委員長 | おじま紘平君 |
副委員長 | 伊藤こういち君 |
副委員長 | 小松 大祐君 |
理事 | 上田 令子君 |
理事 | やまだ加奈子君 |
理事 | 桐山ひとみ君 |
かまた悦子君 | |
関口健太郎君 | |
うすい浩一君 | |
浜中のりかた君 | |
藤田りょうこ君 | |
菅原 直志君 | |
小宮あんり君 | |
白石たみお君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉保健局 | 局長 | 吉村 憲彦君 |
健康危機管理担当局長理事兼務 | 初宿 和夫君 | |
次長理事兼務 | 雲田 孝司君 | |
次長理事兼務 | 佐藤 智秀君 | |
技監 | 田中 敦子君 | |
理事医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長事務取扱 | 矢沢 知子君 | |
理事 | 早川 剛生君 | |
総務部長 | 高野 克己君 | |
保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 | 成田 友代君 | |
高齢社会対策部長 | 山口 真吾君 | |
少子社会対策部長 | 奈良部瑞枝君 | |
障害者施策推進部長 | 中川 一典君 | |
感染症対策部長 | 武田 康弘君 | |
事業推進担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 | 渋谷 恵美君 | |
医療改革推進担当部長 | 小竹 桃子君 | |
医療政策担当部長 | 鈴木 和典君 | |
地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 | 池上 晶子君 | |
子供・子育て施策推進担当部長 | 西尾 寿一君 | |
感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 | 杉下 由行君 | |
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 | 遠藤 善也君 | |
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 | 花本 由紀君 | |
東京感染症対策センター担当部長 | 加倉井祐介君 | |
新型コロナウイルスワクチン担当部長 | 村本 一博君 | |
新型コロナウイルス戦略的検査推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 | 河野 和久君 | |
酸素・医療提供ステーション担当部長 | 関口 尚志君 | |
新型コロナウイルス感染症対策総合調整担当部長 | 早川 八十君 | |
抗体カクテル療法促進担当部長 | 小野 由紀君 | |
病院経営本部 | 本部長 | 西山 智之君 |
経営企画部長 | 谷田 治君 | |
サービス推進部長 | 西川 泰永君 | |
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 藤本 誠君 | |
計画調整担当部長 | 船尾 誠君 |
本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十八号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出 福祉保健局所管分
・第百九十一号議案 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについて
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第十八号 東京都児童育成手当に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
・令和二年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価について
病院経営本部関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十九号議案 令和三年度東京都病院会計補正予算(第三号)
・第百九十二号議案 地方独立行政法人東京都立病院機構定款について
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
○おじま委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局及び病院経営本部関係の付託議案の審査並びに報告事項に対する質疑を行います。
これより福祉保健局関係に入ります。
初めに、人事異動のあった幹部職員について、福祉保健局長から紹介があります。
○吉村福祉保健局長 それでは、このたび人事異動がございました幹部職員を紹介させていただきたいと存じます。
保健所デジタル化推進担当部長を兼務となりました事業推進担当部長の渋谷恵美でございます。同じく保健所デジタル化推進担当部長を兼務となりました地域保健担当部長の池上晶子でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○おじま委員長 紹介は終わりました。
○おじま委員長 次に、付託議案の審査を行います。
初めに、第百五十八号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出、福祉保健局所管分及び第百九十一号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
要求資料について理事者の説明を求めます。
○高野総務部長 九月二十四日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の厚生委員会要求資料をご覧いただきたいと存じます。
資料は、目次にございますように全部で二十二項目となっておりますが、このうち付託議案につきまして要求がございましたのは、1から9までの九項目でございます。
目次をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。1、新型コロナウイルス感染症患者受入病院における確保病床数といたしまして、五ページにかけまして、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる病院について、令和三年九月二十四日時点における医療機関名、確保病床数及びその内訳を記載してございます。
なお、五ページの(注1)に記載がございますとおり、都立、公社病院は医療機関名及び確保病床数を感染症指定医療機関におきましては医療機関名のみを記載し、その他の医療機関におきましては医療機関名を非公表とした上で、確保病床数を記載してございます。
六ページをお開き願います。2、宿泊療養施設の開設状況一覧及び稼働率の推移といたしまして、(1)では、八ページにかけまして、これまでに開設した宿泊療養施設の名称や開設期間、施設における受入れ可能数などを記載してございます。また、九ページの(2)では、令和二年四月から令和三年九月までの宿泊療養施設の稼働率の推移をグラフで示してございます。
一〇ページをお開き願います。3、自宅療養中の死亡者数の内訳といたしまして、自宅療養中の死亡者数及び死亡者における性別、年代別の内訳を令和二年十二月から令和三年九月まで、月別に記載してございます。
一一ページをご覧ください。4、酸素・医療提供ステーションの医療体制といたしまして、(1)に、各施設における医師、看護師の人員体制を、(2)に、入院措置及び入院時の移動手段をそれぞれ記載してございます。
一二ページをお開き願います。5、酸素・医療提供ステーションの法的位置付けといたしまして、酸素・医療提供ステーションの法的位置づけを記載し、参考としまして、根拠法令の条文を記載してございます。
一三ページをご覧ください。6、病床確保支援事業の申請及び審査事務の流れといたしまして、病床確保支援事業における医療機関による申請や都における審査事務などの流れにつきまして、令和三年八月から令和四年五月までの予定を時期別に記載してございます。
一四ページをお開き願います。7、地域における自宅療養者等への医療支援強化事業による支援体制の有無一覧(保健所管轄地域別)といたしまして、都内における東京都医師会、都が委託する事業者及び東京都訪問看護ステーション協会による支援体制の有無につきまして、保健所の管轄地域ごとに、令和三年十月一日現在の状況を記載してございます。
一六ページをお開き願います。8、局管理施設における新型コロナウイルス感染症対策及び対策設備等設置状況といたしまして、局管理施設における飛沫感染防止、衛生管理などの感染症対策及び対策設備等の設置の取組について、令和三年九月三十日時点の状況を記載してございます。
一七ページをご覧ください。9、局管理施設における新型コロナウイルス感染症の発生状況及び感染者数といたしまして、職員及び施設利用者の感染者数について、福祉保健局と政策連携団体等の区分別に、令和二年一月二十四日から令和三年九月三十日までの人数を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、付託議案につきまして要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○おじま委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○浜中委員 それでは、質問に入らせていただきます。
まず、病床確保料についてでございます。
感染者が急激に拡大したこの夏の第五波において、都内の医療機関では、ピーク時に約四千三百人のコロナ患者が入院していたかと思います。
東京都では、入院患者を受け入れる医療機関に対して、病床確保料を補助しているかと思います。一部の医療機関では、感染が拡大した時期にもかかわらず、入院の受入れが進んでいないという声も聞いております。
本会議におきましても、こうした質疑がなされ、東京都から、必要に応じて医療機関に補助金の返還による精算を求めるとの答弁がございました。具体的にどのように対応していくのか、これをお伺いしたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、新型コロナ患者を受け入れる体制を確保するため、入院患者等を受け入れる病院を対象に病床確保料を補助しております。
本年四月から九月分の病床確保料については、四月から七月分は実績、八月から九月分は見込みとして、各病院から申請書を提出していただき、その申請内容を審査するとともに、受入れ実績や病床使用率が低い医療機関については、個別にヒアリングし、精査した上で、九月末に概算払いを行っております。
今後、感染が拡大した八月から九月の実績報告が十一月に提出されるため、確保病床数と入院患者数との差を精査するとともに、受入れ実績や病床使用率が低い医療機関に対して、書面で理由を確認し、必要に応じて、四月から九月分の補助金申請について変更交付申請をしていただくこととしております。
こうした精査を踏まえ、十月から二月分の概算払い時や来年五月に行う年間の確定払い時に補助金の追加交付または返還等の精算を行うなど、適正に補助金を執行してまいります。
○浜中委員 本年八月、都は、国と共に感染症法第十六条の二第一項に基づき、都内の全医療機関等に対して、不急の入院、手術の延期などの通常医療の制限なども視野に、病床確保等の協力要請を行いました。
各医療機関の協力により、六千六百五十一床の確保に至りましたが、感染者数、入院患者数が減少する中、コロナ患者を受け入れている医療機関からは、早く一般医療を再開したい、こういう声も聞いているわけであります。
一方で、感染の再拡大時には、速やかに医療体制を再構築できるようにしなければならないと私は考えます。
昨日、東京都は、感染状況やワクチン接種の進捗、モニタリング会議における専門家からの指摘なども踏まえ、感染状況に応じた医療体制を発表いたしました。実施に向けた都の対応について教えてください。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 現在の感染状況やワクチン接種の進捗、専門家の先生方からのご指摘などを踏まえ、医療提供体制については、コロナ以外の通常医療を確保しつつ、感染状況に応じて機動的に対応できる体制を確保することとしております。
具体的には、現在のような感染終息フェーズでは、新規陽性者数や増加比に沿って、医療提供体制のレベルを段階的に引き下げる一方、感染が再拡大するフェーズでは、新規陽性患者数や増加比の指標のほか、入院病床や重症者用病床の使用状況、さらには、専門家の意見等を踏まえ、感染状況に応じた病床数を確保してまいります。
昨日、医療機関に対しその旨を説明し、確保病床数六千六百五十一床のレベル三から確保病床数四千床のレベル一に引き下げること、また、その際の病床数についての報告を依頼したところでございます。
今後、感染再拡大フェーズとなった場合も、感染状況に応じた医療提供体制の考え方を踏まえ、先手先手で必要な病床数を確保し、医療提供体制の再構築を図ってまいります。
○浜中委員 ただいま答弁で、レベル一にフェーズを引き下げていくというお話がございました。
現在、新規陽性者は減少しておりますが、今後、冬にかけて季節性のインフルエンザの同時流行も懸念されます。また、行動制限の緩和によるリバウンドのおそれやワクチン接種後に陽性となるブレークスルー感染も不安材料であります。
十二月には第六波が来るといわれておりますが、第六波に向けて、病床をどのように確保していくのか、見解を伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 今般、国は、都道府県に対し、今後も中長期的に感染拡大が反復する可能性があることを念頭に、医療提供体制構築が必要との考え方を示しました。
十月中を目途に、想定する感染規模、確保すべき病床数、臨時の医療施設の必要量、保健所、地域の医療機関の体制などを盛り込んだ今後の保健・医療提供体制の構築方針を作成いたします。また、十一月末までにこの構築方針に沿った体制を構築し、保健・医療提供体制確保計画として取りまとめる予定でございます。
こうした動きも踏まえ、都として、病床の確保を含め、感染拡大時における総合的な医療提供体制について検討してまいります。
○浜中委員 続きまして、酸素・医療提供ステーションの設置運営についてお伺いをいたします。
昨日の新規感染者数は百四十三人となり、ピーク時に比べて格段に減少している状況にあります。また、先月をもって緊急事態宣言は解除をされました。
一方、感染が再拡大したときには、患者に対してしっかりとした医療提供ができるように、第六波に備えて、今だからこそできる準備を進める必要があると思います。
そこで、酸素・医療提供ステーションは、自宅で療養される方が不安を感じることなく、安心して静養できる環境を整える上で重要であり、こうした取組をしっかりと進めていくべきであると考えます。
酸素・医療提供ステーションについて、現在までの取組状況を教えてください。
○関口酸素・医療提供ステーション担当部長 酸素・医療提供ステーションは、救急搬送を受け入れ、療養者の急変時の対応や軽症者の経過観察など、医療機関を補完する施設としての役割を担うとともに、軽症者等の重症化を未然に防ぐため、抗体カクテル療法を積極的に実施しております。
これまで、八月二十三日に設置いたしました都民の城に加えまして、東京二〇二〇大会の関連施設を活用し、調布と築地に酸素・医療提供ステーションを開設しました。このほか、練馬区と連携いたしまして、閉校後の区立小学校を活用して運営しております。これらの施設におきまして、これまでの累計で四百人を超える方にご利用いただいております。
今後とも、感染状況に応じて、受入れ体制を確保するとともに、感染再拡大に備え、万全の体制を構築してまいります。
○浜中委員 多摩地域にも酸素・医療提供ステーションが設置されたことは、地域の方々にとっても喜ばしいことであり、安心につながっております。自宅で療養されている方が安心して静養できるように、引き続き、しっかりとした受入れ体制を確保していただきたいというふうに思います。
酸素・医療提供ステーションにおいても、抗体カクテル療法を積極的に実施しているというお話でございますが、具体的にどのような取組かということを教えてください。
○関口酸素・医療提供ステーション担当部長 酸素・医療提供ステーションでは、医師や看護師が常駐し、中和抗体薬投与後の経過観察や、必要に応じてベッドで療養することができるなど、抗体カクテル療法を実施する環境が整っております。
このため、発症後の早期の投与が望ましいとされている抗体カクテル療法をその対象者の方に速やかに実施できますよう、宿泊療養施設と連携して、対象者を受け入れております。また、保健所との連携も進めてございます。受入れに当たりましては、民間救急車や陰圧車等を手配し、療養元からの搬送を行っております。
今後、関係機関との連携を密にいたしまして、酸素・医療提供ステーションでの抗体カクテル療法の対象者の受入れをより促進し、より多くの患者のニーズに応えてまいります。
○浜中委員 これからも感染が減少する中にあっても、緊急搬送される方への対応のみならず、軽症の方の重症化を防ぐために、第六波にも備え、都民の重症化を防ぐために、酸素・医療提供ステーションの次へつながる取組をしっかりと進めてほしいというふうに思います。
続きまして、自宅療養の適切な実施に向けた支援についてであります。
東京都は、昨年十一月に、自宅療養者フォローアップセンターを開設し、自宅療養者に対する健康観察や相談、パルスオキシメーターの配布や食料の配送などを行ってまいりました。また、東京都医師会をはじめとする関係団体と連携し、自宅療養者に対する医療面での支援も進めてまいりました。
現在、感染は終息しつつありますけれども、今後、再び感染が再拡大した場合に備え、引き続き、支援体制の拡充を行う必要があるかと思います。
今回の補正予算において、自宅療養の適切な実施に向けた支援として、約百九十五億円が計上されております。
自宅療養者が安心して療養生活を送れる体制の構築に向けて、具体的にどのような取組を行っていくのかをお伺いします。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 今後、感染が再拡大しても、自宅療養者に対する健康観察や医療相談が適切に行えるよう、自宅療養者フォローアップセンターの電話回線数につきまして、感染拡大前の五十回線から最大二百十六回線まで増強が可能な体制としてまいります。
また、都は現在、自宅療養者が緊急時に自宅で酸素投与を受けられるよう、酸素濃縮装置を七百六十台確保しておりますが、今後の感染拡大に備え、千台を目途に確保を行ってまいります。
さらに、家庭の事情など様々な理由で自宅で療養される妊産婦が、より安心して過ごしていただけるよう、東京都助産師会と連携をいたしまして、地域の助産師が自宅療養中の妊産婦に対して、電話や訪問等による健康観察を新たに実施をしてまいります。
加えて、平日夜間及び土曜、休日に、電話、オンライン診療等を受診し薬を処方された自宅療養者に、調剤や薬剤の配送、服薬指導を行う薬局に対しまして、配送等に係る経費を新たに支援するなど、自宅療養者の医療支援体制の強化を図ってまいります。
○浜中委員 感染拡大をして、自宅療養者が非常に増えたときに、病院、医療崩壊をするかもしれないという話になったときに、自宅療養でどれだけ快方に向かうかというのが非常にポイントになるかと思いますので、落ち着いている今だからこそ、しっかり対応していただきたいというふうに思います。
続きまして、抗体カクテル療法を受ける患者の搬送についてであります。
まず、新規で三十一億二千七百万円の予算が計上されておりますが、これは抗体カクテル療法の対象となる患者を早期に確実に治療につなげていくために、治療を実施している医療機関への患者搬送を行うための予算であり、非常に重要であると考えております。
病床の逼迫を招かないためには、まず、感染した患者を重篤化させないための取組を行うことが重要であるかと思います。
中和抗体薬による治療は、重症化を防ぐために有効であり、第六波の到来に備えて、必要な方が早期、確実に治療を受けられる体制整備を進めるべきであると考えますが、ご見解をお願いいたします。
○小野抗体カクテル療法促進担当部長 抗体カクテル療法の体制についてでございますが、投与が可能な医療機関は順次追加し、十月七日現在、約二百となっております。
加えて、かかりつけ医、検査医療機関等には、患者さんを速やかに紹介いただけるよう投与可能医療機関リストを提供しております。さらに、酸素・医療提供ステーション、一部の宿泊療養施設にまで投与施設を拡充し、往診での投与のモデル実施も開始しております。
また、中和抗体薬は早期に投与する必要がございまして、対象者を投与施設と速やかに結びつけるための受入れ調整や、患者さんを安全に自宅と医療機関等との間を移動させる手段の確保が必要でございます。
これまでも都は、受入れ調整、患者搬送調整を行ってまいりましたが、今後の感染拡大に備え、昨日、中和抗体薬による治療を知りたい、受けたいという患者さんや、投与施設の調整を希望する医療機関からの相談を直接受け付ける中和抗体薬治療コールセンターを開設いたしました。今後、搬送体制もさらに整備し、都による投与施設との患者受入れ調整を強力に進めてまいります。
こうしたことにより、早期かつ確実に対象患者を中和抗体薬による治療に結びつけ、感染拡大時における病床の逼迫を防ぐ取組を進めてまいります。
○浜中委員 中和抗体薬のコールセンターを開設するということでございますので、抗体カクテル療法ですとか、軽症者を重症化させないという取組は非常に大切だと思いますので、ぜひこれを丁寧に進めていただきたいというふうに思います。
続きまして、東京都の保健所の即応体制の整備についてであります。
多摩地域の都の保健所でも、この夏の第五波では、感染者の急激な増加により、運営が非常に厳しい状況になったかと思います。体制面でどのように対応をしたのか、また、第六波に向けて体制は大丈夫なのか、この点について教えてください。
○池上地域保健担当部長保健所デジタル化推進担当部長兼務 都はこれまで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、感染症対応業務に従事する保健師の定数の増員、庁内からの応援職員の配置、トレーサーなど会計年度任用職員や人材派遣職員などの活用によりまして、多摩地域の都保健所の体制強化を図ってまいりました。
この夏の感染者の急激な増加により、保健所の業務が急増したため、応援職員の追加的な配置や人材派遣職員の増員を行うとともに、体制拡充に対応するための執務スペースの追加的な確保など、応援職員等を受け入れる環境の確保も行ってまいりました。
今後も、これまでの対応を踏まえながら、感染拡大時に保健所が的確に対応できるよう、トレーサーの追加募集を検討するなど、引き続き必要な体制の確保に取り組んでまいります。
○浜中委員 ただいまトレーサーの追加募集を検討するというお話もありましたけれども、やはり多摩地域の保健所は、各市が、市の医療政策を見ておりますから、こうした体制のしっかりとした確保をしていただきまして、コロナに感染して苦しむ方が一人でも少なくなるような政策を求めて、私の質問を終わります。
○菅原委員 それでは、質疑をさせていただきます。
冒頭で、昨夜の足立区などを襲いました、東京全体も襲いました地震なんですけれども、東日本大震災以来の震度五でございました。コロナ禍での災害対応については、かねてから議論がありましたが、改めて考える機会になったのではないかと思います。
感染状況が、たまたま今はある程度落ち着いていたからということはありますが、福祉保健局として、関係する局や、また団体との連絡調整をさらに強化し、進めていただくことを冒頭で要望させていただきたいと思います。
それでは、質疑に入らせていただきます。
私たちは、既に一年半以上も新型コロナウイルス感染症と闘ってまいりました。まずは、コロナで命を失った方々のご冥福をお祈りさせていただきたいと思います。
八月から九月にかけての第五波は、一定の落ち着きを取り戻しているように見えます。もちろん安心はできませんが、この落ち着いている間に、次に備えることは重要です。本日の質疑は、次の第六波に備えるということを根底に進めてまいります。
まずは、基本的な認識を伺います。
感染状況が落ち着いてきた原因について、どのように認識しているかを伺います。お願いします。
○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、新型コロナウイルス感染症について、七つのモニタリング項目を設定し、専門家による分析結果を基に、都内の感染状況や医療提供体制の評価を実施しております。
モニタリング会議では、専門家から、新規陽性者数の減少は、ワクチン接種が進んだことや夜間滞留人口が一定程度低い水準に抑えられていること、多くの都民と事業者が自ら感染防止対策に取り組んだこと等によるものと報告されております。
○菅原委員 厚生労働省は、若者から、そこから今回広がらなかったということを、昨日、報道で発表しておりましたけれども、とはいえ、感染がどうしてここまで下がったのかというのは、実はなかなか分からないということだと思います。逆にいえば、今度、第六波の増えることも、なかなかこれは、想定はしながらも、分からない中で進めていくんだということなのだろうと思います。
東京iCDCなどの専門家機関の方々が、かなり専門的に研究もされていただいております。専門家機関の科学的知見を踏まえて、緊急事態宣言の解除、また備えるべき第六波への対応など、都民への情報発信を強化していただきたいと思っておりますが、見解を伺います。お願いします。
○加倉井東京感染症対策センター担当部長 東京iCDC専門家の分析では、宣言解除後にレジャー目的の夜間滞留人口が急増すれば、リバウンドのリスクがあることから、夜間滞留人口や実効再生産数の推移を注視しつつ、緩和を段階的に進めていくことが重要とのことでございました。
また、モニタリング会議では、感染拡大のリスクが高くなる冬に備え、入院、宿泊及び自宅療養の体制を総合的に検討する必要があるとのコメントがございました。
今後につきましても、東京iCDCの専門家等の分析を踏まえ、都民に対し、分かりやすい情報発信を行ってまいります。
○菅原委員 それでは、入院待機ステーションについて伺います。
入院待機ステーションは、八月十日、第六十一回目となる私たちの会派の要望もさせていただいた経緯がございます。当時は、感染が爆発的に増えておりまして、入院待ちせざるを得ないという状況がございました。その中で、少しでも改善をしていかなければいけないということで進めたのが、入院待機ステーションでございます。
幾つかの入院待機ステーションが設置されましたが、その成果について伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 TOKYO入院待機ステーションは、入院調整本部で入院先が決まらなかった方を一時的に受け入れ、医療機関等につなげる施設で、医師が診察を行い、酸素投与など必要な医療を提供しております。
容体の急変に備え、緊急時に医療機関のバックアップを容易に受けられる立地として、医療機関の敷地内での設置が必要であると考えており、七月十三日に葛飾区内の医療機関において、第一号のTOKYO入院待機ステーションを開設いたしました。
さらに、地域バランスを考慮し、多摩地域を含め、さらなる設置を検討し、八月二十四日に多摩地域の入院待機ステーションとして八王子市内に一か所、九月六日には北区内にさらに一か所を開設し、都内三か所体制を構築しております。
○菅原委員 ありがとうございます。
次に、酸素・医療提供ステーションの取組についても伺います。
この酸素・医療提供ステーションも、会派からの緊急要望をさせていただいた経緯がございます。先日、築地に設置をされました酸素・医療提供ステーションを視察させていただきました。感染状況が続いていた時期でしたので、酸素提供ではなくて、抗体カクテル療法を受ける患者の方のみが治療を受けておりまして、全体としても落ち着いた印象を持って帰りました。
しかし、次の第六波への備えを想像すると、このような施設は重要だと思います。この酸素・医療提供ステーションの成果と今後の見込みについて伺います。
○関口酸素・医療提供ステーション担当部長 酸素・医療提供ステーションは、救急搬送を受け入れ、療養者の急変時の対応や軽症者の経過観察など、医療機関を補完する施設としての役割を担うとともに、軽症者等の重症化を未然に防ぐため、抗体カクテル療法を積極的に実施しております。
これまで八月二十三日に設置した都民の城に加えまして、東京二〇二〇大会の関連施設を活用いたしまして、調布と、あと委員ご覧いただきました築地に、酸素・医療提供ステーションを開設いたしました。このほか、練馬区とも連携し、閉校後の区立小学校を活用して運営しております。これらの施設におきまして、これまでの累計で四百人を超える方にご利用いただいております。
今後とも、都民が安心して療養できる環境を確保するため、病院等の機能を補完する役割をしっかりと果たしてまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。
酸素・医療提供ステーションのような施設を増やす方向性について、見解も伺いたいと思います。特に、地域での小規模な設置というのが望ましいのではないかと思います。
私も築地も行ったりとか、練馬にあるとか、調布にあると認識しておりますけれども、例えば、私は日野市が地元です。日野から行くとなると、やっぱりちょっと距離感があります。
例えば、地域の医師会またはその地域の医療機関と連携を進めていく中で、そういう施設が増やせるのかどうかということも考えていただきたいと思いますが、見解を伺います。お願いします。
○関口酸素・医療提供ステーション担当部長 これまで感染状況等を踏まえながら、順次施設を整備してまいりましたが、開設に当たりましては、地域の医師会や医療機関の協力をいただきながら進めてきております。
具体的には、酸素・医療提供ステーションに常駐する医師につきましては、東京都医師会を通じまして、地区医師会の皆様に輪番制で担っていただくほか、施設近傍の医療機関とも連携いたしまして、施設内で患者の症状が悪化した場合など、緊急の際には連携して対応できる体制を構築しております。
今後、感染再拡大に備えまして、酸素・医療提供ステーションを増床するなど、受入れ体制をしっかり確保し、地域の医師会等とも連携しながら、医療提供体制を構築してまいります。
○菅原委員 こういう施設の設置というのは、多分ノウハウが必要だと思うんです。東京都が今まで蓄積してきたノウハウというのを、ぜひ地域の医師会や、または医療機関、または区市町村などにも情報共有をしていただきたいと思っています。そういう情報共有の中で、地域から新しい動きが出てくるのではないかと思います。
医療の提供には、ある程度の規模が必要、スケールメリットが必要だということも認識をしておりますが、その反面、地域で完結する医療体制というのも、両方求められるのではないかというふうに思います。
次は、宿泊療養施設について伺います。
新型コロナウイルスとの闘いは、走りながら考えてきたという言葉に集約できると思いますが、宿泊療養施設の活用などは、その代表かと思います。ホテルを隔離施設として活用することや、看護師と職員を常駐させること、患者の入替えのたびに徹底した除菌、清掃が必要なことなど、想像しなかった事態だと思います。
そして、福祉保健局以外の多くの東京都の職員も対応することになりました。まさに総力戦が展開されてきたのが宿泊療養施設です。
そして、今、宿泊療養施設は、隔離だけではなくて、医療提供の役割が期待をされています。かねてから、医療スタッフ、特に看護スタッフの不足が問題とされていますが、その点についてクリアされていますでしょうか、伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 宿泊療養施設で働く看護師の約九割は人材派遣の看護師で構成されており、ワクチン接種など看護師需要の急増に伴い、日々の看護師確保に影響が出ていたときがございました。
そのため、正看護師だけではなく、准看護師の派遣も可能となるよう、改めて条件を見直すとともに、リーダー看護師などの処遇改善が図れるよう契約締結した結果、契約単価は本年四月当初より上昇しており、現在、看護師不足は改善しております。
○菅原委員 往診型の宿泊施設や抗体カクテル療法の実施も期待されているところでございますが、さらに新しい治療法も想定されるところです。
具体的には、どのように進むのか見解を伺います。また、そのために医療スタッフや資材のさらなる充実が必要になります。その方策についても伺います。お願いします。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症の症状を有する方で重症化リスクのある方を対象に、品川プリンスホテルで、医療機関、東京都看護協会と連携した体制を構築し、血中酸素濃度や心電図などを常時モニターできる機器を導入するなどの準備を行い、抗体カクテル療法を実施するとともに、他の施設においても、抗体カクテル療法の対象となる方が酸素・医療提供ステーションや医療機関で治療を受けられる仕組みを整備いたしました。
また、都は、第五波の急激な感染拡大により、病床が逼迫し、宿泊療養施設で急変した方の入院搬送に時間がかかるようになったことを踏まえ、一部の宿泊療養施設の機能を強化し、必要時、医師の往診により、継続的な酸素投与や点滴などの医療を提供できるよう、往診型宿泊療養施設の整備を進めております。
九月六日には、日本財団から借りているペット同伴宿泊療養施設において、往診医療機関や東京都看護協会等と連携した体制を構築し、血中酸素濃度や心電図などを常時モニターできる機器を導入するなどの準備を行い、運営を開始いたしました。
さらに、他の宿泊療養施設の一部においても、往診医療機関や健康長寿医療センターと連携した体制を構築し、第六波に備え、運営を準備してまいります。
○菅原委員 第五波での問題の一つには、やはり自宅での療養、この在り方が問題となりました。感染爆発のため、本来は医療機関で対応すべき陽性患者の多くが自宅での療養となってしまいました。その医療が届かない中で、命を失う事例も起きてしまったということでございます。
限られた医療提供体制の中、第六波への備えとして考えられるのは、自宅療養でも医療が届く体制の整備だと思います。療養生活を支えることも重要です。期待されるのはオンライン診療であって、できるだけ早い段階で薬が処方されて、その薬が患者本人に届くということが大事だと思います。
地域のお医者さんがオンラインなどで診療した後に、できるだけ当日のうちに処方薬が届くことが必要と考えますが、東京都の見解を伺います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、本年四月から、東京都医師会や地区医師会等と連携し、体調が悪化した自宅療養者に対し、地域の医師等による電話、オンラインや訪問での診療を実施しております。
夜間や休日において、自宅療養者に速やかに薬を配送できる体制を確保することが課題となっておりますことから、東京都薬剤師会と連携をいたしまして、平日夜間及び土曜、休日において、オンライン診療等を受診し薬を処方された自宅療養者に対しまして、薬の調剤や配送、服薬指導を実施する地域の薬局への支援を先月から先行して開始をいたしました。
具体的には、配送等に関わる費用といたしまして、国の補助額三千円に加え、夜間帯に対応するための経費として千五百円を新たに支援することとしております。
こうした取組により、自宅療養者への医療支援体制のさらなる強化を図ってまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。
自宅療養者が安心して療養するためには、療養中の生活面での支えも重要です。これまで東京都が設置する自宅療養者フォローアップセンターにおいて、自宅療養者への食料品などの配送が行われてきました。しかし、感染者が急増した場合、この配送も遅れぎみになったということも事実でございます。
今後、再び自宅療養者が急増した場合の備えとして、多摩地域では、市町村と連携した生活面での支援対策を構築すべきだと考えますが、東京都の見解を伺います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 自宅療養者にきめ細やかな支援を行うためには、生活面も含めて、地域に密着した支援が可能な市町村と連携して取り組むことが重要でございます。
都は、急増した自宅療養者への支援を強化するため、先月から、都保健所管内で申請のございました市町村に対し、コロナ陽性者の氏名、住所、連絡先、発症日、療養開始日などの個人情報の提供を開始しております。
本日までに情報提供を開始いたしました十九の自治体の支援内容は、自宅療養者の安否の確認や健康観察、食料品や日用品の支給などの生活面の支援など、地域の実情に応じた多様な取組となってございます。
今後も市町村との連携強化を図りながら、自宅療養者に対する支援を充実させてまいります。
○菅原委員 ぜひ自宅療養者の、今はそんなに逼迫した状況ではないかもしれませんけど、やはり第六波へ備えての取組は進めていただければと思います。
東京都はこれまで、医療提供体制を守るために様々な対応をしていただきました。限りある病床を感染症対応にするためには、例えばレッドゾーンやイエローゾーンを設置すること、そういった動線を分けることもされてきました。陰圧装置を設置して、個室化をして、中等症と、また重症患者への対応も、また特別な対応をしていかなければいけないということも私たちは経験をいたしました。発熱患者への対応、発熱外来を改めて設置する、プレハブを設置するようなこともあったと思います。
PCR検査、またはワクチンの接種なども、これも特別な取組だったと思います。それらに対応するための医療スタッフの確保も特別な取組だったと思います。東京の医療関係スタッフは、潜在看護師も含め、総力戦で取り組んでいただいております。中には自宅に帰れずに、ホテルと病院の間を行き来する医療スタッフの方も数多くいらっしゃいます。最前線で活躍をしていただいている医療関係者の皆様には、改めて感謝を申し上げたいと思います。
今回の質疑のポイントは、第六波への備えです。そこで、改めて、あらゆる医療機関への応援要請を想定した場合、自衛隊への応援要請についての整理も必要ではないかと思います。自衛隊への応援要請をする場合、災害レベルの状況が大前提となりますが、既に新型コロナウイルス感染症は災害レベルですので、そこに異論はないと思います。
まずは、東京都は昨年四月に、災害派遣の応援要請、支援要請をしております。この法的根拠をお示しいただきたいと思います。お願いします。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 新型コロナの感染が拡大する中、緊急的に宿泊療養施設を開設するに当たり、適切に感染を制御しながら、多くの患者を受け入れるために必要な対応能力が不足していることから、自衛隊法第八十三条第一項に基づき、自衛隊への災害派遣要請を行いました。
○菅原委員 ありがとうございます。
この四月のときは、言葉でいえば教育支援という言葉でよろしいかと思います。感染症にまだなかなか慣れていない時期に、その専門家の方に教育支援で来ていただいたということでした。
今後、第六波を想定した場合、教育支援は当然として、東京都と連携して、野戦病院のような施設の運営を要請する可能性なども、あらかじめ議論をして、備えておくことが必要と考えますが、東京都の見解を伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 自衛隊の災害派遣は、人命または財産の保護のために必要がある場合に、事態やむを得ない場合に派遣される緊急的、一時的な支援でございます。
国は、事態やむを得ない場合について、緊急性、差し迫った必要性があること、公共性、公共の秩序を維持する観点から妥当性があること、そして、非代替性、自衛隊の部隊等が派遣される以外に適切な手段がないことの観点を総合的に勘案して、判断されるものであると示しております。
都は、八月、感染症法第十六条の二第一項に基づく協力要請を行いました。コロナ禍で人材派遣の協力要請を行いまして、多くの医療機関から協力のご意向が示されております。現在、このご意向に応え、必要時に速やかに派遣を行うための仕組みを検討しておりまして、第六波で医療人材が必要となる場合、非代替性の観点からも、この仕組みを優先して活用いたします。
○菅原委員 ありがとうございます。少し、PCR検査の保育園の予算も今回提示されておりますので、そのことに向けたいと思います。
今回の補正予算の中、保育所など、子供たちが集まる施設でのPCR検査の対応が提示をされました。感染者が出た場合、できるだけ早く感染拡大を抑えるためには、これは必要な施策だと思います。ただし、子供たちの施設でのPCR検査は大変だと思いますので、改めて確認をしたいと思います。
例えば、保育所でのPCR検査は、具体的に誰が検査を実施するのか伺います。
○奈良部少子社会対策部長 保育所等におきまして、職員や児童の感染が判明し、保健所の疫学調査が直ちに行われない場合に、先行してPCR検査を実施する施設に対しまして、都は、区市町村を通じて検査キットを送付いたします。
保育所等は、希望する職員及び保護者に検査キットを配布し、職員は職場等において自分自身で、児童につきましては自宅において保護者が検体を採取することといたしております。検体につきましては、施設が取りまとめて、検査実施機関に送付いたします。
○菅原委員 実際に、乳幼児から三歳ぐらいまでの子供たちから唾液を採取するのはなかなか難しい、現実的ではないかもしれません。多分、そこまで求められていないのかなとは思います。
しかし、保育園でも、また今回、学童クラブも入っていますが、学童クラブなどでもそうですが、保護者と職員が情報交換をできる場合もあれば、またそれが難しい場合もあります。時間ぎりぎりに走って子供を迎えに来る保護者の方もいらっしゃる、それが日常であります。私も子育てをしているときはそういう感じでした。その中で、コロナのPCR検査を親御さんに依頼する、保護者の方に依頼するということは、理解はされると思いますが、なかなか大変だというのが現実だと思います。
マニュアルを見ますと、唾液の採取の一時間前には水以外は飲まないようにということも書かれておりまして、これもなかなか大変だなというふうにマニュアルを読ませていただきました。また、PCR検査の依頼をする現場の職員の方々からも、実際どうなるんだろうという不安の声も聞かれます。
これらの不安を解消する取組が必要と考えますが、見解を伺います。
○奈良部少子社会対策部長 本事業で配布いたしますキットは、被験者自身が唾液を簡易に採取することができるものでございまして、高齢者施設などの福祉施設等でも幅広く利用されております。
都といたしましては、検体を採取する際の具体的な注意事項や手順を図解した資料を、施設向けと保護者向けにそれぞれ作成いたしまして、区市町村を通じて配布しております。
また、検査の申込みから検査結果報告に至るまで、施設や保護者からの問合せに検査機関が対応する体制も整備しておりまして、今後、周知する予定です。
○菅原委員 ありがとうございます。
今回のマニュアルは、今、紙ベースだというふうに認識をしております。例えば、アニメや漫画、またはユーチューブにアップするぐらいの動画などの提供があれば、これは親子でも見られますし、理解もしやすいのではないかなというふうに思います。予算もかかる話ですが、費用対効果も含めて、ご検討いただければと思います。ちょっと忙しい話ですが、提案だけはさせていただきたいと思います。
最後になります。福祉保健局は、都民の命と暮らしを守る中心的な役割を担っております。今はコロナの第六波の備えを進めること、これが求められています。
次の二点を中心に、局長の決意をいただきたくお願いをいたします。
一つ目は、新型コロナウイルス感染症を災害として捉えて取り組む決意。もう一つは、特に自殺や虐待、貧困の問題など、コロナによる経済的な影響によって、暮らしに大きな影響を受けている現状があります。この現状の課題解決に取り組む決意を伺いたいと思います。お願いいたします。
○吉村福祉保健局長 この夏の新型コロナウイルスの感染状況は、変異株の影響により、新規陽性者数や重症者数が急増し、まさに災害レベルともいうべき非常事態となりまして、私どもは総力戦で臨んでまいりました。
都は、感染症法第十六条の二第一項に基づき、医療機関等に協力を要請し、通常医療の制限も視野に入れた病床確保や人材派遣、また、在宅診療やワクチン接種等への協力を求めさせていただきました。
これに加えまして、宿泊療養施設の重点化や自宅療養者のフォローアップ体制の拡充、酸素・医療提供ステーションの設置、抗体カクテル療法の積極的活用などにも取り組んでおるところでございます。
また、お話のように、コロナ禍が長引く中、失業に伴う経済的困窮や心理的な不安の増大など、多くの方々が様々な影響を受けております。
このため、生活福祉資金の特例貸付や低所得者のひとり親世帯に対する臨時の給付金の支給のほか、社会不安に伴います児童虐待や配偶者からの暴力、また自殺に関する相談体制の強化を図るなど、都民生活を支える取組を進めております。
今後とも、都民の生活と暮らしを守るため、第六波に備えまして、総力を挙げて取り組んでまいります。
○かまた委員 それでは、質問をさせていただきます。
この一年半以上に及ぶコロナ感染症対策の中で、我が党としましても、これまでに五十三回、四百三十四項目の要望を出させていただき、福祉保健局の皆様には、酸素ステーションの設置や抗体カクテル療法の活用など、多くの対策を実現していただきました。貴局がこのコロナ禍で新たにつくり上げた事業数の多さには敬意を表するとともに、携わった全職員の皆様に心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。
また、さらに、今回の補正予算では、新たな臨時の医療施設の確保のための予算が計上されていますが、この新たな臨時医療施設は、感染状況等に合わせて、酸素ステーションの機能や抗体カクテル療法にも対応できるなど、その時々のニーズに合わせて進めていくべきだと考えておりますが、どのような施設を整備しようと考えているのでしょうか。お答えをお願いいたします。
○早川新型コロナウイルス感染症対策総合調整担当部長 都はこれまで、軽症者向けの酸素ステーションを、お話のように酸素投与のほか、抗体カクテル療法なども行う複合的な機能を持つ酸素・医療提供ステーションとして機能強化をするなど、感染症の状況を踏まえて臨機応変に対応し、療養環境の整備を行ってまいりました。
今後の感染拡大に備えるためには、患者を受け入れる病床の確保に加えまして、これを補完する臨時の医療施設についても着実に整備をして、都民が安心して療養できる環境を整えることが重要であると考えてございます。
新たな臨時の医療施設の整備に当たりましては、様々な症状の患者からのニーズに対応するための機能を踏まえて整備するということを検討してございます。
今後も、都民の皆様が安心して療養できるよう、第五波の経験も踏まえまして、適切な医療提供体制を確保してまいります。
○かまた委員 今のご答弁に、様々な症状の患者からのニーズに対応するための機能を踏まえて整備するとありましたが、今後も必要なことを臨機応変に取り組んでいくとの決意が表れており、特にコロナ感染症の対応につきましては、新しい薬や治療法の導入、また感染状況の変化など、臨機応変にスピーディーな対応が必要となりますので、この柔軟な発想で補正予算を組んでいただいたことは、高く評価をさせていただきます。
その上で、現在の医療提供の状況も確認させていただきます。
昨日の十月七日から中和抗体薬治療、いわゆる抗体カクテル療法に関するコールセンターが開始されましたが、このコールセンターの開設に至った経緯や目的、仕組みなどについてお伺いをします。
○小野抗体カクテル療法促進担当部長 重症化の抑制が期待される中和抗体薬は、早期の投与が必要なため、都ではこれまで、陽性判明前の方については、検査と治療を早期に一貫してできるよう、かかりつけ医や都の発熱相談センターに対し相談があった際に、対象者に投与可能な診療・検査医療機関を紹介するための情報提供を行ってまいりました。
また、陽性判明後の方につきましては、直営で投与施設との受入れ調整や、自宅と投与施設の間を安全に搬送する調整を行ってまいりました。
今般、今後の感染拡大に備え、委託による中和抗体薬治療コールセンターを立ち上げ、中和抗体薬による治療を知りたい、受けたいという患者さんや、投与施設の調整を希望する医療機関からの相談を直接受け付けていくことといたしました。
さらに、搬送についても、外部の搬送業者を活用した体制を整備し、引き続き、都による医療機関等との受入れの調整、搬送手配を進め、この治療の対象となる患者さんを迅速かつ確実に治療につなげてまいります。
○かまた委員 我が党としましても、コロナウイルス感染症対策特別委員会で、抗体カクテル療法を受けたい方々がいち早く受けられる仕組みを構築していただきたいと質問させていただき、このように早急にコールセンター開設をしてくださったことを高く評価いたします。
その上で、今後、八月のピーク時のように、多数の陽性者が出て、コールセンターに問合せが殺到した場合に対応ができるよう、十分な体制を確保するべきだと考えますが、見解はいかがでしょうか。
○小野抗体カクテル療法促進担当部長 コールセンターでは、現在、平日最大二十回線、土日祝日は二十五回線を確保し、運用しております。
急激な感染拡大時においても、コールセンターが十分に機能するよう、感染の動向を注視しつつ、必要な体制を確保してまいります。
○かまた委員 都民の皆様にとって、体調が悪くなっても治療につながるシステムがあるということが安心感につながります。また、この安心感こそがコロナ感染症対策の根幹でもあります。
今後も臨時の医療施設における抗体カクテル療法のように、都民に安心を届けるための新たな臨時の医療施設として、効果的な運用を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、オンライン診療システムを活用した自宅療養支援について伺います。
本システムは、医師会と協力して、仮想の診療待合室を活用した品川モデルを参考にしたシステムでありますが、このシステムを活用した自宅療養者への支援概要を確認させてください。また、このシステムを利用する際は、自宅療養者に医療負担のないようにするべきだと考えますが、併せて見解を求めます。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、本年四月から、東京都医師会や地区医師会等と連携し、体調が悪化した自宅療養者に対し、地域の医師等による電話、オンラインや訪問での診療を実施しております。
今後の感染再拡大に備え、自宅療養者への医療支援体制をさらに強化する必要があることから、品川区での取組を参考としたビデオ通話システムの活用に向けて、東京都医師会と連携を図っております。
このシステムを活用することによりまして、診療を希望する自宅療養者は、インターネット上に設ける仮想の診療待合室を通じて、迅速にマッチングされた医師によるオンライン診療の受診が可能となります。
なお、このシステムを運用する東京都医師会を都が支援をしており、システムの使用料等につきましては、自宅療養者の負担は発生しない仕組みとなってございます。
先行的な取組といたしまして、先月から、多摩地域の各地区医師会の医師の協力を得まして、都保健所管内の自宅療養者を対象として、平日の午後六時から午後九時までの時間帯において、このシステムを活用したオンライン診療の提供を開始しております。
○かまた委員 自宅で不安を抱えながら療養される方々にとって、このオンラインを活用しながら医師の診療を受けるとともに、必要な処方薬も届けられるため、非常に安心感を得られる重要なシステムであります。
このシステムは、九月十六日から多摩地域で運用を開始したとのことですが、多摩地域で運用を開始するに当たり、課題となったことはどんなことだったのでしょうか。答弁を求めます。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 システムの運用に際しまして、オンライン診療を行う医師や自宅療養者がこのシステムを円滑に活用できるよう支援する必要がありますことから、システムの操作方法等に関する問合せや万一のシステム上のトラブルに対応するサポートデスクを設置いたしました。
また、自宅療養者の健康観察を担当する各保健所とオンライン診療を実施した医師との円滑な情報共有が重要でありますことから、医師からの報告方法や保健所による診療状況の確認方法などを定めた業務フローを作成しております。
さらに、医師が処方した薬剤を速やかに自宅療養者に配送する体制を構築する必要がありますことから、東京都薬剤師会と連携をいたしまして、オンライン診療受診後の準夜間帯に処方薬の配送に対応可能な多摩地域の薬局のリストを作成いたしまして、本事業に参画する約八十名の協力医師が共有をしております。
○かまた委員 先日の本会議でも局長から、今後、都内全域での実施に向けて調整していくとご答弁をいただきましたが、今、答弁いただいたように、まずは明確になっている課題から調整をしていただき、感染が少し落ち着いている今のうちに、都内全域実施に向けた体制の再構築を図っていくべきだと要望させていただきます。
次に、保育所等におけるPCR検査の実施について質問をさせていただきます。
この夏のデルタ株により感染者数が増え、保健所が逼迫する事態が起きました。また、この間、都内の保育園でも感染者数が増加し、クラスターも発生したため、一部の保育園では、独自で医療機関でのPCR検査を実施しました。
そして、その経費の負担感から、都として支援ができないかとの要望が我が党にも寄せられ、都議会公明党は、先月の新型コロナウイルス感染症対策特別委員会や九月十六日の緊急要望で、保育所等におけるPCR検査の実施を要望させていただき、今回、このように保育所等におけるPCR検査の実施を早期に着手していただいたことを高く評価いたします。
そこで、本事業について確認をさせていただきたいと思います。
まず、本事業の目的、対象者、対象施設など、概要をお伺いします。
○奈良部少子社会対策部長 都は、保育所等におきまして、職員や児童が新型コロナウイルス感染症の陽性者であることが判明した場合に、施設内での感染拡大を防止するため、速やかにPCR検査を実施できるよう、検査キットを購入し、区市町村を通じて配布することといたしました。
検査対象者につきましては、保健所の疫学調査が実施された場合に、濃厚接触者やその周辺の検査対象者と特定される可能性の高い職員、児童としております。
対象施設につきましては、認可保育所、認証保育所、認定こども園などの保育施設及び学童クラブとしております。
○かまた委員 都が購入した検査キットを保育所等に配布していくとのことですが、この検査キットは、どのように保育所や検査対象者等に配布されるのかお伺いをします。
○奈良部少子社会対策部長 都は、購入した検査キットを区市町村に送付することとしておりまして、保育所等で陽性者が発生した場合に、施設の希望に応じて、区市町村から検査キットを配布することとしております。
保育所等におきましては、濃厚接触の可能性のある方など検査対象者を特定した上で、受検を希望する職員や保護者に対し、検査キットを配布することとしております。
なお、区市町村に対しましては、この取組によるPCR検査は保護者や職員の同意に基づく任意のものであること、PCR検査を実施する場合は、その結果等により、差別や偏見を助長することとならないよう十分な配慮が必要なことを周知しております。
○かまた委員 基本的に活用を希望する方や施設に配布するとのことですけれども、例えば、地理的に区役所等から遠い保育所などもありまして、迅速な検査ができないことも懸念されます。
そこで、各施設のニーズに応じて、事前に保育所に検査キットを配布することも認めるべきだと考えますが、見解はいかがでしょうか。
○奈良部少子社会対策部長 本事業では、対象施設を陽性者が発生した保育所等としていること、また、検体の送付から検査結果の把握までを円滑に行うには、検査キットの適正な管理が必要であることなどから、区市町村でキットを保管し、陽性者が発生した場合に、希望する施設に対し、キットを配布することを想定しております。
しかしながら、区市町村におきまして、対象者への検査キットの配布、検体の回収と検査機関への送付、検査結果の受理に至る手続を整理し、保育所等と共通認識を持って運用できる場合には、事前に配布することも可能となっております。
こうしたことにつきましては、現在作成しておりますQ&Aに盛り込み、今後周知してまいります。
○かまた委員 ぜひ、ニーズに応じた対応ができるようにお願いをいたします。
我が党の代表質問においても、既に自主的に検査を実施した保育所等に対する遡りの支援について検討するとの答弁がありましたけれども、現在の検討状況を伺います。
○奈良部少子社会対策部長 都は、保育所等におけるPCR検査の実施を支援するために、検査キットの配布に向けまして、区市町村の意向を調査し、回答のあったものから順次発送準備を進めております。
これ以前に、陽性者の発生に伴い自主的に検査を行った保育所等への支援につきましては、現在、対象期間や対象者等の具体的な要件について検討しております。
○かまた委員 早速、実施に向けた検討を進めていただき、ありがとうございます。
また、同じく我が党の代表質問において、放課後等デイサービスに対してのPCR検査の実施も検討していくとの答弁がありました。
障害のある子供の検体を取ることは容易ではなく、検体採取のための支援も必要だと考えますけれども、見解を求めます。
○中川障害者施策推進部長 都は、放課後等デイサービス等での感染拡大を防止するため、児童や職員の陽性が判明した際、施設などでのPCR検査を速やかに実施できる仕組みについて、現在検討を進めております。
実施に当たりましては、障害児の特性を踏まえた手法を検討してまいります。
○かまた委員 ありがとうございます。
この保育所等におけるPCR検査につきましては、現場の園の方々の声を受け、いち早く予算計上していただいたものです。ぜひ実際の検査の際にも、各園のニーズに応じた対応ができるよう、きめ細かい対応をお願いして、質問を終わります。
○藤田委員 ワクチン接種と国民の自粛などの協力によって、新型コロナ感染症の新規陽性者は減少しています。
一方、緊急事態宣言の解除に伴い、都内では、お台場、池袋、渋谷などの人出が増えており、無症状や軽症の方から再び感染が広がる懸念があります。新規陽性者が減った今こそ、無症状の陽性者を早期に見つけるための検査を戦略的に広げることが、第六波を起こさない対策として非常に重要となっています。
無症状や軽症の陽性者を速やかに把握し、対応することが感染拡大防止に重要と考えますが、いかがですか。
○河野新型コロナウイルス戦略的検査推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 感染拡大を防ぐためには、症状のある方や無症状の濃厚接触者のほか、重症化リスクの高い方などが迅速に検査を受けることにより、陽性者を早期に発見することが重要でございます。
○藤田委員 陽性者を早期に発見することが重要ということです。
しかし、そのためには、現在の検査数では少な過ぎます。都のモニタリング会議の資料では、いつ、どこで感染したか分からない、いわゆる接触歴不明者の割合が三週連続で増加しています。コメントでも、増加比が上昇に転じることに警戒が必要であるとしています。これは、市中感染が広がっていることの現れでもありますので、潜在的な感染者を発見する検査戦略を大規模に行うことが必要です。
初めに、症状のある方が迅速に検査を受ける体制について提案します。
神奈川県では、家庭に抗原検査キットを送っておいて、ちょっとでも症状があるときにすぐに検査ができるような仕組みをつくっています。アンケート調査で、症状が軽ければそのまま出勤すると答えた方が四割を超えたということから、県から抗原検査キットを家庭に配布する事業を行ったということでした。
こういう取組は、陽性者の早期発見とともに、感染拡大防止に有効と考えますが、いかがですか。
○河野新型コロナウイルス戦略的検査推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 発熱やせきなどの症状がある場合には、出勤せずに医療機関を受診していただくことが原則でございますが、重症化リスクの高い方が利用する施設などにおきまして、職員が出勤後、症状が現れた場合に迅速に検査を行うことは、早期発見、感染拡大防止につながるものと考えてございます。
このため、都では、国と連携しながら、医療機関や高齢者施設などに抗原簡易キットを配布してございます。
さらに、保育所などに対しましても、職員などが発熱した場合に備え、抗原簡易キットを配布してございます。
○藤田委員 家庭への検査キットの配布は、症状があったときに、出勤や登園、学校への登校など、外出する前に確認できる、陽性ならば、なお早期発見につながるというメリットがあります。抗原検査キットを配布して、早期発見することは、感染拡大の防止につながるという認識なのであれば、ぜひとも重症化リスクのあるところや保育園などのみならず、職場や家庭など、幅広く配布していただくことを要望いたします。
次に、濃厚接触者などへの幅広い検査の在り方について提案します。
広島県では、濃厚接触者だけの検査では、潜在的な陽性者を見つけられていないということで、一人でも陽性者が出たときには、その集団を全部検査するようにしました。その結果、一か月で約五百事業所、一万五、六千人に検査を行って、約百人の陽性者を発見しました。担当者は、これまで見過ごされてきた陽性者が発見でき、感染の再拡大防止につながると評価をしています。
こうした方法は、潜在的な感染者を見つけ、感染の連鎖を止めるために有効と考えます。ぜひこうした取組も参考にしていただきたいと思います。
今回の補正予算では、新たに保育所などへPCR検査キットの配布予算が計上され、代表質問の答弁でも、放課後等デイサービス等へ対象を拡大することも検討されているということで、重要です。
しかし、保育所等への検査体制整備では、濃厚接触者、候補者は、PCR検査キットを使用した判定結果にかかわらず、原則、最終接触から十四日間の登園自粛が望ましいと区市町村への通知に記載されています。しかし、通知が定義する濃厚接触候補者には、濃厚接触者だけではなく、その周辺の検査対象となる可能性の高い人も含まれていますので、周辺の検査対象となる可能性の高い人については、登園自粛とすべきではないと考えますが、いかがですか。
○奈良部少子社会対策部長 都は、保育所等におきまして、児童等の感染が判明した際に、施設内での感染拡大を防止するため、保健所による濃厚接触者の特定及び検査が即時に実施されない場合に、先行して実施するPCR検査に対しまして支援を行うことといたしました。
検査対象者は、保健所の疫学調査が実施された場合には、濃厚接触者やその周辺の検査対象者と特定される可能性の高い児童、職員としております。
実際の取扱いにつきましては、区市町村で判断するものですが、都といたしましては、周辺の検査対象者につきましても、感染の可能性の高い方に当たるため、感染拡大を防止する観点から、保健所からの指示があるまでの間は、濃厚接触者への対応と同様に、登園自粛が望ましいと考えております。
保護者への説明や保健所との調整など、検査の実施に伴う具体的な手続等については、区市町村から問合せをいただいていることから、現在、Q&Aを作成しておりまして、今後、周知する予定です。
○藤田委員 国の通知では、濃厚接触者ではない方は、行政検査の対象となったとしても十四日間の健康観察の対象外で、自宅待機にはならないというふうにしています。
保育所等では、検査では対応が違うとなれば、整合性がありません。むやみに登園自粛となるのでは、検査を受けることもためらってしまいますので、ぜひQ&Aの中で、または通知の改定で改善していただくよう要望いたします。
八月以降、都民からの相談の中で多く寄せられたのは、濃厚接触者といわれたが、どこで検査を受けたらいいのかというものと、検査を受けたが初診料の自己負担が発生したのはどうしてかというものでした。
都は、九月九日、PCR検査が受けられる医療機関をホームページで公表しましたので、以前に比べ、検査自体は受けやすくなりました。しかし、濃厚接触者への検査の場合、ほとんどの方が症状がありませんので、どうして保険診療になるのかという疑問が生じています。
行政検査でPCR検査を受ける場合、自己負担をなくすための公費による費用負担にはどのような種類がありますか。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症の行政検査は、都道府県、保健所設置市、特別区の行政判断において実施され、全て公費負担となる場合と、医師の判断により、診療の一環として実施することで保険が適用され、初診、再診料を除いて、検査に関わる費用の自己負担分のみ公費負担となる場合の二種類がございます。
○藤田委員 PCR検査自体は、いずれも自己負担はなくなるということですが、保険診療となった場合には、初診料などの自己負担が発生するということです。
しかし、保健所から濃厚接触者であると連絡があったときに受ける検査は、無症状であることが多く、保険診療はなじまないと思います。
全額公費の行政検査によるPCR検査は、どうやったら受けることができるのですか。
○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 全額公費によるPCR検査は、保健所が新型コロナウイルス感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対して行うものであり、保健所や保健所が委託した医療機関で受けることができます。
○藤田委員 つまり、保健所が検査の実施を判断して、直接あるいは医療機関などに委託して実施した検査については、初診料なども自己負担になることなく、PCR検査を受けられるということです。
一方、第五波の感染拡大の中、東京都は、八月十七日の通知で、医師会などに対して、受診に来た方から濃厚接触の可能性があると訴えがあった場合には、症状の有無にかかわらず、柔軟に行政検査(保険診療)の対象者として対応するよう通知を出しています。
本来、この場合、検査は保険診療ではなく、全額公費負担の行政検査とすべきです。認識を伺います。
○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症の検査については、感染が疑われる方や濃厚接触者など検査が必要な方が、より迅速、スムーズに受けられるようにすることが重要と認識しております。
保健所が疫学調査を実施し、調査の結果、濃厚接触者に該当すると判断した場合には、全額公費負担の行政検査となり、これについては保健所において適切に実施されております。
お話の通知での検査は、周囲の感染状況等を踏まえ、医師が必要と判断して行う保険適用による行政検査となります。
○藤田委員 身近な医療機関では、多くは保健所からの行政検査の委託を受けていませんので、東京都の仕組みで、ほとんどの場合、保険診療での検査しか受けられない状況になっています。
国が八月十三日に出した通知では、検査陽性を確認した際には、医師などは保健所の判断がなくても、さらに濃厚な接触の可能性のある者に検査を促し、なるべく検査を実施するよう周知をお願いするとしています。
この通知について、私は、厚生労働省に問合せを行いましたが、この場合の行政検査は、全額公費負担の検査を想定していて、保険診療による検査は想定していないという回答でした。より迅速な検査を優先したとしても、保健所との行政検査に関する委託契約を後から行えば、その効果は遡及させることができるとも明記されています。
無症状者に対するPCR検査は、濃厚接触者であっても、保険診療はなじみません。初診料などの自己負担が払えない場合は、濃厚接触者であっても、検査が受けられない可能性も出てきます。また、経過の中で、繰り返し検査を行うと、国保連などから査定を受けるという問題が度々起きています。
こうした事態をなくすためにも、濃厚接触者への検査を行う可能性のある医療機関に対しては、積極的に保健所との行政検査の委託契約を行うよう促していただくことを要望いたします。
次に、健康安全研究センターの検査体制について伺います。
都の健康安全研究センターの検査体制は、この間、どのように体制強化を行ってきましたか。また、プール検査はどの程度実施していますか。濃厚接触者などへの検査を迅速に行えるようにするためにも、健康安全研究センターの検査体制をさらに強化する必要があると思いますが、いかがですか。
○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 健康安全研究センターは、通常のPCR検査や変異株のPCR検査を行うだけでなく、国に先んじて変異株の有無を確認する検査方法を開発するなど、新型コロナウイルス感染症対策において重要な役割を担っております。
昨年一月の新型コロナウイルス感染症患者の国内発生当初から、センターにおいては、検査担当者の増強や検査機器の増設等を行い、現在は一日当たり約千件の検査機能を有しております。都においては、民間検査医療機関等を含め、一日最大九万七千件の処理能力を確保しており、引き続き連携の上、対応してまいります。
なお、プール検査は、健康安全研究センターでは実施してございません。
○藤田委員 昨年二月に比べて、健康安全研究センターで実施できる検査能力は大幅に拡大したものの、都内の検査能力から比較すれば、一%程度しかないということです。
これまで変異株がどの程度拡大しているのかの把握をしたくても、医療機関の検査の多くは民間検査会社に委託してしまっているので、全体をつかむまでに長時間を要していました。都内では、人口一千四百万人に対して、一か所の地方衛生研究所しか持っておらず、全国と比べても圧倒的に管内の人口が多くなっています。
今後、新たな変異株の検査や将来の新興感染症の流行に備えて、都として実施できる検査能力を強化しておくことを求めておきます。
次に、今後の検査拡大に対する備えについて伺います。
第五波では、治療が必要な方が入院できず、重症化したり、医療につながれないまま自宅で亡くなるという方が、八月以降、五十人にも上りました。自宅で亡くなるということはあってはなりません。こうした事態を二度と起こさないための医療体制の強化が求められています。
第五波の感染拡大の経験を踏まえ、第六波に備えて、最大で何床のコロナ病床が必要と分析していますか。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 今般、国は、都道府県に対し、今後も中長期的に感染拡大が反復する可能性があることを念頭に、今後の保健・医療提供体制の構築方針を作成した上で、十一月末までに構築方針に沿った体制を構築し、保健・医療提供体制確保計画として取りまとめるよう通知をいたしております。
この中で国は、最大必要病床数の設定を求め、この夏を踏まえて想定する最大感染拡大時の最大要入院者数から、自宅、宿泊療養者等の急変等に対応するための予備等を考慮し、地域の実情を踏まえ、最大必要病床数を算出するよう示しております。
今後、関係機関と協議しながら、都としての必要数を設定してまいります。
○藤田委員 十一月末までに取りまとめるようということで、これから算出ということですが、臨時医療施設の整備には一定の時間が必要ですから、速やかに算出されるよう要望いたします。
同時に、第五波では、一般医療の制限も過去最大となりました。今後の感染拡大が生じた際には、一般医療の制限がより最小限に抑えられるようにすべきです。そうした医療体制の強化も行うよう求めておきます。
第五波で急増した自宅療養者の対応で最も逼迫したのが保健所です。国は、十月一日の事務連絡、今夏の感染拡大を踏まえた今後の新型コロナウイルス感染症に対応する保健・医療提供体制の整備についてを各衛生主管部局に通知しました。
この中で、具体的に目指すべき水準として、感染拡大期でも全ての感染者に陽性判明当日またはその翌日に、保健所などまたは医療機関から最初の連絡があり、以降、それぞれの症状に応じた頻度で、継続的に健康観察や診療を受けられるようにすることとしています。
東京都は、どのように実行するのですか。
○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、本年八月十七日と九月二十八日に、都医師会及び都内診療・検査医療機関に対し、陽性者の健康観察について、保健所と連携して実施するよう依頼しております。
具体的には、医療機関が電話やHER-SYSを活用して、陽性者の日々の健康状態を確認し、その情報を保健所と共有することとしており、こうした取組を通じて、感染拡大期においても、陽性者に対する健康観察を適切に行ってまいります。
○藤田委員 実際、陽性者の診断をしている医療機関にもお話を伺ったときには、その日検査した方の多くが陽性となるようになって、診療自体も時間外に及ぶ中、健康観察に協力したいと思っても、診療後の時間となって、対応に限界があると話していました。医療機関の協力を得るには、そうした状況にも合った支援が必要です。
また、入院が必要と判断された場合も、必ず保健所を介して入院調整本部での調整になっており、保健所の負担となっているのではないかと思われます。
国は、十月一日の事務連絡、今後の感染拡大に備えた新型コロナウイルス感染症に係る保健所体制の整備等についての中で、全ての入院について、保健所を介して入院調整本部で調整されることとなっていたが、診断した医療機関が直ちに入院が必要と判断した場合には、入院調整本部に直接連絡できるルールとし、迅速な入院調整を実現したという参考事例を載せています。
都内においても、この事例を参考にした対応を求めますが、いかがですか。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、入院調整本部を設置し、入院先の調整が困難な案件について、保健所からの要請に応じて、受入先となる入院医療機関を調整しております。
保健所から入院調整本部への調整依頼件数が高い水準で推移した第五波において、都立、公社病院の入院調整と救命救急センターを有する医療機関等の重症病床への入院調整を一括して入院調整本部で対応しており、患者の重症度に応じた入院調整を実施しております。
引き続き、都内の医療資源を最大限に活用し、入院医療機関の調整を実施してまいります。
○藤田委員 いずれも保健所が介入して対応することが前提になっているので、今後の在り方についても、保健所の負担軽減の観点での検討をお願いいたします。
さらに、都内では、救急搬送困難事例が急増し、入院の可否について、昼夜を問わず保健所医師に連絡が入り、対応していたと聞いています。先ほどの事務連絡には、夜間対応が保健所の負担となり、患者搬送の遅れにも影響を及ぼしていたため、救急隊が直接、都道府県の入院調整本部に連絡する運用に変更したという参考事例を載せています。
都内でも救急搬送困難事例の対応のために、保健所医師への負担が増えていると聞いていますが、東京都はどのように対応していますか。
○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 本年八月、自宅療養者の増加に伴う救急要請件数の増加を受け、都の附属機関である東京都メディカルコントロール協議会は、新型コロナウイルス感染症患者からの救急要請について、保健所に判断を求めることなく、救急隊が搬送を判断できる基準を策定しました。
救急隊が酸素飽和度の値や呼吸症状等の搬送判断基準に基づいて搬送と判断した場合には、都が設置する夜間入院調整窓口に救急隊から直接連絡し、連携して入院先医療機関の調整を行う運用を既に開始しております。
○藤田委員 運用を既に開始ということで、八月二十七日にその通知が出され、搬送判断基準についても示されているということです。基準は、運用の状況を見ながら、必要な場合は見直しも行うよう求めておきます。
入院が厳しい状況となっても、病状の変化に早期に対応できる仕組みづくりは重要です。第五波では、医療機関独自で健康観察などが必要と判断して対応したケースも多く見られました。ある診療所では、入院できない患者さんの要望に応え、看護師独自で訪問したり、薬を届けたりしていました。対応した看護師長は、自分の体も守りつつ、地域の患者さんを守るためと思っていますが、想像以上に大変と語っていました。
こうした医療従事者の対応によって、多くの命を救ってきたという認識はありますか。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 自宅療養者への医療支援に当たっては、地域ごとの医療連携を進めることが重要でございます。
都は、本年四月から、東京都医師会等と連携し、地域の医師による電話、オンラインや訪問での診療を受けられる体制を構築しております。
また、本年八月から、東京都訪問看護ステーション協会と連携をいたしまして、地域の訪問看護師が健康観察を実施しております。
地域の医療機関等がこうした取組に参画し、感染拡大時の八月十七日には、一日で最大二百二件の診療実績となるなど、自宅療養者への医療支援に寄与しております。
○藤田委員 第五波では、感染の拡大があまりにも早かったために、実際には制度ができる前から、医療現場の判断で、様々、命を守る対応が行われてきました。
私の身近な医療機関では、コロナの影響で必要な在宅介護が受けられないという事態が生じました。ある訪問看護師の話では、介護が必要な方やその家族が陽性となったとき、訪問看護以外の在宅介護サービスなどが全て中止になってしまったために、通常の健康観察に加え、訪問看護師が入浴介助やリハビリ、体の清潔ケアなどを担ったということでした。
医療従事者などへの慰労金は一度しか支給していません。都のモニタリング会議では、人工呼吸器を装着した患者が長期化しているため、いまだ医療提供体制の負担が大きい状況にあると指摘されています。また、ワクチンの効果が低下するなど、高齢者施設などでのクラスターも増加しています。
昨年実施した慰労金の支給を再び実施することを求めますが、いかがですか。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 国事業である医療従事者等への慰労金は、新型コロナ患者に限らず、広く患者との接触を伴う業務に従事しており、令和二年一月二十四日から令和二年六月三十日までの間に通算して十日以上勤務した者に対し支給するものでございます。
この慰労金は、当初、全く未経験であった新型コロナウイルスとの闘いの最前線で様々な苦労をされた医療従事者等に対し、一時金として給付したものであり、新型コロナウイルスの対処の仕方について判明してきた昨年の七月以降に関して、再支給を行う予定はないと国から聞いております。
○藤田委員 医療従事者などの皆さんは、昨年の七月以降も、一年以上にわたって、コロナ患者さんへの診療のみならず、ワクチン接種、迅速な検査の実施など、様々な対応を余儀なくされてきました。経験が蓄積されたからよいということではなくて、ストレスや心労の疲労がピークになっています。こうした状況を鑑み、二回目の慰労金の支給を国にも求めると同時に、東京都独自でも支給を検討していただくよう要望いたします。
また、子供への感染が増加し、保育所などでは、マスクのできない子供への対応で、いつ子供に感染させてしまうか、いつ子供から感染が広がるかとの思いで働いています。
アンケート調査では、ワクチン接種と検査への支援に次いで、職員間でも不安が大きい、感染が広がる中、保育することへの不安や職員の緊張がずうっと続いているなど、職員の疲弊が多く述べられています。
医療従事者をはじめ、働く子育て世帯を支える保育士も重要なエッセンシャルワーカーです。特に第五波では、子供の感染が広がって、保育士は感染防止のために毎日緊張を強いられています。
小さな子供たちの保育では接触は避けられず、二歳までの幼児はマスクをつけられない中、いつか感染させてしまうのではないか、また、自分が感染してしまうのではないかと大きなプレッシャーを背負いながらも、子供たちの笑顔を守ろうと必死に頑張っています。人と接する大切なケア労働ですが、保育士には一度も慰労金が出されていません。
子供の感染が広がり、大きな負担がかかっている保育士に、今こそ、都として慰労金を出すべきですが、いかがですか。
○奈良部少子社会対策部長 保育士をはじめとする職員が、新型コロナウイルス感染症対策を徹底しながら保育サービスを継続的に提供できるよう、国の補助金により、保育所等における感染症対策に要する経費を支援しておりまして、この経費は、通常想定していない感染症対策に関する業務の実施に伴う手当などに充てることが可能となっております。
また、都は、保育所等に勤務する方に対し、都の大規模接種会場におきまして、ワクチンの優先接種を実施しております。
加えまして、感染症対策に係る保育士の負担を軽減するため、保育補助者雇上強化事業及び保育体制強化事業によりまして、設備の消毒などの感染防止対策に従事する人材の配置に対しても支援しております。
これらも活用し、保育所等では、子供たちの安全の確保に努めながら、保育の質を落とさないよう日々ご尽力いただいており、感染者が急増した時期におきましても、保育サービスを安定的に提供していただいております。
○藤田委員 述べられた支援は、どれも感染拡大防止のための補助であり、慰労金とは性質が異なります。
もう一点伺いますが、子供でも感染しやすい、重症になる場合もあると、そういう新たな変異株の特徴が、今、あるわけです。
都の少子社会対策部は、新たな変異株が子供にも感染したり、発症したり、中には重症になるということもあるという認識をお持ちなのでしょうか。お答えください。
○奈良部少子社会対策部長 現状におきましては、保育所で、十代以下のお子さんで重症化した事例というのは、あまりないというふうに認識しております。
○藤田委員 重症化した事例についてだけ聞いたわけではなくて、新たな変異株は、従来株に比べて性質が異なって、子供にも感染が広がっていると、そういう認識があるのかということを伺っております。お答えください。
○奈良部少子社会対策部長 今後、新たな変異株が生じた場合に、それがこれまでのものと比べまして感染しやすいかどうかにつきましては、まだ推測することはできかねます。
○藤田委員 私は、今後の新たな変異株について伺っているのではなくて、現状あるデルタ株が、子供たちに感染が広がっていると。以前は、従来株は、子供には症状が出ていないだけかもしれませんけれども、感染が広がったり、症状が出たりはなかったわけです。
これがデルタ株になって、子供の中でも陽性者が増えている、感染がしやすいという状況があると、そういう認識があるのかと伺っております。お答えください。
○奈良部少子社会対策部長 今般のデルタ株におきまして、昨年度に比べて、保育所においても感染者の発生が多いかということについてでございましたら、発生件数は増えているということは存じております。
○藤田委員 デルタ株は、最近、第五波から急激に増えているという状況ですから、その前と比べても、デルタ株はなかったわけです、従来株なわけですね。その中で、子供の陽性者が増えているという認識があるということでは、やっぱり保育所などで、子供たちがいるところで、いかに感染拡大を防ぐか、ここが検査を行っていく、戦略を進めていく鍵になると思います。ぜひ、そういう認識を持って、検査の在り方も検討していただきたいと思います。
保育所などでは、子供たちの安全の確保に努めながら、保育の質を落とさないように日々努力している、こういう認識もあるのであれば、ぜひ東京都としても、保育士の声を聞いて、現場の実態の把握に努めて、支援の在り方について十分検討いただくようお願いいたします。
また、この間、高齢者施設などの職員への定期検査は高齢社会対策部、障害者施設の職員への定期検査では障害者施策推進部が検査のスキームを検討し、実施してきました。
同時に、今回は、少子社会対策部が検査の仕組みをつくりましたが、特に今回がこれまでと違うのは、スクリーニング検査ではなくて、症状があった場合の検査であるということです。
スクリーニング検査の仕組みは複雑なものではありませんが、今回の補正予算にある保育所などへのPCR検査事業は、保健所よりも早期に濃厚接触者などへの検査ができる仕組みをつくるというものです。
しかし、その在り方を考える部署が感染症対策部ではないということとなると、区市町村からなどの問合せに対しても、的確に対応できないのではないかと思われます。
保育所等においても、高齢者施設の職員などへの検査同様、職員等へのスクリーニング検査を実施することが混乱もなく望ましいと思われますので、今後の検査の在り方についてもご検討いただくよう要望いたします。
最後に、東京都監察医務院の役割について質問いたします。
警察庁が把握した数によれば、新型コロナウイルスに感染し、医療機関以外の自宅などで死亡した方は、東京都が最も多い百十二人に上りました。
監察医による検案で、コロナ陽性の発生届が出される場合、警視庁と重複することはありますか。
○小竹医療改革推進担当部長 感染症法において、発生届は、診断または検案した医師が最寄りの保健所長を経由して、都道府県知事に届け出るものとされております。
警察署からの要請により、監察医務院が検案したご遺体が検査により新型コロナウイルス感染症の陽性と判明した場合は、検案した医師が発生届を届け出るとともに、当該警察署にその情報を提供しております。
警察署からの要請により、八月に監察医務院が検案した事案のうち、新型コロナウイルス感染者数は七十三人であり、同月に警視庁で取り扱った新型コロナウイルス感染者数百十二人に含まれております。
○藤田委員 百十二人のうち、都の監察医務院が八月に検案した事案は七十三人ということです。
監察医務院の検案のうち、コロナ陽性となった事例についてですけれども、こちら、ちょっと私からお話ししますが、八月において検案されたうち、既にコロナ陽性が判明していた方が四十三件、監察医務院における検査でコロナ陽性が判明したのが三十件であると伺っております。八月に自宅療養中に亡くなった方は四十三人、生前にコロナと診断されずに、検案で陽性と判明した方が三十人ということです。
コロナ陽性者のうち呼吸器疾患が主な死因であったという方は、監察医務院の検査前にコロナ陽性が判明していた四十三件のうち三十一件、検案後に陽性が判明した三十件のうちでは二十三件であったと伺いました。
医療とつながれずに亡くなった方のうち呼吸器系の疾患が主な要因であった方は、全体でも七〇%以上に上っています。新型コロナ感染症の多くが呼吸器系に影響し、対応が遅れると急激に悪化して、医療とつながることなく命を落とす感染症であるということだと考えられます。
監察医務院がコロナ患者の死因究明の過程で得られた貴重な情報を、公衆衛生、医学などの領域で役立てるべきだと考えますが、認識を伺います。
○小竹医療改革推進担当部長 監察医務院は、公衆衛生の向上を図ることなどを目的として設置されております。
都は、東京都死因究明推進協議会を設置し、新型コロナウイルス感染症を含め、全ての死因の究明体制の充実に向けた検討を進めており、死因究明によって得られた情報の収集と発信についても検討を進めてまいります。
○藤田委員 公衆衛生、医学などの領域で、ぜひとも役立てていただきたいと思います。
感染拡大の第六波を防ぎ、再拡大した場合においても、全力で都民の命を守る対策の強化を行うよう求めて、質問を終わります。
○関口委員 よろしくお願いいたします。
まず、冒頭に、先日の厚生委員会におきましては、私自身が新型コロナに罹患をしたということもありまして、おじま委員長をはじめ、委員の皆様にもご迷惑をおかけしました。あるいは、理事者の皆様、議会局の皆様にもご心配いただき、そして、ご心配いただきましたこと、改めて感謝申し上げます。
いまだにコロナで苦しむ方々が多くいるわけで、これからやってくる第六波、こうしたものも極めて重要な問題になってまいります。今回この質問で取り上げますのは、今の感染状況というのはもちろん、低くはなっているものの、第六波に向けた備え、こういったものを主眼に置いて質疑をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、初めになんですけれども、空床確保料についてでございます。
空床確保料を受け取っているものの、病床の使用率が極めて低い医療機関があるということで、報道等もされているわけであります。
まず、東京都における空床確保料を受け取る医療機関数、こちらについて伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、新型コロナ患者を受け入れる医療提供体制を確保するため、入院患者等を受け入れる病院を対象に、病床確保料を補助しております。
本年四月から九月の病床確保料については、百六十の医療機関から交付申請がございました。
○関口委員 百六十あるということで、その中でも、一生懸命コロナの病床を受け入れてくれる医療機関がある一方で、なかなか受入れに消極的な医療機関があるということも事実でありまして、現場の中では不公平感を感じる医療従事者の方々も多いということで伺っております。
そもそもでありますが、空床確保料のこの制度設計というものは国のものでありまして、通常の補助金であれば、患者の受入れなどの実績があってお金を出す形というものが望ましいかと思います。
しかし、厚労省がコロナ患者の受入れ体制ができていないという批判を受けて、病床確保の数だけを追求した結果、患者を受け入れていなくても補助金を出すような制度設計になってしまったことは、非常に問題であると思っております。
その結果、実際には稼働できない病床ができたわけでありまして、都として、空床確保料の制度設計について、どのような課題があると考えているのか伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 病床確保料は、医療機関等の空床を確保し、コロナ患者を円滑かつ確実に受け入れる体制を確保することで、新型コロナウイルス感染症対策に関わる医療提供体制を強化することを目的に実施しているものでございます。
しかし、病床確保料の対象は空床に係る経費であるため、医療機関に入院患者の受入れのインセンティブが働きにくいとの意見もございます。
都は、病床確保料による支援に加え、陽性患者を受け入れている機関は、診療報酬のほか、受入れ人数に応じて、医療機関に対し受入れ謝金を支払うことで、入院患者の受入れ人数に応じた支援を行っております。
○関口委員 ありがとうございます。
ただ、一方で、制度設計が国であるからということで、東京都はもちろん、こういった形で対応を取っているわけでありますが、しかし、一方で、こうした制度設計に、やはり問題があるんじゃないかということを踏まえて、また、制度設計の改善あるいは変更、こうしたものを求めて、国に対しての申入れなどを行うべきだと私は考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 国は本年八月、都道府県から新型コロナ患者等の入院受入れ要請があった場合、正当な理由なく断らないことや、都道府県の入院受入れ要請に応じず、適切に受入れを行っていない場合、病床確保料の対象にならないこともあり得ること等について示した通知を発出いたしました。
これを受け、都は、医療機関に対し、国通知の趣旨を改めて説明するとともに、受入れ実績が低調な医療機関に対しては、個別にヒアリングし、状況を確認しております。
これまでも、病床確保料の補助対象について明確化するよう、国に改善を求めており、引き続き、新型コロナ患者の受入れが進むよう、国と意見交換を進めてまいります。
○関口委員 ありがとうございます。
先ほど、ご説明の中でもございましたが、個別にヒアリングを行っているということもありますし、また、さらには、国と意見交換を進めていくということでございますので、ぜひ、現場の医療機関の中でのこの不公平感、こうしたものをぜひ解消いただけるように、東京都としても働きかけをしていただきたい、そう思っております。
今、この制度変更や改善、こういったものを求める一方で、現行制度の下で、一床でも多くの病床を使用しなくてはいけないと思っております。
現在、積極的な受入れを求める事務連絡、受入れ実績の低い医療機関には個別の働きかけなどがされているものの、さらなる対応の強化が必要だと考えますが、都の見解を伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は本年八月、入院の受入れ実績が低調な医療機関に対して個別にヒアリングを実施するとともに、都から入院受入れ要請があった場合は、正当な理由なく断らないよう働きかけを行っております。
また、八月二十三日には、都内の医療機関に対して、感染症法第十六条の二第一項に基づき、医療機関に最大限の入院患者を受け入れることなどの協力要請を行ったところでございまして、引き続き、医療機関に対して、入院患者の受入れを働きかけてまいります。
○関口委員 私たちは、いわゆる野戦病院などの臨時の医療施設、こうしたものをつくることを、先日の代表質問でも求めてまいりましたが、まずは、空床確保料を受け取る、そうした足元の医療機関でのコロナ病床の拡大というものはいうまでもないかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
次に、自宅療養や宿泊療養、さらにはオンライン診療、こうしたことについて伺ってまいりたいと思います。
家庭内感染が多くを占めている中で、家族と同居する中で自宅療養することはもちろんでありますが、医療施設や宿泊療養につながることになったとしても、やはり、それまでタイムラグが生じてしまいます。それまでは自宅で待機をしなければならないということでもあります。
自宅内で家族と接触をせずに、自分自身を隔離するということは容易ではありません。現に、都心は住居面積が狭く、なおさらであると思っております。
私自身、コロナに感染をし、そうした当事者の一人でありました。特に我が家は、本当に一Kのような大きさのところに、妻と娘、三人で住んでおりますので、家庭内の動線の部分も考えますと、自分自身を隔離するというのが非常に困難でもありました。
そうした観点からもそうですが、いうまでもなく、命と健康を守るという観点からも、入院調整や宿泊施設への入所調整、こうしたものを今まで以上に迅速に行うために、陽性者の療養方針を判断する保健所の体制強化や、都の入院、宿泊療養調整業務の迅速化を図る必要があると考えますが、都の見解を伺います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、各保健所に都職員を派遣して業務支援を行うほか、東京都発熱相談センターや、夜間に入院先の調整を行う窓口の設置などによりまして、保健所と連携して、新型コロナ感染症対策に当たる体制強化に取り組んでおります。
また、保健所の業務を担う保健師や看護師等をトレーサーとして採用し、都保健所に配置するほか、保健所設置区市に対しましては、保健師や看護師の雇い上げや業務委託の経費等を支援しております。
入院調整に当たりましては、入院調整依頼件数が高い水準で推移をいたしました感染拡大時に、都立、公社病院の入院調整と救命救急センターを有する医療機関等の重症病床への入院調整を一括して実施いたしました。
宿泊療養施設への入所調整に当たりましては、家庭内感染のリスクが高い方等につきまして、保健所からの依頼を受けた当日に入所いただくなど、迅速に対応しております。
今後もこうした取組により、保健所の一層の体制強化や入院、入所調整の効率化を図ることで、陽性者が迅速に入院や宿泊療養ができるよう努めてまいります。
○関口委員 入院調整に当たっては、都立、公社の入院調整と救命救急センターを有する医療機関等の重症病床への入院調整を一括して実施をしたり、あるいは宿泊療養施設に関しては、当日に入所いただけるような環境を整備したりということで、確かに、そうした整備が構築をされつつあるということはもちろん、今、答弁を伺いまして、納得をするところでありますが、やはり第六波、こうしたものがさらにやってくるということを踏まえて、より体制の強化をお願いしたいと思っております。
特に当事者になると、当日に入所できるということは、非常に当事者としてもありがたいと思いますし、次の日に入所するといって、心はほっとはするものの、やはり家族に感染をさせてしまうんではないかという非常に強い気持ちを持ってしまいます。ぜひ、そうしたところの取組もお願いをできればと思います。
次に、宿泊療養についてであります。
宿泊療養は、既存の医療機関や医療資源の軽減や、看護師やオンラインを介しての医師へのアクセスが担保されているということで非常に有意義であると考えております。
私自身も、自宅療養から宿泊療養に移行ができました。そうした観点からは、福祉保健局の職員の皆様にも感謝を申し上げたいと思いますし、そうした宿泊療養の現場の皆様にもお世話になったことを感謝申し上げたいと思います。
私たちは、代表質問で、第六波に向けての最悪の想定をすべきだということで指摘をいたしました。今、そうした関係からは、往診型の宿泊療養が開始となったり、あるいは抗体カクテル療法を活用するといったことで、宿泊療養にも多様な体制が構築をされているということで承知をしております。
しかし、第六波がやってきたときに、医療が逼迫し、本来であれば医療施設にアクセスすべき症状の方が宿泊療養につながるということを考えなくてはいけません。
宿泊療養は、東京オリンピック・パラリンピックの直前に、五つの宿泊療養施設が閉鎖をされております。
まず、これらがなぜ閉鎖になったのか伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 宿泊療養施設の閉鎖の理由といたしましては、常連客から再開を望む声が多く寄せられたことから顧客の宿泊需要に応えたいという判断や、緊急事態宣言の解除による出張や旅行などの宿泊需要増を見込んだ判断など、主に施設を通常の宿泊事業に活用したいというホテル事業者の判断によるものでございます。
なお、令和三年三月の施設閉鎖前には、全体で宿泊療養施設として、十四施設、総部屋数六千十室、受入れ可能数三千二百九十室でございましたが、現在は、十七施設、総部屋数六千五百四十六室、受入れ可能数三千三百十室を確保しております。
○関口委員 新規の宿泊療養施設を新たに都として開拓をしていくこと、これも重要だと思っております。
しかし、今までのノウハウが蓄積をされたような、今、申し上げたような五つの宿泊療養施設、こういったものを、今すぐに再開をする、そういったことではなくて、第六波に向けて、また、さらなる宿泊療養施設が、ニーズが必要となったときに、再開の検討をすべきだと思いますけれども、都の見解を伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 宿泊療養施設の開設に当たっては、施設の規模や立地条件、建物の使用状況、療養者と運営スタッフ等のゾーニングなど、様々な観点から検討が必要であり、このような条件を満たすホテルを開拓しております。
一方、既に閉鎖した宿泊療養施設は、ゾーニングなどの開設や運営に関わるノウハウがあることから、過去にも、一度閉鎖した宿泊療養施設を一定期間の後、再開した事例もございます。
今後も、宿泊療養施設の開設に当たっては、新たな施設のみならず、既に閉鎖した宿泊療養施設も含め、立地条件等の様々な要件を踏まえ、検討してまいります。
○関口委員 過去に一度閉鎖した宿泊療養施設を再開した事例もあるということで、また、ぜひこちらの方もお願いをしたいと思っております。
自宅療養者についてでありますが、自宅療養者への支援においては、夜間や休日においても、必要な医療を確実に提供できる体制を整備することが重要だと考えております。
まず、都の取組状況について、そして、今回の感染拡大時の実績について、含めて伺いたいと思います。
あわせて、自宅療養者におけるオンライン診療システムを活用した取組は評価をしております。オンライン診療は、ただ、時間の限りがある、こういったことも伺っております。
本来であれば、オンライン診療という特性も生かして、二十四時間アクセスできるような環境を構築すべきだと考えますけれども、都の見解を伺います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、本年四月から、東京都医師会や各地区医師会等と連携をいたしまして、地域の実情に応じた医療支援体制の構築を進めており、現在、三十三の地区医師会で、電話、オンライン診療や往診を実施しております。
また、夜間、休日における医療支援体制を強化するため、主に、平日の夜間や日曜、祝日に往診等を行っている事業者と連携をしております。
この事業者の診療実績といたしましては、本年六月は、一か月間で電話、オンライン診療が二十五件、往診は六十三件でございました。
一方、感染拡大時の本年八月は、一か月間で電話、オンライン診療は五百三十件、往診は六百五十一件実施をいたしました。
加えまして、医療支援体制のさらなる強化を図るために、先月からは多摩地域で、平日の午後六時から午後九時までの時間帯におきまして、共通のビデオ通話システムを活用したオンライン診療を開始しております。
各地区医師会等による取組と併せた重層的な支援体制を構築することによりまして、自宅療養者が必要な医療にアクセスできる環境整備に努めてまいります。
○関口委員 今、ご答弁もいただきましたけれども、夜間、休日における医療支援体制ということで、平日の夜間や日曜、祝日に往診等を行っている事業者がいらっしゃるということで、診療実績としては、本年の六月であれば、一か月間で電話、オンライン診療が二十五件、往診六十三件、感染拡大の八月では、一か月間で電話、オンライン診療が五百三十件、往診が六百五十一件ということで、一か月トータルで考えると、私は、まだまだ数字が足りないのではないかと思っておりますので、ぜひ、こうしたところの強化拡大、こうしたものを要望したいと思っております。
また、オンライン診療も含めてでありますけれども、我が会派には斉藤りえ議員がおりまして、先日の一般質問もさせていただきましたが、聴覚障害を持っております。そうした障害を持つ方々に対しても、インクルーシブな取組というものを要望したいと思っております。
続きまして、土日祝の体制の強化ということで伺ってまいりたいと思っております。
第五波の際には、地域の保健所や地域の発熱相談センター、あるいは東京都の発熱相談センターにつながらないという声を非常に多くいただきました。特に、土日祝や連休が続くと、その声は、より多くいただくことになっておりました。八月の感染拡大時、特にお盆の時期、連休のときは、非常に多くの方のお声をいただいたわけであります。
コロナに、平日、土日祝日というものは関係がございません。そういった観点からも、基礎自治体と連携を図りながら、地域の保健所機能の強化や相談窓口の強化、これをしっかり図るべきだと考えますけれども、都の見解を伺います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、保健所の業務支援を担う保健師や看護師等をトレーサーとして採用いたしまして、都保健所に配置するほか、保健所設置区市に対しましては、保健師や看護師等の雇い上げや業務委託の経費等を支援しております。
また、発熱などの症状を呈した方に医療機関の紹介などを行う東京都発熱相談センターや、自宅療養者からの医療相談に対応する自宅療養者フォローアップセンターでは、土日祝日を含めた二十四時間の相談対応を行っております。
両センターでは、本年八月の感染拡大に伴いまして、相談件数の増加に対応するため、回線数と人員体制を増強しております。
今後も、感染状況に応じて、保健所の体制強化や土日祝日を含めた相談体制の強化に努めてまいります。
○関口委員 今、ご答弁もいただきましたが、東京都の発熱相談センターや自宅療養者フォローアップセンター、こうした両センターの相談件数の増加に対応するために、回線数と人員体制を増強する、これはもちろん大事だと思っております。
ただ、一方で、土日祝という環境になったときに、東京都全域から相談や連絡が入るわけでありまして、私はより、地域の発熱相談センターや地域の保健所体制というものも、土日祝にしっかり対応できるような体制を構築することが重要だと思っておりますので、こちらもぜひ、基礎自治体と連携を図りながらの対応をお願いしたいと思います。
最後となりますが、東京都のホームページでは、発熱外来の実施をしている医療機関の一覧が九月七日から公表され、発熱相談センターに連絡せずとも、医療機関に容易にアクセスができる体制が整ったことは評価をしたいと思っております。
一方で、発熱外来の実施をしている医療機関の一覧を、都のホームページだけではなくて、基礎自治体のホームページなどとも共有できるような体制をつくるべきだと考えますが、都の見解を伺います。
特に、なかなか東京都のホームページにアクセスをするのではなくて、皆さん、やはり基礎自治体のホームページにアクセスをする方が非常に多いので、そこの連携をぜひお願いしたいと思っております。
また、先ほども申し上げましたが、土日祝は、多くの地域の診療所、これが休診をしております。先ほど申し上げたように、コロナに平日、土日祝、これは関係ないという観点から、東京都医師会とも連携を図り、土日祝の医療機関の積極的な開所に向けた調整をすべきだと考えますが、都の見解を伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都はこれまで、診療・検査医療機関の一覧情報を発熱相談センター、保健所等の関係機関と共有し、新型コロナウイルスに感染した疑いのある患者からの相談時に、速やかに医療機関を案内する体制を整備してまいりました。
今般、公表に同意のあった診療・検査医療機関のリスト、現時点で約千六百施設ございますが、これを東京都のホームページで公開しております。
今後、マップ化やオープンデータ化も進めていく予定でありまして、区市町村を含め関係機関のホームページでも、都のホームページをご紹介いただけるよう働きかけてまいります。
また、休日の検査体制についてですが、例えば、八月の感染急拡大時には、お盆休み期間も検査が実施できる体制の確保や検査枠の増設等について協力を依頼するなど、必要な検査が迅速に受けられるよう取り組んでまいりました。
今後、区市等や東京都医師会などとも協議しながら、休日の検査体制の確保に努めてまいります。
○関口委員 診療・検査医療機関のリスト、こうしたものをぜひ、区市町村とも連携を含めて行っていただきたいと思います。
恐らく知らない方が非常に多くいらっしゃると思いますので、ぜひお願いをしたいということと、先ほどから、土日祝について取り上げておりますけれども、こうしたお盆のような連休というものは、別に突然やってくるわけではないと思っております。
事前に分かっているからこそ、前回のお盆のような対応ではなくて、さらなる強化、こうしたものをぜひお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○おじま委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時二十一分休憩
午後三時四十四分開議
○おじま委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○上田委員 まず、コロナ専用病院の位置づけです。
九月三十日に、新型コロナウイルスの冬場の感染拡大に備え、東京に新たに設けられたコロナ専用病院として運用する政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長が理事長を務める地域医療機能推進機構の江東区にある東京城東病院で、三十日の運用開始を前に内部が公開されたことが報道されています。
九月当初から報道されていたんですけれども、福祉保健局に確認をさせていただいておりましたが、報道以上のことは知らないというお返事をいただいておりました。
専用病床の確保を含めて、東京都、都立、公社、民間、関係機関と、情報共有と連携協力は不可欠であるはずですが、こうした、現時点、都が有しているコロナ専用病院の情報及びどのように把握し連携協力をしているのか、具体的にご説明ください。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、コロナ患者を受け入れている医療機関と必要の都度、文書による通知やウェブ会議を通じ、情報共有や連携協力の依頼等の機会を持ち、新型コロナウイルス感染症対策を進めております。
また、病床確保料の補助金を受ける医療機関に対し、都から入院要請があった場合には、正当な理由なく断らないように働きかけております。
引き続き、医療機関と緊密に連携し、患者が安心して入院、治療が受けられる環境の整備に努めてまいります。
○上田委員 コロナ専用病院というものは把握していないというのも、私はちょっと、どうしても地域の方々が、例えば城東病院は結構高齢者も通っておりまして、行き場がなくなるというようなお問合せもいただいております。そうした方の円滑な転院、紹介は、基本、病院がやるものでございますけれども、それが行われるようなことと、あと、専用病院側はやはり経営が逼迫したり、転職者、退職者も相次いでいる、あるいは、がんや難病診療などに影響が出ないように、東京都のサポート支援と、専用病院として公表をされても、きっちりと前もって把握をしていく、まあ病床の方は把握しているということでございますけれども。
資料の1にございますけれども、こちらの方が幽霊病床問題におきまして、これも報道されまして、病院名などは把握はされているということでありましたけれども、資料、1ですが、これ、本当にノリ弁状態な状況でございました。
ここ、白くなっていますけれども、これが公表できないということなんですけれども、その理由を改めてご説明いただければと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 病院ごとの確保病床数は法人に関する情報であり、公にすることにより、病院の診療や入院に影響が及び、事業運営に支障があるため公表しておりません。
○上田委員 病院名を明らかにしないとなると、協力するインセンティブがやっぱり損なわれる、これ、やってもやらなくても、名前、公表しなくては、やらなくてもいいんじゃないみたいにならないかなと思うんですね。
どのようにこれを把握して協力に結びつけて、非協力的な病院には、どのような働きをされたのか、病院側から東京都へ求められたことは逆になかったのか、経過と現状、課題を明らかにしていただきたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 本年八月六日、国は、都道府県から新型コロナ患者等の入院受入れ要請があった場合、正当な理由なく断らないこと等について示した通知を発出いたしました。
これを受け、都は、医療機関に対し、国通知の趣旨を改めて説明するとともに、受入れ実績が低調な医療機関に対しては、個別にヒアリングを実施し状況を確認しております。
さらに、八月二十三日には、都内の医療機関に対し、感染症法第十六条の二第一項に基づき、医療機関に最大限の入院患者を受け入れることなどの協力要請を行ったところでございまして、引き続き、医療機関に対し入院患者の受入れの働きかけを行ってまいります。
○上田委員 この医療情報を公開しないというのは、病院の診療や入院に影響が及び、事業運営に支障があるということなんですけど、これ、都民にとったら非常に不親切で、どこの病院にどれだけあるかというのは、都民の情報で、どうしても医療法人ばっかり守っているんじゃないのというふうに、私はちょっとお見受けした次第であります。
実際に、もう長らく一年以上たっていますと、入院できる病院というのは区民も把握してきます。この間の第五波のときは、もう保健所も連絡が取れない、訪問医療、看護をやっても、かなり急激に悪化したということで、私は、個人の事例としては、かかりつけであったコロナの患者を受け入れてくださる地域の病院が、至急入院を、もう保健所も通さずに受け入れてくださって、命を救ったというようなことを伺いましたことから、やはりこのままの、ノリ弁状態ってどうかなというふうに思っております。
これら一波から五波に至るまでの情報確保について、評価と課題、反省を含めまして、第六波に向けての体制の整備状況、今後の見通しを伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 病床確保について、都は、新型コロナ感染症の発生直後から、感染症指定医療機関等に対し、病床の確保の働きかけを行い、令和二年三月には五百床を確保いたしました。
その後、専門家の助言をいただきながら、特定機能病院や救命救急センター等への医療機関を対象とした説明会を開催するとともに、空床確保料に要する経費を補助するなど、病床確保に関する働きかけを行ってまいりました。
さらに、本年八月二十三日には、都内の医療機関に対して、感染症法第十六条の二第一項に基づき病床の確保を要請し、現在は六千六百五十一床の病床を確保しております。
一方、第五波においては、変異株の影響など災害レベルの感染状況となり、今般、国は都道府県に対し、今後も中長期的に感染拡大が反復する可能性があることを念頭に体制構築することが必要であるとの考えを示しました。
第六波に向けては、こうした動きも踏まえ、都として、病床の確保も含め新たな臨時医療施設の確保など、感染拡大時における総合的な医療提供体制について検討してまいります。
○上田委員 病床確保なんですが、資料、6の方の手順で確保支援事務は進むようなんですけれども、報道でも指摘された東京都医師会の尾崎会長も、不適切な補助金があったら返したいと発言され、さきの代表質問でも議論をされていることから、こちらの流れの中で厳しくチェックをして、不正を見逃さず、断固とした姿勢で取り組んでいただきたいと思っております。当然、発覚した場合はしっかりと補助金を返していただきたい。こちら、本会議場でもおっしゃっていたと思いますが、よろしくお願いをいたします。
ホテル等の宿泊療養施設についてですが、陽性者数は、現在、おかげさまで急減しているところですけど、今後第六波が起きれば、昨年末から今年の年初のように急増することが容易に考えられるわけです。どの程度をコロナ禍が終結するまで準備するべきなのか、もう大分、福祉保健局も苦労を重ねながら経験値も重ねてきたと考えます。
とはいっても、財源や人員など医療資源にも、財源にも限りがあるわけで、こちら資料の2を踏まえて見えてきた課題と解決策、今後、感染拡大も想定される冬場に向けての妥当な施設数をどう捉えているのか伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 第三波の昨年十二月末現在、宿泊療養施設は十施設、総部屋数三千九百六十一室、受入れ可能数は二千三百六十室でございましたが、現在は十七施設、総部屋数六千五百四十六室、受入れ可能数は三千三百十室まで増加し、稼働率も、第三波時は約四五%でございましたが、第五波では最大六四%まで向上しました。
一方、入所者の健康管理を担う看護師が不足したことから、さらなる稼働率の向上には至りませんでした。宿泊療養施設で働く看護師の約九割は人材派遣の看護師で構成されており、ワクチン接種など看護師需要の急増に伴い、日々の看護師確保に影響が出ておりましたが、正看護師だけではなく准看護師の派遣も可能となるよう、改めて条件を見直すとともに、リーダー看護師などの処遇改善が図れるよう契約締結した結果、契約単価は本年四月当初よりも上昇しており、現在、看護師不足は改善しております。
第六波に向けての対応につきましては、既存の施設のさらなる稼働率の向上を図るとともに、今後の感染動向やモニタリング会議等の専門家の意見も踏まえながら、宿泊療養体制の確保に努めてまいります。
○上田委員 稼働率については、全国的に見ると都の施設の稼働率は高いレベルと評価をさせていただきます。
一方、ご答弁では、看護師の配置が進まずに、受入れが伸びなかった状況もあったということでした。局としては、そうした中で看護師の配置などを進めることで、どこまで稼働率を向上していけるかということに取り組まれても、取組の結果として、稼働率の増加、在床者数の増加が読み取れないことから、妥当なラインをあらかじめ想定することの難しさは感じた次第でございます。
引き続き、受入れ可能数にできるだけ近づけるよう手を尽くされていただきたいと思います。
酸素・医療提供ステーションです。同じく、酸素・医療提供ステーションは、現在、稼働率は低くなっていると考えるものです。
資料、4ですけれども、妥当な施設数、人員体制の想定について、最悪の事態に対応できるのか、地域性にばらつきや偏りはないか、まあ私、江戸川区なんですが、東京東部についても、検討していないか伺うものでございます。
○関口酸素・医療提供ステーション担当部長 今後の感染拡大に備えるためには、患者を受け入れる病床の確保に加えまして、これを補完する臨時の医療施設についても着実に整備し、都民が安心して療養できる環境を整えることが重要でございます。
都は、入院重点医療機関を指定するほか、緊急対応として、入院待機ステーションや、軽症、中等症患者を受け入れる酸素・医療提供ステーションを設置するなど、医療を提供する体制を構築しております。
今後も、感染動向やモニタリング会議等の専門家の意見を踏まえながら、感染の再拡大に備え、地域バランスも考慮しつつ、医療提供体制を構築してまいります。
○上田委員 資料、5の方にございますように、ステーションは、あくまでも臨時施設という位置づけでございます。
少なからぬ医療者から、単体施設では限界もありまして、来るのも、行くのも、いずれにしろ病院を経由して行くということになっている中、ワクチン接種同様、今、コロナも終息、落ち着いてきた中で、地域医療で対応できるようにしていただきたいという声も届いております。
私も、そちら、地域医療の方で、ステーションをつくらないでも済むような、区市町村、また、区市町村医師会とも連動しながら、実現の方に向けてのご努力をお願いしたいと思います。
新たな臨時の医療施設についてでございます。医療者をどのように確保していくのか、確認をさせてください。
○早川新型コロナウイルス感染症対策総合調整担当部長 都は、感染症法第十六条の二に基づき、都内全ての医療機関に対して、都が要請した施設に対する人材派遣などの協力要請を行ってございます。
新たな臨時の医療施設の運営に当たりましても、こうした人材を活用するほか、地域の医師会や医療機関にもご協力をいただいて対応することとしてございます。
○上田委員 区市町村との事前協議については、同僚議員も確認はしたように、関係機関とやっていらっしゃるということでございました。
また、切っても切り離せない保健所支援体制でございます。
第五波では、保健所機能がオーバーフローしてしまったことで、都民に多大なる不安とご心配をおかけしたどころか、本当に命が脅かされる事態となりました。
まず、電話がつながらない、陽性を伝えてもコールバックがない、二、三日放置される、本来確認すべきであった陽性者の行動履歴の確認なんかはとてもできない状況で、さらに、家族をどうしたらいいかまでの指示もできない状況になりました。
さらに、自宅で亡くなる方が、資料、3の方、こちら、見ているとちょっと胸が痛むんですけれども、お一人お一人がご自宅で亡くなっているということで、三十代が八月以降五名ということでありますよね、こういう状況になりました。
こうした保健所機能がストップしてしまったことへの福祉保健局の振り返りといたしまして、課題認識と今後の対策を伺いたいと思います。質問の趣旨としては、人を増やしました、回線を増やしましたではなくて、どういった形で、本当にこの大変な現実を踏まえて、対策を間違いなく具体的に練っていると思うので、ご報告をお願いいたします。
○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 これまで都は、自宅療養者の健康観察等を支援するフォローアップセンターや、夜間に患者の容体が急変した場合に入院先の調整を行う窓口を設置するなど、保健所と連携して新型コロナウイルス感染症対策に当たる体制強化に取り組んでまいりました。
しかし、今夏の感染拡大は、災害時ともいえる危機的状況となったため、都は、都内全保健所に対し、患者の病状及び基礎疾患等の重症化リスクを把握し、速やかに入院等の適切な医療につなげるよう依頼いたしました。
あわせて、医師会及び診療・検査医療機関等に、医師の判断で濃厚接触者への行政検査や健康観察を実施するよう依頼するなど、保健所業務を地域の関係者と連携して実施する体制を構築しております。
九月からは、都保健所管内の市町村に自宅療養者の情報を提供し、見守りや声かけなど、地域に密着した支援を推進する取組を開始しており、今後とも区市町村や関係機関と連携しながら適切に対応してまいります。
○上田委員 九月から自宅療養者の情報を提供というのも、報道で私も知って、改めて、自分も気づかず指摘ができず大反省したんですけれども、これ、速やかに、少なくとも一年前に提供すべきであったし、それをしていれば、ここ一年、コロナでもう九十人ぐらい亡くなっているんですかね、少なくとも八月からの四十七人は救えたというふうに指摘をさせていただきたいと思います。
本当に、保健所がかなりの業務を抱え込まざるを得なかったということで、健康観察、陽性になった後のパルスオキシメーターの値とか、あと熱、せきの状況など、健康観察を保健所が抱え込まずに、訪問医療、訪問看護及び訪問看護ステーションに担わせてほしいという声が、先ほどの第五波の、私も個々の解決をしている中で、各医療者の皆様から届いておりまして、この件につきまして、臨時会でも確認させていただきました。
資料の7にございますように、私の場合は、江戸川区でまず進めてもらったところなんですけれども、こうした取組、そんなに予算もかけずに、今ある医療資源で解決ができる、横串、縦串にすることで、これはオール東京で、この経験値を共有して取り組んでほしいところでございます。
現在、ほかの区市町村での取組は進んでいますでしょうか。また、東京都においては、訪問看護ステーション協会と連携を図ると報告は聞いておりましたけれども、現状、どうなっているのか伺います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、本年四月から、東京都医師会等と連携し、体調が悪化した自宅療養者に対し、電話、オンライン診療や往診を実施しております。
また、本年八月から、東京都訪問看護ステーション協会と連携をいたしまして、在宅でのケアが必要な自宅療養者に対し、地域の訪問看護師が健康観察を実施するなど、医療支援体制を強化しております。
十月一日時点で、十六区市の訪問看護ステーション協会地区支部が本事業に参画をしており、今後、本事業に参画する訪問看護ステーションを拡充いたしまして、保健所や地域の医師等と連携して、自宅療養者への医療支援を行う地域の拡大に努めてまいります。
○上田委員 特に、保健所の需要を、いろいろな会派の方でも、特に三多摩地区の需要を求めて質疑もなされておりましたので、オール東京での取組をお願いします。
医療、看護現場、医師判断の裁量権が広がったことは評価したいと思います。このことが、不足が指摘されている公衆衛生医師の成り手が増えるものと期待したいところでございます。
さて、子供たちの対応策でございますけれども、これまでの対策を振り返って、保護者が感染した場合、陽性者、陰性者の子供への対応につき、区市町村の対策と、それに関する東京都の支援体制、保育園とかもございますけれども、どう行ってきたのか伺います。
○西尾子供・子育て施策推進担当部長 保護者が新型コロナウイルスに感染し、児童も陽性であった場合は、家庭の状況や親子の症状等を踏まえまして、医療機関への入院や自宅療養など、保健所が児童の療養先をきめ細かく調整しております。
児童が陽性ではなく、濃厚接触者として指定された場合は、児童相談所が保健所と連携しながら、医療機関に児童の一時保護委託を依頼しておりまして、昨年三月から本年八月末までの実績は二百四十四件でございました。
また、保育所として利用していた施設の活用や、宿泊施設の借り上げなどにより、児童を一時的に受け入れる体制を整備する区市町村に対しまして、都は財政面で支援しており、昨年度は八区市に補助を行っております。
今後とも、新型コロナウイルスに感染した保護者が安心して療養に専念できるよう、区市町村とも連携しながら、児童の受入れ場所を確保してまいります。
○上田委員 第五波、緊急事態ということで、各区市も独自の対策を行っていることですが、今年度も、それでまた予算が振り向けられる、頑張った区市は予算が振り向けられるということで一安心いたしました。
さて、これまで保育園では抗原検査を行ってきましたが、その検査結果に対する評価と、今後、時限でPCR検査予算をつけていますけれども、恒常化しなければ保育体制の担保や感染防止策など、事前の対応に効果が出ないという現場の声も上がってきております。
まず、現時点で予算化したことは評価しますが、ニーズに対応できているのか、取組状況と課題をご説明ください。
○奈良部少子社会対策部長 都はこれまで、保育所等での児童の健康と安全を確保するため、手洗いなど基本的な感染症対策を徹底するよう周知するとともに、設備や遊具の消毒、清掃などを行う保育補助者等の雇用経費を助成しております。
認可保育所や認証保育所等に勤務する保育士等に対しましては、新型コロナウイルス感染症対策の有効な手段であるワクチン接種を加速するため、都の大規模接種会場におきまして、優先接種を実施しております。
さらに、保育所等におきまして陽性者が発生した場合に、施設内での感染拡大を防止するため、児童や職員に対し速やかにPCR検査を実施できるよう、区市町村を通じて検査キットを配布することとしておりまして、現在、区市町村の活用意向を確認しているところでございます。
また、保育士等が出勤後に発熱等の症状が現れた場合には、早期に陽性者を発見し、感染拡大を防止するため、保育所等に国が配布する抗原簡易キットの活用方法等を周知しております。
○上田委員 当初、介護現場が主体、最優先で対策が取られ、それとかなり遅れて保育所対策が取られ、やっと動き出したかということで、感無量でございます。
就労の継続は、個では家計に甚大な影響を及ぼしますし、一方、都としては納税者を失うことは、やはり長期的には財政問題となることから、今後も、親の就労の継続を踏まえた形で、保育所支援をお願いしたいと思います。
救急・周産期・小児医療体制確保支援事業なんですけれども、HEPAフィルター付空気清浄機限定の補助対象とちょっと読み取れてしまったんですが、HEPAフィルターでコロナウイルスを不活化させることができるというエビデンスが、私が調べた限りでは見当たりませんでした。
また、国の第三次補正予算において、国交省が推進するニューノーマルタクシー及びバスの新型コロナ感染防止除菌対策として、この種の空気清浄機においてフィルター交換が発生することで、ランニングコストとそのフィルターを触って交換するということで、感染リスクが高まるということが指摘をされて、問題視されていることが明らかになっておりました。
つきまして、HEPAフィルター以外の空気清浄機は補助対象となるのか、ならないのか確認をいたします。
○鈴木医療政策担当部長 救急・周産期・小児医療体制確保支援事業は、国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業に基づき実施しており、国の実施要綱では、HEPAフィルター付空気清浄機を補助対象として例示しております。
それ以外の空気清浄機につきましては、同要綱で示される救急医療を担う医療機関において、疑い患者の診療に要する備品に該当いたしまして、補助対象となります。
○上田委員 医療現場は、皆さんドクターだったり専門家が多いので、自分たちで選んだものを使いたいということなんですね。なので、例示イコール限定ではないということを、対象医療機関については丁寧に周知していただきたいと思います。
産労の同様の感染症対策補助事業でも、バス事業者がコロナウイルス不活化が学術的に認められたオゾン発生機器の導入を希望して、国に問い合わせたら、やはりオーケーだったということで、観光バスの方の補助事業に、昨年の今頃ですか、対象になったという事例もありましたので、都も国の通知の表だけをうのみにしたり、解釈を誤らないよう、重ねて情報提供を当該事業者にお願いをしたいと思います。
さて、資料、9によりますと、都の職員、ここのお膝元の感染者状況についてなんですけれども、これまで延べ二百十五名となっております。
交通局においては、地下鉄施設内でクラスターが報告された事例がございます。庁内における感染症対策について、労働組合事務所というのは、交通局もそうなんですけど、無償で、しかも、都の、都民の建物の中にあるわけで、東京都でしっかりとやっていても、そこに出入りすることで、しっかり感染症対策を取られていないと困るなということで、公営企業委員会のときも確認させていただいたのですが、今、この本庁においても協力が得られているのか、確認をさせていただきたいと思います。
○高野総務部長 福祉保健局では、局を挙げまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に係る様々な事業に取り組んでおります。また、各職場におきましても、新型コロナウイルス感染症の感染防止の注意喚起をし、対策の徹底を図っているところでございます。
これらの感染防止対策の実施に当たりましては、職員団体の関係支部に対しましても情報提供を行い、危機意識を共有した上で、協力して感染拡大防止に取り組んでおります。
○上田委員 まさに職員の健康を守る衛生管理事業を進めるということは、労働運動の基本のキだと思っておりますので、なされているということで安心をしました。
さて、自宅の陽性者の情報を九月まで共有できていなかったことや、iCDCなど屋上屋の会議体を立ち上げても、足元の保健所--私、保健所がまさに日本版CDCだと思っているんですね。ここが本当に、しゃれにならない、本当に野戦病院状態に陥ってしまったわけです。
その反省を謙虚に受け止められて、やった感事業や会議体にかける税金と職員の労力を、区市町村と、そして保健所、医療、福祉現場に振り向けることを強く要望し、私の質疑を終わります。
○やまだ委員 私からも幾つか質問させていただきますが、この間の質疑の中で重なる部分も幾つかございましたので、重なっている質問については割愛をさせていただきながら、意見、要望というような形で出させていただきたいと思います。
まず初めに、相談体制の確保、特に発熱相談センターについて伺いたいと思います。
先ほどの質疑で、休日における検査体制について、特に、休日の検査体制の確保について、区や市、また、医師会とも協議しながら確保していくことということで、ご答弁や質問がありましたので、併せて私たちからも、平常時であっても、感染拡大時でなくても、休日については、平日の約四分の一しか受入れされている医療機関がない、検査体制がないということを伺っております。ぜひとも、休日の検査体制の充実を求めておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
そして、併せて平常時の休日の検査体制の充実とともに、次の感染拡大に備えた緊急時の検査体制の充実をどのように構築していくのかについて伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 今後の感染拡大に備え、国は新たな整備指針を示し、都道府県に対して検査体制を点検の上、必要な検査体制の整備に取り組むよう通知を発出いたしました。
国の指針では、検査体制の整備に当たって、診療・検査医療機関やPCRセンターが対応力の拡大を機動的に図ることができる体制をあらかじめ構築しておくことを求めております。
都では、国の指針等を踏まえて、十月中を目途に検査体制整備計画を見直し、必要な検査を迅速かつ確実に実施できるよう、次の感染拡大に備え検査体制を整備してまいります。
○やまだ委員 十月中を目途に検査体制整備計画を見直して、必要な検査を迅速かつ確実に実施できるよう体制を整備していくというご答弁でありました。
十月中を目途にというのは、大変大きな高いハードルだと思います。ぜひとも、年末、第六波に向けた体制整備について、先ほどの検査体制、平常時も含めた検査体制、しっかりと検討いただき、迅速な対応を求めておきたいと思います。
続きまして、新たな臨時の医療施設について伺いたいと思います。
こちらについても、整備計画等、要旨についても質疑がございましたので、一部割愛をさせていただきながら質問したいと思います。
新たな臨時の医療施設については、整備が大変期待されるものであります。特に、整備の目的として、様々な症状の患者からのニーズに対応するための機能等を踏まえて整備することを検討しているというご答弁が先ほどございました。コロナの感染とともに、基礎疾患、持病を持たれた方々の感染ということも十分に考えられます。もともとのお持ちになっている病気、基礎疾患への対応も、コロナの治療とともに必要となってくる場合があります。
そういった対応が可能となる新たな臨時の医療施設、候補となる施設について、医療機関はもとより、区市町村とも情報を共有し、公共施設や民間施設を積極的に活用し、早期に運用を開始すべきと考えます。見解を伺います。
○早川新型コロナウイルス感染症対策総合調整担当部長 酸素・医療提供ステーションをはじめ、新型コロナウイルス対策のための施設の整備に当たりましては、これまでも、練馬区における酸素ステーションをはじめ、渋谷区内での若者ワクチン接種センターなど、地元区や地区医師会などと綿密な協議を行い、そのご協力の下、整備、運営を行ってございます。また、行幸地下ワクチン接種センターなどのように、民間が管理する施設の活用も適宜進めてございます。
新たな臨時の医療施設の整備に際しましても、地元区市町村や地区医師会、関係医療機関と情報共有しつつ、医療資源の効率的、効果的な活用の観点から、既存の病院の空床や空き施設などを活用して整備することも含めて調整を行ってございます。
今後、さらに関係者と綿密に連携をいたしまして、早期に整備を進め、来るべき第六波に備えてまいりたいと考えております。
○やまだ委員 医療資源の効率的、効果的な活用の観点から、既存の病院の空床や空き施設などを活用して整備していくことも含めて調整を進めているというご答弁がありました。
まさにこういった医療資源の活用をできる施設などについては、区市町村や地元区、地元医師会に情報が多くあると思います。そういった観点からも、しっかりと区市町村、地元医師会とも協議、連携していただきながら、早期に整備を進めていただきたいと思います。
例えば、私、北区ですが、北区では病院が新設移転をした、空いた古い病院がそのまま活用できるんじゃないかと地元の方からも声が上がっているなど、地元ならではの情報がやはりあります。こういった情報をしっかりと区市町村と共有することで、効果的、効率的に、費用や時間的なものも節約しながら対応していくことができると思いますので、どうぞ連携については行っていただき、迅速な対応を求めておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
あわせて、この新たな臨時の医療施設について、整備に合わせて、やはり円滑に進めていくには、重要となるのは人であります。
医療従事者の確保について、本会議の代表質問でも、我が会派は、第六波に備えて臨時の医療施設確保を進めるべきと質問をし、この臨時の医療施設の整備に当たっては、医師や看護師など人材確保がネックになっていることから、重点医療機関等医療チーム派遣支援事業を活用すべきと考えております。見解を伺います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都は、病床の確保に加え、これを補完する入院待機ステーションや酸素・医療提供ステーション等の臨時の医療施設を整備しており、新たな施設整備には医療人材の確保が必要であります。
八月二十三日に実施した感染症法第十六条の二第一項に基づく協力要請では、多くの医療機関から、医療人材の派遣について協力の意向が示されており、現在、医療機関等と意見交換を実施しながら、派遣のための仕組みづくりを検討しております。
派遣先の一つとして、臨時の医療施設も想定しておりまして、必要に応じて、お話の重点医療機関等医療チーム派遣支援事業を活用しながら、第六波を見据えた医療提供体制の確保を進めてまいります。
○やまだ委員 派遣先の一つとして、臨時の医療施設も想定していただいているということでありました。こういったそれぞれの事業、横展開をしていただきながら、より効率的な取組にしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に、新型コロナウイルス感染症の流行下における妊産婦総合対策事業について伺ってまいりたいと思います。
特に、寄り添い型支援について伺います。東京都は、新型コロナウイルスに感染した妊産婦への寄り添い型支援を昨年から実施をしています。事業の案内の際には、妊産婦はもとより妊産婦を支える夫や家族にも周知をし、必要な方により活用がされていくことが重要だと考えています。
そこで、本事業のこれまでの実績と評価、また、併せて事業の周知について伺いたいと思います。
○奈良部少子社会対策部長 都は、令和二年九月より寄り添い型支援を開始いたしまして、新型コロナウイルスの感染が認められた妊産婦で希望する方を対象に、助産師や保健師等の専門職が電話や訪問などにより相談に対応しております。
令和三年八月までで、都内全域で百七十九名の方にご利用いただいておりまして、出産や育児を控える中、新型コロナウイルスに感染し不安を抱える妊産婦の方々の不安軽減に役立っていると考えております。
本事業の周知につきましては、支援が必要な方々に利用していただけるよう、ホームページで広く発信するほか、区市町村へもリーフレットを送付し、両親学級等で案内するよう依頼しております。また、医療機関や助産所にリーフレットを送付するほか、陽性となった方に対しましては、保健所で個別にご案内しております。
今後、妊産婦の夫など家族への周知の協力につきまして、医療機関や保健所に改めて依頼してまいります。
○やまだ委員 八月までで百七十九名の方々が活用されている、そして、主に、ご答弁の中では、両親学級のご案内や助産所、保健所での個別のご案内とありましたが、やはり一番多いのは、陽性と分かったときに個別にご案内されることでの利用が一番多いのではないかと思います。
妊産婦さんから直接の申込みが基本だと思います。しかし、妊娠、出産時の心のケアというか、自身が少し不安だよと、そういうことを自覚している妊産婦さんと、何とか自分で頑張らなければいけないとか、我慢しなければいけないという妊産婦さんも中には多くいらっしゃいます。
自分も妊娠、出産を体験して感じるところでありますが、やはり、本人、妊産婦さんとともに、家族であったり、そういった方々が一緒に乗り越えていくために、周りからの申込みができるような周知の体制も必要ではないかと思いますので、ぜひとも、そういった周知も広めていただきたいと思います。
ご答弁の中でも、家族への周知、協力についても、保健所に改めて依頼をしていただけるということですので、期待しております。よろしくお願いいたします。
そして、陽性妊産婦さんへの支援として、今回の補正予算に計上されています自宅療養の適切な実施に向けた支援事業の拡充の中において、陽性妊産婦さんへの健康観察事業があります。自宅療養中の妊産婦に対する新たな支援の取組を開始されることとなりました。
この取組を実施するに当たっては、療養終了後に様々な不安を抱えた妊産婦さんが寄り添い型支援事業を活用できるよう、この活用につながるよう工夫すべきと考えます。見解を伺います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 感染が判明した後、ご家庭の事情など様々な理由で自宅療養される妊産婦が、より安心してお過ごしいただけるよう、フォロー体制をさらに強化していく必要がございます。
このため都は、東京都助産師会と連携いたしまして、地域の助産師による自宅療養中の妊産婦に対する健康観察を新たに実施してまいります。
本事業では、助産師が電話や訪問等による妊産婦の健康観察を実施し、自宅療養中の妊産婦へのフォローを保健所と連携して行うこととしておりまして、その際、療養終了後の支援先として、お話の寄り添い型支援事業の相談窓口を紹介してまいります。
○やまだ委員 それぞれの事業をしっかりと連携をしていただきまして、本当は、できれば寄り添い型支援の助産師さんとその後の経過観察の助産師さんが同じであればいいなと、もっといいなということを感じてはおりますが、とにかく事業連携をして、継続した支えができるようお願いをしたいと思います。
そして、この助産師さんの見守りでポイントになるのが、助産師会の皆さんだと思います。
都内の中で助産師さん、地域によっては所属が多い、少ない、また様々な、コロナだけではない、新生児訪問ですとか、もともとの取組を持たれている中で、新たにコロナ陽性妊産婦さんへの対応が足されていくとなると、限られた助産師さんの活用、ここが非常に重要になると思いますので、しっかりと助産師会の皆さんにご意見を聞きながら、制度設計、仕組みをつくっていただきたいと思います。対応を求めておきたいと思います。
妊産婦さんへの支援について、最後に、寄り添い型支援が開始されてから一年以上経過いたしました。本事業は国の事業ということで、制度設計は国で定めています。
その支援対象は、感染した妊産婦さんに限定された事業です。しかし、コロナ禍において、妊産婦さんの方々は、感染の有無にかかわらず大変ストレスや不安は大きくなります。
そこで、都は、国に対して支援対象を限定しないよう、制度改正など提案をしていくことが必要かなと考えておりますが、見解を伺いたいと思います。
○奈良部少子社会対策部長 国は、妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合、出産や育児への影響などに不安を抱くことを想定いたしまして、妊婦に対するPCR検査への助成と一体的に行うものとして寄り添い型支援事業を創設したことから、事業の支援対象を陽性が判明した方としております。
長期にわたるコロナ禍におきまして、ワクチン接種による胎児への影響や授乳の安全性など、妊産婦の方々が抱える不安というものが昨年に比べてもずっと多様化してきております。
こうした不安に対応できますよう、都は、感染の有無にかかわらず、支援対象を全ての妊産婦に拡大するよう国に要望してまいります。
○やまだ委員 都として、助産師会のネットによる相談ですとか、様々対応がなされてきていることは十分理解をしております。
妊産婦さんのそもそもの支援は、陽性の妊産婦さんに限らず、全体の底上げをした上で、陽性の妊産婦さんへのさらなる支援ということを厚みを持たせていただくよう、ご答弁でも国との協議をしていただけるということですので、ぜひとも、東京都独自の支援とともに、国との連携もさらに強化をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
最後に、区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業について伺いたいと思います。
区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業は、本年で二年目となります。新型コロナウイルス感染症対策については、現在、ワクチン接種、カクテル療法など、ソフト面、また、酸素ステーションなどのハード面において様々な取組が進んでおります。それに伴って、区市町村における感染拡大防止に向けた課題や取組も変化していると思います。
昨年の五十億から始まったこの制度、今年度に入ってから十五億、十五億、そして今回十億と継続して支援をいただいておりますが、都として、区市町村の抱える変化する課題にいかに対応していくか、変化する課題を把握し、そして柔軟に応えて支援をしていくのか、その点について伺いたいと思います。
あわせて、各区市町村と好事例を共有する仕組みがあると思います。好事例を共有し、それぞれの区市町村でさらに効果を上げていくための仕組みがあると思いますが、この点についても現状を伺いたいと思います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策を効果的に進めるためには、地域の実情に精通した区市町村と連携した取組が重要でございまして、都は、令和二年度から区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業を実施し、区市町村の取組を支援しております。
今年度の事業実施に当たりましては、区市町村のニーズを把握するための意向調査を実施し、その結果を踏まえまして、高齢者等を対象とした訪問系サービス事業所の職員へのPCR検査費用を補助対象とするなど、支援内容の見直しを行っております。
また、実務者連絡会を開催いたしまして、区市町村との課題の共有を図るとともに、区市町村独自の取組として補助採択をいたしました事業の中で、他の区市町村にも参考となる取組は好事例として横展開を図ることとしておりまして、今後、さらにこうした取組を通じて、区市町村の感染拡大防止の取組を推進してまいります。
○やまだ委員 意向調査を行っていただき、ニーズに合った対応をされている、ご答弁をいただきました。
これからさらに、学校やまた経済、学校の現場でもそうですし、経済を回しながら感染を防止していく、この変化する対応に、ぜひとも区市町村の細かい要望を聞いていただきながら、そして、様々項目がある中で、その他事項というところでかなり受け止めていただいているというご説明はいただいておりますが、その内容について、こういった事例は可能だよ、この部分は国の補助制度もしくは東京都のほかの局での補助制度で対応してくれるよ、そういった細かい対応も、ぜひ東京都としてやっていただきたいなと思います。
これから六波に向けて、東京都とそして区市町村が協力した形で、しっかりと感染拡大防止、そして経済を回していく取組に尽力をいただきたいことを要望いたしまして、私からの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○桐山委員 私からも、ただいま質疑がありました区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業について質問させていただきたいと思います。
ただいまも質疑がありましたように、この共同事業は区市町村との、情報共有する、いわゆる好事例を紹介するなど、各区市町村の取組内容などを参考にされてきたものと思います。
地元市から出されている資料を見させていただきましたが、特徴としては衛生用品や備品購入が多かったかと思いますが、これまでの実績を見てどのような傾向があるのか、また第六波に備えた取組についてお伺いしたいと思います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、令和二年度から区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業を実施しておりまして、PCR検査等に要する経費、保健所等の体制強化経費、その他区市町村独自の取組を支援しております。
今年度の区市町村独自の取組の実施状況といたしましては、普及啓発事業が十一区市町村、衛生物品の配布が十一区市、保健所業務のデジタル化の推進事業が六区市、専門家の派遣事業が二区などとなってございます。
また、今後の感染再拡大に備えまして、自宅療養者に対してきめ細やかな支援を実施していくために、市町村へコロナ陽性者の個人情報の提供を進めるとともに、市町村における食料品や生活用品の配送事業、パルスオキシメーターの貸与事業等を本事業により支援をしてまいります。
今回の補正予算成立後の十月下旬に、区市町村に対する説明会を開催いたしまして、十一月から来年三月までの区市町村の取組に関わる新たな申請の受付を行う予定でございます。
○桐山委員 ありがとうございます。
ただいまご答弁がありましたように、この制度は、区市町村としては非常にありがたい制度なのかなというふうに思っております。
これまでも、この二年を通して、先ほども質疑があった中でもありましたが、様々この備品、いわゆる衛生用品も十分に準備をされて、傾向も変わってきたということで、ただいまご答弁ありましたように、六波に向けた取組としては、自宅療養者に向けての食料品の配送業務ですとか、パルスオキシメーターの貸与の事業など、そういったもので支援をされていくというようなことが分かりました。
今後は、この補正予算が成立をされた後に、新たに、いわゆる交付申請、変更届といいますか、申請を受け付ける説明会を開催されるということです。
改めて、事業内容ですけれども、また継続をされる区市町村、自治体もありますでしょうし、新たに、十一月から三月までの間の新規の取組ということで、申請をされていかれるところもあると思いますので、ぜひ柔軟な対応をされるようにお願いしたいと思います。
またこの補助金、先ほどもありましたけれども、国や都の他の主な補助制度とのすみ分けということで、様々な内容が申請をされてくるかと思うんですけれども、一方で、この財政難で他の制度があるんだけれども、その制度を使えなくて、今回この制度として使いたいと思って申請をされたんだけれども、やはり不採択となるケースがあるということで、これは補助制度として当然のことだと思いますので、理解させていただいておりますが、様々なこういった自治体の要望につきましても、これから、まだ六波に向けて予断を許せない状況でありますので、柔軟な取組、区市町村の意見などをしっかりと聞いていただきたいというふうに要望をさせていただきたいと思います。
次に、三回目のワクチンブースター接種について伺います。
我が会派は、八月の第二回臨時会の質問にて、三回目のワクチンの接種について、いち早く国際的な情勢についての言及をさせていただいたところです。
吉村局長からは、海外では、八月からイスラエルで五十歳以上を対象に開始をされ、またアメリカやイギリス、欧州の一部の国は九月から接種を計画など、我がこの日本でも、政府が実施に向けて海外の臨床試験データなどを収集して、必要性や有効性、対象や時期の検討を行うなどの答弁もいただいたところでございます。
その後、九月十七日の厚労省の予防接種・ワクチン分科会でブースター接種が了承されて、本二十二日には自治体向けの説明会も開催をされました。
その資料を見ますと、二回目までと同じワクチンを使うことを基本として、二回目から八か月以上空ける方向、医療従事者は早くて十二月、六十五歳以上は一月からと想定のスケジュールが示され、区市町村は、VRSから対象者の抽出をして接種券を作成し、そして郵送するなど、準備をするよう示されたところです。
本来、この予防接種事業は、区市町村事務として住所地接種ですけれども、医療従事者の場合は、一回目も二回目も東京都が主体として取りまとめてきたこともありまして、区市町村からも、東京都の方針と、そして情報を早く欲しいという声も届いております。
さきの本会議で、医療従事者等につきましては、住所地以外で接種する方が多数存在することなど、課題を踏まえて、区市町村と協働して接種する体制を念頭に、役割分担を検討していくとの答弁がありました。
国の想定での実施時期が迫っている中で、早急に分担を整理し、接種の準備を進めるべきです。
今後、区市町村や関係機関とどのような調整を進め、追加接種実施に向けた体制を整備していくのかお伺いいたします。
○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 追加接種を円滑に進めていくためには、接種予定者数の把握や接種対象ごとの実施主体の決定のほか、十月末を目途としております最初のワクチン供給希望量の確定などにつきまして、区市町村や関係機関と早急に調整を図る必要がございます。
このため、一昨日には、全区市町村の担当者とのオンライン会議を開催し、今後の準備事項やスケジュールの共有等を図ったほか、来週からは、区長会、市長会、町村長会等を通じまして、区市町村との役割分担や実施方法などにつきまして意見交換等を行ってまいります。
あわせて、東京都医師会などの関係機関とは、今週から調整を開始しており、来週中には課題を集約し、今後の詳細な制度設計や区市町村との調整等に活用してまいります。
これらのことを通じて、今月中には接種体制の基本的な枠組みの構築を完了させ、来月は接種体制の細部の調整や区市町村への一回目のワクチン配分量の決定など、十二月からの接種開始を見据えた具体的な準備を進めてまいります。
○桐山委員 様々なご要望を受けて、一昨日に区市町村の担当者とのオンライン会議を開催されたということで、少し安心をしました。
かなり迫っている、国が示したスケジュールでいうと、医療従事者は早くて十二月といいますと、本当に早急でして、接種券も含めて、今もう作成の準備も入られているという自治体も聞いておるところでございまして、やはり医師会とも、まだ方針が固まっていないんだということもお伺いをしていたところでございますので、できるだけ自治体が、区市町村が混乱を招かないように、スムーズな支援をぜひ引き続きお願いしたいというふうに思います。
また、同じワクチンを使うということでございまして、やはりファイザー社のワクチンが現在不足をしているというような中で、政府も追加接種をにらんで、ファイザー社と一億二千万回分のワクチンの供給に向けて協議もされているということでございます。
引き続き東京都におきましても、我が会派は代表質問でも申し上げましたが、国へのワクチンの供給につきまして、大都市が優先となるような引き続きの要望をぜひお願いしておきたいというふうに思います。
次に、現在、ワクチンの接種事業につきましては、都の大規模接種、区市町村の大規模接種会場の設置、個別接種、あらゆる場所で現在取り組んでおります。
ワクチンの種類も、ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社の接種が進んでいるところです。
地元西東京市におきましても、このたびファイザー社の供給が見込まれないとのことで、ファイザーを、個別接種では二回目のワクチンが終了段階で打ち切ることとして、市の大規模接種会場では、モデルナ社製のワクチンの接種が始まったところです。
国のワクチンの供給不足の対応に苦慮する自治体からは、余裕のある自治体間でのワクチンの融通を利かせられないかとの声が上がっている中で、もう既に、これも報道等でも出ておりましたが、新宿区が渋谷区から、港区が板橋区と台東区から、狛江市が世田谷区民への予約の開放など、自治体間のワクチンの融通の動きがございます。
東京都は、都内で新型コロナウイルスワクチンに余裕がある自治体がほかの自治体に融通ができるかどうかなど、調査をされているとの答弁も出ていたところだと思います。
今後、十一月中の接種完了に向けて、一部の自治体からは追加のワクチンの配分を求める声も上がっている現状を踏まえて、現在のワクチン供給に関する調査状況についてお伺いいたします。
○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 これまで都は、区市町村のワクチンの不足状況に応じまして、都の大規模接種会場用のワクチンを配布するとともに、ファイザー社ワクチンだけでは不足が解消されない自治体に対しましては、武田、モデルナ社ワクチンを用いた接種会場の設置を提案してまいりました。
先月末には、全ての区市町村に対しまして、現況に関する全般的な調査を行い、接種完了時期やワクチンの過不足状況等を把握するとともに、必要に応じて個別に意見交換を実施いたしました。
この内容を踏まえ、今月に入り二十か所の自治体間で約六万回分に上るワクチンの再配分を実施したところでございまして、今後とも十一月の接種完了に向け、区市町村をきめ細かく支援してまいります。
○桐山委員 ありがとうございます。
次に、ワクチンは、ヘルスリテラシー、ワクチンリテラシーともいいますけれども、非常に重要です。
この正しいワクチンについての知識の情報提供ということで、ワクチンをまだ接種されていない方、また二回接種したから大丈夫といっている方、また既にコロナに感染した人は抗体ができているからワクチンは接種しなくてもいい、このような考えでいらっしゃる方は、少なからずいらっしゃると考えられると思います。
実際に再感染した方の例も報道にありますように、感染歴のある方への接種も進めていく必要があり、国もワクチン接種の推奨をしております。
そこで、コロナに感染した方に対しても、ワクチン接種の啓発をしっかりと行う必要があると考えますが、見解を伺います。
○村本新型コロナウイルスワクチン担当部長 新型コロナウイルスに一度感染した方が再感染することにつきましては、これまでも国内外において一定数の事例が報道されております。
感染歴の有無を問わず、ワクチンの接種を啓発していくことは必要でございます。国は、既に感染した方も新型コロナワクチンを接種することができ、現時点では通常どおり二回接種するとの説明をしておりますが、感染歴のある方への接種につきましては、感染した際の治療内容等によって接種まで一定期間を置く必要があるケースや、感染歴のない方と比べると副反応が高い割合で発現するといった報告があることなど、留意点も幾つかございます。
一方で、ワクチン接種の方が自然に感染するよりも血中の抗体値が高くなることを示す海外の研究結果もございまして、こうした情報を今後、都のワクチン接種ポータルサイトに掲載することで、感染歴のある方に対する正確な情報提供と併せて、接種の啓発にしっかりと取り組んでまいります。
○桐山委員 ありがとうございます。
今まで掲載されておりませんでした都のワクチン接種ポータルサイトに掲載するなど、ぜひともこういった情報提供をして、接種の啓発に取り組んでいただきたいと要望させていただきたいと思います。
最後に、令和三年八月二十三日、感染症法第十六条の二の一項の規定に基づいて、非常事態ともいうべき感染状況に総力戦で挑むために、都の医療機関及び医師、看護師養成機関に対し要請を行ったところです。
コロナ特別委員会の質疑においても明らかになりましたように、医療機関で百五施設、看護師養成機関が二十施設の申出があり、今後は協力要請いただいた方々を有効に活用できる仕組みを構築していくとのご答弁でした。
災害級として人材不足で現場が逼迫をしている中で、特に人材確保は急務でありました。これらの仕組みを構築していくというようなご答弁の中で、のんびりしているような印象を与えてしまったことについては、残念に思ったところです。
しかしその後は、感染状況も落ち着きつつあり、現在も減少傾向が見られている中、その構築について、現在どこまで進んで、何で時間がかかって何が課題として挙げられているのかお伺いしたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 都では現在、感染症法第十六条の二第一項に基づき実施した人材派遣の協力要請に関して、感染状況に応じ速やかに医療人材を派遣するための仕組みを検討しており、具体的には、医療機関の機能、役割に応じ、病床運営、ワクチン接種、相談業務等の主な派遣先を設定することや、協定により他の病院に医療チームを派遣したり、あらかじめ医療人材を登録し従事につなげたりすることなどを検討しております。
実施に向け、医療機関や医師会、看護協会、区市町村等の関係機関と意見交換を進めておりますが、その中で、医療事故が起こった際の保険や指揮命令系統、労働災害、報酬の在り方等の課題が指摘されております。
十一月末までに国に提出する保健・医療提供体制確保計画でも、医療人材の確保が記載事項となっており、こうした課題を早急に整理し、取組を具体化してまいります。
○桐山委員 ありがとうございました。
ただいまご答弁があったように、感染症法十六条の二の一項で協力要請をして、人材出しますよといわれた医療機関があったということは、大変、協力をしていただく医療機関に、本当にありがたい話で、申出でございますが、これだけ課題があって、今現在こういった整理をしなければならないから、現在構築をしなければならない、すぐ使えるわけにはいかなかったんだということを、ぜひこういった質疑の場で、そういった詳細も明らかにしていただければ、非常に、スピード感がないじゃないかとか、のんびりしているんじゃないかというような指摘も上がらなかったのではないかというふうにも思います。
現在、感染状況が減少傾向のあるうちに、国から示されております十一月末までに、こういった医療人材も含めた体制を計画の中にしっかり盛り込むようにという事項ともなっているということのご答弁もいただきましたので、早急に、こういった人材が、また感染爆発が起こったときに人材不足、人材不足で手が回らないんだといわれないように、速やかに、こういった協力をしていただける医療機関を有効に活用できるような体制づくりをぜひお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○伊藤委員 私からは、福祉保健局に付託されました補正予算に関連して、端的に質問をしたいと思います。
人類がいまだかつて経験したことがない新型コロナウイルスとの闘いから、一年八か月がたちました。
この間、東京においては三十七万六千人を超える方々が感染をし、三千人に迫る方々がお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご家族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、現在治療中の方々の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
そして、福祉保健局の皆様には、この一年八か月の間、本当に身を粉にして取組を進めていただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。
新型コロナウイルスの恐ろしさは、感染拡大の波を重ねるごとに感染力が増し、感染者数の増加とともに医療提供体制を逼迫させられてきたことであります。
とりわけ、第五波となった八月には急拡大が続き、一日の新規感染者数五千七百七十三人、重症者数二百九十七人となり、いずれも過去最高となりました。さらに、医療受入れ体制が間に合わず、自宅療養や宿泊療養の患者も過去最多となりました。
こうした状況の中、都議会公明党に寄せられた声から、自宅療養者と宿泊療養者の方への対応の改善について質問をしたいと思います。
まず、自宅療養者への支援についてでありますけれども、フォローアップセンターから送られてくる食料品について、発熱があり、喉が痛いなどの症状があるときに、飲み込めず、飲み込むのがつらく、大変に苦労したという声がありました。
当事者に必要なゼリータイプの栄養補助食品などや、また、急な感染であるために、トイレットペーパーや生理用品などの必要な日用品、こうしたものを買うことができなかったという方もおりました。
療養者がこうした食料品や日用品を、必要なものを選べるように、新たな取組を検討していただきたいと思いますけれども、都の所見を伺いたいと思います。
○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 今般の災害レベルともいえる感染拡大によりまして、食料品だけでなく日用品など様々な支援ニーズが顕在化をいたしまして、これまで以上にきめ細やかな支援が必要となってございます。
このため、都は、今後、自宅療養者に配送する食料品につきまして、発熱等の症状がある方でも食べやすいゼリータイプの栄養補助食品やスポーツドリンクを追加するなど、必要な見直しを行ってまいります。
また、食料品に加えまして、生理用品などの日用品の支給など、きめ細やかな支援を実施するため、区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業などによりまして、区市町村の取組を引き続き支援してまいります。
今後も都は、区市町村との連携強化を図り、自宅療養者への支援を推進してまいります。
○伊藤委員 次いで、宿泊療養者からのメールと、また写真が届いたことについて触れたいと思いますけれども、このメールにはこう書いてありました。
宿泊療養先のホテルで配給されるお弁当を食べることができない、三十八度を超える高熱で、揚げ物や魚、大盛りの白米は食べられません、こういって写真を見せてもらいましたけど、三食同じようなお弁当のパックの中に、確かに揚げ物とかサバとかそんなものが白米の大盛りのご飯と一緒に入っておりました。この方が同僚の方に話をしたら、宿泊療養のホテルの窓口にヨーグルトなどを差し入れてくれた、しかし、要冷蔵のものは駄目と押し返されました、患者に寄り添った対応でないため自宅療養の方がよかったと思うけれども、一人暮らしで急な容体変化も大変に不安だというメールでありました。
私は、この状況を都に伝え改善を求めたところ、福祉保健局のホームページには、宿泊療養の方に、食欲がない人向けにゼリー飲料やおかゆなどの用意をしていることが記載されているということでありましたけれども、具合が悪い人がこのホームページを見に行って、そこでこういう記載を見つけていくことができるでしょうか。
宿泊療養者に対して、私は丁寧に、これまで以上に丁寧に対応すべきというふうに思いますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症検査推進担当部長兼務 宿泊療養施設において提供する食事については、サービスの改善を図るため、本年四月、入所者にアンケート調査を実施いたしました。
調査の結果としましては、ほとんどのホテルでおおむね良好でございましたが、一部のホテルの食事について、療養者が食べるメニューではない、揚げ物ばかり、野菜が少ないなどのご意見がございました。
そのため、こうした満足度が低いホテルについては、メニューを増やす、味つけを変える、野菜を入れるなどして彩りよい見た目にするなど、弁当業者に対して改善を働きかけてまいりましたが、改善が見られなかったホテルについては、業者の変更も行いました。
また、宿泊療養を紹介する都のホームページには、おかゆやゼリー飲料等を用意している旨を記載しておりますが、看護師による毎日の健康観察においても、きめ細やかな入所者の状況把握に努め、食欲がない入所者にゼリー飲料等を案内するなど、丁寧に寄り添った対応を実施してまいります。
今後も、定期的に入所者等からの意見を取り入れ、食事の改善を図るなど、療養環境の向上に取り組んでまいります。
○伊藤委員 補正予算の中には、宿泊施設活用事業の拡充、そして自宅療養の適切な実施に向けた支援の拡充に対する予算が計上されているわけであります。
本日の、私のたった二問の質問でありますけれども、また、細かいことかもしれませんけれども、自宅療養者も宿泊療養者の方も、コロナと闘いながら部屋の中で孤独とも闘っているわけであります。
今後は、これまで以上に患者に寄り添った心通う対応を切に願い、質問を終わります。
○おじま委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
○おじま委員長 次に、議員提出議案第十八号を議題といたします。
本案について提出者の説明を求めます。
速記を止めてください。
〔速記中止〕
○おじま委員長 それでは、速記を再開してください。
○藤田委員 東京都児童育成手当に関する条例の一部を改正する条例について提案いたします。
現在の児童育成手当制度は、ひとり親世帯に対して、子供一人当たり月一万三千五百円が支給されております。
この児童育成手当の金額を二千円引上げ、月一万五千五百円といたします。
施行日は、二〇二二年四月一日となります。
提案理由ですが、ひとり親世帯の相対的貧困率は、国の調査で約四八%と高く、深刻な状況が続いています。東京都の調査でも、ひとり親世帯の三割強が年収二百万円未満となっており、現在困っていることでは、家計についてが約六割で最も多くなっています。
その上、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う自粛要請の影響で、ひとり親世帯の実態はさらに深刻になっています。
東京都は昨年度、ひとり親家庭への食料品などの提供を行いましたが、一度きりのものになっています。継続的な支援の強化が必要です。
しかし、都の児童育成手当の金額は、一九九六年度以降、一万三千五百円のままで全く引き上げられていません。
したがって、ひとり親世帯の貧困の改善のため、児童育成手当の額を引き上げる条例案を提案するものです。
説明は以上です。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○おじま委員長 説明は終わりました。
これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○おじま委員長 次に、報告事項、私債権の放棄について外一件に対する質疑を行います。
本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
要求資料について理事者の説明を求めます。
○高野総務部長 九月二十四日の当委員会で要求のございました報告事項に関する資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の厚生委員会要求資料をご覧いただきたいと存じます。
報告事項につきまして資料要求がございましたのは、目次にございます、10から22までの十三項目でございます。
資料の一八ページをお開き願います。10、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの死亡退院患者数の推移(傷病分類別、年齢別)といたしまして、傷病分類別、年齢別の死亡者数の推移を平成二十八年度から令和二年度までの五か年にわたり記載してございます。
一九ページをご覧ください。11、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターにおける医療過誤による死亡事案といたしまして、平成三十年度から令和二年度まで記載してございます。
なお、記載のとおり、本件についての該当案件はございません。
二〇ページをお開き願います。12、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターにおける医療関係の訴訟件数及び事由といたしまして、健康長寿医療センターにおける医療関係の訴訟件数及び事由を平成二十八年度から五か年にわたり記載してございます。
二一ページをご覧ください。13、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの職種別職員数の推移といたしまして、各年度四月一日現在の職種別の職員数につきまして、二一ページに常勤職員を、二二ページに非常勤職員をそれぞれ平成二十九年度から五か年にわたり記載してございます。
二三ページをお開き願います。14、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの診療科別医師数といたしまして、副院長のほか、診療科別の医師数につきまして、令和三年四月一日現在の常勤職員数を記載してございます。
二四ページをお開き願います。15、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの経営指標の推移といたしまして、入院と外来の経営指標につきまして、平成二十八年度から五か年にわたり記載してございます。
二五ページをご覧ください。16、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターのその他医業収益の推移と内訳といたしまして、その他医業収益の決算額とその内訳につきまして、平成二十八年度から五か年にわたり記載してございます。
二六ページをお開き願います。17、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに対する運営費負担金及び運営費交付金の推移といたしまして、運営費負担金と運営費交付金の決算額につきまして、平成二十八年度から五か年にわたり記載してございます。
二七ページをご覧ください。18、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターにおける個室使用料の推移といたしまして、二八ページにかけまして個室使用料について、個室の区分、金額、室数の推移を記載してございます。
二九ページをご覧ください。19、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの人材紹介会社への職種別支払金額の推移といたしまして、医師と看護師の人材紹介会社への支払い金額につきまして、平成二十八年度から五か年にわたり記載してございます。
三〇ページをお開き願います。20、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの新卒者、経験者別看護師採用者数の推移といたしまして、常勤看護師の採用者数につきまして、新卒者と経験者別に、平成二十九年度から五か年にわたり記載してございます。
三一ページをご覧ください。21、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの看護師の夜勤回数別勤務者数(各年七月実績)といたしまして、各年七月一日から同月三十一日までの三交代制勤務と二交代制勤務それぞれにおけます常勤看護師の夜勤回数別の人数につきまして、平成二十九年から五か年にわたり記載してございます。
三二ページをお開き願います。22、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの職種別年次有給休暇平均取得日数といたしまして、職種別に、一人当たりの年次有給休暇の平均取得日数につきまして、平成二十八年から五か年にわたり記載してございます。
以上、簡単ではございますが、報告事項につきまして要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○おじま委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○桐山委員 私からは、東京都健康長寿医療センター令和二年度業務実績評価について伺います。
まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてお伺いをします。
健康長寿医療センターの病院部門は、地方独立行政法人が運営する公的医療機関として、地域の医療機関とどのように連携を図り、また、東京都の感染症対策においてどのような役割を果たしてきたのかお伺いをいたします。
○山口高齢社会対策部長 健康長寿医療センターでは、東京都の協力要請に基づき、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れる専用病床を確保して、公社豊島病院から重篤化した患者を受け入れ、ECMO等を用いた高度な医療を提供するなど、センターの有する医療資源を最大限活用し、地域の医療機関とも連携を図りながら、新型コロナウイルス感染症の治療に当たっております。
また、都が運営する複数の宿泊療養施設にコアとなる看護師を派遣するとともに、後方支援病院として病状が急変した患者の受入れにも対応しております。
さらに、今年度は、コロナ専用病床の増床を図るとともに、酸素・医療提供ステーションや大規模ワクチン接種会場への看護師、薬剤師の派遣など、引き続き都の感染症対策の一翼を担い、公的医療機関としての役割を果たしております。
○桐山委員 高度な医療を提供している急性期病院です。
これまでコロナ患者をいち早く受け入れられ、そして、コロナの専用病床も確保して、重篤患者をECMO等を用いて、センターの有する最大限の資源を活用して治療に当たられてこられたというご答弁でした。
また、健康長寿医療センターの医師や看護師を十二分に活用されて、宿泊療養施設や現在の酸素・医療提供ステーション、またワクチン会場など、様々、都の要請を受ける中で、公的医療機関の役割も果たされているということが分かりました。
引き続き、柔軟な対応ができるこのセンターの医師、看護師及び病床の増床もされるということですので、引き続き、第六波にも備えていただきたいと存じます。
また、後方支援病院としての役割ということで、すぐそばに豊島病院もありまして、そちらの方との連携も強固にされているということですので、こちらの方もしっかりと地元地域と連携を取りながら対応をお願いしたいと思います。
次に、超高齢社会におきましては、健康長寿延伸のために、高齢者の特有の疾患や老齢症候群に関する研究成果を臨床の現場や都民に還元をしていくことが重要であると考えております。
私はこれまで、フレイル予防に関しては、質疑を重ねる中で、都民への普及啓発に取り組む区市町村への支援が重要であるということを訴えてまいりました。
都は、健康長寿医療センターに介護予防・フレイル予防推進支援センターを設置し、人材育成、専門的助言などにより、区市町村のフレイル予防の取組を支援しておられます。
また、今年度から、新しい日常における介護予防・フレイル予防活動支援事業が開始されるなど、区市町村を支援する取組も着実に進んでいることは大変望ましく評価もするところです。
さらに、健康長寿医療センターでのフレイル予防の研究成果が予防活動に生かされることで、都民のフレイル予防に対する意識がさらに高まるとともに、より有効な活動になることに、今期待をしています。
さて、今回の業務実績評価におきましては、このフレイルの身体面の状態であるサルコペニアに関する研究成果が高く評価をされていることから、その研究内容についてお伺いしたいと思います。
○山口高齢社会対策部長 フレイルとは、加齢に伴い筋力認知機能等の心身の活力が低下し、要介護となるリスクが高くなった状態を指すもので、健康寿命を延伸していく上でフレイル予防は重要な取組でございます。
こうしたフレイルの身体面での状態がサルコペニアであり、加齢や病気などによって筋肉量が減少し、身体能力が低下した状態をいいますが、その発症につながるメカニズムはこれまで解明されておりません。
今回の研究では、脂肪や骨などの基となる間葉系前駆細胞の加齢変化がサルコペニア発症の一因となることを明らかにしました。今後、この細胞を標的とした効果的なサルコペニアの予防、治療法開発につながるものと期待されております。
○桐山委員 すばらしい研究の結果が出たということで、非常に期待をするところです。
骨格筋と呼ばれている、この老化は、サルコペニアと呼ばれ、筋量が維持されている人は、種々の疾患の罹患率が低下をし、長寿であることが明らかとなっております。また、この骨格筋の健全性を維持することは、健康長寿の実現の鍵になるともいわれております。
このサルコペニアの克服に向けて、こういった研究がさらに進み、サルコペニアのゴールは治療薬の開発というふうにいわれております。さらなる予防、治療法の開発につながるということで、私も大いに期待をしたいというふうに思います。
また、さらに現在では、東京都医師会も推奨されておりますエクササイズ・イズ・メディシン、これは、私も一般質問等でも取り上げさせていただいておりますが、運動は薬ですという考え方です。
こちらの方も、フレイルセンターの方の位置づけの中で、ぜひ、また医師会等とも強固に連携をしていただきながら、各区市町村にこういった研究結果に基づきながら、さらなるフレイル対策についての助言指導等、また発信していただけますような取組をぜひお願いしたいというふうに思いますし、センターの方にも期待をお寄せしたいと思いますし、よろしくお願いいたします。
最後に、健康長寿医療センターの経営状況について伺います。
令和二年度の評価では、コスト管理の体制の強化が高く評価をされておりますが、コロナ禍においては患者の受診控えもあり、医業収入の確保は難しかったものと思われますが、どのような点で評価をされたのか伺います。
○山口高齢社会対策部長 コロナ禍の受診控えによる患者の減少のほか、宿泊療養施設への看護師派遣などに対応するため病床を一部休止するなど、診療を制限せざるを得ない状況があり、医業収入が減少いたしました。
これに対し、法人として、建物総合管理委託など大型契約の内容の見直しや、医薬品、診療材料について、全国の医療機関の購入価格と比較できるベンチマークシステムの活用による費用の抑制、診療科別原価計算の分析など、運営面、経営面での創意工夫により収支改善に努めたことを高く評価したものでございます。
○桐山委員 今後も引き続き、コスト管理の体制強化は求めておきます。
健康長寿医療センターはこれまで、東京都老人医療センターと東京都老人総合研究所を一体化させて、地方独立行政法人化と一体化のメリットを持って、高齢者の心身の特性に応じた適切な医療の提供、そして、今も質疑もさせていただきました臨床と研究の連携、高齢者のQOLの維持向上させるための研究などを通じて、高齢者の健康増進、健康長寿の実現を目指して、大都市東京における超高齢社会の都市モデルの創造の一翼を担う、これは法人の理念に掲げていらっしゃるものだと思いますが、今後もその理念に沿って、都民にしっかりと、このセンターが、様々な研究データなど都民に還元されるような形で、引き続き努力をされることを要望いたしまして、質問を終わります。
○うすい委員 それでは、令和二年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価について、端的にお伺いをしたいと思います。
東京都健康長寿医療センターは、平成二十一年四月に、旧老人医療センターと旧老人総合研究所を一体化して設立された地方独立行政法人であり、今年で開設十三年目を迎えます。
今般のコロナ禍においては、公的医療機関として、コロナ専用病床の確保をはじめ、近隣の公社病院である豊島病院から重症患者を受け入れ、ECMO治療を実施するなど、重要な役割を果たしてきていることも承知をしているところであります。
今回報告をされております健康長寿医療センターの令和二年度の業務実績評価というのは、平成三十年度から始まった第三期中期目標期間の中間年の取組を評価するものでありまして、目標達成に向け重要な節目の年に当たりますので、確認のために何点か質疑をさせていただきます。
まず初めに、令和二年度の独立行政法人健康長寿医療センターの業務実績評価においては、評定Sが二項目、Aが十一項目、Bが七項目でありました。
改めて、評価の基準について確認をさせていただくとともに、S評価となった二項目について、その理由をご説明いただきたいと思います。
○山口高齢社会対策部長 業務実績評価には、法人全体を評価する全体評価と項目別評価があり、項目別評価については、S、A、B、C、Dの五段階で評価し、年度計画をおおむね順調に実施している場合がB、上回って実施している場合がA、大幅に上回って実施している場合がSとなります。
最上位のS評価二項目のうち、高齢者に特有な疾患と老年症候群を克服するための研究については、世界で初めて膵臓がん細胞の増殖、浸潤を抑えるとともに、がん細胞の老化を誘導するメカニズムを明らかにしたこと、サルコペニアの一因となる筋肉老化の新しいメカニズムを発見したことなど、高齢者医療研究の拠点としての健康長寿医療センターの強みを生かした研究成果を高く評価いたしました。
二つ目の研究推進のための基盤強化と成果の還元につきましては、研究支援組織、健康長寿イノベーションセンターにおいて、新たに知的財産管理業務を委託し、専門知識を有する人材を雇用するなど研究推進のための基盤をより一層強化し、過去最高額となる競争的外部資金の獲得や新規特許申請件数の増加につなげたことを高く評価いたしました。
○うすい委員 ただいまS評価の内容をお聞きしましたが、健康長寿医療センターは、本当によく頑張っていると感じました。こうしたことをもっと都民に発信をするべきだと思います。様々な媒体を使って、また工夫をして、成果の見える化にぜひ取り組んでいただきたいと思いますので、この点、要望しておきます。
次に、ただいまご説明のあった膵臓がんの研究についてですが、この研究の内容をもう少し詳しくお聞かせいただきたいのと同時に、この研究によって、今後どのような展開になっていくのかお伺いいたします。
○山口高齢社会対策部長 膵臓がんは、高齢者を中心に急速に増加しており、発見時には既にがんが転移し手術を受けられないことが多く、五年生存率が一〇%に満たない状況となっております。
健康長寿医療センターでは、米国のカリフォルニア大学との共同研究において、世界で初めて膵臓がん細胞の受容体の働きを阻害することにより、膵臓がんの増殖、浸潤を抑えるとともに、がん細胞の老化を誘導することが可能であることを解明しました。
この研究成果により、老化したがん細胞に対して細胞死を誘導する薬を投与し、がん細胞を除去するという画期的な治療法への貢献が期待されております。
○うすい委員 膵臓がんは、がんが発生しても症状が出にくく、早期の発見は簡単ではないといわれております。そうしたことから、今ご説明いただいたとおり、発見されたときにはかなり進行しているケースもあるとお聞きをしております。
こうした研究成果を大学や企業等との連携により、創薬や新しい治療法の開発につなげていただき、一日も早く都民に還元をしていただくことを大いに期待をしたいと思います。
また、認知症に罹患する方が、二〇二五年には六十五歳以上の五人に一人となることが予想されております。健康長寿医療センターは、長年にわたり認知症研究に取り組んできており、昨年度には、認知症研究をさらに発展をさせていくために、認知症未来社会創造センターを立ち上げました。
そこで、健康長寿医療センターにおけるこれまでの認知症研究の成果とともに、昨年度立ち上げた認知症未来社会創造センターにおける取組についてお伺いをしたいと思います。
○山口高齢社会対策部長 健康長寿医療センターの認知症研究の主な成果としましては、例えば、病理診断と同等の診断が画像からできるアミロイドイメージング読影法を確立し、認知症の早期診断を可能にしたことや、在宅高齢者の実態調査結果の分析により、自分でできる認知症の気づきチェックリストを作成し、都の普及啓発用パンフレットやホームページに掲載することで、広く都民に活用されていることなどがございます。
令和二年度に立ち上げた認知症未来社会創造センターでは、診療情報や生体試料、エックス線画像等のデータベース化を進め、大学や研究機関、企業に広く公開することで、新薬や新たな診断、治療法の開発につなげる取組を推進しております。
また、地域コホート研究のデータ分析により、生活習慣や病歴等が認知機能に及ぼす影響を把握することができる認知症リスクチャートの作成や、診断が難しい軽度認知障害などについて、AIを活用して医師の診断を補助するシステムの開発などにも取り組んでおります。
○うすい委員 認知症に罹患した高齢者については、冒頭申し上げたとおり、今後、後期高齢者人口の増加に伴い、急速に増加することが見込まれております。
こうした研究の成果が、将来的に、認知症ご本人への支援だけではなくて、認知症の方を支えるご家族や介護者の負担軽減につながることをぜひとも進めていただくために、引き続きご努力をいただきたいと思います。
ただいまの質疑でも確認をさせていただいたとおり、健康長寿医療センターは、コロナ禍において公的医療機関としての役割をしっかりと果たした上で、研究部門においてもすばらしい成果を上げてきております。
これは、健康長寿医療センターが地方独立行政法人という運営形態の下で、優秀な人材の確保や外部資金の獲得などが可能となり、研究体制の充実が図られた結果であるといえると思います。
今後も、認知症やがんのほか、フレイル予防といった高齢者を取り巻く重要な課題に対して、健康長寿医療センターがさらなる成果を出し続けられるよう、設立者である都として支援すべきと考えますが、吉村福祉保健局長の見解を伺いまして、質問を終わらせていただきます。
○吉村福祉保健局長 高齢化が急速に進展する中、団塊の世代が後期高齢者となります二〇二五年や、そのお子様である団塊ジュニア世代が高齢者となる二〇四〇年代を見据え、高齢者に対する施策の一層の充実を図っていく必要がございます。
都は、本年三月に策定いたしました第八期高齢者保健福祉計画におきまして、介護予防、フレイル予防の取組や在宅療養の推進、認知症施策の総合的な推進などを重点分野に掲げております。
健康長寿医療センターは、都と緊密に協力連携し、地方独立行政法人としての機動性、柔軟性を発揮しながら、介護予防・フレイル予防推進支援センターの運営をはじめ、AIなどを活用した認知症予防に向けた研究、重点医療でございます血管病、がん、認知症医療の提供と地域医療連携の推進など、都の高齢者保健福祉施策の充実に大いに貢献しております。
今後とも、健康長寿医療センターが都における高齢者医療と研究の拠点として、高齢者の福祉と医療の向上に向け、一層の成果が上げられるよう支援してまいります。
○白石委員 日本共産党の白石たみおです。
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの業務実績評価書について、何点か質問させていただきたいと思います。
初めに、昨年も質問いたしましたけれども、医師の人数についてです。
昨年は、二〇一九年度は約十億円の当期総損失で、とりわけ医業収益が減った理由について質問をいたしました。答弁は、主な要因は常勤医師の欠員が生じたことによるという答弁がありました。
今回報告されている昨年度の業務実績では、新型コロナの感染拡大が様々な形で経営に影響しているため、他の年度との比較は困難ですと。しかし、医師の確保状況は、先ほど資料要求でもさせていただいた資料を見ていただければと思いますが、二一ページを見ても、今年の四月一日は、昨年一人減の百十五人で、医師の数、改善しておりません。二〇一八年の四月一日から二〇一九年の四月一日にかけて十四人減って以降、改善されていない状況が続いているということになります。
そこで伺いたいと思いますが、三年前に十四名の医師が減員してから医師の人数が補充できていないのですが、なぜ増えていないのか、理由を伺いたいと思います。
○山口高齢社会対策部長 常勤医師の確保につきましては、年間を通じて様々な方法で採用活動を行っており、令和二年度には、医師、歯科医師を二十一名採用しておりますが、一方で退職もございまして、結果として平成三十年度の水準までは回復していない状況でございます。
○白石委員 昨年の質疑では、採用が困難という答弁でしたけれども、今年の質疑では、採用はしたが、それ以上に退職があって人数が回復していないということですね。
今年、全体の人数は回復しておりませんが二十一名は採用しているということですけれども、減員を補充するためにどのような取組、行われているか伺いたいと思います。
○山口高齢社会対策部長 医師の確保に向けた具体的な取組でございますが、法人のホームページでの募集案内をはじめ、大学医局への働きかけなどに加えまして、高齢者専門病院としての特徴を生かした実習の充実による臨床研修医の積極的な受入れや、医学生、研修医等を対象とする高齢医学セミナーの開催などを通じまして、老年学、老年医学を志す若手医師の確保に努めております。
○白石委員 今のご答弁でも、様々努力はしていますと。ただ、回復はしていないということになりますね。
昨年の答弁にあった採用が困難ということや、先ほどの答弁にあった退職が採用以上に多かったということは、直接的にはそうなのかもしれませんけれども、なぜ採用が困難だったり退職が多かったりするのかということが明らかにならないと、対策を検討することも難しいというふうに思います。
東京都は、地方独立行政法人で、柔軟で迅速な人材確保ができると、この間ずっと説明しているんですね。医師の人数についても、今の健康長寿の状況は引き続き改善していない現状を見れば、そうはいえないと改めて指摘せざるを得ません。
また、今年の特徴は、非常勤の医師も減っているということになりますね。
今年度、非常勤医師が二十名減っていますが、どういう理由で減っているのかお答えください。
○山口高齢社会対策部長 非常勤医師が前年度より減少している理由でございますが、コロナ禍における診療体制の縮小に対応したことによるものでございます。
○白石委員 コロナで受診控えなどがあり、患者が減ったのに合わせて非常勤の医師も減らしたということですが、また患者が増えた際に、医師をまた増やせるかどうかということが課題になるというふうに思います。
そのため、医師の確保をどう進めていくのかということは、ますます重要になっているなというふうに思います。
しかし、この業務実績評価書を読ませていただきましたけれども、医師の確保が出てこないということが疑問なんですね。先ほども指摘はしていますけれども、三年間十四名減員している、なかなか回復しないと。
昨年の質問でも、十四名減ったことによって医業収益が減ったんだと。やはり非常に経営状況についても、この医師の確保というのは重要な項目になると。しかし、この業務実績評価書を読んでみても、医師の確保のここの項目がないということが、私も疑問なんですね。
伺いたいと思いますが、医師の確保の課題について、業務実績評価では触れていないというのはなぜでしょうか。
○山口高齢社会対策部長 都における地方独立行政法人の評価は、中期計画及び年度計画において法人が取り組むべきとされた事項に関する実施状況について評価を行うものであり、評価項目の中に医師の確保を直接的に評価する項目がございません。
病院運営において、医師をはじめとする医療人材の確保は重要な課題の一つでございまして、必要な人材を確保し、安定的な医療サービスが提供できるよう、センターにおいて人材確保に努めますとともに、都としても、その取組を支援してまいります。
○白石委員 今答弁あったとおり、中期計画、年度計画に直接の評価項目がないので触れていないという答弁でしたけれども、そうすると、評価だけの問題ではないというふうに思います。計画も含めて、病院運営を進める上で非常に重要な職員の確保が重要視されていないということになります。
一方で、強調されているのは何かというと経営なんですね。今回の評価書では、初めに二ページほどある総評という中で、改善充実を求める事項が二つ挙げられております。
一番上に挙げられているのが、コロナ禍における経営状況を踏まえ、医業収入を確保するための取組や、さらなるコスト削減に向けた取組が求められるというものです。
コロナによる経営への影響というのは、病院の責任ではありません。しかし、コロナの下でも、あくまで経営改善を求められ続けるというところに、経営効率が優先される地方独立行政法人制度の在り方が表れているということを改めて指摘もしたいですし、このことを指摘いたしまして、質問を終わりたいというふうに思います。
○上田委員 健康長寿医療センターについてお尋ねさせていただきます。
平成二十九年六月九日、一年近くの間に人工心臓をつける手術を受けた患者五人のうち、このセンターでですね、三人が亡くなり、都が立入検査を行っていたことが明らかになりました。
私が都福祉保健局に確認したところ、平成二十七年七月からの一年近くの間に、重い心臓病のため人工心臓をつける手術を受けた患者五人のうち、二十代の患者を含む三人がその後死亡したとのことでした。
心臓移植待機患者を対象とする難易度の高い植え込み型人工心臓手術を健康長寿医療センターで行い、高齢者ではない若者が亡くなったことに関して、強い違和感を持っておりました。
その後、同種心臓外科手術はどのくらい行われ、年代はどのような患者か、死亡事案などないか、年齢別、術後の状況についてご報告ください。また、過去の死亡事案を受けて改善されたことや、対応に何らかの変更はあったのかも伺います。
○山口高齢社会対策部長 健康長寿医療センターでは、植え込み型補助人工心臓手術を、お話の五例のほかには平成二十九年度中に二例実施しており、患者の年代はそれぞれ五十代と二十代で、いずれの患者も、術後の経過に問題なく退院しております。
ご指摘の死亡事例につきましては、外部有識者を加えた事例検討会で検証を行い、手術の実施体制や患者管理は適切だったことなどを確認しております。
なお、当該手術は、平成三十年度以降は実施しておりません。
○上田委員 最後の平成二十九年の二例は、半年以内で亡くなることはなかったということは調査で確認しておりますが、健康長寿というのに、応招義務を理由に、特異かつ難易度の高いオペを二十代の若者に施し、死亡するという衝撃的なこと、そして、その植え込み型の機器にはその後不具合が見つかりまして、リコール問題も浮上しておりました。当時、私も大変危機感を持って指摘し、同時に地元板橋区議会でも議論となりました。私の指摘した平成三十年以降、行われていないというのは何よりでございます。
資料、10の死亡退院の状況を見れば分かるように、やはりがんが多いということで、心疾患は少ないんですよね。
資料、11で、まあ安心しました、医療過誤もなく、12で、訴訟が令和二年度はなかったということですけれども、二十八、二十九、この件かどうかはちょっと不明なんですけれども、やはり三件ぐらいある。という状況の中、平成三十年以降はオペは行われていないということですが、この際に導入した高額医療機器があったのか、今も活用されているのか、ちょっと今後も注目してまいりたいと思います。
次に、職員アンケート、こちらの方の評価書の四二ページ、この職員アンケートはどのように実施し、公平性、透明性、秘密保持確保をいかに持って、職員の皆さんが安心して協力、記入ができたか。つまり、何か病院にどうしても患者のためにはプラス、病院に不都合なことを書かざるを得ないこともあると思うんですよね。
それで、都庁でいえば職員目安箱です、犯人捜しとかされないか、その辺がちょっと心配だったので、どのような状況で実施したか確認します。
○山口高齢社会対策部長 職員アンケートは、常勤、非常勤職員はもとより、センターで働く委託先の職員も対象とし、職員の人材育成や職場環境の改善を目的として実施いたしました。
実施に当たっては、回収箱をセンター内に複数箇所設置し、無記名で投函することにより、職員が率直な意見を記入できるよう配慮しております。
○上田委員 記入の状況を確認させていただきました。
また、この評価書の四三ページの職員提案による業務改善、効率化、これ、本当にいいことだと思うんですけれども、具体的にどのように行われ、結果、どう集計して実現したのか、事例を挙げてご説明いただければと思います。また、集計開始の三十年から提案数が減少傾向にあるのはなぜなのでしょうか。この辺も説明いただければと思います。
○山口高齢社会対策部長 センターの職員提案制度は、全ての職員を対象に平成二十五年度から実施しておりまして、患者サービスの向上や業務及び執務環境の改善に資する取組について、個人またはグループで応募することが可能となっております。
提案件数は、平成三十年度が二十件、令和元年度が十四件、令和二年度が五件と推移してきましたが、令和三年度は十六件との報告を受けております。なお、提案は職員の自発的な取組であることから、年度によって件数は増減するものと認識しております。
一方、職員提案に基づく業務改善の取組実績につきましては、平成三十年度が二件、令和元年度が三件、令和二年度が五件と年々増加しております。
令和二年度の主な業務改善事例といたしましては、近隣の板橋消防署と連携した救急隊員への感染予防対策研修の実施や、不用となった什器備品、研究機器等を有効活用するためのセンター内での再利用の仕組みづくりなどがございます。
○上田委員 この評価書の一二一ページに詳細が書いてあるんですけれども、平成二十七年度は、やっぱり当初は物珍しかったのか三十六件で、直近が五件ということで、コロナもあって、ちょっと余裕もなかったのかなというふうに思いますが、消防署との救急連携とか、什器とか機器の活用とか、いかにもやっぱり現場の声ということが反映されたなということで、この取組は評価をさせていただきたいと思います。
四四ページですが、法人の業務活動全般にわたる内部監査を行っているということですが、内部監査によって発見された問題、課題と、内部統制強化とありますけれども、その具体策をご例示いただければと思います。
○山口高齢社会対策部長 法人の内部統制に関わる監査には、監事による監査、会計監査人による監査に加え、職員による内部監査がございます。
令和二年度の内部監査では、コロナ禍の影響で出張や会議が中止になった際の旅費等の請求手続に誤りが見つかったため、直ちに返金処理を行うとともに、全職員に対して改めて手続の適正化を周知徹底いたしました。
また、消耗品の購入において、一者見積りによる少額の随意契約を繰り返していた事案について見直しを図り、令和三年度からは、年間の単価契約として競争見積りを実施することで経費を削減いたしました。
○上田委員 少額随契というのは、議会にも出てこない、ここは独法ですから、そもそも出てこないんですけれども、少額随契って、よく見ないと不正の温床となりがちなので、そこについての健全化は、一罰百戒になるのではないかと思います。
四六ページ、経常収支比率、医業収支比率、公費投入における経済状況、収入増加、コスト軽減ができているのかの評価を伺いたいと思います。
○山口高齢社会対策部長 まず、医業収支比率でございますが、新たな施設基準の取得による収入確保や、医薬品、診療材料費用の抑制など、収支改善に努めた一方で、コロナ禍の受診控えによる患者の減少や、宿泊療養施設への看護師派遣のための病床の一部休止などにより、令和二年度の延べ患者数は、前年度と比較して外来で一〇・七%、入院で一五・四%、それぞれ減少いたしましたため、医業収支比率は、目標の八四・一%に対し、実績は七四・六%にとどまりました。
次に、経常収支比率につきましては、建物総合管理委託の見直し等による経費節減に加え、新型コロナウイルス感染症対応に係る国や都からの補助金の受入れなどにより、目標の九六・六%に対し、実績は一〇〇・九%でございました。
これらを踏まえまして、令和二年度業務実績評価書における財務状況の評価といたしましては、収支改善に努めたことは高く評価する一方で、医業収入の一層の確保が求められるとしております。
○上田委員 医業収入の一層の確保ということで、なかなか厳しいようですね。独法化したらばら色になるというような状況ではない先行事例として、心に留めたいというふうに思います。
四七ページなんですけれども、不要不急の高額医療機器の新規購入の抑制ができたのか、購入する際の減価償却、コスト回収の考えはあったのか、報告にあるコスト削減は結局果たされたのかどうか、受け止めを伺います。
○山口高齢社会対策部長 医療機器の購入に当たっては、センター長をトップに各部門の責任者で構成する病院運営会議において審議しており、機器購入の必要性やメリットのほか、減価償却費とランニングコストに対して、保険請求点数や年間症例数を踏まえた増収見込額などを総合的に勘案し、購入の可否を決定しております。
令和二年度に購入した主な医療機器としましては、老朽化した放射線治療装置の買換えやコロナ治療のためのECMOの増設などがございまして、いずれも、緊急性、必要性が高いものでございます。
また、購入に当たっては競争入札を基本とし、製品指定により随意契約を行う場合にも徹底した価格交渉を行うなど、コスト削減に努めております。
○上田委員 病院経営本部なんですけど、過日、ダヴィンチ購入の際も確認しましたが、六年以内で導入コストが回収できるということですが、その前に扱えるドクターがいなくなっちゃって、ほこりをかぶるなんていうことは絶対ないと思いますけれども、その点につきましても、しっかりとチェックをしていただきたいと思います。
コロナ禍において、入院がかなわなかったコロナ患者ではない高齢者の訪問医療、自宅療養の連携支援体制、みとりなどについて、臨機応変に対応されたと思いますが、この間の対応策、ご報告いただければと思います。
○山口高齢社会対策部長 健康長寿医療センターでは、宿泊療養施設への看護師派遣やコロナ専用病床の確保などにより、一般患者用の入院病床の縮小を余儀なくされましたものの、幸い入院予約の停止や延長などの事態には至りませんでした。
なお、センターでは、研究所の検査体制も活用し、早期に院内でのPCR検査の実施体制を充実しており、入院予定患者全員に対し入院前に検査を実施し、陰性を確認した上で、通常どおり受入れを継続しております。
また、在宅療養への支援でございますが、センターの在宅医療・福祉相談室の看護師と地域の訪問看護師等が連携をいたしまして退院患者宅への訪問を実施するなど、コロナ禍におきましても、入院から在宅療養まで切れ目のない支援を実施しております。
○上田委員 重症化リスクが高い高齢者の対応については、私も最近、永寿病院の、大変だった、一貫した、ちょっと本を読ませていただいて、現場の皆様の緊張感、また、介護的要素が入ってくるので接触も多いし、非常なご苦労があったかと思いました。医療的非常事態の中、滞ることなく高齢者医療を提供できたことは評価させていただきたいと思います。
さて、最後になりますけれども、コロナ禍におけます一波から五波までの課題と問題解決と今後の対応における、高齢者対応のこれまでの取組をご報告ください。
○山口高齢社会対策部長 健康長寿医療センターは、都の協力要請に基づき、昨年六月からコロナ専用病床を確保しており、感染拡大状況を踏まえ、現在は五十八床まで拡大するほか、宿泊療養施設に看護師を派遣するなど、公的医療機関としての役割を適切に果たしております。
また、コロナ禍におきましても、新たに高齢診療科を開設して、老年症候群を主訴とする地域からの紹介患者を積極的に受け入れるとともに、インターネット予約サービスを開始するなど、診療体制の充実や患者サービスの向上を図っております。
今後とも、コロナ対応と通常診療との両立を図り、高齢者医療の充実に努めてまいります。
○上田委員 ご答弁にありました公的医療機関としての役割、高齢者医療の充実は、まさに健康長寿医療センターの二つの大きな柱だと思います。初心を忘れずに、引き続き高齢者に特化した地域医療の提供を期待するものでございます。
以上で私の質疑を終わります。
○おじま委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉保健局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時五十九分休憩
午後六時二十分開議
○おじま委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより病院経営本部関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
第百五十九号議案及び第百九十二号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○浜中委員 それでは、地方独立行政法人東京都立病院機構の定款について質疑をさせていただきたいと思います。
この間、代表質問、厚生委員会において、質疑を通して、様々な議論が行われてきました。
独法化は、現行の経営形態における組織、定数、採用等の人事制度上の課題や、予算単年度主義、契約制度等の財務上の課題を解決して、都民の医療ニーズに確実に対応する医療提供体制の確立を可能とするものであり、都としても、そのための準備を進めてきているというふうに認識しております。
今後、少子高齢化の進展により、医療ニーズが変化する中でも、都立、公社病院の担ってきた役割を引き続き果たしていく、その役割を果たし続けていくことは重要であり、そうした取組を進める上で、現行の経営形態における様々な制約を取り払うことで、より迅速、柔軟な対応が可能になることは明らかであります。
特に医療の現場は、医師や看護師等の多様な医療人材に支えられていることから、人材の確保、活用は重要であり、医療ニーズに対して必要な人材を迅速に確保し、活用していく必要があります。
そこで、現行制度では医療人材の確保においてどのような課題があって、独法化後にはどのように課題解決を図っていくのか、具体的に教えてください。
○船尾計画調整担当部長 現行の経営形態におきましては、人員は毎年度の要求、調整を経まして、東京都職員定数条例により、年度末に次年度の定数が決定されますため、医療ニーズに機動的に対応した人材の確保が困難となってございます。
これに対しまして、独法化後は、地方自治法や地方公務員法等に縛られない法人独自の制度を構築することが可能になりますため、このメリットを生かしまして、医療現場の課題や医療ニーズに対して、年度途中でも病院長の迅速な意思決定による人員配置が行える仕組みを構築してまいります。
○浜中委員 独法化により、人材確保の面で現在よりも機動的に医療現場のニーズに対応できると、ただいま答弁をいただきました。
今の時代は、女性医師の割合が高まっているなど、育児や介護などと両立可能な多様な働き方が選択できることも求められているかと思います。こうした時代の要請を受けて、働き方改革を進め、多様な人材が働きやすい環境を準備することで、医療人材を確保しやすくするとともに、獲得した人材を効果的に活用していく必要があると考えます。
従来の制度的な制約を取り払えば、独法化後は、より一層の効果的な取組が可能になるかと思います。
そこで、お尋ねいたします。働きやすい環境整備について、独法化後、どのように進めていくのかお尋ねをいたします。
○船尾計画調整担当部長 少子高齢化の進行により、将来の医療の担い手が不足することが見込まれます中で、多様な働き方を実現して病院現場の魅力を高め、医療人材を着実に確保することは重要でございます。
独法化後は、育児等に合わせた勤務時間の設定など柔軟な勤務制度の構築や、看護職員をはじめとした医療職が本来の専門的な業務に専念をして、ほかの業務を看護補助者等に移す、いわゆるタスクシフティング、これを推進するなど、働きやすい職場を整備してまいります。
また、これらの取組につきましては、働いていく上で重要な要素となりますことから、引き続き、職員に対しまして丁寧な説明を行ってまいります。
○浜中委員 独法化後は、医療スタッフがより働きやすい職場環境を提供するために、法人独自の柔軟な勤務制度等の検討を進めていることと今お話がありました。
医療現場で働く職員のためにも、ぜひ働きやすい制度にしていただきたいというふうに願います。また、制度構築の上でも、しっかりと働いている人たちの声も聞いていただきたいと併せてお願いを申し上げます。
独法化によって勤務制度等を変えた方が、各病院は、より機動的に、より柔軟に患者さんの医療ニーズに対応できるということであれば、ひいては、それが都民に必要な医療の充実につながっていく、都民にとってはよくなる見直しなので、今後も継続して進めていってほしいと思います。
現在、都立、公社病院は、新型コロナウイルス感染症の対応で重要な役割を果たしております。今回の代表質問でも、我が会派から、コロナ禍の中で独法化を進める意義について質疑をいたしました。
今後も、新型コロナウイルスをはじめ、新たな感染症に関わる様々な都民ニーズに、より一層機動的に対応できるように準備を進めていくべきであります。
今回の新型コロナウイルス感染症の対応においては、都内の医療機関が都の要請に従い、それぞれの機能と役割に応じて病床を確保し、患者さんの受入れを行ってきました。このような中では、都立、公社病院は率先して患者さんを受け入れるべきであると考えますが、実際に、専用医療施設の開設や重点医療機関化などにより、感染状況に応じて二千床まで確保してまいりました。
当然でありますが、コロナ禍でこういった施策に必死に取り組んでいる医療従事者に対して、独法化の負担をかけることは回避すべきであるとともに、例えば独法化に係るシステム構築等を行った際には、医療現場における事務の負担軽減につなげていただきたいと思っております。
そこで、コロナ禍において、医療現場に負担をかけずに独法化の準備を進めていくべきであると私は考えますが、見解をお願いいたします。
○船尾計画調整担当部長 独法化の準備は、病院経営本部や病院事務局が中心となって進めていくものでありまして、現場の医療従事者への影響が極力生じないよう準備を進めていくこととしております。
例えば、電子カルテなどの医療系システムや診察などの医療提供の運用は、独法化によって変わるものではなく、医療従事者に負担を生じさせることはございません。
○浜中委員 コロナ禍において独法化を進めるに当たり、現場の医療従事者に対して配慮した形で準備を進めるように検討しているということでございますので、負担は極力少なく、効果は極力大きくなるように工夫をしていただきたいと要望を申し上げます。
都立、公社病院は、こうした環境整備等にも支えられて、今後も行政的医療等の役割を果たしていくことが期待できます。
都立、公社病院が、自らの役割を独法化後も果たせるように、新型コロナウイルス感染症のような有事の際には、知事が直接各病院に指示をする仕組みについて、さきの第一回定例会の予算特別委員会で我が党から質疑をしたところでもあります。
そこで、ご質問をさせていただきますが、今回の定款に、有事の際には知事のガバナンスの下で対応していく旨が明記をされております。この条項は、どのような考え方で盛り込んだのかということを教えてください。
○船尾計画調整担当部長 感染症や災害等の緊急時に、都立病院が率先して多くの患者さんを受け入れ、都民の生命と健康を守るという役割は、独法化後も変わることはございません。
これは都立病院の使命でもありまして、いかなるときにも当然に果たされるべき役割でございますが、都民の生命に直結する緊急事態には、より確実にその役割が果たされることを制度として担保するべきでございます。
そのため、定款におきましては、法人自らの取組として、災害や公衆衛生上の緊急事態等への対応を定めますとともに、有事の際には、都の指示により、必要な業務を行うことを定めております。
○浜中委員 緊急事態において、行政的医療を役割としている法人が、都の方針の中で自主的に対応していくことになるかと思います。パンデミック等の様々な事態を想定し、知事の指示により、病院が着実に患者対応に当たることを担保する仕組みをつくっていくことは、とても大切なことであるかと思います。
法人の自律性を高め効率的、効果的な運営ができるように検討することは当然でありますが、今回の新型コロナウイルス感染症のような緊急事態を想定して検討を進めることも重要であります。
日頃から都と法人が密接に連携できるようにするなど、実際の運用も見据えて、しっかりと取組を進めていただきたいと思います。
新型コロナウイルス感染症の対応では、どの病院でも一般病棟をコロナ病棟に転換し、病床を確保しておりますが、その体制を整備するには、医療機器の調達や感染対策ができる施設の整備に加えて、対応する医師や看護師の訓練、研修なども必要であり、都立、公社病院が緊急時に役割を果たすためには、平時から感染症対応力の高い人材を確保、育成していくことが重要であるかと思います。
そこで、都立、公社病院は、これまでも感染症指定医療機関を中心に人材育成を進めてきたかと思いますが、独法化後は、感染症対応力のある人材の育成にどのように取り組んでいくのかを教えてください。
○船尾計画調整担当部長 今回のコロナ対応の教訓といたしまして、感染症指定医療機関以外の都立病院におきましても、感染症対応の強化策として、平時から感染症の専門知識を習得し、防護服の脱着などの訓練を受けた医師、看護師等を育成して、有事の際に即戦力となる人材を多数確保していくことは重要でございます。
独法化後は、法人全体の取組といたしまして、感染症対応力の高い医師、看護師等を育成することを検討しておりまして、法人独自の人事給与制度を活用いたしまして、職員のモチベーションを向上させながら、平時からの感染症への備えをさらに充実強化してまいります。
○浜中委員 新型コロナウイルス感染症の対応においては、都立、公社病院は、認知症や精神疾患を有する患者さん、妊婦や小児、透析が必要な患者さんなど、一般の医療機関では対応が困難な患者さんも多く受け入れてきました。
これは、感染症だけではなく、救急医療、周産期医療、小児医療など、各病院でこれまで担ってきた行政的医療や、それを支える総合診療基盤があるからこその結果であり、今回のコロナ禍でも、その役割を十分に果たしているかと思います。
こうした行政的医療も医療環境や医療技術の進歩により変化していくものであるため、今後は、医療に対するニーズをしっかりと捉え、必要な医療を充実強化していくべきであるというふうに考えます。
これについては、今後、中期目標、中期計画の策定の中で議論されるものと思いますが、ぜひ、公社、都立の病院、公的な病院という意味を踏まえて、しっかりと検討を進めてほしいと思います。
また、独法化後は、そのメリットを最大限活用して、地域医療の充実への貢献を行うことも重要であると考えます。
地域には様々なニーズがあるので、各地域において地域の医療機関等とも密接に連携をして、モデル的な取組や不足する医療の提携など、補完的な役割を進めていただきたいと思います。
特に、島しょ地域は、医療資源が少ないという特徴を持っているため、広尾病院は、島しょ医療の基幹病院として救急患者の受入れを行っておりますが、患者さんが島に帰ってからも安心して療養できるよう、都が、ICT等の活用や医療人材の交流等を通じて地域包括ケアシステムの構築を支援し、貢献していくことも重要であるかと思います。
そこで、独法化後に、島しょにおける医師や看護師等の医療従事者の安定的な確保や、地域医療への取組も期待がされているかと思います。また、島しょにおける地域包括ケアシステムの構築に向けて、どのように取り組んでいくのかを教えてください。
○船尾計画調整担当部長 島しょの診療所につきましては、福祉保健局と連携をいたしまして、島しょの医師が、例えば研修等で不在とする際に、広尾病院の医師が代診医として島しょの診療所を訪問したり、島しょの診療所に設置された専門外来で広尾病院の医師が患者さんの診療を行うなど、これまで島しょの医療を支えてまいりました。独法化後も、さらに連携を強化してまいります。
今後、高齢化が進展する中で、島しょの患者さんが身近な地域で医療を受けられる環境を整備することがより一層重要となることを踏まえまして、独法化後は、島しょのがん患者さんの診療体制を強化するなど、地域ニーズに合った医療を展開してまいります。
また、島しょの診療所や訪問看護ステーション、福祉施設とのウェブカンファレンスなど、ICTを活用した連携等をさらに強化いたしまして、医療連携の充実に向けた取組を進め、地域包括ケアシステムの構築に貢献するとともに、より質の高い医療サービスを提供してまいります。
○浜中委員 ありがとうございます。
今、るるご答弁いただきましたけれども、行政的医療等の一層の充実と地域医療の充実への貢献は、今後、急速な高齢化の進展などが想定される中で、独法化していく東京都にとって重要な二本の柱であるかと思います。
都は、令和四年七月の独法化に向けて、これらの二本の柱をさらに充実強化させる取組を着実に前に進めていくように検討することを要望いたしまして、私の質問を終了とさせていただきます。
○桐山委員 私からも、地方独立行政法人東京都立病院機構定款について質疑をさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症は災害級ともいわれておりまして、行政的医療の感染症医療、災害医療が合わさったような状態にあると認識をしています。こうした厳しい状況下においても、都立病院は率先して、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に応じて、積極的に患者さんの受入れ体制を整えてきました。
しかし、専門家等によりますと、今後、新型コロナウイルスのこの感染症は、第六波が襲ってくるともいわれており、また、季節性インフルエンザも、蔓延予測や、新たな未知の感染症が発生することも想定され、そういったことも備え、都立病院は、医療提供体制のより一層の充実強化に向けて、不断の努力を続けていくべきであると考えます。
都立病院、公社病院の独法化については、今定例会において定款が上程をされております。今後、独法化が実現をしますと、都立病院が医療ニーズに機動的に対応することが可能になります。そういったことで、進めてほしいと考える一方で、一部の都民からは、なぜコロナ禍の今、独法化を進めるのかという声も聞こえております。
こうした声に対して、病院現場では、コロナ対応をする中で何ができなくて困ったのか、それが独法化によって何ができるようになるのかという点について、課題をしっかりと説明して、独法化の必要性の理解を得ていくことが重要だと考えております。
改めて、コロナ禍の今、独法化を進める必要性についてお伺いします。
○船尾計画調整担当部長 都立病院の役割でございますが、感染症医療をはじめとした行政的医療の安定的、継続的な提供でございまして、コロナ禍におきまして、専用医療施設の開設ですとか重点医療機関化などにより、感染状況に応じまして、二千床までコロナ病床を確保してまいりました。
しかし、コロナ禍のような緊急事態におきましては、現行制度上の兼業や給与設定等に制約がございまして、迅速、柔軟な人材の確保、活用等の課題が改めて明らかになりました。
例えば、採用予定の医師が、他の医療機関での兼業ができないために直前で辞退した、そういったこともございました。
こうした課題を解決するために、独法化を行うことで、法人独自の勤務制度や働きがいのある人事給与制度等によりまして柔軟な人材確保や地域への協力等が実現でき、対応力を機動的に強化することが可能となります。
したがいまして、今後、新型コロナウイルス感染症や新たな感染症への対応、また、超高齢社会が本格化する中での医療環境の変化への迅速な対応を見据えまして、体制を早期に整備することで、都立病院の行政的医療を確実に提供する役割を果たし続ける必要がございまして、独法化を進めているところでございます。
○桐山委員 行政的医療の確実な提供を続けていくために、コロナ禍においても、この医療現場の課題を迅速に解決し、独法化の取組を進めることは重要です。
我が会派が以前から申し上げてきたことですが、独法化に当たっては、十四病院一施設が足並みをそろえて移行する準備を着実に進めていくこと、各病院がスケールメリットを最大限に生かしながら、今以上の質の高い医療を提供することが重要です。新型コロナウイルス感染症を含む新たな感染症に備え、着実に取組をしていただきたいと思います。
そもそも、都は、新型コロナウイルス感染症が流行する前から、この独法化の検討を進めてきております。その背景には、答弁にもありましたように、今後、急速な高齢化の進展などによる医療環境の変化に柔軟かつ機動的に対応すること、そして行政的医療の一層の充実を図る必要性があります。
新型コロナウイルス感染症の流行により、感染症医療をはじめとする行政的医療の必要性は、より一層高まったものと考えています。不採算となりがちな行政的医療を提供するには、財源措置は必要不可欠です。したがいまして、我が会派は、以前から独法化後も都民に対して安定的に行政的医療を提供できるように、財政措置を図っていくことが必要であると申し上げてきております。
そこで、独法化後も、都が確実に財源措置を図り、行政的医療をしっかりと支えていくべきであると考えますが、都の考えを伺います。
○船尾計画調整担当部長 都立病院は、一般の医療機関だけでは対応が困難な行政的医療の提供を役割としておりまして、行政的医療を将来にわたって安定的かつ着実に提供することが重要でございます。
このことは独法化後も何ら変わらないため、このたび都議会に上程いたしました定款におきましても、従来から担ってまいりました行政的医療の提供という役割につきまして、独法化後も変わらずに果たし続けていくことを盛り込んでございます。
この行政的医療は不採算なことから、それに伴う必要な経費は、今と同様、都が確実に財源措置をしてまいります。
○桐山委員 ただいまご答弁がありましたように、独法化後も行政的医療の提供はしっかりと行われ、必要な財源措置もなされるということでした。
実際に、都が今定例会に上程した定款にも、行政的医療の提供については、独法化後もその役割をしっかりと果たし続けていくことをうたっています。独法化の目的から照らせば当然のことだともいえます。
平時、有事を問わず、いかなる事態においても、様々な都民のニーズに即した医療を迅速に提供していくためには、財源措置による強固な基盤が不可欠であるため、今後も必要な財源措置を行い、安定的、継続的な行政的医療を提供していただきたいと思います。
また、我が会派は、独法化後の医療提供を担う法人の運営体制についても、これまで、トップである理事長の重要性を訴えてきたことであります。
法人の理事長について、どのような考え方で任命されるのか伺います。
○船尾計画調整担当部長 法人の理事長には、リーダーシップを発揮して、独法化のメリットを生かした効率的、効果的な病院運営を行う、また、行政的医療の充実強化や地域医療の充実への貢献という法人の使命を果たしていくことが求められます。
理事長の選任に当たりましては、法人のトップとしてリーダーシップを発揮するための資質のほか、公的病院の役割発揮の必要性を理解していること、都の政策や都内の地域医療の施策に精通をしていること、病院の経営等に関する見識を有していることなど様々な要素が理事長に求められますため、こうしたことを総合的に勘案しながら選定を進め、知事が任命することとなります。
○桐山委員 災害や新型コロナウイルス感染症などの緊急事態においても、地域や患者さんのニーズを適切に酌み取って、行政的医療をはじめとする医療提供体制にスピード感を持って反映をさせる、このかじ取りを担うのが理事長です。都の医療政策の中で機動的に対応できる体制を構築できる方に、ぜひ就いていただきたいと思います。
実際に理事長の下で法人が提供すべき医療等については、中期目標に記載されるものと認識をしております。独法化後の行政的医療をはじめとする医療の充実強化が円滑に進むためには、多くの意見を聞きながら中期目標を策定していくことが重要であると考えます。
そこで、法人の中期目標について、今後どのように策定を進めていくのかお伺いします。
○船尾計画調整担当部長 中期目標は、様々な医療課題につきまして、知事が法人に指示をするものでありまして、法人の目的の達成に向けて、行政的医療等の充実強化、都の医療政策への率先的対応、地域医療の充実への貢献などの観点を踏まえる必要がございます。
中期目標の策定に当たりましては、外部有識者で構成されます評価委員会や議会のご意見のほか、都民の意見も幅広く参考とすることを検討しておりまして、新たな都立病院が担うべき役割や医療等の取組に関するアンケートを行っていく予定でございます。
○桐山委員 ただいまご答弁がありましたように、都民の意見を幅広く参考とすることを検討されているということで、この新たな都立病院が担うべき役割や医療等の取組に関するアンケート--これからどういったアンケートにしていくのか決めていただくのだと思うんですけれども、こういった取組をぜひ参考にしながら、中期目標の策定を進めていただきたいと思います。
超高齢社会の本格化によりまして、医療環境が急速に変化をする中で、感染症医療や救急医療等の行政的医療や地域医療の充実への貢献といった都立病院の役割を着実に果たし続けるために、独法化は必要です。
都は、独法化後に関わる不安を抱える都民に対し、先ほども申し上げましたように、引き続き丁寧な説明をしていただきたいと思いますし、理解を得られる努力を引き続きお願いいたします。
令和四年七月の独法化に向けて、着実に取り組んでいっていただきたいと思います。
最後に、中期目標や計画の策定など、今後準備が本格化していきますが、独法化に向けた本部長の決意を伺います。
○西山病院経営本部長 独法化の目的につきましては、改めて申し上げますが、医療環境の変化に即応できる機動的な病院運営を実現し、行政的医療をはじめ質の高い医療を提供して、患者サービスを向上させていくことにございます。
中期目標は、法人が提供する医療の内容を定めるものでございまして、都民や患者さん、地域など、様々なニーズをしっかりと捉え、新たな都立病院が都民に必要な医療を確実に提供できるよう検討を進めてまいります。
加えまして、理事からご指摘がありましたとおり、法人の理事長がリーダーシップを発揮できるよう、それを支える運営体制につきましても、さらに検討を進めてまいります。
また、今回のコロナのような感染症医療をはじめ、民間だけでは担えない行政的医療を安定的に提供することが都立病院の使命でありまして、そのために必要な経費は、都が確実に負担をしてまいります。
新たな都立病院が、将来にわたって都民の期待に応え続け、セーフティーネットの役割が果たせるよう、独法化の意義や目的を都民に丁寧に説明をしながら、その準備を着実に進めてまいります。
○伊藤委員 新型コロナウイルスとの闘いの中、一年八か月の間、連日のように医療の現場、最前線で当たってくださっている都立病院、公社病院の医療従事者の皆様、そして西山本部長を先頭とする病院経営本部の皆様に、心から敬意を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
私からは、まず初めに、補正予算中のコロナ専用病院について質問をいたします。
これまで都議会公明党は、国や区市町村議員との連携を密にしながら、各地域の実態を調査し、人の命を守るために、徹底して医療体制の強化を求めてきました。
それは、重症対応を含む病床確保やコロナ専用病院の設置、入院、療養調整本部の設置、療養者へのパルスオキシメーター等の配備、酸素ステーションや入院待機ステーションの設置、さらには医療従事者への支援など、知事に対し、四百項目を超える具体策を緊急要望してまいりました。
その中の一つ、昨年五月一日の第一波の頃に、都議会公明党は、小池知事に直接コロナ専用病院の必要性と設置を求め、昨年九月、東海大学医学部付属東京病院がコロナ専用病院として開設をされました。そして昨年十二月には、都立府中療育センターの旧施設を活用して、都が運営するコロナ専用病院がオープンしました。
コロナ専用病院の開設について、都は、都議会公明党の提案に応え、迅速に対応したことを高く評価いたします。
本日は、まず、本定例会に補正予算案として運営費が計上されている新型コロナウイルス感染症専用医療施設について質問をいたします。
感染症の専用医療施設は、一般患者等と動線を分ける必要がないため、院内感染を防止するなどメリットがありますが、実際に感染拡大が起きているときにコロナ専用病院が機能することが大事であります。
そこで、この夏の爆発的な感染拡大において、都のコロナ専用病院は、どのような患者を受け入れ、いかに役割を果たし対応してきたのか伺いたいと思います。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 コロナ専用医療施設の開設当初は、高齢者や基礎疾患があるなどの理由で自宅療養や宿泊療養の対象とならない患者さんや介護が必要な患者さんなど、他の病院で受入れが困難な患者さんを受け入れてきました。
この夏の爆発的な感染拡大期では、若年、中年層の感染の割合が高くなったため、本施設では幅広い年代の患者さんを受け入れてきました。患者さん受入れピーク時には、八月三十一日に一日最大で九十九人の患者さんを受け入れ、常時ほぼ満床の状況で本施設を運用してまいりました。
本施設は、多摩地域だけでなく区部からも患者さんを積極的に受け入れ、都における医療提供体制の確保に貢献する役割を果たしてきたと認識しております。
○伊藤委員 この府中の病院でありますけど、百床あるわけですね。百床あるうちの九十九床が埋まる、ぎりぎりまで受け入れていただいたということでありました。
都のコロナ専用病院が、今回の災害級といえるレベルの感染状況においても、重要な役割を果たしてきたことが分かりました。
次に来ると予想される感染拡大第六波の際も、都のコロナ専用病院の役割を十分に果たすことができるよう、着実に準備を整えておくべきと考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本定例会に提出しております補正予算案には、令和三年十一月から令和四年三月までのコロナ専用医療施設を運営するために必要な経費等を計上しております。
具体的には、本施設で使用している医療機器の保守点検や病棟内の消毒、清掃、食事や医薬品、その他必要な物品の搬送等の円滑な運営を継続的に行うために必要な委託経費等を盛り込んでおります。
着実に患者さんの受入れができるよう、次の感染拡大の到来前に滞りなく準備を行い、都民の安心を確保してまいります。
○伊藤委員 現在は、感染状況が落ち着いてきているというところでありますけれども、冬にはまた感染の拡大が危惧されているところであります。今後、第六波が来たとしても、都のコロナ専用病院が十分に役割を発揮し、一人でも多くの患者さんを受け入れ、命を守っていただくようお願いをしたいと思います。
次に、補正予算中の職員の特殊勤務手当について伺います。
最前線でコロナと対峙している医療従事者の方々は、これまで長期間にわたって感染の恐怖にさらされてきました。しかし、それ以上に強い使命感を持って対応されてきたものと心から敬意を表したいと思います。
こうした苛酷な職場に身を置く職員に支給されるこの特殊勤務手当は、引き続きモチベーションを維持していただく上でも非常に重要な手当でありまして、コロナ対応に従事されている職員の方に対して、適切に支給されることが重要であります。
そこで、改めて確認いたしますけれども、都立病院職員のコロナ患者対応に係る特殊勤務手当について、支給対象の職種、業務範囲について伺いたいと思います。
○谷田経営企画部長 特殊勤務手当は、著しく危険、不快、不健康または困難な勤務その他著しく特殊な勤務に従事した職員に支給されるものでございます。
コロナ患者対応に係る特殊勤務手当は、こうした勤務の特殊性に基づきまして、コロナの感染状況等を踏まえ、必要に応じて規定が改定されてきた結果、現在、常勤では、医師、看護師のほか、患者の検体検査を行う臨床検査技師やCT等の撮影を行う放射線技師など、実際の患者対応を踏まえた上で、十一職種を対象としております。
また、支給に当たりましては、これらの職種が、コロナの疑似患者、濃厚接触者、保菌者に対する治療、看護等のほか、コロナの病原体または病原体に付着した疑いがある者などに接触する業務に従事したときとされております。
○伊藤委員 このコロナとの闘いが始まった当初、医療従事者の方々に対しての風評被害が問題となりました。
今日の資料の中にもありますが、民間病院でコロナを受け入れている病床は未公表というところが多いようでありますけれども、あのときに、都立病院、公立病院であるがゆえに、例えば、看護師さんのお宅のお子さんが、おまえんちのお母さんはあそこの病院の看護師さんなんだよなといわれて、いじめられたというような声も私たちの下に入ってきました。
こうした従事者の方々に、私は、この特殊勤務手当、本当に大事な手当だというふうに思います。支給対象の十一の職種には、歯科医師やその他のコメディカル職種等も加えられていると聞いておりまして、答弁にもあったように、実際の患者対応を踏まえて、職種や業務範囲を設定されているということでありました。
さて、先ほどの答弁でもあったとおり、この特殊勤務手当については、必要に応じて規定の改正を行ってきたということでありますけれども、どのような見直しを行ってきたのか伺いたいと思います。
○谷田経営企画部長 改正前の手当額は、従来から設定のある三百四十円でございましたが、コロナ患者対応に係る規定が新たに整備され、令和二年六月の改正におきまして三千円となり、その後、本年三月の改正で五千円に引き上げられました。
支給対象職種につきましては、令和二年六月の改正において対象職種が五職種から九職種に拡大され、さらに本年三月の改正で二職種追加し十一職種となり、現場の実態を踏まえた改正が行われてきたところでございます。
また、本年三月の改正では、二つの暦日にわたって継続して勤務し、その勤務時間が七時間四十五分を超える場合に、七時間四十五分につき一勤務分を支給する特例が措置されました。
これによりまして、例えば二交代勤務において看護職員が夜間にコロナ患者対応を行った場合、従来は、一勤務分三千円の支給であったところ、五千円の二勤務分で合計一万円の支給が可能となったところでございます。
なお、令和二年六月の改正は同年一月二十四日に、それから、本年三月の改正は東京に二回目となる緊急事態宣言が発せられました同年一月八日に、それぞれ遡りまして適用され、支給を行ったところでございます。
○伊藤委員 コロナの発生当初からこれまでの間を振り返ってみますと、先ほど申し上げたとおり、医療従事者の方々は、体だけでなく心の面でも大きな負担や不安を抱えながら、長期にわたって臨機応変な対応を続けてこられたわけであります。
こうした医療従事者へのねぎらいと感謝を込めて、都議会公明党は、民間病院も含めて特殊勤務手当の拡充を求めてまいりました。そして、都は、特殊勤務手当の支給に当たっては、支給対象職種を拡大するなど必要な改定がなされ、適切に支給されていることが確認できました。
このたびの補正予算は、この特殊勤務手当を来年三月まで予算確保するものであります。確実に執行できるようにお願いしたいと思います。
次に、本定例会に提出された地方独立行政法人東京都立病院機構の定款に関連して、まずは、都立、公社病院の果たすべき役割について確認をしていきたいと思います。
都立、公社病院は、公的医療機関として、行政的医療の提供や地域医療の充実への貢献などを役割としております。今回の新型コロナ感染症は行政的医療に位置づけられるため、都立、公社病院が積極的に取り組まなければならない使命があったところであります。
そこで、今回、都立、公社病院が、新型コロナ感染症の対応にどのような役割を果たしてきたのか伺いたいと思います。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 感染症医療は行政的医療の代表的なものでございまして、都立、公社病院が積極的に取り組むべきものと認識しています。
都立、公社病院では、専用医療施設の開設等により、二千床のコロナ病床を確保し、他の医療機関では対応困難な認知症や精神疾患等の合併症患者を積極的に受け入れてきました。
とりわけ、夏以降の爆発的な感染拡大の時期には、千五百人を超える患者を受け入れ、重症患者についても、都立、公社病院の医療資源を最大限活用して、確保病床以上の八十人近い患者を受け入れました。
さらに、主に中等症患者を受け入れ、酸素投与等をはじめとした医療的ケアを実施する酸素・医療提供ステーションや、緊急時に受入先が見つからず救急隊からの要請があった場合必ず受け入れる搬送困難対応病床を整備するなど、都民のセーフティーネットを確保するため、率先して取り組んできました。
職員は、使命感を持って全力で患者の治療等に当たることで、都民や地域から求められる役割を果たしており、都立、公社病院のコロナへの取組は、都民の安心につながっていると考えております。
○伊藤委員 都立、公社病院が、新型コロナウイルスへの対応に積極的に取り組んできたことが確認をできました。
とりわけ、この夏の感染急拡大の中、医療逼迫が起こり、都内の病院で救急搬送を受け入れ切れない状況になったときに、都議会公明党の強い要請に応え、救急隊からの要請があった場合必ず受け入れる搬送困難対応病床を、都立、公社病院の十一の病院、そして常時三十六床を迅速に整備したこと、このことを高く評価したいと思います。
これは、よくお話を伺ってみると、十一病院の中に三十六床を用意して、例えば、今日、そのうちの十五床が埋まってしまえば、すぐ、次の日に備えて、また十五床を用意する、そうしたことを毎日毎日やりながら、救急搬送を断らないできた、すごいことだと思います。
都は、都立、公社病院がこうした役割を果たし続けるために、これまで以上に機動的な対応が可能となる独立法人に一体的に移行するとしています。
私は、これまでの厚生委員会でも質疑し、確認してまいりましたけれども、現行の仕組みでは自治体の制度に基づいて運営しなければならず、独法化することで医療現場の実情に応じた制度をつくって、そして、医療ニーズに迅速、柔軟に対応していくことができるということでありました。
都立病院は、都民にとって重要な病院であり、独法化の改革についても、都民の理解を得ながら進める必要があると思います。コロナ禍の中で、今、独法化を進める必要性について、都民に分かりやすく示すべきです。
先日の都議会公明党が代表質問で確認したことに対して、都は、今回のコロナ対応の中でも、法令等の制約により、柔軟に対応できなかった事例があり、感染症へのさらなる対応のためにも独法化を進めるとの答弁がありました。
私は、今回のように、緊急時の医療対応力を強化するためには、柔軟な人材の確保や活用が何よりも重要だと思います。必要な人材が必要なときに確保できて初めて緊急時の医療体制の強化を図れるわけであります。
一年八か月に及ぶコロナ禍の今、現行の都立病院の体制上の課題として、人的な面でどんな課題があったのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 都立病院はこれまで、コロナの感染状況に応じまして取り組んできた中で、幾つかの課題がございました。
具体的には、人材確保の面で、コロナ対応の強化に向けて、会計年度任用職員である医師の勤務日数を本人の状況に応じて柔軟に増やすことが困難でございました。加えて、体制強化のために採用予定であった医師が、他の医療機関での兼業ができないために直前で辞退するなど、現行の経営形態では、法令等の制約の下での迅速、柔軟な人材の確保が改めて課題となりました。
独法化後は、法人独自の勤務制度や、より働きがいのある人事給与制度によりまして柔軟な人材確保が可能となることから、緊急事態にも機動的に対応できる体制を構築してまいります。
○伊藤委員 今後も、感染症をはじめ、都民の医療ニーズに確実に対応していくため、都立病院が機動的な人材確保ができる体制の構築を早急に進めることは重要であります。
より機動的に対応できることが独法化のメリットでありますが、今回の新型コロナのような感染症が終息したとしても、また、新たな感染症にも備えていかなければなりません。
独法化した後の感染症医療について、有事の際にどういう点で対応が強化できるのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 感染症など公衆衛生上の緊急事態が発生した際には、都立病院が率先して対応する必要がございます。
独法化後は、柔軟な人材確保や弾力的な予算執行などが可能となるメリットを生かしまして、感染状況に応じて、各病院の患者受入れ体制を強化するとともに、十四病院のスケールメリットを最大限生かして、医師や看護師を感染状況に応じて集約し、効率的な医療提供体制を構築するなど、都の医療政策と緊密に連携しながら、より一層機動的に対応してまいります。
また、民間医療機関等にも柔軟に専門人材を派遣できる人事制度を構築することで、例えば、クラスターが発生した施設等に感染管理の専門の看護師等を派遣いたしまして、感染拡大防止に向けて技術支援をするなどの取組を検討しております。
○伊藤委員 このたびの新型コロナのような感染症だけでなく、いつ起こるか分からない首都直下地震や大規模水害などの災害にも備える必要があるわけであります。
昨日の夜十時四十一分には、三・一一以来、東京、埼玉で震度五強の地震が発生をいたしました。災害時には、地域の医療資源を融通し合いながら、スピーディーに必要な対応を取っていく必要があるわけであります。災害医療についても、独法化のメリットを生かして、より機動的にできるように検討を進めていただきたいと思います。
今日は、このことも聞きたかったのですが、時間がないので、また機会があったら、災害時の独法化をした場合のメリット、この辺について、また伺ってまいりたいと思います。
今回提案されている定款の第一条の目的には、行政的医療の提供が明記されております。また、第十八条の業務の範囲には、災害及び公衆衛生上の緊急事態への対処が明記されるとともに、第十九条の緊急時における知事の要求では、緊急時等には、知事の求めに応じて、法人が必要な業務を実施する旨が明記されております。
法人の平時の役割のほかに、今回の新型コロナとの闘いのような緊急時の対応を踏まえ、こうした定款を策定するに当たっての考え方について伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 感染症医療をはじめとした行政的医療の提供は、都立病院の使命であり、また、独法化後も変わるものではございません。
特に感染症や災害等の緊急時に率先して対応することは都立病院の重要な役割であり、独法化後も、今回のコロナのような事態や災害などの緊急時におきまして、状況に応じて、法人自ら、また都の対応方針の下で、都立病院が率先して取り組んでいくことは当然のことでございます。
このため、法人の根本原則である定款には、法人の役割として行政的医療を担うことや、災害や公衆衛生上の緊急事態等への対応を定めております。さらに、緊急時等には、都の指示の下、必要な業務を行うことを定めまして、その確実な実施を担保しております。
こうしたことによりまして、法人に行政的医療を確実に提供させるとともに、有事の際に、法人に自発的な取組を促し、今回のような重点医療機関化など、都の政策に沿った取組を確実に実施してまいります。
○伊藤委員 定款は、法人を運営していく上での基本事項を定めるもので、大変重要なものだと考えます。その定款にも、行政的医療の提供や感染症等の緊急時の対応が明記され、確実に担保されている仕組みであるということは評価できると思います。
緊急時に、都のガバナンスの下で、今回のように都立病院が迅速に重点医療機関となる対応ができることは大変重要なことであります。独法化後も、公的な病院として、今までと変わりなくそうした対応をしていくことは当然だと思います。確実に実施をしていただきたいと思います。
こうした感染症医療や災害医療をはじめとした行政的医療を提供していくことが、都立病院の役割であります。
ところで、今でも多くの方々に聞かれることがあるわけでありますけれども、改めて、行政的医療とはどういうものなのか、そして行政的医療はなぜ不採算になるのか、分かりやすくお答えをいただきたいと思います。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 行政的医療についてでございますが、法令等に基づき対応が求められる医療や採算の確保が難しい医療、一般医療機関では対応困難な医療などを行政的医療としております。具体的には、感染症医療や災害医療に加え、難病医療、周産期医療、精神身体合併症医療などとしています。
これらの行政的医療の特徴ですが、感染症医療や災害医療は、平時から専門医療スタッフの確保や専用の設備、医療資器材を備えておく必要があること、周産期医療は、多くの医療スタッフや高額な医療機器が必要となること、精神科医療は、入院期間が長く診療報酬も低いこと、こうした理由などから、採算の確保が難しくなっております。
○伊藤委員 不採算となる行政的医療を担うためには、都からの財源措置が不可欠であります。独法化後も、行政的医療を確実に行っていくための必要な経費は、都がしっかりと負担することで、安定して提供できるようにすべきであります。このことは、先日の代表質問でも質疑をいたしましたけれども、大事なことなので、改めて確認をしておきたいと思います。
独法化後の行政的医療に係る財源措置の仕組みと財源措置の考え方について、都の見解を伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 感染症医療や災害医療など、民間医療機関だけでは対応困難な行政的医療の提供は、採算の確保が困難であり、地方公営企業法に基づき、一般会計繰入金として都が負担してございます。
地方独立行政法人法におきましても、現行の一般会計からの繰り出しと同様、設立団体が運営費負担金として負担することが法定をされております。
行政的医療の提供は都民のセーフティーネットであり、医療環境が大きく変わる中でも、公的な病院として担い続けなければなりません。そのために必要な経費は、独法化後も、これまでと同様に都が確実に負担をすることで、行政的医療を将来にわたり安定的、継続的に提供してまいります。
○伊藤委員 必要な経費は、独法化後もこれまでと同様に都が確実に負担することで、行政的医療を将来にわたって安定的、継続的に提供していくとの明確な答弁がありました。
先ほども人材の確保に触れましたけれども、医療現場を支えているのは職員でありまして、職員が安心して働き続け、能力を発揮できるような環境づくりが重要であります。独法化後、より高い意欲を持って働きがいのある環境をつくっていくことで、必要な医療人材を安定的に確保し、医療サービスの充実につなげていくべきと考えます。
独法化後の人事給与制度は、職員の意見を聞きながら、病院現場の実情に合わせて検討しているということでありますけれども、どのような考え方で制度設計をしているのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 独法化後も行政的医療をはじめとした質の高い医療を安定的、継続的に提供していくためには、多様な人材がその能力を最大限発揮し、組織が活性化するような人事給与制度の構築が重要でございます。
独法化後は、地方公務員法などの制約にとらわれない独自の制度構築が可能となりますことから、職員の声を聞きながら制度設計を進めているところでございます。
具体的には、職員の能力発揮を促し、それを適切に評価をするため、専門性に着目した手当など、能力や職責、勤務実績を適切に処遇に反映し、職員が高い意欲を持って業務に取り組み、さらなるスキルアップにつながる制度を構築、検討していきます。
○伊藤委員 これまで各都立病院は、駒込病院におけるがん医療、神経病院における難病医療など、それぞれの役割に応じて特色ある医療を提供しており、今後も、都民が期待する医療を提供し続けていかなければなりません。
独法化後の各病院の医療機能の強化についても検討中であると聞いておりますけれども、病気の治療の面だけではなくて、治療しながらその人らしく生活ができるよう、患者支援の体制を強化していくことも重要であります。
特に、現在、がん患者の三人に一人は働く世代であって、治療をしながら仕事を続けるための支援に取り組むことも求められています。
独法化後の治療と仕事の両立支援の検討状況について伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 がん患者が働きながら治療を継続していくためには、患者個々の生活面や心理面にも寄り添ったきめ細やかな支援とともに、長期にわたる通院治療でも仕事を継続しながら治療を受けられるよう、相談支援や診療体制を強化していくことが重要でございます。
このため、令和元年度から全ての都立病院におきまして、労働法規や社会保険制度に関する専門的知識を有する社会保険労務士による治療と仕事の両立支援相談を導入いたしまして、その体制の強化を図ってきたところでございます。
独法化後は、こうした取組に加えまして、例えば墨東病院におきましては、患者や地域ニーズを踏まえまして、外来化学療法について、看護師や薬剤師を増員して体制強化を図ることで、平日夜間にも段階的に拡充をして、日中に治療が困難な患者の利便性を向上させるなどの取組を今検討しているところでございます。
○伊藤委員 独法化後も、都民の様々な医療ニーズに応じて適切に体制整備を行って、医療機能の充実、患者サポート体制の充実に努めていっていただきたいと思います。
独法化は、都民にとって必要な医療をよりよくするための改革だと思いますけれども、なぜ独法化が必要なのか、都民にとっては分かりにくいところもあります。
都が令和二年三月に独法化の方針を示してから一年半程度がたつわけでありますけれども、民営化されてしまうのかとか、医療が後退してしまうのかとか、利益の追求になるのではといった不安や懸念の声が寄せられていることも事実であります。
しかし、実際はどうなのか、都は、独法化の目的やその効果について、多くの都民に届くように、分かりやすく発信すべきであると思います。
今後、どのように広報を行っていくのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 独法化は、医療環境が変化する中におきましても、都立病院の役割であります行政的医療の提供などを将来にわたり確実に果たしていくためのものでございます。
こうした独法化の目的や意義につきまして、都民の方々に理解いただけますよう、これまで病院経営本部のホームページ、都立病院だよりなどの広報紙を活用いたしまして広報を行ってまいりました。
今後とも、SNSなど様々なツールも活用し、より分かりやすく必要な情報が伝わるよう工夫しながら、丁寧な広報に取り組んでまいります。
○伊藤委員 これまでの間、独法化のことも含め、コロナのことも含め、病院経営本部の方で、島しょに向けて、島の方に向けてニュースを出していただいておったかと思います。私は、すばらしい、いい取組だと思います。
今、都がこんなことを検討している、あるいはまた、コロナの状況で、島の方々は急病が発生したときに、消防庁のドクターヘリで広尾病院に運ばれるわけでありますけれども、それがどうなってしまうのかとか、いろんな心配の声が入りました。あのときに、積極的に、島に島しょニュースを発行していった、ああいうことは物すごく大事だと思います。
今申し上げたように、なぜ独法化するんですか、こうした都民の純粋な疑問に対して、私は、分かりやすく発信していくべきだと思います。
申し訳ないんだけれど、行政の方は、すぐホームページにとか、広報紙にとかといいますけれども、高齢者の方や実際に病院を利用されていらっしゃる方々がそういうものを見るでしょうか。自分の親だったらそういうものを見るかなと、そんなことに考えをはせながら、私は、都民に大事なことを伝えていくということを、一生懸命取り組んでいただきたいと思います。
都議会公明党は、独法化の目的や課題等を明確にして、都民の理解と納得を得る必要がありますよということを何度も繰り返し指摘をしてまいりました。都は、より一層工夫して、都民に正しい情報が分かりやすく伝わるように、強く求めておきたいと思います。
最後に、これまで一年八か月にわたるコロナ対応も踏まえて、独法化の本格的な始動に向かっていくわけであります。
このコロナとの一年八か月の闘いの中、ちょうど一年が過ぎた頃、今年の四月から病院経営本部長に就かれました西山病院経営本部長の決意を伺いまして、質問を終わります。
○西山病院経営本部長 都立、公社病院におきましては、昨年一月下旬に都内で初めて新型コロナ感染症例が発生して以降、専用医療施設の開設、三病院の重点医療機関化など、十四病院が連携しながら、全病院がこの新たな感染症との闘いを最前線で続けてございます。
私は四月に着任をいたしましたが、それ以降も第四波、第五波と続く中で、都立、公社病院では、酸素・医療提供ステーションや搬送困難対応病床を確保するなど、さらなる取組を進めてきてございます。
こうした中で、医療ニーズに迅速に対応していくためには、弾力的な人材の確保、活用が何よりも重要となります。危機管理という面では、災害医療などにおいても同様かと思ってございます。
独法化は、様々な環境変化に対応し、医療人材の確保などで、柔軟で機動的な病院運営を実現するための取組でございます。病院現場のニーズに合った勤務制度を構築し、人材の迅速、柔軟な確保、活用、これを実現するとともに、十四病院のスケールメリットを生かして、効果的な医療を展開してまいります。
改めて申し上げますが、感染症や災害医療をはじめとする行政的医療の提供は、都立病院の使命でございます。
今後、コロナ感染症への対応や新たな感染症の発生に備えるためにも、また、今後の超高齢化社会に備えるためにも、独法化の準備を着実に進め、都民に必要な医療を確実に提供してまいります。
○白石委員 日本共産党の白石たみおです。
全ての都立、公社病院を独立行政法人化する定款について、私からも質問したいというふうに思います。
まず初めに、都立、公社病院は、コロナ感染拡大により、病床など医療が逼迫する下で、旧府中療育センターを活用し、コロナ専用の医療施設を新たに設置したり、広尾、荏原、豊島の三病院を実質的なコロナ専用病院にするなど、柔軟かつ機動的な対応により、都内のコロナ病床の実に三割、二千床を確保しております。全国の病院の中で最も積極的、機動的にコロナ患者を受け入れ、重要な役割を果たしております。
都立、公社病院がコロナ対応で果たしている役割について、先日の各会派の代表質問でも取り上げられ、全ての会派が高い評価をしております。今の質問を聞いていても、同様に、都立、公社病院が果たしている役割というのは、高い評価を皆さんはしている。誰もが現在の形態で高い評価をしているのですから、独法化をしなければならない理由はないということは明白だと思います。
我が党の代表質問で、都立、公社病院のコロナ対応に、独法化しなければ解決できない重大な不都合があったのかと極めて単純な質問をいたしましたが、小池知事は、独法化後も役割は変わらない、独法化は柔軟な病院運営を可能とすると意味不明な答弁をいたしました。
改めて、本部長に聞きたいと思います。現在の形態により、コロナ対応で支障となった問題というのは何ですか。また、コロナ禍の中で独法化を進める理由を、具体的に都民にも分かりやすく説明をしていただきたいと思います。
○西山病院経営本部長 都立、公社病院は、専用医療施設の開設等によりまして二千床のコロナ病床を確保し、他の医療機関で対応が困難な患者等の受入れに率先して取り組んでいるところでございます。
一方、採用予定の医師が、他の医療機関での兼業ができないために直前で辞退する事例や、定数管理により、専門看護師など必要な人材が採用しづらい状況があるなど、現在の経営形態では、法令等の制約の下での迅速、柔軟な人材の確保が改めて課題となりました。
独法化は、こうした現在の制度を改革し、柔軟な病院運営を可能とするための取組であり、法人独自の勤務制度や、より働きがいのある人事給与制度を構築することで、機動的な人材の確保、活用を進めることができます。
今後、感染状況に応じ、コロナ感染症への対応や新たな感染症の発生に備えるために、感染症医療提供体制を一層強化する必要があり、また、超高齢化社会の中でも、患者ニーズに機動的に対応できる体制を早期に整備するために、本定例会に定款の議案を提出したものでございます。
○白石委員 今、本部長の答弁、独法化を早期にしなければならない具体的な課題の事例として本部長が挙げられたのが、兼業ができなかったということ、それから専門看護師など必要な人材が採用しづらいと、こういう二つの具体的な事例を挙げました。
では、その兼業について、まず伺いたいと思います。
現在の形態では、兼業は一切認められていないのか、兼業の取扱いについて、病院経営本部の取組、具体的に伺いたいと思います。
○谷田経営企画部長 職員の兼業については、地方公務員法第三十八条によりまして、職務専念義務及び職務の公正を確保する等の観点から、任命権者の許可を受けなければ、営利企業等から報酬を受けてその事業に従事してはならないとされております。
兼業は、兼業の許可権者が必要性を認め、職務の遂行に支障がないことや、当該団体との間に特別な利害関係またはその発生のおそれがないなどと判断したものについて認められております。
○白石委員 今答弁あったとおり、兼業の許可をする権限を持っているのは病院経営本部です。つまり、兼業の必要性があると病院経営本部が判断すれば、現在の形態でも兼業できるんですよ。
例えば二〇〇六年、民間病院での診療行為について認められました。二〇〇九年、地域における産科医の崩壊を防止するために、産科医師の制限が緩和をされました。二〇一六年、地域の医療提供体制を補完し維持するために、麻酔科医の制限が緩和をされております。
これまでの答弁を聞いていると、あたかも兼業ができないかのような印象を受けますが、そんなことはないんです。もちろん、何でも認めればいいということにはなりません。妥当だと判断したものを認めることは可能だし、これまでだって実際に行っているということなんです。答弁聞いていると、何か今の形態が、縛りがあって兼業ができませんと、こんなことを印象づけるような答弁が、この間ずうっと繰り返されています。
本部長が、答弁だと、現在の形態では、他の医療機関で兼業が認められていないため、直前で辞退する事例がありましたと答弁をされました。
そこで伺いたいと思うんですけれども、兼業ができず、採用ができなかった事例というのは、これまでに何事例あったのかお答えください。
○船尾計画調整担当部長 確認しておりますのは、一事例でございました。
○白石委員 ちょっとごめんなさい。聞こえにくかったので、もう一回お願いします。何事例あったんですか。
○船尾計画調整担当部長 確認しているのは、一事例でございます。
○白石委員 いや、本当に驚きですよ。ほかの皆さんだって驚いたと思うんですよね。たった一つの事例だけで、十四病院を独法化する理由にされているってことなんですよ。それだけで独法化を早期に実現する、この理由に使うなど到底認められないと思います。
独法化は、非公務員型です。つまり現在の、都の職員で働いている方は、原則、法人の職員へと身分が変わります。
都立病院で働く看護師さん、次のように話します。地方から都立専門学校に入学して看護師に育てていただいた、東京都に還元したいなと、しないとなという気持ちはすごくある、高校生のときに東日本大震災を経験して即戦力になりたいと思った、今はまさに災害のような状況、感染症の病院のスタッフとして即戦力として働けているので、やりがいや誇りがある、入都式で、他の業種の方、病院でないところに就職する方と一緒に入都式をやった、都に入ったという実感や自分の中で誇りに思う部分がある、だけど、これから私は一体何になるんだろう、誇りを失った気分。
本部長、この声、どう受け止めますか、お答えください。
○西山病院経営本部長 まず、先ほどの兼業、兼職について申し上げます。
兼業、兼職につきましては、おっしゃるように、産科、麻酔科など行政上の必要性から許可しているものもございますが、ここはやはり地方公務員法の服務根本基準、職務専念義務、国や団体との均衡の原則、各原則があるのは事実でございます。
また、独法化すれば、現在ではできない四日勤務の常勤雇用なども可能となりますので、そういう意味では、独法化において、より柔軟な勤務ができるということは、可能かというふうに思っております。(白石委員「受け止めをいいなさい、まずは」と呼ぶ)今のお話につきましては、非常に頑張っていただいている現場の職員に関しては、非常にありがたいというふうに思っております。
○白石委員 つらつらつらつらね、私が質問したのは、これ、受け止めどうなんですかと。誇りを持って入ってきた、現在でも誇りを持ってやっている、そして感染症の病院スタッフとして即戦力として働けるのがやりがいなんだと。だけれども、今回の独法化によって身分が剥奪される、失われると。そういう中で、これから私は、一体何になってしまうんだろうと、こういう声が上がっているんですよ、実際。
いいですか、皆さん。先ほどもいいましたが、たった一つの事例を取り上げて、使命感を持って働く都の職員の身分を奪おうとしているんですよ。この声を正面から、本来受け止めるべきだと、改めて私、強くいいたいと思います。
質問を進めます。本部長が独法化する具体例としてもう一つ挙げられたのが、定数管理により、専門看護師など必要な人材が採用しづらい状況があると、このようにしました。
それでは伺いたい。専門看護師は、現在どのぐらいの人数が必要なんですか。
○谷田経営企画部長 お話の専門看護師の部分でございますが、このコロナ禍の対応の中で、病院の現場でそういったような声があるというふうに私ども認識しておりまして、それを答弁の中で本部長の方が申し上げたものでございます。
これにつきましては、今、これの採用等がしづらい状況ということにつきましては、私ども、感染を管理するといったような者については、その業務ごとに定数を管理するといったようなことがございますので、そういった意味で、定数管理において採用しづらい状況があるということを申し上げたものでございまして、今回のコロナ等も踏まえて、感染症の中で、今後、引き続き考えていくべきものだというふうに思っております。
○白石委員 一体何人必要なんですかという質問です。何人必要ですか。
○谷田経営企画部長 ただいま申し上げましたように、その必要性等は、私ども現場とも意見を重ねておりますので、そこについては感じているところでございますが、それについての人数、それについては、今後検討を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○白石委員 今、答弁明らかなんですよ。専門看護師を採用しづらいといいながら、どのぐらい専門看護師が必要なのか定まっていないわけですよ。これ、具体的な根拠はないと。こういうことを平然と議会で答弁していると。これで独法化する理由を理解できる人がいるんですかっていう話ですよ。少なくとも私はできませんよ。
だって、兼業はあたかもできないかのようにいって、この間、順次拡大もしている、必要であればやってきたと。じゃあその兼業で、実際に採用できなかった事例は何事例ですかといったら、一事例しかないと、そういう答弁じゃないですか。
今度は専門看護師を採用しづらいから、だから独法化するんだといったら、じゃあ実際、どれぐらい必要なんですかといったら、それも現状答えられないと。こういう理由をあげつらってですよ、独法化をこれから早期に進めようなんて、到底あり得ない。
そもそも現在の形態では、制度的制約により、迅速、柔軟な人材確保ができないと、とりわけ強調されております。いい換えれば、現状では人の配置が十分に足りていないことというふうに思います。
現在の定数は不十分な定数であると、こういう認識なんですか。あわせて、どのぐらい定数が足りないのか、はっきりとお答えいただきたいと思います。
○谷田経営企画部長 私ども、職員の配置に当たりましての定数管理につきましては、毎年度必要なものを見積もって適正に対応してきているというふうに思っております。
ただいま申し上げた感染管理というところの者につきましていえば、これについては、病棟の看護師さんという形のものとは違いまして、病棟を俯瞰して、全体としての役割を果たしていく者でございまして、これにつきましては、その資格を取るための勉強もしてもらいながら、少しずつ育成してきたというのが実情でございます。
これにつきまして、病院の現場として、今回のコロナを踏まえると、これは非常に希少な方々でございまして、これをどれだけ増やしていくのか、それにつきましては、今回のコロナも踏まえて考える必要があるということで、何も私ども、その定数について、それが適当にやっているですとか、そういったような状況ではございませんで、きちんと現実に向き合ってやっていくということを申し上げたところでございます。
○白石委員 ちょっと何か、いっていることがよく分かんないんですけれども、コロナを通じて浮き彫りになったのは、平時から、感染症や災害など緊急時に備えて人を確保しておくことが大事なんだと、これが明らかになったんです。必要なときに必要な人数を柔軟に確保できるじゃないんです。備えておくことがまず大事なんだと。だから今、この医療体制というのは強化しなければいけない、本当、見直していかなきゃいけないと、これまでのやり方を。
本部長だって、今答弁で、今後、コロナ感染症への対応や新たな感染症に備えるために、体制を強化する必要があると答弁されました。だったら、コロナ禍の下で、なぜ今年度、看護師の定数を減らしたんですかって話なんです。いっていることとやっていること、全く違うんですよ。そんなに備えるということが課題だと考えているのであれば、しっかりと定数だって引き上げると。私は、本当にそういうところで、皆さんの今までの答弁、繰り返し聞いていますけれども、非常に不誠実。そして、都民にも議会にも全く根拠もなく、この間も答弁を繰り返していると、厳しく指摘したい。
大体、独法化したら人材が柔軟に確保できると、このようにいっていますけれども、先ほどもやりました健康長寿医療センターはどうか、柔軟に人材が確保できているのかというと、実態は違うんです。三年前に医師が十四名も減員していたんです。十四名というのは、複数の診療科が一気に医者がいなくなると同じぐらいの大規模な医師が減員したことで、様々な取組を行っているんだけれども、今年の数字を見ても医師の人数の補充ができていないんです。
それだけじゃない。コスト削減策として、看護師の夜間看護業務手当の見直しが行われています。これまでは、夜勤の回数によらず一律支給されていた手当が、夜勤に入った回数によって増減するようになって、月に五回以上夜勤をしないと、見直し前より夜勤手当が減るようになったんです。
これ、何でやられたか、人件費の削減だ、経営効率なんだと、それで評価されているんですよ。つまりこの健康長寿の看護師さん、重い夜勤負担を負うか、従来より夜勤手当が減るか、どちらかになってしまうんです。
こういう実態を一つも説明されない、取上げもしない。独法化すれば、人を柔軟、迅速に確保できるとか、働きがいと能力、スキルの向上につながる人事給与制度とかいいますけれども、実際に先行して独法化された健康長寿医療センターで起きている実態を見ようともせずに、独法化すれば、全てばら色かのように描くことは断じて許されない。改めて、独法化を中止することを厳しく求めたいと思います。
さらに指摘したいのは、なぜこのコロナ禍で独法化を進めるのかということです。これ、みんな不思議に思っています。
都の医療提供体制について専門家は、重症患者数は昨年の同時期を大きく上回っており、病院の負担は長期化しているとしております。第一回定例会では定款を提出しなかった理由の一つに、病院現場のコロナを最優先とするためと、このような答弁をされております。
医療提供体制が依然として厳しい状況なのに、定款を提出できると判断されたその理由は一体何でしょうか。
○船尾計画調整担当部長 定款の提出時期についてでございますけれども、設立に必要な運営体制や各種制度の検討等の準備状況、国の医療政策の動向、また、各病院がコロナ最優先とするなどの病院現場における状況など、様々な要素を総合的に判断していくものでございます。
こうした状況について、例えば、準備につきましては、出資財産の整理が進んだことや、全職種に対する人事給与制度の構築や説明が進んだこと、また、病院現場における状況につきましては、ワクチンの接種が進んだことや受入れ体制強化の構築がなされたことなどがありまして、こうした様々な状況を総合的に判断して本定例会に定款を提出することとしたものでございます。
それから、先ほどから、なぜ独法化が必要なのかよく分からないというお話だったんですけれども、前段で本部長がご説明されたとおりなんですが、この独法化というのは、直営の形態での課題があるということで、十年前から外部有識者から指摘を受けて、長年の課題でございました。
平成三十年一月にも外部の有識者の方から、今後の高齢化の進行で医療環境が大きく変化する中で、直営では、やはり公務員法とかの状況があって機動的な対応は困難ということで、改めて独法化の提案をいただいたということも背景にございます。
○白石委員 質問されたことに答えてくださいよ。一定では、コロナ対応を最優先するために定款を提出しなかったのに、なぜ今回は提出できたのかというシンプルな質問ですよ。代表質問でも聞きましたけれども、全く聞かれたことに答えないで、つらつらつらつらと独法化の必要性を、前からいっていることをずうっと繰り返している。
今の答弁でも、総合的判断、総合的判断といって、曖昧でよく分からないので、もう一度確認したいと思いますけれども、病院現場の状況で、コロナ最優先というのは変わったんですか、変わっていないんですか。
○船尾計画調整担当部長 現在も、コロナはまだ終息をしておりませんで、全病院、非常に頑張って対応しているところでございます。
そういった、現在コロナというのが大きな課題になっておりますので、そういったものに優先して対応していく。それは、今も一年前も変わらないというところでございますが、一月の、一定の時期と大きく違うのは、先ほど申し上げたようなワクチンの接種が、医療従事者もこの春に先行して実施できたとか、そういった状況が進んだことですとか、あるいは受入れ体制、二千床に向けて徐々に拡大をしていきましたけれども、そういった受入れ体制強化の構築がなされて、受入れの安定化が図られているというところが大きな違いでございます。
○白石委員 長々長々いうんですけど、一定では、コロナの対応を最優先にするから定款が出されませんでしたと。じゃあ何で今回出されるんですかというふうに質問をしているわけですよ。コロナ最優先というのは変わったんですかといったら、コロナ最優先は今も変わりはありませんと。だったら、何で定款が提出できるんですか、矛盾しているんですよ。
お聞きしますけど、先ほどの答弁では、今もいいましたが、ワクチン接種や受入れ体制強化の構築がなされたと述べられました。それはつまり、今年の一定に定款を提出するのを見送ったときと比べて、こういうワクチンとかもあって病院のコロナ対応の負担は減ったということをいいたいんですか。説明してください。
○船尾計画調整担当部長 定款の提出時期でございますけれども、先ほど申し上げたように、コロナの状況だけではなくて、設立に必要な運営体制や各種制度の検討の準備状況、国の医療政策の動向、そういったものを総合的に判断してきたものでございまして、コロナだけということではないというところでございます。
○白石委員 いや、ちょっと驚きですよ。だって、病院の今の現状は変わっていないですよ。厳しい状況ですよ。でも、一定では、コロナを最優先にするから出さなかったんだと。じゃあ今回何で出すんですかと。病院の負担の軽減がされているからですかと。そうじゃないと。だけれども、定款は出すんだと、全く意味不明です。
負担が減っていないのであれば、一定のときは、病院現場の状況を理由に定款を提出しなかったんだから、今回提出できる理由の説明にならないんですよ。いや、本当に、これ聞いていて、もう全く理解ができないと。
第三波のときの都立、公社病院でのコロナ患者の受入れ数は、最大で八百四十六人でしたが、第五波では、九月三日時点で約千五百人となるなど、第三波をはるかに超える数の患者を受け入れてきました。その後、入院患者数は減少していますが、昨日のモニタリング会議でも専門家が、病院の負担が長期化していると指摘しているんです。また、モニタリング会議では、再拡大への備えは大変重要なんだと警鐘を鳴らしています。
今やるべきことは、都立、公社病院を抜本的に強化するなど、再び医療危機を引き起こさせないための対策です。独法化の準備じゃないんです。ところが知事は、今定例会の所信表明で、来年七月の設立を目指し、必要な準備を着実に進めると、このように所信表明で述べました。
そこで伺いますが、独法化の設立日を七月にした理由を具体的に説明していただきたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 高齢化に伴いまして、医療の質と量が大きく変化する中、都民の医療ニーズに対応できる体制づくりは待ったなしでございます。また、今後、感染状況に応じたコロナ感染症への対応や新たな感染症の発生に備えるために、感染症医療提供体制を一層強化する必要がございます。
そのためには、早期に新たな体制を整備していかなければならず、最短のスケジュールで法人を設立するのは必要でございます。このため、設立に必要な準備や法的手続を行い、令和四年七月設立を目指すということとしたものでございます。
○白石委員 設立日を七月とした理由は、最短のスケジュールだったからということです。最短ということは、病院現場がコロナ対応を日夜行っている状況とは関係なく、何が何でも独法化の準備を進めるということです。ここから見ても、コロナ最優先ではなくなったということは明らかなんですよ。
とにかくどんな状況であろうとも、独法化を強行するということです。独法化すること自体、決して許されませんが、その上に、進め方も異常だと、これはいわざるを得ないと思います。
さらに伺いたいと思います。独法化の設立日を七月と決めたのは何月何日ですか。どういう場で、誰が参加している場で決められたんですか、お答えください。
○船尾計画調整担当部長 独法化の設立日を決めた日でございますが、八月の下旬であったと記憶しております。
○白石委員 私が聞いたのは、八月の何日ですか、そしてどういう場ですか、誰が参加していましたか、お答えください。
○船尾計画調整担当部長 八月の二十七日に、設立日をいつにするかというのを決めたところ……(白石委員「どういう場で、誰が参加していたか」と呼ぶ)そこには、本部長や私も参加して決めたというところでございます。
○白石委員 知事は参加をしておりましたか、お答えください。
○船尾計画調整担当部長 その場には知事もいらっしゃって決めたところです。
○白石委員 最初からそういえばいいんですよ。八月二十七日というのはどういう日だったか。感染状況、医療提供体制が極めて深刻だった時期です。
その前日の八月二十六日のモニタリング会議では、自宅療養中に容体が悪化した新型コロナウイルス感染症の患者の救急搬送、入院受入れが困難になっている、緊急を要するけがや病気の患者の救急搬送、受入れにも大きな支障が生じている、現在の感染状況が続けば、医療提供体制の限界を超え、救える命が救えない事態がさらに悪化すると、危機的な状況が指摘をされておりました。入院患者数は四千人を超えて増加が続いており、重症者数のピークは八月の二十八日だったんです。もはやコロナ対応のことなど考えずに決定したといわざるを得ません。
独法化の設立日を七月に定めたことは重大な決定となります。この決定の決裁手続は取られましたか。
○船尾計画調整担当部長 定款の提出については、決裁をいただいたところでございます。
○白石委員 私が聞いたのは、設立日を七月にすると決めた、その決定は決裁を取りましたか、どうですかと聞いています。
○船尾計画調整担当部長 今の定例会で知事の方からご表明いただきましたけれども、七月を目指すというふうなことでご発言がございまして、七月にまだ決めたというところではないというところです。
○白石委員 だから、決裁を取ったんですか、取っていないんですか、お答えください。
○西山病院経営本部長 今、部長が申し上げましたとおり、今回は定款の内容をご説明し、定款の決裁をいただいたところでございます。
七月を目指しますと知事が表明されたのは、私どもが今後のスケジュールというところで、来年の七月を目指すということを申し上げて、それを知事がご表明されたことだというふうに思っております。
法人の設立というのは、これから定款のご議決をいただきますけれども、ご議決いただいた後、中期目標、中期計画、それから総務省の認可、さらに計画の議会での認可、こういうことを全部踏まえた上で設立日が決まりますので、七月一日の設立日の決裁がないというのは当たり前でございます。
○白石委員 いや、びっくりです、その認識が。決裁手続していないんですよ。
公文書管理条例、ぜひお読みになっていただきたい。軽微な事案以外は文書により決定、つまり決裁を行うことが必要と定めているんです。重要事案の決定に当たっては、経過などを明らかにする文書を作成しなければなりませんと書いてある。その目的は、都政の透明化を推進し、現在及び将来の都民に対する説明責任を果たすことであります。そのため、政策の形成過程についても公文書をきちんとつくらなければならない。もう一回いいますよ、そのため、政策の形成過程についても公文書をきちんとつくらなければならないと公文書管理条例にはっきり書いている。
ところが、知事も病院経営本部も、独法化方針、これ最初の方針を決定したときも、同様に決裁手続なしでした。そして今回、重大な七月という、これ、目指すんだと。同じことなんです。目指すっていうことは、七月にやろうという話なんです。じゃあ何でそういうふうな方針になったのかというのが都民の目に明らかにならないんです。こういうところで、いや、取らないのは当たり前ですなんて、私ね、本当驚きですよ、そんな発言ができること自体。
先ほどから、都民や都議会も含めて、職員も含めて丁寧に理解を求めていく、説明をしていくんだといっておきながらですよ、実際やっていることは、そんな真逆のことをやっているわけですよ。それを指摘されたら、それは取らないのが当たり前ですなんて、到底認められませんよ。
独法化の設立日を七月にすることを病院の職員に説明したんですか。また、病院職員から、提出日や独法化することの同意を得たのか伺いたい。
○船尾計画調整担当部長 お答えの前に、先ほどの、手続がおかしいのではないかっていう話ですけれども、先ほど本部長が答弁したように、それぞれの様々な議決があって初めて(白石委員「いいよ、分かったよ。質問に答えてくれよ。分かりましたよ」と呼ぶ)はい。総務省の認可をいただけるような状況になりますので、そこで(白石委員「さっき本部長がいったからいいよ、繰り返さなくても」と呼ぶ)はい。そこで決定ができれば(白石委員「質問に答えてよ」と呼ぶ)そこで決定ができれば決裁をしていくと、そういうふうな流れになると思います。
○おじま委員長 答弁中は静粛に願います。
○船尾計画調整担当部長 それで、ご質問のところですけれども、設立時期については、九月の二十八日に職員の方に説明をしております。
定款や独法化することにつきまして、地方独立行政法人法上、職員一人一人の同意を得る規定はございませんで、同意は得ておりませんが、理解と協力を求めていく必要があると考えております。
独法化後は、そのメリットを生かしまして、より働きがいにつながる人事給与制度や柔軟な勤務制度など、職員にとってさらに働きやすく、安心して働ける環境を整備する予定でございます。
職員に対しましては、引き続き行政的医療の提供など、都立病院の役割を果たし続けられるための独法化であることや、移行後の処遇等について丁寧に説明をしてまいります。
○白石委員 答弁、端的にいっていただきたい。そして、質問したことをちゃんと答えればいいですよ。つまり、知事が所信表明で発表した後に職員に知らせたということなんです、九月二十八日というのは。職員には丁寧に説明すると、このようにしながら、独法化の是非も定款の提出もこれまでに一切同意を得ていないということは明らかです。口では丁寧に説明とか理解を得るといいながら、やっていることは、都民の声も職員の声も全く聞かずに強引に進めるという、その姿勢です。
都立病院、公社病院というのは、都民から本当に頼りにされているんです。ある保護者の方は、今年十歳になるお子さんが一歳四か月のとき心肺停止となって、東京医科大学八王子医療センターで挿管された後、ドクターカーに乗って都立小児総合医療センターに運ばれました、集中治療室で小児に特化した各科の専門医がチームになり、最新の治療を受けることができました、搬送までの時間や治療までの時間がかかってしまったこともあり、身体に障害は残りましたが、今は各専門家の先生方の診療を受けながら、医療的ケアをしながら特別支援学校に通っています、家族の心のケアまで当時も今も担ってくれていますと、この方はこのようにおっしゃって独法化に反対されています。これまで独法化された病院のその後を知ると、今後、子供たちの医療が確保されるのか本当に心配です、都立病院の集中治療室があるから、風邪でも重症化してしまう息子の命の危機を何度も乗り越えてくることができました、三百六十五日二十四時間、いつ急変してもERに受診できる安心感があります、都立病院は私たちの最後のとりでなのですと悲痛に訴えていますよ。(発言する者あり、笑声)笑い事じゃないんですよ。独法化が医療の充実のためだという主張は、これまでの議論と破綻しているんです。
今日の質疑でも、本部長が挙げた兼業ができないとか、定数管理があるんだとか、そういうことを理由に、直営では制約があるという議論は成り立たないんです。
独法化の本当の理由は、都の財政負担の削減にほかならないと。そのことは、都立病院経営委員会の委員長が、独法化後の都からの財政支援について、従前のままでは何のための独法化かと発言したことからも明らかなんです。
こういうような数々のところ、都立病院、公社病院の独法化は中止をして、定款は撤回するべきだということを改めて強く求めて、質問を終わりたいと思います。
○おじま委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後八時九分休憩
午後八時二十五分開議
○おじま委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○関口委員 よろしくお願いします。
先ほどから質疑がされております。重なる部分などは省いていきたいと思いますけれども、重要な部分に関しては改めて伺うところもあるかもしれません。よろしくお願いいたします。
先ほどからも話がありましたが、都立、公社十四病院で、二千床のコロナ病床を確保しているということと、夏以降の感染拡大の時期には一千五百人の患者受入れをしているということで、極めて今、この都立、公社の役割というものが問われていると思っておりますし、コロナを経て、よりその機能というものに注目がされているのではないかと、そう思っております。
先日の立憲民主党会派の代表質問におきまして、私たちは、都立、公社病院の独立行政法人化の提案は、現場に不要な不安を招き、都民サービスの低下につながりかねないと懸念する指摘をいたしました。なぜ、あえてコロナ禍での提案なのかと見解を伺いましたが、なかなか的を射た回答を得られなかったのではないかと、そう思っております。
改めて伺いますが、なぜ今、このタイミングなのでしょうか。
○船尾計画調整担当部長 都立、公社病院は、専用医療施設の開設等によりまして二千床のコロナ病床を確保し、他の医療機関で対応が困難な患者等の受入れに率先して取り組んでおります。
一方、地方公務員法など現行制度の下では、兼業や給与設定等に制約がございまして、迅速、柔軟な人材確保などにおきまして、課題が改めて明らかになっております。
独法化は、こうした現在の制度を改革し、柔軟な病院運営を可能とするための取組でございまして、法人独自の勤務制度等を構築することで、人材の確保、活用を機動的に進めることができます。
今後、コロナ感染症への対応や新たな感染症の発生に備えるために、感染症医療提供体制を一層強化する必要がございます。
また、超高齢社会の中でも、患者ニーズに機動的に対応できる体制を早期に整備する必要があるため、本定例会に定款の議案を提出したものでございます。
○関口委員 二〇一九年十二月の都議会第四回定例会におきまして、知事は所信表明において、都立病院と公社病院の独法化の方針を示しました。独法化への移行が検討され、計画されておりましたのは新型コロナの前でありました。
本来であれば、医療体制が大きく一変した今、やらなくてはならないのは、行政的医療における感染症医療や公衆衛生の立ち位置を検証し、ポストコロナの医療を再考することではないかと、そのように考えております。都の見解を伺います。
○船尾計画調整担当部長 令和二年三月に独法化の方針として策定いたしました新たな病院運営改革ビジョンにおきましては、現行の経営形態には、地方公務員法などによる制度的制約があり、医療ニーズの変化に対応した柔軟、迅速な人材確保などに課題があることをお示ししております。
新型コロナウイルス感染症への対応におきましても、現場が必要とするタイミングでの人材の確保など、ビジョンに記載したものと同様の課題が生じております。
こうした課題を解決するため、早期の独法化が必要であるということでございます。
○関口委員 今もおっしゃっていただきましたけれども、感染症医療提供体制の強化、こういったものもうたっているわけでありまして、当初は想定をしていなかった後づけの論理ではないかというように私は見てしまうんですが、都の見解を伺います。
○船尾計画調整担当部長 先ほど申し上げた新たな病院運営改革ビジョンにおきましては、独法化のメリットを生かした新たな展開をお示ししてございます。
その中で、首都直下地震や激甚化する豪雨災害、新興感染症などへの体制を充実し、新たな課題にも着実に対応する、こういった旨を示しているところでございます。
○関口委員 確かに新興感染症の記載というものはございます。しかし、これほどまでの感染症というのは、今までこの国において経験をしたことがないということでもございます。
確かに新型インフルの特措法、こういったものにおいて、自治体では行動計画などがつくられているわけでありますが、やはり今回のコロナの対応を見ていても、それでは不十分であるということで、いま一度、先ほども申し上げましたが、行政的医療の在り方であったりとか、あるいは感染症対策、公衆衛生の在り方、こういったことを見直す時期に来ていると私は考えております。
さて、今後、都立、公社病院が独法化へ移行した後、再度、都の直営に戻すということはできるのでしょうか。
○船尾計画調整担当部長 法人職員となった者が、再度、設立団体等の職員となる場合の手続につきましては、地方独立行政法人法上、規定をされておりません。
○関口委員 地方独立行政法人法上、規定をされていないということで、再度の直営というものはできないということであると思います。
同じようなことを何度も聞くようで恐縮でありますけれども、再度の直営というものができないのであれば、拙速な判断であると考えますけれども、都の見解を伺います。
○船尾計画調整担当部長 独法化は、医療環境の変化に即応できる機動的な病院運営を実現することによりまして、感染症医療をはじめとする行政的医療を将来にわたり、安定的、継続的に提供する役割を果たしていくために行うものでございます。
この先、超高齢社会の本格化等により、医療環境が大きく変化する中におきましても、医療課題や都民ニーズに着実に対応することが不可欠でございまして、そのための体制づくりは待ったなしでございます。
引き続き、今後も新型コロナウイルス感染症への対応に全力を尽くすとともに、独法化への準備を着実に進めてまいります。
○関口委員 さらには、この独法化を推し進める予算、マンパワーがあるのであれば、その資源は新型コロナに徹底して振り分けるべきだ、こういったことも先日の代表質問において我が会派で主張してまいりました。
独法化移行の予算は幾らでしょうか。また、独法化に移行することにより、どれほどのマンパワーを必要としているのか伺います。
○船尾計画調整担当部長 今年度の病院会計予算では、独法化の準備費用といたしまして二十二億四千八百万円を計上しており、また、病院経営本部に専任の担当者を十名配置して検討を進めております。
なお、コロナへの対応につきましては、福祉保健局の入院調整本部の運営に、この専任の担当者をはじめ、病院経営本部の職員を毎日派遣しておりまして、病院経営本部と福祉保健局が一丸となって入院調整に当たっております。
○関口委員 今、準備費用が二十二億ということと、病院経営本部に担当者十名配置ということでありました。
しかし、現場のいろいろな細々なことを考えたら、多くのマンパワーが必要でもありますし、そういったことを考えると、やはり今やるべきは第六波に備えた予算であったり、あるいは人手、人、物、金、こうしたものを集中していくことが必要だと思っております。
独法化に伴う業務の増大については強く指摘をしたいわけでありますが、この独法化に、移行に伴う業務として想定がされることは、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
○船尾計画調整担当部長 独法化の業務といたしましては、法人を設立するために必要となる各種制度の構築等がございます。
具体的には、医療の充実強化の検討をはじめ、法人の組織運営体制や財務会計制度、人事給与制度等の構築、各種規定整備、システム構築などでございます。
○関口委員 ここで一つの報告書について取り上げたいと思っております。全国地方独立行政法人病院協議会が主体となった、全国の独法化された三十七法人に対して発送したアンケートがございます。三十七法人中、三十四件の回答を得ているそうでありますが、病院の独法移行に関するアンケート調査です。独法化後の現状調査報告ということで平成二十六年一月三十一日、少し古い資料でありますけれども、そういったものがございます。
この報告書によると、独法化に伴い約六割の法人がデメリットを感じているとのことでありました。その中では、業務量の増大があったということで十六法人がアンケートに答えている。さらには、設立団体との政策協議が難航したというのが三法人ある。移行の準備に費用がかさみ過ぎたと答えている法人が三法人あるということで、独法化に伴い、現場には大きな負担がのしかかることが分かると思います。
さらにいえば、このアンケートの実施主体でありますけれども、あくまで独法化された病院の協議会がやっているものでありますので、そうした法人がやっているアンケート、色があるかといったら、どちらかといえば独法化に賛成的な、肯定的な方々のアンケートでありますので、そうしたアンケートをあえて見ていくことは重要だと思っております。
都は、この全国の独法化された医療機関の実態把握に努めているのか伺います。あわせて、現場負担が増大することが明らかである中で、都はコロナ禍において、改めてこの独法化を進めるのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 一点目の実態把握の点でございますが、全国の独法化された医療機関につきましては、公開されている情報を中心に収集するなど実態把握に努めております。
二つ目のご質問の部分でございますが、独法化の準備は、病院経営本部や病院の事務局が中心となって進めていくものでございまして、現場の医療従事者への影響が極力生じないように進めております。例えば、電子カルテなどの医療系システムや診察などの医療提供の運用は、独法化によって変わらず、医療従事者の負担を増大させることはありません。
今後も、医療現場の負担を増大させないように配慮しながら、感染症医療をはじめとした行政的医療の安定的、継続的な提供や、都の医療政策への貢献などの役割を将来にわたって果たすために独法化の準備を進めてまいります。
○関口委員 今取り上げた報告書におきましては、さらには、この独法化移行に関する障害があったと答えた法人が十五法人あります。その中でも、職員労働組合の反対と答えた法人が九つありました。
現在、労働組合とはどのような協議がされていますでしょうか。また理解が得られているのでしょうか。また、平成十五年、地方独立行政法人化附帯決議におきましては、雇用問題、労働条件について配慮して対応するとともに、関係職員団体または労働組合と十分な意思疎通を行うこととございます。この附帯決議は極めて重要であると考えますけれども、独法化移行に当たっての考えを伺いたいと思います。
○谷田経営企画部長 職員団体とは、新法人の勤務制度や人事給与制度等について、適宜意見交換を行っているところであり、これまで、その声も踏まえながら適切に対応してまいりました。
新法人における職員の雇用や労働条件については、委員ご指摘の附帯決議の趣旨も十分踏まえ、労使の信頼関係に基づき、引き続き職員団体と意見交換や協議を行ってまいります。
○関口委員 組合との協議というのは、これから始まるものかと思いますけれども、こうした附帯決議があるということと、さらには、コロナ禍であって、極めて現場が混乱をしている中で、さらに職員の働く環境というものが大きく変わるというわけでありますので、ぜひお願いをしたいと思っております。
先ほど申し上げたように、独法化への移行は現場に不要な不安を招くと。不要な不安を招くということで一番恐れているのが、人材の流出ではないかと思っております。
そこで伺いますが、具体的にいえば、大久保病院、多摩北部医療センター、荏原病院、豊島病院、この旧都立病院が公社病院に移行した際、移行する前年度に辞めた医療系の職種というのが何名いたのか、そしてさらに、その公社病院に移行された四つの医療機関で、公社移行後に辞めた医療系職種が何名なのか伺いたいと思います。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公社には、大久保病院、多摩北部医療センター、荏原病院、豊島病院を移管しておりますが、職員が退職する理由は様々でございますが、これらの四病院を公社に移管する前年度に退職しました医師、看護師、その他の医療系職種の人数は、合計で二百二十三名でございます。
また、四病院を公社に移管した年度に退職した医師、看護師、その他の医療系職種の人数は、合計で五十五名でございます。
○関口委員 今、答弁の中にもございましたが、都立病院が公社病院に移行する前の年度は二百二十三名で、公社病院に移行した後、辞めたのが五十五名ということでありまして、約百七十名の差があるということであります。
多少の数の差であれば、定年退職の方が多かったのか、いろいろな事情で辞めた方が多かったんじゃないかということで推察もされますが、さすがに四つの病院で百七十名の差がある、これは極めて、私は大きな問題であると思っております。
さらにいえば、この後、都立病院が独立行政法人化されたときに、同じような人材の流出が起きるのではないかということを極めて懸念をしております。
ただでさえ、今、厳しい労働環境にある、そういった中で、人材の確保ということを都立、公社病院の独法化におきましては掲げておりますけれども、この人材の確保よりは、むしろノウハウの蓄積のある職員が流出をしてしまうのではないかと懸念をいたしますが、都の見解を伺います。
○船尾計画調整担当部長 委員がご懸念のようなことが起こらないように、独法化後は、職員が有する専門的知識や能力、勤務実績を適切に処遇に反映して、働きがいとさらなるスキルアップにつながる独自の人事給与制度を構築してまいります。
また、育児、介護と仕事を両立できる短時間勤務など、職員のニーズに合わせた柔軟な勤務制度も構築してまいります。
こうした制度の構築によりまして、職員が高い意欲と働きがいを持ち続け、安心して働き続けられる環境を整備することを職員にも丁寧に説明してまいります。
○関口委員 今お答えをいただきましたけれども、やはり私は、今のタイミングではないんじゃないかということを強く思うわけであります。
我が会派の独法化移行に関しての代表質問に対し、より働きがいのある人事給与制度を構築するという答弁がございました。本委員会の中でも、同様の趣旨のものが出ているわけであります。
働きがいのある人事給与制度とは、具体的にどのようなものを指すんでしょうか。
○谷田経営企画部長 職員が都立病院で働くに当たりまして、やりがいを感じながら前向きに働くことのできる環境が重要であると認識しております。
具体的には、例えば職員の持つ専門的知識、能力や業績をきめ細かく評価に反映する仕組みや、専門性に着目した手当の支給など、職員の働きがいにつながる制度構築に向けた検討を進めているところでございます。
○関口委員 私は、この働きがいのある人事給与制度というものをちょっと伺って、今、都立病院の職員の方が、なかなか非常に大変な中で、働きがいのあるという言葉のニュアンスというものに、少し残念な思いを抱くわけであります。
現行の都立病院のままでは、この働きがいのある給与制度というものは不可能なんでしょうか。
○谷田経営企画部長 都におきましてはこれまでも、医師の処遇改善や看護師確保対策など、現行制度の範囲内で、職員が意欲を持って働くことのできる勤務環境整備を図ってまいりました。
一方で、地方自治法では、職員に支給できる手当の種類が限定されておりまして、また、地方公務員法におきましても、給与について国や他の地方公共団体等との均衡を求められております。
これらの制約を受けない新法人においては、より柔軟な給与制度構築が可能となることから、職員の能力や職責、勤務実績をこれまで以上に適切に処遇に反映させるなど、一層の働きがいを感じられるような人事給与制度を構築してまいります。
○関口委員 今ご答弁をいただきましたけれども、地方公務員法の制約があるということでありました。そこで都は、この独法化に移行する意義として、迅速で柔軟な人材確保というものを掲げております。
今ご答弁をいただきましたとおり、地方公務員法の制約があるとのことでありますが、改めて法的根拠を示していただけますでしょうか。
○谷田経営企画部長 内容的には重複するところでございますが、例えば、職員の給与や勤務時間等については、地方公務員法第二十四条によりまして、国及び他の地方公共団体との均衡を求められております。
また、他の医療機関での兼業については、同法第三十八条の営利企業等の従事制限により、原則として禁止されているところでございます。
地方公務員法のこうした規定が、迅速で柔軟な人材確保において一定の制約となることがございます。
○関口委員 今、兼業ということがありまして、先ほど他の委員から、兼業についても問題なくできるんだというような話がありました。
迅速な人材確保という観点であれば、例えば、年度途中の採用などを実施することも可能だと思いますが、今まで年度途中採用というものはされてきたのでしょうか。
○谷田経営企画部長 病院経営本部では、職種の実情に応じまして、人事委員会から委任を受けて採用選考を実施しておりまして、医師、看護師、臨床検査技師など、福祉系及び医療技術系の十一職種の採用を行っております。
これらの職種について、年度途中での欠員が発生した場合、中途採用の実施について関係局に協議し、了承された場合に中途採用を行っております。そうしたような事実があるということでございます。
○関口委員 今ご答弁をいただきましたように、欠員が発生した場合などは中途採用を行っているということであります。
また、柔軟な人材の確保ということも非常に大きく掲げられているわけでありますし、迅速で柔軟な人材の確保といわれれば、それに賛成をする方はほとんどであると思っております。
ただ、この柔軟な人材の確保という観点であれば、都の職種の改定を行うことは可能であります。定期的に都の職種をアップデートすることにより、補うことができるはずではないかと私は考えております。
今まで都の職種改定はされてきたのでしょうか。あるいは、されていなければ、なぜされてこなかったのでしょうか。
○谷田経営企画部長 職種でございますけれども、職務をその種類の類似性により分類したものでございまして、採用、配置管理、処遇など、その組織の人材戦略の必要性に基づき、必要な専門知識や経験、資格要件等を考慮して定めるものでございます。
東京都では、職種改定は行われておりまして、直近では、ICTが新たな職種として令和元年度に新設され、令和二年度に採用試験、選考を実施しまして、令和三年四月に職員を採用しております。
職種改定は、関係局が全庁的な観点から行っておりまして、これまで統廃合や廃止は複数回行われているものの、ICT以前の新設につきましては、昭和四十八年に老人養護などが新設されておりますけれども、定期的な実施は行われていないと聞いております。
また、直近の事例のように、ICTのように新たに職種が設置され、試験を行い、実際に職員を採用するまでには時間を要することとなります。
そのため、柔軟に対応できる独法化により、病院に必要な人材の確保を行う必要がございます。
○関口委員 先ほどから答弁をいただいているわけでありますが、迅速で柔軟な人材の確保ということで、先ほど他の委員から、兼業についてはということで、兼業についてもできるんだという話でありましたし、年度途中採用というものも実際には行われている。そして、都の職種、これに関しては、直近であればICTという分野が職種の改定をされたわけでありますけれども、これも要は、やる気の問題ではないかと思うんです。
ICTに関しても、必要だからこそ改定を行ったわけでありまして、もしそうした医療の現場で職種の改定が必要なのであれば、しっかり議会を開けばいいわけでありますし、幾らでも協力はしたいと思っております。
ですので、何度も申し上げるようで大変恐縮でありますけれども、なぜ今なんだと。そして、今やるべきは、このポストコロナの、後の医療、感染症医療、行政的医療、こうしたものをしっかり検証した上で、都立、公社病院の在り方というものを考えるべきではないかということを改めて申し上げたいと思っております。
現在の都立病院の経営形態は、地方公営企業法(一部適用)ということであります。地方公営企業法、全部適用にすれば、職員定数を独自に定めることも可能でありますし、給与や勤務時間を独自に設定することが制度上は可能であったはずであります。
令和二年三月の新たな病院運営改革ビジョンでは、経営形態の制度比較がされておりますし、地方公営企業法の全部適用も選択肢の一つにされております。
こうした観点も踏まえて、なぜ地方独立行政法人化が望ましいと考えたのか、また、コロナ以前の報告書であることも考慮し、経営形態について、都において再考されたのでしょうか。
○船尾計画調整担当部長 新たな病院運営改革ビジョンでは、現行の経営形態には、地方公務員法などによる制度的制約があり、医療ニーズの変化に対応した柔軟、迅速な人材確保などに課題があることをお示ししておりますが、地方公営企業法の全部適用でも、現在の一部適用と同様に、定数や給与の面で制約を有しております。
こうした制度的制約を解決するため、地方独立行政法人が今後の都立病院に最もふさわしい経営形態であると判断をしたものでございます。
なお、新型コロナウイルス感染症への対応におきましても、現場が必要とするタイミングでの人材の確保など、ビジョンに記載したものと同様の課題がございます。
このため、早期の独法化が必要であると、このように考えております。
○関口委員 今ご答弁をいただきましたが、岩手県の公立病院の経営の在り方を考える報告書があるそうでありますが、その中では、地方独立行政法人化も、あるいは、地方公営企業法の全部適用であったとしても、さほど中身は変わらないんだというような分析をされているようであります。
話題を変えます。国の独法化された公的医療機関として、国立病院機構、そして地域医療機能推進機構が挙げられます。しかし、先ほど他の委員からも質問がありましたが、コロナ患者の受入れが極めて少ないということが問題となっておりました。
この二つの機構を支える法律のそれぞれの二十一条に、公衆衛生上重大な危害が生じ、もしくは生じるおそれがある緊急の事態に対処するため必要があると認めるときは、機構に対し、必要な業務の実施を求めることができるといった規定がございます。両機構法は、機構は、求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならないとも定めております。にもかかわらず、実効性が伴わないお願いしかできないというのが実情でありました、少し最近、事情は変わりましたが。
一方で、都立、公社、独法化に目を向けると、本委員会に付託されている定款の第十九条では、法人は、災害が発生し、もしくはまさに発生しようとしている事態または公衆衛生上重大な危害が生じ、もしくは生じるおそれがある緊急の事態に対処するため知事が必要と認める場合において、知事から十八条に掲げる業務のうち必要な業務の実施を求められたときは、その求めに応じ、当該業務を実施することとある。
私は、国の独法化された公的医療機関が、コロナ病床の受入れに消極的であるということと同様に、都立、公社病院が独法化された後、災害時や公衆衛生上重大な危害の生じた際に実効性が伴わないことを懸念しておりますけれども、都の見解を伺います。
○船尾計画調整担当部長 感染症医療をはじめとする行政的医療の提供は、都立病院の役割であり、独法化後も変わることはございません。
特に、感染症のような緊急時に率先して対応することは、都立病院の重要な使命でございまして、法人化後も、今回のような事態が生じたときには、状況に応じて、法人自ら、また都の対応方針の下で、都立病院が率先して取り組んでいくことは当然のことと考えております。
このため、定款十八条には、法人の役割として、行政的医療の提供をはじめ、災害及び公衆衛生上の緊急事態等に対処することなどを規定してございます。
また、定款十九条で、緊急時等に、知事の指示の下、必要な業務を行うことを定め、その確実な実施を担保してございます。
定款は法人の根本原則であることから、法人はこれに応じる義務がございます。
○関口委員 定款の十九条において、知事が必要と認めた場合には、法人としてどのようなプロセスが必要となるのでしょうか。また、それに伴い、知事が必要とした際に、法人に対しては拘束力や効力は有されるのでしょうか。
○船尾計画調整担当部長 定款十九条に基づきまして、知事が法人に必要な業務の実施を求めた場合、法人は状況に応じて、理事会での議決もしくは理事長の決定により、速やかに求められた業務を実施することになります。
また、定款は、先ほど申し上げましたように、法人の根本原則であることから、十九条に基づき、知事が必要な業務の実施を求めた際には、法人は、これに応諾する義務がございます。
○関口委員 定款の原則というものは、私も拝見をしておりますけれども、もちろん重要なことだと思っております。その中身に関しては賛同するものでありますし、先ほど他の委員から質問がありましたが、法人への財政措置として、運営費の負担金、こうしたものが担保をされているわけでありますが、先ほど他の委員が質問しましたので、質問はいたしませんが、ただ、これは極めて重要なものであると思いますし、行政的医療というものを守るための運営費の負担金であると思いますので、ぜひ、こちらの負担金に関しては、引き続きお願いをしたいと思っております。
最後となります。
独法化移行に対し、情報公開がどのような対応になるのでしょうか。地方独立行政法人法第三条においては、地方独立行政法人は、この法律の定めるところによりその業務の内容を公表すること等を通じて、その組織及び運営の状況を住民に明らかにするよう努めなければならないという記載がございます。しかし、努めなければならないということでありますので、あくまで努力義務ということが示されているわけであります。
住民監査請求の対応などはどうなるのでしょうか。また、幅広く多くの都民の方々に情報をオープンにする体制が必要であると考えますが、都の見解を伺います。
○船尾計画調整担当部長 一つ目の情報公開につきましては、東京都情報公開条例によりまして、都が設立した地方独立行政法人は、現在と同様、対象となります。
二つ目の住民監査請求につきましては、地方公共団体のみに適用されるもので、地方独立行政法人はその対象とはなりませんが、都から法人に対する財政支出につきましては、住民監査請求の対象になります。
三つ目の点でございますが、都民の方々への情報発信につきましては、法令上、住民等に対して積極的に情報を発信し、公表するよう努力義務が定められておりまして、法人において適切になされるよう検討をしているところでございます。
○関口委員 今ご答弁にもありましたが、住民監査請求は、地方独立行政法人法では対象とはならないけれども、都から法人に対する財政支出については対象となるということでありました。
ただ、多くの医療の専門家が指摘をしているのが、やはり独法化に移行したときに、その病院の中身が極めて見えなくなってしまうということを非常に危惧をしています。
ぜひ、そうした専門家や、あるいは、今回、もちろん都民も極めて懸念をしている事案でございますので、都の努力義務以上の情報公開というものを要望いたしまして、質疑を終わりたいと思います。
○上田委員 独法化につきまして、もう各会派、反対の会派も賛成の会派も、なぜ今なのか、今じゃないと思うんですけれども、それに関して何度も同じ答弁されているんですが、二千床のコロナ病床を確保したが、地公法の下で迅速、柔軟な人材確保ができないと。今、公費は年間四百億でしたか、投入されている中で、引き続き、都が負担するから心配されることはないというようなご答弁をずっとされておりますが、私は、自由を守る会は、自由主義的保守改革でございますので、独法化するには、経済的メリットがあるのであろうというような観点から切り込んでいく予定でございます。なので、これまでどおりに公費を入れるというのであると、私からすると独法化へのメリットっていうのが、ちょっと分からないなというふうに思っております。
これは経営サイドの話ですけれども、とはいえ、各職員が給与体系が改善するのか、もしくはもっと悪くなってしまうのかという、働く人の立場に立った観点も必要だと思うんです。
そこで、給与体系の独法前と後、比較をして、働く側に、リスクに見合うメリットがあるのか伺いたいと思います。
○谷田経営企画部長 新法人におきましては、例えば専門性に着目した新たな手当の創設など、現行制度にはない給与体系が実現可能となることから、そのメリットを生かしまして、多様な人材が安心して働き続けられる人事給与制度を構築することとしております。
また、職員の能力や職責、勤務実績を適切に処遇に反映し、努力した職員がきちんと報われる給与体系としてまいります。
○上田委員 といいますと、皆さん、都の職員は地公法の下、働いていますよね。すると、都の職員は努力しても報われない給与体系なのかなと、都民よりボスの顔色をうかがって、ごますりが出世するようなものなんですかとうがった見方が出てきちゃうというふうに思うんですけれども、ちょっとそこは矛盾ですよね。
理事長ほか経営陣の人選については、公平性、透明性、ハラスメント防止の観点からも適任な人材を抜てきするために、どのように選定していくのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 役員についてでございますが、公的な病院の役割を十分に理解しており、地域や患者さんのニーズを酌み取り、また、行政的医療をはじめとする医療提供体制に迅速に反映することのできるなどの人材を選定してまいります。
○上田委員 適正な人材というんですけど、定款九条を見ると戦慄するんですよね。理事長は、知事が任命すると。この九条は、ちょっと守らないで変えていただきたいなと思ったのが、知事の任命で、水道局、何の水道事業も詳しくない野田数さんが抜てきされちゃったわけじゃないですか。ちょっとそこ怖いなということで、全て情報公開、一丁目一番地、都民ファーストで情報公開をお願いしていっていただきたいと思います。
独法化すれば、東京都も議会も、人事はじめ、財務部分ですね、内部までチェックがこれまでのようにできなくなるのは、もう周知の事実です。また、あらゆるハラスメント対策が透明化して行われ職員の人権が守られるのを、ちゃんと監視ができるのか伺います。
○船尾計画調整担当部長 行政的医療の安定的な提供など、法人の運営目的や目標の達成に向けまして、必要なルール、仕組みを整備し、適切に運用することは重要でございます。
このため、法令の遵守はもちろん、ハラスメント対策などに向け、業務運営に必要な各種規定を適切に整備するとともに、職員研修を充実させるなどにより、コンプライアンスの推進、実効性のある内部統制などの仕組みづくりを行ってまいります。
○上田委員 健康長寿医療センターの事務方ですけれども、何か東京都の方からOBだったりとか、派遣されているようなものでございますけれども、今回の独法化では、事務職は都庁から派遣をするのか、OBなのか、選任の考え方を伺います。
○谷田経営企画部長 基本的に、法人が独自に職員を採用するのは当然でございますけれども、新法人設立時点における事務職員につきましては、原則として、都からの派遣または東京都保健医療公社からの転籍を想定しております。
○上田委員 健康長寿医療センターは、かなり時間がたっても、まだ散見されるように仄聞しておりますけれども、そういったスライドで都の職員を派遣したり、OBだったりとかっていうのが、さっきから柔軟な人材確保、民間力だとかといっているその勤務制度なのか、これも何か自己矛盾を感じているんですね。
そうした同じようなメンバーによる、そしてまた、誰が--仮にですよ、大抜てきされちゃった首脳陣による独善的な運営が行われたときに、都は関与できないんですよね。そのデメリットをどのように危機管理として認識しており、いかに解消していくのか伺います。
○船尾計画調整担当部長 法人が、都から指示された中期目標を達成し、都の医療政策の実現に向けて機能していくためには、都のガバナンスが重要でございます。
理事長は知事が任命するとともに、法人に対しましては中期目標の達成に向けて、法人が策定する中期計画や、中期計画を達成するための年度計画、また、毎年度の業務実績報告書等の内容をそれぞれの段階で都がチェックする仕組みとなっておりまして、こちらは的確に関与してまいります。
○上田委員 先ほどの健康長寿の方ですけれども、当初は、何か皆さんの衆人環視があって、理事長が決まっても途中で替わっちゃった場合の、やっぱりハラスメントの問題というのも、これも仄聞しているのでございまして、職員向けの独法化一一〇番窓口をもしも仮にしたらば、私は、当面必要だなということを要望しておきます。
二〇一〇年度に純資産二百億円程度、二四%だったものが、二〇一九年度には七・七%まで落ち込んでいるんですね。二百億円超の公社事業資産を支えている、自前の資金ですね、財産が十五億ほどしかないという状況なんです。
こうした財務評価を行っているのか、公社の負債合計、百八十六億円の扱いはどうされるのか、独法に引き継がせるのか、破綻は目に見えているのではないでしょうか。公社の経営分析と課題について説明を伺います。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公社の資産は、二〇一〇年度百九十六億円でしたが、二〇一九年度は、什器備品やリース資産の増加などにより二百二億円となっております。また、負債は、二〇一〇年度百四十九億円でしたが、二〇一九年度は百八十六億円となっております。
この結果、正味財産は、二〇一〇年度四十八億円から、二〇一九年度十六億円へと三十二億円減少いたしました。これは、都職員の派遣解消に伴い固有職員が増加したため、会計基準上、負債として計上することが必要となる退職給付引当金が増加したことが大きな要因であると認識しております。
公社が自律的で安定した運営を行っていくことは重要でございまして、引き続き一層の経営努力を行い、財政基盤を強固にし、独立行政法人に引き継いでまいります。
○上田委員 退職給付引当金、これ大事ですよ。絶対になくすことはできないと思うんですけれども、コロナ禍で都の財政も疲弊しちゃっているんですね。財調もほぼなくなっているような状態で、どう財政基盤が強固になるのか、非常に私は、財政的に危険性を感じております。注視していきたいと思います。
さて、定款別表にあります土地と建物ですけど、土地が、駒込、豊島、墨東、東部地域、多摩南部地域病院だけなのはなぜなのでしょうか。固定資産の状況についてご説明ください。
○谷田経営企画部長 法人設立後に大規模整備計画が予定されております広尾病院、多摩キャンパスの各施設、多摩北部医療センターの土地、また、現在改修工事を実施しております大塚病院、荏原病院の土地、さらに、広尾病院整備に伴い広尾看護専門学校の仮移転用地となる松沢病院の土地につきましては、出資範囲等が整理できないため、工事終了後に追加出資することを予定しております。
○上田委員 出資範囲等が整理できない、工事終了と。これも何か見切り発車感が半端ない感じなんですけれども、今後の建て替えや、要するに使用予定があり、外しているという理解で構わないんでしょうか。このような定款は法的に問題はないのか、ないとすれば、その根拠を確認させてください。
○谷田経営企画部長 今回の定款で出資対象としていないものについては、整備工事の終了後に初めて出資財産の範囲が特定できるようになるため、追加出資としたものでございます。
例えば、広尾病院整備は設計前の段階にございまして、病院や広尾看護専門学校等、それぞれの敷地面積が確定していないため、出資範囲の特定ができない状況でございます。
出資対象財産の範囲を特定することが困難な場合の対応といたしまして、範囲の特定等が可能になった後、追加出資とすることについては差し支えない旨、総務省に確認を得ております。
○上田委員 出資範囲の特定ができないということで、できてからやったらいいんじゃないのかなと単純に思うんですけれども、過去に都立から公社に移管した豊島、荏原、大久保、多摩北部医療センターの評価は行ったのでしょうか。行ったとすれば、ご説明をお願いいたします。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 四病院につきましては、平成十三年に策定した都立病院改革マスタープラン等に基づきまして、地域の医療機関等との連携を強化していくことが医療資源の有効活用につながることから、地域病院の運営に実績を有する公社に移管し、地域医療の充実を図ることといたしました。
これまで公社は、地域医療機関との連携や地域包括ケアシステムへの貢献などに取り組み、地域医療を支えてきました。
一方で、人事、予算の面では、これらを都に要求の上、都と同様の仕組みの中で決められるため、一定の制約が生じることがあります。このため、医療環境の変化に対し、柔軟性、迅速性が発揮されない場合もあると認識しております。
○上田委員 せっかく地域医療を公社に移管し、地域医療を充実させてきたというのに、今、突然シフトチェンジをするという--積み重ねも一つの財産、医療、福祉財産ですので、ちょっと無理があるのかなというのが根拠の一つでございました。
これまでの経営の結果、負債が百八十六億円になっていることを指摘しましたが、この検証が必要ではないのかなと思っていたんですね。それは行ったのか、これを解消する具体的な経営改善策はあるのか、これまでの負債は都が肩代わりするのか、負債を抱えたまま独法に負担させるのか伺います。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公社では、公社事務局や各病院幹部をメンバーとする経営改善会議を設置しまして経営改善に当たっています。
この会議等での検証を踏まえ、例えば、スケールメリットを生かし、医療機器や医薬品の共同購入を行うなどの取組を進め、成果を上げてきております。
引き続き一層の経営努力を行い、財政基盤を強固にし、負債だけでなく資産についても独立行政法人に引き継いでまいります。
○上田委員 医療機器や医薬品の共同購入とは、涙ぐましい倹約姿勢です。この辺は評価しますが、なかなか百八十六億円を埋めることは難しく、財政基盤を強固にしてから独法化でよろしいのではないんでしょうか。本当に気が遠くなりそうな話じゃないでしょうか。
バランスシート上は、確かに不動産もあって資産ではプラスでも、病院の不動産というのは売却できませんから、ですから、やっぱりこれは負債が大きいということはいわせていただきたいと思います。
要するに何がいいたいか、キャッシュ・フローでも赤字がありながら、バランスシート上も非常に負債要因が大きいということを指摘させていただきたい。
感染症の医療対策強化にある独法の柔軟な勤務制度、もうさっきからずっと出てきていますけれども、様々な雇用形態を指すのであれば、この不安な体制はないのではないかという声も届いております。
コロナ禍で、医療従事者は、もう本当に来てくださいと、ワクチンの打ち手もすごい募集していましたよね。ですので、不安定雇用や身分では看護師確保は難しい、現在の都立のような柔軟な体制は構築できない、それはまた、募集をかけても来ない、それが市場原理でもあるんですよね。
知事の権限で有事には対応するということなんですが、それは、大阪でも先行事例があって、定款に盛り込まれていましたが、どうでしょうか。大阪府立病院は、機動的に対処できなかったというのは周知の事実であると思います。
こうした医療人材の市場原理を踏まえて、どう人材を柔軟に担保できるのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 法人化後は、地方公務員法の制約を受けることなく、職員のニーズに対応した柔軟な勤務制度を構築していくこととしております。
具体的には、例えば働き手のニーズに合わせた短時間勤務の拡大等によりまして、育児や介護と仕事を両立できる勤務制度等を構築し、資格を有しながら病院現場で働いていない、いわゆる潜在看護師をはじめ、多様な人材が働きやすく、安心して働き続けられる環境を整備し、安定的な人材確保を図ってまいります。
○上田委員 多様な人材が働きやすくということですが、多様な人材確保としながらも、事務方は都の職員を派遣というのは、何か矛盾しているように私は思えて仕方がないんですよね。国やほかの地方公共団体との均衡が求められるとしていますが、小池知事は、常に都独自、全国に先駆けてスピーディーに取り組む姿勢をアピールされております。
都が独自の体制を維持すればいいだけのことではないのかなとシンプルに考えますが、地公法の制約とは何なのかご説明ください。
○谷田経営企画部長 例えばでございますが、地方公務員法第二十四条では、職員の給与や勤務時間等について、国及び他の地方公共団体との均衡が求められております。
こうした地公法の定めの下では、柔軟な制度を構築することには一定の制約がございます。
○上田委員 民間並みの柔軟な制度ですよね。繰り返しますけど、都職派遣ですと、東京都と同じような条件に外郭団体等に行ったときはなるので、そこは柔軟じゃなくなるわけですよね。そうすると、柔軟な働き方をされている人と都の外郭団体では、本当に、私も公営企業委員を長らくやりましたけれども、給与の格差がプロパーと出てしまって不満感が募っていくわけですよね。そこら辺が非常に矛盾しているというふうに思っております。
さて、松沢病院の旧本館が、解体費用がないとの理由で十年間放置されてきています。ごく一部、倉庫に使用されているようですけれども、空き家状態で放置されているのは様々な事故の懸念に結びつきます。
この旧本館の扱いをどのように考えているのか、解体ほか建築費など新法人が負担されるのですか、東京都からの拠出をするのですか、伺います。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 旧本館管理棟は昭和四十八年に建築され、その後、昭和六十二年に増築しています。平成二十四年に本館診療棟が完成したことに伴い、当該建物については、現在、感染防護具の保管などに活用しています。
当該建物は十分な耐震性を有しておりまして、また、機械警備を導入し監視を行うなど、施設の安全確保を図っております。
当該建物につきましては、今後、新法人に引き継ぐこととなりますが、当該建物の利活用等が具体化した段階で、関係者間で費用負担等について検討することになります。
○上田委員 松沢病院は、四年ほど前にリハビリ棟から理学療法室が新館に移転したため、リハビリ棟の旧理学療法室が空いていて、倉庫に転用できる部屋はほかにもあるはずなんです。旧本館をそのまま独法の負担にさせるのはかなり負担が大きいですし、出発時から独法にそういう重い負担のランドセルをしょわせるのか、そんなことで重きに耐えられず、近い将来、身売りをしちゃうことはないのかという懸念もするものでございます。
独法が旧本館を継続使用するにせよ、ましてや建て替えなどした場合の負担が、経営や診療面に悪影響を及ぼさないか、安易な売却などは言語道断でありますが、可能性があるのかないのか、所見を伺います。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 当該建物の利活用等が具体化した際には、新法人の経営や病院の診療を十分に踏まえながら、関係者と調整いたします。
○上田委員 まだ未確認事項がたくさんありますよね。ハクビシンが出没するほど放置していた旧本館をそのまま渡して独法化っていうのも、非常に心もとない状況だと思います。
現行の都立病院条例については、病院経営本部ではどのようにお考えなのか、どこに問題点があるのかなというふうに思います。
というのは、独法化を進めると、何か問題があるから独法化を進めていると思料しますので、条文的に根拠法令や国の考え方を示していただけますでしょうか。また、都立病院条例と新法人定款とはどんな関係になるのか、定款の法的位置づけについてもご説明ください。
○船尾計画調整担当部長 地方自治法第二百四十四条の二におきまして、地方公共団体は、公の施設の設置及び管理に関する事項を条例で定めなければならないとされております。現在、都立病院条例により、都立病院の設置等を定めております。
一方、地方公務員法など現行制度の下では、迅速、柔軟な人材確保などにおきまして課題があることから独法化の準備を進めております。
独法化する際には、都立病院条例に代わるものとして、地方独立行政法人法第七条に基づきまして法人の定款を定める必要があり、本定例会に定款の議案を提出したところでございます。
○上田委員 同僚議員も前の質疑で指摘したように、分かるような分からないようなご説明でございました。
ちなみに都立病院条例は、本来、高齢者医療、児童福祉、障害者支援、生活保護と重なってつくられているんですけれども、ここ重要な部分でございます。
定款に引き継がれている部分はあるのでしょうか、今までのニーズをカバーしていくのか、明確なご説明をお願いいたします。
○船尾計画調整担当部長 現在の都立病院条例第一条第三項に、児童福祉法に基づく病児保育事業などを行う旨の規定が定められておりますが、法人の定款第十八条におきまして、法人の業務の範囲として、東京都の医療政策、保健政策及び福祉政策の推進に貢献することを定めておりまして、これまで実施してきました福祉政策に貢献する事業につきましては、独法化後も引き続き提供していくものでございます。
○上田委員 これまで実施してきた福祉政策に貢献する事業はやるということ、継承するということは確認させていただきました。
また、一応ここも確認させてください。地方公務員法の制約があることで感染対策は強化されないと何度もまあいっていらっしゃいますけれども、地公法のどの条文が問題点なのか、そもそも感染症対策の強化が地公法とどのように関係しているのかという検証と、それを踏まえた制度設計、条例化も必要だと思います。この点は議論にならなかったのか、検討過程でどのような論点になっていたかについても加味した上でご答弁ください。
○船尾計画調整担当部長 平成三十年一月の都立病院経営委員会報告におきまして、現行の経営形態の課題として、迅速、柔軟な病院運営に向けた人事面、財務面の制度的な課題が指摘されました。
これを踏まえまして、都としても、検証、検討を重ね、令和二年三月に独法化の方針として新たな病院運営改革ビジョンを策定いたしました。
地方公務員法の課題としましては、具体的には、現状では、法第二十四条第四項に基づきまして、勤務時間について、国や他の地方公共団体等との均衡が求められるため、例えば育児以外を理由とした短時間勤務制度など、病院の実情に合った勤務制度の構築には制約がございます。
また、職員が高い意欲を持ち続け、能力を最大限発揮するためには、働きがいに資する人事給与制度が重要でございますが、現状では、法第二十四条第二項によりまして、給与について、国や他の地方公共団体等との均衡が求められるため、医療人材の専門性に応じた柔軟な給与体系の設定が困難でございます。
独法化後は、地方公務員法にとらわれない法人独自の勤務制度や、より働きやすく、働きがいのある人事給与制度を構築することで機動的な人材の確保、活用が可能となり、感染症への対応力の強化が実現できるものでございます。
このため、独法化の準備を進め、感染症対応をはじめ、都民に必要な医療を確実に提供してまいります。
○上田委員 また、地公法では、分限及び懲戒でしか公務員の身分を失うことはありませんけれども、新法人並びに新法人以外でも公務員の身分を継続、まあできないと思うんですけど、できるのか、不利益処分とならないのかが気になっております。どのように分限、懲戒については対応されるのでしょうか、確認します。
○谷田経営企画部長 地方独立行政法人法第五十九条第二項の定めにより、職員は、別に辞令を発せられない限り、法人設立日において、当該法人の職員となるものとされております。そのため、法の規定に従って、都から新法人職員に移行した場合、当該職員は地方公務員としての身分は有さないこととなります。
都から移行する職員を含め、法人職員の勤務条件については、職員が安心して働き続けられるような人事給与制度を構築してまいります。
○上田委員 また、大切な、新法人に移行を希望する人には退職金はどのような規定で支払われるのか確認させてください。
○谷田経営企画部長 地方独立行政法人法第五十九条の規定により、新法人に移行した職員に対する退職手当は、新法人で新たに定める退職手当規定に基づき支払うこととなります。
なお、この場合、職員が移行に伴う不利益を被らないよう、当該職員に対する退職手当は、都からの移行時に一旦都から支給するのではなく、新法人を退職する際に、都における在職期間を新法人の在職期間に通算して支払うこととされております。
○上田委員 悪影響は受けないということでございます。
さて、移行に伴いまして、労働組合は六十日以内に労働委員会に届けて、登記しなかったら解散という条項が地独法にありますけれども、日数を制限することは労働組合法違反に抵触しないか所見を伺います。
○船尾計画調整担当部長 地方独立行政法人法では、移行型地方独立行政法人につきまして、法人化の際、職員団体は労働組合へ移行する旨が規定をされております。
労働組合が法人となるためには、労働組合法上、一定の手続が必要となることから、法人格を有する職員団体については、法人格が途切れないよう経過措置期間が設けられております。
六十日の制限は、労働組合法施行時の経過措置期間が六十日とされていることから、地方独立行政法人法でも同様としていると認識をしております。
○上田委員 やはりいずれにしろ、資金繰りの問題が気になるところでございます。
定款の半分は目録財産なんですが、法人が自己の判断で処分、取得できるということなのか確認させてください。新法人は、目録財産を担保に借入れ、信託等運用することの制限はあるのかないのか確認します。
○谷田経営企画部長 地方独立行政法人が条例で定める重要な財産に該当する出資財産を処分する場合や担保に供しようとする場合は、設立団体の長の認可を受ける必要がございます。
この場合、設立団体の長は、あらかじめ評価委員会の意見を聴くとともに、議会の議決を経ることとされております。
一方、法人が自己財源により、土地建物等を新たに取得することは可能でございます。
○上田委員 そして、新法人の病院名が、公社も含めて都立病院と呼ぶらしいですが、出資が全て東京都だからということでしょうか。仮に将来、余剰金が生まれた場合も、この呼称は使い続けられるのか伺います。
○船尾計画調整担当部長 地方独立行政法人は、地方独立行政法人法第六条第二項によりまして、地方公共団体でなければ、法人に出資することができないとされており、新法人は、都が全額出資して設立するものでございます。また、新たな都立病院の設置者は、都から全額出資を受けた法人でございます。
こうしたことや、都立病院という名称が広く都民に親しまれていること、また、新たな都立病院としての役割を果たし続けていくことを分かりやすく発信するため、法人名と病院名に東京都立を付すことといたしました。
○上田委員 次に、医療法における利益目的禁止の条文と独法化での採算重視、こちらが二律背反することはないのか気になるところです。
この点についてどう両立されていくのか、対策を伺います。
○船尾計画調整担当部長 地方独立行政法人は、地方独立行政法人法により、公共性と経済性が求められます。現在の都立病院も、地方公営企業法によりまして同様のことが求められており、これまでも業務の効率化や経営改善に取り組んでまいりました。
法人化後は、行政的医療の安定的、継続的な提供という法人の役割を果たし続けていくとともに、スケールメリットを生かした医薬品等の調達による費用節減など、引き続き経営努力も続けてまいります。
○上田委員 経営努力を続けつつも、安定した行政的医療ということでございました。
今年度、独法化の準備予算、三十九億円についてなんですけど、執行と内容をちょっとお示しください。あずさ監査法人への支出も明確にしてください。
○船尾計画調整担当部長 病院会計予算では、地方独立行政法人への移行準備費用といたしまして二十二億四千八百万円を計上しており、その内訳は、人事給与制度、財務会計制度等のシステム構築や、外部の専門家から移行準備に必要な技術的、専門的支援を受ける移行準備支援業務委託などとなっております。
また、一般会計予算では、公社病院の移行準備費用として十六億三千百万円を計上しており、その内訳は、新たに構築するシステムへの移行に伴う費用などとなっております。
このうち、移行準備支援業務委託につきましては、あずさ監査法人が受託をしており、契約額は約一億四千九百万円でございます。
○上田委員 システム十六億、あずさ監査法人に一億五千万ということで、これで十七億ぐらいということでした。
独法化で、都からの公費負担は減るのか同じなのか、過日の代表質問、一般質問で議論が展開していたんですけれども、知事も病院経営本部も、今までと同様の交付金制度を維持するという曖昧な答弁に終始して、明確な答えを出されていませんでした。
松沢病院の旧本館や不動産などの財産管理運用についても、これまでの私の質疑に対する答弁を受けても、曖昧で決まっていない、未確定要素が多いということをいわざるを得ません。コロナ禍における対策やシステムの再構築の確立もできていない中、拙速、見切り発車といわざるを得ません。
先ほどの質疑の中で、八月の二十七日に定款決定というか、決裁がなされたと。どのような庁議で、どのような決裁がなされていたのかは、情報開示請求をさせていただきたいなと思ったんですが、この翌日は八月二十八日で、渋谷でワクチンの長蛇の列が出た事案がありました。小池知事が、予約しないでも打てます、若い人たちって。ところが、もう七時半には全部枯渇してしまったわけでございます。その後の九月三日に菅前総理が、不出馬がありまして、ここを何かひもといていくと、小池知事は、随分この定款というか独法化を急いだのではないかというふうに今思ったわけですよ。
一方、大阪の方は、もう千床をふやすとか、かなり野戦病院ができてきて、野戦病院を早く早くということで、東京都は独法化よということで、拙速に、もしかしたら進んで、皆さん方がそこに一生懸命、理論武装をしてついて行ったのかなというふうに見受けた次第でございます。
そもそもに立ち返りますと、公立病院というのは、中低所得の住民に安価に医療を提供することを目的として設立された歴史があります。知恵とお金を出し合い、地域や職場というつながりで、万一病気になったとき、低負担で医療サービスを受ける、相互の信用と社会連帯を基盤とし、貧しい人にも医療を提供することを目指し、平等を意識した世界に類を見ない日本の医療制度の礎となってきました。
収支均衡が求められ、政府においても行財政改革の対象となっております一方で、公立病院がある地域は国保医療費が安いという傾向があります。地域包括ケアの考え方は、実は新しいものではなく、これまで地域の医療人材の育成、予防医療、経済的にも弱い立場の人にも公平な医療を公立病院が中心になって、地域と協力し担ってきた形を今日的に復元するものであり、結果的にコストを分担していくことにつながると考えます。
莫大な公費を投入している都立病院ではございますが、以前、私は消防庁から資料を取り寄せたところ、都立病院における受入れ数は約五%、救急ですね、都内の病床数のうち都立病院が占める割合が四%とすれば、それを上回る都民を受け入れている努力が見てとれます。
私が病院経営本部へ求めるところの経営効率化とシビアなガバナンスと改革を進めるのは、持続可能な患者中心の医療の実現のためであります。
都が目指す行政的医療の提供から、さらに昇華し、人権と命を最優先にする、過不足ない医療を提供する公立病院の原点である住民医療となるよう、地域住民、医療従事者の声を受け止め、私は、希求してきた身としては、八月以降、四十八名もの自宅療養者の命を失ってしまった小池医療都政による、このタイミングでの暴挙といえる独法化については、全く賛同できないことを申し上げ、質疑を終わらせていただきます。
○やまだ委員 私からは、病院会計補正予算の新型コロナウイルス専用医療施設、一点について、基本的な点の確認も含め、端的に伺っていきたいと思います。
旧府中療育センターを活用した新型コロナウイルス専用医療施設について伺います。
本施設は、医療法に基づく多摩総合医療センターの病棟の一つとして位置づけられています。多摩総合医療センターは、多摩地域の中核病院として救命救急センターを有するなど、高度かつ専門的な医療を提供しており、コロナの重症患者も多く受け入れられています。
このコロナ専用医療施設が、多摩総合医療センターの病棟の一つとして位置づけられていることにより、本施設にとってどのようなメリットがあるのか伺いたいと思います。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 コロナ専用医療施設は、中等症及び軽症で医療的ケアの必要な陽性患者を受け入れることとしております。
本施設に入院後、患者の症状を適切かつ継続的に把握しており、重症化した場合だけでなく、重症化するリスクが生じた場合でも、二十四時間いつでも速やかに多摩総合医療センター本館へ搬送できるような体制を組んでおります。
本施設は、多摩総合医療センター本館と役割分担を図ることにより、患者の重症度に応じた適切な医療を提供する体制を確保することで、入院する患者への対応に万全を期すことができていると認識しております。
○やまだ委員 新型コロナウイルスの症状は、基礎疾患を持っている方にとどまらず、いつ急変するか分からない恐ろしい疾患でもあります。中等症や軽症で入院した患者さんが重症化などした場合に、本館にすぐ移動できるということは、都民にとって大変心強い体制であると思います。
また、一方で、多摩総合医療センターにとっても、コロナ専用医療施設を一つの病棟に位置づけることにより、どのようなメリットがあるのかも伺いたいと思います。
○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩総合医療センター本館に重症で入院していた患者さんの症状が回復したものの、引き続き入院加療が必要な際には、コロナ専用医療施設へ転棟していただく場合もあります。こうしたことにより、本館の重症ベッドを空けることで、別の重症患者を新たに受け入れることが可能となります。
コロナ専用医療施設が本館の後方支援病床の役割を果たすことで、より多くの重症患者を多摩総合医療センターで受け入れることができるというメリットがございます。
○やまだ委員 都内の重症病床数が限られる中で、重症病床の有効、効率的な運用に向けて工夫がなされているということは大変重要だと感じました。
コロナ専用医療施設が多摩総合医療センター本館と密接に連携することで、軽症から重症までの患者さんに適切な医療を有効に提供し、都民に安心を与えていただいていること、理解いたしましたし、引き続きお願いしたいと思います。
こうした中で、百床を確保しているコロナ専用医療施設では、感染が拡大した今年の夏、先ほどご答弁でもありました、八月末で一〇〇%に近い利用率で運用してきたと聞いています。
一方、今回の補正予算では、コロナ専用医療施設の病床利用率を八〇%として見込んでいることでありますが、今後、第六波が到来した際には、百床をフル活用した運営体制をどのように構築していくのかを伺いたいと思います。
○谷田経営企画部長 コロナ専用医療施設の運営に必要な予算額の計上に当たり、診療報酬等の収入額については、病床利用率八〇%で想定している一方、人件費等の支出額につきましては、毎日百床の稼働が可能な金額を計上しております。
実際の運営に当たりましては、都立、公社の全十五施設から、それぞれの機能や施設規模、職員数などに応じて必要な職員数を配置いたしました。
また、今回の急激な感染拡大に際しては、患者の容体急変への対応や、それに伴う看護度の上昇に対応するため、通常の百床の体制時よりも、医師を平日日勤で四名程度、看護師を十六名程度、一時的に増員することで危機的状況に対応してきてございます。
医療人材をはじめとする医療資源には限りがございますが、今後も必要な人材を採用や配置の工夫などによって適切に確保するとともに、有効に活用することで感染拡大に備えてまいります。
○やまだ委員 補正予算の考え方と併せて、実際の運営体制について、その確保はどのように行われてきたのか、よく分かりました。
想定として、百床をフル活用した運営体制、非常に大変なことだと思います。この想定がきちんと対応できるような確保を引き続きお願いしたいと思いますし、また、今回の第五波は最大級ともいわれる緊迫した状況でありました。都立、公社病院では、コロナの担当、また一般医療の担当にかかわらず、全ての職員の方々が強い責任感や使命感を持って、お互いに協力しながら、この難局に対峙されてきたということも、今のご答弁の中でよく伝わってきた次第です。
現在、患者数が急速に減少しているものの、今後も予断を許さない状況は続いています。
今後も引き続き、心身の健康に配慮しながら、こうした状況に職員の方々、医療従事者の方々が対応していくためには、勤務体制の配慮も含めたきめ細かな心身のケアが必要だと考えますが、見解を伺いたいと思います。
○谷田経営企画部長 今回のような危機的状況に継続して対応していくためには、コロナ患者対応を担う病棟や外来のみならず、一般医療の提供やそれらの周辺業務を担う部門も含め、限られた医療資源を最大限活用しながら、心身の負担を軽減する取組が非常に重要であると認識しております。
このため、各病院では、院内各部門の繁忙度などを勘案した職員配置の変更や、院内の精神科医等によるコンサルテーションの実施のほか、東京都職員共済組合の相談員が病院を訪問し、心の健康に関する相談を受けるなど、心身の負担の軽減に取り組んでおります。
また、業務の都合により帰宅が困難な場合には、病院の実情に応じて、院内の仮眠室や職務住宅の空き室の利用などの対応を行うことで、安心して業務に従事できる体制づくりに取り組んできております。
○やまだ委員 様々な職員配置の変更や、精神科医によるコンサルテーションの実施、健康に関する相談、仮眠室などの配備など、それぞれ対応していただいていると思います。
都内全体の医療需要が高まっている中で、医療人材などの人材は急には増やすことが難しい、こういった医療資源を有効に活用するとともに、懸命に工夫をしながら職員の方々への負担軽減に取り組まれていること、大変感謝をするとともに、医療従事者の皆様にも感謝を申し上げたいと思います。
ただ、やはり医療従事者の皆様は、業務の性質上、コロナの前から心身の負担がかかりやすいという特徴があると思います。また、長期化もしております。今後、さらに引き続き、きめ細かな職員の方々への配慮を改めて要望させていただきまして、私からの質問を終わりたいと思います。
○藤田委員 初めに、第五波の災害レベルの感染拡大から、都民の命を守り、今もなお昼夜を分かたずコロナ対応している都立病院、公社病院の職員の皆さん、そして医療従事者の皆さんに心から敬意を表します。
私からは、病院会計補正予算について質問します。その中でも、コロナ専用医療施設について質問いたします。
第五波の中で、このコロナ専用医療施設がどのように運用されていたのかということですけれども、コロナ専用医療施設は、昨年十二月、都立病院、公社病院、がん検診センターから医師や看護師などを派遣して、三十二床から運用を開始しました。その後、段階的に病床を拡大し、今年二月からは、稼働病床を百床にして運用しています。その後も感染状況に応じて職員数を増減させ、コロナ患者への医療を提供してきています。
そこで伺いますが、過去最大の感染状況となった第五波で、コロナ専用医療施設では、八月に何人の患者を受け入れて、最大は何人だったか。また、どのような病状の患者に対して、どういった医療を提供してきたのか。先ほどもありましたが、重症化した場合には、どのように対応してきたのかを伺います。
○谷田経営企画部長 コロナ専用医療施設につきましては、八月に延べ二千四百七十五名の入院患者を受け入れました。また、一日の最大受入れ数につきましては、八月三十一日に九十九名ということでございました。
コロナ専用医療施設は、中等症及び軽症で医療的ケアの必要な陽性患者さんを受け入れ、服薬や酸素投与などを行っております。
重症化した場合には、同じ敷地内の多摩総合医療センター本館の方に患者を搬送するといったような対応をしてございます。
○藤田委員 八月は、都内全てで重症患者が急増いたしました。
ある医療機関では、軽症から中等症の患者まで受入れが可能としてきていましたが、重症になっても転院することができない、ほかの病院で重症患者が増えたりしている状況で転院ができなくなってしまって、人工呼吸器をつけた患者を複数、中等症までの病院で見ざるを得なくなったということです。
また、その結果、受入れが可能な患者さんのベッド数があっても、半分しか患者さんを受けることができなかったという影響もありました。
一方、コロナ専用医療施設では、多摩総合医療センターと連携して対応してきたことで、百床の病床をフルに使って患者さんを受け入れられたのだと思います。専用医療施設として、その役割を大いに発揮できたと思っています。
あわせて、人員についても伺いたいと思います。コロナ専用医療施設の運営費には、百床の病床を稼働させるために必要な人件費も計上されています。
ほぼ満床まで患者の受入れを行った八月には、何人の医師と看護師を配置しましたか。追加で配置した医師、看護師はどのような判断で、どうやって確保したのですか。
○谷田経営企画部長 コロナ専用医療施設の運営に必要な職員につきましては、全都立、公社病院及びがん検診センターの職員で確保しており、八月一日時点では、医師は一日当たり、日勤で平日八名、土日祝日三名、夜勤では一名配置しておりまして、看護職員は九十六名を配置してございました。
その後、コロナ患者の状況に適切に対応するため、八月十日には、医師は一日当たり、日勤十名、看護要員は百十二名を配置したところでございます。
○藤田委員 コロナ患者の状況に適切に対応ということですけれども、コロナ専用医療施設には、独自の職員配置がありません。
そのために、患者が急に増えたときにも迅速に対応できるように、都立、公社病院及びがん検診センターで働いている職員の中から派遣する予定の職員をリストアップして、リストアップした職員には研修も行って、いつでも迅速に対応できる、そういう準備をしていました。
第三波が落ち着いたときに伺ったお話では、三月末に、専用医療施設に派遣していた看護師を元の職場に戻すということでした。同時に、都立病院六十八人、公社病院二十八人、合計九十六人の看護師の名簿を作って、いつでも集まれるようにしていたということです。
いただいた資料では、その後僅か二週間で、四月十五日には、九十六人の看護師が専用医療施設に集められて、七月初めに、一時的に六十八人に減らしたものの、ほぼ全て九十六人で運営しています。さらに、八月に入って追加で派遣が必要となったということで、医師では二名追加して、看護師では十六名追加したということです。
ここで気がかりなのは、医師や看護師を派遣した後の病院や病棟の状況です。
今年三月の厚生委員会では、派遣元の病院、病棟での職員の処遇や医療提供などにどのような影響が及んでいるのか把握するように求めましたが、その後、把握はいたしましたか。あわせて、職員を増員するように求めましたが、派遣のために新たに職員の採用を行いましたか。
○谷田経営企画部長 派遣元の都立病院が担う役割や機能、地域医療機関との役割分担や連携などを踏まえまして、一般医療や感染症医療を提供する上で必要な各都立病院の運営状況を把握しております。
その上で、必要な看護職員等につきましては、年度途中の採用や病棟間の異動等により確保することで、適切に対応してまいりました。
○藤田委員 適切に対応ということですが、コロナの前には、百床分のゆとりの人員が都立病院や公社病院にあったわけではありませんので、増員しなければ、何らかの影響があるものと思います。また、病棟間の異動では、全体の体制は変わりませんので、専用医療施設に派遣した看護師分を補えるものにはなりません。
福祉保健局では、この間、宿泊療養施設や酸素・医療提供ステーションの運営のために、看護師の人材派遣会社を利用してきていましたが、臨時雇用の看護師を集めるのにとてもご苦労されていました。
一方、都立病院では、年度途中に欠員が生じた場合、必要な人員を常勤職員として募集、採用しております。都立病院の事業概要によれば、二〇一九年度には、八月と十二月と一月に合計三回、三十六人の臨床の経験のある看護師を採用しています。二〇二〇年度には、八月、十月、十一月、一月と合計四回、五十五人の看護師を採用しています。
都が直接、確実に看護師を採用していくことが重要だと思います。迅速に専門職が必要となる災害医療などを担う都立病院が、今後もその役割を果たし続けていくためには、独立行政法人に変えることは絶対にやるべきではありません。
平時からパンデミックに備えた体制を都として確保し、充実することこそ求められています。専用医療施設の運営に必要な人員は、職員数を増やして対応することを改めて求めまして、私からの質問を終わります。
○小松委員 私から、都立、公社病院の独法化について、幾つか確認をさせていただきたいと思います。
まず、我が会派は粛々と進めるべきと考えておりますが、一方で、今日も様々なご意見もありました。また、一部の都民の方からは、不安に感じているということもよく耳にするわけでございまして、そうした声に真摯に耳を傾けていくのであれば、しっかりと理解をしていただけるように、理事者の方には、丁寧に説明をしていただきたいと思います。
本日も、独法化について様々な観点からの議論が続いております。議論が様々なところに拡散してしまった部分もありましたので、一部重なる部分もあると思いますけれども、改めて都民に理解をしていただけるように、質疑を通じまして整理をしていきたいと思います。また、時間も時間ですので、簡潔なご答弁をいただきたいと思います。
まず、私の地元世田谷区には、都立松沢病院があります。こちらで配られていたビラを読みますと、独法化は民営化であるというふうに書かれていました。
今回の都立、公社病院の独法化というのは、民営化なのか伺いたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 地方独立行政法人は、公共的な事業を効率的、効果的に行うため、都が一〇〇%出資して設立する法人であり、民営化ではございません。
法人が担うべき医療につきましては、法の定めにより、知事が議会の議決を経て策定する中期目標を通して、明確な指示をいたします。
この中期目標に基づき、法人が策定する中期計画を議会の議決を経て知事が認可をし、この計画に基づいて医療が提供されていくことになります。
また、毎年度、都は、法人の実績を評価し、これを議会に報告して改善を図っていく仕組みもありまして、都や議会が関与していくことになります。
民間病院には、行政や議会が関与するこのような仕組みはなく、独法化は民営化ではないということでございます。
○小松委員 ただいまのご答弁で、一つは、独法化は民営化ではないということ、また、運営に当たっては、都民の代表であるこの都議会も、引き続き関与していく、この二点が確認することができました。
また、先ほどと同じビラに、独法化されると、僻地医療や高度救急、周産期医療や、今回のコロナ対応といった行政医療が崩壊するとも書かれておりました。これ、事実であれば大変なことだと思っています。
都立、公社病院が独法化されると、今、都立、公社病院が担っているこの行政的医療が、本当に縮小、崩壊してしまうのか伺います。
○船尾計画調整担当部長 行政的医療の提供は、都立病院の使命であり、存在意義そのものでございます。定款にも記載しているとおり、独法化後におきましても、今、都立病院、公社病院が担っている行政的医療の安定的かつ継続的な提供という役割は変わりません。
独法化後は、患者ニーズ等に機動的に対応できるようになるため、現在の行政的医療はさらに充実強化されていくことになります。
○小松委員 ただいまのご答弁では、明確に、行政的医療は縮小されないということが確認をされました。
行政的医療は不採算な医療であります。だから、現在は都立病院に対して、都が必要な経費を措置しているわけですが、ところが、独法化されるとその経費が削られるため、もうかる医療にシフトし、そうしてしまうことによって行政的医療を縮小せざるを得ない、そうした声もあると聞いています。
独法化後の法人が実施する行政的医療に対して、都が措置すべきその経費は変わってしまうのか伺いたいと思います。また、今朝も、都庁の前にいろいろ人がお集まりになられていましたけど、この中でも、経費削減のための独法化なんだ、そうしたご主張もありました。このことについても併せて確認したいと思います。
○船尾計画調整担当部長 独法化の目的は、行政的医療を安定的に提供することでありまして、財政負担を減らすことありきではございません。
採算の確保が困難な行政的医療の提供に必要な経費は、設立団体である都が負担することが法定されておりまして、現在の都立病院に対して都が経費を措置するのと同様、独法化後も、必要な経費は都が確実に措置をいたします。
○小松委員 独法化によっても、行政的医療の提供も変わらず、また、それを担保する経費も、都が引き続き措置をするということが確認できました。
今までと変わらないということであれば、何のために独法化するんだと思う方もいらっしゃると思います。
独法化することで変わることはどのような点なのか伺います。
○船尾計画調整担当部長 現行の経営形態では、法令等の制約によりまして、医療ニーズに即応した人材確保などに課題がございます。これを解決するのが地方独立行政法人の制度でございます。例えば、現下のような急激な医療ニーズの変化にも対応しやすくなります。
独法化後は、医療現場に合った人事給与制度等を構築し、迅速、柔軟な人材確保など、機動的な病院運営が実現でき、行政的医療をはじめとした医療の充実強化が可能となります。
患者や地域のニーズに迅速に対応できるようになりますが、職員にとっても働きやすく、働きがいのある環境が整備されることになります。
○小松委員 今までよりもニーズに対して、フレキシブルかつスピーディーに動けるようになるということが分かりました。
そうしたことは医療サービスにも影響してくるのかという観点で、例えば、私の地元の松沢病院では、独法化によって、提供される医療というのはどのように変わっていくのか確認します。
○船尾計画調整担当部長 松沢病院におきましては、例えば行政的医療である精神科身体合併症医療を担っておりますが、精神科病院であるため、内科や外科などの医師の確保が難しく、欠員が続いております。
独法化後は、柔軟な勤務制度を設定することで、必要な医師や看護師などを増員して体制強化を図り、高齢化に伴い、増加しております精神疾患を有するがん患者や、様々な身体疾患を有する認知症の患者等をより多く受け入れていくことを検討しております。
○小松委員 医療ニーズへの即応に加えて、医療サービスの向上の観点も踏まえて、検討を進めているということが分かりました。
独法化はそもそも、人、物、予算の面で、今までよりも柔軟な運営が一体的にできるように検討されてきたもので、いわゆる行政は、仕事が受け身だといわれることもあるわけですが、独法化することで、そうした点も改善されることを期待したいと思います。
また、職員の働きがいという説明もありました。他の会派の皆さんも、その点については、大変、何度となくご確認をされていたと思いますし、重要な点だと思います。
我が会派の代表質問においても、独法化を進めるこの定款の提出に当たって--職員の同意を取ったのかという代表質問をされた会派もありました。職員の同意がないと独法化を進めることができない、そうしたことはないとは思うんですが、一方で、この医療の現場を支えている職員の理解を得るということは、極めて重要な点だと思います。
そのような意味から、独法化後、都立病院の職員は、一部を除いて公務員の身分を失うということになるんだと思いますが、職員が一番気になる給料、また退職金、そして年金や福利厚生、この点についても改めて確認をしたいと思います。
○船尾計画調整担当部長 人事給与制度につきましては、働きやすい勤務時間制度や働きがいと能力、スキルの向上につながる制度を構築するため、検討を進めてございます。
また、退職手当につきましては、都と同じ制度とすることを検討しております。
社会保険や福利厚生につきましては、職員は、東京都職員共済組合の組合員のままであり、かつ東京都人材支援事業団の会員のままでありますので、年金等の給付や福利厚生は、都職員と同じとなるものでございます。
○小松委員 今の話を聞かれれば、安心される職員の方、またご家族の方もいると思います。そうしたことを職員自身がしっかりと理解し、ご本人がご家族に説明できるように、職員の皆さんへの説明というのは、しっかり、また丁寧にお願いしたいと思います。
以上、改めていろいろ確認をさせていただき、独法化を進めていく意義、また内容について整理ができました。
ただし、今日確認した内容と異なる情報も随分出回っているように感じますし、私もよく耳にしてきました。そういうことでは、都民の皆さんや職員の皆さんも、不安も払拭ができないと思います。
都民の方が正しい情報を得られるようにすることは大変重要なことでありますので、この独法化を進めていく中でも、しっかりと都民に情報提供し、独法化による都民にとってのメリット、また職員にとってのメリットなども理解してもらえるように、引き続き進めてもらうことを強く求めておきたいと思います。
最後に、病院経営本部長に、この独法化を進めていく決意を伺って、私の質問を終わります。
○西山病院経営本部長 都立病院の経営形態の在り方につきましては、長年の課題でございまして、これまで様々な議論が行われてまいりました。
超高齢社会の到来に伴いまして、医療の質と量が大きく変化する中で、都民の医療ニーズに的確に対応できる体制づくりは待ったなしの状況となってございます。
また、今後いつ起こるか分からない災害や感染症など、有事への備えも必要であり、医療提供体制の充実強化を急がねばならない必要もございます。
一方で、地方公務員法などの現行制度の下では、迅速、柔軟な人材の確保等が困難であり、コロナ禍においても、その課題が明らかになったところでございます。
今後も続くコロナ感染症等に的確に対応するためにも、柔軟な病院運営が可能となる独法化の準備を今進めることで、都民の多様な医療ニーズにスピーディーに対応できる医療体制を早期に強化していく必要がございます。
今後、独法化の意義や目的を都民に理解していただけるよう努めつつ、行政的医療をはじめ高度専門的医療を担ってきた都立病院と地域医療を強みとしてきた公社病院を一体的に独法化し、スケールメリットを最大限に生かしながら、新たな都立病院として都民の生命と健康を守るという使命を果たし続けてまいります。
○おじま委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○おじま委員長 次に、報告事項、私債権の放棄についてに対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○上田委員 私債権なんですけれども、毎回、頭が痛いところだと思います。
しかし、病院経営本部は、未収金回収対策として、回収専門員や弁護士委任、そして病院での困難案件の本部引上げや法的措置の実施等、ご努力をされておりますが、これらを講じても圧縮できない--八億ですか、現状について、病院経営本部としてはどう受け止めていらっしゃるのか。また、高額な未収金が発生する要因と対応状況についてご説明くださいませ。
○西川サービス推進部長 令和二年度末時点における過年度未収金の残高は約八億五千八百八十一万円でございまして、十年前の平成二十二年度末の残高と比較して約三億二千五百三十九万円の減少となり、未収金対策の効果が着実に表れているものの、引き続き未収金の縮減は、病院経営上、重要な課題であると認識しております。
高額な未収金が発生する主な要因といたしまして、診療費の支払いが滞っている患者さんについて、健康保険等への加入が確認できず、診療費の全額が未収金となる場合が挙げられます。
こうしたことから、病院では、保険証が確認できない場合、患者さんの同意の下、免許証や社員証、外国人の患者さんであればパスポートなどの提示を求めるとともに、親族や知人の連絡先を聞き取っておりまして、未収金が発生した場合は、収集したそれらの情報により、速やかに電話や書面による催告を行うなど、初期対応を遅滞なく進めております。
○上田委員 そこまでやってもやっぱり、最高額はアメリカ人の事例ということでありますけれども、アメリカの公的保険メディケアなどに請求できないものなのでしょうか。請求できる場合もあるのか伺います。
○西川サービス推進部長 令和二年度に実施した債権放棄について最も高額となった案件は、日本国内に在住していたアメリカ国籍の患者さんの診療費でございます。
この患者さんは、日本国内において就労し、被用者保険に加入していらっしゃったため、自己負担分について分割により支払いをされていましたが、入院中に徐々に容体が悪化し亡くなられたため、自己負担分の一部が未収金として残りました。
病院では、通常、診療費の支払いが困難な患者さんに対しまして、医療ソーシャルワーカーが介入して、保険加入の有無を確認しておりますけれども、この患者さんがアメリカの公的保険に加入していたという記録は残っておりません。
なお、アメリカの公的保険の加入者でありましても、日本で医療を受けた場合には保険の適用外となるため、保険者に対して診療費を請求することはできません。
○上田委員 なかなかシステム的にも難しいようでございます。
「シッコ」という映画があって、キューバが医療費がないということで、みんなですばらしいというところで、何か映画で、そこで評価されていましたが、日本の応招義務とか、現場、そして公的医療が、こうした外国人までも受け止めているということは、大変美しいという話でありますけれども、やはり日本だと、本当に無料で診療ができてしまうというようなことになって、逼迫しないようなことを、懸念するようなところでございますが、現場のこうした一つ一つの命を救う努力は、評価したいとは思っております。
さて、八億円ですよね。これ、独法化した場合は、未収金回収対策はどのようになさるのか。都の関与は全くなくなってしまうのか。公費の投入とか、先ほど、いろいろ変わらないというところを小松委員のお話の答弁からもあるんですけど、これはどうなるのか、ご説明いただければと思います。
○西川サービス推進部長 新法人における未収金対策につきましては、現在、都立病院及び公社病院で実施している対策を基に検討しております。
法人化後、都立病院の未収金に係る債権は新法人に承継されますため、都が未収金対策に直接関与することはございません。
○上田委員 先ほどのバランスシート的にも、債権も、やはり承継されてしまうということになるということが、関与しないということが明らかになりました。
そうしますと、それでなくても懐事情が厳しい中、未収によって経営が逼迫することは必須でありまして、独法化した法人が自力で解決ができるのか伺いたいと思います。
○西川サービス推進部長 これまで都立病院及び公社病院は、未収金の回収に当たりまして、病院における迅速な初期対応や未収金回収業務の弁護士委任、回収困難事案に対する法的措置の実施など、様々な対策を講じてまいりました。
これらの結果、未収金の縮減は着実に進んでおりまして、法人化後も適切に未収金対策に取り組んでまいります。
○上田委員 法人化後も適切に未収金対策に取り組んでいくということで、ちょっと主語がよく分からない、都が直接関与することはないといいながらも、取り組んでいくということは、法人がやるんでしょうけれども、そこは、経営者も、経営というか理事長も替わっていくということですけれども、ちょっと問題提起を感じましたので、これは事務事業の方でも掘り下げていきたいと思います。
取り急ぎは、ご努力はされているということは評価したいと思います。
以上で私の質疑は終わります。
○おじま委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○おじま委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で病院経営本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後十時十九分散会
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