厚生委員会速記録第十六号

令和六年十一月二十九日(金曜日)
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長関野たかなり君
副委員長玉川ひでとし君
副委員長浜中のりかた君
理事藤井とものり君
理事伊藤しょうこう君
理事荒木ちはる君
こまざき美紀君
さんのへあや君
うすい浩一君
原 のり子君
山加 朱美君
里吉 ゆみ君
高倉 良生君
中村ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉局局長山口  真君
理事小室 明子君
総務部長関口 尚志君
企画部長DX推進担当部長兼務森田 能城君
生活福祉部長新内 康丈君
子供・子育て支援部長西尾 寿一君
高齢者施策推進部長花本 由紀君
障害者施策推進部長加藤 みほ君
政策推進担当部長調整担当部長兼務柳橋 祥人君
事業調整担当部長渋谷 恵美君
子供・子育て施策推進担当部長瀬川 裕之君
総合連携担当部長児童相談センター次長兼務竹中 雪与君
障害者医療調整担当部長新田 裕人君

本日の会議に付した事件
福祉局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
・文京区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
請願陳情の審査
(1)六第五号 東京都シルバーパス制度の拡充に関する請願
(2)六第六号 子どもの医療費助成の拡充に関する請願
(3)六第三九号 発達障害のある若者への支援に関する陳情
(4)六第四二号 DV被害に遭った男性を一時保護するためのシェルターの設置に関する陳情
(5)六第四三号 障害者手帳にICチップを搭載することに関する陳情
(6)六第四四号 「泣いてもかましまへん!」ステッカーに関する陳情
(7)六第四五号 有料道路における障害者割引の対象を拡大するよう国に要望することに関する陳情

○関野委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承ください。
 これより福祉局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 浅野次長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○山口福祉局長 令和六年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 今回ご審議をお願いいたします議案は、条例案一件、事件案一件の合計二件でございます。
 初めに、条例案の概要でございますが、児童相談所設置市となる文京区への事務の移譲に伴うものでございます。
 次に、事件案の概要でございますが、文京区から児童自立支援施設に係る事務を受託するために規約を定めるものでございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。
 以上、簡単ではございますが、提出予定議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○関口総務部長 令和六年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております議案の詳細をご説明申し上げます。
 初めに、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和六年第四回東京都議会定例会条例案及び事件案の概要をご覧ください。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをご覧ください。整理番号1、東京都児童相談所条例の一部を改正する条例でございます。
 国の児童福祉法施行令の一部を改正する政令の施行に伴いまして、児童相談所の所管区域から文京区を除くものでございます。
 この条例の施行日は、令和七年四月一日を予定しております。
 次に、事件案についてご説明申し上げます。
 整理番号1、文京区の児童自立支援施設に係る事務の受託についてでございます。
 令和七年四月に児童相談所を設置する予定の文京区から、児童福祉法に規定する児童自立支援施設に係る事務を受託するため、地方自治法の規定に基づきまして、都と文京区間の協議によりまして、規約を定めるものでございます。
 この規約の施行日は、令和七年四月一日を予定してございます。
 条例案及び事件案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、令和六年第四回東京都議会定例会条例案及び事件案をご覧いただきたいと存じます。
 以上で提出予定議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○関野委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○関野委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○関野委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願六第五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○花本高齢者施策推進部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号1、請願六第五号、東京都シルバーパス制度の拡充に関する請願は、新日本婦人の会東京都本部の佐久間千絵さん外九千二百九十八名から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において、東京都シルバーパス制度について、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 1、高齢者の社会参加を広げ、福祉を向上させるため、無料で利用できるようにすること。
 2、多摩都市モノレール、「ゆりかもめ」及び地域のコミュニティバスでも利用できるようにすること。
 3、都県境を越えても利用できるようにすること。
 4、対象者の年齢を六十五歳以上にすることというものでございます。
 次に、現在の状況についてご説明させていただきます。
 1につきまして、シルバーパスの利用者負担額は、東京都シルバーパス条例及び同条例施行規則により、区市町村民税非課税等の方は千円、それ以外の方は二万五百十円となっております。
 2につきまして、シルバーパスの利用対象交通機関は、東京都シルバーパス条例により、都営交通及び路線バスとなっております。
 なお、コミュニティバスのうち、一般の路線バスと同等の運賃を設定しているものについて、区市町村とバス事業者の協議が調った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっております。
 3につきまして、シルバーパスの路線バスの通用区間は、東京都シルバーパス条例施行規則で東京都の区域内に存する路線の停留所相互間となっております。
 4につきまして、シルバーパスの発行対象は、東京都シルバーパス条例により、七十歳以上の者となっております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○関野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 日本共産党の里吉ゆみです。
 東京都シルバーパス制度の拡充に関する請願は、請願者外九千二百九十八人もの方々から署名が提出されています。シルバーパスは、多くの高齢者の生活の足として欠かせない役割を果たしています。様々な社会参加に役立っています。
 私の地元世田谷区は、都営地下鉄は走っていませんので、シルバーパスが使えるのはバスになりますが、どこへ行くにもバスを乗り継いでシルバーパスで出かけるという方がたくさんいらっしゃいます。本当に使いこなしていて、社会参加を積極的に行っています。なので、そのような方はバス路線にとても詳しいです。
 まず初めにお聞きしますが、シルバーパスが果たしている役割について、都はどう認識しているのか伺います。

○花本高齢者施策推進部長 シルバーパス制度は、高齢者の社会参加を助長し、高齢者の福祉の向上を図ることを目的としております。現在、多くの高齢者がシルバーパスの発行を受けて、社会参加と生きがいの活動に活用されております。

○里吉委員 社会参加と生きがいの活動に活用されているということでした。
 その一方、さらなる充実を求める声が多く寄せられています。特に、年間の費用負担が二万五百十円かかる方からは、料金を下げてほしいという要望は本当にたくさん寄せられています。
 また、使える路線を増やしてほしいという声も多いです。今回の請願にある多摩都市モノレールや「ゆりかもめ」、コミュニティバス、都県境の路線もそうですし、ほかにも、東京メトロや、私の地元では東急世田谷線にも使えるようにしてほしいという声も多く出されています。どれも切実な声です。
 そのようなシルバーパス制度ですけれども、二〇一八年度には東京都がこのシルバーパス制度についてのアンケート調査を行いました。このかつて都がシルバーパスについて行ったアンケートは、どのような目的で行ったのか、また、その結果をどう生かそうとしているのか伺います。

○花本高齢者施策推進部長 都は平成三十年度に、シルバーパス制度に対する都民の考え方などや利用状況について概要を把握するため、利用実態調査及び在り方調査を実施し、現行のシルバーパス制度が幅広い世代から評価され、社会参加に広く利用されていることを確認しております。
 また、令和二年度に高齢者を取り巻く環境等に関する調査を実施し、現在、幅広い分野における社会参加のマッチングを広域的に支援するための施策を実施しております。

○里吉委員 二〇一八年度のアンケートで、幅広い世代から評価を得ていることを確認したというのは重要なことだと思います。
 高齢者の医療費負担などについて、現役世代の負担軽減のためだなどといって、世代間の分断をあおり、負担増を求めるというようなことが最近よく行われています。本当に間違ったことだと思いますが、シルバーパスについては、都民の多くはそうやって対立をあおることを望んでいるわけではありません。
 また、二〇二〇年度には高齢者を取り巻く環境等に関する調査もしたということでしたが、その調査の中で行われたアンケート調査の設問の中に、行政の事業や取組について、社会参加促進に効果があると思うかどうかを尋ねる設問がありました。
 その設問で、非常に効果があると思う、または効果があると思うという回答が最も多かったのは、高齢者の社会参加を促進するため、通常より低廉な負担で公共交通を利用できるフリーパスや各種運賃割引制度でした。そのような制度の典型的なものが、シルバーパス制度だと思います。
 高齢者の社会参加促進のため、シルバーパス制度の充実を進めることが重要です。そして、知事も公約したシルバーパスの改善を進める上で重要なのが、都民の声だと思います。本当に改善の要望は根強いと日々実感していますが、都に直接声を届けたり、署名を集めて要請したりということをしている方々もいます。
 署名を集めて、住民団体が都に要望したのはどのようなものがあるのか伺います。

○花本高齢者施策推進部長 近年では、令和三年及び本年に、東急世田谷線利用者の会から東急世田谷線にシルバーパスを利用できることなどの要請をいただいております。

○里吉委員 この団体、私の地元世田谷区の三つの団体が一緒につくっているもので、ずっと東急世田谷線の三軒茶屋の駅前で、基本的にはほぼ毎月一回署名を行っているんですね。シルバーパスの改善充実というのは本当に切実な課題ですから、継続して取組が続けられています。その署名が知事宛てに出されているわけです。
 ちなみに、今年出した署名では、費用負担については三千円パスなどもつくってくださいという内容だったのですが、その後、今の東京都の財政力なら十分実施できるだろうということも議論して、本来は無料がいい、無料化を求めていこうということで相談しているそうです。大事な声だと思います。いずれにせよ、費用負担の軽減ということはとても切実な願いだということです。
 なお、東急世田谷線利用者の会の話をしましたので、併せてご紹介しますと、この団体は東急世田谷線でシルバーパスを使えるようにしてほしいということで運動しているわけですね。東急世田谷線は路面電車で、バスと似たような形で地域の生活の足として使われています。バスと同様に対象にしてもらえるとシルバーパスを使っている多くの世田谷区民は、本当に助かります。
 話を進めます。今回の請願を出された新日本婦人の会東京都本部の方々もアンケートでたくさんの声を集められていまして、私も読ませていただきました。費用負担の軽減、利用できる交通機関の拡充など、多くの大事な声が集まっていると思いました。
 今回は、都県境の問題についての声を紹介させていただきます。回答した方で、特に町田の方はかなりの割合の人がこの問題を要望しておりまして、地域格差の問題でもあると感じています。
 具体的な声がたくさん出されています。小山田桜台から淵野辺駅までが近いがシルバーパスが使えない、都県境に住んでいるので終点まで乗ると初乗り運賃がかかる、生活圏が神奈川県橋本なのにシルバーパスが使えない、鶴川地域から京王線の若葉台駅に出るときに駅手前のバス停留所が川崎市になり有料になる、何とかシルバーパスで乗れるようにしてほしいなどなど。
 まだほかにもたくさんありましたけれども、自治体の境をまたぐ路線への対応ということでは、最近東京都に隣接する横浜市と川崎市に類似の制度で動きがありました。
 横浜市では、以前は民営バスは原則として横浜市内で乗車または降車のみの場合のみ敬老パスを利用できましたが、昨年十月から横浜市内の停留所を含む区間を運行する運行系統であれば、市外停留所において乗車し、かつ降車する場合でも利用できるようになった、川崎市でも、おおむね同様の改正がありました。
 東京都はこの事実を把握しているでしょうか。

○花本高齢者施策推進部長 横浜市及び川崎市の敬老パス制度については、承知しております。

○里吉委員 横浜市、川崎市は、もともと乗るか降りるかのどちらかが市内であればよかったもので、市境をまたいで使うことはできたわけです。今度は、それを市外で乗り降りした場合も含めて使えるようにしたということです。もちろん、それぞれの自治体の制度には様々な違いがあるわけですけれども、よいところは取り入れていくことが重要だと思います。
 また、対象となる運行系統であれば、どこで乗り降りしても使えるというシンプルな仕組みにすることは、バスの運転士の負担軽減という点でも意義があると思います。
 横浜市の担当者の方に制度の仕組みを変えた理由を聞いたのですが、IC化に伴ってバス事業者から要望があったということでした。詳しい説明は省きますが、従来の制度を前提にして、市外で乗って市外で降りることを防ごうとすると、例えばバスに乗るときにパスを出す方式の場合、市外で乗る人にどこまで乗るか聞かないといけない、こういう手間が生じてしまって、せっかくIC化にしてもそのメリットがなくなってしまうということでした。
 東京の場合、乗車と降車の両方が都内でないといけないので、やや前提違いますけれども、やはり一番シンプルなのは、対象となる運行系統であれば、どこで乗り降りしても使えるようにすることだと思います。
 もちろん、一番重要なのは利用者にとってどうかということなのですが、バスの運転士の不足が問題になる中で、少しでも運転士の負担を減らすためにもこのようなシンプルな形で、都県境の運行系統でも使えるようにすることを求めます。
 最後の質問になりますが、多くの都民からシルバーパスの改善への期待が寄せられております。東京都は、高齢者の社会参加を支える事業として制度の改善に向け検討を行っていくとしていますが、今後の検討に当たっては、当事者や都民の声や要望をぜひ聞いていただきたい、聞くべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○花本高齢者施策推進部長 都として都民の声窓口を設置するほか、事業所管のメールアドレス等を公表しており、また、事業の実施主体である東京バス協会においてもシルバーパス専用電話を設置するなど、都民の皆様のご意見をいただく体制を整えております。

○里吉委員 今のご答弁は、日頃からいろいろな形で都民の意見を聞く体制があるということだと思います。それはそれとして大切なことなので、しっかり反映させていただきたいと思います。同時に、これから検討を行うわけですから、そのタイミングで当事者や都民の意見をしっかり聞く、要望を受け止めることを求めておきます。
 請願については、どの項目も切実な要望であり、採択することを求めて、質問を終わります。

○中村委員 東京都シルバーパス制度の拡充に関する請願について質問します。
 シルバーパスについては、高齢者の社会参加を広げ、福祉を向上させるためということで、私たちも大事な制度だと思っていますし、また、料金設定など都民の皆様からよくご相談もいただくところでもございます。
 都議会立憲民主党は、さきの第三回定例会において、竹井幹事長からシルバーパスについて質問しました。多摩地域ではシルバーパスが利用できる公共交通機関が少ないので、多摩都市モノレールが対象になることは当然としました。また、住民税が非課税か否かで、パスの値段が千円あるいは二万五百十円と大きな格差がある状況も改善すべきだと主張をしました。それに対して、山口福祉局長からは、高齢者施策全体を総合的に議論する中で、シルバーパスについても検討することとしておりますと答弁がありました。
 改めて、請願が出されたので、質問いたします。平成三十年に東京都はシルバーパスについて調査しましたが、その内容とそれを受けた対応を伺います。

○花本高齢者施策推進部長 都は平成三十年度に、シルバーパス制度に対する都民の考え方などや利用状況について概要を把握するため、利用実態調査及び在り方調査を実施し、現行のシルバーパス制度が幅広い世代から評価され、社会参加に広く利用されていることを確認しております。
 また、令和二年度に高齢者を取り巻く環境等に関する調査を実施し、現在、幅広い分野における社会参加のマッチングを広域的に支援するための施策を実施しております。

○中村委員 小池知事は今年七月の都知事選挙において、シルバーパスの改善と、多摩モノレールのさらなる延伸やシルバーパスの対象にと公約をしました。都では既に調査をしておりますから、先ほど局長が検討すると答弁したことも述べましたが、ぜひ改善に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、実際にどのくらいの予算があるのかを確認します。令和五年度のシルバーパスの券種別の発行実績について伺います。また、令和五年度の決算額は幾らか伺います。

○花本高齢者施策推進部長 令和五年度の発行実績につきましては、一斉更新から令和六年九月までの発行数でございますが、千円パスが約九十三万枚、二万五百十円パスが約十万枚となっております。また、令和五年度の決算額は百九十億一千八百四十二万七千円になっております。

○中村委員 大変大事な制度でもありますけど、大きな金額がかかるという事業でもあります。公平性の観点から見直すことは必要だと私たちも思っています。金額の見直しは改善だと考えます。
 また、今回の請願では、項目として多摩モノレールへの適用等、賛同できる項目もありましたが、全項目一括で採決することになったので、主な内容は無料ということから、費用や公平性を考えるとそこまで踏み込むのはなかなか難しいともいえます。
 しかし、知事も公約していますし、全て無料というわけにはいきませんが、料金設定の改善は必要であると考えますので、今後引き続き都議会で議論していくことを申し述べて、質問を終わります。

○関野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○関野委員長 起立少数と認めます。よって、請願六第五号は不採択と決定いたしました。

○関野委員長 次に、請願六第六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○渋谷事業調整担当部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 三ページ、整理番号2、請願六第六号は、豊島区の新日本婦人の会東京都本部会長佐久間千絵さん外八千九百三十六人の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において、自治体間における子供の医療費助成の格差をなくし、都内どこでも十八歳まで完全無料となるように、自治体へのさらなる支援をしていただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 都は、区市町村が実施する子供の医療費助成事業に対し、子育てを支援する福祉施策の一環として、所得制限や一部自己負担など一定の基準の下で補助しており、具体的な実施内容は、実施主体である自治体がそれぞれの地域の実情を勘案しながら定めております。
 高校生等医療費助成事業につきましては、所得制限や一部自己負担を設けた上で、実施主体である区市町村の負担割合を二分の一とすることを基本的な枠組みとし、早期の事業開始を促進するため、令和五年度から七年度までの間は都の負担割合を十分の十としております。
 なお、都は子供の医療費助成について、全ての子供の健全な育ちと子育て世帯の経済的負担の軽減を進めるため、来年十月からの所得制限撤廃を目指し、区市町村と協議をしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○関野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原委員 それでは、質問いたします。
 請願六第六号、子どもの医療費助成の拡充に関する請願は、八千九百三十七名もの署名とともに提出をされました。東京の全ての子供たちが格差なく医療費が無料になるように、東京都から自治体へのさらなる支援を求めているものです。
 まず、現時点での医療費助成の実施状況について伺います。
 乳幼児医療費助成、義務教育就学児医療費助成、高校生等医療費助成、それぞれの所得制限、一部負担の状況は、二十三区と三十九市町村でそれぞれどのようになっていますか。

○渋谷事業調整担当部長 本年十月現在、都内六十二全ての区市町村で、十八歳までの子供の医療費助成を実施しております。
 まず、乳幼児医療費助成は、二十三区及び三十九市町村全て所得制限なしでございます。
 義務教育就学児医療費助成は、二十三区は全て所得制限なし、自己負担なし。市部は全て所得制限なし、自己負担ありが二十六市中十五市、自己負担なしが十一市。町村部は全て所得制限なし、自己負担ありが十三町村中二村、自己負担なしが十一町村でございます。
 最後に、高校生等医療費助成は、二十三区は全て所得制限なし、自己負担なし。市部は二十六市中、所得制限ありが七市、所得制限なしが十九市、自己負担ありが十六市、自己負担なしが十市。町村部は全て所得制限なし、自己負担ありが十三町村中二村、自己負担なしが十一町村でございます。

○原委員 詳しく答えていただいて、ありがとうございます。
 今のご答弁を大きくまとめると、二十三区についてはゼロ歳から十八歳まで全ての子供たちが医療費は完全無料化されているということです。でも、二十六市と町村部ではまだ所得制限や自己負担が残っています。
 課題は、はっきりしていると思います。市長会では、高校生等医療費助成における財政負担の見直し、子供の医療費助成における所得制限や一部負担金の撤廃を七月に都に出された来年度予算の最重点要望として挙げています。
 この要請に応えて、どのように協議、検討されていますか。

○渋谷事業調整担当部長 高校生等医療費助成事業に関する令和八年度以降の財源や所得制限、一部自己負担の取扱いにつきましては、都と市町村との間で設置しました協議の場において議論しております。

○原委員 所得制限と、そして一部負担金もテーマになっているということです。改めて、このことは大事だと思います。
 さらに、市長会では、八月二十九日に小池知事に対して、子育て世代の経済負担軽減に関する緊急要望についてを要請しています。
 この中で、全国一律の給食費無償化が実現するように国に働きかけること、それから、それが実現するまでの間は、都が総合交付金の拡充も含め、経済的支援を行うこと、そして、子供の医療費助成の所得制限等の撤廃を二十六市全てで実現できるように、市町村総合交付金による支援も視野に入れるなど、確実な財政支援を図ることを求めています。
 これを受けて、子供の医療費に関して、どのような検討を進めていますか。

○渋谷事業調整担当部長 令和六年第三回定例会で都として答弁しましたとおり、全ての市町村が持続的に事業を実施できるよう、総合交付金を措置することを念頭に置き、早期の合意を目指していくこととしております。

○原委員 市町村総合交付金で市町村を後押しするということだと思います。
 昨日、市長会が小池知事に出した来年度予算編成に対する最重点要望でも、高校生等医療費助成事業に係る持続的な財政支援の実施、子供の医療費助成における一部負担金及び所得制限の撤廃を求めています。
 給食費無償化が進んだように、子供の医療費の多摩格差を解消するように協議を急いでほしいと思います。所得制限や一部自己負担があるために、困難を強いられている事例も多くあります。
 全ての子供たちが経済的な心配なく医療を受けられることの大切さについて、都の見解を伺います。

○渋谷事業調整担当部長 全ての子供の健全な育ちと子育て世帯の経済的負担の軽減を進めるため、子供の医療費助成につきまして、来年十月からの所得制限撤廃を目指し、市町村と協議しております。

○原委員 東京都が高校生等の医療費助成、これをスタートしたときに、特別支援学校の高等部に子供さんがいるお母さんがとても喜んでいました。しかし、喜びもつかの間、多摩地域なので、住んでいる自治体は所得制限が撤廃できず、所得制限にかかって無料になりませんでした。
 子供さんは愛の手帳二度なんですけれども、心身障害者医療費助成も所得制限で無料にはならず、本当に多くの福祉の支援に所得制限があって負担が生じています。放課後等デイサービスは、負担額の上限が三万七千二百円のため、日数を減らしてお金がなるべくかからないようにせざるを得ないといいます。
 お子さんが成長とともに学校への行き渋りもあって、お母さんはパートの仕事を辞めざるを得なくなりました。しかし、同時にきょうだいの大学進学もあってお金がかかる、そういう状況だと話してくれました。子育て世代に所得制限をかけるということの矛盾がここには表れていると思います。
 先ほどの答弁で、一部負担についても協議のテーマになっているということでした。これも非常に重要で、そこも外さずに協議をしてほしいと思っています。
 二〇一七年に東京歯科保険医協会が実施をした学校歯科治療調査では、学校歯科健診で要受診と診断された後の歯科医院の受診率は、一部負担金の有無により大きな差が表れていることを指摘しています。一部自己負担がある地域とない地域では、歯医者さんに行くという点で違いが出ているということなんです。
 同協会が二〇二三年に改めて行った調査でも、同様の傾向が見られたとされています。虫歯などがあって学校健診で要受診となっても行かない理由の一つに、一部自己負担があるわけです。困窮している世帯などでは、本当に大変な問題だと思います。二十三区では既に所得制限も一部負担もないのですから、多摩地域の子供たちも同じようにしてほしいです。
 問題は、自治体ごとに財政力が違うということです。多摩地域の自治体への支援の強化なしに、全ての子供たちが格差なく医療を受けられることにはなりません。都が、広域自治体として多摩地域への支援の充実を行うことを強く求めますが、いかがですか。

○渋谷事業調整担当部長 都は、市町村が実施する子供の医療費助成事業に対し、子育てを支援する福祉施策の一環として一定の基準の下で補助しており、来年十月からの所得制限撤廃を目指し、市町村と協議をしております。

○原委員 医療費の問題は命の問題です。子供たちが東京のどこに住んでいても、命と健やかな成長が支えられる、そういう東京になるように、本請願を採択することを主張して、質問を終わります。

○中村委員 子どもの医療費助成の拡充に関する請願について質問します。
 子供の医療費の助成については本来国が行うべき政策ですが、それを行わない中で、子供への支援ということで二十三区が先行して行い、都が補助することで、市町村でも乳幼児、義務教育就学児と拡大しました。ただ、義務教育就学児には所得制限と自己負担が残り、そのまま高校生などへの拡大と議論が広がりました。
 そこで、都内市区町村における自己負担の状況を伺います。

○渋谷事業調整担当部長 乳幼児医療費助成は、制度上、自己負担なしでございます。
 そして、本年十月現在、義務教育就学児医療費助成は、二十三区は全て自己負担なし。市部は自己負担ありが二十六市中十五市、自己負担なしが十一市。町村部では自己負担ありが十三町村中二村、自己負担なしが十一町村でございます。
 最後、高校生等医療費助成は、二十三区は全て自己負担なし。市部は二十六市中、自己負担ありが十六市、自己負担なしが十市。町村部では自己負担ありが十三町村中二村、自己負担なしが十一町村でございます。

○中村委員 明らかに二十三区と市町村との格差となり、既に医療保健政策というだけではなくて、三多摩格差の問題になっています。同じ都内であれば同じサービスが必要であり、市町村の自己負担がなくなることを求めます。
 子供の医療費について、二十三区では高校まで完全無料化し、自己負担金がありません。無料だとすぐに病院に行ってしまうという主張もありますが、そうした実態は本当にあるんでしょうか。伺います。

○渋谷事業調整担当部長 都は、義務教育就学児医療費助成事業及び高校生等医療費助成事業において、適切な医療体制の確保と真に医療を必要とする人の受診を抑制しない範囲とのバランスを考慮いたしまして、通院一回二百円の自己負担を設定しております。

○中村委員 無料なので病気でもないのに病院に行こうということは、考えにくいものがあります。既に二十三区では自己負担がないため、先行している事例をよく調べていただきたいと思います。
 都内全体で自己負担金を無料にした場合にかかる経費は幾らか伺います。

○渋谷事業調整担当部長 子供の医療費助成事業の具体的な実施内容は、実施主体である区市町村がそれぞれの地域の実情を勘案して実施しているものと認識しております。

○中村委員 実施主体は市区町村としても、無料にしてほしいとの請願が出てきているんですから、判断するために市区町村に聞く必要があると思います。特に、現在でも市区町村と協議しているのであれば、数字の把握をしていただきたいと思います。
 来年十月には所得制限撤廃を図るため市区町村と協議していますが、そこで自己負担金の解消についても協議すべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○渋谷事業調整担当部長 高校生等医療費助成事業に関する区市町村との協議の場におきまして、子供の医療費助成における所得制限、自己負担の取扱い等について議論しております。

○中村委員 現在、市区町村との協議がありますが、ぜひその中で、自己負担についても解決していただきたいと思います。先ほども述べましたが、明らかに二十三区と市町村との格差になっています。都が市町村を支援することで、都内の自治体が同じように自己負担がなくなることを求めて、質問を終わります。

○関野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○関野委員長 起立少数と認めます。よって、請願六第六号は不採択と決定いたしました。

○関野委員長 次に、陳情六第三九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○新田障害者医療調整担当部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 五ページをご覧ください。整理番号3、陳情六第三九号の発達障害のある若者への支援に関する陳情は、小島涼さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、発達障害のある若者への支援に関して、次のことを実現していただきたい。
 1、都において、発達障害のある若者を支援する政策を充実すること。
 2、都議会において、発達障害のある若者を支援する政策の充実を求める意見書を国に提出することというものでございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 都は、東京都発達障害者支援センターを設置し、発達障害のある方やその家族等からの様々な相談を受け付けており、就労に関する相談についても助言を行うとともに、必要な情報提供等を行っています。
 また、中部総合精神保健福祉センターでは、就労を目指す発達障害のある方を対象に就労支援のデイケアを実施しています。
 さらに、発達障害のある方の就労支援や当事者同士の交流の場づくりなどに取り組む区市町村を包括補助で支援するとともに、区市町村の相談支援員等を対象に、支援に必要な知識や実践的な技術などについての専門的な研修を実施しています。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○関野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○関野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○関野委員長 異議なしと認めます。よって、陳情六第三九号は継続審査といたします。

○関野委員長 次に、陳情六第四二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明をさせていただきます。
 七ページをご覧ください。整理番号4、陳情六第四二号は、練馬区の小松凜太さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、男性がDV被害に遭った際に、利用可能な一時保護シェルターを設置していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都では、東京ウィメンズプラザと女性相談支援センターが配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律に基づく配偶者暴力相談支援センターの機能を担っており、東京ウィメンズプラザでは、配偶者等暴力を含め、男性のための相談を実施しております。
 都の配偶者暴力相談支援センターにおける令和五年度の配偶者等暴力被害者本人からの相談六千四百一件のうち、男性からの相談は三百三十七件、全体の五・三%となっております。
 一方、地域における相談体制の充実や相談窓口の周知により、区市町村で受け付けた令和五年度の配偶者暴力相談は四万六百六十二件となっており、十年前の二万八千百十件と比べて増加をしております。
 一時利用が可能な施設の活用を含めて、相談者の状況に応じた適切な支援が行えるよう、関係機関で相談状況を共有し、連携して対応しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○関野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原委員 それでは、陳情六第四二号、DV被害に遭った男性を一時保護するためのシェルターの設置に関する陳情について伺います。
 本陳情は、男性がDV被害に遭った際に利用可能な一時保護シェルターの設置を求めています。
 DV被害に遭った女性については一時保護施設がありますが、男性にはなく、被害に遭った男性の人権が十分に守られていないと指摘し、都が率先して一時保護シェルターの設置を行うべきと述べています。
 ウィメンズプラザでは以前から男性の相談を受けていますが、昨年度の相談件数はどのぐらいありましたか。そこから、一時保護が必要だというケースがあったのか伺います。

○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 東京ウィメンズプラザにおける令和五年度の配偶者等暴力被害者からの相談のうち、男性からの相談は三百三十七件でございました。
 そのうち、一時保護が必要になったケースはないと生活文化スポーツ局から聞いております。

○原委員 ケースはないということですけれども、そもそも相談につながれているのかという問題などもありますので、社会の中でニーズがないということはできないと思います。
 実際に保護が必要だと判断した場合は、どのような対応をしていますか。

○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 東京ウィメンズプラザでは、男性被害者が保護を求めるケースにつきましては、関係機関で連携して一時利用が可能な施設の活用を含めて、相談者の状況に応じた適切な支援を行うこととしていると生活文化スポーツ局から聞いております。

○原委員 適切な支援を行うこととしているとのことですが、DV被害を受けて、居場所が分からないようにして安心して暮らせる場を確保する必要があると思いますけれども、都としては用意をしているのですか。

○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都や区市町村の配偶者暴力相談支援センター等の相談窓口では、男性被害者からの相談のうち、保護を求めるケースにつきましては、一時利用が可能な施設の活用を含めて、相談者の状況に応じた適切な支援が行えるよう、関係機関で連携して対応をしております。

○原委員 関係機関で連携して対応ということですけれども、DV防止法に基づく一時保護について、男性を対象とする施設を都として確保しているということはないということだと思うんですね。
 DV防止法は、女性の被害者だけではなくて、性別にかかわらず一時保護の対象となります。それなのに、男性がDVから逃れてきたときに、安全に過ごせる場所を用意しておかなくていいのかということが問われていると思います。
 他県では、民間シェルターと提携するなど工夫しているところもあります。検討は必要ではないでしょうか。

○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都や区市町村の配偶者暴力相談支援センター等の相談窓口では、男性の被害者からの相談のうち、保護を求めるケースにつきましては、一時利用が可能な施設の活用を含めて、相談者の状況に応じた適切な支援が行えるよう、関係機関で連携して対応をしております。

○原委員 全国では、男性の一時保護を民間シェルターと提携して確保しているのは十一道府県とのことです。私は、連携していろいろその都度対応するということだけではなくて、やはり何があっても逃れてきた人をちゃんと守る、居場所が分からないように過ごせる場所を確保しておく、それはやはり行政として検討しなければいけないと思います。
 東京都としては、男性だけではなくて、トランスジェンダーの方の対応も課題になっています。DVから逃れてきた人を受け止める場をどのような性別の人にも整備していく、それぞれに適切な場所を整備していくということは、急ぎ検討しなければならない課題だと思います。
 よって、本陳情は趣旨採択すべきと主張して、質問を終わります。

○中村委員 DV被害に遭った男性を一時保護することに関する陳情について質問します。
 時代の変化もあり、これまでDVといえば男性から女性への暴力ということではあったのかもしれませんが、女性から男性への暴力も増えていると思います。男性と女性との体格の差とか経済力の差などによって問題の差もあるようですが、今後男性にもDV被害に遭った際に、一時保護シェルターの設置が必要になることもあると考えます。
 現在、都の対応として、一時利用可能な施設の活用をしているとのことですが、シェルターが必要な事例は起きていないのか伺います。

○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都の配偶者暴力相談支援センターにおいて、男性被害者の保護が必要になったケースはないと生活文化スポーツ局から聞いております。

○中村委員 担当は生活文化スポーツ局のようですが、現在では保護が必要になったケースはないとのことでした。
 とはいえ、まだ男性には、こうした相談窓口があることがそれほど知られていないということもあると思います。
 男性と女性で対応は異なりますが、時代が変わり男性の相談も増えているので、今後は男性のシェルターが必要ではないかと思いますが、見解を伺います。

○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都や区市町村の配偶者暴力相談支援センター等の相談窓口では、男性被害者からの相談のうち、保護を求めるケースにつきましては、一時利用が可能な施設の活用を含めて、相談者の状況に応じた適切な支援が行えるよう、関係機関で連携して対応しております。

○中村委員 都は一時利用が可能な施設の活用で対応するとのことですが、本当に必要な人が出てきたときに対応が間に合わなくなります。想定できなくないことですから、想定して対応することも必要ではないかと思います。
 時代の変化を的確に捉え、必要であれば設置することを求めて、質問を終わります。

○関野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○関野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第四二号は不採択と決定いたしました。

○関野委員長 次に、陳情六第四三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○加藤障害者施策推進部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 九ページをご覧ください。整理番号5、陳情六第四三号の障害者手帳にICチップを搭載することに関する陳情は、小松凜太さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、カード形式の障害者手帳にICチップを搭載していただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 都は、令和二年十月から障害者手帳につきまして、希望に応じてカード形式を選択できるようにいたしまして、パールインク等により偽造防止対策を講じております。
 また、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行により、障害者手帳の申請時に個人番号、いわゆるマイナンバーを記載することとされ、手帳とマイナンバーは情報連携の対象となっております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○関野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○さんのへ委員 陳情六第四三号、障害者手帳にICチップを搭載することに関する陳情についてです。
 陳情の理由には、障害者手帳の偽造防止及び福祉サービスに係る手続のオンライン化を通じて、業務を効率化させることによって、より一層きめ細やかな福祉政策の提供に資するべきだと意見されております。
 私は、社会福祉士、精神保健福祉士として、手帳をお持ちの方々からこの手帳にまつわるご相談というのをお寄せいただくことがあります。そのほとんどが、福祉サービスを利用する際の手続の効率化、合理化というものを求める声でした。
 個人情報の入ったICチップをカード形式の障害者手帳に搭載することに関しては、マイナンバーカードへの一体化という議論も含めた対応が必要であると考えますが、こちらの福祉サービス手続の効率化、合理化という観点からは、本陳情には趣旨採択を表明するものです。
 現状、障害者手帳には紙形式の手帳とカード形式のものがあり、東京都では二〇二〇年十月一日より、手帳を更新するタイミングでその形式の変更が可能とされています。
 そこで、令和五年度における紙形式の手帳とカード形式のそれぞれの発行割合について伺います。

○加藤障害者施策推進部長 令和五年度交付分の手帳におけるカード形式と紙形式の割合でございますが、身体障害者手帳では、カード形式七二・七%、紙形式二七・三%。愛の手帳では、カード形式七五・一%、紙形式二四・九%。精神障害者保健福祉手帳では、カード形式五三・三%、紙形式四六・七%となっております。
 なお、障害者手帳の形式は、新規申請時や更新時等に選択可能でございます。

○さんのへ委員 令和五年度分の交付分を見ると、カードと紙の割合が身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者手帳、いずれにおいてもカードの割合が上回っているということが分かりました。
 紙の手帳は、持ち歩いていると擦り切れてしまったり、間違えて洗濯してしまうという方もいて、その損傷を理由に再発行というものが必要になるんですけれども、カード形式にするとそうした損傷の機会が少なく、携帯しやすいという利点がありますが、紙形式の手帳よりも現在二週間ほど多く発行に時間がかかるなどの理由もあって、一〇〇%のカード化というのはまだ難しい現状があります。
 何を申し上げたいかというと、手帳の形式を問わず、どんな障害をお持ちの方にも、現状は役所の窓口に来て紙に記入をして、補助の申請ですとか更新をするということが求められています。
 カード形式にするということがゴールではなくて、さらなる手続の利便性向上のための布石であるというふうに私は期待をしておりますので、今後の改善を求めて、意見とさせていただきます。

○関野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○関野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第四三号は不採択と決定いたしました。

○関野委員長 次に、陳情六第四四号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○西尾子供・子育て支援部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 一一ページをご覧ください。整理番号6、陳情六第四四号は、練馬区の小松凜太さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、都内の公共交通機関に、泣いてもかましまへん!ステッカーを掲示するようにしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都は、社会のあらゆる主体と連携し、官民一体となって子供の笑顔があふれる社会、安心して子供を産み育てられる社会を目指す取組といたしまして、こどもスマイルムーブメントを展開しております。
 また、子育て家庭が登録証を協賛店等に掲示することによりまして、子育てサービス等を受けることができます子育て応援とうきょうパスポート事業を実施しております。
 さらに、都営地下鉄では、小さな子供連れの方に安心して気兼ねなく電車をご利用いただけるよう、子育て応援スペースを全路線に展開しているほか、一部の駅構内で乳幼児との外出をサポートいたしますこどもスマイルスポットを設置しております。
 こうした取組を通じまして、社会全体で子育てを応援する機運の醸成を図っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○関野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 陳情四四号、「泣いてもかましまへん!」ステッカーに関する陳情について意見を申し上げます。
 陳情は、都内の公共交通機関に、泣いてもかましまへん!ステッカーを掲示して、公共の場で泣き始めた赤ちゃんを泣きやませようとする親に対して、周囲が、焦らなくても大丈夫、泣いても気にしませんよという享受の気持ちをステッカー等で見える化する取組を行ってほしいというものです。
 例として京都府の取組が示されていますが、私の地元世田谷区でも、世田谷区WEラブ赤ちゃんプロジェクトと題して、二〇一九年から同じような取組がスタートしています。ここでは、赤ちゃんが泣いてしまうのは自然のことで、周りが温かく見守ろうという取組の一つとして、ステッカーを配布して皆さんがご自分の持ち物に貼ったりする、そういう活動が取り組まれています。
 一人一人が自らステッカーなどを持ったりして、自分の思いを示すという行動もありますので、現在東京都が行っている官民一体の取組や都営地下鉄の取組とはまた違うものとして考えます。
 よって、この陳情は趣旨採択を求め、意見といたします。

○関野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○関野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第四四号は不採択と決定いたしました。

○関野委員長 次に、陳情六第四五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○加藤障害者施策推進部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 一三ページをお開きください。整理番号7、陳情六第四五号の有料道路における障害者割引の対象を拡大するよう国に要望することに関する陳情は、小松凜太さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、NEXCO三社、阪神高速道路株式会社及び首都高速道路株式会社が実施する有料道路における障害者割引の対象を拡大するよう、国に要望していただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 NEXCO三社、阪神高速道路株式会社及び首都高速道路株式会社における障害者割引制度の実施内容は、各社が判断しております。
 都は、他の自治体と連携し、有料道路における障害者割引の対象拡大を関係機関に働きかけるよう国に要望しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○関野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 陳情四五号、有料道路における障害者割引の対象を拡大するよう国に要望することに関する陳情について、意見を申し上げます。
 障害者の交通利用の自由を保証するために、さらなる拡充が必要です。東京都が行った障害者の実態調査でも、収入の少なさが改めて示されました。陳情にある有料道路における障害者割引の対象拡大は、都も国へ要望しているということですので、実現に向けてさらに働きかけを求めます。
 障害者の移動権を保証するためには、有料道路と同時に公共交通への支援拡大も必要です。二〇二五年四月から、精神障害者に対しJRの鉄道運賃割引がやっと開始されますが、利用条件は距離が片道百一キロ以上となっています。最大の要望は、通勤、通院などの短い日常の交通利用に使えるようにできることであり、ここの見直しが必要です。
 公共交通機関の料金割引制度の拡充改善に取り組むとともに、障害者手帳を持たない難病、慢性疾患患者にも、そういう利用登録などがなくても、登録者証の利用などでも割引が使えるようにすること、障害者手帳一種、二種の区分により扱いが違う運賃割引の適用を、付添者の有無や距離に関係なく割引されることなども求められています。
 今回の陳情は、障害者の移動権の支援を拡大するためのものであり、陳情は趣旨採択を求め、意見といたします。

○関野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○関野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第四五号は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で福祉局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四分散会