委員長 | おじま紘平君 |
副委員長 | 伊藤こういち君 |
副委員長 | 小松 大祐君 |
理事 | 関口健太郎君 |
理事 | やまだ加奈子君 |
理事 | 桐山ひとみ君 |
かまた悦子君 | |
上田 令子君 | |
うすい浩一君 | |
浜中のりかた君 | |
藤田りょうこ君 | |
菅原 直志君 | |
小宮あんり君 | |
白石たみお君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉保健局 | 局長 | 中村 倫治君 |
健康危機管理担当局長 | 佐藤 智秀君 | |
次長理事兼務 | 雲田 孝司君 | |
技監 | 田中 敦子君 | |
理事医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長事務取扱 | 矢沢 知子君 | |
理事 | 早川 剛生君 | |
総務部長 | 高野 克己君 | |
保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 | 成田 友代君 | |
生活福祉部長 | 高橋 博則君 | |
高齢社会対策部長 | 山口 真吾君 | |
少子社会対策部長 | 奈良部瑞枝君 | |
障害者施策推進部長 | 中川 一典君 | |
感染症対策部長 | 武田 康弘君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長 新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 | 齋藤 善照君 | |
医療改革推進担当部長 | 小竹 桃子君 | |
地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 | 池上 晶子君 | |
高齢者施策推進担当部長大規模接種施設企画調整担当部長兼務 | 山本 謙治君 | |
障害者医療担当部長 | 石黒 雅浩君 | |
感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 | 杉下 由行君 | |
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 | 遠藤 善也君 | |
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 | 花本 由紀君 | |
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 | 徳弘 欣也君 | |
東京感染症対策センター担当部長 | 加倉井祐介君 | |
新型コロナウイルスワクチン担当部長 | 村本 一博君 | |
抗体カクテル療法促進担当部長 | 内藤 典子君 | |
新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 | 猪倉 雅生君 | |
病院経営本部 | 本部長 | 西山 智之君 |
経営企画部長 | 谷田 治君 | |
サービス推進部長 | 西川 泰永君 | |
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 藤本 誠君 | |
計画調整担当部長 | 船尾 誠君 |
本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
付託議案の審査
・第二百二十一号議案 東京都清瀬喜望園の指定管理者の指定について(質疑)
・第二百二十六号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、歳出、福祉保健局所管分(説明・質疑)
・議員提出議案第二十一号 東京都子どもの医療費の助成に関する条例(説明・質疑)
・議員提出議案第二十二号 東京都青少年の医療費の助成に関する条例(説明・質疑)
病院経営本部関係
報告事項(質疑)
・地方独立行政法人東京都立病院機構第一期中期目標(素案)について
請願陳情の審査
(1)三第一〇号 コロナ禍で都立・公社病院の独法化中止と都民が安心して受療できることに関する請願
(2)三第六三号 都立病院・公社病院の地方独立行政法人化に反対することに関する陳情
○おじま委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の付託議案の審査並びに病院経営本部関係の報告事項に対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
これより福祉保健局関係に入ります。
初めに、人事異動のあった幹部職員について福祉保健局長から紹介があります。
○中村福祉保健局長 それでは、このたび人事異動がございました当局の幹部職員を紹介いたします。
港湾局港湾振興担当部長で福祉保健局新型コロナウイルス検査事業推進担当部長兼務の猪倉雅生でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○おじま委員長 紹介は終わりました。
○おじま委員長 付託議案の審査を行います。
初めに、第二百二十一号議案及び第二百二十六号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、歳出、福祉保健局所管分を一括して議題といたします。
本案のうち、追加提出されました第二百二十六号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、歳出、福祉保健局所管分について理事者の説明を求めます。
○中村福祉保健局長 令和三年第四回東京都議会定例会に提出いたしました議案についてご説明いたします。
今回ご審議いただきます議案は、新型コロナウイルス感染症対策として、第六波に備えた医療提供体制の確保等や都民生活の支援のさらなる充実、東京の経済を再生、回復の軌道に乗せるための取組などを実施していくために必要な経費を補正する令和三年第四回定例会補正予算案でございます。
詳細につきましては、総務部長よりご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○高野総務部長 それでは、令和三年第四回定例会補正予算案につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料、令和三年第四回定例会補正予算概要をご覧いただきたいと存じます。
二枚おめくりいただきまして、一ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
今回の補正は、一般会計歳入歳出予算の補正でございます。
左側の(1)、歳入予算の補正予算額欄をご覧ください。国庫支出金で三百十八億四千五百七十七万八千円、繰入金で三千四百七十五万円、諸収入で二十四億四千九百四十八万二千円の増額により、補正後の歳入合計は九千九百四十億二百七十万六千円となります。
右側の(2)、歳出予算の補正予算額欄をご覧ください。福祉保健費で八百九十四億三千三百四十八万六千円の増額補正でございます。これにより、補正後の歳出合計は二兆一千四百二十三億一千七百十九万二千円となります。
二ページをお開き願います。Ⅱ、事項別内訳の1、新型コロナウイルス感染症緊急対策でございます。
新型コロナウイルスの感染再拡大を阻止する対策に要する経費といたしまして、看護職員再就業支援事業について、医療政策費で二千八百七十九万三千円の歳出を計上してございます。
三ページをご覧ください。経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実に要する経費といたしまして、自殺未遂者等の支援体制強化等の実施について、保健政策費で三千百七十四万八千円の歳出を計上してございます。
四ページをお開き願います。経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実に要する経費といたしまして、民生・児童委員の活動普及啓発事業や福祉の仕事イメージアップキャンペーン事業について、生活福祉費で五千二百二十五万円の歳出を計上してございます。
五ページをご覧ください。経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実に要する経費といたしまして、住居喪失不安定就労者・離職者等サポート事業や、ひきこもり等社会参加支援事業について、同じく生活福祉費で一億七千六百五十二万一千円の歳出を計上してございます。
六ページをお開き願います。経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実に要する経費といたしまして、介護予防・フレイル予防普及啓発事業について、高齢社会対策費で七百五十万円の歳出を計上してございます。
七ページをご覧ください。経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実に要する経費といたしまして、ひとり親家庭支援センター事業や、ひとり親家庭就業推進事業につきまして、少子社会対策費で七百十五万六千円の歳出を計上してございます。
八ページをお開き願います。経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実に要する経費といたしまして、医療・福祉事業所内メンタルヘルスセルフケア等スキル向上支援事業につきまして、障害者施策推進費で五百三十六万円の歳出を計上してございます。
九ページをご覧ください。経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実に要する経費といたしまして、障害児の放課後等支援事業につきまして、同じく障害者施策推進費で一千六百二十五万円の歳出を計上してございます。
一〇ページをお開き願います。隣の一一ページにかけまして、新型コロナウイルスの感染再拡大を阻止する対策及び感染症防止と経済社会活動との両立を図る取組に要する経費といたしまして、感染拡大時における地域外来・検査センターの体制強化事業や年末年始における入院医療体制の確保支援事業などにつきまして、健康安全費で八百九十一億七百九十万八千円の歳出を計上してございます。
以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○おじま委員長 説明は終わりました。
その他の議案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○浜中委員 それでは、順を追って質疑をさせていただきます。
まず一点目でございます。年末年始における地域外来・検査センターの体制強化についてお伺いをいたします。
現在、感染状況も落ち着いておりますが、オミクロン株による感染拡大も懸念されている中で、年末年始において休みに入る医療機関も多く、検査が受けられる体制の確保が懸念されております。
これは昨年度もそうだったわけでありますけれども、それで、年末年始を迎えるに当たり、あらかじめ感染拡大を想定した準備を進め、医療資源を最大限活用し、地域の検査体制を整えておく必要があるかと思います。
このような中で、都は、新たに感染拡大時における地域外来・検査センターの体制強化事業を行うこととしておりますが、具体的にどのような体制強化を行うのかということを教えてください。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 本事業は、地区医師会等が設置する地域外来・検査センターが、感染拡大時に都の要請に基づき検査体制を強化した場合に、運営に関わる経費の支援を拡充するものでございます。
具体的には、通常時の検査体制を二倍に強化した場合は、それに合わせて現行の二倍の謝金を支払います。
また、年末年始及び一月から三月までの連休期間に稼働した場合は、現行謝金に加算した四時間当たり十五万円を支払うことを基本にし、それを超える場合には、一時間ごとに三万七千五百円を加算した上で謝金を支払うこととしております。
本事業により、人件費等の財政支援を行うことで、地域外来・検査センターの活用を促進し、感染拡大時の年末年始等における検査体制を強化してまいります。
なお、今般のオミクロン株の国内発生を受け、また、これから年末年始を迎えることを踏まえまして、都は、十二月三日付で地域外来・検査センターも含む各関係機関に対しまして、感染拡大時の検査体制強化の協力要請を行っております。
○浜中委員 ありがとうございます。
都が医師会等の関係機関と連携を図りながら十分な準備を進め、年末年始の診療、検査体制を確保していくようにお願いを申し上げます。
今、答弁を聞いていて、これはすばらしいなと思ったのが、十二月三日付で地域外来・検査センターも含む各関係機関に対して、感染拡大時の検査体制強化の協力要請を行ったと。要は、年末を手厚くしてくださいねというお話だと思うんですけれども、これあの決まるのが、ここで委員会で−−仮に議決取れたとしても十五日以降ということになれば、当然、医師会とかは人材を確保しなきゃいけないということ等もありますので、前もって、こういう状況ではあるけれども、こういうことをやりますよというふうに伝えるのは非常にいいことだと思いますので、ぜひ年末に向けてしっかり備えをしていただいて、実行していただきたいというふうに思います。
続きまして二問目、往診による抗体カクテル療法促進事業についてであります。
これは新規で五億七千四百万円の予算が計上されておりますが、第六波の到来に備えて、往診で抗体カクテル療法を実施する体制を整備するための予算であり、非常に重要な予算であるというふうに考えております。
病床の逼迫を防ぐためには、新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐ抗体カクテル療法を適宜適切に実施することが重要であると思いますが、これまでの取組も踏まえて、この事業の目的について教えてください。
○内藤抗体カクテル療法促進担当部長 抗体カクテル療法は、発症後速やかに投与することで重症化を防ぎ、病床の逼迫を防止する効果が期待できます。
都ではこれまで、医療機関のほか、宿泊療養施設や酸素・医療提供ステーションにおいて、入院や外来で対象者への投与を実施してまいりました。
また、本年九月に往診での投与が可能になったことを受け、往診での投与についてもモデル的に実施してまいりました。
このたび、感染拡大に備え、往診で投与を行う医療機関や経過観察を行う訪問看護ステーション、投与後の急変時に対応するバックアップ医療機関に対する支援を本格的に実施いたします。
今後、この取組を着実に進めることで、自宅療養者等も早期、確実に中和抗体薬の投与に結びつけ、感染拡大時における病床逼迫の防止に努めてまいります。
○浜中委員 ありがとうございます。
今ご答弁の中でもありましたとおり、自宅療養者にも早期、確実に中和抗体薬の投与に結びつけて、感染拡大時における病床の逼迫の防止に努めるという答弁があったんですけれども、病床の逼迫もそうなんですけれども、そもそもこの中和抗体薬を投与することで重症化を防ぐことができますから、命が助かるということは非常に大切であるかと思います。
とりわけ、第五波のときに病床が足りなかったよというお話もあったんですけれども、これを早めに投与することによって重症化を防いで、人の命が助かるということはいいことですし、この事業の、この予算の目的というのは、恐らく特養ですとか高齢者施設等とかでクラスターとかが起きたときに、比較的早く、そこで機動的にこういったことができるという意図なのかなというふうに思います。非常にいい事業であるかと思いますので、着実に進めていただくようにお願いを申し上げます。
続きまして、保健所のデジタル化の促進についてお伺いをいたします。
今後、再び感染が拡大した場合に備えて、保健所のデジタル化により、業務の効率化を進める必要があると思いますが、どのような取組を進めていくのかということをお伺いいたします。代表質問でも少し触れさせていただきましたけれども、具体的にお願いをいたします。
○武田感染症対策部長 都は、第五波における保健所業務の逼迫を踏まえまして、第六波に備えた取組といたしまして、デジタル技術の活用による保健所業務の効率化を推進しているところでございます。
具体的には、疫学調査や健康観察などの電話を利用する業務につきまして、音声マイニング技術による電話音声の自動テキスト化や自動要約を一部保健所で先行して導入しており、活用状況を踏まえ、他の保健所へ拡大を図ってまいります。
この取組に加えまして、現在、紙やホワイトボードで行っております患者対応の進捗管理方法を見直し、オンラインツールによるデータ管理を導入してまいります。
さらに、健康観察等におけるウエアラブル機器の活用を一部保健所で実施し、有効な活用手法を検証することとしてございます。
これらの取組により、デジタル技術を活用した業務の効率化を一層推進してまいります。
○浜中委員 ありがとうございます。
昨年の反省として、保健所が逼迫していて全然連絡が取れないよという話があり、人手不足とかということもありましたけれども、今ご答弁にあったとおり、保健所のデジタル化によって業務の効率化を進めて、どんどん人手を、ちゃんと向き合わなきゃいけない患者さんたちに向き合っていくということは、とても大切なことだと思います。
その中で、今答弁にあったウエアラブル機器について、その機能を十分に生かすことも重要であるかと思います。また、装着のしやすさや測定精度など、機器の特性も踏まえた上で活用していくべきであると思いますが、見解を教えてください。
○武田感染症対策部長 ウエアラブル機器には、装着時に酸素飽和度等を自動で測定できる機能や、通信機器と併用することで測定値を遠隔地でも把握できる機能があり、当該機能を積極的に活用してまいります。
また、ウエアラブル機器によっては、測定する箇所が指や腕など様々であるとともに、装着方法によっては、測定値にばらつきが出る場合があると承知をしてございます。
こうした状況を踏まえつつ、ウエアラブル機器の機能を十分に生かせるよう、保健所が行う自宅療養者の健康観察や入院までの患者のフォロー等において、有効な活用手法を検証してまいります。
○浜中委員 ありがとうございます。
まさにウエアラブル機器って、手につけるやつとか、いろんなところにつけるような形だと思いますけど、血中酸素濃度とかを測って、その人が重症化しないかどうか、連絡が取れなくなっちゃったんだけどどうなっているんだろうかとか、いろんな使い方があるかと思います。
やはり保健所の皆さんの先には、コロナにかかってしまって困っている人がいるかと思いますので、そうした人たちが、重症化したりとか亡くならないような対策として、これは非常に大切なことであるかと思いますので、しっかり丁寧に進めていっていただければと思います。
また、デジタル化全般についてでありますけれども、今、都の保健所というのは多摩地域であるかと思いますけれども、二十三区ですとか、八王子、町田なんかも保健所はございますから、そういったところも効率化ができるのであれば、都が後押しをしていった方がいいのではないかというふうにも思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
続きまして、診療・検査医療機関による健康観察等の支援についてであります。
東京都はこれまで、自宅療養者フォローアップセンターを設置し、保健所と連携をしながら自宅療養者の健康観察業務を行ってきました。第五波のピーク時においては、保健所から陽性者への連絡に数日を要するケースが発生するなど、自宅療養者に対する速やかな健康観察の実施が課題となっておりました。
第六波への備えとして、健康観察体制の強化が必要であるかと考えますが、都が実施に向けて検討を進めている診療・検査医療機関による健康観察等の支援の目的や概要についてお伺いをいたします。これあの、今お話しした保健所の助けをしますよというお話だと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、自宅療養者に対する健康観察体制を強化するため、保健所や自宅療養者フォローアップセンターに加えまして、地域の医療機関等による健康観察を促進する取組を開始いたします。
具体的には、診療や検査を行った医療機関等が、陽性確定の連絡時に陽性者の容体等を確認いたしまして、自宅療養者となる陽性者に対して、発生届の作成と併せて電話等による健康観察を開始した場合に、医療機関に対して協力金を支給いたします。
また、自宅療養者の健康観察の状況について保健所と情報共有を図りますとともに、自宅療養者の容体に応じて、訪問による健康観察や診療を行った場合には協力金を加算するなど、医療機関によるきめ細かな対応を支援してまいります。
本事業によりまして、陽性が確定した方への速やかな健康観察を実施し、自宅療養者が安心して療養できる環境を整備してまいります。
○浜中委員 ありがとうございます。
第五波のときには、実際には開業医の先生たちが、自分のところに来てPCR検査とかで陽性になったときに、発生届を保健所に出して、なかなか手が回らないから体調どうですかというので、実態としては、かかりつけ医で自分の患者さんでございますから、先生たちがフォローしていたということもあったかと思います。
今回、こういう制度や、そういったものができるということであれば、医師会ですとか、病院なんかもそうですけど、通じていただいて、しっかりフォローアップしていただければ、保健所だとかフォローアップセンターの手が足りるというふうにも思いますので、ぜひ丁寧に進めていっていただきたいというふうに思います。
続きまして、東京都医療人材登録データベースについてであります。
今年の十一月、都は、東京都医療人材登録データベースを開設いたしました。
都は、ホームページやツイッターなどで、このデータベースへの登録を呼びかけておりますが、今後の感染再拡大に備え、より多くの医療従事者の方々にご登録いただき、いざというときには速やかに活動いただけるように一層の取組が必要であるというふうに考えております。
今回の補正予算では、今後の地域医療を支える医療人材の確保、育成に取り組むことが打ち出され、この中で、東京都医療人材登録データベースを活用した医療人材確保事業についての所要経費が計上されております。当該事業の概要について教えてください。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、今後の感染再拡大に備え、医療機関や医師、看護師等の方々にあらかじめ人材情報を登録いただき、必要時、宿泊療養施設や酸素・医療提供ステーションなど、都が要請する施設等で速やかに従事いただくため、東京都医療人材登録データベースを設置いたしました。
当該データベースへの登録と、このデータベースを活用した派遣を促進するため、今回の補正予算案において、職員を派遣した医療機関等に対する補助と登録した医療従事者に対する研修に関わる経費を計上しております。
医療機関等に対する補助は、都が要請する各施設に、一日当たり医師一名、看護師等三名の配置を想定しております。
また、研修は、登録医療従事者が実際に都の要請する施設に派遣された場合を想定し、当該業務の未経験者でも速やかに現場で活動ができるよう、あらかじめ必要な知識、技術を習得することを目的として行うこととしております。
○浜中委員 ありがとうございます。
これあの、例えば大きな大学病院とかの先生とかが、恐らく酸素・医療提供ステーションとかに、東京都にお手伝いするよと出たときに、しっかりそのお金を払いますよというようなことをちゃんとデータベース化して、しっかり管理をしていくというお話だと思います。
次の質問にもありますけれども、やっぱりお医者様ですとか看護師さんとかという人材を、いかに医療資源を適正配置していくか、お願いをしてコロナを乗り切っていくかということが大切であるかと思いますので、これも非常にいい取組だと思いますので、しっかり丁寧に進めていっていただきたいというふうに思います。
それに関連をいたしまして、都内の看護師の確保が非常に厳しいというふうに聞いております。資格は取得しておりますが、就業していない潜在看護師を活用するなどの仕組みが重要であります。
そこで、都が実施する看護職員再就業支援事業について教えてください。
○小竹医療改革推進担当部長 本事業は、出産、育児、介護などにより離職した看護師の再就業と、その後の就業の定着を促進することを目的に実施いたします。
具体的には、東京都ナースプラザの職業紹介機能を充実し、医療機関、訪問看護ステーションや介護施設の短時間や非常勤勤務可能な施設の情報を収集するなど、多様な就業機会を確保し、離職中の看護師や定年退職前後の看護職員、いわゆるプラチナナースの再就業を支援いたします。
また、再就業後の定着を促進するため、プラチナナース就業継続支援事業で実施しているプラチナナースとしての働き方や期待される役割、定年後のライフプランなどに関するセミナー等を受講し、一定期間従事した者に対して就業定着奨励金を支給することとしており、ライフステージに応じた看護職員確保対策を一層充実させてまいります。
○浜中委員 ありがとうございました。
この事業自体が、中堅層を中心として、とにかく再就業だとか定着を促進して看護師さんを掘り起こしていくということだと思いますので、やっぱり人手が必要だということでございますから、看護連盟等の業界ですとか、窓口になっている東京都ナースプラザ等の支援を厚くして看護師さんを確保していただき、現場で働いていただけるように着実に推し進めていただきたいというふうに思います。
続きまして、ゲノム解析による変異株の監視体制についてであります。
今、新たな変異株であるオミクロン株の発生により、都民の不安は高まっております。
先日、東京都健康安全研究センターでは、オミクロン株対応の変異株PCR検査の手法を独自に構築して、いち早く検査を開始いたしました。これは本当に高く評価できることだと思います。
都民の安心・安全のためには、新しい変異株が日本に広がる前に、感染者数が抑えられている今だからこそ、都内での新たな変異株の流入や感染拡大を防ぐことに注力していくべきであるというふうに考えております。
そのためにも、変異株PCR検査と併せて、変異株が特定され、都内の流行状況が詳細に分析できるようになるゲノム解析を進めて、監視体制を強化していくべきであるというふうに考えます。
本定例会の補正予算案の中で、ゲノム解析による変異株の監視体制の強化のために、約十一億六千万円の予算が計上されております。どのような取組なのかを教えてください。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 新たな変異株の感染拡大を防ぐためには、都として、変異株の感染状況を迅速に把握していくことが重要でございます。
都はこれまで、新たな変異株が発生する都度、変異株の有無を確認するPCR検査を行うとともに、東京都健康安全研究センター等にてゲノム解析を実施してまいりました。
今回取りまとめましたオミクロン株に関する緊急対応におきまして、同センターが独自に構築した変異株PCR検査手法を用いて、いち早く検査を開始しておりまして、検査を開始いたしました今月三日から八日までに三十八件の検査を行い、全てオミクロン株疑いではなかったことを確認しております。
この変異株PCR検査に加えまして、ゲノム解析を同センターのほか、新たに民間検査機関を活用し、できる限り実施してまいります。
ゲノム解析の結果につきましては、東京iCDCのゲノム解析に関する検討チームにおきまして議論、検討し、都のモニタリング会議におきまして、引き続き公表してまいります。
また、解析の結果判明しました遺伝子情報につきましては、新型コロナウイルスゲノムの情報などに関する世界共通のデータベースに登録することで世界中の科学者に共有され、感染症の研究に活用されております。
○浜中委員 ありがとうございます。
既に三十八件の検査を行ったんですけれど、まだオミクロン株の疑いはなかったということでございますので、このように、早期に結果の判明するPCR検査と併せてゲノム解析を実施することで、都内に二重の監視の網をかけていくことができます。これにより、都内の監視体制をしっかり築いていただきたいということと、このゲノム解析の分析は、結果は公表するということでございます。オミクロン株に関する正しい情報や専門的な知識を都民に分かりやすく伝えていただくことも希望させていただきます。
また、この実績自体を世界共通のデータベースに登録するということでございますから、科学者の方や研究者の方にも、研究で活用されるということでございますので、これは非常にいい取組であると思いますので、しっかり進めていただければと思います。
続きまして、大規模接種会場における新型コロナウイルスワクチン集団接種事業についてであります。
接種対象や規模、事業の概要を伺うとともに、区市町村との役割分担についても教えてください。
○山本高齢者施策推進担当部長大規模接種施設企画調整担当部長兼務 追加接種では、全ての接種対象者について区市町村が主体となって調整していくことから、都は、区市町村とのワクチンチーム会議を通じて、ワクチンの今後の供給見込み等の情報共有を図りながら、追加接種における役割分担等を議論してまいりました。
区市町村との調整を踏まえ、都は、追加接種を着実かつ迅速に進めていくために、都の大規模接種会場を設置し、医師会や歯科医師会、薬剤師会に所属していない医療従事者や東京消防庁の救急隊員などを対象として、今月中旬から都庁北展望室ほか、多摩地域の一か所の会場で開始することといたしました。接種規模は一日当たり千七百回程度を予定しております。
今後、職域接種の状況や国からのワクチンの供給計画等を踏まえまして、さらなる対象者への追加接種が可能となるよう、会場を六か所程度まで順次拡大してまいります。
○浜中委員 ありがとうございます。
続きまして、今のご答弁にもありましたとおり、都の大規模接種会場で接種を前倒しする場合には、どのような課題があると認識しているのか、また今後の対応について教えてください。
○山本高齢者施策推進担当部長大規模接種施設企画調整担当部長兼務 国で行われている議論から、都の大規模接種会場における追加接種の前倒しにつきましては、前倒し接種対象者の範囲や会場の確保のほか、前倒しスケジュールに沿った必要なワクチンの安定的な確保や、区市町村による接種券の発送スケジュールなどの課題がございます。
こうしたことから、前倒し接種についても、今後の国の動向等を踏まえつつ、区市町村と適切に調整しながら検討を進めてまいります。
○浜中委員 代表質問等でも、この前倒しの話等、出ましたけれども、今質問させていただいたのは、東京都の大規模接種会場における新型コロナウイルスワクチン集団接種事業でございますので、これは市区町村を補完する形で今までも東京都でやってきたことだと思うんですけれども、先ほどの質疑でもありました八か月からさらに前倒しするよということであれば、一方で、東京都はワクチンの供給計画も国から市区町村に落とす前で担っておりますから、これはもう、とにかく国がワクチンをくれないと、都としても非常につらい立場で、市区町村にワクチンも配れないし、自分たちの集団接種も削らなきゃいけないというふうに、きつい立場であるかと思います。
したがいまして、国が前倒しをするということであれば、しっかりワクチンを早めに供給していただいて、それを各市区町村にお配りするスケジュールも示して、さらにこの大規模接種も拡充させていくということでございますので、非常に大変であるかと思いますけれども、何とか、ワクチン接種は切り札でございますから、丁寧に進めていっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
次の質問に移りたいと思います。次に、民生児童委員についてお伺いをいたします。
コロナ禍において、高齢者や障害者等の見守りを行うために、訪問活動が十分にできないなど、民生児童委員の活動に大きな支障があったかと思います。そうした中でも、電話や玄関先での対応など、民生児童委員の方がそれぞれ工夫をしながら活動していたと聞いております。
個々の民生児童委員の方々は大変熱心に、地域の身近な相談相手として活動していただいておりますが、一方で、民生児童委員の存在が知られていないために、孤独、孤立に苦しむ方々に十分に手が差し伸べられていない場合もあるのではないかと思っております。
今回、補正予算案に民生・児童委員の活動普及啓発事業が盛り込まれておりますが、どのような内容なのかを教えてください。
○高橋生活福祉部長 コロナ禍におきまして、孤独、孤立に苦しむ人々が、地域住民の身近な相談相手である民生委員、児童委員に安心して相談し、必要な支援を受けられるようにするためには、民生児童委員の活動を広く知ってもらうことが必要でございます。
そのため、今回の補正予算案において、SNS等を活用して、民生委員、児童委員の活動内容を広く紹介する経費を計上してございます。
今後とも、支援を必要とする方々が安心して相談でき、適切な支援につながるよう普及啓発に取り組んでまいります。
○浜中委員 ありがとうございます。
民生児童委員には、成り手不足や民生委員の高齢化など、様々な課題を抱えていると思います。コロナ禍においては、まずは身近な相談相手として民生児童委員の存在を知ってもらうことは重要と考えており、本取組に期待するとともに、民生児童委員の方も、ほぼボランティアでございますので、いろんな課題があると思いますので、皆さんの声を聞いて、行政としてもぜひサポートの方をよろしくお願いをいたします。
最後でございます。
岸田総理は、総選挙後の総理指名の初の記者会見において、新型コロナ対策を最優先の課題に挙げ、これまでなかった取組も含めて、医療供給体制の確保に向けた取組やワクチン接種促進に向けた取組を示しました。
こうした取組の一つとして提示されたのが、ワクチン・検査パッケージ等のための無料の検査と感染拡大時傾向におけるワクチン接種者も含めた無料の検査の取組でございます。
まず、ワクチン・検査パッケージ制度等のための無料検査についてお伺いをいたします。
ワクチン・検査パッケージは、感染対策と日常生活の回復の両立に向けて、感染が拡大した場合でも感染リスクを低減させることで、飲食やイベント等における行動制限を緩和するものであります。
これまでワクチン接種できた方については、接種証明により安全を証明できるものの、健康上の理由等で接種できなかった方は、自費でPCR検査等を受け陰性であることを証明しないと対外的に安全であることを証明できませんでした。
ワクチンが接種できない方の検査を無料とし、都民全体で感染対策を図りながら経済社会活動を行っていくことが重要と考えますが、この検査無料化の取組をどのように進めていくのかを教えてください。
○猪倉新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 ワクチン・検査パッケージ制度等に伴う検査無料化の取組は、健康上の理由等によりワクチンを接種できない方が経済社会活動を行うに当たって、検査を無料で受けられる環境を整えることを目的としております。
具体的には、国が構築した制度の枠組みに沿いまして、民間検査機関や薬局の協力を得つつ、無症状者のうち、健康上の理由でワクチン接種できない方及び十二歳未満の方を対象に、PCR検査や抗原定量検査、抗原定性検査の費用を無料とするものでございます。
現在、国からの情報提供を活用して民間検査機関に協力を働きかけるとともに、東京都薬剤師会を通じて、都内の薬局へ事業参加に向けた呼びかけを行っております。
今後、民間検査機関や薬局等を実施事業者として登録の上、十二月下旬以降を目途に事業を開始し、登録事業者が行う検査や施設整備に対する支援を行ってまいります。
○浜中委員 今後の感染状況の推移というのが、なかなか分からないところでありますが、感染対策と経済活動の両立は大切な課題であります。速やかに体制を構築していただきたいというふうにお願いを申し上げます。
次に、感染拡大時における無料検査の取組についてお伺いをいたします。
先日の代表質問で、我が会派の小松政調会長より、無料検査の対象については、感染拡大期には、特に貴重となる限られた検査能力、検査資源を有効に活用していく必要があることを述べ、都からは、希望者全員に対して一律に検査を行うものではない旨の答弁がありました。
感染拡大期における無料検査の制度構築に向けて、今後、具体的にどのような取組を行うのか教えてください。
○猪倉新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 感染拡大傾向が見られる場合には、特措法第二十四条第九項に基づく要請により、感染リスクの高い環境にあるなど、感染不安を感じる無症状者の検査を無料とするものでございます。
検査の実施に当たりましては、検査の対象等が感染拡大防止の目的に対して合理的、効果的であることとされておりまして、対象者の例として、濃厚接触者に特定されていないが感染者の周辺にいた方や高齢者施設を訪問する予定がある方などが示されているところでございます。
今後、感染拡大傾向時における無料検査を実施するため、国をはじめ、関係局と調整いたしまして、検査対象者や検査方法等を整理してまいります。
○浜中委員 現在、感染者数は落ち着いた状況にありますが、感染拡大期に対する備えを早急に構築していくことが重要であるかと思います。
この検査無料化の取組についても、関係者と精力的に協議を進め、できるだけ早く構築をしていただきたいというふうに思いまして、私の質問を終わります。
○菅原委員 それでは、よろしくお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症との闘いは、既に二年弱となっております。夏の第五波を経て、今は第六波に備えての補正予算審議を準備していたところに、オミクロン株の感染が世界中に広がっております。
まずは、直近の感染状況についての確認をさせていただきたいと思います。お願いいたします。
○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、新型コロナウイルス感染症について、七つのモニタリング項目を設定し、専門家による分析結果を基に、都内の感染状況や医療提供体制の評価を実施しております。
昨日のモニタリング会議では、専門家から、新規陽性者数の七日間平均は、十二月八日時点で一日当たり約十六人と、八週間連続して五十人を下回っている、多くの都民と事業者が自ら感染防止対策に取り組んでいることや、医療従事者の努力や都民の理解によりワクチン接種が進んだこと等によるものと考えられると報告されており、オミクロン株については、今後の動向を注視する必要があるとのコメントをいただいております。
なお、オミクロン株は、空港検疫において、これまで国内で計四人の陽性者が確認されていますが、都内での陽性者は確認されておりません。
○菅原委員 ありがとうございます。
感染状況、特にオミクロン株はまだ正体不明でありますので、注視をしていきたいと思います。
さて、三回目のワクチン接種が十二月から始まっております。政府は、二回目のワクチン接種から八か月の間隔を空けての接種をその対象としています。
しかし、東京都の調査では、二回目のワクチン接種から七か月で抗体が減衰するという結果が公表されております。改めて、この調査結果についての説明をお願いいたします。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 都は、本年十月から新型コロナウイルスワクチンの先行接種を行いました医療従事者等約千人を対象に、東京都医学総合研究所等におきまして、対象者から採血した検体を分析いたしました。
この抗体保有調査では、ワクチン接種をすることで抗体価が高くなりますが、七か月程度経過すると全ての年代で低下し、年齢が高くなるに伴いまして低い値となっていることが判明いたしました。
東京iCDCの専門家の先生からは、抗体価の減少が見られることから、今後、追加接種を進めていくことが重要である、また、中和抗体が下がっても、それだけで感染防御能力がなくなるわけではないことに留意することも大切であるとの意見をいただいております。
○菅原委員 二回目と、そして三回目のワクチンの接種間隔をどのようにするかという話があります。八か月にするのか六か月にするのかというのは、一般的には八六問題ともいわれておりますけれども、ワクチン接種で先行するイスラエルでは、今年九月の段階で、十二歳以上の全ての年齢に対して、二回目の接種後七か月とするというふうにしております。
今答弁のありました東京都医学総合研究所の研究成果も、七か月を経ると中和抗体の抗体価が十三分の一まで低下するというふうにされております。
政府も、オミクロン株の感染状況を見て、前倒し接種に柔軟な構えを見せ始めておりました。今後も、国の対応には注目をしていかなければいけません。
都民の命と健康を守るためにも、ワクチン接種の前倒しが必要と考えますが、その際の課題も併せて、都の見解を伺いたいと思います。お願いいたします。
○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 追加接種におけます接種間隔につきましては、先ほどの都が独自に実施いたしました抗体保有調査の結果等も参考に、重症化リスクの高い高齢者などに対しましては、地域の状況や感染リスクに応じ柔軟な対応ができるよう、国に対し重ねて要望してまいりました。
一方で、接種間隔の前倒しにつきましては、前倒しのスケジュールに沿った国からの安定的なワクチンの供給のほか、区市町村における接種体制の整備や接種券の発送等の準備などが課題になると認識しております。
今後、新たな変異株の状況や国の動向を注視しつつ、円滑な接種と弾力的な対応が可能となるよう、引き続き求めてまいります。
○菅原委員 東京都は、既に大規模接種会場を運営してまいりましたが、都の大規模接種会場での追加接種において、前倒し接種を行えるのか確認をさせてください。
○山本高齢者施策推進担当部長大規模接種施設企画調整担当部長兼務 国で行われている議論から、都の大規模接種会場における追加接種の前倒しにつきましては、前倒し接種対象者の範囲や会場の確保のほか、前倒しスケジュールに沿った必要なワクチンの安定的な確保、区市町村による接種券の発送スケジュールなどの課題がございます。
こうしたことから、前倒し接種につきましても、今後の国の動向等を踏まえつつ、区市町村と適切に調整しながら検討を進めてまいります。
○菅原委員 先日の代表質問でも、追加接種には前向きな答弁もいただきました。特に、東京都が行う大規模ワクチン接種センターで、医療従事者、警察、消防職員等に接種を行うという方向性も示していただきました。
この、等の部分について伺います。前回、築地などの大規模接種センターで行ったワクチン接種の対象者には、消防団員や柔道整復師など、いわゆるエッセンシャルワーカーが入っていましたが、都の大規模ワクチン接種センターで、これらの方々が入る見込みがあるのでしょうか、確認をさせていただきたいと思います。
○山本高齢者施策推進担当部長大規模接種施設企画調整担当部長兼務 追加接種につきましては、都は、初回接種と同様に大規模接種会場を開設することとし、今月中旬から都庁北展望室ほか、多摩地域の一か所の会場におきまして、医療従事者や救急隊員等への接種を開始いたします。
今後、職域接種の状況やワクチンの供給計画等を踏まえまして、警察、消防職員や消防団員などを含め、東京の都市活動を支える方々への接種が可能となるよう、会場を六か所程度まで順次拡大していく中で詳細を検討してまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。
補正予算に計上されておりますワクチン・検査パッケージについて伺います。
この事業は、生活や経済活動の感染リスクを下げて、感染対策と経済活動の両立のために国が行うものです。大きい事業としては、健康上の理由などからワクチン接種ができない方や十二歳未満の方々を対象としての無料のPCR検査などを行うものです。
十二月六日時点での東京都のワクチン接種の実績、これ、二回目接種済みの場合は、六十五歳の方がもう九〇・九%接種されている、十二歳以上の方を含めていくと八二・五%ということになります。非常に高い数字であり、都民の皆様のご理解とご協力には感謝の言葉しかありません。
一方で、様々な理由によりワクチン接種ができない方、されていない方々もいます。例えば、十二歳以上の都民は一千二百五十六万人おりまして、そのうちの一七・五%が二回目のワクチン接種を終えていないので、約二百二十万人がワクチンの接種をしていないという計算が成り立つ。ワクチン接種に対する考え方は様々ですので、断定的な表現は避けなければいけませんが、大きなくくりとして、健康上の理由でワクチンが受けられない方はかなりの割合いるんだと思われます。
さらに、十二歳未満の方々もワクチンを接種しておりません。この数が百二十八万人となります。合わせて三百五十万人ぐらいの方々が、何らかの理由でワクチン接種をしていない、これが総数となるのではないかと思います。
ワクチン・検査パッケージの制度要綱によりますと、ゼロ歳児から未就学児は、保護者同伴の場合には検査不要となっていますので、おおむね小学生以上が対象となるということが想定できます。そうなると大体三百万人ぐらいが無料検査の対象と考えられるのではないかと思います。
東京都は、検査の無料化に向けた仕組みを構築していきますが、推測されている、この約三百万人の未接種者にこの制度を知っていただく必要があります。
都として、制度の周知についてどのように取り組むのか伺います。お願いします。
○猪倉新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 国のワクチン・検査パッケージ等に伴う検査無料化の取組は、健康上の理由でワクチン接種ができない方や十二歳未満の方を対象に、ワクチン・検査パッケージ制度等を利用する際に必要となるPCR検査等の費用を無料とするものでございます。
今後、民間検査機関や薬局等に呼びかけ、無料の検査を受けられる事業者として登録を進めてまいりますが、都民の皆さんが円滑に検査を受けられるよう、制度の仕組みや受検の方法を分かりやすく周知していくことが重要と考えてございます。
このため、事業の開始に当たりまして、基礎疾患、副反応の懸念など、健康上の理由によりワクチン接種を受けられない方等の申込み方法をはじめ、登録事業者の一覧表や受けられる検査の内容、検査方法、検査結果の有効期限など、受検者にとって必要な情報をホームページ等で紹介してまいります。
○菅原委員 対象者が三百万人いるということをイメージしながら、全員が受けるという話ではないんでしょうけれども、大きな仕事になると思いますので、ぜひ広報の方、よろしくお願いしたいと思います。
補正予算の中には、自宅療養者への往診体制の強化の予算が計上されております。自宅療養者の方々への対応は、第六波への備えとして重要です。
まずは、この事業の全体像について、具体的な説明をお願いいたします。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都はこれまで、東京都医師会等と連携をいたしまして、各地域の実情に応じた自宅療養者への医療支援体制の構築に取り組んでまいりましたが、今後の感染の再拡大に備えまして、さらなる医療支援体制の強化を図る必要がございます。
このため、感染再拡大時に往診等を担当する医師の配置や高齢者施設等におけるクラスター対応が可能であること、地域において往診等を実施する医療機関間の連携において中心的な役割を担うことなど、一定の条件を満たす医療機関を連携先として新たに選定をいたします。
都は、医師の配置等に係る経費の支援や診療実績に応じた報酬の支払いによりまして、医療機関の体制整備を支援してまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。
この補正予算は、二次医療圏ごとに一か所の往診体制の強化ということでございます。
東京都の二次医療圏というのは、島しょ部を抜いて考えますと、規模の小さいところは西多摩地域です。西多摩地域は四十万人。ただ、ここは面積が広いということになります。一番大きいのは二十三区の西北部、豊島区、北区、板橋区、練馬区ですが、ここは百九十万人の規模です。そのほか百万人を超える地域も幾つかあります。これらの大きな地域をフォローする往診体制の構築をするのだということでございます。
第六波を想定して、感染拡大の場合にはどのような体制が想定されるのか、見解を伺います。お願いいたします。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は本年四月から、東京都医師会等と連携をいたしまして、自宅療養者に対する電話、オンライン診療や往診を開始しております。
現在までに、五十四地区医師会のうち、三十六の地区医師会がこの都事業に参画をしておりまして、十二の地区医師会が地域で独自に体制を構築しております。
また、本年九月から多摩地域で先行実施をしておりますオンライン診療システムを活用しました広域的な遠隔診療の取組につきまして、今後、都内全域に拡大する予定でございます。
さらに、今回の補正予算で計上しております感染拡大時に往診等を広域的に行う医療機関と各地域において自宅療養者に対する医療支援強化事業に参画している医療機関との連携強化によりまして、広域的な往診体制を整備してまいります。
こうした取組によりまして、自宅療養者への重層的な医療支援体制を構築いたします。
○菅原委員 ありがとうございます。
ぜひ構築をして、次の第六波に備えていただければと思います。
次に行きます。新型コロナの陽性患者への往診体制はぜひ確立していただきたいんですが、加えて、往診の場合の抗体カクテル療法の促進というのが重要となります。
今回の補正予算にも計上されておりますが、この事業の具体的な取組について、まずは答弁をお願いいたします。
○内藤抗体カクテル療法促進担当部長 抗体カクテル療法は、重症化リスクのある対象者に早期の投与を行うことにより、重症化を防ぐ効果がございます。
本事業は、自宅療養者等に対し往診での投与を促進するために実施するものであり、具体的には、往診により抗体カクテル療法など中和抗体薬投与を行う診療所等や投与後の経過観察を行う訪問看護ステーション等を支援するほか、投与後二十四時間の患者急変時に対応を行うバックアップ医療機関への支援を実施いたします。
○菅原委員 往診での中和抗体カクテル療法を行うことによって本人の重症化も防げますし、それは都内全体の病床を確保することにもつながってまいります。
中和抗体の薬も幾つかの種類があると聞いております。この補正予算に計上した事業では抗体カクテル療法だけを取り扱うのでしょうか。今後の見込みなどについても伺いたいと思います。お願いいたします。
○内藤抗体カクテル療法促進担当部長 中和抗体薬であるゼビュディは、九月二十七日に特例承認され、十二月六日に往診による投与が可能となりました。
このため、本事業においては、従前のロナプリーブに加えて、ゼビュディについても支援の対象としてまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。
計上したときからまた状況が変わって、承認されたり、特例承認されたりする薬がどんどん出ているということだと思います。まさに日進月歩の状況だと思いますので、柔軟に対応していただければと思います。よろしくお願いいたします。
自殺対策について、今回の補正予算にも計上されておりますので、質疑をさせていただきたいと思います。
まずは、今回の補正予算に、自殺未遂者への対応が計上されたことを評価いたします。日本は、年間三万人を超える自殺者が十年以上続いた過去があります。十万人当たりの自殺率を見ても、世界的に非常に高い数値ではございました。
参議院の超党派の議員で構成された自殺防止対策を考える議員有志の会による議員立法で、自殺対策基本法が制定されたのが二〇〇六年です。自殺を、追いやられた死である、また救える命として定義して、自殺を個人の命の選択から社会死と捉えることから始まったと伺っております。
自殺対策としての社会的な取組と失業率の低下という経済的な課題解決もあって、自殺者は減ってまいりました。しかし、コロナ禍の中で自殺者が増えてきました。特に、若者、そして女性の自殺が増えてきたことは、皆さんもご存じのとおりです。
都議会に対しては、令和二年六月八日に、自殺対策を更に推進することに関する陳情が受理されて、十月八日に意見付採択がされております。この陳情には、SNS相談、鬱、多重債務、不眠、若者や妊産婦への対応、ゲートキーパーの育成、自殺企図者への対応、遺族を支える取組の必要性などを通して、総合的に自殺対策を進めてほしいということとされております。まずは、東京都として、自殺対策を総合的に進めることを要望いたします。
今回の補正予算は、この中の自殺未遂者への対応が事業化するものです。
自殺未遂は正確な把握が難しいのですが、ある程度の傾向はつかめると思います。まずは、都として現状の把握、伺いたいと思います。
○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 厚生労働省が公表しております地域における自殺の基礎資料によりますと、都において、令和二年に自殺で亡くなられた方は二千二百二人でございました。
そのうち、自殺未遂歴のある方は四百六人であり、内訳は、男性が百八十四人、女性は二百二十二人でございました。
都は、自殺未遂者の自殺の再企図を防ぐことを目的に、平成二十六年度から、救急医療機関や支援機関等からの相談への対応やご本人への支援を行う自殺未遂者対応地域連携支援事業を実施しております。
過去五年間の対応件数は、平成二十八年度が千七十七件、平成二十九年度が千三百五十二件、平成三十年度が千四百二十四件、令和元年度が千四百五十七件、令和二年度が千五百九十三件でございました。
○菅原委員 自殺者数と未遂者数の関係は数字では表しにくい部分があると思います。さらに、今回の未遂者への対応を拡充する場合に、その対象を特定できるかというと、全てを網羅することは難しいというのが現状です。
しかし、警察庁の自殺統計を見ていきますと、二十代、三十代の女性の自殺者の場合、四〇%以上は過去に自殺未遂を起こしているというデータがあります。全ての世代の女性の場合は、約三〇%が過去に自殺未遂歴がありますので、未遂の時点で精神的な治療や生活支援につなぐことが生きるための支援だと思います。
ほかの道府県での取組も参考になると思いますので、東京都として把握しているほかの道府県の施策について伺いたいと思います。お願いします。
○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 本年七月に開催した関係機関や区市町村等から成ります自殺総合対策東京会議におきまして、委員から、長野県における子供の自殺防止の取組について紹介がございました。
具体的には、多職種の専門家で構成されます子どもの自殺危機対応チームが地区ごとに設置され、教育委員会や学校等からの情報提供に基づきまして、困難ケースに対する短期集中的な支援が行われているとのことでございました。
また、自殺対策に関わる調査研究等を行う法人として、国が指定するいのち支える自殺対策推進センターが本年十月に開催いたしました自治体向け研修会におきましては、滋賀県や大阪府等の自殺未遂者支援対策が取り上げられ、警察、消防、病院と行政相談機関とによる連携した支援事例が紹介されました。
○菅原委員 今お話のありました滋賀県の取組は、私も都議会の中で紹介をしてまいりました。滋賀県の自殺未遂者支援対策推進会議は、精神科医療機関、心療内科、警察、消防、各圏域救急告示病院代表、市と町の代表、保健所、県の障害福祉課、自殺対策推進センターなどが集まって、自殺未遂者への対応を検討するという仕組みだそうです。
自殺未遂者へは、治療だけではなくて、心療内科の分野や生活全般を支えるための個別の対応につなげるための仕組みを検討することで、もう一度生き直す取組が必要だと思います。
長野県の取組も参考になります。長野県は二〇一四年に、薬剤師会の自殺対策、過量服薬防止−−過量というのは多く飲むということです。多く飲む服薬防止に取り組みました。薬剤師向けのゲートキーパー養成講座や薬剤師会向けのテキストの配布などを行いました。
二〇一二年には長野県全ての市町村が連携して、自殺対策のゲートキーパー講座を行いました。二〇一三年には産後鬱病に関わる自殺対策事業、地域連携による周産期の支援体制づくりを行いました。
厚生労働省は二〇一六年に、妊産婦の死因の一位は自殺で、がんや心疾患などを上回っているという発表をしております。妊産婦の鬱状態が悪化して、自傷行為を続けて自殺に至るケースも多いと聞いております。
紹介のありました子どもの自殺危機対応チームの取組も参考になります。この危機対応チームの親組織は、長野県の中で子どもの自殺対策プロジェクトチームというものですが、この座長は長野県知事本人が担っております。県知事が先頭に立って子供の自殺対策を進めている、この姿勢も参考になると思います。
今回の補正予算の中で、自殺未遂者を地域支援や精神科医療につなぐ相談調整窓口という項目があります。
先ほどの答弁にもありましたとおり、都は平成二十六年度から、自殺未遂者対応地域連携支援事業を実施しておりますが、具体的な内容についても伺います。お願いします。
○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 本事業では、救急医療機関等に搬送された自殺未遂者等のうち、救急医療機関等において、支援機関等へのご本人に関する情報提供等、本事業の活用に同意を得られた方につきまして、ご本人の状況やニーズなどを確認し、地域の支援機関等と調整を行い、地域の継続した支援につなぐほか、状況に応じて支援機関等への同行などを実施しております。
さらに、定期的に事例検討会を開催し、困難事例や、医学的、法律的判断が必要な事例につきまして、精神科医や弁護士等のスーパーバイザーの方々から助言を受けられる体制を整え、適切なケース支援につなげております。
○菅原委員 今回は、自殺未遂者への対応の補正予算が計上されました。生きる支援としての自殺対策は幅広い取組が必要です。行政職員だけではなくて、医療従事者、様々な団体の方々が幅広く関わる取組にしていただきたく要望をいたします。
東京都は、自殺総合対策計画、こころといのちのサポートプランの全面改定を予定しておりますので、その場での議論となります。幅広い議論と施策展開が求められると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
日野市は、平成二十三年に自殺総合対策推進条例を制定いたしました。全国で二番目の早さでの制定でした。その後、日野市とお隣の多摩市が連携する形で、自殺遺族の会、わかち合いの会を十年以上継続して展開をしております。この経験の蓄積も東京都の施策展開に活用できると思うので、紹介をしておきます。
福祉保健局は、コロナ対策の最前線で施策展開を進めてまいりました。第五波が落ち着いた今、オミクロン株や第六波への懸念があります。その中でも、都民の命と健康を守りながら経済を回す難しいかじ取りが求められております。
東京都が行っている施策は、例えば、オミクロン対応、オミクロン株のゲノム解析、ワクチン・検査パッケージの推進、TOKYOワクションアプリ、宿泊療養者への治験など、東京都ならではの施策展開への期待があります。東京都の施策展開は、近隣道府県並びに日本全体からも注目をされていると思います。
さらに、コロナの影響により、都民生活にも大きな打撃を受けています。産前産後の母子、子供たち、働く世代、高齢者、病気や介護をする方など、全ての都民生活に大きな影響を与えております。
そして、このコロナは社会の弱い部分をあぶり出しました。最初の緊急事態宣言が出されたその夜から、ネットカフェ難民の生きる場所が失われて、都としての対応が始まりました。非正規労働者などの問題も顕在化し、ひとり親家庭なども厳しい環境となりました。若者や女性の自殺の増加などもコロナの影響が大きいと思います。
コロナ対策と都民生活を支えるという大きな期待と責任を持つ福祉保健局として、局長の決意を伺いたいと思います。
○中村福祉保健局長 大都市であります東京ですので、企業等が集積している、また人がたくさん往来するということで、新型コロナウイルスが急拡大すると。こういうリスクがあって、その封じ込めというのは大変な困難が伴っているところでございます。
そういった中で、やはり基本的な対策を徹底する、一定の行動制限をする、またワクチン接種を促進する、さらに保健医療体制を整備する、こういった組合せによりまして、都民を新型コロナウイルス感染症の脅威から守りつつ、安心した暮らし、また東京の社会経済とこれを両立していくことが重要であると、こういうふうに考えております。
今回、第五波の感染拡大を踏まえまして、総合的な保健医療体制、こういった備えをつくりました。ここの中では、お話もありましたけど、自宅療養の充実のほかに、病床の確保、あるいは人材の確保、医療施設の整備等々、盛り込んでおります。こういったようなことは、今後のその両立の前提になるものだと、こういうふうに考えております。
そのためには、感染拡大を早期にキャッチし、そして先手先手で十分な備えをしていく、これが必要なことだろうと、こう考えております。それによって安心した暮らし、経済活動というのが成り立つものだと、こういうふうに考えております。
現在の状況はお話もございましたが、都民や事業者の皆様のご協力、あるいは医療従事者の方々の献身的なご尽力によりまして落ち着いた状況にはとどまってございますが、新たな変異株の出現など、引き続き十分な警戒を要すると、こういうふうに考えております。
そういった意味で、検査や監視体制ということでございますが、お話もございましたが、陽性検体のゲノム解析ですとか、健康安全研究センターが独自に構築しました変異株PCR検査手法による検査を開始するとともに、やはり東京ならではということがございました。こういったものを、東京だけではなく、近県あるいは全国で共有していく、こういったことが重要であろうと考えておりますし、あるいは民間の検査機関にも普及して、全体として強固な監視体制をつくる、こういうことが必要であろうと考えております。
また、お話ございましたが、今月開始しましたワクチンの追加接種、これが着実に進むよう、区市町村の意向も踏まえながら、大規模接種会場の設置、こちらについても着実に進めてまいりたいと考えております。
一方で、自殺対策のお話ございました。長引くコロナ禍において、失業に伴う経済的な困窮、あるいは心理的な不安の増大など、多くの方々が様々な影響を受けていると、こう認識しております。
今回の補正予算案の中では、女性や子供、ひとり親家庭に対する相談体制の強化、あるいはひきこもりの方々、その家族に対する理解の促進のための広報、自殺対策といたしましては、動画等を活用したそのものの拡充ですとか、失業等により住まいを失った方への年末年始の宿泊場所の提供等、様々な経費も計上しているところではございます。
今後とも、感染拡大の防止に万全を期し、都民が安心して暮らすことができ、そして、東京の経済が再生、回復の軌道に乗ってくる、こういった日常を取り戻すため、局一丸となって全力で取り組んでまいります。
○かまた委員 まず初めに、宿泊施設活用事業について伺います。
自宅や宿泊施設で亡くなられる方を二度と出さないためには、次の感染拡大に向けて入念な準備が必要となります。
そこで、都は、宿泊療養施設を約七千九百室確保し、宿泊を希望する療養者全ての方々が専用窓口で相談できるように、専用窓口の開設をすることといたしました。このように、希望する方々が十分に宿泊療養につながるよう、施設を拡充してくださったことは高く評価をいたします。
自宅ではなく、宿泊療養施設への入所を希望される方々の中には、自宅にいるときよりも体調管理をしていただけると期待して入所をされる方も多いと思います。
そこで、既に都においては、宿泊療養施設で医師や看護師が入所者の健康管理を行っていると聞いておりますけれども、どのように入所者の健康状態を把握、管理しているのか伺います。
○徳弘新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 宿泊療養施設では、入所者の健康管理を行う看護師を二十四時間配置し、入所者からの健康相談に常時応じるとともに、入所者の体調に変化がある場合には、医師によるリモート診察を行う体制を整備しております。
こうした体制の下、入所時には看護師が問診を行い、入所者ごとに発症からの経過や重症化リスクなどを把握し、健康管理システムを活用した情報管理を行いますとともに、発熱や息苦しい場合など症状が悪化した際には速やかに相談するよう入所者に伝えているところでございます。
また、入所後も、症状や重症化リスクを踏まえまして、定期的に体温、酸素飽和度などの健康状態を把握し、急変の兆候をいち早く探知することとしております。
さらに、入院が必要と判断した場合には速やかに病院に搬送する体制も整備するなど、入所者の安全・安心の確保を図っております。
○かまた委員 毎日の健康観察や、また、本人からの体調悪化の連絡についても、二十四時間看護師が対応してくださっていることが分かりました。また、さらに入所時には、いつでも体調の変化を相談してよいことを看護師から丁寧に説明をしていただいているとのことで安心もいたしました。
今後、入所者が増えても、今までのような一人一人に応じた丁寧な健康観察と対応、そして説明を実施していただきますよう、よろしくお願いいたします。
また、都民に、宿泊療養施設でも健康状態の把握をきちんと実施することを約束することは極めて重要なことであり、都では、ウエアラブル端末を用いた健康観察を行うとのことです。
そこで、どのような場合に新しく導入するウエアラブル機器を用いた健康観察を行うかについて伺います。
○徳弘新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 宿泊療養施設でのウエアラブル機器の導入に向けた試行では、入所者の健康状態を常時計測し、遠隔でも正確に把握できるよう、機器のセンサー部分を医療用テープで皮膚にしっかりと密着させるなど、安定的な装着方法に工夫を重ねた結果、容体急変の迅速な察知など、その有効性が確認できたところでございます。
今後は、全ての施設への導入を進め、酸素飽和度の低下等により入院対象となった入所者など、きめ細かな容体把握が必要なケースにおきまして効果的に活用してまいります。
○かまた委員 体調が悪化した方々には、すぐにウエアラブル機器を用いた健康観察を実施していただくことが分かりました。
また、悪化していない方々につきましても、先ほどご答弁をいただいたように、状態に応じた丁寧な健康観察をしてくださるとのことで、一人一人の体調に応じた健康観察ができるよう、体制をきちんと構築してくださっていることも分かりました。
安心して療養できる環境を都民に提供していくことは、感染時に都民の皆様が落ち着いて対応できることにつながり、結果的には、都民の皆様の大切な命を救うことにつながると私は考えております。
都民の皆様に安心を届けるためにも、現在、局が構築してくださっている宿泊療養施設での一人一人の状況に応じた丁寧な体調管理の実施につきましても、ぜひ都民に分かりやすく説明をしてくださいますよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、自宅療養者への往診体制の強化について伺います。
都は、自宅療養者へのフォローアップの強化のため、自宅療養者フォローアップセンターの人員を百五十人体制から二百五十人体制に強化をしてくださり、さらに補正予算で、自宅療養者への往診体制の強化についても計上いたしました。
この往診体制の強化や高齢者施設等におけるクラスター発生時の迅速な対策体制づくりは、第六波に備えた重要な取組であります。そして、この往診体制の強化事業の効果を決定づけるのは、連携する医療機関の確保であると私は考えます。
都は、自宅療養者に対する往診体制の強化に向けて、往診可能な医療機関との連携を強化するとしております。どのような医療機関と連携し、どのような取組を行うのかということにつきましては、先ほど菅原委員の方からもご質問があり、確認をさせていただきましたので、省かせていただきますけれども、先ほどのご答弁の中に、この補正予算の中には、診療実績に加えて、新たに医師の配置等に係る経費の支援についても予算立てをしてくださっているとのことで、都としても、医療機関確保に向けて努力をしてくださっていることがよく分かりました。
また、この事業の想定規模ですけれども、二次医療圏ごとに一か所程度としておりますが、その想定の考え方について伺います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都はこれまで、東京都医師会等と連携をいたしまして、各地域の実情に応じた自宅療養者への医療支援体制の構築に取り組んでまいりましたが、今後の感染の再拡大に備えまして、高齢者施設等におけるクラスター対策も含めた、さらなる医療支援体制の強化を図る必要がございます。
こうした観点から、都の自宅療養者に対する医療支援強化事業への参画医療機関が少ない地域や高齢者施設等が多く所在する地域への医療支援体制を強化するため、二次医療圏ごとに一か所程度、往診等を広域的に行う医療機関を選定いたしまして、地域の医療機関との連携強化を図ってまいります。
○かまた委員 協力が必要な医療機関の数につきましては、これまでの実態や、今後、往診体制が必要となる地域のニーズを把握して考えてくださっていることが分かりました。
この十月に、茨城県保険医協会が医療機関を対象にした調査結果を公表しました。その調査によりますと、医療機関が新たに往診についても対応することは非常に困難と考えているという実態が明らかになりました。
今回、都が協力を依頼するのは、地域で在宅医療を担っている在宅療養支援病院が中心となるので、既に往診体制が構築されている病院が中心となりますので、スムーズに協力が得られるとは思いますけれども、この事業実施に向けて必要な数の医療機関がしっかり集まり、また、しっかり協力を得られるよう、ぜひ医療機関の確保に向けてもご尽力をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、保健所のデジタル化の推進についてお伺いをします。
第五波の感染拡大の中、保健所の逼迫は大きな課題でありました。そこで、都は、早速保健所の負担軽減に向けて、多摩地区の二つの保健所で、ウエアラブル機器を活用した健康観察を先行実施するとのことです。
事業の目的と内容につきましては、先ほどの浜中委員からのご質問の際に確認をいたしましたので、質問を省かせていただきますが、ウエアラブル機器を活用した健康観察は、患者の酸素飽和度等を自動で受信できるとのことで、患者さんにとっては安心感を得られる非常にうれしいことであります。また、保健所にとりましても、業務の負担軽減につながる価値のある取組であります。
また、多摩の府中と立川で先行実施してくださるとのことですけれども、この先行実施のよさは、現場の声を受け、スキームをよりよくしていくところにありますので、ぜひ現場の声をしっかり聞いて、感染が拡大したときに効果を発揮するよう、よりよいスキームにしていっていただきたいと思います。
また、一番気になるところは、感染が拡大した際の保健所の逼迫解消、また、DXの推進は、ほかの区市町村にとっても重要な課題であるという点であります。
そこで、ウエアラブル機器を活用した健康観察の先行実施の成果を早い段階で区市の保健所へも普及していくべきだと考えますが、見解を伺います。
○武田感染症対策部長 感染再拡大に備えるためには、二つの都保健所で先行実施するウエアラブル機器を活用した健康観察等の取組を拡大していくことは重要であると考えてございます。
今後、都の保健所において、ウエアラブル機器の活用などのデジタル化に係る取組を推進した上で、実施した内容や方法、実施に当たり工夫した事項などの情報につきまして、区市の保健所との間で、会議等の機会を通じて共有を図ってまいります。
○かまた委員 都の成果を聞いた区市の中には、同じようにウエアラブル機器を活用した健康観察を実施したいと考える地域も出てくることが予想されます。その際は、既に都が実施をしております区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業を使って実施できるとのことですけれども、今後は、自宅療養者の命を守るためにも、この事業を使ってウエアラブル機器を活用した健康観察を実施したいとの声に早急に対応していくことが重要となります。
そこでぜひ、希望した自治体が、このウエアラブル機器を活用した健康観察を実施できるよう、区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業を来年度も継続していただきますよう強く要望をさせていただきます。
これまで、新型コロナウイルスへの対策についてお伺いをしておりましたけれども、都民の生活を守るためには、この夏の第五波での経験を踏まえて万全の対策を講じなければなりません。
オミクロン株の発生もあり、今後の感染拡大が懸念されますが、第六波へ向けてどのように取り組んでいくのか、健康危機管理担当局長の決意をお伺いします。
○佐藤健康危機管理担当局長 この夏の感染拡大におきまして、都は、病床の確保に加えまして、感染予防や重症化の予防に取り組んでまいりましたが、従来の株よりも感染力が強いデルタ株の流行によりまして、想定を上回る規模、速度の感染拡大が生じまして、医療提供体制に大きく負荷がかかったところでございます。
現在は、都内の感染状況が落ち着いている状況にはございますが、世界では、まだデルタ株が再び猛威を振るっておりますし、またさらに、新しいオミクロン株というものが現れまして、それが世界的な広がりを見せるなど、予断を許さない状況にあると考えております。
この夏の経験を踏まえまして、より厳しい感染状況も想定をして備えなければならないというふうに考えております。
そのため、感染拡大の状況に応じた病床や宿泊療養施設の確保とともに、新たな臨時の医療施設では人工透析を実施する、診療・検査医療機関による健康観察などから成る総合的な保健、医療提供体制を構築する、また、ご質問にもございましたオミクロン株への対応といたしましては、健康安全研究センターが独自に構築したオミクロン対応の変革株PCR、あるいはゲノム解析を活用して監視体制を強化してまいりますし、仮に陽性が判明した場合は、従来よりも積極的疫学調査の範囲を広げて封じ込めということもしっかりとやっていきたいと考えております。
こうした複合的な対策を先手先手で講じまして、都民の皆様の安心のために全力を尽くしてまいる覚悟でございます。
○かまた委員 ありがとうございました。
臨時の医療施設での人工透析の実施など、複合的な対策を先手先手で講じてくださるというご決意、ありがとうございます。貴局の皆様には、引き続き大変なご苦労をおかけしますけれども、どうかよろしくお願いいたします。
続きまして、自殺対策についても伺います。
十一月二日、厚生労働省より、令和二年度我が国における自殺の概況及び自殺対策の実施状況、いわゆる令和三年版自殺対策白書が公表されました。この公表を受けまして、報道等では、女性の自殺が二年ぶりに増加したとか、新型コロナウイルス感染拡大で非正規労働者の雇用環境の悪化やDV被害等が自殺者増加の要因になっているなど、自殺防止に向けた課題について論じられております。
我が党といたしましても、さきの代表質問をはじめ、これまで何度も自殺防止対策について質問をさせていただきました。また、相談体制の充実、各専門機関と連携した対応等も訴えさせていただきました。
そして、貴局におかれましては、自殺相談ダイヤル、こころといのちのほっとラインによる相談やSNS相談体制の構築などを進めてくださっております。
そして、今回は、さらに補正予算に、自殺未遂者等の支援体制強化等が計上されておりますけれども、本事業の具体的な取組内容と、どのように支援体制を強化するのかについて伺います。
○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は平成二十六年度から、自殺未遂者対応地域連携支援事業を実施しており、救急医療機関等に搬送または自ら受診した自殺未遂者等についてアセスメントを行い、その結果を踏まえ、区市町村の関係部署、精神科診療所、病院及びその他各種専門機関等との調整を行い、地域の継続した支援につなげております。
令和二年の都の自殺者数は、前年と比較いたしまして増加し、二千二百二人でございました。このうち、男性自殺者の約一割、女性自殺者の約三割に自殺未遂歴がございました。
自殺未遂者は、再度自殺を図る可能性が高く、再企図による自殺を防ぐ取組を一層進める必要があることから、今後、本事業に従事する精神保健福祉士、保健師等の連携支援員を増員することとしており、補正予算に計上しております。
○かまた委員 アセスメントを行い、その結果を踏まえて、当事者に対応してくださる精神保健福祉士等を増員してくださることが分かりました。
日本は諸外国と比べて、先ほどもありましたように、高い自殺率となっていることから、国としましても、令和三年度より厚生労働省におきまして、全国規模でSNS相談を実施する基幹SNS相談事業者を選定し、事業者と自治体や支援団体が連携した包括的支援体制を構築できる取組を開始しました。また、その上で国は、基幹SNS相談事業者との連絡調整及び相談者への支援等を行う専任職員を地方自治体に配置することを求めています。
このことからも、都は、悩みを抱える方が、その悩みに応じ複数の専門機関から支援を受けられるよう、関係機関と関係機関を連携させることや、相談を受けた事業者と区市町村とが連携して相談者を支援する体制の構築を促していくべきだと考えますが、見解を伺います。
○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、東京都地域自殺対策推進センターを設置し、自殺対策を支える人材の育成や区市町村の計画策定等を支援しております。
また、福祉、医療、経済、教育等の多様な分野が連携をして自殺対策を推進するため、自殺対策に取り組む民間団体等が参画する、こころといのちの相談・支援東京ネットワークを構築し、ネットワーク連絡会において情報共有を図っております。
今後、連携する支援機関への引継ぎが円滑に行われますよう、相談者の負担を軽減するための情報共有シートの活用や連絡先相談窓口への職員の同行といった実践的な事例を連絡会等の場で紹介することとしております。
あわせて、区市町村におきましても、地域のネットワーク構築が一層推進され、相談者の悩みの内容に応じた具体的支援が推進されますよう、連携先となる地域資源の開拓方法をはじめとする必要な情報提供等により、支援してまいります。
○かまた委員 都内には、当事者に寄り添い、関係機関の予約や同行まで行ってくださっているすばらしい実践をしている地域があるとも伺っております。せっかく相談にまでたどり着いてくださった方々を自殺からお守りするためにも、その後のケアこそが大切だと実感をいたします。
また、貴局の自殺防止対策は実効性のあるものにしていきたいとの熱意に燃えて、自殺を考える方々を関係機関の連携で守ろうとしていることが、これまでのやり取りで私自身も十分に分かりましたので、ぜひ、効果的な自殺防止対策を推進していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上で私の質問を終わります。
○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
今回の補正予算は、主に三つの構成となっていますが、初めに、感染拡大を阻止する対策の医療提供体制の強化充実という部分について質問したいと思います。
繰り返す感染拡大によって、日本と東京の医療の脆弱さが浮き彫りとなりました。一方、医療者は、いかなるときでも命を守ることを使命としていますので、常に最善を尽くし、懸命に活動していました。
第五波では、保健所機能がパンクしたことによって、自宅にいる陽性者へのフォローが遅れたため、新型コロナ陽性と診断した医療機関などでは、保健所の代わりに様々な対応を行ってきました。
医療機関の努力と臨機応変な対応によって、第五波では多くの命を救ってきたと思うのですが、都の認識を伺います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は本年四月から、東京都医師会や地区医師会等と連携をいたしまして、体調が悪化した自宅療養者に対して、電話、オンライン診療や往診などを行う地域の医療機関を支援しております。また、一部の地域では、地域の医療機関が連携をして独自に支援体制を構築しております。
また、この夏の新型コロナウイルス感染症の急増に伴う対応といたしまして、自宅療養者フォローアップセンターの人員体制の増強や健康観察を行う地域の訪問看護ステーションへの支援を開始いたしますとともに、新規感染者の健康観察等を地区医師会や地域のかかりつけ医等に依頼をし、ご協力いただきました。
都は、こうした取組の実施に当たりまして、東京都医師会との連絡会議等を通じまして、陽性確定時から急変時を含め、様々な対応に当たる地域の医療機関等の状況の把握に努めております。
○藤田委員 医療機関の対応に対する認識は示されませんでしたが、取組の実施に当たり、現場の状況の把握に努めているということでした。
また、東京都は、今夏の感染の急増に伴い、自宅療養者や新規陽性者への対応について、訪問看護ステーションや地域の医療機関などに依頼してきたということで、通知は八月と九月の二回出されていました。
私が七月二十一日に複数の医療機関の院長たちからお話を伺ったときには、既に保健所業務が追いついていなくて、PCR陽性の診断をした患者から、保健所からの連絡が二、三日たっても来ないという相談を受けているという話をされていました。電話対応だけでなく、実際に自宅まで出向いて診察したり、呼吸状態が悪くても入院できなかったので、医療機関が契約している酸素会社に依頼して酸素濃縮器を届けたと話していました。
入院が必要ではない場合でも、患者は不安のために救急車を呼ぶ方も多いということで、ある重点医療機関では、サチュレーションモニター、酸素飽和度を測る機械を七十台購入して貸出しをしていました。症状のある方の陽性率は、当時は五割ぐらいになっていたので、一日六十件もPCR検査を行っていると、その半分、三十件程度が陽性になっていたということでした。
当時は、保健所から、健康観察を医療機関でやってほしいといわれていたそうですが、七月は、ワクチン接種も一日に百件とか実施しているために、日中の時間内では全く対応ができないということで、診療を終わった後にやろうと思っても、ワクチン接種をした方の入力など、その日のうちにやることになっている業務がたくさんあって、病院からのフォローはマンパワー的に無理だと話していました。
私の地元大田区の診療所の看護師長は、コロナ陽性の診断をした人で気がかりな症状があった方への連絡や訪問を、業務を終えた後に行ったという話もしていました。処方された薬を患者が取りに行けなくて、夜間に看護師が代わりに薬局に行ったということもあったと話していました。
今回の補正予算には、自宅療養者への対応を行う医療機関に対して補助する予算が計上されました。しかし、最も対応が大変だったのは第五波です。今回の補正予算を七月に遡って支給することを求めますが、いかがですか。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 今後の感染拡大に備え、都は、自宅療養者に対する健康観察体制を強化するため、地域の医療機関等による陽性者への健康観察を促進することとしておりまして、補正予算成立後、速やかに参画する医療機関の募集を開始し、登録を受けた医療機関が健康観察を実施した場合に協力金を支給いたします。
○藤田委員 今後の感染拡大に備えということで、今回の補正予算では、今後登録を受けた医療機関が健康観察を実施した場合に支給ということでした。
一方、目の前の患者を守るために様々な対応をしていても、受診控えなどの影響から大幅な減収になっている医療機関が多くあります。
先ほど紹介した診療所、ここは法人全体では二百床未満の病院一つと五つの診療所を運営する法人ですけれども、ここでは、昨年度は一年間で二億円の赤字になってしまいました。懸命に医療活動を行っていても、この一年間で二回も職員の一時金はカットされるという事態になりました。
その診療所の看護師長から手紙をもらってきましたので、読み上げさせていただきたいと思います。
私は、診療所で働く看護師です。昨年、コロナが広がり始めた頃から発熱患者を診ています。当初は、情報も少なく分からない中でも、患者さんの命を守る、少しでも不安を軽減できるようにと努めてきました。私たち自身も感染しないように、させないように日々の生活に注意を払っている毎日です。この状態が二年近く続き、いろいろ分かってきたことも増え、対策もされている中で、医療がここまで逼迫している状況は異常だと思います。陽性者への保健所からの連絡も一週間来ない方もいて、その相談や健康状態の確認も診療所でやっています。入院できない患者さんの要望に応え、看護師独自で訪問したり薬を届けたりしています。自分の体も守りつつ、地域の患者さんを守るためと頑張っていますが、想像以上に大変です。日々の業務以外のところが多く、現場看護師は疲弊しています。病院だけでなく、地域で奮闘している医療従事者に対しての手当なども含め、ご検討していただきたく思います。
こういう中身のものでした。頑張っても報われないことが繰り返されれば、今後の病床確保や追加のワクチン接種、感染拡大時の検査や診療を行う体力がなくなってしまいます。看護師のメンタルヘルス疾患も増えていると聞いています。感染が拡大する中で、医療現場ではどのような対応が行われたのかをしっかりと把握した上で、病院への支援をはじめ、体制強化の在り方について検討するよう要望いたします。
補正予算では、入院医療体制の確保支援が盛り込まれました。年末年始にコロナ患者を受け入れた医療機関に対し、重症患者を受け入れた場合は一人につき三十万円、中等症までの患者を受け入れた場合は一人につき七万円の謝金を交付するというものです。
一方、年末年始に限らず、安定的な支援を行うことが重要です。十一月二十四日に国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業、医療分の取扱いが改定され、これまでと同じようにコロナ病床を確保したとしても、病床の使用率が低くなると補助金が減らされる内容となりました。
改定の理由は、患者の受入れの実効性を高める観点からとしています。しかし、医療機関からしてみれば、受け入れられなかった事情もあります。
東京都は、八月のピーク時に病床利用率が八割に満たなかった医療機関に対して、その課題を記載してもらうほか、五割以下の医療機関に対しては、具体的な受入れ状況と病床利用率が五割以下となった理由を調査しています。
この調査でどのような回答があったのか伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、令和三年八月の感染ピーク時に病床利用率が八割未満の医療機関と五割以下の医療機関に対して、病床利用率が低かった理由等を、現在調査しているところでございます。
○藤田委員 三週間前の事務事業質疑でも同様の答弁でしたが、いまだに調査中ということでした。
国は、医療機関の実態を見ずに、幽霊病床という言葉まで使って、受入れが少なかったのは医療機関に問題があると決めつけた対応をしています。その上、医療機関を締めつけるようなやり方で病床を確保しようとしてきました。東京都の調査は、国の動きも背景にもあるものなのですが、現場を知る自治体として、国とは一線を画した対応が必要です。
都が医療機関に行った調査で把握した内容は、国に報告をしましたか。また、今年十一月の病床確保料に関する国通知に、Q&Aなどで具体例を示すよう要望したのですか。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 病床利用率が低かった理由等については、現在調査しているところであり、国には報告しておりません。
また、本年十一月二十四日に国が通知した病床確保料の取扱いについて、病床の機能と患者像に乖離があるなどの地域の実情により、やむを得ないと都道府県が判断した場合と、そういう記載がございますが、この具体的な事例などについて、詳細を国に確認しているところでございます。
○藤田委員 基本的に、医療機関がやるべきことをやっていなかったわけではありません。代表質問でもお話ししたように、中等症までを想定してコロナ病床を確保していたところに重症患者が増えてしまったため、確保していた病床の半分しか患者を受け入れられなかった医療機関もあります。
また、本来、六十五歳以上の感染者は入院となりますから、一定数の軽症以下の患者を受け入れることを前提として病床の確保を考えるというのが自然なのですが、そこに中等症患者がたくさん来れば、患者一人当たりに必要な職員は多くなりますから、受入れ可能な人数は減ってしまうことになります。都が医療機関に聞き取りをした内容からも、そのような実態が分かるはずです。
調査結果は未報告、やむを得ない場合の事例は確認中ということですが、単に報告したり確認したりするということではなく、医療機関は努力をしているのだから、むやみに補助金を削るべきではないという立場で臨むべきです。医療機関としても、どのような対応がなされるのか、大変気にかけています。
今後も、コロナ病床は確実に確保されるためにも、都が把握した医療機関の実態に合った対応を国に求めるよう強く要望いたします。
次に、感染の終息に向けた取組について伺います。
補正予算の枠は、終息に向けたとなっていますが、この対策の内容を見てみますと、感染拡大をさせない上でも重要な取組であると思います。
まず、ワクチン接種についてです。
都は、大規模接種会場に対する補正予算を計上し、医療従事者などに対する追加接種をするとしていますが、三回目の接種の時期を前倒しで広げる必要があると思います。
医学総合研究所は、都立病院と公社病院で勤務する医療従事者の二回目のワクチン接種後七か月の抗体保有状況について調査しました。その結果、七か月後には、十三分の一に低下していることが明らかになりました。
新型コロナワクチンの二回目の接種終了七か月後の抗体が低下しているということからも、三回目の接種は、二回目接種終了後から八か月を待たずに実施することが必要だと思いますが、都の認識を伺います。
○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 追加接種の接種間隔につきましては、都が独自に実施いたしました抗体保有調査の結果等も参考に、重症化リスクの高い高齢者などに対しましては、地域の状況や感染リスクに応じ柔軟な対応ができるよう、国に対し重ねて要望してきたところでございます。
○藤田委員 柔軟な対応ができるようにということですが、どのように柔軟な対応を求めているのかが分かりません。また、仮に前倒し接種を含めた柔軟な対応を求めるのであれば、そこには必要なワクチンの供給が求められます。
三回目のワクチン接種について、国に柔軟な前倒しができるようにすることと併せて、ワクチンの供給増を求めますが、いかがですか。
○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 繰り返しになりますが、追加接種の接種間隔につきましては、都が独自に実施いたしました抗体保有調査の結果等も参考に、重症化リスクの高い高齢者などに対しましては、地域の状況や感染リスクに応じ柔軟な対応ができるよう、国に対し重ねて要望してまいりました。
今後は、新たな変異株の状況や国の動向を注視しつつ、円滑な接種と弾力的な対応が可能となるよう、引き続き求めてまいります。
○藤田委員 調査で、七か月になると感染しやすくなるということが明らかになったのですから、やはり科学的根拠に基づいた対応を優先すべきだと思います。
日本では、二回目接種後八か月に三回目接種を行うということが原則とされていますが、八か月に医学的根拠はありません。世界では、六か月たったら接種としているところもあります。
新たな変異株であるオミクロン株は、その性質からこれまでの変異株よりも再感染のリスクが高いことなどが懸念されていますし、オミクロン株による感染が広がる前に、早期に抗体価を高めておくことが必要です。都としては、自らが調査で明らかにした科学的根拠に基づき、追加接種の前倒しができるよう、国に要望することを求めます。
ワクチン接種を速やかに進めると同時に、ウイルスの監視体制を強化することが、感染拡大を阻止する上でも、終息を目指す上でも重要です。
政府は十二月二日、国立感染研がオミクロン株を懸念される変異株に指定したことを受け、国内での変異株の発生動向を監視するために、自治体主体の全ゲノム解析を、これまでの実施率五%から一〇%にとどまらず、検査能力を最大限発揮して実施するよう要請しました。
健康安全研究センターはスクリーニングを始めていますが、一般的には新たな変異株が見つかってからスクリーニング方法の確立までには一定の時間がかかることや未知の変異株の出現を監視するためにも、全ゲノム解析による監視体制を整備することが重要だと思います。
そのため、極力全ての陽性検体のゲノム解析を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。また、全ての陽性検体のゲノム解析を実施する上での課題は何ですか。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 今般のオミクロン株の対応につきまして、都は、東京都健康安全研究センターに加えまして、新たに民間検査機関を活用しまして、できる限りゲノム解析を実施してまいります。
なお、ゲノム解析の結果が判明するまでには一定の日数を要することから、検査結果がより迅速に判明する変異株PCR検査と併せて実施することが重要でございます。
○藤田委員 実施する上での課題については述べられませんでしたが、できる限り実施していくということでした。
それでは、都内でのゲノム解析実施可能数とこれまでの実績、実施割合について伺います。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 都はこれまで、国と連携して、東京都健康安全研究センター等におきまして、変異株のゲノム解析を実施してまいりました。
都内の感染者数が最大でありました本年八月の都内のゲノム解析実施数は約一万二千件であり、実施割合は約九%でございます。
○藤田委員 都内でのゲノム解析の実施割合は、八月で九%だったということです。
昨日実施されたモニタリング会議の資料によると、八月に健康安全研究センターで実施されたゲノム解析の件数は二百五十二件ですから、ゲノム解析全体の約二%ということになります。残りの九八%は、民間検査会社や国立感染症研究所などで実施されているということになります。
一方、政府は、自治体主体の全ゲノム解析を強化するよう求めています。今回の補正予算では、ゲノム解析による変異株監視体制の強化を目的として、民間検査会社への委託を行う予算が計上されています。
都は、陽性検体のうち何割程度のゲノム解析を目指しているのですか。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 都は、民間検査機関を活用し、これまで都内の感染者数の最大でございました本年八月の新規陽性者数約十二万九千件の約一〇%に当たります月当たり最大一万二千九百件のゲノム解析をできる予算を今回計上してございます。
今回のオミクロン株への対応としましては、東京都健康安全研究センターに加えまして、新たに民間検査機関を活用しまして、できる限りのゲノム解析を実施してまいります。
○藤田委員 月当たり一万二千九百件ということですので、一日当たりにすると、四百十六件のゲノム解析が実施できる予算だということです。
健康安全研究センターでのゲノム解析実施可能件数は一日四十件と伺っていますので、残りの九割を民間で賄おうという計算になります。
健康安全研究センターは重要な役割を果たしていますが、ゲノム解析の実施割合は、今までの実績でも、また今後の予算上でも高くはありません。一方、民間検査会社は、どこでもゲノム解析ができるわけではありません。また、国は自治体主体にしていく方向ですから、実施割合を高くしていくためには、健康安全研究センターでの検査を増やすことが重要です。
そのために必要なのは、健康安全研究センターに検体が集まる仕組みづくりと研究センター自体の体制強化です。
可能な限りゲノム解析を実施するためには、陽性検体をより多く集める必要があります。例えば、陽性者は、現在入院か宿泊療養を原則としておりますので、再度検体を採取して健康安全研究センターに搬入してゲノム解析を実施すること、また、やむを得ない理由で自宅療養されている方に対しては、保健所が検体採取に行ってセンターに検体を搬入しゲノム解析を行うこと、こういったことを提案しますが、見解を伺います。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 新たな変異株でありますオミクロン株の発生を受けまして、都内における変異株を早期に探知する必要があることから、都は、保健所に対しまして、民間検査機関等からの陽性検体を確保し、その検体を東京都健康安全研究センターでの変異株検査のために搬入するよう求めております。
現在、都内の陽性検体をできる限り集め、同センターに持ち込まれた検体は、全てこの変異株検査をしております。
○藤田委員 持ち込まれた検体は全てゲノム解析を実施しているということですので、より多くの検体が持ち込まれるような仕組みを構築するよう要望いたします。
また、健康安全研究センターでのゲノム解析の実施可能件数は一日約四十件ですが、管轄する都民一千四百万人に対して、これでは少な過ぎます。ウイルスの変異株は、次々と新しいものが発生しています。新たな変異株の発生がないかの監視を強化するには、自治体主体でできるゲノム解析の能力を上げておく必要があります。
神戸市では、市内にある地方衛生研究所、神戸市健康科学研究所で、神戸市の約六割から七割のゲノム解析を実施し、新たな変異株への警戒を高めています。神戸市民の人口は百五十三万人ですが、研究所のゲノム解析能力は一日約六十六件あります。都と比べると、人口当たりで十五倍以上の検査能力があります。
変異株を含め、都内の感染状況を迅速に、そして正確に把握するためにも、体制強化をして、独自でできる検査を増やしておくことが重要です。
健康安全研究センターの機能強化を提案しますが、都の受け止めを伺います。
○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 健康安全研究センターはこれまで、最新の検査機器の導入や病原体検査の専門性を有する職員による応援体制を確保するなど、検査体制を強化してまいりました。
また、センターは、国に先んじて変異株の有無を確認する検査方法を開発するなど、新型コロナウイルス感染症対策において重要な役割を担っております。
今般のオミクロン株への対応についても、市中での流行を監視するため、ゲノム解析を実施するほか、センターが独自に構築した変異株PCR検査手法を用いて、いち早く検査を開始しております。
○藤田委員 健康安全研究センターが独自に構築した検査手法は、先駆的な取組だと思います。こうした開発なども一層支援するためにも、来年度の定員増をはじめ、健康安全研究費の増額によって、体制強化に努めていただくよう要望いたします。
次に、保健所について質問します。
保健所のデジタル化推進という新規事業は、保健所が感染拡大時においても、積極的疫学調査や健康観察などの業務を円滑に実施するためとしています。
第五波では、感染拡大の中で業務が逼迫したために、都は八月十日、積極的疫学調査を優先度を考慮して効果的かつ効率的に行うようお願いする事務連絡を行いました。
保健所によっては、積極的疫学調査をやめたり、濃厚接触者に対する検査を行わないとしたところも多く、こうした対応によって、感染の連鎖の抑え込みに、さらに多くの時間がかかるようになりました。
感染拡大する中でも、保健所が積極的疫学調査を確実に行える体制をつくることは、感染の抑え込みを進める上でも非常に重要だと思います。
さらに、感染者が少ないときのことも考えても、体制づくりは重要です。現在の新規陽性者は少ない状況が続いていますので、今こそ積極的疫学調査を徹底して行うことが、感染の連鎖を断ち切る上でも重要となります。
そこで伺いますが、積極的疫学調査実施要領には、患者発生が比較的少ない状況で、後ろ向き積極的疫学調査を徹底することは、地域の、ひいては日本全体の感染拡大の終息に直結すると記載されています。
現在、都の保健所では、感染源を突き止めるための調査、いわゆる後ろ向き調査は、どの程度実施されていますか。
○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は本年十月、都内保健所に対し、感染再拡大の防止に向け、保健所の調査機能を最大限発揮し、再燃のきっかけとなるクラスター等の早期探知を目的とした積極的疫学調査を実施するよう通知しております。
お尋ねの感染源の推定のための後ろ向き調査は、各保健所において必要な調査が行われております。
○藤田委員 必要な調査が行われているということですが、いまだに新規陽性者のうち、接触歴不明となっている割合は七割近くに上っていて、その割合は、第五波のときと変わらない状態となっています。
新規陽性者が少ない今こそ、後ろ向き調査も徹底して行って、感染の連鎖を断ち切って、感染の終息を目指していただきたいと思います。また、そのためにも、保健所体制の強化を、デジタル化以外も含めて行うことを要望いたします。
最後に、都民生活を支えるセーフティーネットについて質問をいたします。
今回の補正予算では、自殺未遂者等の支援体制強化ということで、地域の支援や精神科医療につなぐことを目的とした補正予算が計上されています。
しかし、つなぐ先である保健所が逼迫している状況では、幾ら相談窓口を拡充しても、専門的な支援につながるには課題が残ります。感染が拡大した際、感染症対策以外の地域保健の業務が縮小する事態があると伺いました。
昨年度、一昨年度の都の保健所での精神保健福祉訪問指導件数は何件でしたか。また、変動した際には、その理由について伺います。
○石黒障害者医療担当部長 都の保健所での精神保健福祉訪問指導件数は、令和二年度は三千五百二十二件、令和元年度は五千百四十二件でございます。
令和二年度の精神保健福祉訪問指導件数が令和元年度に比べて減少した理由については、新型コロナウイルスの感染状況や相談者の意向などを踏まえて、本人や医療、福祉などの関係機関との連絡等による状況確認なども活用しながら必要な支援を行ったことも、要因の一つだと考えております。
○藤田委員 訪問件数は約三割も減少したということです。
私は、十一月二日に南多摩保健所に視察に伺いました。その際、昨年度の事業概要をいただいたのですが、事業概要でも精神保健福祉訪問指導件数が減っていることが明らかでした。
南多摩保健所では、一昨年度が五百六十八件で、昨年度は四百二十八件ということで、二五%の減少でした。担当職員の方にその理由について伺ったところ、コロナが増える中で調整せざるを得なかったと率直に答えていらっしゃいました。
都の保健所で精神保健福祉訪問指導を行っている重要性について伺います。
○石黒障害者医療担当部長 保健所で行う精神保健福祉訪問指導は、本人の状況、家庭環境、社会環境等の実情を把握し、これらに適応した支援を行い、地域の精神障害者の早期治療や社会復帰の促進を図るものでございます。
○藤田委員 本人の状況や家庭環境などの事情を把握して支援を行うということです。
コロナ禍では自殺者が増加しましたが、自殺企図や未遂を繰り返すような場合、電話やLINE相談だけでは思いとどまることができない場合も多く、訪問して対応することも求められます。
また、精神疾患を患いながら地域で暮らしている方たちにとって、コロナ感染症の対策は、ステイホームなど家族の中で煮詰まることも多く、本来なら、家庭状況などの確認は、通常どおり多く行う必要が生じていたと思われます。
感染拡大時にも、感染症対策以外の業務に対応できるよう、都の保健所体制を強化する必要があると思いますが、都の見解を伺います。
○池上地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 都はこれまでも、感染症対策以外の業務も継続しながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に適切に対応できるよう、保健師の増員、応援職員の配置、会計年度任用職員等の活用、業務の委託化など、体制強化や負担軽減に取り組んでおりまして、引き続き、感染状況に応じ体制の確保を図ってまいります。
○藤田委員 今年度は、都保健所六か所に対して、保健師の定数は十一人増員されました。一方、昨年度の第三波で、都の保健所保健師が時間外で働いた時間を計算したところ、その時間数を人を増やして対応しようとした場合には、あと二十二人の保健師が必要という計算になりました。
やり切れていない仕事や把握されていない時間外労働があれば、もっと増員が必要です。来年度に向けても増員要求しているとは思いますが、やはり感染が最も拡大したときを想定して増員していただきたいと思います。
人が対応しなければならない業務も非常に多くありますので、デジタル化と併せて、コロナの時代にふさわしい増員や体制強化を進めていただくことを求めて、質問を終わります。
○おじま委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時十一分休憩
午後三時三十分開議
○おじま委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○関口委員 よろしくお願いいたします。
ワクチンの検査パッケージ等定着促進及び感染拡大時の一般検査事業について、まず伺いたいと思います。
ワクチン接種ができない方の検査を無料化し、感染拡大時には、感染不安のある方についての検査を無料化するということで、今月中から始まって来年三月末までということで、検査回数は約七百十万回という極めて大きな事業だと思っております。
ワクチン・検査パッケージ等定着促進事業の対象者である健康上の理由等によりワクチン接種ができない方、これをどう定義いたしますでしょうか。また、どのようにして検査無料化の対象者であることを証明するのか伺いたいと思います。
○猪倉新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 国は、ワクチン・検査パッケージ等定着促進事業におきまして、検査を無料とする対象者を、無症状者のうち、基礎疾患、副反応の懸念など健康上の理由によりワクチン接種を受けられない方及び十二歳未満の子供としております。
検査の実施に当たりましては、身分証明書の提示等による本人確認に加え、検査目的やワクチン接種の有無、ワクチン接種をしていない理由等の説明を求めることとなってございます。
○関口委員 自己申告ということなんだろうということだと思います。
一方で、感染拡大時の一般検査事業についても、同様に対象者が不明瞭であるように思います。
感染不安を感じている方に対する検査無料化ということでありますが、対象者をどう定義いたしますでしょうか。また、感染拡大の傾向が見られる際に本事業は実施されますけれども、具体的にどのフェーズを考えているのか伺いたいと思います。
○猪倉新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 国は、感染拡大傾向時に、特措法第二十四条第九項に基づく要請による無料検査の対象者を、感染リスクが高い環境にある等のため感染に不安を感じる無症状の住民としております。
また、検査の実施に当たりましては、検査の対象等が感染拡大防止の目的に対して合理的、効果的であることとされておりまして、これまで具体的に対象者を示すよう、国に求めてきております。
感染拡大傾向時の検査開始時期につきましては、特措法に基づく要請を所管する関係局等と調整していくこととなります。
○関口委員 今、国の方にも対象者の具体化というものを求めているという話がありましたが、なるべく対象者についても、しっかりウイングを広げていく必要があると思っております。
また、検査の開始時期についても、関係局と調整をしていくということでありますが、なるべく早い段階で、感染拡大の傾向が見られるような早い段階で本事業を展開していく必要があると考えております。
一方で、このワクチン・検査パッケージ等の定着促進事業、感染拡大時の一般検査事業は、実施主体として民間検査機関と薬局が掲げられております。
都内の民間検査機関数について伺いたいと思います。
○猪倉新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 国は、本事業における検査機関といたしまして、医療機関または衛生検査所等に限るとしておりまして、厚生労働省が公表する自費検査を提供する検査機関を推奨してございます。
これによれば、十二月八日時点で、東京都内の民間検査機関をはじめとする検査機関は二百十一機関が掲載されているところでございます。
○関口委員 今ご答弁をいただきましたけれども、十二月八日時点で、二百十一機関ということでありました。ただ、厚労省が公表する自費検査を提供する検査機関数ということでありますが、これ実態としては、ほとんど医療機関であるということを伺っております。
つまり、駅前にあるような民間のPCR検査センターですとか、新宿駅のかいわいにもたくさんありますけれども、ああいったものが含まれていないという現状があり、いわゆる想定しているような民間検査機関というものの実態把握ができていないということは、指摘をしたいと思います。
一方で、薬局に関しては、都内に数多くございます。しかしながら、薬局で検査を可能とするためには、薬局内の動線の確保、検査のための体制づくりなど、いろんなものが必要になると考えます。
都として、薬局内の検査体制を可能とするために、どのような条件を考えているのか伺いたいと思います。
○猪倉新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 国は、検査実施事業者の要件として、検査キット等の調達方法、検査の単価、実施回数等が適切であること、検体採取の立会いが検査管理者により適切になされること等を求めており、事前に都へ実施計画書を提出し、登録を受けることになっております。
実施計画書の中で、検体採取の場所につきましては、他の場所と明確に区別できること、一定の広さを確保し、受検者のプライバシーに配慮していること、十分な照明が確保されていること等を確認することとなってございます。
○関口委員 検査回数は、先ほども申し上げましたが、約七百十万回ということで見積もっております。
どのような見積りをされたのか伺いたいと思います。また、三か月半で、この七百十万回の検査を実施するためには、民間検査機関の数や薬局についても様々な課題があることから、検査機関が足りないのではないかという懸念があると思いますが、都の見解を伺います。
あわせて、民間検査機関数が少ないという観点から、なるべく多くの薬局にご協力をいただく必要があると考えております。そのための取組を強化すべきと考えますが、都の取組について伺いたいと思います。
○猪倉新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 国は、今回の事業におきまして、ワクチン接種の状況等を踏まえ、ワクチン・検査パッケージ等定着促進事業及び感染拡大時の一般検査事業の件数を百日間で約七百十万回と想定しております。
都としては、制度利用に必要な検査を無料で受けられるよう、国からの情報提供も活用しながら、実施事業者として民間検査機関や薬局等に協力を呼びかけ、実施事業者として登録し、十二月下旬以降を目途に事業を開始いたします。
事業開始に向けて、実施事業者が行う施設整備を支援するとともに、実施された検査の費用を交付してまいります。
○関口委員 先ほど、菅原委員の方からも話がありましたが、しっかりこの事業を周知することは、もちろん重要だと思いますし、並行して、やはり薬局の皆さんに対しても、しっかりと真摯に向き合いながら、ご協力の要請をしていくことが重要だと思っております。
先ほども申し上げましたが、民間検査機関数、いわゆる駅前の検査センターなどの実態把握がまだまだできていないような状況がありますので、ぜひ、この七百十万回という非常に大きな回数をしっかりこなすためにも、計画倒れにならないようにということで取組を求めていきたいと思います。
続きまして、TOKYOチャレンジネットについて伺ってまいります。
今回の補正予算におきまして、年末年始の公的機関が閉所であるとか、あるいは飲食店やネットカフェが閉店をしているなど、住まいがない方への対策として、一時的な宿泊場所を東京都が提供することは評価をしたいと考えております。
一方で、この冬期の居場所の確保は、命に直結する問題でもあります。
必要な方に確実に支援が届くよう、ウェブやSNSのみならず、テレビやネットカフェでの掲示、日雇求人サイト等への掲載など、当事者の目に入りやすい、きめ細やかな広報をすべきと考えますが、都の見解を伺います。
○高橋生活福祉部長 都はこれまでも、支援が必要な方にTOKYOチャレンジネットの情報が届きますよう、ホームページやSNS等を通じて広く情報を発信しております。
今回の補正予算案では、今までこうした支援情報が届かなかった方にも情報が行き届きますよう、インターネット等に広告を展開する経費を計上してございます。
今後とも、必要な方に情報が届きますよう周知を図ってまいります。
○関口委員 インターネット等の広告を展開するということで、そちらに関しては評価をしたいと思っておりますが、質問の中でも申し上げましたが、ネットカフェでの掲示、こういったものも、やはり必要になってくるかと思います。そういったところから福祉の窓口につなげていくことも重要だと思いますので、ぜひ今後の展開としてお願いを申し上げたいと思います。
また、TOKYOチャレンジネットにおきましては、対象者の健康観察であったり、特に今はコロナということで、感染症の症状の有無を十分に把握するとともに、宿泊場所のリスクが過大にならないように配慮をすべきと考えますけれども、都の見解を伺います。
○高橋生活福祉部長 チャレンジネットでは、相談対応の際、都などの通知に基づきまして、利用者の発熱の有無を確認するなど、新型コロナウイルス感染症防止対策を徹底して行っております。
年末年始の緊急的な一時宿泊場所の提供につきましては、感染防止対策の観点から、ビジネスホテルの個室を提供することとしております。
また、看護師資格を有する職員が必要に応じて利用者からの相談を受けるなどの対応を行っております。
○関口委員 一方で、この年末年始のチャレンジネット事業は、大久保のハイジアに行き面談をしなければならないということで、そこに行き、面談をしなければ制度利用ができないという現状があります。年末年始という極めて短期間であれば、手続をもう少し簡素化してもいいのではないかと考えております。
新宿近辺の方であればあれでしょうけれども、やはり遠くからやってくる方もいらっしゃるでしょうし、そういった観点から、市区町村と連携を図りながら、住まいがない方が各自治体で年末年始のチャレンジネットの申込みができるようにすべきと考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○高橋生活福祉部長 生活に困窮し、住まいを失った方につきましては、相談を受けた区市等の福祉事務所等において、個々の状況を把握し、適切に支援を行うこととなっております。
その際、福祉事務所等の判断で、都の提供する緊急的一時宿泊場所の利用を希望する場合には、これまでも区市からの相談等によりまして、連携して対応してございます。
○関口委員 今ご答弁の中でもありましたが、福祉事務所の判断で情報提供している場合もあるということでありましたが、やはり、そこの連携を密に取っていただきたいとともに、私の要望としては、年末年始の短期間の部分であれば、もう少し手続を簡素化して、より多くの方にご利用いただけるような環境をつくることが必要だということは考えております。ぜひ、そういったことも念頭に置いていただければと思います。
また、本事業であるTOKYOチャレンジネットが、今回の補正予算に関しては、年末年始に特化をしているということもあり、一時宿泊場所を退去する際には、必要な福祉制度にしっかりつないでいくことが必要だと考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○高橋生活福祉部長 今回の補正予算案では、年末年始の間、生活に困窮する方等に、一時的な宿泊場所であるビジネスホテルの提供をする経費を計上してございます。
利用期間終了後には、個々の利用者の状況に応じまして、区市と連携して適切な福祉サービスにつなげてまいります。
○関口委員 ぜひ、各自治体との連携というものをお願いしたいと思います。
また、コロナ禍で、多くの方が困窮をしております。改めて、住居のセーフティーネットのシステム改善というものが問われているのだろうと思います。
今回、このTOKYOチャレンジネットは、年末年始ということでありますけれども、年末年始に限らず、住まいがない方への一時的な宿泊場所の提供継続というものを検討すべきと考えますけれども、都の見解を伺います。
○高橋生活福祉部長 生活に困窮し、住まいを失った方につきましては、相談を受けた区市等の福祉事務所等において、個々の状況を把握し、適切に支援を行うこととなっております。
また、都は、これまでもチャレンジネットにおきまして、都営住宅や民間アパートを活用し、住まいを失った方への一時利用住宅の提供を行っております。
○関口委員 このチャレンジネットの部分におきましても、緊急事態宣言が十月の中旬には終えているという現状もありますので、緊急事態宣言が終えたから、その人たちの居場所が生まれる、あるいは戻ってくるというわけでもないかと思います。しっかり、こうした事業を継続的にやっていただくことを要望したいと思っております。
続きまして、年末年始の医療体制の強化について伺っていきたいと思います。
第三回定例会におきまして、連休や祝日の地域の医療体制や検査体制や相談体制の機能が弱くなるということを委員会の中でも指摘をさせていただきました。突然やってくるわけでもないという観点から、体制をしっかり強化していく必要があると思っております。
今回の補正予算では、年末年始や連休中の検査体制や入院医療体制や診療体制などについての支援が手厚くされたことについては高く評価をしたいと思っております。
昨年も同様の事業を行ったかと思いますが、昨年の年末年始の診療、検査体制、入院医療体制はどのような状況であったのか伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は昨年度、年末年始の診療、検査体制及び入院医療体制を確保するため、診療、検査を実施する医療機関及びこれらの機関と連携し開所する調剤薬局に対しては協力金を、入院患者を受け入れる医療機関に対しては重症度に応じた謝金の加算を行っており、昨年度の状況では、協力金は千二百七十五の医療機関と千七百二十三の調剤薬局に、受入れ謝金は百二十六の医療機関に活用いただいております。
○関口委員 今年度も昨年同様実施をしていくということで、本事業について、どのような効果を見込むのか伺いたいと思います。
また、助成金をこうした形で手厚くしたとしても、年末年始の体制が脆弱であるという懸念もあると思います。都として、さらなる各機関への働きかけというものが重要だと考えますが、見解を伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 年末年始は医療機関の人員確保が困難になることから、適切に医療を受けられる体制を確保するため、昨年度に引き続き、新型コロナ感染症に関わる入院医療や診療、検査体制の強化充実に要する経費を補正予算案に計上しております。
今年度は、より医療を受けやすくするため、年末年始に診療、検査を行う医療機関への支援については、都のホームページでの医療機関情報の公表や、かかりつけ患者以外の患者の診療等を行うことを協力金の支給条件としております。
多くの機関に参画いただけるよう、医療機関や医師会、薬剤師会等の関係機関と緊密に連携し、都民の皆様が安心して年末年始を過ごせるよう取り組んでまいります。
○関口委員 今ご答弁もいただきましたが、昨年と違うのは、都のホームページで医療機関情報の公表をしているということかなと思っております。そうした観点からも、多くの皆さんがしっかりと地域の医療機関にアクセスできるような状況というものの構築を引き続きお願いしたいと思います。
続きまして、感染管理認定看護師について伺ってまいります。
今回の補正予算におきましては、感染管理認定看護師の専門資格を有する医療人材の育成についての予算がございます。
本事業は、育成を行う医療機関を支援するということでありますけれども、感染管理認定看護師は、新型コロナによる医療現場において、どのような働きをしているのか伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 感染管理認定看護師は、感染対策における高度な専門知識や実践力を持つと認定された看護師であり、院内感染制御チームのメンバーとなる場合が多くなっております。
主な活動内容としては、院内感染事例の把握や院内感染防止対策の実施状況の把握、指導、院内研修の実施などが挙げられております。
○関口委員 そういった意味では、今ご答弁いただいたとおり、感染症医療であったりとか、あるいは現在の新型コロナにおいて、医療現場において極めて重要な働きをされるのだなということを考えております。
現在の状況を確認したいと思います。感染管理認定看護師は、全国と都内では何名の方がいらっしゃるのか。また、参考までにですが、都立病院や公社病院には何名の方がいらっしゃるのか伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 感染管理認定看護師は、令和二年十二月末時点で、全国では二千九百七十七人、都内では三百三人が認定されており、都立病院においては十六名、公社病院には九名が在籍しております。
○関口委員 今ご答弁いただきましたが、都内では三百三名ということであります。正直、想像していたよりも少なかったというのが現状ではあります。
また、都立病院では十六名、公社病院では九名ということで、今後の感染症医療を考えていく上では、もっとこの認定を受けている看護師さんを増やしていく必要があるということで、今回、こうした形で補正予算に組まれて、そして、これから事業化していくということで、ぜひ、都内により多くの認定看護師さんが配置されるように、本事業がしっかり進むように要望していきたいと思います。
続いて、三回目の接種についてであります。
三回目接種では交互接種が可能となるということで、今、いろいろと三回目接種の動きが進んでいるかと思います。
前回の事務事業概要でも少し触れさせていただきましたが、副反応が少ないといわれるファイザー製に希望者が集中したりするのではないかという懸念があったりですとか、あるいは希望者、ワクチンを打つ方がどのワクチンを選ぶのかということによって、ワクチン量の見通しが立たないといったような各自治体の課題もあるということで聞いております。
そこで、交互接種で接種するワクチンの種類について、同種類のワクチンを接種すべきなのか、異なるワクチンを接種すべきなのか、都民が何を根拠に選ぶのか、不明確な状況でありますけれども、都の対応を伺いたいと思います。
○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 新型コロナワクチンの接種は、最終的には個人の判断で接種されるものであることから、接種を希望する方が適切に判断できるよう、必要な情報を速やかに提供することが重要でございます。
このため、都は、交互接種に関し、一、二回目と異なるワクチンを追加接種した際の効果や副反応などにつきまして、自治体に対する迅速な情報提供と国民に対する分かりやすい情報発信を国に要望しております。
今後、国から情報が提供され次第、東京iCDCの専門家の知見も踏まえながら、ポータルサイト等、様々なチャンネルを通じて幅広く発信してまいります。
○関口委員 今、情報発信をしっかりやっていくということでご答弁もいただきましたが、この三回目の接種に関しては、極めていろんな情報が飛び交っているということで、多くの方がワイドショーですとかメディアを通じて、いろんな情報を浴びていると思っております。
そういった中で、しっかり都が正確な情報を迅速に発信をしていく、その役割は極めて重要であると思っておりますので、そうした都民に対しての周知というものを徹底していただきたいと思います。
また、三回目接種においては、当初のスケジュールよりも前倒しの接種が進むような動きがありまして、エッセンシャルワーカーの方々がしっかり接種できるような環境づくりというものも構築をしていかなくてはならないと思っております。
また、さらにいえば、副反応が出ることを見越した休暇の取得に対しても、他の部局とも連携をしながら、ぜひ後押ししていただくことを要望しまして、質疑を終わります。
○上田委員 コロナ禍の都民需要をどうはかって予算編成したのか、積算根拠はどうなっているのか、なぜか資料要求ができなかったことから、全般にわたって留意するところですので、その点を加味して答弁をお願いします。
感染拡大時における地域外来・検査センターの体制強化事業について、想定するセンターの数と検査想定人数、需要をどう把握したのか。また、感染拡大傾向が見えてきたときの医師会との事前の情報共有、連携体制を伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都では、次の感染拡大に備えて検査体制の見直しを行うため、地域外来・検査センター等の関係機関に対し、検体採取能力や検査分析能力等の調査を実施し、十一月に検査体制整備計画を改定いたしました。
計画では、同センターの検査体制について、感染拡大時には、通常時の二倍程度の稼働体制を確保し、一日当たりの最大検査件数を都内五十三か所合計で約〇・五万件と見込み、本事業を実施するものでございます。
また、感染拡大に備え、東京都医師会など関係機関と事前に情報を共有しながら、迅速に検査体制の強化を図ることとしており、今般のオミクロン株の国内発生を受け、今後の感染拡大に備えるため、都は十二月三日付で、東京都医師会や同センターの設置者等に対して、検査体制の強化についての協力要請を行ったものでございます。
○上田委員 五十三か所、五千件と見込んでいて、十二月三日、早速要請されたということで安心しました。
年末年始の医療体制について、年末年始の状況は、これまで一波から五波の経験値で想定されているとは思いますが、具体的にどのような状況となるか予測し、それに基づき、この事業をどう決めたのか、ご説明ください。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 年末年始は、医療機関の人材確保が困難になることから、医療提供体制については、昨年末の第三波の際の診療、検査体制の状況等や第五波の感染拡大ピーク時の入院患者数等を踏まえ、これらに対応できる医療提供体制を確保することとしております。
具体的には、診療、検査体制については、これまでの実績を踏まえた規模を見込んでおり、診療、検査を実施する医療機関及びこれらの機関と連携し開所する調剤薬局に協力金を支給することとしております。
また、入院患者を受け入れる医療機関に対しては、重症度に応じた謝金の加算を行い、この夏の感染拡大ピーク時を基に推計した最大要入院患者数五千八百五十七人の対応ができるように備えております。
○上田委員 五千八百五十七人想定、確認しました。
宿泊施設活用事業及び保健所のデジタル化推進事業のそれぞれについて、ウエアラブル機器の調達数量を確認させてください。
また、ウエアラブルのみならず、AI問診、リモート診療対応型施設、音声マイニング技術による電話音声の自動文字起こしについても、入札による契約にするかどうか、公正、公明かつ適正な価格で予算が執行される必要があると考えております。見解を伺います。
○武田感染症対策部長 都は、感染再拡大に備え、本定例会の補正予算案において、宿泊施設活用事業に係る経費を計上しており、AI問診の導入等により、療養者の健康管理体制の強化、効率化などを図ることとしております。
また、保健所のデジタル化推進事業は、音声マイニング技術による電話音声の自動文字起こしなど、デジタル技術を活用し、保健所業務の効率化を図ることとしております。
これらの事業の予算執行に当たっては、法令等に基づいて事業目的の達成に向け、契約手法も含め、適切に対応してまいります。
お尋ねのウエアラブル機器については、宿泊施設活用事業で約九百台、保健所のデジタル化推進事業で約百台の調達を想定してございます。
○上田委員 合計千台となりますことから、不正談合の入る余地のない入札、調達と、現場で買ったからには使いこなせるように希望をいたします。
デジタル化推進もいいんですけれども、肝腎の国、都道府県のシステムとの互換性がなければ患者情報の共有もできないことから、これらの情報は共有するのかということでございましたが、確認しましたら、日々の健康データであり、現在の運用でも区市町村へ情報提供していないということなんです。九月に、自宅療養者情報をようやく都は区市町村に提供した経緯もありまして、DX化するのであれば、基本は全ての情報を共有して、自宅療養その他いろんな施設での急死を防いでいただきたいと思っております。
自宅療養往診体制でございます。
上田の臨時会の質疑で、訪問看護ステーションとの協定を確認しておりますが、基本は区市町村、保健所が対応するものと理解しておりました。
都は、本年四月より都医師会と連携し、既に五十四の地区医師会のうち、三十六の地区医師会が都事業に参画し、十二の地区医師会で独自に体制を構築するなど、地元医師会、開業医や訪問医療と連携を図っています。
今回、新たに都が検討を進める往診体制の強化事業により、二次医療圏ごとに、僅か一か所ずつ、往診対応が可能な医療機関と連携するため予算づけするのであれば、一方で、区市町村を直接に支援し、各区市町村独自に仕組みを構築するやり方も有効ではないか、この予算は区市町村に自由に使ってもらった方がいいと感じております。
都がなぜ予算を新たにつけ、区市町村に委ねず、往診対応が可能な医療機関との連携を進める必要があるのか、二重行政となり、感染拡大時に連携が果たして取れるのか危惧するものですので、この点についてクリアになるようご説明ください。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都はこれまで、東京都医師会や東京都訪問看護ステーション協会等と連携をいたしまして、各地域の実情に応じた自宅療養者への医療支援体制の構築に取り組んでまいりましたが、感染の再拡大に備え、さらなる医療支援体制の強化が必要でございます。
このため、本事業では、感染拡大時に往診等を担当する医師の配置や高齢者施設等におけるクラスター対応が可能であること、地域において往診等を実施する医療機関間の連携において中心的な役割を担うことなど、一定の条件を満たす医療機関を連携先として新たに選定をいたします。
感染拡大時に往診等を広域的に行う医療機関と各地域におきまして自宅療養者に対する医療支援強化事業に参画している医療機関が連携を強化しながら、自宅療養者に対する医療支援体制の充実を図ってまいります。
○上田委員 くれぐれも保健所、区市町村の同種事業との一体化をお願いいたします。
健康観察支援の事業でございます。
検査の結果、陽性確定の連絡を受けた後の速やかな健康観察支援へ、当然結びつける必要があると思いますが、同じ都事業予算にあって、どのようなフローを想定されていくのか伺います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、自宅療養者に対する健康観察体制を強化するため、保健所や自宅療養者フォローアップセンターに加えまして、地域の医療機関等による健康観察を促進する取組を開始いたします。
具体的には、診療や検査を行った医療機関等が、陽性確定の連絡時に陽性者の容体を確認いたしまして、自宅療養となる陽性者に対して、発生届の作成と併せて、電話等による健康観察を開始した場合に、医療機関に対して協力金を支給いたします。
医療機関が健康観察を実施いたします自宅療養者の状況につきましては、保健所と情報共有をし、容体が悪化した場合には、迅速に地域の医療機関による診療や入院調整につなげてまいります。
○上田委員 フォローアップセンターは、ピーク時、三十歳未満に限定したんですね。配食事業は全世代対象であったにもかかわらず、江戸川のように独自で配食をしていない区部自治体ではそれを知らず、区の方も把握していなくて、食材調達はフォローアップセンターでできないということで、家族が全員感染していたり、独居世帯のSOSがかなり私に相次いだので、おっしゃったように徹底した連携をお願いいたします。
転院患者の受入れ促進事業ですが、症状が改善した患者の転院のコーディネート及び搬送事業者確保体制はどのようになっているのでしょうか。また、転院先の病院支援や搬送事業者体制支援は、どう考えているのか伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、症状が改善したコロナ患者を軽症、中等症の患者を受け入れる病院や回復期支援病院への転院等を促進するため、約二十人の入院調整本部に、専任の転退院支援班として三人配置しております。
転退院支援班については、転院元の医療機関からの依頼に基づき、患者情報を確認の上、転院先医療機関との調整を実施しております。
また、患者の転院に当たり、入院調整本部で民間救急車を手配し、転院先への搬送経費を支援するため、今回の補正予算案に計上しております。
○上田委員 先ほどは、五千人想定で動いているということでございますが、入院調整本部は二十人ということで、ちょっと大丈夫かなという懸念もありますけれども、よろしくお願いします。
ソーシャルワーカーが、かなりですね、転院については各個人の力量に委ねられ、奮闘されたと思いますので、各施設の末端まで、この事業が行き渡るようにお願いをいたします。
民間医療人材派遣事業は多数存在しているんですけれども、東京都医療人材登録データベースを活用した医療人材確保事業は、東京都医療人材登録データベースを使った医療機関に限定しているという理由は何なのでしょうか、お伺いします。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 宿泊療養施設や酸素・医療提供ステーションなどは、東京都医師会や東京都看護協会をはじめ、民間の医療人材派遣会社等の協力を得ながら運営しております。
この夏、災害レベルの感染状況となり、医療提供体制が逼迫したことを受け、都は、感染症法第十六条の二第一項に基づき、都内医療機関に対し、宿泊療養施設や酸素・医療提供ステーションなど、都が要請した施設への人材派遣の協力要請を行いました。
東京都医療人材登録データベースは、この協力要請に応じた医療人材の情報を登録するために構築したものであり、現行の人材配置のスキームに加え、医療体制が逼迫した場合の新たな人材確保のルートとして導入いたしたものでございます。
本事業、医療人材確保事業は、この人材確保ルートを活用することを目的として、データベースへの登録とデータベースによる人材派遣の促進を図るものでございます。
○上田委員 民間企業もかなり情報を持っており、都が囲い込んだり、条件づきで市場統制して硬直化し、有事に機能しないことを懸念して確認させていただきました次第です。
看護職員再就業支援事業において、奨励金支給に当たり、都が開催する研修を受ける意義と効果について伺います。
○小竹医療改革推進担当部長 都は、東京都ナースプラザにおいて、看護職員の定着や再就業に向けた様々な取組を行っており、今年度からは、看護職員のキャリア継続を支援し、経験豊富な看護職員を確保するため、プラチナナース就業継続支援事業を開始いたしました。
プラチナナース就業継続支援事業では、プラチナナースとしての働き方や期待される役割、定年後のライフプラン等に関するセミナーを実施し、現在離職中の五十代や定年退職後の世代が看護職員として再就業し、安定して就業を継続できるよう支援しております。
再就業定着に向けた奨励金支給に当たっては、プラチナナース就業継続支援事業のセミナー等の受講を要件とし、プラチナナースのステップアップを支援することとしており、再就業後の看護職員の定着をより一層図ってまいります。
○上田委員 こちらにおいても、ハローワーク、民間企業とのすみ分けではなく、集約をお願いしたいんですね。
医療人材確保なんですけれども、都内医療機関においては、本当に使い勝手がよい、メリットがある、地元医師会も統一したコロナ対策を共有したり、研究も進んでいる中、わざわざ都が開催する研修を受ける需要はあるのでしょうか、伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 東京都医療人材登録データベースを活用した医療人材確保事業における研修は、実際に都が要請する施設に派遣された場合を想定し、当該業務の未経験者でも速やかに現場で活動ができるよう、あらかじめ必要な知識、技術を習得することを目的としているものでございます。
○上田委員 都の行政医療と現場ですぐに連携するためということです。独法化しても同じようなことができるのか、こちらも確認させていただきたいと思います。
院内感染対策人材育成支援事業を実施することで、感染拡大時にどの程度の人材が確保できるのか、想定、効果を具体的な積算根拠も踏まえ、伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 本事業は、都内の病院において、適切に感染管理を行うための専門的な知識と技術を持つ人材を配置することを目的に実施するものでございます。
今回の補正予算では、感染管理認定看護師等の資格取得支援に関わる医療機関への補助と認定看護師等が不在の病院等において感染管理の指導的役割を担う院内感染対策リーダーを養成するための研修カリキュラム作成に要する経費を計上しております。
○上田委員 知識と技術を会得したリーダーが何名養成できたか、数値、検証を今後行っていただきたいと思います。
ゲノム解析による変異株監視体制の強化ですが、オミクロン株が世界中に広がりつつあり、都も検査体制を強化すると小池知事が記者会見でも述べています。
国の調査は時間がかかるので、民間の力を活用し都で行うということですが、この解析ができる事業者の総数と選定基準、入札、発注書作成について詳細を伺います。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 新たに民間検査機関に対するゲノム解析の委託につきましては、都内における新たな変異株の発生動向を監視するため、区部及び多摩地域の医療機関から広域にPCR検査を受託していることや、一定規模以上のPCR検査の実施、処理能力があることなどの要件を満たし、ゲノム解析を適切に履行できる業者を想定しております。
本委託につきましては、予算案が確定後、速やかに実施できるよう、現在準備を進めております。
○上田委員 想定事業者の数も答弁できないことがちょっと不思議なんですね。工事事案は、入札要件を明示して、そこから可能な数を把握して行っています。予算が通る前に明確になっていないことは、ちょっとおかしいなという、まあ何度もやり取りさせていただいたんですけれども、決定の過程については注視させていただきたいと思います。
そして、ゲノム解析なんですけれども、政府調査と連動することが全容把握につながると思いますし、二重行政による取りこぼしの回避ができると思いますが、解析結果の国や他道府県との情報共有や対策連携はどのように進めていくのか、具体的に説明ください。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 都はこれまでも、国と連携して、東京都健康安全研究センター等におきましてゲノム解析を実施しております。
ゲノム解析の結果につきましては、新型コロナウイルスゲノムの情報などに関する世界共通のデータベースに登録するなど、国立感染症研究所等と情報共有しております。
○上田委員 スケールメリットがあるということで、ひとまず安心しました。お手柄合戦で税金の無駄がそれぞれに出ないように、よろしくお願いをいたします。
四月、五月、医療者向け予約システムがトラブルとなり、また情報漏えいも発生したり、アクセスできない、電話がつながらないという異常事態が発生しましたが、どのような善後策を講じましたか。そして、今回の集団接種、医療従事者のシステムはどのようになっているのか、事業者、委託金額も含め、ご報告ください。
○山本高齢者施策推進担当部長大規模接種施設企画調整担当部長兼務 医療従事者向けのワクチン接種予約システムの不具合につきましては、その原因となったソフトウエアの脆弱性への対策に加え、システム監視の強化など、一層のセキュリティ対策を実施し、コールセンターにつきましても、回線数を増設することにより、混雑緩和を図りました。
本年七月、都のワクチン大規模接種会場を開設するに当たり、新たに構築した予約システムにつきましては、パソコンやスマートフォン等から予約受付等ができるようにするなど、利用者の利便性を考慮するとともに、セキュリティ対策を講じておりまして、システム構築及び運用に係る委託事業者はデロイトトーマツコンサルティング合同会社で、契約金額は九千九百万円となっております。
○上田委員 デロイトトーマツに約一億円ということでした。医療従事者は、診療時間以外で必死になって連絡をしたり、システムにアクセスするので、その時間は絶対にフリーズしないようにお願いを申し上げます。
放課後等支援事業を拡充することでございますけれども、医療的ケアの子供たちの安全な療育環境を確保することにつながるとは考えるんですが、放課後等デイサービスには、発達障害児など医療的ケア児以外の子供も多く通っています。
医療的ケアの子供の受入れニーズがあるのは重々承知していますが、子供同士のトラブルなど医療機器が誤作動してしまうなど、療育の現場としては困難な環境であり、指導訓練室は分けざるを得ないと考えます。
放課後等デイサービスにおいて、子供たちがそれぞれ安全・安心に療育を受けられるようにするために、現場の把握や実施方法について伺います。
○中川障害者施策推進部長 放課後等デイサービスは、人員基準などを省令等で定めるほか、国が質の向上に向けて取り組むべき内容をガイドラインで示しております。
都は、事業所の指定に当たりまして、省令やガイドライン等に基づき、人員配置や療育環境、サービス提供の方法などを確認し、その中で安全確保についても詳細に確認するとともに、開設後も、不適切な対応が行われた場合または疑われる場合には、速やかに指導や検査を行っております。
また、年一回、全事業所を対象として説明会を開催し、遵守すべき事項を定期的に周知徹底しております。
○上田委員 実際、混在している施設は少なく、医療的ケア児のみの施設への補助になるとは伺っていますし、現場を把握して指導しているということを確認でき、安心いたしました。
福祉の仕事のイメージアップ事業ですけれども、この事業は、どのような事業者に委託をするのでしょうか。
もちろん、福祉人材の担保は喫緊の課題でございますけれども、入札参加事業者は何者なのか、公明正大かつ適正価格でどのように選定するのか確認します。あわせて、福祉従事者を何名確保できるのかなど、費用対効果についてどう検証し、見込んでいるのか伺います。
○高橋生活福祉部長 今回の補正予算案に計上してございます福祉の仕事イメージアップキャンペーン事業は、新型コロナウイルス感染症の影響による離職者等に対して、福祉、介護の仕事の魅力をSNS広告等で発信し、福祉業界への就業を促進するものでございまして、委託先につきましては、本目的を適切に履行できる事業者を想定してございます。
東京都の資格審査による全ての競争入札参加資格者は、現在約二万者でございまして、その中から、東京都契約事務規則等に基づき適切に指名を行ってまいります。
今回の情報発信の閲覧実績等によりまして普及効果を検証いたしまして、今後の広報展開の効果的な実施につなげますとともに、福祉の仕事のイメージアップによりまして、人手不足の福祉業界への就業が促進する効果を見込んでございます。
○上田委員 福祉人材センターのキャラクターはキティちゃんで、大分浸透していると思います。二万者もあるというのは心強いので、費用対効果が出る事業者さんでお願いしたいと思います。
ワクチン・検査パッケージの推進です。
区市町村自治体の努力により、ワクチン接種率が東京都も七五・五%と順調な成果を上げています。ここまで達成しますと、残りの一割、二割は、ワクチンが打ちたくても打てない方、あるいは打ちたくない方を残すところとなり、歩留りも間近ではないでしょうか。
そこも踏まえた前向きな事業と評価いたしますが、健康上の理由はなくても、あえて接種しない、したくない人も一定おり、全体的な感染対策を鑑みれば、この方々も対象とせざるを得ないと思料いたしますが、都の所見を伺います。
○猪倉新型コロナウイルス検査事業推進担当部長 ワクチン・検査パッケージ等のための検査について、国は、無料検査の対象を、無症状者のうち、基礎疾患、副反応の懸念など健康上の理由によりワクチン接種を受けられない者及び十二歳未満の子供としております。
なお、検査の実施に当たりましては、身分証明書の提示等による本人確認に加え、検査目的やワクチン接種の有無、ワクチン接種をしていない理由等の説明を求めることとなってございます。
○上田委員 現時点は、ワクチンを打ちたくない人は対象外という政府の方の統一見解で仕方がないと思うんですが、今後、ワクチンパスポート、検査済み証など、飲食店、コンサート会場などで、接種をされたくない、したくない方とやっぱりトラブルになりかねず、打った人も打たない人も守ることが、どうしても行政のミッションだと思うので、ぜひ今後、打ちたくない方への検査の検討をお願いしたいと思います、もちろん希望した方ですね。
もはや、こちらの方の今の事業は、ワクチン接種が達成したからこその事業というふうに思っております、ワクチン・検査パッケージ推進事業ですけれども。ということで、かねてより指摘していますワクチン接種推進事業のTOKYOワクションアプリですが、もう役割は終えたのではないかと断言させていただきます。
普及啓発事業については、ワクチンの接種状況を考慮しながら規模等を検討すると答弁を常々いただいておりますけれども、予算執行状況と、打切り、局として返上し、減額補正をしないのか、所見を伺います。
○齋藤企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 本事業は、接種をためらっている若年層の接種を後押しすることを目的に実施しております。
接種をためらう方が前向きに考えられるよう、ワクチンに関する正しい知識などの普及啓発やアプリを活用した接種促進策等を引き続き推進してまいります。
なお、委託料は、今年度末の契約期間終了後に実施内容を確認した上で、一括で支払うこととしております。
○上田委員 今、政府による十万円給付金騒動で、クーポンじゃなくてキャッシュが欲しいと大騒動になっていて、何だかてんてこ舞いになっています。そういうものなんですよね。ですので、もうクーポンなど、飲食店などのイベントよりも、やっぱり各委員も今回質問されていたひきこもりや自殺の問題、困窮世帯の問題、やっぱり、そちらの方にも予算を回していただきたいと、もう一度強くいわせていただきたいと思います。
医療人材確保についてです。
感染拡大時や第六波に向けて、東京都の宿泊療養施設、酸素・医療提供ステーション等の医療人材確保の現状の想定と課題−−この課題というのは、現在は、感染者は本当に福祉保健局も頑張って下火に抑えておりまして、当然縮小しているので、それはそれでいいんですけれども、有事に備えての危機意識と、これまでの経験を生かしていかに対応できるかについて伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 この夏の経験を踏まえ、より厳しい感染状況も想定した備えを講じるため、都は、病床確保に加え、それを補完する臨時の医療施設として、酸素・医療提供ステーションや宿泊療養施設を整備していくこととしております。
これらの施設を運営するために必要な医療人材の確保については、東京都医師会や東京都看護協会等による協力に加え、先ほどもご答弁いたしましたが、新たに設置した東京都医療人材登録データベースを活用し、医療提供体制の逼迫時にも速やかに対応できる体制を構築しております。
○上田委員 速やかに対応できる体制を構築していると明言いただき、何よりでございます。
さて、今回の補正予算なんですけれども、国庫支出金が都全体で七百四十億円と大部分を占めていますが、国から支出を受けるに当たり、局としては、どのような必要な歳出を把握し、過不足なく都民のため国に求めてくれたのか、経過を、求めた内容をご説明ください。
○齋藤企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 今回の補正予算は、感染拡大時等への備えとして、検査、診療体制のさらなる確保や療養体制の増強とともに、ワクチン接種や変異株への監視に必要な予算を確保するものでございます。
あわせて、社会経済活動の両立に向け、検査の無料化や孤独、孤立状態の方への相談支援等の充実に必要な予算を提案してございます。
補正予算編成に向けましては、国に繰り返し要望するとともに、国と補助制度の設計段階から積極的に意見交換するなど、財源の確保に努めてまいりました。
そうした活動もございまして、三回目のワクチン集団接種や社会経済活動を継続するための無料の検査等に必要な経費につきましては、国庫支出金を可能な限り確保し、活用することとしてございます。
○上田委員 急転直下の総理交代劇、総選挙となりましたが、岸田内閣となり、水際対策、オミクロン対策と、先手のコロナ対策が打たれ始めました。
これまで小池知事は、まるで菅総理を軽んじ、出し抜くかのような言動が、また、後手対応を政府のせいにするような言動が散見されてきたところでございますが、岸田内閣となり、突っ込みどころがないようで、粛々と連携していることを確認し、安心をさせていただきました。
八百九十四億円にわたる福祉保健局予算に当たり、これまでの反省点や課題をきめ細かに検討されていたことが分かりました。これまでは、手探りで各事業や施策を講じてきたと思われますが、コロナ禍に見舞われ、そろそろ二年がたちます。手応えもでき、自信も持たれ、工夫をしながら編成されたことと思います。
これまでの経験値と積み重ねた実績を踏まえて、今後のコロナ対策と本予算に向け、局長として、今後どう都民の命と健康を守っていくのか、ご所見を伺います。
○中村福祉保健局長 これまでの経験、あるいは実績、積み重ねと、こういうお話ございました。
コロナと大変長い闘いという形になってまいりました。当初、やはりコロナそのもの、あるいはその対処というものが全く分からないような中で、手探りで様々な取組をやってきたと、こういうことになっております。
とりわけ、災害級ともいわれます五波、こういうことを踏まえまして、今回、総合的な保健医療、総合的な体制を組んでおります。
そこの中では、感染状況に応じた病床あるいは医療人材の確保、臨時の医療施設の整備、宿泊療養施設の重点化や自宅療養者への往診体制の強化、こういった形の体制の構築に取り組んできております。
このような体制に加えまして、現在、ワクチン接種が進んできている、あるいは中和抗体薬ですとか、さらには経口薬というコロナと闘う新たな武器、こういうことも出てきております。こういうことをうまく組み合わせて対応していく、こういうことが重要であろうと考えております。
足元では、事業者、都民の皆様の多大なご協力、また医療従事者の方々の本当に献身的なご協力によりまして、低い水準ではとどまっております。
しかしながら、やはりオミクロン株の出現など、感染拡大というのが中長期的に繰り返される、こういうリスクは念頭に置きつつ、十分な備えを取る、こういうことは重要だろうと考えております。
第五波が極めて速いスピード、そして規模で進んだと、こういうことをやはり踏まえまして、お話もございましたが、例えば、施設あるいは人員というのも、確保するのに一定の時間がかかります。こういった中では、先手先手で対応していくと、こういうことが極めて重要だろうと考えております。
このために、例えば、レベル設定の中でも、先手を打ったレベルを設定すると、こういうこともしております。
加えまして、やはり監視体制を強化していくこと、こういうことが重要だろうと考えておりまして、検査におきましては、先ほど来お話もございますが、陽性検体のゲノム解析、あるいは健安研における変異型のPCRの検査手法、こういったものを近隣県をはじめとする自治体と共有、民間と共有する、こういう形で、総体としての検査体制を強化していく、こういうことが重要だろうと考えています。
一方で、やはり長引いているコロナ禍ということで、失業に伴う経済的困窮、あるいは心理的な不安の増大など、多くの方々が様々な影響を受けているという中で、今回の補正予算の中におきましても、女性や子供、ひとり親家庭等に対する相談体制の強化や、ひきこもりの方、あるいはその家族に対する理解促進のための広報、自殺防止対策の拡充などの経費も計上しているところでございます。
補正予算におきましても、あるいは今後の予算におきましても、引き続き、都民の生命、健康、さらに暮らしを守ると、こういった重要な使命をしっかり果たすため、全力を尽くしてまいります。
○上田委員 各事業を踏まえた意気込みにとどまらない、熱意のあるご説明ありがとうございました。
代表質問でもただされていましたけれども、副知事も、歴代知事の中で平均任期が二年半と最短で、福祉保健局長も、コロナ禍で三人目、替わられました。突如、新たな局も設立し、職員の皆様の苦労は並々ならぬものであったと思料し、都民のためにコロナ禍を乗り越えてきましたこと、知事不在の三週間も滞りなく業務を遂行された全福祉保健局職員を評価し、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。
○やまだ委員 お願いします。
まず初めに、私からは、転院による患者受入促進事業について伺いたいと思います。
第五波での見えてきた課題には、病床確保はもとより、確保した病床の使用率、利用率を高め、入院加療を行っていくこと、それには人員の確保と円滑に進めるための仕組みの見直しが大切だったと思います。
今回、補正予算で出されております転院による患者受入促進事業、先ほどの質疑でもございましたので、重ならない部分について伺いたいと思います。
この事業について、医療機関に新たな転院の仕組みをしっかりと浸透させ、入院調整本部と医療機関が連携した取組を進めるべきと考えますが、その考え方について伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、症状が改善したコロナ患者を軽症、中等症の患者を受け入れる病院や回復期支援病院への転院等を促進するため、約二十人の入院調整本部に、専任の転退院支援班として三人配置しております。
転退院支援班は、転院元の医療機関からの依頼に基づき、患者情報を確認の上、転院調整するとともに、民間救急車等を手配し、転院先医療機関等への搬送を支援いたしております。
今後、医療機関の役割に応じた患者の受入れが進むよう、医療機関に対し、ウェブ会議等を通じて、新たな仕組みについて周知してまいります。
また、症状が改善した患者の転退院により、新たに重症、中等症の患者を受け入れる医療機関に対し、これまでの受入れ謝金に加え、重症であった患者の転院等には一回二万円、中等症であった患者の転院等は一回一万円支払う予定であり、こうした取組により、確保した病床の有効活用を図ってまいります。
○やまだ委員 これまで病院間での入院調整を図られてきたものを、改めて入院調整本部が担っていかれるというところで、仕組みが変わることについては、しっかりと医療機関と連携をしていただき、感染が落ち着いている今この時点で想定をしながら準備を進めていただきたい、そのようなことを要望しておきたいと思います。
また、次に、院内感染対策人材育成支援事業について伺いたいと思います。
コロナ感染により、改めて感染管理認定看護師さんの役割が注目されました。これも先ほど、ご答弁、質疑がございましたので、一部割愛しながら伺いたいと思いますが、感染管理認定看護師さん、この資格を取得するには、研修期間が約六百十五時間の受講数が求められることから、勤務しながら認定取得はなかなか難しいということを伺っています。また、小規模な病院の場合では、さらに、その配置、登用は困難であります。
これまで、早い段階から、認定看護師の資格取得への支援とともに、認定看護師に準ずる資格の支援について、看護協会等からも、我々自民党はご意見をいただき、当局にご要望させていただいておりました。
そこで、感染管理認定看護師等の専門資格を有する医療人材の育成を行う医療機関を支援することについて、当該取組の意義と支援の具体的な内容について伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症が拡大と終息を繰り返す中、今後の新興、再興感染症の発生も見据え、感染管理認定看護師をはじめとする感染症に関する専門的な知識と技術を持つ人材の役割が、これまで以上に重要となっております。
このため、新型コロナウイルス感染症への対応と平時からの医療機関における感染管理の徹底を目的に、今回の補正予算では、感染管理認定看護師等の資格取得支援を行う医療機関への補助として、研修受講中の給与費や研修経費等を計上いたします。
補助基準額は、一施設当たり六百万円とし、補助率は四分の三となっております。
○やまだ委員 新たな支援策として対策を打っていただくことについては大変評価をしたいと思います。
医療機関への支援とともに、やはり看護師さんが、こういった資格取得に向けた気持ちを高めていただけるような環境づくり、啓発も、ぜひとも応援していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、介護予防・フレイル予防普及啓発事業について伺いたいと思います。
今回の介護予防・フレイル予防普及啓発事業について、主にシニア、シニア予備軍を中心とした都民を対象とした実践のための普及啓発動画を作成する事業でありますが、このタイミング、要は、緊急事態宣言が解除をされ、感染者の減少が続くことで、感染に配慮をしながらも、高齢者の方々が個人やグループで活動が徐々に始まったこのタイミングで事業が促進される、改めてその目的について伺いたいと思います。
○山口高齢社会対策部長 都はこれまで、高齢者がいつまでも心身ともに健康に暮らし続けられるよう、介護予防、フレイル予防の重要性について、ホームページやリーフレット等を通じて、広く都民に普及啓発を行ってまいりました。
一方で、昨年来のコロナ禍の長期化に伴う外出自粛等の影響により、高齢者の心身機能の低下や交流機会の減少等の懸念が一層高まっており、こうした方々に、適度の運動や外出など、予防につながる望ましい生活習慣の実践を改めて促すことが重要となっております。
このため、今回の補正予算案において、高齢者一人一人が、自ら介護予防、フレイル予防に気軽に取り組めるよう、具体的で実践的な普及啓発のための動画を作成し、ホームページ等で広く公開することとしたものでございます。
○やまだ委員 この時期での普及啓発は大変重要だと思っておりますし、評価したいところであります。
また、動画については、分かりやすく役に立つものを作成していただけるものと考えておりますが、作成した動画を現場で広めて活用していただくことが何より重要であるとも思います。
区市町村に任せるだけではなく、都としても、今回作成をする動画がフレイル予防活動の現場で有効に活用されるよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
○山口高齢社会対策部長 今回作成する動画については、高齢者自身のみならず、通いの場など地域における予防活動の現場や、要介護状態となる前の高齢者も多く入居する有料老人ホームや、サービス付高齢者向け住宅、軽費老人ホームなどにおいても、広く活用されることが有効と考えております。
このため、地域における介護予防の推進役である介護予防・フレイル予防推進員をはじめ、地域包括支援センターの職員や生活支援コーディネーター等に対する研修などの機会を通じて動画の紹介を行うほか、有料老人ホーム等の事業者団体を通じて情報提供を行うなど、身近な地域や施設における積極的な活用を働きかけてまいります。
○やまだ委員 様々、現場への対応を予定されているということで安心をいたしました。ぜひとも、区市町村と十分協力をしながら−−それぞれの区市町村でも、フレイル対策として様々な取組がなされています。そういった点も含めて、現場で分かりやすく活用しやすい環境づくりを進めていただきたいと思います。
次に、ひきこもり等社会参加支援事業について伺います。
都は、補正予算の中で、今回、ひきこもり等社会参加支援事業の拡充として、元当事者、また元当事者家族の方によるピアオンライン相談を実施することとなっています。
東京都ひきこもりに係る支援協議会の提言では、こうした取組の意義について、どのように触れられているのか、また、この事業を行うことにより、どのような効果を見込んでいるのかを伺いたいと思います。
○高橋生活福祉部長 本年八月の東京都ひきこもりに係る支援協議会の提言では、ひきこもり相談体制に、当事者やご家族が同じ悩みを共有できる元当事者やそのご家族が関わることで、相談に対する心理的なハードルが下がるとされております。
このため、今回の補正予算案において、当事者やご家族、その他一般都民に対する普及啓発を実施いたしますとともに、元当事者やそのご家族によるピアオンライン相談会を実施するための経費を計上してございます。
これにより、これまで相談をためらっていたひきこもりの状態にある方やそのご家族も安心して相談することが可能となり、適切な支援につながると考えております。
○やまだ委員 心理的なハードルが下がること、また、安心して相談することが可能となり、適切な支援につなげていくというご答弁でありました。
同じ体験をされ、そして克服をされてこられた元当事者やそのご家族の方が同じ目線で相談を受けることは、相談のハードルを下げることとともに、何より悩みへの理解や共感度が深められ、癒やされ、課題解決の一助になると考えています。
ぜひとも、そういった元ひきこもりの当事者の方々が克服した後に、今度は、そういった同じ体験をしている方々へ支援をする側に立たれて関わられるという、やはり今引き籠もって悩んでいる方々の大きな目標となる、そのようないい連鎖が生まれると思っています。当事者に勇気を与えられる大切なことだとも感じています。
今回は補正予算で、一月から三月分の対応分でありますが、こういったものは継続していくことで成果が得られるものだとも思います。今回は補正予算の審議ですので要望だけさせていただきたいと思いますが、ぜひとも来年度も事業化され、事業継続されるよう要望をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、医療・福祉事業所内メンタルヘルスケア等スキル向上支援事業について伺いたいと思います。
コロナウイルス感染症は、医療従事者はもちろん、医療、福祉の現場にも大きな変化をもたらしており、利用者の支援に当たる従事者の方々は、この変化に対応するため心理的なストレスを大きく抱えています。
特に、介護、医療の現場においては、産業医の配置基準は従業員五十名以上であり、産業医を置かない小規模な事業所も多く、組織的にメンタルヘルスケアに対する取組が十分に実施されていない事業者もあると思います。
そこでまず、医療、介護従事者のメンタルヘルスケアの重要性について、認識とこれまでの取組について伺いたいと思います。
○石黒障害者医療担当部長 利用者の治療や介護等に関わる従事者は、自らの感染予防に加えて、患者や利用者の感染予防にも細心の注意を払いながら業務に当たり続けなければなりません。
このため、平時よりも心理的ストレスを抱えやすい状況にあり、従事者に対するメンタルヘルスケアは重要であると認識しております。
都は、感染流行期に、支援に当たる従事者向けに、心身に生じ得る反応やストレス対策をまとめたリーフレットを作成し、ホームページに掲載するとともに、院内感染が発生した病院などの従事者に対しては、保健所と連携して、個別にメンタルヘルスケアを実施するなど、従事者のストレスケアを支援しております。
○やまだ委員 新たなオンライン形式による講座、また本人だけではなく、管理監督者に求められる従事者への声かけ、職場内のコミュニケーションの方法などを内容としたものとされています。
小規模の事業者であると、なかなかそういったところまで手が回らないことについて、どのように啓発をしていくかということが大変重要になってまいりますので、先ほどもピアオンライン相談でも申し上げましたが、やはりメンタルヘルスケアについては、そういう環境づくりとともに、継続した取組が大変重要になってくると思います。
ぜひとも、オンライン形式による実施とともに、その検証を終えて、さらにその後も継続されることを望みたいと思います。よろしくお願いいたします。
最後に、今回の補正予算、コロナ感染再拡大を防止する対策とともに、都民生活を支えるセーフティーネットの強化拡充が多く挙げられていると思います。
長引くコロナにより、経済的、精神的に影響を受けている方への支援は、今回の補正予算案で提案されていますセーフティーネットの強化を、きめ細かく対応していくことが大切であります。
改めて、取組に向けた局長の決意を伺いたいと思います。
○中村福祉保健局長 まず、今回のコロナ対策でございますが、感染が落ち着いている中で対策をしておくことが重要だと、こういうご指摘ございました。
先ほど来のご議論の中でもございましたが、私どもとしては、やはり五波の対応を踏まえた上で、感染状況に応じた病床、人材の確保、医療施設の整備、あるいは宿泊療養施設の重点化、自宅療養の往診体制の強化、こういうことを取り組んでおります。
そこの中で重要なことというのは、ご質問の中でございましたが、転院調整というご質問もございましたが、しっかりと機能した形にするということだと考えております。そのためには、やはり人材を確保するとともに必要な支援が必要な形で回る、こういうような仕組みをつくっていくと。こういうような中で一貫で、こういった転院調整も行っております。
こういったように、総合的にしっかり対策を取り組んでいくこと、そして先手先手に取り組んでいくこと、こういうことが重要だと考えておりまして、ここの中では、局一丸となってコロナには対応していきたいと思っております。
その上で、新型コロナウイルス感染症の流行によりまして、飲食業あるいは旅行業など、様々な多くの産業が影響を受けていると。失業やそれに至らなくても収入の大幅な減少などという経済的な困窮、あるいは先行きが見通せないという生活、心理面の不安の増大など、多くの方々が困難に直面していると。こういった中では、ご指摘のとおり、きめ細かな支援が必要であると考えております。
このため、これまでも生活福祉資金の特例貸付や低所得者のひとり親世帯に対する臨時給付金の支給のほか、社会不安に伴う児童虐待や配偶者からの暴力、自殺に関する相談体制の強化など、都民の暮らしを守る様々な取組を進めてきたところでございます。
しかしながら、この長引くコロナ禍の影響に対しましては、孤独、孤立など厳しい状況にある方々への支援も充実すること、これが重要だろうと考えておりまして、このため、今回の補正予算案においても、女性や子供、ひとり親家庭等に対する相談体制強化、あるいはひきこもりの方、その家族に対する理解促進のための広報、動画等を活用した自殺防止対策拡充に係る経費を計上しております。
また、TOKYOチャレンジネットを活用いたしまして、失業等の影響により住まいを失った方に、年末年始の宿泊場所を提供するなどの支援も強化しております。
やはり福祉あるいは健康、医療というのは、まさに行政の根幹と考えております。今後とも、様々な悩みや不安を抱える方々に寄り添い、誰もが安心して暮らせるセーフティーネットの充実強化に全力で取り組んでまいります。
○やまだ委員 ありがとうございます。
長引くコロナ禍の対応は、その時期時期によって必要な求められるもの、対応が変わってくると思います。
現在の対応とともに、先を見据えた対応も併せて考えていただきながら、まさに先ほどご答弁でありました先手先手の対応を想定していただきながら、必要な人に必要な支援が届くような取組を引き続きお願い申し上げまして、質問を終わります。
○桐山委員 それでは、私からも、既に他の委員からも質疑がかなり重なってきておりますが、年末年始における診療・検査体制の確保支援事業について伺いたいと思います。こちらの方も質問を絞っていきたいと思います。
この年末年始に新型コロナウイルス感染症の診療、検査を実施するということで、協力金、十二月二十九日から一月三日までの六日間のうち、一日以上、四時間当たり十五万円を基本として、それを超える場合には一時間ごと三万七千五百円を加算するという事業でございます。
今回は最大二ラインということで、職員の体制が診察の部屋で二ラインを準備できるところは、動線を分けるなどして対応すれば、そちらの方も最大二ラインまで支給をするということでございます。
これは昨年も、引き続きの事業なんですが、昨年は初めてということで、インフルの同時流行も併せて、本事業を行ったと思います。
今回も同じようにインフルの同時流行も懸念をされている中で、本事業が今回も取り組まれるわけですが、昨年取り組まれた医師の方からお伺いしたところ、年末年始ということで、一月一日の元旦というところがなかなか人気がないといいますか、お休みをされるという傾向もある中で、そういった休みのときに、できるだけ協力をしていただかなければならないという、そういった課題もあるのかなというふうに感じております。
また、一方で、区市町村においては休日診療がありまして、固定だったり、また輪番制で地区医師会の先生方が回って年末年始に備えるということも、各区市町村があるわけでございます。
そういったところも、しっかりと動線を分ければこの事業が使えるという、話を伺ってくる中での私の認識でおりますので、そういったことも併せて、しっかりと地域医療機関に協力をお願いし、また、あらかじめ万全の体制を整えるということで、ぜひその目的を達成するために、働きかけをお願いしていただきたいというふうに思っております。
私からの質問は、先ほども出ていたんですが、年末年始における今回のこの確保事業、昨年度も同等なんですが、今年度、もう既に事務連絡等において、詳細を十二月三日付、医師会と、また事務連絡で十二月六日付で、各管理者等に書面の方で送付をされているかと思いますが、その中で、特に事業実施に当たって改善をした点についてお伺いをしたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、患者が自ら診療・検査医療機関を調べることができるよう、今年九月から公表に同意した診療・検査医療機関の情報を都のホームページで公表しておりまして、年末年始に診療、検査を行う医療機関の情報についても公表することとしております。
今回の協力金の支給条件として、昨年度と違う点は、都のホームページでの公表を条件としておりまして、さらに、かかりつけの患者のほか、東京都発熱相談センターや都内の保健所からの紹介患者についても診療、検査を行うことを求めております。
より多くの医療機関に参画いただけるよう、東京都医師会等の関係機関とも緊密に連携しておりまして、引き続き、多くの方に参加いただけるように取り組んでまいりたいと思います。
○桐山委員 昨年と違うところというのは、昨年は非公表ということで、協力をしていただいていても、地域の方々にとっては、東京都発熱相談センターに連絡をして、近所のところで空いているクリニックを紹介していただくという内容だったかと思いますが、今回は要件として、都のホームページでも、いわゆる公表しますということです。
今回、こういったかかりつけ患者のほかに、市外とか区外の患者さんも、いわゆる発熱相談センターからとか都内の保健所からの紹介患者についても、積極的に受け入れてくださいということだと思います。
今回のこの通知を出していらっしゃる中身についても、しっかりと東京都発熱相談センターや都内の保健所からの紹介による発熱患者も診療をしっかり行ってほしいということと、また、こういったセンターからの紹介を正当な理由なく複数回断った場合は、東京都から状況確認等の連絡もさせていただくとか、少し厳しめといいますか、そういったことを条件に今回開設をお願いするということと併せて、しっかり公表もするよということだと思います。
これも先ほども委員からもありましたように、やはり地域の方に知っていただかないといけないということで、都のホームページも、公表でリンクとか張っていただくんだと思うんですが、市の、例えば地区医師会のところでは、そういった休日診療や輪番制等は地区医師会の中で回していただくんですけれども、この事業は、直接クリニックとの登録制ということで、いわゆる地区医師会が把握できない、例えば医師会に加盟していないクリニックさんも直接登録することが多分できると思うんです。
そうしたときに、地区医師会さんが全部状況を把握しているわけじゃないし、もちろん、例えば市の方とか区の方のホームページにリンクを張ってほしいとか、もう少し市民や区民の方々に情報を知っていただきたいんだけれども、その情報が都からどういうふうな状況で送られてくるのか、まだいまだ不透明なところもあるかと思うんです。
ですので、改めて、締切日もあると思うので、その締切日に合わせて、その後速やかに、区市町村にそういった協力をしていただく医療機関については公表していただいて、ホームページに掲載していただくとか−−市報とか区報って多分一月一日号とか皆さんあると思うんですが、そういったところは多分もう間に合わないと思うんですよね。ですので、できるだけ備えるという意味で、ぜひお願いしたいというふうに要望しておきたいと思います。
次に、フレイルの事業について、今、やまだ理事の方からも質疑があったところですけれども、事務事業のときにもフレイルについても質疑をさせていただきましたが、オンラインフレイル、対面、非対面のところも併せて、各区市町村が申請をしっかりしていただきたい。
今回この補正予算案には、介護予防・フレイル予防普及啓発事業ということで八百万円ということで計上されております。フレイル対策においては、都民一人一人がフレイルについて正しく理解をし、予防に努めるよう啓発を行うことが非常に重要かと思います。
そこで、この事業の具体的な内容についてお伺いします。
○山口高齢社会対策部長 都は、都民一人一人が、介護予防、フレイル予防に取り組めるよう、予防を進める上で大切な栄養、体力、社会参加、口腔の四つのポイントについて分かりやすく解説した動画を新たに作成することとし、今回の補正予算案に計上したものでございます。
動画の作成に当たりましては、専門人材の育成や区市町村への助言など、都における介護予防、フレイル予防の推進、支援の役割を担っている東京都健康長寿医療センターの豊富な知見を活用することを予定しておりまして、具体的な内容としましては、都民一人一人が予防に取り組む機運を醸成するとともに、生活習慣の改善に取り組めるよう、具体的な行動変容を促すものを検討しておりまして、例えば、高齢者が動画を見ながら一緒に体操などを行うことができるような実践的なものとし、今年度中の公開を予定しております。
○桐山委員 ありがとうございます。
コロナ禍においては、特にシニアの方々、シニアの予備軍の方々もそうなんですけれども、非常に生活不活発ということで、運動不足が懸念をされており、またこういったフレイルも、非常にフレイルに陥っていらっしゃる方々も多いのではないかというふうに感じています。
こうして動画を作られるということで、非常に有効かなとは思うんですけれども、今回、高齢者が動画を見ながら一緒に体操などを行うことができるような実践的なものというふうに今ご紹介がありましたが、例えば室内でできる簡単な体操や、地域のウオーキングマップ、作られていると思いますけれども、しっかりとこの地域のウオーキングマップを活用してみようとか、もう少し具体的な中身にしていっていただくような内容のものも、ぜひ検討していただきたいなというふうに思っています。
次ですけれども、活用方法ですが、先ほども活用方法についてもありました、区市町村としっかり連携すること、大事なことだと思います。
高齢者に身近な地域で広く活用していくことが必要と考えますが、具体的にどのように活用していくのかお伺いします。
○山口高齢社会対策部長 作成した動画は、東京都介護予防・フレイル予防ポータルサイトや東京動画での公開を予定しており、福祉保健局公式ツイッターなど、様々な媒体により、広く周知を図ってまいります。
また、区市町村にも動画を提供し、地域の通いの場などで高齢者が動画を見ながら一緒に実践していただけるよう、全区市町村の担当者が参加する介護予防推進会議等を通じて、積極的な活用を働きかけてまいります。
さらに、先ほどお話のございました今年度からコロナ禍においても介護予防、フレイル予防の取組を継続できるよう、オンラインツールを活用した予防活動について区市町村を通じて支援を開始しておりまして、こうしたオンラインを活用した予防活動においても、今回作成する動画の積極的な利用を働きかけてまいります。
○桐山委員 ありがとうございます。
東京都が作った動画とかを市とか区が、市町村がしっかりと把握をしていただいて共有していかないと、なかなか見る機会がないという実情もありますので、作りっ放しではなくて、しっかりと地域に落とし込んでいただいて、そして、こういった通いの場などでも積極的にフレイルサポーターとかそういった方々にも周知をしていただく中で、取組を実践していっていただきたいなというふうに思います。
また、今、来年度予算編成の段階でいると思うんですが、このフレイル予防につきましても、健康づくりといっても、やっぱり一くくりに何を今後やっていったらいいのかって前回もお話をさせていただいたと思うんですが、例えば産労の方では、デザインマンホール、アニメを使ったデザインマンホールとか、そういったものをデジタルにしながら、スマホを見ながら、そういったところに足を向けていくというようなことがあって、今度下水道局の方が、デザインマンホールは今熱いんだというふうに公表していただいたりとかして、そういったカードも人気があるということが他局の方でもあるわけです。
そういったところをぜひ、市区町村が作っているウオーキングマップとかがあると思うんです。そういうウオーキングマップと市区町村が連動して、ちょっとマンホールに寄ってみようという、ちょっとコースを延ばしてみたりとか、今後できるような形も−−私は、他局とやっている事業が、縦割りだからいろいろあると思うんですけれども、そういったものを活用しながら、例えばデジタルを使って、ウオーキング、まちを歩こうとか、そういったものにつなげていただくような施策展開も必要かなということがありますので、これは提案、要望しておきたいというふうに思います。
今回の補正予算、先ほどからもありましたけれども、コロナ対策ということで、スタート時は手探りで始まり、第五波があって、そして本補正予算案につきましては、第六波に備えて先手先手で対応して、第五波の対応を基に、最大ピーク時を基準として評価をしていく、そして医療機関等に対して加算や拡充をしているということだと思います。
そこについては大変評価もさせていただきますし、これまで局の皆様方も、非常に走りながら対策、対応していただけたことには、本当に敬意を表したいと思います。
これからも都民の命と健康をしっかり守っていただき、また、次年度予算につきましても取組を行っていただき、また皆様も健康に留意される中で、引き続きよろしくお願いしたいと存じます。
以上で質問を終わります。
○うすい委員 私で最後になりますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
昨年来の新型コロナウイルスの感染は、医療従事者の皆様、そしてまた都民の皆様、そしてまた事業者の皆様、また都や区市町村の職員の皆様の多大なご努力とご協力の下、世界の中でも群を抜くワクチン接種が進みまして、おかげさまで抑えられた状況が続いております。心から感謝を申し上げます。
しかし、新たな変異株であるオミクロン株の感染が世界的に拡大している中で、まだまだ予断を許さない状況が続いております。今後、感染第六波から都民の命を守るために、都議会公明党として、十一月二十四日に知事宛てに緊急要望をしたところであります。まさにそうした要望が反映された補正予算と考えますが、何点か確認のためにお伺いをしたいと思います。
まず一つ目は、先日の我が党の代表質問において、重症化防止の−−今までも出ていますけれども、抗体カクテル療法の体制整備を訴えましたが、今後、往診での投与を進め、高齢者などのリスクが高い人の重症化を防ぐという答弁をいただきました。
そこで、具体的にどのように進めていくのかお伺いいたします。
○内藤抗体カクテル療法促進担当部長 都では九月中旬から、往診による自宅での投与をモデル的に実施してまいりました。今般、自宅療養者等に対し、往診での中和抗体薬の投与を本格的に促進してまいります。
具体的には、往診により抗体カクテル療法など中和抗体薬投与を行う診療所等や、投与後の経過観察を行う訪問看護ステーション等を支援するほか、投与後二十四時間の患者急変時に対応を行うバックアップ医療機関への支援を実施いたします。
○うすい委員 ありがとうございます。
往診での抗体カクテル療法は、患者急変時にすぐに駆けつけられる、いわゆるバックアップをしてくれる医療機関との連携が必要であるわけでございまして、例えばこれ、やる気のある医療機関であっても、結構ハードルが高い面もあるかと思います。都としてしっかりと協力を募っていくことが、非常にこれは大切だと思います。
円滑にこの事業を行っていくために、どのように医療関係者の方々と連携を進めていくのかお伺いをいたします。
○内藤抗体カクテル療法促進担当部長 往診で投与を行うためには、投与後二十四時間の急変時に対応を行うバックアップ医療機関とあらかじめ連携する必要がございます。
都では、往診での投与を希望する診療所等を支援するため、中和抗体薬の取扱いがある二次救急医療機関かつ新型コロナウイルス重点医療機関に協力を依頼しまして、バックアップ医療機関の候補リストを作成いたしました。今後、往診での投与に取り組みやすいように、診療所等に情報提供いたします。
引き続き、東京都医師会や東京都訪問看護ステーション協会等の関係団体と連携し、医療機関等の確保を図り、円滑な事業実施に努めてまいります。
○うすい委員 自宅療養の患者急変に備える体制については、本会議等でも、先ほどかまた委員からもありましたけど、我が党より提案させていただきましたウエアラブル機器の活用についても、ぜひ有効活用を検討していただいて、またそれをお願いするとともに、また円滑に事業が実施されるようによろしくお願いをしたいと思います。
次に、今回の補正予算にゲノム解析による変異株の監視体制のために予算が計上されておりますが、予算化された理由について改めてお伺いをしたいと思います。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 新たな変異株の感染拡大を防ぐためには、都として変異株の感染状況を迅速に把握していくことが重要でございます。
都はこれまで、新たな変異株が発生する都度、変異株の有無を確認するPCR検査を行うとともに、東京都健康安全研究センター等におきまして、ゲノム解析等を実施してまいりました。
本年十月、国におきまして、全国的にデルタ株への置き換わりが進みましたことから、様々な変異株の発生動向を広く監視するためのゲノム解析を自治体主体で進めることが示されております。
これを踏まえ、新たな変異株の発生動向等を広く監視するため、新たに民間検査機関等も活用しましたゲノム解析を実施することといたしました。
○うすい委員 現在、新たな変異株でもあるオミクロン株が世界に広がりつつあり、日本国内でも空港検疫で確認されているわけですが、都は、変異株の監視体制をどうやって強化をしていかれるのかお伺いをいたします。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 変異株PCR検査は、迅速かつ幅広く特異な変異の有無を確認することができるという特徴がございます。
今回取りまとめましたオミクロン株に関する緊急対応におきまして、東京都健康安全研究センターが独自に構築しました変異株PCR検査手法を用いて、いち早く検査を開始いたしました。
現在、都内の陽性検体をできる限り集め、同センターに持ち込まれた検体は全て検査しておりまして、検査を開始しました今月三日から八日までの検査数は三十八件でございまして、全てオミクロン株疑いではなかったことが確認されております。
また、空港検疫等で確認されましたオミクロン株に感染した患者の濃厚接触者につきましても、同センターにおきまして、八日時点で二百五十四件のPCR検査を実施し、全て陰性であることを確認しております。
この手法を、近隣県をはじめとする他自治体と共有するほか、民間検査機関に対しましても、情報提供や意見交換を行い、変異株監視体制を強化してまいります。
○うすい委員 都は、新たなゲノム解析を、民間委託によって監視の強化をしていくということでありますが、どの程度の検査数を確保していくのか、またその数字の根拠となる理由をご説明いただきたいと思います。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 全国的にデルタ株への置き換わりが進んだ本年十月に、国は、自治体主体のゲノム解析を五%から一〇%程度実施するよう求めております。
これを踏まえまして、都は、民間検査機関を活用しまして、これまで都内の感染者数が最大でありました本年八月の新規陽性者数、約十二万九千件の約一〇%に当たります月当たり最大一万二千九百件のゲノム解析を実施できる予算を計上しております。
なお、今般のオミクロン株への対応としまして、東京都健康安全研究センターに加えまして、新たに民間検査機関を活用しまして、できる限りゲノム解析を実施してまいります。
○うすい委員 ありがとうございました。
そうしたゲノム解析されたその結果については、どのように活用されていくのかお伺いをしたいと思います。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 ゲノム解析は、詳細な遺伝子解析を行い変異を把握することで、オミクロン株など変異株を確定するほか、新たな変異株が発生していないか感染状況を把握することができるという特徴がございます。
ゲノム解析の結果につきましては、東京iCDCのゲノム解析に関する検討チームなどにおきまして、専門家で議論、検討するとともに、東京都のモニタリング会議におきまして、引き続き公表してまいります。
また、解析の結果判明しました遺伝子情報につきましては、新型コロナウイルスゲノムの情報などに関する世界共通のデータベースに登録することで世界中の科学者に共有され、感染の研究に活用されております。
○うすい委員 ありがとうございます。
世界の感染症の研究に活用されるとのことでございます。ぜひご努力いただきたいと思います。
また、デルタ株以外の新たな変異株が、まだ少数でありますけれども発生している中で、水際対策とともに、区市町村との連携が重要になってきますので、また変異株PCR検査なども含めて、体制の整備には、今から万全を期していただくことを要望させていただきまして、次の質問に移りたいと思います。
次に、ひとり親家庭就業推進事業について伺います。
新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、ある民間団体が行ったアンケート調査によりますと、シングルマザーのおおよそ七割が雇用や収入に影響があったと回答しております。
コロナ禍でのひとり親家庭のそうした状況について、まずはどのように認識をしておられるのか、見解をお伺いしたいと思います。
○奈良部少子社会対策部長 ひとり親家庭の親は、子育てと生計の担い手の二つの役割を一人で担っておりまして、負担が大きく、世帯収入につきましても、両親がいる世帯と比較いたしまして、ひとり親世帯は低い傾向にございます。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業所や学校の休業等により、雇用環境や世帯収入に影響があったひとり親家庭もあると認識しております。
○うすい委員 ありがとうございます。
コロナ禍で職を失ったひとり親家庭の就業については、例えば看護師さんのような資格を取得するためには、何年かかけて養成機関で学ぶ必要があるわけでございますけれども、この事業については、比較的短い期間で就職を目指す方を支援するものと聞いております。
具体的に、どのようにひとり親を支援するのか、事業の仕組みについてお伺いをしたいと思います。
○奈良部少子社会対策部長 本事業では、一人一人の希望や適性を踏まえた個別支援計画を策定いたしまして、それに基づき、専門知識の習得等に向けた実践的なスキルアップ訓練を実施いたします。
訓練終了後は、ひとり親が働きやすい企業の求人情報を提供するほか、習得したスキルや能力を生かして就業できるよう、企業とのマッチングも行ってまいります。
また、職場に定着できるよう、就職後もきめ細やかなアフターフォローを行うなど、継続的に支援してまいります。
事業の実施に当たりましては、企画提案方式で委託事業者を選定するなど、民間事業者のノウハウを活用してまいります。
○うすい委員 先ほど看護師さんなどの資格を有する仕事について、もしそうした方がいらっしゃいましたら、丁寧に就労につながるように支援をお願いしたいと思います。
また、ひとり親家庭の就業推進事業ですが、やはりこうした事業があるということを、周知を十分に行わなければ、応募者が集まらなかったり、せっかくつくったのにいわゆる宝の持ち腐れのようになってしまっても困りますので、広報、周知をしっかりとやっていただきたいと思うわけですけれども、どのように行っていくのか、見解を伺います。
○奈良部少子社会対策部長 多くの方々に本事業を利用していただくためには、ひとり親の方々に確実に情報が届くよう、効果的な方法で周知する必要がございます。このため、事業者の選定に当たりましては、広報活動についても提案を受け、その内容も踏まえた上で決定する予定でございます。
また、都のホームページに掲載するほか、民間のひとり親支援団体などの協力も得ながら幅広く周知するとともに、ひとり親家庭支援センターや福祉事務所等を通じまして、個別に働きかけてまいります。
○うすい委員 今ご答弁いただいたとおり、やはり区市町村との連携が非常に大事になってきますので、その点も含めてしっかり取組をしていただきたいと思います。
先ほど、新型コロナウイルス感染症の影響によって、シングルマザーの七割の方が雇用、収入等、影響があったというふうにアンケートでも出ておりますので、非常に重要な事業だと思っております。
支援規模がおおよそ百人ぐらいと伺っておりますけれども、恐らくこれはきめ細かく行っていく意味があるのかなと思っております。ただし大事な事業ですので、人数については多少のオーバーがあっても、こうした状況でございますので、柔軟に対応していただくことを要望いたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○おじま委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
○おじま委員長 次に、議員提出議案第二十一号及び第二十二号を一括して議題といたします。
本案について提出者の説明を求めます。
○藤田委員 東京都子どもの医療費の助成に関する条例並びに東京都青少年の医療費の助成に関する条例について、提出理由を説明いたします。
初めに、東京都子どもの医療費の助成に関する条例です。
現在、東京都は、市町村が行う中学生までの子供への医療費助成を行っていますが、所得制限があり、小学生以上の子供は通院一回二百円の自己負担があります。入院時食事療養費も自己負担となっています。
本条例は、子供の医療費助成の所得制限をなくし、通院の自己負担、入院時食事療養費の負担もなくすものです。市町村がこの範囲で行う医療費助成に対し、三分の二の補助を行います。
現在、区部では、既に全ての自治体で中学卒業まで所得制限がなくなり、通院も無料化されているのに対し、多摩地域と島しょ地域では、多くの自治体で所得制限と通院費の負担があり、地域による格差が生じています。
また、入院時食事療養費は、二〇一五年度まで一食二百六十円でしたが、四百六十円まで値上げされ、一日で千三百八十円、三十日で四万一千四百円と重い負担になっています。
地域間格差を是正し、子供の医療費負担を軽減するため、本条例を提出するものです。
施行年月日は、二〇二二年四月一日です。
続いて、東京都青少年の医療費の助成に関する条例です。
区市町村が行う、中学校卒業後十八歳になる年度の年度末までの子供への医療費助成に対して補助を行います。子どもの医療費の助成に関する条例と同じく、所得制限、自己負担はなく、補助率は三分の二です。
現在、福島県、鳥取県、静岡県、茨城県が、十八歳までの医療費助成を行っています。区市町村レベルでは、厚生労働省の資料によると、二〇二〇年四月一日時点で、全国で通院は四二・二%、入院は四六・一%の自治体が、十八歳までの医療費助成を実施しています。
子育て支援の充実のため、都としても行う必要があります。現在は、子供の医療費助成が中学生までとなっているため、中学生でなくなると医療費の自己負担が大きく増え、受診抑制につながっています。
都が二〇一六年度に実施した子供の貧困に関する実態調査では、医療の受診を抑制した理由として、自己負担金を支払うことができないと思ったためと回答した割合は、中学二年生の保護者では〇・九%だったのに対し、十六歳から十七歳までの子供の保護者では二・七%と高くなっていました。十六から十七歳の困窮層の保護者ではさらに高く、一八・八%に上っていました。
子供の貧困対策のためにも、子育て支援のためにも、子供の医療費助成の対象となる年齢を拡大する必要があるため、本条例を提出するものです。
施行年月日は、二〇二二年四月一日です。
この二つの助成条例に関わる必要経費は、中学生までの医療費助成が約四十九億円、十八歳までの医療費助成が約四十二億円、合わせて約九十一億円を見込んでいます。
以上で説明を終わります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○おじま委員長 説明は終わりました。
これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉保健局関係を終わります。
○おじま委員長 これより病院経営本部関係に入ります。
報告事項、地方独立行政法人東京都立病院機構第一期中期目標(素案)についてに対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
報告事項及び請願陳情については、いずれも関連がありますので、質疑を併せて行いたいと思います。ご了承願います。
初めに、請願三第一〇号及び陳情三第六三号は内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○谷田経営企画部長 それでは、お手元の資料、厚生委員会付託請願・陳情審査説明表を二枚おめくりいただきまして、一ページをお開き願います。
整理番号1、請願三第一〇号についてご説明申し上げます。
この請願は、豊島区の人権としての医療・介護東京実行委員会事務局の窪田光さん外五万九千三百六十七人から提出されたものでございます。
請願の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいとしまして、全五項目から成るものでございます。
このうち、第二項から第五項につきましては、去る十一月二十六日の委員会において福祉保健局より説明がございましたので、私からは、第一項、新型コロナウイルス感染症対策で重要な役割を果たしている都立病院、公社病院の地方独立行政法人化を中止し、都直営で運営することにより、医療体制を充実させることについて、現在の状況を説明させていただきます。
都立病院、公社病院は、コロナ対応において、感染状況に応じて確保病床を順次拡大し、他の医療機関で対応が困難な患者等の受入れに率先して取り組んでおり、この役割は独法化後も変わるものではございません。
独法化により、機動的な病院運営が可能となるため、コロナのような感染症や災害などの緊急事態においては、医療資源を最大限活用し、都の方針の下、状況に応じた医療提供体制の強化を迅速に図っていくことができます。
引き続き、行政的医療をはじめ、都民に必要な医療を確実に提供するため、独法化の準備を着実に進めてまいります。
三ページをお開き願います。整理番号2、陳情三第六三号についてご説明申し上げます。
この陳情は、墨田区の都立病院の地方独立行政法人化に反対する東部地域患者・市民の会代表の岸上真寿美さん外三人から提出されたものでございます。
陳情の要旨は、都議会において、次のことを実現していただきたいとしまして、第一に、都が令和四年度から実施を予定している都立、公社病院の地方独立行政法人への移行を直ちに中止、撤回するよう決議すること。
第二に、都立、公社病院の地方独立行政法人への移行を認可しないよう、国へ意見書を提出することというものでございます。
現在の状況についてご説明いたします。
独法化の目的は、医療環境が大きく変化する中においても、感染症医療をはじめとする行政的医療の安定的な提供などの役割を将来にわたって果たし続けることでございます。
地方独立行政法人においては、採算の確保が困難な医療について、運営費負担金として、都が現在と同様に負担することが法定されており、独法化後もこれまでと同様に都が確実に財源を措置してまいります。
また、独法化のメリットを生かし、より働きがいにつながる人事、給与制度や、柔軟な勤務制度などを構築することで、職員にとってさらに働きやすく、安心して働ける環境を整備し、医療人材を安定的に確保していくこととしております。
引き続き、行政的医療をはじめ、都民に必要な医療を確実に提供するため、独法化の準備を着実に進めてまいります。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○おじま委員長 説明は終わりました。
念のため申し上げます。本件中、福祉保健局所管分に対する質疑は既に終了しております。
次に、報告事項については、既に説明を聴取しておりますので、これより報告事項及び請願陳情に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○浜中委員 それでは、私の方から、第一期中期目標について、全般的に質問させていただきたいと思います。
都立、公社病院の独法化について、今回、中期目標の素案が示されました。
中期目標は、法人が担うべき医療等について、都が法人に指示するものであり、大変重要なものであります。
今回の素案では、大きな考え方として、一、医療環境が大きく変化していく中でも、行政的医療を安定的、継続的に提供していくこと。
二、東京都地域医療構想の実現に向けて、地域医療の充実へ貢献していくこと。
三、コロナも踏まえ、新たな課題にも率先して取り組んでいくことの三点が示されました。
独法化のメリットを生かして、効率的、効果的な運営を行いながら、こうしたことを実現していくということだと思うので、中期目標の内容について確認をさせていただきます。
まず、中期目標の中でも、医療提供の内容の指示は重要な要素の一つであります。中でも、行政的医療の提供は、独法化後の都立病院が担っていくべき大きな役割の一つであり、引き続き充実強化をしていかなければなりません。
行政的医療は、平成十三年に策定された都立病院改革マスタープランで初めて考え方が整理され、その後、時代とともに医療課題の見直しがされておりますが、今回はどのような考え方で法人への指示を記載しているのかをお尋ねいたします。
○船尾計画調整担当部長 都立病院はこれまで、行政的医療を適正に都民に提供し、他の医療機関等との適切な役割分担と密接な連携を通じて良質な医療サービスの提供の確保に取り組んでまいりました。
今後とも、行政の関与が必要な災害医療や感染症医療など行政的医療におきまして、東京の医療のセーフティーネットとしての役割を果たすとともに、採算の確保が難しい医療や一般医療機関では対応困難な医療、新たな医療課題に対して先導的に取り組む必要がある医療など、これまで担ってきた行政的医療を踏まえ、その時々で必要な医療を提供していく必要がございます。
このため、第一期の中期目標では、行政的医療につきまして、都立病院新改革実行プラン二〇一八と同様の考え方や医療課題を示し、医療環境の変化に応じ、適正に提供していくことを法人に求めたものでございます。
○浜中委員 今ご答弁にもありましたとおり、行政的医療は新たな医療課題への対応など、医療環境の変化に応じて変わっていくものであります。
今回の中期目標では、現在のプランと同様の考え方を示しているとのことでございますが、都内の医療機関との役割分担と連携の中で、都民に必要な医療が提供できるよう、都民の医療ニーズや他の医療機関での対応の状況などを踏まえ、その時々に応じた医療を提供していくべきであると私は考えます。
中期目標の素案では、各医療の提供について、がん医療、救急医療などが医療課題ごとに示されておりますが、地域医療構想の実現に向けた取組も重要であります。
患者が住み慣れた地域で必要な医療が受けられるよう、地域のニーズを踏まえ、地域に不足する医療等について機能強化を図り、補完的な役割を果たすことも必要であります。地域で必要とされている医療の提供についても、独法化のメリットを生かして、体制強化が図られるように引き続き検討をしていただきたいと思います。
また、都立病院新改革実行プラン二〇一八において、都の医療政策への貢献として、いわゆる五疾病五事業、がん医療や精神科医療などが記載されていたのと比較すると、今回の中期目標では、総合医療の提供が盛り込まれたということが特徴であるかと思います。
総合医療の提供を中期目標に盛り込んだ考え方について、具体的に教えてください。
○船尾計画調整担当部長 高齢化の進展に伴いまして、複数疾患を有する患者が増加することが予測されており、臓器別の診療科の枠を超えた総合的、包括的な診療のニーズが高まっていることから、総合診療医の育成が課題となっております。
このため、中期目標では、大学や地域医療機関等とも連携しながら、様々な疾患に対応でき、全人的な医療が提供できる総合診療医の確保、育成を図ることを求めるものでございます。
また、入院患者に内在する様々な疾患に対応することや診療科が特定出来ず診断が難しい紹介患者を受け入れるなど、多様な症例に一層対応できるよう総合診療科を充実させていくことを中期目標を通して求めるものでございます。
○浜中委員 超高齢化社会を迎える中で、総合診療の分野はますます重要になってくるかと思います。地域ともしっかり連携をしながら、専門人材の育成をはじめ、先導的な取組を検討していただきたいというふうに思います。
また、高齢化で医療、介護需要が増加する中、地域包括ケアシステムを構築していくためには、それを支える地域の医療機関や介護関係者などの人材育成も重要であるかと思います。
独法化後は、民間医療機関等との人材交流や人材派遣なども可能となるので、都立病院が持つ専門性や医療資源を活用し、積極的に取り組むべきであると考えます。
中期目標には、地域の医療水準向上の支援が盛り込まれておりますが、その考え方について教えてください。
○船尾計画調整担当部長 高齢化により、医療、介護需要が増加する中、住み慣れた地域で安心して療養生活が送れるよう、地域包括ケアシステムの構築が重要であり、地域におきましては、増加する在宅医療などのニーズに応えるための人材の育成が求められております。
独法化後は、地域の医療機関等との柔軟な人材交流が可能となりますことから、それぞれの病院の強みや特性を生かして、地域の医療機関等に対し、医師、看護師、薬剤師等の職員による技術協力や、地域の医療従事者の研修医受入れ等を積極的に行うなどによりまして、地域医療を支える人材の育成を支援していく必要がございます。
こうしたことを法人に求めるために、中期目標に地域の医療水準の向上を支援していくことを盛り込んでございます。
○浜中委員 ありがとうございます。
独法化のメリットを生かして、病院ごとの地域性や専門性に応じて、具体的な取組を検討していただきたいというふうに思います。独法化をして医療水準が上がった、これは非常に大切なことであるかと思いますので、丁寧に進めていただきたいと思います。また、島しょ医療が向上することも併せて期待をしたいというふうに思っております。
今回のコロナを踏まえると、災害や感染症への備えも重要であります。中期目標では、災害や公衆衛生上の緊急事態への対応として、有事の際の取組も盛り込まれております。
感染症の緊急時に、都立病院が都全体の対応方針の下で率先して対応することが重要であることは、このコロナの状況でも明らかであり、今、非常に大きな役割を担っているのは周知の事実であります。
しかし、いざというときに機動的に対応するためには、平時から安定的に専門人材を確保、育成するほか、地域の対応力を高めていくことも必要であります。
公衆衛生上の緊急事態に対する平時からの備えについては、どのような考え方で中期目標に盛り込んでいるのか、都の見解をお伺いいたします。
○船尾計画調整担当部長 今回のコロナ対応におきまして、感染状況に応じて迅速に受入れを拡大するためには、対応する看護師等に対しまして、専門知識の習得や防護服の脱着などの訓練が必要だったことから、より機動的な対応に向けまして、有事の際に即戦力となる看護師の育成が重要であると認識をしております。
また、地域の介護施設等でクラスターが発生する例が多くあったことから、日頃からの感染対策の徹底など、地域の対応力強化も重要と考えております。
このため、中期目標には、平時から専門人材の確保、育成に取り組むとともに、都や保健所等との関係機関と連携し、地域における感染症対応力を強化していくことを盛り込んでございます。
○浜中委員 今回のコロナのような感染症でいえば、より機動的に対応するためには、独法化のメリットを生かして、平時から安定的に専門人材を確保するとともに、感染管理に関するトレーニングを積み、有事の際に即戦力となる看護師等の人材を育成していくことも欠かせないと思います。
また、感染症の専門医だけではなく、オールラウンドに診られる救急や総合医療の医師が戦力として活躍したという話も聞いております。先ほど総合診療医の育成の話がありましたが、感染症の対応力を強化するためにも、総合診療医の育成が必要と考えます。
こうした人材育成についても、ぜひ中期計画に具体的に盛り込んで、しっかりと取り組んでほしいというふうに思います。
また、大規模災害や新たな感染症のパンデミックを想定した際、都全体としてどのような医療提供体制が必要なのか、また、その中で都立病院がどういう役割を果たしていくべきなのか、都の医療政策と連携しながら検討を進めるべきであるというふうに考えます。新たな都立病院が役割を果たせるよう、具体的な取組を引き続き検討していただきたいというふうに思います。
こうした感染症医療をはじめとした行政的医療や地域に必要とされる医療を将来にわたって安定的に提供していくためには、それを支える持続可能な病院運営のための経営基盤の強化も必要であります。
中期目標にも財務内容の改善について、収入の確保と費用の削減に努めるとあるが、どのような考え方で盛り込まれているのか、都の見解をお伺いいたします。
○船尾計画調整担当部長 将来にわたりまして、行政的医療等を提供し続けていくには、持続可能な病院運営が不可欠でございます。
このため、経営基盤の強化が必要であり、これまでも医療連携の推進による新規患者の受入れ、共同購入の推進や後発医薬品の採用拡大による医薬品、診療材料費の節減など、様々な経営改善に取り組んでまいりました。
独法化後は、医療ニーズを迅速に把握し、柔軟に人材を確保することで、機動的に医療提供体制を強化することや診療報酬改定に速やかに対応して、上位の施設基準を取得するなどの取組を行うことで、医療サービスを充実向上させながら、収入の確保にも努めていくことが必要でございます。
また、十四病院のスケールメリットを生かした共同購入や多様な契約手法の活用等によりまして、費用の節減にも努めていかなければなりません。
法人の役割を安定的に果たしていくためには、法人にこうした取組を促し、財務内容の改善に努めていくことが必要であり、中期目標に盛り込んでございます。
○浜中委員 都立病院は、都民の税金を使いながら運営しているので、最少の経費で最大のサービスが提供できるように、引き続き経営努力は必要であります。
都民に必要な医療を安定的に提供し続けるためには、盤石な経営基盤が必要であり、効率的、効果的な病院運営についても、独法化のメリットを生かし、できることは進めていただきたいというふうに思います。
独法化をすることによって、医療の質が上がる、経費は削減できる、こういうことがあれば、それは一番都民にとっても、税金で運営していることですから非常によいことだと思います。
丁寧に、現場の声等も聞きながら、進めていっていただきたいというふうに思いまして、私の質問を終わらせていただきます。
○桐山委員 それでは、私からも、中期目標の素案について質疑をさせていただきます。
今回、都立病院機構の中期目標の素案が示されました。
独法化後の行政的医療をはじめとする医療の充実強化が円滑に進むためには、外部の意見も聞きながら、中期目標を策定していくことが重要であると考えております。
中期目標の作成に当たっては、外部有識者で構成される評価委員会のほか、都民の意見を幅広く参考とするため、都民アンケートを実施したとのことでした。
その実施結果と、どういう点を参考にして中期目標の素案を作成したのかお伺いいたします。
○船尾計画調整担当部長 アンケートでは、独法化後の都立病院が担うべき医療等につきまして、都民ニーズも参考にしながら検討するため、都内在住、在勤、在学者を対象に、病院経営本部のホームページで実施したほか、都内在住者三千人を対象にインターネットモニターアンケートを委託して実施いたしました。
この結果でございますが、行政的医療の提供や地域の医療水準向上に貢献していく役割や取組等につきまして、必要である、どちらかといえば必要であるとの意見がおおむね七割以上ございまして、引き続き取組を求める声が多数を占めたものでございました。
特に医療につきましては、コロナなど感染症医療の強化を求める声が多数あったほか、民間の医療機関では対応困難な医療に取り組むべきがん医療、救急医療などの各医療につきましても、充実強化すべきとの意見があり、それらも参考にしながら中期目標の素案を作成してございます。
○桐山委員 ただいまご答弁ありましたように、都民アンケートでも、民間の医療機関では対応困難な医療、つまり行政的医療につきまして、この都立病院に期待を寄せる意見が大変多かったということでした。
こうした行政的医療を中期目標の中にしっかり書き込んでいき、また、都が法人に指示することは大変重要です。しかし、行政的医療は不採算であるということは、これまでも何度もいわれておりますように、その役割を担い続けるためには、都からの財政措置は不可欠でございます。
現在、都立病院は一般会計からの繰入金、公社病院は運営費補助金として財政措置の仕組みがありますけれども、独法化後の行政的医療に関わる財政措置がどのようになるのか、改めて伺っておきます。
○船尾計画調整担当部長 民間医療機関だけでは対応が困難な医療など、行政的医療の提供は独法化後の都立病院の重要な役割でございます。
これまで都立病院は、行政的医療につきまして、一般会計からの繰入金が措置をされており、また、公社病院は、地域医療連携推進経費や行政的医療等に係る病院運営費等につきまして、運営費補助金が措置をされてまいりました。
行政的医療は採算の確保が困難であり、独法化後もその経費について現在と同様に都が負担する仕組みが法定されており、着実に行政的医療を提供するための運営費負担金につきましては、現在の公社病院も含め、確実に都が負担してまいります。
○桐山委員 法人の役割、こちらも定款にもしっかりと行政的医療について定めたということは、非常に大きいことだと思います。
先ほどもありましたように、行政的医療は不採算ということで、引き続き行政的医療が確実に提供できるように、必要な財源をしっかり確保していただきたいと考えております。
また、こうした行政的医療の中でも、今回、コロナのような感染症につきましては、感染拡大時、緊急時に迅速に都立病院が対応するということは非常に重要です。都民のアンケートの中でも、答弁でもありましたように、そうした役割を期待する声も多く寄せられていたとのご答弁でした。
現在は感染が落ち着いている状況でございます。また、オミクロン株への感染拡大についても注視するとともに、第六波への備えや将来の新興感染症への備えが必要です。そうした事態に、都立病院が率先して対応していってほしいと思っております。
このことにつきましても、独法化後も確実に対応されるべきと考えておりますが、都の見解を伺います。
○船尾計画調整担当部長 コロナのような感染症の緊急事態に率先して対応することは、都立病院の重要な役割であり、独法化後も変わることはございません。
このため、先般ご議決をいただきました定款に、法人自らの役割として、公衆衛生上の緊急事態の対応を定めるとともに、緊急時に都の指示の下で対応することも定めてございます。
こうした法人の役割や定款の趣旨を踏まえまして、法人が適切に対応していくことになりますが、都が法人に指示する中期目標におきましても、都や関係機関と連携しながら体制を強化し、患者を率先して受け入れることや地域のクラスターが発生した施設等に対して、感染拡大防止等の支援を行うことなど、具体的な目標を定め、確実な実施を求めていくこととしております。
○桐山委員 ただいまご答弁ありましたように、コロナのような感染症の緊急事態につきましても率先して対応し、しっかりと都立病院の役割だということが独法化後も絶対変わらないんだというご答弁でした。
中期目標にも、この緊急時の取組を促すことをしっかりと明記することは大賛成です。また、具体的な取組として中期計画に盛り込むと思いますが、独法化のメリットを生かして、これまで以上に対応できる体制をつくっていくべきであります。
次に、都立病院のもう一つの大きな役割を担っておりました地域医療の充実への貢献について、普及啓発の必要性の観点から伺っていきたいと思います。
これまで我が会派は、誰もが生き生きと暮らし続ける健康長寿社会を実現するために、一人一人が健康意識を高め、そして疾病の予防や健康づくり等に積極的に取り組み、健康寿命を延伸していくということも大変重要であると訴えてきました。
中期目標には、健康づくりや予防に関する普及啓発についても記載をされております。どのような考え方で盛り込んだのか、見解を伺います。
○船尾計画調整担当部長 高齢化が進展する中、病気の治療だけでなく、生涯現役で活躍できるよう、予防や健康づくりに向けた普及啓発は重要でございます。
都立、公社病院では、これまで各病院におきまして、病気の予防や理解等の普及啓発を目的に、地域住民向けの公開講座などを定期的に開催するほか、平成三十年度からは、公開講座を体系化したTokyoヘルスケアサポーター養成講座、こちらを実施いたしまして、修了者をサポーターとして認定することで、地域の健康づくりの支え手として活躍してもらうことを目指す取組も行っております。
今後、地域の自治体をはじめ、多様な主体と連携しながら、こうした取組をさらに充実させ、都民の健康意識を高めていくことが必要であり、中期目標を通しまして、都民の健康増進及び疾病予防に向けた普及啓発の推進を求めることといたしました。
○桐山委員 都立病院は、ヘルスケアサポーター養成講座などの取組を進めてこられました。健康づくり、予防などは、区市町村が主体となって行う業務ではございますけれども、都立病院の知見を生かして、活用して、そして地域の自治体とも連携をしながら、ぜひ独法化後も、それぞれの病院の役割や特性、地域ニーズを踏まえて、様々な取組を実施していただきたいと思います。
また、こうした取組は、都民のための病院として都立病院を受診する患者さんだけでなくて、都民に還元できるものでありますので、そうした観点からも、ぜひ独法化後も変わらなく、積極的に推進をしていただきたいと思います。
また、今回の中期目標の素案の中に、その他の業務運営に関する重要事項として、DXの推進について盛り込まれております。
どのような考え方でDXの推進について盛り込んだのか、見解を伺います。
○船尾計画調整担当部長 都では、行政サービスの質の向上のため、全庁的にDX、デジタルトランスフォーメーションの推進に取り組んでございます。病院の現場でも、診断におけるAIの活用やICTの活用による診療情報の共有などの様々な技術革新が進んでございます。
こうした技術革新のスピードに合わせて、様々な技術を迅速に導入、活用しながら、医療の質の向上や患者サービスの向上につなげていくことが必要であり、中期目標を通しまして、病院運営におけるDXの推進により、QOS、クオリティー・オブ・サービスを一層向上させていくことといたしました。
○桐山委員 医療の質の向上や患者サービスの向上とともに、ICTの活用により、地域医療機関等との診療情報を共有することや業務を効率化することで働き方改革につなげていくことも重要です。
様々な部分で病院運営にDXの推進は欠かせないと思いますので、ぜひ迅速な経営判断が可能となる独法化のメリットを生かして、積極的に進めていくべきであります。
また、先日の厚生委員会でも、我が会派から菅原委員が質疑をしました。こうした取組を推進するに当たっては、Wi-Fiなどの基盤の整備は欠かせません。今すぐ患者サービスの充実につながるものでありますので、Wi-Fiの整備については、独法化を待たずに、都立、公社病院として速やかに進めていただくよう要望し、質問を終わります。
○おじま委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後六時休憩
午後六時十五分開議
○おじま委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○伊藤委員 それでは、私からも、地方独立行政法人東京都立病院機構第一期中期目標素案について質問をしてまいりたいと思います。
これまでも申し上げてまいりましたけれども、都立、そしてまた公社病院につきましては、これまで率先してコロナの対応に当たっていただきましたこと、心から敬意を表したいと思います。
先ほどの報道では、オミクロンの患者が新たに八人国内で確認されたということでございます。今後も本当に気を許せない状況でありますけれども、このコロナのような感染症医療は行政的医療の最たるものでありまして、こうした行政的医療について、独法化後も確実に役割が果たせるように、この中期目標の素案に災害や感染症などの緊急時の対応がしっかり盛り込まれているということでございます。
中期目標は、法人が達成すべきものとして都が示すものでありまして、独法化後、都が求める行政的医療、そしてまた地域医療の充実の貢献、また質の高い医療の提供など、確実に提供されているかどうか、確認してチェックをしていくことが重要であります。
そこで、まず初めに、中期目標が掲げた内容の取組状況等をチェックする仕組みについて、独法化後はどのようになっているのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 医療の質や患者サービスを向上させていくためには、計画、実行、評価、改善を繰り返す、いわゆるPDCAサイクルが重要でございます。
独法制度には、法及び都の条例によりまして、議会の議決を経て定める中期目標に基づき、法人が中期計画、年度計画を作成し、毎年度の業務実績等について外部の評価委員会の意見を聞いた上で、知事が評価して議会に報告するなど、評価委員会や議会のチェックを受けながら改善につなげる仕組みがございます。
こうした仕組みに加えまして、法人独自の取組として新たに設置する外部有識者から成る会議体や病院ごとに設置している運営協議会などで、様々な関係者から意見を聞きながら改善を図っていくことを検討しており、都民や地域ニーズを踏まえたよりよい医療サービスの提供につなげてまいります。
○伊藤委員 幾重にもチェックする体制、これを検討していただいているということでありました。また、法人独自にも、そしてまた各病院単位でも、外部の有識者から意見を聞くという仕組みがあるということでございます。大変に意義の大きいことだと思います。
一方、どういう関係者から意見を聞くのかということも非常に重要でございますので、今後、構成などもしっかりと検討していっていただきたいと思います。
今回は、本委員会に中期目標の素案が示されたわけでありますけれども、これから策定する中期計画あるいは年度計画についても、法人の役割が果たせるように、しっかりと検討してほしいと思います。
また、それが実現できたかどうかが大事でありますので、都民にとってよりよい医療の提供につながるよう、評価の仕組みも検討していっていただきたいと思います。
次に、この中期目標素案の内容について幾つか伺ってまいりたいと思いますけれども、本日の新聞報道に「都立・公社病院独法化大詰め(上) コロナで硬直性浮き彫り」、このコロナの状況の中で、より柔軟性が重要なんだという内容、そしてまた、「時代に即した改革必要に」、こう書いてありました。
この記事の中には、災害時や新型コロナのようなパンデミック時に、独法が都の要請に応えなくなるのではないかと不安視する声もあると。都は、独法の定款や策定中の中期目標の中で、緊急時は都の指揮下に置くと明記するなど、懸念の払拭に努めていると、こういう記事が出ておりました。
今回の中期目標では、今、記事にあったように、災害や感染症、公衆衛生上の緊急事態への対応として、有事の際の取組を別に項目を特出しして記載をしているわけでありますけれども、その考え方について伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 災害医療や感染症医療は行政的医療の最たるものであり、都立病院が平時から体制の強化を図るなどによりまして、もしものときに備えることはもちろん、有事の際に率先して対応していくことが必要でございます。
とりわけ、有事の際に、都立病院が効率的、効果的に医療を提供していくためには、都の災害医療体制や感染症医療体制の中で、都内の各医療機関との役割分担の下、都の方針に沿って率先して対応していくことが重要となります。
このため、法人は、災害や公衆衛生上の緊急事態等への機動的な対応を想定した取組を、都との連携を密にしながら平時から行っていくことが必要であり、法人が特に意識して取り組むべきものとして強調をしてございます。
○伊藤委員 答弁にもありましたとおり、緊急時の対応は平時のときからの行動が本当に重要だと思いますので、平時からしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
今回のコロナ禍で五回に及ぶ拡大の波の教訓を私たちは経験してきたわけであります。有事の際には、都の方針の下で対応することを中期目標として明記し、確実に対応できるようにするということは非常に重要でございます。
また、このことは、いつか来る首都直下地震や豪雨などの災害時にも同じく重要でありますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
一方で、超高齢社会に向けて、都民に必要な医療が確実に提供できる体制づくりも重要であります。十四の病院では、それぞれ、がん医療、救急医療、周産期医療、小児医療、精神科医療など、特色ある医療を提供しております。
こうした医療について、都立病院新改革実行プラン二〇一八を踏まえて、中期目標では各医療の提供について定められております。
中でも、がん医療については、国民の二人に一人ががんになり、三人に一人ががんで亡くなる時代であり、国民病ともいえるわけであります。都立、公社病院でも、駒込病院のようながん専門の病院だけでなく、その他の多くの病院がそれぞれの機能や強みに応じたがん医療を担っているわけであります。
そこで、がん医療については、どういう考え方で中期目標に盛り込んだのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 高齢化に伴いまして、がん患者が増加するとともに、一般の医療機関では対応が困難な複数疾患を合併するがん患者等も増加していくことが見込まれております。また、医療技術の進歩は目覚ましく、遺伝子検査や免疫療法など、治療の選択肢の多様化、高度化が進んでございます。
こうした医療環境の変化を踏まえ、各病院がそれぞれの強みを生かしながら、都民や地域の医療ニーズに応じたがん医療を提供していくことが必要であり、中期目標におきましては、質の高いがん医療の提供とともに、一般では対応困難な難治性がんや再発がん、合併症を伴うがん患者に対し、対応することを求めることとしております。
○伊藤委員 がん医療につきましては、先日の都議会公明党の代表質問でも、重粒子線の治療、これが都立病院でできるように求めたところでありますけれども、これについてもしっかりと取り組んでいただきたいと改めて望むものであります。
また、そのほかにも、がんゲノム医療など、新たな治療技術が次々に登場しており、医療の高度化に合わせて、高度専門的医療をさらに充実させていくべきと考えます。
また、AYA世代のがん、働く世代の仕事と治療の両立の課題など、患者のライフステージに合わせた支援も必要であります。
中期目標はあくまで目標なので、総論的な記載かもしれませんけれども、今後、中期計画や年度計画の中では、ぜひこうした課題が前に進むように検討していっていただきたいと思います。
また、小児医療については、小児総合医療センターが高度専門的な小児医療の拠点となっているとともに、その他の病院でもそれぞれの機能に応じた小児医療を提供しております。
少子化で子供の数が将来的に減っていくことが予測されるものの、対応できる医療機関は限られているため、都立病院として独法化後も必要な小児医療を充実させていくべきというふうに考えます。
小児医療については、どういう考え方で中期目標に盛り込んだのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 小児医療は、患者が自らの症状を的確に表現できないため、一般的な症状が急に進行することがあるなど、救急医療体制の確保が重要でございます。
また、小児がんや新生児外科等で扱う特殊疾患は、患者数が少ないため、対応できる医療機関が限定的であり、都における小児医療の拠点として、小児総合医療センターにおきまして、一層の体制強化が求められております。
今後も高度専門的医療はもとより、様々なニーズに対応できるよう体制強化を図っていくことが必要であり、中期目標では、総合的な救急医療や重症、重篤な救急患者への対応とともに、質の高い小児医療の提供、小児がんなど一般医療機関では対応が難しい患者に対応することなどを求めることとしております。
○伊藤委員 子供の健康を守り、安全・安心に育てる環境の整備のために、小児救急医療の体制の確保や、ほかでは対応できない高度専門的な小児医療を充実させることは重要であります。
また、近年の小児医療の進歩によって、先天性疾患や小児がんなど多くの命が救われるようになりましたけれども、その一方で、長期にわたる継続的な治療や後遺症、合併症への対応など、その後も継続した医療を必要としながら、思春期、成人期を迎える患者も多くなってきたわけであります。
私は、過日、品川区内の重症心身障害のある子供さんのお母さんからお話を伺うことがありました。そのお子さんが、小児から成人になっていくに当たって、小児科から一般の診療科へ移るということで、民間の病院の先生にそういうふうにいわれて、それに対して、病院も変わる、それからドクターも変わる、それから薬剤師さんも変わる、こうしたことに大変に心配をしていると、このようなお話を伺いました。
また、私は、過日の一般質問でも取り上げさせていただいた子供ホスピス、もう治療のめどが立たない、こうした子供さん、小児がんが主でありますけれども、こうした小児がんや難病のお子さん、小児科でずっと診ていていただいたんだけれども、ある年齢を過ぎると小児科から離されてしまうんじゃないか、こんな不安も大きく持っているんだという、当事者の方からもお話を伺いました。
このように、子供から大人へと成長、自立していく患者が適切な医療を受けられるように、小児期医療から成人期医療への円滑な橋渡しを行う移行期医療が求められているわけであります。
小児総合医療センターでは、成人診療科への転科、転院を控えた子供の自立支援を行うため、移行期医療支援コーディネーターを配置した移行期外来を設置しているほか、移行期医療の普及啓発、他の医療機関の相談支援を行うなど、移行期医療を推進しているわけであります。これは大変に重要な役割だと思います。
移行期医療は、今の時代に応じた新たな医療課題でありまして、対応できる医療機関が限られるため、都立病院が先導的に取り組む必要があると私は考えます。今後、このことをぜひ中期計画や年度計画にしっかり盛り込んで、積極的に検討していただくということを強く求めておきたいと思います。
一方、医療の高度化等を背景に、医療的ケアを必要とする子供が増加しておりまして、医療的ケア児が円滑に在宅療養できる体制構築が求められております。こうした課題についても併せて中期計画や年度計画で検討していくべきであると強く求めておきたいと思います。
また、医療的ケア児をはじめ、退院後も住み慣れた地域で安心して療養生活が送れるよう、患者、家族の相談支援や地域包括ケアシステムの構築に向けた取組も大変に重要であります。
そこで、地域包括ケアの構築に向けてどのような考え方でこの中期目標に盛り込んでいるのか、都の見解を伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 高齢化の進展に伴い、退院後に在宅療養が必要な方、介護サービスが必要な方など、継続的な支援を必要とするケースが増加してございます。
このため、外来受診時から退院後の地域生活も見据えた一貫した相談支援を実現するとともに、地域の医療機関と診療情報等を共有することなどによりまして、在宅療養を支援することが必要でございます。
中期目標では、病院の役割や機能、患者や地域のニーズに応じまして、相談支援の充実や地域医療機関等との連携強化を図る取組の推進を求めることとしております。
○伊藤委員 退院後に安心して生活できるよう、病院と地域との連携が一層求められております。
これまで私も、都議会に来させていただいてから、いろんな相談を受けるわけでありますけれども、例えば、都立病院であったり、民間病院であったり、一度入院された方が三か月の治療を終わると、もうすぐ次の病院に移るか、次の施設に移るか、自宅に帰るのか、そのことを病院側に迫られて、どうしたらいいんだという相談をたくさん受けてきました。
都議会公明党には、こうした声がたくさん寄せられたわけでありますけれども、そこで都議会公明党は、患者、家族の心配をワンストップで受け止める、こうした取組を都に求めてきました。
そして、都立病院では、患者支援の取組として、平成二十七年度に全ての都立病院に患者支援センターが設置をされまして、入退院支援とともに、患者、家族が抱える様々な相談にワンストップで対応する体制が整備されました。
また、公社病院では、退院後に適切な栄養管理を継続するために、食事に関する情報を介護施設などに提供する取組等も行っております。
現在も、都立墨東病院でモデル事業が始まっているということでありますけれども、独法化後は、ぜひ今申し上げた患者支援センターが、さらに発展、拡充されて、患者・地域サポートセンターとして再構築をして、在宅移行や在宅療養を支援する取組が強化されると聞いております。
都立病院の取組も公社病院の取組も、どちらも大変すばらしい取組だと思いますので、独法化後、それぞれのノウハウを共有しながら、さらに機能アップを図れるように検討し、中期計画等に盛り込んでいっていただきたいと思います。
また、質の高い医療を提供していくためには、安定的な医療人材の確保が重要であるのはいうまでもありませんけれども、都民の医療ニーズに対応して、機動的に病院を運営していくためには、病院運営を支える事務職員も重要であります。
都議会公明党は、過日、先行して独法化を行ったところの視察を行ってまいりましたけれども、そのときに伺った話は、事務職員の確保、育成、これが大変に重要なんだというお話を伺いました。
独法化になる前は公務員でありましたので、どうしても人事異動がある、せっかくノウハウ、それから経験を積んだんだけれども年限が来てしまって、もう全く違うところに移ってしまって、新たに来られた職員の方を、また一から育成をしていく、こんなご苦労も伺いました。こうしたことから、病院経営を支える事務職員の確保、育成が大変重要だというふうに痛感をしたものでございます。
中期目標にも、事務職員の確保、育成の記載がありますけれども、どのような考え方で盛り込んだのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 病院の事務職員には、医師や看護師等の様々な職種と連携しながら、医療現場の課題を理解した上で、患者サービスの向上に資する取組や業務運営の改善などを企画提案していくとともに、診療データなどを分析し、他の病院と収益、費用、診療内容等を比較して、診療行為の改善策の提案を行うなど、医療と経営の双方の知識が求められております。
独法化後は、診療情報や経営指標等の分析等を通じまして、医療の質や患者サービスの向上、診療プロセスの効率化につなげていくため、医療事務や病院経営に関する知識、経験を有する専門性の高い職員の確保とともに、専門的な知識やスキルを段階的に身につけられるように、事務職員の育成計画を策定し、計画的な育成を行っていくことが必要となります。
このため、中期目標におきまして、こうした取組を求めることとしております。
○伊藤委員 独法化後は、短期間で人事異動が行われる都の事務職員から法人固有の職員に置き換わっていくことで、計画的に育成できるようになりますので、時間はかかると思いますけれども、ぜひ、しっかりと確保、育成できるように進めていっていただきたいと思います。
今回の第四回定例会では、法人中期目標素案が報告をされまして、質疑をさせていただきました。そして、年明けの一定では、この法人の中期目標、これの議決に入っていくということでございます。
この後、中期計画、年度計画と、より具体的になっていくわけでありますけれども、本日質疑をさせていただいた項目につきましても、ぜひ、この計画の中にも盛り込んでいっていただきたいというふうに思います。
そして、都立病院として、しっかりと役割、機能を果たせるよう、私自身も注視をしてまいりたい、このように思います。
以上で終わります。
○白石委員 日本共産党の白石たみおです。
コロナ禍で都立・公社病院の独法化中止と都民が安心して受療できることに関する請願は、都立、公社病院の地方独立行政法人化を中止して、都直営で運営し、医療体制を充実させてほしいとして、人権としての医療・介護東京実行委員会事務局窪田光さん外五万九千三百六十七人の方から提出されました。また、同様の願意で陳情も提出がされております。
本委員会で、提出された請願陳情を採択する、その立場から質問したいというふうに思います。
そもそも、都立、公社病院が、コロナ禍で大事な役割をしっかり果たしていることは、今もありましたけれども、どの会派も高く評価しており、現在の形態に何ら不都合はないはずです。現に、独法化しなければ解決できない重大な不都合が何かあったのかという我が党の質問に、知事は何も答えず、独法化する理由をまともに説明ができないという状況です。
都民などからは、独法化を中止してほしいと請願や陳情、要請が、東京都、そして都議会に繰り返し提出がされております。延べ二十五万人を大きく超えております。
ところが、小池知事は、都民の声に全く耳を貸さないばかりか、本定例会に中期目標素案を報告いたしました。今必要なのは、独法化を前提に中期目標の議論をすることではありません。独法化自体の是非を議論することです。
小池知事は、都立、公社病院の独法化について、将来にわたり行政的医療を確実に提供するためと、このように−−今も質疑でもありました、述べてきました。その根拠を幾らただしてもまともに説明せずに、独法化に突き進んでいます。そこで、改めて独法制度とはどういう制度なのかを明らかにする必要があると、このように思います。
初めに伺いたいと思いますが、独法制度の根拠となる法律はどのような法律か伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 都立病院、公社病院の地方独立行政法人化の根拠となる法律は、地方独立行政法人法になります。
○白石委員 当たり前ですが、独法制度の根拠法というのは、地方独立行政法人法です。
それでは、本部長に伺いたいと思います。東京都、病院経営本部も含めて、これまで独法については、制度上のデメリットはないと繰り返し答弁がされてきました。
その認識は今も変わっていないか、本部長、お答えいただきたいと思います。
○西山病院経営本部長 独法化におけるデメリットはないというふうに、変わってございません。
○白石委員 すみません、聞こえなかったです。
独法化、独法については制度上のデメリットはないと、今もその認識、変わっていないかどうか、もう一度ご答弁をお願いします。
○西山病院経営本部長 変わってございません。
○白石委員 今、本部長、答弁されました。変わっていないと。つまり、地方独立行政法人法に欠点はないということが、今ご答弁されました。そういい切るのであれば、独法制度の根拠法である地方独立行政法人法をきちんと都民にも議会にも説明する責任が東京都にはあります。
そこで、地方独立行政法人法第三十条、中期目標の期間の終了時の検討の条文を、今、病院経営本部の皆さんと、そして厚生委員の皆さんにお配りをしております。
ここの第三十条、今お配りをいたしましたので、第三十条にはどのようなことが書いてあるか、省略しないで条文を読み上げていただきたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 地方独立行政法人法第三十条でございます。こちら、読み上げさせていただきますと、設立団体の長は、第二十八条第一項第二号に規定する中期目標の期間の終了時に見込まれる中期目標の期間における業務の実績に関する評価を行ったときは、中期目標の期間の終了時までに、当該地方独立行政法人の業務の継続または組織の存続の必要性その他の業務及び組織の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、業務の廃止もしくは移管または組織の廃止その他の所要の措置を講ずるものとするということが、第一項に書かれてございます。
○白石委員 今、条文、読み上げていただきました。第三十条一項です。
これは簡単にいいますと、三から五年ごとに中期目標を知事が策定することになりますが、この期間ごとに、法人そのものの存続や業務継続の必要性などを検討しなければならないと法律で書かれているんです。そして、検討の結果、業務の廃止もしくは移管または組織の廃止その他の所要の措置を講ずるものと根拠法で掲げられているんです。
そこで伺いたいと思います。継続の必要性を検討する業務の対象には、行政的医療は含まれますね。明確にお答えいただきたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 今回ご報告をしております中期目標の素案、こちらの中には、行政的医療に関する事項も盛り込んでございます。
○白石委員 私は、地方独立行政法人法第三十条の第一項に照らして聞いているんです。
改めて伺います。三十条には、継続の必要性を検討する業務、この対象には行政的医療は含まれますね。いかがでしょうか。
○船尾計画調整担当部長 こちらの三十条でございますけれども、そちらの条文にございますように、中期目標、こちらがしっかり指示した内容のとおりに実行できているかどうか、これを中期目標の期間ごとに検討していくということですので、その中には、行政的医療が入っているということになろうかと思います。
○白石委員 これから独法化をしようと、その根拠となるのが地方独立行政法人法だと、この地方独立行政法人法の説明すらできないなんてあり得ないです。
私が聞いたのは、この三十条の一項、継続の必要性を検討する業務の対象には、行政的医療は含まれますねと聞いているんです。明確にお答えいただきたい。
○船尾計画調整担当部長 三十条一項では、業務全般について検討を行うということが書かれておりますので、その中には、行政的医療も含まれるということになろうかと思います。
○白石委員 今認めました。要するに、行政的医療も継続するか否かの対象に含まれるということなんです。
次に聞きたいと思います。業務の廃止もしくは移管または組織の廃止その他の所要の措置とは、独法化された病院を民営化することも含まれますね。お伺いしたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 三十条第一項の条文上は、業務の廃止、移管、組織の廃止という形で書かれておりまして、そこには民営化という言葉は出てまいりません。
○白石委員 改めて伺います。この三十条の業務の廃止もしくは移管または組織の廃止その他の所要の措置という中に、条文上、文言が入っていなくても民営化は含まれますね。いかがでしょうか。
○船尾計画調整担当部長 先ほど申し上げましたように、条文の方には業務の廃止、移管や組織の廃止が記載されておりまして、そこに民営化という言葉は入ってございません。
○白石委員 いや、私ね、本当驚きです。皆さん、これから独法化をしようという中で、根拠となるこの地方独立行政法人法、これ、皆さん、しっかり理解していないのかと、改めて私、本当に厳しくいいたい。
地方独立行政法人法の逐条解説、読まれていると思います。二〇一八年の地方独立行政法人法の改正によって、組織の継続の必要性についても検討することが義務づけられた。見直す際の措置として、業務の廃止、移管や組織の廃止を例示したことについて、実効性のある全般的な見直し、検討を求めることとされたと書いております。つまり、廃止を含めて検討してこそ実効性のある見直しになるというのが、地方独立行政法人法第三十条の考え方だということです。
また、講ずるものとされている措置は、廃止、民営化が含まれているということは、制度の概要説明の中でも明記されています。そして、私たち、総務省にも聞きました。民営化は含まれています。それを、今、答弁で求めました。この業務の廃止もしくは移管または組織の廃止その他の所要の措置の中に民営化は入るんですかと聞いたら、ここには書いていないとずうっといっております。
しかし、この法律、逐条解説でも総務省の説明でも、ここには民営化も含まれますとはっきりといっているんです。こういう形で法律をまともに説明もしない、そういう中で独法化をすれば、行政的医療は将来的に安定的に継続的に提供できるんだなどと、よくいえたものだと。この条文というのは、行政的医療を継続させるための条文ではないことは誰が見ても明らかなんです。
そこで改めて伺いたいと思います。都立、公社病院の独法化には地方独立行政法人法第三十条は適用されますか。本部長、お答えいただきたい。
○西山病院経営本部長 お答えします。地方独立行政法人は、地方独立行政法人法に基づいておりますので、当然、適用になります。
ただ、この三十条の趣旨は、廃止、民営化等を前提とした見直しを行うという趣旨ではなく、三十条の趣旨といたしましては、法人がPDCAサイクルを有効に機能させる観点から規定されているものと認識してございます。
こうした取組は、都におきましても同様でございまして、例えば、各事業について、事業評価を通じた検証を行っております。
○白石委員 まあ今ね、必死に覆い隠そうとしていますけれども、この地方独立行政法人法、改正によってどうなったか、さっきいいました。改正によって、しっかりと組織の継続の必要性についても検討することが義務づけられたんです。改正前は義務づけられていなかった。これ、何を明示しているかといったら、民営化も含めてだと。
先ほどもいいましたけど、この条文というのは、趣旨は行政的医療を継続させるための条文じゃないんです。三から五年の中期目標の期間ごとに、毎回、定期的に業務全般、行政的医療も含めて、廃止、これも検討しなければいけない、さらに組織自体も民営化も含めて検討しなければいけないと、このように定められたのが、この地方独立行政法人法第三十条の趣旨なんです。それを、いや、これは違うんだと覆い隠して、本当、私は欺くのは許されないと思います。
適用されるといいました。都立、公社病院の独法化にも、この三十条は適用されるんです。これは我が党の代表質問でも、本部長、認めました。ところが、業務や組織の廃止や民営化を含めた見直しを定期的に求める三十条は、独法化のメリットですか、デメリットですかという再質問には、本部長、一切答えていないんです。
そこで本部長に伺いたいと思います。地方独立行政法人法第三十条は、独法制度のメリットですか、それともデメリットですか。
○西山病院経営本部長 まず、冒頭申し上げますけれども、一概にメリット、デメリットを申し上げる性質のものではないと認識してございます。
まず、この三十条の趣旨ですけれども、先ほど申し上げましたけれども、PDCAサイクルをきちんと回すための、趣旨でございます。その中で、前段で中期目標の終了時までに、設立団体の長が地方独立行政法人の業務の継続や存続などの全般にわたることを、検討を行うことを明示的に定め、これ、結局PDCAサイクルをきちんと回してくださいということです。
その検討の結果、所要の措置を講じることとしており、その例示として、条文には業務の廃止、移管、組織の廃止が記載してございますが、当然にこの中には、所要の措置の中には、業務の継続も含まれております。このことについては、私どもも総務省に確認をしております。
こうした取組は、先ほど申し上げましたように、都においてもPDCAサイクル、これはどこの事業でもやるのは当たり前でございます。その結果、三十条が改正された三十年四月以降、都道府県が設立する地方独立行政法人のうち、この三十条の検討が行われた法人は、全て法人の業務を継続してございます。
○白石委員 だからね、PDCAサイクルだ、PDCAサイクルだと、このPDCAサイクルを確かなものにしていくために、この条文が改正をされて実効性のある見直しをさせるんだということで、廃止を含めて検討してこそなんだと、これが三十条の趣旨なんです。
私ね、本当にね、こういう形で都民にも都議会にもですね、いや、この三十条は趣旨が違うんです、継続が意味するんですと、そんなわけないじゃないですか。この条文、どう見たって行政的医療を継続させるための条文ではないですよ。
三から五年ごとにちゃんと検討しなさいと、その検討の例示が行政的医療も含め、この医療の業務の廃止も含めて検討しなさいと、組織自体も民営化も含めて検討しなさいと、これが義務づけられたんです。よほど、この条文で行政的医療を将来にわたって継続させるなんて、そんな条文になっていないことは誰が見たって明らかだと、改めていいたい。
そして、質問で、メリットかデメリットか一概にいえないといいました。でも、先ほどいったように、独法制度にはデメリットはないと、このように本部長は答えているんです。
デメリットはないと、制度上ないというんであれば、その制度上の制度とは何かといったら、地方独立行政法人法だということでしょう。じゃあ、この三十条はメリットだということになるじゃないですか。いかがですか。
○西山病院経営本部長 繰り返しのご答弁になりますが、この三十条というのは、行政的医療を継続させるものとか、そういう趣旨では全くなく、PDCAサイクルに基づく検討を行う趣旨でございます。なので私は、メリットでもデメリットでも、一概にはいえないというふうに申し上げました。
○白石委員 ちょっとね、驚きです。この三十条は検討をしっかりしなさいと。そして、例示もされているんです。この期に及んでも、はっきりと答えないと。本当に私ひどいなと思います。
法律をきちんと理解すれば、都民が必要とする医療である行政的医療は、中期目標期間ごとに定期的に廃止を含めた見直しが行われて、病院そのものの民営化についても定期的に検討することがこの条文上で定められているんです。知事が第三回定例会の所信表明で独法化する理由として述べた将来にわたり行政的医療を確実に提供するためというのは、独法制度の仕組みとは全く矛盾するものだと改めていいたいと思います。
しかも、将来にわたって都民が必要とする行政的医療を安定的、継続的に提供し続けたいのであれば、それこそ、行政的医療を含めた業務の廃止や病院の民営化も含めて、定期的に検討することを法律によって義務づけられている独法に、わざわざ変える必要なんてないじゃないですか。本部長、いかがですか。
○西山病院経営本部長 まず、この三十条の趣旨、先ほどからるる申し上げておりますけれども、これはあくまでも法人がPDCAサイクルを有効に機能させるためのものでございまして、これは逐条にも、先生ご承知のとおり書いてございます。
その上で、独立行政法人になることにつきましては、これまでもるる申し上げておりますけれども、現在の直営では、地方公務員法等の制度的ないろいろな縛りがございます。これを地方独立行政法人化することによって柔軟な組織運営を行い、来るべき超高齢化社会、また人口減少社会にも備えて、都民の医療ニーズにも適宜適切に対応できるように柔軟な運営をする、これが地方独立行政法人になるための目的でございます。
○白石委員 だから、将来にわたって行政的医療を安定的、継続的に提供し続けたいというふうにいわれるのであれば、この三十条でPDCAサイクル、これをしっかり実効性あるものにすると、そこの中には、検討の結果、行政的医療も含めて業務の廃止が位置づけられている、さらには組織の民営化まで、ここまで触れられているような条文があるような独法化にしなくたっていいじゃないですか。今のままでいいじゃないですか。
なぜ、わざわざこの条項がある独法にするんですかという質問なんです。本部長、いかがですか。
○西山病院経営本部長 繰り返しのご答弁になりますけれども、PDCAサイクルでいろいろな事業を点検していくのは、地方独立行政法人であろうと、東京都の直営であろうと、その時々の医療ニーズに応じて行政的医療を見直すのは、これは当然のことでございます。
こうした中で、私どもは柔軟な運営形態が可能となる独立行政法人を選んで、三定でも定款をお諮りし、議会の議決もいただいたところでございます。
○白石委員 いや、もうはっきりと正面から答えないんですね。要するに、この三十条というのは、廃止、民営化を含めて検討させるというのが、この三十条の条文の趣旨なんです。よほど行政的医療を継続させる条文なんかじゃないんです。誰がどう見ても、行政的医療を将来にわたって安定的、継続的に提供し続けるのであれば、それこそ都が直接責任を持って運営する現在の形態の方がいいはずです。独法化じゃないんです。
先ほどから、中期目標に位置づいているから、行政的医療が位置づいているからと、繰り返し質疑されていますが、この法律をしっかり理解して読めば、独法の法律というのは、三から五年の中期目標の期間ごとに、全般の業務を、行政的医療も含めて、業務を継続させるのか、それともさせないのか、その検討の結果、廃止が含まれると。
そして、病院自体の組織はどうか、ここも組織の存廃がしっかりと検討されるわけです。その先に民営化だってある。これ、例示されている、明示されているわけです。よほど将来的にも継続的、安定的に行政的医療を続けたいと本当にそう思っているんだったら、まず、独法化ではないということは、はっきりとしていると思います。
実際、独法化された宮城県の循環器・呼吸器病センター、独法化後に廃止されました。その上、宮城県の独法病院は、独法化されて十年になる今年、県内の公的病院との統合再編方針が突如発表されております。国立精神・神経医療研究センターは、採算性の低い精神病床を段階的に七割削減しています。実際に独法化された病院で廃止や削減が行われているんです。
見直しの最大の指標にされるのが効率性や採算性です。二〇一〇年に独法化された国立国際医療研究センターは、精神科病棟を二〇一九年に閉鎖しております。その理由を、国立国際医療研究センターの病院長は、自ら書いた著書で、採算性の問題があって閉鎖せざるを得なかったと著書にも書いております。
このことからも明らかなように、独法化は採算性が重視されているんだということなんです。そして、その目的は自治体の財政負担の削減なんです。こういう実態を覆い隠して独法化に突き進むことは断じて許されないと、改めて厳しく指摘したいと思います。
質問を進めたいと思います。
我が党の代表質問で、本部長は、住民監査請求や住民訴訟については、地方独立行政法人法には規定がないといたしました。ところが再質問では、都から地方独立行政法人への財政支出などについては、東京都の財務会計上の行為に対して住民監査請求はできると。だから、住民の監視等は担保されていると明確に答弁されました。
私、聞いていて驚きました。ここまで論点をすり替えて答弁する、びっくりです。東京都の財務会計上の行為に対して住民監査請求ができるのは当然なんです。
独法化した病院が違法または不当な財政支出をしたときに、その財政支出に対して住民監査請求はできるんですかと、このように聞いているんです。お答えいただきたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 お話の住民監査請求制度でございますけれども、こちらは、先ほどお話ありましたように、地方公共団体の財務の適正を確保して、住民全体の利益保護を目的とする制度でございまして、地方公共団体のみに適用されるというものでございます。
地方独立行政法人法に基づき設立された地方独立行政法人は、住民監査請求等の対象とはなりませんが、都から法人への財政支出などにつきましては、これまでどおり住民監査請求の対象となり、引き続き、住民の監視は担保されているというところでございます。
○白石委員 今、はっきり認められました。住民監査請求は、地方独立行政法人では対象外だということです。独法化された病院には、住民監査請求や住民訴訟はできない仕組みとなっています。明らかです。
例えば、千葉県の東金市と九十九里町が設立団体となっている地方独立行政法人東金九十九里地域医療センターでは、不適切な業務運営についての内部告発がありました。一部の職員に対する給与の支給や契約手続などで多くの問題が明るみに出ました。市長と町長の連名の文書でも極めて遺憾と、このように書かれています。それだけ重大な問題が起こったんです。
ところが、地方独立行政法人の場合、先ほどもいったように対象外なんです。こうした不適切な支出に対する住民監査請求を行うことはできないんです。先ほどから補足で、東京都からの財政支出については、住民監査請求権はありますよといっていますが、私がいっているのは、地方独立行政法人になったら、住民の監視は弱まりますねって話なんです。当たり前なんです。法人が行った違法や不当な支出自体に対して監査請求できないんですから。
今まで監査請求、都立病院だってできたんです。しかし、今回、独法化をされたら、その監査請求権であったり、それから住民訴訟はできなくなる、後退するのは明らかなんです。住民の監視という機能は、独法化することにより、明らかに後退するんです。
そして、この点も病院経営本部長は、本会議で、メリットかデメリットかと、このように質問しましたけれども、答えませんでした。しかし、制度上デメリットがないと、このようにいっているわけですから、メリットと、このように考えているんだと思います。
当時の独法制度がつくられるときの国会の質疑でも、当時の国務大臣は、例えば議会の関与が薄まること、弱まることは独法化のメリットなんだと。これ、以前委員会でも、私、指摘しましたけれども、これがメリットなんだとはっきりいっているんです。
結局、独法化をすることによって、住民の監視、さらに議会の関与も弱まることは明らかだと。そして、それが独法化のメリットなんだというのは明らかなことなんです。論点をすり替えて、あたかも独法化された病院でも住民の監視等は担保されているかのようにごまかすということは断じて許されない。住民の監視や議会のチェック機能が弱まることも、独法制度の特徴なんです。
都民が必要とする行政的医療の後退や患者負担の増加につながり、都民の監視機能や議会のチェック機能を弱める独法化は中止しかないんです。
都民の命のとりでである都立、公社病院を守る声と運動、一層広がっております。
例えば、小田急線経堂駅で十一月に取り組まれた署名宣伝では、百四十九人が署名に協力してくれました。一回の宣伝では過去最高の署名が集まったと、このように話がされています。署名に取り組んだ方は、署名用紙を持って立っていると、何人も寄ってきて署名をしてくれて、話しかけてくれると、このように話されておりました。
署名に協力してくれた中年の男性は、松沢病院に受診している、今のままでやってほしい、都立は安心して行ける、今後負担が増えることが心配だといって、頑張ってほしいと励ましの声が出されたといいます。
また、ご家族が末期がんで都立大塚病院に入院されている方のご家族は、入院されている本人から、自分は署名をしに行けないから署名をしてほしいと病床から頼まれ、わざわざ署名をしに来てくれたそうです。
このようにして、本日提出された六万人近い方々の署名が集まったんです。本日も、先ほどまで三百人を超える方が、都議会の周りで独法化を中止してほしいと訴えています。
こういう都民の声と運動を本部長はどのように受け止めるのか伺いたいと思います。
○西山病院経営本部長 独法化に関しまして、いろいろなご意見があることは承知しておりますけれども、私どもとしては、まさに独法化によって都民サービスの向上、医療の質の向上に努めてまいりたいと思っております。
こうしたことを丁寧に都民の方にご説明をしていきたいと思っております。
○白石委員 丁寧な説明なんか受けていないんです。先ほどだって、地方独立行政法人法の制度そのものを問いただしても、全く都合のいい部分しかいわない。本当に、私、正面から都民の声と運動を受け止めるべきだと改めて強調したいと思います。
都立、公社病院を守ってほしいという声の背景には、これまでかけがえのない役割を果たし、都民から信頼されている、こういうあかしなんです。本来、皆さんが、そういう都立病院や公社病院、つくり上げてきたんじゃないんですか。とりわけコロナ対応では、その力を発揮したんです、都立、公社病院は。
厚生労働省が二千を超える全国の各医療機関のコロナ病床の確保数を公表いたしました。昨日出されたものを見ますと、確保病床が百床以上の病院は全国で十四病院しかなく、そのうち十一病院が都立、公社病院なんです。しかも、最もコロナ病床を確保した病院は、一位から十一位まで全て都立、公社が独占しているんです。このコロナ対応で、全国で最も積極的に、そして柔軟に、機動的にやったのが都立、公社病院なんです。
様々な条件の違いがあったとしても、先ほど来からいっているように、全国で、このコロナ病床を確保するのは本当に大変です。そういう対応を現場はやっているんです。今の都立、公社病院の、それこそ重要性、鮮明になっているんじゃないかと、改めて訴えたいと思います。
知的障害の子供、お母さん、認知症のおばあちゃんの家族三人全員がコロナに感染したご家族は、どうしようというときに、多摩北部医療センターが認知症のおばあちゃんを受け入れてくれ、本当に助かったと話されています。まさに都民の最後のとりでが都立、公社病院なんです。
その都立病院、公社病院が、採算性、経営効率が優先される独立行政法人にされる。しかも、新型コロナの感染拡大に対しても最も積極的に対応し、都立、公社病院の重要性が一層鮮明になっているときに、都民不在であくまでも強行するということは決して許されないと、はっきりと申し上げたいと思います。
そして、今日、全ての厚生委員の皆さんにも呼びかけたいと思います。先ほどから明らかになったように、地方独立行政法人法というのは、三から五年ごとに、中期目標の期間ごとに、行政的医療も含めて、廃止の検討はされるんです。病院そのものだって民営化の検討がされるんです。これは法律で定められているんです。
ぜひ皆さん、都立、公社病院の独法化問題は、都民の命の問題なんです。独法化後に、こんなはずじゃなかったといっても、後戻りできないんです。独法化を強行すれば、後戻りできません。片道切符なんです。
都立、公社病院の独法化は中止をして、都立、公社病院の体制を抜本的に強化充実することを強く求め、請願及び陳情を採択することを呼びかけて、質問を終わりたいと思います。
○関口委員 よろしくお願いいたします。
東京都議会立憲民主党は、都立、公社病院の独立行政法人化の提案は、現場に不要な不安を招き、都民サービスの低下につながりかねないということを、この間、指摘をしてまいりました。また、なぜあえてコロナ禍での提案なのかという問いにも、的を得た回答を得られませんでした。
今やるべきは、コロナが終息した後に医療の役割を検証することであり、行政的医療であり、あるいは感染症医療というものをしっかり検証することであると考えております。
コロナ禍において、都立、公社病院の独法化、これは多くの都民の理解が得られないということを指摘したいと思います。
そういった中で、今回、委員会におきましても、第一期中期目標の素案が出てまいりました。先日、東京都地方独立行政法人評価委員会の第二回の分科会が開催されました。分科会においては、第一期中期目標の素案、そして第一期中期計画骨子について審議がされたと思います。また、新たな都立病院が担うべき医療等に関する都民アンケートについても、参考資料として配布がされたということで伺っております。
そこで、第二回のこの分科会においては、どのような議論がされたのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 第二回分科会における中期目標素案の審議では、中期目標に記載すべき内容についてご意見がございました。
具体的には、総合診療の提供に当たっては、地域の医療機関との連携が必要であること、地域医療の充実への貢献に向けて、地域の医療機関との役割分担の下、各医療を提供していくことが必要であること、法人運営や病院運営に外部の意見等を取り入れる仕組みが必要であることなどの様々なご意見がございました。
○関口委員 先ほど質問の中でも申し上げましたが、都民アンケートというものが参考資料として配布がされております。インターネットモニターアンケートでは、都内在住者三千人を対象として、病院経営本部のホームページでは、都内在住、在勤、在学者の百七名の方が回答されているということであります。
このアンケートについてなんですけれども、新たな都立病院が果たすべき役割について、こうした設問に関しては、一般の病院では対応が難しい医療を今後も確実に提供していく役割が必要であると答えた方が五二・二%、やや必要であると答えた方が二五・七%と、合わせると約七八%と高い数値が出ております。
また、新興感染症への対応など都の医療政策に率先して取り組む役割が必要であると答えた方が五一・九%、やや必要であると答えた方が二五・九%、合わせると約七八%ということで、高い数値であると考えております。
また、担うべき医療について聞いた設問については、新型コロナウイルス感染症のような新しい感染症や大きな災害への対応ということで、必要であると答えた方が五〇・一%、やや必要であると答えた方が二六・九%、合わせると約七七%と、ほかの回答よりも高い数値が出ておりました。
新たな都立病院についてのアンケートの中では、行政的医療や感染症医療についての関心が高く示されておりますけれども、都として、このアンケートをどのように受け止めますでしょうか。
○船尾計画調整担当部長 都立病院はこれまで、救急医療や災害医療をはじめとする行政的医療を提供する役割を担い、都民の安全・安心を医療で支えてまいりました。
また、新型コロナウイルス感染症への対応におきましては、都立、公社病院で二千床を確保し、率先して感染症患者を受け入れてまいりました。
アンケートの結果は、こうした役割を独法化後も引き続き担い続けていくことが、多くの都民から求められているものと認識をしております。
○関口委員 今ご答弁もいただきましたが、こうした、独法化後も感染症医療であったり行政的医療というものを担い続けていくことが多くの都民から求められているということで、都の方も認識をされているということで、ご答弁をいただきました。
しかも、今、私が申し上げたこの結果というのは、インターネットモニターアンケートの結果でありまして、病院経営本部のホームページにアクセスしてきた方々の数値ではなく、いわゆるあくまで本当にフラットな状況で回答された方々の意見であるということで、そちらに関しても、改めて強く受け止める必要があるということを考えております。
今回、第一期中期目標の素案におきましては、都民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項というところには、感染症医療の提供について、専門人材の確保、育成との記載があります。
感染症医療という観点から、どのような考え方で中期目標に記載をしたのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 感染の拡大に応じて専用病床を確保し、受入れ体制を機動的に拡充するためには、感染症に関する専門知識や感染対応の技術を有する看護師等をふだんから育成していくことが重要でございます。
中期目標では、こうした即戦力となる人材の確保、育成に取り組み、感染症対応力を強化することを求めるものでございます。
○関口委員 先ほど、福祉保健局の補正予算の事業の一つである感染管理認定看護師の専門資格を有する医療人材の育成を行う医療機関への支援事業について質疑をいたしました。都内では三百三名が認定をされているということで、うち都立病院には十六名、公社病院には九名ということでご答弁をいただきました。
本来であれば、都立病院には、感染管理認定看護師に限らずですが、こうした専門性を持つ人材が必要であり、さらなる対応を求めていきたいと思っております。
また、専門人材の確保や育成についてももちろん重要でありますが、私はこの間、厚生委員会におきまして、都立病院の独法化によって、むしろ新型コロナを経験した貴重な人材というものが流出をしてしまうのではないかということを指摘してまいりました。
また、委員会質疑におきましても、都立病院が公社病院に移行する前年度に辞めた医療系職種の人数、そして、公社病院に移行した年度に辞めた医療系の職種の人数ということで、公社に移行する前年度と移行した年の退職者に百六十八名の開きがあるということが明らかになりました。
そうした観点から、この専門性を持つ人材をいかに流出させないかということは極めて重要でありまして、都の方でも、現場の職員の方々に丁寧に説明をしていくというような答弁もいただいておりますけれども、やはりそうした、このコロナを経験をした貴重な人材というものを流出させない取組というものが、改めて問われていると思っております。
また、第一期中期目標の素案には、感染症医療について、平時から都や保健所と連携をして地域の感染症対応力を強化するという記載がございますが、どのようなことを目的として中期目標に記載をしたのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 このコロナ禍では、地域の医療機関や介護施設等においてクラスターが多く発生しており、地域医療の充実への貢献に向けまして、ふだんから都立病院の専門人材を活用し、地域の感染症対応力の強化にも貢献していく必要がございます。
中期目標では、都や保健所と連携し、ニーズに応じて地域の医療機関等に専門人材を派遣するなど、感染管理に関する支援の取組を求めるものでございます。
○関口委員 この中期目標の素案におきまして、災害や公衆衛生上の緊急事態への率先した対応についての記載があります。その中では、災害や公衆衛生上の緊急事態に対して、保有する医療資源を最大限活用しながら、法人自らが適切に対応していくとともに、都の方針の下、率先して取り組むことという記載があります。
まず、この災害や公衆衛生上の緊急事態については、どのような定義を想定しているのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 災害や公衆衛生上の緊急事態といたしまして、大規模な地震、台風による土砂災害や集中豪雨による風水害、また、新型コロナウイルス感染症のように海外から流入する新興感染症の拡大などを想定し、中期目標に記載しております。
○関口委員 今ご答弁をいただいた想定される緊急事態に対して、保有する医療資源を最大限活用しながら法人自らが適切に対応していくという記載と、その後に、都の方針の下、率先して取り組むという記載がありまして、この法人自らが適切に対応することという記載と、都の方針の下と、一見、相反するような表現に私は思えてしまうんですが、都の見解を伺いたいと思います。また、災害や公衆衛生上の緊急事態においては、具体的にどのような指揮系統になるのか伺います。
○船尾計画調整担当部長 有事の際に、都立病院が効率的、効果的に医療を提供していくためには、都が、災害医療提供体制や感染症医療提供体制を統括、調整する中で、都内の各医療機関との役割分担の下、率先して対応していくことが必要でございます。
災害等への対応は、その大きさや内容、フェーズ等によって様々でございまして、発災直後の段階等においては、都からの具体的な指示を待つことなく、法人が法人の役割等を踏まえて迅速に患者を受け入れるなど、自らが適切に対応することも重要と考えてございます。
○関口委員 今ご答弁の中でもありましたが、具体的な指示を待つことなく、法人が法人の役割を踏まえて受入れをしていくということはもちろん重要だと思っております。もう少し何か分かりやすい記載といいますか、そういったものをしていただきたいなというところを感じております。
続きまして、少しテーマは変わりますが、臨床研究や治験についてであります。
都立病院における臨床研究や治験などは重要であると考えております。もうかるための研究であれば、民間の研究が活発化されることは予想がされますが、すぐには利益を生み出さない研究であったり、あるいは予防医療など、公的病院が担う臨床研究の役割というものは大きいと考えております。
そこで、まずは、今まで都立病院が実施をしてきた臨床研究の成果や治験において、都立病院が果たしてきた役割について伺いたいと思います。
○西川サービス推進部長 都立病院におきましては、希少な疾患をはじめ、多くの症例に関する診療実績を活用いたしまして、社会的な重要性や学術的な価値があると判断される様々な臨床研究を進めてまいりました。
これまでの成果といたしましては、例えば駒込病院におきまして、尿中ジアセチルスペルミンの測定研究が、がんの早期診断システム開発につながった例や、C型肝炎感染後の病態マーカーとして有用な抗体を発見した例などがございます。
また、治験につきましては、製薬会社の依頼に基づく企業治験を毎年百五十件程度実施しているほか、駒込病院や小児総合医療センター等におきまして、医師自らが研究者として主体的に行う医師主導治験に取り組むことで、医薬品の実用化に寄与しております。
○関口委員 今、具体的な実績例を挙げていただいたかと思います。都立病院における臨床研究や治験に関してでありますけれども、研究をしたいお医者さん、そういった方々が集まってきていただけるという話も伺っております。研究を両立できるということで、優秀なお医者さんがいらっしゃるんだというところもあるかと思います。
そういった観点で申し上げれば、この第一期中期目標素案では、臨床研究、治験の取組の推進や医療の質の向上、発展への寄与に努めるという旨の記載がございます。
都立病院が独法化されることにより、臨床研究や治験はどのように変わるのか。また、研究のための予算の確保などについては、どのように変わるのかについて伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 病院が有する約七千床の豊富な症例や難病をはじめとする希少疾患の診療実績は、都民の貴重な財産であり、独法化後もこうした症例を活用した臨床研究や治験への取組等により、医療の質の向上や治療の選択肢の拡大等に貢献していくことが必要でございます。
独法化後は、柔軟な人材交流が可能となる人事制度や民間企業などからの研究費を受け入れやすくする財務制度を構築するなど、研究機関や大学等との連携を強化しながら、新たな治療技術の開発や新薬開発のための治験等を推進する必要がございますため、中期目標で求めるものでございます。
○関口委員 独法化されるということによって、研究や治験についての環境面であったり、あるいは予算面で制約が生まれないように、しっかりと要望していきたいと思います。
また、最後となりますが、請願陳情の審議も含まれておりますので、一言申し上げたいと思います。
今回の二件の請願陳情に関しては、請願者や陳情者の願意に添えないものの、私たちの会派としては、コロナ禍における都立病院の独法化については拙速であると考えております。冒頭も申し上げましたが、行政的医療や感染症医療をしっかりと検証し、分析をすべきことだと考えております。
それを最後に申し上げて、質疑を終わります。
○上田委員 今般、中期目標には、提案の裏づけや根拠が見当たらないように思われます。コロナ医療で、都立、公社病院の役割が再認識され、高い評価を得ましたが、この時期に独法化するには、今までより、一つ高い段階に引き上げていくものでなければならないはずです。
しかしながら、これまでの議論が全く反映されておらず、通り一遍のこれまでの新たな病院運営改革ビジョン、都立病院新改革実行プランなど、各種計画をなぞって、急に天から降ってきた来年七月の独法化強行のつじつま合わせのパッチワークにすぎないのではないでしょうか。
議員や都民に疑義を抱かせず、国にもけちをつけられない、完成度の高いこの手の文書をつくることは、本来、東京都の都庁官僚の最も得意とするところであるはずなのに、一体どうしたことでしょうか。
これまでも独法化の利点を念仏のように、機動的な人材確保や弾力的な予算執行、これを何度も繰り返されてきたことにつき、今回こそ、具体的かつ明快なご説明をいただきたいと思います。
第3の業務運営の改善及び効率化に関する事項、質の高い医療の安定的、継続的な提供に必要な人材の確保、育成についてです。
さきの事務事業質疑では、私への答弁で、医療人材をはじめとする医療資源は限りがあると明言されています。
そもそも、人材確保に苦慮されている中で、独法化することで安定確保ができるのか、むしろ人材の流出の懸念や想定はされていないのか、人材の数の確保と質の担保について、現状課題を述べた上で、それを独法化後どう解消し、機動的な人材確保を実現できるのか、病院ごと、診療科ごとの具体的な人材確保の数値目標も含めてご説明ください。
○谷田経営企画部長 独法化後も都民に対して必要な医療を安定的、継続的に提供し続けていくためには、人材の安定的な確保が重要でございます。
こうした中、現状の人材確保の課題といたしまして、人事委員会採用職種である薬剤師等の採用試験につきましては、原則年一回のみであるため、年度途中の欠員が生じた場合に、速やかな補充が困難となっております。
また、人事委員会から委任されている臨床検査技師等の採用選考につきましては、定数増員決定後の実施となっておりまして、選考時期が遅いことなどから、優秀な人材の確保について課題がございます。
なお、職員の退職につきましては、転職や家事都合など様々な理由によるものでございまして、法人化など特定の要因によるものではないと認識しております。
独法化後は、法人が主体となりまして、欠員に応じた柔軟な採用選考の実施や選考時期の前倒しなどによりまして、量と質の両面から必要な人材を確保してまいります。
さらに、令和三年度の職員定数は、都立病院及び公社病院合わせて九千六百五十一名でありますが、これらの取組を活用いたしまして、法人の医療課題や機能強化等に対応した人員体制を構築してまいります。
○上田委員 人事委員会に諮らなきゃいけないので、機動的じゃないというふうに受けました。病院ごと、診療科ごとの具体的な人材確保の数値目標にはお答えいただけませんので、また改めて確認させていただきます。
都立病院では、採用後三年間の基礎コースなど、計画的な新人教育が充実していることで評価されてきました。
これらはほかの民間病院に勝るメリットとして、民間からの流入人材も多々あった歴史がございますが、これまでの育成方法をどのように評価しているのか、ご説明ください。
○谷田経営企画部長 都立病院では、平成二十二年度に開始いたしました東京看護アカデミーにおきまして、新人からベテランまで、一人一人の習熟段階に応じてキャリア発達を組織的に支援する研修体系を構築し、人材育成に取り組んでまいりました。
具体的には、看護師としての自立を目指す三年間の基礎コースに始まり、高度な看護実践能力や管理能力を高めるコースなどを設けるとともに、感染管理などの分野において卓越した看護技術を有する看護師を育成するために、専門看護師や認定看護師の資格取得の支援にも取り組んでまいりました。
こうした取組により、各人がキャリアプランに基づき、日々進化する医療技術に対応できるスキルを磨くことのできる体制を構築してきたことで、例えば、令和元年度の新卒看護職員の離職率は、東京全体が一二・一%であるのに対し、都立病院は九・五%、公社病院は八・六%と低い水準にとどまるなど、人材の確保、育成に効果を上げてきたものと認識しております。
○上田委員 現状で離職率が低いという評価でありました。これは大したことだと思います。独法化後、機動的な人材確保を逆にほかの病院にされちゃうような気もしないでもないという懸念も申し上げておきます。
こうした独法化後の人材確保につながる取組をどんな体制で推進していくのか、具体的にご説明ください。
○谷田経営企画部長 看護アカデミーや医師アカデミーといった人材の確保、育成に資する取組については、これまで築いてきたものを生かしながら、基本的には法人化後も同様に継続していく予定でございます。
また、法人化後は、都立病院の職員に対する研修体系である看護アカデミーに公社病院も加わることで、他病院への派遣研修などにおいても、より選択肢が広がり、魅力あるコース設定が可能となります。
これまで都立、公社で積み上げてきた医療人材の確保、育成に関する取組を基に、法人化によって実現するスケールメリットや制度的な利点も生かしながら、人材の確保、育成に努めてまいります。
○上田委員 医療人材についてはスケールメリットが見込まれるとのことですが、病院経営を支える一方ですね、事務職員の確保、育成について、まず、独法化後の人材育成の具体的な取組について伺います。
○谷田経営企画部長 新法人におきまして、医療事務や病院経営に関する知識、経験を有する事務職をはじめとする専門性の高い事務職員の確保や計画的な育成は重要でございます。
このため、今後事務部門の人材育成計画を作成し、病院の事務職員として働くために必要な基礎知識の早期習得に向けた研修を充実させることなどにより、病院運営を支える事務職員の経営意識や実務能力の向上を図ってまいります。
○上田委員 専門性、経営意識、実務能力、いずれも大切なポイントでございます。
第三回定例会の本委員会でも確認しましたが、事務職員は東京都からの派遣及び保健医療公社からの転籍としていますが、これは普通に考えて、全く機動的な人材確保とは思えません。独法化するのであれば、給料の高い都の派遣をやめて、民間からの派遣人材を採用すれば、大幅に人件費を抑え、医療従事者にその分を振り向けられるのではないでしょうか。
独法化をするのであれば、民間派遣と東京都派遣の人件費比較分析をするのが当然と思料いたします。この点について、金銭的にどちらに税金を支払う都民のメリットがあるのか、数字と積算根拠をお示しください。
○谷田経営企画部長 新法人設立時点における事務職員は、原則として、都からの派遣または東京都保健医療公社からの転籍を想定しております。
法人の運営開始後は、都派遣職員や公社からの転籍職員、新法人固有職員のほか、現在も一部の現場で活用しておりますいわゆる民間の派遣会社からの派遣職員の活用も含め、効率的、効果的な病院運営に資するよう、事務職員の適切な配置を行ってまいります。
○上田委員 民間のM&Aだったら、こうした数字を比較して、経営メリットのある方を選ぶはずなんですが、数字も比較せず、これのどこが機動的な人材確保ができるのか、疑問に思いました。
医療人材はさておき、事務方まで、なぜ都職員給与と同等となり、人件費が高額となる都派遣職員でならないといけないのか、所見を伺います。
○谷田経営企画部長 新法人の設立当初に、事務職員の大多数が新規採用の法人固有職員となることは、円滑な法人への移行の観点からは支障があり、一定数は都からの派遣職員になることが必要であると考えております。
一方で、法人化後には、新たに可能となる柔軟な採用制度等を活用し、計画的に固有職員の確保、育成を図っていくことが重要でございます。
派遣職員につきましては、法人における固有職員の確保状況や各年度の事業計画等を総合的に勘案しながら、段階的に派遣の解消を図ってまいります。
○上田委員 水道局、下水道局は、東京水道、下水道サービスがありまして、プロパー、都の派遣、委託職員の待遇格差が生じており、士気に悪影響を及ぼし、ご承知のように水道局では毎年のように不祥事が発生しているんですよね。
広尾病院、神経病院をPFI方式にすると仄聞していますが、そうすると、PFI職員の有無が出てくるのでないかというふうに懸念しているところですが、現状についてご説明ください。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 PFI事業におきまして落札した民間事業者は、設計、建設、維持管理、運営の各事業を包括して実施するために、特別目的会社、いわゆるSPCを設立し、そのSPCと都が事業契約を締結することになります。
神経病院につきましては、令和三年六月に多摩メディカル・キャンパス整備等事業をPFI事業として実施することを決定し、現在、入札手続中でございます。
広尾病院につきましては、令和元年十月に広尾病院整備基本計画を策定し、PFI方式を採用することも含めて、現在検討を進めているところでございます。
どちらの事業におきましても、SPCは設立されておりませんので、現在その職員はおりません。
○上田委員 現在いないが、今後発生するのかどうか、注視をさせていただきたいと思います。水道局のようなことがないよう、くれぐれも留意をお願いいたします。
さて、継続的に業務改善に取り組む組織風土を醸成とのことですが、これまでの都立、公社病院では、継続的に業務改善に取り組む職場風土が醸成されていないと読み取れるのですが、これまで具体的に何か欠けていたのでしょうか。独法化すればどう解決できるのか、新たな改善策、見込んでいる効果について具体的に伺います。
○船尾計画調整担当部長 都立病院はこれまで、テーマ別改善運動による職員の意識改革のほか、電子マネーやQRコードによる支払い方法の導入などの患者の利便性の向上、資料のペーパーレス化などによる効率化などの様々な業務の改善に取り組んでまいりました。
独法化後も引き続き、患者ニーズを的確に把握し、患者サービスの向上を図るとともに、効率的、効果的な病院運営等を行う必要があるため、中期目標を通じまして、法人に新たな改善に取り組む組織風土の醸成を求めるものでございます。
○上田委員 これまでの評価、実績はあったということです。
これまで私は、患者の声相談窓口の相談状況を確認しておりました。福祉保健局の事務事業質疑や、前回、五年前からずっと確認しているんですけれども、個別のご相談では、都に連絡しても全然動いてくれないということで、深刻なご相談に乗ってきました。都立なら、百歩譲っても都の職員ですので、それでも都は、福祉保健局が動いてくれたものですけれども、民間病院だと事実上のお手上げでした。
健康長寿医療センターについても、ご都合主義では東京都と一体、クレームやなんかが来たら、法人だから別というようなご相談で、私も手を焼いたことがございます。
健康長寿医療センターの業務実績評価、過日、質疑をさせていただきましたが、職員提案による業務改善、効率化を確認させていただいておりました。
毎年、職員提案制度に病院ごとに全職場で取り組み、病院経営本部で報告会も実施していましたが、独法化においては、この制度はどう運用して、職場にあってはモチベーション、患者にあってはホスピタリティーの向上につなげていくのか、具体的な取組を伺います。
○西川サービス推進部長 都立病院におきましては、平成二年度から、病院職員が身近な課題の解決に取り組む自主的活動でございますテーマ別改善運動を実施しておりまして、平成十八年度以降は公社病院も参加しております。
この運動は、活動を通して職員の意識改革や職場の活性化を促すことにより、患者サービスの向上や安心して医療を受けられる環境の整備、経営改善等につなげることを目的としております。
活動の内容は、報告書として取りまとめるとともに、各病院の代表による発表会を開催することで、病院全体の士気高揚を図っております。
また、患者満足度や職員満足度を高めるために参考となる取組につきましては、各病院の運営に取り入れるなどの活用をしております。
独法化後のテーマ別改善運動につきましては、こうした実績を踏まえまして、現在検討を行っているところでございます。
○上田委員 本当、職員提案制度は誠に評価できる取組なんですけれども、現場の負担も実は大きいという声も届いておりました。でも、公務員だから粛々とやってくれていたんだと思いますが、効率化の下、この種の事業がシュリンクしてしまわないか、懸念するものでございます。
次に、第4、財務内容の改善に関する事項です。
法人の役割を将来にわたり安定的かつ継続的に果たしていくため、収入の確保と費用の節減に努め、財務内容の改善に取り組むとされています。質疑では、公社病院の負債百八十六億円の問題はどう解決するのか伺いましたが、経営改善会議を設置、医療機器、医療品の共同購入を図ると、具体性に欠け、やって当たり前のことしか答弁されていませんでした。
今年度は、コロナ対応による国からの補助金で黒字にはなっているものの、負債について、この十年の返済、赤字解消に向けての動向、これからの返済計画について、まず具体的に金額を入れてご説明ください。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公社病院の負債は、流動負債と固定負債を合わせて、二〇一一年度百五十九億円で、二〇二〇年度は二百十八億円と、五十九億円増加しております。
一年以内に支払うべき負債である流動負債につきましては、二〇二〇年度は百八億円で、新型コロナ対応のため整備した簡易陰圧設備の経費等を未払い金などに計上していますが、これは次年度に全て支払う予定のものでございます。
また、一年を超えて支払い時期が到来する負債である固定負債については、二〇二〇年度は百十億円ですが、会計基準上、負債として計上することが必要となる退職給付引当金などを計上しております。
いずれにせよ、公社の負債は、借入金を計上していないため負債に関する返済計画はございませんが、引き続き、一層の経営努力を行い財務内容の改善に努めてまいります。
○上田委員 いずれにしろ、負債解消の計画が厳しく、抜本的な問題は残っていることが読み取れます。今までも一層の経営努力、財政基盤強固を繰り返され、答弁され、こうした努力を続けながらも、百八十六億円の負債が膨らんだわけです。
資産に関しても独法に引き継ぐということですが、バランスシートを説明の上、改善すれば、負債勘定を圧縮して財務内容が改善するのか、具体的な独法化後の中長期にわたる財政計画をお示しください。
○船尾計画調整担当部長 独法化後は、柔軟な人材確保が可能となるメリットを生かしまして、地域で必要とされる医療等について医療提供体制を機動的に強化し、地域の医療機関との役割分担の下、医療連携を一層推進して患者を受け入れてまいります。
医療機能を柔軟、迅速に強化し、患者や地域のニーズに応えていくことで、受入れ患者が増加し、医業収益も増加していくものと考えており、中期目標において取組を求めるものでございます。
なお、収支を含む財務に関する計画は検討中でございます。
○上田委員 なかなかキャッシュ・フローで返していくのは難しそうですよね、医業収益というのを、増加を目指しているようですけれども。七月にもう独法化するというのに、財務に関する計画は検討中というのは、遅過ぎないのかなということを指摘させていただきます。
次に、第5、その他の業務運営に関する重要事項、3、適正な業務運営の確立、(2)、コンプライアンスの推進についてです。
都の職員は、全体の奉仕者として、憲法十五条第二項に基づき入職しています。多くの都職員はこれを遵守しているにもかかわらず、さっきの水道局じゃないんですけれども、不祥事は相次いでまいりました。
行政的医療において、都民の命を預かるわけですので、この点はほかのどの都政事業よりも徹底されなくてはならないはずです。独法化すれば、都は、今までと変わらぬ税金を支出しながらも、先ほども都議会の介入が、また、チェックがなくなることを懸念するという声もありましたけれども、都の職員のように都が直接懲戒処分をすることもできなくなります。
つまり、金は出すのに口が出せないわけで、法人及びそこで働く職員のコンプライアンスと内部統制を維持するモチベーションが一体どこに求められるのか、大いに危惧をしているんですね。
民間と役所の悪いところ取りとなり、奉仕の精神を失ったお役所仕事では、都民益を損なう最悪の状況になりますまいか。都民の命を守る全体の奉仕者たる医療従事者、事務職員のコンプライアンスをいかに徹底していくのか、職員の懲戒も含めた管理監督体制について、具体的にご説明ください。
○船尾計画調整担当部長 行政的医療の安定的、継続的な提供などに取り組んでいく上で、法人運営に必要なルールや仕組みを適切に定め、運用していくことは重要でございます。
地方独立行政法人法では、法人は、具体的な業務の方法の要領を記載した業務方法書について知事の認可を受けることとなっており、業務の適正を確保するための体制整備に関する事項等を記載することとされております。
中期目標におきましても、法人が適正な業務運営を確立し、職員一人一人が法令等を遵守するよう、必要な規定等を整備し、適切に運用することにより、コンプライアンスの推進を図ることを求めるものでございます。
○上田委員 なかなかコンプライアンスの維持ができる根拠というのが難しそうだなというふうに思いました。
全体的に、今回の中期目標ですけれども、規約が通ったことで、独法化ありきになっている印象が否めませんでした。行政医療として当然やるべきことを羅列しているのみで、独法化した後のメリットがあると小池都政は進めているという前提なんですよね、私からすると。それが具体的に示されていません。
メリットがあるからやるわけなのでしょうから、民間企業でいえば当然ある売上げ目標、慢性的な赤字経営の改善目標、支出の抑制と組織の合理化を、具体的数値を踏まえ、年限を明確にした目標を掲げるべきと申し上げまして、私の質疑を終わります。
○おじま委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認め、報告事項及び請願陳情に対する質疑は終了いたしました。
これより請願陳情の採決を行います。
初めに、請願三第一〇号を採決いたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○おじま委員長 起立少数と認めます。よって、請願三第一〇号は不採択と決定いたしました。
次に、陳情三第六三号を採決いたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○おじま委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三第六三号は不採択と決定いたしました。
以上で請願陳情の審査を終わります。
以上で病院経営本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時五十六分散会
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