厚生委員会速記録第七号

令和四年六月十日(金曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長おじま紘平君
副委員長伊藤こういち君
副委員長小松 大祐君
理事関口健太郎君
理事やまだ加奈子君
理事桐山ひとみ君
かまた悦子君
上田 令子君
うすい浩一君
浜中のりかた君
藤田りょうこ君
菅原 直志君
小宮あんり君
白石たみお君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長中村 倫治君
健康危機管理担当局長佐藤 智秀君
次長雲田 孝司君
技監田中 敦子君
理事木村 健治君
理事小林 忠雄君
総務部長高野 克己君
企画部長末村 智子君
医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務遠松 秀将君
保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務成田 友代君
生活福祉部長高橋 博則君
高齢社会対策部長山口 真吾君
少子社会対策部長奈良部瑞枝君
障害者施策推進部長中川 一典君
感染症対策部長関口 尚志君
企画担当部長森田 能城君
医療政策担当部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務鈴木 和典君
高齢者施策推進担当部長花本 由紀君
感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務杉下 由行君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長加藤 みほ君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長山本 謙治君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長水野  剛君
東京感染症対策センター担当部長村本 一博君
保健所デジタル化推進担当部長大規模接種施設企画調整担当部長兼務高橋 葉夏君
新型コロナウイルス検査事業推進担当部長徳弘 欣也君
酸素・医療提供ステーション担当部長小林 俊文君
酸素・医療提供ステーション担当部長山田 利朗君
病院経営本部本部長西山 智之君
理事経営企画部長事務取扱谷田  治君
サービス推進部長齋藤 善照君
経営戦略担当部長竹中 雪与君
計画調整担当部長船尾  誠君

本日の会議に付した事件
意見書について
病院経営本部関係
報告事項(質疑)
・広尾病院及び広尾看護専門学校整備等事業に係る特定事業の選定について
福祉保健局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百十四号議案 令和四年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 福祉保健局所管分
・第百四十八号議案 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
・第百四十九号議案 墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十四号議案 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについて

○おじま委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○おじま委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の付託議案の審査及び病院経営本部関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 報告事項、広尾病院及び広尾看護専門学校整備等事業に係る特定事業の選定についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について理事者の説明を求めます。

○谷田理事 去る五月二十七日の本委員会で要求のございました資料につきまして、お手元配布の厚生委員会要求資料に基づきご説明申し上げます。
 資料は、目次にございますように、合計二件でございます。
 一ページをお開き願います。1、広尾病院に関するPFI事業関係の予算及び決算の推移でございます。
 過去三年間の予算額及び決算額並びに本年四月一日から六月三十日までの予算額を記載しております。
 一枚おめくりいただきまして、二ページをご覧ください。2、全国のこれまでの病院事業へのPFI導入事例における入札の最終応募者数でございます。
 PFIを導入した全国の病院事業について、入札の最終応募者数をそれぞれ記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○おじま委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○白石委員 広尾病院及び広尾看護専門学校整備等事業に係る特定事業の選定について質問したいというふうに思います。
 東京都は、広尾病院の建て替えに伴い、定量的、定性的な観点で比較、評価した結果、従来方式で整備するより、PFI手法の方が適切であると、このようにしております。
 PFIが適切と結論づけておりますが、その報告書を見ましたけれども、僅かA4三ページ、資料を含めても七ページの極めて簡単なものになっております。これを読んで、従来方式よりもPFIの方が適切だと理解することはできません。
 そもそもPFIというのは、本来東京都が責任を持って運営するべき都立病院の業務を、例えば、三菱商事や清水建設など、大手ゼネコンや総合商社などがつくった会社に一括で発注して、都の財政負担を削減する、これが目的です。一言でいえば、都の財政負担の削減をするための手法がPFIだということです。
 そして、従来方式かPFIかどちらかを選ぶときに、最も重視をされる物差しは何かといえば、VFMになります。今回の報告書の中で唯一、都が行う場合との比較で具体的に書かれているのがVFMになると思います。
 VFMを簡単に説明すると、都が自ら実施する場合のコストに対して、PFIで行った場合はどのぐらい総コストが削減できるのか、これを計算した結果がVFMだと、簡単にいえばそういうことになると思います。
 そこで、まず初めに伺いたいと思います。今回の広尾病院の整備事業では、都が行うよりPFI事業の方が二・二%程度縮減できると、このようにしております。二・二%程度とは、金額に換算するとどのぐらいの縮減となるか伺いたいと思います。

○竹中経営戦略担当部長 縮減額を明らかにしていない理由は、縮減額と縮減の割合であるVFMの値を基に物価変動などの諸条件を加味いたしますと、予定価格が事前に類推できることから、適正な入札に支障を来すおそれがあるためでございます。

○白石委員 今のご答弁だと、予定総額を事前に、この二・二%程度の額が示されると予測されてしまうから示せないと、こういう答弁だったと思います。
 では伺いたいと思いますが、PFIの入札では、予定総額は公表せずに入札が行われていると、こういうことでしょうか。

○竹中経営戦略担当部長 予定総額でございますけれども、入札公告時に公表いたすことになっております。

○白石委員 今の答弁にあったとおり、予定総額というのは事前に公表だということですね。PFIの入札は事前に予定総額を公表した上での入札となりますから、だとしたら、縮減額を事前に示したからといって、適正な入札に影響が出るという理屈は、私は成り立たないというふうに思うんです。
 財政削減が目的の事業なのに、そもそもどのぐらいの金額が削減できるのかを示せないと、これ、筋が通らないと思います。そもそもVFMという指標の妥当性や信憑性が、根拠を持って説明できなければならないと思うんです。そのためには、VFMの事後検証がやっぱり必要だなというふうに思います。
 これを、私、何回もこの委員会でもやっております。病院経営本部は、VFMの事後検証を約二千四百万円の都民の公金を使って、委託事業の中で、二〇一五年から三年費やして行いました。ところが、やったんだけれども、正確でないとして、算定結果を現在まで公表しておりません。
 その後、VFMの事後検証についてどういう検討がされて、VFMの事後検証は今後どのようにされるのか、具体的に伺いたいと思います。

○齋藤サービス推進部長 都立病院の三つのPFI事業につきまして、事業開始から平成二十八年度までのPFIライフサイクルコスト、PFILCCでございますが、これと直営実施したと想定した場合のコスト、PSCを多くの仮定を重ねながら算出をいたしました。
 このように検証手法を模索する中で算出した数値は、十分な客観性及び正確性を備えているとはいい難いため、公表にはなじまないと考えてございまして、今後算定する予定はございません。

○白石委員 今後算定する予定はないという答弁です。VFMの事後検証はできない、今後検証もしないと、こういう答弁でありました。
 そもそもVFMを算出するのは事業前であって、VFMというのは仮定の中で算出されるものなんです。仮定の計算を基に、PFIの方が適切であると最終判断されるんですね。だけれども、事業後、仮定での計算しかできないので、客観性や正確性がないから検証しないと。そんなの通用するわけないじゃないですか。
 だって、PFIか、それとも従来方式か、これはまだやる前ですから、仮定の中での計算でVFMを出して、効果があるんです、だからやるんですというふうにいうけれども、終わった後に、じゃあ検証しましょうとなったら、仮定の話だから計算が正確性を欠く、だからできないんだと。それは通用しないと誰が聞いたって思うと思います。
 示されたVFMが、これが本当に妥当なのか、そういう結果なのか、これ、今の答弁だと、事後検証もできないということは、妥当なのかどうか誰も分からないんですよ。そして、誰も証明できないんです。つまり、VFMというのは、根拠ないんです。
 そもそもPFIの方が、総コストが安くなると。VFMの計算には、からくりがあるんです。それは、多くの場合は、削減率−−つまり、民間の方がコストを削減できる率をVFMの計算の中に入れ込んで設定してVFMというのは計算されるんです。VFMの計算において重要なのがこの削減率なんです。削減率をどのぐらいに設定するかによって、VFMの結果というのは大きく変わってきます。
 この削減率については、国のVFMガイドラインに関するフォローアップ調査報告書に記載がされております。どのように書いてあるかというと、削減率は、民間事業者へのヒアリングなどを参考にして設定されるんだと、このようにされております。つまり、多くの場合は、民間事業者から、うちだったらどのぐらい削減ができると、こういう意見を聞いて、それに基づいて削減率が設定されるということになるんです。民間事業者からの聞き取りなどで示された提案が基になって、削減率はあくまで設定されてくるということになります。
 民間事業者は、PFIが選択されないと自分たちの仕事にならないわけですから、都が行う場合よりもコストが高くなるというようなことは、まあまず示さない。当たり前です。だって、仕事がなくなっちゃうんですから。だから、これでは十分な客観性は担保されていないと指摘せざるを得ないというふうに思います。
 だからこそ、私ずっといっていますけれども、VFMの事後検証がないと妥当性も信憑性も担保されないんだと。だから本来やるべきなんだと。しかし、先ほどもいったように、PFIかどうかを決めるときには、仮定の計算の中で、しかも削減率という民間事業者からの提案のどれぐらい削減できるかという、それを入れ込んで、VFMがこれだけあるんです、だからPFIなんですといっておいて、で、やった後には、事後検証しましょうといったら、仮定の計算だからできませんと。そんなの通用するわけがないと。まともに検証もできないと。そういう計算で導かれたVFMを最大の理由にして、都民の莫大な公金を大手ゼネコンなどにつぎ込むことに都民の理解も納得も得られないと、私は本当に厳しく指摘したいと思います。
 本当にこのVFMが妥当だというのであれば、事後検証をやるべきなんですよ。東京都はやったんですよ、二〇一五年に、三年かけて。でも、なぜかそれは公表しないと。客観性と正確性を欠いているからだと。それも、都民の公金を使われてやられたんですよ。公表すべきなんですよ、どういう結果になったのか。
 そういうところも本当に示さずに、PFIというのは、どんどんどんどんこれまで進められているというのが今の実態だと改めていいたいと思います。
 PFIの業務の範囲について、質問を進めたいと思います。
 今、都立病院では、広尾病院と多摩メディカルキャンパスで新たなPFI事業が進められておりますが、縦割りで考えるんじゃなくて、一方を検討する中で分かったことがあれば、もう一方も参考にする、これは当然だと思うんです。
 先日契約された多摩メディカルキャンパスのPFIの業務範囲は、既にPFIが導入された多摩総合医療センターと小児総合医療センターと比べて、十四業務も業務範囲が縮小されております。
 この業務範囲の見直しに当たっては、多摩総合医療センターや小児総合、神経病院から、直接意見を聞き取っていらっしゃると思います。その聞き取りは、一体誰が行ったのか、それぞれどのぐらいの時間をかけてヒアリングを行ったのか、具体的に伺いたいというふうに思います。

○竹中経営戦略担当部長 病院経営本部では令和元年度に、多摩メディカル・キャンパス整備事業に関するPFIアドバイザリー業務委託契約を締結いたしまして、専門的知見を有するアドバイザーの助言を受けながら本事業の検討を進めてまいりました。
 業務の範囲を設定するに当たっては、病院経営本部職員が同席する形で、アドバイザーによるヒアリングが実施されております。ヒアリングは、多摩総合医療センター及び小児総合医療センター、神経病院ごとに、二時間程度を予定して行われました。

○白石委員 今の答弁で分かるとおり、それぞれの病院、東京都も実際にヒアリングには参加をしている、二時間程度の予定で実施をされましたということでした。それぞれの病院の聞き取り、二時間程度ですので、大分聞き取りもしっかりと行ったということだと思います。
 私たちも情報開示請求を行って、その結果、今日持ってきましたけれども、この一覧表ですね、入手いたしました。その資料を見ると、病院だけではなくて、PFI事業者などにも意見を聞いているというふうに思います。
 伺いたいんですけれども、どの民間事業者から意見を聞き取ったのか伺います。

○竹中経営戦略担当部長 民間事業者のヒアリングにつきましては、病院PFIへの参画実績または応募実績のある建設会社、維持管理会社及び医療サービス会社に実施しております。
 具体的な民間事業者名につきましては、都は承知しておりません。

○白石委員 PFI事業の業務の範囲の見直しというのは、東京都の責任で行うものです。それなのに、どこのPFI事業者などから聞き取ったのか分からないと、こういうご答弁でした。
 PFI事業が先行実施された、例えば都内の四病院の事業者なのか、それとも都外の全国で実施されているPFI事業者なのか、全く分からないということです。
 例えば、地域特性も規模も全く違う条件のPFI事業者から聞いていたとしたら、見直しを判断する適切な聞き取りにならないと思います。ましてや、さっきの答弁を聞いていれば、PFIの入札に参加したという実績だけで意見を聞くこともあったかもしれないと。だとしたら論外だと思います。
 だって、PFIをやったことがない、ただ応募しただけと、そういう事業者から聞き取ったかもしれないと。実際にやっていないのにPFIの業務の範囲について意見を聞いたって、私、もう本当に論外だと思います。
 だけれども、少なくともどこの事業者なのかぐらいは確認すれば分かる話なんです。これを東京都は確認したんですか。

○竹中経営戦略担当部長 事業者のヒアリングの選定につきましては、委託先のアドバイザリーの選定によるものでございまして、都は承知しておりません。

○白石委員 要するに確認していないと。あまりにも無責任だと思いますよ。なぜそれを確認できないのかと。さっき私がいった疑問のように、同規模の病院のPFI事業者とかから聞いて、実際に業務の見直しの範囲を、まあ意見を聞いたりするというのだったらまだ分かります。
 だけれども、PFIの事業に応募しただけという事業者にだって聞く可能性があると。そこに聞いたって、具体的な意見は出てこないと思います。それが本当に今後の、都が見直そうといったときの業務の見直しの参考になる意見かといったら、甚だ疑問だと。だからこそ確認すればよかったんです。それもしないと。あまりにも無責任だと断じざるを得ないと思います。
 資料を見ると、これ、あまりにも簡略化されて書かれているので、具体的に、私は説明を求めたいと思うんです。これ、情報開示請求で三枚しか出てこなかったんです。
 例えば、多摩総合医療センターや小児総合医療センターからは、清掃業務の欄、この清掃業務について、PFIの業務範囲に含めてほしいとはされていなかったんです。さらに、PFIでの委託では、病院側が業者を直接指導監督できないことに問題ありだと、懸念事項に書かれております。仕様書に何らかの形で病院側の意向を反映できるとよいなどと、こういう懸念事項が記載をされております。
 こういう病院現場からの意見を都はどのように考えて、どのような改善をすることによって業務の範囲に−−清掃は含まれましたから、含めたのかというのを具体的に伺いたいと思います。

○竹中経営戦略担当部長 各病院からは、現場に即した意見が出されたものと認識しております。
 お話の清掃業務につきましては、いずれの病院も基本的に業務範囲に含めることに異論はなかった状況でした。一部示された懸念につきましては、アドバイザーの知見等を踏まえまして、病院にも説明を行い、業務範囲に含めるといたしました。

○白石委員 今ご質問しましたけれども、業務の範囲に異論はなかったと認識をしているというふうに答弁されましたが、この資料から異論がなかったとは全く読み取れないんですね。丸、三角、バツというふうに記号で書かれていますけれども、この清掃のところで、多摩、小児のところでは三角になっております。この三角というのは何を指しているのかも分からないと、そういう資料です。
 しかも、異論がなかったと答弁されましたけれども、その根拠はどこにもないんですけれども、ちょっと改めて聞きたいんですが、根拠はどこにあるんですか。異論がなかったというふうに病院側がいったんだという、その根拠はどこでしょうか。

○竹中経営戦略担当部長 ヒアリングをしながらの中でも、お話にあった清掃業務につきましては、一部示された懸念につきましても、アドバイザーの知見等を踏まえまして、病院にもそれぞれ説明をして、業務範囲に含めるとしたということでございます。

○白石委員 これに、今答弁されたことは全く書かれていないんです。
 じゃ、具体的に聞きたいと思います。PFIの委託では、病院側が業者を直接指揮監督できないことに問題ありというふうにこの懸念事項には書いてあります。これはどういう場合ですか、そしてどのような改善を東京都は示したのか、それに対して病院はどう答えたのか、根拠を持って具体的に説明していただきたいと思います。

○竹中経営戦略担当部長 病院側が直接指揮監督できないという内容につきましては、清掃業者の職員に直接指導監督が、病院職員ができないというふうな意味でございます。
 労働者派遣法等の関係等もありまして、そのことにつきましても説明を行うなどして、総合的に業務範囲に含めるということで決めたということでございます。

○白石委員 ちょっと驚きですが、今の答弁はここに書かれていないんです。労働者派遣法を説明したと。それは一体どこで、その根拠はあるんですか。お聞かせ願いたいと思います。

○竹中経営戦略担当部長 お答えいたします。今の示された内容につきましては、具体的にはそこには記載はされていませんけれども、その解釈の中で、直接指揮、指導ができないというところは、そういった法律等の関係が当たるということでございます。

○白石委員 全くよく分からないと。それでね、これ情報開示、全て資料を出してくださいと開示かけたんです。三枚しか出てきませんでした。
 改めて伺いたいんですけれども、これ、東京都は二時間かけて聞き取ったんですね。その内容をメモや記録に普通は残すと思うんです。それがあることによって今の説明が、要するに病院側にこういうふうに話しましたよとか、そういうのだったら分かります。
 そこで伺いたいと思うんですけど、この二時間かけて聞き取りを行ったその詳細のメモや議事録、これは病院経営本部、東京都に存在をしているのでしょうか。

○竹中経営戦略担当部長 ヒアリングの内容につきましては、アドバイザーが取りまとめまして、成果物として病院経営本部に提出されておりますが、アドバイザーが作成したメモについては所持しておりません。

○白石委員 ややこしくなってきましたが、私、そんなことを聞いていないんですよ。アドバイザーが作成したメモを所持しているかどうか聞いたんじゃないんです。
 病院経営本部が直接聞き取った際のメモや記録、議事録は存在しているのですかと質問しました。具体的にお答えいただきたいと思います。

○竹中経営戦略担当部長 ヒアリング内容につきましては、成果物として病院経営本部が持っているということで、アドバイザーが作成したような詳細なメモは所持しておりません。

○白石委員 ちゃんと答えていただきたいと。アドバイザーが持っているメモや議事録を聞いているんじゃないんです。東京都が直接聞き取った、そのときのメモや議事録、詳細な聞き取りの内容を示したもの、これは存在をしているんですか、東京都の病院経営本部にあるんですかと聞いているんです。

○竹中経営戦略担当部長 東京都病院経営本部がアドバイザーに委託をしてございますので、そうしたメモにつきましては、経営本部の方では所持しておりません。

○白石委員 要するに、何もないんです。私、やり取りの中で、出してくださいといっても、存在しませんと、はっきりといっていたんですよ。今ごまかそうとして、いろいろ、アドバイザーが持っているかのようにいいましたけど、アドバイザーの方にも問い合わせてくれというふうに私はいいました。基本的に詳細なものはないんですよ。それにもかかわらず、あるのはこの三枚だけなんです。
 さっきいったように、例えば、病院から清掃業務について異論が出た、問題ありだというふうな声が出たと。それに対して、これがどういう問題なのかという詳細な聞き取りのメモもないと。それに対して、東京都がどういうふうな改善を示して含めたのかもないと。何もないんです。説明できないんですよ。あまりにも無責任だといわざるを得ません。
 私たちは、PFIの導入自体に反対ですけれども、これでは現場からどのような懸念が出されて、どのように対応したのかという重要な点が何にもないと。まともに説明できないんです。
 都立病院でこれまで行ってきたPFI事業では、様々な問題が起きているんです。
 例えば、駒込病院では、病室で患部を切開しようとしたらメスがなくなり、看護師が急いで別の病棟に借りに行くという事態が過去に発生しております。現場からは、メスなど医療器具の提供管理はPFIの委託業者の仕事、そうした基本的な医療器具が欠品になるのはゆゆしきことですと指摘され、医療現場を知らない企業に運営を丸投げすることで費用を削り、医療水準を落としてしまうと強い懸念が出されていました。
 また、小児総合。例えばアレルギー食品の誤配膳や賞味期限切れの食品の提供がありました。アレルギーのある場合は、アナフィラキシーショックを起こすことがあり大変危険です。小児では自分で注意できないことが多いので、とりわけ重大だと。
 そして、そうした状態がなかなか改善されないということが問題になっていたんです。良質なサービスが提供できるというPFIのメリットとされてきたものが、実施してみたら、そうじゃなかったんです。皆さん、これなかなか認めないんですけれども、そのことがPFIの業務範囲を縮小した理由なのだと率直に思います。
 実際、給食は外してほしいという声が現場から出されたことが、この資料からも分かります。しかし、懸念や反対の意見が出された業務でも、業務範囲に含めたものもあるんです。先ほど紹介した清掃がそうです。委託業務の統括もそうです。
 しかも、これらについては、病院側が業務を直接指揮監督ができないとか、委託業務について、ほかの病院、PFI事業ではSPCを通すことで曲解して伝わるとか、ヘルプデスクはPFIではなくても実施可能などの意見がここには出ているんです。
 これらは、SPCが委託契約を統括するというPFIの仕組みの根幹に関わる問題だと思います。それにもかかわらず、聞き取った詳細な議事録すらない、記録はアドバイザーに丸投げ、これが実態なんです。
 医療現場は人の命がかかった現場なんです。その認識があまりにも欠けているといわざるを得ません。こうした状況でPFIの対象病院をどんどん広げていいのかということが、やはり私は大きく問われていると思います。
 では、広尾病院はどうなっているかということですが、広尾病院でも同様に、PFIの業務範囲について、病院の意見を聞き取っているということだと思います。
 広尾病院から業務の範囲について、懸念や意見がどのぐらい出され、どのような声が出されたのか伺いたいと思います。

○竹中経営戦略担当部長 今回、業務範囲としたもの、除外したものを含めまして、様々な懸念や意見が出されております。
 例えば、引っ越しのときの移転業務につきましては、患者の移送以外は対象業務とすることが効果的であるというもの、食事提供につきましては、直接委託した方が迅速、柔軟な対応が可能になるというようなものの意見などが寄せられております。

○白石委員 今回の合計七ページ分の報告資料には、PFIは定量的にも定性的にもいいことがあるとしか書かれていないんです。しかし、病院現場からは、業務の範囲に入るものも含めて、様々な懸念が出されたということを今答弁されました。
 広尾病院についても情報開示請求をしておりますけれども、二か月の延長と現在なっております。そもそも、都民にとって重要な情報であって、開示請求をするまでもなく、積極的に説明するのが本来あるべき姿だと私は思います。
 先ほど、一番最初にVFMの話もいたしました。様々な点で情報が十分に公開されないんです、PFIというのは。不透明のまま突き進んでいくのがPFIの問題であると、改めて今回この質疑を、私も調べる中で実感をしております。
 不透明という点でも、具体的に現場から懸念が出されている、この点でも、都立病院でのPFIの拡大はせず、むしろ縮小してなくしていくべきだということを申し上げて、質問を終わりたいというふうに思います。

○上田委員 広尾病院及び広尾看護専門学校整備等事業に係る特定事業の選定についてなんですが、基本的に、私はこれまでも、拙速な独法化については非常に懐疑的であり、一旦立ち止まるということを申し上げている中で、独法化を前提とした質疑というのも、なかなか矛盾が生じるところではございますけれども、よもやそのようになったときの場合を踏まえて、殊に出来レースといいますか、入札というのは非常に健全に行われなければいけないということでございますので、一応、反対をする立場ではございますが、よもや入札をすることになった場合、健全に行われるのかどうかという観点で質問をさせていただきます。
 一応、資料の方で、今後のスケジュールということで、概要版で一番最後、令和四年七月一日に予定している独法化に伴い、本事業を東京都立病院機構に引き継いだ後、入札公告を行い、落札者の決定を経て、令和五年四月に事業契約を締結する予定ということが書いてあります。
 入札の形式なんですけれども、どのようになっているのか、ご報告をください。

○竹中経営戦略担当部長 本事業の入札の手続につきましては、今後、地方独立行政法人東京都立病院機構が定める規定に基づきまして、価格だけではなく、要求水準書等に沿いまして、民間事業者が提案する内容も併せて総合的に評価いたします総合評価一般競争入札による契約を予定してございます。

○上田委員 一応、新法人が決める規定ということで総合評価ということですけれども、この規定は、どのような経緯を経て、誰の責任において策定されるのか、ご説明ください。

○竹中経営戦略担当部長 総合評価一般競争入札について定める規定につきましては、契約を所管する部署が案を作成いたしまして、関係部署の協議を経て、法人の事務を統括する者が決裁をして策定いたします。

○上田委員 協力企業等とあるんですけれども、大体工事案件というのは、入札可能事業者というのを−−東京都が直接する場合ですよね、事例としては。何者というのは大体想定されるんですけれども、この協力事業者等は、今回のこちらの事業形態においては、何者かを想定し、それぞれ適正な、まあ、何者かを想定しているんでしょうから、適正な選定に向けてどう入札を行っていくのか伺いたいと思います。

○竹中経営戦略担当部長 PFI事業につきましては、機構が求めるサービスの水準である要求水準を満たしていれば手法は問わない性能発注でございます。構成企業や協力企業の事業者数については、入札参加者の提案によるところでございます。
 なお、入札参加者の構成企業及び協力企業に対しましては、これまでのPFI事業で求めている入札参加資格要件と同等の参加資格要件を求めていく所存です。

○上田委員 この資料の四ページを見ますと、民間事業者が行う業務って、サービスプロバイダー業務、施設整備業務、維持管理業務、運営業務、その他業務というような、大きく五つに分けていて、明らかにこれは、会社とか企業体が違わないと請け負えないだろうなというのを思料するところでおります。
 先ほど申したように、入札事業は、参加可能条件者の分母というのは、例えば五百者あって、例えば地下鉄の掘り下げができますよとか、そんなものがやっているんですけれどもね、普通は。そういったもの、分母があって、入札参加者で健全に入っていってもらうということなんですけれども、これでは入札参加者の提案任せとなって、想定数すらも分からないのかなと思います。
 これまでと同等の入札参加資格要件ということなんですけれども、どこが担当して作成して求めるのか、内容はどこまで公表できるのか、お願いしたいと思います。

○竹中経営戦略担当部長 入札参加資格要件につきましては、地方独立行政法人東京都立病院機構が定めまして、入札公告の際に、入札説明書において明らかにいたします。

○上田委員 入札の透明性、健全性についてぐちゃぐちゃ、すみません、いっているのは、まだましなんですよ、都議会のマター、病院経営本部の直下に都立病院があれば。
 独法化しちゃうと我々の議会のチェックをすることができなくなってしまう中で、どのように健全性、透明性、公正、公明さを担保できるのか、確認させてください。

○竹中経営戦略担当部長 入札手続につきましては、入札公告により、入札説明書や落札者決定基準等を公表するとともに、提案内容を公正かつ客観的に審査するために、学識経験者等で構成いたします審査委員会を設置いたします。
 落札者決定後につきましては、PFI法に基づきまして、客観的評価の結果をホームページで公表いたします。

○上田委員 そうしますと、いかにも委員会を立ち上げて、ここでやるからいいということですけど、そもそも学識経験者で構成する審査委員会を設置ということなんですが、まず、その人選が都民益を損なわないために、要は、行政寄りではなくて都民の利益のために、公平、公正、公明に人選が行われ得るのか、審査委員会議事録の扱いはどうなっているのか、どこまで公開されるのか、確認させてください。

○竹中経営戦略担当部長 審査委員会の人選につきましては、本事業の特性を踏まえまして、PFI事業、建築、災害医療、看護教育、財務の各分野に深い知見を有します学識経験者等の専門家を選任するほか、内部委員も含める予定でございます。
 当該審査委員会につきましては、落札者決定基準の審議や民間事業者の提案内容審査を行うものでございまして、議事録につきましては、独法後においても東京都情報公開条例が適用されます。よって、同条例第七条各号に規定する非開示情報に該当するため、非公開となります。
 なお、落札者決定後には、PFI法に基づきまして、客観的評価の結果をホームページで公表いたします。

○上田委員 やはり見られないということでございました。
 今回の調査項目とは直接関係はないんですけれども、独法の新理事長、安藤さんでしたっけ、決まるという、新理事長の方の話とかってまだ出てきていませんですかね。そういったところの人選においても透明性が問われる中、しっかりと公表をしていくという形と、都民益にかなう人材を見つけていただけるのかなというふうに思っておりますので、まだ病院経営本部マターであるうちに、おっしゃるような形での透明性を担保するということでございますので、そこは、よもや独法化したらの話でございますけれども、強くお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

○おじま委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。

○おじま委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百十四号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、福祉保健局所管分、第百四十八号議案、第百四十九号議案及び第百六十四号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について理事者の説明を求めます。

○高野総務部長 五月二十七日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をご覧ください。
 資料は、目次にございますように、全部で二十三項目となっております。
 目次をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。1、都内の災害拠点病院・災害拠点連携病院以外の病院における自家発電設備の整備状況といたしまして、厚生労働省の調査による平成三十年十二月一日現在の施設数及び整備済み、未整備、未回答の区分ごとに整備状況を記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、高齢者等医療支援型施設の規模、実績及び稼働率の推移といたしまして、(1)に、施設の規模及び実績を、(2)に、施設の稼働率の推移につきまして、令和四年二月二十一日から同年五月三十一日まで記載してございます。
 三ページをご覧ください。3、施設区分別集中的検査の実施施設数及び検査件数といたしまして、施設区分別の施設数及びPCR検査、抗原定性検査件数を記載してございます。
 四ページをお開き願います。4、施設内療養を行う高齢者施設へのリハビリテーション職員派遣事業の派遣実績及び登録人数といたしまして、理学療法士及び作業療法士につきまして、令和四年五月三十一日現在の施設への派遣実績及び登録人数を記載してございます。なお、本事業は、令和四年五月十七日に事業を開始しておりますため、登録人数のみの実績となってございます。
 五ページをご覧ください。5、新規陽性者のうち高齢者施設を感染経路とする濃厚接触者であった者の人数といたしまして、発生届を基に確認できた人数を令和三年六月から令和四年五月まで月別に記載してございます。
 六ページをお開き願います。6、令和三年五月以降の施設種別クラスター発生件数といたしまして、施設種別のクラスター発生件数を令和三年五月から令和四年四月まで月別に記載してございます。
 七ページをご覧ください。7、新型コロナウイルス感染症に関連した死亡者数の推移といたしまして、年代別の死亡者数の推移を令和三年一月から令和四年五月まで月別に記載してございます。
 八ページをお開き願います。8、新型コロナウイルス感染症に関連した自宅療養者等の死亡者数の推移といたしまして、年代別及び自宅、高齢者施設の区分別の居所別死亡者数の推移を令和三年一月から令和四年五月まで月別に記載してございます。
 九ページをご覧ください。9、都における自殺者数の推移といたしまして、性別、年代別の自殺者数の推移につきまして、平成二十九年から令和二年まで記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。10、民生・児童委員の充足率の推移といたしまして、各年四月一日現在の定数、現員、欠員及び充足率を平成二十九年度から令和四年度まで記載してございます。
 一一ページをご覧ください。11、民生・児童委員の選任に係る要件といたしまして、東京都民生委員・児童委員選任要綱に規定されております委員の適格要件及び年齢要件を記載してございます。
 一二ページをお開き願います。12、ひきこもり状態にある方の実態等に係る都内自治体の調査結果といたしまして、都内各自治体が過去に実施し公表したひきこもりに係る調査について、厚生労働省が令和二年五月時点で取りまとめました結果を一五ページにかけて記載してございます。
 一六ページをお開き願います。13、ひとり親家庭の養育費立替保証及びADR(裁判外紛争解決手続)の実施状況といたしまして、養育費立替え保証及びADRの区分ごとに実施自治体数を記載してございます。なお、町村部におきましては、都が対象者への助成を実施しております。
 一七ページをご覧ください。14、区市町村別の低所得の子育て世帯数(児童扶養手当受給世帯数)といたしまして、令和三年三月末時点の児童扶養手当受給世帯数を区市町村ごとに記載してございます。
 一八ページをお開き願います。15、東京都PCR等検査無料化事業検査件数等の推移といたしまして、(1)に、令和三年十二月第四週から令和四年五月第三週までの週ごとの検査実施件数の推移を、(2)に、検査体制として、一日当たりの最大検査件数について記載してございます。
 一九ページをご覧ください。16、新型コロナ疑い救急患者受入謝金事業における病院の患者受入件数の推移といたしまして、令和二年度及び令和三年度につきまして、病院の患者受入れ件数の推移を月別に記載してございます。なお、本事業は令和二年六月三十日から開始したため、表中の令和二年度六月の件数は、一日分の件数となってございます。
 二〇ページをお開き願います。17、東京都ナースプラザにおける新型コロナウイルス感染症に関連する求人の募集人数及び紹介者数の推移といたしまして、東京都ナースプラザにおいて、令和二年四月十五日から令和四年三月三十一日までに受け付けた求人の募集人数及びそれに対する紹介者数を記載してございます。
 二一ページをご覧ください。18、酸素・医療提供ステーションの利用実績といたしまして、各酸素・医療提供ステーションの開設日並びに令和四年五月三十一日現在における受入れ人数及びその合計を記載してございます。
 二二ページをお開き願います。19、宿泊療養施設の開設状況一覧及び稼働率の推移といたしまして、(1)に、これまでに開設した宿泊療養施設の名称、開設期間、住所、客室数及び受入れ可能数を二五ページにかけて記載してございます。また、二六ページの(2)に、令和二年四月から令和四年五月までの宿泊療養施設の稼働率の推移をグラフで示してございます。
 二七ページをお開き願います。20、高齢者施設及び障害者支援施設等における新型コロナウイルス感染症発生時の応援職員派遣の実績の推移といたしまして、二八ページにかけまして、(1)に、事業者団体との協定等に基づく施設間の応援職員派遣の実績を、二九ページの(2)に、人材派遣を活用した応援職員派遣の実績を、高齢者施設、障害者支援施設等の区分別に記載してございます。
 三〇ページをお開き願います。21、相談体制確保事業の公募入札の状況と実績といたしまして、(1)に、新型コロナ・オミクロン株コールセンター、(2)に、東京都発熱相談センターの、開札日、入札者名、入札金額、落札金額及び令和四年五月三十一日までの延べ相談件数の実績を記載してございます。また、(3)に、相談体制確保事業に係る予算額を記載してございます。
 三一ページをご覧ください。22、個人防護具の備蓄の状況といたしまして、平成三十一年度から令和三年度までの個人防護具の年度当初在庫数、出庫数及び補充数について、また、提供状況の内訳の一部を記載してございます。
 三二ページをお開き願います。23、女性福祉資金の貸付実績の推移といたしまして、(1)に、貸付件数、(2)に、貸付金額を、平成二十八年度から令和二年度まで記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○おじま委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○浜中委員 それでは、私の方から何点か質問させていただきます。
 まず初めに、こころといのちの相談・支援東京ネットワークについてお伺いをいたします。
 五月に著名な方が相次いで自ら命を絶ちました。心からご冥福をお祈りいたします。報道の在り方等も含めて様々な議論がされておりますが、都議会自民党としても、引き続き自殺防止対策に力を入れていきたいと考えております。
 今回の補正予算では、ゲートキーパー啓発動画の周知強化や、検索連動型広告の従来の取組を拡充するとのことでございますが、具体的にどういった取組を行い、どういった効果があるのかということを教えてください。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 社会情勢の変化等により、自殺リスクの高まりが生じている層などに対し、必要な情報、支援を迅速かつ着実に届ける取組を強化するための経費を今般の補正予算に計上いたしました。
 具体的には、悩みを抱える方に気づき、声をかけ、必要な支援につなげるといったゲートキーパーの役割に関する動画を電車内、理美容店、映画館等で放映し、悩みを抱える方を社会全体で支える取組を進めてまいります。
 あわせて、新たに検索連動型広告の効果的な運用に関する調査研究に着手し、悩みを抱える方へ効果的に訴求できるキーワードや広告閲覧者の相談行動を促すための広告などを明らかにし、今後の取組に活用してまいります。
 加えて、調査結果は区市町村や民間団体などへも提供いたしまして、それぞれの機関におきまして、悩みを抱える方への効果的な広報に活用していただくことを想定しております。

○浜中委員 私もゲートキーパー啓発動画「気付いたら声をかけるその勇気」を拝見いたしました。動画は分かりやすく、十五秒バージョンと三十秒バージョンがあり、動画の最中、左下に、ここナビ東京都、検索と表示されており、また最後にも、ゲートキーパー東京都、検索とも併せて表示がされます。
 ゲートキーパーというと、私自身も、最初はそういう専門家がいるのかなというふうに思っておりましたが、実は思い悩んでいる身近な人に、大丈夫ですかと声をかける人のことであり、これは我々自身のことであるということを改めて知った次第であります。
 これを広く都民に知っていただくことは大変有効であります。また、検索連動広告も時代に合った手法といえます。いずれにしても、自殺者を減らすために大いに進めていただきたいというふうに思います。
 続いて、著名な方が亡くなられた報道の後には、自殺相談ダイヤル等が掲載されることが多くなりました。
 インターネット等で、地方新聞の記事ですと、地方によってはフリーダイヤルのところもあるようですが、東京都自殺相談ダイヤルがフリーダイヤルではなく有料のナビダイヤルになっている理由を教えてください。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 東京都自殺相談ダイヤルの開設に当たりまして、ナビダイヤルは電話の発信地を東京都近郊に限定できますことから、東京都在住、在勤、在学の方からの電話がかかりやすくなること、フリーダイヤルは相談者の方が無料で通話できるメリットがある一方、特定の方からの電話が長くなることで回線が占有され、電話がつながりにくくなるというデメリットもあることなどを総合的に勘案いたしまして、ナビダイヤルといたしました。

○浜中委員 フリーダイヤルの場合ですと、同じ人が何度も電話をしてきて回線が埋まりがちになるという話も聞いたことがあります。もちろん、困っている人全員には手を差し伸べる必要がございますが、こうした中でも、少しでも多くの方が相談できるようにナビダイヤルであるということも理解ができました。
 次に、この自殺相談ダイヤルに寄せられた相談内容の主訴を見てみますと、希死念慮や家庭内不和、職場、就職の問題、恋愛問題など、幅広い悩みが寄せられております。
 自殺相談ダイヤルの応答率は三割前後となっておりますが、こうした悩みに応じて相談できるように取り組んでいくべきであると考えますが、見解を伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 自殺対策におきましては、悩みを抱える方を早期に適切な支援につなげることが重要であることから、悩みに応じた相談窓口が検索できますよう、昨年十二月に自殺総合対策ホームページ、東京都こころといのちのほっとナビ、愛称ここナビをリニューアルいたしました。
 また、令和三年度におきまして新たに作成した女性向けリーフレットや鉄道会社と連携した広報活動、さらに検索連動型広告等におきましても、ここナビを周知しております。
 今後とも、電話やSNS、ホームページやリーフレットなど、あらゆる媒体を活用して、悩みを抱える方が相談しやすい環境を整えてまいります。

○浜中委員 自殺相談ダイヤルも大切ですが、今答弁にあったように、ここナビやゲートキーパーの啓発など、希死念慮を抱く人を救うための手段は一つではなく、個別の相談支援の充実やゲートキーパー等社会全体で自殺予防に取り組んでいく必要があるかと思います。
 こうした自殺対策を進めていく上で、東京都は、次期東京都自殺総合対策計画の策定に向けて、先月末から有識者会議における議論を開始したと聞いております。
 昨今の社会情勢の変化等も踏まえ、計画改定に向けた都の現状認識と課題についてお伺いをいたします。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都はこれまで、平成三十年度に策定いたしました自殺総合対策計画に基づき、幅広く施策を推進してまいりました。この間、自殺死亡率と自殺者数は減少傾向にあるものの、令和二年は若年層や女性を中心に自殺者数が増加し、また、中高年男性の自殺を防ぐことは引き続き重要な課題でございます。
 先日開催した東京都自殺総合対策東京会議の計画評価・策定部会におきましては、デジタル利用環境を踏まえた普及啓発や、多様な働き方が混在する職域における対策の在り方などについて検討を深めるべきとのご意見がございました。
 こうした課題や社会情勢の変化等も踏まえまして、若年層の自殺予防等の専門家の方に新たに対策会議の委員に任用いただくなど、検討体制を強化し、次期計画策定に向けて取り組んでまいります。

○浜中委員 ありがとうございます。
 今回の補正予算もそうですが、昨今の社会状況やデジタル利用環境に適した自殺総合対策計画になることを望み、次の質問に移りたいと思います。
 続きまして、デジタル機器導入による民生・児童委員活動支援事業についてでございます。
 民生児童委員の方には本当に頭の下がる思いであります。心から敬意を表したいと思います。コロナ禍において、また昨今の社会情勢の不安により、民生児童委員の重要性がより高まっております。
 今回、デジタル機器導入による民生児童委員活動を支援するとのことですが、事業の概要について教えてください。

○高橋生活福祉部長 本事業は、生活困窮者等の相談支援に取り組む民生委員、児童委員が、タブレット端末等のデジタル機器を活用して支援に必要となる情報を入手することや、研修や会議にオンラインで参加することなどによりまして、地域における相談支援の強化に資する取組を支援するものでございます。
 本事業の実施に当たりましては、東京都民生児童委員連合会において、デジタル機器の操作に関する研修を実施することとしております。

○浜中委員 分かりました。タブレット端末を想定しているかと思いますが、デジタルをしっかり使いこなすために、タブレット端末にあまりなじみがない方でも扱いやすい仕様にすることや、分かりやすく充実した研修が大切であるかと思います。
 今、民生児童委員の方の平均年齢とかも上がっているかと思います。これを導入したけれども使い方が分からないとか、そういう疎外感というか、よく分からないなと思われてしまってもよくないと思いますので、しっかり分かりやすい端末を入れて、分かりやすい研修をして、そして活動支援をするということがとても大切であると思いますので、その点を踏まえた事業であることを望みます。
 また、民生児童委員は、各地域において成り手不足が続いております。昨今の資料を見ますと、充足率が約九三%ということで、七%の地域においては民生児童委員がいない状況であります。
 五月三十日の読売新聞の記事でも取り上げておりましたが、理由の一つには年齢要件の壁もあるとされております。
 国の基準は七十五歳未満ですが、東京都では、新任委員の年齢要件については六十七歳未満の者であること。ただし、適格者を確保する上で必要と認められた場合は、七十歳未満の者を推薦することができるとされております。
 国の基準から見ても、新任では八歳厳しく、特例を使っても五歳低くなっております。この理由について教えてください。また、国の基準に合わせるべきであるという考えもございますが、いかがですか、見解を教えてください。

○高橋生活福祉部長 都は、国の通知を踏まえまして、東京都民生児童委員連合会等と協議いたしまして、推薦の際の年齢要件を定めており、一定期間の活動が可能となりますよう、令和元年度から、新任は原則として六十七歳未満、再任は七十五歳未満としております。
 これまでも充足率等の状況によりまして、年齢要件を適宜見直しておりまして、本年十二月の一斉改選後の充足率等も踏まえまして、年齢要件等について関係機関と検討してまいります。

○浜中委員 民生児童委員は経験が大切であり、なるべく二期以上務めていただきたいとの思いがあるということは推察ができます。東京都民生児童委員連合会等と協議をいたしまして、令和元年度に再任を七十三歳から七十五歳未満に引き上げたことは承知をしているところであります。
 三年に一度の一斉改選後の今年度十二月の充足率を見てからの議論になろうかと思いますが、新任の六十七歳未満の年齢の引上げについては、連合会の意見も聞いて、柔軟な対応をお願いしたいというふうに思います。
 また、若い世代の民生児童委員の掘り起こしも課題であります。世のために、人のために働いていただける民生児童委員の方を社会全体で尊敬するとともに、そうした民生委員の方をバックアップする手立てを東京都に強く望みたいというふうに思います。
 続きまして、ひきこもりに係る支援事業についてお伺いをいたします。
 第一回定例会の厚生委員会質疑において、私は、支援協議会の提言を踏まえた令和四年度の取組と、身近な地域における取組を進めるために、区市町村への支援の必要性について質問しました。
 都は、ウクライナ危機を発端とする原油、原材料価格の高騰や円安の進行に伴う物価高騰等の影響を踏まえ、都民生活を守る取組の一環として、ひきこもり支援においても令和四年度当初予算の様々な取組に加えて相談体制を拡充するとともに、当事者、家族、その他一般都民に対する普及啓発を強化するとしております。
 これらの取組を実施する背景と取組の内容についてお伺いをいたします。

○高橋生活福祉部長 ウクライナ危機を発端といたします経済状況の悪化等により、現にひきこもり状態にある当事者や家族を含め、生きづらさを抱える都民が増えることが危惧されております。
 今回の補正予算案では、ひきこもりは誰にでも起こり得る自分の身を守る反応の一つであることなど、ひきこもりに対する正しい理解を促進いたしますとともに、相談窓口等の情報を分かりやすく提供するため、インターネットや新聞広告による普及啓発を強化することとしております。
 あわせまして、相談に対する心理的なハードルを下げるため、同じ悩みを共有できる元当事者やその家族が関わるピアオンライン相談を拡充することとしております。

○浜中委員 ロシアのウクライナ侵攻に伴う情勢不安や原油高に伴うインフレ等、社会情勢が不安定になるとストレス等が増え、生きづらさが増すことが危惧されます。ひきこもり支援事業において、元当事者やその家族が関わるピアオンライン相談は有効であると思いますので、ぜひ利用者が増えるように広報にも力を入れていただきたいというふうに思います。
 この資料には載っておりませんでしたけれども、最近の新聞報道では、江戸川等でこれだけひきこもりの方がいましたというアンケートの新聞報道等もあったと思います。
 やはりこれは社会問題でございますので、実際に私の周りにも困っている方だとか陳情もたくさん来ておりますので、今、実態が分からないというところはあるかと思うんですけれども、今困っている人たちに手を差し伸べる、そうした取組をぜひ続けていただきたいというふうに思います。
 続きまして、養育費確保支援事業についてお伺いをいたします。
 都は令和二年度から、養育費確保支援事業に取り組んでおりますが、この事業の内容と区市の取組状況について教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 養育費は子供の生活や成長のために必要なものでございますが、取決めをしても実際に受け取ることが難しい例もあることから、養育費を安定的に確保できるよう、都は令和二年度から、養育費確保支援事業を開始いたしました。
 事業開始当初は、民間保証会社と連携して、ひとり親世帯への養育費立替え保証を実施する区市町村を支援しており、昨年度からは、債務名義を取得するための公正証書等の作成費用や、裁判外紛争解決手続でありますADRの利用に係る費用なども支援対象に加えております。
 本事業を実施している区市は、令和二年度は三区市、昨年度は十五区市となっております。

○浜中委員 ありがとうございます。
 もっと多くの区市がこの事業を実施するべきだと考えますが、今回の補正予算の内容及び実施自治体を増やすための取組について教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 本事業は、区市がひとり親の養育費確保への支援を開始する際の支援と位置づけておりまして、事業期間は令和二年度からの三か年となっております。
 新型コロナウイルス感染症の長期化に加えまして、今般の物価高騰などがひとり親世帯の生活に影響を及ぼしていることから、区市における養育費確保の取組を促進するため、今回の補正予算では、今年度につきまして区市負担分を全額都が負担することとしております。
 今後、より多くの区市が本事業に取り組むことで、ひとり親家庭が養育費を継続的に受け取り、生活の安定を図ることができるよう、子供家庭支援センターの職員向けの研修や、児童福祉主管課長会等の機会を通じまして、本事業の活用を働きかけてまいります。

○浜中委員 続きまして、コロナについて、要介護高齢者の入院受入れについてお伺いしたいと思います。
 今後の感染再拡大に備えて、介護度が高い高齢者が円滑に入院できるように、医療機関への支援を拡充することが必要かと思いますが、本事業の目的と取組の内容について教えてください。

○山本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 第六波においては、呼吸器症状が悪化していなくても、基礎疾患や合併症等によりまして医療措置だけでなく介助的支援が必要となる高齢の入院患者が多く発生いたしました。こうした患者を受け入れる医療機関の負担を軽減するため、都は、高齢のコロナ患者の入院を受け入れた医療機関への支援を拡充いたします。
 具体的には、現在コロナ患者の入院を受け入れた医療機関に対し、患者数に応じ、一人当たり一日二万円から三万円の謝金を支給しているところ、要介護三以上の高齢の患者を受け入れた場合には、従来の謝金に二万円を加算するものでございます。
 この取組により、介護が必要な高齢患者の円滑な入院を図ってまいります。

○浜中委員 ありがとうございます。
 続いて、高齢者等の転院支援事業についてであります。
 コロナの治療が終了した患者には、できるだけ早期にコロナ病床以外の病院に転院していただくことで、空いた病床に新たなコロナ患者が入院できるようになり、確保病床の効率的な利用につながります。
 このためには、転院促進の取組も有効と考えますが、都はどのように取り組んでいくのか教えてください。

○山本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、症状が回復した新型コロナ患者の転退院を促進するため、令和三年十二月より、入院調整本部内に転退院支援班を配置し、重症者等を受け入れる病院から軽症、中等症の患者を受け入れる病院や回復期支援病院への転院等を促進してまいりました。
 今後、多くの転院患者を受け入れている回復期支援病院における転院調整業務の課題や好事例を調査、検証し、そのノウハウを都内の医療機関に共有することとしておりまして、この取組により、さらなる転院の促進を図り、確保病床を効率的に活用してまいります。

○浜中委員 ありがとうございます。
 最後に、休日小児の診療促進についてお伺いします。
 休日の小児診療の充実に向けて、どのように取り組んでいくのか教えてください。

○山本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 新規陽性者数に占める小児の割合は依然として高い値で推移していることから、小児が受診できる機会の確保が重要でございます。
 東京都診療・検査医療機関休日小児診療促進事業では、休日の小児診療を促進するため、診療、検査を行う医療機関が少なくなる土曜日の午後、日曜日及び祝日に十五歳未満の小児の診療等を行った場合に、その実績に応じて謝金を支給するものでございます。
 具体的には、新型コロナウイルス感染症の疑いがある小児患者に診療及び検査を行った場合や、新型コロナウイルス感染症の陽性者への診療を行った場合を対象とし、診療等一件につき謝金を支給しております。
 この取組によりまして、休日の小児の診療を促進し、小児の方が休日に診療を受けられる機会を充実してまいります。

○浜中委員 地域で子供が休日に速やかに受診できることは早期治療につながることであり、親御さんも安心して暮らせます。
 より多くの医療機関で実績が上がるように取り組んでいただくことをお願いし、私の質問を終わります。

○桐山委員 それでは、私からも質疑をさせていただきます。
 ただいま浜中委員からも質疑がありましたが、私からも補正予算で新規事業として予算化されておりますデジタル機器導入による民生・児童委員活動支援事業について質問させていただきます。
 本補正予算を受けまして、地元の西東京市の民生児童委員の皆さんや、あるいは市役所にも問い合わせながら、いろいろとご意見を伺ってまいりました。タブレット端末等を民生委員全員に無償貸与されるということで、喜びの声も上がっている一方で、不安や課題の声も伺ってきております。
 当初予算にはタブレット端末導入はございませんでしたが、補正予算を組まれたまず経緯と本事業の内容についてお伺いいたします。

○高橋生活福祉部長 民生委員、児童委員は、それぞれ担当の区域を持っておりまして、地域の中で住民に身近な相談相手として、日常的な見守りや個別相談支援、関係機関への橋渡しなど、様々な活動を行っております。
 コロナ禍で活動に様々な制約がある中で、オンライン会議や動画による研修の実施、ペーパーレスの取組の推進など、デジタル機器の有効性が確認されております。
 今般の補正予算案では、こうしたことを踏まえまして、タブレット端末等のデジタル機器の導入を支援し、民生児童委員の地域での相談支援の強化を図るものでございます。

○桐山委員 ご答弁の中で、今回の経緯というのが、コロナ禍で活動に様々な制約がある中で、オンライン会議や動画による研修実施やペーパーレスの取組の推進ということで、こういったデジタルの機器を配布することによって大変有効性があるというふうに確認をされたということで、補正予算を計上されたということでした。
 今回、コロナ禍で様々に本当に制約がある中で活動されている中で、デジタル機器を配布されるということで、非常に有効性といいますか、より便利に、そして簡素化され、理由にもありますようなオンライン会議、いつでも、どこでも会議ができるような仕組みということで、第一歩というところだと思うんですけれども、そのような取組というところにつきましては評価をするところでございます。
 その中で、民生児童委員の方々の年齢層も比較的高い中で、デジタルデバイドの問題も挙げられてくると思います。先ほども質疑の中でもありましたが、しっかりと研修を重ねていくことというものも大変重要かというふうに思います。
 次に、少し細かいところを質問させていただきますが、無償貸与とのことですが、故障やあるいはトラブルなど対応についてや、またインターネット環境が、いわゆるWi-Fiの環境が整っているのか整っていないのか、様々な状況があると思うんですが、こういった通信料の負担などは、今後どのように考えているのかお伺いしたいと思います。

○高橋生活福祉部長 本事業は、デジタル機器の導入支援に要する経費を補助対象としており、本補正予算案には、今年度に支払うサポート窓口の設置費用や補償経費も含まれております。
 通信料につきましては、電話料金等と同様に民生児童委員の活動費で対応することとしております。

○桐山委員 ご答弁の中では、故障やトラブルにつきましては、当該年度であれば補償対象なのかなというふうに確認をさせていただいたんですが、二年目からでは、故障やメンテナンスでどう対応していくのかですとか、あるいは更新時期を迎えたらどう取り扱っていくのかですとか、あるいはタブレットを貸与した後、市区町村の負担、ランニングコスト等が増えていかないのかとか、また民生児童委員さんだけに配布ということだと思うんですが、地区の事務局というものがありますが、この事務局にも同じようなものが、今後タブレット端末が配布されるのかどうなのかとか、まだまだこういった取組につきましては、課題にすべき点ですとか検討すべき点があるように感じています。
 さて、通信料の件ですが、答弁の中で、電話料金等と同様に民生児童委員の活動費に含まれるというご答弁でした。
 ともすれば、民生児童委員の負担であるということだと思いますが、先ほども申し上げたように、自宅のWi-Fi環境が整っているご家庭、そしてそれから、各区市町村で公共Wi-Fiが整備されていたり、ポケットWi-Fiを持って移動されていたり、様々な活動場所によって、そういった整っている整っていないというところは、それで通信料も変わってくるのではないかなというふうに思っています。
 今でも活動費は結構かつかつでしんどいんだよ、持ち出しもあるよというような声も聞く中で、それは結構酷なことではないかなといわざるを得ないというふうに感じています。
 今後、民児協から意見聴取なり、また、費用の面などで継続をして、民生児童委員さんがよりよく活動ができるような一歩前進というところでの貸与だと思いますので、ぜひ今後も、引き続き様々な課題に取り組んでいただくことを強く要望していきたいと思います。
 次に、民生児童委員の活動は、これまで自粛が続くコロナ禍で、ケース家庭の状況が大変見えづらく、そして、新しい日常の下で行政からの八〇五〇家庭、あるいは独居の高齢者の見守りなど、お願いするケースも非常に増えてきている中で、活動がままならなかったとの声も出ておりました。
 オンライン化の促進やペーパーレス化の取組というものも、行政のDXとして推進をしていかなければなりませんけれども、やはり区市町村の取組、まあ温度感ですとか、あるいはスピード感というものも非常に異なっているかと思います。
 都として、今後どのように対応していくのかお伺いしておきたいと思います。

○高橋生活福祉部長 事業の実施に当たりましては、東京都民生児童委員連合会において、デジタル機器の操作に関する研修を各地域で複数回開催するなど、丁寧に対応することとしております。
 また、民生児童委員は、所属する各地域の民生委員児童委員協議会において、行政機関等との情報交換や研修など様々な取組を行っておりまして、デジタル機器の先駆的な活用事例を他の協議会にも情報提供していくことで、デジタル機器を効果的に活用できるように支援してまいります。

○桐山委員 答弁の中にもありましたように、こういったデジタル機器の先駆的な活用事例を他の協議会にも情報提供していくということでした。
 都内におきましては渋谷区が、DXがかなり、ペーパーレス化も含めた取組が進んでいるということで、私もちょっと問い合わせさせていただいたところ、昨年の八月から九月の中で、タブレット端末を配布し、地区ごとにしっかり研修をして、こういったもしかすると初めてタブレット端末に触る方というのもいらっしゃったということで、情報量も非常に多い中で、フォローアップを重ね重ね何回もやって、職員が出向いて、最後、本当に今では慣れていただいて、全ての方が使いこなされているというようなお声も聞きました。
 先ほども浜中委員の質疑にもありましたように、民生委員の成り手は少ないという中で、やはり若い方々が成り手として手を挙げていただくといいますか、推薦をされていくというような状況になる中で、この渋谷区の話を聞いていますと、定例会が完全オンラインで今やっていて、やっぱりいつでもどこでも会議に参加できて、そのときにお仕事中だったり、あるいは介護に携わっていらっしゃる方々にも大変好評であって、また、録画機能、アーカイブもしっかり残して、後からでも会議の状況が見られるというような、そういったことの取組をする中で、様々な取組を先進的に行われているというようなことも伺いまして、非常にすばらしいことだなというふうに思います。
 ご答弁にもありましたように、やはり配布するだけではなくて、連合会を通して、様々に、何回も研修を丁寧に対応していただくということですので、そちらの方は、しっかりと取組を行っていただきたいということを強く要望させていただきたいと思います。またしっかりと横展開の方もよろしくお願いいたします。
 それから、デジタル機器については最後ですが、こちらはかぶってしまったので、意見に代えさせていただきますが、本年十二月に、三年に一度の民生委員の一斉改選が行われる中で、民生児童委員は各地域でも成り手不足ということで、先ほどもありましたように、充足率が低い状況がまだまだ続いています。
 背景には高齢化が進んでおりますが、やはり先ほども議論があった年齢要件の部分、そちらの方も、再任者は七十五歳未満−−まだまだ七十五歳というと元気な方々も多くて、そして、人生百年時代を迎える中で、定年の年齢も引上げとなってくるという、そういった状況になっていますので、私からも、今回の一斉改選には間に合いませんが、引き続きしっかりと皆さんの声を聞いたり、こういった定年制度の引上げなどの状況を踏まえまして、ぜひとも検討し、年齢要件の改定をしていただければいいなというふうに思っておりますので、こちらは要望に代えさせていただきます。デジタルの方は、以上で終わりたいと思います。
 次に、東京都就労継続支援事業所生産活動活性化支援事業について質問いたします。
 コロナ禍の長期化ということで、物価高騰の影響を受けて、生産活動が相当程度減少している障害者の就労の場で大変影響があるということで、安定的な運営を確保するために補助金ということで、今回、補正予算を組まれております。
 就労継続支援A、Bそれぞれが、コロナウイルス感染症の影響等によりまして、都内の事業所の平均賃金、また工賃が、コロナ禍前後でどのように変わってきたのか、まずお伺いをしておきたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 都が行った調査では、障害者が雇用契約に基づき就労を行う就労継続支援A型事業所の平均賃金は、令和元年度が一か月当たり九万七千七百六十二円、令和二年度は九万七千百二十九円でありまして、〇・六五%の減少となっております。
 また、雇用契約に基づく就労が困難な障害者を対象といたしますB型事業所の平均工賃は、令和元年度が一万六千百五十四円、令和二年度は一万四千七百七十七円であり、八・五二%の減少となっております。

○桐山委員 ありがとうございます。
 そもそも、低い工賃の中からさらに影響を受けている状況というのが分かったところですが、本市西東京市でも、就労継続支援A型事業所はありませんが、B型事業所のみで現在十四事業所があります。
 昨年度の活性化補助金を活用した際に市が調査したときには、コロナの影響で、作業所でつくったものを売るイベントなどの機会が軒並み中止になったということが、非常に大きな影響として減収になって、非常に困難であるという状況を確認させていただいたところです。
 そこで、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして生産活動収入が減少している事業所への支援が大変必要だというふうに考えておりますが、今回の補助金の具体的支援内容について、条件も含めてお伺いしたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 この事業は、令和四年度の一か月の生産活動収入が、令和元年度の同月と比較して五〇%以上減少した月があるなど、一定の条件を満たす事業所を対象としておりまして、助成額は一事業所当たり最大百万円としております。
 助成対象となる経費は、活動の継続に必要となる固定経費や設備整備のメンテナンス等に要する費用のほか、ホームページ作成費、通販や宅配に要する経費なども対象となります。

○桐山委員 ありがとうございます。
 条件としては、令和四年度の一か月の生産活動収入が、令和元年度同月と比較して五〇%以上減少した月があるかどうかということが一定の条件だということで、最大百万円を補助、助成をするということが分かりました。
 事業継続するための固定経費、あるいは新規で販路拡大への費用ですとか、またホームページを新たに制作をするとか、宅配に変更して、これから販路拡大していくとか、そういった経費も対象にしていただけるということでした。
 最終的には、ものをつくって、しっかり販売をして、そしてまた売上げを上げて、それぞれの障害者の皆さんの工賃アップにつながるということの流れかと思います。今後も生産性向上のための支援を引き続きお願いするということを要望させていただき、終了させていただきたいと思います。
 最後に、コロナ感染症対策費に関連をいたしまして、子供のマスクの着用についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 新型コロナウイルスの感染症対策として長い期間このマスク−−我々もそうですが、マスクを着用してきたことによって、マスクを外すことに不安を感じる中高生がいるということを聞いています。
 というのは、ガイドラインに基づいて、体育の時間ですとか学校の登下校のところではマスクを外していきましょうねという通知が配布をされておりますが、いわゆる思春期の特に女子は、マスクを外すことに抵抗感がある、もう恥ずかしいというような話も聞いていて、熱中症対策も含めて、非常に、外した方がいいんじゃないかという、親も心配をするという声も伺っているところです。
 先般、五月に国のまとめられましたマスクの着用の考え方については、基本的対処方針が示されているところだと思いますが、まず、小学生以上の就学児のマスク着用の考え方について、学校生活での場面も併せてお伺いをしたいというふうに思います。

○村本東京感染症対策センター担当部長 小学生以上の就学児につきましては、先般、国からマスク着用の必要がない場面として、屋外では、人との距離が確保できる場合や会話をほとんど行わないような場合、屋内では、人との距離が確保でき、かつ会話をほとんど行わないような場合と示されたところでございます。
 また、学校生活におきまして、体育の授業の際はマスク着用の必要はなく、運動部活動につきましても基本的には体育の授業に準じることとされております。
 さらに、熱中症リスクが高い夏場におきましては、登下校時にマスクを外すよう指導することが示されております。
 一方、マスクの着用は基本的な感染対策として引き続き重要であり、マスクの着用を希望する児童生徒等に対しましては、着用が不要な場面であっても、適切な配慮が求められております。

○桐山委員 本日の新聞報道でも、文部科学省が全国の教育委員会に対して、小中学校の体育の授業や運動部活動中はマスクを外すよう児童生徒に指導するというような方針を固められたという報道記事が出ていました。
 要は、熱中症、命に関わる重大な問題を強調するということ、体育や運動部活動や登下校の三つの場面で、特にリスクが高いといわれていることでの熱中症対策というものを最優先して指導をするようにということが明記をされているということでした。本日通知をされるそうということで、確認をさせていただいているところです。
 中高生については、先ほど申し上げたように、この間、西東京市も運動会が結構あったんですけれども、やはり炎天下の中でマスクを中学生外さないんですよね。結構、男子もそうでしたけれども、女子はもう自分の競技のぎりぎりまで外でつけていて、自分の競技になったときに外しなさいねという指導だったと思うんですが、外して競技をしていました。
 親は、見ている中で、本当に水分補給してねとか思いながら、保護者がそういった声を上げているのも横で聞きながら観戦をさせていただいたところです。引き続き、こういった適切な配慮という部分につきましても、しっかりとメッセージを発出していただきたいというふうに思います。
 次に、小学校に入る前の子供については、就学児と違いまして自分でマスクの着脱ができないこともあり、窒息や熱中症のリスクが高まることからマスクの着用が危険となる場合があります。一方で、マスクを外すことによって、保育園等の施設内において感染が広がることを心配する声も聞いています。
 実際のところ、現在でも、まだまだ保育園とか幼稚園で感染が収まっていないという状況で、都内の中でもマスクを外した途端に感染者が出て、休園になっているというような保育園や幼稚園があるということも伺っているところです。
 そこで、就学前の子供に関するマスクの着用の考え方についても、改めて伺っておきたいと思います。

○村本東京感染症対策センター担当部長 就学前の子供につきましては、国が示した考え方では、他者との距離にかかわらず、マスクの着用を一律には求めないとされており、特に二歳未満につきましては、マスクの着用は推奨されておりません。
 また、施設内に感染者が生じている場合などにおきまして、施設管理者等の判断により、可能な範囲でマスクの着用を求めることは考えられますが、この場合でも、熱中症リスクが高い場合や屋外での保育活動などを行う場合にはマスクを外すこととされております。
 なお、マスクを着用する場合には、子供の体調に十分注意した上で、可能な範囲で着用することや、子供や保護者等の意向に反して着用を無理強いしないよう留意することが求められております。
 子供のマスクの着用につきましては、引き続き東京iCDCの専門家の意見も踏まえながら、分かりやすい情報発信に努めてまいります。

○桐山委員 ありがとうございました。
 これから暑い夏を迎えるに当たりまして、マスクの着用の考え方については、しっかりと都民に分かりやすくぜひ伝えていただきたいと思いますし、そういうことが大変重要になってきます。
 特に子供のマスクの着用に当たりましては、子供本人はもとより、保護者や教育関係者や施設管理者の理解をしっかりと深めていくことが重要かと思います。なかなか着脱のタイミングというのは、非常に困惑して難しい、線引きが難しいという声も聞いておりますが、しっかりとそういった理解を深めていくことが重要です。
 都におきましても、引き続きこの考え方につきまして、分かりやすい、伝わるよう発信をしていただきたいことを要望いたしまして、以上で質問を終わります。ありがとうございました。

○伊藤委員 私からも、令和四年度六月補正予算について、まずは、都議会公明党が要望してきた郵送によるシルバーパス一斉更新について質問をしたいと思います。
 シルバーパスは、年間およそ約百万人もの高齢者の方にお使いをいただきまして、社会参加等に大いに寄与する事業でございます。
 シルバーパスの有効期間は十月一日からの一年間であるため、毎年九月に新しいパスに切り替えるため、一斉に更新する手続が必要となるわけであります。コロナ禍の前の令和元年度までは、都内の各所に臨時の更新会場を設置して、地域の高齢者に出向いていただいて更新の手続が実施をされてきたところでございます。
 しかし、人類がいまだ経験したことがない新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックが起きる中、令和二年一月二十四日、都内で初の感染者が発覚されてから、あっという間に都内、国内にも新型コロナウイルスが蔓延をして、陽性者が急増をいたしました。
 こうした中、コロナによる重症化が特に懸念される高齢者の方々から、様々な声が都議会公明党に寄せられました。
 そのうちの一つが、シルバーパスの更新について、臨時の更新会場には多くの高齢者が集まり、列をつくって密状態になること、また、中には手続が完了するまでかなりの時間がかかることもあって、一斉更新の場所で高齢者の感染が広がるのではないかという切実な心配の声でありました。
 そこで都議会公明党は、令和二年五月、令和二年の二定の補正予算に関する知事への緊急要望の中で、さらには令和三年、そして令和四年と、重ねてシルバーパスの更新については郵送で行えるようにすることと要望をしてまいりました。
 これを受けて都は、コロナ禍の令和二年度及び三年度は、新型コロナの感染リスクや高齢者の心理的不安を考慮して、郵送方式によるパスの更新を実施したところであります。
 今回の補正予算案においても、我が会派の要望を受け、今年度もシルバーパスの郵送方式による一斉更新のための経費が計上されております。
 そこで、郵送方式によるシルバーパスの一斉更新の具体的な実施方法と併せて、会場方式であった令和元年度と郵送方式の令和二年度、令和三年度における更新実績の推移について伺いたいと思います。

○山口高齢社会対策部長 郵送方式によるシルバーパスの一斉更新は、パスの更新対象者に対し、八月に更新案内と払込票を郵送し、更新を希望する方は最寄りのコンビニエンスストアで利用者負担金を支払うことにより、九月末までに新しいパスがご自宅に郵送されるという仕組みでございます。
 一斉更新の実績でございますが、コロナ禍前の会場方式で実施した令和元年度は、更新対象者約百一万三千人に対し約九十四万九千人の方が更新し更新率は九三・七%でございました。
 コロナ禍において、郵送方式で実施した令和二年度は、更新対象者約百三万九千人に対し約九十六万人の方が更新し更新率は九二・四%。同じく令和三年度は、更新対象者約百二万七千人に対し約九十四万五千人の方が更新し更新率は九二・一%でございました。

○伊藤委員 コロナへの対応のため、一斉更新の方法が会場方式から郵送方式にやり方が変わったにもかかわらず、引き続き多くの高齢者の方々がシルバーパスを発行されているということを確認いたしました。
 一方で、更新方法の変更に当たっては、様々な課題もあったというふうに聞いております。
 昨年の第二回定例会厚生委員会で、公明党のまつば多美子議員からも郵送方式の課題と改善の予定について質問をしたところ、更新対象者からの問合せ対応の迅速化を図る予定との答弁がありました。
 そこで、問合せ対応の迅速化に向けて、実際にどのような改善が図られたのか、また、そのほかにも改善点があれば併せて伺いたいと思います。

○山口高齢社会対策部長 東京バス協会において、更新対象者からのお問合せに電話で対応するコールセンターを設置しており、令和三年度からは、オペレーターの手元の端末で個別の更新対象者の手続の進捗状況等を確認できる仕組みを導入いたしました。
 これにより、例えば案内書の送付、入金の確認、パスの発送など、個別の更新対象者からの手続の進捗状況等に関するお問合せに対し、即時に回答できるよう改善を図りました。
 また、郵送した更新後のパスのうち、宛所不明や受け取り期間経過のために返送されたものが、令和二年度実績で約五千件に上り、約百万人分の対象者リストとの突合作業に手間を要し、再送付までに時間がかかるといった課題もございました。
 このため、令和三年度からは、封筒に個別のバーコードを付すことにより、突合作業の効率化を図り、宛先の再確認や速やかな再送付につなげられるよう改善を図っております。

○伊藤委員 郵送方式の実施に当たって、様々な課題に対して運用の改善も図られているということでございました。今後も、約百万人のパスの一斉更新を短期間で円滑に実施していくためには、利用者の利便性が何よりも重要であります。
 そこで、今後の一斉更新の実施方法について、利用者の声を聞くことが大事だというふうに思いますけれども、都の見解を伺いたいと思います。

○山口高齢社会対策部長 シルバーパスの一斉更新に関しては、都や東京バス協会に対し、電話やメール、書面等により、利用者からの様々なご意見が寄せられております。
 主なご意見としましては、郵送方式について、更新会場の三密や待ち時間が回避できることや手続が簡便であることなど、肯定的なものが多い一方、入金手続からパスの受領まで時間を要すといったご指摘もいただいております。こうした様々なご意見について、都と東京バス協会で情報共有を図り、改善が可能なものについては適宜対応しております。
 今後とも、利用者等からのご意見も踏まえながら、シルバーパスの一斉更新の円滑な実施に取り組んでまいります。

○伊藤委員 郵送によるシルバーパスの一斉更新は、初めての取組であったわけでありますけれども、コロナ感染への心配の声から、また不安の声から始まったわけであります。このところ、コロナの新規陽性者数は減少傾向にあるものの、今後の動向はまだ未知でありまして、また、更新時期の九月はまだ残暑が厳しい季節であって、台風なども心配な季節であります。
 今後の一斉更新の検討に当たっては、様々な角度から、何より高齢者の負担を少なくすることを第一に考えて進めていただきたい、このことを求めて、次の質問に移りたいと思います。
 続きまして、補正予算の中にございますデジタル機器導入による民生・児童委員活動支援事業、新規事業についてお伺いしたいと思います。
 コロナによる私たちの日常生活への様々な影響、変化に加えて、ウクライナ危機を発端とする原油、原材料価格の高騰や円高の進行に伴う物価高騰などの影響が都民生活に暗い影を落としております。
 こうした状況を踏まえ、私たち公明党は政府に対し、現場の声を届け、生活困窮者対策をはじめ、都民、国民への具体的な支援について求めてきたところでございます。
 これを受けて、国は、総合対策の一つとして、地方自治体が地方創生臨時交付金を活用できるよう示したところでございます。このたびの都の補正予算にも、この地方創生臨時交付金が随所に充てられております。
 長期にわたる生活への様々な影響の中でも、特に心配されるのが、生活困窮者や孤独、孤立の状態に陥っている方々であり、そこへの支援が求められております。
 これまでも日常生活の中で、地域の様々な人に目と心を配り、見守りや声かけ、時には悩み、苦悩する人を行政とのかけ橋となってつないでくださってきたのが民生児童委員の皆様であり、その役割と使命は本当に尊く、活動内容も実に多岐にわたっております。
 都は、今回の補正予算で、デジタル機器導入によって、民生児童委員の活動を支援することとしておりますけれども、改めて、この事業の目的と取組の内容について伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 新型コロナウイルス感染症やウクライナ危機を背景として、生活困窮者や孤独、孤立に悩む人々のニーズの対応など、民生委員、児童委員の役割はますます重要となっております。
 そのため、最前線で相談支援に取り組む民生児童委員の活動に必要な情報の入手などに活用できるよう、タブレット端末等のデジタル機器の導入を支援し、地域での相談支援の強化を図るものでございます。

○伊藤委員 私はこれまでも、民生児童委員の方々と様々に意見交換をすることがありましたけれども、聞くところによりますと、ある方がおっしゃいますには、これまで民生児童委員の皆様の下には、行政から紙ベースの膨大な資料が届くということでございまして、これをペーパーレスにしていくということやデジタル処理をしていくことは大事なことであります。
 しかし、それには幾つかの課題、問題点があると思います。まず、デジタル機器の取扱いについてでありますけれども、先ほども質問がありましたけれども、答弁がちょっと違いますので、あえて聞かせていただきたいと思います。
 民生児童委員の中には、機器の操作に不安を感じられる方もいらっしゃいます。事業の実施に当たっては、機器の扱い、操作に関する研修等を丁寧に実施すべきと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 機器の導入に際しましては、民生児童委員一人一人の機器操作への不安を解消するため、東京都民生児童委員連合会におきまして、デジタル機器の操作に関するマニュアルを作成いたしますとともに、研修を実施することとしております。
 この研修の実施に当たりましては、開催場所や時間帯について民生児童委員の意見も伺うなど、地域で活動する民生児童委員が参加しやすいように丁寧に対応することとしております。

○伊藤委員 ある地域では、防災対策の防災情報を配信するに当たって、地域の防災の責任者にデジタル端末が配布されましたけれども、使い方が分からない、そもそも苦手といった理由から箱を開けることもなく、機材は眠っているという話も聞いております。
 研修会も一度きりだけではなくて、繰り返し丁寧に、そしてまた、区市、あるいは地区単位、小さな単位でも行っていただけるよう、ぜひ工夫をしていただきたいと思います。
 コロナ禍にあっても、これまで以上にスマートフォン等が普及した側面もありますけれども、やはり、どうしても苦手意識が強い方も少なからずいると思います。こうした方々、一気にペーパーレス化を図ると、機器の操作に慣れない民生児童委員の方々が、対応に困るという人もいると思います。そういったことにも配慮をすべきと考えますけれども、見解を伺います。

○高橋生活福祉部長 都といたしましては、デジタル化による業務の効率化とペーパーレス化の促進を目指しておりまして、今回の民生児童委員へのデジタル機器導入につきましても同様と考えております。
 しかしながら、民生児童委員への情報提供につきましては、東京都民生児童委員連合会の意見も十分に聞きながら、資料の活用ですとか、住民への周知などに支障が生じないよう紙資料を併用するなど、段階的にペーパーレス化を進めてまいります。

○伊藤委員 ぜひ、苦手な方を置き去りにすることがないようにお願いしたいと思います。
 民生児童委員の皆様へデジタル機器を配備する際の課題の二つ目として、通信環境の整備について取り上げたいと思います。
 都議会公明党はこれまでも、子供たちのGIGAスクール構想による一人一台端末の配備に際しましても、繰り返し都に求めてきたのは、学校においても家庭においても、Wi-Fiなどの通信環境の整備が同時に必要である、欠かせないことだということを指摘し、求めてまいりました。
 このたびの民生児童委員の皆様がデジタル機器を有効に活用するためには、通信環境が必要になるわけでありますけれども、通信環境が整っていない民生児童委員もいらっしゃいます。こうしたことへの支援が必要であるというふうに考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 民生児童委員が自宅等でデジタル機器を利用する際の通信環境は様々でございまして、本事業では、Wi-Fiルーター本体等の購入経費も補助対象としております。
 また、スマートフォンの通信機能や公共のWi-Fi環境を活用するなど様々な方法がございますため、研修において、これらの方法を紹介してまいります。

○伊藤委員 家の中にWi-Fi環境がなくても、携帯のテザリング機能を使えば通信はできるということでございますけれども、しかし、気づいてみれば携帯代が異常に高くなっているという、こんな事案もあるわけであります。
 研修の中で、このことについても丁寧にアドバイスをしていただきたいし、また、今後は、民生児童委員としての活動に必要な通信費については、支援策をぜひ検討していただきたいと強く求めておきたいと思います。
 三つ目の課題として、双方向で通信ができるかどうかということであります。この機能の整備について質問したいと思います。
 このたびのデジタル機器の導入の目的は、生活困窮者支援や孤独、孤立対策に取り組む民生児童委員の活動を支援し、相談支援の強化に資する取組を支援するというふうにしております。支援者の中には、対面でのやり取りは拒むんだけれども、LINEやメールなら話してみようかなとか、相談してみようかなといった方もいらっしゃるかもしれません。
 民生児童委員が、行政や支援対象者との双方向での情報連絡にも活用できるように支援をしていくべきと考えますけれども、見解を伺います。

○高橋生活福祉部長 本事業では、デジタル機器の導入を図り、民生児童委員が行政との情報交換や、オンラインでの会議や研修参加に活用することとしております。
 加えまして、相談支援における活用について、先行自治体の取組を参考にいたしますとともに、地域ごとに設置されている民生児童委員協議会などでの取組の事例を共有することで、デジタル機器を効果的に活用できるよう支援してまいります。

○伊藤委員 先日の本会議一般質問では、厚生委員会におります、かまた議員から、長期にわたるひきこもりの方や家族にそっと丁寧に寄り添うコンタクトパーソンの提案があったところであります。私は、この提案の具体策の一つに、民生児童委員の方から、デジタルを活用した支援や交流もあり得るのではないかと考えております。
 ぜひ、デジタルによる双方向通信も早期に実現をしていただきたいと要望して、次の質問に移りたいと思います。
 自殺対策について質問をいたします。
 自殺、鬱防止活動を進めるNPO法人Light Ring.の代表理事、石井綾華さんは、自殺を防ぐには、生活の中で自然に悩みを打ち明けられるような存在が重要であり、身近な人の死にたいという気持ちや異変を察知している人は少なくないと指摘をし、話を聞いて、支援先につなぐ心の支え手を育成し、支援する取組を求めております。
 都議会公明党は、定例会代表質問や一般質問、予算特別委員会等でも、かけがえのない命を守る取組の強化を求めるとともに、自殺の危険を示すサインに気づき、声をかけ、話を聞き、必要な支援につなげ、見守るなど、適切な支援をするゲートキーパーの重要性を訴えてまいりました。
 これらを受けて、都ではゲートキーパーの普及啓発を充実させているところでありますけれども、これまでの取組について説明を求めたいと思います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 自殺の背景には様々な要因が複雑に絡み合っておりますことから、都では、困難を抱える方の周囲の人々がゲートキーパーとして悩みに気づき、声をかけ、必要な支援につなぐことの重要性を区市町村や事業者等に周知しております。
 令和二年度は、コロナ禍における心理的不安に対応するため、都職員をはじめ、福祉、労働、経済、教育等の窓口職員に、ゲートキーパーの役割を周知する新たなリーフレットを作成いたしますとともに、緊急的な対策といたしまして、ゲートキーパーの啓発動画を作成し、都のホームページ等に掲載いたしました。
 令和三年九月からは、SNSを活用し、ゲートキーパーの役割を改めて広く周知しております。
 さらに、令和四年三月には、自殺対策強化月間の取組の一環といたしまして、新たに映画館や電車内のサイネージでも放映するなど、集中的な広報を行いました。

○伊藤委員 これまでの都議会公明党の提案を受けて、都において様々にゲートキーパーの普及啓発が進んでいるということで評価をしたいと思います。
 しかしながら、コロナ禍の東京では、社会の屋台骨である年代層、とりわけ中高年の男性の自殺や将来ある若者の自殺など、極めて憂慮すべき状況が続いておりまして、生きる道が閉ざされてしまう事態に、いつ、誰が、何をきっかけにはまり込むのか分からないとの専門家の指摘もあるところであります。
 先ほど紹介したNPOの下には、育成を受けたゲートキーパーの方から、他者からのSOSをどう受け取るかを意識的に学び、実践することの効果として、自分が困難に遭遇したときには、身近な人にSOSを出してよいということの学びにもつながっていますとの声が寄せられているそうであります。
 つまり、他者のSOSを受け取って、支援に、その他者をつないでいくこと自体が、自分が今度は困難に遭遇したときに、自分が身近な人にSOSを出していいんだよという学びにつながっているということでございました。
 これらを踏まえて、悩みを抱える方が適切なサポートを受けられるよう、ゲートキーパーの役割をより一歩進んで広く周知すべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 社会情勢の変化等により、自殺リスクの高まりが懸念されることから、今回の補正予算案に、ゲートキーパーは特別な資格を必要とせず、悩みを抱える方へのちょっとした声かけが大切であることを集中的に広報する経費を計上いたしました。
 具体的には、自殺者の半数近くになる中高年男性やその周囲の方へ効果的に訴求することを目的として、電車やタクシー、男性が多く利用する理美容店等での動画放映において、ゲートキーパーについて改めて広く周知してまいります。併せて、新たに若年層が多く利用いたします音楽配信サービスを通じた普及啓発を実施してまいります。
 今後とも、悩みを抱える方を必要な支援につなげ、自殺予防の取組を推進してまいります。

○伊藤委員 答弁にもありましたけれども、ゲートキーパーは特別な資格を必要とせず、悩みを抱える方へのちょっとした声かけが大切であるというお話でありました。確かに資格は必要はない、誰でもゲートキーパーになれるんだということでありますけれども、大事なことは声かけの仕方、受け止め方、これをしっかりと周知をしていくことも重要だと思います。
 私は、行きつけの床屋さんに、ゲートキーパーという役割も担っていただいているんですねというお話をしたら、実は組合でもってそういう研修、学習会を開いて話を聞いたんだ、そういう悩みを抱えている人に、顔色が悪かったら顔色が悪いねなんていっちゃいけないんだよ、そうではなくて、あるいは相談事を聞いたときに、それを批判してしまったりとかしてはいけない、あるいは励まし過ぎてもいけない、こんなことも聞いたんだと、床屋さん、いっていました。そういう方のお客さんに、床屋さんですから、一時間ぐらいかけてずっとこう一緒にいるわけですよね。そのお話を、ひたすら話を聞きながら、受け止めながら、そして必要があればつなげていく、こんなことを勉強したんだと、こんなふうにいっておりました。
 どうか、今後この周知、ゲートキーパーというものの役割を周知していくのと同時に、声かけの仕方、受け止め方、こんなことも、しっかりと都の方からも発信をしていただきまして、養成も充実をしていくということも取り組んでいただきたい、このことを求めまして、質問を終わります。

○藤田委員 補正予算について質問いたします。
 補正予算を組んだ背景は、ウクライナ危機などに伴う物価高騰などの影響を踏まえてということで、都民生活を守る取組やコロナ感染の終息に向けた取組などを実施するためとなっています。
 補正予算の中身ですが、コロナ対策の検査や医療提供体制、感染防止対策に関するものは約九九%を占めておりますが、その大半は、既に実施している事業を十月まで行うというものになっています。
 一方、物価高騰などの影響を踏まえて組まれた予算というのはごく一部になっています。福祉保健局ですから、都民生活を守る取組という部分が本来はもっと多くなるべきではないかと思うのですが、今回、補正で福祉保健局に計上された予算のうち、暮らしへの支援というのは僅か十七・六億円にすぎません。
 補正予算自体は反対するものではありませんが、切実かつ逼迫した暮らしから見れば不十分だといわざるを得ません。都民の実態から、必要な支援について提案をしていきたいと思います。
 初めに、自殺対策です。
 今回、こころといのちの相談・支援東京ネットワークの拡充として、二千五百万円の補正予算が計上されていますが、具体的にどのような内容なのか、なぜ拡充が必要と判断したのかを伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 社会情勢の変化等により、自殺リスクの高まりが生じている層がございますことから、都における自殺者数の半数近くを占めます中高年男性への対策を強化いたしますため、悩みを抱える方に気づき、声をかけ、必要な支援につなげるといったゲートキーパーの役割に関する動画を電車内、映画館等で放映することとしております。
 あわせて、現在行っております検索連動型広告をより効果的に運用いたしますため、令和四年度中に調査研究を実施し、悩みを抱える人へ効果的に訴求できるキーワードや広告閲覧者の相談行動を促すための広告文などを明らかにし、今後の取組に活用することとしております。

○藤田委員 今回の補正予算は、広報を強化するもので、重要な取組だと思います。
 あわせて、広報によって相談につながった後の支援が命を支えられるものになっているということも重要だと思いますので、伴走型支援の強化を併せて進めるよう求めておきたいと思います。
 また、多くの都民が生活苦に追い詰められているため、暮らしが困難な方々に直接つながる支援も必要です。
 都庁のすぐ下でも、二〇一四年から、有志の団体による活動として食料支援を行っています。ここでは、食料支援を通じて、多重債務などの相談を受ける弁護士とか体調不良などの相談を受ける医療従事者が参加をしまして、生活相談などと併せて、いろいろ相談が受けられるようにしております。
 コロナ前は月二回開催していたということですが、毎回六十人から七十人程度が当時は来場されていました。それが、コロナ禍によって支援を必要とする方が急増したために、二〇二〇年の四月から毎週開催をしているということです。
 毎週にしたときには、一回当たり百五十人から百八十人の方の来場があったということなんですけれども、その後、年々増加しまして、直近では五百人前後の方がこの食料支援に並ばれる、来場しているということです。都民の暮らしがいかに苦しくなっているのかの表れだと思いますし、こうした方々を政治の責任でいかに支えていくのかが問われていると思います。
 今回の補正予算では、フードパントリー緊急支援事業として、四千九百万円が計上されています。この事業の意義について伺います。

○高橋生活福祉部長 都は令和元年度から、生活困窮者等に食料を提供し、適切な支援につなげるフードパントリーの立ち上げに要する経費を区市町村に対して包括補助により支援しております。
 ウクライナ情勢に関わる物価上昇や失業等により、生活上の困難を抱える都民の増加が懸念されるため、都は本年四月から、地域の支援拠点である区市町村社会福祉協議会等に対し、運営に要する経費を直接補助しております。
 今回の補正予算案では、ウクライナ情勢の影響の長期化が懸念されることから、事業期間を延長することといたしました。

○藤田委員 食料支援についての意義を答えていただいたのかなと思いますが、この事業の実施要綱では、事業の内容に、食料を提供した生活困窮者に対して相談支援を実施して、自立相談支援窓口などを案内するということも含まれております。
 つまり、食料支援とともに、相談を受けて支援につなげることが重要だということだと思うんですが、今回の緊急支援事業ということですけれども、相談に来た方が支援につながることが重要だというふうな認識でよろしいですか。もう一回伺います。

○高橋生活福祉部長 フードパントリーですけれども、フードパントリーは、食料の支援とともに、支援者が適切な行政の窓口、あるいは福祉サービスにつなげるという機能もございます。まさに今回の本事業は、そういったフードパントリーを支援するものでございます。

○藤田委員 フードパントリーの意義についてお答えいただきました。
 生活困窮者自立支援法による窓口や、あと生活保護の案内などもすごい重要だと思っておりますので、こういった食料支援に訪れた方がきちんと行政につながれる仕組みを同時に進めていっていただきたいなと思っております。
 四十代でフードバンクの医療相談を利用された女性の方は、派遣の仕事もこのコロナによって失ってしまった、ハローワークに行っても仕事も全く見つからないということでした。そういった状況のために鬱状態になっていて、医療相談を受けられていました。収入が絶たれていて、各地の食料支援に通って何とか食いつないでいるという状態で、こういったその場に来ただけでなく、その後どう生活を立て直すのかということが非常に重要になっております。その場では、生活保護の利用も進めたようなんですが、お世話になるのは申し訳ない、自分にはそんな価値はないと拒み続けているといっていました。死にたい、死に場所を探しているという発言も目立ったようで、そこにいた医師は精神科医の受診も提案をしたようなんですけれども、それに対しても、これ以上迷惑をかけられないといって拒まれているようです。
 同じように支援を利用するのを拒まれる方は少なくありません。これは近年繰り返された生活保護へのバッシングや自己責任論の影響にもよるものです。行政の側が誰にでも人間らしく生きる権利があるということを積極的に発信し、当事者に寄り添った相談支援を行っていくことが求められていると思います。
 また、支援につなぐという点では、自治体職員が仕事の一環としてこうしたフードパントリーなどの支援の場に出向いて、団体の方と一緒に支援活動に参加され、協働して取り組んでいるという自治体もあります。
 中野区社会福祉協議会が実施するフードパントリーには、中野区の生活援護課の職員が参加して、来場した方へ生活相談や事業の紹介を行っているということです。これは大変重要だと思います。
 こうした取組を紹介するなどして、ほかの区市町村でも実施できるように、積極的に広げていくべきだと思いますが、いかがですか。

○高橋生活福祉部長 本事業では、フードパントリーが所在する区市町村や区市町村社会福祉協議会と連携している事業者を補助対象としております。
 区市町村社会福祉協議会等が実施するフードパントリー事業は様々であり、地域の実情に応じた取組を引き続き支援してまいります。

○藤田委員 中野区の課長も参加した意義があったと、中野区の区議会で答弁をされております。また、社会福祉協議会にも直接お話を伺いましたが、区の職員の方が、生活保護が必要な方に対して利用しやすくなるようなチラシを作成してその場で配布したりとか、あとその場ではすぐに相談にならなくても、やっぱり顔と顔がつながることで、その後、自治体に相談しやすくなるという、相談のハードルを下げる働きをしてくれているというふうにお話をされていました。
 これこそ、フードパントリーの意義なのかなというふうに感じております。こうしたアウトリーチの取組を広げるために、都が積極的に後押しをするように求めたいと思います。
 また、食料支援と相談支援を行っている団体の活動の仕方は、いろいろ様々、多様なやり方をされていまして、あらゆる形で支援につながりにくい方にどうやってつながるかという工夫をされて、こうしたフードパントリーなどの取組を行っています。
 そうした団体の皆さんにとっていい形で、いかに相談のハードルを下げるかということが重要ですので、皆さんの実態に合った補助の出し方、条件を決めてしまうだけじゃなくて、実態に見合った補助の出し方ができるかということも重要だと思います。
 フードパントリー緊急支援事業の対象は、どのような条件があって、事業開始から五月までの申請件数は何件になっていますか。また、申請は五月末で締め切っているということですが、今回の議決後は、今まで申請した団体だけでなく、新たに募集するということでよろしいでしょうか。

○高橋生活福祉部長 生活困窮者支援において、フードパントリーが所在する区市町村と連携し区市町村からの支援や推薦を受けていること、特定非営利活動法人等の法人格を有することなどの要件を満たす団体が、食料を無償で提供し、自立相談支援窓口などを案内する取組を行っている場合に補助対象とするものでございます。
 本年五月末現在、十五事業者からの交付申請を受け付けておりまして、本予算案議決後は、事業期間の延長に伴い、改めて交付申請の受付を行う予定でございます。

○藤田委員 予算規模の想定は九十団体となっていますので、五月までの申請件数は十五件ということです。
 例えば、区市町村と連携しているということが要件にあります。食料支援とともに丁寧な相談を行っている団体は様々ありますが、必ずしもどこか特定の自治体と連携しているわけではありません。
 また、相談支援を行う場合に、自治体の側が生活保護の申請を受け付けないということもありまして、そうなると、支援団体にとっても、行政の側と対応に問題があると思いまして、そういった場合は行政を批判することも中にはあったりして、対峙しなければならない場面もあるわけで、連携して一緒にという取組が、必ずしもどこでもうまくいっているというわけではありません。
 もちろん、本来は自治体と連携したからといって、その自治体の批判をしてはいけないということでもありません。しかし、実際には、当事者の立場で行政に遠慮せずに物をいう団体が、支援を必要としている方にも本当に必要な団体だと思いますし、こうした事業を利用することは、団体が難しいと、団体自体がこうした事業を難しくしてしまってはいけないなと思います。
 また、事業では、区市町村との連携を要件にしているわけですが、支援の現場を訪れる方が必ずしも一つの区市町村から来るわけではなく、幾つもの自治体につなぐ必要がある場面もあります。
 今後、再募集を行うということですが、必要な方に支援が届くようにするためにも、支援の現場の実態を把握して、どうやったら多くの団体が参加できるようにできるかという、そういった検討も重要かと思います。
 昨年の第四回定例会の代表質問で我が党は、食料支援や街頭相談の現場に足を運んで、生の声を聞くように求めてまいりました。そのときは明確な答弁はありませんでしたが、実態に合った支援にするためにも、現場の状況をよく把握して、支援団体の声を聞くように求めたいと思います。
 また、都内のフードパントリー−−こちらは子供のいる家庭に対して食料を段ボールで送っている団体のところに寄せられたアンケートなんですけれども、またこうした声を受けて、都としても検討していただきたいことを提案したいと思います。
 お米、大変うれしいです。買物に行っても単価が高いので、米や餅はなかなか勇気が要ります。子供たちはたくさんのお菓子にテンションマックスです。ちょうど年末だったんですが、こんなにたくさんの食品を提供いただき、ありがとうございます。クリスマス、お正月、笑顔で迎えられそうですと。
 また、ある方は、定期的な食料支援、米、レトルトなど保存できるもの、心理的な相談が無料でできるところがあると助かります。子育て、生活のために働くのですが、時間や体力的限界を感じて、生きることに疲れてしまうときがあります。誰か、どこかに相談したいと思っても、その余裕がなくというのが現状だったりします。今回のように、こちらの団体から荷物が届くことで、応援してもらえている、もう少し頑張ろうと思います。どうもありがとうございますという形で、東京都もおととし、子供のいる家庭に食料を配布するという事業を行われましたが、やはり、再びこうしたことを行うことが、本当にぎりぎり、心もぎりぎりといった方に対して、応援しているよというメッセージにもなるかと思いますので、ぜひ、再び食料支援を行っていただくよう重ねて求めまして、次の質問に移ります。
 今回の補正予算では、コロナ感染症対策として、感染の終息に向けた取組の予算が計上されています。初めに、保育所等におけるPCR検査の実施について伺います。
 小さな子供の感染や感染疑いは、子供本人とともに保護者の仕事にも影響いたします。高い確率で同居する家族に感染も広がります。そのため、保育所での感染拡大を防ぐためにも、陽性者が発生したら、早期に感染の連鎖を断ち切る取組が重要です。
 都は昨年九月から、保健所が速やかに濃厚接触者の特定などに入れない場合を想定して、陽性者が発生した際にPCR検査が実施できる仕組みをつくりました。しかし、予算特別委員会でも指摘しましたが、この事業で検査を実施していない自治体が多いので、ぜひ活用できるようにしていただきたいと思っております。
 保育所等におけるPCR検査の実施では、各自治体が発注できるPCR検査キットに限りがあるのですが、この上限はどういう意図で決められたのですか。

○奈良部少子社会対策部長 都は、保育所で職員や児童の感染が判明し、保健所による濃厚接触者の特定等が行われない場合に、濃厚接触の可能性のある職員等が速やかにPCR検査を実施できるよう、あらかじめ区市町村に検査キットを配布しております。
 限られた検査キットを有効に活用するため、区市町村へ配布する検査キット数の上限は−−これは区市町村にストックしておくことができる数になりますが、保育サービス利用児童数等に基づいて定めております。
 検査キットにつきましては、残数が少なくなった場合に、区市町村から申出があれば追加配布しております。

○藤田委員 上限は、ストックできる数として設定はされているけれども、必要であれば追加で配布できるということです。
 ある自治体では、上限までキットを使ったら事業は使えなくなるという認識でいました。追加で注文できることを再周知すべきではありませんか。

○奈良部少子社会対策部長 検査キットの追加配布の方法など、検査の実施に伴う具体的な手続等につきましては、これまで検査期間の延長等の際に、区市町村に繰り返し周知しております。
 今回の補正予算におきまして、七月から十月まで検査期間を延長することから、検査キットの追加配布の方法など、具体的な検査の実施方法につきましては、これまでと同様に、改めて区市町村に周知する予定でございます。

○藤田委員 改めて周知を予定ということですので、ぜひよろしくお願いします。
 また、その際に、ぜひ改善していただきたいことがあります。ある保育園で、児童の陽性者が発生した場合、都の事業を活用し、接触のある子供を広くPCR検査をして、陰性であれば登園可能という運用をしておりました。これは、都の事業を自治体の判断で柔軟活用したものです。
 都の通知ですと、検査した場合、結果にかかわらず、陽性、陰性にかかわらず七日間自宅待機することが望ましいとなっているなど、運用しづらいという声も伺っております。
 自治体の判断で広く検査できることを積極的に周知する必要があるのではないですか。

○奈良部少子社会対策部長 本事業における検査対象者は、保健所の疫学調査が実施された場合に濃厚接触者やその周辺の検査対象者と特定される可能性の高い児童及び職員としております。
 こうした方々は感染の可能性が高いため、感染拡大を防止する観点から、都といたしましては、濃厚接触者の行動制限に係る国通知を踏まえまして、濃厚接触者と同様の期間、登園を自粛することが望ましいとしておりますが、登園自粛を求めるかどうかや自粛期間等につきましては、各区市町村で判断が可能であることは通知しております。

○藤田委員 保育園は、今、必ずしもかなり広いところばかりではなくて、建物の一室だったりとかする場合もあります。今のオミクロン株の状況ですと広く検査をしなければいけない、つまり、濃厚接触者が一部に特定されるということもなかなか難しいわけです。そうなると、今おっしゃったように、濃厚接触者に準ずる人だけを検査すればいいということにならず、自治体等の判断で柔軟に広く検査をするということもあり得るわけです。
 そうした場合に、都の通知には、判定結果にかかわらず、原則、濃厚接触者と特定された際の自宅待機期間と同様の期間、登園自粛が望ましいと考えられますという記述がされておりまして、そうなりますと、記述を指して、登園自粛を求めるかは上記を踏まえてご判断くださいと自治体にいっているものの、やはり多くの自治体は、これを読んだら、検査したら登園自粛にしなきゃいけないと判断すると思うんです。
 ある自治体では、自治体の判断で検査をして、みんな陰性だったら休園の期間を短くするという、そういった柔軟な対応も行っていました。
 三月の予算特別委員会でも活用の少なさを指摘しましたが、昨年度に都が配布した検査キットで活用されたのは僅か一五%でした。さらに、今年度は配布数自体が五百四十個しかない上に、これまでに活用したのはたった九%ということです。
 一人でも陽性者が出たときにクラス全体の検査を行うことに活用できるなど、柔軟な運用ができることが重要だと思います。保護者は、どこで検査が受けられるのかなど、心配をしなくても済むようになります。
 ぜひ、検査の実施方法について改めて区市町村に周知する場合には、検査の対象者を一律に登園自粛が望ましいとしている、こうした対応を改めて、濃厚接触候補者に限らず広く検査することも想定して、自治体が柔軟に対応しやすい記述を心がけていただきたいと思います。
 次に、濃厚接触者に対し、抗原検査キットを配布する事業に関連して伺います。
 都は、この事業とは別に、医療機関における無症状濃厚接触者への受診前のPCR検査キットの配布を行っていましたが、これはどういう目的で始めたのですか。また、配布実績と検査実績を伺います。

○山本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 第六波での感染急拡大に伴い、診療・検査医療機関への受診、検査の集中を緩和する目的で、臨時的な対応として、無症状の濃厚接触者が受診前に検査ができるよう、水際対策のため、あらかじめ確保していたPCR検査キットを医療機関を通じて配布いたしました。
 都から医療機関に配布した総数は九千六百九十、医療機関が濃厚接触者に配布し、検査に使用された実績は四千七十七でございました。

○藤田委員 濃厚接触者へのPCR検査キット配布事業の評価についても、併せて伺います。

○山本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 本事業の実施に当たり、無症状の濃厚接触者が受診前に事前に検査するためのPCR検査キット配布について協力いただける医療機関を募集しまして、三百七十か所から協力の申出がございました。
 濃厚接触者が自宅で検査をし、結果が陽性となった場合に診療・検査医療機関を受診することで、受診の集中を防ぎ、医療機関の負担軽減が図られました。

○藤田委員 医療機関の負担が軽減できたという評価だということです。
 PCR検査の精度が高いことも重要ですし、そもそも無症状の方への検査はPCR検査で行うべきです。無症状でも検査ができるよう、濃厚接触者へはPCR検査キットを配布すべきと考えますが、いかがですか。

○徳弘新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 現在実施しております濃厚接触者への検査キット配布事業では、医療機関への受診の集中を緩和し、必要な方が確実に医療機関を受診できるようにすることを目的といたしまして、無症状の濃厚接触者を対象に抗原定性検査キットを配布しており、自宅待機期間中に症状が現れた場合に、自ら検査していただくこととしております。
 PCR検査は、検体の回収が必要であり、検査時間も長く結果が判明するまでに時間を要するのに対しまして、抗原定性検査は、その場で簡便かつ迅速に結果が判明いたします。このため、受診前に結果が判明する抗原定性検査キットを配布しているところでございます。

○藤田委員 先ほどの答弁と矛盾をしているんですよね。PCR検査でも、医療機関への集中が防げて負担軽減につながったと評価していました。そもそも、時間を要するといいますが、PCR検査は無症状でもすぐに検査ができます。一方、答弁にもありましたように、自宅待機中に症状が現れた場合に抗原定性検査は行う、症状が出るまで待つということになりますから、PCR検査の方がむしろ早いのではないかと思います。
 やはり、初めから精度の高いPCR検査キットを配布しておいた方が、結果的に感染防止につながります。濃厚接触者に対してPCR検査キットを配布するということは、既に行ったこともありますので、実施可能なことは分かっておりますし、実際、効果もあったわけですから、配布を再び行うよう改めて要望いたします。
 今回の補正予算では、検体検査機器設備整備費補助事業の拡充として約六十億円が計上されましたが、この積算根拠を教えてください。また、拡充する意義と、これにより検査能力がどれだけ増えると想定しているのか伺います。

○山本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 本事業は、これまで民間検査機関や大学病院等に対して補助しておりましたが、今回、新たに診療・検査医療機関を補助対象といたしました。予算規模は、過去の実績単価、診療・検査医療機関の検査実績等を参考に積算いたしました。
 自ら検査、分析まで行える医療機関が増加することによりまして、検査体制の強化につながります。なお、具体的な規模等につきましては、予算成立後に募集を開始し、医療機関へ機器購入の意向を確認しながら進めてまいります。

○藤田委員 医療機関に器械があれば、検査機関に検体を送る必要がなくなりますから、迅速に正確な結果が出ます。PCR検査の課題解決のために、とても有効な事業だと思います。また、その分、民間検査会社の検査能力は、無症状の方のスクリーニング検査などに活用できるようになるということです。
 改めて提案したいと思うのですが、ぜひ、都が独自に施設などに行っている集中的検査をPCR検査で実施していただくように要望いたします。
 最後に、医療機関に行っている受入れ謝金と高齢者施設などへの対応について質問いたします。
 第六波でも、医療機関が逼迫して入院が受けられなくなる事態が各地で起きていました。感染の急拡大を招かない対策として、検査体制の強化が重要です。あわせて、医療機関の体制強化と高齢者施設の事業継続が必要だと思います。
 今回、感染症疑い患者一時受入医療機関受入謝金等交付事業については、七月から十月までの期間延長の補正予算として二百十四億円が計上されましたが、これはどういう目的のものですか。また財源はどのようになっていますか。加えて、これまでの実績についても伺います。

○山本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 本事業は、新型コロナウイルス感染症等の患者を受け入れる医療機関に対して、謝金や患者の転院に係る移送経費を支払うことによりまして、患者の受入れ促進を図る事業でございます。謝金の額は、陽性患者、疑い患者等により異なりまして、例えば陽性患者の場合には、受入れ患者数に応じ、一人当たり一日二万円から三万円の謝金を支給いたします。
 財源は、患者の受入れ謝金は一般財源であり、転院に係る移送経費は国の交付金の対象となっております。本事業の令和三年度の支給実績は、約二百十三億円でございます。

○藤田委員 医療機関への受入れを促すためにということで、患者の受入れ謝金は一般財源、すなわち都独自に、一人当たり一日当たり二万円から三万円を支給しているということです。
 また、支給する期間については、今答弁にはなかったんですが、お話を伺った中では、期間は定めていなくて、病院の方に患者の病状に応じて支給しているという説明がありましたので、支給期間の決まりはないというお話でした。
 また、今回の補正予算には、これまでの謝金に加えて支払うというものとして、要介護高齢者の受入れ促進事業が新規で計上されています。補正予算額は約三億円です。
 この事業の意義と財源についても伺います。

○山本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 要介護高齢者の受入れ促進事業は、介護度が高いコロナ患者を受け入れる医療機関の負担を軽減するため、先ほど答弁いたしました陽性患者の受入れ謝金に二万円の加算を行うものでございます。
 財源は一般財源でございます。

○藤田委員 これも都が独自に患者さんの受入れ謝金を、二万円から三万円に加えて、一日につき二万円を加算するというものです。
 第六波では、救急車の受入れが非常に厳しくなり、受入れ困難となるキーワードとして、要介護の方が挙げられていました。こうした教訓を踏まえた事業だということだと思います。
 同時に、入院が難しくなった要介護高齢者、特に高齢者施設の入所者は、陽性になってもそのまま施設での療養を余儀なくされるケースが相次ぎました。その場合の対応として、厚生労働省をはじめ、全国で施設への医療支援を強化する対応が取られ、東京都も同様に、今回の補正予算でも施設への支援というものが含まれています。これは現実的に必要な予算ですし、重要だと思います。
 一方で、施設に留め置かれることに対して、東京都医師会は、四月十二日の会見で懸念を示しています。クラスター化を起こした高齢者施設では、ADL、体の生活をする能力が落ちないかといったら、否であります。クラスターが終了してほっとしていた施設で、通常営業になって何が起こっているかというと、転倒者の連続です。転ぶということですね。高齢者施設においてもADLが下がるというのは当たり前というものです。
 資料にも、クラスター化した施設では、利用者のADL低下、認知機能の低下が認められていると書かれています。この指摘をどう受け止めますか。

○花本高齢者施策推進担当部長 都は本年四月七日に、東京都社会福祉協議会、東京都老人保健施設協会、全国有料老人ホーム協会などの事業者団体それぞれと、施設内療養における課題や必要な体制の確保などについて意見交換を行っておりまして、入所者のADL低下などの状況についても伺っております。
 これを踏まえ、東京都は、施設内療養を行った高齢者施設を対象に、療養期間終了後、速やかに入所者が日常生活を取り戻すための支援策として、リハビリテーション職員派遣事業を開始しております。

○藤田委員 施設内療養でも運動機能などが低下する実態について把握しているということでしたが、都が実施する施設へのリハビリテーション職員の派遣というのは、ご答弁にもありましたが、施設内での感染が全て収まってからしか活用できないというものになっております。
 施設内療養でも、運動機能は維持しにくいということです。そもそもADLというのは落ちないようにすることが重要ですので、早期に介入する、始めるということが大事なわけです。
 さらに、施設でのゾーニングの難しさや医療体制の弱さを考えると、特に衰弱しやすい高齢者は、入院を原則として、病院での早期からのリハビリ体制の確保を進めるべきであると指摘しておきたいと思います。
 医療機関でも、やはりリハビリ士が少ない体制に問題があることや診療報酬がつかないという問題もありますので、こちらも体制を確保しないと早期にリハビリができないという課題もあります。高齢者のケアのためにも、医療提供体制を重視するためにも、入院を原則としていただきたいと思います。
 一方で、第六波では、施設内での療養が増加したことで、高齢者施設などでは経営的に大きな負担となっています。
 施設内で感染が発生すると、併設するショートステイや通所リハビリの利用を制限せざるを得なくなります。一日三十名定員で通所を行っていた事業所では、クラスターの発生により、一か月に五百万円の減収となりました。八十名定員の老健でも、併設する通所リハビリを一時閉鎖したことなどで、月に一千四百万円の減収となりました。
 国は、サービス提供体制確保事業の中で幾つか助成を行っていますが、施設による上限額も設定されておりますので、減収に対しては焼け石に水といった状態です。
 施設内感染によって、多くの介護施設が経営困難となることをどう受け止めていますか。都として、国に対し介護報酬の減収補填を求めるべきだと思いますが、いかがですか。

○山口高齢社会対策部長 施設内感染の発生により、通常のサービス提供では想定されない費用負担や併設する在宅サービスも含めた利用者の減少による収入減など、高齢者施設等の収支への影響が懸念されます。
 このため、介護報酬の仕組みの中で、通所介護や通所リハビリテーションにおいて、感染症等を理由とする利用者数の減少が一定以上生じている場合には、基本報酬への加算などの措置が設けられております。
 国は、介護報酬の次期改定に向け、介護施設事業所の経営状況を把握するための調査を既に開始しておりまして、こうした国の動向を注視してまいります。

○藤田委員 国の調査は介護報酬の改定に向けたものですから、二年後までは対応にはつながらないというものです。早い対応とするためにも、都として、都内の高齢者施設の経営状況を把握することを併せて求めておきたいと思います。
 また、先ほどの質疑では医療機関に対する謝金についても伺いましたが、高齢者施設でも類似の事業があるということを伺いました。
 都が実施している介護施設等のサービス提供体制確保事業では、高齢者施設に陽性者を留め置いた場合に、施設に対して助成金を支給していますが、この意義と、これまでの支払い実績、また財源についても伺います。

○花本高齢者施策推進担当部長 介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業では、施設内療養を行う場合に発生する通常のサービス提供では想定されない業務を行うなどの追加的な手間について、療養者ごとに掛かり増し費用を補助しております。
 具体的には、施設内療養期間中に一人につき一日一万円を最大十五万円まで補助しており、本年一月二十一日からは、一定の要件を満たす場合には一日二万円、最大三十万円に上限額を引き上げております。
 本補助制度は、国三分の二、都三分の一の負担割合で設置している地域医療介護総合確保基金を財源としております。
 令和三年度における年度末までの申請分に対する支払い実績は、特別養護老人ホームが九十五施設で約一億一千百八十万円、介護老人保健施設が三十五施設で約七千七百八十八万円などとなっております。

○藤田委員 コロナ陽性者の受入れ謝金は、医療機関の場合ですと、一日当たり二、三万円に加えて、高齢感染者の場合は二万円上乗せされておりますので、一日一人当たり四万円から五万円が支給されます。しかも、支給対象期間は患者の状態に応じていますので、上限はありません。
 一方、高齢者施設の場合は、一日一万円、最大十五日となっていて、同時に複数の療養者がいる場合とか緊急事態宣言などの要件を満たした場合には、一日二万円になるというものです。
 国は、介護施設等のサービス提供体制確保の中の感染対策等を行った上での施設内療養に要する費用、今ご答弁していただいた事業なんですが、これについて、通常のサービス提供では想定されない追加的な手間について費用を助成するとしております。
 しかし、入所施設は、コロナ陽性者を診ていく体制も環境も整っていないので、追加的な手間といっても、職員の負担は非常に重たくなります。都医師会は、留め置くことで多大な経費負担になるにもかかわらず、経済的支援が乏しいと指摘をしています。
 大阪府では、国の事業に対して一万円上乗せして支給をしているんですけれども、都としても、国事業への上乗せを実施すべきと思いますが、いかがですか。

○花本高齢者施策推進担当部長 都は、施設に対する掛かり増し費用の補助のほか、高齢者施設に不足している医療提供体制の確保を図るため、独自に、施設の配置医師や併設医療機関の医師等が、施設内で二名以上陽性者が発生した場合において施設内療養者の診療を行った際に、都が当該医師に協力金を支払う事業を実施しておりまして、具体的には、患者一人につき往診一回一万五千百八十円、夜間休日の緊急対応を行った場合には、患者一人につき往診一回一万八千七百円を支給しております。

○藤田委員 施設の減収から見ても、これも焼け石に水です。しかも、今答弁のあった補助金は、あくまで往診に対するものですから、謝金のようにはなりません。
 高齢者施設の職員は、もともと処遇が低いために人手不足が深刻となっている現場です。本当に事業継続が必要だということでしたら、都内の高齢者施設がコロナをはじめとした困難でどのような影響をどれだけ受けているのか、都として調査をして支援を強化することが求められていると思います。
 私が伺った施設のお話でも、こうした今回のウクライナの状態で電気代やガス代が値上がりして、月に何十万円も、さらに今まで以上に出費が増えるというお話も伺いました。
 補正予算の目的も、ウクライナ危機を発端とする原油、原材料価格の高騰や円安の進行に伴う物価高騰などの影響を踏まえて都民生活を守るというものですから、そうであるなら、それぞれの現場が本当に求めていることは何なのかを現場に足を運ぶことも行いながら把握して、深刻な実態に見合った支援を行っていただくよう改めて求めまして、質問を終わります。

○おじま委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時四十八分休憩

   午後四時五分開議
○おじま委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○関口委員 よろしくお願いします。補正予算について伺ってまいりたいと思います。
 コロナ禍は、もともと苦しい生活をしていた方々をさらに厳しい状況に追い込み、さらに原油や原材料価格の高騰、円安の進行に伴う物価高騰の影響などによって、都民生活は追い込まれています。
 補正予算を提案するなど都民生活を守る取組を打ち出していますが、その規模はほかの予算と比べても小さく、生活危機に瀕する都民に十分に寄り添った内容とはいえないと思っております。
 福祉保健局における補正予算では、原油、原材料価格、物価高騰等対策として、都民生活を守る取組の一つとして、デジタル機器導入による民生・児童委員活動支援事業があります。
 民生児童委員の皆様には、最大限の感謝を申し上げたいところでありますが、しかし、このデジタル機器導入の予算、これは予算額としては約十一・三億円でありまして、都民生活を守る取組としての項目では最も高額であります。
 先ほど他の委員からも指摘がありましたが、都民生活を守る取組、これは約十七・五六億円の予算であります。そのうちの約六四%を占めるのが、このデジタル機器導入の予算だというところであります。
 本来であれば、原油、原材料価格、物価高騰等対策として、都民生活を守る取組をうたうのであれば、やるべきことがある、予算をつけるべきところがあるということを強く思うわけであります。
 都の見解を伺うとともに、今回、なぜ補正予算にデジタル機器導入による民生・児童委員活動支援事業が必要であったのか伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 都は、生活困窮や孤独、孤立等に悩む方々の相談支援の強化など、コロナ禍から厳しい環境が続く都民生活を守る取組として、必要な経費を当初予算や追加補正予算に計上してございます。
 長期化が懸念されますウクライナ危機を背景といたしまして、民生委員、児童委員の役割はますます重要となっていますことから、今回の補正予算案では、さらに地域における相談支援の強化に取り組むことといたしました。

○関口委員 今ご答弁をいただきましたが、民生児童委員の役割が重要になっている、地域における相談支援の強化の取組が重要であるといったことに、別に異論を唱えるわけではありません。同意はするものの、しかし、なぜデジタル機器導入が、都民生活を守ることになるのか、その論理の構築が、私が理解に苦しむところでもあります。
 先ほど多くの委員から、この事業のスキーム、スケジュール感であったりとか、様々質問がありましたので、質問通告していたものは質問いたしませんけれども、民生児童委員協議会により構成される民生児童委員連合会を通じてデジタル機器が導入される予定であり、本予算が成立後、速やかに対応していくということで、先ほどやり取りがございました。
 しかし、このデジタル機器を導入して具体的にどのような活用をされるのか、そして、民生児童委員の業務というものがどのようにして改善をされるのか、そこについてまず伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 民生児童委員は、高齢者や障害者、ひとり親家庭など、地域で援助を必要とする人を把握し、日常的な見守りや相談支援、関係機関への橋渡しを行うなど、地域福祉の推進のために重要な役割を担っております。
 本事業によりまして、デジタル機器を活用し、支援に必要となる情報を入手することや、また研修や会議にオンラインで参加することで、地域における相談支援の強化を図ってまいる、そういうことでございます。

○関口委員 今ご答弁がありましたが、デジタル機器を活用して、支援に必要となる情報を入手することや、研修や会議にオンラインで参加するといった旨を確認いたしました。そして、先ほど多数の委員から質疑がありまして、高齢者対策も必要だということで、研修の重要性も問われておりました。
 しかし、私は、支援に必要な情報を入手することやウェブ会議というのは、現時点でデジタルデバイスを活用している方々であれば、自前のもので既にできていることではないかということを感じるわけでもあります。しかしながら、ご丁寧に一人一台、約十万円程度のデバイスを配布するということになっていることも、少し疑問に思うわけであります。
 さらにいえば、今直面しているこの危機に対して、デジタルデバイスを配布する、民生児童委員の全体のデジタル活用を底上げすることは大事だと思うんですが、しかしながら、高齢者に対しての研修を行うことで、使いこなすまでにはやっぱり時間がかかるということを思うわけであります。
 ですから、私は、今回この大きな枠組みの中で、そして生活の支援をするという補正予算の中で、この事業が補正予算の中で大きなウエートを占めている、それがあまり理解ができないわけであります。
 例えて申し上げれば、この事業自体が補正予算ではなくて、一から構築をしていくという、例えば今年度の当初予算として組まれるのであれば、まだ理解ができるんですけれども、なぜこのタイミングなのかということが理解ができないというところなんです。
 本来であれば、百歩譲って、私はデジタル機器を今導入することを理解できないということを申し上げましたが、デジタル機器を導入するのであれば、生活困窮者などに対しての訪問件数や支援ケースを増加させる積極的なアプローチに活用すべきではないかということを思うわけであります。
 例えば、民生児童委員の皆さんは、報告書を作成したりですとか、そういったところの軽減のためにこのデジタルデバイスを使うとか、あるいは、やっていただいている業務の簡素化のためにこういったデバイスを使う、そういうことで積極的なアプローチをかけていただくということに、本来このデジタル機器が導入されるべきだと考えます。
 さらにいえば、デジタルデバイスを使うのであれば、民生児童委員の皆さんが現場で得た情報というものを広く共有する、そして、基礎自治体であったり、あるいは東京都の方に、しっかりその情報がフィードバックされるべきと考えますけれども、都の見解を伺います。

○高橋生活福祉部長 本事業は、訪問件数等の増加を単純に求めるものではなく、民生児童委員の日々の活動の負担を軽減し、様々な相談にきめ細かく対応できるように支援するものでございます。
 具体的には、デジタル機器を活用し、支援に必要となる情報を入手することや、研修や会議にオンラインで参加することなどによりまして、地域における相談支援の強化を図っていくことでございます。
 また、民生児童委員は、協議会として地域の実情に応じた活動をしており、デジタル機器を利用した活動例につきましては、協議会ごとの取組を共有することで効果的な支援につなげてまいりたいと思っております。

○関口委員 東京都議会立憲民主党は、さきの代表質問で、多くの都民がコロナ禍と物価高に苦しむ中にあって、賃金の引上げであったり、非正規雇用の正規化であったり、家賃補助などの取組を着実に進めるべきと考え、知事の見解を伺ったわけであります。
 そこで、知事の答弁として出てきたものもこのデジタル機器の導入でございまして、物価の高騰が多く都民に影響を及ぼしていることに触れ、今回の補正予算では、この取組を強化していくということで答弁をされているわけです。
 本来やるべきは、先ほど申し上げましたが、やはり雇用の問題であったり、あるいは家賃補助の問題であったり、しっかり都民生活のお財布、そして生活に直結するような支援ではないかということを強く指摘したいということとともに、先ほど私が申し上げましたけれども、デジタル機器を導入するのであれば、本来はもっとあるべき姿があるだろうと。そういったことをぜひ、今後、都としては検討いただきたいと思います。
 続いて、酸素・医療提供ステーションについて伺ってまいります。
 これは、私の地元の杉並区で実際に区民の方から聞いたお話であります。その方は、精神障害を抱えている方でいらっしゃいまして、精神科病院で陽性が反応したと。しかし、その精神科病院ではコロナの療養ができませんので、自宅療養に移ったと。最初の方は別に症状は重くはなかったそうなんですが、途中で体調が悪くなったと。救急搬送されて行き着いたのが酸素ステーションだったということであります。その方が救急搬送で酸素ステーションに向かったものの、精神障害を抱えている方ですから、日常的に使用しているお薬を所持していなかったということで、酸素ステーションにたどり着いたものの療養ができず、そのまま酸素ステーションからハイヤーに乗って自宅に戻ったということを伺いました。そして、大変残念なことでありますが、翌日お亡くなりになりました。
 私は、この一連の流れ、そのほかにもまだ先がありまして、いろいろあるんですけれども、ただ、この酸素ステーションで、しっかりそのとき、お薬を所有していなかったということも大きな理由ではあるんですが、そこで何かかしら細かいやり取りがあれば、そして寄り添った対応があれば、この方の命はもしかしたらなくならなかったかもしれないということを強く思ったわけであります。
 そこで、確認の意味も踏まえて質問いたしますが、新型コロナに感染をした方が酸素・医療提供ステーションへ案内される場合、どのような対応になるのか、まず伺いたいと思います。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 酸素・医療提供ステーションでは、軽症者等を入所の対象としており、救急隊などからの要請を受けた段階で、酸素飽和度や発熱等のバイタルサイン、持病や服薬の状況、ADLといった本人の状態を確認しています。
 また、酸素・医療提供ステーションで対応できる医療の内容や常用している薬の持参、病状急変の場合は転院となることなどを説明しています。
 受入れ予定者が酸素・医療提供ステーションに到着した際には、受付でバイタルサインの計測や症状を確認の上、医師が医学的見地に基づき、総合的な受入れ判断を行っております。

○関口委員 では、先ほど私が冒頭に申し上げたあれですけれども、酸素・医療提供ステーションに行ったものの、入所に至らなかったケースにはどのような場合があるのか、具体的に伺いたいと思います。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 入所に至らなかったケースといたしましては、到着時に受付でバイタルサインやコロナの症状を確認したところ、要請時と異なり、搬送中に酸素・医療提供ステーションの受入れ要件より症状が重くなり、医師が受入れ困難と判断した場合があります。
 また、強い頭痛や胸痛があるなど、精密検査や積極的な治療を必要とするため、病院への搬送が適していると医師が判断した場合などがあります。

○関口委員 今ご答弁もいただきましたが、やはり酸素・医療提供ステーションでは薬の処方ができないということで、お話を伺うところによると、簡易的な薬であればあるそうでありますが、精神障害を抱えている方のお薬であったりとか、あるいは、その方に合ったお薬を処方している場合は、薬の処方ができないからお帰りいただくことがあるということでご答弁をいただきました。
 例えばなんですけれども、今回のケースで考えられれば、酸素ステーションに至った、薬を持っていなかったから、そこからハイヤーで自宅に戻った、家に戻ったのであれば、そこから薬を持ってもう一回酸素ステーションに行くこともできたんじゃないかということを考えるわけであります。
 そういった観点もありますし、今回、私が一つの聞いたお話として挙げたのは精神障害を抱えた方でありますけれども、このお話は第六波のときでありましたので、現場も大変大混乱をしていたと思いますし、どこの皆さんも本当にせわしない中で動いていたのはもちろん重々承知はしますけれども、しかし、精神障害を抱えている方というのは、なかなかアナウンスをしたとしても、そのときには忘れてしまったりとか、細かい配慮が必要な方々というのはやはりたくさんいらっしゃると思います。ただでさえコロナになって動揺している方々も多くいらっしゃると思います。
 そういった観点から、酸素・医療提供ステーションの運営に当たっては、しっかり利用者に寄り添った丁寧な対応をすべきだと考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 酸素・医療提供ステーションの運営に当たりましては、対象者が円滑にご利用いただけますよう、入所の要件や療養環境等についてご本人へ分かりやすく説明するとともに、高齢者など個別の状況に応じた配慮が必要な場合には、区市町村等と連携し丁寧に対応しております。
 また、症状が悪化した場合など酸素・医療提供ステーションで対応できない方に対しては、必要な医療を受けられるよう、保健所等と連携して入院調整などを図っております。
 さらに、利用者のニーズを踏まえまして、シャワー設備の整備により、二泊以上の滞在を可能にするとともに、投薬種類の拡充、刻み食などの食事の多様化など、機能の充実に取り組んでまいりました。
 引き続き、利用者へ丁寧な対応を行ってまいります。

○関口委員 今ご答弁いただきましたけれども、その施設で対応できない方に対しては、必要な医療を受けられるような体制をしっかり構築していただきたいということと、一人一人に寄り添って、その方のために創造力を働かすということも重要だと思います。そこのところをぜひお願いをしたいと思います。
 現在は、第六波ほど酸素ステーションの稼働が高いとは思いませんけれども、恐らくこれは、一つの側面を今回私が切り取ってお話をしただけでありまして、いろんなコロナの現場で同じような話が、あるいは、いろんな様々な角度から、なかなか思いどおりにいかなかったとか、それがきっかけでお亡くなりになってしまった方々も多くいるということに、ぜひ心を寄せていただきたいと思います。
 続いて、新たな高齢者等医療支援型施設について伺います。
 今回の補正予算で、新型コロナウイルス感染症対策として、新たな高齢者等医療支援型施設の設置・運営が盛り込まれていることは、高齢者施設での感染拡大の防止や病院などの負担軽減のためにも重要だと考えています。
 しかし、新たに施設を設置するに当たっては、現在、施設に打診しているかと思います。全く空いている医療施設であったりとか、高齢者施設などは多くありません。そうした場合には、入院や入所をしている方々がいらっしゃると思うんですね。入院や入所している方や、あるいはご家族に対して、この事業のご理解を求め、転院や転所などに十分な配慮が私は必要だと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

○山田酸素・医療提供ステーション担当部長 重症化リスクの高い高齢者を守るとともに、高齢者施設の安定的な運営を確保するためにも、高齢者等医療支援型施設の新たな設置運営は重要でございます。
 都はこれまでも、荒川区内の旧東京女子医大東医療センターの跡地を活用した高齢者等医療支援型施設などにおいて、治療や介護に加え、退院後に元の生活に戻るために必要なリハビリテーションを行ってまいりました。
 新たな高齢者等医療支援型施設の設置に当たって、既存の施設を活用する際には、その施設の実情を踏まえ、入院や入所をしている方々、またそのご家族の方々に事業の趣旨をご理解いただき、転院、転所に当たっては、施設運営者と連携して丁寧に対応してまいります。

○関口委員 今回、新たな高齢者等医療支援型施設ということで、赤羽の酸素・医療提供ステーションを転用するケース、こういったケースに関しては問題ないかと思うんです。ただ、新たに設置をする場所−−医療機関であったり、あるいは高齢者施設であったり、そういった実際に入っている方々が、転院、転所に当たって上手な調整ができていないんじゃないかという話も伺っているわけでありまして、最後にご答弁もいただきましたが、ぜひ丁寧な対応、そして施設としっかり連携を図って進めていただきたいということを最後に申し上げまして、質疑を終わりたいと思います。

○上田委員 それでは、福祉保健局部分の補正予算について、私もたださせていただきます。
 最初に、こころといのちの相談・支援東京ネットワーク事業でございます。三千万円です。
 コロナ禍の前と、そしてその後の自殺の状況について対比をさせていただきたいということで、資料の9、九ページの方で出させていただいております。令和元年の全体総数は千九百二十名から二千十五名、男性は千二百七十九から千二百八十九、女性は六百四十一から七百二十六と女性の増加が顕著であり、男性は、やはりそもそも多いというのが数字で見て取れます。
 これまで当初予算で講じてきた同事業の有効性と成果が表れているのか、今回、補正予算をつけるに当たりまして、その分析と課題をご説明ください。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 こころといのちの相談・支援東京ネットワーク事業におきましては、未遂者支援事業やウェブ広告普及啓発事業、インターネットを活用した検索連動型広告などを実施しております。
 このうち、ウェブ広告普及啓発事業におきましては、SNS上にゲートキーパーの重要性を啓発する広告を掲載しておりまして、令和三年九月から令和四年三月までのツイッターにおける広告クリック数は二万二千五百二十一件、LINEにおける広告クリック数は五万六千九百八十七件でございました。
 また、検索連動型広告につきましては、令和三年八月から令和四年三月までに広告が閲覧され、かつ実際に相談行動につながった件数は八千六百二十件でございました。
 自殺は、その多くが追い込まれた末の死でございますことから、悩みを抱える方を社会全体で支えますとともに、悩みを抱える方に効果的に訴求できるキーワードや相談行動を促す広告文等を明らかにしていくことが課題であり、今般の補正予算に関係経費を計上しております。

○上田委員 電話だとつながらないこともあって、いろいろクレームというか、ご相談もいただきましたが、多様な窓口を設けているということを確認できました。これは、ほかの会派の委員も非常に熱心に取り組んでいるので、オール都議会で関心を高めてまいりたいと思います。
 次に、デジタル機器導入による民生・児童委員活動支援事業、十一億円でございます。
 そもそも民生児童委員は、一般都民の善意に基づいたボランティア活動です。厚生労働省は、民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、社会福祉の増進に努めている方々であり、児童委員を兼ねていますとし、都は、民生委員、児童委員は、社会奉仕の精神を持って、常に住民の立場に立って相談に応じ及び必要な援助を行う無報酬のボランティアです。また、福祉事務所や児童相談所など行政の協力機関としても様々な活動を行っていますとしております。
 今回、十一億もかけてデジタル機器をお配りになるということでございますけれども、私の方で調べさせていただきました充足率の推移、資料の一〇ページですけれども、九三%ということなんですが、これは多分、登録している方で九三%で、結構、要支援の民生委員さんもいて、実際あまり動けていない方も含めると、多分、一割近くが欠けているのではないのかなというふうに思っております。
 この慢性的な不足状況の方が、デジタルよりも先だと私は思うんですけれども、まずは、この件に関してどのような対策を講じてきたのか、課題と今後の対策を伺います。

○高橋生活福祉部長 民生委員、児童委員の活動する地域では、住民の高齢化、町会、自治会への加入率の低下などが見受けられるほか、民生児童委員の役割、活動の認知度が低いことや、活動が大変というイメージが先行しておりまして、担い手の確保が難しくなっております。
 このため、令和元年度からは、委員の再任の年齢を七十三歳未満から七十五歳未満に引き上げたほか、委員候補者の推薦に当たって、町会や自治会での働きかけなど、区市町村が工夫をしている事例の情報提供や住民向けの民生児童委員活動のパンフレットの作成など、区市町村の取組を包括補助により支援しております。
 さらに、本年五月には、若い世代に向け委員の存在や活動内容を知ってもらうため、SNSを活用した広報も実施しているところでございます。

○上田委員 七十五歳に緩和したということですけれども、そもそも私、これ条件がちょっと厳しいんじゃないかと思っております。要求資料でも選任に係る要件って、例えば、社会奉仕の精神に富み、人格識見ともに高く、生活経験が豊富、地域の実情に精通し、かつ地域住民の信望がありというところなんですが、信望があるかどうかってどう判断するのというふうになってくるんです。
 江戸川区に放課後事業ですくすくスクールというのがありまして、地域のボランティアがサポーターということで入るんですね。普通のお母さんとして、当時、私は議員ではなかったんですが、江戸川ワークマムという保育園開所をする団体を立ち上げて、ゼロ歳児保育をというような市民活動をしていたのが災いしてか、普通に申し込んだら落っこちたんです。そしたら、一応上田家って、もうずっと江戸川区に住んでおるものですから、町会のご紹介を通して申し込んだら入れたということもありまして、結構その町会の−−青年会があったり、老人会があったり、町会の人の推薦的な、そういったものでオーケーが出ないと、例えば新住民で精力的にやりたい、様々な市民活動をされている方なんかは、なりたくても結構落とされてしまったというようなことも散見されて、町会任せの恣意的な人選が散見されているように思っております。
 その点の見直しなども、当然、皆さんご存じのことだと思いますが、議論はなされてきたのか、確認させていただきたいと思います。

○高橋生活福祉部長 都は、国の民生委員・児童委員選任要領を踏まえまして、東京都社会福祉審議会民生委員審査専門分科会に諮り、社会的要請に即応した適格な候補者を選出するため、一般的な基準として選任要綱を定めております。
 この選任要綱では、民生委員の適格要件として、社会奉仕の精神に富み、人格識見ともに高く、生活経験が豊かで、民生委員の活動に理解と熱意があることなどを定めております。
 区市町村民生委員推薦会では、都が定めた選任要綱を基に、候補者を東京都知事に推薦し、都は、東京都社会福祉審議会での諮問、答申を踏まえて、厚生労働大臣に推薦しているところでございます。

○上田委員 制度がそうしてあるのは知っていますけど、運用のところで、好きだ嫌いだになってしまう、新住民だとか、あいつはみたいなことになるので、もうちょっとそちら、川下の方に下りていっていただいて、抜本的に足りないというところにアプローチをしていただきたいというふうに思います。結構ハードルを下げるだけでも、若い世代も入ってくるというふうに私は思っております。
 一方、都は、この民生委員さんの活動費、令和二年度は十一億二千七百万円補助負担をしております。ざっくりちょっと記憶しているのは、一人月額八千六百円と決まっているはずですが、多少変わったかもしれませんが、これが満額委員に支払われず、その支払い方も手元に残る金額も、自治体で違うという現状があります。
 例えば江戸川区では、ちょっと前の調べですが、江戸川区民生児童協議会費一千八百円、各地区協議会の会費が違うそうですが、およそ約三千円の地区会費が差し引かれ、手取り月額は三千八百円から四千円、豊島区では互助共励会費一千二百円、地区会費千円が差し引かれ、手取り六千四百円、小金井市は三か月分を協議会費として年度の初めに徴収し、九か月分を活動費とし、手取り六千四百五十円、西東京市では協議会費八百円、互助費四百円、合計千二百円が引かれて、手取り七千四百円となっております。
 江戸川区では本来年間十万三千円支給されるはずが、手元に四万五千六百円しか残らないという実態があるばかりではなく、同じ民生児童委員であるにもかかわらず、江戸川区と西東京では月額三千六百円、年間四万三千二百円もの差額が生じております。
 江戸川区では委員ではなく地区協議会へ一括支給、地区協議会から年度末に現金で委員へ一括支払い、豊島区は四か月ごとに区から委員の口座へ直接振り込み、小金井市は年度初めの四、五、六月分は協議会費として委員には渡らず、その後、月額の八千六百円を委員口座へ市から直接振り込み、西東京は毎月市から八千六百円全額振り込んで、協議会費、互助会月会費は、年間一括で民生委員が支払っております。支払い形態も、自治体や同じ自治体でも地区協議会によってまちまちとなっているんです。
 大分前になりますが、平成二十年に兵庫の民生委員らがこの交付された補助金−−活動費です−−を連合会でプールして、研修目的で温泉など行って、宴会を伴う旅行を繰り返し、観光で過去四千万円も使う不正使用が報道されたことも記憶に残っているところです。
 増える独居老人、複雑化する現代家庭においても、民生児童委員の負荷は年々重くなっております。時間拘束に伴い、経費も発生するものです。どなたか委員も指摘していましたが、携帯電話代金も大きな負担になっております。
 厚生労働省の見解では、活動に係る実費で目的外使用は不可とされておりますことからも、東京都として、この支給額の自治体間格差是正と不正の温床にならぬためにも、天引きされる地区会費の在り方並びに天引きに係る条例などが存在せず運用していることの問題意識を持っていただきまして、こちらについての所見、課題認識をいただきたいと思います。

○高橋生活福祉部長 民生児童委員は、民生委員法などにより、民生児童委員協議会を組織することとされておりまして、協議会として、地域の実情に応じて会議や研修等を行っているところでございます。
 民生児童委員の活動費は、活動に要した実費を弁償するためのものでございまして、民生児童委員本人に支払われるのが原則でございますが、協議会が行う活動に要する費用を民生児童委員に説明し、了解を得た上で活動費から充当することは、徴収方法として問題はないものと考えております。
 さらに、令和元年には、各区市町村民生児童委員主管課長宛てに、活動費は実費弁償として委員本人に払われるのが原則であること及び活動費から事前に控除されている金額がある場合は、委員本人への同意、了承を確実に得ることを改めて通知したところでございます。

○上田委員 先ほど話したのは、数年前に私が文書質問でお願いしますよといったことで、改めて通知をしているということで、一歩前進されているということで評価したいと思います。
 端的に、次は、高齢化しているんです、七十三から七十五にしたわけです、これでデジタル機器−−いろいろ勉強会があるって、そんな時間ないんです、くたくたですからね。皆さん、日常の、お孫ちゃんの世話をしたり、植木にお水をやったりしながらやっているわけですから。
 その方々に、デジタル機器を差し上げることの、この事業の有効性についてご説明いただければと思います。

○高橋生活福祉部長 民生児童委員は、高齢の方も多くいらっしゃいますが、コロナ禍をきっかけに、デジタル機器を自主的に活用し、オンラインで研修や会議に参加する方も増えてきております。
 本事業は、生活困窮者等の相談支援に取り組む民生児童委員が、タブレット端末等のデジタル機器を活用して支援に必要となる情報を入手することや、研修会議にオンラインで参加することなどによりまして、地域における相談支援の強化を図るものでございます。

○上田委員 DX、DXって、副知事も知事も、もう口を開けばいっていますけれども、それよりも私は、まずこの報酬の問題を見直してほしいです。物よりお金ですよ。差し上げていただきたい。また教えるコスト、また故障するコストもあるんです。最後には、なりたい人、えり好みをしない運用を厳しく求めまして、次の質問に移ります。
 ひきこもりに係る支援事業の四千万です。
 ひきこもり人口の過去の推移について、表をつくっていただきました。コロナ禍の前と後におきまして、どのような相関関係があるのか、どのような傾向が読み取れるのか、具体的数値、データをもってご説明ください。その上で、この事業の有効性と期待されるべき成果がどう達成できるのか、所見を伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 都は令和二年度に、区市町村や関係機関等を対象に、ひきこもりの支援の現状等に関する調査を実施しておりまして、この調査結果等を踏まえ、学識経験者、当事者団体、区市町村等から成るひきこもりに係る支援協議会から提言をいただきました。
 支援協議会の提言では、新型コロナウイルス感染症の影響により、保健師等の訪問活動の減少や居場所の運営の中止などが懸念される一方、オンラインの活用によりまして、当事者やその家族の相談へのハードルが下がる可能性があるとされております。
 そのため、今回の補正予算案では、インターネットや新聞広告による普及啓発を強化し、同じ悩みを共有できる元当事者やその家族が関わるピアオンライン相談を拡充することで、当事者や家族が安心して相談できる環境を整備してまいります。

○上田委員 当初、ひきこもり状態の人数を資料要求したらば、存在しないということで、私があちこちリンク先を調べて、それに基づいて今回出していただきました。
 足立区が該当人数が二十六人、葛飾区が二十三人で、ちょうど江戸川区とほぼ同じ人口のところなんですが、江戸川区は、過日ひきこもりの徹底調査をいたしまして、二〇二一年度、七千九百十九人いたと。四十代から五十代が中心となって、十年以上が約二六%、二、三年が約二九%ということで、このぐらい悉皆調査をすることで、対象も分からないのに補助を出してもどうなのということがすごくあったんです。
 練馬区の元農水事務次官の長男殺人事件は、非常にインパクトがある事件だったと思います。長らく自宅に引き籠もっている息子さんをあやめてしまったということで、やはり教育虐待なども踏まえて、早期からの横軸の取組をお願いしたいというふうに思っております。
 次に、ひとり親家庭就業推進事業です。五千万円。
 ひとり親家庭の養育費立替え保証、ADRの現状が分かる資料をお願いしておりまして、コロナの前とコロナの後におきまして何か動きがあったのか、大変困窮しているのかどうか、こちら辺の方も調べたいということで、お答えいただければと思います。

○奈良部少子社会対策部長 都は令和二年度から、ひとり親に対して、養育費立替え保証に係る支援を行う区市町村を支援しておりまして、令和二年度は三区市が実施しております。
 昨年度からは、裁判によらない紛争解決手続であるADRの利用等に要する費用を助成する取組も支援しておりまして、養育費立替え保証に係る支援につきましては十二区市、ADRの利用に係る支援につきましては三区市が実施しております。
 なお、町村部につきましては、都が実施しております。

○上田委員 資料を見ますと、養育費立替え保証が十三、ADRは四件というふうになっておりまして、ひとり親家庭は六万七千世帯ありまして、ちょっとまだ件数が少ないのかな、まだまだ潜在人数がありそうに思うんですが、必要とする世帯は活用できているのか、今後どのように利用してもらえるのか、対策を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 先ほども申し上げましたが、本事業につきましては、令和二年度は三区市、令和三年度は十五区市が実施しており、取り組む区市は増加しております。
 区市における養育費確保の取組がさらに進みますよう、今回の補正予算におきまして、今年度については、区市負担分を全額都が負担することとしております。
 また、都におきましては、ひとり親家庭支援センターで養育費に関する相談に対応するほか、ひとり親家庭向けのポータルサイト等におきまして、養育費の取決め方法や区市町村の相談窓口等を紹介しております。

○上田委員 それで、日本は先進国の中で最も父親が養育費を払わないという中、明石市が全国初の養育費立替えとその回収、催促、不払いに対する過料の条例制定をし、二〇二〇年七月から始めております。
 養育費確保支援事業、約二千万円ですけれども、これまでどれほど支払われなかったのか、支援はどのようにして、今後、明石市の取組のようにオール東京で徹底させるために、この事業がどう貢献し得るのか、所見を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 平成二十九年度に実施した都の調査では、離婚や未婚によるひとり親で養育費の取決めをしている方のうち、養育費を受け取ったことのある方は約八割となっております。
 都は、ひとり親家庭支援センターにおきまして家事事件に精通した弁護士等による相談対応を行うほか、ひとり親向けのポータルサイトや講習会で養育費の取決めの重要性や方法等につきまして啓発をしております。
 また、令和二年度からは養育費確保支援事業を実施しておりまして、今回の補正予算では、先ほど申し上げました区市における養育費確保の取組がさらに進むよう、今年度について、区市負担分を全額都が負担することとしております。
 これらの取組によりまして、ひとり親家庭が養育費を継続的に受け取り、生活の安定を図ることができるよう支援してまいります。

○上田委員 やはり非正規で働いているシングルマザーも多いので、養育費をそもそももらえていない、受け取っていない場合もあった中では、一歩前進の事業かと評価いたします。
 次に、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金、七千万円です。
 低所得の子育て世帯数の一覧が一七ページに載っております。やはり江戸川区は四千七百七十三、足立区が五千百四十五とツートップになっているところでありますけれども、こちらの低所得とされる条件について、まず説明をいただければと思います。

○奈良部少子社会対策部長 子育て世帯生活支援特別給付金は、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中で、食費等の物価高騰等に直面する低所得の子育て世帯に対し支給されるものでございまして、対象は、令和四年四月分の児童扶養手当受給者や令和四年度分の住民税均等割が非課税である児童手当等の受給者となっております。

○上田委員 人口で多いところは多いのかもしれないんですけれども、比率的に考えてやっぱり多いところはあると思うんです。
 地域的ばらつきについて、各区市町村でこれまでどのような支援をされてきたのか伺いたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 この給付金は、区市町村ごとの受給対象者数にかかわらず、国が定める基準に該当する世帯に対し支給するものでございます。

○上田委員 この凸凹、ちょっと表を見て考えていただきまして、適正な、やっぱり必要とする区市町村には、手厚くアウトリーチをお願いしたいと思います。
 自由を守る会では、子供に係る支援、あらゆる支援策についての所得制限の撤廃を求めているところでございますけれども、この事業におきまして、ぎりぎりで対象外になってしまった家庭が一番苦労が多いと思います。
 申請が認められなかった者については、どのようなフォローを行っているのか、確認をさせてください。

○奈良部少子社会対策部長 令和四年四月分の児童扶養手当の受給対象ではないひとり親世帯の方で、新型コロナウイルス感染症による影響を受けて家計が急変し、収入が児童扶養手当を受給している方と同じ水準となっている方につきましても、この給付金の対象とはなっております。
 また、都におきましては、母子及び父子福祉資金の返済を猶予しているほか、生活資金の緊急貸付けや納税猶予など、様々な制度や相談先をまとめたサイトを運営しております。

○上田委員 いろいろ代替策を提供してくださっているようで、一安心いたしました。
 続いてコロナ対策でございます。
 PCR等検査無料化事業、二百九十二億円ですが、現在、主要駅に設置された無料検査所は、今は船堀駅もやっているんですけれども、毎回呼び込みをしているぐらいがらがらなんです。当初の需要と状況は変わってきているように思います。
 都は、公金で購入したキットの在庫管理はどのように行っているのでしょうか。

○徳弘新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 PCR等検査無料化事業では、登録された実施事業者が自ら検査キットを調達し、検査を行った実績に応じて都が検査費等を交付しており、都が直接検査キットの購入や在庫管理を行う仕組みとはなっておりません。
 なお、無料検査の実績でございますが、現在、一日の検査件数は約三万件となっておりまして、受検者数は高い水準を維持しております。

○上田委員 これまでで二百万件ということで、着々とやられていると思います。
 都は、在庫は抱えず、業者さんが使った分だけ交付をするということですが、逆に、在庫を抱え過ぎてしまった業者が倒産するなど、二次的な問題は発生しないか確認させてください。

○徳弘新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 無料検査のキット購入や在庫管理は、登録された実施事業者自身の経営判断により行われているものと認識しております。

○上田委員 中国では、PCR検査でお客様の争奪戦になったり、サンプル水増し不正も起こっていて、報道されておりますことからも、業者、また事業全体の適正管理をお願いするものでございます。
 次に、新型コロナ疑い救急患者受入謝金事業、三億円でございます。
 一番判断に迷うのは、感染症疑いと濃厚接触者についてどう判断するかであったと思います、五波、六波と。これらを受けての経験値を通した成果、今後どう運用、判断をしていくのか、所見を伺いたいと思います。

○遠松医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 都内で新型コロナウイルス感染症の流行が始まった令和二年三月以降、発熱や呼吸器症状を有するなど感染が疑われる救急患者の搬送先の選定に時間を要する事案が多発いたしました。
 このため、都は、こうした救急患者の医療機関への受入れを促進し、患者に適切な医療を迅速に提供することを目的として、令和二年六月から、新型コロナ疑い救急患者受入謝金事業を開始し、現在、百十八の医療機関が本事業に参画しております。
 本事業の新型コロナ疑い救急患者とする基準でございますが、厚生労働省が作成いたしました新型コロナウイルス感染症診療の手引きに記載された疑い患者の要件にのっとり定めておりまして、発熱や呼吸器症状を有し患者との濃厚接触歴がある場合や、医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合などとしております。

○上田委員 いただいた資料、一番多かったのが昨年の八月の二千七百三十一名、今年一月が二千十八、二月が二千三百九十三人と、急激に五波、六波と増えたとき、対応しているということが分かりました。
 では、消防と病院の現場対応を具体的に確認させていただきたいと思いますので、救急隊と参画病院における運用について確認させてください。

○遠松医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 都は、百十八の医療機関のうち三十の医療機関を、患者を必ず受け入れる新型コロナ疑い地域救急医療センターに指定しております。
 救急隊は、まず、新型コロナ疑い救急患者とする基準に該当した場合、事業に参画している直近の医療機関に受入れ要請を行います。五つの医療機関への受入れ要請または二十分以上経過しても搬送先が決まらない場合には、新型コロナ疑い地域救急医療センターへ搬送することとしており、患者を確実に受け入れる体制を確保しております。

○上田委員 第五波では入院先が見つからない事態に陥ったことからも、この経験値を生かされていると思いますので、この事業も生かしていただきたいと思います。
 次に、医療人材が本当に足りないということで大変なことになっておりましたけれども、人材登録のデータベースを活用した医療人材確保事業、三億円についてですが、コロナ発生以降、常に医療人材不足が懸念されてきましたが、実際のところどのように解決し、この事業を通じて将来的な対策に期待しているのか、施設によっての偏りが顕著な事例など説明の上、将来的な課題解決の見解を伺います。

○山本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大した令和二年四月から、東京都ナースプラザにおいて、新型コロナウイルス感染症に関する業務に従事する看護職員の確保に努めてきたほか、東京都医師会の協力により、医師の確保を行ってまいりました。
 令和三年六月にワクチン接種を本格化したことや第五波における感染拡大を受けまして、令和三年八月には感染症法第十六条の二第一項に基づきまして、都内医療機関等に人材派遣の協力要請を実施いたしました。
 令和三年十一月には、これに応じた医療機関等や医師、看護師等の人材情報を登録します東京都医療人材登録データベースを設置しまして、多くの医療機関等に登録いただいているところであります。
 第六波時の本年一月から二月にかけてこのデータベースを稼働させまして、都が要請する施設等での従事につなげ、人材を確保いたしました。
 今後もこうした取組等を活用し、必要に応じて速やかな人材確保を行ってまいります。

○上田委員 延べ四千七百九十五人の紹介ということで、対策に効果が見えつつあることを確認させていただきました。引き続きよろしくお願いいたします。
 酸素・医療提供ステーションの設置・運営の四十二億円についてです。
 感染者数は急増したり低減したりもするので、コストを見ながら過不足ない対応が求められるものなんですが、今後どこまで維持し続けるのか、今後の運用と適正管理に向けた具体的方策を伺います。

○小林酸素・医療提供ステーション担当部長 酸素・医療提供ステーションでは、病床を補完する施設として軽症者等を受け入れ、重症者を防ぐための中和抗体薬治療等を実施しており、その規模につきましては、感染状況等を踏まえて青山の施設を一時休止するなど、柔軟に対応してまいりました。
 また、人工透析や入院待機者の一時受入れを行うなど、その機能を拡充するとともに、今般、高齢者が安心して療養できる体制を強化するため、赤羽の酸素・医療提供ステーションを高齢者等医療支援型施設に転換いたしました。
 今後とも、感染状況などを踏まえながら、適切に対応してまいります。

○上田委員 柔軟性を持って対応しているようでございます。
 感染拡大時療養施設の運営と宿泊療養施設の活用事業、十七億と百四十七億ですが、同じく、そういった過不足なく、しかしコストも考えながら、今後どこまで維持されるのか、運用、適正管理について伺います。

○水野新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 宿泊療養施設につきましては、感染が急速に拡大するオミクロン株の特性を踏まえ、新たにホテルを確保し施設として機能させるには一か月程度を要することから、現状の約一万二千室を確保した上で、先月から稼働居室レベルを約一万二千室と九千室の二段階とし、今月から稼働規模を約九千室に引き下げております。
 レベルの見直しに当たっては、新規陽性者数を目安に、引下げ時は七日間移動平均で六千人未満、引上げ時は一万人超過とするほか、新規陽性者の増減スピード等も踏まえ、総合的に判断します。
 引き続き、宿泊療養施設については、感染状況等を踏まえ、効率的かつ適切に運営してまいります。

○上田委員 一波から六波まで、常に私も状況を確認させていただきまして、大分適正管理についても磨きがかかってきたと評価をさせていただきたいと思います。
 次は、高齢者・障害者支援施設等事業継続支援事業、五千万円でございます。
 新型コロナの感染拡大によりまして、高齢者施設や障害者施設においては、職員が感染または濃厚接触者となり出勤できなくなることで人手不足が深刻化し、利用者へのサービス提供に影響が出る事態が散見されました。
 都は、運営体制に支障が生じている施設への人的対応体制を強化するために、応援派遣協定に基づく支援職員の派遣事業、人材派遣会社を活用した代替職員の派遣を実施していますが、これらの事業の実績について伺いたいと思います。

○花本高齢者施策推進担当部長 都は、新型コロナの感染拡大により、職員の確保が困難となった施設を支援するため、法人内や施設のある区市町村内での対応が困難な場合に、東京都社会福祉協議会や東京都老人保健施設協会と協定等を締結して職員を派遣する広域的な支援体制を令和二年十月に構築いたしました。
 この派遣協定に基づきまして、令和二年度は高齢者施設一か所に延べ七人、令和三年度は高齢者施設一か所に延べ二十八人の職員を派遣いたしました。
 加えて、人材派遣会社を活用した職員派遣も令和四年二月から開始しており、令和三年度は、高齢者施設に対しては二十施設、延べ二百二十四人、障害者支援施設等に対しては五施設、延べ三十七人の応援職員を派遣しております。

○上田委員 それで、私はこう見えて、実は同居のお嫁さんでございまして、義理の父の介護で施設にお世話になっておりまして、ちょっとコロナで入るのが遅れたりとか、面会も行けないというようなことがありましたので、何となく現場の状況が分かるように見えますが、これまでの取組から見えてきた課題があると、このようなことから思料をいたします。
 今後、この混乱をどう解消して新しい展開をされるのか、所見を伺いたいと思います。

○花本高齢者施策推進担当部長 感染拡大時にも必要なサービスを安定的、継続的に提供するためには、応援職員の受入れを希望する施設の多様なニーズにきめ細かく対応していくことが重要でございます。
 このため、本事業の一層の周知を図るとともに、東社協等に対し協力施設の登録増を働きかけるなど、派遣元と派遣先の人材のマッチングが円滑に行われ、応援職員の速やかな派遣につなげられるよう支援してまいります。

○上田委員 コロナとは直接関係ないんですけど、東京都が認めているといいますか、所管の自立支援塾おざくSSで、ちょっと死亡というか暴行事件があって亡くなられた方もいて、暴力はいけないんですけれども、慢性的な人手不足というところも側面にあるのかなと、この報道を聞いていた次第ですので、またよろしくお願いをしたいと思っております。
 そして、相談体制確保事業、コールセンター、発熱相談センターですけれども、これ、三十三億円ですが、入札の状況と実績が知りたいということで、三〇ページの入札の状況を資料として提出いただきました。
 これらの選定に至る契約のプロセスを伺いたいと思います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務 新型コロナ・オミクロン株コールセンター及び発熱相談センターの契約の方法は、いずれも希望制指名競争入札であります。
 新型コロナ・オミクロン株コールセンターでは、令和三年三月十二日、同年十月十五日及び令和四年三月十一日に開札し、それぞれで三者が入札に参加しました。
 発熱相談センターでは、令和三年三月十日、同年十月十五日及び令和四年三月十八日に開札し、令和三年三月十日及び令和四年三月十八日には、それぞれで五者が入札に参加しており、令和三年十月十五日には、一者が入札に参加、四者が不参でございました。

○上田委員 そうなんですね。一者入札、特に発熱相談センターは、こちら、メディカル・コンシェルジュさん以外は全部辞退になっているんですよね、入札の経過。
 かねがね私、この辞退談合については厳しく指摘してまいりました。多分、辞退談合という言葉って私がつくったと思うんで、検索して出てくると思うんですが、二月二十五日、私、一般質問で、ヤフー出身の宮坂学副知事に−−トランス・コスモス社、コールセンターの方ですけれども、昔、ヤフーと提携していたんです。コロナサイトもそうでした。そういう企業について、関係の健全性について宮坂副知事にただしたものの、答弁拒否をされたんです。こんなことからも、より厳正なる入札、疑われることのないような入札を厳しくしていっていただきたいということを申し上げたいと思います。
 では、次は防護服の備蓄、二千万円です。
 二〇二〇年の二月四日、中国の湖北省武漢を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東京都は湖北省の支援として、都が備蓄していた医療用の防護服およそ二万着を既に送っていました。
 こうした中、小池知事は二月四日、自民党本部を訪れて二階幹事長と会談し、二階幹事長から、現地のさらなる支援として、医療用の防護服、五万着から十万着、追加で提供してほしいと要請を受けて、応じる考えを伝えたというふうに報道をされております。
 恐らくこれが二〇二〇年、令和二年の二月四日に、当時の二階幹事長にお願いされて、二月七日に十万着、こちらの資料、三一ページです、日本医療国際化機構に、ここに書いてありますかね、二階幹事長から小池知事がいわれて送ったというふうになっております。
 この防護服数のストックというのは、都民もあずかり知らない中、突然どどっと送ってしまったことに対して、皆さん、当時違和感があったと思うんです。都民の命のよりどころである医療資源を、状況も分からないまま安易に他国に寄附するのではないという都民の声もたくさんあったし、それは本当に私もごもっともだと思います。
 どのような決裁があったのか、当然、小池百合子知事は決裁されたと思うんですけれども、どのような経緯で中国に提供をされたのか、つまびらかに時系列でお答えいただければと思います。

○山本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 令和二年一月から二月にかけ、中華人民共和国における感染拡大を踏まえまして、人道支援として、流行国へ都が保有する防護服等を提供したものでございます。
 本件は、局内の会議により意思決定し、文書による適正な手続を経ております。事案決定規程等に基づき、担当部長が文書に決定をしているところでございます。

○上田委員 合計三十三・六万着、令和二年一月二十七日は武漢に二・一万着、そして二月七日は、先ほどいった日本医療国際化機構に十万着、武漢にまた五千着、次に清華大学、二月十四日、これは一万着、北京市に二月十八日から二十一日まで二十万着送ったということでございます。
 年度末使用期限で廃棄処分になるのでいいだろうというような意見もいろいろ、差し上げても問題がなかったというふうな指摘もあるんですけれども、もう三月の時点で−−実は、三月二日、忘れません、都立病院の墨東病院でマスクは一週間に一回しか替えられないという大変な危機的都立病院の状況になったのは、もう釈迦に説法で、福祉保健局の皆様もご存じだったと思います。
 あれは、私も城東地区でございますから、墨東病院で働く多くの区民の皆様から情報が寄せられて、最終的には国会で取り上げられて大きな問題になって、マスク不足解消への大きな流れになったので、年度末だったから三月で、令和二年の三月で廃棄処分になるものを中国に送ったから、それは何の問題もなかったということではないということは、ここで断言させていただきたいと思います。
 結果的には、どんな後でいおうとも、防護服は不足したんです。その点に関しての反省を踏まえた分析、所見を伺いたいんです。今後二度と、小池知事の鶴の一声で都民の健康を脅かすなど同じようなことをしないために、決裁と意思決定の在り方も当然見直されたと思うので、小池知事の決裁はどうだったのかも含めて、今のご答弁の中では、明確に、小池知事がどのように関与したのかちょっと分からなかったので、そこも含めてお答えいただければと思います。

○山本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 まず最初に、防護服の不足のお話がございましたけれども、中華人民共和国に提供したことによりまして、防護服不足になった事実はございません。
 防護服の提供につきましては、都内の医療機関や保健所等に対して、必要数を調査の上提供しておりまして、平成三十一年度における中華人民共和国への提供については、都内医療機関等への提供に支障のない範囲で対応したものでございます。
 また、意思の決定のご質問でございますけれども、こちらについては、従前より、防護服の提供に当たりましては、医療機関等から必要数の調査を実施した上で、事案決定規程上の決定権者が、提供の都度、文書により適正に決定を行っているものでございます。

○上田委員 度々、小池知事の指示があったかなかったのか、決裁の過程をつまびらかにしてほしいといっているんですけれども、担当部長が決定、でも新聞報道では、自民党の当時の二階幹事長に頼まれたということで、そこから小池知事がどう福祉保健局に、担当部長に指示があったのか、ご答弁の中では知事のことが全然出てきていないんです。でもこれはもう何度も何度もやり取りをして、今日のこの委員会が始まるまで、ちょっとやり取りがちぐはぐしているのも、どういう答弁かというやり取りの中で、もう何にも明確なお返事がいただけない中で、この委員会が始まってしまったわけです。
 この防護服の三十三・六万着の内訳、いつ送ったかという資料も、出すの出さないので非常に時間がかかりました。私、一応ちゃんと資料要求するものですが、いつもいつも、三期の中で、必ず理事者の皆様は、期限を質問に間に合わせて、こんなのは出せないなんていったことは、私の頼み方とか存在しないものを頼んだのは別として、ほぼちゃんと自信を持って提供してくれたのに、ここようやっと公式資料になっていただけて、こんなことね、三期中、一度もなかったと思います。何があるんだろうというふうに思っております。
 この三十三万着の防護服、防護服不足には影響しなかったということではございますけれども、ちょっと監査請求等も考えながら、今後の対応策を私の方でも考えさせていただきたいなと。それは、普通に対応してくだされば何てことはなかったことが、ここまで何か押したり引いたりしているというのは、非常に、また都民の疑義の目も向けられますことから、今後におかれましてもしっかりと、知事の決裁の有無につきましては、明確なご答弁をお願いしたいと思います。
 最後に、条例案でございます。
 女性福祉資金貸付条例改正の条例案ですけれども、こちらについては、一番最後の資料の方で出させていただいております。年間大体四、五十件、三十件のときもありますし、大体これは二千万円ぐらいの貸付金額というふうになっております。
 こちらも必要とする世帯が活用することができたのか、今後どのように利用してもらえるのか、対策を伺いたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 女性福祉資金の貸付けは、二十五歳以上の配偶者のいない女性で親族等を扶養している方などを対象に、経済的自立と生活意欲の助長を図ることを目的に実施しております。
 令和二年度の市町村分の貸付実績は三十件となっております。
 女性の方々が経済的に自立して安定した生活を送れるよう、引き続き、都のホームページや市町村の窓口で周知を図ってまいります。

○上田委員 ありがとうございました。
 最後になりますけれども、自殺対策、ひとり親支援、低所得者、養育費、ADRなど、こうした課題を抱える人の支援の総額は二億円です。福祉資金も平均二千万円程度でございました。
 太陽光パネル義務化で多くの都民が抵抗感を持って、多くの反対の声が上がっている中、今回の補正予算でも、ゼロエミ住宅には二十八億円もついて、本予算でも東京ベイeSG、スマート東京、TOKYO Data Highwayと、にわかに都民生活が豊かになるとは到底思えない事業に何十億も予算づけするのでなく、コロナ禍前から様々な課題を抱えて、コロナでさらに厳しく疲弊している都民と中小事業者に振り向けていただきたい。
 とてもこのばらまき予算には賛同できぬということを申し上げまして、もう一つ、不誠実な答弁につきましても非常に憤りを持っているということで、賛同できぬということを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○やまだ委員 お願いします。まず初めに、私の方からは、補正予算、高齢者施設等における感染制御、業務支援体制の強化について伺いたいと思います。
 高齢者施設等へのクラスター対応は、第五波から、地区医師会による医療支援チームの対応や往診などの対応がされてきました。六波では、数値によりますと、一月、二月、三月合計で高齢者施設でのクラスター発生件数が六百四十五件、そのうち、半分の三百二十二件は二月に集中していると。かなり高齢者施設でのクラスター対応が大変な時期があったことがよく分かります。地区医師会の先生方からも、対応の大変さのお声も届いておりました。
 そんな中、今回の補正予算の中で、高齢者施設等における感染制御、業務支援体制の強化について、計上されました。
 改めて、この事業、専用相談窓口の開設や即応支援チームの派遣などと出されておりますが、事業実施に至った経過と、そして実績について伺いたいと思います。

○加藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都内では、第六波におきまして、高齢者や障害者の入所施設に多数のクラスターが発生いたしましたことから、施設における感染拡大防止対策が課題となりました。
 このため、都は、本年四月二十八日から、高齢者施設等に対しまして、専用の相談窓口を開設いたしますとともに、陽性者発生時には、いち早く感染拡大防止対策を講じることができますよう、即応支援チームの派遣を開始いたしました。
 実績につきましては、本事業の開始から六月九日までに六十六件の相談がございまして、二十五施設へ即応支援チームを派遣いたしました。

○やまだ委員 四月二十八日から六月九日までで六十六件の相談、二十五施設への派遣も既にされているということで、地区医師会、医療支援チームの先生方の負担が大分軽減されていく、そういう意味では、体制強化につながっていると思います。
 今後、相談窓口や即応支援チームが施設に対して助言をする機会、これを積み重ねていくことで、高齢者施設等が具体的にどのような感染対策に取り組んでいけばよいのか、知見が蓄積されていくと思います。
 都は、こうした蓄積された知見を積極的に活用していくべきだと考えておりますが、都の見解を伺います。

○加藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都はこれまでも、施設における感染対策の参考となりますよう、東京iCDC専門家ボードが取りまとめました感染対策事例集を高齢者施設等に提供いたしますとともに、オンラインによる研修等を実施してまいりました。
 今後は、即応支援チーム等による事後カンファレンス等を通じまして助言事例を分析し、施設における個々の状況に応じた感染対策を的確に助言するためのノウハウとして取りまとめ、様々な機会を捉えまして、都の高齢者、障害者施設における感染対策に活用してまいります。

○やまだ委員 私も感染対策事例集を拝見いたしました。基本的な対応から具体的なものまで出ておりますが、やはり現場で対応された方々の支援チームの声、具体的な内容ということがもっと充実されていくことで、高齢者施設、障害者施設の事前の対応が可能になっていくと思いますので、これまで現場に出られていた地区医師会の支援チームの先生方と共に、改めてその事例集の充実に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 そしてもう一つ、ユーチューブなどでも東京都は具体的な取組についても発信、国でも厚労省からはこういった冊子、事例集、そしてユーチューブでの発信など様々されていますので、そういった内容もしっかりと検証していただきながら、分かりやすいまとめ方をしていただきたいと思います。
 そして、高齢者施設、障害者施設でのBCPの策定支援も、都としては取り組んでこられています。こういったBCP策定の中に具体的な対応策についても盛り込んでいけるよう、ぜひ横展開、各事業ごとの連携を図っていただきたいと思います。その点については要望させていただきたいと思います。
 二点目につきましては、高齢者施設の停電時におけるBCP運用等支援事業の概要について伺ってまいりたいと思います。
 まず、この支援事業の概要について伺いたいと思います。

○花本高齢者施策推進担当部長 BCP運用等支援事業は、原則として、BCP策定済みで非常時の電源を確保している施設を対象に、今後の電力需給逼迫を見据えて、計画停電への対応や日常の施設運営における省エネルギー化のための取組を支援するものでございます。
 具体的には、専門家が施設を訪問し、現状のBCPや施設設備を確認の上、停電時の対応に加え、HTT、減らす、つくる、ためるなど、施設の省エネ化に向けた取組について助言するとともに、専門家の助言を踏まえて、施設がエネルギー効率のよい機器設備を導入する場合に補助を行うものでございます。

○やまだ委員 BCPの運用等支援事業ということで、既にBCP策定済みの施設を対象として支援を行っていくというご答弁でありました。
 私はこれまで、高齢者施設、また障害者施設のBCP策定支援について何度か取り上げてまいりましたが、今回、策定の次の運用についての支援ということで、具体的に省エネも含めてなんだと思うんですが、今回の自然災害及び感染症に対応したというよりも、省エネに特化したような感じを受けてしまうのですが、改めて、BCP策定済みの施設を対象とすることに限定していますが、未策定の施設への対応というのはどのようになっていくのか、考え方について伺いたいと思います。

○花本高齢者施策推進担当部長 高齢者施設は、条例により令和五年度末までに自然災害及び感染症に対応したBCPの策定が義務づけられており、都はこれまで、研修や個別相談を内容とするBCP策定支援事業を実施してきました。
 BCPを未策定の施設につきましては、今年度中にBCP策定に取り組む場合には、先ほどご説明しましたエネルギー効率のよい機器設備の導入支援があるBCP運用等支援事業の対象としていく予定でございまして、これら二つの事業を効果的に活用しながら、高齢者施設におけるBCPの策定及び運用を強力に支援してまいります。

○やまだ委員 今年度中に策定する施設については、対象となっていくというご答弁でありました。
 そもそも、この対象となる施設、これまで質疑の中で伺ってきたBCP策定済みの施設というのが五九・二%というふうに聞いています。この五九・二%というのも、BCP策定のアンケート調査を行って回答されたところに対しての五九・二%、回答率が約半分以下ということも伺っておりますので、対象施設の約三割弱しか策定されていないものを、支援の対象とした今回の事業とすれば、やはり、そもそもBCPの策定そのものの支援をもっと強化した上で、併せて運用支援を行うべきかなというふうに感じております。
 加えて、今回の非常用電源などの導入機器の補助制度については、高齢者施設等の防災・減災対策推進事業というものが、既に同じような補助事業があります。こういった中で、対応できる範囲でもあると考えますので、もともとの高齢者施設、障害者施設の支援対応としては、まず、危機管理の上からBCP策定支援を行った上で、併せて運用支援を行っていただきたいということを要望させていただきまして、私からの質問は終わります。

○菅原委員 それでは、質疑をさせていただきます。まずは、ひとり親家庭就業推進事業についてです。
 日本のひとり親家庭の特徴というのは、八割が離婚をしている、離婚が原因だということです。さらに母子家庭に限りますと、その五割は貧困ラインを下回っていて、経済的に厳しい状況であるということがいえます。
 結婚や出産を機に仕事を辞めて、そして子育てのときには非正規のパート労働をする、そういう日本式のロールモデルというのが、もしかしたらあるんです。これがひとり親家庭になったとき、母子家庭になったときの経済的に自立しにくい構造、それを増長しているのではないか、こういう指摘もあります。
 実際に、北欧のスウェーデンの母子世帯の貧困率というのは、これは四%ぐらいなんです。日本が五〇%ぐらいでスウェーデンは四%、同じような状況なのにというのもあります。共働きモデルが主流で、正社員と非正規社員の賃金格差も少ないことや、また育児休業や保育所が充実していることなどが経済的自立の社会的な背景ではないかといわれています。
 ひとり親家庭の就労は個人の努力では限界がある、社会全体で就労環境を整備することが重要だと考えて、この質疑を進めさせていただきます。一つ一つの政策を着実に進めていくことが重要で、今年度からスタートしたひとり親家庭就業推進事業を推進する立場から質疑をいたします。
 まずは、この事業の目的と現在の状況について伺います。

○奈良部少子社会対策部長 ひとり親家庭の親は、子育てと生計の担い手の二つの役割を一人で担っており、負担が大きく、世帯収入につきましても、両親がいる世帯と比較してひとり親世帯は低い傾向にございます。
 この事業は、コロナ禍で就労環境が変化する中、ひとり親の方が安定した職に就けるよう、スキルアップ訓練から就職後のアフターフォローまでサポートするものでございます。
 先月、第一期の募集を行いましたが、定員の九十名を上回る方からの申込みがあり、参加者はおおむね九月までに講習やトレーニングを修了した上で、就職活動を開始する予定となっております。

○菅原委員 ありがとうございます。
 この事業は今年度から始まったもので、実際の事業は、企画提案方式で事業者選定を行って、民間の事業者に事業の委託をしているということを伺っています。
 ひとり親家庭の保護者、特に母親たちの就業率は、先ほども申し上げたように八割といわれていますが、子育てをしていることもあって非正規の方が多くて、もともと厳しい状況でしたが、今回のコロナによってさらに厳しい状況となったということも皆さんご承知のことだと思います。
 この八〇%の就業率というのはやっぱり非常に高いといえます。基本的には勤勉で、そして懸命に働いているのに生活が安定しないということが分かります。この方々が就労プログラムに参加をして、ライフプランをつくってビジネススキルを手に入れること、これは重要です。
 この事業の概要についてご説明をいただきたいと思います。お願いします。

○奈良部少子社会対策部長 この事業では、まず、参加者が自分のキャリアデザインを考えるための講習などを受講し、その後、就業コーディネーターが個別に面談して、一人一人の希望や適性に応じた目標を設定した後、スキルアップ訓練を実施いたします。
 スキルアップ訓練といたしましては、コールセンター、IT人材、テレホンアポインター、家事代行業、建築施工管理の五つのコースを設定しております。
 スキルアップ訓練終了後、習得したスキルに応じた職業紹介、就労のマッチング支援を行い、就職後にはアフターフォローを行うこととしております。
 受講決定から就職後まで、就業コーディネーターに加えまして、参加者に身近な存在としてきめ細かく相談に対応するメンターも配置いたしまして、伴走型で支援を行ってまいります。

○菅原委員 一つだけちょっと端的に伺いたいと思うんですが、例えば離婚調停をしているという家庭があると思います。この離婚調停をしている方などは対象者になるのでしょうか、確認のために教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 この事業の対象者は、都内に住所を有するひとり親等で就職や転職を希望する方としております。
 申込みをされた方には事前面談を行って家庭の状況の確認をすることとしておりまして、離婚調停中など、まだ離婚が成立していない方でありましても、別居してひとり親と同様の状況にあることが確認できる場合には、参加できることとしております。

○菅原委員 ありがとうございます。
 今回の補正によって、新たに事業者選定を行います。今回の補正予算の内容、それと想定される対象者の状況、この事業の周知の方法などについて伺いたいと思います。お願いします。

○奈良部少子社会対策部長 この事業は、当初の定員を年間百五十名と設定しておりましたが、今般の物価高騰などがひとり親世帯の生活に影響を及ぼしていることを踏まえまして、今回の補正予算により、さらに百名以上定員を拡大することといたしました。
 対象者といたしましては、非正規雇用で収入が不安定な方や職を失った方などを想定しておりまして、本事業を活用して就職や転職をされることを見込んでおります。
 事業の周知に当たりましては、都のホームページに掲載するほか、民間のひとり親支援団体などの協力も得ながら幅広く周知するとともに、ひとり親家庭支援センターや福祉事務所等を通じまして個別に働きかけてまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 今回の補正予算を審議するに当たり、この事業のホームページも確認をさせていただきました。ホームページ全体は、爽やかな印象でした。その事業内容にもやっぱり注目をいたしました。先ほど答弁もありましたスキルアップトレーニングはもちろんですが、例えば身だしなみのレッスンもあったりとか、またはライフプランを作成するとか、また就業した後も、そのアフターフォローもしていくんだということを確認させていただきました。
 この事業に応募される方々は、例えば子供中心の生活で、自分自身を磨く時間も、または余裕もない生活を送ってきた方々もいるだろうと思われます。この方々がもっと輝けるというチャンスを得て、そして仕事ができるチャンスを得る取組は重要です。そして、その姿を子供たちが見ているということだと思います。
 ひとり親家庭の就労支援は厚生労働省も取り組んでいます。また、区市町村でも独自に取り組んでいるところもあるようです。様々な形で就労支援が展開されることは、保護者たちに選択をする機会を与えます。そのこと自体も重要だと思います。広報もとても大事ですので、その点は改めて要望をさせていただきたいと思います。今後の事業展開に期待をして、この質疑は終わります。
 次は、自殺対策を取り上げたいと思います。
 このたびの都議会本会議一般質問で、コロナ禍で若者と女性の自殺リスクが高まる中、さらなる重層的な施策展開が求められるとして知事の見解を求めました。知事からは、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けて、今後も、職場における自殺対策の推進や自死遺族の方への支援など、区市町村や関係機関と一丸となって、都民のかけがえのない命を守る取組を進めていくという答弁をいただきました。
 自殺は、追い込まれた死といわれます。何らかの個人的な状況が複合的に重なって生きる力が失われていくのだと思います。一人の人生に寄り添い、隣に座って耳を傾ける取組または経済的な不安や病気への不安、未来への不安などを軽くできる社会全体の支えの構築が求められると思います。それが生きる支援です。まずは耳を傾ける取組が相談窓口です。この相談窓口について伺います。
 都が運営する東京都自殺相談ダイヤルは、なかなかつながらないという声を聞きます。近年の相談件数の推移と直近の応答率を伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 東京都自殺相談ダイヤルの相談対応件数は、令和元年度は二万二百十六件、令和二年度は二万二千百十四件であり、九・四%増加いたしました。
 また、直近の実績といたしまして把握しております令和四年二月における全架電数に占める応答数の割合は二九・五%でございました。

○菅原委員 以前、私も電話相談を実施している民間団体の事務所に赴いて話を聞いたことがありますが、相談者が抱える悩みというのは様々だということを伺いました。また、相談時間も長くなる傾向にあるということも伺いました。
 自殺に関する相談は、慎重な対応や高い専門性が求められ、回線の拡充には人材の確保や育成の問題もあります。簡単にはいかないと思います。
 自殺相談ダイヤルに電話をしてもつながらない場合は、今は少し時間を置いておかけ直しくださいと、こういうアナウンスが流れると聞いておりますが、その際、自殺相談ダイヤル以外の相談窓口も案内をするなど工夫ができるとよいのではないかと考えます。見解を伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都はこれまで、自殺相談ダイヤルの受付時間や体制を段階的に拡充してまいりました。これにより、相談対応件数も年々増加してきております。
 悩みを抱える方を早期に適切な相談窓口につなげることは重要でございまして、回線が埋まっている場合には、悩みに応じた相談窓口を検索できるホームページ、東京都こころといのちのほっとナビを案内するなど、具体的な方策を検討してまいります。

○菅原委員 ぜひ、様々な形で検討を進めていただきたいと思います。
 東京都が発表いたしました「未来の東京」戦略 version up 二〇二二がございます。この「未来の東京」戦略の最新版には、四五ページに次のように記載をされております。自殺対策を強化という言葉があります。
 内容は、自殺未遂者などの支援体制を強化するとともに、悩みを抱える人を社会全体で支える基盤強化をする、女性や若年層などに対し、インターネットなどでの情報発信や普及啓発を強化すると、こういうことを書かれております。
 まさに今求められている取組だと思います。民間団体とも連携をして、重層的な生きる支援の構築に取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

○うすい委員 よろしくお願いします。令和四年度六月補正予算におきまして、初めに、医療施設自家発電設備整備・点検等支援事業について質問をしたいと思います。
 今年の三月二十二日には、三月十六日に福島県沖で発生したマグニチュード七・四の地震による一部の火力発電所停止と想定外の気温低下の影響によりまして、初めて電力需給逼迫警報が発令されたところであります。
 また、五月二十七日に開催された総合資源エネルギー調査会の小委員会では、この夏は広い範囲で平均気温が高い見通しで、依然として電力需給が非常に厳しい状況であることが示されました。このような状況において、命に関わる医療を提供する病院の電力確保は非常に重要であるわけであります。
 そこで、幾つか質問をさせていただきます。
 今回、補正予算に医療施設自家発電設備整備・点検等支援事業が盛り込まれておりますけれども、改めて事業の趣旨について見解を伺います。

○鈴木医療政策担当部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 都はこれまで、大規模災害の発生に備えるという観点から、災害拠点病院及び災害拠点連携病院に対しまして、自家発電機の新規設置や更新、燃料タンクの整備に関する施設整備等を支援してきております。
 今回の補正予算案では、電力需給の逼迫などにより、大規模な停電が発生した場合においても、病院の診療機能を維持し、都民が必要な医療を受けられるよう、都内全ての病院に支援を拡大するものでございます。

○うすい委員 答弁をいただきまして、これまでは、災害の視点から都は支援を行ってきましたが、今回の補正予算案では、電力需給逼迫の観点から都内全ての病院に支援を拡大したということであり、命を守るという意味でも非常に意義のあることであると思います。
 都内における病院は、千床を超える大きな病院から、それこそ百床未満の小さな病院まで様々であります。また、敷地が狭隘で場所の確保が困難な場合もあるわけでありまして、このため各病院の実情に応じた電力確保が必要と考えるわけですが、見解を伺います。

○鈴木医療政策担当部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 病院は、規模だけでなく、その機能も様々であります。提供する医療の内容や入院患者の状況も異なり、各病院の実態に応じた支援が必要になります。
 本事業では、大型自家発電機の新規設置や更新、燃料タンクの整備に関する補助に加えまして、可搬型発電機の購入も補助対象といたしまして、病院が診療機能を維持できるよう支援を行ってまいります。

○うすい委員 いろいろ工夫していただいているわけですが、設備整備による自家発電装置の設置による電力確保が望ましいわけですが、そこまでの対応が難しい病院もあるのが現実だと思います。そうした中でも、個々の病院の実情に応じた支援となっているために、電力需給逼迫対策が促進されるものと期待をするところであります。
 病院によっては、忙しい業務の中でありますから、非常時において電力がどの程度必要か把握できていない病院もあるのではないかと推測もされるわけであります。また、平成三十年に発生した大阪府北部地震においては、自家発電装置があっても、うまく機能しなかった例もあると聞いているところであります。
 都は、そうした病院においても支援をしていくべきであります。見解を伺います。

○鈴木医療政策担当部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 停電時に診療を継続するためには、平常時から必要な電力量を正しく把握し、電力の逼迫に備えておく必要がございます。
 また、病院の自家発電機は、停電時に有効に機能する必要があり、確実に稼働するかについて、点検等によって改めて確認しておくことが重要でございます。
 このため、都は、各病院が停電時に必要な電力量を把握するための専門家を活用したリスク評価や自家発電機を実際に稼働させて確かめる点検の経費について支援してまいります。

○うすい委員 この機会に、都内全ての病院に対して、大規模停電の発生に備えた自家発電装置の整備点検の重要性をしっかりと周知するとともに、本事業の活用を積極的に働きかけていきながら、医療施設においても、都民の命を守るためにしっかりと進めていくことをお願い申し上げまして、次の質問に移ります。
 次に、高齢者・障害者支援施設等の停電時におけるBCP運用等支援事業について質問いたします。
 福祉サービスは、利用者の方々やその家族の生活に欠かせないものでありまして、災害や感染症が発生した場合であっても、利用者に対して必要なサービスが安定的、また継続的に提供されることが重要であります。
 そのため、福祉施設には、災害対策と感染症対策の業務継続計画、いわゆるBCPの策定が求められておりまして、現在は努力義務でありますが、経過措置期間が終わる令和五年度末までには策定しなければならないとされております。
 今回の補正予算では、高齢者・障害者支援施設等の停電時におけるBCP運用等支援事業が提案されているわけでありますが、高齢者施設、障害者支援施設、救護施設では、そもそもBCP策定などの対応状況等もそれぞれ違うと聞いておりますし、それぞれの実態を踏まえて進めていくことが必要と考えるところであります。
 そこで、初めに、高齢者施設におけるBCPの策定状況について見解を伺います。

○花本高齢者施策推進担当部長 都は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設等の高齢者施設に対して、令和二年度から、自然災害に関わるBCPの策定を支援するため、研修や個別相談を実施しております。
 令和三年度に、国の省令改正を踏まえて都条例を改正し、全ての高齢者施設において、令和五年度末までに自然災害及び感染症に対応したBCPの策定を義務づけたことから、昨年度からは感染症に関わるBCPの策定を支援しております。
 さらに、今年度からは、これまでの支援の対象外であった特定施設以外の有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅も支援の対象としております。
 昨年七月に実施した高齢者施設におけるBCPの策定状況に関する調査では、回答があった施設のうち、自然災害に関わるBCPを策定している施設は五九・二%、感染症に関わるBCPを策定している施設は四五・三%、自然災害と感染症の両方のBCPを策定している施設は四二・一%でございました。

○うすい委員 今回の補正予算に計上されましたBCPの運用は、停電時ということでありますが、関連して大事な視点ですので伺いたいと思いますが、感染症対応のBCPの場合は、職員が感染したとき対応する人員が不足をしてしまい、対応したくても対応できないという場合もあります。そうした点では、自然災害とではある意味で異なるところがあるわけであります。
 そこで、感染症対応のBCP策定に関する基本的な考えについて見解を伺います。

○花本高齢者施策推進担当部長 高齢者施設は、介護や支援が必要な高齢者の生活の場であり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大時においても、感染防止対策等の徹底を前提とした継続的なサービスの提供が必要でございます。
 このため、高齢者施設における感染症対応のBCPには、関係者との情報共有と役割分担の明確化、感染者が発生した場合に担当職員を固定するなどの対応、職員が感染した場合や濃厚接触者となった場合などの柔軟な勤務調整によるマンパワーの確保、限られた運営体制での業務の優先順位の整理などを盛り込んだ上で、これを日頃から職員に周知し、研修や訓練を行うことが重要でございます。
 各施設において適切なBCPが策定されるよう、引き続き支援してまいります。

○うすい委員 ぜひよろしくお願いします。先ほどの答弁では、高齢者施設については令和二年度からBCP策定の支援事業を行ってきたとのことでありますが、今回の補正予算において、停電時におけるBCP運用等支援事業が提案されているわけであります。
 そこで、これまでのBCP策定支援事業との違いも含めて、今回の停電時におけるBCP運用等支援事業の概要について伺いたいと思います。

○花本高齢者施策推進担当部長 これまでのBCP策定支援事業では、BCPの基本的な考え方や具体的な手法に関する講義をはじめ、コンサルタントによる個別の相談対応を実施しており、さらに、今年度からは、BCP策定済み施設を対象に、施設に義務づけられる研修及び訓練の実施に関わる講座を新たに開催いたします。
 これに対し、今回補正予算に計上しましたBCP運用等支援事業は、原則として、BCP策定済みで非常時の電源を確保している施設を対象に、今後の電力需給逼迫を見据えて、計画停電への対応や日常の施設運営における省エネルギー化のための取組を支援するものでございます。
 具体的には、専門家が施設を訪問し、現状のBCPや施設設備を確認の上、停電時の対応に加えて、HTT、減らす、つくる、ためるなどの施設の省エネ化に向けた取組について助言するとともに、専門家の助言を踏まえて、施設がエネルギー効率のよい機器設備を導入する場合に補助を行うものでございます。

○うすい委員 高齢者施設の状況について質疑を何点かさせていただきまして、理解をさせていただいたところでございます。
 BCPの作成については、自然災害と感染症ともに作成されているのが四二・一%ですから、まだ半分に満たないわけであります。今後しっかりと、今回の補正予算を契機にBCPの作成が進むように、都としてもその取組の支援を進めていただくようお願いをいたします。
 次に、障害者支援施設について伺います。
 先ほど高齢者施設のBCPの策定状況を答弁いただきましたが、障害者施設などにおけるBCPの策定支援の取組とその策定状況についてお伺いをいたします。

○中川障害者施策推進部長 障害福祉サービス事業所に関しましては、令和三年度に施行された国の省令改正を踏まえて都条例を改正し、令和五年度までに自然災害や感染症等に備えたBCPの策定を義務づけ、今年度からBCP策定のための講座や専門家による個別相談など、事業所でのBCP策定に向けた支援を開始いたします。
 昨年度、都が実施した調査によれば、回答のうち、令和三年七月時点でのBCPを策定した障害福祉サービス事業所の状況は、障害者支援施設が八〇%などとなってございます。
 また、その内容について、自然災害と感染症の別で見ますと、障害者支援施設につきましては、自然災害に係るBCPの策定が六九%、感染症は七〇%、両方に係るBCPの策定が六〇%となってございます。

○うすい委員 ありがとうございました。
 いずれにしましても、障害者施設におきましても、しっかりとBCP作成を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 また、障害者支援施設等における停電は、医療的ケアが必要な方などにとっては深刻な影響があると思います。そこで、障害者支援施設等の停電時におけるBCPの支援について見解を伺います。

○中川障害者施策推進部長 電力需給の逼迫に備えるため、今年度から開始するBCP策定に向けた支援に加え、今回新たに事業継続のためのエネルギー使用量の抑制や停電時への対応力の強化を図る取組を実施いたします。
 障害者支援施設及び障害児入所施設では、人工呼吸器や吸引器等を使用する医療的ケアが必要な方も利用していることから、全ての施設を対象といたしまして、省エネ対策や停電時における事業継続に向けた助言を行う専門家の派遣を行います。
 また、現在実施しております自家発電設備の整備費補助に加えまして、蓄電池等や省エネ対策のための設備の導入経費について、専門家の助言を踏まえて支援してまいります。

○うすい委員 障害者施設、先ほどの高齢者施設においても、災害時、また感染症の事態においても、また停電が起きても、事業の継続がなければ命に及ぶ事態にもなりかねません。本当に大切な事業でありますので、施設現場の皆様のご意見もよく聞いていただきながら、取組をお願いしたいと思います。
 次に、高齢者施設等における感染制御、業務支援体制の強化について質問します。
 今年一月に始まったオミクロン株の流行で、都内の高齢者施設では多くのクラスターが発生しました。現在は、二月のピーク時からは減少しているものの、依然としてクラスターの発生は続いていることから、高齢者施設における感染対策は重要な課題となっております。
 今回の補正予算では、高齢者施設等における感染制御、業務支援体制の強化として、専用相談窓口の開設と陽性者発生時における即応支援チームの派遣等に関わる事業費が計上されておりまして、高齢者施設における課題に対応したものであると考えるわけでございます。
 初めに、本事業の概要について見解を伺います。

○加藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、高齢者及び障害者の入所施設における感染拡大防止対策を支援いたしますため、本年四月二十八日から、感染対策に関する専用の相談窓口を開設いたしますとともに、施設において実地での助言を行う即応支援チームの派遣を開始いたしました。
 本事業におきましては、基本的な感染対策の徹底や施設内のゾーニング方法、個人防護具の取扱い、廃棄物の処理等について助言を行うこととしております。
 専用相談窓口におきましては、陽性者の発生の有無にかかわらず、施設からの相談に幅広く対応いたしますとともに、陽性者発生時の相談におきましては、施設の求めに応じて、原則として二十四時間以内に即応支援チームを派遣いたします。
 また、陽性者が発生しておりません平時におきましても、施設が実地での助言を希望いたします場合には、即応支援チームを派遣いたしております。

○うすい委員 専用相談窓口の開設と即応支援チームの派遣について、実績等は先ほどやまだ理事の方からも質疑がありましたので、省略をさせていただきますが、即応支援チームにおきましては、これまで二十五施設に派遣されたとのことでありますが、派遣された施設では具体的にどのような助言を行ったのか、その内容について伺います。

○加藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 これまでの派遣事例におきましては、施設の感染対策責任者の立会いの下で、施設内を汚染区域と清潔区域に区分するゾーニングが守られているか、換気は十分か、個人防護具の着脱が適切に行われているか、手指消毒や手洗いが正しい方法で行われているかなどにつきまして確認を行っております。
 また、入所者の食事や入浴、排せつ等を介助する際の感染対策や、ウイルスに汚染されている廃棄物の処理方法など、それぞれの施設の状況に応じた具体的な対策につきまして助言を行っております。

○うすい委員 今まで答弁いただきまして、派遣された即応支援チーム等の助言等、具体的にどのように行ったかということをお聞かせいただきました。
 そうしたことを含めまして、大変にこうしたことは意義あるものと考えます。今後、第六波を超える感染拡大に備えるためにも、本事業の活用をぜひとも促進していくべきと考えます。都の見解を伺いたいんですが、返事は分かっていますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 また、今後、第七波に備えた対応がしっかりとできるように、感染対策の整備、また計画が、各高齢者施設等にしっかりと進捗ができるように、東京都のしっかりとしたそういう動きをしていただきたいことを切にお願いをしまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○かまた委員 まず初めに、フードパントリー緊急支援事業について伺います。
 フードパントリーは、食の支援活動という側面とともに、生活に困窮している方々を区市町村の社会福祉協議会などの適切な支援機関につなげていくという大事な側面も担っております。支援機関につなげるという側面を考えたとき、多くの区市町村にフードパントリーが設置されるように取り組んでいくことが重要なことだと私は考えております。
 そのため、都議会公明党としても、フードパントリー設置事業の初期経費補助に加えて、人件費や諸経費などの運営費も新たなメニューに追加し、事業拡大につなげていくべきだとの考えを示させていただきました。
 そして今回、この補正予算の中でも、都は、フードパントリー緊急支援事業を延長することとしておりますけれども、改めて本事業の目的と取組内容についてお伺いをいたします。

○高橋生活福祉部長 これまで都は、生活困窮者等に食料を提供いたしますとともに、適切な支援につなげる地域の拠点となるフードパントリーの立ち上げに要する経費を区市町村に対して包括補助により支援しておりまして、これまでに九区市三十一事業所に補助をしてまいりました。
 これに加えまして、本年四月からウクライナ危機による原油や食料等の価格が上昇する中、食料調達や輸送などに係るランニングコスト等の経費を区市町村社会福祉協議会や民間団体等が運営いたしますフードパントリーの事業者に対して直接支援することといたしました。
 今回の補正予算案では、ウクライナ危機による物価高騰の長期化が懸念されることから、事業期間を延長して支援することといたしました。

○かまた委員 本事業の最大の目的は、支援が必要な方々を相談窓口につなげていくことでありますので、まずは多くの方に、このフードパントリーに来ていただくことが大切だと考えます。そこで、受入れ場所をつくってくださっているフードパントリーの運営団体等に対しまして、直接経費も支援していただいている本事業を評価させていただきます。
 また、適切な支援につなげる地域の拠点でもありますフードパントリーが、本事業を有効に活用するために、区市町村等との連携をして周知を行うことが効果的であると考えますけれども、都はどのように周知を行ったのか、また現在の申請状況についてもお伺いをします。

○高橋生活福祉部長 本事業は、区市町村社会福祉協議会や区市町村と連携して、フードパントリーを実施いたします民間団体等を補助対象としていることから、本事業の実施に当たりましては、区市の福祉保健主管部長会や区市町村社会福祉協議会事務局長会などで事業の説明を行い、区市町村等から事業者に対する周知を図っております。
 本年五月末現在、子供食堂を運営する特定非営利活動法人や市の社会福祉協議会などの十五事業者から交付申請を受け付けており、本補正予算案議決後は、事業期間の延長に伴い、改めて交付申請の受付をする予定でございます。

○かまた委員 短期間の中で十五の事業所が手を挙げてくださったとのことで、これは、部長自ら特別区の福祉主管部長会にも参加をしてくださったと伺っておりますけれども、いろいろな工夫をしてアピールをしてくださったんだと思います。
 まだ申請期間も延長されることになるかと思いますので、ぜひ、さらに区市町村と連携を図っていただいて、申請拡大に向けて周知を進めていただくことを改めて要望させていただきます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、ひきこもりに係る支援事業についてお伺いをいたします。
 今回、補正予算で、当事者や家族、その他一般都民に対する普及啓発を強化するとのことで大いに期待をしているところであります。
 先日の五月二十五日に開催をされました東京都ひきこもりに係る支援協議会ひきこもりに関する広報部会の冒頭部分だけでしたけれども、拝聴させていただきました。その際、当事者の委員の方から、医療機関にリーフレットなどを設置するなど、協力を依頼してはどうかというご意見がありました。
 私自身、公共施設とかマスメディア等での広報はイメージをしておりましたけれども、当事者やご家族の方々がふだん利用する場とか、また立ち寄る場所とかに広報物を置くという発想がなかったので、すごくいいご意見だなというふうに感じておりました。
 そこで、ひきこもりに関する広報につきまして、医療機関等に協力を依頼することは有効であると考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○高橋生活福祉部長 都は現在、ひきこもりに係る支援協議会に設置いたしました広報部会において、より効果的な広報について検討を進めておりまして、医療機関へのリーフレットの配置を含め、様々な意見が出されております。
 委員ご指摘のとおり、広報部会でのご意見を受けまして、先日、東京都医師会に対し、ひきこもりに関する広報について医療機関への協力を依頼したところでございます。
 引き続き、広報部会でいただいたご意見等を踏まえ、当事者や家族に適切に届く、より効果的な広報に取り組んでまいります。

○かまた委員 早速ご対応してくださったということで、本当にありがとうございます。
 当事者やご家族の方が広報物を手にしていただきまして、何かしらの支援につながることがすごく重要だと思いますので、ぜひ、広報に関しましては、様々な取組が永遠に続くかと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、最後に、障害者の就労支援についてお伺いをいたします。
 このコロナ禍、テレワーク化が進んだりとか、また様々なイベントが中止となったりしたこと等によりまして、就労継続支援事業所の生産活動が大きな痛手を被っております。そのため、今回、都が補正予算で計上しました就労継続支援事業所生産活動活性化支援事業はとても大事な事業であります。
 先ほど桐山理事の方からも、質疑で本事業の目的についてはありましたので、これは省かせていただきたいと思いますけれども、事業所の運営を下支えすることで、利用者の賃金や工賃の確保を図るという本事業は、本当にありがたいなというふうに私も思っております。
 また、このコロナ禍で事業所の職員の方々は、何とか運営を安定化させようと悩まれて取り組まれたと思いますが、今後も社会のデジタル化とか、また宅配化などの消費者行動の変化なども大きく影響を受けていくと思います。
 そこで、社会変化に合わせて、事業所も新しい事業に進出するなど前向きに対応していくべきと考えますが、そうした事業所に対する都の支援についてお伺いをします。

○中川障害者施策推進部長 障害者の就労継続支援事業所は、障害者が自立した日常生活を営むため、賃金や工賃を向上させることが求められておりまして、事業の実施に当たりましては、収益性の向上に向けた事業所の取組が重要となります。
 このため、都は、経営意識を高めるセミナーの開催や新たな販路の開拓に向けた支援などを通じまして、事業所の事業運営や経営改善を支援してまいりました。
 こうした取組に加えまして、新たな事業では、コロナ禍等による社会状況の変化にも対応するため、生産活動を再び軌道に乗せるためのコンサルティングや通販サイトの開設など、購買動向の変化に対応した取組などについても支援してまいります。

○かまた委員 今ご答弁にありましたように、まずはセミナー等で事業所の方の意欲を向上させていただき、また、さらに本事業で生産活動の再起に向けたコンサルティングや財政的な支援を進めていくということで、本当にありがたいなと思います。
 私自身、ご本人の努力とか工夫だけではどうにもならない分野こそ、行政が支援をするべきだというふうに考えておりますし、この障害者の就労支援こそ、まさにその分野ではないかなというふうに思っております。
 ぜひ今後も様々な社会の情勢に対応できるように、事業所へのソフト面、またハード面とあらゆる角度でのご支援を要望して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○おじま委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時十一分散会

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