厚生委員会速記録第五号

令和六年三月二十一日(木曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長あかねがくぼかよ子君
副委員長磯山  亮君
副委員長斉藤やすひろ君
理事関口健太郎君
理事原 のり子君
理事内山 真吾君
北口つよし君
上田 令子君
伊藤 大輔君
浜中のりかた君
山加 朱美君
鈴木  烈君
里吉 ゆみ君
高倉 良生君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉局局長佐藤 智秀君
次長小林 忠雄君
総務部長関口 尚志君
保健医療局局長雲田 孝司君
総務部長船尾  誠君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 厚生委員会所管分
・第五号議案 令和六年度東京都国民健康保険事業会計予算
・第六号議案 令和六年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
・第七号議案 令和六年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・第八号議案 令和六年度東京都地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計予算
付託議案の審査(決定)
・第六十七号議案 東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
・第六十八号議案 東京都福祉局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第六十九号議案 東京都養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十号議案 東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十一号議案 東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十二号議案 東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十三号議案 東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十四号議案 東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十五号議案 東京都介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十六号議案 東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例を廃止する条例
・第七十七号議案 東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十八号議案 児童福祉法施行条例の一部を改正する条例
・第七十九号議案 東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第八十号議案 東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第八十一号議案 東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第八十二号議案 東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
・第八十三号議案 東京都女性自立支援施設の設備及び運営の基準に関する条例
・第八十四号議案 東京都女性相談センター条例の一部を改正する条例
・第八十五号議案 東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第八十六号議案 東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第八十七号議案 東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第八十八号議案 東京都障害者支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第八十九号議案 東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
・第九十号議案 東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
・第九十一号議案 東京都立療育センター条例の一部を改正する条例
・第九十二号議案 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定による任意入院者の症状等の報告に関する条例の一部を改正する条例
・第九十三号議案 東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
・第九十四号議案 東京都国民健康保険保険給付費等交付金条例の一部を改正する条例
・第九十五号議案 東京都国民健康保険事業費納付金条例の一部を改正する条例
・第九十六号議案 東京都保健医療局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第九十七号議案 東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第九十八号議案 東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
・議員提出議案第二号 東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○あかねがくぼ委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 保健医療局の谷田次長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○あかねがくぼ委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、厚生委員会所管分及び第五号議案から第八号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○浜中委員 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 令和六年度予算は、都税収入の伸びを背景に総額八兆円を超え、東京都は、防災対策、少子高齢化対策、環境対策、DX推進、そして新たな感染症対策など、様々な施策を展開しています。
 そして、少子高齢化対策においては、所得制限の撤廃や新たな都独自の支援策など、我が会派の要請も踏まえて矢継ぎ早に展開しています。
 こうした積極的な取組は重要ですが、明確な目標や事業の終期を示すなどの責任ある計画をつくり、事業の全体像、将来計画を都民に明らかにした上で取り組んでいくことも必要です。
 東京の経済は予断を許さない状況にあり、さきの予算特別委員会でも指摘しましたが、都の税収が今後も右肩上がりで推移していくとは限りません。かつて都の財政が困難な状況に陥ったことを忘れず、負の側面を常に想定した財政運営が必要です。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、このことを申し上げ、福祉局、保健医療局の事業について述べさせていただきます。
 まず、福祉局関係について申し上げます。
 一、福祉先進都市実現基金を活用し、「未来の東京」戦略 version up 二〇二四に基づく施策を着実に推進されたい。
 一、高校生等への医療費助成については、全ての市区町村で引き続き実施できるよう取組を継続するとともに、令和八年度以降の財源や所得制限の取扱いなど、市区町村と協議を進められたい。
 一、〇一八サポートについては、来年度以降も継続して取り組み、申請するに当たっては簡便で手間のかからない方法にされたい。
 一、物価高騰等の影響による不安定な社会経済状況下であっても、家庭の経済状況等によることなく子供たちが進学に取り組むことができるよう、引き続き低所得者世帯を支援されたい。
 一、特別養護老人ホームの計画的な整備とともに、地域での在宅サービスの基盤整備を図るため、ショートステイや市区町村が行う地域密着型サービス拠点の整備促進を図られたい。
 一、急速な高齢化と生産年齢人口の減少に対応するため、介護人材の安定的な確保に向け、宿舎借り上げ支援の改善や、さらなる支援の充実を図るなど、東京の実情を踏まえた施策を推進されたい。
 一、特養経営支援事業などにより、特別養護老人ホームに入所する医療的ケアが必要な方々への支援を推進されたい。
 一、急増する認知症患者とその家族を地域で支え、安心できる暮らしを確保していくために、認知症の初期から中重度までの段階に応じた適切な支援や、認知症抗体医薬の活用を含めた希望する医療を安心して受けられる認知症施策の一層の充実を図られたい。
 一、都民のニーズに即した保育サービスの充実に当たっては、保育の実施主体である市区町村の取組を広く柔軟に支援するとともに、保育人材の確保、育成を推進されたい。また、認可保育所、認証保育所、認定こども園、家庭的保育、小規模保育など、多様な保育サービスの拡充を進められたい。
 一、障害の有無にかかわらず、児童の放課後の充実が図られるよう、学童クラブや放課後等デイサービスを推進されたい。
 一、認証学童クラブについて、量的な確保と質の向上に向けて市区町村を支援し、新たな認証制度の創設に向け市区町村や事業者などの意見を聞き、実効性のある制度を構築されたい。
 一、全ての人が安心して子供を産み育てられるように、不妊検査等に要する費用の助成や、妊娠期から子育て期への切れ目のない支援体制の充実を図られたい。
 一、児童虐待を早期に発見し、より適切に対応していくために、児童相談所の組織体制などの機能を一層強化するとともに、専門職や関係機関のさらなる連携強化を図られたい。また、市区町村の子供家庭支援センターにおける虐待の未然防止に関する取組への支援を充実されたい。
 一、子育て支援の充実を図るために企業やNPO法人などの取組を支援するとともに、地域子育て支援拠点の整備促進や利用促進、地域支援、在宅子育て支援の実施など、機能強化を図る市区町村を支援されたい。
 一、民間団体、都、地元自治体が三位一体となって、若年被害女性等への支援の充実を図られたい。
 一、障害者が地域で安心して生活するために、重度障害者の受入れが可能なグループホーム等のサービス基盤や児童発達支援センター、地域生活支援拠点等の整備促進を図られたい。また、医療的ケアが必要な障害児及びその家族が地域で適切な支援を受けられるよう、環境の整備をされたい。
 一、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通を支援するために、情報保障機器の開発支援、普及を図られたい。
 一、聴覚障害児を含む難聴児が適切な支援を受けられるようにするため、関係機関との連携強化を図るなど、中核的機能を有する体制を整備されたい。
 一、虐待通報窓口の設置等、精神科病院における虐待防止の取組を推進するとともに、身近な地域で精神障害者が治療を継続し安心して自立できるよう、地域精神科医療の仕組みづくりや就労支援に取り組まれたい。
 一、福祉サービスの基盤整備を促進するために、公有地活用の推進及び市区町村への情報提供の充実を図るとともに、民有地の活用策についても検討されたい。
 次に、保健医療局関係について申し上げます。
 一、新たな感染症による危機に備えるため、今般改定される感染症予防計画に基づき、平時から必要な体制確保を進められたい。
 一、人、動物、生態系の健康を一つとして捉えるワンヘルスの考え方を都の施策に取り入れられたい。
 一、都保健所は、地域における保健衛生行政の中核機関として、健康危機管理などの広域的、専門的、技術的拠点として一層の強化を図られたい。
 一、災害医療コーディネーターを核とした災害医療体制を構築し、都内全ての病院の耐震化の促進、浸水想定区域にある全病院への水害対策や災害拠点病院の整備など、災害医療体制を充実されたい。
 一、NICUの増床とともに、ハイリスクの妊婦や新生児、重篤な小児救急患者に係る高度な医療を提供する医療機関に対して、施設、設備整備や医師の確保など、総合的な支援に努められたい。
 一、市区町村や地区医師会による在宅医療の取組を支援するとともに、医療機関から在宅療養への円滑な移行を行う人材の育成と確保を支援し、その環境を充実されたい。
 一、がん診療連携拠点病院の規模拡大や機能強化を図りつつ、地域の病院等との効果的な連携や各医療機関の機能、専門性を生かした役割分担など、粒子線治療施設の導入も含めて、都全体のがん医療提供体制の充実に努められたい。
 一、動物愛護精神を涵養し、殺処分ゼロを継続するための施策の充実を図るとともに、動物愛護センターの機能強化も図られたい。
 一、都立病院は、行政的医療を安定的、継続的に提供するとともに、地域医療の充実に努められたい。特に、医療機能強化に向けた人材の確保や緊急時における機動的な対応に備えるための人材育成に取り組むとともに、収益の確保や費用の節減などにより、安定的な経営基盤を確立されたい。
 一、都立病院は、関係機関とのネットワーク構築やデジタル技術を活用した患者情報の共有などのモデルとなる取組を推進されるとともに、都立病院の医療人材を活用し、医師の派遣など地域医療を担う人材の育成を図られたい。
 一、広尾病院の整備事業を着実に進め、災害医療の強化や島しょ医療の充実を図られたい。特に、島しょ地域の外来受診、入院のための患者家族宿泊施設を充実させるとともに、退院後も安心して療養生活が送れるよう、島しょの診療所などへのデジタル技術を活用した支援を行い、災害想定も踏まえ、5Gを活用した遠隔医療についても推進されたい。
 以上をもちまして、意見開陳を終わります。

○伊藤委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和六年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 令和六年度予算は、ポストコロナ時代において、東京、日本の抱える構造的な課題の解決に取り組みながら、新時代を切り開く一人一人の人の挑戦を後押ししていく予算となっています。政策評価、事業評価を綿密に実施することによる財源の確保額が過去最大となっており、財政面での絶え間ない改革の成果が表れていると考えます。
 また、子育て、教育支援、女性活躍支援、高齢者施策、障害者施策、多摩をはじめとする地域振興、防災、防犯施策など、各分野において私たちが議会で提案し、重点項目として要望してきた施策が盛り込まれています。
 具体的には、私立中学校授業料支援、私立、都立高校及び都立大学授業料無償化の各施策における所得制限撤廃、認証学童クラブ制度の創設、フリースクール等への支援、女性活躍施策、介護従事者、ケアマネジャー等への賃上げ支援、多摩地域の公立小中学校給食費無償化支援や交通網の整備施策、デジタル地域通貨プラットフォームの構築、町会、自治会やマンションの防災力強化支援等、私たちの要望に対し、幅広い分野にわたり予算が計上されたことを高く評価いたします。
 東京、日本のあるべき姿について高い理想を掲げながらも、現実を直視し、これまでの東京大改革のレガシーである未来への投資をたゆみなく進めること、そして、都民にとっての課題の一つ一つを解決する政策を着実に実行していくことを要望します。
 それでは、まず、保健医療局関係について申し上げます。
 救急、災害時の医療救護の施設ネットワークの整備について、東京都地域防災計画に基づき、大規模な災害時における円滑な医療救護活動を確保するため、東京都医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会等で構成される医療班の統括指令センターとなる災害医療対策のための総合的な協議機関の創設を検討されたい。
 医学総合研究所を活用し、超高齢化社会がもたらす健康課題に対し、最先端の生命科学、医学研究を通じて、これらの問題に対する解決策を提供し、都民の生命と健康を守り、保健、医療、福祉の向上への貢献を図られたい。
 都内の医療機関で得られたデータの公開を引き続き行うとともに、オープンソースの取組を他局や都内自治体に展開されたい。
 既存の医療情報登録システムを連携させ、保健所業務を軽減されたい。
 オンライン診療、遠隔医療などを抜本的に促進されたい。
 電子処方箋の運用は、都立病院が率先して進められたい。
 自殺リスクの高い方への支援をこころといのちのサポートネットを活用し、強化されたい。特に、多職種の専門家により、子供の自殺を防ぐ取組を徹底し、福祉局のチャイルド・デス・レビューの取組との連携を図られたい。
 必要以上の薬や不要な薬の服薬による副作用を抑制し、調剤医療費を抑制する重複多剤服薬指導は、服薬管理を担う都薬剤師との連携により実効性を持って進めるとともに、対策が必要な全ての方々への実施に向けて継続して取り組まれたい。
 人獣共通感染症は、生態系の崩壊が進み人と野生動物の生存領域が近づき過ぎたことで発生する感染症であり、生態系の保全と、人と動物の健康を一体的に守るため、ワンヘルスの理念を提唱し、対策を推進するための条例制定を検討されたい。また、都政の施策展開に組み込まれたい。
 感染症についての科学的な調査研究を、東京iCDCをはじめとする専門家により継続し、その成果を都の施策に速やかに反映し、都民にも情報共有されたい。
 新たに策定するがん対策推進計画には、予防と医療に加え、がん患者の生活全体を支える共生の理念を組み込むこと。特に、がんと就労、アピアランスケアは、積極的に施策展開を進められたい。
 がん対策推進計画の策定には、多くのがん患者の意見を聞き、多様な施策展開を進められたい。
 アドバンス・ケア・プランニングの周知を進め、人生の最期の時間を本人の望む形で迎えられる社会を構築されたい。
 都立病院が、精神障害や知的障害のある患者を適切な配慮の下に治療できることをさらに周知されたい。
 都立松沢病院で精神疾患の患者が透析治療や内科、外科などを受けられることを周知できるよう、ホームページなどを工夫されたい。
 次に、福祉局関係について申し上げます。
 卵子凍結やAMH検査の導入などを一層進め、同時に正しい知識の理解の上で進められるよう取り組まれたい。
 若年世代に対して、プレコンセプションケアの一環として、様々な機会を捉えて卵子凍結についての正しい知識を啓発されたい。
 新生児マススクリーニングの対象拡大は、先行する道府県の事例を踏まえ、積極的に検討されたい。
 妊娠中の母子感染について、区市町村のママパパクラスのような場や産科で周知されるよう、一層連携を図られたい。
 東京都こども基本条例を基本として、周知や施策展開を進められたい。
 対象を拡充した受験生チャレンジ支援貸付事業を堅持されたい。
 子供食堂、子供宅食、フードパントリーの支援について、地域や関わる団体の違いを考慮し、柔軟に進められたい。
 スタディークーポン事業を充実されたい。
 放課後デイサービス事業は、質と量の充実を丁寧に進められたい。
 保育園での園児虐待などの不適切な保育を早い段階で発見し、厳格に対応されたい。
 在宅子育てをする家庭の保育園での定期的な保育を推進し、多様な他者との関わりの中での子供の成長を進められたい。
 児童館の開設は、子供の視点や中高生の視点から拡充の方向で検討を進められたい。
 学童クラブ待機児解消のための事業は、区市町村と連携し、地域の実情に応じた取組を進められたい。
 認証学童クラブの制度の創設に向け、学童クラブのサービスの質の向上について検討するとともに、職員の確保、定着に向けて処遇改善を検討されたい。
 コロナ禍で傷んだ子供たちの生活を支えるため、子供の貧困対策を総合的に進められたい。
 児童虐待対策をより積極的に進め、虐待を未然に防ぐ予防的支援体制を強化されたい。
 高まる一時保護需要に対応するため、立川児童相談所跡地での保護所開設に向け準備を進めるなど、引き続き保護所の定員拡充に取り組まれたい。
 一時保護施設の学びの保障は、保護児童の安全を踏まえつつ積極的に進められたい。
 多様な保護先を確保するため、一時保護委託も積極的に活用し、子供の状況によって適切な場所に保護されるよう、引き続き委託先を拡充されたい。
 里親への委託を加速し、当事者の意見を尊重し、子供の最善の利益を図られたい。
 里親への委託率上昇のため、共働き家庭でも里親ができることの周知などを進められたい。
 ケアリーバーへのケアは、当事者の視点に立ちつつ、大きく拡充されたい。
 情報が届きにくいひとり親とその予備軍である離婚を考えている親に対する情報提供、支援を拡充し、子供の養育費確保のための施策展開を進められたい。
 ダブルケアラー、ヤングケアラーなど複合的な課題に対して、重層的な支援体制を構築されたい。
 チャイルド・デス・レビューについて、個別検証において保護者から同意を得ることは相当難しいことであるため、CDR実施におけるボトルネックにならないよう鋭意取り組まれたい。
 子供の自殺についても、チャイルド・デス・レビューの対象とし、保健医療局をはじめ、関係局ともしっかりと連携して検証を行い、徹底した予防を図られたい。
 東京版ユースクリニック、わかさぽを当事者目線で拡充し、広報も工夫されたい。また、若者に梅毒が流行していることに鑑み、感染症の検査、妊娠検査なども対応されたい。
 高齢者の健康管理にスマートウオッチやアンクルウオッチなどのデジタルを活用した施策を、実証運用の結果を生かし、実用化に向けて進められたい。
 在宅療養体制を推進し、認知症グループホームやケアハウス、小規模多機能拠点など、地域密着型施設を増強し、在宅療養支援窓口や訪問看護ステーションの充実を図られたい。
 多死社会を踏まえ、在宅でのみとりなどの検討を進められたい。
 デジタル機器やロボットなどの活用を進め、医療、福祉人材及び障害当事者などの負担軽減と活躍を進められたい。
 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律施行に向けて、さらなる相談体制の充実を図られたい。
 婦人保護施設の入所に当たっては、一時保護所を経由せず、一時保護委託した女性を直接入所につなげるよう本格実施されたい。
 特定妊婦の対応は、誰も取り残さない姿勢で民間団体との連携を進められたい。
 性自認が女性のトランスジェンダーの方が一時保護を必要としている場合には、都として対応できるように具体的方法を検討し、直ちに実施されたい。
 東京都のパートナーシップ制度の開始を踏まえ、LGBTQや性的マイノリティーの方々でも里親登録が可能であることを総務局との連携で周知されたい。
 ひきこもり当事者の実情に応じた切れ目のない支援に向け、区市町村、関係機関と連携し、取り組まれたい。
 精神疾患や障害のある方が地域で生活できる事業を区市町村と連携して重層的に強化されたい。
 医療的ケア児日中預かり支援事業は、当事者の利益を最優先に構築すること。さらに、保護者の就労を支えるために送迎についても組み込まれたい。
 医療的ケア児のペアレントメンターについては、オンライン対応のさらなる充実を図られたい。
 以上です。

○北口委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和六年度予算関連議案について意見開陳をいたします。
 令和六年度一般会計予算案では、人への投資や安全・安心の確保など、東京が持続可能な都市へと発展するための取組が事業化されています。
 具体的には、高校授業料実質無償化の所得制限撤廃や公立小中学校、都立学校における給食費の負担軽減、介護職員の処遇改善に向けた支援、さらには激甚化する豪雨に対応可能な調節池の整備やマンション防災の取組の強化など、都議会公明党が強く求めてきた施策が随所に盛り込まれており、高く評価いたします。
 また、事業評価による見直しや都債の残高の減少など、持続可能な財政運営にも配慮した予算案となっています。
 引き続き、急激な景気変動にも耐え得るよう、財政基盤の一層の強化と迅速かつ的確な事業実施を強く望みます。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、福祉局関係です。
 一、高校生等への医療費助成について、全ての区市町村で引き続き実施できるよう取組を継続するとともに、令和八年度以降の財源や所得制限の取扱いなどについて区市町村と協議を進めること。
 一、東京都こども基本条例の理念に基づき、子供の意見表明や権利擁護の取組を区市町村とも連携し進めること。
 一、第二子以降の保育の無償化について、より多くの児童が無償化の支援を受けられるよう、あらゆるタイプの保育所等で推進すること。
 一、保育について区市町村が抱える課題に寄り添い、多様な保育ニーズに幅広く応える都の支援制度とすること。加えて、就労の有無にかかわらず、希望する全家庭向けに非認知能力の育成につながる集団保育を提供できる環境整備を推進すること。
 一、プレコンセプションケアの普及啓発や、不妊治療及び不育症検査等に要する費用の助成、妊産婦の産前、産後ケア、多胎児への支援など、妊娠から子育てに至る一貫した支援の充実を図ること。妊婦健診の普及啓発や超音波検査の拡充、企業やNPO法人などによる子育て支援の促進を図ること。
 一、流産、死産された方へのグリーフケアに取り組むこと。
 一、社会全体で虐待の防止に関する理解を深め、その防止に関する取組を推進するとともに、中長期的な視野から児童相談体制の強化を図ること。
 一、都内外の障害児者の入所施設、強度行動障害を有する方等の重度障害者にも対応可能なグループホーム及び通所施設の基盤整備を進めるとともに、児童発達支援センター等の基盤整備の促進に取り組むこと。
 一、都型を含む放課後等デイサービス事業について、人件費の増に資する補助事業の積極的な改善と利用しやすい要件への見直しを図り、質の向上を図ること。
 一、発達障害者やひきこもり者に加え、盲ろう者児の支援の充実に向け、多職種専門チームの活用を図る等、切れ目なく特性に応じた支援の強化を図ること。
 一、医療的ケア児とその家族が地域で安心して療養生活を送れるよう、保護者への就労支援やレスパイトの対応を含め、受入先の確保、医療的ケア児に対応できる訪問看護ステーションの拡充に取り組むこと。
 一、精神科病院での虐待防止の取組を進めるとともに、精神疾患に関する地域医療連携体制を整備するほか、若年者の早期治療に結びつく垣根の低い相談や就労への支援を強化すること。
 一、困難な問題を抱える女性の支援について、区市町村の取組を支援するとともに、都としても、女性相談支援センター等の強化により、より実効性のある取組を推進すること。
 一、物価高騰等の影響による不安定な社会経済状況下であっても、子供たちが自立に向けて目指す道に挑戦できるよう、低所得世帯の子供たちの学びを支援すること。
 一、デフリンピックの機会を捉え、障害者と健常者の心のバリアフリーをより一層推進するとともに、障害者の情報保障等を推進し、より住みやすいまちづくりを進めること。
 一、シルバーパスについては、住民税課税者も非課税者と同様の安い費用負担にすべきであり、制度の充実を図ること。
 一、介護、福祉業界の担い手不足の解消に向け、大都市の生活コストに応じた処遇改善に取り組むこと。
 一、デジタル機器やロボットなどの活用を積極的に進めて、福祉の現場での働き手や利用者の負担の緩和、活躍の促進を図ること。
 一、若年や高齢を問わず、MCIを含めた認知症患者とその家族を支える体制を強化し、相談体制の充実に努めること。また、認知症検診を実施する区市町村を支援するほか、認知症抗体医薬を活用できる医療体制を構築するなど、早期診断、早期対応の取組を一層推進すること。
 次に、保健医療局関係についてです。
 一、がん、脳卒中、心不全の三大疾病に感染症対応を含め、在宅医と専門医との間でDXを駆使した画像診断や助言とウエアラブル機器を活用した療養者への二十四時間の健康管理の体制整備を推進し、在宅療養体制の質の向上を図ること。
 一、デジタル機器やロボットなどの活用を積極的に進めて、医療の現場での働き手や利用者の負担の緩和、活躍の促進を図ること。
 一、保健、医療業界の担い手不足の解消に向け、DXを活用して人材の確保、育成、定着を図る事業を推進すること。
 一、ハイリスクに対応した周産期母子医療センターの整備を進め、二十四時間体制での対応の充実を図ること。特に、多摩地域での整備の遅れを解消すること。
 一、東京都がん対策推進計画に基づき、新たながん治療の開発、がん登録、がん教育、小児、AYA世代のがん対策、アピアランスケア、緩和ケア、ピアカウンセリング、がん患者の就労支援などについて、取組の充実を図ること。あわせて、女性のがん対策の普及啓発を図ること。
 一、来年度、六十五歳以上の高齢者に肺炎球菌ワクチンの接種を呼びかけるとともに、定期接種の実質無償化が実現するよう、都として取り組むこと。
 一、小児インフルエンザワクチンの任意接種について、補助を行う区市町村を支援し、保護者の負担軽減に取り組むこと。
 一、感染症患者を含む救急搬送の応需率の向上を図るとともに、応需後の適切な治療対応の実施を点検すること。その上で、意欲的な医療機関への支援の強化や地域救急医療センターの受入れ調整力の充実を図ること。
 一、基地病院と連携しながら東京都のドクターヘリを運航するとともに、近隣県との連携や災害時の活用に向けたドクターヘリの運用に関わる具体的な方策について検討を進めること。
 一、小児科、産科などの地域医療を担う医師、看護師を育成するため、奨学金制度の取組を進めるほか、勤務医の離職防止や離職看護師の復職に向け、効果的な支援を行うこと。
 一、回復期や慢性期の医療機能を担う中小病院を効果的な医療連携に導くこと。
 一、難病医療ネットワークを構築し、難病患者を早期診断から地域での療養生活まで支える体制の充実を図ること。
 一、新型感染症の発生に備え、必要な医療提供体制の整備や医療従事者への感染症対応に関わる研修等を実施するとともに、感染拡大時に高齢者施設等において生活の質を落とさず生活を継続できるよう、必要な対策に取り組むこと。
 一、都立病院は、独法化後も行政的医療及び高度先進医療を提供するとともに、地域医療の充実に貢献し続けていくため、医療人材の確保などの課題に総力を挙げて対応すること。
 一、都立病院は、がん診療について、集学的治療の実践や小児がん医療への取組、医学物理士等の高度な専門職の確保、育成、患者支援センターによる就労支援や社会保険労務士との連携、診療体制の整備などにより、がん治療と仕事の両立を支援すること。また、最新のがん対策として、陽子線治療について、区部と多摩部の都立病院への複数箇所の導入や必要な専門人材の確保と育成を迅速に進めること。
 一、島しょ医療の充実や東京総合医療ネットワークの構築に向けた支援に取り組むこと。
 一、新型コロナウイルス感染症について、都立病院は必要な病床を確保し、引き続き積極的に患者を受け入れること。さらに、コロナ後遺症相談窓口において、後遺症を和らげる診療に結びつく治療の実践と最寄りの医療機関の紹介など、相談者に寄り添った支援を継続すること。
 一、殺処分ゼロの継続に向け、動物飼養情報の普及、保護動物の譲渡の促進、動物愛護団体への支援の充実、保護機能付動物愛護センターの整備、災害時の同行避難の促進等を図ること。
 一、多死社会を踏まえ、区部の公営火葬場の在り方を再検討し、民営に頼ることなく火葬ができる体制づくりを都としても支援すること。
 一、感染症等で亡くなった方の火葬に関して、都は実態を把握して民間火葬事業者に受入れ協力の調整を図ること。
 以上をもちまして、都議会公明党を代表しての意見開陳といたします。

○里吉委員 日本共産党都議団を代表して、厚生委員会に付託された二〇二四年度東京都予算案に対する意見を述べます。
 新年度予算案に、介護、障害福祉職員への月一万円から二万円の居住支援手当が盛り込まれたことは、現場で働く皆さんの運動の成果であり、重要です。さらに制度の拡充を求めるものです。
 一方、都民が物価高騰に苦しむ中、生活困窮者支援の予算は減額され、高過ぎる国民健康保険料を引き下げる財政支援はなく、ひとり親家庭や障害者に対する現金給付の児童育成手当、障害者福祉手当の額は、二十八年間、一円も上がっていません。
 新型コロナ対策の予算は大半が終了となり、高齢者施設や障害者施設から求められている定期的なPCR検査や、コロナの治療薬の自己負担分に対する公的支援もなくなります。
 我が党は、都民の暮らしを支える施策を抜本的に拡充し、保健、医療、福祉の強化を進めることを求めるものです。
 以下、まず、保健医療局に対して意見を述べます。
 独法化した都立病院は、東京都直営に戻すこと。
 都立病院機構への運営費負担金は、物価高騰を踏まえて大幅に増額すること。
 行政的医療を後退させず、充実させるため、都立病院の医師や看護師など職員を増員するとともに、処遇改善を行うこと。
 現在、都立病院全体で六百二十九病床ある休止病床を再開すること。
 小児総合医療センターの小児精神科は、地域の要望に応えて、通院も入院もしっかり受け入れる体制を整えること。
 多摩北部医療センターの建て替えは、住民参加で進め、産科とNICUの設置、小児外科の設置、小児科の充実、高齢者の聞こえの支援の充実など、抜本的に拡充すること。
 都立病院で無料低額診療事業を実施すること。
 がん検診センターは、がん検診や調査研究、専門技術者の養成研修等を行う都のがん対策の中核機関として位置づけ直し、拡充すること。
 新型コロナウイルス感染症対策として、都の行っているモニタリング分析、公表は、少なくとも同様の内容で継続すること。高齢者施設、障害者施設、医療機関等での定期的なPCR等検査を実施すること。
 保険診療でのPCR等検査や、コロナ治療薬の自己負担分に対する公的助成を行うこと。
 無料PCR検査と都民への抗原定性検査キットの配布を実施すること。
 物価高騰の影響を受けている医療機関への補助を行うこと。
 NICUを二次医療圏ごとに設置するため、新たな計画をつくること。特に不足が著しい多摩地域への整備を促進するため、整備促進加算を創設すること。
 多摩地域の東京都の保健所を増設すること。
 島しょ地域住民が都内の医療機関にかかるための費用を補助すること。また、島しょ地域への専門医師派遣についての補助を拡充すること。
 都立看護専門学校の定員を増やし、受験料、入学料、授業料、寄宿舎使用料を無料にすること。
 国民健康保険料、税の負担軽減のために、さらなる財政措置を行うこと。子供の均等割は十八歳まで全額免除となるよう国に求めるとともに、国が拡充するまでの間、都独自で軽減措置を実施すること。
 後期高齢者医療保険料を軽減するため、後期高齢者医療広域連合への財政支援を行うこと。
 有機フッ素化合物の血中濃度を調べる血液検査を実施すること。
 大気汚染健康障害者の医療費助成事業の十八歳以上の新規認定と全額助成を再開すること。
 福祉局についてです。
 認可保育園の保育士配置基準を抜本的に改善すること。
 認可保育園の児童定員に応じた運営費を保障すること。
 公立保育園の整備費、運営費への補助を行うこと。
 学童保育は子供の生活の場として重要であるという立場で、質の向上や待機児の解消など拡充を進めること。
 保育、学童保育、児童養護施設など、児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉などに従事するケア労働者については、専門職にふさわしく、処遇改善、賃金引上げのために、都としてさらに財政支援を行うこと。
 都内の子供を受け入れている都外の医療型障害児入所施設に対し、サービス推進費を支払うこと。
 都の児童相談所は、人口五十万人以下に一か所となるよう増設すること。多摩地域でもサテライトオフィスの設置を進めること。
 児童福祉司や児童心理司を大幅に増員するとともに、経験者からの任用なども増やし、人材育成に力を入れること。
 出産育児一時金を都独自に増額するとともに、妊婦健診の自己負担無料化を実現するなど、妊娠、出産に係る費用の無料化を進めること。
 児童育成手当を増額すること。
 十八歳までの医療費助成は、所得制限と窓口負担をなくし、都内どこでも完全に無料にすること。
 〇一八サポートは、今年度同様、生活保護の収入認定から除外できるようにするとともに、手続は簡素にできるように改善すること。今年度に受給できなかった方への救済措置を講じること。
 高齢者医療費助成に踏み出すこと。
 介護保険料を軽減するため、区市町村への財政支援を行うこと。
 都として、介護保険利用料の減免制度をつくること。
 特別養護老人ホームや地域密着型サービスなどの整備費、運営費への補助を拡充し、大幅に増設すること。
 物価高騰の影響を受けている福祉施設、事業所への補助を行うこと。
 高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業は、補助率の引上げをはじめ、さらに充実させ、補聴器購入費助成の実施自治体数を増やすとともに、助成額の引上げを促進すること。聴力検査への補助を行うこと。
 アウトリーチの充実、精神疾患についての理解促進のための啓発の強化、家族支援の充実、精神科病院での権利擁護のためのシステムの強化など、精神疾患を抱えた方が地域で安心して生活できるための施策を抜本的に強化すること。
 シルバーパスを無料化するとともに、多摩都市モノレール、「ゆりかもめ」、都県境のバス路線も適用の対象とすること。
 少女たちが暴力や搾取にさらされず、当たり前の日常を送ることができる社会にする責任が行政にあることを踏まえて、女性相談支援センターや児童相談所の改善、拡充や、各種の福祉施策の拡充などを進めるとともに、若年被害女性等支援事業は、補助ではなく委託で責任を持って行い、拡充すること。
 生理の貧困問題の総合対策を積極的に推進すること。
 認知症グループホーム入居者への家賃補助を実施すること。
 障害者グループホームの都加算は、利用者が外泊や入院した日も同じ単価を保障する仕組みを復活することをはじめ、拡充すること。
 都型放課後等デイサービス事業は、質を維持向上できるよう抜本的な拡充を行い、実態に合った内容に改善を図ること。
 心身障害者福祉手当を増額し、精神障害者にも支給するとともに、六十五歳以上の新規認定を再開すること。
 心身障害者医療費助成の対象者を中度、軽度の障害者にも拡大すること。
 盲ろう者支援センターを多摩地域にも設置すること。
 都内避難者の孤立防止や総合相談窓口などの支援を拡充するとともに、都民と同様の行政サービスを受けることができるよう支援を強化すること。
 生活保護の申請は権利であることを積極的に広報するとともに、申請者が拒否した場合は扶養照会を行わないこと。
 生活困窮者や低所得者をはじめ、支援が必要な全ての人に、現金給付も含めた物価高騰対策の支援を行うこと。
 都内のネットカフェ等を利用している住居喪失不安定就労者の実態調査を行うこと。
 市販薬のオーバードーズなど、依存症、アディクションについての実態調査を行うとともに、背景に生きづらさがあることや回復ができることを含め、正しい知識を広く啓発すること。
 多摩地域に精神保健福祉センターを増設すること。
 以上です。

○鈴木委員 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された令和六年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 東京都の令和六年度予算は、法人二税等の都税収入の増加を背景に、昨年に続き過去最高の一般歳出予算額となりました。
 私たちは、未来に向けて投資をするとともに、障害の有無、雇用形態、性別を問わず、個性と能力を十分に発揮することができるジェンダー平等の確立、性的指向や性自認、家族構成などで差別されない社会を東京から実現していくことが必要との基本理念の下、都民の経済や暮らし、生活に対する満足度を向上させていく取組が十分行われるか、政策の持続可能性は十分かとの観点から、予算案に対する質疑を行ってまいりました。
 物価高騰は歴史的な水準に達しており、実質賃金の減少で都民生活に大きな影響が出ています。東京の産業、経済を支える中小企業においても、物価上昇を上回る賃上げが実現できるよう、都としても率先して機運醸成に努めていただくよう求めるものです。
 また、学校給食の無償化については、全ての市区町村で実施することができるようにすることを教育の無償化に向けた最優先課題として強く要望いたします。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に関わる事項について申し上げます。
 まず、福祉局関係について。
 一、〇一八サポート事業について継続して実施するとともに、事業目的の明確化や事業効果の検証を行うこと。
 一、高校生をはじめとした子供の医療費助成に関して、市長会からの要望等を踏まえ、所得制限の撤廃など施策の拡充に取り組むこと。受験生チャレンジ支援など、子供に関わる支援策の所得制限を撤廃すること。
 一、保護者の就労等の有無にかかわらず、保育所等で児童を預かることで多様な他者との関わりの機会を創出すること。学童クラブの待機児童を解消するとともに、質向上に取り組むこと。
 一、子供食堂において、配食や宅食を通じて家庭の生活状況を把握し、必要な施策につなげるよう取り組むこと。
 一、児童虐待死ゼロに向けて取り組むこと。児童相談所について、政令で定められた基準に見合う人員を確保するなど体制を強化するとともに、子供の意見表明に対する支援を拡充すること。また、一時保護所を確保するとともに、常勤職員を増員するなど環境改善を図ること。
 一、家庭的養護や養育家庭への委託を推進すること。また、フォスタリング機関事業の実施をはじめ、里親へのサポート、支援を一層充実させること。
 一、不妊治療について、男性不妊治療への支援をはじめ、卵子凍結等への支援を拡充すること。
 一、四月から施行される女性支援新法を踏まえ、支援策を拡充すること。家庭生活に困難を抱える特定妊婦及び母子等に対する住まいや食事の提供、医療機関等の関係機関との連携など、支援策を強化すること。
 一、ケアラー支援条例を制定するなど、ケアラーを理解し支える東京づくりを進めること。民間団体と連携して、ヤングケアラーが悩みなどを共有できるオンラインサロンやピアサポート、家事支援ヘルパー派遣等の支援活動を強化、推進すること。
 一、介護難民ゼロに向けて、フレイル予防や社会参加の促進など介護需要を抑制するとともに、現場のDXや宿舎借り上げ支援など介護人材の確保、育成、定着に取り組むこと。居住支援特別手当が全ての事業所で活用されるよう、積極的に働きかけること。
 一、特別養護老人ホームについて、建築価格の高騰や人件費の高騰、地域偏在への対応強化を含め、整備を推進すること。
 一、認知症の人が地域の一員とした役割を持てるよう、認知症の人の社会参加を推進すること。また、新薬に対応した医療供給体制を整備すること。
 一、障害者施策として、都庁全ての審議会において障害者を一定数以上割り当てるなど、障害当事者の意見反映について積極的に取り組むこと。
 一、障害者差別解消に向けて理解促進に取り組むとともに、障害者差別に関する相談に対しては、相談者の立場に十分寄り添いながら対応すること。
 一、心身障害者医療費助成制度の対象拡大を検討するなど、障害者の経済的な自立に向けて対策を講じること。
 一、障害者が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、地域生活支援拠点の連携機能の強化に向けて取り組むこと。また、障害者の地域移行を促進するため、特定相談支援事業者と関係機関等との連携強化を図ること。
 一、精神障害者の精神科病院からの地域移行等、障害者の地域移行、定着を促進すること。
 一、精神科病院における虐待通報窓口の設置を進め、虐待防止、早期発見に向けた病院側の体制整備を支援すること。また、医療保護入院者等に対して真摯に相談に乗り、必要な支援等につなげる訪問支援員の養成、派遣に取り組むこと。
 一、虐待事件を起こした滝山病院の理事長及び医院長の管理監督責任を厳しく問うとともに、都の指導の下、改善計画が現場レベルで浸透するよう取り組むこと。
 一、アルコール依存症対策として、医療機関との連携や自助グループとの連携をはじめ、飲酒に伴うリスクの周知や減酒支援など幅広い支援について取り組むこと。
 一、生活困窮者に対して、生活、居住、就労相談などの支援の充実に向けて、NPOへの支援強化を図ること。無料低額宿泊所や生活困難者の実態調査を実施すること。
 一、ホームレス対策として、自立の意思を持つ全てのホームレスの地域生活への移行を確実に実現すること。
 一、都の福祉現場で働く会計年度任用職員の処遇改善を図るなど、福祉人材の確保、育成、定着に取り組むこと。
 次に、保健医療局関係についてでございます。
 一、保健所体制の強化について、初動体制の遅れが出ないよう、都庁からの支援体制をあらかじめ決めるとともに、別の業務を行っている保健師などが平時より感染症の知識を身につけるなど、人材の確保に万全を期すること。また、保健所の所管区域が大きいことで基礎的自治体との連携が不十分にならないよう、連携体制を構築すること。
 一、がん対策を推進するため、がん検診の受診率向上を図るとともに、療養生活の質の向上と相談支援体制の充実を図ること。あわせて、東京都がん対策推進条例を制定すること。
 一、医療の二〇二四年問題への対応として、医師の勤務環境の改善に取り組む医療機関を支援するとともに、長時間労働医療機関への医師派遣を支援すること。
 一、都立病院について、行政的医療の提供等に必要な費用は、これまでと同様、都の負担とするとともに、行政的医療のより一層の充実強化に取り組むこと。
 一、若者等のオーバードーズ対策として、薬局等への指導を強化するとともに、薬物乱用を繰り返す若者への支援を強化すること。
 一、PFASについて、横田基地近くの井戸でのモニタリングを再開実施すること。また、都としてバイオモニタリングを実施するなど、都内全域のPFASの汚染状況を把握すること。少なくとも、PFASを多用していた米軍基地や工場関係者の検査を実施すること。さらに、都民の安心に資するよう、PFASに関する相談体制を継続するとともに、国とも連携しながら、適正、的確に最新の情報を提供すること。
 一、公営火葬場の整備支援や民間火葬場の利用負担軽減など、今後迎える多死社会を見据えた対策を検討すること。
 一、都の新型コロナウイルス感染症対策を検証すること。とりわけ、都内の病床確保は十分だったのか、ICUや高齢者医療施設は十分だったのか、都として十分な検証を行って、今後の施策に生かすこと。
 以上でございます。

○上田委員 令和六年度予算は、前年度対比三%増の十六兆五千五百八十四億円、一般会計予算は五・一%増の八兆四千五百三十億円、新規事業は七百四十一件約二千九百億円も含め、五年連続過去最大予算となりました。
 今回も、予算全体は、〇一八サポート、私立無償化、困窮世帯への一万円商品券支給、都民からの苦情殺到のプロジェクションマッピング事業と、三期目都知事選を意識した目新しい、耳心地のよい事業が満載です。
 ばらまきをすれば都民は喜び、追随してくれると考えているのでしょうが、世論が動いた神宮外苑問題を見れば分かるように、小池都政を見詰める都民視線の厳しさを自覚すべきです。
 DX推進はよいとしても、今般予算は、知事選直前のばらまき、デラックス推進予算と断罪し、おのれの政治生命ファーストの道具に都政と都民の貴重な税金を使うことを断じて許さないと地域政党自由を守る会は強い疑義を呈し、厚生委員会におけます令和六年度予算調査の意見開陳をいたします。
 令和五年度は改正児童福祉法施行、六年度は改正精神保健福祉法、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律と、社会的弱者を救う節目となる法改正、新設がめじろ押しです。
 折しも滝山病院事件が発生し、都の精神医療の歴史の汚点ともなり得るものとなりました。精神保健福祉法の改正の目玉は、第一条の目的に、障害者基本法の基本的な理念にのっとり、精神障害者の権利擁護を図ることが加わったことだと私は考えます。改正を受けて、精神障害者福祉はもちろんのこと、医療、福祉現場において、あまねく都民の権利擁護と東京都及び事業者の人権意識のさらなる向上を求めるものでございます。
 それでは、各項目、申し上げます。
 国連子どもの権利条約と都こども基本条例の理念にのっとり、子供の最善の利益の実現に向け、子供の意見表明が保護者の意向や親権よりも尊重され、児相、一時保護所、養護施設等あらゆる場所で実現できる具体的政策展開を可及的速やかに推進すること。
 意見表明等支援員については、子供に慕われる多彩な人材を登用し、人材育成事業を具体化すること。
 一時保護所、施設にいる子供たちの意見表明やSOSを権利ノート、意見箱以外のタブレット等、即時かつ容易に外部に連絡できる体制を構築すること。
 児童福祉法改正施行に当たって設置される子供家庭センターについては、区市町村の意向に沿った柔軟な事業、施設とするよう支援すること。
 同法に当たり、相次ぐ虐待や不正を受け、保育所の実地検査の緩和はせず、一〇〇%実施すること。
 都出産応援事業については、委託費が発生する物品、カタログ等ではなく、現金支給とすること。
 ヤングケアラーの都独自の実態調査を行うと同時に、ケアラー支援に係る条例を制定すること。
 社会的養護については、養育家庭をはじめとした里親制度の活用を中心に進めていくこと。
 児童虐待事案は、警察と全件共有をすること。そのためのデータベース化を爆速で進めること。
 児相一時保護所においては、定員の量と質の拡充に努め、保護者への接遇の質をも高めること。
 児相に弁護士を常駐させ、必要とあれば機動的に法的対応ができる体制を整えること。
 一時保護所、施設における医療保護入院措置については、子供の意見表明を最優先とし、家族同意においては、DV、虐待加害者当事者を除外し、安易、拙速に行わないこと。
 都内不妊治療医療施設への里親、特別養子縁組の情報提供と協力呼びかけを徹底し、養子縁組への支援をするとともに、実態を把握すること。
 卵子凍結事業においては、とりま凍結、お試し凍結と、高齢出産に不安な女性心理に付け込む医療ビジネスの温床としないよう、適正運用に努めること。
 児相での新生児委託については、出産直後の里親委託、特別養子縁組を推進していくこと。
 施設入所者等における高校、大学への進路指導、就職支援の機会を保障すること。
 養護施設退所者を悉皆で把握し、ふらっとホーム等、都政事業の周知徹底をし、社会的養護経験者の自立支援を促進すること。
 妊産婦自殺防止を進めると同時に、特定妊婦等ハイリスク母子への切れ目のない支援をすること。
 特定妊婦が内密出産を望めば、それを実現するために、都内の民間病院を所管する福祉局、保健医療局は、各病院が様子見する中、受入れ体制の確保を促すこと。
 赤ちゃんポスト事業、養子縁組については、民間医療法人やNPOに安易に委ねず、まず、都立病院と児相が連携し、都において責任を持って推進すること。
 海外への養子縁組あっせんについては、あっせん法の理念に基づき行わないこと。
 ベビーライフにより海外へあっせんされてしまった二百九名の養子については、都ができ得る限りの対応を講じ、その安否を見守り続けること。
 人口減少社会を見据え、定員割れも想定しながら、地域保育需要に沿った待機児童対策を講じること。
 ベビーシッター事業においても、第三者評価制度を導入し、ベビーシッター事業を含む認可外保育施設に対する巡回指導体制を強化すること。
 キッズラインのベビーシッター利用支援事業の認定取消しと類似事案の再発防止を講ずること。
 性犯罪等重大犯罪を発生させた児童福祉に係る事業者においては、厳峻な措置を講ずること。
 補助金不正請求、虐待等不祥事を発生させた保育事業者においては、厳しく指導すると同時に、新規開設については慎重な対応をすること。
 都外障害児者施設の指導、管理を徹底させること。
 地域移行を推進し、障害者グループホームの施設整備を強化すること。
 福祉、介護現場の処遇改善はもちろんのこと、障害当事者の処遇改善のため最低工賃を設定し、工賃、報酬の見直しを図り、少なくとも工賃倍増五か年計画を可及的速やかに達成すること。
 障害者、高齢者、児童虐待防止法、都条例に基づき、全庁的な取組を進め、福祉施設での虐待発生状況の把握に努め、実効性のある防止策を策定し、適切に事業者管理監督、指導権限を活用することで、虐待を未然に防ぐこと。
 言葉と聞こえの教室の拡充支援をすること。
 介護予防、フレイル予防策は、具体的で実効性の高い現実的な事業とすること。
 法令に基づき、動物取扱事業者に対する指導監督を強化し、動物愛護を徹底すること。
 区市町村、民間団体、個人等と連携し、地域猫対策、センター対象外の飼育動物愛護を推進すること。そのためにも、一度頓挫した新たな動物愛護相談センター建設計画を速やかに実現すること。
 医療安全推進協議会等の附属機関において、フェアな人材を積極的に登用すること。
 三多摩地区も監察医務院の対象とし、新設を前向きに検討し、国へも働きかけること。
 医師における利益相反マネジメントについて、全都立病院で実効性を持って徹底すること。
 入院中の子供の教育環境、保育環境の整備に努めること。
 都立病院では、小児総合医療センターを中心に、児童虐待の見立てができる小児科医を育成し、医療的リスク評価やノウハウを児相、警察、監察医務院等関係各機関と共有、連携を図ること。
 発達障害者支援ハンドブックを改定する際は、薬物療法コラム担当医師から利益相反手続違反を犯した医師を除外し、薬物投与よりもアセスメントを重視する医師に変更すること。
 精神医療における向精神薬投与は、単剤処方など多剤投与による副作用リスクを減らし、子供への向精神薬投与については、投薬以外の方法を第一に選択すること。
 監察医務院において、異状死に見られる薬物乱用、依存などの実態に対する研究に類する研究を再度行うこと。
 真に自立のできる自立支援医療施策を展開すること。
 診療報酬不正請求、薬の不正処方、譲渡、患者への虐待や傷害、名誉毀損、医師法違反、刑事罰に至った医師、病院の医療再開を厳しく監視すること。
 改正精神保健福祉法にのっとり、精神病院に対する指導監督等の徹底についての厚労省通知を徹底するのは無論のこと、都は率先して実地指導、予告なき立入検査等をちゅうちょなく速やかに行い、都が法的に有する権限を行使し、必要な行政処分を速やかに実施する体制を構築すること。
 滝山病院においては、希望する全ての患者のスマートフォンを認め、現在二十一人の希望者を速やかに転退院させ、朝倉重延医師及び親族を一掃し、一旦廃院し、理論上は可能な都立病院から医師派遣をするなど、解体的出直しを都が積極的に関わって図ること。
 精神保健福祉法第二十一条二項、第三十六条一項、第三十七条一項を徹底遵守し、任意入院者が希望すれば速やかな退院を実施し、病院においては、不必要な行動制限やスマートフォン利用の不必要な制限を撤廃すること。
 改正精神保健福祉法では、精神科クリニックにおける虐待について包括できていないことから、保健所と連携強化を図り、虐待防止を図ること。
 悪質な訪問看護事業者管理を徹底し、適正化を図ること。
 独法化後も債権放棄等の早期解消、医業収益比率並びに一〇〇%未満の医業収支比率の改善をし、財務健全性を保つこと。
 都立病院における外国人患者の医療費未払いを防止すること。
 若年被害女性等支援事業においては、引き続き都民に疑義を持たれぬ運営の管理指導、支援を実施すること。
 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律施行に当たり、都事業において、まずは生来女性を最優先に救済を図り、保護する施設等においても、当面、生来女性のみとし、トランスジェンダー支援とは分けて実施をすること。
 以上、福祉、医療政策が、東京都知事選を意識したようなばらまき施策、福祉、医療の美名の下、隠れみのにした拝金主義的事業者にビジネスとして利用、悪用されず、都民の命、心身の安全を守る本来の目的が遵守され、全職員が士気高く生き生きと働き、全都民の福祉、保健、公衆衛生が増進される福祉局、保健医療局、都政となることを願い、自由を守る会の意見開陳といたします。
 以上です。

○あかねがくぼ委員長 以上で予算案に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○あかねがくぼ委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第六十七号議案から第九十八号議案まで及び議員提出議案第二号を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、発言の申出がありますので、これを許します。

○原委員 日本共産党都議団を代表し、意見を述べます。
 まず、第八十五号議案、東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例についてです。
 大きくいって二つの問題点があります。一つは、居宅介護事業所の管理者が敷地外のほかの事業所、施設等の職務も兼任できるようになるという規制緩和です。
 もう一つは、共生型サービスの拡大です。今回、通所リハビリの事業者が、共生型自立訓練をできるように改正するとしていますが、共産党都議団としては、二〇一八年第一回定例会で提出された共生型サービスを導入する基準条例改正に反対しています。
 その際、介護保険と障害福祉のいずれかの指定を受けていれば、もう一方における指定も受けやすくするというのが共生型サービスです。しかし、高齢者福祉と障害者福祉は、それぞれ専門性のある分野であり、それに応じて基準も定められています。安易に乗り入れてよいとするものではありませんと指摘しました。よって、適用拡大をする本議案には反対をいたします。
 次に、第八十九号議案、東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例についてです。
 東京都清瀬喜望園を社会福祉法人に移譲するため、条例から削除するものです。
 指定管理者制度導入後も、現場では、入所している方々へのケアが後退しないように取り組まれてきました。本来、東京都の施設として残すべきです。よって、反対するものです。
 次に、第七十号議案、東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例は、離島や過疎地における職員配置基準の緩和をするものであり、反対をいたします。
 次に、第六十九、七十一、七十二、七十三、七十四、七十五、七十七、八十号議案についてです。
 これらは、介護、高齢者福祉と障害児福祉に関わる施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部改正です。
 管理者や施設長が別の施設と兼務する場合の基準は、これまでは管理上支障がない場合で、なおかつ同一敷地内にある他の事業所となっていましたが、今回の改正では同一敷地内という条件が削除されます。これは規制緩和であり、介護の質や安全の面から課題があり、反対します。
 なお、これに関する管理者についての規定がもともと規則に委任されていて、今回の条例案文に出てこないものもありますが、このような重要な内容は、本来、条例本文で定めて、基準を緩和しないようにするべきです。都はそうせずに、規則の改定により基準を緩和しようとしていることから、該当する条例案には反対いたします。
 次に、第九十六号議案、東京都保健医療局関係手数料条例の一部を改正する条例についてです。
 食品衛生法の改正を踏まえ、手数料の額の規定を定めるものです。
 食品衛生法の改正は、HACCPに沿った衛生管理の制度化を盛り込んだものですが、共産党としては、十分な準備期間と小規模事業者への支援を求めてきました。しかし、既に撤退している事業者も出てきています。
 今回の手数料の改正は、都の判断で設定できるものであり、しかも、多くが値上げになることからも、急速な物価高騰もあって、小規模事業者の経営がただでさえも大変な中で実施すべきではないと考え、反対いたします。
 続いて、今回提出された議案の中で、障害福祉に関して懸念される課題が幾つかあるため、意見を述べます。
 第八十五、八十七、八十八号議案では、障害者グループホーム利用者と障害者施設利用者の地域移行を促進することが位置づけられました。
 グループホームについては、居宅における自立した日常生活を希望する入居者につき、また、施設については、利用者の自己決定の尊重及び意思決定の支援に配慮しつつとの文言はありますが、地域移行先にありきではなく、利用者の人権と尊厳に十分配慮すべきであることを指摘します。
 障害児福祉に関わる第七十八、七十九、八十、九十、九十一号議案については、児童福祉法改正により、児童発達支援センターの一元化が行われることによるものです。
 これまで児童発達支援センターについては、福祉型と医療型がありましたが、これが児童発達支援センターとして一元化されます。それによる人員基準の後退はないとされているものの、手厚い支援が必要な子供のケアを後退させないでほしい、一律の支援になったら困るとの懸念の声が聞かれます。こうした声に応え、福祉の後退を招かないよう、必要に応じて現場を支援することを強く求めておきます。
 最後に、共産党都議団として提出した東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例案について、皆さんの賛同を呼びかけて、意見表明を終わります。

○あかねがくぼ委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第二号を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○あかねがくぼ委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第二号は否決されました。
 次に、第六十九号議案から第七十五号議案まで、第七十七号議案、第八十号議案、第八十五号議案、第八十九号議案及び第九十六号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○あかねがくぼ委員長 起立多数と認めます。よって、第六十九号議案から第七十五号議案まで、第七十七号議案、第八十号議案、第八十五号議案、第八十九号議案及び第九十六号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第六十七号議案、第六十八号議案、第七十六号議案、第七十八号議案、第七十九号議案、第八十一号議案から第八十四号議案まで、第八十六号議案から第八十八号議案まで、第九十号議案から第九十五号議案まで、第九十七号議案及び第九十八号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あかねがくぼ委員長 異議なしと認めます。よって、第六十七号議案、第六十八号議案、第七十六号議案、第七十八号議案、第七十九号議案、第八十一号議案から第八十四号議案まで、第八十六号議案から第八十八号議案まで、第九十号議案から第九十五号議案まで、第九十七号議案及び第九十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○あかねがくぼ委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あかねがくぼ委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○あかねがくぼ委員長 この際、所管局を代表いたしまして、佐藤福祉局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○佐藤福祉局長 お許しをいただきまして、当委員会所管両局を代表いたしまして、一言御礼のご挨拶を申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定を賜り、誠にありがとうございました。
 ご審議の過程で頂戴いたしました貴重なご意見、ご指摘などにつきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。
 保健医療局、福祉局の所掌事務には明確な境界というものはございません。両局は、引き続き緊密な連携を図り、福祉、保健、医療のさらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。

○あかねがくぼ委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時九分散会