厚生委員会速記録第六号

令和三年三月二十三日(火曜日)
第七委員会室
午前三時三十分開議
出席委員 十四名
委員長のがみ純子君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長白石たみお君
理事柴崎 幹男君
理事谷村 孝彦君
理事もり  愛君
森澤 恭子君
やまだ加奈子君
藤田りょうこ君
小宮あんり君
まつば多美子君
鳥居こうすけ君
岡本こうき君
伊藤 ゆう君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長吉村 憲彦君
次長総務部長事務取扱雲田 孝司君
病院経営本部本部長堤  雅史君
経営企画部長谷田  治君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 厚生委員会所管分
・第五号議案 令和三年度東京都国民健康保険事業会計予算
・第六号議案 令和三年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
・第七号議案 令和三年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・第十八号議案 令和三年度東京都病院会計予算
・第百一号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 厚生委員会所管分
・第百二号議案 令和三年度東京都病院会計補正予算(第一号)
付託議案の審査(決定)
・第四十六号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第四十七号議案 東京都福祉・健康安心基金条例を廃止する条例
・第四十八号議案 東京都養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第四十九号議案 東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第五十号議案 東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第五十一号議案 東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第五十二号議案 東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第五十三号議案 東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第五十四号議案 東京都介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第五十五号議案 東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第五十六号議案 東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第五十七号議案 東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第五十八号議案 東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
・第五十九号議案 東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
・第六十号議案 東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第六十一号議案 東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例及び東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第六十二号議案 東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第六十三号議案 東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第六十四号議案 東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例及び東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第六十五号議案 東京都障害者支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第六十六号議案 東京都地域活動支援センターの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第六十七号議案 東京都福祉ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第九十号議案 港区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
・議員提出議案第三号 東京都こども基本条例
・議員提出議案第四号 東京都高齢者の補聴器購入費の補助に関する条例
・議員提出議案第五号 東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例
・議員提出議案第三号に対する修正案
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○のがみ委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○のがみ委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査及び付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、厚生委員会所管分、第五号議案から第七号議案まで、第十八号議案、第百一号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、厚生委員会所管分及び第百二号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 次に、もり理事、やまだ委員、まつば委員、藤田委員、森澤委員から、それぞれお手元配布のとおり、文書をもって意見開陳がありました。
 本件は、速記録に登載することにいたしますので、ご了承願います。

   〔意見開陳は本号末尾に掲載〕

○のがみ委員長 以上で予算案に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○のがみ委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第四十六号議案から第六十七号議案まで及び第九十号議案並びに議員提出議案第三号から第五号までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 修正案の提出について申し上げます。
 ただいま議題となっております議案中、議員提出議案第三号に対し、森澤恭子委員外十三名から修正案が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   〔修正案は本号末尾に掲載〕

○のがみ委員長 これを本案とあわせて議題といたします。
 この際、発言の申し出がありますので、これを許します。

○柴崎委員 それでは、私の方から意見表明をさせていただきますけれども、まず、子供に対する条例でございますので、政局にしてはいけないということで、我々も常日ごろ申し上げていますし、皆さんもそういうことをおっしゃっていたようでございますが、先ほど桐山副委員長の方からはお話がありましたけれども、SNSで随分と我々自民党のこと、あるいは公明党さんのことを書かれているんです、会派の方が。全くごらんになっていない、そんなお話を頂戴いたしましたので、その点について少しご紹介をさせていただきたいなと、そんなふうに思うわけでございます。
 まずは、幾つかございましたけれども、例えば、こういったことがSNSに投稿されてございました。子供の権利に賛成のはずの公明党が、選挙を優先して自民党とともに反対に回るのか。これこそ何のための、こういった混乱をさせるような、そういった内容なんですね。
 それと同時に、こういったこともございました。こども基本条例は、大変残念ながら、子供の権利という最重要の論点が抜け落ちていますというふうに、やはり同じ会派、都民ファーストさんの方からございました。そういうことがSNSに載っているわけでございます。
 こうしたことをしながら、今回、共同提案ということで、わざわざご自身で出された修正案を取り消しをし、そして、共同提案とされてきたわけですけれども、その趣旨が、真意がよくつかめない。つまりは、それこそが、いわゆる政局に持ち込んでいるのではないかと我々は思わざるを得ないわけでございます。
 しかも、きょうも都民ファーストさんの方が記者会見、記者に説明をされているんですね。これも、非常にですね、そのまま正しいこと、事実がそのまま伝わればいいんですが、事実をゆがめた形で伝えられているんです。問題ありますよ。
 これは、例えばこういうふうなことが書いてありました。都ファ、共産の修正案に対して、自公の意見を踏まえて修正案を出すから、今の修正案を取り下げて、自民、公明の意見を加味した修正案を提出してくれないかと打診があり、そうしてくれれば修正案に公明と自民が賛成すると説明された、こんなことをおっしゃっているんですよ。とんでもないと思うんです。
 それがですね、こういうことなんですよ。このことは、要するに公明党さんの方から修正案を金曜日、十九日の日にお持ちになっているわけです。しかしながら、その修正案に対して、時間がですよ、二十三時二十分に修正案が届いたにもかかわらず、二十四時までには解決できないから、ですから、この修正案を見ないで、そして、これはご破算に来ていると感じたということで、受け取っていないんです、修正案を。そんなことってありますか。
 このですね(発言する者あり)きょうの、きょうの(発言する者多し)聞いてくださいよ、きちっと、伊藤委員。きょう理事会が開かれました。理事会は、で、休憩に入りました。というのは、きょう出された修正案に対しまして、時間をくれということで持ち帰りをされました。一時間ということだったんですが、たったのですよ、たったの三十分かからないうちに結論を出されているんですよ。
 ですから、こういうことなんです。金曜日、十九日の日にこの修正案を見ていれば、十二時、二十四時までには結論が出ていたんです。したがって、きょうこの時間までこの委員会が開かれることはなく、月曜日には解決していたんです。
   〔発言する者多し〕

○のがみ委員長 お静かに願います。

○柴崎委員 したがって、その点について指摘をさせていただきたいと思います。
 それとあわせまして、SNSをごらんください。(パネルを示す)岡本さんですね、これ。途中で消えているみたいですね。
 「わかりやすい都議会ばなし。四年前、大人気のゆりちゃん登場。公明おじさんはそれまで仲良しだった自民じいさんと喧嘩別れ、ゆりちゃん側についた。その後ゆりちゃんチルドレンの都民ファ君に、わがまま言いながら、まあある程度仲良くしてきた。ところが、また選挙が近づくにつれ」、また選挙が近づくにつれって、それこそ政局にしているんじゃないですか。(発言する者多し)政局じゃないですか。しているんじゃないですか。そうしか思えませんよ、こんなこと書いて。なぜ最初に、選挙が近づくにつれって、そういうことでしょう。(「何で削除したんだよ」と呼ぶ者あり)そうですよ。これは違うでしょう。政局にしているんでしょう、あなたが。
 その次、「公明おじさんまた日和見して、今度はゆりちゃん批判に転じ、自民じいさんにすり寄った」。何ですか、このじいさんって。
 「都民ファ君にも攻撃姿勢で、その「コロナ条例案」の中身を聞こうともせずに、反対すると言った」。(「何、コロナ条例案の中身を」と呼ぶ者あり)「「コロナ条例案」の中身を聞こうともせずに、反対すると言った。三月十五日」。反対するといった、どこが反対するといったんですか。どこが反対するといったんだ、答えてくださいよ。(発言する者多し)どこが反対するといったんですか。
   〔発言する者多し〕

○のがみ委員長 お静かに願います。

○柴崎委員 どこが反対するといったんですか。ちゃんとはっきりさせてくださいよ。
 「今回ばかりは、都民ファ君も黙っちゃいなかった」。(「コロナがきっかけ」と呼ぶ者あり)そうなんです。「公明さんの「こども条例案」中身をこうした方がもっと良くなるよと修正案出した。三月十八日。それまで仲間外れだった、共産ちゃんにも呼びかけて一緒に提案した。そしたら、公明おじさん、大激怒。面目つぶされたことと、共産ちゃんと一緒ということに怒りまくって、条例案話し合う場をぶち壊し、ほかの仕事もしなくなっちゃった。ゆりちゃんから示されてた、都民みんなのための大事な」(発言する者多し)発言中だから。委員長、発言中です。

○のがみ委員長 お静かに願います。

○柴崎委員 「面目つぶされたことと、共産ちゃんと一緒ということに怒りまくって、条例案話し合う場をぶち壊し、ほかの仕事もしなくなっちゃった。ゆりちゃんから示されてた、都民みんなのための大事な大事な「予算」の審議も止めちゃった。三月十八日」。
   〔発言する者多し〕

○のがみ委員長 静粛に願います。

○柴崎委員 「止めちゃった。三月十八日、予定三月二十三日。一部、岡本こうきの推測を含みますが、合理的な根拠に基づいています。文責、都議会議員岡本こうき。誰か漫画描いてくれないかな」だって。
 これが(「事実ですから」と呼ぶ者あり)事実だったら何で取り消したんですか、これ。(「話をまとめるためでしょう。刺激が強過ぎたからでしょう」と呼ぶ者あり)強くないでしょう。まだ読みましょうか。もう一回読みましょうか。
   〔発言する者多し〕

○のがみ委員長 ご静粛に願います。

○柴崎委員 もう一回読みますよ。(「どうぞ受けて立ちますから」と呼ぶ者あり)いいですよ。「わかりやすい都議会ばなし」。(発言する者あり)「わかりやすい都議会ばなし。四年前」
   〔発言する者多し〕

○のがみ委員長 済みません。ご静粛に願います。

○柴崎委員 「四年前、二〇一七年、大人気のゆりちゃん登場。公明おじさんはそれまで仲良しだった自民じいさんと喧嘩別れ、ゆりちゃん側についた。その後ゆりちゃんチルドレンの都民ファ君に、わがまま言いながら、まあある程度仲良くしてきた。ところが、また選挙が近づくにつれ」、ここですよ、問題は。政局にしているんじゃないですか。「二〇二一年」(「都民ファだよ、政局にしたのは」「おたくでしょう、政局にしたのは」と呼ぶ者あり)あなたでしょう、政局にして。
 「公明おじさんまた日和見して、今度はゆりちゃん批判に転じ、自民じいさんにすり寄った」。
   〔発言する者多し〕

○のがみ委員長 済みません。ご静粛に願います。

○柴崎委員 「都民ファ君にも攻撃姿勢で、その「コロナ条例案」の中身を聞こうともせずに、反対すると言った。三月十五日」。事実ですか、これは。事実ですか、これは。事実ですか。
 「今回ばかりは、都民ファ君も黙っちゃいなかった。公明さんの「こども条例案」中身をこうした方がもっと良くなるよと修正案出した。三月十八日。それまで仲間外れだった、共産ちゃんにも呼びかけて一緒に提案した」。(「何分やるの、これ」と呼び、その他発言する者あり)ちゃんとご理解いただきたいからやっているんですよ。(「十分聞こえていますよ」と呼ぶ者あり)聞こえている。ちゃんと聞いてくださいよ。こういうことなんですよ。桐山副委員長、一切見ていないということでしたけど、ぜひこれを見てくださいよ。見ていただきたいと思いますので、あえて申し上げました。
 もう一回読みましょうか。もう一回読みますよ、ちゃんと。(「二回聞いているから大丈夫です」と呼ぶ者あり)いえいえいえいえ、全く見ていないとおっしゃったから。全く見ていないんですよね、副委員長は。ぜひこれ、ごらんいただきたいと思います。ごらんいただきたいと思いますので、あえてパネルにさせていただきました。
 どうですか、皆さん。(「修正案、簡単に取り下げちゃってさ」と呼ぶ者あり)そういうことなんですよ。要するに(「取り下げ」と呼ぶ者あり)ええ、修正案、取り下げましたよね。簡単に取り下げたじゃないですか。取り下げをして乗っかってきたわけですよね。乗っかってきたわけですよ。中身じゃないんですよ。政局なんですよ、だから。
   〔発言する者多し〕

○のがみ委員長 ご静粛に願います。

○柴崎委員 先ほどいったように、こども条例は政局にすべきじゃない。このことなんですよ、申し上げたいのは、我々が。
 我々がいいたいこと、もう何度も申し上げておりますけれども、問題ですよ、このピンクのところなんですよ、問題は。だから消したんじゃないですか、ご本人。(「消したのは話をまとめるために」と呼ぶ者あり)まとめるため、「選挙が近づくにつれ、二〇二一年」、これはもうまさに政局ですよ。政局をつくっているんですよ。大変なことですよ。
 そんなことでこの条例、取り下げして、しかも、しかもですよ、そんなことで取り下げをして、それで共同提案だということで来ましたよ、全く。
 それで、先ほども申し上げましたように、私どもは副委員長と理事で来ましたということで、しかるべき方が来るということで待っていたんです、ずうっと。どなたがしかるべきかわかりませんけれども、そういう方がいらっしゃるというふうに(「調整役が金曜日におりちゃったんだもん」「おりていないよ」と呼ぶ者あり)全く調整はしていないし。だって、調整役って、記者会見、記者を集めてのこの発言、何ですか、これ。これ、事実ですか。

○のがみ委員長 あと一分でまとめてください。

○柴崎委員 いずれにいたしましても、こういったSNSが発信をされておりました。これに対して、我々自民党といたしましても、本当にこのことについては、やはりきちっとした謝罪なり、きちっとした形で、皆さん方がこれに対して、あるいはSNSに対して、この投稿された方々、何人もいらっしゃいます、都民ファーストさん。そのけじめをやはりしっかりつけるべきだと思います。それがなくして、こども条例は政局にすべきじゃない、そんなことはいえませんよ。きちっとさせてください、その点については。
 それを強く強く我々申し上げまして、そして我々が提案させていただいた修正案に、どうしても一緒に提案したいということですので、今回については一緒に提案をさせていただきましたけれども、いずれにいたしましても、こういったことがあったという事実は、きちっとお伝えしておくことが大事でございますので、その点申し上げまして、私からの意見表明といたします。
 以上です。(拍手)
○まつば委員 東京都こども基本条例案について申し上げます。
 本条例案において、私たち都議会公明党は、子供にかかわる取り組みや子どもの権利条約を政争の具にしてはならないとの思いで、今日まで取り組ませていただいてまいりました。
 十五日の厚生委員会での提案説明でも申し上げましたが、本条例案では、子供は、大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在である、そして、社会の宝である子供は、社会の一員であり、あらゆる場面において権利の主体として尊重される必要があると明示いたしました。これは、子どもの権利条約の精神と合致するものであり、本条例案が最も大切にしている理念であります。
 この理念に立って、全ての子供が誰ひとり取り残されることなく、今を安心して生き、将来への希望を持って、伸び伸びと健やかに育っていく環境を整備していかなければなりません。
 そのためには、子どもの権利条約を具体化する子供政策の総合的推進が重要であり、多岐にわたる子供政策を総合的に推進するために、必要な施策や体制を整備することを求めております。
 そうした視点から東京都こども基本条例案を提出させていただきましたが、子供の権利に関する第一人者の先生方にご助言いただき、本条例案を作成させていただきました。
 今回、都民ファーストの会と共産党の修正案が、十八日に厚生委員会理事会に突如提出されてより、私たちはつぶさにその修正案を検討し、それを踏まえた修正案を都議会自民党、都議会公明党、東京みらいで本日提出したところでございます。
 この間、都民ファーストの会の一部議員のSNS発信は誤認識によるものが多く、驚くばかりのものでありました。例えば、自公等が提出したこども基本条例は、大変残念ながら子供の権利という最重要の論点が抜け落ちている、個人的には、子供の権利に賛成のはずの公明党が、選挙を優先して自民とともに反対に回るのか、それとも議会人としての矜持を見せ賛成に転じるのかが見どころなどと発信していたことは驚くばかりであり、余りにも子供の権利について理解していないといわざるを得ません。
 子供の権利の記載については、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利の四つの表現は、ユニセフがそのようにまとめたということで、これをもって子供の権利全体を書きあらわしたことでないことは、今や常識であります。
 子供の権利をわかりやすく伝える広報上の意義はあるにしても、わかりやすさゆえに抜け落ちるものも多く、具体的場面でここに書いていない子供の権利もあるということで軽視されるものも出てくる可能性があることなどを危惧して、あえて東京都こども基本条例には権利を定義しなかったものであります。
 この基本条例案原案では、前文において、子どもの権利条約では、子供に対するあらゆる差別の禁止、子供の最善の利益の確保、生命、生存、発達への権利及び子供の意見の尊重を一般原則としていることを明示しております。
 そうした子供の権利について、四つの権利のみを定義することは受け入れることができず、本日提案の修正案の作成で一番苦労したところでした。それは、子供のことは決して政争の具にしてはいけないとの強い信念から、いかに修正案を生かしながら子供の権利を明示するかを悩んだからであります。
 また、SNSに、真に子供たちのための条例案というより、公明党が政局のために自民党と組んだ結果、骨抜きにされてしまったものといわれても仕方がないとの発信までありました。
 都議会自民党の皆様とは、東京都こども基本条例案提出前の協議を何度もさせていただきました。その中で、非常に重要なご提案を四項目にわたりされました。特に、財政上の措置と計画の策定の項目を新規に立てる提案により、本条例案を実効性の伴うものとしていただいたことを、都議会公明党は改めて明らかにさせていただきます。
 また、東京都こども基本条例案並びに本日提案した修正案につきましては、いずれも執行機関調整を行っております。
 議員提案条例の執行機関調整は、地方自治法二百二十二条の趣旨を尊重したもので、条例の実効性を確保する観点から、知事部局で、条例施行に当たっての規則等の制定や改正が必要となることもあるため、あらかじめ執行機関との協議、調整を行っておくことが望ましいとされております。
 本条例並びに修正案は、そうした調整も得て提案したものであることを申し上げておきます。
 東京都こども基本条例の成立を通し、全ての子供たちが今と未来への希望を持って伸び伸びと育っていけるよう、これからも全力で取り組んでまいります。(拍手)

○藤田委員 日本共産党都議団を代表し、厚生委員会に付託された議員提出議案及び知事提出議案について意見を述べます。
 まず、議員提出議案についてです。
 初めに、東京都こども基本条例案及び同案への修正案について述べます。
 子どもの権利条約が批准されて二十五年以上がたちましたが、日本社会では多くの点でいまだ子供の権利が守られていない現実がある中、自治体が子供の権利について規定する条例を制定することは極めて重要です。
 我が党は、今期に入ってから繰り返し超党派の学習会を開くなど、子供の権利条例の成立を目指して取り組んできました。
 また、東京都こども基本条例案が本定例会に提出されることが明らかにされたときから一貫して、この条例案をよりよくする立場で、質問はもとより、参考人質疑の提案、修正案の提案などを行ってきました。
 本日、厚生委員会を構成する全ての会派が一致して、条例をよりよくする立場での修正案を提出できたことは意義のあることと考えます。
 修正案では、前文にあった、東京が持続可能な発展を続けていく原動力は、時代を切り開く人であり、今と未来を担う子供は、人が輝く東京の活力の源泉であるという文章を削り、前文が、子供は大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在であるから始まるようにすることで、子供を出発点にした条例であることを明確にできます。
 また、子どもの権利条約の精神にのっとることを本文で明記し、子どもの権利条約の定める子供の生きる権利、育つ権利、守られる権利及び参加する権利を初めとした子供の権利を規定すること、子供の学ぶ権利を明記すること、子供の権利の救済について規定することなどにより、条例がよりよいものになると考えます。
 しかし私たちは、この修正案により、本条例が子どもの権利条約との関係で十分なものになるとは考えていません。その一番の理由は、本条例及び修正案を作成するに当たり、子供の意見を聞くことができていないことです。子供の意見を聞き、それを反映することは、何よりも重要なことです。
 子どもの権利条約の一般原則の一つにも子供の意見の尊重があり、子供は自分に関係のある事柄について自由に意見を表明することができ、大人はその意見を子供の発達に応じて十分に考慮しますとされています。どのような修正をしたとしても、子供の意見を聞けていないということを補うことはできません。
 そのことに関して、修正案では、附則で、この条例の施行後三年後を経過した場合において検討を行い、必要な措置を講ずることを規定しています。そして重要なことは、その検討を行うに当たっては、子供の意見を反映させるため、子供の意見を聞く機会を設けるものとしていることです。この点が、私たちが最も重要だと考える点です。
 子供が直接参加し、影響力を行使して、必要な改正が行われることで、本条例が豊かな内容と実効性を持ったものになると考えます。その際、子供の意見表明権を明記することなどについても検討するべきだと思います。
 ぜひとも、修正した条例案を成立させ、今後、都議会で、超党派で子供の意見を聞く機会を積み重ね、本条例をよりよいものとし、子供の権利が守られる東京にするための取り組みを進めていくことを心から呼びかけるものです。
 東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例は、罰則を初めとした都民にマイナスとなる部分が含まれていない一方、宿泊療養施設の確保、自宅療養者に対する支援などが必要であることは事実であり、賛成です。
 また、公衆衛生医が不足していることは、我が党も昨年の第三回定例会での代表質問でいち早く提起し、都は、安定的確保が必要との認識を示しています。
 次に、我が党提出の東京都高齢者の補聴器購入費の補助に関する条例についてです。
 高齢者の二人に一人は難聴であると推計されていますが、難聴は生活の質の低下につながり、認知症のリスクを高めることも明らかになっています。
 一方、補聴器は購入費が高いことが使用する上での大きなハードルとなっており、本条例によって、より多くの高齢者が補聴器を使用しやすくなるものと考えています。
 本条例へのご賛同を心から呼びかけます。
 次に、知事提出議案です。
 今定例会には、福祉施設、事業所の基準に関する条例が多く提出されていますが、いずれも国の基準が改正されたことに伴うもので、都は、全ての国基準と同じにする方針です。
 それらの基準の中には、規則に委ねられていたり省令を引いていたりして、条例本文に書かれていないものもありますが、提出する条例に賛成することは、それらの部分も含めて国基準どおりにすることを認めることになります。
 したがって、賛否は、規則に委ねられていたり省令を引いていたりする場合も含めて判断します。
 第四十八号議案から五十六号議案は、国の指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の施行による基準の改正による条例改正です。
 四十八号議案には、サテライト型養護老人ホームの生活相談員を置かなくてもよいとする内容も含まれていて、配置基準の後退であり、反対です。
 また、高齢者福祉施設の人員などの基準を定める条例である第四十九号議案及び五十一号議案から五十六号議案までは、一ユニットの入居定員の上限を緩和し、十五人以下までふやせるという内容が含まれています。
 しかし、社会保障審議会の分科会の委員からも、職員の負担増とユニットケアの変質という両面で課題が大きい、ユニットケアのもともとの方針が崩れていくのではないかとの意見が出されており、重大な規制緩和であり、反対です。
 第五十七号議案と六十号議案は、障害児が利用する施設の設備等の基準を定める条例ですが、配置基準の後退が含まれているため、反対です。
 内容は、医療的ケア児を受け入れている事業所において、看護職員の配置を原則義務づけるという前進面がある一方、配置された看護職員を児童指導員等の配置基準に含めてもよいものとなっています。今回の条例改正によって、看護職員の配置分の児童指導員等が少なくなっても済むことになるものです。
 第六十二号議案から六十五号議案までは、障害者が利用する施設の人員等の基準を定める条例です。
 就労移行支援事業の就労支援員が、一人は常勤でなければならないとする規定がなくなる内容となっています。職員の処遇悪化につながるものであり、質の低下につながりかねず、反対です。
 知事提出議案の最後に、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例には賛成ですが、今回の食品衛生法改正に伴う条例改正で手数料が値上げとなる業種について、手数料を従来の額に据え置く経過措置の期限が来年の三月三十一日となっています。
 新型コロナの営業への影響は長期化が見込まれるため、今後、期限の延長を行うよう求め、意見表明を終わります。(拍手)

○森澤委員 まず初めに、この間、都職員を初めとする関係者の皆様には、多大なご苦労とご迷惑をおかけしたことに対し、委員の一人として大変申しわけなく思います。ご協力いただき、心から感謝申し上げます。
 議員提出議案第三号、東京都こども基本条例案について申し上げます。
 私たちは、原案の趣旨である子どもの権利条約の精神にのっとり、社会の宝である子供を第一に、子供の目線に立った政策を推進していく東京の未来像に賛同し、また、その提出に至る経緯における並々ならぬご努力とその思いに感服し、共同提案者となりました。
 当初から、子供を第一にする社会へと歩みを進めるためには、これ以上、下がらないというベースラインを引く必要があるため、また、子供にかかわる施策について、横断的に総合的に取り組む都庁とするためにも、全会派のみならず、全都庁が一致して賛同できる内容とすることが最も重要だと考え、一貫して取り組んできました。
 しかし、都民ファーストの会と共産党により共同提出された修正案については、その内容について、第四条において子供の権利が限定されていること、第十条、十一条において子供が東京都のあらゆる事業に対して意見を述べ、また都もそれに必要な措置を講じなければならない懸念があることについては見過ごせないものでした。
 私たちは、子供が権利の主体であると同時に、保護される対象であり、将来への責任を過大に背負うべきではないと考えるからです。
 そのような観点から、正式に上程された三月十八日の昼の理事会以降、二日にも満たない期間で、都議会公明党さんを中心に、都議会公明党さんが有識者や都庁関係部署との十分な意見交換を重ね、本日提出した修正案について、都議会公明党、都議会自民党、東京みらいの三会派で合意するに至りました。
 この間、よりよい条例に、政争の具にしてはいけないという一心で、その中心となってご尽力をいただいた都議会公明党のまつば多美子議員が、どれだけの苦悩を重ね、五会派の共同提案に、この状況にたどり着いたかと思うと、尊敬の念にたえません。この場をかりて心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
 一方で、このように、よりよい条例にと検討に時間を要しているのにもかかわらず、一方的に政局と決めつけた発信がSNS等で繰り返されたことは大変遺憾です。事実に基づいた、しかるべき対応を求めるものです。
 また、本条例案、条例の原案を二月十七日に正式に上程するに当たっては、都議会公明党が素案を作成し、一月上旬に、第一会派の都民ファーストの会、第二会派の自民党と協議を開始したと聞いています。
 私たちにそのような機会があれば、より早期に提案と協議を積極的に重ねたものですが、よりよいものにということであれば、なぜその間に協議を行わなかったのでしょうか。一連の行動にはさまざま疑問が残り、都議会第一会派としての責任ある行動をとっていただきたく求めるものです。
 次に、議員提出議案第五号、東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例について意見を申し上げます。
 初めに、本改正案によって削除される第五条三項に関して、私たちは、都は新型コロナウイルス感染症の発生状況等を踏まえ、患者等が療養に専念することができるよう、施設の確保等環境の整備に努めるものとするという本項を根拠に、宿泊療養や自宅療養等にかかわる施策の強化を求めてまいりました。
 この条項が削除されていることについて質問をしたところ、全く同じ条文を五条の二の一項に移したとの答弁がありました。しかし、改正案における第五条の二の一項とは、宿泊療養施設の確保に努めるものとするというものであり、全く同じ条文ではありません。こうした事実と異なる答弁がされたことは大変遺憾です。
 次に、現行条例では、施設の確保等環境の整備として幅広く療養体制を捉えていたところ、宿泊療養と自宅療養を特出ししています。
 先般の感染症法改正では、都道府県知事は、宿泊施設もしくは当該者の居宅もしくはこれに相当する場所から外出しないことその他の当該感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができるとしており、必ずしも宿泊療養、自宅療養に限定していません。
 日々刻々と対応が変わる中で、仮に宿泊療養と自宅療養以外の療養方法が出てくる、あるいは、それらが推奨されないような状況が出てきた際に、さらなる条例改正を必要とすることが懸念されます。都がスピーディーに対応することに対して、むしろ足かせになり得るとも危惧します。
 また、私たちは、宿泊療養や自宅療養における具体的な課題を指摘する質問を行いました。実効性を高めていくには、具体的な取り組みをさまざまな手段の中から選んでいく必要があり、条例改正は、その選択肢の一つにすぎないと考えるからです。
 しかし、その答弁は、適切な方法は都が考えるべきものとの答弁であり、そもそも本改正がなされなくても、都は療養環境の整備に取り組んでいます。
 仮に議員提出で改正を行うのであれば、現在の法令では進めることができず、かつ、改正が行われることで新たな取り組みがより一層進むものであるべきと思いますが、残念ながら、そのような意義を受け取ることができませんでした。
 本条例改正案について、その内容を真摯に検討した結果、差別的取り扱いへの救済措置など重要な項目もある一方で、新型コロナ対策への臨機応変な対応力の低下や実効性への懸念等を総合的に判断し、賛同しかねるという結論に達しました。
 以上です。(拍手)

○のがみ委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第四号を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○のがみ委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第四号は否決されました。
 次に、議員提出議案第五号を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○のがみ委員長 起立多数と認めます。よって、議員提出議案第五号は原案のとおり決定いたしました。(拍手)
 次に、議員提出議案第三号を採決いたします。
 まず、森澤恭子委員外十三名から提出された修正案についてお諮りいたします。(発言する者あり)聞いてくださいね、済みません。
 本修正案は、お手元配布の案のとおりとすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○のがみ委員長 異議なしと認めます。よって、森澤恭子委員外十三名から提出された修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決した修正部分を除く原案についてお諮りいたします。
 修正部分を除くその他の部分を原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○のがみ委員長 異議なしと認めます。よって、修正部分を除くその他の部分は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第四十八号議案、第四十九号議案、第五十一号議案から第五十七号議案まで、第六十号議案、第六十二号議案から第六十五号議案までを一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○のがみ委員長 起立多数と認めます。よって、第四十八号議案、第四十九号議案、第五十一号議案から第五十七号議案まで、第六十号議案、第六十二号議案から第六十五号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第四十六号議案、第四十七号議案、第五十号議案、第五十八号議案、第五十九号議案、第六十一号議案、第六十六号議案、第六十七号議案及び第九十号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○のがみ委員長 異議なしと認めます。よって、第四十六号議案、第四十七号議案、第五十号議案、第五十八号議案、第五十九号議案、第六十一号議案、第六十六号議案、第六十七号議案及び第九十号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○のがみ委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○のがみ委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○のがみ委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、吉村福祉保健局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○吉村福祉保健局長 お許しをいただきまして、当委員会所管両局を代表いたしまして、一言御礼のご挨拶を申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で頂戴いたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。
 また、病院経営本部とも引き続き緊密な連携を図りまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○のがみ委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午前四時十四分散会


令和3年第一回定例会厚生委員会 意見開陳

 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和3年度予算関連議案について意見開陳を行います。

 令和3年度予算は、昨年から継続しているコロナ禍の厳しい財政環境の中にあっても、都民の命を守ることを最優先としながら、東京の経済を支え、その先の未来を見据えた予算として、第一に、新型コロナウイルス感染症対策に取り組み、この間、浮き彫りとなった課題に的確に対処するとともに、将来にわたって成長し続ける都市・東京の実現に向け、戦略的に取り組むこと、第二に、デジタル化による都民サービスの向上など都政の構造改革を進めるとともに、ワイズ・スペンディングの視点から無駄を一層なくしていくこと、第三に、東京2020大会を都民・国民の理解を得られる安全かつ持続可能な大会として実施し、次世代へレガシーを継承していくことの三点を基本に編成されています。

 補正予算を含めた一般会計予算7兆5,651億円、特別会計と公営企業会計を含めた全会計予算15兆2,995億円の令和3年度予算には、新型コロナウイルス感染症対策・医療体制の充実、子育て支援、新しい時代を切り拓く人材の育成、高齢者の社会参加の促進・暮らしへの支援、女性の活躍推進・雇用・就業支援、テレワーク等の働き方改革、悩みに対するサポート体制の強化、豪雨対策・震災に強い街づくり、道路ネットワーク形成や公共交通の充実、国際金融都市など世界経済を牽引する都市の実現、中小企業・地域産業支援、ゼロエミッション東京・水と緑あふれる都市環境の形成、都民サービスや行政のデジタルシフトなどスマート東京の実現、東京2020大会の開催とレガシーの創出、多摩・島しょの振興など都民生活にとって欠かすことのできない大切な施策が数多く盛り込まれています。

 都民ファーストの会東京都議団が要望し予算計上されました「出産・子育ての10万円分の支援」、「東京版ニューディール」による2万人の雇用創出や「新しい日常」に対応した雇用・就業環境の構築など50回を超える都への新型コロナウイルス対策要望事項をはじめ、デジタル・トランスフォーメーションの爆速的な実装、世界的な気候変動対策と連携したゼロエミッション東京の実現など、「都民ファースト」の視点で「未来の東京」の実現に向け、東京の更なる進化を図るとともに、都民の安全・安心を確保するため、効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望します。

 それでは、各局事業について、まず、福祉保健局関係について申し上げます。

一、国に対して、新型コロナウイルス感染症のワクチンの十分な確保、及び、陽性者数や入院患者数などの感染状況を踏まえた都への優先的な供給がなされるよう求めること。

一、医療従事者へのワクチン接種を着実に進める体制を整備するとともに、区市町村による都民へのワクチン接種業務に関し、都としてしっかりサポートすること。

一、高齢者施設及び障害者施設の全職員、並びに新型コロナウイルス感染が生じた場合のリスクが高い職種、集団、場所において、定期的なPCR検査を実施し、感染拡大防止を図ること。

一、保健所のデジタル化を推進するとともに体制強化を進めること。公衆衛生医師の確保に取り組むこと。

一、新型コロナウイルス感染症の後遺症の実態把握を進め、後遺症に悩む方への対応策を実施すること。

一、感染例やクラスター事例などを分かりやすく都民に示し、都民が感染症対策に納得する根拠を示すこと。

一、研究機関等と連携して新型コロナウイルスの変異株の実態把握を進め、情報発信すること。

一、後方支援病院への転院調整体制の整備等を含めて新型コロナウイルス感染症に対する医療提供体制の強化を図ること。

一、禁煙したい人への禁煙支援を一層拡充すること。喫煙率の減少に向けた取り組みを一層推進すると共に、禁煙教育を推進すること。

一、子供を虐待から断固守るという強い意思のもと、児童虐待対策をより積極的に進め、虐待を未然に防ぐ予防的支援体制の強化を推進すること。

一、児童相談所及び一時保護所の人員を拡充するとともに、専門性を高め、人材育成を図り、支援力を向上すること。子供が安心できる生活環境の改善を図ること。児童相談所への常勤弁護士配置又は非常勤弁護士の常駐配置を検討し、効果的な体制を整備すること。

一、児童養護施設の入所児童、退所者、職員、自立支援コーディネーターらが、弁護士に身近に無料で相談を受けられる仕組みを進めると共に、トラウマや心のケアを受けられる体制整備を行うこと。

一、自立援助ホームの実情に応じて、その増設を検討すること。

一、民間あっせん事業者と児童相談所がしっかりと連携し、里親開拓やフォスタリング支援を行い、子供の権利という視点からも特別養子縁組をこれまで以上に推進すること。

一、里親への委託を加速し、社会的養育の施策を進めること。里親、里子の意見を尊重し、気持ちに寄り添い、子供の最善の利益を図ること。

一、合計特殊出生率二・〇七の目標に向けて、安心して妊娠、出産、子育てができる環境の整備を進めること。

一、ベビーシッター利用支援事業について保護者が安心して利用できる環境整備を推進すること。

一、多胎育児支援については、社会全体で多胎育児が進むよう取り組みを進めること。

一、DV被害者をサポートする民間シェルターへの支援を拡充するとともに公立の母子保護施設の利用が進むよう、課題の把握、改善策の検討を進めること。

一、情報が届きにくいひとり親と、その予備軍である離婚を考えている親に対する情報提供・支援を拡充し、子供の養育費確保のための施策展開を進めること。

一、学童クラブの量と質の充実を行うとともに、学童クラブ支援員等の雇用の安定と待遇改善に努めること。

一、子供の貧困対策として子ども食堂・子ども宅食の支援、スタディークーポン事業の充実を図ること。

一、新しい日常において高齢者がフレイル予防に取り組めるよう、安心して運動できる機会の提供と共にオンラインでの健康づくりを推進する区市町村への支援を強化すること。

一、EMI、エクササイズ・イズ・メディシンの施策を検討し、進めること。

一、コロナ禍の在宅高齢者の孤独死を防ぐ、地域包括支援センターの機能強化や、地域の見守り活動の体制づくりを推進すること。

一、介護現場におけるICTの活用を進めること。

一、コロナ禍において、かかりつけ医によるオンライン診療等の環境整備を推進すること。

一、ACP、アドバンス・ケア・プランニングの周知を進め、人生の最期の時間を本人の望む形で迎えられる社会を構築すること。

一、高齢者が元気で自ら判断できるうちに民間専門家と協力し「終活プロジェクト」を推進すること。

一、がん対策は、予防、早期発見、早期治療、AYA世代のがん、女性特有のがん、感染性要因のがん、がんと就労の課題、がん医療の充実、療養生活への支援、緩和ケアなどの施策を展開すること。

一、がん検診精度管理の向上の取り組みを推進すること。

一、がん治療により、生殖機能が低下する又は失う恐れがある若年がん患者に対して、生殖機能温存治療等の支援を推進すること。

一、コロナ禍において、情報のバリアが深刻化しており合理的配慮の提供を推進すること。

一、筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群のように指定難病ではない疾病に苦しんでいる方に対して難病・相談支援センター・保健所において相談対応と理解促進に取り組むこと。

一、大人用折りたたみベット設置等ユニバーサルデザインのまちづくりを推進すること。

一、障害のある感染症患者の受入に際しては障害特性に応じた医療を提供すること。

一、施設における障がい者の高齢化・重篤化の支援力向上に向け専門家チームで職員の定着・育成を推進すること。

一、就労支援施設の(都内の半数以上が平均工賃未満であり)、工賃アップに向け業務改善に取り組み、KURUMIRU等、一層の販路拡大を推進すること。

一、デジタル技術を活用し重度障がい者の方の社会参加と就労支援を推進すること。

一、ソーシャルファーム条例の制定に伴い、全ての都民を包括した施策展開をさらに進めること。

一、ダブルケアラー、ヤングケアラーなど複合的な課題に対し包括的な支援体制を構築すること。

一、ひきこもり当事者の実情に応じた切れ目のない支援に向け区市町村・関係機関と連携し取り組むこと。

一、災害時要配慮者対策においては区市町村における個別計画の策定を支援し推進すること。

一、生活困窮者自立支援は、自立就労に向け伴走型の支援を推進すること。又、無料定額宿泊所については、定期的な指導検査を行い適正な運営を確保すること。

一、コロナ禍による生理の貧困に対して国に対し生活保護基準と軽減税率適応への要望書を上げると共に、局横断的に必要な方への生理用品の支給を行うよう支援すること。

一、動物殺処分ゼロを継続し、保護動物の譲渡の促進とアニマルウェルフェアの啓発、動物愛護団体等への支援の拡充、動物との共生社会の実現を目指し多くの関係者と連携協力し施策を推進すること。

一、薬物乱用防止、危険ドラッグ対策は、普及啓発を展開し、監視を強化すること。

一、東京都国民健康保険は、区市町村に対して状況に応じた必要な支援を実施し、安定的な制度運営となるよう取り組むこと。

次に、病院経営本部関係について申し上げます。

一、新型コロナウイルス感染症対策は、感染症指定医療機関とそれ以外の病院の連携と役割分担を確実に実施すること。

一、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況に応じた病床の確保、医療体制の整備に取り組むこと。

一、都立・公社病院は、医療従事者及び住民に対し、新型コロナウイルスワクチンの摂取を速やかに行い、感染症のまん延防止を図ること。

一、新たに設置する「コロナ後遺症相談窓口」の体制整備を着実に行い、後遺症に苦しむ方々の支援を強化すること。

一、都立、公社病院の地方独立行政法人化に関しては、都民の医療セーフティーネットである行政的医療を将来にわたって確実に提供するとともに、医療資源を最大限活用し医療機能強化を図ること。

一、病院の独法化後も、災害や感染症の緊急時に、知事の指示のもと、都が求める医療提供体制等に従い法人が役割を果たせる体制を検討すること。

一、地域医療機関等と連携し、自殺や虐待等の防止に向け、当事者や被害者の早期発見や支援を図ること。

一、医療機能や人材を活用し、地域住民に医療や予防、健康づくりに関する啓発を行い、地域包括ケアシステムの構築を支援すること。

一、医療従事者に対しては、常に、キャリア形成を組織的に支援する魅力ある研修体制の整備に努め、人材の確保、育成及び定着を推進すること。

一、オンライン資格確認の普及を着実に推進すること。

以上、都民ファーストの会東京都議団として意見開陳を終わります。
以上

自由民主党
令和3年 第一回定例会 厚生委員会・意見開陳 3月22日

 初めに、各局共通事項について申し上げます。

 令和3年度予算案は、コロナ感染拡大防止対策に万全を期し、ワクチン接種を迅速に進めながら、コロナ禍から立ち上がる都民、都内事業者を力強く支援するとともに、
 災害対策、高齢者施策、子供・子育て、障害者施策、教育環境の整備といった課題にも的確に対応し、あわせて、東京2020大会に向けた準備を着実に進めていくための予算です。

 そして、こうした多岐に亘る課題に対応しながら、コロナ禍の影響によって税収が落ち込む中で都財政の健全性を堅持し、東京の将来に向けた長期計画をしっかりと構築していくことが求められています。

 つまり、令和3年度の予算は、コロナ禍を切り抜け、コロナ後の東京の未来に向けた道筋をつける予算です。

 その一方で、コロナ感染の再拡大への懸念が拭えない中、令和3年度の予算に関して、事業執行の段階で、柔軟な対応が必要になってくる事態が発生することもあると思われます。

 課題は山積し、将来見通しは不透明です。こうした時こそ、国との連携が重要です。現に、営業時間短縮にかかる都内飲食店等への協力金の9割以上は国の負担によるものです。

 そして、首都圏としてのまとまりも大事にしながら、都内区市町村の実態に目を配り、都民福祉の向上という都政運営の基本を忘れずに、計画的な財政運営に努めることが必要です。

 今後の都政を取り巻く環境の変化に適切に対応しながら、刻々と変化し、多様化する都民の声に丁寧に対応し、都民が事業効果を実感できる、都民のための予算執行に全力で取り組むことを求めておきます。

 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭にあたり、まず、このことを申しあげ、各局事業について述べさせていただきます。

 最初に、福祉保健局関係について申し上げます。

一、引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に取り組み、ワクチン接種体制の構築を着実に進めるなど、対策に万全を期すとともに、感染の再拡大も視野に医療体制の強化に努めること。

一、福祉先進都市実現基金を活用し、「未来の東京」戦略ビジョンに基づく施策を着実に進められたい。

一、東京都地域防災計画に基づき、災害医療コーディネーターを核とした災害医療体制の構築とともに、都内全ての病院の耐震化促進や災害拠点病院の整備など、災害医療体制の充実に努められたい。

一、NICUの増床とともに、ハイリスクの妊産婦や新生児、重篤な小児救急患者に係る高度な医療を提供する医療機関に対し、施設、設備整備や医師の確保など、総合的な支援に努められたい。

一、高齢化のさらなる進展を見据え、区市町村による在宅医療の取り組みを支援するとともに、医療機関から在宅への円滑な移行を行う人材の育成と確保を支援し、在宅療養環境の充実に努められたい。

一、がん診療連携拠点病院の機能強化を図りつつ、地域の病院、診療所との効果的な連携や各医療機関の機能、専門性を生かした役割分担など、都全体のがん医療提供体制の充実に努められたい。

一、喫煙と健康についての正しい知識の普及啓発活動を推進するとともに、健康増進法、東京都受動喫煙防止条例に基づき、受動喫煙防止に向けた取り組みの強化を図られたい。

一、特別養護老人ホームの計画的な整備とともに、地域での在宅サービスの基盤整備を図るため、ショートステイや区市町村が行う地域密着型サービス拠点の整備促進を図られたい。

一、急速な高齢化と生産年齢人口の減少に対応するため、将来に向けた介護人材の安定的確保を図られたい。

一、特養経営支援事業などにより、特別養護老人ホームに入所する医療的ケアが必要な方々への支援を充実されたい。

一、急増する認知症患者とその家族を地域で支え、安心できる暮らしを確保していくため、認知症の初期から中・重度までの段階に応じた支援を行えるよう、認知症施策の一層の充実を図られたい。

一、都民のニーズに即した保育サービスの充実に当たっては、保育の実施主体である区市町村の取り組みを、広く柔軟に支援するとともに、保育人材の確保、育成を推進されたい。
 また、認可保育所、認証保育所、認定こども園、家庭的保育、小規模保育など、多様な保育サービスの拡充を図られたい。

一、全ての人が安心して子供を産み育てられるよう、不妊検査及び不妊治療に要する費用の助成や、妊娠期から子育て期への切れ目のない支援体制の充実を図られたい。

一、児童虐待を早期に発見し、より適切に対応していくため、児童相談所や子供家庭支援センターの組織体制などの機能を一層強化するとともに、専門職や関係機関の更なる連携強化を図られたい。
 また、虐待の未然防止に関する区市町村の取り組みへの支援を充実されたい。

一、子育て支援の充実を図るため、企業やNPO法人などの取り組みを支援するとともに、地域子育て支援拠点の整備を促進し、利用者支援や地域支援の実施など、機能強化を図る区市町村を支援されたい。

一、障害者が地域で安心して生活するため、グループホーム等のサービス基盤や、児童発達支援センターの整備促進を図られたい。
 また、医療的ケアが必要な障害児が地域で適切な支援を受けられるよう、環境の整備を図られたい。

一、身近な地域で、精神障害者が治療を継続し、安心して自立できるよう、地域精神科医療の仕組みづくりや就労支援に取り組まれたい。

一、福祉サービスの基盤整備を促進するため、公有地活用の推進及び区市町村への情報提供の充実を図るとともに、民有地の活用策についても検討されたい。

一、動物愛護精神の涵養や、飼い主のいない猫対策の推進とともに、保護した動物の譲渡を拡大し、殺処分ゼロを継続するための施策の充実を図られたい。
 また、動物愛護相談センターの機能強化も図られたい。

次に、病院経営本部関係について申し上げます。

一、新型コロナウイルス感染症への対応について、都立病院は精神科疾患や妊婦等、他の医療機関では対応困難な患者を積極的かつ確実に受入られたい。
 また、必要な診療を行えるよう施設及び診療体制の強化を図られたい。
 さらに長期化に備え、職員の勤務環境の整備に組織的かつ継続的に取り組まれたい。

一、全ての都立病院が継続的かつ安定的に高水準で専門性の高い行政的医療を確実かつ効果的に都民に提供するとともに、他の医療機関等と密接に連携をしながら、地域医療に積極的に貢献していくため、医療体制や医療機能の充実を図られたい。

一、都立・公社病院の独法化に関しては、行政的医療を提供するという本来の役割を堅持するのはもちろんのこと、さらに医療提供体制を向上し、総合診療基盤としての役割を強化し、安定的かつ健全な経営体制を構築することで、都民の信頼にしっかりと応えていかれたい。

 特に、平時より医師、看護師等の人材育成に取り組むとともに、感染症の流行や災害時のような緊急時においては、都の医療政策を踏まえた都民に必要な医療を迅速、適切に提供されたい。

一、地域包括ケアシステムの構築に向け、関係機関とのネットワーク構築やICTを活用した患者情報の共有など、モデルとなる取り組みを推進されたい
 また、都立病院の医療人材を活用し医師の派遣や訪問看護ステーションへの技術支援など、地域医療を担う人材の育成に貢献されたい。

一、医療拠点である多摩メディカルキャンパスにおいて医療機能の強化を図るほか、リハビリテーション医療など多摩地域に不足する医療や、がん、心疾患、脳血管疾患等の血管系疾患など、今後増加が見込まれる医療に対する提供体制を充実されたい。
 また、難病患者への対応についても強化を図られたい。

一、広尾病院の改築、整備を進め、東京の安心を支える責務を果たされたい。
 また、島しょ医療の基幹病院として、救急患者の受け入れや画像伝送による診療支援等に加え、患者家族宿泊施設の充実など、島しょの患者さんの安心をサポートされたい。

一、公益財団法人・東京都保健医療公社病院は、地域の中核病院として、他の医療機関と緊密に連携し、地域医療の充実に努められたい。
 また、都立病院とともに、地域の医療ニーズに応じて、新型コロナウイルス感染症等の感染症医療や精神科医療などの行政的医療に積極的に対応されたい。
 あわせて、収益の確保や費用の節減などにより安定的な経営基盤を確立されたい。

以上を持ちまして、意見開陳を終わります。

令和3年第一回定例会厚生委員会 意見開陳

〔前文〕
 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和3年度予算関連議案について意見開陳をいたします。
 令和3年度一般会計予算案は、厳しい財政環境が続くことが想定される中にあっても、我が党の度重なる要請に応え、東京の総力を挙げた感染症対策や、感染防止と経済活動の両立を図るための多面的な対策を事業化しています。
 また、少子高齢化への対応など、喫緊の課題への対応に加え、安全安心な東京2020大会の開催に向けた準備、「新しい日常」への対応など、東京ひいては日本全体の持続的成長につながる取組に重点的に予算措置を行っています。
 具体的には、都議会公明党が強く求めてきた、東京都出産応援事業や、東京都生活応援事業、都認可外通信制授業料軽減助成、高齢者肺炎球菌ワクチンの定期予防接種補助、デジタルデバイド対策、住居喪失不安定就労者・離職者等サポート事業の拡充、東京都ドクターヘリの導入、新たな調節池の整備、都営住宅募集のオンライン化など、都民の暮らしを守るための施策が随所に盛り込まれております。
 一方、都財政は景気変動に大きく影響を受けやすい不安定な歳入構造にある上、新型コロナウイルス感染症は社会経済全体に大きな影響を及ぼしており、都の歳入の根幹をなす都税収入の減収が続くことも想定しておかなければなりません。
 こうした状況の中、令和3年度予算編成における事業評価の取組では、コロナ禍での社会情勢の変化も踏まえ、我が党がこれまで積極的な活用を求めてまいりました複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用し、いずれも過去最高となる1,360件の見直し・再構築、約1,110億円の財源確保額へと繋げています。
 また、「『未来の東京』戦略」で掲げる政策を着実に進めるための財源として基金を計画的に活用するとともに、都債を充当可能な事業に対して、積極的に活用するなど、これまで培ってきた財政対応力を最大限に発揮し、必要な財源を確保しています。
 今後とも、税収動向を勘案しながら基金や都債を計画的に活用するべきことを強く求めておきます。併せて、予算の執行段階においても更なる創意工夫を行うとともに、事業評価と政策評価の一体的な実施により、施策の新陳代謝を一層促進し、各施策の実効性・効率性を更に高めるなど、持続可能な財政運営に努め、都民の命と暮らしを守ることを最優先にしながら、東京の明るい未来の実現に向けて、各施策を迅速かつ的確に展開することを強く望むものであります。

 初めに、福祉保健局関係についてであります。
一、福祉先進都市実現基金を活用し、「未来の東京」戦略ビジョンに基づく施策を着実に進めること。
一、在宅療養体制を推進し、認知症グループホームやケアハウス、小規模多機能拠点など、高齢者用の地域密着型施設の増強を図るとともに、在宅療養支援窓口や訪問看護ステーションの充実を図ること。
一、デジタル機器やロボットなどの活用を積極的に進めて、医療、福祉人材及び障害当事者等の負担の緩和、活躍の促進を図ること。
一、多摩地域や島しょなどの広域的活用を含めて特別養護老人ホームの整備を進めること。
一、若年や高齢を問わず、MCIを含めた認知症患者とその家族を支える体制を強化し、相談体制の充実に努めること。また、チェックリストを活用した普及啓発や、認知症検診に取り組む区市町村を支援するなど、早期診断・早期対応の取組を一層推進すること。
一、保育サービスの充実に取り組む区市町村を広く柔軟に支援すること。また、認可保育所、認証保育所、認定こども園、家庭的保育、小規模保育、居宅訪問型保育(ベビーシッター)などを幅広く推進し、多様な保育ニーズに迅速的確に対応すること。加えて、公有地や遊休物件の活用を図り、子育て施設の増強を進めること。
一、不妊検査及び治療、不育症検査に要する費用の助成や、妊産婦の産前、産後ケア、多胎児を育てる家庭に寄り添った支援など、妊娠から子育てに至る一貫した支援の充実を図ること。また、コロナ禍で不安を抱えた妊産婦への支援を強化するとともに、妊婦健診の普及啓発、企業やNPO法人などによる子育て支援の促進を図ること。
一、社会全体で虐待の防止に関する理解を深め、その防止に関する取組を推進するとともに、中長期的な視野から児童相談体制の強化を図ること。
一、都外を含め、障害児者の入所施設の利用者の地域移行を公平に支援するとともに、グループホーム及び通所施設、児童発達支援センター等の基盤を整備すること。
一、障害当事者や企業の参画を進め、福祉のまちづくり事業を本格的に展開すること。
一、発達障害者やひきこもり者の自立支援の充実に向け、年代を超えた切れ目のない支援、特性に応じた支援の強化を図ること。
一、精神疾患に関する地域医療連携体制を整備するほか、就労支援を強化すること。
一、ハイリスクに対応した周産期母子医療センターの整備を進め、二十四時間体制での対応の充実を図ること。特に多摩地域での整備のおくれを解消すること。
一、東京都がん対策推進計画に基づき、新たながん治療の開発、がん登録、がん教育、小児・AYA世代のがん対策、緩和ケア、ピアカウンセリング、がん患者の就労支援などについて、取組の充実を図ること。あわせて、女性の健康週間等を活用し、女性のがん対策の普及啓発を図ること。
一、健康増進法、東京都受動喫煙防止条例及び東京都子どもを受動喫煙から守る条例に基づき、都民及び東京を訪れる人の受動喫煙防止に向けた取り組みを一層強化すること。
一、意欲的に救急患者を受け入れる医療機関への支援の強化や、受け入れ調整を行う地域救急医療センターの充実を図ること。
一、基地病院と連携しながら東京都のドクターヘリ導入を加速化するとともに、近隣県との連携に向けた、ドクターヘリの共同運航に係る具体的な方策について検討を進めること。
一、小児科、産科などの地域医療を担う医師を育成するため、奨学金制度の取り組みを進めるほか、勤務医の離職防止や離職看護師の復職に向け、効果的な支援を行うこと。
一、在宅療養支援窓口の整備を図る区市町村と各医療資源との仲立ちに努め、あわせて、回復期や慢性期の医療機能を担う中小病院を効果的な医療連携に導くこと。
一、難病医療ネットワークを構築し、難病患者を早期診断から地域での療養生活まで支える体制の充実を図ること。
一、殺処分ゼロの継続に向け、動物飼養情報の普及、保護動物の譲渡の促進、動物愛護団体への支援の充実、動物愛護相談センターの機能強化、災害時の同行避難の促進を図ること。
一、新型コロナウイルス感染症について、都民の健康と生命を守るため、相談・検査・医療提供体制を強化するとともに、医療従事者への特殊勤務手当を継続すること。区市町村等の関係機関と連携し、ワクチン接種体制の構築を着実に進めること。感染者が発生した場合に影響が大きい特別養護老人ホームや障がい者支援施設の職員や利用者への定期的な検査について、感染状況を踏まえ、引き続き支援策を講じること。
一、コロナ禍において、ネットカフェ等に寝泊まりしながら不安定な就労をしている方が、適切な支援を受けられるように、一時宿泊場所としてのビジネスホテルの提供や一時利用住宅の拡充を継続すること。
一、女性の月経に関する「生理の貧困」の課題について、災害用備蓄品などの有効活用を図り支援すること。

 次に、病院経営本部関係について申し上げます。
一、新型コロナウイルス感染症について、都立病院・公社病院は、必要な病床を確保し、積極的に患者を受け入れること。医療従事者の勤務負担軽減に取り組むとともに院内感染対策に配慮した設備整備を行うこと。また、家族に対する風評被害が広がらないよう、あらゆる対策に努めること。
 さらに、後遺症に苦しむ方に対して「コロナ後遺症相談窓口」を設置し、相談に応じるとともに後遺症に関する知見の蓄積に努めること。
一、都立病院は、救急医療、島しょ医療、がん医療、感染症医療、周産期医療、精神科医療などの行政的医療を適正に都民に提供するとともに、患者サービスの向上を目指し、専門外来の充実など、都民の医療需要に応じた適切な体制整備を行い、医療機能の充実に努めること。
 また、公社病院は、地域の中核病院として、地域の医療ニーズに的確に対応し、医療水準の向上に努めること。特に、多摩北部医療センターの改築にあたっては、地域ニーズを踏まえた検討を行うこと。
一、がん診療について、集学的治療の実践や小児がん医療への取り組み、がんに関する普及啓発等のさらなる充実に努めるとともに、患者支援センターによる就労支援や社会保険労務士との連携による相談の充実、診療体制の整備などにより、がんの治療と仕事の両立を支援すること。
一、多摩メディカルキャンパスの整備にあたっては、女性特有のがん対策として、プライバシーやアメニティーに配慮すること。また、がん検査体制についても、微小な病変でも発見できる検査装置である「PEM」の導入や、内視鏡部門の都内有数の検査規模拡充などを図るとともに、女性専用エリアなど女性が受診しやすい環境づくりを進め、女性医療の充実を図ること。
一、小児総合医療センターは、こども救命センターとして小児重篤患者を24時間365日受け入れることで、多摩における小児の高度医療を担うとともに、今後も都民が安心できる小児救急医療体制を維持すること。また、小児科のある都立病院において、限られた医療資源を活用し、病児・病後児保育の実施拡大に向けた取組を進めること。
一、平成31年2月にアレルギー疾患医療拠点病院及び専門病院に指定された小児総合医療センター・多摩総合医療センターをはじめ、都立病院におけるアレルギー医療の充実を図ること。また、拠点病院である小児総合医療センターにおいて、地域の医療従事者育成の取組を推進すること。
一、東京医師アカデミー、東京看護アカデミーの取り組みにより、行政的医療を担う医療人材の確保、育成を図ること。また、育児中等の医師が安心して働くことができる環境整備とともに、復職を希望する医師に対する研修実施に積極的に取り組むこと。

 以上をもちまして、都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。

 日本共産党都議団を代表して厚生委員会に付託された2021年度東京都予算案に対する意見を述べます。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大がはじまってから1年が経ちましたが、今なお、収束が見込めず、多くの都民や事業者が困窮し疲弊しています。感染症対応をめぐっては、東京の医療と保健所体制が脆弱であることが浮き彫りになりました。
 都立病院・公社病院では、これまで7000人以上のコロナ患者を受け入れてきました。そのような中、都が来年度予算案に都立病院・公社病院を独立行政法人化する予算を計上していることは重大です。東京都の財政支出を削減し、稼ぐ医療の道を開くことは、都民に必要な医療を後退させるものです。都立病院は直営を堅持し、公社病院を含め独法化やPFI方式の実施は行わないことを強く求めます。
 コロナ対策では、感染拡大を防ぐPCR検査の抜本的拡充が重要ですが、まだ不十分です。東京iCDCの提言を速やかに具体化することを求めます。
 都民の暮らしが逼迫している中、来年度予算案に高すぎる国保料の新たな負担軽減策はなく、都の役割と責任を果たす姿勢が見られません。高齢者福祉施設の整備費補助の予算が軒並み削減されていることや、待機児童対策でも整備目標が後退していることは重大です。都民のくらしの実態にあった施設整備が必要です。

 わが党は、より抜本的な都民施策の充実に取り組み、医療や福祉最優先の予算にすることを強く求めるものです。

 まず、福祉保健局の予算について意見を述べます。
一、新型コロナウイルス感染症対策では、PCR等検査を抜本的に拡充すること。
一、民間で行われている自費検査について、精度管理が適正に行われ、検査結果が保健所に対して適切に伝わるようにすること。
一、大幅に減収している民間医療機関への支援を抜本的に強化すること。
一、新型コロナから回復した患者を受け入れる介護老人保健施設への支援を行うこと。
一、保健所と健康安全研究センターの人員を増やすこと。都保健所を増設すること。
一、国民健康保険料、税の負担軽減のために、さらなる財政措置を行うこと。
一、待機児童ゼロに向け、認可保育園を整備の中心にし、抜本的増設をすすめること。公立保育園の新設、増改築への整備費補助を行うこと。
一、福祉施設を増やすため、都営住宅、公社住宅の建てかえなどにより創出される用地の提供、公営企業、監理団体の保有する未利用地の活用を一層強化すること。都有地活用推進本部との連携で、高齢者施設、障害者施設を含め、都有地等を活用した福祉インフラ整備をさらに促進すること。
一、福祉、介護人材の賃金の大幅引き上げのため、都として独自助成を含む対策を強化すること。
一、福祉人材の職員配置の抜本的な改善をすすめること。
一、児童福祉司や児童心理司を大幅に増員するとともに、経験者からの任用などもふやし、人材育成に力を入れること。
一、介護保険料、後期高齢者医療保険料を軽減するため、区市町村、後期高齢者医療広域連合への財政支援を抜本的に拡充すること。
一、病院の窓口負担が二割に引き上げられた七十歳以上、七十五才未満の方の負担が一割負担となるよう、都独自の補助を実施すること。
一、特別養護老人ホーム、地域密着型サービスなどの整備費、運営費への補助を拡充し、大幅に増設すること。
一、補聴器購入補助制度を創設すること
一、NICUを二次医療圏ごとに整備する新たな計画をつくること。特に不足が著しい多摩地域の整備を促進するため、整備促進加算を創設すること。
一、島しょ地域住民が都内の医療機関にかかるための費用を補助すること
一、障害者医療費助成の対象をさらに精神保健福祉手帳二級以降、知的障害者愛の手帳三度以降、身体障害者三級以降へも拡大するとともに、六十五歳以上の新規認定も行うこと。
一、ひきこもり当事者の意見をよく聞いて、支援策に反映させること。
一、多摩都市モノレール、「ゆりかもめ」などにシルバーパスを適用し、現在の二万五百十円パスの対象者に対し、所得に応じた中間の費用負担の設定をすること。また、民営バスも、都県境をまたぐ路線でシルバーパスを利用できるようにすること。
一、出産育児一時金を都独自に上乗せすること。
一、義務教育就学児医療費助成の通院一回二百円の一部負担をなくし、通院も無料にすること。また、十八歳までの医療費無料化を実施すること
一、買い替え予定となっている災害用備蓄の生理用品を、学校などで配布するなど、「生理の貧困」問題の総合的対策を、区市町村との連携も含めて積極的に推進すること。
一、低所得でも利用できるように、認知症グループホーム入居者への家賃補助を実施すること。
一、障害者グループホームの都加算は、利用者が外泊や入院した日も同じ単価を保障する仕組みを復活することを初め、拡充すること。
一、心身障害者福祉手当を増額し、精神障害者にも適用するとともに、六十五歳以上の新規認定も再開すること。
一、盲ろう者支援センターを多摩地域にも設置すること。
一、AYA世代のがん患者に対する経済的負担軽減、相談支援の充実、ピアサポートや患者サロンの推進など、総合的支援を拡充すること。
一、都内避難者の孤立防止や総合相談窓口などの支援を拡充するとともに、都民と同様の行政サービスを受けることができるよう支援を強化すること。
一、大気汚染健康障害者の医療費助成事業の十八歳以上の新規認定と、全額助成を再開すること。
一、五月の大型連休中の検査・医療体制や、区市町村も含めた福祉に関する相談体制の確保のための対策を行うこと。

 続いて、病院経営本部に対して意見を述べます。
一、都立病院と公社病院の独立行政法人化は、直ちに撤回すること。公社病院は都立直営に転換すること。PFI方式による病院運営は、直営に戻す方向で検討し、広尾病院、神経病院などへのこれ以上の拡大は行わないこと。
一、旧府中療育センターの新型コロナ専用病院を運営するのに必要な職員定数を増やすことをはじめとして、都立病院、公社病院の医師、看護師、薬剤師等の配置を抜本的にふやすこと。
一、小児総合医療センター及び大塚病院の児童精神科を拡充するとともに、ほかの都立病院、公社病院で児童精神科医療を実施すること。
一、都立病院、公社病院で無料低額診療事業を実施すること。
一、入院している子どもの療養環境を改善するため、チャイルド・ライフ・スペシャリスト、ホスピタル・プレー・スペシャリストなどの役割の重要性を都として明確に認め、配置を進めること。院内保育士をふやすこと。
一、都立広尾病院と神経病院の改築に当たっては、地域住民や島しょ住民を初めとした都民の意見、要望を反映するよう努め、病床を縮小させず、差額ベッドを増やさず、都民が必要としている医療を拡充させること
一、多摩北部医療センターの建て替えは住民参加で進め、産科とNICUの設置、小児外科の設置、小児科の充実、高齢者の聞こえの支援の充実など、抜本的に充実すること。
一、公社病院の小児救急医療の拡充、重症障害児や神経難病患者の受け入れ、NICU、産婦人科の設置、透析室の拡充、脳卒中専門病床整備などを進めること。東部地域病院での放射線治療の実施に向けた検討を進めること。
一、がん検診センターの一次検診は継続し、人材育成をはじめとしたそのほかの事業についても、縮小ではなく拡充を進めること。
 以上です。

 無所属東京みらいを代表して、一般会計予算7兆5,651億円、特別会計や公営企業会計をあわせて15兆2,995億円にのぼる「令和三年度予算案」について、意見を申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症との戦いが一年を超えました。一年前と比べれば、ウイルスの特性が次第に分かるようになり、感染症対策の基本である「検査・追跡・隔離」そして医療体制の強化が図られてきたことは重要です。今後は、これから本格化するワクチン接種を見据えた医療体制、さらには変異株やリバウンドの兆候を早期に発見する検査体制の整備を行っていく必要があり、さらなる取組が求められます。

 一方で、コロナ禍による社会経済活動が縮小し、事業者や都民の暮らしに大きな影を落としています。緊急事態宣言の2週間の再延長による経済損失は7000億円とも言われ、都内のコロナ解雇は3月12日時点で2万1837人となりました。加えて、昨年の全国の小中高生の自殺は過去最多の499人とのことであり、また、大学のオンライン化や行事の縮小、中止によって、学生時代の貴重な学びの機会が失われています。私たちは、選択と集中による健全な財政運営を求めてきましたが、こうした状況を鑑みれば、さらなる財政出動による経済の下支えが必要なタイミングを迎えているのではないかと考えるところであり、一人ひとりに届くセーフティネットの強化を求めるものです。

 さて、来年度予算では、コロナ禍の先にある「誰もが輝ける、世界から選ばれる東京を創り出す」ために、「社会の構造改革」に取り組む内容が数多くみられることは重要です。一方で、社会の構造改革を進めるには、これまで当たり前とされてきた仕組みや制度を変えること、規制改革がより一層重要です。社会を変える方法は、予算措置だけではありません。今後厳しい財政局面を迎える可能性を念頭に、国と区市町村との役割分担や民間との協働を進め、都庁がなすべきものを見極め、注力するよう求めるものです。

 ここからは、各局について述べさせていただきます。
 まず、福祉保健局関連について申し上げます。

○ 保健所について、東京iCDCを中心に司令塔機能を発揮するとともに、感染症対策の基本である「検査・追跡・隔離」が円滑に進むよう、外部委託・民間人材の活用も含めた体制強化を図ること
○ 積極的疫学調査の徹底や繁華街等におけるモニタリング検査を実施し、新型コロナウイルス感染症の拡大を早期に発見し、おさえる取組を強化すること
○ 第四波の到来も見すえ、医療体制の強化と役割分担、ネットワーク化を進めること
○ 新型コロナワクチンの接種について、区市町村が安全に円滑に進めることができるよう適切な支援を講じること
○ 待機児童ゼロの先を見すえ、保護者の働き方によらない保育の全入化、子どもの権利である「保育保障」に向けて、保育の質と量の確保に努めること
○ 夜間保育や病児・病後時保育等も含めた多様な保育の推進を図り、認証保育所や認定こども園、小規模保育や居宅訪問型保育などの活用を促進すること
○ ベビーシッター利用支援事業について、一時預かり利用も活用が進むよう区市町村に働きかけること
○ 保育士の人材確保に向けて区市町村を支援するとともに、保育従事者宿舎借り上げ支援事業について、自治体ごとにばらつきがみられる運用ルールの平準化に努めること
○ 送迎保育ステーションの活用促進等を通じ、待機児童の地域偏在の是正を図ること
○ 保育所における医療的ケア児童の受け入れが進むよう区市町村を支援すること
○ 小学生の放課後の過ごし方の質の向上に向け、都型学童クラブの支援を行うこと
○ 学童の送迎支援の取組が進むよう、区市町村に積極的に働きかけること
○ とうきょうママパパ応援事業など、妊娠・出産期から子育て期にわたる切れ目のない支援の拡充に努めるとともに、産後ケアの質の向上に取り組むこと。

○ 在宅子育て家庭へのアウトリーチ支援施策が強化されるよう、区市町村に積極的に働きかけるとともに、さらなる支援を検討すること
○ 妊娠相談ほっとラインの周知を強化し、特定妊婦支援や妊娠葛藤相談をきめ細かく実施するとともに、民間団体と連携して居場所の確保等の支援を進めること
○ 児童虐待の未然防止に取り組む予防的支援とうきょうモデル事業について、取組の効果検証などを行いつつ、児童虐待の抜本的な解決を図るための人材育成や体制整備を図ること

○ 困難を抱える女性の支援にあたっては、民間支援団体等との連携を強化するとともに、女性相談センターにおける柔軟な対応、施設への直接入所などの検討を進めること
○ 里親委託にあたっては、児童本人の希望を踏まえ慎重に行うことに加え、家庭復帰につながる実親支援やペアレントトレーニングをさらに充実させ展開していくこと
○ 里親制度や特別養子縁組制度等に関する周知を強化するとともに、フォスタリング機関などを通じた里親支援の充実を図ること。また、里親養育専門相談事業等により、里親子に寄り添う体制をよりいっそう推進すること。
○ 新生児委託推進事業において、妊娠期からの委託に向けた取り組みの検討を行うこと
○ 社会的養護施設出身者の就学・就労・居住や育児等における自立に向けた支援を強化すること
○ 東京都ひとり親家庭支援センターにおける養育費相談や法律相談事業やひとり親家庭向けポータルサイトの周知を強化するとともに、区市町村の窓口での周知を働きかけること
○ 養育費の確保支援事業の活用が進むよう区市町村に働きかけること
○ 受験生チャレンジ支援貸付事業について、対象となる生徒の拡大、スポーツや芸術・文化体験なども含む対象となる内容の拡大など、さらなる充実を検討すること
○ 生活困窮者自立支援制度における学習支援における、いわゆるスタディクーポン事業について、生徒児童との交流や体験活動を支援する意義をふまえた取組とすること
○ 子供の居場所創設事業が広がるよう区市町村へ働きかけを行うとともに、都として必要な支援を行うこと
○ 若者の自殺対策においては、若年層の行動特性に応じたアウトリーチ型の情報周知につとめるとともに、SNS相談においては解決へと導くよう対応力の向上に努めること
○ 障害者が地域で包摂され暮らしていけるようグループホームの着実な整備をすすめるとともに、東京都障害者差別解消条例を周知し、社会の合理的配慮が進むよう取り組むこと
○ 障害者の就労支援に向け、区市町村ネットワークによる共同受注体制の構築を推進し、福祉・トライアルショップの展開に引き続き取り組むこと
○ テクノロジーの活用や経営的手法の導入により、障害者がより一層自分らしく働く機会を得ることができるよう取り組むこと
○ 全区市における児童発達支援センターの設置に向けて取組を強化するとともに、地域連携を進め、障害児等が早期に適切な療育に繋がる体制を整備すること
○ 重症心身障害児を支援する放課後等デイサービス事業所の整備を促進すること
○ 医療的ケア児童等コーディネーターのさらなる養成に努めると共に、地域での活躍、定着支援に向け施策を講じること
○ 在宅人工呼吸器使用者支援において、ポータブル電源、蓄電池の購入も補助の対象とするよう引き続き国に要望すること
○ ホームレスの行動特性を把握したうえでの実態調査を行うとともに、行政支援につながらないホームレスについて、民間団体等と連携して適切な支援を講じること
○ 高齢者の自立支援・重度化防止に向け取り組む区市町村を支援すると共に指標の評価について手法や効果を適宜発信すること
○ 動物愛護相談センターについて、シェルターとしての機能を有する動物との真の共生社会を示す施設としての検討をすすめること
○ 動物愛護管理法等の改正による数値規制や八週齢規制について周知を徹底するとともに、動物遺棄等につながらないよう適正飼育の推進を図ること
○ 依存症対策について、民間団体等と連携した地域共生型の支援が進むよう取り組むこと

 病院経営本部関係について申し上げます。
○ 新型コロナ専用施設や病棟において、消毒や清掃などの業務の民間委託を推進し、医師や看護師等の負担を軽減すること
○ 都立・公社病院において臨床研究分野を強化し、医療人材の育成に取り組むこと
○ 行政的医療にとって重要な麻酔科医の人材確保に向けて、柔軟な働き方の実現を目指すこと
○ 看護師の復職支援やスキルアップ、キャリアアップを図ることのできる環境整備とともに、看護補助者を積極的に配置し、医療現場におけるタスクシフティングを推進すること
○ 小児の在宅医療の受け入れなど、地域医療体制の整備推進に向けた人材育成や技術的支援、また情報提供を行うこと
○ 医療の地域連携体制の構築に向けて、中小の診療所に対するICT活用の支援やメリットについての情報発信を行うこと
○ 大規模災害に備え、広尾病院のもつ基幹災害拠点病院としての機能を充分に発揮し、地域における災害医療の地域ネットワーク強化を図ること

○ 児童虐待・DⅤ等への対応について、専門的知識を有する職員等を養成するとともに、地域の関係機関といっそうの連携強化をはかること

○ 未受診妊婦等支援が必要な方について、地域等との連携強化をはかり、地域の福祉に着実につなげていくこと
○ 独立行政法人化の検討をすすめるにあたっては、給与、人材確保、医療機器の購入などの観点から、最善の医療提供体制をつくるための検討を引き続き行うこと。


修正案の提出について

議員提出議案第三号 東京都こども基本条例
 右議案に対する修正案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  令和三年三月二十三日

(提出者)
 森澤 恭子  やまだ加奈子 柴崎 幹男  藤田りょうこ 小宮あんり のがみ純子 まつば多美子
 鳥居こうすけ 岡本こうき  桐山ひとみ  谷村孝彦   もり 愛  伊藤 ゆう 白石たみお

厚生委員長 殿

議員提出議案第三号 東京都こども基本条例に対する修正案
 議員提出議案第三号 東京都こども基本条例の一部を次のように修正する。
 前文中「東京が持続可能な発展を続けていく原動力は、時代を切りひらく「人」であり、今と未来を担うこどもは、人が輝く東京の活力の源泉である。」を削る。
 第三条中「認識の下」の下に「、こどもの権利条約の精神にのっとり」を加え、「最大限に」を削る。
 第十六条を第十七条とし、第十五条を第十六条とし、第十四条を第十五条とする。
 第十三条中「都は」の下に「、こどもの健やかな成長を支援するため、権利侵害その他の不利益を受けた場合等において、専門的知見に基づいて適切かつ迅速にこどもの救済を図ることができるよう」を加え、同条を第十四条とする。
 第十二条を第十三条とし、第十一条を第十二条とし、第十条を第十一条とする。
 第九条中「最大限に」を削り、同条を第十条とする。
 第八条を第九条とする。
 第七条中「意欲」の下に「や学ぶ権利」を加え、同条を第八条とする。
 第六条を第七条とし、第五条を第六条とし、第四条を第五条とし、第三条の次に次の一条を加える。
(こどもの権利)
第四条 都は、こどもの権利条約を踏まえ、こどもの生きる権利、育つ権利、守られる権利及び参加する権利をはじめとした、こどもの権利を尊重し、擁護するための施策を推進するものとする。
 附則を附則第一項とし、同項に見出しとして「(施行期日)」を付し、附則に次の二項を加える。
(検討)
2 この条例の施行後三年を経過した場合において、この条例の施行の状況及びこどもを取り巻く状況等について検討し、時代の要請に適合するものとするために必要な措置を講ずるものとする。
3 前項の検討を行うに当たっては、こどもの意見を反映させるため、こどもの意見を聴く機会を設けるものとする。

(提案理由)
 こどもの権利条約の精神にのっとり、全てのこどもたちが今と未来への希望を持って伸び伸びと育っていけるよう、社会全体でこどもを育むため、規定を整備する必要がある。

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