委員長 | 伊藤こういち君 |
副委員長 | 桐山ひとみ君 |
副委員長 | 和泉なおみ君 |
理事 | 加藤 雅之君 |
理事 | 小宮あんり君 |
理事 | 山内 晃君 |
古城まさお君 | |
藤田りょうこ君 | |
龍円あいり君 | |
鳥居こうすけ君 | |
つじの栄作君 | |
高橋 信博君 | |
岡本こうき君 | |
鈴木 章浩君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉保健局 | 局長 | 梶原 洋君 |
次長理事兼務 | 松川 桂子君 | |
技監 | 矢内真理子君 | |
総務部長 | 後藤 啓志君 | |
指導監査部長 | 村田 由佳君 | |
医療政策部長 | 矢沢 知子君 | |
保健政策部長 | 成田 友代君 | |
生活福祉部長 | 坂本 尚史君 | |
高齢社会対策部長 | 粉川 貴司君 | |
少子社会対策部長 | 谷田 治君 | |
障害者施策推進部長 | 松山 祐一君 | |
健康安全部長 | 高橋 博則君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 奈良部瑞枝君 | |
事業推進担当部長 | 古賀 元浩君 | |
医療改革推進担当部長 | 田中 敦子君 | |
医療政策担当部長 | 花本 由紀君 | |
地域保健担当部長 | 本多由紀子君 | |
事業調整担当部長 | 横手裕三子君 | |
子供・子育て施策推進担当部長 | 加藤 みほ君 | |
障害者医療担当部長 | 石黒 雅浩君 | |
食品医薬品安全担当部長 | 野口 俊久君 | |
感染症危機管理担当部長 | 吉田 道彦君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
福祉保健局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百三十一号議案 東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百三十二号議案 東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
・第百三十三号議案 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
・第百三十四号議案 東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例
・第百三十五号議案 旅館業法施行条例の一部を改正する条例
・第百三十六号議案 公衆浴場の設置場所の配置及び衛生措置等の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十二号議案 東京都受動喫煙防止条例
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第十号 東京都子どもの医療費の助成に関する条例
・議員提出議案第十一号 東京都青少年の医療費の助成に関する条例
○伊藤委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
本委員会室の定員は二十七名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○伊藤委員長 意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○伊藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の付託議案の審査を行います。
これより福祉保健局関係に入ります。
初めに、付託議案のうち知事提出議案の審査を行います。
第百三十号議案から第百三十六号議案まで及び第百六十二号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○後藤総務部長 去る六月七日の当委員会で要求のございました資料のご説明を申し上げます。お手元の厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
表紙の目次にございますように、全部で五項目となっております。以下、順にご説明を申し上げます。
初めに、一ページをお開き願います。1、二次保健医療圏別療養病床数といたしまして、平成三十年四月一日現在の療養病床数を、都内十三の二次保健医療圏ごとに記載してございます。
二ページをお開き願います。2、介護老人保健施設及び介護医療院の入所定員といたしまして、平成三十年六月一日現在の介護老人保健施設及び介護医療院の入所定員につきまして、(1)に療養病床から転換して設置されたもの、(2)にそれ以外のものを記載してございます。
隣の三ページをごらんください。3、道府県における障害者の差別解消に関する条例の制定状況と主な規定といたしまして、平成三十年四月一日現在で障害者の差別解消に関する条例を制定しております二十七の道府県につきまして、施行日と主な規定事項を記載してございます。
四ページをお開き願います。4、旅館業及び公衆浴場の浴槽水換水頻度の規定状況といたしまして、平成三十年六月十一日現在の浴槽水の換水頻度の条例での規定状況につきまして、区分欄の分類で旅館業、公衆浴場と分けまして、(1)に都道府県、(2)に都内の保健所設置区市の自治体名をそれぞれ記載してございます。
隣の五ページをごらんください。5、都における旅館業及び公衆浴場のレジオネラ属菌検出施設数及び検出率といたしまして、平成十九年度から平成二十八年度のレジオネラ属菌の検査につきまして、検査施設数と検査の結果を、(1)に旅館業、(2)に公衆浴場に分類いたしまして、それぞれ記載してございます。
以上、簡単ではございますけれども、要求資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○伊藤委員長 説明は終わりました。
これより、ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○桐山委員 それでは、私からは、知事提出議案、第百三十四号議案、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例及び第百六十二号議案、東京都受動喫煙防止条例について質問させていただきます。
まず最初に、障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例についてから質問させていただきます。
国連障害者権利条約が二〇〇八年五月に発効してから十年、障害者差別解消法が二〇一三年六月に制定されてから五年、これまで、昨年一年かけて九回にわたる本条例制定に向けての検討部会が開催をされ、さまざまな議論がなされてまいりました。
昨年十二月には、約一カ月間のパブコメを実施され、意見総数は五百八十一件と報告を受けております。それらの意見を取り込みながら、今般、都議会に障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例が提出されるに至りました。
障害者への理解を促進し差別を解消することは、共生社会、ダイバーシティーの実現を目指す上で重要であります。都民ファーストの会として、この条例制定に着目をしてまいりました。
今般提出されている条例は、二〇一六年四月に施行された差別解消法に上乗せ条例という性格を持つものとなりますが、東京都が法律に加え、より実効性のあるものとするため、意義のあるものだと考えておりますが、改めて条例の意義をお伺いいたします。
○松山障害者施策推進部長 都が今般提案する条例は、障害者差別解消法では民間事業者の努力義務とされている事業者の合理的配慮の提供を義務化するとともに、相談、紛争解決の仕組みの整備、情報保障の推進などの内容を規定しており、条例の策定によって社会全体で障害者への理解を深め、差別を解消する取り組みを一層推進することを目的としております。
○桐山委員 ただいまのご答弁でもありました、条例の策定によりましては、社会全体で障害者への理解を深めていく、そして、差別を解消する取り組みを一層進めていることを、この条例は目的としているということを理解させていただきました。
それでは、法律と条例の違いなどに着目をさせていただきながら、条例に盛り込まれた事項について確認をしていきたいと思います。
まず、総則の部分から、条例が対象とする障害者について伺います。
条例では、第二条一項、心身の機能の障害の例示として、身体障害、知的障害、発達障害を含む精神障害に加え、難病が明記されております。身体障害者については、手帳所持者に限られないとのことでありますが、難病についても、難病の患者に対する医療等に関する法律に定める疾病に限られるものでなく、例えば難治性疾患のように、難病法の規定に入っていないが、疾病により心身の機能の障害がある方もという理解でよろしいのでしょうか、お伺いいたします。
あわせて、この表現することによりまして、法の規定との相違があるのか、お伺いをいたします。
○松山障害者施策推進部長 障害者の定義につきましては、条例では、身体障害、知的障害、発達障害を含む精神障害、難病、その他の心身の機能の障害がある者と規定しておりますが、難病は例示であり、難病の患者に対する医療等に関する法律に定められる疾患がある者に限られるものではございません。
また、障害者差別解消法では難病という表現が条文に明示されておりませんが、法に基づく国の基本方針では、障害者には難病に起因する障害を含むとされており、法と条例との間で内容や対象範囲が変わるものではございません。
○桐山委員 ありがとうございました。この難病という表現が法の中では明文化はされていませんが、国の基本方針の中でしっかりとこの難病に起因する障害を含むということで明記されているということです。
そして、法と条例との間では差異はないというご答弁がございました。
続きまして、合理的配慮について何点か伺っていきたいと思います。
法律では合理的配慮について、障害者から、現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状況に応じて、社会的障壁の除去の実施について、必要かつ合理的配慮をしなければならないと定められております。
まず、障害者の側の意思の表明がスタートになっておりますが、自分の意思をはっきりと表明し伝えられる場合はいいのですが、特に知的障害がある方や言語障害のある方などは意思をうまく伝えられないことがあるかと思います。
知的障害のある方など、意思の表現が難しい人への配慮として、条例ではどのように規定に盛り込まれているのか、お伺いをいたします。
○松山障害者施策推進部長 合理的配慮の提供は、本人の意思の表明があった場合に行われるものとされておりますが、知的障害などにより、障害者本人による意思の表明が難しい場合にも配慮がされることが重要でございます。
このため、条例では、障害者から意思の表明があった場合という部分に、括弧書きで、本人による意思の表明が困難な場合には、障害者の家族、介助者等コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行うものを含むと明確に規定しております。
○桐山委員 ありがとうございました。括弧書きのところで、知的障害など、なかなか意思の表明が難しい方々については、障害者の家族ですとか、あるいは介助者等の、しっかりとコミュニケーションの支援ということで、そういう方々に補佐してもらうものも含むということで明記をされていることがわかりました。
次に、合理的配慮の提供プロセスについて質問しますが、法の条文では、障害者の側から意思の表明があった事項について、事業者側が過重な負担であるかどうか、対応可能な方法かどうかを判断するかのような印象を受けますが、そうではなく、障害者側と事業者側がお互いに対話をして、代替策も含めて柔軟な対応を話し合っていくことが重要であると考えております。
条例では、合理的配慮の提供プロセスについて、建設的な対話という表現が盛り込まれております。改めて、その意義についてお伺いいたします。
○松山障害者施策推進部長 合理的配慮の提供については、障害者差別解消法に基づく国の基本方針においても、当該障害者が現に置かれている状況を踏まえ、事業者の過重な負担を考慮し、代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互理解を通じて柔軟に対応されるものとされております。
本条例は、こうした趣旨を条文の中でわかりやすく伝えるため、法の条文には記載のない、当該障害者との建設的な対話を行いという文言を盛り込んでおります。
○桐山委員 ありがとうございます。結構、ここがポイントなのかなというふうに思いますが、やはり事業者側との対話をしっかりと進めていくということが、提供プロセスの中で大事なのかなというふうに思います。
求めた側と求められた側同士がしっかりと話し合いまして、求められて合理的配慮の提供が可能ならば提供し、求められたものが全て提供できない場合には、できるだけそれにかわる方策を探して、双方で合意点を見つけるということが何よりも重要であるということだと思いますので、この点については、しっかりと明文化されていることに対しましては、評価をさせていただきたいと思います。
都の条例では、こうした観点を盛り込んだことを確認させていただいたところです。
また、障害者への対応が画一的にならないように、性別や年齢、障害の状態に応じた対応が求められております。
都の条例では、特に女性の障害者を例示して、複合的な困難を抱える場合への適切な配慮を基本的理念で取り上げておられます。このことについては、法の条文でも明文化されておりませんが、ここについては、女性あるいは子供といった、そういった複合的な差別もあるということで、しっかりと基本理念に掲げられていることに対しましては評価をさせていただきたいと思います。
しかし、こうした配慮の方法を事業者が知らなければ意味がありません。都は事業者に対して合理的配慮を義務づけましたが、提供の方法や留意点についても丁寧に普及していくべきであります。
今後、普及啓発をどのように進めていくのか、お伺いをいたします。
○松山障害者施策推進部長 都はこれまでも、障害者差別解消法の施行に合わせ、障害のある人に対応する際の具体的な留意点として、理解すべき障害特性や配慮すべき事項をまとめたハンドブックやパンフレットを作成し、配布したほか、動画の放送などさまざまな普及啓発策を実施してまいりました。
今般提案する条例では、民間事業者に合理的配慮の提供を義務づけることから、ハンドブックを改定し、条例の内容を盛り込むとともに、趣旨をわかりやすく記載したパンフレットを新たに作成いたします。
また、民間事業者向けの説明会やシンポジウムを開催し、合理的配慮の提供について丁寧に説明してまいります。
○桐山委員 ありがとうございます。やはり条例が制定されても、事業者にさまざまな障害の方々の特性、どのような配慮が必要なのか、そういったことも含めてしっかりと周知をし、また、啓発をしていくことが何よりも重要かなというふうに思っております。
また、あわせて、私はこの間、地域の方でも障害者の親御さんとかとお話をする機会が何度かありました。その際にお話がよく出ていたのが、事業者だけの理解だけではなく、やはり障害を持つ当事者、あるいはその親御さんにとっても、この法の理解をしっかりとしていきたい、そして、条例の理解をしっかりとしていきたいというお声もいただいております。
ですので、相互理解を今後も深めていくために、例えば学校や、また、地域などにも、この法律や条例に対する理解促進のために、同じように啓発パンフレットやハンドブックなど、障害者への理解推進のために、ぜひともお願いをしたいと思います。
また、育成会などでは、キャラバン隊などを実施されているということです。そういったキャラバン隊にもしっかりご支援いただく中で、こういったものを利用しながら、地域に入っていただいて、障害者の理解をしっかりと皆さんに深めていただけるような支援をぜひお願いしていただきたいということを要望させていただきたいと思います。
次に、合理的配慮は、いうまでもなく平等な機会という権利の保障のために行うものであります。障害者が障害のない人と同じように活動することができるようにするためには、そのための環境づくりや人的な支援を充実していくことも必要であります。
とりわけ、障害者が必要な情報を入手し、コミュニケーションを図るための手段の確保については支援を充実する必要があります。
都は、条例の基本施策の一つで、情報保障の推進として、手話、筆談、点字など、わかりやすく利用しやすい方法による情報の提供の普及や、意思疎通を仲介する者の養成などを規定されております。
目前に控えております東京二〇二〇大会に向けまして、手話通訳など人材育成を初め情報保障をさらに進めていく必要があると思いますが、どのようなお考えでしょうか、お伺いいたします。
○松山障害者施策推進部長 障害者差別の解消を図るためには、障害者が円滑に意思疎通できる環境の整備が必要であることから、本条例では情報保障を基本的施策の一つとして規定しております。
都は現在、東京都障害者・障害児施策推進計画に、情報バリアフリーの充実を位置づけ、点字、録音刊行物の作成や、点訳や朗読ボランティアの指導者養成、点字通訳者、要約筆記者の育成などに取り組んでおります。
また、東京都福祉のまちづくり推進計画にも情報バリアフリーの充実を位置づけており、今後とも、障害者の情報保障の充実を図ってまいります。
○桐山委員 ありがとうございます。手話通訳者、あるいは朗読ボランティアの指導ですとか、要約筆記者の育成など、これまでも取り組まれていることは理解をさせていただいております。
今後は、やはり東京二〇二〇大会に向けましては、情報保障の体制、これを構築していくということが大切だと思います。
特に、今回のこの条例では、手話を言語とするという、条文の中に明記をされております。この手話の普及、通訳養成など、具体的な情報保障の体制の整備、これをしっかりと計画的に行っていただくように要望させていただきたいと思います。
次に、この条例の評価、検証、見直しの考え方についてお伺いいたします。
障害の有無にかかわらず、相互の理解が進み、差別が解消されるためには、事例の積み重ねや検証が必要であります。検証の結果、必要があれば施策や条例そのものの規定も見直していくことが必要であると考えております。
附則の部分では、条例には法律のように三年後の見直しなどの規定はございませんが、今後どのように検討されていくのか、お伺いいたします。
○松山障害者施策推進部長 都は、障害者差別解消法に基づき東京都障害者差別解消支援地域協議会を設置し、障害者差別の事例の共有などを通じて、都における差別解消の取り組みを進めるための協議を行っております。
条例の制定に当たっても、同協議会のもとに検討部会を設置し、障害者団体や事業者団体など、さまざまな立場の方々の意見を聞きながら検討を進めてまいりました。
本条例に基づく状況については、同協議会を活用して検証していく考えであり、社会環境の変化や差別解消の取り組みの進捗状況等を踏まえ、必要に応じて条例の規定についても検討し、所要の措置を講じてまいります。
○桐山委員 質問でも申し上げました、法では施行の状況について検討を加える、三年を経過した後、見直しを行うとされております。これらの法の整合性も含めまして、しっかりと、この地域協議会の中で議論をして積み重ねを行っていただく中で、社会状況の変化など、差別解消の取り組みの進捗なども踏まえながら、変えるときはしっかりと検討して見直しを行っていただきたいと強く要望させていただきたいと思います。
最後に、ただいまご答弁がございましたが、この地域協議会は、障害者差別の解消にかかわる事例の共有や関係機関の連携の推進、取り組みの検討や普及啓発などを協議される場である。そして、条例の進行管理なども、この協議会で担うということでよろしいのでしょうか、確認のためお伺いします。
また、そうであれば、差別解消の取り組みにおいては、この地域協議会は大変重要な役割を担うことになると私は考えております。
改めて、この協議会の構成や役割についてお伺いいたします。
○松山障害者施策推進部長 東京都障害者差別解消支援地域協議会の主な役割は、お話にありましたように、障害者差別の解消にかかわる事例共有、関係機関の連携推進、差別の解消に資する効果的な取り組みの検討、障害者特性及び障害者への理解を促進するための普及啓発、研修等について協議を行うことでございますが、こうした取り組みを通じて、条例の進行管理を行ってまいります。
協議会は、障害者差別解消法に基づいて設置されており、障害当事者を初め、行政や事業者、福祉、教育等の関係機関で構成されております。
今後とも、この差別解消支援地域協議会を中心に、さまざまな立場の方々の意見を踏まえながら、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、障害者差別解消の取り組みを進めてまいります。
○桐山委員 ありがとうございました。この東京都障害者差別解消支援地域協議会、ただいま協議会の構成メンバーということでご答弁いただきましたが、この中には学識経験者であるとか、障害の当事者団体の代表の方々や、医療関係者、教育、福祉、区市町村とさまざまな方々が多様に入っていらっしゃるこの協議会の中で、今ご答弁にありましたような合理的配慮、あるいは差別についてのこういった事例をしっかりと蓄積をされて、今後もこの中でしっかりと議論が進められていかれるように、また、この条例がしっかりと進行管理されますように見守っていきたいというふうに思います。
この条例を契機に、障害者の社会参加が一層推進され、誰もが生き生きと活躍できる共生社会、ダイバーシティーの実現が推進されることを期待いたしまして、この障害の条例に対しましての質疑は終わらせていただきます。
次に、受動喫煙防止条例の質疑に移らせていただきます。
本条例は、東京都独自のルールとして、人に着目をした対策を基本指針に据えて、働く人と子供を受動喫煙から守るとした点です。
これまで日本の受動喫煙の議論では、働く人を守るという視点が置き去りにされてきました。今回、小池知事がこの点を大きく打ち出したことは高く評価されるべきと考えます。
また、都民の健康増進、医療費の抑制の観点からも、都として条例を制定する必要があり、飲食店や、利用者や、従業員からも、これまで都の条例制定を望む声が多く存在をしていました。
オリンピック・パラリンピックのホストシティーとして国際的な責務であり、世界から注目をされております。
我々、都民ファーストの会としても、スモークフリーの社会を目指し、見せかけでない真の受動喫煙防止条例の制定を公約に掲げ、職場、公共の場所での屋内での禁煙を徹底し、利用客と働く人を受動喫煙から守ることを訴えてまいりました。
これまでも多くの団体から多様なご意見をいただく中で議論を重ね、また、昨日は委員会として条例審議をより一層深めていくために、東京都医師会長、尾崎治夫先生、東京都麺類生活衛生同業組合、田中秀樹理事長にお越しいただき、参考人質疑を行いました。
それぞれの貴重なご意見を伺う中で、より受動喫煙防止に対する考えを深められたことは大変意義のあるものでございました。
それらを踏まえまして、質問に入りたいと思います。
まず最初に、都における取り組みについてお伺いします。
これまでの東京都の取り組み、そして、本条例制定の必要についてお伺いいたします。
○成田保健政策部長 平成十五年の健康増進法の施行を受け、都は平成十六年に東京都受動喫煙防止ガイドラインを策定し、これまで公共の場の受動喫煙防止対策を進めるとともに、たばこの健康影響に関する正しい知識の普及啓発を行ってまいりました。
飲食店につきましては、店舗での禁煙、分煙を呼びかけるリーフレットを作成、配布するとともに、具体的な対策事例を紹介する研修会を開催し、自主的な取り組みを働きかけてまいりました。
また、利用者が飲食店を選択する際の参考となりますよう、店内の禁煙、分煙等の取り組み状況を店頭に表示するステッカーを作成し、関係団体や区市町村を通じて配布してまいりました。
こうした取り組みによりまして、平成二十九年度に飲食店等を対象に実施した受動喫煙防止対策実態調査では、禁煙や分煙などに取り組む飲食店等の割合は、平成二十七年度に比べまして、一般飲食店では五九・七%から六四%へ、バー、スナックなどの遊興飲食店では一三・九%から二一・五%へと、それぞれ増加しております。
昨年度、二万人を対象に行いました受動喫煙に関する都民の意識調査では、受動喫煙を経験した場所として、飲食店が約七七%と依然として高い結果となっております。
都は、都民の健康増進の観点から、受動喫煙防止対策を強化する必要があるため、今回、改正法案と整合性を図りながら、条例案を提出いたしました。
○桐山委員 ありがとうございます。いつまでも健康で暮らし続けたいと思うのは、都民全ての願いだと思います。
今ご答弁いただきました受動喫煙に関する都民の意識調査では、受動喫煙を経験した場所として七七%の人が飲食店であり、依然と高い数値が出ているとのことでした。
知事は今回健康ファーストの視点に立って、健康寿命の延伸のためにも、この条例は一つの契機でありますが、一日も早い制定が望まれていることを理解させていただいたところです。
次に、法律と条例との整合性についてお伺いしていきたいと思います。
現在では、国会におきまして審議中でございます健康増進法改正案では、望まない受動喫煙を防止と書かれているのに対しまして、この都の条例では、望まない受動喫煙に限定することなく、受動喫煙を防止と書かれていますが、その意義についてお伺いをいたします。
○成田保健政策部長 国では、例えば喫煙室内で喫煙をしている者の受動喫煙は対象としないことから望まない受動喫煙と規定しているのに対し、都では、広く都民の健康増進を図るため、望む、望まないにかかわらず受動喫煙を防止することを目的に条例を制定しております。
東京都がん対策推進計画改定時の協議会における、望む受動喫煙はないなどの意見を踏まえ、望む、望まないではなく受動喫煙をなくすことを目標に掲げました。
こうしたことから、望まない受動喫煙に限定することなく受動喫煙を防止する条例案を提出いたしました。
○桐山委員 ありがとうございます。この望まない受動喫煙のことについては、ただいまの国会審議の中でも議論があるところだと伺っているところです。
都の条例では、今もご答弁ありましたように、望む、望まないだけの受動喫煙の防止を図るためでなく、都民の健康増進を図るため、受動喫煙を、特にみずからの意思で避けることが困難な者に対して受動喫煙を生じさせないような防止対策ということで理解させていただきました。
次に、地方自治との整合性についてお伺いします。
屋内の禁煙の議論が進んでまいりますと、屋外の喫煙場所の議論に発展をしてまいります。
都内区市町村では、路上喫煙や歩きたばこ禁止などの規制条例が先行して制定をされている現状でございます。この都条例との整合性についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○成田保健政策部長 現在、区市町村では、環境美化や喫煙マナーの向上といった観点から、路上喫煙や歩きたばこに関する条例を制定しております。
交通事情や人口密度、自然環境など、地域によって屋外の状況が異なることから、屋外における規制は、それぞれの基礎的自治体が地域特性を踏まえて行っているところでございます。
都条例は、屋内における受動喫煙の健康影響から都民を守ることを目的に提案しております。
○桐山委員 ありがとうございます。今もご答弁にありましたように、これまでたばこ対策といいますか、環境美化という観点からの、例えば路上のたばこのポイ捨ての禁止ですとか、または路上喫煙、子供たちへの被害がよく多発しました歩きたばこの禁止など、屋外の規制については、これまで市区町村独自で条例を制定している区市があろうかと思います。
これはあくまでも、基礎的自治体であるそれぞれの区市町村が、どういうふうにこれから自主的や主体的に判断をされていくかがあろうかと思います。今後は、この条例が進めば進むほど、屋外への喫煙対策というものが、話題が膨らんでいくかと思います。
今回の代表質問の中でも、公衆喫煙場所などの補助の関係ですとか、さまざまな議論が行われてまいりました。これも、地元に対しましても、今後は、やはり市区町村の、例えば議会ですとか、あるいは地域住民ですとか、今までなかったものがまたつくられるですとか、そういった屋外の問題も、区市の中ではさまざまにこれから問題が生じてくることも、懸念の材料としてはあろうかと思います。
しかしながら、東京都は、この屋内の禁煙をしっかりと対策を進めていかれる中で、ぜひとも市区町村との連携を深める中で、公衆喫煙場所の補助、また、それに対するしっかりとした相談体制といいますか、そういったものをしっかりと強化をしていただきたいというふうに強く求めておきたいと思います。
そして、健康都市を目指す東京、これは、今後は禁煙対策……(発言する者あり)もちろんそうです。区市がしっかりと、基礎的自治体の役割ですから、それをしっかりと区市町村が判断をして、屋外の対策についてはしていかなければならない。
先ほども申し上げましたように、この議論というのは、市区町村の今度議論に変わってまいりますので、そこはしっかりと、東京都におきましても、財政支援の中で取り組みを行っていただきたいというふうに申し述べておきたいと思います。
そして、屋外の問題につきましては、たばこの煙でぜんそくや、また、アレルギーが発生する方も中にはいらっしゃいます。そういった方もいることを十分にそれぞれが理解をすることが大事なのではないでしょうか。
次に、医療機関及び児童福祉施設に対して、屋外に喫煙場所設置を可とした敷地内禁煙と、今回はされております。これは努力義務ではありますが、屋外に喫煙場所の設置も不可とした小中高等学校や保育所、幼稚園とは異なります。
全面禁煙にしなかった理由についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○成田保健政策部長 子供は受動喫煙による健康影響を受けやすく、みずからの意思で受動喫煙を避けることが困難であるという観点から、本条例では、幼稚園や学校等、子供が日中の大半を過ごす施設については、敷地内禁煙とした上で、屋外の喫煙場所も設置を不可としております。
その他の児童福祉施設につきましては、職員等が当該施設において、勤務の都合で長時間を過ごすことも考えられることから、国の改正法案と同様に、敷地内禁煙とした上で、屋外喫煙場所を設置できるものといたしました。
医療機関につきましては、入院している患者や妊婦等はみずから受動喫煙を避けることが可能であること、また、緩和ケアや精神科の実情に一定の配慮が必要であることを踏まえまして、国の改正案と同様に、敷地内禁煙とした上で、屋外設置場所を設置できるものといたしました。
○桐山委員 医療機関や児童福祉施設、法案改正案と同様だということで理解させていただきました。
次に、営業権について伺います。
昨日の参考人招致の質疑の中でもございました、事業者に選択の自由を与えるべきであるとのご意見もありました。飲食店への規制については、かなり厳しく、営業権の自由の侵害に当たるものと捉える意見もたくさんありました。
都の見解はいかがでしょうか。
○成田保健政策部長 最高裁は、営業の自由に対する規制につきましては、その必要性と合理性が求められるが、その規制の目的が公共の福祉に合致すると認められる限り、規制措置の具体的内容及びその必要性と合理性については、立法政策上の課題として司法においても尊重されると判示しております。
受動喫煙が健康に悪影響を与えることは科学的に明らかにされておりまして、国におきましても、受動喫煙を防止するために、健康増進法の改正案が審議されております。受動喫煙から都民を守るという都条例の目的は、国の考えと同様でございまして、公共の福祉に合致するものと考えております。
また、条例の内容は、事業者に対して喫煙を認める営業形態を一切禁じるものではなく、喫煙する場所の提供を主たる目的とする喫煙目的施設や喫煙専用室の設置を認めていることから、営業の自由に対する過度な規制とはいえず、営業の自由を侵害するものではないと考えております。
○桐山委員 ありがとうございます。条例の目的は国の考えと同様でありまして、公共の福祉に合致をしているとのご答弁でした。
公共の福祉とは社会全体の共通の利益といわれておりますが、受動喫煙が健康に影響があり、従業員や利用者を守る立場からも、本条例は、喫煙目的室、また、専用室の設置を認めているので、営業権の侵害には当たらないということで理解をさせていただきました。
次に、売り上げの影響についてお伺いしたいと思います。
これも、昨日の質疑の中でもありました。飲食店では、規制の強化により売り上げが減少をするなどの懸念の声が大変上がっておりました。
一方で、昨日は、東京都医師会の尾崎会長のご意見の中では、禁煙化しても飲食店の売り上げは減らない、そして、諸外国のエビデンスに基づき、お話等をされていただいていました。また、喫煙者が仮に行かなくなっても、国民の八割を占める非喫煙者が行きやすくなるため、むしろ来店客は増加するものとのご意見もいただいたところです。
都の見解はいかがでしょうか。
○成田保健政策部長 都の条例案では、健康増進法改正案と整合性を図りまして、飲食店につきましては、原則屋内禁煙とした上で、一定の要件を満たす喫煙専用室の設置を認め、その中では喫煙可能としております。
また、従業員のいない飲食店については、禁煙か、喫煙かを選択できることとしております。
今回の条例案では約八四%の飲食店が規制の対象となると見込んでおりまして、ほとんどの飲食店に同じルールを適用することで、売り上げ等への影響は少ないものと考えております。
また、WHOの国際がん研究機関、IARCによれば、受動喫煙の規制による経済的影響に関する百六十五の調査のうち、妥当性、信頼性の高い経済活動のデータを用いている、規制が実施される前後数年間のデータを用いている、適切な統計的手法を用いている、規制を行わなかった対象群を設定し比較しているという、この四つの条件を満たす信頼性の高い調査は、四十九とされております。
このうち、四十七の調査は売り上げに負の影響がない、残り二つの調査が負の影響があるという結論となっております。
○桐山委員 都の見解としては、売り上げの減少への影響は少ないとのご答弁でございました。
今後は、例えば禁煙努力店、努力をされているお店など、本条例に対して協力や努力をされたお店などに対し、また、区市町村などを通しましても、そういったお店もPRをしていただくなど、しっかりとそういったバックアップも必要なのではないかというふうに考えております。要望させていただきたいと思います。
次に、平成二十九年九月に公表されました条例の基本的な考え方の中では、従業員の同意要件というものがありました。
今回出されましたこの条例では、その従業員の同意の要件がなくなっております。条例案で変更した理由についてお伺いいたします。
○成田保健政策部長 昨年九月に公表いたしました基本的な考え方では、店舗面積が三十平米以下で従業員を使用しない店や、全従業員が同意している店舗につきましては喫煙可能とする例外措置を設ける案をお示しいたしました。
これに対しまして、パブリックコメントでは、従業員の受動喫煙防止に努めるべき、雇用者の喫煙方針に従業員が反対意思を示すことは困難と、こういったご意見がございました。
こうした意見を踏まえまして、本条例では、店舗面積等にかかわらず、全ての飲食店を原則屋内禁煙とした上で、従業員を使用しない場合は、禁煙か、喫煙可能かを選択できることといたしました。
○桐山委員 面積要件ではなく、今回は人に着目をした視点の中で、従業員の健康を最優先に考えて、たばこには害があり、健康影響を受けている、それらの多数のエビデンスに基づきまして、また、みずからの意思で避けることが困難な者に対し、受動喫煙を生じさせないよう防止をしたこの条例に対しましては、しっかりとこの対策を今後も推進をし、進めていただきたいというふうに思います。
都民ファーストの会は、子どもを受動喫煙から守る条例と、そしてこの受動喫煙防止条例とが、今後、都民への普及啓発とともに、全ての都民が健康で元気で暮らせる東京で、また、二年後に迫ったオリンピック・パラリンピックのホストシティーとして、たばこのこの対策が、またレガシーとして、健康都市東京へと息づいて進化できる条例であることに期待を申し上げまして、私からの質問を終わります。
ありがとうございました。
○小宮委員 受動喫煙防止条例案に対して質疑を始めますけれども、東京都は昨年の九月に基本的な考え方を示しました。
その後、一カ月にわたりましてパブリックコメントを実施、結果として一万六千九百七十二件の意見がございました。
例外なしの屋内全面禁煙とすべきという賛成意見が六千四百六十四件、加熱式たばこは科学的根拠に基づいて規制すべきなど一部反対が三千百八十五件、一律規制に反対するものなど反対が五千七件ということで、当時のマスコミなどでも、一部反対と、それから反対を足すと賛成を上回ったということが報じられておりました。
その後、年が明けました一月三十日、国の法案の施設の類型が変わったということで、受動喫煙防止条例案の提案を第一回定例会では行わず、さらなる検討を重ねると、知事が発表をされています。
その際の知事のコメントとして、都民や東京を訪れる外国人などの混乱を避けるために、また、実効性のある受動喫煙防止対策とするためには、国の考え方と整合性を図っていく必要がありますというふうに述べていらっしゃることと、そしてまた、より実効性の高い受動喫煙防止条例とするには、区市町村との連携協力というものが不可欠であり、各区市町村の意見も尊重していきたいと考えておりますというふうに述べられたということが、二月二日、福祉保健局から発出をされております。
その後、四月二十日になりまして、突如として示された感が強いわけですけれども、今回の条例案の提案の前に至る骨子案、この骨子案なるものに対して、知事のおっしゃった、大変重要な視点であると思っておりますけれども、そうした視点がどのように実行され、そしてまた反映をされたといえるのか、まずは伺います。
○成田保健政策部長 条例の骨子案は、国としてのナショナルミニマムを定めた健康増進法改正案をもとに、都独自のルールを加味したものでございまして、国の改正法案と整合を図っております。
区市町村との連携につきましては、平成二十九年九月に基本的な考え方を公表して以降、十月六日に区長会、十月六日に市長会、十月五日に主管部長会、十月十日に主管課長会において説明をいたしまして、意見交換を行ったほか、各区市町村に対して意見照会も実施いたしました。
また、本年二月に行った知事と区市町村長との意見交換の中でも、受動喫煙防止対策に関するご意見をいただいておりまして、国の改正法案との整合性や区市町村との連携を図った上で、骨子案を取りまとめ、本年四月に公表いたしました。
○小宮委員 整合性については、国の改正法案に対して、東京都独自のルールを加味したということをもって整合性が図られているというご答弁、それから、区市町村との連携については、去年の九月にまず示された、パブコメもとられた基本的な考え方、これがベースとなって意見交換、照会などをされているというお話でした。
そしてまた、知事と区市町村長との意見交換が本年二月にあったということですけれども、これに関しても、その九月の基本的な考え方をベースにして話されているんでしょうか。つまり、その面積、重要な変更点として、飲食店の喫煙の可否が従業員の有無にということに骨子案で変わっているわけですけれども、本年二月の時点、その大きな変更点について示された上で意見交換をされているのか伺います。
○梶原福祉保健局長 まず、基本的な考え方というのを改めて思い出していただきたいんですが、基本的な考え方は、原則屋内全て飲食店は禁煙です。その上で、バー、スナック等についてのみ三十平米以下で、その上で、従業員がいない、もしくは従業員の合意をするということでお話をさせていただいた。
つまり、居酒屋やバー、スナック以外の飲食店は全て例外なく、原則屋内禁煙と、こういう案で出させていただいたわけであります。その上で、さまざまなパブリックコメントをいただいた。市長、区長からも、さまざまなご意見をいただいた。
その上で、今回出した基本的な骨子案というのは、全ての飲食店に例外を設けた。つまり、全く例外がなかった平米以下ではなくて、従業員がいる、いないということの例外をつくった。
今、意見交換の中でそういうことを前提にお話をしたかということでありますけれども、私どもは、全て屋内が全面禁煙ということを前提とした上で意見交換をやって、いろんな意見が出たということで、全ての飲食店を対象にした上で、従業員というものを加味した、こういうことでございます。
○小宮委員 九月の時点では、バー、スナックに限るけれども、三十平米という、やはり面積という考え方があったわけです。いきなり従業員のあるなしというものが出てきたのは、四月二十日に示された骨子案なんですね。それに至るまでのさまざまな基本的な考え方をもととする意見交換は行われてきたと思いますが、面積から人へと明らかにその判断の基準が変わっているということは、これは区市町村にとっても驚きであったと思いますので、そこが事前に区市町村と話し合いとしてあったのかということを伺っております。
○梶原福祉保健局長 繰り返して申しますが、最初の案というのは、全面屋内禁煙というものをベースとしていた。その上で、いろんな意見をいただいた。その上で、従業員を守る、それから子供を守ると、こういう考え方のもとに、改めて骨子案を提出した。こういう経過でございます。
○小宮委員 先ほど申し上げましたけれども、骨子案に対して国との整合性が図られたというのは重要な点で、国の考え方と東京都の新しい考え方が違うわけですから、これは大きな点で整合性は図れていないんではないかというふうに思うところです。
また、区市町村との連携という点も、大きな変更があったところに関して具体的な調整がなされていないということを考えますと、都知事が一月三十日におっしゃった重要なポイント、国との整合性、また、区市町村との連携を図っていくということがなされたとはいいがたいんではないかというふうに申し上げておきたいと思います。
それで、骨子案が四月二十日に発表されたわけですけれども、改めて、この骨子案というものを区市町村に対して事前に説明をしたかどうか、確認をいたします。
○成田保健政策部長 昨年九月の公表以降、区長会を初め、主管部長会、主管課長会において説明いたしまして、意見交換を行ったほか、各区市町村に対して意見照会を実施いたしました。
本年二月に行った知事と区市町村長との意見交換の中でも、受動喫煙防止対策に関するご意見をいただき、これらを踏まえた上で、骨子案を取りまとめました。
骨子案公表後、その内容について、速やかに区市町村に情報提供するとともに、区長会、市長会、町村会において説明いたしまして、意見交換を行っております。
○小宮委員 再三ですけれども、つまり九月の基本的な考え方について、区市町村といろいろな説明、意見交換をしてきたと、骨子案に関しては、公表後に速やかに情報提供、また意見交換を実施しているということでした。
実務者レベルの会というんでしょうか、例えば二十三区の課長会は、六月五日の条例案発表後となります六月十二日に、初めて東京都から説明があったやに伺っています。
また、去る五月十五日の区長会におきましても、さまざまな疑問に対して説明がない、連携といわれても承服できないという意見もありました。
地方分権を推進する東京都はこれまで、都内全区市町村に関係する施策を展開するときには、事前に事務レベルでの調整を進め、そこで明らかになった課題を一つ一つ解決をし、施策の具体的手段、実施体制、財政的な手だて、こういうことなどについて合意を図って、最終的に区長や市長や町村長と知事とで意見交換を行って決定をしていくと。こういった手順というものが、これまで区市町村と連携をしてきたやり方だったというふうに伺っています。
今回、東京都が最終的にこの条例案、六月五日に示されましたけれども、これを発表するに当たって、区市町村にはどの段階で条例案の内容を伝えたのか伺います。
○成田保健政策部長 本年四月に条例の骨子案を公表した際には、その内容について、速やかに各区市町村に情報提供するとともに、区長会、市長会、町村長会において、知事が都の考え方について説明し、意見交換を行いました。
また、部長会等においても説明をするとともに、区市町村に対して意見照会を行った上で、さまざまなご意見を踏まえて取りまとめたものでございます。
条例案につきましては、都議会に送付した六月五日に区市町村に情報提供をしておりまして、その後、主管部長会、主管課長会等の機会を捉えて、条例の内容についてご説明をしております。
○小宮委員 骨子案公表の後にさまざまな意見交換を行われて、今、そのご意見を踏まえて条例案を取りまとめられたというお話がございました。
どんな意見が、骨子案から条例案に至るまでの間、この区市町村から出た意見の中で反映をされたのか伺います。
○成田保健政策部長 区市町村からはさまざまなご意見をいただきまして、加熱式たばこにつきましては、国と整合性を図るのかどうなのか、こういったこともございました。
また、補助についてどうなのか、また詳しく説明をしていただきたい、こういったこともございましたので、条例案に加味するとともに、また、区市町村への丁寧な説明を行っていくということを説明申し上げました。
○小宮委員 何度も申し上げますが、第一回定例会で条例案の提案を見送った際に知事がおっしゃった重要なこと、国との整合性を図るということ、区市町村との連携が今回の条例案に対して不十分であるというふうに、今の答弁を聞いていて、やはり思うところです。こういうことが、例えば拙速であるとか、あるいは実効性を疑問視される、そういうゆえんになっているのではないでしょうか。
知事も、受動喫煙防止に関する発言の中でたびたびおっしゃっておられます。すごい大事なことです。実効性ということが何よりも重要であるということ、それから、条例をつくりました、法律をつくりました、しかしながら実効性はありませんでしたということでは意味がないということを、本当に大切なことだと思います。こういうことをたびたび知事もおっしゃっておられます。私たちもそのとおりだというふうに思っています。
大事なのは、都民、国民、また外国人にとって、この条例、受動喫煙防止のための国の法案がある、東京都の条例がある、外に出れば区市町村それぞれに条例があったりする。こういうわかりにくいものが、やっぱりわかりやすい内容にならなきゃならないということと、それから区市町村や保健所の理解とか協力を得て、効果的な実効性のある条例にしていくということ、これが本当に大事だと思っているんです。
今回、どうしてこのような一方的な条例の提案に至ってしまったのか。都内全域にかかわる課題であるにもかかわらず、実際に受動喫煙防止策の実務を担うことが想定される区市町村に大きな変更を伴う骨子案、また条例案というものを、事前に調整、説明、連携することなく、条例案の骨子を発表した理由を伺います。
○梶原福祉保健局長 今回の条例は、健康増進法改正案と並行して条例案を提出している。ご存じのように健康増進法改正案というのは、都道府県もしくは区市の保健所設置市というところが実務を担うと、こういう形になっています。
これは昨年の基本的な考え方から一貫して、国もいっていますし、私どももいっている。つまり、保健所を設置している区市というのが何らかの業務を担うということは、何回もご説明をしている。
その上で、どのような業務が来るかというのは、国の健康増進法の改正案が出されたのは三月であります。その上で、それと整合性を図るという意味で、私ども骨子案というのを出させていただいた。
具体的には、それぞれ施設の管理権原者に保健所が設置を指導、命令、それから現地で確認と。これはもともとの昨年の健康増進法の改正という当初の段階から一貫してお話をしている。その上で、その上で今回私ども、条例として上乗せ、横出しをお願いするということであります。
これはどういうことかというと、国でいくと、飲食店が大体、今の健康増進法の改正案でいくと四五%が対象になっています。私どもはそれに上乗せをして、八四%を考えている。つまり、その差の部分の飲食店の数がふえるということが横出しであって、保健所が担う業務というのは基本的に同じであると。従業員の有無を確認するというところ、ここを付加するだけであって、それ以外については基本的に法の改正案、これと全て整合性をとっている。
そこの部分については、保健所の担う業務というのは一貫して、この一年間ご説明をさせていただいていると、こういうことであります。
○小宮委員 今、局長がおっしゃったとおりだと思うんですよね。国の方の対象となるのは四五%程度、東京都の基準で従業員のあるなしで対象となる店舗というのが八四%程度、そうすると、そこに差が出る、対象となる店舗数はふえるということ、それから、その従業員の有無、これを付加しただけだというふうにおっしゃいますけれども、やはり国と比べて、東京都は規制範囲対象を広げた分、保健所の仕事はどうなるのか、どの程度ふえるのか、どれぐらい人員が必要なのか、そういうことがわからないまま、今回の提案に至っているということを私は申し上げているところです。
今回の唐突な提案に対しまして、特に驚いたのは、経営への影響を懸念する中小飲食業の事業者の皆さんであると思います。知事は所信表明で、規制対象となる飲食店というのは八割を超えて、都民の健康を守るために実効性がより高まりますというふうに発言されていますが、条例の実効性というのは、規制対象範囲の大きさ、広さではないと思います。日々の都民の生活の中で受動喫煙対策を進めていくには、具体的にどのような仕組みを区市町村と構築していくかということが重要です。
飲食店の八四%が規制対象となる。今申し上げました国は四五%、この四五%という数字はいろんな議論があります。緩いんじゃないかとか、そういうこともありますけれども、国が長きにわたってさまざまな関係者と調整を経た結果、現実的な数字として出された考え方であるとも、片や実効性がこちらがあるというふうに考えられるとも思います。
対象店舗数も、国よりもはるかに東京都のは多くなるわけです。その上、国にはない基準、従業員の有無の確認というものも付加しただけだとおっしゃったけれども、大変なことだと思いますよ。そういうことが生じてまいります。
条例案に応じて、この対象となる店舗数はどの程度でしょうか。
○成田保健政策部長 今回、規制対象となる施設は約九十万カ所であり、そのうち飲食店が約十六万カ所となってございます。
約十六万の飲食店のうち、法案で規制対象となる飲食店は七万二千、都条例の対象となる従業員のいる飲食店の数は約六万二千、従業員のいない飲食店の数は約二万六千でございます。
○小宮委員 条例案では、灰皿などを撤去して、喫煙室には基準を満たした煙を出す機能を備えたものを取りつける。また、店頭表示ステッカー、これは来年の九月までに義務化ですか、全面の施行は二〇二〇年の四月ということですけれども、そういうふうになっております。
特に、この国の法律でいうと、喫煙の表示というのは義務になっておりますけれども、禁煙を表示することは国の法案では求めていないんですね。東京都は両方、喫煙と禁煙と、飲食店は両方、どちらかを示すことになっていますが、禁煙の方は努力義務となっているそうです。それからもう一つ、加熱式たばこ、この専用の喫煙室を示す、こういうステッカーも今後検討されるということですから、ややこしいんですけれども、つまり、東京都内では、都条例によって、飲食店には基本的に全て吸えるか吸えないか、あるいはここは加熱式はいいよという部屋、その三つのステッカーが全ての飲食店において、いずれかが掲示をされることになると。
また、その種類というのは、そこそこ広い店だったら、一つのフロアの中で禁煙の部分もある、喫煙だけの部分もある、加熱式で飲食しながら吸えるというところもあるということで、一つの店で、多いところで三枚の表示があるということが今後考えられてくるということです。
そして、国の法案の審議も進んでおりますけれども、この国の法律が適用されるようになると、義務である喫煙表示のない店というのは罰則の対象にもなってくるということです。
いずれにしても、東京都内の膨大な数の店舗に対して、実際に条例が適正に運用されていくのか、疑問の声が聞こえてきます。誰がどのように調べるのか伺います。
○成田保健政策部長 健康増進法改正案では、保健所が飲食店への指導、勧告や命令、罰則の適用、立入検査等の業務を担うこととしておりまして、本条例に基づく業務につきましても、同様に保健所に担っていただきたいと考えております。
本条例の附則第三条では、都指定特定飲食提供施設、第二種施設のうち飲食店等では、当該施設で業務に従事する従業員がいないものにつきましては、喫煙可能室の設置を認めておりまして、喫煙可能室を設置する場合には、当該飲食店について、従業員の有無、雇用関係や家族の同居について確認することとしております。
従業員を使用していない店舗を喫煙可能とする場合は、事業者にその旨を保健所に届けていただく予定でございます。
現在、各保健所におきまして、食品衛生法に基づく飲食店の営業許可や監視指導を通じて、管内の飲食店の状況を把握しておりまして、これと同様に、従業員の有無の確認など、条例に基づく業務についても適切に対応できるものと考えております。
○小宮委員 今いろいろとお答えいただいたんですけれども、条例の運用を確認するのは保健所設置区市ですね。今お答えになった中にもありましたけれども、雇用関係の調査、従業員の有無、家族が同居か否かなど、これ、もう一度お答えいただけますか、誰がどのように調べるのか。
○成田保健政策部長 飲食店におきまして、当該施設で業務に従事する従業員がいないかどうかにつきましては、雇用関係、家族の状況につきましては保健所が確認することとしております。
○小宮委員 保健所がいずれにしても確認をするということですけれども、その確認に必要な人員とか予算とか手だて、各区市町村によって繁華街を抱えている区もあれば、そうでないところもあると思いますけれども、その辺は、特にお話し合い、ご調整はされていないということですかね。
○成田保健政策部長 先ほども申し上げましたけれども、従業員を使用していない店舗を喫煙可能とする場合には、事業者にその旨を保健所に届け出ていただく予定でございます。
いずれにいたしましても、区市の保健所の協力がなくては実効性の担保ができませんので、今後とも引き続き連携を図りながら受動喫煙防止対策を進めてまいりたいと考えております。
○小宮委員 喫煙ができる、ちょっと済みません、整理させていただきたいんですけれども、保健所に届け出ですかね。届け出をするというお店というのは、つまり、従業員がいなくて、家族も同居で、喫煙が可能だよという、そういうお店は、事業主が自発的に、自主的に保健所に自己申告をすると。申請をして、保健所はそれを確認等せず、届け出だから受理をするだけですね。そういうことでよろしいんでしょうか。
○成田保健政策部長 繰り返しになりますけれども、先ほどお話がございました、従業員を使用していない店舗を喫煙可能とする場合には、事業者にその旨を保健所に届けていただく予定でございます。
また、事業者の方にも適切にお届けいただけるものと、このように考えております。
○小宮委員 都内には膨大な数の対象施設があるわけですけれども、例えば、お店の面積だったら、そうそう簡単に変更がなされてしまうということはないと思うんですが、日々刻々と変化する雇用ですとか事業実態、こういうものを自己申告の書類の受理だけで責任を持って把握できるのかなということを疑問に思います。
飲食店に対する実態調査というのは、保健所になるんでしょうけれども、どのような頻度で行うことを想定されていますでしょうか。
○成田保健政策部長 都では、受動喫煙に関する実態を把握するため、必要に応じて適宜調査を行っております。
都がこれまでに行った受動喫煙に関する調査でございますけれども、飲食店における受動喫煙防止対策実態調査が平成二十年度、二十五年度、二十七年度、二十九年度、宿泊施設における実態調査が二十九年度、都民の意識調査が二十七年度、二十九年度、職場における実態調査が二十二年度となってございます。
本条例におきましても、施行から五年後に、その状況を検証し、必要な措置を講じていくこととしておりまして、今後も、条例の施行状況を把握しながら、受動喫煙防止対策を推進してまいります。
○小宮委員 今おっしゃった、東京都がこれまで条例の制定に合わせてというか、準備をするという意味でも実態調査を行ったという、その調査はわかります。その調査ではなくて、今後のお店の実態、先ほどの話だと、喫煙を望むお店、可能なお店だけは届け出を保健所にするだけで許可されると。それ以外で、例えば、違反をしているお店等々、とにかく飲食店の件数は膨大でありますから、その辺の実態の調査というものは、全施行、本格施行だから二〇二〇年の四月以降なんでしょうけれども、どのように行うと考えていらっしゃいますか。
○梶原福祉保健局長 本条例は、過料というのは行政上の秩序罰であります。つまり、どういうことかというと、皆さんに--この条例の案、もしくは健康増進法もそうであります。過料であります。
つまり、いろんなものを協力していっていただいて、健康増進法、それから条例の実効性を担保する。つまり、飲食店の方々も協力をしていただく、それから、保健所の方も協力をしていただく、そこが連携をしながらやっていくというのが、基本的には、法律も条例もつくりであります。
したがって、これを届け出をしていただきます。届け出をしていただいた上で、例えば、あるお店を利用した方から、例えば禁煙となっているにもかかわらず喫煙ということになれば、その上で保健所が立ち入りをやる、あるいは注意をやる、こういうふうになります。
それから、飲食店側には、常時、労働基準法上の雇用契約を結んでいる、例えば税金の、納めるとか、いろんな書類があるわけです。それをいつも保持していただいて、その上で、例えば、そういう立ち入りだとか検査をする場合、あるいは勧告、命令をする場合に、そういう書類を見させていただいて、実際に適正に運用されるか確認をする、こういうのが法律、それから条例のつくりだと、こういうふうに考えております。
○小宮委員 そうすると、皆さんの協力をいただいてということですね。そしてまた、その利用者から、喫煙者など、違反があったような場合に、通報を受けた際には立ち入りをするが、そういうことがない場合には、特段の実態調査はしないということでしょうか。
○梶原福祉保健局長 保健所は、常日ごろ食品衛生法という観点からも監視業務もやっております。
そういう機会を通じても確認をするということでございますので、あたかも通報があったときだけということではなくて、常日ごろからのそういう食品衛生法上の監視を通じての確認、それから、さまざまな通報といいますか、苦情といいますか、そういうものがあったときの立ち入り等、そういうさまざまな機会を通じて現状を把握すると、こういうことになるかと思います。
○小宮委員 この東京で、そのような手法で、条例の実効性というのがどの程度担保ができるのかなというところが想像がつかないところですけれども、再三申し上げますけれども、規制の範囲を広げれば受動喫煙の防止につながるとは限らないと思います。
国の整合性が図られて、都民、国民、外国人全てにわかりやすい対策でなければならない、また、条例に効力を持たせるには、実際に確認や指導を行う基礎的自治体との連携が欠かせない、そして、飲食店を営む事業主の理解と協力が必要と。そういう努力というものを、今回の条例の制定に当たって、この当たり前の手順というものを区市町村、保健所を所管する区市などとの間において、東京都として実行してきたといえるのか、そこを伺いたいと思います。
○梶原福祉保健局長 今回の健康増進法の改正というのは、昨年の通常国会で出されるという予定であったわけであります。その内容というのはさまざま変わってきた。私ども、二〇二〇年のオリンピック、二〇一九年のラグビーワールドカップ、これまでにやっぱり国際基準というものを満たすための法律なり条例というのを整備していかなきゃいけない。これがある種の我々の責務だというふうに思っています。
ですから、それが国においても今、健康増進法の改正ということを会期延長して、さまざまな審議が行われている。これは、ある意味で、法律と条例案が並行して審議されるというのは、ある意味で異例であります。その意味で、区市町村との調整だとか、あるいは区市町村からのご意見というのはさまざまあるというのは、私どもも十分承知をしております。
その上で、今後、法律が成立をする、そして政省令が出てくる、我々も条例案を可決させていただければ規則をやる。その上で、区市町村と具体的な調整、実務的なものというのは、最終的には、二〇二〇年の四月というのが最終的な全面施行でありますから、十分調整をさせていただきたいというふうに考えております。
○小宮委員 今、局長のお話にもありました国の類型が変わったりした。そしてまた、二〇一九年のラグビーもある、また二〇二〇年のオリ・パラもある、そこに合わせて国際基準を満たすものをつくらなきゃならないということで拙速になってしまってもしようがないというような、皆さんの危機感も、いろいろな状況もあったんだと思います。
そういうことで、いつもの行政的な手続、区市町村との連携が、いつもどおり条例をつくっていくならば当然行われてきたような調整等ができなかったというような話に私にはうかがえましたが、今後、法律も、こういうことは異例だというふうにも局長もおっしゃいました。
東京都として、条例案を国の法律と並行して進めていっている、だからこそ、さっきいったようなステッカーなども、国の法案が通らなければ決まってこない、それから、いろいろ話出ていますけれども、喫煙場所の補助、そういう喫煙の施設がどういう形になるのか、これも国の政省令待ちだということで、なかなか今までの条例と状況も違うということは理解をするところですけれども、それでも、だからといって拙速でいいのか、やはりわかりやすいものになっているか、実際、国の法律と全く一緒じゃないわけですから、この条例の実効性がちゃんと担保されるのかということを、私たちはしっかりと話し合って確認をしていかなければならないという思いで、きょうも質問に立たせていただいているわけです。
例えば、繁華街、先ほど話しましたけれども、繁華街を抱えている新宿区では飲食店が一万四千八百十四軒、住宅街の私の住む杉並区でも五千六百四十八軒、東京都内で十六万二千八百三十二軒あるわけです。仮に通報があれば、夜でも深夜でも、どう対応するのか、人材も予算も示されていない中で明確な説明を求めたいという、そういう自治体の声も、私の方に直接上がってきています。
今回の東京都のやり方というのは、やはり現場の声を聞いて、さまざまな関係者と調整をして、そして、どのような条例案にすれば効果的に実行できるか。これは本来の下からの積み上げ式の方式ですよ。現場の実態に基づいているから、そういうやり方で丁寧に今までは議論を進めてきて、そして条例案として出されてきたんだと思いますけれども、今回はそれが全く逆で、逆算の考え方ですね。下からの積み上げによる条例の案の提案ではなくて、逆算から示されているもの、これはやっぱり実態と乖離しているんじゃないかというふうに強く感じるところです。そして、行政手法としてふさわしくないんじゃないでしょうか。
東京都の条例に対する信頼というものが問われることがあってはいけない。知事もおっしゃるとおり、つくっておしまいじゃだめなんですよ。ちゃんと効力を持ってもらうには、区市町村の理解、保健所、しっかりと運営するには何が必要かということを最初から綿密に皆さんが話し合っておかなければならないと思います。聞こえがいいだけじゃだめだというふうに強く申し上げておきたいと思います。
基礎的自治体との連携というものを、福祉保健局さん、やっぱり待機児童対策も都知事おっしゃっていました。随分解消が進んだ、まだ五千人いるけれども、でも、それは区市町村の理解があったからだというふうにおっしゃっていました。
福祉保健局の事業というのは、やっぱり都民、区市町村民を見た、住民に対して身近な福祉行政というのは、東京都が上から決めて押しつけるんじゃなくて、金だけ出すんじゃなくて、やっぱり区市町村の現場の実態、こういうものをそれぞれ丁寧に調整するからこそ、皆さんとしっかりとした条例が、責任を持てる条例がつくれるんじゃないかというふうに思っております。
さて、ちょっと視点変わりますけれども、司法の視点から、この条例を見ると、どうしても納得できない点として、従業員の有無というものを条例適用の基準にすること、この合理性が曖昧であるというふうな指摘を受けています。
人に着目というと聞こえはいいわけですけれども、片や情緒的である、そういうふうにも捉えられる方もいらっしゃいます。行政のつくる条例のこの適用の基準、あり方として違和感を感ぜざるを得ないと私も思っております。
この従業員の有無を条例適用の基準にするということ、この合理性が曖昧じゃないかということに対して見解を伺います。
○成田保健政策部長 昨年九月に、基本的な考え方公表の際に実施いたしましたパブリックコメントでは、従業員の受動喫煙対策を進めるべき、雇用者の喫煙方針に従業員が反対意思を示すことは困難などの意見が寄せられました。
こうしたご意見を踏まえまして、また本来、従業員は店舗面積にかかわらず、ひとしく受動喫煙から守られるべきであることから、規制の対象を全店舗に拡大した上で、従業員を使用していない場合には禁煙か喫煙可能かを選べることといたしました。
○小宮委員 きのうの参考人質疑で、麺の組合の田中理事長がおっしゃっていました、スタッフがいえないということは、私の店ではありませんよ、吸わない人は吸わないフロアで働いてもらいますよ。そういう柔軟な雇用環境、従業員と経営者と、それから雇われている人との人間関係、そういうものがちゃんと構築されている店だってあると思いますけれども、その従業員がいいにくいという、そういう立場もありますよね。いろんな声があるんですよ。
やはり、全て信頼関係というものを無視して制度だけで決めるというのは、これは偏りがあると私は思いますけれども、きのうの田中理事長のようなお店があるということも考えると、その点、雇用の従業員を、その基準、いるかいないかを基準とすることを、改めてその合理性をどう考えるか伺います。
○梶原福祉保健局長 従業員というのは、労働基準法及び労働安全衛生法で明確に規定をされています。平米数というのが、一定の平米数というのはわかるといいますが、平米数を百にするのか、三十にするのか、これこそ逆に根拠がない規定であって、従業員がいるかどうかというのは、労働安全衛生法、労働者の健康と安全を守るというのは、これは明確に規定されていることであります。
私どもが定義としてやったのは、その労働者性の判断ということであって、明確に合理性はあるというふうに考えております。
○小宮委員 百か三十か根拠がないという話もありましたけれども、この受動喫煙防止をする条例というのは労働基準法に基づくものなんでしょうか。そう一概にはいえないと思います。
その判断する基準が労働基準法に基づいているからというようなことなんでしょうけれども、また、きのう、医師会の尾崎会長がおっしゃっていました。私も勉強になりましたけれども、去年、東京都が九月に示されたその三十平米、あの三十平米、狭いほどだめだよねという医学的な見地からのご指摘をいただいて、これは当時、基本的考え方の中で三十というものを出した東京都としてもいかがなものだったのかなということは、やはりきのうの参考人招致は大変有意義なものであったと思いますけれども、ただ、医師会長に対して私、伺いました。じゃあ、百や百五十どうなのかと。その面積、百、百五十、この広さとしては広い、三十よりも広いということは、狭いよりも広い方が受動喫煙の直接的な害は弱まるけれども、尾崎会長、直接はお答えにならなかったわけですね。
やはり、その条例の規則の範囲が広い方がいいから、やはり従業員という視点で考えたいということで、直接的に百のあり方がどんなものかと、健康的にどんなものかということはおっしゃいませんでしたけれども、これから、皆さんがおっしゃっています、補助金入れて喫煙施設をつくったらいいよと。それは東京都として当たり前ですよね。条例を進めるに当たって、東京都ができることは、支援することはしっかりとやっていかなきゃならない。
ただ、きのうの田中さんのおそば屋さんのお店、皆さんも近所にありますよね。私もきのう地元のそば屋に行ってきましたけれども、そのそば屋さんの面積見れば、そういう、ちゃんとした密閉式の形の喫煙室をつくることはできないんですよ。そういうお店が多い。それから、じゃあ、外に出て、庭ありません。店先出たら、目の前、道ですよ。東京というのは、そういう特徴があるわけです。
だからこそ東京都がどんな補助つけたって、そういう本当にこの条例じゃ困っちゃうんだよというお店の方には、なかなか支援が行き届かない。これも一つ事実として私は申し上げておきたいというふうに思っています。
労働基準法の話が出ました。附則の第三条第二項にある東京都指定飲食提供施設における従業員について、労働基準法第九条で定める労働者とし、同居の親族のみを使用する事業等を除いておりますけれども、なぜ同居の親族は除くのか。同居の親族は受動喫煙をしてもいいんでしょうか。人に着目した対策といいますけれども、同居の親族は着目をする人に当たらないんでしょうか。また、同居していない親族は、じゃあ、なぜ従業員に該当するのか。この考え方が明確になっていないと思います。
単純に労働基準法の中の労働者の定義の適用除外というものを当てたんでしょうけれども、だとすると、受動喫煙防止条例の目的と考え方がそぐわないというふうに思うんです。この条例案の大きなポイントですよ、大きなポイント。ここを見解伺いたいと思います。
○梶原福祉保健局長 労働基準法の今お話が出ましたけれども、労働安全衛生法という法律があります。これは職場における労働者の安全と健康の確保等を求めた労働安全衛生法。条例の書き方というのは、労働安全衛生法、まさに労働者の安全と健康の確保等を定めた法律に準拠していると、こういうことであります。
同居の親族という部分がありますが、労働者性ということを考えたときに、先ほど、労働者が拒否できるかどうかという部分でいけば、親族というのは、そういう意味では、話し合いの中でできるということも労働安全衛生法、つまり、労働者という雇用関係、使用者と雇用関係がある者についての法律を引いているということであって、これは労働基準法を単純に引いているというよりは、労働安全衛生法上、健康を守るという法律から条例を準拠していると、こういうことであります。
○小宮委員 同居の親族は話し合いができるからよしで、同居していない親族は話し合いができないという考え方になってしまうんでしょうか。
○梶原福祉保健局長 言葉足らずでありましたけれども、労働安全衛生法、労働者の安全と健康の確保等を定めたこの労働安全衛生法に準拠していると、こういうことでご理解をいただきたいということです。
○小宮委員 人に着目をした対策というと聞こえがいいわけですけれども、条例の基準としての合理性が問われています。親族の扱いというのが、同居か同居でないかというので区別するというのも、人に着目という視点から、その労働法上で環境、健康を守る、衛生を守る、それはわかりますけれども、人に着目をするという視点では、やはりこの条例の中での基準としてずれているというふうに感じます。
やはり従業員の有無ということを、この条例適用の基準にすることには無理があるんではないでしょうか、見解を伺います。
○梶原福祉保健局長 無理がないと考えております。
○小宮委員 従業員の有無を確認する、受理だから把握をするということに、今後、区市の保健所が行っていくということになる。そういう区市からも、従業員がいるかいないか、この判断の基準となる日はいつなんだろうな、そんな声も伺っています。
また、やはり再三申しますけれども、雇用というのは流動的でありますから、その調査の頻度がどのくらいかな、そういう声も伺います。そして、やはりその飲食店が経営というものを考える上でも、従業員がいる、いない、この点というのは重要な点であるという指摘もあるわけです。
また、今審議をされている国の法案、この東京都より緩いというふうにされている法案に対してすら、国会の審議の場で指摘をされていますけれども、飲食店を指導する保健所の体制、これが整わないんではないかと、こういう疑義が示されている。保健所の体制が整わないということは、効力が伴わないということですよね。そういうことが指摘をされているということです、東京都よりも緩いとされる国の法律の基準に対してさえ。
ここまで、条例案の実効性、それから実現性、そしてまた疑問点などを伺ってまいりました。都議会自民党は、原則屋内全面禁煙とする東京独自の罰則つきの受動喫煙防止条例の制定というものを公約に掲げております。だからこそ、聞こえがよくても実効性が不確かな、この条例案には慎重にならざるを得ません。
また、子供を守るといいながら、国の法律に上乗せをして規制を強化している、そういう施設から児童福祉施設が除かれているという点や、子供だけでなく病気の方、また妊婦さん、そういうことを考えれば、医療機関も、敷地内禁煙のうち、屋外にも喫煙場所設置不可というものに、せっかく上乗せで東京都が、これは規制を強めていいと思いますよ、私も賛成ですよ。そういうところに入れるべきだと考えますけれども、見解を伺います。
○成田保健政策部長 子供は受動喫煙による健康影響を受けやすく、みずからの意思で受動喫煙を避けることが困難であるという観点から、本条例では、幼稚園や学校など、子供が日中の大半を過ごす施設については敷地内禁煙とした上で、屋外の喫煙場所の設置を不可としております。
その他の児童福祉施設につきましては、職員等が当該施設において勤務の都合で長時間を過ごすことも考えられることから、国の改正法案と同様に敷地内禁煙とした上で、屋外喫煙場所を設置できるものとしております。
医療機関につきましては、入院している患者や妊婦等はみずから受動喫煙を避けることが可能であること、また、緩和ケアや精神科の実情には一定の配慮が必要であることも踏まえまして、国の改正法案と同様に敷地内禁煙とした上で、屋外喫煙場所を設置できるものといたしました。
○小宮委員 子供を守る視点は大事です。病気の人を配慮する視点も大事です。妊婦の方にも守る視点、こういうのが社会的にみんながやっていく、行っていくべきだというふうに思っております。
昨年九月に示された基本的な考え方の中では、都知事も、これは一くくりにして、子供とそれから医療機関、こういうものを、やっぱり弱い方をみんなでしっかりと受動喫煙防止していきましょうということを一くくりにして、昨年九月には主張されておりましたので、今回その点に関しては、今のご答弁では残念に感じるところですし、我が会派としても、修正案としてお出しをしたいというふうに考えております。
さて、代表質問などで、この条例案に対して各会派から出た提案や要望がありました。東京都が普及啓発をやるとか、それから専門の窓口を設置するとか、喫煙専用室への補助率を上げるとか、屋外の公衆喫煙所設置経費の全額補助とか、アドバイザーも派遣しますとか、お金を出してそういうことをきめ細かくやりますという話ですけれども、条例に伴って必要となる、そうした周辺の支援というものは、先ほども申しましたけれども、東京都として最大限やって当たり前だと思います。
ただ、きのうのそういう麺類のおそば屋さんの理事長さんがおっしゃるように、幾ら補助をするといわれても、狭い店の中に設置することはそもそも困難であるよ、そんな意見も切実な話もありました。
広い店やビル、こういうところには東京都の補助金、これで設置をしやすくなると思います。でも、本当に今回の条例で困る、そういうお店には適用できないという現実がある、現場の実態がある、結果として屋内禁煙になるとしても、そういう切実な思いがあるということを、改めてこの場で私からもお伝えをしておきたいと思います。
一番重要なのは、何度も申し上げて恐縮ですが、条例のわかりやすさと実効性です。これはやはり現場を預かる区市町村にかかっていると思います。今、国で審議をされている法案も、東京都からすると規制範囲が緩いとされる、この国基準でさえ、例えば客が禁煙エリアで喫煙をしていた際の対応について手続が多く、罰則の適用が現実的なのか疑問だと、これは抑止力になるのかという話が出ていたり、また、飲食店を指導する保健所の体制、先ほども申し上げましたが、整わないんじゃないかという点も強く指摘をされています。
何が、どういう規制が現実的でわかりやすく実効性ある条例となるのか。なぜ東京都行政がこれまでも区市町村と積み重ねてきた、この現場実態に基づいた条例制定のあり方というものが置き去りにされてきてしまったのか。先ほどさまざまな、やはり目の前に迫った国際大会、そういうこともある、そういう話もありましたが、かといって拙速でいいのか。やっぱり実効性なくてはいけないですよね。効果的な受動喫煙防止対策が行われるかどうかというのは、規制を強化するだけのものであってはならない、あってはほしくないと思います。
実効性のあるものにすべきだということを強く指摘しまして、そのためにも、我が会派として修正案を提出することを申し上げまして、次の質問に移ります。
障害者差別解消条例が提案されております。その条例の概要によりますと、四つあって、事業者による合理的配慮の提供を義務化するもの、情報保障の推進、言語としての手話の普及、また、専門相談体制の整備、それから紛争解決の仕組みの整備、この四つありますけれども、その中でも私からは、情報保障の推進と言語としての手話の普及について伺います。
先般、大阪北部で震度六弱の地震もありました。この条例では、今申し上げた情報保障の推進というものを掲げていただいております。聴覚に障害のある方々にとっては、災害時こそ適切な情報が得られるということが必要です。
東京都は、聴覚障害者のために、防災対策というものを、本条例制定を機にさらに推進すべきだというふうに考えるところですけれども、これまでどのような取り組みがなされ、努力があったのか、確認をします。
○松山障害者施策推進部長 災害発生時に障害のある方が適切な行動をとり、避難した場所で適切な支援を受けられることは重要でございます。
このため、都では、障害のある方向けに、災害発生時に適切な行動をとれるよう、災害時初動行動マニュアルを作成し、聴覚障害者向けの行動マニュアルでは、音声での情報が取得できないことを周囲の方に知らせるための準備をしておくことを呼びかけております。
また、本年三月には、避難所管理運営の指針を改定し、避難所利用者の事情に合わせた配慮の方法を新たに記載いたしました。この指針では、聴覚障害者が視覚によって情報を得られるよう、情報掲示板や筆談用のメモ用紙、筆記用具、メール、文字放送などを配慮事項として示しております。
今後とも、災害時要配慮者への支援の充実に努めてまいります。
○小宮委員 災害時要配慮者への訓練、これは避難所の運営はやはり区市町村ですから、区市町村によって、災害時の要配慮者への支援、訓練のあり方、訓練のやり方は本当にさまざまだというふうな課題があるというふうにも伺っております。
とにかく、たばこのこともそうです。保育のこともそうです。こういった災害時対応もそうですけれども、一番都民に身近な自治体、基礎的自治体との協力が欠かせないというのが、福祉保健局さんならではのことだと思うんですね。ですから、これからも区市町村、それから、障害を持つ団体、当事者の方々、また地域住民の皆さんと一緒になって、せっかくこうした条例をつくっていただくんですから、そうした要配慮者、特に今回のことでいうと聴覚に障害がある方が災害時にこういう体制になるんだよということが、面的に方針を示しても各自治体によって取り組みは違うと思いますけれども、条例の制定によって、そういうことが実感をできる、そして効果が出る、そういう施策として推進をしていっていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十四分休憩
午後三時開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○古城委員 私からは、付託されている第百三十五号議案、そして第百六十二号議案について質問します。
まず、受動喫煙防止条例について、条例の目的、対象となる施設、事業者の協力、区市町村の協力、都民への周知などの観点から伺います。
昨日の参考人質疑において、尾崎参考人、田中参考人に、ご多用の中、委員会にお越しいただき、大変貴重なご意見を拝聴いたしました。
また、我が党は、受動喫煙防止対策プロジェクトチームにおいて、関係する多くの団体や事業者などとの意見交換や視察を行ってきました。また、都民の皆様にもご意見やご要望をお寄せいただきました。加えて、党所属の区市町村議員の意見も聞いてまいりました。
そこで、先日の我が党の代表質問での具体的な提案と、それに対する知事の答弁、また、参考人のご意見などを踏まえまして確認をさせていただきます。
それでは、条例の目的に関連して質問します。
参考人質疑の中において、尾崎参考人から、受動喫煙による死亡リスクとして、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中などが示されました。特に、がんは、今や都民の二人に一人がかかり、三人に一人が命を落とす病です。
がんの予防、がんのリスクの減少という視点で、国立がん研究センターがん情報サービスの推計によれば、バランスのよい食生活、適度な身体活動、適正体重の維持、そして、飲酒する場合には節度のある飲酒、節酒に禁煙を加えた五つの生活習慣に留意することで、がんのリスクが男性で約四三%、女性で約三七%低くなるとのことです。
禁煙と聞きますと、まず、喫煙をしている方がたばこをやめること、もしくは、そのとき、その場所でたばこを吸うことができないことを思い浮かべます。そもそも、たばこを吸わない非喫煙者にとっては、自分とかかわりがないこととも思いがちではないでしょうか。
しかし、たばこの主流煙よりも副流煙の方が有害であり、副流煙にさらされる非喫煙者の方が、より大きな影響を受けることは、昨日の参考人質疑においても、尾崎参考人にご説明をいただいたところでございます。
そこで、都民の皆さんの健康を守るためには、喫煙者の禁煙だけではなく、非喫煙者にとっても受動喫煙を防止することが大事であると改めて感じました。
受動喫煙による健康への影響について、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 受動喫煙による年間死亡者数は推定一万五千人、受動喫煙がある人は、ない人に比べますと、肺がんになるリスクは約一・三倍といわれております。
また、ぜんそくや乳幼児突然死症候群等、子供に対する健康影響も指摘されております。
○古城委員 今お示しいただいたように、多大な健康影響があるということでございますけれども、我が国の受動喫煙防止対策は、WHOから四段階評価の最低レベルと評価される現状にあり、この対策は喫緊の課題であります。先送りをすることなく、できるだけ早期に実効性のある対策を行わなければなりません。
また、東京都においても、高齢化が進む中、健康寿命の延伸は大変重要であり、都民の生命と健康を守るべきと考えます。都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 都は、東京都健康推進プラン21において、健康寿命の延伸を目標に、喫煙率の減少と受動喫煙の防止に取り組むこととしております。
また、本年三月に改定いたしました東京都がん対策推進計画では、喫煙率を一二%に下げることや受動喫煙をなくすことを目標に明確に掲げました。
都民の健康増進の観点から、喫煙率の減少や受動喫煙の防止に向けた取り組みを一層推進してまいります。
○古城委員 ありがとうございます。ただいまのご答弁で、東京都健康推進プラン21において、健康寿命の延伸を目標として、喫煙率の減少、そして受動喫煙の防止に取り組むことが定められ、さらに、この三月に、第二期になりましたがん対策推進計画で、喫煙率を一二%とする、下げていく、こういう明確な数値目標、さらには受動喫煙をなくす、重ねてこれも明確に掲げられているとのことでございます。
ぜひともこの喫煙率の減少、そして受動喫煙の防止に向けた取り組みを推進していただきたいと要望させていただきます。
さて、この受動喫煙を防止する観点から、多くの受動喫煙による被害、弊害を取り除くことが極めて重要であり、国際的な流れでもあると考えております。
皆様ご承知のとおり、来年のラグビーワールドカップ、そして再来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が迫り、さらに加えて、外国人観光客の方が今後もたくさん我が国に来られることが予想されております。世界から我が国が、健康への対策、特に受動喫煙防止に対する施策がとられているか厳しく見られるときでもあります。
我が党は、先日の代表質問で、二〇二〇オリ・パラ大会の開催都市として、世界に恥じないスモークフリー五輪にするためにも大きな意義があること、そして、国内外からの来訪者に受動喫煙の影響を感じさせないスモークフリー都市にする絶好の機会であることを訴えました。
そこで、スモークフリー都市とはどのような都市か、さらに、スモークフリーオリンピックとはどのようなオリ・パラ大会であるか、スモークフリーのイメージについて、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 スモークフリーとは、たばこ白書によりますと、屋内における受動喫煙がない環境とされておりまして、スモークフリー都市とは、屋内において受動喫煙を受けることのない都市であると認識しております。
○古城委員 ありがとうございます。代表質問での我が党の、都民や事業者、区市町村の理解と協力を得て、実効性ある対策を行うべきとの主張に対して、知事は、都民、事業者、区市町村のご理解とご協力が何よりも必要であるとの認識を示しました。
そこで、条例案にも定める都の責務としての区市町村や事業者との連携について、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 条例第三条第三項では、都は、受動喫煙防止に必要な施策につきまして、区市町村、事業者等の関係者と連携をし、協力して実施するよう規定しております。
都は、区市町村や事業者に対しまして、条例に関する業務や受動喫煙防止対策への都独自の支援等について、丁寧な説明を行い、意見交換を実施してまいります。
○古城委員 今の答弁にありますように、都は、区市町村や事業者に対して、条例に関する業務や受動喫煙防止対策への、都の独自の支援策についても丁寧な説明を行っていただくとのことでございますけれども、次に、この点に関連して幾つか質問をさせていただきます。
まず、対象となる施設について質問します。
我が党は、職場における働く人を守る対策や、みずからの意思で受動喫煙を防ぐことが難しい子供たちを守る施策を講じている本条例案を評価しております。
敷地内禁煙の対象となる保育所、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校などにおいて、屋外喫煙場所を設置不可とした理由については、先ほどの質疑の中で都の見解が示されているところであります。
また、既に公表されている平成二十九年度受動喫煙に関する都民の意識調査報告書や東京都受動喫煙防止条例(仮称)の基本的な考え方の意見募集、この結果によれば、屋外での喫煙、また、屋外の喫煙所について、気になる、やめてほしい、対策すべきとの少なくない意見、要望も寄せられています。
そこで、敷地内禁煙の対象となる、先ほど申し上げた保育所、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校などにおいて、屋外喫煙場所設置不可となっているわけですけれども、この点、努めなければならないと努力義務にした理由について、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 屋外につきましては、通常、煙が拡散することや、その場に長時間とどまることが想定されず、屋外での受動喫煙による健康影響は科学的に明らかでないため、罰則は適用しないことといたしました。
○古城委員 屋内全面禁煙、そして屋外喫煙場所設置不可の点について、この屋外が努力義務となっている点の理由についてご説明をいただきましたけれども、先ほどご紹介をした都民の皆様からのご意見、ご要望でも、やはり屋外での受動喫煙も非常に気になる、こういう声があることも、また現状であると認識をいたしております。
次に、我が党が行ってまいりました意見交換や視察などにおきまして、条例案が定める屋内、この屋内はどのような場所をいうのか。例えば、飲食店のテラス席やビルの外階段などは屋内に当たるのかなどの率直な疑問をお聞きしました。
そこで、条例案に定める屋内の定義について、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 屋内とは、たばこの煙が滞留する場所、すなわち、たばこの煙の流出や外気の流入が妨げられる場所を想定しておりまして、基本的には、屋根及び側壁などにより区画されている建物であると考えております。
お話のテラス席や外階段につきましては、基本的には条例の対象外となりますけれども、屋根の有無など形状等により取り扱いは異なり、各事例につきましては個別に判断していくこととなります。
○古城委員 ありがとうございます。今、原則的な屋内の定義についてご説明をいただいた上で、例示として申し上げたテラス席や外階段については個別に判断をしていく、この方針をお示しいただきました。
次の質問に移ります。昨日の参考人質疑におきまして、お二人の参考人から従業員の同意に関する見解を聴取させていただいておるところでございますけれども、尾崎参考人からは、例外なく全ての飲食店で受動喫煙を防ぐべきである旨のご意見、また、田中参考人からは、経営者として、従業員の意見を尊重されている、また、従業員の健康は経営者の責任である旨のご見解をお示しいただきました。
我が党のヒアリングにおいて、従業員から同意を得られれば飲食店での喫煙を認めてもよいのではないかとの意見も伺いました。
そこで、従業員の同意について、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 昨年九月に公表した基本的な考え方では、バー、スナック等、店舗面積が三十平米以下で従業員を使用しない店や全従業員が同意した店につきましては、喫煙可能とする例外措置を設ける案をお示しいたしました。
これに対しまして、パブリックコメントでは、従業員の受動喫煙防止に努めるべき、雇用者の喫煙方針に従業員が反対意思を示すことは困難などのご意見をいただきました。
従業員は、店舗面積にかかわらず、ひとしく受動喫煙から守られるべきであることから、従業員を使用していない場合には禁煙か喫煙可能かを選べることといたしました。
○古城委員 次に、事業者の協力、また、都民の皆様の協力について質問をいたします。
条例案によれば、屋内禁煙の対象が拡大されることになります。受動喫煙を防止するために必要な措置が求められる事業者や飲食店経営者の皆様などからは、さまざまな問い合わせがあるのではないかと想定されます。
先ほども定義を確認させていただきましたけれども、例えば屋内の対象となるのかどうか、こういった点なども多数寄せられるのではないでしょうか。
これまで都では、ホームページでの特集やリーフレットの配布などで、特に分煙対策の周知を図ってきていると聞いておりますけれども、事業者の皆様の協力を得るため、また、都民の皆様にも理解が広がるために、わかりやすいQアンドAをつくるべきであると考えます。都の見解を伺います。
○成田保健政策部長 条例の施行に当たりましては、都民や施設管理者等の不安を解消し、ご理解、ご協力をいただくことが必要でございます。
このため、現在都では、ホームページに、よくあるお問い合わせ内容への回答をまとめたFAQを掲載してございます。
今後も、このFAQを充実させていくとともに、わかりやすいチラシやリーフレットを作成し、条例の趣旨や目的、規制内容を理解していただくよう努めてまいります。
○古城委員 ぜひとも事業者の皆様の協力、また、都民の皆様の協力をいただく、また、ご理解をいただくために、このQアンドA、ぜひとも詳しいもの、また、わかりやすいものをつくっていただきたい、重ねて要望させていただきます。
我が党は、代表質問で相談窓口の設置を求めまして、都内の事業者や飲食店などの不安を解消し、受動喫煙防止対策への取り組みが進むよう、建築や経営のコンサルタントなどを配置したワンストップの窓口とすることを提案いたしました。
これに対して、知事からは、規制内容に関する問い合わせや各種の相談に丁寧に応じていく、また、各施設の状況に沿った具体的な助言ができるよう専門のアドバイザーを派遣するとの答弁がありました。
また、昨日の参考人質疑において、田中参考人がお示しになられました意見書の中では、風営法の対象となる飲食業の組合の皆様のご懸念として、事業継続に対する影響を指摘されておりました。
この点ですけれども、警視庁によれば、客室面積の変更について、計画段階で事前に変更承認申請を行うことにより、新たな許可申請ではないので、従前の許可申請のまま営業の継続が認められるとのことでありました。飲食業七組合の皆様にとっても、ご理解をいただける一助になればと思います。
このように、相談は多岐にわたることが想定されます。専門相談窓口は保健所以外にも設置し、ワンストップで解決できるようにするべきと考えますが、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 都は、都民や施設管理者等の不安を解消するため、専門相談窓口を設置し、規制内容に関する問い合わせや各種の相談に丁寧に対応してまいります。
また、区市が行う住民や施設管理者に対する専門相談窓口の設置等に要する費用につきまして、十分の十、補助してまいります。
○古城委員 今のご答弁の中でも、区市が行う専門相談窓口の設置に関する費用など、これを十分の十で都が補助していく、この点をお示しいただきました。
これに関連して、次に、区市町村の協力について質問をいたします。
条例が規定する指導、助言、勧告、命令などは、保健所が実行主体となることになります。代表質問での我が党の質問に対して、知事は、区市町村に対してもさまざまな機会を捉えて、条例に関する業務や受動喫煙防止対策への都独自の支援等についても丁寧な説明を行うと表明しました。
そこで、保健所設置区市に対して、早期に業務内容や都条例の対象となる施設などの情報を提供すべきと考えますが、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 健康増進法改正案では、保健所が飲食店の指導、勧告や命令、罰則の適用、立入検査の業務を担うこととしております。
都の条例は、国の改正案の上乗せ、横出しを規定するものでございまして、国の法案と同様、指導、勧告等の業務は、保健所を設置する区市に担っていただきたいと考えております。
条例案の策定に当たりましては、これまでも保健所設置区市と意見交換を行ってまいりました。
引き続き、区市への情報提供や意見交換を行い、実効性のある受動喫煙対策を進めてまいります。
○古城委員 ぜひとも区市町村との意見交換をしっかり行っていただいて、情報提供を適切に、そして速やかに、また、早期に行っていただきたいと思います。
次に、我が党は代表質問で、既に路上喫煙防止、また、環境美化の観点から条例を制定している区市の取り組みや、喫煙できる場所が狭まることになる喫煙者に対する配慮などを踏まえて、公共の屋外喫煙所の設置に取り組む自治体に対して、都が全面的に支援すべきと主張いたしました。
これに対して知事は、屋外の公衆喫煙所の設置などに要する経費を全額補助することを表明しました。この点も、区市町村が大変注視をしている点でございます。
そこで、補助の対象となる屋内、屋外の公衆喫煙所の基準を明らかにすべきと考えますが、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 国は、屋内の喫煙専用室や屋外特定喫煙場所の設置基準等につきまして、受動喫煙防止対策助成金の対象の要件としております、入り口における風速が毎秒〇・二メートルであること、非喫煙区域と隔離された空間であることといった要素を参考として、専門家に意見を伺いながら策定する予定であり、都は、これに準じてお示ししてまいりたいと考えております。
○古城委員 この基準についても、先ほど申し上げましたとおり、区市町村において大変注視をされている点でもございます。これも適切に情報提供していただいて、また、早期に情報を提供できるように努めていただきたいと思います。
さて、知事は、我が党の代表質問に対して、区市町村が行う住民や施設管理者に対する条例の趣旨や目的の周知、専門相談窓口の設置等に要する費用の補助や、禁煙外来の医療費などに対して助成を行う区市町村の取り組みの支援も表明しました。
さらに、飲食店などに対する補助事業の対象を、条例に適合する喫煙専用ルームの設置などにも広げ、あわせて補助の割合も大幅にアップすべきとの我が党の提案に対して、知事は、補助の対象を喫煙専用室の設置に、また、中小飲食店への補助率を十分の九に引き上げる方針も示しました。
私の地元である新宿区では、飲食店や企業、事業所が数多くございます。したがって、区が独自に相談窓口を設けることも想定されます。また、周知の費用も多くなると考えられます。
このように、区市町村が取り組む内容は自治体ごとの状況によって異なると考えられますが、その費用は全て補助すべきであります。また、その財源についても明らかにすべきと考えます。あわせて、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 区市町村が行う、住民や施設管理者に対する条例の趣旨や目的の周知、専門相談窓口の設置等に要する費用について、十分の十、補助することとしておりまして、区市町村の申請に対応できるよう予算措置しております。
○古城委員 財源について、改めて確認をさせていただいてもよろしいでしょうか。
○成田保健政策部長 財源につきましては、区市町村の申請に対応できるよう予算措置しております。
○古城委員 ありがとうございます。この点についても、区市町村が大変関心を持っている点でございますので、ぜひとも情報の提供に努めていただきたいというふうに思います。
これまでの質疑において、我が党が代表質問で提案をしてまいりました補助や支援の枠組みについても確認してまいりました。
そこで、この区市町村の取り組みへの補助、また、公衆喫煙所の設置に関する補助は、いつから開始となるのか明らかにすべきと考えます。都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 条例案が可決、成立した場合には、国とも連携しながら、できるだけ速やかに補助要綱等をお示しする予定でございます。
○古城委員 ありがとうございます。
次に、標識、ステッカーに関連して質問をいたします。
条例案によれば、第一種施設及び喫煙目的施設以外の第二種施設では、その施設内において、喫煙専用室であることや二十歳未満の立ち入りが禁止されている場所であることを示す標識を掲示しなければなりません。
また、飲食店などでは、当該施設の屋内、または内部の場所に喫煙をすることができる場所がない旨を掲示することが条例案では規定されています。
これらの標識について、未成年者や海外からの観光客にとってもわかりやすいものとすべきと考えますが、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 健康増進法改正案では、喫煙室や喫煙場所の特定を行い、喫煙が可能となる場所に掲示を義務づけることとしております。
標識につきましては、誰でもわかりやすいものにする必要があるため、国は、今後モデル的な様式を示すこととなっております。
都といたしましては、都民に限らず、外国人等の東京を訪れる方々が飲食店を選択する際の参考となるよう、国と連携しながら、店内の禁煙、喫煙の状況を表示するステッカーを策定していく予定でございます。
○古城委員 ありがとうございます。ぜひともわかりやすい標識、このようにしていただきたいと思います。
さて、昨日の参考人質疑における田中参考人のお話によれば、普段は家族経営であっても、繁忙期にはパートの方やアルバイトさんを雇うことも多い、このようなご意見がございました。
従業員の雇用の有無が変動することによって、標識の掲示が異なったり、おくれたりすることも想定されると思います。
そこで、どのように実効性を担保するのか、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 本条例の附則第三条では、都指定特定飲食提供施設、第二種施設のうち、飲食店等で、当該施設で業務に従事する従業員がいないものにつきましては、喫煙可能室の設置を認めております。従業員を使用しなくなったことにより店舗を喫煙可能とする場合は、事業者にその旨を保健所に届け出ていただき、掲示を変えていただく考えでございます。
こうした手続が確実に実施されますよう、飲食店の事業者の方々に対しまして、条例の趣旨や目的、規制内容などについて周知徹底を図ってまいります。
○古城委員 この手続が確実に実施されるようということで、都の取り組みをお示しいただきました。そのお示しいただいた都の取り組みは、先ほど標識について、どなたでも、未成年の方でも、外国からの旅行客の方でもわかりやすい標識となる、そのようにしていただきたい、この点にも通ずるところでありますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、都民への周知について質問します。
我が党が行ってまいりましたヒアリングなどでは、国の法律、健康増進法改正案に加えて、今回の都の条例案もあるけれども、どちらが先に施行されるのかなどのご意見、また、気になる点も寄せていただきました。
都民の皆様にとってわかりやすいように、また、混乱が生じないように、改正健康増進法と施行時期についても整合を図るべきと考えますが、都の見解を求めます。
○成田保健政策部長 本条例の全面施行する時期は、現在国会で審議されている健康増進法改正案と同様に、二〇二〇年四月としております。
○古城委員 今、全面施行の時点については二〇二〇年四月とのご認識をお示しいただきましたけれども、その点に関連して、加えて質問させていただきたいと思いますが、ラグビーワールドカップの時点や、また、今お示しいただいた条例の全面施行時に、冒頭申し上げてまいりましたスモークフリー都市、東京はどのようなスモークフリー都市となっているのか、ロードマップやスケジュールを明らかにしていただきたいと思います。都の見解を伺います。
○成田保健政策部長 条例は、都や都民等の責務等につきましては、条例成立後、公布の日から六カ月以内に、また、学校等での取り組みや店頭表示ステッカーの義務化等につきましては、二〇一九年九月のラグビーワールドカップの前までに段階的に施行し、二〇二〇年四月、オリンピック・パラリンピック開催前には、法律の施行日に準じて条例を全面的に施行する予定でございます。
○古城委員 この条例案の施行時期について、段階があることがよくわかりました。
さらに、その施行の時期の基準となる部分については、まずは二〇一九年九月のラグビーワールドカップの前、この点、さらには二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会の前と、こういうことをお示しいただいたわけですけれども、この点について、ラグビーワールドカップ、そして東京二〇二〇大会の開催都市として、スモークフリー都市東京、スモークフリー東京オリ・パラ大会を世界に発信していくべきと考えます。
二〇二〇年に向け、東京でスモークフリーを実現する福祉保健局長の思いを伺いたいと思います。
○梶原福祉保健局長 受動喫煙防止ガイドラインの改定を行ってから、私も総務部長からこの問題に八年間ずっと携わってまいりました。
さまざまな議論があったわけでありますけれども、受動喫煙による健康影響というのは、これはもう科学的に明らかになっているわけであります。
また、WHOとIOCというのは、たばこのないオリンピックを共同で推進するということに合意をしております。
都といたしましては、オリンピック・パラリンピックのホストシティーとしての責任、また、責務を果たすため、また、何よりも都民の健康増進の観点から、スモークフリーの都市、あるいはスモークフリー五輪ということを目指して、受動喫煙防止対策を一層推進していきたいというふうに考えております。
○古城委員 ありがとうございます。スモークフリー都市、そしてスモークフリー東京オリ・パラ大会に向けて、都一丸となって受動喫煙防止対策に取り組んでいっていただきたいと思います。
続いて、旅館業法施行条例の改正案について質問します。
近年、日本を訪れる外国人観光客は年々増加しています。一昨日、二十日の独立行政法人国際観光振興機構の発表などによると、先々月、四月には、これまでで最も早いペースで一千万人を超え、五月までの累計は、暫定値で一千三百十九万四千四百人となり、前年の同じ月と比べて一五・六%増となっているとのことであります。
先ほどの質疑でも申し上げましたが、来年のラグビーワールドカップや東京二〇二〇大会の開催を控えて、訪日外国人旅行客はさらに増加していくと思われます。
国の規制改革会議における議論ですが、過剰な規制はホテル、旅館事業者の創意工夫を阻むものであり、外国人観光客を含む宿泊需要の拡大や宿泊ニーズの多様化に十分対応できていない、こういう指摘を踏まえまして、増大する需要、ニーズに弾力的に対応するなどの観点から法改正が行われ、今回の施行条例改正につながっていると理解をしているところでございます。
そこで、ホテル、旅館、この事業者の、需要の高度化及び多様化に対応したサービスを提供するために、ふだんから努力をされているホテル、旅館事業者の皆様から、どのようにご意見をお聞きしてきたのか、都の見解を伺います。
○高橋健康安全部長 条例の改正に当たり、業界の意向を確認するため、都内のホテル、旅館業及び簡易宿所の組合を訪問し、条例の改正の方向性について意見交換を行いました。
その際には、今回の旅館業法及び政省令の改正による規制緩和に伴い、マンションの一室を活用した事業が可能となることから、近隣住民とのトラブルが起きるのではないかと危惧するご意見が聞かれました。
また、旅館業や公衆浴場に関する衛生上必要な措置の基準、許可等にかかわる内容を改正する場合には、学識経験者や利用者、消費者の代表のほか、生活衛生関係営業者で構成する東京都生活衛生審議会に諮問することとなっております。
ことし三月に開催した審議会では、都内のホテル、旅館業及び簡易宿所の組合の代表にも出席いただいて、旅館業を取り巻く現状を踏まえ、条例改正の内容についてご審議の上、答申をいただいたところでございます。
○古城委員 ありがとうございます。事業者の皆様も指摘されているように、特にマンションの一室などを利用した宿泊事業、いわゆる民泊は、私の地元である新宿区でも大きな課題となっております。
観光庁が昨年行った訪日外国人消費動向調査、これによりますと、訪日外国人旅行者のうち一二・四%の方が有償での住宅宿泊を利用しているとのことです。
なお、この一二・四%が有償住宅宿泊であると。この数字は、旅館業法上の許可を受けた簡易宿泊所、また、特区民泊の認定施設のほか、旅館業法の許可を受けていない違法な民泊などが混在している数字であると思いますけれども、昨年の訪日外国人旅行者、約二千九百万人に当てはめてみますと、約三百五十五万人が有償で住宅に宿泊したと推定されることになります。
これまで、民泊事業を行うには旅館業法に基づく許可、もしくは国家戦略特区の規制緩和を活用した特区民泊の認定のいずれかの取得が必要でした。しかし、厚生労働省が二〇一六年に行った全国調査では、許可取得を確認できた民泊は一六・五%にとどまっている、こういう状況であったそうです。
この点を踏まえて、今月十五日に施行された、いわゆる民泊新法、住宅宿泊事業法では、届け出により一定のルールのもとで民泊を運営できる制度が創設されました。
この新法では、自治体が独自の規制を行えることも規定しておりまして、新宿区でも、区民の生活環境の悪化を防止する、こういった観点などから、独自の条例によって住宅宿泊事業の制限を加えているところでございます。
一方で、改正旅館業法では、住宅宿泊事業の届け出をせず、また、旅館業法上の許可も取得しない、まさに違法民泊と呼ばれる部分について、都道府県知事等による立入検査権限が創設され、また、無許可営業に対する罰金の上限額が引き上げられることによって取り締まりが強化されています。
この改正法の審議時に、国からは、住宅宿泊事業法と改正後の旅館業法が相まって、違法民泊を取り締まりつつ、健全な民泊事業者が育成され、旅館、ホテル、民泊による多種多様なニーズに合った宿泊サービスの提供が可能になる、そして、いわばアクセルとブレーキの関係、こういった見解が示されております。
こうした中で、新制度、いわゆる民泊新法ではなくて、旅館業法に基づく許可を受ける施設に事業者が流れていくのではないかともいわれております。
そこで、今回の改正旅館業法に基づく都条例の改正では、どのように対応しているのか伺います。
○高橋健康安全部長 マンションの一室などを活用した旅館業の営業施設では、マンションの共用部の不適正な利用による近隣住民からの苦情や、管理規約等に違反した住宅以外の目的での使用、賃貸借契約に違反した無断転貸などのトラブルの発生が想定されます。
このようなトラブルを防止する観点から、旅館業の許可に当たり、消防法等の関係法令に適合していることだけでなく、営業者が適正な使用権限を有することについて確認する書類の提出を新たに条例案に盛り込んだところでございます。
具体的には、土地及び建物にかかわる登記事項証明、賃貸借契約書のほか、管理組合等の利用許諾を証明する書類などを許可申請時に提出していただき、使用権限の有無を確認した上で、適正な旅館業の許可を行ってまいりたいと考えております。
○古城委員 ありがとうございます。宿泊の利用者の需要や事業者の皆様のご努力、さらには地域住民の皆様のご理解に配慮していくことが大事であると考えます。許可に当たりましては、確実に適正な使用権限の有無、これを確認していただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。
○藤田委員 私からは、知事提案の第百三十一号議案と百三十五号議案、百三十六号議案、百六十二号議案の四つの議案について質疑いたします。
初めに、第百三十一号議案、東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例について質問いたします。
介護型療養医療施設について、二〇一七年度末までに廃止とされていましたが、二〇二四年三月三十一日までの移行期間が設けられています。
この条例は、移行期間中に療養病床を介護老人保健施設及び介護医療院に転換した場合、その定員は既存病床として換算するという内容ですが、なぜ療養病床から介護老人保健施設等に転換した施設の入所定員数について、既存病床数として換算するのですか。
○矢沢医療政策部長 現在、基準病床数及び既存病床数は、国の定めによりまして、病院、診療所の病床数を算定するものでございまして、介護老人保健施設等の入所定員数は含まれておりません。
また、今後、療養病床から転換する介護老人保健施設等の入所定員数も同様に、基準病床数及び既存病床数に含まないこととされております。
ただし、現在、療養病床として稼働している病床は既存の病床数に含まれておりますので、現行の基準病床数との整合性を図る必要がございます。
このため、次期保健医療計画の改定により新たな基準病床数を算定するまでの間は、療養病床が介護老人保健施設へ転換した場合であっても、その入所定員数につきましては既存病床数とみなすことといたします。
このことは、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律によるものでございます。
○藤田委員 都は、整合性を図るということですけれども、医療の病床と老健や介護医療院の役割は違います。整合性についていえば、同じ機能の施設であるにもかかわらず、療養病床から転換したかどうかで既存病床に含まれるかどうかが違うという点こそ、整合性がないと思います。要は、病床をふやせないために行うためのものです。
現在でも、一般急性期病床では、早期退院を進めていかないと病院経営に大きく影響してしまいます。そのためには、中心静脈栄養を行っていたり、人工呼吸器を装着していたり、夜間の吸引が必要だったり、さまざまな医療的ケアが必要なままであっても、治療が終わってしまえば退院を余儀なくされています。
最近では、胃瘻を造設しただけで、行き先がなかなか見つからないという事態も生んでいます。医療度が高く、急性期の治療が終わったばかりの患者の行き場として、療養型病床は、現状でも不足しているのが実態です。
高度急性期病床や一般急性期病床が適切に管理されるためにも、介護療養病床が減った分を病床としてふやすことができないようにする、この第百三十一号議案については反対いたします。
次に、第百三十五号、旅館業法施行条例の一部を改正する条例について質問いたします。
今回の条例改正は、国制度の改正に合わせたものです。東京都としては、今回の改正はどういった必要性から行うものですか。
○高橋健康安全部長 国は、過剰な規制がホテル、旅館事業者の創意工夫を阻んでいる、外国人観光客を含む宿泊需要の拡大や宿泊ニーズの多様化への対応が不十分である、こういった規制改革推進会議の提言を受け、旅館業法にかかわる規制全般について見直し、関係する法令の改正を行ったところでございます。
具体的には、改正旅館業法及び同法政省令において、ホテル営業及び旅館営業の種別の統合、最低客室数の廃止、玄関帳場等の基準の緩和などを行うとともに、旅館業における衛生等管理要領では、数値基準を廃止するなどの改正が図られました。
こうした状況を受け、都におきましても、営業種別や衛生措置の基準、構造設備の基準を改正された法令等に適合することが必要となったことから、旅館業法施行条例の改正を提案したものでございます。
○藤田委員 法令等に適合させることが必要になったということで行うということですけれども、改正の内容については、地域の実情に照らして条例に落とし込んでもいいし、入れなくてもいいというものです。
東京都の管轄における昨年度の違法民泊数は、国から振り分けられた百二十七物件中、百十八件でした。ネット上から情報が削除されたものを除くと、許可されて営業していたものはわずかに四件ということでした。
このような状況から、違法民泊での住民とのトラブルが相次いだために、それまでの旅館業法を改め、さまざまな規制緩和を行って、認可申請を出しやすくするということも目的なんだと思います。
そこで、この旅館業法の改正と同時に施行されたのが住宅宿泊事業です。居室の構造や衛生管理、玄関帳場の設置義務がないことなどから、類似する中身になっていると思うのですが、住宅宿泊事業と今回の改正による事業の違いを教えてください。
○高橋健康安全部長 住宅宿泊事業は、住宅宿泊事業法に基づく届け出により、人の生活の本拠として使用されている住宅を活用して宿泊サービスを提供する事業で、住居専用地域での事業が可能ではありますが、年間延べ宿泊日数については百八十日までの制限がございます。
また、国内外の観光客の宿泊需要の拡大に的確に対応することなどを目的に制定されましたことから、外国人宿泊客への快適性や利便性の確保、周辺地域の生活への悪影響の防止に関する外国語での説明などを事業者に義務づけてございます。
一方、旅館業法に基づく事業は、施設を設け、同法に基づく旅館業の許可を受けて人を宿泊させる営業で、営業日数に制限はございませんが、住居専用地域での営業ができないなど、用途地域による制限がございます。
また、営業者は、施設及び宿泊に関するサービスについて、安全及び衛生の水準の維持向上に努めることが規定されておりまして、構造設備や衛生に必要な措置等について詳細な基準が定められております。
○藤田委員 実際には、今回の条例改正で、旅館、ホテル営業は一部屋からでも営業できるようになるし、衛生管理についても大幅な規制緩和がなされるので、違いといえば、営業日数に制限があるかどうかということと、住居専用地域での営業が可能かどうかという二つが主な違いかと思います。
六月十五日から始まった住宅宿泊事業では、手続が煩雑ということもあり、予想よりも届け出が伸び悩んでいるという報道も一部ではありましたが、いずれにしても、宿泊客にとって安全で、地域の治安が保たれることが重要であると考えます。
今回の条例改正ではさまざまな規制緩和がありますが、とりわけ玄関帳場の設置義務がなくなることは、宿泊者の安全面から見て、多くの問題が含まれると考えます。
宿泊予定者以外に出入りする人について、どのように把握するのですか。
○高橋健康安全部長 旅館、ホテル営業については、宿泊予定者との面接に適する玄関帳場の設置、または、当該者の確認を適切に行うための設備を設けることが旅館業法施行令で規定されております。
宿泊予定者の確認を適切に行うための設備とは、事故発生等の緊急時における迅速な対応が可能な設備のほか、宿泊者名簿の正確な記載や客室の鍵の適切な受け渡し、宿泊者以外の出入りの状況が確認できる設備でございまして、これらにより安全対策を講じるよう義務づけております。
なお、旅館業法では、玄関帳場等の設置義務のない簡易宿所営業につきましては、今回の条例案に、事故が発生したとき、その他緊急時に迅速な対応を可能とする体制をとることを新たに盛り込んでおるところでございます。
○藤田委員 宿泊者の確認を適切に行うための設備や、宿泊者以外の出入りの状況が確認できる設備とは、具体的にはICTのことだと思います。
二〇一六年十一月十五日の規制改革推進会議では、全国旅館ホテル生活衛生同業組合の会長は、フロントについて、事故対応のときの中継基地であるとか、いろいろな方が出入りを勝手にされる、フロントがあっても一〇〇%確認できない状態であるとか、反社会的勢力の方がどんどん後から入ってきて防ぎ切れないという意見を述べて、フロントは残しておいていただきたいと要望しています。
地域住民と宿泊者の安全を保障するためにも、第百三十五号議案については反対いたします。
次に、第百三十六号議案、公衆浴場の設置場所の配置及び衛生措置等の基準に関する条例の一部を改正する条例について質問いたします。
消毒薬の使い方の変更や風営法の改正に伴う変更については賛成ですが、浴槽水の換水頻度の変更について確認いたします。
換水頻度と、レジオネラ属菌の繁殖やレジオネラ症の発生の関係についてのデータはありますか。
○高橋健康安全部長 レジオネラ属菌は、土壌や河川等に生育する環境細菌であるため、レジオネラ症の感染する場所はさまざまであり、また、レジオネラ症は感染源の判明していない散発事例も多いことから、関係性を明確にしたデータはございません。
なお、平成十二年十二月に国の公衆浴場における衛生等管理要領が改正され、連日使用型循環浴槽水については、一週間に一回以上換水するとされたことから、多くの自治体が一週間に一回以上の換水を定める規定に改正しております。
全国的なレジオネラ症の集団感染事例は、この管理要領が改正された以降も、年にゼロ件から三件程度で推移しているということでございます。
○藤田委員 レジオネラ菌は、ご答弁あったように、もともと土壌や水環境に存在する菌ということは明らかですが、エアロゾルを発生させる噴水やビルの冷却塔、ジャグジーや加湿器などの人工環境や、循環水を利用した風呂が屋内外に多くなっていることなどによって、人が使う場所に感染する機会をふやしていると考えられています。
一般的に、レジオネラ属菌の感染力は強くないといわれていますが、新生児や高齢者、糖尿病や透析患者、がんの患者やヘビースモーカーなど、ハイリスクな方が感染しやすいとされ、感染後、有効な抗菌薬が投与されない場合には七日以内に死亡することが多いとされる、非常に怖い細菌であるとされています。集団感染事例がゼロではないということは、感染予防には慎重に対応する必要があると感じます。
重要なのは、レジオネラ属菌の検出がされないことであると思うのですが、都の管轄地域の公衆浴場施設ではレジオネラ属菌の検出が低下していますが、この背景にはどのような要因があると思われますか。
○高橋健康安全部長 入浴施設におけるレジオネラ症の感染につきましては、平成八年ごろから、いわゆる二十四時間風呂等での感染が社会的に問題となりまして、その後、公衆浴場や旅館業等の入浴施設においても、広くレジオネラ属菌が生育していることが明らかになりました。
そのため、都は、平成十五年三月に、ろ過器を使用して浴槽水を循環させるときの措置として、ろ過器の洗浄や消毒、配管の消毒、レジオネラ属菌が検出されないことの確認など、レジオネラ属菌対策に主眼を置いた公衆浴場と旅館業の条例及び規則の改正を行うとともに、自主管理点検表を活用した施設の自主管理の推進を図りました。
また、平成二十五年度からは、施設の維持管理状況を的確に把握するため、循環式浴槽等の維持管理状況の報告を、毎月、営業者に求めているところでございます。
このような保健所の衛生措置等に関する指導により、公衆浴場や旅館業における浴槽水の衛生確保に関する維持管理の充実が図られるとともに、営業者の衛生管理に対する意識が向上したことが、レジオネラ属菌の検出の低減に結びついたと考えております。
○藤田委員 東京都での月報報告は、とても有効な方法であると考えます。
一方、医療機関からレジオネラ症の報告件数はこの十年間で倍以上に増加し、昨年では千七百二十二件でした。都内の報告も増加し、二〇一七年には百五十九件と、十年前の三倍になっています。
レジオネラ検査のLAMP法が保険適用されたのは二〇一一年ですが、この前年の報告状況は七百五十一件でした。当時、国立感染症研究所の分析では、LAMP法の保険適用により千件くらいまで報告が増加するだろうという見通しでしたが、現在はそれよりはるかに増加しており、これについては高齢者の影響が指摘されています。
また、国内では温泉施設が原因となることが多く、時に集団感染が起きます。菌は六十度以上で死滅し、塩素消毒が効きますが、清掃が不十分だと菌がふえます。衛生管理がいかに大切か、そしてその管理をいかにして徹底するかが重要です。
本条例は、衛生管理の向上により換水頻度の基準緩和を行うとのことですが、かなめの衛生管理者は無資格者です。
しかし、レジオネラが検出されれば、厳密な指導を受け、人への感染が疑われれば事件として扱われ、営業停止命令も行われます。さらに、公衆浴場施設が感染源と断定されれば、業務上の過失も問われることになります。これだけ衛生管理に対する責任が重いのですから、知識や技術の習得は不可欠です。
施設の衛生管理者への研修はどのように行っていますか。研修を受ける義務はあるのですか。
○高橋健康安全部長 保健所は、循環式ろ過装置等を使用する営業者等に対して、任意ではございますが、衛生管理講習会を開催し、レジオネラ症発生予防策としてのろ過器や配管等の維持管理、浴槽水の遊離残留塩素濃度の確保のほか、施設の衛生的な管理の徹底等を周知しております。
また、保健所の年一回以上の衛生監視の際には、衛生講習会でも取り上げた最新のトピックスなどの情報を提供するとともに、現場において、設備や管理状況に応じた指導を適切に行うことにより、施設の衛生管理者の管理技術の向上を図ってございます。
○藤田委員 近年、都の管轄地域、中核市を除く多摩と島しょにおいても公衆浴場施設がふえています。そのほとんどがスポーツジムであり、全国展開しているチェーン店が多いと伺いました。新しい施設においても、これまでどおりの都の努力によって、レジオネラ属菌の検出を抑えていってほしいと思います。
昨年、広島県三原市の公衆浴場、みはらし温泉で発生したレジオネラ症の集団感染は、五十八人の方が被害に遭い、そのうち一名の方が命を落としました。
市は、事故検証委員会を設置し、感染原因の調査を行ったところ、電気風呂や泡風呂などのアイテム風呂の配管が、十年程度清掃を行っていなかったことが明らかになりました。
さらに問題なことは、こうした衛生管理の状況を自治体が把握していなかったということです。
私はこの間、七つの自治体に電話で聞き取りを行いましたが、自治体によって施設への指導状況はまちまちで、三つの自治体については、レジオネラ属菌の検出について、統計すらとっていませんでした。
東京都においては、先ほどの答弁にもあったように、月報を提出させて把握し、指導を行う中で啓発を行っているということは非常に評価できることだと感じています。
一方で、衛生管理については、あくまでも自主努力で学ぶものとなっていることが課題と感じております。
浴場組合からの依頼で、寄り合いに出向いて講義を行うこともあると、保健所の方は話していらっしゃいました。
減少したとはいえ、現時点で東京都のレジオネラ検出施設がゼロではないということから見て、保健所は、衛生管理の実態を把握することや、不適施設の管理監督に力を入れて、都民の公衆衛生の向上を図るべきです。
高齢化が進む中で、免疫力が低下した方がふえています。国立感染症研究所も、レジオネラ感染症は今後増加していく可能性があるとしています。
レジオネラ対策は総合的に行う必要がありますが、換水頻度とレジオネラ属菌の繁殖等との関係が不明な中では、換水頻度を現行の毎日換水から、一週間に一回以上であればいいとする規制緩和は慎重にすべきと考え、第百三十六号議案には反対いたします。
最後に、第百六十二号議案、東京都受動喫煙防止条例について質問いたします。
まず初めに、我が党は、東京都受動喫煙防止条例の修正案を提出することを表明しておきます。
修正のポイントは、三点です。
第一に、加熱式たばこも、紙巻きたばこと同様に規制対象とすること。
第二に、東京都受動喫煙防止対策推進協議会を設置すること。
第三に、施行後の検討を行う時期を五年から二年にすること。
以上の三点です。
二十五日月曜日の委員会に正式に提出させていただきます。各会派の皆さんには、ぜひ前向きにご検討いただきたいと思います。
それでは、質疑に入ります。
喫煙は、発がん性のみならず、ニコチンの強力な血管収縮作用による脳血管疾患、冠動脈疾患、微小粒子PM二・五による呼吸器疾患、循環器疾患及び肺がんの増悪という日本人の四大死因全ての原因になっています。
さらに、ニコチンには強い依存性があり、喫煙を繰り返さないと、いらいらしたり、不安、眠気が起きたりなど、精神状態へも悪影響であることがわかっています。平均寿命は十年短くなり、非喫煙者であっても、年間一万五千人が受動喫煙で亡くなっている実態は、早期に実効性のある対策をとらなければならない問題です。
このような背景から、本条例案に対して、我が党は、基本的には賛成の立場です。その上で、さらなる疾病予防対策となるよう質問いたします。
先日、東京都医師会の尾崎参考人から示された資料にもありましたが、二〇一二年、カリフォルニア大学医学部のたばこ規制研究所での研究では、職場と飲食店及びバーにおいて屋内完全禁煙を実施した際の疾患別入院率は、屋内禁煙にしなかった場合と比較して、有意に低下することが明らかになっています。
また、受動喫煙の暴露を受ける場所の一位は飲食店、二位は遊技場、三位は職場であり、対策をとるべき場所についても明確になっていて、受動喫煙防止対策は極めてわかりやすい疾病予防対策であると思われます。
その上で、我が党は、十九日の代表質問で、屋内全面禁煙を目指す必要があると知事に質問し、知事は、人に着目したこと、法的な実効性を確保するために整合性を図ったと答弁しました。
屋内全面禁煙にせず、喫煙専用室での分煙にとどめたのはなぜですか。
○後藤総務部長 条例で法律案を上回る屋内全面禁煙にすべきというご指摘をいただきまして、法律による規制と条例による規制、これとの関係につきましてのご答弁となりますことから、局の条例審査担当としての立場から申し上げます。
条例につきましては、憲法第九十四条で、法律の範囲内で、さらに、地方自治法第十四条第一項に、法令に違反しない限り、制定することができると規定されてございます。
条例で規定しようとする行為でありますとか行為の主体、さらには場所、方法等の対象事項が法令に違反する場合につきましては、最高裁の判例でも考え方が示されているところでございます。
今回の健康増進法の改正案と本条例案を見た場合に、屋内の受動喫煙を防止するという趣旨、目的は同じでございますけれども、健増法の改正案は、いわゆるナショナルミニマムを定めたものでございまして、地域の実情に応じて別段の規制を施すことを否定するものではないというふうにされてございます。
そうはいいますものの、条例によりまして義務を課し、または権利を制限する場合、憲法に保障する基本的人権との関係が問題になることが少なくないということから、その制約は、必要かつ合理的な最小限度の規制にとどめるべきというふうにいわれてございます。
今回の健増法改正案につきましては、対象施設につきまして、第一種施設、第二種施設、喫煙目的施設に区分いたしまして、受動喫煙防止に関する措置を規定してございます。
第一種施設につきましては、敷地内禁煙としておりまして、屋外に喫煙場所を設けることは可能でございますけれども、屋内につきましては全面禁煙ということになってございます。
第二種施設は、第一種と喫煙目的施設以外の多数の者が利用する施設でございまして、屋内に喫煙専用室等を設置することが認められているところでございます。
本条例案は、法的な実効性を確保するために法との整合を図る必要があることから、対象施設の区分につきましては健増法改正案と同一とした上で、人に着目し、第一種施設につきましては、特に健康影響を受けやすい子供、さらに第二種施設につきましては、みずから受動喫煙を防ぐことが難しい立場の従業員をそれぞれ守るため、法の上乗せ、横出し規定を設けるというふうにしたものでございまして、健増法改正案では、民間の事務所あるいは飲食店等の第二種施設は、先ほど申しましたように屋内に喫煙専用室等を設置することが認められておりますけれども、ご主張のように条例でこれらの施設も一律に屋内全面禁煙というふうにすることは、多数の方が利用するあらゆる施設における喫煙を禁止することになりまして、たばこそのものが現在法律で認められている嗜好品の一つであることなどを勘案いたしますと、比例原則の点からも課題があるのではないかというふうに考えてございます。
○藤田委員 整合性を図るということと、あとは皆さんの嗜好に踏み込んでいいのかということだと思うんですけれども、上乗せを国も認めているからこそ条例を出しているわけですし、周知期間もあるわけでして、都としても必要と考える内容で想定するのであれば、よいと思います。
また、嗜好の一つといいますが、やはりこれはどれだけ健康に害があるかということも、東京都としては判断をするべき問題だと思います。
科学的な面からいえば、きのうお話を伺った東京都医師会の尾崎会長も、国のたばこ白書策定者の一人である片野田耕太さんも、分煙では受動喫煙は防げないといっています。どんなに手だてをとっても、全く煙を漏れなくすることは不可能だということが明らかになっているということです。
そこでお聞きしますが、たばこ規制枠組み条約八条の実施のために、ガイドラインが一〇〇%の無煙環境を求めていることについてどう考えますか。
○成田保健政策部長 WHOのメガ・イベントをタバコフリーにするためのガイドにおいて、一〇〇%の無煙環境、いわゆるスモークフリーとは、屋内における受動喫煙がない環境とされておりまして、都では、本年三月に改定いたしました東京都がん対策推進計画におきまして、受動喫煙をなくすことを目標に掲げております。
○藤田委員 ガイドラインも、換気、空気ろ過、喫煙指定区域の使用など、一〇〇%の無煙環境以外のアプローチには効果がないとして、全面禁煙を求めているわけです。科学的に合理的な方法が全面禁煙であり、そうすれば、喫煙室設置の改修費もかからないわけです。
受動喫煙の健康被害を防ぐという目的に対し、屋内全面禁煙が科学的に必要な上、負担はかからないわけですから、目的と手段との関係では、むしろ最もバランスのとれた、整合性の図られた方法が屋内全面禁煙だと思います。
次に、従業員のことについて伺います。
従業員について、受動喫煙を避けるのは困難で、守る必要があると考える理由をお答えください。
○成田保健政策部長 平成二十六年に設置した受動喫煙防止対策検討会におきまして、従業員の安全衛生という観点から、受動喫煙に暴露されている従業員を保護するための対策を講じることが必要であるといったご提言をいただきました。
また、従業員はみずから受動喫煙を防ぐことが難しいことから、働く人の健康を守るためには、日常生活の大半を過ごす職場における受動喫煙防止対策を強化することが必要と考えております。
○藤田委員 職場は日常生活の大半を過ごす場所だからこそ、受動喫煙防止対策が必要であり、喫煙専用室の設置が許されてしまったら、受動喫煙の機会をつくってしまうことになります。
喫煙専用室は、当然、その中で喫煙だけをする部屋になることから、人の鼻腔や気管などのデッドスペースから吐き出された主流煙も、また、有害物質が濃厚に含まれた副流煙も立ち込めている環境だといえます。
喫煙者自身も受動喫煙にさらされていますが、喫煙専用室の清掃に当たらなければならない従業員は、たとえ施設内の換気を行ったとしても、壁紙や環境にしみついた有害物質からの受動喫煙は避けることができません。また、繰り返しになりますが、漏れ出す煙もあります。
働く人をたばこの煙から守るというのであれば、屋内全面禁煙の実施とするべきです。
また、原案からの変更点について、都は、従業員もひとしく受動喫煙から守るべきであるという答弁をしておりますが、やっぱり、従業員の合意のあるなしにかかわらず、本条例案にしたのには大きな意味があると思います。
従業員がお店の方針に逆らって受動喫煙を受けたくないと主張するのは極めて困難なことだと思います。それは雇用者が悪い人だからとかいうことではなく、働く人は仕事を失うと暮らしていけなくなるからです。社会の仕組みによって、そうなってしまうのです。雇用者が良心的な方だからといっても、また、同居していない親族だとしても、生計が別なのであれば、どうしても働く人の立場は弱くなってしまいます。
そのために労働法が必要になり、例えば、最低賃金を下回る労働契約というのは、当事者同士がもし合意していても認められないのです。こうした労働者を守るルールの大前提となる考えを踏まえれば、従業員が合意していればいいとかいうことはありません。そういった例外は設けるべきではないと考えます。
また、従業員を守ることは非常に重要だとは思いますが、だからといって従業員のいない飲食店を例外にする必要はありません。家族従業員やお客さんも含めて受動喫煙から守るという観点から例外なく禁煙にすべきだし、それがWHOのガイドラインで求められている水準だと思います。屋内全面禁煙が最も合理的な方法であると考えますので、実施を強く求めておきます。
昨日の参考人質疑では、この条例制定によって、飲食業界は売り上げ減少などの大きな経済被害が出ると危惧する声がありました。一方、十九日の代表質問の際、屋内全面禁煙にすれば、経済、営業に影響はないという国際的な研究について、知事は信頼性が高い研究と認識しているという答弁をしました。そうであれば、やはり例外となる店舗の設定や喫煙室の設置を認める規定はなくすべきと考えます。
なお、きのうも話題になっていました富士経済の調査ですが、ホームページに概要が出ていまして、店舗運営の責任者に売り上げ予想をアンケートで聞いてまとめたものです。したがって、売り上げが実際に減ったというデータではなく、減ると思っている運営責任者が多いというデータになります。こうした不安の声に対し、丁寧に理解を求めていくことは必要だと思いますが、知事も答弁した国際的な研究結果を覆すものではないと思います。
神奈川県の調査も、調べてみると同様でした。海外の例にしても、景気変動など、ほかの要素を考慮する必要があると思います。
次に、喫煙者の禁煙対策についてお聞きします。
東京都の調査では、東京の喫煙者は既に二割を切って一四・二%です。また、喫煙者のうち禁煙したいと思っている方は、男性で二四・三%、女性で三二・四%です。都内の自治体による禁煙外来の費用補助は、補助率が二分の一になっていたり、補助額や対象人数に上限があったりなどしています。先進的に行っていることは重要ですが、さらなる充実が必要だと思います。都の補充が充実を後押しすることが重要だと思います。
十九日の代表質問にて、知事は禁煙治療のための費用補助を行うと答弁しましたが、それはどのような内容ですか。
○成田保健政策部長 現在、都内七区におきまして、禁煙を希望する方に対し、禁煙外来の医療費や禁煙補助薬の購入費等の助成を行っております。
都では、条例制定を機に、今後、こうした区市町村の取り組みを包括補助により支援していく考えであり、禁煙希望者支援の取り組みを促進してまいります。
○藤田委員 禁煙希望者を支援し、都のがん対策推進計画にある喫煙率一二%という目標に対し、実効性の高い経済支援を求めます。
また、鳥取県佐治町国民健康保険診療所の調査では、禁煙治療にて七四%の方が禁煙に成功していたところ、約一年後には三七%に低下してしまったことがわかりました。そのうち九割の方が再禁煙を希望しているのに対し、禁煙外来に通うことを希望している方は五割にとどまることも課題としています。
禁煙治療に成功した人が禁煙を続けられるよう、治療後のフォローアップについても対策を講じることを要望いたします。
次に、加熱式たばこについてお聞きします。
今回の受動喫煙防止条例の原案の際には除外されていなかった加熱式たばこですが、なぜ原案から規制緩和して、飲食してもよい指定たばこ専用喫煙室での屋内喫煙を可能としたのですか。
○成田保健政策部長 健康増進法改正案では、飲食店やホテル、旅館、遊技場などの多数の者が利用する施設につきましては、加熱式たばこ専用の喫煙室の設置を認めておりますが、四月二十日に公表した本条例の骨子案では設置を認めてございませんでした。
そのため、加熱式たばこにつきましては、健康影響が明らかでない段階で紙巻きたばこと同じ規制とすべきでない、国と同様の規制内容とするべきなど、さまざまなご意見をいただきました。
また、国と意見交換をした際にも、法案と整合を図るようご意見をいただきました。
こうしたことを踏まえまして、本条例では、加熱式たばこの規制場所につきまして法案と同様の取り扱いとしたものでございます。
○藤田委員 加熱式たばこは、健康影響についての研究がされていないとはいえ、主流煙にニコチンを初めとする有害物質が含まれていることは明らかです。そして、喫煙者の呼気には、こうした物質が含まれています。
加熱式たばこによる健康被害があると証明されたときには、既に多くの方に健康被害が生じていたということは絶対にあってはなりません。今から紙巻きたばこと同様に規制する必要があると思いますが、いかがですか。
○成田保健政策部長 加熱式たばこは、その主流煙に、健康に悪影響を与えるニコチンや発がん物質であるホルムアルデヒド等が含まれていることは科学的に明らかでございます。
ただ、現時点では、受動喫煙による将来の健康影響を予測することは困難といわれております。
現在、国は、加熱式たばこによる受動喫煙の健康影響に関する研究を進めておりまして、都は、今後の研究結果を踏まえまして必要な措置を講じてまいります。
○藤田委員 加熱式たばこは、紙巻きたばこと違って煙が見えにくく、においも少ないのが特徴です。それゆえに周囲の人は受動喫煙に気づきにくく、受動喫煙が避けられない状況を生み、かえって危険であるということから、日本禁煙学会では昨年四月に、公共の場での加熱式たばこの使用の禁止を求めました。
加熱式たばこには有害物質が含まれていることは明らかなことです。健康被害のエビデンスがないとはいっても、規制を緩和するべきではありません。加熱式たばこも紙たばこと同様に規制対象とするよう強く求めます。
屋外での喫煙のあり方について質問いたします。
屋内禁煙を強化することによって、屋外での喫煙者がふえるのではないかと心配している人も多くいます。屋外での喫煙場所について、どのように想定しているのですか。
○成田保健政策部長 国では、屋外における望まない受動喫煙を防止するための環境を迅速に整備する観点から、自治体が屋外の公衆喫煙所を整備する際に財政支援を行う方針を示してございます。
都といたしましても、地域の実情に応じて区市町村が取り組む、屋内、屋外の公衆喫煙所の設置等につきまして、補助率を十分の十として積極的に支援してまいります。
○藤田委員 補助率十分の十ということですが、条例案の第二条の十三項でいう特定屋外喫煙場所について、規則で定める受動喫煙を防止するために必要な措置とはどのようなものをいうのですか。
○成田保健政策部長 特定屋外喫煙場所につきましては、健康増進法第二十八条第十三号と同様に、屋外の一部の場所が区画されていること、標識の掲示がなされていることなどの措置が必要でございまして、具体的な措置の内容につきましては、政省令との整合を図り、今後規定してまいります。
○藤田委員 国の基準に合わせて定めるものについても、やはり受動喫煙を防止して、疾病予防対策として実効性のあるものにするために、国に意見を上げていくことが重要だと思いますが、いかがですか。
○成田保健政策部長 都ではこれまで、国に対しまして、受動喫煙防止対策を強化するための法律を早期に整備するよう、繰り返し求めてまいりました。
また、財政支援や運用基準などの整備につきましても、引き続き要望し、実効性のある受動喫煙防止対策となるよう、国に対応を求めてまいります。
○藤田委員 屋外の喫煙場所においても、受動喫煙を防止する観点から、できる限り煙の漏れない構造が必要であると尾崎医師も発言していました。
区市町村の取り組み次第ということではありますが、充実した財政支援がなされるのであれば、ぜひ受動喫煙防止効果が高い基準での設置が進むことを期待したいと思います。
また、屋外ということでは、学校や保育園の屋外喫煙場所の不設置は、努力義務ではなく義務にした方がいいと思いますし、対象も広げた方がいいと思います。受動喫煙防止のために実効性を高めることが重要です。
関係者と連携協力して取り組みを推進していく上では、それぞれに課題を出し合い、改善のための不断の努力が必要です。都、区市町村、事業者等の関係者で構成する協議会を設置することが有効と考えますが、いかがですか。
○成田保健政策部長 都はこれまで、条例制定に向け、区長会や主管部長会、主管課長会で区市町村と意見交換を重ねてまいりました。
また、飲食店につきましては、平成二十六年に設置した受動喫煙防止対策検討会を初め、平成二十九年度、三十年度の予算要望の際などに意見交換を行いました。
今後も区市町村に対しまして、さまざまな機会を捉えて、条例に関する業務や支援策等について意見交換を行い、事業者に対しましては、研修会を通じて、飲食店における取り組み状況、取り組み事例を紹介するなど、連携協力して受動喫煙防止の取り組みを進めてまいります。
○藤田委員 経済的な影響があるのではないかと不安を抱いている飲食店が多くあるということは事実であり、また、受動喫煙の場所として最も多くを占めているのも飲食店です。意見交換を行うのであれば、ぜひ協議会の中で意見を交換していただき、そこに事業者の方も含めて、一緒に煙のない社会を、受動喫煙のない環境をどうやったらつくれるのかを考える場にしていただくことを要望いたします。
疾病予防対策の推進に実効性を持たせるためにも、都、区市町村、事業者間で構成する協議会の設置を求めます。
最後に、検討の時期についての質問です。
附則第八条では、条例規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしています。附則第八条どおりの時期では、条例施行後、検討を行うのは二〇二五年ということになります。
条例の目的に沿って実効性を高めるためには検討時期を短くするべきだと思います。検討の時期について、二年に改めることを求めますが、いかがですか。
○成田保健政策部長 本条例におきましても、施行から五年後にその状況を検証し、必要な措置を講じていくこととしておりまして、今後も、条例の施行状況を把握しながら受動喫煙防止対策を推進してまいります。
○藤田委員 必要に応じてということですので、ぜひ適宜見直しを図っていただくことを要望いたします。
少子高齢化の中で労働人口が減少しています。この条例によって、たばこの煙で他人の健康に害を与えることがない環境にすることが何より大事です。
健康寿命を延ばす、都民の健康を守る視点で、さらなる改善を求めて、質問を終わります。
○龍円委員 二〇〇六年、国連において障害者権利条約が採択されて、二〇〇八年五月に発効しました。それからちょうど十年がたち、ようやくこの都議会に障害者差別解消条例案が提出されるに至りました。ダウン症児の母親としては、よかったなと思うと同時に、まだ差別はだめよというところにいるのかというような複雑な思いであります。とはいえ、これは大きな一歩だと確信しております。
さて、一般的に差別というと、仲間外れにしたり、ののしったり、悪口をいったり、不当に危害を加えるというようなイメージを持つかと思います。しかし、障害のある方、つまりスペシャルニーズのある方に対する差別は、そのようなわかりやすい形ではなく、差別ではないふりをして行われることも多くあります。つまり、障害以外の理由をいろいろと並べて、これは正当な区別なのだとしながら、結果として、サービスを提供しないなどの差別をするのです。
また、差別をする側は悪気がないことがほとんどで、差別しているという意識さえないことが多いのも現実です。
我が家の例でいいますと、私がシングルマザーになったばかりのころ、仕事を探すために一時保育を利用する必要がありました。それで、ある保育園のホームページに、生後五カ月から就学前まで、集団保育が可能な児童を対象に一時保育を提供すると書いてありましたので、息子は当時二歳で、シングルになる前、アメリカでは一般的な保育園、つまり集団保育を受けていました。ですので、対象になると思って、息子を連れて保育園に面接に行くと、歩いていないことと離乳食であることを理由に預かることを拒否されました。
生後五カ月の赤ちゃんは歩けなくて離乳食であっても預かるのに、二歳で歩けず離乳食であるから受け入れられないというのは、全く理由になっていないと感じました。つまり、ダウン症がある児童は受け入れられないことを直接いいにくいことから、理由をひねり出したのだなという印象をそのとき受けました。
自分の子供が障害を理由に社会から差別され、排除されるという経験は、思いのほか傷つくものでした。アメリカでは一切差別をされたことがなかったので、日本に戻って早々に受けたこの対応に、これが日本の現実なのかとショックを受けました。スペシャルニーズのある方の家族や当事者は、大なり小なり、こういう経験をしながら日々生きています。
そこで、いま一度、この条例における障害を理由とする差別とはどのようなことなのか教えてください。
○松山障害者施策推進部長 条例では、第七条で、障害を理由とする差別の禁止について規定しており、第一項では、都及び事業者は、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取り扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならないとしております。
障害の有無とは関係のない事項について、障害者が申し出たものであっても、不当な差別的取り扱いに当たらない場合も想定されることから、法及び条例では、障害を理由とするという文言を加えております。
例えば、国の事例集では、飲食店等の接客態度について、挨拶がなかったり丁寧でなかったりする場合には、障害の有無とは関係のない、ふだんの接客態度に至らない点があっても、不当な差別的取り扱いには当たりませんとしております。
一方、障害の有無によって接客態度を変えているのであれば、不当な差別的取り扱いに当たるとされております。
障害という理由が示されない場合における不当な差別かどうかの判断は、具体的場面や状況に応じて、総合的、客観的に行われる必要がございます。
○龍円委員 障害を理由とする差別かどうかは、総合的、客観的に判断するということがわかりました。
差別か差別じゃないかの問題の次に出てくるのが、合理的配慮なのか過度な負担なのかということになるかと思います。
障害者権利条約には、合理的配慮は、障害者がほかの者との平等を基礎として、全ての人権及び基本的自由を享受し、または行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ均衡を失した、または過度の負担を課さないものと定義されています。
合理的配慮を求めるスペシャルニーズのある方に対して、サービスを提供したくない事業者等が、これは過度の負担であると主張することが出てくることが予測されます。
差別であることを認識してもらい、さらに合理的配慮まで提供していただくのは、スペシャルニーズのある方にとっては、かなり高いハードルです。スペシャルニーズのある方たちは、これまでの長い歴史の中で圧倒的に立場が弱く、そもそも対等に交渉すること自体ができないで来ました。この条例が施行されても、なお泣き寝入りせざるを得ないケースが出てくるのではないかなと心配しています。
事業者などと合意に至らない場合、スペシャルニーズのある方はどうしたらいいのでしょうか。条例案には、相談や紛争解決をすることが記されていますが、具体的な方法を教えてください。
○松山障害者施策推進部長 事業者や障害者から相談がある場合、差別解消に関し、知識、経験を有する広域支援相談員が、事業者、障害者双方から話を聞き取り、助言や調整を行うなど個々の事例に丁寧に対応いたします。
また、相談により解決が見込めない場合には、知事が事実を調査し、必要と認めるときは、学識経験者、障害当事者、事業者等で構成される調整委員会にあっせんを求めることとしております。
さらに、調整委員会のあっせん案に正当な理由なく従わないなど、悪質な事業者に対しては、勧告、公表ができることとしております。
○龍円委員 相談体制が、双方から話を聞いて調整等をするということで心強く思います。ぜひスペシャルニーズのある方たちの声に寄り添って、力となっていただきますようお願いします。
さて、合理的配慮でよく例えとして挙げられるのが、車椅子を利用する方のためにスロープをつけることを求めるのは過度な負担であるけれども、職員が車椅子を持ち上げて段差を乗り越えることは合理的配慮だという話です。
しかし、例えば校門の段差を埋めて、それから階段などにスロープをつけて、トイレを一つ改修すれば、車椅子を利用している児童が特別支援学校ではなくて地元の学校に通えるようになるのだとしたら、これはやるべきだと私は考えています。
一見、たった一人の児童のためにこれだけのことをするのは過度な負担であるように見えるかもしれません。しかし、これらを実現することで、その後、その地域に住む車椅子を利用する児童がその学校に通うことが可能になります。だから、これは合理的な配慮なのだと私は考えます。
しかし、学校側は、もしかすると過度な負担だと主張するかもしれません。多くの方が利用する可能性がある場所で、一個人の要望としては過度な負担に見えるものでも、環境を整備することで、多くのスペシャルニーズのある方が利用できる可能性が広がるケースについては合理的な配慮がなされるべきです。
合理的配慮の提供と環境整備の関係について、都の考え方を教えてください。
○松山障害者施策推進部長 合理的配慮の提供とは、障害者から、現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、当該障害者と建設的な対話を行い、その実施に伴う負担が過重でないときは、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするものでございます。
また、環境の整備とは、不特定多数の障害者に合理的配慮を的確に行うため、ハード面でバリアフリー化、情報アクセシビリティーの向上、職員に対する研修等の対応をすることでございます。
本条例では、都及び事業者の合理的配慮の提供について義務としておりますが、障害者差別解消法では、行政機関及び事業者の環境の整備について努力義務とされております。
法に基づく国の基本方針では、合理的配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合や、障害者との関係性が長期にわたる場合等には、その都度の合理的配慮の提供ではなく、環境の整備を考慮に入れることにより、中長期的なコストの削減、効率化につながる点が重要であるとされております。
合理的配慮の提供については、本条例で義務化し、障害者差別解消の取り組みを進めるとともに、東京都福祉のまちづくり推進計画には、ハード、ソフトの両面からバリアフリーを位置づけており、環境の整備を進めております。
○龍円委員 今後、一見、過度な負担に見えるものでも、きちんと状況を検証すれば環境の整備だといえるものも出てくると思います。東京都も、ぜひ相談を受けた場合はしっかりと状況を聞き取って、環境の整備が必要だと思われるケースであれば対応していただきますようお願いいたします。
続いて、手話についてです。
この条例で、手話が言語であると定められたことは非常に大きなことであります。私ごとですが、息子とはゼロ歳からアメリカ手話を使ってコミュニケーションをしてまいりました。一歳ごろから息子本人も手話を使い始めて、五歳となる今も、まだお話はできないんですが、いろんなことを手話で伝えてくれています。
しかし、残念なことに、息子が家庭以外の場所に行きますと、周りに理解してもらえることはないので、手話が伝わらないことが彼の世界を広げる妨げになっています。
アメリカ手話は、一九六〇年にアメリカで言語として認められて、今では、カリフォルニア州の私が住んでいた地域では、高校や大学の言語の選択授業で学べるようになっていました。そのため、手話を使える人が日本に比べてかなり多くいました。
私自身も、コミュニティカレッジでアメリカ手話を一年間勉強しましたが、本当に驚くほどたくさんの方が受講していました。しかも、先生は全く聞こえないデフの方でした。
手話を使える方がまちの中にふえると、手話をメーンの言語として使っている方たちにとっては、社会の中のバリアが少なくなったといえます。ハーイとか、サンキューとか、ソーリーなど、子供から大人まで多くの方が知っている手話単語も幾つかあります。難しい会話はできなくても、挨拶程度を多くの方が手話で話すことができれば、手話ユーザーは社会とのつながりが多くなります。
手話がより社会に浸透しているアメリカでは、聴覚障害以外でも、話し言葉でコミュニケーションがとりにくい方たちや赤ちゃんもこの手話を使っていました。
東京でも、手話を言語として認めることで、教育の機会がふえ、そして五単語くらいからでもいいので、広く一般的にみんなが知っている手話単語があるくらいに手話が普及されることを望みます。
手話の普及について、都の具体的な取り組みを教えてください。
○松山障害者施策推進部長 障害者差別解消条例では、手話は一つの言語であるとの認識に基づき、都民及び事業者において、言語としての手話の認識を広げるとともに、手話の利用が普及するよう、必要な施策を講ずるものと規定しております。
都は現在、手話通訳者の養成、初心者から指導者まで手話を学ぶ講習会や、外国語手話講習会の実施、大学生向けの手話普及イベントの開催など、手話の普及に向けたさまざまな取り組みを展開しております。
また、今年度から、遠隔手話通訳が利用できるタブレット端末を、都のイベントや会議等において利用、体験してもらえるよう、都庁内の各部署に貸し出す事業を開始しており、こうした取り組みを通じて、聴覚障害者の意思疎通の支援の充実を図ってまいります。
○龍円委員 ありがとうございます。手話の普及に今後とも一層取り組んでくださいますようお願いします。
ちなみに、アメリカのコミュニティカレッジでは、アメリカ手話をオンラインで学ぶクラスもありました。オンラインだと、仕事をしている方も学ぶことができます。それから、幼児番組の中で、手話がジェスチャーのように取り込まれていることもありました。ぜひ、そういうオンラインだったりとか、子供向けの取り組みもふやしてくださいますようお願いいたします。
さて、いろんな機会でお話しさせていただいて、くどいかもしれないんですけれども、私は、障害という言葉そのものが劣っており不完全であるかのような印象を与え、同情や哀れみを伴った差別をする意識を生み出すと考えて、スペシャルニーズという言葉を使っています。
障害という言葉を使っている側に悪気がないことは十分承知しているんですが、息子に対して障害児といわれるたびに、障害児である前に、息子はみんなと同じ五歳の普通の子供なんだよ、そのことを忘れていませんかといいたくなります。それくらい嫌だと感じている方がいることを知っていただきたいです。
かつて、認知症は痴呆症と呼ばれていたのを覚えていますでしょうか。しかし、痴呆症は、あほうとか、ばかに通じて侮蔑的な意味合いのある表現であることから、高齢者の感情やプライドが傷つけられる場面が日々生じているとして、認知症に改められました。現在では、さらに、物忘れ外来、メモリークリニックなどと配慮した表現が使われるようにもなりました。
法律や条例の中の用語として、障害を使うことを変更するのは難しいのはわかります。しかし、行政窓口や一般的にお話をするときに、スペシャルニーズのある方、特別な配慮や支援を必要としている方というようにいいかえていく努力をしていただきたいです。これは過度な負担ではなく、合理的な配慮なのではないでしょうか。
ちょっとした言葉遣いが人の認識を変えていきますので、どうぞ東京都でも条例施行とともに、そういう配慮を進め、そして普及していただきますよう要望して、質問を終えさせていただきます。
○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
午後四時四十七分休憩
午後五時二十分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○鈴木委員 昨日は尾崎医師会会長、そしてまた、田中理事長さんにお越しいただきまして、私たちは現場の声、そしてまた、医師としての、健康を担う立場の先生方からいろいろとお話を聞かせていただきまして、大変有意義だなというふうに思いました。
たばこのリスクを減らすということは、本当に誰もが進めていこうとしている思いであるというふうにも思っておりますし、やはり受動喫煙の暴露にさらされる、そうした方々に対しての取り組みをしっかりとしていくということは、何よりも大切なことであるというふうにも思います。
しかし、やはりその進め方というのが、きょうの委員会質疑の中でもいろいろ議論されるべきところであり、そこの合理性とか実効性をしっかりと担保していくことが、まさに皆様方が考えなきゃいけないことではないかなというふうに、改めて思わせていただいております。
きのうの医師会の会長、尾崎会長さんの話、これはまさに、これからスモークフリーの東京をつくっていくために画期的な条例ではないかという話をされておりました。
東京都は、基本的なスタンスとして、これからスモークフリーの都政を目指そうとしているのか、局長、ちょっと教えていただければというふうに思います。
○梶原福祉保健局長 たばこというのは、これは一つの嗜好品であって、合法的に認められているものであります。
ただ、一方で、やっぱり吸わない人、つまり健康影響というものは、受動喫煙というのは明らかであるということであります。
私ども健康を守る、あるいは福祉を守るという意味で、受動喫煙の害というのは、これは科学的に明らかになっているわけですから、屋外、屋内での受動喫煙をなくすスモークフリーということを目指すということが、我々の責務だというふうに思っております。
○鈴木委員 先ほどの答弁の中で、局長は八年間この取り組みにかかわってきたという話をされておりました。--(三十九字削除)--そうした中で、やはりみずからこういった取り組みをしようという部分においては、今、ご答弁にあった思いがあるんだというふうにも思います。
しかしながら、あわせて、皆様方が事業者の皆様に自主的に受動喫煙防止をする社会、都政を目指していくための協力要請もして取り組んできた経緯があるわけでございますけれども、局長、この八年間の取り組みの中で、そうした方々と受動喫煙防止の都政を進めてきた立場として、そしてまた、今回この条例案を出される立場として、どういったお考えが、思いがあるのか、お聞かせいただければというふうに思います。
○梶原福祉保健局長 平成十五年の健康増進法の施行を受けて、平成十六年に私ども東京都の受動喫煙防止ガイドラインを策定したわけであります。
これは、公共の場の受動喫煙防止対策を進める、それで、健康影響に関する正しい知識の普及啓発を行うということで、これが努力義務として明確に位置づけられた、これは国際的なFCTCも受けて、国として行われてきたと、こういう歴史であります。
その後、平成二十三年にそのガイドラインの改定を行う、そのあたりから私は携わっているわけでありますけれども、これは、飲食店については喫煙、分煙、禁煙、これを明確に分けるということで、まず、努力義務として位置づけられていた健増法、これを実効性あるものとして飲食店の皆様、あるいは飲食店初めさまざまな関係団体の皆様と一緒に進めてきたと、これも事実であります。
昨日の中でも、そういうこれまでの取り組みというものを無視して一方的にやるのではないかと、こういうご意見もいただいたわけであります。これまで協力してきた団体の立場はどうなるんだと、こういう厳しいご意見もいただきました。
ただ、今回の健康増進法の改正の中でも議論されていますように、今まで努力義務として進めてきた政策というのも、これも限界がある、つまり、国際的に見ても、健康増進法の改正の中でも、やっぱりある種の罰則規定というものをつくっていかなければ、本当の意味で屋内での受動喫煙を防止するという立場は推進できないと、こういうことで国の方でも法案が出されていると、こういうふうに認識をしています。
今まで、ある種、地道にいろんな形での普及啓発もやってきましたし、取り組みもやってきました。その結果として、きのうもありましたけれども、ステッカーであるとか、そういうのの貼付率というのは上がっているわけでありますけれども、しかし、一方で受動喫煙、特に飲食店であるとか遊興店等の受動喫煙の割合は減っていないというのも、これも事実であります。
そういうのも含めて、今回、私ども都独自の条例案、それも健康増進法改正案とあわせた形で提出をさせていただいたと、こういうことでございます。
○鈴木委員 ということは、二〇一一年から自主的に組合の方々が始められて、二〇一五年から都の依頼で店頭表示が始まった。しかしながら、実態的には受動喫煙に対するリスクは全然減っていないというのが、今の答弁だったというふうに思います。
私も、前段の部分で局長がお話しになった国際的な、今、公約の部分、そしてまた、健康をしっかりと守っていくという立場においては、受動喫煙防止条例を制定するということに対しては賛成であるわけですけれども、しかしながら、組合の方々の取り組みによって、私はたばこを、さらに配慮して、要するに受動喫煙の被害に遭わないような、他者を配慮するような理解、そして、取り組みにつながってきているのではないかなというふうにも思っているんですけれども、そこは局長、都の見解とは違うなというふうに思います。
そして、やはり今まで協力をしてきた方々に対して、その部分に対する感謝も込めて、私は大きく都政がかじを切るのであれば、なぜしっかりと説明ができていなかったのかということが、本当にここは残念というふうに思います。
これは別に業界の方、昨日も田中理事長はお話しになっておりましたけれども、この取り組みに反対するものではないと。しかし、私たちの現実の思いを何で酌んでいただけないのかということの窮状を述べられておりました。
今回、四月二十日に突如として説明を、知事が表明をして、そして、五月十五日にヒアリングをされたというふうに話が出ておりましたけれども、この一カ月、一月の間、なぜ業界の方々にしっかりと説明をするということをしなかったのか、教えていただければというふうに思います。
○成田保健政策部長 都は、受動喫煙防止対策について、専門的見地から幅広く議論するため、平成二十六年に東京都受動喫煙防止対策検討会を設置いたしました。検討会では、東京都飲食業生活衛生同業組合など、関係する十団体にヒアリングを行いました。
また、昨年九月には、基本的な考え方を公表し、パブリックコメントを行って、事業者を初めとする関係機関の方々も含め、五千人から一万七千件近いご意見をいただきました。
また、昨年の七月から八月にかけて都民の意識調査や、飲食店及び宿泊施設の実態調査も実施しております。
平成二十九年度及び平成三十年度の予算要望の際にも、関係する団体と、皆様と意見交換を行っているところでございます。
また、本年四月の骨子案公表後も、飲食業関連の団体の方々と意見交換を行っているところでございます。
これらの意見等を踏まえまして、条例案では、店舗面積等にかかわらず、全ての飲食店を原則屋内禁煙とした上で、従業員を使用しない店のみを例外としたところでございます。
また、加熱式たばこにつきましては、健康影響が明らかになるまでの間、健康増進法改正案と同様の取り扱いとすることにしております。
今までも、これからも、食品衛生同業組合の方々にご協力をいただきながら、受動喫煙防止対策を進めてきたところでございます。今後とも、連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。
○鈴木委員 先ほども答弁にあったような話を今されているわけですけれども、そこは明らかに違うということを、私は改めて確認をさせていただきたいというふうに思います。
皆様方が今いわれたこと、答弁されたことというのは、昨年の九月に条例案として考えていると、そして、それをいろんな形で意見を聞いたり、そしてまた、説明をされていた経緯はあるわけですけれども、四月二十日の今回の条例案というのは、明らかに組合の方々、要するに組合の方々とおつき合いがあるわけですから、どういう規模の営業をされているかというのは、ご理解をいただいているというふうに思いますけれども、明らかにその人たちに対する、何というんですか、対象が一気に変わってきている中で、今までと全く同じに扱うというのは、絶対にそれは違うというふうにも思いますし、その答弁はまさに詭弁だというふうに思います。
やはり皆さん方と一緒になって、本当に地道に三〇%から、なかなか理解されていないところにあった中にも、努力をして、協力をし合って七〇%までステッカーを店頭表示してきた人たちを考えれば、もっと、やはりその部分の、彼らの声をしっかりと受けとめて対応していくことが何よりも大切なのではないかなというふうに思います。
今であっても、そうしたことが、答弁でいわれるということ自体が、多分、この事業者、組合の方々は、大変、都に対しての失望感を持っているなということを私は率直に感じます。
きのうのお話の中で一番大切な部分というのは、やはり経営者として売り上げ、常に来ていただいているお客様の顔を見ながら、次にまたいつ来ていただけるんだろうというふうな思いの中で経営努力をされているわけです。お客様の中にたばこを吸われる方がいらっしゃったら、今回、都がこういった規制をかけられることによって、店ではもうそういうサービスが提供できなくなったときに、お客様が来ていただけるのかというような、やはりそういった不安を持たれるというのは当然だというふうにも思います。
私はきのうのお話の中で、田中理事長さんのお話も、私も質問させていただきましたけれども、この売り上げの減少というものが、いや、エビデンス的には上がった、売り上げが逆に上がったなんていうような意見も、エビデンスとしてあるというような話もされておりましたけれども、やはりこの部分は、実際の東京都でお仕事をされている方々、実態をもっと皆さん方が把握をして、そして、それに即して対応するべきではないかなというふうに思いますけれども、その点に対してはいかがでしょうか。
○成田保健政策部長 売り上げの減少についてでございます。都の条例案では、健康増進法改正案と整合を図りまして、飲食店につきましては原則屋内禁煙とした上で、一定の要件を満たす喫煙専用室の設置を認め、その中では喫煙可能としております。
また、従業員のいない飲食店については、禁煙か喫煙かを選択できることとしております。
先ほどもご説明いたしましたけれども、今回の条例案では約八四%の飲食店が規制の対象となると見込んでおりまして、ほとんどの飲食店に同じルールを適用することで、売り上げ等への影響は少ないものと考えております。
また、WHOの国際がん研究機関、IARCによれば、受動喫煙の規制による経済的影響に関する百六十五の調査のうち、信頼性の高い調査四十九のうち、四十七の調査は売り上げに負の影響がない、残り二つの調査が負の影響があるという結論となっております。
飲食店の皆様方にも、こういった趣旨をよくご理解いただきながら、ともに受動喫煙防止対策を進めてまいりたいと考えております。
○鈴木委員 昨日の意見聴取で私が感じたことをお話しさせていただきましたけれども、売り上げ減少が数カ月続いて、きのうのお話にもありましたけれども、その部分が、じゃあ、リーマンショックの影響を受けた減少なのかどうなのかというのは定かではないという話がありました。
しかしながら、一定の時間がたてば、ある程度その状況というのが把握できるというふうに私は思っておりますし、そのときに、今、部長がおっしゃったことが、本当に的を捉えているのかということはしっかりと、私はそのときも、また、皆さんの責任も含めて、ただしていきたいなというふうにも思います。
今回の話の中で、先ほど局長がおっしゃっていましたけれども、WHOの、またIOCの方針がそうなっている、そして、国際基準においても日本の評価は、やはり受動喫煙防止という部分においては低いという話がありました。
しかし、ここで都民の方々にしっかりと説明する必要があるのは、やはり世界と日本の取り組みの環境が違うということをそこで説明をしなければ、それだけ聞けば、ああ、当たり前だって話になりますけれども、しかし、そういった前提が違うということになれば、待てよという話にも、私はなるのではないかなというふうに思います。
例えば店舗の考え方、これ、室内という中では、海外はテラスは認められているわけですけれども、この国、日本において、テラスもそうですけれども、実際、そもそもテラスつきの店舗がどれだけあるのかという話も、きのうもされておりましたけれども、その点の違いも、やはり私は明確にしておくべきだというふうに思いますし、世界は、もっと簡単にいえば、世界基準に合わすのであれば、もっとわかりやすい、世界はわかりやすい受動喫煙防止対策をしているにもかかわらず、皆さんがやろうとしていることは本当に複雑でありまして、本当に都民の皆さんにとってみれば大変困惑する状況を皆さんがつくり出しているということも、私は認識すべきだというふうにも思います。
その点に関してはどのように感じているのか、お伺いさせていただきます。
○梶原福祉保健局長 世界の標準ということでいえば、五十数カ国は屋内全面禁煙であります。今回、わかりにくい、あるいは国の基準、あるいは都の基準、これが不十分であると、あるいは一方で不十分だという立場とやり過ぎだという立場、これを考えたときに、どういうふうに考えるかなんですが、我々、条例案を今検討しているわけです。
先ほどもお話がありましたけれども、屋内全面禁煙にすべきだという議論があったわけですが、これ、条例と法律との関係でいけば、条例の制定の限界というのが、これは憲法上決まっているわけです。
つまり、法律に上乗せ、横出しをするならば、その目的等が比例原則に反しない限り、上乗せ、横出しができる。つまり、法律が完全に原則全面禁煙になるならば、私どもはこういうルールをつくる必要はないわけであります。法律が、ある種いろんな形で例外措置をつくった、それに対して、さらに上乗せ、横出しをするということで、我々はいろいろ知恵を絞ったと。
それで、できるだけ法律よりも、あるいは都内のルールとして、実効性が高まるようにということで、苦労した。これが、もし複雑なルールだということになるならば、国会の中で、改めてわかりやすい法律の議論をすべきだというところに、もう一回立ち戻らなければならないと、こういうふうに私どもは思っております。
○鈴木委員 今、話ありましたけれども、国の法律、そしてまた、東京都がやろうとしている法律に対して、やはり上乗せ、横出しをしていくためには、合理的な必要性、そしてまた、今いったような実効性が担保されなければ意味がないというふうに思うわけですけれども、基本的に上乗せ、横出しのルールもそのように定められているはずなわけですけれども、この法律との関係は、後でまた別に質疑させていただきたいというふうに思います。
やはりこの部分というのは、しっかりと都民の皆様に、東京都がこの条例をつくる合理性はここにあるんだ、そしてまた、実際にこれをやっていくに当たって、これだけ実効力があって、皆さんが理解して、みんなで進めていけるような条例なんだということをしっかりと説明できなかったら、これは、またいろいろな部分で都政に、本当に私は、大きな汚点を残すような形になっていくのかなというふうにも思います。
それはまた後で質疑させていただきますけれども、まず、先ほども質疑に出ていました条例提案の手続について、幾つか質問をさせていただきたいというふうに思います。
今回、区市町村や民間事業者の意見を聞かずという話をさせていただいておりますけれども、どう考えても、骨子発表後、一カ月足らずの間に矢継ぎ早に意見交換を開催しただけで都議会に提案してきた。そして、今定例会で可決しても、実際に発効するのは目的とか用語の定義、そして、関係者の責務といった理念規定のみで、本当に実施されるのは、来年の九月になって、学校や病院などの公の施設に関する規定が発効して、再来年の四月、二〇二〇年の四月に、ようやく飲食店などに対する対策が実施されるということになっているわけです。
これだけ時間の余裕があり、そして、区市町村や関係団体から、都の説明不足に対する不満があるにもかかわらず、なぜ、この定例会に条例案を慌てて提案する必要があるのかというのは、誰もが、関係者の誰もが素朴に思うことだというふうに思いますけれども、この点についてお答えいただければというふうに思います。
○成田保健政策部長 平成十五年以来、健康増進法により、多数の者が利用する施設を管理する施設におきましては、受動喫煙の防止措置を講じる努力義務が設けられ、これまで一定の成果を上げてきているところでございます。
しかし、依然として、先ほども申し上げましたけれども、多くの人々がこうした施設において受動喫煙を経験している状況にございます。二年後のオリンピック・パラリンピックを一つの契機として、都民の健康増進を一層図るためには、受動喫煙対策をさらに強化していくことが必要と考えております。
都は、オリンピック・パラリンピックのホストシティーとして、これまでの開催都市の取り組みも踏まえ、受動喫煙防止対策をしっかりと強化してまいりたいと考えております。
オリンピック・パラリンピック開催前まで、都民や事業者に対して、十分な周知期間や準備期間を確保するため、今定例会に提出したものでございます。
○鈴木委員 私のいっていることに全く答えていないというのは、基本的に、国が目標を定めて、そして、先ほどお話ありましたけれども、基礎的自治体が手法だとか、そしてまた、事業計画をつくって、そもそも都の役割というのは一体何なのかという話をさせていただいているわけですよ。要するに、そういった基礎的自治体がしっかりと実効性が担保できるように後押しするのが皆さんの役ではないかなというふうに思うんです。
しかしながら、今回、そういった手続をほとんどされないで、そして、その役割分担というものがどうなのかということも説明をされないまま、このような形になっている、提案してくるということに対して、どういうふうにお考えなのかという話をさせていただいたんですけれども、改めてその点についてお答えいただければというふうに思います。
○成田保健政策部長 この条例は、国の健康増進法改正案の上乗せ、横出しを規定するものでございまして、国の法案と同様、指導、監督等の業務は、保健所を設置する区市に担っていただきたいと考えております。
また、飲食店には、飲食業生活衛生同業組合や、日本フードサービス協会等を通じて店内の禁煙、分煙等の取り組み状況を店頭に表示するステッカー等を配布し、協力をお願いしており、今後も区市町村や民間事業者の方々と連携協力しながら、受動喫煙防止対策を進めてまいりたいと考えております。
○鈴木委員 基本的に、この答弁と私たちの考えている食い違いというのは、局長がおっしゃった、要するに国の基本的な考え方は一致していると、そしてまた、上乗せ、横出しをしているだけであって、東京都は、本当に、そうした部分においては独自の、独善的な取り組みではないという話がされておりました。
そもそも昨年の九月、私たちが何回もいっておりますけれども、提案された条例案と、今回対象になるものとの対象の幅が明らかに違い、そして、その考え方も、知事がよくおっしゃっているように、面積基準から人なんだというような形を胸張っておっしゃっておりますけれども、その部分において考えれば、明らかに九月の条例案と、今回四月二十日に提案された条例案と全く違うわけなんですけれども、その部分においても、皆さんは、いや、もう昨年の九月からこの東京都の取り組みというのは説明がされているので、取り組みもしっかりと、説明は理解していただいているんだという認識に立たれているという話なんですけれども、この部分、何回話しても禅問答になるだけで進みませんので、私は明らかに、そのような考え方では、多分都民の方も、そしてまた、関係する方々も、関係する自治体も、そのように受け取っていないということはしっかりと認識すべきだというふうに思います。
今回、昨年の九月のパブコメの、これも基本的には、また同じような答弁になるかもしれませんけれども、確認をさせていただきますが、パブコメに関しては、先ほどもお話しになりましたように、一万七千件近くのご意見を寄せられたという話がありました。
今回の四月二十日の条例案については、いつ、どのような方法で、どれだけの期間、このアンケートを行ったのかというものを、私たちは全然知らないわけですけれども、先日お話をさせていただきましたら、ネットを使って千件ぐらいの意見が寄せられたという話がありました。
昨年の九月に一万七千件の意見が寄せられている、今回はたった千件、それに対して皆さんはどのようにお思いなのか、お答えしていただきたいというふうに思います。
○梶原福祉保健局長 昨年の基本的な考え方に関するパブリックコメント、これは、そういう意味では、先ほど申し上げましたけれども、原則全ての飲食店を全面禁煙とした上で、例外はバー、スナック等の三十平米以下と、こういうことでご意見をいただきました。
それで、一カ月間で一万七千件のご意見をいただいた、もちろんさまざまな意見をいただいた。今回のインターネット調査というのは、民間でもJXの方がやっておりますけれども、この条例について賛成か反対か、あるいはいい政策であるか、どちらかの政策であるかという、いわゆる世論調査を行ったものでありまして、条例の中身について説明をした上で、これに反対しますか、どうですかということを聞いたものですので、パブリックコメントと同一に扱うということはできないというふうに思います。
これは、今回の調査だけではなくて、以前にも条例化についてどう思いますかというお話をさせていただいている、法律で規制した方がいいですか、条例で規制した方がいいですかと、それは、世論調査という形で以前にも調査をさせていただいている。
その結果、今回でいくと、条例案については七四%、それから、いわゆる条例化による規制ということは八割以上ということで、ご意見をいただいたということで、この前、ご答弁させていただいたと、こういう経緯でございます。
○鈴木委員 局長、今のお話でありますと、例えば昨年の条例案のときは、ある意味、半数以上の方は一部反対、慎重にという話だったわけですよ。要するに、そのときも東京都の条例案に対しては賛成というのが圧倒的に多ければ、別に私たちはこのことに関してはこうやって質問はしないんですけれども、あのとき慎重にという方々が半数以上いたわけですよ。
今回は、そうしたことは全然手法を変えて、そして、さらに、条例案の内容を説明するまでもなく、ただこの条例をすることに反対か賛成か、そして、それが千件の対象の中で七四%ということは、それぐらいの規模で七百四十人ぐらいの方が賛成だといったのかもしれないですけれども、基本的に、さまざまな意見を伺うといいながら、何を質問して答えていただくのかというのが大切ではないかなというふうに思うんですけれども、この違いに対してはどのような見解を持たれているのか、お答えいただければというふうに思います。
○梶原福祉保健局長 飲食店における受動喫煙防止対策の実態調査ということで、今までもアンケート調査をやっております。飲食店を対象にした調査という部分と、それから、遊興飲食店を対象にした調査という話もやっております。
例えば、平成二十七年度にやった調査、これは対象一万人で、五千四百九十人にお答えをいただいたということでございますけれども、そのときは法的な規制が、六六・一%が賛成、平成二十九年度に対象二万人で八千七百人にいただいた調査というのは、賛成は六九・二%、つまり、これはこのときには条例化ということについて、賛成ですか、賛成でないですかと、こういう世論調査をそのときには行った。
パブリックコメントというのは、これは必ずしも世論調査という意味ではなくて、世論調査というのはランダムにやって、これに、支持しますか、支持しませんかと、こういう調査なわけであります。そうすると、一般的な都民の方々の支持というのがわかる。
パブリックコメントというのは、こちらからやるのではなくて、ランダムに、この案件について賛成の方の意見を酌み取る、それから反対の方の意見を酌み取る、そうすると、もちろんいろんな意見が来るわけで、これは必ずしも全体の都民の方の賛成と反対の割合というのが、全体が支持している割合ではなくて、つまりこの法案に対しての意見ということで、任意の方々がたくさん出していただいている、こういう話でありますので、むしろ今回のインターネット調査と比較するならば、この都民の意識調査ということと比較するのが適当であろうというふうに思っています。
今回のインターネット調査というのは、国の法案では、例えば今こういう規制になっています、それから、条例の規制というのはこういうふうになっていますという、規制の内容をお示しした上で、それに対して支持しますか、支持しませんか、どちらともないというのも含めてお聞きをしているということでありまして、パブリックコメントと世論調査というのはやり方が異なっておりますので、これを単純に比較するということではなくて、前回の世論調査とどういうふうに変化しているかということを、私どもはリサーチしたと、こういう理解でございます。
○鈴木委員 であるならば、今、局長がこれ、大切なことを述べたんですけれども、パブリックコメントじゃない、要するに世論調査、意識調査だったと。そして、これは平成二十七年もやっているし、今まで、かつてもいろいろやっていると、そういう認識ですよね。今回のインターネットを使ったアンケートというのはまさにそうだと。
じゃあ、何で昨年の九月の条例案のときはパブリックコメントをします、要するにこの条例案に対して都民の方々の意見をお寄せいただきますという話を知事がされていたのか。それは考え方、そして、取り組みの仕方が、今回の四月二十日以降のこととは全く違うということを、今はっきり局長が述べたことに等しいというふうに私は思います。
今まで東京都、さまざまな部分でパブリックコメントをされておりますけれども、パブリックコメントが意識調査でいいのであれば、これからも、まさに、条例案に対して、そして、検討された内容について意見を述べる、意見を広く受けとめるというような、そういったスタンスではなくなってきちゃうということではないかなというふうに、私は本当思います。
この部分も、これ以上お話ししてもしようがないので。しかしながら、今、局長がお話しになったことというのは大切なことなので、本当にそういった話を聞けてよかったなというふうに私は思います。
そしてまた、先ほど部長が区市町村に対していろいろと取り組みをされておりますというふうに話しましたけれども、区市町村がやっているさまざまな事業に対してどのように把握をしていらっしゃるのか、具体的に教えていただければというふうに思います。
○成田保健政策部長 都は各区市町村の路上喫煙防止条例の取り組みを取りまとめまして、都のホームページに掲載し、広く情報発信を行っているところでございます。
平成二十九年に飲食店等を対象に実施した受動喫煙防止対策実態調査では、禁煙や分煙などに取り組む飲食店等の割合は、平成二十七年度に比べ、一般飲食店では五九・七%から六四%、バー、スナックなどの遊興飲食店では一三・九%から二一・五%へと、それぞれ増加しているところでございます。
○鈴木委員 きのうのお話ありましたけれども、店内で吸えなければ外で吸うお客さんが出てくるだろうという話をされておりました。そしてまた、平昌のオリンピックでも、結局、韓国もオリンピックを開催する都市として室内禁煙でしたから、喫煙所は大変な、たばこの吸い殻であふれていたという写真も、私も見させていただきましたし、私たちの仲間が行って確認をしてきました。
そうした中で、区市町村は、やはりこれからまた、この条例があるにもかかわらず、路上喫煙、そして、ポイ捨てもふえてくるんだろうというような懸念を持たれているところもあるのかなというふうに思います。
今、大田区においては、民間のボランティアを使って、区内の三分の一の面積を対象にして、清掃ボランティアという形の取り組みもあるわけですけれども、これはまさに区が持ち出しでやっている事業なんですけれども、こういった部分にもしっかりと配慮すべきだという話も含めて、しっかりと区市町村と調整をして、そういった部分に対する協力、そしてまた、支援に対しても、やはり耳を傾けるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○梶原福祉保健局長 屋外における受動喫煙対策ということとの関係になると思うんですが、現在、各区市町村というのは、いわゆる地域の実情に応じて地理的な条件であるとか、さまざま違いますので、いろんな対策をとっている。
今回、屋内における受動喫煙対策というのを私どもが東京都の条例として提出をさせていただいた。ここは、当然この条例に関しての区市の保健所にお願いをするところも協議をしていかなければならないわけですが、屋外における取り扱いというのも、これは、例えば公衆喫煙所の設置も含めて、やっぱりあわせてお話し合いをしていく必要があるだろうと思います。
現状の中では、例えば歩きたばこの禁止であるとか、ポイ捨ての禁止が大体の主流でありますけれども、千代田区のように喫煙自体を禁止し、過料まで科しているところもある。こういうさまざまな状況がある中で、それぞれの区市町村というのは違った状況にあるわけです。
ですから、屋内の対策とともに屋外の対策についても各区市町村とは十分に調整をしていく必要がある、あるいは十分調整をしていきたいと、こういうふうに思っております。
○鈴木委員 今の部分においては、大田区は別に、またシルバー人材センターを活用した取り組みもしている中で、このうちの四分の三が区で、四分の一が東京都からの補助でやっているわけですけれども、この部分も、やはりしっかりともう一度話をし直して、対応していただければというふうに思います。
あと、民間事業者との協力関係の件で、産業労働局が中小企業振興公社を通じて分煙化モデル事業というのを行っております。
この事業というのは、五分の四以内で上限が三百万円という条件で、分煙に向けた喫煙室の設置や客室のエリアを分ける、そういった事業に対して支援をしていたわけですけれども、実は昨年七十四件、そして、一億六千万ぐらいの実績があるというふうに伺いました。
今年度もこの事業を継続して既に十七件も申請を認可したという話なんですけれども、今回の受動喫煙防止条例ができますと、基本的にこれまでの産労がやっていた部分というのは、完全分煙ではなくて、カーテンでも間仕切りがあればオーケーだったわけですけれども、今回、それは認められないことになりますと、ことし申請して十七件認められた方が、実際にもう工事をやっているところもあるわけですけれども、さらに改修工事が必要になってくるわけですよ。改修工事をするにはお店も休まなきゃいけない。そうしたことに対する配慮というものに対して、一体どのように考えているのかというのは事業者からも声が聞こえております。
まさに、東京都がやる、福祉保健局がやる事業、そして、産労がやる事業だから全然違うんだというのではなくて、やはりこれだけの大きな方針を示すのであれば、何でもっと各局が調整をしてやらないのかというふうに私は思います。
ことし申請されて、十七の申請をされて、間仕切りがあればいいと思って工事が終わった、しかし、新しい条例がまたできた、そして、さらに改修工事ができて店を休まなきゃいけないという人に対して、皆さんどのように感じているのか、その部分に対してもお答えいただきたいというふうに思います。
○梶原福祉保健局長 これは産業労働局の事業ではありますが、今のお話のように、これは国でも、厚生労働省の中のいわゆる健康局の部分と労働の部分で、国でも補助金が出ております。国の補助金というのも、実は分煙というものに対しても補助が今まで出ていた。これは国との協議の中でも、調整の中でもお話ししたんですが、国の補助金というのの形はどうなるのでしょうかという話もしています。
つまり、国も今後、新規の開設については全て禁煙と、原則全面禁煙となりますから、どういう形でやるか、あるいは特定目的というか、喫煙可能の部分にするには、基準を国の方がつくると。この産労の補助金というのも、国の補助金に準じた形で制度設計をされていたと、こういうのが事実であります。
ですから、これはこの前も厚生労働省とも話をしたんですが、つまり、国も健康増進法で考え方を変えましたよねと、つまり、それに準じた私どもの補助金というものも、これは変えていかなきゃいけない。ですから、ここは平仄をそろえながら、対象もどういうものを該当にするか、こういうことについて十分調整をしていかなきゃいけないというふうに思います。
私が理解している限り、産業労働局は今年度の募集については停止しているはずでございますので、今後、この新しい条例に基づいた基準というのを提示して、それに基づいて補助制度が行われるというふうに私どもは産業労働局と調整をしていると、こういうことでございます。
○鈴木委員 今年度、要するに四月以降の件、私も確認しなかったので、それは局長のいっていることが正しいのかなと思いますけれども、しかしながら、昨年の九月からこの条例案、出しますよという話の中で、そこでも調整がついたんじゃないかなというふうに思います。昨年の九月以降、申請されて受理されているところも私はあるというふうに聞いておりますので、今、局長がいった話は当たらないというふうに思いますので、しっかりとその部分は、私はもう一度反省すべきではないかなと思いますし、そういった調整が必要なんじゃないかなというふうに思います。
国と東京都、私はいろんなところでいつも話しますけれども、現場を持つ強みが東京都だと皆さんいっているわけです。その現場の状況をしっかりと把握もしていないで、こういったことを表明する、打ち出すということ自体が、私は今回のやり方に対しては物すごく乱暴だというふうにも思います。
この話も、これ以上してもしようがないので、幾つか法令による受動喫煙防止の考え方について確認をさせていただきたいというふうに思います。
先ほどから局長が、国の健康増進法二十五条に当たる、一層の受動喫煙防止を目的として健康増進法の一部を改正する法律とは全く同じ考え方だというふうな話をされておりました。
国の方は、今回、同一の目的で、条例により、法律よりも強度な規制を行うに当たっては、相当な、相応する合理性、また、法律による強度な規制を行う必要性というものを、やはりしっかりと明確にしなきゃいけないというふうにいわれておりますけれども、この部分においても、私は今回ずっとこの委員会でも聞かせていただきましたけれども、皆さんの説明というのは足りないというふうに思いますし、そもそも国ではどこが足りなくて、どうしてさらに上乗せ、横出しをする必要があるのかということも、私はそれをしっかりと説明をする必要があるというふうに思います。
やはり法律の合理性を考えるのであれば、先ほども部長がまさにおっしゃっておりましたけれども、権利で認めている喫煙に対して、そこに法規制をかけるためには、やはりそれなりの根拠が必要だという話もあり、そして、そこを配慮した話が国の法案だというふうに私たちは理解しているんですけれども、東京都のこの骨子案においては、その部分に対してはしっかりと説明責任を私は果たされていないというふうに思いますけれども、改めてそれに対する見解をお伺いいたします。
○梶原福祉保健局長 この条例をつくるに当たっては、厚生労働省ともお話をしてきました。厚生労働省の考え方、これは国の法案審議の中でも出ておりますけれども、基本的には国のつくるものはナショナルミニマムであって、さらにその上乗せ、横出しをするというのは各地域の判断であると。
そのときに、今おっしゃっているというのは、どういうものが上乗せをする合理的根拠になるのかと、こういうことだというふうに思います。
私どもは、基本的に受動喫煙から都民を守る、国民を守ると、こういう都条例の目的というのは国の考え方と異なるものではありません。
ただ、例えば東京の場合、国の改正案が適用除外の対象としている飲食店というのは、事業所数、従業員数ともに全国で最も多く集積をしています。これが逆にいえば、皆様方が、今、委員がお話しのように、だから影響が大きいんだという話になりますが、私どもからいえば、だからこそ受動喫煙に遭う可能性が高いんだと、こういうロジックになるわけであります。
こういう事業所数、従業員数ともに高いということで、飲食店数でいけば、東京都は全国の比率でいくと一三・五%、飲食店の従業者数でいくと、全国の一七・四%を東京都は占めているという現実があります。つまり、それだけの方々がいわゆる受動喫煙に暴露する可能性が高いという現実がある、これが一つであります。
それから、もちろんオリンピック・パラリンピックの開催都市としての責任というのもあります。
あるいは、国の改正案というのは、やっぱりそういう意味で従業員、あるいは健康影響を受けやすい子供を守るということが、私どもとしては不十分だというふうに考えたと。
したがって、この改正案を法案の内容を補完するものということとして、都が条例を制定することについては必要性と合理性があると、こういうふうに考えてございます。
○鈴木委員 この条例案について、私も弁護士の先生方にいろいろ伺いました。やはり今いった合理性に対しては私たちも疑義があるというふうに思いますし、実効性においても問題があるというふうにいわれています。
先ほどの話に出ておりましたけれども、実際に、じゃあ、従業員の状況をどうやって把握するのかというのは極めて重要な話になってくるわけですけれども、その話すら、まだ保健所とも明確に詰めていないという話を伺いました。
このことにおいては、法律主義の国では全く認められない、そして、皆さんがおっしゃっている人に着目をしてという話は、耳ざわりはいいけれども、法令の実効性ということに関しては、全く無責任きわまりない条例に、さらになっているということを私たちは感じておりますけれども、そのことについて、改めてもう一回、見解をお伺いいたします。
○梶原福祉保健局長 先ほど、行政上の秩序罰というお話をさせていただきましたけれども、実効性とは何かというのが一つある。今のお話は、実効性というのは、十分に取り締まる担保ができていることが、実効性が高いというふうにお話を聞いていると聞こえます。確かに実効性というのは、一つは受動喫煙を守るための対象の店舗が広いという考え方も実効性の担保というのが一つある。これは条例の目的が受動喫煙から守ると、こういうことであります。
それから、二つ目としては、法と整合性がとれているかどうか。つまり、全く法と違うことになってしまえば混乱をしてしまって実効性が高まらないと、これが二つ目であります。
三つ目は、実際に今お話にあった取り締まる、つまり、取り締まるというのは秩序罰上は取り締まるといういい方ではなくて、行政刑罰上の話ではなくて、秩序罰ということで、今、実現可能性というお話がありましたけれども、実態としてうまくこれが機能するかということの三つの側面があるというものです。
私どもとしては、上二つ、これについては、この条例によって実効性の担保は高まっているということを理解している。
三つ目のところについては、これも先ほど申しましたけれども、秩序罰である限りにおいて、私どもの行政機関、つまり保健所にやっていただくにしても、人員なり財源というのは限りがあるわけです。それに、全てのものについて保健所が担うというのは、これは確かに限界がある。
したがって、行政上の秩序罰である限りにおいては、都民の皆様、事業者の皆様、そういう方々が十分にこの条例を理解していただいて、協力をしていただくことによって保健所と相まって実効性が高まると、こういう理解でいるというのが私どもの実効性の担保であります。
○鈴木委員 これも見解の相違ですけれども、もう一つ、改正法案という中には、健康増進法とは別に関係省令等によって従業員の募集や求人申し込みの際に、どのような受動喫煙対策を講じているかを明確にする義務を課すというふうにされていたわけです。
今回、この従業員保護の観点、事業者の職業活動の自由との調整が図られている一方で、骨子案によれば、東京都の条例案によれば、従業員を使用しない飲食店は喫煙を選択して事業継続を図ることが可能であるものの、従業員がいる飲食店は、八三・七%いるというふうな話がありましたけれども、大部分がこの規制対象になってしまう。
この骨子案は、事業者側への自由への配慮が全くないということと、改正法案及び関係省令等による規制手法が、従業員の受動喫煙防止のための措置として、国の案は合理性あるいは相当性を欠くと評価したからこそ、今回、東京都がこのような強度の規制を行ったというふうに、先ほどお話ありましたし、私たちは受けとめておりますけれども、国の合理性あるいは相当性を欠くと評価すべき理由というのは、先ほどの従業員の話、この従業員の話に触れているわけですけれども、なぜ東京都がそういったことをしようとしているのか、改めてお答えいただければというふうに思います。
○梶原福祉保健局長 なかなかちょっとお答えづらい質問というのは、これ、法案の中で規定されているのは、従業員の受動喫煙対策として、防止するための措置を講ずる努力義務規定を設けているんですね。
その上で、対応は具体例をガイドラインで示すことなどにより望まない受動喫煙が生じないということであって、これは労働安全衛生法の議論でもそうなんですが、本来は労働安全衛生法の中での罰則規定というのも過去に検討されたこともあります。
今回でいうならば、受動喫煙を防止するための実効性のある、努力義務ではなくて、そういうものがあるならばまた話は違うと思いますが、これはあくまでも努力義務であって、私どもが条例で従業員の有無ということを一つのメルクマールとするということと、今回の法案との整合性、あるいはバッティングというものは生じないというふうに考えております。
○鈴木委員 この件も本当に見解の違いですけれども、今、答弁されたことをしっかりと私たちは受けとめていきたいというふうに思います。
加熱式たばこの取り扱いについてもお伺いするんですけれども、知事は国と同様とした考え方だというふうに話をされておりました。これは明らかに、百平米以下で従業員を雇っていると加熱式たばこの専用室をつくることができる、国の法律は百平米以下であればたばこも加熱式たばこも店頭表示さえすれば認められるということで、大変違いがあるわけです。その辺の違いというのは、知事が答弁された内容が違うのかどうなのか、お伺いいたしたいというふうに思います。
要するに、知事は今回の議会の答弁の中で、国の法律と加熱式たばこの考え方は一緒だと話をされたわけです。しかし、一緒じゃないじゃないですかという話をしているんですけれども、その点についてはいかがですかという話です。
○梶原福祉保健局長 今のお話は、百平米以下の飲食店の例外措置における扱いが違うのではないかというご指摘だと思うのですが、私どもが加熱式たばこの取り扱いをそろえたという一番の理由は、今の法案のつくりをよくごらんいただきたいんですが、法案は全て原則は全面禁煙なんですよ。原則全面禁煙で、それを全部経過措置によって一つ一つ外していくと、こういうつくりになっている。私どもの条例のつくりもそういう形になっている。
ここで加熱式たばこを合わせたというのは、今、飲食店だけが議論になっていますが、飲食店以外、例えばパチンコ店であるとかマージャン店であるとか、ここも加熱式たばこの取り扱いというのがかかってくるわけです。
ところが、これは百平米以下であろうと全ての第二種施設にここはかかるんです、加熱式たばこの取り扱いは。したがって、ここで条例と法律をそろえなければ、それこそダブルスタンダードになってしまう。法律がいいといっているものと条例がやるというものが混乱してしまう。したがって、今回について加熱式たばこの取り扱い、専用室の取り扱いはそろえたということであります。
百平米以下の部分についてということになれば、それは確かに上乗せ、横出しをしていますから、国の部分でいえば、百平米以下というのは例外措置を設けているわけですが、我々は従業員いる、いないというところで例外措置を設けているわけなので、加熱式たばこの取り扱いの百平米以下について違うのではないかというならば、これは上乗せの部分だと、こういうふうに理解していただいて結構だと思います。
○鈴木委員 国は、加熱式たばこの受動喫煙による健康影響というのは明らかでないからこそ、今回、当分の間、百平米以下においてはこういった規制にしたわけですけれども、それを、さらに別の部屋を、従業員がいるところにおいてはもう吸えないわけですけれども、従業員がいないところにおいては喫煙専用室を設けることができるという話にすれば、基本的には、きのうの話もありましたけれども、加熱式たばこも吸える場所がなくなってくるというのが現実になっているのではないかなというふうにも思います。
この部分においても、これ、見解の違いなのでこれ以上触れないですけれども、基本的にはやはりこの部分において、もう少し国の考え方に対して東京都もしっかりと理解をした上で都民に提示をしていくということが何よりも大切なのかなと思います。
あと、旅館、ホテルの取り扱いについてもなんですけれども、国の改正案においては、個室、要するにホテルの部屋においては居住に供される場所ということで、客室の利用者のみが使用する場所においては認められるわけですが、今回の骨子案においては、それは認められない、そして、専用の喫煙室が必要だというふうになっているわけですけれども、この部分においても、どういった見解でこうなっているのかというのをお伺いします。
○梶原福祉保健局長 それは明らかに誤解だというふうに思うんですが、今の条例のつくりを申しますと、確かに法律を想定しながら、百平米という言葉は一切条例の中には出てきません。つまり、従業員がいるか、いないかというロジックで全部でき上がっています。
ただし、附則の中で、法律でこれを上回る規制が出てきた場合については、そっちを優先する、これはあえて附則で書かなくても法律と条例の関係でいけば法律が上位ですから、法律を下回るような条例はつくれませんから、法律ができたらそっちを優先するんです。
ですから、今のご審議いただいている条例案は、あたかも別の論理でつくられているようになっているんですが、私どもが整合を図っているといっているのは、法律が成立した場合に、条例がきちっとその上乗せ、横出しとなるように、つまり法律がかかった部分は法律が、条例の部分は条例がと、こういうふうに整合を図った上で全部つくり上げている。
したがって、旅館等については、これは私ども、条例の中云々というお話がありましたけれども、法律と全く異なる規制をかけるつもりはございません。
○鈴木委員 本当にこれからオリンピック、そして、ラグビーのワールドカップを目指して国際基準に合わすんだという話がありました。しかしながら、複雑な要件になればこそ、国内の方々もそうですけれども、海外の方は、全く本当に、戸惑うのが現実ではないかなというふうにも思っておりますし、また、事業者の経営に対しても、やはり東京都の考え方、そして、他県の考え方が違うと、お客さんもそっちに行ってしまうような、そうした感想を持たれる方も実際にいらっしゃるというふうにも思います。
そうしたことも踏まえて、しっかりと、皆さんがいっている合理性、そしてまた、実効性を説明していただいて、皆さんに本当にご理解いただくような取り組みにしていただきたいというふうに思います。
以上です。
○加藤委員 私からは、障害者差別解消条例について質問をいたします。
先ほどからいろいろやりとりがありますけれども、また、この条例制定の意義についてもやりとりがありました。
今回の障害者差別解消法では、事業者に対して合理的配慮の提供が努力義務となっていますが、この事業者の合理的配慮の提供について、本条例で義務化する意味をまず伺いたいと思います。
○松山障害者施策推進部長 合理的配慮の提供については、障害者差別解消法では、行政機関は義務、事業者は努力義務となっているところ、都の条例では、検討部会での意見を踏まえ、社会的障壁の除去の取り組みを一層推進するため、事業者についても明確に義務と位置づけております。
○加藤委員 義務と聞くと、必ずやらなければいけないというふうに思うんですけれども、この合理的配慮という言葉がポイントとなっていると思います。
そこで改めて、そもそも合理的配慮の提供とはどういったことをいうのか、具体的に伺いたいと思います。
○松山障害者施策推進部長 合理的配慮の提供とは、障害者から社会的障壁の除去についての意思の表明があった場合において、建設的な対話を行い、さまざまな状況に応じて事業者等が過重な負担のない範囲で、個別、柔軟に対応するものでございます。
具体的には、施設設備の設置、改修等のハード面の整備までを求めるものではなく、例えば、視覚障害者を丁寧に案内誘導したり、聴覚障害者と筆談でコミュニケーションをとったりするなどの対応が考えられます。
○加藤委員 ハード部分より、ソフトの部分に重きがあるように思えるんですけれども、そうすると、この合理的配慮の提供をするには、事業者の過重な負担の有無を障害者も理解し、相互に理解を深めるということが重要になってくると思いますが、見解を伺います。
○松山障害者施策推進部長 合理的配慮の提供における過重な負担の有無は、事務事業への影響や費用負担等を考慮し、具体的な場面や状況に応じて、総合的、客観的に判断するものでございます。
その上で、過重な負担がある場合には、事業者は障害者にその理由を説明し、理解を得るよう努めることが望まれます。
また、合理的配慮の提供は、障害者の状況と事業者の過重な負担等を考慮し、代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互理解を通じて柔軟に対応がなされるものであり、事業者と障害者相互の理解が重要であることから、条例では、障害者差別解消法の条文には記載のない建設的な対話を行いという文言を盛り込んでおります。
○加藤委員 日本にとって、この合理的配慮ということは、まだなじみがないんではないかと思うんですけれども、この合理的配慮の提供の理解を進めることは簡単ではないというふうに思います。
これまで、この普及啓発にどういったことを実施してきたのか伺いたいんですけれども、先ほど、一部答弁ありましたが、それ以外に取り組んできたことがあれば答弁していただきたいと思います。
○松山障害者施策推進部長 先ほど、障害者差別解消法の施行に合わせ、ハンドブックやパンフレットを作成してきたということを申し上げましたが、そのほかに動画の放映なども行ってまいりました。
また、障害当事者を初め、行政や民間事業者、福祉、教育の関係者から成る障害者差別解消支援地域協議会の中で、差別に関する相談や合理的配慮の提供等に関する好事例を事例集として取りまとめ、民間事業者を初め学校や行政機関等に周知しております。
○加藤委員 条例は平成三十年十月施行となっており、制定から施行までの期間が短いように思います。特に合理的配慮の提供に係る理解が進まないと、さまざまな混乱を招くことになると思います。
今後、全庁的に連携して周知していく必要があると思いますが、見解を伺います。
○松山障害者施策推進部長 条例は、法で努力義務とされている事業者の合理的配慮の提供を義務化するものであり、合理的配慮の提供の内容や具体例自体が変わるものではございません。
障害者差別解消法は平成二十八年四月から施行されており、都はこれまでも、法の施行に合わせ、さまざまな普及啓発策を実施してまいりました。
条例では、新たに設置される広域支援相談員が都民及び事業者からの相談に丁寧に対応するとともに、都民及び事業者の関心と理解を深めるよう啓発活動を行うことを都の責務として規定しており、都は、あらゆる手段を活用して積極的に普及啓発を行ってまいります。
具体的には、本条例により民間事業者に合理的配慮の提供を義務づけることから、ハンドブックを改定し、条例の内容を盛り込むとともに、趣旨をわかりやすく記載したパンフレットを新たに作成し、配布いたします。
また、各局とも連携しながら、民間事業者向けの説明会やシンポジウムを開催する予定でございます。
○加藤委員 しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
次に、不当な差別や合理的配慮の提供に関する相談内容といたしまして、具体的にどのような事例があって、広域支援相談員はどのような役割を担っていくのか、また、これまで都が受け付けた相談件数の実績、これはどれくらいなのか伺います。
○松山障害者施策推進部長 不当な差別的取り扱いにかかわる相談としては、飲食店や交通事業者等での入店拒否や乗車拒否などがございます。
また、合理的配慮の提供にかかわる相談としては、保育所への申込書類の代筆、行政機関の窓口での筆談ボード対応などがございます。
広域支援相談員は、こうした障害者や事業者からの障害を理由とする不当な差別的取り扱いや合理的配慮の提供に関する相談に応じ、区市町村等と連携して、必要な助言、調査、情報の提供及び関係者間の調整を行います。
なお、平成二十八年度に東京都障害者権利擁護センターが受け付けた相談実績は、百六十六件であり、そのうち不当な差別的取り扱いにかかわるものが三十九件、合理的配慮の提供にかかわるものが四十二件、その他障害者差別解消法の内容や解釈に関する質問が八十五件でございました。
○加藤委員 二十八年時点では法律の内容や解釈が一番多いということを見ても、この合理的配慮ということがわからないということではなかったのかなと、そのように感じております。
次に、紛争解決の仕組みとして、あっせんの手続があるわけですけれども、このあっせんの対象となるのはどのような事案となるのか、また、第三者機関である調整委員会はどのように中立性を確保して紛争を解決していくのか伺います。
○松山障害者施策推進部長 本条例では、障害を理由とする差別に関する相談について、広域支援相談員が対応しても、なお解決が見込めない場合、必要に応じて第三者機関である調整委員会にあっせんを求めることができるとしております。
調整委員会は、障害者当事者団体や事業者の代表者、学識経験者、弁護士で構成され、公正、中立な立場からあっせん案を作成し、当事者に掲示し、紛争を解決していくものでございます。
○加藤委員 あっせんを行っても解決せず悪質な場合は、勧告、公表となるわけですけれども、できるだけそうならないように、全般的に差別のない環境整備を各局と協力して構築していってもらいたいというふうに思います。
最後に、情報保障の推進ということが条例には規定をされております。そして、言語としての手話の普及ということが特出しをされているわけですけれども、今回大阪の方で地震があって、いろいろ発表等テレビを通じてあったと思うんですが、気象庁からの記者会見でも手話通訳がないというようなことを、ある記者の方も指摘をしておりました。
これが東京で不測の事態が起こったときにということを考えますと、総合防災部に確認しましたところ、いざというときには、知事が都民に向けて発表するような場面も想定をしている、ただ、今は手話通訳ということはまだ体制が整っていないと、こういうお話でありました。
ぜひ今後の対応として、局横断でそうしたことも連携をしていって、この情報保障の推進という意味で頑張っていただきたいということを最後にお願いをしまして、質問を終わります。
○和泉委員 私も、第百三十四号、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例について質疑を行います。
国連で障害者の権利に関する条約が採択をされて、平成二十六年に、日本もこの条約を締結しました。都が条例の制定に踏み出したこと、そして、障害者差別解消法とともに、障害者権利条約の理念のもとで、都がこの条例を制定することが前文にしっかりと盛り込まれていることは重要だというふうに思います。
条例制定のための検討部会も、昨年三月からことし二月にかけて九回にわたって開催をされました。
まず初めに伺いますが、この検討会の中でどんな意見が出され、また、条例の中にそれがどう盛り込まれたんでしょうか。
○松山障害者施策推進部長 条例制定に係る検討部会は、お話にありましたように昨年三月から本年二月まで、障害当事者、事業者及び学識経験者等二十三名の委員で、計九回にわたり検討を行いました。
検討に当たっては、二十二の障害団体、交通、ホテル、飲食事業者等十五の事業者団体からヒアリングを実施いたしました。
検討を通じ、障害者差別解消法の中では明記されていない障害の社会モデルの考え方や、障害を持つ女性等への特別な配慮について規定すべきという意見、また、紛争解決の仕組みでは、公平性や中立性、専門性の確保のため、第三者機関を設ける必要があるという意見がございました。
このような意見を受けて、本条例では、障害の社会モデルや複合差別について明記するとともに、紛争解決を行う第三者機関である調整委員会を設置することといたしました。
○和泉委員 続けて伺いますが、障害者の差別を解消する条例であるのに、差別についての定義をしなかったというのはどのような理由からでしょうか。
○松山障害者施策推進部長 障害者差別解消法を定める際の国の検討では、差別の類型として、直接差別、間接差別、関連差別、合理的配慮の不提供の四つが検討されました。
その検討の結果、多くの類型があるとわかりづらくなるとの懸念があり、一律に差別の定義を行わず、何が差別に当たるかについては具体的場面や事例を示し、積み上げていく中で差別に関する概念の共有を図るとの結論に至ったと認識しております。
都条例の検討部会においても、差別の定義に関し、さまざまな意見がございましたが、法と同様の考え方により、差別の定義については規定しなかったものでございます。
○和泉委員 この条例を制定するに当たって、先ほど九回にわたって検討会が開かれてきたと。この検討会の中でも、差別の定義について必要だという意見が繰り返し出されています。また、パブリックコメントでも同様の意見が出されています。
最後の第九回検討会の中では、今後の判例等の蓄積、国の動向を踏まえて検討する必要があると、都自身が発言をしています。地域協議会の中でも、ぜひ引き続き議論を積み重ねていただいて、できる限り早い時期に検討に入っていただきたいというふうに思います。
続いて、合理的配慮についてですけれども、この範囲や定義、過重な負担、あるいは過重でない負担、具体的にどういうことですかとお伺いしようと思っておりましたけれども、先ほど来、複数の委員から質問もございました。答弁もありました。私の方からは重ねて聞くことはしないことにします。
ただ、障害者が社会的障壁の除去を申し出るということが前提になっていること、そうであるならば、その前提に立って合理的配慮が過重な負担かそうでないか、それを個別に判断するということになると、なかなかこの社会的障壁の除去というのが進みにくいんではないか、そのために、都のパブリックコメントの回答にあるように、都が具体的事例を示していくこと、これが大事だというふうに思います。
個別事例の蓄積は、支援協議会、広域支援相談員、関係機関などとの間でさらに進め、普及に努めていただきたいというふうに思います。これは条例案第四条に定めのある都の責務の範疇だというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
広域支援相談員ですけれども、どのような資格要件で採用するんでしょうか。高度な専門性や経験が求められると思いますが、いかがでしょうか。また、人数、常勤、非常勤の別がどうなっているかについても、あわせてお答えください。
○松山障害者施策推進部長 条例において、広域支援相談員は、障害を理由とする差別の解消に関する知識及び経験を有する者としております。
また、広域支援相談員は、事業者からの相談も受け付ける役割を担うため、公正、中立に職務を行わなければならないとしております。
都は、応募者の知識や経験等を踏まえた適切な選考を実施し、条件に見合う者を広域支援相談員として任用するとともに、任用後は、継続したOJTを通じて、専門性や経験等のスキル向上を図っております。
広域支援相談員の人数は、非常勤で四名でございます。
○和泉委員 人数は非常勤で四名という答弁ですけれども、これでとりあえずスタートするということなんでしょうか。それとも、今後もこれで固定化していくということなんでしょうか。
○松山障害者施策推進部長 現在、東京都は、障害者虐待防止法により、計画課権利擁護担当を東京都障害者権利擁護センターと位置づけており、障害者差別解消法が施行された平成二十八年四月からは、事業者や障害者からの障害を理由とする差別に関する相談について、同センターで受け付けております。
この障害者権利擁護センターは常勤職員も配置し、相談対応を行っており、今後も広域支援相談員とともに、個々の相談事例に丁寧に対応してまいります。
○和泉委員 じゃあ、センターと協力しながらということなんだと思いますけれども、障害を理由とするあらゆる差別に関して、今後は、障害者、事業者の両方からの相談に対応しなければいけない、そのためには相当の熟練とか高い専門性が求められるんじゃないかというふうに思います。
センターと協力しながらという答弁ではありましたけれども、全都で、この広域支援相談員、これが四名と、非常勤職員で対応するということでは、ちょっと体制としては脆弱なんではないでしょうか。
事業者からの相談も受け付けるということになると、もちろん公正、中立であることも重要ですけれども、さまざまな法令との整合性についても、ある程度の知識が必要になってくるかとも思います。先ほど、セミナーも行うんだと、必要な研修も行うんだということでしたけれども、体制の抜本強化も含めて十分な研修を行っていただきたいというふうに思います。
また、区市町村の地域支援体制の構築についても伺おうというふうに思っておりましたけれども、先ほど来、二十八年度から区市町村との連絡会議を開催している、その中で情報の共有なんかも図っている、そして、ハンドブックもつくって区市町村に配布したりしている、そのような普及啓発にも努めているんだというご答弁もありましたから、この質問についても省かせていただきます。
支援地域協議会の第一回検討会ですけれども、ここでは差別の相談支援体制は、身近な基礎自治体がそれぞれ持っているべきだという意見が出されています。区市町村の取り組みを促すような、都としての支援をぜひお願いしておきたいと思います。
聴覚障害の団体はコミュニケーション手段として、条例に手話が明確に位置づけられたことを評価しつつも、手話が言語であることを個別の条例として制定することを求めています。この声を都はどのように受けとめていますでしょうか。
○松山障害者施策推進部長 現在、全国の四十七都道府県知事が連携して、国に対して、手話言語法の制定を要望しております。
また、都議会においても、平成二十六年に手話言語法の早期制定を要望する意見書を国に提出しております。
このような状況の中、本条例においては、手話は一つの言語であるという認識に基づき、手話の利用が普及するよう必要な施策を講じると規定しております。
本条例の検討部会においても、手話言語条例の制定を求める意見もございましたが、このような規定を盛り込むことについては合意を得ております。
○和泉委員 私は先日、この協議会のメンバーにもなっています東京都聴覚障害者連盟、ここでお話聞いてきましたけれども、この条例について、障害者団体や障害者当事者との協議の中で条例をつくるための協議が重ねられてきた、このことを評価していました。ただ、手話言語条例がこの条例をもってかえられてしまうんではないかということも心配していらっしゃいました。
日本語のコミュニケーションツールとしての手話と、言語としての手話は違うのだということも強調しておられました。独自の文法を持つ言語である以上、独自の文化がある。それをきちんと条例として独立した形で認めてほしい。その訴えは、まさにこの方たちのアイデンティティーにかかわる問題なのだと改めて実感をしました。
二〇一八年五月十日現在で、二十二もの道府県が既に手話言語条例を制定しています。国の動向を待たずに他県は動き出しているわけですから、都としても主体的に取り組むべきだと思います。
なお、パブリックコメントへの都の回答の中で、都議会が手話言語法の制定を求める意見書を採択したことを挙げて国が定めるべきとしていますけれども、共産党都議団としては、国がやることだから都はやらなくてよいという趣旨で意見書を採択したわけではありません。採択した意見書の内容も、そういうものではないということをいっておきたいと思います。
この障害者差別解消条例が障害のある方たちを初め有識者、現場の方、自治体の方たちなどによって、九回にわたって検討会の議論を積み重ねた中でつくられてきた経緯があること、障害者の権利に関する条約の理念のもとに制定することが前文に明記されていることなどは評価します。
この条例が役割を発揮するためには、もっともっと議論と実践の積み重ねが必要であり、たゆまぬ検証も行われるべきだと思います。
また、この条例で、事業者の合理的配慮を義務化することや紛争解決のための仕組みを整備することは重要だと思いますが、社会的障壁をなくしていく上で最も重要なのは、行政がどのように役割を果たすかということだと思います。
福祉分野はもちろんのこと、教育、住宅、就労、まちづくりなど、あらゆる分野で、社会的障壁をなくすためにやらなければいけないことはないか、もっとできることはないか、さらには、都自身が社会的障壁をつくっていることはないか、この視点で施策を見直し、充実させていくことが求められています。
近年では、医療的ケア児のスクールバスや精神障害者への医療費助成など、前進も見られます。しかし、例えば、心身障害者福祉手当は精神障害者を対象外にしていますし、医療費助成も精神障害者は手帳一級までとなっています。特別支援学校の教育環境も大きく改善させていくことが必要です。
日本共産党都議団としても、東京都が社会的障壁をなくし、障害者の権利を保障するための施策を改善、拡充させるため全力を挙げていくことを表明し、本条例案に賛成することを述べまして、質問を終わります。
○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後六時四十七分休憩
午後七時五分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○岡本委員 皆様、長時間お疲れさまでございます。
私からは、まず、旅館業法施行条例の改正についてお伺いをしたいと存じます。
これまでの法改正の経緯や趣旨等につきましては、既に古城委員、また藤田委員等から発言がございましたので、私からは、この点は省略させていただきたいと思います。
旅館業法及び関係法令等の改正を受けて今回の都の旅館業法施行条例を改正するということですが、その内容について、改めてお伺いをしたいと思います。
○高橋健康安全部長 旅館業法及び政省令の改正に関係するものでございますけれども、ホテル営業で必置であった食堂、調理場については、ホテル営業と旅館営業の統合に合わせ、その規定等を削除するとともに、玄関帳場については、代替機能を有する設備が認められましたことから、構造設備の基準を見直したということでございます。
改正された国の衛生等管理要領に関係するものでございますが、便所や共同洗面所、客室面積等の数値基準を定性的な表現に改めるほか、玄関帳場等の設置規定が適用されない簡易宿所営業において、緊急時の体制を整備することを盛り込みました。
また、これまでも国の衛生等管理要領に記載されていた項目のうち、入浴施設の浴槽水の換水については、衛生管理が向上してきたことから、一週間に一回以上の頻度を認めていくことといたしました。
一方、洗面所等の手洗い設備につきましては、感染症予防のため、ハンドソープ等の常備を新たに規定し、衛生等の措置を強化いたしました。
そのほか、都独自の規定といたしまして、法令等の改正により可能となる戸建て住宅や集合住宅の一室の活用など、新たな宿泊形態への対応及び住民トラブル防止の観点から、施設名称の掲示などを新たに盛り込みました。
○岡本委員 ご説明ありがとうございました。私も審議会からこの件にかかわっておりますが、いずれも合理的な改正であろうと考えております。
浴槽の件につきまして、追加で質問させていただきたいと思います。
この浴槽につきましては、旅館業法施行条例、また、公衆浴場の設置場所の配置及び衛生措置等の基準等に関する条例、二つの条例にまたがるものと認識しておりますが、この改正につきまして、浴槽水の換水間隔について、毎日、一日一回が基本、原則ですが、週一回以上に緩和できる場合というのはどのような場合なのか、お伺いしたいと存じます。
○高橋健康安全部長 改正案には、規則で定める場合には、一週間に一回以上換水して浴槽を清掃することといたしております。
浴槽水の換水間隔の緩和につきましては、次の三つの要件をいずれも満たした場合に認めることと考えております。
一つ目は、ろ過装置を使用して浴槽水を循環させていること、二つ目は、気泡発生装置やジェット噴射装置、その他微小な水流を発生させる設備が設置されていないこと、三つ目は、浴槽水のレジオネラ属菌の検査結果などを総合的に見て、日常の維持管理が良好であり、公衆衛生上支障がないと認められることでございます。
したがいまして、浴槽は一日一回以上の換水、清掃、これが基本でございます。ただいま説明した三つの要件を全て満たしたときに限り、換水間隔の緩和を認めていきたいと思っております。
○岡本委員 審議会の後に、さらに具体的な要件を検討されたということで理解をいたしました。
それでは、受動喫煙防止条例についての質問に移らさせていただきたいと存じます。
まず冒頭、一言申し上げたいと思います。
現在、衆議院でも審議がされ、六月十五日、ちょうど一週間前ですが、衆議院の厚生労働委員会の肺がん患者の方の参考人質疑で、ある議員から心ないやじがあったということが、問題視する報道がなされております。
この議員の方の受動喫煙対策に対する無理解を浮き彫りにしているのではないかと考えます。私たちは、受動喫煙対策について、十分な理解のもと、しっかり対策を進めていくべきだと考えております。
このことを申し上げて、質疑に入りたいと存じます。
先ほど、我が会派の桐山副委員長から、総論的な質疑をさせていただきました。私からは、もう少し細かい、各論的な質問をさせていただこうと思います。
まず、この条例に先立って、昨年、議員提案の東京都子どもを受動喫煙から守る条例について、子供という観点で我々が議員提案条例を行いました。まず、未成年者や子供に関する観点から、幾つか質問をさせていただきます。
議員提案の条例におきまして、その十三条において、意識的に教育の条項を設けておりました。
ことしの三月十四日の予算特別委員会では、受動喫煙やニコチンの依存性に関する教育の充実について私から質問させていただき、教育長から前向きな答弁をいただきました。
このたび、今回提案の受動喫煙防止条例の三条二項におきましても、喫煙及び受動喫煙について教育を改めて明記してある点については、高く評価をしたいと考えております。
教育庁との具体的な連携の方針についてお伺いいたします。
○成田保健政策部長 これまで都では、未成年者喫煙防止ポスターコンクールを実施するとともに、都内の中学一年生全員に、喫煙の健康影響について正しい知識と行動を呼びかけるリーフレットを配布するなど、普及啓発に取り組んでまいりました。
また、学校の保健分野の授業で活用していただくため、未成年者喫煙防止教育動画を作成し、都内全小中学校へ配布いたしました。
現在、がん教育におきましても、学習指導要領に基づき、喫煙や受動喫煙の健康影響について指導しております。
今後も、教育庁と連携し、児童生徒への禁煙教育を徹底してまいります。
○岡本委員 ありがとうございます。ニコチンの強い依存性等について、引き続き、しっかりと教育を充実させていただきたいと思います。
次に、今回の条例の十二条五項、十四条七項につきましてお伺いいたします。
この条項は、喫煙専用室あるいは喫煙目的室に未成年者を立ち入らせないよう、管理権原者に義務づけているものです。
しかし、この条項に罰則はありません。
この点については、国の法案と同じ条文になっておりますが、子供を守る観点、未成年者を守る観点から、都においては、国の法案に上乗せをして罰則を設けるべきだと私は考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○成田保健政策部長 条例では、喫煙室への二十歳未満の立入禁止につきまして、施設の管理権原者は標識にその旨を掲示しなければならないことや、保護者の資格を規定しております。
喫煙可能な場所に二十歳未満の方を立ち入らせない義務は、当該施設管理者にかかるものでございます。したがって、施設管理者には、二十歳未満の方が喫煙可能な場所に入ろうと認知したときには、退出を促すなどの対応をとっていただくことになります。
さらに、その標識を見た保護者につきましても、二十歳未満が喫煙可能な場所に立ち入らないように注意をしていただきたいと考えております。
都は、子供の受動喫煙を未然に防止するよう、保護者や施設管理者の方々に、本条例の趣旨や内容を十分に周知徹底してまいります。
○岡本委員 ありがとうございます。
私が耳にするところでは、なぜこの条項に罰則がないのかということについて、厚生労働省が生活衛生同業組合の方々へ配慮をして、未成年者を働かせることができるように、そうした配慮をして、あるいは、一部の飲食業界に厚生労働省の天下り先として配慮をしたというようなことも耳にしております。
私は、この点は、未成年者をしっかりと守るという観点で罰則を設けるべきだということを考えておりますし、今後、また条例の見直しの際にはぜひ検討していただきたいと思いますが、先ほどのご答弁で、この点は国に合わせるということでした。
これまでの本日の議論を聞いておりまして、都の方も国との整合性ということを非常に意識されているということがわかりました。上乗せをする点、横出しをする点というのは非常に限定的であって、特に必要な部分に関してのみ、上乗せと横出しをしている。
私が今指摘した規定については、法案との整合性、法案とそろえるということで、特に上乗せはしないということですけれど、かなり法案との整合性、あるいは区市町村の負担等を配慮されているんだということで理解いたしました。
先ほど、藤田委員から、そもそも飲食店について、あるいは屋内について、全面禁煙にすべきだというご発言がありました。
そもそも、全面禁煙にすれば、今私が指摘した喫煙専用室や喫煙目的室という問題は生じません。
もちろん皆さんもおわかりだと思いますけれど、WHO、たばこ規制枠組み条約の第八条ガイドラインは屋内全面禁煙を求めていると、要請しているということで、私も、全面禁煙が望ましい、その趣旨に賛同いたします。
ただ、現在の国の法案と整合性をとるという意味では、現在のこの条例の制定においてはやむを得ないものだということで理解をしております。
次に、この条例と子供の条例との関係についてお伺いをしたいと思います。
議員提案の子どもを受動喫煙から守る条例では、家庭内での努力義務を設けております。
他方、今回の条例の七条一項については、何人も、喫煙禁止場所以外の場所において、要するに喫煙可能な場所において喫煙をする際、受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならないという条項が入っています。
この点は、これも国の健康増進法案と同様の規定だと理解しております。国の法案では、ここに望まない受動喫煙という言葉が入っていますけれど、同様の規定で、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう、周囲の状況に配慮しなければならないとなっています。
法律案の概要においては、屋外や家庭等において喫煙をする際、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう、周囲の状況に配慮しなければならないと説明されています。
罰則はありませんが、この配慮義務の規定が新設されるというのは、非常に重要なことだと私は考えております。
これまでの経緯ですが、平成二十九年、昨年の三月一日に厚生労働省が発表した基本的な考え方の案には、屋外や家庭等は規制対象となっておらず、むしろ個人の住宅は喫煙禁止場所としないとされていました。この一年の間に厚労省においてこうした条項が追加されたのは、我々が議員提案で制定した東京都子どもを受動喫煙から守る条例の制定が少なからず影響したのではないかと考えるところです。
この法案や条例案によれば、子供に限らず、全ての屋外や家庭等において、受動喫煙あるいは望まない受動喫煙を生じさせることがないよう配慮する義務が導入されることになります。
昨年の十月三日のこの委員会において、都議会自民党は、罰則のない訓示だけの条例を家庭内という私的空間も含めて制定するというのは、法は家庭に入らずという原則からも納得できませんなどと述べて、我々の議員提案の条例に反対しました。
しかし、それから一年もたたない間に、国において、罰則のない配慮義務を家庭内という私的空間も含めて規定した法案に、内閣及び国会の自民党は賛成しております。都議会自民党の反対は一体何だったのだろうかと疑問に感じざるを得ません。
また、同時に、家庭内や屋外の受動喫煙を正面から取り上げた我々の議員提案の条例の内容が国の法案の一部にも取り入れられているということを考えれば、我々の議員提案の条例制定には大きな意義があったと自負を強くするものであります。
この配慮義務の条項に関して、さらに検討、理解を深めておきたいと思います。
歩きたばこや、コンビニ灰皿や、集合住宅でのベランダ喫煙などが問題になっております。
こうした歩きたばこ、コンビニ灰皿、集合住宅でのベランダ喫煙、あるいは近接住居の受動喫煙、こうした問題も配慮義務の対象となるのかという点を確認しておきたいと思います。見解をお伺いいたします。
○成田保健政策部長 先ほどお尋ねがございました歩きたばこ等につきましては、お話のように、受動喫煙防止条例第七条の受動喫煙に関する配慮義務の規定に該当するものでございます。
○岡本委員 ありがとうございます。確認させていただきました。
近年、屋外の受動喫煙として、ベランダ喫煙、いわゆる蛍族や、コンビニに設置された灰皿をめぐるトラブルが各地で起きており、民事の裁判も起きています。
近隣住宅受動喫煙被害者の会や、平成二十四年十二月十三日の名古屋地裁判決については、三月十四日の予算特別委員会で詳しく述べましたので、本日は割愛いたします。
ベランダ喫煙の名古屋地裁判決やコンビニの屋外灰皿をめぐる裁判、それと、このたび新設される配慮義務の規定との関係については、先週、六月十五日の衆議院厚生労働委員会で、大西健介議員も取り上げていました。
そのほかにも、名古屋市役所の屋外灰皿に関する裁判、北区の児童公園の灰皿に関する裁判、松戸のコンビニ灰皿に関する裁判など、屋外の受動喫煙に関する民事訴訟がこれまでに起きており、蓄積があります。詳しくは、日本の全ての弁護士に配布される日弁連の機関誌、自由と正義のことしの一月号に、私が判例をまとめております。
今までの健康増進法では、受動喫煙の概念が屋内に限定され、屋外は努力義務の対象になっていませんでしたけれど、このたびの健康増進法の改正、また、東京都の条例制定で、受動喫煙の概念が屋外も対象拡大となり、さらには家庭内も屋外も配慮義務が新設導入されるというのは、今後の民事訴訟において非常に影響のある話だと考えています。
これまで受動喫煙の裁判に多数かかわってきた、私、弁護士としては、大変重要な、意義の深い法改正、条例制定だと考えております。東京都においても、この配慮義務について、ぜひとも周知に力を入れていただきたいと考えます。
次に、都の条例と国の法案との違いについて、確認をさせていただきたいと思います。
健康増進法では、禁煙の店舗に関しては標識掲示の義務はありませんが、都の条例では、その場合も禁煙の標識掲示を義務づけております。これはなぜかという点について、理由をお聞かせいただきたいと思います。
○成田保健政策部長 健康増進法改正案では、喫煙室や喫煙場所の特定を行い、喫煙が可能となる場所に掲示を義務づけることとしております。
条例では、さらに、飲食店における禁煙の標識を施設の出入り口の見やすい箇所に掲示することを義務づけております。
標識につきましては、誰でもわかりやすいものにする必要があるため、国は今後、モデル的な様式を示すこととなっておりますが、都といたしましては、都民に限らず、外国人等の東京を訪れる方々が飲食店を選択する際の参考となりますよう、国と連携しながら、店内の禁煙、喫煙の状況を表示するステッカーを策定していく予定でございます。
○岡本委員 罰則はないわけですけれど、禁煙については、都において掲示義務を課したということで理解いたしました。
本日の質疑において、禁煙の場合は届け出というお話も伺いました。
次に、加熱式たばこについてお伺いをしようかと思っていたんですが、加熱式たばこについては既に議論が出ておりまして、重複いたしますので、この点については省略をいたします。
次に、従業員の定義につきましても、先ほど労働安全衛生法の定義に合わせたということでご答弁を既に聞いておりますので、この点も省略をしたいと思います。
次に、条例制定後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
この条例の施行を機に、喫煙をやめようと決意する方も、今後ふえるであろうと予想されます。
厚生労働省の平成二十八年国民健康・栄養調査によれば、現在喫煙者の二七・七%がやめたい、三〇・六%が喫煙本数を減らしたいと回答しています。
喫煙の本質はニコチンの依存性にあり、やめたくてもやめられないという点を見逃してはなりません。実は、喫煙者の相当な割合の人々が禁煙願望を持っているということです。
たばこを吸わない人は、喫煙者にたばこを吸わせてあげないとかわいそうだというようなことをいうことがありますが、実はそうではなくて、本人はやめたい、やめたくてもやめられないという葛藤の中にいるということを、多くの人々がもっと認識する必要があると思います。特にたばこを吸わない人こそ、その気持ちがわからないというところがありますので、実はやめたいんだという気持ちを持っているということをよく認識する必要がある。
代表質問でも触れましたが、今回の条例に七五%の都民が賛成している。そして、さらには、喫煙者も四割近くがこの条例案に賛成しているんだということを見逃してはなりません。
健康寿命の延伸のため、がん対策のため、喫煙率の減少のために、さらなる取り組みが求められています。喫煙率を一二%にまで下げるというのは、国においても、都においても、目標として設定されています。
昨年の十一月二日の厚生委員会で、私の方から、区市町村の禁煙治療の支援を都でも積極的に促し、後押ししていくべきであると述べました。このたび、都が禁煙治療の支援を行う方針を決めたということで、大変うれしく思っております。
既に、中央区、品川区、北区、荒川区、練馬区の五つの区において、一人当たり一万円を上限とする禁煙外来医療費の補助事業を行っています。
また、豊島区、港区の新たに二つの区でも、こうした禁煙外来の医療費補助を行うということです。
東京都においても、禁煙治療の補助を積極的に推進していくべきだと考えます。
また、九年前に受動喫煙防止条例を制定した神奈川県では、公益財団法人と協働して、卒煙塾、煙を卒業すると書く卒煙塾のキャンペーンを行い、松沢成文県知事と舘ひろしさんがタッグを組んで、禁煙を呼びかけ、励まし、禁煙希望者に総合的なサポート体制を提供し、禁煙に成功した人に卒煙証書を授与するといった活動を展開している例もあります。
また、サッカー日本代表の横浜F・マリノスの中澤佑二選手も、当時、知事とともに、受動喫煙防止をさまざまな場面で呼びかける活動を行っていました。
こうした禁煙及び受動喫煙防止に向けた大々的なキャンペーンを、都としても、知事を中心として発信していくべきだと考えますが、禁煙治療の補助、また、禁煙、卒煙に向けた施策について、今後の取り組みについて、都の見解を伺います。
○成田保健政策部長 喫煙率の減少に向けまして、都は、区市町村や医療保険者などに対して、禁煙希望者向けの卒煙リーフレットを配布するとともに、ニコチン依存症治療に保険が適用される医療機関のリストや、区市町村が取り組む禁煙希望者の支援内容をホームページに掲載してございます。
条例の制定を機に、今後、都では、禁煙を希望する方に対しまして、禁煙外来の医療費等への助成を行う区市町村の取り組みを包括補助により支援する考えでございまして、こうした取り組みを拡大させてまいりたいと考えてございます。
また、喫煙や受動喫煙の健康影響についての理解促進を図るため、さまざまな機会を通じて普及啓発に努めてまいります。
○岡本委員 ぜひともよろしくお願いいたします。
区市町村に対する支援、屋内、屋外の喫煙所の整備に関する都の助成金の支出の方針等については、既に代表質問でお伺いいたしました。
この受動喫煙防止の条例の制定によって、かえって屋外での路上喫煙が増加するおそれや、区市町村が制定する条例等への違反が増加するおそれ、あるいは都の受動喫煙防止条例が遵守されないおそれなどの懸念に対して、そうした方針も必要かと思います。
ただ、喫煙所の整備は、決して都が喫煙を助長したり、あるいは推奨したりするものではなく、受動喫煙や路上喫煙の害を最小化するための措置であるという認識が必要だと考えます。
また、昨日の医師会の尾崎会長の参考人の意見においてもありましたように、飲食店を禁煙化するための助成、壁紙の交換、あるいは換気扇の交換、あるいは喫煙室を撤去する、禁煙化するための取り組みに対する助成、そうしたものも力を入れていくべきだと思いますし、産業労働局としっかりと連携をして、そうした政策を進めていただきたいと思います。
次に、雇用関係に関してお伺いをいたします。
雇用関係については、流動性がある、季節によっても変動し得るということが先ほどの質疑でも既にありました。
これについて、どのように実態を把握していくのか、改めて所見をお伺いいたします。
○成田保健政策部長 健康増進法改正案では、保健所が飲食店への指導、勧告や命令、罰則の適用、立入検査等の業務を担うこととしておりまして、本条例に基づく業務につきましても、同様に保健所に担っていただきたいと考えてございます。
本条例の附則第三条では、都指定特定飲食提供施設、第二種施設のうち、飲食店等で、当該施設で業務に従事する従業員がいないものにつきましては、喫煙可能室の設置を認めておりまして、喫煙可能室を設置する場合には、当該飲食店について、従業員の有無を確認することとしております。
現在、各保健所におきましては、食品衛生法に基づく飲食店の営業許可や監視指導を通じまして管内の飲食店の状況を把握しており、従業員の有無につきましても、店舗を喫煙可能とする際に届け出をしていただく際に確認していく予定でございまして、条例に基づく業務について適切に対応できるものと考えてございます。
○岡本委員 ありがとうございます。
先ほど、本日の質疑で、従業員の同意に関する議論がありました。
また、国の法案との関係で、望む受動喫煙、あるいは望まない受動喫煙といったような議論もありました。望まない受動喫煙に限定するべきではないということもありました。
少し付言いたしますが、六月十三日の衆議院厚生労働委員会で、西村智奈美議員から、政府として受動喫煙全体の防止を目指すべきであり、本法律案における望まない受動喫煙の望まないは削除すべきではないかということが国会で議論されております。
また、高橋千鶴子議員から、望む、望まないに関する同様の質疑があり、加藤厚生労働大臣は、これに対して、非喫煙者は基本的に、多分、望まないことになるんだと思いますとの答弁がありました。
この望む、望まないというのは、どこで線引きをするのかというのが非常に難しい議論だと思います。
喫煙者が喫煙室で受動喫煙を受ける場合、これは、政府では、望まない受動喫煙ではない、望む受動喫煙だという切り分けなんですが、喫煙者の方も、もくもく状態の喫煙室に入りたくないということをよくおっしゃいます。喫煙者の方の受動喫煙を防止あるいは低減していくという観点は重要だと思います。
また、喫煙者が従業員として働く場合に受動喫煙を受ける場合、これは望むのか、望まないのか。
あるいは、今度は非喫煙者ですが、非喫煙者が上司や取引先に連れていかれて、お店でお客さんとして受動喫煙を受ける場合、これは、パワーハラスメントの側面もあるかもしれませんが、上司や取引先にいわれて断れない、ただ、本人としては一応、納得をして行っているということで、じゃあ、これは望むのか、望まないのか。真意としては嫌々だけど、仕方なく了承したというような場合ですね。
それから、これも非喫煙者が従業員として働く場合に、働いている場所で受動喫煙を受けることに同意したと。これも、積極的に同意したのか、あるいは嫌々ながらやむを得ず同意したのか。望む、望まないの線引きというのは非常に難しいということを、これまでの国会での議論を聞いていても、そのように思います。
先ほども述べたように、非喫煙者だけでなく喫煙者においても、受動喫煙を望む、望まないといった議論はやはり難しいというふうに思います。
では、次に、区市町村との関係についてお伺いします。
本条例の実効性を担保するためには、区市町村、とりわけ保健所設置区市の協力が不可欠であると思います。
そこで、保健所設置区市に業務を担っていただく際の手続や今後のスケジュールについてお伺いいたします。
○成田保健政策部長 健康増進法改正案では、保健所が飲食店の指導、勧告や命令、罰則の適用、立入検査等の業務を担うことを規定しております。
改正法に基づく業務の基準は、法改正後に制定される政省令において具体化されることとされておりまして、条例に基づく業務につきましても、こうした国の基準を踏まえ、規則で規定してまいります。
その上で、条例に基づく業務を担っていただく保健所設置区市との協議を行い、事務処理特例条例の改正案を策定し、早期に提出したいと考えております。
○岡本委員 この条例の制定後にも、事務処理特例の改正等あり、引き続き綿密な協議が必要であり、また、スケジュールもタイトなスケジュールになるのではないかというふうに思います。
本日の質疑において、区市町村への説明や情報提供が遅かったのではないかというような指摘や、あるいは業界に対する説明が不足していたんではないかといった主張がありました。拙速であったというような批判もしておられましたが、拙速となったのは誰のせいなのかというところもきちんと見ておく必要があると思います。
昨年の三月に塩崎厚生労働大臣が法案を出して、そのまま一年以上とまってしまった。これは、しっかりと民意を反映していない、むしろ、しがらみや利権にとらわれた自民党たばこ議連の影響だったと私は考えております。そうした国の、自民党の動きをさておいて、都議会議員の自民党の先生方が都庁の職員の方々を批判するというのは、私は、これは筋が違うんじゃないかというように思います。
今の梶原局長のお話でもありました、法案と条例の審議が並行しているというのは異例だというご発言がありました。
そのとおりだと思います。私も、先週の衆議院の議論をインターネットで見て、それで国の議論の状況を見ている。これは、まさに並行しているのでそういうことが必要になったわけで、また、参議院ではまだ議論が始まっていないという状況で、これは極めて異例なことだと思います。そうした原因をつくったのは、先ほど申し上げていましたように、国の状況によるものだと考えております。
次に、今回の条例の横出しの部分についてお伺いしたいと思いますが、規制対象となる各施設数についてお伺いいたします。また、その中で、都独自の規制の対象となる飲食店はどの程度か。先ほども既にご答弁いただきましたけど、重要な点ですので、改めてお伺いをしたいと思います。
○成田保健政策部長 今回、規制対象となる施設は約九十万カ所でございまして、そのうち飲食店が約十六万カ所でございます。
約十六万の飲食店のうち、法案で規制対象となる飲食店は約七万二千、都条例の対象となる従業員のいる飲食店の数は約六万二千、従業員のいない飲食店の数は約二万六千でございます。
○岡本委員 ありがとうございます。
先ほど梶原局長の答弁の中にもありましたが、附則の第七条において、法令等によりこの条例の規定による措置と同等以上の措置を講ずることとなるよう定めている事項については、当該措置にかかわるこの条例の規定は適用しないという条項があります。
その関係でいいますと、先ほどの飲食店でいいますと、七万二千に関しては、国の法案が適用されるので、過料としては五十万円とか三十万円とかという対象になる。
他方で、都の対象として、従業員のいる飲食店に関しては六万二千軒で、この六万二千軒に関しては、国の法案ではなく都の横出しの部分ですので、過料の対象は五万円あるいは三万円ということになると。基本的にはそうなるということで理解をしております。
ただ、この場合、先ほどの附則の七条によってそういう切り分けがされるわけですけれど、この実効性の観点でいうと、国の過料に関しては、裁判所を通じて過料を定める。他方で、都道府県の過料に関しては、国の法律の過料ではないので上限額も低いですけれど、これは裁判所を通じて行う必要がなく、行政機関で行うことができる。
金額や罰則は国の方が重いわけですが、実効性からいうと、適用のしやすさ、発動のしやすさという観点では、都、条例の方がやりやすいというふうに思います。そうであるとするならば、先ほどの適用しないではなくて、私は、両方、都の条例も国の法案と重なって適用できないと、逆に、国の部分に関しては実効性がやりにくくなるんではないかというふうに思います。
また、この条例の実効性に関しては国会でも議論がされていて、これは施設管理権原者ではなくて、違反の喫煙をした場合の個人に対するものについて特に議論されていますけれど、尾辻かな子議員が発言しているのが、喫煙禁止場所で喫煙をした者に対して、これは、段階を経るのが、まず管理権原者が喫煙の中止を求める、都道府県知事等が指導する、改善が見られない場合は、都道府県知事等が命令をする。それでようやく罰則の適用があって、地方裁判所に通知をするという流れで、違反した喫煙、喫煙禁止場所で、禁煙の場所で違反をした場合の喫煙に関する罰則の適用というのは、注意をすれば、普通はやめるんでしょうけど、やめない場合であっても、これは保健所に連絡して、じゃあ、来てくれるのかというような場合も考えられますし、罰則適用が非常に難しいんではないかということが国会で指摘をされています。
これに対して加藤厚生労働大臣は、非常に難しいということを認めるような発言をしつつ、かなり悪質で、反復継続をした場合を抑止するものだということをいっております。
こうした罰則の適用の仕方ということを考えると、先ほど実現可能性という言葉が出ておりましたけれど、こうした点を考えると、私は、千代田区のように、勧告や命令を経ずに、即、過料をその場で徴収することができるという仕組みを整えるべきだというふうに思います。国の法律においてはそのようになっていなくて、地方裁判所等に通知等もありますけれど、そうではなくて、国の適用対象においても、都において、都の条例ではそこも直接過料を徴収できるような仕組みにすべきだと、私は思います。
ただ、きょうのこれまでの議論を聞いて何度も思ったのは、やはり都の条例というのは国との整合性をとらなければならない。国との整合性をとらなければ非常に現場が混乱するというお話を、繰り返しいただきました。ですので、この点は、将来の見直しの対象だと私は思いますけれど、現時点において、この条例をとりあえずまずはスタートするという意味においては、国に合わせるということは、やはりやむを得ないんだということで理解をしております。見直しにおいては、そういう点もまた検討されるべきだろうというふうに思います。
これまで述べましたように、加熱式たばこの位置づけや、また、罰則の適用方法、また、未成年者の立ち入りについて罰則がない点など、私としては規制が不十分なのではないかというふうに思う点があります。
また、先ほどの藤田委員もおっしゃっていた全面禁煙を目指すべきだということの趣旨にも、強く賛同いたします。
条例の施行後に、今後、見直しを検討していく課題があると思いますが、この条例が、現時点では完璧な理想形ではないとしても、受動喫煙の対策を大きく前進させるものであるということには強く賛同し、また、期待をするものです。国の法案が既存の飲食店に関してざる法だといわれる中で、特に都がその部分の対策を進めるという意味では非常に大きな意義があるということで、賛同しております。
最後に、きょう梶原局長にお伺いしたいんですが、先ほどの鈴木委員との答弁を伺っておりまして、今後の取り組み、これまでのご苦労に関して、非常に心強く敬意を持ちました。
改めて、今回の条例について、この条例に関しては全国が注目している。全都道府県、また、他の自治体等も非常に注目している。そうした中で、国の法案との整合性もとりながら、非常に苦心されてこの条例案をおつくりになられたということで、東京都あるいは東京都の職員としてのこの条例に対する矜持をお聞かせいただければと思います。
○梶原福祉保健局長 先ほどもお話をさせていただきましたけれども、受動喫煙、これは、受動喫煙がだめだと、いけないと、健康影響があるということについては、皆さんご同意がいただけるというふうに思っています。これは共通した認識だというふうに思います。
ただ、どういう規制の方法にするか、どこまで対象にするか、これはやっぱりそれぞれの立場、あるいはそれぞれの考え方がさまざまあって、これが本当にここ数年にわたる議論の対象であったということであります。
これは実務担当者といいますか、我々行政マンとして、いろんな方のご意見を聞きながら、いろんなパブリックコメントを聞きながら、最大限のことを反映させていくというのが、そして最後に条例をつくっていくというのが私どもの責務であるわけですが、この問題に関していうと、どこのスタンスをとってもさまざまなご意見が出てくるということで、ここ数年の議論が続いてきたというふうに私どもは認識しています。
ただ、健康増進あるいは受動喫煙の害というものを考えたときに、やっぱり健康増進法の改正もあるわけですけれども、オリンピック・パラリンピックを開催する都市として、あるいは都民の健康を増進する立場という点で、私どもはいろんな点を配慮しながらこの条例案というのを取りまとめさせていただいたということ、あるいはさまざまな方のご意見、そういうものでご批判も含めてあることは十分承知をしております。
ただ、ここが最大公約数なのかわかりませんが、私どもひとえに都民の健康増進あるいは受動喫煙をなくしたいという思いでこの条例案を取りまとめたということで、今後とも受動喫煙防止対策に一層取り組んでいきたいという思いで最後の言葉に--最後の言葉というんですかね(笑声)、そういう思いで出させていただいたということでございます。
○岡本委員 ありがとうございます。
ご苦労された職員の皆様に心から敬意を表して、私の質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○高橋委員 それでは、私の方からは、第百三十四号議案、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例について質問させていただきます。
本日の昼のテレビ、そしてまた夕刊の新聞を見ました。それは何かと申しますと、東京レゴランド、聴覚障害者四人入場拒否というようなニュースでございます。
もう少し詳しくいいますと、玩具、レゴブロックで遊ぶ屋内レジャー施設、レゴランド・ディスカバリー・センター(東京都港区)が本年四月、聴覚障害者四人の入場を拒否していたことがわかったと。経済産業省は六月、障害者差別解消法違反の疑いが高いとして、レゴランドのセンター側に是正を求めた。経産省は今後、全国の同種施設に注意喚起の通知を出す方針だと。そしてまた、レゴランド側のいい分の方は、障害者差別解消法に違反する対応だったと誤りを認め、今後社員に対して、障害者への対応について研修を行うというようなニュースでございます。
このニュースを聞きまして、平成二十八年四月から施行されました障害者差別解消法では、広く民間事業者にも合理的配慮の提供が努力義務とされておりますが、まだまだ事業者の対応が十分でない部分があるのかなと感じております。
今般、東京都が提案する東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例において、事業者による合理的配慮の提供を義務づけるのであれば、事業者に丁寧に理解を求め、条例の普及啓発に積極的に取り組むよう、私も前回三月の厚生委員会でも質疑をさせていただきました。
平昌オリンピック大会が閉幕しまして、次はいよいよ二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック競技大会の番であります。選手や観客を初め世界各国から多くの障害のある方々が東京を訪れることが予想されます。
そして二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、障害のある人もない人もともに暮らす共生社会の実現を目指していくためには、障害者への理解を促進し、差別の解消の取り組みを進めていくことは大変重要であると思います。
そこで、今、東京都がこの条例を制定する背景について、改めて伺います。
○松山障害者施策推進部長 平成二十八年四月から障害者差別解消法が施行され、社会全体で障害者への理解を深め、差別を解消する取り組みに実効性を持たせるため、都は事業者による合理的配慮の提供を義務化するとともに、相談、紛争解決の仕組みを整備する本条例を提案しているものでございます。
条例の前文には、多様性こそが都市としての発展の原動力であり、東京に暮らし、東京を訪れる全ての人が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指すことを挙げており、二〇二〇東京大会でも、海外からも多くの障害のある方々が東京を訪れることが予想されることから、都民の障害及び障害者に対する理解促進を一層図ってまいります。
○高橋委員 障害者権利条約を批准した日本の首都東京として、ぜひとも世界各国の都市におくれをとらないよう、障害者差別の解消に向けた取り組みを進めてほしいと思います。
その一方で、現実には障害者差別解消法の制定により導入された合理的配慮の提供という考え方については、中小企業や個人事業主を初めとした事業者の理解が進んでおらず、義務化されることに不安や心配を抱く声も聞いております。
前回この点について質疑したところ、東京都からは、本条例により新たに設置する広域支援相談員が事業者からも幅広く相談を受け、丁寧に説明していくとの答弁をいただいております。都の方で新しく相談体制を充実させているのはよくわかりましたが、障害者や事業者にとって身近な行政機関である区市町村に相談することも多いと思います。
既に都内では、八王子市や国立市において、障害者差別の解消に向けた条例が施行されており、本年四月からは新たに立川市において同様の条例が施行されました。
このように区市町村によっては独自の条例をつくり、相談機関などを設置しているところもあると聞いております。
そこで、事業者や障害者がどこかに相談しようと考えたとき、相談先として区市町村の相談機関と都の相談機関と、どちらが適切なのか伺います。
○松山障害者施策推進部長 条例では、都に、障害を理由とする差別に関する相談に的確に応じるため、広域支援相談員を設置することとしております。また、お話のように、区市町村によっては、既に独自の条例により相談機関を設けているところもございます。
本条例の制定に係る検討部会では、都と区市町村のどちらの相談機関も選べる体制とすべきであるとの意見があり、事業者や障害者が相談しやすいよう、都及び区市町村で重層的に相談を受ける体制としております。
○高橋委員 今回、都条例が成立いたしますと、今後多くの区市町村においても都に倣い条例を制定するなど、相談体制の充実が図られていくものと考えます。
一方で、区市町村によっては温度差があり、余り経験のない職員が相談員を担当し、ノウハウも引き継がれていないなど、相談窓口や相談機関の体制について、十分とはいいがたいところもあると思います。
そこで、今後、東京都はどのように区市町村の相談窓口や相談機関を支援していくのか伺います。
○松山障害者施策推進部長 条例では、広域支援相談員は、障害を理由とする差別の解消に関する知識及び経験を有する者としております。また、広域支援相談員が区市町村における障害を理由とする相談の解決を図るため、相互の連携を図り、必要な助言、調査、情報提供、関係者間の調整を行うこととしております。
さらに、都は毎年度、区市町村の担当者向け研修会を開催しており、障害者差別に関する相談事例を共有するなど、相談対応のスキルアップを図っております。
こうした取り組みを通じて、都と区市町村の連携を強化し、相談事例に適切に対応できる体制を築いてまいります。
○高橋委員 先ほどの我が党の小宮理事の話の中に、災害時における聴覚障害者の要支援というか、区市町村との常日ごろの連携が非常に大事であるというような話がありました。条例で新たに配置する広域支援相談員は、事業者からも幅広く相談を受け、条例の解釈や障害の特性、求められる配慮などについても、さらにさらに丁寧に説明をしてほしいと思います。
本条例の制定を契機として、区市町村ともさらに緊密に連携をとりながら、障害を理由とする差別の解消に積極的に取り組んでほしいことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、知事提出議案に対する質疑は終了いたしました。
○伊藤委員長 次に、付託議案のうち議員提出議案の審査を行います。
議員提出議案第十号及び議員提出議案第十一号を一括議題といたします。
本案について提出者の説明を求めます。
○藤田委員 議員提出議案第十号、東京都子どもの医療費の助成に関する条例並びに第十一号、東京都青少年の医療費の助成に関する条例について、提出理由を説明いたします。
初めに、議員提出第十号、東京都子どもの医療費の助成に関する条例です。
現在、東京都は、市町村が行う中学生、十五歳になる年度の年度末までの子供への医療費助成に対し、乳幼児医療費助成事業実施要綱及び義務教育就学児医療費助成事業実施要綱に基づいて補助を行っていますが、これを条例化するものです。所得制限をなくし、通院の自己負担、入院時食事療養費の負担をなくします。市町村がこの範囲内で行う医療費助成に対し、三分の二の補助を行います。
都の医療費助成は、所得制限と入院時食事療養費の負担があり、小中学生に対しては通院一回当たり二百円の自己負担もあります。そのため、多くの自治体がさらに医療費助成を上乗せ、横出ししています。
しかし、区部では既に全ての自治体で中学校卒業まで所得制限がなくなり、通院費も無料化されているのに対し、多摩地域と島しょ地域では多くの自治体で所得制限と通院費の負担があり、地域による格差が生じています。
また、入院時食事療養費は二〇一五年度まで一食二百六十円でしたが、今年度は四百六十円まで値上げされ、一日で千三百八十円、三十日で四万一千四百円と重い負担になっています。地域間格差を是正し子供の医療費負担を軽減するため、所得制限と自己負担をなくすとともに、市町村の負担を軽減する条例案を提出するものです。
施行年月日は、二〇一九年四月一日です。
続いて、議員提出第十一号、東京都青少年の医療費の助成に関する条例です。
区市町村が行う中学校卒業後十八歳になる年度の年度末までの子供への医療費助成に対して補助を行います。
補助の内容、施行年月日については、子どもの医療費の助成に関する条例と同じです。
現在、福島県と鳥取県が十八歳までの医療費助成を行っており、静岡県もことし十月から対象年齢の上限を十八歳まで拡大するとしています。
区市町村レベルでは、厚生労働省の資料によると、二〇一六年四月一日時点で、全国で約四百自治体が実施しています。子供の健やかな育成のため、都としても十八歳までの医療費助成を行う必要があります。
都が二〇一六年に実施した子供の貧困に関する実態調査では、医療の受診を抑制する理由として、自己負担金を支払うことができないと思ったためと回答した割合は、小中学生の保護者では一%だったのに対し、十六歳から十七歳までの子供のいる保護者では二・七%と高くなっていました。都自身が行ったこの調査では、この結果について、医療費助成制度が十五歳まで対象となっていることが理由の一つとして考えられるとしています。とりわけ、十六歳から十七歳の困窮層の保護者では、自己負担金を理由に挙げた保護者が一八・八%に上っています。子供の貧困対策の観点からも、医療費助成の対象年齢を引き上げることが重点との観点から本条例を提案します。
この二つの助成制度にかかわる必要経費は、中学生までの医療費助成が約五十億円、十八歳までの医療費助成が約四十億円、合わせて約九十億円を見込んでいます。
以上、ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○伊藤委員長 説明は終わりました。
これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、議員提出議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉保健局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後八時八分散会
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