委員長 | 関野たかなり君 |
副委員長 | 玉川ひでとし君 |
副委員長 | 浜中のりかた君 |
理事 | 伊藤しょうこう君 |
理事 | 藤井とものり君 |
理事 | 荒木ちはる君 |
こまざき美紀君 | |
さんのへあや君 | |
うすい浩一君 | |
原 のり子君 | |
高倉 良生君 | |
山加 朱美君 | |
里吉 ゆみ君 | |
中村ひろし君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉局 | 局長 | 高崎 秀之君 |
次長理事兼務 | 浅野 直樹君 | |
理事 | 船尾 誠君 | |
総務部長 | 森田 能城君 | |
企画部長DX推進担当部長兼務 | 柳橋 祥人君 | |
高齢者施策推進部長 | 花本 由紀君 | |
障害者施策推進部長 | 梶野 京子君 | |
政策推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 | 石塚 宣君 | |
高齢者施策推進担当部長 | 木村 総司君 | |
保健医療局 | 局長 | 山田 忠輝君 |
次長理事兼務 | 谷田 治君 | |
総務部長 | 加藤 みほ君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
福祉局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七十五号議案 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
・第百九十二号議案 スマートウォッチ(リストバンド型活動量計)の買入れについて
・第百九十三号議案 契約解除に伴う損害賠償の額の決定について
付託議案の審査(決定)
・第百七十五号議案 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
・第百九十二号議案 スマートウォッチ(リストバンド型活動量計)の買入れについて
・第百九十三号議案 契約解除に伴う損害賠償の額の決定について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について
○関野委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書四件を提出したい旨の申出がありました。
本件については、本日の理事会において協議の結果、いずれも調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりました。
お諮りいたします。
本件については、理事会の協議結果のとおりにすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○関野委員長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○関野委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局関係の付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
これより福祉局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百七十五号議案、第百九十二号議案及び第百九十三号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求しました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○森田総務部長 五月二十九日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の厚生委員会要求資料をご覧ください。
目次に記載してございますが、全部で三項目となっております。
一ページをご覧ください。1、女性福祉資金の貸付限度額の比較といたしまして、記載の区分別に改正前及び改正案の貸付限度額並びに増減を記載してございます。
二ページをご覧ください。2、スマートウォッチ(リストバンド型活動量計)の買入れに係る契約手続といたしまして、令和七年五月十二日の仮契約締結に至るまでの手続を記載してございます。
三ページをご覧ください。3、令和六年度東京都障害福祉サービス等事業者指定申請システム設計・開発業務委託契約に関する東京都と国のやりとりの経緯といたしまして東京都と国のやり取りの時期、照会及び回答の内容を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、当委員会で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○関野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○うすい委員 よろしくお願いします。
私の方からは、スマートウオッチの買入れについて質問をしたいと思います。
都は区市町村と連携をし、高齢者に購入する五千台のスマートウオッチを配布することとしておりまして、この事業については本年の予算特別委員会で、我が会派のまつば委員が質問をし、将来的にフレイル予防等の取組効果を把握するツールとしての活用を要望したところでございます。
そこで、今年度、区市町村の参画を得て事業を実施する予定とのことでありますけれども、この事業の目的と参画する区市町村の応募状況についてお伺いしたいと思います。
○木村高齢者施策推進担当部長 本事業は、健康長寿医療センターの知見を生かして開発したアプリについて、スマートウオッチを用いながら都と区市町村が共同して、フレイル健康づくり事業の充実、改善につなげることで、高齢者の行動変容を促し、健康増進を図ることを目的としております。
これまで四区市から申込みを受けており、品川区、世田谷区、豊島区及び調布市が参画する予定でございます。
○うすい委員 今ご答弁いただいたとおり、四区市が参加するとのことでございます。しっかり連携を取っていただいて、各区市町村のフレイル予防事業の充実を進めていただきたいと思います。
そこで伺いますけれども、フレイル予防を推進するためには、高齢者自らが健康増進、社会参加への意識を高め、行動していくことが重要であります。この事業に参加される高齢者にどのように行動変容を促すのか、見解を伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 高齢者自らが健康づくりに主体的に取り組めるよう、本アプリにより、身体活動量等の変化に応じて行動変容を促すメッセージを発信するほか、区市町村事業への参加をアプリのプッシュ通知機能により案内いたします。
また、人生百年時代社会参加マッチング事業、百年活躍ナビと連携し、居住地の区市町村のボランティア、地域活動等の情報を案内する機能も盛り込んでまいります。
こうした機能により、高齢者の行動変容を促し、健康増進を図ってまいります。
○うすい委員 スマートウオッチを常時つけていただくことで、高齢者の状況を常に把握できることも重要であると考えております。
同時に、家族や医療機関にその情報を伝えることも有意義だと考えますが、この点、見解を伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 今年度、アプリを改修し、離れて暮らす家族等が利用者の日々の活動状況を確認できる機能を追加する予定でございます。また、バイタルデータをかかりつけ医等に提供する仕組みも検討してまいります。
こうした取組を通じ、高齢者の一層の健康維持増進に取り組んでまいります。
○うすい委員 今答弁いただいたとおり、デジタルデバイスであるスマートウオッチを高齢者の健康管理に活用することは、DX推進の観点からとても重要であります。装着している高齢者自身のバイタルデータを基に健康状況を伝えてくれる、二十四時間見守ってくれる大変有効なツールと考えております。
今回購入するスマートウオッチとアプリの配布により、フレイル予防が進んで、高齢者の健康や社会参加につながっていくことを大いに期待をいたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○里吉委員 私からも、スマートウオッチの買入れについて質問を行います。
東京都は二〇二二年度から高齢者の健康状態の把握やフレイルリスクを検知できるアプリを開発し、行動変容や健康増進につなげる高齢者の健康づくりに資するスマートウォッチ等デジタル機器活用事業を実施してきました。
今回、完成したアプリに接続して使用するスマートウオッチを五千台買い入れるというものです。
まず、伺いますが、都が買入れを行うスマートウオッチ(リストバンド型活動量計)、これはどこの企業のものなのか。それから、健康長寿医療センターの開発したアプリは、その会社のスマートウオッチにしか対応しないということなんですが、それはなぜなのか伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 都が買い入れるスマートウオッチは、FrontAct株式会社が製造したものでございます。このスマートウオッチは、健康長寿医療センターの知見を生かして開発したアプリを動作させるために必要な項目を測定できるものとなっております。
○里吉委員 そうしますと、このスマートウオッチなんですけれども、いつから製造されていたものなんでしょうか、伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 都は、令和四年度から、高齢者の健康状態の把握やフレイルリスクを検知できるアプリを開発し、行動変容や健康増進につなげる事業を実施してきました。
令和六年十月、本事業を円滑に実施できるよう、都とFrontAct株式会社及び健康長寿医療センターは連携協定を締結し、その中でFrontAct株式会社は、本事業に活用する活動量計の製造、配布等の体制構築などの役割を担うこととしております。
○里吉委員 今のご説明ですと、つまりアプリを開発しようということで、三年がかりで事業を進めて、その三年目の後半、二十四年十月に入って協定を結んだと。その協定の中で、FrontAct株式会社がスマートウオッチの製造を行うことになったということでした。
そうすると、健康長寿医療センターでの二〇二二年から二四年までの三年間の研究で高齢者の血圧や脈拍等を計測していたスマートウオッチは別のものということでよろしいでしょうか。
○木村高齢者施策推進担当部長 同種の機能を持ったスマートウオッチでございます。
○里吉委員 同種の機能を持っていたということなんですが、研究したときのスマートウオッチとは別に、二〇二四年十月に協定を結んでFrontAct社が選ばれたということだと思うんですね。このFrontAct社が選ばれたのはどういう理由だったのかということについて伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 FrontAct株式会社は、健康長寿医療センターの知見を生かして開発したアプリに必要な項目を正確に測定できるスマートウオッチを製造可能な唯一の企業であるからです。
○里吉委員 つまり研究のときにも似たようなもの、スマートウオッチで、三年間なのか二年半なのか、研究はして資料を集めたけれども、実際にアプリにつなぐ今回購入するものは、開発したアプリに必要な項目を正確に測定可能であるという条件だから選んだということだと思うんですが、前任の会社のスマートウオッチがどういうものだったのかっていうのも分からないですが、ほかに同じような技術を持っている企業がないということをどうやって確認できたのかということは分からないわけですね。公募するという選択肢はなかったのかなど分かりません。
今回、約四億円の買入れとなりますが、一社のみ対象で特命随意契約ということです。これは白紙の状態から検討して、結果的にこの仕事ができる事業者が一社だけだったから特命随意契約にしたということではなくて、昨年十月に協定を結んで事業を進めてきた流れがあるから、FrontAct株式会社との随意契約になったと考えるのが自然だと思うんですね。
昨年十月に協定を結んでいますけれども、これについては自治体が契約を結ぶときのような情報公開はされていませんが、昨年十月の協定が今回の四億円の契約をするということに密接に関連していたのであれば、本来は協定締結に至る経過をきちんと分かるように情報公開がされるべきだと思います。このことは指摘しておきたいと思います。
次に、スマートウオッチ一台当たりの金額も単純に計算すると約八万円になります。これは安くないと思うんですね。この約八万円という単価はどのように決まったのか伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 開発したアプリが動作し、歩数、睡眠時間、皮膚温度、会話量などの多数のデータを取得でき、かつ高い精度で測定可能であることなどを踏まえて、適切な契約手続を経て決定いたしました。
○里吉委員 必要なデータを取得できる機能を備えたものだからこの値段になったというご説明だと思います。これも一般的に販売されているものではないため、適正価格なのか判断が難しいんですね。一般的な商品ではないので、金額の根拠、示しにくいとは思いますが、東京都の予算を使うものなので、より詳しい説明がされるのが望ましいというふうに思います。
次に、今回、無償貸与ということにしたことはなぜなのか。区市町村に十分の十で支援するという形ではなく、東京都が直接購入することにしたのはなぜか、併せて伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 幅広い高齢者に活用いただくため無償貸与することといたしました。区市町村における事務手続の軽減を図り、統一的に事業を運営できるよう、都が一括して買い入れることといたしたものでございます。
○里吉委員 都の事業として取り組みたいんだと、で、幅広い方に活用してもらいたいんだということが分かりました。
具体的な活用の方法として、区市町村が実施するフレイル健康づくり事業の参加者などに、スマートウオッチを無償貸与してアプリを活用するということなんですけれども、この対象となる方の条件、どういうものなのか伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 区市町村に、対象者として、スマートフォンを所有していること、満六十五歳以上であること、個人情報の提供に関する同意書の内容に同意し、署名すること等を条件として示しております。
○里吉委員 スマートフォンを持っている満六十五歳以上の方なら、個人情報の提供に関する同意書に同意すれば利用可能だということなんですね。
そこで気になるのが、個人情報の扱いです。同意書を書いてもらうということですが、その内容はどのような個人情報を誰に提供するか、利用目的など、具体的にどのようなものか。スマートウオッチでデータを五千人分収集すると思うんですが、これは健康長寿医療センターで管理すると伺っていますが、区市町村の健康づくり事業以外に活用する場合どのように活用するのか。そして、個人情報の保護についてはどのように考えているのか、併せて伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 収集したデータは、個人情報の保護に関する法律に基づいて適正に管理することとしております。
本事業は、歩数、睡眠時間、皮膚温度、会話量などのデータを取得し、都と区市町村が共同してフレイル健康づくり事業の充実、改善につなげることで高齢者の行動変容を促し、健康増進を図るほか、健康長寿医療センターの研究等に活用することとしており、同意書については今後作成することとしております。
○里吉委員 これから健康長寿医療センターとも相談の上、具体的には、同意書の中身について決めていくことになるということだと思うんですが、健康上のセンシティブな情報が含まれるだけに、情報管理や利用目的など、できるだけ分かりやすく具体的に示していただきたいと思います。
次に、匿名加工情報として外部の企業等に提供する、こういうことも可能性として考えられるわけですが、匿名加工情報として外部の企業等に提供することはあるのでしょうか、伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 個人情報の保護に関する法律に基づいて適正に管理し、外部提供に当たっては、本人の同意を得ることとしております。
○里吉委員 個人情報保護に基づいてということだと、提供する可能性も否定されないということになるんですね。
匿名加工情報については法律自体にも問題があります。匿名加工情報は、特定の個人を容易に識別することができないものに加工しているといういい訳で、本人同意を得ずに販売も含んだ外部提供できるという制度なんですね。
しかし、幾ら匿名の加工がしてあるといっても、他の情報と組み合わせれば判別される可能性もあります。また、そもそもどんな個人情報が集められているかを知り、不当に使われないように関与する権利、これ自己情報コントロール権といいますが、これを保障することが重要です。匿名加工情報の制度はそのことと相入れないものになっています。
本事業においては、取得した情報は必ず本人の同意を得た範囲で活用するようにしていただきたいと強く申し上げておきます。
最後に、今後このスマートウオッチとアプリを活用して、他の高齢者の方も活用できるようにするなど、今後の展開について伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 今年度は、区市町村のフレイル予防事業等に参加する高齢者に本アプリと連携したスマートウオッチを配布し、健康維持増進に取り組むこととしております。
○里吉委員 今答弁されたのは、今回購入するスマートウオッチで実施する内容だと思うんですが、その先どういう展開を考えているのかということを聞きたかったわけですが、それは今回はお答えいただけなかったわけですね。今回については、健康状態の把握やフレイルリスクを検知できるアプリが開発できて、これから東京都と区市町村が共同して、フレイル健康づくり事業の充実改善につなげていくということです。
高齢者に利用してもらうとともに、区市町村が実施するフレイル健康づくりの事業の効果検証を実施するということで、そうしたことには意味があると思います。ですので、契約は賛成したいと思うんですが、ただ、これまで指摘してきた疑問点や問題点については、改善したり、今後同様の事業を行う際にはぜひ改めていただきたいと思います。
また、配布対象が区市町村のフレイル予防事業等に参加する高齢者とのことですが、本当に暮らしに余裕がない方はなかなかそうした事業にも参加しにくいと思います。しかし、貧困や孤立など、社会的に困難な要因を抱えていて、それが身体機能の低下にもつながるリスクがある、そういう方にこそ行政の支援が届くことが重要だと思います。そうした社会的要因の改善を進めるという視点を持ってフレイル対策を進めていただくことを要望して質問を終わります。
○中村委員 それでは、本定例会に提出された議案として、このスマートウオッチ、すなわちリストバンド型活動量計の買入れについて伺います。
こちらの方、五千台で約四億円、一台当たり八万円とのことです。現在、一般で市販されているスマートウオッチは安いもので数千円、それなりの機能がついても一万円から五万円の間でも収まります。今回の契約が特命随意契約であれば、メーカー側と交渉して価格が低く抑えられるはずです。高いのではないかと思いますが、見解を伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 都は今年度、健康長寿医療センターの知見を生かして開発したアプリについて、スマートウオッチを用いながら、都と区市町村が共同して、フレイル健康づくり事業の充実、改善につなげることで、高齢者の行動変容を促し、健康増進を図ることとしております。
今回買い入れるスマートウオッチは、開発したアプリが動作し、歩数、睡眠時間、皮膚温度、会話量などの多数のデータが取得でき、かつ高い精度で測定可能であることから、本買入れは適切と考えております。
○中村委員 かなり特殊なアプリを入れているので適切とのことではありました。様々な機能が付加されているということでありますが、改めてこの買入れ契約のスマートウオッチ、測定可能なデータはどのようなものがあるのか伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 このスマートウオッチでは、歩数、睡眠時間、皮膚温度会話量などの多数のデータを取得ができ、かつ高い精度で測定することが可能となっております。
○中村委員 まさに健康のために使われる機能が搭載されているとのことです。歩数だけではなくて会話量まで取れるというのは興味深いものです。孤独、孤立が健康に悪影響があるといわれ、国では、孤独・孤立担当大臣を置いていたこともあったようですが、目立った成果があったとはいえないと思います。私は都でもこの孤独、孤立対策を行う必要があると考えます。
昨今ではファミリーレストランに行っても注文はタブレットで、そしてロボットが運んでくると、店で一言も会話しないこともあり得ます。このスマートウオッチで会話量を測ることができるのは画期的ですが、それをどう孤独、孤立を防ぎ健康増進につなげるのか見解を伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 都が昨年度、健康長寿医療センターの知見を活用して開発したアプリでは、バイタル情報や身体活動量のほか、会話量のデータも用いております。
今年度は、会話量にも応じてフレイルリスクを検知して、高齢者にメッセージを送信するなど、健康増進や社会参加などの行動変容につなげることとしております。
○中村委員 昨今ではお一人の方の高齢者の方もいらっしゃるし、なかなかきっかけがないところもありますので、いろいろと、ぜひ、こういったことがきっかけにつながって社会参加していただきまして、いろいろ活動することによって健康増進につながればと思っています。
さて、フレイルリスクの検知を行うにせよ、健康への意識が高いだけではなく、むしろ日常的に健康への意識があまりない方にこそ装着してほしいと思います。すなわち、医療用としての機能しかないと、意識の高い人しか装着はしませんが、通常のスマートウオッチとして使えるものであれば、無料で配れば装着するという動機づけになります。その上で医療用の機能が付加されれば、本人の健康への意識の有無は別としてリスクを検知できます。
またデータとしても健康への意識が高いというある意味偏ったデータではなくて、平均的な高齢者のデータがその方がとれるんではないでしょうか。高齢者の健康づくりが目的であれば、幅広い高齢者に使用してもらう方がよいと考えますが、見解を伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 今回買い入れるスマートウオッチは、時計機能に加えて各種データの計測が可能となっています。
都と区市町村が共同してフレイル健康づくり事業の充実、改善につなげるため、協力区市町村のフレイル予防事業に参加する高齢者などにスマートウオッチを配布することとしております。
○中村委員 ウオッチというぐらいですから時計は当然だと思うんですけれども、各種データの測定だけではなくてもう少し普通のスマートウオッチのようにいろんな実用的なアプリ等が入っていたりとかという機能があれば、またそういったことの動機づけにもなると思っていますので、そういった点は工夫が必要ではなかったのかなというふうに思います。
ただ、高齢者の健康づくりの推進事業には大いに賛同するものであります。新たなICT機器を活用して実施することも良い取組だと思います。だからこそ多くの方に普通に使っていただきたいと思い質問しました。
今回、五千台購入しますが、もちろん高齢者の数からすればこれでは足りないと思います。特殊な機能があるとはいえ、金額として高額ではあるので、それに見合うだけの効果が必要です。
都は政策を発表するときは盛大に行っても、その結果がどうなったのかは事務的に公表する程度になってしまうことが往々にしてあります。しっかりとこれを検証して結果によっては改善を図ることが必要です。
今後どのような事業展開を行うのか、見解を伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 本年度は、区市町村のフレイル予防事業等に参加する高齢者に、本アプリと連携したスマートウオッチを配布し、健康維持増進に取り組むこととしております。
○中村委員 今までにはない新しい技術を使ってやるわけですから、これまでにない進歩があればというふうに思っています。なかなかあまりこういった質問、事業の域を超えるような話はなかったんですが、ぜひいろいろ積極的に活用いただいて、そして、また、高齢者の方の健康増進につながるように取り組んでいただくことを要望しまして質問終わります。
○さんのへ委員 まず、付託議案第百九十二号、アプリを活用した高齢者の健康づくり推進事業について伺います。
リストバンド型活動量計、以下スマートウオッチについての買入れにつきまして、契約手続の流れを資料で出していただきました。本件についてはFrontAct株式会社のスマートウオッチを採用し、都として買い入れるものですが、このスマートウオッチは高齢者の健康づくり推進事業の実施者に対して貸与するものと伺っています。貸与し、事業で活用された後にどのように回収される計画か伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 東京都物品管理規則等に基づいて管理を徹底することとしており、本スマートウオッチについては、個々にIDを付して、利用状況をモニタリングし、一定期間装着しない方に電話連絡をするなど、適切に対応することとしております。
○さんのへ委員 スマートウオッチが個々にIDで管理されているとのことなので、コロナ禍で貸与されたパルスオキシメーターのように、貸与した後に行方が分からなくなってしまったり、転売や悪用されるということが考えにくいとは思うんですけれども、スマートウオッチが一台七万八千円と非常に高価なため、都民の財産として厳重に管理をして、事業終了後にもきちんと回収をしていただきますようにお願いいたします。
次に、第百九十三号議案、契約解除に伴う損害賠償の額の決定についてです。
こちらも要求した資料にて、東京都障害福祉サービス等事業者指定申請システムについて、東京都が国に対してどのようなやり取りをしていたかの経緯をお出しいただきました。
そこで、システム開発予定について、東京都は国に対して二度にわたり、契約締結前に照会をしたものの回答がなかったとのことが判明しました。国との連携がうまくいかなかった理由について東京都の見解を伺います。
○梶野障害者施策推進部長 障害福祉サービスの事業者指定手続は、事業者が紙で自治体に申請をしておりまして、国は事業者の負担軽減を図るため、提出書類の削減等を行っていたものの、申請の電子化については明確にされておりませんでした。
そのため、都は、令和六年度に、電子申請の機能と事業者情報の管理機能を有する独自のシステムの設計、開発に取り組むことといたしました。委託契約の締結前には、国に対し、電子申請の開発予定を照会いたしましたが回答が得られませんでした。
その後、令和六年八月末に公表されました、国の令和七年度概算要求資料に、電子申請届出システムの整備が盛り込まれました。これを受け、都においては、開発の継続の可否について検討しておりましたところ、十月に事業者情報管理機能についても国が開発するということが判明いたしまして、都が開発を予定していた内容と全面的に重複することを確認したものでございます。
○さんのへ委員 回答がなかったものの、その後、国から予算の概算要求が公表されて、その中で東京都がシステム開発を予定したものと内容が重なっているということが分かったということです。東京都としてこれからもあらゆる申請手続ですとか、IT化を駆使して、このシステム開発というのを国に先駆けて進めていただくことというのは非常に高く評価できるものですが、このような国とのミスコミュニケーションによって損害が発生する事態が今後起きないように、本件について国に対して強く抗議をしていただきまして、同様の事案の再発防止に努めていただくことを要望して質疑を終わります。
○原委員 私は、第百九十三号議案、契約解除に伴う損害賠償の額の決定について、意見を述べたいと思います。
都は、障害福祉サービス事業における都独自の電子申請システムを開発するため、昨年の七月十八日付で、申請システム設計開発業務委託契約を締結しました。しかし、八月末に、国において全国共通の電子申請システムを整備する方針が出されたため、十月末に開発を中止したとのことです。そして、三月十八日付で契約を解除することとなり、発生した損害について、委託した事業者に賠償するというものです。損害賠償の額は、一億六千二百五十万五千百円です。
都としては、契約を結ぶ前に二度にわたって、国がシステム開発をする予定はないか確認したが回答は得られなかったことから、契約を結んでいるとのことです。また、契約解除ではなく、契約変更にして活用できる部分はないか検討したとのことでしたが、国が電子申請から申請情報のデータベース化まで、トータルでのシステム開発をするということから、都としての開発の継続は断念したとのことです。
契約金額は二億七千八百三十万円でしたが、賠償金額は一億六千二百五十万円余ということで、工程表と仕様書に照らして、十月末までに実施した仕事の分を支払うということで金額を決定したとのことです。やってもらった仕事の分を支払うことが必要ではあると思います。
ただ、システム開発については、行う必要があるかやどうしても急ぐ必要があるのかを見極めて慎重に進めることが必要ではないかと考えます。
都としては、契約直前に国に意向を確認していますけれども、そもそもこのシステムは全国一律の制度に関するもので、東京都独自の制度に基づくものではありません。ですから、都としても、国としてシステムを開発する可能性があると、少なくとも考えていたということでもあると思います。
本議案には賛成しますけれども、再発防止に努めることを求めて意見といたします。
○関野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○関野委員長 ご異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉局関係を終わります。
○関野委員長 これより付託議案の審査を行います。
第百七十五号議案、第百九十二号議案及び第百九十三号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
これより採決を行います。
第百七十五号議案、第百九十二号議案及び第百九十三号議案を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、いずれも原案どおり決定することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○関野委員長 異議なしと認めます。よって、第百七十五号議案、第百九十二号議案及び第百九十三号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
○関野委員長 次に請願陳情及び特定事件調査についてお諮りいたします。
本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○関野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○関野委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、高崎福祉局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○高崎福祉局長 当委員会所管両局を代表いたしまして、御礼のご挨拶を申し上げます。
本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定をいただき、誠にありがとうございました。
ご審議の過程で頂戴いたしました貴重なご意見、ご指摘などにつきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。福祉局、保健医療局の両局は、引き続き緊密に連携を図りまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、御礼のご挨拶をさせていただきます。ありがとうございました。
○関野委員長 発言は終わりました。
この際、私からも一言ご挨拶を申し上げます。
昨年十月より、厚生委員会委員長を務めさせていただきました。
浜中副委員長、玉川副委員長をはじめ、各会派の理事の皆様、また、委員の皆様にお支えいただき本日を迎えることができました。この場を借りて御礼を申し上げます。ありがとうございます。
私、初めての厚生委員会であり、初めての委員長職でありました。質疑などにおいては各委員の皆様のご協力をいただきスムーズに進めることができました。答弁においても、高崎福祉局長、山田保健医療局長をはじめ、各局の皆様のご協力ありがとうございました。
また、粟田書記をはじめ議会局の皆さんにも、委員会運営にご協力いただき、ありがとうございます。
本委員会は、都民の命と健康を預かる委員会ともいえます。この一年で各議案はもとより、事務事業質疑などで出た意見などについては二局にはしっかりと反映していただき、取り入れていただき、きめ細やかな医療、福祉の実現を望むものとお伝えをいたしまして、私の挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時三十九分散会
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