厚生委員会速記録第六号

令和五年六月十六日(金曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長内山 真吾君
副委員長早坂 義弘君
副委員長中山 信行君
理事平田みつよし君
理事菅原 直志君
理事竹井ようこ君
上田 令子君
竹平ちはる君
たかく則男君
龍円あいり君
浜中のりかた君
藤田りょうこ君
山加 朱美君
白石たみお君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長佐藤 智秀君
健康危機管理担当局長雲田 孝司君
次長谷田  治君
技監感染症危機管理担当部長事務取扱成田 友代君
理事木村 健治君
総務部長高野 克己君
企画部長DX推進担当部長兼務山本 謙治君
医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務遠藤 善也君
高齢社会対策部長花本 由紀君
少子社会対策部長西尾 寿一君
健康安全部長藤井麻里子君
感染症対策部長関口 尚志君
都立病院支援部長齋藤 善照君
企画担当部長宮澤 一穂君
企画担当部長森田 能城君
医療政策担当部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務岩井 志奈君
高齢者施策推進担当部長梶野 京子君
子供・子育て施策推進担当部長新倉 吉和君
食品医薬品安全担当部長早乙女芳明君
新型コロナウイルス感染症対策担当部長
医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務
西塚  至君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長松谷いづみ君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長藤井 達男君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長加藤 みほ君
東京感染症対策センター担当部長村本 一博君
新型コロナウイルスワクチン担当部長内藤 典子君
新型コロナウイルス検査事業推進担当部長新型コロナウイルス治療薬担当部長兼務及川 勝利君
酸素・医療提供ステーション担当部長小原  昌君

本日の会議に付した事件
意見書について
福祉保健局関係
契約議案の調査
・第百五十二号議案 社会福祉施設建替え促進用仮移転施設(仮称)(五)新築給水衛生設備工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百十三号議案 令和五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・第百二十二号議案 東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十三号議案 東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十四号議案 東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十五号議案 東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
・第百二十六号議案 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
・第百二十七号議案 東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十八号議案 東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十九号議案 東京都福祉局関係手数料条例
・第百三十号議案  東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百五十六号議案 葛飾区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和五年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認について中、福祉保健局所管分
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第九号 東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例

○内山委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○内山委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和五年六月十四日
東京都議会議長 三宅しげき
(公印省略)
厚生委員長 内山 真吾殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百五十二号議案 社会福祉施設建替え促進用仮移転施設(仮称)(五)新築給水衛生設備工事請負契約
2 提出期限 令和五年六月十六日(金)

○内山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 小林理事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 次に、契約議案の調査を行います。
 第百五十二号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○高野総務部長 六月五日の当委員会で要求のございました資料のうち、今回ご説明申し上げますのは、社会福祉施設建替え促進用仮移転施設(仮称)(五)新築給水衛生設備工事の契約案に係るものでございます。
 お手元配布の厚生委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、裏面の目次をご覧ください。契約案に係るものは、項目1でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、社会福祉施設建替え促進用仮移転施設(仮称)(五)新築給水衛生設備工事に係る入札結果、入札参加条件、入札可能事業者数、入札辞退理由並びに低入札価格調査対象者への聴取の日時及び内容といたしまして、(1)に、入札結果を、一枚おめくりいただいた二ページの(2)に、入札参加条件と入札可能事業者数を、三ページの(3)、(4)に、辞退理由、低入札価格調査対象者への聴取の日時及び内容をそれぞれ記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○内山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○上田委員 資料の方を出していただいたところでございます。四者中一者が辞退ということで、日本装芸が決まったのですけれども、第一設備工業、オーク設備工業、そして、協和日成が辞退をしてしまっているということであります。
 毎回、一応手上げをするのに、入札辞退理由が、配置予定技術者の配置が困難となったためというのが、困難になるなら入札するなというふうに思うわけでございまして、ちょっとこの辺の、結構、辞退談合ではないかといわれるようなことが、私は公営企業委員会に長くいたので、ほぼ辞退して何となく決まっていくような感じを否めないということで、確認をさせていただいた次第でございます。
 これらの状況を見まして、契約や価格の妥当性は担保されているのか、されたとしたらば、その根拠も含めてご説明をください。
 入札可能事業者は、お調べいただきました、二ページ、六十二者あるんですけれども、そのうち四者だけが手を上げ、一者辞退ということでありますので、これらについての入札者数は妥当で健全性が担保できる状況なのか、その辺のお考えについてもお尋ねさせてください。

○高野総務部長 本件事業者の選定に当たりましては、財務局におきまして、競争性と適正な履行を確保する観点から、工事の受注実績や事業者の経営規模について入札条件を付して、一般競争入札で実施しております。
 都の建設工事等競争入札参加有資格者名簿の給排水衛生工事に格付され、入札の参加条件を満たした事業者は六十二者でございます。入札公告後、事業者の自主的な判断で、四者が入札に参加したものでございます。
 法令、規則等に基づきまして、競争性や公正性を確保した適正な契約手続によりまして事業者を選定しております。

○上田委員 入札においては、健全性が担保できたことを確認させていただきました。
 中身の方です。都内の社会福祉施設の建て替え期間中に活用するというところで、本当にこれはありがたいところだと、各社福としては、福祉施設は思われるでしょうし、期待するところを大きくしております。
 想定している福祉事業、また、建て替え期間中の利用者等、家族、支援者のサポートなどはどのように、これも確保、担保して実施をされていくのか、確認をいたします。

○梶野高齢者施策推進担当部長 都は、平成三十一年に策定いたしました板橋キャンパス跡地活用プランに基づき、健康長寿医療センターの旧建物解体後の跡地を活用して、社会福祉施設の建て替え期間中に事業者が交代で利用できる代替施設の整備を進めております。
 対象となる施設は特別養護老人ホームでございまして、今後、利用希望事業者を公募し、事業者の選定を行うこととしております。
 選定に当たっては、事業者の運営実績や移転計画の内容に加えまして、建て替え期間における入所者支援や入所者家族との連携、職員確保の取組等についても確認する予定としておりまして、詳細は公募要項を作成する中で検討してまいります。

○上田委員 公募ということでありますので、どこの自治体の法人かは、まだ未定なのは当然でありますけれども、決まった場合は、各その地元の区市町村や関係各機関と連携をしまして、利用者、ご家族にご負担のないように、福祉保健局としてお支えいただきたいとお願いをいたします。
 以上です。

○内山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内山委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○内山委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百十三号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、債務負担行為、福祉保健局所管分、第百二十二号議案から第百三十号議案まで、第百五十六号議案並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和五年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認について中、福祉保健局所管分を一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料につきまして理事者の説明を求めます。

○高野総務部長 六月五日の当委員会で要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元配布の厚生委員会要求資料の表紙を一枚おめくりいただき、目次をご覧ください。項目2から16につきましてご説明申し上げます。
 それでは、四ページをお開き願います。2、新型コロナウイルス感染症流行前の救急医療の東京ルール適用件数の推移といたしまして、令和元年五月、八月及び令和二年一月の東京ルール適用件数を週別に記載してございます。
 五ページをご覧ください。3、新型コロナウイルス感染症流行後の救急医療の東京ルール適用件数の推移といたしまして、令和四年八月、令和五年一月及び五月の東京ルール適用件数を週別に記載してございます。
 六ページをお開き願います。4、高齢者等医療支援型施設の入所実績といたしまして、施設別の開設日、令和五年五月三十一日現在の稼働床数及び受入れ元別の受入れ人数の累計を記載してございます。
 七ページをご覧ください。5、新型コロナウイルス感染症に関連した死亡者数の推移といたしまして、年代別の死亡者数の推移を令和二年二月から令和五年五月まで月別に記載してございます。
 九ページをお開き願います。6、新型コロナウイルス感染症に関連した自宅療養者等の死亡者数の推移といたしまして、年代別の死亡者数の推移を令和二年十二月から令和五年五月まで月別に記載してございます。
 一一ページをお開き願います。7、診療・検査医療機関かつ東京都感染症発生動向調査定点医療機関の指定を受けた医療機関の一覧及び同医療機関が実施した行政検査件数といたしまして、一五ページにかけまして、(1)に、令和五年四月一日現在の医療機関の一覧を、一六ページの(2)に、医療機関数及び令和五年一月三十日から同年二月五日までの行政検査実施件数を記載してございます。
 一七ページをお開き願います。8、足立児童相談所における過去三年間の相談受理件数といたしまして、足立区及び葛飾区からの相談受理件数を令和元年度から令和三年度まで年度別に記載してございます。
 一八ページをお開き願います。9、東京都新型コロナウイルスワクチン副反応相談センターにおける応答件数といたしまして、令和三年三月一日から令和五年五月三十一日までの件数を記載してございます。
 一九ページをご覧ください。10、東京都新型コロナウイルスワクチン副反応専門診療相談窓口における相談件数といたしまして、令和三年四月一日から令和五年五月三十一日までの件数を記載してございます。
 二〇ページをお開き願います。11、東京都新型コロナ相談センターでの応答件数といたしまして、令和五年五月八日から五月三十一日までの件数を記載してございます。
 二一ページをご覧ください。12、東京都の集団接種(大規模接種会場及びワクチンバス)における接種回数といたしまして、令和三年六月八日から令和五年五月三十一日までの接種回数を記載してございます。
 二二ページをお開き願います。13、新型コロナウイルス感染症の流行下における妊産婦総合対策事業の妊産婦に対する寄り添い型支援の対応件数といたしまして、令和四年度の件数を記載してございます。
 二三ページをご覧ください。14、休日小児診療促進事業の実績といたしまして、令和四年四月二十九日から令和五年三月二十六日までの実績を記載してございます。
 二四ページをお開き願います。15、臨時オンライン発熱等診療センターの利用実績といたしまして、令和四年十二月十二日から令和五年五月三十一日までの実績を記載してございます。
 二五ページをご覧ください。16、酸素・医療提供ステーションの利用実績といたしまして、各施設の開設日並びに令和五年五月三十一日までの受入れ人数及びその合計を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、当委員会で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○内山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○浜中委員 それでは、補正予算の質問をさせていただきます。
 今回の補正予算は、約二千九十四億円と少し厚めの予算なのかなというふうに思っております。
 代表質問等でもございましたが、ポイントは、二類から五類に移行後の都の対応に基づいて、いかに平時の医療体制への円滑な移行促進ですとか、一方で、今日、新聞報道でもありましたけれども、少し新型コロナウイルスに感染した患者が増えているんじゃないかということもございました。その感染拡大時に、機動的に対応できる体制の確保を進める。また、臨時交付金を活用して、物価高騰の影響があるので、そこに対してもカバーをしていくんだという、これは東京都が取り組まなければいけない大切な補正予算だというふうに思っております。
 まず最初に、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 大きく分けて、全国一律の方針に基づいて実施していく事業というものと、東京モデルとして当面継続すべき事業というのに分かれておりまして、東京都は比較的に、恐らく全国でも一番進んでやっているのかなというふうに思っております。
 先ほど、委員会で要求した資料なんかを見ましても、東京都の新型コロナ相談センターとかというのは、すごく機能しているんだなというのがよく分かりました。
 我が会派、ほかの会派もそうですけれども、基本的にいろんな会派が代表質問なんかでも聞いておりますが、この中で、補正予算に関して具体的な質問をさせていただきたいと思います。
 まず、五類感染症への移行に当たっては、高齢者等のハイリスク層を守る取組、これを継続していくことが重要であるというふうに私は考えますが、東京都としてはどのように取組を進めていくのかということをお答えください。

○関口感染症対策部長 都は、高齢者など重症化リスクの高い方を守るため、高齢者等医療支援型施設を当面継続するほか、高齢者施設などでの感染防御のため、施設の職員に対する集中的検査を引き続き実施しております。
 また、施設内療養を行う高齢者施設等への補助につきましても、医療機関との連携体制を確保しているなど必要な要件を設けた上で継続するとともに、施設の看護師などを対象といたしました感染対策の研修を行っております。
 さらに、重症化予防に重要な役割を果たすワクチンの接種につきましては、区市町村と連携して、高齢者施設における接種計画の策定を促進するとともに、必要な施設に対してワクチンバスを派遣するなど、次の感染拡大に備えた対策を講じております。

○浜中委員 ありがとうございます。
 コロナが、最初に出てきて、よく分からなかったという状況からは、当然、落ち着いてはおるんですけれども、高齢者の方ですとか基礎疾患を持っている方、いわゆる重篤化しやすい方に対しては、しっかり厚めに対応していくというのは、これは行政として大切なことだと思います。今ご答弁いただいたように、しっかり引き続きそこは対応していただきたいというふうに思っております。
 加えて、二問目なんですけれども、いわゆる緊急事態というか、こういうような形、二類対応していろいろやってきましたけれども、これをいよいよ平時に戻していくんだということにあっては、平時の医療提供体制への移行を進めるに当たって、新型コロナの患者の診療に対応する外来や医療機関を増やしていくことが必要であると考えております。
 これは法律が変わりましたから、基本的にはインフルエンザとかと同じような形で、行ったら診てもらうというような形になっていて、もう既にコロナのときに診ている内科さんとかを中心に、インフルもそうですけど、中でちゃんと区切って、感染しないようにとかというような工夫はされているんですけれども、なかなかそこは、できるところできないところというのはあって、難しいのかなとも思うんですが、東京都としてはどのように取り組んでいるのかということを教えてください。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都内の外来対応医療機関は、六月九日時点で五千三百五十五か所ございまして、今年度当初の診療・検査医療機関数と比較いたしまして、約四百増加しているという現状でございます。
 都は、新型コロナウイルス感染症の五類移行後、より多くの医療機関がコロナ患者に対応できますように、外来対応医療機関への登録を呼びかけるチラシを配布いたしますとともに、感染防止対策に必要なパーティション等の設備整備支援や、感染防止に係る研修等を実施しております。
 さらに、都内医療機関に対するアンケートを実施いたしまして、外来対応医療機関への登録に向けた意向や課題等を把握いたしますとともに、各医療機関の状況に応じた支援や助言を行いまして、外来診療体制を整備してまいります。

○浜中委員 今までは二類でありましたから、二類なので受けられませんというような話があったのかなというふうに思います。
 一方で、今度は五類ですから、風邪かな、コロナかな、インフルかな、分からないなといったときに、かかりつけ医とかというのに行こうというのは、これは普通の話だとは思うんですけれども、なかなかそこが、対応できるところできないところというのがあるのかも分かりませんが、今いわれたように、東京都がちゃんとサポートをして、地域の医師会なんかとも協力しながら進めていくということは、平常時の医療体制への移行に当たっては大切なことだというふうに私は考えておりますので、ぜひ医師会や地域のお医者さんたちと相談をしながら進めていっていただきたいというふうに思っております。
 続きまして、感染症は、いつまた何どき起こるかも分からないですし、コロナがまた増えてくるかも分かりません。これまでの新型コロナの対策で培った経験を生かして、次の感染症危機に備えていく必要があるのかなというふうに思っております。
 であれば、どのように対応していくのかということを教えてください。

○関口感染症対策部長 新型コロナウイルス感染症は、これまで経験したことのないスピードで広域的に拡大したことから、平時から関係機関との連携を密にし、都全体で対応していくことの必要性が改めて明らかになりました。
 そのため、都は、保健所、フォローアップセンター、うちさぽ東京による重症化リスクに応じた健康観察や、保健所などと連携いたしました広域的な入院調整の実施など、都域全体で関係機関と協力して、重層的な取組を展開してまいったところでございます。
 都は、コロナ禍におけるこうした取組の成果を踏まえまして、国に要望を行い、知事の総合調整権の強化や、医師会、保健所設置区市などの関係機関が平時から情報共有、連携を図る連携協議会の設置が感染症法に定められまして、広域自治体の権限が強化されたところでございます。
 今後、都は、感染症予防計画を改定することとしておりまして、感染拡大時における病床の確保や保健所の体制強化など、内容を充実させるとともに、連携協議会を通じて平時からの感染拡大時の対応を協議いたしまして、広域的な取組の実効性を高めてまいります。

○浜中委員 このコロナの経験を生かして、東京都が主体になって連携協議会というのを保健所とかと協力してつくっていくんだということで、やっぱり、過去このコロナで培ったノウハウとかというのをちゃんと検証して、次に生かしていくということはとても大切なことだと私は思います。
 特にコロナ禍の初期においては、保健所の業務が逼迫して、都の広域的な対応が求められました。今後の感染症への備えとして、ぜひ、先ほど答弁にもありましたけれども、予防計画の改定をしっかりと進めていただきたいと思います。
 また、これらの保健所体制等の確保に加えて、特に病床や医療人材の確保など、感染症医療提供体制の確保についても、感染症予防計画に反映していく必要があるというふうに思います。
 そこで、感染症予防計画の改定に当たっては、同じく今年度改定が予定されている保健医療計画、これは大本の計画だと思いますけれども、その整合性を図っていくことが重要であると考えます。
 コロナ前とコロナ後で、そもそも感染症予防計画というのが大きく変わるのかなというふうに思いますけれども、見解をお伺いいたします。

○関口感染症対策部長 都民の健康と命を守っていくためには、新たな感染症の発生や拡大時に医療資源を機動的に感染症医療に重点化するなど、その時々の状況に即した医療提供体制を確保していくことが重要でございます。
 感染症予防計画の改定に当たりましては、確保病床の数などの目標値を設定するとともに、平時から医療機関と協議を行い、病床確保等に係る協定を締結することとしております。
 今後、必要となる通常医療を提供するための各医療機関の診療機能や、地域における医療機関同士の役割分担、連携方法について検討いたしまして、保健医療計画との整合を図ってまいります。
 コロナ禍での経験を生かし、将来起こり得る感染症危機におきましても、感染症医療と救急医療をはじめとした通常医療とのバランスを取りながら、必要な感染症対策を継続できるよう予防計画を策定してまいります。

○浜中委員 今おっしゃられたことは、とても大切なことだと思います。
 特に、有事から平時にというのは歴史的な移行であるとともに、次の感染症危機への備えを進める重要な局面であるというふうに思います。都民の不満を招かないように円滑に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 続きまして、この間、コロナ禍で、医療機関をはじめ医療従事者の皆さん、非常に頑張っていただいたのですけれども、医療機関等物価高騰緊急対策事業についてお伺いをしたいと思います。
 医療機関の物価高騰対策については、令和四年の第三回都議会定例会の厚生委員会において質疑を行ったところであります。今回、食材費や光熱費の高騰が生じている中で、医療機関等に対する支援金として補正予算が計上されているわけであります。
 改めて、昨年度実施した医療機関を対象とする物価高騰緊急対策事業の概要についてお伺いをしたいというふうに思います。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 昨年度実施をいたしました医療機関物価高騰緊急対策事業は、物価高騰に直面する医療機関の負担軽減に向けた緊急対策といたしまして、国の臨時交付金を活用し、二十四時間三百六十五日安全・安心な医療や療養環境を提供する病院や有床診療所を対象といたしまして、食材費及び光熱費の高騰に対する支援金を支給したものでございます。

○浜中委員 ありがとうございます。
 今回の事業は、エネルギーや食料価格等の物価高騰の影響を受けた事業者等に対して、地方公共団体が地域の実情に合わせて必要な支援をきめ細かに実施できるように、国が増額をいたしました電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金を活用するものであり、高く評価をしたいというふうに思います。
 今回の補正予算では、昨年度に比べて対象施設を大幅に拡充したとのことでありますが、拡充した理由と事業の規模についてお伺いをいたします。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 今回の補正予算では、物価高騰が継続しておりますことから、物価高騰の影響を価格に転嫁できない診療報酬等により運営されている施設を幅広く対象とすることといたしまして、無床の診療所、歯科診療所、助産所及び施術所を対象事業者に加えることといたしました。
 事業規模は、病院及び有床診療所は約千施設、無床診療所は約一万二千三百施設、歯科診療所は約一万五百施設、助産所は約五百施設、施術所は約一万二百施設でございます。

○浜中委員 ありがとうございます。
 前回に比べると、分かりやすくいうと、要は入院するベッドがないところのお医者さんであったりとか、歯医者さんであったりとか、保険の使える柔道整復師の人というか、整体のところだったりとかというところが多分使えるのかなというふうに思うんですけれども、これ、いいことだとは思うんですけれども、手続ですよね、額が、当然、値上げ相当に対して、そんなにたくさん配るわけではないので、恐らく手続とかというのをなるべく簡素化してやってあげると、みんな喜ぶんじゃないかなというふうに思います。
 また、ちょっと所管が違うのと、今回は補正予算に新規で盛り込まれました薬局物価高騰緊急対策事業についてもお伺いをしたいというふうに思います。地域医療を支える薬局からも、物価高騰の影響を受けて、厳しい経営状況にあるという声も聞いております。
 そこで、薬局に対する物価高騰対策について、今回の補正予算の計上に至った経緯についてお伺いをいたします。

○早乙女食品医薬品安全担当部長 薬局は、国により定められている調剤報酬を主な収入源とし、患者から物価高騰分の費用を上乗せして徴収することはできません。
 物価高騰による影響が継続する中、薬局の安定的な運営が懸念されることから、国の臨時交付金を活用し、光熱費の高騰に対する支援金を支給することで、薬局の負担を軽減することといたしました。

○浜中委員 今ご答弁があったとおり、薬局も病院等と同様に公定価格により運営されておりますから、価格に転嫁できないわけであります。だから支援の対象に加えたよということがよく分かりました。今回の補正予算で、地域の医療に貢献している薬局に対しても支援を行うということは、高く評価をしたいというふうに思います。
 あわせて、今回の補正予算の事業規模についても教えてください。

○早乙女食品医薬品安全担当部長 事業の対象規模でございますが、都内薬局約六千九百施設でございます。

○浜中委員 ありがとうございます。
 今、連続して質問させていただきましたが、この医療機関等物価高騰緊急対策事業といっても、こういうのを出しても、どんどん上がっていってしまうというのもあろうかと思います。
 医療関係というのは、医師も歯科医師も薬剤師も、みんなこれは社会インフラと同じでございまして、都民のための、生命、財産を守るためには、必要な社会インフラだと私は思っております。
 したがいまして、こういったところに対して支援をしていくということはとても大切なことでありますし、あわせて、もちろん額が少ないといっても税金ですから、これはとても大切なことなんですけれども、その手続があんまりややこしいと、何か大変だなというふうにならないような形で、しっかり簡素化していただければなというふうに思いまして、次の質問に移りたいと思います。
 最後になります。今日が福祉保健局に対して質問するのが最後でございますので、福祉保健局の局長の決意について伺いたいと思います。
 引き続き、新型コロナ感染症の再拡大や、次の感染症の危機に備えを怠ることはできないというふうに思いますが、ここまで大きな困難を乗り越えてこられたのは、医療従事者の皆様をはじめ、全ての都民の皆様の多大なるご協力があってのことであったと私は思います。
 また、福祉保健局の職員の皆様にも、都民の皆様をコロナから守るためにご尽力をいただきました。この場をお借りして、深く感謝、御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
 福祉保健局は、担当する分野が非常に広範にわたっておりますから、業務量や職員の数も予算も膨大であります。七月一日より、組織改正により、福祉局と保健医療局に再編をされるわけであります。これにより、都民のサービスの向上につながることを強く期待しております。
 一方で、二つの局に分かれてもなお、それぞれの局の担当分野は広く、また、先ほどお伺いした高齢者などのハイリスク層をコロナから守る取組など、両局に重なる課題、連携して当たるべき課題も多くあるわけであります。
 今年度改定する感染症予防計画と保健医療計画との整合性の確保についてもご答弁をいただきましたけれども、今年度は、ほかにも福祉保健局が所管する多くの基礎となる計画が改定の時期であるということも聞いております。
 七月の組織改正により、福祉局と保健医療局に再編された後も、分野を横断的に、各計画間の整合性を確保していくことをはじめ、両局連携した取組を進めていただきたいというふうに思います。
 もともと一緒の局で、分かれてメリットが出るということで、分かれてこれからよくやろうということでありますけれども、当然デメリットの部分もあると思います。そうしたことがないように、しっかり連携を進めていただいて、よりよい、都民のためになる両局にしていただきたいというふうに思っております。
 最後に、福祉保健局長の決意をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○佐藤福祉保健局長 まず、コロナ対策をこれまで実施してこられたのは——私ども職員に今温かい言葉をいただきまして、本当にありがとうございます。先生方に感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
 本題に、すみません、移らせていただきます。今年度、保健医療分野では、感染症予防計画、保健医療計画、がん対策推進計画、それから健康推進プラン21など、福祉分野では、高齢者保健福祉計画、障害者・障害児施策推進計画、地域福祉支援計画、福祉保健局が所管する主要な計画が一斉に改定あるいは中間見直しを予定している、今年は大変重要な年度でございます。
 これらの計画には、保健医療あるいは福祉の各分野の枠を超えまして検討を進めていかなければならない事項が、当然のことながら多く含まれております。
 一例で申し上げますと、現行の保健医療計画では、地域包括ケアシステムにおける治し、支える医療の充実を基本目標の一つに掲げております。また、在宅医療と介護を一体的に提供する取組の推進を進めていくこととしております。
 また、障害者・障害児施策推進計画では、地域における自立生活を支える仕組みづくりを施策目標の一つに掲げておりまして、保健、医療、福祉の連携によりまして、重症心身障害児者、精神障害者などの障害特性に応じたきめ細かな対応などを推進することとしております。
 こうしたことから、局の再編後も、高度化、複雑化する課題に対して、保健、医療、福祉の各分野の計画間の整合性を図りながら、両局が高い専門性と機動性を発揮しながら、密接に連携して施策を推進することが重要だというふうに考えております。
 そのため、保健医療局、福祉局、この両局が壁を超えて、両局が兄弟なのか姉妹なのかということで、日常的に連携していく体制というのをきちんと整備していく必要があると思います。計画の改定もてこにして、両局が連携の下、福祉、保健、医療サービスのさらなる充実を図ってまいりたいと思います。
 法律ですとか制度、もしくは関係先との関係ですとか、財政面とか、様々な条件、あるいは難しい制約みたいなのがありますけれども、都民の皆様の不安や困り事に寄り添いながら、生涯を通じて住み慣れた地域で安全・安心に暮らし続けることができるというのは、保健医療局、そして福祉局で仕事をする者の使命でございます。
 そのため、引き続き、両局が分かれても頑張ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○菅原委員 それでは、質疑をさせていただきます。
 今回の補正予算は、感染拡大時のみに実施するという、こういう予算がそれなりにあります。まだまだパンデミックのリスクがある中で、柔軟に対応することは重要だと思います。
 ここでまず、感染拡大時をどのように定義をするのか確認をします。ご答弁をお願いします。

○関口感染症対策部長 緊急対応が必要な場合がどういうことであるか、そういうものか否かにつきましては、五類移行により感染者の全数把握が終了したこと、医療提供体制や都民の受療行動が過去の感染拡大時と異なること、さらには、流行中の変異株の特性なども踏まえて判断する必要がございます。
 都は、五類移行後も、感染状況等に応じた必要な対応を迅速に講じるため、感染動向、医療提供体制、変異株の監視につきまして、定量的なモニタリングや専門家による分析を継続し、公表しております。
 こうしたモニタリングや分析の結果に加え、医療現場の実態を総合的に勘案した上で、医療提供体制への負荷を判断し、感染症対策連絡会議等での検討を経て、都として判断してまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 今後も様々な状況をずっとモニタリングをする、そして最終的には、都として感染拡大であるということを判断していくということだと思います。見えない行き先をずっと先頭を行くというイメージだと思いますけれども、ぜひ丁寧に進めていただければと思います。
 都は、五類移行後も、高齢者など重症化リスクの高い方への対策を継続して、段階的に平時医療に移行していくこととしております。このこと自体は評価をいたします。今後は、社会全体でコロナを普通の病気として受け入れていく方向でして、それはコロナとの共生ともいえます。その視点から伺います。
 今回の新型コロナ対応、特にオミクロン株の流行の中で、それまでは一定の自立を保っていた高齢者の療養ですが、入院をきっかけとして様々な課題が生じたことが指摘をされております。
 例えば、フレイルが進行しやすくなったり、入院が長期化するケースもあったと伺いました。住み慣れた環境や周囲の人々との関係から突然切り離されることによって、心理的にも不安定になったケースというのも伺っております。
 私自身もコロナに感染し、ちょうど網膜剥離の治療中であったため入院をしました。当時の感染症の入院というのは、面会もできず、そして病棟を自由に歩ける状況でもありませんでした。隣の入院患者に挨拶すらできないということであって、ずっと自分のベッドから離れずに天井ばかりを見て横たわる生活、これを経験いたしました。感染症による入院というのは、病気は治っても体全体は弱くなるリスクがとても高いのだなということをよく理解させていただきました。
 感染症の医療、特に高齢者の入所施設などの場合は、患者本人と施設全体の状況を考えて、最善の対応策をケースに合わせて判断することが求められると思うんです。
 高齢者施設などでコロナ感染症患者が出た場合、中等症以上であれば入院しての治療が必要ですが、軽症であれば、引き続き施設内で療養する判断、これもあり得るのだと思います。
 そのために、平時から施設内での療養の可能性を想定して対策を講ずるべきだと考えます。都の見解を伺います。

○松谷新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は昨年度から、高齢者施設等の感染対策を支援するため、看護師で構成される即応支援チームを派遣しておりますが、本年七月からは、平時からの取組として、各施設が主体的に感染対策の訓練を実施できるよう、新たにリーダー研修を実施いたします。
 研修では、即応支援チームが各施設へ赴き、まず初めに、施設長や看護師に対して、訓練に必要な知識や手順について講習を行います。次に、施設側が主体となって実際に訓練を行っていただき、即応支援チームが必要な助言を行ってまいります。
 また、施設内療養を行う際に施設が適切な対応を行うことができるよう、五類移行後も当面の間、医療機関との連携や感染制御を行うことを条件に、施設内療養を行う施設への補助を継続するとともに、施設への往診体制を確保しております。
 こうした取組を通じて、高齢者施設の感染対策を積極的に支援し、施設の感染症への対応力の向上を図ってまいります。

○菅原委員 五類に移行されたコロナに対して、都内の高齢者施設が引き続きどのような対策が必要なのか、これは判断に迷うことが多いと思います。
 都は、これまで行ってきた高齢者施設に対する感染対策の支援や、東京iCDCの専門家などの知見を生かして、平時の感染対策について分かりやすい解説書を作って、施設への普及啓発を行うなどの取組、これもぜひ進めていただきたいと思います。
 今回は、分かりやすくするために高齢者施設に焦点を当てました。しかし、例えば障害者の入所施設や盲学校の学生寮など、これは状況が似ていると思います。
 私の地元では視覚障害者の入所施設があり、感染症対策にとてもご苦労されてきたその現場も見てまいりました。また、都立八王子盲学校の学生寮も訪問したことがあります。この中でも感染対策の話を伺ってきましたが、これらも同じような状況だと思います。
 このような施設に対しても丁寧に情報提供をして、例えば施設のリーダー研修、これに類似するもの、準ずるものが受けられるような取組、これも要望します。
 相談について伺います。
 この三年間、コロナ対策の入り口として、相談体制の確保を進めてきました。正体不明の新型コロナウイルス感染症に対して、都は、発熱相談センターや自宅療養者フォローアップセンター、またはLINE相談などを展開して、それも様々な言語で提供してきました。
 五類移行を踏まえて、その中で一部の相談を統合した上、新型コロナ相談センター、そしてワクチン副反応相談センターの補正予算という形で提案をされています。
 今回の補正予算には、合わせて二百億円以上の金額が計上されていますが、感染状況に合わせて回線数の契約を柔軟にするなど、適切な予算執行が望まれます。この点について、確認の意味で対応を伺います。

○関口感染症対策部長 新型コロナ相談センター及び新型コロナウイルスワクチン副反応相談センターの契約は、単価契約により、状況に応じて回線数を指定し、実際に確保した回線数に応じて支払うこととしております。回線数につきましては、直近の相談件数や感染状況などを踏まえまして、適切に確保してまいります。

○菅原委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、入院調整のことを伺います。
 入院調整という言葉は、コロナ前も行われてきたと伺っていますが、通常の医療機関業務の一環であり、社会的に入院調整という言葉が使われたのは、新型コロナで入院に関する調整が行われてきてからだと思います。
 感染者の急増と医療提供体制のため、特に入院ベッドの確保が困難になったため、入院調整を業務委託してきたという経緯があります。特に透析患者、または妊婦、精神疾患や基礎疾患の患者など、特別な配慮や広域的な調整が必要な患者などの命を守って、東京都全体の医療体制をぎりぎりのところで守ってきたのだと思います。
 コロナ五類移行後の入院調整は、医療機関同士による自律的な調整が原則だと思います。とはいえ、都の関与が必要となる場合もありまして、実際に現在でも、入院調整本部の調整が続いていると聞いております。
 行政の関与による入院調整の意義について伺います。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、五類移行後、幅広い医療機関で新型コロナウイルス感染症の入院患者の受入れを行いまして、医療機関同士で入院調整を行う体制に段階的に移行していくことを前提に、移行期間中はハイリスク層を守るため、当面、行政関与での入院調整を継続しております。
 具体的には、九月末までの移行期間中、都の入院調整本部での調整対象を症状の重い中等症Ⅱ以上の患者や、透析、妊婦など、特別な配慮が必要な方に重点化しております。
 あわせまして、従来のシステムを改修して、各診療所でコロナ患者の受入れが可能な病床の情報等を確認できるようにいたしまして、まずは、軽症、中等症Ⅰの患者から医療機関同士の入院調整を働きかけてまいりました。
 十月以降は、全ての患者に対しまして医療機関同士での自律的な入院調整ができるよう、都内における医療機関の調整状況等を確認しながら、透析患者や周産期医療など、既存のネットワークも活用することで円滑な移行に向けて取り組んでまいります。

○菅原委員 意義もご説明をいただきました。そしてまた、今後は円滑な移行をしていくということも伺いました。どうぞよろしくお願いいたします。
 後遺症のことを伺いたいと思います。
 新型コロナの後遺症については、都議会でも議論がされてきました。私は、後遺症外来の必要性を訴えて、二〇二一年十一月の厚生委員会事務事業質疑などで何度か取り上げてまいりました。
 都は、コロナ後遺症に対して後遺症対応医療機関向けの事例検討会を開催したり、またコロナ後遺症外来がネットで検索できるように公表したり、また後遺症に関するリーフレットを作成、こんなことを行ってきました。今月末にはオンラインの研修会が予定されているということも伺っております。
 コロナ後遺症については、まだまだ分からない部分が多いのですが、疲れ、または息切れ、頭痛、筋肉痛、関節痛、発熱などがあって、またブレーンフォグなども症状として報告されています。個人差はありますが、通常は一定期間を経れば症状が改善されるといわれています。しかし、後遺症が長期化する場合もあるということを伺いました。
 コロナ後遺症は、成人だけではなくて、子供も一定数が後遺症に苦しんでいます。例えば体調が悪くて不登校になった子供もおりまして、後遺症に関する知識や情報が少ないために、大人から、成長期に見られる不定愁訴と片づけられることも少なくないと伺います。子供も後遺症が発症することを社会に広めていくことが必要だと思います。
 そこで、小児の後遺症に関する普及啓発が重要と考えますが、見解を伺います。

○村本東京感染症対策センター担当部長 国が発行している罹患後症状のマネジメントの手引によりますと、小児の後遺症は成人と比べると発症頻度は低いとされておりますが、後遺症に悩む子供の中には通学できない事例もあるなど、小児の後遺症に関する理解促進が重要でございます。
 このため、今後、東京iCDCの専門家の協力を得て、保護者向けに後遺症が疑われる具体的な事例や後遺症に悩む子供への配慮のポイント等をまとめたリーフレットを新しく作成いたします。
 さらに、学校の教職員に対しまして、小児の後遺症の傾向や特徴、後遺症に悩む児童生徒の支援方法などを内容とするデジタルブックを制作するとともに、東京iCDCの専門家が解説した動画を作成し、デジタルブックと併せて学校へ広く周知してまいります。
 こうした取組を進めることで、小児の後遺症に関する保護者や学校の教職員の理解を深めてまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 コロナ後遺症というのは、まだまだ医学的な知見がなくて分からない部分が多い、そういう状況です。大人の場合は、自分の状況を理解して、会社または地域社会の理解を進めることで、ある程度の社会的認識や環境が整う可能性があります。
 一方で、子供の場合は、自分自身の状況の理解が難しいため、家庭や学校、地域社会の理解を積極的に進める必要があると考えます。特に部活動や受験などに代表されるように、たくさんのライフイベントが連続するというのが子供の時期です。子供たちのコロナ後遺症へのケアを積極的に進めていただくよう要望いたします。
 物価高騰対策について伺います。
 ウクライナ戦争などの世界のエネルギーや食料供給体制の変化を受けて、物価が上がり続けています。政府は、物価高騰に対して様々な手当てを行ってまいりました。
 医療機関などは主な収入が診療報酬であって、物価高騰の影響があっても価格転嫁できません。同じような状況は、高齢者施設や保育所などにもいえます。東京都は、昨年の補正予算で、これら価格転嫁ができない施設への対応を予算化してきました。
 しかし、昨年の補正予算で対象とされたのは、ベッドのある有床医療機関などであって、地域のクリニックや歯科医、助産所や施術所などは対象になりませんでした。これらの経緯から、都民ファーストの会としては、価格転嫁ができないこれらの施設も対象とするように求めてまいりました。
 今回、対象を広げたことを評価し、改めてこれらの経緯について伺います。お願いします。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 医療機関物価高騰緊急対策事業は、昨年度、物価高騰に直面する医療機関の負担軽減に向けた緊急対策といたしまして、二十四時間三百六十五日安全・安心な医療や療養環境を提供する病院や有床診療所を対象に実施をいたしました。
 今回の補正予算では、お話のとおり、物価高騰が継続していることから、物価高騰の影響を価格に転嫁できない診療報酬等により運営されている施設を幅広く対象とすることといたしまして、無床の診療所、歯科診療所、助産所及び施術所を対象事業者に加えることといたしました。

○菅原委員 今回の補正予算で新たに対象となった施設には、それぞれ一万円または五千円が支給されます。僅か一万円という声もありますが、無床の医療クリニックは一万件以上、歯科医も一万件以上など、対象の施設が多いため、薄く広くという施策となりました。
 この支援金の支給手続は、できるだけ簡素なものにすることが求められると思いますが、見解を伺います。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 現在、具体的な手続について検討を行っているところでございまして、支援金の趣旨に鑑み、医療機関等への支給方法等について、配慮しながら進めてまいります。

○菅原委員 コロナ禍での支援金の支給というのは、不正支給などの事例もありました。正確な事務手続や不正の排除とシンプルな手続のバランスは難しいところだと思いますが、今回の一万円や五千円の支給は定額ですし、対象も明確ですので、事務手続を工夫していただければと思います。
 なお、保育所等物価高騰緊急対策事業の中で、認可外保育施設は、認可保育所などとは違って各施設が利用料を自由に設定できることから、事業の対象外としていると伺っています。しかし、認可外保育施設でも物価高騰の影響が続いて運営が難しい施設もあると聞いています。
 物価高騰の中でも認可外保育施設などが保育サービスの質の維持向上ができるよう、子供家庭支援区市町村包括補助事業の中で補助できると伺いました。積極的に区市町村に事業の実施を働きかけていただきたいと思います。これは要望をしておきます。
 最後に、局長に伺います。
 新型コロナウイルス感染症が二類相当から五類に移行いたしました。これは、国民全体がそれぞれの立場で感染症対策を講じた成果だと思います。特に、最前線でコロナと向き合った医療従事者の皆様には感謝の言葉しかありません。
 そして、行政職員の取組も私たちは記憶をしておかなければいけません。福祉保健局は、感染状況に合わせ、その状況の変化に応じて新しいチームを結成し、対応を続けました。四年前と現在の福祉保健局の組織図を比べると大きく違っています。それは、柔軟に対応してきたことのあかしだと思います。
 宿泊療養施設の対応では、福祉保健局の職員はもちろんのこと、福祉保健局以外の多くの職員の皆さんも宿泊療養者の対応に当たりました。テレワークは不便もあったと思いますが、率先したその取組は、東京全体の労働環境を変えることにつながりました。
 保健所の業務体制には様々な意見が寄せられましたが、現場の職員が懸命に実務に取り組んだことが感染状況の把握につながり、陽性者や濃厚接触者の療養生活を支えました。福祉施設の学生寮などの問合せにも丁寧に対応されたことは目立たない業務ですが、重要でした。
 都議会は、都民の代表として、これらの都職員の取組を見てきました。改めて感染症対策に関わった全ての方々に感謝を申し上げます。ありがとうございました。
 しかし、新型コロナウイルスの社会的な類型は変わっても、コロナ感染症の本質が変化したわけではありません。まだまだ感染症対策には十分な配慮が必要です。福祉保健局は七月に組織再編されますが、ポストコロナを見据えた医療提供体制の確保や福祉施策の充実に向けて、福祉、保健、医療分野のより一層の連携が必要と考えます。
 今回計上している補正予算案を見ても、例えば高齢者施設における感染防止対策や検査体制の確保など、福祉と医療が横断的に連携して取り組むべき課題も多くあります。
 そこで、最後に、組織改正を目前に控えた今、福祉保健局長に今後の感染症対策と、そして、その組織運営に向けた決意を伺います。

○佐藤福祉保健局長 新型コロナウイルス感染症につきましては、この五月八日に感染症法上の位置づけが二類相当から五類に移行され、一つの大きな区切りを迎えたところでございます。
 この三年余りの間、厚生委員会の皆様をはじめ、都議会の皆様、都民、事業者、医療従事者の皆様など、多くの方に多岐にわたりご協力をいただきました。
 また、ただいま私ども都庁の職員にも、また福祉保健局の職員にも、大変温かい言葉をいただきました。改めて深く感謝申し上げます。どうもありがとうございました。
 都はこれまで、検査、相談体制の充実、迅速な病床の確保、高齢者向けの医療支援型施設の設置、自宅療養者のフォローアップ体制の整備など、総合的な医療提供体制を東京モデルとして構築するほか、ワクチンの円滑な接種、保健所の体制強化やデジタル化も進めまして、幾度もの感染の波を乗り越えてまいりました。この過程では、感染症対策部、これは保健医療局になります、また、今度福祉局になる高齢者施策推進部、あるいは障害者施策推進部が、ハイリスク層への対応については共同して事業に当たってまいりました。
 引き続き、都民の不安や医療現場等の混乱を防ぎ、高齢者等のハイリスク層を守りつつ、都民の命を守ることを第一に、必要な支援体制を当面継続しながら、幅広く医療機関で受診できる体制に段階的に移行していくこととしております。
 また、未知なる感染症など、今後起こり得る危機に迅速に対応できる体制を整えていくことも大変重要でございます。先ほども質疑でございましたけれども、今回のコロナ感染症の教訓では、感染症対策には保健所設置市とか、それぞれありますけれども、それを包含して、広域的な対応というか、東京都の広域自治体としての機能というか、そうした調整機能ですとかということは、大変重要だということが改めて分かったわけでございます。
 今年度予定している感染症予防計画の改定も踏まえつつ、これまで新型コロナ対策で築き上げてきた東京モデルの枠組み、あるいはデジタル化などの成果も生かしまして、専門家の皆様、区市町村、関係機関の皆様と連携しながら、感染症の危機から都民を守る取組を強力に進めてまいります。
 来月の七月一日、局は再編いたしますけれども、再編後もポストコロナを見据えまして、この対策の中で培った知見、あるいはノウハウ、これを継承いたしまして、両局が緊密に連携して分野横断的な課題に取り組んでいけるよう、そして、福祉、保健、医療サービスを将来にわたって盤石なものにすべく、両局職員が一丸となって対応してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○菅原委員 コロナは二類相当から五類に移行いたしました。しかし、コロナウイルスは私たちの社会に根強く残り、これからもコロナとの共生を踏まえた施策展開が求められます。
 また、社会生活はコロナで傷み、その傷みから回復するための予算も組まれました。そこに物価高騰の波が襲ってきました。そのための予算も重要です。
 新型コロナは多くの人々の命を奪い、社会を変えています。特に医療提供体制の課題が顕在化しました。少子高齢化の日本、そして東京の医療提供体制は、単に足りないから増やすという視点ではなくて、限りある医療資源を効果的、効率的に提供する仕組みをつくる、こういう議論が必要だと思います。
 そこで、医療のDX化や感染症に強い社会の構築、医療人材の育成や潜在看護師などに代表される資格を持った人材への柔軟なアプローチなど、今まで議論が少なかったこれらのテーマに光を当てることも課題解決の糸口になるのだと思います。
 都は、保健医療計画、高齢者保健福祉計画、障害者・障害児施策推進計画、さらに、がん対策推進計画など、医療、福祉に関わる計画の改正、改定を予定しています。
 また、東京都感染症対策連絡会議を設置して、五類移行後のコロナ対策や、あらゆる必要な対策を速やかに検討、実施につなげる議論が始まって、感染症予防計画の策定につなげていくのだと思います。
 これからの議論には、三年以上にわたる新型コロナと向き合った経験を十分に反映していただきたいと思います。
 以上で質疑を終わります。ありがとうございました。

○中山委員 それでは、コロナウイルス感染症の感染症法上の取扱いの五類移行に伴う都の補正予算案に関する質疑が、先ほど、浜中委員、菅原理事からございました。物価高騰のお話もございました。それらを踏まえまして、重複を避ける意味で、私は、まず、都の五類移行対策そのものについて質疑を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 我が党は、今年の三月二十日、第一回定例会予算特別委員会の締めくくり総括質疑におきまして、小林健二議員が五類感染症への移行の取組について質問を行ったところであります。
 本日の厚生委員会では、三月二十日の小林議員からの質問に対して、都から答弁がございました内容につきまして、その後の現在までの取組の進捗状況をお伺いしたいと思います。
 まず、都は、五類移行への移行計画を四月中に策定し、入院患者の受入れにつきまして幅広い医療機関での受入れの体制に移行すると答弁されていましたが、この点、現在はどのように進展しているのかをお尋ねします。説明を求めたいと思います。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、本年九月までの移行期間を二段階に分けまして、移行期間前半は中等症Ⅰ以上の患者等を受け入れるための病床といたしまして約三千百床を確保し、後半は中等症Ⅱ以上の患者等を受け入れるための病床として約二千床を確保するとしているところでございます。確保した病床は、感染状況に応じまして各医療機関で通常医療への振替を可能としており、六月七日時点での確保病床の稼働数は約二千三百床となっております。
 また、病床確保を行っていない病院など、幅広い医療機関において患者の受入れが進みますよう、五月に感染症専門医を講師に迎えて感染対策のオンライン研修を実施いたしまして、四百四機関が参加いただいているところでございます。
 研修内容は、講師のこれまで培ってきた経験や医療現場の実態も踏まえた内容となっておりまして、研修後、全ての医療機関に対してオンデマンド配信を行っております。感染対策に資する取組等を広く周知しておるところでございます。

○中山委員 五月に感染症専門医の方を講師にお迎えになられて感染対策のオンライン研修を実施され、対面で四百四の機関が参加されて、全ての医療機関にオンデマンド配信をされたことをお伺いしました。大変ご努力されていることを確認できたと思います。また、確保病床の稼働数という点につきましても、徐々に縮小されているというご報告でございました。
 しかし、ここ数年、夏にはコロナ感染が拡大してきていましたので、再拡大する可能性があることを見据えて、柔軟な対応を今後もお願いしたいと思います。
 一方、我が党は、予算特別委員会におきまして、都による入院調整機能の当面の間の継続を求めたところであります。都は、都や保健所によります調整対象を、移行期間中、症状の重い患者等に重点化し、症状の軽い患者につきましては、医療機関同士での入院調整を進めていくと聞くところでございます。
 しかし、いつまでも特別な体制を継続するわけにもいきませんし、したがいまして、五類移行後は、本来の病病、病診連携による自律的な入院調整を進めていくことが重要であると考えます。
 この点、現時点で都内の新型コロナ患者の入院調整機能は、どのように強化に取り組まれているのか、その点のご説明をお願いしたいと思います。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都はこれまで、医療機関に対する五類移行に係る説明会を開催いたしますとともに、その説明動画をウェブ配信を行いまして、都内全ての病院及び診療所で、他の疾患と同様に新型コロナウイルス感染症につきましても医療機関同士での入院調整が進むよう働きかけてまいりました。
 また、医療機関同士での入院調整が円滑に行えますよう、従来のシステムを改修いたしまして、五類移行後の五月八日からは、都内の全ての医療機関でコロナ患者の重症度に応じまして受入れが可能な病床の最新情報を確認できるようにいたしております。
 現在の入院調整の状況といたしましては、症状の軽い患者については医療機関同士での自律的な入院調整を原則としておりまして、医療機関から都の入院調整本部への調整依頼は、高齢者や妊婦などを中心に、日々十件前後となっておるところでございます。
 今後は、夏の感染拡大の可能性に備えまして、都の入院調整を継続しながら、各医療機関における取組状況を確認して必要な助言等を行い、十月以降、全ての患者に対して自律的な入院調整ができるよう、その円滑な移行に向けて取り組んでまいります。

○中山委員 今ご答弁ございましたとおり、十月に向けて幅広い医療機関でコロナ患者の受入れや入院調整が進むよう取り組んでいただきたいと思います。
 他面、五類移行後も、高齢者の方や妊婦の方々など、重症化リスクが高い方にとりましては心配な状況が続くことになります。重症化リスクの高い都民へのケアを当面継続することが必要でございます。
 その点、我が党は、予算特別委員会の締めくくり総括質疑で、八施設が臨時的に開設されました都の高齢者等医療支援型施設及び高齢者・妊婦支援型宿泊療養施設の当面の間の継続を要望したところであります。
 当該八施設の受入れ状況とその内訳についてお伺いしたいと思います。(藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長発言を求む)ちょっといいですか。また、こうした施設に入る高齢者等の一般病床での受入れを実現していくことについての課題についても見解を求めたいと思います。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 すみません。ご質問の途中、大変失礼いたしました。
 昨日、令和五年六月十五日時点におきます高齢者等医療支援型施設の入所者数は、赤羽が二人、世田谷玉川が九人、渋谷が十六人、青山が七人、足立東和が十人、八王子めじろ台が八人、府中が七人、滝野川が七人でございまして、八施設合計で六十六人、うち救急搬送は九人でございます。
 また、高齢者・妊婦支援型宿泊療養施設の入所者数は三人でございます。
 新型コロナウイルス感染症患者を確保病床以外の病床で受け入れていくに当たりまして、感染症患者を受け入れるための動線等が整備されていないことや、介護が必要な患者の受入れに対応する人員等に要する経費負担が大きいことなどが課題とされております。
 そのため、都は、九月までの移行期間中、確保病床を有していない病院に対しまして、介護人材等を追加で配置した場合の人件費や衛生資材等の感染対策経費等の支援を行っております。
 こうした取組に加えまして、病室の個室化や患者の安全な動線を確保するための施設改修、HEPAフィルター付パーティションや簡易陰圧装置、PCR検査等の設備整備を支援しておりまして、高齢者や妊婦等のリスクの高い新型コロナウイルス患者を受入れできる病院の拡大を図ってまいります。

○中山委員 今ご答弁の中で、課題として感染症患者を受け入れるための動線の確保、そしてまた、介護が必要な患者の受入れに対する人員の経費負担、こうした点の課題があるということのご答弁がございました。
 まず、介護が必要な患者の受入れという点ですけれども、東京都の医師会でもいろいろな課題というのが提言されておりまして、そういう介護の人材との連携というものについても、非常に大事な視点として指摘されていました。今後の計画等にしっかりと生かしていただきたいというふうに思います。
 また、動線の確保につきましては、やはり都の医師会の研究会でも、マンションやオフィスビルの一角のワンフロア型の医療機関において、動線確保というのは非常に難しくて、病床を申請したんだけれども、院内の感染が発生した場合に、その申請したとおりの患者受入れというのがなかなか困難であったというようなことの報告がなされています。そういう面で、やはり動線の確保というのが、平時ではなかなか思い浮かばないような実際の課題というのが感染拡大時にはあるというようなことが指摘されています。
 そうした点、今答弁の中にもありましたけれども、個室化を図ること、ふだんからそういったものを見越しての院内体制をつくること、それからまた、平時では使わないかもしれないけれども、HEPAフィルター付パーティションや簡易陰圧装置の設備等、そうしたものの支援というものを行っているという話がございました。そうしたものを実際に使って、どういうふうに動線の確保ができるのかという実例をつくっていくことが大事だと思います。
 そうした実例をつくることによって、一つの実例が、いろんな病院にとって共通の認識となって、対応の可能性が広がっていくのではないかと思いますので、ぜひ、支援制度を整えていますよということだけじゃなくて、それを使って実例をどうつくり上げていくかということについても、これから取組をする機会があるかどうかということも問題ですけれども、お願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、高齢者施設におきましては、平時から施設と医療機関との連携体制を確保していることが重要であります。しかし、新型コロナウイルス感染症では、連携しているはずの医療機関から、コロナを発病した入所者に対する診療を断られてしまう、そういう事例もあったと聞くところであります。
 そこで、我が党は三月二十日の予算特別委員会の締めくくり総括質疑におきまして、五類移行後におきまして、高齢者施設と連携する一般医療機関によるコロナ診療拒否というものを未然に防止して、円滑な診療に結びつけていくべきであると求めたところであります。
 新型コロナウイルス感染症が五類に位置づけられたとはいえ、重症化リスクが高い高齢者が多く生活している施設におきましては、感染者が発生した場合に速やかに医療に結びつけられるかどうかという点が大事な課題であります。
 第一回定例会予算特別委員会締めくくり総括質疑での我が会派からの高齢者施設における医療機関との連携体制の確保に関する質問に対し、各施設の配置医師や協力医療機関と連携が図れるよう働きかけていく、また、高齢者施設への医師の往診や遠隔での診療を支援していくとの答弁がございました。
 そこで、それぞれの取組のその後の進展、進捗状況についてお伺いしたいと思います。お二人の部長さんから、それぞれご答弁をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○梶野高齢者施策推進担当部長 施設内療養を実施するためには、施設内における感染対策の徹底、療養の質及び体制の確保等が必要でございます。
 そのため、国は、新型コロナウイルス感染症の五類移行後、施設内療養に要する費用について補助の要件を変更いたしまして、感染者が発生した際に施設への往診等を行う医療機関の確保、感染症の予防及び蔓延防止のための研修、訓練の実施、オミクロン株対応ワクチンの接種の実施等を求めております。
 これを踏まえまして、都は現在、都内の高齢者施設におけるこれらの要件の達成状況につきまして調査を行っております。
 今後、調査結果から医療機関の確保状況を把握いたしまして、配置医師等が施設への往診などに対応していただけますよう、地区医師会等の関係機関に対し協力を働きかけてまいります。

○加藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、五類移行後、当面の間、高齢者施設等の配置医師等が対応できない場合に備えまして、まずは、東京都医師会を通じて地区医師会と連携し、地域の医療機関による往診または遠隔診療が可能な体制を整備しております。
 また、地区医師会によりましては、体制の整備が困難な状況もありますことから、広域に往診可能な医療機関とも連携をいたしまして、施設への往診体制を強化しております。
 事業開始以降、協力医療機関は順次拡大をいたしまして、六月十二日時点で二百八十六機関が参加をしておりまして、これまでに一施設におきまして二名の療養者の往診を行いました。
 引き続き、東京都医師会を通じまして、さらに地区医師会の協力が得られますよう働きかけてまいります。

○中山委員 ご答弁いただきまして、ありがとうございました。
 東京都医師会も、今回のコロナ感染というものを契機に、次の感染拡大に生かしていく、また、今回のコロナ感染で出てきました医療逼迫というものが、ご存じのとおり、二〇四〇年には平時の課題として現実化するということを提唱されていらっしゃいます。
 そうしたことも踏まえて、実際には、いろいろな連携を図っていく上で地区医師会との連携は非常に大事になってきますので、どこの地区医師会で連携がなかなか進まないかという点は、なかなか微妙な問題で、明らかにすることは難しいことかもしれませんけれども、私ども議員としても、非常に関心が高い課題でもあります。
 それぞれの医師会さんが抱えていらっしゃる課題によって、連携がスムーズにいく場合もあれば、いかない場合もあったりしますので、それは東京都といっても一律な状況ではないわけですし、そうした事柄をきちっとカバーしながら、実際の連携体制というものが、精度が高く行われるようにしていくということが、次の感染拡大に向けた大事な平時から取り組むべき課題じゃないかと思います。
 先ほど、介護との連携という点も答弁で触れていただきましたけれども、前に申し上げましたけれども、私の足立区の医師会では、介護従事者の方々も含めまして、防護服の着脱訓練というのを医師会が独自予算で、何回も徹底してやってくださいました。非常にすばらしい取組だと思います。そうした取組ができる医師会もあれば、できない医師会もあろうかと思います。
 ただ、そうした取組ができるところについては、できれば東京都の予算として補助をして、取り組みやすいようにしていくということが、そうした取組ができる医師会さんを地域ごとにつくっていくということにもつながっていくことになるのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、先ほども福祉保健局長からご決意をいただく質問が続きまして申し訳ございませんけれども、今回の補正予算には、五類移行後も当面継続すべき新型コロナ感染症対策や、国の臨時交付金を活用した都民生活への支援を進めていくための経費が盛り込まれております。
 事業の内容を見ますと、高齢者、障害者が利用する施設の職員を対象とした集中的、定期的なPCR検査の実施や、医療機関、福祉施設への物価高騰対策など、福祉と保健医療の両分野にわたるものが多く含まれております。
 今回のコロナ対策だけではなくて、福祉保健局の方々におかれましては、少子化の問題から、高齢者の健康の問題から、それから地域の保健医療、保健の問題から、もう様々に都民生活の本当にありとあらゆる分野に関係するお仕事でご努力をいただいておりまして、また、コロナ対策を含めて大変なご尽力いただいたことについて深く敬意を表したいと思いますし、どうかこれからも健康に留意されながら、お仕事にお励みいただきたいと思います。
 その上で、私ども公明党としまして、七月の組織改正ということで、福祉保健局を、これまでの実績、役割というものの成果、大切にしながら、福祉局と保健医療局に分割されていくことについて、提案をさせていただいてまいりました。その責任も感じておりますので、その課題意識を共有しながら、両局が同じ方向を向いて密に連携して施策を進めていただきたいということを強く念願するものでございます。
 特にこれから人材不足の時代になります。いろんな資格を持っている人も少ないという状況ありますけれども、その人材不足の中で、福祉保健局が全体として抱えていた都民生活の課題対応を少ない人材でどうやっていくか、そしてその上で、サービスの質をいかに落とさずに、また新たな課題も出てまいりますので、その課題にも対応していくかということは大変なことだと思います。
 そのためにも、両局の密な連携というものが、大事な行政として求められているのかと思いますけれども、福祉保健局長の決意をお伺いしたいと思います。

○佐藤福祉保健局長 福祉保健局は、平成十六年、二〇〇四年になりますけど、八月に当時の健康局と福祉局が一緒になって発足をいたしました。歴史を遡りますと、実は民生局という局がありまして、民生局から福祉局と衛生局に一旦分かれて、またそこから衛生局が健康局という名前に変わって、健康局がまた福祉局とくっついて福祉保健局になり、また分かれる、そういう歴史でございます。非常に、もともと近い仕事なんだろうというふうに、その時々の状況によって変わっていくこととなると思います。
 そうした社会状況や都民ニーズの変化に対応しながら、保育サービスをはじめとする子供、子育て家庭施策の拡充、誰もが安心して暮らせる長寿社会の実現に向けた施策の展開、障害者の地域生活や就労支援の充実、自殺対策、あるいはがん対策の拡充、感染症対策の推進など、様々な取組を進めてまいりました。
 少子高齢化の進展、あるいは社会経済情勢の激しい変化などを背景に、高度化、複雑化いたします福祉、保健、医療を取り巻く課題に対し、都民ニーズにきめ細かく対応するために、本年七月、当局は福祉局と保健医療局に再編をいたします。三年以上にわたるコロナとの闘いの中では、今後も継続し、またあるいは発展させていくべき変化というのも生まれたと思います。
 往診体制、オンライン診療の強化、医療機関の健康観察促進などを進めてまいりましたけれども、先生からもご指摘がありましたけど、高齢化が進む中で、例えば在宅医療みたいなのを根づかせていくためには、医療だけでなく、介護の視点が欠かせないわけでございます。
 例えば、今、加藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長と梶野高齢者施策推進担当部長、お二人が答弁しましたけれども、これのポストというのは、片方が福祉局、片方が保健医療局に分かれるわけでございます。
 こういったことも一例で挙げますけれども、両局が同じ課題に対して向かっていかなければならないということの一つの例、分かりやすい例で挙げさせていただきましたが、局再編後も両局が密接に関連して施策を推進していくことは不可欠でありまして、局の壁を超えた政策連携、推進体制を確立して、やはりお互いの職員、局の顔というのが見える関係というのを構築することが大事だというふうに私は思っております。
 そのためには、今は同じ局なので、非常に近い関係で顔が見える関係ですけれども、この局が分かれてしばらくたっても、そうした関係が継続していけるような関係というのをつくっていくことが非常に大事だと思っております。
 両局の各部門が日常的に連携し合える職場環境の構築、災害発生時など有事の際も見据えた人的な連携体制、こうしたことも重要でございまして、福祉保健局として、これまで培ってきた知見、あるいはノウハウを着実に継承するとともに、新たに政策課題が発生しますので、そうしたことに対しても両局が連携して、機動的かつ的確に一緒になって対応できるよう、福祉、保健、医療サービスのさらなる向上、加速化というのを進めていく決意でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○中山委員 佐藤局長、ありがとうございました。
 連携ということで申し上げますと、前もお話ししたかもしれませんけど、駒込病院の随分前の院長先生で、森先生という人がいらっしゃって、全共闘時代の最後の活動家だったみたいな方だったそうですけれども、その先生が、臨床と研究部門の連携ということで、ベンチ・ツー・ベッドという言葉がありますけれども、それが大事だという話の中で、あの先生は大変ヘビースモーカーでいらっしゃって、ベンチ・ツー・ベッド・アンドS、スモークですと。つまり、喫煙室が非常に大事なんですと。
 喫煙室で一緒にたばこを吸いながら、どこの誰だか肩書きが分からない人の前で、ふと、こういうことで困っているんだよなとつぶやくと、相手の人が応じてくれて、そのことならどこどこの誰々に相談するといいよというようなことを、たばこを吸っている仲間同士の中でつぶやいてくれている。それが本当に助かったんだというような話は冗談話ですけれど、当然、福祉保健局は、受動喫煙防止に向けて取り組まなくちゃいけませんので、だからといって、そういうことはどうのこうのじゃないんですけれど、ある面では、公式な会議という場だけではなくて、意見を自由にいえる場での連携というものがとても大事かと思います。
 そういう面では、若い世代の方々におかれましては、ぜひ両局の間で共通のプロジェクトチームみたいな形で、将来的な課題に向けての検討、意見交換するような場所があったり、当然現場の管理職の方々の中での連携も大事ですけれども、そうしたものを重要視していただいて、何か会議の場だけで連携が図れるものではないということが、非常に、逆にいえば、非公式なところでの連携も含めて、都民の方々に還元できる価値というものが、皆さん方の両局の連携から生まれてくる可能性があるということをぜひお知りいただいて、さらに頑張っていただければと思います。
 私どももしっかりと新しい局の体制の中で連携が図れていきますよう応援させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。物価高騰から都民生活を守る対策について、補正予算の部分で質問をいたします。
 急速な物価高騰の中で、都民の生活や福祉施設、事業所、医療機関の運営はますます困難になっています。政治が責任を持って支える必要があります。
 私は、昨年九月の厚生委員会で、当時出されていた補正予算の物価高騰対策が、入院ベッドを持っていない診療所、すなわち無床診療所を対象としていないことを指摘し、対象とするように求めてまいりました。また、三月の厚生委員会で、物価高騰の影響を受けている医療機関、福祉施設、事業所への補助を行うことも求めました。
 そうした中で、今回、無床診療所も含めて、物価高騰への対応策が出されたことは重要ですが、補正予算は全体としては不十分です。不十分な点の一つが、対象となる期間が九月までとなっていることです。
 物価高騰による生活への深刻な影響が九月までで終わるなどという見通しはありません。物価高騰対策の支援は十月以降も必要ではありませんか。

○山本企画部長DX推進担当部長兼務 今回、補正予算案として提案した医療機関等への物価高騰対策につきましては、国の通知に基づきまして、緊急対策として、国の臨時交付金を活用し実施するものでございます。
 今後とも、事業者等への支援につきましては、国の動向を注視してまいります。

○藤田委員 国次第だということです。今回の補正予算案自体も、都民生活支援の部分の財源は全額国の交付金ということで、都は一円も出していません。
 小池知事は、日本共産党の大山都議の代表質問への答弁で、都民の命と暮らしを守ることをいかなるときも忘れたことはありませんと述べていました。本当にそうなのであれば、国の動向を注視するよりも、都民の生活に目を向けて、東京都自身の財源も使って支援を進めるべきです。
 補助水準の引上げも必要です。例えば、無床診療所や薬局への支援額は一施設一万円となっていますが、神奈川県では三万円、千葉県は四万円です。福祉施設、事業所も含めて、物価高騰に十分対応できるよう充実させることを求めておきます。
 さらに、都民生活への直接の支援も必要です。首都圏青年ユニオンが二年前から実施しているフードバンクは利用者が増えており、魚や肉は三か月ほど食べていないという五十代のシングル女性、支出を切り詰めるのが食費しかないという三十代フリーランスの方、子供にお菓子を買ってあげられないというひとり親の方など、深刻な声が寄せられています。住民の福祉の増進という自治体の基本的な役割を踏まえ、都民の生活に向き合って、現金給付を含めて効果的な対策を行うよう求めます。
 次に、コロナ対策です。
 高齢者や基礎疾患のある方などにとって、新型コロナは依然として命に関わる危険な感染症です。知事は所信表明で、ウイルスは消えたわけではありませんと述べました。しかし、消えたわけではないどころか、見えにくくされているだけであり、昨日のモニタリング分析でも、患者報告数は五週間連続して増加したとあります。加えて、東京ルールの適用件数も増加、入院患者数も増加しました。
 新型コロナウイルスの流行が終わっていないのですから、いかに命を守るかということがコロナ対策を考える上で重要だと思います。特に重症化リスクの高い方を守るということについては、高齢者施設への対策は重要です。
 そこで、まず伺いますが、高齢者施設でクラスターを起こすことの影響をどう考えていますか。一人発生したときに、感染を広げないことが重要と考えますが、いかがですか。

○梶野高齢者施策推進担当部長 高齢者は症状が重症化しやすい方が多く、クラスターが発生した場合の影響が大きいため、施設内にウイルスを持ち込ませないことに加え、施設内で陽性者が出た場合には、迅速な封じ込めが必要でございます。
 そのため、都は、入所者に対して迅速にスクリーニング検査ができるよう、施設が必要に応じて実施するPCR検査等の検査費用の補助を行うなどの支援を行ってまいりました。

○藤田委員 ウイルスを持ち込ませないこと、感染を広げないことが必要ということです。そのために都も事業を行っているということです。
 この場合、法人が連携する医療機関が実施するPCR等検査の費用についても、この事業の対象となるのかどうか確認をしたいと思っております。法人が連携している医療機関に事前に契約などしなくても、そういったPCR検査を行ったときの費用というのはこの対象になるのか、事前に契約を行う必要があるのかも伺います。

○梶野高齢者施策推進担当部長 新型コロナウイルス感染症対策強化事業では、都の協力事業者である検査機関に限らず、施設が独自に依頼をしました医療機関や検査機関で行った検査も対象となります。
 また、契約の有無は問わず、検査に要した費用を補助対象としておりまして、契約をしない場合には、施設が検査費用を負担したことを証明する書類がある場合に補助対象となります。

○藤田委員 提携する医療機関が実施する検査についても、施設内で陽性者が発生した際に、迅速な封じ込めのために行った場合の費用は、補助の対象となるということが分かりました。
 高齢者施設にウイルスを持ち込まないために、職員への集中検査を行ったり、答弁にあるように、一人発生したときに迅速に封じ込めができるよう検査への補助を行ってきておりますけれども、それでもウイルスの感染力が高いために、クラスターが防ぎ切れていないというのが現状です。
 東京都高齢者福祉施設協議会新型コロナ対策委員会が報告した、昨年九月に実施した新型コロナ第七波における感染状況把握調査結果によりますと、高齢者施設では、感染が確認された施設のうち、半数以上がクラスターとなっているということが分かります。そして、このコロナ対策委員会は、新型コロナウイルスの感染力、伝播力の特性を考慮すると、入所施設での施設内療養はリスクの高い状態であると報告しています。
 この指摘をどう受け止めますか。

○梶野高齢者施策推進担当部長 施設内療養を実施するには、施設内における感染対策の徹底、療養の質及び体制の確保等が必要でございます。
 そのため、都は、感染予防に必要な衛生資材や人件費等の掛かり増し経費及び施設内療養に伴う通常のサービス提供では想定されない費用負担への補助を行ってまいりました。

○藤田委員 施設内療養への支援を行っているということです。
 そのような支援は、現実的には必要なものでありますが、それで安心して施設内療養できるということにはなりません。ゾーニングを想定してつくっておりませんし、医療体制も一般的には弱い高齢者施設で療養するというのは極めて困難です。
 東京都高齢者福祉施設協議会調査では、施設内療養により施設内での感染者数が増加する傾向があるということや、従業員の感染により必要とされる人数を確保しにくくなる実態もあったとしています。また、感染していない入所者、非感染者においても、生活に支障を来していることがうかがえるという課題を示していらっしゃいます。
 施設内療養をさせない対策が必要ではありませんか。

○関口感染症対策部長 高齢者施設等で感染者が発生した場合、医師が患者の症状や生活環境を変えることに伴う心身への影響などを踏まえ、総合的な判断の下、療養方針を定めることとなります。
 都は、施設内療養を行う際に、施設が適切な対応を行うことができるよう、施設内療養を行う施設への補助や往診体制の確保の取組などを実施しております。

○藤田委員 施設に往診する事業があるとはおっしゃいますが、そのことで、感染拡大を防げたり、ほかの入所者の生活を制限しなくていいとはなりません。できるだけ施設内療養しなくていいように都が対応することを求めておきます。
 そのために重要な役割を果たしているのが、高齢者等医療支援型施設です。
 高齢者等医療支援型施設の半数以上は、第八波の時期、昨年十二月以降に設置されました。この施設を設置した目的や意義について具体的に伺います。

○小原酸素・医療提供ステーション担当部長 高齢者等医療支援型施設は、オミクロン株による感染拡大に伴う医療提供体制への負荷を軽減するため、重症化リスクが高い高齢者等の受入れ枠を拡大して病床を補完する施設として設置し、五類移行後も、八つの施設の運営を当面継続することとしております。

○藤田委員 医療体制への負荷を軽減するため、高齢者を受け入れる病床を確保したということでした。
 高齢者施設の利用者がコロナ陽性になった際に受け入れてくれたということで、特別養護老人ホームの施設の職員の方からは、大変ありがたかったというお話を伺いました。我が党の代表質問に対して、知事は、高齢者等は重症化リスクが高いことから、高齢者等医療支援型施設の運営等を当面継続すると答弁しました。
 当面継続という答弁だったんですが、その当面というのはいつまでを想定しているのでしょうか。コロナの流行が終息するまで継続すべきと考えますが、いかがですか。

○小原酸素・医療提供ステーション担当部長 国の方針では、高齢者等医療支援型施設を含む臨時の医療施設は、五類移行後、都道府県が高齢者等の受入れ、緊急搬送への対応等のため特に必要であると判断する場合は、医療施設として当面存続できるとされております。
 今後の運営につきましては、感染状況、医療提供体制の状況、国の方針等を踏まえ、適切に判断してまいります。

○藤田委員 ぜひとも、特に現場の状況を見て判断していただきたいと思います。
 今のところ、高齢者等医療支援型施設の必要性は低下していません。高齢者等を守るため、減らさずに存続させることを強く求めるものです。
 次に、要求資料の2をご覧いただきたいと思うんですが、コロナ以前の二〇一九年五月の救急搬送困難事例、東京ルールの適用になった事例件数が示されているんですが、これは五月というので、直近のところで似たようなところを取っていただいたんですけれども、一週間で百二十から百七十件程度という東京ルールの件数になっていました。
 ところが、次のページ、資料の3ですけれども、ここの五月の部分を見ていただきますと、これは今年の五月なので先月のことなんですが、このときの東京ルールというのは週に六百件前後になっています。この時期は、感染がピークの時期ではありませんが、コロナ前の五月と比べて、東京ルールは約四倍の件数に増えているということです。
 二〇二一年の東京都保健医療計画中間見直しでは、救急搬送に占める東京ルールの件数について記載があります。目標は下げるとなっているんですけれども、二〇一六年の全体の救急搬送に占める東京ルールの件数の割合が〇・九六%だったのに対して、二〇一九年は一・二七%に、この計画中間見直しを見ると増えているんです。
 直近は何%になっていますか。また、どのようにこの東京ルール事案を減らそうとしているのか、お答えください。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 東京ルール事案の発生割合でございますが、令和四年は七・二九%でございました。
 都は、新型コロナ疑い救急患者の東京ルールの運用や救急患者受入れコーディネーターの増員などを行い、救急患者の迅速な受入れ調整を進めてまいりました。
 今後は、医療従事者用の防護具購入費や診察室の消毒経費等を支援する救急・周産期・小児医療体制確保支援事業につきまして、新型コロナ疑い救急医療機関や救命救急センターなどに限定していた補助の対象を、発熱など感染が疑われる患者を診療する全ての救急医療機関に拡大し、救急患者の受入れ促進を図ることとしております。

○藤田委員 感染対策の経費を支援、また、それを広げるということは重要です。ただ、それだけでは東京ルール事案を減らすということは困難です。五類に移行したとしても、ウイルスの性質は変わらないわけですから、医療機関での対応というのは、五月七日以前と同じように、とても時間がかかる状況になっています。医療体制全体の抜本的な強化が必要です。
 同時に、救急患者の受入れという点でも、高齢者等医療支援型施設は役割を果たしています。救急隊からも、高齢者等医療支援型施設が受け入れてくれたということで、非常に助かったという声を伺っています。
 この高齢者等医療支援型施設が受け入れたケースで、救急からの受入れという方の人数は延べ何人でしょうか。

○小原酸素・医療提供ステーション担当部長 高齢者等医療支援型施設八施設のうち、六施設におきまして、二十四時間救急要請に対応いたしております。
 令和五年五月末日までの救急からの受入れ人数は、六施設合計で五百六十七人でございます。

○藤田委員 六つの施設で救急からも受け入れているということで、重要です。ただ、それでも東京ルールは依然として多いままとなっています。この点からも、高齢者等医療支援型施設を減らせる状況ではありません。存続させることが重要です。
 さらに、医療体制を維持する上では、医療機関においてもクラスターを最小限に抑えるかが重要となってきます。もしクラスターが発生すれば、新たに入院する患者を制限するため、救急の受入れを制限せざるを得なくなります。退院予定だった患者が退院できなくなることもあって、その後の予約入院も延期になります。
 医療機関でのクラスター発生の影響をどう考えますか。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 院内感染が発生した場合、感染拡大を防止することが重要でございまして、都は、消毒や個人防護具の購入など、院内感染拡大防止に要する経費の補助をしてございます。

○藤田委員 経費を補助しているということです。
 しかし、先ほどもお話ししたように、ウイルスの感染力が非常に強いので、そうした対策だけでは院内のコロナウイルスの感染拡大を防ぎ切ることはできません。そのため、少なくない医療機関では、一人感染者が発覚すると速やかに幅広くPCRなどの検査を行って、感染の広がりを最小限に抑える対応を行ってきました。しかし、五類に移行したということで、そうした検査も患者の自己負担が発生するということになって、迅速な検査が行いにくくなるという声を伺いました。
 都が保健所に発出した五月十二日の事務連絡、新型コロナウイルス感染症に係るサーベイランスの実施について(依頼)には、重症化リスクが高い者が多く入院、入所する医療機関、高齢者施設、障害者施設内でコロナ陽性者が発生した場合、周囲の者への検査については、保健所が公衆衛生上必要と認めた場合は行政検査となり、費用は都が負担しますと記載されています。院内クラスター防止のための検査は、患者負担の生じない行政検査とし、実施しやすくするべきです。
 医療機関でのクラスターを最小限に抑えるためには、検査に係る患者の自己負担の発生は大きな課題だと規模の小さな医療機関からは意見が寄せられています。厳しい医療体制をいかに支えるのかが行政の役割だと思います。現行で活用できる制度をフル活用し、都として、都内の医療体制の維持を図っていただくよう強く要望いたします。
 命を守る上では、重症化リスクの高い方などが適切にコロナ治療薬の治療を受けられるようにすることも大切です。しかし、ラゲブリオやパキロビッドは速やかに投与する必要がありますので、症状がある場合には早期に確定診断する必要があります。確定診断するためには、医療機関でのコロナの検査が必要ですが、五類に移行して以降、症状があるにもかかわらず、お金がかかるから結構ですという方が増えているのが実態です。
 重症化予防が必要になった方にもかかわらず、経済的な理由で必要な治療が受けられないという事態はあってはならないと思いますが、いかがですか。

○関口感染症対策部長 新型コロナの五類移行に伴いまして、発熱等の患者に対する検査については、他の疾病との公平性を踏まえ、自己負担分の公費支援は終了されました。
 一方で、重症化リスクなどがあり新型コロナ治療薬の投与が必要な場合、その薬剤費は全額が公費支援の対象とされており、外来医療費の自己負担額はインフルエンザと同等の水準に抑えられております。
 なお、生計困難者が経済的な理由によって必要な医療を受ける機会を制限されることがないよう、社会福祉法の規定に基づきまして、病院や診療所を開設している社会福祉法人などが無料低額診療事業を行っております。

○藤田委員 無料低額診療事業を行っている医療機関、これは本当に限られておりまして、身近な地域にあるとは限りません。やはり外来においても、五類移行に伴う対応のために患者の自己負担が発生し、対応の遅れが生じかねない原因になっていると思います。必要な方が速やかに検査ができるようにするために、コロナ検査の自己負担分を公費で補助するよう国に要望していただくことを求めておきます。
 自己負担を理由に検査を受けない方が増えているということは、感染の状況の把握にとっても影響しています。
 都は、定点医療機関として定めた医療機関での一か所当たり患者数を感染動向についてのモニタリング項目にしています。しかし、症状があっても受診しない方も多く、受診しても検査を受けない方が増えている現状では、定点把握している人数も五類移行前と単純に比較できるものではないと考えますが、いかがですか。

○西塚新型コロナウイルス感染症対策担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症は、五類感染症に位置づけられたことに伴い、感染症法第十四条に基づく定点把握疾患として、定点医療機関からの報告により、患者の発生状況及び動向を把握することとされています。
 都では、五類移行後においても、対策に必要な流行状況等を重層的に把握する体制を構築しており、専門家における分析、意見を踏まえ、都民に対し情報提供、注意喚起を実施しております。

○藤田委員 東京都医師会の猪口副会長は記者会見で、調子が悪くて医療機関にかかって、検査をお願いしても、費用が発生するので患者さんに断られ、定点把握の数字が実際より下振れする傾向があると指摘しています。こうした指摘も考慮して、都民への情報発信を知事の会見なども含めて行っていただきたいと思います。
 最後に、病床確保料がなくなることについて伺います。
 医療機関がコロナ病床を確保した際、現在は空きベッドに対する補助金が出ていますが、九月末までとされています。五類に移行され、幅広い医療機関でコロナ患者を受け入れられる体制に移行すると都はいっているのですが、医療機関の入院対応は、コロナ禍で延期していた手術や検査など、一般医療の患者へと切替えが進んでいます。その理由は、患者のニーズがあるということとともに、空床、病床を空けておくと経営に影響するからです。
 病院は、利益を上げようとして経営しているわけではありませんが、病床が空いていることによって、今の診療報酬では収益が下がる仕組みがあるため、倒産するわけにはいきません。このままでは、障害のある方や小児、妊婦、透析患者、認知症の方など、受入れが困難な患者がコロナにかかった場合に、受入先が見つからないという事態を招きかねません。
 九月までとしているコロナ患者受入れに向けた病床確保料の補助は、十月以降も続けることを求めますが、いかがですか。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 病床確保料につきましては、国の方針に基づきまして、今回の補正予算案で本年九月までの経費を計上しているところでございます。

○藤田委員 これについてもやっぱり国の方針に基づいてということなんですが、現場の意見や患者さんの状況などについても把握した上で、政策を判断していただきたいと思います。
 今後、コロナ感染の拡大によって再び救急医療の逼迫が起こるおそれがあります。国が補助金を打ち切ったからといって、都もそのまま容認するのではなく、医療現場や弱い立場の方の意見をしっかり受け止めて、都として必要な支援を行うべきです。
 五類に移行したとしても、医療現場と介護施設、また福祉施設での対策は、緩めることはできません。むしろ五類に移行して、世の中は緩和される中で、医療や介護の現場の皆さんは、プライベートも含めて、緊張感を強めないといけない状況になっています。こうした現場の職員の努力が報われるためにも、国や東京都がどのように守り支えるかが問われています。
 今回の補正予算は、そうした立場から見れば極めて不十分であるといわざるを得ません。医師や看護師などの職員や保健所の体制といった大本の体制強化も強く求められています。改めて、現場の実態をよく把握して対策を講じるよう強く求め、質問を終わります。

○内山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十八分休憩

   午後三時十六分開議

○内山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○竹井委員 私からは、物価高騰緊急対策事業について伺います。ちょっと重複するところもあるんですが、短めに終わりますので、ちょっとご容赦ください。
 昨年の医療機関物価高騰緊急対策事業の支給対象は、病院、病床を有する診療所でしたが、今回は病床を有しない診療所、助産所、歯科診療所、施術所に拡充をされました。
 まず、拡充された理由について伺います。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 今回の補正予算では、物価高騰が継続しておりますことから、物価高騰の影響を価格に転嫁できない診療報酬等により運営されている施設を幅広く対象とすることといたしました。
 昨年度の病院及び有床診療所に加え、無床の診療所、歯科診療所、助産所及び施術所に対しても支援金を支給することといたしました。

○竹井委員 食材費、光熱費高騰分の計算方法については、どのようになっているのか伺います。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 食材費は、入院時食事療養費に消費者物価指数の伸び率を乗じ、また、光熱費は、病院や有床診療所等は一床当たり、無床診療所や歯科診療所等は一施設当たりの平均的な光熱費に、同じく消費者物価指数の伸び率を乗じ算出をしております。

○竹井委員 前回対象でなかった薬局をここで新たに加えた背景について伺います。

○早乙女食品医薬品安全担当部長 薬局は、国により定められている調剤報酬を主な収入源とし、患者から物価高騰分の費用を上乗せして徴収することはできません。
 物価高騰による影響が継続する中、薬局の安定的な経営が懸念されることから、国の臨時交付金を活用し、光熱費の高騰に対する支援金を支給することで、薬局の負担を軽減することといたしました。

○竹井委員 六月に電気料金が値上がりをし、東京電力管内では一四%の値上げということになりました。政府は負担軽減策を講じたわけですけれども、九月の使用分までです。軽減策が終了すれば、値上げは免れないということになります。
 今後も継続して支援が必要だというふうに思いますけれども、ご見解を伺います。

○山本企画部長DX推進担当部長兼務 今回、補正予算案として提案した医療機関等への物価高騰対策につきましては、国の通知に基づきまして、緊急対策として、国の臨時交付金を活用し実施するものでございます。
 今後とも、事業者等への支援につきましては、国の動向を注視してまいります。

○竹井委員 本事業は、先ほどお聞きしたとおり、価格転嫁ができない公定価格の診療報酬を主な収入源としている医療機関等に支給されていて、前回は、同様に価格転嫁ができない事業であるのに対象外となっていた医療機関等にも今回は支給をしたということは、現場からの要望にも応えた形となりますので、評価をするものです。
 しかし、先ほど申し上げたとおり、今後もこの状況はしばらく続くものと思いますので、継続的かつタイムリーな支援が不可欠となると考えます。国の動向を注視するのみならず、〇一八サポートの開始に当たって知事が力強くおっしゃったように、国がやらないから都がお手本を示す、この精神で臨んでいただきたいというふうに思います。
 次に、新型コロナ感染症対策について意見を申し述べます。
 千二百日に及ぶ闘いであったと知事からお話がありましたが、この間の対策については、この難しい対策に当たってこられました職員の皆様に、私の立場からも御礼を申し上げたいというふうに思います。ありがとうございます。
 都議会立憲民主党はこれまでも、また先日の代表質問におきましても、医療提供体制の確保や救急搬送の逼迫、特に保健所業務の危機的な状況、また保健所業務はアナログでは追いつかないという実態があるということ等々、そして医療崩壊、また医療機器のメカニズム、様々な観点から検証することが必要であるというふうに述べてきました。
 知事からは、これまでの成果を生かし、専門家からの意見も踏まえ、あらゆる感染症に備えていくとの答弁がありました。これは前向きな答弁のようにも聞こえますけれども、なぜ総括し、検証するという話にならないのかが分からないんです。
 未知のものに向き合ってきたのですから、その時々で、何が正しく何が間違っているか、そういったジャッジは困難であったと思いますし、スピード感も必要であったことは理解ができます。
 しかし、次々と打ち出してきた施策の効果測定や検証をデータに基づいてしっかり行わなければ、今後、新たな感染症危機が起きたときに、せっかくの経験値が生かされない場面が出てくるのではないかという危惧をするものです。
 今も感染者数が増加傾向にあって、コロナ禍との闘いが終わったということは決していえないと思いますけれども、この五類移行というフェーズを捉えて、改めて総括と検証を求め、私の質問を終わります。
 以上です。

○上田委員 まず、東京都児童相談所条例の一部を改正する条例におきまして、葛飾児相の件でございます。
 このたび、足立児相から葛飾区へ児童相談所が移管されることとなります。足立児相は今年四月に完成して、内容においても、施設、ハード、ソフト面とともに充実、拡充していると思います。
 以前は、一時保護所第三者委員から手厳しい意見も出されましたが、新設前と後の足立児相のその後の状況について伺いたいと思います。

○西尾少子社会対策部長 足立児童相談所の新庁舎は、相談室を以前の三部屋から七部屋に増設したほか、親子関係を観察し、子供への接し方などを助言するための専用スペースを新たに設置いたしました。
 また、併設する一時保護所につきましては、保護定員を建て替え前の二十四名から三十二名に拡大するとともに、第三者委員からの意見書も踏まえまして、子供一人一人のプライバシーを確保できるよう居室を原則個室とするなど、児童が安心を実感できる環境づくりを進めております。

○上田委員 私は、以前の足立児相、二度ほど行きましたけれども、いろいろ都内児相の中で、一番ちょっと殺風景かなという感じで、その前に墨田児相がありましたけれども、子供たちの目線を合わせないために鏡に目張りがしてある、おやつを食べるときも教室スタイルで、真ん前を見ながら黙々と食べさせる、なぜか、机を外側に出されておやつを食べている子もいたり、掃除をしているときの指導も、指導員でしょうか、非常に高圧的な態度で、その後、先ほどいいました意見書が出てきて、驚愕の真実、謎ルールを子供たちに押しつけていたというようなことが判明したわけです。
 何度もいっていますけれども、子供たちは携帯も持たされません。学校の先生、あるいは児相からどこにSOSの電話、それも、一応手紙があるといっても、それだって書けない低学年の子はどうするんだという課題がまだまだある中、少なくとも風通しがいいような環境に半歩、一歩進んだのかなというふうに期待をしているところであります。
 江戸川児相は、もうそういった目張りもなくなって、おやつやご飯を食べるときはみんなで食べるというような配慮がなされているところであります。
 一方、葛飾区の事案については、今後、区児相へ案件を移管するので、足立区一区だけの対応となるんだと思うんですけれども、なるのでしょうか。資料一七ページです。葛飾区は今まで千二百平均ぐらいで、足立区は年間二千五百平均ぐらいを推移していたと思いますが、足立区においての区児相開設の予定はあるのかないのか。量的には実際減りますよね、三分の二ぐらいになりますよね。その分はほかの地域の事案を受けるのか、その場合はどの地域を想定しているのか、数字に基づいて具体的な想定を伺います。

○西尾少子社会対策部長 今回の条例改正案では、葛飾区の児童相談所設置に伴いまして、本年十月一日より、足立児童相談所の所管区域から葛飾区を除き、所管区域を足立区一区とすることとしております。
 児童相談所の設置につきまして、足立区の見解は、都や他区における児童相談所の設置動向を注視しつつ、児童相談体制の構築を進める方針としております。
 また、管轄区域につきましては、令和三年七月に発出された国の政令等によりまして、管轄人口が百万人を超える児童相談所は見直しが求められており、区部に所在する児童相談所につきましては、今後、特別区の設置計画も確認しながら検討することとしております。

○上田委員 葛飾区児童相談所ができることで、足立児童相談所の管轄人口は適正化されるという理解でよろしいでしょうか。

○西尾少子社会対策部長 葛飾区が児童相談所を設置することで、足立児童相談所の管轄人口は約七十万人になりまして、政令等で示されました百万人を下回ることとなります。

○上田委員 人数的にはほぼ適正化されたということで、質の方のグレードアップをお願いしたいところですが、足立区としては、新たに区児相をつくるインセンティブ、やっぱり一区対応となるとなくなるというわけですよね。足立区もそうですが、練馬も江東も、都児相がほぼ区児相状態で利用できることになってしまうということになります。
 一方、我ら江戸川区とか荒川、世田谷、中野など、もう区児相があるところは、各区が財源の負担をしているということで、その辺が不公平感が出ることから、何がいいたいかというと、区児相、頑張っているところに、物心ともの配慮や支援を今後もお願いしたいということを申し添えておきます。
 令和五年度六月補正予算についてです。
 コロナウイルスワクチン副反応相談センターのこれまでの実績は、資料一八ページの9、十一億円の予算になっております。
 副反応の症状について相談を受けた実態や、コロナに係る、知事も名を連ねるものも含め、都庁における各会議体や都の所管事業での研究を踏まえた代表的な症状はどのようなものだったのでしょうか。また、その都政医療事業に係る対策、区市町村など地域での対応への支援の現状について伺います。

○内藤新型コロナウイルスワクチン担当部長 新型コロナウイルスワクチン副反応相談センターでは、二十四時間三百六十五日、接種後の副反応に関する都民の相談を受け付け、保健師、看護師などが専門的立場から助言を行っております。
 令和三年三月から令和五年五月までに副反応相談センターに寄せられた相談件数は二十七万七千百九十六件であり、相談された主な症状は、発熱、接種部位の痛み、倦怠感などでございます。
 症状のある方に対しては、症状や程度に応じて、地域の医療機関の受診を勧めるほか、必要な場合には、区市町村が申請窓口となる予防接種健康被害救済制度を紹介しております。
 また、副反応相談センターの相談件数の推移や主な相談内容、対応状況など、ワクチンチーム会議を通じて区市町村に情報提供しております。

○上田委員 知見の共有ができていると。そして、二十七万という数字は大きく都民が利用していただきまして、資料にはありますけれども、不安などにも対応していることが読み取れました。
 こちらの専門診療相談窓口、多分そこに電話して専門診療相談窓口に行かれると思います。これ、六千四百万円の予算が今回ついております。資料は一九ページになっておりますけれども。
 この結果、どのように地域医療に結びつき、あるいは結びつけ、新たな課題発見に至ったか伺います。

○内藤新型コロナウイルスワクチン担当部長 都は、副反応専門診療相談窓口として、二次保健医療圏に一か所ずつ、計十三か所、総合的な診療が可能な医療機関を確保しております。
 これらの医療機関では、地域の医療機関等の紹介により受診や電話相談が可能であり、これまでの実績は、令和三年四月から令和五年五月までで三百三十二件となっており、症状に応じて適切な診療科で対応しております。

○上田委員 二十七万分の三百三十二ということですから、数字にやっぱりこれ表れるかなと。医療に結びつくのは二割もいかないかなというふうに見ております。
 センターと窓口の受注者の決定経緯、メディカル・コンシェルジュですけれども、こちら改めてご説明の上、こちらの実績、課題に係るご評価を伺います。

○内藤新型コロナウイルスワクチン担当部長 副反応相談センターは、複数の事業者による競争により事業者を選定しており、専門的な知識を持った看護師などが相談者に寄り添った丁寧な対応をしております。
 また、副反応専門診療相談窓口は、二次保健医療圏に一か所ずつ、ワクチン接種による副反応について総合的な診療が可能な医療機関に設置しており、専門的な相談にきめ細かに対応しております。

○上田委員 十三か所ですね、その二次医療機関。ちょっとうちからだと遠いんですけど、江戸川だと東京女子医大の足立医療センターということになっております。
 やっぱり、この二十七万件の問合せと三百三十二件の医療機関への、何というんですか、引継ぎといいますか、つないだということで、接種率アップに貢献したとも読み取れます。
 そして、全国、世界でも死亡事例が明らかになって、国でも死亡事例をワクチンによるものと認める方向性になってきているところでございますし、賛否があって、多分委員の皆様も打つ方、打っちゃ駄目な方で、皆さんも苦労されたと思いますけれども、いずれにせよ重症化に歯止めをかけたと。このセンター、相談、そして医療に結べるところを評価したいというふうに思っております。
 また同様に、後遺症対策、一千三百万円が計上されております。
 国内外の知見を集積した情報発信を具体的にどうしているのか。開業医や医療機関への理解促進、啓発も注視しているところです。
 知事も名を連ねるものも含めて、都庁における各会議体や都の所管事業での研究を踏まえた代表的な症状はどのようなものだったのか、ご説明の上、区市町村も含めた対応策、前述した情報発信、理解促進についても具体策を伺います。

○村本東京感染症対策センター担当部長 都はこれまで、東京iCDCの専門家の助言を得て、都立病院における症例データを分析し、強い倦怠感やせきなどの代表的な症状等を紹介した後遺症リーフレットを作成の上、モニタリング会議等を通じまして、都民に幅広く発信してまいりました。
 また、医師や看護師、都内保健所職員等を対象とした東京iCDCの専門家による後遺症研修会を定期的に開催するとともに、後遺症対応医療機関のリストを毎月更新し、区市町村等と共有しております。
 今後とも、後遺症診療に係る最新の知見や国内外の研究内容等に関する情報を提供してまいります。

○上田委員 東京都は、いろいろ外郭団体、研究機関を持っております。区市町村、当然、地元、地域の医師会連携、あるいは、なかなか怠け病と判断されてしまって、会社も休みづらいという声も聞いているので、産業労働局等とも連携を図っていただきたいと要望をしておきます。
 集団接種です。約二十億円の予算がついております。二一ページの資料で、百九十万回ということでありました。
 各基礎自治体及び医療機関でかなりワクチン接種ができている中、大規模ワクチン接種会場の都民需要がどの程度、現在あるのでしょうか。あわせて、当面続けなければいけない数値的、科学的根拠をご説明ください。

○内藤新型コロナウイルスワクチン担当部長 都はこれまで、都内各所に大規模接種会場を設け、早期接種を促進するとともに、感染症蔓延リスクの高い大都市の特性を踏まえ、都民に加えて、都外から都内の企業や大学等へ通勤、通学される方も接種対象とし、感染拡大防止に努めてまいりました。
 国は、重症化予防を目的として、令和五年度も無料の特例臨時接種を継続することとしております。
 そのため、都は、区市町村での実施が少ないノババックスワクチンの接種や従来型ワクチンによる初回接種、土日における接種を行うほか、接種会場への移動が困難な方が入所する高齢者施設や奥多摩地域等にワクチンバスを派遣し、重症化リスクの高い方等への接種機会を提供してまいります。

○上田委員 何かイメージする大規模会場で広く借りるというよりは、区市町村とすみ分けをして、土日とか、奥多摩地域や高齢者、重症化リスクということで、すみ分けをしながら集団接種事業を続けるということを確認いたしました。
 コロナ相談センターですが、一万三千件のご利用があった。こちらはちょっと額が大きくて二百五億円ということです。
 同じく区市町村、保健所、各医師会、地域医療でも大分対応ができるようになってきた中の、都の相談センターにおける役割分担も変わってきたと思料いたします。
 現在どう対応し、今後どうしていくのか、二百億ですので、ご説明いただければと思います。

○加藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、五類感染症への移行後も、不安を抱える都民からの相談に対応いたしますため、東京都新型コロナ相談センターを開設いたしました。
 当相談センターでは、医療機関の案内、療養期間等の説明及び健康相談など、幅広い相談に対応しております。
 今後も、相談件数や感染状況を踏まえて回線数を設定するなど、相談体制を確保しながら適切に対応してまいります。

○上田委員 多くの区市町村もリンク先は東京都の相談センターというふうになっていて、集約して、場合によって元に戻すということの連携が図られているのかと思いますが、今後も、地域移行の方向性を持つようにお願いしたいと思います。
 障害者、高齢者福祉施設におけるコロナ対策全般において、五類移行、その前と優先課題が当然変容していると思いますので、その所見をお伺いします。

○関口感染症対策部長 五類感染症に移行した中、都民の不安を招かないよう、高齢者や基礎疾患のある方などリスクの高い方々を守りながら、平時の医療提供体制へ段階的に移行していくことが重要でございます。
 そのため、都は、高齢者施設や障害者施設の職員に対する集中的検査を当面継続するなど、引き続き施設の感染対策を適切に支援してまいります。

○上田委員 やっぱり介護と障害者福祉というと、預けられないことでの家族の負担が増える、そして入所施設だと会えないことによって、ご家族のまた精神的負担が増えるという中、五類移行に、何とか元どおりに運用していくような形になりつつあるということ、しかしながら引き続き油断なく対応するということでありました。
 妊産婦総合対策事業、寄り添い支援、これは一億一千万円ということで、三百八十八件のご相談があった。
 不安というと、やはり漠然としておりますけれども、精神的に安心いただくサポートと喫緊の医療的支援は別々にしていると考えております。相談が来てから両者をどのように判断し適切な支援に結びつけていったのか、実績を踏まえご説明してください。
 また、これらの実績から、この事業をどう続けるのか、例えば通常の区市町村が行う母子保健事業などに吸収していただくというようなことがないのか、短中期的な見解を伺います。

○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、不安を抱える妊産婦や新型コロナウイルスに感染した妊産婦等に対しまして、助産師や保健師が電話や訪問により相談に応じる寄り添い型支援を実施しております。
 支援に当たりましては、不安や悩みを傾聴し、健康管理や育児に関する専門的な助言等を行っており、相談内容によっては医療機関への受診を勧奨しております。
 また、必要に応じて区市町村への引継ぎを行っておりまして、令和四年度は、相談の総件数三百八十八件のうち、引継ぎを行ったのは四件ございました。
 本事業は、新型コロナの五類移行後も当面継続すべき事業と位置づけておりまして、令和六年三月までの実施を予定しております。

○上田委員 ワクチンとか接種の相談というのは、恐らく二十万とか、それから万とか超えるので、ちょっと区市町村に戻すと大変かなと思うんですが、こちら三百八十件ぐらいでございますので、これだったらちょっと区市町村にお願いした方が——というのは、母子保健って、お子さんとお母さんをよく把握していらっしゃるので、また、二次的なほかの問題にもつながっていくことがあるかと思うので、そこら辺も留意していただきたいというふうに思っております。
 次に、十四億円、感染症診療機関等施設設備事業でございます。
 東京都はいろいろと、病院、頑張ってコロナの患者さんを診てくれるところに様々な支援を提供しているところですが、コロナ禍当初から、今をもっても、発熱外来等に熱心に取り組んでくれるか、いまだに拒否をするか、開業医の対応にかなりの濃淡があります。コロナ対策の事業所支援補助、いわゆる施設インフラの補助を積極的に受けているのに、疑い患者受入れに消極的な開業医についての苦情相談は、今をもって枚挙にいとまがございません。
 施設整備の支援は受けても患者は拒否されているようでは、事業の本来の効果が生み出されないことから、このような消極的な開業医や医療機関への対応をどのようにしてきたのか、していくのか伺いたいと思います。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、新型コロナウイルス感染症の五類移行に伴いまして、都内医療機関に発熱患者等の診療に対応する外来対応医療機関への登録と、かかりつけ患者以外にも診療を拡大するよう、東京都医師会とも連携して働きかけてまいりました。
 また、外来対応医療機関に登録されていない診療所を対象に、パーティション等の設備整備費の補助を行うに当たりましては、登録の申請と原則として全ての外来患者の診療を行うことを要件としております。

○上田委員 原則としてが玉虫色になっちゃうことが多いので、ぜひ、東京都医師会から区市町村医師会に強く求めるよう、福祉保健局からハッパをかけていただきたいと。予算は福祉保健局が握っているので、そこは強気に出ていただきたいと思います。
 休日小児診療促進事業、七億二千五百万円であります。二十万人ということであります、資料二三ページです、かなりの人数でございました。
 子供の診療についても、そもそも小児科が少ない中で地域的にばらつきがあって、葛西のお子さんなのに葛西では全然診てもらえなくて、うちは篠崎のクリニックまでご案内したということがありました。こういう人、いっぱいありました。
 この事業で課題解消にいかに結びついたのでしょうか。せっかく税金を投資するのであれば、コロナだけではなく、今後、インフルなどほかの感染症や急病にこの事業が寄与することも期待しているところです。
 小児休日医療の促進と子供の命を救う医療施策としての実績と、今後どう休日診療拡充に結びつけていくのか伺います。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、十五歳未満の発熱患者が診療を行う医療機関の少ない休日においても速やかに受診ができるよう、コロナ診療を行った医療機関に対して謝金を支払う事業を令和四年度から実施しておりまして、同年度の受診件数は延べ二十万八千八百七十件でございました。
 発熱患者等の増加が見込まれた昨年十二月から本年三月までは、本事業の対象を、それまでの診療・検査医療機関だけでなく、小児科を標榜する全ての医療機関に拡大して、発熱等の症状がある小児患者を広く対象としてまいりました。
 再び感染拡大などにより受診を希望する小児のコロナ患者の増加が見込まれる場合、本事業を実施するために必要な経費を今回の補正予算に計上しているところでございます。

○上田委員 先ほど共々、小児科医の意識をちょっと高めて、頑張っている先生もすごくいるんですけれども、お願いをしたいと思います。
 本当に、なぜか金曜とか土曜の夜から具合が悪くなるんですね、子供っていうのは。また、土日頑張っているお医者様を何となく地域の医師会ではオミットされるような風潮も長年ありましたので、そういうところも含めて、頑張るお医者様を評価していただきたいと思います。
 オンライン発熱等診療センターの診療実績についてでございます。資料を見ますと、五千九百八十五人、八億六千万円の予算です。
 同事業は、新型コロナの感染拡大による外来逼迫等に対応するため、昨年十二月に開始した経緯があり、基本的にコロナ確定診断前で発熱等の症状がある患者さんを対象に、外来にかかりにくいときに利用していただくものとして実施されてきたようです。
 したがって、コロナ陽性で自宅療養となった方のフォローは、こちらのオンライン診療ではなく、五類移行前はフォローアップセンターで実施をするということでした。また、五類移行後は確定診断済みの方も受診対象に加えていますが、オンライン診療では、フォローアップセンターで行っていたような対応までは特段行っていないとのことです。
 これは、提供側である都は分かっていても、相談する方としてはなかなか分かりづらく、都だけではなく区市町村、開業医なども対応している中ですが、今回も少なからぬ予算を計上しているわけですが、私個人としては、いつまでも都が抱え込まず、役割分担や権限、財源を区市町村に移譲していくべきと考えますが、所見を伺います。これ、窓口が多ければ多いほど都民は戸惑うし、コストがかかるという趣旨からの確認をさせてください。

○加藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 臨時オンライン発熱等診療センターにつきましては、感染が再拡大した場合に備えて機動的に対応できる体制を維持いたしますため、今回の補正予算案に必要な予算を計上しております。
 今後でございますが、感染状況に応じて専門家の意見を踏まえ、医療提供体制の状況を見極め、都として、外来医療の逼迫が懸念されると判断する場合に実施することを予定しております。

○上田委員 様子を見ながら伸び縮みするための予算、必要な予算ということでありました。
 今回も入院調整本部の委託運営費、二億円が計上されております。
 事業者は、令和四年一月七日に第六十七回都新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し、入院調整本部にて委託事業者を活用し、選定は、令和四年一月、四月、六月の三回行っていて、いずれも保健師資格または看護師資格を有する者、病院での医療事務の経験がある者などが、患者情報の聞き取りや医療機関との調整業務等に従事可能な複数事業者による競争見積りまたは希望制指名競争入札で決定していることは確認しておりますが、改めて事業者名を明らかにされ、これまでの評価と課題、契約期間なども知りたく、詳細をご説明ください。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 現在の委託契約では、日中の入院調整業務は四月から六月末まで、夜間入院調整業務は四月から七月一日までが契約期間となってございます。いずれも複数の事業者による競争により、株式会社メディカル・コンシェルジュと契約を締結しているところでございます。
 都は、四月に策定した移行計画に基づきまして、本年九月末までの移行期間中、症状の重い中等症Ⅱ以上の患者や、透析、妊婦などの特別な配慮が必要な方に重点化して入院調整本部による調整を継続しておりまして、当該事業者は適切に入院調整業務を行っております。
 今回の補正予算案におきましては、七月から九月末までの三か月分の委託運営費を計上してございまして、今後とも適正な契約手続を行ってまいります。

○上田委員 メディカル・コンシェルジュで今回もいくということでございました。
 酸素・医療提供ステーションの実績が分かるものということで、今まで一万一千人ほどですか、ご利用いただきました。
 この結果を見まして、過不足ない対応が望まれるところですが、現状で充足しているのか過剰になっていまいか、現時点の所見を伺い、その上で、今後どのように維持、継続するか、あるいは縮小するのか、確認をさせてください。

○小原酸素・医療提供ステーション担当部長 酸素・医療提供ステーションでは、病床を補完する施設として、救急要請への対応、重症化を防ぐための中和抗体薬治療などを行っており、感染状況などを踏まえて、規模の縮小や高齢者等医療支援型施設への機能転換など、柔軟に対応してまいりました。
 現在設置しております立川の酸素・医療提供ステーションは、令和五年三月十日から新規受入れを停止し、必要に応じて再開できる体制を維持しておりますが、その取扱いにつきましては、今後の感染状況や医療提供体制などを踏まえて、適切に判断してまいります。

○上田委員 立川に一本化し、臨戦状態であることを確認させていただきました。
 PCR検査でございますけれども、今回、十八億円計上をしております。
 これはまた違う予算であるのは分かっているんですけど、PCR検査の不正請求問題ですが、大阪府で六月に十五業者を対象とした抽出調査だけでも四十二億円を確認して、三百七十業者を対象に調査し、八月中に結果をまとめるという、とんでもない事態に陥っており、都でも六月二日に十一業者、東京都というのは規模も多額になっております。
 今後の調査、詳細の確認、再発防止などについてご説明をいただければと思います。

○及川新型コロナウイルス検査事業推進担当部長新型コロナウイルス治療薬担当部長兼務 都は、全事業者に対して、補助金の交付申請や実績報告などの各段階におきまして、丁寧に審査を行ってまいりました。
 その過程で、感染者数の減少局面にもかかわらず検査実績が著しく伸びているなど、不正が疑われる場合には、現地調査を行うなど厳正に対処しております。
 今後とも、補助金の交付に際しましては審査を適正に行うとともに、不正には厳正に対処してまいります。

○上田委員 報道で発表されたものは、なぜか大阪や和歌山の事業者もいまして、ちょっと大阪の方は事業者がまだ発表されていないので、同一事業者なのかどうかというところも私も留意しますし、福祉保健局の方でもちょっと確認をして、悪質な業者だと思いますので、今後も留意しておいていただきたいと思います。
 抗原検査キットも、ちなみに予算九千六百万が計上されていますが、同様の問題を懸念しますことから、現在の需要を的確に捉えて、過不足ない支援となっているのか伺います。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、昨年夏の第七波において、多くの医療機関で抗原検査キットが不足する事態が生じたため、緊急的に都の検査事業で確保していた検査キットを活用し、延べ二千四百の医療機関に約二十六万回分のキットを有償で配布することによりまして、医療機関の検査が円滑に行えるように支援いたしました。
 昨年冬にはインフルエンザとの同時流行が想定されたため、第七波の実績を基に、昨年九月の補正予算によって検査キットの備蓄予算を確保いたしまして、第八波ではインフルとの同時検査キットも含め、延べ四百七十の医療機関に約五万六千回分の検査キットを有償で配布いたしました。
 今後の感染再拡大に備えまして、現在備蓄している約四十五万回分の検査キットの保管等に必要な経費を今回の補正予算案に計上いたしているところでございます。

○上田委員 足りなくなっても困るし、不正もあっても困るという中、しっかりと管理ができている体制が整っていることと理解をさせていただきました。
 保健所支援体制強化事業、八億二千万円。
 これまでの三年の取組の中で最も重要であったと思いますし、今後も、都だけが抱え込まず、また区市町村に負担を押しつけることなく、財源を担保して支援をする保健所体制強化、こちらはどのように強化をされてきたのか、るる報告をしていただいておりますけど、総括してどのように強化されているのか。
 また、区市町村からの需要はそのときそのときで変わっていくと思うので、どのようなものでどう応えて、今回も、もちろん継続は当然でございますから、しているのか、また、それを踏まえて、短中期的な保健所強化の今後も伺います。

○関口感染症対策部長 都は令和二年度から、区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業を実施しておりまして、新型コロナウイルス感染症対策によって生じる保健所等の業務負担軽減、体制強化など、区市町村が地域の実情に応じた取組を展開できるよう支援してまいりました。
 また、新型コロナの感染拡大に伴いまして、区市からの要望を踏まえ、保健所の増員や応援職員の配置など、感染状況に応じた体制を確保してきたほか、都の広域的な取組といたしまして、自宅療養者フォローアップセンターを設置し、保健所が担っていた自宅療養者の健康観察や相談対応を集約するなど、保健所業務の軽減を図ってきたところでございます。
 今回の補正予算案には、相談対応や入院調整など保健所を支援するために必要な経費を計上しておりまして、引き続き、新型コロナの五類感染症を踏まえた保健所の必要な体制確保を着実に進めてまいります。

○上田委員 コロナ禍が深刻な中、福祉保健局には公衆衛生医師の職員さんがいらっしゃいまして、ある方は保健所長として、ある方は保健所の職員として地域の保健所を支えて、今までの福祉保健局の経験値を現場で生かされ、また都の福祉保健局に戻って、その経験値を生かして、この強化事業があると思います。中も質も変わっていっているものと思料しております。
 ぜひ、現場の区市町村の声を聞いているその知見を、公衆衛生医師職員を中心に、これからも過不足ない支えと、そして、前からいっていますけど、様々な、三年もたちましたので、相談事業とか、母子保健事業とか、合流、合体することで予算も圧縮し、地域に近い基礎自治体がすぐ動けるような体制を支援するという方向に移行していくことをお願いしたいと思います。
 医療、薬局、各福祉現場への物価対策事業は約七十億円。
 こちら、大変に喜ばれると思います。ただ、各事業者レベルまでこの支援制度を活用していただきたいと、だからこそ考えるものです。
 各現場の物価高に苦しむ全体ニーズを把握されているのでしょうか、伺います。そして、この支援制度をどう該当機関に、薬局一つ取っても、クリニック一つ取ってもそうですが、周知して活用いただくのか伺います。

○山本企画部長DX推進担当部長兼務 物価高騰緊急対策は、物価高騰に直面する医療機関や福祉事業者等の負担軽減のため、入所施設の食材費や通所サービスにおける送迎車の燃料費など、施設区分ごとの実態に応じ、支援金を支給するものでございます。
 今回の補正予算では、物価高騰が継続している状況を踏まえ、無床の診療所、歯科診療所や薬局なども支援の対象に加えることといたしました。
 補正予算案成立後、多くの事業者に活用いただけるよう、各事業ごとに対象となる区市町村や事業者等に対し、事業の周知を行ってまいります。

○上田委員 無床診療所と薬局というのは非常に大きいと思います。薬局も、薬不足の中、いろいろ奔走して、地域の患者さんのために薬の調達をして苦労されてきたので、この点は非常に評価させていただきます。
 私個人も、各薬局経営者の皆さんとか、こういう予算が立ったということはお示ししておりますし、都におきましては、薬剤師会とかにもぜひ周知して、一斉ファクスなどしてもらえるようにお願いしたいと思います。
 今回は、まさに五類移行予算というような形で行われました。トライ・アンド・エラーのエラーで都民の命を失ってはいけませんけれども、どうしても本当にあの事業は必要だったのかとか、奇抜なことをどうしても知事がいいがちで、かなり福祉保健局の皆様も振り回された三年間だと思いますが、本当に令和五年、昨年度ぐらいから大分落ち着かれて、手堅い、特に今回の補正予算は、コロナに名を借りたばらまき予算は皆無で、非常に手堅い予算だということで評価させていただきたいと思います。
 おかげさまで五類移行、旅行に都民は楽しみ、そして、入学式も運動会もできるようになりました。子供たちにとっては、特に教育現場は本当に変わったと思います。夏は産業振興の要でもあります夏祭り、様々なところで盆踊りも開催されます。
 そこでどうしても、少しコロナ患者も出たり、インフルも出たりしますけれども、この体制をもって都民の健康を支えていただきたいということで、有効に予算を使っていただきたいという願いを込めまして、私の質問を終わらせていただきます。

○白石委員 日本共産党の白石たみおです。都立広尾看護専門学校の債務負担行為について質問いたします。
 広尾病院と同じ敷地にある都立広尾看護専門学校は、戦後間もない一九四九年に設置がされ、都立看護専門学校の中で最も長い歴史と伝統を持っております。これまでに四千人を超える卒業生を医療現場に送り出してきており、東京の医療を文字どおり支えております。
 現在の広尾病院は、救急医療や島しょ医療など行政的医療を担っております。また、災害医療では区部で唯一の基幹災害拠点病院として位置づけられており、ここでも文字どおり都民の命のとりでとして重要な役割を担っている病院です。
 広尾病院や広尾看学は、竣工から実に四十年以上が経過をしております。つい先日も、救命救急センターの天井から水漏れが発生するなど老朽化が著しく、早急に整備することが必要であるというふうに思います。
 今回の補正予算では、広尾看学の債務負担行為を再度設定し直して、期間が一年延びます。実施方針を見ると、新しい看護学校の供用開始は二〇三四年七月になり、一年と三か月、後ろ倒しにするとしております。
 そこで、まず初めに伺いますが、都立広尾看護専門学校の債務負担行為を再度設定し直さなければならなくなった、この理由を伺います。

○岩井医療政策担当部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 都立広尾看護専門学校と都立広尾病院は、PFI事業として一体的に整備することとしておりまして、昨年度、本整備事業の入札が不調となり、事業期間や事業費を見直した上で再度入札を行うこととなりましたため、必要となる債務負担行為を再度設定するものでございます。

○白石委員 答弁ありました。つまり、PFI事業の不調によって、当初の計画が延びると。そのため、債務負担行為を再度設定し直さなければならなくなったということですね。
 今答弁あったように、広尾病院と広尾看護専門学校は、一体的に整備をしようとしております。なので、広尾病院のことを抜きにして、広尾看護専門学校のことだけを議論しようというのは、どだい無理な話だと思います。
 そもそも広尾病院のPFI事業の不調について、議会には報告も一切これまでありません。PFIを決めるときには、何といっていたか。PFI方式による整備では、解体、設計、建設の各業務を一括発注するため、業務の同時進行が可能となることから工期の短縮も期待ができ、契約不調によるリスクを避けることなどが期待できる、こういう答弁をされましたね。
 多くのメリットがPFIにはあるんだということを宣伝しておいて、不調になった途端に議会には何も報告せず、整備基本計画や実施方針を黙って変更して、手続だけを着々と進めるというやり方は、議会軽視にほかならないと厳しく指摘したいと思います。
 伺いたい。整備基本計画や実施方針が変更されたのに、なぜ議会に説明、報告がないんでしょうか。

○齋藤都立病院支援部長 広尾病院等の整備につきましては、都から事務を引き継ぎました都立病院機構が、PFI法に基づき入札事務を進めております。地方独立行政法人の事業に係る議会への報告事項は、地方独立行政法人法に規定されておりまして、適切に実施してまいります。
 なお、令和五年一月の入札不調を踏まえ、都立病院機構において、技術的な条件を再整理いたしまして、事業者の柔軟な工事手順を認められるよう、軽微な変更として基本計画を一部修正してございます。

○白石委員 今の答弁、つまり独法化されたからやらなくていいんだという答弁でした。とんでもないと思います。独法化された途端に、報告されなくなったという話なんです。
 独法化する前の答弁では、皆さん何といってきたか。私、ずっとやってきました。都立病院機構の重要事項につきましては、議会のチェックを受けながら運営されることになり、都民ニーズを的確に反映した法人運営を行ってまいりますと、このように述べておりました。皆さんもご記憶あると思います。議会チェックを受けながら運営するとしたんです。
 広尾病院のこのPFI事業、整備は重要事項です。だけれども、先ほどの答弁、独法化したからやらなかったんだと。とんでもないと。いってきたこととやっていることが全く違うといわざるを得ない。独法化しても議会の関与はきちんと確保されるという説明とはかけ離れていると厳しく指摘しなければいけないと思います。
 改めて質問です。入札不調を受けて、PFI事業か、それとも従来方式なのか検討し直す、こういう理解でよろしいでしょうか。

○齋藤都立病院支援部長 整備基本計画では、PFI方式がより適した整備手法としておりまして、これは現在も同様でございます。

○白石委員 なぜPFIありきで進めるのか、全く理解ができません。
 今回の不調によって、去年六月に選定されたPFI事業というのは、つまり暗礁に乗り上げたんです。だから、整備基本計画や実施方針を変更せざるを得なくなったんですね。これまでの計画や方針を変更したんですから、当たり前ですけれども、新たな計画と方針という位置づけになるんです。そして、整備手法は検討し直すということになるはずなんです。
 ここでも確認したいと思います。整備基本計画などを変更したんですから、VFMだって計算し直さなければならないと思うんですね。このVFMの計算は、やり直すという理解でよろしいでしょうか。

○齋藤都立病院支援部長 特定事業の選定に向けまして、改めてVFMの算定を行っていく予定でございます。

○白石委員 今答弁ありました。VFMを再算定、計算し直すということを確認いたしました。
 VFMを計算し直すのですから、整備手法の選定だってやり直しに決まっていると思うんです。だって、そもそもPFIというのは、東京都が責任を持って運営するべき都立病院の業務を大手ゼネコンや総合商社などがつくった会社に一括で発注して、東京都あるいは独法の財政負担を削減することが大きな目的です。一言でいえば、PFIというのは都の財政負担の削減をするための手法なんです。
 そして、従来の分離分割発注方式かそれともPFIか、どちらかを選ぶときに最も重視されるのが、今いったバリュー・フォー・マネー、いわゆるVFMです。
 VFM、簡単に説明いたしますと、都が自ら実施する場合のコストに対して、PFIで行った場合ではどのくらい総コストが削減できるのか、これを示すのがVFMです。これを再算定するんだと答弁ありました。
 修正前の広尾病院等の整備事業は、都が行うよりPFI事業の方が総コストを縮減できる、こういう理由でPFI方式に決定されたんです。
 二〇二一年に広尾病院の実施方針を策定したときに、東京都は次のように議会で説明しております。これ修正前ですね。財政負担の縮減やサービス水準の向上等が見込まれ、PFI事業として実施することが適切と判断した場合には、PFI法第七条に基づく特定事業に選定いたしますと述べております。
 つまり、財政負担の縮減となるかどうか、VFMの計算がされた上で、PFI法に基づいて選定がされたということなんです。
 伺いたい。VFMの計算をせずに、今回特定事業として都は既にもう、修正されたものですね、選定したということでしょうか。

○齋藤都立病院支援部長 特定事業の選定につきましては、バリュー・フォー・マネーを算定の上、その結果、PFIによる整備がふさわしいという場合に、今後実施する予定でございます。

○白石委員 今、明確に答弁ありました。だからPFIありきなんていうのは、おかしな話なんです。それを先ほどの質問では、PFIが前提だという答弁を平気でやると。とんでもないと思います。
 いうまでもなく、VFMが計算されずに特定事業の選定などできるわけがないんです。現在の状況は、あくまでも実施方針などを公表したにすぎない。それにもかかわらず、議会で平然ともう決まっているかのように、PFIがもうありきなんだと答弁することはあまりにも不適切であると、だってVFM算定されていないんですから、いわざるを得ない。
 都民の命のとりでである広尾病院の整備に関わることなのに、法律上の手続もないがしろにしてPFIありきで進めることは、断じて許されないと厳しく指摘しなければならないと思います。
 質問を進めます。
 広尾病院の実施方針や整備基本計画を修正したとしておりますが、修正の考え方、説明していただきたいと思います。

○齋藤都立病院支援部長 令和五年一月の入札不調を踏まえまして、都立病院機構において、技術的な条件を再整理いたしまして、事業者が一層の経費削減や工期短縮に向け創意工夫をした提案をできるよう、基本計画を一部修正してございます。

○白石委員 経費削減、つまり物価高騰などによる費用を上積みするのではなくて、経費を削減して広尾病院を整備することを考え方の基本としたという答弁でした。
 経費削減の考え方をどのような議論でまとめたのか、これもきちんと説明する必要があると思うんです。
 そこで伺いますが、PFIの不調後、どの事業者とどのぐらい打合せをしているのか、事業者名、打合せ回数を具体的に伺いたいと思います。

○齋藤都立病院支援部長 入札不調の要因を調査いたしますため、本年二月から五月にかけまして、複数の事業者からのヒアリングを月に一、二回ずつ程度実施をいたしました。

○白石委員 つまり今の答弁だと、事業者とは毎月のように意見交換をしてすり合わせが行われたと。そして、計画や方針の変更がなされたということですね。しかし、その意見交換の内容は公表はされておりません。都民置き去りです。
 そして、先ほどの答弁を聞いていると、軽微な変更なんだと答弁されました。計画などの修正はあくまでも軽微な変更にすぎない、だから議会にも報告をしなくていい、こういう趣旨で先ほど答弁されました。今の答弁を聞いていても、そういう印象を受けました。
 だったら、どのような修正なのか、これまでに議会に報告も説明もされていないので、やはり質問で確認していかなければならないというふうに思います。
 伺いますが、元の計画と何が変更されたのか、変更点を具体的に説明をしていただきたいと思います。

○齋藤都立病院支援部長 従来の基本計画では、外来の一部、医局、院内保育室、災害研修施設、それから患者家族宿泊施設につきまして、工事期間中のみ使用いたします仮設棟に移転することとしてございました。
 今回の基本計画の一部修正では、仮設棟を設置しない提案も可能とするという変更をいたしました。

○白石委員 事業者との打合せを繰り返して変更された整備基本計画の最大の特徴は何か。今ご答弁ありました。仮設棟を造らなくてもよいとしたことです。
 仮設棟を造らないで広尾病院を整備するとなれば——従来は仮設棟がある計画だったんですが、今回の修正は仮設棟を造らなくてもよい。つまり、仮設棟を造らないで広尾病院を整備するとなれば、従来の計画よりも、当然医療スペースが減るということになります。そうなれば、医療現場に大きな影響を及ぼす問題になりかねないと。
 どのようなことが想定されるのか、やっぱりここは具体的にしなければならないと思います。仮設棟を造らずに整備した場合、例えば、外来の面積は当初の計画よりも縮小されるのではありませんか。

○齋藤都立病院支援部長 基本計画では、仮設棟などに外来機能の一部を移転し、フリーアドレス外来を導入するなどして、地域のニーズに応えた診療規模を維持することとしております。このフリーアドレス外来とは、診療各科が診察室を共同で使用することで効率的に外来診療を行う取組でございます。
 こうした新しい取組を導入することで、工事期間中の仮設棟等への外来機能の移転を必須とはせず、既存病院本館の外来診察室の運用を改善することで、地域のニーズに応えることのできる診療規模を維持していく提案も可能としております。

○白石委員 だから、外来のスペースは縮小されるんじゃないんですか。いかがでしょうか。

○齋藤都立病院支援部長 先ほどご答弁申し上げたとおり、地域のニーズに応えた診療規模を維持するということを条件としておりまして、具体的な面積は事業者の提案によるところでございます。

○白石委員 まあ、ごまかしなんです。外来の面積は減らすということを想定していると聞いていますよ。
 実際、修正された実施方針をよく読むと、改修についての部分、部長、知っていると思いますけれども、広尾病院の機能及び規模(外来機能及び病床数等)を縮小した形で運用すると書かれているんです。いかがですか。

○齋藤都立病院支援部長 具体的な各部門の面積につきましては、各事業者の創意工夫による提案により受け付けることとしておりまして、現時点ではお答えはできないと考えております。

○白石委員 何で書かれているのに答えられないんですか。外来機能及び病床数などを縮小した形で運用すると書かれているんです。それをはっきりといわない。
 外来、例えば面積が減りますよとなったらどういうことが起こると想定できるか、外来患者の動線はどうなるかなど、当然、病院現場からは疑問が生じます。医療の質にだって関わる問題です。
 事業者から提案によって、まだ決まっていないんだみたいなことを今答弁していましたけれども、実際もう書いてあるんです。しかも私もそういう説明を受けています。それを答弁でいえない。とんでもない。
 仮設棟を造らずに整備した場合、院内保育室はなくなるんじゃないんでしょうか。

○齋藤都立病院支援部長 今回の基本計画の修正は、事業者の提案条件を整理したものでございまして、院内保育室がなくなることと決定したものではございません。
 なお、都立病院機構では、子育て中の職員が仕事と家庭生活を両立し、安心して勤務を続けられる職場を確立するために、保育料助成制度を設けてございます。

○白石委員 院内保育室はなくなると説明を受けていますよ。でもこうやって答弁できない。まさにとんでもないと。だから議会への報告も説明もしないままこうやって進んできていると。ここに大きな問題が私はあるというふうに思います。
 現場の職員に院内保育室について聞きました。例えば、女性の医師などの確保の上でも重要な環境だと、このようにいっております。
 利用者数の問題じゃないんです。働きやすい環境という視点からむしろ拡充して、例えばシングルでも、誰でも働きやすい環境を整備することが重要であるというふうに思うんです。
 これ、私だけがいっているわけじゃない。例えば谷田次長、答弁で何ていってきたか。院内保育室の充実等による育児と仕事の両立支援など、離職防止に努めていく、院内保育室を充実させることで、離職防止に努めていくんだと議会で答弁してきました。加えていえば、独法化によって働きやすい勤務環境をつくるといっていたことからも、矛盾する計画変更になっているんです。
 改めて聞きます。院内保育室はなくならない、ちゃんと守るんだということですか。いかがですか。

○齋藤都立病院支援部長 まず、院内保育室でございますが、原則として院内に整備することとしておりますが、事業者の様々な創意工夫による提案が可能となるよう計画を改正したものでございまして、必ずしも院内保育室をなくすということではございませんで、その他の病院施設の中を改修して設置するという提案も当然可能でございます。
 なお、本年六月現在、院内保育室の利用職員は一名でございます。

○白石委員 とんでもない答弁だと。一名だからいいかのような答弁です。
 私、さっきいいましたよ、利用者数の問題じゃないんだと。むしろ拡充して、もっともっと働きやすい環境をつくる、それが院内保育室の重要な位置づけだ、役割だというのは谷田次長だっていってきたんです。離職防止のために役に立つんだ、本来拡充しなきゃいけないと。それが、院内保育室は事業者の提案でなくすとなれば、なくすって話なんです。そういう計画変更したんですから。こうやってごまかしが行われていくと。
 何でこういうことが起きるかといったら、さっきいったように議会に報告が何もないんですよ。説明もない。今その場限りの質問で、結局ごまかそうとして進めようとすると。ほかにもありますよ。災害研修施設はどうなるのかなど、幾つも疑問が生じてくると。
 しかし、事業者の提案で幅広く、これまでの仮設棟を造らなくてもいいですよというふうになることによって、例えば、外来のスペースが縮小される、院内保育室がなくなる、こういう計画だって提案だってあり得るよという話なんです。
 次に、患者にはどのような影響があるのか、考えられるのか、これを伺いたいと思います。

○齋藤都立病院支援部長 本館を改修する場合、工事の音や振動など患者への影響が考えられることから、改修範囲は必要最小限とし、音や振動などを抑制した提案を求めてまいります。

○白石委員 医療を行いながら建て替えを行っていくということですね、仮設棟を造らないわけですから。工事の騒音や振動なども、患者にとっても影響があることは間違いありません。これは今、認識も示されました。だから、なるべく抑制するようにという提案を事業者側に求めていくんだと、そういう答弁でした。
 そのこと自体大きなことですが、先ほど述べた外来機能や病床数の縮小も患者に影響するおそれは多分にあると思います。つまり、今回の変更というのは、軽微な変更なんかじゃないんです。
 答弁で軽微だ、軽微だと、このような答弁を繰り返していますけど、中を今質問でやれば、軽微な変更なんかじゃないと。院内保育室もそれから外来のスペースも、そして患者への影響も、大きな影響が起こり得る、こういう変更であるということははっきりとしました。
 そもそもコストカットのためにこのような変更を行うこと自体に私は疑問がありますが、何が目的であっても大きな変更をするのであれば、現場職員の意見を取り入れて検討するのが当たり前だと思うんです。
 しかも病院ですから、命に関わる医療行為をやっているわけですよ。当然、現場の人たちの意見を取り入れなければいけないと。そうでなければ、実態に合わない変更になりかねないと申し上げたいと思います。
 だとすれば、現場職員にきちんと説明がなされて整備基本計画などの変更が検討されてきたのかを明らかにしなければならないと思うんです。
 そこで伺いますが、整備基本計画などの変更を職員に対し、どのように説明されたのでしょうか。

○齋藤都立病院支援部長 広尾病院では、基本計画の一部修正等につきまして、交代制職場である現場の職員が常に見ることができるよう、院内ネットワークを用いて周知をしております。

○白石委員 つまり、説明会なんかしたわけじゃないんです。イントラネットという院内のネットワークに掲示しただけなんです。広尾病院整備基本計画の一部修正についてと、私も見ましたけど、タイトルでお知らせしただけなんです。
 現場の職員からどういう声が出ているか、よく聞いていただきたい。三月の時点では、都と機構本部が協議中なので答えられません、こういうふうにいわれました。何も聞いていないという方もいらっしゃいます。掲示されただけで説明などを受けていないという方もいらっしゃいます。幹部職員に聞いても詳しいことは教えてくれない、さらには、仮設の話など全く説明されていないという声が出ております。
 現場職員にも議会にも、まともな説明がなく進められているということは、到底許されません。
 そこで伺いますが、職員への説明会はいつやる予定ですか。

○齋藤都立病院支援部長 まず、先ほどの院内ネットワークでの周知でございますが、こちらの方で質問がある場合は病院の方で受け付けるとしておりますが、現在のところ職員からの問合せはございません。
 今後、七月の入札公告後、職員に対する説明を開催する予定でございます。

○白石委員 院内のネットワークで掲示して、今相談ゼロ件なんて当たり前ですよ。
 私、見ましたけど、こんな分厚い資料がですよ、資料として載っけられていて、一部修正しましたというタイトルだけ。医療の現場で働いているわけです。それを見て全部解釈をして、それで質問や相談があれば、さあ来てくださいなんてあり得るわけないでしょう。
 普通こんな変更をするんだったら、どういうところを変更するんです、皆さんの意見をお聞かせくださいというのが当たり前でしょう。
 疑問や質問があるんだったら自ら電話をしてください、相談をしてください、今ゼロ件です、とんでもない。怒りすら覚えますよ、今の答弁。
 医療の現場に関わる問題なんです、そういう変更なんです。それを掲示したから、お知らせをしたから、だから説明したんだ、とんでもないと思います。
 そして職員への説明会、改めて伺いますが、いつやる予定ですか。

○齋藤都立病院支援部長 先ほどお答えした七月というのは、私の錯誤でございまして、訂正をさせていただきたいと思います。
 基本計画の一部修正等につきましては、改めて、六月の幹部会で各部門の責任者に説明をいたしまして、この責任者から職員へ周知をする予定でございます。

○白石委員 六月の幹部会の説明なんですね。
 幹部会は何か。院長、副院長、看護部長、事務局長などが出席する会議体です。現場の職員には、説明会などで意見や質問も含めて出せる場はやらないという答弁です。幹部会で説明をして、あとは幹部の皆さんが現場の職員にいってくださいね、こういうことです。
 今回の計画変更というのは、事業者とは丁寧に相談をすると。先ほどいったように月一回から二回やっているわけですからね。そして、経費削減を検討するけれども、医療を提供する現場の職員や医療を受ける都民は置き去りにして進められてきたんです。
 いいですか、医療を行っている現場で引っ越しがあるとなると、患者さん、病気の方もけがの方も、そういう方々が引っ越さなければいけないということになるんです。
 私、本当にこういうところを、本来、正面から受け止めなければいけないと改めて訴えたいというふうに思いますし、事業者とは丁寧に意見交換をしている一方で、現場の職員にはお知らせを見てくださいよと、その程度の話、とんでもないと思います。
 住民説明会、いつやる予定でしょうか。

○齋藤都立病院支援部長 七月の入札公告後、住民説明会を開催する予定でございます。

○白石委員 住民説明会は七月に行うということですね。
 現場職員にも説明会を開き、意見を出したり、質問をできるようにすべきだと改めて強調したいと思います。
 本日の質問を通して、現場職員や患者はほとんど相手にされず、議会にも何の説明や報告もなく、事業者と経費のことを中心に議論がされ、進められていく。PFIの本質的な問題、私は明らかになったというふうに思います。
 そもそも広尾病院は、区部で唯一の基幹災害拠点病院です。さらに、幅広い行政的医療を担っているわけです。
 また、私は、PFI方式はやめるべきだと思いますけれども、物価高騰事態への対応は、経費削減ではなく、物価高騰などで費用が増えた分を都が財政負担するなどして整備を行うということが、本来あるべき姿だと思います。なぜならば、広尾病院の建て替えの費用というのは、行政的医療のために必要不可欠な費用だからです。
 安易にコスト削減だ、経費削減だ、これだけを中心に事業者側と話し合う、そうじゃなくて、しっかりと物価高騰分、資材高騰分、東京都が責任を持って費用を出して、行政的医療であるこの広尾病院の建て替えをしっかりと、私は責任持ってやるべきだと強く指摘したいと思います。
 改めていいます。広尾病院は都民の命のとりでであり、基幹災害拠点病院でもあります。都が責任を持って財政負担をして、都の責任で整備することを求めて、質問を終わりたいと思います。

○内山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内山委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑は終了いたしました。

○内山委員長 次に、議員提出議案第九号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○藤田委員 お手元に配布してございます東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例についてご説明いたします。
 この条例は、都立看護専門学校の授業料、入学料、入学試験料、寄宿舎使用料を無償化するものです。
 授業料、寄宿舎使用料は、来年度の分から無償にします。入学料、入学試験料は、来年度入学する学生の分から無償にします。
 提案理由の一つ目は、教育の無償化を進めることです。
 東京都立看護専門学校は現在七か所、定員は合計で一学年当たり六百人であり、都内の看護師養成において重要な役割を果たしております。
 都立看護専門学校の授業料は、かつては無償でしたが、一九八六年度に有料化され、その後も値上げが繰り返されてきました。
 それでも、東京都立大学より都立看護専門学校の方が安い状況が続いていましたが、都立大学については、二〇二四年度から世帯年収九百十万円未満の学生の授業料を無料にする方針が出されました。このことは重要ですが、都立看護専門学校の授業料は無料化が予定されておりません。
 都立大学には看護学科もありますが、今のままでは授業料が逆転して、都立看護専門学校の方が高くなる状況が生じ、大きな格差が生じてしまいます。
 東京都が値上げを繰り返してきた理由は受益者負担、つまり、看護専門学校に通うことで学生が利益を得るのだから、費用を負担するべきだというものです。
 しかし、教育を受けることは基本的人権の一つであり、無償で保障されるべきものです。日本が批准している国際人権規約では、高等教育の漸進的な無償化を定めています。東京都が自ら設置する高等教育機関である看護専門学校について、無償化を実施する必要があります。
 そのため、都立看護専門学校の授業料等を無償化する条例案を提出するものです。
 提案理由の二つ目は、看護師養成の充実です。
 三年以上にわたって繰り返されている新型コロナウイルス感染拡大の経験は、日本と東京の医療体制の脆弱さを浮き彫りにしました。
 特に、看護師などの医療従事者の不足によって患者の受入れが困難になり、必要な医療を受けられないという事態が繰り返されました。医療従事者を抜本的に増やし、ふだんから余裕のある医療体制をつくっていくことの重要性が明らかになりました。
 しかし、人口十万人当たりの働く看護師数は、東京都は四十七都道府県、四十三位にとどまっています。看護師養成を充実させていかなければならず、看護師を目指す方がお金の心配なく学んで学校を卒業し、看護師になれるようにしていく必要があります。そのことは、社会全体にとってプラスになります。
 したがって、受益者負担だといって学生に負担をさせるのではなく、都立看護専門学校は公費で運営し、無償化とすることが重要です。
 そのため、都立看護専門学校の授業料等の無償化を進めるための条例案を提出するものです。
 ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○内山委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○竹平委員 今般、共産党から東京都立看護専門学校の授業料等を無償化する条例案が提案されました。
 この条例の提案理由は、東京都立看護専門学校の授業料、入学料、入学試験料及び寄宿舎使用料を一律に廃止するということにより、学ぶ権利の保障を図る必要があるというものでございますけれども、審査に当たりまして、理事者に幾つか確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、都立看護専門学校の設置の目的について確認をいたします。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 東京都立看護専門学校条例第一条におきまして、保健師助産師看護師法に基づく看護師を養成し、併せて東京都における看護師の充足を図るため、学校教育法第百二十四条に規定する専修学校として、東京都立看護専門学校を設置するとしております。

○竹平委員 ただいまご説明ありました都立看護専門学校を設置した目的は、看護師の養成と都内の看護師の充足ということでございました。
 そこで、都内における看護師の需給状況についてお聞かせください。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 令和元年に策定をいたしました東京都看護職員需給推計では、二〇二五年時点で約二万人から三万人の看護職員が不足すると推計をしております。
 また、都内の看護師及び准看護師の令和三年度の有効求人倍率でございますが、二・七六倍となっておりまして、東京都看護協会が実施をしておりますナースバンク事業における訪問看護ステーションの求人倍率は四・五四倍となってございます。

○竹平委員 都内では、看護師の不足している現状がよく分かりました。医療現場など看護師の確保に向けた対策は、喫緊の課題であるということも改めて認識をいたしました。
 次に、都立看護専門学校の定員、そして卒業生の都内の就業の状況、また、他県から通学する学生もいるかと思いますけれども、その状況をお聞かせください。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 都立看護専門学校の定員でございますが、一学年六百人、七校計で千八百人でございまして、卒業生の九割以上が都内に就業をしてございます。
 他県から通学する学生の割合でございますが、令和五年度の在学生で見ますと、都立看護専門学校全体で約一三%、比率が多い学校順で見ますと、板橋看護専門学校で約二八%、荏原看護専門学校で約一八%、南多摩看護専門学校で約一五%となってございます。

○竹平委員 今のご説明で、卒業生の九割以上が都内で就業されているということでございました。都立看護専門学校が都内看護師の充足に大きな役割を果たしていることも分かりました。他県からも一三%平均で入学しているということも分かったところでございます。
 そこで、先ほど、入学している方々、そういった方々がやはりいろいろ費用がかかるかと思いますけれども、授業料など修学に必要な諸費用はどのぐらいかかるのか、現状をお聞かせください。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 都立看護専門学校では、受益者負担の観点から、授業料、入学料、入学試験料、寄宿舎使用料を徴収してございます。
 三年間の修学に必要な諸費用といたしましては、入学料が一万一千三百円、授業料の年額が二十六万五千七百円、これに加えまして、教科書代やユニフォーム代など、約百万円となってございます。
 このほか、入学試験料一万三千六百円、寄宿舎を使用する者は使用料といたしまして、一か月一万五千五百円が必要となります。
 経済的に困窮などの理由がある学生に対しましては、入学料や授業料の減免などを実施するほか、希望する学生には修学資金を貸与しております。

○竹平委員 今、修学資金ということでございましたけれども、この修学資金の制度について、概要と、それから都立看護専門学生の利用実績、分かりましたらお知らせください。

○遠藤医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 先ほどの必要な諸費用でございますが、入学料一万一千三百円、授業料の年額二十六万五千七百円、それからこれに加え、合わせまして、教科書代、ユニフォーム、この合計で約百万円でございます。
 修学資金の制度概要でございますが、看護師等修学資金制度は、看護師養成施設等に在学をし、将来都内で看護業務に従事する意思がある学生に対し修学資金を貸与することで修学を容易にし、都内の施設に一定期間従事した場合に返還を免除することで、都内の看護職員の確保及び質の向上を図るものでございます。
 貸与金額につきましては、月額二万五千円、五万円、七万五千円、十万円の四種類から選択が可能でございまして、都内施設に五年間従事すれば月額二万五千円に貸与月数を掛けた分まで返還が免除されます。
 また、看護職員の確保が特に必要と認められる施設といたしまして、二百床未満の病院、病床の八〇%以上が精神科病床の病院、診療所、介護老人保健施設、訪問看護ステーション等、都が指定した施設に五年間従事した場合は月額五万円に貸与月数を掛けた分まで免除され、七年間従事した場合は月額七万五千円に貸与月数を掛けた分まで免除されます。
 都立看護専門学校におけます新規貸与者でございますが、令和四年度の実績で見ますと、二百四十八名でございまして、貸与月額別では二万五千円が百四十七人、五万円が五十八人、七万五千円が二十二人、十万円が二十一人となってございます。

○竹平委員 今のご説明によりますと、仮に月額二万五千円の貸与を受けた場合は、年間三十万円となります。
 都立看護専門学校の授業料が二十六万五千七百円、これを上回ることから、授業料においては、貸付けの返還免除となれば実質無償化というふうにもなるのかなとは思います。
 今、都立看護専門学校で二百四十八名ですか、この制度を利用しているということでございますので、この修学資金の役割というのは大変大きいのかなというふうに思いました。
 これまで、都立看護専門学校について幾つかの視点から確認をさせていただきましたけれども、仮に提案された条例案のとおり授業料等が全て無償化された場合、他県からより多くの学生が入学を希望し、その結果、都内の受験生の入学が困難となる事態を招くおそれがあります。
 また、都外から通学する学生が都外に就業することもあることから、都内の看護師の確保という条例の趣旨が妨げられ、都民にとって不利益となることも危惧されるのかというふうに思います。
 単に都立看護専門学校の学費を無償化するだけでは、都内看護師の確保につながるものではないと考えます。
 看護師の養成と都内における看護師の充足という条例の目的を達成するためには、修学資金の利用状況、また学生の居住地なども考慮しながら、よりよい制度となるよう検討なされるべきと指摘をいたしまして、質疑を終わらせていただきます。

○上田委員 私の方でも、この予算がどのぐらいかかるのかというような課題認識は持っていたところでございます。
 また、同僚委員の質疑も興味深く聞かせていただいたところでございますが、いずれにしろ看護人材の不足というところで、東京都政マターの中で人を育て充足ができるというこの事業に係る議案提案者の願意は、非常に理解するところでございます。
 ちょっとこの条例案に関しましては、私、自由を守る会としては、全て賛同できるところではございませんけれども、できれば、東京都事業の中で確実に養成、充足をするというところを重点的にしていただきたいなというところを申し上げまして、私の意見表明とさせていただきたいと思います。

○内山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十三分散会

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