厚生委員会速記録第十七号

令和四年十二月九日(金曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長内山 真吾君
副委員長早坂 義弘君
副委員長中山 信行君
理事平田みつよし君
理事菅原 直志君
理事竹井ようこ君
上田 令子君
竹平ちはる君
たかく則男君
龍円あいり君
浜中のりかた君
藤田りょうこ君
山加 朱美君
白石たみお君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長西山 智之君
健康危機管理担当局長佐藤 智秀君
次長雲田 孝司君
技監感染症危機管理担当部長事務取扱成田 友代君
理事谷田  治君
理事木村 健治君
理事小林 忠雄君
総務部長高野 克己君
企画部長山本 謙治君
保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務遠藤 善也君
生活福祉部長高橋 博則君
少子社会対策部長奈良部瑞枝君
障害者施策推進部長中川 一典君
感染症対策部長関口 尚志君
都立病院支援部長齋藤 善照君
企画担当部長大出  仁君
企画担当部長森田 能城君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長藤井 達男君
酸素・医療提供ステーション担当部長小林 俊文君

本日の会議に付した事件
意見書について
福祉保健局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百六号議案 令和四年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、繰越明許費 福祉保健局所管分
・第二百四十六号議案 東京都東村山福祉園の指定管理者の指定について
・第二百四十七号議案 個人防護具(ガウン等セット)の買入れについて
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第十八号 東京都児童育成手当に関する条例の一部を改正する条例

○内山委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○内山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の付託議案の審査を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、局長から紹介があります。

○西山福祉保健局長 説明に先立ちまして、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の雲田孝司でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○内山委員長 紹介は終わりました。
     

○内山委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 初めに、第二百六号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、繰越明許費、福祉保健局所管分、第二百四十六号議案及び第二百四十七号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について理事者の説明を求めます。

○高野総務部長 十一月二十五日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をご覧ください。
 おめくりいただいたところに目次を記載してございますが、全部で十八項目となっております。
 それでは、一ページをお開き願います。1、陽性者登録センターでの登録実績といたしまして、令和四年九月二十七日から十一月三十日までの日ごとの登録人数とその内訳を記載してございます。
 三ページをご覧ください。2、東京おこめクーポン事業の予算額及び内訳といたしまして、予算額と内訳を記載してございます。
 四ページをお開き願います。3、生活福祉資金特例貸付の年度別決定状況及び償還免除の決定状況といたしまして、1に、資金区分ごとの貸付決定状況を令和二年度から令和四年度にかけて記載してございます。また、2に、令和四年十月末現在の資金区分ごとの免除決定状況を記載してございます。
 五ページをご覧ください。4、各社会福祉協議会における生活福祉資金貸付事業の担当職員数及び雇用形態といたしまして、令和三年四月一日時点における雇用形態別の職員数を区市町村社会福祉協議会ごとに記載してございます。
 六ページをお開き願います。5、高齢者等医療支援型施設における一日当たりの最大在所者数といたしまして、施設別に、令和四年二月から十一月にかけて月別に記載してございます。
 七ページをご覧ください。6、高齢者等医療支援型施設(赤羽)における透析患者の一日当たりの最大在所者数といたしまして、令和四年七月から十一月にかけて月別に記載してございます。
 八ページをお開き願います。7、旧府中療育センターを活用した新型コロナウイルス感染症専用医療施設における最大受入入院患者数といたしまして、(1)に、令和二年及び令和三年、(2)に、令和四年の患者数をそれぞれ月別に記載してございます。
 九ページをご覧ください。8、旧府中療育センターを活用した新型コロナウイルス感染症専用医療施設における開設以来の職員配置状況の推移といたしまして、当施設を開設した令和二年十二月十六日以降の医師及び看護要員の配置状況を記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。9、障害者(児)の受入れ促進事業の謝金の対象となる心身障害者(児)の範囲及び予算の積算根拠といたしまして、(1)に、対象となる範囲を、(2)に、予算の積算根拠を記載してございます。
 一一ページをご覧ください。10、東京おこめクーポン事業の補正予算案提出決定に至る経緯といたしまして、補正予算案を提出決定するまでの経緯を記載してございます。
 一二ページをお開き願います。11、東京都の合計特殊出生率及び出生数の推移といたしまして、区市町村ごとに平成二十九年から令和三年まで記載してございます。
 一三ページをご覧ください。12、生活困窮者の定義及び東京おこめクーポン事業の対象となる想定人数といたしまして、(1)に、定義を、(2)に、想定人数を記載してございます。
 一四ページをお開きください。13、区市町村別の低所得の子育て世帯数(児童扶養手当受給世帯数)といたしまして、平成二十九年から令和三年まで記載してございます。
 一六ページをお開き願います。14、国の「こどもの安心・安全対策支援パッケージ」の推進における送迎用バスへの安全装置の導入支援といたしまして、支援内容等を記載してございます。
 一七ページをご覧ください。15、高齢者施設における入所者の新型コロナウイルス感染症陽性者数の推移といたしまして、令和元年度から令和四年度にかけて都へ報告のあった人数を記載してございます。
 一八ページをお開き願います。16、社会福祉法人が運営する都内の障害者施設における新型コロナウイルス感染症による入院・死亡者数といたしまして、令和二年度から令和四年度まで都へ報告のあった数を記載してございます。
 一九ページをご覧ください。17、防護服の備蓄状況といたしまして、年度当初在庫数、出庫数及び補充数を令和元年度から令和四年度まで記載してございます。
 二〇ページをお開き願います。18、海外への防護服の提供状況といたしまして、出庫日、出庫量及び提供先を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、当委員会で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○内山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○浜中委員 それでは、令和四年度十二月の補正予算案について質疑をさせていただきます。順を追って質疑をしていきます。
 まずは、出産・子育て応援交付金について質問をさせていただきます。
 少子高齢化は、我が国の乗り越えなければならない重要な課題であり、子供を産みやすく、育てやすくする環境をつくることは、我々の使命であります。
 そんな中、出産・子育て応援交付金事業が、国の十二月二日成立の二二年度第二次補正予算に計上され、可決をされました。
 妊娠、出生届け時に五万円ずつ、計十万円相当のクーポンを支給するとのことでございますが、出産・子育て応援交付金の事業目的と内容について教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 出産・子育て応援交付金は、全ての妊婦、子育て家庭が安心して出産、子育てができるよう、妊娠期から出産、子育てまで一貫して相談に応じ、必要な支援につなぐ伴走型の相談支援とともに、経済的支援を一体として実施することとしております。
 伴走型相談支援は、妊娠届出時から全ての妊婦、子育て家庭に寄り添い、面談や情報発信等を継続的に実施することで必要な支援につなぐものでございます。
 経済的支援は、相談支援へのインセンティブとして、妊娠届出時と出産後の面談実施時に、それぞれ五万円相当のクーポン支給や、子育てサービス利用支援に係る経費を補助するものでございます。

○浜中委員 都においては、従前より、市区町村における妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援体制を整備するために、とうきょうママパパ応援事業を実施しており、また、子供を産み育てる家庭を応援、後押しする東京都出産応援事業も実施しております。
 これらの今まで東京都がやってきた事業と国の出産・子育て応援交付金を、どのようにすみ分けをするのかということを教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 とうきょうママパパ応援事業では、育児用品等の提供と併せて妊婦面接等を実施することにより、家庭の状況を把握して、必要な支援につないでおります。
 東京都出産応援事業では、コロナ禍において都内で子供を産み育てる家庭を後押しするため、育児用品や家事支援サービス等を提供しております。
 国の交付金では、経済的支援につきまして、都道府県による広域連携を推奨しており、現在の都の取組の充実につながるよう、その活用を検討してまいります。

○浜中委員 ご答弁ありがとうございました。
 国に先駆けて、東京都は出産、子育ての支援を行っております。既に妊婦との全数面接も行っており、子供が生まれた家庭には十万円のクーポンの支援も行っていると。現状を考えますと、ここに、今東京都がやっていることに加えて、国から、妊娠届を出したときに五万円、また子供が生まれたら五万円ということでございますから、東京都の出産、子育て支援を、国の応援も、後押しも受けて、さらに加速をしていくべきであるというふうに私は思います。
 そのためには、東京都の方が先行してやっておりますから、国に対して、まず我々東京都の事業はこういうことをやっていますよということをちゃんと説明しなければいけないというふうに思います。東京都の政策と整合性が取れる柔軟な制度設計を国に求めていただきたいと思います。
 加えていえば、恐らく国もそんなことは許さないし、我々もそんなことは認めないんですけれども、よく地方自治体とかである話は、国がこういうことをやります、五万円、五万円で事業を組みますというふうになったら、既にうちはやっているから、それを財源に充てちゃって、結局プラス・マイナス・ゼロですみたいな、ただの財源の付け替えなんていうことは、こんなことはあり得ないんですけれども、ただ、そういうところも中には、うちはやらないです、東京都以外のところでは、そういうふうに思う方もいるかもしれません。
 だけど、これはそういう話ではなくて、恐らく国もそんなことは認めないでしょうし、とにかく国も、東京都がやっている事業を理解してもらって、後押しをしてもらうということが大切であるかと思います。
 その上で、一番重要なことは、窓口はこれあくまでも市区町村でございますから、東京都としても、確かな政策、財源、人材の確保——アウトリーチするにしても、保健師さんとか助産師さんとか、いろいろ人材確保、市区町村は困っていると思います。そうしたところをバックアップをしていただき、とにかく出産、子育てのさらなる加速をお願いしたいと申し上げて、次の質問に移りたいというふうに思います。
 続きまして、生活困窮者自立支援の機能強化についてであります。
 まず、生活困窮者への支援でございますけれども、新型コロナウイルス感染症で、都民の暮らしに大きな影響があったわけであります。飲食店等に対する休業要請や外出自粛の要請など、経済活動の多くを止める措置が取られたことから、経済や雇用、人々の生活に大きな影響が生じました。
 そのような状況の中、今日までの間、社会福祉協議会が実施主体となる生活福祉資金の特例貸付や、市区等が給付の主体となる自立支援金の給付が行われるなど、かつてない規模での支援が行われ、生活や仕事にお困りの方々の生活を支えてきました。
 まずは、生活福祉資金の特例貸付の実績について、貸付けを受けた件数と金額、また、そのうち償還免除となったのは何件なのかということを教えてください。

○高橋生活福祉部長 東京都社会福祉協議会において実施しております緊急小口資金等の特例貸付の貸付件数は、本年十月末時点で約六十六万件であり、貸付金額は約二千五百四十四億円となっております。
 特例貸付の償還は、貸付年度や資金種別ごとに順次開始されることとなっており、令和五年一月からの償還の対象となるのは約四十三万件で、そのうち約三割に当たる約十二万件が、住民税非課税世帯であることを理由に償還免除の決定を受けてございます。

○浜中委員 ただいまの答弁で、かなりの支援が行われていることが確認できました。
 しかし、一方で、令和五年一月からは約三十万件の償還が始まることになります。償還を求められる方の中にも、当然生活が苦しい人はおります。
 そこで、償還が免除されないものの、償還が困難な方、これは借りたものを返せないという、難しい方には、どのような支援や対応を取られるのかをお伺いいたします。

○高橋生活福祉部長 本年十月に国から示された通知では、都道府県社会福祉協議会において、償還免除の対象にならないものの、償還が困難な借受人から相談があった場合には、個々の状況に応じて償還猶予を適切に活用することや、償還が遅延する借受人に対しましては、その生活状況を把握し、必要に応じて区市等の自立相談支援機関等につなぐことが求められております。

○浜中委員 今ご答弁ありましたけれども、今後は、市区等の自立相談支援機関の役割が増してくるかと思います。私も、地元の市役所から、償還を前にして生活困窮の窓口を訪れる方が増えているとの話も聞いております。適切な支援を実施するためには、市区等の体制の充実が不可欠であると考えております。
 都は、生活困窮者への支援の一義的な相談窓口となる市区等の相談体制を強化するとともに、市区と社会福祉協議会との連携も強化するために支援を行うべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。

○高橋生活福祉部長 自立相談支援窓口の体制強化につきましては、国は、令和四年度第二次補正予算において、物価高騰への対応や生活福祉資金の特例貸付の借受人への支援を強化するため、区市等の相談支援の体制を強化するための交付金を計上しております。
 都は、区市の取組をさらに促進するために、国の交付金では区市の負担とされる四分の一を都が負担することで、区市の相談体制を強化するための経費を補正予算案に計上しております。
 また、都は、東京都社会福祉協議会と共に、区市の課長会において、生活福祉資金の特例貸付や新型コロナウイルス感染症自立支援金の給付を受けた方へのフォローアップ支援について、区市の協力を依頼するとともに、区市の自立相談支援窓口の担当者向けの説明会を開催しており、引き続き、様々な機会を活用して、区市等と社会福祉協議会との連携強化を支援してまいります。

○浜中委員 ありがとうございました。
 本当に、生活困窮の方は、困っている方たくさんいると思います。生活保護には至らないけれども、その手前のセーフティーネットでこういうものがある、だけど、借りたお金は返さなきゃいけない、でも返せない、どうしよう、こういう話になるわけであります。
 そんな中、これはまた同僚議員からも質問があると思いますけれども、東京都はお米を配りますよと。これは三月ぐらいになると思いますけど。また、国も現金を払いますよと。ただ、その人たちの下に、今これが、年明けすぐに行くわけではなくて、将来的にそういうことも見えているんだけれども、どうすればいいんだと。どうやってこの年末を乗り切ろう、お金を返さなきゃいけないんだけど、どうしようという話になったときに、やっぱりそれぞれに応じてその立場は違いますから、さっき要求資料の中でもありましたけれども、対応する人だとか、これ国が四分の三お金を出して、四分の一東京都が出しますから、とにかく自立の相談をして、しっかり話を聞いてあげて対応しようということは、これいいことだと思います。
 いろんなパッケージの政策があるかと思うんですけれども、やっぱり困難な方に寄り添っていただいて解決していくと。あくまでそれ窓口は市区町村でございますから、東京都はこういうことでバックアップをしていくということがとても大切なことであるかと思いますので、ぜひ困った人に手を差し伸べる政策を引き続き推進していただきたいと申し述べて、次の質問に移りたいというふうに思います。
 次に、こころといのちの相談・支援東京ネットワークについてでございます。これは自殺対策の話でございます。
 私は、さきの事務事業質疑でも、検索連動型広告の有効性について指摘をさせていただきました。検索連動広告は、企業など多くで活用されており、自社の提供するサービスに関連するキーワードを検索したユーザーに広告を表示することで、ニーズを持つ層に効果的にアプローチをすることが可能だといいます。
 これを自殺対策に活用するということは、自殺念慮、いわゆる希死念慮とかもそうですけど、死にたいと思う方に、自殺のリスクにつながる悩みを抱える方にダイレクトにリーチをすることが可能であるということであり、紙媒体の普及啓発資材に比べると、ハイリスクの方へ効果的に情報を届けるということができるという点で、大きく期待されるところであります。
 都は、今定例会に提出された補正予算案において、自殺対策についてもインターネットの検索エンジンを活用した検索連動広告の取組を強化することとしております。
 今般の補正予算により、自殺対策において検索連動広告をどう強化していくのか、その内容をお伺いいたします。

○遠藤保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、悩みを抱える方を早期に適切な支援につなげるため、インターネットの検索連動型広告を用いて相談窓口等に誘導する取組を実施しております。
 より多くの方を相談につなげるため、今年度、自殺対策に資する検索連動型広告の運用に関する調査研究を行っております。今後、この調査研究の中間報告を踏まえまして、悩みを抱える方が多く検索しているキーワードや、効果的に訴求できる広告文に見直した上で、来年三月の自殺対策強化月間に合わせまして、集中的に検索連動型広告を実施いたします。
 こうした取組を通じまして、必要な方に着実に相談窓口等の情報を届け、支援につなげるなど、自殺予防の取組を一層推進してまいります。

○浜中委員 スマートフォンの世帯普及率は九割に迫っているとのデータもあります。自殺につながるような悩みは、センシティブな内容のことも多いと思います。検索連動型広告を活用すれば、人には話しづらいと思っていた悩みも相談につながる可能性があるのではと期待をしております。着実な対応を求めたいというふうに思います。
 ゲートキーパーなんかの育成も含めて、とにかく自殺への理解を深めてもらって、今ちょっと検索すると、グーグルはグーグルで上位に、大丈夫ですかみたいのが出てきたりとか、いのちの電話とかと出てきたりとかするんですけど、こういうITなんかも使いながら、しっかり——死にたいと思っている方も本当に、これは遺族の方なんかと話しても、その本人が一番つらいとは思うんですけれども、やっぱり困った人に手を差し伸べるというのが福祉保健局の役割だと思いますので、ぜひこれも力を入れていただきたいというふうに思います。
 続きまして、次の質問に移りたいというふうに思います。ここからはコロナ対策についてであります。
 この間、多くの医療関係者の皆様や、感染症対策部をはじめとする福祉保健局の皆様のしっかりとした対応もございまして、新型コロナウイルスが、現在の感染状況を見ますと、都内の新規感染者数は一週間平均で約一万二千人前後と、対前週比では増加していますけれども、その増加の伸びは緩やかになっているのかなというふうに見受けられます。
 一昨日の我が党の代表質問では、ウイズコロナに向けた医療提供体制について質問を行い、万全な医療提供体制の確保により、コロナとの共存を図るという答弁がありました。そのような観点からも、本定例会に提出された補正予算を確認していきたいというふうに思っております。
 まず初めに、高齢者等の医療支援型施設の補正予算についてであります。
 かねてより、都議会自民党は、重症化リスクの高い高齢者等に重点を置いた対策が必要であると都に対策を求めて、高齢者等医療支援型施設については、第三回の定例会の厚生委員会においても取り上げさせていただいております。
 本定例会には、多摩地域を含めた高齢者等医療支援型施設の設置・運営に係る予算が提案されているわけであります。追加で整備をするに至った背景及び施設の内容についてお伺いをいたします。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 第七波におきましては、都内三か所に高齢者等医療支援型施設を設置運営し、重症化リスクや介護度が高い高齢者を受け入れ、治療や介護に加え、リハビリテーションを実施してまいりました。
 これらの施設が有効に機能したことから、高齢者の受入れ体制を一層強化するため、新たに多摩地域を含む都内四か所に施設を開設することといたしました。この四施設では、コロナ患者の受入れ実績がある医療法人と連携し、救急要請に対応するとともに、病状等に応じて、中等症Ⅱまで対象を拡大いたしました。
 今後とも、こうした施設を活用いたしまして、高齢者が安心して療養できる体制を強化してまいります。

○浜中委員 都の施設において介護を必要とする高齢者を受け入れることで、より症状の重い方が病院に入院しやすくなり、医療機関の負担の軽減にもつながっているかと思います。
 今回、多摩地域にも設置され、救急要請にも対応するなど——これは救急車で受け入れてくれるということでありますけれども、高齢者がより安心して療養できる体制が強化されたと。都の高齢者等の医療支援型施設の設置運営は、都議会自民党としても推進をしてきたものであり、何より、これは高齢者に限らず都民の健康と命を守るために大切な施策であるというふうに考えております。今後とも、都の取組に期待をしていきたいというふうに思います。
 その上で、先ほどちょっと答弁にもありましたけれども、都立病院の高齢者等の医療支援型施設についてお伺いをいたします。
 今般開設した四施設のうち、都立病院で運営する旧府中療育センターについては、新型コロナ専用医療施設から高齢者等医療支援型施設に転換をしているわけであります。
 そこで、転換した理由や患者の受入れ体制について教えていただければと思います。

○齋藤都立病院支援部長 都立病院では、オミクロン株感染下での課題であります介護度の高い高齢者の受入れに対応するため、この十二月に、旧府中療育センターの新型コロナ専用医療施設を高齢者等医療支援型施設に転換いたしました。
 受入れ体制につきましては、医師、看護師のほか、要介護五までの患者に対応するため、介護度が高い方のケアを行う看護助手やリハビリを担当する理学療法士などの外部人材を業務委託によって確保いたしまして、都立病院機構の統括医師の下で患者の受入れに当たっております。
 また、救急患者の対応に当たりましては、救命救急士を配置して、救急隊と綿密に連携を取り、円滑に患者を受け入れております。
 なお、各病院では、病院長の裁量による常勤看護師の着実な採用のほか、柔軟な単価設定による非常勤看護師の確保や、介護業務を担う看護助手の採用などに取り組んでおりまして、引き続きこうした取組を進めまして、コロナ患者をより一層受け入れてまいります。

○浜中委員 この冬、これから来るといわれている感染拡大の際には、都立病院は、新型コロナとインフルエンザの同時流行を見据えて、多くのコロナ患者を受け入れる必要があります。職員体制の強化に努めながら、コロナ病床を有効に活用し、積極的にコロナ患者を受け入れるように要望をいたしまして、次の質問に移ります。
 続きまして、休日の小児診療促進についてであります。これは診療体制についてです。
 まず、今回の補正予算の案件ではございませんが、さきの事務事業質疑において質問をいたしました年末年始の医療体制の確保について、医療機関への協力金の対象期間の延長が実現したことについて、お礼を申し述べたいと思います。本当にありがとうございます。
 これは、来年は一月一日が日曜日なので、その後、七、八、九と三連休になりますから、三が日との間も休んじゃおうという先生、みんな疲れていますから、多いのかなと思うんですけど、そこを何とか開けてくださいということで、昨年よりは延長していただいたということでございますので、ぜひ都議の先生たちも、地元の先生にいうと喜ぶ方もいればそうじゃない方もいると思うんですけど、大切なことでございますので、ぜひ宣伝をしていただければというふうに思います。
 その上で、今回の案件である休日の小児診療促進の拡充について、私の住む西東京市では、診療・検査医療機関は六十六機関あり、その中でも小児の診療を可としているのは二十九機関であります。地元の方からは、休日には開院しているところが少なくて、子供が発熱したときなどに受診できる病院が少ないので、不安だという声もあります。
 この冬は、新型コロナウイルス感染症と季節性のインフルエンザの同時流行が危惧されておりまして、休日に子供が発熱をしたら、そこが診療・検査医療機関であるかどうかにはかかわらず、かかりつけ医を中心に、地域の小児科全体でしっかり診療していくことが重要であると私は考えております。
 そこで、休日小児診療の診療促進について、都はどのように取り組んでいくのかということをお伺いいたします。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 この冬でございますけど、先ほど先生からもご指摘いただいたとおり、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行が懸念されるところでございます。診療を行う医療機関が少なくなる休日に、発熱等がある小児患者が速やかに受診できますように、休日の体制の強化ということが重要であるというふうに考えているところでございます。
 先生からもご指摘ありましたとおり、一般的に小児は、かかりつけ医を受診するということを踏まえまして、休日に診療いただいた場合に謝金を支払う事業の対象を、診療・検査医療機関以外の小児科を標榜している全ての医療機関に対しまして拡大いたします。あわせまして、発熱症状のある小児に対する診療全般に謝金を支給することといたします。
 多くの医療機関の皆様のご協力が得られますよう、東京都医師会と連携して事業の周知を図りますとともに、個別の医療機関にも直接呼びかけてまいります。
 このような取組を通じまして、同時流行に備えて、発熱した小児の受診機会の確保に万全を期してまいります。

○浜中委員 ありがとうございます。
 これは、かかりつけ医もオーケーだよということと、あと、今まではコロナだけだったと思うんですけど、発熱も診ますよということでございますので、コロナにはインセンティブがつくけど、インフルエンザだったらインセンティブはつかない、これは見分けつきませんから、結果、後で請求するみたいな話じゃなくて、両方いいですよという話はとても大切だと思います。
 いずれにしても、休日であっても、地域の小児科全体で小児の発熱患者を、新型コロナ、季節性のインフルエンザのいかんを問わず、速やかに受診できることで、小児患者本人やご家族の方々も安心して暮らせることになるというふうに思います。これ自体は非常にいい制度でありますから、より多くの医療機関が当該事業に参加するように、先生も大変だと思うんですけれども、取り組んでいただくようにお願いをいたしまして、次の質問に移ります。
 次に、障害児の入院受入れについてであります。これはコロナです。
 本年の第二回定例会において、介護度が高い高齢者が円滑に入院できるように、要介護高齢者の受入れ促進事業について質問させていただきました。
 要介護の高齢者だけではなくて、障害者がコロナに感染した場合も、入院を受け入れる医療機関には介助的な支援が必要となることから、医療機関の負担が大きいと聞いております。今後の感染再拡大に備えて、障害者の方が円滑に入院できるように、医療機関への支援を拡充することが必要かと思います。
 今回の補正予算案に障害者(児)の受入れ促進事業が計上されておりますが、その内容について教えてください。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、新型コロナウイルス感染症患者の入院受入れを促進するため、患者を受け入れる医療機関に対しまして謝金を支給しております。具体的には、医療機関に対しまして、陽性者の場合、患者一人当たり一日二万円から三万円を支給いたしております。
 現在ご審議いただいております補正予算案では、さらなる支援策といたしまして、医療機関の皆様の負担を軽減するため、身体障害者手帳一級、二級、愛の手帳一度、二度、精神障害者保健福祉手帳一級等のコロナ患者を受け入れた場合には、二万円を加算することといたしました。
 この取組によりまして、入院を必要とする重度の心身障害のあるコロナ患者の方の円滑な入院を図ってまいります。

○浜中委員 障害の有無にかかわらず、入院が必要な患者が医療機関に円滑に入院できるように、こうした事業を通じて医療機関を支援していってほしいというふうに思います。これはとても大切なことだと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後でございます。子供の健康相談室の事業目的と今回の拡充内容について教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 子供の健康相談室は、小児救急医療の初期段階で保護者等の安心を確保することを目的に、区市町村の保健センターや都の保健所が閉庁する平日夜間及び休日に電話相談を実施しております。
 この冬の新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行を見据えまして、今月から緊急的に体制を拡充することといたしました。具体的には、受付電話回線数を最大五回線から十五回線に拡大するとともに、受付時間を二十四時間とする予定でございます。

○浜中委員 ありがとうございます。
 これは、いわゆるシャープ八〇〇〇でございまして、要するに、保健所とか保健センターとか、その市区町村で相談するようなときに、もう夜閉まっちゃった後に、午後六時から翌朝の八時までとか、土、日曜、休日、年末年始は、午前八時から次の日の朝八時までやっているよということで、子供が熱出ちゃったよとかというときに相談を受けてくれると。
 最大五回線から十五回線にということなんですけれども——私も最初の、私、子供が三人いるんですけど、第一子のときって本当に分からなくて、夜、子供とかが熱出したときに、これ救急車を呼ぶべきなのか、自分で運ぶのかみたいなのも分からなくてですね、いろいろ調べたんですけど、当時これも分からなかったので、今検索かけてもすぐには出てこないかなというので、あまり知り過ぎちゃって広げ過ぎちゃって、いっぱい来ちゃっても困るのかなというところもあるんですけれども、ただ、恐らくこれからコロナがはやっていて、インフルがはやっていくときに、保護者はすごい不安になると思うんですね。ですから、これの広報なんかも含めてしっかりやっていただいて、家で様子を見た方がいいのか、救急車を呼んだ方がいいのか、病院に連れていった方がいいのかとかというのは、これは昔から続いている非常によい取組だと思います。ただ、どんなによい取組で、今回、回線を、当然これから増えるだろうから増やしていただいたんでしょうけど、知ってもらわないことには使いようがないと思うので、ぜひ広報なんかにも力を入れていただきたいなというふうに思います。
 いずれにしても、東京消防庁の救急相談センターなんていうのもあったりとか、いろいろあるかと思うんですけれども、これからコロナになったとか発熱だというふうになると、親もすごい神経が高ぶっちゃうというか、どうしようというのがあると思うので、非常に大切なことだと思いますから、ぜひしっかりやっていただきたいというふうに思いまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○菅原委員 委員長にお許しをいただきました菅原でございます。浜中委員の質疑と重ならないように注意しながら進めさせていただきたいと思います。
 まず、東京おこめクーポン事業について伺います。
 この事業は、原材料の高騰、物価高騰などを受けて、苦しくなる生計を支える目的から、東京都が独自に行う事業でございます。本日は、都民の生活を守る視点から質疑をさせていただきます。
 まずは、今回の事業の目的と議論の経緯を伺います。お願いします。

○高橋生活福祉部長 都はこれまで、仕事と住まいを失った方、低所得のひとり親家庭、フードパントリー等、生活困窮者に対する様々な支援を実施しております。
 一方、国は、本年十月末に取りまとめた総合経済対策で、エネルギー価格高騰等への支援策を行うこととしております。
 こうしたことを踏まえまして、都の今回の補正予算案では、物価高の影響を受けやすい低所得世帯に対し、食料品の面から支援するため、国産の米などの食料品を配送するための経費を計上したものでございます。

○菅原委員 この事業の総事業費は二百九十六億円ということですが、いわゆる事務経費は幾らくらいを想定しているのかを伺います。お願いします。

○高橋生活福祉部長 本事業の米などの食料品の調達などに係る経費は、約二百四十八億円と想定しております。
 事務費は、専用申込みサイトの運営を含めた申込み受付業務や問合せの対応などの都の委託業務費と区市町村の事務経費を合わせた約四十八億円と想定しております。

○菅原委員 ありがとうございます。
 厚生委員会の要求資料の中にも入っていましたので、その数字と確認しながら伺いました。
 今回の事業は、お米や野菜をその対象となる家庭に届けるという事業です。おおむね百七十万世帯、もう少し、百七十万世帯超あると思います。都内の総数というのは七百二十二万世帯ですから、かなりの配送があるということ、大きな事業だと思います。
 現物の配送というのは、一括配送や、または分割の配送があると思いますが、具体的にはどのような形になるのか、ご説明をお願いいたします。

○高橋生活福祉部長 食料品の配送に当たっては、世帯人数や年齢など、対象世帯の状況や希望等に応じて複数回にわたり配送することを予定しております。
 対象世帯が米二十五キログラムの配送を希望した場合、例えば米二十五キログラムを一回で配送する場合や、十キログラムと十五キログラムの二回に分けて配送する場合などが考えられます。
 今後詳細については検討してまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 中にはお米も野菜も要らないという方もいらっしゃると思うんですね。そういう方への対応についてどのように考えているのか、見解を伺います。

○高橋生活福祉部長 配送する食料品は、対象世帯が米や野菜などの複数のメニューから選択できる仕組みとする予定でございます。
 詳細につきましては今後検討してまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 百七十万世帯以上の方の中には、様々な家庭があるということです。例えば、施設に入所されているという場合もあると思うんですね。
 施設に入所されている場合に現物が支給されても困るという方、想定されると思うんですが、どのように考えているか、答弁を伺います。

○高橋生活福祉部長 本事業は、物価高の影響を受けやすい低所得世帯を支援するため、住民税均等割の非課税世帯と家計急変世帯を対象としており、施設に入所されている場合も対象とする予定でございます。
 本事業は、お米などと引換え可能なクーポンを配布し、対象者からの申込みにより、お米等の食料品を配送するものでございまして、施設に入所されている方につきましては、施設職員等へ相談するなど状況に応じて申し込んでいただくことを想定しております。
 詳細につきましては今後検討してまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 この事業は、例えば現金の支給や、または現物を支給する形、そしてまた今回のようにクーポン券を活用するという様々な形があるかと思います。
 この様々な方法のメリット、そしてデメリットも検討されたと思いますが、今回のスキームとした理由を伺います。

○高橋生活福祉部長 本事業は、物価高の影響を受けやすい低所得世帯を食料品の面から支援するものであり、食料品を届けることで、必要とする方に適切な生活支援を行っていくこととしております。
 また、米を中心とした食料品を自宅に配送することで、高齢者等の買物に係る負担の軽減を図るものでございます。

○菅原委員 ありがとうございます。
 今まで、受ける側の話をしてきました。今度は調達のことを一つ伺いたいと思います。
 この事業については、お米の調達の問題、課題があると思います。かなりの量のお米などをどのように確保するのか、見通しを伺います。

○高橋生活福祉部長 本事業では、低所得世帯等の約百七十四万世帯を対象に食料品を配送するものであり、多くの対象世帯に安全・安心な食料品を着実に届けるため、産地や銘柄を限定せず、広く全国の産地から調達することを想定しております。
 米などの食料品の調達に関しましては、委託事業者と調整してまいります。

○菅原委員 今度は名簿のことを伺いたいと思います。
 この事業の対象は、何度もお話をしております都内の百七十四万世帯です。その情報というのは、区市町村が管理をしています。
 この名簿の取扱いについてはどのようにするのか伺います。

○高橋生活福祉部長 本事業では、必要な非課税世帯等の情報は区市町村が保有しており、都は、区市町村から対象世帯の情報提供を受け、対象世帯へ事業の案内やクーポン等を配布する予定でございます。
 なお、都への個人情報の提供が難しい区市町村に関しましては、都からの依頼に基づき、区市町村から対象者にクーポン等を配布することも検討しております。

○菅原委員 もろもろありがとうございました。
 日本というのは、米というのは自給率が一〇〇%に近いといわれています。非常に日本人と米というのは重要でして、それが政策にのってくるというのは、これは重要な話だと思っています。
 現物支給の事業というのは多くの方々には喜ばれますが、一部の方からは不要論みたいなのが出るかと思います。しかし、都民の生活を支えるという大きな目標があるのですから、ぶれずに対応していただきたいと思います。
 そしてまた、これから事業を執行して組み立てていく中で、検討事項がかなりありますので、それは着実に進めていただきたいと、これは要望をしておきます。
 次は、国の出産・子育て応援交付金への対応について伺います。
 東京都は、既に赤ちゃんファースト事業として同じような施策を展開して、都民から高く評価をされております。このたびの施策は、妊娠届出の際に五万円相当、出産時に五万円相当の応援交付金が支給されるという施策ですが、国会で審議中でもあって、まだ詳細が見えないという部分もあります。
 私たち都民ファーストの会は、子供、子育て施策を重要政策と位置づけて提案を進めてきた経緯もあります。今回の補正予算の提案は国の決定を待たずに見込みで進めていますが、このことも是として議論を進めていきたいと思います。
 まずは、事業執行に当たり国の詳細な情報が必要ですが、国の情報の見込みなどについて、その点を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 国は、十一月九日に、出産・子育て応援交付金の目的や概要等に関する事務連絡を発出いたしました。十一月二十二日には、自治体向け説明会が開催されまして、事業の実施や運用方法について大枠が提示されております。
 十二月二日に国の補正予算が成立いたしまして、今後、要綱等が送付される見込みであり、加えまして、事業説明会が今月中旬に開催される予定となっております。

○菅原委員 いわゆる初産の母親の多くは、妊娠をきっかけとして、行政や、または市役所、区役所と関わることが多いのだということを伺います。自分たちの納めている税金が初めて還元されているという実感を得るんだ、こういう話を聞いたこともあります。
 特に、リスクの高い妊婦との関係の構築は重要です。妊娠届出や出産届出のときを捉えて、リスクの高い出産や子育て家庭との関係構築に資すると考えますが、想定される取組について伺います。

○奈良部少子社会対策部長 都は、とうきょうママパパ応援事業におきまして、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援体制を整備する区市町村を支援しております。
 この事業では、全ての妊婦を対象に保健師等が面接を行い、心身の状態や家庭の状況、子育て支援のニーズ等を把握しております。また、産後間もない時期における母子等に対する産後ケアや家事育児サポーターの派遣など、様々な機会を捉えて、子育て家庭の状況を把握しております。
 今後、国の交付金も活用いたしまして、支援が必要な子供や家庭を適切なサービスにつなげる取組の充実を検討してまいります。

○菅原委員 現在、各基礎自治体では、妊婦面談事業というのを行っています。平成三十年度の数字になりますけれども、妊婦面接相談率という資料がありまして、この実施率というのは全体で八二・二%と伺いました。里帰り出産もありますので、実態を反映するのは難しいと思いますが、全ての母親と面談するということは、実際なかなか難しいのだと思います。
 日野市では、私が市議会議員時代に、貧困対策、そしてリスク対策として妊婦面接を進めて、基本的には全ての妊婦の面談をする取組を行ってきました。また、出産後にも、市の保健師が全ての家庭に伺う取組をしてまいりました。妊娠届出と出産後に全ての家庭を訪問することによって、子育てにリスクを持つ家庭とつながってきたのが日野市の取組でございます。
 今回の出産・子育て応援交付金の事業は、妊娠届出と出産後にそれぞれ面談を実施後に五万円を支給する、こういう組立てとなっています。従来の妊婦面談事業をさらに充実させて、オンライン面談も可能として、必ず面談ができるという意味でのこれは重要な取組となります。また、キャッシュレスの取組も可能となっておりますので、その点は事業メニューに組み込むように要望をします。
 次に、生活困窮者自立支援の機能強化に移ります。
 債務整理などの相談の際、多重債務者への支援も重要と考えます。多重債務者は自殺リスクも高く、適切な対応によって生命も守れることになります。
 多重債務者への対応について、その方向性を伺います。

○高橋生活福祉部長 都は、東京都生活再生相談窓口を設置し、生活の再生に意欲があるにもかかわらず、多重債務や過剰債務で生活が困難な状況にある方に対して生活相談や家計相談等を行うことで、生活再生を支援しております。
 令和五年一月からは、緊急小口資金等の特例貸付の償還が始まり、相談件数の増加が見込まれることから、債務整理等が必要となる相談に対して、必要な相談支援や債務整理方法の提案を速やかに行えるよう、弁護士による相談体制を拡充する経費を補正予算案に計上してございます。

○菅原委員 この事業は、支援者専用相談ラインの拡充や、または弁護士の拡充、さらに、生活困窮者の支援体制などの強化などが具体的なメニューとなっております。先ほどの答弁もありましたように、緊急小口資金の特例貸付の償還開始を踏まえたタイミングですので、丁寧な取組を希望いたします。
 次に、ひとり親家庭就業推進事業です。
 今年度の新規事業ですが、これが好評で、申込みが多いと聞いております。来年度も実施するための広報を進める予算として二千万円が計上されていますが、具体的にはどのような取組を行うのか伺います。

○奈良部少子社会対策部長 今回の補正予算案では、今年度内に前倒しで参加者の募集を開始するための準備経費や広報経費を計上しております。
 今年度内に募集を開始することにより、来年度は早期に参加者を決定し、スキルアップ訓練や就職活動に十分な期間を確保することで、一人一人の希望や適性に応じた支援を行ってまいります。
 参加者の募集に当たりましては、委託事業者の企画提案による効果的な広報を行うとともに、都のホームページも活用するほか、ひとり親家庭支援センターや福祉事務所を通じまして、個別に働きかけてまいります。

○菅原委員 この事業というのは、単にスキルアップトレーニングをするだけではなくて、マッチング支援として就職活動のサポート、そしてその後のアフターフォローまで行っております。または希望する方々に対してですが、お子様の学習支援も提供される事業でございます。
 ひとり親家庭は、様々な調査から貧困率が高いということが分かっています。就労支援によって経済的な問題を解決することは重要です。今回の補正予算は、来年度に向けての広報ということです。来年度もさらに事業を拡充していただくようお願いを申し上げます。
 次に、こころといのちの相談・支援東京ネットワークの拡充について伺います。
 検索連動型広告の取組、この拡充のための予算計上ですが、この事業は二十七年度からのスタートでした。まずは、事業の現状と効果について伺います。

○遠藤保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、悩みを抱える方を早期に適切な支援につなげるため、インターネットの検索連動型広告を用いて、相談窓口等の情報に誘導する取組を実施しております。
 取組を開始いたしました平成二十七年度から令和二年度までは、九月と三月の自殺防止東京キャンペーンの一環として、期間を限定して実施してきたものでございます。
 令和二年度の検索連動型広告を掲出した期間におきまして、自殺相談ダイヤル及びSNS自殺相談の新規相談件数との関連を分析いたしましたところ、掲出期間中は、掲出期間外と比較すると一日当たりの新規相談件数が増加をしております。
 このことから、令和三年八月以降は通年で実施をすることといたしまして、令和四年度上半期において広告が閲覧され、かつ実際に相談行動につながった件数は速報値で八千二百八十九件でございました。
 これは、同時期に自殺相談ダイヤル及びSNS自殺相談で受けた総相談件数の速報値二万一千五百七十六件の約四割に当たり、多くの方を相談行動につなげられたものと考えております。

○菅原委員 ありがとうございます。
 自殺相談の約四割がこの検索連動型の広告を見てということがご報告されました。ぜひ拡充していただきたいと思います。
 一月には中間報告というのがあるというふうに伺いました。どのような内容の報告がされる見込みなのか伺います。

○遠藤保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 当該研究は、インターネットを用いた自殺予防活動に深い知見を有する研究者の協力を得て実施をしております。
 民間団体の調査によれば、自殺の背景となり得るものは六十九項目あるとされておりまして、その中から特に危険性が高いと考えられる鬱病など六項目を研究対象として抽出をいたしました。
 現在、それぞれの項目につきまして、研究用の検索連動型広告を実際に運用いたしまして、キーワードごとの広告表示回数や広告クリック率等の測定を行っており、一月にはその運用結果が報告される予定でございます。

○菅原委員 日本の自殺問題が広く議論されるようになったのは、一九九八年に年間三万人が自殺したときからだと思います。私が日野市議会で自殺対策を初めて訴えたのは二〇〇〇年九月の市議会でございました。多くの関係者が自殺対策の重要性を訴えて、二〇〇六年には法律が制定されました。日野市では、二〇一一年に都内初の自殺総合対策推進条例が制定されました。
 これらの取組の中から、自殺対策は生きる支援だという考え方が浸透してきました。生きづらさを抱えて、ネットで自殺に関係する言葉を検索する方々に対して、情報を提供するのがこの検索連動型広告です。効果検証しながら、施策を深めていただきたくお願いを申し上げます。
 次は、保育所や障害児などの送迎バスの安全対策について伺います。
 この事業は、国が大きな方針を決めて、全国の都道府県に同じ対策を進めるものです。ただし、障害児通所施設の送迎バスについては、昨日の時点でも国からの通達がまだ届いていないというふうに伺いました。そこで、本日は、保育園などの送迎バスの安全対策に絞って質疑を行います。
 この事業は早急に対応が求められます。まず、事業の対象について漏れのないようにしなければいけません。例えば、認可外保育施設や企業内の保育施設、またはベビーホテルなどが所有する送迎バスなどは対象に入っているのか伺います。

○奈良部少子社会対策部長 都は、令和四年九月に発生した園児置き去り事故を踏まえた緊急対策といたしまして、子供の安心・安全性確保の取組を支援するため、送迎バス等への安全装置の設置等に係る経費を補助いたします。
 本事業は、認可保育所、認証保育所のほか、いわゆるベビーホテル等も含めた認可外保育施設も対象としております。

○菅原委員 この事業は、東京都が直接事業を行うのでしょうか。または区市町村が主体となるのか、どちらなのか伺います。

○奈良部少子社会対策部長 本事業の実施主体は区市町村でございまして、都は区市町村に対して補助を行います。

○菅原委員 保育園などのバス事業については、区市町村が主体となるということが分かりました。
 保育園などの場合、それぞれの議会での予算議決が必要です。区市町村が円滑に事業を実施できるよう、どのような対応をしていくのか伺います。

○奈良部少子社会対策部長 事業開始後に区市町村が円滑に申請手続に入れるよう、国の動向や都の補助制度の概要等を事前に情報提供しております。
 その際に、区市町村から受けた質問や疑問点等につきましては随時確認し、Q & Aに取りまとめた上で、回答は全区市町村で共有するようにいたします。
 事業実施に向けて準備を丁寧に進め、国のガイドラインや具体的な支援策が示され次第、速やかに要綱を制定し、区市町村に発出いたします。

○菅原委員 子供たちの安全を確保するのは、バスの置き去り防止装置をつけるのは当然としても、職員の研修や安全点検も重要です。さらに、送迎バスだけではなくて、施設の外でも、または中でも、様々な安全対策が必要になります。睡眠中の事故防止のためのベビーセンサーの導入経費もこのたび予算化をされていると聞いております。
 今回の取組はそれぞれの事業者が行うのですが、福祉保健局として様々な情報が寄せられると思います。その情報をオープンにしてみんなで共有して、保育園などに提供することを検討されることを要望し、質疑を終わります。

○中山委員 それでは、令和四年度十二月補正予算案、これからは四定補正予算案と述べさせていただきますが、それについて質問させていただきます。
 我が党は、この年末年始の新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの同時流行に備えまして、夜間、休日の医療機関の診療体制の充実などを求め、知事に要望したところであり、今般、その内容に応えて補正予算案が組まれたことを歓迎するものであります。
 まず、シャープ八〇〇〇、または〇三−五二八五−八八九八の子供の健康相談室について質問します。
 電話相談の受付時間を二十四時間化するとともに、相談電話回線において最大回線数を五回線から十五回線に体制を拡充する補正予算が計上されておりますが、大事なのは、その具体化のプロセスであります。拡充が果たされていく時期と具体的な内容について見解を求めます。

○奈良部少子社会対策部長 子供の健康相談室では、区市町村や都保健所の閉庁する時間帯に電話相談を受け付けております。これまで、平日の十八時から二十三時までと休日の八時から二十三時までは五回線、二十三時から翌八時までは二回線で実施しておりました。
 この冬の新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行を見据えまして、今月から緊急的に体制を拡充いたしまして、この一日より、二十三時から翌三時までを一回線増やして三回線としております。
 中旬には全ての時間帯で十回線ずつ拡充いたしまして、平日の十八時から二十三時までと休日の八時から二十三時までは十五回線、二十三時から翌三時までは十三回線、三時から八時までは十二回線で実施する予定でございます。
 また、これまで実施しておりませんでした平日の八時から十八時までの時間帯につきましても、新たに十回線で実施し、二十四時間対応とする予定でございます。

○中山委員 多くの医療機関が休診となり、医療が逼迫しやすい年末年始の相談体制を心配しておりましたけれども、今月、令和四年の十二月の中旬に最大十五回線への増強を果たすということで、お伺いをして安心した次第であります。
 二十三時から翌朝八時までの時間帯の相談回線もかなり増やされるということでございますので、その効果を期待したいところであります。また、これまでは実施されておりませんでした平日の昼間の時間帯の相談も執り行うようにするということは、一一九番通報の増大を抑える効果にもつながると私は思っておりまして、評価したいと思います。
 さらに、あえていえば、この電話相談事業で具体的に医療機関への受診が必要になった場合には、「ひまわり」〇三−五二七二−〇三〇三、聴覚障害者の方は〇三−五二八五−八〇八〇、ファクスだそうですけれども、の利用を案内すると伺っております。
 「ひまわり」は専用のコンピューターで自動的に対応するものでありますので、「ひまわり」で紹介された医療機関にそのまま受診に出かけてしまいますと、当日の当直の担当医の方が専門診療科ではなかったりする場合などに、結果的に受診を断られてしまう場合があるというふうに伺っております。
 この点では、「ひまわり」のアナウンスにおいても心がけてもらいたい点でありますけれども、子供の健康相談室での電話相談におきましても、「ひまわり」で紹介された医療機関に赴く際には、事前に電話などをして確認をして出かけた方が、時間のロスといいますか、空振りをしなくて済むと思われますので、この点も念のためにお知らせいただくよう、子供の健康相談室の実施者にお伝えいただきたいと要望するものであります。
 続きまして、四定補正予算案に計上されております休日小児診療の促進の取組の拡充について質問させていただきます。
 これまでの取組は、診療・検査医療機関のみを対象として、診療・検査医療機関の申請サイトで、対象者の欄で小児患者に対応可の選択を行ってくださいました医療機関が実際に小児患者の診療を行った場合に謝金を給付するもので、本年四月から実施していると伺っております。
 まず、本年度から実施されたこの取組を通しまして、小児診療を可能としている診療・検査医療機関の数がどのぐらい増えたのか、その実績について見解を求めたいと思います。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 小児診療に対応可能としております診療・検査医療機関につきましては、本年四月末の時点で一千五百七であったところでございます。十一月末現在では、これが千九百三十四となってございまして、四百二十七機関の増加となっております。

○中山委員 約七か月間で約四百三十機関増えているとのことでございまして、評価したいと思います。
 一方、小児の患者は、発熱等の症状があった際に自己検査が困難なことが多く、そうした状況から、外来での診療や検査が必要とされますため、勢い診療・検査医療機関での受診に集中してしまう傾向になりがちであります。約二千の数に増強された診療・検査医療機関であったとしましても、都内全体から見れば、まだ十分とはいえません。
 その意味で、特に今後の年末年始をはじめとして、季節性のインフルエンザの同時流行が発生しやすい時期におきまして、休日の小児発熱患者への対応が可能な医療機関が足りなくなるなど、逼迫に陥ることを避けるためにも、今回の十二月三日から令和五年の三月二十六日までの休日の小児診療の促進期間におきまして、小児の発熱に対応できる医療機関の数を増やすことは重要であります。そのためには、小児科を標榜する医療機関全体で季節性インフルエンザ等の感染症の発熱患者を適切に診療していくことが必要であります。
 診療・検査医療機関ではない小児科を標榜している医療機関が、都のホームページでの公表にご協力をいただけて、この間に実際に診療を行っていただけた場合には、今回の補正で新たに謝金の対象に加えていくということでありまして、期待したいと思います。
 既に謝金制度の実施で、約七か月間で四百三十機関も診療・検査医療機関の登録が増えているということでありますので、この期待にはある程度根拠があるものと思っております。
 そこでまず、確認でありますが、今回の補正で拡充された内容の二点目として、謝金支給の新たな対象に、発熱等の症状で感染症を疑う十五歳未満の小児患者の診療が加わったとのことでございますが、これは診療・検査医療機関だけではなく、診療・検査医療機関ではない小児科を標榜する医療機関も対象とするものであるという認識でよいか、確認で見解をお伺いしたいと思います。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 ただいまご指摘いただいたとおり、診療・検査医療機関以外でも、小児科を標榜する医療機関につきましては、この謝金支給の対象となります。

○中山委員 その上で、季節性インフルエンザの流行時期に限らず、小児科医の不足は東京都のもともとの常態的な長年の課題の一つでありました。私は医療の専門家ではないので、的外れなことを申し上げるかもしれませんけれども、今回、小児の発熱にご対応いただける医療機関の増加を目指す補正予算事業につきまして、取組の周知を図ることを通じて、専門的な研修の、改めての積極的な受講などの点も含めまして、できる限り多くの医療機関に対し、小児科を追加で標榜していただけるように取り組むことも重要と考えております。
 そこで、内科など小児科以外の医療機関の幅広いご協力を得た上で取り組むことが重要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 この冬は、先生ご指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行が懸念されておりますので、診療体制が手薄となります休日に発熱等のある小児患者が速やかに受診できますよう、小児科等による診療の促進を図ることが重要であると考えておるところでございます。
 都はこれまで、診療・検査医療機関の皆様に限って支給いたしておりました小児を休日に診療した場合の謝金でございますけど、これをそれ以外の小児科の皆様にも拡大することといたします。
 実施に当たりましては、多くの医療機関の皆様が発熱した小児の診療にご協力いただけますよう、東京都医師会と連携いたしまして、事業の周知を図っております。
 また、小児に対応できる内科などの医療機関の皆様に対しまして、診療・検査医療機関への登録を働きかけますとともに、さらに、診療・検査医療機関に登録している内科や耳鼻科などに対しましても、小児患者に対応可能かどうかを改めて確認いたしまして、対応可能な医療機関を都のウェブサイトで明らかにしてまいります。
 こうした取組を通じまして、同時流行に備えて、発熱した小児の受診機会の確保に万全を期してまいります。

○中山委員 耳鼻科とか、そういうような視点、とても大事だと思います。小児に対応していただける医療機関の増加に向けました今回の補正事業が一過性の取組として終わることなく、総合病院に勤務されます小児科医の不足を補うための取組と併せまして、開業医療機関での小児科医不足という都の課題にも効果を発揮していくことを期待したいと思います。
 その上で、まずは診療・検査医療機関ではない小児科の医療機関が、来年の三月二十六日までの間、できる限り休日の小児発熱に対応していただけますよう、確実な成果を上げていただくことを要望するものであります。よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、四定補正予算案に計上されております障害者(児)の受入れ促進事業について質問させていただきます。
 都は、コロナ患者の入院受入れを促進するため、コロナ患者を受け入れる医療機関に対し謝金を支払っています。今回の障害者(児)の受入れ促進事業は、患者が障害者の場合、謝金の額を増加する事業と聞いております。
 コロナ患者を受け入れる医療機関に謝金を支給する事業の概要とこれまでに支給した病院数、今回の補正予算で強化する内容についてお伺いいたします。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、感染症疑い患者一時受入医療機関受入謝金等交付事業におきまして、新型コロナウイルス感染症患者等の入院受入れを促進するため、患者の方を受け入れる医療機関の皆様に対しまして謝金を支給してございます。
 これまでの謝金の支給実績につきましては、令和二年度は百八十五病院に合計百二十三億円を支給いたしまして、令和三年度は百九十病院に二百十二億円支給いたしたところでございます。

○中山委員 今の答弁で、医療機関数も支給総額も伸びておりまして、多くの医療機関で活用されていることが都民の皆様におかれましても確認できたと思います。特に、支給総額の伸びが大きく、それだけ医療機関ごとの受入れ患者数が大きく伸びていることを意味していると思いまして、評価したいと思います。受け入れられた医療スタッフの皆様に感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、今回の補正予算案として計上しました障害者(児)の受入れ促進事業で、謝金の額を加算するとのことですが、これまでの謝金の額及び今回の加算額を明らかにされたいと思います。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 感染症疑い患者一時受入医療機関受入謝金等交付事業の謝金額につきまして、陽性者、疑い患者等により異なりまして、例えば陽性患者の場合でございますが、受入れ患者数に応じて、お一人当たり一日二万円から三万円を支給してございます。
 今回の補正予算案に計上いたしました障害者(児)の受入れ促進事業は、患者が重度の心身障害者の場合に、医療機関の負担を軽減するために、従来の謝金に二万円を加算するものでございます。
 こうした取組によりまして、重度の心身障害者のコロナ患者の入院受入れを促進してまいります。

○中山委員 障害のある患者を含めまして、入院が必要な患者を医療機関が円滑に受け入れられますよう、こうした事業を通じて医療機関をしっかり支援していただきたいと思います。
 私の地元のクリニックの紹介ですけれども、障害のある、特に知的障害のあるお子さんの健康診断を積極的にやっていらっしゃる医療機関がございます。大変、関係者から助かっているというふうにお伺いしました。なかなか時間で人数をこなすということはできない取組なんですけれども、そこは本当に伝統的にそうした事業を大事にしていらっしゃっておりまして、ぜひそうした方々のご努力に報いることができる取組としていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、四定補正予算案に計上されております高齢者等医療支援型施設の設置の増強について質問します。
 先ほども質問ございましたけれども、要介護状態の新型コロナウイルス感染症患者の受入れは地域の総合病院での大きな課題でございまして、都がその拠点病院を整える効果は大きいものと考えております。
 施設の現状と今後の増強の中身、特に二十三区東部の方では、本当に必要な状況がありまして、その概要につきまして明らかにされていただきたいと思います。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 オミクロン株につきましては、基礎疾患があり、重症化リスクの高い高齢者等に重点を置いた対策が求められておりまして、症状や状況が異なる患者のニーズに合わせた療養環境を提供することが重要であります。
 このため、赤羽、世田谷玉川、渋谷に加えまして、今般、足立東和、青山、八王子めじろ台、旧府中療育センターの高齢者等医療支援型施設を開設いたしまして、介護や治療に加え、リハビリテーションを必要とする高齢者の受入先を確保することといたしました。
 これらの施設では、クラスターが発生した高齢者施設や自宅から要介護五までの高齢者等を受け入れ、健康観察、酸素投与、中和抗体薬治療、リハビリなどを実施するほか、患者の病状等に応じて中等症Ⅱまで対象を拡大するとともに、救急要請にも対応してまいります。
 今後とも、高齢者が安心して療養できる受入れ体制を強化することで、万全の備えを講じてまいります。

○中山委員 拡充を図るということで、期待したいと思います。
 高齢者の場合、感染症の治療の促進も重要でありますが、同時に、入院によりまして、加齢に伴う要介護状態が悪化したり、認知症状態が強まったりするなどの副作用的な変化が懸念されるところでもあります。
 その点で、都の高齢者等医療支援型施設では、高齢者に特徴的な状況に配慮した療養を行えるよう環境を整えるべきと考えますが、見解を伺います。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 高齢者等医療支援型施設では、ADLや認知機能の低下を防止するため、理学療法士による個別リハビリテーションや体操などを実施するとともに、趣味的活動や入所者同士が交流できる場を設けております。
 また、軟らか食や塩分ケア食などの多様な食事の提供、褥瘡の予防、認知症高齢者の徘回への対応、急変時の定員調整の実施など、入所者が安心して療養できるよう、個別の状況を踏まえまして支援を行っております。

○中山委員 入院期間中の介護状態の悪化や認知機能の低下は、通常の治療でも関係者の方々にとりまして、特別な配慮が必要な課題であり、大変だと思います。ましてやコロナの対応でありまして、ご努力に感謝申し上げたいと思っております。
 また、それに加えて、高齢者等医療支援型施設では障害者につきましても受入れを行っているとのことでございますが、その配慮の内容を明らかにされたいと思います。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 高齢者等医療支援型施設では、障害者についても安心して療養できるよう、ふだんの生活状況や支援内容を丁寧に確認した上で受け入れております。
 例えば、他者との関わりが苦手な方へ個室など落ち着ける場を提供したり、慣れない環境で不安にならないよう声かけをするほか、転倒しやすい方の見守りを行うなど、障害者一人一人の状況を踏まえながら、きめ細やかな支援を行っております。

○中山委員 小児の受入れであれ、障害者の受入れであれ、要介護高齢者の受入れであれ、対応されるスタッフの方々の感染対策の充実、レスパイトも必要だと思います。配慮、人件費への加算なども含めまして、今後必要に応じて適宜検証し、検討していただくなど、関係者のご努力に応じた待遇の改善を図ることができますよう要望させていただきたいと思います。
 また、この間培われました貴重な知見やノウハウは、今後の活用にも都として積極的に取り組まれたい。よろしくお願いいたします。
 続きまして、四定補正予算案に計上されております国の出産・子育て応援交付金への対応について質問します。
 先ほど来、お話が出ておりますが、国の交付金によりまして、出産、育児等の見通しを立てるための面談や、継続的な情報発信を通じて必要な支援につながる伴走型の相談支援の充実を我が党も提案をして、実現をしているところでございます。
 妊娠届出や出産届出を行った妊婦等に対し、出産育児関連用品の購入費助成や、子育て支援サービスの利用者負担軽減を図る経済的支援を一体として実施することとしております。
 そこでまず、この出産・子育て応援交付金の対象と支給方法について確認したいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 出産・子育て応援交付金では、妊娠届出時及び出生届出から乳児家庭全戸訪問までの間に、区市町村の保健師等が面談を行った妊産婦に対しまして、それぞれ五万円相当の経済的支援を実施することとしております。この交付金の対象は、令和四年四月以降に出産された全ての方となっております。
 今後、この事業が開始されることになりますが、それ以前に妊娠の届出や出産をされた方にも、経済的支援を遡及して適用することとされております。

○中山委員 可能な限り遡りを認めていただきたいと要望しているところではございますけれども、限度はあるかもしれませんが、こうした視点を持って取り組んでいくことがとても大事だと思っております。
 都は、国に先駆け、伴走型相談支援と経済的支援が一体となったとうきょうママパパ応援事業や、子供を産み育てる家庭を応援、後押しする東京都出産応援事業を実施しているところでございます。
 出産・子育て応援交付金は、こうした地方自治体が独自に行っている事業を活用して実施することは可能なのか、その点の認識をお伺いしたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 国は、地方自治体におけるこれまでの取組を生かしながら、地域の実情に応じて取り組むことができるよう、地方自治体の創意工夫に基づく柔軟な仕組みとするとしております。
 事業の詳細につきましては、今月中旬に国が行う自治体向け説明会において示される予定でございます。

○中山委員 私どもも党の政調会長に、東京都の取組をしっかり勉強して、国の事業に反映するように、両方が可能になるように求めているところでございまして、詳細をお待ちしたいと思っております。
 都が国に先駆けて実施しておりますとうきょうママパパ応援事業や、東京都出産応援事業の成果を踏まえまして、都として効果的な支援を行えるよう、交付金の活用方法を検討するべきと考えておりますが、見解をお伺いいたします。

○奈良部少子社会対策部長 都は、とうきょうママパパ応援事業によりまして、全ての妊婦に対して保健師等による面接と育児パッケージの配布等を行う区市町村を支援しております。事業開始以降、実施自治体は順調に増加しておりまして、令和四年度は都内全六十二自治体中、六十自治体が実施を予定しております。
 東京都出産応援事業では、これまでに約十六万八千世帯に専用ウェブサイトにアクセス可能なIDカードを配布しておりまして、約十四万五千世帯が登録しております。
 こうした都による広域的取組の実績を踏まえまして、都内全域で妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援が一層充実するよう、区市町村の意見も聞きながら、国事業の活用を検討してまいります。

○中山委員 先ほども菅原理事からご心配の話がありましたけれども、単なる財源の付け替えにしてはならないということを私どもも申し上げておりまして、国もその方針だというふうに伺っておりますが、六十二自治体中、六十自治体が既に実施しているわけですので、さらなる成果を実感していただけるように、実現のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、四定補正予算案に計上されております送迎バス等安全対策支援事業について質問します。
 最初に、保育所等における対策でございますが、区市町村が余裕を持って申請できるためには、要綱を定める前に、都としてしっかりとアプローチをしていくということがとても大事だと思っております。
 私も介護保険の施行のときに区役所におりましたので、めちゃくちゃ大変でした。その日に施行するのに、その日に要綱や通知が出てくるということで、そういうことではなかなか対応はできないということがございますので、ぜひこの点について見解をお伺いしたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 都は、令和四年九月に発生した園児置き去り事故を踏まえた緊急対策といたしまして、子供の安心・安全性確保の取組を支援するため、送迎バス等への安全装置の設置等に係る経費を補助いたします。
 国は、置き去り防止を支援する安全装置(仮称)の仕様に関するガイドラインを年内に取りまとめる予定でございますが、区市町村が円滑に補助金の申請手続に入れるよう、事前に国の動向や都の補助制度の概要等を情報提供しております。
 また、区市町村から受けた質問や疑問点等につきましては随時確認し、Q & Aに取りまとめた上で、回答は全区市町村で共有するようにいたします。
 事業実施に向けて丁寧に準備を進めまして、国のガイドラインや具体的な支援策が示され次第、速やかに要綱を制定し、区市町村に対して交付申請を依頼してまいります。

○中山委員 先ほどもご心配の声がありましたけれども、障害児の通所支援事業所における送迎バス等安全対策につきましては、まだ詳細がはっきりしていないところがたくさんあるわけですが、一つ明らかになっているのは、こちらの方は事業所が取り組む内容ということになっておりますので、事業所が余裕を持って申請できますためには、区市町村に対する場合以上に、要綱を定める前に都としてしっかりアプローチしていくということが大事かと思います。その点について見解をお伺いしたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 補助要綱の制定に当たりましては、児童発達支援事業所や放課後等デイサービスを訪問し、送迎車両の運行状況や安全対策の実施状況などを把握するとともに、対象施設、補助内容、補助基準額等の事業の概要を事業者に対して事前に情報提供いたします。
 年内に予定されております国のガイドラインや支援策が示され次第、速やかに補助要綱を制定し、事業者からの照会内容等をQ & Aに取りまとめて周知を図りながら、交付申請を受け付けてまいります。

○中山委員 ぜひ丁寧なアプローチをしていただいて、足並みをそろえて取り組んでいけるようによろしくお願い申し上げたいと思います。
 最後に、四定補正予算案に計上されておりますひとり親家庭への支援について質問させていただきます。
 頂戴しておりました資料によりますと、母子家庭の四五%がパートやアルバイトなどの非正規雇用に従事しておりまして、民間団体のアンケート調査では、約七割のひとり親家庭が雇用状況や収入額の面でコロナの影響を受けております。
 令和三年度の厚労省の労働経済の分析では、宿泊業、飲食サービス業等の産業におきまして、非正規職の労働時間や賃金の減少の影響が見られているとのことであります。
 ひとり親家庭が就業を経て経済的に自立していくことを応援することは、都の少子社会対策におきまして力を入れて取り組むべき課題の一つであると認識するものです。
 この点で、福祉保健局が今定例会で補正予算を組んでおりますが、本年度、令和四年度におきまして、都はひとり親家庭就業推進事業として、すてきみらい塾と未来応援プログラムとの二つの事業を並行して実施していると聞いておりますが、まず、現在までの実施状況をご説明されたいと思います。見解を求めます。

○奈良部少子社会対策部長 今年度は、当初予算により四月から参加者を募集いたしまして、すてきみらい塾を実施するとともに、六月の補正予算で事業規模を拡大いたしまして、九月から未来応援プログラムを実施しております。
 これまでに、すてきみらい塾では百三十名、未来応援プログラムでは七十一名の方が参加しておられます。現在、スキルアップ訓練や職業紹介などを行っておりまして、訓練を修了して就職した参加者に対しましては、アフターフォローを実施しているところでございます。

○中山委員 頂戴しておりました資料によりますと、本事業では、求人開拓して、希望を喚起した上で申込みを受け付ける広報、募集と、申込者の方の希望内容を聴取して、就業コーディネーターが個別支援計画を作成する事前面談というのがあると。
 さらに、相談対応として、個々の相談者が取り組みやすい方法によるスキルアップ訓練や、求人企業と申込者本人とのマッチング支援、就職後の職場定着を支援するアフターフォローまでを、大事なのは当該予算年度の一か年の間で執り行う取組となっているということだそうでございます。
 令和四年度は、当初予算ですてきみらい塾、六月補正で未来応援プログラムが事業を開始し、それぞれ百五十名ずつの募集を行ったところ、今ご答弁でありました就労支援の取組を行っている最中というところでございます。
 令和四年度は初年度でありまして、時期をずらしての二つの事業が同時並行していくことになりましたが、大切なことは、限られた一か年という間に就職後のアフターフォローまでを実施するという点——これが実現できるということはすばらしいことだと思いますので、この点にあると思います。
 そのためには、短期間で結果に結びつく効果的な手法を見極めることが大切でありまして、加えて、年度当初から本格的にスキルアップ訓練を実施できるようにしておきませんと、就労やアフターフォローまではたどり着かないということになりかねません。
 そこで、本年度において実施されているすてきみらい塾と未来応援プログラムは、同じ目的に沿った取組ではありますが、事業内容の点ではどういった点で異なるのか、見解を求めたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 本事業につきましては、企画提案方式で事業者を決定しておりまして、二つの事業者に委託しておりますことから、スキルアップ訓練の内容などが異なっております。
 すてきみらい塾では家事代行や建築施工管理など、未来応援プログラムでは賃貸不動産経営管理士養成やICT支援員初期研修などのコースを設定しておりまして、それぞれ習得したスキルを生かして働けるよう、就職先のマッチングを行っております。

○中山委員 短期間で結果に結びつく効果的な手法を見極める、先ほど申し上げた点ですけれども、現在、事業が進行中なのではありますが、今年度の成果をよく分析していただいて、令和五年度事業での委託先の選定に生かしていただきたいというふうに思います。
 次に、初年度であります令和四年度の取組として、現在、マッチングの状況はどうなっているのか、この点についての説明を求めたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 すてきみらい塾の参加者には、スキルアップ訓練が修了した方から順次マッチングを開始しておりまして、既に数名が就職しております。
 今後、マッチングの成果について検証を行い、その結果を来年度の事業実施に生かしまして、一人でも多くの方を就業につなげていきたいと考えております。

○中山委員 四月から参加者を募集しておりましたすてきみらい塾の取組におきまして、ようやく数名のマッチングの成果が出始めているということだそうでございます。一組でも多く、当事者の希望や条件に即した就労が具体的に実現していくことは大変喜ばしいことでありまして、関係者のご努力に敬意を表したいと思います。
 初年度とはいえ、今年度は二百一名の方がスキルアップ訓練に取り組んでいる状況でありまして、ぜひ、年度末のぎりぎりまでマッチングの結実にご努力を願いたいと思います。また、今後、マッチングの成果につきましては検証を行うということであり、この点もぜひ来年度の事業に生かし、一人でも多くの就業につなげていただきたいと要望します。
 本当の意味での最後の質問になりますが、来年度の事業でどう具体的に今年度の検証が生かされていくのかが重要であります。令和三年度も準備業務のための経費を令和三年度の補正予算で措置しておりましたが、今回、令和四年度の補正予算では金額が大きくなっております。
 どういった内容の取組を行うのか、予算額と併せて見解を求めたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 令和三年度は二百万円の予算を確保いたしまして、事業者を前倒しで二月に決定し、令和四年度の四月から参加者を募集できるようにするための準備業務を行いました。
 今回の補正予算案では、今年度内に参加者の募集を開始するための広報経費や準備経費といたしまして、二千万円を計上しております。今年度内に参加者を募集することによりまして、来年度は早期に参加者を決定し、スキルアップ訓練や就職活動に十分な期間を確保することで、一人一人の希望や適性に応じた支援を行ってまいります。

○中山委員 ありとあらゆることで東京都が直接やるということはなかなかできないです。基本的には区市町村と連携してやっていくことが基本だと思いますけれども、このように、ひとり親のマッチングの取組のように、東京都が直接乗り出していくということも、大事な知見を、感覚をつかむ上でも大事なことだと思っております。
 ぜひ、今まで申し上げたとおり取組を生かしていただいて、一人でも多く結実に結びつけていただきますよう、そしてまた、効果的な取組を行える委託先の選定に結びつけていただきますよう、望ましい成果を上げていただくことを期待しまして、質問を終わりたいと思います。
 以上です。

○内山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十二分休憩

   午後三時開議

○内山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
 補正予算について質問いたします。
 物価高騰とコロナ禍から都民の命と暮らしを守り抜くことが、東京の経済を立て直す上でも急務となっています。都庁の下で土曜日に行われている食料支援にいらっしゃる方は、先々週には過去最高の六百四十四人となりました。
 NPO法人キッズドアが食料支援の対象となっている世帯に対して行ったアンケート調査では、家計が厳しくなったと回答した家庭がほぼ一〇〇%で、子供に食べさせるために親の食事を減らしたり、抜いたりしているとの回答も約半数に上りました。子供の心身の成長への悪影響は、大いに出ていると出ているを合わせて約半数となっています。悪影響の具体的な内容としては、必要な栄養が取れていないが七〇%と最も多く挙げられました。自由回答では、電気、ガスが高くてこの冬は暖房をつけないと決めたが、冬を越せるのか不安、ふだんからぎりぎりの生活でしたが、物価高騰で食べることもやっとの生活に変わりましたなど、切実な声が出されています。
 政治が人々の暮らしを支える責任を果たすことが強く求められています。暮らしが困難になっている全ての都民を支援していくことが必要です。今回の補正予算がその目的に見合っているのかを確認したいと思います。
 初めに、国産農産物を活用した低所得世帯への生活支援という目的で実施する東京おこめクーポン事業について伺います。
 おこめクーポン事業の対象は、住民税非課税世帯もしくは家計急変世帯となっていますが、対象となっている方がひとしく受け取れ、生活の支えになることが重要です。おこめクーポン事業では、国産の米や野菜などの食料品と引換え可能なクーポンを配布するというもので、一世帯当たり、米二十五キログラム分相当となっています。
 一方、健康上の理由等で、お米をそのまま送られてきても食べられない方がいらっしゃいます。アルファ化米が必要な方への対応はどうなっているのか伺います。

○高橋生活福祉部長 対象世帯の状況等も踏まえまして、詳細につきましては今後検討してまいります。

○藤田委員 今後検討ということですが、普通のお米しか選択肢がないということでは、アルファ化米を必要とする方々には支援が届かない、支援できないということになります。そうならないよう検討することを求めます。
 嚥下機能に障害があるなどの理由で、専用の栄養剤をチューブを通して胃などに直接入れて栄養を取っているという方もいらっしゃいます。経管栄養をしていて、炊いたお米を食べない方、食べられない方への支援はどのようにするのですか。

○高橋生活福祉部長 先ほども答弁しましたけれども、対象世帯の状況等も踏まえまして、詳細については今後検討してまいります。

○藤田委員 これも今後検討ということですが、お米を前提にすると解決策は出てこないのではないかと思います。少なくとも、経管栄養をしている方々が何らかの形で利用できる仕組みとすることを求めるものです。
 施設等に住んでいて、食事は施設等が提供するという場合もあります。施設等に入所していて自分で炊飯をしない方への支援はどのようにするのですか。

○高橋生活福祉部長 本事業は、お米等と引換え可能なクーポンを配布し、対象者からの申込みにより、お米等の食料品を配送するものであり、施設に入所されている方については、施設職員等へ相談するなど、状況に応じて申し込んでいただくことを想定しておりますが、詳細につきましては今後検討してまいります。

○藤田委員 生活状況に応じてということですが、施設等の種類は多く、その全てで対応が可能になるかということが課題になると思います。入所者は社会的に困難な状況に置かれている方が多いですから、支援が行き届くような対応を求めるものです。
 自宅に炊飯釜、あるいはガス台、お鍋などの調理器具がない場合は、ご飯を炊くことができません。障害があって炊飯が難しいという方もいらっしゃいます。ふだんお米を炊かなかったり、炊くのが難しい方への対応は考えていますか。

○高橋生活福祉部長 対象世帯の状況等を踏まえまして、詳細につきましては今後検討してまいります。

○藤田委員 これも検討中ですが、幅広い方が有効に生かせるようにする対応を求めます。
 東京都立大学教授の阿部彩さんの著書、子どもの貧困Ⅱの中に、学生としてアメリカに住んでいたときのエピソードが出てきます。アメリカでは、低所得の乳児を抱える母親と妊婦に、食料支援としてシリアルや缶詰の野菜などを給付するプログラムがありますが、阿部さんの友人はアジア人であったので、お米を主食としており、シリアルは有効活用されていなかったというものです。阿部教授は、物を配布するというのは非常に難しいのであると書いておられます。
 今回は逆に、日本でお米を配ろうということですが、東京に住んでいる方はお米を主食としている場合が多いとは思いますが、多様性のある都市を目指す東京都として、選択肢がお米だけでよいかということは検討が必要です。
 次に、事業は、食料品を自宅へ配送するという方式で行うものですが、住まいがない方もいらっしゃいます。ホームレスの方々への対応はどのようにするのですか。

○高橋生活福祉部長 本事業の対象は、国の給付金と同様、住民基本台帳に記録されている方で住民税均等割が非課税に該当する世帯でございます。

○藤田委員 給付金と同様ということで、現金給付の場合も、住民登録があって住民税非課税が確認できるというハードルがあるわけですが、お米を炊くことには、水と電気があって、炊飯釜が使えてということが前提として必要なので、さらにハードルが加わってしまうのではないかと思います。国の給付金でも存在している課題ですが、ホームレスの方々に支援が届かないということは、本来あってはならないことだと思います。
 二〇二〇年に国民全てに十万円の給付を行った際、世帯主にまとめて送るという方法を取ったために様々な課題が生じてしまいました。今回の事業も、クーポンの配布と食料品の配送は世帯単位になっているのですが、配偶者や親族からの暴力等により避難している方への対応はどうするのですか。

○高橋生活福祉部長 配偶者や親族からの暴力等により避難している方につきましては、国の給付金支給の際に区市町村が情報を把握しているため、区市町村と連携して適切に対応してまいります。

○藤田委員 文字どおりの適切な対応を求めるものですが、国の給付金も含めて、世帯単位ではなく個人単位の支援としていくという考え方が本来は必要です。都として、都民への支援策を検討する際には、一人一人が独立した尊厳を持つ個人であるという認識を前提として行うよう求めるものです。
 様々な方々への対応について確認をしてきましたが、社会的に困難な状況にある方々に支援が届かないということは避けるべきことです。都としての基本姿勢について伺います。
 低所得世帯の生活安定を図るための事業を行うに当たっては、誰一人取り残さないという立場で行うことが重要だと考えますが、いかがですか。

○高橋生活福祉部長 低所得世帯など、困難を抱える方それぞれの状況に応じた取組が必要であると考えておりまして、都はこれまでも、仕事と住まいを失った方、低所得のひとり親家庭、フードパントリーなど、生活困窮者に対する様々な支援を実施しております。こうした取組は、「未来の東京」戦略の考え方に基づき、セーフティーネットを強化したものでございます。
 今回の補正予算案では、物価高の影響を受けやすい低所得世帯に対し、食料品の面から支援するため、国産の米などの食料品を配送するための経費を計上したものでございます。

○藤田委員 私は、誰一人取り残さないという立場で行うことが重要だということについて質問したのですが、答弁がありませんでした。
 誰一人取り残さないということは、今や知事をはじめ東京都もよく使う言葉です。それなのに、その言葉を使わない。そのような姿勢では、今後、どのような姿勢で施策を行っていくのか危惧を覚えざるを得ません。
 答弁で触れられていましたが、東京都が今年策定した「未来の東京」戦略 version up 二〇二二では、六一ページに困難を抱える方の状況に応じた取組を強化と書かれていて、具体的には、生活困窮者やひとり親家庭についても書かれています。そして、下の方に、誰一人取り残さないセーフティーネットを強化と明記されています。ですから、当然、生活困窮者やひとり親家庭の支援については誰一人取り残さないという考えの下、行っていくということだと思います。
 ところが、答弁では、「未来の東京」戦略には触れたのに、肝腎の誰一人取り残さないということには触れられませんでした。
 局長に伺いますが、この「未来の東京」戦略 version up 二〇二二に書かれている誰一人取り残さないセーフティーネットを強化という考え方で、福祉保健局としても取り組んでいくということでよろしいでしょうか。確認をさせていただきます。(高橋生活福祉部長発言を求む)局長に確認をしているのですが。

○高橋生活福祉部長 先ほどご答弁しましたように、都は、困難を抱える方それぞれの状況、そういったものに応じた様々な取組を実施しているところでございます。
 本事業は、物価高の影響を受けやすい低所得者に対し、食料の面から支援するものでございます。戦略の考え方に基づくセーフティーネットを強化する取組の一つでございます。

○藤田委員 知事も、内容が分かっているかどうかはともかくとしても、誰一人取り残さないという言葉をよく使っているんです。ましてや、社会的に困難な状況にある低所得者への支援であれば、少なくとも姿勢としては、誰一人取り残さないと述べるのは当然です。にもかかわらず、きちんと答弁をしない姿勢には強く危機感を抱かざるを得ません。
 これまでの質問で、障害者、施設入所者など様々な方々への対応について確認し、今後検討していくという答弁が多かったわけですが、こうした方々を取り残してしまわないよう対応していくことを強く求めるものです。
 また、おこめクーポン事業の対象は、住民税非課税世帯と収入が減少し住民税非課税相当の収入となった世帯ですが、住民税課税世帯であれば生活が苦しくないということではありません。
 実際、東京都自身、生活福祉資金の特例貸付については、償還免除の適格要件等について、住民税非課税世帯に限定しないなど、さらなる検討を行うよう求める要望を国に出しているわけです。住民税非課税世帯やそれに相当する世帯だけでなく、より幅広い方々への支援を行うことを求めるものです。
 次に、予算額について、今回の委員会資料、2、東京おこめクーポン事業の予算額及び内訳によりますと、予算額二百九十六億四百万円のうち、事務費は四十七億七千二百万円で全体の一六%になります。かなり大きい金額です。同時に、この資料の米など食料品調達費等二百四十八億三千二百万円も、お米本体だけの費用ではありません。
 米など食料品調達費等には、具体的にどのような費用が含まれているのですか。

○高橋生活福祉部長 食料品調達費には、米などの食料品の購入に要する経費と配送に要する経費が含まれております。

○藤田委員 配送の費用が含まれているということです。
 では、百七十四万世帯にお米などを送付できる事業者は、どのくらいあるのですか。

○高橋生活福祉部長 食料品の配送に当たりましては、世帯人数や年齢など、対象世帯の状況や希望等に応じて複数回にわたり配送することを予定しており、必要な経費を積算しているところでございます。

○藤田委員 もう一回、質問させていただきます。
 百七十四万世帯にお米などを送付できる事業者は、どのぐらいあるのでしょうか。

○高橋生活福祉部長 失礼いたしました。
 本事業では、低所得世帯等の約百七十四万世帯を対象に食料品を配送するものであり、多くの対象世帯に安全・安心な食料品を着実に届けるため、産地や銘柄は限定せず、広く全国の産地から調達することを想定しており、可能な事業者と契約をしてまいります。

○藤田委員 答弁されたようなことができる事業者は、あるとは思いますが、数は限られるのではないかと思います。
 そして、広く全国の産地から調達することを想定しているということですが、食料品を自宅へ配送するための運送費はどのくらいかかると想定していますか。

○高橋生活福祉部長 食料品の配送に当たりましては、世帯人数、年齢など、対象世帯の状況や希望等に応じて複数回にわたり配送することを予定しており、必要な経費を積算しております。

○藤田委員 具体的な金額は答弁がないわけですが、百七十四万世帯に二十五キログラムのお米を複数回に分けて配送するわけですから、かなりの金額になります。
 単純計算になりますが、例えば、ゆうパックを百七十四万個送ると、かかる料金は十億円を超えます。百七十四万世帯に二回や三回送ると仮定すれば、かかる料金も、その分何倍もかかります。ゆうパックより高くかかるほかの運送会社の料金で計算すれば、さらに金額は増えます。いずれにせよ、百七十四万世帯に複数回送ると数十億円の単位の費用がかかる計算になります。
 また、お米の値段の方から見て考えてみた場合、もちろん、銘柄などによって価格は違うのですが、国の小売物価統計調査によると、東京都区部でのお米五キログラムの小売価格は、コシヒカリの場合二千三百二十三円です。
 これも単純計算ですが、五キログラム二千三百二十三円からお米二十五キログラム、百七十四万世帯分の値段を計算すると、約二百億円となります。コシヒカリ以外の場合は、もっと安くなります。
 一方で、事務費と運送費用を含めた本事業の予算総額は、約三百億円になります。お米本体以外の部分にかなりの費用をかけることになり、もしその費用を直接支援に回せるのであれば、多くのことができます。例えば、市町村で実施している児童育成手当を三千円引き上げるのに必要な経費は、年間約十九億円です。
 もちろん、ほかのやり方で事業を行った場合も、対象者が受け取れるお金や物以外の部分の予算はかかるものですが、お米などの配布ではなく、現金給付を行う場合の事務費は幾らになりますか。

○高橋生活福祉部長 現金給付は検討していないため、当該経費については試算してございません。

○藤田委員 試算していないということですが、こうしたことも試算した上で、政策決定すべきだったと思います。今年の予算特別委員会の資料によると、一昨年度の決算で、ひとり親世帯臨時特別給付金の事務費は、全体の一%強でした。
 国が昨年度行った子育て世帯への臨時特別給付金では、現金とクーポンに分けて給付することで事務経費が大幅に増加することに批判が集まりましたが、同じ五万円相当の給付でも、現金給付でかかる事務費は約二百八十億円である一方、クーポンだと九百六十七億円かかるということでした。現金給付にせずに、現物給付やクーポン券にすることで事務費などがかさむというのは、ありがちなことです。お米を配るということが最善の選択肢なのか、前提となるデータや試算を出した上での議論が本来は必要です。
 もちろん、現金給付か現物給付かということは、事務費や運送費だけで決めることではありません。例えば、現物給付にすることに大きなメリットがあれば、事務費はかかっても現物給付にするということは十分あり得ます。
 なので、理由を確認しておきたいと思うのですが、なぜ現金給付にしなかったのですか。

○高橋生活福祉部長 本事業は、物価高の影響を受けやすい低所得世帯を食料品の面から支援するものであり、食料品を届けることで、必要とする方に適切な生活支援を行っていくこととしております。
 また、米を中心とした食料品を自宅に配送することで、高齢者等の買物に係る負担の軽減を図るものでございます。

○藤田委員 現金給付にしなかった理由を聞いたのに、本事業は食料品の面から支援するものでありというお答えでは、説明になっていないのではないでしょうか。
 先ほどの答弁でも、現金給付は検討しておらずと述べられましたが、やはり、きちんと検討するべきだったと思います。また、買物の負担軽減というのも、一律に食料品の配送を行う根拠としては弱いと思います。
 生活に困っている方々の支援を検討するには、様々な施策のメリット、デメリットを考える必要があります。一般的に、現金給付と現物給付には、給付を受ける側にとって、それぞれどのようなメリット、デメリットがあると考えていますか。

○高橋生活福祉部長 一般的に、現金給付は、使途が限定されていないが、目的以外の用途に使用される可能性がございます。
 一方、現物給付は、使途が限定されるが、目的に合わせた物やサービスが給付されるということになります。

○藤田委員 子供の貧困について研究している東京都立大学教授の阿部彩さんは、子どもの貧困Ⅱの著書の中で、子供の貧困対策としての効果について、現金給付と現物給付、それぞれの利点を述べています。現金給付については、各家庭において一番必要な物品やサービスに変換できるので汎用性がある、これが現金給付の最大の利点であると述べています。使途が限定されていないということが最大のメリットだということです。
 また、目的と異なる使われ方をしてしまうのではないかということに関連する内容としては、次のようなことが述べられています。現物給付が現金給付より効果があるとする論は、現物給付は同じ価格の現金給付より、子供のためになる資源を増加させることになるという仮説に立っている。例えば、食料を貧困世帯に給付するプログラムと同価格の金銭を給付するプログラムにおいては、子供の栄養状況に差が出ると考えるのである。しかしながら、アメリカの様々な現物給付の効果を測定した結果、食料給付や住宅給付といった現物給付は、結局のところ現金給付をするときと低所得層の行動パターンを変化させておらず、現物給付の方が優れているという説の論拠にはならなかったのである。
 もちろん阿部彩教授は、何でも現金給付がよいといっているわけではありません。例えば、主に教育や保育など、市場原理に任せておくと不利な状態にある子供へのサービスの量と質が必ずしも確保できないものの場合は、公的サービスとして現物給付が望ましいと述べられています。私も、そのとおりだと思います。
 今紹介したのは、子供の貧困について述べられたものですが、より幅広い貧困対策についても共通して当てはまる部分が多いと思います。
 今回のおこめクーポンについていうと、初めに私が質問した配慮が必要な方々を取り残さないということについては、現金給付であれば解決される点が多くあります。現金であれば誰でも使い道があり、もらっても使えないということはありませんから。
 また、シングルマザーサポート団体全国協議会のひとり親家庭の物価高による影響調査では、水光熱費の滞納があったり、靴や衣類を買えないことがあったなど、切実な実態が多く書かれています。
 それに対し、その世帯がそのとき最も必要なものに活用できるのが現金給付です。やはり、現金給付の方がよかったと思います。先ほどの答弁で、現金給付、現物給付の両方のメリット、デメリットを述べられていましたが、この間、打ち出されてきた施策を見ていると、東京都は現金給付に消極的過ぎるのではないかと思います。
 例えば、出産応援事業については、もともと出産育児一時金では出産費用を賄えず、持ち出しをしている実態があるわけですから、目的以外の用途に使われてしまうという心配は必要ありません。
 今後も生活困窮者支援を継続して行っていただきたいと思いますが、その際、ぜひフラットな視点で費用対効果を検討し、現金給付か現物給付かを決定していくことを求めておきます。
 次に、生活困窮者自立支援の機能強化について質問いたします。
 生活福祉資金貸付制度においては、新型コロナ感染症の影響を踏まえ、二〇二〇年三月から緊急小口資金及び総合支援資金の特例貸付が行われ、突然の減収や失業などにより、経済的に困窮した方に対して迅速に生活資金を届けることで生活を支えるという役割を果たしてきました。
 特例貸付は、来年一月から償還が始まりますが、この間、都内の貸付実績は、今年十月三十一日時点で約六十六万件、金額で約二千五百四十四億円にも上ります。
 社協の特例貸付で返済免除になるのは、どのような場合ですか。返済免除になっていないのは何件で、今後、どのように償還に関わる事務を行っていくのか。また、具体的に、どのように償還されるのかを伺います。

○高橋生活福祉部長 生活福祉資金の償還が困難な方のうち、住民税非課税世帯の方は償還免除の対象となります。
 償還は、貸付年度や資金種別ごとに順次開始されることとなっており、令和五年一月から償還の対象となる約四十三万件のうち、本年十月末現在、約三割に当たる約十二万件が、住民税非課税世帯であることを理由に償還免除の決定を受けております。
 その他の約三十万件の借受人に対しましては、償還に関するお知らせを発出し、改めて償還免除に該当しないか確認を促すとともに、償還のための口座を届け出るように依頼をしております。
 貸付金の償還は、緊急小口資金は二年以内、総合支援資金は十年以内に毎月分割して口座引き落としで返済することとされており、口座設定がない場合は払込票で振り込みいただくこととされております。

○藤田委員 東京都社会福祉協議会の方のお話では、十二万件が免除されたが、住民税課税でも生活が苦しい方はいる、生活は苦しいが何とか返さないとという人の相談に対し、いい返事ができないのは苦しいとお話しされていました。
 特例貸付は、多い方で二百万円を借りています。コロナの暮らしへの影響は、いまだ深刻な上に、物価高騰によって、さらに生活が厳しくなっています。生活資金の返済のために生活が困窮してしまっては本末転倒です。
 償還ができない場合は、どういう対応をしていくのですか。

○高橋生活福祉部長 本年十月に国から示された通知では、都道府県社会福祉協議会において、償還免除の対象にはならないものの、償還が困難な借受人から相談があった場合には、個々の状況に応じて償還猶予を適切に活用することや、償還が遅延する借受人に対しましては、その生活状況を把握し、必要に応じて区市等の自立相談支援機関等につなぐことが求められております。

○藤田委員 償還猶予について社会福祉協議会は、七月二十二日の国への要望で、コロナの終息が見えず、物価高騰も続いている状況の中、今後、償還免除に至らない借受人の支援に当たっては、償還を先延ばしする対応を主とするのではなく、生活再建に向けて償還を免除することで、より自立につながるよう償還免除要件を拡大する必要がありますと述べています。
 東京都福祉保健局も国への提案要求で、生活福祉資金の特例貸付における償還免除の適格要件等については住民税非課税世帯に限定しないなど、さらなる検討を行い、その内容を早急に示すこととしています。なぜ求めたのですか。

○高橋生活福祉部長 緊急小口資金等の特例貸付が開始された当初は、償還免除についての住民税非課税世帯以外の適格要件等が不明確であったため、その内容を早期に示すよう、国に対して提案要求をいたしました。
 また、生活福祉資金の借受人が貸付金の償還によって生活の立て直しの妨げとならないように、さらなる検討を求めました。

○藤田委員 つまり、社協の要望と同じだということです。償還を免除することで、より自立につながるようにすることこそ、生活の立て直しを支援することにつながります。
 自立支援などによって、現在何とか生活できている方に償還を求めることは、生活の立て直しの妨げになることは明らかです。償還免除の要件を住民税非課税に限定せず、緩和することこそ必要です。東京都からも、改めて国に対して具体的に償還免除要件を緩和することを求めていただきたいと思います。
 また、償還業務が終了するまでの都道府県社会福祉協議会の事務体制に対する事務費を国が責任を持って確実に財源措置することも求めています。なぜ求めたのですか。

○高橋生活福祉部長 生活福祉資金貸付制度は、国が制度設計を行い運用がなされているものであるため、将来にわたり、相談支援体制の強化を含め、債権管理事務に必要な経費についても国の責任で措置されるべきものであることから、国に提案要求をいたしました。

○藤田委員 将来にわたり、相談支援ができる体制を維持することが求められています。返済が厳しい方が返済猶予を繰り返した場合、その期間分、相談支援体制も延長が必要になります。
 さらに、今回はコロナ禍で迅速な貸付けが優先されたため、必要な相談支援ができないまま、貸付件数が増えていく状況になりました。長引くコロナ禍と物価高騰によって、生活に困窮する人々への相談支援、生活支援等を必要とする方は非常に多くなっています。
 東社協への聞き取りでは、相談支援業務を行う職員について、事務体制といっても一定の知識と技能、経験が必要で、そういう職員が必要なんですというお話を伺いました。相談支援を行う社協や自立支援相談機関の体制についても、抜本的に強化できる財政措置を国に求めることを要望いたします。
 次に、送迎バス等の安全対策支援事業について意見を述べさせていただきます。
 子供の安全を守るために様々な機械、技術の力を活用することには賛成です。同時に、子供を守るために何といっても重要なのは、専門性のある職員の配置です。
 今の保育士配置の最低基準では、子供の安全を守るのは困難だという声が現場から次々に出されています。特に、四から五歳の保育士配置基準は、七十年以上、一度も改善されていません。
 子ども・子育て支援新制度を開始するときに、一歳児の保育士配置基準を六対一から五対一へ、四から五歳の配置基準を三十対一から二十五対一に引き上げる方針が出されましたが、いまだに実行されていません。
 東京都も、かつては都基準をつくり、保育の充実を進めていましたが、石原都政の下でなくしてしまいました。都として、改めて保育士の配置基準の重要性を認識し、基準の引上げや増配置のための財政支援を行うよう強く要望いたします。
 最後に、コロナ対策について質問いたします。
 第五波では呼吸器症状が中心の従来株やデルタ株の感染でしたが、第六波からは持病の悪化などによって重症化するオミクロン株による感染が広がっています。また、感染力も強くなり、急激な感染拡大を招くようになりました。
 都が発表した十二月一日のコロナ感染症対策本部会議の資料によると、医療機関での病床確保数を五百二十四床減らす一方で、高齢者等医療支援型施設を二百九十三床、酸素・医療提供ステーションを二百床増やし、合わせてコロナ確保病床を七千二百三十一床とする方針を出しました。
 旧府中療育センターのコロナ専用医療施設を高齢者等医療支援型施設に転換することにしたのはなぜですか。また、この転換により、看護師等の職員確保はどのように変わるのですか。

○齋藤都立病院支援部長 都立病院では、オミクロン株感染下での課題であります介護度の高い高齢者の受入れに対応するため、この十二月に、旧府中療育センターの新型コロナ専用医療施設を高齢者等医療支援型施設に転換いたしました。
 新型コロナ専用医療施設として運営していた際には、患者の受入れに必要な医師、看護師を都立病院全体で確保し、対応してまいりました。
 十二月以降は、都立病院機構の統括医師の下で、機構が業務委託によって確保いたしました医師、看護師、看護助手等の外部人材を活用いたしまして、高齢の患者を積極的に受け入れております。

○藤田委員 介護度の高い高齢者の感染が増えたから転換したということです。
 東京都高齢者福祉施設協議会の新型コロナ第六波における感染状況把握調査によると、今後、感染者が発生した場合に施設内療養で対応することについて賛成ですかという問いに対して、八三%の施設がいいえと答えています。
 介護が必要な高齢者は原則入院とすべきです。いかがですか。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 介護施設利用者で新型コロナウイルス感染症の陽性となった方の入院決定に際しましては、都や保健所が介護度や基礎疾患の有無など、個別の状況ごとに配慮すべき点などを確認して、かかりつけ医の意見も参考にしながら、入院等の調整を実施しております。
 なお、介護施設に入所されている患者の方は、現在の生活環境をできる限り変えることなく療養できるよう配慮することも重要でありまして、都は、介護施設への往診などの取組を進めております。
 さらに、介護が必要な高齢者の方等を受け入れるため、本年二月から高齢者等医療支援型施設を設置しておりまして、この冬の感染拡大に向けて、十二月より新たに四か所設置いたしました。

○藤田委員 生活環境をできる限り変えないというのは、一般的な療養についてはそうだと思います。しかし、以前の厚生委員会でも述べましたが、コロナ感染の場合、施設内にとどまったからADLが保てるというものでもありません。さらに、感染拡大のリスクを考えると、可能な限り、入院などができるようにすることを求めておきます。
 東京都高齢者福祉施設協議会の調査によると、第七波である七月、八月の二か月間で、都内の特別養護老人ホーム百五十九施設の感染者は、利用者計千七百九十五人、職員千四百八十九人となりました。
 また、感染した利用者のうち、入院できた方は二百九十九人、保健所で調整が行われたものの入院できなかった利用者は、その二倍近い五百七十人に上ります。
 さらに、施設内で亡くなった方は三十六人ということですが、このうち、入院調整の依頼中だったという方は十七人と半数近くに及びます。入院が必要な人が入院できない事態は深刻です。
 この調査では、感染者が発生した百五十九施設のうち、十二施設が高齢者等医療支援型施設について認知していなかったと回答しています。どのように連携しているのですか。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 先ほどの答弁にもございましたとおり、高齢者等医療支援型施設への入所の決定に際しましては、高齢者施設から相談を直接受ける保健所と都の入院調整本部が連携して調整をしております。
 このため、高齢者等医療支援型施設の開設に当たりましては、保健所の実務担当者へ施設概要や入所対象者、手続等につきまして、丁寧に説明しております。
 また、保健所を通じまして、施設の活用につきまして適宜働きかけを行うとともに、個々の高齢者施設に対しましても、施設概要の資料をメールでご案内申し上げております。

○藤田委員 施設内で感染拡大させないためにも、重症化を防ぐためにも、感染が分かったら速やかに医療機関など医療が受けやすい施設に移り、感染拡大の防止を図ることが必要です。
 委員会の要求資料、5、高齢者等医療支援型施設における一日当たりの最大在所者数を見ると、現在開設中の三施設は、十一月時点で最大八割から十割近くの病床が埋まっています。
 昨日公表した都全体の病床使用率は四四・九%、三千二百四十四人が入院している状況となっています。しかし、これまでの入院実績を見ると、最大で入院できた人数は八月二十日の四千四百五十九人であり、当時は、入院は極めて厳しい、難しい状況でした。これと比較すると、現在の入院患者数三千二百四十四人というのは、これまでの限界の七三%近くまで来ていると見るべきではないでしょうか。
 医療機関の体制は、すぐに厚くすることはできません。既に余力がないと見て、これ以上感染者を増やさない取組が重要であると改めて指摘しておきたいと思います。
 医療などの体制の確保が必要なのは、受け入れる患者の数だけではなく、介護など必要なケアの量にも影響します。
 高齢者等医療支援型施設において、要介護五の方も受け入れているということですが、介護度が高い方が多くなると施設の体制も増やす必要があります。どのように体制確保を行っているのですか。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 高齢者等医療支援型施設では、要介護五までの高齢者などを受け入れ、治療や介護、リハビリテーションなどを実施しているため、医師、看護師、理学療法士、介助を行うスタッフを配置し、必要な体制を確保しております。

○藤田委員 介護の必要な方が受け入れられるように、体制を確保しているということです。
 現在、高齢者等医療支援型施設は七か所設置されていますが、それぞれの高齢者等医療支援型施設では、どのように職員の確保を行っているのですか。伺います。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 都が直接運営をしております施設では、健康管理業務を受託している民間事業者が医療スタッフを確保しております。
 医療法人が運営する施設では、医療法人が自らの職員や外部スタッフを活用し、必要な体制を確保しております。

○藤田委員 高齢者等医療支援型施設、赤羽は、今回の要求資料の中でも分かるように、五月からずっと一貫して開設されております。
 この施設では、今年七月と十一月に最大七十六人のコロナ患者を受け入れています。その日に配置していた医師と看護師、そのほか患者のケアに当たるために配置した職員の数について、それぞれ伺いたいと思います。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 赤羽の高齢者等医療支援型施設における入所者の健康管理に関する業務につきましては、民間事業者へ委託をしております。
 受託事業者は、感染動向や入所者の状況等から想定される業務量に基づき、自社の責任におきまして、医師、看護師、理学療法士、介助を行うスタッフなどの必要な人員を配置しております。

○藤田委員 自社の責任において必要な人員を配置という答弁でしたが、具体的に何人なのかはお答えがありませんでした。
 職員配置数は重要ですから、医療法人が確保しているとしても、都としても、必要な人数が配置されているかどうかよく確認し、十分な配置がされるようにしていくことを求めておきます。
 介護度が高くなったり寝たきりの方になると、嚥下機能が低下し、日常的に喀たんや唾液の吸引を必要とするようになります。こうした医療的ケアは、職員への感染リスクが非常に高まります。また、吸引が必要な方を受け入れる場合、そうした設備も必要になります。
 施設ごとにどう整備しているのか伺います。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 医師の判断でたんの吸引が必要となる場合は、施設の状況に応じまして、居室等に設置された既存の中央配管設備やポータブル吸引器により、適切に対応しております。

○藤田委員 適切に対応ということですが、吸引した喀たんや唾液を処理する際に、職員等の感染リスクは相当高まりますので、処理するための動線を短くしたり、処理をする職員への研修も十分行っていただき、職員への感染を防止していただくよう要望いたします。
 今回の補正予算には、障害者児を受け入れた際の医療機関への謝金も計上されています。
 本日の委員会資料、9、障害者(児)の受入れ促進事業の謝金の対象となる心身障害者(児)の範囲及び予算の積算根拠に、この対象者を詳しく記載してもらいました。また、予算の積算根拠は、この計算で人数を算出すると、一日当たり八十四人ということでした。
 障害者(児)の受入れ促進事業の対象者は、身体障害一級、二級、内部障害については三級も含む、愛の手帳一度、二度、精神障害一級となっています。
 対象をこのように決めたのはなぜですか。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 障害者(児)の受入れ促進事業は、重度の心身障害者児を受け入れる医療機関の負担を軽減するため、コロナ患者を受け入れた医療機関に支給する謝金の額を加算するものであります。
 加算の対象となる患者は重度の心身障害者として、身体障害者手帳一、二級、愛の手帳一、二度、精神障害者保健福祉手帳一級の患者の方等を対象としております。

○藤田委員 重度の心身障害者を対象としているということですが、重度でなくても医療機関の負担はかなり大きくなるケースがあるとお聞きしています。
 障害者(児)の受入れ促進事業の対象者を広げるべきだと思いますが、いかがですか。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 本事業は、患者の方を受け入れる医療機関の負担に対して謝金を加算するものでございまして、その負担の大きさを踏まえて、加算の対象とする患者の範囲を重度の心身障害者児としているところでございます。

○藤田委員 愛の手帳三度の方は、糖尿病もあったために入院が必要と判断されましたが、医療機関に着くや否や、医療従事者の手にかみつき、暴れてしまうということがありました。
 知的障害のある方は、言葉で不安や心身の不調を伝えられないことが多いので、抵抗するなどの行動で訴えることがあります。そうした対応の難しさは、愛の手帳の度数でははかり切れないことです。手帳が軽度だからといって対応に困難はないかといえば、そうではありません。
 コロナ対応が始まって、もうすぐ三年目を迎えようとしています。感染が広がるたびに拡大は大きくなり、これまで感染しなかった施設入所者や障害のある方も、いつ感染してもおかしくない状況になっています。
 政府は、コロナ感染症をより軽い分類に変える検討をしていますが、医療機関や介護施設では、いまだに深刻な感染症となっていますし、そこで働く職員は、長期に及ぶ対応で心身ともに激しくすり減っています。
 こうしたエッセンシャルワーカーへの支援を少しでも拡充していただくためにも、さらなる予算編成を行っていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。

○竹井委員 それでは、何点か質問させていただきます。なるべく重複を避けまして質問をします。よろしくお願いします。
 まず初めに、東京おこめクーポン事業について伺います。
 今回、先ほど来、たくさん質問も出ていますけれども、今回の対象世帯が、住民税均等割が非課税の世帯と家計急変世帯ということで、国における五万円給付の対象者と同一ということでした。
 リストを持っているのは市区町村です。このリストをこの事業に活用することによって目的外利用になるというふうにも思いますが、個人情報保護の観点から問題は発生しないのか伺います。

○高橋生活福祉部長 本事業で必要な非課税世帯等の情報は区市町村が保有しており、必要な手続を経て、都は、区市町村から対象世帯の情報提供を受け、対象世帯へ事業の案内やクーポン等を配布する予定でございます。

○竹井委員 先ほどご答弁の中で、市区がリストを提供しないということになったら、お願いをして事務をしてもらうというようなご答弁もあったかと思います。
 クーポンをもらった都民の方は、専用サイトやはがきで事業者に直接申し込むわけですけれども、事業者と都民の間の個人情報保護については、どのように担保されるか伺います。

○高橋生活福祉部長 都が事業者と委託契約を締結する際には、本事業の実施に当たり、個人情報の保護に関する法律を遵守し、個人情報の漏えい、滅失、毀損の防止、その他個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じるための事項を定めた特記事項を仕様書に盛り込むこととしております。

○竹井委員 今回、市区町村から東京都に個人情報が渡ります。都から委託事業者に情報が渡ります。これはもう初めてのスキームになるのではないかなというふうに思うんですけれども、もしやっていたら申し訳ありませんけれども、ちょっと聞いたことがないので、そのように思いました。
 さらに、そこに都民が事業者に申し込むというステップも出てくるわけですよね。そういう意味では、登場人物が多くなります。登場人物が多くなると、当然個人情報漏えいの事故が起こる率も高くなりますので、今いろいろお話をいただきましたけれども、ぜひ厳重な管理をお願いしたいと思います。
 それから、対象が百七十四万世帯を見込んでいるということでした。都内の米穀店、お米屋さんに影響はないのか。お米券にすれば近隣のお米屋さんで使えるのではないかという声をいただいていますが、いかがでしょうか。

○高橋生活福祉部長 米などの食料品の調達に関しましては、委託事業者と調整してまいります。

○竹井委員 委託事業者と調整していくということで、お米券の話はちょっとなかったんですけれども、お米屋さんの影響も考えて調整していくということだと思うのですけれども、そこで個別に購入するというのは現実的ではないと思われます。
 もし仮に、全ての世帯に二十五キロを配ったとすれば、お米も四万トンを超えるわけです。関連の組合などにもきちんと話をしていただき、意見をしっかり聞き取っていただきたいというふうに思います。
 実際、お米屋さんの方からは、例えば一人暮らしの方に二十五キロのお米が配られた場合、半年ぐらいは、あるいは一年ぐらいは購入されないかもしれないという声があって、それが自分の事業に影響するのではないかというご心配の声もいただいておりますので、ここでご報告しておきます。
 それから、対象世帯を伺いましたけれども、実際、これ先ほどもお話あったんですけれども、国の五万円給付と同じで、課税世帯でも非常に苦しい生活を送っていらっしゃる方もいるわけですが、本当に困窮している人に届くのかという疑問がありますが、見解を伺います。

○高橋生活福祉部長 今回の補正予算案では、物価高の影響を受けやすい低所得世帯に対し、食料品の面から支援するため、国産の米などの食料品を配送するための経費を計上したものでございます。

○竹井委員 お米ということなんですけれども、それほど食べない、あるいは食べられない、いろんな様々な事情によってですね、そういう世帯もあります。
 一万円強、一万円分でしょうか、お米あるいは野菜、これを持て余す世帯もあると思いますし、先ほど来お話もあったように、調理器具も持っていない、炊飯器も持っていない、そういったご家庭もあると思われます。
 お米以外の選択肢は考えなかったのか、考えないのか伺います。

○高橋生活福祉部長 対象世帯の状況等を踏まえまして、詳細につきましては今後検討してまいります。

○竹井委員 これ、そもそもなぜお米だったのか。これについて伺います。

○高橋生活福祉部長 米は多くの方が主食としている食料品であり、米を中心とした食料品を自宅にお届けすることで、必要とする方に適切な生活支援を行うものでございます。

○竹井委員 少し話はそれますが、国産農作物を活用したというふうに銘打つのであれば、お米にこだわらずに、東京産のものを選択しないのかどうかについて伺います。

○高橋生活福祉部長 本事業では、多くの対象世帯に安全・安心な食料品を着実に届けることが必要でございまして、そのため都内産に限らず、広く全国の産地から調達することを想定しております。

○竹井委員 今回、対象世帯は先ほど来お話をしているとおりなんですけれども、そのうち、お米をたくさん食べるのは子育て世帯かなとも思いますし、配送に、自宅まで届けていただくというのはありがたいというのは、高齢者世帯のことをおっしゃっているのかなと、いろいろあるかと思いますけれども、対象者のうち、高齢者世帯あるいは子育て世帯はどれぐらい含まれているのかについて伺います。

○高橋生活福祉部長 本事業の対象世帯は、各区市町村の電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金の支給対象を参考に推計したものでございまして、内訳はございません。

○竹井委員 今回は食料支援を主眼に置いたものだということでした。でも、あまりに先にお米が来てしまっているのではないかと思わざるを得ないんですね。
 低所得者世帯への生活支援について、もちろん賛成はいたしますが、誰がどういうことで困っているのか、何を求めているのか、ちゃんとリサーチしていただいて、必要な人になるべく必要なものが届くようにしていただきたいというふうに思います。
 詳細は今後検討するというふうにおっしゃっておられますので、選択肢は増やしていただけるのではないかなというふうには思うのですけれども、今どういった世帯の方が含まれているのかも分からない中で設計をしておられるということです。ぜひ、きちんと見極めをしていただきたいということを要望して、次の質問に移らせていただきます。
 生活困窮者自立支援の機能強化につきましては、一問目で、生活福祉資金特例貸付について、貸し付けた件数と金額、それから償還免除の適格となる住民税非課税世帯はどれぐらいありますかということを伺おうと思ったのですけれども、先ほど来、ご答弁ありましたので、省略をさせていただきます。
 償還免除の適格要件につきましては、住民税非課税世帯に限定せずに、真に困窮した都民について丁寧に対応するべきであるというふうに考えますけれども、見解を伺います。

○高橋生活福祉部長 生活福祉資金貸付制度は国が制度設計を行っており、特例貸付の償還免除の取扱いにつきましては、国が全国一律の基準として定めているものでございます。
 都は、国に対しまして、生活福祉資金の特例貸付における償還免除の適格要件等については、住民税非課税世帯に限定しないなど、さらなる検討を行い、その内容を早期に示すことを提案要求しておるところでございます。

○竹井委員 ありがとうございます。
 この点については、課題認識を一にしているというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 次に、保育所等における送迎バス等安全対策支援事業について伺います。
 保育所等及び障害児通所支援事業所において、対象となる送迎バス等は何台ありますか。予算として幾らを見込んでいるのか、それぞれについて伺います。

○奈良部少子社会対策部長 保育所等につきましてお答えいたします。
 バス送迎に当たっての安全管理に関する緊急点検で取りまとめた認可保育所、認証保育所、認可外保育施設等のバスの運行台数は、令和四年十月十二日時点で二百五十二台でございます。
 また、本事業全体の予算額は約十九億円となっております。

○中川障害者施策推進部長 児童発達支援事業所と放課後等デイサービスで送迎に使用している車両は、国の調査によりますと合計二千九百四十二台でございます。
 本事業の予算額は、送迎車両の安全対策のほか、送迎車両以外の事故防止対策を含めて約七億円でございます。

○竹井委員 それぞれについて教えていただきました。ちょっとバスのところの予算を聞きたかったんですけれども、これは全体でということですかね。
 車両、特に障害児通所支援事業所においては、二千九百四十二台ということですけれども、大きさが——今回の国の、まだガイドラインが出ていないということもあろうかと思いますので、そこが対象になるかどうか分からないというようなお話もありましたが、具体的な安全装置、それから置き去りや見失い、飛び出し等の事故防止に資する機器の仕様は、いつ確定するのか。また、昨今の事故を受けて、既に策を講じた事業者についての支援は行われるのかどうかについて伺います。

○奈良部少子社会対策部長 国は、置き去り防止を支援する安全装置(仮称)の仕様に関するガイドラインを年内に取りまとめる予定でございます。
 既に事業者が設置している安全装置が国のガイドラインに準拠する場合は、令和四年四月一日に遡及して補助する予定でございます。

○竹井委員 そうしますと、先ほど台数も教えていただいて、もう既に、早い事業者さんは対策も打っておられるとも思いますけれども、そんな中で、ガイドラインが年内に出てくる予定で、もしその安全装置が準拠している場合には、四月一日に遡及して補助ということで理解をいたしました。
 それから、機械は補助的には必要だと思います。しかし、全て機械に依存することも、またこれは危険だと思っています。
 人的な対策が必要であると思っていますが、どのような支援を行うのかについて伺います。

○奈良部少子社会対策部長 都は、保育所等における送迎バス等の事故防止を目的といたしまして、保育所等の管理監督者や職員等を対象とした講習会を十月と十一月に二回実施いたしました。
 本事業におきましては、送迎バスの置き去り防止のため、保育所等が職員研修を実施する際の経費につきましても補助いたします。

○竹井委員 本事業で、今後、来年になってからだと思いますけれども、職員研修の実施に係る経費が補助されるということでした。
 既に講習会を二回開かれたということなんですけれども、お聞きすると、これは時節柄、オンラインで動画を視聴する形であったということです。そうしますと、やっぱり視聴確認、視聴されたかどうかという確認も特にないとすれば、皆さんお忙しい中で視聴されたのかどうか分からないということもあります。していただいているものと思いたいですけれども、そうなってくると、今後の研修がますます重要になってくると思います。
 あくまで、やはり機械は補助的なものだと思いますので、人が、人の目できちんと確認をするということが必要になってくると思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 最後に、子供の健康相談室について伺います。
 まず、現在の子供の健康相談室の実績について伺います。

○奈良部少子社会対策部長 子供の健康相談室では、保護者等から、発熱や腹痛、せき、外傷、打撲、転倒、誤飲等の相談を受けております。
 昨年度の相談実績、相談件数は、十三万八千八百二十二件でございました。

○竹井委員 先ほど来お話があったように、この件数は、夜間と休日に行われていた健康相談室において十三万八千八百二十二件ということでありますので、月にして一万二千件ほどかというふうに思います。
 これぐらいの需要があって、また、これから季節性インフルエンザとコロナウイルスの同時流行を見据えているわけですけれども、非常に重要なことだというふうに思っております。
 その中で、聴覚障害者の方がこちらで相談したいという場合は、どのような手段があるのかについて伺います。

○奈良部少子社会対策部長 区市町村の保健センターでは、相談者の状況も踏まえまして、子供の健康等に関する相談に対応しております。
 また、緊急通報が必要な場合には、東京消防庁が運用している緊急ネット通報により、ウェブを利用して救急車の要請が可能となっております。
 また、ホームページ上で運用しております東京都こども医療ガイドや東京版救急受診ガイドにおきまして、様々な症状に応じた対処方法を案内しております。

○竹井委員 今回の事業の子供の健康相談室、シャープ八〇〇〇については、やはり本当に心配になったときにすぐ聞けるという安心感のある事業だというふうに思いますけれども、今、聴覚障害がある方についてはこういった代替案があるということも教えていただいたのですが、市区町村の保健センターは時間が限られているということ、今回は二十四時間体制にシャープ八〇〇〇の方はしていただくわけですけれども、保健センターではやっぱり時間が限られています。
 それから、東京消防庁のネット通報も、なかなか救急車の要請までいかない心配事というのもたくさんあるかと思うんです。また、ホームページ上も、これは読み解くということだと思いますので、その子その子に合った症状というところになかなか行き着かない場合もあります。
 これからコロナとインフルの同時流行を見据えて、心配なときに相談ができるというのがメリットだと思いますので、聴覚障害者の方については、なかなかそこが担保できていないのかなということを心配いたしましたので、今後、そういった面も考慮してサービスを行っていただきたいということをお願いいたしまして、終わります。

○上田委員 私の質問を始めたいと思います。
 今回、所信表明で知事が、今度、新年度からこの福祉保健局を二つに分けると。保健医療と福祉ということで、ちょっと青天のへきれきというか、また福祉保健局の職員の皆様、特に幹部職忙しくなるなというふうに思っておりまして、それに合わせてというわけではないんでしょうけれども、前回の事務事業質疑は、当初、深夜三時までというような試算でしたが、一時過ぎまで行ったということで、委員長もいろいろとご検討いただきまして、働き方改革をまず私たち都議会でしないといけないということで、前向きに、負担のない、あの、議員にも、小さいお子さんのいる議員も多いですから、議員にもそして同じように高齢者やお子さんを抱えた職員の皆様がいるということで、委員会活動、議会活動につきまして負担のないように、今動き始めたところではございますけれども。
 昨日、おとといが、代表、一般質問で、そしてまた今回の補正予算質疑ということで、私も一般質問をしたし、また、理事者の皆さんももうずっと忙しかったというふうに思うので、やっぱりちょっと日程の方、何とかならないのかなということで、私も一般質問を抱えながらも、ご迷惑をかけながら、こちらの方も質問もさせていただくというようなこととなりまして、これについても、ちょっと懸念しないとと思いますし、また、福祉保健局の職員の皆様の、今度また部署が分かれるということで、ちょっと心配しているところであります。
 補正予算の方に入ります。
 本当におこめクーポンは、もういろいろと、皆さん、ほかの委員の方々の質問も非常に深くて、ダブるところがあるので、私としては、ダブるところは削除したいとは思いますけれども、まさに米騒動という感じで、ほかの委員の、同僚委員の試算によると、十億以上が、何というんですか、配送費にかかるのではないかと。
 私も今回は現金の方が、当然現金にしてほしいということを、ほかの委員の皆様と同じように、藤田委員や竹井委員と全く問題意識が一緒で、そうしたらば、どっちが得か考えてみようというふうに試算するのが——これは人のお金じゃないんですよ、国民、都民のお金ですので、じゃ現金給付だとどのぐらい、現ナマといいますか、一番手元に、本当に恩恵に被るのか。運送費を抜いちゃうと、もうしゅっとシュリンクしちゃうのかという、試算をしていないというのが非常に驚いたんですね、現金給付の。
 それをした上で何が何でもお米だというなら、まあ一万歩譲っても分かるんですけれども、それについて、あとやっぱり、私も昨日は、知事、副知事全く答えなくて、不誠実な答弁だったし、先ほども、局長お願いしますといっても非常に不誠実な態度で、試算もしていないということで、非常に驚いております。これ、皆さんのお金じゃないんです。税金なので、そこは試算した上で、何が何でもお米というふうにいっていただきたかったなというふうに思っています。
 これも恐らく積み上げではなくて、降って湧いてきて、太陽光パネルと一緒なんですけれど、皆さんが右往左往しながら、多分論拠をつけていったのだろうなというふうに思っています。こちらの資料の一一ページを見ていただくと、十月二十八日に何か突然決まったみたいで、また小池知事が思いついたんじゃないのかなというふうに不安になりました。
 今回の予算を単純に割ってみると、一万七千円とか、本当キャッシュだと一万円配れるんですよね。四、五千円のお米を配るのにこれだけ使っちゃって、やっぱり絶対に、もう何を考えてももったいないなというふうに思っています。
 赤ちゃんファーストも、よかった何だといっても、三人目、四人目のお父さん、お母さんたちは、やっぱり現金の方が助かって、もう既にカタログにあるものは何も要らぬという人も多いんです。
 そうしたときに聞いたんですけれども、これ、米がいいって誰がいったんですか。お米欲しいってアンケートを取りましたか。ニーズの内容は何だったのか、どんなふうに把握したのか、こちらは聞きたいと思います。

○高橋生活福祉部長 米は多くの方が主食としている食料品であり、米を中心とした食料品を自宅に届けることで、必要とする方に適切な生活支援を行うものでございます。

○上田委員 全く同じ答弁でありましたけれども、いろいろな例えば食生活もあります。先ほどいったように多様な人もいるので、何よりもやっぱりもったいないですよね。何となくお米利権なのと。農協を喜ばせるためなんじゃないのというふうに、何となく思わざるを得ないということで、ちょっとこれは私は全く賛同しかねるので、多分補正予算は賛成できないかなというふうに思っております。
 委託事業者の方はどのように選定するのか、選定基準、入札だか何だか分からないんですけれども、選定方法についても説明をいただきたいと思います。

○高橋生活福祉部長 委託事業者の選定につきましては、補正予算案成立後、契約に関わる規定に基づき適正に対応してまいります。

○上田委員 本当に中間マージンで消えてしまいそうな感じなので、これだけ議論が出たということで、次からは慎重に、幾ら何でも降って湧いてきても、しっかりと、本当に生活に困っている人が喜ぶものを提案していただきたいというふうに思います。
 次は二です。国の出産・子育て応援交付金でございます。
 こちらが赤ちゃんファースト事業ですか、正式名称は東京都出産応援事業−コロナに負けない!−でしたっけ、こちらとどう整合性を図るのか、ご説明ください。

○奈良部少子社会対策部長 都は、コロナ禍で不安を抱えながら出産、育児に臨む方々を社会全体で後押しするため、東京都出産応援事業を実施しております。
 今般、国は総合経済対策といたしまして、妊娠時及び出生時を通じて十万円相当を支援する事業を創設いたしました。
 区市町村の意向も踏まえながら、都の取組の充実に向け、国事業の活用を検討してまいります。

○上田委員 これもほかの委員からも指摘ありましたけど、これも現金給付にまとめれば手数料や無駄な経費を使わず、全額対象者に給付できると思うんです。効率的に有効性の高い運用が実現できると思います。
 現金給付を、赤ちゃんファーストのときもそうですけれども、強く求めるものなんですけど、物品と現金において、どちらがどう都民益に期するのか、都民福祉の向上に資するのか、所見を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 国の交付金では、経済的支援は出産育児関連商品のクーポン支給や子育てサービス利用支援に係る費用助成等による実施を基本としておりまして、現金給付は例外的な対応とされております。
 また、国の説明会では、クーポン等の利点といたしまして、妊婦や子育て家庭が出産や子育ての時期に必要な商品、サービスを知ることができること、出産、子育て目的に限定することで育児関連商品の購入等につながりやすいといったことなどが示されております。

○上田委員 現金給付は例外的ということですけれども、このシーズンになってくると、いつも都は、国による税源奪取だとか、ふるさと納税で取られたくないと大騒ぎするわけです。それって地方分権だからなんですよね。だから、地方分権だから例外のことがあって当然だと思います。
 私は賛同できないんですけれども、もう既に赤ちゃんファーストをやっているんで、また似て非なるものはやめていただきたいなというふうに思っております。
 また、東京都がやると、間に福祉財団ですか、あちらなんかを通したり、いろいろな事業者に外投げして、またシュリンクしていくんですよね、手元に残ると。だから、もう最低でも現金が駄目だったら、区市町村にあげてください、地域にもう渡してください、手続上しっかりやった後。その方が、まだましといったら失礼なんですけれども、生活に身近なところにいて、ハローベビーとかいって保健師さんたちが訪れているような区市町村の方とよく話し合って決めていっていただきたいなというふうに思います。
 三が、生活困窮者自立支援の機能強化についてです。
 相談体制の強化は評価するんですけれども、実際に償還が困難となった場合の対応策としては、どのような方法、手段があり、またいかに個別の支援につなげていくのか、具体的な説明をお願いします。

○高橋生活福祉部長 生活福祉資金の償還が困難な方のうち、住民税非課税世帯の方は償還免除の対象となり、また、償還免除の対象とならないものの、経済的理由などで償還が困難な方は償還猶予の対象となります。
 また、本年十月に国から示された通知では、都道府県社会福祉協議会において、償還免除の対象にはならないものの、償還が困難な借受人から相談があった場合には、個々の状況に応じて償還猶予を適切に活用することや、償還が遅延する借受人に対しては、その生活状況を把握し、必要に応じて区市等の自立相談支援機関等につなぐことが求められております。

○上田委員 個別の対応もしていくようなところと、社協に対しての支援というところと、償還困難な方に関してのカスタマイズをするというのは分かりました。
 今回、全会派が憂慮して意見書も出そうという方向性なんですけれども、現時点は確かに社協に頑張っていただきたいなということで、私も意見書の方の賛同をしているところなんですけれども、ただですね、社協のトップが何か天下りといったらなんですけれども、例えば江戸川の社協ですと用地経理課長がトップに、退職して行っちゃったりとか、やっぱり福祉のプロが担ってほしい、組織をやっぱりちょっとですね、東京都社協も、恐らく理事の中には都の官僚OBがいらっしゃると思うんですけれども、やっぱり現場を知る福祉のプロ、一応東京都社協から、そうした組織風土を変えていっていただきたいなというふうに思います。
 三・一一のときも、NPOが社協をやっていたところがいち早く動いて、非常に命を助けたという事例も、ちょっとにわかに市を忘れてしまいましたけれども、あったので、そこをちょっと苦言をあえて呈させていただきたいと思います。
 ひとり親家庭の就業促進ですけれども、地域ごとにやはりばらつきがあると思います。その傾向をどのように分析されているのかご説明ください。

○奈良部少子社会対策部長 令和三年三月の児童扶養手当受給世帯数は六万七千九十四世帯で、平成二十九年三月の七万七千三百九十九世帯から一三・三%減少しております。区部では全ての自治体で減少しており、市町村部でもほとんどの自治体で減少しております。
 児童扶養手当受給世帯が総世帯に占める比率は、平成二十九年三月時点が一・一%で、令和三年三月時点が〇・九%となっております。総世帯に占める比率も、世帯数と同様、区部では全ての自治体で減少しており、市町村部でもほとんどの自治体で減少しております。

○上田委員 ちょっと分析はあれですけど、少子化の影響もあるのかなというふうにも思っております。
 一概にひとり親といっても、一くくりにできなくて、それぞれの学歴や職歴や経験値が異なるわけです。今回の事業は、どのような層をターゲットとされているのでしょうか。

○奈良部少子社会対策部長 本事業は、就職や転職を希望するひとり親を対象としておりまして、二十代から六十代まで幅広い年齢層の方が参加していらっしゃいます。
 就業コーディネーターが個別に面談して、参加者それぞれの職歴や家庭の状況なども考慮いたしまして、一人一人の希望や適性に応じて就業を支援しております。

○上田委員 資料一四ページを見ていただくように、江戸川区は、やっぱりすごく低所得層の子育て世帯数も多くて課題の多いところなんですが、なかなかこういったところにつながっていなくて、私も個別では紹介をさせていただいているんですけれども、ハローワークがあって、東京しごとセンターがあって、女性しごと応援テラスがあって、区の就労支援があって、やっぱりこの、何というんですか、屋上屋を重ねているこうした就労支援というのが、ちょっと一旦集約するなりした方が、機能しているのかなと。女性しごと応援テラスも、かなり私もどのぐらい利用されているか調べていて、伸び悩んでいるなと思っているところなので、せっかくやるのであれば、本当に支援につながるものであってほしいし、無理して東京がやらないで、ハローワークだとか区の就労支援の方に集約するとかもできるかと思いますので、そこら辺は、二重行政、三重行政を避けていただきたいということを指摘させていただいております。
 この事業が該当者にとって効果を、今まで話したようなことで発揮するための具体的なスキルアップへの対応策と課題をお示しください。

○奈良部少子社会対策部長 本事業では、スキルアップ訓練から就労のマッチング、就職後のアフターフォローまでを一貫して行うとともに、就業コーディネーターに加えまして、当事者であるメンターも配置して、伴走型できめ細かく支援しております。
 来年度は早期に参加者を決定し、スキルアップ訓練や就職活動に十分な期間を確保できるよう、今回の補正予算案に、今年度中に前倒しで参加者を募集するための経費を計上しております。

○上田委員 引き続き、来年度ですか、始まってからまた確認させていただきたいと思います。
 六番、七番の保育所、障害児通所支援事業所等における送迎バスの安全対策の支援事業ですけれども、現金給付の問題と根は同じで、やっぱり特定の商品を囲い込むようなことがあることを懸念して、ちょっと確認させていただきます。
 保育所における送迎バス等、こちらの事業におきまして、送迎バス等安全事業の対象となる機器の対象基準が分かるものを教えていただきたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 国は、置き去り防止を支援する安全装置(仮称)の仕様に関するガイドラインを年内に取りまとめる予定でございまして、現時点では、安全装置の機器の対象基準は示されておりません。

○上田委員 じゃあまだ決まっていないんですね。ちょっとほっとしました。
 事業者が使いたい機器はそれぞれに違うと思うんですけれども、事業者に選択の余地、まだ決まってはいないんですけれども、選択の余地があるところで始まっているのかどうなのか、ちょっと確認させてください。

○奈良部少子社会対策部長 安全装置が国のガイドラインに準拠する場合は、補助対象とする予定でございます。

○上田委員 コロナの感染症対策で、HEPAフィルターとか、政府基準とか都の基準いろいろあったんですけど、本当は政府基準で満たされているのに都の職員の窓口の人が知らなくて、その機器を認めないということがあって、それが陳情で来て、やっと、いや認められますよといってオーケーになったということがあったりするので、ゆめゆめ窓口で、機器がどこまで認められるのかをしっかりと福祉保健局が窓口で頭に入れていただきたいというのと、やっぱり囲い込みとか、声の大きい事業者が決まっていっちゃう場合があるので、そこは公平に扱っていただきたいし、あと、科学的根拠等とか、そこも見て、機器のチェックをしていきたいと思います。
 ベビーセンサーは、全園つけている事業者も、もう今の時点でいるんですけれども、新たに追加したい、更新したい場合は対象となるのか、もともとつけているところは、今後、補助などの対象になるのか伺います。

○奈良部少子社会対策部長 本事業につきましては、送迎バス用の安全装置を除きまして、補正予算成立後に発生した経費について補助対象とする予定でございます。
 なお、具体的な対応につきましては、今後発出する要綱等でお示しすることとしております。

○上田委員 じゃあ、その後に何か壊れて新しく再購入というと、どうも対象になるようですね。私もちょっとそちらの方を保育現場の方に伝えていきたいと思います。
 要介護高齢者のコロナ感染者数について、資料の方は、一七、一八ページで調べていただいたところでございます。これまでの社会福祉法人と高齢者施設と障害者施設の方。
 もう八波が始まっている中で、やっぱり預かっていただけないとか、非常にご家族の負担があったようなことがこれまでありました。どのように軽減するか、課題認識と具体的な対応をご説明ください。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 高齢者や障害者の方が感染した場合、保健所は、基礎疾患の有無、介護、障害の程度、家族の状況など、配慮すべき点を把握いたしまして、かかりつけ医の意見も参考にしながら、入院や自宅療養など療養方針を決定しております。
 入院が必要な場合は、都や保健所が入院先を調整しておりまして、本年二月からは高齢者等医療支援型施設を設置いたしまして、介護が必要な高齢者や障害者の方を受け入れております。

○上田委員 本当に、一から七波まで経験をされて、その都度その都度、方策や対応をアップデートされていっていることは、私もひしひしと、高齢者と暮らす一人の都民としても感じております。
 今までの本当に取り組んでいただいた中で、要介護高齢者と障害者対応における実績と課題をお示しください。その上で第八波の見通しと、それに対応するまでのこれまでの経験値、反省点、そして改善点を踏まえた局としての大局的取組、意気込みを伺います。

○藤井新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 高齢者等医療支援型施設では、本年二月に設置以降、十一月末までに三千五百四十二人の介護が必要な高齢者や障害者の患者を受け入れてまいりました。
 この冬は、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行が懸念されているところでございます。そこで、重症化リスクの高い高齢者等を確実に医療につなげるため、診療・検査医療機関の拡大など、外来医療体制の整備を図りますとともに、高齢者等医療支援型施設を今月より新たに四か所設置するほか、重度の心身障害者を受け入れる医療機関に謝金を支給いたします。
 今後とも、感染された高齢者や障害者の方の状況に応じて、適切に対応してまいります。

○上田委員 ありがとうございました。安心させていただきます。
 最後になりますけれども、防護服の方も調べさせていただきまして、もう外国とかには出していないということと、あと、やっぱりインフルエンザに向けて、早めにもう用意をしているということで安心しております。その点を高く評価させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

○平田委員 予定していた質疑、既にもうほかの委員の方々がやり取りされたところが多いものですから、いろいろちょっと割愛させていただきます。意見表明だけさせていただきたいと思います。
 まず、送迎バスの安全対策ですけれども、国において新たな対策の検討が急速に進行する中で、都がこうした国の新たな支援も踏まえつつ、保育所ほか子育て施設、障害児の通所施設なども含めて、迅速に支援額の充実を図ったことを評価させていただきます。
 また、センサーの安全装置だけでなくて、散歩ですとか、子供ですからお昼寝もするわけなんですけど、そのときのうつ伏せ寝による事故防止策など、支援対象を拡大している点も評価したいと思います。
 先ほどの質疑にもありましたが、この事業は、都から区市町村への補助事業であります。保育の実施主体である区市町村を通じて補助を行うことは妥当だと思いますし、合理性があると思いますが、一方で、本事業のような子供の安心・安全に関わる事業については、全ての区市町村が実施することが重要であります。全ての区市町村が実施できるように、東京都も引き続き工夫していただくように強く要望させていただきたいと思います。
 続いて、ひとり親家庭就業推進事業でございますけれども、ひとり親の家庭には、申し上げるまでもなく、今年はより厳しい環境が続いてまいりました。今回の補正予算二千万円は、先ほど質疑にもありましたとおり、すてきみらい塾など、ひとり親向けの就業支援プログラムの認知度を高めて、より多くの方々が事業活用することを狙ったものであると認識しております。
 持続可能な安定的収入確保のためにも、また、本人のモチベーション向上のためにも、こうした支援が積極的に活用されるよう、強力に推進していただきたいと思います。
 また、これも区市町村が経済的支援や窓口相談など、地域に密着して一人一人に寄り添った行政サービスの提供を担っております。都は、広域的行政の立場から就業支援を行うなど、都と区市町村で役割分担、連携しながら事業を進めていただくことを要望したいと思います。
 最後に、東京おこめクーポン事業ですが、これも先ほど来、質疑が重なっておりますので、重複は避けますけれども、一点だけですね、既に報道等で都民の皆さんにかなり周知が進んでおりまして、実際、まち場に行きますと、何か都がお米くれるらしいんだけれども、一体いつ来るのというか、いつ届くのと逆に聞かれることもちょっと多くなってきております。
 このお米や野菜といった食料品がいつ対象世帯に配送されるのか、今分かっている今後のスケジュールについてちょっとお伺いします。

○高橋生活福祉部長 今回の補正予算案成立後、委託事業者との契約等の所要の手続を行いますとともに、区市町村等と調整し、令和五年二月の事業開始を目指しております。

○平田委員 迅速に支給もしてもらいたいと思います。
 百七十四万世帯に現物支給するという新しい試みであります。今後の生活支援のテストケースともいえる事業でございます。先ほど来、様々な委員からお話がありましたとおり、個人情報の問題も大切ですし、また、食品ですから、食品自体の安心・安全も大事です。
 それから、先ほど質疑のあったとおり、まちのお米屋さんというか米穀店、食料品店などとの連携も必要であるというふうに考えております。
 また、事務費の話もありました。事務費の効率的な執行、業務の円滑な遂行というか履行、これを両立できる事業者をしっかり選定して、この事業を成功させていただきたいというふうに要望いたしまして、私の質問を終わります。

○たかく委員 私の方からも、極力重複を避けて質問をさせていただきます。
 最初に、令和四年度十二月補正予算案、こころといのちの相談・支援東京ネットワークについて何点かお伺いいたします。
 私は、十一月の事務事業質疑で自殺対策についての質疑を行いました。その際、今後の東京都の検索連動広告等についての質問に対して、都は、今年度新たに検索連動広告において、悩みを抱える人へ効果的に訴求できるキーワードや広告閲覧者の相談行動を促すための広告文などを明らかにするための調査研究を実施しており、研究結果を今後の取組に活用していくとの答弁でありました。
 今回、経済情勢の悪化等による自殺リスクの高まりが生じている層などに対して、必要な情報支援を迅速かつ着実に届ける取組を強化するために、普及啓発に関わる取組を拡充するとして、金額ベースで五百万円の新たな補正予算が組まれました。
 補正予算での具体的な拡充策というのは、中間報告を踏まえ、キーワードや広告文を見直した上で、来年三月の自殺対策強化月間に合わせ、集中的に検索連動型広告を実施するとのことで、評価するものであります。
 ここで、今回の四定補正予算では、このように検索連動型広告の取組拡充について計上されておりますが、自殺対策におけるこれまでの普及啓発の取組についてお伺いいたします。

○遠藤保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 自殺の背景には様々な要因が複雑に絡み合っていることから、こうした相談に的確に対応するため、都は、相談窓口の一覧を掲載したリーフレットを作成いたしまして、区市町村や関係機関を通じて配布をしております。
 また、三月と九月の自殺対策強化月間に合わせまして、自殺防止東京キャンペーンを実施し、鉄道事業者や区市町村等と連携をいたしまして、駅構内等におけるポスターの掲示や街頭キャンペーンなどを実施しております。
 さらに、平成二十七年度からは、悩みを抱える方を早期に適切な支援につなげるため、インターネットの検索連動型広告を用いて、相談窓口等の情報に誘導する取組を実施しております。

○たかく委員 リーフレットの作成や自殺防止キャンペーンの実施、また、検索連動型広告を実施しての相談窓口等への誘導を実施してきたとのことであります。
 十月に政府は自殺総合対策大綱を閣議決定しました。国が自殺総合対策大綱を見直したのに伴い、東京都では次期自殺総合対策計画の策定を進めているとのことであります。
 この次期自殺総合対策計画におけるデジタル技術を活用した普及啓発の方向性についてお伺いいたします。

○遠藤保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は現在、自殺総合対策東京会議におきまして、次期自殺総合対策計画の策定に向けた具体的な検討を進めております。
 次期計画では、悩みを抱える方を早期に適切な支援窓口につなげる取組を強化することを重点項目の一つとして位置づけておりまして、スマートフォンの普及など、デジタル利用環境の進展を踏まえまして、紙媒体での普及啓発の取組と並行して、検索連動型広告をはじめとするデジタル技術を活用した普及啓発に取り組む予定でございます。
 あわせまして、悩みや居住地に応じた相談窓口を検索できるよう、自殺総合対策ホームページ、東京都こころといのちのほっとナビの掲載情報等の充実に取り組んでまいります。

○たかく委員 こういったスマホ等のデジタルを活用した普及啓発のさらなる推進を求めて、次の質問に移ります。
 次に、ほかの委員からもたくさん出ておりましたが、東京おこめクーポン事業について私からも伺います。
 都議会公明党は十一月に、都知事に、補正予算の編成に向けて物価高騰や新型コロナ第八波の対策強化を求める緊急要望を行いました。その中で、住民税非課税世帯の高齢者から物価高騰で困窮する声が多いことを踏まえて、低所得世帯を対象としたお米券などの現物給付による生活支援を要請したところであります。
 私ども都議会公明党の要望を受けて、今回、物価高騰で困窮する世帯を支援するために、東京都は、所得の低い都内の住民税非課税世帯や家計急変世帯、約百七十四万世帯を対象に、一世帯当たり米二十五キログラム相当の米や野菜などの食料品を届けることになりました。
 一昨日、我が党の代表質問では、事業のスタート時期について、補正予算成立後、速やかに事業者や区市町村等と調整し、来年二月からの事業開始を目指して準備するとの答弁もいただいたところでございます。
 ちょっと重複してしまいますが、私からも、今回、東京都がお米の配布に踏み切った経緯を伺います。

○高橋生活福祉部長 米は多くの方が主食としている食料品であり、本事業により、生活支援として、米を中心とした食料品を直接自宅に配送することとしたものでございます。

○たかく委員 いろいろな報道では、都知事が、ウクライナ情勢などで小麦価格が高騰する中、米粉を使ったパンの普及を推進していると、こういったことも出ておりました。
 今、円安で海外からの物が高騰している、また、いろんなウクライナの問題で物価高騰の中、国産のお米を活用していく、これは意義があると認識しております。
 都議会公明党は当初、お米券の給付を想定して提案をさせていただいておりましたが、今回、お米券ではなく、クーポンによる現物支給とした理由をお聞きいたします。

○高橋生活福祉部長 本事業は、物価高の影響を受けやすい低所得世帯を食料品の面から支援するものでございまして、食料品を届けることで、必要とする方に適切な生活支援を行っていくこととしております。
 お米券につきましては、スーパーやドラッグストアなどの小売店で使用することができる利点はございますが、本事業では、米を中心とした食料品を自宅に配送することで、高齢者等の買物に係る負担の軽減も考慮し、現物支給をすることといたしました。

○たかく委員 今の答弁ですと、高齢者世帯の買物に関わる負担軽減にも配慮しているということですけれども、こういったクーポンを活用したとしても、都内の経済対策の上から、都内にあるお米屋さん、小売店などを活用していくことはできるのではないかと考えますが、見解を伺います。

○高橋生活福祉部長 米などの食料品の調達に関しましては、今後、委託事業者と調整してまいります。

○たかく委員 委託事業者と調整していくとのことで、詳細はこれから詰めていくのかと思います。
 今回、百七十四万世帯、多くの対象世帯に安全・安心な食料品をしっかりときちんと、しかもスピード感を持って届けていただくこと、また、都内経済の活性化を進めていく上でも、都内の小売店等をしっかり活用をしていただきたい、そういったことを要望させていただいて、次の質問に移ります。
 次は、生活困窮者自立支援の機能強化について伺います。
 今回これが補正予算に組まれた理由としては、来年一月から始まる生活福祉資金特例貸付の償還が困難な方からの相談が区市で増加することが予想されている、そのために生活困窮者への支援体制を強化するとのことと考えられます。
 最初に、この生活福祉資金特例貸付の償還が困難になっている方に対して、国での対応はどのようになっているのかお聞きいたします。

○高橋生活福祉部長 生活福祉資金の償還が困難な方のうち、住民税非課税世帯の方は償還免除の対象となり、また、償還免除の対象とならないものの、経済的理由などで償還が困難な方は償還猶予の対象となります。

○たかく委員 先ほど来、他会派からの答弁でもありましたけれども、今回、東京都の社会福祉協議会において実施している緊急小口資金等の貸付件数は、十月末で約六十六万件とのことです。そして、来年一月からの償還の対象となるのは約四十三万件、そのうち約三割に当たる約十二万件が住民税非課税世帯であることを理由に償還免除の決定を受けることができるということで、そうすると、残り約三十一万件の対象者が、来年から償還が始まることになります。
 十二月五日の読売新聞では、このような記事が出ておりました。厚労省がコロナ禍で生活が苦しくなった世帯に対する家計の収支改善に向けた支援を主要な自治体の義務とする方針を固めた、この対象者は、コロナ禍で収入が減った世帯に無利子で生活費を貸す特例貸付の利用者を対象としている、物価高騰が続く中、家計簿の作成など継続的な支援が必要と判断したとの新聞報道が出ておりました。
 この記事にあるように、生活福祉資金特例貸付の償還が明年から始まることになり、コロナ禍の中で生活が困窮している世帯をどのように支援していくのか、また、どのように再建していくのかが大きな課題になると考えます。
 生活困窮者自立支援の機能強化としては、今回の補正予算では三つの拡充内容が示されております。自立相談支援機関窓口の体制強化支援、債務整理等に関わる弁護士による相談支援の拡充、それから、生活困窮者の支援体制の強化を図るため区市の取組を包括的に支援するということで、債務整理等、また生活困窮者の支援体制は重複しますので聞きませんが、自立相談支援機関窓口の体制強化支援で、支援者専用相談ラインの拡充と出ておりますが、この仕組みはどのような形で行うのかお聞きいたします。

○高橋生活福祉部長 支援者専用相談ラインは、区市等の自立相談支援機関の窓口で支援をしている方が、支援に当たって悩んだり困ったりした際に、支援に関するスーパーバイズを行うものでございます。
 令和五年一月から緊急小口資金等の特例貸付の償還が始まり、自立相談支援機関への相談が増加することが見込まれますことから、本ラインの開設日を現在の週三日から五日に拡充するほか、従来の電話による相談に加えまして、区市等の窓口への出張相談や、外国籍の方からの相談に対応する通訳を派遣するための経費を補正予算案に計上しております。

○たかく委員 この生活福祉資金特例貸付の要件緩和については、我が党でも国会の質疑で、償還免除の要請について、事後免除も含めて要件緩和をすべきと要請をしております。
 今回、東京都においても、生活福祉資金貸付制度の特例貸付の償還について要件緩和できるよう、強く国に働きかけていくべきと考えますが、見解を伺います。

○高橋生活福祉部長 都は、国に対して、生活福祉資金の特例貸付における償還免除の適格要件等については、住民税非課税世帯に限定しないなど、さらなる検討を行い、その内容を早期に示すことを提案要求しております。

○たかく委員 これは令和三年六月に提出したものと思いますが、しっかりと改めて、これから償還が始まるに当たって、現場の声を含めて国に届けていただきたいと思います。
 今、新型コロナウイルス感染症が、まだまだ終息が見えない中であり、また、今後も新型コロナ対策が必要な上に、物価高騰等の先行きが不透明な状況にあって、借受人の生活支援をさらに進めていく必要があると思います。
 さらなる支援体制を拡充させていただくことを求めて、私からの質疑を終わります。

○内山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内山委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
     

○内山委員長 次に、議員提出議案第十八号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○白石委員 議員提出議案第十八号、児童育成手当を増額する条例改正案について提案説明をいたします。
 案文はお手元に配布をしております。
 東京都児童育成手当に関する条例の一部を改正する条例案ですが、この条例案は、ひとり親家庭などに対して支給されている児童育成手当の金額を、子供一人当たり月一万三千五百円から一万六千五百円に引き上げるものです。
 施行日は、二〇二三年四月一日です。
 提出理由ですが、ひとり親家庭の貧困は深刻であり、国民生活基礎調査でも、ひとり親家庭の貧困率は四八%に上っております。その上に、新型コロナウイルス感染症の影響と急速な物価高騰が重なり、暮らしに大きな打撃を与えております。
 支援団体が行った物価高による影響調査では、ひとり親家庭の八割が子供の靴や衣類を買えないことがあったと答えております。六割以上の親が自分の食事を減らして、子供にだけは何とか食べさせようとしており、エアコンや暖房を使わない、入浴回数を減らすなどの節約を強いられております。自由記述には、穴が空いた靴で我慢、肉や野菜が買えない、お金が準備できず修学旅行に行けなかったなどの切実な声が寄せられております。
 東京都は物価高騰等への対策として、今年度の補正予算で低所得のひとり親世帯に対して給付金を支給する区市町村に対し、給付額の半額を補助することとしました。子供一人当たり五万円を上限としております。このことは重要ですが、実施状況は区市町村によってばらつきがあります。
 また、ひとり親家庭の貧困率は長年五〇%近くで高止まりしていることからも、継続的な経済的支援の拡充が必要です。
 児童育成手当は一九九六年以降、一度も引き上げられておりません。急速な物価高騰が進む中、引上げは極めて重要な課題となっております。
 したがって、児童育成手当を引き上げる本条例案を提出するものです。
 理由は以上になります。

○内山委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○内山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十八分散会

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