厚生委員会速記録第五号

平成三十一年三月二十日(水曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長栗林のり子君
副委員長白石たみお君
副委員長桐山ひとみ君
理事小宮あんり君
理事まつば多美子君
理事岡本こうき君
伊藤しょうこう君
もり  愛君
斉藤れいな君
藤田りょうこ君
清水 孝治君
遠藤  守君
後藤 なみ君
木下ふみこ君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長内藤  淳君
総務部長後藤 啓志君
病院経営本部本部長堤  雅史君
経営企画部長児玉英一郎君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 厚生委員会所管分
・第五号議案 平成三十一年度東京都国民健康保険事業会計予算
・第六号議案 平成三十一年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
・第七号議案 平成三十一年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・第十八号議案 平成三十一年度東京都病院会計予算
付託議案の審査(決定)
・第五十九号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第六十号議案 東京都心身障害者福祉センター条例の一部を改正する条例
・第九十九号議案 東京都子供への虐待の防止等に関する条例
・第百号議案 東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・議員提出議案第二号 子どもの属する世帯に係る国民健康保険料又は国民健康保険税の補助に関する条例
・第九十九号議案に対する修正案
陳情の審査
1 三〇第二〇号の一 児童虐待及び虐待死の根絶に関する陳情
2 三〇第四〇号 陳情三〇第二〇号の一の平成三十年第三回定例会中の議決を求めることに関する陳情
3 三〇第六一号 陳情三〇第二〇号の一等の平成三十年第四回定例会中の議決を求めることに関する陳情
4 三〇第六二号 児童虐待に対して関係機関が一丸となることを求めることに関する陳情
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○栗林委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○栗林委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査及び付託議案の審査、陳情の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、厚生委員会所管分、第五号議案から第七号議案まで及び第十八号議案を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○もり委員 平成三十一年度予算は、東京二〇二〇大会を推進力とし、東京が成熟都市として新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう、未来に向けた道筋をつける予算として、第一に、局横断的な連携や行政にはない新たな発想の活用により、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーを実現するための戦略的な施策を積極的に展開すること、第二に、ワイズスペンディング、賢い支出の視点により、自律的な都政改革を不断に推し進め、一層無駄の排除を徹底し、健全な財政基盤を堅持すること、第三に、東京二〇二〇大会の開催準備の総仕上げを着実かつ効率的に進めることの三点を基本に構成されております。
 一般会計予算七兆四千六百十億円、特別会計と公営企業会計を含めた全会計予算十四兆九千五百九十四億円の平成三十一年度予算には、防災対策や都民に身近な犯罪対策、国際金融都市、観光都市対策、中小企業対策、ゼロエミッション対策、未来を担う人材の育成対策、待機児童対策、児童虐待対策、女性活躍対策、高齢者対策、多摩・島しょの振興など、都民生活にとって欠かすことができない大切な経費が盛り込まれております。
 他方、都財政については、今後の人口減少、少子高齢化の影響を織り込み、また歳入面では、国による都税の収奪に加え、景気変動に大きく影響を受ける法人二税の割合が高いことを踏まえれば、都民のための施策を継続的に行うために強い財政基盤が必要です。
 そのため、東京二〇二〇大会を成功させ、これを推進力として東京の稼ぐ力を充実させるとともに、費用対効果分析を踏まえた政策評価、事業評価を徹底して予算の効率化を図り、東京二〇二〇大会後を見据えた大胆な行政改革にも着手していく必要があります。
 今後とも、いかなる状況のもとにあっても、都民ファーストの視点から、三つのシティーの実現に向けて、東京が成熟都市として新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう、効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望し、各局事業について述べさせていただきます。
 まず、福祉保健局関係について申し上げます。
 一、待機児童解消を図るために、地域の実情に合った多様な保育ニーズに対応、支援すること。また、ベビーシッター利用支援事業を区市町村が円滑に利用できるよう支援すること。
 一、認可外保育施設に対する巡回指導チームを強化すること。区市町村と連携し、改善が必要な施設に対して指導強化すること。
 一、産後鬱の予防や、新生児や乳児への虐待防止を図る観点から、産後間もない時期の産婦に対する産婦健康診査事業や産後ケア事業を一層進め、支援が必要な産婦を早期発見、支援につなげること。
 一、各種の防災対策を一層推進すること。
 一、乳児用液体ミルクの備蓄を検討し、災害時の有効性を検証するとともに、普及啓発を進めること。
 一、病児、病後児保育の広域利用の推進と区市町村の実情に応じた体制整備を図ること。
 一、学童クラブの質の担保が図れるよう助言するとともに、都型学童への移行支援を引き続き行うこと。
 一、幼児教育無償に伴う給食費や差額補助に取り組むこと。
 一、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツ、性と生殖に関する健康と権利に基づいた普及啓発と性教育等も含め、未受診妊婦対策をより積極的に進めること。
 一、子供を虐待から断固守るという強い意思のもと、児童虐待対策をより積極的に進めること。区市町村、関係機関、民間団体、警察との連携を一層推進すること。早期発見のみならず、未然防止及び家庭の再統合など、重層的に取り組みを強化すること。児童相談所及び一時保護所の人員を拡充するとともに、専門性を高め、人材育成を図ること。児童相談所への常勤弁護士配置を検討し、効果的な体制を整備すること。児童相談所の移管に向けては、区市町村とより一層情報共有、連携し、整備に向けた支援を行うこと。
 一、たたかない、どならない子育ての啓発を、あらゆる機会を通じて啓発すること。
 一、子供の意見を尊重し、気持ちに寄り添い、子供の最善の利益を図ること。
 一、東京都子供への虐待の防止等に関する条例については、制定後も不断の検討を加え、よりよい条例及び体制を目指すこと。
 一、児童相談センターや児童相談所は、区市町村や保健分野と効果的に連携すること。児童心理司、児童福祉司が、より長期にわたってケースワークを続けられるようにすること。
 一、社会的養護においては、児童の措置は養育家庭委託を最優先とすること。意思表示を明確にできない児童にはアドボケーターをつけ、スペシャルニーズには養育を受けさせ、性的マイノリティーであると思われる児童に対しては配慮をする体制をつくること。
 一、民間あっせん事業者と児童相談所がしっかりと連携し、里親開拓やフォスタリング支援を行い、子供の権利という視点からも特別養子縁組をこれまで以上に推進すること。
 一、子供の貧困対策強化、学習支援、子供食堂、親支援など、区市町村と連携し、地域全体で子供たちを育む地域交流拠点としての子供食堂事業が進むよう支援を強化すること。
 一、ダブルケア家庭の支援に向けて、実態調査など必要な対策を講じること。
 一、平成三十一年度より福祉保健局に移管されるひきこもり支援については、青少年・治安対策本部からの引き継ぎをしっかりと行うとともに、職員体制強化、福祉的資源を活用し、当事者と家族の声を施策に酌み上げながら、八〇五〇問題等、家庭を統合した支援を図ること。
 一、障害者差別解消条例に定めた合理的配慮の提供の義務化に伴い、心のバリアフリーが東京二〇二〇大会のレガシーとなるよう、一層の理解促進に取り組むこと。
 一、障害者差別への理解促進に向けて、都の職員、都内企業の研修に、DET、障害平等研修を取り入れること。
 一、ヘルプマークのさらなる普及と耳マークの案内版の表示に対する周知を図ること。
 一、障害者歯科医療の一層の支援体制の充実に取り組むこと。
 一、福祉人材の定着や生産性向上に資する取り組みを強化すること。
 一、聴覚障害者における手話言語及び中途難聴、失聴の筆談等、特性に応じた配慮がなされるよう支援の促進を図ること。
 一、保育所等訪問支援事業において、作業療法士など専門性が高い職員を派遣できる体制を強化すること。発達障害などを早期に発見し支援につなぐ知的障害児等養育支援事業や、区市町村の巡回相談などを強化すること。
 一、重症心身障害児や医療的ケア児が保育サービス、児童発達支援事業、放課後等デイサービスを利用できる体制を強化すること。
 一、児童発達支援センターを各区市町村に早急に一カ所以上整備すること。グループホームや通所施設など、基盤整備を推進すること。
 一、東京都受動喫煙防止条例及び東京都子どもを受動喫煙から守る条例施行に伴い、区市町村や関係機関及び関係団体と連携し、周知と啓発を強化し推進すること。学校周辺道路や公園等、屋外における受動喫煙対策にも一層取り組むこと。区市町村が飲食店に向けた啓発の個別訪問を効果的に行うことができる体制を整備すること。
 一、たばこの喫煙率の減少に向けた取り組みを一層推進すること。禁煙教育を推進すること。
 一、各区市町村の路上喫煙対策の状況を調査の上、広く都民に情報発信を行うこと。
 一、関係各局、関係機関との連携の上、住宅における受動喫煙問題について検討し、禁煙マンション、禁煙アパートの普及を推進すること。
 一、医療と介護が連携したフレイルの多面性に応じた総合的な対策を検討し、区市町村へ普及啓発と事業支援を積極的に進めること。
 一、フレイルチェックを導入し、区市町村が行うフレイル予防事業の推進と、健康長寿医療センターの知見を生かすこと。
 一、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせる地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを進めること。
 一、がん対策の一次予防の受診率を向上させ、二次検診の精検受診者が区市町村に結果を伝えるよう、検診の方法や精度管理の充実を図ること。
 一、東京都健康長寿医療センターや東京都医学総合研究所が開発する認知症研究などの成果を施策に反映すること。
 一、特別養護老人ホームの計画的な整備や、身近な地域での住宅サービスの在宅の基盤整備を図ること。
 一、認知症がある家族を擁護する者に対する支援を強化すること。
 一、居住喪失者や不安定就職者を支援すること。
 一、長期化、高齢化したホームレスを生活保護に結びつけるための支援を区市町村とより連携して行うこと。
 一、アルコール、薬物、ギャンブル等その他の各種の依存症対策を推進すること。
 一、急増する海外からの訪都旅行者、都内在住の外国人に対する精神科救急医療体制を推進すること。
 一、東京二〇二〇大会開催に向けた感染症対策を強化し、発生抑制対策などを推進すること。
 一、殺処分ゼロに向け、保護動物の譲渡の促進や動物愛護団体への支援の充実、動物愛護相談センターの機能強化を図ること。終生飼育、譲渡啓発をしっかりと進め、殺処分に至る動物の根絶に引き続き取り組むこととともに、都として、終生飼養、譲渡啓発に協力的な動物販売業者の推奨を行うこと。不明動物を減らすため、マイクロチップの埋め込みの義務づけを検討すること。
 一、動物愛護の推進、動物との共生社会の観点から、動物愛護センターの早期の移転及び動物愛護精神にのっとったセンター建設を進めること。
 次に、病院経営本部関係について申し上げます。
 一、高度化、多様化する都民の医療ニーズに対応できるよう、行政的医療の充実を図ること。一般会計繰入金の支出に対し、引き続き検証を行うこと。
 一、多摩メディカル・キャンパス整備基本構想及び整備基本計画(案)に沿って、キャンパス内の相互連携体制を一層強化し、専門性の高い医療の提供を図り、もって多摩地域全体の医療水準の向上を図ること。
 一、医療の高度化、専門化、ICTの進展に適切に対応し、安定的なシステム運用の継続に向けて、電子カルテシステムの計画的な更新を進め、医療サービスの充実を図ること。
 一、患者や家族への相談支援体制の強化に向け、東京都難病相談・支援センターなどの施設との連携を推進し、情報の積極的発信に努めること。
 一、若手医師の確保に向け、東京医師アカデミーの運営強化を進め、勤務医不足が顕著な診療科への研修内容の充実を図ること。
 一、都内に居住、在住する外国人への安心・安全の医療を提供し、東京二〇二〇大会に向けた医療体制の強化を図ること。
 都庁で最も大きな予算規模の福祉保健局全ての事業の立案に対し、数値目標の設定、効果の把握等の視点を要望し、全ての意見開陳を終わります。

○遠藤委員 都議会公明党を代表し、意見開陳を行います。
 近年、日本各地で多発する自然災害や、世界の激しい都市間競争、そして迫りくる人口減少社会など、都を取り巻く環境は大きく変化しております。
 こうした状況の中、平成三十一年度一般会計予算案は、都民の安全・安心の確保、東京の稼ぐ力の強化などに重点的に予算措置を行うとともに、事業評価の取り組みのさらなる強化による無駄の排除の徹底や基金、都債の戦略的な活用などにより、強固な財政基盤を堅持するなど、これまで以上にめり張りのきいた予算となっております。
 具体的には、二〇二〇年に向けた実行プランに掲げる事業を一〇〇%予算化するとともに、都議会公明党が強く求めてきた、国の幼児教育無償化に合わせた多子世帯に対する都独自の支援や、体育施設への空調設置、不妊検査や不妊治療への助成対象拡大、また昨年九月に行った防災事業の緊急総点検などを踏まえた防災、減災対策の大幅な強化など、都民の暮らしを守るための施策が随所に盛り込まれております。
 一方で、事業評価の取り組みでは、新たにコストベネフィットの視点を踏まえた評価を開始するとともに、我が党がこれまで積極的な活用を求めてまいりました複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用し、いずれも過去最高となる八百三十七件の見直し、再構築により、約九百億円の財源確保へとつなげております。
 平成三十一年度一般会計予算案は、都民生活をしっかりと守る予算、健全な財政運営にも目くばせをした予算として高く評価するものであります。
 一方、都財政は、景気変動に大きく影響を受けやすい不安定な歳入構造にある上、さらに、平成三十一年度税制改正において、地方法人課税のいわゆる偏在是正について新たな措置が講じられることとなり、平成三十二年度以降、大幅な減収が見込まれるなどその先行きは予断を許す状況にありません。
 また、一年後に迫った東京二〇二〇大会の開催準備のみならず、都民の生命と財産を守るための防災、減災対策、本格的な少子高齢、人口減少社会の到来、老朽化が進む社会資本ストックの維持更新など、都の財政需要は今後ますます増大していくことが見込まれます。
 こうした状況をしっかりと踏まえ、あらゆる事態を想定するとともに、事業評価や基金、都債を戦略的に活用した財政運営について、これまで以上に創意工夫を凝らし、磨きをかけることで、いかなる状況にあっても都民生活を守る財政運営を行っていくことを強く望むものであります。
 それでは初めに、各局別に意見を申し上げます。
 まずは、福祉保健局関係についてであります。
 一、福祉先進都市実現基金を活用し、二〇二〇年に向けた実行プランに基づく施策を着実に進めること。
 一、在宅療養体制を推進し、認知症グループホームやケアハウス、小規模多機能拠点など、高齢者用の地域密着型施設の増強を図るとともに、在宅療養支援窓口や訪問看護ステーションの充実を図ること。
 一、ICTやロボットなどの活用を積極的に進めて、医療、福祉人材及び障害当事者らの負担の緩和、活躍の促進を図ること。
 一、多摩地域や島しょなどの広域的活用を含めて特別養護老人ホームの整備を進めること。
 一、若年や高齢を問わず、MCIを含めた認知症患者とその家族を支える体制を強化し、相談体制の充実に努めること。また、チェックリストを活用した普及啓発や認知症検診に取り組む区市町村を支援するなど、早期診断、早期対応の取り組みを一層推進すること。
 一、保育の待機児童の解消を図る区市町村事業を広く柔軟に支援すること。また、認可、認証保育所、認定こども園、家庭的保育などを幅広く推進し、多様な保育ニーズに迅速的確に対応すること。加えて、公有地や遊休物件の活用を図り、子育て施設の増強を進めること。
 一、不妊検査、治療費の助成拡充、不育症の検査費助成制度の創設や、全ての新生児が安心して聴覚検査を受けられる体制整備の推進を図るなど、妊娠から子育てに至る一貫した支援の充実を図ること。また、妊婦健診の普及啓発や産前産後ケアの充実、企業やNPO法人などによる子育て支援の促進を図ること。
 一、社会全体で虐待の防止に関する理解を深め、その防止に関する取り組みを推進するとともに、中長期的な視野から児童相談体制の強化を図ること。
 一、都外を含め、障害児者の入所施設の利用者の地域移行を公平に支援するとともに、グループホーム及び通所施設、児童発達支援センター等の基盤を整備すること。
 一、発達障害者やひきこもり者の自立支援の充実に向け、年代を超えた切れ目のない支援、特性に応じた支援の強化を図ること。
 一、精神疾患に関する地域医療連携体制を整備するほか、就労支援を強化すること。
 一、ハイリスクに対応した周産期母子医療センターの整備を進め、二十四時間体制での対応の充実を図ること。特に多摩地域での整備のおくれを解消すること。
 一、東京都がん対策推進計画に基づき、新たながん治療の開発、がん登録、がん教育、小児、AYA世代のがん対策、緩和ケア、ピアカウンセリング、がん患者の就労支援などをさらに強化すること。あわせて、女性の健康週間等を活用し、女性のがん対策の普及啓発を図ること。
 一、平成三十年六月に制定した東京都受動喫煙防止条例の円滑な施行を図るとともに、東京都子どもを受動喫煙から守る条例への理解を広げる等、東京オリンピック・パラリンピックに向け、都民及び東京を訪れる人の受動喫煙防止に向けた取り組みを一層強化すること。
 一、意欲的に救急患者を受け入れる医療機関への支援の強化や、受け入れ調整を行う地域救急医療センターの充実を図ること。
 一、小児科、産科など地域医療を担う医師を育成するため、奨学金制度の取り組みを進めるほか、勤務医の離職防止や離職看護師の復職に向け効果的な支援を行うこと。
 一、難病医療ネットワークを構築し、難病患者を早期診断から地域での療養生活まで支える体制の充実を図ること。
 一、災害用備蓄に関し、専門家の知見を導入して実用性の高い倉庫管理に努めること。特に、食料品は、更新時に食品ロスの軽減、食べやすい食品への移行を進めること。
 一、殺処分ゼロに向け、動物飼養情報の普及、保護動物の譲渡の促進、動物愛護団体への支援の充実、動物愛護相談センターの機能強化、災害時の同行避難の促進を図ること。
 一、各病院に対し、転院支援情報システムの一層の活用、促進を促すこと。
 次いで、病院経営本部関係について申し上げます。
 一、都立病院は、行政的医療を適正に都民に提供するとともに、患者サービスの向上を目指し、専門外来の充実等、都民の医療需要に応じた適切な体制整備を行い、医療機能の充実に努めること。
 一、がん診療について、集学的治療の実践や小児がん医療への取り組み、がんに関する普及啓発等のさらなる充実に努めるとともに、患者支援センターによる就労支援や社会保険労務士との連携による相談の充実、診療体制の整備などにより、がんの治療と仕事の両立を支援すること。
 一、女性医療の充実のため、都における女性医療の拠点として、大塚病院の機能強化を図ること。また、多摩メディカルキャンパスの整備に当たっては、女性特有のがん対策として、プライバシーやアメニティーに配慮し、女性が受診しやすい環境を整備すること。
 一、小児総合医療センターは、こども救命センターとして小児重篤患者を二十四時間三百六十五日受け入れることで、多摩における小児の高度医療を担うとともに、今後も都民が安心できる小児救急医療体制を維持すること。
 一、平成三十一年二月にアレルギー疾患医療拠点病院及び専門病院に指定された小児総合医療センター、多摩総合医療センターを初め、都立病院におけるアレルギー医療の充実を図ること。また、拠点病院である小児総合医療センターにおいて、地域の医療従事者育成の取り組みの促進を図ること。
 一、東京医師アカデミー、東京看護アカデミーの取り組みにより、行政的医療を担う医療人材の確保、育成を図ること。また、育児中等の医師が安心して働くことができる環境整備とともに、復職を希望する医師に対する研修実施に積極的に取り組むこと。
 一、小児科のある都立病院において、限られた医療資源を活用し、病児、病後児保育の実施拡大に向けた取り組みを進めること。
 一、公益財団法人東京都保健医療公社病院は、地域の中核病院として、地域の医療ニーズに的確に対応し、医療水準の向上に努めること。
 以上をもちまして都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。ありがとうございました。

○伊藤委員 平成三十一年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成三十一年度予算案は、ラグビーワールドカップの成功、二〇二〇年東京大会に向けた準備の総仕上げとともに、昨年相次いだ自然災害を教訓とした防災対策など、直面する行政課題に的確に対応することで、二〇二〇年大会後の東京の発展に向けた基礎をつくる大事な予算です。
 今後も、都民福祉の向上に実際に役立つ施策を精力的に推進するとともに、東京の将来の発展を支える、強固で弾力的な財政基盤を構築していくことを要望いたします。
 さて、三月六日に平成三十年度の最終補正予算が中途議決され、築地跡地を五千四百二十三億円で有償所管がえすることが可決されました。新年度予算では、この有償所管がえを前提にした予算が計上されています。
 一つは、一般会計に築地跡地を有償所管がえした、いわば売り主である中央卸売市場が行う土壌汚染対策や埋蔵文化財調査に係る経費です。これは、当該用地を民間に売却した場合でも同じであり、有償所管がえを当初から主張していた我が党は当然の経費と考えています。
 もう一つは、築地用地を取得した一般会計に計上された、築地まちづくりに向けた委託契約に要する約七千万円弱の経費です。
 築地跡地は民間売却し、豊洲移転経費の補填のため税金は投入せずに、再開発は民間活力を活用するというのが我が党の主張です。
 しかし、今回、五千億円を超える一般財源を投入しながら、具体的な開発計画はこれから考え、また財源スキームも、年間百五十億円もの賃料を五十年間にわたって稼ぎ出して税金の穴埋めをするというものです。
 すなわち、突然の有償所管がえを最終補正予算として処理する行政手続も特殊であり、財源スキームも不明確な築地まちづくりをこのまま推し進める委託契約は、責任ある都政運営、健全な都財政の維持という観点から、大きな問題を抱えているといわざるを得ません。
 このため、我が党は、今後の予算特別委員会において、こうした課題を抱えた新年度予算の取り扱いについて、さらに質疑を重ね、必要な提案をしてまいります。
 本委員会の所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、まずこのことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 最初に、福祉保健局関係について申し上げます。
 一、福祉先進都市実現基金を活用し、二〇二〇年に向けた実行プランに基づく施策を着実に進めること。
 一、東京都地域防災計画に基づき、全ての病院の耐震化促進や災害拠点病院の整備や、また災害医療コーディネーターを核とした災害医療体制の充実に努めること。
 一、NICUの増床とともに、ハイリスク妊産婦や新生児、重篤な小児救急患者に係る高度な医療を提供する医療機関に対し、施設整備や医師の確保など、総合的な支援に努めること。
 一、高齢化のさらなる進展を見据え、市区町村による在宅医療の取り組みを支援し、在宅療養環境の充実に努めること。
 一、がん診療連携拠点病院の機能強化を図りつつ、地域の病院、診療所との効果的な連携や各医療機関の機能、専門性を生かした役割分担など、がん医療提供体制の充実に努めること。
 一、喫煙と健康についての正しい知識の普及啓発を推進するとともに、昨年六月に制定した受動喫煙防止条例の円滑な施行に向けて、罰則の公平かつ適正な運用も含め、市区町村と連携し、受動喫煙防止への取り組みの強化を図ること。
 一、特別養護老人ホームの計画的な整備とともに、地域での在宅サービスの基盤整備を図るため、ショートステイや市区町村が行う地域密着型サービス拠点の整備促進を図ること。
 一、急速な高齢化と生産年齢人口の減少に対応するため、将来に向けた介護人材の安定的確保を図ること。
 一、特養経営支援事業などにより、特養老人ホームに入所する医療的ケアが必要な方々への支援を充実すること。
 一、急増する認知症患者と家族を地域で支え、安心できる暮らしを確保するため、認知症の初期から中重度までの段階に応じた支援策の一層の充実を図ること。
 一、待機児童の解消に向けては、保育の実施主体である市区町村の取り組みを広く柔軟に支援するとともに、人材の確保、育成を支援すること。また、多様な主体による認可保育所の整備、認証保育所の設置促進のほか、認定こども園、家庭的保育、小規模保育の充実などにも取り組み、保育サービスの拡充を図ること。
 一、全ての人が安心して子供を産み育てられるよう、不妊検査及び不妊治療に要する費用の助成や、妊娠期から子育て期への切れ目のない支援体制の充実を図ること。
 一、児童虐待を早期に発見し適切に対応するため、児童相談所や子供家庭支援センターの組織体制などを一層強化するとともに、専門職や関係機関のさらなる連携強化を図ること。また、虐待の未然防止に関する市区町村の取り組みへの支援を充実させること。
 一、子育て支援の充実を図るため、企業やNPO法人などの取り組みを支援するとともに、利用者や地域の支援を実施するなど、機能強化を図る市区町村を支援すること。
 一、障害者が地域で安心して生活するため、グループホームなどのサービス基盤や児童発達支援センターの整備促進を図ること。また、医療的ケアが必要な障害児が地域で適切な支援を受けられるよう環境の整備を図ること。
 一、身近な地域で精神障害者が治療を継続し、安心して自立できるよう、精神科医療の仕組みづくりや就労支援に取り組むこと。
 一、福祉サービスの基盤整備を促進するため、市区町村への情報提供の充実など公有地活用の推進とともに、民有地の活用策についても検討すること。
 一、エボラ出血熱などの感染症の流行などに備え、対策を充実強化すること。また、新型インフルエンザに備え、医療資器材の備蓄など対策に万全を期すこと。
 一、動物愛護精神の涵養や飼い主のいない猫対策の推進とともに、保護した動物の譲渡を拡大し、殺処分ゼロを実現するための施策の充実を図ること。また、動物愛護相談センターの機能強化も図ること。
 次に、病院経営本部関係について申し上げます。
 一、安心して医療を受けられる環境整備のため、都立病院が培ってきた高度専門的な機能を生かし、地域医療の充実に貢献することで、新たな東京の医療提供体制の構築に取り組むこと。
 一、行政的医療の安定的な提供、地域医療への貢献など、都立病院の使命を将来にわたり果たすべく健全な経営基盤の確立に努めるとともに、持続可能な経営形態のあり方についても検討すること。
 一、地域包括ケアシステムの構築に向け、関係機関とのネットワーク構築やICTを活用した患者情報の共有など、モデルとなる取り組みを推進すること。また、都立病院の医療人材を活用し、医師の派遣や訪問看護ステーションへの技術支援など、地域医療を担う人材の育成に貢献すること。
 一、多摩メディカルキャンパスの整備に当たっては、小児期から成人期に至る難病やがん医療などを強化するとともに、難病のリハビリテーションや地域での療養支援機能などの充実を図ること。また、多摩キャンパスにおける災害時の対応力強化とともに、駐車場増設などの構内環境整備についても早期に進めること。
 一、広尾病院の改築、整備を進め、東京の安心を支える責務を果たすこと。また、島しょ医療の基幹病院として、救急患者の受け入れや画像伝送による診療支援等に加え、患者家族宿泊施設の充実など、島しょの患者さんの安心をサポートすること。
 一、患者支援センターにおける治療と仕事の両立支援に関する相談のほか、社会保険労務士の活用や医療メディエーターの養成など、患者支援機能の充実強化を図ること。
 一、公益財団法人東京都保健医療公社病院は、地域の中核病院として、医療ニーズに的確に対応し、都立病院とともに、精神科医療や感染症医療などの行政的医療に積極的に対応すること。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○藤田委員 日本共産党都議団を代表して、二〇一九年度予算案について意見を述べます。
 来年度予算案は、児童虐待緊急対策のため、児童福祉司などの人員拡充や子供家庭支援センターへの支援の拡充などが計上されたことは重要です。また、第二子以降の子供の保育料への独自支援も行われます。
 一方、待機児童対策では、二万一千人分の増を見込んでいますが、待機児童ゼロの実現の展望は示されていません。公立保育園を含め、認可保育園を中心に抜本的な増設と質の向上を進めることが求められています。
 安倍政権のもとで負担増と社会保障の切り捨てが進む中、都民の生活を守る内容は不十分です。国民健康保険料、税に対しては、高過ぎる保険料の新たな負担軽減策はなく、都の役割と責任を十分果たしていない予算です。
 病院経営本部では、地方独立行政法人を含めた経営形態の検討調査費用が昨年度に引き続き計上されたことは重大です。神経病院の建てかえ等に当たり、PFI方式で行うことを検討することも許されないことです。都立病院が、全ての都民のための病院というそもそもの存在意義に基づいて、都民医療を守るために直営を堅持し、独法化やPFI方式の実施は行わないことを強く求めます。
 我が党は、より抜本的な都民施策の充実に取り組み、医療や福祉最優先の予算にすることを強く求めるものです。
 まず、福祉保健局の予算について意見を述べます。
 一、国民健康保険料、税の負担軽減のために、さらなる財政措置を行うこと。生活を困窮させるおそれがあるときには、差し押さえを行わないよう区市町村に周知徹底すること。
 一、待機児童ゼロに向け、認可保育園を整備の中心にし、抜本的増設を進めること。公立保育園の新設、増改築への整備費補助を行うこと。
 一、都営住宅、公社住宅の建てかえなどにより創出される用地の提供、公営企業、監理団体の保有する未利用地の活用を一層強化すること。都有地活用推進本部との連携で、高齢者施設、障害者施設を含め、都有地等を活用した福祉インフラ整備をさらに促進すること。
 一、福祉、介護人材の賃金の大幅引き上げのため、都として独自助成を含む対策を強化すること。民間社会福祉施設サービス推進費補助は、経験年数加算を行うことを初め、改善、拡充、増額すること。
 一、福祉人材の職員配置の抜本的な改善を進めること。
 一、児童福祉司や児童心理司を大幅に増員するとともに、経験者からの任用などをふやし、人材育成に力を入れること。
 一、介護保険料、後期高齢者医療保険料を軽減するため、区市町村、後期高齢者医療広域連合への財政支援を抜本的に拡充すること。
 一、病院の窓口負担が二割に引き上げられた七十歳以上の方の負担が一割負担となるよう、都独自の補助を実施すること。
 一、公設公営学童クラブの時間延長等の充実を図るため、都型学童クラブの補助対象に公設公営施設を加えること。
 一、特別養護老人ホーム、地域密着型サービスなどの整備費、運営費への補助を拡充し、大幅に増設すること。
 一、介護者、介助者の孤立化防止と総合的支援策の確立に向け、実態調査を実施すること。
 一、NICUを二次医療圏ごとに整備する新たな計画をつくること。特に不足が著しい多摩地域の整備を促進するため、整備促進加算を創設すること。
 一、障害者医療費助成の対象を、さらに精神保健福祉手帳二級以降、知的障害者愛の手帳三度以降、身体障害者三級以降へも拡大するとともに、六十五歳以上の新規認定も行うこと。
 一、多摩都市モノレール、「ゆりかもめ」などにシルバーパスを適用し、現在の二万五百十円パスの対象者に対し、所得に応じた中間の費用負担の設定をすること。また、民営バスは、都県境をまたぐ路線でシルバーパスを利用できるようにすること。
 一、小児救急に対する休日・全夜間救急診療事業を拡充し、六十カ所の整備目標を早期に実施すること。
 一、義務教育就学児医療費助成の通院一回二百円の一部負担をなくし、通院も無料にすること。また、十八歳までの医療費無料化を実施すること。
 一、不育症の検査、治療への助成を実施すること。
 一、病虚弱児に対する十分な医療体制を持つ乳児院を、小児総合医療センターに併設するなどして設置すること。
 一、生活保護世帯に、熱中症対策として冷房機器設置支援を実施すること。
 一、低所得でも利用できるように、認知症グループホーム入居者への家賃補助を実施すること。
 一、障害者グループホームの都加算は、利用者が外泊や入院した日も同じ単価を保障する仕組みを復活することを初め、拡充すること。
 一、認知症疾患医療センターを増設し、支援を拡充すること。
 一、心身障害者福祉手当を増額し、精神障害者にも適用するとともに、六十五歳以上の新規認定も再開すること。
 一、盲ろう者支援センターを多摩地域にも設置すること。
 一、精神障害者と家族への多職種チームによる訪問型支援、アウトリーチ支援を拡充すること。
 一、AYA世代のがん患者に対する経済的負担軽減、相談支援の充実、ピアサポートや患者サロンの推進など、総合的支援を拡充すること。
 一、都内避難者の孤立防止や総合相談窓口などの支援を拡充するとともに、都民と同様の行政サービスを受けることができるよう支援を強化すること。福島県の十八歳までの医療費助成を、都内に避難している子供たちにも、保険の種類や避難元の自治体にかかわらず現物給付にできるよう対策を講じること。
 一、放射性物質による健康影響調査を行う区市町村に補助をすること。
 一、大気汚染健康障害者の医療費助成事業の十八歳以上の新規認定と全額助成を再開すること。
 続いて、病院経営本部に対して意見を述べます。
 一、都立病院の運営は直営を堅持して拡充し、地方独立行政法人化はしないこと。PFI方式による病院経営は、直営に戻す方向で検討し、広尾病院、神経病院などへのこれ以上の拡大は行わないこと。
 一、都立病院、公社病院の医師、看護師、薬剤師等の配置をふやすこと。
 一、小児総合医療センター及び大塚病院の児童精神科を拡充するとともに、ほかの都立病院、公社病院で児童精神科医療を実施すること。
 一、東京医療技術者アカデミーを開設し、専門性の高い医療技術者を養成すること。
 一、都立病院、公社病院で無料低額診療事業を実施すること。
 一、入院している子供の療養環境を改善するため、チャイルド・ライフ・スペシャリスト、ホスピタル・プレー・スペシャリストなどを小児総合医療センターなどに配置すること。院内保育士をふやすこと。また、ファシリティードッグを配置すること。
 一、都立広尾病院と神経病院の改築に当たっては、地域住民や島しょ住民を初めとした都民の意見、要望を反映するよう努め、病床を縮小させず、差額ベッドをふやさず、都民が必要としている医療を拡充させること。
 一、公社病院の小児救急医療の拡充、重症障害児や神経難病患者の受け入れ、NICU、産婦人科の設置、透析室の充実、脳卒中専門病床整備などを進めること。東部地域病院での放射線治療の実施に向けた検討を進めること。
 一、がん検診センターの一次検診は継続し、人材育成を初めとしたそのほかの事業についても縮小ではなく拡充を進めること。
 以上です。

○斉藤委員 平成三十一年度東京都予算案は、東京二〇二〇大会を推進力とし、東京が成熟都市として新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう、未来に向けた道筋をつける予算として位置づけられ、過去最大の一般会計歳出総額七兆四千六百十億円となりました。
 将来に向けた投資を行うという趣旨には賛同する一方で、都税収入の不安定な構造による大幅な税収減のリスクや新たな税の偏在是正措置の影響を鑑みれば、より一層の選択と集中を行うべきです。
 来年度は政策評価の取り組みが始まるとのことですので、政策効果に焦点を当てた事業の構築を求めるとともに、二〇二〇年度の予算編成に当たっては、EBPMの考え方を取り入れていただくことを要望いたします。
 東京は、日本の首都として、国際的な都市間競争に打ち勝ち、日本のエンジンとなり続ける使命がございます。そのためには、東京の持つリソース、多様な人々のポテンシャルを最大限引き出し、世界から人、物、お金、情報を引きつける磁力につなげていくことで真の稼ぐ力を育む必要がございます。
 そのためには、これまで当たり前とされてきた価値観を変えることが必要です。ジェンダーや年齢、障害の有無にかかわらず誰もが輝く真のダイバーシティー、文化の力を最大限に引き出した世界一のクオリティー・オブ・ライフ、一人一人の可能性を信じ自分らしく幸せな人生をかなえるための教育を柱とした、価値観の転換を図る提言を重ねてまいります。
 加えて、東京大改革の要諦は、東京が持続的な発展をするための土台づくりにございます。来年度は、戦略政策情報推進本部、都民安全推進本部、住宅政策本部、三つの組織再編が行われます。刻一刻と変わる社会に対し、スピーディーに処方箋を出していくために、次世代の社会構造を見据えた都庁組織のあり方を検討していただくよう求めるものです。
 各局について述べさせていただきます。
 福祉保健局関連について申し上げます。
 一、地域の実情に応じた医療の確保に向けて、地域医療構想調整会議等の議論や自治体の要望も踏まえ、病床配分方法の見直しを含め方策を検討すること。
 一、児童虐待防止に向けて、特別区児相設置に係る都と区の広域調整のため、共有システムの構築等を含む体制のあり方を早急に検討すること。
 一、児童虐待防止に向けて、保育所内虐待にかかわる相談窓口の周知啓発を推進すること。
 一、保育所等に対して、児童虐待防止条例を積極的に周知し、児童の権利擁護の重要性をいま一度再確認され、保育士等に対する体罰禁止の研修等を推進すること。
 一、児童相談所の体制強化に加え、常勤弁護士配置やアドボケーター制度の構築を検討すること。
 一、配偶者暴力支援センターと児童相談所との連携を強化され、DV被害者支援を推進すること。
 一、親と子の相談ほっとLINEは、本格実施に向け検証を行い、適切な人材配置や周知の工夫を検討するとともに、相談対応による効果を継続的に公表すること。
 一、新たな社会的養育推進計画策定に当たり、里親や児童養護施設の正確な需要数を明らかにされ、計画に反映すること。
 一、十八歳以上の施設出身者支援に当たり、自立援助ホームのジョブトレーニング事業について、職員の常勤配置を支援するなど拡充に努めること。
 一、里親のマッチングに加え、コーチングを行うフォスタリング機関を創設すること。
 一、里親制度のさらなる理解、普及啓発に努めること。
 一、新生児委託推進事業は、里親登録に当たり、里親家庭への負担を軽減することや、さらなる里親支援の方策を検討され、取り組むこと。
 一、障害者グループホーム体制強化支援事業については、丁寧な情報発信と事業者からの意見聴取に努め、必要な場合は実態に即した制度改善に取り組むこと。
 一、受験生チャレンジ支援貸付事業については、対象となる生徒と学習内容の拡大を検討するなど学習支援のさらなる充実を図ること。
 一、多様な保育の推進を実現するため、認証化移行支援事業も活用し、夜間保育の拡充と質の向上に努めること。
 一、特色ある保育で東京都の待機児童解消に貢献されてきた認証保育所に対して、今後も支援を図ること。
 一、保育所における医療的ケア児の受け入れを推進すること。
 一、病児、病後保育施設の充実に取り組むこと。
 一、認可外保育施設の質の確保と保険料負担軽減に努められ、来年度から始まる保育無償化に当たっては、保護者の働き方や家庭環境により格差が生じることのないよう努めること。
 一、若年の特定妊婦や未受診妊婦支援を行い、産科受診助成を含め検討すること。
 一、介護人材の定着支援と介護業界の質の定義及び向上のために、介護職員キャリアパス導入促進に努められること。
 一、動物愛護推進員を地域で生かすためにも、東京都が率先して区市町村関係者等に周知し、勉強会や研修会を開催すること。
 一、動物愛護に係るNPOや民間団体との連携や情報交換に努めること。
 一、飼い主のいない猫対策を進めるため、区市町村によって違いがある助成事業の格差を埋めるような都としてのガイドライン策定を検討すること。
 一、動物愛護管理審議会において、動物愛護相談センターの飼い主のいない動物預かり機能やシェルターとしてのあり方等を再検討し、早期に老朽化したセンターの移転改修計画を策定すること。
 一、高齢者予備軍向け読本については、内容の充実を図り、読本の販売や周知啓発に努める人材育成も視野に入れて、効果的活用と配布方法の検討を行うこと。
 次に、病院経営本部関連について申し上げます。
 一、都立病院の独立行政法人化について、行政的医療の安定的提供や医療人材確保に向け、丁寧かつ迅速な検討を進めること。
 一、多言語化に加え、さらなる外国人対応のニーズを把握し、適切な医療提供と他機関との連携を進めること。
 以上をもちまして無所属東京みらいの意見開陳を終わります。

○栗林委員長 以上で予算案に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○栗林委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第五十九号議案、第六十号議案、第九十九号議案及び第百号議案並びに議員提出議案第二号を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 ただいま議題となっております議案中、第九十九号議案に対し、藤田りょうこ委員外一名から修正案が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   〔修正案は本号末尾に掲載〕

○栗林委員長 これを本案とあわせて議題といたします。
 提出者の説明を求めます。

○白石委員 東京都子供への虐待の防止等に関する条例案に対する修正案の提出理由の説明を行います。
 東京都が提出した条例案で、子供が権利の主体であると明記されたことや体罰を禁止することとしたことは重要です。
 我が党は、条例案の内容をさらに充実する立場から修正案を提案するものです。
 内容を説明します。
 第一に、子供が権利の主体であることが原案の前文に明記されたことは重要ですが、子供の権利をより明確にするため、本則にも子供が権利の主体であることを明記します。
 次に、前文で、虐待の背景として、核家族化や地域社会の人間関係の希薄化が例示され、家庭や地域社会における養育力が低下することが虐待につながると書かれています。しかし、昔から核家族が子育て家庭の主流であり、核家族化が虐待の代表的な要因であるとは考えにくいこと、家族の形ではなく、社会的背景に着目してこそ有効な施策を行うことができることから、経済的困窮と社会的な孤立を例示する文章に改めます。
 次に、禁止される、子供の品位を傷つける罰について、原案では、保護者が、しつけに際し、子供に対して行う肉体的苦痛または精神的苦痛を与える行為であって、子供の利益に反するものと定義されていますが、この定義だと、であっての前の部分に当てはまる行為で、子供の利益に反しないものがあるという誤解を生む可能性があると考えます。そのため、であって、子供の利益に反するものという部分を削除します。であっての前の部分に当てはまる行為で子供の利益に反しないものはないため、民法との関係でも問題はありません。
 次に、原案では、虐待の防止に当たり、子供の意見を尊重することが定められていますが、子供の意見表明権が書かれていないため、明記した条文に改めます。
 次に、原案では、体罰等によらない子育ての推進のための施策を行うとしていますが、体罰等が指すものをより明確化するため、体罰その他の子どもの品位を傷つける罰とします。
 次に、原案では、保護者が、子供の養育に係る第一義的な責任を負っていると書かれています。このように保護者の責任を強調することは、行政の責任の位置づけを弱めることや子育てに悩む保護者が孤立することにつながるおそれがあることから、保護者の第一義的責任についての記述を削除します。
 次に、原案では、子供に対し、自身が守られるべき存在であることを認識するため、啓発活動等を行うことが定められていますが、子供は、守られるだけの受け身の存在ではなく、権利の主体であることを明確化することが重要であるため、守られるべき存在であるを守られる権利を有すると改めます。
 次に、原案では、若年者に対し、予期しない妊娠に至らないための啓発活動を行うものとするとしていますが、より早い年齢からの性教育が重要であることなどから、対象を若年者等とするとともに、啓発活動だけでなく教育も位置づけます。
 次に、条例の実効性を高めるため、財政上の措置についての規定を行います。
 最後に、原案では、全体を通じて「子供」の「供」が漢字になっていますが、この書き方だと子供が大人のお供であるような印象を与えるため、「子供」の「供」は平仮名に改めます。
 説明は以上です。ご審議のほどよろしくお願いをいたします。

○栗林委員長 説明は終わりました。
 この際、発言の申し出がありますので、これを許します。

○藤田委員 各条例案に対する意見表明を行います。
 初めに、東京都子供への虐待の防止等に関する条例及び我が党提出の修正案についてです。
 本条例案は、児童福祉審議会での審議やパブリックコメント、議会での議論を経て、今回提案されました。
 我が党が求めてきた、子供は権利の主体であるという内容が前文に明記されたことは重要です。また、体罰や子供の品位を傷つける罰についても禁止することを盛り込んでいることも重要です。
 本条例案は、子供の虐待防止に資するものと考え賛成するものです。
 なお、児童相談所が把握する虐待案件の警察との全件共有については、相談や通報をためらわせる懸念があり、行うべきではないということを述べておきます。
 我が党提出の修正案は、子供が権利の主体であることについてより徹底することや、虐待による死亡事例の背景に予期しない妊娠が多いことを踏まえ、予期しない妊娠に至らないための教育について位置づけることなどを内容とするものです。
 これらの修正により、子供の虐待予防をさらに推進できるものと考え、皆様の賛同を心から呼びかけるものです。
 最後に、我が党提出の国民健康保険料、税の子供の均等割額の減免に関する条例案についてです。
 国民健康保険制度のみにある、家族がふえるたびに一定額の負担がふえる均等割は、家族の多い世帯にとってとりわけ重いものになっており、子育て支援にも逆行するものです。
 私の地元大田区に住む、給与年収四百万円で子供が二人、四人世帯が国民健康保険に入っている場合では、今年度の国民健康保険料は約四十三万円ですが、同じ年収と家族構成の世帯が中小企業のサラリーマンなどが加入する協会けんぽに入っている場合は、保険料は約二十万円ですから国保の負担が非常に重いことがわかります。
 その大きな原因が均等割であり、子育て支援の観点で子供の分の減免を行うことは非常に意義があると考えます。
 よって、本条例案への賛成を心から呼びかけ、意見表明を終わります。

○栗林委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第二号を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○栗林委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第二号は否決されました。
 次に、第九十九号議案を採決いたします。
 まず、藤田りょうこ委員外一名から提出されました修正案を起立により採決いたします。
 本修正案に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○栗林委員長 起立少数と認めます。よって、藤田りょうこ委員外一名から提出されました修正案は否決されました。
 次に、原案についてお諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗林委員長 異議なしと認めます。よって、第九十九号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第五十九号議案及び第百号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○栗林委員長 起立多数と認めます。よって、第五十九号議案及び第百号議案については、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第六十号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗林委員長 異議なしと認めます。よって、第六十号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○栗林委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情三〇第二〇号の一、陳情三〇第四〇号、陳情三〇第六一号及び陳情三〇第六二号について一括して議題といたします。
 本件については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗林委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三〇第二〇号の一、陳情三〇第四〇号、陳情三〇第六一号及び陳情三〇第六二号は、いずれも不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。

○栗林委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗林委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○栗林委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、堤病院経営本部長から発言を求められておりますので、これを許します。

○堤病院経営本部長 お許しをいただきまして、当委員会所管両局を代表いたしまして、一言、御礼のご挨拶を申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げておりました議案につきましては、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で頂戴いたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、十分に尊重させていただき、今後の事業執行に反映させてまいります。
 また、福祉保健局、病院経営本部両局の連携をより一層深めまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○栗林委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二分散会


修正案の提出について

第九十九号議案 東京都子供への虐待の防止等に関する条例
 右議案に対する修正案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  平成三十一年三月二十日

(提出者)
 藤田りょうこ  白石たみお

厚生委員長 殿

第九十九号議案 東京都子供への虐待の防止等に関する条例に対する修正案
 第九十九号議案 東京都子供への虐待の防止等に関する条例の一部を次のように修正する。
 題名を次のように改める。
東京都子どもへの虐待の防止等に関する条例
 目次中「子供」を「子ども」に、「第十七条」を「第十八条」に改める。
前文中「子供」を「子ども」に、「核家族化、地域社会の人間関係の希薄化」を「家庭の経済的困窮、社会的な孤立」に改め、「、家庭や地域社会における養育力が低下することにより」を削る。
本則中「子供」を「子ども」に改める。
第二条第一項第五号中「子供家庭支援センター」を「子ども家庭支援センター」に、「子供家庭在宅サービス」を「子ども家庭在宅サービス」に改め、同項第七号中「であって、子供の利益に反するもの」を削る。
第三条第一項中「虐待は、」の下に「権利の主体である」を加え、同条第二項中「当たっては」の下に「、子どもが自身に影響を及ぼす全ての事項について自由に自己の意見を表明する権利を有することを踏まえ」を加える。
第四条第二項中「子供家庭支援センター」を「子ども家庭支援センター」に改め、同条第三項中「体罰等」を「体罰その他の子どもの品位を傷つける罰」に改める。
第六条第一項中「、子供の養育に係る第一義的な責任を負っていることを踏まえ」を削る。
第八条第二項中「べき存在である」を「権利を有する」に改め、同条第三項中「若年者」を「若年者等」に、「啓発活動及び」を「教育に係る施策及び啓発活動並びに」に改める。
第九条第一項、第十二条第二項及び第三項並びに第十六条第一項中「子供家庭支援センター」を「子ども家庭支援センター」に改める。
 第十七条を第十八条とし、第十六条の次に次の一条を加える。
(財政上の措置)
第十七条 都は、子どもへの虐待の防止等に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(提案理由)
 子どもが権利の主体であることをより明確化するとともに、子どもの意見表明権についても記載する等の修正を行う必要がある。

東京都子供への虐待の防止等に関する条例(平成三十一年第九十九号議案) 新旧対照表(抄)
修正案
  東京都子どもへの虐待の防止等に関する条例
目次
前文
第一章から第三章まで (原案のとおり)
第四章 虐待を受けた子どもとその保護者への支援等(第十三条)
第五章 (原案のとおり)
第六章 人材育成等(第十五条―第十八条)
附則
 子どもは、大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在であり、あらゆる場面において権利の主体として尊重される必要がある。
 子どもへの虐待は、子どもの心に深い傷を残し、否応なくその輝きを奪い、時に、将来の可能性をも奪うものであり、何人も子どもへの虐待を行ってはならないことは、論をまたない。
 しかしながら、家庭の経済的困窮、社会的な孤立などを背景に、保護者が子育てに困難を抱え、その結果虐待行為に至ることがある事実も受け止めなければならない。
 そのため、都、区市町村及び関係機関等は、一層連携しながら子どもと家庭を支援し、子どもが家庭で健やかに成長できる環境づくりを進める不断の努力が求められている。
 こうした認識の下、社会全体で虐待の防止に関する理解を深め、その防止に関する取組を推進し、虐待から子どもを断固として守ることを目指し、この条例を制定する。
   第一章 (原案のとおり)
(目的)
第一条 この条例は、子どもを虐待から守ることに関し基本理念を定め、東京都(以下「都」という。)、都民、保護者及び関係機関等の責務を明らかにするとともに、児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号。以下「法」という。)第四条第一項から第五項までに規定する地方公共団体の責務を踏まえ、子どもを虐待から守ることに関する施策の基本となる事項を定めることにより、子どもを虐待から守る環境整備を進め、子どもの権利利益の擁護と健やかな成長に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一 子ども 十八歳に満たない者をいう。
 二 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他の者で、子どもを現に監護するものをいう。
 三 (原案のとおり)
 四 関係機関等 学校、児童福祉施設、病院、保健機関その他子どもの福祉に業務上関係のある団体及び学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師、弁護士その他子どもの福祉に職務上関係のある者をいう。
 五 子ども家庭支援センター 子どもと家庭に関する総合相談、子ども家庭在宅サービス等の提供・調整、地域組織化等の事業を行う特別区及び市町村(以下「区市町村」という。)が設置する機関をいう。
六 (原案のとおり)
 七 子どもの品位を傷つける罰 保護者が、しつけに際し、子どもに対して行う、肉体的苦痛又は精神的苦痛を与える行為(当該子どもが苦痛を感じていない場合を含む。)をいう。
2 (原案のとおり)
(基本理念)
第三条 虐待は、権利の主体である子どもへの重大な権利侵害であり、心身の健やかな成長を阻害するものであるとの認識の下、社会全体でその防止が図られなければならない。
2 虐待の防止に当たっては、子どもが自身に影響を及ぼす全ての事項について自由に自己の意見を表明する権利を有することを踏まえ、子どもの年齢及び発達の程度に応じて、その意見を尊重するとともに、子どもの安全及び安心の確保並びに最善の利益が最優先されなければならない。
(都の責務)
第四条 (原案のとおり)
2 都は、虐待の防止に関し区市町村(子ども家庭支援センターを含む。第七条第二項及び第十三条第二項において同じ。)及び関係機関等と連携するとともに、区市町村が実施する虐待の防止に関する施策への支援を行うものとする。
3 都は、法第四条第四項の規定に基づき虐待の防止、虐待を受けた子どもの成長及び自立に対する理解並びに体罰その他の子どもの品位を傷つける罰によらない子育ての推進に資する広報その他の啓発活動を行うものとする。
(都民等の責務)
第五条 都民及び事業者(以下「都民等」という。)は、子どもを虐待から守ることに関する理解を深めるよう努めなければならない。
2 都民等は、法第八条第一項及び第二項の規定により区市町村長又は都の児童相談所若しくは都の福祉事務所(以下「児童相談所等」という。)の長が行う子どもの安全の確認を行うための措置(以下「子どもの安全確認措置」という。)に協力するよう努めなければならない。
3 都民等は、虐待を受けた子ども(社会的養護の下で育った子どもを含む。第十四条第二項において同じ。)が、地域社会において等しく愛護され、円滑に社会的自立ができるよう、虐待等に関する理解を深め、当該子ども(当該子どもが十八歳以上になった場合を含む。)に対して配慮するよう努めなければならない。
(保護者等の責務)
第六条 保護者は、虐待が子どもに与える重大な影響を認識し、子どもの健全な成長を図らなければならない。

2 保護者は、体罰その他の子どもの品位を傷つける罰を与えてはならない。
3 (原案のとおり)
4 保護者及びその同居人は、法第八条第一項及び第二項の規定により区市町村長又は児童相談所等の長が行う子どもの安全確認措置に協力しなければならない。
5 (原案のとおり)
(関係機関等の責務等)
第七条 (原案のとおり)
2 (原案のとおり)
3 関係機関等は、法第八条第一項及び第二項の規定により区市町村長又は児童相談所等の長が行う子どもの安全確認措置に協力するよう努めなければならない。
   第二章 (原案のとおり)
(虐待の未然防止)
第八条 (原案のとおり)
2 都は、学校、学校の授業の終了後又は休業日における子どもの活動場所等において、子どもに対し、自身が守られる権利を有することを認識するための啓発活動及び権利侵害に関する相談先等の情報提供を行うものとする。
3 都は、若年者等に対し、予期しない妊娠に至らないための教育に係る施策及び啓発活動並びに妊娠、出産等に関する相談先等の情報提供を行うものとする。
4 (原案のとおり)
   第三章 (原案のとおり)
(通告しやすい環境づくり)
第九条 虐待を受けたと思われる子どもを発見した者は、法第六条第一項の規定に基づき、速やかに、子ども家庭支援センターその他の区市町村の通告受理機関又は児童相談所等に通告しなければならない。
2 都は、都民等及び関係機関等に対し、子どもを守ること及び家庭への支援の契機である虐待通告を法第六条第一項の規定に基づき行わなければならないことを周知するとともに、虐待を受けたと思われる子どもを発見した者が通告しやすい、又は虐待を受けた子どもが自ら相談しやすい環境及び体制を整備するものとする。
3 (原案のとおり)
(子どもの安全確認措置等)
第十条 児童相談所等の長は、次に掲げる場合は、法第八条第一項及び第二項の規定に基づき、速やかに子どもの安全確認措置を講じなければならない。
 一 (原案のとおり)
 二 子ども本人、家族、親族等から虐待に係る相談があった場合
 三及び四 (原案のとおり)
2及び3 (原案のとおり)
4 第一項又は第二項の規定により、都の児童相談所長は、子どもの安全確認措置を行おうとする場合、一時保護を行おうとし、又は行わせようとする場合、立入りによる調査又は質問をさせようとする場合及び臨検等をさせようとする場合にあっては、法第十条第一項の規定に基づき、当該子どもの住所又は居所の所在地を管轄する警察署長に対し援助を求めることができる。
5 都の児童相談所長は、前項の規定による援助を求める場合は、子どもの安全の確認及び安全の確保に万全を期する観点から、法第十条第二項の規定に基づき、必要に応じ迅速かつ適切にこれを行わなければならない。
(児童相談所等の調査等)
第十一条 児童相談所等の長は、次に掲げるものに対し、虐待に係る子ども又はその保護者の心身の状況、これらの者の置かれている環境その他虐待の防止等に係る当該子ども、その保護者その他の関係者に関する情報の提供を求めることができる。この場合において、情報の提供を求められた者は、当該情報について、児童相談所等の長が虐待の防止等に関する事務又は業務の遂行に必要な限度で利用し、かつ、利用することに相当の理由があるときは、これを提供することができる。ただし、当該情報を提供することによって、当該情報に係る子ども、その保護者その他の関係者又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。
 一から三まで (原案のとおり)
2 (原案のとおり)
(連携及び情報共有等)
第十二条 (原案のとおり)
2 都の児童相談所は、児童相談所が専門的な知識及び技術を必要とする対応、一時保護又は施設入所若しくは里親等委託の措置等を行うこと並びに子ども家庭支援センターが地域社会で子どもと家庭への相談支援、子育て支援サービスの提供等を行うことを踏まえ、子ども家庭支援センターその他の区市町村の機関と、密接に連携又は協働を進めるものとする。
3 都及び都の児童相談所は、虐待の早期発見及び早期対応並びに虐待を受けた子どもとその保護者への支援のため、要保護児童対策地域協議会(以下「要対協」という。)を積極的に活用し、子ども家庭支援センター、関係機関等その他虐待事案に関係する団体と、子どもと家庭に関する必要な情報の共有を図るものとする。
4 (原案のとおり)
第四章 虐待を受けた子どもとその保護者への支援等
(虐待を受けた子どもとその保護者への支援等)
第十三条 都は、虐待を受けた子どもに対し、心身の健やかな成長を図るため、年齢、心身の状況等を十分考慮した支援及び教育を行うものとする。
2 都の児童相談所は、区市町村及び関係機関等と連携し、虐待を受けた子どもの保護者に対し、子どもの心身の健やかな成長にとって良好な家庭環境の形成若しくは適切な親子関係の構築又は再び虐待を行わないことについて、必要な指導及び支援を行うものとする。
   第五章 (原案のとおり)
(社会的養護及び自立支援)
第十四条 都は、虐待を受けた子どもの社会的養護の充実を図るため、里親制度の啓発活動、里親の育成及び里親等への委託の推進並びに乳児院、児童養護施設等の施設及び自立援助ホームその他社会的養護に関する事業の充実に努めるものとする。
2 都は、虐待を受けた子どもの円滑な社会的自立のため、必要な支援及び広報その他の啓発活動を行うものとする。
   第六章 (原案のとおり)
第十五条 (原案のとおり)
(虐待死亡事例等の検証)
第十六条 都は、法第四条第五項の規定に基づく検証の結果を、児童相談所、子ども家庭支援センターその他の子どもの福祉に業務上関係のある機関において職務に従事する者の研修等に十分活用するなど、虐待による死亡事例等の重大事例の再発防止に関する取組を積極的に進めるものとする。
2 都は、法第四条第五項の規定に基づく検証を行うに当たっては、第十一条第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「児童相談所等の長」とあるのは「都」と、「虐待に係る子ども又はその保護者の心身の状況、これらの者の置かれている環境その他虐待の防止等に係る当該子ども、その保護者その他の関係者に関する情報の提供」とあるのは「必要な情報の提供」と、「虐待の防止等に関する事務又は業務の遂行」とあるのは「検証」と、「情報に係る」とあるのは「事例に係る」と読み替えるものとする。
(財政上の措置)
第十七条 都は、子どもへの虐待の防止等に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
第十八条 (原案のとおり)
   附則
1及び2 (原案のとおり)

原案
  東京都子供への虐待の防止等に関する条例
目次
前文
第一章から第三章まで (略)
第四章 虐待を受けた子供とその保護者への支援等(第十三条)
第五章 (略)
第六章 人材育成等(第十五条―第十七条)
附則
 子供は、大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在であり、あらゆる場面において権利の主体として尊重される必要がある。
 子供への虐待は、子供の心に深い傷を残し、否応なくその輝きを奪い、時に、将来の可能性をも奪うものであり、何人も子供への虐待を行ってはならないことは、論をまたない。
 しかしながら、核家族化、地域社会の人間関係の希薄化などを背景に、家庭や地域社会における養育力が低下することにより、保護者が子育てに困難を抱え、その結果虐待行為に至ることがある事実も受け止めなければならない。
 そのため、都、区市町村及び関係機関等は、一層連携しながら子供と家庭を支援し、子供が家庭で健やかに成長できる環境づくりを進める不断の努力が求められている。
 こうした認識の下、社会全体で虐待の防止に関する理解を深め、その防止に関する取組を推進し、虐待から子供を断固として守ることを目指し、この条例を制定する。
   第一章 (略)
(目的)
第一条 この条例は、子供を虐待から守ることに関し基本理念を定め、東京都(以下「都」という。)、都民、保護者及び関係機関等の責務を明らかにするとともに、児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号。以下「法」という。)第四条第一項から第五項までに規定する地方公共団体の責務を踏まえ、子供を虐待から守ることに関する施策の基本となる事項を定めることにより、子供を虐待から守る環境整備を進め、子供の権利利益の擁護と健やかな成長に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一 子供 十八歳に満たない者をいう。
 二 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他の者で、子供を現に監護するものをいう。
 三 (略)
 四 関係機関等 学校、児童福祉施設、病院、保健機関その他子供の福祉に業務上関係のある団体及び学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師、弁護士その他子供の福祉に職務上関係のある者をいう。
 五 子供家庭支援センター 子供と家庭に関する総合相談、子供家庭在宅サービス等の提供・調整、地域組織化等の事業を行う特別区及び市町村(以下「区市町村」という。)が設置する機関をいう。
六 (略)
 七 子供の品位を傷つける罰 保護者が、しつけに際し、子供に対して行う、肉体的苦痛又は精神的苦痛を与える行為(当該子供が苦痛を感じていない場合を含む。)であって、子供の利益に反するものをいう。
2 (略)
(基本理念)
第三条 虐待は、子供への重大な権利侵害であり、心身の健やかな成長を阻害するものであるとの認識の下、社会全体でその防止が図られなければならない。

2 虐待の防止に当たっては、子供の年齢及び発達の程度に応じて、その意見を尊重するとともに、子供の安全及び安心の確保並びに最善の利益が最優先されなければならない。

(都の責務)
第四条 (略)
2 都は、虐待の防止に関し区市町村(子供家庭支援センターを含む。第七条第二項及び第十三条第二項において同じ。)及び関係機関等と連携するとともに、区市町村が実施する虐待の防止に関する施策への支援を行うものとする。
3 都は、法第四条第四項の規定に基づき虐待の防止、虐待を受けた子供の成長及び自立に対する理解並びに体罰等によらない子育ての推進に資する広報その他の啓発活動を行うものとする。
(都民等の責務)
第五条 都民及び事業者(以下「都民等」という。)は、子供を虐待から守ることに関する理解を深めるよう努めなければならない。
2 都民等は、法第八条第一項及び第二項の規定により区市町村長又は都の児童相談所若しくは都の福祉事務所(以下「児童相談所等」という。)の長が行う子供の安全の確認を行うための措置(以下「子供の安全確認措置」という。)に協力するよう努めなければならない。
3 都民等は、虐待を受けた子供(社会的養護の下で育った子供を含む。第十四条第二項において同じ。)が、地域社会において等しく愛護され、円滑に社会的自立ができるよう、虐待等に関する理解を深め、当該子供(当該子供が十八歳以上になった場合を含む。)に対して配慮するよう努めなければならない。

(保護者等の責務)
第六条 保護者は、子供の養育に係る第一義的な責任を負っていることを踏まえ、虐待が子供に与える重大な影響を認識し、子供の健全な成長を図らなければならない。
2 保護者は、体罰その他の子供の品位を傷つける罰を与えてはならない。
3 (略)
4 保護者及びその同居人は、法第八条第一項及び第二項の規定により区市町村長又は児童相談所等の長が行う子供の安全確認措置に協力しなければならない。
5 (略)
(関係機関等の責務等)
第七条 (略)
2 (略)
3 関係機関等は、法第八条第一項及び第二項の規定により区市町村長又は児童相談所等の長が行う子供の安全確認措置に協力するよう努めなければならない。
   第二章 (略)
(虐待の未然防止)
第八条 (略)
2 都は、学校、学校の授業の終了後又は休業日における子供の活動場所等において、子供に対し、自身が守られるべき存在であることを認識するための啓発活動及び権利侵害に関する相談先等の情報提供を行うものとする。
3 都は、若年者に対し、予期しない妊娠に至らないための啓発活動及び妊娠、出産等に関する相談先等の情報提供を行うものとする。

4 (略)
   第三章 (略)
(通告しやすい環境づくり)
第九条 虐待を受けたと思われる子供を発見した者は、法第六条第一項の規定に基づき、速やかに、子供家庭支援センターその他の区市町村の通告受理機関又は児童相談所等に通告しなければならない。
2 都は、都民等及び関係機関等に対し、子供を守ること及び家庭への支援の契機である虐待通告を法第六条第一項の規定に基づき行わなければならないことを周知するとともに、虐待を受けたと思われる子供を発見した者が通告しやすい、又は虐待を受けた子供が自ら相談しやすい環境及び体制を整備するものとする。
3 (略)
(子供の安全確認措置等)
第十条 児童相談所等の長は、次に掲げる場合は、法第八条第一項及び第二項の規定に基づき、速やかに子供の安全確認措置を講じなければならない。
 一 (略)
 二 子供本人、家族、親族等から虐待に係る相談があった場合
 三及び四 (略)
2及び3 (略)
4 第一項又は第二項の規定により、都の児童相談所長は、子供の安全確認措置を行おうとする場合、一時保護を行おうとし、又は行わせようとする場合、立入りによる調査又は質問をさせようとする場合及び臨検等をさせようとする場合にあっては、法第十条第一項の規定に基づき、当該子供の住所又は居所の所在地を管轄する警察署長に対し援助を求めることができる。
5 都の児童相談所長は、前項の規定による援助を求める場合は、子供の安全の確認及び安全の確保に万全を期する観点から、法第十条第二項の規定に基づき、必要に応じ迅速かつ適切にこれを行わなければならない。
(児童相談所等の調査等)
第十一条 児童相談所等の長は、次に掲げるものに対し、虐待に係る子供又はその保護者の心身の状況、これらの者の置かれている環境その他虐待の防止等に係る当該子供、その保護者その他の関係者に関する情報の提供を求めることができる。この場合において、情報の提供を求められた者は、当該情報について、児童相談所等の長が虐待の防止等に関する事務又は業務の遂行に必要な限度で利用し、かつ、利用することに相当の理由があるときは、これを提供することができる。ただし、当該情報を提供することによって、当該情報に係る子供、その保護者その他の関係者又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。
 一から三まで (略)
2 (略)
(連携及び情報共有等)
第十二条 (略)
2 都の児童相談所は、児童相談所が専門的な知識及び技術を必要とする対応、一時保護又は施設入所若しくは里親等委託の措置等を行うこと並びに子供家庭支援センターが地域社会で子供と家庭への相談支援、子育て支援サービスの提供等を行うことを踏まえ、子供家庭支援センターその他の区市町村の機関と、密接に連携又は協働を進めるものとする。
3 都及び都の児童相談所は、虐待の早期発見及び早期対応並びに虐待を受けた子供とその保護者への支援のため、要保護児童対策地域協議会(以下「要対協」という。)を積極的に活用し、子供家庭支援センター、関係機関等その他虐待事案に関係する団体と、子供と家庭に関する必要な情報の共有を図るものとする。
4 (略)
   第四章 虐待を受けた子供とその保護者への支援等
(虐待を受けた子供とその保護者への支援等)
第十三条 都は、虐待を受けた子供に対し、心身の健やかな成長を図るため、年齢、心身の状況等を十分考慮した支援及び教育を行うものとする。
2 都の児童相談所は、区市町村及び関係機関等と連携し、虐待を受けた子供の保護者に対し、子供の心身の健やかな成長にとって良好な家庭環境の形成若しくは適切な親子関係の構築又は再び虐待を行わないことについて、必要な指導及び支援を行うものとする。
   第五章 (略)
(社会的養護及び自立支援)
第十四条 都は、虐待を受けた子供の社会的養護の充実を図るため、里親制度の啓発活動、里親の育成及び里親等への委託の推進並びに乳児院、児童養護施設等の施設及び自立援助ホームその他社会的養護に関する事業の充実に努めるものとする。
2 都は、虐待を受けた子供の円滑な社会的自立のため、必要な支援及び広報その他の啓発活動を行うものとする。
第六章 (略)
第十五条 (略)
(虐待死亡事例等の検証)
第十六条 都は、法第四条第五項の規定に基づく検証の結果を、児童相談所、子供家庭支援センターその他の子供の福祉に業務上関係のある機関において職務に従事する者の研修等に十分活用するなど、虐待による死亡事例等の重大事例の再発防止に関する取組を積極的に進めるものとする。
2 都は、法第四条第五項の規定に基づく検証を行うに当たっては、第十一条第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「児童相談所等の長」とあるのは「都」と、「虐待に係る子供又はその保護者の心身の状況、これらの者の置かれている環境その他虐待の防止等に係る当該子供、その保護者その他の関係者に関する情報の提供」とあるのは「必要な情報の提供」と、「虐待の防止等に関する事務又は業務の遂行」とあるのは「検証」と、「情報に係る」とあるのは「事例に係る」と読み替えるものとする。

第十七条 (略)
   附則
1及び2 (略)

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