厚生委員会速記録第十四号

令和三年十一月十八日(木曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長おじま紘平君
副委員長伊藤こういち君
副委員長小松 大祐君
理事上田 令子君
理事やまだ加奈子君
理事桐山ひとみ君
かまた悦子君
関口健太郎君
うすい浩一君
浜中のりかた君
藤田りょうこ君
菅原 直志君
小宮あんり君
白石たみお君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長中村 倫治君
健康危機管理担当局長佐藤 智秀君
次長理事兼務雲田 孝司君
技監田中 敦子君
理事医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長事務取扱矢沢 知子君
理事早川 剛生君
総務部長高野 克己君
指導監査部長坂本 尚史君
保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務成田 友代君
生活福祉部長高橋 博則君
高齢社会対策部長山口 真吾君
少子社会対策部長奈良部瑞枝君
障害者施策推進部長中川 一典君
健康安全部長藤井麻里子君
感染症対策部長武田 康弘君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務
齋藤 善照君
総合調整担当部長末村 智子君
医療改革推進担当部長小竹 桃子君
医療政策担当部長鈴木 和典君
地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務池上 晶子君
事業調整担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務新田 裕人君
高齢者施策推進担当部長大規模接種施設企画調整担当部長兼務山本 謙治君
子供・子育て施策推進担当部長西尾 寿一君
障害者医療担当部長石黒 雅浩君
感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務杉下 由行君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長遠藤 善也君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務花本 由紀君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長徳弘 欣也君
東京感染症対策センター担当部長加倉井祐介君
新型コロナウイルスワクチン担当部長村本 一博君
新型コロナウイルス戦略的検査推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務河野 和久君
酸素・医療提供ステーション担当部長関口 尚志君
酸素・医療提供ステーション担当部長小林 俊文君
抗体カクテル療法促進担当部長内藤 典子君
新型コロナウイルス感染症対策総合調整担当部長早川 八十君

本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
事務事業について(質疑)

○おじま委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の傍聴人の定員は、委員会傍聴規則第五条第二項の規定により、六名にいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○おじま委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、福祉保健局長及び福祉保健局の幹部職員に交代がありましたので、局長からご挨拶並びに幹部職員の紹介があります。
 福祉保健局長に就任されました中村倫治君をご紹介いたします。

○中村福祉保健局長 十月二十五日付で福祉保健局長に着任いたしました中村倫治でございます。
 私ども福祉保健局では、急激に変化する社会環境に迅速かつ的確に対応し、都民が安心して暮らし続けられるよう、大都市東京にふさわしい福祉、保健、医療施策を積極的に展開し、さらなる充実を目指していく所存でございます。
 また、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、組織対応力を強化し、健康危機管理担当局長と共に、検査、医療体制の拡充、保健所とのさらなる連携など、局一丸となって取り組んでまいります。
 おじま委員長をはじめ委員の皆様方のご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、人事異動のありました当局の幹部職員を紹介いたします。
 健康危機管理担当局長の佐藤智秀でございます。総合調整担当部長の末村智子でございます。新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長の徳弘欣也でございます。酸素・医療提供ステーション担当部長の小林俊文でございます。抗体カクテル療法促進担当部長の内藤典子でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○おじま委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。
     
○おじま委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○高野総務部長 九月二十四日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をご覧ください。
 おめくりいただいたところに目次を記載しておりますが、全部で五十九項目となっております。
 それでは、一ページをお開き願います。1、国民健康保険における加入世帯数並びに被保険者資格証明書及び短期被保険者証の交付件数の推移といたしまして、二ページにかけまして、区市町村ごとに令和元年度から令和三年度の三か年にかけて記載してございます。
 三ページをご覧ください。2、国民健康保険料(税)率の推移といたしまして、四ページにかけまして、基礎賦課及び後期高齢者支援金等のそれぞれの所得割、資産割、均等割及び平等割を、区市町村ごとに平成三十年度から令和三年度にかけて記載してございます。
 五ページをご覧ください。3、国民健康保険料(税)の減免件数の推移といたしまして、区市町村ごとに平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 六ページをお開き願います。4、国民健康保険における一部負担金減免件数の推移といたしまして、区市町村ごとに平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 七ページをご覧ください。5、国民健康保険料(税)の滞納世帯数及び収納率の推移といたしまして、対象世帯数、滞納世帯数及び収納率を、区市町村ごとに平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 八ページをお開き願います。6、国民健康保険料(税)の滞納に対する新規の差押件数、差押額及び差押物件の内訳の推移といたしまして、右側の九ページにかけまして、(1)に区市町村ごとの新規差押件数及び差押額を、また、一枚おめくりいただいた一〇ページ、(2)に特別区、市町村別の新規差押物件の内訳を、それぞれ平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 一一ページをご覧ください。7、国民健康保険への東京都支出額の推移といたしまして、(1)に特別区、(2)に市町村への都の支出金の推移を、(3)に東京都国民健康保険事業特別会計への繰出金を、それぞれ平成二十七年度から令和元年度にかけて記載してございます。
 一二ページをお開き願います。8、特別養護老人ホームへの入所申込者数の推移といたしまして、一四ページにかけまして、厚生労働省が全国調査を行いました平成二十五年度、二十八年度及び令和元年度における入所申込者数を、区市町村ごとに記載してございます。
 一五ページをご覧ください。9、認可保育所の定員、入所児童数及び待機児童数の推移といたしまして、区市町村ごとの定員、年齢別の入所児童数及び待機児童数について、一八ページにかけまして、(1)、令和元年十月一日現在から、(4)、令和三年四月一日現在までの四時点のものについて、それぞれ記載してございます。
 一九ページをお開き願います。10、認可保育所における職員の平均経験年数別施設数といたしまして、平均経験年数別の施設数を、平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 二〇ページをお開き願います。11、認可保育所における設置主体別、職員の平均経験年数別施設数といたしまして、設置主体ごとに令和二年度の平均経験年数別の施設数を記載してございます。
 二一ページをご覧ください。12、重症心身障害児(者)施設の状況といたしまして、(1)に平成三十年度から令和三年度までの都立施設における看護師の定数及び現員を、(2)に平成三十年度から令和三年度第一・四半期までの短期入所の運用状況を、(3)に平成二十九年度から令和二年度までの重症心身障害児者入所待機の状況をそれぞれ記載してございます。
 二二ページをお開き願います。13、社会福祉施設等及び病院の耐震化状況といたしまして、(1)に社会福祉施設等の耐震済みの棟数を、(2)に病院の耐震化状況をそれぞれ記載してございます。
 二三ページをご覧ください。14、保育所等利用待機児童数調査における申込児童数及び認可保育所等利用児童数の推移といたしまして、区市町村ごとの申込児童数、認可保育所等利用児童数及び差引きの人数を、二五ページにかけまして、平成三十一年から令和三年まで、それぞれ四月一日現在のものを記載してございます。
 二六ページをお開き願います。15、福祉保健局所管の政策連携団体における障害者雇用人数及び雇用率の推移といたしまして、各団体ごとに平成三十年から令和二年にかけて記載してございます。
 二七ページをご覧ください。16、介護保険料の滞納件数及び収納率の推移といたしまして、二八ページにかけまして、区市町村ごとに平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 二九ページをご覧ください。17、介護保険料の滞納に対する新規の差押件数及び差押物件の内訳の推移といたしまして、(1)に区市町村ごとの新規差押件数を、一枚おめくりいただいた三〇ページにかけまして、また、右側の三一ページの(2)に特別区、市町村別の新規差押物件の内訳を、それぞれ平成二十九年度から令和元年度にかけて記載してございます。
 三二ページをお開き願います。18、乳児院及び児童養護施設の在所期間別在籍児童数といたしまして、(1)、乳児院、(2)、児童養護施設に分けて、それぞれ令和二年三月一日現在の人数を記載してございます。
 三三ページをご覧ください。19、乳児院退所後の措置先の推移といたしまして、他の乳児院、児童養護施設、養育家庭等、その他の区分別に措置先を、平成二十七年度から令和元年度にかけて記載してございます。
 三四ページをお開き願います。20、里親委託等、乳児院及び児童養護施設の児童数と割合の推移といたしまして、区分ごとの児童数及び割合を、平成二十九年度から令和元年度にかけて記載してございます。
 三五ページをご覧ください。21、児童養護施設退所者等の進路等把握状況といたしまして、(1)、児童養護施設、(2)、里親等に分けて、それぞれ大学等、就職、その他の進路区分別にその人数及び割合を、平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 三六ページをお開き願います。22、都内の児童養護施設退所者に対するアフターケア施設の活動状況及び補助額の推移といたしまして、実施箇所数、相談実績、サロン参加者数及び決算額を、平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 三七ページをご覧ください。23、妊娠相談ほっとラインの相談実績の推移といたしまして、全相談件数及びその対応内容の内訳を、令和元年度から令和三年度にかけて記載してございます。なお、令和三年度につきましては、八月までの五か月分の件数となっております。
 三八ページをお開き願います。24、新生児等の新規措置先の推移といたしまして、措置時の年齢別、措置先別の人数を、平成二十九年度から令和元年度にかけて記載してございます。
 三九ページをご覧ください。25、児童相談所が里親に委託した児童に係る特別養子縁組の成立件数の推移といたしまして、平成二十三年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 四〇ページをお開き願います。26、児童養護施設等措置変更数の推移といたしまして、措置解除、措置変更及び退所児童数の合計を、平成二十九年度から令和元年度にかけて記載してございます。
 四一ページをご覧ください。27、養育家庭委託の解除理由別内訳の推移といたしまして、解除等理由別に平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 四二ページをお開き願います。28、児童相談所一時保護所の入所定員及び入所期間、事故件数、職員の研修状況並びに心理専門職の配置状況といたしまして、四四ページにかけまして、(1)に令和二年度の入所定員、新規入所児童数及び入所期間等を、(2)に平成三十年度から令和二年度までの事故件数を、右側四三ページの(3)に児童相談所職員の研修状況を、一枚おめくりいただきまして、四四ページの(4)に令和三年度の心理専門職の配置状況をそれぞれ記載してございます。
 四五ページをご覧ください。29、都所管の児童養護施設への指導検査における文書指摘数の推移といたしまして、文書指摘の内容別の内訳を、平成三十年度から令和二年度まで記載してございます。
 四六ページをお開き願います。30、重症心身障害児(者)施設の待機者数の推移といたしまして、各年度末における待機者数を、平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 四七ページをご覧ください。31、都外の障害児入所施設の入所者数の推移といたしまして、各年四月一日現在の入所者数を、平成二十九年から令和三年にかけて記載してございます。
 四八ページをお開き願います。32、社会福祉法人が運営する都内の高齢者施設及び障害者施設において入院・死亡に至った事故件数等といたしまして、(1)の高齢者施設につきましては、アに入院、死亡に至った事故件数、イに新型コロナウイルス感染症の陽性者数を、右側四九ページ、(2)の障害者施設につきましては、アに入院、死亡に至った事故件数、イに新型コロナウイルス感染症の入院、死亡者数を、それぞれ令和二年度の人数等を記載してございます。
 五〇ページをお開き願います。33、障害者グループホームの定員の推移といたしまして、右側の五一ページにかけまして、各年度三月一日現在の定員を、区市町村ごとに平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 五二ページをお開き願います。34、重症心身障害児(者)施設の入所定員及び待機者数並びに通所定員の推移といたしまして、各年度末における施設の入所定員及び待機者数並びに通所施設の定員を、平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 五三ページをご覧ください。35、有料老人ホームにおける事故件数・実地検査実施状況といたしまして、(1)に内容別に分類した事故件数を、(2)に実地検査実施状況を、それぞれ平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 五四ページをお開き願います。36、自立支援医療費(精神通院医療)受給者証所持者数及び死亡・病状改善を理由とする受給者証返還数の推移といたしまして、(1)に自立支援医療費(精神通院医療)受給者証所持者数を、(2)に死亡、病状改善を理由とする受給者証返還数を、それぞれ平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 五五ページをご覧ください。37、自立支援医療費(精神通院医療)の公費負担額の推移といたしまして、平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 五六ページをお開き願います。38、都が所管する社会福祉法人への指導検査における文書指摘数の推移といたしまして、指導検査における文書指摘数の総数及び指摘内容別の内訳を、平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 五七ページをご覧ください。39、特別区及び多摩地域における検案・解剖実績の推移といたしまして、特別区と多摩地域に分けて、検案、解剖別にそれぞれの実績を、平成二十九年から令和元年にかけて記載してございます。
 五八ページをお開き願います。40、監察医務院における新型コロナウイルス感染症陽性者の検案実績といたしまして、既に新型コロナウイルス感染症の陽性が判明していたご遺体、監察医務院における検査で陽性が判明したご遺体に区分し、令和三年七月から同年九月までの検案実績を記載してございます。
 五九ページをご覧ください。41、監察医務院における妊産婦自殺の検案数の推移といたしまして、平成二十九年から令和元年にかけて記載してございます。
 六〇ページをご覧ください。42、医療法人に対する指導・監督の実施件数の推移といたしまして、内容別の指導、監督の実施件数を、平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 六一ページをご覧ください。43、患者の声相談窓口への相談件数及び内訳の推移といたしまして、相談内容別の相談件数を、平成三十年度から令和二年度まで記載してございます。
 六二ページをお開き願います。44、精神科医療機関における虐待が疑われる事案の件数及び内訳の推移といたしまして、平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。なお、当該期間で都が把握した該当案件はございません。
 六三ページをご覧ください。45、令和三年一月十三日の厚生労働省通知を踏まえた、精神科病院に対する実地指導を通じて発見された虐待の件数と内容といたしまして、令和三年一月十三日から同年九月三十日までの実績を記載してございます。なお、当該期間での該当案件はございません。
 六四ページをお開き願います。46、福祉保健局における障害者の採用、配置、業務、勤務評価に係る合理的配慮の取組状況といたしまして、採用、配置、業務、業績評価の区分別に、障害者への合理的配慮の取組状況を記載してございます。
 六五ページをご覧ください。47、福祉保健局における障害者就労施設等からの優先調達の契約件数及び金額の推移といたしまして、印刷、物品購入、委託の契約区分別に、平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 六六ページをお開き願います。48、区市町村別年齢別待機児童数の推移といたしまして、区市町村ごとの年齢別の申込児童数、待機児童数及びその割合を、六八ページにかけまして、平成三十一年から令和三年まで、それぞれ四月一日現在のものを記載してございます。
 六九ページをご覧ください。49、家庭的保育事業の区市町村別実施状況、家庭的保育者数、保育児童数及び保護者負担額といたしまして、家庭的保育事業における国制度及び都制度の実施状況、令和元年度から令和三年度までの認定家庭的保育者数及び保育児童数、都制度における保育料月額について、七〇ページにかけまして、区市町村ごとに記載してございます。
 七一ページをご覧ください。50、区市町村による認証保育所等利用者負担軽減制度の実施状況といたしまして、七五ページにかけまして、事業名、内容、対象者及び月額の補助額を、区市町村別に記載してございます。
 七六ページをお開き願います。51、とうきょう保育ほうれんそうの受付実績の推移といたしまして、平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 七七ページをご覧ください。52、都内における動物の引取り及び収容数の推移といたしまして、区市町村ごとに平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 七八ページをお開き願います。53、都内における動物の致死処分数の推移といたしまして、処分に至った事由別に平成三十年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 七九ページをご覧ください。54、第一種動物取扱業者に対する勧告及び命令の実施実績といたしまして、平成三十年度から令和二年度にかけて実績を記載してございます。なお、当該期間における該当案件はございません。
 八〇ページをお開き願います。55、医療保健政策区市町村包括補助事業を活用した飼い主のいない猫対策の実施状況といたしまして、補助事業の内容別に、令和二年度に実施した区市町村をそれぞれ記載してございます。
 八一ページをご覧ください。56、福祉保健局が所管する事業のうち事業者に対して行った不利益処分件数の推移といたしまして、改善等の義務を課すもの、事業活動を一定程度停止させるもの、事業者が有する権利等を取り消すものの区分別に、それぞれの件数を、平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 八二ページをお開き願います。57、福祉保健局への公益通報の事由別件数の推移といたしまして、受理件数及びその事由を、平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 八三ページをご覧ください。58、都内の公衆衛生医師の配置状況等の推移といたしまして、(1)に各年度四月一日現在の都、特別区、八王子市、町田市における配置数を、(2)に各年度の採用者数及び退職者数を、それぞれ平成二十八年度から令和二年度にかけて記載してございます。
 八四ページをお開き願います。59、福祉保健局職員の自殺、病気休暇及び病気休職、定年を待たない退職、公務災害件数の推移といたしまして、(1)に各年度の自殺者数を平成二十八年度から令和二年度まで、(2)に病気休暇及び病気休職を三十日以上取得した職員数を男女別、年齢別に平成二十八年から令和二年まで、(3)に定年退職を除く退職者数を男女別、年齢別に平成二十八年度から令和二年度まで、(4)に公務災害の認定件数を男女別、年齢別に平成二十八年度から令和二年度まで、それぞれ記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○おじま委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○やまだ委員 お願いします。私からは、まずコロナ対策、臨時の医療施設と人材の確保について伺います。
 我が党では、第三回定例会代表質問において、第六波に備え、臨時の医療施設の確保、また人材の確保を進めておくべきと質問をいたしました。現在、感染状況は一時と比べて落ち着いてはおりますが、臨時の医療施設の確保は引き続き重要であると考えています。
 まず、臨時の医療施設の確保について、進捗状況を伺います。

○関口酸素・医療提供ステーション担当部長 現下の感染状況は落ち着いておりますが、感染再拡大に備え、患者の症状等に応じたきめ細やかな医療を提供する体制の構築に向けて取り組んでおります。
 先般公表いたしました感染再拡大に向けた総合的な保健・医療提供体制では、酸素・医療提供ステーションをはじめとする臨時の医療施設等を七百二十床確保することとしております。
 新たな臨時の医療施設につきましては、現在、感染症法第十六条の二第一項に基づく協力要請に対しまして、協力を可能と回答があった施設を中心に、地域バランスや医療資源の有効活用の観点などを考慮し検討を進めております。

○やまだ委員 第五波のときは、都内の医療施設の病床の逼迫が大変大きかったことから、人工透析などの医療が必要な患者が感染した場合の入院調整が困難であったと聞いています。
 医療資源の効率的な活用により、様々な医療が必要な患者、感染者の受入れを可能にするとともに、新たな臨時の医療施設については、こうした多様なニーズに応ずるための機能についても検討すべきと考えています。まず、都の見解を伺います。

○関口酸素・医療提供ステーション担当部長 次の感染再拡大に向けましては、ご指摘のとおり、様々な医療ニーズに応えられるよう、さらにきめ細かな医療提供体制を構築する必要がございます。
 臨時の医療施設の一つでございます酸素・医療提供ステーションにおきましては、従来の救急対応に加えて、自宅療養者の外来診療機能や一時的な入院待機機能を併設するなど、多機能化を進めることとしております。
 また、新たな臨時の医療施設におきましても、この夏の課題を踏まえ、どのような機能を持たせるかなども含めまして、検討しているところでございます。

○やまだ委員 多機能化を進めている、また、その機能についても検討中であるということでありました。
 こういった多機能化に向けては、やはりその効果的な資源の活用として、それぞれの区市町村にある医療資源を最大限活用いただきたいと思います。
 例えば、三定の中でも質疑をいたしましたが、北区の中においても、医療機関の新設により、古い施設が丸々空いて活用できるなど、地元では様々な情報が共有されています。ぜひ区市町村とも、東京都として情報共有をし、有効的な活用を進めていただき、都民の重症化等を防ぐための新たな臨時の医療施設への取組を強化していただきたい、また、スピード感を持って進めていただきたいと要望しておきたいと思います。
 加えて、医療人材の確保についても伺います。
 都は、今後発生する可能性のある感染再拡大、六波に向けて、人材確保についてどのような対策を行っていくのか伺いたいと思います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、この夏の新型コロナウイルス感染拡大を受け、本年八月に、感染症法第十六条の二第一項に基づき、都内の医療機関等に人材派遣の協力要請を実施いたしました。
 このたび東京都医師会や東京都看護協会などと意見交換を実施し、要請に応じた医療機関等の情報を活用し、医療提供体制の逼迫時に速やかに医療人材を確保する仕組みである東京都医療人材登録データベースを開設いたしました。
 十一月十二日より登録を開始し、既に複数の医療機関、医療関係者の皆様にご登録をいただいております。感染が再拡大した場合には、本データベースを活用することにより、速やかな人材確保につなげてまいります。

○やまだ委員 人材登録データベース、開設をされ、既に登録が始まっているということでした。
 やはり病床の確保をしっかりしていく中で、病床をしっかりと回していくための人材が大変重要になってくると思います。この病床確保と人材の確保、両方しっかりと連携をしながら、確保をお願いしたいと思います。
 第五波では、病床数は確保できても、医療人材がいなくて病床を回すことができなかった、そのような声も多く聞いておりますので、今後、この人材登録データベースの活用、推進をお願いしたいと思います。
 続いて、災害時要配慮者支援について伺ってまいりたいと思います。
 近年、台風や豪雨による災害が多数発生しており、高齢者や障害者の迅速な避難が課題となっています。これまで区市町村が主体となって、福祉避難所の指定や個別避難計画の作成を進めてきましたが、取組が不十分な状況であると、まだ感じております。
 こうした中、国は本年、災害対策基本法を改正しました。改正内容のうち、福祉避難所と個別避難計画に関する事項について、まず伺いたいと思います。

○高野総務部長 災害対策基本法は、頻発する自然災害に対応して、災害時における円滑かつ迅速な避難の確保及び災害対策の実施体制の強化を図るため、本年五月に改正されております。
 本改正により、自ら避難することが困難な高齢者や障害者など、避難行動要支援者の個別避難計画の作成につきまして、区市町村の努力義務とされております。
 また、本改正の関連通知等により、優先度が高い要支援者の個別避難計画をおおむね五年程度で作成すること、福祉避難所の指定及びその受入れ対象者を公示すること、福祉避難所への直接避難を促進することなどが示されております。

○やまだ委員 大変大きな改定だったと思います。個別避難計画の努力義務、また、特に必要な方々にとっての五年程度での作成の区切りがされました。そして、福祉避難所の公示、福祉避難所への直接避難など、こういった変更は、障害者の団体の方々からも、福祉避難場所はどこにあるのか示してほしいなどのご要望、また直接避難したいなどのご要望があって、こういった形で実現がされたものと思います。
 一方で、個別避難計画については、昨年の事務事業質疑でも取上げをさせていただきましたが、都内では完全に作成した自治体は少数で、ほとんどが対象者の一部のみの作成にとどまっていて、未着手の自治体もまだまだ残っている状況であります。
 個別避難計画の作成が努力義務化されたことで取組が進むことを期待したいと思いますが、一方、作成する区市町村にとっては、大変負担が大きくなると思います。都と国には、区市町村をさらに支援していただくことが求められると思います。
 まず、現在の国の支援について、状況を伺います。

○高野総務部長 国は今年度、自治体における個別避難計画の効果的、効率的な作成手法を構築するためモデル事業を実施しており、都道府県事業十八団体、市町村事業三十四団体を選定しております。
 また、今年度から、優先度が高い要支援者の個別避難計画作成経費につきまして、新たに地方交付税措置されているところでございます。

○やまだ委員 国が新たに支援策を講じたことは、区市町村の計画作成を後押しすることとして評価をしたいと思います。
 法改正により、個別避難計画の作成や福祉避難所への直接避難などの取組がさらに進むよう、都としても区市町村を支援すべきと考えますが、現在の都の取組状況についても伺いたいと思います。

○高野総務部長 国は、区市町村による個別避難計画作成の努力義務化に伴い、モデル事業を実施しております。この事業に選定された都内の自治体では、福祉避難所を直接避難先とする計画作成、要支援者の状況を把握している福祉専門職への計画作成委託、福祉避難所での訓練実施など、特色のある取組を行うこととしております。
 都は、区市町村の担当者を対象とした研修会を毎年実施し、事例紹介と意見交換を行っておりますが、今年度は、モデル事業に選定されました自治体の取組を紹介する予定でございます。
 今後とも、こうした取組を通じて区市町村の取組を支援してまいります。

○やまだ委員 都として、計画作成の進め方、分からない自治体に対して、効果的な進め方など、また、必要に応じた特色ある取組を紹介するなど、有効な手段で対応されていることは理解をいたしました。
 昨年までは、研修会だけではなくて、これに加えて計画作成経費、この補助が二本立てでされていたと思います。しかし、今回、先ほどのご答弁にもありましたが、国の地方交付税措置がなされたことで、この計画作成経費は包括補助の範囲に入れられない状況になっていると思います。
 区市町村からは、その点について、計画作成費用の都からの支援が受けられないことについてのご意見も実際出ております。様々な計画作成の支援を行いながら、やはり一番は財源措置についての支援が必要になってくると思います。今後、来年度に向けて、ぜひ都独自の財政措置も、この計画作成費用について検討いただきたいと思います。
 そういったことも含めて、今回の法改正が計画作成の努力義務化、この義務化されたことが、さらに各区市町村の取組を促進させていく一つとして進められるよう、都として最大限の配慮、そして、財源の確保を改めてお願いして、この質問を終わりたいと思います。
 次に、高齢者施設におけるBCP策定についてです。
 福祉避難所の指定として多い、高齢者施設です。この高齢者施設においては、福祉避難所の機能とともに、入所者へのサービス提供も継続していかなければならない。加えて、今回のような、コロナのようなクラスターが発生した施設では、職員の確保が困難になるなど、様々な課題が浮き彫りにされています。BCP、業務継続計画の重要性が、改めて今回のコロナで再認識をされた事態となりました。
 都は、本年三月に基準条例を改正し、高齢者施設に対し、令和六年度当初までに非常災害及び感染症に係るBCPを策定するとともに、研修や訓練を年二回以上行うことを義務づけました。
 そこで、高齢者施設におけるBCP策定状況等の現状について伺いたいと思います。

○山口高齢社会対策部長 本年七月に実施しました高齢者施設におけるBCP、業務継続計画の策定状況等に関する調査では、回答施設のうち、非常災害に係るBCPを策定している施設は五九・二%、感染症に係るBCPを策定している施設は四五・三%、非常災害と感染症の両方のBCPを策定している施設は四二・一%でございます。
 また、BCPを策定済みの施設のうち、研修を年二回以上実施している施設は二五・七%、訓練を年二回以上実施している施設は三五・五%でございます。

○やまだ委員 災害と感染症の両方のBCPを策定している施設は約四割にとどまっており、また、BCPに基づく研修や訓練の取組もなかなか進んでいないことが分かりました。
 より多くの施設で早期にBCPを作成し、有事の際には、迅速に的確に行動ができるように備えていくことが重要だと考えています。都として、どのように支援をしていくのか伺います。

○山口高齢社会対策部長 都は、近年の災害の発生状況を踏まえ、昨年度から高齢者施設のBCP策定支援事業を実施しており、BCPの策定や改定を予定している施設を対象にBCP策定講座を開催するとともに、コンサルタントによる個別相談も実施しております。
 今年度からは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大も踏まえ、感染症発生時の職員体制の確保や感染拡大の防止のための対策も盛り込むなど、事業内容を充実させております。
 今後とも、高齢者施設におけるBCPの策定等を支援してまいります。

○やまだ委員 BCP策定講座の開催、また、個別相談、職員体制の確保など、充実した支援策を伺いました。
 これに加えて、訓練の実施についての支援も、充実を東京都としてしていただきたい、このことを求めておきたいと思います。ぜひとも、高齢者施設のBCP策定と、より実効性のある支援をお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。
 続いて、放課後等デイサービス事業について伺いたいと思います。
 四月、国の報酬改定が行われ、事業者からは様々なお声が届いています。利用者の方々が安心して通えるようにするには、まず、安定した事業者の運営にあると思います。
 そこで、都は、放課後等デイサービス事業について、事業者の実態調査を行ったと聞いています。まず、この目的と結果について伺います。

○中川障害者施策推進部長 都は、本年四月の報酬改定を踏まえ、六月から七月にかけて、都内約千か所の放課後等デイサービスの事業者を対象に、報酬改定による事業運営状況の影響やサービス提供の状況に関する調査を実施し、約七割の事業所から回答を得ました。
 調査では、報酬改定により、一人当たりの報酬が減少したと回答した事業所は約七割であり、報酬改定を受けて、加算の取得や経費の節減、利用者の受入れ増など、様々な対応を検討していることが分かりました。
 サービス提供に関しては、経験のある職員を配置し、多様な活動を実施している事業所がある一方、特定の活動に偏った事業所もあり、支援内容については、基本的な日常生活動作などが重要であると考えている事業所が多かったという結果でございました。
 また、学校との連携が十分でないこと、第三者評価の受審率が低いことなどの課題があることも分かりました。

○やまだ委員 回答された約七割の事業所で、報酬改定を受け報酬が減少したという切実な調査結果だったと思います。加えて、事業所としての様々な事業の課題、学校との連携の不十分、また第三者評価の受審率の低さ、あわせて、事業所の傾向も大きく二つに分かれることも、今のご答弁で理解をいたしました。
 こういった調査を踏まえて、都は、結果をどのように認識しているのか伺いたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 令和三年四月の報酬改定においては、これまで児童発達支援と放課後等デイサービスともに対象であった保育士、児童指導員の加配について、児童発達支援のみを対象とする見直しが行われており、同様の支援を行うこれら二つのサービスで、報酬に差を設ける合理的な理由はないと考えております。このため、都は、報酬改定前の令和三年三月、国に緊急提案を行っており、今後も国に対して働きかけを行ってまいります。
 また、サービス提供に関しましては、支援内容が様々であり、支援の質が課題の一つと認識してございます。

○やまだ委員 報酬に差を設けることは合理的理由はない、このことについて、国への緊急提案、そして、それをこれからも引き続き提案をしていただきつつ、都として支援していくことについて伺いたいと思います。
 見えてきた、支援の質が課題ということで、ご答弁がありました。これらの調査結果を受けて、この課題を都としてどのように対応していくのか伺います。

○中川障害者施策推進部長 国が示した放課後等デイサービスガイドラインでは、サービスの質の向上を図るため、自立支援と日常生活の充実のための活動、創作活動、地域交流の機会の提供、余暇の提供といった四つの活動を組み合わせて行うことや、適正な職員配置、関係機関との連携、PDCAサイクルなどによる業務改善などの取組を求めております。
 今回、都が調査した結果でも、こうした取組が質の向上に結びつくものと考えておりまして、調査結果を踏まえ、放課後等デイサービスの質の向上に向けた対策を進めてまいります。

○やまだ委員 放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子供に対して、多様な活動を通じた支援を行うことにより、子供の成長、発達を促す重要な役割を担っているものです。都には、先ほどご答弁ありましたが、質の向上に向けて取り組んでいる事業者、今困っている事業者に対して、適切な支援策、枠組みを改めてお願いして、この質問を終わりたいと思います。
 最後に、児童相談所について伺いたいと思います。
 十一月は児童虐待防止推進月間であります。令和二年度の都内児童虐待の対応件数、児相の件数が二万五千七百三十六件、前年度に比べると四千件超、四千件ほど増えているという調査結果も出ております。
 こういった児童虐待を防止していくための取組、本当に国を挙げて、また東京都だけではなく、子供を持たない方々も含めて対応を協議していく、認識を持っていくことが大変重要だと思っています。そして、何より児童相談所における、働く方々が大変なご負担を、この人数が増えていくことで負荷がかかっていると思います。
 児童相談所における人材確保、育成について伺いたいと思います。児童福祉司の国の配置基準に対して、都の児童福祉司の定数は大幅に不足している状況、これまでも聞いています。
 今年度の配置状況、そして改めて過去三年の増員数について伺いたいと思います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 児童福祉司の国の配置基準は、管轄人口三万人につき一人とされておりまして、令和三年度の都における配置数を試算いたしますと五百六十九人でございます。それに対しまして、今年度の児童福祉司の定数は三百八十六人でございます。
 都は毎年、児童福祉司の定数を増やしておりまして、過去三年における増員数は、対前年比で、令和元年度が四十二人、二年度が三十五人、三年度が三十六人でございます。

○やまだ委員 過去三年、定数を増やして、かなりご努力をいただいているのは理解をいたしますが、やはり定数である五百六十九人には、まだまだ百八十三人足らない状況であります。
 虐待が深刻化する中、児童福祉司の人材確保、育成をはじめ、児童相談所の体制強化は最重要課題であると考えます。改めて局長の見解を伺いたいと思います。

○中村福祉保健局長 児童相談所が深刻化します児童虐待に迅速かつ的確に対応するためには、とりわけ専門性の高い人材を確保するなど、その体制を強化することが不可欠でございます。
 都では、意欲ある人材を継続的に確保するため、今年度、専任チームを設置し、大学や養成機関への訪問など、採用活動を積極的に展開しているところでございます。
 また、相談や援助における面接スキルですとか、アセスメント力の向上を図るために、外部の委員を交えた検討会を立ち上げ、研修カリキュラムを新たに作成しております。
 さらに、東京都全体での児童相談体制の強化に向けまして、全区市町村が参画いたします合同検討会において、情報提供、情報共有を図るとともに、都と区が連携したサテライトオフィスの取組などを進めております。
 今後とも、人材の確保、育成と併せまして、こうした取組によりまして、区市町村ですとか関係機関とも連携して、児童相談所の体制強化を積極的に進めてまいります。

○やまだ委員 今年度から専任チームを設置されて、リクルート活動が積極的に行われているということでありました。若い方々にもこのお仕事を理解していただき、ぜひとも関わっていただく、裾野を広げていくことはとても重要でありますし、いい取組だと思います。
 一方で、若い方が入るということは、経験値も浅くなるということで、面接スキルやアセスメント力向上のための研修、実地的な研修も工夫として入れていただきながら、人数の増員と、そしてスキルのアップも同時にお願いをしていきたいと思います。
 児童相談所体制強化、区市町村と共に−−国の政令の方も出されました、市の体制強化も今後検討されることと思います。東京都と区市町村、連携をし、児童虐待防止に向けたさらなる体制強化を求めて、質問を終わりたいと思います。

○菅原委員 それでは、質疑をさせていただきます。
 新型コロナとの闘いは、もう二年になろうとしています。第五波が鎮静化している原因は様々ありますが、ワクチン接種が大きな要因であることは間違いありません。多くの国民がワクチン接種を理解して、そして協力をいただいていることに、まず感謝を申し上げたいと思います。
 このワクチンの接種は、中和抗体を体の中に作ることが大きな目的です。ワクチン接種に係る抗体保有に関する研究について、現在の取組状況を伺います。お願いします。

○加倉井東京感染症対策センター担当部長 都は、新型コロナウイルスワクチンの三回目接種の有効な接種手法等を検討するため、本年十月から、ワクチンの先行接種を行った医療従事者等、約一千人を対象に、抗体価の保有状況について研究を実施しております。
 現在、対象者から採血を行い、東京都医学総合研究所等におきまして検体の分析を進めているところでございます。
 今後、東京iCDCの専門家の議論を踏まえ、分析結果の取りまとめを行ってまいります。

○菅原委員 大きな流れとしては、三回目のワクチン接種をスムーズに進めることが重要だと思います。一方で、二回のワクチン接種の副反応が強くて、三回目の接種の効果を認めつつも、ワクチン接種をためらう方々も当然いらっしゃいます。自分の体の中に新型コロナの中和抗体がどの程度あるかということが大切なので、そのための研究をぜひ進めていただければと思います。
 民間では、中和抗体の検査が流行の兆しを見せていますが、それも、ワクチン接種や、また副反応への影響がその背景にあります。中和抗体の調査研究を進めて、都民に対する科学的な説明を進めていただくことをお願い申し上げます。
 希望する国民のほとんどが二回目のワクチン接種を終えつつありますが、国は三回目のワクチン接種を予定しています。その実施主体は地方自治体となります。
 東京都として、スムーズなワクチン接種を進めるための取組について伺います。

○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 国は、来月から始まる追加接種の基本的な役割分担といたしまして、区市町村は住所地で接種できるよう体制を確保し、都道府県は区市町村を支援しながら進捗管理を行うと示しており、スムーズな接種を進めていくためには、区市町村や関係機関と綿密な調整を図ることは重要でございます。
 このため、都では、区市町村の実務担当者とのワクチンチーム会議を先月以降精力的に開催し、意見交換や課題の共有を行うとともに、最初に追加接種が始まる医療従事者等の接種につきましては、都が東京都医師会等の関係団体と接種の実施方法について調整してまいりました。
 また、接種券の発送時期や発送間隔、高齢者の予約方法等につきまして、全区市町村の状況を都が調査し、その結果をワクチンチーム会議で共有して、各自治体の準備事務に還元しております。
 あわせて、来年一月の接種対象者分までのワクチンの配送が、今月二十六日までに完了する予定であるとともに、区市町村においては、十二月の接種対象者への接種券の配布が今月中に完了する見込みでございまして、今後とも、希望する都民が円滑に追加接種できるよう、区市町村を支援してまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 三回目のワクチン接種は、多分、国民的に大きな関心が寄せられると思いますので、ぜひスムーズな接種の管理、進行をお願いしたいと思います。
 国は、十一月十二日、先週になりますが、新型コロナウイルス感染症対策本部として、次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像という資料を示しました。
 その中に、病床の確保、臨時の医療施設の整備という項目がございます。病床の確保、また増床や病床使用率の向上によって、十一月末までに、今夏、今年の夏と比べて約三割増の患者が入院できる体制の整備をすることになっておりますが、稼働に向けた都の取組について伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、国による次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像の公表に合わせ、都の保健、医療提供体制の想定値や方針のポイント等について取りまとめ、先日公表いたしました。
 この中で、新型コロナ患者のための確保病床数について、現在の六千六百五十一床から二百四十床を増床し、回復期支援病床や臨時の医療施設なども含め、約九千四百四十床の医療提供体制を確保することとしております。また、転退院を促進することで病床の使用率を高め、より多くの患者を受け入れられるようにしてまいります。
 なお、病床について、国は、確実に稼働できるよう、都道府県と医療機関の間で書面の締結も求めており、都としても、入院が必要な方を確実に入院につなげるため、対応を進めてまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。ぜひ進めていただければと思います。
 病床の確保と、もう一つ出てくるのが、やっぱり自宅での療養の在り方ではないかと思います。今年の夏の感染拡大時には、急激な感染者の増加によって、陽性判明者のうち、保健所が連絡をして健康観察を開始するまで何日間か、数日かかるケースがありました。こうしたことが再び起こらないように、体制構築が求められます。
 健康観察をはじめとして、これまでの東京都の自宅療養者への支援の取組と今後の取組について伺います。

○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は昨年十一月から、自宅療養者フォローアップセンターを開設いたしまして、保健所と連携しながら、自宅療養者に対する健康観察や二十四時間対応の医療相談、食料品等の配送やパルスオキシメーターの配布などを実施しております。
 自宅療養者フォローアップセンターの人員につきましては、本年八月に百五十人体制であったものを、最大二百五十人体制までの増強が可能な体制を構築しております。
 また、今後の取組といたしまして、自宅療養者の容体の変化を早期に把握できますよう、パルスオキシメーターを既に確保した約十万台に加え、約十一万台追加し、計二十一万台を確保いたしますとともに、自宅療養者への速やかな健康観察を実施するため、診療や検査を行った医療機関による健康観察を実施してまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 次は、いわゆるワクチン接種の証明アプリのことを伺いたいと思います。
 十一月に入って、幾つかの都道府県ではワクチン接種証明アプリを展開しています。国も、マイナンバーカードとの連携をした接種証明アプリを展開する予定です。東京都もTOKYOワクションアプリを開発しました。私もアプリにもう登録を済ませていただいております。活用に当たっての利便性と賢い支出の観点から、幾つか確認をしたいと思います。
 まず、利便性の観点から質問します。
 多くの登録につなげるためには、手軽に証明できるなど使い勝手が良いものでなくてはいけません。先般、群馬県の取組が、安価、安く開発されたという、一部のメディアで報道されておりました。
 これらの二つは、使い勝手に大きな違いがあるようですが、群馬県の取組とTOKYOワクションアプリの違いについて確認をしたいと思います。

○齋藤企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 群馬県のぐんまワクチン手帳は、別途、本人確認書類と併せて提示することにより、県独自の宿泊キャンペーンの代金割引に利用できるほか、県が発行するプレミアム付食事券の購入が可能なものと聞いております。
 TOKYOワクションアプリは、接種済証等と本人確認書類の二つの情報をあらかじめ登録し、個人情報を提示することなく、接種済みであることを示すことが可能となっております。このアプリから、賛同事業者が提供する特典に応募できるほか、接種済みの画面を提示することで、まち中の店舗での特典の受け取りや感染防止徹底点検済証の交付を受けた飲食店で同一テーブルを五人以上で利用する場合などに活用が可能となっております。

○菅原委員 一応、仕立てが違うということを確認させていただきました。
 次は、賢い支出の観点から確認をしたいと思います。
 この事業は、八月に補正予算として計上した十億円というのがありまして、その後の社会状況の変化に応じて事業化されたものと認識しております。状況の変化に合わせて、効果と効率を検討しながらの予算執行が求められる、これは基本だと思います。
 事業費用の内訳を伺うとともに、予算執行についてどのように進めていくのか、今後の取組について伺いたいと思います。お願いします。

○齋藤企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 事業費用の内訳は、アプリの導入経費として約九千万円、アプリに登録された接種記録の確認やセキュリティ対策に要する経費、特典の管理、まち中で使える店舗の確保、その他で約二億七千万円、これらに加えて、ワクチンの正しい知識の普及啓発やTOKYOワクションアプリの周知のためのキャンペーン経費といたしまして、特設サイトの制作や若者を対象とした動画によるターゲティング広告などの基本的な普及啓発に約二億円で、計五億六千万円となっております。
 さらに、事業開始当初は実施せず、ワクチンの接種状況等を考慮しながら実施を検討する普及啓発のための経費約四億四千万円を加えた契約額は、税込みで約十億円となっております。
 ワクチンの接種状況等を考慮しながら実施を検討する普及啓発経費につきましては、今後の状況により、実施規模を検討していくこととしておりまして、今後とも、効果的、効率的な事業執行に努めてまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 群馬県のワクチンのいわゆるアプリ、仕立てが違うものは、でも一千万円かからないでできたという報道がありました。対して東京都は、十億円の予算を持っているので、この対比というので、少しざわつく、私たちもどういうことなんだと思った経緯はあります。
 ただ違うものということは、まず認識をしながら、とはいえ、十億円を使うというよりは、今のお話もありましたように、普及啓発経費で四億四千万円があって、そこは今後の事業執行を見ながら適切に、効率的に効果的に活用していくという答弁もありましたので、ぜひお願いをしたいというふうに思います。
 それでは、今度は後遺症外来のことを伺いたいと思います。
 新型コロナに罹患した皆さんの中には、後遺症に悩む方々もいらっしゃいます。そもそも正体不明のウイルスでありまして、患者本人はもちろん、医療関係者の方々も懸命な対応をされております。
 後遺症の実態把握など、調査研究の現状について伺います。

○加倉井東京感染症対策センター担当部長 新型コロナウイルス感染症の後遺症の実態は、現段階では明確になっておらず、その現状を把握するため、東京iCDCの専門家ボードでは、新型コロナウイルスに感染し、既に退院された方を対象とした調査などに取り組んでまいりました。こうした調査結果等を踏まえまして、令和三年六月に、東京iCDCにおいて、後遺症を分かりやすく解説したリーフレットを作成し、幅広く都民に周知しております。
 今後、病院経営本部と連携し、都立、公社病院に設置したコロナ後遺症相談窓口等で蓄積したデータや症例を分析し、さらなる実態把握を進めてまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 後遺症に悩む都民の皆さんが、地域の医療機関で十分な治療を受けられるようにするための情報収集の取組も必要になってくると思います。この取組についても伺います。お願いします。

○加倉井東京感染症対策センター担当部長 都立、公社病院に設置しているコロナ後遺症相談窓口では、新型コロナウイルス感染症の後遺症に悩む方の相談に応じるとともに、相談者の症状に応じて、医療機関の受診につなげるなどの支援を行っております。
 これに加え、後遺症に悩む都民が身近な医療機関で、より適切な医療を受けられるよう、現在病院経営本部とも連携し、後遺症に対応可能な医療機関の情報収集のための調査を行っており、今後、相談窓口等で、こうした情報の活用を図ってまいります。

○菅原委員 新型コロナへの後遺症の対応というのは、専門家による知見を重ねて、福祉保健局、そして病院経営本部が連携して取り組むことになります。
 重ねて申し上げますが、新型コロナは正体不明でありまして、しかも、現在進行形です。さらに、東京の動きは全国の自治体からも注目をされています。都民の生命と健康を守ることはもちろん、全国のコロナ対策の指標となることを改めて認識して取り組んでいただくことを要望いたします。
 児童相談所一時保護のことを少し取り上げます。
 児童相談所の一時保護で対応している子供たちは、相対的に口腔内、お口の中の状況が悪いと推察されます。平成十四年度に東京都歯科医師会が歯科健診、これ児童相談所内で行いました。その結果を見ますと、一時保護で対応している子供たちは、相対的に口腔内の状況が悪いと推察されます。
 一時保護所の子供たちの口腔状況を都はどのように把握して対応しているか伺いたい。お願いします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都の児童相談所の一時保護所では、保護された児童に対しまして、毎月、歯科衛生士が口腔内の状況を確認しておりまして、虫歯などの症状があった場合には、必要に応じて歯科医への通院などにつなげております。
 また、年齢に応じて歯の正しい磨き方や歯の健康のための食生活についても指導を行っておりまして、こうした取組により、保護児童の歯と口腔の健康の維持増進に努めております。

○菅原委員 先ほども取り上げました平成十四年度に東京都歯科医師会が行った歯科健診から二十年弱が経過いたしました。この間に社会情勢、状況も変わって、また、児童虐待がとても増えたということはあります。
 東京都歯科医師会は、児童虐待の早期発見、対応のために、都内の一時保護児童の口腔内の実態調査が改めて必要ではないかという提言もされております。東京都としての見解を伺います。お願いします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 平成十四年度に、東京都歯科医師会と都が連携して実施いたしました児童虐待と口腔内の状況に関する調査では、被虐児童は、一般的な児童よりも虫歯が多いことが明らかになりました。
 かかりつけ医師が児童の口腔内の異変に気づくことは、児童虐待の予防や早期発見につながりますことから、都は、保護児童の状況を踏まえまして、歯科医師の知識向上に向けた児童の口腔実態の把握を検討してまいります。

○菅原委員 児童虐待の一つの見えやすい状況としての子供たちの口、歯というのがあると思いますので、ぜひ取り組んでいただければと思います。
 次は、子供、乳児の死亡事例の話、チャイルド・デス・レビューのこと、CDRと書きますけれども、この件について質疑を進めさせていただきます。
 子供、乳児の死亡事例の四割程度は、不慮の窒息や、ほかに分類されないということになっています。虐待の可能性も含め、死因の、亡くなった原因の科学的な検証は、さらに進めることが求められます。また、十八歳未満の事故などの検証を進めることで、次の事故を防ぐことにもなります。
 CDR、チャイルド・デス・レビューは、死因究明という、人間の尊厳を守ることと生命を守る崇高な役割を担います。成育基本法、またCDRの取組を踏まえて、東京都はどのように対応するのかが問われております。
 都道府県チャイルド・デス・レビュー体制整備モデル事業が行われております。この国の動きと今後の都の取組について見解を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 令和二年四月に施行された死因究明等推進基本法におきまして、国は、施行後三年を目途といたしまして、子供が死亡した場合におけるその死亡の原因に関する情報の収集、管理、活用等の仕組み、あるべき死因究明等に関する施策に係る行政組織、法制度等の在り方等について検討を加えるものとされております。
 これを踏まえまして、国は、自治体と関係機関との協力体制の構築や情報の収集、管理、専門家を交えた死因等の検証等について試行的に実施し、課題を抽出することを目的に、昨年度、予防のための子どもの死亡検証体制整備モデル事業を開始いたしました。
 さらに、今年度は、このモデル事業を継続するとともに、昨年度収集した事例の集約や整理等を行い、今後のチャイルド・デス・レビューの制度化に向けた検討材料とすることとしております。
 本年一月に、この取組に関する説明会が開催され、都も参加しており、引き続き、国の動向を注視してまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 私は、二十年以上前から、いわゆる犯罪被害者の団体とずっと関わってまいりました。全国の犯罪被害者を取りまとめる事務局にもおりましたけれども、その中で、やはり乳児のお子さんを亡くされた方とか、または医療過誤の中で亡くされた場合とか、または学校の部活動とか、学校の活動の中でお子さんを亡くされた親御さんたちの話をずっと聞いてきました。
 そうすると、子供たちって、なぜ自分がそういう状況になったのか、どうしても説明できない。また、周りの子供たちも、どうしてもそれを説明できない。また、医療の中にいると、誰もそれを説明しないという、遺族側のフラストレーションって当然あります。そうすると、やはり人間の最後の尊厳である、どのようにして亡くなったのか、その死因究明というのが見えなくなっているという現状をずっと私は見てきました。
 そしてまた、その亡くなった原因を追求すること、突き止めることが、次の悲劇を生み出さないための大事なかけ橋になるという視点もあります。チャイルド・デス・レビューというのはそういうものでございますので、ぜひ、これから東京都として、また国としても進める、また東京都医師会も進めたいという意向を示していますので、検討組織や計画策定まで含めてご検討いただければと思います。
 さて、自殺対策について伺います。
 近年の自殺者の現状について報告を求めます。特に、コロナの中で、若者、女性の自殺が増えている状況の報告をお願いいたします。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都の自殺者数は、平成三十年は二千二十三人、令和元年は千九百二十人、令和二年は二千十五人となっております。
 令和二年の自殺者数のうち、女性は前年に比べまして八十五人増の七百二十六人となっております。また、三十代以下の若年層は、前年に比べて六十人増の六百六十六人となっております。

○菅原委員 今回のコロナ禍を受けて、東京都の取組を進めてきました。これは、本当にもともとの予定したものよりもかなり前倒しで東京都は進めてきたということは、私も認識しております。
 それぞれの取組について報告を求めます。お願いします。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 コロナ禍におきまして、女性や若年層の自殺者数の増加が課題となりましたことを踏まえまして、都は、令和三年第二回定例会に補正予算を計上し、対策を強化いたしました。
 具体的には、本年七月から、女性や若年者の相談ニーズに合わせまして、東京都自殺相談ダイヤル及びSNS自殺相談の相談時間の延長などを行っております。
 さらに、悩みを抱える方を早期に必要な支援につなげますため、鉄道事業者等と連携した広報やウェブ広告におけるゲートキーパー普及啓発動画の放映を実施いたしますとともに、自殺総合対策ホームページ、東京都こころといのちのほっとナビを開設することとしております。

○菅原委員 ありがとうございます。
 東京都の自殺総合対策計画−こころといのちのサポートプラン−は平成三十年に策定をしております。コロナ禍で状況が変化をしていることも事実です。時代に合わせた計画策定が求められるため、早急な計画変更、また計画策定が求められるのではないかというふうに私は考えております。
 東京都としては、どのように考えているのか。お願いします。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 東京都自殺総合対策計画は、自殺対策基本法に基づき国が平成二十九年七月に決定いたしました自殺総合対策大綱を踏まえ、平成三十年六月に策定し、令和四年度までの五年間を計画期間としております。
 本計画では、自殺の実態の分析結果や社会情勢の変化などに合わせまして対策を柔軟かつ迅速に見直すこととしており、令和二年度におきましては、コロナ禍における自殺リスクの高まりが懸念されておりましたことから、福祉、医療、経済、教育等の関係機関から成る自殺総合対策東京会議を臨時で開催し、その意見を踏まえまして緊急対策を実施するなど、対策を強化しております。
 国は、新たな自殺総合対策大綱の策定に向けて、本年九月から議論を開始しており、都は、こうした動向も踏まえまして、令和五年度以降の次期計画について検討してまいります。

○菅原委員 ぜひ進めていただきたいなというふうに思っています。
 私は、市議会議員になる前から、自殺で親を亡くした子供たちの話を聞いてきました。子供たちの隣に座って、彼らの話を聞いてきたということです。その声が、私の一つの仕事の原点ではあります。
 子供たちというのは、自宅にいる時間が一番長いですよね。実は、当時は、自宅で亡くなる、自殺をされるパターンというのがかなり多いということなんです。そうなってくると第一発見者が子供になる可能性がかなり高くて、そうなってくると本当に話を聞く、隣で聞くことも、それに反応することも難しいという、そういう時間を私も過ごさせていただきました。
 子供たちは、様々なメッセージを私たちに伝えてくれます。それで思うのは、大きく二つなんです。
 一つは、自分の親は、この社会の中で生き切れなかったというんです。その社会に、自分は−−子供たちね、子供たちは、高校を卒業して出ていけるのか心配だと、自分の親が生き切れなかった社会に、自分は生きていけるんでしょうかというメッセージを私たちに届けます。
 もう一つは、自分は親に捨てられたんだと思っている子も多いです。親に捨てられた子供が、今度は家庭を持ったりできるんですかというふうに聞くんです。
 こういう声が、私たちの原点ではないかと思います。自殺というのは、決して一人一人の人生の選択だけではなくて、社会的に追い込まれた死ではないかというふうに考えれば、やっぱり政治とか社会がやれることはたくさんあるというふうに思っています。
 例えば、失業率と自殺率というのは相関関係にあることというのは周知の事実です。一方で、自殺対策は生きる支援ですから、多くの人がそれぞれの在り方で生きる社会を構築するということになります。
 答弁にもありましたように、国は、新たに自殺総合対策大綱の策定を進めています。当然ながら、東京都も次の計画に着手するということになります。自殺対策を進めてきた民間団体とも連携をしていただいて、多くの方々の意見を取り入れながら、東京都の計画を策定していただければと思います。
 子供の虐待について、少し伺います。
 コロナ禍で、子供の虐待の増加の状況について伺います。お願いします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都内の令和二年度におけます児童虐待相談対応件数は二万五千七百三十六件で、前年度と比較して約二割の増加となっております。また、相談件数の増加率は、過去五年と同様の傾向となっております。

○菅原委員 児童虐待の相談件数は、増加し続けています。国内では、昨年度の児童虐待は二十万件を超えました。
 東京都児童福祉審議会は、昨年十二月に、新たな児童相談のあり方についてという報告をまとめました。この中では、虐待通告を受けてから支援を開始する対症療法的な対応だけでは事態の改善が難しくて、予防的支援の取組が重要だと提言をされています。
 都は、それを受けて、今年度、予防的支援のモデル事業を開始していますが、具体的な内容を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 本事業は、虐待の未然防止を図るため、子供家庭支援センターと母子保健部門が一体となり、妊娠期から積極的にアウトリーチを行いまして、子育て家庭の出産や育児に係るニーズや困り事などを早期に把握し、適切な支援につなげる新たな仕組みの構築を目指すものでございます。
 事業期間は三年間で、四区市をモデル自治体として指定し、今年度は、面接技法などの研修を実施するとともに、支援プランの作成方法などを検討しております。
 今後、対象家庭をグループ分けにし、この支援プランに基づいて提供するサービスと現行のサービスとの満足度等を比較検証し、その成果を踏まえまして、実践マニュアルと研修プログラムを作成することとしております。
 あわせて、モデル自治体それぞれの虐待防止の取組についても支援を行う予定でございます。

○菅原委員 児童相談所、特に一時保護施設に入所している子供たちは、命と人権を守るために保護措置が取られます。安全で安心な環境が確保されて、栄養に配慮された食事の提供、生活習慣の改善、そして学びを続ける配慮もされています。
 この保護は、数日の場合もありますが、数か月になることもあります。保護措置がどのぐらいの期間になるかについて、子供たち本人が関わることはできません。また、保護されている間は、基本的に学校にも行けませんし、自由な行動もできません。家族や友人に会うこともできません。仕方のないことですが、一時保護施設での子供たちの生活環境の改善の議論が進んでいます。
 都の一時保護所の運営については、第三者委員が意見書を提出し、過剰な規制で人権侵害に当たるとも指摘をされております。私語の禁止や会話を規制するルールや、また、子供同士が目を合わすことを禁じる指導をしていると指摘もされました。ルールを守れない子供に対して、指導なのか罰なのか、理解が難しい事例もあるという指摘がありました。
 これらの背景の中、一時保護所に入所している子供たちなどの意見表明に対して、都としてどのように取り組むのか、見解を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 児童相談所では、社会的養護が必要な子供に対し、子供の権利ノート等を活用して、意見や希望をいうことができることを説明しているほか、子供の意向、意見を十分に傾聴し、尊重するよう配慮しております。
 また、一時保護所におきましては、月に一度、第三者委員である弁護士が直接出向いて、子供からの相談に対応しているほか、令和三年七月からは、弁護士や心理士等が、子供や里親の意見を聞く仕組みとして、新たに里親子のサポートネットを開始いたしました。
 子供の意見表明の機会のさらなる確保を図るため、都は、児童相談所が関わる子供の意見表明を支援する仕組みの在り方について、今後、東京都児童福祉審議会に専門部会を設置し、検討することとしております。
 検討に当たりましては、サポートネット等、これまでの取組の実施状況を踏まえるほか、当事者である子供へのヒアリングを実施していく予定でございます。

○菅原委員 ぜひ、一時保護所の子供たちの声を聞きながら進めていただければと思います。
 少し角度を変えて、予期しない妊娠について伺います。
 妊娠相談ほっとラインにおける予期しない妊娠の相談件数について伺います。お願いします。

○奈良部少子社会対策部長 都は、妊娠や出産に関する様々な相談に、看護師等の専門職が電話やメールで相談に対応する妊娠相談ほっとラインを実施しております。
 このうち、予期しない妊娠に係る相談件数は、令和元年度は三百二十六件、令和二年度は二百七十九件、本年四月から九月までは百十三件となっております。

○菅原委員 この予期しない妊娠を具体的な支援につなげるための施策が進められていると思います。この施策について伺います。お願いします。

○奈良部少子社会対策部長 都は、予期しない妊娠も含め、妊娠相談ほっとラインで受けた相談のうち、特に継続的な支援が必要と思われるものにつきましては、区市町村の保健センター等につないでおります。
 また、区市町村への相談をためらう方や居所が定まらない方等を把握した場合には、民間団体を活用して、産科等医療機関などへの同行や初回産科受診料への支援のほか、福祉事務所や児童相談所など、関係機関との調整を行っております。
 さらに、必要に応じまして、次の支援につなげるまでの緊急一時的な居場所の提供なども実施しております。
 今後とも、予期しない妊娠をした妊婦等を適切な支援につなげる取組を進めてまいります。

○菅原委員 予期しない妊娠には、様々な背景があると思います。行政の支えの仕組みがあっても、それを知らない、またはそれにつながらないという問題もありまして、そこは東京都も区市町村も、そして民間団体にも共通した課題ではないかというふうに思います。この課題解決に向けて、今後も、私も一緒に知恵を出し合っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 子供食堂のことです。
 子供食堂は、もともと民間で始まった経緯があります。地域の子供たちの食を地域の大人が支える共助の仕組みからスタートしていると認識しています。一方で、子供の貧困対策が行政課題として認識され、子供食堂の運営支援に公金、公のお金が助成されるようになりました。この部分は公助の部分です。
 整理して議論しなければいけないのは、子供食堂は、独立して運営する場合、共助と行政が支える公助が混在しているということです。今回の質疑は、子供食堂の公助の在り方について伺います。
 コロナ禍で、子供食堂の運営がどのように変化をしてきたのか伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 新型コロナウイルスの感染予防のため、集合して食事をする本来の子供食堂の開催が難しくなり、配食、宅食を実施する子供食堂が増えております。
 このため、都は昨年度、クーラーボックスの購入などのイニシャルコストを含め、配食、宅食の実施に必要な経費につきまして、区市町村を通じて支援を開始いたしました。
 今年度も、配食、宅食の経費の補助を継続し、コロナ禍における子供食堂の運営を支援しております。

○菅原委員 いわゆるアフターコロナを見据えて、子供食堂事業の活動に対する都の支援の拡充について、どのようにするのか見解を伺います。お願いします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 子供食堂は、栄養面でバランスの取れた食事や安心して過ごせる居場所の提供をするとともに、訪れた子供や保護者との接触を通じて家庭の生活状況を把握し、必要な支援につなげる役割も期待されております。
 都は今年度から、子供食堂が地域の見守り機能を十分に果たせるよう、子供食堂推進事業におきまして、虐待の未然防止、早期発見に係るスタッフ研修を実施する区市町村への支援を充実させております。
 今般、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきており、本来の会食形式の子供食堂が再開するなど、地域の活動が増えていくと想定されることから、区市町村に対しまして、研修を着実に実施するよう、改めて働きかけを行ったところでございます。
 今後とも、こうした取組を進め、子供食堂が子供と家庭を必要な支援につなげられるよう、区市町村と連携して支援してまいります。

○菅原委員 ぜひ進めていただければと思います。
 ひとり親家庭の対策について伺います。
 ひとり親家庭の就業率というのは、もう八〇%を超えているといわれております。これはかなり高い就業率といえます。しかし、その収入は非常に低くなっていると。そして、コロナ禍によって、ひとり親家庭の経済状況は、より厳しくなりました。
 コロナ禍でのひとり親家庭の現状についての認識を伺います。今年度や来年度は、さらに厳しくなるのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。お願いします。

○奈良部少子社会対策部長 ひとり親家庭の親は、子育てと生計の担い手の二つの役割を一人で担っていることから負担が大きく、世帯収入についても、両親がいる世帯と比較しまして、ひとり親世帯は低い傾向にございます。
 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛や事業所の休業は、こうしたひとり親家庭に対しても、精神的、経済的な影響を与えていると認識しております。
 都は昨年度、ひとり親家庭を支援するため、食料品などを提供する事業を実施するほか、生活資金の緊急貸付や納税猶予など、様々な制度や相談先をまとめたサイトを開設いたしました。
 また、今年度は、ひとり親家庭支援センターの相談時間を延長し、様々な相談に対応するとともに、TOKYOチャレンジネットと連携し、就労支援や居住支援の取組を強化するなど、ひとり親家庭への支援を充実しております。

○菅原委員 令和二年度に東京都が行いましたひとり親家庭への支援、これ十四億円の予算で補正予算を組みましたが、この成果について、ちょっと特出しで伺いたいと思います。お願いします。

○奈良部少子社会対策部長 都は昨年度、ひとり親家庭が子供を健全に育むことができるよう、食料品等を提供する事業を実施いたしました。対象は、児童扶養手当受給世帯や新型コロナウイルス感染症の影響により、家計が急変された方などでございます。
 この事業では、お米やレトルト食品などの食料品のほか、おむつや洗剤など生活必需品を提供いたしました。七万世帯以上から申込みがあり、選ばれた品物の八割以上が食料品であり、中でもお米が最も多く選ばれております。
 多くのひとり親家庭が本事業を利用されていることから、生活の安定を図ることに寄与したものと考えております。

○菅原委員 児童育成手当の話です。
 児童育成手当に代表される諸手当の増額や支給のタイミングの工夫などが議論されておりますが、東京都が、今捉えている状況について伺いたいと思います。お願いします。

○奈良部少子社会対策部長 児童育成手当は、ひとり親家庭等における児童の福祉の増進を図ることを目的に、児童一人につき月額一万三千五百円を都独自に支給するもので、都及び区市町村の条例に基づきまして、二月、六月、十月に支給しております。
 支給月や支給回数の変更には、システム改修等に係る費用対効果や実務を担う各自治体の状況なども踏まえて、慎重に検討する必要があると考えております。
 なお、港区におきましては、区条例を改正し、支払い回数を年三回から年六回に変更し、本年十二月から偶数月に支給する予定と聞いております。

○菅原委員 ありがとうございます。
 港区の取組は参考になると思います。区市町村に情報提供をするなど進めていただければと思います。
 がん対策です。
 国民病としてのがん対策は、予防医療のほかに、がんとの共生の観点から進めなければいけません。がんとの共生の視点は様々ありますが、本日は、がん患者会との連携について質疑をいたします。
 がん患者団体などの活動の必要性と活動を広めるための東京都の取組について伺います。お願いします。

○鈴木医療政策担当部長 がんの関係者が集まり、お互いの不安や悩みを共有し、相談支援や情報提供を行うがん患者団体等の存在は、がん患者や家族にとって力強い支えとなっております。
 都は、都内で活動する団体等の対象疾患や活動内容等の情報を集約し、がん診療連携拠点病院等に提供し、拠点病院等と団体等の連携の拡充に努めております。
 また、東京都がんポータルサイトにも、こうした情報を掲載し広く周知しており、引き続き、患者や家族への適切な支援につながるよう取り組んでまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 今度は、HPVワクチンについて。
 HPVワクチンについては、長期にわたって積極的勧奨が差し控えられてきました。厚生労働省は、このワクチンの再開についての方向性を示されてきました。
 HPVワクチンの再開について、都の見解を求めます。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 HPVワクチンについては、平成二十五年六月、国の審議会において、ワクチンとの因果関係を否定できない疼痛の発生が明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないとされ、積極的勧奨を差し控えることとなりました。
 その後、HPVワクチンの安全性、有効性に関する情報提供について、国の審議会で検討が進められ、昨年度、ワクチンの有効性、安全性や円滑な接種のために必要な情報を対象者に届けることを目的に、情報提供を行う方針が了承されました。
 これを受け、定期接種の実施主体である区市町村においては、接種対象者がHPVワクチン接種について検討、判断できるよう、対象となる住民に対して、ワクチンの有効性、安全性に関する情報等を個別に周知しており、都においても、ホームページ上で国のリーフレットを紹介するなど、HPVワクチンに関する情報発信を行っております。
 お話のHPVワクチンの積極的勧奨の再開については、今月開催された国の審議会において、積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当との結論が出されており、都としては、引き続き国の動向を注視しつつ、適切に対応してまいります。

○菅原委員 積極的な勧奨が差し控えられていた間に接種対象であって、接種機会を持てなかった方々というのがいらっしゃいます。
 その救済措置としての接種機会の確保の議論もあると思います。都の見解を求めます。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 現在、国の審議会では、HPVワクチンの積極的な勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方に対して、公平な接種機会を確保する観点から、時限的に従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行う方向で救済措置の検討が進められております。
 救済措置の対象者について、具体的には、平成九年度生まれから平成十七年度生まれまでの九学年とする案、また、平成十二年度生まれから平成十七年度生まれまでの六学年とする案、さらに、平成十四年度生まれから平成十七年度生まれまでの四学年とする案、これらの三つの案が議論されております。
 都としては、引き続き国の動向を注視しつつ、適切に対応してまいります。

○菅原委員 最後に、局長に伺いたいと思います。
 福祉保健局の事業は幅が広くて、都民の暮らしと健康全般を支えるものです。一方で、今喫緊の課題は、新型コロナということになります。
 今後の新型コロナ感染の再拡大に適切に対応するためには、今夏の状況を十分に踏まえて準備をする必要があると考えます。都として万全の備えを講じるために、どのように取り組んでいくのか、局長の見解を求めて、質疑を終わります。

○佐藤健康危機管理担当局長 この夏の感染拡大におきましては、感染力の強い変異株、デルタ株の流行等によりまして、想定を上回る規模の速度で感染拡大が生じました。
 その中で、都は、医療機関と連携した病床の確保、酸素・医療提供ステーションなどの臨時の医療施設を整備いたしまして、体制の確保を進めるとともに、区市町村と協力をしながらワクチン接種を進めてまいりました。また、中和抗体薬の投与を積極的に実施いたしまして、重症化予防にも取り組んでまいりました。
 現在は、感染状況は落ち着いている状況にございますが、今後もこうした感染拡大が中長期的に反復する可能性があることを前提に、体制を強化していく必要がございます。
 そのため、先週の金曜日には、感染再拡大に向けた総合的な保健・医療提供体制について公表いたしまして、病床や宿泊療養施設の確保など、入院、診療体制のさらなる強化の方針を示しました。
 私自身、新型コロナウイルス感染症対策の担当の職務につきましたのは、八月の中旬でございまして、そのため、自らが全てを、この夏の状況について経験したわけではございませんが、医療関係者の方々はもとより、保健所、区市町村、また他局からの応援職員も含めまして、都の職員、多くの方々が、この夏の感染拡大に際しまして懸命に対応してきたと認識をしております。
 今、大事なことは、こうした対応してきた中で経験をしてきましたこの夏の状況というのを十分踏まえまして、時に振り返りを行いながら、やるべきことを着実にやる、足りない点を補い、体制を強化し、備えを固めていくことで、都民の安全・安心を確保していくことが大事なことだと考えております。
 そのことを肝に銘じまして、今後の職務に当たってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員 新型コロナウイルスとの闘いから間もなく二年になるわけであります。この間、福祉保健局の皆様には大変なご苦労とご尽力をいただいてきたことに、改めて敬意と感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 とりわけ、災害級の感染拡大となった八月の第五波は、患者、家族をはじめ、医療提供体制にも、そして社会全体にも計り知れない大きなダメージを与えました。私たちは、この経験を決して無駄にすることなく、重要な教訓として、次の感染再拡大に備えなければなりません。
 国は、感染がこれまで以上に拡大した場合を想定して、第五波のピーク時より、入院病床を二割以上増加させることを都道府県に求めておりましたけれども、岸田新総理になりまして、さらに強化する方針を打ち出し、入院受入れ人数を三割増にするよう、体制強化が求められております。
 都は、感染拡大が少し落ち着いてきている今こそ、あらゆる体制強化を図るべきであります。
 そこで都は、第六波に備え、病床や臨時の医療施設を確実に確保すべきと考えます。内訳を含め、今後の方針を伺いたいと思います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、国による次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像の公表に合わせ、都の保健、医療提供体制の想定値や方針のポイント等について取りまとめ、先日、公表いたしました。
 具体的には、新型コロナ患者のための確保病床数について、現在の六千六百五十一床から二百四十床を増床するほか、回復期支援病床千七百八十五床、入院待機ステーション四十六床、酸素・医療提供ステーション等七百二十床を加え、全体では約九千四百四十床の体制とすることとしております。
 また、転退院を促進することで病床の使用率を高め、より多くの患者を受け入れられるようにしてまいります。
 医療が必要な方が症状に応じて必要な医療につながることができるよう、医療機関に加え、臨時の医療施設の多機能化を図るなど、医療提供体制を整備してまいります。

○伊藤委員 答弁いただいたとおり、体制強化、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 第五波では、宿泊療養、自宅療養者も過去最多となって、医療機関で受け入れ切れない状況となって、残念ながら亡くなる方が相次いだことも事実でありました。
 このときの教訓を基に質問をいたしますけれども、まず、宿泊療養者が安心して療養に専念できるように、宿泊療養施設の体制強化を図るべきと考えますけれども、見解を伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 感染再拡大に備え、患者の受入れ時間帯の拡大、各階への弁当配布や居室の個別消毒、清掃の一層の活用など、運用面を見直し、受入れ数の増加を図ってまいります。
 さらに、宿泊療養施設を必要なときに医師の往診が受けられる往診型施設と主に無症状や基礎疾患のない方を受け入れるリモート診療施設に機能分化することで、患者の健康観察の効率化を図り、受入れ数の増加を図ってまいります。
 こうした既存施設の運用の見直しによる受入れ数の増加を図るとともに、規模拡大に向けた調整を現在進めているところでございます。

○伊藤委員 コロナは症状が急激に悪化することがあるということが分かっております。
 これまで都議会公明党は、宿泊、自宅療養者の容体の変化を察知するため、パルスオキシメーターの配備を重ねて求めてまいりました。さらに、容体が急変した場合に自分で連絡することができないケースがあることから、ウエアラブル機器を身につけて自動的に通知を送信するシステムを活用すべきと求めてきました。
 このことについて、先日の決算特別委員会の我が党からの質問に対し、都は、本年十月に一か所の宿泊療養施設でウエアラブル機器を活用した健康観察を試行し、課題などを踏まえ、より効果的な活用方法などを検討しているとの答弁がありました。
 そこで、この試行について、どのようなウエアラブル機器を活用したのか、システムの仕組みやその活用のメリットについて伺いたいと思います。

○徳弘新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都が本年十月に宿泊療養施設で試行いたしましたウエアラブル機器は、療養者の様子を遠隔で把握するため、手首に装着した機器により、酸素飽和度、脈拍、体温の三種類の情報を常時計測することができるものでございます。
 計測した療養者の情報は、専用のスマートフォンと連動いたしまして、事務局のタブレットパソコンにおいてモニター上に表示され、常時監視することが可能であるほか、数値が大きく変動した場合にはエラーメッセージが表示される仕組みとなっております。
 こうした機器の活用は、看護師が容体急変を素早く察知し、直ちに電話や訪室等により、療養者の安否状態を確認できるという点でメリットがあると考えております。

○伊藤委員 看護師が容体急変を素早く察知して、療養者の安否確認ができるということでございました。
 では、実際にウエアラブル機器を試行する中で明らかになった課題と本格導入に向けた現在の検討状況を伺いたいと思います。

○徳弘新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 今回の試行結果を受けまして、療養者の情報を常時計測できるため、離れた場所にいる看護師が容体急変を察知しやすくなったという好意的な意見がございました。
 一方で、機器が手首に正しく装着されておらず、情報が途切れることでエラーメッセージが表示されるなどの課題も明らかとなったため、機器の導入に向けまして、現在、手首に安定的に装着する工夫など効果的な活用方法を検討しているところでございます。

○伊藤委員 宿泊療養者への支援に次いで、自宅療養者への支援体制の強化について伺いたいと思います。
 今後の感染再拡大に備えて、パルスオキシメーターや、今、宿泊療養者のところで質問をいたしましたウエアラブル機器の活用によって、適切な健康観察の実施に加えて、抗体カクテル療法を含む医療提供体制の強化など、自宅療養者への支援体制の強化も一層図るべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 自宅療養者への健康観察が適切に行えますよう、自宅療養者フォローアップセンターの人員につきまして、本年八月に百五十人体制であったものを最大二百五十人まで増強が可能な体制とするとともに、容体の変化を早期に把握できますよう、パルスオキシメーターを既に確保した約十万台に加えまして約十一万台追加し計二十一万台を確保してまいります。
 ウエアラブル機器を活用した健康観察につきましては、今ご答弁のとおり、現在、宿泊療養施設におきまして試行的な導入を行っております。この試行により把握した課題などを踏まえた検討を行っておりまして、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大に備え、自宅療養における活用も含め、安心して療養できる環境の整備に取り組んでまいります。
 また、自宅療養者への医療支援体制を強化する必要がありますことから、本年九月から多摩地域で開始をいたしましたオンライン診療につきまして、都内全域への拡大を図るとともに、抗体カクテル療法を希望する方に対して中和抗体薬を投与するための取組を着実に進めてまいります。
 さらに、診療や検査を行いました医療機関による自宅療養者の健康観察の実施や感染拡大時に往診等を広域的に行う医療機関と地域の医療機関との連携強化を図ってまいります。

○伊藤委員 先日の当委員会の補正予算の質疑のときにも申し上げましたけれども、宿泊療養される方も自宅療養される方も、扉を閉めれば、一人でコロナと闘い、孤独と闘い、厳しい状況に置かれているわけでございます。どうかこれからもしっかりと、今は機器の話等もしましたけれども、機器は機器で大事な取組ですけれども、何といってもやっぱり人だと思いますので、血の通った寄り添った支援をしていただきたいと切に願います。
 自宅療養に関連して、妊産婦への支援について質問いたします。
 都議会公明党は、コロナ禍における妊産婦への支援について一貫して都に求めてまいりました。都は、これに応えて、妊産婦のPCR検査や様々な悩みに応える寄り添い支援などを行ってきたことに対して高く評価をしたいと思います。
 八月の第五波のピーク時には、千葉県でコロナに感染した妊婦が複数の医療機関から入院を断られ、自宅で出産した後に新生児が死亡するという悲劇が起こりました。こうしたことは、二度と繰り返してはいけません。
 都は今月から、コロナに感染し自宅療養中の妊産婦を対象にした助産師による健康観察が始まりました。こうした取組は非常に重要であり、自宅療養をする妊産婦にとっても、ご家族にとっても安心につながる事業であります。本事業を効果的に実施していくとともに、対象となる妊産婦の方に確実に情報を周知していく必要があります。
 そこで、本事業の取組の内容と事業の周知方法について伺いたいと思います。

○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、新型コロナウイルス感染症に罹患し自宅療養となった妊産婦の方が安心して地域で療養できますよう、東京都助産師会と連携いたしまして、助産師が妊産婦の方の健康観察を行う事業を今月から開始いたしました。
 この取組では、都内を八つのエリアに分け、保健所やかかりつけ産科医、妊産婦の方からの依頼に基づきまして、地域の助産師が、毎日電話やオンラインにより、自宅療養中の妊産婦の方の体温や酸素飽和度等の測定値を確認するほか、腹痛やおなかの張りがないかなどの健康観察を行います。
 また、妊産婦の方の体調や相談等を踏まえまして、必要に応じて助産師が自宅を訪問いたしまして、超音波による計測機器を使用した胎児の心拍の確認やポータブルエコーを用いた画像による胎児の様子の確認などを行います。
 本事業の実施に当たりましては、東京都医師会や東京産婦人科医会を通じまして、診療・検査医療機関やかかりつけ産科医に対し、対象となる妊産婦の方への事業案内などの協力を依頼しております。
 今後、本事業の支援内容や受付窓口などを分かりやすくまとめましたリーフレットを作成いたしまして、これらの医療機関や保健所、市町村の母子保健担当部署の窓口などを通じまして、妊産婦の方へのさらなる周知を図ってまいります。

○伊藤委員 今の私の質問は、新型コロナに陽性と診断された自宅療養中の妊産婦へ向けた支援についてでありましたけれども、陽性者以外でも不安を抱える妊産婦もいるわけであります。
 都は、こうした方々にも丁寧な対応を行っていくべきと考えますけれども、見解を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 都は、コロナ禍で感染予防のため外出を控えている妊産婦の方に対して、対面による支援を行うために、助産師によるオンライン相談を実施しております。
 また、希望する妊婦に対してPCR検査費用を助成するほか、感染が認められた妊産婦に対しては、保健師や助産師が訪問や電話等で相談に応じる寄り添い型支援も実施しております。
 本年十二月より、新型コロナウイルス感染症に感染していない妊産婦に対しても、よりきめ細かく支援するため、助産師による訪問や電話相談を開始する予定であり、専用予約サイトを設けて申込みを受け付けることとして、現在準備を進めております。

○伊藤委員 先ほどの事業同様に、この事業につきましてもしっかりと周知を図っていただきたいと思います。
 次いで、重症化を防ぐための治療について質問をいたします。
 先ほども述べましたけれども、第五波では、宿泊療養、自宅療養者も過去最多となって、医療機関で受け入れ切れない状況となりました。都議会公明党は、コロナ患者の重症化を防ぎ、病床の逼迫を防ぐためにも、抗体カクテル療法を積極的に推進するよう求めてきました。
 そこで、都は、抗体カクテル療法をどのように推進をしてきたのか伺いたいと思います。

○内藤抗体カクテル療法促進担当部長 抗体カクテル療法は、重症化を防ぐ効果が期待でき、これまで民間の医療機関での投与に加えて、都においても、都立、公社病院や宿泊療養施設、酸素・医療提供ステーションでの投与を進めてまいりました。その結果、投与可能な医療機関等は現在約二百二十となっており、これまで都内では約三千五百件の投与実績がございます。
 また、陽性が判明した患者を早期に投与に結びつけるため、投与が可能な医療機関リストを作成し、診療・検査医療機関や保健所、発熱相談センターと共有し、活用を促しております。
 さらに、十月に、日本語のほか英語や中国語など十一か国語に対応する中和抗体薬治療コールセンターを開設し、保健所を経由しなくても、都民の方から幅広く相談を受け付け、投与医療機関への搬送まで調整する仕組みを構築いたしました。
 あわせて、都民への周知を図るため、ホームページに掲載するほか、ポスターを作成し、都内約四千か所の診療・検査医療機関に送付いたしました。
 これらにより、自宅療養中の対象者を迅速な投与に結びつけるとともに、九月中旬から往診による自宅での投与をモデル的に実施しております。
 引き続き、自宅療養者の方を含め、対象者を早期かつ確実に治療に結びつけ、感染拡大時における病床逼迫の防止に努めてまいります。

○伊藤委員 抗体カクテル療法が様々な場面で推進されているということでありました。引き続き、重症化を防ぐ取組を確実に進めていただきたいと思います。
 一方で、新たな治療の選択肢として、経口薬、口から飲む薬もイギリスでは既に承認をされております。日本では、年内には実用化という話もありますけれども、ぜひ都も、そうした新しい治療薬を積極的に取り入れて、さらなる重症化防止に努めていただきたいと要望しておきます。
 次に、三回目のワクチン接種について質問します。
 新型コロナウイルスワクチンの接種が進んだこともあって、都内の新規感染者は急速に減少をしております。報道によれば、国内でワクチン二回接種を完了した人の割合が、日本の全人口の七五%を超えて、ついに日本がG7でトップになったという報道でありました。
 一方、海外の研究では、時間の経過とともに感染予防の効果が低下すると報告されており、いわゆるブレークスルー感染が課題となっている中、国は、三回目の追加接種の方針を示しました。
 三回目のワクチン接種について、国、都、区市町村の役割と接種方法について、一、二回目の接種のときと違いがあるのかどうか伺いたいと思います。

○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 一、二回目のワクチン接種における国、都、区市町村の主な役割は、国はワクチンの確保や接種順位の決定を行い、都は医療従事者等への接種体制の構築や副反応に関する専門相談対応を、区市町村は高齢者を含む住民への接種体制の調整や一般的な相談対応等を担うとされておりましたが、三回目接種では、医療従事者等も含めまして、区市町村が接種体制を整備することとなりました。
 また、一、二回目接種の際は、医療従事者等に対しまして速やかに接種する必要がありましたことから、区市町村が発行する接種券が対象者に届く前に接種を行いましたが、三回目接種では、医療従事者等も含め、全ての接種対象者が区市町村の発行する接種券一体型予診票等を持参して接種することが基本となります。
 接種方法につきましては、一、二回目の接種と大きな変更はなく、医療従事者等は勤務地である病院等の所在する自治体での接種となり、高齢者を含む住民は原則として住所地で接種する方向が示されております。

○伊藤委員 希望する全ての方へのワクチン接種という我が国でも未曽有の事業となったわけでありますけれども、当初は、ワクチンそのものへの不安や年代順の接種について疑問を持たれる方からの声も多く聞かれたところであります。
 現在は順調に進んでいると思いますけれども、改めて、一、二回目の接種で明らかになった課題をどう捉えているのか伺いたいと思います。

○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 一、二回目の接種では、高齢者への接種が始まった四月以降、接種人材に不足が生じたことや国からのワクチン供給が不安定であったことから、結果として区市町村の接種体制の整備に支障が生じたものと考えております。
 また、医療従事者等や職域での接種が接種券なしで開始されたことやタブレット端末による接種券の読み込みに不具合が生じたことから、その後の接種記録の登録が遅れ、接種の実態とデータ上の接種数に乖離が生じたことなどの課題があったと認識しております。

○伊藤委員 一回目、二回目の、特に一回目のワクチン接種のときには、様々な混乱もありました。
 予約を取るのにも電話がつながらない、インターネットがつながらない、本当に様々な課題があったわけでありますけれども、こうした一、二回目の課題をしっかりと捉えた上で、三回目の接種を着実に、安定して、円滑に進めていくべきだと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 都はこれまで、医師、歯科医師に求人情報の提供を行う人材バンクを設置することなどにより、ワクチン接種を担う人材の確保に取り組んでまいりました。
 こうした取組に加えまして、三回目接種に向けましては、区市町村と必要なワクチン量を調整した上で、来年一月接種予定分までの配分量を決定するとともに、国に対しまして、長期的なワクチン供給計画を示すよう要望を行っております。
 また、接種記録につきましては、三回目接種からは原則として医療従事者等を含む全ての接種対象者が、区市町村の発行する接種券一体型予診票等を持参して接種するということに変更されたことやタブレット端末による接種券の読み込みにQRコードが使用されることになったことで、迅速かつ確実な登録が行われる予定でございます。
 さらに、都では、区市町村の実務担当者とのワクチンチーム会議を先月以降精力的に開催し、意見交換や課題の共有を行っており、今後とも、三回目接種が円滑かつ安定的に行われるよう、区市町村等の取組を支援してまいります。

○伊藤委員 答弁にあったとおり、区市町村の実務担当者とのワクチンチーム会議、ぜひここの場で、情報共有をしっかりしていただいて、区市町村が不安になるようなことがないように取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、コロナ禍における高齢者施設での面会について質問したいと思います。
 ワクチン接種が進む前には、特に高齢者が新型コロナウイルスに感染した場合に重症化することが顕著でありました。とりわけ高齢者施設でのクラスターの発生は重大な問題となりました。その後、緊急事態宣言などが繰り返される中で、高齢者施設では、家族であっても面会を制限するなどの対策を強化されてまいりました。
 高齢者の命を守る観点からは、そうした対策は当然理解をするわけでありますけれども、感染拡大時の高齢者施設での面会について、都は、感染防止策の徹底など、どのように取り組んできたのか伺いたいと思います。

○山口高齢社会対策部長 都は、高齢者施設におきまして、感染対策に十分に留意した上で面会が実施できるよう、オンライン面会の取組事例や対面による面会の注意点を取りまとめ、ホームページに掲載するなど、各施設に周知を図っております。
 また、令和二年度には、面会場所にアクリル板やビニールカーテンを設置するための経費などに補助を行い、さらに令和三年度は、入所者と家族の接触を避けるため、二方向から出入りできる面会室などを整備するための経費を補助しております。
 東京都社会福祉協議会が本年十月に行った調査によれば、都内の高齢者施設において対面での面会を実施する施設の割合は、緊急事態宣言中は約四割でございましたが、宣言解除後は約七割となっております。

○伊藤委員 答弁にあったとおり、宣言解除後であっても直接対面ができるのは七割ということで、残りの三割の施設は、いまだ面会することができない状況であります。
 また、感染拡大が激しいとき、今答弁にもあったけれども、確かにオンライン面会というのがありましたけれど、これは施設側も、それから自宅側もオンラインができる環境でなければ、これはやっぱりできなかったんですね。なので、例えばご主人が入所されている、奥様がご自宅にいてオンラインができない、もうずっと会っていないんだといって涙を流すような方もいらっしゃいました。
 これまで高齢者施設では万全の対策を講じる一方で、大事な家族に会うことができずに悲しい思いをしている方々がいることも忘れてはなりません。そうした切実な声が、私たち都議会公明党の下にはたくさん届いてまいりました。
 高齢者施設に入所する方にとって、家族との面会は、生活の質を改善したり、認知機能の低下を防いだり、何といっても大好きな家族に会えることが生きていく力と元気になることも確かであります。
 第五波の後、感染拡大が急激に減少傾向にある今、厚労省は、コロナの影響で面会が制限されている施設に向けて、直接対面で面会できるよう検討を求める方針を固めました。
 そこで、都として、入所者と家族の面会について、制限の緩和や面会の在り方について、都から高齢者施設への適切なアドバイスを行うべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○山口高齢社会対策部長 現在、国は、高齢者施設等における面会の在り方について、感染経路の遮断とつながりや交流が心身の健康に与える影響という両方の観点を考慮し、ワクチン接種の進展等を踏まえ、安全な実施方法を検討する方針を示しております。
 お話のとおり、家族との面会は、入所者の生活の質を維持する上で重要な役割を果たすものでございますことから、都は、今後国が示す実施方法を踏まえ、各施設の状況に応じた具体的な助言を行うなど、感染対策に留意しながら、面会の機会を確保できるよう支援してまいります。

○伊藤委員 先ほども申し上げたとおり、宣言解除後は七割の施設で面会を再開しているということで、まだ三割はできていないということであります。感染拡大が今落ち着いている状況だからこそ、今このときにしっかりとアドバイスをしてさしあげて、施設が安心して家族と面会できるように東京都はリードしてあげていただきたいということを切に願いたいと思います。
 次に、放課後等デイサービス事業について質問します。
 国は今年度、障害福祉サービス報酬改定を行いまして、より手厚い支援を必要とする子供に応じてきめ細かく加算を算定したとしております。これによって、放課後デイサービスの事業所では、医療的ケア児の支援が強化されるなど、効果も期待をされるわけであります。
 しかし、一方で、長年にわたって障害児への支援を行って、地域や関係者から信頼を重ねてきた事業所も含めて、多くの事業所が報酬体系の見直しによって、逆に運営の危機に直面をしていると、都議会公明党にはこうした事業所から切実な声が多数届けられておりまして、早急に改善が求められています。
 こうした状況について、都は、実態調査を行ったわけでありますけれども、今回の報酬改定によって、どのくらいの規模で減収になってしまったのか伺いたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 令和三年四月の報酬改定では、放課後等デイサービスについて、お話のとおり、より手厚い支援を必要とする子供に応じてきめ細かく加算を算定する一方、事業所の経営状況を踏まえた見直しが行われました。
 都の調査結果では、令和三年四月の利用者一人当たりの報酬が前年同月より一〇%以上減少したと回答した事業所が約四七%、三%以上一〇%未満の減少となった事業所が約二七%となっております。

○伊藤委員 減少の規模をパーセントでお話をしていただきましたけれども、いずれにせよ、何らかの減収の影響を受けた施設が約八割に及ぶということでありました。中でも、報酬の大幅な減収となった事業所が閉鎖に追い込まれるようなことになれば、子供たちが行き場と居場所を失ってしまうことになるわけであります。
 都は、放課後等デイサービスのこの現状をどう受け止めているのか、見解を伺いたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 調査から四か月が経過した現在、年度当初に比べて専門的支援加算の届出や個別サポート加算の算定を行う事業所が増加しており、各事業所は障害福祉サービスの制度の中で経営努力に取り組んでいるものと考えております。

○伊藤委員 厳しい報酬減を何とか工夫して乗り切っている事業所の実態があるということは理解をするわけでありますけれども、今、都として支援策を打ち出すことが必要であると考えます。
 国の報酬改定では、子供たちへの支援の中核を担う人材に関する経費が見直されてしまっておる一方で、都の実態調査で浮き彫りになったポイントの一つも人材、つまり中核を担う人材の確保であったわけであります。
 こうした視点を踏まえて、事業所への支援策を構築すべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 令和三年四月の報酬改定では、児童福祉事業に五年以上経験のある保育士、児童指導員の加配について、報酬上の加算の対象外となりました。
 一方、都の実態調査では、職員は常勤、非常勤にかかわらず、事業所での職歴が一年から三年未満は全体の約五割を占めていることやサービスの質の確保にはコア人材が重要であるということが分かりました。
 こうしたことを踏まえ、放課後等デイサービスの質の向上に向けた対策を進めてまいります。

○伊藤委員 中核を担う人材、コア人材の確保によって、サービスの質の向上に向けた対策を進めるということでありました。
 放課後等デイサービス事業の質の向上を図るためには、今申し上げてきた人材の確保とともに、外部による事業評価も重要なことであります。
 都による実態調査の結果では、第三者評価を受けたことがないと答えた事業者が大半を占めておりましたけれども、都は、今後、このことについてどのように対応していくのか伺いたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 都の調査では、八割を超える事業所が、これまで第三者評価を受審したことがないとの結果でございました。
 第三者評価は、第三者の目から見た評価結果を広く利用者や事業者に公表することで、利用者に対して事業者の情報提供を行うとともに、サービスの質の向上に向けた事業者の取組を促すことを目的としておりまして、放課後等デイサービスの質の向上に向けた対策を進めるに当たっては、こうした点も踏まえて対応してまいります。

○伊藤委員 都は、人材確保や、あるいは第三者による評価などによって、質の向上に向けた対策に取り組んでいくということでありました。支援が必要な子供にとって大事な放課後等デイサービスの事業であります。都として全力で支援をしていただきたいと思います。
 前半には、新型コロナウイルス対策について質問させていただきましたけれども、この後、次の再拡大がいつ発生するのか、起きてくるのか分からない状況の中で、福祉保健局は、本当にもう数え切れないほどの多くの事業を担っていただいている局であります。
 どうか、中村局長を中心に一致団結して、都民の命、そして生活を守っていただきたい、このことを要望いたしまして、質問を終わります。

○おじま委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十分休憩

   午後三時三十六分開議
○おじま委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○白石委員 ひきこもり支援について質問をいたします。
 国の調査によれば、全国で百万人以上がひきこもり状態にあると推計をされております。また、四十歳から六十四歳の中高年層のひきこもりの人は六十一万人とされ、ひきこもりの状態が長期化や高年齢化している実態が、どこの調査でも浮き彫りになっていると思います。
 ひきこもりの長期、高齢化は、社会問題として現在も取り上げられております。いわゆる八〇五〇問題、八十代の親が五十代の収入のない子供の生活を支えて行き詰まってしまい、命に関わる問題となっております。
 例えば、ひきこもり状態の五十代の息子を八十代の親が支えている家庭では、引き籠もっている子供の存在を恥ずかしい、知られたくないからと周囲から隠すようになりました。一方で、ひきこもり状態の本人は、自分が親から隠される存在であることを感じて、ますます自己否定感が高まり動けなくなる、それによって当事者の姿は周囲から見えにくくなり、家族全体が地域から孤立するという悪循環となっております。
 深刻さを増す実態に対し、二〇一九年度に、ひきこもり支援の窓口を福祉保健局に移し、当事者団体や家族会も参加する東京都ひきこもりに係る支援協議会を設置いたしました。そして、今年八月に支援協議会は、ひきこもりに係る支援の充実に向けて、提言を策定いたしました。
 提言の中を見ますと、三つの視点、そして七つの取組の方向性が掲げられております。内容を見ますと、偏見や差別的対応を排除し、当事者や家族を地域から孤立させないように正しい理解の普及啓発をすることや、当事者、家族が安心して相談や支援を求められるように、一人一人の状態、状況に応じたきめ細かな支援と切れ目のない体制整備を行うなど、極めて重要な提言となっております。今後、この提言を踏まえた具体的な都の取組が求められているというふうに思います。
 初めに、ひきこもり支援を具体的に行っていく入り口として、ひきこもりへの正しい理解が極めて重要です。ひきこもりは、個人や家庭内の問題ではなく、社会の問題が背景にあります。一方で、ひきこもりへの正しい理解がされておらず、偏見や差別的な対応により、一層、当事者、家族の孤立を深刻にさせております。
 このひきこもりについて、まず初めに、福祉保健局長はどう理解をしているのか伺いたいと思います。

○中村福祉保健局長 ただいま委員からもお話ございましたが、本年八月に、ひきこもりに係る支援協議会の提言というものが出されております。これは非常に重要な内容を含んでいるものだと、このように受け止めております。
 そこの中にも記載されてございますけれども、ひきこもりは特別な人に特別に起こることではなく、誰にでも起こり得ることであると、このようにされております。また、ひきこもりに対する偏見を排除して、当事者や家族を地域から孤立させないよう、正しい理解への促進に向けた普及啓発や情報発信の必要があると、このようにも記載されております。
 東京都といたしましては、こういった提言を受け止めまして、関係機関と連携して、ひきこもり状態にある方に寄り添った切れ目のない支援を推進していくと、こう考えております。

○白石委員 今、局長がおっしゃったとおり、ひきこもりは特別な人に起こることではなく、誰にでも起こり得ることだと、それはそのとおりだというふうに思います。それだけじゃなくてですね、局長が答弁したひきこもりへの偏見を排除し切れないんじゃないか、やっぱりもうちょっとちゃんとメッセージを私は出してほしいなというふうに思っています。
 提言にあるように、当事者や家族、さらに社会全体に対して、ひきこもりは自分の身を守る反応の一つであり、決して責められることではないと、はっきりとメッセージを発信する必要があるとこれに書かれていますけれども、局長、改めて伺いたいと思いますが、ひきこもりというのは決して責められることではないと、こういう理解をしているというふうな立場でよろしいでしょうか、確認です。

○中村福祉保健局長 ただいま委員からもお話ございましたが、まさにこの提言の中でも、ひきこもり自体が、誰にも起こり得る自分の身を守る反応の一つであると、このような形も提言の中に記載されておりまして、そのようなものだということで受け止めております。

○白石委員 今、局長が認識を示していただきました。私、やっぱりこれはすごく大事だというふうに思っております。
 誰にでも起こり得るということは、国の調査でも明らかなんです。初めてひきこもりの状態になった年齢は、全年齢層にわたって大きな偏りなく、どんな年代であってもひきこもりになり得ることがうかがえます。
 ひきこもり状態となるきっかけは多様かつ複雑であり、単純に断定はできませんけれども、都の調査でも見ますと、学校でのいじめをはじめ、職場でのパワハラやセクハラ、リストラなど、社会問題がきっかけとなっていることが挙げられております。
 例えばこういう事例があります。高校を卒業して入社した会社でひどいいじめに遭い孤立し仕事を辞めた、退職後もトラウマとなり回復するまでに十年かかった、トラウマは消えない、アルバイト先でもひどいいじめに遭った、ずっと求人広告を見ているが自分ができそうな仕事はない、あったとしても自信がなく恐怖心が先に立つ、こういう声があります。
 家族会の方にお話を聞きました。ひきこもりは家庭や個人の問題ではなく、社会の問題という認識が足りないと、このように話されておりました。
 当事者や家族など家庭の中だけの問題として捉えることは自己責任論につながり、自己肯定感の喪失をさらに加速させて、当事者や家族が追い込まれ、孤立化が深刻となります。社会の側にひきこもりを深刻化させる大きな要因があることを私たちは改めて認識しなければならないと強調したいと思います。
 提言でも触れられているように、都の調査では、相談までに要した期間が十年以上かかった当事者や家族が合計四百十一人、一五・四%であることが示されております。長期間相談できない理由を都はどのように認識をしているでしょうか。

○高橋生活福祉部長 都で行ったひきこもりに関する支援状況等調査を踏まえたひきこもりに係る支援協議会では、当事者の中には、ひきこもりについて相談してはいけない、相談しても解決が難しいと考えている方などの意見がありました。
 また、ご家族の中には、家族にひきこもりの方がいることを他人に知られたくないという思いから、相談できない方もいる等の意見がございました。
 こうしたことが相談できない要因の一つであるというふうに考えております。

○白石委員 KHJ全国ひきこもり家族会が二〇一六年から一七年にかけて実施したアンケートでは、ひきこもりの平均期間は十・八年間、調査対象の一六%は二十年以上に及んでいたという結果が出ております。その背景には、先ほどから私は指摘しておりますけれども、ひきこもりへの誤った認識や偏見、差別があると思います。
 二〇一九年に起きた川崎市の殺傷事件の容疑者がひきこもりだったとして、メディアも一斉に報道いたしました。そして、ひきこもりというだけで事件を起こすとか、ひきこもりイコール危険という印象が一気に拡散され、そして、メディアも通じて、死ぬなら一人で死ねとか、不良品などといった容赦のない誹謗中傷が、当事者や家族に向けられました。
 当時、KHJ全国ひきこもり家族会などには、うちの子も同じような事件を起こすのではないかとか、もう限界といった家族からの電話が、朝から晩まで殺到する事態となりました。当事者からも、周囲の目線が怖い、ひきこもりというだけで犯人と同一視される、ますます外に出られないという相談が急増。本人も家族も心が不安定になり、中には入院してしまった人もいます。
 それ以外にもあります。ひきこもりに対して、仕事をしていないイコール怠け者、甘えている、生産性がない、偏見と差別に満ちた声がいまだにこの社会にあふれています。ある当事者は、この年まで働かず社会にも親にも迷惑をかけている、罪悪感でいっぱいですと自分を責め、追い詰められています。家族も当事者の存在を恥ずかしい存在、周りに隠す存在としております。そして、社会から家族丸ごと孤立していきます。
 ひきこもりへの誤った認識は、相談すること自体にちゅうちょやためらいを生み、適切な支援が受けられないまま、ひきこもりの長期化につながるということです。そのことを改めて私たち、真剣に受け止めるべきだと強調したいと思います。
 そこで伺いたいと思いますが、ひきこもりへの正しい理解を普及啓発することを都として取り組むことが求められておりますが、いかがか。また、相談窓口の明確化や、相談を受ける側の知識や支援のノウハウなど、支援の質も抜本的に引き上げていくことが重要と考えますが、都の認識と今後の取組について伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 ひきこもりについて正しい理解の促進が必要であり、都はこれまでも、ひきこもりの状態にある当事者や家族向けのシンポジウムを開催してございます。
 それに加えまして、今年度は、ひきこもりは誰にでも起こり得ることなどを都民に対し効果的に広報することとしております。
 また、ひきこもりに関わる支援の取組や、ひきこもり相談窓口を紹介するリーフレットを作成、配布しております。
 さらに、区市町村や民間支援団体の職員を対象として、当事者や家族に対する相談支援の対応力の向上を目的といたしました研修を実施しているところでございます。

○白石委員 当事者一人一人の尊厳を守り、当事者への支援を行うことが重要だと思います。ぜひ提言の具体化を都として進めていただきたいと強く要望しておきたいと思います。
 さらに質問を進めていきたいと思います。ひきこもりの当事者や家族の居場所づくりがやはり重要だと考えます。
 都は、当事者や家族の居場所づくりの重要性についてどのように認識をしているのか伺います。

○高橋生活福祉部長 支援協議会の提言におきましては、当事者が居場所等に参加し、社会とつながる機会を増やすことは、失った自己肯定感を取り戻す上では重要とされておりまして、当事者や家族の孤立を防ぐために、居場所づくりは重要であると私どもも認識しております。
 都は、リーフレットの中で、当事者の社会参加を支援するため、居場所の提供や社会体験活動等を実施しているNPO等の連絡先や活動内容を紹介しております。

○白石委員 当事者や家族自身が、ひきこもりに至るまでにつらい経験や挫折などを体験し、蓄積がされて自己肯定感を失っております。だからこそ、他人に自分のことや家のことを相談すること自体、高いハードルとなっております。
 家族会の方は、ひきこもり状態が問題ではなく、家族も本人も困っていても助けてと声を上げられず、社会から孤立していることが一番の問題だと、このようにお話をしておりました。孤独は生きる意欲を奪い、絶望感にさいなまれて、死んだ方が楽という考えになる、だからこそ一人じゃないといえる居場所が重要だと真剣に話されておりました。
 ここで事例を紹介したいと思います。ひきこもりの息子と暮らすお母さんの事例です。
 息子が不登校になり学校を休んでいることを他人に知られたくなかった、祖母は私の育て方を責め、私は本人の努力不足を責めた、本人を学校に行かせることだけを考えた、不登校に関する講演会をはしごし家族会にたどり着いた、親同士悩みを話し合ううちに苦しんでいるのは自分だけじゃないんだと分かって、心の底から安心した、家族会などを通して様々な人と出会い、だんだんと世間体を気にしなくなり、リラックスできる居場所となった、そのとき本人は、親の圧力がなくなって自分は家にいていいんだと、楽になったと思ったそうです。そして、引き籠もってから五年後、本人が自分から家事や手伝いを始め、家の中で自由に過ごせるようになり、欲しいものを自分からいうようになりました、親が本人の状況を理解することと親が安心し楽になれる居場所ができたことによって、本人も安心感を持ち回復に向かうと、こういう事例です。
 一方で、痛ましい事例もあります。毎月家族会で顔を合わせ、近況を話したりして、愚痴なども吐きながら、前向きにひきこもりの息子のことを考えられていたお母さんの事例です。
 お父さんが緊急入院してしまい、コロナにより、自営業も閉じることになってしまいました、夫の入院と仕事がなくなり収入が絶たれ、話せる家族会がコロナにより活動ができなくなり、長期で引き籠もっている息子を思うと不安にさいなまれ、次第にお母さんが引き籠もりがちになり、見る見る痩せていき、生きているのがつらいと繰り返し述べて自ら命を絶ってしまったという事例です。
 当事者や家族が同じ悩みを共有できるピアサポートなど、共感や寄り添うから、当事者や家族の孤立を防ぐための居場所づくりが極めて重要だと、改めてここでも訴えたいと思います。そして、その役割を担っているのが当事者団体や家族会の存在です。
 そこで伺いたいと思います。ひきこもりの当事者団体や家族会の役割、そして必要性などをどのように認識しているのか。また、当事者団体や家族会の活動支援を都として行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○高橋生活福祉部長 当事者やそのご家族が、社会とつながる機会を増やし孤立を防ぐためには、当事者団体や家族会の役割は重要でございます。
 都は、ひきこもりの合同相談会を実施し、当事者団体について情報提供を行いますとともに、相談員として家族会にご協力していただいており、引き続き連携して支援を行ってまいります。

○白石委員 当事者団体や家族会は、基本的に手弁当で定期的に会合を持ったりとか、それからイベントを開催したりしております。支援協議会の中でも、例えばUX会議の委員から、都内の空き家を利用して居場所をつくっていく、当事者団体は資金がないということもあって拠点をつくるということがとても難しい、拠点づくりなどに協力してほしいと要望が出されております。家族会も、勉強会の講師やカウンセラーなどを呼ぶだけでもお金がかかるので、活動支援をしてほしいと訴えております。
 当事者団体や家族会に都として支援を行って、ひきこもり支援の拡充をしていくことを改めて要望したいというふうに思います。
 次に、ひきこもり支援では、抱えている困難さは多岐にわたるため、行政の窓口に相談に行ってもたらい回しにされるケースが多くあります。そして、相談を諦めるケースもあります。当事者や家族が抱える困り事は複合的にあり、一つの課では対応できません。
 そこで、区市町村や関係機関だけでなく、当事者団体、家族会も参加するプラットフォームの設置がとりわけ重要だと思います。厚労省は、ひきこもり支援施策の推進についてという通知によって、区市町村に対して二〇二一年度末までに市町村プラットフォームの設置運営の取組を求めております。
 現在、当事者団体や家族会も参加するプラットフォームを設置運営している自治体は都内にどのぐらいあるのか、具体的に伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 国の就職氷河期世代支援に関わる市町村プラットフォームの設置状況調査によりますと、令和二年度末時点で、都内で設置済みが十七自治体、うち当事者団体や家族会が参加するプラットフォームを設置運営している自治体は二自治体でございます。

○白石委員 家族会や当事者団体が参加するプラットフォームを設置運営している自治体は二自治体しかないということですので、やはり都内に広げるような、都としての支援が必要だというふうに思います。
 そこで、都は提言も受けて、各自治体にプラットフォームを設置運営していくためにはどういう課題があるのか、そして、どういう支援が必要だと考えているのか伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 協議会での提言におきまして、ひきこもりの方へのきめ細かな支援のためには、相談窓口の明確化、身近な地域での相談体制の充実と多様な関係機関の連携が必要であるとされております。
 そのため、都は、都と区市町村によりますひきこもりに係る支援推進会議を設置し区市町村の取組を促進するなど、提言を踏まえた支援を推進しております。

○白石委員 あのですね、答弁がちょっと分からないんですね。確認しますが、プラットフォームを設置していくに当たり、課題は一体何でしょうかということです。

○高橋生活福祉部長 プラットフォームを設置する課題についてでございますけれども、いろんな関係機関がそのプラットフォームに、先生おっしゃったように関わらなければなりません。そういった意味で、その関わり方、そういったところの技術的な支援というものが必要であるというふうに思っております。
 また、そのために東京都は、ひきこもりサポートネットを活用して、区市町村にそういったところの支援を行っているところでございます。

○白石委員 技術的支援が課題であるというふうに今ご答弁されました。
 プラットフォーム、今、家族会や当事者団体が含まれた、設置というのは都内で二自治体しかないというふうなところで、やっぱりこれを広げていくといったときに、技術的な支援も含めて、きちんと調査分析をして、課題を明らかにするということが大事だと思います。
 私、支援協議会の議事録を読ませていただきましたけれども、例えばUX会議の委員の方から、プラットフォームの設置に関わる−−まあ大きなね、設置をするための様々な取組や経験なんかのお話もされておりましたので、やはりそういうところも含めて、今後、各自治体にプラットフォームを設置できるように、都としてしっかりと調査、そして分析をして、課題を明らかにして、都の具体的な支援をぜひ行っていただきたいというふうに思います。
 また、今答弁で、区市町村が参加している支援推進会議を設置しているということなので、その場でも当事者団体や家族会の取組や経験、支援のノウハウなんかを積極的に東京都は紹介をして、プラットフォームに参加するように、家族会やそれから当事者団体を含めたプラットフォームの設置というのを進めていくということを、ぜひとも各区市町村にも働きかけていただきたいというふうに思っております。
 先に進めたいというふうに思います。提言では、ひきこもりに係る支援の今後の方向性が示されております。
 提言で示された支援の方向性を具体的に計画やビジョンに落とし込んで策定すべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○高橋生活福祉部長 支援協議会の提言では、ひきこもりに係る支援の充実に向けて、都民や関係者への普及啓発など、目指すべき姿の実現に向けた七つの取組や今後の方向性を掲げてございます。
 都は、策定中の第二期東京都地域福祉支援計画において、ひきこもり状態にある方への支援の取組の方向性につきまして、提言を踏まえ支援に取り組むこととしており、現在パブリックコメントを実施しているところでございます。
 引き続き、ひきこもりの方への支援を推進してまいります。

○白石委員 非常に重要な提言が出されたので、やっぱり絵に描いた餅にならないように、提言を踏まえ、ひきこもり支援を推進していくためにも、具体的な計画をもって着実に進めていくよう要望したいというふうに思います。
 最後に、東京都ひきこもりに係る支援協議会の今後の活動、そして当事者団体や家族会の声を踏まえて行っていくべきだと思いますが、いかがか。また、ひきこもりの実態を調査、把握しながら、どういう協議や検討が必要か、丁寧にこの支援協議会を進めていくことを求めますが、都の見解を伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 都が設置いたしました東京都ひきこもりに係る支援協議会には、構成員として、当事者団体、家族会に参加していただくこととしております。
 引き続き、本協議会において、当事者団体、家族会のご意見を伺うなど、ひきこもりの方の実態等を踏まえた支援を行ってまいります。

○白石委員 今答弁でもあったとおり、ひきこもりの方の実態等を踏まえて支援を実施していくんだというふうなこともお話しされました。やっぱり支援協議会は、引き続き当事者団体と家族会の参加の下、ひきこもりの実態を踏まえながら実施していくということも併せて確認をいたしました。
 今後も、ひきこもりの実態把握や支援の在り方の検討、そして提言の具体化など、一層活発な協議会運営を行っていただくことを改めて求めまして、このテーマでの質問を終わりたいというふうに思います。
 次に、障害者福祉会館へのインターネット環境の整備について質問をしたいと思います。
 障害者がインターネットを活用して情報を得ることは、生活の質の向上につながることからも重要だと思います。ところが、障害者の拠点となっている障害者福祉会館はインターネットがつながらず、外からの電波も入りにくい状況となっており、インターネット環境を早急に整備することが求められます。
 初めに、基本姿勢を伺いたいと思います。
 障害者が誰でもインターネットを活用できるように環境整備を促進していくということは喫緊の課題だというふうに思いますけれども、都の認識を伺いたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 障害者がインターネット上の様々なアプリケーションなどを活用して情報を円滑に取得できる環境を整備することは、生活の質の向上や社会参加を促進する上で重要であります。
 都は、障害者のデジタル機器の活用を支援するために東京都障害者IT地域支援センターを設置し、障害者からの相談や機器の展示、体験実習などを行っております。
 また、地域において障害者の支援に関わる区市町村の担当者やボランティアなどを対象としたデジタル技術活用支援者養成研修を行っております。

○白石委員 生活の質の向上や社会参加を促進する上で重要と、認識が示されました。大変重要な認識だと思います。
 昨年も私、紹介いたしましたけれども、この障害者福祉会館でインターネット環境が整備されていないことによって、視覚障害者から声が上がっております。
 例えば障害者福祉会館には、視覚障害者日常生活情報点訳等サービス、いわゆる文字サービス事業があります。これは生活一般に関わる、例えば手紙とかチラシ、それから契約書、電化製品などのマニュアルを技術員の方が朗読をしてくれたり、そして点字に変換してくれたりする事業になっております。
 私も、昨年、質問いたしましたけれども、障害者福祉会館に視察に行ったときに、視覚障害者の方が電動歯ブラシの説明書を技術員の方に朗読してもらって、そして使い方を学んでいるところをちょうど見させていただきました。
 何か製品を買ったときに、動かそうとか、それからどういう使い方かといったときに、点字の文章での説明書はほとんどありませんから、そういったときに技術員の方が朗読をしてくれたり、点字に換えてくれたりという、こういう非常に大事なサービスです。
 ところが、これを行う文字サービス室が障害者福祉会館にありますが、文字サービス室にパソコンはあるんですけれども、インターネットにつながっていないんです。非常に不便を生じております。
 文字サービス室には点字に変換する機器もありますし、電化製品のマニュアル、先ほど電動歯ブラシの話をしましたけれども、これインターネットで簡単にマニュアルとかのデータをPDFで入手できます。これがインターネットにつながっていれば、そのPDFデータがあれば、その場で点字に変換することもできるんです。ところが、インターネットにつながっていないので、できないという状況です。
 また、視覚障害者の方が個人で使えるパソコン室もあるんですが、同様にインターネットが整備されていないので、不便さが同じくあります。
 また、会議などで集まることが、現在コロナ禍の中で、まあこれまでもできない、そういう状況でオンライン会議が急速に広がっております。しかし、障害者福祉会館で、例えば、今広く普及しているズームで会議をしようと思ってもできないんですね、インターネットがつながっていない、電波も入りにくいという状況ですから。
 昨年、多分十二月だと思いますが、ズームのソフトに音声読み取り機能がつきました。視覚障害者でも資料を使ってオンライン会議ができるようになったんです。
 少人数で会館に集まって、ズームなどに詳しい人が支援してオンラインで会議をしようと思っても、今の現状だとできないんです。ある視覚障害者の方は、すぐにソフトを使いこなすことができないので、詳しい人が支援して繰り返し一緒にやって、やっと一年かけてズームが使えるようになったと話をしております。せっかく使えるようになっても、会館にインターネット環境は整備されていないので、障害者の拠点として活用できないという今のこういう状況を改善しなければならないと思います。
 昨年の厚生委員会で障害者福祉会館のインターネット環境の整備について取り上げ、整備するよう求めました。そうしたら、障害者福祉会館へのインターネット環境を整備することを検討すると答弁がされました。現状でいくと、まだ整備がされていません。
 早急に障害者福祉会館にインターネット環境を整備するべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○中川障害者施策推進部長 障害者福祉会館は、障害者が利用できる集会室の貸出しなどを行っており、利用者の利便性の向上を図るため、今年度中にインターネット環境を整備していくこととしております。

○白石委員 今年度中に障害者福祉会館にインターネット環境を整備するという答弁でした。本当に重要です。待ち望んでいたことなので、皆さんが本当に大変に喜ぶ答弁だというふうに思います。率直に私もうれしいです。障害者の拠点にふさわしい施設への一歩となる、そういう答弁だったと思います。
 ただ、福祉保健局で所管する施設は会館だけじゃないんです。
 そこで伺いたいと思いますが、福祉保健局が所管する施設において、利用者がインターネットを活用できるように整備されている施設は、何施設中何施設でしょうか。また、障害者福祉会館以外の福祉保健局が所管する施設に、利用者がインターネットを利用できるように環境を整備すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○齋藤企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 利用者がインターネットを利用できる施設は、局五十三事業所のうち、保健所五か所となっておりまして、昨年度、未来型オフィス実現プロジェクトとして、来所した都民や他自治体職員向けにインターネットを利用可能なWi-Fi環境を整備いたしました。
 引き続き、都民サービス向上に向けまして、施設ごとの利用者ニーズに応じて、インターネットの利用などの必要な環境を整備してまいります。

○白石委員 今答弁あったとおり、現状だと五十三事業所のうち、保健所の五か所しか整備されていないと。そして、今答弁であったとおり、障害者福祉会館が今年度末までにインターネットが整備されるということなので、六施設目、六施設になったということです。
 ただ、五十三事業所で六施設、やっぱりあまりにも少な過ぎると思います。他の施設にもインターネット環境を整備して、都民の生活の質を向上させるよう改めて要望いたしまして、質問を終わりたいというふうに思います。

○関口委員 よろしくお願いします。
 初めに、心身障害者福祉手当について伺ってまいります。
 障害者に対しての手当は様々ございますが、私が今回注目をしたいのは、精神障害者についての手当という観点で伺ってまいりたいと思います。
 今までの歴史を見ますと、身体障害や知的障害に比べ、精神障害は認知がされるまでに時間がかかった、そういった経緯があると思っております。そうした中、まだまだ行政の中においても、精神障害者の皆さんに対しての手当、こうしたものが立ち遅れていると考えております。
 例えば東京都では、心身障害者福祉手当があります。この手当は、障害者の経済的、精神的負担を軽減する目的があり、各自治体と連携がなされ、実施をされています。
 東京都心身障害者福祉手当に関する条例によると、身体障害者や知的障害者には福祉手当が一万五千五百円支給をされております。一方、精神障害者については、都条例では福祉手当の対象となっておりません。これはなぜなのでしょうか、伺います。

○中川障害者施策推進部長 障害者の所得の保障に係る施策は、基本的に国の責任において実施すべきものでございまして、都は、他の自治体とも連携し、障害基礎年金など障害者の所得保障の充実を国に要望するほか、グループホームなどの地域居住の場や通所施設などの日中活動の場を重点的に整備するなど、障害者が地域で安心して暮らせるためのサービス基盤の整備を促進しております。
 なお、精神障害者につきましては、その障害の特性から、医療を確保することの重要性を考慮し、低所得者に対して都独自に精神通院医療の一割の自己負担分を無料としております。

○関口委員 今のご答弁ですと、所得の確保に係る施策というものは、国の責任において実施をすべきという答弁でありました。
 一方、都条例では、精神障害者は福祉手当の対象となっていないため、手当支給が各基礎自治体の対応となっている現状があります。私の地元の杉並区を含め、十四自治体が支給をしているとのことでありますが、都内の各基礎自治体の取組について伺いたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 区市町村によっては、それぞれ地域の実情に応じて独自の判断で支給対象者の拡大等を図っております。
 精神障害者への手当に関しましては、金額は月額四千円から一万五千五百円までであり、多くの自治体では、対象者を精神障害者保健福祉手帳一級としております。

○関口委員 額は様々で、四千円から一万五千五百円、ある種一万五千五百円は先ほどご紹介しましたが、身体や知的障害者の方々と同額を支給している自治体もあるということであります。
 先ほどご答弁で、国の責任において実施をすべきというものでありましたが、各基礎自治体におきましては、必要性を感じているから精神障害者への手当の拡大が実施をされているという背景は、東京都も強く意識をしなければいけないと考えております。
 こうした現状を鑑み、基礎自治体や各地域の障害者団体連合会から、福祉手当の精神障害者への拡充について要望などは寄せられているのか伺います。

○中川障害者施策推進部長 令和二年度につきましては、四つの関係団体及び特別区長会、町村会、町村議会議長会から要望を受けてございます。

○関口委員 障害者団体などの関係団体はもちろんのことでありますが、特別区長会、町村会、町村議会議長会などからも要望がされているということで、極めて重く受け止めるべきだと考えます。
 基礎自治体では、障害者の所得の確保について必要性を感じ、精神障害者への手当の拡大が実施をされている、さらには、こうしたある種公の団体からも強く要望がされているということで、こうしたことを鑑み、今後、精神障害者を福祉手当の対象とすべきと考えますけれども、都の見解を伺います。

○中川障害者施策推進部長 所得保障は基本的に国の役割でございまして、都は、障害者が地域で安心して暮らせるためのサービス基盤の整備を促進してまいります。

○関口委員 今すぐにという話ではございませんので、ぜひ長期的な目で考えていただければと思います。
 精神障害の皆さんを対象とすると、かなり人数がぐっと広がり、財政的な負担というものも重くなるのは確かに事実でありますが、やはり精神障害の皆さんに対しても、所得の確保、保障というものをしっかりやるべきだというふうに考えますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、失語症対策について伺ってまいります。
 失語症は、脳卒中や頭部外傷などが原因の脳機能障害で、話す、聞いて理解する、書く、読む、計算する等、コミュニケーション全般に困難を生じる大脳の損傷による障害であります。簡単な内容なら言葉と文章で話せる人から言葉のやり取りが非常に困難な方まで、症状が多岐にわたっているものであります。
 そこで、まず伺いますが、失語症でお困りの方が障害者手帳の取得や福祉サービスの利用などについて相談をしたい場合、どういったところが窓口になるのか伺いたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 失語症は、お話のとおり、脳卒中や事故が原因で、話す、聞く、読む、書くことに影響が生じる障害でございまして、その症状によっては、身体障害者福祉法で定める言語機能の障害に該当し、身体障害者手帳の取得をすることができます。また、障害者総合支援法に基づく要件に該当すれば、居宅介護や自立訓練などのサービスを受けることができます。
 これらの福祉サービスに関する利用の相談は、区市町村の障害福祉主管課の窓口で行ってございまして、都は、広域的、専門的な立場から区市町村を支援しております。

○関口委員 今ご答弁でありましたが、身体障害者手帳の取得が可能ということでありました。
 ただ一方で、先ほど冒頭申し上げましたが、一般的な言葉とか文字、そうしたものを簡単なものであれば交わせる人もいるわけでありまして、なかなかそうした手帳の取得が難しいという話も聞きますし、濃淡の非常に濃いものでもありますので、特に若い方なんかは取得がしづらいということを当事者の皆さんからも伺っているところであります。手帳がもらえないということになると、なかなか福祉制度の谷間にある方々が多くいると思います。
 福祉の制度、福祉の窓口に結びつかないという話を非常に多く伺うわけでありまして、失語症の方が身近な地域である区市町村の相談窓口に結びつくように、都として区市町村に対して働きかけをすべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○中川障害者施策推進部長 福祉サービスに関する利用の相談は区市町村で行っておりまして、都は、身近な地域で失語の症状がある高次脳機能障害の方への相談や支援を受けられる体制を確保するため、支援員を配置して、失語症の方を含め、高次脳機能障害者とその家族に対する相談等を行う区市町村を支援しております。
 また、心身障害者福祉センターにおいて、高次脳機能障害に関する区市町村との連絡会議を実施しておりまして、区市町村の取組を支援しております。

○関口委員 そもそもの話なんですが、東京都における失語症者の人数は何人でございますでしょうか。失語症者に対し適切な施策を実施するためにも、まずは人数を把握するための実態調査をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

○中川障害者施策推進部長 失語症の方の人数については把握していませんが、都は、五年に一度行います障害者の実態調査におきまして、失語症の方を含め、言語機能障害の方の生活実態について調査をしております。
 また、失語症の方などの状況につきましては、区市町村に設置されている高次脳機能障害者支援員など、区市町村の障害福祉主管課において把握しているものと考えております。

○関口委員 今、人数を把握はできていないというご答弁ありましたが、まずは、都内の人数を把握するところから、ぜひ始めていただきたいと思います。
 そして、区市町村の支援員などが把握をしているということでのご答弁もいただきましたが、各区市町村それぞれ濃淡はあるかと思いますが、かなり基礎自治体における失語症に対しての理解というものが薄いという現状があるかと思います。
 関係団体の方からヒアリングした際には、基礎自治体において、失語症者に関する意思疎通支援者派遣、あるいは言語訓練、社会的リハビリテーションを要望する失語症者の相談や依頼実績がないので、当自治体では失語症者は存在しないのではないかと思うという回答がされたということを伺いました。
 先ほど各区市町村に対する働きかけということは申し上げましたが、まずはこういう理解促進、こういう一からまずは進めていくべきだと私は考えております。
 続きまして、東京都におきましては、失語症者の方、回復期病院を退院した後に、その失語症者に対する生活訓練や言語訓練、社会的リハビリテーションを実施する事業所が極めて少ない状況だと認識をしております。
 長期リハビリテーションが必要な失語症患者のための、地域でのそうした施設の開設を促進すべきだと考えますけれども、都の見解を伺います。

○中川障害者施策推進部長 都は、高次脳機能障害者のリハビリテーションを担う中核病院において行います医療と福祉の連携強化のための連絡会、地域の医療機関や福祉サービス事業所に対する助言等につきまして、これを支援しております。
 また、都の心身障害者福祉センターにおきましては、失語症を含めた高次脳機能障害者の就労訓練や生活訓練のためのプログラムを実施しておりまして、今後ともこうした取組を進めてまいります。

○関口委員 今ご答弁をいただきましたが、病院との連絡会であったり、あるいは地域の医療機関などへの助言、支援、こういったものはあくまで一つの取組だと思っておりますが、今質問しましたような地域でのリハビリテーション施設、こうしたものはやはりまだまだ整備がされていない状況でもありますし、先ほどと同じことを繰り返してしまいますが、失語症者もやはり濃淡があって、今、東京都の方で取組をされているのは、失語症者の中でもかなり症状がひどい方、かなりつらい思いをされている方々、そういったところの支援がされているわけでありまして、幅広い皆様に対しての支援というものを改めてお願いしたいと思っております。
 そういった中ではありますが、令和三年度から失語症者向け意思疎通支援者の派遣事業のモデル事業が始まりました。この事業の概要と現在の利用実績を伺いたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 国は、平成二十八年度から障害者総合支援法に基づく意思疎通支援事業に失語症が対象であることを明確化し、平成三十年度からは都道府県で失語症者向け意思疎通支援者の養成が開始されました。
 都は今年度から、これまで養成した失語症者向け意思疎通支援者を活用いたしまして、個別のニーズを聞き取る場としての失語症者が集まるサロンを、二十三区、多摩地域で一か所ずつ設置するモデル事業を開始いたしました。
 サロンは、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、本年十月に開設し、現時点での実績は都内二か所で延べ三回開催、利用者は延べ七名となってございます。
 今後、モデル事業を三年間実施しながら、区市町村に事業立ち上げの働きかけなどを行い、地域の支援体制の法整備を進めてまいります。

○関口委員 コロナということもあって、今ご答弁でもありましたが、会話サロン、延べ三回、利用者七名ということで、なかなかまだまだ多くの方に周知がされていない状況があるのかなと思います。
 ただ一方で、人数が少ないからといって事業を縮小するのではなくて、今後三年間ございますので、多くの方に届くような形で事業を広げていただきたいと思っております。
 続いて、今質疑をいたしました意思疎通支援者、こちらについての養成についてであります。
 先日伺った話であるんですが、裁判において高次脳機能障害者である失語症者の方が、意思確認ができずに敗訴をしてしまったという事例を伺いました。意思確認は、裁判官などが直接当事者に尋ねるだけで、支援者を介することはないという実態があります。この裁判の現場では、医師が高次脳機能障害者である失語症者の方の状況を裁判官や検事や弁護士などに説明をして、担当言語聴覚士が本人の検査結果を基に理解力、判断力の低下について証言したそうであります。
 失語症者は、コミュニケーションに障害がありますが、本人の意思は適切な手段があればしっかりと確認をできる、そういったところを意識しなければいけません。
 司法の現場で失語症者の意思確認を行う意思疎通支援者の養成をすべきと考えますけれども、都の見解を伺います。

○中川障害者施策推進部長 日本の裁判所では、日本語を用いることとなってございまして、例えば日本語が分からない外国人や聴覚や言語に障害のある人が被告人として裁判を受ける場合、裁判所は、被告人の権利を保障するため、通訳人を選任し、通訳をさせることとなっております。
 失語症者向け意思疎通支援者につきましては、国の養成カリキュラムの到達目標として、買物、役所での手続等の日常生活上の外出場面における支援に加えて、公共交通機関の利用を伴う外出や複数の方への支援、戸別訪問等の場面を想定し、多様なニーズに応え、意思疎通の支援を行えることとされております。

○関口委員 国の定めた養成カリキュラムがあるということで、今、現時点でそのフェーズにないことはもちろん承知をしておりますが、今後の課題として、ぜひこうした司法の現場で活躍できる、そうした意思疎通支援者の養成というものをお願いしたいと思っております。
 失語症の最後となりますが、一つの要望として、失語症センターというものの設置というものを要望したいと思います。
 アメリカやカナダ、ドイツ、ニュージーランドなどには、失語症センターというものが存在をします。この施設では、複数の言語聴覚士による言語訓練やコミュニティサロンの開催だけではなく、企業への教育研修まで実施をされています。現在の国内の取組に比べ、細やかなアプローチがされているのが現状です。
 失語症に特化した相談機関が存在するだけでも、患者の障害を持って生きる第二の人生の安心につながると私は考えます。失語症センターのような拠点というものをしっかり東京都につくることを要望したいと思います。
 続きまして、がん検診の精度管理について伺ってまいります。
 がん検診により、がん死亡を減少させるためには、死亡率減少効果が科学的に証明されている検診を適切な精度管理の下で実施をすることが最も重要な対策であると考えております。その精度管理を支える上で、事業評価のためのチェックリストを用いて、がん検診の体制を自己点検することが重要であります。
 そこで伺いますが、がん検診における事業評価のためのチェックリストの概要と意義について伺いたいと思います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 がん検診の実施に当たりましては、科学的根拠に基づく検診を受診率向上を含めた適切な精度管理の下で実施することが重要でございます。
 そのため、国の指針では、都道府県、区市町村、検診機関において、がん検診の事業評価を行うに当たり、事業評価のためのチェックリストにより、実施状況を把握することが求められております。
 チェックリストは、それぞれの役割に応じて整備すべき必要最低限の体制をリスト化したもので、都道府県等は、チェックリストの項目に従って検診実施体制を整備し、定期的な自己点検を行い、項目の達成を目指すものとされております。

○関口委員 国のチェックリスト調査によると、全国都道府県の順位は、東京都においては、平成二十九年度の区市町村チェックリストの遵守状況が、四十七都道府県中、集団検診が、がんの種類によって四十六位から四十七位、個別検診が、これもがんの種類によって異なりますが、四十位から四十五位でありました。
 なぜこの当時は遵守状況が低かったのか伺いたいと思います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 区市町村に対するチェックリスト調査には、検診実施体制に関する項目と指標の集計に関する項目がございます。
 平成二十九年度の調査結果では、受診者の理解促進や精密検査結果の把握体制のほか、受診率、要精検率、精検受診率等の指標の集計に関する項目等が低い値でございました。
 チェックリストは自己点検に基づくものであり、区市町村が国に直接提出する仕組みになっておりますが、平成二十九年度の調査結果を受けまして、区市町村の担当者と意見交換した際、担当者がチェックリストの意義や活用方法、設問内容を正しく認識せずに回答したケースが多く、実態が正確に反映されていないなどの課題があることが分かりました。

○関口委員 今ご答弁をいただきましたが、受診率、要精検率、精検受診率などの指標の集計が低かったということと、自治体の担当者がなかなかしっかり把握をできていなかったというところがあったということでありました。
 その後の国の調査によると、令和二年度においては、集団検診や個別検診におけるチェックリスト遵守状況は上昇し、都道府県のランキングでは、集団検診は、がん種によりますけれども二十七位から三十位の間に、そして個別検診においても、二十位から二十四位と上昇が見られました。
 今後、さらにチェックリストの遵守率を高め、精度管理を向上させていくことが必要であると思いますけれども、都の見解を伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、平成二十九年度の調査結果を踏まえまして、平成三十年度に区市町村に対し、チェックリスト項目の遵守に向けた取組を求める通知を発出いたしますとともに、区市町村がん検診事業担当者連絡会におきまして、チェックリストの意義や活用方法を説明しております。
 また、区市町村がチェックリストを正確に回答できますよう、都独自のマニュアルを作成、配布しております。
 令和元年度からは、専門家や区市町村で構成される東京都生活習慣病検診管理指導協議会がん部会におきまして、区市町村ごとにチェックリストの遵守状況の評価を行い、その結果を都ホームページを通じて公表しており、令和二年度からは、各区市町村における課題解決のため、毎年度、都が実施していた個別訪問の対象をこの評価結果を活用して選定しております。
 こうした取組を通じて、区市町村の精度管理向上の取組が進みますよう支援してまいります。

○関口委員 今この質問をしましたのは、ちょうど平成二十九年度に区議会にいましたときに、杉並区で肺がん検診の見落とし問題というのが、一つ大きな問題がございました。そのときに、東京都の精度管理、そしてチェックリストの遵守というものが極めて低く、さらにいえば、私の地元の杉並区というものも極めて低い状況にあったというものが問題意識にございました。
 今後、東京都もがん対策というものを、より一層力を入れていくということでありますので、先ほども申し上げましたが、がんにおける死亡率を低くしていくためにも、チェックリストの遵守というものをさらに高めていただきますよう要望いたします。
 続きまして、コロナの三回目の追加接種について伺ってまいります。
 追加接種がいよいよ来月から開始となります。追加接種を円滑に進めていくためには、今月までにしっかりと準備をしていく必要がありますけれども、今までの経過と都の現在の状況、さらには区市町村との連携について伺ってまいります。

○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 国は、追加接種における地方自治体の役割分担につきまして、区市町村は住所地で接種できるよう体制を確保し、都道府県は区市町村を支援しながら進捗管理を行うと示しております。
 このことを踏まえ、都は、全区市町村の実務担当者とのワクチンチーム会議を先月以降精力的に開催し、国からの情報の提供や課題の共有、実施方法の詳細の検討などを行ってまいりました。
 あわせて、最初に接種を受けることとなります医療従事者等につきましては、都において東京都医師会などの医療関係団体等と個別に調整を行い、具体的な接種方法等を確定してまいりました。
 また、来年一月の接種対象者分までのワクチンの配送が、今月二十六日までに完了する予定であるとともに、区市町村におきましては、十二月の接種対象者への接種券の配布が今月中に完了する見込みでございまして、引き続き、追加接種の円滑な実施に向け、区市町村等と緊密に連携を図ってまいります。

○関口委員 三回目の追加接種というものも、しっかり都民の要望に応えられるような体制をつくらなくてはいけないと思っております。そうした中で、東京都の大規模接種、これももちろん重要ではあるかと思うんですが、やはり基礎の部分は、各基礎自治体のワクチン接種であると考えております。
 先日、自治体の担当者の方とお話をしたときに、なるべくワクチンは、各基礎自治体の体制が整っているから、そこにしっかり供給をできるような体制をつくってほしいという要望を受けました。確かにこれは、なかなか東京都だけでは決められないことかと思いますけれども、ただ、この体制が整っているからこそ、基礎自治体に重きを置くことが効率的であり、効果的であると考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
 また、三回目のワクチン接種における都と区のすみ分けをどう考えるのか伺いたいと思います。さらには、先ほど申し上げましたが、やはり基礎自治体の体制が整っているということを念頭に置いて、基礎自治体を中心に、ワクチンを供給すべきと私は考えますけれども、都の見解を伺います。

○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 まず、大規模接種に関する件でございますが、一回目、二回目の接種におきましては、区市町村が高齢者や基礎疾患を有する方などから順次住民接種を進めてきた一方で、都の大規模接種につきましては、東京の都市活動や都民生活を支え、人と直接接する機会が多い職種の方から、順次住所地や年齢を問わず接種を進めてまいりました。
 追加接種につきましては、現在、区市町村と議論を重ねているところではございますが、区市町村からは、追加接種につきましても、都において大規模接種会場を設置してほしいとの要望が寄せられております。こうしたことも踏まえながら、区市町村と連携し、引き続き検討を進めてまいりたいと思います。
 次に、ワクチンの供給をできる限り基礎自治体にということでございますが、国は、先月十五日、追加接種に係りますワクチン供給の第一クール分として、十二月から来年一月接種分までの二か月分のファイザー社ワクチンにつきまして、都道府県への割当て量を決定し、都には三百五十八箱、約四十二万人分が割り当てられました。都では、配分量を区市町村と事前に調整した上で、今回、国から配分された全てのワクチンにつきまして、区市町村に割り当てることを決定しております。
 今後とも、区市町村での接種が円滑に進むよう、必要量等を踏まえ、適切にワクチン配分を行ってまいります。

○関口委員 ぜひお願いいたしたいと思います。
 ちょうど今日のニュースを見ていましたら、ワクチン担当の堀内大臣が、三回目の追加接種については、ワクチンを一種類に限る方針を見直して、ファイザー製、モデルナ製といった複数の会社のワクチンを取り扱うことを認めたというニュースが流れておりました。
 こうした一回目と二回目と異なる製品を打つ交差接種を認めたということでありますけれども、この交差接種を認めたのを受けて、比較的副反応が強く出るとされているモデルナ製を避けて、ファイザー製に予約が集中して不足してしまうのではないかという懸念もあるようであります。引き続き、都民の迅速な接種のために柔軟な対応というものをお願いしたいと思っております。
 続きまして、いわゆる幽霊病床の見える化について伺ってまいります。
 さきの厚生委員会においても幽霊病床について指摘をし、課題解決をすべきということで伺ってまいりました。
 政府の示したコロナ対策では、いわゆる幽霊病床を防ぐために、医療機関には確保した病床の八割以上の使用率を求め、状況がホームページなどで分かるよう見える化するということでありますが、政府の方針を踏まえた都の対応について伺ってまいります。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 十一月十二日に国が示した方針では、十二月から医療機関別の病床の確保、使用率を毎月公表することが示されておりまして、都としましては、実施方法等について、現在、国に確認しているところでございます。

○関口委員 今後の実施方法については、まだ未定ということでありますが、都としても、しっかり見える化というものを実現していただきたいと思います。そうした発信も、ぜひお願いしたいと思っております。
 続きまして、宿泊療養について伺ってまいります。
 さきの厚生委員会におきましても、私自身がコロナにかかって宿泊療養でお世話になったという観点から、この宿泊療養について質問をしてまいりました。
 まず、この宿泊療養施設の確保に関する東京都の第六波に向けた対応として、約三千二百室から四千五百室を確保し、一千三百室が上積みをされているという状況であります。
 話を伺うと、新規施設の確保というよりかは、既存施設の中での効果的な、効率的な使用ができていなかった部分について運用を見直して、宿泊療養者の受入れ可能数を一千三百室まで増やしたということで伺っております。
 そこで、既存施設の運用などは、どのような見直しをされたのか伺いたいと思います。

○徳弘新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都はこれまで、宿泊療養施設に、より多くの療養者を受け入れるため、不足する看護師の確保に向けた処遇改善のほか、施設運営の見直しにより、施設稼働率の向上に取り組んでまいりました。
 今回の見直しでは、さらなる受入れ拡大に向けまして、患者の受入れ時間帯の拡大や食事の各階配布などの運用の見直しを行うことで、既存施設の稼働率の向上を図っていくこととしております。
 さらに、宿泊療養施設を必要なときに医師の往診が受けられる往診型施設と主に無症状や基礎疾患のない方を受け入れるリモート診療施設に機能分化することによりまして、患者の健康観察の効率化を図り、受入れ数の増加を図ってまいります。

○関口委員 各階の食事配布ということのご答弁もいただきましたし、受入れを拡大していくということもありましたが、確かに私も宿泊療養しているときに、一階まで下がってそこで食事を受け取るということでありましたが、そのときの時間帯はかなり混雑をしていた覚えがありました。そういったところを改善することによって、効率的な運用ができるということで、ぜひ今後も、そうした取組を高めていただきたいと思います。
 一方で、受入れ数が増えることによって、一人一人の患者さんに対しての対応というものが、ある種おろそかにならないような対応というものも、ぜひご検討いただきたいと思いますし、そういったところに、ぜひ力を入れていただきたいと思っております。
 そして、今回は、宿泊療養への入所調整を早めるという観点から、無症状者や重症化リスクのない患者に対する宿泊療養の勧奨を医療機関によって行われることになったことや自ら申込みができる電話窓口が設置をされることになったことは評価をしたいと思います。
 まず、この電話窓口を設置することの効果について伺います。

○河野新型コロナウイルス戦略的検査推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 都は、入院治療の必要のない軽症や無症状の方につきましては宿泊療養を原則としており、保健所から入所の依頼を受け、当日または翌日に入所できるよう、迅速に調整を行ってまいりました。
 今回の宿泊療養の申込窓口の設置によりまして、宿泊療養を希望する患者は、検査で陽性が判明した時点で宿泊療養の申込みが可能となり、保健所を介することなく、速やかに入所ができることから、家庭内等での感染拡大防止に資するとともに、安心して療養できる環境を提供できると考えております。

○関口委員 この電話の窓口でありますが、なるべく多くの方に周知をするべきだと考えますが、周知の方法を伺います。また、窓口の体制についても人数を伺いたいと思います。あわせて、保健所との連携がどのようにされているかについても伺います。

○河野新型コロナウイルス戦略的検査推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 宿泊療養申込窓口の周知につきましては、宿泊療養の概要と申込窓口の電話番号を記載したリーフレットを作成し、都内の診療・検査医療機関において検査を受けた方に配布するほか、都のホームページに掲載するなど、広く都民に周知しております。
 また、申込窓口につきましては、現在、宿泊療養への入所調整の業務と併せまして、約三十名の体制で運営しております。
 保健所との連携につきましては、保健所において患者の療養状況の把握が円滑に行えますよう、患者情報を一元的に管理する東京都新型コロナ患者情報システムを通じまして患者の情報を共有するとともに、入所調整の結果を速やかに保健所に連絡することとしております。

○関口委員 診療・検査医療機関において、しっかり案内をされるということで、安心をいたしました。
 本当に自宅療養をするときに、家族に迷惑をかけてはいけないという非常に強い思いに駆られるというところもありますので、宿泊療養したい方が自らアプローチをできる仕組みというものは、本当に感謝を申し上げたいと思います。
 また、今後そういった観点から、宿泊療養を望む方も多くなってくるかと思いますので、さきの厚生委員会でも指摘をさせていただきましたが、既存、使っていた施設の再活用というものも、ノウハウがございますので、ぜひお願いをしたいと思っております。さらなる拡充をお願いしたいと思います。
 続きまして、東京都の医療人材登録データベースについて伺ってまいります。
 第五波においては、ワクチン接種における報酬が高いせいもあって、看護師がワクチン接種に集中をして、他の業務に人手が集まらない状況が散見をされました。
 そうした中、東京都医療人材登録データベースが設置をされたものの、三回目の接種などでワクチン接種業務に人手が集中し、他の業務が人手不足になるのではないかということを非常に懸念をしております。
 このデータベースを設置した意義について、まず伺いたいと思います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、この夏の新型コロナウイルス感染拡大を受け、本年八月に、感染症法第十六条の二第一項に基づき、都内医療機関等に対して人材派遣の協力要請を実施し、多くの方から協力の申出をいただきました。こうした方々の情報を含め、より多くの方々にご協力いただくため、東京都医療人材登録データベースを構築し、改めて登録の働きかけを行っております。
 酸素・医療提供ステーションやワクチン接種など、都が要請する施設等において医療提供体制が逼迫した際は、本データベースを活用して、速やかな人材派遣につなげてまいります。

○関口委員 派遣先は、宿泊療養施設や酸素・医療提供ステーションやフォローアップセンターや発熱相談センターの相談業務など、あるいはワクチン接種など、様々であります。
 派遣先がどのように決まるのか、また、派遣先によって金額が異なるのかについて伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 宿泊療養施設をはじめとする都が要請した施設等で人材が不足した際、都は、本データベースに登録している医療従事者に、勤務場所や勤務条件等の募集情報を提示いたします。勤務を希望する登録者は、都が要請した施設等の業務受託会社などに直接申し込んでいただくことになります。
 また、報酬額につきましては、派遣先の業務内容や勤務時間等の勤務条件により異なり、それぞれに応じた報酬額が支払われるものと認識しております。

○関口委員 今ご答弁もいただきましたが、派遣先によって報酬額が大きく変わってはいけないと思っております。報酬額の在り方についても、今後、都において改善をお願いしたいと思っております。
 続きまして、発熱相談センターに連絡をせずとも、直接地域の医療機関にアクセスできるよう、都のホームページでは、発熱等、新型コロナウイルス感染症が疑われる症状がある場合の受診先として、診療・検査医療機関の一覧が公表され、今回新たにマップ化もされ、より分かりやすい体制が構築されたことを評価したいと思います。
 前回の厚生委員会で、私は、東京都のホームページだけではなく、基礎自治体のホームページとの連携が重要であるとの指摘をいたしましたが、その後の進捗について伺いたいと思います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、本年九月、患者自身で診療・検査医療機関を調べることができるよう、公表に同意いただいた医療機関の一覧について、都のホームページで公開を開始いたしました。
 また、十月には、デジタルサービス局と連携し、診療・検査医療機関マップとして、医療機関の位置情報をはじめ、検査内容や診療時間などの情報をホームページ上の地図に可視化するなど、さらなる利便性の向上を図っております。
 各区市町村に対しましては、当該マップについて情報提供するとともに、多くの方がこのマップを利用できるよう、各区市町村のホームページにリンクを張るなどして紹介いただくように働きかけ、既に多くの自治体で対応いただいております。

○関口委員 こういった形で、既に多くの自治体で対応されているということで、感謝を申し上げたいと思います。
 さきの委員会でも申し上げましたが、コロナになったときに、都のホームページを見るというよりかは基礎自治体のホームページを見る方がほとんどであります。そういった観点からも、引き続き、まだ実施をしていない自治体にも働きかけをしていただきたいとともに、ほかにも、東京都のLINEですとか、こういった発信も深めていただきたいと思っております。
 最後に、一問だけ伺わせていただきたいと思いますが、羽田新ルートによる視覚障害者に対しての配慮ということで伺ってまいります。
 羽田空港での新ルートというものが、昨年の三月から運用されております。各種いろんなところからご意見をいただいているということでありますが、こうした状況の中で、耳を頼りに生活をする視覚障害の方々から、ご懸念の声を伺いました。
 騒音という観点から、環境局との連携は不可欠だと考えますが、視覚障害者に対する騒音対策について、福祉行政としての対策、どう考えるのかについて伺います。

○中川障害者施策推進部長 視覚障害者は、聴覚や触覚を用いて情報を入手しております。障害者差別解消法では、事業者は、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、必要な環境の整備に努めることとされています。

○関口委員 今ご答弁をいただきましたが、障害者差別解消法において、社会的障壁の除去の実施、そして合理的な配慮、こうしたものが定められているわけでありまして、福祉行政と、そして環境局との連携、欠かせないものと思います。
 しっかりと連携を図って、視覚障害者の皆さんに対しての対応というものを考えていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○上田委員 私、資料要求させてもらっております。職員が大変頑張って作ってくださった資料ですので、委員の皆様は、ぜひ私の質疑とこの資料を照らし合わせてご覧いただければと思います。
 今日、NHKで「命のバトン」という愛知方式の赤ちゃん縁組をテーマにしたドラマが放映されますけれども、私は、初当選以来一期目から、一日も早い、新生児、生まれてすぐの里親委託あるいは特別養子縁組を求めてまいりました。
 資料、18ですけれども、要保護児童の施設在所期間が長いのではないのかと懸念しております。
 資料、25の児童相談所が里親に委託した児童に係る特別養子縁組の成立件数について、令和二年度の内訳を聞いたところ、三十七件の縁組成立時点では、一歳児が十五件、二歳児が十二件、三歳児以上が十件となっており、ゼロ歳児の実績はありません。また、資料、24を見ると、このところ一か月未満の赤ちゃんを養育家庭等に委ねていません。
 その理由を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は平成二十九年度から、新生児のうちに里親委託につなげます新生児委託推進事業をモデル事業として都内一か所の乳児院で開始しておりまして、令和二年度から二か所で本格実施をしております。
 新生児の委託に当たりましては、乳児院への通所交流や里親宅での外泊交流などを通じまして、里親子の関係性を丁寧に構築する必要があり、委託が決定するまで二か月程度の交流期間を要する場合もございます。
 都といたしましては、できるだけ早期の交流開始に努めておりまして、令和二年度に委託した十二件は、全て生後一か月未満で交流を開始しております。

○上田委員 それで、乳幼児の、妊娠中からの都児相の特別養子縁組は、過去十年でどのぐらいの人数や実績があるのか、ご説明いただきたいと思います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、妊娠中または出産直後からの相談に応じる中で、特別養子縁組が児童の最善の利益にかなうと判断した場合には、早期に特別養子縁組につながるよう、新生児委託推進事業を実施しておりまして、平成二十九年度の事業開始以降、先月末までに二十八名を委託しております。
 ご質問の妊娠中から相談を受けて、出産後、乳児を特別養子縁組とすることとなったケースの数につきましては、統計を取っておりません。

○上田委員 二十八件ということですが、ちなみに江戸川区では、昨年から児相が移管しまして、開設僅か一年半で、妊娠中あるいは誕生してすぐの養子縁組は五例にも及んでいるところであります。
 資料の23ですけれども、妊娠相談ほっとラインから特別養子縁組につなげた、事業開始以来の実績をご報告ください。

○奈良部少子社会対策部長 都は、妊娠や出産に関する様々な相談に応じるため、看護師等の専門職が電話やメールで対応する妊娠相談ほっとラインを平成二十六年度から実施しております。このホットラインで、出産後子供を育てられないなど、継続的な支援が必要と思われる相談があった場合には、区市町村につないでおります。
 区市町村ではそれぞれの状況に応じた支援を行っておりますが、特別養子縁組となった件数は把握しておりません。

○上田委員 少なくとも赤ちゃん縁組があるという選択肢の提供、妊娠が確定的であれば、継続的なフォローを東京都の方でもお願いいたします。
 相談から関係機関への具体的な紹介は平均四・五%にとどまっておりますが、この点に関しての見解と傾聴、助言の後のアフターフォローの考え方を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 妊娠相談ほっとラインの相談につきましては、約六割が傾聴、助言等、約二割が情報提供、約一割が受診勧奨で対応を終了しております。
 関係機関紹介となりますのは、基本的には継続的な支援が必要とされる場合であり、通常は区市町村につなぎまして、区市町村の保健センター等において支援することとなります。
 区市町村への相談をためらう人等につきましては、民間団体を活用して産科等医療機関などへの同行や、福祉事務所や児童相談所などの関係機関との調整、次の支援につなげるまでの緊急一時的な居場所の提供などを実施しております。

○上田委員 相談を受けておしまい、出産直後、赤ちゃんの遺棄というようなことがないよう、よろしくお願いをいたします。
 病院経営本部の事務事業質疑で、特定妊婦の出産を都立病院で率先して行うべきと求めたところ、都立病院では、分娩対応を行うだけでなく、相談支援を実施しているということであります。各児相をはじめ、関係機関と連携しながら、養子縁組に関することを含め、育児に関する相談や療育施設の調整などを実施しているということで、令和二年度の未受診妊婦の受入れ件数は六十件との答弁でした。
 私は、身元を明かしたくない出産、出産後育てられないという女性の支援を率先して都立病院が行うべきと考えます。過日は、熊本県慈恵病院で、身元を伏せての出産を望んだ妊婦の対応につき、市に要請をしておりました。韓国の赤ちゃんポストもNHKで取り上げられていました。
 東京都及び児相、福祉保健局において、イニシアチブを持って、いわゆる赤ちゃんポストの積極的設置を都立、公社病院を中心とし、各病院への協力依頼をすべきと考えますが、所見を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 区市町村は、妊娠届の際の面接等、様々な機会を通じ、悩みを抱える妊婦を把握し、支援につなげる取組を行っておりまして、都は、とうきょうママパパ応援事業等で支援しております。
 また、妊娠相談ほっとライン等で妊娠や出産に悩みを抱える妊婦等への相談に対応しており、特に継続的な支援が必要な場合は、区市町村の保健センター等につなげております。
 都は、区市町村等を通じて把握した妊婦の状況から、養子縁組が最善と判断した場合には、できる限り新生児のうちに委託できるよう、新生児委託推進事業を実施しております。

○上田委員 むしろ役所を避けて出産を迎える女性の対応が必要だと思うんですね。この女性、遺棄して犯罪者にしたり、また赤ちゃん縁組を早くして、愛着障害を防止するために乳幼児の特別養子縁組、及びせめて里親委託を推進すべきと考えております。
 資料、19では、令和元年度の乳児院退所後の措置先を見ますと、ほかの乳児院が十、児童養護施設が八十、養育家庭が三十九、そのほかで障害児入所施設、母子生活支援施設、ファミリーホームなどが十となっています。圧倒的に施設措置が多いことが分かりますし、資料、18では、児童養護施設に八年以上いる子供が多いことが見えます。
 日本の異常な施設養護の状況は、国連子どもの権利委員会に勧告を受けているところですが、まず、一人の子供の平均在所時間の統計は取っていないということも分かりました。
 この状況が子どもの権利条約二十条や勧告に反すると思料いたしますが、家庭的養護ではなく家庭養護に、こども条例も東京都でもされたことから、急速に推進すべきと考えますが、所見を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、令和二年に策定いたしました東京都社会的養育推進計画に基づき、社会的養護の充実に取り組んでおりまして、家庭における養育が困難な場合は、家庭と同様の環境における養育を優先し、里親等への委託を推進することとしております。
 また、虐待の影響により、心身の傷や障害を持つなどケアニーズが高い児童に対しましては、施設において専門的なケアを実施できる体制を整備することとしております。

○上田委員 コスト面を見ても、格段に里親委託の方が低いということであります。取りあえず、家庭的の的が取れたことは大きな前進だと思います。
 資料、20なんですけれども、養育家庭等の家庭的養育が伸び悩んでいるようです。何がネックになって里親登録が伸び悩んでいるのか、どのような対応をしているのか、区市町村との連携も含めて、具体的な取組を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都はこれまで、養育家庭体験発表会の開催等により、里親制度の普及啓発を図ってまいりましたが、令和元年度に実施した調査では、里親制度について、言葉も内容も知っていたと答えた都民の割合は二一・四%でございました。
 里親制度をより多くの都民に知っていただくため、令和二年三月に策定いたしました社会的養育推進計画では、民間のノウハウを活用した普及啓発や住民に身近な区市町村と連携した新規里親の開拓等を推進することとしております。
 今年度は、保育園等を通じましたリーフレットの配布や教職員向け公開講座を実施しているほか、都が作成した普及啓発動画を区役所や区内循環バスで放映してもらうなど、区市町村と連携した取組を推進しております。

○上田委員 このたび引退された自民党の塩崎恭久元厚労相も、七十歳で里親になるということが話題になっております。また、手前みそですが、江戸川区も熱心に取り組んで、私が運営する子供食堂にも、里子さんを連れてお母さんが来てくれたりもしております。
 一方、里親からは、手を挙げていてもなかなか子供たちを受け入れさせてもらえないという声も届いております。せっかく預かっても、都の硬直した対応に大変苦慮されていることも把握しております。
 しかしながら、資料、26、27にあるように、都に指摘やクレームを入れると里親措置解除されてしまうのではないかという恐怖感から、我慢せざるを得ない状況です。資料、27の養育家庭委託の解除理由別内訳を見ても、措置変更が四十二件あります。この内訳を確認したところ、児童養護施設等に入所した者が二十四、ほかの里親委託が十七、一時保護中が一名とのことです。
 フラットな立場で、都は里親との子供を中心とした協力体制は不可欠と思われますが、対応状況を確認します。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都では平成三十年度から、里親が地域で孤立することなく児童を養育できるよう、児童相談所や関係機関がそれぞれの役割に応じた支援を行いますチーム養育体制を整備しております。
 一方で、里親の方々からは、児童相談所の支援が十分に行き届いていない、悩みを相談しにくいといった意見も寄せられていることから、本年七月から、新たに里親子のサポートネットを開始いたしました。
 サポートネットでは、里親等から相談を受け付け、弁護士や公認心理師などの専門相談員が、子供や里親、児童相談所それぞれから意見を聞きまして、調整を行っております。

○上田委員 とにかく里親への接遇の手配をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 フレンドホーム制度など、信頼関係を構築した子供と里親双方が家庭養育を求めても、保護者が拒否をして−−大体こういう保護者って一度も会いに来ないんですけれども、実現しないまま、何年も歳月が流れている事例があります。
 親権の問題もあるかとは思うんですけれども、本来、子供の権利が最優先のはずです。できないこと探しではなく、弁護士もいるのですから、せめて里親委託ができるよう対応するのが都の役目ではないでしょうか。
 なぜできないのか、具体的な事例を踏まえてご説明ください。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、家庭における養育が困難な場合は、家庭と同様の環境における養育を優先し、里親等への委託を推進することとしております。
 養育家庭への委託に当たりましては、実親の同意が必要なことから、児童福祉司が面接等を通じまして、家庭的な環境が児童の成長を促すこと、そのため養育家庭が望ましいことなどを実親に対して丁寧に説明をしております。

○上田委員 子供の一日は長いので、諦めずに説得をお願いいたします。
 都では、施設入所者や児童等に対する学習を支援するため、令和二年度から特別育成費を拡充し、昨年度は、入所児童で六十三名、養育家庭に委託されている子供で十六名が活用されたと聞いております。
 一方、資料、21を見ると、里親に育てられた子供たちの大学進学率は約半数であるのに比べて、施設育ちの子供たちの大学進学率は四割を切っております。この差の要因は、どのように分析しているのか伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 令和二年度の児童養護施設退所者等の進路等を見ますと、里親等に委託された児童は、大学等が約六割、就職が約三割、その他が約一割となっております。また、児童養護施設に措置された児童は、大学等が約四割、就職が約五割、その他が約一割となっております。
 児童養護施設では、自立支援担当職員や家庭支援専門相談員などが中心となりまして、児童一人一人の意向や家庭の状況等に応じて、進学や就労に向け、きめ細かな支援を行っております。

○上田委員 やっぱり里親に育ててもらう方が、愛着障害問題でも、また、憲法二十六条で保障されている学習環境、子供の将来への希望や経済的自立に寄与することは、数字を見れば火を見るより明らかです。
 できない言い訳よりも、どのように要保護児童の学習環境整備、成人するに当たって、希望のある未来や自立に向けての即効性のある施策、対策及び現状改善を強く求めますが、今後に向けた所見を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、社会的養護の下で育つ児童の学習支援といたしまして、中学生以上の学習塾や大学進学等の経費の一部を支援するほか、高校生の塾代を都独自で上乗せしております。
 また、集団学習になじまないなど、個別のサポートが必要な児童に対しましては、家庭教師等による個別学習支援を行った場合に、国庫補助額に都独自の上乗せをして支援しております。
 さらに、児童養護施設では、学習室の設置や大学生の学習ボランティア等を活用した支援を行うなど、児童の状況に合わせた学習支援を行っております。

○上田委員 施設を退所した場合ですけれども、アフターケアサロン参加者は、資料、22で、コロナ禍で減少しているものの、決算額は増えています。
 どのような実施形態により決算額が増えたのでしょうか、具体的にご説明ください。また、物理的に来られない対象者が、コロナに関係なく、いると思います。また、存在を知らないのかもしれません。こうした潜在的需要をどう把握して、一人でも多くの若者にアプローチしているのか、していないのか、対応状況をご説明ください。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、児童養護施設退所者等の生活や就労上の様々な悩みや相談に応えるため、専任スタッフによる相談支援やサロンなどの居場所の提供を行うふらっとホーム事業を国制度を活用して都内二か所で実施しておりまして、令和二年度は国の補助単価が上がっております。
 活動実績といたしましては、サロン参加者は、令和元年度八百九十一人に対し、二年度は七百五十一人でございますが、相談件数は、元年度が二万三千百三十三件から、二年度は四万七千九百二十一件に増加しております。
 事業を委託している民間団体では、施設退所者の多くが気軽に相談や利用ができるよう、ホームページやSNSなどを活用して、本事業の普及啓発に努めております。

○上田委員 大分進化してきたと理解しました。
 従前から、東京都の若ナビなどの若者支援、情報提供として、都立高校卒業生にリーフレットで配っているものの、最も必要とする施設退所者に施設で配っていないことが、上田指摘で判明し、配布するようになりました。進路先資料が示すように、そもそも高校すら行ってもいない子供がいるわけですから、より手厚い情報提供が不可欠です。
 よもや配布を中断しているとは思いませんが、退所に向けての自立支援と準備、退所時の情報提供について、時系列で具体的な対応状況と課題をお示しください。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 児童養護施設では、自立支援担当職員を中心に、児童の特性や希望進路に合わせ、入所中、退所時、退所後の段階に応じたきめ細かな支援を実施しております。
 大学等への進学を目指す者に対しましては、進学先に係る相談に応じるほか、奨学金や就学支度金、進学先での一人暮らしに関する情報などを提供しております。
 また、就職を目指す者に対しましては、就職先の選定に係る相談に応じるほか、職場体験や面接指導などの就労支援を行うとともに、就労後も、悩みや課題の解決に向けた個別支援を実施しております。
 施設ではきめ細かなアフターケアを実施しておりますが、退所者の最初の就労の在職期間が一年に満たない割合が約五割と高いことから、就労が継続できるよう、個々の状況に応じた、より丁寧な支援が必要と考えております。

○上田委員 一年で辞めてしまって、女の子は風俗とか、男の子は反社会のような組織で働いてしまうということもありますことから、退所者の悉皆調査、大変重要だと思います。
 平成二十七年には実施していますが、その後の把握調査についての状況をお示しください。また、コロナの影響はどうだったかも併せて説明をお願いいたします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、令和二年十二月から令和三年一月にかけまして、児童養護施設等退所者の状況を把握するため、調査を実施し、年度内の公表に向けまして、現在、取りまとめの作業をしているところでございます。
 また、児童養護施設にコロナ禍における退所者の状況を聞いたところ、この春に退所した児童の就職につきましては、特に影響は見られなかったものの、それ以前に退所した者については、就職した先が廃業した、派遣契約の継続ができなかったなどの相談が寄せられているとのことでございました。

○上田委員 引き続き、アウトリーチをお願いいたします。
 資料、28の一時保護所の入所期間ですが、児相の一時保護所は、基本的には九十日以内を目安としているはずですが、九十日以上いる子供たちは二百四十九名に上ります。
 この点に関する分析と改善に向けた対応状況、長期化した場合の保護中の児童への支援につき、所見を求めます。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 一時保護所の入所期間が長期になった理由といたしましては、ケアニーズの高い子供の施設入所調整に時間を要したことや保護者の同意を得られず家庭裁判所への申立てを行ったことなどが挙げられます。
 都は、児童の最善の利益を図ることを最優先に、一人一人の状況を総合的に勘案した上で、保護者の理解を得ながら、引き続き速やかな援助方針の決定に努めますとともに、保護期間中は、児童の意見を十分に聞きながら、心理的なケアなど個々の状況に配慮した支援を行ってまいります。

○上田委員 一時保護所の事故件数は、資料によると四件です。平成三十一年三月に調査した一時保護所への意見書が大変な反響を及ぼし、私が全文公開をSNS上でしたところ、今も問合せや情報提供が後を絶ちません。
 事態は改善したのでしょうか。その後の対応と改善状況と課題を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、一時保護所第三者委員の意見書を受け、令和元年度から支援の改善に着手し、児童の声を聞くための意見箱の設置などに取り組んでおります。
 二年度からは、児童に対する支援力の向上や児童が安心を実感できる環境づくりなど、八項目について取組を実施しており、特に虐待等による深い傷を抱えた児童への支援の強化に向けては心理職を増配置するなど、心理的ケアの充実を図っております。
 また、一時保護所全職員に対しまして支援改善をテーマにした研修を実施し、児童への権利擁護の意識を高めております。

○上田委員 意見書の内容や私が得た個別情報からしても、指摘や指導件数が少な過ぎるのではないのかなと、資料を見て思いました。
 これまで再三再四にわたって、一時保護所、養護施設での子供のSOSが、必ず学校も含む役所や施設側の大人を介さないと、声を上げることすらできない問題を指摘し続けております。
 江戸川区児相では、民間人アドボカシーを設置して、直接子供が声を届けるシステムを構築しておりますが、都児相では何か改善されたのでしょうか。また、養護施設への指導はできているのでしょうか、伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 児童の声を聞くため、一時保護所や養護施設等への入所時に、児童福祉司が権利ノート等を活用し、困り事などを相談できることを説明するほか、施設内に意見箱を設置しているところでございます。
 また、弁護士や学識経験者などの第三者委員が定期的に施設等を訪問し、児童からの相談に対応するとともに、一時保護所では、令和元年度から、児童に子供の権利擁護相談用紙を配布しており、さらに施設等におきましては、外部評価等を活用し、子供の権利擁護の取組状況を確認しているところでございます。
 養護施設における被措置児童虐待につきましては、通告等を受けた後、必要な調査を行い、虐待と認められる場合には継続的に指導をしておりまして、それでもなお問題がある場合には、特別指導検査を行っております。
 平成三十年度から令和二年度までの三年間で、児童養護施設における被措置児童虐待の該当件数は四十四件、このうち特別指導検査で文書指摘を行ったものは四件となっております。

○上田委員 虐待を受けて保護所、そして施設にいる子供たちですから、また虐待を−−この該当件数四十四件というのは、やはりこれはあってはならない数字だと思いますので、引き続き徹底していただきたいと思います。
 さて、品川児相が扱った事案で、またしても大田区の一歳男児が意識不明の重体となる事態となりました、お父さんに揺さぶられてですね。
 時系列で対応経過を個人情報に抵触しない範囲で説明をお願いします。また、なぜ問題がないと判断したのか、その判断の基準と最終決定者をお示しください。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 先月、大田区内で発生いたしました事件についてでございますが、このご家庭には、本年六月に通告を受け、児童相談所が二回の家庭訪問を通じて子供の安全を確認するとともに、両親に対しまして育児の助言を行い、両親はこれを受け入れております。また、その間、児童相談所では、親族など周囲の支援を受けられることを確認するとともに、関係機関等にも見守りを依頼しております。
 九月に開催した所内の援助方針会議におきましては、こうした児童や家庭の状況を総合的に勘案いたしまして、再発のリスクは低いと判断し、児童相談所長が終結を決定いたしました。

○上田委員 そして、その決定後に意識不明の重体になったわけでございました。
 目黒区五歳女児の虐待死事件、香川県では虐待で二度書類送検されていることを、品川児相に資料をファクスと紙ベースで送っていながら、品川児相は把握をしていませんでした。保護者の子供の虐待や暴力に係る犯罪歴につき、児相が把握することは、私個人は当然と考えます。
 再三再四、犯罪歴を調べると保護者の信用を失うなど、説明いただいておりますけれども、合法的に情報を得るために弁護士を設置しているのではないでしょうか。
 保護者の犯罪歴を把握することは許されないとする法的根拠をお示しください。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 児童福祉法では、要保護児童対策地域協議会におきまして、要保護児童の必要な情報の交換及び協議を行うために必要があると認めるときには情報を共有できるとなっておりますが、一方、個人情報の保護に関する法律では、犯罪の経歴は特に配慮が必要な個人情報とされていることから、照会につきましては慎重に検討しております。

○上田委員 児童相談所が関わっていながら、平成十九年度以降に虐待死した子供は二十名、虐待が特定されるものの死亡した子供は十七名の三十七名です。毎回、大丈夫と判断、善処したが事件が起こってしまった等の弁解を続けております。
 目黒区の五歳女児虐待死事案の反省も踏まえ、今回、児相が関わっていながら、大田区では結果的に重体とさせてしまった。
 児童虐待防止に向けた福祉保健局長の決意を伺います。

○中村福祉保健局長 今回、このような事件が生じたことについては大変遺憾に思っておりまして、今は何よりもお子さんの回復を願っております。
 児童相談所では、様々な状況を考慮した上でリスクが低いと判断をいたしましたが、結果として重篤な虐待が生じておりまして、これまでの取組について、しっかり振り返りまして、児童福祉審議会において、外部の専門家により検証を行ってまいります。
 引き続き、児童相談所の体制強化を図りますとともに、子供家庭支援センター、保健所、警察など、地域の関係機関と緊密に連携しながら、児童虐待防止に全力で取り組んでまいります。

○上田委員 菅原委員からもチャイルド・デス・レビューの話も出ておりました。見立ては非常に厳しいんですけれども、世界的にもいろいろな傷の見方とか、資料ございますし、私、何度もこれ置いてくださいという英国のドクターの資料等、お渡ししているかと思いますので、引き続きまして、研さんをお願いしたいと思います。
 基礎自治体との共同モデル事業として、都の児童相談所のサテライトオフィスを設置することについて、先行して開設、実施している練馬区での効果では、児相ケースでは、相談者の物理的な負担軽減や移動時間の短縮、ケース引継ぎの円滑など、職員や保護者等、大人の都合では利便性が増しても、大人目線の効果はあっても、子供たちにとってのメリットがちょっと分からないような感じです。
 この点に関してはどう考えているのか伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 子供たちを虐待から守るためには、子供家庭支援センターと児童相談所が連携、協働していくことが重要であり、都は昨年度、練馬区の子供家庭支援センター内に児童相談所のサテライトオフィスを設置し、区と協働して、児童相談に対応するモデル事業を実施しております。
 この取組により、子供家庭支援センターと児童相談所の間で情報共有や協議の機会が増えておりまして、子供や家庭の状況の変化に応じた、より迅速な一時保護などにつながっております。
 また、より地域に身近な場所に設置されているため、来所相談の負担軽減や迅速な学校訪問など、子供にとっても利便性が向上しております。

○上田委員 サテライト、児相本体、子家センといって、三か所になっちゃって、またそこでこぼれ落ちないことを、私はあらかじめ注意をさせていただきたいと思います。
 妊産婦の自殺です。資料、41、痛ましいものでございます。
 自殺に追い込まれた状況確認は、都はされているのでしょうか。されていないとしても、増加傾向にあり、どのような支援につなげていくのか伺います。

○奈良部少子社会対策部長 都は、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握して、悩みを抱える妊産婦に継続して支援を行う区市町村を支援しております。
 また、妊娠や出産に関する様々な相談に応じるため、妊娠相談ほっとラインも実施しております。
 さらに、本年一月から、助産師によるオンラインの対面相談を開始し、感染予防のため外出を控えている妊産婦の方の相談に応じるなど、きめ細かく支援をしております。
 今後、女性向けの相談窓口等を掲載いたしました自殺防止啓発リーフレットを作成し、母と子の保健バッグに同封するなどして配布することとしております。

○上田委員 資料、48から50の待機児童解消に向けてですけれども、成果が上がっていると評価いたします。
 一方で、数字に表れてこない待機児童の存在が指摘されたり、定員割れしている園も発生、慢性的な保育士不足で逆に定員を減らさざるを得ないという複合的な問題が明らかになってもいます。
 この解消のためには、区市町村や、その中の地域ニーズを併せたきめ細かい保育ニーズのマッチングとコーディネートが必要と考えます。都は、それを区市町村ができるよう、柔軟な対応で支援すべきと考えますが、所見を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 都は、子供と保護者が保育サービスなどの子育て支援を円滑に利用できるよう、情報提供や相談支援、マッチング等、必要な支援を行う区市町村を平成二十五年度から国の利用者支援事業により支援しております。
 さらに、保護者の多様なニーズにきめ細かく対応できるよう、国事業に加えまして、区市町村が相談員、いわゆる保育コンシェルジュを複数配置する場合の経費を支援する利用者支援体制強化事業を平成二十八年度から独自に開始いたしました。
 令和二年度は、五十二区市町村が国事業を、二十五区市が都の独自事業を実施しております。

○上田委員 コンシェルジュ、よろしくお願いいたします。
 さて、重症心身障害児等の待機者なんですが、これは資料、30、34漸減にとどまっています。
 その原因と待機者の状況と、都はどのように支援し措置につなげているのか、待機解消に向けて、取組についてご説明ください。

○中川障害者施策推進部長 現在、都内の障害者は、高齢化、重度化が進んでおり、重症心身障害児者の入所施設の待機者数は、令和三年三月末現在で四百九十四人となっております。
 都は、重症心身障害児者が地域で安心して暮らせるよう、日中活動の場である通所施設の整備を促進するとともに、家族の病気などで一時的に家庭での療育が困難になった場合に、短期間入所できる病床を一定数確保するなど、在宅支援サービスの充実に取り組んでおります。
 また、施設への入所につきましては、医療的ケアの状況や家族の介護力などを考慮しながら、適切に入所調整を行っております。

○上田委員 私は、保育園待機児童に長男、次男と苦労いたしまして、区議になり、都議になり今がありますけれども、ワーキングマザーが、障害児、重症の場合、また本当に仕事を辞めなきゃいけない状況になっていて、また、待っているというような話ですので、大変深刻であります。本当にもう一人じゃ見切れないところもございますので、一日も早い待機解消をお願いしたいと思います。
 資料、31ですが、都外施設にまだ障害者の子供たちがいることについて、地域包括ケア、地域移行やインクルーシブの理念に反するのではないかと考えております。
 千葉の都の施設もなくなる予定にあり、どのように真の地域移行を進めてこの数字をゼロにするのか、確認させていただきたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 障害児入所施設に措置した児童につきましても、本来、子供は親と共に暮らすことが望ましいことから、児童相談所では、家庭復帰に向けた支援を行っております。
 また、都は、地域移行促進コーディネート事業を実施いたしておりまして、施設における入所者やその家族の希望を十分に踏まえながら、地域生活への移行を促進しており、今後ともこうした取組を進めてまいります。

○上田委員 問題意識があることは確認いたしました。
 障害者及び高齢者施設の事故、法人指導についてです。
 資料、32、35、38ですが、自由を守る会に届いた情報は、数字から比べると、桁が一つ違うように感じます。事故報告をしないどころか、事故報告書すら作らない、金を払えなんていう法人が常態化しております。
 高齢者と障害者施設での虐待事件報道も後を絶たない中、都ではどのように指導監督を行い、事故の実態調査と事故防止を図っているのか伺います。

○坂本指導監査部長 都は、高齢者施設、障害者施設、有料老人ホームにおきまして、事故が発生した場合の対応について、条例、規則、通知等で定め、施設管理者に対し周知を図っているところでございます。
 事故発生時には、施設種別に応じまして、都または区市町村への報告、利用者のご家族などへの連絡、具体的な事故の状況とその後の処置について記録することなどを義務づけますとともに、毎年実施しております事業者への集団指導や説明会等の機会を通じまして、事故防止などの徹底について指導しているところでございます。
 また、各施設への指導検査におきましては、施設での取組状況につきまして、実地で確認し、必要な助言及び指導を行いますとともに、検査結果につきまして各施設の運営所管と共有し、継続した指導に活用しているところでございます。

○上田委員 前回、厚生委員のときでしたか、西東京で十四年間も放置された障害者施設入所者への虐待事案、私のところに入所家族、職員から相談があって、全てエビデンス、ファクトを持って都に働きかけても、裁判資料が漏れ出て、逆にその施設の理事長に、通報した方、公益通報した人がいじめられたりとか、もう大変で、ないのあるのいって一年越しで、でも、その間も事故が発生していて、ようやっとファクトを積み上げて、私の指摘で理事長が交代をするということがありました。
 たまたま私のところに駆け込んだから解決はできましたけれども、こうしたことが長年放置された実績が、福祉保健局ありますので、私のところに来ないでも、こういった悲劇が繰り返されないよう、徹底していただくことをお願い申し上げます。
 資料、33ですが、住まいの場としての障害者のグループホーム、ニーズはどの程度満たされているのか、満たされていないのか。さっきの地域移行の一つの受皿にもなりますので、今後どう対応していくのか、中長期的な方向性も含め、所見を求めます。

○中川障害者施策推進部長 都は、障害者の地域生活への移行を進めるとともに、地域で安心して暮らせるよう、障害者グループホームの整備を促進しております。
 そのため、障害者・障害児地域生活支援三か年プランを策定いたしまして、平成三十年度から令和二年度までの三年間で障害者グループホームの定員を二千人分増やす目標を掲げまして、計画値を約四割上回る二千七百九十九人分の整備を行いました。
 今年度からの三か年プランでは、前計画から五百人分増となる二千五百人分を増やす目標を掲げておりまして、引き続き、整備費の事業者負担を軽減する特別助成を実施するほか、定期借地権を利用する場合の一時金や借地料への補助などを実施し、整備を促進してまいります。

○上田委員 結構B型、A型とかやっている法人さんで、グループホームをやりたいという人も少なくないんですね、ありがたいことに。
 現状の申請や相談の状況を伺いたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 都はこれまで、障害者グループホームの整備を促進するため、事業者への説明会や個別相談などの機会を通じまして、必要な説明を丁寧に行いながら整備を促進してまいりました。
 令和二年度における新規の申請やユニット増設に係る届出の件数は、三年前の平成二十九年度と比べまして約一・六倍となってございます。
 また、相談件数につきましては、今年度と昨年度で比較すると、九月末時点で約一・七倍となっております。

○上田委員 順調に増えているということでした。
 さて、自立支援医療については、資料、36、37、長年指摘をしてまいりました。かつて生活保護を受給する自立支援医療対象者を囲い込み、江戸川区においても、区民を区外に住まわせて、デイケアと精神科を運営する医療法人が不動産経営し、事もあろうかシェアハウスに住まわせて、貧困ビジネスの問題が−−私の方で指摘をさせていただきまして、さっきの塩崎さんが厚生労働大臣で、都へ異例の指導、指摘をした大きな社会問題となりました。
 その後、同じような事案は発生していないのか確認します。また、同法人が関わったデイケア施設では、デイケア中の自殺、まあちょっと飛び降りだったんですけれども、発生しましたが、その後、同様なことはなかったのか確認します。

○新田事業調整担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 生活保護受給者の精神科デイケア中の自殺について、福祉事務所から都に報告義務がなく、把握しておりません。

○上田委員 把握するようにお願いしたいと思います。何しろ都も大変な助成金を出しているわけですから。
 また、同法人が区市町村に人材を派遣して相談員をし、シェアハウスとデイケアに誘導し、問題視されていましたが、現在の状況を指導監督も含めて伺います。

○新田事業調整担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 現在、都内に、同法人に相談員の派遣を委託している福祉事務所はございません。
 国は、お話の事例を受けまして、平成二十七年度に委託事業者等による特定の医療機関への不適切な受診誘導の防止や劣悪な住環境に居住する者に対する転居指導の徹底などに関する通知を出しております。
 都は、生活保護法に基づき、毎年行っている福祉事務所に対する指導検査におきまして、当該国通知を踏まえ、福祉事務所が必要な支援を行っているかを確認し、必要に応じて指導助言を実施しております。

○上田委員 江戸川区においても、全員、江戸川区にその対象者を引き上げたということで、引き続き指導助言をお願いいたします。
 さて、目黒区では、クオカードで生活保護費の一部を支給していることが発覚し、自由を守る会所属目黒区議会議員が指摘し、廃止となりました。さきの貧困ビジネス事件では、年金や生活保護費を勝手に管理していたことも明らかになっています。
 このように障害者の財産を食い物にする事例を把握されているかどうか確認します。

○新田事業調整担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 国は、同じく平成二十七年度に、第三者が金銭管理を行う場合は、福祉事務所が契約内容や実施状況の把握に努めること、保護費が本人の意思に反して無断に管理されることがないよう留意することなどについて通知を出しております。
 都は、福祉事務所に対する指導検査におきまして、当該国通知に基づき、金銭管理を施設等に委託する場合には、契約等により、適切な手続が行われているかなどを確認し、必要に応じて助言指導を実施しております。

○上田委員 よろしくお願いします。
 さて、資料の36、37を見ていただければ、結局、自立支援医療受給者は亡くなってやっと受給証を返還する状況で、年々公費負担も増え、現在、三百五十億円に膨れ上がっています。
 自立しない自立支援医療の在り方を抜本的に見直すべきと考えますが、所見を求めます。

○石黒障害者医療担当部長 精神疾患は再発を繰り返しやすい特徴があることから、多くの精神障害者は継続的な医療を必要とします。自立支援医療(精神通院医療)制度は、こうした精神障害者の経済的負担を軽減し、通院医療を継続することで、病状の悪化の防止や障害の軽減などに寄与するものと認識しております。
 この制度は、全国一律の制度として障害者総合支援法で定められており、都としては、今後も医療保険制度等とも連携し、制度を適切に運用してまいります。

○上田委員 先ほども、ひきこもりの質問があって、八〇五〇、今は最近では九〇六〇ですか、その問題にも継続していくと思いますので、自立できる自立支援医療を引き続き求めたいと思います。
 監察医務院です。資料、39。
 同じ都民で、不審死した場合の検査体制においても、三多摩格差があります。
 以前にも質疑をしておりますが、その後、多摩地域の監察医務院の必要性についての所見を伺います。

○小竹医療改革推進担当部長 監察医を置くべき地域は、政令により、東京二十三区、大阪市、名古屋市、横浜市、神戸市の五つの地域と定められており、その組織として、都は監察医務院を設置しております。
 政令で定められていない多摩・島しょ地域においても適切に死因の究明ができるよう、東京都医師会や大学等の協力を得ながら検案医を確保するなど、環境整備を進めております。
 死因究明の体制は、本来、国が必要な法整備を行い、地域を限定せずに整えることが必要であり、都は国に対し、監察医制度が都内全域に適用されるよう、政令の改正を繰り返し求めております。

○上田委員 善処されているとのことです。
 新型コロナウイルス関連死での監察医務院での剖検がなされていることが資料で明らかになっています。
 今後のコロナ研究において知見と治験、どう生かされていくのか、所見を伺います。また、ワクチン接種直後の死亡、今回も新聞に載っていましたけれども、千三百二十五人で、因果関係が九九%不明というような報道もありますけれども、ワクチン接種後の死亡についての剖検実績があるのかどうかお伺いします。

○小竹医療改革推進担当部長 監察医務院は、東京都の二十三区内において発生する全ての不自然死について、死体解剖保存法第八条及び東京都監察医務規程第一条の規定に基づく死体の検案及び解剖を行い死因を明らかにすること、それにより正確な死因統計に貢献し、臨床医学、予防医学などに還元し、公衆衛生の向上を図ること、監察医の養成及び医師、医療関係者の補習教育を行うこと、安寧秩序の維持に貢献することを目的として設置されております。
 監察医務院においては、ワクチン接種直後の死亡についての剖検の実績はございません。

○上田委員 厚労省の検査部会でも剖検をすべしという意見がたくさん出ていて、基本は監察医務院でもできるはずでございますので、そちらの方の方向性をお示しいただきたいと思います。
 医療法人の指導についてですが、こちらも異様に少ないように思います。本当に実態把握をしているのでしょうか。
 対象法人の数と監査の状況を確認します。通報や内部告発などは、どの程度東京都に寄せられているのかも確認します。

○小竹医療改革推進担当部長 都内の医療法人数は、令和三年三月三十一日現在、六千五百九十九法人でございます。都は、医療法人から毎会計年度終了後に提出される事業報告書等により、事業内容や経営状況等を確認しております。また、医療法人が医療施設等を新たに開設する場合にも同様の確認を行っております。
 通報や内部告発があった場合も含め、医療法第六十三条に基づき、当該法人に対し、医療法人の業務もしくは会計が法令、法令に基づく都知事の処分、定款もしくは寄附行為に違反している疑いがあり、またはその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときは、その業務もしくは会計の状況に関し報告を求め、またはその事務所に立ち入り、業務もしくは会計の状況を検査しております。

○上田委員 しっかり立入検査を実施されているということですが、従前、医療改革推進担当部長の公衆衛生医師が、出身大学の立入検査に異例に立ち入り、その直前に出張もし、その大学に、外線電話もその大学にかけていたことを、情報公開請求の結果、明らかにしております。当時、問題ないとの答弁を受けていました。常識的に考えれば、あってはならないことではないでしょうか。
 公衆衛生医師は、令和二年四月一日現在、百二十二名都内に勤務し、それぞれ出身大学があり、医局もあって、出身大学病院もあったりします。利益相反となる動きを徹底して抑制するための取組を確認いたします。

○高野総務部長 地方公務員法では、服務の根本基準といたしまして、全ての職員は全体の奉仕者として公共の利益のために勤務しなければならないことが定められており、職員は採用の際、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行する旨の宣誓を行っております。
 また、都では、利害関係者との接触に関する指針を定め、免許、認可、許可、検査等の職務に従事する職員が利害関係者と接触する際の禁止事項や遵守事項を明確にし、当局では、公衆衛生医師を含む全職員を対象といたしましたコンプライアンス推進研修を通じて、指針で定める内容を徹底しております。
 さらに、毎年、コンプライアンス推進月間を定め、コンプライアンスチェックリストや業務点検表により、適正な職務遂行や服務規律等について全職員が自己点検を行うなど、職員の意識啓発に取り組んでおります。

○上田委員 小児総合医療センターでも、利益相反違反の手続違反で退陣されたドクターもいますので、引き続き厳しくお願いをいたします。
 資料、43を見ますと、毎年一万件もの患者の声が寄せられているのに、医療法人への指導はほぼないという状況です。これで都民のための医療サービスの改善が図られているのか疑問なのですが、どうこの膨大な患者の声を受け止め、各医療法人、医師会に徹底した指導啓発をはじめとする実効的なフィードバックにつなげているのか、具体的な事例を踏まえてご説明ください。

○小竹医療改革推進担当部長 患者の声相談窓口は、医療法第六条の十三に基づき、患者やその家族、都民からの医療に関する相談や苦情に対応し、助言や情報提供を行っております。
 相談者のプライバシー保護に十分留意しつつ、患者、都民と医療従事者や医療提供施設の間にあって、中立的な立場から、問題解決に向けた双方の取組を支援するよう努めております。

○上田委員 さらに、精神科におけます虐待状況、資料を見ますと、患者の声相談窓口の状況を見ると報告ゼロとはちょっと信じ難くて、大丈夫かなと思っています。
 本当に自信を持って全く虐待がないと断言できるのか、根拠をお示しいただければと思います。

○石黒障害者医療担当部長 都では、原則として一施設につき年一回、精神保健福祉法に基づき精神科病院への実地指導を行うとともに、法律上、適正を欠く等の疑いがある場合は、関係部署と連携し、臨時の実地審査を行っております。
 これらの実地指導においては、診療録や定期病状報告などの関係書類等を確認しておりますが、虐待を把握した事案はございません。
 今後も、関係部署とも連携し、適正に実地指導を行ってまいります。

○上田委員 さっきの児相や養護施設のSOSのように、別途SOS窓口が必要と思いました。
 厚労省ですらも、昨今の精神病院における虐待が疑われる事案につけて、未然防止と対策について、最近、通知が出されております。どのように周知徹底と対策を講じているのか伺います。

○石黒障害者医療担当部長 厚生労働省が本年一月に発出した通知、精神科病院に対する指導監督等の徹底についての一部改正については、行政が実地指導を行う際に、虐待が行われている事実等がないかも含めて確認をすることなどの対応を追加するものでございました。このため、定期の実地指導を行う関係部署と情報共有し、実地指導の際に、虐待が疑われる事案も含めて確認をしております。
 なお、本年九月には、厚生労働省から、医療機関における障害者に対する虐待防止措置の取組例が通知されました。本通知では、院内において患者の人権や虐待防止に関する研修を実施することや人権擁護に関する相談窓口を周知することなどが示されており、都としては、この通知を都内精神科病院に周知しているところでございます。

○上田委員 通知、しっかりとやっていただいていることを確認しました。
 動物愛護です。
 小池知事も都民ファーストも、殺処分ゼロ達成と、改選に当たり高らかに実績を掲げていましたが、一応これ、ゼロになっていないんですね。これをもってどこが殺処分ゼロなのか、ちょっとご説明いただければと思います。

○藤井健康安全部長 都では、動物愛護相談センターに引取り収容した動物の致死処分のうち、苦痛からの解放が必要、著しい攻撃性を有する、また衰弱や感染症によって生育が極めて困難と判断される動物につきまして、動物福祉等の観点から行うもの及び引取り収容後に死亡したものを除いたものを殺処分としております。
 この対応は、国が殺処分の分類方法として示した考え方にも合致しております。

○上田委員 それが、平成三十年が三百五十七、三百八、二百五十一頭ということでありました。
 動物の取扱業者への勧告ですけれども、これも平成二十八年、劣悪猫カフェを私がやっぱり厚生委員会かな、予算かで指摘して、全国初の処分を都が下したという、都は快挙を果たされたのに、その後の処分がゼロというのも、ちょっと首をかしげます。
 その後の管理指導体制はどうなっているのか、ご報告いただければと思います。

○藤井健康安全部長 都では、動物愛護相談センターにおきまして、第一種動物取扱業者に対し、定期的に立ち入り、動物愛護管理法等で規定する飼育施設や設備の管理、動物の管理などの基準の遵守状況について監視指導を実施いたしますとともに、都民等から苦情を受けた施設につきましては、原則として立入調査を実施しております。
 その結果、問題のある事業者に対しましては、重点的に監視指導を実施し、必要に応じて注意指導書を交付しております。これらによりまして改善が図られない場合には、法に基づき、勧告や命令を行うほか、事案によっては、必要に応じ警察とも連携して対応しております。

○上田委員 これも一年がかりで調べて、当初、問題ないの問題あるので、結局やっぱり揺るがぬファクトで、状況が一転したということになっておりますので、引き続き、うるさい都議が気がつかなくても、やっていただきたいと思います。
 当該猫カフェ、ねこのてで、その後の指導監督の状況についてご説明くださいませ。

○藤井健康安全部長 都は、当該事業者に対しまして、平成二十八年に登録を取り消し、その後、定期的に現地を確認しておりまして、営業していないことを確認しております。

○上田委員 安心いたしました。
 都内NPO等、民間セクター等が、猫ちゃんにワンちゃんですかね、里親マッチングを行っていますけれども、動物取扱事業者指定を受けていない業者に対する指導監督はなされているのか、どのように動物愛護法を遵守させ、動物を守れているのか伺います。

○藤井健康安全部長 動物の愛護及び管理に関する法律では、営利を目的とせず、飼養施設を有し、譲渡など一定頭数以上の動物の取扱いをする者は、あらかじめ第二種動物取扱業として、飼養施設の所在する都道府県知事に届け出ることとされております。
 第二種動物取扱業者につきましても、国が定める省令に基づき、飼養施設に必要な設備を設けるとともに、逸走防止、清潔な飼養環境の確保、騒音の防止等の措置を講ずることが義務づけられておりまして、都は、必要に応じ立入検査を実施するなど、適正な飼養を確保するため、監視指導を行っております。

○上田委員 検査、監査体制の範疇にあるということを確認しました。
 地域猫なんですが、地元の獣医師が積極的に去勢手術に協力していますが、補助対象は獣医師会所属とか、制約しちゃっている区市町村もあります。
 協力している獣医師に条件をつけるのはいかがなものかと思いますが、都から適当な指導をすべきと考えますが、所見を伺います。

○藤井健康安全部長 都は、飼い主のいない猫対策に関する普及啓発や不妊去勢手術の実施などの取組を進める区市町村に対しまして、包括補助による支援を行っております。
 各区市町村は、地域の実情に応じまして、補助の対象を含めた事業内容を定めているところです。

○上田委員 行政は、協力はいいんですけど、不必要に医師会に忖度せず、個々のドクターと力を合わせていっていただきたいと思います。
 公益通報についてです。
 福祉保健局の職員は四千五百名もおり、福祉に係る部署であるから様々な現場を抱えているにもかかわらず、資料、57を見ると、極端に少ないと思います。
 ホームページで積極的に呼びかけるようなことはなさらないのか、よもや通報した人の犯人捜しのようなことはしていないか、公益通報をためらう組織風土ではないか懸念するものですが、所見を伺います。

○高野総務部長 公益通報は、都の事務または事業に係る職員の行為について、法令違反または法令違反につながるおそれがあると思われる場合及び業務に関する規程または職務上の命令に違反すると思われる場合に、所定の窓口に通報できる制度でございます。
 本制度においては、通報者等の秘密保持に十分留意すること、通報者や相談者は、通報等をしたことを理由として不利益な取扱いを受けないことが定められており、当局においても適切に対応しております。
 局では、コンプライアンス推進研修を実施しており、通報対象や通報方法、通報者の保護など、公益通報制度について全職員に対して周知しております。
 さらに、毎年のコンプライアンス推進月間に実施しているコンプライアンスチェックリストによる自己点検におきまして、公益通報制度についてもチェック項目を設定し、職員の意識啓発に取り組んでおります。

○上田委員 勇気ある職員を守ってあげていただきたいと思います。
 保健所長となって特別区で勤務したり、今般はコロナ対策で奮迅されたのが公衆衛生医師です。しかしながら、昨年八月には、長年、都の医療政策に貢献された公衆衛生医師の部長が突如退職されたり、幹部職の長期休暇なども発生しています。
 資料、58ですが、今の福祉保健局の幹部職及び幹部職ではない公衆衛生医師の労働環境について、問題はあるのかないのか、課題認識とその対応を伺います。

○高野総務部長 公衆衛生医師をはじめ、管理職、一般職員を問わず、全ての職員の健康管理は重要でございます。そのため、局内各部や産業医等で構成する安全衛生委員会を設置し、職員の健康や職場環境について、状況確認や改善を行っております。
 さらに、新型コロナウイルス感染症への対応が長期にわたっていることから、公衆衛生医師を含む全職員に対し、心と体のセルフケアについて、また、管理監督者に対しては、部下職員の心身の不調に対する支援について周知するなど、職員の不調の早期発見や必要なケアの促進を図っております。
 引き続き、職員の安全と健康の確保に取り組んでいきます。

○上田委員 医者の不養生という言葉もありますので、特に公衆衛生医師の皆様のケアをよろしくお願いいたします。
 さて、女性の長期休職や定年を待たない退職、公務災害が多い状況も見てとれます。
 局の分析と対策、所見を伺います。

○高野総務部長 福祉保健局全体の男性職員、女性職員の割合は、令和三年十一月一日現在、男性が約三八%、女性が約六二%となっており、お話の状況は、所属する女性職員が多いという当局の状況を反映しているものと認識しております。
 病気休暇または病気休職を取得した職員のうち、半数以上を精神疾患関連が占めていることから、今後も不調者や不調に関連する問題の早期発見、早期対応に努めてまいります。
 定年を待たない退職の理由については、家事都合や勧奨退職が多く、公務災害については、通勤途中や業務中における転倒、施設利用者への支援中における受傷等によるものが多くを占めております。
 引き続き、個々の職員の状況や適性等を踏まえた適切な人事管理及び職員や職場の安全衛生の確保に努めてまいります。

○上田委員 やはりメンタルケアの重要性を痛感しました。
 コロナ対策です。
 前々から指摘したように、都による大規模接種会場が、ようやく全都民に開放し、一応減少傾向にあったんですが、また、予約なし接種会場を設置することが発表されました。
 なぜ都が実施する必要があるのか、ニーズをどのように把握してきたのか、渋谷の接種会場の例もあることから、ニーズの把握をどのようにしているのか、具体的に説明ください。

○山本高齢者施策推進担当部長大規模接種施設企画調整担当部長兼務 都は、都全体の接種率のさらなる向上につなげていくことを目的に、利便性が高く、かつ予約枠に余裕が見込まれたNHK渋谷フレンドシップシアター、行幸地下通路及び東京ドームの三つの会場におきまして、十月から事前予約なしによる接種を開始し、昨日までに約三千九百人の方が接種を受けております。
 会場を訪れた方へのアンケートでは、自分の都合のいい時間に接種できる、待つことなくすぐに接種できるなどの声をいただいておりまして、接種を希望する方のニーズに即した利便性の高い取組と考えております。

○上田委員 区市町村と自衛隊の努力によって、若者を含めた全世代の接種も進んでおります。また、ニーズ調査やマーケティングに、広告代理店に血税を投じて依頼することもなく、八月の長蛇事件により、若者のワクチン接種ニーズと意識の高さが判明しています。つまり、巨額の税金を投じてまで啓発する必要はないということです。ましてや、またテレビCMで税金を散財するのはもってのほかです。
 つきましては、若者向け新型コロナウイルスワクチン接種推進キャンペーン、ワクキャンですか、十億円は無用の長物、一旦立ち止まり、生活困窮する若年層支援策に転用すべきと考えますが、予算の執行状況を伺います。

○齋藤企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、コロナ禍において、生活福祉資金の特例貸付や住まいを失った方への一時的な宿泊場所の提供、自殺に関する相談窓口の拡充など、失業に伴う経済的な困窮や心理的な不安の増大などの悩みや不安を抱える方々に寄り添った施策を幅広く展開してまいりました。
 本事業は、接種をためらっている若年層の接種を後押しすることを目的に、ワクチンに関する正しい知識等の普及啓発やアプリを活用いたしました接種促進策等を実施しているところでございます。
 このうちの普及啓発事業につきましては、ワクチンの接種状況等を考慮しながら、実施規模等を検討してまいります。

○上田委員 ワクチンの全国接種率はもうそろそろ八割になろうとして、ほかの委員ももう三回目の質問をしているような状況に入っております。つまり、規模等を検討しているということは、これ全部、最初に前払いじゃないので、不要と思えば使わないで済むということは確認させていただきましたので、引き続き、税金、幾らあっても足りませんから、抑制的にお願いをいたしたいと思います。
 小池都政における新型コロナウイルス対策は、常に国政政局、オリ・パラを意識し、都民不在のまま進められてきたと断言します。その結果、全国にコロナ感染者が蔓延し、第五波では、自宅療養者が二万五千人となり、七月以降の自宅の死亡者は、五十七名となりました。
 コロナに係る予算についても、議会に諮らず、都政歴史上でも、全国でも類を見ない異常な数の専決処分を繰り返し、独善的に予算措置をした結果、財政調整基金は極限まで減っております。
 和歌山県、北海道、山梨県、島根県知事など、各地の知事は、地味でも地域住民のために現実かつ効率的、効果的かつ過剰な予算を割かない政策を繰り出して、コロナ禍を乗り越えてきました。
 一方、我々東京都政はどうだったでしょうか。世界的にも、また日本で最も医療資源に恵まれた東京で、都民を医療難民化した責任は重大であり、都政の汚点となったとのそしりは避けられません。
 まず、iCDC、東京版CDCは、医療難民化を防ぐことができなかったと思料いたしますが、存在意義を伺います。

○加倉井東京感染症対策センター担当部長 昨年十月に立ち上げました東京iCDCの専門家ボードにおきましては、効果的な感染症対策を推進するため、最新の科学的知見やエビデンスに基づいた提言、助言を実施しております。
 これまで感染予防のポイントや自宅療養の対策など効果的な感染対策を発信しており、今回の第五波におきましても、モニタリング会議等で東京iCDCの専門家より、最新の感染状況や人流の動向、変異株のリスク、抗体カクテル療法の分析など、幅広い分野から感染対策に関する助言を行っております。

○上田委員 しかしながら、各保健所がキャパオーバーとなった上、東京の陽性者数は度々訂正されたり、自宅療養者の情報を本当についこの間まで共有していなかったりしました。
 屋上屋の会議体をつくって職員を疲弊されるよりも、こうした現場の運営こそ、迅速に対応して支援すべきだったのではないでしょうか。都としての反省はないのか、所見を伺います。

○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、新型コロナウイルス感染症対策を効果的に推進するため、東京iCDCやモニタリング会議におけます疫学やリスクコミュニケーションなどの幅広い分野の専門家からの意見や分析を踏まえまして、感染症対策を担う保健所の支援を行ってまいりました。
 この夏の感染拡大では、災害時ともいえる危機的状況となり、保健所の業務が逼迫しましたことから、都は、自宅療養者を支援するフォローアップセンターの人員体制を感染拡大前の五十人体制から百五十人体制に大幅な増強を行いました。
 あわせて、東京都医師会等と連携した自宅療養者に対する往診等の取組に加えまして、東京都訪問看護ステーション協会と連携をいたしまして、在宅でのケアが必要な自宅療養者に対し、地域の訪問看護師が健康観察を行う事業を実施するなど、保健所の負担軽減を図っております。
 また、業務負担が増大する保健所を支援するため、保健所業務の支援を担う保健師等をトレーサーとして採用し、都保健所等に配置しますとともに、保健所を設置している区市に対しまして、保健師や看護師等の雇い上げの経費を支援しております。
 今後も、この夏のような感染拡大が中長期的に反復する可能性があることを前提に体制を強化していく必要があるため、医療機関による自宅療養者の健康観察の実施など、保健所の業務負担の軽減に取り組んでまいります。

○上田委員 最後になります。
 二〇二〇年、東京都において新型コロナウイルス感染症が蔓延し、今日に至るまでの都のコロナ対策における評価及び反省を含めた課題、第六波、今後のあらゆる感染症対策における健康危機管理担当局長の所見と亡くなられた都民、大切な家族を失った都民、先手先手で手だてを打っていれば失うことのなかった命に対しての心からのメッセージを求めます。

○佐藤健康危機管理担当局長 この夏の感染拡大におきましては、想定を上回る規模のスピードで感染拡大が生じたわけでございます。その中で、都は、病床確保あるいは臨時の医療施設の整備を図るほか、ワクチン接種や中和抗体薬の投与など、感染予防や重症化予防に取り組んでまいりました。
 現在は、感染状況が落ち着いている状況にございます。ただ、今後もこうした感染拡大が中長期的に反復する可能性があることを前提に、準備を進めていく必要がございます。
 そのため、都は、先般、感染再拡大に向けた総合的な保健・医療提供体制に係る方針をお示しし、入院体制、診療体制、健康観察などの自宅療養支援を強化することとしているところでございます。
 大事なことは、この夏の状況、経験を踏まえまして、やるべきことを着実にやっていく、先んじて備えを固めていく、そのことで都民の安全・安心を確保していくことだと考えております。そのことを肝に銘じ、職務に当たってまいります。

○上田委員 ロックダウン、オーバーシュート、感染拡大の重大局面、三密、虹ステッカー、ウイズコロナ、宿泊施設、手書きメッセージ、昨年二学期末、突如子供たちに強いた医療従事者宛ての感謝状、コロナかるた、五つの小、小池知事自ら頻繁にテレビ広告、有名ユーチューバーらとの動画作成に総額十二億円、東京版CDC、アドバイザリー会議、モニタリング会議。毎週のように知事記者会見のたびに突如飛び出す言葉遊び、片仮名、横文字事業に、都民も、都政、都庁も翻弄され、結局第五波で都民を医療難民化させ、多くの命を失い、健康被害を及ぼし、子供たちの貴重な学校生活を激変させ、局長も二回も替わった一年九か月でした。
 小池都政、都庁も、我々議会も深い反省に立って、決して忘れることなく、第六波、あらゆる、あまねく福祉事業、福祉保健局の事業における都民の命、健康を守る使命、二元代表の下、それぞれの立場で力を合わせることを、それぞれに肝に銘じることを共有させていただきまして、私の質疑を終わります。

○おじま委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後六時十四分休憩

   午後六時四十六分開議
○おじま委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○浜中委員 それでは、新型コロナウイルス対策についてお尋ねをいたします。
 昨日の東京都の新規感染者は二十七人となっており、第五波のピークであった八月十三日の五千九百八人の新規感染者から比べると、かなり落ち着いてきているといえます。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いている今こそ、第五波のときの反省を踏まえて、いつ来るかもしれない第六波に備えるべきであると考えます。
 第三回定例会から一か月がたち、その間、様々な新型コロナウイルスに対する政策に動きがあったかと思います。第六波への備えをしっかりと行い、都民の命と暮らしを守るという観点から、今までとこれからの新型コロナウイルス対策について質問をさせていただきます。
 まず初めに、第六波に向けて、病床及び宿泊療養施設をどのように確保していくのか、都の取組について教えてください。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、国による次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像の公表に合わせ、都の保健、医療提供体制の想定値や方針のポイント等について取りまとめ、先日、公表いたしました。
 この中で、新型コロナ患者のための確保病床数について、現在の六千六百五十一床から二百四十床増床するほか、回復期支援病床や臨時の医療施設等を含め、約九千四百四十床の医療提供体制を確保することとしております。
 また、転退院を促進することで病床の使用率を高め、より多くの患者を受け入れられるようにしてまいります。
 また、宿泊療養施設については、患者の受入れ時間帯の拡大や食事の各階配布などの運用面の見直しに加え、必要時に医師の往診を受けることができる医療、看護度が高い往診型施設とリモート診療対応の施設とに機能分化を進めていくことを示しております。
 今後、これらにより、既存施設の稼働率向上を図り、受入れ患者数を増やすとともに、感染再拡大に備え、宿泊療養施設のさらなる規模拡大に向けた調整を進めてまいります。

○浜中委員 病床数が増えたりですとか、宿泊療養施設の使い勝手が大幅に向上して、第六波に、備えを万全にしているということを高く評価したいと思います。
 第五波のときには、症状が悪化して、入院することができずに自宅療養中に命を落とす方がいらっしゃいました。本当にざんきの念に堪えません。
 重症者が増え、看護師さん等の人手不足となり、病床数は、最大病床確保数が当時、六千四百六床でありましたが、病床使用率は七一・二%となっていたと聞いております。
 そもそも病床数をこのときよりも、六千六百五十一床と、今答弁でありましたけれども、これを増やして、さらに、今後その病床の使用率をどれだけ増やしていくのかということが課題になるかと思います。八五%が目標ということでございます。その大きな鍵は、人員確保であるかと思います。
 政府・自民党は、今までの激務に報いること、また人員を確保するためにも、看護師さんの賃金を来年の二月から一%賃上げをして、今後、段階的に三%への引上げを目指していくとの報道もございます。
 また、東京都としても、東京都医療人材登録データベースを設置するなど、人材確保のために全力を尽くしていただくということは、大いに評価をしたいと思います。
 さて、現在、都の感染状況は感染終息フェーズにあり、病床の確保レベルはレベル一でございます。
 今後、感染再拡大となった際は、どのように病床を確保していくのかということを教えてください。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は本年十月、コロナ以外の通常医療を確保しつつ、感染状況に応じて機動的に対応できる体制を確保するため、感染状況に応じた医療提供体制を取りまとめました。
 この中で、感染終息と感染再拡大のフェーズに分け、それぞれ三段階で病床確保を進めていくとしており、お話のとおり、現在は感染終息フェーズのレベル一で、四千八百二十三床を確保しております。
 今後、感染が再拡大する際には、感染動向を捉え、必要な病床数を確保していくことが重要であり、都が確保病床の増床を要請した際には、各医療機関は二週間以内に医療体制を再構築できるよう備えていくこととしております。
 レベルの変更に当たりましては、感染動向のほか、入院病床や重症用病床の使用状況、さらには専門家の意見なども踏まえ、総合的に判断いたします。
 引き続き、感染状況に応じた病床の確保に万全を期してまいります。

○浜中委員 今ご答弁にあったように、感染レベルを上げた際には、二週間以内に病床を確保するとのことですが、都立病院や公社病院に限らず、一般の病院にも病床の確保をお願いするわけであります。
 基本的にはどの病院も一般診療を行っておりますから、病床を確保するということは、普通の診療を制限することになります。これは有事でありますから致し方ない部分はあるかと思いますが、このフェーズを上げていくときに、しっかりと、現場とのずれが起きないように、特段の配慮と丁寧な調整をお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、三回目のワクチン接種の準備状況についてであります。
 毎日、新聞では、ワクチン接種についての報道がされております。交互接種を認める、非常に大きな話があったりと、毎日、状況が動いております。
 現在、感染者数が減っているのは、ワクチンの効果が大きく出ているからであり、コロナを乗り越えるためには、この三回目のワクチン接種が非常に重要であるというふうに私は考えております。
 国は、新型コロナウイルスワクチンの三回目の接種に向けて、十二月から接種を開始できるように、自治体に準備を進めるように考え方を示しております。
 国から示された考え方によると、二回目接種完了からおおむね八か月以上後となる者から追加接種を実施することが妥当とされており、これもちょっと報道とかで、新しい話だと短縮するみたいなこともありましたけれども、来月からは医療従事者の接種が開始されるとなっております。
 現在の準備状況について教えてください。

○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 来月から開始予定となっております追加接種の円滑な実施に向けまして、都は、都内区市町村の実務担当者とのワクチンチーム会議を先月以降精力的に開催し、国からの情報や課題の共有を行うとともに、会議の場におきまして、対象者数の月別推移見込みや都内の職域接種、大規模接種の状況など、区市町村による接種体制の整備に活用できるデータをお示ししております。
 特に一、二回目接種を都道府県が主体となって実施した医療従事者等につきましては、区市町村に対しまして、病院勤務者や医師会等の会員、自治体職員などの対象区分ごとに想定接種人数をお示ししたほか、対象区分ごとの接種場所の調整を都が行い、ワクチンチーム会議の場で区市町村と共有しております。
 あわせまして、区市町村においては、接種券の発送手続を進めており、十二月の接種対象者約十万人分の送付を今月中に完了する見込みとなっております。

○浜中委員 今ご答弁にもありましたとおり、既に各自治体において、三回目の接種券の印刷、発送に取りかかっているというところが大半であるかと思います。
 これも段階的に行っていくそうでありますが、国からは、三回目のワクチン接種の第一弾である四百十二万回分のワクチンの配送が決まっており、昨日には第二弾の二月から三月分となる三千七百万回のワクチンの確保も発表がされました。
 これは第五波というか、普通に前のワクチン接種のときにございましたけれども、区市町村での接種体制が整っていても、肝腎のワクチンが来なければ、実際の接種は一向に進まないわけであります。
 そこで、追加接種に関わるワクチンの確保状況や今後の供給の見込みについて教えてください。

○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 国は今年、ファイザー社、武田、モデルナ社等と来年初頭から三億二千万回分のワクチンの追加供給が受けられるよう、契約を締結しているとのことでございます。
 追加接種は、来年供給されるこれらのワクチンに加えまして、既に日本に供給されておりますワクチンも含めて実施していくこととなります。
 追加接種用のファイザー社ワクチンの供給につきましては、先ほど委員からもお話ございましたとおり、十二月と来年一月の対象者分となる約四十万人分の配送先が今月四日に決定をしておりまして、今月二十六日までにワクチンの配送が完了となる予定でございます。
 また、来年二月、三月の対象となります約四百二十万人分のワクチンの供給につきまして、昨日、国の方から通知がありましたことから、今後、区市町村と配分等について調整してまいります。
 なお、来年四月分以降のワクチンの供給につきましては、現在、国から具体的なスケジュールや数量は示されておりません。

○浜中委員 今おっしゃっていただいたように、区市町村の負担軽減等のために、都の大規模接種会場では、どのような取組を行っていくのか。特に、まだこれは先の話で分からないところもあると思うんですけれども、混合接種がいいですよという話になると、また組み方は変わってくるかと思いますけれども、今、分かる範囲で教えてください。

○山本高齢者施策推進担当部長大規模接種施設企画調整担当部長兼務 都は、住民接種を進めている区市町村と連携しながら、一回目、二回目接種において、大規模接種会場を設置し、これまでに約百十万回の接種を実施してまいりました。
 現在、追加接種の役割分担等について、区市町村と議論を重ねているところでございますが、区市町村からは、追加接種についても、一回目、二回目接種と同様、都において大規模接種会場を設置してほしいとの要望が寄せられております。
 これらを踏まえ、都としては、区市町村の接種体制支援の観点から、区市町村と緊密に連携し、引き続き検討を進めてまいります。

○浜中委員 ありがとうございます。
 今ご答弁にありましたように、区市町村との緊密な連携というのが、これから非常に大切になってくるかと思います。状況やルールが変わっていくという中では、現場の声をしっかり聞いていただいて、東京都としても、このワクチン接種がコロナに対して非常に有効でございますから、丁寧に進めていただきたいというふうに考えております。
 続きまして、都は、三定の補正予算で、抗体カクテル療法を行う患者さんを投与する医療機関へ搬送するための経費を措置するなど、体制の整備を進めてきました。抗体カクテル療法、中和抗体薬等は、重症化をさせないという意味では、これは非常に大切なことであるかと思います。
 これまでの都の実施状況について教えてください。

○内藤抗体カクテル療法促進担当部長 都では、都立、公社病院で抗体カクテル療法の投与を進めるとともに、八月中旬には宿泊療養施設の品川プリンスホテルにおいて、九月には酸素・医療提供ステーションにおいて、投与を開始いたしました。
 十一月十二日時点で、投与可能な医療機関等は民間の医療機関を含め、約二百二十となっており、これまで、品川プリンスホテルで二百三十五件、酸素・医療提供ステーションでは二百二十五件、都内で合計約三千五百件の投与実績がございます。
 また、検査結果判明後、迅速に投与に結びつけるため、投与可能な医療機関リストを作成し、診療・検査医療機関や保健所、発熱相談センターと共有し、活用を促しているところでございます。
 さらに、十月には、多言語対応が可能な中和抗体薬治療コールセンターを開設し、都民の方から幅広く相談を受け付け、速やかに投与施設との受入れ調整、そして搬送調整を実施する体制を構築いたしました。
 あわせて、ポスターを作成し、都内の診療・検査医療機関に送付するとともに、ホームページ等に掲載し、都民に周知を図っております。
 引き続き、こうした取組を着実に進め、自宅療養の方も含め、対象者を早期かつ確実に抗体カクテル療法に結びつけ、感染拡大時における病床逼迫の防止に努めてまいります。

○浜中委員 ありがとうございます。
 今ご答弁にありましたように、中和抗体薬治療コールセンターというものが、第五波が終わった後ぐらいにできまして、抗体カクテルをよりスムーズにできる体制を整えていただいたというふうに思っております。
 これが最初から機能しますと、恐らく医療が逼迫されない可能性が高いのかなというふうに思います。さらに、ここに口から飲む経口薬というのが出てくると、かなりこの対コロナに対する医療体制のゲームチェンジャーになる可能性が極めて高いというふうに思っております。
 しかし、現状あるものはこの抗体カクテル療法でございますから、ここをいかにしっかりやっていくかということが、第六波を防ぐという意味では大変重要になるかと思いますので、ぜひ丁寧な取組をお願いいたします。
 続きまして、自宅療養支援及び保健所の業務負担の軽減についてお尋ねをいたします。
 東京都はこれまで、東京都医師会をはじめとする関係団体と連携し、自宅療養者に対する医療面での支援を進めてきました。
 自宅療養者への適切な医療提供体制の構築に向けた取組状況と今後の取組について教えてください。
 また、併せて第六波への備えとして、新型コロナウイルス感染症対策の最前線を担う保健所が、その機能を十分に発揮できるように、業務負担の軽減を図ることが重要であるかと思います。そこで、保健所の業務負担の軽減に向けたこれまでの取組と今後の取組について教えてください。

○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は本年四月から、東京都医師会等と連携をいたしまして、体調が悪化した自宅療養者に対し往診等を実施しており、八月からは東京都訪問看護ステーション協会とも連携するなど、医療支援を強化しております。
 今後の取組といたしましては、パルスオキシメーターを既に確保した約十万台に加えまして約十一万台追加し計二十一万台を確保するとともに、抗体カクテル療法を希望する方に対しまして中和抗体薬を投与するための取組を着実に進めてまいります。
 また、九月から多摩地域で開始をいたしましたオンライン診療の都内全域への拡大を図るとともに、感染拡大時に往診等を広域的に行う医療機関と地域の医療機関との連携強化を図ってまいります。
 保健所の業務軽減に向けましては、これまで都は、発熱等の症状のある方の相談窓口や自宅療養者を支援するフォローアップセンターに加え、夜間に患者の容体が急変した場合に入院先の調整を行う窓口の設置などに取り組んでまいりました。
 今後は、診療、検査を行った医療機関による自宅療養者の健康観察を実施するとともに、保健所業務のデジタル化の推進を図ることによりまして、さらなる負担軽減につなげてまいります。

○浜中委員 保健所の方は、皆さんもそうだと思うんですけれども、第五波のときに、もう本当に大変な思いをして、いろいろ働かれたかと思います。本当に感謝を申し上げたいと思います。
 そうした中で、保健所の専門の方にしかできないことと、そうじゃないことというのを分けたりですとか、デジタル化を図って、さらなる負担軽減を目指していくというのは、これは非常に大切なことであるかと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
 また、自宅療養者をどれだけ丁寧にケアしていくのかということは、非常に大きな課題であるかと思います。先ほど同僚議員や新聞なんかでもありますけれども、入院したくてもできなくて自宅で亡くなってしまった方も、少なからずいたということがあろうかと思います。
 そうした中で、自宅療養者一人一人のニーズに合った、きめ細かな支援を行うためには、都や保健所だけではなく、住民に最も身近な市区町村との連携した取組が不可欠であるかと思います。
 自宅療養者の情報提供など、市区町村との連携した取組を推進し、自宅療養者に対する支援のさらなる拡充を図るべきだと考えますが、見解を教えてください。

○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 自宅療養者にきめ細やかな支援を行うには、地域に密着した支援が可能な市町村と連携して取り組んでいくことが重要でございます。
 このため、都は本年九月から、都保健所管内の市町村に自宅療養者の情報を提供いたしまして、食料品、日用品の支給や心配事の相談受付など、地域の実情に応じた支援を推進する取組を行っており、現在、二十二市町村に情報を提供しております。
 また、市町村が実施する自宅療養者に対する生活物資の配送やパルスオキシメーターの貸与等につきまして、区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業によりまして支援を行っており、都は、これらの取組を通じて、市町村と連携しながら自宅療養者への支援を充実させてまいります。

○浜中委員 ありがとうございます。
 市町村との連携がとても大切であるということだと思うんですけれども、保健所を持っていない多摩地域の市町村は、保健ですね、普通の診る健康診断とか、そういうことはできたとしても、医療政策を持っていないので、それをパッケージでカバーしようというのはなかなか難しいというふうに思います。
 ただ、東京都に協力しようという思いは各市町村ごとにあろうかと思いますので、既に丁寧なアンケート等をやっていただいているかとは思うんですけれども、歩調を合わせていただいて、ぜひ一人でも多くの自宅療養者の方の支えになるような政策を進めていただければというふうに思います。
 続きまして、在宅要介護者等の受入れ体制の整備についてであります。
 現在、新型コロナウイルス感染症の都内における新規感染者数は、低い水準で推移をしております。
 しかしながら、これコロナでございますので、もしも在宅で高齢者や障害者の介護を行っている同居の家族や児童を養育している保護者が新型コロナウイルスに感染してしまった場合、お父さんとお母さんが子供と一緒に暮らしていたんだけど両親がコロナになっちゃったとか、介護をしていたんだけれども介護している人がコロナになっちゃったと。
 そういうケースがあった場合に、高齢者や障害者、児童に対して、区市町村が行う受入れ体制の整備について、都はどのような支援をしているのかということを教えてください。

○中川障害者施策推進部長 高齢者や障害者を介護している家族や児童を養育している保護者が新型コロナウイルスに感染した場合でも、高齢者などの要介護者等が生活を続けられ、罹患した家族や保護者が安心して療養に専念できる環境を整える必要があります。
 このため、都は、要介護者等を地域で一時的に受け入れることができるよう、介護施設での空きベッドの確保、自宅から施設等への搬送など、要介護者等の状況に応じて必要な取組を行う区市町村に対して、介護、障害、児童、それぞれの分野で、一千万円を上限にその全額を支援しております。

○浜中委員 既にこの議論は、コロナがはやったときから、どうするんだということを議会等でも先輩たちもやられていたかと思うんですけれども、実際には、親戚の家に子供を預けたりとか、いろいろどうにもならなかったケースというのもあるかと思います。
 その中で、今答弁にあったように、必要な措置、取組を行う区市町村に対しては、介護、障害、児童の分野ごとに、それぞれ一千万円を上限にその全額を支援しますよということでありましたけれども、ちょっとニーズを見ながら、市区町村自体も、コロナ対応で、そこまで手が回っていなかったということもあろうかと思いますので、もし取り組めるようなところとかというのがあれば、ぜひ東京都の方から積極的にどうですかという呼びかけをしていただきたいというふうに思います。
 いざというときのために要介護者や児童を受け入れる体制を整えておくことは、高齢者や障害者などの安心につながる重要な取組であるというふうに私は考えます。
 そこで、本事業の最新の取組状況を伺うとともに、今後の進め方についても併せてお示しをお願いいたします。また、本事業の活用が幅広く進むように、都からも、先ほども申しましたけれども、区市町村への支援もぜひお願いしたいというふうに思いますが、見解を教えてください。

○中川障害者施策推進部長 本事業の今年度の取組状況についてでございますが、現時点で、介護分野においては三十三、障害分野においては三十一、児童分野においては八の区市町村からの申請を受け付けております。
 都は、引き続き、個別の相談にも応じながら、地域における在宅要介護者等の受入れ体制の整備を進めてまいります。

○浜中委員 今ご答弁にあったとおり、児童分野においては、これも受入れできるところとかというのが限られてしまっているので仕方ないのかなと思いますけれども、二十三区二十六市、町村も含めて全部で八個というのは、少し心もとないのかなというふうに思いますので、引き続き対応の方をお願いいたします。
 要介護者等が住み慣れた地域で安心して生活することができ、また、感染した家族も安心して療養に専念できる体制が地域において確立されることは、大変重要であるというふうに思います。引き続き、本事業が有効に活用されるように、都から区市町村への情報提供や支援をお願いして、次の質問に移りたいと思います。
 続きまして、自殺対策についてであります。コロナ禍における自殺対策についてお伺いをいたします。
 また、後ほど先輩議員からも質問はあるかと思いますけれども、報道では、令和二年の女性の自殺者数が、前年に比べて一五%増加したということであります。
 都は、こうした状況を踏まえて、どのような対策を講じてきたのか、また、今後どのように取り組んでいくのかを教えてください。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 コロナ禍におきまして、女性の自殺者数が前年と比較して増加したことを踏まえまして、都では自殺対策の強化を図っております。
 具体的には、本年七月から、女性の相談ニーズに合わせ、東京都自殺相談ダイヤルの受付開始時間を十四時から十二時に前倒しいたしますとともに、悩みを抱える方を早期に適切な相談窓口につなげるため、鉄道事業者や商業施設等と連携した広報活動を実施いたしました。
 さらに、今後、女性向けの相談窓口等を掲載した自殺防止啓発リーフレットを作成し、母と子の保健バッグへの同封等を通じて配布することを予定しております。
 引き続き、区市町村や関係機関と連携し、自殺対策を推進してまいります。

○浜中委員 聞くところによると、自殺そのものは、一つのきっかけですぐに自殺に至るというわけではなくて、長年蓄積されたりですとか、幾つかの要因があって自殺に至るということがいわれているということをお聞きいたしました。したがいまして、このコロナ禍というのは、いろんな社会を動かすきっかけという意味では、そういうトリガーを引くことになってしまうのかなというふうに思っております。
 であるとすれば、鉄道八社とイトーヨーカ堂等と連携したりとか、自殺防止のための新たな広報をしたりですとか、相談に乗ったりということは、非常にいいことであるかと思いますので、引き続き、丁寧に進めていただきたいというふうに思います。
 続きまして、次に、子育ての分野のお話に入りたいというふうに思っております。
 待機児童対策の事業終期についてお聞きしたいというふうに思います。
 まず初めに、東京都は、平成二十八年の緊急対策以降、待機児童対策に重点的に取り組んでまいりました。その成果について教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 都は、待機児童の解消に向け、平成二十八年九月から、保育所等の整備促進、人材の確保・定着の支援、利用者支援の充実の三つを柱として、区市町村や事業者の整備費の負担軽減や都有地活用の推進、宿舎借り上げ支援の充実など、様々な取組を進めてまいりました。
 その結果、保育サービス利用児童数は、平成二十八年四月は二十六万一千七百五人であったところ、本年四月は三十二万三千七百三人となっております。
 また、待機児童数は、平成二十八年四月は八千四百六十六人であったところ、本年四月は九百六十九人となっております。

○浜中委員 国策というか、皆さんの取組もありますけれども、待機児童がこんなに減るというのは本当にすごいことだなというふうに思っております。この待機児童が減少しているということは、もう本当に評価をしたいというふうに思います。
 しかしながら、保育の現場からは、都が待機児童対策の事業を終了してしまうのではないかという懸念の声を聞きます。例えば、保育士等の宿舎借り上げ支援についての不安の声があります。
 当該事業の事業終期について教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 都は平成二十九年度予算から、全ての事業に終期を設定し、終期が到来したものにつきましては事業評価を行い、事業の見直し、拡充、継続等を判断することとしております。
 保育従事職員宿舎借り上げ支援事業の事業終期は、当初、令和二年度となっておりましたが、その後、事業評価を行いまして、現在、令和四年度となっております。

○浜中委員 この保育従事者の宿舎借り上げに限らず、平成二十八年以降に、待機児童を減らすということで、東京都は様々な支援策をやられているかと思います。保育を実際にやっている市区町村ですとか、保育の事業者、かなり都や国に頼って事業を行っている部分がたくさんあります。
 事業ですから、終期があるのは当たり前の話でありまして、そこを見直して、よりよいものに、無駄なものは違うものに入れ替えてということをやられるというのはよく分かるんですけれども、しかしながら、現場の声ですとか、下の人たちから見ると、ある日突然、これがなくなってしまうんじゃないかという不安の声があるのも、また事実であります。
 特に保育は、これに限らず、例えば保護者に出している認可外保育の手当とかというのも、東京都から市はお金をもらって保護者にお支払いしているんだけれども、その割合が変わってしまったりとか、いろんな、待機児童解消に伴って保育をここ数年で拡充させてきたものがございますから、それを見直すときには、丁寧に現場の声を聞いていただきたいということと、待機児童解消でやっておりますから、それを急にやめるという話になると現場も保護者も大混乱しますので、もしこうしたものをやめていくということであれば、それは丁寧に段階を踏んで、終期をちゃんと設けていただきたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。コロナ禍での妊産婦支援についてであります。
 これは、とうきょうママパパ応援事業についてでございますけれども、安心して子供を産み育てられる環境の整備に当たっては、出産、子育てに関する不安や産後の母親の身体的、心理的な負担を軽減し、各家庭のニーズに応じて、妊娠期から子育て期にわたって切れ目ない支援を行うことが重要であるかと思います。
 そこで、出産、子育てに対する支援を一層強化するべきであると考えますが、都の見解を教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 都は平成二十七年度から、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援体制を整備する区市町村を支援しておりまして、昨年度から、産後の支援を大幅に拡充したとうきょうママパパ応援事業を実施しております。
 その中で、ゼロ歳児の第一子あるいは三歳未満の兄弟がいる第二子以降のゼロ歳児がいる家庭に対し、産後の家事、育児支援を行うサポーターを派遣する取組を行っております。
 今年度からは、要件を緩和いたしまして、対象となる児童の年齢を二歳まで引き上げるとともに、第二子以降につきましては、兄弟の年齢要件も撤廃しております。
 引き続き、区市町村と連携し、妊娠、出産、子育てに対する切れ目ない支援体制を整備してまいります。

○浜中委員 私も三児の父でございまして、一番下の子は今、零歳だから、十か月ぐらいなんですけれども、今、コロナ禍でございますから、夜はあまり地域を歩いたりとかということはないので、お風呂を手伝ったりとかするんですけど、これがもしコロナじゃなかったら、お風呂を手伝えなかったら、これはもう三人目は無理だったねみたいなことを、やっぱり家内にいわれたりするわけです。
 そう考えると、産後の家事や育児支援を行うサポーターを派遣する、これはもうすごいことなんですけれども、残念ながら我が市はなかったりとか、各市によって、いろんなメニューがある中でこれを使うところもあれば、そうじゃないところとかというのもあるので、ぜひ東京都、皆さんコロナ対応で各市も大変だったと思うんですけれども、こういういいものがあれば、バランスよく市の方にも落としていただきたいなというふうに思います。
 都が安心して子供を産み育てられる環境を整備していることは、よく分かりました。
 一方で、コロナ禍においては、妊婦の方々は感染の有無にかかわらず、不安や孤立感を抱えやすく、また、自身のみならず、胎児や新生児の健康等についても心配しながら生活をしております。
 そこで、コロナ禍において不安を抱えやすい妊産婦に対して、都はどのような支援を行っているのかを伺います。また、今後どのように充実させていくのかということも教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 都は、妊娠相談ほっとラインにおきまして、妊娠や出産に関する相談に看護師等が電話やメールで応じており、新型コロナウイルス感染症に伴う不安や悩みについても対応しております。
 昨年度からは、助産師によるオンライン相談を実施するほか、分娩前のPCR検査費用の助成や感染した妊産婦に対する保健師等による相談支援も実施しております。
 今年度からは、コロナ禍において不安を抱えながら出産、育児に臨む方々を社会全体で後押しするため、子供一人当たり十万円分の育児用品等を提供する東京都出産応援事業も開始しております。
 また、新型コロナウイルス感染症に感染していない妊産婦に対しましても、よりきめ細かな支援を行うため、助産師による訪問や電話相談を来月から開設する予定でありまして、多くの方に利用していただけるよう、今後、周知を図ってまいります。

○浜中委員 ただいま答弁にございました新型コロナウイルス感染症に感染していない妊産婦に対して助産師等が訪問等を行う事業は、我が党がこれまで求めてきたものであります。
 妊産婦の中には、頑張り過ぎて、自分の精神の不調に気づかない方もいます。そういった方々に対しても支援が行き届くように、先ほどの周知には工夫を凝らし、本人だけでなく、その周辺の方々、旦那さんやご両親等にも、しっかりと都の相談支援の取組を広く周知していくことを要望させてください。
 どんなにいいことをやっていても、知らないと使いようがございませんので、コロナに限らず、やっぱり妊婦さんは産む前も不安ですし、その後も精神的に非常に−−一人だったりとか、特に実家とかじゃなくて、サラリーマン世帯で都会で見るという話になると、これは非常に大変だということがよく分かりますので、ぜひこういういい取組を積極的に推し進めていただきたいというふうに思います。
 次の質問に移りたいと思います。介護についてであります。
 これは、先ほど先輩議員からも質問がありましたけれども、介護事業者の業務継続計画、いわゆるBCPの策定の支援についてであります。
 高齢者の住み慣れた地域での暮らしを支えるために、大規模災害や昨今のコロナ禍のような感染症流行期においても、居宅サービス事業者や介護保険等によって、継続して介護サービスが提供されることが求められております。
 介護保険事業者において、業務継続計画、BCPの策定が必要とされておりますが、その目的と根拠について教えてください。

○山口高齢社会対策部長 近年の相次ぐ自然災害の発生や新型コロナウイルス感染症の感染拡大など、介護サービスを取り巻く環境は大きく変化しており、こうした災害や感染症が発生した場合であっても、必要な介護サービスが安定的、継続的に提供されることが重要でございます。
 このため、都は、国の省令改正を踏まえ、本年三月に東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例等を改正し、三年間の経過措置を講じた上で、全ての介護サービス事業者に対し、BCPの策定等を義務づけたものでございます。

○浜中委員 ありがとうございます。
 介護事業者といいましても、規模は様々でありまして、とりわけ小規模な居宅サービス事業者などでは、体制に余裕がなくて、なかなかBCPの策定に手が回らないという話も伺いますし、そもそもこれが変わって、BCPを策定しなきゃいけないということを知らないという事業者も多いかというふうに思います。
 区市町村によっては介護事業者のBCPの策定の支援を行っているところもありますが、それも一部に限られており、事業者でもどのように対応すればよいのか分からないという話も伺っておりますし、そもそもこういう話があるということも知らないという事業者もあるかと思います。
 そこで、本来、小規模なところとかというところは、市区町村が面倒を見るところだとは思うんですけれども、都としても、居宅サービス事業者のBCPの策定を支援するべきであると考えますが、取組状況について教えてください。

○山口高齢社会対策部長 都は、全ての介護サービス事業者にBCPの策定等が必要であることを通知等で周知するとともに、介護事業所におけるBCP策定のポイントを分かりやすく解説した動画を作成し、ホームページに掲載しております。
 また、指定更新を迎える介護事業所を対象に実施する研修の中でも、新たにBCPの策定に関する講義を実施しております。
 さらに、国が作成したBCP策定に関するガイドラインや各種の通知、研修動画などを都のホームページにまとめて掲載して情報提供をするなど、BCPの策定に取り組む事業者を支援しております。

○浜中委員 この業務継続計画というものをなぜ行うのかということですけれども、何かこのコロナだとか災害とかというのが突発的に起きたときに、このサービスの先には困っている介護を受ける方がいたりとか、そういった方たち、困っている人たちがいますから、その人たちの日常を壊さないために、やっぱりこういう計画が大切なんだということを落とし込んで、しっかり各事業者によってそれを対応していくということが大切であるかと思います。
 したがいまして、今ご答弁にもありましたけれども、市町村と連携をして、しっかり各事業者でこういったものが必要であるということで、それのどういうような計画で立てていくのかということの支援をしていただければというふうにお願いを申し上げて、次の質問に移ります。
 次は、フレイル予防についてであります。
 都民の平均寿命が年々伸びる中で、高齢期においては、健康な状態をできるだけ長く保ち、その人らしい生活が続けられるように、フレイル予防に努めていくことが重要であります。
 コロナ禍の長期化により、高齢者の心身の機能低下の懸念が高まっており、身近な地域でのフレイル予防の取組が、より重要性を増しているかと思います。
 そこで、住民に身近な区市町村によるフレイル予防、もしくはオーラルフレイル予防でも構いませんが、取組が進むように、都はどのような支援をしているのかということを教えてください。

○山口高齢社会対策部長 都は、区市町村における介護予防、フレイル予防の取組を推進するため、身近な地域で交流できる通いの場等の拡大や栄養、口腔ケアなど、フレイル予防の観点を踏まえた活動を促進する介護予防・フレイル予防推進員の配置を支援しております。
 また、東京都健康長寿医療センターに介護予防・フレイル予防推進支援センターを設置し、地域で予防活動に取り組む人材の育成や専門的知見を生かした相談支援等を行っております。
 これらに加え、今年度からは、コロナ禍の状況を踏まえ、感染対策を講じて集合方式で行う通いの場等の活動やオンラインツールを活用した非対面での予防活動を支援する区市町村への補助も開始しております。

○浜中委員 最後であります。
 東京都は、今のご答弁にもあったように、コロナ禍の状況を踏まえて、区市町村に対して新たな補助も開始したとのことであります。
 この新たな補助金により、各区市町村において、具体的にどのような取組が進められているのかを教えてください。

○山口高齢社会対策部長 補助金を活用した区市町村による支援の取組事例でございますが、まず、集合方式での介護予防、フレイル予防活動といたしましては、地域の通いの場等に感染対策のための非接触型体温計やアルコール消毒液等を配備するといった取組が行われております。
 また、オンラインツールを活用した予防活動としましては、参加者がタブレット端末を実際に使用してテレビ会議システムの使い方を学ぶ機会を設けた上で、オンラインで筋トレ講座を実施するといった取組などが行われており、現在、十三区市において補助金を活用した取組が進められております。

○浜中委員 こうした取組に当たっては、地域における創意工夫を生かせるように、区市町村と緊密に連携しながら進めていただくように要望をしたいというふうに思います。
 コロナ禍でいろいろ進んでおりまして、フレイル予防にも、いわゆるeスポーツ、例えば「太鼓の達人」のようなものをやって体を動かしたりとか、それで点数を競うものですから脳も活性化するというような形で、まだエビデンスがというものもあるんでしょうけど、各区市町村でいろんな工夫をして、こういうことをやってみようということがあって、高齢者の方がいつまでも元気で、自分の手足で、歩けて動けてご飯も食べられるというような状況が非常に望ましいというふうに思いますので、ぜひそういったものを東京都としても後押しできるような体制をつくっていただきたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、福祉保健局が担っている役割というのは、今回は取り上げられなかった分野も含めて、非常に大きいと思います。皆さんの先には都民の方の生活があるかと思いますので、引き続きしっかり取り組んでいただいて、都民の命と暮らしを守っていただきたいというふうに思います。
 引き続き、私も頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○桐山委員 よろしくお願いします。
 それでは、何点か重なる部分もあるかと思いますが、少しはしょりながらでも質問を続けていきたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症長期化に伴います助産師による妊産婦向けの相談についてお伺いします。
 新型コロナウイルス感染症の第五波では、妊婦の新型コロナウイルス感染症急増に伴う不安が広がりました。先ほど伊藤副委員長からもありましたように、今年八月には、千葉県柏市で新型コロナウイルスに感染をした自宅療養中の三十歳代の妊婦が、入院先が見つからず、十七日に自宅で早産し、新生児が死亡するという痛ましい事案が発生をしました。
 都内では、新型コロナウイルス感染症が急増した八月には、二百八十五件の新型コロナウイルス感染症陽性者登録があり、そのうち九七%が自宅療養を余儀なくされているという現状がありました。妊娠後期の妊婦は、特に重症化のリスクが高いといわれており、医療現場が逼迫する状況下でも、きめ細やかな健康観察やフォロー体制が必要です。
 こうした課題認識から、我が党では、妊婦やその家族、パートナーへのワクチンの優先接種や新型コロナに感染した妊婦に対して地域の助産師を活用した健康観察事業を早急に創設するよう、小池都知事へ要望書を提出してまいりました。
 こうした我が党の要望に応え、今回、都が従来行っていた妊婦への寄り添い型支援に加え、地域の助産師等を活用した健康観察事業が創設をされました。
 都が行っている妊産婦に対する訪問型の相談支援は、対象が新型コロナウイルス感染症の陽性に限定されていましたが、感染をしていない方に対しても訪問型の相談支援を行うべきと考えておりますが、見解をお伺いしたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 都は、コロナ禍で感染予防のために外出を控えている妊産婦の方に対して、対面による支援を行うために、助産師によるオンライン相談を実施しております。
 また、希望する妊婦に対しましてPCR検査費用を助成するほか、感染が認められた妊産婦に対しては、保健師や助産師が訪問や電話等で相談に応じる寄り添い型支援も実施しております。
 さらに、妊産婦の悩みも多様化していることから、新型コロナウイルス感染症に感染していない妊産婦の方に対しましても、よりきめ細かく支援するため、来月から訪問や電話による相談を東京都助産師会に委託して開始する予定でございます。

○桐山委員 私たちが要望をしていた助産師の活用については、訪問や電話による相談を東京都助産師会に委託をし、来月から開始をすることと今ご答弁がありました。このことについては評価をするものです。
 生まれたばかりの赤ちゃんに会えない家族にとって残念であるのは間違いないことですが、命がけの出産をしたばかりのお母さんにとっても、家族のような親しい間柄でのサポートや話し相手もいない中で孤独を感じ、不安な状態のまま退院を迎えることになりかねません。
 産後鬱は、これらの育児不安やストレス、周囲のサポート不足や、そして妊娠中からの強い不安もあると考えられています。産後ケアと併せて、今後ともこの助産師会との連携を強固にし、安心して寄り添える支援を引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、出産をした後の家庭を応援する事業として立ち上げました東京都出産応援事業−コロナに負けない!−について伺います。
 一昨年は、とうきょうママパパ応援事業におきまして、緊急対策として、妊婦の感染への不安に寄り添う取組として、育児パッケージの中にタクシー移動に使えるチケットや衛生資材を配布できる区市町村を支援してきました。これも大変好評でした。
 今年度から実施をしている子供一人当たり十万円分の子育てサービスや育児用品などを提供し経済的負担軽減を図る東京都出産応援事業を実施することとしましたが、これまで我が会派からも、スマート家電なども含めた多様な子育てに対応した選択肢を提供するよう求めてまいりました。
 そこで、都が今年度から実施をしている東京都出産応援事業のこれまでの実績と事業運営上の工夫など、取組状況をお伺いいたします。

○奈良部少子社会対策部長 都は今年度から、コロナ禍において不安を抱えながら出産、育児に臨む方々を社会全体で後押しするため、子供一人当たり十万円分の子育て支援サービスや育児用品等を提供する東京都出産応援事業を開始いたしました。
 本事業では、都内全区市町村の協力を得まして、専用ウェブサイトへアクセス可能なIDカードを対象家庭に配布しており、令和三年十月末までの配布実績は、約七万二千四百世帯となっております。
 専用ウェブサイトでは、希望する育児用品等を選択できるほか、利用者から追加要望を受け付けておりまして、これまでベビーチェアやオイルヒーターなど、子育て家庭が活用できる用品を新たに百点以上追加しております。
 都は、出産前から本事業を知っていただけるよう、区市町村の窓口や産科医療機関等でリーフレットやポスターにより周知しております。
 また、あらかじめサービス内容を知りたいというご意見が多いことから、都のホームページ内に育児用品等の電子カタログを掲載しております。

○桐山委員 この事業も、大変、出産をした保護者の方々には非常に喜ばれている事業の一つです。
 当初は、やはり人気商品においては欠品が出たり、入荷待ちをしたりということもあったように伺っており、その中でもクーポンは六か月間という期限が限られているので、六か月過ぎてしまう可能性はないのかというご質問も私の方にも届いておりました。
 出産後に、いわゆる出生届を出してから、市区町村からこのギフトカタログが届くということで、そこで初めてこのカタログを見られる方々からの声といたしましては、やはり出産準備をもう既に終えてしまって、こんなにいいものが載っていたのに、こっちで買えばよかったという方々のお声もちょうど届いていて、非常にそれ残念だったねという話なんですが、やはりこういったものを、事前にカタログを先に見て、ある程度、生まれてから楽しみが残せるというか、あとまた出産準備に役立てるようにしていただけるようにということで、これも市区町村から何とかしてほしいという声が上がっていたと思います。それに対しては、速やかにホームページ内にこの電子カタログの掲載を、今もしていただいているところです。
 こういったところをしっかりと、改めて、母子手帳配布時ですとか、あるいは両親学級ですとか、様々な機会があると思いますので、そういったところで前もって電子カタログを見られるよというようなお話もぜひしていただけるように、今後とも市区町村の支援もよろしくお願いいたします。
 次です。AYA世代のがん対策について伺います。
 我が会派は、妊孕性温存の治療の重要性について、私もですが、これまで何度も都議会で取り上げてまいりました。AYA世代は、抗がん剤や放射線などのがん治療において、将来子供を持つことが難しくなる不妊の可能性があります。
 我が会派の要望にて、全国初の取組として、生殖機能温存治療から妊娠までの治療までを一体的に支援する助成事業を今年度九月より開始されました。また、併せてAYA世代がん患者の方が必要な情報を得て相談、交流できる場として、AYA世代がん相談情報センターも開設をされたところです。
 そこで、妊孕性温存治療費助成事業の実施についての取組をお伺いいたします。

○鈴木医療政策担当部長 がん患者生殖機能温存治療費助成事業は、生殖機能温存治療に加え、凍結更新から妊娠まで一体的な治療を受けるための費用を都が独自に助成するものでございます。
 今年九月八日より申請受付を開始し、十一月十一日現在、二十二件の申請がございました。

○桐山委員 ありがとうございます。
 現在で二十二件の申請があったということで、実績は分かりました。
 本年九月から事業が開始をされましたけれども、これはいつの治療から助成の対象となるのかお伺いしたいと思います。

○鈴木医療政策担当部長 本事業は、令和三年四月一日以降に受精卵等の採取、凍結保存、卵巣の組織移植などの生殖機能温存治療、凍結更新、妊娠のための一体的な治療を開始した方を助成対象としております。
 また、令和三年四月一日以前に生殖機能温存治療を行った方のうち、四月一日以降に妊娠のための治療を行う場合は助成対象としておりますが、凍結更新のみの場合は対象外としております。

○桐山委員 ありがとうございます。
 この九月から始まった事業でございますけれども、四月一日から遡及ということで、遡及の考え方については分かりました。改めて、必要な方にしっかり届く制度となることが非常に重要だと考えております。
 本事業が広く活用されるために、情報提供についての考えをお伺いいたします。

○鈴木医療政策担当部長 本年六月、都内のがん診療連携拠点病院等が参加しているがん相談支援センター担当者連絡会におきまして、事業概要の説明を行ったところでございます。
 本事業の申請受付に先立ちまして、九月三日に報道発表を行うとともに、都ホームページのがんポータルサイトにおきまして情報提供を開始いたしました。
 また、特別区や市町村の担当課長会におきまして、本事業の概要や申請方法などについて情報提供をしておりまして、引き続き本事業が活用されるよう、分かりやすい周知に努めてまいります。

○桐山委員 都内の医療機関と医療関係者等で構成します東京都小児・AYA世代がん診療連携協議会が設置をされて、都内におけます小児、AYA世代がんの診療連携体制の構築や普及啓発等を実施しているところです。
 小児、AYA世代のがんについての理解を深めていくということで、市民講座、公開講座を毎年一回開催されております。今年度は、先日十一月十四日の日曜日に、小児・AYA世代がんの基礎知識、妊孕性温存とがんゲノムということで、オンライン配信で開催をされました。百人以上の方が視聴されていたということですが、私も視聴をさせていただいたところです。
 その中では、今はAYA世代のがんということでの妊孕性温存についての助成制度ですが、今後、小児がんの患者への妊孕性温存については、思春期前ということで、非常に、まだまだ研究段階であるということが話されておりましたけれども、ぜひ今後−−また小児がんの治療につきましても、やはり進行も小児は早いということ、そして、がん治療を最優先としながらも、小児がんの治療に並行してこの妊孕性温存治療をどうしていくのかということについて課題があるということを、この場でも問題意識として述べておきたいと思います。
 次に、フレイル予防について伺います。
 コロナ禍にありまして、外出や人との交流の自粛が余儀なくされ、高齢者にとっては深刻な影響も懸念をされております。コロナ禍においても高齢者の活動環境を確保し、健康状態を維持するための支援が重要です。
 都は今年度から、対面、非対面双方でのフレイル予防に取り組む区市町村へ支援を開始しておりまして、本事業の区市町村の活用状況と、さらなる活用に向けた都の取組についてお伺いいたします。

○山口高齢社会対策部長 都は今年度から、コロナ禍においても地域の介護予防、フレイル予防活動が継続できるよう、高齢者のグループ等が感染対策を講じて集合方式で行う通いの場等の活動や非対面でオンラインツールを活用して行う体操等の活動について、区市町村を通じて支援することとしており、本年七月に補助金の交付を決定し、既に十三区市で取り組まれております。
 今後、より多くの自治体で取り組まれるよう、今月末日までを期限として、二回目の補助申請を受け付けることとし、先月には、全区市町村の担当者が参加する介護予防推進会議において、先行して取り組んでいる区市からの具体的な事例紹介を実施するとともに、区市町村の主管課長会等においても本事業のさらなる活用を働きかけております。
 引き続き、区市町村と連携して、身近な地域でのフレイル予防の活動を支援してまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。
 現在では、この補助金交付決定をして十三区市の取組ということでしたが、これもたしか十分の十の非常にいい事業だったと思いますので、全地域でこの補助制度、二回目の補助申請を、ぜひ全区市町村が使っていただけるような働きかけを引き続きお願いし、ぜひ後押しをしていただきたいと思います。
 また、このフレイルについては、私も長年ずっと取り組んでいる事業の一つですけれども、コロナ禍において、やはり生活不活発ということで、高齢者のみならず全ての人が運動不足ということがいわれております。
 持続可能なサステーナブルリカバリーとして、未来の東京戦略のスタンスとしても打ち出されておりますウオーカブルなまちづくりということで、やっぱり歩きたい、歩きやすい、歩きたくなるような、体を動かしたくなるようなまちづくりが求められているので、これはあくまでも、ちょっと局が違うんですけれども、そういった取組が東京都全体で、区市町村が行っていく支援としても、ウオーカブルなまちづくりの中に、何を福祉保健局として、フレイル予防対策として盛り込んでいっていただけるか、補助、支援をしていただけるかということも併せてしっかりと考えていただけるようお願いをしたいというふうに述べておきます。
 次に、受動喫煙の質問にさせていただきます。
 これまで、新型コロナ対策で飲食店への休業要請や時短要請によりまして、飲食店の利用が低調となりましたが、今後、経済活動、社会活動の再開により、飲食店利用も活発化するものと見込まれます。
 飲食店での受動喫煙防止条例について、実効性を確保していくことが改めて重要です。健康増進法や東京都受動喫煙防止条例が守られていない飲食店に対して、どのように対処をしていくのか。
 例えば千葉市では、LINEやウェブフォームによる受動喫煙SOS情報受付窓口を設けています。改正健康増進法と千葉市の条例による規制の実効性を高めるために、そうしたLINEやウェブでの窓口で、法令違反による受動喫煙の被害に関する情報を受け付けているということです。そして、必要に応じて指導を行い、是正を図るとされています。
 そこで、都内の保健所設置区市においては、法律、条例違反をどこの窓口に通報したらよいのか分かりにくかったり、電話での受付しか公表されていなかったりということで、都民からの通報や情報提供のアクセスの方法に課題があるように思います。
 法律、条例に関わる問合せを都民がより気軽にできるよう、具体的な事例を保健所設置区市にも共有を広げていただきたいと考えておりますが、所見を伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、東京都受動喫煙防止条例及び健康増進法に関する問合せや事業者からの個別の相談に応じるため、平成三十年九月に受動喫煙防止対策の相談窓口を設置いたしますとともに、各保健所設置区市の問合せ窓口に関する情報を東京都のホームページに掲載しております。
 また、都の相談窓口に法律、条例違反に関する通報や情報提供があった場合には、管轄の保健所を案内するなど、必要な対応を行っております。
 今後とも、保健所による受動喫煙防止に関する啓発、指導の取組が進みますよう、保健所設置区市及び都保健所の担当課長や担当者との定期的な連絡会で、事業者への啓発、指導や屋外での受動喫煙防止対策など、具体的な事例の共有や意見交換を実施してまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。
 国立がんセンターが今年の禁煙デー、五月三十一日に発表した調査結果では、コロナ禍の喫煙量及び受動喫煙について、増加と減少が同時に表れているといわれております。
 その中でも、ステイホームや在宅勤務などによって喫煙本数や喫煙量が増えているというように質問したところ、増えていると回答したのは一八%、変わらないが六九・六%、減っているが一一・四%、ほぼやめることができたが一%でした。
 在宅時間の増加によって喫煙本数や喫煙量が増えているとの懸念がありましたけれども、回答を見る限りでは、喫煙本数や喫煙量が増えているという回答はそれほど多くなく、変わらないという喫煙者の方が多かったといわれております。
 しかしながら、同居人の喫煙による受動喫煙が増えているということを質問された際には、回答数においても増えているという回答について三四%になったそうです。
 このように、現在、家庭内の在宅勤務とかステイホーム期間ということで、家庭内の受動喫煙の増加が指摘をされています。
 我々都民ファーストの会は、家庭や自動車の中などで、自らの意思で受動喫煙を避けることができない子供を守るために、四年前に東京都子どもを受動喫煙から守る条例を議員提案し、成立をさせております。
 都は、家庭内での子供の受動喫煙防止にどのように取り組んできたのか、取り組んでいるのかお伺いします。また、一層の啓発、認知の向上が必要と考えておりますが、所見を伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、東京都子どもを受動喫煙から守る条例の施行に併せまして、条例の趣旨や目的をはじめ、子供がいる室内や車内、公園、学校等の周辺の路上では喫煙をしないことなど、保護者をはじめとする都民の責務を分かりやすく示したチラシやポスターを作成し、区市町村や学校等を通じ普及啓発を行っております。
 加えまして、令和二年度に、喫煙率の高い三十歳代から四十歳代の男性などに、喫煙による健康影響の理解促進を図るため、新たに禁煙啓発資材を作成し、区市町村や関係団体等を通じて両親学級等で配布しております。また、ホームページに掲載いたしますとともに、各自治体で増刷できますよう、印刷用データを提供しております。
 受動喫煙による健康影響が大きく、自らの意思で受動喫煙を避けることが難しい子供を受動喫煙から守るため、区市町村や学校等と連携し、一層の啓発に取り組んでまいります。

○桐山委員 ただいま答弁がありましたように、令和二年度に、喫煙率の高い三十代から四十代の男性などに啓発資材を作成されたということでした。
 この中身には、東京都子どもを受動喫煙から守る条例にも言及がありまして、喫煙者は新型コロナウイルス感染症に感染した際に重症化する可能性が高いなど、そういったことも挙げられておりました。こういった重要な情報がコンパクトにまとまっているということで、評価もさせていただきたいと思います。
 禁煙、喫煙率の減少というものは、抜本的、根本的な受動喫煙防止策であります。禁煙を希望する人への支援、これが根本的に重要でして、禁煙を望む喫煙者自身も救えますし、受動喫煙自体も抜本的、根本的に解消するということで、この点の重要性を訴えているところでありますので、ぜひ引き続きお願いいたします。
 そこで、区市町村包括補助ということで、禁煙治療費の補助をしてきております。年々自治体数が拡大、増加をしていると聞いておりますが、区市町村包括補助の禁煙治療費の補助の実績と今後の取組予定についてお伺いいたします。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 禁煙治療費補助の実績は、平成三十年度は七自治体、令和元年度は十五自治体、令和二年度は十八自治体となっております。
 都は、禁煙を希望する都民を支援いたしますため、喫煙による健康への悪影響や禁煙の方法、禁煙治療に保険が適用される医療機関などの情報をホームページに掲載しております。
 引き続き、喫煙率の減少に向け、より多くの区市町村が本事業を活用されますよう、課長会や担当者連絡会等を通じて働きかけてまいります。

○桐山委員 岡山県では、企業、団体が、従業員、被保険者に禁煙治療費を助成し、助成金を事業者五割、県五割、上限一万円ですが、支援する仕組みを開始しました。また、これは強制力はありませんが、企業が在宅ワーク中の禁煙を呼びかける例も報道をされております。
 こうした取組も参考に、企業や健康保険組合とも連携した禁煙推進を進めるべきと考えておりますが、見解を伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、東京商工会議所が養成する健康経営アドバイザーを通じ、企業経営層等に喫煙による健康影響などについて普及啓発を行いますとともに、従業員の健康に配慮した企業の取組を支援しております。
 また、東京都に本社や事業所を置く企業を中心に、東京都医師会や日本対がん協会が連携して発足した禁煙推進企業コンソーシアムが実施するイベント等を後援しております。
 加えて、今年度は、都が作成した禁煙啓発リーフレットを全国健康保険協会や国民健康保険組合等を通じまして、健康診断などの機会に喫煙者へ配布する予定でございまして、引き続き、喫煙率の減少に向けた取組を推進してまいります。

○桐山委員 引き続き、喫煙率の減少に向け、ご努力をお願いいたします。
 福祉保健局は、東京都住宅供給公社や住宅政策本部と連携をして、室内、敷地内完全禁煙のマンションの普及の後押しに貢献すべきと考えますが、所見を伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、東京都受動喫煙防止条例の全面施行に向けて、医療機関や学校関係者等を含む施設管理者や、住宅政策本部等の関係各局、区市町村等に対する説明会を開催し、条例の趣旨や内容を丁寧に説明いたしますとともに、施設管理者向けハンドブックの配布や解説動画の放映等により、事業者や都民への啓発を進めてまいりました。
 また、都民向けリーフレットにおいて、住居やベランダ、入居施設の個室など、規制対象外の場所におきましても、喫煙者には周囲に受動喫煙を生じさせないよう配慮する義務がある旨を周知しております。
 引き続き、こうした取組を推進いたしますとともに、各施設において適切な対応が図られますよう、区市町村や事業所等と連携しながら受動喫煙防止対策を推進してまいります。

○桐山委員 最近では、禁煙治療のためのアプリが禁煙治療の成功率を向上させるということで保険適用となったり、また、禁煙治療にオンライン診療が認められて、クリニックに行かなくても在宅で医師の禁煙診療が受けられるようになり、五回の診療の途中中止を防ぎ、治療成績を向上させている、このようなIT化、デジタル化が進んでおります。
 こうした先進的な禁煙治療アプリ、オンライン診療の普及について、都はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、区市町村が禁煙を希望する住民に対しまして、医療機関等での禁煙治療の費用を助成する場合や、そのほか、禁煙希望者への支援を実施する場合に、これを包括補助で支援しております。
 あわせて、禁煙治療に保険が適用される医療機関の情報を都のホームページ上に掲載しております。
 引き続き、区市町村と連携しながら、禁煙を希望する住民に対する支援を実施してまいります。

○桐山委員 最後に、喫煙率についてです。
 国は、がん対策推進基本計画において、二〇二二年度までに成人喫煙率を一二%にするという目標を掲げております。こういったことを受けまして、現在の喫煙率について確認をしたところ、厚生労働省が発表している統計は、二〇一九年の喫煙率が東京都で一六・五%だったと思います。
 この一六・五%から約四年で、二〇二三年度までに一二%にするということは、現在喫煙している方の二七%の方にたばこをやめていただく必要があるということになります。
 この二七%下げるということはなかなか容易ではありませんが、これについて、この目標値一二%をどのように達成していくのか伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、禁煙を希望する方を支援いたしますため、区市町村や医療保険者等を通じてリーフレットを配布するとともに、禁煙治療に保険が適用される医療機関の情報をホームページ上に掲載しております。
 また、区市町村が禁煙を希望する住民に対しまして、医療機関等での禁煙治療の費用を助成する場合に、これを包括補助で支援しております。
 さらに、禁煙教育の一環として、喫煙及び受動喫煙が及ぼす悪影響について正しい知識を普及するためにも、授業でも活用できますよう、小中高校生向けの副教材を作成し、都内の学校に配布しております。
 加えて、令和二年度に、喫煙率の高い三十歳代から四十歳代の男性などに、喫煙による健康影響の理解促進を図りますため、新たに禁煙啓発資材を作成し、区市町村等を通じて両親学級等で配布しております。
 引き続き、区市町村や関係団体と連携し、喫煙率の減少に向けた取組を推進してまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。受動喫煙については、以上で終わります。
 次に、障害者施策について質疑をさせていただきます。
 東京都障害者差別解消条例が制定をされた際に、二〇二〇オリンピック・パラリンピックが開催されることを受け、障害のある方の多くの来訪者もあると予測をされ、施設のバリアフリー化と情報バリアフリー化の取組の推進が示されておりました。
 しかし、新型コロナウイルス感染の影響によりまして、オリンピック・パラリンピックは一年延期をし、コロナ対策が最優先とされ、また、障害のある方の情報保障については、多くの課題が残ったと感じております。
 本日は、聴覚障害者の方の意思疎通についての質問を何点かさせていただきます。
 都は、手話通訳者派遣事業と併せて、聴覚障害者が使用するコミュニケーション手段から、ICT活用に提供できる窓口対応のモデル事業として、ICT遠隔手話通訳等モデル事業を二年行った後、その報告書に基づきながら遠隔手話通訳のサービスをスタートし、昨年はコロナ禍の中ではありますが、陽性者に対するファクスやLINEの遠隔手話通訳の予算化を実施したと思います。
 コロナ禍においては、非接触型の支援も求められており、聴覚障害者が安心してコミュニケーション支援を受けられるよう、対面による手話通訳だけでなく、デジタル機器を活用した遠隔手話通訳も利用できるようにしていく必要があります。
 そこで、デジタルを活用した聴覚障害者コミュニケーション支援事業などのこれまでの都の事業における遠隔手話通訳の利用実績と今後さらに遠隔手話通訳利用を進めるための取組について伺います。

○中川障害者施策推進部長 都は、聴覚障害者の意思疎通を支援するため、庁舎等にタブレット端末を設置し、コールセンターにいる手話通訳者がタブレット端末の画面越しに手話通訳を行う遠隔手話通訳サービスを平成二十八年度からモデル事業として開始いたしました。
 二年間の検証を経て、平成三十年度からは本格実施しており、本格実施後から令和二年十月までの利用実績は、延べ二十八件でございます。
 令和二年十一月からは、この取組を発展させ、本庁や事業所の窓口に来た方が自分のスマートフォンで窓口にあるQRコードを読み取り遠隔手話通訳者を介して窓口職員との意思疎通を行うサービスや自宅から手話通訳者を介して都庁に電話で問合せができる電話代理支援を開始し、令和二年十一月から令和三年十月までの利用実績は、延べ二十九件となっております。
 今後、様々な広報媒体による周知に加え、使い方を分かりやすく示した動画も作成し、利用の促進を図ってまいります。

○桐山委員 今年七月から、新たな公共インフラとして、聞こえない人と聞こえる人をつなぐ電話リレーサービスが開始をされました。
 二十四時間三百六十五日、いつでも利用できる電話リレーサービスが広く活用されるためには、まずは多くの方に知ってもらう必要があります。都民に対して、丁寧に普及啓発をしていくべきです。
 そこで、都は、電話リレーサービスの普及啓発をどのように進めていくのか伺います。

○中川障害者施策推進部長 令和二年十二月に施行された聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律に基づき、本年七月から電話リレーサービスが開始されました。
 電話リレーサービスは、聴覚障害者等の聞こえない方と聞こえる方との会話を通訳オペレーターが手話、文字と音声を通訳することにより、電話で双方向につなぐサービスであり、聴覚障害者等が自立した日常生活や社会生活を送る上で必要な公共インフラでございます。
 都は、この電話リレーサービスが普及するよう、総務省が作成したポスターやチラシを活用し区市町村に広報を依頼するとともに、聴覚障害者関係施設や当事者団体を通じてチラシを配布し、周知を行っております。
 今後、さらに利用が広がるよう、ホームページ、SNSをはじめとした様々な広報媒体や事業者団体で構成する連絡協議会などを通じて広く周知してまいります。

○桐山委員 スマートフォンやタブレット等の普及は、手話言語を使うろう者のコミュニケーション手段に変化があり、電話リレーサービスや遠隔手話通訳のような利用方法にもつながってきました。
 また、新型コロナウイルス感染症の中で、手話通訳者への感染防止のための手段として、この情報通信機器を利用した手話通訳は有効であると考えられております。
 その反面、ろうあ団体からのご意見としては、手話通訳者の不足の打開策として、人が対面で行う手話通訳に代わる手段としたり、役所等に手話通訳者を設置するよりも低コストの手段として広がっていくと、私たちが求めている手話通訳制度の在り方と乖離をしていく懸念があるとも主張をされております。そのことを申し添えておきます。
 さて、東京都障害者差別解消条例に関する取組については、これまでも質疑をさせていただき、進行管理をさせていただいたところです。条例は、情報保障の推進について規定するとともに、手話を一つの言語として位置づけており、意義のあるものと考えています。
 一方、NHKによるオリンピックの開会式の放送に手話の通訳が付されなかったことなどを通し、地方議員で構成される手話議連やNPOギャップバスターなどと記者会見を行ったり、知事への要望活動など、私も立ち会ってまいりました。
 障害のある方が円滑に情報を取得し、意思疎通ができるようになることは、障害のある方だけでなく事業者にとっても必要であることが浸透し切れていないことが分かりました。今後、二〇二〇大会の理念でもある多様性と調和を広く社会に浸透させていくためにも、手話の普及や情報保障の推進が重要だと考えます。
 そこで、障害者差別解消条例に規定をしている言語としての手話の普及や聴覚障害者に対する情報保障の取組の状況について伺います。

○中川障害者施策推進部長 平成三十年に制定した障害者差別解消条例では、共生社会実現のための基本的な施策として、言語としての手話の普及や情報保障の推進を位置づけておりまして、現在、都は、手話奉仕員の養成や派遣などを行う区市町村の取組を支援するとともに、専門性の高い手話通訳者や要約筆記者の養成を図るなど、聴覚障害者の意思疎通支援に取り組んでおります。
 本年六月に改定した東京都障害者・障害児施策推進計画におきましても、多様な情報伝達方法により情報提供を進めるなど、誰もが必要な情報を容易に入手できる環境を整備することとしておりまして、今後とも、情報保障の推進を図ってまいります。

○桐山委員 本年五月、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、通称差別解消法が改正をされまして、事業者による社会的障壁の除去の実施に関わる必要かつ合理的配慮の提供が、従前の努力義務から義務へと改正をされました。
 都は、三十年十月に施行した東京都障害者差別解消条例においては、国に先駆けてこの合理的配慮の提供について、行政機関、民間事業者共に義務としてきたところです。また、広域支援相談員による相談体制を整備することにより、民間事業者からの相談にも対応をしてきました。
 そこで、都が条例で定めた障害者差別に関する相談の具体例や、相談、あっせん実績について伺います。

○中川障害者施策推進部長 都の広域支援相談員への相談件数は、令和二年度が二百七十四件でございまして、具体的な事例としては、聴覚障害者がインターネット銀行に当事者団体の口座開設を申し込んだところ、口座の管理人には電話でのやり取りが可能な方として、聴覚障害のない人を配置するよう求められたとの相談がございました。
 相談員が事業者に連絡を取り、障害者差別解消条例等の趣旨を説明した上で調整を行ったところ、事業者から電話以外での方法で対応をする意思が示され、その後、メールでのやり取りが開始されるなど、対応の改善が図られております。相談員は、建設的な対応を通じて事業者の理解を深め、関係者間の調整を図っております。
 なお、相談員が対応をしても解決が見込めないときに行われる第三者機関によるあっせんは、令和二年度は一件となってございます。

○桐山委員 具体例を挙げていただきましたが、こうして様々な相談に対して、一件ずつ丁寧に対応されていることも分かりました。
 全国的にこの合理的配慮の提供が義務化されるに当たりまして、今回このコロナ禍における新たな日常の中で課題も挙がってきていることを踏まえ、事例を事業者に共有し、さらなる普及啓発というものも求められてくるかと思います。
 そこで、新たな日常における障害者への合理的配慮の提供について、今後どのように事業者の取組を促進していくのか伺います。

○中川障害者施策推進部長 都はこれまで、障害特性や配慮すべき事項をまとめたハンドブックやパンフレットを作成するほか、動画の制作、シンポジウムの開催など、様々な方法で障害者への合理的配慮に関する普及啓発を行ってまいりました。
 一方、新型コロナウイルス感染症の流行により、マスクを着用した状態での聴覚障害者との会話や視覚障害者がソーシャルディスタンスを適切に取るための誘導など、新たな課題についても社会の理解を深めてほしいとの意見が障害当事者の方から寄せられております。
 今後、都は、コロナ禍での新しい日常も踏まえた合理的配慮の提供について、障害当事者や行政、企業等から成る障害者差別解消支援地域協議会において具体的事例を取りまとめ、事業者へ広く普及啓発を図ってまいります。

○桐山委員 ぜひ引き続き、障害者の方々がこのコロナ禍においても、新たな日常において、特に聴覚障害者の方がマスクをつけると口元が見えないとか、事業者とのそういったことでのやり取り、自分たちの要求も含めて、やはりこういった課題があるということで、引き続きこういった事例を取りまとめて、広く普及をしていただくようお願いをしておきます。
 現在、国では、難聴児の早期発見・早期療育推進のための基本方針を定めるため、厚労省と文科省が連携してプロジェクトを立ち上げ、難聴児支援を図るための議論が行われております。
 生まれながらにして聴覚に障害があるお子さんは、出生千人に対して一人から二人とされておりまして、早期に発見し、療育等の適切な支援を受けることにより、コミュニケーション手段の獲得につなげることができます。
 都においては、区市町村が新生児聴覚検査費用の一部を助成し、多くの分娩取扱医療機関がスクリーニング検査を実施しており、検査結果後三か月までの精密検査の実施が望まれており、その間に不安を抱える家族の支援が大変重要です。
 そこで、全ての新生児が都内どこでも少ない自己負担で検査を受けられる新生児聴覚検査体制が整備をされましたが、これまでの経緯と現在の都の取組状況についてお伺いいたします。

○奈良部少子社会対策部長 都では平成二十九年度から、区市町村、東京都医師会と新生児聴覚検査への公費負担制度の導入について検討を開始いたしました。この検討を経まして、令和元年度から都内の医療機関であれば住所地以外でも共通の受診券を利用して一律三千円の公費負担を受けることができる体制を整備いたしました。その結果、検査の受診率は、平成三十年度の九〇・五%から令和元年度は九五・七%に上昇いたしました。
 体制整備後は、新生児聴覚検査連絡協議会を設置いたしまして、区市町村や関係団体と検査の実施状況を共有するとともに、さらなる受診率の向上や検査結果に係る各機関の連絡体制等について協議しております。

○桐山委員 この新生児聴覚検査が受けやすい状況になり、受診率も上がっていることも分かったところです。
 現在、この難聴児の支援の対策ということで、様々な課題を、都道府県にも求められています。ここから先は担当が違うんですけれども、今後は、この新生児聴覚検査連絡協議会の中で挙げられている課題検討も併せまして、難聴児の早期発見、早期療育の推進のための方策に挙げられている新たなる協議会の設置も求められております。
 それは、関係機関による顔の見える連携を構築して、療育の機関と教育機関が日常的な連携、そして、新生児聴覚検査から診断、治療、療育に至る流れ、連携による切れ目のない支援を円滑に行えるように、関係医師や言語聴覚士、保健師やメンターとしての当事者や当事者団体を連携体制に加えるなど、都として、難聴児支援の整備検討をすることが今後必要であります。
 また、難聴児支援の基本的考え方の中では、早期発見の重要性として、難聴は早期に発見をされ適切な支援がなされると、音声言語の発達等への影響を最小限に抑えることができたり、また、手話等、コミュニケーション手段の獲得に円滑につなげることができると示されております。
 乳幼児、幼児教育相談の支援の拡充など、課題整理のために、引き続き提案させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 最後に、放課後デイサービスについて質問をいたします。
 こちらの方も、既に質疑がなされておりますが、私の方からもさせていただきたいと思いますが、これも報酬改定によりまして、事業者が運営に影響するということを受け、陳情が出されていて、また、趣旨採択と委員会でしてきたものだったと思います。その審議の際に、質疑の中にもありましたように、都は調査をするということでした。
 そして、その調査結果を受けて、放課後デイサービスの事業について、都は、今回実施をされました実態調査を踏まえ、今後どのような取組を行っていくのか、改めてお伺いしておきたいと思います。

○中川障害者施策推進部長 都は、本年四月の報酬改定を踏まえ、都内の放課後等デイサービス事業者を対象に、報酬改定による事業運営状況への影響やサービス提供の状況に関する調査を実施いたしました。
 調査では、報酬改定により、利用者一人当たりの報酬が減少と回答した事業所は約七割であることや、サービス提供に関しましては、経験のある職員を配置し多様な活動を実施している事業所がある一方、特定の活動に偏った事業所もあることなどが分かりました。
 今回の調査結果も踏まえ、放課後等デイサービスの質の向上に向けた対策を進めてまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。
 この調査結果を受けて、一人当たりの報酬が減少していると回答した事業者が七割だったということ、そして、ばらつきはあるけれども経験のある職員を配置して多様な活動を行っている事業所もあったということも分かったということ、そして、第三者機関等に入っていただいての審査等もしていないということの実態も中にはあったということで、様々なこの調査結果を踏まえて、今後検討をしていただくかと思うんですが、やはり現在ある放課後デイサービスにつきましては、ばらつきがあるということの認識の中で、ぜひ、今でもこの支援計画を、専門性のある経験者の職員を配置して支援計画をきちっとやっている事業所もあるかと思いますので、そういった事業所がしっかりと報われるような支援をしていただきたいというふうにお願い申し上げて、私の全質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○うすい委員 私の方から、初めに、日常生活用具給付等事業について質問をいたします。
 福祉保健局事業概要の二五八ページに記載のある東京都障害者計画の基本理念Ⅱに、障害者が地域で安心して暮らせる社会の実現とあります。この理念を踏まえて伺いたいと思います。
 排せつ機能に障害のある方にとって、ストーマ装具等の使用は、毎日の生活において必須のものであります。日常生活及び社会生活を安心して送っていくために、これらの用具等を給付または貸与する日常生活用具給付等事業は、地域で暮らす障害者にとって大変重要な役割を担っていると考えます。
 そこで、まずは、日常生活用具給付等事業の目的とともに、その意義についてお伺いいたします。

○中川障害者施策推進部長 障害者総合支援法に基づき、障害者が使用する福祉用具には、失われた身体機能を補完、代替する義手や車椅子などの補装具と排せつ機能に障害がある方が使用をされるストーマ装具や入浴用椅子などの日常生活用具がありまして、補装具は国が定めた品目や基準などに基づき支給され、日常生活用具は区市町村が品目基準額、要件などを定めて支給しております。
 お話の日常生活用具給付等事業は、障害者の日常生活の便宜を図り、その福祉の増進に資することを目的としておりまして、障害者の日常生活上の困難を改善するとともに、自立を支援し、かつ社会参加を促進する役割を担っております。

○うすい委員 答弁いただいたとおり、日常生活用具給付等事業は、国と都と区市町村が予算を計上して、その中で区市町村が要件等を定めて実施をするものでございますけれども、その支給基準額が長期にわたって据え置かれているため、オストメイトの負担が増え、装具等や用品の買い控えにより、装具の適切な交換日数を延ばさざるを得ないというケースもあると聞いております。
 日常生活用具給付等事業の給付品目の一つであるストーマ装具の支給基準額は、平成五年に消化器ストーマは月額八千六百円、また尿路ストーマは一万一千三百円となって以降、二十八年間支給基準額の見直しを行っていない自治体も現実にあるとのことでございます。
 社会情勢の変化に伴い、日常生活用具給付等事業の給付対象となる品目の価格も変動が生じているため、支給基準額についても時代に合わせて見直すべきではないかと思います。都の見解を伺います。

○中川障害者施策推進部長 ストーマ装具は、平成十八年までは補装具として国が基準額を定めておりましたが、平成十八年十月の障害者自立支援法施行時に日常生活用具に位置づけられました。
 このため、支給基準額については区市町村が定めることとなりましたが、国が平成三十年度に実施した全国調査では、一部の区市町村において、平成十八年度以降に支給基準額の見直しがされていない状況が確認されました。
 国は、この調査結果を踏まえ、令和三年三月の全国主管課長会において、日常生活用具給付等事業の適正な実施のため、適切な種目や基準額となるよう、定期的な見直しに努めることを区市町村に求めております。
 都は、本事業が適切に実施されるよう、国が示した留意点などについて、説明会などの場を通じて改めて周知し、区市町村の取組を促進してまいります。

○うすい委員 必要とするサービスが適切に利用ができて、障害のある方が希望する地域で安心して暮らせる社会を実現することは大変重要でございます。
 そのような社会をつくっていく上で、日常生活用具給付等事業はなくてはならない事業でありますし、引き続き、障害者が地域で安心して暮らせるよう、都として、区市町村をしっかり支援をしていただくことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、トイレについて質問します。
 車椅子使用の方やオストメイト対応、おむつ替えシート、ベビーチェアなどを備えるトイレが、いわゆる多目的トイレまたは誰でもトイレといわれてきましたが、その中でも、車椅子使用の方で座位が保てなくベッドに横たわって用を足す等のベッドは大型ベッドといわれておりますが、現在、都内に、その大型ベッドが設置されているトイレはどれぐらいあるのか見解を伺います。

○高橋生活福祉部長 都は、公共施設等の誰でもトイレの設置場所や誰でもトイレ内の大型ベッドなどの情報につきまして、オープンデータとして公表するために把握してございます。
 令和二年度末時点で、公共施設等の誰でもトイレの設置数は八千八基でございまして、そのうち九百七十七基に大型ベッドが設置されております。

○うすい委員 ご答弁いただきましたとおり、今、全体の一割を超えているぐらいのところだと思います。
 この大型ベッドもしかりですが、障害をお持ちの方の社会進出を考えた場合、やはりトイレというのは非常に大事になってきます。特に、車椅子を使用されていて座位を保てない障害をお持ちの方は、例えばトイレに大型ベッドがない場合、トイレの地べたにブルーシートを敷いて用を足す場合もあると、実際に当事者からお聞きをしております。
 しかし、この大型ベッドですが、大人用ベッドといってみたり、また、ユニバーサルシートといってみたり、いろいろと名称が違ういい方があるわけですが、障害をお持ちの方の利便性のために大型ベッドの設置を促進していくためには、名称の統一が必要と考えますが、都の見解を伺います。

○高橋生活福祉部長 大型ベッドなどのトイレの機能につきましては、統一的な名称を用いて、都民の方に分かりやすく情報提供を行うことが重要でございます。
 現在、誰でもトイレに集中した機能を他のトイレに分散した好事例等を集約し、公共トイレの設置管理に関するハンドブックを作成しているところでございます。その中で、大型ベッドを設置した事例につきましても掲載する予定であり、その際に分かりやすい名称を提案し、広く普及を図ることを検討してございます。

○うすい委員 ぜひとも、大型ベッドの名称、分かりやすい名称の普及啓発をお願いしたいと思います。
 障害をお持ちの方の社会参加を実現するためにも、都内においては、率先して設置を進めるべきだと考えております。東京都財務局の令和三年度の都民提案にも、この大型ベッドを公共施設のトイレに設置をしてほしいという提案が出されております。
 設置を進めるためにどのようにすべきか、都の見解を伺います。

○高橋生活福祉部長 都は、福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルにおいて、望ましい整備として、誰でもトイレ内に設置する大型ベッドにつきまして掲載し、区市町村や事業者に周知してございます。
 引き続き、大型ベッドの設置促進に向けた取組を検討し、高齢者、障害者を含めた全ての人が安心して外出できるよう、ユニバーサルデザインのまちづくりを一層推進してまいります。

○うすい委員 前向きな答弁、ありがとうございます。
 障害をお持ちの方も、またそうでない方も、やはり積極的に屋外に出ていくためには、トイレが本当に大切になってくると思います。ぜひとも、大型ベッドの設置促進とともに、必要な人に必要なトイレの整備がさらに進むように、しっかりと取り組んでいただくことを要望しまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業について質問をいたします。
 保育士の数は全国的にも不足をしており、保育士の有効求人倍率は全国で二倍を超えておりまして、東京では五倍を超えているという厚生労働省の発表があります。そうした保育士不足を補うためには、保育士の処遇改善が必要でございます。
 その中でも、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業は大変に効果的であると思うわけですが、この宿舎借り上げ支援事業の概要についてお伺いいたします。

○奈良部少子社会対策部長 都は、保育人材の確保、定着及び離職防止を図るため、平成二十六年度から、職員用の宿舎を借り上げる事業者を支援する国事業につきまして、対象施設や対象職員を独自に拡大して開始いたしました。
 さらに、平成二十八年九月の緊急対策では、国事業で採用五年目までとされていた採用年数の制限を撤廃しております。

○うすい委員 この保育従事職員宿舎借り上げ支援事業は、保育園を運営している現場の方々からも、なかなか保育士さんが集まらない中で、保育士の確保に欠かせない事業であると聞いているわけです。
 どの程度活用されているのか、直近三か年の実績についてお伺いをいたします。

○奈良部少子社会対策部長 直近三か年の実績でございますが、平成三十年度は二十三区二十六市村一万四千八百六十七戸、令和元年度は二十三区二十七市町村一万九千五百一戸、令和二年度は二十三区二十八市町村二万三千二百六十七戸となっておりまして、年々増加しております。

○うすい委員 今ご答弁いただいたとおり、この宿舎借り上げ支援事業というのは、年々実績が上がっていることからも、保育士の確保に非常に有益な事業であると、答弁の数字自体に表れているわけでございます。令和四年度以降も、引き続き事業継続するよう強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、認可保育所の指導検査について質問いたします。
 保育所は、保育を必要とする子供の保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする施設であり、認可保育所への指導検査は、保育所における適正な運営と保育内容等の質を確保するためにも重要だと思います。
 初めに、認可保育所に対する指導検査はどのように実施されているのかお伺いをいたします。

○坂本指導監査部長 都は、認可保育所に対しまして、児童福祉法などに基づきまして指導検査を実施しており、職員の配置状況や消防法等への対応などの運営管理、保育内容、会計経理などの事項につきまして、関係法令に定める基準に適合しているか検査を行っております。
 指導検査では、その施設の規模等に応じまして、三名から五名程度の職員で施設を訪問いたしまして、帳票類や保育の実施状況等の確認、施設長や職員へのヒアリングなどを行い、検査基準を満たしていない事項につきまして指摘し、改善に向け、指導を行っております。
 また、区市町村は、子ども・子育て支援法等に基づきまして、保育の質の確保や給付費の支給の適正化を図るため指導検査を実施しておりまして、必要に応じまして、都と合同で検査を行っております。

○うすい委員 今、指導検査の内容を伺いましたが、指導検査を受ける保育所にとっては、指導検査に必要な書類を大量に事前に準備したり、ヒアリング対応のため長時間拘束されたりするなど負担が大きく、また、検査を実施する区市町村によっては、検査方法もそれぞれ異なると聞いております。
 コロナ禍の中で、区市町村によっては、大人数で指導検査を行い、子供たちが驚いたり、また萎縮させてしまっているようなところもあれば、リモートでヒアリングをするなど、接触を避ける工夫をしているところもあると聞いております。
 そこで、都は、保育所への指導検査において、コロナ禍のこの間、どのように対応してきたのかお伺いをいたします。

○坂本指導監査部長 昨年度及び今年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う措置といたしまして、定例の一般指導検査の実施規模につきましては縮小いたしますとともに、新規開設や職員による不適切な保育の疑いなど、緊急性の高い施設を優先し、実施しております。
 実施に当たりましては、マスクの着用や消毒、検温等の感染予防の徹底、事前に資料の送付を受けて書面確認などによりまして検査時間の短縮や検査員の縮小など、感染状況に応じた対応を行っております。
 また、認可保育所を対象として毎年実施しております指導検査基準や指導事例等を解説する講習会につきましても、これまでは大規模会場で集合形式で実施しておりましたが、今年度は、ホームページに掲載いたしました動画を視聴する形式に変更し、感染拡大防止と受講者の利便性の向上を図っているところでございます。

○うすい委員 答弁をいただきまして、またいろいろと工夫をされていることは理解をしました。都によるコロナ禍におけるこうした工夫は、大変重要であると思います。
 今後の指導検査についても、コロナの感染状況を踏まえ、保育所現場への負担を極力減らした形を考えていくべきだと考えますが、今後の都の取組を伺います。

○坂本指導監査部長 現在、認可保育所をはじめとします社会福祉施設等の指導検査につきまして、デジタル技術を活用した実施手法等の検討を進めており、情報の一元化やユーザー目線に立った使いやすいツール等を活用した指導検査の実現に向けた基本構想につきまして、本年度中に策定することとしております。
 今後、この基本構想を基に、デジタル技術を活用した新たな指導検査手法等を構築いたしまして、検査を実施する都や検査を受ける保育事業者の負担軽減や利便性の向上などを図っていきますとともに、広く区市町村へも情報提供を行ってまいります。

○うすい委員 ありがとうございます。
 指導検査は、子供の安全や教育、保育の質の確保のために、法令等に基づいた基準を定めて、基準に沿って適正な保育や施設の運営がなされているかを確認して、必要な助言指導等を行うため、非常に大切であります。
 ぜひ、コロナ禍のこの間に培った指導検査のやり方を生かしていただいて、都として、指導検査のDX化を進めていただき、施設の負担軽減を図るとともに、区市町村の指導検査の先導役を担っていただくことを要望して、次に移ります。
 次に、保護者が新型コロナウイルスに感染したことにより養育困難となったときの対応について質問をいたします。
 保護者が新型コロナウイルス感染症になり養育が困難となった児童は、どのように対応しているのか。また、その対応件数の合計と感染のピークであった本年七月から九月の各月ごとの実績をお伺いしたいと思います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 保護者が新型コロナウイルス感染症により入院し、家庭での養育が困難となった濃厚接触児童につきましては、保健所と連携しながら、児童相談所が保護者と同じ医療機関に一時保護委託を依頼しております。
 また、同一の医療機関での受入れが困難な場合には、児童相談所が医療機関と調整し、児童の受入れを依頼しております。
 医療機関に一時保護委託した件数は、令和二年三月から令和三年十月末時点で計二百六十八件でございまして、感染が拡大いたしました七月は四十四件、八月は二十四件、九月は二十二件となっております。

○うすい委員 この新型コロナウイルス感染症の第五波の際に、今ご答弁いただきましたけれども、ピークの七月から九月は、感染する人自体が多かったわけですから、こうしたケースも、やはり数は多かったように思います。
 そのために、私の地元の足立区の方ですが、保護者の方がコロナウイルスに感染をしてしまい、三歳のお子さんがいたわけですが、保護者と同じ医療機関で入院できなかったために、非常に不安を抱えての日々を過ごされたという声を聞いております。
 そこで、第六波に備えて、少なくとも幼児は、保護者と同じ医療機関に入院できるように調整をしていくべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、感染が拡大する中、本年五月に、医療機関及び保健所に対しまして、養育困難児童を保護者と同じ医療機関で受け入れていただけるよう依頼を行っております。
 各医療機関には、大変な状況の中、可能な限りご協力いただいたところでございますが、今後の感染拡大に備え、改めて親子での受入れを依頼する予定でございます。
 今後も、児童や保護者の状況を踏まえまして、区市町村とも連携しながら、きめ細かに受入先の調整を行うとともに、児童が保護者と同じ医療機関で入院できなかった場合であっても、保護者が安心して療養に専念できるよう、児童相談所が丁寧に説明を行ってまいります。

○うすい委員 ありがとうございます。
 今は感染状況が落ち着いてはいるものの、またいつ第六波が来るとも限らないわけでございます。しっかりと医療機関の準備を進めていただくとともに、万が一、親子で入院できない事態があったときには、児童相談所等が保護者にしっかりと説明をしていただいて、少しでも安心して療養ができるよう取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、ドクターヘリ導入について質問します。
 都は、我が党の提案を受けまして、ドクターヘリの今年度導入に向けて取組を着々と進めていただいているところだと思います。ドクターヘリは、重大事故や脳疾患など、一分一秒を争う人の命を救うため、初期治療の有用性が認められております。
 そこで、まず、ドクターヘリを活用した救急搬送体制の有用性等について、都の見解を伺います。

○鈴木医療政策担当部長 一刻を争う救急医療の現場で、医師が速やかに傷病者のいる現場に赴き、その場で、あるいは医療機関に搬送するまでの間、患者に対して必要な治療を行うドクターヘリは、重症患者の救命のために効果的であります。
 都は、ドクターヘリに搭載する医療資器材の整備や運航マニュアルの作成、搭乗訓練等を行い、安全性の確保を最優先とした上で、できる限り早期に運用開始できるよう、具体的な取組を進めております。

○うすい委員 今答弁をいただきまして、ドクターヘリは、平時の救急医療体制に有用であるとともに、昨今の度重なる地震や出水期の豪雨や台風など、災害時においても有用であると考えます。
 私の地元の足立区では、来年一月五日に東京女子医科大学附属足立医療センターが開院をしますが、その病院の屋上にはヘリポートが設置をされ、地元においても、地域の災害対応力が高まるものと期待をされております。
 そこで、ヘリコプター活用に向けた現状の取組についてお伺いをいたします。

○鈴木医療政策担当部長 震災等により、幹線道路が寸断されるなど、救急車による救急活動が十分に行えない場合、ヘリコプターの機動力を生かした患者搬送は有効だと考えております。
 都は、大規模災害発生に備えて、九都県市や民間航空会社などと連携し、災害時にヘリコプターを活用して傷病者を迅速に病院に搬送できる体制を確保しております。

○うすい委員 新型コロナ感染症の流行がまだ終わったわけではなく、そうした中でも災害が起こることも想定されるわけで、こうした事態に備えるためにも、救急医療体制の強化は極めて重要であります。
 ドクターヘリ導入の動きを加速化し、令和三年度のできるだけ早い日の運航を目指して全力で取り組んでいただくことを強く求めまして、十分早いですけど、質問を終わります。ありがとうございました。

○おじま委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後八時五十一分休憩

   午後九時九分開議
○おじま委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○藤田委員 新型コロナ感染症対策などの影響で、生きづらさや孤立に苦しむ方が増加しています。
 内閣府の発表によると、今年度四月から九月の間に、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに寄せられた全国の相談件数は、昨年度の同時期より二六・四%も増加し、二万九千四百二十五件でした。これについて、性被害者支援団体などは、コロナ禍で男性の失職者が増える中、家庭などでの性的被害、性暴力、望まない妊娠が増えていると指摘しています。
 また、全国の自殺者では、男性が微減だったのに対して、女性は一五・四%増加、文科省の調査でも、昨年度に自殺した児童生徒のうち、特に女子高生の自殺が二倍近くに増加したことが明らかになりました。
 東京において、こうした命を守る立場で、様々な困難を抱えた女性を対象とした支援を強めていくことが求められています。
 その一つが婦人保護事業です。
 厚生労働省は、二〇一八年に、困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会を設置し、同じ年から若年被害女性等支援モデル事業を開始、都は、同年十月から、この若年被害女性等支援モデル事業を実施しました。
 さらに、今年度から本格実施となり、予算も三倍になったことで、委託を受ける民間支援団体も、三団体から四団体に増えました。
 都は、この若年被害女性等支援事業の重要性について、どう認識していますか。また、事業では連携会議が行われていますが、この会議の意義についても伺います。

○奈良部少子社会対策部長 虐待や貧困などで家庭に居場所がないなど、様々な困難を抱える若年女性等を支援することは重要であり、都は、民間団体と連携し、SNSを活用した相談や夜間の見回り等のアウトリーチ支援、一時的な居場所の提供などを行っております。
 また、行政機関、民間団体等で構成する関係機関連携会議を設置いたしまして、若年被害女性等に対する支援の内容に関する協議や公的機関などへのつなぎ方の事例検討を行うなど、情報共有を図っております。

○藤田委員 事業の重要性については答えられなかったのですが、様々な困難を抱える若年女性等を支援することは重要ということです。
 モデル事業を始めたときの事業者を公募した際の都のホームページには、こう書いてあります。東京都では、これまで様々な困難を抱えながらも公的支援につながりにくかった若年女性等が性被害、性暴力等に遭うことを未然に防止し、自立支援を行うために適切な公的支援につなげる仕組みを構築することを目的として事業を実施します。
 つまり、この事業は、公的支援につながりにくい若年女性等をつなぐための事業であり、その橋渡しがいかにうまくいくかが事業の意義であるということです。しかし、せっかくこうした橋渡しの事業ができたにもかかわらず、民間支援団体からは、支援が必要な女性たちに支援が届かないという声を多く伺ってきました。
 一番の課題は、一時保護につながらない、そのために、その後の婦人保護施設などにもつながらないという問題です。安全な居場所を提供しながら伴走型の支援を行っていくには、婦人保護施設に入所することが有力な方法です。
 婦人保護施設では、栄養士の考えた栄養のある食事と健康的な生活を送る支援を行っています。それまで困難な状況の中で何とか生き延びてきた方の傷を癒やし、生活ができるようになることを支援していく施設です。しかし、婦人保護施設を利用するには、一時保護所が支援の入り口になっています。
 都の婦人相談所における一時保護の目的は何ですか。また、女性相談センターの一時保護件数について、五年間の実績を伺います。

○奈良部少子社会対策部長 一時保護は、ドメスティックバイオレンス等の暴力被害による緊急の保護または自立のための支援が必要な女性を対象に、本人の希望及び福祉事務所長の依頼に基づき行っております。
 女性相談センターの一時保護件数の過去五年の実績は、平成二十八年度は八百三十九件、平成二十九年度は七百三十一件、平成三十年度は六百四十八件、令和元年度は六百七十一件、令和二年度は六百二十四件となっております。

○藤田委員 一時保護の対象には、自立のための支援が必要な女性も含まれていて、本人の希望でも、一時保護が行われるということです。
 一方、実績を伺いますと、この五年間で徐々に一時保護の件数が減っていて、二五%減少しています。これは全国でも同様の傾向があり、二〇一四年から急激に減っているのですが、なぜなのか確認したいと思います。
 厚生労働省が二〇一七年に、婦人保護事業等における支援実態等に関する研究調査を行っていて、この中で、支援につながらなかったケースについても聞いています。
 調査で、婦人相談員が一時保護が必要だと判断したにもかかわらず一時保護につながらなかったのは、どのようなケースが多く、その理由はどういったものでしたかという、そういった質問です。ケースごとに、その理由についても教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 一時保護につながらないケースの属性は、若年女性が最も多く、次いで同伴児のいる女性となっております。
 その理由といたしましては、いずれも約九割が本人の同意が得られなかったためでございます。
 ただ報告書では、ケースごとの理由の内訳は示されておりませんが、全体として、仕事や学校を休みたくない、携帯やスマホが使えない、外出が自由にできないなどとなっております。

○藤田委員 一時保護につながらなかったケースで多いのは若年女性で、一時保護につながらなかった理由は本人の同意が得られなかったためということなのですが、本人の問題だということではありません。問題なのは、なぜ同意が得られなかったのかというところです。
 一時保護所は、DV被害から逃れるためのシェルターの役割もあるため、外出や携帯電話の使用が制限されています。しかし、もともと本人に責任はないのです。
 同意を得られない理由について、仕事や学校を休みたくない、携帯やスマホが使えない、外出が自由にできないなどが多いことについて、お茶の水女子大学の戒能民江名誉教授は、一時保護によって、これまでの生活や仕事、通学を断念しなければならないことへの利用者からの異議申立てだと考えられる、なぜ被害者が逃げなければ支援を受けることができないのか、それこそ理不尽だという思いが込められていると述べられています。そのため、できるだけ制限を少なくする方法を考えなければなりません。
 一方、被害を受けた若年女性が、直接一時保護委託ができる施設に保護を求めた場合でも、必ず女性相談センターの一時保護を通ることになっています。
 支援団体からは、数年にわたって、支援が必要な女性を直接婦人保護施設につなげたい、婦人保護施設の一時保護委託をして、そのまま入所にしてほしいというご意見を伺っています。
 東京都の若年被害女性等支援事業の連携会議では、団体の意見の中に、中長期的な支援が必要な子供を婦人保護施設に直接つなげられない、一時保護を通さないといけないというものがあります。
 この意見はいつから都に寄せられていて、都は、この意見をどのように受け止めていますか。

○奈良部少子社会対策部長 様々な困難を抱える女性を適切に支援につなげるためには、女性の状況を丁寧に把握する必要がございます。
 そのため、東京都女性相談センターの一時保護所におきましては、医師や心理職など複数の専門職を配置して、インテークや心理面接を行うほか、保護所の職員が行動観察を行うなど、きめ細かく女性の状況を把握し、施設入所や自立支援など、個々の状況に応じた適切な支援につなげております。
 こうしたことを踏まえまして、一時保護委託先から婦人保護施設への直接入所につきましては、今後の支援に向けた女性の状況把握をどのように行うかなど、慎重な検討が必要であると考えております。

○藤田委員 一時保護所での情報収集と専門家の面接を行って、個々の状況に応じた支援につなげているということですが、その一時保護所の入所が条件のハードルが高いために利用につながりづらく、必要な支援との橋渡しができなくなってしまっては本末転倒であると思います。
 厚生労働省は、一時保護委託された方について、婦人保護施設に入所するかどうか判断するに当たり、利用者を一時保護所に入所させる措置を取っている自治体があると指摘して、必要に応じて、直接婦人保護施設への入所に移行するなど、柔軟な対応を促す旨の通知を二〇一九年六月に出しています。
 都も積極的に対応すべきではありませんか。

○奈良部少子社会対策部長 先ほどご答弁いたしましたとおり、一時保護委託先から婦人保護施設への直接入所につきましては、慎重な検討が必要であると考えております。
 今後の支援に向けた女性の状況把握をどのように行うか、また、婦人保護施設が直接入所を受けるに当たり、どのような対応や体制を取る必要があるのかなどの課題がございまして、現在、女性相談センターにおいて検討を進めております。

○藤田委員 慎重な検討が必要としながらも、検討を進めているということです。
 確認なんですけれども、そもそも、この検討の方向性としては、直接入所ができるように検討しているということでよろしいでしょうか。教えてください。

○奈良部少子社会対策部長 繰り返しになりますが、今後の支援に向けた女性の状況把握をどのように行うか等、現在、女性相談センターにおいて検討を進めているところでございます。

○藤田委員 厚生労働省の通知は、国が設置した検討会での議論が基になっていて、その検討会には、都の女性相談センターの所長も入っています。したがって、できるかどうかの検討ではなくて、どうしたら婦人保護施設を直接利用できるか、そういう観点で検討していただきたいと思います。
 また、通知では、医師、看護師、心理判定員等を婦人相談所から一時保護委託先に派遣して判定を行い、入所を決定することもできるとしておりますので、こうした柔軟な対応を強く求めたいと思います。
 さらに、様々な困難を抱える女性への支援により、現場の婦人相談員の対応も多岐にわたっていますので、スキルアップのための研修や処遇改善についても進めるように要望いたします。
 また、そもそもDV被害者とそうでない方の一時保護を同じ施設で受け入れているということ自体が、支援につながりにくくなる要因となっています。一時保護所の受入れを支援の必要な方の立場に立って柔軟に対応していただくためにも、一時保護所を分けることも含めて検討していただくよう要望いたします。
 若年女性、とりわけハイティーンの女の子たちが被害に遭うことなく生活していけるようになるまでは、長期間の伴走型支援が必要です。
 そのための施設として自立援助ホームが有効なのですが、東京都は、自立援助ホームを増やす必要性についてどう認識していますか。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 自立援助ホームでは、児童の社会的自立を目的として、児童養護施設の対象児童等に対しまして、職員と児童が共同生活を営みながら、日常生活の援助や就労支援等を行っております。本年十一月一日現在、都内には十九か所のホームがあり、児童の入居定員は百三十一名となっております。
 事業者等から開設の相談があった場合には、東京都自立援助ホーム設置・運営基準への適合を確認するとともに、開設を予定しております地域のニーズや職員確保の見込みなど、事業計画を確認した上で、必要な助言を行い、届出を受理しております。

○藤田委員 増やす必要性については述べられませんでしたが、そもそもこの制度は届出制度ですので、今の答弁どおり、事業計画が確認されれば届けを受理するという、そういう制度です。
 一方、民間団体の方から、自立援助ホームを増やしたいといっても、東京都からは増やすつもりはないといわれた、入所率に余裕があるので、造れないといわれたとお聞きしました。
 都は、二〇一八年四月から二〇一九年十一月末までの自立援助ホームの入居状況について調査を行っております。この調査では、都の児童相談所が自立援助ホームに入居を打診した百二十件のうち、八十九件は実際に入居できたものの、二十八件、全体の約二三%は入居できていなかったことが分かりました。
 さらに、入居できなかったケースのうち十一件、約四割がホーム側の理由で入居できずにいて、空きがないという回答も七件ありました。
 都は、この調査結果をどう受け止めていますか。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 本調査におきまして、自立援助ホームに空きがないなどの理由で入居できなかったケースにつきましては、児童相談所が他の施設への入所や親族との同居を調整するなど、個々の状況に応じて必要な支援を行っております。

○藤田委員 個々の状況に応じて支援ということですが、そもそも児童相談所が自立援助ホームの入居が適切という判断で打診してきたのですから、自立援助ホーム以外での対応になったということが最善の対応だったとはいえません。
 自立援助ホームに打診したケースがしっかり入居できるようにするためにも、自立援助ホームを増やしていく必要性を認めて、事業所からの新設、増設の相談も前向きに受けていただくよう要望いたします。
 また、届出制度であり、事業計画を確認して受理するとのことですので、実質的に造れなくするようなことがないよう求めておきます。
 次に、コロナ対策について伺います。
 現在、都内で新規陽性者の七日間平均は二十一人と少ない状態が続いています。しかし、新型コロナ感染症は、感染していても無症状のまま経過することがあるという特徴がありますので、感染が落ち着いている今こそ、無症状者への戦略的な検査を大規模に行い、無症状感染者を早期に発見、保護し、第六波を起こさせない対策が重要となっています。
 二十代の新規陽性者が多いことから、この間、都は、大学へのモニタリング検査とワクチン接種を進めてきました。
 都として、大学で行ったPCR検査とワクチン接種の実績について伺います。

○河野新型コロナウイルス戦略的検査推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 都は、本年三月に開始いたしましたモニタリング検査の中で、国と連携して行っているものも含めまして、都内大学六十七法人において、約十万八千件の検査を実施しております。
 また、青山学院大学、一橋大学及び東京都立大学の三大学と連携いたしまして、都内大学の学生及び教職員等に対しまして、約十八万回のワクチン接種を実施しております。

○藤田委員 全体の新規陽性者が減少すると無症状者への検査も減少する傾向にありますので、モニタリング検査に協力してくれる集団、地域などを増やして、感染拡大の端緒を把握する仕組みとしていただきたいと思います。
 感染拡大したとしても、疫学調査や無症状者への検査が減ることがないよう仕組みづくりを行って、ワクチン接種と並行して大規模な検査が実施していけるよう体制強化をすることを求めておきます。
 感染拡大が起きたとしても、医療崩壊を起こさない医療提供体制の整備を進める上では、第五波の教訓を踏まえることが重要です。政府は、コロナ確保病床について、利用率を八割以上とするよう求めています。
 都はこの間、医療機関に対して、確保してもらったコロナ病床の稼働率を上げる上で課題となることや稼働率が八割未満と五割以下の医療機関に対して、その理由と課題について調査しています。
 医療機関からはどのような実態が出され、都はどのように対応するのですか。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、令和三年八月の感染ピーク時に病床利用率が八割未満であった医療機関に対して、今後、ピーク時の病床利用率が八割を超えるための課題や対応策等について、また、五割以下の医療機関に対して、ピーク時の病床利用率が五割以下だった理由等を現在調査しているところでございます。
 この調査結果を踏まえ、適切に対応してまいります。

○藤田委員 厚生労働省は十月一日に、今夏の感染拡大を踏まえた今後の新型コロナウイルス感染症に対応する保健・医療提供体制の整備についてという事務連絡を都道府県に行っています。
 ここには、入院受入れ医療機関等においては、正当な理由がなく入院受入れ要請を断ることができないこととされていることを踏まえ、医療機関において万が一適切に患者を受け入れなかった場合には、病床確保料の返還や申請中の補助金の執行停止を含めた対応を行うこととされています。しかし、実際には、入院受入れが困難な実態があったということは、東京都が行った調査でも把握されていると伺っています。
 私がお話を伺った都内の中小病院では、もともと軽症から中等症までとして五床のコロナ病床を確保していました。今年六月、受入れ依頼が増加したため、最高で八名の患者を受け入れて、重症化したら転院する、そういう対応を取ってまいりました。全国で重症者が増加すると転院先の確保が難しくなり、その病院で対応せざるを得ない事態となりました。しかし、その医療機関で対応できる病状には限りがあり、重症者は本来対応できない、そういった状況で、それ以降、重症化リスクのある患者の受入れは、安全上の理由から断るようにしたということでした。そのため、お話を伺った八月十日には、確保した五床のうち三床が空いている状態になっていました。事情は違っても、やむを得ず受け入れられなかった医療機関は多かったのではないかと思います。
 また、ある公社病院では、中等症までのコロナ病床を百床確保していました。しかし、都内で重症者が急増すると病状が悪化して重症となった患者の受入先がなく、その病院で人工呼吸器を装着、中等症までの病床ですが、最高で六名の重症者の治療に当たらざるを得なくなりました。病状の重たい患者の対応に多くの医療従事者が必要となり、人手不足によって、百床のうち半分の病床は患者の受入れができない事態となりました。
 都は、こうした医療機関の実態をどう受け止めていますか。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 新型コロナの入院患者を受け入れている医療機関では、例えば重症者の受入れにより、多くの人員を配置することから、受入れ人数に制限が生じるケースがあることは承知しております。

○藤田委員 受入れ人数には制限が生じることがあることは承知しているということです。
 しかし、国の通知は、入院を断った場合、何が正当な理由なのか一切示されておりません。ウイルスや感染拡大の状況によっては、お話しした状況とはまた違った理由が生じることもあるので、こうした対応は慎重にすべきと考えます。
 都は、各医療機関で聞き取った調査結果を踏まえて対応を検討ということですが、調査結果で、様々な正当な理由で受入れ困難になっている実態については、国にも示していただくことを要望いたします。
 この間、感染が大きく拡大すると病床確保のために一般医療の制限が行われてきました。一方、コロナ病床の確保のためには、一定の病床を休床、お休みしながら対応してきました。
 第五波の空床確保料などの交付が決定していないので、参考として第三波の休床について伺います。第三波の時期である十二月二十四日のモニタリング会議において、都内では三千五百床の病床を確保していることが示されました。一月七日には四千床、一月二十八日では四千七百床と確保病床を増やして対応していました。
 この期間、コロナ病床を確保するために、都内では何床の病床を休床していましたか。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 コロナ病床の確保に当たりましては、コロナ病床への看護師の配置のほか、感染管理のためのゾーニングのために休止する病床もございます。
 令和三年一月における、新型コロナ患者を受け入れるために休止とした病床数は、一日平均約二千九百床でございます。

○藤田委員 一月の休止病床は、都内全体で一日平均で二千九百床ということでした。
 こうした対応が必要なのは、新型コロナ感染症医療には通常医療よりも時間も手間も大幅にかかり、平時の急性期病床の配置基準では人手が足りないからです。
 一方、政府は、第六波に向けてさらなる病床確保を都道府県に求めていますが、確保病床を増やすためには、これまで以上に休止病床も増えることになり、一般医療の制限も大きくなります。コロナ以外の医療も継続できるような備えが求められます。
 政府は、自宅、宿泊療養者が最大で約二十三万人となることを推計し、これに対応できる体制を都道府県に求めています。しかし、この間も、既に自宅、宿泊療養者の対応について、コロナ陽性者を受け入れていない医療機関でも行って、減収補填もなく、最低限の人員で医療活動を維持してきました。
 一方、重症化しても入院できない方が相次ぎ、八月だけで百十二人の方が必要な医療を受けることなく命を落とされました。第五波では、重症者が急増したために、マンパワーが不足したことによって重症者の受入れを断る事態が相次ぎました。
 こうした感染拡大に対応するには、現在の医師や看護師では人数が不足していることは明らかです。都の認識を伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、病床の確保を進めるとともに、医療機関の役割分担の明確化を図り、症状に応じた患者の受入れ体制を確保してまいりました。
 また、新型コロナ感染症からの回復後も引き続き入院が必要な方の転院を受け入れる回復期支援病院の確保も進めてまいりました。
 臨時の医療施設等の整備も進め、特に酸素・医療提供ステーションでは、外来診療や入院待機者の診療等の機能を強化するなど、多機能化を進めることとしております。
 さらに、こうした臨時の医療施設等の人材確保につなげるため、今般、東京都医療人材登録データベースを設置いたしました。
 今後とも、様々な取組を組み合わせ、限られた医療資源を有効に活用し、新型コロナ患者が必要な医療につながるように取り組んでまいります。

○藤田委員 限られた資源を有効に活用ということですが、そもそも人員も含めた今の医療資源では足りなかったから、重症者が急増した第五波で、救えるはずの命を救うことができなくなったのです。第五波のようなパンデミックの中でも命が守られる体制としていくには、現在の人員を増やすことが必要です。
 厚生労働省は、医師の時間外労働について、年間千八百六十時間までを認める方針としました。駒込病院の感染症科の医師は、昨年五月の時間外労働が三百二十七時間となりました。感染症科以外の医師についても、外科や麻酔科などで恒常的に月八十時間以上の時間外労働を行っています。医師の不足は明らかです。
 医師の増員について、抜本的に医学部定員を増やすことを国に求めるよう要望いたします。また、こうした体制の根拠となっている診療報酬の在り方そのものについても、平時からパンデミックに備えることができる体制へと引き上げるよう、国に求めるよう要望いたします。
 看護師についても大幅に増員する必要があります。二〇二五年に向けた東京都の看護職員の確保について伺います。
 地域医療構想実現に向けた二〇二五年の東京都看護職員需給推計では、ワーク・ライフ・バランスの充実も加味した需要十八万一千百四十七人から十九万四千五百四十四人に対して、供給は十六万三百十二人となっており、二万八百三十五人から三万四千二百三十二人の看護職員不足を予測しています。
 都は、ライフイベントに応じ、多様な職場でキャリアを継続することができるよう看護職員を支援するとしています。
 そこで伺いますが、都内の四年課程の看護大学と都立以外の三年課程の看護師養成校及び都立看護専門学校では、それぞれ都内の医療機関などへの就職率はどのようになっていますか。

○小竹医療改革推進担当部長 都内の看護師等学校養成所を令和三年三月に卒業した者のうち、都内の医療機関等に保健師、助産師を含む看護職員として就業した者の割合は、都立看護専門学校では九二・七%、都立看護専門学校を除く三年課程の看護師養成所では六九・八%、大学では六六・二%となっております。

○藤田委員 都立看護専門学校の就職率が最も高く、九二・七%ということです。
 経済的な面からも就職率の面からも、都立看護専門学校を増やすことが都内の看護師を増やすことに大変有効だと思います。ぜひとも、都立看学の増設によって都内の看護師確保を進めていただくよう要望いたします。
 定着支援もますます重要となっています。昨年は、コロナによって臨床実習が不足する学生が多く、就職後のコミュニケーション能力や医療現場への適応にも時間がかかるという話を伺いました。
 さらに、今年度は、長期間に及ぶ緊急事態宣言によって、昨年以上に臨床実習は少ない状況となっていて、来年度、医療機関に就職する看護師への教育には、現場の負担が大きくなることが予想されています。
 東京都は、新人看護職員研修事業費補助金を行っていますが、この目的は何ですか。また、この制度で行っている新人看護職員研修事業には、研修経費として新人看護職員等が一人の場合は四十四万円とか、教育担当者経費として新人看護職員等が五人以上の場合五人ごとに二十一万五千円とする基準額が設けられていますが、この基準額の設定根拠を伺います。

○小竹医療改革推進担当部長 新人看護職員研修事業費補助金は、新人の保健師、助産師、看護師及び准看護師が、基本的な臨床実践能力を獲得するために、都内の病院等が実施する研修に要する費用を補助することにより、新人看護職員研修体制の整備を促進し、看護の質の向上及び早期離職防止を図ることを目的としております。
 本事業の補助基準額は、国が定めた補助基準額と同額としております。

○藤田委員 基準額は、国制度の横引きということです。また、補助金の目的は、新人看護職員研修体制の整備を促進し、看護の質の向上及び早期離職防止を図るということであるということで重要です。
 しかし、新人看護師の状況から見れば、以前に比べ時間をかけて研修しなければならない状況にあります。また、密を避けるなどの感染拡大防止に努めたとき、一度に多くの新人看護職員への研修は実施できないことから、何回かに分けて講義や演習を行うことも増えています。当然、人件費や研修時間といった経費も増大しています。
 ある中小病院では、四月に十二人から十四人の新人看護職員を配置して、その中で、研修体制には約二百万の経費がかかるといっていました。しかし、この補助金でもらえるお金は五十三万円ということで、多く持ち出しながら新人の研修を行っています。
 こうした現場の状況を踏まえて、新人の看護の質の向上と早期離職防止に資する研修が実施できるよう、経費が賄えるような補助金としていただくことを要望いたします。
 抜本的な医師、看護師の増員は、直近の感染拡大には間に合いませんので、第六波を起こさせない、大きな波にしない対策を強化するよう重ねて求めまして、最後に、ヤングケアラーへの支援について伺います。
 今年三月、都議会では、全会派で一致してこども基本条例を制定しました。
 厚生労働省は、来年度の予算概算要求の中で、ヤングケアラーへの支援について、二〇二二年度から三年間を集中的期間として社会的認知度の向上、地方自治体による実態調査や研修、先進的な取組に対する支援、当事者団体や支援団体のネットワークづくりを支援するとしています。今後、三年間の取組を進める上での方向性について確認したいと思います。
 東京都は今年七月、ヤングケアラーの実態に関する国調査、都分集計を行いましたが、ヤングケアラーの実態について、都はどう認識していますか。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 ヤングケアラーは、本人や家族に自覚がないなどの理由から、支援が必要であっても表面化しにくいといわれております。
 国が中高生を対象に実施いたしました調査では、中学二年生の五・七%、高校二年生の四・一%が、世話をしている家族がいると回答しております。
 また、地域の関係機関で構成いたします区市町村の要保護児童対策地域協議会を対象に行いました国の調査におけます都分の集計では、九割以上の協議会がヤングケアラーの概念を認識しているが、そのうち半数以上が実態を把握していないと回答しておりまして、関係機関への理解促進が重要と考えております。

○藤田委員 本人も家族も、ヤングケアラーということの自覚がないなど、表面化しにくいといわれている、だから理解促進が必要ということです。
 これは私自身も本当に実感しています。私が十年ほど前に訪問看護を行っていた乳がん末期の方は、日常的には、息子に頭を洗ってもらったり体を拭いてもらったりしていました。母子家庭で義理の母も同居していましたが、重度の難聴で、意思疎通は高校二年生の息子が中心となって行っていました。私は、末期がんの患者さんと難聴の義理の母の様子はよく観察していましたが、息子については健康だし特段問題視していませんでした。しかし、ヤングケアラーという状態が、子供たちの大切な時間や成長の機会、学ぶ環境を制限することになるなど学ぶ中で、当時の息子にどういった視点で関わればよかったのか考えさせられました。
 ヤングケアラーの周囲にはいろいろな関係者がいると思いますが、関係者の一人一人がヤングケアラーの存在に気づくことや支援を必要としている子供であるという認識を深めておくことがとても大切だと感じています。
 そこで、ヤングケアラーへの連携した支援を進める上でも、ヤングケアラーという問題について、自治体、教育、福祉などのヤングケアラーを支える関係者と子供が、ヤングケアラーについて深く認識することが重要と考えますが、いかがですか。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、子供・子育て施策推進本部の下に、福祉、教育など関係各局で構成いたしますヤングケアラーに関する連絡会を六月に立ち上げております。
 連絡会では、ヤングケアラーを早期に発見して適切な支援につなぐことができるよう、関係機関等の理解促進に向けた方策を検討しております。

○藤田委員 例えば、ケアマネジャーや相談支援専門員がアセスメントをする際に子供も支援する対象として捉えることや、学校の先生が、子供が家族のケアで授業に支障を来していることに気づくためには、これらの専門職の方々がヤングケアラーの視点を持って仕事ができるように、研修などの取組を進めることが重要です。ヤングケアラーを早期に発見できるためにも、理解促進に努めていただきたいと思います。
 また、適切な支援につながることも大切ですが、その支援には、子供は権利の主体であるという理念の下に進めていただきたいと思います。
 東京都こども基本条例には、子供の生きる権利、育つ権利、守られる権利及び参加する権利をはじめとした子供の権利を尊重し、擁護するための施策を推進すると明記され、子供の学ぶ権利を尊重した支援を東京都に求めています。
 こうした条例の理念にのっとり、ヤングケアラー支援に取り組むことが重要と考えますが、都の認識を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 東京都こども基本条例では、全ての子供が今と将来への希望を持って伸び伸びと健やかに育っていけるよう、社会全体で子供を育む環境を整備していることとしております。
 児童が、親や兄弟など同居の家族の世話や家事を理由に、子供らしい暮らしができずにつらい思いをしたり、進路や夢を諦めることがないよう、子供の権利擁護の視点から、福祉や教育分野などの関係機関と連携しながら、ヤングケアラー支援に取り組むことが必要と考えております。

○藤田委員 ぜひ、子供の最善の利益を保障する立場で取組を進めていただくよう要望いたします。
 こども基本条例の改定に当たっては、今後、子供の意見を聞いていこうという文言も盛り込まれています。
 ヤングケアラーについての調査を進める上でも、支援を検討する上でも、子供の意見を聞きながら進めることが重要と考えますが、いかがですか。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 七月に開催いたしました連絡会では、元ヤングケアラーの方から、ご自身の体験を踏まえたお話を伺いました。
 また、ヤングケアラーへの支援を盛り込みました第二期東京都地域福祉支援計画案につきまして、今月からパブリックコメントを実施しており、子育てに関する情報を提供しておりますとうきょう子育てスイッチのツイッターなどでも周知をしております。
 これらに加え、国が行いました中高生対象の調査におけます悩み事や困り事などの回答も踏まえながら、ヤングケアラーへの支援を検討してまいります。

○藤田委員 ぜひ、東京都として今の時代を生きる子供たちの声を聞いて、子供たちの目線に立った支援を追求していただきたいと思います。
 私の友人は、三人兄弟のうち友人以外の二人が神経難病で、母も難病になり、幼い頃から家族のケアや家事を担って生活していました。父は家を出てしまい、二人の兄弟は皆二十代で亡くなり、母も亡くなりました。
 その友人は、なぜこんな生活なのか、どうしたらこの状況が変えられたのか、当時は全く考えられなかった、周囲から聞かれても、これが当たり前だと思っていた、今になり、自分が何で能動的に動けなかったんだろうと自分を責めるように話していました。
 時系列をよく覚えていたので、私がなぜそんなに詳しく覚えているのかと聞いたところ、みんな忘れられなかった、自分が忘れたら、家族が生きていたことを誰も証明できなくなると思ったと話していました。
 もちろん自己責任ではありません。子供の頃、その年齢には重た過ぎる負担を背負った経験は、その人の将来にも大きな傷として残ることがあるのだと感じています。ケアを担っているそのときだけでなく、ケアラーとして生きてきた、その人自身が自分の頑張りを認められるような理解の広がりが重要だと思います。
 精神疾患の親をもつ子どもの会こどもぴあの坂本拓代表は、家族会や自助グループの必要性について、耳を傾け受け入れてくれると思える場だからこそ、安心・安全な場となり、語り合いができる、今まで受け入れてもらえないだろう、分かってもらえないだろうと発信することを諦めてしまっていたのは、そういった受け止めをしてくれる大人との出会いがなかった、経験ができなかったということも社会の問題ではないかと投げかけられています。
 ケアが必要な家族がいるとき、家族の責任にするのではなく、家族丸ごとケアの対象とする必要があります。また、子供自身も、相談していいんだと思えるよう、子供自身がヤングケアラーについても学んでいく機会があることも大切だと思います。
 自己責任でなく、社会的連帯で支え合う社会をつくっていくことを強く求めて、私からの質問を終わります。

○小松委員 私からも、初めに、自殺対策について伺いたいと思います。
 既に何名かの委員からご質問ありましたが、初めに、東京都における自殺総合対策計画の概要、そしてその進行管理について伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、総合的、効果的な自殺対策を推進するため、福祉、医療、経済、教育等の関係機関や民間団体、有識者から成る自殺総合対策東京会議の議論を経て、平成三十年六月に東京都自殺総合対策計画を策定いたしました。
 本計画では、人口十万人当たりの自殺者数である自殺死亡率について、二〇一五年の一七・四から二〇二六年までに一二・二以下に、自殺者数について、二〇一五年の二千二百九十人から二〇二六年までに千六百人以下とすることを目標に設定し、広域的な普及啓発、若年層対策の推進、職場における自殺対策の推進などの六項目を重点施策として掲げ、区市町村や関係団体と連携し、自殺対策を推進しております。
 また、計画に掲げる目標の評価、検証等を行うため、東京会議に計画評価・策定部会を設けまして、定期的に自殺者数等の推移を報告いたしますとともに、目標達成に向けた観点から、今後の取組についてのご意見をいただいております。

○小松委員 昨年、令和二年は、コロナの影響によって子供や若者の自殺が増えたなどの報道がありました。また、今日も、女性が増えた、中でも女子高生が多かったなど、先ほども別の委員からもご指摘もありました。
 対象によって自殺防止のアプローチの方法とかメッセージの投げかけ方というのは違うんだと思うんですが、都内における自殺者数の増加の特徴を踏まえて、都ではどのような対策を講じているのか伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 コロナ禍におきまして、若年層の自殺者数が前年と比較して増加したことを踏まえまして、都では対策の強化を図っております。
 具体的には、本年七月から、若年層の相談ニーズに合わせ、SNS自殺相談の相談時間の延長等を行っております。
 また、これまで小学五年生、中学一年生、高校一年生に配布してまいりました自殺予防に関するポケットメモの配布対象を、本年度は小学校五年生から高校三年生までの全学年に拡大いたしますとともに、夏休み前に学校を通じて配布いたしました。
 さらに、これまで九月と三月の自殺対策強化月間の自殺防止等強化キャンペーンの一環として実施しておりましたインターネットの検索連動広告を用いまして、悩みを抱える方を相談窓口等の情報に誘導する取組を本年八月からは通年で実施しております。

○小松委員 事前にいただいた都の資料を読みますと、令和二年の男性自殺者のうち、自殺未遂歴がある方というのが一三・二%で百八十四名、また、女性の自殺者のうち、自殺未遂歴がある方は二七・五%で二百二十二名となっておりました。
 自殺未遂者が再び行動を取ることを防ぐことなどを含めて、都はどのような自殺未遂者の対策を行っているのか伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 自殺未遂者は再企図を行う可能性が高く、自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐための取組が重要でありますことから、都は、自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐことを東京都自殺総合対策計画の重点施策の一つに位置づけ、対策を推進しております。
 具体的には、救急医療機関等から連絡を受けた自殺未遂者を、ご本人の状況やニーズを確認した上で保健所や医療機関等と調整し、地域の必要な支援につなぐ取組として、自殺未遂者対応地域連携支援事業を実施しております。
 また、自殺未遂者への精神的ケアや支援を効果的に行いますため、医療機関や地域保健関係機関等の従事者を対象とした研修を実施しております。

○小松委員 全ての自殺者の方の自殺の行為を未然に防ぐということは容易ではないと思いますが、少なくとも未遂者の方の状況を見ますと、こうした方々の再発状況を鑑みますと効果的なアプローチの方法をより研究することで、自殺者を抑制する有効な手だてになるのではないかなと期待するところでございます。
 実際問題、伺ったところによると、毎年、自傷行為というか、そういった形で消防や警察にそれぞれ五千件ずつぐらい、年間で件数があるというふうにも伺っておりますので、ぜひ、もう既にこころといのちのサポートネットなどの取組をされていると伺っておりますけれども、より充実をしていただけるように頑張っていただきたいというふうに思います。
 また、これ、高いスキルや経験も必要だというふうにも伺っておりますし、まさにそうだろうなというふうに思いますので、充実させていくのも一朝一夕にいかなくて、大変時間のかかるものだというふうに思いますので、ぜひ腰を据えて取り組んでいただきたいということを要望したいと思います。
 一方で、自殺者のうち、特に働き盛りの、いわゆる現役世代の方の自殺者数が占める割合というのが依然高く、深刻な状況であります。私も四十代になって、まさに中年ということでありまして、同世代から先輩世代が、まさに最も多いんだなということを改めて感じたところでございます。
 こうしたことを踏まえて、都はどのような対策を行っているのか伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、職場全体で自殺対策に取り組む必要性等について、企業の管理職、人事労務担当者、健康管理者等を対象とした企業向け自殺対策講演会を実施しております。
 また、相談行動を起こしづらいとされる男性が相談につながりますよう、インターネットを活用した検索連動広告を実施しております。
 さらに、令和二年度からは、心のセルフケアの手法や生活を支えるための情報を掲載したリーフレットを作成し、ハローワークや区市町村等を通じて配布しております。

○小松委員 この世代というのはこれからまた、ますますですね、団塊ジュニアがこれから五十代に入ってくるわけでありまして、中高年男性の社会的孤立の問題というのは以前から大分指摘されていますけれども、就職氷河期の世代でもあったりして、安定的な雇用がない、また家庭を持ち得ていない独身男性も、非常にこれから急増するというふうにいわれています。
 そうした方々が、非常に自殺率も高いというのが実情だということでございますので、この問題をさらにもう一段、取組を進めていただくことを要望しまして、次の質問に移りたいと思います。
 打って変わって、次は、災害時の非常用電源、通信整備について、二点確認をさせていただきたいと思います。
 病院において、停電への備えというのは、患者の生命にも直結することのある大変重要な取組であります。病院は、関係法令において、基本的には非常用電源の設置が義務づけられていますが、災害時や大規模停電時などには長時間の停電も想定されます。
 こうした不測の事態に備えた電力確保の取組について伺います。

○鈴木医療政策担当部長 都は、長時間の停電時においても医療機能を継続できるよう、都内全ての病院に対し、近隣のガソリンスタンド等と連携した燃料の補充等について、事業継続計画、BCPに規定することを働きかけております。
 また、東京都石油業協同組合や石油連盟との間で燃料の優先供給協定を締結し、病院が停電により非常用発電機用の燃料が必要となった場合にも供給できる体制を確保しております。

○小松委員 災害時の通信環境の確保も大変重要です。災害時には、病院の被災状況等の情報を把握、共有し、迅速に医療救護活動につなげていく必要もあります。先日、私が所属する地元の消防団で無線を活用した訓練を実施したんですけれども、電波状況が悪い場所があるなど、実際にうまく活用できない場面がありました。
 そこで、病院との通信連絡体制の確保や災害発生時の通信、情報共有について、都の取組を伺いたいと思います。

○鈴木医療政策担当部長 都は、災害時に医療機関の情報を共有する広域災害救急医療情報システム、EMISを都内全病院に配備するとともに、衛星電話、防災行政無線など、通信手段を多重化いたしまして、災害時における通信環境の確保に努めております。
 また、災害時の実効性のある情報連絡体制を担保するため、病院、保健所、区市町村、東京消防庁等と連携しながら、EMISや防災行政無線等を活用した情報連絡訓練を実施しております。

○小松委員 今、通信手段を多重化というご答弁ありました。災害時は、いつのときも想定外があるものでありまして、万全の準備に合わせて様々なバックアップをしていただきたいということを求めておきたいと思います。
 続きまして、がん検診の受診率の向上についても伺いたいと思います。
 東京都のがん検診の受診率を先日資料でいただきました。上昇傾向にあるので安心できる部分もあります。実際には、職域をはじめ様々な検診ルートが充実してきたこともその要因だと思うんですが、一方で、区市町村別で見させていただくと、自治体ごとにかなりの差が生じているのも分かりました。
 区市町村のがん検診の受診率向上に向けた取組に対する都の支援について伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、がん検診の受診率向上に向け、啓発イベントやホームページ等を通じて検診の重要性を都民に周知いたしますとともに、検診の実施主体である区市町村に対しまして、受診しやすい環境整備や個別勧奨、再勧奨等の取組を包括補助で支援しております。
 また、毎年、区市町村の受診率等を把握いたしますため、精度管理評価事業を実施しており、その結果に基づいて、都が区市町村を直接訪問して受診率向上等の取組状況を把握し、必要な助言を行いますとともに、区市町村の担当者向けに実施しております説明会において、受診率向上に向けた取組事例を紹介しております。
 引き続き、受診率向上に向けた区市町村の取組を支援してまいります。

○小松委員 コロナ禍であったため、昨年は、実際には検診を控えられた方も多かったように思うんですが、現状、区市町村間でかなり差があります。
 今、成田部長の方から、取組を支援されているということでありますが、改善の傾向がどのように推移しているのかなども、ぜひ、また資料でいただいて、ご指導いただきたいなというふうに思うんですが、特に、やっぱり様々な検診の分野で低いような自治体に対しては、重点的な改善の努力を一緒に働きかけるなどのめり張りをつけた取組についての支援も、ぜひご検討いただきたいと思います。
 あわせて、各様々な職域においても、がん検診の努力をされているところもあります。また、職業によっては、がんになりやすいようなご職業も当然あるわけでございますので、そうしたところの手厚い目配せや支援についても、ご検討を深めていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 続きまして、心身障害者の医療費助成制度について少し伺いたいと思うんですが、この制度の趣旨や考え方及び制度の開始から現在までの対象者の障害種別と等級についての変遷を伺いたいと思います。

○池上地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 心身障害者医療費助成制度は、昭和四十九年に、国の社会保障制度が不十分だったこと、また在宅サービスが不足していたことから、それを補完する趣旨をもって開始されたものでございます。
 本制度は、心身障害者の保健の向上と福祉の増進を図ることを目的に、重度障害者の医療費の一部を助成する福祉施策として実施しております。
 制度発足時の対象者は、身体障害者手帳一級、二級、愛の手帳一度、二度でありましたが、昭和五十二年には、身体障害者手帳の内部障害三級を対象に追加いたしました。
 平成三十一年一月からは、趣旨を同じくする所得税の特別障害者控除との整合性や医療に係る経済的負担が特に大きいことを踏まえ、精神障害者保健福祉手帳一級にも対象を拡大いたしました。

○小松委員 東京都に対して、この医療費助成の対象の拡大といった声も上がっていますが、他の道府県における心身障害者に対する医療費助成制度について、対象者の障害の程度はどのようになっているのか伺います。

○池上地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 令和三年四月一日時点で、身体障害者につきましては全都道府県において対象としており、障害の程度につきましては、身体障害者手帳の一級、二級のみを対象としているのが二十六自治体、一級、二級に加え、内部障害三級を対象としているのは東京都を含めて七自治体、身体障害者手帳三級まで対象としているのが十四自治体でございます。
 知的障害者につきましても全都道府県で対象としておりまして、重度のみを対象としているのが東京都を含めて十七自治体でありますが、重度以外につきましては、身体障害者手帳の所持を対象要件としている自治体がございます。
 身体障害者手帳を所持している場合に、知的障害の中度まで対象としているのが二十自治体、軽度まで対象としているのが一自治体、身体障害者手帳を所持していない場合でも、中度まで対象としているのは九自治体であり、軽度までを対象としている自治体はございません。
 精神障害者につきましては、精神障害者保健福祉手帳一級のみを対象としているのが東京都を含めて二十五自治体、二級も対象としているのが八自治体であり、十四自治体は精神障害者を対象としておりません。

○小松委員 ただいまのご答弁で、この制度の対象者の程度も、各自治体によっていろいろと差があることが確認されました。
 令和元年六月に、心身障害者医療費助成制度の対象を愛の手帳三度、四度まで拡大することを求める請願が提出された際、愛の手帳三度、四度のほか、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳にも対象を拡大した場合の影響額などを東京都の方でも推計をされたと伺っているんですが、その増加額について確認したいと思います。

○池上地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 お話の推計は、平成三十年度の事業実績と平成二十九年度末時点の各手帳の所持者数を基に、令和元年八月に参考数値として作成したものでございます。
 平成三十年度における医療費助成額は約百四十七億円、受給者数は約十万四千人で、一人当たり年間助成額は約十四万一千円でございました。
 この一人当たり年間助成額に、単純に平成二十九年度末時点の内部障害三級以外の身体障害者手帳三級、四級、愛の手帳三度、四度、精神障害者保健福祉手帳二級、三級の所持者数を乗じますと、増加額は約四百七十九億円となります。
 なお、この増加額は、単純に手帳所持者の総数を基にしておりまして、所得制限等の理由で本制度の対象にならない方の人数も含んでいるものでございます。

○小松委員 様々、今のご説明の中で、現行の制度というのは重度障害者が対象であって、医療費が高額となる方の支援制度であるために、対象を拡大しても同じ金額がかかるわけではないということではありますが、それにしても多大な経費がかかるということが確認されました。
 しかし、障害者の中には、医療費を抜きでも厳しい生活を余儀なくされている方、また、そういうご家族も多いわけであります。親亡き後の問題にもつながってくるものだと思います。
 障害者年金をはじめとする社会保障の制度や自立支援、また障害者就労、それにつながる特別支援教育など、今後のこうした助成制度の在り方について、これをきっかけに、都政における障害者支援を網羅的に検討を深めていくことを共にしていきたいということを求めておきたいと思います。
 それでは、最後のテーマです。
 日常生活用具給付等事業の目的、また意義並びに課題については、先ほど、うすい議員からも的確なご指摘がありました。私からも少し、最後のテーマとして触れさせていただきたいと思います。
 私たち自民党は、障害者児が就労をはじめ積極的に社会参加ができることこそが、共生社会の前提条件だと思っています。こうした考えから、都立特別支援学校に通う児童生徒に対して、一人一台のデジタル端末の配備を強く求め、現在、その準備が進められています。
 その一方で、在宅の場における障害児の学習補助器具については、これまで日常生活用具給付等事業によって支えられてきたわけですが、デジタル化の流れの中で、学習面や生活面において、デジタル機器の活用はどんどん進められていくべきであると考えます。
 そこでまず、この日常生活用具給付等事業は、そもそもどのような用具を支給されているのか確認します。

○中川障害者施策推進部長 日常生活用具給付等事業は、障害者の日常生活の便宜を図り、その福祉の増進に資することを目的としておりまして、障害者の日常生活上の困難を改善するとともに、自立を支援し、かつ社会参加を促進する役割を担っております。
 支給する用具の種目は、介護・訓練支援用具、自立生活支援用具、在宅療養等支援用具、情報・意思疎通支援用具、排せつ管理支援用具、居宅生活動作補助用具の六種類でございます。

○小松委員 私が本年の予算特別委員会の締めくくり総括質疑でも指摘をさせていただきましたように、障害児の学習補助器具については、技術の進展によって、新たなデジタル機器が次々と市場に出ています。しかし、現在の日常生活用具給付等事業において、技術革新を踏まえたデジタル機器の取組というのは遅々として進んでいないということが実情です。
 子供たちを誰一人取り残すことなく、その学びの環境整備をしていかなくてはならないのはいうまでもありません。学校だけではなく、家庭や寄宿舎など場所を選ばずに利用できるようにしていくべきというふうに考えます。技術の進展と新たな機器の開発に合わせ、日常生活用具給付等事業も、その動きをキャッチアップしていくべきではないかというふうに思います。
 さて、日常生活用具給付等事業として、区市町村がデジタル機器関係をどのような品目を支給対象にしているのか確認をしたことがありますでしょうか。
 日常生活用具給付等事業の支給対象品目は時代に全く追いついていないというふうに私は考えています。その点について、東京都の認識を伺います。

○中川障害者施策推進部長 日常生活用具は、区市町村が品目、基準額、要件などを定めて支給しており、日常生活における学習補助のためのデジタル機器としては、眼鏡型視覚支援装置や多機能型点字ディスプレーなどを情報・意思疎通支援用具に位置づけている自治体もございます。
 国は、令和三年三月の全国主管課長会におきまして、日常生活用具給付等事業の適正な実施のため、適切な種目や基準額等となるよう定期的な見直しに努めることを区市町村に求めております。
 都といたしましても、障害者の日常生活上の困難を改善し、学習や社会参加を促進するために、ニーズに即した用具の給付は重要であると考えております。

○小松委員 東京都の見解としても、ニーズに即した用具の給付は重要だということが確認できました。
 例えば、これは特別支援学校のPTAさんたちとのやり取りの中でよく出てくるんですけど、同じ学校に通っても、居住地の区市町村によって対象範囲が違う、また、相談しても、相談された方がその用具についてよく知らない、この書類の中の対象品目にありませんから対応できませんと、そうした冷たい対応をされるわけであります。
 実際に自分たちで購入しようとすると、中には三十万円、四十万円とする大変高額なものを同級生は持っているけど我が子には渡せないというような実情もあったりするわけであります。
 そもそも障害児を育てていく家庭は、その多くが共働きすることが極めて困難な状況にあるわけでありまして、そうしたことを区市町村の財源と財政力に頼ることなく、東京都の方でも、どのようなことをすればそうした問題が少しでも解消できるのかということを、改めてデジタル社会を迎えた中で共に考えていきたいなというふうに思っています。
 最後の質問ですが、日常生活用具給付等事業の支給品目が区市町村によって異なっている理由の一つは、先ほど財政のこともいいましたけど、加えて、デジタル機器に関する区市町村の情報量にも差があるというふうにも思っています。東京都の認識を伺います。

○中川障害者施策推進部長 日常生活用具給付等事業は、区市町村が地域の実情に応じて給付の対象となる品目、基準額、要件などを定めて実施しているため、支給品目は区市町村によって異なっております。
 技術の進歩に伴い、障害者が活用できるデジタル機器の開発は進んでおりますが、新しい機器の情報を区市町村が得る機会は十分とはいえないと考えております。
 都は、利用者のニーズを踏まえ、より効果的な給付が行われるよう、今後、デジタル機器の導入事例について取りまとめ、区市町村に情報提供してまいります。

○小松委員 今、中川部長からは、区市町村に情報提供というふうなお話をいただきました。
 総務課長時代から何十回もこの話をやり取りされているので、またかというふうに思っているかもしれませんが、そうした形で導入事例について取りまとめていただいて、まずは情報量のところで、理解をしっかりと深めていただきたいというふうに思います。
 最後に、障害児とその家族が身近な地域で安心して生活していくためには、子供の成長段階、また、障害特性に応じたきめ細かな支援を行う必要があると思います。そうしたことによって、就労、そして社会参加につながるんだと信じています。
 利用者のニーズに応じたデジタル機器をはじめとした品目についても、区市町村が必要な給付を的確に行えるよう、都として区市町村をしっかりと支援していただきたいと思います。それこそが、我々東京都が目指しているデジタル社会や共生社会の前提になるんじゃないかなと思います。続きは、代表質問や予算委員会で取り上げたいと思います。
 以上です。

○かまた委員 さきの第三回定例会の代表質問でも述べさせていただきましたけれども、都議会公明党が今回の任期四年間で、第二子の保育料無償化、また高齢者の肺炎球菌ワクチンの無償化など、総力を挙げて取り組む八つの取組がありますが、都知事からも、今後とも建設的な議論を積み重ねながら、人が輝く東京を創り上げていきたいとのご答弁をいただきましたので、早速ここで質問させていただきます。
 まず、これまで都が独自に取り組んでこられた多子世帯の保育料負担軽減事業について伺いたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 国は平成二十八年度に、年収約三百六十万円未満相当の全ての多子世帯の保育料につきまして、第二子は半額、第三子以降は無償といたしました。
 年収がそれを上回る世帯につきましては、小学校就学前の子供が二人以上いる場合のみ負担軽減の対象としており、収入や子供の年齢により、多子世帯であっても対象外となる場合がございます。
 このため、都は、国制度の対象とならない世帯も含め、全ての多子世帯を支援するため、収入や子供の年齢にかかわらず、第二子の保育料は半額、第三子以降の保育料は無償とする独自の事業を令和元年十月から実施しております。

○かまた委員 都は、我が党の求めに応じまして、多子世帯の負担軽減を進めてくださったことを高く評価させていただきます。
 しかしながら、昨年度公表されました東京都の出生率ですけれども、一・一三ということで、全国で最も低い状態であります。またさらに、共働きの家庭が増えている中、第二子の保育料無償化は、首都東京で子供を育み、育てたいという方々の望みに応える、また安心を届ける大事な一助となると考えます。
 そこで、今後、都は、多子世帯支援として、第二子の保育料を無償化することを検討していただきたいと考えますが、その場合の積算額、対象人数の規模等につきまして、どの程度であるのか見解を求めたいと思います。

○奈良部少子社会対策部長 現在把握しております実績等に基づき機械的に試算すると、認可保育所や認証保育所等を利用する第二子の保育料を無償化する場合の対象人数は約五万二千人、追加で必要となる経費は約百八十九億円となります。

○かまた委員 今はコロナ対策とか、また経済の立て直しなど、課題が山積みであるかと思います。ただ、子育て支援は少子化対策にもつながる最重要な課題だと思いますので、ぜひ第二子の無料化に向けても実施ができるよう、財政当局とも含めて、建設的な議論を積み重ねてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、高齢者肺炎球菌ワクチン予防接種についてお尋ねをいたします。
 肺炎は、日本人の亡くなる原因の第五位であり、人口動態統計によりますと、肺炎で亡くなる方の九八%を六十五歳以上の方が占めております。
 そこで、東京都にお住まいの高齢者の方々の健康を守るため、都議会公明党は、これまでに何度も肺炎球菌ワクチンの補助実施について要望させていただきました。
 そこで、高齢者肺炎球菌ワクチン定期接種補助事業の現在の状況と今後の取組について伺います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、高齢者肺炎球菌ワクチンの接種率向上のため、区市町村を通じて、定期予防接種に係る自己負担額の一部を軽減する取組を本年十月より実施しております。
 現時点で、都内六十二自治体中、五十九自治体から交付申請を受けており、残りの三自治体においては、自治体独自の事業により、自己負担額の軽減が図られてございます。
 今後は、より多くの対象者が本事業を利用できるよう、区市町村に対し、積極的な情報発信を呼びかけてまいります。

○かまた委員 定期予防接種に係る自己負担額の一部を軽減、この十月から始めてくださり、本当にありがとうございます。
 しかしながら、今ご答弁にもありましたように、一番大切なことは、接種率を上げていくことで高齢者の方々の命を守ることにあります。今後は、接種率向上に向けて、各区市町村と連携を図りながら、効果的な対策をぜひ講じていただきたいと考えます。
 また、併せてワクチン接種を進める上で大きな要因は、接種に係る費用であると考えます。そこで、今後は、高齢者肺炎球菌ワクチンの無償化に向けた都の補助の拡充をぜひやっていただきたいと強く要望させていただき、次の質問に移らせていただきます。
 続きまして、災害時における動物愛護管理対応マニュアルについてお伺いをいたします。
 一般社団法人ペットフード協会が毎年行っている調査結果では、生活に癒やし、安らぎが欲しかったという理由でペットを飼うことにしたという方が年々増えております。今やペットは家族であり、欠かせない存在であると感じている方々が増加をしております。
 そのような中、令和元年の台風十九号の際に、ペットが一緒に避難所に避難ができない状況があったことから、ペットの同行避難を願う都民の声が多く届き、我が党は、令和二年予算特別委員会において、風水害の場合においても動物との同行避難が可能となるよう、マニュアル作成を求めました。
 それに対し、都は、災害時における動物愛護管理対応マニュアルを改定し、区市町村に周知をするとしましたけれども、その活用状況について伺いたいと思います。

○藤井健康安全部長 都は、災害時に区市町村が動物との同行避難の受入れに際し的確な行動が取れるよう、災害時における動物愛護管理対応マニュアルに、動物の飼養場所を設定する場合の留意点や住民への周知方法などを具体的に盛り込み、令和二年三月に全区市町村に送付するとともに、ホームページに掲載いたしました。
 また、同年九月、区市町村の動物行政の担当者会議におきまして、本マニュアルの活用を促し、個別の相談に応じるなど、区市町村の地域防災計画の改定を丁寧に支援しております。
 今後とも、本マニュアルをさらに周知いたしまして、災害時の同行避難の受入れ体制整備を働きかけてまいります。

○かまた委員 ありがとうございます。
 今はウイズコロナの時代ということで、避難所が体制を整えなければならない事柄、また配慮しなければならないこと、多く増えているかと思いますけれども、ぜひ、引き続き、本マニュアルにのっとった同行避難の受入れ体制整備をお願いしたいと思います。
 また、本年三月に改正をされました東京都動物愛護管理推進計画に基づき、施策推進の中核となる東京都動物愛護相談センターの機能強化についても、現在取り組まれているかと思いますけれども、ぜひ都民に開かれた施設となるよう、引き続きご検討をよろしくお願いいたします。
 それでは、最後に、私の方からも、ひきこもりの方への支援について、皆様と共に課題を進めていくという決意を込めて質問をさせていただきたいと思います。
 ひきこもりの状態の方の長期化や高齢化に対応するため、ひきこもりの方への支援については、令和元年度に福祉保健局の所管となり、学識経験者や当事者団体、そして家族会などで構成されるひきこもりに係る支援協議会を立ち上げ、当事者の状況に応じた切れ目のない支援の在り方について検討を重ねてこられました。
 そして、令和二年度に中間の取りまとめを行い、さらに本年八月には、ひきこもりに係る支援の充実に向けての提言が取りまとめられたところでございます。提言の内容につきましては、当事者団体や家族会の意見を踏まえて取りまとめられており、大変私は高く評価をさせていただいております。
 また、ひきこもりの状態にある方やそのご家族の方々は、このコロナ禍、様々な影響を受けていることと思いますが、まず、相談事業である東京都ひきこもりサポートネットの令和三年度の相談実績を伺います。

○高橋生活福祉部長 東京都ひきこもりサポートネットでは、ひきこもりの状態にあるご本人やご家族の方からの相談窓口として、電話やメール、家庭への訪問相談を実施いたしまして、適切な支援につないでおります。
 令和三年度の十月までの相談実績は、電話相談が九百九十六件、メール相談が二百十二件、訪問相談の新規申込件数は七件となってございます。

○かまた委員 電話相談、メール相談、また訪問相談を合わせて千二百十五件ということで、この千二百十五人の方々とまたご家族が適切な支援につながれたということは、本当に大きな成果だと考えます。
 また、都は、訪問相談の対象をこれまでの義務教育修了後の十五歳から三十四歳までだったところを、令和元年度から三十五歳以上の方々への支援まで対象を引き上げたと聞いておりますが、訪問相談の対象年齢の引上げをするに当たり、体制整備と実績についてどのようにしたのか伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 ひきこもりサポートネットでは、これまでの相談員に加えまして、令和元年度から、高年齢層への対応といたしまして、社会福祉士及びファイナンシャルプランナーを相談員として新たに配置しております。
 令和元年度以降の訪問相談の三十五歳以上の新規申込件数は、対象年齢を引き上げた令和元年度は総数四十九件のうち十二件、令和二年度はコロナ禍において十八件のうち六件、令和三年度は十月までに七件のうち三件の計二十一件となってございます。
 引き続き、区市町村や関係機関と連携して、年齢を問わず、当事者やご家族に寄り添う支援を実施してまいります。

○かまた委員 年齢層の違いにより抱えている課題も異なるため、相談員の中に社会福祉士、またファイナンシャルプランナーも配置してくださるということで、本当にすばらしい対応を進めてくださっていると思います。
 また、これまでに訪問相談を受けた三十五歳以上の二十一人の方々は、支援の道筋に乗ることができ、ぜひ今後は、まだ相談につながっていない中、困っている方々にも支援の手がしっかりと届くよう、本相談事業についても、まずは私自身がしっかりと広く伝えていきたいと考えております。
 そして、今後の展望でありますけれども、ひきこもりに係る支援を充実させていくためには、一人一人の思いや考えを理解することであり、また、一人一人の違いを受容する社会を構築することであるというのが、私自身がこれまで多くの子供たち、そして保護者の方々と関わってくる中で得た実感であります。
 そこで、ひきこもりの要因となる事柄を広く把握し、ひきこもりの状態の方々が社会生活を進める上でどんな状況に困難を感じ、生きづらさを感じているのかを教えていただき、その困難さや生きづらさを軽くするための支援策を進めていくことに努めることこそ重要だと考えております。
 そこで、サポートネットで新規の訪問相談を申し込まれた三十五歳以上の方々は、どのような方々なのか伺いたいと思います。

○高橋生活福祉部長 訪問相談の三十五歳以上の新規申込件数である二十一件の年代は、三十代が八件、四十代が八件、五十代が四件、六十代が一件、また、ひきこもり期間は、十年未満が十件、十年以上が十一件となってございます。この方々のひきこもりの状態となったきっかけは、職場の人間関係、離職、不登校など、多岐にわたってございます。
 ひきこもりサポートネットでは、個々の方の状況に応じて訪問相談を実施いたしまして、適切な関係機関につないでおります。

○かまた委員 ひきこもりの期間も、またそのきっかけも本当に様々であるということ、また、個々の状況に応じて、皆さんが工夫しながら訪問相談を進めてくださっていることが分かりました。
 ひきこもりに係る支援の充実に向けての提言の中にも、当事者のニーズ把握とか多様な社会参加の場の充実など、個々の状況に応じた対応についてしっかりと明記をされておりますが、この提言を踏まえて、さらに当事者やご家族に寄り添った支援の充実が必要であると考えますが、局長に見解を伺わせていただきます。

○中村福祉保健局長 都では、年齢によらない切れ目のないきめ細かな支援に向けまして、ひきこもりに係る支援協議会を設置し、当事者、家族の状況に応じた支援の在り方についてご提言をいただいております。
 そこの中では、ひきこもりの現状と課題を踏まえました支援に当たっての三つの視点、また、目指すべき七つの取組の方向性と、こういったものをいただいております。
 また、ここの中では、ひきこもりが特別なものではなく誰にでも起こること、あるいは、当事者や家族を地域から孤立させないこと、一人一人の状態や状況に応じたきめ細かな支援など、非常に重要なご指摘をいただいているものと受け止めております。
 この提言を踏まえまして、都では、身近な地域での支援体制の充実に向けまして、都と区市町村によるひきこもりに係る支援推進会議を設置しまして、区市町村の取組を支援しているところでございます。
 引き続き、当事者やご家族に寄り添った支援の充実に向けて、区市町村や関係機関等とも連携いたしまして、ひきこもりへの理解の促進や情報発信、あるいは身近な地域での相談体制の充実など、提言を踏まえた支援を推進してまいります。

○かまた委員 今の局長のご答弁で、さらに当事者やご家族に寄り添ったひきこもり支援の充実に取り組んでいただくこと、また、身近な地域での支援体制充実に向けて、都と区市町村によるひきこもりに係る支援推進会議を設置してくださることが分かりました。
 ひきこもり支援につきましては、あらゆる専門家、そして全ての関係者が協力し合うことが何より必要であることから、支援推進会議が効果的に機能することが課題解決の大きな糸口になります。
 私自身もこの事業をしっかり後押しさせていただき、一人でも多くの方々が自分らしく輝きながら社会生活を送れるよう、しっかり尽力をしてまいりますので、ぜひ、引き続きご対応をよろしくお願いいたします。
 以上で私の質問を終わります。

○小宮委員 介護人材の確保に関して、東京都としても、これまで独自に、職場の体験ですとか資格取得支援、また一部ですけれども、宿舎借り上げ支援なども独自に行って、そういった人材確保策を講じてきていただいておりますが、同時に、国に対しても、大都市東京にふさわしい報酬というものを求めてきているところです。
 今年の四月、三年に一度の介護報酬改定が行われましたが、それに対する東京都の認識を伺います。

○山口高齢社会対策部長 介護報酬の改定は、賃金や物価の状況、介護事業経営実態調査における各サービスの経営状況等を踏まえ、国の社会保障審議会の審議、答申に基づき、原則として三年ごとに行われるものでございます。
 本年四月の改定では、感染症や災害への対応力強化を図るとともに、団塊の世代が全て七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、地域包括ケアシステムの推進や介護人材の確保、介護現場の革新などを図るものとされ、改定率〇・七〇%の増額改定となっております。
 また、お話のとおり、都は国に対し、介護事業経営実態調査等のさらなる精緻化を進め、人件費割合や物件費、土地建物の取得費等の実態の把握と分析を適切に行った上で、東京の実情に見合った介護報酬とするよう提案要求しております。

○小宮委員 介護報酬は〇・七〇%増えたということですけれども、それによって人件費もアップしたといえるのか伺います。

○山口高齢社会対策部長 今後、国において、介護事業経営実態調査や介護従事者処遇状況等調査に基づき、報酬改定の効果検証が行われることとされており、その中で、今回の報酬改定に伴う人件費の動向についても把握されるものと認識しております。
 また、都としても、独自に次期の高齢者保健福祉計画策定に向けた取組の中で、人件費を含め、事業者の運営状況等について調査を予定しております。

○小宮委員 介護職員の処遇改善を目的として、国は、平成二十四年に介護職員処遇改善加算というのを創設して、一人当たり月額三万七千円相当の改善が行われまして、また、令和元年には、さらに介護職員等特定処遇改善加算というものが創設されまして、月額八万円相当の処遇改善にもつながっているということです。
 現在、都内の事業者のうち、これらの取得状況がどうなっているのか確認をしたいのと、この特定処遇改善加算を取得していない事業所というのはどれぐらいあるのか確認します。

○山口高齢社会対策部長 令和三年十月一日現在、都内の介護サービス事業所、施設で介護職員処遇改善加算を取得している割合は九一・八%、介護職員等特定処遇改善加算を取得している割合は六九・八%となっております。
 また、特定処遇改善加算を取得していない事業所、施設数は三千五百二か所でございます。

○小宮委員 介護職員等特定処遇改善加算を取得すると大きな処遇改善につながるわけですけれども、これを取得していない事業所にはどのような傾向と課題があるのか伺います。

○山口高齢社会対策部長 介護職員等特定処遇改善加算は、勤続十年以上のリーダー級の介護職員について、月額平均八万円相当の処遇改善を行うことにより、他産業と遜色ない賃金水準を実現することを目的としておりまして、同加算を取得するためには、ベースとなる介護職員処遇改善加算の五段階ある区分のうちの区分一から区分三までのいずれかを取得し、かつ職場環境等の改善に関する複数の取組を行うなどの要件を満たした上で、経験、技能のある介護職員を中心に、傾斜をつけて賃金を支給する必要がございます。
 サービス種類別で同加算の取得状況を見ますと、訪問介護や通所介護など、比較的小規模の事業所で取得が進んでいない傾向がございます。
 また、同加算を取得しない主な理由について、令和二年度の国の介護従事者処遇状況等調査によりますと、職種間や介護職員間の賃金のバランスが取れなくなることや賃金改善の仕組みをどのように定めたらよいか分からないこと、計画書、実績報告書の作成等の事務作業が煩雑であることなどが挙げられております。

○小宮委員 特定処遇改善加算を未取得の事業所への支援が必要であると考えますけれども、東京都の取組を伺います。

○山口高齢社会対策部長 都は、令和二年度から介護職員処遇改善加算等取得促進支援事業を実施し、加算の取得要件等を分かりやすく解説した動画の配信や電話相談窓口の設置、社会保険労務士の訪問による助言などを行い、処遇改善加算の新規取得や上位の区分への変更、また特定処遇改善加算の新規取得を支援しております。
 さらに、処遇改善加算及び特定処遇改善加算に関する専用の窓口を設け、専門の職員を八名配置して、加算の計画書や実績報告書の受付、審査を行っており、書類の作成方法や加算取得の要件などの問合せに対しましても、きめ細かく対応しております。

○小宮委員 介護サービスを支える人材の有効求人倍率は七倍を超えておりまして、二〇二五年、団塊の世代が全て後期高齢者になるその年には、その人材が二十二万人必要とされているという中で、現在は十八万人程度でありますから、あと四年間で四万人確保していく必要があります。
 この五年間を振り返ると、その増加は二万人に満たないという現実がある中で、東京都として、さらなる人材確保に努めていただくよう要望します。
 あと一個です。子供のことで、放課後の子供の居場所の確保についてなんですけれども、第三回定例会において、学童クラブの待機児童が発生しているということを指摘させていただいております。
 私の地元の杉並区では、民間団体が多様な工夫によりまして、学童クラブや子供たちの居場所づくりの活動を熱心に行っています。現行の都の補助制度が使えたら、もっと人材の確保も質の充実もできるのにという声も伺っています。
 東京都は、区市町村それぞれの現状を把握して、地域の実情に応じた居場所づくりの取組を支援していくことが重要であると考えますが、都の見解を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都では、区市町村の学童クラブ待機児童対策の現状を把握するため、本年四月から六月にかけまして、待機児童が多い十五自治体に対し、取組内容についてヒアリングを行いました。
 ヒアリングでは、現行の補助要件が画一的であるため、地域資源を活用した取組に補助を利用することが難しいなどの意見があり、区市町村の実情を踏まえた、よりきめ細かな対応が求められております。
 一方、放課後の居場所として放課後子供教室が終了した後の教室を利用するなど、学童クラブ以外の既存の資源を活用した様々な取組も行われておりまして、こうした地域の実情に合わせた多様な取組について事例集を作成し、区市町村に紹介をいたしました。
 都は、区市町村が早期に学童クラブにおけます待機児童対策の取組を進めることができるよう、引き続き支援してまいります。

○おじま委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十時五十二分散会

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