厚生委員会速記録第三号

令和六年三月十五日(金曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長あかねがくぼかよ子君
副委員長磯山  亮君
副委員長斉藤やすひろ君
理事関口健太郎君
理事原 のり子君
理事内山 真吾君
北口つよし君
上田 令子君
伊藤 大輔君
浜中のりかた君
山加 朱美君
鈴木  烈君
里吉 ゆみ君
高倉 良生君

欠席委員 なし

出席説明員
保健医療局局長雲田 孝司君
次長理事兼務谷田  治君
技監感染症危機管理担当部長事務取扱成田 友代君
総務部長船尾  誠君
企画部長DX推進担当部長兼務村本 一博君
保健政策部長感染症保健政策担当部長兼務小竹 桃子君
医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務遠藤 善也君
都立病院支援部長齋藤 善照君
健康安全部長藤井麻里子君
感染症対策部長加藤 みほ君
政策推進担当部長宮澤 一穂君
地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務大出  仁君
医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務岩井 志奈君
食品医薬品安全担当部長早乙女芳明君
感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長
健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務
西塚  至君
感染症対策調整担当部長内藤 典子君
感染症対策調整担当部長松谷いづみ君
感染症対策調整担当部長小原  昌君
感染症対策調整担当部長及川 勝利君

本日の会議に付した事件
意見書について
保健医療局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 保健医療局所管分
・第五号議案 令和六年度東京都国民健康保険事業会計予算
・第八号議案 令和六年度東京都地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第九十四号議案 東京都国民健康保険保険給付費等交付金条例の一部を改正する条例
・第九十五号議案 東京都国民健康保険事業費納付金条例の一部を改正する条例
・第九十六号議案 東京都保健医療局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第九十七号議案 東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第九十八号議案 東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第三号 東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例

○あかねがくぼ委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あかねがくぼ委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○あかねがくぼ委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 令和六年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和六年三月十四日
東京都議会議長 宇田川聡史
(公印省略)
厚生委員長 あかねがくぼかよ子殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十一日(木)午後五時

(別紙1)
厚生委員会
 第一号議案 令和六年度東京都一般会計予算中
        歳出
        債務負担行為 厚生委員会所管分
 第五号議案 令和六年度東京都国民健康保険事業会計予算
 第六号議案 令和六年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
 第七号議案 令和六年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
 第八号議案 令和六年度東京都地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計予算

(別紙2省略)

○あかねがくぼ委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、保健医療局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより保健医療局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 初めに、第一号議案、令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、保健医療局所管分、第五号議案、第八号議案及び第九十四号議案から第九十八号議案までを一括して議題といたします。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○船尾総務部長 去る二月十四日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくりいただきまして、裏面の目次をご覧ください。当委員会で要求がございました資料は全部で二十一項目となっております。
 それでは、一ページをお開き願います。1、二次保健医療圏別NICU病床整備状況でございます。
 令和六年一月一日現在のNICU病床数を都内十三の二次保健医療圏ごとに記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、療養病床を有する医療施設数及び療養病床数(医療保険適用・介護保険適用)の推移並びに介護医療院の施設数及び定員でございます。
 (1)に、令和四年から令和六年までのそれぞれ一月一日現在の療養病床を有する医療施設数及び療養病床数の推移を、(2)に、令和六年一月一日現在の介護医療院の施設数及び定員を記載してございます。
 三ページをご覧ください。3、被爆者の子の健康診断受診票の交付者数及び健康診断受診状況の推移でございます。
 (1)に、健康診断受診票の交付者数を、(2)に、一般検査及びがん検診の種類別の受診者数をそれぞれ平成三十年度から令和四年度まで記載してございます。
 四ページをお開き願います。4、高齢者等医療支援型施設における施設ごとの延べ患者受入数の推移でございます。
 施設別の開設日、稼働床数並びに令和四年二月から令和六年二月までの患者受入れ人数及びそのうち救急受入れ人数を月別に記載してございます。
 五ページをご覧ください。5、都立病院機構の病院における医師の診療科別現員でございます。
 令和六年二月一日現在の現員を病院別及び診療科別に記載してございます。
 七ページをお開き願います。6、都立病院機構の病院における職種別現員でございます。
 令和六年二月一日現在の現員を病院別及び職種別に記載してございます。
 一四ページをお開き願います。7、都立・公社病院及び都立病院機構の病院における看護要員の採用、退職者数の推移でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの採用者数及び退職者数の推移を病院別に記載してございます。
 二一ページをお開き願います。8、都立・公社病院及び都立病院機構の病院における看護要員の年次有給休暇平均取得日数でございます。
 令和四年度の看護要員一人当たりの年次有給休暇平均取得日数を病院別に記載してございます。
 二二ページをお開き願います。9、都立病院機構の病院における研修医受入状況でございます。
 (1)に、初期臨床研修医につきまして、(2)に、後期臨床研修医につきまして、それぞれ令和四年度及び令和五年度の現員数を病院別に記載してございます。
 二四ページをお開き願います。10、都立・公社病院及び都立病院機構の病院におけるPFI事業に係る経費の推移及び累計並びに各事業の契約額でございます。
 (1)に、経費の推移及び令和四年度までの累計を、(2)に、契約額を事業別に記載してございます。
 二六ページをお開き願います。11、一般会計繰入金、運営費負担金、運営費交付金及び保健医療公社への運営費補助金(施設整備関連経費以外)の推移でございます。
 (1)から二九ページの(4)に、一般会計繰入金、運営費負担金、運営費交付金及び保健医療公社への運営費補助金のうち、施設整備関連経費以外の経費の推移を区分別に記載してございます。
 三〇ページをお開き願います。12、一般会計繰入金、運営費負担金、運営費交付金、保健医療公社への運営費補助金とその施設整備関連経費の推移でございます。
 (1)に、一般会計繰入金、運営費補助金及び運営費負担金と施設整備関連経費を、(2)に、運営費交付金と施設整備関連経費をそれぞれ令和六年度までの推移につきまして記載してございます。
 三一ページをご覧ください。13、令和六年度予算案のうち都立病院機構への運営費負担金の項目における令和五年度の項目からの変更点の有無及びその内容でございます。
 変更の有無及びその内容を記載してございますが、変更はございません。
 三二ページをお開き願います。14、都立・公社病院及び都立病院機構の病院における経営指標の推移でございます。
 令和元年度から令和五年度までの経営指標の推移を入院、外来別に記載してございます。
 三六ページをお開き願います。15、都立・公社病院及び都立病院機構の病院における看護要員の離職率(既卒・新卒別)の推移でございます。
 看護要員の離職率につきまして、平成三十年度から令和四年度まで、既卒、新卒別に記載してございます。
 三八ページをお開き願います。16、都立病院機構の病院における専門看護師及び認定看護師の人数及び看護分野の内訳でございます。
 (1)に、専門看護師につきまして、(2)に、認定看護師につきまして、それぞれ看護分野別の人数を病院別に記載してございます。
 四一ページをお開き願います。17、都立病院機構の病院における看護要員の夜勤回数の分布でございます。
 (1)に、三交代制勤務につきまして、一枚おめくりいただきまして、(2)に、二交代制勤務につきまして、それぞれ令和五年十月の実績を病院別に記載してございます。
 四三ページをご覧ください。18、都立・公社病院及び都立病院機構の病院における一直二勤務の実施病院及び実施科の推移でございます。
 一直二勤務の実施病院につきまして、(1)、令和元年度から四七ページの(5)、令和五年度まで、病院ごとに実施科を記載してございます。
 四八ページをお開き願います。19、都立・公社病院及び都立病院機構の独法化前後の事務職員の超過勤務状況でございます。
 月平均の超過勤務時間につきまして、区分別に記載してございます。
 四九ページをご覧ください。20、都立病院機構における障害のある職員への合理的配慮の取組状況でございます。
 合理的配慮の取組内容につきまして、区分別に記載してございます。
 五〇ページをお開き願います。21、医療機関等及び薬局物価高騰緊急対策事業(令和五年度上半期分)の交付決定施設数でございます。
 交付決定施設数につきまして、種別ごとに記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、当委員会で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○あかねがくぼ委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○伊藤委員 それでは、二点、質問をさせていただきます。
 まず初めに、自殺対策について伺います。
 本件については、さきの予算特別委員会の代表質問でも我が会派で取り上げてまいりましたが、改めて来年度からの支援内容についてお伺いをしたいと思います。
 重ねてになりますが、自殺対策基本法制定などを経て国内全体としては自殺者数は減少しているものの、コロナ前と比較をし、昨年の小中高校生の自殺者数、これは増加をしているということを踏まえまして、自殺リスクの高い子供への支援として、来年度から子供サポートチームの設置による支援の充実など、関係機関への研修を実施するなど支援強化を進めるということが示されました。
 そこで、改めて、来年度から取り組む支援の拡充の内容についてお伺いをします。

○小竹保健政策部長感染症保健政策担当部長兼務 都は、自殺未遂者など自殺リスクの高い方をこころといのちのサポートネットにおいて地域での継続的な支援や精神科医療につなげており、これまで、子供も含め多くの事例に対応しております。
 来年度は新たに、サポートネットに、子供の事例に対応可能な精神科医や子供への支援経験を有する精神保健福祉士等の多職種の専門家による子供サポートチームを設置することにより、支援を充実いたします。
 また、学校や地域の支援機関に対し支援事例の紹介などを行いサポートネットの活用を促していくとともに、子供の自殺に関する理解や対応力の向上のための研修を実施するなど、自殺リスクの高い子供への支援を一層強化してまいります。

○伊藤委員 CDRとの連携についてです。
 CDR自体、このこと自体は、これは福祉局の事業になりますが、都がここで、個別事例の検証のためにチャイルド・デス・レビューに取り組むこととしています。対象年齢など、この自殺対策とは制度の立てつけが異なりますけれども、子供、若者の命を守るという意味では、同じ目的を持った事業であると理解をしています。
 それぞれ、これは違う局で行っていく事業になりますが、しっかりと双方が連携をして命を守る施策を進めていただきたいということを、この点は要望としてお伝えさせていただきたいと思います。
 続いて、二点目です。保健所のDX化について質問します。
 都は一月二十六日に、都保健所の体制・機能の強化についてを公表されまして、保健所の業務に対して、新たなデジタルツールの導入などにより、都保健所業務の一層の効率化を推進するとしています。
 私の地元に多摩立川保健所がございます。コロナ禍の際には、地域における感染症対策の先頭に立っていただきまして、職員の皆様には懸命に取り組んでいただきましたことを、この場をお借りして、改めて感謝と敬意をお伝えさせていただきたいと思います。
 新型コロナ対応では、感染拡大に伴い相談対応でありますとか、積極的疫学調査等の保健所の業務が増大をいたしましたが、それまで紙で行っていた業務でありますとか、あるいは電話で対応していた、こうした業務に対してデジタルツールを導入したということで、保健所の業務負担が大幅に軽減をされてきたということをお伺いしております。
 そこでまず、新型コロナ感染症対応の経験を踏まえ、保健所業務のDXを今後どのような方針で進めていくのか、質問をします。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 保健所では、相談業務や監視指導業務、そして許認可業務など、多岐にわたる業務を行ってございます。
 新型コロナ対応におきましては、DXの導入により業務が大幅に効率化されたことを踏まえまして、保健所の様々な分野でもDXを推進していくこととしてございます。
 まず、来年度は、特に効果が期待できる業務からDXに取り組みまして、令和七年度以降は、手続が類似する他の分野にも横展開してまいります。

○伊藤委員 今ご答弁の中で、特に効果が見込める業務からDX化に取り組んでいくと、さらに横展開をしていくということでございました。
 デジタルツール、これを活用することで、組織内での情報共有の迅速化、あるいは業務の効率化、こうしたことが進むとともに、ペーパーレスが進むことで個人情報の紛失などのリスクを軽減させるということにもつながると考えます。
 こうした観点も踏まえましてDXに取り組むことが重要と考えますが、来年度の具体的な取組について伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 保健所におけます結核業務につきましては、病院とのやり取りに係る紙文書の電子化を進めておりまして、来年度は、患者対応の管理ツールを導入することで、情報管理の効率化を図っていくこととしてございます。
 また、食品衛生業務では、立入検査等でタブレットを活用することで、システム情報を出張先から閲覧できるようにいたしまして、紙書類の持ち出し削減や現場でのシステムへの記録など、監視指導業務の効率化を図っていくこととしてございます。
 こうした取組により、保健所業務全体のDXを推進いたしまして、業務を効率化してまいります。

○伊藤委員 分かりました。
 私が立川で市議会議員として活動していた頃なんですが、もちろん多摩立川保健所という存在は存じ上げておりましたけれども、日々、ふだんどういう活動をしているとかということをもっと情報共有ができたら、我々ももっと情報を得られたらいいなという思いを常々持ってまいりました。
 先ほども触れましたが、特にコロナ禍において保健所の存在というものは大変大きなものでしたが、ふだんからあまり交流をする機会というものがなかったものですから、こうした場面でも双方で協力できるような場面というのはあまりなかったということを記憶しています。
 こういう緊急時も含めてですけれども、協力体制の強化、スムーズな連携体制、こうしたことを取っていくためにも、ふだんから情報提供、共有ができるような、こうした体制は大切だというふうに考えておりますし、これまでも常々それを感じてまいりました。
 今ご説明のあった今後進めていくDX、これによって、さらに進められていく、こうした点もあると思いますし、また、DX以外でも、通常時からコミュニケーションを取れるような、そういう工夫、ご努力をいただくことを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○浜中委員 それでは、私の方からも質問をさせていただきます。
 まず初めに、保健所についてお伺いをしたいと思います。
 私は、これまでの質疑の中で、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大、これをしっかりと振り返り、いざというときに備えて平時から準備していくことが重要であると。とりわけ、都民の命を守るためには、地域の拠点である保健所と住民に身近な市町村の連携こそが重要であるというお話をさせていただきました。
 先月の代表質問でも、都保健所について我が会派が取り上げて、来年度から多摩地域の都保健所に市町村連携課を新設し、連携強化を進めていくとの答弁をいただいたところでございます。
 改めて、新設する課の体制や趣旨、またその目的をお伺いいたします。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 来年度は、多摩地域の都保健所に市町村連携課を新設いたしまして、市町村ごとの専任の担当職員を配置するとともに、課長、課長代理を増員するなど、組織、人員体制を拡充いたします。
 市町村連携課では、日常的に市町村等との意見交換を行い、地域の状況やニーズをきめ細かく把握するなど、市町村との顔の見える関係を強化いたします。
 また、関係者ネットワークの構築や好事例の共有、事例検討などを通じまして、地域保健サービスの推進に取り組む市町村を支援するとともに、新興感染症や災害発生に備えた取組を強化してまいります。

○浜中委員 これは本当にいいことというか、すばらしいことだと思います。あり方検討会でこうあるべきだという形で進んだのは、大きく評価をしたいというふうに思います。
 新たな感染症ですとか、まだ見ぬパンデミックに合わせて備えを着実に進めていくこと、これは本当に重要なことであります。
 しかしながら、今回のコロナ対応における感染拡大時のピーク時に合わせて、常時、保健所の組織体制や職員数を確保していくということは、人やお金が無限にあれば、それはいいと思うんですけれども、限られた人やお金や時間の中でやっていくというのは、あまり効率的ではないんじゃないのかなというふうに思います。
 だからこそ、次の新興感染症に向けてというだけでなくて、そもそも保健所の範囲ってすごい広いですから、そこだけではなくて、保健サービスのさらなる推進や災害等への備えなど、幅広く市町村と協力して取り組み、都保健所と市町村とで顔の見える関係を強化することを目的に設置する今回の市町村連携課というのは、先ほどもいいましたけど、評価したいと思います。
 市町村にとっても、自分の市の担当が明確になることで、連携しやすくなると思います。いわゆる、これは都のですと、これはうちですとかというので、いや、どっちかなというので、もうたらい回しとかお見合いとかがなくて、これはあなたがやる、こっちは都がやるというのが分かるといいのかなというふうに思います。
 ここで、ここからは個別に伺っていきたいんですけれども、まず、前回振り返りますと、今回のコロナで問題になったのは情報連絡体制であります。当初、電話がつながりにくく、市町村と都保健所との情報共有がうまくいかない場面もあったかと聞いております。
 次の感染症発生時に、情報連絡面で市町村と連携課はどのように対応していくのかということをお伺いいたします。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 新興感染症発生時には、市町村ごとの専任の担当職員が、ワンストップ窓口として市町村からの相談対応を行う体制を構築いたします。
 また、多摩地域の都保健所の電話につきましては、アナログ電話からIP電話への切替えを年度内に予定しておりまして、IP電話化により、最大百回線を確保し、ダイヤルイン番号も増設するなど、電話環境の改善を図ってまいります。

○浜中委員 これもすごいですね。IP電話にすることによって回線数が大幅に増えるということであれば、例えば、市ごとのホットラインの構築なんかも一案として検討してもらってもよいのではないかというふうに思います。回線を増やしても、受ける人がいなかったら電話は取れませんので、その体制も一緒に合わせてという形だと思います。
 また、コロナ対応では、都保健所と市町村との間で患者情報の共有が課題となりました。市町村と都で協定を締結し、第五波以降は患者の個人情報が提供されるようになりましたが、今回の教訓を生かして、次の感染症では発生当初からしっかりと対応できるようにするべきと考えます。
 これ結構、この間、会派とかでもいっていましたけれども、結局、患者情報を自治体、市区町村が何で必要なのかという話は、医療は、東京都ですから、市区町村に医療情報をもらっても対応できないんですよね、対応できる人もいないし。
 ところが、パンデミックのときには、各市がやったことというのは、そういうところに食事を届けたりだとか、医師が足りなかったら、じゃあパルスオキシメーターを届けますとか、保健師さんをみたいな話なんかもあったりとか、医師会と連携したりとかって、いろんな話あったんですけど、これ交通整理をちゃんとしていないと、できるところはできるけど、できないところはできないし、要らない情報をもらって、都がこれをやってくださいとかといっても、困る市町村もあれば、どんどんうちはやりたいとかというところもあって、その整理が本当に必要だったんじゃないかなというふうに思います。
 ですから、今回、発生当初から、こういう患者の情報共有の課題についてしっかり対応すべきことだと思うんですけど、都の見解を伺いたいと思います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 新型コロナ対応の経験を踏まえまして、新たな感染症に向けまして、患者情報提供の内容、方法等につきまして、都と市町村で協議を進めることとしてございます。
 都における協議を踏まえ、都保健所では、管内市町村や地区医師会等、関係機関と協議しながら、自宅療養者支援等の具体的な役割分担や情報共有の内容、方法などについて具体化を図ってまいります。
 こうした取組を平時から推進し、新興感染症発生当初から市町村と連携して対応できるよう準備を進めてまいります。

○浜中委員 ありがとうございます。
 患者の情報の共有については、本当に重要な課題であり、過去にパンデミックのときに何があったのかということを整理して、ただいま答弁いただいたように、しっかり関係機関と市区町村と連携をして準備を進めていただきたいというふうに思います。
 次に、災害への備えについてお伺いをいたします。
 避難所設置や運営は、一義的には市町村の業務ではあります。被災者の健康管理や避難所の衛生管理など、市町村のみで対応するのは恐らく難しく、そこには専門的な知見を有する保健所の支援、指導が必要になると思います。
 災害対応マニュアルなど、ある程度は整備されていると思いますが、そもそも災害には、震災ですとか水害とか、様々な種類があります。また、局地的なのか、全体的なのかによっても対応が異なる中で、災害発生時に、どういう場合に誰がどう動くのかなど、実際の動きのシミュレーション等を行っていくことが必要だという声も市町村からは聞かれます。
 そこで、今回の市町村連携課の新設を契機に、市町村と連携した都保健所としての災害への備えをさらに推進すべきだと考えますが、見解を伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 災害時の避難所運営や住民の健康管理等は市町村の役割でございまして、都保健所は、専門的、技術的立場から市町村の保健活動等を支援する役割を担ってございます。
 災害発生時に住民支援等を円滑に行うためには、災害種別ごとに対応等を検討しておくことが必要でございまして、市町村連携課を中心に、市町村との具体的な役割分担や対応の流れ等を訓練等を通じて関係者間で確認し、双方のマニュアルを充実するなど、取組を推進してまいります。
 また、災害発生時には、市町村の被災状況等を迅速に把握し、必要な支援を的確に行えるよう、市町村連携課の職員をリエゾンとして市町村に派遣することなど、調整を進めてまいります。

○浜中委員 昨年の事務事業質疑で確認したとおり、都の保健所は、身近な保健サービスが市町村に移譲されたことで、役割自体が変わりました。現在の体制に再編されたわけですが、いわゆるセンター・オブ・センターになったわけですよね。
 住民にとってみれば、大切なことは保健所の体制ではなく、感染症や災害などの非常事態に際して、地域の住民の命と健康をどのように守っていくかということだと思います。そういう意味でも、これからの取組が鍵であります。市町村連携課に配属になった職員が様々な活動を行い、その積み重ねが有事に生きて、しっかりと準備ができていてよかったなというふうにいえるものにしてもらいたいというふうに思います。
 もう一つ、コロナ対応の教訓として、先ほども少しありましたけれども、アナログ的な業務はできるものからデジタルに移行し、効率化を進めておくべきであると思います。
 また、母子健診など住民に身近なサービスは市町村が実施していることもあり、保健所に来るのは、許認可申請の手続などが必要な飲食店などの事業者の方々が多いというふうに聞いております。そうした事業者等の利便性も向上する必要があると思います。
 今回のコロナを契機に、様々な分野でDXを推進していくべきだと考えますが、見解を伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 来年度は、保健所の相談業務に、AI技術の活用により通話内容をリアルタイムかつ高精度にテキスト化を行うマイニングシステムを導入するなど、デジタルツールの活用により、ペーパーレスや情報共有の迅速化等を推進してまいります。
 また、保健所の行政手続につきまして電子申請を推進するとともに、食品営業許可申請等の手続の電子納付化を行うなど、オンラインで手続が完結する環境の整備を順次進めてまいります。
 こうした取組により、保健所業務の効率化や事業者等の利便性の向上を図ってまいります。

○浜中委員 ありがとうございます。
 多摩地域の保健所と二十三区の保健所というのは役割が違うということは、この間ずっといってきたことなんですけど、結局、先ほども申しましたけど、やっぱりそこに住んでいる地域の人たちの命や健康を守っていくという上で、センター・オブ・センターとして、保健所は大切であります。
 とにかく人やお金が無限にあれば、それはつけて万全の体制を整えればいいと思うんですけど、限られた予算や限られた人員の中で、ましてやこれから人が減っていくという中でどうやっていくのかというところに、このDXというのは非常に大きなヒントだと思います。
 平時からDXをしっかりと推進して保健所の通常業務を効率化しておくことや、来所する事業者等の利便性の向上を図っておくことで、有事の際にも必要な業務を継続して行うことが可能になるかと思います。浮いた人を違うことに、質の向上にもつながっていくんだと思います。
 都保健所が、地域保健の広域的、専門的、技術的な拠点として、また地域の健康危機管理の拠点として役割がしっかりと果たせるように、全力で取り組んでいただきたいというふうに思います。私もしっかり後押しをしていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、次の質問に移りたいと思います。
 小児のインフルエンザワクチンの任意接種補助についてお伺いをしたいと思います。
 インフルエンザは毎年流行を繰り返す感染症でございまして、予防接種は有効な予防策の一つであります。
 小児のインフルエンザ予防接種については、都内では、二十を超える市区町村が、独自に接種費用の助成を行っていると聞いております。ニーズは比較的に高いと思いますし、私たちも要望させていただいておりました。
 都は来年度、小児インフル予防接種の費用を助成する区市町村に対して財政支援を行うとのことですが、事業の概要についてお伺いをいたします。

○西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 任意接種である小児へのインフルエンザ予防接種は、十三歳未満は二回、十三歳以上は一回接種とされています。
 都は、子育て支援の観点から、十三歳未満への接種に係る自己負担額が十三歳以上と同程度となるよう、接種費用の助成を実施する区市町村に対して財政支援を行います。
 具体的には、区市町村が接種費用を助成する場合、一回当たり上限千円まで、区市町村負担分と同額を補助する予定でございます。都の補助を上限まで活用した場合、接種費用の自己負担額は、最低でも一回分の接種費用相当の四千円の減額となります。

○浜中委員 来年度の新規事業の概要については理解をいたしました。都の補助を活用すれば、二回接種が必要な十三歳未満の自己負担額が、一回接種の十三歳以上の方と同等になるということが分かりました。
 インフルエンザワクチンは以前からあるワクチンでございますが、補助制度を実施するという趣旨についてお伺いをいたします。

○西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 小児インフルエンザワクチンは任意接種であり、都はこれまで、任意接種に対する補助を特に重症化予防が必要な場合や定期接種化までの時限的な対応として実施してまいりました。
 一方、インフルエンザワクチンの接種回数については、十三歳未満は二回接種とされており、一回接種である十三歳以上と比較して、負担に差がございます。
 このため、都は、子育て世帯の経済的負担軽減の一環として、十三歳未満の接種費用の負担軽減を行う区市町村へ財政支援を行うことといたしました。

○浜中委員 物価高が続く中で、子育て世帯への経済負担軽減の施策を検討する中で、その一環として、二回接種である十三歳未満を対象に補助事業が実施されることとなったという経緯は理解をさせていただきました。
 インフルエンザの予防接種は毎年の接種が必要であり、接種費用助成は子育て世帯としては大変助かるというふうに思います。
 何が助かるというか、恐らくここで千円とか二千円とかという補助があるというよりも、子供がインフルエンザになると全部の予定が狂っちゃうんですよね。これはどういうことかというと、子供がインフルエンザになると幼稚園だとか学校に行けないですから、共働きだったらどっちかが面倒を見なきゃいけないとか、そうすると、習い事も含めて、じゃあ有休を取って何をしてというふうにしていると、やっぱりなかなか大変で、この千円とか二千円とかという話よりも、そっちの経済的な効果の方が恐らく大きいんじゃないかなというふうに思います。
 ただ、今答弁があったみたいに、これあくまでも任意接種で、今までの東京都のワクチンを接種する考え方とかというのとはちょっと違って、要は、あくまでも子育て支援でこういうところを押していきましょうというような形で、ましてや各市区町村がやっていて、いろんな議会からも声があって、これで後押ししていきましょうということなので、地域の声をちゃんと聞いていただいて形にしたということは、非常に高く評価をしたいと思います。
 そこで、具体の話を聞きたいんですけれども、都内では、既に二十以上の区市町村が小児インフル予防接種に対して補助を行っているんですよね。本事業では、そうした自治体も、まず補助対象となるのかということをお伺いいたします。

○西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 本事業については、令和六年度から新たに助成を開始する区市町村だけでなく、既に助成を行っている区市町村も補助対象としております。
 また、既に助成を行っている区市町村に対しては、接種費用の自己負担額のさらなる軽減を求めていくこととしております。

○浜中委員 ありがとうございました。
 これが難しいところで、先行してやっているところは、わあ、都からは補助金が入ってきた、うちの負担が減ったという話じゃなくて、保護者に返してくださいねという話だったりとか、まだやっていないところは、これがあるからできるとかというところで、制度設計が難しいところだとは思うんですけれども、先行しているところにも、ちゃんと保護者ないし都民に還元できるようなイメージで、自己負担の軽減をさらに求めていくということはいいことだと思います。
 要は、先にやっていたら補助をもらえなくて、後からやったところだけといったら、それは先にやっている市区町村は怒るので、そこはちゃんと調整していただいたということは高く評価をしたいと思います。
 予防接種には定期接種と任意接種がありまして、定期接種の中でも、はしかや風疹など集団免疫の獲得を目的とするものと、高齢者の肺炎球菌など個人の重症化予防を目的とするものがあります。
 インフルエンザワクチンの場合は、高齢者以外の年代は小児も含めて任意接種となり、積極的な接種の奨励はしないこととなっていると思います。
 本事業の実施に当たって、保護者等が十分に検討された上で希望される場合にはワクチン接種をできるようにするべきだと考えますが、都の取組をお伺いいたします。

○西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 任意接種は、感染症予防の効果と副反応のリスクについて理解した上で、自らの意思で接種するものとされています。
 令和六年度から開始する都の補助は、子育て支援の観点から実施するものであり、都が積極的に接種を勧奨するものではございません。
 本事業の趣旨や仕組みについて、様々な機会を捉え自治体や医療機関に対し丁寧に説明するとともに、保護者の方も含め、自らの判断で接種を受けることができるよう、インフルエンザワクチンの効果や副反応などについて周知を図ってまいります。

○浜中委員 この質疑を通じて、事業の趣旨について、よく理解ができました。都民に対して十分な情報発信と理解の促進を行いつつ、事業を進めていただきたいというふうに思います。
 また、今二十二の都内の市区町村がこれを行っているわけですけれども、まだ半分以上残っていますから、東京都がせっかくこういういいものをやっても、我が市では、我が町では使えないということにならないように、これをチャレンジしてみたいという市区町村の支援も併せてお願いをして、次の質問に移りたいと思います。
 続きまして、粒子線の治療についてお伺いをいたします。
 これはもうずっと公明党さんがいわれていたことではあるんですけれども、昨年八月に、都議会の厚生委員会の一員として、兵庫県立粒子線医療センター附属神戸陽子線センターに視察に行かせていただきまして、また、第三回定例会の私の一般質問でも、都内未導入の陽子線施設の検討状況について質問をさせていただきました。
 都からは、都立病院への導入に向けて、有識者のヒアリングや先行施設の調査などを行っており、導入機器や整備地を決めて整備計画を策定するという答弁をいただいていたところであります。
 まずは、改めて、都立病院に粒子線治療施設を導入する意義や目的についてお伺いをいたします。

○齋藤都立病院支援部長 都は、がん対策推進計画に基づき、医療提供体制の充実やライフステージに応じたきめ細かな支援などの施策を総合的に展開しております。
 粒子線治療は、体への負担が少なく、仕事や学業、日常生活との両立も可能な最先端の治療法でございます。
 一方、大型施設の整備が必要なことや、他の医療機関との連携などの課題がございますことから、都内未導入の粒子線治療施設につきまして、行政的医療を担う都立病院に導入をいたします。

○浜中委員 この施設が一般の医療機関で整備が進まないのは、大型施設の整備に百五十億円など多額の費用がかかり、採算が取れないからだというふうに聞いております。一部報道では民間でもやるとかということが出ましたけれども、本当にできるのかなというふうに考えた次第であります。ですから、今お話があったとおり、行政的な医療でやるということは、まさにこれは都立病院がやることであるというふうに私は思います。
 都の令和六年度当初予算案では、都立病院への粒子線治療施設の整備を進めるとしており、積極的な判断を高く評価しております。
 先般公表された整備計画の素案では、結論として、駒込病院に陽子線治療施設を導入すると記載されております。私も第三回定例会で、駒込病院に陽子線治療施設を導入するべきだというふうにお願いと提案をさせていただきましたので、ありがとうございます。
 そこで、整備計画の検討では、有識者からどのような意見があり、駒込病院への導入を決めたのかという見解を伺います。

○齋藤都立病院支援部長 整備計画の策定に当たりまして、有識者からは、粒子線治療の中でも、小児がんを含め幅広く様々ながんを治療できる陽子線治療装置が望ましい、診療実績が豊富でアクセスがよく、他の医療機関と連携しやすい拠点病院へ導入すべきなどのご意見をいただいております。
 こうした意見等を踏まえまして、都立病院の中で最もがん診療実績が豊富で、都道府県がん診療連携拠点病院でもある駒込病院に陽子線治療施設を整備いたします。

○浜中委員 私も駒込病院の現地を視察させていただいて、いろんなお話を聞いて、スペースなんかも見て、恐らくここなのかなというふうに思いました。
 一方で、有識者から求められているのは、小児がんも含めて幅広い治療をすることと、拠点的な病院に設置して、患者を集めたり、医療従事者を集めたり、施設を有効活用することかと思います。駒込病院は、いうまでもなく、都道府県のがん診療連携拠点病院として、高度で専門的ながん医療を提供しています。
 一方で、視察に行った神戸陽子線センターでは、県立のこども病院に陽子線センターが併設されており、小児がんの診療についてもしっかりと連携して対応をされておりました。
 都では小児総合医療センターが小児がんの拠点病院となっておりますので、先行事例も含めて、小児がん患者にどのように対応をしていくのか、さらなる検討を求めたいというふうに思います。
 また、他県ではこうした粒子線治療施設の整備が進んでいる状況があり、駒込病院への整備についても、早期の整備を求めたいというふうに思います。
 今後、どのようなスケジュールで整備を進めていくのか、見解を伺います。

○齋藤都立病院支援部長 令和六年度予算案には、都立病院機構において基本設計を行うための予算を計上してございます。
 陽子線治療装置は大型で特殊な装置でございますので、製造に相当な期間を要しますことから、早期の施設整備に向け、設計と工事工程を並行するデザインビルド方式など、整備手法に工夫を凝らしまして、令和十二年度の運用開始を目指してまいります。

○浜中委員 早くても令和十二年度、あと六年かかるという答弁でございました。
 本当に、現地を見ると大きく、それでも小さい方なんですけど、大きくて建屋も高くとかというような形で、建てるのに時間もかかりますし、設計なんかもすごい時間がかかるんだなというふうに思いました。
 あわせて、駒込病院につくるということでございますから、そこにその対応をするスタッフもそろえなきゃいけませんし、病棟の工夫なんかもしなきゃいけないというふうに思いますので、その辺も、しっかり対応していただけると思うんですけれども、よろしくお願いいたします。
 私は、こうした最先端装置の研究は日進月歩と考えており、装置の小型化によって、もっとコストを抑えて導入したりすることもあるかと思います。あるいは、二年に一回の診療報酬改定も、令和十二年までにあと三回行われますから、対象患者や採算性にも変化があるかもしれません。世界の先のことは分からない状況にあるというふうにも考えております。
 今ご答弁いただいた駒込病院への整備は着実に進めていただくとともに、今後の社会環境の変化を踏まえて、あらゆる可能性を柔軟に考えながら、がん診療体制の充実を図ってほしいというふうに要望をしたいと思います。
 本当に、がんになると、ステージにもよるんですけれども、人生が一変しちゃいます。その人だけじゃなくて、家族だとか周りだとかというのも本当に大変だと思います。そういったところに光を当てることができるこの行政的な医療、こういった施設というのは本当に必要なことだと思いますので、ぜひ力強く私たちも後押しをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次の質問に移りたいというふうに思います。
 続いて、ワンヘルスについてであります。
 今回の代表質問、また予特の代表質問においても、我が党はワンヘルスに関する質問を行い、都が取り組んでいる事業として、動物由来感染症の発生動向の監視などを実施しているということを聞きました。
 新興、再興の感染症の多くが動物を感染源としていることから、これらの取組は重要だというふうに考えております。
 今までも、私、厚生委員会で継続的に取り上げさせていただいておりますけれども、事業内容について詳しくお伺いをしたいというふうに思います。

○藤井健康安全部長 都は、動物病院において動物由来感染症と診断された犬、猫の頭数を把握するとともに、動物由来感染症を対象としたサンプリング調査を行うなど、発生状況をモニタリングしております。
 また、ペットショップで販売される動物や、動物園において来園者が触れ合うことが可能な動物を対象といたしまして、病原体の保有状況を調査しております。
 これらの調査結果をホームページで公開するなどいたしまして、感染症に対する正しい知識の啓発などにも取り組んでおります。

○浜中委員 ありがとうございます。
 それでは、予算の委員会でございますので、併せて来年度の取組についてもお伺いしたいと思います。

○藤井健康安全部長 来年度は、これまでの取組に加えまして、動物由来感染症について動物取扱業者に対する研修で改めて周知いたしますとともに、パンフレットを改定いたしまして、都民に対し動物愛護イベントなどで配布してまいります。
 今後とも、ワンヘルスの考え方も踏まえまして、様々な機会を捉え、感染症に関する正しい知識などの啓発に取り組みますとともに、関係者が互いに連携協力して施策を実施してまいります。

○浜中委員 ありがとうございます。
 ワンヘルスの考え方は、人と動物と社会、これは共生していきましょう、みんなの健康を守っていきましょうという考え方であります。もちろん、この厚生委員会の保健医療局だけではなくて、環境ですとか教育ですとか、いろんな分野に横断的にまたがる考え方でございます。
 引き続き、来年度、いろんな取組をやっていただけると思うんですけれども、こうした知識を持ちながら、どういう施策に落としていくのかということが大切であるというふうに考えておりますので、引き続きしっかりやっていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 私の質問は以上で終わります。

○北口委員 それでは、私からは端的に三問、質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、都立病院についてお伺いをさせていただきます。
 都立病院の独法化に当たりまして、独法化のメリットを生かしていかなければいけないというふうに思います。
 例えば、人材確保の点でいえば、自治体としての定数管理の仕組みに縛られずに、機動的な人材の確保ができるとの議論があります。現在、病院の実情に応じて柔軟な採用に取り組んでいるというふうに聞いております。
 また、医療ニーズに迅速かつ柔軟に対応するため、多様な契約手法を活用することが可能となっており、現在も様々な取組が進められているというふうに認識をしております。
 この点を、今年度の取組を踏まえ確認をしていくことも重要かなというふうに考えております。
 そこで、都立病院の独法化のメリットを生かした病院運営について、見解を求めます。

○齋藤都立病院支援部長 都立病院が行政的医療や高度専門的医療の提供などの役割を将来にわたって果たし続けるには、効率的かつ効果的な病院運営が重要でございます。
 独法化後は、スケールメリットを生かした医薬品等の共同購入のほか、多様な契約手法を活用してございます。
 例えば、これまで都立病院では事例のなかった初期費用の抑制と短期間でも新型機種への変更が可能な残価設定型リース契約を今年度新たに導入いたしまして、体への負担が少なく、安全な手術が可能な手術支援ロボットを四病院に設置いたしました。
 質の高い医療の提供に取り組みますため、こうした柔軟な契約手法を活用するなど、都民の医療ニーズを踏まえながら、機動的に病院運営を行ってまいります。

○北口委員 ぜひ、独法化のメリットをこれからも活用して生かしていただきながら、都民のためにすばらしい医療体制を築いていただきたいというふうに思っております。
 次に、若い世代の歯科健診についてお伺いをさせていただきます。
 都議会公明党はこれまで、本会議質問等を通しまして、高校卒業後、そして四十歳までの間には法定の歯科健診がなく、学生や社会人にとって歯科健診の習慣化が困難な状況に対しまして、二十代、三十代のうちから、かかりつけ歯科医での定期的な歯科健診や予防処置を継続的に受診することの重要性を訴えてまいりました。
 都は、次期歯科保健推進計画において、ライフステージに応じた歯と口の健康づくりを推進することとしておりますが、若い世代に対する歯科健診受診を促す令和六年度の都の取組についてお伺いをいたします。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 成年期は、他の年代と比較しまして、かかりつけ歯科医を持つ割合が少ないことなどから、虫歯や歯周病のリスクが高まる傾向にございます。
 このため、都は来年度、若い世代に向けまして、日常的な口腔ケアや定期的な歯科受診の必要性について理解促進を図る動画を作成いたしまして、SNSやインフルエンサー等を介して広く発信してまいります。
 また、健康増進法に基づく歯周疾患検診の対象に二十歳と三十歳が追加されることに加え、区市町村が独自に実施いたします歯科健診の費用や受診促進に向けた取組等を包括補助で支援することで、若い世代の歯科健診の受診を促してまいります。

○北口委員 ありがとうございます。ぜひ着実な推進をよろしくお願いいたします。
 最後に、東京都リハビリテーション病院についても、一つお伺いをさせていただきます。(岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務発言を求む)ちょっと待ってください。

○あかねがくぼ委員長 質問を。

○北口委員 前定例会の当委員会で、東京都リハビリテーション病院の指定管理に関する案件が議題となった際にも質疑を行わせていただきましたけれども、能登半島地震を踏まえて、災害時の医療救護活動の大切さを改めて実感をしました。
 そこで、再度質問をさせていただきます。
 能登半島地震では、建物の倒壊や道路の陥没等で、住民の避難や救出救助活動が困難な状況となりました。東京でいうと、二十三区東部の木密地域で同じような状況が生まれることが想定をされます。
 東京都リハビリテーション病院が立地するエリアは、周辺がまさにそのような地域であり、遠く離れた緊急医療救護所にたどり着くことは困難であると指摘をしまして、リハビリテーション病院が緊急医療救護所の役割を担ってほしいというふうに申し上げたところでございます。
 先日、墨田区の予算特別委員会でもこの問題が取り上げられまして、墨田区としても、東京都リハビリテーション病院に伺って、災害時の病院機能の活用等について意見交換を行ったということでございます。そして、機能や設備や、そして体制等の課題もあるので、関係者を交えた検討の場で引き続き協議を行い、課題解決に向けて取り組んでいきたいとの答弁がありました。
 都としても、医療救護所設置に向けて、検討会の立ち上げに協力をし、リハビリテーション病院をサポートして、課題解決に向けて取り組むべきというふうに考えております。
 災害発生時における東京都リハビリテーション病院の役割及びこれまでの取組についてお伺いをいたします。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 東京都リハビリテーション病院は、白鬚東防災拠点内に位置し、区地域防災計画に定める医療救護活動を行う災害医療支援病院となっております。
 発災時にも継続して医療が提供できますよう、BCPを作成するほか、医師公舎や看護宿舎を整備してございます。
 また、地域の防災訓練におきまして、地区医師会等、関係機関との連携強化や、医療救護活動における役割分担の検証などを進めており、引き続き、墨田区と連携しながら医療救護活動の強化に努めてまいります。

○北口委員 ありがとうございます。まだまだ課題はありますけれども、ぜひ東京都も協力をして前に進めていただきたいというふうに思っております。
 以上で私の質問を終わります。

○原委員 それではお願いします。
 最初に、多摩地域の保健所について伺います。
 来年度予算案に、新規事業として、保健所の機能強化二千五百三十八万二千円が計上されています。
 この内容はどういうものですか。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 新興感染症発生時に迅速かつ的確に対応できるよう、都保健所におきまして、市町村や関係機関等と連携した訓練や、地域の医療関係者等を対象とした研修などを実施することとしております。

○原委員 市町村と連携した訓練や研修ということですけれども、この研修というのはどういう内容でしょうか。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 研修につきましては、感染症対応研修などを考えてございまして、その他、健康危機対処計画に基づく訓練等が入ってございます。

○原委員 感染症対応の研修というのは、以前質疑をさせていただいたときにも、実際に既に保健所と市町村の方でいろいろ意見交換をされていて、感染症の対策のための研修、保健師さんを、交流をしてもらおうということも提案をされて意見交換されていたと思うんですけれども、その内容とはまた別なんでしょうか。
 それで、保健師さんの、まあ人事交流をした場合に、かなり長い期間だとなかなか困難だよというお話がありましたけれども、それは変わっていないんでしょうか、それとも変わったんでしょうか。
 前、議論したときは方針ができる前だったので、今、方針ができた上で、そうした研修がどうなったのか、どう決まったのかということを教えていただきたいんです。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 まず、都あり方検討会におきまして、一つは、市町村の保健師さんは通常業務の中で感染症業務をやらないので、感染症の研修をやってほしいという要望がございました。
 それとはまた別に、平時から交流をすることで顔の見える関係を築きたいということで、人事交流の要望がございました。
 ですので、まず、研修については、いわゆる、今前段で申し上げました通常やっていないのを、基礎的なことを学んでおきたいというようなところの研修等を取り組んでいくということでございます。

○原委員 分かりました。そうすると、感染症対応の研修をする場合、また、それ以外のテーマでも人事交流をする場合、そうした研修をするときには、自治体の要望を受けて行うんでしょうか。
 ただでさえもなかなか体制が厳しい市町村の通常業務の状態があるので、そこに支障が出ないようにすべきではないかというふうに思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 人事交流につきましては、東京都と区市町村との相互の職員の派遣研修により実施するものでございまして、双方の合意に基づいて実施することとなってございます。
 そういう意味でも、手続としましては、職員の派遣研修を行おうとする自治体が、派遣希望先の自治体に申出を行いまして、申出を受けた自治体が承諾するという手続になってございます。

○原委員 すみません。もう一回、確認だけしていいでしょうか。
 研修に二種類、大きくいって二種類あるというお話だったので、その両方とも、感染症を目的としたものでも、それ以外の人事交流でも同じように、双方の合意に基づき実施するものだということでよろしいですか。すみません。確認だけ、お願いします。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 研修につきましては、先ほど申し上げましたように、通常、市町村の業務でやっていない感染症についてやってほしいということでございますので、基本的には感染症業務の研修を行っていく、そこに市町村の職員などにも参加していただくというふうに考えてございます。
 人事交流につきましては、顔の見える関係をつくるということで、都保健所の業務を経験してもらうということですので、感染症対応あるいは精神保健の専門的な相談など、各市町村のニーズを踏まえながら、先ほど申し上げましたとおり、双方の合意に基づいて実施するものでございます。

○原委員 双方の合意に基づき実施をしていくということです。それで、合意に基づき実施ということは、市町村の側が難しければ、行わないわけです。
 となると、そういう研修をやらないという場合もあるので、その結果、感染症の対策などが進まなくてよいと東京都としては考えているわけではないと思うんです。できるだけ研修をして、対策を取っていきたいということだというふうに思うんです。
 そうすると、やっぱり東京都自身の体制強化を責任を持って進めていくということが、市町村との関係でも、まず求められているのではないかと私は考えています。
 それで、都の今回の方針では、新興感染症発生を見据えた平時からの備えとあって、発生時の人員体制を確保するというふうにあります。
 これはどのぐらいを見込んでいるんでしょうか。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 都は、今年度末に改定いたします感染症予防計画におきまして、新興感染症発生時に想定される業務量に応じた保健所の人員確保数を数値目標として設定する予定でございます。

○原委員 これから決めていくわけですよね。これから決めていくということですよね、計画の中で位置づけていくと。今決めようと、これから決めようとしている内容は、発生時にどれだけの人を確保するかという目標です。
 私は、それはもちろん大事だと思っています。思っていますけれども、コロナの教訓は、平時から体制にある程度のゆとりを持っておくということが必要だと、公衆衛生にはどうしても必要だということが、コロナの一つの教訓だと思っているんです。
 来年度、東京都として保健師や職員体制を強化する、増やすということは、とてもこれは大事だともちろん思っていますけれども、今後、平時の保健所体制をどのぐらいまで増やす必要があると考えているのか、今お考えがあれば教えてください。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 新興感染症発生時には、応援職員の配置、会計年度任用職員、人材派遣職員などの外部人材の活用によりまして、都保健所の人員体制を構築することとしてございます。
 なお、今お話にありましたように、都保健所の保健師定数につきましては、令和三年度に十一名、令和四年度に十名増員いたしました。
 来年度は、さらに六名を増員することとしてございまして、新型コロナ発生前と比べまして、二十七名の定数増を行っているところでございます。

○原委員 増やしてきている、また来年度も増やすということについては、本当に大事だというふうに思っていますが、平時においてですね、どのぐらいさらに保健師さんを増やしておくことが必要なのか、そこは未定なのではないかと思うんです。
 これから、じゃあ再来年度、その先も含めて、どのぐらいの保健所体制にしていけばいいのかということは、まだ見えていないのではないかというふうに思うんです。もし見えているというのであれば、おっしゃっていただければいいんですけれども。
 では、保健所の増設については検討されたのかどうか伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 都保健所のあり方検討会におきまして、公衆衛生等の学識経験者や医療機関、医師会、市町村代表等の委員の方々から、都保健所と市町村等との連携強化を図ることが重要などのご意見をいただいており、都保健所の体制強化につきましては、このあり方検討会ですとか、市町村の意見等を踏まえまして、検討を行ったところでございます。

○原委員 昨日、開示請求していた市町村のアンケート、これがようやく手元に来ました。だから、昨日なので、まだ本当に細かいところまではちょっと読み切れていないんですけれども、今おっしゃったように、あり方検討会、また市町村の意見を踏まえて都の方針を決定したということだと思うんですけれども、相当切実な声が、やはり市町村から出ているなと私は思いました。
 例えば、ある市の担当者の方は、高齢者や基礎疾患のある方へのフォローアップ支援の通知文一つで依頼を受けたが、市として予算計上もなく、人的にも支援体制を組むのが困難な中、苦慮して、市として可能な範囲の支援に努めたという声とかですね、また、保健所の日常業務である精神保健や難病のある方への対応及び相談業務等について、市の対応が増加し、日常業務を止めなければならない状況が生じたと。また、コロナ禍において、精神的な相談及び支援が必要な方が増加し、至急、保健所との共有や相談、連携が必要な際に、保健所に電話がつながらず、市の対応が増加した。この電話がつながらなかったというのはたくさんの声があるわけですけれども。
 また、こういう声もありました。保健所の人員体制の不足。これ電話回線の不足のことをいっています。それから、域内に保健所がある区部との対応に差が生じた、感染症情報の提供などということなどですね。あとたくさんあるんですけれども、相当苦労して市町村も、もちろん都の保健所も苦労してやったわけですけれども、市町村も非常に苦労したということが分かるわけです。
 感染症対策は保健所の業務でして、どこにも代わることができないですから、保健所を強化していくということの中に、今の二十四市に五つだけでいいのかというのは、やっぱり問われていると思うんです。
 緊急のときにいろいろ連絡を取るときに、一つの保健所で五つも六つも持っているというのは、やっぱりなかなか苦しいですよね。ですから、私は、市町村の声を聞いたというのであれば、今の保健所の設置状況でいいのかどうかということもちゃんと併せて検討されるべきだというふうに思うんです。今、基本的な東京都の方針は出されましたけれども、これからも市町村の意見も聞きながら、私は増設、拡充も、やっぱり検討していく必要があるのではないかと思うんです。
 保健所の増設はしないで、今の時点ではですね。それから、保健師も今後増やす予定というのはまだ分からないわけですね、来年度は今出ていますけれども。これで緊急のパンデミックの対応ができるというふうに今考えていらっしゃるのかどうか伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 あり方検討会で、市町村の委員の方々から、保健師の配置に余裕があるわけではないために、有事の際の保健所と市町村の役割分担や応援体制をあらかじめ決めておき、どのタイミングで応援を出すのかなど事前に調整し、市町村のBCPに反映しておくことが必要などとの意見をいただいた。
 そういったいろいろな意見を踏まえて、今回、都保健所に市町村連携課を新設して、今後、市町村との顔の見える関係を築きながら、次の新興感染症に向けた準備を進めていくとしてございまして、その中でしっかりと準備を進めてまいります。

○原委員 あり方検討会のご意見と、そこでいろいろ議論をしていただいたことと、そして市町村のアンケートも取って、また市町村と意見交換もされる中での声をベースにしながら今回の方針が出されたはずなんです。
 私は、これで終わりとしないで、これからも議論を続けて、本当に多摩地域で、もしまた新しく感染症が大きく流行するというようなことになったときでも大丈夫なように、ぜひとも検討を続けてほしいですし、私は増設、体制強化、これをやっぱり検討していかなければいけないということを強く指摘をしておきたいというふうに思います。
 次に、保健所で実施している障害者健診についてなんですが、来年度、全ての都の保健所で障害者健診は行う予定なのかどうか伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 全ての都保健所で、障害者施設等の利用者を対象とした健康診断を実施する予定でございます。

○原委員 この件については以前も質問したんですけれども、障害者健診について、人数の上限をなくして、希望する人が漏れなく受けられるようにしていただきたいというふうに私は思っています。
 何で今回また同じ質問をしているかというと、今年もある保健所では二十五人が上限だというふうにいわれたという話があったからです。ある施設には二十九人在籍しているのにどうしようと話している施設もあるんです。
 希望する人が受けられるようにすべきですけれども、いかがでしょうか。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 健診につきましては、障害の有無にかかわらず、疾病の発症や重症化の予防等のため、高齢者の医療の確保に関する法律や労働安全衛生法等に基づきまして実施されているところでございます。
 都保健所では、障害者施設等の利用者が各保険者等が実施する地域の医療機関や健診機関等での健診の機会を確保できない場合、管内の施設からの依頼を受け健診を実施しております。
 なお、安全・安心に健診を受診していただけるよう、集団での健診実施に伴う感染対策を講じるため、受入れ規模等を設定してございます。

○原委員 施設としては、同じ利用者なのに受診できる人と受診できない人に分けるなどということはできません。
 健診先の確保ができないから保健所で受診しているわけですから、受診する際は施設の利用者が差別なく受けられるようにしていただきたいというふうに思います。
 それで、障害者の健診で歯科健診も一緒に実施できるようにできないかと思いますが、伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 都保健所におけます障害者の歯科健康診査につきましては、平成十八年度で終了してございます。

○原委員 健診をそれぞれ個別に受けようと思ってもなかなか受けることができないから、健診を都の保健所で継続してくださっているわけですけれど、歯も同じで、なかなか歯科健診に行けない方たちもいらっしゃるんです。
 ですので、一年に一度の健診に歯科健診も同時にできれば、本当にお一人お一人の健康管理にもプラスになると思うので、また、施設としても、利用者の方たちの健康状態を把握できるので希望されているという声も聞いています。ぜひ検討していただきたいと、この場では要望しておきます。
 次に、歯科保健医療対策について伺います。
 障害者歯科医療設備整備補助事業が予算案として出されましたけれども、どういう事業なのか伺います。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 都は来年度、障害者に対する専門的な歯科医療を提供する医療機関に対しまして、障害者歯科用ユニット、麻酔器、心電図モニター等、必要な医療機器の購入に係る費用を補助し、障害者歯科医療提供体制の整備を進めていくこととしております。

○原委員 大事な内容だと思っています。ただ、地域の歯科クリニックが工夫しながら障害者の方を受け止めているということを私、二〇二〇年の予特のときにも紹介したんですけれども、例えばパーティションを置いたり、個室をつくったり、それぞれ努力してやっていらっしゃるクリニックもあります。
 地域で障害者歯科を実施するクリニックを増やしていくためには、こうしたところにも支援をできるように検討してほしいと要望しておきたいと思います。
 二〇一八年度の東京都の調査では、障害者の歯科健診は、福祉通所施設では七割が実施していないというふうになっていたんです。
 都は昨年度、再び調査を実施していますけれども、障害者施設の状況について伺います。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 都が令和四年度に実施した調査では、入所施設四十七か所のうち、施設で歯科健診を実施している割合は五九・六%であり、歯科診療所等で歯科健診を受けている割合は二一・三%でございました。
 また、通所施設につきましては、利用者三千四百三十八名のうち、かかりつけ歯科医を決めているものの割合は七九・五%であり、そのうち八一・四%がかかりつけ歯科医で定期健診を受けていました。

○原委員 今回の調査では、通所施設での定期健診をやっているかどうかの設問はなかったので、その部分の変化は分からなかったわけです。ぜひ継続的にその分は把握をしていただきたいなというふうに思います。
 また、かかりつけ歯科医を決めている方は約八割で、そのうちかかりつけでの定期健診は約八割ということが分かりました。
 知的障害の方は、症状を説明するということが困難なため、歯や口の中にトラブルがある、そのことに気づいたときにはかなり深刻になっているということが少なくありません。
 定期的健診を推進するために、どのように取り組んでいくのか伺います。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、身近な地域で障害者に対して定期的な口腔健康管理を行うかかりつけ歯科医等を育成するため、都立心身障害者口腔保健センターにおきまして、障害者歯科診療に関する研修や実習等を実施しております。
 また、家族や施設職員等に対し、歯科健診や予防処置を受けることの大切さなどについて普及啓発等を行う区市町村を包括補助により支援しております。

○原委員 かかりつけ歯科医を持つことを勧めると同時に、通所施設においても集団歯科健診を実施することが大切ではないかというふうに思います。先ほど、保健所での健診に歯科健診を復活することはできないのかと提案しましたけれども、改めて検討を求めておきたいと思います。
 次に、コロナ対策についてです。
 福祉施設での定期的検査はこれまでも繰り返し質問をしてきましたが、重症化リスクの高い方たちの命を守るために重要な役割を果たしてきました。
 この三月で終了ということですが、まだ続けるべきと考えますがいかがですか。

○及川感染症対策調整担当部長 都は、新型コロナの五類移行後も、高齢者施設等の職員向けの感染症予防に関する研修や即応支援チーム派遣などを実施いたしまして、施設の感染症への対応力の向上を図ってまいりました。
 集中的検査は、本年四月の通常の医療提供体制への完全移行という国の方針を踏まえ、今年度末で終了いたします。

○原委員 世田谷区では、特別養護老人ホームの方たちが、検査キットの配布の継続を区に要請しています。私も伺った声では、ある地域の特養の施設長は、週一回の定期的検査でクラスターを抑えている、早く見つけて職員を休ませることが大事、検査しかない、コロナは終わっていないと、皆さん口々に話をされています。
 障害者の通所施設も切実です。先日も特別養護老人ホームで職員が陽性と分かったのは定期的検査でした、それ以上広げないようにすぐ対策を取れる、それで利用者の方には広がらなかったという話も聞いています。
 また、少なくとも抗原検査キットの配布は継続してくれないかなど、本当に要望が今たくさん出されています。五類になったからといってコロナウイルスの性質が変わったわけではなく、定期的検査の有効性も変わりません。継続を改めて求めたいと思います。
 コロナの治療薬の公費支援が終了すると、自己負担の重さから使用をためらったり諦める患者が生じる心配があります。この件については、どうお考えでしょうか。

○加藤感染症対策部長 新型コロナ治療薬の公費支援に係る四月以降の取扱いにつきましては、国の責任におきまして全国一律の方針を定めたものでございます。

○原委員 全国知事会からも、国に治療薬に係る費用については公費支援を継続することを求める要請が出されていました。
 また、日本感染症学会など三つの学会も、治療薬の自己負担が増えることにより診療拒否や治療拒否の患者が発生することが想定されるとして、公費支援の継続を国に要望しています。既に治療薬の処方を拒否する患者も発生しているということを聞いています。
 都として、負担軽減について検討することはできませんか。

○加藤感染症対策部長 繰り返しになりますが、新型コロナ治療薬の扱いにつきましては、国の責任において全国一律の方針を定めるものでございます。

○原委員 国がそういうふうに決めたということはそうなんですけれども、検査もなくなり、治療薬支援もなくなる。そんなに一気に四月になってやめていいのかなというのが非常に疑問なんです。
 それでは、今後のモニタリング分析や公表についてはどうしていくんでしょうか。

○西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 都は、新型コロナの五類移行後、定点医療機関からの患者報告数等に基づいて、感染動向や医療提供体制への負荷を把握し、専門家によるモニタリング分析を行っております。
 四月以降も必要に応じて専門家のご意見を伺いながら、感染状況を把握してまいります。

○原委員 すみません。ちょっと確認したいんですけれども、四月以降も必要に応じてとおっしゃいましたよね。それで感染状況を把握っておっしゃったので、必要に応じてということですから、これまでと同じような分析ではないということも考えられるのかなと。
 また、把握ということは、公表とはセットではないということですか。それは、今検討されているということなんでしょうか。ちょっと確認させてください。

○西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 四月以降でございますが、必要に応じて専門家のご意見を伺いながら、感染状況を把握してまいります。

○原委員 さっきと同じ答えで、その答えがちょっとよく分からなかったので聞いたんですけれども、今、どういうふうに分析してどういうふうに公表するかというのは、検討中だということでいいですか。

○西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 必要に応じて専門家のご意見を伺ってまいります。

○原委員 四月、目の前ですけれども、今、専門家の意見も聞きながら検討しているのかなと受け止めますが、私は本当にコロナの今後の動向がやっぱり心配だなと思うんです。四月になったら突然なくなるというものでもないですし、重症化しなくなるというものでもありません。
 週一回のモニタリング分析の公表は、状況を把握するためにとても役に立っていました。本当に必要だと思っています。もし、これさえもなくなってしまうとなったら、どうやって気をつけていけばいいのかというふうに私は思います。
 さらに、都立病院での後遺症相談が終了すると発表がありました。これ継続すべきと思っていますけれども、都立病院は今後どのようにしていくんでしょうか。

○齋藤都立病院支援部長 都立病院のコロナ後遺症相談窓口は、本年四月の通常の医療提供体制への完全移行という国の方針を踏まえまして、今年度で終了することとしております。
 なお、都立病院の後遺症診療につきましては、通常の医療提供体制の中で地域医療機関との適切な役割分担に基づきながら、引き続き対応してまいります。

○原委員 都立病院での後遺症相談は終了するということなのですが、では、来年度の後遺症対策についてはどのようにしていくんでしょうか。

○内藤感染症対策調整担当部長 都は、後遺症に悩む方が身近な地域で受診できるよう、後遺症に対応する医療機関につきまして、地域や症状で検索できるマップやリストの公表を令和六年度も継続をいたします。
 また、後遺症診療に係る最新の知見や国内外の研究内容等を共有する医療従事者等向けのオンライン研修会を引き続き開催いたします。

○原委員 継続していただけることなどもあるわけで、そこは大事なことですが、都としての窓口は持たないということになるわけです。後遺症は本当に深刻で、若い人の中にも深刻な症状の方が増えているという話も伺っています。まさにコロナは終わっていないわけです。
 ワクチンの副反応については窓口があるけれども、後遺症についてはなくしてしまうのはいかがかと思います。再検討を求めておきたいというふうに思います。
 最後に、島の専門診療について伺います。
 新島村では、眼科の専門診療を新島だけでなく式根島でも実施できるようにすることが大きな課題となってきました。状況を把握しているでしょうか。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、眼科や整形外科など、島しょの町村で確保が困難な診療科目につきまして、専門の医師等を確保し定期的に診療を実施する場合に、その経費を補助するへき地専門医療確保事業を実施しております。
 専門診療は、各町村が地域の実情に応じ、必要な診療科目、日数、場所等を定め実施をしております。新島村では、眼科の専門診療を年間合計十日間行っており、全て新島村本村診療所で実施をしております。

○原委員 そういう状況なわけです。
 式根島の方が新島に受診に行くには、船に乗っていかなければなりません。便数も限られているので受診して帰ってくるだけで大変時間がかかりますし、高齢の方々は移動が本当に大変だというふうに聞いています。
 へき地専門医療確保事業は、伊豆七島どこも、東京都の支援は一律一自治体三百八万円上限となっています。どこの島でも大きな持ち出しとなっています。改善が必要ではないかと思いますが、いかがですか。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、島しょの町村が必要な専門医療を実施する際の専門医等の確保につきまして、へき地専門医療確保事業で支援をしており、実施に当たりましては、各町村が地域の実情に応じ、必要な診療科目、日数、場所等を定めております。

○原委員 地域の実情に応じて定めているといっても、三百八万円というその金額で、そこでは足りないから当然たくさん持ち出しをしているわけです。
 この金額は、二〇〇二年に巡回診療から今の方式に変更したときから変わっていないと聞いています。しかも、それぞれの人口や距離などは関係なく、一律ということです。もっと実情に合った形に変更が必要ではないかと思います。少なくとも二〇年にもわたって金額が変わっていないのはいかがかというふうに思います。
 現状において、新島村の場合は二つの島があるので、その分は考慮されるべきではないかと思いますが、いかがですか。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 繰り返しになりますが、都は、島しょの町村が必要な専門医療を実施する際の専門医等の確保につきまして、へき地専門医療確保事業で支援をしており、実施に当たりましては、各町村が地域の実情に応じ、診療の場所等を定めております。

○原委員 地域の実情に応じといっていますけれども、都の補助の仕組みこそ実情に合わせてほしいというふうに思います。新島村は七百万円ほどの持ち出しになっていると聞きました。これは島にとって非常に大きいのではないかと思います。ほかの島も同様に持ち出しをしています。
 これに、新島村の場合は式根島にも医師が行くようになるというふうになれば、さらに持ち出しが大きく増えるということになるわけです。一つの村で二か所分負担をするというのは、理不尽ではないかと私は思います。
 ぜひ、改善を検討していただきたいと強く求めて、質問を終わります。

○鈴木委員 私からは、コロナ対応の総括とPFAS問題についてお伺いしたいと思います。
 まず、コロナ対応の総括についてです。
 昨年、新型コロナウイルス感染症の位置づけが五類に移行となりました。まだ終息したとはいえないのかと思いますけれども、大分落ち着いてきたところだと思いますので、一旦ここでコロナ禍の対応を総括して、今後の医療体制の整備方針に反映していくべきだろうというふうに考えています。
 そこで、どのような総括や検証を東京都が行っているのかなというふうに思いまして、今さらながら、恥ずかしながら、東京都のホームページを探してみたんですけれども、それらしいものが一向に見つからず、一方で、総括も検証もないのに東京都の感染症予防計画の改定案は出来上がっていると。不思議な状況だなというふうに感じています。
 そこで、まずお伺いをしたいのは、今回のコロナ禍への医療保健に関する対応を東京都はどのように総括されていらっしゃるんでしょうか。

○加藤感染症対策部長 都は、新型コロナ対応におきまして、中高年層を中心とした受入先の確保が課題となった第五波におきましては酸素・医療ステーションを開設し、自宅療養者の増加等が課題となりました第六波では自宅療養者を支援するうちさぽ東京を新設するなど、必要に応じた対策を講じ、感染の波を乗り越えてまいりました。
 保健所設置区市等の関係機関で構成いたします連携協議会におきまして、こうした課題と取組の成果を踏まえた協議を行い、新たな感染症への対応策を今年度末に改定する感染症予防計画に取りまとめたところでございます。

○鈴木委員 随時、連携協議会等において協議を行って検証してきたんですというご趣旨かなというふうに理解をいたしました。
 そういう検証ももちろん非常に重要な作業だと思うんですけれども、危機進行中の検証作業だと、どうしても既存のルールとかリソースを前提条件にして、その中でどうやって解決していくかというように、思考が近視眼的というか、戦術論的に縛られてしまうと思うんです。
 そこで、危機をおおよそ乗り越え、落ち着いた今の段階で、より長期的、戦略的な視点で検証を行っていきたいなというふうに考えております。ぜひ前向きにご検討いただきたいというふうに思います。
 続きまして、コロナ禍について質問を続けますけれども、今後、この大規模感染症が再来する可能性を、東京都としてはどのように評価をされていらっしゃいますでしょうか。

○加藤感染症対策部長 国は、感染症予防計画の改定に当たり対応する新興感染症は、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症としておりますが、まずは、現に発生をし、これまでの教訓を生かせる新型コロナウイルス感染症への対応を念頭に置くこととしておりまして、都は、この国の考え方を踏まえ、計画改定を進めております。

○鈴木委員 今回の新型コロナが再来しても大丈夫なように考えているというふうなお考えなのかなというふうに理解をいたしました。
 そういう観点から、今後またコロナが来たときに本当に大丈夫なんだろうかという観点で、これから幾つか質問をさせていただきたいと思います。いろんな角度から質問をさせていただくんですけど、私が特に伺いたいのはシンプルで、リソースの問題なんです。
 その都度いろんな検証をされてきて、オペレーションの改善はされてきたんだと思うんです。でも、リソースの検証を本当にしっかりやっていただいているのかなというふうに思うんです。
 DXも大切だし、連携強化も大切だし、専門家の助言を仰ぐことも大切なんですけど、リソースがそもそも足りなければ、うまくできないわけで、そこにどういった検証をされているのかということをちょっとこれから伺っていきたいなというふうに思っています。
 ちなみに、ほかの道府県はどんなふうにやられているのかなと思ってちょっとネットを調べてみましたら、面白い提案がございまして、京都府で京都府の感染症予防計画の中間案に対してパブリックコメントを募集されていて、東京都と似たようなことを進めていらっしゃるんだと思うんですけど、そこで京都府の保険医協会が、まさに私が心配しているような提案をされています。
 そのまま読み上げますと、国は、コロナ感染症拡大を経て、地域での適切な医療機能の分化、強化、連携、役割分担の重要性を示したが、コロナ禍の医療現場の混乱は医療機関間の役割分担を徹底すれば防げたものではなく、圧倒的な医療資源不足による。府においても、コロナ禍で医療現場が目詰まりを起こした。府は、地域医療構想や医師偏在指標など、コロナ前に国が机上で考えた医療需給推計を用いた医療計画を一旦見直し、住民の生命を守る視点で医療提供体制の拡充を取り入れて策定すべきであるという提案を行われていらっしゃいます。
 私、これが別に正しいというつもりはないんですけど、こういった視点もあり得るんだと思うんです。いろんな視点を交えて議論をして、検証して、その結果をぜひ総括として議会に報告していただきたいなというふうに思っているんですけど、はい、分かりましたというふうにいっていただけないだろうと思うので、ちょっとその代わりにこれから幾つか気になる点を質問させていただきます。
 まず、リソースで一番気になるのがやっぱり病床のキャパシティーの問題です。
 皆さんも覚えていらっしゃると思うんですけど、コロナの渦中で感染者用の病床が足りないという問題が大きくクローズアップされてまいりました。
 緊急事態宣言が出される基準が、あとどれぐらい病床が残っているかどうなのかみたいな議論がされていたことを今でも思い出すんですけれども、一方で、実は病床は足りているんだけど、一般病床用の病床はあるんだけど人がいないんだとか、違ったいろんなご意見もあって、結局どうだったのかな、どういうふうに東京都は考えてこれからの計画をつくっているのかなというふうに思っています。
 ぜひ、つまるところ、東京都の病床は足りているんでしょうか。そこについてどんな検証をされているのか教えていただきたいと思います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、新型コロナ対応におきまして、通常医療と両立を図りつつ、状況に応じて確保病床を柔軟に運用するとともに、臨時の医療施設といたしまして、高齢者等医療支援型施設などを機動的に確保してまいりました。
 また、都による広域的な入院調整の実施、自宅療養者への往診体制の構築などにより、症状に応じた適切な医療を提供してまいりました。
 新型コロナの感染が拡大する中、限られた病床や医療人材等の医療資源を有効に活用し、医師会等、関係団体と緊密な連携の下、がんや循環器病、小児、周産期医療など、疾病事業ごとの医療提供体制の確保を図ってまいりました。

○鈴木委員 東京都がいろんな努力をしていただいたことはよく存じていますし、評価もしているところでございます。
 ただ、今答弁を伺っていても疑問に感じるのが、限られた病床や医療人材等の医療資源を有効に活用し頑張ってきたというお話だと思うんですけど、コロナの渦中はそうだったと思うんです。
 でも、これからのことを考えるときだから、じゃ、それが限られていなかったときにどうなのかというお話をぜひ聞きたいんです。そこをご質問しているんですけど、もう一回よろしいですか。つまり、足りていたのですか、足りていなかったのか、増やすべきなのか、そこをぜひ聞かせてください。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 繰り返しになりますが、新型コロナの感染が拡大する中、限られた病床や医療人材等の医療資源を有効に活用し、医師会等、関係団体とも緊密な連携の下、がん医療をはじめといたしまして、疾病事業ごとの医療提供体制の確保に取り組んできたところでございます。

○鈴木委員 同じご答弁で、察するに、限られた体制で頑張ってきたけれども、それが増やせるかと聞かれると、増やすべきなのかと聞かれると分からない。リソースが足りなかったのか、余っていたのかよく分からないというのがお答えの趣旨なんだろうなというふうに理解をいたしました。
 次に、病床に続いてICUについても同様の指摘が多くされていたと思うんです。ICUが足りているのか、余っているんだけど、そこに関わる医師が足りないとかです。また、同様の指摘があったというふうに思っております。
 先ほどと似た質問になるんですけれども、そうしたコロナ禍を踏まえて、救急医療、ICUを有する救命救急センターは足りていたんでしょうか、どうだったんでしょうか、お答えをお願いします。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 新型コロナの感染拡大時には、救急需要が高まるとともに、病院職員の感染によるマンパワーの減少や、院内の感染防止対策などの対応が必要となりましたことから、救急患者の搬送先の選定が困難となる事案が増加をいたしました。
 こうした新型コロナ禍の教訓を踏まえまして、円滑な患者の受入れに向け、三次救急医療施設連携会議等の場を活用いたしまして、各施設の病床の利用状況や突発的な患者搬送のための即時性のある情報の共有などについて現在議論を行っておりまして、各救命救急センターの一層の連携強化を進めてまいります。

○鈴木委員 こちらも同様に、足りていたか足りていなかったか分からないんだけれども、問題はあったと。そこについては連携の強化で補ってきたと。今後のことについては議論を行っている最中というお話だったんですけど、ぜひこれ、リソース自体が足りていたのかどうかも今後の議論の中で取り扱っていただきたいなというふうに思っています。
 続いて、そういった医療リソースについてなんですけど、足りているか足りていないかの議論だけではなくて、偏在の問題もあると思うんです。
 簡単に申し上げると、都心にはたくさんあるんだけど、多摩地域には足りないとか、多摩地域である地域もあるんだけど、ない地域もあるとか、そういった偏在の問題があるんじゃないかなということを心配しているところでございます。
 私、地元は多摩の立川市なんですけれども、幸いながら立川市には救命救急の病院がございます。ただ同じ多摩の中ででも、これは私の実家がある町田市なんですけど、立川市の倍以上の人口がいて四十三万人もいるんですけれども、救命救急センターが一つもないという状況が続いており、地元の方々からも何とか指定できないのか、コロナの反省は生かされているのかというお話を伺っているんですけれども、この医療リソースの偏在について、今どういった見解を持たれていらっしゃるのか教えていただければと存じます。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 救命救急センターは、二次救急医療機関では対応困難な複数の診療科領域にわたる重篤な救急患者に対しまして、高度な医療を総合的に提供する医療機関でございまして、都では、都内全域を一つの医療圏として整備を進めております。
 救命救急センターへの搬送は増加傾向にあり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大時に緊急性の高い重症患者を受け入れるなど、担うべき役割が増加しましたことから、令和五年三月に二施設を新たに指定し、現在二十八施設となってございます。
 加えて、令和三年度よりドクターヘリを多摩地域で運航しており、重症、重篤な患者を迅速に救命救急センターに搬送できる体制を確保しております。

○鈴木委員 ドクターヘリの運航などは非常にいい施策だと思います。ぜひ強化をしていっていただきたいと思います。
 ちょっとリソースの問題を一旦離れまして、別の観点からまたご質問いたします。
 コロナ禍の経験は、大規模感染症の再来だけではなくて、今後想定される首都直下型地震等の大規模災害や二〇四〇年以降の東京の超高齢化社会の対応等に生かせるんだろうというふうに思っています。
 そこで、災害対応についてなんですけれども、コロナ禍同様、災害時には発災直後に多数の患者が一挙に発生するわけで、災害の場合は、そういった場合コロナ禍のように病院に入れないからホテルに行っていただいて、ホテルに入れないから自宅でというわけにもいかないと思うんです。
 そういう観点から、今回のコロナ禍の経験をどう災害対応に生かそうと考えていらっしゃるのか、お考えをお伺いしたいと思います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、首都直下地震等による被害想定で示されました負傷者数や病院の収容力などを踏まえ、主に重症患者に対応する災害拠点病院を指定するとともに、主に中等症患者に対応する災害拠点連携病院を指定し、重層的な患者の受入れ体制を確保しております。
 令和四年度の新たな被害想定で示されました医療従事者の被災の可能性から、災害拠点病院の患者収納機能が十分に発揮されない場合を想定いたしまして、今年度、災害医療協議会におきまして、必要な病院数など体制の検討を行っており、今後、協議会の意見を踏まえまして、新たな病院指定を進めることとしております。

○鈴木委員 災害に続いて、先ほども少し触れました超高齢化社会への備えについて、特に在宅医療の面からお伺いをしたいと思います。
 東京の医療ニーズは−−まさに私、団塊ジュニア世代なんですけれども、我々が高齢者となる二〇四〇年以降にピークを迎えると指摘をされています。
 後期高齢者は、この後二〇六〇年代後半まで増え続けると予想されているそうでして、人口減社会にはなりますけれども、医療の体制は強化をし続けていかなければいけないんだろうなというふうに感じているところでございます。
 今後、東京の医療現場は、平時であるにもかかわらず、要介護の高齢者や基礎疾患を持つ患者の急性期の対応が常態化して、高齢患者が病床を埋め尽くす可能性があるとも指摘をされています。
 都は、コロナ禍で露呈した在宅医療の課題をどのように総括されていらっしゃるんでしょうか。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 増大する在宅医療のニーズに対応していくため、都は、在宅医療と介護の提供体制の充実に取り組む区市町村への支援や、在宅療養に関わる多職種の人材育成、デジタル技術を活用した医療、介護関係者の情報共有などに取り組んでおります。
 今年度からは、夜間緊急時対応を行う往診医療機関の活用や、在宅医療に取り組む地域のかかりつけ医による連携など、二十四時間診療体制の構築に取り組む地区医師会を在宅医療推進強化事業により支援しております。

○あかねがくぼ委員長 すみません。挙手を。

○鈴木委員 以上でコロナの総括についての質問については終えさせていただきたいと思うんですけれども、質疑、答弁を伺っていても、やはり総括が必要なんじゃないかなというふうに思うところでございます。
 結局のところ、病床が足りているのか、医師が足りているのか、ICUが足りているのか足りていないのか分からないまま計画をつくっていっても、DXで解決するんだとか連携強化だとか、ちょっといい方悪いけど、精神論だと思うんです。
 日本人、昔からそういう精神論好きで、物資が足りなくても現場の改善で乗り切るんだという、そういうの好きなのは存じているんですけれども、やっぱりいつまでもそれじゃいけないと思うし、一方で、ほかの委員の方、ご指摘あったように、これから少子化の時代を迎えて資源に限りもございます、お金も有限でございますので、増やし過ぎるのも当然よくないというふうに思います。
 適切な医療のリソースを確保していくために、ぜひ東京都の皆さんで総括をしていただきたいなと、この厚生委員会にご報告をいただきたいなというふうにお願いを申し上げまして、コロナについての質問はここで終わりにさせていただきたいと思います。
 続いて、PFASについてお伺いをしたいと思います。昨年の厚生委員会でもご質問をさせていただきました。
 その際に、ご答弁の中で、国に対しまして、健康影響及び環境に関する評価について、科学的根拠に基づいた知見を示すよう関係局と連携して要望しているというご答弁をいただいたんですけれども、その後、国の検討状況はどうなっていらっしゃるんでしょうか。把握されている情報を教えていただきたいと思います。

○早乙女食品医薬品安全担当部長 国の食品安全委員会によるPFASの食品健康影響評価書案は、専門家のワーキンググループにおきまして、国内外の学術文献など現時点での科学的知見や関係省庁の調査結果等を基に作成され、現在パブリックコメントの募集が終了したと承知をしております。

○鈴木委員 パブリックコメントの募集が終了して、今後いつ新たな基準値であったり、検討結果の報告というのはなされるんでしょうか。

○早乙女食品医薬品安全担当部長 PFASのリスク評価に係る今後のスケジュールにつきましては、現時点で食品安全委員会から示されておりません。

○鈴木委員 つまり、いつ終わるか分からないというお話なんだと思うんです。
 恐らく、東京都からもしっかりとつついていただいていると思うんですけれども、難しい問題だけに、なかなか答えが出ないというのが実態なんだろうなというふうに思っています。
 思うに、これPFASに限らないんですけど、こういう新しい化学物質や新しいタイプの公害といっていいのかどうか、なかなか科学的に毒性を検証して、毒性があったとして、どれぐらい体内に入るとどういう病気になるのかということを検証して結果を出すということ、膨大な時間がかかっちゃうと思うんです。
 下手すると何十年もかかってしまって、その検証が終わったときにはもうその問題は終わっているというふうになってしまうんだろうなというふうに危惧をしているところでございます。
 それは私が指摘するまでもなく、世界中の多くの方々が感じていらっしゃる問題でございまして、有名なリオ宣言というのがございまして、一九九二年、環境と開発に関する国際連合会議におきまして、予防原則というものが発表されています。
 環境を保護するためには、予防的な取組方法が各国の能力に応じてそれぞれの国で広く適用されなければならない、深刻な、あるいは不可逆的な被害のおそれがある場合には、完全な科学的確実性の欠如が、環境悪化を防止するための費用対効果の大きな対策を延期する理由として使われてはならないという原則が示されています。
 つまり、強いおそれがある場合には、前もって予防的に行動すべきなんだという原則が示されているということだと理解をしております。
 そこでお伺いしたいんですが、東京都としては、この予防原則についてどのように考えていらっしゃるんでしょうか。

○藤井健康安全部長 予防原則につきましては、様々な考え方がありまして、明確な定義はなされていないと認識しております。

○鈴木委員 さっき読み上げたんで、定義はあると思うんです。もう一回読み上げるまでもないと思うんですけど、環境と開発に関する国際連合会議、リオ宣言の第十五原則で定義がされているというふうに私は思います。
 ただ、恐らく足りないものがあって、それは、この原則を実際に運用していくためのガイドラインや知見はやはり足りないんだろうなというふうには私は思います。ただ、行動していかないとこういう知見は蓄積をされないし、ガイドラインをつくっていくこともできないんだというふうに思っております。
 私、東京都が決してこの予防原則をないがしろにしてきたとは思っていないんです。例えばこのPFAS問題が取り上げられ始めた令和元年の六月、東京都は国がPFASの目標値を定める前の段階で、当時最も厳しい米国の健康勧告値七十ナノグラム・パー・リッターを下回るように基準を示しまして、多摩地区の取水を一部停止するという行動も取られていて、立派な予防原則的行動だなというふうに評価をしているところでございます。
 ぜひこういったすばらしい先例もお持ちなんですから、東京都には前向きにこの予防原則、考えていただいて、今後、水道水以外のPFAS対策、昨年の四定でもご提案させていただいたんですけれども、PFASの血中検査等、ぜひチャレンジしていただきたいなというふうにお願いを申し上げまして、私の質疑を終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。

○あかねがくぼ委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時七分休憩

   午後三時二十五分開議

○あかねがくぼ委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上田委員 まず、東京都保健医療計画についてです。
 医療法の規定により、医療計画は、在宅医療その他必要な事項については三年ごとに調査、分析及び評価を行い、必要に応じて見直すものとされております。計画期間、平成三十年度−令和五年度の六年間とし、この間、コロナに見舞われ、令和三年度に中間見直しがされました。
 計画期間が本年度終了し、令和六年度以降、これまでの取組を踏まえた新年度予算に付随する事業を伴う本計画に係る現状と今後の方向性を確認します。
 また、二次保健医療圏別保健医療の概況ですが、例えば私の地元江戸川区のある区東部二次保健医療圏の令和二年における病院の受療割合を見ますと、流入患者割合二八・一%に対し流出は四六・五%と大幅な流出超過になっており、域内完結率は四五・三%と東京都全域の割合と比べて低いということです。
 例えば西多摩保健医療圏でも、流入患者割合が四六・九%に対して流出は二五・七%、域内完結率は七四・三%と東京都全域の割合を大幅に上回っていることが指摘されてきました。
 このような二次保健医療圏ごとの医療資源の違いを踏まえた上で、都全体として必要な医療提供体制をどのように確保していくのか、所見を伺います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 東京には、高度医療や先進的な医療を提供する大学病院等が集積をしており、また、公共交通網や道路網が高度に発達し、比較的短い時間での移動が可能であることから、広域的な患者の受療動向が見られます。
 都は、二次保健医療圏ごとに行政や地域の医療関係者等から成る地域医療構想調整会議を設置いたしまして、地域に必要な医療機能や役割分担等を継続的に議論しながら病床の整備等を進めており、今後とも、地域の実情に応じた医療機能の分化と連携を一層推進し、効率的で質の高い医療提供体制を確保してまいります。

○上田委員 特別区は確かに移動はしやすい部分はありますので、三多摩地区の方は移動はやはり課題がすごく多いと思うので、この件に関しては、私は三多摩地区ファーストで進めていただきたいと要望いたします。
 地域医療構想についてです。
 医療法第三十条の四に基づき定める医療計画に掲げる事項の一つであり、二〇二五年に向けて医療需要の増加に対応するため、医療機関の機能分化と連携を進め、効率的で質の高い医療体制を確保するために策定されていますが、これも来年に迫ってきております。
 令和六年度予算にも、この地域医療構想関係で二十八億円計上されております。進捗と評価、課題について伺います。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、地域医療構想に基づき、二次保健医療圏ごとに必要となる医療機能を確保するため、病床の整備や機能の転換を行う医療機関や、みとり機能等の機能強化を行う二百床未満の病院に対しまして、施設整備や設備整備の補助を行っております。
 また、新たな医療機能を担う上で必要となる人材の確保や育成への支援を行うとともに、経営上の不安解消策といたしまして、経営コンサルティングの専門家による支援も実施してございます。
 こうした取組により、ハード、ソフト両面から、地域の実情に応じた病床の機能分化、連携を推進しております。

○上田委員 医療計画や構想は地味に効果を発揮しますので、また、つくる過程、点検する過程で皆様の課題認識も高まると思うので、引き続き期待をするものでございます。
 広尾病院整備方針ですが、本年三月八日に落札者が決定しました。
 患者数が伸び悩み、かねてより、中長期的に地域需要のある病院づくりと再整備に当たって、現場の医療従事者の声の反映を求めてまいりました。
 都としては、病院経営本部から広尾病院の各部門の責任者に実施方針案を説明しており、各部門の責任者は、実現可能性を踏まえて職員の意見を集約し、その内容を病院経営本部と検討するなど、実施方針は現場の声を踏まえた内容としてきたと思料いたします。昨年十二月には、事業者との対話も実施しております。
 これらを踏まえて、進捗状況と、課題としての、入替えによる士気低下を懸念する質問に対して、七月以降につきましては、職員は引き続き病院に勤務する予定との答弁を過去にいただいておりましたが、職員の増減なども含めて伺います。

○齋藤都立病院支援部長 広尾病院の整備は、都立病院機構において、PFI法に基づきまして昨年七月に入札公告を行い、事業者との対話や審査委員会による審査等を経て、本年三月八日に落札者が決定いたしました。
 今後、本事業を実施するために、落札者が設立いたします特別目的会社、いわゆるSPCと契約を締結いたしまして、事業を進めてまいります。
 なお、広尾病院の職員数につきましては、独法化直前の令和四年六月は六百六十六・二名、令和五年六月は六百七十・六名でございました。

○上田委員 入れ替わったかもしれませんが、人員は減ってはいないということです。これまで、独法化前後の人員状況を確認してまいりました。
 今回、資料においても、超過勤務は独法化後の方が少なくなっているようにお見受けします。また、障害者への合理的配慮も、資料で確認している限りは適切な取組をしているように見えます。
 しかし、私のところへは、匿名でこのような悲痛なメールが届いております。
 職員は半年と定着せず辞めてしまい、残った職員は次々と病休に入っています。しかし、私は、辞めた方、お休みに入った方はむしろ被害者だと思いますし、精神を病む前に行動したことは当然とすら思います。このような状況ですから、法定雇用率達成のために雇用した障害者には何らの合理的配慮も講じずに、健常者と同様の一人分の業務を課し、早々に精神的に追い込まれています。私たちも、月の超勤は百時間を超えています。当然、複数月の八十時間平均も特例協議も回数オーバーです。このような状況であるにもかかわらず、評価委員会はどうして都立病院機構にS評価を与えたのでしょうか。この評価以降、私たちの声はもはや全く届かなくなりました。現場の超勤すら減らす業務改善、システム改善よりも、理事会や評価委員会に目標として出しているもの、見栄えがよいものが最優先となり、至るところで、手作業のエクセル作業、調査物が投げ込まれます。前日の夜に届いて翌日午前中締切りか、当日昼頃に依頼されて夕方締切りが当たり前になっています。この状況で休みましょうと声がけされても、それは幹部のアリバイ工作でしかありません。現場は冷め切っています。上田先生、評価委員会がS評価をしたということは、私たちは今のまま働き続けなさいということなのでしょうか。そうであれば、私はこの組織を辞めようと思います。一人の人間として、家族を大事にしていきたいです。都政の様々な問題からしたら瑣末な話だと思いますが、私が辞めた後もこのまま働く同僚たちを思ったら、何か少しでもよい方向に変わってほしいです。先生のお力をお貸しいただけませんでしょうか。
 一昨年の私の予算質疑では、職員向けに行ったという十六回の相談会の実態について確認させていただいたところです。
 都は、人事給与制度の構築に当たりましては、職員が働きやすさや働きがいを感じ、安心して働き続けられる環境整備が重要。具体的には、例えば職員の持つ専門知識、能力や業績をきめ細かく評価に反映する仕組みや、専門性に着目した手当の創設、職員のニーズに合わせた柔軟な勤務制度などの検討を行い、職員に丁寧に説明と伺い、健全な組織風土を私も期待したのでありました。
 現在の都立病院の勤務実態に課題はないのか伺います。

○齋藤都立病院支援部長 人材の確保、育成や働きやすい環境整備などを含む項目では、都立病院機構が独法化のメリットを生かして、柔軟な雇用形態や勤務時間設定等を導入し、職員一人一人のライフステージに合わせた働きやすい環境を整備したことなどを評価いたしまして、都として評定をAといたしました。
 なお、職員満足度調査を毎年実施いたしまして、病院運営への現場の声の反映に努めております。

○上田委員 切々とした現場の声に、いわゆるあっさりした官僚答弁とは思いますが、議事録に残しましたことから、行政的医療は、やっぱり職場環境から始まるというふうに思いますので、対応をよりきめ細かくお願いしたいと思います。
 また、理事長選定についても確認させていただいたところでありますが、法令上、高度な知識及び経験を有する者のほか、法人を適正かつ効率的に運営することのできる者のうちから知事が任命するとされ、解任も知事がするという、私からすれば甚だ心もとない状況でしたが、理事長選定から現状に至るまでの経緯と、理事長がトップとしてのリーダーシップのほか、公的病院の役割を理解していること、地域ニーズを酌み取り行政的医療をはじめとする医療提供体制に迅速に反映できることなどの様々な要素を総合的に勘案しながら選定ができていたのか伺います。

○齋藤都立病院支援部長 都立病院機構の理事長は、大規模な組織のマネジメント経験が豊かで強いリーダーシップを有しておりまして、都の政策や保健医療行政について深い見識を有していることから、行政的医療の安定的、継続的な提供や、地域医療の充実への貢献などを実現するため、理事長として適任であると判断をいたしまして、知事が任命をいたしました。
 なお、地方独立行政法人法に基づきまして、理事長の任期は令和四年七月一日から令和九年三月三十一日までとなっております。

○上田委員 理事長は、副知事、福祉保健局長、財務局長を歴任された方でございます。都政経験ゼロの東京水道の野田数社長よりは、随分と信頼できるかなという評価はさせていただきたいと思います。
 評価委員会の評価についても、るる指摘させていただいておりましたが、公平性が担保されているのか、局と不特定多数の職員のその評価への評価の所見を伺います。

○齋藤都立病院支援部長 業務の実績等に関する評価に当たりましては、地方独立行政法人法等に基づき、都立病院機構は、毎事業年度の終了後、自己評価を記した業務実績報告書を知事に提出し、その上で、知事はあらかじめ評価委員会の意見を聞き、評価をしております。

○上田委員 職員も納得の評価結果になることを希望いたします。
 虐待の連携についてです。
 台東区では、薬物による女児の痛ましい死亡事件があり、虐待が、これはほぼ一〇〇%というか、疑われているところです。かねてより、子供の虐待の見立ての重要性、医師の研修などを求めてまいりました。児相、警察や監察医務院との連携も不可欠です。
 一方で、虐待ではない外傷であったにもかかわらず児相に通報され、保護されてしまって、何年も子供と会えないという保護者もおり、各地で訴訟となり、大阪では行政側が敗訴しています。
 この辺りの判断は極めて難しいところでありますが、都立病院は、私立よりもより行政とコミットしていることから、虐待の正しい医療的判断技術の向上に向けた先鞭をつける取組を期待するものですが、所見を伺います。

○齋藤都立病院支援部長 例えば小児総合医療センターでは、診療の中で子供の虐待などが疑われる所見が得られた場合、医師や看護師、医療ソーシャルワーカー等から成る児童擁護委員会で評価をいたしまして、対応の方向性を決定した上で通告等を行っております。

○上田委員 医師の技術向上は行われているという理解で構わないですね。大丈夫ですね。医師の技術向上も行われているという−−はい、ということでありました。複数で判断をしているということで、ちょっと一安心しました。
 滝山病院でございます。
 事務事業質疑では、改善に向けた指導を繰り返し行っても改善が図られない場合や運営が著しく適正を欠く場合には、同法六十四条第一項に基づき改善命令を行い、今後とも、医療法人の適切な運営の確保に努めるという、法令遵守をするという域にとどまっておりますが、保健医療局としては、滝山病院のような悪質な医療従事者を見逃した点を謙虚に踏まえて、法律を守るだけではなく、より機動的な対策が求められるはずです。
 令和六年度の、医療法人への、当然進めているであろう管理監督体制を伺います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、医療法人から毎会計年度終了後に提出される事業報告書等で事業内容や経営状況等を確認しており、法令違反の疑いがある場合やその運営が著しく適正を欠く疑いがある場合には、医療法第六十三条第一項に基づき、当該法人に業務または会計の状況に関し報告を求め、必要に応じ立入検査を実施しております。
 また、通報や内部告発等があり、必要と判断した場合には、事前の予告なしで立入検査を実施し指導を行うなど、今後とも、医療法人の適切な運営の確保に努めてまいります。

○上田委員 精神病院は、病床稼働率が八割を切ると経営が危ないといわれておりますが、経営的な課題はないのか確認しておりましたが、経営の状況が患者の処遇に影響しないか等、病院の運営状況について立入検査で確認しているとのことでした。
 改善計画書、この間、病院側から一月に提出されたものであります。令和六年一月三十一日現在、入院患者の減少に伴い閉鎖となっている病棟が数多くある中で、再度、本来の精神病床二百五十五床、内科診療病床三十三床の機能を取り戻し、健全な医療機関として生まれ変わるべく体制整備を推進しますと明記され、まだ続けるつもりかと、いささかショックを受けました。
 なぜならば、理事長は交代したとはいえ、朝倉重延院長のきょうだいでありまして、理事も第三者委員にも親族がいます。病院のシーツなどのクリーニング事業者も同族経営と仄聞しております。朝倉一族に今後も任せていいのか疑念を持っておりまして、ほかの医療法人等に譲渡、あるいは経営陣を刷新すべきと考えます。
 例えば、柔軟な人材活用ができると都立病院は独法化したわけでございますから、滝山に都立病院の医師を派遣するなど、手続上可能かどうか確認します。

○齋藤都立病院支援部長 滝山病院では、改善計画に基づく取組が進められるものと認識しております。
 なお、都立病院では、医療連携強化や医師の技術習得等を目的として派遣している例はございます。

○上田委員 じゃあ、派遣できると。技術習得してもらいましょう。まさに虐待防止と、精神とまた身体の病気の方の合併症の技術習得のために、ぜひ都立病院から滝山に、まず送り込んでいただきたいです。
 過剰診療及び過剰投与が原因で死亡していると思われる事案があることも指摘されてきました。ご承知のとおり、朝倉重延院長は、患者への虐待、大量の診療報酬の不正請求の発覚により廃院となった朝倉病院の当時の院長でした。
 国と都は共同で、当該病院に対し、国民健康保険法に基づく指導を令和五年五月に実施しており、事実関係を確認中ですということでありました。
 昨年八月に厚労省も立入検査をしましたが、その後、どうなりましたのか確認します。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 現在、国において、昨年八月の指導時に当該医療機関の関係者から聴取した内容や閲覧した書類を踏まえ、事実関係を確認しております。

○上田委員 調査結果が待ち遠しいところでございます。
 改善計画書では、理事長、院長が辞任表明しておりますが、その時期はいつになるのでしょうか。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 令和六年一月三十一日に都が受領いたしました改善計画書には、理事長及び院長は後任が見つかり次第、速やかに交代すると記載をされております。

○上田委員 今の患者さんが救済される前に速やかに、もう辞任じゃなくて、私は辞職すべきと考えます。滝山病院を再構築するのであれば、朝倉関係者を一掃する以外にもうないと考えております。辞職しないのでしょうか。
 朝倉病院のように、廃業した後にほかの法人に譲渡するということも理論上は可能ですが、朝倉一族に委ね続け、改善ができると都は考えているのでしょうか。法人や人事を一新するつもりはないのか、抜本的改善、あるいは廃業に向けての都の所見を伺います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、当該法人が本年一月、外部役員として、理事に弁護士、監事に税理士を選任するなど、改善に向け取り組んでいることを確認しております。
 引き続き、事前予告なしでの立入検査を実施するなど、当該法人及び病院の改善状況を確認してまいります。

○上田委員 ようやく予告なしといってくださるようになりまして、どんどんやっていただきたいと思います。
 一般病棟を開放して、透析、一般患者を受け入れることは、手続上可能なのでしょうか。診療報酬も、先ほどいいましたように、八割、精神だけだとしんどいんですよね。なので、診療報酬も上がりますし、外部の人が入るので、あの閉鎖的な環境を変えることが結果的にできると考えますが、所見を伺います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、滝山病院に対し、平成二十八年に医療法上の開設許可及び使用許可を行っており、透析室が設置されていることを確認しております。
 また、滝山病院が外来で透析患者を受け入れていることを立入検査において確認をしております。

○上田委員 外来があって、患者さんが一応来ていると。さらなる利用者増を求めるものでございます。
 経営については、もう本当に、朝倉一族さようならと考えるんですけれども、現実的には、現状の環境整備は喫緊です。
 現状のスタッフ体制ですが、精神保健福祉士の設置はどうなりましたでしょうか。現在約八十名の非常勤看護師がいると思われますが、今後この非常勤職員の進退はどうなるんでしょうか、そして常勤率はどのようになるのか、常勤率を高めるためにはコストもかかりますが、いかに対応するのか、所見を求めます。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 精神保健福祉士につきましては、常勤職員を募集し、現在採用に向けて準備を進めていることを確認しております。
 また、看護師については、常勤職員を募集するとともに、非常勤職員からの常勤転換等を進めていることを確認しております。

○上田委員 一応PSWを採用するということで、一歩前進でございます。
 改めまして、浅倉一族一掃、一旦廃業、都立病院からのドクターを派遣、お願いしたいと思います。
 新規事業についてです。
 福祉・保健医療分野のデジタルプラットフォーム構築事業ですが、このプラットフォームが完成した暁には、対象事業者をどのように想定し、具体的にどのような事務負担軽減化をし、それによるどのような効果を見込むのか伺います。

○村本企画部長DX推進担当部長兼務 都はこれまで、「未来の東京」戦略やシン・トセイなどに基づき、事業者等の負担軽減に資するDXの取組を進めてきております。
 本事業は、現在、事業者からの申請を受け、各分野のシステムで個別に保有しております医療機関や社会福祉法人などの事業者情報につきまして、福祉分野も含め、リアルタイムに連携するためのデジタル基盤を構築するものでございます。
 これにより、事業者が代表者や所在地などの各種情報を変更する場合、一度の手続で分野をまたぐ他のシステムにも申請内容が反映されるとともに、職員にとりましても、リアルタイムで最新情報の共有やアクセスが可能となるなど、幅広く事務負担の軽減が図られるものと考えております。

○上田委員 一度の手続で申請内容が反映されるということは、大変、事務負担軽減化に資するものと期待をするところでございます。
 認知症発症メカニズム解明と新規治療法等の研究の推進に一億円計上していますが、健康長寿医療センターにおける認知症新薬レカネマブの投与も始まりました。求められる医療にしては、私にしては珍しく、逆に予算規模が少ないように感じます。
 医学総合研究所にて行われていることですが、都立病院との連携は必須と考えますし、どのような専門家による研究と、どのようなスパンで効果を生み出し都民に還元するのか、スケジュール感を持った所見を伺います。

○村本企画部長DX推進担当部長兼務 今後、高齢化の進展に伴う認知症高齢者のさらなる増加により、安全で効果の高い認知症治療薬や、ワクチンなどの予防法への関心やニーズが高まることが見込まれます。
 このため、来年度から、東京都医学総合研究所におきまして、国際的にも著名な認知症研究者を中心としたチームの下、認知症の発症メカニズムの解明や、それに基づく治療法、予防法の開発研究を充実してまいります。
 これらの開発研究は、一般的には数年単位を要し、その先には民間企業による臨床試験なども必要であり、これまで医学研において蓄積してきました知見や研究技術を生かし、都立病院とも連携しながら取り組んでまいります。

○上田委員 私も審議会でお邪魔したことがあって、ハードウエアもそうなんですけど、非常に優れた人材がいるところは非常に頼もしく思っているところで、数年単位ということなので、官民連携で協働して、かつて監察医務院がエコノミークラス症候群を発見した、こんなような快挙がまた誕生することを期待したいと思います。
 保健所の機能強化について、私は、iCDCを立ち上げるまでもなく、保健所を東京版CDCにすべきとずっと指摘をしてまいりましたが、ようやく実態として実現できるものと期待します。
 公衆衛生医師確保事業、機能強化事業と、それぞれ特別区と三多摩地区では、また取組が異なるはずです。
 課題があるから強化することに至ったと思料しますので、それぞれの課題と具体の取組、期待する効果についてご説明ください。

○小竹保健政策部長感染症保健政策担当部長兼務 多摩地域の都保健所については、新型コロナ対応で得られた知見や、あり方検討会でいただいた市町村等との連携強化などが重要との意見等を踏まえ、来年度から市町村連携課を新設するなど、体制機能の強化を図っていくこととしており、市町村との顔の見える関係を構築することで、新興感染症等への備えを進めてまいります。
 公衆衛生医師については安定的な確保が必要なことから、都は、採用案内ホームページ等によるPR、公衆衛生医師のための民間住宅の借り上げなどを行うとともに、毎年度、都本庁において、都内の全ての公衆衛生医師との個別の意見交換を実施するなど相談体制も整えており、引き続き、公衆衛生医師の安定的な確保と働きやすい環境の整備に取り組んでまいります。

○上田委員 公衆衛生医師は、皆さん、こちら保健医療局の中にもいらっしゃると思いますので、ぜひ後輩とか、声をかけて増やしていただきたいと思いますし、市町村との顔の見える関係という言葉がとてもいいと思います。
 どうしても都からお医者様のお役人様がやってきた的な距離感が、どうも私も区議出身なのであるので、そういったフラットな関係性で強化を図っていただきたいと思います。
 とうきょう健康応援事業では、包括補助による区市町村事業に加えて、都が募集、確保する協賛店で優待サービスを受け、ポイント付与などの恩恵を受けることができるそうですが、そもそも行政イベントに参加する時点でかなり健康意識の高い層と考えます。健康を応援したいのは、全く健康に配慮しない層ではないでしょうか。
 まず、都が募集、確保する協賛店をどのように選定するのか、何店舗を想定しているのか、地域的な偏在はないのか確認します。最もターゲットにすべき健康意識が低い層が利用できる可能性があるのかも伺います。

○小竹保健政策部長感染症保健政策担当部長兼務 本事業は、健康づくりに関心が低い層を含む住民の方々を対象に、インセンティブを用いた取組を行う区市町村と連携し、都が協賛店による優待サービスなどのさらなる特典を提供することで、都民の健康づくりを後押ししていく事業でございます。
 協賛店については、大手チェーン店等を含め、東京都全体を対象に募集し、確保してまいります。

○上田委員 大手チェーン店ということで、個人的にはドン・キホーテをお勧めしたいと思います。ターゲット、どっさり来ていると思いますので。
 東京都国民健康保険運営方針では、将来的には保険料水準の平準化を目指していくが、都内区市町村では医療費水準や保険料収納率の差異があるため、直ちに完全統一の保険料水準を目指すのは困難と示唆されていますが、本事業によって、その解決の一歩を踏み出すと思料いたします。
 将来的にどう解決し、収納率の差異問題などをどう解消するのか、中長期的な所見を伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 保険料水準の完全統一に向けましては、区市町村と連携して、都内の医療水準や収納率の平準化を進める必要がございます。
 令和六年度から十一年度までを対象期間とする運営方針では、将来の保険料水準の完全統一に向けた第一段階といたしまして、納付金ベースの統一を目指すとし、国民健康保険平準化支援事業で区市町村を支援することとしております。
 また、区市町村の保健事業の支援や後発医薬品の使用促進など、医療費適正化の取組を推進するとともに、区市町村の現年分収納率について全国平均を目標とするなど、一層の収納率向上を図ることとしております。

○上田委員 目標率も定めているということで、東京都が国と区市町村のハブ機能となることを期待したいと思います。
 小児救急医療でございます。
 私も息子が二人いましたので、子供は実に突発的に傷病にかかりますことから、可及的速やかな環境整備が求められてきました。中心的役割を担うであろう東京都こども救命センターは、都内四ブロックに各一施設、東大医学部、国立成育医療研究センター、日大医学部、都立小児総合医療センターとありますが、私の地元城東地区からは、いささか遠い感が否めません。
 地域医療との連携は不可欠でありますことから、オール東京でどう機能させるのか、させているのか伺います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、地域の医療機関では対応できない重篤な小児救急患者を必ず受け入れるこども救命センターを指定し、迅速かつ適切に救命処置を受けられる体制を確保しております。
 また、こども救命センターを中核といたしまして、症状に応じた適切な医療提供体制を確保するため、ブロックごとに地域の中核病院や診療所、行政機関、関係団体等が参画するネットワーク会議を開催いたしまして、関係各機関との連携を強化しております。

○上田委員 予算もつき、さらなる強化を期待します。
 地域における小児医療研修は評価するものですが、開業医対象に十一名というのはちょっと少ないかなと。都内開業医の母数を示して、この人数で見込む効果を伺います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、地域において小児救急医療等を担う人材を養成するため、診療所の医師や病院の勤務医を対象に、臨床研修、地域研修、小児初期・二次救急研修、小児救急研修の四つの研修会を実施しており、令和四年度は、各研修で延べ二百六十九名の診療所の医師が受講いたしました。
 なお、厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師統計によりますと、令和二年の都における主たる診療科目を小児科とする診療所の医師数は九百六十五名でございます。

○上田委員 一千三百万、四百万都市で千人を切っちゃって、少子化をひしひしと感じます。国の方で、やっぱり診療報酬を上げてほしいなというふうに思います。
 NICU等入院児退院支援促進事業です。
 退院支援手帳「のびのび」を入手させていただきました。愛情にあふれて、頂いた保護者はさぞかし安堵されると私もうれしく思いました。母子手帳とともに活用されると思います。退院後は、当然、地元の母子保健事業、場合によっては児童相談所などにもつながっていくこととなると思います。
 都立病院、私立病院それぞれにおけます退院支援の、地域行政や医療との連携の現状と課題と評価、期待する効果を伺います。都外に退院した母子についてもお願いいたします。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、NICU等入院児の円滑な在宅移行や療養生活を支援するため、都立病院も含めました周産期母子医療センターの医師、看護師や地域の診療所医師、訪問看護ステーションの看護師等を対象といたしました実務研修や多職種合同研修を実施しております。
 都内、都外にかかわらず、周産期母子医療センターから退院先の母子保健所管部署に情報提供等を行うなど、円滑な在宅移行を進めております。

○上田委員 自治体間を超えて、子供を通じて連携を図るということで、一安心しました。
 ゼロメートル地帯選出の都議として、医療施設浸水対策については必要不可欠と身にしみて感じております。
 対象となる浸水想定区域に所在する都内病院を、どの程度を想定しているのでしょうか。浸水の危険性の高い地域から、優先順位をつけて対象とすべきと考えます。また、当該事業者にどのようにこの事業を周知し、取り組んでいただくのか伺います。
 また、コンサルタントを活用するとのことですが、これはどういうふうに選定するのでしょうか。一口にコンサルタントといっても、個人に相当の能力差がありますことから、併せて質の担保も伺います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は来年度、医療機関の浸水対策を促進するため、浸水想定区域に所在する全ての病院を対象として、医療施設浸水対策計画策定支援事業を実施することとしておりまして、事業の実施に当たりましては、対象病院に向けた説明会等において事業の活用を働きかけるとともに、東京都医師会等関係団体を通じて周知を行ってまいります。
 また、建物の構造や立地状況など病院ごとの浸水リスクに応じた対策を促すため、専門的な調査や設計に必要と考える建築設計事業者等を各病院において選定し、その事業者を活用する取組を支援することとしております。

○上田委員 手堅く進めていただければと思います。
 AI技術ですが、医療機関働き方改革の一環として、電子カルテ導入などを補正予算でも審議しましたが、今般、AI技術を活用する新規事業とのことです。
 AI問診、音声自動入力などを導入する医療機関の働き方改革に資する技術活用を支援するということですが、これは患者の接遇改善や、ともすれば医療過誤防止にも資するものではないかと思料します。
 病院側のAI需要の目的は多種多様と考えますが、医療現場で求められているAI技術の導入支援を、都は把握しているのでしょうか。AIリテラシー格差が病院間で生じることは念頭に入れていないのか、生じないために何かしら対策を考えているのか伺います。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 医療機関におけるAI技術活用促進事業は、医療の質の向上や医療現場における業務の効率化を進めるため、AI問診や看護記録等の音声自動入力など、AI技術の活用等に取り組む中小病院や有床診療所を支援するものでございます。
 事業の検討に当たりましては、システム事業者へのヒアリングや、先行導入している医療機関との意見交換を通じまして、情報収集を行いました。
 また、AI技術導入に知見を持つコンサルタントを活用しながら取り組む場合も支援対象とするとともに、本事業を活用した医療機関の取組事例を参考にして、都内の医療機関でのAI技術の導入を横展開していくこととしております。

○上田委員 医療従事者が導入時に疲弊しないスムーズな取組を期待したいところです。
 外国人旅行者等への医療情報提供体制については、コロナも五類となり、需要がますます増えていると考えます。現状、インバウンドで観光客が爆増しておりますが、令和六年度の予算額は、令和五年度に比べ減額となっております。
 外国人旅行者等への医療情報提供体制整備等の令和六年度予算額が令和五年度に比べ減となった理由を説明の上、現状の課題と令和六年度に向けた取組、所見を伺います。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 都では、外国人患者が症状に応じて安心して医療機関を受診できますよう、外国語で受診できる医療機関の情報提供を行うほか、医療機関の外国人患者受入れ体制整備に係る経費を支援しております。
 令和六年度予算案は、大学研究者による事業提案制度により、令和四年度から二か年で実施してまいりました医療現場への「やさしい日本語」導入・普及事業が終了することから、前年度に比べ減額となってございます。
 来年度は、外国人旅行者に加え、今後も増加が見込まれる在留外国人に対応するため、外国人患者向けのポータルサイトを新たに開設するなど、外国人への医療情報提供サービスの充実を図っていくこととしております。

○上田委員 まさに、皆さんスマホを持っていらっしゃるので、ポータルサイトはかなり便利なのかなというふうに思います。
 外国人観光客もそうですし、在留の人もそうなんですけれども、医療機関における外国人患者の未払いというのが、まあずっとですね、患者の未払いについて指摘もさせていただきました。その年にもよるんですけれども、かなり額が多かったことで、それの取組について伺います。
 また、これまで外国人患者の都立病院未払いについて、過去三年の状況をお示しいただき、それを踏まえた上での、未然防止のための新年度の対策を伺います。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、外国人患者の未収金が発生しないよう、医療機関に対しまして、医療費支払いを含む訪日外国人対応のフローチャートを作成し周知しているほか、外国人患者の医療費支払い方法や未収金防止対策等をテーマとした研修を実施しております。
 また、国に対しまして、外国人旅行者向け旅行保険の周知や、医療機関の外国人患者の未収金対応の取組等を推進するよう提案要求を行っており、今後とも、医療機関における外国人患者の受入れが進むよう取り組んでまいります。

○齋藤都立病院支援部長 都立病院の外国人患者の過年度未収金は、令和二年度一億二千八百八十六万円、令和三年度一億二千百六十六万円、令和四年度一億六千七十二万円でございました。
 保険証を持たない外国人患者につきましては、パスポートなどの身分証を確認しているほか、医療費が未払いの場合などは、必要に応じて区市町村や大使館に住民票登録や本国の所在地等を照会するなど、医療費の回収時に必須となる連絡先の確保に努めております。
 一方、長期間の留学、就業など、日本の公的制度が適用される方につきましては、医療ソーシャルワーカーや病棟看護師、医事課職員などが連携を密に取りながら、可能な限り早期に高額療養費制度や生活保護などを案内しております。
 引き続き、こうした取組を着実に実施することによりまして、外国人未収金対策を進めてまいります。

○上田委員 突発的なことで、人権とか尊厳も係ることなので致し方ないものもあるんです。この金額見ていると、私がずっと指摘してきまして、産労になりますけれども、外国人向けの千五百万の無担保融資ですが、本当確信犯的に、日本の福祉とか、こうした、何というんですか、行政のサービスを確信犯的に利用して本国帰っちゃうみたいなのが散見されているので、こうしたことは厳しく、確信犯的なものについてはもう可能な限り排除して、血税でございますので、そうでない、これこそ医療に困っている人に振り向けていくべく、お取組をいただきたいと思います。
 歯科保健対策です。
 江戸川区では、小学生の虫歯罹患率が二十一位ということで、びりの方なんです。歯科助成の必要がある人の割合が、四十代から六十代において東京平均をまた上回っております。
 そこで、新年度からは、二十三区初、毎月一本、小中学生に歯ブラシを配布、保育園、小中学校においても週一回のフッ素洗口、障害者には通所施設健診を新たに実施するなど、歯と口の健康づくり施策に来年度力を入れます。
 都の各歯科保健施策において、二重三重行政を避けるためにも、このような区市町村独自の施策をどう把握し、どのように連携支援しているのか伺います。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、区市町村が実施しております歯科保健施策につきまして、毎年調査を行い、資料集として取りまとめているほか、区市町村との連絡会等で情報共有や意見交換を行っております。
 また、区市町村が実施いたします歯科健診対象者への個別勧奨等の受診促進の取組や、歯科保健に関する講演会の開催など、普及啓発の取組に対しまして、包括補助により支援しております。

○上田委員 また、江戸川区では、いろいろな障害や寝たきり等のために地域の歯科病院で治療を受けることが困難な歯科診療を行う−−都内でも珍しい、全身麻酔ができるんですよね、江戸川区口腔保健センターがあります。専任歯科医師のほか、障害児者歯科診療の特別な研修を受けた歯科医師が診療に当たっております。
 障害者歯科医療設備整備補助事業は、開業医も想定していると考えますが、なかなか既存の歯科医療と並行しての治療に逡巡し、手を挙げづらいとも考えられます。
 この事業を、どのようなターゲット、医療機関に向けて拡充を図るのか、満遍なく地域での実現を願うものでございますが、その点も踏まえた所見を伺います。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 都は来年度、歯科診療を行っている病院や障害者を積極的に受け入れている地域の歯科診療所などを対象に、全身管理下での歯科医療を提供するための障害者歯科用ユニットや、麻酔器、心電図モニター等、必要な医療機器の購入に係る費用を補助し、障害者の受入れ体制の強化を図ることとしております。

○上田委員 物心ともの区市町村支援をお願いいたします。
 監察医務院の検案実績は一万五千二百十八件、解剖が二千九十件、多摩・島しょ地区は八千二百九十三件と一千十四件と、それぞれなっております。
 東京の人口動態が複雑化している中、さっきもですね、外国人がたくさん来ておりますから、検案、解剖の体制が整っているか、ちょっと心配しております。
 現状と課題、新年度の取組を伺います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、政令により監察医を置くべき地域とされております東京二十三区において監察医務院を設置し、全国的に法医学教室の医師が少ない中、養成教育研修などにより、監察医の確保に努めております。
 また、多摩・島しょ地域におきまして、東京都医師会や大学等の協力を得て、検案や解剖の体制を確保しており、地域の開業医等を対象に研修会を実施し、検案の精度向上を図っております。
 死因究明の体制は、本来、国が整備するべきものであり、都は、国に対して、監察医制度が都内全域に適用されるよう、引き続き政令の改正を求めますとともに、来年度は、常勤監察医の採用や多摩地域の検案、解剖体制の一層の充実に向けた取組を進めるなど、都における死因究明体制の推進を図ることとしております。

○上田委員 本当に、これ国に本腰を入れてもらわないとなりませんよね。ダンスパーティーだかキックバックだか、もう国会では、そんなのよりもこういうことを議論していただきたいなと思います。都は、懲りずに毎回、国の方に意見を出しているということで、諦めないで続けてください。
 また、このところ、若年世代のオーバードーズが社会問題となっております。
 平成二十五年頃と記憶しますが、当時の福永院長と所属研究者によります監察医務院における異状死にみられる薬物乱用・依存等の実態に関する調査研究結果には息をのみました。
 薬物乱用、依存症といえば、どうしても覚醒剤などの麻薬を私なんかも頭に入れたものですが、見てみますと八割が、医師が処方した向精神薬などによる死亡が占めていたからです。大変貴重な研究で、私の向精神薬多量多剤問題、子供への安易な向精神薬投与の抑制をすべきと気づかされた、大きな影響を受けたものです。
 オーバードーズ問題は、各会派もそろって現在質疑をし始めていることからも、実態把握の研究は重要です。
 その後、こうした研究はなされているのでしょうか。しているとして、その結果をどう健康医療政策に生かしているのでしょうか。その後、研究はしていないというのであれば、ぜひ着手を求めるものですが、所見を伺います。

○早乙女食品医薬品安全担当部長 監察医務院における異状死にみられる薬物乱用・依存等の実態に関する調査研究は、平成二十四年度から平成二十六年度に実施された厚生労働科学研究費補助金分担研究でございまして、その後、同様の研究は実施されておりません。
 厚生労働科学研究費補助金は、厚生労働科学研究の振興を促し、もって国民の保健医療、福祉等に関し、行政施策の科学的な推進を確保し、技術水準の向上を図ることを目的としており、その成果は広く公表され、活用されていると認識をしております。

○上田委員 そうですね。すばらしい研究だったので、まずは福永先生の研究をもっと世に知らしめてほしいということと、また、今新たなオーバードーズ問題が浮上していますので、新たな研究を、厚労省からしっかり補助金をもらって進めていただきたいと思います。
 薬物乱用防止啓発事業との連動も不可欠と考えます。
 私は、世界最大の慈善団体でボランティア活動もしておりまして、その中で、小中学校に赴いて、薬物乱用防止−−薬乱というんですけど、啓発事業も行っております。税金を使わずに、完全ボランティアで行っています。
 地域で活動する民間団体や個人との連携をすることで、薬物乱用防止の機運が地域で、トー横の子供たちは地域から来るので、その地域で高まることはいいと思うんです。
 こうした方々との連携など念頭にはないのか、所見を伺います。

○早乙女食品医薬品安全担当部長 都はこれまでも、関係機関や地域団体と連携した啓発活動に取り組んでまいりました。
 地域における薬物乱用防止のための啓発活動を目的として、各区市町村長からの推薦を受け都が委嘱した薬物乱用防止指導員が、薬物乱用防止講習会等を実施しております。
 また、薬物乱用防止指導員や民間団体がイベントや講習会等で活用できるよう、啓発資材を提供しております。

○上田委員 啓発資材があるということで、私も後ほどちょっと入手したいと思います。
 また、新規として、大麻・市販薬乱用防止に係る若年層向け啓発資材は、対象をどう定めて、配布、設置などはどこを想定しているのか、どのような効果を期待するのか伺います。

○早乙女食品医薬品安全担当部長 近年、若年層において、大麻の乱用や市販薬のオーバードーズが社会問題化していることを踏まえまして、来年度は、薬物乱用経験者の実体験等を基にした若年層を対象とした啓発動画を作成する予定でございます。
 この動画は、東京動画やSNS等を通じて広報するとともに、都の薬物乱用防止指導員や学校薬剤師等が実施する講習会等で使用することを想定しておりまして、若年層の薬物乱用防止に活用してまいります。

○上田委員 この啓発動画はいいんですけど、育業ドラマは吉本興業に丸投げしてつくっておりまして、またいろいろと、この手の動画、博報堂とか電通さんとか、大手代理店に丸投げせずに、局手づくりでつくっていただければというふうに思います。
 また、設置場所ですけれども、これも何か、やっぱりドンキをお勧めしたいと思います。役所に来ませんからね、そういう子供たちは。こうした子供たちがちょいちょい顔を出すような、ゲームセンターでもいいぐらいに思っておりますので、ちょっと工夫していただければと思います。
 食品衛生業務におけるDX推進が開始されるということで、私も飲食店で育ち、また、現在子供食堂を運営していることからも、簡略化はありがたいと期待したいところです。
 とはいえ、飲食業はまだまだアナログな事業者も多いものです。まずはロケットスタートとして、対応可能な事業者から推進するのは理解するものですが、こちらについても、ITリテラシーによる格差を生んではいけないと思料いたしますが、その点についての所見を伺うと同時に、新年度事業の対象事業者の想定を教えてください。

○早乙女食品医薬品安全担当部長 都は、保健所におきまして、食品衛生業務のDXを進めるために電子申請プログラムを作成して試行運用し、事業者の利便性や業務の効率化等を確認することとしており、対象は、電子申請で許可申請を行う全ての事業者でございます。
 保健所への来所による許可申請の受付はこれまでどおり継続されますため、電子申請を利用しない事業者が影響を受けることはございません。

○上田委員 ありがとうございます。小岩の定食屋のおばちゃんが影響を受けることはないということで、ちょっとほっとしました。ありがとうございます。
 都民等の協働による動物との共生推進拠点の整備検討会の報告が、昨年二月にまとまっております。
 新年度に向けました拠点整備、都民が待ち焦がれている新たな施設整備につきまして、施設建設に向けての進捗と新年度の取組を伺います。

○藤井健康安全部長 新たな動物愛護相談センターにつきましては、保護した動物の飼養環境の向上や都民等との協働の促進など、本所、城南島出張所、多摩支所の三施設が有する現在の機能を強化する必要がございます。
 このため、今年度末に策定する基本計画の中で、新たなセンターの機能の在り方について、本所の移転やサテライトの新設など、それぞれの場合ごとに示すことを検討しております。
 来年度は、この基本計画に基づき整備を進めるため、機能の在り方を踏まえた整備候補地の検討を行い、新たなセンターの基本設計に向けた取組を進めていくこととしております。

○上田委員 本当は、もう四、五年前になりますか、板橋区でほぼほぼ決まっていたのですが、声の大きい地域住民といいますか、これ、ひっくり返っちゃって、すごく残念だったんですよね。
 やっぱり需要というものを最優先にして、あまり声の大きい住民というのも冷静に判断して進めていっていただきたいと思います。
 アレルギー疾患対策です。
 給食を食べた調布市立小学校五年生の女子児童がアナフィラキシーで亡くなった事故から、足かけ十二年がたちます。
 痛ましい事故をなくすためにも、保健医療局と教育庁の連携が不可欠でありますが、十数年を経ての再発防止、また、局間、区市町村、関連機関との連携状況を伺います。

○藤井健康安全部長 アレルギーに関する緊急時対応につきましては、東京都アレルギー疾患対策推進計画に基づきまして、保健医療局、福祉局、教育庁、東京消防庁などの関係各局が連携するとともに、アレルギー疾患対策検討委員会等を通じて事業の実施状況を共有するなど、一体となって対策を進めております。
 学校に対しましては、アナフィラキシー発症などの緊急時に適切な対応ができるよう、保健医療局作成の緊急時対応マニュアルを教職員等を対象とした研修で活用してもらうなど、アレルギー疾患対策を支援しております。

○上田委員 亡くなられた女児の大切な命が、しっかりとこうした取組に反映させられていることを確認させていただきました。
 小児インフルエンザ任意接種の補助についてですが、二回接種を必要とする十三歳未満の子供の想定や需要をどう把握し、任意でどの程度接種がされてきたのかの傾向と、区市町村からの要望はどの程度あったのか説明の上、事業実施への所見を伺います。

○西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 都内における十三歳未満人口は約百三十万人、また、小児のインフルエンザ接種率は、国の審議会資料によれば例年五割程度でございます。
 今年度の知事と区市町村長との意見交換の中で、都に対し、補助制度の構築について要望があったほか、都内では、現時点で二十以上の区市町村が、小児インフルエンザ予防接種に対して助成を行っております。
 小児のインフルエンザ予防接種については、十三歳以上は一回、十三歳未満は二回接種とされており、子供の年齢によりまして、家庭の負担に差がございます。
 都は、子育て支援の観点から、十三歳未満への接種に係る自己負担額が十三歳以上と同程度となるよう、接種費用の助成を実施する区市町村に対して財政支援を行ってまいります。

○上田委員 子供の年齢によって家庭の負担に差があるとか、二十ぐらいの自治体であるとか、五割程度が接種しているという、興味深いデータがいただけたと思います。
 家庭の負担に差というのは、やっぱりこれ自費ですから、自己負担じゃ打てないというような家庭があることを鑑みて、区市町村からの要望もあるとは思いますが、ワクチンに関しては様々な考え方があるので、各地域判断になるかと思うので、地域で判断していただき、一応、やりますよと周知しても、判断で利用していただければというふうに思います。
 財政状況についてで最後になります。
 これまで、一般会計繰入金のうち、行政的医療については、当該医療に要した給与費、材料費等の関係費用から、入院、外来収入等の関係収入を差し引いて算定、各病院が提供する行政的医療が異なることや毎年度の収支状況により金額が変動するということで、例えば駒込病院におきましては、がん医療の高度化による診療単価の増により収益が増加したことなどに伴い、結果として一般会計繰入金が減少、一般会計繰入金の算定基礎となる収入は、診療報酬改定や物価上昇、消費税率など様々な影響により変動するため、一層のスケールメリットを生かした医薬品等の調達により費用節減を図るなど、引き続き経営努力を行ってまいります等というような説明を毎年伺っております。
 年度末において、各病院の運営費負担金の推移における状況について、資料にもございますけれども、ご説明の上、収支が改善した、あるいはしなかった点や、課題、令和六年に向けての対策を伺います。
 収支計画の指標となる自己収支比率の目標をいかに具体的に達成されたのか、今後もどうするのか、数値も含め、お答えいただければ幸いです。

○齋藤都立病院支援部長 都は、都立病院が採算の確保が困難な行政的医療を提供するための経費等に充てるため、運営費負担金を措置しておりまして、令和六年度予算案では、前年度と同規模の約四百九十四億円を計上してございます。
 都立病院では、令和五年度の年度計画におきまして、経常収支比率九六・八%を目標としておりますが、新型コロナ対応に伴う患者数の減少などの影響を受けてございます。
 そのため、目標達成に向けて、断らない救急の徹底による救急患者の受入れなど、患者数増に取り組むとともに、新たな施設基準の取得による収入の確保や、国立大学病院等と連携した診療材料の共同調達などによる費用節減の取組を進めております。
 引き続き、収入と支出の両面から、経営改善に取り組んでまいります。

○上田委員 東京都は過去最多予算を毎度更新しておるところでございますが、やっぱり私は医療が、命に関わりますので、ナンバーワンの、優先順位が高い、何というんですか、保健医療局の事業だというふうに思っております。
 とはいえ、ちょっと効果がどうなのかなというような事業もありますし、例えば、さっきのがんの研究については一億円で、もうちょっとかけてもいいんじゃないのかというのも、新年度予算で確認をさせていただいた次第でございます。
 全ての質疑におきまして、詳しく説明を頂戴いたしました。
 六年度を迎えまして、まず都民の命を守ることは最優先でございますので、一丸となって、令和六年度におきましても、緊急的な、また感染症だの、そうしたことに関して取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、私の質疑を終わります。

○斉藤委員 私の方からは、コロナ禍を越えまして、令和六年度の予算を編成して、今、議会で審議中ですが、コロナというのが一体どれだけのインパクトがあり、医療の現場に影響があったのかというのを、現場の、地元の視点から見ていくのが一つと、そして、感染症と火葬の在り方という観点で、二つのポイントでちょっと今日は質疑をしたいと思っております。
 まず、地域ということなんですが、実は、私は目黒区選出でございますが、目黒区医師会は、大変に今回のコロナ感染症の対策については、手探りで始まりながらも、保健所、そして行政、目黒区と医師会、そして私ども議会人の持つネットワーク、特に公明党はネットワーク政党ということで、地元の区議会議員だけでなく、都議会議員、そして国の動きについても、国会議員の方に現場は今こういう状況だよ、いつワクチンが来るのと、そういった体制づくり、お顔を拝見しますと、戦友のような皆さんもおられます。
 現場で、先日、目黒区医師会の新年賀詞交歓会もあり、また、東京都医師会の会合もあり、そして目黒においては、九十周年の目黒区医師会の行事もございましたが、口々に皆さんがおっしゃるのは、医師会大事だねという話がございまして、まさにそれは、地域での人間と人間の信頼関係があって、爆発的にその力を発揮するようなシーンがあったわけです。
 いろんな資源が大切なことは、もちろんいうまでもありませんし、医療に予算も確保しなければいけませんが、やはり現場で顔の見える関係というのは、多職種連携はもとより、本当に重要であるということを痛感したわけです。
 そして目黒区医師会は、二類相当から五類に移行するときに、一つの総括としまして、こういった冊子をつくりました。新型コロナウイルスとの三年間の闘いの記録ということで、新旧の医師会長の下で、多くの携わった、発熱外来を一緒にやったとか、様々な皆さんの思いがここに書かれているんですけれども、やはりそこでいえることは、地域の担い手の連携というのは非常に重要であるということであります。
 そこで、令和六年度の予算を拝見しますと、在宅療養、医療といいますか、療養といいますが、今日は医療の世界なので、在宅の世界について、どういうニーズがあったのかということを考えたときに、やはりコロナ禍によって機運が高まった、地域目線の在宅療養の現場における診療者同士の連携の重要性、これをさらに進めて、地域における、例えば二十四時間の診療体制の構築ですとか、様々な支援をすることが都の政策として非常に重要であると考えますが、都の見解を伺いたいと思います。

○岩井医療政策担当部長感染症医療政策担当部長兼務 都は今年度から、地域における二十四時間診療体制の構築を促進するため、在宅医療の担い手である地区医師会と連携し、在宅医療推進強化事業を開始しております。
 具体的には、コロナ禍で進んだ夜間緊急時対応を行う往診医療機関の活用や、在宅医療に取り組む地域のかかりつけ医による連携等のほか、ウエアラブル機器による在宅療養患者の継続的な健康観察など、デジタル技術を活用した取組を進める地区医師会を支援しております。
 来年度は、こうした取組に参画する地区医師会を拡大し、地域の実情に応じた切れ目のない在宅医療体制の構築に向けた取組を進めてまいります。

○斉藤委員 こういった拡充された予算を活用して、地区医師会に新しいそのまた息吹が生まれ、地域包括ケアシステムといいましても、そのモデルというのはその地域に応じた形でつくっていかなきゃなりません。
 尾道にかつて私、行きまして、尾道モデルをつくった片山先生にお会いしてきて、教えを請うたんですけど、東京都から何しに来ましたかと一蹴されまして、東京都のように巨大な大都市は大学病院もたくさんありますし、なかなか医局の関係でも、人間と人間の関係が尾道のようにいかないでしょうといわれて、東京でしっかりと自分で考えなさいといわれて追い返されたのが十年ぐらい前ですけれども、まさにコロナ禍を越えて、チームワーク、これが非常に医療の世界でも重要だということを実感いたしました。こういった予算の拡充を受けて、地区医師会もしっかり頑張っていただきたいと思っております。
 そういう地域の連携ということも重要なんですが、次の感染症対策と火葬という角度で考えますと、東京の火葬行政というのは特殊な状況があるといわざるを得ません。
 民間の事業者の火葬場の力を得なければ、東京都民のご遺体、大切なご遺族のお気持ちもある中でのご遺体の扱いが成り立たないという、これは全国でも唯一、東京市のときに火葬場を市立でつくったがゆえに、墓埋法が制定される昭和二十三年のときに、みなし規定ということで、東京都には瑞江斎場が、火葬場が一つあるわけでありますが、基本的には基礎自治体がつくる仕立てになっておりますし、また、地方分権の流れの中で、東京都が直接扱うのは島しょ部だけということになっております。
 そういった中で、二十三区部の火葬の問題、大変重要であるというふうに、これはコロナ禍を踏まえて、改めて気づきがありましたので、取り上げさせていただきたいと思うわけであります。
 都では、このたび、コロナ禍の経験を踏まえまして、今後、未知の感染症にも揺るがない都市東京の実現を目指して、感染症予防計画を改定するというふうになっております。
 これは今後の感染症に備えまして必要なことでありますけれども、その中で、この予防計画などに盛り込まれていない隠れた問題として、私は、感染症と火葬の問題、ご遺体の火葬という問題を挙げたいわけであります。
 都議会公明党は、昨年の各会計決算特別委員会でも取り上げましたが、コロナ禍の三年間、コロナ感染症でお亡くなりになられた方が増加して、二十三区では、いわゆる火葬待ち、火葬ができないでお待ちになっているという状況が発生し、ご遺族及びご遺体を取り扱う事業者にも負担が重くのしかかったということ、これは報道でもかなりされているところであります。
 都は、感染症によって亡くなられた方のご遺体が増加し、公営火葬場だけでなく民間火葬場に対しても火葬要請を行い、受入れ体制の強化を図ったと、昨年、その決算の委員会で答弁をしております。
 そこでまず、都は、各火葬場における感染症に関連したご遺体の受入れ数と火葬待ちの日数の状況について把握をされていたのかどうか、答弁を求めたいと思います。

○藤井健康安全部長 都は、新型コロナの感染症蔓延時に、感染拡大や死亡者数増加の兆候があった際、都内の火葬場事業者に対し、コロナの火葬状況を四回確認いたしました。その内容は、一日の最大受入れ数や火葬実績、予約から火葬までの日数についてでございます。
 その結果を踏まえまして、公営及び民営の火葬場事業者に対しまして、ご遺体の受入れ可能数の増加の要請を行ったところでございます。

○斉藤委員 蔓延の兆候があったときに、四回確認をしたと。事業者に確認したのか、それぞれの箇所に直接ご連絡したのか分かりませんが、四回確認されたと。そして、それを踏まえて協力要請をした。
 この三年間、令和二年度から令和四年度の三年間で何回要請されたのか、いつだったかも含めてご答弁ください。

○藤井健康安全部長 火葬場事業者への協力要請は三回でございまして、令和三年一月、令和四年二月、令和四年八月でございます。

○斉藤委員 三回しかしていないと。確かに波がありますから、蔓延状況を見ますと、三回というのは−−その波、私も確認しました、令和三年一月、令和四年二月、令和四年八月、大変急激に増えているときでありますが、死亡者数が著しく増加する傾向があったときの三回しか要請していない、三回しかしていないんです。
 火葬は区市町村業務ですので、各保健所が死亡の状況とか火葬の内容については掌握されたと思いますけれども、感染症の蔓延の防止という観点のためには、感染症によってお亡くなりになった火葬待ちのご遺体の状況を、むしろ蔓延する前に、ある面ではリアルタイムで把握する必要があるんじゃないでしょうか。
 なぜならば、各火葬場の受入れ数と火葬待ちの状況を掌握しなければ、民間の事業者は民間ですから、強くお願いできないわけですね。私はそういうふうに思うわけです。
 仮に、その情報を非公式にも入手しながら、受入れ数の要請の必要性を感じなかったということはないと思いますけれども、こういったことは絶対に引いてはいけないと思うんですね、民間に対する働きかけは。私はそのように思うわけです。
 ちょっと角度を変えて質問したいと思うんですが、コロナ感染症は、当時二類相当ですから、感染症法第三十条で、二十四時間以内に火葬ができること、できる規定があるはずですが、このそもそもの理由について確認したいと思います。

○加藤感染症対策部長 二十四時間以内の火葬につきましては、死の判定を受けた方の蘇生する可能性が全くないことを確認するため、墓地、埋葬等に関する法律により禁止をされているところでございます。
 一方、感染症法では、例外といたしまして、一類感染症から三類感染症または新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染し、また、汚染された疑いのある死体につきまして、感染症の蔓延を防止する観点から、必要と認められる場合には二十四時間以内に火葬し、または埋葬することができるとされております。

○斉藤委員 今のご答弁が非常に大事なのは、感染症法というのは例外を規定しているわけです。ですから、二十四時間以内には原則は火葬しないと。なぜかというと蘇生する可能性があるからです。
 そういう気持ちもご遺族は大変持たれていますから、にもかかわらず、この感染症が蔓延しないために、感染症法の世界では、例外的に二十四時間以内に火葬することを決めている、できる規定をつくっているわけです。これは、できるじゃなくて、速やかに火葬を求めているというふうにも読み取れるわけです。蔓延させないためです。
 ですから、各火葬場の受入れ数と火葬待ちの状況を把握していたとしたら、三回しかしていないというお話でしたけれども、都は、この感染症の予防、蔓延防止にあまりにも怠慢であったといわざるを得ないというふうにいいたくないので、今日は質問しているわけですけれども、そういわざるを得ません。
 そこで、東京都の葬祭業協同組合の調査によりますと、長いときで八日間を超える火葬待ちが発生していました。
 都は、感染症による死亡数が増加したピークを捉えまして、民間に対して、先ほどの火葬の協力要請を三回行ったということでしたが、一回目は令和三年一月で、そのときは平均約六日間の火葬待ちの状況が発生しています。データがあります。二回目は令和四年の二月で約八日間の火葬待ち、三回目の要請のときには、令和四年の八月で約七日間の火葬待ちが発生していました。
 ちなみに、今日は費用のお話をするつもりではないんですが、どれだけご負担が、また経済的にもかかるかというと、一日当たり一万円から一万四千円、その保管料がかかるそうです。一週間待たされたならば、約七万円から十万円ほど費用もかかるわけです。都民にとっては、相当の負担増ということもございます。今日はその話がメインではありません。
 過日、都議会公明党の加藤雅之都議会議員が、民間の受入れ実績数を都に何度も確認をしたんですけれども、把握をしていないということでした。
 そこで、公明党の東京都本部の葬祭プロジェクトチームというのがあるんですね、この葬祭PT所属の各議員で、それぞれ現場に入って、各区議会議員等に依頼をして、各火葬場はどれだけの感染者のご遺体を受け入れたのかを調べました。
 調査の結果、概要だけお話ししますと、コロナが発生した令和二年度から令和四年度までで、この約三年間で、民営火葬場は二社あるんですけれども、七か所で三千三百六十六件ということが分かりました。これは数字があります。
 さらに、この民営二社の七か所の民営火葬場について、さらにフォーカスをしてみますと、それを炉の数、どのくらいの能力があるのかという炉の数で割り返しますと、A社は一か所で約百十一件、B社は六か所もあるにもかかわらず約二十七件の受入れとなり、相当な差が、この民間の二社にも生じているわけであります。
 今回、この民間火葬場の火葬協力は、特に二十三区においては非常に重要なんですが、東京都は十分に果たされたと考えておりますか、都の見解を伺いたいと思います。

○藤井健康安全部長 都は、新型コロナの感染状況を踏まえまして、民営を含めた火葬場事業者に対して、ご遺体の受入れ数の増加を要請し、事業者は、一般のご遺体の受入れ時間帯との分離や、コロナ感染によるご遺体の受入れ施設の集約など、現場の実情に応じた感染対策を行いながら受入れ体制の強化を図ったところでございます。
 全ての民営の火葬場事業者が都の要請に応じたため、ご遺体の受入れ可能数を拡大することができたと考えております。

○斉藤委員 確かに民間ですから、要請しなければ向こうからやることはないのかもしれませんが、東日本大震災のときには、大変、民営の火葬場の方々がもう大活躍をしていただいて、これは地震によるご遺体ですので状況は違うんですけれども、多くのご協力があったということも確認をしております。
 その上で、今のご答弁を聞いていてすごく違和感を感じるわけなんです。東京都が民営火葬場に対して受入れ体制の強化を要請したから、それに応じて拡大した、そういう事実は確かに読み取れました。
 要請のあったタイミングから順次場所も拡大していますから、それは確認しているんですが、先ほども申し上げましたが、今日は図表がないので口頭で申し訳ないんですけど、このB社が実際に受入れ体制の強化として火葬場を拡大したのは、令和三年の一月、これ一回目の要請です、それから一年後の令和四年の三月の段階からだという数字が出ています。場所も分かっています。それ以外は、受入れを拒否したともいえるわけです、お願いしているんですけど。
 B社のこの四か所の火葬場が最初から稼働していただいて受け入れていれば、火葬待ちのさっきいった状況が緩和されて、皆さんのご負担も少なく、さらに、その待機の日数が短縮されたと考えられるわけであります。
 二十三区部は、火葬という公共性が著しく高い事業でありながらも、先ほど申し上げましたように歴史的な経緯で民間事業者が多数を占めておりまして、全国でも例外中の例外の自治体というふうに位置づけられています。これ国にいっても、東京都の問題でしょうといわれちゃうんです。
 昭和二十三年制定の、先ほど申し上げた墓地埋葬法第二十六条によりまして、法施行時に経営されていた民営火葬場は許可を受けたものとみなすというふうにあります。ですから、当時民営で既に業をなしていた瑞江の、今、都立といっていますけど、そこは東京市としてつくっております唯一のものですけれども、同時に、民営の火葬場はもう既にあったんです。
 ですから、そこはもうみなされていて、公益性を担っている、立ち位置をもって認められているという状況なんですが、ですから、このみなし規定といいますか、法律が後からできたわけですから、民営火葬場が許可を受けたものとしてみなされた経緯がありますので、その大前提は、やはり永続性と非営利性というふうにいわれているわけです。
 これは、その後の厚生省の課長通達にもしっかりと確認をされています。昭和四十六年五月十四日、厚生省の環境衛生課長の通知によりますと、いやしくも営利事業類似の経営を行うことなく、公益目的にのっとって適正な経営が行われるよう関係者に対して強く指導されたいということが、その通知に規定されています。誰が誰にしっかり指導されるかというのが実は大事なんですけれどね。
 公明党がこれまでの代表質問や一般質問等でも指摘してきましたように、多死社会の到来という今のこの状況におきまして、全国から見てたった一%の民営火葬場に二十三区の都民の火葬が委ねられている状況は、私はゆゆしき状況であるというふうに考えます。
 民間火葬場が、時代の変遷によって経営者がどう替わろうとも、公共の福祉の役割は、もう絶対に果たしていただかなければいけないわけです。それが、経営者が替わると営利目的に走る可能性がある、実際に株価を見ながら、投資家に対して、これから多死社会を迎えるので、我が社は非常に投資対象ですよといっている事実があります。
 こういうことではいけないと私は思うわけですが、今後、新たな未知なる感染症もこれからどういうものが来るか分かりません。コロナは猛毒性が最初は強かった。死亡率を見ますと〇・何%とか、そういう面では大変な感染症でしたけれども、これからどれだけ死を考えなければいけないような未知なる感染症が来るか分かりません。
 都民を守るためにも、広域行政をつかさどる都が総合調整機能を発揮されまして、感染症蔓延拡大の防止の観点から、感染症により亡くなられた方々のご遺体の実態把握、数の実態把握もしっかり行うべきです。
 そして、未知の感染症が発生して火葬能力を高めなければならないときに、様々な情報を都が把握して、的確に強く、武器がなければ相手に物もお願いできないでしょうから、しっかりとその現状を把握されまして、的確に把握していくことが重要であると考えます。
 二十三区の大半の火葬を民間事業者が担っている現状を踏まえ、どのように都がその要請を実効性あるものにしていくのか、都の見解を求めたいと思います。

○加藤感染症対策部長 都は、今回の新型コロナ対応の経験を生かしまして、新たな感染症危機におきましても、東京都新型インフルエンザ等対策行動計画に基づき、国や区市町村と連携しながら、火葬場等に関する情報を広域的かつ速やかに収集いたします。
 また、火葬場事業者に対しまして受入れ体制の強化を要請するなど、火葬体制を確保してまいります。

○斉藤委員 大変に大切なご答弁いただきました。東京都は、これから国や区市町村と連携しながら、火葬場に関する情報を広域的かつ速やかに収集していくと。そして、火葬場事業者に対して受入れ体制の強化を要請するなど−−これ、実効性のあるものとするにはやっぱり時間もかかりますし、これからいろいろ検討していただきたいと思うんですが、火葬体制を確保していくというご答弁いただきました。
 東京都は、東京都新型インフルエンザ等対策行動計画に基づいて、火葬体制を確保していくということでありますけれども、現在、国においては、新型コロナ対応の経験等を踏まえまして、政府の行動計画の改定に向けた検討が進められていると聞いております。
 この動きもしっかりと見まして、受けまして、東京都の行動計画も、今後さらに改定をしていくことになると思いますけれども、その際には、今ご答弁いただけましたけれども、都は、コロナ禍の中での二十三区の火葬場の受入れ数と火葬待ちの発生状況を総括した上で、それを一つの学びとして、ぜひ実効性のある火葬体制の確保についてしっかり盛り込んでいただきたいとご要望を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○里吉委員 日本共産党の里吉ゆみです。よろしくお願いします。
 今日は、看護師等修学資金貸与条例に関連してと、それから都立松沢病院について、二つのテーマで質問を行っていきたいと思います。
 まず、看護師等修学資金貸与条例に関連して伺います。
 東京都は、公立や民間立の看護師等養成施設の学生を対象に修学資金を貸与しています。今回提案されています改正案では、都内の施設に一定期間従事した場合などの返還免除額の拡大など、さらなる充実が図られるものとなっています。
 都内で働く看護師の数は、人口十万人当たりで全国四十二番目、下から六番目と全国の中でも少ないのが実態ですから、看護師を目指す方が経済的理由で諦めることのないよう、今回の制度の拡充は大変重要だと思います。
 そこでまず、今年度、二〇二三年度、令和五年度の修学資金制度の貸与の決定者数はどれくらいなのか、実績について伺いたいと思います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 令和五年度の貸与決定者数は、貸与月額二万五千円が四百九十四人、五万円が三百三十八人、七万五千円が百七十八人、十万円が二百十人、合計で千二百二十人でございます。

○里吉委員 前回、制度改正では内容が分かりやすくなって、より使いやすくなって、お伺いしましたら、この二年間で利用する人も増えておりました。さらに今後制度が改善されて、免除対象が拡大されれば、都内看護師確保を一層進めることができると思います。
 その一方で、来年度から都立大学の看護学科は、所得制限なしで授業料無償化が実現します。修学資金制度の貸与は、最終的には免除となったとしても、最初から無償化であることと比較すれば、やはり違いは歴然だと思います。
 そこで確認いたしますけれども、都立看護専門学校では、授業料など初年度に幾ら払うのか、それは幾らなのか、具体的にお伺いしたいと思います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都立看護専門学校において初年度に必要な費用は、授業料や入学料、教材費など合計で約四十三万円となります。
 授業料は、前期分は四月、後期分は十月、入学料は前年度中、教材費等は四月以降にそれぞれ支払うこととなっております。

○里吉委員 金額といつ払うのかご答弁いただきました。初年度必要なお金は約四十三万円で、授業料は前期分と後期分に分けて払いますけれども、前期分は四月中に払うということでした。
 私立高校の授業料無償化の議論のときにもいわれることなんですけれども、この一旦支払う最初の負担が大きいということなんです。
 そこで伺いますが、修学資金貸与制度は入学前から借りることができるのか、また、貸付けは前倒しでまとめてもらうことができるのか伺います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 看護師等修学資金の貸与希望者は、養成施設を通じまして、五月までに都に対して申し込むこととしております。
 都は、貸与決定後、八月に四月から九月までの六か月分を、その後は四半期ごとに三か月分を貸与しております。
 なお、令和五年度貸与開始分から、都内の高校生を対象に、入学の前年度に予約申込みを受け付け、五月に初回の三か月分を貸与しております。

○里吉委員 制度をよくしていただいて、通常は前期分、初年度は八月だけれども、高校生が事前に予約すれば早く貸与される、五月に借りることができるということで、これは大変喜ばれていることではないかと思います。
 それでもやっぱり五月なので、入学時、四月に一旦まとまったお金を払うというところでは、本当に経済的に厳しい家庭が増える中で、まとまったお金がないことを理由に看護師を目指すことをなかなか決意できない、諦めざるを得ないという方もいらっしゃるわけです。
 初年度の負担が用意できずに、一旦は借金するということがないような対応も必要ではないかと思います。都立看護専門学校でも授業料が無償化できれば、さらに経済的理由で看護師を目指すことを諦める人が減るのではないかと思うわけです。
 ある看護師の方の話をちょっと紹介したいんですが、この方は親の虐待から保護され、里親の下で生活していて、看護師なら日本中どこに行っても仕事に困らないと思うから看護師になりたいといって、学校に通って資格を取りました。里親の元を離れて一人暮らしする費用、そして学費と、これが重くのしかかりました。家賃の安い郊外に住んで、授業料の安い看護専門学校に入学し、奨学金を借りてアルバイトもして、本当に苦労して看護師になったそうです。
 看護師を目指す方々が経済的な理由で未来を諦めることのないよう、都立看護専門学校の授業料を無償化すること、これは改めて強く求め、次の質問に移ります。
 都立松沢病院について伺ってまいります。
 私の地元世田谷区にあります都立松沢病院は、精神科の都立病院として大変大きな役割を果たしている病院だと思います。
 都立松沢病院には、社会復帰病棟、二百床ありますが、まず最初に、その設置目的を伺いたいと思います。

○齋藤都立病院支援部長 松沢病院の整備に当たり、社会復帰病棟は、転退院困難な長期入院患者に対して、転退院に向けた取組を継続して行いながら、引き続き医療を提供する病棟として設置いたしました。

○里吉委員 転退院に向けた取組を継続して行いながらということで伺いましたけれども、この社会復帰病棟は大変重要な取組を松沢病院でしております。
 具体的に松沢病院で、この社会復帰病棟はどのような取組を現在行っているのか。そして、具体的には、松沢病院がやっている社会復帰の支援というのは、社会復帰病棟の人以外の方も対象にやっているのか、それも併せて伺いたいと思います。

○齋藤都立病院支援部長 松沢病院では、医師や看護師、精神保健福祉士など多職種の退院促進チームが、患者やその家族、地域関係者などを交えた退院支援カンファレンスを行うなど、退院を促進しておりまして、こうした取組は、入院している病棟にかかわらず行っております。

○里吉委員 今伺ってきて、まず、松沢病院には二百床の社会復帰病床があること、そして、退院支援の取組、これは退院促進チームというのをつくって、入院している病棟にかかわらず実施しているということが分かりました。
 ここまで聞いてきますと、松沢病院は、長期入院の方も含めて、丁寧に退院支援を行っているというように思えるんですけれども、いろいろ調べてみたりお話を聞くと、実際にはちょっと違うのではないかと思う点が幾つかありますので、順次確認していきたいと思います。
 まず、退院の状況について確認します。
 過去五年間でこの社会復帰病棟を退院した方の人数、そのうち亡くなった方、松沢病院内の他の病棟に移った方、他の病院へ転院した方、施設などへ入った方や自宅へ戻った方など、それぞれどれくらいいらっしゃったのか伺います。

○齋藤都立病院支援部長 令和元年度から本年二月までの社会復帰病棟からの退院者は五百七名で、退院先は、自宅二百一名、施設百五十七名、他の病院百六名、その他三十九名、死亡退院四名でございました。
 また、松沢病院内で社会復帰病棟から他の病棟に転棟した方は四百六名でございました。

○里吉委員 過去五年間で五百七名が退院されたと。施設とかご自宅に退院されたというのは分かるんですけれども、百六名の方が社会復帰病棟から他の病院へ転院しているんです。
 これは私が想像するに、一般的には長期入院が可能な精神科病院に転院していただいたということでよろしいんでしょうか。

○齋藤都立病院支援部長 松沢病院は、急性期の精神科医療を提供しておりまして、医師が急性期症状に対する治療は終了し転院が適切と判断した患者等について、状態に応じた適切な医療機関等への転院を行っております。
 転院に当たりましては、患者や家族の意向も踏まえながら、可能な限り地域移行に熱心に取り組んでいる病院を紹介しております。

○里吉委員 今、急性期医療を松沢病院は提供しているというお話でしたけれども、社会復帰病棟は、文字どおり社会復帰を目指すために、ご自宅に戻るか、それが無理だったらグループホームなど、そういうところに戻るための入院場所じゃないかと思うんです。当然、転院というのは社会復帰ではありませんから、これがなかなか不思議なんですよね。
 それで、可能な限り地域移行に熱心に取り組んでいる病院を紹介するというご説明でしたけれども、松沢病院そのものが、先ほどご説明いただいたように、熱心に地域移行に取り組んでいるわけですから、あえて別の病院に転院する理由が分からないんです。可能な限りということもおっしゃいました。だから、必ずそういうところに行っているわけではないということもあると思うんです。
 何でそういう転院が起きるのかということを思うと、そうやって転院までさせて、もしかしたら病床数を減らしているのではないかと私は考えてしまうわけです。何でそう考えるかというと、実際に松沢病院で社会復帰病床がどんどん減っているからです。
 そこで伺いますが、二百床ある社会復帰病床ですが、今も二百床あるのかどうか、そして、そのうち何病床が休止しているのか伺います。

○齋藤都立病院支援部長 松沢病院の社会復帰病棟は二百床ございまして、そのうち百三十五床が休止しております。

○里吉委員 ちょっと驚きの数字なんですよね。半分以上が今休止しているということなんです。二百床あるけれども、休止しているので、現在、そういう意味では六十五床しかないということなんですかね。
 なぜここまで休止病床が増えているのか、そのことについても伺いたいと思います。

○齋藤都立病院支援部長 松沢病院の整備の際、急性期中心の医療を提供する病院としての機能を発揮するため、長期入院患者に対する転退院の促進のほか、新たに入院する患者の早期社会復帰に向けた取組等を積極的に図ることとしております。
 結果といたしまして、社会復帰病棟を経由して退院する患者数は減少するとともに、令和四年度の平均在院日数は、十年前と比べ二十六・九日減少しております。

○里吉委員 社会的入院で、本当は地域で暮らせる方が病院にとどまっていた、それがよくないというのはずっといわれていたことで、地域に戻る、ご自宅に戻る、そのために病床数が減るということは理解しているんです。
 ただ、先ほど伺ったように、社会復帰病棟から、わざわざなぜ別の病院に転院させているのかということについて、先ほどご答弁で、社会復帰に熱心に取り組んでいる病院を紹介、できるだけそういうところにということで、これがすごく分からないわけです。謎なんです。
 結果として、今ご説明ですと、そういう方針で頑張ってきて、今、百三十五休止しているという状態だということですが、それでは伺いますけれども、この二百中、百三十五、半分以上、今休止しているという状態について、これでよいという認識なのか、これは、ここまで減らすのは減らし過ぎだと考えているのか、そこら辺の認識について伺いたいと思います。

○齋藤都立病院支援部長 国や都は、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けて取組を進めております。
 松沢病院では、長期入院患者に対する転退院の促進のほか、新たに入院する患者の早期社会復帰に向けた取組等を積極的に行ったことで、社会復帰病棟を経由した退院患者が減少しておりまして、現在の病床数でも十分に対応できております。

○里吉委員 現在の病床数で十分に対応できている、百三十五休止している状況でいいんだというご答弁です。
 でも、いろんなほかの理由があるなら、それは後でおっしゃっていただきたいんですけれども、だったら何で、熱心に社会復帰に取り組んでいただいている病院に、なるべくほかの病院に移っていただく理由があるのか、やっぱりこの謎が解決されないわけです。
 別の病院に転院させているケースもあるのに、社会復帰に向けた取組の成果というふうにいうのは、ちょっと無理があるんじゃないかなというふうに思うわけです。
 今の状況で十分に対応している、別にこれ、足りないと思っていないよというご答弁だったと思うんですけれども、そうすると、今は休止となっていますけれども、いずれどういうときが来るのか分かりませんけれども、再開することはないというふうに私は受け止めました。
 そうしますと、いずれ廃止するのか、別の機能に転用するのか、私は、百三十五のうち幾つかは社会復帰病床として再開していただきたいなと思いますけれども、どういうふうにこの休止している、二百中、百三十五も休止している病床をどうする方針なのか伺いたいと思います。

○齋藤都立病院支援部長 都は、中期目標において、松沢病院で精神科救急医療、精神科身体合併症医療、アルコール等依存症の専門医療などを中心とした医療を提供することを求めております。

○里吉委員 中期目標のことを聞いたんじゃなくて、松沢病院の、今、百三十五休止していて、それはいいんだ、現在の病床数で十分に対応しているんだというご答弁だったので、ずうっとこの休止のままいくんですか、そういうふうにするつもりなのか、もしくは再開するのか、廃止するのか、別の機能に転用するのかということをお伺いしたんですけれども、中期目標のことで答えられたのでよく分からないんですよね。
 それで、社会復帰病床の必要数は、そこまでは減っていないというふうに思うんです。だから、別の病院に転院させる必要はなくて、きちんと松沢病院からご自宅や施設などに退院していただくということをしていただきたいと思うんです。
 今、日本の精神医療は大きく変わっていかなければならない中で、松沢病院が果たしていく役割はまだまだたくさんあります。急性期だけにする必要はないと思います。今休止している百三十五床は、ぜひ再開していただきたいということを強く求めておきます。
 今は社会復帰病床のことを質問してまいりましたけれども、次に、急性期病棟に入院した患者さんの方について伺っていきたいと思います。
 急性期病棟に入院した方の社会復帰を進めるために、安定したら、急性期の病棟から松沢病院の中で社会復帰病棟に移っていただいて、そこでさらに社会復帰へ向けて支援しているというふうになる方、いらっしゃると思うんですけれども、そういう方々は、過去五年間で何人いらっしゃいましたか、伺います。

○齋藤都立病院支援部長 令和元年度から本年二月までで七百五十八名でございます。

○里吉委員 急性期病棟から社会復帰病棟に転棟して、移って、そして治療を続けたという患者さんは、五年間で七百五十八名ということでした。
 急性期を脱して、安定してきたところで社会復帰病棟へというのは、不自然ではなく、あり得る対応だと思います。これは本当に、だからこそ社会復帰病棟にはこのような役割もあって、やっぱり必要だなというふうに思うわけです。
 先ほども滝山病院の議論がありましたけれども、行政的医療という点では、やはり、例えば滝山病院のようなところの患者さんを、転院を希望する方々を松沢病院で受け入れる、こういう都立病院としての、行政的医療を担う松沢病院としての役割があると思うんですが、そういう役割を果たすべきだと思いませんか、見解を伺います。

○齋藤都立病院支援部長 松沢病院は、精神科急性期医療を中心に、精神科救急医療、精神科身体合併症医療、アルコール等依存症の専門医療などを提供するなど、精神科医療のセーフティーネットとしての役割を着実に果たしております。

○里吉委員 行政的医療として、滝山病院のようなところで、今、転院したくてもできない、希望されている方を受け入れられないかということを質問したんですけれども、それに対するご答弁とは今聞こえませんでした。答える気がないのかなというふうに思わざるを得ません。
 松沢病院が行政的医療として、精神科医療のセーフティーネットとして果たすべき役割というのは、民間では対応が難しい医療であって、それを救急、急性期に限る必要はないと思うんです。もちろん松沢がやっている急性期は大事です。だけど、それ以外にも求められている、民間では対応できない医療ってたくさんあると思うんです。
 よくいわれることは、世界では公的な病院が精神科を担っているところが多いよと、民間でやっているところは少ないよということもよくいわれますけれども、本当に急性期だけに何で限るのかというのは、これから大いに議論していきたいと思います、今日はしませんけれどもね。
 滝山病院に集まる患者さんというのは、皆さんもよくご存じだと思いますけれども、行き先を見つけるのが難しい方が本当に多いといわれています。そうであれば、受け入れるのは公立、公的病院の役割ではないかというふうに考えるわけです。
 都立病院は独法化されましたけれども、独法制度の目的に沿って縮小していく、こういうことではなくて、本来の都立病院としての役割、行政的医療を本当に充実させていく、そういうことを今考えていただきたい。そのことは、松沢病院については、今、百三十五床減ってしまっている、休止している病床を、きちんと行政的医療を担う形で再開させる、そういうことが必要だと思います。
 病床のことだけでなく、都立松沢病院を、行政的医療を担う、精神科医療を担う要として、きちんと充実していくことを求めて、質問を終わります。

○高倉委員 感染症予防計画が改定をされ、令和六年度から新たな計画期間となります。この間、新型コロナの感染拡大という未曽有の事態があり、これに対し、都が総力を挙げて対策に取り組んでまいりました。
 これらの対応の一つ一つは、今後、新たな感染症が襲ってきた場合に、先手を打って何をなすべきかを考える貴重な経験になっていると思います。
 次なる感染症危機への備えとして、今後どう取り組んでいくのか、コロナ禍での経験を踏まえた新たな計画に盛り込んだ具体的内容について答弁を求めたいと思います。

○加藤感染症対策部長 都は、新型コロナ対応におきまして、機動的かつ的確に対応するため、入院調整本部の設置、うちさぽ東京等による自宅療養者支援、高齢者等医療支援型施設の設置など、東京モデルとして様々な取組を実施してまいりました。
 こうした取組の成果を踏まえ、医療機関や保健所設置区市等の関係機関が参画する連携協議会におきまして、新たな感染症への対応策を協議し、今年度末に感染症予防計画を改定いたします。
 今回の改定では、感染状況に合わせた段階的な病床確保、保健所の体制強化、宿泊療養施設の迅速な開設などの取組や数値目標を盛り込みまして、医療機関等と協定を締結することにより、取組の実効性を高めることとしております。

○高倉委員 昨年五月に新型コロナが五類感染症に位置づけられまして、この三月には、病床確保や高齢者等医療支援型施設など、これまで実施してきた新型コロナの特別対応は原則として終了すると伺っております。
 しかしながら、介護、障害者福祉の施設から四月以降を心配する声が届いております。現に、一月、二月の時点でもなかなか入院先が見つからず、現在の高齢者等医療支援型施設にやっと受け入れてもらえたというお話も聞いておりまして、四月以降、治療を受けることがさらに困難になるのではないかと不安を募らせているわけであります。
 この間、都は、新型コロナに対応できる医療機関の拡大に取り組んできたとのことでありますけれども、発熱外来や入院を受け入れる医療機関は、全体としてどの程度広がったのか、これについてご答弁をいただきたいと思います。

○小原感染症対策調整担当部長 都は、より多くの医療機関が新型コロナ患者に対応できる体制を構築するため、医療機関向けの研修や設備整備支援などを実施しております。
 その結果、現在、健診センターなどを除く一般の外来医療を行っている都内約八千の医療機関のうち、八割以上が新型コロナに対応いたしております。
 また、入院医療は、都内の全病院である約六百三十病院のうち、ほぼ全ての病院で患者の受入れが可能となっております。
 来月からの通常の医療提供体制への移行に当たりましては、これらの医療機関に対して、引き続き新型コロナの診療にご協力いただけるよう働きかけてまいります。

○高倉委員 今ご答弁で、対応する医療機関が増えていることや、都として引き続き、医療機関への働きかけを行っていくということでありました。
 高齢者施設等における感染対策については、新型コロナ対応だけでなく、新たな感染症危機への備えとしましても、平時から施設において感染症への対応力を強化していく必要があります。
 本年四月以降、都はどのように施設を支援していくのかについて答弁いただきたいと思います。

○松谷感染症対策調整担当部長 重症化リスクが高い方が生活する高齢者施設等におきましては、平時から施設が主体的に感染症の予防や蔓延防止に向けた取組を推進していくことが重要でございます。
 このため、都は、施設が日常業務の中で実践できる感染対策について分かりやすく解説したガイドブックを作成し、広く周知するとともに、施設訪問時の指導や研修に活用しております。
 来年度は、施設等におきまして、感染対策の研修や訓練が効果的に実施されるよう、ガイドブックに基づいて指導を行う看護師を派遣するなど、施設における感染症対応力の向上を一層支援してまいります。

○高倉委員 しっかりと取組をお願いしたいと思います。
 次いで、これは昨年のこの委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、新型コロナの治療薬についてであります。この四月から、治療薬についても保険診療による処方となりまして、インフルエンザの治療薬と比べて高額な患者負担が生じるわけであります。
 昨年の十月以降、新型コロナの治療薬の一部負担が発生する中で、患者が薬の服用を控える、そういった課題について、この委員会で取り上げさせていただいたところでございます。感染の状況に波がある中で、患者が治療薬の服用を控えることについては、この四月以降、さらに懸念されると思われます。
 そうした中で、私が特に守らなければならないと考えているのは、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方々であります。これも昨年の質疑で訴えさせていただいたところであります。
 これらの方々が、医師から示される治療薬の服用を控えることがないように、都としてきめ細かな支援の方策を考えるべきと思いますけれども、答弁を求めたいと思います。

○加藤感染症対策部長 新型コロナ治療薬の公費支援に係る取扱いにつきましては、昨年十月以降、一定の自己負担を求めつつ継続してまいりましたが、国が定めました全国一律の方針に基づきまして、本年三月末で終了をいたします。
 都といたしましては、リーフレットをホームページに掲載するなど、公費支援の終了につきまして周知を図ってまいります。

○高倉委員 今、具体的な取組の答弁というのはありませんでしたけれども、今後、感染状況によっては、いろいろな形で考えていかなければならないというふうに思っております。今後の感染状況を私も十分注視をしていきたいと思っておりますので、また改めていろんな機会を捉えて取り上げてまいりたいと思っております。
 次いで、がん対策についてお伺いをしますけれども、子宮頸がんの原因となりますヒトパピローマウイルス、HPVの感染を防ぐワクチン接種についてであります。
 このウイルス感染を原因とする子宮頸がんは、日本では年間約一万一千人の女性が感染をし、約二千九百人が亡くなっているという状況があります。
 昨年のこの委員会で、ワクチン接種を促す積極的勧奨が停止された期間に接種機会を逃した方々に、無料で接種できるキャッチアップ接種について質問をさせていただきました。
 その際、接種の実施主体である区市町村に対し、対象者に改めて通知を行うよう求めることなどを提案させていただきました。それに対する取組を明らかにしていただきたいと思います。また、令和六年度までがキャッチアップ接種の期限となりますが、さらなる接種の推進に向けた取組について答弁をいただきたいと思います。

○西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 HPVワクチンのキャッチアップ接種については、都は昨年十二月、区市町村に対しまして、未接種者への個別勧奨を再度依頼しております。その際、区市町村においてすぐに活用できるよう、サンプル文書を示しております。
 また、リーフレットを作成し、医療機関などの関係機関や美容院などの対象者が利用する店舗等に配布するとともに、予防啓発イベント等の機会を活用した普及啓発を行っております。
 来年度は、早い段階から動画配信やリーフレットの配布、SNSでの情報提供など、様々な手段で効果的な情報発信を行い、接種率の向上を図ってまいります。

○高倉委員 今、区市町村にお願いするに当たって、サンプル文書などもお送りしたということで、非常にきめ細かく対応していただいたということについては評価申し上げたいと思います。
 このキャッチアップの対象の方とは別に、女性の定期接種についても、積極的勧奨中止前に比べますと、接種率は非常に低いという状況にあると思います。
 今年の一月二十六日に開かれた国の部会におきまして、年齢別の初回接種率が初めて公表されましたが、これは従来の接種率とは違った計算方法に基づくものであります。
 都が公表している接種率は、従来の国の計算と同じように、十二歳から十六歳までの接種人数を十三歳のみの人口で割った数字でありまして、この方法でありますと、接種率が高めに出るというようなことがかねて指摘をされているわけであります。
 国の部会で公表された接種率では、生まれた年度ごとの累積初回接種率が示されておりまして、それを見ると、年度ごとにちょっとばらつきがあるといいますか、年齢ごとにばらつきも見られるわけであります。
 対象者の事情に合わせた勧奨のタイミングや頻度、それに合わせた自治体側の対応などきめ細かな対応を進めていくためにも、都として、国の部会で示された算定方法を参考に、年齢別の初回接種率を算出し、適切な接種率を把握すべきと思います。
 公費負担で接種ができる五年間に年齢層別に働きかけるなど工夫をして、対象者への周知啓発を行い、接種促進に取り組んでいくことが重要と考えますけれども、都の見解と取組について答弁を求めたいと思います。

○西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 HPVワクチンの定期接種については、ワクチンの有効性、安全性に加えて、国が示している標準接種年齢や計画的な接種の重要性などについても分かりやすく発信していくことが重要でございます。
 都は、こうした情報が対象者へ届くよう、接種主体である区市町村による対象者への個別勧奨に加え、SNSによる発信や予防啓発イベント等での周知など、多様な取組を行っております。
 来年度は、ターゲット層に焦点を当てて啓発動画を配信するなどの新たな取組も含め、年齢層も踏まえた普及啓発を行い、接種率の向上を図ってまいります。

○高倉委員 しっかり取り組んでいただきたいと思いますけれども、先ほど質問で申し上げましたように、やはりこの接種率ということを、正確な実態を把握して、それに対して的確な対策を打っていくということは大変重要だと思いますので、この点、先ほど私が申し上げたことも十分受け止めていただいて、これから取組をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 それから、昨年の質疑において、私の地元中野区が男性へのHPVワクチン接種を先行して実施している状況を紹介しながら質疑をさせていただきました。令和六年度には、都が区市町村を支援する形で、男性への接種の実施を区市町村に促していくということになりますが、その際にはしっかりと周知を図っていくことが重要であると思います。
 都の支援では、小学校六年生から高校一年生までを対象とするわけでありますけれども、必要な三回の接種に六か月を要するというふうにされておりますけれども、これを踏まえますと、高校一年生の場合に、初回の接種時期によっては二回目や三回目が年度を越してしまうというような場合が想定をされるわけであります。つまり、初回接種を今年の夏ぐらいまでに行わないと、それ以降の、いわゆる二回目、三回目の接種で公費の支援を受けられずに負担が生じてしまうということになります。
 これは、接種を受けたいという方が自分の意思で選んだ時期ということだけではなくて、区市町村による実施が年度途中になるといったような、つまり、四月じゃなくて年度の途中、いわば遅れていくことによっても、そうした懸念が生じていくわけであります。
 都の支援の下、来年度から助成制度を実施する区市町村に対して、接種体制の整備が早期に進むよう都として事業周知に取り組むとともに、都民にも広く情報発信すべきと考えますけれども、答弁を求めたいと思います。

○西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 都は、男性を対象にした新規の補助事業について、実施主体である区市町村の担当者に向けて、事業の趣旨や内容を説明しております。また、接種を検討する都民に向けて、ワクチンの効果、副反応等に関する情報を整理し、ホームページに掲載しています。
 来年度は、新たに男性接種に関する情報を取りまとめたリーフレット等の啓発資材を作成するとともに、区市町村の事業実施状況を都のホームページに取りまとめて掲載するなど、効果的な事業周知を区市町村と連携して早期に行ってまいります。

○高倉委員 ぜひ早期に、区市町村でもって新たに始めるところについては早期に行われるように、しっかり都として推進をしていただきたいと思います。
 次に、ドクターヘリの運航状況について質問したいと思います。
 ドクターヘリは、日常的な救急医療のほか、災害時の救急医療にも有用であります。
 都議会公明党は、従来の東京型ドクターヘリに加えまして、小型で機動性があり、全国的に配備されていることから他県との相互運航も期待できるドクターヘリを東京都にも配備するように強く求めてまいりました。
 これを受けて、都は、全国で展開されているものと同様なドクターヘリの運航を令和四年三月から始めましたが、多摩地域を中心としまして、救急医療に大きな役割を果たしているわけであります。
 町村会の首長の方々と意見交換をした際に、交通渋滞の影響で救急車が迅速に現場にたどり着けない、そうした救急案件に、ドクターヘリが出動して命を助けた事例もあるというお話を伺いまして、都の取組に感謝をされておりました。
 このドクターヘリの実績及び現在のランデブーポイント−−ランデブーポイントというのは、ヘリが着陸をして患者を乗せる場所ですね、この場所がないと乗せることができませんが、このランデブーポイントの数について明らかにしていただきたいと思います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は令和四年三月から、ドクターヘリの運航を開始いたしまして、これまで多くの重症、重篤な患者を治療しながら迅速に病院へと搬送してまいりました。
 ドクターヘリの今年度の出場実績は、本年一月末時点で千百七十四件となってございまして、前年度の同時期に比べ六百四十五件増加をしております。
 ランデブーポイントは、お話にありましたように、ドクターヘリが救急車から患者を引き継ぐ場所でございまして、本年一月末時点のランデブーポイント数は、運航開始時に比べ九十六か所増加し、百九十五か所となってございます。
 今後とも、ドクターヘリの有用性が高まりますよう、ランデブーポイントの確保に取り組んでまいります。

○高倉委員 今、出動実績のお話がありましたけれども、非常にやはり大きな役割を果たしているのではないかというふうに思います。
 そして、もう一つ、このドクターヘリについて課題があるわけでありますが、それは、ドクターヘリの大きな利点でもあります近隣県との相互運航についてであります。
 私ども都議会公明党は、早期に近隣県との協定を結んで、それを実現すべきであるということを訴えてまいりました。これは、限りある医療資源を有効に活用する方策でもありまして、陸上交通に支障が出る可能性が高い災害時の迅速な医療提供にも有用であると思います。
 近隣県とのドクターヘリの連携体制の構築について答弁をいただきたいと思います。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 ドクターヘリが同時に要請された際や災害時など複数の重篤患者が発生した場合等に、より効果的な対応ができますよう、効率的な広域連携体制を構築することは重要でございます。
 都はこれまで、近隣県との協議の場を設置いたしまして、運用方法の違いや出動範囲の課題などについて話合いを進めてまいりました。
 来年度は、隣接する山間地域などを中心に重層的な対応が可能となりますよう、山梨県との間で基本協定を締結する予定でございまして、今後、都と県がそれぞれに運航マニュアルを整備した上で、令和六年度中の運航開始に向け取り組んでまいります。

○高倉委員 課題であった近隣県との協定の締結といったことが、具体的に今進んでいこうとしていると。山梨県のお話がありましたけれども、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、動物の施策についてお伺いしたいと思いますけれども、予算特別委員会の質疑でも、動物愛護相談センターの整備について取り上げさせていただきました。
 都は令和五年度、いわゆる今年度ですけれども、令和五年度に基本計画を策定するという取組を進めてきたわけでありますが、今回の令和六年度の予算案では、さらに六年度も、もう一回基本計画を策定すると。
 なかなかそれを聞いただけでは、ちょっとどういうことなんでしょうかという疑問が湧いてきそうなことでありますが、恐らくこれは、新たに設置をする場合に、移転をして設置をする場合の移転の場所が、まだ最終的に選定し切れていないということが一番大きい要因ではないかなというふうに思っております。
 したがって、令和六年度の基本計画の策定に当たっては、予算特別委員会でも我が党の同僚議員が質問いたしましたけれども、ぜひ移転場所の選定、こうしたことをこれも早期にやりませんと、また令和六年度の年度末みたいなことになりますと、非常にまた大変な状況になると思いますので、これをぜひしっかりお願いしたいと思います。
 そうした中にありまして、私ども都議会公明党は、この動物愛護相談センターの整備に当たっては、動物の保護機能をしっかりと持つ施設にすべきということをこれまで繰り返し主張をしてまいりました。
 都は昨年度、整備検討会を開催しておりますけれども、この検討会において、動物の保護や譲渡に関して、専門家の方々からどういう意見があったのかについて答弁いただきたいと思います。

○藤井健康安全部長 動物愛護相談センターは、人と動物との調和の取れた共生社会の実現に向けまして、都の動物愛護管理施策を進める上で中核を担う施設でございます。
 都は昨年度、センターを利便性も考慮して、都民に開かれ、より親しみやすく身近な施設とするため、機能や施設等について検討する会議を設置いたしました。
 この整備検討会では、専門家などから、動物の保護や譲渡に関して、動物の健康を維持する飼養環境の確保や動物の運動施設の設置、ボランティア団体との合同譲渡会等の開催、獣医系大学との連携の推進などの意見がございました。

○高倉委員 様々な貴重なご意見があったということは分かりました。
 新たに整備をする動物愛護相談センターは、こうした専門家の方々の意見を踏まえて整備をする必要があるというふうに思いますけれども、そのことについての見解をお伺いしたいと思います。

○藤井健康安全部長 センターの整備に当たりましては、整備検討会での意見も踏まえ、保護した動物を動物福祉に配慮して飼養管理する体制の充実や、ボランティアや獣医系大学と協働した譲渡の推進等の機能を強化し、センターを都民に身近な動物との共生推進拠点としてまいります。

○高倉委員 先ほどの答弁とそれから今の答弁の中にも、例えば獣医系大学とのお話がありました。これはとてもいいことではないかなと思っているんです。私も、かねて、このことは様々な質問の機会に取り上げさせていただきましたけれども、何度も私も獣医系の大学に行ってお話を伺ったり、意見交換をしてきているわけですけれども、そうした獣医系の大学は動物が普通にいるわけですよ、日常的に。
 そして、学生さんたちも、単なる人手じゃなくて、自分のまさに学業のために、しっかり動物の面倒も見ながら、自分のそういう、何といいますか、ものを高めているというようなことでありまして、そういうところと、この動物保護について、しっかりと協働していくというようなことはとても大事じゃないかなと思っております。
 また、獣医系大学の方からは、ぜひ災害時の協定も都と結ばせていただきたいと、こういうお話も、先般ちょっと意見交換をした際にはいただきました。そういったこともぜひ検討をしていただきたいと思います。
 動物のことについて、今日の質問の最後になりますけれども、マイクロチップのことについてお伺いしたいと思います。
 都議会公明党の同僚の、まつば多美子政調会長からお聞きをした話ですけれども、行方が分からなくなった飼育しているペットが、マイクロチップのおかげで居場所が分かったという、そういうお話を最近聞いたということであります。
 早速、都の方に、それを踏まえて、マイクロチップの必要性をもっと広報してほしいと、こういったご要望をしたところ、早速対応していただいたということで、今日ちょっと、ポスターと資料をお見せしたいと思いますけど、こういうポスターですね。あなたのおうちはどこって、こう、何か昔、歌で聞いたようなキャッチですけれども、こういうポスターと、それから、小さいですけれども、こういうパンフレット、こちらも、あなたのおうちはどこというキャッチがある、こういうパンフレットを早速つくっていただいたということで、本当、ありがとうございました。
 これ、しっかりいろんな方の目に触れるところへ掲示したり、渡したりしていただきたいと思いますけれども、令和元年の動物愛護管理法改正によりまして、犬、猫へのマイクロチップ装着、登録の義務化等が令和四年六月に施行されました。
 マイクロチップの装着は、災害時等に飼い主とはぐれた場合にも有効であることから、都は、マイクロチップの普及に努めるべきと思いますけれども、都の取組についてお伺いをしまして、質問を終わりたいと思います。

○藤井健康安全部長 都は、犬、猫へのマイクロチップ装着の義務化などにつきまして、飼い主や動物取扱業者、動物病院などに周知するためのポスターやチラシを作成、配布するとともに、動画の配信などを行ってまいりました。
 今年度は、制度をより広く都民に周知するため、改めて制度の趣旨などについて案内するポスターと、飼い主向けに装着の流れや装着後の登録手続などを分かりやすく説明するリーフレットを作成し、警察署、都立公園、区市町村等に配布いたしました。
 引き続き、動物愛護イベントでの周知やインターネット広告など様々な取組を通じまして、マイクロチップ制度の定着に向け、都民などへの普及啓発を進めてまいります。

○あかねがくぼ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あかねがくぼ委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○あかねがくぼ委員長 次に、議員提出議案第三号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○里吉委員 お手元に配布してございます東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例についてご説明いたします。
 今回提案する条例案は、都立看護専門学校の授業料、入学料、入学試験料、寄宿舎使用料を無償化するものです。所得制限は設けません。
 授業料、寄宿舎使用料は二〇二四年度の分から、入学料、入学試験料は二〇二五年度入学する学生の分からの無償とします。
 なお、寄宿舎使用料は五月分から無償といたします。
 東京都立看護専門学校は、現在七か所、定員は合計で一学年当たり六百人であり、都内の看護師養成において重要な役割を果たしています。
 都立看護専門学校の授業料は、かつては無償でしたが、一九八六年度に有料化され、その後も値上げが繰り返されてきました。
 都立大学にも看護学科がありますが、二〇二四年度から都内学生の授業料は実質無償化となります。このことは重要ですが、都立看護専門学校の授業料は無償化が予定されておりません。今のままでは授業料の逆転が起き、都立看護専門学校の方が高くなる状況が生じ、大きな格差が生じます。
 教育を受けることは基本的人権の一つであり、無償で保障されるべきものです。日本が批准している国際人権規約では、高等教育の漸進的な無償化を定めています。
 東京都が自ら設置する高等教育機関である看護専門学校について、無償化を実施する必要があります。都立看学が無償化となれば、どのような家庭環境で育った学生でも看護師になる夢を諦めなくて済むようになります。そのため、都立看護専門学校の授業料等を無償化する条例案を提出するものです。
 以上です。

○あかねがくぼ委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。−−発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あかねがくぼ委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で保健医療局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時四十七分散会