防災対策特別委員会速記録第二号

平成二十四年二月十四日(火曜日)
第十二委員会室
 午後一時開議
 出席委員 十七名
委員長馬場 裕子君
副委員長橘  正剛君
副委員長服部ゆくお君
副委員長増子 博樹君
理事松葉多美子君
理事いのつめまさみ君
理事吉原  修君
加藤 雅之君
田中  健君
早坂 義弘君
たきぐち学君
中屋 文孝君
西崎 光子君
しのづか元君
興津 秀憲君
吉田 信夫君
三宅 茂樹君

 欠席委員 なし

 出席説明員
総務局局長笠井 謙一君
危機管理監醍醐 勇司君
総務部長山手  斉君
総合防災部長村松 明典君
企画調整担当部長箕輪 泰夫君
都市整備局市街地整備部長遠藤 正宏君
建設局道路建設部長吉原 一彦君

本日の会議に付した事件
 東日本大震災を踏まえ、東京都地域防災計画の見直しに向け、今後、東京で発生が懸念されている大規模地震などへの対策をあらゆる角度から強化することについて調査・検討する。
報告事項(説明)
・都における防災対策について

○馬場委員長 ただいまから防災対策特別委員会を開会いたします。
 初めに、議席について申し上げます。
 過日の委員会におきまして理事会にご一任いただきました議席につきましては、ただいまご着席のとおりとなりましたので、ご了承願います。

○馬場委員長 次に、本委員会の運営について申し上げます。
 本日の理事会におきまして、お手元配布の運営要領に基づき運営していくことを申し合わせました。ご了承願います。

○馬場委員長 これより東日本大震災を踏まえ、東京都地域防災計画の見直しに向け、今後、東京で発生が懸念されている大規模地震などへの対策をあらゆる角度から強化することについて調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 なお、本日の委員会には、お手元配布の名簿の理事者が出席しております。ご了承願います。
 初めに、総務局長からごあいさつ並びに幹部職員のご紹介がございます。

○笠井総務局長 総務局長の笠井謙一でございます。ご説明に先立ちまして一言ごあいさつをさせていただきます。
 昨年三月十一日の東日本大震災の発生を受けて、東京の防災対策を推進し、地域の防災力の向上を図ることは、以前にも増して焦眉の急となっております。
 都は、大震災の教訓を踏まえ、昨年十一月に、今後の防災対策の方向性と具体的な取り組みを示した東京都防災対応指針を策定いたしました。今後、この指針の内容をもとに、被害想定の見直しや国の防災基本計画の修正の動向等を踏まえつつ、また、当委員会での調査検討に基づくご指摘をいただきながら、東京都地域防災計画の修正に取り組み、関係機関と連携して高度防災都市の実現に全力を挙げてまいる所存でございます。
 馬場委員長を初め、委員の皆様方には、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、当局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 まず、危機管理監の醍醐勇司でございます。総務部長の山手斉でございます。総合防災部長の村松明典でございます。企画調整担当部長の箕輪泰夫でございます。当委員会との連絡等を担当いたします担当部長で総務課長事務取扱の佐々木秀之でございます。
 また、本日の報告事項に関係する都市整備局及び建設局の幹部職員をご紹介申し上げます。都市整備局市街地整備部長の遠藤正宏でございます。建設局道路建設部長の吉原一彦でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○馬場委員長 ごあいさつ並びにご紹介は終わりました。

○馬場委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○村松総務局総合防災部長 東京都地域防災計画につきましてご説明申し上げます。
 本冊は、お手元配布の資料第3号のとおりでございますが、本日は資料第1号及び第2号の概要版で説明させていただきます。
 それでは、恐れ入りますが、資料第1号、東京都地域防災計画についてをごらんください。
 まず、東京都地域防災計画の目的でございます。
 東京都地域防災計画震災編では、都、区市町村、指定地方行政機関、自衛隊、指定公共機関、指定地方公共機関等の防災機関が、その有する全機能を有効に発揮して、都の地域において地震災害の予防対策、応急復旧対策及び震災復興を実施することにより、都民の生命、身体及び財産を保護し、震災に強い東京の実現を図ることを目的としております。
 次に、防災計画の体系でございます。
 資料の図にお示ししておりますとおり、災害対策基本法に基づきまして、中央防災会議が防災基本計画を定め、都道府県、区市町村がそれぞれ地域防災計画を定めることとされております。
 国の防災基本計画は、我が国の災害対策の根幹をなす計画でございまして、災害対策基本法第三十四条の規定に基づき、中央防災会議が作成する防災分野の最上位計画でございます。同計画は、地震災害や風水害など、災害の種類に応じて全十六編の構成となっており、国や地方公共団体など各主体の責務を明確にするとともに、それぞれが行うべき対策を記載してございます。
 なお、昨年十二月に東日本大震災を踏まえた、地震、津波対策を抜本的に強化する等の一部修正が行われておりまして、この修正につきましては後ほどご説明申し上げます。
 東京都地域防災計画は、災害対策基本法第四十条の規定に基づき、東京都防災会議が作成する計画でございます。東京都地域防災計画は、お手元配布の震災編のほか、風水害編、火山編、大規模事故編、原子力災害編の各編で構成されております。震災編の詳細につきましては、後ほど資料第2号でご説明申し上げます。
 区市町村地域防災計画は、災害対策基本法第四十二条の規定に基づき、区市町村防災会議等が作成する計画でございます。地域防災計画で定める主な事項は、防災施設の新設、改良等の災害予防に関する計画、情報の収集、伝達などの災害応急復旧に関する計画などとされております。
 続きまして、東京都地域防災計画震災編(平成十九年修正)の概要についてご説明申し上げます。恐れ入りますが、資料第2号をごらんください。
 東京都地域防災計画は、全六部で構成されておりまして、第1部が総論、第2部が災害予防計画、第3部が災害応急・復旧対策計画、第4部が災害復興計画となっております。第5部、第6部は別冊となっておりまして、東海地震や東南海、南海地震に関する計画となっております。
 まず、第1部、震災に強い東京を目指してでございます。これは、本計画の総論部分であり、全五章で構成されております。
 第1章では、先ほどご説明申し上げました計画の目的のほか、全六部にわたる計画の構成、計画の習熟、計画の修正手続等を記載してございます。
 一枚おめくりください。第2章では、首都直下地震による被害想定を記載してございます。お示ししております表は、平成十八年五月に東京都防災会議が公表いたしました、首都直下地震による東京の被害想定の概要でございます。
 まず、震度分布の表でございますが、これはマグニチュード七・三の地震が東京湾北部と多摩直下のそれぞれで発生した場合の、都内における震度別分布面積の割合を示したものでございます。東京湾北部地震の場合、震度六強の震度分布は一七・一%となっており、その範囲は都心から区部東部にかけて広がるという想定となってございます。
 続く被害想定の表におきましては、中央防災会議と東京都防災会議、それぞれの想定をまとめております。冬の夕方十八時、風速十五メートルという条件下で、東京湾北部にマグニチュード七・三の地震が発生した場合に、最大の被害が発生する想定となってございます。この条件下での人的被害の想定は、死者六千四百十三人、負傷者十六万八百六十人となっております。
 第3章は、減災目標でございます。都は、三つの減災目標を定め、対策を推進しております。減災目標の内容は、死者の半減、避難者の減、外出者の早期帰宅となっております。
 第4章は、知事、都民及び事業者の基本的責務でございます。自助、共助の二つの理念に立つ都民と公助の役割を果たす行政とが、それぞれの責務と役割を明らかにした上で、連携を図ることを記載してございます。
 次に、第5章、都、区市町村及び防災機関の役割でございまして、ここでは、東京都、区市町村、指定地方行政機関、自衛隊、指定公共機関、指定地方公共機関それぞれの役割を明らかにしております。
 恐れ入りますが、一枚おめくりください。続きまして、第2部、災害予防計画でございます。第2部は、全九章で構成されております。
 第1章は、地震に強い都市づくりでございます。都市防災不燃化促進事業、東京都木造住宅密集地域整備事業などの防災都市づくりや、安全な市街地整備等により地震に強い都市づくりを実現するための対策を記載してございます。
 第2章は、施設構造物等の安全化でございます。地震被害の軽減と防止を図るため、道路、鉄道、空港施設、堤防、防潮堤、ライフライン施設等の耐震性強化等について記載してございます。
 第3章は、出火、延焼等の防止でございます。木造住宅密集地域、超高層建築物、地下街等における地震火災等を防止するための施設や体制の整備について記載してございます。
 第4章は、応急活動拠点等の整備でございます。発災直後から応急対策活動を円滑に実施するため、自衛隊、警察、消防などのベースキャンプ地など、必要な施設及び体制等の事前整備について記載してございます。
 一枚おめくりください。第5章は、地域防災力の向上でございます。各主体が災害時に助け合う社会システムの確立に協力するという観点から、家具類の転倒等防止、非常食、簡易トイレの備蓄、外出者の行動ルールの遵守などについて記載してございます。
 第6章は、ボランティア等との連携・協働でございます。ボランティアやNPO等との連携を図るため、一般ボランティアのほか、応急危険度判定員、語学ボランティア等について記載してございます。
 第7章は、防災運動の推進でございます。都民、事業者等が自助、共助に基づく防災能力を向上するとともに、防災意識を高めるため、広報及び教育、訓練の充実等について記載してございます。
 第8章は、事業継続計画の策定でございます。発災時に最短の時間で復旧を可能とし、必要とされる都市機能を確保するための事業継続計画、いわゆるBCPの策定等について記載してございます。
 恐れ入りますが、一枚おめくりください。第9章は、地震に関する調査研究でございます。被害想定の調査、地域危険度測定調査、地盤の液状化、港湾施設の耐震性等に関する調査研究等について記載してございます。
 続きまして、第3部、災害応急・復旧対策計画でございます。第3部は、全二十章で構成されております。
 第1章は、初動態勢でございます。大規模な地震が発生した場合の災害対策本部の設置、運営等について記載してございます。
 第2章は、情報の収集・伝達でございます。各防災機関による情報連絡体制、被害状況の把握、都政広報番組や東京都ホームページなどによる広報等について記載してございます。
 一枚おめくりください。第3章は、応援協力・派遣要請でございます。被害が広範囲に及ぶ場合等における他府県市等からの協力や自衛隊への災害派遣要請などについて記載してございます。
 第4章は、警備・交通規制でございます。震災時における都民の保護及び犯罪予防、取り締まり、交通秩序の維持などについて記載してございます。
 第5章は、緊急輸送対策でございます。震災時の緊急輸送を円滑に行うため、緊急輸送ネットワークの整備、緊急道路障害物の除去、輸送車両等の確保等について記載してございます。
 第6章は、救助・救急対策でございます。救助、救急対策に係る平常時からの体制整備や、広域的な応援要請等について記載してございます。
 恐れ入りますが、一枚おめくりください。第7章は、消防・危険物対策でございます。消防機関及び危険物施設の管理者等が、火災及び危険物の漏えいなどの拡大防止を図るための措置などについて記載してございます。
 第8章は、医療救護等対策でございます。初動医療体制、負傷者等の搬送体制及び後方医療体制等の整備、災害時における迅速な医療救護活動等について記載してございます。
 第9章は、避難者対策でございます。二段階方式による避難などの避難体制や、避難場所、避難道路の指定、避難所の設置等について記載してございます。
 第10章は、外出者対策でございます。外出者や事業者の行動ルールや、ターミナル駅周辺の混乱防止、帰宅者への支援等について記載してございます。
 一枚おめくりください。第11章は、外国人支援対策でございます。都内在住外国人が災害発生時に適切な行動をとれるよう、防災知識の普及や外国人災害時情報センターの開設等について記載してございます。
 第12章は、飲料水・食料・生活必需品等の供給でございます。応急給水の実施、食料や毛布、敷物、肌着等の生活必需品の支給について記載してございます。
 第13章は、ごみ処理・トイレの確保及びし尿処理・がれき処理でございます。災害用トイレの確保やし尿処理、瓦れき処理に係る調整などについて記載してございます。
 恐れ入りますが、一枚おめくりください。第14章は、遺体の取り扱いでございます。遺体の捜索、搬送、身元確認、火葬の手続等について記載してございます。
 第15章は、水防・津波対策でございます。水防上必要な資器材や避難体制の整備について記載してございます。
 第16章は、ライフライン施設の応急・復旧対策でございます。上下水道、電気、ガス、通信などのライフライン関係機関における活動体制の確立のほか、応急対策、危険防止のための諸活動などについて記載してございます。
 一枚おめくりください。第17章は、公共施設等の応急・復旧対策でございます。公共土木施設、鉄道施設、病院や学校等、社会公共施設の機能を回復するための応急復旧措置について記載してございます。
 第18章は、応急生活対策でございます。被災者の生活の確保、被災住宅の応急修理、一時提供住宅や応急仮設住宅の確保を図るための対策等を記載してございます。
 恐れ入りますが、一枚おめくりください。第19章は、災害救助法の適用でございます。震災が発生し、区市町村単位の被害が一定以上で、かつ応急的な救助を必要とする場合、災害救助法の適用による救助を行うこととなることから、そのための手続等について記載してございます。
 第20章は、激甚災害の指定でございます。大規模な震災被害が発生した場合には、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律による財政援助等を受け、迅速かつ適切な復旧を実施する必要があることから、同法に基づく手続等について記載してございます。
 一枚おめくりください。続きまして、第4部、災害復興計画でございます。第4部は、全五章で構成されており、大規模な震災被害からの速やかな復興を図る観点からの対策を記載してございます。
 第1章は、復興の基本的考え方でございます。大規模な震災被害が発生した際の、生活復興及び都市復興についての考え方などを記載してございます。
 第2章は、復興本部でございます。復興本部は、震災復興事業を長期的視点に立って実施していくための組織体制でございまして、被災後一週間程度の早い時期に臨時組織として設置いたします。
 第3章は、震災復興計画の策定でございます。知事は、震災後二週間以内を目途に、東京都震災復興基本方針を策定、公表いたします。
 第4章は、復興の全体像でございます。復興のプロセスとして、被災者個人による独自復興、行政主導による復興、地域力を生かした地域協働復興などについて記載してございます。
 第5章は、地域力を活かした分野別の復興プロセスでございます。都市、住宅、暮らし、産業のそれぞれの復興に向けて、都や区市町村等が行うべきことを明らかにしております。
 第5部、東海地震事前対策及び第6部、東南海・南海地震防災対策推進計画でございます。第5部及び第6部の内容は、それぞれ、大規模地震対策特別措置法、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の規定に基づくもののほか、第2部から第4部の内容を踏まえたものとなっております。
 東京都地域防災計画についてのご説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○箕輪総務局企画調整担当部長 それでは、東京都防災対応指針につきましてご説明申し上げます。
 本冊は、お手元配布の資料第5号のとおりでございますが、本日は資料第4号の概要版で説明させていただきます。
 それでは、恐れ入りますが、資料第4号、東京都防災対応指針の概要をごらんください。
 まず、1、防災対応指針策定の背景でございます。
 東日本大震災は、想定外の巨大地震や大津波に加えて、原子力発電所事故も重なった未曾有の複合的災害でございまして、震源から遠く離れた東京にも深刻な影響を引き起こしました。こうした従来にない災害の教訓を踏まえまして、改めて東京の防災力の一層の向上を図り、首都直下地震等への備えを固め直すため、本指針を策定し、今後の東京の防災対策の方向性と具体的取り組みを示したものでございます。
 次に、2、東京を襲う地震像でございます。
 本章では、東京の抱えるリスクを十分認識し、これを正しくご理解いただくという趣旨から、東京の地勢的特徴や具体的な地震例を明らかにしてございます。
 まず、首都直下のプレート境界では、プレート先端が跳ね上がることでマグニチュード八クラスの海溝型地震の発生が想定されております。また、南関東では、二百年から三百年間隔で発生する関東大地震クラスの地震の間に、マグニチュード七クラスの直下型地震が数回発生すると想定されております。
 さらに、首都直下地震に比べると発生確率は低いものの、活断層で起こる地震も危惧されております。このほか、首都圏以外の地震による電力供給停止や物流の途絶などの連鎖的被害の発生も懸念されます。
 これに加え、台風や高潮などの自然災害が複合的に発生する危険性も見据えた上で、災害への備えを固め直すことが必要でございます。
 一枚おめくりください。次に、3、東京の防災対策の目指すものでございます。
 東京の防災対策の目的として、本指針は、都内居住者に加え、通勤、通学、旅行者も含め、昼夜を問わずに、あらゆる都民を対象として、その生命の安全を確保すること、さらに日本の頭脳、心臓である首都東京の機能を維持すること、この二つを掲げてございます。
 こうした目的を果たすために、東日本大震災の教訓として、自助、共助、公助それぞれの取り組みの強化はもとより、それを担う個々の主体の連携や施策の相互補完など、東京の総力を結集した防災対策の構築が必要であるとしております。
 こうした教訓を踏まえまして、今後の防災対策の方向性として、二つの方向性を明らかにしてございます。
 その一つは、自助、共助、公助のそれぞれを担う多様な主体の防災力を一層高めるとともに、各主体間の連帯を強化し、それぞれの取り組みを有機的に結びつけて展開することでございます。
 二つ目の方向性でございますが、ハード、ソフトにわたるさまざまな個別施策を徹底的に強化するとともに、各施策を組み合わせて、複線化、多重化を促進し、あらゆる事態に備えたバックアップを確保することでございます。
 東京の総力を結集し、こうした方向性に基づく対策を推進することで、東京の防災力を高度化してまいります。
 もう一枚おめくりください。次に、防災対応指針における主な対応策の概要でございます。ここでは、二つの方向性に基づき、主な対応策の概要を八つ掲げてございます。
 まず左側、多様な主体が個々の防災力を高めるとともに、主体間の連帯を強化するとの方向性に基づく対応策でございます。
 まず、地域の連帯の再生による防災隣組の構築でございます。先進的、効果的取り組みの認定、祭りや新しい情報提供ツールの活用によるモデル地区支援などを実施してまいります。
 次に、社会全体で取り組む帰宅困難者対策の再構築でございます。帰宅困難者に関する条例を制定し、一斉帰宅行動の抑制や施設内保護などを徹底してまいります。また、官民を挙げて、一時待機施設の量的、質的な拡大を図ります。
 次に、発災時の安定的な情報通信の確保でございます。無線LAN、いわゆるWiFiの実証実験を実施するとともに、防災行政無線等の防災関係機関の通信手段の多様化を図ります。
 続きまして、流通網の途絶に備える物流・備蓄対策の推進でございます。物資の安定調達や備蓄搬送体制における課題を踏まえ、物流、備蓄対策の再構築に向けて、物流、備蓄プロジェクトを推進いたします。
 続きまして、右側、あらゆる事態に備え、個別施策の徹底強化と施策の複線化、多重化を促進するとの方向性に基づく対応策でございます。
 まず、木密地域の不燃化に向けた総合的な対策の推進でございます。まちづくり施策や税制など新たな手法による整備を推進するとともに、住民の意識改革を促してまいります。また、消防水利の確保など、火災への備えを強化いたします。
 次に、事業者と連携した大都市における防災拠点の整備促進でございます。都市開発にあわせて、民間の避難場所や発電設備の設置を誘導するほか、震災時に避難場所や救助等の活動拠点となる公園等の整備拡充や機能強化を推進してまいります。
 次に、東京湾沿岸の水害への備えの強化でございます。水門の遠隔制御機能を担う高潮対策センターの二拠点化、水門、防潮堤等の耐震化を進めるとともに、区市町村、学識経験者等とともに広域避難プロジェクトを推進してまいります。
 最後に、エネルギー確保の多様化による都市機能の維持でございます。高効率の天然ガス発電所の整備に向けた検討や、自立分散型発電の設置、燃料の安定供給対策を推進してまいります。
 これらの施策を相互に連携して複合的に展開してまいります。
 もう一枚おめくりください。最後に、本指針に掲げる防災対策の一覧として、全二十三項目をお示ししてございます。
 こうした防災対応指針に掲げた事項につきましては、「二〇二〇年の東京」及びその実行プログラム、平成二十四年度予算に反映されており、今後、具体的な施策の展開を図ってまいります。
 東京都防災対応指針についての説明は以上でございます。
 引き続きまして、東京都地域防災計画の今後の修正につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料第6号、東京都地域防災計画(平成二十四年)修正についてをごらんください。
 今後の東京都地域防災計画の修正に向けたスケジュールをお示ししております。
 現在、都は、東日本大震災の実態等を踏まえ、被害想定の見直しを行っております。被害想定の見直しに当たりましては、専門家の意見や最新の知見を取り入れ、首都直下地震、関東地震、立川断層帯地震を想定の対象として検証しております。検証結果は、本年四月を目途として防災会議に報告する予定でございまして、その結果を地域防災計画の修正に反映していきます。
 次に、表の下段の地域防災計画でございますが、地域防災計画の修正につきましては、先ほどご説明いたしました東京都防災対応指針の内容を踏まえ進めてまいります。東京都防災会議幹事会を開催し、検討部会を設置したところでございまして、今後、検討部会におきまして修正作業を進め、区市町村、各防災関係機関への意見照会、国との調整を行い、九月上旬を目途に素案を作成する予定でございます。その後、素案に対するパブリックコメントを実施し、その意見も踏まえまして東京都地域防災計画案を作成し、東京都防災会議において承認いただく予定となってございます。
 恐れ入りますが、一枚おめくりください。次に、中央防災会議資料、防災基本計画修正のポイント(案)をごらんください。
 昨年十二月二十七日、国の中央防災会議におきまして、東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会の最終報告を踏まえまして、防災基本計画が修正されました。
 今回の修正のポイントでございますが、まず第一は、現行計画の震災対策編を分割し、津波災害対策に特化した津波災害対策編の新設でございます。第二は、東日本大震災を踏まえた地震、津波対策の抜本的強化でございます。
 この抜本的強化につきましては、七つの項目について記載しておりまして、その内容につきましては、〔1〕、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波想定の実施、〔2〕、最大クラスの津波と比較的頻度の高い津波という、二つのレベルの想定とそれぞれの対策、〔3〕、津波に強いまちづくり、〔4〕、国民への防災知識の普及、〔5〕、地震・津波に関する研究、観測体制の充実、〔6〕、津波警報等の伝達及び避難体制確保、〔7〕、地震の揺れによる被害の軽減策となっております。
 最後にポイントの第三でございますが、最近の災害等を踏まえた防災対策の見直しの反映でございます。
 今後でございますが、中央防災会議の専門調査会である防災対策推進検討会議が二十四年春ごろに中間報告を発表する予定でございます。それを受け、防災基本計画をさらに修正していく予定となっております。
 防災基本計画修正のポイントにつきましての説明は以上でございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○遠藤都市整備局市街地整備部長 都は、去る一月二十日、木密地域不燃化十年プロジェクトの実施方針を策定いたしましたので、これにつきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料第7号が実施方針でございます。中ほど一五ページに概要が折り込んでありますので、そちらをお開きいただきたいと存じます。
 まず、十年プロジェクトの背景と必要性でございます。
 東京には、山手線外周部を中心といたしまして、防災上、危険な木造住宅密集地域、いわゆる木密地域が広範に分布してございます。都は、木密地域の改善に向けまして、これまでも区と連携して防災都市づくり推進計画を策定し、整備地域を定めて、延焼遮断帯となる道路の整備や建物の不燃化、耐震化などに取り組み、一定の成果を上げてまいりました。
 しかしながら、住民の高齢化や権利関係の複雑さなどからなかなか改善が進まず、従来のまま残されている地区が多く存在しております。
 首都直下地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえますと、都民の生命や財産を守り、首都東京の都市機能を十全に発揮していく上で、木密地域の改善を一段と加速させていく必要がございます。このような背景のもと、都は昨年九月、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げることといたしました。
 次に、基本的な考え方でございます。
 十年プロジェクトでは、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域を対象に、重点的、集中的な取り組みを行い、木密地域を燃え広がらないまち、燃えないまちにすることを目標といたします。
 具体的には、市街地の不燃領域率を、ほとんど延焼しない水準である七〇%を実現すること、また、延焼遮断帯となる主要な都市計画道路の整備を一〇〇%とすることを目指します。
 この目標の達成に向けまして、第一に、区との連携により市街地の不燃化を促進してまいります。条例に基づく新たな防火規制の対象区域を大幅に拡大いたしますとともに、従来よりも踏み込んだ取り組みを行う区に対し、特別の支援を行う不燃化特区制度を創設し、区と連携して不燃化を推進してまいります。
 第二に、延焼遮断帯を形成する主要な都市計画道路の整備を推進してまいります。生活再建などのための特別の支援を行う特定整備路線を指定し、都施行の都市計画道路の整備を加速してまいります。
 この両者を重ね合わせて実施することにより、より高い整備効果を発現してまいります。さらに、地域における防災まちづくりの機運醸成にも取り組んでまいります。
 続きまして、具体的な施策でございます。
 まず、不燃化特区制度の創設でございます。
 この制度は、整備地域の中でも地域危険度が高いなど、特に重点的、集中的に改善を図るべき地区につきまして、区からの提案を受けて、都が期間や地域を限定して、不燃化助成の上乗せや都税の減免措置などの特別の支援を行うものでございます。
 不燃化特区では、不燃化を進める上で核となる事業を含む整備プログラムを策定いたしまして、特別の支援を受けながら事業を実施していくということになります。今後、区の取り組みや意見も踏まえながら検討を進め、平成二十四年度中に制度を構築し、平成二十五年度からの本格実施を行う予定でございます。
 次に、不燃化特区制度の先行実施についてでございます。
 より有効に機能する制度の構築を目指すとともに、先例を示すことによって他の地区での取り組みを促進することをねらいといたしまして、区との連携によりまして、三地区程度で先行実施に取り組みます。
 先行実施の実施地区につきましては、近く区に募集要項を示しまして、区からの提案を受けまして、本年八月ごろに地区の選定をすることといたします。その後、都と区が共同して整備プログラムの作成やコア事業の具体化を図ってまいります。
 次に、特定整備路線の整備でございます。
 延焼遮断帯を形成する都施行の都市計画道路を対象に特定整備路線を指定し、関係権利者に対し生活再建などのための特別の支援を行うことにより、整備を加速してまいります。特別の支援としては、都有地や都営住宅などの活用を検討しております。
 平成二十四年度に対象区間を公表するとともに、制度構築を行いまして、平成二十五年度以降、順次、路線を指定して事業を実施してまいります。
 さらに、木密地域の住民への働きかけといたしまして、地域密着型の集会、推進体制の充実強化、住民への情報提供などに取り組んでまいります。
 なお、地域密着型の集会につきましては、本日、葛飾区内で開催するのを皮切りにいたしまして、順次、木密地域の現地に出向いて実施してまいります。
 以上で実施方針のご説明を終わらせていただきます。当委員会の先生方のご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

○馬場委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○吉田委員 二点お願いいたします。
 一つは、地域防災計画についてですが、災害予防計画で示した諸施設の耐震化目標の達成状況を示す資料の提出をお願いいたします。
 二つ目に、今ご説明のあった不燃化プロジェクトに関してですけれども、説明に対する対象自治体からの主な質問と東京都の回答の概要をお示しお願いいたします。
 以上です。

○馬場委員長 ほかにございませんか。--ただいま吉田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時三十八分散会

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