厚生委員会速記録第十二号

令和三年十月十一日(月曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長おじま紘平君
副委員長伊藤こういち君
副委員長小松 大祐君
理事上田 令子君
理事やまだ加奈子君
理事桐山ひとみ君
また悦子君
関口健太郎君
うすい浩一君
浜中のりかた君
藤田りょうこ君
菅原 直志君
小宮あんり君
白石たみお君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長吉村 憲彦君
総務部長高野 克己君
病院経営本部本部長西山 智之君
経営企画部長谷田  治君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第百五十八号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出 厚生委員会所管分
・第百五十九号議案 令和三年度東京都病院会計補正予算(第三号)
・第百九十一号議案 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについて
・第百九十二号議案 地方独立行政法人東京都立病院機構定款について
・議員提出議案第十八号 東京都児童育成手当に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○おじま委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百五十八号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出、厚生委員会所管分、第百五十九号議案、第百九十一号議案、第百九十二号議案及び議員提出議案第十八号を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○藤田委員 日本共産党都議団です。
 今定例会の最大の争点となっている地方独立行政法人東京都立病院機構定款について討論を行います。
 これは、全ての都立病院、公社病院を独立行政法人化するための議案であり、反対です。独法化の目的が、都の財政負担の支出の削減であることは、都立病院経営委員会の委員長の発言からも明らかです。そのため、経営効率優先の運営が求められ、行政的医療は後退します。
 独法化した健康長寿医療センターでは、独法化後に百六十一床の病床が削減され、ベッドのゆとりがなくされた一方で、患者負担の重い差額ベッド代が大幅に増やされました。独法化された東大病院には、差額ベッド料が一日最高二十三万円の超高級特別病室がつくられました。宮城県の独法病院では、独法化後の人手不足により、循環器・呼吸器病センターが廃止、さらにほかの病院も、今、統廃合の方針が出されています。
 経営を重視し採算性を優先することによって行政的医療が削減され、患者負担が増えていくのが独法化なのです。
 代表質問に続いて委員会質疑でも、都立病院、公社病院がコロナ対応で果たしている役割について、改めて全ての会派が高い評価をしていました。そうであれば、独法化しなければならない理由はありません。
 さらに、本会議と厚生委員会での質疑を通じて、なぜこのコロナ禍で独法化なのかという疑問に対し、東京都はまともに答えることができませんでした。
 我が党の質疑では、都が理由とした兼業ができなかったという事例は、一事例しかなかったことが明らかになりました。そもそも兼業は可能であり、理由にはなりません。必要な専門看護師などの人材が採用しづらいという理由についても、何人必要なのかも答えられず、裏づけとなるような具体的な根拠は全く示すことができませんでした。
 そもそも、今年度の看護職員の定数を減らしておいて、看護師を増やせないからと主張することに道理がありません。
 さらに、第一回定例会では、コロナ対応を最優先にするという理由で定款の提出を見送ったはずなのに、今回は、当時よりも医療現場はさらに深刻な事態となったにもかかわらず、提出を強行しました。コロナ最優先ではなく、決め方も異常だということです。都民からも、独法化ではなくコロナ医療の充実をとの世論が広がる中での提出でした。
 我が党の質疑を通じ、知事が独法化の設立日を七月と決めたのは、八月二十七日だということも明らかになりました。モニタリング会議で、現在の感染状況が続けば医療提供体制の限界を超え、救える命が救えない事態がさらに悪化すると専門家から厳しく指摘された翌日でした。
 さらに、その翌日には、都内の重症者数が、第五波の二百九十七人というピークに至ることになりました。しかも、設立日を七月と決めた理由は、最短のスケジュールだからというもので、病院現場がどうなっていようとも強行するというものでした。
 また、決裁手続も行っておらず、職員への説明は、知事の所信表明後だったという重大な問題が明らかになりました。都民の声も医療現場の状況も全く無視し、知事が勝手に決めるようなやり方は、断じて許されません。
 コロナ対応で、その重要性が鮮明となった都立病院、公社病院の独立行政法人化は中止することを厳しく求め、討論を終わります。

○上田委員 私も、地方独立行政法人東京都立病院機構定款につきまして、反対の立場で審査をさせていただいた次第でございます。
 私が公営企業決算特別委員会、あるいは四年前の厚生委員会にいたときから、やはり税金からの繰入金というのは、大体、年四百億ということであります。
 今回、ちょっと、えっと思ったのが、皆さんも一生懸命努力はされていても、やっぱり踏み倒される医療費が八億円近い、これはどうするのということになった。これも負債でございますけれども、資産勘定に入ってしまいますから、新法人が引き継ぐということでありました。
 そして、松沢病院の別館も、使わないで放置されていたものについても、まだ未定のまま引き継ぐということで、ちょっと民営化するに当たっても、民間でもそんなことはしないでしょうし、独法化するに当たっても、かなり拙速だなというふうに思った次第です。
 共産党の委員の質問で、八月二十七日に決めたということで、私もすごくびっくりしたんですね。知事が突如としてお決めになった。前回もいいましたけど、二十八は例の渋谷のワクチンということでした。あの頃は、本当にどんどんどんどん陽性者も増え、最終的には二万五千人も自宅療養者が増えていく中でのご決断は、大阪は大阪で独自スタイルでやっておりましたので、病床も千つくるとか、また、フォローアップセンター的なものも、東京よりも先に進めて、非常に効率的にやっており、多分、評価が高くて、何かしら小池知事も、何かしなければならない、何か耳目を集めることをしなければならないということで、ワクチン、渋谷、これも失敗しましたよね、ご承知のとおり。今度は病床確保に向けて、独法化することで、何となくこう、自由化、自由な人材を集めて、そして、病床数を増やすように見せるような、パフォーマンス的に決めたんだなって、いってきていて、ちょっとぞくっとしたんです。
 間もなく衆院選。まさかそのとき、小池百合子知事は、八月二十七日のその数日後に、菅元総理が不出馬するときっと思っていらっしゃらなかったんじゃないかということでありました。
 そうしたパフォーマンスのために、この大事な都民の命をつかさどる都立病院の組織編成になっちゃうわけですよ。それも、そもそもが、前回からの総務省の公立病院改革の推進についての通知がかねてより指し示されておりまして、新公立病院改革ガイドラインというようなものを総務省が出しているわけでございまして、病床数のカウントの仕方も都独自と、国の基準とは外れてやっているように、都独自の算定として、医業収益から一般会計収益金を引いて、一般会計繰入金医療費比率というようなことをしていて、これも、やはりちょっと総務省とすり合わせていくことを、様子を見ているところで、この辺のあたりも明確にならないままの独法化ということには、非常に、推進派も反対派もどちらにしろ、何で今なのっていう質問は、この委員会でもされたと思います。
 まずは、地に足をつけて、現状の都立病院の各問題ありました--たしか四年前に顧問が利益相反、手続違反でお辞めいただいたこともありましたよね。ほかにも、福祉保健局のあれになりましたけれども、健康長寿医療センターの方でも若い人が心臓で亡くなる、平成三十年でこれ終わりましたね、私も指摘させていただいたように。あれについても、かなり中にいる方々からのお話を聞いたわけであります。今の都立病院でも、いろいろお話を聞いております。
 やはり、みんなが望む、働いている人が安心して働ける、そして、患者さんも安心して行ける、こうした問題を一つ一つクリアしてから独法化なりしていくということなら分かりますが、このコロナの、まさに野戦病院化しているような状況の中での独法化は、著しくそぐわないということと、あと、小池都政の拙速さに、この大切な都立病院の長く積み上げてきた行政的医療の文化、伝統、経験値を踏み台にすることは、させてはならないという観点から、私は、この定款も当然認めませんし、これから予算の方に入っていくと思いますので、とても、もう既に数十億円、コンサルだけで一億六千万円ですか、使っていらっしゃいますけれども、こちらについても厳しく、何としてでも、こちらの方は断念していただくということを、強く求めるということを申し上げまして、私の意見表明とさせていただきます。

○おじま委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第十八号を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○おじま委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第十八号は否決されました。
 次に、第百九十二号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○おじま委員長 起立多数と認めます。よって、第百九十二号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百五十八号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出、厚生委員会所管分、第百五十九号議案及び第百九十一号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認めます。よって、第百五十八号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出、厚生委員会所管分、第百五十九号議案及び第百九十一号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○おじま委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○おじま委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○おじま委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。

○おじま委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、吉村福祉保健局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○吉村福祉保健局長 お許しをいただきまして、当委員会所管両局を代表いたしまして、一言御礼のご挨拶を申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定をいただき、誠にありがとうございました。
 ご審議の過程で頂戴いたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。
 また、病院経営本部とも引き続き緊密な連携を図りまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○おじま委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十四分散会

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