厚生委員会速記録第二号

令和四年二月二十八日(月曜日)
第七委員会室
午後一時五十二分開議
出席委員 十四名
委員長おじま紘平君
副委員長伊藤こういち君
副委員長小松 大祐君
理事関口健太郎君
理事やまだ加奈子君
理事桐山ひとみ君
かまた悦子君
上田 令子君
うすい浩一君
浜中のりかた君
藤田りょうこ君
菅原 直志君
小宮あんり君
白石たみお君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長中村 倫治君
健康危機管理担当局長佐藤 智秀君
次長理事兼務雲田 孝司君
技監田中 敦子君
理事医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長事務取扱矢沢 知子君
理事早川 剛生君
総務部長高野 克己君
保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務成田 友代君
生活福祉部長高橋 博則君
少子社会対策部長奈良部瑞枝君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務
齋藤 善照君
地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務池上 晶子君
病院経営本部本部長西山 智之君
経営企画部長谷田  治君
サービス推進部長西川 泰永君
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務藤本  誠君
計画調整担当部長船尾  誠君

本日の会議に付した事件
病院経営本部関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費 病院経営本部所管分
福祉保健局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出 福祉保健局所管分
・第百十号議案 令和三年度東京都国民健康保険事業会計補正予算(第一号)
付託議案の審査(決定)
・第百七号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費 厚生委員会所管分
・第百十号議案 令和三年度東京都国民健康保険事業会計補正予算(第一号)

○おじま委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部及び福祉保健局関係の中途議決に係る付託議案の審査を行います。

○白石委員 この際、都立病院条例の廃止条例など、都立、公社病院の独立行政法人化に関わり、都民や関係者などからの意見を委員会として聞き取るため、参考人招致を求める動議を提出いたします。
 提案説明ですが、都立、公社病院は、採算を取るのが困難な感染症医療や、救急、周産期、障害、島しょ医療など、民間の医療機関では担い切れない医療を提供する役割を担ってきました。
 とりわけ、コロナ禍の下で、都立、公社病院は約二千二百十床のコロナ専用病床を確保し、全国で最も柔軟かつ機動的にコロナ対応を行っており、都民の命のとりでとなっております。
 これまでも、厚生委員会に多くの都民から独法化中止を求める請願や陳情が提出され、病院現場で働く職員からも疑問や懸念の声が多く上がっています。都立、公社病院を独立行政法人化することへの説明も、そして意見聴取も不十分な状況です。参考人招致は、関係者や都民などに出席をしていただき、委員会として意見を聞き取り、独法化に関わる審議を一層深めるために極めて重要です。
 よって、厚生委員会として参考人招致を行うことを求めます。
 以上です。

○おじま委員長 ただいま白石委員から動議が提出されました。
 この際、発言の申出がありますので、これを許します。

○上田委員 ただいまの動議、賛成の立場から意見表明させていただきたいと思います。
 今、全世界が、ロシアによりますウクライナへの軍事侵攻、非常に関心が高く、見守っているところだと思います。圧倒的な軍事力を持つロシア軍に対し、ウクライナは必死の攻防を、自由と民主主義を求めて戦っているところであります。数の力は、ともすると暴力的なああした行為につながっていくのではないでしょうか。議会というのは少数意見を尊重することが大切だというふうに思っております。
 東京府癲狂院という、当時は東京府立ですね、上野のお山に、最初に今の松沢病院の前身ができたのが一八七九年でした。そこから長く続く、都立−−いつも小池知事も、東京の長い歴史、折につけ後藤新平の話などを引き合いに出しておりますけれども、明治、大正、昭和、平成、令和と都民の健康を支え続けてきた都立病院の大転機の、大展開のいよいよ最終詰めになりまして、参考人招致という、いろいろな立場の方に、直接ご本人に、我々都議会議員が議事録の残るこの厚生委員会の場でお話を聞く。反対意見もあっていいでしょう、賛成意見もあっていいでしょう。
 そして、私は、今のコロナ禍におきます独法化は時期尚早と反対をしているところでございますが、推進したいという賛成多数派の皆様は、ぜひ、我々が心配に思うこと、不安に思うことを説得できるような、推進派、成功事例をこの場で参考人の方からお話をいただいて、説得、都民への理解、していただきたいというふうに思っております。
 大それたことじゃありません。国会では、本当に参考人招致をよくやっていますけど、この都議会、古い議会を新しくといって、何度も改選、もう二度改選しているのにまだまだ進まない中で、せっかくあるこの民主主義、そして、皆様の不安を解消するためのすばらしい制度を利用しようではありませんか。
 こうした立場から、参考人招致をぜひ実現していただきたいという地域政党自由を守る会の意見を述べさせていただきます。
 以上です。

○おじま委員長 これより採決を行います。
 白石委員の動議に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○おじま委員長 起立少数と認めます。よって、白石委員の動議は否決されました。

○おじま委員長 これより病院経営本部関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費、病院経営本部所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。

○おじま委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、福祉保健局所管分及び第百十号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○桐山委員 それでは、第百十号議案、令和三年度東京都国民健康保険事業会計補正予算(第一号)について質疑をさせていただきたいと思います。
 国民健康保険は、医療費の高い高齢者が多く加入をしている現状です。また、年々加入者も減少もしてきております。
 私は、この間も特定健診等のKDBデータを活用した保健事業を推進して、被保険者の健康増進を図ることで医療費の抑制にもつなげるなど、効果的な事業運営を進めてほしいと提案もしてまいったところでございます。
 今年度は、都の国民健康保険事業会計は、給付費などの増によりまして補正することと説明をいただいておりましたが、まず、その補正予算の内容についてお伺いしたいと思います。

○池上地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 令和三年度東京都国民健康保険事業会計では、保険給付に要する費用が増加したことや令和二年度の国庫支出金の精算に伴う返還等によりまして当初予算が不足することが見込まれたため、所要の額を補正するものでございます。
 具体的には、歳出の補正額約五百九十一億円のうち、主な事由は、保険給付費等交付金が約四百四十五億円、過年度の国庫支出金の精算による返還等が約百四十五億円でございます。
 保険給付費等交付金約四百四十五億円のうち、医療給付に要する普通交付金は約四百十四億円であり、新型コロナウイルス感染症等に係る保険料減免を行った区市町村に交付する特別交付金が約三十億円でございます。

○桐山委員 ただいまご説明にありましたように、今回の補正予算の事由ということで今お伺いしましたけれども、最も大きかったのが保険給付費ということでした。その補正額は四百十四億円と、かなり多額な金額ということでございます。コロナの影響というものもあると思いますけれども、様々な要因がほかにもあるかと思いますが、どのように見込んでいるのか。
 そこで、保険給付費等交付金が増加した理由をどのように考えているのかお伺いしておきたいと思います。

○池上地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 令和二年度の保険給付費等交付金は、当初予算額が約八千三百九億円に対し実績は約八千七十八億円で、令和三年度は、当初予算額約八千二百五十三億円に対し年度末の支出見込額は約八千六百九十七億円となっております。
 これまで保険給付費等交付金の執行状況は、被保険者数の減に伴い減少傾向でありましたが、令和三年度は、被保険者数の減にもかかわらず一人当たり医療費が増加しているため、当初予算額を上回る見込みとなっております。
 令和三年度の一人当たり医療費の増加は、医療の高度化や被保険者の高齢化による自然増に加えまして、令和二年度の受診控えの影響等が考えられますが、全国的にも医療費増の傾向にあることから、医療制度を所管する国において検証、分析が必要であると考えております。

○桐山委員 国民健康保険は医療保険ということで、医療給付の伸びは加入者が負担する保険料で賄うということが大前提にあるかと思います。
 私が委員として参画をしております東京都国民健康保険運営協議会が二月九日に開催されまして、令和四年度の給付金の算定結果と標準保険料が公表されました。算定結果では、一人当たりの医療費等の伸びから、前年度に比べて、一人当たりの保険料率が六・二%の伸びとなることも示されております。
 その中で、被保険者の代表の委員からも、被保険者としても歳出を、健康的にまた健全に抑えていく努力が必要という趣旨の発言もあり、また、区市町村におきましても、保険料を令和四年度は改定をするところと、また据置きで、あるいは基金等を活用しながら何とか保険料を抑えるなど、苦慮していることも伺っているところです。
 しかし、東京都が財政主体となっている国保会計ではありますけれども、これまでも各区市町村は苦慮しておりますけれども、現在は、区市町村が一般会計からの繰入れに頼らないということで計画立てていて、その中でも、努力支援制度の下、国の支援交付金なども拡充もされてきているかと思います。
 そこで、保険給付費、歳出の伸びを抑えるために、区市町村の保健事業や重症化予防の取組への支援が重要と考えますが、都の取組についてお伺いいたします。

○池上地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 都はこれまで、区市町村が行うKDBデータを活用した健康課題の抽出や計画策定を、東京大学及び国保連合会と連携し支援をするとともに、国の交付金を活用して積極的に事業を実施するよう、課長会等を通じ働きかけを行ってまいりました。
 こうした取組に加え、今年度は、区市町村の保健事業担当者向けに連絡会を開催し、検診受診率向上策等の好事例について情報提供を行ったところでございます。
 また、とうきょう健康ステーションホームページ内に検診の特設サイトを設け、コロナ禍においても定期受診することの重要性や検診会場における感染防止対策の実施を都民向けに周知しております。
 このほか、糖尿病重症化予防の取組が一層推進されるよう、医療関係者等の意見も参考に、東京都糖尿病性腎症重症化予防プログラムの改定を行うなど、区市町村における保健事業や重症化予防の取組の推進に向け、引き続き支援してまいります。

○桐山委員 都も区市町村も、様々な取組もしてきております。被保険者の高齢化などもありまして、一人当たりの給付費の伸びを抑える努力は引き続き必要かと思います。
 保健事業をはじめとする医療費の適正化の取組が一層推進されますように、好事例の横展開、これも、要望もかなり以前からさせていただいておりますし、区市町村の人材育成の支援なども、今後、区市町村と連携を図っていただきまして、国保事業の適切な運営に取り組んでいただきたいと思います。
 また、先ほどの答弁にもありましたように、一人当たりの医療費の増加というものも、やはり全国的にも医療費増の傾向等もあるということで、国においての検証や分析等も今後重要かと思います。
 そういったことも引き続き国の方にも要望していただくことをお願い申し上げまして、質疑を終わります。

○かまた委員 それでは、私からは、まず初めに、保育従事職員等処遇改善事業について質問をさせていただきます。
 国は、公明党が主張してきた保育、幼児教育などの現場で働く方々の収入を三%引き上げる内容を予算案に反映させ、ついに、この二月からその措置が実施をされております。
 そして、都は、国が対象としない施設に対しても独自の支援を行うということで、都の保育を支えてくださっている多くの方々が喜ぶすばらしい事業であり、心から感謝を申し上げます。
 そこで、都が独自で支援を行う保育従事職員等処遇改善事業について、事業の概要をお伺いいたします。

○奈良部少子社会対策部長 本年二月から、国は、安心と成長を呼ぶ人への投資の強化といたしまして、認可保育所や認定こども園に勤務する保育士等を対象としまして、収入を三%程度引き上げるための措置を実施しております。
 一方、都の認証保育所や家庭的保育、定期利用保育等、地方単独の保育施策は、国事業の対象外となっております。これらの施設も、認可保育所と同様に、多様な保育ニーズに対応する重要な保育サービスであることから、都は、独自に国と同様の補助を実施することといたしました。

○かまた委員 今ご答弁にありましたとおり、国が対象外とした施設も重要な保育施設でありますし、都独自で認証保育所なども支援の対象にしてくださることを高く評価いたします。
 実は、私の周りに保育士の方々がおりまして、その方が、都や国が様々な処遇改善に取り組んでくれても、その予算が園の運営費になるだけで、保育士の収入アップに結びつかないのではないかという、そういう不安の声を多く伺っております。
 そこで、この事業によって保育士等の給料などが確実に改善されることが重要であると考えますが、都はどのようにして本事業を進めていくのか伺いたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 本事業では、保育士等の賃金改善が確実に実施されるよう、補助額の全額を賃金改善に充てること、最低でも改善額全体の三分の二以上を基本給または決まって毎月支払われる手当により行うこと、賃金改善の計画書を区市町村に提出することを補助要件としております。
 また、保育事業者から補助申請を受けた区市町村が、賃金改善計画書等により、補助要件を満たしていることを確認の上、補助金を交付することといたしております。
 実績につきましては、保育事業者から実績報告書の提出を受け、補助額以上の賃金改善が実施されていることを確認することとしております。

○かまた委員 賃金改善が本当に行われているかどうかを確認するために、計画書、そして実績報告書を提出する流れになっているということが分かりました。確かにこのような報告体制があれば、必ず職員の処遇改善が進むと思います。
 しかし、本事業は、各施設がこの事業に参加しようと決断をして、その施設自身が申請手続を進めることで支援を受けるという流れのため、各施設が手を挙げなければ支援を受けることができません。
 そこで、都は、より多くの保育事業者が本事業に参加できるよう周知をするべきと考えますが、見解を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 都は、今後区市町村に対しまして、速やかに実施要綱等を発出いたしまして、本事業の活用や保育事業者への周知を依頼してまいります。
 あわせまして、保育事業者が制度の理解を深め、円滑に補助金の申請を行えるよう、補助要件や区市町村への補助申請手続等の詳細をQ&Aに取りまとめまして、都のホームページ等を通じて周知してまいります。

○かまた委員 ぜひ、可能な限り全ての園が申請していけるように、区市町村への通知の工夫とともに、Q&Aも今回は作成してくださるということで、本当にありがとうございます。
 このように様々な工夫を凝らしていただいた上で、さらなる要望となりますけれども、マンパワーが少ない施設ほど本事業の支援が必要であると思います。また、職員の処遇改善をぜひ進めていただきたいと思っておりますけれども、マンパワーの少ない施設は、この事業の申請を出す余力さえないという、そういうのが実情だと思いますので、そこで、例えば計画書や実績報告書の書式については、必要最低限の項目で作成しやすいフォーマットで作っていただけるよう、ぜひとも工夫をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、続きまして、安心こども基金で積立てをしてくださいます特定不妊治療費助成について伺います。
 公明党は、不妊治療につきましては、一九九八年に基本政策大綱に掲げて以来、国会議員、そして地方議員が一体となりまして、不妊治療の保険適用、また助成制度拡充に取り組んでまいりました。
 そこでまず、現在の特定不妊治療費助成事業について、取組状況を確認させてください。

○奈良部少子社会対策部長 都は、高額な不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、体外受精や顕微授精等の特定不妊治療に関しまして、治療に係る費用について、一回の治療につき、初回は三十万円、二回目以降は二十五万円を上限に助成しておりまして、昨年度の助成件数は二万六百六十七件でございました。
 令和三年一月から、所得制限を撤廃するとともに二回目以降の助成額を引き上げたことなどによりまして、今年度は申請件数が増加しております。一月末までで二万六千五百四十一件と、既に昨年度を上回る状況となっております。

○かまた委員 今年度の実績が、一月の末までで昨年度の実績を上回るということで、本当にこの事業を喜んでいる都民の方が多いということが分かりました。
 私も不妊治療を進めている方から伺ったのですけれども、不妊検査について助成制度があったにもかかわらず、その存在を知らずに、助成の申請を出すことができなかったということを伺いました。
 この方がおっしゃいますには、病院の壁には助成制度を知らせるポスターのような掲示物があったようですけれども、よく見ていなかったということと、また、比較的ご自身は情報を調べる方なんだそうですけれども、この情報については見落としをしてしまったそうです。
 発信した情報がなかなかキャッチされないという、情報がなかなか行き届かないということは、私自身も今まで経験をしておりますし、本当に難しいことだなということを強く実感をしておりますけれども、都民の皆様にとって有益な制度につきましては、必要な方に必要な情報がきちんと届くことが大切であると考えます。
 そこで、令和四年四月から不妊治療に対して保険適用が開始されますけれども、この制度の移行期間にある中で、不妊治療に取り組む方が取りこぼされないよう、その間の対応についての周知が必要だと考えますが、見解を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 本年四月から不妊治療は保険適用となりますが、それ以前の治療につきまして、支援が受けられるか不安に感じていらっしゃる方は多いと思います。
 こうしたことを踏まえまして、国は、保険適用の円滑な実施に向け、移行期の治療計画に支障が生じないよう、年度をまたぐ一回の治療につきましても、経過措置として助成金の対象とすることといたしました。
 都では、患者が安心して治療に臨めるよう、経過措置が講じられることをホームページに掲載するとともに、医師会や医療機関に関して情報提供しております。
 今後、詳細が明らかになった段階で、ツイッターや広報紙、女性向け健康情報サービスアプリなど様々な媒体を活用し、広く周知してまいります。

○かまた委員 様々な方法で周知をしてくださるということで、本当に安心をいたしました。
 私の周りで治療している方がよくいわれているのですが、クリニックの待ち時間が長過ぎて、仕事を休むことを考えると検査の途中で諦めてしまったとか、また、不妊治療のための休暇が取りづらくて治療には踏み切れなかったという、仕事をしながらの不妊治療は挫折をすることが多いということをよく伺います。
 不妊治療を希望される方が仕事をしながらでも落ち着いて治療に向き合えるように、他局の取組に委ねることも多いとは思いますけれども、引き続き、貴局の皆様のお力をいただきながら環境を整えていきたいと考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

○上田委員 生活福祉資金の貸付補助等についてです。
 新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少し、生活に困窮した方への支援として、生活福祉資金の特例貸付や総合支援資金の特例貸付、生活困窮者自立支援法に基づく住居確保給付金の対象者の拡大など、細々と実施していただいてまいりました。
 生活福祉資金の特例貸付については、直近では、何件で総額幾ら実施主体である東京都社会福祉協議会から申込者に送金されているのか確認させてください。返済状況についてもご報告ください。

○高橋生活福祉部長 生活福祉資金の特例貸付につきましては、実施主体である東京都社会福祉協議会におきまして、令和二年三月二十五日から受付を開始し、令和四年二月十八日までに、緊急小口資金、総合支援資金合わせまして約六十五万件の申込みがあり、同日までに約二千四百二十億円が送金されております。
 国は、償還開始までの据置期間を令和四年十二月末に延長しておりまして、返済はまだ開始されていない状況でございます。

○上田委員 六十五万件で二千四百二十億円ということで、一般質問でもいいましたけど、東京都は新規事業が二千億ぐらいあるんですね。やっぱり困っている方々に、もっと支援をしなくてはならないのかなというふうに見ています。
 返済について、延長とはいいますが、その方々に対しても、対応状況と支援策、要は、一回借りても、その後大変な状況になるかと思いますので、ご説明いただければと思います。

○高橋生活福祉部長 国は、償還開始までの据置期間を令和四年十二月末に延長しておりまして、返済はまだ開始されていないところでございます。
 なお、国は、償還時におきまして、所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができることとしております。

○上田委員 免除ができるということを確認させていただきました。
 都内の十二月の生活保護世帯及び生活保護人数は、前年の十二月と比較してどうなっているのでしょうか。一昨年で私が確認したときは、ほぼ同数だったんですね。お困りだから生活保護を受けてくださっているかなと思ったら、意外に伸びていなかったので、ちょっと今回も確認させてください。

○高橋生活福祉部長 都内の生活保護世帯数及び生活保護人員数は、令和二年十二月は二十三万一千四百六十七世帯、二十八万二千百八十八人、令和三年十二月は二十三万二千七十七世帯、二十八万五百九十六人となってございます。

○上田委員 となると、世帯数は増えて対象人数は減っているというような状況だと思います。それでも顕著に増えているという感じではないようです。
 これまでは生活保護に頼らずに、特例貸付金等制度を活用して何とか耐えてきましたが、感染状況が、今回蔓防も延長するということで長期化する中で、今後、自助努力のみで生活水準を維持し続けることは、限界に達しつつあるのではないかと思料しております。
 生活資金が手元になくなってしまっている方々の支援策、支援状況を伺います。

○高橋生活福祉部長 生活福祉資金の特例貸付が終了した世帯に対する支援といたしまして、区市の自立相談支援機関等による生活困窮者自立支援金制度がございまして、資産や収入などの一定要件を満たした場合に、月額上限十万円の六か月以内で最大六十万円が支給されます。
 令和三年七月の事業開始から令和四年一月末時点での申請件数は、約三万八千件となってございます。

○上田委員 そうですね、本当に数字から見ると、まだまだ潜在的なのかなというふうに思っております。
 それで、昨年、自由を守る会において、上限額までなら何度でも生活福祉資金が受けられるよう総枠方式にして、二度目以降の利用者に対しても、さらに同じ制度を利用しやすく、活用しやすくすることを、新規申込者に限らず、再度の貸付けを可能とすることを求めさせていただいていましたが、現状についてご報告ください。

○高橋生活福祉部長 生活福祉資金の特例貸付は、国によりまして、緊急小口資金は上限二十万円、総合支援資金は月額上限二十万円の三か月以内で、合わせて最大八十万円とされております。
 総合支援資金につきましては、月額上限二十万円の三か月以内の再貸付がございましたが、令和三年十二月末で終了となっております。

○上田委員 先ほども、保育園の話でしたけれども、ほかの委員さんから、やはりその制度自体が周知されていない、あるいは手続が大変でできないというようなことが懸念されて、せっかく行政が用意をしてくださっていることがあっても、使ってもらわなければもったいないことになるということで、生活福祉資金等を必要とする方々への制度周知が徹底されていますかということも求めていましたが、適正に情報提供がなされて利用に至っているか伺います。

○高橋生活福祉部長 生活福祉資金の特例貸付に関しましては、区市町村社会福祉協議会の窓口をはじめ、都のホームページやSNS、東京都社会福祉協議会のホームページなどで広く制度の周知を行っているところでございます。

○上田委員 やっぱりこれ、区市町村窓口での相談がきっと多いと思いますので、当方からも促していきたいと思いますが、東京都も、ぜひ連携を図って、区市町村と協力していっていただきたいと思います。
 国庫支出金なんですが、約三百八十一億円の返納をするということですが、国との協議の中で見込みが誤っていなかったのか、積算の在り方並びに今回の返金に至った経緯と、今後は、反省を踏まえてどのように対応されていくのかご説明ください。

○齋藤企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 最終補正にて予算を措置し返納いたします国庫支出金約三百八十一億円のうち約八割が、令和二年度に受け入れた新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の受入れ超過に伴うものでございます。
 本交付金は、入院病床や宿泊療養施設の確保、運営等の新型コロナ対策に充てられるものでございまして、都は、補正予算を編成する際、その時点で最大の陽性者数を予算規模として積算するなど、感染拡大に備えて万全の予算を確保いたしまして、事業を実施してまいりました。
 結果として、陽性者数が積算規模を下回ったことなどによりまして、国への返納金が発生したものでございます。
 なお、交付金申請に当たりましては、予算編成の考え方などに基づき、都の所要額確保に向けまして国と協議するなど、適切に対応しております。

○上田委員 国庫支出金といっても、国民の貴重な血税でございます。その多くは国債を原資としております。天から降ってくるものではありません。将来世代の負担ともなるものでありまして、最少の経費で最大限の効果を上げるべく、必要なところに的確に、迅速に配分されなければなりません。
 また、都は、自立した自治体として、緊急時は致し方ないとしても、財源を国に依存し続けることがあってはなりません。
 今回多額の返納が生じてしまったことの内省に立ち、現場での施策展開を担う福祉保健局として、いかに行政需要を把握し、そのための経費をいかに積算し、財源を確保し、配分していくのか、来年度に向けた基本的な考え方と具体的な取組をご説明ください。

○齋藤企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 予算見積りの依命通達を踏まえ、最少の経費で最大の効果を生み出すよう、創意工夫やコスト縮減を図るとともに、過去の決算や執行状況を徹底して分析、検証いたしまして、令和四年度予算も適切に見積もっております。
 都政の最重要課題であります新型コロナウイルス感染症対策につきましては、感染状況等を踏まえ、都として機動的かつ実効性ある対策を行うため、必要な財源確保に関して、国に繰り返し要望しております。
 また、予算見積りに当たりましては、医療機関や保健所、区市町村、事業者、都民との意見交換などによりまして、現場のニーズや課題を把握しております。
 引き続き、社会状況に的確に対応し、将来的な課題に備え、様々な工夫を凝らしながら施策を展開してまいります。

○上田委員 ありがとうございます。今後の課題認識を伺わせていただきました。
 当然、あればあるだけ使ってしまうというのはよろしくないことではありますけれども、やっぱり困っている都民もいて、政府からの補助があった場合、大抵でも補助金というのはひもつきで、皆さんも苦労があって、使途が決まっているから返さざるを得ないという状況も重々分かった次第でございます。
 ちょっと他府県の首長の方ともお話しして、粘り強く交渉して、ひもつきで来たけど、うちの地域の住民はこういうことに困っているんだから、同じコロナで、例えば生活困窮者とか、こうしたものに転用できないかと粘り強く交渉して、駄目だといわれても、じゃあ自主財源でやるわといって、結果的には来て、むしろ貯金がたまったなんて話も聞いているので、ぜひ、局長をはじめ、よく政府と交渉をしながら、一番困っているときには転用でこっちに使わせてくださいというような形で交渉して、むやみに返さず、無駄遣いはしない体制にはなっているのは理解しましたので、国民のお金をせっかくいただいたので、都民のためにも転用できるようなぐらいの交渉力を持って臨んでいただきたいという要望を申し上げまして、終わらせていただきます。

○うすい委員 私の方からは、このたびの東京都国民健康保険事業会計の補正予算について質問をさせていただきます。
 国保に加入されている方は高齢者や低所得者の方が多く、どちらかというと経済的に弱者の方が多いわけでございまして、保険料の確保が困難など構造的な問題を抱えているといわれております。
 平成三十年度の制度改革によりまして、都道府県ごとの広域化となったわけでございますけれども、それは国保財政を安定させることが目的の一つであったと思います。
 今回、制度改革されて以降ですが、初めて、都の国民健康保険事業会計は補正予算を組むことになりました。そこで、国保財政の仕組みと都の財政運営における役割を確認させていただきたいと思います。
 まずは、改めて伺いますけれども、国民健康保険の財政運営における東京都の役割についてお伺いをいたします。

○池上地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 国民健康保険は、国民健康保険法に基づく全国統一の制度であり、その財源は、保険料が二分の一、国や都の公費が二分の一を基本としております。
 平成三十年度の制度改革により、国民健康保険財政の安定化を図るため、財政運営が都道府県単位で行われることとなりました。
 具体的には、都道府県が財政運営の主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保等の役割を担うこととされ、区市町村は、資格管理や保険給付、保険料率の決定など、地域における事業を引き続き担うこととされております。
 都は、国民健康保険事業会計を設置し、区市町村ごとに国民健康保険事業費納付金を決定し、保険給付に要する費用を区市町村に全額交付するなど、国民健康保険財政の入りと出を管理する役割を担っております。

○うすい委員 今答弁いただきました、都は、国保財政の入りと出を管理するということでありました。
 入りは、国庫負担金や都の繰入金などの公費と区市町村からの納付金があり、出については、主に保険給付に要する費用、つまり保険給付費であります。
 歳入と歳出の収支が均衡するように管理するのが都の役割でありますが、コロナの影響もあるでしょう、今回のように、当初の見込み以上に保険給付費が増加をし、財源不足が生じる場合はどのように対応するのかお伺いをいたします。

○池上地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 都道府県の保険給付費が予想以上に増加し、財源不足となった場合に、一般財源からの財政補填等を行う必要がないように、国の公費により、都道府県に財政安定化基金が設置されております。
 今回の補正予算編成に当たり、保険給付費等交付金には、法定の国庫支出金や都繰入金のほか、財政安定化基金のうち本体基金の一部を取り崩し、財源として充てることとしております。
 この基金の取崩し額は、政令に基づき、当初の想定より増加した保険給付費の額につきまして、国や都の法定負担分等の収入を充当後に不足する額となっております。

○うすい委員 答弁いただきまして、給付費が増加して財源不足となった場合は、一般財源からの補填ではなく、国、都の法定負担分を充てて、それでも不足する場合には、都に設置された財政安定化基金の取崩しで対応するということでありました。
 補正の財源として、財政安定化基金を一部取り崩すとのことでありますけれども、その額と、そして取り崩した後の区市町村のそれぞれの対応についてはどうなるのかお伺いをいたしたいと思います。

○池上地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 今回、財政安定化基金からの取崩し額として令和三年度最終補正予算案に計上した額は、約九十億円でございます。
 最終的な取崩し額は、国の取扱要領例や都の施行規則に基づき、令和四年五月末までに確定し、九月末までに都において基金への償還計画を作成いたします。
 取り崩した額は、原則三年間で基金に積み戻すこととされており、令和五年度から令和七年度の区市町村の納付金に加算される予定でございます。

○うすい委員 ありがとうございました。
 国保の財源は公費と保険料で運営されることが原則であり、今回のように予期しない財源不足が生じた際の仕組みも、いわゆる講じられている確認もさせていただきました。ただし、基金の取崩しは、今ご答弁あったように、今後の区市町村納付金で、三年間で積み戻すということであります。
 つまり、加入者の保険料に影響が生じることにもつながるわけでございまして、都は、給付費等の収支の見込みをしっかり行っていただいて、安定的な財政運営に努めていただくことを強く要望しまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○おじま委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。

○おじま委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費、厚生委員会所管分及び第百十号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○藤田委員 日本共産党都議団です。
 採決に先立ち、第百七号議案と第百十号議案に対して意見を述べさせていただきます。
 第百十号議案は、国民健康保険事業会計の補正予算になっています。
 補正予算を組まなければならなくなった理由は、今年度の国民健康保険の医療給付費が昨年一月に見込んだ額よりも大幅に増えて、予算が足りなくなったからということです。つまり、今年度は予想以上に医療費がかかったということであって、医療機関への支払いはしなくてはいけないものですから、当然、補正予算は必要なものであります。
 しかし、問題はその財源構成にあります。国保会計に繰り入れる財源のうち、都の一般会計からの繰入金は、義務的経費である都の負担分である九%分にとどまっていまして、区市町村の納付金では不足する分というのは、国保財政安定化基金を取り崩して繰り入れるということになっています。
 しかし、先ほど質疑にもあったように、国保財政安定化基金の取崩しを行うと、その後の納付金に上乗せして積み戻すということになりまして、国民健康保険料、保険税の引上げにつながるというものになります。
 そうなると、ただでさえ所得の少ない世帯が多く加入している国民健康保険において、さらに保険料、保険税が増えるということになりまして、これまでも、高過ぎる国保料に対して支払いができずに健康保険がなくなったり、医療費窓口負担ができなくなったり、短期保険証になったりという問題が起きています。なので、保険料が支払えなくなる方が増えることにもつながり、これは問題だと思います。
 コロナ禍によって、都民の生活は一層苦しくなっています。将来的に保険料に跳ね返る国保基金からの取崩しではなく、都の一般会計からの法定外繰入れを行って、都民の負担を軽減するべきです。
 法定外繰入れを禁止するような法の規定は一切ありません。したがって、ただ国保財政の収支の均衡を管理するのではなくて、都民の暮らしの実態をきちんと把握して、命を守ることを最優先とした補正予算を構成することこそ、地方自治法に基づいて、住民の福祉の向上に努める都の役割を果たすべきだと思います。
 よって、第百十号議案には反対いたします。
 第百七号議案については、国保料、国保税の負担軽減のための法定外繰入れを計上するべきです。また、福祉事業者の処遇改善は、国が対象外としている手話通訳者なども対象とすべきです。
 しかし、計上されている予算は、いずれも必要なものであることから、賛成をいたします。
 以上で発言を終わります。

○おじま委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百十号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○おじま委員長 起立多数と認めます。よって、第百十号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費、厚生委員会所管分を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認めます。よって、第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費、厚生委員会所管分は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十四分散会

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