防災対策特別委員会速記録第十二号

平成二十四年十一月三十日(金曜日)
第四委員会室
 午後八時五十四分開議
 出席委員 十七名
委員長大津 浩子君
副委員長橘  正剛君
副委員長服部ゆくお君
副委員長増子 博樹君
理事松葉多美子君
理事山下ようこ君
理事吉原  修君
加藤 雅之君
田中  健君
鈴木 章浩君
くりした善行君
中屋 文孝君
中谷 祐二君
笹本ひさし君
早坂 義弘君
西崎 光子君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
総務局局長笠井 謙一君
総務部長山手  斉君

本日の会議に付した事件
 東日本大震災を踏まえ、東京都地域防災計画の見直しに向け、今後、東京で発生が懸念されている大規模地震などへの対策をあらゆる角度から強化することについて調査・検討する。
委員会調査報告書について

○大津委員長 ただいまから防災対策特別委員会を開会いたします。
 これより、東日本大震災を踏まえ、東京都地域防災計画の見直しに向け、今後、東京で発生が懸念されている大規模地震などへの対策をあらゆる角度から強化することについて調査・検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、委員会調査報告書についての決定を行います。
 委員会調査報告書を議題といたします。
 委員会調査報告書(案)は、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   〔委員会調査報告書(案)は本号末尾に掲載〕

○大津委員長 この際、本件に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○吉田委員 防災対策特別委員会調査報告書(案)について、調査を継続すべきとの立場から意見を表明します。
 防災対策特別委員会は、極めて重要な役割を果たしてきました。とりわけ、総務局だけでなく、都市インフラや住宅の耐震化などを所管する都市整備局や建設局を初め、関係局との質疑が行われたことは重要でした。さらに、東京都防災会議地震部会の専門家の方々から参考人として報告を受け、質疑したことも重要でした。
 防災問題は、総合的で、かつ専門的な対策の調査、検討が求められているだけに、特別委員会の役割は重要です。
 要綱では、特別委員会の目的に、東日本大震災を踏まえ、東京都地域防災計画の見直しに向けとなっていますが、先日発表された修正は、平成二十四年修正となっているとおり、現時点での修正です。私たちは、それ自身も抜本見直しの意見がありますが、都も、毎年検討を加え、必要があると認めるときに修正するとなっています。
 しかも、今後、南海トラフの巨大地震を想定した新たな対策や、中央防災会議による首都直下地震の新たな被害想定も予想されています。それに基づいて、都の地域防災計画の新たな修正は必至です。
 それだけに、今回の修正発表をもって終了とするのでなく、引き続き調査、検討を継続することが本委員会に求められていると考えます。
 よって、本委員会終了のための調査報告書には賛成できません。
 以上です。

○大津委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、お手元配布の委員会調査報告書(案)のとおりとすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大津委員長 起立多数と認めます。よって、委員会調査報告書は、お手元配布のとおり決定いたしました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告については、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして、東日本大震災を踏まえ、東京都地域防災計画の見直しに向け、今後、東京で発生が懸念されている大規模地震などへの対策をあらゆる角度から強化することについて調査・検討を終了いたします。

○大津委員長 この際、所管局を代表いたしまして、笠井総務局長から発言の申し出がありますので、これを許します。

○笠井総務局長 執行機関各局を代表いたしまして、一言御礼を申し上げます。
 昨年十二月に本委員会が設置されて以来、東京の防災力の高度化に向けまして数々の貴重なご意見を賜り、まことにありがとうございました。この間の大津委員長を初めとした委員の皆様方のご尽力に対しまして、厚く御礼を申し上げます。
 東日本大震災の発生を受け、東京の防災対策を推進し、地域の防災力の向上を図ることが喫緊の課題となっておりましたが、本委員会においてちょうだいいたしました貴重なご指摘、ご意見などを踏まえまして、このたび地域防災計画を修正させていただいたところでございます。
 今後は、修正した計画に基づき、防災対策の一層の充実強化に努めてまいりたいと存じますので、よろしくご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。
 甚だ簡単ではございますが、御礼の言葉とさせていただきます。まことにありがとうございました。

○大津委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ごあいさつを申し上げます。
 本委員会は、昨年の第四回定例会において設置されて以来、本日まで一年間にわたり、委員会を十二回開催するとともに、参考人を招致いたしましたし、他県への視察を行うなど、議会から付託されました調査事項について、精力的に調査、検討を重ねてまいりました。
 去る十一月十四日に開催されました東京都防災会議において東京都地域防災計画の修正が決定されましたが、本委員会においても、これまでの調査、検討結果につきまして、本日ここに調査報告書として取りまとめることができました。
 これもひとえに、橘副委員長、服部副委員長、増子副委員長を初め、理事、委員の皆様方の熱心なご審議とご協力のたまものと心から感謝を申し上げる次第でございます。
 また、理事者の皆様におかれましても、真摯な姿勢で本委員会の運営にご協力いただきましたことに、改めてお礼申し上げます。
 最後に、本委員会における調査、検討の結果を踏まえて、今後、関係機関との連携を図りながら、高度な防災都市の実現に向けて、都民の命と安全を守ることを一同お誓いを申し上げまして、私からのごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後九時散会

防災対策特別委員会調査報告書(案)

 本委員会は、平成23年12月15日に設置され、東日本大震災を踏まえ、東京都地域防災計画の見直しに向け、今後、東京で発生が懸念されている大規模地震などへの対策をあらゆる角度から強化することについて調査・検討してきたところですが、平成24年11月30日に本課題の調査を終了したので報告いたします。

  平成24年11月30日

防災対策特別委員長 大津浩子

東京都議会議長 中村明彦 殿

目次

1 本委員会の設置
(1)設置の経過
(2)委員及び役員
2 調査・検討の経過
3 調査・検討の概要
(1)都における防災対策及び東京都の新たな被害想定について
(2)報告事項に対する質疑の概要
(3)参考人からの意見聴取
(4)視察(兵庫県)について
(5)東京都地域防災計画の修正素案について
(6)東京都地域防災計画の修正について
4 結び

1 本委員会の設置
(1)設置の経過
 本委員会は、東京都議会として、「東日本大震災を踏まえ、東京都地域防災計画の見直しに向け、今後、東京で発生が懸念されている大規模地震などへの対策をあらゆる角度から強化することについて調査・検討すること」を目的として、平成23年12月15日の平成23年第四回定例会本会議において、小林 健二君外124名の動議により、下記の要綱のとおり設置された。

防災対策特別委員会設置要綱
1 名称
 防災対策特別委員会とする。
2 設置の根拠
 地方自治法第110条及び東京都議会委員会条例第4条による。
3 目的
 東日本大震災を踏まえ、東京都地域防災計画の見直しに向け、今後、東京で発生が懸念されている大規模地震などへの対策をあらゆる角度から強化することについて調査・検討する。
4 委員会の組織
 委員の定数は、17名とし、委員長1名、副委員長3名及び理事3名を置く。

(2)委員及び役員
ア 議長は、平成23年12月15日の本会議に諮り、次のとおり委員を指名した。
加藤 雅之君 田中  健君
松葉多美子君 早坂 義弘君
たきぐち学君 中屋 文孝君
西崎 光子君 しのづか元君
興津 秀憲君 橘  正剛君
服部ゆくお君 吉田 信夫君
いのつめまさみ君 吉原  修君
三宅 茂樹君 増子 博樹君
馬場 裕子君

イ 平成23年12月15日の委員会において、次のとおり委員長、副委員長及び理事が互選された。
委員長  馬場 裕子君
副委員長 橘  正剛君
副委員長 服部ゆくお君
副委員長 増子 博樹君
理事   松葉多美子君
理事   いのつめまさみ君
理事   吉原  修君

ウ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成24年6月5日の平成24年第二回定例会本会議で報告した。
平成24年4月4日付け

○辞任  たきぐち学君 しのづか元君 馬場 裕子君

○選任  中谷 祐二君 神野 吉弘君 大津 浩子君

エ 平成24年5月14日の委員会において、馬場裕子委員長の辞任に伴い、欠員となった委員長が次のとおり互選された。
      委員長 大津 浩子君

オ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成24年9月19日の平成24年第三回定例会本会議で報告した。
平成24年9月12日付け

○辞任  神野 吉弘君 三宅 茂樹君

○選任  鈴木 章浩君 くりした善行君

カ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成24年10月31日の平成24年第一回臨時会本会議で報告した。
平成24年10月26日付け

○辞任  興津 秀憲君 いのつめまさみ君

○選任  笹本ひさし君 山下ようこ君

キ 平成24年11月19日の委員会において、いのつめまさみ理事の辞任に伴い、欠員となった理事が次のとおり互選された。
      理事 山下ようこ君

2 調査・検討の経過
 本委員会は、12回の委員会及び10回の理事会の開催並びに1回の視察を実施し、次のとおり調査・検討を行った。

委員会及び理事会の調査事項
平成23年
12月15日(木曜日)
委員会
1 委員長、副委員長及び理事の互選
2 議席について
平成24年
2月14日(火曜日)
委員会
報告事項(説明)
(1)都における防災対策について
理事会
1 議席について
2 運営要領について
3 本日の委員会運営について
4 今後の委員会日程について
5 その他
3月27日(火曜日)
委員会
閉会中の継続調査について
理事会
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 今後の委員会運営について
4 その他
5月14日(月曜日)
委員会
1 委員長の互選
2 報告事項(説明)
(1)東京都の新たな被害想定について
3 参考人からの意見聴取
(1)東日本大震災を踏まえた東京都地域防災計画の見直しについて
〔参考人〕平田 直 氏(東京大学地震研究所教授)
理事会
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
5月15日(火曜日)から5月16日(水曜日)
委員会
視察(兵庫県)
5月28日(月曜日)
委員会
報告事項(質疑)
(1)都における防災対策について
(2)東京都の新たな被害想定について
理事会
1 本日の委員会運営について
2 その他
6月13日(水曜日)
委員会
閉会中の継続調査について
理事会
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 今後の委員会運営について
4 その他
7月12日(木曜日)
委員会
参考人からの意見聴取
(1)東日本大震災を踏まえた東京都地域防災計画の見直しについて
〔参考人〕
佐竹 健治 氏(東京大学地震研究所教授)
中林 一樹 氏(明治大学大学院政治経済学研究科特任教授兼危機管理研究センター研究員)
理事会
1 本日の委員会運営について
2 その他
9月12日(水曜日)
委員会
報告事項(説明)
(1)東京都地域防災計画の修正素案について
理事会
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
9月26日(水曜日)
委員会
閉会中の継続調査について
理事会
10月5日(金曜日)
委員会
報告事項(質疑)
(1)東京都地域防災計画の修正素案について
理事会
1 本日の委員会運営について
2 その他
11月19日(月曜日)
委員会
1 理事の互選
2 報告事項(説明)
(1)東京都地域防災計画の修正について
3 意見開陳
理事会
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
11月30日(金曜日)
委員会
委員会調査報告書について
理事会
1 本日の委員会運営について
2 委員長口頭報告について
3 その他

3 調査・検討の概要
 本委員会は、前記のとおり平成23年12月15日に設置された後、約1年にわたり、精力的に調査・検討を行った。
 委員会では、まず、都における防災対策について理事者から報告を受け、東京都地域防災計画の現状、東京都防災対応指針、東京都地域防災計画の今後の修正及び「木密地域不燃化10年プロジェクト」実施方針について調査した。
 次いで、平成24年4月18日の東京都防災会議において承認された「首都直下地震等による東京の被害想定」について理事者から報告を受けた後、東京都地域防災計画の見直しに関連して、特に首都直下地震に関する最新の知見について専門的な立場から意見を聴くため、学識経験者1名を参考人として招致し意見を聴取するとともに、大規模地震への対策の他団体事例を調査するため、兵庫県への視察を行った。
 視察終了後、これまでの報告事項について理事者に対する質疑を行った後、学識経験者2名を参考人として招致し、特に津波に関する最新の知見及び首都直下地震等による被害像について、意見を聴取した。
 次いで、平成24年9月12日に公表された東京都地域防災計画修正素案について理事者からの報告を受けた後、修正素案に対する質疑を行った。
 最後に、平成24年11月14日の東京都防災会議において決定された東京都地域防災計画の修正について報告を受けた後、各会派による意見開陳を行った。
 本委員会における調査・検討の具体的な内容は、次のとおりである。
(1)都における防災対策及び東京都の新たな被害想定について
 まず、東京都地域防災計画の現状、東京都防災対応指針、東京都地域防災計画の今後の修正及び「木密地域不燃化10年プロジェクト」実施方針について、理事者から説明を聴取した。
 この中で、今後の東京都地域防災計画の修正に向けたスケジュールが示され、まず、東日本大震災の実態等を踏まえ、首都直下地震等による被害想定の見直しを行い、その結果を地域防災計画の修正に反映していくことが報告された。
 また、地域防災計画の修正については、東京都防災対応指針の内容を踏まえ進めていくこととし、東京都防災会議に検討部会を設置して修正作業を進め、区市町村・各防災関係機関への意見照会及び国との事前調整、修正素案の作成、素案に対するパブリックコメントの実施等を経て、東京都防災会議において地域防災計画修正の承認を得る予定であるとの説明があった。
 次いで、平成24年4月18日の東京都防災会議において承認された「首都直下地震等による東京の被害想定」について、理事者から説明を聴取した。

(2)報告事項に対する質疑の概要
 報告事項(「都における防災対策について」及び「東京都の新たな被害想定について」)に対する質疑を行ったが、概要は次のとおりである。
 なお、質疑の詳細については委員会速記録を参照されたい。
  ア 新たな被害想定について
   〇被害想定見直しの基本的な考え方と特徴について
   〇国の被害想定との整合性について
   〇被害想定の都民への広報について
   〇地域防災計画修正における被害想定結果の活用について
   〇被害想定の策定体制について
   〇具体的な被害想定(火災、津波、上下水道、液状化等)について

  イ 都の防災対策について
   〇全般について
    ・女性の視点に立った防災対策について
    ・防災対策における都有財産の利活用について
   〇都、区市町村等の基本的責務と役割について
    ・首都東京を災害から守る体制について
    ・都と区市町村の役割の明確化等について
    ・立川防災センターの機能について
    ・震災時の指揮命令系統について
   〇初動態勢・広域的な連携体制等について
    ・初動態勢の確保について
    ・広域応援体制の確保に向けた取組について
    ・区市町村の防災対策との連携について
   〇都民と地域の防災力向上について
    ・防災教育について
    ・中小企業のBCP(事業継続計画)の策定支援について
    ・防災隣組事業について
    ・地域の底力再生事業助成による地域防災力強化の取組について
    ・初期消火活動の訓練指導について
    ・排水栓等の活用について
    ・スプリンクラー設備について
    ・特別区消防団の資機材及び施設関連の整備について
    ・防災語学ボランティアの地域での活用について
   〇安全な都市づくりについて
    ・木造住宅密集地域対策について
    ・都立公園の防災機能の向上について
    ・河川施設の耐震対策について
    ・立川断層上の公立学校について
    ・公立学校の非構造部材の耐震化の現状と対策について
    ・旧耐震・老朽化マンションの建替について
    ・民間建築物の耐震化について
    ・緊急輸送道路沿道建築物の耐震化について
    ・液状化対策について
    ・消火栓を始めとする消防水利の活用について
    ・消防水利の設置場所や活用方法の周知について
   〇ライフライン等の確保について
    ・総合的なライフライン対策について
    ・水道管の耐震化の推進について
    ・避難所等への水道管路の耐震化について
    ・水道のバックアップ体制について
    ・仮設給水栓を使用した区市町等との応急給水訓練について
    ・下水道施設の耐震化について
    ・区部における水再生センター間のネットワーク化事業について
    ・日常の河川管理と今後の対応について
   〇津波等の対策について
    ・津波の被害想定を踏まえた避難場所の見直しについて
    ・島しょ部における津波対策について
    ・東京港の高潮・津波対策について
    ・想定を超える津波が来た場合に対応可能な避難計画の作成について
   〇情報通信の確保について
    ・安否確認サービスの都民への周知について
    ・発災時の都民の通信手段の確保について
   〇医療救護等について
    ・救命医療の充実に向けた現在の検討状況について
    ・災害医療体制の確保について
    ・地域の医療救護活動拠点の整備について
    ・災害時における傷病者等の搬送手段について
    ・災害医療コーディネーターについて
   〇帰宅困難者対策について
    ・帰宅困難者対策訓練を踏まえた都民への情報提供について
    ・帰宅困難者対策条例の普及方策について
    ・私立学校における防災備蓄物資の整備に対する支援等について
    ・保育所等における帰宅困難者対策について
    ・学校等における児童・生徒等の安全確保について
    ・災害時のトイレ機能の確保について
    ・帰宅困難者対策に関する減災目標の検討について
   〇避難者対策について
    ・避難所の環境衛生対策について
    ・避難所の同行動物対策について
    ・避難所における障害者支援について
    ・女性に配慮した避難所運営について
    ・避難所の食品衛生対策について
    ・特別養護老人ホームを福祉避難所として活用するための支援について
   〇物流・備蓄・輸送対策について
    ・燃料確保のための業界団体との連携について
   〇住民の生活再建について
    ・「被災者支援システム」の導入促進について

(3)参考人からの意見聴取
 本委員会では、東京都地域防災計画の見直しにおいて重要な要素である首都直下地震や津波に関する最新の知見等について3人の学識経験者を参考人として招致し、専門的な立場から意見聴取を行った。概要は次のとおりである。
  ア 東京大学地震研究所教授 平田 直 氏
   「首都直下地震について」
   〇地震発生のメカニズムについて
・太平洋プレートとフィリピン海プレートという二つの大きなプレートが日本列島に沈み込むことが、地震を起こす基本的な原因である。
・しかし、プレートの大きな動きが、各地域でどのように地震につながるのかについて、様々な複雑な要素があり、必ずしも地震学はすべてを理解しているわけではない。
・防災的な観点からは、過去日本で起きた地震が、将来にも発生すると考えることが妥当であり、地震の種類に応じて発生する被害についてよく検討しておくことは、地震災害を軽減化する観点から非常に重要である。
   〇首都圏における地震の発生状況と首都直下地震の発生確率について
・南関東で大きな被害が発生した地震として、1923年大正関東地震と1703年元禄関東地震(海溝型地震、マグニチュード(M)8クラス)や、1855年安政江戸地震、1894年明治東京地震(M7クラス)が挙げられる。
・過去に繰り返し南関東では大地震が発生しているが、大きな地震と中小の地震等には一定の法則があり,M8クラスは、ここ数百年の間に2回しか発生しておらず、このような地震は、近い将来にはそれほど起きないであろうということが、これまでの経験から言える。
・しかし、M7クラスの地震は、M8クラスの地震の間でたびたび起きており、南関東で、明治以降約100年の間に5回のM7クラスの地震が発生している。
・これを統計学的手法を使って計算すると、南関東で発生するM7程度の地震が今後30年以内に発生する確率は70%であるという結果が得られるが、あくまで、時間的に不規則に起きるタイプの地震であるという認識が重要である。

○震源に関する最新の知見について
・国の「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」による調査の結果、フィリピン海プレートの深度が従来の推定よりもおよそ10kメートル浅くなったということがわかり、その真上の地表での揺れは大きくなるということが予想され、この新しいモデルを使って、東京湾北部地震及び多摩直下地震について揺れの計算を行い、新たな被害想定を行った。
   〇首都圏で発生する地震の想定対象について
・これまでの首都直下地震の想定対象の考え方(平成17年7月中央防災会議)では、関東地震クラスの地震は200年から300年の間隔で起きており、そういった地震が今後100年以内に発生する可能性は低いと判断し、想定対象から除外していた。
・また、過去M8クラスの地震の間にM7クラスの地震が数回発生しており、M7程度の地震は南関東で発生する蓋然性が高いという判断から、東京都は、東京湾北部地震及び多摩直下地震を検討の中心となる地震に選定していた。
・平成23年の東日本大震災を受け、中央防災会議は、相模トラフ沿いの規模の大きな地震(大正関東地震、元禄関東地震クラスの地震)についても、想定対象として検討を加えるという方針を出した。
・東京都の新たな被害想定については、従来の東京湾北部地震、多摩直下地震に加えて、東日本大震災の被害を踏まえ、津波を起こす地震の典型的な例である海溝型地震として元禄型関東地震(M8.2)を、また、東北地方太平洋沖地震によって地震が起きやすくなったことも踏まえ、活断層で発生する地震として立川断層帯地震(M7.4)を想定対象として選定し、被害想定を行った。

  イ 東京大学地震研究所教授 佐竹 健治 氏
   「東京都における津波」
   〇津波の発生メカニズムや東京湾の特徴について
・地震により、海底の広い範囲で地殻変動が発生すると、その変動がそのまま海面に生じて、これが津波の発生源となる。
・津波の規模は、震源の広さ、震源域の水深、断層のずれの量などの大きさによって決まり、海底地殻変動によって上下する海水の量が多くなると、大きな津波が発生することになる。
・津波はV字型の湾の奥や岬の先端などで大きくなり、一般的に海が浅くなると大きくなる。
・津波の伝わる様子は、コンピューターシミュレーションによって再現することができる。
・東京湾はU字型をしており、東京湾の入り口付近に大きながけのようなものがあり、エネルギーが反射され、湾の中に津波が入っていきにくい。
・東北地方太平洋沖地震、元禄関東地震及び大正関東地震による津波高を見ても、外房や浦賀水道と比較して東京湾の湾奥では津波高は低くなっている。
   〇津波の新たな被害想定について
・東京湾に最も大きな津波をもたらす原因となる地震は、関東地震と呼ばれる三浦半島から相模湾内に震源を持つ地震で、フィリピン海プレートと陸地の境界面で繰り返し発生するプレート間の巨大地震であり、具体的には1923年大正関東地震や1703年元禄関東地震がこれに当たる。
・それぞれのタイプについて、平均的な発生間隔と最後の地震からの経過時間に基づき、将来の地震の発生確率というものを計算することができるが、今後30年間の発生確率は、大正型関東地震は、ほぼゼロから2%、元禄型関東地震は、ほぼゼロ%となる。
・元禄と大正の関東地震については、最近、産業技術総合研究所と東京大学によって、新しい断層モデルが提案されており、海岸の上下変動から求めた地殻変動データ、古文書などの歴史資料、最新のプレート形状に基づくもので、最新の知見が反映されている。
・また、フィリピン海プレート上面の深度が従来想定されていたよりも浅いという最新の知見を反映させたものとなっている。
・東京都が今年4月に公表した被害想定では、過去に東京湾で最も大きな津波をもたらした海溝型地震である元禄関東地震と首都直下地震である東京湾北部地震を想定して、津波シミュレーションを行い、津波の高さを計算した。その際、満潮時の海面の高さを津波の高さに加え、さらには地殻変動を考慮した。また、水門が閉鎖された場合と開放された場合に分けて、実施した。
・東京湾での最大の想定津波高はTP(東京湾平均海水面)+2.6メートルであり、東京湾における防潮堤はTP+3.5メートル以上となっているので、現況の防潮堤を越えるような津波が来ることはないと考えられるが、区部東部では地盤が低い部分があり、そこに非常に多くの住民が住んでいるということを忘れてはいけない。
・島しょ部では大きな津波が想定され、御蔵島、三宅島などでは、揺れの直後に大きな津波が来るというのが特徴である。

  ウ 明治大学大学院政治経済学研究科特任教授 兼 危機管理研究センター研究員
    中林 一樹 氏
「新しい被害想定から首都直下地震を考える」(首都直下地震による被害像)
   〇東京都の新たな被害想定について
・今回の被害想定では、4つの地震(東京湾北部地震、多摩直下地震、元禄型関東地震、立川断層帯地震)を対象としている。
・従来の被害想定より増えた部分として、定量的な被害(何棟全壊、何人けが等)だけではなく、被災の状況として、どういう状況が起こるかということも想定しておこうということで、定性的な評価も試みた。
・発生する被害は、季節、時刻あるいは気象状況によって大きく異なるため、今回の被害想定では、基本的なシーンとして冬の朝5時、昼12時、夕方18時を設定した。冬の夕方18時が、最も被害量としては大きくなる可能性が高いということで、これを基本として被害想定を見ていくこととした。
・被害想定は、前提を設定し、それに基づいて計算をしているもので、確定的にこうなるということを示しているものではない。前提条件が異なれば、被害想定も変わってくる。
・建物倒壊に関する被害想定については、前回と同様に阪神大震災での揺れによる建物の被害率というのを前提に想定している。また、築年や木造・非木造の別も考慮した。
・火災(延焼)に関する被害想定については、より実態に近づくよう今回想定手法を大きく変更した。具体的には、木造密集市街地で火災が燃え広がり出すと消さなければどれぐらいまで広がっていくのかという範囲(クラスター)を一つの単位として、出火確率あるいは焼失、消防の消す確率等を掛けて推計した。
・人的被害の想定については、今回の被害想定の推定式をより実態に近いものに改善した。具体的には、木造・非木造の建物に時間別に何人いるか、それぞれ全壊率を掛けて、その中から負傷者の発生率あるいは死亡者の発生率を推計するなどした。
・これらのほかに、いくつかの特徴ある被害を想定し、道路閉塞状況、ライフラインの被害状況特に携帯電話の状況、地下街の被害、災害時要援護者の被害等を想定した。
・帰宅困難者については、外国も含めて首都圏以外から、観光、出張その他で来ている人も入れて推定した結果、増加している。
   〇帰宅困難者対策の基本的考え方について
・安否の確認が非常に重要である。自宅や家族が大きな被害を受けていないということが確認できれば、落ちついて都心で、安全になるまで待機するということが可能になってくる。
・その意味で、安否を確認するための情報通信基盤の整備や情報通信体制の確保が重要である。
・帰宅支援は、火災がおさまった後の課題ということになるかと思う。
   〇東京スタイル「災害に強いまちづくり」を
・平時の地域での取組として、防災いえづくり、防災まちづくり、防災訓練に加えて、被災後どのように迅速に復旧復興するかも含めたまちづくりを進めていくことが、災害に強いまちづくりにつながると考える。
   〇「想像が新しい対策を創造する」
・被害想定とは、起きていないことを想像する想像力の世界であり、どういう状況になるのかを想像することが、新しく必要な対策を工夫する(創造する)力となると思う。

(4)視察(兵庫県)について
 本委員会では、東京を高度防災都市に進化させる取組の参考とするため、平成24年5月15日から16日までの間、大都市における震災である阪神・淡路大震災の被災地である兵庫県を訪れ、震災対応の課題及び復興状況を調査した。
 視察では、震災における実際の被害状況や、行政、地域のボランティア団体等による復旧・復興の取組、防災や減災への取組などについて調査するとともに、体験者から震災当時の経験とそこから得られた教訓などについても話を伺った。
 体験者からは、大震災当日の全壊家屋からの救出経験や避難所での生活での譲り合い、助け合いの心遣いなど生々しい体験談を伺うことができた。
 また、大震災の教訓として、地域コミュニティの重要性、隣近所とのコミュニケーション、日頃の備えや訓練などの防災意識の重要性等が挙げられた。
 併せて、北淡震災記念公園・野島断層保存館等の各施設を訪問し、活断層の状況等を視察した。

(5)東京都地域防災計画の修正素案について
 平成24年9月12日に東京都地域防災計画修正素案が公表され、同日理事者から説明を聴取した。
 今回の修正のポイントは、〔1〕施策ごとの課題や到達目標を明示することで防災関係機関や都民との共通認識を醸成し各主体による防災対策を促進すること、〔2〕地域の防災力の向上や安全な都市づくりなどの施策ごとに予防・応急・復旧といった災害のフェーズに応じて対応策を構築すること、〔3〕より機能的な計画となるよう発災後の対応手順を明確化するなど、施策の内容を充実・強化することであるとの報告があった。
 また、津波等の水害対策や放射性物質対策等の修正内容については、風水害編と原子力災害編の修正にも反映させていくとの説明があった。
 報告に対する質疑の概要は次のとおりであるが、詳細については委員会速記録を参照されたい。

  〇修正素案全般について
  ・防災対策の推進に関する都の基本的な認識について
  ・女性の視点に立った防災対策の修正素案への反映と今後の取組について
  ・修正素案における被災した女性や子どもなどの対策について
 〇被害想定について
  ・南海トラフ巨大地震の被害想定(具体的な検証内容)について
 〇地震に関する調査研究について
  ・立川断層帯地震の調査の概要について
 〇都、区市町村等の基本的責務と役割について
  ・自己責任について
  ・各局等の連携について
  ・協力機関が活動しやすい環境の整備について
  ・震災対策事業計画について
 〇初動態勢・広域的な連携体制等について
  ・首都直下地震等対処要領について
  ・自衛隊との連携について
  ・首都圏自治体における相互連携について
  ・九都県市の相互支援について
  ・区市町村や関係機関との連携について
  ・ヘリサインの整備について
 〇都民と地域の防災力向上について
  ・横網町公園の復興記念館について
  ・一泊二日の宿泊防災訓練について
  ・防災教育推進校について
  ・BCP策定支援事業について
  ・製造業防災対策事業について
  ・防災隣組への支援策について
  ・地域の消防水利を利用した実践的な放水訓練について
  ・防災市民組織の消防機材の確保について
  ・消防団の資機材の状況と課題について
  ・消防団の人材確保・育成について
   ・災害ボランティアコーディネーターの役割・養成について
 〇安全な都市づくりについて
  ・木造住宅密集地域における特定整備路線の整備について
  ・地域密着型集会の実績と今後の取組について
  ・都市再生など都心の機能更新による防災面での成果について
  ・都市開発が進んでいる地区の成果を波及させることについて
  ・白髭東防災拠点について
  ・都立公園の防災公園化に伴う非常用発電設備の整備について
  ・都立公園における防災トイレの整備について
  ・震災時の都立公園の役割について
  ・土砂災害対策について
  ・耐震診断義務化の施行からの進捗及び都としての評価について
  ・建築士や建築業の団体と連携した取組について
  ・建物の倒壊対策に対する認識について
  ・減災目標に対する建物の耐震化等による効果の比率について
  ・木造住宅耐震改修助成について
  ・耐震化に対する公的支援の重要性について
  ・家具等の転倒防止対策について
  ・有害化学物質の状況、流出事故防止の取組と今後の対策について
  ・高圧ガス・液化石油ガスの状況について
  ・震災時のガス関連設備の破損等について
  ・災害に伴って発生する毒物・劇物の被害、事故防止等について
  ・病院の診療用放射性同位元素の安全管理について
 〇交通ネットワーク・ライフライン等の確保について
  ・三次優先整備路線外でも整備対象として検討することについて
  ・首都高速道路の更新について
  ・建築基準法第42条第2項に該当する道路の非課税について
  ・避難道路の整備等について
  ・緊急通行車両について
  ・緊急輸送道路の障害物除去について
  ・医療機関に隣接した防災船着場について
  ・関係事業者等が連携したインフラ復旧対策について
  ・修正素案で示された水道復旧日数短縮への取組等について
  ・災害拠点連携病院への水道供給ルートの耐震化について
  ・給水拠点の施設改造における修正素案への反映について
  ・三園浄水場の施設改造の現状及び住民との応急給水訓練について
  ・円滑な応急給水と普及拡大に向けた取組について
  ・地域の防災訓練と水道局の応急給水訓練の合同実施について
  ・震災時の応急給水の実施体制について
  ・飲み水の安全確保について
  ・災害時における民間所有の井戸の活用について
  ・下水道管の耐震化の取組状況と今後の取組について
  ・ガスの復旧活動体制の整備について
  ・コージェネレーションシステムの特徴及び導入施設について
 〇津波等の対策について
  ・東京港の水門の耐震化対策等について
  ・水門の管理運営体制の強化、機能の確保について
  ・大田区の水門について
  ・海岸保全施設の強化への取組について
  ・海上公園における防災対策について
  ・コンテナふ頭における津波避難対策について
  ・南海トラフの巨大地震による島しょ部の被害想定の内容と都の取組について
  ・島しょ部の避難施設の設置等について
  ・南海トラフ巨大地震を見据えた実践的な訓練の実施について
  ・都管理の河川堤防の浸透対策について
  ・河川事業における整備計画の内容について
  ・河川施設の耐震化の取組について
  ・堤防等の調査結果について
  ・新たな知見による水害の想定について
  ・水害シミュレーションの住民への提示について
  ・耐震強化の完了年次について
 〇情報通信の確保について
  ・業界団体への業務用無線機の導入について
 〇医療救護等について
  ・地域災害医療連携会議における検討内容について
  ・在宅の人工呼吸器使用者への対策について
  ・災害時における医薬品等の供給体制について
  ・医療救護活動のフェーズ区分の見直しについて
  ・災害拠点連携病院と災害医療支援病院の役割について
  ・東京DMATの体制強化について
  ・トリアージについて
  ・災害医療コーディネーターを中心とした情報連絡体制について
  ・検案医の確保について
  ・災害時個別支援計画について
 〇帰宅困難者対策について
  ・鉄道事業者への利用者保護の徹底について
  ・アナログ的手法での情報提供について
  ・一時滞在施設と他の機能との役割分担について
  ・帰宅困難者となった災害時要援護者対策について
  ・ヘルプカードの普及について
  ・特別支援学校生徒の安全な登下校に関する指導について
 〇避難者対策について
  ・要援護者支援に関する区市町村に対する都の指導について
  ・特別支援学校の学校数と避難所の指定学校数について
  ・避難所における健康管理体制について
  ・避難所運営への支援について
  ・「災害時要援護者への災害対策推進のための指針」の改定について
  ・避難所における精神障害児者に対する支援について
  ・「避難所管理運営の指針」の見直しについて
  ・避難所における情報提供について
  ・学校危機管理マニュアルの修正について
  ・災害時の児童生徒の保護・引渡しについて
 〇物流・備蓄・輸送対策について
  ・災害時の燃料の供給体制の確保について
  ・発災直後の物資の確保について
  ・物資搬送の効率化に向けた取組状況について
  ・広域的な物資の調達・受援体制について
 〇放射性物質対策について
 〇住民の生活再建について
  ・東京都版被災者支援システムについて
  ・がれき処理対策について

(6)東京都地域防災計画の修正について
 平成24年11月19日の委員会において、同11月14日の東京都防災会議において決定された東京都地域防災計画の修正について理事者から説明を聴取した。
 この中で、先に公表された修正素案について、都議会における議論、平成24年9月12日から10月5日まで実施されたパブリックコメント、事業の進捗状況を踏まえて、地域防災計画(震災編)の修正に反映させたこと、また、震災編の修正内容を反映して、風水害編、原子力災害編を修正したことが報告された。修正素案からの主な変更点は、南海トラフに関する都独自の被害想定の実施、路面下空洞調査等による道路の維持管理の着実な実施、島しょ町村と合同して津波を想定した総合防災訓練の実施などである。
 理事者からの報告後、各会派からの意見開陳を行った。主な意見の概要は下記のとおりである。
 なお、各会派の意見開陳の詳細については委員会速記録を参照されたい。

○修正された地域防災計画に沿って、都民の安全に万全を期すること。

○地域防災計画は、状況の変化に応じ、不断の見直しを行い、計画の更なる深化を図り、東京を災害に強い持続可能な都市とすること。

○都民の目線から見た、生きた防災対策を強化すること。

○計画の実現に向けて、具体的で実効性のある対策を強力に推進し、都民一人ひとりの自助・共助の取組につなげていく手立てを講じること。

○国の動きを見据え、都の地域防災計画について、適宜必要な見直しを行うこと。

○女性の視点に立った防災対策と防災に関する意思決定過程への女性の参画を拡大すること。

○災害時要援護者対策を更に強化すること。

○被災者の視点、女性、高齢者、子どもに対しての配慮に立ち、対策を推進すること。
  〇会派や都議会での議論に基づく意見が修正された計画に反映されたことを評価する。

4 結び
 本委員会は、都における防災対策の現状、東京都の新たな被害想定並びに東京都地域防災計画修正素案及び同計画修正について報告を聴取するとともに、質疑を通じて、首都直下地震等東京で発生が懸念される大規模地震などへの対策の強化について、様々な提案を行った。
 また、首都直下地震や津波に関する最新の知見や新たな被害想定への反映状況等について学識経験者を参考人として招致し、専門的な立場から意見聴取も行った。
 都民の生命と安全を守るために、東日本大震災を始め、過去の大地震から図らずも得た教訓も踏まえ、本委員会における調査が、今後の都の防災対策の強化に生かされ、「高度防災都市・東京」の実現につながることを強く希望して、本委員会の報告とする。

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