委員長 | 山口 拓君 |
副委員長 | 藤井 一君 |
副委員長 | 小沢 昌也君 |
副委員長 | 吉野 利明君 |
理事 | 高橋かずみ君 |
理事 | 野上 純子君 |
理事 | 大西さとる君 |
山内れい子君 | |
西沢けいた君 | |
伊藤 興一君 | |
小山くにひこ君 | |
淺野 克彦君 | |
中村ひろし君 | |
高橋 信博君 | |
たぞえ民夫君 | |
鈴木 隆道君 | |
川井しげお君 |
欠席委員 なし
出席説明員スポーツ振興局 | 局長 | 細井 優君 |
理事 | 産形 稔君 | |
総務部長 | 安藤 英二君 | |
スポーツ事業部長 | 板垣 一典君 | |
スポーツ祭東京推進部長 | 川合 純君 | |
大会運営担当部長 | 早崎 道晴君 | |
招致推進部長 | 松永 竜太君 | |
施設計画担当部長 | 佐野 克彦君 |
本日の会議に付した事件
二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた調査研究及び必要な活動を行う。
報告事項(説明・質疑)
・オリンピック・パラリンピック招致活動について
○山口委員長 ただいまからオリンピック・パラリンピック招致特別委員会を開会いたします。
初めに、議席について申し上げます。
過日の委員会におきまして理事会にご一任いただきました議席につきましては、ただいまご着席のとおりとなりましたので、ご了承願います。
○山口委員長 次に、本委員会の運営について申し上げます。
本日の理事会において、お手元配布の運営要領に基づき運営していくことを申し合わせました。ご了承願います。
次に、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
これより第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の東京招致に向けた事項について調査を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
初めに、局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。
○細井スポーツ振興局長 スポーツ振興局長の細井優でございます。
当局では、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの日本招致に向けまして、計画の策定、招致活動等に取り組んでおります。
去る平成二十三年第三回都議会本会議におきましては、招致決議をいただきまして、ありがとうございました。招致決議につきましては、ほかにも国を初め都内自治体、地方六団体などから決議をいただき、各方面から心強い応援をいただいております。
招致活動におきましては、十一月二十八日に、国、スポーツ界、経済界などから成る東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック招致委員会評議会を立ち上げまして、オールジャパンで招致に取り組む体制を構築いたしました。
また、十二月二十六日には、被災三県の関係者を含む復興専門委員会を設置いたしまして、大会開催に伴う復興支援策を検討しております。
昨日、一昨日の土日に行われました東京ゲートブリッジ完成記念スポーツフェスタにおきましては、二万人以上の来場者に対しまして、オリンピック・パラリンピック招致につきまして周知、PRを行ったところであります。
今後も、東京マラソンなど、あらゆる機会を通じ、都民、国民への理解促進を進め、二〇一三年九月のIOC総会での開催都市選定に向け、職員全員、全力を挙げ、一丸となって取り組んでまいる所存でございます。
山口委員長を初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
後ほど、オリンピック・パラリンピック招致活動につきましては、招致推進部長よりご説明いたします。
それでは、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
まず、理事でスポーツ祭東京担当の産形稔でございます。総務部長の安藤英二でございます。スポーツ事業部長の板垣一典でございます。スポーツ祭東京推進部長の川合純でございます。大会運営担当部長の早崎道晴でございます。招致推進部長の松永竜太でございます。施設計画担当部長の佐野克彦でございます。なお、佐野はスポーツ施設担当部長を兼ねてございます。最後に、本委員会との連絡を担当いたします総務課長の池上晶子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○山口委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。
○山口委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 私からは、お手元の資料、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致活動についてご説明いたします。
初めに、1の開催都市決定までのスケジュールでございます。
昨年九月、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会に立候補いたしました都は、現在、申請ファイル作成の最終段階に入っており、二月十五日までに申請ファイルをIOCに提出することとしております。
現在、六都市が申請都市という位置づけにありますが、この各申請都市から提出される申請ファイルに基づき、五月二十三日にはIOC理事会にて、立候補都市として三から四都市が選定されます。
七月二十七日からはロンドン・オリンピックが開催されます。オリンピック期間中は、特別に国際プロモーションが可能となり、都といたしましても、ジャパンハウスにおいて積極的なプロモーション活動を展開する予定でございます。
その後、来年一月七日までに計画の詳細を記載した立候補ファイルをIOCに提出、これ以降、正式に国際プロモーションが可能となります。
二月から四月の間にIOC評価委員会の視察が予定され、さらに六月にはIOC委員へのテクニカルプレゼンテーションを行い、九月七日、アルゼンチン・ブエノスアイレスでのIOC総会にて開催都市が決定されることとなります。
続きまして、2の他の申請都市の状況でございます。
トルコのイスタンブールは五度目の挑戦であり、ローマは一九六〇年以来六十年ぶりの開催を目指しております。バクー及びドーハは、前回招致に引き続きでございますが、ドーハは酷暑を避けるため、IOCの定める開催期間である七月から八月をずらした時期に開催する計画を立てております。また、マドリードは三回連続での挑戦となっております。
続きまして、3の開催都市決定の仕組みでございます。
開催都市の決定は、二〇一三年九月七日にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催されるIOC総会において、IOC委員の投票によって決定されます。投票は、いずれかの立候補都市が過半数の票を獲得するまで行われます。参考に、二〇一六年招致の際の投票結果を記載してございます。なお、現在、IOC委員総数は百六名となっております。
次に、4の招致体制でございます。
招致体制につきましては、経費区分の明確化を図るとともに、効率的、効果的な招致活動を行うため、東京都、計画委員会、招致委員会がそれぞれの役割を果たしてまいります。
東京都は、主に各種調整やオリンピックムーブメントの推進等を行います。
任意団体である計画委員会は、オリンピック開催計画の策定及びIOCの公式行事に関する対応等を行います。
招致委員会につきましては、国際プロモーション活動及び国内外の広報等を行います。招致委員会は、オールジャパンでの招致活動を推進するため、国、経済界、スポーツ界などから成る評議会と、招致活動の意思決定機関としての理事会から構成されております。
なお、現在の任意団体としての招致委員会は、二〇一六年の招致委員会を引き継いだNPO法人国際スポーツ東京委員会の定款変更により、四月一日からNPO法人として発足する予定でございます。
続きまして、5の世論調査でございます。
先日、計画委員会で実施いたしました意識調査の結果でございますが、賛成、どちらかというと賛成を含めまして、全国で六五・七%というご支持をいただいております。これは、前回二〇一六年招致の際に、二〇〇九年二月にIOCが調査した五四・五%に比べて約一〇ポイント上回っております。今後とも、支持率向上に向け、積極的な広報活動を展開してまいります。
最後に、6のこれまでの招致決議の状況でございます。
都議会を初め衆参両議院、さらに多くの自治体、団体から招致決議をいただいております。まさにオールジャパンで戦う体制が整いつつあるところでございます。今後、二〇一三年九月七日、ブエノスアイレスで開催都市招致をかち取るまで、全力で招致活動を続けてまいります。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○山口委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○大西委員 皆さん、よろしくお願いいたします。
私は、前回の特別委員会の委員をさせていただきました。そのときにもお話をいたしましたが、一九九六年に行われましたアトランタのオリンピックに、私は当時、民間企業の一サラリーマンとして働いていて、その仕事をちょっと受注させていただいた経験で、アトランタに前後を含めまして二カ月ほど現地で過ごしておりました。緊急事態の対応要員という形で行ったわけですけれども、結局、緊急事態というのは全く起こりませんでした。
その間、何をしていたかというと、呼ばれたら三十分以内に来れるようにということで、全場所に、オリンピックの会場をふらふらしていたわけです。さらにオリンピックの会場に入れるパスをもらって、プレスの場所、要するに取材席、一番前のところに入れる権利もあったわけです。
全部の競技をずっと見てきたわけです。いわば、おいしい仕事をさせていただいたわけでございますが、そのときの経験でいいますと、その二カ月、初め行ったときは、アトランタのまちは浮浪者の方がたくさんおられて、夜歩くなぐらいいわれたんですけれども、それから徐々に用意ができていく。そして、そういう方々もだんだんいなくなり、治安もよくなっていく。そして、徐々に始まる。始まったら、物すごいたくさんの人がいろいろ動き、それをずっと見ていたわけです。最後には、知らない人同士が抱き合って喜ぶと。人種も言葉も知らないながら、よかった、よかった、すごかったねというような感動をして、それから最後の片づけまでずっと見ていたわけですけれども、空気の色が変わっていくというのは、僕が幾らここでお話ししても皆さんにわかってもらえないと思います。空気が変わっていって、ああすごいなという感動を、もしこの東京の、この日本の人たち、子どもたちが体験できることができれば、これほどすばらしいことはないというのが、私の経験上、ぜひともこのオリンピックを成功させたいなという心からの願いでございます。
それともう一点、私は民主党でただ一人なんですけれども、前回のオリンピック委員会、最初から最後まで在籍をさせていただくことができました。こういう二点をもちまして、ひとつ質問をさせていただきたいと思います。
自分としては、このオリンピックを何としても招致していきたいという気持ちなんですが、前回ずっといたという中から一言厳しいことをいわせていただきたいと思います。
それは、二〇一六年招致の際の特別委員会は、大会の東京招致に関する調査審議及び必要な活動を行う目的で設立されたものであります。しかし、振り返ってみると、途中から調査審議の色合いが若干強くなり過ぎたという気もしてなりません。
もちろん、それ自体は必要なことであります。しかし、みずからちょっと反省してみると、もっと違うアプローチも必要だったんじゃないかな。特に必要な活動という項目については、私は自分が十分に力を尽くせたかと考えると、正直なところ、消化不良の感がございます。全力を出し切って負けたのであれば納得もいくが、前回の委員会活動では、正直そうではありませんでした。
このたび、二〇二〇年大会招致に取り組むことになり、都議会として再びこの特別委員会を立ち上げさせていただき、私も委員に選ばれたことはすごくありがたいと思っておりますが、今回の本特別委員会は、調査研究及び必要な活動を行う目的で設置されております。
私は、先ほど申し上げました調査研究について十分時間をかけていくことも必要ですが、今回は必要な活動を行うというところに力点を置くことが、この委員会の本来の目的ではないかと考えます。
そこで、理事者側として、新たに編成されましたこの特別委員会のメンバーに対してどのような活動を期待しているのか、また、我々と一緒にどのように招致を推進しようとしているのか、まず伺わせていただきます。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の招致活動はオールジャパンの体制で臨むことが重要でございまして、そのためにも、まず車の両輪である都議会と都が一体となって招致を推進する必要があると考えております。
中でも、本委員会の委員の先生方には最大限の力を発揮していただきたいと思っておりまして、特に招致機運の醸成については格段のご支援をお願いしたいと思っております。
○大西委員 先ほど述べさせていただいたとおり、二〇二〇年の招致では、我々特別委員会としても、ともに活動していくべきだというのが私の考えです。今の答弁は非常にもっともなことだと思いますが、これは、この特別委員会でなくとも、都議会議員として日常の議員活動を通じても当然行っていくことであろうとは思います。
一方で、我々このメンバーに選ばれた都議会議員の中には、それぞれ異なるバックグラウンドがあります。先ほどの私のような経験をしている人もいます。特別委員会にも、国際的に強い日本の商社を初め、企業のルートを持っている方もたくさんおられます。さまざまな分野で専門知識や人脈を持つ、こういう方々、こうした個々の持つ力を招致活動として活用すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 オリンピック・パラリンピックの招致活動は、開催計画策定や国内外でのPR活動から個々のIOC委員に対する個別プロモーションといった分野にまで多岐にわたる総力戦でございます。そのため、招致活動においては、国内に限らず、幅広い人脈を持つ方々の協力を得ることが重要と考えております。
また、招致活動の重要なポイントにつきましては、委員の先生方に都民の代表としてのご意見を伺うことはもとより、さまざまな分野における専門家としてのお知恵もおかりしたいと考えております。
○大西委員 イメージが若干できてきたかなと思いますけれども、先ほどもオールジャパンといわれ、今回は総力戦という言葉も使われましたし、都民の代表としての意見を伺うとともに、専門家としての知識ももらいたいということでございましたが、この上は、この特別委員会でどうすれば今回勝てるのか、この国をどうしたら元気にして招致活動を成功に導けるのか。そのために、例えば、我々民主党を初め都議会各派はどう活動していけばよいのか。これは、ぜひみんなで建設的に考えていきたいと私は訴えたいと思います。
その上で、我々とともに招致活動を進めていく都としては、今回の招致活動の見通しをどういうふうに考えているのか伺わせていただきます。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の二〇二〇年大会の招致レースにおきましては、IOCに大きな影響力を持つアメリカや前回のリオデジャネイロ同様、初開催の大義を持つアフリカ大陸の都市が不在であること、東京は財政面で有利と考えられていること、また、招致の初期段階からオールジャパンの体制が整いつつあることなど、全体として東京にとって有利な条件が多くあると認識しております。
また、東京自身も前回の招致活動から多くを学び、計画、プロモーションの両面でより効果的な招致活動が行えるものと考えております。
今回は、オリンピック・パラリンピック招致をかち取る大きなチャンスであり、本特別委員会を初め都議会と手を携えて、必ずやこの招致レースを勝ち抜いていけるものと確信しております。
○大西委員 ありがとうございます。本当にそういうふうにこの国を元気にするために頑張っていきたいと。我々都議会としても、単なる応援にとどまらず、このオリンピック・パラリンピックの招致の一翼を担うという活動に取り組んでいきたいと思っております。
また、前回の失敗、この点もきちんと見ながら、そしてまた他国の失敗例、負けたところから新しい成功も出てくるわけですから、ここら辺も一緒になって考えたいという気持ちを表明させていただいて、頑張っていくということを表明させていただいて、私の質問を終わります。
○高橋(か)委員 私から、オリンピック・パラリンピック招致に係る世論調査についてお尋ねいたします。
オリンピック・パラリンピック競技大会は、次世代の子どもたちや障害を持ちながらスポーツに取り組む人たちの夢と希望をもたらすものであり、また、閉塞感漂う日本を再生する原動力ともなり得る世界最大級のスポーツイベントであります。
二〇二〇年大会の東京開催は、都議会はもとより、スポーツ界、経済界、そして何より国が中心となって、必ずやかち取らなければならないと思います。
スポーツが人々を元気づける力を持っていることは、なでしこジャパンの活躍が日本じゅうに感動を呼んだことからも明らかであります。
また、先月、オーストリアのインスブルックで開催された第一回ユースオリンピック冬季競技大会では、東日本大震災復興支援事業としてJOCが実施している「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環として、IOCのTSUBASAサポートプロジェクトの支援を受け、被災地の中学生十三名が視察団として派遣されたと仄聞しております。
中学生たちは、競技観戦や文化プログラムに参加し、他国から参加している同年代の人たちと交流し、自分たちと同年代の人たちがこんな大舞台に立ってうらやましい、次は自分も選手で出たいと今後の意気込みを熱く語ったそうであります。
このように、IOCを初めとしたスポーツ界のみならず、世界じゅうから被災地への温かい支援が行われており、支援していただいた世界じゅうの人々に復興した日本の姿を見ていただくことが何よりの恩返しになると確信しております。
さて、オリンピック・パラリンピックの招致活動は、もはや都市同士の戦いではなく、国家間の熾烈な競争となっています。日本国政府、JOCや国内競技連盟等のスポーツ界、経済界など、国家を挙げ総力戦でさまざまなネットワークを最大限活用し、外交力と政治力を駆使してIOC委員に働きかけていかなければならないと考えております。
一方、国内では、前回、他都市と比較して低調であった、都民、国民の招致機運をいかに戦略的、効率的に高めていくかが非常に重要なポイントになると思います。
先ほど招致推進部長から、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致に関する世論調査について、前回のIOC調査と比較して今回の支持率は一〇ポイント程度向上しているとの報告がありました。
また、先日、読売新聞が実施した世論調査でも、二〇二〇年東京大会開催への支持率が全国で七二%に達したと報道されておりました。
これらは、東京都、JOC、招致委員会のみならず、国を挙げて早期にオールジャパンの体制を整え、国会決議を初め日本全国から広範な支持をいただくなど、精力的に招致活動に取り組んでいる結果ではないかと考えております。
しかしながら、IOCが最も重要視しているのは、申請都市段階の支持率ではなく、各IOC委員が開催都市を選定する際に参考にするといわれているIOC評価レポートに記載されている立候補都市段階の支持率であるといわれております。
ことしはロンドンオリンピック・パラリンピックが開催されるオリンピックイヤーでありますが、今回得られた支持をさらに拡大していくことが肝要だと思います。そのためには、今回の世論調査で得られたデータを詳細に分析して、今後の広報戦略に活用していく必要があります。
そこで、まず最初に、世論調査の結果について、二〇二〇年東京大会開催の賛成理由や反対理由はどのような意見があったのかお伺いいたします。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 世論調査の賛成、反対の理由についてでございますが、賛成理由について十個程度の選択肢を示して聞いたところ、最も多かったのが、経済効果や景気回復が期待できるから、次に、日本に一体感が生まれるから、そして、子どもに夢を与えられるからなどでございました。
一方、反対理由について自由記入で聞いたところ、税金の使い方として適切ではないからや、震災復興などほかに優先させるべきことがあるからなどの意見がございました。
○高橋(か)委員 二〇二〇年東京大会開催の反対理由として、税金の使い方としては適切ではないとの意見がある一方、賛成理由の上位には、経済効果が期待できるという意見もあるとのことであります。
オリンピック・パラリンピックの開催は、新規競技会場建設等の設備投資や大会運営費、国内外からの大会関係者や観戦客による消費支出など、大きな経済効果が必ず生まれるものと思います。
そこで、二〇二〇年東京大会では、都内や全国でどの程度経済効果が見込まれているのか伺います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 経済効果についてでございますが、前回招致時の二〇一六年大会に伴う経済波及効果は、施設整備費約三千三百億円や大会運営費約三千億円を初め、大会関係者や国内外からの観戦客の消費支出などをもとに試算した結果、東京都内で約一兆五千五百億円、全国で二兆九千四百億円と、東京都のみならず全国にも大きな経済効果をもたらすものでございました。
なお、二〇二〇年大会に伴う経済波及効果は、二〇二〇年大会の開催計画が二〇一六年計画をおおよそ踏襲するものでありますことから、同程度の経済効果が見込まれるものではないかと考えております。
具体的な数値につきましては、詳細な大会開催計画書であります立候補ファイルの作成とあわせて算出する予定でございます。
○高橋(か)委員 二〇二〇年大会に伴う経済効果についても、できるだけ早い段階で試算し公表することで、世論の支持につなげていってもらえればと思います。
また、反対理由で、震災復興などほかに優先させるべきことがあるからとの意見もありましたが、オリンピック・パラリンピックの開催は被災した方々を元気づけ、震災で傷ついた被災地の復興を大きく後押しするものと考えられます。
今回の世論調査で、被災三県での開催支持率はどのような結果だったのか伺います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 理事ご指摘のとおり、今回のオリンピック・パラリンピック招致は、スポーツが持つ力で東京のみならず被災地を大いに元気づけるものであると考えております。
今回の調査は、東京都と全国を対象としたものであり、被災三県を対象としたものではありませんが、全国分から被災三県分を抜き出しますと、東京都の六五・二%、全国の六五・七%に対し六六・四%でございました。
○高橋(か)委員 被災三県では、東京都や全国を上回る支持率となったことがわかりました。今後、招致活動をオールジャパンで行うことに当たり、被災地とも密接に連携していくことが重要であります。
そうした中で、二〇二〇年招致計画委員会では、昨年、被災県の関係者を委員とした復興専門委員会を立ち上げ、復興支援に関する検討を重ねていると聞いていますが、現在の進捗状況について伺います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 復興専門委員会の進捗状況についてでございますが、昨年十二月に、計画委員会の中に復興専門委員会を設置し、被災三県である岩手県、宮城県、福島県のスポーツ関係部署や県体育協会の方々にも委員に就任していただき、大会開催に伴い、被災地の復興に寄与できる方策について検討しているところであります。
委員会の中ではさまざまな議論がなされておりますが、中でも、東日本大震災の津波被害に遭った子どもたちが、夏の水泳の授業でプールに入ることができない、雨が降ると水たまりが怖いといったことがあったが、東京都のアスリート派遣事業やJOCのオリンピアン派遣により、子どもたちが一流選手との交流によって立ち直ることができた、今後もアスリート派遣事業を継続してほしいとの意見が印象的でございました。
こうした意見などを踏まえ、委員会では、被災県におけるアスリート派遣事業の継続、本大会におけるサッカー競技の一部開催や聖火リレー、ライブサイトなどの誘致を初めとしたさまざまな支援策を検討しております。
今後、被災地の復興に資する事業案を取りまとめ、中間報告を二月十五日以降の申請ファイル公表とあわせて公表する予定でございます。
○高橋(か)委員 中間報告を行うということでありますが、今後も継続的に被災地の意見を聞きながら、具体的な支援策を検討してほしいと思います。
先ほどスポーツが持つ力について被災地での実例がありましたが、オリンピックの持つ力は、東京都のみならず、被災地や全国を元気にできるものと確信しております。
さて、私自身、年末年始に多くの都民の皆様とお話をする機会があり、オリンピック・パラリンピック招致を期待している声も多く寄せられたことから、徐々に招致機運が盛り上がってきていると実感しております。
しかしながら、前段でも申し上げたとおり、都民、国民の招致機運をいかに盛り上げていくかが重要であることから、オリンピック・パラリンピック招致について、都有施設など、あらゆる媒体を通じたPRを積極的に行っていくべきと思います。
前回の招致活動では、我が党の呼びかけにより、都議会オリンピック・パラリンピック招致議員連盟が設立されました。招致議員連盟では、東京招致を求める署名活動を実施するとともに、四十六道府県の知事、副知事、道府県議会議長などを訪問し、招致への支援要請や招致決議の要請などを精力的に行うことにより、最終的には三十四道府県において招致決議を得ることができました。
私といたしましても、前回の招致活動を踏まえ、より一層の支援活動を行いたいと思います。
最後に、今後の招致活動に向けた局長の決意を伺って、質問を終わらせていただきます。
○細井スポーツ振興局長 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの招致活動につきましては、前回二〇一六年招致の経験やノウハウを最大限有効に活用しまして、国、JOC、スポーツ団体、経済界、そして被災地とも連携をいたしまして、オールジャパンの体制で招致獲得に全力で取り組みます。
何よりも重要なことは、高橋理事の申したとおり、多くの都民、国民の皆様にご支持をいただくことでございます。
ただいま高橋理事からご指摘のあった都有施設等を通じたPR活動については、今週末から都庁第一本庁舎の正面の外側壁面に巨大な招致ロゴのペイントを施しまして、招致をアピールする予定でございます。
また、近々、開催計画であります申請ファイルを公表いたしますが、大会開催が震災復興の目標や日本再生の原動力となり、国民を勇気づけ、スポーツの力で日本を一つにできる、その意義や効果などを、あらゆる機会を通じまして幅広く訴えてまいります。
今後も、政府、JOC、経済界、スポーツ団体など、オールジャパンの体制によりまして一層この体制を強固にするとともに、招致獲得に向け、都議会の先生方とともに手を携え、局を挙げて不退転の決意で取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。
○藤井委員 先ほどの説明にありましたように、二〇一三年九月七日、ブエノスアイレスで開催されますIOC総会において、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市が決定されるわけですけれども、それまでいよいよ約一年半ということになりました。
ことしの夏にはロンドン・オリンピックが開催され、また、来年の今ごろ、IOC評価委員の視察が行われるなど、今後、招致にとって重要な時期を迎えることになるわけであります。
こうした動きに合わせまして、これから国内の招致機運の盛り上げやIOC委員に対する国際ロビー活動など、本格的に招致活動を進めていくことになると思います。
その際、前回の招致活動の経験や、あるいはノウハウを最大限に活用して、効果的に取り組むことが重要だと考えますが、今回の招致活動の特徴についてまず伺います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の招致活動に当たりましては、二〇一六年大会の招致活動の貴重な経験を踏まえまして、効率的、効果的に進めていくことが重要であると考えてございます。
昨年十二月には、衆参両議院の招致決議をいただき、国を挙げての支援を国内外にアピールするなど、早期にオールジャパンで招致実現に取り組む体制を整えたところでございます。
今回の招致活動におきましては、前回の活動で得られた有形無形の財産を最大限活用するとともに、徹底した執行管理を行うことにより、招致活動経費を前回の半分程度といたします。その財源につきましては、東京都と計画委員会の活動には都費を充て、招致委員会の活動経費は民間資金から調達することとし、都費と民間資金の経費区分を明確化いたしました。
また、オリンピック・パラリンピックの開催により、東日本大震災で傷ついた被災地の復興を大きく後押しする取り組みも進めてまいります。
○藤井委員 ただいまの答弁で、招致委員会の活動経費は民間資金から調達するということでございましたが、この経費区分を明確化するという説明でございました。今回の招致活動を進めていく上で、大変重要なことだと思います。
前回の二〇一六年招致においては、世界的な金融危機や、あるいは景気後退の影響を受けまして、寄附金や共済、協賛金の収入が目標額に届かなかったために、結果的には六億九千万円の負債が残ったわけでございます。この負債は、現在、前回の招致委員会を引き継いだ国際スポーツ東京委員会が抱えているというふうに聞いております。
今の任意団体であります二〇二〇オリンピック・パラリンピック招致委員会は国際スポーツ東京委員会と統合し、新たにNPO法人としてスタートするということでございますけれども、この六億九千万円の負債をどのように返済するのか伺います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 国際スポーツ東京委員会の負債についてでございますが、統合予定の国際スポーツ東京委員会と二〇二〇オリンピック・パラリンピック招致委員会との間で、次に申し上げます資金の流れによりまして、昨年末に負債を返済したところでございます。
まず、招致委員会は、電通との間で招致マーケティング権の専任代理店契約を締結し、この専任代理店契約に基づき、電通がマーケティング収入として確保すると約束した最低保証額の一部を前受け金として受領いたしました。
招致委員会は、この前受け金のうち、国際スポーツ東京委員会に対して負債相当額を貸し付けまして、この貸付金により国際スポーツ東京委員会は既に負債を返済したものでございます。
国際スポーツ東京委員会と招致委員会は、統合によりまして双方の債権債務が相殺され、四月には負債のない新たなNPO法人としてスタートすることになります。
○藤井委員 電通とのマーケティング契約で得られる最低保証額の中で、既に前回の負債が解消されているということであります。
この負債がなくなったことで、寄附をいただく方々の理解も一層深まるものと考えるわけですが、今回の招致活動に当たって、効率的、効果的に経費支出を行うとともに、募金や、あるいはマーケティング活動等による収入確保も十分に努めていただきたいというふうに思います。
先ほど、オールジャパンの体制で招致活動を推進していくという説明がありました。招致をかち取るためには、東京都はもとより、国、あるいはJOCを初めとしたスポーツ界、さらには経済界も含めて、我が国の総力を結集して取り組んでいくことが重要であります。
招致委員会の中に新たに設置されます評議会には、我が国を代表する多くの方々が参画をしているというふうに聞いておりますけれども、この評議会、今後の展開についてお伺いをいたします。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の招致を実現するためには、オールジャパンでの招致活動を展開することが重要でございます。
評議会につきましては、国、経済界、スポーツ界、被災県の知事やPTA代表、報道機関、報道関係団体など、各界から多くの方々にご参画いただいております。また、内閣総理大臣と衆参両議院議長に最高顧問として、各大臣には特別顧問として参画いただくなど、オールジャパンでの招致活動を推進する体制を整えてございます。
評議会は、今後とも、理事会に対して広範な意見、助言を行っていくとともに、評議会の中に幹事会を設置するなどして、国内における招致機運の盛り上げなどに取り組んでまいります。
○藤井委員 一方、この招致決議の状況によりますと、東京都以外の道府県では茨城県が決議をしただけであります。他の道府県はこれからという状況であります。
今後、ほかの道府県でも招致機運の盛り上がりを進めて、日本を挙げて招致に取り組むことが重要だと考えますけれども、この点どうでしょうか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 招致を実現するためには、日本の総力を挙げた取り組みが重要でございます。
昨年十二月二十日に全国知事会から、二〇二〇年にオリンピック・パラリンピックを再び東京で開催することは、国民に希望を与え、復興、再生のシンボルになるとして、東京の招致活動を全面的に支援する旨の決議をいただきました。
また、全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国町村会、さらには地方六団体連名で、先月下旬に同様の趣旨により決議をいただいたところでございます。
今後は、全国の道府県に対しては、二月十五日以降に公表します申請ファイルを送付し、開催計画の理解促進を図るなど、適時適切な情報提供に努めるとともに、全国知事会からの働きかけや、全国組織を持つ各種団体と連携した広報、PRなど、全国一丸となった招致活動を展開してまいります。
○藤井委員 ただいま地方六団体の決議をいただいたということでございましたが、日本を挙げての取り組みということで、今後、全国的な招致機運の盛り上がりを高めていくことが必要だと思います。
前回二〇一六年の招致のときには、我々オリンピック議連のメンバーで手分けをして、北海道から沖縄まで全国の道府県にごあいさつをし、また、東京のオリンピックのご協力をお願いしたわけでございます。
私も、九州四県に一泊二日で、本当に大変なスケジュールで行ったことを覚えておりますけれども、今後、全国の県議会、また各県に、この東京オリンピックの招致のお願いをしていく機会もあるかと思いますが、その際、我々都議会もしっかりと各県にお願いをしていくことも大事だというふうに思いますので、その点も、今後、理事者の皆さんとしっかり呼吸を合わせて取り組んでいきたいと思っております。
さて、計画委員会が実施をいたしました世論調査によると、二〇二〇年大会を東京に招致することに賛成、あるいはどちらかというと賛成という人が全国で六五・七%という報告がありました。
前回招致の際にIOCが調査した結果よりも約一〇ポイント上回っているということで、大変喜ばしいことであるわけですが、一方、どちらともいえないという中間層が全国で二〇%いるということも見逃せない事実であります。こうした中間層の人たちをどうやって賛成に引きつけていくかということも、これからの取り組みであると思います。
今回の調査結果を受けまして、今後、支持率向上のために、都の取り組み、局長の決意についてお伺いをしたいと思います。
○細井スポーツ振興局長 藤井副委員長のおっしゃるとおり、招致を実現するためには、都民、国民の幅広い支持を得ることが大変重要でございます。
第一次の大会計画書であります申請ファイルを公表することによりまして、都民、国民に対しまして、二〇二〇年の東京大会がどのような大会になるのかをわかりやすく説明し、理解してもらうことで、支持率の向上を図ることができると考えております。
今後、ホームページやフェイスブック、ツイッターといったソーシャルメディアなど、多様な媒体を活用いたしまして、東京にオリンピック・パラリンピックを招致することの意義、開催のメリットなどを幅広くPRしていきます。
さらに、スポーツが持つ魅力やすばらしさを広く都民にアピールしていくことも支持率向上につながるものと考えております。
きのう、おととい、二月四日、五日、東京のゲートブリッジの開通記念ということでスポーツフェスタを行いました。二万人以上の来場者がございまして、オリンピック・パラリンピックのロゴマークのシールを皆さんに張っていただいたところでございます。こうしたことを積み重ねていきたいと思っております。
今月二十六日の東京マラソンや、春以降に開催されますスポーツ祭東京二〇一三のリハーサル大会を初めとしたさまざまなスポーツイベントと連携しまして、効果的な広報活動を積極的に展開していくことにより、さらなる支持率の向上を図ってまいりたいと、このように思っております。よろしくお願いいたします。
○たぞえ委員 東京都は、二〇一六年大会の招致では落選しましたが、オリンピック招致をてこに大型開発を推進して、招致関連経費だけでも百五十億円もの巨費を湯水のように使ったことへの批判は今も強いものがあります。にもかかわらず、昨年七月、石原知事は二〇二〇年の夏季オリンピックへの正式立候補表明を行いました。
申請ファイルの内容は、いまだに明らかにされていませんが、二〇二〇年の東京という長期計画で見れば、前回の大型開発路線をさらに進め、アジアのヘッドクオーター、指令部になるという経済覇権主義ともいうべき方向で進めるためのてこにオリンピック招致を使おうとするものであるというふうに思います。
しかも、きょうの説明で、昨年九月の文教委員会の報告での大会招致についての資料でも、開催日程、開催理念も示されていないのです。
初めに質問いたしますが、申請ファイルにおけるオリンピックの理念を明らかにしていただきたいと思います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 スポーツには、人に夢や希望、感動を与え、人々を結びつける無限の力がございます。また、震災からの復興を果たした日本でオリンピック・パラリンピック競技大会を開催することは、スポーツがいかに大きな力を持っているかを世界じゅうの人々に示す機会となります。
申請ファイルの中で具体的にどのような理念を掲げているかにつきましては、申請ファイルのIOCへの提出期限である二月十五日以降に公表する予定でございます。
○たぞえ委員 震災から復興した日本で開催することが、なぜスポーツの大きな力を世界に示す機会になるんでしょうか。私は理屈が通らないと思うけれども、もう一回いってください。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今申し上げましたとおり、スポーツには、人に夢や希望、感動を与え、人々を結びつける無限の力がございます。震災からの復興を果たした日本でオリンピック・パラリンピック競技大会を開催することは、スポーツがいかに大きな力を持っているかを世界じゅうの人々に示す機会となります。
○たぞえ委員 復興というなら、今、国や都がやるべきは、被災者がこれまでのように生活が成り立つように手厚い生活支援を行い、手厚い投資で被災地の復旧、復興を急速に進めることであって、外環道建設など、東京に手厚いインフラ投資を行うべきではありません。
急ぐべきは、福島を中心とした放射能汚染対策を万全に行い、国民の安心・安全を取り戻すことではないんですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 オリンピック・パラリンピックの開催は、被災地の復興を大きく後押しするものになると考えてございます。
○たぞえ委員 今後四年間に七〇%とか五〇%の割合で首都直下大地震の可能性が指摘されています。東京のインフラ整備をというなら、何よりも都施設や住宅、建築物の耐震、耐火こそ投資をするべきです。
東京の災害対策はまさにこれからで、そのような状況にあるのに、このことへの備えを尽くさず、オリンピック招致や過大な巨大インフラ整備に熱中しているときじゃないという都民の声が都にも多く寄せられています。これにどう向き合っていくんでしょうか。
しかも、東京で勤労者の所得が減少を続け、雇用の不安定も進み、経済は落ち込んでいる、財政破綻もひどいのに、八年後には復興は完了しているという、そして放射能汚染はなくなっている、経済も再建している、この根拠は一体何ですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 オリンピック・パラリンピックの開催は大きな経済波及効果がございまして、都内では、前回招致のときの試算では一兆五千億円、全国で二兆九千億円の経済波及効果がございます。
そういう意味では、オリンピックの招致が現下の経済状況の中で果たす役割は大きいと考えております。
○たぞえ委員 一兆、二兆、経済効果があるといっても、今後、住民税の控除廃止だとか、それから社会保障の過大な負担増だとか、我々国民にとってみたら大変な生活への苦難の時期が到来するわけですよ。そして、二〇一四年には消費税だという話もあるわけで、消費が冷え込む。こういう、まさに今、待ったなしの状況の中で、オリンピックの経済効果だけが日本の経済を救うなどというのは、観測が甘いんじゃないでしょうか。
重大な問題は、申請ファイルの理念について、二月十五日までは公表しないという、このことについてです。申請期限の十五日の十日前になっても理念を都民に公表しない。都民を代表するこの議会にも明らかにしていない。明らかにするのは、十五日以降に受け取るIOC国際オリンピック委員の構成員と、そして事前に協議されているJOCオリンピック委員会のメンバー、大変限られた人たちだけです。これでは二〇二〇年オリンピックを招致させてほしいといわれたって、都民は何のオリンピックだと納得できないんじゃないでしょうか。
そこで、ただ一つ明らかにした、IOCに提出する申請ファイルで記載されている世論調査について詳しく聞きたいと思います。
まず、世論調査はどのような方法、やり方で実施したんでしょうか。詳しく説明をいただきたいと思います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の世論調査につきましては、調査委託会社に委託をして実施いたしました。
○たぞえ委員 インターネットによる世論調査では、前回一六年招致での都民の賛成は六〇%です。今回は五九・九%です。全国的な調査では、賛成は前回六二%で、今回は五八・七%です。賛成は前回より減っている、この結果をどう受けとめているんでしょうか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の調査では、二〇二〇年東京大会開催への賛否について、賛成、どちらかというと賛成、どちらともいえない、どちらかというと反対、反対の五者択一で聞いてございます。
一方、前回招致時の調査では、ゼロを反対、十を賛成として、ゼロから十の計十一段階で賛否のレベルを問う、ビジュアルアナログスケール法を採用してございました。このため、大会開催の支持率について、今回の調査手法と前回招致時の調査手法が異なるため、単純に比較することは適切でないと考えてございます。
○たぞえ委員 オリンピック東京招致に賛成、反対の意向のほかに、世論調査ではどのような設問が行われたのか、説明してください。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 二〇二〇年東京大会開催の賛否以外の質問についてでございますが、好きなスポーツは何か、好きなスポーツ選手はだれか、東京の立候補を知っているか、開催の賛成理由、反対理由は何かなどを調査いたしました。
○たぞえ委員 などといいましたけれども、その他の質問項目もすべて明らかにしてください。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の調査の主目的は、大会開催の支持率の把握及び今後の広報戦略の策定のためでございまして、より詳細な質問項目や調査結果につきましては、招致戦略上の理由によりお答えは控えさせていただきます。
○たぞえ委員 調査の中身を、都民、国民の皆さんに設問したことも明らかにしない、それなのに招致の賛否の数字だけひとり歩きさせるというのは恣意的じゃないでしょうか。
それでは、先ほど説明のあった資料で、世論調査で全国的には、賛成、どちらかというと賛成が合わせて六五・七%と書かれています。その中で、東京については括弧書きで六五・二%と書かれています。これは、電話調査の結果とインターネット調査の結果を単純に足して二で割ったという数字ですね。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 お答えいたします。今回の調査は、電話による調査、インターネットによる調査を行いました。今回の資料に記載してある数字は、両者の単純平均でございます。
○たぞえ委員 電話での調査の賛成は、全国で七二・五%、東京は七〇・五%と、全体としてインターネット調査より一〇%高い数値となっていて、インターネットと電話での数値を足して二で割ると、きょう出てきた資料の数値になるわけです。
なぜ今回、インターネットと電話の数値を別立てに明記しないで、合計で賛成率を引き上げるという措置をとったんですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回お示しいたしました数字につきましては、IOCが最終的に評価いたします調査手法、電話による調査、インターネットによる調査、それに合致したものとして記載したものでございます。
○たぞえ委員 現に前回の二〇〇九年四月に行った第三回世論調査では、支持率はインターネット調査と電話調査の結果をそれぞれ別々の欄にして公表をしていたじゃありませんか。それに比べ今回の調査は、インターネット調査三千人、電話調査は千人、そのうち東京だけを見れば、インターネットは千人に対して、電話調査はわずか二百人、全国の五分の一だけです。
異なる手法の調査を足して二で割って、しかもサンプルが少ないと。電話の方が賛成が一〇%も高いわけですから、賛成率を引き上げるためにも、見せるためのやり方ではないかと私は思います。
これではこのような世論調査の結果をもって、IOCに責任ある調査報告をすることに疑問だと思うのは、私だけではないと思います。
ただしたいことはそれだけではありません。世論調査を行う企業についてです。東京都と計画委員会が計画した世論調査の契約には、幾つの企業が応募したんでしょうか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の委託に関しましては、五社の企業が応募いたしました。
○たぞえ委員 どうやって五社を選定して、入札を行ったんですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回につきましては、競争入札によって行いました。
○たぞえ委員 いわれた五社は、計画委員会が資格要件に合致する企業を指名し、競争入札をしたんではないですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 五社につきましては、東京都の物品買い入れ等競争入札参加有資格者のうち、市場・補償鑑定関係調査業務として登録のある複数事業者の見積競争により選定いたしました。
○たぞえ委員 よくわからないんですが、もう一回聞きますけれども、だれがどのような基準で入札に参加させたのか、わかるように説明してください。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回は計画委員会におきまして、今申し上げました登録のある複数事業者を指名いたしました。
○たぞえ委員 計画委員会が発注した経費は東京都の補助金です。都の補助金だからこそ、その支出のあり方に都は責任を持つ必要があります。
では、契約した企業は株式会社アダムスコミュニケーションという会社ですが、この企業のモニターの登録者は何人ですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 この企業の抱えておりますモニター数は約三万人でございます。
○たぞえ委員 三万人しかいないんですよ。招致の関心度を調べるにしては、余りにも登録者が少ない企業ではないんですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今申し上げましたとおり、この調査委託会社のインターネットモニター登録数は約三万人でございますが、今回の調査では、委託仕様書の中に、受託者が提携するモニター等から抽出することとしておりまして、提携会社のモニターと合わせ二百万人以上の中から、調査対象者を各県、性年齢別の人口比率に応じまして無作為抽出いたしました。
○たぞえ委員 今回のネット調査の対象は三千人ですから、ネット登録者の十分の一に、このアダムスコミュニケーションが回答してもらうことになります。大変少ない、十分の一の確率だと。
このアダムスコミュニケーションという会社は、三千件のモニターを全部その会社の登録者で調べたんですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の調査委託会社でありますアダムスコミュニケーションは、登録者数が三万人でありますことから、提携会社の方のモニターの中から今回調査をいたしました。
○たぞえ委員 確認しますけれども、今回この会社で回収数が足らなくて三千に及ばないから、実態として、もっとたくさんのネット登録者を持つ別の企業が調査したということですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 アダムスコミュニケーションというこの会社が調査を実施いたしまして、モニターを提携会社からお借りしたという形になっております。
○たぞえ委員 入札のときから、アダムスコミュニケーションの調査人員、調査方法など、わかっていたはずですよね。初めから、三万人の登録者しか持っていないこの会社が三千人の調査をすると自力でできないことがわかっていて、この企業が落札されました。
しかも、調査はネット会社同士で連携している全く別の企業の登録者を使う。こんなことじゃ、どんな企業であっても落札オーケーだ、安ければよい、こういうことになるんじゃないですか。はっきりさせてください。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 一般的に世論調査などの調査におきましては、自社が抱えるモニター、あるいは提携する会社のモニター、いろいろありますけれども、通常の中では、互いに融通し合っているというのが通例でございます。
○たぞえ委員 アダムスコミュニケーションが調査を委託したGMOというネット会社の資本金とモニター登録者数を教えてください。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 資本金については、今、数字を持ち合わせておりませんが、モニター数は二百万人でございます。
○たぞえ委員 アダムスコミュニケーションよりもはるかに登録者を持っているGMOというネット会社に、契約した会社が丸々GMOの登録者を使う。まさにこれでは、通常世間では丸投げといわれていますが、この仕方は上請というんでしょうか、上から流し込むということじゃないんですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の委託に当たりましては、委託仕様書の中に、受託者が提携するモニター等から無作為抽出することとの記載をしてございますため、丸投げ等のご批判は当たらないと考えております。
○たぞえ委員 計画委員会と契約したアダムスコミュニケーションは、自社の三万人のネット登録者を使ってオリンピックの賛否の調査を行うと、都民はだれもそう思いますよ。
しかし、ふたを広げてみたら、そのアダムスのネット登録者を使わないで、別の会社の登録者の名簿を全部アダムスに持ってきて、そして調査をする。あたかもアダムスが調査したかのような、仕入れ元が問題ですね。こういうことが公式の数字として結果があらわれますけれども、手法としては都民には明らかにされないままに、世界に発信されていくわけです。
契約と違う企業のシステムと登録者で世論情報をとる。これでは入札審査なんて、あってなきがごとしではないでしょうか。どうですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 世論調査などの調査におきましては、一般的にその抱えるモニターを融通し合って調査しているというのが通例でございまして、そのことを踏まえまして、仕様書の中に、受託者が提携するモニター等から無作為抽出することと記載したものでございます。
○たぞえ委員 普通考えてみましても、東京都と契約した企業が仕事をする。しかし、実際の仕事は全然別の会社の材料を使ったり、器材を使ったりすると。
今回の場合も、契約をしたアダムスは契約をしただけで、実際には別の企業のネット登録者が利用されたと。これというのは、私は、契約の公平性というんでしょうか、やはり公金を使った調査である以上は、やっぱりどこでもいい、安けりゃいいというわけにはいかないと思うんですよ。
大体、二百万人を持っている登録者の会社と三万人の登録者の数ではかけ方も違いますよ。私、そのことはいっておきたいと思います。したがって、世論調査というのはやっぱり厳格じゃなきゃいけないと思うんです。
IOCは、開催都市での人々の動向を大変重視していまして、一六年招致が失敗した後で出された招致活動報告書でも、世論の支持率が比較的低いということが課題だと、このように総括をしました。
例えば、生活文化局が行っている都民世論調査ですけれども、二十歳以上の男女三千人を、住民基本台帳に基づく層化二段無作為抽出法で標本の抽出を行い、範囲を七十歳以上にもして、都政に対する意見や要望を把握して、今後の都政運営の参考にするという目的を明確にしてネット調査を行っています。
しかも、さらには調査員は、戸別の訪問面談聴取法で、調査期間も半月の時間をかけている場合もあるわけです。
前回の申請ファイルの際、二〇〇七年十二月一日から八日までの八日間行ったインターネット調査では、調査対象者は東京で二千人、東京以外では四千人と規模が大きく、今回は、それぞれその半分にすぎません。
千三百万の都民のうち、ネット調査で調査した数はわずか一千名で、人口の〇・〇〇七六%にしかすぎません。電話調査は、東京は二〇〇人ですから、人口比〇・〇〇一五%で、これでは都民の意向をつかむというのは到底いえないと思いますが、見解を伺いたいと思います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 統計的には、今、先生ご指摘の規模のサンプル数があれば有効であるといわれております。
○たぞえ委員 では、もう少し詳しく聞きますが、全国調査の中では、地方の各地の方に調査をしていることだというふうに思いますけれども、世論調査で、震災と津波で大きな被害が発生した東北三県の県民の何人に調査を行ったんですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の調査は、東京都と全国を対象にしたものでございまして、被災三県を対象としたものではございませんが、全国分から被災三県分を抜き出しますと、被災三県の調査対象人数は、人口比率に応じて割りつけた結果、ネット調査で合計で八十七人、電話調査では合計で三十五人という形になりました。
○たぞえ委員 最大の被害が発生した三県の調査は、電話、ネットを合わせて百二十二名です。ちなみに、この人数は、今回の調査を行った県の中で見ますと、千葉県のネット調査が百十二名、これをちょっと超えた人数です。人口比で少ないから仕方ないと今おっしゃっていますが、やはり被災地である三県の皆さんの声というのは、大変丁寧に、慎重に、そしてその人口率も従来どおりの率ではなくてとる必要があると思います。
その意味では、今回の復興を掲げたオリンピック招致の意向調査としては少な過ぎる。私はこれで復興を掲げられるのかというふうに思いますが、見解を伺いたいと思います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の調査につきましては、今申し上げましたとおり、東京都と全国を対象としたものでございますため、被災県につきましては、全国におけるそれぞれの県別人口比率に応じて調査対象者を割りつけたものでございます。
今ご指摘の被災地の意見につきましては、世論調査のみではなく、現在行っております被災三県の関係者に入っていただいております復興専門委員会の中でもお聞きしているところでございます。
○たぞえ委員 いずれにしても、被災地の皆さんは、今回、住宅を失い、財産を失い、お金もないと、目の前、毎日どうしていこうかという生活をされているわけで、そういう中で、二〇二〇年東京オリンピックとは一体何なのか、意味がどういうことなのかということをもっときちんと多くの県民の皆さんに語り継がせていかなければ、東京都が復興だ、復興だといっても、向こうはそれどころじゃないと。政府の今の仕事ぶりを見たってなかなか復興のめどが見えてこない。やはり県民の意向というのは、私は手厚くつかむ必要があるというふうに思います。
次に、世論調査の反対の意向についてです。前回の申請ファイルでは、世論調査で強く反対の意向を表明しているのは都民の一三%であると、このように記載されました。今回の調査では、反対、どちらかというと反対と表明した都民の割合は何%なんでしょうか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 反対、どちらかというと反対を合わせますと、東京都では二〇・〇%でございます。
○たぞえ委員 今、部長がいわれたように、それはネットと電話の合計ですね。ネットでは全国で反対が一七・八%に対して、東京は二二%、都民の四分の一以上がネットでは反対をしています。
しかも、前回の反対より大きな数値になっています。招致するべきでないという都民の動向についてはどのように受けとめているんでしょうか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 世論調査の結果につきましては、一つの結果ではありますけれども、今後、どちらともいえない、あるいは反対という方々を賛成に導いていけるよう、招致活動に邁進してまいりたいと思います。
○たぞえ委員 事実は、前回一三%、今回東京での反対は二二%と、これは公表された数字であります。
二〇一六年の招致の際には、開催概要計画書で描かれた計画の大筋が都民には明らかにされていました。しかし、今回は申請ファイルの提出が二月十五日間近に迫った今日に至っても、都民には開催の基本的な内容が明らかにされていません。これで、都民、国民に対して招致の是非を聞くこと自体、無理があります。
今回と前回の申請ファイル提出時の招致決議数について、それぞれ明らかにしていただきたいと思います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回につきましては、これまで東京都議会、国会、地方団体や各自治体等から合わせて二十九の決議がなされております。前回につきましては、申請ファイルを提出した平成二十年一月までの間に、東京都議会のほか地方団体や各自治体等から合わせて七十三の決議がなされておりました。
これにつきましては、地方団体や自治体の決議数は前回より少なくございますが、国権の最高機関であります国会の招致決議が申請ファイル提出前でなされている点が前回とは大きく異なっております。
申請ファイル提出前に国会で、政府、国会が一体となり、国を挙げて必要となる支援や準備体制整備をすべきである旨の決議がなされたことは、国を初めとしたオールジャパンの招致活動体制の早期構築の大きな力となったと考えてございます。
○たぞえ委員 国の招致決議も、それは大切でしょうけれども、問題は、この東京都内の各自治体はどうしているのかということです。間もなく提出する申請ファイルの直前の現段階で、招致決議を上げた区市町村の数は幾つですか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 東京都内の区市町村数で申し上げますと、今回が十六、前回は五十五でございました。
前回招致では、IOCへの立候補申請以前の国内選考段階から各区市町村での招致決議が行われてございました。今回の十六区市町につきましては、昨年十二月の定例会で招致決議をいただいたものでございます。
今後、他の区市町村におきましても、順次、招致決議がなされていくものと考えてございます。
○たぞえ委員 前回の申請ファイル提出時は、二十三区は十一区、二十六市で二十三市、十三町村で十三町、今回は十四です。開催都市の東京の全自治体の三分の一にも満たないわけです。
前回、早々招致決議を上げた私の地元の世田谷区は、今回はまだ上げていません。理由を聞くと、必要性がないという意向です。与党も野党も同じ見解です。なぜか。財政難、財政が逼迫しているだけじゃなくて、震災や放射能対策、高齢者福祉と医療、子どもたちの保育対策、課題が山積みだといっています。
都庁に寄せられた声にも、国難に政治を挙げて取り組むことが問われているとき、オリンピックよりやることがあるんではないか、こういう憤りも都民は抱いています。
二〇二〇年オリンピックを招致しようという盛り上げは到底低いといわざるを得ません。少なくとも自治体の過半数という多くが、議会で一致した意向が示されていないもとで、IOCに申請を出すとこと自身、私は東京都の暴走だといわざるを得ません。これは財政面からでも明らかです。
石原知事は、昨年六月十七日の第二回定例会の所信表明で、大震災からの復興は苦難の道のりだがと述べながら、二〇年の東京五輪に再挑戦する表明を行いました。しかし、既に二〇一一年度の予算が執行されている最中でした。
この年度に、スポーツ振興局が八月にも招致にかかわる部や課を設けましたが、二十三年度の当初予算では財政の手だては全く持っていませんでした。まして、昨年の第二回定例会、そして第三回定例会でも、最近の第四回定例会でも、オリンピック招致の補正予算は一円も組まれていない。財政の裏づけがないわけです。
局の当初予算に組まれた百億円に及ぶ体育施設の改修整備費、スポーツ団体や各種スポーツ大会への二億二千五百万円の補助金、十億八千八百万円の体育施設の運営、十九億三千三百万円の総合的な競争力向上策の推進費、また、近く行われる東京大マラソン、また、国民体育大会、そして、職員の皆さんの管理費、どれもこれを削り込むことは、東京のスポーツ振興にブレーキがかかるものばかりじゃないでしょうか。
数億円もかかる今度の申請ファイルを初めとして、人件費などの手当はどう捻出をするのでしょうか。
○安藤スポーツ振興局総務部長 招致に関する予算は、二十三年度当初予算には計上しておりませんでしたので、既定の各事業の執行状況を勘案しまして、既存の局の予算の中で執行を行ったところでございます。
○たぞえ委員 既存の局予算の中で流用するといわれましたけれども、局の予算は先ほどいいましたように、職員費などの管理費、スポーツ事業費、国民体育大会の推進費、三つしか科目がないんです。
招致委員会の財源は、これまた別問題です。申請ファイル作成費は前回の半分の経費だといいますけれども、しかしこれは数百万円じゃないでしょう。数億円でしょう。そのほかにも申請都市の手数料もかかる。それらに使うとすれば、結局、都民のスポーツ振興に係る経費に手を入れてしまわなければならないということになります。
既存の局内予算で節約だ、そして、契約差金だと。流用に流用を重ねて、本来積み上げてつくり出してきた予算で仕事をするのに、招致のためのお金の捻出まで局の皆さんはしなきゃいけない。それは、スポーツ振興局の皆さんの仕事に大きく負担として乗っかかってくるんじゃないでしょうか。
局の皆さんが一丸となってスタートしたにもかかわらず、年の途中で膨大なオリンピック招致という仕事のために、そのたくさんの財源を生み出さなきゃいけなくなってしまった。これは、やはり都民の側に立ってみれば、一体あの予算は何だったのか、そして、そこまで体育施設やスポーツ補助金を減らす理由、幾ら契約差金があったとしても、一体それでいいのかどうか。予算は本当に政治の顔ですね。このあり方が問われると思います。
幾つか聞いてまいりましたが、決議を見ても、都民や国民から熱烈な招致をしてほしいという声は聞こえてまいりません。財政問題も山積みしています。また、今やらなければならない震災対策や放射能汚染対策、防災対策、山積みです。
こういう山積みの課題に、私は今、全力を尽くすことが都民への大きな貢献であると考えています。この点で、改めて二〇二〇年東京オリンピック開催申請は、私はするべきでない、このことを主張して質問を終わります。
○中村委員 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致活動についてご報告のありました世論調査に関連して質問します。
今回、特別委員会の委員に選任されて、改めて前回二〇一六年の招致活動報告を読み直しました。そこには、国内世論の維持形成について、日本人の国民性から能動的な活動になりにくいとか、国民の価値観が多様化しているなどの課題が記載されていました。こうした課題をしっかりと踏まえて活動していただきたいと思います。
オリンピック招致には、賛成の都民もいれば反対の都民もいますが、二律背反の課題というよりも、どちらかといえば賛成や反対という方も多いといわれる中で、何のために招致をするのかが素直に受け入れられるようにすることが大切です。
既に衆議院、参議院、また三鷹市議会など多くの市区町村でも招致決議がなされている中、今後どのような活動をするのかについて以下の質問をします。
今回の世論調査の結果を見ると、全般的に最初の調査としては高かったのではないかと思います。とはいえ、先ほども述べましたように、どちらかといえばという方も多く、全国より東京都の方が低いという課題もあるかと思います。また、世代、性別、地域特性なども分析する必要があります。
そこでまず、今回の世論調査の結果について、都はどのような認識をしているのか伺います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の世論調査の結果についてでございますが、六五%を超える支持率という今回の結果につきましては、招致活動の初期の段階での調査ということを考えますと、まずまずの数字であると認識しております。
これは、評議会を初めオールジャパンの体制づくりが進んだこと、都議会での招致決議を初め閣議了解や国会招致決議、各地方団体による決議等が早期になされたことにより、多くの人々に招致活動に対する理解が浸透したことも要因の一つであると考えてございます。
また、スポーツの力を通じて日本を元気にし、東日本大震災からの復興を後押しするという招致の理念に対して賛同いただけたということのあかしでもあると考えております。
○中村委員 今回の招致は震災の影響があり、被災地を元気づけるためとかきずなの大切さがいわれる中、高い支持率になった側面はあるかと思います。震災を利用するなという声もあるようですが、決して利用するのではなく、真に復興に協力していく姿勢、一緒に頑張るんだという姿勢が大切ですし、そのことでより理解が深まるようにしていただきたいと思います。実際にどのように被災地の方とつながり、本当に喜んでもらえるようにするのかをしっかりと考えていただくようお願いします。
さて、先ほどご報告いただいた調査結果については、賛成とどちらかというと賛成を合わせると六五・七%でしたが、内訳を見ると、電話調査での支持率では七二・七%、インターネット調査での支持率は五八・七%と大きく乖離をしていました。
日本人の特性として、電話で聞かれると反対といいにくいということはあるかもしれませんが、誤差の範囲を超えているのではないかと思いますので、きちんとした分析が必要です。
インターネット調査については、無作為抽出により実施された電話調査と違い、インターネットのユーザー層にターゲットを絞った働きかけも必要と考えます。今後、インターネット調査の支持率を上げるために、具体的にどのように取り組むのか伺います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 インターネット調査の支持率向上についてでございますが、既に昨年十一月三十日に招致委員会ホームページを立ち上げ、招致活動の取り組み状況について、インターネットを通じて情報発信を行っております。
加えて、より広いインターネットユーザー層に訴えるため、フェイスブックやツイッターといったソーシャルメディアの活用も開始しており、インターネット上でのコミュニケーションを通じた支持層の拡大にも取り組んでおります。
今後とも、ホームページやソーシャルメディアの運用体制をより強化していくことで、インターネットユーザー層の支持率向上を図ってまいります。
○中村委員 ネットへの世論の形成については、つかみどころがない部分もありますが、一方では爆発的に広がることもあるのがネットでもあります。発信力のあるアスリートの方々にも積極的に発信していただくなど、ネットの特徴を生かした展開をご検討願います。
さて、支持率向上のためには、ターゲットを絞った効果的な働きかけが必要なのはもちろんですが、一方で、単に調査結果の向上を求めるのではなく、招致へ向けた都民、国民の機運醸成が大切です。
都内においては、支持率が全国に比較して低いという結果が出ており、都内における機運醸成が不可欠です。特に前回招致の際は、コンパクトオリンピックとしていたこともあり、多摩地域での盛り上がりが欠けていたとの声もありました。今回は、多摩地域を含めて都内全体が盛り上がるよう、多摩地域でも競技を行うことが必要です。今回の調査で、区部と多摩地域での支持率がどうなっていたかもきちんと分析をし、その対策を講じていただくようお願いします。
二〇一三年には多摩国体が開催されますが、ことしも岐阜国体を初めさまざまなスポーツイベントにおいて、都内在住の選手の活躍が数多く期待されますし、その中にはオリンピック出場の候補者もいるかと思います。
昨年の十月、つい最近まで山口国体をやっていたはずですが、余り注目されていませんでした。東京都での開催だけではなく、他県での開催時においても、東京都代表の選手の活躍を広報し、盛り上がるような取り組みを行うことが必要ではないかと思います。
岐阜国体等においても、東京都代表の選手の活躍を積極的に広報することなどを通じ、多摩地域を含めた都内全体の招致機運の盛り上げを図っていくべきだと考えますが、見解を伺います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 招致機運の盛り上げについてでございますが、今回の招致活動においては、トップアスリートに積極的に協力していただくこととしております。
委員ご指摘の国体等に出場する東京都代表の選手の中には、世界レベルでも通用する一流選手が数多くおり、そうした選手の活躍を広報することも招致機運の醸成につながると考えております。
また、多摩地域については、スポーツ祭東京二〇一三の開催準備期間を通じ、多摩地域における関連イベント等の機会を活用してオリンピック招致のPRを展開するなど、機運の醸成を図ってまいります。
○中村委員 前向きな答弁をいただきましたが、改めて多摩地域を含めた活動の方を要望いたします。
また、先般、サッカーの女子日本代表、なでしこジャパンがワールドカップに出場した際も、出発するときには余り注目されず、優勝した後に大騒ぎになりました。澤穂希選手を初め四人が東京都ゆかりの選手だったため、東京都栄誉賞、都民スポーツ大賞を贈りましたが、本当は出発前から地域を挙げて送り出してあげればよかったと思います。
他の種目でも、東京都や日本を代表して活躍する選手が身近にいることを伝え、地域で支えるような広がりを持たせるような取り組みをお願いします。
また、先ほどインターネットの世論調査でも述べましたが、スポーツ選手自身の活動も必要です。もちろん、都民、国民のためのオリンピックではありますが、直接的な当事者の方々が、依頼されたから協力するのではなく、積極的に推進していただくことは必要です。そうしたこともぜひとも呼びかけていただきたいと思います。
次に、都民とスポーツとのかかわりについて質問します。
スポーツは、かかわりを持てばより関心が生まれるものです。自分がやっている種目に関しては関心を持って見ることになります。スポーツに親しむことで、それが生活の質の向上になり、健康増進につながることが大切であることに反対する人はいないと思います。日常的にスポーツにかかわる機会をふやし、スポーツのすそ野を広げていくことが、ひいてはオリンピックに対する支持率向上につながると考えます。
今後、都民がより多くスポーツにかかわることのできる機会をつくっていくことが大切だと考えますが、所見を伺います。
○板垣スポーツ振興局スポーツ事業部長 都はこれまでも、東京都スポーツ振興基本計画に掲げておりますスポーツ・フォア・オールの理念に基づいて、都内各地でのウオーキング大会やスポーツ博覧会東京など、都民が気軽に参加できるスポーツイベントの開催、地域スポーツクラブの設立、育成など、都民が身近にスポーツに親しめる機会の創出を図ってまいりました。
先ほど局長からもありましたけれども、昨日、一昨日行われましたゲートブリッジ完成記念スポーツフェスタにおきましても、新しい橋の渡り初めということで、ランニング、サイクリング、ウオーキングを行いましたが、すべてが満杯状態で、今、都民のスポーツ志向が非常に高まっているということを実感いたしましたし、終了後の参加者の笑顔がとても印象的でございました。
これらの取り組みは、都が目標として掲げている都民のスポーツ実施率の向上に大きく資するとともに、スポーツ祭東京の機運の醸成やオリンピック・パラリンピック招致に対する都民、国民の理解を広げていくことにも大きく寄与するものと考えております。
今後も、東京マラソンを初め、味の素スタジアムでニュースポーツを体験してもらうニュースポーツEXPOや、臨海副都心において三・一一メモリアルきずなウオーク&ランTOKYOの開催など、より多くの機会を提供いたしまして、都民にスポーツとの接点を持ってもらい、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しめるスポーツ都市東京の推進に努めてまいります。
○中村委員 ご答弁ありがとうございました。
今回の質問では、都民、国民の機運醸成について述べましたが、オリンピックの趣旨である平和の祭典、スポーツの祭典に異を唱える人はいないと思います。スポーツのすそ野を広げるために、地域スポーツクラブの育成も必要ですし、昨今では企業の業績悪化により危機に瀕している社会人チームへの対策なども含めて、地域での取り組みが重視されるようになってきました。
近年は、サッカーのように地域のチームとして地域が支える動きが出ています。都としても、地域でのスポーツ振興を図るまちづくりに、より一層取り組むことが必要です。
今後も都民、国民がスポーツへの関心を高め、その延長にオリンピック招致への機運の高まりがあるよう取り組むことをお願いして、質問を終わります。
○野上委員 高橋理事からもお話がありましたけれども、ユースオリンピック競技大会が前回、第一回冬季大会がインスブルックで開催をされました。これは、十四歳から十八歳までのアスリートを対象にした国際総合競技ということで、二〇〇七年のIOCのジャック・ロゲ会長から提案されて実施されることになったということで、二〇一〇年八月には第一回夏季大会がシンガポールで開催をされて、冬季大会は今回が第一回目ということでございました。
この中で文化教育プロジェクトというのがございます。四つのコンセプトと五つの教育テーマがございまして、この中には環境保護と地球規模の問題に貢献することなどが掲げられておりまして、アスリートの育成に力を入れているということが感じられました。
オリンピックそのものは、オリンピックに出ること、参加することそのものも非常に大事だし、競技の中で優勝したり、高い結果をもたらすことも大事だと思いますけれども、人間的にもすばらしいアスリートの育成とか、また薬物等に頼らない生き方、そういうものも大事ではないかと思われます。そうしたキャンペーン活動も非常に大切だと感じております。
今回、きょうの質疑の中でもありましたけれども、前回に比べて招致経費の予算が約半額ということなので、この少ない予算の中での招致活動をどのように工夫していくのかをまず最初にお聞きいたします。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 招致活動の工夫についてでございますが、前回の招致活動で得られた有形無形の財産を最大限活用するとともに、費用対効果を勘案した事業執行による経費圧縮に努めるなど、めり張りのある効率的な予算の使い方が可能となると考えております。
また、今回の招致活動は、JOCを初めとするスポーツ界、国、経済界などの各界が総力を結集し、日本全体が一つとなってオールジャパンの体制で取り組んでいくことが肝要であると考えております。
これらを前提に、各団体とのネットワークを最大限生かしながら招致活動を展開することはもとより、庁内各局や都内区市町村とも緊密に連携を図りながら取り組みを行ってまいります。
○野上委員 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の招致を目指す東京オリンピック・パラリンピック招致委員会は、招致委員会の象徴となるロゴを発表いたしました。今、皆様の胸にもバッジが--ついていない方もいましたけれども、大体ついていますよね。そういうロゴを発表されましたけれども、このバッジは、説明によりますと、オリンピックのカラーに加えて、東京の色をあらわす江戸紫を使用してあるということと、花びらが一枚一枚くっついておりまして、世界をつなぐように一つの大きな輪となって、桜のリースになっていると。
リースというのは、もともとは永遠とか幸福をあらわすという意味と、再び戻ってくるよという深い意味もありまして、日本で一九六四年にオリンピック・パラリンピックを開催しました。スポーツを通じて、この国に勇気と活気を取り戻したいという願いが込められているというロゴでございますけれども、日本で再び平和の祭典を求めていきたいということで、このロゴができたわけでございます。このロゴは公募で募集して、審査の結果採用されたということで、多くの方々がこのロゴに募集されて、夢をつないできたということがすばらしいと思っております。
今回、オリンピック・パラリンピック関連のバッジ、いろんな種類、例えばスポーツ祭東京二〇一三とくっついている横長のとか、縦長のとか、ばらばらのとか、いろいろグッズをいただいたんですけれども、このバッジをつけておりますと、新年会等に行くと、これ何のバッジといろんな人が聞いてきまして、実はこれ、東京都がオリンピックを招致しているバッジなんですよというと、知らなかったわという方が結構多かったのです。
こういったつくっていただいた招致グッズ等々を、まち中にも配布したりするような活動が必要ではないかと思っております。いただいた方はすごくうれしいので、またつけたりして、招致の機運をしっかりとしたから、盛り上がることにもつながるのではないかと思っております。
いろいろなグッズがありますけれども、これからまち中に配布する配布対象をどうするのかとか、配布方法とかを検討しているのかどうかをお聞きいたします。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 理事ご指摘のとおり、招致活動を直接的、広域的かつ長く記憶にとどめていただけるアピール手段として、啓発グッズの活用はとても有効であると考えております。
しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、限られた予算の中でめり張りのある効率的な執行を図らなければならないのも事実でございます。このため、招致活動における啓発グッズの活用につきましては、スポーツが本来持つ魅力やすばらしさを感じていただけるよう、イベント等を通じまして、オリンピック・パラリンピック競技大会の開催意義や目的を伝えるメッセージの発信とあわせて連動させて、効果的な配布を行っていきたいと思っております。
○野上委員 申請都市を見ていますと、ローマとかマドリード、これはギリシャの経済破綻--破綻はしていないんですけれども、危機に連動して、非常に経済的に厳しい国ではないかと。それから、ドーハは暑いということと、開催時期がずれているということ、お金はたくさんあるんでしょうけれども、そういった面でなかなか難しいのではないかと。バクーというのは、経験も少ないし、治安の面でもちょっと心配があるかなと。
そうなってくると、残りはイスタンブールと東京ということになると思うんですけれども、この二つとも心配をされているのが地震ということなんですね。この前、読売新聞で、東京大学の地震研究所の、今後四年間にマグニチュード七クラスの地震が来る確率が七〇%というショッキングなニュースが出たわけですけれども、日本はまさに地震というものがイメージ的にネックになっていると思うんですね。
立候補都市の中で東京は最も有力なわけですけれども、東日本大震災の発生により、IOCの委員の間でも地震に対する不安を感じていることが懸念されると思います。これを払拭するために、今後どのような活動を行おうと考えているのかについてお聞きいたします。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 東日本大震災のニュースが世界じゅうで取り上げられましたことから、二〇二〇年大会の開催都市選定に当たりまして、IOC委員などが東京における地震や津波のリスクに不安を抱いている可能性があることは私たちも認識しております。
これらの不安を払拭するため、申請ファイル等の開催計画書への記載に加えまして、各大陸別オリンピック委員会関係の国際会議やロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会など、あらゆる機会を活用しまして、地震や津波に対する東京都、また日本国政府の取り組みやオリンピック・パラリンピック競技大会での対応策などにつきまして、積極的に情報提供を行ってまいります。
○野上委員 最後です。子どもたちに夢と希望を与えて、オリンピックの経済波及効果も大きいということで、東京商工会議所を初めとしてさまざまな団体が非常に熱心に応援しておりますし、私たち都議会も、私たちの党も含めてしっかりと応援をさせていただきたいと思っております。
まちのインフラの整備を初めとして、誘致のための政策をこれからも各局と連携しながら実施していただきたいことを要望いたしまして、質問を終わりにいたします。
○淺野委員 私からも、既に何点か出ていることと若干かぶるところもございますけれども、少し視点を変えながら質問させていただきますので、おつき合いいただきたいと思います。
まず最初に、今回のオリンピック・パラリンピック、先ほどうちの民主党の大西理事からの話もあったとおり、何としても招致を成功させたいという思いは、我々民主党も一緒でございます。
特に、アジアの中で同じ国が二回開催したという国は今のところございません。そういった意味で、経済的に今厳しいといわれますが、日本という国がアジアの中でもやっぱり一つ頭が出るというか、日本というものがちゃんと復興したんだと、復活したんだよということを見せるためにも、夏季オリンピックを二回目やるんだというのは、日本が最初にとるべきだと私は考えております。
ただ、その中で、先ほどからオールジャパンという言葉が出てきておりますけれども、参加をしているのがオールジャパン、みんなでやっているよ、これはいいんですが、牽引しているのがただ東京都ですというだけだとやっぱり弱いと思うんですね。参加はみんなしているんだけれども、引っ張っているのを見たら結局行政かよという状況では、本当の意味でのオールジャパンとはいえないと私は思います。
そういったことを考えると、この招致委員会だとか、あるいは計画委員会、そういったところの実際にいろいろ動かしていく事務局の中にも、本当に最初の段階から民間の企業や、あるいは団体というところから人材をきっちり出してもらって、牽引役も全体なんだということをつくっていく必要があると思いますが、今、現状がどうなっているのかということをまず確認させていただきます。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 招致委員会は、IOC委員等に対する国際プロモーション活動を主体的に行うほか、国内外の広報活動を主に行うものでございます。そのため、幅広い団体に招致活動を担ってもらうことが重要と考えておりまして、現在でも民間企業等に協力をいただいておるところでございます。
また、計画委員会は、申請ファイル、立候補ファイル等の計画策定やIOC委員への対応等を業務としておりまして、計画委員会事務局の専門性やノウハウを持つ人材が必要とされる部署に民間企業等から応援をいただいております。
今後とも、必要に応じて適切なポジションへ人材を応援していただけるよう、幅広くお願いをしてまいります。
○淺野委員 今おっしゃったとおり、現在、事務局には民間の方々も大分入ってきていただいているということでございますが、あくまで、できれば主体は民間の企業や団体の方々が中心となっていけるようになれば理想的なんですね。
もちろん、さまざまな利害関係もあるでしょうし、時には行政、あるいは東京都というのがそこに入って、いろんな調整をしていかなきゃいけないというのは当然あると思いますけれども、あくまで引っ張っていくエンジン、そこには東京都が中心となってやっているんだよということよりも、先ほど名前が出ていました東京商工会議所であるだとか、さまざまな民間企業であるだとか、あるいはメディアであるだとか、そういったところが本当に中心となってやろうと思って頑張っていると。そこに東京都としていろんなものを付加しながらやっていくという形をつくることの方が、オールジャパンという体制は非常に理想的になっていくと思いますので、これからもぜひ頑張っていただきたいと思います。
オリンピック招致ですけれども、これはあくまで戦いです。外交というか、オリンピックの招致をかち取る、最終的にはどこか一つの都市しか勝てないわけですから、戦いであります。
我々議員はみんな同じことをやっておりますけれども、四年に一回は必ずそういう戦いをするわけですが、そう考えたときに、我々が常に気にしていることは、基本的に準備は悲観的に行って、取り組むときは楽観的にやっていくというのが、私は非常に重要だと思っております。
そういう考えでいきますと、先ほどの例えばいろいろな説明の中にありました、今回はIOCにとって影響力のあるアメリカさんが参加しないのでとか、初になるアフリカさんがいないのでとかという話があって、東京にとって有利な状況がありますみたいなことをいっていましたけれども、非常に厳しく見ていくと、先ほどの話の中で東京にとって有利だというのは財政の話だけなんですね。アメリカが来ない、アフリカがいない、これはほかの都市にとっても同じ状況ですから、別に東京が有利な話じゃないんです。
そういうことを考えていったときに、そういう意味では、やっぱり厳しく見ていかなきゃいけない。すべての話を非常に厳しく見ていかなきゃいけない。先ほど地震の話もありました。四年以内に七〇%以上というのがありましたけれども、きょうですか、どこかほかの新聞の方で見ますと、若干五〇%以下というデータも出てきたりして、いろいろ情報も錯綜しているところがあると。
国内で錯綜しているということは、逆にいうと世界はもっと錯綜しているだろうというのを予想していかなきゃいけないわけですよね。東京なんかは、あしたにでも地震が起きてもしようがないぞといわれている可能性だって十分あり得るわけで、それについては先ほどこれから情報もいろいろ出していきますよという話がありますが。
そういった中で気にしなければいけないのは、我々は前回通っているから大丈夫だろうと非常に楽観視しているんじゃないかと私は思いますけれども、一番最初にクリアしなきゃいけないのは、ことしの五月十三日、立候補都市選定のタイミングですね。ここを確実にクリアしなきゃ何の意味もないことになってしまうと。
招致をとれるかとれないかの前に、最初の四都市の中に選ばれなければいけない。当然、確かにこの資料を見れば、東京は選ばれそうな気がするんです。だけど、そこはやはり本当にアリの穴一つ、あるいは本当の欠点がないかどうか、きっちりチェックして、立候補ファイルを申請する段階でも五月を確実に乗り切るということが必要になると思いますけれども、この五月に立候補都市の選定が行われる際にも、東京が今置かれている状況というのをどういうふうに認識して、そして対応をどういうふうにとっていくのかということについて伺いたいと思います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 五月の立候補都市選定は、オリンピック開催にかかわる各分野の専門家などにより構成されました作業部会の評価に基づきまして、IOC理事会によって行われます。作業部会の評価は、各都市の開催能力、成功の可能性等について、IOCが求める基準に達しているかどうかの絶対評価でございます。
東京は、前回二〇一六年招致の際は宿泊施設、セキュリティー、交通インフラなどの項目で高い評価を受けたところでございます。今回は先生ご指摘のように、前回の計画をさらにブラッシュアップして、立候補都市に選定されるよう万全を期しているところでございます。
○淺野委員 非常にきちっとやっていきたいというお話がありましたので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
今の話にあったとおり、これは相対評価じゃなくて絶対評価なわけですよね。客観的に見て、その都市が本当にちゃんと開催できる都市かというのを、一つ一つだけを見ていって比べるわけじゃなくて、数値にして基準点を超えたところを選んでいくというスタイルだと思いますので、そういう意味では恐らく東京は大丈夫だと私も思いたいです。思いたいんですが、そこについてはちょっと油断をしないように、ぜひ頑張っていただきたい。
そしてもう一つ、先ほど経済効果の話もありましたけれども、実はこういう客観的な指標で評価されたときに、東京は高い評価が二〇一六年招致のときも出ましたけれども、こういう話も実は子どもたちとかに伝えていくべきだと私は思うんです。それこそが東京がオリンピックで選ばれるための招致活動をする段階において副産物というか、世界的に東京ってどう思われているんだろうと。そうすると、高い評価を得ているんだよと。
オリンピックが開催できるかどうかというのは、先ほどいったロビー活動とかの影響もありますので、それはちょっと私も後ほどお話をさせていただきますけれども、少なくとも数値評価という段階で非常に高いんだということは、逆にいうと、東京って世界じゅうの都市から見てかなりいい都市だねといわれているのと全く一緒だと私は思うんですね。
そういう話も子どもたちに伝えていく。これが、ある意味、招致機運をつなげていくということにも一つ効果があるんじゃないかと思いますので、ぜひとも検討していっていただきたいと思います。
今回、世論調査の話が先ほども出ておりましたが、私が個人的に思うのは、統計的なものというのは、はっきりいってサンプル数の問題ではないと。サンプル数の問題でいえないということがあると思います。当然、統計学というのは、その数値をどう変換するかという話でやっていきますので、非常に重要です。
ただ、考えなきゃいけないのは、その出てきた資料というか数値というものを、本当の意味で客観的に私たちはチェックをしていかなければいけない。この招致、それからやっていくための特別委員会でも出てくる資料については、我々も思い入れなく、つまり先入観なく、客観的にちゃんと見ていかないと、今の東京が置かれている状況はどうなのか、それを見ることによって次の手が考えられると思うんですよね。
それをしっかりやるためには、事務局の皆さんとか理事者の皆さんから出していただく資料も、非常に客観的だということを常に意識しておいていただきたいと思います。例えば今回の資料でしたら、参考としてIOCの調査のデータが出ております。先ほどの説明の中でも、約一〇ポイント上昇していますという話がありました。しかし、それができるというのは、質問の数だとか、あるいは逆にいうとその調査の手法であるとか、そういったものがある程度一緒だという条件があって、初めてそういう比較はしていいものだと私は思います。
特に世論調査というのは非常に動きやすいものですから、そこをやってしまうと、これ、本当に客観的なデータなの、あるいは客観的な比較なのと。主観が入っているんじゃないんですかという要らぬ疑いを生むことになります。そうならないように、やはりこういった調査結果というのは、今後やっていくときには客観的なデータをぜひ出していただきたい。
ですから、例えば今回のを出すのでしたら、今と同じタイミング、前回の申請都市段階での調査結果、そういったものを示すとともに、調査結果を客観的に比較できるように示していくというやり方をやっていっていただきたいと思いますけれども、それについての見解を伺います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 前回招致の申請都市段階における招致委員会の調査では、六千人を対象にインターネットのみで実施いたしまして、二〇一六年東京大会開催に関して東京都で六〇%、全国で六二%の賛成がございました。
本委員会の説明資料の中で参考として二〇〇九年二月に実施されましたIOC調査結果を掲げておりますのは、調査手法として電話調査とインターネット調査を併用していること、選択肢として賛成、どちらかというと賛成、どちらともいえない、どちらかというと反対、反対の五者択一で聞いていることなどが共通点としてあったため、記載したものでございます。
今後につきましては、今回実施した調査手法をベースに調査を行っていく予定でございます。
○淺野委員 今おっしゃったとおり、今後の調査というのはぜひ今回の調査をベースに、変更したときはそのままここを変更しましたといってもらえばいいと思いますので、そういう形でベースをぜひ出していっていただきたいと思います。
ただ、この辺の情報というのは、いわゆる論語に出てくる孔子の話にあるように、細かいことをわかってもらう、つまり一般の方々に細かいことをわかってもらうというのは難しいんですね。でも、信頼をかち取るということは可能なことですし、これが最も重要なことだと思うんです。
常に出してくる情報というのは客観的である。それがよかろうが悪かろうが客観的に、ちゃんとやっているということを常に貫いていれば、出てくるものは常に信頼してもらえるようになりますから、そうすることで初めて機運の醸成というのができ上がってくると私は思いますから、この客観性ということに対してはかなり気を使っていただきますようにお願いをしておきます。
さて、今のインターネットの話で出てきますと、インターネットだけの調査結果というのを見ると、若干ではありますけれども、数値が下がっていると思います。これは先ほどちょっとたぞえ委員の話にもありましたので、一部質問のところはかぶるところはあるのですけれども、ただ、この質問の中で先ほどの答弁にもございましたとおり、確かにこれは調査手法が異なっているよということがありますので、単純に数値は比べられないというところはあるかと思いますが、それから中村委員の話にもありましたけれども、インターネットの数値が、絶対的に見て、普通に見て六十何%というのが高いか低いかといわれれば、まだあと四割賛成じゃない人がいるということは、もっともっとこれを引っ張ってきていいというふうに私は思うわけですね。
私たちもこの決議を出す前にもいろんなオリンピアンの方々、JOCの関係者の皆さんも、ぜひ東京でもう一度チャレンジしてほしいというような要望もありました。前回の招致活動のとき、見ておりますと、さまざまなイベントに協力していただいたりした方もたくさんいると思います。
でも、実は、そういうイベントごとだとか何かの大会のときに来て、みんなで頑張りましょうというのも大切なことですけれども、インターネットというのはその人自身が暇な時間があればどこでもできることです。今どき携帯電話一つあれば、ツイッターだろうが、フェイスブックだろうか、ブログだろうが、あるいはさまざまなところに参加していって、自分の意見、オリンピックをやりたいねということをいえるわけです。
特に有名人であれば影響力は大きいわけですよね。そうしたら、オリンピックをやってほしいと思ったオリンピアンの方々、あるいは過去にオリンピックに参加された方々、メダリストの方々、そういった方々は、インターネットを使えば、少なくとも東京都は一切出資することなく、その人たちにいろんなところで、東京でオリンピックをやろうね、二〇二〇年東京オリンピックをぜひともやりたいねということを発言し続けてもらうということをお願いすることで、インターネットの世論調査の結果というのはもっともっと上がってくる可能性があると私は思うんです。
特に今回、先ほどの意見でも出ていましたけれども、やっぱりオリンピックに出たオリンピアンの方々、メダリストの方々に、特に現役の選手は自分がこれからロンドンに向かっていろいろやらなきゃいけないタイミングですから、その方々に余り気を使わせるのは申しわけないですけれども、少なくとも過去出られた方々、金メダルをとられた方々については、どんどんやってもらっていいと私は思いますので、こういう招致活動、つまりインターネットを通じた世論の喚起にもっともっと参加を図っていくべきだと、お願いをしていくべきだと考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 委員ご指摘のインターネット調査での支持率向上は重要な課題でございます。今ご指摘いただいたとおり、ホームページ上でのPRはもちろんのこと、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアを活用した広報活動に、委員ご指摘のオリンピアンなどに参加していただく予定でございます。
○淺野委員 ありがとうございます。ぜひその方々にも徹底して、もう毎日のようにつぶやいていっていただいてもいいと思いますから、やっていただきたいと思います。
さて、先ほどちょっと後で話しますといいました、招致の段階の話もさせていただきたいと思うんですが、招致の段階、正直いって、IOC委員がそれぞれ一票ずつ入れていくという形だと思います。いろんなデータで強い弱い、あるいは東京都の支持率が、つまり都民の支持率が高い低い、日本人全体での支持率が高い低い、いろんなデータがあって、そういういろんな理由がありますけれども、選挙戦を戦っている議員の委員の皆さんは、皆さんわかっていらっしゃると思いますが、正直、やっぱりフェース・ツー・フェースが一番強いんですよね。IOC委員の方々と直接つながって、直接お話をし合うという関係が築けた人たちというのはやっぱり強いと私は思います。
ただ、日本全体として招致の機運を高めるということは、これも必要だと前回の反省にもあったということですけれども、何よりもこういった戦いのときに、特に相手がもう見えている戦いのときに一番重要なのは、私はいろんな項目があると思います。これでやらなきゃ、あれをやらなきゃいけないという項目はありますが、そのすべてにおいて負けないということだけを考えていればいいんだと思うんですね。
開催の規模、趣旨、それからそういう都市のつくり方、ファイルのでき、プロモーションのでき、そして支持率、そういったものが負けないように、負けないように、つまり相手が断る理由を与えないように、全部において東京はいいよというのをつくり上げながら、最後は国際のプロモーションの中で、どうですか、東京、いいでしょうといって、一つ一つかち取ってくる。百六人ですか、今現在でいらっしゃるんで、その百六人の委員の方々一人一人をきっちり口説いていくという活動をできるという人を、また一緒に見つけて活動させていかなきゃいけないと思います。
ですので、今後の招致活動の中で国際的なプロモーション活動、そういったものをやれる人材を一人、二人ではなくて、もういろんな、アジアだったらこの人、アフリカならこの人、もっといえばこの国はこの人だと百六人の担当を決めて、一人一人全部口説きに行けというぐらいでも私はいいと思いますから、そういう人材をどんどん探して、あるいはいろんなところで声をかけて、常にもっといい人はいないかというのを探っていく必要があると思いますけれども、こういう国際的なプロモーション活動における人材についてどのように考えているのか、都の見解を伺いたいと思います。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の招致活動につきましては、招致を国家プロジェクトとして位置づけ、招致委員会が国、JOCや国内競技団体などスポーツ界、経済界などと連携して推進していく必要があると考えております。
国際プロモーション活動につきましては、招致委員会の竹田理事長や水野専務理事など、国際スポーツ界に幅広い人脈を持つ招致委員会幹部が中心となり、国際プロモーション活動を展開してまいります。さらに、日本が持ち得る人材やネットワークを最大限に活用し、国際プロモーション活動に取り組んでまいりたいと思います。
○淺野委員 当然、前回の招致の段階で相当頑張っているはずなんです。それでも届かなかったんです。
もちろん今回は出てくる都市が違いますから、前回と全く同じ状況とはいえません。しかし、万全を期すためには、前回を超えていかなければいけない。まさに超人的に、いろんなことを努力しなきゃいけない状況だということを招致評議員の皆さんにも理解していただいて、今、名前の出てこられた竹田理事長や水野専務理事など、そういった方にも本当に理解してもらって、今までどおりじゃだめなんですと。本当にもうちょっと超えなきゃだめなんですということを全員が持って、じゃ、この人ならどうなんだと。この人は、全体じゃなくていいですよ。あの国の人だけだったら、この人が口説けるかもしれないとかという人でもいいから見つけてもらえるように、そういう考え方でやっていただければと思います。
最後に一問だけ確認をさせていただきます。
今いろいろ話をしてまいりましたが、今いったように、東京、本当に今回絶対とりたいんだという気持ちでやっていく。最終的には、これは私の個人的な意見ですけれども、都民や日本国民がいろんな意見をいうのは当たり前です。反省にもあったように価値観がたくさんあるんですから。でも、私たち政治家が、あるいは行政が、これは日本の復興にとって必要だと思って決めたからには、突っ走ってしっかりやっていくしかないと私は思うんですね。その熱意でもって動かしていく。
ただ、我々だけがやったのでは空回りしてしまう。だから、招致委員会の評議会のメンバーにも同じだけの熱意を持ってやってもらっていかなければならないと私は思います。そういう意味で、この評議会のメンバーにもこれからより一層、招致活動にできるだけいろんな形で参加をしていただく。どんな形でもいいから、自分からみずから熱意を持って参加をしていただくというようなことが必要になってくると思いますけれども、そういった形での、現状でので構いませんので、現状での取り組みについて伺わせていただいて、私の質問を終わります。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 オリンピック招致をかち取るためにはオールジャパンでの招致体制の構築が重要でございまして、そのため招致委員会の中に評議会を設け、各界から多くの方々に参加いただいております。
評議会におきましては、引き続き理事会に対して意見、助言をいただくとともに、今後は評議会の中に幹事会を設けまして、より機動的に招致活動に参加していただくことによりまして、国内招致機運の醸成を促進していきたいと考えております。
○西沢委員 私の方からは、より都民の皆様に理解をいただいて、そして、オリンピックの招致を進めていかなければならないということについて、前回の電通との六・九億円の借金、その辺に的を絞って質問させていただきたいと思います。
きょうのこれまでの議論の中で、世論調査の結果がいろいろとありましたが、反対の理由の中で、税金の使い方が適切ではないというような意見が反対をされた方の中では多かったというようにも答弁があったところであります。ですから、税金の使い方については、適切ではない、いや、そうではないんだというようなところを確認していくためにも、お金の使い方をぜひ明らかにしていく必要があって、それをしていくことで理解を得られるんではないか、貢献できるんではないかと思っております。
そこで、まず最初に、この招致活動についての経費でございますが、前回から半額にする、百五十億円から七十五億円にするということで聞いておりますが、具体的な金額をお伺いいたします。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の招致活動経費は、前回の招致活動経費百五十億円の半額程度でございます。具体的な金額につきましては、申請ファイルに記載する内容でもありますことから、申請ファイルのIOCへの提出期限であります二月十五日以降に公表する予定でございます。
○西沢委員 もう少し具体的にざっくり、もちろん詳しい金額については二月十五日以降になろうかと思うんですが、例えば招致委員会の招致活動経費は、私はその約半分、七十五億円の半分であるというように聞いていたんですけれども、招致委員会の方、つまり百五十億円のうち七十五億円、そしてそのうちの半分、つまり都費で使う東京都と計画委員会、それと招致委員会で約半分ずつ、約でも結構なんですが、そういったイメージでいいのかどうかお伺いいたします。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 招致活動に必要な資金につきましては、都費を上回る民間資金の確保に最大限努めてまいります。
○西沢委員 そうしましたら、先ほど既に議論がありましたけれども、既に六・九億円の借金は返済を行ったというようなことでございます。今回の招致委員会の実際の招致活動経費というものは、この借金の返済分が差し引かれた残りの額になるのかどうかをお伺いいたします。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の招致活動経費は、前回招致の際の百五十億円の約半分でございます。そのうち招致委員会の招致活動経費は、さらにその約半分を見込んでおります。
前回の借入金につきましては既に返済済みでございまして、今後は、前回招致の経験、ノウハウを活用し、効果的な招致活動を行うとともに、必要な招致経費につきましては、資金の確保に最大限努めてまいります。
○西沢委員 今ご答弁いただいた中で、招致委員会の招致活動経費はさらにその約半分を見込んでいるとご答弁をいただきました。百五十億円の約半分の七十五億円が全体の活動経費で、そのうちの招致委員会の招致活動経費はさらにその約半分ということでよろしいんでしょうか。いま一度確認させてください。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 前回招致の際の百五十億円の半分が今回の招致活動経費でございまして、そのうち招致委員会の活動経費につきましては、さらにその半分を見込んでおります。
○西沢委員 最初に答えていただけなかったんで少しびっくりしたんですが、いずれにしろ百五十億円の半分、七十五億円、さらにその半分ということですから、微妙な額の違いはあろうかと思いますが、三十七・五億円が招致委員会の方の活動経費であるというようなことだと認識をいたしました。
そして、六・九億円の分はこれとは別に返しているということですから、三十七・五億円プラス六・九億円、つまり四十四・四億円以上が招致委員会の経費、つまり民間でこれを賄うと。寄附であったりとかスポンサー契約であったりということがわかったわけであります。
この六・九億円に関しては空から降ってきたものでは当然ありませんから、約半分といっても結局は半分じゃないわけですよね。ですから、半分に経費を圧縮するということは、都民から見ても税金の圧縮、歳出の削減というのは大変理解を得られることであると思うんですけれども、このいい方ですね。結局、国際スポーツ東京委員会というところが招致委員会に統合して無借金で始めるというのは、聞こえはいいと思いますし、時事通信さんがたしか先月の中旬ぐらいに報道されましたけれども、この報道の中でも、無借金であるというところの団体の方が寄附が集まりやすいというようなことでもございましたが、結果的にお金については変わらない、民間から集めるというようなことをしっかりと伝えなければ混乱を招きますし、結果的にそういった、うまくお金のやりくりだけで招致、寄附費用を集めようとしても、誠意に欠けるんではないのかなと私は思います。
そして、その六・九億円の中身でございますけれども、これは先ほどもありましたが、電通さんとの間で招致のマーケティング専任代理店契約をしたというようなことでございました。これの最低保証額というものがあったわけでございますけれども、つまり例えば十億円の招致を電通が集めるというようなことであったら、例えばですけれども、詳細はわかりません。例えばそのうちの八億円ぐらいが最低保証額ということで東京都が受けるというようなことと聞いております。
つまり、八億を下回ってもそれは返さなくてもいいし、それ以上上回ったら、それ以上集めてくれというような、そういった契約方式になっているというふうに聞いております。これはこれでいいんですが、なぜ電通との間でこの契約をしたのかという理由をお伺いいたします。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 電通との専任代理店契約についてでございますけれども、JOCを初めとしたこれまでのスポーツマーケティングの実績や、前回招致の際のマーケティング活動の実績を勘案し、現下の厳しい経済状況の中においても招致活動に必要な経費を確保するために最適な契約相手方として、招致委員会が判断したものでございます。
○西沢委員 当然ほかにもこういったマーケティングできる会社もあったんだと思うんですが、相見積もりであったりとか、例えばプレゼンテーションなどを通じてコンペなどで競い合ってこういった契約をされたんでしょうか。お伺いいたします。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 繰り返しになりますが、これまでのマーケティング活動の実績を勘案し、最適な契約相手先として招致委員会が判断したものでございます。
○西沢委員 答えをいただけなかったんですけれども、要するに、電通しかいなかったから、ここを判断したんだというようなことなんだろうと思います。
そうすると、この代理店契約の内容が電通にとって例えば有利な条件になっているのではないかと。例えば十億円あって、電通さんが極端な話、百億円、二百億円と大量に集めても、東京都は取り分がちょっとしかないとか、そういったことになっていないか確認したいんですけれども、有利な条件になっているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 招致委員会と電通との専任代理店契約は、スポンサー企業の獲得や寄附金募集により招致活動に必要な資金を集めるための契約でございます。
この契約の中で、電通があらかじめ確実に調達できるものとして、招致委員会に対して約束した金額が最低保証額として定められております。この最低保証金につきましては、電通の招致マーケティングによる資金調達が最低保証額に達しない場合においても、電通に対して返還されることはございません。電通の資金調達が最低保証額を上回った際には、調達額から手数料相当分を除く全額が電通から招致委員会に支払われます。
○西沢委員 わかりました。ありがとうございます。最低保証額を下回った場合でも電通には返す必要がないということですから、これはいいですよね。これは当然そういった契約であってしかるべきだと思いますが、これを上回った場合には、調達額から手数料--ですから手数料があるから、たくさんとっても招致委員会に支払われる分があるんだということですが、この手数料というのがどれくらいなのかということがわからないと、どういう契約、いい契約なのか悪い契約なのか私はわからないんですが、この手数料について情報を今持ち合わせていたら教えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 手数料率につきましては、この契約が招致委員会と電通との間の個別の契約のお話でございますので、公表することはできません。
○西沢委員 そうすると、これは招致委員会の方ですから都費ではないと思いますけれども、結果的にやはり資金が集まらないといけないわけです。例えばその契約の中身というのが将来的に公開されないんであれば、当然検証のしようもないでしょうけれども、そういったこともご検討される予定はあるんでしょうか。将来的には公開するとか、そういったご予定があるのか、現時点でも結構です。
○松永スポーツ振興局招致推進部長 契約につきましては民民の個別の話でございますので、公開することはできないというふうに考えております。
○西沢委員 民民の契約ですし、招致委員会は都費が入っていませんからということはよくわかるんですけれども、六・九億円の借金を返すためにオリンピックをやっているわけでも当然ないですし、電通のためのオリンピックでも当然ないんですが、うがった見方をして反対をされる方の中ではそういうことをいう方もいるのは事実で、そこをやはり払拭する必要があるじゃないかと私は強く思いますから、そういったことを公開できないと今ご答弁がありましたけれども、理解をいただくように努力をしていただきたいということを申し述べて、質問を終わります。
○山口委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時二十四分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.