厚生委員会速記録第十号

令和七年十月六日(月曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長浜中のりかた君
副委員長かまた悦子君
副委員長龍円あいり君
理事山口  花君
理事伊藤しょうこう君
理事米倉 春奈君
せりざわ裕次郎君
ひがしゆき君
東  友美君
高野たかひろ君
原 のり子君
岩永やす代君
うすい浩一君
荒木ちはる君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉局局長高崎 秀之君
次長理事兼務浅野 直樹君
理事船尾  誠君
総務部長森田 能城君
企画部長DX推進担当部長兼務柳橋 祥人君
生活福祉部長新内 康丈君
高齢者施策推進部長花本 由紀君
政策推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務石塚  宣君
事業調整担当部長松谷いづみ君
高齢者施策推進担当部長木村 総司君
保健医療局局長山田 忠輝君
次長理事兼務谷田  治君
技監感染症危機管理担当部長事務取扱成田 友代君
総務部長加藤 みほ君
企画部長DX推進担当部長兼務吉原 宏幸君
都立病院支援部長鈴木 和典君
健康安全部長中川 一典君
政策推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務犬飼陽一郎君

本日の会議に付した事件
意見書について
保健医療局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百二十号議案 大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
・第二百二十一号議案 公衆浴場の設置場所の配置及び衛生措置等の基準に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・地方独立行政法人東京都立病院機構の令和六年度業務実績評価結果の報告について
福祉局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百十三号議案 東京都民生委員定数条例の一部を改正する条例
・第二百十四号議案 東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十五号議案 東京都一時保護所の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十六号議案 東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十七号議案 東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十八号議案 東京都認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十九号議案 東京都幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・令和六年度私債権放棄について
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの令和六年度業務実績評価結果の報告について

○浜中委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○浜中委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○浜中委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、保健医療局及び福祉局関係の付託議案の審査並びに報告事項に対する質疑を行います。
 これより保健医療局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第二百二十号議案及び第二百二十一号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○岩永委員 それでは、私からは、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例について、幾つか質問をさせていただきます。
 この制度は、二〇一五年度末からは十八歳以上の成人患者の新規認定を終了、三年間の経過措置後、二〇一八年四月からは成人患者の一部自己負担制度の導入がされています。認定者数は、新規成人患者の認定が終了した二〇一五年、約九万七千人から、二〇二四年は半数以下に減っているという状況です。
 認定者数は四万人ということですが、認定者の年齢や居住地域の状況はどのようになっているのか伺います。また、どのぐらいの人数がマイナ保険証に医療券の情報を連携すると見込んでいるのか伺います。

○中川健康安全部長 大気汚染医療費助成制度の認定患者は、令和七年三月二十一日現在、四万三百五十七人でございます。年齢層の割合は、二十歳未満が約一%、二十歳から三十九歳が約八%、四十歳から五十九歳が約三七%、六十歳から七十四歳が約二九%、七十五歳以上が約二五%でございます。認定患者の居住地域に偏りは見られません。
 大気汚染医療費助成は、マイナ保険証と自治体の医療費助成制度などの情報を連携させるシステムでございますPMHへの接続を令和八年十月に開始いたします。これにより、医療機関等に紙の医療券を提示せずに受診することが可能となります。
 現在、国はマイナ保険証の利用拡大を進めておりまして、大気汚染医療費助成制度の情報連携は、今後、マイナ保険証の普及に応じて進むと考えております。

○岩永委員 割合のところですと、全体の割合の中では七十五歳以上が二五%で、六十歳以上の合計が五四%ということですので、半分以上ということになっています。年を追うごとに年齢が高くなっているという状況です。
 マイナ保険証については、導入当初は特に、カードリーダーが起動しない、また顔認証ができない、暗証番号を忘れてしまったなどのトラブルも多くありました。また、医療機関でも、オンラインシステム導入のための多額の設備投資と毎月の維持管理費などの負担もあり、全国でも病院や診療所、歯科医院の廃業も増加しているということです。
 そのような中で、マイナ保険証ではなく、これまでどおりに紙の資格確認書を使っていらっしゃる方もおられます。マイナンバー、個人番号カードを持っていない人や、個人番号カードをマイナ保険証に移行して利用登録していない認定患者への対応は、どのようになるのか伺います。

○中川健康安全部長 マイナ保険証をお持ちでない方は、各保険者が発行する資格確認書と大気汚染医療費助成の紙の医療券を医療機関等に提示することで、医療費助成を受けることが可能でございます。

○岩永委員 紙の医療券は引き続き使えるのでしょうか。今後も期限の更新時に送付されるのか伺います。

○中川健康安全部長 マイナ保険証への情報連携を開始する令和八年十月以降も、マイナ保険証をお持ちでない方や、PMHに接続していない医療機関や薬局などに対応するため、従来どおり全ての方に対して紙の医療券も発行いたします。

○岩永委員 医療券を郵送するのは自治体の事務になりますが、マイナ保険証と資格確認書の発行との関係で混乱している人もいると聞いております。対象者にマイナ保険証との関連をどのようにお知らせして、分からない人にはどう対応するのか伺います。また、自治体からの質問や対象者からの問合せにはどのように対応するのか伺います。

○中川健康安全部長 認定患者に発送する医療券更新のお知らせに、マイナ保険証に大気汚染医療費助成の情報を連携して使用する方法等を分かりやすく説明した案内を同封いたします。
 また、ホームページに掲載するほか、電話での個別の問合せになどにも対応し、できるだけ不明点を解消できるよう丁寧に取り組んでまいります。
 申請の受付等を行う自治体に対しては、手続などを解説したマニュアルを配布するとともに、説明会を開催し、制度の円滑な運用を図ってまいります。

○岩永委員 マイナンバー交付、マイナ保険証への移行の進め方が急だったために、戸惑っている人がたくさんいます。認定患者の方や自治体からの問合せには丁寧に対応いただくことを重ねて要望し、質問を終わります。

○浜中委員長 ほかに発言ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○浜中委員長 それでは、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○浜中委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○浜中委員長 次に、報告事項、地方独立行政法人東京都立病院機構の令和六年度業務実績評価結果の報告についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○加藤総務部長 去る九月十九日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。当委員会で要求がございました資料は、全部で五項目となっております。
 それでは、一ページをお開き願います。1、都立・公社病院及び都立病院機構の病院における医師及び看護要員の退職者数の推移でございます。
 二ページにかけまして、(1)に、医師の退職者数の推移を、(2)に、看護要員の退職者数の推移を、令和元年度から令和六年度まで、総数とそのうちの定年退職者数に分けまして、病院別に記載してございます。
 三ページをお開き願います。2、都立・公社病院及び都立病院機構の病院における医師及び看護要員の採用者数の推移でございます。
 六ページにかけまして、(1)及び(2)に、医師の採用者数の推移を、(3)及び(4)に、看護要員の採用者数の推移を病院別に記載してございます。令和三年度から令和六年度までは、各年度四月一日と四月二日から三月三十一日までの採用者数を、令和七年度は、四月一日付の採用者数を記載してございます。
 七ページをお開き願います。3、都立・公社病院及び都立病院機構の病院における医師及び看護要員の現員の推移でございます。
 八ページにかけまして、(1)に、医師の現員の推移を、(2)に、看護要員の現員の推移を、令和三年度から令和七年度まで、各年度四月一日、七月一日、三月三十一日に分けまして、病院別に記載してございます。
 九ページをお開き願います。4、都立病院機構の病院における個室使用料の推移でございます。
 一四ページにかけまして、(1)から(14)までにおいて、令和四年度から令和七年度までの個室の区分、金額、室数の推移を病院別に記載してございます。
 一五ページをお開き願います。5、都立病院機構の病院における人材紹介会社への職種別支払金額の推移でございます。
 医師と看護要員に係る人材紹介会社への支払金額につきまして、令和四年度から三か年にわたり、病院別に記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、当委員会で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○浜中委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○荒木委員 令和六年度独立行政法人都立病院機構業務実績評価書について質問いたします。
 八月に、都立小児総合医療センターに、同じ厚生委員会の委員であります高野たかひろ議員と共に視察をさせていただきました。これまでNICUなど新生児の医療について厚生委員会でも幾度も質疑をさせていただきました。NICU、PICUと、新生児、小児のまさに小さな命の最前線、小児医療の最後のとりでともいわれる現場で、山岸院長はじめ、強い使命感を持ちながら献身的に働く医師や看護師などのご努力に、深い敬意と感謝の思いを抱いたところであります。これまで、東京都立多摩総合医療センターなどにも、都立病院にも伺ってまいりましたが、改めて都立病院が都民や患者の皆さんにとって大変重要で頼もしい存在だと再認識いたしました。
 今回、令和六年度の都立病院機構の業務実績評価が報告されましたが、まず、改めて都立病院の役割について伺わせていただきます。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院は、都の医療政策として求められる行政的医療の安定的かつ継続的な提供をはじめ、高度専門的医療の提供、地域医療の充実への貢献に向けた取組等を推進することで、都民の健康を守り、その増進に寄与することを役割としております。
 超高齢社会の本格化や医療の高度化など、医療環境が大きく変わっていく中でも、行政的医療に精通した医師、看護師等の専門人材や、地域医療機関、行政との連携体制を基に、独法化のメリットも生かしながら、質の高い医療を提供しております。
 引き続き、ニーズに応じた行政的医療の提供や、都の医療政策への貢献などの役割を果たしてまいります。

○荒木委員 ありがとうございます。今、行政的医療の安定的な提供との答弁をいただきましたが、行政的医療について質問をさせていただきます。
 まさに小児医療や周産期医療、精神疾患医療など、民間病院だけでは対応が難しい行政的医療の提供が、特に都立病院に求められる重要な役割でもあります。
 そこで、令和六年度の都立病院における行政的医療の実施状況について伺います。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、各病院の医療機能に応じ、他の医療機関等との適切な役割分担と緊密な連携の下、行政的医療を適正に提供するための取組を進めております。
 令和六年度は、ハイリスク妊産婦、新生児等への高度で専門的な医療の提供や、一般医療機関では対応が難しい未受診妊婦等への対応、精神科救急患者、精神科身体合併症患者、小児の重篤患者の積極的な受入れなどを推進いたしました。
 また、がんゲノム医療や造血幹細胞移植など質の高いがん医療を提供するとともに、小児の希少疾患や難治性疾患等に対しても先進的かつ専門性の高い医療を提供いたしました。
 さらに、地域の医療機関と連携しながら、急変時、増悪時の受入れやレスパイト入院等、医療的ケア児を含む在宅療養患者の支援にも継続的に取り組みました。
 今後も、東京のセーフティーネットとして行政的医療を着実に提供し、都民の安心を支えてまいります。

○荒木委員 ありがとうございます。今、ハイリスク妊婦や新生児等への高度専門医療の提供を挙げられましたが、今回の業務実績評価書によりますと、周産期医療の評価がSとなっています。母体、胎児や新生児の生命に関わる事態に対処する極めて重要な医療であり、ここで都立病院が高い評価を得ていることについては、大変心強く思います。
 この周産期医療について、都立病院では、NICUで家族が子供と一緒に過ごし、子供のケアに積極的に関わるようサポートするファミリーセンタードケアを推進しており、そのプログラムの一つとしてNIDCAPの取組が実践されています。
 ファミリーセンタードケアにつきましては、私から、昨年の厚生委員会などにおきまして質疑、要望をさせていただきまして、今年度、令和七年度予算で、この緑の予算書の中にも、一二六ページに、NICU入院児とその家族に向けた支援の充実を図るため、児の成長発達や、家族の不安軽減に取り組むファミリーセンタードケアを推進と明記され、新規事業として約二千万円を計上していただきました。
 NIDCAPにつきましては、新生児、早産児の成長発達と親子の関係性を育むことを目的とした神経行動発達理論に基づいたケアモデルで、新生児やその家族にとって非常に有意義な取組であります。
 このNIDCAPについて、都立病院の取組状況を伺わせていただきます。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、墨東病院と小児総合医療センターに、所定のトレーニングを受けたNIDCAPプロフェッショナルが在籍しております。両病院では、NIDCAPの理念に基づき、二十四時間面会の実施や、成長ノートの作成、育児ケアの習得支援など、発達段階やニーズに合わせたケアを行っております。
 また、各種SNSを活用して周産期医療の取組について発信するとともに、院内で世界早産児デーに合わせて展示を行うなど、病院職員が家族と一緒に新生児の成長発達をサポートすることができるよう、病院全体でファミリーセンタードケアに関する機運の醸成に取り組んでおります。
 引き続き、NICU入院児とその家族に寄り添った支援を行ってまいります。

○荒木委員 ありがとうございます。墨東病院のNIDCAPにつきましてもとても評判がいいと聞いておりまして、私自身も今月、このプログラムに参加予定でもあります。いろいろ学ばせていただきたいと思います。
 次に、ファミリーセンタードケアに向けた環境整備について質問させていただきます。
 ファミリーセンタードケアを実践するに当たって、病院の医療スタッフが知識や理念を共有しスキルを高めていくことも大変重要でありますが、子供や退院していずれ戻っていくその家族の目線に立った環境整備も、同様に非常に重要な視点であります。この点について、都立病院ではどのように取り組んでいくのか伺わせていただきます。

○鈴木都立病院支援部長 ファミリーセンタードケアは、NICUで家族が子供と一緒に過ごし、子供のケアに積極的に関わる取組でございます。その実施に当たりましては、周囲の目を気にすることなく、家族が安心してケアに取り組める環境が必要でございます。
 都立病院におきましても、NICU入院児とその家族のプライバシーに十分配慮した対応や環境づくりを進めてまいります。

○荒木委員 ありがとうございます。ぜひ、環境整備について、ソフト面につきましては医療従事者の皆さんがとっても現場で頑張っておられますが、ファミリーセンタードケアがハード面で抜け落ちたりしないよう、必要な環境整備をしっかり行っていただくよう強く要望いたします。
 最後に、もう一点伺わせていただきます。
 都立病院では救急患者の積極的な受入れ等にも取り組んでいただいていまして、今回の業務実績評価書の各種実績を見ていましても、患者数も全体として回復傾向にあると思います。
 ただ一方で、コロナ禍以前の水準には戻り切っておらず、現在も稼働していない病棟が一部あると聞いています。行政的医療をはじめとした医療を提供していくに当たり、診療に影響はないのか、最後に伺わせていただきます。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、病院全体の入院患者の動向を踏まえて、病床等の医療資源を有効活用した柔軟な運営を行っております。診療科自体は休止しておらず、こうした運営による診療への影響は生じていないものと認識してございます。
 なお、感染症の蔓延や大規模災害発生等によりさらなる病床を必要とする事態が生じた際には速やかに病棟を再開するなど、今後も必要な体制を確保しながら、行政的医療をはじめ都民に必要とされる医療を着実に提供してまいります。

○荒木委員 ありがとうございます。少子高齢化の進展や医療需要の変化に加え、物価高騰、小児については特に調達の意味でも大変厳しいものがあると、現場を視察させていただいても実感もしたところであります。コストが増えることに、コスト増により、医療を取り巻く環境が日に日に厳しさを増しています。
 このような状況の中でも、都立病院が行政的医療をはじめとする民間では対応が厳しい、難しい医療に着実に取り組み、地域医療とも連携をしながら、医療の質を向上させていることを確認させていただきました。これからも都立病院が都民に求められる医療を適切に提供できる存在であり続けることを期待して、質疑を終わらせていただきます。

○せりざわ委員 都立病院機構の令和六年度の業務実績評価について幾つかお伺いをさせていただきます。我が党の代表質問でも決算状況について質疑をさせていただきましたが、当委員会においても、もう少し掘り下げたいと思います。
 令和六年度の決算では約二百三十九億円の純損失ということで、前年度比で五十六億円の損失の拡大と思います。項目別の評価で財務内容の改善に関する項目についてはC評価ということで、年度計画を十分に実施できていないとされております。
 都立病院の財務内容の改善に関する取組を幾つかお伺いしたいと思います。
 まず、令和六年度の都立病院機構の決算とその分析についてお聞かせください。

○鈴木都立病院支援部長 令和六年度決算ですが、収入の総額は二千三百九十四億百万円でございました。うち医業収益は千七百七十八億七千万円であり、前年度比約七十九億円の改善となっております。
 一方、支出の総額は二千六百三十二億六千五百万円でございました。うち給与費や材料費、経費等を含む医業費用は二千四百五十九億二千六百万円であり、前年度比約三十五億円の増加となっております。
 この結果、当期純損失は二百三十八億六千三百万円でございました。当期純損失が増加した主な要因は、物価高騰の影響等による費用の増加に加え、コロナ関係補助金の皆減等により補助金収入が減少したこと、がん検診センターの閉鎖に伴う固定資産除却損等が発生したことが挙げられます。

○せりざわ委員 ありがとうございます。近年の急激な物価高騰や人件費の増加などで、そもそも民間病院からも経営環境が厳しいというお話が昨今報道されております。
 そうした中で、都立病院としてこれまでもどのような経営改善に取り組んできたのかをお聞かせいただきたいと思います。令和六年度の収入確保に向けた具体的な取組を教えてください。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、十四病院と本部という大規模組織においても現場職員まで経営方針が行き渡るよう、法人本部と病院が協力し合い一丸となって経営改善に取り組んでおります。
 収入確保の取組では、コロナ後の患者数減少を踏まえ、断らない救急の徹底、初診患者の受入れ体制強化、地域との連携強化の三つの重点項目の取組を推進しております。
 また、各病院の実務担当者による経営力強化ワーキンググループを開催し、診療報酬における各病院の対応状況の比較を行い、医療の質を高める新規、上位の施設基準を取得しております。
 例えば、医療関係職種について賃上げを実施していくための評価であるベースアップ評価料については、全病院で取得しております。このほか、駒込病院及び小児総合医療センターでは、看護職員及び看護補助者の業務分担や協働を評価する急性期看護補助体制加算を取得しております。また、重症者に対する早期からの急性期リハビリテーションの提供を推進する体制確保を強化する早期離床・リハビリテーション加算を三病院で取得するなど、収入の確保に努めているところでございます。

○せりざわ委員 ありがとうございます。今、収入の確保についてお話をいただきましたが、令和六年度で費用削減も具体的な取組をされていらっしゃるかと思いますので、そちらの取組もお聞かせください。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、十四病院一体化のスケールメリットを生かした調達や、業務の内製化により、費用抑制に取り組んでおります。
 医薬品については、十四病院で共同購入を実施し、契約ごとの品目の組合せを工夫することで、契約額を削減いたしました。また、診療材料について、国立大学病院等四団体の共同交渉により、十五品目で費用削減を図りました。
 業務の内製化では、DX関連業務におきまして、令和六年度よりシステムのバックアップ環境構築や電子カルテ端末の設定作業等をベンダー委託から内製化に切り替え、約六億九千万円の費用抑制を実現いたしました。
 このほか、事務用品やオンライン研修ソフトを本部で一括購入するなど取組を積み重ね、費用の抑制に継続的に取り組んでおります。

○せりざわ委員 ありがとうございます。様々取組をされているのは分かりました。
 こうした取組を踏まえて、今回東京都が財務内容の改善に関する目標を達成するため取るべき措置の項目について、C評価とされた見解を改めてお聞かせください。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、コロナ禍でコロナ患者対応に注力した結果、患者数の減少に至りました。令和六年度も引き続き救急患者や初診患者の受入れ体制を強化したことで、新入院患者数は全ての病院で前年度実績を上回ったものの、患者数の回復は緩やかとなってございます。物価高騰などの影響で医療を取り巻く環境が非常に厳しい中、収入確保の取組や、共同購入等の費用の抑制に法人を挙げて取り組んでおりますが、各経営指標が目標を下回り、計画値を大きく上回る純損失を計上することになったことから、引き続き改善に向けた取組が必要であると判断いたしまして、C評価といたしました。
 なお、行政的医療の評価項目では、周産期医療が年度計画を大幅に上回って実施しているほか、精神疾患医療や救急医療など、他の医療についても順調に実施しており、全体として着実な業務の進捗状況にあると評価しております。
 今後も行政的医療を安定的かつ継続的に提供していくとともに、引き続き経営改善の取組とその成果に期待しているところでございます。

○せりざわ委員 決算状況も踏まえて、資産状況についても確認をさせていただきたいと思います。
 また、都立病院は現在、広尾病院であったり多摩メディカルキャンパスの整備等を進めていますが、資材の高騰によって施設整備費というのも上昇していると伺っております。
 令和六年度末の資金残高と今後の見通し、あわせて、大規模工事等の施設整備費の上昇についての対応についてお聞かせください。

○鈴木都立病院支援部長 令和六年度末の資金残高は約七百四十八億円であり、令和七年度への繰越金は計画を上回っております。一方で、全国自治体病院協議会によりますと、会員病院の令和六年度決算は八六%が経常赤字となるなど、病院を取り巻く環境は依然として厳しい状況にございます。
 大規模工事につきましては、都民に必要な医療を提供し続けるためにも、財政状況を踏まえながら計画的に進めていく必要があると認識してございます。このため、令和七年度は、独法化以前から計画、整備に着手しておりました施設整備に対する物価高騰に係る経費の一部につきまして、臨時的に約五十七億円の交付金を措置しております。

○せりざわ委員 都立病院機構の経営状況は厳しいということですが、東京の医療のセーフティーネットである都立病院の整備事業は着実に進めていくことが重要だと考えます。令和七年度は施設整備に対する物価高騰の一部について臨時的に支援しているということでありますが、都立病院は更新時期を迎える建物も多く、今後も続く大規模工事について計画的に着実に進められるよう、機構だけではなく設立団体でもあります東京都も、引き続きしっかりと方策を考えていただきたいと思います。要望で終わります。

○ひがし(ゆ)委員 よろしくお願いいたします。一部質問かぶる点もありますが、改めて質問させていただきます。
 都立病院は、救急、周産期、小児、精神など、行政的医療を支える中核的な存在です。都民の命と健康を守る最後のとりでとして、大きな役割を果たしております。一方で、評価書また公表資料によれば、令和六年度の純損失は二百三十九億円に上り赤字が続くなど、経営の厳しさ、また現場の疲弊が見られ、医療提供体制の持続性が問われております。現場からは、人手が足りない、また重症患者を診るほど人材が必要であったり、経営にも影響が出るというような声も上がっており、現行の仕組みでは現場の努力が正当に報われていないというような状況があります。
 本日は、都立病院が行政的医療を安定的に担い続けるための財政支援の在り方、また精神医療体制、人材確保など、今後の経営に関わる課題について伺います。
 都立病院は、採算が取れない分野であっても、都民の命と健康を守るために行政的医療を担い続けております。特に診療報酬ではカバーし切れない不採算医療について、都の財政的な支援がどの程度行われるのかというのは非常に重要な点となっております。
 そこでお伺いいたします。都立病院機構では赤字が続く厳しい経営状況が見られますが、今後の運営の見通し、また都としてどのような支援策を講じていくのか、また独立行政法人化の前後で支援額にどのような違いがあるのかを伺います。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院の経営状況は、二年連続で純損失が発生しておりますが、令和六年度末の資金残高は約七百四十八億円であり、令和七年度への繰越金は計画を上回っております。
 都はこれまでも、採算の確保が困難な行政的医療の提供に必要な経費に対しまして、運営費負担金を措置しております。この運営費負担金の額は、旧都立病院に係る一般会計からの繰入金と、旧公社病院に係る運営費補助金との合計額と同規模となってございます。

○ひがし(ゆ)委員 ありがとうございます。形式的には独法化前と同規模の支援が続いているとのことですが、先ほどもお話があったように、現場では物価高騰、また人件費の上昇、施設整備や医療機器の更新など、新たな負担が増しております。
 行政的医療を安定的に提供し続けるためには、単年度の補填だけではなく、重症患者の受入れや不採算医療への貢献などを正当に評価をしていくような支援の在り方が求められるのではないでしょうか。その上で、経営改善に向けてどのように取り組んでいるのか伺います。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、安定的な運営に向けて収入確保と費用削減に取り組んでおります。
 収入確保につきましては、コロナ後の患者数減少を踏まえ、断らない救急の徹底、初診患者の受入れ体制強化、地域との連携強化の三つの重点項目の取組を推進しております。
 費用削減につきましては、十四病院のスケールメリットを生かした共同購入を推進しているほか、国立大学病院等との共同による診療材料の価格交渉等に取り組み、令和六年度はこれらにより約一億八千万円の効果がございました。

○ひがし(ゆ)委員 ありがとうございます。一緒に購入することで一・八億円、前年度に比べて改善されているということは確認ができました。
 ただ、二百三十九億円という規模から考えて、この現状をこのまま進めていて間に合うのでしょうか。都立病院の経営改善については、急務の対応が求められると思っております。
 経営改善の取組が進められている一方で、現場からは重症患者を診れば診るほど赤字が増えてしまうのではないかというような声も寄せられております。行政的医療を担う都立病院に対しては、重症患者の受入れ等を正当に評価をするインセンティブ型の支援等も検討していただきたいと、こちらは要望をさせていただきます。
 次の質問に移ります。
 経営面の課題と併せて、都立病院が担う行政的医療の中でも特に精神科医療は重要な課題となっております。精神疾患を抱える方々の中には身体疾患を併発するケースも少なくはありません。一般の医療機関では対応が難しいというような現実があります。精神科の入院医療や救急対応、医療従事者の負担が大きく、専門職の確保、また連携体制の維持にも課題があります。
 一方で、松沢病院をはじめとする都立病院は、長年にわたり東京都の精神医療の中核を担い、そして社会復帰支援地域連携の面でも重要な役割を果たしております。
 こうした状況を踏まえ、まずは精神疾患、また身体疾患を併せ持つ患者への対応を中心に、都立病院の現状についてどのようになっているのか、対応状況をお伺いいたします。

○鈴木都立病院支援部長 都は、中期目標におきまして、質の高い精神医療を提供するとともに、一般医療機関では対応が難しい精神科救急医療、精神科身体合併症など、専門性の高い精神疾患医療を提供することなどを都立病院機構に求めております。
 中期目標を受けまして、都立病院は、東京都精神科身体合併症医療事業に参画しているほか、地域のかかりつけ医等から依頼された急性期の精神科身体合併症患者も積極的に受け入れているところでございます。

○ひがし(ゆ)委員 都立病院は急性期の精神疾患の受入れを進めているという点を確認させていただきました。
 精神また身体合併症の患者様は受入先が限られ、搬送や転院調整等に時間がかかるケースも多く見られております。都立病院が中核として機能しつつ、地域との連携強化をさらに強化していく必要があります。
 そこでお伺いいたします。精神科身体合併症医療については、当事者団体からも治療が長期化するケースに対応できる医療機関が限られているという声が届いております。特に、身体的治療が一定の段階を超えても精神症状の安定が厳しく、転院先の調整に時間を要するケースは少なくありません。
 都立病院は急性期医療を中心に担っていることは理解をいたしますが、こうした実情を踏まえ、急性期から地域の移行までを見据えた連携体制の強化が求められております。精神科身体合併症医療について、都立病院が担う機能、また民間病院等との連携についてお伺いいたします。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、急性期の身体的な疾患で受診した患者が精神疾患を有していた場合でも、その病院に精神科があるなしにかかわらず医療機能に応じて診療を行っております。
 また、身体的な治療が必要な患者の精神状況が悪化した場合には、患者の意向なども確認しながら松沢病院等に円滑に転院させるなど、都立病院間で連携して治療に当たっております。
 都立病院での急性期の治療を終えた患者につきましては、地域への移行や他の病院への転院など、状態に応じた医療が受けられるよう取り組んでいるところでございます。

○ひがし(ゆ)委員 ご説明ありがとうございます。当事者、また家族から寄せられる長期化への不安、また転院先が見つからないといった声、現場の職員、丁寧に対応できるように、支援体制の強化をお願いしたいと思います。
 次の質問です。
 我が会派では、小児総合医療センターを視察させていただきました。現場の職員からは、看護師が足らず病床の一部を開けていないというようなお話もいただきました。その後、都を通じて、病院の見解として、病床の一部を開けていないのは患者動向によるもので、人員は適正に配置をしているとの説明を受けました。
 現場の職員、また病院幹部の認識の乖離、行政の受け止めについてどのように考えているのか伺います。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院の令和七年四月一日の看護要員数は、コロナ前の令和元年度と比較しておおむね同水準となっておりまして、小児総合医療センターについていえば、令和元年度を上回っているところでございます。都立病院では患者動向に応じて病床等の医療資源を有効活用しながら、柔軟な人員配置により機動的な運営を行っており、小児総合医療センターのPICUも同様でございます。
 こうした運営方針につきまして、法人本部におきましては、院長会等を通じて各病院と共有するとともに、各病院においては、病院幹部と各部門の責任者との会議や意見交換の場など様々な機会を捉えて認識の共有を図っております。

○ひがし(ゆ)委員 ありがとうございます。数字上では人材、人員が不足していないというようにいわれていても、現場では足りないのではないかというように感じる状況が続いております。特に小児や周産期医療など専門性が高く負担も大きい分野におきましては、勤務環境、また人材定着への支援が必要不可欠となっております。
 現場の声、また当事者の思いに寄り添った丁寧な対応をお願いし、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○かまた委員 私からは、法人の経営改善や医療の提供状況についてお伺いをいたします。
 令和六年度決算は、コロナ補助金の皆減、また物価高騰の影響等により、先ほどからも話がありますように二百三十九億円の純損失だと伺っております。
 都立病院の使命であります行政的医療の安定的な提供を進めるとともに、現在は地域医療構想の実現にも率先して取り組んでいくことが求められておりまして、都立病院機構が独法化のメリットを生かしながら機動的な運営を行い、経営基盤の強化を進めていくことは重要であります。
 現在は、民間病院も含めまして病院を取り巻く環境は非常に厳しい中であり、都立病院では経営改善に向けて患者の受入れ体制の強化を図ったことで医業収益は増えているとのことでありますけれども、私からも費用削減の面ではどのような取組をしているのかについてお伺いをいたします。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、将来にわたり安定的、継続的に役割を果たすため、組織横断的な検討体制の下、費用削減等に取り組んでおります。
 例えば、医療機器等の購入に当たり、競争入札により交渉の相手方を選定して契約締結前に減額交渉を行う交渉権入札方式を採用しており、入札価格からさらなる費用削減を図っております。
 また、放射線機器の保守につきまして、各病院の対象機器をメーカー単位でまとめ、本部で一括契約する取組を拡充し、約一億一千万円の費用を抑制いたしました。
 引き続き、都立病院では職員のコスト意識の醸成を図りながら経営改善に取り組んでまいります。

○かまた委員 都立病院も努力できるところはしっかりと努力をして、経費削減に取り組んでいることを理解いたしました。引き続き、契約手法の工夫など独法化のメリットを生かしながら、十四の病院と法人本部が知恵を出し合って、経費削減にぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、人材確保についてお伺いをいたします。
 医療には人でなければできない業務があります。だからこそ、厳しい経営状況にあっても、医師や看護師をはじめとした専門性を持った人材の確保は、都立病院にとって重要な課題であります。
 令和六年度業務実績評価書では、人材の確保、育成を含む業務運営の改善及び効率化は、年度計画を上回って実施しているとしてA評価でありますが、人材の確保に関してどのような実績があったのかお伺いをいたします。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、医療課題や患者ニーズに機動的に対応するため、独法化のメリットを生かし、高度専門的な医療等の提供に必要な専門人材を時期を逸することなく採用できるよう取り組んでおります。
 例えば、医師や看護師の採用選考については、法人本部での選考実施に加え、各病院での選考による採用を実施し、機動的に人材を確保し、現場のニーズに迅速に対応しております。
 また、令和六年度は、専門性の高い資格や業務経験を有する人材を対象とした特別選考において、民間の転職サービスや求人媒体の活用により、建築職やICT職を管理職として採用いたしました。

○かまた委員 現場のニーズに迅速に対応した選考方法や、また専門性の高い人材も採用したとのことであります。行政的医療の着実な実施や、不妊治療、無痛分娩など、新たな都民ニーズに応えていくためにも、答弁にありましたように、柔軟な職員採用の仕組みなどを生かしまして必要な人材の確保に引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、行政的医療についてお伺いをいたします。
 都議会公明党は、これまで様々な都民ニーズを捉え、都に行政的医療に関する具体的な提案をさせていただきました。そして、都の皆様の熱心な取組によりまして、例えば大塚病院や大久保病院などで女性専用外来が開設されたり、大塚病院など五つの都立病院に不妊治療に関する相談窓口が設置されたりしました。そして現在は、大塚病院において不妊治療外来の開設にも、準備に向けて力を注いでくださっております。
 このように、都立病院は、行政的医療を担う重要な医療機関でありますので、本日は行政的医療の中でも特に重要性が高い救急医療についてお伺いをいたします。
 高齢化の進展に伴いまして救急搬送件数が増加する中、都立病院には救急患者をしっかり受け入れることが期待をされておりますけれども、業務実績評価では救急医療の評価は年度計画を上回って実施しているとしてA評価でありました。
 そこで、この評価に当たりどのような実績があったのかについてお伺いをいたします。

○鈴木都立病院支援部長 令和五年度に引き続き、各病院では救急受入れの体制強化に取り組んでおります。夜間帯の受入れ状況等を分析、検証した上で、当直体制の強化等を図ったほか、近隣の消防署訪問や、医師と救急隊との定期的な意見交換などを実施いたしたところでございます。
 また、広尾病院では、総合救急診療科を設置し、診療科を特定できない患者や、特定の診療科のみでは対応できない患者への初期診療を行い、専門診療科へ引き継ぐことなどにより、応需率の向上につなげました。
 こうした取組により、救急入院患者数と救急車搬送患者数につきましては、令和五年度を上回る実績となったところでございます。

○かまた委員 近隣の消防署訪問や、医師、救急隊などとの定期的な意見交換等を実施したとのことで、まさに現場の皆様の声に耳を傾けたからこそ、令和五年度実績を上回る結果が出たのではないかと私は思っております。
 また、受入れ体制の強化の取組としまして、救急救命士の活用も図ったということも伺っておりますけれども、具体的にどのような取組なのかお伺いをいたします。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、救急外来等に独法化前には職の設定がなかった救急救命士を八病院に配置しております。救急救命士は、救急隊からの受入れ要請の電話への対応や、救急搬送患者への診療の補助、他の医療機関への転院調整などの業務を担っております。
 例えば、多摩北部医療センターでは、救急外来に救急救命士を配置することにより専門的知識に基づいたトリアージを行い、担当診療科の選定や救急隊への回答の時間短縮を図ることで、円滑な救急患者の受入れを進めたところでございます。
 今後も、救急外来等での救急救命士の活用により、タスクシフトによる医師や看護師等の負担軽減を図るとともに、より多くの救急患者を受け入れてまいります。

○かまた委員 高齢化に伴いまして医療人材の確保が難しくなる一方、高齢者救急の増加などへの対応や、粒子線治療、そして不妊治療など、新たな取組にも対応していくことが都立病院には求められております。ぜひ今後も独法化のメリットを最大限に生かしまして、機動的な人材確保や様々な都民の期待にご対応いただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○米倉委員 日本共産党の米倉春奈です。地方独立行政法人都立病院機構の業務実績評価書について伺います。
 これは、都立病院が都直営から独立行政法人化されたことにより、毎年、中期計画の達成に向かって毎年度の計画を持ち、その達成の状況を知事が評価するというものです。今回で三回目の実績評価となります。評価に当たっては、法人の評価委員会の意見を聴くとなっています。
 今回の評価は、最も高い評価の評定Sに周産期医療があり、そのほかの多くの取組は、年度計画を上回って実施していたり、計画どおりの取組で、評定A、評定Bとなりました。最も厳しい評価、評定Dはありませんが、財務内容について評定C、年度計画を十分に実施できていないという評価になりました。これは昨年度に続いて評定Cとなっています。
 財務内容の改善について、知事が評定をCとしたのはどういう理由によるものか伺います。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、患者受入れ体制の強化による収入確保や、共同調達による費用の抑制に取り組んでいるところでございます。しかしながら、令和六年度の各経営指標が目標を下回り、計画値を大きく上回る純損失を計上することとなったことから、引き続き改善に向けた取組が必要であると判断し、C評価といたしました。

○米倉委員 つまり、都立病院は、収入確保や共同調達などによるコスト削減に取り組んできたけれども、目標は達成できなかったからC評価だということです。
 ただ、今、病院は、民間も公立も、どこも経営危機となっているのが現状です。帝国データバンクの調査では、今年度の上半期の医療機関の倒産は過去最多ペースです。都内の公立病院の経営状況について、日本共産党都議団で調べてみたところ、多摩地域の公立病院は全て赤字になる見込みです。市長会は、最重点要望で公立病院支援を求めています。先週の本会議でも、各会派が公立病院への支援を求めました。
 今、物価高騰や人件費増加で、民間病院も公立病院も経営が厳しい状況があります。都は、このことをどう認識していますか。都立病院の評価ではどう考慮されているかも伺います。

○鈴木都立病院支援部長 物価高騰などの影響で、医療機関を取り巻く環境が非常に厳しい状況にございます。そのことを考慮しつつも、財務内容の改善の項目では各経営指標が目標を下回っており、引き続き改善に向けた取組が必要と考えてございます。

○米倉委員 都も医療機関を取り巻く環境は非常に厳しいということは認識していらっしゃるということです。だけれども、目標は下回っているから評定はCということです。
 しかし、知事の実績の評価を読んでみましても、どうして評定がCとなったのか分からないなというのが率直なところです。法人の経営改善の努力は、これ読んでみても相当なものだと思います。むしろやり過ぎではないかと思われる部分もあります。
 評定をCとしたところの説明には、物価高騰などの影響から医業費用は令和五年度比で三十五億円増えた、一方で、患者数を増やし、新規の診療報酬の取得にも取り組み、医業収益は前年度から七十九億円も増やして、収支を四十四億円も改善していると書いています。全体の収支が前年度から五十六億円悪化した大部分は、コロナ関連の補助金の終了によるものと書いています。
 全体の収支を悪化させたのは、物価高騰、コロナ関連の補助金の終了、また、都立病院機構の自己評価のところには、急激な物価高騰に診療報酬が追いついておらず、病院経営は全国的に厳しさを増しているということがまず初めに書かれています。収支を悪化させた原因は外部の要因だと思います。これは、都も同じ認識なんでしょうか。

○鈴木都立病院支援部長 物価高騰などの影響で医療機関を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあるということでございます。
 ただ、そのことを考慮しつつも、財務内容の改善の項目では各経営指標が目標を下回っており、引き続き改善に向けた取組が必要と考えているところでございます。

○米倉委員 収支を悪化させた原因は、このいただいた評価書を見ても、ほぼ全て外部の要因ですよね。やっぱり、それで苦しい状況なのにC評価で十分実施できていないというのは、ちょっと理不尽じゃないかなと思います。
 評価委員会は、企画・財務担当部長が赤字の背景について、物価や人件費、光熱費などの経費がこれまで経験したことのないレベルで高騰する一方、収入となる診療報酬に制度的な制約があるという発言をされています。そういう厳しい中でも相当努力をしてきたということで、都立病院機構の自己評価ではB評価となっています。
 そこをわざわざ知事がC評価としたのはどうしてなんですか。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院機構の令和六年度の各経営指標が目標を下回り、計画値を大きく上回る純損失を計上することとなったことから、引き続き改善に向けた取組が必要であると判断し、C評価としたものでございます。

○米倉委員 やっぱり、今、都がやるべきは、都立病院にこの物価高騰を踏まえた財政支援をすることだというふうに思います。
 それで伺いたいんですが、中期計画を上回って運営費負担金や運営費交付金を支出することは、法的にはできますか。

○鈴木都立病院支援部長 都は、採算の確保が困難な行政的医療の提供に必要な経費に対して、運営費負担金を措置しております。
 また、今年度は独法化以前から計画、また着手していた施設整備に対して、物価高騰に係る経費の一部を臨時的に支援しております。

○米倉委員 つまり、できるということなんです。計画を上回って交付金や負担金、出すことができるということで、都も今年度、施設整備費の物価高騰に対して経費の一部を支援したということです。
 先ほども紹介しましたが、都立病院は二〇二四年度、物価高騰で三十五億円も医業費用が増えて、財務が苦しくなったわけです。さらに、二〇二三年度以前の物価高騰分もあるわけですよね。物価高騰を踏まえて、都は、都立病院へ運営費負担金や交付金を増やすべきだったんじゃないかと思うんです。
 東京都は、ほかの独立行政法人に対してはこの大変な物価高騰を踏まえた対応をしているわけです。例えば都立大学に対しては、物価高騰、その中で人件費や委託費が高騰しているということで、今年度、十五億円、運営費交付金を増やしています。当然の対応だと思います。
 都立病院に対して、どうして物価高騰を踏まえて運営費負担金や交付金を増やさなかったんですか。

○鈴木都立病院支援部長 今年度は、独法化以前から計画、また着手していた施設整備に対して、物価高騰に係る経費の一部を臨時的に支援しております。

○米倉委員 施設整備については一部経費負担したと、支援したということなんです。では、どうしてほかにも深刻な薬品ですとか医療材料、光熱費、人件費などには未対応なんですか。やっぱりこの全体を見て、今、病院を支えていくということが必要だったと思います。これは病院が都直営だったらあり得なかった事態だと思うんです。
 東京都の予算というのは、二〇二三年度から三年連続、物価高騰分を確実に予算に反映するという方針をもって予算計上されているわけです。知事は、やるべき独立行政法人への財政支援も増額せずに、外部要因によって財務状況が悪化したとしてC評価をつけました。
 もう少し伺いたいんですが、要はその財務内容の改善のためにどういうことを法人に求めようとしているかということも伺いたいと思います。この総評の部分で、財務内容の改善のために、材料費、薬品費、人件費等について指標を持つよう検討を求めています。それぞれどういうことを想定していますか。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院機構では、財務内容の改善の項目において、経常収支比率、医業収支比率を目標値としております。評価委員会からは機構に対して、これらの指標に加えて、経営状況をより詳細に把握するため目標指標について検討するよう意見がございました。

○米倉委員 経営状況をより詳細に把握するために、指標を今回書いたということです。評価書で財務内容の改善を図るために指標を持つようにということになっていますから、これは具体的な取組につながることを想定して、指標を新しく求めているということだと思うんです。
 では、人件費について財務内容を改善するということは、都は具体的にどういう取組を考えているんですか。

○鈴木都立病院支援部長 こちらの方は、評価委員会から機構に対して、経営状況をより詳細に把握するため、目標指標について検討するよう意見があったものでございます。

○米倉委員 評価委員会から意見があったから盛り込みましたという話なんですが、この評価書というのは最終的に知事が評価するもので、知事が責任を持って出すものですよね。
 具体的な説明が、今、なかったんですけれども、人件費を指標にして取り組むということは、これは医療提供の後退につながるといわなければならないと思います。人件費で財務内容を改善しようとしたら、人件費を減らすしかないわけです。人を減らすか、待遇を下げるかしかありません。
 小池知事はこの間、物価上昇を上回る賃上げの流れを確かなものとしていく必要があると議会でもおっしゃっています。こういう中で賃金を引き下げるということはあり得ないことです。また、職員を減らすということは、提供する医療の質や量にも関わってきます。これでは、命のとりでとして都立病院の役割を果たせなくなってしまいます。
 また、この評価を先取りするような形で、既に人件費の抑制が行われているのではないかとも思われます。つくっていただいた資料を見ましても、看護要員の数は、独法化の前年までは毎年四月時点で六千二百人を超えて確保されてきましたが、今年度は約百人少ない六千百人ちょっととなっています。評価委員会では内藤副理事長も、看護師が百人くらい少なくなっていると発言されています。
 独法化され、必要な看護要員の人数を定数として設けるということもなくなった下で、いよいよ人を減らし、待遇切下げに進もうとしているのかと、そういうことは許されないということを申し上げておきます。
 さらに、評価委員会の議論を読みますと、病院の規模のダウンサイジングについて繰り返し議論しています。病床数を減らそうという話です。しかし、コロナの教訓は、危機が起きたときに対応できるだけの余裕のある体制を維持することでした。独法化により危惧されてきた病床削減や人件費削減、人員の削減が、まさに具体化しようということだと思います。
 都立病院がこれからも都民に必要な医療を提供し、感染症や災害時の医療をはじめとした行政的医療を守るためには、都直営に戻して拡充こそすべきだと、これは強く求めておきたいと思います。
 具体的な要望も二点伺います。
 まず、島しょ医療についてです。
 島しょ医療の確保と充実に都立病院はどういう役割を果たすのか、広尾病院における島民の利用は、入院患者、外来患者についてどういう状況か伺います。

○鈴木都立病院支援部長 都は、中期目標におきまして、島しょからの救急患者等を受け入れる体制を確保し、島しょ医療を提供することなどを都立病院機構に求めております。
 中期目標を受けまして、都立病院は、島しょ医療の基幹病院である広尾病院を中心に、各病院が連携して島しょ地域の救急患者を受け入れる体制の整備等を行い、質の高い医療を提供しております。
 令和六年十月実施のワンデー調査によりますと、調査当日、広尾病院に入院していた二百十五人の二三・七%に当たる五十一人、外来を受診した四百九十三人の三・九%に当たる十九人が島しょ地域にお住まいの患者でございました。

○米倉委員 島しょ医療の提供は、都立病院の大事な役割だということです。今ご答弁があったように、広尾病院では入院患者の二割以上が島の住民だということです。島の方々にとって広尾病院がいかに大きな役割を果たしているのか、私も改めて実感しています。
 都立病院全体でもワンデー調査は実施されていまして、ここで見ますと、入院している方の一・五%が島の住民の方だと聞いています。島しょ地域の人口は、東京都全体の約〇・一五%ですから、島の方々にとって都立病院の役割が大きいことを示しています。島の方に聞きますと、広尾病院に入院すると同じ部屋にほぼ島民がいるといわれます。
 大島に住む方は、農作業をして帰宅した直後に倒れて島の医療センターにかかりました。その場では心膜炎だから薬でいいということになりましたが、心配だったので広尾病院に紹介状を書いてもらい、すぐに診療を受けました。広尾病院でも最初は同じ見立てで、帰っていいといわれましたが、その日の夜に病院から命に関わると連絡が来て、翌日すぐ手術となりました。カンファレンスで見つけてもらったということです。島民にとって広尾病院は生命線だと聞きました。
 しかし、島しょ地域に住む方々が広尾病院に通院や入院をするのは容易ではありません。船や飛行機を利用するために交通費負担も大きくなります。近くに病院がある環境とは違って、診療の当日だけでは行き来できない方も多くいます。
 そうした中で、低い価格で宿泊できる施設はとても大切です。広尾病院には島民向け宿泊施設、さくら寮が設置され、部屋が五室あります。この広尾病院にあるさくら寮の利用の実績を伺います。

○鈴木都立病院支援部長 広尾病院は、島しょ患者、家族向けの宿泊施設を運営し、島しょ患者やその家族のニーズに対応してございます。令和六年度は、三百七十九名の島しょ患者とそのご家族の利用がございました。延べ利用日数は千百九十二日でございまして、利用率は約六五%でございました。

○米倉委員 今日は利用できなかった方の人数は調べが間に合わないということで、そこは聞きませんでしたが、島の方たちからは希望する人が入れないという声を聞いています。そうなると、代わりに比較的に安価な島嶼会館に宿泊するというふうになるんですが、ここも満室で予約が取れないということで周辺のホテルを探そうと思っても、物価高騰とインバウンドでホテル代がとても高くて大きな負担になっているそうです。過去には、利用率が昨年度とほとんど同じ六六%でも、約一割の方が利用できなかったということも、日本共産党の質疑で明らかになっています。
 そこで伺いたいんですが、広尾病院はこれから改築されるわけですが、事業者への要求水準書では、患者家族宿泊室について七室以上とすることを求めています。これは、現在の五室では足りないから増やすということでいいんですよね。これは確認です。

○鈴木都立病院支援部長 室数ですが、これからの調整になろうかと思います。

○米倉委員 もう一回伺いたいんですが、今回、今までの五室を七室に増やすっていうのは、やっぱり今までの五室では足りないからっていうことでいいんですよね。

○鈴木都立病院支援部長 聞いておりますのは、現在の五室を維持するということは聞いてございます。それ以上のことまでは聞いてございません。

○米倉委員 ちょっとごめんなさい、今のご答弁、確認したいんですが、五室を維持するということですか。要求水準書は七室以上というふうに書いているので、増やす必要があるっていう判断だと思うんです。そこを確認したいと思っているんです。

○鈴木都立病院支援部長 要求水準書では七室以上となっているので、その方向で進むものと考えてございます。

○米倉委員 何で聞かれたことにちゃんと答えていただけないのかなというのが疑問なんですけれども、既にこれまで議会に対しても、申込みが集中する時期には満室となる場合もありましたというふうに答えていらっしゃるわけですよね。だから、そういうことを踏まえて、今回部屋を増やす必要があると判断されたと思うんです。事実の問題なわけで、これはちゃんと正面から答えていただきたいと思うんです。
 この問題は、やっぱり島の方たちにとってはとっても大事な課題で、町村会、そして町村議会議長会は来年度――来年度だけでなくてこれまでも要望されていますが、来年度の東京都予算への要望で、さくら寮の拡充について都立病院機構と十分に調整を行うことを求めています。要求水準は七室以上ですから、七室ではなくもっと増やすということも含めて、宿泊できない方が生まれないようにしていただきたいと思います。
 また、現実の課題として、船の欠航によって島に帰れないという事態が起きています。船が出ないと分かってから島嶼会館を予約しようと思っても、満室で取れない、泊まれない。周辺のホテルがとっても高額で、経済的にとても困っているという話を聞いています。広尾病院を受診した患者さんや家族が欠航によってもう一泊しなければならない場合に、さくら寮が空室がある場合に宿泊できるようにするなどの対応を、ぜひ検討していただきたいと求めておきます。
 また、現在、さくら寮の利用は月に一回までとなっているわけです。これは、やっぱり必要な方が必要な回数泊まれるようにすべきだと思います。複数回の利用を認めると。だから、こういう実態を踏まえて宿泊室の数を検討していただきたいわけです。これは強く求めておきます。
 次に、性暴力被害者への支援についても伺います。
 都は、性暴力被害者への支援のためのワンストップ支援センターを運営しています。東京には一か所しかありません。しかし、国連の女性に対する暴力に関する立法ハンドブックでは、女性二十万人につき一か所の支援センターを設置すべきとしています。東京の女性の人口からすると、都内に三十六か所は必要です。ですが、今、一か所しかありません。
 性暴力被害者の支援には医療は不可欠ですから、本来、病院拠点型のワンストップ支援センターという、病院にワンストップ支援センターを設置していくことが必要で、国もこれを求めています。ところが、都内には病院拠点型の性暴力被害者へのワンストップ支援センターが一つもありません。
 今日は、都立病院がワンストップ支援センターとどう協力しているかを伺いたいと思います。
 性暴力ワンストップ支援センターと都立病院の連携は重要ですが、都はどう考えているのか。そして、性暴力、性犯罪被害者への対応としてどういう役割を果たしてきたのか、実績を伺います。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、八つの病院が性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援事業の協力医療機関となっており、性犯罪や性暴力の被害者に対して医療的な支援を行う役割を果たしております。性犯罪、性暴力被害者の受診は、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターからの依頼に基づく受診以外に、被害者が直接来院する場合や、警察が同行して受診する場合など、様々なケースがございます。

○米倉委員 十四ある都立病院のうち、ご答弁ですと八つの病院がワンストップ支援センターに協力しているということです。具体的には広尾、大塚、駒込、豊島、荏原、墨東、多摩総合、多摩北部医療センターだと聞いています。
 調べてみますと、婦人科がある病院でも協力医療機関となっていない病院が三か所はあるんです。これはどういう理由があるのかというふうに思うんです。
 公的な役割を果たすために、都立病院で条件がある病院が協力するというのは当然だと思います。法人として性暴力被害者支援に協力するという方針を持ち、条件がある全ての病院がワンストップ支援センターと連携するということを求めます。
 本来、病院拠点型の性暴力被害者の支援センターは、民間の医療機関には負担が重くて、都立病院こそ担う必要があるものです。国の性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針でも、特に中長期的な関係の構築を見据えて、公立病院や公的病院への設置などを進める方針が示されています。
 やっぱり、こういう立場で行政的医療を担う都立病院として、ここでどう役割を果たしていくのかということの検討を求めたいと思います。
 また、性暴力被害に遭った方に適切な支援をする上でも、スタッフが大切となります。性暴力被害者に対応する専門性を持った看護師である性暴力被害者支援看護職、SANEというものは、性暴力の被害者に適切な医療とケアを提供するための専門的な訓練を受けた看護師です。看護ケアに必要な性暴力に関連する心理、身体、社会及び法医学的な知識、技術、態度について、専門的な教育を受けた看護師です。
 私も以前、愛知県にあります名古屋第二赤十字病院に設置されている病院拠点型の性暴力被害者支援センターに伺いましたが、このSANEが性暴力被害者の相談センターでも役割を果たすということだけでなく、様々な診療科にこの看護師の方たちがいらっしゃって、性暴力被害者を見つけて支援につないでいるという話を聞きました。DVや虐待によるけが、オーバードーズなどで来る方の中にも性暴力の被害者がいらっしゃるわけで、そこに気づいて支援につなげるという適切なケアをされています。
 性暴力対応看護師、SANEの役割は重要だと思いますが、東京都の認識を伺います。あわせて、都立病院にはSANEが何人いるのか、育成の方針はあるのかも伺います。

○鈴木都立病院支援部長 産婦人科または婦人科を有する都立病院では、性暴力被害者が来院し、緊急避妊や感染症検査など医療行為を行うケースがあることから、対応する医療従事者が性暴力の被害者をケアするための知識を身につけることが重要でございます。
 都立病院では、総務局人権部が産婦人科医会の協力を得て実施する研修へ職員が参加しているほか、院内研修を行うなど、適切に対応してございます。
 なお、機構では、スキルアップや専門性の向上を希望する職員に対して講習会などに係る経費を支援する制度を設けておりますが、性暴力対応看護師の認定を受けている職員の人数は把握してございません。

○米倉委員 性暴力に対応した専門性がある看護師がいるかどうかということは、患者の人権に関わってとても大事なことだと思っています。性暴力で産婦人科などを受診して、医療従事者から二次加害を受けたという話を聞くことがあります。SANEなど性暴力に対応した専門性を持つ看護師がどの程度都立病院にいるかは、今は把握されていないということなんですが、今後把握していただきたいですし、育成もしていただきたいと要望しておきます。
 最後に、全ての人が医療へアクセスできることについて意見を述べます。
 昨年度の都立病院機構の年度計画には、外国人が安心して適切な医療を受けられる環境を整備するとあります。誰もが分け隔てなく医療を受けられるようにすることは、都立病院の大切な役割です。
 日本で特に大きな課題となっているのは、難民申請が通らなかったなどで在留資格のない方で、入管施設への収容を一時的に解除された方々である仮放免者への医療提供です。日本の難民認定は厳し過ぎるため、本来認定されるべき人が仮放免者になっています。国に帰ることができないにもかかわらず、働くこともできず、社会保障制度も適用されず、医療を受けようとすると全額自己負担となり、医療を受けることが非常に難しくなります。
 国は、早急に医療を受ける権利が保障されていない状況を改善すべきと、ここが根本的な問題ですが、同時に都としても対応すべきことだと思います。
 外国人だけでなく日本人も、医療費が支払えないために病院にかかれず、重症化して亡くなる方が、今、大勢いらっしゃいます。都立病院が医療費の支払いが困難な方の医療提供を行うことを明確にし、無料低額診療を始めるべきです。ましてや、国立国際医療センターのような保険診療の場合の単価より高い負担を求めるなどということは、これはあってはならないということを最後に申し上げまして、質問を終わります。

○高野委員 都民ファーストの会、世田谷区選出の高野たかひろと申します。私には医療的ケアが必要な娘が一人います。その子育てをしていく上で、福祉の社会、行政、まだまだ足りていないところを目の当たりにしてきました。それを整えるために、そして、障害者、障害児の方々に人につく支援ということで、私、政治に努めていきたいと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。
 質問に入ります。
 令和六年度の業務実績評価において、小児医療はAと評価されています。小児救急等で重症、難治性疾患などを積極的に受け入れ、専門的かつ高度な医療を提供したことが高く評価されました。特に小児総合医療センターでは二十四時間三百六十五日断らない診療を掲げ、こども救命センターを中心に、ほぼ一〇〇%に近い救急搬送の受入れを実現しています。また、医療的ケア児へのレスパイト入院を含め、患者家族への支援を強化した点も評価されています。
 こうした取組の下、小児総合医療センターにおける令和六年度の小児救急に関わる取組、実績について伺います。

○鈴木都立病院支援部長 小児総合医療センターでは、一次から三次まで、全ての小児の救急患者に対し、救命救急科を中心に、集中治療科、総合診療科などが共同して、救急医療に当たっております。
 令和六年度に受け入れた救急患者は三万六千四百九十一人、そのうち救急車での搬送が四千二百二十一人であり、救急搬送の応需率は九七%でございました。また、小児集中治療室、PICUでは、七百七十七人の患者を受け入れ、高度な救命治療、集中治療を提供いたしました。
 今後とも、二十四時間三百六十五日、小児救急患者を受け入れ、都における小児医療の拠点としての役割を果たしてまいります。

○高野委員 今、救急搬送の応需率は九七%とありました。
 今回、荒木議員と一緒に視察した際、新型小児用ドクターカーの運用を開始したということで見学しました。医療機関からの要請に応じて患者を搬送、治療する体制を整えておりました。これにより、東京の小児医療における拠点としての役割をさらに強化する取組が進められています。
 このドクターカーの令和六年度の稼働実績と、実際に救急搬送や現場治療において果たした役割について伺うとともに、今後の取組を伺います。

○鈴木都立病院支援部長 小児総合医療センターでは、地域の医療機関では対応が困難な新生児や小児の受入れと転院搬送のため、新生児用及び小児用ドクターカーを計二台運用し、多摩地域の小児、周産期医療を広範囲にカバーするネットワークを構築しております。令和六年度の搬送実績は、新生児用が三百四十六件、小児用が百九件、合計四百五十五件であり、前年度と比べ約二割増となっております。
 本年八月に更新した小児用のドクターカーには、新たに搬送中の患児のバイタルサインや超音波画像を病院とリアルタイムで共有することができる遠隔医療システムを搭載しておりまして、今後ともより質の高い救急医療を提供してまいります。

○高野委員 最新機器のドクターカーがあっても、乗り手がいないと本当に役に立ちません。十分な運行ができるように人材の確保を願いたいと思います。
 次に、医療的ケア児について伺います。
 小児総合医療センターには医療的ケア児とその家族を支える医療的ケア児支援センターが設置され、地域で必要な医療、福祉等関係機関との連携や相談支援の役割を担っています。医療技術の進歩により以前は助からなかった子供たちの命が救われる一方で、在宅生活を安心して続けるためには急変時のバックアップ体制や家族への支援がますます重要になっています。
 そこで、令和六年度の小児総合医療センターにおける医療的ケア児や家族に対する支援の具体的な取組について伺います。

○鈴木都立病院支援部長 都が設置している東京都医療的ケア児支援センターでは、多摩地域は小児総合医療センターが担っております。医療的ケア児や家族が心身の状況に応じた適切な支援を受けられますよう、相談支援等を行ってございます。
 また、認定看護師や専門看護師による出張勉強会や、医療的ケア児への訪問看護に同行するなど、地域の保育所や訪問看護ステーション等におけるケア技術の向上を支援しております。
 このほか、医療的ケア児の急変時やレスパイトの入院の受入れを積極的に行うなど、医療的ケア児の在宅療養に向けた支援を行っております。

○高野委員 視察中、現場より医療的ケア児の急変時やレスパイトの入院の受入れを積極的に行っているという話がありました。家族は二十四時間体制での見守り、ケアが求められることが多く、負担が過剰になりがちです。睡眠不足や精神的ストレスを引き起こしかねません。医療的ケア児とその家族のQOLを支える上で、こうした取組は非常に重要であり、地域で安心して生活できるよう、都民が小児総合医療センターに期待する役割を十分に発揮してほしいと思います。
 最後に、精神科医療について伺います。
 令和六年度の業務実績評価において、都立病院は精神疾患急性期医療や依存症治療など、精神科医療分野でAと高く評価され、都内の精神科医療全体の中で極めて重要な役割を担っています。特に私の地元世田谷にあります松沢病院は、精神科医療の中心的拠点として大きな役割を果たしており、地域住民からもその重要性は理解されていると考えます。
 しかし、一方で、精神科病院というだけで不安や偏見を抱く声が依然として存在し、地域との関係性に課題が残っているのも事実です。そこで、都立病院として積極的に地域住民の理解促進を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○鈴木都立病院支援部長 松沢病院では、世田谷区、地元町会、自治会、商店街等の代表者が参加する連絡協議会におきまして、定期的に意見交換等を行っております。
 また、地域住民を対象に、身近な医療や健康に関する問題をテーマに公開講座を開催するほか、世界精神保健連盟が定める世界メンタルヘルスデーに合わせ、地元企業や関係団体の協力を得てイベントを開催するなど、正しい知識の普及啓発に取り組んでおります。
 こうした取組を通じ、引き続き地域住民との相互理解と協力の下、円滑な病院運営に努めてまいります。

○高野委員 都立病院は、都民にとってセーフティーネットです。健全な運営、そして持続的な運営を行うためにも、人材の育成、確保に引き続き努めていただければと思います。
 これで質問を終わります。

○岩永委員 先月、会派で小児総合医療センターを視察させていただきました。東京都こども救命センターとして、小児救急医療、周産期医療、高度専門医療、難病移行医療、そして児童・思春期精神科として心と体を総合する医療を提供する中心的な拠点病院として重要な役割を担っている現場を見学し、お話を伺ってまいりました。今日は、東京都立病院機構の業務実績評価の中で、都立小児総合医療センターについて幾つか質問します。
 まず、初診待機期間の短縮についてです。
 私の地元国分寺市、国立市からも、小児総合医療センターを受診されている方が多くいます。しかし、地域のクリニックや診療所からの紹介を経て、初診につながるまでの時間がかかるという声をお聞きしてきました。
 評価の中で、小児総合医療センターの児童・思春期精神科で、初診枠を必要に応じて拡大することで初診待機期間が短縮されたとあります。どのぐらいの時間短縮になったのか、具体的な状況を伺います。

○鈴木都立病院支援部長 児童・思春期精神科の初診までの待ち日数の平均は、令和五年度は十四・八日、令和六年度は十・四日となっておりまして、四・四日短縮してございます。

○岩永委員 初診までの待ち日数が二〇二四年度は十・四日ということで、四・四日の短縮ということです。一定改善されているということは確認できました。
 地域の医療機関につながった後に、より専門的な医療が必要と判断されると、小児総合医療センターへの紹介になるわけですが、心の課題を抱えた子供たちの中には、医療機関での受診を決心する、決意するまでに時間がかかることが多いと聞いています。近年、地域の医療機関の初診予約を取るのにさえ時間がかかるというケースも増えておりますので、地域の医療機関と、そしてその後の小児総合医療センターの二回にわたって初診の待機が発生しています。
 子供が受診をようやく決心して地域の医療機関につながった後のつなぎをスムーズにするためにも、初診までの待ち日数の改善を今後も継続して取り組んでいただくことを要望いたします。
 また、今回の評価では、初診期間の短縮は児童・思春期精神科のみとなっていますが、小児総合医療センターのほかの科の初診待機の状況を伺います。

○鈴木都立病院支援部長 まず、緊急度の高い患者につきましては、東京ER・多摩小児で適切に受け入れているところでございます。紹介患者等につきましては、患者数の多い診療科での令和六年度の初診までの待ち日数は、総合診療科二十七・三日、神経内科十五・五日、内分泌・代謝科が六・七日となっております。

○岩永委員 緊急度の高い患者さんはERでの受入れがなされているということですが、患者数の多い総合診療では、初診までの待ち日数二十七・三日と約一月待たなければならないという状況です。総合診療科での初診待機日数の改善に向けた速やかな取組も併せて要望いたします。
 引き続き、医療的ケア児の支援について伺います。
 医療の発達とともに出産時に助かる命が増え、低体重での出産をNICUが支えています。医療的ケアが必要な乳幼児は入院が長期に及ぶこともあり、退院後に在宅で二十四時間体制で支える家族の疲労は大変なものがあります。
 医療的ケア児の急変時の受入れやレスパイト入院の件数は、二〇二三年度の実績二百九十八件だったところ、二〇二四年度には四百三十七件と大幅に増えています。その中で、特に小児総合医療センターでは、レスパイト入院枠を増やし、大幅に受入れが増えました。
 そこで、小児総合医療センターでのレスパイト入院の受入れ数が大きく増えた理由と、今後の取組を伺います。また、課題などがあれば併せてお聞きします。

○鈴木都立病院支援部長 小児総合医療センターでは、これまで週二枠だった入院枠を週四枠に拡大したほか、三歳以下としていた患者の年齢制限を撤廃するなど、対象患者を拡大したことにより受入れ数が増加いたしました。

○岩永委員 入院枠を倍増したこと、また対象患者の年齢制限を撤廃し拡大したということです。病床確保や人員配置の問題もありますが、救急患者を受け入れる状況や病床利用率を見ながら、今後も受入れ数を増やすことを要望いたします。
 小児総合医療センターでは、医療的ケア児連携会議を開催して、地域の医療機関や関係機関との連携が行われていますが、その取組について伺います。

○鈴木都立病院支援部長 小児総合医療センターでは、多摩地域の大学病院や公立病院などの担当者が参加する連絡会を定期的に開催しております。本連絡会では、人工呼吸器による呼吸管理やたんの吸引等の医療的ケアへの対応状況など、各医療機関の情報を共有しているところでございます。

○岩永委員 保護者が医療的ケアの必要な子供を在宅で受け入れるための知識やスキルも必要です。例えばたんの吸引もそうですが、人工呼吸器をつけたままの入浴など具体的なスキルを身につけられるように、心配なことや分からないことがあれば医療機関や訪問看護ステーションと確認しながら対応できるなど、家族をきめ細やかに支える体制をつくるために、連携会議などでも広く地域の医療機関をバックアップしていただくようお願いいたします。
 次に、評価委員からの意見の中で、医療的ケア児の成人への移行期におけるレスパイト入院先の確保が課題となっているというコメントがあります。都立病院として積極的に取り組んでいくことが重要と考えますが、どのような課題があるのか伺います。

○鈴木都立病院支援部長 小児総合医療センターでは、成人期を迎える患者に対して、多摩総合医療センターの各診療科と連携して診察を行い、小児医療から成人医療への円滑な移行を進めております。また、各都立病院におきましても、地域の医療機関と連携し、在宅療養に移行した障害児者のレスパイトにも対応してございます。

○岩永委員 在宅での家族の看護を支えるために、レスパイトのための訪問看護師の派遣など、入院でのレスパイトだけではなく、在宅での支援を受けながらのレスパイトも併用できる仕組みも必要です。当事者家族からの切実な声も聞いています。小児総合医療センターの取組事例などを各都立病院や地域の医療機関、自治体とも共有しながら、保護者の看護や介護の負担軽減、ケアラー支援の取組を進めていくことを要望いたします。
 先日、小児総合医療センターに視察に伺った際には、AYAルームなども見学をし、小児からAYA世代にかけた年代の患者への支援についてお話を伺いました。
 また、長期入院する都立高校生を対象にオンラインを活用した学習支援が始まりました。在籍校の授業配信などによって、入院中も学びを継続して単位認定を受けられる支援が開始されていますが、私立の学校の場合の対応など課題も残っています。どのような状況にあっても、子供を中心とした支援が行われるよう、横断的な取組が必要です。
 また、ホスピタルファシリティードッグが子供に寄り添いながら、病棟にいる子供たちが治療に向き合い、エンパワーするよう支える取組も伺いました。クラウドファンディングでスタートし、来年からこころ病棟への二頭目の導入が決まったという話も伺いました。
 大変重要な事業ですので、小児医療の現場では患者であり当事者である子供からの声や意見を聞き、子供にとってさらによいものにしていくためにその内容を反映させていくことが大切です。
 そこで、小児総合医療センターでの、患者である子供の声を聞く取組の状況を伺います。事業評価や施策評価への反映なども、現状をお聞きします。

○鈴木都立病院支援部長 小児総合医療センターでは、患者満足度調査や退院時のアンケートなどにより子供や家族の声を聴取し、院内での改善策の検討を行い、患者サービスの向上につなげております。例えば、中高生からの要望も踏まえ、令和六年三月に外来待合室や全ての病室等でWi-Fiを利用できる環境を整備したほか、付添家族の要望を踏まえ、病室での飲食に係るルールの見直しを行うなど、改善を行っているところでございます。

○岩永委員 AYA世代の患者へのアンケートが実施をされて、百八十二人が回答をしているということで、寄せられた声に対応していく一つ一つの取組が大切です。今後の施策評価の中に子供の意見を反映する仕組みを位置づけていただくことを要望し、質問を終わります。

○龍円委員 一年ぶりに厚生委員会に戻ってまいりました。引き続きよろしくお願いいたします。
 令和五年度は八王子市の精神科病院、滝山病院で看護師による入院患者への暴行事件が明るみになり、この委員会では、この病院への入院患者への支援と、二度と同じような事件が起きないようにするために、東京都全域で精神疾患のある患者が虐待されることなく、安心して医療アクセスできるようにすること、そして、都立病院全体で身体合併症のある患者の受入れの徹底などについて質疑をいたしました。
 都からは、精神科における障害者虐待の専門通報、相談窓口の開設、医療機関向けの障害者虐待防止のための研修や啓発をすることとの答弁がありました。また、福祉局になりますけれども、東京都障害者・障害児施策推進計画では、障害者虐待防止というのが大きなテーマとして掲げられたところであります。
 本日、議題となっている令和六年度の業務実績評価の中で、精神疾患医療についてA評価がされていることには、一つ安堵したところでございます。精神疾患医療の評価に当たりまして、どのような実績があったのかお伺いいたします。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、各病院の機能に応じて精神疾患医療を提供しております。令和六年度の東京都精神科夜間休日診療事業による搬送患者や精神科身体合併症の新入院患者の受入れは、都立病院全体で令和五年度実績を上回るなど、着実な対応を行いました。
 また、松沢病院においては、積極的に訪問看護同行支援を行い、地域への技術支援を通じて精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に貢献したほか、令和六年七月に東京都摂食障害支援拠点病院の指定を受け、相談窓口の設置など摂食障害患者の早期支援に取り組みました。
 児童・思春期精神科医療に関しましては、小児総合医療センターで初診枠の必要に応じた拡大などにより、初診待機期間を短縮する取組を進めたほか、大塚病院で限局性学習症の診断と療育指導を実施するなど、適切に治療を行ったところでございます。

○龍円委員 令和六年度は、都立病院全体での身体合併症、つまり身体的な治療を必要としている精神疾患のある患者の受入れを実施したことですとか、専門性の高い松沢病院においてはアウトリーチ型の支援を実施したことなどから、都立病院においてもしっかりと取組を進めてくださったことが伺うことができました。
 令和五年度の委員会質疑でも、身体合併症がある精神疾患患者が医療へのアクセスが難しいことから、適切な治療を受けられるよう都立病院がセーフティーネットになってほしいという趣旨で質疑をしたところで、この点についてお伺いいたします。
 令和六年度、精神科身体合併症医療について、どのような実績があったのかお伺いいたします。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、精神疾患患者に対し迅速かつ適正な身体医療を確保することを目的とした東京都精神科身体合併症医療事業に、松沢病院をはじめとした六病院が参画しており、夜間及び休日に身体疾患を併発した患者の九割以上に対応してございます。この事業での患者の受入れに加え、精神科と他の診療科の連携により、地域のかかりつけ医等から依頼された精神科身体合併症患者も積極的に受け入れております。
 こうした取組により、令和六年度は前年度に比べ三・四%増となる六百七十一人の精神科身体合併症患者の入院を着実に受け入れました。

○龍円委員 各都立病院が地域の医療機関からの依頼の患者も積極的に受け入れて、前年度に比べて入院した方が増えたということは、大変心強いことだと感じました。精神疾患のある患者の安全な医療体制の充実のために着実に取り組んできたことが確認できました。
 しかし、精神障害者団体によりますと、急性期の場合であっても身体拘束ができない救急車には乗せてもらえないことがあるということで、病院にたどり着くまでの困難さがまだ残っているというふうに伺っております。症状が強い患者を家族だけが自力で病院に連れていくことには、高いハードルがあると思っております。
 都立病院では、先ほど高野委員も触れていましたけれども、小児総合医療センターでは小児用のドクターカー、広尾病院でもドクターカーの整備をしてまいりました。都立松沢病院は精神疾患がある患者にとってはとりでとなっているような場所になっておりますので、ぜひ病院に行くことができないような状況に陥っている精神疾患のある患者のためのドクターカーを整備することの検討など、支援策について検討いただけますようお願い申し上げます。
 次に、周産期医療についてお伺いいたします。
 私の地元である広尾病院を含めまして、都立病院の周産期医療が評価の中で年度計画を大幅に上回って実施しているとしてS評価となっております。
 分娩できる都内の施設は減少傾向にある中で、一方では医療的ケアを必要とする赤ちゃんが増えていることなどからも、この周産期医療の充実というのは非常に重要なことであると考えております。
 今回、この評価に当たりましてどのような実績があったのかお伺いいたします。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院は、都内において出生数が減少している中でも、分娩を取り扱う六病院全体で前年度を上回る分娩を実施いたしました。母体搬送受入れ数や超低出生体重児対応件数につきましても令和五年度の実績を上回り、ハイリスク妊産婦、新生児等に対し高度で専門的な医療を提供いたしました。
 また、一般の医療機関では対応が難しい未受診妊婦や、精神疾患を合併している妊婦等を引き続き積極的に受け入れたほか、無痛分娩や産後の相談支援体制の充実に係る取組などを進めたところでございます。

○龍円委員 答弁の中で、無痛分娩の充実ということに触れていただきました。個人的なことになりますけれども、私自身もこの無痛分娩で出産をいたしました。アメリカだったこともありまして、通常は一泊なんですけど二泊で退院をいたしまして、子供にダウン症があったことから最初の七日間で九か所の医療機関を受診していまして、今思うと、私自身の回復に構っている暇は全くなかった状況だったこともありまして、無痛分娩をしてよかったなというふうに覚えております。
 産後に早めに回復が可能となる無痛分娩は、母親が赤ちゃんと向き合いやすくなりますので、希望する妊婦が選べた方がいいというふうに実感しているところなんですけれども、帰国してみますと、日本では無痛分娩を選べるというところまでまだまだ環境が整備されていないことに驚いたことを覚えております。
 都立病院がその充実に取り組んでいることには、意義があると考えます。令和六年度については、無痛分娩について具体的にどのように充実を図ったのかお伺いいたします。

○鈴木都立病院支援部長 都立病院では、豊島病院、多摩総合医療センターなど五病院において無痛分娩を実施しております。大塚病院では、令和六年四月から、無痛分娩の対象を従来の経産婦のみから初産婦に拡大いたしました。また、豊島病院では、計画的な無痛分娩に加え、原則として二十四時間三百六十五日、陣痛開始後の無痛分娩にも対応できることを、患者や地域の医療機関に周知いたしました。
 こうした取組により、都立病院全体での無痛分娩件数は、令和五年度の三百二十二件から大幅に増加し、五百十四件となりました。引き続き、無痛分娩を含め、安全で安心できる質の高い周産期医療を提供してまいります。

○龍円委員 初めての出産から無痛分娩に対応を拡大し、また二十四時間対応をするようになったことで、無痛分娩の増加につながったということでありました。
 我が会派では、無痛分娩の支援というのを求めまして、ちょうど今月の一日から、福祉局の事業ではありますけれども、無痛分娩について助成が始まったのは喜ばしいことであります。その東京都の助成金スタート前に、都立病院が自らこのように安心して無痛分娩を受けられる体制の充実というのを図ってきたことには、意義があるというふうに感じております。
 引き続きまして、全ての妊婦、そして赤ちゃんたちが安心して医療を受けられる体制の充実も図っていただきますよう要望いたしまして、質問を終えます。ありがとうございました。

○浜中委員長 ほかに発言ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○浜中委員長 お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○浜中委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で保健医療局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間の休憩をいたします。
   午後二時五十分休憩

   午後三時五分開議

○浜中委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより福祉局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第二百十三号議案から第二百十九号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○伊藤委員 それでは、第二百十三号議案、東京都民生委員定数条例の一部を改正する条例について伺います。
 民生委員、児童委員の皆さんは、各地域の地元に根差し、赤ちゃんから高齢者までを対象に様々なご相談に乗っていただいたり、必要な支援が受けられるように行政機関へ橋渡し役をしてくれたりするなど、お困りの方の相談先としてとても頼りになる方々です。民生委員制度は大正時代に始まり、既に百年以上の歴史があるとのことです。厚生労働大臣から委嘱されたボランティアの非常勤地方公務員であり、地域住民が安心して暮らせるように生活困窮者などに幅広い支援活動をしてくれています。
 それでは、確認のため伺いますが、そもそも東京都は、民生児童委員をどのような存在と認識しているのか伺います。

○新内生活福祉部長 民生児童委員は、高齢者や障害者、ひとり親家庭など、地域で援助を必要とする方を把握し、日常的な見守りや相談、支援、関係者への橋渡しを行うなど、地域社会を支える重要な役割を担っております。近年、単身高齢者が増加しているほか、経済的困窮やひきこもり、認知症など、複合的な課題を抱えた方が増加しており、住民に寄り添いながら適切な支援につなげる上で、委員に求められる役割はますます大きくなっております。

○伊藤委員 民生児童委員は、地域社会を支える重要な役割を担っていると、東京都の認識を確認しました。
 さて、所管に事前に確認したところ、民生児童委員の現在の定数一万三百六十一人に対して、今年四月一日現在で、現員数は、民生児童委員八千五百六十八人、主任児童委員七百四十五人の、合計九千三百十三人と聞いています。よって定数に対して千四十八人の不足となっているそうです。条例においては、中核市八王子市を除く市区町村ごとに定数を定めており、今回の改正案では、その定数の合計が一万三百十一人と改正予定です。
 それでは、三年ごとの任期に合わせて定数改正を行ってきたと聞いていますが、これまでの定数の合計の変遷はどのようになっているのか伺います。

○新内生活福祉部長 平成二十七年に八王子市が中核市となって以降の一斉改選の年における市区町村ごとの定数の合計は、各年の十二月一日現在で、平成二十八年は一万三百二十四人、令和元年は一万三百六十一人、令和四年は一万三百六十一人となっております。

○伊藤委員 三年ごとの定数の合計の変遷を確認しました。微増と同数ということでした。
 今回の改正の概要では、民生児童委員の任期である三年ごとの一斉改選に合わせて、市区町村からの意見を踏まえ、市区町村ごとに定めている民生委員の定数を改めるとのことです。
 それでは、市区町村からどのような意見を踏まえて今回の改正案となっているのか伺います。

○新内生活福祉部長 民生委員の定数は、民生委員法によりまして、厚生労働大臣の定める基準を参酌して、市区町村の区域ごとに都道府県の条例で定めるとされ、市区町村の区域ごとの定数につきましては、あらかじめ区市町村長の意見を聞くこととされております。
 具体的な民生委員の配置基準につきましては、厚生労働省の通知で世帯数に応じた参酌基準が示されるとともに、定数の設定に当たりましては、市区町村ごとの管内人口や面積等を総合的に勘案し、地域の実情を踏まえた弾力的な定数設定について留意することとされております。
 都は、本通知に基づきまして、世帯数や高齢者などの要援護者数、福祉サービスの整備状況、民生児童委員協議会の意見、町会や自治会といった民生委員の推薦母体となる関係団体との調整など、地域の実情を踏まえて提出された市区町村長の意見を尊重しまして、本条例の定数を設定いたしました。

○伊藤委員 改正案に向けて市区町村の実情等の意見を踏まえていることを確認しました。
 今回の改正案の定数を市区町村別に現行と改選数を比較しますと、増員と減員があります。この理由や要因をどのようなものと捉えているのかも伺います。

○新内生活福祉部長 都は、法及び国通知に基づきまして、定数に関する市区町村長の意見をあらかじめ聞く際に、その改定理由についても確認しております。
 定数増の主な理由としましては、マンションの建設に伴う世帯数の増加、高齢者の増加に伴う担当区域の見直し等がございます。定数減の主な理由としましては、地域包括支援センターの増設、担当区域を広域化して複数人で担当する体制の導入などがございます。

○伊藤委員 そもそも全国的には人口減少社会に入って久しいにもかかわらず、東京は相変わらず人口増が続き、併せて高齢者人口も増えていますので、定数増については当然と理解します。一方で、定数減については、他の支援機関や対応の効率化などが要因であるということを理解いたしました。
 さて、私の地元八王子市は中核市なので今回の定数条例の対象からは外れていますが、市の担当に確認したところ、五十六万市民の安全・安心のために定数四百六十人と定められ、四百三十六人の民生委員等が活動していると確認しました。どの民生児童委員の方々も温厚な人柄や実直な対応で、各地域で本当に頼りになる存在です。
 一方で、これは民生児童委員に限ったことではありませんが、担い手の確保に苦労しているとも聞いています。八王子市を除く都全域でも、先ほど述べたとおり、今年四月現在で定数一万三百六十一人に対して現員数九千三百十三人、すなわち定数に対して千四十八人不足しています。定員に対し一割減という状況を見ますと、一人当たりの民生児童委員の負担が重くなり、活動への影響が懸念されます。
 以前に浜中委員長が年齢要件について質疑を行い、都は、令和四年の一斉改選後の充足率等を踏まえ検討するとしていましたが、その後の状況を伺います。
 あわせまして、また担い手を確保するためにも負担の軽減は重要です。都はどのような対策を取っているのか伺います。

○新内生活福祉部長 都は、定年延長などの社会状況の変化や地域の実情を踏まえまして、弾力的に適任者の選任が行えるよう、選任に当たっての年齢要件を、新任者につきましては七十歳未満から七十二歳未満に、再任者につきましては七十五歳未満から七十七歳未満に見直し、本年十二月一日の委嘱者から実施することとしております。
 また、民生児童委員の負担を軽減するため、委員の活動をサポートする協力員の配置や、近隣区域の複数の委員がチームとなって活動する班体制の推進など、地域の実情に応じて市区町村が行う取組を包括補助事業により支援しております。
 さらに、令和四年度にはタブレット端末等のデジタル機器を配布し、研修や会議へのオンライン参加のほか、資料共有に活用していただくなど、業務の効率化を進めることにより負担の軽減を図っております。

○伊藤委員 年齢要件の見直し結果を確認しました。それぞれ二歳ずつ上がっているということでした。また、民生児童委員の負担軽減に向けて、協力員制度や班体制の推進、デジタル化の促進などの支援を行っていることも確認しました。今後とも時代や社会の変化に合わせて現場の声に耳を傾け、支援策の拡充にも努めていただきたいと思います。
 さて、せっかく担い手が確保でき、民生児童委員として活動しても、以前と比べ一般都民の認知度も下がる傾向にあると聞いています。活動の基本となる困窮者への訪問や調査訪問なども、民生児童委員の活動に対する認知度が向上すれば、より活動しやすいと考えます。
 それでは、民生児童委員の存在や活動について都民の理解を深めることや周知啓発について、どのような対応をしているのか伺います。

○新内生活福祉部長 民生児童委員につきまして、都民に周知をし、活動環境を充実させていくため、東京都民生児童委員連合会と協力をしまして、五月の民生児童委員の日、活動強化週間に合わせまして、都庁で委員の活動内容に関するパネル展を開催するほか、市区町村等が行う一日民生委員、児童委員などについて広報を行っております。
 あわせて、今年度は、委員の活動内容を紹介するPR動画を電車内のデジタル広告で放映をいたしました。
 また、住民に身近な地域で民生児童委員の存在や具体的な活動内容が周知されるよう、市区町村が行う広報活動に対しまして包括補助事業により支援をしております。

○伊藤委員 民生児童委員活動への理解の促進や周知啓発について確認しましたが、まだ取り組む余地があると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 さて、先ほどの答弁にもありましたが、活動への支援策の一つとしてのデジタル化支援が挙げられます。
 今年度の新規事業で、民生・児童委員活動デジタル活用特別整備支援事業四億円が計上されていますが、どのような事業なのか、そして活動支援にどのようにつながるのかも伺います。

○松谷事業調整担当部長 本事業は、地域の民生児童委員の活動内容に応じたデジタル活用環境の整備を支援する事業でございます。具体的には、令和四年度に導入したデジタル機器の更新時に一台当たり六万円を上限に補助するほか、機器を効果的に活用できるよう操作研修や独自のアプリ導入の経費など、地域の実情に応じた取組についても支援いたします。
 デジタル機器を活用し、資料共有のほか、研修や会議にオンラインで参加することに加え、活動記録をウェブフォームにより提出することなどにより、活動の負担軽減や業務連携の円滑化を図っております。

○伊藤委員 デジタル化については、報告書作成の負担軽減など、民生児童委員活動への支援につながっていると、私の地元八王子でもお聞きをしております。市区町村によってデジタル化への取組は一様でないようですが、負担軽減に役立っていることは間違いないので、継続したデジタル化の支援を求めておきます。
 東京の人口は、現在一千四百万人。人口も増えていますが、高齢者人口や一人暮らし高齢者の割合はそれ以上に増えています。また、子供たちを取り巻く環境も多様化する中で、民生児童委員の役割や存在はますます大きくなっていると認識しています。市区町村とも連携し、今後とも活動を支えていただくことを求め、質問を終わります。

○東(友)委員 第二百十三号議案、東京都民生委員定数条例の一部を改正する条例について質問をいたします。先ほどと重ならない範囲での質問とさせていただきます。
 まず、全体的な成り手不足というところなんですけれども、先ほど具体的な数字についてご説明をいただいたところでありますが、充足率でいいますと、令和七年四月一日時点での充足率が八九・九%であるかと認識をしております。
 各市区町村で成り手の確保に向けてご尽力いただいているかと存じますが、東京都としては民生委員の成り手不足に関してどのような対策を講じていらっしゃるのでしょうか。また、候補者層に向けてどのように働きかけているのかをお伺いいたします。

○新内生活福祉部長 東京都は、適任者を確保するため、東京都民生委員・児童委員選任要綱を改正し、本年十二月一日の委嘱者から年齢要件を緩和することとしております。
 また、一斉改選の年の前年に当たります令和六年度には、五月の都民向け普及啓発に加えまして、候補者層に向け民生児童委員の役割等を簡潔にまとめたショート動画を作成し薬局のデジタルサイネージで放映したほか、チラシの配布や新聞広告の掲出を行い、担い手になっていただくきっかけづくりを行いました。

○東(友)委員 現在行っていただいている事業については理解をいたしました。
 ただ、令和七年度当初時点の数字ではございますが、全体として千名以上の欠員が補えていないという点があり、担っていただいている現役の民生委員の方々にも大変なご負担をおかけしているところでございます。引き続き、東京都として成り手不足問題にはしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 また、今回の条例案では複数の区市で定数の増減がございます。先ほど代表的な理由をご説明いただきましたが、議案の詳細を見ますと、定数改正となる各区市の改正後の定数が現行と比較いたしまして、十名増から八名減の間となる区市が大半を占めておりますが、その中で町田市のみ四十四名の減と、ほかの自治体と比較いたしましても現行数との差が多いという印象を持っております。
 東京都としては、町田市の改正理由といたしましてどのような内容を把握されていらっしゃるのでしょうか。

○新内生活福祉部長 町田市の定数が変更される主な理由は、担当の区域を整理統合しまして、これまで一つの区域を一名で担当していたところを、小学校区を単位として複数名で担当する体制に見直すことによるものでございます。
 これによりまして、体調不良時等に他の委員が対応したり、男女混合の班で住民の個々のニーズに合った活動ができる体制とするほか、小学校との連携によりまして、児童委員としての活動が活性化されるなどの効果も期待していると伺っております。
 また、この見直しに当たりましては、町田市において委員へのアンケートを行っているほか、民生委員協議会におきまして説明、意見交換を行い、合意形成を図ったと聞いております。

○東(友)委員 承知をいたしました。町田は私の地元でございまして、私も町田市や地元の民生委員の方に対しましてヒアリングをこの間重ねてまいりました。内容といたしましては、今ご答弁いただいたとおりでございますが、その決定プロセスといたしまして、何度も何度も意見交換を重ね、関係者の方々の十分な合意の下、今回の改正を決断したと伺っております。それと同時に、都内ではほかに事例のない先駆的な内容だということも伺っております。
 地元の意見を尊重していただくことはもちろん大切なんですけれども、引き続き東京都としてしっかりと各市区町村をサポートしていただきまして、充実した民生委員活動をスムーズに行うことができる環境支援を積極的に行っていただくことを要望し、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○浜中委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
 お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○浜中委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○浜中委員長 次に、報告事項、令和六年度私債権放棄について外一件に対する質疑を一括して行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○森田総務部長 九月十九日の当委員会で要求のございました報告事項に関する資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をご覧ください。報告事項につきまして要求がございましたのは、目次にございます1から10までの十項目となってございます。
 資料の一ページをご覧ください。1、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの職種別職員数の推移といたしまして、各年度四月一日現在の職種別の職員数につきまして、一ページに常勤職員を、二ページに非常勤職員を、それぞれ令和三年度から五か年にわたり記載してございます。
 三ページをご覧ください。2、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの診療科別医師数といたしまして、副院長のほか、診療科別の医師数につきまして、令和七年四月一日現在の常勤職員数を記載してございます。
 四ページをご覧ください。3、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの経営指標の推移といたしまして、入院と外来の経営指標につきまして、令和二年度から五か年にわたり記載してございます。
 五ページをご覧ください。4、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターのその他医業収益の推移と内訳といたしまして、その他医業収益の決算額とその内訳につきまして、令和二年度から五か年にわたり記載してございます。
 六ページをご覧ください。5、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに対する運営費負担金及び運営費交付金の推移といたしまして、運営費負担金と運営費交付金の決算額につきまして、令和二年度から五か年にわたり記載してございます。
 七ページをご覧ください。6、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターにおける個室使用料の推移といたしまして、八ページにかけまして、個室の区分、金額、室数の推移を記載してございます。
 九ページをご覧ください。7、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの人材紹介会社への職種別支払金額の推移といたしまして、医師と看護師に係る人材紹介会社への支払金額につきまして、令和元年度から六か年にわたり記載してございます。
 一〇ページをご覧ください。8、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの新卒者、経験者別看護師採用者数の推移といたしまして、常勤看護師の採用者数につきまして、新卒者と経験者別に令和三年度から五か年にわたり記載してございます。
 一一ページをご覧ください。9、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの看護師の夜勤回数別勤務者数といたしまして、三交代制勤務と二交代制勤務それぞれにおける各年七月一日から同月三十一日までの常勤看護師の夜勤回数別の人数につきまして、令和三年から五か年にわたり記載してございます。
 一二ページをご覧ください。10、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの職種別年次有給休暇平均取得日数といたしまして、一人当たりの年次有給休暇の平均取得日数につきまして、職種別に令和二年から五か年にわたり記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、報告事項につきまして要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○浜中委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○龍円委員 東京都健康長寿医療センターの業務実績評価についてお伺いいたします。
 令和六年度の業務実績評価では、介護予防・フレイル予防の取組が評定Aとなっております。我が会派では、健康寿命を延伸させるために介護フレイル予防の取組、進めてまいりました。特に、このセンターのスマートウオッチを活用してフレイルリスクを検知できる健康推進アプリの開発に注目をしてまいりました。
 令和六年度、このアプリを完成したということでありますけれども、研究の詳細と今後の展開についてお伺いいたします。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターでは、フレイル外来の患者等にスマートウオッチを配布し、収集したデータを分析することで、フレイル等の健康リスクとの関係性を解明し、高齢者が自ら確認できるアプリを開発いたしました。このアプリには、高齢者に行動変容を促すメッセージの発信や、活動量に合った区市町村事業の案内、ご家族などによる利用者の見守り等の機能が盛り込まれております。
 今年度、四区市の参画を得て、このアプリと連携したスマートウオッチをフレイル予防事業等に参加する高齢者に配布し健康増進につなげるとともに、バイタルデータをかかりつけ医などに提供する仕組みも検討してまいります。
 さらに、このアプリ等を用いて行動変容や健康への改善効果を検証するため、大学や企業等との共同研究を進めており、将来の社会実装に向けて取り組んでまいります。

○龍円委員 完成したアプリを搭載したスマートウオッチを高齢者の皆様に配布して、効果を検証しながら社会実装に向けて取り組んでいるとのことでありました。
 私たちは、このアプリを使って将来的には例えば東京アプリのポイントが獲得でき、社会活動にもつなげていくような取組として続けていくことを要望してまいりました。ぜひ、利用者のモチベーションが高まるような取組につなげてください。
 あと、スマートウオッチですと寝ている間などの装着継続が大変だったりすることから、スマートリングなども最近出てきていますので、そういった新しい機器も使った検討もしていただけるといいかなと考えております。
 また、高齢者だけではなくてスペシャルニーズ、障害のある人たちにとっても、健康を保っていくための支援というのは大変重要なことであります。こういうアプリがあることで自身の健康状態を知ることができ、生活を整えたり、医療機関へ健診へ行こうと思っていただけたりすることができると思います。アプリ開発に当たっては、東京都の情報コミュニケーション条例にも留意しながら、多様な人がいずれ使えるようなシステムとして開発していくことを要望させていただきます。
 次に、認知症への取組であります。
 高齢化に伴って認知症への予防、共生、そして治療への研究は、東京都健康長寿医療センターに大きな期待をされている分野だと思います。
 令和六年度においては、認知症との共生・予防の取組が評価Sとなっていますが、主な取組についてお伺いいたします。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターが令和二年度に立ち上げた認知症未来社会創造センターでは、臨床及び研究を通じ蓄積してきたビッグデータとAIを活用した研究開発を推進しております。
 具体的には、軽度認知症など診断が難しい初期の段階での見落としを防ぐため、AIを活用して医師の画像診断をサポートする認知症画像診断ツールを完成、実用化いたしました。
 また、健康長寿医療センターに設置している東京都認知症支援推進センターでは、三年に一度、離島を巡回訪問し、住民や専門職を対象とした研修等を実施しており、令和六年度はオンラインによる研修を新たに実施し、島民の認知症対応力向上につなげております。
 さらに、アルツハイマー型認知症の治療薬であるレカネマブ等について対応する医療機関等への相談窓口の設置や、都民への普及啓発のための講演会等を実施しております。
 こうした取組などを高く評価し、五段階評価のうち最上位の評定Sといたしました。

○龍円委員 アルツハイマー型認知症では、軽度認知障害の段階から介入することで、認知症への移行を遅らせることが期待できるため、早期の診断、早期治療、特に重要だというふうに考えられており、新しい治療法への期待も大きいところであります。
 健康長寿医療センターにおいて、アルツハイマー病の新しい薬であるレカネマブ等の認知症抗体医薬の投与体制をどのように整備したのか、その具体的な内容と投与実績についてお伺いいたします。

○木村高齢者施策推進担当部長 レカネマブ等の認知症抗体医薬の投与対象者が限定されるため、健康長寿医療センターでは、複数回のスクリーニングや治療方法、副作用に関する丁寧な説明を実施するための外来体制を構築しております。
 また、投与の対象者を正確に診断するために必要な検査体制の整備、患者やご家族への情報提供は、心理サポートを行うフォローアップ相談体制を整備いたしました。
 令和六年度は、初期投与から六か月目以降の継続投与を地域の医療機関で実施できるよう、連携協定を締結しております。
 こうした取組を進めるとともに、全国に先駆けて投与を開始し、令和六年度末時点での投与実績は、レカネマブ八十九人、ドナネバブ六人となっております。

○龍円委員 先進的治療を開始しているということでありますけれども、引き続きアルツハイマー型認知症の早期診断、治療のため、長寿医療センターには研究、治療の両面から取り組んでいただきたいと考えます。
 また、アルツハイマーは高齢者に多い病気ではあるんですけれども、若い人でも発症することがあります。二〇二一年に海外でダウン症とアルツハイマーの研究の第一人者であるジョディー・フォルティア博士が発表した論文だと、四十歳までにほぼ例外なくダウン症のある方はアルツハイマー型の病理変化が起きているということが発表されたこともあります。
 ぜひ、こういった研究の結果を、また、治療方法を必要としている広い都民に普及していただけるように、還元していただけるよう要望させていただきます。
 以上です。ありがとうございます。

○ひがし(ゆ)委員 福祉局については初めての質疑となります、ひがしゆきです。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、看護師として十一年間、医療の現場で勤務をしてまいりました。救急搬送の現場では、搬送先がすぐに見つからない場合、容体が急変また命に関わる事態へとつながることもあります。ご家族はただ祈るような気持ちで見守り、そして現場では一分一秒を争う対応が続きます。救急体制が安定して機能することは、都民の命、そして安心を守る上で欠かせません。
 そこで、こうしたような視点から今回は救急医療に関して伺わせていただきます。
 救急医療についての評価は判定B、年度計画をおおむね順調に実施をしているとあります。一方で、総評の中では、改善・充実を求める事項として、救急患者断り率の改善に向けた取組を一層強化することが求められると明記をされております。
 そこで評価書を確認したところ、一〇一ページの救急患者断り率、令和二年度二八・五%に比べて令和六年度は三二・九%と断り率が増加をしております。また、病床稼働率、令和六年度は七三・五%でございます。こうした空き病床があるにもかかわらず断り率が上がっているその原因について、理由をお伺いいたします。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターでは、二次救急医療機関として救急患者の積極的な受入れに努めております。救急患者断り率が三二・九%となった理由につきましては、傷病者の症状から専門処置が必要であるが該当分野の専門医が不在であったこと、病棟の患者の急変対応や他の救急患者の緊急手術等により医師が手を離せなかったこと、また、患者の状況から医師が三次救急レベルと判断したことなど、健康長寿医療センターでの受入れが困難な状況が発生したためでございます。

○ひがし(ゆ)委員 ご答弁ありがとうございます。ご答弁にありましたように、現場では専門医の不足、また重症患者対応など、やむを得ない要因があるということは理解をいたしました。
 しかし、結果として医療搬送の受入れが難しくなると、近隣の医療機関、また救急隊の負担が増加いたします。地域全体の救急体制にも影響が及びます。特に高齢者の場合、数分の遅れが容体の悪化につながることもあり、迅速な受入れ体制の確保が求められます。センターが地域の中核として安心、安定して機能できるよう、都としても実態を丁寧に把握をする、そして支援を強化していくことを要望いたします。
 救急医療は、限られた人員で常に緊張感のある対応が続いており、体制維持そのものが大きな課題となっております。特に夜間、休日は専門医が不在となる時間帯もあり、現場の医師や看護師が互いに支え合いながら対応している状況です。こうした中で、評価書にもあったように、断り率の改善に向けた取組の一層の強化を実現していくためには、現場任せではなく組織としてどのように課題を解決していくのかということが問われています。
 そこでお伺いします。センターとして救急医療の受入れ困難な状況に対してどのような改善対応の取組を進めているのでしょうか、お聞かせください。

○木村高齢者施策推進担当部長 都民が安心できる救急医療を確保するため、当直帯における医師のオンコール待機の導入等に加え、今年度から救急科と集中治療室の組織統合を図り、救急・集中治療科として部門間の連携を強化し、医師や看護師の配置についても見直しを行っております。

○ひがし(ゆ)委員 ありがとうございます。今年度から新たな取組を行っているということを確認させていただきました。救急と集中治療が切れ目なく連携できる体制は、命を守るために大きな力になると考えます。
 ただ一方で、こうした体制を維持していくためには、医師や看護師など医療従事者の確保と育成が不可欠です。夜間や休日の当直を支える人材の負担軽減、そして現場で安心して働ける環境整備、安定した救急体制の要となります救急医療を支える医師、看護師などの人材確保、そして働き続けられる環境づくりを都としてさらに推進していくことを要望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○うすい委員 よろしくお願いします。私からは、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの令和六年度の報告について質問をさせていただきます。
 健康長寿医療センターにおける認知症の早期診断や医療の提供体制の充実に向けた取組については、大いに注目をしているところであります。令和六年度の業務実績評価においても、AI等を活用した認知症研究事業の成果が取り上げられて、認知症との共生・予防の取組が評定Sと高く評価をされております。
 そこでお伺いをいたします。令和二年度から令和六年度まで、認知症未来社会創造センターが実施をしてきたAI等を活用した認知症研究事業について、これまでに得られた具体的な成果や知見、またそれらが今後の認知症の早期診断や予防、医療現場での活用にどのようにつながっていくのか、都としての見解をお伺いいたします。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターでは、AI等を活用した認知症予防の取組を推進するため、認知症未来社会創造センターを設置し、認知症予防等の研究事業に取り組んでおります。
 具体的な成果としては、健康長寿医療センターがこれまで蓄積してきた生体試料を登録したバイオバンクや、診療情報、検査画像等のデータを統合したデータベースを構築し、産学連携での研究開発に活用しております。
 また、地域包括支援センター等の相談対応を行う職員が認知機能の低下を発見するスクリーニングシートと、ご本人やご家族が生活機能の低下を予測できるリスクチャートを開発しました。
 さらに、患者の負担が少なく、早期診断が可能な認知症の検査方法である血液バイオマーカーの開発に取り組んでおります。

○うすい委員 共生社会の実現を支える認知症研究事業に、大いに期待をしております。さらなる研究に力を入れていただきたいと思います。
 私は、昨年の第三回定例会一般質問におきまして、認知症の早期発見と適切な治療支援の重要性について取り上げました。現在、認知症の診断に用いられているPET検査や脳脊髄液検査は、いずれも高額で身体的負担も大きいという課題があります。こうした中で、より安価で、侵襲性が低く、体にダメージが少ない、精度の高い診断を可能にする血液バイオマーカーの実用化が世界的にも大きく注目をされておりまして、早期の社会実装が強く待たれているところであります。
 本年五月には、米国でアルツハイマー病診断補助用の血液検査薬が承認をされ、日本国内でも承認申請が予定されていると報道されております。この技術は、認知症の早期発見や予防的介入を飛躍的に進める可能性を秘めておりまして、都民の健康寿命の延伸にも直結するものと考えます。
 そこで伺います。血液バイオマーカーの企業による実用化の動きに対して、東京都健康長寿医療センターとしてどのような研究的関与や連携を行っているのか、また、今後の展開をどのように見据えているのか、見解を伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターでは、アルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドベータの蓄積状況を血液検査で判別できるバイオマーカーの開発を進める企業と共同研究を行っております。共同研究を実施した企業の一つは、血液中の二種類のアミロイドベータの比率から、脳内の蓄積状況を推定する検査薬の薬事承認を取得いたしました。また、お話の企業とも共同研究を実施しており、血液中のタウとアミロイドベータの比率により脳内の蓄積状況を推定する検査薬の開発を進めております。
 今後とも、共同研究を実施する企業への臨床面からの助言のほか、バイオバンクの検体や症例情報の提供などを通じて、血液バイオマーカーによる検査の実用化につなげてまいります。

○うすい委員 認知症は大きく分けてアルツハイマー型認知症、それから、血管性認知症、またレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症というふうに大きく分けて四つございますけれども、その中で七割を占めるアルツハイマー型、これはやっぱり、今、実際に血液でそのアミロイドベータのたまり具合が分かるということは、非常に大きな前進だと思うんです。
 血液バイオマーカーの実用化には大きな期待を寄せるところなんですけれども、時間はやっぱりかかると思います。まあ早くしてほしいわけですけど、ただ早期診断や重症化予防、また、治療効果のモニタリング等を通じて、地域医療、介護の質の向上に資するものと考えております。
 そこで、今年度から開始されると伺っております共生社会の実現を支える認知症研究事業について、その内容についてお伺いをしたいと思います。

○木村高齢者施策推進担当部長 共生社会の実現を支える認知症研究事業では、血液バイオマーカー等の研究を引き続き進めるとともに、地域における共生社会の実現に向けた新たな取組も実施いたします。具体的には、認知症の気づきから診断、支援につながるまでの間の支援の充実や、認知症のある人の社会参加推進のための区市町村向けプログラムを開発しております。
 これらの取組を通じて、認知症の早期診断、早期支援を推進するとともに、認知症になっても安心して暮らせる共生社会の実現に貢献することとしております。

○うすい委員 今、答弁をいただきまして、今後、治療も確かに大事なことで、治療も含めて、それのみではなくて、一人暮らしの人、これから増えます、そういう方々についても、どういう気づきを与えていくかという、そういう視点も非常に大事になってくると思います。
 健康長寿医療センターの今後のこれからの使命というのは、非常に大きなものがございます。そういう意味で、自覚を改めて強くしていただきまして、またさらに頑張っていただくことを要望いたしまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○原委員 日本共産党の原のり子です。健康長寿医療センター業務実績評価結果の報告について質問いたします。
 二〇二四年度の業務実績評価では、年度計画を十分に実施できていないとするC評価、また、業務の大幅な見直し、改善が必要であるとするD評価はありませんでした。その中で、総評では、改善・充実を求める事項が三つ挙げられています。その一つが救急患者断り率の改善です。高齢者医療研究分科会では、救急患者の断り率三二・九%は高いとの指摘もありました。
 改めて伺いますが、なぜ高いのか、また、意見を受けた対応について伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターでは、二次救急医療機関として救急患者の積極的な受入れに努めております。救急患者断り率が三二・九%となった理由につきましては、傷病者の症状から専門処置が必要であるが該当分野の専門医が不在であったこと、病棟の患者の急変対応や他の救急患者の緊急手術等により医師が手を離せなかったこと、また、患者の状況から医師が三次救急レベルと判断したことなど、健康長寿医療センターでの受入れが困難な状況が発生したためでございます。
 こうした状況を踏まえ、当直帯における医師のオンコール待機の導入等に加え、今年度から救急科と集中治療室の組織統合を図り、救急・集中治療科として部門間の連携を強化しつつ、医師や看護師の配置についても見直しを行っております。

○原委員 今のご答弁を聞く限り、先ほども質疑ありましたけれども、やむを得ない理由によるものではないかと受け止めます。数字だけで判断することは難しいのではないかと、私は思って聞いていました。
 実際、救急についての法人の自己評価を見ますと、A評価になっているんです。A評価というのは、つまり年度計画を上回って実施をしていると自己評価されています。中身を見ますと、例えば看護師さんの育成やスタッフの教育体制強化も行われ、コロナ前と同規模の受入れを行っています。現場では相当努力をされているということです。
 それでも断り率は以前より高くなっているというのは、新型コロナウイルス感染症が五類になっても救急医療が厳しい状況は変わっていないということの表れだと思います。そうした内容を踏まえての評価が重要だと思います。
 全都的に救急医療が厳しい状況の中、救急患者のさらなる受入れを進めることは重要であり、そのためには十分な体制が取られること、そのために、東京都としても必要な支援を行うことが求められることを指摘したいと思います。
 次に、改善・充実を求める事項の二つ目ですけれども、研究成果の一層の還元が挙げられています。
 センターでは、様々な先進的な研究が行われています。その中の一つとして、分科会では、高齢者の地域での生活を支える研究として、難聴が転倒や骨折リスクも増大させるなどの研究成果に触れられています。そして、都の補聴器補助の啓発にも還元できる知見ではないかと述べられています。具体的には、どのようにしてきたのでしょうか。

○木村高齢者施策推進担当部長 分科会で示した研究成果につきましては、加齢性難聴だけでは転倒リスクに影響を与えないが、歩行機能の低下が重なることで転倒や転倒による骨折の危険性が高まることを明らかにしたものでございます。この研究成果は、関係部署で共有しております。

○原委員 加齢性難聴と認知機能の低下の関連についての研究だけではなく、身体的な機能との関連を研究し指摘をされていることは、とても重要だと受け止めています。ますます補聴器の大事さを啓発し、必要な人が経済的な不安なく購入できるように、都の補聴器補助未実施の都内の自治体をなくしていくこと、そして、そのためにも都の補助率を上げていくことが求められてきていると思います。
 さらに、センターの研究では、加齢性難聴を有する高齢者の約七割は病院受診を希望していないという研究結果が、二〇二三年五月に発表されています。定期的な耳の聞こえのチェックを通じた耳鼻科等への受診勧奨のシステムが必要とまとめられていますけれども、センターでは何か具体的な取組は行われていますか。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターでは、耳鼻咽喉科に老年性難聴などの専門外来を開設し、地域の医療機関と連携した診療体制を整備しております。
 また、患者向け広報誌やホームページを通じて、難聴の種類や治療方法、認知機能の低下につながる可能性などを分かりやすくご案内するなど、受診を促進しております。
 さらに、地域の医療機関に対しては、地域連携ニュース等を通じて専門外来での取組等を紹介し、センターの受診につなげております。

○原委員 地域の医療機関との連携等も進めながら、地道な周知活動を行ってきているということだと思うんですけれども、そこで伺いたいんですけれども、センターの耳鼻咽喉科の外来患者の推移はどのようになっているでしょうか。あわせて、補聴器外来の患者数の推移はどのようになっているか伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターの耳鼻咽喉科の外来では、令和五年度は五千五十九人、令和六年度は四千七百九十人、補聴器外来では、令和五年度は九百三十一人、令和六年度は九百八人が受診されております。

○原委員 地域の医療機関で加齢性難聴の方がこの間どのぐらい受診をしているかというのはもちろんちょっと分からないんですけれども、ただ、今のを伺うと、センターでは、地域との連携も深めてきているわけですけれども、耳鼻咽喉科の受診や補聴器外来の患者数というのは、特に増えているという状況ではないということだと思います。
 健康長寿医療センターは地域医療支援病院のため、基本的にほかの医療機関からの紹介状が必要です。紹介状がなければ七千七百円、歯科は五千五百円負担しなければならないとなっています。補聴器外来では補聴器の調整等を行っていくということだと思うんですけれども、この補聴器外来も紹介状が必要ということです。補聴器の調整は非常に大切ですけれども、なかなかうまくいかずに諦めてしまう方も大変多いと聞いています。
 地域に補聴器専門医が多いとはいえない中、紹介状がなくても選定療養費を負担せずに補聴器外来を受診できるようにする、また、誰でも利用できる加齢性難聴の相談などを実施することはできないのか、見解を伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターは、重症患者に対して初期診療や入院治療を行う二次救急医療機関であり、加齢性難聴等については身近な地域の耳鼻咽喉科の診療所等で相談するのが前提となっております。
 なお、お話の健康長寿医療センターの補聴器外来は、センターの耳鼻咽喉科を受診し、補聴器が必要と専門医が判断し、患者が希望した場合に受診する専門外来でございます。

○原委員 私は、このセンターの先ほど紹介しました研究の結果でも、受診勧奨のシステムが必要だというふうになっていますので、まずセンター自身が都民に開かれた相談などを実施していく、こういうことを検討すべきなのではないかと。これは東京都として検討して、ぜひそれを実施してほしいと思います。
 難聴に気づかない、大したことではないとしてしまうことも大変多いので、さきに述べた研究でも明らかにされているように、難聴の自覚を持ってもらえるようにするということが大事にもなってきています。
 受診につながるようにするためには、健診の中に聴力検査を入れることが必要です。現在、東京都の補聴器補助では、補聴器相談医がいない地域しか支援の対象にしていませんけれども、どこの地域でも聞こえの検査を実施する場合には都が補助を出すようにしていくということが必要だと指摘をし、強くこの点では要望をしておきたいと思います。
 改善・充実を求める事項の最後は、さらなる収支改善というふうに書かれています。これを受けてどういうことをやっていくことになるのか伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターでは、医業収入確保や、研究に係る外部資金の積極的な獲得を図るなど、収入の確保に努めております。また、医薬品、診療材料につきましては、全国の医療機関の購入価格と比較できるシステムの活用等、コスト管理体制の強化に取り組んでおります。引き続き、収入の確保と適切な支出の徹底に努め、財務内容の改善を図ることとしております。

○原委員 収支については改善を求めるC以下の評価にはなっていないにもかかわらず、医療経営を取り巻く環境が厳しい中でも、収入確保に向けた一層の努力等によりさらなる収支改善に取り組むことというふうに、あえて求めています。これが患者さんの負担や医療従事者の方の過重負担につながることがあってはならないと思っています。
 そこで伺いますが、個室の利用は年間どのぐらいありますか。そのうち、本人の希望以外の利用はどのぐらいか伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 令和六年度の個室利用実績は、延べ三万八千七百三十七人、そのうち感染防止目的や多床室が満床など、患者の希望によらず個室を利用し、料金を徴収していないものは、延べ六千三人でございました。

○原委員 医療上必要な場合は個室利用料を徴収していないということだと思いますが、これは引き続き徹底するように求めておきたいと思います。例えば、障害があって他の人と同じ部屋では落ちついて医療を受けることができない場合などは、自己都合による個室利用ではなく、医療上そうすることが必要だという判断がなされるべきだと思います。
 また、資料によりますと個室使用料は二〇一九年からは上がっていません。しかし、五百五十床のうち百四十一床が個室ですから、個室しか空いていないという場合もあると思います。そういうときに、経済的に厳しい方がやむを得ず個室を利用しなければならない、そういうときにきちんと配慮されるべきだと思っていますし、金額はこれ以上引き上げることのないように、むしろ引き下げる検討をすべきだと指摘をしたいと思います。
 健康長寿医療センターが高齢者専門の医療機関としての貴重な役割を今後も果たしていけるように、東京都としての支援を強めることを強く求めて、質問を終わります。

○岩永委員 私からは、東京都健康長寿医療センターの業務実績評価について伺います。
 高齢者医療の研究所と病院の機能を併せ持つ健康長寿医療センターは、超高齢社会を迎える中で、健康で長寿な高齢者を増やすことや、高齢期の生活の質を高めていくという重要な役割を担っています。中でも認知症に関する研究と実績はこれまでも高く評価されており、二〇二四年度の業務実績評価においても、認知症医療と、認知症との共生・予防の取組、こちらが最高評価のSとなっています。
 認知症は一部の人の問題ではなく、長生きをすると誰でも認知症になることは普通と考えて、予防だけではなく、認知症になっても安心して地域で暮らし続けられる認知症共生社会を目指した取組が求められています。また、そのためには健康長寿医療センターでの研究実績や成果などが広く地域社会に広がっていくことが大事だと考えますし、このSという評価にはそのような考え方も含まれているのだと思っています。
 そこで、認知症高齢者へのアウトリーチ活動など地域との連携が進められていますが、地元自治体とはどのように連携をしているのか伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターは、区西北部医療圏の地域拠点型認知症疾患医療センターとして、圏域内の自治体の認知症初期集中支援チームに対し訪問支援のノウハウを提供しているほか、対応が困難なケース等へのバックアップ等を行っており、令和六年度は延べ七件の訪問支援を実施いたしました。
 また、圏域内の地区医師会や地域連携型認知症疾患医療センター、自治体により構成する認知症疾患医療・介護連携協議会を定期的に開催し、医療機関同士や医療と介護の連携を推進しております。

○岩永委員 今のご答弁の中で訪問支援の件もご説明ありましたが、七件ということで、今後もアウトリーチの取組は広げていただきたいと思います。また、認知症疾患医療・介護連携協議会の事例も広く都内で広げていただけますように、取組を共有できるように要望をしておきます。
 次に、認知症フレンドリー社会の実現を目指す地域拠点の活動モデルについて伺います。具体的な取組内容と、当事者の声の反映、参加状況についてもお聞きします。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターでは、認知症のある人を含め、地域の方が気軽に集い交流できる地域の拠点として、板橋区に高島平ココからステーションを設置しております。この拠点では、医療、福祉等の専門職が常駐し相談や訪問支援を行うほか、認知症のある人やご家族などが集まり語り合う場を月一回開催しております。令和六年度は延べ約六千七百人が参加され、参加者からは認知症があっても笑顔で過ごせるといった声をいただいており、こうした当事者の声も運営に生かしております。

○岩永委員 参加された当事者の方の声もご紹介をいただきました。認知症施策や、認知症の事業を進めていく上では、引き続き当事者の方、認知症の方の声を反映しながら進めていただきたいと思います。
 昨年の九月に、東京都庁の第一庁舎の三十二階の食堂で、注文をまちがえる料理店が開催されました。認知症の方がスタッフとして注文を取りまして配膳を行うというような取組でして、知事も参加をされて食事をされていました。
 ここでは働くスタッフが全員認知症の方だということになっています。もしかしたら注文とは少し違うものが届くかもしれないなど、間違えてもいいのだということをお互いに体験することで、認知症になっても社会の一員として役割を持って自分らしく生きることができる、そして、周囲の人たちも間違いを優しく受け入れる実体験を通して、誰もが自分らしく暮らせる寛容な社会のモデルを私たちに示してくれる活動です。
 先ほど、高島平ココからステーションの取組をご紹介いただきました。このような地域拠点が面として広がることが、認知症共生社会の実現につながると考えます。今後の展開について伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 国内外の学会で研究成果を発表するなど、地域拠点の活動モデルとして普及を図っているほか、全国の自治体等の視察を受け入れ、助言等を行っております。

○岩永委員 あわせて、認知症徘回模擬訓練というのがありまして、地域の団体と共同で行っている自治体もあります。認知症になっても安心して暮らせるまちは、子供にとっても、障害のある人にとっても優しいまちです。ケアファームという農福連携の取組も新たに始まっていますが、健康長寿医療センターの研究や取組の成果が、これからも認知症になっても安心して暮らせるまちづくりに生かされ広がっていくよう、今後の取組に期待し、しっかりと注視をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、レスパイト病床の活用について伺います。
 健康長寿医療センターは、地域医療、在宅医療と連携して、患者と家族の生活を支える重要な役割を担っています。高齢者介護では、主たる介護者の約七割が家族や親族であり、働きながら在宅での看護や介護を行う人が増えています。介護サービスの充実や職場環境の整備に加えて、緊急時に頼れるレスパイト病床の確保は、介護離職の防止にもつながるケアラー支援の取組です。
 二〇二四年度の病床稼働率は七三・五%ということでしたが、目標は八〇%とされています。空いている病床を有効に活用するためにどのような取組を行っているのか伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 急性大動脈ネットワークなど広域の救急医療連携のためのネットワークに参画し、重症かつ緊急度の高い患者を積極的に受け入れることや、地域の医療機関への訪問等による連携強化などの取組を行っております。

○岩永委員 救急医療の連携ですとか、地域の医療機関への訪問などによっての連携の強化を取り組まれているということですが、在宅医療連携病床で、患者の受入れや難病患者の方の一時入院に加えて、在宅者の体調不良、不在時におけるレスパイト入院も行われています。二〇二四年度の受入れの実績と稼働率についても伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターは、ご家族等の介護者が一時的に介護が難しくなった場合に、患者が短期間入院できる在宅難病患者一時入院事業を受託しており、令和六年度は延べ二百八十九人を受け入れております。
 また、在宅医療連携病床では、かかりつけ医からの依頼により、患者の病状の評価、レスパイトケア等のための入院を受け入れており、令和六年度は延べ九十四人を受け入れております。

○岩永委員 在宅難病患者の一時入院が、二床の病床で二百八十九人ということでした。レスパイトケアのための入院が九十四人ということで、稼働率については、ちょっと数字としては出ないということでしたけれども、このように、地域の医療機関との連携強化を進めていくに当たりまして、いざというときにはレスパイト入院が利用できるという仕組みをしっかりとつくっていくことは、安心につながります。
 ただ、レスパイトの利用には、かかりつけ医からの依頼が必要ということですが、そこは事前に地域の医師と健康長寿医療センターの医師があらかじめ連携して仕組みをつくっておくことで、スムーズな手続や利用につなげることができるのではと考えます。介護者が急な仕事や体調不良などで介護や看護に当たれなくなったときに安心できる仕組みとしても必要ですし、ケアラー支援の取組にもつながりますので、ぜひとも、検討して進めることを要望いたします。
 続いて、地域連携の推進についてです。
 健康長寿医療センターとの地域連携医療機関数は年々増加してきておりまして、二〇二四年度には九百三十六施設と、過去五年間で百四十以上の連携機関が増えています。地元地域である板橋区や豊島区との連携は進んでおり、評価もA評価となっています。
 しかし、都内全体を見ますと地域差が見られます。研究成果を広く高齢者の生活を支える地域づくりに生かすために、都内全域に連携先を広げていくことが重要だと考えます。
 高齢者医療の研究所と病院の機能を併せ持つ都内で唯一の特色ある医療機関として、今後の地域連携の在り方について見解を伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターは、医療と研究を一体的に運営する特徴を生かした研究を進め、その成果を臨床現場へ還元しております。
 具体的には、フレイルに関する予防医学的知見や、認知症抗体医薬の投与に係るセンターと地域の医療機関との役割分担を整理した医療連携モデルなど、都内病院等の医療従事者向け研修などを通じ普及を図っております。
 また、区西北部医療圏域における地域医療支援病院として、紹介患者に対する医療提供や、救急医療等によるかかりつけ医等の支援を通じて、地域連携を進めております。
 また、先ほどご質問のあった稼働率につきましては、通常の病床の中、稼働率七三・五%で運営しているものでございます。

○岩永委員 この地域連携は、北部医療圏域を中心に進めてきてこられているということです。
 しかしながら、都立病院、ほかにも都内にありますので、そういった広く都立病院とも連携を取って情報共有をしていくということもこれから大事になってくることと思いますので、広く都内での連携を進めていただく、また民間の病院との連携も含めて、これからの取組を広げていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、高齢者の医療と介護を支える専門人材の育成について伺います。
 超高齢社会を迎えて介護や医療人材の不足が深刻な課題となる中で、専門人材の育成はますます重要になっています。健康長寿医療センターでは、病院部門と研究部門が連携した研修や、看護実習生や学生の受入れ、フレイルサポート専門職の育成など、専門人材の育成に取り組んでいます。
 大変重要な事業でありますが、事業評価を見てみますと、二〇二三年度のA評価から、二〇二四年度にはB評価に下がっています。評価変更の理由を伺います。

○木村高齢者施策推進担当部長 令和五年度は、地域の専門人材の育成や連携強化、フレイルに関わる人材育成等に加え、フレイルサポート栄養士を対象としたアドバンスコースの研修を初めて実施したことから評定をAとし、年度計画を上回って実施していると評価いたしました。
 令和六年度は、引き続きこうした取組を実施していることから評定をBとし、年度計画をおおむね順調に実施していると評価しております。

○岩永委員 二〇二四年度は、新たな、画期的な取組を行ったことが評価をされて、その結果A評価になったということですので、事業自体が後退したのではないということは確認できました。
 毎年行われる業務実績の評価では、その事業を行った結果、どのように地域が変わったのか、また専門人材の活用が広がったのかなど、効果にも着目をした評価目標を設定して検証するなど、随時、研究を重ねていただくことを要望しまして、質問を終わります。

○浜中委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○浜中委員長 お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○浜中委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時十九分散会