委員長 | おじま紘平君 |
副委員長 | 伊藤こういち君 |
副委員長 | 小松 大祐君 |
理事 | 関口健太郎君 |
理事 | やまだ加奈子君 |
理事 | 桐山ひとみ君 |
かまた悦子君 | |
上田 令子君 | |
うすい浩一君 | |
浜中のりかた君 | |
藤田りょうこ君 | |
菅原 直志君 | |
小宮あんり君 | |
白石たみお君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉保健局 | 局長 | 西山 智之君 |
健康危機管理担当局長 | 佐藤 智秀君 | |
次長 | 雲田 孝司君 | |
技監 | 成田 友代君 | |
理事 | 谷田 治君 | |
理事 | 木村 健治君 | |
理事 | 小林 忠雄君 | |
総務部長 | 高野 克己君 | |
企画部長 | 山本 謙治君 | |
医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 | 遠松 秀将君 | |
保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 | 遠藤 善也君 | |
生活福祉部長 | 高橋 博則君 | |
高齢社会対策部長 | 山口 真吾君 | |
少子社会対策部長 | 奈良部瑞枝君 | |
都立病院支援部長 | 齋藤 善照君 | |
企画担当部長 | 大出 仁君 | |
企画担当部長 | 森田 能城君 | |
事業推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 | 岩井 志奈君 | |
医療政策担当部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 | 鈴木 和典君 | |
高齢者施策推進担当部長 | 花本 由紀君 | |
子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 | 西尾 寿一君 | |
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 | 藤井 達男君 | |
新型コロナウイルス検査事業推進担当部長抗体カクテル療法促進担当部長兼務 | 及川 勝利君 |
本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・東京都民生委員定数条例の一部を改正する条例
・東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期目標について
・豊島区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した地方独立行政法人東京都立病院機構中期計画の認可の報告及び承認について
報告事項(説明)
・私債権の放棄について
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの令和三年度業務実績評価及び第三期見込評価について
請願陳情の審査
(1)四第七号 更生保護施設の建て替えに関する請願
(2)四第二〇号の二 児童相談所における児童の環境改善等に関する陳情
(3)四第二一号の一 別居・離婚後の共同親権及び共同養育に係る法整備等を求める意見書の提出に関する陳情
(4)四第二八号 いのちの電話に関する陳情
(5)四第二九号 奥多摩病院の存続・充実に関する陳情
○おじま委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
初めに、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、報告事項の聴取及び請願陳情の審査を行います。
なお、提出予定案件及び報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより福祉保健局関係に入ります。
初めに、先般の組織改正及び人事異動に伴い、福祉保健局長及び幹部職員に交代等がありましたので、局長から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。
福祉保健局長に就任されました西山智之君をご紹介いたします。
○西山福祉保健局長 七月一日付で福祉保健局長に着任をいたしました西山智之でございます。
私ども福祉保健局では、急激に変化する社会環境に迅速かつ的確に対応し、都民が安心して暮らし続けられるよう、大都市東京にふさわしい福祉、保健、医療施策を積極的に展開し、さらなる充実を目指していく所存でございます。
また、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、組織対応力を強化し、健康危機管理担当局長と共に、検査、医療体制の拡充、保健所とのさらなる連携など、局一丸となって取り組んでまいります。
おじま委員長をはじめ委員の皆様方のご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、説明に先立ちまして、このたびの組織改正、人事異動により交代等がございました幹部職員を紹介いたします。
技監で教育庁技監兼務の成田友代でございます。理事の谷田治でございます。企画部長で政策企画局新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長、子供政策連携室子供政策調整担当部長兼務の山本謙治でございます。保健政策部長で新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務の遠藤善也でございます。都立病院支援部長で子供政策連携室子供政策調整担当部長兼務の齋藤善照でございます。企画担当部長の大出仁でございます。事業推進担当部長で新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務の岩井志奈でございます。新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長の藤井達男でございます。新型コロナウイルス検査事業推進担当部長で抗体カクテル療法促進担当部長兼務の及川勝利でございます。
以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○おじま委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。
○おじま委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○西山福祉保健局長 令和四年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明を申し上げます。
今回ご審議をお願いいたします議案は、令和四年度九月補正予算案一件、条例案二件、事件案二件、専決処分の報告及び承認案一件の合計六件でございます。
初めに、補正予算案についてでございますが、ウクライナ情勢や円安に伴う燃料費高騰の長期化、物価高騰などの影響の拡大を踏まえ、都民生活や事業者への支援に加えまして、現下の感染状況を踏まえたきめ細かな対策を実施するなど、量と質の両面で万全の新型コロナウイルス対策を講じるために必要な経費を補正するものでございます。
次に、条例案の概要についてでございますが、民生委員の定数を改めるもの及び児童福祉法施行令の一部を改正する政令の施行に伴い、豊島区が行うこととする事務について規定を整備するものでございます。
続きまして、事件案の概要についてでございますが、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの中期目標を定めるもの及び豊島区から児童自立支援施設に係る事務を受託するために規約を定めるものでございます。
最後に、専決処分の報告及び承認案の概要についてでございますが、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した地方独立行政法人東京都立病院機構中期計画の認可について報告を行い、承認を求めるものでございます。
なお、詳細につきましては、総務部長からご説明を申し上げます。
以上、簡単ではございますが、提出予定議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○高野総務部長 それでは、令和四年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております議案の詳細をご説明申し上げます。
初めに、令和四年度九月補正予算案につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料、令和四年度九月補正予算概要をご覧いただきたいと存じます。
二枚おめくりいただきまして、一ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
今回の補正は、一般会計歳入歳出予算の補正でございます。
左側の(1)、歳入予算の補正予算額欄をご覧ください。国庫支出金で三千八百五十四億二百八十五万四千円の増額、諸収入で十億一千四百七十六万円の増額により、補正後の歳入合計は一兆一千七百九十一億四千五百四十一万九千円となります。
右側の(2)、歳出予算の補正予算額欄をご覧ください。福祉保健費で五千二百四十億六千八百八万二千円増額補正でございます。これによりまして、補正後の歳出合計は二兆五千七百六十二億九千百十三万一千円となります。
二ページをお開き願います。Ⅱ、事項別内訳の1、原油・原材料価格・物価高騰等対策でございます。
都民生活への支援に要する経費といたしまして、医療機関物価高騰緊急対策事業について、医療政策費で五十七億八千三百三十九万七千円の歳出を計上してございます。
三ページをご覧ください。都民生活への支援に要する経費といたしまして、保護施設物価高騰緊急対策事業について、生活福祉費で三千百九十五万一千円の歳出を計上してございます。
四ページをお開き願います。都民生活への支援に要する経費といたしまして、フードパントリー緊急支援事業、生活福祉資金貸付事業補助について、同じく生活福祉費で四億四千四百八十万円の歳出を計上してございます。
五ページをご覧ください。都民生活への支援に要する経費といたしまして、特別養護老人ホーム等物価高騰緊急対策事業、介護サービス事業所燃料費高騰緊急対策事業について、高齢社会対策費で十八億七千五百二十八万二千円の歳出を計上してございます。
六ページをお開き願います。都民生活への支援に要する経費といたしまして、低所得のひとり親の子育て世帯等に対する子育て世帯生活支援事業について、少子社会対策費で十億四千八百五十五万七千円の歳出を計上してございます。
七ページをご覧ください。都民生活への支援に要する経費といたしまして、保育所等物価高騰緊急対策事業、自立支援強化事業について、同じく少子社会対策費で十億八千六百五十八万一千円の歳出を計上してございます。
八ページをお開き願います。都民生活への支援に要する経費といたしまして、障害者支援施設等物価高騰緊急対策事業、障害福祉サービス事業所物価高騰緊急対策事業につきまして、障害者施策推進費で七億五千二百二十四万一千円の歳出を計上してございます。
九ページをご覧ください。2、新型コロナウイルス感染症対策でございます。
新型コロナウイルス感染症対策に要する経費といたしまして、東京都地域救急医療センター等の運営について、医療政策費で六億三千百十七万六千円の歳出を計上してございます。
一〇ページをお開き願います。新型コロナウイルス感染症対策に要する経費といたしまして、救護施設における集中的検査の実施について、生活福祉費で一千九百八十二万七千円の歳出を計上してございます。
一一ページをご覧ください。新型コロナウイルス感染症対策に要する経費といたしまして、高齢者施設における新型コロナウイルス感染症対策強化事業や高齢者施設事業継続支援事業などにつきまして、高齢社会対策費で二十六億五千八百二十九万三千円の歳出を計上してございます。
一二ページをお開き願います。新型コロナウイルス感染症対策に要する経費といたしまして、新型コロナウイルス感染症の流行下における妊産婦総合対策事業について、少子社会対策費で一億二千八百三万二千円の歳出を計上してございます。
一三ページをご覧ください。新型コロナウイルス感染症対策に要する経費といたしまして、障害者支援施設等における新型コロナウイルス感染症対策強化事業や代替職員の確保による障害福祉従事者の応援体制の強化などについて、障害者施策推進費で十五億一千四百二十五万七千円の歳出を計上してございます。
一四ページをお開き願います。新型コロナウイルス感染症対策に要する経費といたしまして、障害者支援施設等事業継続支援事業について、同じく障害者施策推進費で一千二百四十一万四千円の歳出を計上してございます。
一五ページをご覧ください。一五ページから一八ページにかけまして、新型コロナウイルス感染症対策に要する経費といたしまして、検査試薬の購入やPCR検査等の保険適用に伴う自己負担分の費用負担などについて、健康安全費で五千四十三億九千五百六十三万一千円の歳出を計上してございます。
一九ページをご覧ください。新型コロナウイルス感染症対策に要する経費といたしまして、救急・周産期・小児医療体制確保支援事業、新型コロナウイルス感染症の重点医療機関等の体制整備について、施設整備費で三十四億五千百九十七万九千円の歳出を計上してございます。
二〇ページをお開き願います。3、重要施策のスピードアップ等でございます。
重要施策のスピードアップ等に要する経費といたしまして、不妊治療費助成について、少子社会対策費で一億七千三百六十六万四千円の歳出を計上してございます。
二一ページをご覧ください。重要施策のスピードアップ等に要する経費といたしまして、手話の普及拡大事業について、障害者施策推進費で六千万円の歳出を計上してございます。
二二ページをお開き願います。Ⅲ、債務負担行為でございます。
フォスタリング機関(里親養育包括支援機関)事業に係る令和五年度から令和七年度分の債務負担行為としまして、五億三千百三十四万九千円を計上してございます。
次に、条例案につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料、令和四年第三回東京都議会定例会条例案等の概要をご覧ください。
表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。整理番号1、東京都民生委員定数条例の一部を改正する条例でございます。
民生委員の一斉改選に合わせまして、区市町村からの意見を踏まえ、区市町村ごとに定めている民生委員の定数を改めるものでございます。
この条例の施行日は、令和四年十二月一日を予定しております。
整理番号2、東京都児童相談所条例の一部を改正する条例でございます。
国の児童福祉法施行令の一部を改正する政令の施行に伴い、児童相談所の所管区域から豊島区を除くものでございます。
この条例の施行日は、令和五年二月一日を予定しております。
続きまして、事件案についてご説明申し上げます。
一枚おめくりいただきまして、二ページをお開き願います。整理番号1、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期目標についてでございます。
地方独立行政法人法第二十五条の規定に基づきまして、東京都が地方独立行政法人の中期目標を定めるものでございます。今回、令和五年四月一日から令和十年三月三十一日までの五年間を中期目標の期間としておりまして、都民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、業務運営の改善及び効率化に関する事項などを定めるものでございます。
整理番号2、豊島区の児童自立支援施設に係る事務の受託についてでございます。
令和五年二月に児童相談所を設置する予定の豊島区から、児童福祉法に規定する児童自立支援施設に係る事務を受託するため、地方自治法の規定に基づき、都と豊島区間の協議により規約を定めるものでございます。
この規約の施行日は、令和五年二月一日を予定しております。
最後に、専決処分の報告及び承認案についてご説明申し上げます。
三ページをご覧ください。整理番号1、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した地方独立行政法人東京都立病院機構中期計画の認可の報告及び承認についてでございます。
地方独立行政法人東京都立病院機構中期計画案につきましては、さきの第一回定例会でご報告させていただいておりますが、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき、令和四年七月一日に中期計画の認可を専決処分いたしましたので、ご報告し、その承認をお願いするものでございます。
中期計画は、令和四年七月一日から、令和九年三月三十一日までの四年九か月を期間としまして、都民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するため取るべき措置、業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するため取るべき措置、財務内容の改善に関する目標を達成するため取るべき措置、人件費の見積りを含む予算、収支計画及び資金計画などの項目を定めるものでございます。
なお、条例案等の詳細な内容につきましては、お手元の資料、令和四年第三回東京都議会定例会条例案等をご覧いただきたいと存じます。
以上で提出予定議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○おじま委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○藤田委員 資料要求いたします。
一点目、新型コロナウイルス感染症に関連した死亡者数の推移、月別。
二点目、新型コロナウイルス感染症に関連した自宅療養者等の死亡者数の推移、月別。
三点目、二〇二一年五月以降の施設種別クラスター発生件数、月別。
四点目、高齢者等医療支援型施設の病床数と受入れ人数、月別、施設ごと。
五点目、児童扶養手当受給者等の低所得のひとり親世帯等に対し、給付金を支給する予定の区市町村と予定金額。
六点目、高齢者等医療支援型施設、赤羽での透析患者の受入れ実績、日別。
七点目、医療機関、福祉施設、事業所の物価、燃料費高騰緊急対策事業の対象事業者、単価と規模及びその積算根拠。
八点目、都立病院、公社病院の医師、看護師の二〇二二年三月三十一日と六月三十日における退職者数、病院ごと。
九点目、都立病院、公社病院の医師、看護師の二〇二二年四月一日における採用者数及び都立病院機構の医師、看護師の七月一日における採用者数、それぞれ病院ごと。
十点目、都立病院機構、旧都立病院、公社病院の医師、看護師の現員、三月三十一日と四月一日、七月一日時点、それぞれ病院ごと、五年分。
十一点目、都立病院、公社病院の医師、看護師の退職者数、三月末と六月末、病院ごとに五年分。
十二点目、都立病院、公社病院の医師、看護師の採用者数、四月一日と年間、病院ごとに五年分。
十三点目、都立病院、公社病院及び都立病院機構の給与規定。
十四点目、都立病院、公社病院及び都立病院機構のコロナ後遺症相談窓口の対応件数、開設から二〇二二年八月まで、月ごと、病院別。
十五点目、都立病院機構の病院での特性のある新型コロナ患者の受入れ状況。
以上です。
○上田委員 フードパントリー支援事業の開始以来の実績、区市町村の取組も含めたものと補助団体の一覧。
児童養護施設退所者の生活困窮者の把握状況、困窮実態と相談件数等。
児童養護施設退所者の把握状況、過去十年。
生活福祉資金特例貸付償還開始に当たる貸付総額と回収見込み及び債権見込みの分かるもの。
東京都陽性者登録センター設置までの経緯、業者選定の分かるもの。
入院調整本部の運営委託、設置、運用までの経緯と業者選定が分かるもの。
第七波において、発熱外来等、陽性、感染症疑いの患者の受入れ状況と受診難民となった状況の分かるもの。
同じく、医師、医療人材不足状況の分かるもの。
同じく、高齢者、障害者の介護、福祉施設での医療体制不全による死亡、重症化事例。
同じく、自宅療養における死亡、重症化事例及び都内自宅療養者数の日ごとの推移。
同じく、宿泊療養施設の対応、活用状況が分かるもの。
同じく、ペット同伴療養施設の活用、稼働状況。
同じく、自宅療養中の死亡、重症化事例。
続きまして、保健所支援体制強化、デジタル化に向けての区市町村要望、需要が分かるもの。
同じく、第七波におけますコールセンター、発熱相談センター、ピーク時につながらない等、状況も含めての受付、対応状況の分かるもの。
副反応相談センターに開設以来寄せられた症状累計、死亡、重症化状況の分かるもの。
東京都におけるフォスタリング機関事業の実績、成果、過去三年分。
フォスタリング機関事業における子供の意見表明のサポート手順と実施状況が分かるものでございます。
独法化病院の中期計画と私債権放棄については、後ほどまた資料の方の要求をさせていただきます。
○おじま委員長 ただいま藤田委員、上田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○おじま委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
○山本企画部長 東京都債権管理条例第十三条に基づき、福祉保健局及び旧病院経営本部が令和三年度に実施いたしました私債権の放棄についてご報告させていただきます。
お手元の資料、厚生委員会報告事項の表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。1、福祉保健局所管分でございます。
福祉保健局におきまして令和三年度に放棄いたしました私債権は合計五件で、金額は九十五万一千百九十二円でございます。
表の番号1から3までの東京都看護師等修学資金でございますが、この制度は、保健師、助産師、看護師及び准看護師を養成する学校または養成所に在学し、将来、都の区域内において看護業務に従事しようとする方に修学資金を貸与することで、看護職員の確保や質の向上に資することを目的としております。今回放棄した案件は、昭和六十一年度及び昭和六十二年度に貸与したものでございます。
次に、番号4から5までの東京都母子及び父子福祉資金貸付金でございますが、この制度は、母子、父子家庭に対して、経済的自立、扶養されている子供の福祉の増進を図ることなどを目的に資金を貸与しているもので、今回放棄した案件は平成十四年度に貸与したものでございます。
次に、2、旧病院経営本部所管分でございます。
恐れ入りますが、一八ページをご覧ください。旧病院経営本部におきまして放棄した私債権は合計四百六十一件で、金額は四千三百七十万五千五百八十四円でございます。
当該債権は、広尾病院をはじめとする都立病院を受診した際にかかった診療料や分娩料等でございまして、平成九年度から平成三十年度までに発生し、債務の履行が滞っていた債権でございます。
いずれも、債務者や連帯保証人等に対しまして催告を行うなど回収に向けて鋭意努力を重ねてまいりましたが、死亡や行方不明等により、実質的に回収不能となったものでございます。
また、これらの債権は、消滅時効に係る時効期間が既に経過しておりますとともに、債務者等が死亡や行方不明等の状態で時効の援用の確認を得ることができないことから、令和四年三月に債権を放棄したものでございます。
以上が私債権の放棄についてのご報告でございます。よろしくお願いいたします。
○花本高齢者施策推進担当部長 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの令和三年度業務実績評価及び第三期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績評価につきまして一括してご報告申し上げます。
お手元の資料、厚生委員会報告事項、一九ページをご覧ください。まず、令和三年度の業務実績評価でございます。
毎年度の業務実績につきましては、1、評価制度の概要、2、評価方針と手順にございますように、地方独立行政法人法及び東京都地方独立行政法人評価委員会条例に基づき、知事が法人に対するヒアリング等を実施するとともに、外部有識者で構成いたします評価委員会の意見を聞いた上で評価することとなってございます。
評価の結果でございますが、3の評価結果の概要の枠囲みの中をご覧ください。項目別評価では、全体で二十の項目につきまして、事業の進捗状況や成果を五段階で評価いたしました。
評定S、年度計画を大幅に上回って実施しているとしたのは救急医療の一項目、評定A、年度計画を上回って実施しているとしたのは、血管病医療、高齢者がん医療、認知症医療など十二項目、評定B、年度計画をおおむね順調に実施しているとしたのは七項目、評定C、年度計画を十分に実施できていない及び評定Dの業務の大幅な見直し、改善が必要であるとした項目はございませんでした。
続きまして、二〇ページをお開きください。全体評価でございます。
1、総評でございますが、全体として年度計画を上回って実施しており、優れた業務の進捗状況にあると評価いたしました。
具体的には、病院部門では、新型コロナウイルス感染症対応のため、診療を制限せざるを得ない状況下においても、三つの重点医療である血管病、高齢者がん及び認知症について、高齢者の特性に合わせた医療の提供に努めるとともに、救急患者を積極的に受け入れ、高齢者の急性期医療を担う病院としての役割を果たしたことを高く評価してございます。
また、研究部門では、高齢者に特有な疾患に関する研究等を推進し、過去最高水準となる競争的外部資金を獲得したことのほか、研究支援体制を強化したことにより、研究成果の実用化や社会への還元を一層推進したこと、そして、経営部門では、新たな施設基準の取得により収入確保に向けた取組を強化するとともに、コロナ禍において公的医療機関としての役割を果たしたことを高く評価してございます。
一方で、改善や充実を求める事項といたしまして、地域の医療機関などとのさらなる連携や、地域における専門人材の育成の充実、コロナ禍における経営状況を踏まえた医業収入の一層の確保について、引き続き求めてございます。
次に、2、都民に提供するサービス及びその他の業務の質の向上に関する事項につきましては、血管病医療における低侵襲な治療や早期リハビリテーションの着実な実施、急性期脳卒中患者に対するSCU、脳卒中ケアユニットの活用を推進するなど、高齢者の多様な症例に対し適切な治療に努めたことなどを評価しております。
また、3の法人の業務運営及び財務状況に関する事項につきましては、医師事務作業補助者を積極的に活用することにより、組織的な負担軽減や計画的なタスクシフト、タスクシェアによる医師の負担軽減と患者サービスの両立を実現し、業務改善に努めたことなどを評価しております。
東京都健康長寿医療センターにおいては、今年度が法人の第三期中期目標期間の最終年度であり、次期の中期目標、中期計画につながる重要な年度となっております。
これらの評価を踏まえまして、4、中期目標・中期計画の達成に向けた課題、法人への要望といたしまして、法人が東京都における高齢者医療、研究の拠点として、その役割を着実に果たすとともに、目標達成に向け、法人一丸となって取り組むことを求めております。
以上が令和三年度の業務実績評価に関する報告でございます。
続きまして、第三期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績評価につきましてご報告申し上げます。
お手元の資料の二一ページをご覧ください。こちらは、今年度末に五年間の中期目標期間が終了することを踏まえ、その終了時に見込まれる業務実績を評価するものでございます。
1の評価制度の概要、2、評価方針と手順でございますが、先ほどご報告した単年度の評価と同様、法に基づき、外部有識者で構成いたします評価委員会の意見を聞いた上で評価を行うこととなってございます。
3の評価結果の概要でございます。評価は、令和三年度評価と同様に、項目別評価と全体評価について実施しております。
まず、枠囲みに記載しております項目別評価でございます。
全体で二十項目のうち、評定S、中期目標の達成状況が極めて良好であるとしたのは、高齢者に特有な疾患と老年症候群を克服するための研究及び研究推進のための基盤強化と成果の還元の二項目、評定A、中期目標の達成状況が良好であるとしたのは、血管病医療、高齢者がん医療、認知症医療など十項目、評定B、中期目標の達成状況がおおむね良好であるとしたのは八項目となっております。評定C、中期目標の達成状況がやや不十分であると評定Dの中期目標の達成状況が不十分であり、法人の組織、業務等に見直しが必要であるとした項目はございませんでした。
次に、二二ページをお開きください。全体評価でございます。
1、総評でございますが、優れた業務の達成状況にあり、期間終了時には、中期目標の達成が見込まれると評価いたしました。
具体的には、病院部門では、三つの重点医療について高齢者の特性に合わせた医療の提供に努め、高齢者の専門病院としての役割を果たしたこと、研究部門では、病院と研究所を一体的に運営する法人の特徴を生かした研究を進め、高齢者の地域生活支援に資する研究に取り組み、成果を普及、還元したこと、経営部門では、新型コロナウイルス感染症の流行下において、地方独立行政法人として機動的な経営判断や弾力的な予算執行をより一層推進するとともに、公的医療機関として都の施策に貢献したことを高く評価いたしました。
一方で、改善充実を求める事項といたしまして、地域における専門人材の育成や医業収入の改善などについては、引き続き取り組むことを求めてございます。
2、都民に提供するサービス及びその他の業務の質の向上に関する事項として、三つの重点医療や多職種連携によるチーム医療の取組など、治し支える医療を通じて高齢者医療モデルの確立、普及に努めたことなどを評価しております。
3、法人の業務運営及び財務状況に関する事項として、インターネット予約サービスの開始や医師事務作業補助者の積極的な活用により、患者サービスの向上や業務の効率化を推進したことなどを評価しております。
二三ページをご覧ください。4、第四期中期目標期間の運営に向けてとして、急速な高齢化が進展している中で、これまで培ってきた知見や病院と研究所が一体化した強みを生かし、人生百年時代を見据え、介護予防、フレイル予防、認知症との共生と予防など、高齢者の健康寿命の延伸に寄与することが求められることなど、法人が第四期に取り組む事業運営の方向性について記載してございます。
以上が第三期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績評価に関する報告でございます。
なお、詳細は、お手元の資料、令和三年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価書、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター第三期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績評価書をご覧いただきたいと存じます。
説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○おじま委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○白石委員 資料要求させていただきます。
健康長寿医療センターの職種別職員数の推移、常勤、非常勤別。
健康長寿医療センターの診療科別医師数。
健康長寿医療センターの経営指標の推移。
健康長寿医療センターのその他医業収益の推移と内訳。
健康長寿医療センターに対する運営費負担金及び運営費交付金の推移。
健康長寿医療センターの個室使用料の推移。
健康長寿医療センターの人材紹介会社への職種別支払い金額の推移。
健康長寿医療センターの新卒者、経験者別看護師採用数の推移。
健康長寿医療センターの看護師の夜勤回数別勤務者数、各年の七月実績。
そして最後に、健康長寿医療センターの職種別年次有給休暇平均取得日数の年次推移、五年分。
以上です。
○上田委員 独法化前後の退職者数、休職者数、新規採用者数、現在の欠員数をお願いします。
私債権放棄の旧病院経営本部の四百六十一件ですが、金額、件数、未収入金の推移、外国人の未払い状況を明記しましたもの、高額者の上位、もちろんこれも外国人か日本人かも明記したもの、上位十件をお願いしたいと思います。
○おじま委員長 ただいま白石委員、上田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○おじま委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
初めに、請願四第七号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○高橋生活福祉部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号1、請願四第七号は、千代田区の東京更生保護施設連盟会長山田憲児さんから提出されたものでございます。
請願の趣旨は、都において、更生保護施設の建て替えに当たり、補助金交付制度を新設していただきたいというものでございます。
現在の状況についてご説明させていただきます。
国は、更生保護事業法第三条第一項で、更生保護事業の適正な運営を確保し、及びその健全な育成発達を図るための措置を講ずるものとされております。
また、同法第五十八条で、更生保護法人に対し、法務大臣が財務大臣と協議して定める基準に従い、予算の範囲内において更生保護事業に要する費用を補助することができるとされており、関係規定に基づき更生保護施設の新築、増築、改築等の整備事業に補助しております。
都は、令和元年七月に策定した東京都再犯防止推進計画で、更生保護事業の円滑な実施と同事業に対する都民の理解と協力を促進するため、更生保護施設等に対する補助を行うことにより、健全な運営及び更生を助長する地域活動の振興を図ることとしており、運営費の一部を補助しております。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○おじま委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○浜中委員 それでは、本件について質問させていただきます。
まず、更生保護施設は、刑務所などの矯正施設を退所したものの、その後住居がなかったり、頼るべき人がいないなどの理由で、直ちに、すぐに自立することが難しい方を宿泊させ、食事を提供するほか、就労援助や生活指導等を行うことで社会復帰を支援する施設であります。
都内には、現在十九の施設が国の認可を受けた更生保護法人により運営をされているかと思いますが、更生保護事業の実施や運営については、法律上どのように規定されているのかということを教えてください。
○高橋生活福祉部長 更生保護事業法等において、国及び地方公共団体以外の者で更生保護事業を営もうとする者は、法務大臣の認可を受けなければならないとされております。
また、更生保護施設における保護は、法務省の地方出先機関である保護観察所の長の委託等に基づいて行われますとともに、会計年度ごとに事業成績等を法務大臣に報告しなければならないとされております。
さらに、法務大臣は、認可事業者に対し、その事業に関し報告をさせ、また、事業所等に立ち入り、その事業の運営の状況もしくは施設、帳簿、書類その他の物件を検査することができるとされております。
○浜中委員 ただいまの答弁で、更生保護施設の設置及び運営は、法務大臣をはじめ国の関係機関の関与の下で行われているということが分かりました。
一方で、平成二十八年に制定された再犯防止推進法では、都道府県は、再犯防止等に関する施策に関する計画を定めるように努めなければならないとされております。
都が策定した再犯防止推進計画では、更生保護施設はどのように位置づけがなされ、また、どのような取組を進めていくべきとされているのかを教えてください。
○高橋生活福祉部長 東京都再犯防止推進計画は、庁内関係各局のほか、国の機関である東京地方検察庁、東京矯正管区及び東京保護観察所などの関係機関で構成する検討会での意見を踏まえ、令和元年七月に策定されました。
更生保護施設は、帰るべき住居のない刑務所出所者等の主要な受皿として位置づけられ、東京保護観察所は、老朽化が進んだ更生保護施設について、定員の拡大を図るとともに処遇環境を改善するために施設整備を計画的に実施することとしております。
また、都は、更生保護事業を円滑に実施する上で、都民の理解と協力を促進するため、更生保護施設等に対する補助を行うことにより、施設の健全な運営や入所者の更生を助長する地域活動の振興を図るとしております。
○浜中委員 ただいまの答弁では、都の取組として、都民の理解と協力を促進するために、更生保護施設等に対する補助を行うことと説明がありましたが、具体的にどのような支援を実施しているのかをお伺いいたします。
○高橋生活福祉部長 都は、東京都更生保護協会が更生保護施設に対して行う助成事業及び被保護者の更生を助長する地域活動の振興を図るために行う事業に対し、経費の補助を行っております。
補助対象経費といたしましては、更生保護施設が行う更生保護事業について、更生保護施設入所者の日用品や被服などの日常生活処遇に関する経費や、地域活動の振興を図るために同協会が発行する機関誌の経費、また、各地区における犯罪予防を目的とした啓発活動イベントや広報媒体を発行するための経費の一部を対象としております。
○浜中委員 それでは、最後に意見を述べさせていただきます。
東京都が都独自の取組として更生保護施設が行う地域活動に対して独自の補助を実施していることは評価いたします。今回の請願は、更生保護施設の建て替えについて、都の補助事業の新設を求めるものであります。更生保護事業は、基本的に国の責任において実施されるものと私は認識しております。
しかし、現在、全国の二〇%に当たる十九の施設が都内に設置され、地域の再犯防止に一定の役割、これは大きな役割を果たしていると考えると、請願の内容のように、更生保護施設の建て替えに当たり、東京都としても支援を実施していってもよいのではないかと考えます。
更生保護施設の成り立ちが、もともと篤志家の方に支えられて誕生したという歴史があることは承知しております。運営者が更生保護施設を何とか運営することはできても、施設の建て替えまでは資金的に厳しく、善意の寄附に頼っているという現実があります。
先日、小宮あんり前自民党幹事長をはじめとする都議会自民党の厚生委員会のメンバーで、都内の老朽化した更生保護施設に視察に行きました。社会復帰の足がかりとして重要な役割を果たしていることは、現場を見て改めて理解をいたしました。
建て替えができないために施設の廃止が行われて定員が減るようなことは避けるべきでありますし、国の所管ではありますが、東京都としても、東京都再犯防止推進計画に、住居の確保の必要性として更生保護施設についても取り上げております。
約五割といわれている再犯率を下げることは、東京都、社会全体の利益であります。現実に即した支援を東京都から国に強く呼びかけるとともに、首都東京として可能な限りの対応をお願いしたいというふうに思います。
以上です。
○菅原委員 それでは、質疑をさせていただきます。
本件は、更生保護施設の建て替えに関する請願でございます。
刑務所や、または少年院などを出所した方々には、帰るべき場所がないという場合もあります。その方々を受け入れて、住まいと食事を提供して、更生と自立を促す施設が更生保護施設です。
まず、都内には更生保護施設が何か所あり、また、その定員は何名なのか伺います。お願いします。
○高橋生活福祉部長 更生保護事業法に基づきまして、法務大臣の認可を受けた更生保護施設は都内に十九か所あり、令和四年四月一日現在、刑務所等を出所した方の受入れを行っている施設は、休止中の一施設を除き十八か所で、その定員は四百四十二名となっております。
○菅原委員 ありがとうございます。
私たちの下には十九か所あるということで、請願の方からもお話しいただいたんですけど、一か所が休止中だということで確認をさせていただきます。
さて、この施設運営というのは民間の更生保護法人などが担っておりまして、法務省からの更生保護委託をされておりますので、基本的には、国の責任で事業継続や環境整備が行われるものと考えます。
今回の請願書には、更生保護施設の建て替えに対する補助金制度ということで、既に、神奈川、高知県、和歌山、宮城県、富山県、長崎県及び山梨県の七つの県が補助金の交付制度を創設されているということが紹介をされています。
この七県の補助金の交付制度について確認をさせてください。
○高橋生活福祉部長 七県全ての制度は確認できておりませんが、更生保護法人が行う老朽化等に伴う施設の改築等につきましては、総事業費から国の補助金や寄附金等を差し引いた法人が負担する額に対し、県が定めた基準額の範囲内で補助した事例があると聞いております。
○菅原委員 ありがとうございます。
この請願の願意というのは、建て替えに当たって補助金の交付制度をつくってほしいということです。この請願の審査に当たって、実際に更生保護施設を運営されている団体の皆さんからもお話を伺いました。
更生保護施設の運営の収支というのは、どの施設もぎりぎりであるということを伺いました。近年の物価高や資材不足の影響で建設費全体が高騰している中、国からの建て替えの費用や、また民間からの寄附で建設できる状況ではないということも想像できます。
この請願の趣旨を十分に検討すべきだと思いますが、東京都の見解を伺います。
○高橋生活福祉部長 施設整備につきましては、更生保護事業法により、国は、更生保護法人に対して、予算の範囲内で更生保護事業に要する費用を補助することができるとされております。
これに基づき、国は、更生保護事業費補助金交付規則などの関係規定において補助単価等の算定基準を定め、更生保護法人が行う新築、増築、改築等の整備に対する補助を実施しております。
物価高ですとか資材不足の影響につきましても、国の補助制度において対応すべきと認識しておりますが、今後、本委員会での請願審査の状況も踏まえ、対応してまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。
ハード面もそうなんですが、ちょっとソフト面の部分も見解を伺いたいと思います。更生保護施設に入所する方々が地域で安定した生活を送ることは、再犯防止の観点からも重要です。
刑務所を退所する方の中でも、特に高齢や障害のために地域での生活に困難が予想されています。更生保護施設に限らず、この方々への支援が課題と考えますが、都の取組を伺います。また、この取組を担っている地域生活定着支援センターの地域コーディネートの実績と退所者の受入先の内訳を伺います。お願いします。
○高橋生活福祉部長 都は、地域生活定着支援センターを設置いたしまして、高齢または障害により、福祉的な支援を必要とする矯正施設退所予定者等に対して、矯正施設、保護観察所等と連携し、矯正施設入所中から退所後まで、一貫した相談支援を実施しております。
具体的には、施設入所中から、退所後に必要な福祉サービス等のニーズの把握やサービスを実施する区市町村との調整を行うとともに、退所者を受け入れた福祉施設等に対し、必要な助言を行っております。
令和三年度に地域生活定着支援センターが支援した方は百三十八名でございまして、そのうち都内に帰住した方は六十四名でございます。
受入先といたしましては、無料低額宿泊所、簡易宿泊所が十九名、更生保護施設が十一名、自立準備ホームが九名、病院が七名、グループホーム等が十八名となっております。
○菅原委員 ありがとうございます。
近年の犯罪件数というのは全国的に少なくなっている一方で、再犯者は増えております。そして、その再犯比率という、再犯率というんでしょうか、それも上昇しているということを伺っています。
再犯防止というのは、居場所すなわち住居と出番、また就労が必要だといわれています。また、これまでの懲役と禁錮をなくして拘禁刑というのが創設されました。百十五年ぶりに刑罰の種類が変わったのは、刑罰の目的が懲罰から更生へ大きな転換がなされているということの象徴です。
社会的に大きな過ちを犯して刑務所などに入った方々が、刑期を終えて社会に戻ってきます。かつて保護者たちは、お帰りなさいという言葉でこのことを表現いたしました。
自分の帰るべき場所がある方もいれば、残念ながら帰る場所や家がない方々もいます。この帰る家や場所のない方々を受け入れて、社会でやり直すための施設が更生保護施設です。
かつて吉村昭さんという作家が、更生保護施設を舞台にした仮釈放という小説を発表されました。私は、たしか高校時代に読んだと思うんですが、吉村昭さんは、さらに、見えない橋という小説でも更生保護施設を取り上げています。水上勉さんも、その橋までという小説で更生保護施設を取り上げました。
法務省保護局が広報用に作った冊子、これは社会へのかけ橋という題です。どうも更生保護施設は橋に例えられることが多いようには感じます。
今回は、その橋が老朽化して、東京都にもその費用の負担の一部を求めている内容です。都としての検討を要望して、質疑を終わります。ありがとうございました。
○伊藤委員 我が会派の加藤雅之議員も紹介議員になっております請願四第七号、更生保護施設の建て替えに関する請願について、確認も含め、何点か質問をしたいと思います。
本請願は、昨年度創立七十周年を迎えた東京更生保護施設連盟の山田会長から提出された請願であります。
まずは、この山田会長をはじめ更生保護施設の皆様が、罪を犯した人や非行のある少年に、頼るべき人が、あるいはまた居場所がない場合、その社会復帰と再出発を助けるために、昼夜を問わず、指導、援助に当たられていらっしゃることに心から敬意を表したいと思います。
更生保護施設は、更生保護事業法に基づいて設置される施設で、刑務所及び少年院を出所した人たちに対して住まいと食事を提供し、更生と自立を促す施設として全国にあり、都内には現在十九施設が設置されているわけであります。
請願理由によると、この施設は、法務省からの更生保護委託費で運営されているほか、保護司をはじめ、協力団体、ボランティア、地域住民などによって支えられているわけでありますけれども、財政的には常に非常に厳しい状況が続いているということであります。
この施設は、おおむね五十年に一度建て替えが行われますけれども、充てられる費用は、半分は法務省から補助金が交付され、そのほかの部分の半分については自己資金や寄附金で賄われているということでありました。
日常的に財政運営が厳しい施設であることに加えて、最近の物価高騰や資材不足で建設費が高騰しており、建て替えが困難な状況が起きているため、都として支援をしてほしいという切実な願いであります。
そこで伺いますけれども、まず、更生保護施設に対する都の認識を伺いたいと思います。
○高橋生活福祉部長 更生保護施設は、刑務所などの矯正施設を退所したものの、その後の住居がなかったり、頼るべき人がいないなどの理由で直ちに自立することが難しい方を宿泊させ、食事を提供するほか、就労援助や生活指導等を行うことで社会復帰を支援する施設でございます。
また、再犯防止推進法に基づき、都が令和元年度に策定いたしました東京都再犯防止推進計画において、更生保護施設は、帰るべき住居のない刑務所出所者等の主要な受皿として位置づけられておりまして、再犯防止の取組を促進するため、重要な役割を担っていると認識しております。
○伊藤委員 都としても、この更生保護施設は重要な施設として認識をしているということでありました。
その更生保護施設に対して、都としてはどのような支援を実施しているのか伺いたいと思います。
○高橋生活福祉部長 東京都は、東京都更生保護協会が更生保護施設に対して助成事業及び被保護者の更生を助長する地域活動の振興を図るために行う事業、これに対しまして経費の補助を行っているというところでございます。
補助対象経費といたしましては、更生保護施設が行う更生保護事業について、更生保護施設入所者の日用品ですとか、被服などの日常生活処遇に関する経費ですとか、地域活動の振興を図るためにこの協会が発行する機関誌の経費、また、各地区における犯罪予防を目的とした啓発活動イベントや広報媒体を発行するための経費の一部を補助対象としております。
○伊藤委員 今回の請願理由の中には、老朽化した更生保護施設の建て替えに対して、十二の県では補助金交付制度が新設されているということでありました。
他県ではどのような補助を行っているのか、分かる範囲でお答えいただければと思います。
○高橋生活福祉部長 全ての自治体を把握しているわけでございませんが、更生保護法人が行う老朽化等に伴う施設の改築につきましては、総事業費から国の補助金、それから寄附金等を差し引いた法人が自分で負担する額に対しまして、県が定めました基準額の範囲内で補助した事例があるというふうに聞いております。
○伊藤委員 更生保護施設は、一義的には国所管の施設になるわけでありますけれども、都としては、更生保護施設の運営等に関して、国に対してどのような提案要求を行っているのか伺いたいと思います。
○高橋生活福祉部長 地域での福祉サービスの利用が困難な対象者の指定更生保護施設での受入れを促進するため、入所要件を緩和いたしますとともに、設備の充実など受入れ環境の整備を図ること、また、矯正施設の出所者が経済的に自立し、円滑に地域生活に移行できますよう、更生保護施設における就労に向けた指導、支援の強化を図ることを要望しております。
○伊藤委員 答弁にありましたとおり、都は、更生保護施設の運営費の補助、そしてまた国への提案要求を行っているということでありましたけれども、繰り返しになりますけれども、施設は、財政状況が非常に厳しい上、目下の物価高騰や建設費の高騰などで建て替えが困難な状況にあるわけであります。
今回の請願は、都議会公明党をはじめ三会派の議員が紹介議員になっております。この事実を重く受け止めていただき、施設整備費の補助の新設に向けて、都は検討すべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
○高橋生活福祉部長 更生保護施設の施設整備に関しましては、先ほども答弁させていただきましたが、更生保護事業法で、国は、更生保護法人に対して、予算の範囲内で更生保護事業に要する費用を補助することができるとされており、関係法令に基づき、新築、増築、改築等の整備に対する補助を計画的に実施しております。
そのような中、今般、伊藤副委員長がおっしゃいましたとおり、三会派の議員が紹介議員となって本請願が提出されました。こういったことを踏まえまして、今後につきましては、国の施設整備計画の実施状況を注視いたしますとともに、本委員会での請願審査の状況も踏まえて対応してまいります。
○伊藤委員 ご答弁に、本委員会での請願審査の状況を踏まえて対応していく、このように答弁をいただきました。ぜひ、この後採決をしていくわけでありますけれども、全会派で賛同いただけたらと、このように思う次第でございます。
五十年に一度の重要な施設の建て替えであり、恒常的な予算確保とはいえない補助制度になると思います。都は、これまでより一歩踏み込んで、また、これまで以上に寄り添った更生保護施設や保護事業への支援を行うよう強く求め、質問を終わります。
○白石委員 日本共産党の白石たみおです。更生保護施設の建て替えに関する請願について質問いたします。
この請願は、東京更生保護施設連盟会長の山田憲児さんから出されたものです。
刑務所や少年院を出た方が社会の中で生きていくためには、様々な困難があります。帰れる先、住むところがないという方もいらっしゃいます。また、就労先を見つけることも簡単ではありません。何かあったときに頼れる人がいないと、生きていくのも困難であると思います。
そうはいっても、悪いことをした人たちではないかという人もいるかもしれませんが、しかし、犯罪をしたのは事実だとしても、もともと貧困、孤立など、生きづらさを抱えていた場合も少なくありません。
生育環境に問題があって、生きる力を身につける機会を適切に与えられず、対人関係をつくるのが苦手だったり、就労が難しかったりということもあります。そして、そのような方々が社会の中で生きていけるようにする必要があります。
最近は、誰一人取り残さないということがよくいわれます。ですけれども、刑務所などを出た方々も含めて取り残さない社会をつくることが重要であり、それが結果的に再犯防止にもつながるというふうに思います。
もともと被害者の立場にあったという場合もあるんです。例えば、女性の入所受刑者の約三分の一は覚醒剤取締法違反が理由です。二〇二〇年版の犯罪白書によると、覚醒剤の使用歴がある受刑者への調査で、女性の七三%が、これまで交際相手や配偶者などから身体的な暴力、つまりDVを受けたことがあると、このような調査結果、回答をしています。
また、子供の時期に、家族から心が傷つくような言葉をいわれるといった精神的な暴力を受けたという方は女性の四八%、家族から殴る蹴るといった体の暴力を受けたは同じく三九%と、覚醒剤に関して有罪になった女性の多くが、様々な暴力の被害者であったということが分かります。
こうした方々を排除するのではなく、社会の中で生きていけるようにすることが極めて重要だと思います。そのために役割を発揮するのが更生保護施設であると思います。
そこで伺いたいと思いますが、更生保護施設の果たしている役割の重要性について、どう認識しているか伺います。
○高橋生活福祉部長 更生保護施設は、刑務所などの矯正施設を退所後の住居がなかったり、頼るべき人がいないなどの理由で直ちに自立することが難しい方を宿泊させ、食事を提供するほか、就労援助や生活指導等を行うことで入所者の社会復帰を支援する役割を担っております。
都といたしましては、施設の中で行われているこれらの支援が重要であると認識しております。
○白石委員 施設内での支援の重要性、そのとおりだというふうに思います。
役割についてはどうか、重要性をお答えください。
○高橋生活福祉部長 先ほど答弁させていただきましたとおり、更生保護施設は、入所者の社会復帰を支援する役割を担っていると。そういった支援が重要であるというふうに認識しておるというところでございます。
○白石委員 私は役割を聞いたので、先ほども重要な役割があるというふうなことも答弁もされておりました。
中身の支援も重要だし、施設自体の役割も重要であると。そういう認識でいいかと思うんですけど、いかがですか。
○高橋生活福祉部長 先ほど答弁したとおりでございます。
○白石委員 いいという、そういう認識でいいということですね。−−はい、分かりました。更生保護施設が行っている支援が重要であるという答弁でした。役割も重要であるというふうな認識です。
更生保護施設について、法務省は次のように説明をしております。犯罪をした人や非行のある少年の中には、頼ることのできる人がいなかったり、生活環境に恵まれなかったり、あるいは、本人に社会生活上の問題があるなどの理由で、すぐに自立更生ができない人がいます、更生保護施設は、こうした人たちを一定の期間保護して、その円滑な社会復帰を助け、再犯を防止するという重要な役割を担っているというふうな記述があります。
また、山田会長にお話を伺いました。山田会長のお話では、ある方になぜ再犯したのかと聞いたところ、孤独だからといわれて驚いたというふうなことをおっしゃられておりました。社会的関係があることが大事だと話されておりました。また、刑務所を出てくる人たちは高齢者や障害者が多くなっていて、きちんと福祉や養護老人ホームにつなぐことが必要で、そうしないと再犯に至ってしまうということでした。
更生保護施設は、直接は国から委託を受けて運営しているわけですが、だから東京都などの地方自治体にとっては関係ないものなのかといったら、全くそんなことはありません。
東京都内の更生保護施設に入所している方々というのは、東京都で生きていこうとしている方々です。したがって、東京都内の更生保護施設の在り方というのは、東京の社会がどのような社会なのかということに関わる問題であると思います。
刑務所や少年院に入所していた方を社会の側が受け入れ、本人も生きていく力をつける、あるいは引き出すことができ、社会の一員として生きていける社会なのか、それとも、刑務所や少年院から出所した方々を排除してしまい、それが再犯にもつながってしまう社会なのかということに関わる問題であると思います。東京都として、前者のような社会を目指し、更生保護の充実のために役割を果たすことは当たり前であると、必要なことだと思います。
請願者の方から、今日持ってきましたけれども、東京更生保護施設連盟の創立七十周年記念誌をいただきました。
初めに出てくるのは、小池知事のお祝いの言葉なんです。開けてみれば、最初に小池知事がこのように出てきます。そして、小池知事のお祝いの言葉、何書いてあるか。長年の活動に敬意を表します、こう述べ、更生保護施設の活動について、誰一人取り残さないという言葉も使いながら、ますます重要なものとなっていくことでしょうと、このように話されております。
そして、東京都は、再犯防止推進計画に基づき取組を進めるという話をして、一層のご理解、ご協力をよろしくお願いしますと、このように述べるわけですが、そうであるならば、東京都として何をするのかということが問われるというふうに思うんです。
今日もこういうふうな形で、請願も今審査をされています。率直にお聞きしたい。施設整備に都として支援をすべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○高橋生活福祉部長 国は、更生保護事業法により、更生保護法人に対して、更生保護事業に要する費用を補助することができるとされ、関係法令に基づき、新築、増築、改築等の費用を補助しております。
また、東京都は、更生保護事業を円滑に実施するため、施設入所者の日常生活処遇に必要な経費や、啓発活動イベントや広報媒体を発行するために必要な経費の一部を補助しておりまして、これにより、更生の助長と都民の理解や協力の促進に寄与していると認識しておるところでございます。
先ほども答弁しましたけれども、今回の請願に対しましては、請願の審査状況を踏まえて、都として対応していくということでございます。
○白石委員 今、請願の審査を踏まえて、都として対応していくと。重要だと思います。
更生保護施設に対して、都道府県に、改めて支援をすることの必要性と意義についても伺いたいと思いますが、どう認識されていますか。
○高橋生活福祉部長 先ほども答弁いたしましたけれども、都の運営費の補助等によりまして、更生の助長と都民の理解や協力の促進に寄与しているというふうに認識しておるところでございます。
○白石委員 私は今、必要性について伺ったんです。必要性については、もう少しはっきり答弁すべきだというふうに思います。今の答弁では、補助を行っていて、更生の助長と都民の理解や協力の促進に寄与しているという答弁でした。
しかし、都が行っている補助というのは、都内十九施設−−先ほど答弁では休止が一か所あるというふうにいわれましたが、十九施設全ての分で、何と年間約四百万円だと、とどまっているんですね。また、施設を改築する場合は、補助を行っていないということです。改築については、国が改築への補助を行っていて、三分の二を補助するとなっています。
私たちがお話を伺った山田会長によると、補助基準額が低く、実際には三分の二はもらえていない、その他の収入を足しても足りない状況だといっていると。来年建て替え予定の墨田区の施設は、今、二億円足りていないそうです。
その一方で、他の道府県では補助を行っているところが少なくないと。他の道府県で、更生保護施設の建て替えに当たって補助を行ったところというのは何か所あるでしょうか。
○高橋生活福祉部長 更生保護施設の施設整備は、法に基づき国が補助を実施しているものでございまして、都としては、一部の県で独自に補助を実施しているということは、当該県のホームページ等で確認しているところでございますが、全国的な補助の実施状況は把握していないというところでございます。
○白石委員 今回、請願が出されているということは分かっているわけですし、さらにいえば、二〇一八年八月に開かれた東京都再犯防止推進計画検討会でも、東京更生保護施設連盟の副会長の方から、都内の更生保護施設における施設整備事業への東京都の補助により、老朽化等の問題を解消し、受入れ及び社会復帰支援の生活基盤を確保したいという要望も出されております。
再犯防止推進計画を策定したときのパブリックコメントでも、施設整備費用への財政的支援を求める意見が寄せられ、それに対して東京都は、今後、具体的な施策を検討するに当たって参考とさせていただきたいというふうにも答えている。そうであれば、他の道府県の状況は把握しておくべきだと思います。
日本共産党都議団として、幾つかの他の県に聞いてみましたが、更生保護施設は重要な役割を果たしている、出所者の自立、更生を支援し、地域社会が安全に過ごせる環境づくりに寄与するなど、更生保護施設の果たしている役割を評価し、補助することを決めていました。重要な役割も認識をしていると。だとするのであれば、東京都も補助をすることが必要であり、実施することを求めたいと改めて思います。
そして、この請願を採択することを強く呼びかけて、質問を終わりたいというふうに思います。
○おじま委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認めます。よって、請願四第七号は採択と決定いたしました。
○おじま委員長 次に、陳情四第二〇号の二及び陳情四第二一号の一は、内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号2、陳情四第二〇号の二は、全国の児童相談所が行う子どもに対する人権侵害を阻止する会代表の江邑幸一さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、都において、日本の宝である未来ある児童の健全な発達に資するとともに、児童の権利に関する条約や児童の権利を守るため、児童相談所における児童の環境改善等について、次のことを実現していただきたいというものでございます。
第二項として、児童相談所における一時保護及び施設保護の基準を定めること。
第三項として、児童相談所が施設入所等の措置を要すると認めるときは、児童が弁護士を代弁者とすることを許可すること。また、民間団体等の第三者と当該児童の意見を最大限尊重すること。
第四項として、児童相談所の職員による面談時は、カメラ及びボイスレコーダーでの記録を義務化するとともに、記録をしなかった場合は刑事的処罰を受けるものとすること。
第五項として、児童相談所が児童虐待があると思料するときは、刑事訴訟法第二百三十九条に基づき漏れなく告発すること。
第六項として、児童虐待への対応は、親子の再統合に配慮しながら適切に行うため、原則として、〔1〕、出頭要求等、〔2〕、立入調査等、〔3〕、再出頭要求等、〔4〕、臨検、捜索等の順で実施し、緊急保護は最後の手段とすること。
第七項として、一時保護等が行われた児童との面会、電話、手紙等の通信について、次の事項を実施すること。
(1)、児童が求め、民間団体等の第三者が確認した場合は、原則として、面会、電話、手紙等の通信を認めること。
(2)、面会、電話、手紙等の通信は、虐待をしている疑いがない保護者、兄弟姉妹、親戚、友達の保護者などに対して自由に認めること。
(3)、調査中であっても面会は制限せず、児童の不安を解消すること。また、週一回は面会させること。
(4)、手紙の検閲、添削をやめること。
第八項として、保護された児童に関する行政文書や記録等は全て開示すること。
第九項として、一時保護、同意入所、強制入所の場合は、友達との住所、メールアドレス、電話番号の交換を制限しないこと。また、持ち物検査でもチェックの対象としないこと。
第十項として、児童相談所は、保護前から保護後まで、保護者及び児童のサポートを行うこと。
第十一項として、児童相談所及び施設は、児童の預金通帳の管理をやめること。
第十二項として、要保護児童対策地域協議会は、当事者である児童、警察、学校、保育所、病院、民生委員等関係機関により構成し、それぞれの機関が児童の意見を聴取し、すり合わせを行い、児童にとっての最善策を取ること。また、関係機関は管理する児童の状況を漏れなく報告し、必要な行動を必ず実施すること。
第十三項として、養子縁組は国内のみとし、これまでのあっせんについて成人までの生存確認の追跡調査を至急実施することという内容でございます。
現在の状況でございますが、第二項につきましては、一時保護は、児童福祉法第三十三条に基づき、子供の安全確保を最優先に実施しております。
実施に当たりましては、一時保護ガイドラインについて、児童虐待等に関する児童福祉法の適切な運用について、虐待通告のあった児童の安全確認の手引き及び子ども虐待対応の手引きの第五章、一時保護を参照し対応しています。
第三項につきましては、弁護士が子供の代弁者となることは、現在も措置の要否にかかわらず可能でございます。
なお、令和四年六月に成立した児童福祉法等の一部を改正する法律では、児童相談所等は、入所措置や一時保護等の際に児童の最善の利益を考慮しつつ、児童の意見、意向を勘案して措置を行うため、児童の意見聴取等の措置を講ずることとし、都道府県は、児童の意見、意向表明や権利擁護に向けた必要な環境整備を行うこととされています。
第四項につきましては、国の児童相談所運営指針では、調査内容は正確、簡潔、客観的に児童記録票に記載することとされていますが、カメラ及びボイスレコーダーの使用については定められておりません。
第五項につきましては、刑事訴訟法第二百三十九条第二項では、官吏または公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならないと規定されています。
第六項につきましては、出頭要求、立入調査、再出頭要求及び臨検、捜索は、児童相談所の家庭訪問等によっても長期間子供の姿を確認できない、呼びかけに対し全く応答がなく安否を確認できないなどの事例におきまして、子供の安全確認及び安全確保を目的に行うものでございますが、これによらず、子供の安全が確認できた場合であっても、児童相談所長は、子供の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するなどの必要があると認めるときは、児童福祉法第三十三条に基づき、一時保護を行うことができます。
第七項につきましては、一時保護では、児童相談所長は、児童福祉法第三十三条の二第二項により、監護、教育及び懲戒に関し、その児童の福祉のため必要な措置を取ることができることから、一時保護児童との面会、電話、手紙等の通信については、児童相談所長が児童の最善の利益を考慮し、対応方針を決定しております。
第八項につきましては、一時保護された児童に関する情報は、東京都個人情報の保護に関する条例に基づき、非開示情報に該当する部分を除き開示しています。
第九項につきましては、第七と同様、児童相談所長が児童の最善の利益を考慮し、対応方針を決定しております。
第十項につきましては、児童相談所は、相談を受け付けてから支援が終了するまで、児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律に基づき、児童及び保護者の支援を行っています。
第十一項につきましては、国の児童養護施設運営ハンドブックでは、施設は、入所中の児童に対し、経済観念を習得させていくための援助が必要とされていることから、一般的に施設が児童の預金通帳を預かりながら、金銭管理を支援しております。
児童相談所一時保護所では、児童福祉法第三十三条の二の二第一項に基づき、児童の預金通帳は子供の所持する物として児童相談所長が保管しています。
第十二項につきましては、要保護児童対策地域協議会は、支援対象児童等に関する情報や、支援対象児童等の適切な保護または支援を図るために必要な情報を交換するとともに、支援対象児童等に対する支援の内容に関して協議しており、関係機関は、この協議に基づき必要な対応を行っています。
構成員は、児童福祉法第二十五条の二第一項に規定する関係機関、関係団体及び児童の福祉に関する職務に従事する者その他の関係者のほか、地域の実情に応じて、福祉、保健、医療、教育、警察、司法等の関係者や民間団体、ボランティア団体等、幅広い者を参加させることが可能とされております。
第十三項につきましては、平成三十年四月に施行された民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律の第三条第二項では、民間あっせん機関による養子縁組のあっせんは、可能な限り日本国内において児童が養育されることとなるよう行わなければならないと規定されております。
都は、国の児童相談所運営指針に基づき、特別養子縁組成立後少なくとも半年間は、児童相談所が児童福祉司による指導等で、定期的に子供の生活状況を確認するとともに、養親から相談に応じるなどの援助を行っています。
続きまして、整理番号3、陳情四第二一号の一をお手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号3、陳情四第二一号の一は、全国の児童相談所が行う子どもに対する人権侵害を阻止する会代表の江邑幸一さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、第一項として、別居、離婚後の共同親権制度及び共同養育制度を導入し、子供にとって最善の養育環境を整え、両親の子育て責任を明確化すること。
第二項として、一方の親が同意なく子供を連れ去った場合は、子供を速やかに元の場所に戻し、子供の養育について話し合うこと。また、子供を速やかに元の場所に戻すことに応じない場合は、子供を連れ去られた親に暫定監護権を与えること。
第三項として、主たる養育者の決定は、フレンドリーペアレントルールによるものとすること。
第四項として、離婚家庭の貧困化対策として、養育費の取決めに合わせ、子供と離れて暮らす親に年間百日以上の面会または養育を義務づけること。
第五項として、児童相談所は、親権のない親やその祖父母についても常に調査し、親権の変更審判などにおいて、子供の利益が最大となるよう行動すること。
第六項として、特別養子縁組について、次の事項を実施すること。
(1)、外国人との特別養子縁組を禁止すること。
(2)、特別養子縁組後、子供が十八歳になるまでの生存確認と特別養子縁組の継続についての子供の意思確認を行うこと。
(3)、特別養子縁組をした子供の実父、実母の氏名を戸籍から削除しないこと。
(4)、特別養子縁組は、親権者や子供が自ら希望した場合のみ実施できるものとすること。
現在の状況でございますが、第一項につきましては、親権は、父母の婚姻中は、民法第八百十八条第三項により、父母が共同して行うこととされており、離婚後は、同法第八百十九条第一項により、父母の協議でその一方を親権者と定めなければならないとされております。
なお、現在、国の法制審議会において、離婚後に父母双方を親権者とすることの可否や別居中の監護者等の定めなど、家族法制の見直しについて検討されております。
第二項につきましては、離婚後の親権者でない親が親権者である親の同意なく、または別居中における一方の親が他方の親の同意なく子供を連れ去った場合は、親権者である親または他方の親は、子供の引渡しについて家庭裁判所に調停または審判を申し立てることができます。
第三項につきましては、父母が離婚する場合、子供の監護をすべき者は、民法第七百六十六条第一項により、子供の利益を最も優先して考慮し、父母の協議で定めることとされております。父母の協議が調わないときや協議をすることができないときは、同条第二項により、家庭裁判所が定めることとされています。
なお、現在、法制審議会において、家庭裁判所が子供の監護をすべき者を定める場合の考慮要素の明確化について検討されております。
第四項につきましては、父母が離婚する場合、養育費や面会交流等は、民法第七百六十六条第一項により、子供の利益を最も優先して考慮し、父母の協議で定めることとされております。
なお、現在、法制審議会において、父母の離婚後の子供の監護に関する事項の定め等について検討されております。
第五項につきましては、児童相談所は、受け付けた相談について、必要に応じて子供やその家族のほか親族等に対し、面接や家庭訪問などの調査を行っております。
また、児童相談所の援助方針案を子供やその保護者のほか、必要に応じて祖父母等の親族にも伝え、その意向を確認した上で、子供の最善の利益を最優先に援助方針を決定しています。
なお、家事事件手続法第五十八条に基づき、家庭裁判所調査官から親権の変更審判に関する照会があった場合は、子供の福祉への寄与を基準として回答の可否を判断しております。
第六項につきましては、(1)、法の適用に関する通則法第三十一条により、養子縁組は、縁組の当時における養親となるべき者の本国法によるとされております。
(2)、児童相談所では、国の児童相談所運営指針に基づき、特別養子縁組成立後少なくとも半年間は、児童福祉司による指導等で、定期的に子供の生活状況を確認するとともに、養親から相談に応じるなどの援助を行っております。
また、児童福祉司による指導等を終結するときは、養育状況や子供の状態、学校や地域との関わりの状況などを改めて把握し、チームで協議するとともに、援助方針会議や関係機関間の個別ケース検討会議で十分な検討を行うほか、終結することを子供と養親に説明し、様々な問題が起こり得ることを前提として、相談先を具体的に伝えることとしております。
(3)、子供の福祉を積極的に確保する観点から、戸籍の記載が実親子とほぼ同様となるよう、特別養子縁組の届出がされた場合は、戸籍法により、養親の戸籍に記載されている養子の欄に、実親の氏名や養子の元の氏(実親の氏)は記載されなくなります。
(4)、特別養子縁組は、実親の同意や養親となる者による半年間以上の監護などの要件を満たした上で、子供の利益のため特に必要があると家庭裁判所が認めた場合に成立します。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○おじま委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○上田委員 児童相談所における児童の環境改善等に関する陳情からでございます。
児相の一時保護所については、問題は元子供から、私も区議会議員時代から、前を向いたままおやつを食べさせられるとか、様々な苦情といいますか、相談、あとは保護者に関しても、中の状況が分からない等、いろいろな都民、区民のご相談を受けてまいりまして、三年前でしたか、第三者の意見書というところで、東京都も、自分たちの組織ではありながら、厳しい意見を公表されて、多くの一時保護所を経験された元子供たちとか、また保護者の皆さんから、本当にやっと自分たちが経験したことが明らかになったというような動きがある中で、ようやっと東京都も新しい児相に向けて、私の江戸川区の方は一号として移管しまして、一時保護所も、都児相だとアイコンタクトで挨拶するからといって、鏡を全部、食堂のを取っていますけど、それはやめようということで、江戸川区の児相は、そういった配慮は特にせず、子供たちが安心して暮らせるように、また、あまりコントロールせずに、ご飯も一緒に食べようと、設計段階から私も江戸川区児相の方は中に入らせていただきまして、安心・安全に暮らせる、そして、懸念のあるような、プライベートが侵害されるのではないかということも配慮しながら、おかげさまで、江戸川区児相も順調な稼働をしているところでございます。
そうした中で、この陳情は、ごもっともだなと思うことも多い中で、まずは、願意2で述べられていますが、基準ですね、こちらの方は、基準を定めてほしいというふうに申している点におきまして、基準の運用状況についてどのように進められているのか、確認させていただきたいと思います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 児童相談所では、児童虐待の相談や通告があった場合、児童相談所長をはじめ児童福祉司や児童心理司などで構成いたします緊急受理会議を速やかに開催し、協議の上、子供の保護が必要と判断した場合には、一時保護を実施しております。
○上田委員 その中身やスケジューリングがちょっと見えないというところで疑心暗鬼になっていく保護者も多いのかなと思いますが、当然きちっとやっていらっしゃるということなのでありますから、成果等があると思います。そちらと、やはり課題は確認されていると思うので、そちらについてもお示しいただければと思います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 一時保護を行うことによりまして、迅速に子供の安全を確保するとともに、保護所等における生活の様子や児童福祉司との面談等を通じまして、子供の心身の状況や育成環境などを把握しております。
保護期間につきましては、一時保護の目的を達成するために要する必要最小限の期間とすることが求められておりますが、ケアニーズの高い子供の施設入所の調整には時間を要することや、施設入所等に際して保護者の同意を得られず、家庭裁判所への申立てを行う際などには、保護期間が長期化する場合がございます。
○上田委員 長期化している子供たちの数などは、もうずっと、私は、多分予算のたびに確認させていただいていると思います。長期化することも、いつまで、僕、私いるのということが、やっぱり子供って不安になるんだと思います。
昨日、児童福祉審議会の専門部会、子供アドボケート、意見表明の在り方に関する検討会を傍聴させていただきました。非常に子供たちの声が、一時、私も一旦席を外すほど、多分リアルな意見交換がなされた中で、公開資料の中でも的を得た子供の声がありました。
家族の意見だけで一時保護された、自分の気持ちは聞いてもらえなかった、一時保護や措置決定のときは子供の意見もしっかり聞いてほしい、子供も自分のことは自分で決めたい、自分が関係している話は自分も入れてほしいという、ごもっともな子供の意見が公表され、委員の皆様で、また部課長の皆様でも、局長も同席されていますので、共有したところであります。
そこで、施設入所や入所中におきます入所児童と弁護士などの第三者との接触の進め方につきまして、対応状況と課題をお示しください。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 施設入所の決定の際に、子供が弁護士などの第三者との接触を希望する場合、児童相談所は、子供の福祉を考慮した上で、その可否を判断し対応しております。
また、児童養護施設では、国の通知に基づきまして、子供の立場や特性に配慮しながら苦情等の解決が図られるよう、弁護士や大学教授、民生児童委員等で構成されます第三者委員を設置しております。
施設では、子供が第三者委員に自由に意見を述べ悩みや不安を相談できるよう、居室内での紹介文の掲示や、施設行事への参加などを通じて、子供たちに第三者委員を紹介しております。第三者委員は、定期的に施設を訪問し、子供たちに声かけを行い、必要に応じて随時相談に応じております。
○上田委員 また、結構、子供たちがどんな大人に相談したいかというと、周りから慕われている人とか、施設職員よりも立場が上の人、権力がある人、職員にはっきりいえる人というのは、やっぱりちょっと施設職員でどうもなという人だと、私も関わった中では、児相に同行した施設職員が虐待していたというようなこともあるので、配慮が必要なことではないかなと思います。
昨日の児福審でも、専門家の先生方が、米英では子供も同席して必ず合同ミーティングを義務づけた上で措置をしているということなので、こちらも今後の参考にしていっていただきたいと思います。
そこで、面談時の記録の作成方法と当該児童への記録の開示の方法について、これも情報開示というのは非常に必要なことだとありますし、非開示についてもいろいろ、るるいわれているところだと思いますので、ご説明を丁寧にいただきたいと思います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 子供や保護者などとの面談時の記録につきましては、担当の児童福祉司が、国の児童相談所運営指針に基づきまして、正確、簡潔、客観的に児童記録票に記載しております。
記録の開示につきましては、東京都個人情報の保護に関する条例に基づきまして対応しております。
○上田委員 こじれてくるというか、返してほしい親権者、保護者などは、やっぱり記録の開示を求めてくることも多いですし、私も散々クレームというか、ご相談をいただいたこともあるので、そのときの対応について、ご説明いただければと思います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 法定代理人である親権者または未成年後見人が記録の開示を求めてきた場合には、東京都個人情報の保護に関する条例に基づきまして対応しております。
○上田委員 条例どおりにやるのは当然なのでございますけれども、それについて不誠実であるとか、全部黒塗りだったとか、非常に保護者の方も不信感を持たれたり、条例どおりにやっていても、なかなかご納得いかない、議員の皆さんも経験あると思うんですけど、トラブルになっていて、来るということがあると思いますが、そうしたトラブルとでもいいますか、なった場合、いかなる対処をし、どのように解決したかも含めてご説明をいただきたいと思います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 開示請求者は、開示の決定に不服がある場合には、行政不服審査法に基づき、決定があったことを知った日の翌日から起算して三か月以内に、東京都知事に対して審査請求を行うことができます。
審査請求の多くは、一部開示決定処分における非開示情報に関する不服となっております。不服審査請求があった場合には、審査庁である東京都総務局が、東京都個人情報保護審査会に諮問し、当該審査請求についての裁決を行うこととしております。
○上田委員 審査請求という手段があるということも、知っているような、知っていないようなことだと思いますので、そこについても保護者に、あるいは当事者で分かる子供がいれば伝えていっていただきたいというふうに思っております。やはり持っている権利の行使というのは必要だと思っております。
そして、児童相談所職員による刑事告発の状況と課題−−これ学校でも本当にいじめやスクールハラスメントがあって、見ているはずなのに刑事告発は本当にしないんですよね、公務員の皆様は。
これについてはどのような、児童相談所職員におきまして、刑事告発の状況と課題があるのか、ご説明いただければと思います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 児童相談所は、保護者の虐待行為について告発が必要な場合には、子供の最善の利益を考慮し、ちゅうちょなく警察に相談しております。
平成二十九年度から令和三年度までの五年間に児童相談所が刑事告発に至った件数は、一件となっております。
○上田委員 ちょっと五年間に一件というのは少ないかなというふうに思料いたしますので、伝家の宝刀は迷わず子供のために抜いていただきたいと思います。
緊急保護の状況は、併せてどのような状況でございますでしょうか。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 児童相談所長は、児童虐待などにより子供の安全を迅速に確保する必要がある場合には、児童福祉法第三十三条の規定に基づき、一時保護を速やかに実施しております。
令和三年度における都の一時保護での新規保護件数は、延べ二千三百八件となっております。
○上田委員 今日も豊島区の方の話も出ておりましたけれども、随時、これから区へ移管して、都を通さずに、各警察署との連携は、独自に皆さん、江戸川区もそうですけど、やり始めているので、ますますしっかりと対応できていくのかなと思います。
しかし、緊急保護のときも、アメリカやイギリスでは、しっかり子供を交えてミーティングをしているということでありましたので、そちらの方も要望しておきたいと思います。
保護後、再統合できるところはできていくべきだとも考えますけれども、そうでもない場合もあると思います。再統合の実績と今後の課題についてご説明ください。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 令和三年度に都の一時保護所を退所した延べ二千二百八十一件のうち、家庭に帰宅した件数は延べ千四百六十九件、児童福祉施設入所は延べ二百七十六件、そのほかに他の児童相談所、機関への移送などが延べ五百三十六件となっております。
子供が一時保護から帰宅した場合には、児童相談所は、子供や保護者に児童福祉司指導等を行うとともに、要保護児童対策地域協議会の構成員である地域の関係機関が連携、役割分担をしながら支援を行い、支援の進捗状況を相互に共有しております。
○上田委員 いろいろと数で見ると、子供に合わせていろいろな対応が取られていることを確認することができました。
一方、一時保護中の子供について、自分でできる外部との連絡の保障というのはやっぱり必要だと思うんです。児相の中で職員による虐待もあったかもしれないし、子供同士の何かもある場合、SOSをどのように発信するかというのは長年私も確認してきたので、そこら辺のところを確認させてください。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 一時保護児童の外部との連絡につきましては、児童福祉法第三十三条の二に基づき、児童相談所長が子供の最善の利益を考慮して対応しております。
また、入所時には子供の権利擁護相談用紙を各児童に手渡しし、児童相談所職員、東京都子供の権利擁護専門員宛てに意見表明ができるよう配慮しているほか、月に一度、第三者委員である弁護士が一時保護所を訪問し、直接子供からの相談に応じております。
○上田委員 ありがとうございます。
また、児福審で、やっぱり子供は電話や手紙だと相談相手が分からないので直接話したい、手紙で書くのは面倒くさいといっている子供も多々いらっしゃるようであります。
子供の権利ノートがあるので、やっています、しっかり対応していますということですが、私は、今年の八月に出た提言が、この権利ノートの配布対象となっていない施設に入所している幼児や障害者に対して、周知がなされるようにしたいというので、かくっときたんですけれども、権利ノートがあるから大丈夫でもないし、手紙も書けない子もいるし、書きたくない子もいるということで、第三者委員の弁護士が直接子供からの相談に対応というのが非常に評価ができると思いますので、児福審の専門部会の結果も見ながら進めていきたいと思います。
次に、願意7にあるような、直接の面会の制限や手紙の検閲、添削はあるのか、ちょっとあったというような話も私は相談で苦情ももらっているので、ご説明いただければと思います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 一時保護中の子供に関する面会、電話、手紙等への対応につきましては、国の一時保護ガイドラインに基づきまして、子供の最善の利益を図る観点から、児童相談所が個別に判断し実施しております。
なお、子供が自らの気持ちを手紙にうまく表現できないなどの場合には、児童相談所職員が子供の助言を行うこともございます。
○上田委員 私の方は、帰りたかったのに、親には会いたくないと書きなさいというふうにいわれてしまったというようなことがありました。
一方で、カリヨン子どもセンターの担当弁護士は、昨日のヒアリング内容では、家がつらいと訴えても一時保護してもらえなかったという意見もありますことから、よく専門委員の皆様方と一緒に、子供が求める意見表明について、それを具現化するようご努力いただきたいと思います。
また、願意9にあるような児童間の交流、これは本当に必要だと思います。現状と課題を具体的にご説明いただければと思います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 一時保護所に入所する子供は、一時保護を要する理由や背景が様々なことから、子供同士が相手を尊重して、プライバシーに関する話を控えるよう、入所時や生活の中で丁寧に説明しております。
説明に当たっては、子供が会話を禁止されていると誤解が生じることのないよう留意しております。
○上田委員 やはり閉鎖された場所ですけれども、子供間の温かいお友達、友情が育めるような対策をお願いしたいと思います。
また、児童の預金通帳類や現金の管理についても言及されていますけれども、状況についてご説明いただければと思います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 一時保護所では、子供が預金通帳を所持していた場合には、紛失などを防ぐため、児童福祉法第三十三条の二の二第一項に基づきまして、児童相談所長がこれを保管しております。
また、児童養護施設では、施設職員が子供の同意を得た上で子供の預金通帳を保管しているほか、経済観念や金銭感覚が身につくよう、子供には毎月お小遣いとして一定額の現金を渡しており、子供は自身でこれを管理しております。
○上田委員 実際、お小遣いもらえるかなということも、入所のときに子供は確認しているというようなデータも昨日配られておりましたので、適正運用をお願いしたいと思います。
特別区移管の過程にある児童相談所、順次行われていくと思いますけれども、子供の人権を最優先とした機能拡充に向けました−−うちも、江戸川区はアドボカシーを進めておりまして、江戸川のNPOも昨日の専門部会の委員になって出ておりましたが、各種いろいろなバラエティーや個性、専門性もさらに向上していくかと思いますけれども、こうしたことに関しましての意気込みをお示しいただければと思います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 児童相談所が深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応するためには、専門性の高い人材を確保するなど、体制強化を図ることが不可欠でございます。
これまでも都は、児童福祉司、児童心理司を増員するなど、児童相談所の体制を強化しております。昨年度は、意欲ある人材を確保するため専任チームを設置し、採用活動を積極的に展開しているほか、今年度は、トレーニングセンターを開設し、ロールプレーイングやゼミ形式の事例検討など、児童福祉司、児童心理司への実践的な研修を実施しております。
今後とも、児童相談の体制を強化し、子供の最善の利益の実現のため、児童虐待防止の取組を推進してまいります。
○上田委員 いずれにしろ、一時保護、最初の児相との出会いが、説明が親、子供ともに足りなくてトラブルになっていくように思料をいたします。最初にしっかりとした信頼関係が結べれば、トラブルも未然に防げ、業務も軽減できるし、何よりも子供の人権を最優先に進めていただきまして、円滑な運用を求めるものでございます。
次の陳情ですけれども、別居、離婚後の共同親権及び共同養育に係る法整備を求める意見書を出してほしいというものでありますが、ちょっと二つの陳情で重なっている部分なんですが、国外からの養子縁組、そのあっせんです。
国外の養子縁組、そのあっせんにつき、都が把握している状況についてご説明いただきたいと思います。その上で、ベビーライフの事案が発生してしまったわけですから、課題認識と現状、今後の対応についてご説明いただければと思います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長酸素・医療提供ステーション運営担当部長兼務 平成三十年に施行されました民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律、いわゆるあっせん法では、民間あっせん機関による養子縁組のあっせんは、可能な限り日本国内において児童が養育されることとなるよう行われなければならないとされております。
海外へのあっせんにつきましては、あっせん法施行以降、都は実績の報告を受けておらず、また、海外からの養子縁組、そのあっせんの実績につきましては、都は把握しておりません。
一般社団法人ベビーライフにつきましては、同法人はあっせん法施行前に海外へのあっせんを行っておりましたが、令和二年七月に事業廃止になっております。
事業者への指導等につきましては、あっせん法において、都道府県知事は、必要に応じて事業者に対し、その業務の適正な運営を確保するために必要な指導及び助言ができることとされており、さらに、許可更新時においても、事業者の事業内容について点検することとなっております。
○上田委員 都も、前のベビーライフの代表から、直近情報も得ながら定点チェックをしていくということは確認しておりますので、よろしくお願いします。
民法上の親権の概念につき、関係条文を挙げてご説明ください。
○奈良部少子社会対策部長 民法第八百十八条では、未成年の子は、父母の親権に服すること、婚姻中は父母が共同して親権を行うことを規定しております。
また、第八百十九条では、父母が協議上の離婚をするときはその協議で、裁判上の離婚の場合には裁判所が父母の一方を親権者と定めることとされております。
親権の内容といたしましては、第八百二十条から第八百二十四条までにより、監護及び教育の権利義務、居所の指定、懲戒、職業の許可、財産の管理及び法定代理が規定されております。
○上田委員 親権と養育義務の違いについて、関係条文を挙げてこちらもご説明くださいませ。
○奈良部少子社会対策部長 民法第八百七十七条では、直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があると規定しております。直系血族である親は、離婚により親権者でなくなった場合でも、この規定に基づき、子の扶養をする義務を負っております。
○上田委員 特に両親が離婚したときにおける養育義務の履行確保の手段についてもご説明ください。
○奈良部少子社会対策部長 民法第七百六十六条では、父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父または母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定めると規定されております。
一定の条件を満たす公正証書や家事調停または家事審判等で養育費の分担が決められた場合には、養育費が支払われない際に、強制執行の手続により債務者の給料や預貯金などを差し押さえて、その中から支払いを受けることができます。
○上田委員 差押えができるということですが、養育義務の履行確保のために、都は具体的にどのような取組をしているのか、ご説明ください。
○奈良部少子社会対策部長 都は、離婚に際して必要な取決め等が行えるよう、ひとり親家庭支援センターにおきまして、離婚前から養育費の意義などについて学ぶ講習会を実施しております。
また、ひとり親家庭向けのポータルサイトにおきましても、養育費の取決めの重要性や方法等について啓発しております。
さらに、養育費の立替え保証をはじめ、養育費の取決めを行う際の公正証書の作成や、裁判によらない紛争解決手続でございますADRの利用等に要する費用を助成する区市を支援しております。
○上田委員 養育義務の履行確保に向けて、都は国に何か働きかけをしているのか、取組状況をご説明ください。
○奈良部少子社会対策部長 子供の扶養は親の義務であることから、都は、子供のための制度である養育費の確実な支払いにつながるよう理解促進に取り組むとともに、実効性のある仕組みの構築を図るよう、本年六月に厚生労働省に提案要求しております。
○上田委員 最後に、養育義務が果たされない子供へ、都はどのような支援を行い得るのか、具体的な取組状況と課題をご説明ください。
○奈良部少子社会対策部長 都は、ひとり親家庭支援センターにおきまして、離婚前後の法律相談や養育費相談を実施しておりまして、家事事件に精通した弁護士等が相談に対応しております。
また、先ほども申し上げましたが、養育費の立替え保証をはじめ、養育費の取決めを行う際の公正証書の作成や、裁判によらない紛争解決手続であるADRの利用等に要する費用を助成する区市を支援しております。
区市における取組の一層の促進を図るため、今年度は、この事業の区市負担分を全額都が負担することとしております。本年四月時点で二十五区市が取り組んでおり、今後、より多くの区市に取り組んでいただけるよう、引き続き働きかけてまいります。
○上田委員 この陳情は共同親権の方を求めるものでありますが、いまだ先進国の中では、最も父親からの養育費が払われていない日本におきまして、これを指摘されて久しいと思います。
明石市のように独自に推進できますことから、今年六月に国に要求していただいたようですが、もうお金は要らないから、もう会いたくないとか、DV行為、あとストーカー行為が怖いというお母さんも多くて、そちらと併せて進めていくことが、共同親権の一歩手前のように考えております。
児相の環境改善においては、幾つも賛同する部分はありましたが、今回は二件とも不採択をせざるを得ないということで、子供と女性をめぐる環境改善に向けましてお願いをいたしまして、私の質疑を終わります。
○おじま委員長 ほかに発言がなければ、まず、陳情四第二〇号の二をお諮りいたします。
本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第二〇号の二は不採択と決定いたしました。
次に、陳情四第二一号の一をお諮りいたします。
本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第二一号の一は不採択と決定いたしました。
○おじま委員長 次に、陳情四第二八号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○高橋生活福祉部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号4、陳情四第二八号は、杉並区の安出崇さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、都において、いのちの電話相談の活動を支援するため、1、いのちの電話相談の活動等を都が補助を行う支援制度、2、活動している相談員を都において雇用する制度を制定していただきたいというものでございます。
現在の状況についてご説明させていただきます。
都は、社会福祉の向上を図るため、社会福祉法人いのちの電話が実施する二十四時間相談事業のうち、夜間の電話相談等に要する経費を補助しております。
また、民間団体が実施する若年層に特化した自殺対策や自殺未遂者の再発防止等に関する取組など、地域の特性に応じた対策を後押しするため、東京都地域自殺対策強化補助事業を実施しております。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○おじま委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○藤田委員 いのちの電話に関する陳情について質問いたします。
いのちの電話は、ボランティアであることを大切に活動されていますが、質問に先立って陳情者から直接お話を伺ったところ、相談する場所がなくならないようにと話されていました。その思い、趣旨は重要なものだと思います。
私も調べてみましたが、いのちの電話は一九七一年に始まって、昨年でちょうど五十年と長い歴史があります。東京都はこの法人に対して、社会福祉の向上を図るため、一九八二年から夜間相談活動などの経費として年間百八十二万五千円を補助しています。
こうしたいのちの電話の活動がどんなふうに運営されているのか、法人の方にもお話を伺いました。お話によると、一人の相談員が一回三時間の相談活動を月に二回行っていて、一回の活動で五、六件、一年に約百二十件の相談を受けられるということでした。法人の方は、相談員が多ければ、より多くの方の相談を受けられると話されていました。
事業報告によると、昨年は二百二十二名の相談員の協力によって一万五千五百九十四件の相談を受けていらっしゃいましたが、コロナの影響で活動時間や体制が制限され、コロナ前に比べて減少しています。
重要だなと思ったのは研修の量です。専門職ではないので、相談員になるために約一年半の養成研修を修了し認定を受けています。相談員に対しても、継続研修、全体研修、スキルアップ研修、インターネット相談研修など、様々な研修が行われています。ほかにも相談員のモチベーションを維持する取組も行われています。ボランティアで支えられているということは、こうした活動が重要だと感じました。
一方、運営費は、研修室の密を避けるため、外部に部屋を借りざるを得なくなるなどにより、昨年度は六百九十三万円の赤字となっています。相談員の人数もコロナ前に戻っていないということですが、二十四時間体制の維持、継続を最大の使命としておられました。
そこで質問なんですが、いのちの電話の活動の意義について伺います。
○高橋生活福祉部長 社会福祉法人いのちの電話は、苦悩の多いこの時代に生きる者が、互いによき隣人となって一人一人の命を大切にしようという思いから生まれた団体でございまして、二十四時間年中無休で、電話、インターネットを通じた対話を中心に、主に寄附によって自主的に活動しているところでございます。
いのちの電話に寄せられる相談の内容は多岐にわたっており、孤独や不安の中にある方々の心の支えになっていると認識しております。
○藤田委員 いのちの電話は、孤独や不安の中にある方々の心の支えになっているという認識だということで、こうした活動を二十四時間年中無休で行っていると答弁されました。
活動状況についていただいた文書を一部紹介したいと思います。
新型コロナ感染症で日常や社会生活に大きな変化がもたらされました。人との距離を取る生活スタイルが続く中、人との関係性が希薄になり、悩みを一人で抱えてしまった人が電話相談やメール相談で切々と心のうちを話されます。一昨年四月の緊急事態宣言発令時は、未知の感染症への恐怖や先の見えない不安な気持ちを話される相談が多く寄せられました。半年を過ぎた九月頃からは、リストラされてお金がない、育児に疲れてしまった、夫からのDVがひどくなり消えてしまいたい、テレワークになってから鬱病になり苦しいといった、今まさに社会で起きている様々な相談が、現在もかかってきているというものです。
相談者の方から、気持ちが落ち着きました、相談員さんもコロナ感染に気をつけてくださいといわれ、相談員も、お互い体に気をつけましょうねと、お互いを思いやりながら受話器を置くときに、目には見えない心のつながりを感じ、心が温かくなることもありましたという内容です。
コロナ禍で都内の自殺件数が増加している中、こうした相談活動をどう支え、広げていくのか、行政にも問われていると思います。
また、いのちの電話は、都内にもう一か所、東京多摩いのちの電話があると伺いましたが、そちらは都の補助を何も受けていないそうです。現在、いのちの電話補助事業を行っている生活福祉部と自殺対策に取り組んでいる保健政策部それぞれが、今ある補助事業の対象を広げるとか、分かりやすくするなど、活用が進むように取り組んでいただくことを要望します。
最後に、現在、いのちの電話が研修や二十四時間の電話相談を行っている事務所が、築八十五年がたっていてエレベーターがありません。そのため、せっかく相談員に応募してこられても、四階まで階段が上れないとお断りせざるを得ないと話されていました。そのため、移転も課題となっているということで、東京都で、相談があれば丁寧に対応するなどして長期的に活動を支えていただくことを要望し、質問を終わります。
○上田委員 都内におけますいのちの電話の活動状況をちょっと数値的に確認させていただきたいと思います。概略をご説明ください。
○高橋生活福祉部長 社会福祉法人いのちの電話は、ボランティア相談員によって、二十四時間年中無休で、電話、インターネットを通じた対話を中心に、主に寄附によって自主的に活動しております。
当該法人の事業報告によりますと、二〇二一年一月から十二月までの電話相談件数は一万五千五百九十四件でございまして、インターネット相談における返信件数は四百八十四件でございました。
○上田委員 先ほど藤田委員からも、補助や支援の状況の方について確認等ありましたけれども、私も子供食堂をやっているんですが、一切、やっぱり補助いただかないで、全員ボランティアで、また、ご寄附でやらせていただく、何というんですか、矜持とか自由さというのももしかしてあるのかなと思ったりしておりますけれども、いのちの電話への都の支援の実績についてご説明いただければと思います。
○高橋生活福祉部長 都は、社会福祉の向上を図るため、援護、育成または更生の措置を要する者等に対し、その独立心を損なうことなく社会生活を送ることができるように援助を行う社会福祉法人いのちの電話に補助を行っております。
具体的には、いのちの電話が実施しております二十四時間相談事業のうち、夜間の電話相談等に要する経費を補助しておりまして、令和三年度は約百八十万円を補助いたしました。
○上田委員 今ですね、九月は自殺予防キャンペーン月となっております。五月病がゴールデンウイーク明けですよね。長いお休みの後の九月病と、やっと今、認識をされてきて、子供から若年層の自殺がちょっと多いということで、今、いのちの電話さんだけではなく、様々なNPOさん等々が対応をされていて、ここナビ、東京の方でも、各区市町村、厚労省でも非常に充実をしてきたところかなというふうに思っております。
そこで、いのちの電話などの事業にて実際に命を救えた、そして、支援につながった実績や事例があれば、お示しいただければと思います。
○高橋生活福祉部長 社会福祉法人いのちの電話の令和三年度の事業実績報告書によりますと、夜間の相談件数は四千七百三十一件でございました。このうち、支援につながった実績等は不明でございますが、相談の内容は、人生に関わる相談、家族、家庭に関わる相談、人間関係に関わる相談、保健医療に関わる相談など、多岐にわたっております。
こうした相談者からの不安な気持ちを受け止め、傾聴することによって、気持ちが落ち着かれたとの報告がなされております。
○上田委員 東京都も厚労省も江戸川区も区市町村も、相談窓口をたくさん設けてはいるんですけれども、やっぱり身近な人の声がけとか、気づきが一番なのではないかなというふうに思っております。今、SNSの時代で嫌なことも多いんですけれども、皆さんでピアサポートといいますか、一人一人がゲートキーパーというような時代に突入していくかと思います。
そうした中で、補助金頼みでこうした支援事業をやりたいというところではなく、ボランティアベースプラス、ちょっと場所をとか、少しの支援をという、いろいろ濃淡のある団体さんで支えられていくことにきっとなっていくと思うので、何を支援してほしいのかという、これまでの常識とか経験値のみならず、新しい、そうした支援のタイプも出てくると思うので、状況を見ながらの行政支援の方をお願いできたらと思います。
以上で私の質疑を終わらせていただきたいと思います。
○おじま委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○おじま委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第二八号は不採択と決定いたしました。
○おじま委員長 次に、陳情四第二九号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○鈴木医療政策担当部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号5、陳情四第二九号、奥多摩病院の存続・充実に関する陳情は、奥多摩病院の存続・充実を求める会の藤野茂生さん外七百九十人から提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、都において、奥多摩町国民健康保険奥多摩病院の縮小、再編に反対し、存続、充実するよう努めていただきたいというものでございます。
次に、現在の状況について説明させていただきます。
国は、令和元年、公立、公的医療機関等を対象に診療実績データを分析しましたが、その分析方法は全国一律の基準を機械的に適用したものであり、分析結果をもって、各医療機関が将来担うべき役割や、それに必要なダウンサイジング、機能分化等の方向性を決めるものではないとされております。
都内では、奥多摩病院を含め、九病院が具体的対応方針の再検証が必要な医療機関とされましたが、この中には、僻地医療や特殊な疾病に対応する病院も含まれておりました。
都は、これらを踏まえ、令和元年度、二次保健医療圏ごとに設置している地域医療構想調整会議で、国の分析だけでは判断し得ない地域の実情に関する意見を補いながら、対象病院の役割や医療機能について意見交換し、各病院はそれぞれの特色を生かして地域における役割を果たしているものと確認いたしました。
また、令和四年三月、国から都道府県宛てに地域医療構想の進め方についての通知があったことを受け、令和四年度の地域医療構想調整会議で民間医療機関も含めた各医療機関の対応方針の策定や検証、見直しについて議論しております。
なお、この通知では、改めて地域医療構想の推進の取組は病床の削減や統廃合ありきではなく、各都道府県が地域の実情を踏まえ、主体的に進めるものであると明記されているところでございます。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○おじま委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○藤田委員 奥多摩病院の存続・充実に関する陳情について質問をいたします。
これは、奥多摩病院の存続・充実を求める会代表世話人の藤野茂生さん外七百九十人の方から提出されました。
二〇一九年に厚生労働省は、再編統合について特に議論が必要として、奥多摩病院を含む都内の十の公立、公的医療機関を名指しで公表しました。その後、コロナ禍によって、病院の統廃合や、ベッド数や診療機能の縮小を含む対応策の回答期限は延期されましたが、撤回されていません。そして、今年度から対応方針の議論が再開されています。
陳情を提出された皆さんは、奥多摩病院は地域住民だけではなく、観光客の命も守っていると。さらに、隣接する山梨県丹波山村と小菅村にとっても欠かせない病院であるとして、今回、ベッドの許認可権を持っている東京都に対し、奥多摩病院の縮小、再編に反対し、存続、充実に努めるべきだという陳情を出されました。
都は、地域医療構想調整会議の場で、国の分析だけでは判断し得ない地域の実情に関する意見を聞いたということで、各病院はそれぞれの特色を生かして地域における役割を果たしているものと認識したとしています。
都は、奥多摩病院について、どのような役割を果たしていると認識したのか伺います。
○鈴木医療政策担当部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 都は、令和元年十月に開催した西多摩圏域における地域医療構想調整会議におきまして、奥多摩病院の役割や医療機能について意見交換を行い、僻地である奥多摩町における唯一の病院であり、指定二次救急医療機関であるなど、地域における役割を果たしているものと確認いたしました。
○藤田委員 奥多摩病院は、僻地にある唯一の病院であると。そして、指定二次救急医療機関であるなど、地域における役割を果たしているということです。
三月の国の通知では、地域医療構想の推進の取組は病床の削減や統廃合ありきではないということで、あくまでも各都道府県が地域の実情を踏まえて主体的に進めるものであるとしています。やはり、病床の許認可権を持っている都の受け止めが重要になると思います。
都が、二〇二〇年二月に開催された東京都地域医療構想調整部会に出した調整会議での意見まとめには、全圏域で対象病院、十病院の地域または全国における役割が必要なものと確認と書いてあります。
したがって、当然、奥多摩病院についても役割が必要なものと確認されたということですね。確認いたします。
○鈴木医療政策担当部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 奥多摩病院を含めまして、再検証の対象となった全ての病院について、地域または全国における役割は必要なものと確認されたところでございます。
○藤田委員 奥多摩病院は、地域または全国における役割は必要なものだということです。
二〇一九年十月の西多摩圏域における地域医療構想調整会議で、奥多摩病院院長は、僻地医療、救急医療と併せて、山間部での健康管理や医療ニーズに対応するため、限界集落にある二か所の附属診療所への出張診療を行っていると発言しています。
さらに、訪問診療で在宅の医療を支え、病棟の看護師が年間千七百件の訪問看護を行い、認知症疾患医療センターも担い、特別養護老人ホームの配置医としても、入所者の健康管理、急変時対応も行っていると話されていました。
陳情者にもお話を伺いました。今回の署名には、奥多摩町の西にある山梨県丹波山村の方二百人が署名してくれたということです。この丹波山村には病院がないということで、町民五百人のうち二百人もの方が署名したということで、本当に必要とされていると感じました。今年七月の会議でも、座長から奥多摩病院について、町立病院として、ある意味、僻地医療もきちんと担ってくださっていると評価されています。
こうした声に応えて、都としても奥多摩病院の存続、充実に努めるよう要望いたしまして、質問を終わります。
○おじま委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○おじま委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第二九号は不採択と決定いたしました。
請願陳情の審査を終わります。
以上で福祉保健局関係を終わります。
なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時二十八分散会
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