厚生委員会速記録第一号

令和六年二月十四日(水曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長あかねがくぼかよ子君
副委員長磯山  亮君
副委員長斉藤やすひろ君
理事関口健太郎君
理事原 のり子君
理事内山 真吾君
北口つよし君
上田 令子君
伊藤 大輔君
浜中のりかた君
山加 朱美君
鈴木  烈君
里吉 ゆみ君
高倉 良生君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉局局長佐藤 智秀君
次長小林 忠雄君
理事浅野 直樹君
総務部長関口 尚志君
企画部長DX推進担当部長兼務山本 謙治君
指導監査部長坂本 尚史君
生活福祉部長中川 一典君
高齢者施策推進部長花本 由紀君
障害者施策推進部長鈴木 和典君
政策推進担当部長森田 能城君
福祉人材・サービス基盤担当部長新内 康丈君
子供・子育て施策推進担当部長新倉 吉和君
高齢者施策推進担当部長梶野 京子君
障害者医療担当部長石黒 雅浩君
障害者医療調整担当部長新田 裕人君
保健医療局局長雲田 孝司君
次長理事兼務谷田  治君
技監感染症危機管理担当部長事務取扱成田 友代君
総務部長船尾  誠君
企画部長DX推進担当部長兼務村本 一博君
保健政策部長感染症保健政策担当部長兼務小竹 桃子君
医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務遠藤 善也君
都立病院支援部長齋藤 善照君
健康安全部長藤井麻里子君
感染症対策部長加藤 みほ君
政策推進担当部長宮澤 一穂君
地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務大出  仁君
感染症対策調整担当部長高橋 葉夏君

本日の会議に付した事件
福祉局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉局所管分
・令和六年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
・令和六年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
・東京都福祉局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例を廃止する条例
・東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・児童福祉法施行条例の一部を改正する条例
・東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
・東京都女性自立支援施設の設備及び運営の基準に関する条例
・東京都女性相談センター条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都障害者支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
・東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
・東京都立療育センター条例の一部を改正する条例
・精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定による任意入院者の症状等の報告に関する条例の一部を改正する条例
・東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
・ 東京都板橋倉庫(仮称)(五)新築工事請負契約
・令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、繰越明許費 福祉局所管分
請願の審査
(1)五第四九号 乳幼児の権利を保障する保育の実現に関する請願
保健医療局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 保健医療局所管分
・令和六年度東京都国民健康保険事業会計予算
・令和六年度東京都地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計予算
・東京都国民健康保険保険給付費等交付金条例の一部を改正する条例
・東京都国民健康保険事業費納付金条例の一部を改正する条例
・東京都保健医療局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
・令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為
保健医療局所管分
・令和五年度東京都地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計補正予算(第一号)
・地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
・地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
請願陳情の審査
(1)五第五二号 国民健康保険料(税)の引下げと誰もが安心できる国民健康保険制度の実現に関する請願
(2)五第五四号 安全・安心の医療・介護・福祉の実現のため人員増と処遇改善を求めることに関する請願
(3)五第五八号 予防接種健康被害救済制度等の周知に関する陳情

○あかねがくぼ委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 このたびの令和六年能登半島地震により被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
 ここにお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
 皆さん、ご起立を願います。
 黙祷。
   〔全員起立、黙祷〕

○あかねがくぼ委員長 黙祷を終わります。ご着席ください。

○あかねがくぼ委員長 初めに、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局及び保健医療局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより福祉局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 西尾子供・子育て支援部長及び渋谷事業調整担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 次に、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○佐藤福祉局長 令和六年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉局関係の議案につきましてご説明を申し上げます。
 今回ご審議をお願いいたします議案は、令和六年度予算案三件、令和五年度補正予算案一件、条例案二十七件、契約案一件の合計三十二件でございます。
 初めに、令和六年度予算案についてでございます。
 令和六年度東京都予算案は、変化する社会情勢の中、東京、日本の輝かしい未来を切り開くため、産業や経済、社会の構造転換に挑み、一人一人が輝く明るい未来の東京を実現する予算と位置づけまして、編成をされております。
 この方針に基づきまして、福祉局では、現下の社会状況に的確に対応するとともに、将来的な課題にも備え、様々な工夫を凝らし、施策の充実を図っております。
 お手元の資料、令和六年度当初予算概要の一ページをご覧ください。当初予算案のうち、福祉局が所管をいたします一般会計歳出予算は総額一兆一千四十六億五千二百万円、令和五年度に比べまして四百七億五十一万二千円、三・八%の増となっております。
 また、特別会計が二つございまして、まず、母子父子福祉貸付資金会計が予算額七十九億二千五百万円、次に、心身障害者扶養年金会計が予算額三十一億五千五百万円となっております。
 分野ごとの取組につきましては、後ほど資料に基づきまして総務部長からご説明を申し上げますが、子供、子育て支援分野では、安心して子供を産み育てることができる環境づくりや、都民のニーズに対応した保育サービスの充実に向けた取組を推進するほか、特別な支援を要する子供と家庭に対する支援の充実に努めてまいります。
 高齢者分野では、新たな高齢者保健福祉計画における取組や充実策を盛り込んでおりまして、介護人材の確保、定着などを図るための取組や認知症高齢者への支援、介護予防、フレイル予防と社会参加の促進など、地域包括ケアシステムの構築をより一層推進するとともに、特別養護老人ホームなどの介護サービス基盤の整備を進めてまいります。
 障害者分野では、新たな障害者・障害児施策推進計画における取組や充実策を盛り込んでおりまして、共生社会の実現に向け、障害者や障害児が地域で安心して暮らせる基盤の整備や障害特性に応じた支援の充実、障害者の就労を支援するとともに、障害者差別の解消に向けた取組を進めてまいります。
 生活福祉分野では、区市町村と連携しながら、ひきこもり対策及び低所得者などの生活の安定に向けた支援を行うとともに、福祉人材の確保、育成や福祉のまちづくりに取り組んでまいります。
 いずれの分野におきましても、保健医療局と緊密に連携し、施策を推進してまいります。
 続きまして、令和五年度最終補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和五年度最終補正予算概要の三ページをご覧ください。一般会計歳入歳出予算及び繰越明許費の補正でございます。
 詳細につきましては、後ほど資料に基づきまして総務部長からご説明申し上げますが、内容は、物価高の影響を特に大きく受けている低所得世帯への緊急支援に要する経費の補正や、高齢分野の介護職員、障害分野の福祉介護職員の処遇改善に要する経費の補正を行うもののほか、予算の執行状況を精査した上で減額補正を行うものなどでございます。
 また、併せて繰越明許費の補正も計上をしております。
 続きまして、条例案の概要でございます。
 お手元の資料、令和六年第一回東京都議会定例会条例案の概要をご覧ください。
 介護保険や、いわゆる障害者総合支援法などに基づくサービス等の基準に係る規定を整備するもののほか、練馬児童相談所の設置に伴いまして、規定を整備するものなどでございます。
 最後に、契約案の概要でございますが、東京都板橋倉庫(仮称)の新築工事を行うものでございます。
 なお、詳細につきましては、総務部長から全体ご説明申し上げます。
 以上、簡単ではございますが、提出予定議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○関口総務部長 私からは、令和六年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております議案の詳細をご説明申し上げます。
 初めに、令和六年度予算案について、お手元の資料、令和六年度当初予算概要によりご説明申し上げます。
 表紙に続いて、目次を二枚おめくりいただき、一ページをお開き願います。令和六年度福祉局所管予算の概要でございます。
 1、一般会計のほか、2、特別会計歳出予算といたしまして、母子父子福祉貸付資金会計、心身障害者扶養年金会計の二つの特別会計がございます。
 以下、会計別にご説明させていただきます。
 まず、一般会計でございます。
 一枚おめくりいただき、一般会計とあります青色の中扉をさらにおめくりいただき、五ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
 歳出の計欄をご覧ください。令和六年度は一兆一千四十六億五千二百万円で、五年度当初予算額と比べ四百七億五十一万二千円、三・八%の増となっております。
 次に、歳入ですが、表の下から二段目、特定財源の計欄をご覧願います。令和六年度は二千百四十三億五千八十三万四千円で、五年度に比べ三百五十七億六百二十九万四千円、二〇・〇%の増となっております。
 六ページをお開き願います。Ⅱ、職員定数でございます。
 表の最下段、合計欄にありますように、令和六年度の職員定数は二千九百四十一人で、五年度と比較いたしまして九十六人の増となっております。主な増減員は表の右側にお示ししたとおりでございます。
 隣の七ページから、Ⅲ、事項別内訳でございまして、科目別に記載しております。
 主要な事業につきまして、新規、拡充事業を中心にご説明申し上げます。
 一三ページをお開き願います。まず、生活福祉費でございます。
 概要欄の2、地域福祉推進区市町村包括補助事業でございます。
 都内の高齢者等が、元気なうちから将来の生活やお亡くなりになった後の対応について、自身の意思を反映しながら準備できるよう、終活支援の総合相談窓口の設置等を行う区市町村を支援してまいります。
 一七ページをお開き願います。中ほど、7、ユニバーサルコミュニケーション技術導入に係る推進事業でございます。
 ユニバーサルコミュニケーションに係るデジタル技術を活用した機器を導入する区市町村を支援することによりまして、情報バリアフリーの取組を促進してまいります。
 次に、子供・子育て支援費でございます。
 二九ページをお開き願います。一番下、5、子供家庭支援区市町村包括補助事業でございます。
 学校の長期休業期間等における学童クラブの昼食提供の負担を軽減するため、弁当注文システムの導入、運搬、調理等に係る経費や連絡帳の電子化、入退室管理システムの導入など、デジタル化の推進に取り組む区市町村を支援してまいります。
 一枚おめくりいただきまして、三〇ページをお開き願います。6、(1)、学童クラブ事業費補助でございます。
 保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校就学児童に対しまして、授業終了後等に小学校の余裕教室等も活用して遊びや生活の場を与えて、その健全な育成を図るものでございますが、放課後児童支援員が業務に専念できるよう、事務員配置について基準額の上乗せ補助などを行ってまいります。
 続いて、二つ下、(3)、認証学童クラブ制度の創設に向けた取組でございます。
 学童クラブにおける都独自の新たな運営基準による認証制度等を検討するとともに、効果検証のため先行実施を行う区市町村に必要な経費を補助してまいります。
 三二ページをお開き願います。下から二番目、14、子供食堂推進事業でございます。
 地域の子供たちへの食事や交流の場を提供する子供食堂の開催に加え、配食や宅食を通じて家庭の生活状況を把握し、必要な支援につなげる子供食堂の取組を支援してまいります。また、区市町村が子供食堂との情報共有等により連携した上で、週一回以上の食事提供を通じて、家庭の支援につなげる子供食堂の取組を支援してまいります。
 続いて、一つ下、15、都児童相談所と子供家庭支援センターの連携強化事業でございます。
 都児童相談所と子供家庭支援センターがより一層連携を行うため、子供家庭支援センターの機能強化を支援するとともに、連携強化の仕組みづくりを推進してまいります。
 三七ページをお開き願います。一番下、42、卵子凍結への支援でございます。
 加齢等による妊娠機能の低下を懸念する場合に行う卵子凍結に要する経費の一部を助成するなど、子供を望む方に対する支援の充実を図ってまいります。
 四一ページをお開き願います。一番上、56、こども家庭センター体制強化事業でございます。
 児童福祉部門と母子保健部門が一体となり、妊娠期から包括的な相談支援等が行えるよう、連携に必要な支援チームを配置する区市町村を支援するとともに、両部門の連携強化や職員のスキルアップを図る研修等を実施してまいります。
 続いて、下から二番目、59、〇一八サポートでございます。
 子供一人一人の成長をひとしく支えるため、ゼロ歳から十八歳までの全ての子供に月額五千円を支給するものでございます。
 四九ページをお開き願います。下から二番目、29、東京都保育士等キャリアアップ補助でございます。
 保育サービス事業者における保育人材のキャリアアップを支援し、人材の確保、定着及び離職防止を図るとともに、保育サービスの質の向上を図るものでございますが、一定の経験年数があり、研修等を受講した職務分野別リーダーを対象に支援を拡充してまいります。
 五一ページをお開き願います。一番上、36、認証保育所障害児受入促進事業でございます。
 認証保育所に対し、障害児受入れに応じて必要な経費を補助し、認証保育所の障害児受入れを促進してまいります。
 一枚おめくりいただきまして、五二ページをお開き願います。上から二番目、42、認証保育所等における地域の子育て支援への対応強化事業でございます。
 認証保育所等が空きスペース等を活用し、地域の子育て支援等に資する取組を行えるよう、区市町村がコンサルティングに係る経費を支援する場合に、必要な経費の一部を補助してまいります。
 五六ページをお開き願います。下から二番目、7、東京都女性自立支援施設キャリアアップ補助事業でございます。
 女性自立支援施設における従事者の研修実績や業務内容に応じた処遇改善等を支援し、人材の確保、定着及び離職防止を図るとともに、サービスの質の向上を図ってまいります。
 次に、高齢者施策推進費でございます。
 六〇ページをお開き願います。上から二番目、(4)、居宅介護支援事業所事務職員雇用支援事業でございます。
 事務職員を雇用し、介護支援専門員の業務効率化に取り組む居宅介護支援事業所を支援することで、将来的な介護需要の拡大に対応するとともに、介護支援専門員の処遇改善を図ってまいります。
 六一ページをご覧ください。中ほど、(6)、認知症とともに暮らす地域あんしん事業でございます。
 認知症の早期診断に向けた認知機能検査を推進するとともに、認知症の初期から、中、重度となっても認知症の方が地域で安心して暮らすことができるよう、適切な支援体制を構築してまいります。健診対象を七十歳以上から五十歳以上に引き下げるなど、早期診断、支援につなげる仕組みづくりを推進してまいります。
 一枚おめくりいただきまして、六二ページをお開き願います。上から三番目、(12)、認知症抗体医薬対応支援事業でございます。
 アミロイドベータ抗体薬等に関する正しい理解を促進させる取組とともに、専門職向け相談窓口の設置や医療従事者等向け研修を実施するなど、認知症疾患修飾療法に対応する体制整備を図ってまいります。
 続いて、二つ下、(14)、認知症の人の社会参加推進事業でございます。
 区市町村が行う認知症の方と地域の多様な主体が参加する話合いの場を設定し、認知症の方が地域の一員として役割を持てるような取組を支援することで、認知症の方の社会参加を推進してまいります。
 続いて、一つ下、(15)、認知症高齢者早期発見等支援ネットワーク事業でございます。
 区市町村が行うGPSを活用した見守り支援や、地域における見守りネットワーク構築等の取組を支援する事業でございまして、従来は包括補助であったものから個別事業化したものになります。本事業によりまして、行方不明認知症高齢者の方の早期発見につなげてまいります。
 六七ページをお開き願います。一番下、(4)、地域を支える「訪問介護」応援事業でございます。
 人材不足が深刻化している訪問介護事業者に対しまして、未経験者の雇用に係る経費を支援することに加え、訪問介護業務のイメージを伝える普及啓発資材を作成、配布することで、人材の確保、定着を図ってまいります。
 一枚おめくりいただきまして、六八ページをお開き願います。上から三番目、(7)、介護現場のイメージアップ戦略事業—介護WITHプロジェクト—でございます。
 夢や趣味と介護の仕事を両立している職員を応援し、多様な働き方ができることをPRする取組を介護WITHプロジェクトと銘打ちまして、介護業界全体のイメージアップを図ってまいります。
 続いて、一つ下、(8)、東京都介護職員宿舎借り上げ支援事業でございます。
 介護職員住宅の借り上げを支援することで、介護人材の一層の確保、定着を図るとともに、施設等における防災の取組を計画的に進め、地域の災害福祉拠点として、災害時の迅速な対応を推進するものでございます。事業者に対する一戸当たりの四年間の補助期間制限を撤廃いたしまして、あわせて、同一職員の利用上限を十年とさせていただきます。
 なお、同様の趣旨の取組を障害者施策推進分野においても実施してまいります。
 続いて、六九ページをご覧ください。一番上、(9)、介護職員・介護支援専門員居住支援特別手当事業でございます。
 都はこれまでも、介護職員の処遇改善を国に対して求めてきたところでございますが、住居費の高さなど東京の実情が反映されていない状況を踏まえ、国による介護報酬の見直しが講じられるまでの間、介護職員及び介護支援専門員を対象に居住支援特別手当を支援することで、介護職員等の離職を防止し、今後の介護ニーズの増加に応じた人材の確保、定着を図ってまいります。
 なお、同様の趣旨の取組を障害者施策推進分野においても実施してまいります。
 一枚おめくりいただきまして、七〇ページをお開き願います。一番上、(13)、介護DX推進人材育成支援事業でございます。
 DXをはじめとする生産性向上の取組を推進するリーダー職員を配置し、リーダー職員の育成や手当の支給を行う事業者を支援いたします。リーダー職員が介護事業所内部からDXの取組を推し進めることで、生産性向上に継続的に取り組む体制を確保してまいります。
 なお、同様の趣旨の取組を障害者施策推進分野においても実施してまいります。
 七二ページをお開き願います。一番上、(25)、外国人介護従事者活躍支援事業でございます。
 外国人介護人材の獲得に向けて、海外に向けた魅力発信、マッチング促進とともに、新たに特定技能外国人介護人材等を受け入れる際に要する人材紹介に係る経費を補助するなど、介護事業者への支援を強化してまいります。
 次に、障害者施策推進費でございます。
 七八ページをお開き願います。1、(2)、障害者グループホーム体制強化支援事業でございます。
 身体上、行動特性上、特別な支援を必要とする重度の利用者を受け入れるために、手厚い職員配置を行っているグループホームに対し、体制確保のための基盤づくりを推進するものでございますが、新たに強度行動障害者に対する支援スキルの向上のため、加算を創設するなどによって受入れを促進してまいります。
 八一ページをお開き願います。中ほど、(7)、就労継続支援B型事業所マネジメント事業でございます。
 就労継続支援B型事業所が工賃向上を目指す上で抱える様々な課題につきまして、事業所の状況に応じて自ら解決できるよう、伴走型支援を実施してまいります。
 続いて、八六ページをお開き願います。下から二番目、(16)、医療的ケア児等総合支援事業でございます。
 医療的ケア児や重症心身障害児の地域における受入れが促進されるよう、区市町村の体制整備に係る取組を支援してまいります。
 八八ページをお開き願います。下から三番目、(6)、障害者の生活応援情報発信事業でございます。
 障害当事者や支援者が有する生活の知恵や困り事を乗り越える工夫を情報発信することで、障害当事者や支援者が生活の中で抱える課題の解決を図ってまいります。
 九〇ページをお開き願います。上から二番目、(8)、発達障害児の検査に関する実態調査でございます。
 自治体、医療機関、検査機関、保護者等に対しまして、発達検査の現状及び課題を分析するための調査を実施してまいります。
 続いて、一つ下、(9)、区市町村発達検査体制充実緊急支援事業でございます。
 区市町村における検査体制の充実を図るため、区市町村が実施する発達検査の人件費や外部委託経費等に対して緊急支援を実施してまいります。
 九二ページをお開き願います。下から二番目、11、(1)、障害福祉人材の確保・定着に向けた事業所等支援事業でございます。
 業務効率化やDXの推進による事業所職員の負担軽減や採用活動、育成について専門家を派遣し、助言等を行うことで、事業所の人材確保、定着を支援してまいります。
 一〇九ページをお開き願います。7、(1)、精神科病院における虐待防止の推進でございます。
 改正精神保健福祉法に対応するため、精神科病院における虐待通報の窓口を設置するとともに、精神科病院が勤務スタッフによる入院患者への虐待を防止または早期発見できる体制を構築できるよう、病院側の体制整備を支援するための研修を実施してまいります。
 続いて、二つ下、(3)、入院者訪問支援事業でございます。
 区市町村長同意による医療保護入院者等の生活に関する一般的な相談に応じ、本人の体験や気持ちを丁寧に聞くとともに、必要な情報提供を行うための訪問支援員を養成し、本人の求めに応じ派遣する取組を実施してまいります。
 次に、施設整備費でございます。
 一一六ページをお開き願います。一番上、9、特別養護老人ホーム整備費補助事業等でございます。
 特別養護老人ホームの整備に要する経費を補助することによりまして、整備促進を図るとともに、整備率の低い地域に整備費を加算し、地域偏在を緩和、解消するものでございますが、本事業に限らず、認知症高齢者グループホームの整備促進なども同様ですが、建築価格の高騰等を受けた物価調整額の引上げ等を行ってまいります。
 一二〇ページをお開き願います。21、(1)、障害者(児)施設整備助成でございます。
 障害者児の地域生活を支えるサービス基盤の充実を図るため、重度障害者への対応や児童発達支援センター等の未設置地域における整備費の加算などによりまして、さらなる障害者児支援の基盤の整備を推進してまいります。
 一二二ページをお開き願います。下から二番目、22、社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業でございます。
 社会福祉施設等に対しまして、緊急災害時用に非常用電源等の整備に係る費用の一部を補助することで、施設利用者の安全確保を図ってまいります。
 次に、特別会計でございます。
 一二九ページをお開き願います。母子父子福祉貸付資金会計でございます。
 母子及び父子並びに寡婦福祉法に基づく母子、父子福祉資金の貸付けに要する経費といたしまして、七十九億二千五百万円を計上してございます。
 一枚おめくりいただきまして、一三〇ページをお開き願います。心身障害者扶養年金会計でございます。
 東京都心身障害者扶養年金条例を廃止する条例に基づく年金給付等に要する経費といたしまして、三十一億五千五百万円を計上してございます。
 令和六年度予算案については以上でございます。
 続きまして、令和五年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和五年度最終補正予算概要をご覧いただきたいと存じます。
 三枚おめくりいただきまして、三ページをお開き願います。一般会計の総括表でございます。
 左側の(1)、歳入予算の補正予算額欄をご覧ください。
 国庫支出金で四十四億一千三百八十四万円の減額、繰入金で十二億五千三百七十万二千円の減額、諸収入で九百九十七億四千六十七万六千円の増額、都債で十一億三千七百万円の減額、合計で九百二十九億三千六百十三万四千円の増額でございます。これにより、補正後の歳入合計は二千七百十七億一千百三十一万七千円となります。
 右側の(2)、歳出予算の補正予算額欄をご覧ください。
 福祉保健費で八十六億五千三百七十二万円の減額、諸支出金で千五百五億八千四百七十八万五千円の増額、合計で一千四百十九億三千百六万五千円の増額でございます。これにより、補正額の歳出合計は一兆二千二百七十七億八千四百六十万七千円となります。
 四ページをお開き願います。Ⅱ、事項別内訳の1、物価高騰対策臨時くらし応援事業でございます。
 物価高の影響を特に大きく受けている住民税非課税世帯等の不安を和らげるための緊急対策事業に要する経費といたしまして、生活福祉費で歳出予算二百二十七億四千十一万円を計上してございます。
 五ページをご覧ください。2、介護職員処遇改善支援事業でございます。
 国が令和六年二月から同年五月までの間、介護職員を対象に賃金改善を行うことを受け、事業に要する経費といたしまして、高齢社会対策費で歳出予算二十六億八千四百八十九万五千円を計上してございます。
 六ページをお開き願います。3、介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業でございます。
 介護サービス事業所等が介護サービスを継続できるよう、緊急時のサービス提供に必要な掛かり増し経費等の支援に要する経費といたしまして、高齢社会対策費で歳出予算十一億四千七百八十九万円を計上してございます。
 七ページをご覧ください。4、福祉・介護職員処遇改善事業でございます。
 国が令和六年二月から同年五月までの間、福祉介護職員を対象に賃金改善を行うことを受け、事業に要する経費といたしまして、障害者施策推進費で歳出予算十億四千六百十二万九千円を計上してございます。
 八ページをお開き願います。5、歳入歳出予算の更正でございます。
 八ページから二〇ページにかけまして、歳入歳出予算の更正を行う経費について、歳出科目ごとに記載してございます。
 二一ページをお開き願います。6、国庫支出金返納金でございます。
 精算の結果、受入れが超過した国庫支出金の返納に要する経費といたしまして、歳出予算千五百五億八千四百七十八万五千円を計上してございます。
 二二ページをお開き願います。Ⅲ、繰越明許費でございます。
 1の物価高騰対策臨時くらし応援事業に係る繰越明許費といたしまして、二百二十七億四千十一万円計上してございます。
 2の介護職員処遇改善支援事業に係る繰越明許費といたしまして、二十六億八千四百八十九万五千円を計上してございます。
 3の介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業に係る繰越明許費といたしまして、十一億四千七百八十九万円を計上してございます。
 4の福祉・介護職員処遇改善事業に係る繰越明許費といたしまして、十億四千六百十二万九千円を計上してございます。
 令和五年度最終補正予算案につきましては以上でございます。
 続きまして、恐れ入りますが、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和六年第一回東京都議会定例会条例案の概要をご覧ください。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。(1)、高齢者施策推進部関係でございます。
 整理番号1、東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例から、四ページ下段の整理番号8、東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例までの八条例につきましては、国の指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の施行による基準改正に伴いまして、サービス利用者や施設入所者が医療を必要とした際の連携協力に係る規定を改めるとともに、新興感染症への対応に係る規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 これらの条例の施行日は、令和六年四月一日を予定しておりまして、介護予防訪問看護などに係る一部の規定につきましては、令和六年六月一日の施行を予定しております。
 五ページをご覧ください。整理番号9、東京都福祉局関係手数料条例の一部を改正する条例でございます。
 介護支援専門員実務研修受講料の額を改めるほか、規定を整備するものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日を予定しております。
 整理番号10、東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例を廃止する条例でございます。
 指定介護療養型医療施設の廃止に伴いまして、条例を廃止するものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日を予定しております。
 六ページをお開き願います。(2)、障害者施策推進部関係でございます。
 整理番号11、東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 こちらは、障害者施策推進部及び子供・子育て支援部の両部に係る条例でございまして、障害者施策推進部関係では、国の児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する内閣府令の施行による基準の改正等に伴いまして、児童発達支援センターに係る規定を改めるほか、規定の整備を行うものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日を予定しております。
 整理番号12、東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 国の児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する内閣府令の施行による基準の改正に伴いまして、児童発達支援に係る規定を改めるほか、規定の整備をするものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日ほかを予定しております。
 七ページをご覧ください。整理番号13、児童福祉法施行条例の一部を改正する条例でございます。
 国の児童福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴うこども家庭庁関係内閣府令の整備等に関する内閣府令の施行による児童福祉法施行規則の改正に伴いまして、指定障害児通所支援に係る規定を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日を予定しております。
 整理番号14、東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例及び整理番号15、東京都立療育センター条例の一部を改正する条例の二条例につきましては、国の児童福祉法等の一部を改正する法律第二条の施行による児童福祉法の改正に伴い、医療型児童発達支援センターに係る規定の削除をするほか、引用条文を改めるものでございます。
 これらの条例の施行日につきましては、令和六年四月一日を予定してございます。
 八ページをお開き願います。整理番号16、東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 国の児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する内閣府令の施行による基準の改正に伴いまして、医療型児童発達支援に係る規定を削除するほか、規定を整備するものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日ほかを予定してございます。
 九ページをご覧ください。整理番号17、東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例及び整理番号18、東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の二条例につきましては、国の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する命令の施行による基準の改正に伴いまして、障害者の意思決定支援の推進に係る規定を設けるほか、規定の整備を行うものでございます。
 これらの条例の施行日は、令和六年四月一日ほかを予定しております。
 一〇ページをお開き願います。整理番号19、東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例及び整理番号20、東京都障害者支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の二条例につきましては、国の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の施行による基準の改正に伴いまして、障害者の地域移行を推進するための取組に係る規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 これらの条例の施行日は、令和六年四月一日を予定してございます。
 一一ページをご覧ください。整理番号21、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定による任意入院者の症状等の報告に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 国の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律第八条の規定の施行による精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の改正に伴い、引用条文を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日を予定してございます。
 整理番号22、東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例でございます。
 国の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律第八条の規定の施行による精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の改正に伴いまして、各精神保健福祉センターの事業に係る規定を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日を予定しております。
 整理番号23、東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 都立施設改革に伴いまして、東京都清瀬喜望園を社会福祉法人に移譲するため、清瀬喜望園に係る規定を削除するほか、規定を整備するものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日を予定してございます。
 一二ページをお開き願います。(3)、子供・子育て支援部関係でございます。
 整理番号24、東京都女性自立支援施設の設備及び運営の基準に関する条例でございます。
 国の困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行に伴いまして、女性の自立支援施設の設備及び運営に関する基準を定めるものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日を予定してございます。
 整理番号25、東京都女性相談センター条例の一部を改正する条例でございます。
 国の困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行に伴いまして、条例の名称及び東京都女性相談センターの名称を改めるほか、センターの業務内容に係る規定を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日を予定してございます。
 一三ページをご覧ください。整理番号11、東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例につきましては、障害者施策推進部関係でご説明申し上げました条例の再掲となりますが、子供・子育て支援部関係では、里親支援センターに係る規定を設けるとともに、婦人相談所及び婦人相談員に係る規定を改めるほか、規定を整備するものでございます。
 その下、整理番号26、東京都児童相談所条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都練馬児童相談所の設置に伴いまして、練馬児童相談所に係る規定を設けるほか、東京都児童相談センターに係る規定を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年六月一日を予定してございます。
 整理番号27、東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例でございます。
 子育て支援対策臨時特例交付金事業が令和六年度まで延長されることに伴いまして、東京都安心こども基金条例の対象事業に係る認定期限を一年間延長するものでございます。
 この条例の施行日は、公布の日を予定しております。
 条例案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、令和六年第一回東京都議会定例会条例案をご覧いただければと存じます。
 最後に、契約案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和六年第一回東京都議会定例会契約案の概要をご覧いただきたいと思います。
 今回の福祉局関係の契約案は、工事請負契約でございます。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。東京都板橋倉庫(仮称)(五)新築工事でございます。
 現在、都の備蓄倉庫が存在しない区西北部の適切な場所に新たな倉庫を整備することによりまして、発災時の物資供給体制の強化を図るため、倉庫の新築を行うものでございます。
 工事場所は、2に記載してございますとおり、東京都板橋区栄町三十五番二でございます。
 敷地面積は、3に記載してございますとおり、一万六千八百・一九平方メートルで、そのうち板橋倉庫分は四千四百九十四平方メートルでございます。
 一枚おめくりいただきまして、二ページに案内図を、三ページに配置図をそれぞれ記載してございます。
 それでは、四ページをお開き願います。今回ご審議いただきます工事請負契約の概要をお示ししてございます。
 契約の方法は一般競争入札で、契約の相手方は株式会社田中建設でございます。
 工期は契約確定の日の翌日から令和七年十一月二十八日まででございます。
 契約金額は九億四千五十万円でございます。
 以上で提出予定議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○あかねがくぼ委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○里吉委員 それでは、九点、資料要求をさせていただきます。
 一点目、地域密着型サービスの事業者数の推移。
 二点目、地域包括支援センターの設置状況。
 三点目、障害者グループホームの定員。
 四点目、都内障害者グループホームの国加算算定状況。
 五点目、通所介護事業所数の推移、十年分お願いします。
 六点目、特別養護老人ホームの多床室と個室、それぞれのベッド数の推移。
 七点目、物価高騰対策臨時くらし応援事業の予算額の内訳と対象者数。
 八点目、東京都の児童相談所から都外の児童心理治療施設に入所している子供の人数の推移。
 九点目、都内から都外の医療型障害児入所施設に入所している児童数、都道府県、サービス推進費の有無別にお願いいたします。
 以上です。

○上田委員 私、昨年も委員でしたが、更新の意味で。
 都の低所得のひとり親世帯等生活支援給付金事業補助金の区市町村別の使途とそれぞれの金額が分かるもの。
 過去五年に開設された認可、認証保育園の区市町村別の施設数と区市町村別の総定員数。
 過去五年に閉園した認可、認証保育園の一覧。
 心身障害者福祉手当、特別障害者福祉手当、重度心身障害者福祉手当の区市町村別交付額と返還額、過去五年。
 ベビーライフによる養子縁組のその後の現状が分かるもの。
 都所管の児童養護施設及び児童相談所における人権教育、外部通報に係る取組状況。
 児相におけます措置、措置解除に係る不服申立て件数−−審査請求、訴訟なども含みます−−及びその裁決などの推移、過去十年。里親も含みます。
 児相における親権停止裁判の請求人数及び承認人数の実績推移、過去十年。
 養育家庭の認定取消件数の推移、過去五年。
 児相所長、児童養護施設長における子供への治療、投薬の判断基準や権限、それらの法的根拠が分かるもの。変更があるか確認したいと思います。
 一時保護から精神病院への強制入院、医療保護入院、措置入院に至るまでの経緯が分かるもの。
 一時保護から強制入院−−これも医療保護、措置も含めて−−に至った件数、過去五年。
 福祉局の指導管理対象となっている都内病院における強制入院、行動制限で係争中の病院の一覧と経緯、過去五年分。
 都の医療保護入院、措置入院の実態の分かるもの、過去五年。
 滝山病院事件発生時から今日までの対応、取組が分かるもの。
 滝山病院の令和五年二月十五日以降、直近までの死亡者数及び死因、入院、退院と地域移行の状況。
 滝山病院における任意入院以外の入院による在院者数、身体拘束、隔離、死亡退院の件数の推移、直近までお願いいたします。
 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律改正に伴う令和六年度予算に計上された事業全容が分かるもの、予算ごとで内訳でください。
 同じく、女性自立支援施設の利用状況が分かるもの、過去十年。
 若年被害女性等支援事業の開始以来これまでの取組、実績、経緯の分かるもの。
 以上です。

○あかねがくぼ委員長 ただいま里吉委員、上田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あかねがくぼ委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○あかねがくぼ委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願五第四九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○新倉子供・子育て施策推進担当部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号1、請願五第四九号は、新宿区の公的保育・福祉を守る東京実行委員会の代表丸山麻利子さん外四万六千九百五十八人から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第一項として、東京の子供政策を強化する立場から、全ての保育施設で乳幼児の権利を保障するため、東京都保育の質ガイドラインを策定すること。
 第二項として、不適切保育や補助金の不正受給を未然に防ぐため、保育施設に対する都の実地検査体制を拡充すること。
 第三項として、保育施設の職員が安心して働き続けられるようにするため、都独自の職員配置基準を設け、職員の賃金を引き上げる補助金を増額すること。
 現在の状況でございますが、第一項につきましては、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第三十五条で、保育所における保育内容については、保育所保育指針に従う旨、規定しています。
 保育所保育指針では、全ての子供の最善の利益のため、子供の健康や安全の確保、発達の保障等の観点から、全ての保育所がよるべき保育の基本的事項を定めており、保育所はこの指針に基づき、保育の質の向上に取り組んでいます。
 第二項につきましては、都は、児童福祉法等に基づき、保育施設の設備や運営に関する基準の適合状況等を確認するため、新規に開設された施設、職員配置や保育内容に課題のある施設等に対し指導検査を実施するとともに、認可外保育施設については、毎年巡回指導も実施しています。
 また、区市町村は、子ども・子育て支援法等に基づき、指導検査を実施しています。
 第三項につきましては、保育士の配置基準は、国が省令で定め、都や区市町村はそれらを踏まえ、それぞれの議会等の審議を経て条例等で定めています。
 都は、障害児への対応やチーム保育体制の整備など、施設の保育実態に応じた増配置への給付等を行うほか、保育サービス推進事業により、地域の実情に応じた区市町村の取組を支援し、保育サービスの質の向上を図っています。
 また、保育人材の確保、定着を図るため、平成二十七年度からキャリアパスの導入に取り組む事業者への補助を実施しており、平成二十九年度からは、各施設の財務情報等の公表や非常勤職員の賃金改善を行うことなどを条件に補助の充実を図っています。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○あかねがくぼ委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 日本共産党の里吉ゆみです。よろしくお願いいたします。
 乳幼児の権利を保障する保育の実現に関する請願についての質疑を行います。
 請願には、今ご紹介がありましたように、代表の方のほか、四万六千九百五十八名の方の署名が提出されています。請願にもあるように、保育の現場は、国際的に見ても低過ぎる職員配置基準や施設基準で、休憩や子供から離れて業務に当たる時間もままならない状況が続いています。
 請願は、乳幼児の権利を保障するための提案をしています。今回は、職員配置基準、職員の賃金引上げに関わって質問していきたいと思います。
 二〇二三年、昨年の十二月二十二日、政府は、こども未来戦略、次元の異なる少子化対策の実現に向けてを閣議決定しました。保育の職員配置基準について、二〇二四年度から、制度発足以来七十五年間一度も改善されてこなかった四、五歳児について、三十対一から二十五対一への改善を図り、それに対応する加算措置を設ける、また、これと併せて、最低基準の改正を行うとしました。
 この配置基準の改正は、多くの保育関係者が政府に対して長年求め続けたものであり、保育の質の改善に向けて山が動いたと歓迎されています。
 その一方で、経過措置が当分の間となっているため、二十五対一の配置ができた保育施設のみの加算措置となり、全体の配置基準の実質的な引上げがいつになるのか不透明という状況となっています。
 都内の保育施設については、具体的な期限を定め、早急に完全実施できるよう、都の取組を強く求めておきます。
 請願では、都独自の職員配置基準を設けることを求めています。国が示している基準の引上げが実現してもまだまだ不十分であり、さらなる引き上げが、引き上げる必要があります。
 保育所というところは、子供を預かってくれるところというイメージがありますが、それだけではありません。保育所保育指針、先ほども説明で触れられていましたけれども、ここで、国により保育内容の基本が示されています。
 指針には、保育所は、子供が生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に、その生活の大半の時間を過ごす場である、このため、保育所の保育は、子供が現在を最もよく生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うためとして、その目標を様々掲げています。
 保育の専門家である保育士は、子供たちとの日々の遊びや生活を通じて、人間として生きる力や社会性を育もうと日々取り組んでいます。そして、そのためにも、世界水準から見て低過ぎる配置基準の改善を求めているのです。
 保育の現場からは、保育士が増えればもっと一人一人の子供に寄り添って声が聞けるのに、保護者の方と子供のこと、子育てのことをもっと話したいのに、何より、地震などの災害時に本当に安全に子供たちを守れるのか不安などの声が寄せられています。
 特別な配慮の必要な子、育ちの支援が必要な子、家庭の事情を抱えた子など様々な子供も通ってきています。都として、配置基準を超える保育士を雇用する保育所への支援、思い切って広げる必要があるのではないかと思います。都の見解を伺います。

○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、障害児への対応やチーム保育体制の整備など、施設の保育実態に応じた増配置への給付等を行うほか、保育サービス推進事業により、地域の実情に応じた区市町村の取組を支援し、保育サービスの質の向上を図っているところでございます。

○里吉委員 今もやっているという答弁だったんですけれども、そのさらなる改善をぜひ求めたいと思うんです。
 保育の質の向上を考えたときに、一人一人の保育士の皆さんのスキルアップですとか、保育園全体で、集団で保育の質を上げる努力なども極めて大切です。その点で、保育士不足や保育士が定着しないということは問題だと思います。
 そこで、改めて東京都が東京都保育士実態調査を行った目的、伺いたいと思います。

○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、現任保育士の離職防止策や潜在保育士の就職支援策などに生かすため、都内の保育士登録者等を対象に、保育士実態調査を平成二十五年度、三十年度、令和四年度にそれぞれ実施しております。

○里吉委員 そうなんですよね。離職防止策とか潜在保育士の就職支援策などに生かすということで、五年に一回、この保育士実態調査が行われていることです。
 一番直近のものを私も読ませていただきました。請願の中でも触れられていますが、こういう質問があります。あなたはどのようなことが充実すれば、現在の職場で働き続けたいと思いますか。この質問には給与というのが七九・四%、約八割ですね、最も多かった。次に職場の人間関係五八%と続いています。
 そしてもう一つ、現在の職場に対して、日頃あなたが改善してほしいと思っている事柄はありますかとの質問に対しても、トップは給与、賞与等の改善で六二・七%、次いで職員数の増員が四八・六%でした。
 本当にはっきりと結果が出ているわけです。離職防止のためには、給与、賞与等の改善、職員数の増加が求められているということ、ここでもよく分かるんじゃないかと思います。
 また、資格を活用しない職業へ、せっかく保育士の資格を取ったのにそれ以外のところに就職する、保育施設等に就職しても離職してしまう、こういう方たちに対しては、こういう状況が依然として生じている原因についてもいろいろ聞いているんですね。
 この調査からは何が明らかになったのか伺います。

○新倉子供・子育て施策推進担当部長 令和四年度の調査では、保育士として就業経験がない方にその理由を聞いたところ、幼稚園での勤務を希望したが二〇・九%、希望する給与等待遇の求人がなかったが一九・二%でございました。
 また、過去に保育士の就業経験がある方に保育士を辞めた理由を聞いたところ、職場の人間関係が三一・五%、仕事量が多いが二三・一%でございました。

○里吉委員 保育士の資格を持って幼稚園に就職したという方ももちろんいらっしゃるわけで、それを除けば、やっぱり給与等の待遇がネックだったということだと思います。
 また、仕事を辞める理由に人間関係を挙げることは、どこの職場でも珍しくないと思いますけれども、単なる個人的な問題というふうに見るのではなく、十分なコミュニケーションを取れるだけの余裕のある職員配置になっているのかということをさらに分析する必要があると思います。
 仕事量が多いということは、これは教員の分野でもよく問題になることですけれども、業務量を減らす工夫とともに、やはり職員を増やすことが求められているのではないかと思います。
 東京都として、局として、この調査結果に対してどのような取組を行っているのでしょうか、伺います。

○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、日誌の作成や事務処理などを行う保育補助者の雇用や、書類作成の業務等を支援するシステムの導入に取り組む事業者を支援するなど、保育士の負担軽減を図っております。
 また、今年度からは社会保険労務士による講座を開講し、職場内の人間関係や休暇、休憩の取得など、保育現場が抱える職場課題への事例検討等を通じて職場環境の改善を進めるなど、保育士の定着に取り組んでいるところでございます。

○里吉委員 いろいろ取り組んでいただいているということなんですけれども、本当に多くの保育関係者、保育士の方が求めている配置基準の改善や賃金の引上げには、正面から応えることをしていないんですね。ここに正面から応えることなしに、保育の質の確保はできないというふうに私、思うんです。
 調べてみますと、東京都では、全産業労働者の平均賃金に比べて、保育士の賃金は十二万円以上低いんです。これが現状です。先ほど読みました東京都の行いました調査、保育士実態調査の自由記載欄、ここにいろんなことが書いてありました。保育士資格は国家資格なのに誰でもできる仕事と軽んじられている、保育士の社会的地位が低い、一般企業や教員として働く同世代の友人と年収や福利厚生を比較すると大きな差がある、海外では保育士は社会的にもきちんと尊敬され大切にされていたなどなどです。本当にそのとおりだと思うんです。
 国家資格が必要な専門性を持った保育士の仕事は、子供が生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に関わる、そういう仕事なわけです。そういう意味で、東京都として、保育士のさらなる賃金の引上げ、行うべきだと思います。必要だと思いませんか、都の見解を求めます。

○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、保育士が専門性を高めながら、将来を見通し、やりがいを持って働くことができるよう、平成二十七年度からキャリアパスの仕組みを導入する事業者を対象に、保育士の処遇改善の取組への支援を実施しております。
 また、二十九年度からは財務情報の公表や非常勤職員の賃金改善等を行うことを条件に、補助を拡充しているところでございます。

○里吉委員 今もまた、現在やっていることだけの紹介でした。現在やっていることの紹介をいただきましたけれども、それを前提に、今、四万六千九百五十八人の署名が寄せられている、この重みをぜひ受け止めていただきたいんです。
 本日は質疑しませんでしたけれども、全ての保育施設で乳幼児の権利を保障するために、保育の質ガイドラインを策定してほしい、また実地検査体制を拡充してほしい、こういうことも要望として書かれていました。どれも大切な要望だと思いますが、同時に、職員配置基準の改善や賃金引上げなどで保育士が安心して働けるようにならなければ、保育の質ガイドライン、幾ら立派なものをつくっても、ガイドラインに沿った保育ができるのか分からないと思うわけです。
 やはり、保育に何よりも大切なのは人です。保育の現場の職員の配置基準の改善や処遇改善、これはどれも子供たちのため、保育の質を守るために欠かせません。ぜひこれは、東京都としてさらに一歩進んだ取組を行っていただきたいと思います。
 よって、日本共産党は、この請願を採択することを求めます。
 以上で私の質問を終わります。

○上田委員 今回のこの請願につきましては、1の東京都保育の質ガイドラインの策定、これは賛同するものでございます。
 一週間前ですか、世田谷では相も変わらず、うつ伏せ寝で、認可外とはいえ、尊い命が奪われてしまいました。何度繰り返されるのかということで、認証、認可、認可外も含めて、東京都が保育の質ガイドラインなるものの策定については、今後も求められていくものと思います。
 また、不適切保育や補助金の不正受給、数々私もですね、グローバルキッズとか、あとは小金井の法人ですか、いろいろと調査をし、指摘をしてまいりましたところでございまして、何となく、東京都の人員も少なくてですね、チェック体制がどうしても随分足りていないなというところで、実地検査体制の拡充、こちらについても賛同するところでございます。
 一方、3の都独自の職員配置基準におきましては、昨年の十二月の委員会でも、同様のような請願が出ておりまして、都の方からは、保育人材の確保、定着を図るため、国の公定価格における処遇改善加算に加え、独自に保育士キャリアアップ補助を実施等、努力をしているところは評価をするものでありますし、公立ならいいんでしょうけれども、この配置基準が設けられることで、特に認証とか小規模の、特に株式会社とか民間がやっている認可保育所においては、なかなかそちらの方の人材確保について、それでなくても集まらないということで、絵に描いた餅になって、それをまた、ノルマを達成するために、非常に心を、いろんな意味でコストを割かねばならないという状況になるということで、3においては、ちょっと賛同しかねるということで、審査におきましては、今回、この請願については、1、2は丸で、3はちょっと賛同できないということになりますことから、全体的に見ますと不採択という選択をさせていただきますが、願意は尊重させていただきたいということを意見表明させていただきたいと思います。

○あかねがくぼ委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○あかねがくぼ委員長 起立少数と認めます。よって、請願五第四九号は不採択と決定いたしました。
 請願の審査を終わります。
 以上で福祉局関係を終わります。

○あかねがくぼ委員長 これより保健医療局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○雲田保健医療局長 令和六年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております保健医療局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております議案は、令和六年度予算案三件、令和五年度補正予算案二件、条例案五件、諮問二件の合計十二件でございます。
 初めに、令和六年度予算案についてご説明申し上げます。
 令和六年度予算案は、変化する社会情勢の中、東京、日本の輝かしい未来を切り開くため、産業や経済、社会の構造転換に挑み、一人一人が輝く明るい未来の東京を実現する予算と位置づけ、編成されております。
 この方針に基づき、保健医療局では、現下の社会状況に的確に対応するとともに、将来的な課題にも備え、様々な工夫を凝らし、施策の充実を図っております。
 当初予算案のうち、保健医療局が所管いたします一般会計歳出予算は総額四千九百二十七億五千三百万円、令和五年度に比べ二百二十五億二千四百九十四万三千円、四・八%の増となっております。
 また、特別会計が二つございまして、まず、国民健康保険事業会計が予算額一兆千二百五十六億九千八百万円、地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計が予算額二百八十六億九千五百万円となっております。
 分野ごとの取組につきまして簡単にご説明させていただきますと、まず、保健政策分野では、ライフステージ等に応じた都民の健康づくりを支援するとともに、がん検診の受診促進や受動喫煙防止対策、自殺対策などに取り組んでまいります。
 医療政策分野では、将来あるべき医療提供体制の実現に向け、医療と介護の連携を進め、在宅療養を支援する体制づくりに努めるとともに、がん医療、救急、災害医療、周産期医療、小児医療などの取組も着実に推進してまいります。あわせて、保健医療を担う人材の確保や医療DXの推進などに取り組んでまいります。
 都立病院支援分野では、都立病院機構による行政的医療の安定的かつ継続的な提供や、地域医療の充実などに向けた取組を支援してまいります。
 健康安全分野では、食品の安全確保や薬物乱用防止に向けた普及啓発など、多様化する健康危機から都民を守る施策を進めてまいります。
 感染症対策分野では、新興感染症の発生に備えた体制強化を図るとともに、感染症全般に的確に対応するための取組を進めてまいります。
 次に、令和五年度最終補正予算案についてご説明申し上げます。
 一般会計歳入歳出予算、債務負担行為及び繰越明許費並びに地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計繰越明許費の補正でございます。
 一般会計の内容は、医療機関等における電子処方箋の活用、普及の促進に要する経費の補正や、看護補助者の処遇改善に要する経費の補正を行うもののほか、予算の執行状況を精査した上で減額補正を行うものなどでございます。
 また、一般会計につきましては債務負担行為及び繰越明許費を、地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計につきましては繰越明許費の補正を計上しております。
 続きまして、条例案の概要をご説明申し上げます。
 食品衛生法の改正を踏まえ、営業許可に係る申請手数料の額の規定を定めるものなどのほか、医療法施行規則の改正に伴い、規定を整備するものなどでございます。
 最後に、諮問についてでございますが、地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問でございます。
 なお、詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。
 以上、簡単ではございますが、提出予定議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○船尾総務部長 それでは、令和六年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております議案の詳細をご説明申し上げます。
 初めに、令和六年度予算案についてご説明申し上げます。お手元の令和六年度当初予算概要をご覧ください。
 表紙に続きまして、目次を二枚おめくりいただき、一ページをお開き願います。令和六年度保健医療局所管予算の概要でございます。
 1、一般会計のほか、2、特別会計歳出予算として、国民健康保険事業会計、地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計の二つの特別会計がございます。
 以下、会計別にご説明させていただきます。
 まず、一般会計でございます。
 次の一般会計とあります青色の中扉をおめくりいただきまして、五ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
 歳出の計欄をご覧ください。令和六年度の歳出は四千九百二十七億五千三百万円で、五年度当初予算額に比べまして二百二十五億二千四百九十四万三千円、四・八%の増となっております。
 次に、歳入でございますが、表の下から二段目、特定財源の計欄をご覧願います。令和六年度は六百四十四億二千五百五十四万九千円で、五年度に比べまして二十一億八千四百三十六万四千円、三・五%の増となっております。
 六ページをお開き願います。Ⅱ、職員定数でございます。
 表の下段、合計欄にございますように、令和六年度の職員定数は一千八百九十八人で、五年度と比較して四十六人の減となっております。主な増減員は表の右側にお示ししたとおりでございます。
 隣の七ページから、Ⅲ、事項別内訳でございまして、科目別に記載しております。
 主要な事業につきまして、新規、拡充事業を中心にご説明申し上げます。
 まず、保健医療管理費でございます。
 一番下、3、福祉・保健医療分野のデジタルプラットフォーム構築でございます。
 福祉、保健医療の各分野で保有する事業所関連情報の一元的な管理を行う情報連携基盤を構築し、円滑な情報共有及び事業者による各種申請手続の事務負担軽減等を実現してまいります。
 八ページをお開き願います。中ほど、6、認知症発症メカニズム解明と新規治療法等の研究の推進でございます。
 認知症の発症メカニズムを解明するとともに、新規治療法、予防法の開発に向けた研究を推進してまいります。
 次に、保健政策費でございます。
 一一ページをお開き願います。中ほど、(2)、保健所の機能強化でございます。
 感染症対応訓練や研修を実施するなど、新興感染症発生に備え、都保健所の体制、機能の強化を図ってまいります。
 一二ページをお開き願います。2、保健医療政策区市町村包括補助事業でございます。
 区市町村が地域の実情に応じて主体的に行う保健医療分野の基盤の整備やサービスの充実を支援するものでございますが、来年度新たに、介護保険制度の対象外である若年がん患者の在宅療養支援や、成人を対象とした歯科健康診査の受診促進等を行ってまいります。
 一四ページをお開き願います。上から二番目、4、とうきょう健康応援事業でございます。
 都民の主体的な健康づくりにつなげるため、区市町村が行うインセンティブを用いた健康づくりの取組に対して、都がさらなるインセンティブを提供し、区市町村の取組を支援することで健康づくりにつながる環境を整備してまいります。
 次に、医療政策費でございます。
 少しページが飛びますが、二六ページをお開き願います。中ほど、(14)、救急医療体制強化事業でございます。
 救急医療体制の中核を担う医療機関に対しまして、医療従事者の勤務環境改善に向けた体制整備を支援し、安定的な救急医療提供体制を確保してまいります。
 三一ページをお開き願います。中ほど、(6)、医療施設浸水対策計画策定支援事業でございます。
 浸水想定区域に所在する都内の病院を対象といたしまして、浸水対策計画の策定に向けた設計コンサルタント等の活用を支援し、浸水対策を促進してまいります。
 三七ページをお開き願います。一番上、(16)、医療機関におけるAI技術活用促進事業でございます。
 医療従事者の負担軽減等、勤務環境を整備するため、中小病院や有床診療所を対象にいたしまして、AI問診や音声自動入力その他医療機関における働き方改革等に資するAI技術活用の取組を支援してまいります。
 次に、都立病院支援費でございます。
 また少し飛びますが、四七ページをお開き願います。5、粒子線治療施設の整備でございます。
 都立病院への粒子線治療施設の整備に向けた基本設計を実施してまいります。
 次に、健康安全費でございます。
 五〇ページをお開き願います。中ほど、6、食品衛生業務におけるDXの推進でございます。
 DX技術を活用いたしまして、保健所の食品営業許可事務等における電子申請を促進するとともに、立入検査等の際、タブレットを活用し、現場で効率的、効果的な監視指導を行ってまいります。
 五三ページをお開き願います。(2)、啓発活動の推進でございます。
 麻薬、覚醒剤、市販薬等の乱用による危害の周知等といたしまして、来年度、三十歳未満の若年層向けに、大麻、市販薬乱用防止に係る啓発の強化を図ってまいります。
 次に、感染症対策費でございます。
 また少し飛びますが、六四ページをお開き願います。中ほど、21、協定締結医療機関等向け感染症対策研修事業でございます。
 医療従事者等に対しまして、改正感染症法に基づく協定上必要とされる研修の機会を提供し、感染症対応に必要な知識、技術を習得するとともに、都内の感染症対策について平時から備えてまいります。
 六五ページをご覧ください。中ほど、25、HPVワクチン男性接種補助事業でございます。
 HPVワクチンの男性への接種につきまして、個人負担の軽減を図るため、任意接種に係る費用の一部を区市町村を通じまして補助してまいります。
 六六ページをお開き願います。一番下、31、小児インフルエンザワクチン任意接種補助事業でございます。
 子育て支援の観点から、インフルエンザワクチンの二回接種が必要な十三歳未満の方に対しまして、任意予防接種に係る費用の一部を区市町村を通じまして補助してまいります。
 次に、施設整備費でございます。
 七二ページをお開き願います。一番上、6、病院救急車購入支援事業でございます。
 医療機関に対しまして、病院救急車購入に係る経費を補助し、転院搬送体制の一層の確保を図ってまいります。
 七七ページをお開き願います。一番上、28、協定締結医療機関施設・設備整備事業でございます。
 改正感染症法により、新興感染症発生、蔓延時に、入院や発熱外来等を担う医療機関をあらかじめ適切に確保するため、協定締結医療機関への施設整備等の補助を行ってまいります。
 次に、特別会計でございます。
 八三ページをお開き願います。Ⅰ、国民健康保険事業会計でございます。
 国民健康保険事業会計には、国民健康保険法に基づく保険給付等に要する経費といたしまして、一兆一千二百五十六億九千八百万円を計上してございます。
 八八ページをお開き願います。本会計における職員定数を記載しておりまして、令和六年度は六人でございます。
 八九ページをご覧願います。Ⅱ、地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計でございます。
 地方独立行政法人法に基づきまして、設立団体である東京都から東京都立病院機構への貸付けに要する経費等といたしまして、二百八十六億九千五百万円を計上してございます。
 九一ページをお開き願います。本会計における職員定数を記載しておりまして、令和六年度は二人でございます。
 令和六年度予算案につきましては以上でございます。
 続きまして、令和五年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和五年度最終補正予算概要をご覧いただければと存じます。
 三枚おめくりいただきまして、三ページをお開き願います。一般会計の総括表でございます。
 左側の(1)、歳入予算の補正予算額欄をご覧ください。
 国庫支出金で一千四百八十九億五千四百五十一万三千円の減額、繰入金で三十一億八千四百八十一万三千円の減額、諸収入で二十五億一千百一万円の増額、合計で一千四百九十六億二千八百三十一万六千円の減額でございます。これによりまして、補正後の歳入合計は一千八百五十六億九千六百六十二万一千円となります。
 右側の(2)、歳出予算の補正予算額欄をご覧ください。
 福祉保健費で二千百五十四億四千百十一万二千円の減額でございます。これによりまして、補正後の歳出合計は六千二百五十三億五千二百四十五万八千円となります。
 四ページをお開き願います。Ⅱ、事項別内訳の1、医療機関における電子処方箋の活用・普及の促進事業でございます。
 電子処方箋等を導入する病院及び診療所に対しまして、導入に要する費用を補助するための経費といたしまして、医療政策費で歳出予算二十三億一千八百二十三万円を計上してございます。
 五ページをご覧ください。2、薬局における電子処方箋の活用・普及の促進事業でございます。
 電子処方箋等を導入する薬局に対しまして、導入に要する費用を補助するための経費といたしまして、健康安全費で歳出予算六億四千五百十一万三千円を計上してございます。
 六ページをお開き願います。3、看護補助者処遇改善事業でございます。
 国が令和六年二月から同年五月までの間、看護補助者を対象に賃金改善を行うことを受け、その事業に要する経費といたしまして、医療政策費で歳出予算四億一千五十三万一千円を計上してございます。
 七ページをご覧ください。4、歳入歳出予算の更正でございます。
 この七ページから一二ページにかけまして、歳入歳出予算の更正を行う経費につきまして、歳出科目ごとに記載してございます。
 一三ページをお開き願います。Ⅲ、債務負担行為でございます。
 一つ目の医療機関デジタル化推進セミナー事業業務委託に係る令和六年度の債務負担行為といたしまして、一千三百四十三万一千円を計上してございます。
 二つ目の電子カルテシステム導入支援費補助に係る令和六年度の債務負担行為といたしまして、三千百万円を計上してございます。
 一四ページをお開き願います。Ⅳ、繰越明許費でございます。
 1の医療機関における電子処方箋の活用・普及の促進事業に係る繰越明許費といたしまして、二十三億一千八百二十三万円を計上してございます。
 2の薬局における電子処方箋の活用・普及の促進事業に係る繰越明許費といたしまして、六億四千五百十一万三千円を計上してございます。
 3の看護補助者処遇改善事業に係る繰越明許費といたしまして、四億一千五十三万一千円を計上してございます。
 一五ページをご覧ください。4の感染症対策に係る繰越明許費といたしまして、八十億九千九百七十六万六千円を計上してございます。
 次に、特別会計でございます。
 一九ページをお開き願います。地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計の総括表でございます。
 左下の(5)、繰越明許費欄をご覧ください。
 繰越明許費といたしまして、一億四千八百五万九千円を計上しております。
 二〇ページをお開き願います。Ⅱ、繰越明許費でございます。
 1の施設整備のうち、都立荏原病院建物整備に係る繰越明許費といたしまして、一億四千八百五万九千円を計上してございます。
 令和五年度最終補正予算案につきましては以上でございます。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和六年第一回東京都議会定例会条例案の概要をご覧ください。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。整理番号1、東京都保健医療局関係手数料条例の一部を改正する条例でございます。
 食品衛生法及び食品衛生法施行令に基づく事務の手数料の額を改めるもの等でございます。
 この条例の施行日は、令和六年六月一日を予定しております。
 続きまして、整理番号2、東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 医療法施行規則の改正に伴いまして、病床数百以上の病院に置かなければならない従業者に係る規定を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日を予定しております。
 続きまして、整理番号3、東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例でございます。
 看護業務に従事する人材の確保を図るため、看護師等修学資金の債務の返還免除の条件を緩和する改正を行うものでございます。
 この条例の施行日は、令和七年四月一日を予定しております。
 二ページをお開き願います。整理番号4、東京都国民健康保険事業費納付金条例の一部を改正する条例でございます。
 国民健康保険の国庫負担金等の算定に関する政令の改正に伴いまして、政令附則を引用する規定を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、令和六年四月一日を予定しております。
 続きまして、整理番号5、東京都国民健康保険保険給付費等交付金条例の一部を改正する条例でございます。
 国民健康保険の国庫負担金等の算定に関する政令の改正に伴いまして、引用条文を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、公布の日を予定しております。
 次に、諮問についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和六年第一回東京都議会定例会諮問の概要の表紙をおめくりいただきまして、目次をご覧ください。
 今回提出を予定しております諮問は、地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問二件でございます。
 いずれの諮問も、東京都立広尾看護専門学校長が行った授業料減額、免除の審査決定処分の取消しを求める審査請求に関するものでございます。
 まず、令和五年四月十四日付の審査請求に関する諮問についてご説明いたします。
 三ページをお開き願います。一に、審査請求人氏名を、三の(一)に、審査請求の趣旨を、(二)に、審査請求の理由をそれぞれ記載してございます。
 請求人は、減額、免除申請時に収入がなく、令和四年の所得は僅少であったため、納入が極めて困難と認められる者に当たらないとした本件処分は、合理性がなく著しく妥当性を欠く違法な処分であるというものでございます。
 四、授業料の徴収猶予または減額もしくは免除の概要でございます。
 (一)でございますが、東京都立看護専門学校条例は、授業料は、知事が特別の理由があると認めるときは、減額し、または免除することができるとしております。
 これを受けまして、学則では、校長は、経済的困窮、災害、疾病その他の理由により納入期限までに授業料の納入が極めて困難と認められる者に対し、授業料を減額し、もしくは免除できるとしており、授業料の減免を受けようとする者は、納入期限までに校長に申請しなければならないとしております。
 四ページの(二)及び(三)でございますが、取扱要綱では、授業料の減免の対象者について規定してございます。
 具体的には、対象者一といたしまして生活保護受給世帯の者、対象者二といたしまして住民税非課税世帯等の者、対象者三といたしまして授業料納付期限前六月以内に天災等の災害を受けた世帯の者、対象者四といたしまして授業料納付期限前六月以内に生計維持者が死亡等のため学資の負担が困難となった世帯の者のいずれかに該当し、かつ納付期限までに授業料の納付が困難と認められる者としております。
 また、授業料の減免の対象者二及び対象者四は、その世帯の減免額算定基準額によって決定するとしており、世帯員それぞれの収入等から、記載の算式により算定するとしております。
 五ページをお開き願います。五、経緯でございます。
 請求人が審査請求するに至るまでの時系列を(一)から(三)まで記載してございます。
 六、審査請求に対する見解でございます。
 (一)でございますが、請求人は、納入期限当時の状況ではなく、納入期限の一年以上前の所得に基づいて判断をしていることは違法がある旨主張しております。
 (二)でございますが、まず、実施細目で、所得の判定について直近の課税証明書を必要書類としていることには合理性が認められることから、発行可能な直近の令和三年中の課税証明書により、減免の可否の判断をしたことは適正なものであります。
 次に、請求人世帯は、減免額算定基準額の算式により算出した額が授業料の減免の対象となる基準額を超えております。また、請求人は、雇用保険被保険者離職票・資格喪失確認通知書におきまして、事業主の都合による離職以外の離職とされていること等から、授業料の減免の対象者一から対象者四までのいずれにも当たりません。
 六ページの(三)でございます。処分庁は、請求人が授業料の減免の対象者一から対象者四までのいずれにも該当せず、納付期限までに授業料の納付が困難と認められる条件を満たさないとしたものであり、本件処分に違法または不当な点は認められません。
 以上によりまして、本件審査請求には理由がないことから、棄却が相当であります。
 次に、令和五年六月二十二日付の審査請求に関する諮問でございます。
 本件は、七ページ以降に記載してございますが、令和五年四月十四日付の審査請求の趣旨等と同様でございます。後ほどご覧いただければと存じます。
 以上で提出予定議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○あかねがくぼ委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○原委員 それでは、二十一点お願いいたします。
 一、二次保健医療圏別NICU病床整備状況。
 二、療養病床を有する医療施設数及び療養病床数——これは医療保険適用、介護保険適用です——の推移並びに介護医療院の施設数及び定員。
 三、被爆者の子の健康診断受診票の交付者数及び健康診断受診状況の推移。
 四、新型コロナウイルス感染症に関連した死亡者数の推移、月別。
 五、新型コロナウイルス感染症に関連した自宅療養者等の死亡者数の推移、月別。
 六、高齢者等医療支援型施設における施設ごとの延べ患者受入れ数の推移、月別。
 それから、七、都立病院機構の病院における医師の診療科別計画数及び現員、病院別にお願いします。
 それから、八、都立病院機構の病院における職種別職員計画数及び現員、病院別。
 九、都立病院機構の病院における看護要員の採用、退職者数の推移、病院別。
 十、都立病院機構の病院における看護要員の年次有給休暇平均取得日数、病院別でお願いします。
 それから、十一、都立病院機構の病院における研修医受入れ状況、病院別。
 十二、都立病院機構におけるPFI事業に関わる経費及び内訳の推移及び累計並びに各事業の契約額。
 十三、一般会計繰入金、運営費負担金、運営費交付金——施設整備関連経費以外です——及び公社病院への運営費補助金の推移、病院別。この運営費補助金については、各病院及び法人会計に対するものです。
 十四、一般会計繰入金、運営費負担金、運営費交付金、公社病院への運営費補助金——法人会計に対するものを含むものです——これの推移。
 十五、二〇二四年度予算案における都立病院機構への運営費負担金、運営費交付金の計算方法の二〇二三年度からの変更点の有無とその内容。
 十六、都立病院機構の病院における経営指標の推移、病院別。
 十七、旧都立病院から旧公社病院への診療科別医師派遣数の推移。
 十八、都立病院機構の病院における看護要員の離職率の推移、既卒、新卒別、病院別。
 十九、都立病院機構の病院における専門看護師及び認定看護師の人数及び分野内訳、病院別。
 二十、都立病院機構の病院における看護要員の夜勤回数の分布、二〇二三年十月実績、病院別でお願いします。
 二十一、都立病院機構の病院における一直二勤の実施病院と実施科の推移、五年分。
 以上、お願いいたします。

○上田委員 独法前後の職員超過勤務の状況が分かるもの。
 同じく、障害を持つ職員の合理的配慮と通常業務、超過勤務の分かるもの。
 同じく、メンタルブレーク等、精神的に追い詰められ、症状が悪化し休職、退職に至った状況が分かるもの。
 物価高騰緊急対策事業の利用状況の分かるもの。
 以上です。

○あかねがくぼ委員長 ただいま原理事、上田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あかねがくぼ委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○あかねがくぼ委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願五第五二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 一ページをお開きください。整理番号2、請願五第五二号、国民健康保険料(税)の引下げと誰もが安心できる国民健康保険制度の実現に関する請願は、豊島区の東京社会保障推進協議会会長吉田章さん外一万九千六百九十六人の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第一として、国民健康保険料、税を協会けんぽ並みに引き下げるために、国民健康保険への公費投入の増額を国に求めるとともに、都としてもさらなる軽減策を講ずること。
 第二として、国民健康保険料、税の均等割の軽減について、対象年齢と割合の拡大を国に求めるとともに、都としても軽減策を拡充すること。
 第三として、都内区市町村に対して、法定外繰入れの解消を強要するのではなく、国民健康保険財政を支援すること。
 第四として、新型コロナウイルス感染症対策として行われてきた国民健康保険での傷病手当金の支給について、恒常的な制度とするよう国に求めるとともに、都としても実施すること。
 第五として、出産手当金支給制度の創設を国に求めるとともに、都としても創設すること。
 第六として、国民健康保険組合の育成、強化について、引き続き支援することというものでございます。
 次に、現在の状況をご説明いたします。
 第一につきまして、国民健康保険は、保険料、税、国、都、区市町村が法令の定める割合により負担する公費及び前期高齢者交付金等により運営されており、保険料、税は、区市町村が議会の議決を経て決定しております。
 都は、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づく負担のほか、独自の財政支援を行っております。また、国に対しまして、今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の強化を図ること等を提案要求しております。
 第二につきまして、都は国に対しまして、子供の均等割の軽減措置について、十八歳未満まで対象を拡大するよう提案要求しております。
 第三につきまして、国民健康保険財政において必要となる費用は、原則として法定の公費と保険料、税で賄うこととされており、安定的な運営のためには、これらの収支が均衡していることが重要でございます。
 一般会計から決算補填等を目的として法定外繰入れを行うことは、給付と負担の関係が不明確となるほか、加入者以外の住民にも負担を求めることになるため、東京都国民健康保険運営方針では、決算補填等を目的とする法定外繰入れを計画的、段階的に解消、削減していくこととしております。
 第四につきまして、病気やけがの療養のため勤務できない被保険者に支給される傷病手当金は、保険者である区市町村、国民健康保険組合が条例または規約に基づいて実施する任意給付とされております。
 国は、国内の感染拡大防止の観点から、新型コロナウイルス感染症に感染した被用者等に対し、保険者が傷病手当金を支給する場合に、特例的に財政支援を行ったものでございます。
 第五につきまして、国民健康保険は、様々な就業や生活形態の方が加入しており、出産に際しての収入減少の形態が多様であることから、出産前後の所得補償である出産手当金については、保険者による任意給付とされております。
 国は、国民健康保険において出産手当金を全国的な制度とすることについて、所得補償として妥当な支給額の算出が難しいこと、多様な被保険者間の公平性や財源の確保など、難しい課題があるとしております。
 第六につきまして、都は国民健康保険組合に対し、法令に基づき必要な指導及び助言を行うとともに、国民健康保険組合が行う国民健康保険事業の円滑な運営を図るため、財政支援を行っております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○あかねがくぼ委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 それでは、国民健康保険料(税)の引下げと誰もが安心できる国民健康保険制度の実現に関する請願について質疑を行っていきたいと思います。
 ここにも、一万九千六百九十六名の方の署名が出されているということで、本当に多くの皆さんから、毎年のようにこういう要望が出されていることを改めて重く受け止めていただきたいと思います。
 国民健康保険は、他の医療保険——組合健保、共済組合、協会けんぽ、こういうものに加入できない方が加入する医療保険です。ですから、国民健康保険は、医療保険の最後のとりでといえるものです。
 国民健康保険実態調査によりますと、東京の国保加入世帯は職業別に見ますと、最も多いのは無職で三四・九%、被用者三一・三%、自営業者と農林水産業は合わせても一五・六%です。また、加入世帯の所得を見ますと、こちらは全国の数字になりますが、所得なしが二七・六%、ゼロから百万円未満が二七・五%、百万円以上から二百万円未満が二〇・八%となっています。全体の七五%以上は所得二百万円未満ということです。
 厚生労働省の二〇二二年度、令和四年度の国民生活基礎調査の概況によりますと、所得百万円未満は全体の六・七%、百万から二百万円未満は一三・〇%と、所得二百万円未満の割合は約二〇%となっているわけです。
 本当に国保加入者は低所得者層が多いということが、この二つの数字から分かると思います。そして、毎年のように値上げが繰り返される中で、国保料、国保税の引下げを求める声が上がるのは、本当に当然のことだと思います。
 国民健康保険制度は、二〇一八年度から都道府県化されましたけれども、それ以前とそれ以降の都の果たす役割はどのように変わったのか、改めて伺いたいと思います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 平成二十九年度までは、国保事業は区市町村ごとに運営されてきましたが、平成三十年度からは、都道府県が財政運営の責任主体として、安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保等の役割を担うとされております。
 都道府県は、区市町村ごとの国保事業費納付金を決定するとともに、各区市町村が納付金を納めるために必要と見込まれる標準的な保険料率を示しております。
 なお、制度改革以降におきましても、区市町村は、資格管理や保険料率の決定、賦課徴収など、地域におけるきめ細かい事業を担うこととされてございます。

○里吉委員 改正された国民健康保険法では、二〇一八年度から、今ご説明いただきましたけれども、都道府県は、安定的な財政運営、市町村の国民健康保険事業の効率的な実施の確保、その他都道府県及び当該都道府県内の市町村の国民健康保険事業の健全な運営について中心的な役割を果たすものとするとなっています。
 ですから、この法改正で、東京都の責任が重たくなったんだということについては、改めて指摘しておきたいと思います。
 先ほどご答弁ありましたけれども、具体的に都道府県が国保事業費納付金を決定するということです。区市町村は、この金額を納付しなければなりません。納付金額を基に保険料、保険税の水準を決めるので、この金額が保険料の、まあ納付金が上がれば、それが保険料、保険税の値上げに直結するという形になっているわけですね。
 先日開かれた東京都国民健康保険運営協議会で示された来年度の納付金額等算定結果はどうなったのか、一人当たりの保険料はどのように変化するのか伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 二月九日の東京都国民健康保険運営協議会でお示しした一人当たり保険料は、納付金算定上の保険料総額を被保険者数で除して機械的に算出した参考数値でございますが、令和六年度確定係数に基づく算定結果では、一人当たり保険料は十九万四百三十六円となり、令和五年度の算定結果と比較して五・三%の伸びとなっております。
 なお、実際の保険料は、区市町村が各議会の議決を経て決定するものでございます。

○里吉委員 五・三%増、金額でいうと九千五百八十円の増なんですね、十九万四百三十六円。これがそのまま区市町村の保険料になるわけじゃなくて、それぞれが決めるというご説明がありましたけれども、この算定結果に基づく一人当たりの保険料が、こうやって毎年の東京都国民健康保険運営協議会で示されています。
 私、二〇一八年度から、ちょっと調べてみたんですね。二〇一八年度は十四万八千九百十六円でした。それが一九年度十五万七百十円、二〇年度十五万三千六百三十三円、二〇二一年度十五万七千三百五十一円、二〇二二年度十六万七千四十二円、二〇二三年度十八万八百五十六円、そして二〇二四年度が十九万四百三十六円ということで、本当にすごい勢いで、結果としては上がっているわけです。
 この数字が、もちろん保険料に直結しているわけじゃないというか、いろいろな区市町村でそれぞれ議決があるというお話ありましたけれども、この金額が基になって納付金額等を払うということで、それぞれが決めるとなれば、やっぱり上がっていくわけで、私の住む世田谷区は、毎年、本当に上がっています。ですから、保険料を払えないという声をたくさんいただいています。
 これ、ざっと計算すると四万千五百二十円増なんですね、この数年間で。本当にこういうことがこれから続いていいのかということなんです。それ以外に法定外繰入れの解消による値上げというのも、これとは別にあるということで、加入者の七五%が所得二百万円未満という低所得者なのに、保険料が毎年上がっていくという事実ですよね。これは本当に大きな問題だと思います。
 東京都は、国民健康保険事業の健全な運営について中心的な役割を果たさなければならないわけですから、この対応をどうするのか、東京都も求められていると思います。当然、これは東京都にも責任があるわけです。
 来年度から実施となる東京都国民健康保険運営方針が同時に示されましたけれども、この内容ですと、今後も国保料、国保税は上がり続けることになるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 保険料、税の賦課方式や料率は、各区市町村が自ら定めるものでございまして、それぞれの議会で十分な審議が行われ、決定されるものと認識してございます。

○里吉委員 確かに、最後は区市町村の議会で決定しますけれども、本当にちょっと冷たいというか、人ごとのような答弁で残念です。
 基になる事業費納付金と標準保険料率を決めているのは東京都ですから、それに基づいて、それぞれの議会でいろいろ議論して、結果としてこの七年間、一人当たりの事業費納付金も上がり続けてきて、東京都の多くの自治体では、毎年のように国保料、国保税が上がってきたわけです。これから特別の対応、何らかの対応を取らなければ、今後も国保料の値上げは続くんじゃないかと思うんですね。
 もう一つ伺います。
 国保の財政安定化基金の繰入金を、三年間で今償還していますが、これは、現在の国保料にどのように影響しているのか伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 国保財政の安定化のため、給付増や保険料収納不足によりまして財源不足となった場合に備えまして、一般財源からの財政補填等を行う必要がないよう、都道府県に財政安定化基金が設置されてございます。
 財政安定化基金の取崩しを行った場合につきましては、原則、取崩しの翌々年度から三年間、区市町村の事業費納付金に加算し、基金へ積み戻すこととされております。

○里吉委員 結局ここでも、区市町村の事業費納付金への加算がされるわけです。区市町村が、例えば一般財源で補填するということがあれば別ですけれども、そうでなければ、やっぱり保険料に加算されることになるわけです。
 このことが出てきたときに、私たち日本共産党は、財政安定化基金の取崩しについて反対いたしました。東京都の一般財源で補填することを求めました。しかし、そうはなりませんで、結局ここでも、国保料の値上げを抑える東京都の対応は何もされなかったというふうに思います。
 東京都が行った調査で、都民生活に関する世論調査というのがございますが、これ直近のを見ますと、皆さん、ご覧になったでしょうか、生活が苦しくなったという方が、二〇二二年度の四〇・七%から四八・五%に増えています。変わらないと答えた人は、逆に五三・三%から四五%に減っている。苦しくなったと答えた割合が、生活が変わらないと答えた人を超えた、生活の苦しい人が、改めて今増えていることが東京都の調査でもはっきりと表れています。
 国保のご相談を受けている方の中で、コロナ禍のときにはいろんな対応があったんだけれども、それもなくなってしまって、今が一番厳しいという声も、私聞いております。こうした中で、差押えの数も、実は増えていると伺いました。
 過去三年間の新規の差押えの数についてお示しいただきたいと思います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 新規の差押件数は、令和二年度が一万五千六百三十三件、令和三年度が二万四千二百五件、令和四年度が二万七千六百九十三件となってございます。

○里吉委員 すごい勢いで増えていますよね、差押えの数が。保険料、保険税の負担が重たい上に、それを払えるように負担を減らすのではなくて、徴収強化の方向で対応されているということになります。
 いろんな人のお話、私も聞いてきましたけれども、例えば二人の子供を育てているシングルマザーの方は、二回も差押えを受けて、本当にもう精神的に参ってしまったとか、夫がコロナ感染で働けなくなって、またフリーランスの妻は妊娠中で、国保料の滞納をどうしたらいいか分からない、さらに、このおなかの子供が生まれたら均等割がまた増える、本当に払いたくても払えない方たちが、どうしたらいいんだろう、こういう相談をたくさん抱えています。そういう実態がたくさんあるわけです。
 ですから、区長会や市長会からも毎年のように、国保料について、国保税に対して様々な要望が出されているんだと思います。
 具体的には、区長会や市長会から東京都に対してどのような要望が出されているのか伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 特別区長会や市長会からは、子供の均等割保険料軽減措置の対象及び軽減割合を拡大するよう国に働きかけることや、国民健康保険制度の構造的課題を抜本的に解決するための具体策を提示するよう国に働きかけることなど、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等に向けた要望をいただいてございます。

○里吉委員 今、国民健康保険制度の構造的な課題という話も出ましたけれども、東京都も、国民健康保険制度については、医療費が高い高齢者や失業者など低所得者の占める割合が高い、保険料の確保が困難である、構造的な問題がある、こういうことも認めていて、議会でも繰り返し答弁されています。
 これは本当に国に解決してもらわなければいけない問題であるわけですけれども、東京都としても国に要望を上げていると思いますが、改めてどのような要望を行っているのか伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 国民健康保険は全国一律の制度でございまして、都は、制度設計者である国に対しまして、今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の強化を図っていくことや必要な財源を確保することなどの提案要求を行っております。

○里吉委員 医療費の増嵩に耐え得るということで、きっと増えていくんだろうと。それに耐え得るちゃんとした財政基盤強化、国に対して、やってくださいといっているわけですよね。制度設計者である国への要求は当然だと思います。
 同時に、この間、東京都は、学校給食の問題や今回の介護職員への処遇改善や、本来東京都がやるべき問題だということもありつつ、目の前で本当に困っている状況、何とかしなくちゃいけない状況を解決するために、実現するまでの間、東京都で何とかしよう、そういう動きもしてきているわけです。
 ですから、本当に一番低所得の皆さんが入っている、最後のとりでの国民健康保険、保険料を払えない方、差押えになっている方がこれだけ毎年増えている状況の中で、東京都は財政運営の責任主体でもあるわけですから、独自の財政支援を行って、国保料、国保税の値上げを抑える、こういう責任を果たすべきだと考えますが、見解を伺います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 国民健康保険は、相互扶助の考えに立った社会保険制度でございまして、その財源は、保険料二分の一、公費二分の一が基本とされてございます。
 保険料、税の賦課方式や料率は、各区市町村が自ら定めるものでございまして、それぞれの議会で十分な審議が行われ、決定されるものと認識しております。
 都は、国保制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づき財政支援を行ってございます。

○里吉委員 社会保障の制度で、保険料が払えなくて病院に行けないとか、生活が成り立たない、こんなこと、本来あってはならないことだと思うんです。都民の命がかかっている、医療保険の最後のとりでである国民健康保険の運営に東京都は責任を負っているんだ、こういう自覚を持って本当に対応していただきたいと思います。
 国民健康保険は、社会保障として、住民の命と健康、暮らしを守る、これが本来の役割ですから、これを果たすために、都としても独自の財政支援を行う、これは私は至極当然のことだと考えます。
 国保で傷病手当の支給を恒常的な制度にしてくださいということや、出産手当金支給制度についても国に求めるとともに、都としても実施する、これも多くの皆さんが求めていますが、誰もが安心できる制度とするために、これらも必要なことだと考えます。
 ぜひ、こういう現実に向き合って、都としての責任を果たしていただきたい、その思いも改めて伝えまして、日本共産党として、この請願、採択することを求め、質問を終わります。

○あかねがくぼ委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○あかねがくぼ委員長 起立少数と認めます。よって、請願五第五二号は不採択と決定いたしました。

○あかねがくぼ委員長 次に、請願五第五四号を議題といたします。
 なお、本件については、関連のある福祉局の理事者にもご出席いただいております。ご了承願います。
 それでは、理事者の説明を求めます。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 三ページをお開き願います。整理番号3、請願五第五四号の安全・安心の医療・介護・福祉の実現のため人員増と処遇改善を求めることに関する請願は、東京医療関連労働組合協議会代表の三母明己さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨についてご説明します。
 都議会において、次の事項について、国に意見書を提出していただきたい。
 1、安全・安心の医療、介護、福祉を実現するため、医師、看護師、介護職員などの配置基準を抜本的に見直し、大幅に増員すること。また、安定した人員確保のために、ケア労働者の賃上げを支援すること。
 2、医療や介護現場における夜勤交代制労働に係る労働環境を抜本的に改善するため、次の項目を実現すること。
 (1)、労働時間の上限規制や勤務間インターバルの確保、夜勤回数の制限など、労働環境改善のための規制を設け、実効性を確保するための財政的支援を行うこと。
 (2)、夜勤交代制労働者の週当たりの労働時間を短縮すること。
 (3)、介護施設や有床診療所などで行われている一人夜勤体制をなくし、複数夜勤体制とすること。
 3、新たな感染症や災害に備えるため、公立、公的病院を拡充強化するとともに、保健所の増設など公衆衛生体制を拡充すること。
 4、患者、利用者の負担を軽減することというものでございます。
 現在の状況について、項目に沿ってご説明させていただきます。
 項番1についてご説明します。医療機関における医師及び歯科医師の人員配置標準は法令で、看護師等の人員配置基準は法令で定める基準に従い都道府県の条例、規則で、介護施設等における人員配置基準は法令で定める基準に従い都道府県または区市町村の条例、規則で、それぞれ定められております。
 都は、医師奨学金制度等の取組を通じまして医師の確保に努めますとともに、東京都ナースプラザにおけます就業促進、教育研修、普及啓発等の取組などにより看護師の確保を図っているほか、介護職員の確保に向け、育成研修や資格取得支援などに取り組んでおります。
 国に対しましては、令和五年六月に、小児科など不足する分野の医師の早急な確保、看護職員の処遇改善、養成、定着、再就業に向けた十分な財源確保、介護職員等の処遇改善、介護事業者が介護人材の確保、育成、定着を図り、事業運営を安定的に行うことができる介護報酬とすることなど、実効性のある総合的な対策を講じるよう提案要求をしております。これに加えまして、同年十月には介護報酬の改定等について、同年十一月には診療報酬改定等につきまして緊急提言をしております。
 なお、国は、これまでの介護報酬における処遇改善加算等の取組に加えまして、看護及び介護職員について、令和四年二月から補助金による処遇改善のための措置を講じ、同年十月以降は診療報酬及び介護報酬の改定により、その措置を継続しております。さらに、看護補助者及び介護職員等に対しまして、令和六年二月から収入を月額六千円程度引き上げるための措置を講じることとしております。
 項番2についてご説明します。平成三十年に働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律が成立し、医師につきましては、令和六年四月から時間外労働の上限規制や勤務間インターバル規制が適用されることとなりました。
 当該規制の適用開始に向け、令和三年に良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律が成立し、長時間労働の医師の労働時間短縮や健康確保のための措置が講じられることとなりました。
 都は、医療機関の勤務環境改善に向け、医療勤務環境改善支援センターにおきまして、アドバイザーの派遣や電話相談対応などの支援を行っております。
 夜勤体制につきましては、介護施設は、条例により、夜間及び深夜に入所定員等に応じた一定数以上の介護または看護職員を配置することとされており、基準を上回る職員配置につきましては、介護報酬の夜勤職員配置加算により評価する仕組みとなってございます。
 また、病院等の看護師等につきましては、国の看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針によりまして、入院患者の状況等に応じて、三交代制の場合は、複数を主として月八回以内の夜勤体制の構築に向けて積極的に努力する必要があるとともに、その他の看護体制においても、看護師等の負担に配慮した夜勤体制の構築に向けて積極的に努力することが必要とされております。
 さらに、同指針では、法改正により、勤務間インターバルの確保が努力義務化されたことに伴いまして、看護師等の夜勤負担の軽減を推進する観点から、国及び都道府県による推奨並びに病院等の努力の必要性が明記されております。
 診療報酬におきましても、夜間に複数の看護要員を配置した場合は、夜間看護配置に係る加算により評価する仕組みとなっております。
 都は国に対し、令和五年六月に、医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る診療報酬改定の評価、検証を行うとともに、医療機関の体制整備等支援の充実を図るよう提案要求をしております。
 項番3についてご説明します。都は、新型コロナウイルス感染症の対応において、令和六年四月の通常の医療提供体制への完全移行に向けまして、より多くの医療機関で対応する体制への移行を促進しております。
 新たな感染症の発生、蔓延への備えとして、令和四年に改正されました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づきまして、新興感染症発生時におけます病床や外来の診療体制を確保するため、新型コロナ対応における実績も踏まえ、医療機関と医療措置協定を締結してまいります。
 また、災害時に患者を迅速に受け入れるため、重症患者に対応する災害拠点病院や、中等症患者に対応する災害拠点連携病院を整備するなど、重層的な体制を確保しております。
 地方独立行政法人東京都立病院機構の定款には、災害及び公衆衛生上の緊急事態等に対処するために必要な業務を行うことを定めております。
 保健所につきましては、都道府県が設置する保健所の所管区域は、地域保健法に基づきます国の地域保健対策の推進に関する基本的な指針におきまして、二次医療圏とおおむね一致した区域とすることを原則として定めることが必要であるとされておりまして、地域保健の広域的、専門的、技術的拠点として、二次保健医療圏に一か所、都保健所を設置しております。
 今回の新型コロナ対応を受け、都が設置をいたしました感染症対応を踏まえた都保健所のあり方検討会の報告書や市町村の意見等を踏まえまして、今後の都保健所の体制、機能強化策を令和六年一月に公表をいたしました。
 国に対しましては、新興感染症の発生に備えるための協定指定医療機関に対する必要な財政支援や保健所の機能強化、災害医療体制の整備に必要な財政支援の充実について提案要求をしております。
 項番4についてご説明します。医療、介護を含めた社会保障制度の枠組みにつきましては、社会経済状況の変化を踏まえ、負担と給付のバランスに考慮して、国が定めております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○あかねがくぼ委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原委員 それでは、お願いします。
 本請願は、安全・安心の医療、介護、福祉の実現のため人員増と処遇改善が実施されることを求め、国に対し意見書を提出することを求めているものです。
 国に意見書を提出するに当たり、請願項目に沿って、東京都の現状について確認をしたいと思います。
 ケア労働は、私たちが生きていく上で欠かせないものであること、また、高い専門性が求められるものであるということが、コロナ禍において非常に鮮明になりました。
 しかし、ケア労働者の全産業平均に比べての賃金差は深刻です。とりわけ東京の深刻さは際立っています。例えば、ヘルパーの賃金は、全産業平均に比べて、全国では十二万円近く低いですが、東京では二十一万円も低い、ケアマネジャーは、全国は八万円低いですが、東京は十四万円も低いという状況です。
 全産業平均の賃金に対し、ケア労働者の賃金差を都はどのように認識、把握をしていますか。

○村本企画部長DX推進担当部長兼務 看護師やコメディカル職員、介護職員等の報酬水準につきましては、国の責任において、診療報酬や介護報酬等で適切に評価、反映されるべきものと認識しております。

○原委員 賃金格差は歴然としています。国の統計で分かる数字で、当然、都としても知っていることだと思います。国に求めるとともに、都としての支援が必要です。来年度予算案の中で、この点については、しっかり議論をしていきたいと考えています。
 医療、介護、福祉の現場は、様々な人たちによって支えられています。そのことを踏まえた支援がなされるべきだと思います。
 ケア労働者の賃上げのために、一部の人だけにとどまらず全体を支援することが必要だと思いますが、いかがですか。

○村本企画部長DX推進担当部長兼務 繰り返しになりますが、看護師やコメディカル職員、介護職員等の報酬水準につきましては、国の責任において、診療報酬や介護報酬等で適切に評価、反映されるべきものと認識しております。
 こうしたことから、都はこの間、国に対しまして、医療機関や介護事業者等が安定的、継続的に事業運営できる診療報酬等とするよう、繰り返し提案要求を行っております。
 提案要求におきましては、医療機関の実情に応じて、看護補助者や理学療法士、作業療法士等のコメディカル職員を処遇改善の対象とした場合に必要となる財源につきましても確実に措置することなど、多くの方々に支援が行き渡るよう要望しております。

○原委員 後段のところで、都としても国に要望している、多くの方々に支援が行き渡るように要望しているという内容の話をされまして、それはとても重要だと思っています。
 同じ職場で働いていて、賃金を上げる人と上げない人がいるというのは、雇用主としては非常に困難です。国に要望するとともに、都としても踏み込んだ支援が必要だということも併せて指摘をして、この問題についても、来年度予算案の審議の中で求めていきたいというふうに思っています。
 次に、夜勤交代制労働に関わる労働環境の抜本的改善についてです。
 まず、看護師の夜勤の負担についてです。人手も足りなく、夜勤の回数が多い、インターバルがしっかり取れないという悲痛な声をたくさん伺います。
 都は、実態をどのように把握し、改善の取組を行っていますか。

○遠藤医療政策部長感染症医療政策担当部長兼務 都は、医療法に基づく立入検査を定期的に実施をしており、その中で、労働基準法に基づく就業規則や看護師の夜勤回数などについて確認を行っております。
 また、医療機関の取組を推進するため、東京都医療勤務環境改善支援センターにおきまして、勤務環境改善計画の策定支援や労務に関する相談対応等を行いますとともに、都内の病院を対象に、当直や夜勤の負担軽減に向けた取組に対し必要な経費を補助するなど、働きやすい環境整備を支援しております。

○原委員 実態を把握し、夜勤の負担軽減の取組への支援、補助をさらに強化していただきたいと思います。
 根本的には、看護師の抜本的増員が不可欠だというふうに思います。育成、定着対策の強化、十分な雇用ができるだけの医療機関の収入の保障が必要と考えます。ぜひ、現場の声を聞き取り、改善を進めることを求めたいと思います。
 次に、障害者、高齢者のグループホームでの一人夜勤体制の改善について伺います。
 夜になると不安を強める方も多く、一人では見切れないと職員の方々から声があります。利用者の命と安全を守るためにも、職員を支えるためにも、改善が急がれています。
 実態を把握し、対策を検討しているのかどうか伺います。

○鈴木福祉局障害者施策推進部長 障害者グループホームにおける人員等の基準は、厚生労働省令に基づき都条例で定めており、日中サービス支援型のグループホームにおいて、夜勤職員の配置が必須となっております。
 夜間の時間帯は、ユニットごとに原則として一名以上の夜勤職員を配置することとなっております。事業所において、夜間の支援体制の強化を行った場合には、障害福祉サービス等報酬の夜勤職員加配加算などにより評価する仕組みとなっております。
 なお、日中サービス支援型以外のグループホームにおきましても、夜勤職員を配置した場合等においては、夜間支援等体制加算などにより評価する仕組みとなっております。

○花本福祉局高齢者施策推進部長 認知症高齢者グループホームにおける人員等の基準は、厚生労働省令に基づき各区市町村が条例で定めており、各事業所は、この基準にのっとった職員配置が義務づけられております。
 夜間の時間帯は、ユニットごとに原則として一名以上の夜勤職員を配置することとなっております。一ユニット当たりの利用者数の上限は九名で、都内の事業所の八二・七%が複数のユニットで運営されており、この場合は複数の夜勤職員が配置されております。
 また、基準を上回る職員配置につきましては、介護報酬の夜間支援体制加算により評価する仕組みとなっております。

○原委員 障害者の日中サービス支援型のグループホームの場合は、夜勤職員は必置になっている、必ず置くということになっていますけれども、それ以外のグループホームは、必要に応じて夜勤か宿直を配置するということになっています。しかし、実際には、夜勤の体制を取っているグループホームが多いのではないかと思います。
 一人で十人の人を見るのは無理、それぞれの要求にきちんと向き合えずつらいと話してくれている職員の方々もいます。夜勤職員を必置にし、複数配置できるように、国に改善を求めていただきたいと思います。
 また、認知症グループホームで働く方も、一人夜勤で心身ともに疲弊し、仕事を辞めた方もいらっしゃいます。夜間支援体制加算を取得しているのは、昨年度の東京都の調査でも、僅か五・三%です。したがって、大半は一ユニット当たり一人となる一人夜勤体制だと考えられます。
 日本医労連の調査でも、認知症高齢者でグループホームは、回答のあった全ての施設が一人夜勤となっていました。国に改善を求めながら、それが実現できないか、都としてできる支援を検討して進めるべきだと指摘をしたいと思います。
 最後に、コロナ対応について伺います。
 今、またコロナが広がっています。対策を後退させるわけにはいかないと思います。
 そういう状況の中で、まず、都立病院でのベッド確保、リスクの高い方の受入れの状況を伺います。

○齋藤都立病院支援部長 現在、都の新型コロナの入院医療は、国の基準に基づき、病床確保の段階一となっておりまして、都立病院では、中等症Ⅱ以上の患者などを受け入れるための病床三十三床を確保いたしますとともに、通常医療との両立を図りながら、その他の病床も活用しまして、重症、中等症患者や軽症でも重い基礎疾患のある方など、約百三十名を受け入れております。

○原委員 今、約百三十名の方を受け入れているということですけれども、患者の受入れのための看護師の職員数は、独法化前よりも減ってしまっていまして、病棟の閉鎖も生じています。
 コロナなどの危機のときに、通常医療も継続しつつ、積極的な患者の受入れを行うには職員体制の強化が必要であり、抜本的な強化をこの場では改めて求めておきたいと思います。
 最後に、コロナ対応の最後なんですけれども、多摩地域の都立保健所の強化と増設についても見解を伺っておきたいと思います。

○大出地域保健担当部長特命担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 多摩地域の都保健所につきましては、住民に身近な保健サービスは市町村が、より専門的なサービスは保健所が実施するという地域保健法の考え方に基づきまして、地域保健の広域的、専門的、技術的拠点として、二次保健医療圏に一か所の体制となってございます。
 今回の新型コロナ対応で得られた知見や都保健所のあり方検討会でいただいた意見等を踏まえまして、都保健所と市町村等関係機関との連携強化を図っていくこととしてございます。

○原委員 保健所については、増設方針は持たないまま、市町村との連携強化ということで、私は非常に問題があると思っています。これは来年度予算にも関わるところですので、また改めて、その場で議論をしていきたいと思います。
 請願項目に沿って、東京都の現状や認識を伺ってきました。今伺ってきたことを踏まえると、都議会として国に改善を求め、意見書を提出すべきだというふうに思います。東京都自身も、国に上げている意見も含まれているということも確認できました。
 ケア労働者が希望を持って、心身の健康を守られながら仕事ができるよう、東京都議会として意見書を上げるべきと主張し、質問を終わります。

○あかねがくぼ委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○あかねがくぼ委員長 起立少数と認めます。よって、請願五第五四号は不採択と決定いたしました。

○あかねがくぼ委員長 次に、陳情五第五八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高橋感染症対策調整担当部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号4、陳情五第五八号、予防接種健康被害救済制度等の周知に関する陳情は、江戸川区の永田正義さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、次の事項を実現していただきたいというものでございます。
 第一項として、予防接種健康被害救済制度——以下、救済制度と申します——について、他都市のように、ホームページや広報等でより分かりやすく適切に案内すること。
 第二項として、東京都内の全ての医療機関に対し、他都市のように、救済制度の申請を希望する患者がいた場合には、受診証明書の作成やカルテの写しの発行を拒否しないように周知すること。
 第三項として、受診証明書の記入方法について、他都市のように、ホームページや広報で分かりやすく案内すること。
 第四項として、東京都新型コロナウイルスワクチン副反応相談センターにおいて、他都市のように、後遺症を抱えた方に対し、症状に合った治療法または医療機関を適切に案内すること。
 第五項として、新型コロナワクチンに関連する救済制度の申請件数や副反応疑い報告の件数について、ホームページで公表することというものでございます。
 次に、現在の状況についてご説明させていただきます。
 第一項につきまして、予防接種法に基づく予防接種を受けた方に健康被害が生じた場合には、同法に基づき医療費等の給付を受けられる救済制度が設けられておりまして、区市町村で申請を受け付け、国の審査会において予防接種と健康被害の因果関係が審査されます。
 都は、ホームページで救済制度を案内するとともに、東京都新型コロナウイルスワクチン接種ポータルサイト——以下、新型コロナワクチンサイトと申します——を開設し、新型コロナワクチンの接種に関する情報等を提供しております。
 同サイトのトップページには、救済制度のページへのリンクを掲載するとともに、副反応に悩む方向けのバナーを表示し、相談窓口や救済制度に関する情報へ簡単にアクセスできるようにしております。
 さらに、SNS等も活用し、救済制度や新型コロナワクチンの接種に関する情報を広く都民に周知しております。
 第二項につきまして、医師法では、診察等を行った医師は、診断書等の交付を求められた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならないとされております。
 また、国の新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引きには、医療機関が健康被害救済の給付申請に係る手続等を理解しやすいよう、給付手続の流れや給付の種類、申請に必要な書類等が記載されております。
 都では、同手引きの改定時に、国からの通知を区市町村や東京都医師会などを通じて都内医療機関に周知しております。
 第三項につきまして、都は、ホームページの救済制度に関するページに、救済制度の概要や申請から給付までの流れ等を掲載しているほか、申請に必要な書類や様式等、詳細が示されている国のホームページへのリンクを掲載しております。
 第四項につきまして、都は、新型コロナワクチン接種後に、副反応を疑う症状がある方からの相談に対応するため、新型コロナウイルスワクチン副反応相談センターを設置しており、保健師や看護師が、症状や程度に応じて専門的な立場から助言を行うとともに、必要な場合には医療機関への受診を案内しております。
 第五項につきまして、都は、新型コロナワクチンサイトに、都内における新型コロナワクチン接種に関する救済制度の申請、認定、否認の件数と、副反応疑い報告制度による報告件数及びそのうち重篤とされた件数を掲載しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○あかねがくぼ委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原委員 では、お願いします。
 本陳情は、ワクチン後遺症の方が、情報が少ないために、症状に合った適切な医療機関を見つけることが困難な状態にあり、そのために救済制度を申請する際に大きな壁にぶつかっていると述べ、東京都もこの事実を踏まえ、こうした方々への細やかな配慮ある案内をし、少しでもそのハードルを緩和してほしいということで、五項目について陳情されています。総じて求めているのは、分かりやすい周知と情報公開だというふうに思います。
 幾つか伺っていきます。まず、基本的な認識を確認したいのですが、ホームページや広報などは、常に都民の声を聞きながら、より分かりやすいものに改善していくことが必要だと思いますが、いかがですか。

○高橋感染症対策調整担当部長 ホームページへの掲載方法や広報の内容につきましては、都民の要望等を踏まえ、より分かりやすく情報発信していくため、必要に応じ、随時更新しております。

○原委員 必要に応じて、随時更新しているということです。つまり、適宜改善することが必要だということですよね。分かりやすく必要な情報が公開されていくということが重要だというふうに思います。
 都のホームページを見ますと、一月三十一日現在の副反応疑い報告件数が三千三百三件、うち重篤件数八百六十二件とありました。
 八百六十二件のうち、死亡件数、アナフィラキシー症状、これらは何件ですか。

○高橋感染症対策調整担当部長 令和六年一月三十一日現在、国から報告されている都民の副反応疑い報告の重篤件数は八百六十二件、そのうち死亡件数は百六十六件、アナフィラキシーの症状は百七件でございます。

○原委員 神奈川県のホームページを見ますと詳しく掲載されていまして、今、部長がご答弁していただいた内容をそのままホームページに掲載されているんですね。
 重篤件数八百六十二件というと、一体その中身は何なのかというのは、都民から見ると分かりませんので、やっぱり今答弁していただいたように、死亡件数は何件で、アナフィラキシーは何件だというような、そういう内訳をちゃんと公開していくということは必要なんじゃないかなというふうに思うんです。
 それで、もう一つ、ちょっと同じような事例で伺いたいんですけれども、大規模接種会場で接種を受けた件数は何件でしょうか。そのうち、アナフィラキシーや死亡事例はあったのか伺います。

○高橋感染症対策調整担当部長 令和六年一月末時点の東京都の大規模接種会場における接種回数は約二百二万件であり、アナフィラキシーや死亡事例はございません。

○原委員 これもですね、近隣なので見たんですけれども、神奈川県のホームページでは、今、部長がご答弁していただいた内容できちんと載せていました、ホームページに。ご答弁はいただける内容なわけだから、これはホームページに公開した方がいいと私は思うんです。
 それで、先ほどの重篤件数の内訳、また、今ご答弁いただいた大規模接種会場での事例、アナフィラキシーや死亡事例はあったのかという、そういう結果などについて伺いたいんですけれども、改めてホームページに載せるということを検討していただけないでしょうか、伺います。

○高橋感染症対策調整担当部長 ホームページの掲載方法につきましては、都民の要望等を含めまして、随時、必要に応じて更新してまいります。

○原委員 その随時更新していく中に、指摘があった、こういう部分も、今答弁していただいたような形で公開をしていただきたいということですので、この件については、ここでは強く要望させていただきますので、ぜひ検討してください。よろしくお願いします。
 そして、次に伺いたいのが、陳情者は、予防接種健康被害救済制度を希望する患者に対し、受診証明書の記載やカルテの写しの拒否をしないようにということを求めています。
 こういう事例について、東京都は相談を受けているのかどうか伺います。

○高橋感染症対策調整担当部長 都におきましては、受診証明書の記載やカルテの写しの拒否に関する相談実績はございません。

○原委員 区市町村に申請していくものなので、都に直接来ていないということもあるのかもしれないんですけれども、ちょっともし分かったら教えていただきたいなと、今聞いていて思ったんですけれども、もし東京都に相談があった場合は、これはどのように対応する仕組みになっているのか教えてください。

○高橋感染症対策調整担当部長 医師法では、診療等を行った医師は、診断書の交付を求められた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならないとされておりますので、その旨をご説明をさせていただこうかと思っております。(「委員長、すみません。部長の答弁が聞こえにくくて。もう少し大きな声で」と呼ぶ者あり)大変失礼いたしました、申し訳ございません。もう一回申し上げた方がいいですか。(「特に末尾がよく聞こえないんですよね」と呼ぶ者あり)失礼いたしました。

○あかねがくぼ委員長 では、もう一度、答弁。お答えをお願いします。

○高橋感染症対策調整担当部長 医師法では、診療等を行った医師は、診断書の交付を求められた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならないとされております。その旨をご説明させていただきたいというふうに考えております。

○原委員 今は東京都に直接相談がないということですけれども、例えば区市町村に相談が来たもので、こういうケースはどうなんだというふうに東京都に来る場合もあるし、いろんなケースが考えられると思うんですよね。
 そのときに、私は、やっぱり丁寧に対応していただいて、東京都でも、なかなか受診証明書を書いてもらえないなどの相談があった場合には、適切に対応していただきたいということを強く要望しておきたいと思いますし、そういう仕組みもある、東京都も対応しますよということも、ぜひ発信をしていっていただきたいということを求めておきたいと思います。
 それで、診察を行った医師は、正当な事由がなければ、証明書の記載などについて拒んではならないはずなんですね。今ご答弁があったとおりです。
 そのことが書かれている国からの通知をホームページにも掲載することができるのではないかと思いますが、いかがですか。

○高橋感染症対策調整担当部長 先ほども申し上げましたとおり、医師法では、診療等を行った医師は、診断書等の交付を求められた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならないとされております。
 また、国の新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引きにおきましても、医療機関等は、受診者からの診療記録の開示の請求を受けたときは、これに応じなければならないとされております。
 本手引きは、国のホームページに記載されておりまして、都の新型コロナワクチンサイトにもリンクを掲載しているところでございます。

○原委員 リンクは張っているということなんですよね。確かにそうです。ただ、私は見つけるのに結構苦労しました。時間がかかったんですね。だから、やっぱりホームページは、なるべく必要な情報が、すっと手に入るように工夫していただけたらいいなというふうに思いますので、そのことはお願いしたいと思います。
 さらに、陳情者は、奈良県のホームページのことをいっているんですけれども、奈良県のホームページでは、受診証明書の書き方が分からないという声に応えて、分かりやすく示しているということを指摘していました。私も見てみましたけれども、非常に分かりやすく書かれていました。
 都のホームページや広報でも、こうした形で掲載してほしいと求めていますけれども、見解を伺います。

○高橋感染症対策調整担当部長 国の予防接種の手引には、医療機関が健康被害救済の給付申請に係る手続等を理解しやすいよう、給付手続の流れや給付の種類、申請に必要な書類等が記載されております。
 また、都の新型コロナワクチンサイトでは、申請に必要な書類や様式等の詳細が示されている国のホームページへのリンクも掲載しているところでございます。

○原委員 これも、リンクは張っていますということだと思うんですけれども、先ほどちょっとお話ししました奈良県では、国の手引とは別にマニュアルをつくっているんです。それで分かりやすく伝えているんです。リンクを張って、ここに行けば見られるよというだけではなくて、具体的にそういうことを示しているんです。
 受診証明書の書き方を周知するということで、医療機関だけではなくて、広く都民に、このように証明書はきちんと出されますよということを周知するというのは、とても私は大事だというふうに思うんです。申請する方の権利をちゃんと守って、迅速に審査が行われるようにするということは重要ですので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、コロナワクチン副反応相談センターについても伺いたいと思います。
 どのような相談が多いのか、相談の特徴について伺います。

○高橋感染症対策調整担当部長 新型コロナウイルスワクチン副反応相談センターでは、接種後の症状に関する相談が多く、主な症状は、発熱や接種部位の痛み、倦怠感などでございます。

○原委員 実際に、自分の症状に合った医療機関を探すのに苦労したというお話を伺います。
 副反応について対応できる医療機関を分かりやすく紹介していくことが大事だと思いますけれども、いかがですか。

○高橋感染症対策調整担当部長 新型コロナウイルスワクチン副反応相談センターでは、症状や程度に応じて、地域の医療機関への受診を案内しております。
 また、都では、副反応専門診療相談窓口として、二次医療圏に一か所ずつ、計十三か所、総合的な診療が可能な医療機関を確保し、地域の医療機関等からの紹介による受診や電話相談に対応しております。

○原委員 今ご答弁にあったとおり、十三か所、これもきちんとホームページの中には書かれていて、そこに連絡できるということになっている、それは私も確認させていただきました。
 ぜひ、さらに一歩進めて充実をさせていただけたらなというふうに思ったのは、先ほどから例に出している奈良県の場合ですけれども、今朝の時点で改めて確認したところ、副反応対応協力医療機関として、五十二の病院と三百二十七の診療所をホームページに掲載しているんですね。ですから、直接そこに連絡を取って診てもらうということが可能になっている。私は、こういうものもぜひ参考にしていただきたいというふうに思います。これは要望しておきたいと思います。
 以上、伺ってきましたけれども、情報の周知を常に充実していくことは重要であることから、この陳情は趣旨採択にするということを呼びかけて、質問を終わります。

○上田委員 質疑もなされて、二会派が趣旨採択ということで、ただ、一応都のホームページにもあったということですが、私はすぐには探せませんでした。担当課長から懇切丁寧に、ここに飛んで、ここに飛んでというんですが、何か東京都というのは、DX推進とか、GovTech東京とかやっている割には、全然見づらいんですよ。あの緑のコロナサイトも全く、うちの二十代の息子たちとか若い人はいいのかもしれませんけれども、大体、役所のポータルサイトに来るのって、困っている人、あるいは、そうしたITリテラシーがかなり低い人ということで、コロナのときも、一番大変なときも、江戸川区——まあ奈良県の例も出ていましたけれども、非常に分かりやすい。
 まさに偉大なるDX官報主義という感じで、本当にそこの研究もぜひ、デジタルサービス局ともやっていただきまして、せめて福祉局、特に命が関わって、もうみんな、ふらふらになって探しているのに、何か所も飛べないわけです。はい、ここに行って見てくれといったって無理ですし、やはり、日本語は、読めますけれどもなかなか難しいという外国人の方もいれば、日本人の方もおりますので、私はもっと見やすく、全体はもういいから、せめて福祉局、医療に係るものもそうですけれども、福祉局、保健医療局、医療に係るものに関してはよく話し合っていただきまして、イニシアチブを取って保健医療局が見やすく分かりやすいものに、奈良県のをよく研究していただきまして、区市町村の分かりやすさも研究していただきまして、努力をしていただきたい。
 ただ、一応あるので、今回、私は不採択の方には回りましたけれども、趣旨には賛同するというところで、深く意見を受け止めていただきたいということを申し上げまして、意見表明といたします。

○あかねがくぼ委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○あかねがくぼ委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第五八号は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で保健医療局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五十一分散会