厚生委員会速記録第五号

令和四年三月十七日(木曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長おじま紘平君
副委員長伊藤こういち君
副委員長小松 大祐君
理事関口健太郎君
理事やまだ加奈子君
理事桐山ひとみ君
かまた悦子君
上田 令子君
うすい浩一君
浜中のりかた君
藤田りょうこ君
菅原 直志君
小宮あんり君
白石たみお君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長中村 倫治君
総務部長高野 克己君
病院経営本部本部長西山 智之君
経営企画部長谷田 治君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 令和四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 厚生委員会所管分
・第五号議案 令和四年度東京都国民健康保険事業会計予算
・第六号議案 令和四年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
・第七号議案 令和四年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・第八号議案 令和四年度東京都地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計予算
・第十九号議案 令和四年度東京都病院会計予算
付託議案の審査(決定)
・第六十三号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第六十四号議案 東京都国民健康保険保険給付費等交付金条例の一部を改正する条例
・第六十五号議案 東京都国民健康保険事業費納付金条例の一部を改正する条例
・第六十六号議案 東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
・第六十七号議案 東京都受動喫煙防止条例の一部を改正する条例
・第六十八号議案 東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第六十九号議案 東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
・第七十号議案 東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十一号議案 東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第七十二号議案 東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、整備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十三号議案 東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第七十四号議案 東京都ふぐの取扱い規制条例の一部を改正する条例
・第七十五号議案 地方独立行政法人東京都立病院機構に係る地方独立行政法人法に規定する重要な財産を定める条例
・第七十六号議案 地方独立行政法人東京都立病院機構に係る地方独立行政法人法第五十九条第二項に規定する条例で定める内部組織を定める条例
・第七十七号議案 東京都立病院条例を廃止する条例
・第九十七号議案 中野区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
・第九十八号議案 板橋区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
・第九十九号議案 地方独立行政法人東京都立病院機構中期目標について
・第百号議案 地方独立行政法人東京都立病院機構に承継させる権利を定めることについて
・議員提出議案第一号 子どもの属する世帯に係る国民健康保険料又は国民健康保険税の補助に関する条例
請願の審査
1 三第四七号 都立病院・公社病院を都立直営病院として継続することに関する請願
2 三第五二号 都立病院を廃止する都立・公社病院の地方独立行政法人化の中止等に関する請願
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○おじま委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査、請願の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、令和四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、厚生委員会所管分、第五号議案から第八号議案まで及び第十九号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○浜中委員 東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託された令和四年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 令和四年度予算案は、コロナの感染拡大防止、ワクチン接種の促進と都民生活、都内経済との両立を図るとともに、東京の発展に向けて、東京二〇二〇大会のレガシーをスポーツ振興、文化振興につなげ、災害対策、少子高齢化対策、子供、子育て支援、環境対策やデジタル化促進といった様々な課題に対応していくための予算です。
 こうした多岐にわたる課題に対応するために、令和四年度の一般会計予算は、税収増を背景に過去最大となっていますが、景気下振れの懸念など、都財政の先行きは不透明であり、引き続き、中長期的視野を持って、財政の持続可能性を維持していくことが求められています。
 そして、コロナ感染の再拡大への懸念が拭えない中、ロシアの侵攻を契機とするウクライナ危機への対応も含め、今後、緊急対応が必要な事態が発生することも予想されます。計画的な事業執行に努めると同時に、状況変化への柔軟な対応も必要です。
 コロナの感染状況の動向など、東京を取り巻く環境変化に柔軟に対応しつつ、東京都が直面する様々な行政課題に的確に対応するため、都内区市町村ともしっかり連携をし、都民が事業効果を実感できる円滑かつ効率的な事業執行に取り組んでいくことを求めておきます。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、このことを申し上げ、各事業について述べさせていただきます。
 最初に、福祉保健局関係について申し上げます。
 一、引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に取り組み、ワクチンの追加接種を着実に進めるなど対策に万全を期するとともに、感染の再拡大も視野に医療体制の強化に努めること。
 一、福祉先進都市実現基金を活用し、「未来の東京」戦略 version up 二〇二二に基づく施策を着実に進められたい。
 一、東京都地域防災計画に基づき、災害医療コーディネーターを核とした災害医療体制の構築とともに、都内全ての病院の耐震化促進や災害拠点病院の整備など、災害医療体制の充実に努められたい。
 一、NICUの増床とともに、ハイリスクの妊産婦や新生児、重篤な小児救急患者に係る高度な医療を提供する医療機関に対し、施設、設備整備や医師の確保など、総合的な支援に努められたい。
 一、高齢化のさらなる進展を見据え、区市町村による在宅医療の取組を支援するとともに、医療機関から在宅への円滑な移行を行う人材の育成と確保を支援し、在宅療養環境の充実に努められたい。
 一、がん診療連携拠点病院の規模拡大や機能強化を図りつつ、地域の病院、診療所との効果的な連携や各医療機関の機能、専門性を生かした役割分担などの都全体のがん医療提供体制の充実に努められたい。
 一、喫煙と健康についての正しい知識の普及啓発活動を推進するとともに、健康増進法、東京都受動喫煙防止条例に基づき、受動喫煙防止に向けた取組の強化を図られたい。
 一、高校生等への医療費助成について、実施に当たっての具体的な課題も含め、区市町村との意見交換を行うなど丁寧に調整を進められたい。
 一、コロナ禍にあっても、家庭の経済状況等によることなく子供たちが進学に取り組むことができるよう、低所得者世帯を支援されたい。
 一、特別養護老人ホームの計画的な整備とともに、地域での在宅サービスの基盤整備を図るために、ショートステイや区市町村が行う地域密着型サービス拠点の整備促進を図られたい。
 一、急速な高齢化と生産年齢人口の減少に対応するため、介護人材の安定的な確保に向けた取組の一層の充実を図られたい。
 一、特養経営支援事業などにより、特別養護老人ホームに入所する医療的ケアが必要な方々への支援を充実されたい。
 一、急増する認知症患者とその家族を地域で支え、安心できる暮らしを確保していくために、認知症の初期から中重度までの段階に応じた支援を行えるよう、認知症施策の一層の充実を図られたい。
 一、都民のニーズに即した保育サービスの充実に当たっては、保育の実施主体である区市町村の取組を広く柔軟に支援するとともに、保育人材の確保、育成を推進されたい。また、認可保育所、認証保育所、認定こども園、家庭的保育、小規模保育など、多様な保育サービスの拡充を図られたい。
 一、障害の有無にかかわらず、児童の放課後の充実が図られるように、学童クラブや放課後等デイサービスの充実を図られたい。
 一、全ての人が安心して子供を産み育てられるよう、不妊検査等に要する費用の助成や、妊娠期から子育て期への切れ目のない支援体制の充実を図られたい。
 一、障害者児の日常生活や学習を支える各種デジタル機器についての情報提供について、区市町村と連携を進めるとともに支援の拡充を図られたい。
 一、児童虐待を早期に発見し、より適切に対応していくために、児童相談所の組織体制など機能を一層強化するとともに、専門職や関係機関のさらなる連携強化を図られたい。また、区市町村の子供家庭支援センターによる虐待の未然防止に関する取組への支援を充実されたい。
 一、子育て支援の充実を図るために、企業やNPO法人などの取組を支援するとともに、地域子育て支援拠点の整備を促進し、利用者支援や地域支援の実施など、機能強化を図る区市町村を支援されたい。
 一、障害者が地域で安心して生活するために、グループホーム等のサービス基盤や児童発達支援センター、地域生活支援拠点等の整備促進を図られたい。また、医療的ケアが必要な障害児が地域で適切な支援を受けられるよう、環境の整備を図られたい。
 一、身近な地域で精神障害者が治療を継続し、安心して自立できるよう、地域精神科医療の仕組みづくりや就労支援に取り組まれたい。
 一、福祉サービスの基盤整備を促進するために、公有地活用の推進及び区市町村への情報提供の充実を図るとともに、民有地の活用策についても検討されたい。
 一、動物愛護精神の涵養や飼い主のいない猫対策の推進とともに、保護した動物の譲渡を拡大し、殺処分ゼロを継続するための施策の充実を図られたい。また、動物愛護センターの機能強化も図られたい。
 次に、病院経営本部関係について申し上げます。
 一、都立、公社病院は、独法化の準備を着実に進め、各病院の特徴をさらに際立たせることや機能を強化することで、行政的医療を安定的、継続的に提供するとともに、地域医療の充実に努められたい。特に、独法化のメリットを生かし、医療機能強化に向けた人材の確保や緊急時における機動的な対応に備えるための人材育成に取り組むとともに、収益の確保や費用の節減などにより、安定的な経営基盤を確立されたい。
 一、新型コロナウイルス感染症への対応について、都立、公社病院は、精神科疾患や妊婦等、他の医療機関では対応困難な患者を積極的かつ確実に受け入れること。また、感染状況に応じた病床確保、職員の専門能力の育成、院内感染対策の強化に取り組まれたい。
 一、地域包括ケアシステムの構築に向け、関係機関とのネットワーク構築やICTを活用した患者情報の共有など、モデルとなる取組を推進されたい。また、都立、公社病院の医療人材を活用し、医師の派遣や訪問看護ステーションへの技術支援など、地域医療を担う人材の育成を図られたい。
 一、サイバー攻撃から病院を守り、安全・安心で質の高い医療を継続して患者に提供できるよう、電子カルテによる診療業務の安定的、効率的な運用を確保するとともに、技術的な防護策のほか、職員の意識向上を図るなど、強固な情報セキュリティ環境の構築と対策を着実に進められたい。
 一、多摩メディカルキャンパスに関して、独法化後も着実に整備事業を進めるとともに、独法化のメリットを生かした安定的な医療人材の確保に努め、がん医療体制や難病患者への対応強化など、地域の医療ニーズに的確に対応し、多摩地域の医療拠点としての役割を果たしていかれたい。
 一、広尾病院の整備事業を着実に進め、災害医療の強化や島しょ医療の充実を図られたい。特に、島しょ地域に対する支援の強化として、外来受診、入院のための患者家族宿泊施設を充実させるとともに、退院後も安心して療養生活が送れるよう、島しょの診療所や訪問看護ステーションへのICTを活用した技術支援を行い、災害想定も踏まえ、5Gを活用した遠隔医療についても推進されたい。
 以上をもちまして、意見開陳を終わります。

○菅原委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和四年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 令和四年度予算は、長期化するコロナ禍において、都民の命と暮らしを守ることを最優先としながら、東京の経済を支え、その先の未来を見据えた予算として、ワイズスペンディングを徹底しながらも、めり張りをつけた予算となっています。
 令和四年度予算には、新型コロナウイルス感染症対策、医療体制の充実、経済対策の強化、子育て支援、新しい時代を切り開く人材の育成、女性活躍、高齢者支援、気候変動や災害に強いまちづくり、多摩・島しょ振興など、都民生活にとって欠かすことのできない大切な施策が数多く盛り込まれています。
 都民ファーストの会東京都議団が要望し実現しました出産応援事業、赤ちゃんファーストの継続と産後ケア支援のデジタル家電への対象拡大、子供たちの居場所や学びを確保する学童クラブやフリースクールなどへの新たな支援や塾代支援の対象拡大、介護人材の処遇改善や介護職員宿舎借り上げの補助拡充、町会、自治会による防災グッズ配布など、地域防災の強化、デジタル人材を年間一万人確保、育成する東京版ニューディール強化などに対応する予算が計上されました。
 東京二〇二〇大会のレガシーを踏まえ、サステーナブルリカバリーやデジタルによる構造改革など、東京の未来を示し、東京のさらなる進化を図るとともに、都民の安全・安心を確保するため、効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望します。
 それでは、各局事業について、まず、福祉保健局関係について申し上げます。
 まずは、新型コロナウイルス感染症に係る個別の施策です。
 一、感染症に強い社会の構築のため、衛生環境などの整備に取り組むこと。
 一、新型コロナの検査体制の十分な確保に努めること。
 一、ワクチン接種の意義を多くの都民に理解してもらえるように努めること。
 一、ワクチン接種は、国、都、区市町村の連携でスムーズに進めること。
 一、国産のワクチン、治療薬などの確保のため、都として努めること。
 一、自宅療養施設、宿泊療養施設の確保、対応を進めること。
 一、医療機関の病床は、感染拡大を想定し確保すること。
 一、後遺症外来の設置など、後遺症への対応を進めること。
 一、感染拡大に備え、衛生資材の確保を万全にすること。
 一、感染症対策全般に対し、デジタルを活用すること。
 一、東京iCDCをはじめとする専門家による科学的な調査を踏まえ、その解析結果を都民に周知すること。さらに、都の施策は科学的な根拠に基づくよう努めること。
 一、新型コロナに関する情報提供体制を強化すること。
 一、新型コロナの相談体制の維持拡充に努めること。
 一、ワクチンの副反応に関する相談と不安を持つ方への正しい情報提供に努めること。
 一、福祉施設でのクラスター対策を進めること。
 次に、個別の事業について申し述べます。
 一、東京都こども基本条例の制定を受け、子供の意見表明権などの基本的な権利擁護の立場からの施策展開を進めること。
 一、中高生の思春期特有の悩みや男女のプレコンセプションケアなどに対応する東京ユースヘルスケア事業を推進すること。
 一、とうきょうママパパ応援事業を拡充すること。
 一、子供の死亡事例を分析、効果的な予防対策を進めるCDR事業を進めること。
 一、高校生などへの医療費助成の拡充は、区市町村との連携を図りながら準備を進めること。
 一、学童クラブ待機児童解消のための事業は、区市町村の提案を受けながら、地域の実情に応じた取組を進めること。
 一、社会的養護施設退所者へのアフターケアは、当事者が新しい生活に進むための取組として丁寧に進めること。
 一、受験生チャレンジ支援貸付事業の対象者などの拡充を評価します。今後は、十分な周知とともに、貸付事業の在り方についても議論を進めること。
 一、学童クラブの量と質の充実を行うとともに、学童クラブ支援員などの雇用の安定と待遇改善に努めること。
 一、都独自の認証保育制度を堅持し、子供、子育てニーズに応じ、弾力的に対応できるようにすること。
 一、子供の貧困対策として、子供食堂、子供宅食の支援、スタディークーポン事業の充実を図ること。
 一、放課後デイサービス事業は、量と質の充実を丁寧に進めること。
 一、子供を虐待から断固守るという強い意思の下、児童虐待対策をより積極的に進め、虐待を未然に防ぐ予防的支援体制の強化を推進すること。
 一、児童養護施設の入所児童、退所者、職員、自立支援コーディネーターらが、弁護士に身近に無料で相談を受けられる仕組みを進めるとともに、トラウマや心のケアを受けられる体制整備を行うこと。
 一、里親への委託を加速し、社会的養育の施策を進めること。里親、里子の意見を尊重し、気持ちに寄り添い、子供の最善の利益を図ること。
 一、ベビーシッター利用支援事業について、保護者が安心して利用できる環境整備を推進すること。
 一、情報が届きにくいひとり親と、その予備軍である離婚を考えている親に対する情報提供、支援を拡充し、子供の養育費確保のための施策展開を進めること。
 一、ひきこもり当事者の実情に応じた切れ目のない支援に向け、区市町村、関係機関と連携し取り組むこと。
 一、介護人材対策として予算化された宿舎借り上げと就業促進事業を確実に推進すること。
 一、更年期障害への周囲の理解を進め、女性の健康を包括的に支援すること。
 一、公衆衛生医師の確保についても、引き続き、様々な媒体を活用しPRに努め、待遇改善に向け取り組むこと。
 一、聴覚障害児支援中核機能モデル事業については、難聴児を早期に発見し、早期療育など切れ目のない支援につなげるよう、教育と連携し速やかに在り方について検討すること。
 一、EIM、エクササイズ・イズ・メディシンの施策を検討し進めること。
 一、コロナ禍において、かかりつけ医によるオンライン診療などの環境整備を推進すること。
 一、ACP、アドバンス・ケア・プランニングの周知を進め、人生の最期の時間を本人の望む形で迎えられる社会を構築すること。
 一、がん対策は、予防、早期発見、早期治療、AYA世代のがん、女性特有のがん、感染性要因のがん、がんと就労の課題、がん医療の充実、療養生活への支援、緩和ケア、がん患者会、がんの啓発などの施策を展開すること。
 一、ソーシャルファーム条例の制定に伴い、全ての都民を包括した施策展開をさらに進めること。
 一、ダブルケアラー、ヤングケアラーなどの複合的な課題に対し、包括的な支援体制を構築すること。
 一、動物殺処分ゼロを継続し、保護動物の譲渡の促進とアニマルウエルフェアの啓発、動物愛護団体などへの支援の拡充、動物との共生社会の実現を目指し、多くの関係者と連携協力し施策を推進すること。
 次に、病院経営本部関係について申し上げます。
 一、都立、公社病院の独法化に当たっては、行政的医療を堅持し、中期計画案にうたわれた目標に向けて、患者中心の医療に向き合い、質の高い医療が多くの都民に還元できるよう、医療機能強化を実現すること。
 一、独法化後もメリットを生かし、都立、公社病院機能を維持していくため、着実に施設の更新を進めること。
 一、独法化後も多様なリスクを抱えた妊産婦に対する周産期医療の一層の充実を図ること。
 一、独法化後も地域全体で神経難病に関する知識や技術をより一層高めること。
 一、広尾病院については、長期にわたる整備事業があるが、基幹災害拠点病院としての役割の機能を維持しつつ、PFI事業において質の高いサービスを維持すること。
 一、PFI事業の実施に当たり、公的財政負担の縮減としてVFMを示し公表すること。
 一、公共サービス水準の向上に関して、モニタリングによるチェック機能を十分に働かせること。
 一、新型コロナウイルス感染症対策は、病床の確保、医療スタッフの確保を含め、万全の体制で備えること。
 一、がん患者へは、がん相談、就労相談、がん患者会の運営など、がん患者に寄り添った施策展開を進めること。
 一、島しょ部の医療体制を守ること。
 一、患者向けのWi-Fi環境を早急に整備すること。
 一、オンライン資格確認の普及を着実に推進すること。
 以上、都民ファーストの会東京都議団として意見開陳を終わります。ありがとうございました。

○かまた委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和四年度予算関連議案について意見開陳をいたします。
 令和四年度一般会計予算案は、新型コロナウイルス感染症対策はもとより、安全・安心な東京の実現、サステーナブルリカバリーで世界をリードする東京への進化、あらゆる面で段差のない共生社会の形成など、希望ある未来を切り開いていくための様々な取組を事業化しています。
 具体的には、高校生等医療費の助成や重粒子線治療施設導入に向けた調査、高校段階における一人一台端末の整備、新たな調節池の整備、ホームドアの整備促進、東京都同性パートナーシップ制度の導入など、都議会公明党が強く求めてきた施策が随所に盛り込まれており、高く評価するものであります。
 また、政策評価と事業評価を一体的に実施し、より成果重視の視点などから、評価制度のさらなる充実を図るとともに、事業評価では、千三百六十八件の見直し、再構築、千百十七億円の財源確保額へとつなげています。
 基金については、「未来の東京」戦略 version up 二〇二二で掲げる政策を着実に進めるための財源として戦略的に活用するとともに、税収増を活用し都債の発行抑制を図るなど、中長期を見据え、財政対応力の堅持にも努めています。
 しかし、基金残高はコロナとの闘いに突入した令和元年度の半分以下の水準であり、コロナ禍での基金活用の実績を踏まえれば、現状では財政面の備えが弱いといわざるを得ません。加えて、緊迫する国際情勢に伴う社会経済への様々な影響も懸念されます。
 引き続き、コロナ禍への万全の対策を講じることはもとより、目まぐるしく変わる社会経済情勢をしっかりと見極め、時機を逸することなく対策を講じることができるよう、基金残高の確保も含め、戦略的な財政運営を行うべきことを強く求めておきます。
 あわせて、予算の執行段階においてもさらなる創意工夫を行い、無駄の排除の徹底や迅速かつ的確な事業実施を行うとともに、評価制度をさらに充実させ、施策の新陳代謝の一層の促進に努めることを強く望むものであります。
 次に、各局別に申し上げます。
 まず、福祉保健局関係についてであります。
 一、福祉先進都市実現基金を活用し、「未来の東京」戦略 version up 二〇二二に基づく施策を着実に進めること。
 一、在宅療養体制を推進し、認知症グループホームやケアハウス、小規模多機能拠点など、高齢者用の地域密着型施設の増強を図るとともに、在宅療養支援窓口や訪問看護ステーションの充実を図ること。
 一、デジタル機器やロボットなどの活用を積極的に進めて、医療、福祉人材及び障害当事者等の負担の軽減、活躍の促進を図ること。
 一、介護業界の担い手不足の解消に向け、人材の確保、育成を図る事業を推進すること。
 一、多摩地域や島しょなどの広域的活用を含めて、特別養護老人ホームの整備を進めること。
 一、若年や高齢を問わず、MCIを含めた認知症患者とその家族を支える体制を強化し、相談体制の充実に努めること。また、チェックリストを活用した普及啓発や認知症検診に取り組む区市町村を支援するなど、早期診断、早期対応の取組を一層推進すること。
 一、東京都こども基本条例についての普及啓発や、条例の理念に基づき、子供の意見表明や権利擁護の取組を区市町村とも連携し進められたい。
 一、保育サービスの充実に取り組む区市町村を広く柔軟に支援すること。また、多様な保育ニーズに迅速的確に対応すること。
 一、妊産婦の産前、産後ケア、多胎児を育てる家庭に寄り添った支援など、妊娠から子育てに至る一貫した支援の充実を図ること。また、コロナ禍で不安を抱えた妊産婦への支援を強化するとともに、妊婦健診の普及啓発、企業やNPO法人などによる子育て支援の促進を図ること。
 一、社会全体で虐待の防止に関する理解を深め、その防止に関する取組を推進するとともに、中長期的な視野から児童相談体制の強化を図ること。
 一、都外を含め、障害児者の入所施設の利用者の地域移行を公平に支援するとともに、グループホーム及び通所施設、児童発達支援センター等の基盤整備の促進や、放課後等デイサービスへのサービスの質向上に取り組むこと。
 一、障害当事者や企業の参画を進め、福祉のまちづくり事業を本格的に展開すること。
 一、ユニバーサルデザインの視点で、障害等に応じたトイレをさらに普及させるとともに、公共施設等のトイレに計画的に介助用ベッドの整備を推進すること。
 一、医療的ケア児とその家族が地域で安心して療養生活を送れるよう、区部、多摩地域それぞれに医療的ケア児支援センターを整備すること。
 一、発達障害者やひきこもり者の自立支援の充実に向け、年代を超えた切れ目のない支援、特性に応じた支援の強化を図ること。
 一、精神疾患に関する地域医療連携体制を整備するほか、就労支援を強化すること。
 一、ヤングケアラーの早期発見に努め、相談体制の構築や関係機関との連携を図ること。
 一、東京都がん対策推進計画に基づき、新たながん治療の開発、がん登録、がん教育、小児、AYA世代のがん対策、緩和ケア、ピアカウンセリング、がん患者の就労支援などについて、取組の充実を図ること。あわせて、女性の健康週間等を活用し、女性のがん対策の普及啓発を図ること。
 一、高校生等への医療費助成について、実施に当たっての具体的な課題も含め、区市町村と意見交換を行うなど、丁寧に調整を進めること。
 一、意欲的に救急患者を受け入れる医療機関への支援の強化や、受入れ調整を行う地域救急医療センターの充実を図ること。
 一、基地病院と連携しながら、東京都のドクターヘリを運航するとともに、近隣県との連携に向けたドクターヘリの共同運航に係る具体的な方策について検討を進めること。
 一、小児科、産科などの地域医療を担う医師を育成するため、奨学金制度の取組を進めるほか、勤務医の離職防止や離職看護師の復職に向け、効果的な支援を行うこと。
 一、在宅療養支援窓口の整備を図る区市町村と各医療資源との仲立に努め、あわせて、回復期や慢性期の医療機能を担う中小病院を効果的な医療連携に導くこと。
 一、難病医療ネットワークを構築し、難病患者を早期診断から地域での療養生活まで支える体制の充実を図ること。
 一、殺処分ゼロの継続に向け、動物飼養情報の普及、保護動物の譲渡の促進、動物愛護団体への支援の充実、動物愛護相談センターの機能強化、災害時の同行避難の促進を図ること。
 一、新型コロナウイルス感染症について、都民の健康と命を守るため、相談、検査、医療提供体制を強化するとともに、医療従事者への特殊勤務手当を継続すること。区市町村等の関係機関と連携し、ワクチンの追加接種を着実に進めること。感染者が発生した場合に影響が大きい特別養護老人ホームや障害者支援施設の職員や、利用者への定期的な検査について、感染状況を踏まえ、引き続き支援策を講じること。
 一、コロナ禍において、ネットカフェ等に寝泊まりしながら不安定な就労をしている方が適切な支援を受けられるように、一時宿泊場所としてのビジネスホテルの提供や一時利用住宅の拡充を継続すること。
 一、コロナ禍にあっても子供たちが自立に向けて目指す道に挑戦できるよう、低所得世帯の子供達の学びを支援すること。
 一、女性の月経に関する生理の貧困の課題について、災害用備蓄品などの有効活用を図り支援すること。
 次に、病院経営本部関係について申し上げます。
 一、都立、公社病院は、一体的な独法化によって、生産年齢人口減少の流れの中にあっても、行政的医療及び高度先進医療を提供するとともに、地域医療の充実に貢献し続けていくため、医療人材の確保などの課題に総力を挙げて対応できるよう、着実に準備を進めること。
 一、がん診療について、集学的治療の実践や小児がん医療への取組、医学物理士等の高度な専門職の確保、育成、がんに関する普及啓発等のさらなる充実に努めるとともに、患者支援センターによる就労支援や社会保険労務士との連携による相談の充実、診療体制の整備などにより、がんの治療と仕事の両立を支援すること。また、最新のがん対策として、重粒子線治療の事業採算性などについて調査し、導入を検討すること。
 一、新型コロナウイルス感染症について、都立、公社病院は、必要な病床を確保し、引き続き積極的に患者を受け入れること。さらに、後遺症に苦しむ方に対して設置したコロナ後遺症相談窓口において、後遺症を和らげるよう、相談者に寄り添った支援を継続すること。
 一、多摩メディカルキャンパスの整備に当たっては、女性特有のがん対策として、プライバシーやアメニティーに配慮すること。また、がん検査体制についても、微小な病変でも発見できる検査装置であるPEMの導入や、内視鏡部門を都内有数の検査規模に拡充するとともに、女性専用エリアなど女性が受診しやすい環境づくりを進め、女性医療の充実を図ること。
 一、小児総合医療センター等は、小児医療から成人期への円滑な医療への移行期医療に取り組むこと。
 一、こども救命センターとして、小児重篤患者を二十四時間三百六十五日受け入れることで、多摩における小児の高度医療を担うとともに、今後も都民が安心できる小児救急医療体制を維持すること。また、増加傾向にあるAYA世代のがん患者の診療や患者に寄り添った支援の強化に取り組むこと。
 一、アレルギー疾患医療拠点病院及び専門病院である小児総合医療センター、多摩総合医療センターをはじめ、都立病院におけるアレルギー医療の充実を図ること。また、不妊治療については、保険適用の範囲が拡大されたことに伴い、都民のニーズに的確に対応すること。
 一、東京医師アカデミー、東京看護アカデミーの取組により、行政的医療を担う医療人材の確保、育成を図ること。また、育児中等の医師が安心して働くことができる環境整備とともに、復職を希望する医師に対する研修実施に積極的に取り組むこと。
 以上をもちまして、都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。

○藤田委員 日本共産党都議団を代表して、厚生委員会に付託された二〇二二年度東京都予算案に対する意見を述べます。
 新型コロナウイルス感染症への対応が始まって二年余りになりますが、都立病院、公社病院は、東京都の新型コロナ患者を中心的に受け入れる医療機関として、数多くの患者を受け入れるとともに、障害者、認知症患者、透析患者、妊婦など、民間の医療機関では受入れが難しい患者を率先して受け入れてきました。都立病院、公社病院は、まさに都民の命綱、最後のとりでとして、かけがえのない役割を果たしてきました。
 にもかかわらず、小池知事が本議会に提出した来年度の予算案は、都立病院、公社病院の地方独立行政法人化を前提としており、病院会計は三か月分しか組まれていません。このコロナ禍で、あくまで独法化を強行しようとする姿勢は決して許されません。
 オミクロン株のBA・2による感染の再拡大が強く懸念される事態ですが、来年度予算の新型コロナ対策は従来の延長線上にとどまっています。国民健康保険料、保険税の大幅値上げが懸念される事態にもかかわらず、新たな負担軽減策は取られていません。認可保育園などを増設するための待機児童解消区市町村支援事業の予算が半分に、百十億円も減らされていることも重大です。
 我が党は、都立病院、公社病院の地方独立行政法人化を中止するとともに、医療や福祉を抜本的に充実する予算とすることを強く求めるものです。
 まず、病院経営本部に対して意見を述べます。
 一、都立病院と公社病院の独立行政法人化は、直ちに撤回すること。
 一、直面する新型コロナ対応をはじめとした医療の充実のため、都立、公社病院の職員を抜本的に増員すること。
 一、PFI方式による病院運営は、直営に戻す方向で検討し、広尾病院、神経病院などへのこれ以上の拡大は行わないこと。
 一、都立病院、公社病院で、無料低額診療事業を実施すること。
 一、都立広尾病院と神経病院の改築に当たっては、地域住民や島しょ住民をはじめとした都民の意見、要望を反映するよう努め、病床を縮小させず、差額ベッドを増やさず、都民が必要としている医療を拡充させること。
 一、多摩北部医療センターの建て替えは、住民参加で進め、産科とNICUの設置、小児外科の設置、小児科の充実、高齢者の聞こえの支援の充実など、抜本的に拡充すること。
 一、公社病院の小児救急医療の拡充、重症障害児や神経難病患者の受入れ、NICU、産婦人科の設置、透析室の拡充、脳卒中専門病床整備などを進めること。東部地域病院での放射線治療の実施に向けた検討を始めること。
 一、がん検診センターの一次検診は継続し、人材育成をはじめとしたそのほかの事業についても、縮小ではなく拡充を進めること。
 続いて、福祉保健局の予算について意見を述べます。
 一、新型コロナウイルス感染症対策のためのPCR等検査を抜本的に拡充すること。
 一、経営が悪化している民間医療機関への支援を抜本的に強化すること。
 一、保健所と健康安全研究センターの人員を増やすこと。都保健所を増設すること。
 一、国民健康保険料、税の負担軽減のために、さらなる財政措置を行うこと。
 一、待機児童ゼロに向け、認可保育園を整備の中心にし、抜本的増設を進めること。公立保育園の新設、増改築への整備費補助を行うこと。
 一、福祉施設を増やすため、都営住宅、公社住宅の建て替えなどにより創出される用地の提供、公営企業、監理団体の保有する未利用地の活用を一層強化すること。都有地活用推進本部との連携で、高齢者施設、障害者施設を含め、都有地等を活用した福祉インフラ整備をさらに促進すること。
 一、福祉、介護人材の賃金の大幅引上げのため、都として独自助成を含む対策を強化すること。
 一、福祉人材の職員配置の抜本的な改善を進めること。
 一、児童福祉司や児童心理司を大幅に増員するとともに、経験者からの任用なども増やし、人材育成に力を入れること。
 一、介護保険料、後期高齢者医療保険料を軽減するため、区市町村、後期高齢者医療広域連合への財政支援を抜本的に拡充すること。
 一、病院の窓口負担が二割に引き上げられた七十歳以上七十五歳未満の方、十月に二割負担への引上げが狙われている七十五歳以上の方の負担が一割負担となるよう、都独自の補助を実施すること。
 一、特別養護老人ホーム、地域密着型サービスなどの整備費、運営費への補助を拡充し、大幅に増設すること。
 一、補聴器購入補助制度を創設すること。聴力検診への補助を行うこと。
 一、NICUを二次医療圏ごとに整備する新たな計画をつくること。特に不足が著しい多摩地域の整備を促進するため、整備促進加算を創設すること。
 一、島しょ地域住民が都内の医療機関にかかるための費用を補助すること。
 一、障害者医療費助成の対象をさらに精神保健福祉手帳二級以降、知的障害者愛の手帳三度以降、身体障害者三級以降へも拡大するとともに、六十五歳以上の新規認定も行うこと。
 一、多摩都市モノレール、「ゆりかもめ」などにシルバーパスを適用し、現在の二万五百十円パスの対象者に対し、所得に応じた中間の費用負担の設定をすること。また、民営バスも、都県境をまたぐ路線でシルバーパスを利用できるようにすること。
 一、出産育児一時金を都独自に上乗せすること。
 一、義務教育就学児医療費助成の通院一回二百円の一部負担をなくし、通院も無料にすること。また、十八歳までの医療費無料化の実施に当たっては、市区町村の意見を反映し、全都で早期に実施できるようにすること。
 一、生理の貧困問題の総合的対策を区市町村との連携も含めて積極的に推進すること。
 一、低所得でも利用できるように、認知症グループホーム入居者への家賃補助を実施すること。
 一、障害者グループホームの都加算は、利用者が外泊や入院した日も同じ単価を保障する仕組みを復活することをはじめ、拡充すること。
 一、心身障害者福祉手当を増額し、精神障害者にも適用するとともに、六十五歳以上の新規認定も再開すること。
 一、盲ろう者支援センターを多摩地域にも設置すること。
 一、AYA世代のがん患者に対する経済的負担軽減、相談支援の充実、ピアサポートや患者サロンの推進など、総合的支援を拡充すること。
 一、都内避難者の孤立防止や総合相談窓口などの支援を拡充するとともに、都民と同様の行政サービスを受けることができるよう支援を強化すること。
 一、大気汚染健康障害者の医療費助成事業の十八歳以上の新規認定と全額助成を再開すること。
 一、五月の大型連休中の検査、医療体制や、市区町村も含めた福祉に関する相談体制の確保のための対策を行うこと。
 一、生活保護の申請は権利であることを積極的に広報するとともに、申請者が拒否した場合は扶養照会を行わないこと。
 以上です。

○関口委員 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された令和四年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 まず初めに、ロシアによるウクライナへの武力攻撃は暴挙であり、断じて容認できません。国内での原油などのエネルギー価格の上昇、小麦などの穀物価格の上昇、円安に伴う輸入品の高騰など、都民生活に大きな影響が出ており、事業者や都民に手厚く支援することを求めるものです。
 四年度予算案では、コロナ対策経費のうち、医療提供体制の強化充実などに係る経費はおおむね三か月分を計上し、それ以降は感染状況に応じ補正予算等を措置するとしています。
 都の新型コロナウイルス感染症対策をしっかりと検証し、都民の納得が得られる公正で効果的な対策を迅速に講じることを改めて強く求めるものであります。
 私たちは、増えた税収が弱い立場にある人に十分に振り向けられているのかという観点から質疑を積み重ねてまいりました。仕事を失った方や苦境にある事業者への支援、女性の貧困等、コロナ禍で浮き彫りになった課題に積極的に取り組んでいただけるよう求めます。また、学校給食の無償化や家賃補助の拡充、賃上げ機運の醸成などへの取組も強く要望します。
 また、私たちが要望してきた子供政策の専門組織である子供政策連携室では、都庁内の連携のみにとどまらず、子育て世帯への経済的な支援策の拡充など、抜本的な政策の強化にも取組を求めます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に関わる事項について申し上げます。
 初めに、福祉保健局関係について申し上げます。
 一、東京都こども基本条例が制定をされましたが、その理解促進を図るために子供たちにも分かりやすくその内容を伝えるとともに、これから親になる人も含め、保護者や子供に関わる大人に対して積極的に周知をすること。
 一、家庭の状況にかかわらず、都内で生活する全ての子供を社会全体で育む必要があるとの観点から、子育て世帯への臨時特別給付の所得制限の対象外となった世帯に支援をすること。また、児童手当の対象外となる世帯への支援をすること。
 一、待機児童ゼロを潜在的な保育需要も含めて確実に実現すること。また、認可保育所、認証保育所での一歳児受入れや人材の確保を支援すること。
 一、保育の質向上を図るためにも、キャリアアップ補助など、保育士等の処遇改善に取り組むとともに、保育所への実地検査を引き続き実施するなど、検査体制の充実を図ること。
 一、ベビーシッター利用支援事業の対象年齢を引き上げること。
 一、受験生チャレンジ支援貸付事業の対象を拡大するなど、子供の進学支援を充実させること。
 一、妊娠中から出産、子育て期にわたる切れ目のない支援が全ての区市町村で行われるよう、とうきょうママパパ応援事業を拡充すること。
 一、児童虐待、虐待死ゼロを目指し、新たに多摩地域などにおいて都立児童相談所を整備するとともに、児童相談所の人員を増やすなど体制を強化すること。
 一、高校生の医療費助成については、財政力の違いなどによるサービス格差が生じることのないよう、納得感のある公平な制度設計に努めるとともに、実施主体である区市町村に対して丁寧に説明をすること。
 一、都において、孤独、孤立担当部門を設置するなどして、孤独、孤立への対策を進めること。
 一、高齢者を含め、子供、若者など、様々な人が集う居場所が身近な地域で着実に設置が進むよう取り組むこと。また、高齢者の社会参加を積極的に進めること。
 一、新型コロナウイルス感染症により、高齢者の生活、介護事業者等においても多大な影響を受けていることを鑑み、感染防止策や感染発生時の応援体制をはじめ、きめ細かく現状を把握し迅速な対応を取ること。
 一、特別養護老人ホームの整備促進のため、開設準備経費、定期借地に係る費用、運営費等を補助すること。また、認知症高齢者グループホーム、介護老人保健施設など、整備促進を図ること。
 一、介護人材確保のため、資格取得支援、奨学金返済の支援、キャリアパス導入、宿舎借り上げなど、処遇改善を図ること。あわせて、ICT化、介護機器の活用などの負担軽減を行うとともに、コロナ禍でますます課題となっている処遇改善に、都として率先して取り組むこと。
 一、障害者の一般就労を拡大すること。また、ソーシャルファームの設立をさらに拡大するため、支援を充実すること。
 一、精神障害者の医療環境の改善に向けて、新型コロナに感染した精神障害者が身体疾患を併発した場合でも適切な医療が受けられるよう取り組むとともに、精神科病棟の環境改善に取り組むこと。また、精神障害者の地域移行を進めるとともに、精神障害者にとってハードルが高い退院請求や処遇改善請求の相談、サポートなどにも取り組むこと。
 一、新型コロナウイルス感染症により、経済状況の悪化、雇用等において多大な影響が生じていることを鑑み、低所得、生活困窮者への支援、相談体制の充実強化をはじめとして、きめ細かく現状を把握し迅速な対応を取ること。
 一、ホームレス対策として、自立支援センター事業、巡回相談事業を引き続き実施すること。また、夜間も含めて正確に実態を把握するとともに、長期化、高齢化に対応し、支援付地域生活移行事業を実施すること。
 一、生活保護の扶養照会について、民間団体が作成したチェックリストを活用するなどして、申請者がちゅうちょなく制度を利用できるよう配慮すること。
 一、住居、仕事を失い、インターネットカフェなどでの生活を余儀なくされている低所得者等に対し、生活、居住、就労相談などを行い、安定した居住、生活を支援すること。
 一、ひきこもりの状態にある人やその家族への支援として、全ての市区町村での相談窓口設置促進をはじめ、相談支援する人のスキルの向上を図るなど、対策を拡充すること。
 一、新型コロナウイルス感染症の拡大により、地域医療、二次、三次救急医療が甚大な影響を受けていることを鑑み、きめ細かく現状を把握し、診療体制の確保に必要な対応を迅速に行うこと。
 一、PCR検査により感染拡大を抑えるための戦略的活用に取り組むこと。自主検査に対する助成を行うこと。
 一、新型コロナウイルス感染症への対応として、多摩地域への保健所の新設をはじめ、保健所の体制の強化を図ること。また、これまでの対策を検証すること。
 一、コロナ禍においても、東京ルールによる救急患者の受入れ体制を引き続き確保するとともに、患者受入れの調整業務等を行う人材の配置への支援など、対象、様態に応じた救急医療体制を構築すること。
 一、がんの予防及び早期発見、科学的知見に基づく適切ながんに係る医療、その他のがん対策の基本事項を定め、総合的ながん対策を推進するため、東京都がん対策推進条例を制定すること。がん診療連携拠点病院事業などを実施すること。また、緩和ケア推進事業の実施、充実を図るとともに、AYA世代等の患者支援を行うこと。治療と仕事の両立支援を行うこと。
 一、受動喫煙ゼロを実現するため、東京都受動喫煙防止条例の徹底を図るとともに、受動喫煙防止策への支援拡充や禁煙治療に対する助成など、より踏み込んだ施策を実施すること。
 一、自殺総合対策を推進するとともに、相談、背景にある問題の解決を図るための支援事業を実施すること。加えて、区市町村などが行う地域における自殺対策を支援し、対策を強化すること。
 次に、病院経営本部関係について申し上げます。
 一、行政的医療を担う公立病院として、新型コロナウイルス感染症への対応を引き続き行うとともに、感染症医療体制の充実強化を図ること。あわせて、限られた医療資源を最大限有効に活用し、高水準の医療提供が停止することのないよう万全を期すこと。
 一、病床使用率がいまだに高く、コロナ禍を脱したとはいえない段階において、現場で働く人たちが不要な不安を抱き、ひいては都民サービスの低下につながりかねない都立病院の地方独立行政法人化は拙速に行わないこと。
 一、仮に都立病院の独法化を進めるに当たっても、職員に対して給料や退職手当といった給与制度を含めて丁寧に説明するとともに、コロナ禍を経験した貴重な職員が流出することのないよう、安心して働き続けられる環境を整備すること。また、病院幹部と職員とが日頃からコミュニケーションを取ることで、現場の声を病院運営に反映させられるよう積極的に取り組むこと。
 一、コロナ禍によって、公的医療に求められる見方が大きく一変した中にあって、行政的医療による感染症医療や公衆衛生への立ち位置を改めて検証すること。
 一、感染症医療について、感染症専門医を確保するとともに、ほかの医療機関と連携をして感染症や合併する症状に対応できる総合診療医を育成すること。
 一、都や保健所等の関係機関との連携を強化し、定期的な患者受入れ訓練の実施や職員を派遣しての感染管理に関する指導助言等を行うなど、地域ニーズに応じた地域の感染症対応力の強化に貢献をすること。
 一、新型コロナウイルス感染症の後遺症窓口のさらなる充実を図るとともに、後遺症に悩む方々に向けた研究などを実施すること。
 一、都立松沢病院においては、精神科医療に関してセンター的役割を果たし、医師や看護師を地域の医療機関などに派遣するなどして、他の民間病院の底上げにも貢献できるよう取り組むこと。
 一、都立三小児病院の移転統合後の地域医療について引き続き注視し、安定した医療提供体制確保に取り組むこと。
 以上、要望しまして、意見開陳といたします。

○上田委員 自由を守る会として、厚生委員会における令和四年度予算調査の意見開陳を行います。
 本予算は、前年度対比五・一%増の十五兆三千九百七十九億円、一般会計歳出総額七兆八千十億円と、またしても過去最大の大型予算となりました。
 せっかく税収が約五千九百億円増加し、五兆六千三百八億円と、令和元年度に次ぐ三年ぶり、一一・六%プラスとなったわけですから、DX推進、国際金融都市、サステーナブルリカバリー、聞こえがいいものの効果不明の新規事業五百六十八件、合計千九百二十三億円を次々と展開するよりも、福祉、教育など、現状施策の都民益にかなう運用を徹底し、コロナ禍がますます深刻化し、経営難や生活困窮に苦しむ都民の命、心身と経済の健康に振り向けるべきです。
 課題山積の小池都政に疑義を呈し、私は昨年、都議選に先立ち、度重なる不誠実答弁、奇をてらった数々の思いつきとも取られかねぬ独断無策のコロナ対策で、都民の命を危険にさらし、職員を疲弊させたことを理由に、都議会史上三度目の知事不信任案を提出いたしました。
 小池知事は、予算編成に当たり、自己正当化と言い訳を覆い隠すような空虚な美辞麗句を並べ立てるのではなく、責任説明を果たせないのであれば、その職にとどまるべきではないことをいま一度申し述べます。
 次に、本委員会所管の共通する課題と改善要望を申し述べます。
 両局においても、都庁全体を見通し、一般会計及び特別会計の健全財政の徹底、努力をすること。
 政策連携団体、事業協力団体の派遣職員数、都OBの再就職を随時検討、適正化し、固有職員の定着率を高め、都関係者職員との賃金格差をなくし、費用対コストを常に念頭に入れ、都、区市町村、事業の三重行政を戒め、団体の存在意義を正していくこと。
 政策連携団体を含め、障害者雇用を促進し、合理的配慮の取組を引き続き進めること。
 ウクライナなどの戦争避難民の受入れに当たっては、福祉保健分野においても、国際都市東京にふさわしい手厚い支援と和平成立後の帰国のための的確な援助を進めること。
 福祉保健局です。
 介護、保育、医療等、医療福祉人材確保に向けて、待遇改善等に努めること。
 子どもの権利条約と関係国内法、こども基本条例の理念にのっとり、子供の最善の利益の実現に向け、子供の意見表明が保護者の意向や親権よりも尊重され、児相、一時保護所、養護施設等、あらゆる場所で実現できる具体的政策展開を可及的速やかに推進すること。
 人口減少社会を見据え、定員割れも想定しながら、地域保育需要にのっとった保育園待機児童対策を講ずること。
 ベビーシッター事業においても第三者評価制度を導入し、ベビーシッター事業を含む認可外保育施設に対する巡回指導体制を強化すること。
 キッズラインのベビーシッター利用支援事業の認定取消しと類似事案の再発防止を講ずること。
 在宅子育て家庭支援は、保育園のみならず、幼稚園等あらゆる子育て福祉資源と連携し、役割分担をして実現すること。
 性犯罪等重大犯罪を発生させた児童福祉に係る事業者においては、厳峻な措置を講ずること。
 妊産婦自殺防止を進めると同時に、特定妊婦等ハイリスク母子への切れ目のない支援をすること。
 特定妊婦が内密出産を望めば、それを実現するために、都内の民間病院を所管する福祉保健局は、率先して受入れ体制の確保を促すこと。
 社会的養護については、養育家庭、里親の活用を中心に、家庭養護を急ぎ進めていくこと。
 児童虐待事案は、警察と全件共有すること。
 児童相談所、一時保護所においては、意見書の内容を重く受け止め、定員の量と質の拡充に努めること。
 児相に弁護士を常駐させ、必要とあれば機動的に法的対応ができる体制を整えること。
 都立、公社病院、監察医務院等、医療機関と連携を図り、児童虐待の医療的リスク評価やノウハウの共有を図ること。
 都児相業務でAI導入をする際は、児童福祉に資する目的を明確にした設計思想の下、推進すること。
 都内不妊治療医療施設への里親、特別養子縁組の情報提供と協力呼びかけを徹底し、養子縁組への支援をするとともに実態を把握すること。
 児相での新生児委託については、出産直後の里親委託、特別養子縁組の推進をしていくこと。
 施設入所者における高校、大学への進路指導、就職支援の機会を保障すること。
 施設退所後の若者を支えるため、養護施設でのアフターケア事業の新設、拡充を図ること。
 障害児、特に重症心身障害児や医療的ケア必要児について、療育、保育の垣根を越えた多様なニーズに応える体制を構築すること。
 都外障害児者施設の指導、管理を徹底させること。
 地域移行と自立を促進し、障害者グループホームの施設整備を強化すること。
 障害者、高齢者、児童虐待防止法、都条例に基づき、全庁的な取組を進め、福祉施設での虐待発生状況の把握に努め、実効性のある防止策を策定し、適切に事業者管理監督、指導権限を行うことで、虐待を未然に防ぐこと。
 薬漬けではない医療、そもそも精神疾患に罹患しない事前の取組により、真に自立のできる自立支援医療施策を展開すること。
 発達障害者支援ハンドブックを改定する場合は、薬物療法コラム担当医師を、利益相反手続違反を犯した医師から薬物投与よりアセスメントを重視する医師に変更すること。
 医療安全推進協議会等の附属機関において、フェアな人材を積極的に登用すること。
 患者の声相談窓口機能を向上し、適切に医療施設管理監督、指導権限を活用することで、患者の権利が守られる医療を実現すること。
 三多摩地区も監察医務院の対象とし、新設を前向きに検討すること。
 法令に基づき、動物取扱事業者に対する指導監督を強化し、動物愛護を徹底すること。
 区市町村、民間団体、個人等と連携し、地域猫対策を推進すること。
 日常の業務に加え、宿泊療養施設への職員派遣等、多忙な業務をこなす福祉保健局職員の心身の健康を守り、士気を奪うような思いつきのコロナ対策で疲弊させないこと。
 病院経営本部です。
 自治体病院というのは、中低所得の住民に安価に医療を提供することを目的として設立されてきた歴史があります。低負担で医療サービスを受ける相互の信用と社会連携を基盤とし、あまねく人に医療を提供する平等を実現した、世界に類を見ない日本の医療制度の礎です。一度失えば二度と戻らぬ付加価値です。
 コロナ禍のただ中、小池都政のパフォーマンスのために、この医療文化、技術を壊されてはなりません。コロナ対策と通常医療に今は専念すべきであり、拙速な独法化に疑義を唱え、強く反対を申し上げ、以下、要望します。
 地方独立行政法人化については、コロナ禍の終息まで一旦立ち止まり見直すこと。
 利益相反マネジメントについて、全病院で実効性を持って徹底すること。
 患者へのあらゆるハラスメント、虐待、モラルハザードに厳格に対処し、厚労省通知にも即した綱紀粛正と再発防止を徹底すること。
 精神医療における向精神薬投与は、多剤投与による副作用リスクを減らし、子供への向精神薬投与については、投薬以外の方法を第一に選択すること。
 入院中の子供の教育環境、保育環境の整備に努めること。
 小児総合医療センターを中心に、児童虐待の見立てができる小児科医を育成し、医療的リスク評価やノウハウを児童相談所、警察、監察医務院等、関係各機関と共有、連携を図ること。
 患者の声相談窓口などに寄せられた意見を受け止め、QOLとホスピタリティー担保、ADLの向上の取組を推進すること。
 在宅医療を担う地域の医療機関、開業医を育成支援し、地域包括ケアシステム実現に向けての医療、介護連携を一層推進すること。
 患者中心の医療を提供できる環境が整った自治体病院の強みを生かし、意欲ある医師、看護師の就労インセンティブに働きかける人材確保に努めること。
 都立病院、公社病院における医療従事者、職員、委託者のワーク・ライフ・バランスと処遇の確保に努めること。
 広尾病院再整備は、現場の声を反映し推進すること。
 自治体病院の使命を自覚し、地域包括ケアの理念の下、地域医療連携を高め、質の高い医療水準を確保すること。
 病院改革プランの下、債権放棄額の早期解消、一般会計繰入金医業収益比率並びに一〇〇%未満の医業収支比率の改善をし、財政健全化に臨むこと。
 以上、各事業により、東京大改革の変質が改められ、新年度予算の実効性が一層高められ、福祉保健局、病院経営本部の全職員が士気高く生き生きと働き、都民に効果的、効率的に還元され、全都民の福祉保健、公衆衛生が増進されることを願い、自由を守る会の意見開陳といたします。
 以上です。

○おじま委員長 以上で予算案に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○おじま委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第六十三号議案から第七十七号議案まで、第九十七号議案から第百号議案まで及び議員提出議案第一号を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、発言の申出がありますので、これを許します。

○藤田委員 第六十六号議案、東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例及び第七十七号議案、都立病院条例を廃止する条例外四議案について意見を述べます。
 初めに、第六十六号議案、東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例についてです。
 今回の改正は、国の法改正に伴うもので、都の保険財政安定化基金に、国保会計の決算剰余金が積み立てられるようになり、積み立てた分を後の年度の急激な納付金の増加の抑制等に充てられるようになるというものです。
 これまで、決算剰余金は、昨年度の分を除いて、区市町村との協議によって翌々年度の納付金の減算に、ひいては保険料、保険税負担の抑制に充ててきました。
 しかし、今回の改正によって、剰余金がすぐに負担軽減のために使われず、基金にしばらく積んでおく可能性も出てくるため問題です。
 高過ぎる国保料、税の実態を考えれば、剰余金はできるだけ早く負担軽減に活用すべきです。急激な納付金や保険料、保険税の引上げに対しては、財政安定化基金を積み立てて対応するのではなく、都の一般財源からの法定外繰入れを行うべきです。
 よって、第六十六号議案には反対です。
 次に、都立病院、公社病院の独立行政法人化に関する議案についてです。
 都立、公社病院の独立行政法人化について、行政的医療を将来にわたって提供するためという知事や病院経営本部が繰り返してきた説明は、都民を欺くものであるということがはっきりしました。
 独立行政法人評価委員会の都立病院分科会の委員が、病床機能の見直しとか、急性期病床などの適正化とか、再編統合とか避けられないとはっきり発言したように、行政的医療の後退を招くのが独法化の本質です。
 さらに、評価委員からは、公務員の看護師は新陳代謝がない、長く働いて年を取っても辞めない、人件費の制約をつけるのかと、経験豊富なベテラン職員がいることを問題視し、人件費抑制を求める発言があったことも重大です。
 行政改革推進法では、地方公務員の職員を削減するために独法化を推進すると位置づけているように、公務員の削減や人件費抑制が狙いであり、採算性を重視するのが独法化です。
 ところが、知事も病院経営本部長も、独法化の本質や狙いについては、丁寧に説明するどころか、聞かれたことに答えない上、中期目標には書いていないなどとあえて的外れな答弁を繰り返しました。
 そもそも、中期目標の期間は五年間であり、五年過ぎた後のことは、初めの中期目標にどう書いてあろうとも、行政的医療を守る保障にはなりません。そればかりか、病院の統廃合や廃止、民営化を含めた定期的見直しが絶えず求められるのが独立行政法人の制度です。
 新型コロナ感染症が猛威を振るう下、全国で最も機動的かつ柔軟にコロナ病床を確保してきた都立、公社病院は、都民の命を守るとりでであり、重要な役割を果たしています。独法化する理由は、何一つありません。
 都民の運動はますます広がり、独法化反対の署名は累計三十五万人を超え、理解も合意も得られていないことは明白です。
 独法化の本質を最後まで認めず、まともに審議することすら拒み、全ての都立、公社病院の独法化を強行することは断じて許されません。
 よって、都立病院条例を廃止する条例及び独法化のための四議案に反対することを表明します。

○おじま委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第一号を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○おじま委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第一号は否決されました。
 次に、第七十七号議案、第九十九号議案及び第百号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○おじま委員長 起立多数と認めます。よって、第七十七号議案、第九十九号議案及び第百号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第七十五号議案及び第七十六号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○おじま委員長 起立多数と認めます。よって、第七十五号議案及び第七十六号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第六十六号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○おじま委員長 起立多数と認めます。よって、第六十六号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第六十三号議案から第六十五号議案まで、第六十七号議案から第七十四号議案まで、第九十七号議案及び第九十八号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認めます。よって、第六十三号議案から第六十五号議案まで、第六十七号議案から第七十四号議案まで、第九十七号議案及び第九十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○おじま委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願三第四七号を議題といたします。
 本件については、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○おじま委員長 起立少数と認めます。よって、請願三第四七号は不採択と決定いたしました。
 次に、請願三第五二号を議題といたします。
 本件については、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○おじま委員長 起立少数と認めます。よって、請願三第五二号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。

○おじま委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○おじま委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、中村福祉保健局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○中村福祉保健局長 お許しをいただきまして、当委員会所管両局を代表いたしまして、一言お礼のご挨拶を申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定いただき、誠にありがとうございました。
 ご審議の過程で頂戴いたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。
 また、福祉保健局、病院経営本部両局の連携をより一層深めまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○おじま委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十一分散会

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