援策を検討するため、被災三県、日本体育協会、日本オリンピック委員会等の代表から構成する復興専門委員会を設置いたしました。その後、さまざまな議論を重ね、お手元の参考資料としてお配りしております中間報告を、先日の申請ファイルの公表と合わせて公表いたしたところでございます。
 中間報告の概要ですが、まず、基本的な考え方として、事業案の検討に際しては、第一に、被災者、特に若者を元気づけ、夢や希望を与える事業を検討すること、第二に、被災地の地域経済へどのように貢献できるか、そして第三に、全世界への感謝、返礼のため、どのような場の提供が可能かの観点から検討をいたしております。
 次に、具体的な事業案といたしましては、まず、時期を大会準備期間、大会開催時、そして大会終了後と三つに分けております。
 初めに、大会準備期間ですが、オリンピック予選、日本代表選考会などの被災地への誘致や、大会組織委員会が行う物資や資材の調達、工事などにジョイントベンチャーを活用するなど、被災企業へ優先的に発注する仕組みの検討などでございます。
 次に、大会開催時でございますが、被災地での聖火リレーの実施、宮城スタジアムでのサッカー予選の実施、また、被災地からのボランティアを受け入れ、感謝の心を伝達いたします。さらに、東北地方の祭りなど、元気な東北の姿を世界に発信するなどが考えられております。
 そして、大会終了後につきましては、オリンピック記念大会の設立、実施やアスリート養成事業の実施などでございます。
 なお、招致段階での取り組みについてでございますが、都は既にトップアスリートの被災地への訪問、国際スポーツ交流事業への被災県チームの招聘、二〇一三年東京冬季国体、スピードスケートの福島県郡山市での実施などに取り組んでおります。
 今後は、事業主体や団体間の連携策、財源確保、IOCの諸規定との整合などについて検討を進め、本年中に最終報告を行う予定です。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○山口委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○大西委員 過去の星取り表といいますか、勝った一回目のセレクションと、二回目、三回目と続いていくわけですけれども、当然、皆さんも、そのときの勝因、敗因というのを分析されていると思いますが、星取り表と勝因、敗因、その辺をまとめて、二十年、五回分ぐらいですか、お願いいたします。
 それとあわせて、開催国においての人口流入の動態、開催期間中にどれぐらい海外からの観客が来ているのかと、各国発表していると思いますけれども、それをまとめてお願いいたします。
 以上です。

○たぞえ委員 七点お願いいたします。
 一つ目は、申請ファイル作成に当たってのテーマ別発注業者名及び経費、入札の方法。
 二つ目に、申請ファイルの日本語版と英語、フランス語版で異なる表現の一覧。
 三つ目に、競技施設ごとの新設、仮設建築費の工事費予測。
 四つ目に、メーンスタジアムを国立競技場とした国と都の予算措置。
 五つ目に、申請ファイルで記された三環状道路など、「二〇二〇年の東京」の計画などにより整備、改修される輸送インフラと、今後必要と見込まれる事業費及び国と都のそれぞれの負担額。
 六つ目に、メーンスタジアム建設にかかわる周辺地区の再開発の検討状況。
 七つ目に、二〇一六年立候補時の競技施設と今回の競技施設の位置、経費の違いがわかるもの。
 以上です。

○山口委員長 ほかにございませんか。--ただいま大西理事、たぞえ委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山口委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
 午後一時十二分散会

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