厚生委員会速記録第一号

平成三十年二月二十日(火曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長伊藤こういち君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長和泉なおみ君
理事遠藤  守君
理事小宮あんり君
理事山内  晃君
古城まさお君
藤田りょうこ君
龍円あいり君
鳥居こうすけ君
つじの栄作君
舟坂ちかお君
高橋 信博君
岡本こうき君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長梶原  洋君
次長理事兼務山岸 徳男君
技監笹井 敬子君
総務部長後藤 啓志君
指導監査部長村田 由佳君
医療政策部長西山 智之君
保健政策部長矢内真理子君
生活福祉部長坂本 尚史君
高齢社会対策部長粉川 貴司君
少子社会対策部長松山 祐一君
障害者施策推進部長高原 俊幸君
健康安全部長高橋 博則君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務奈良部瑞枝君
事業推進担当部長古賀 元浩君
医療改革推進担当部長成田 友代君
医療政策担当部長矢沢 知子君
地域保健担当部長本多由紀子君
生活支援担当部長横手裕三子君
施設調整担当部長稲葉  薫君
子供・子育て施策推進担当部長加藤 みほ君
障害者医療担当部長石黒 雅浩君
食品医薬品安全担当部長仁科 彰則君
感染症危機管理担当部長吉田 道彦君
病院経営本部本部長内藤  淳君
経営企画部長児玉英一郎君
サービス推進部長谷田  治君
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務大久保達也君
計画調整担当部長末村 智子君

本日の会議に付した事件
病院経営本部関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 病院経営本部所管分
・平成三十年度東京都病院会計予算
報告事項(説明)
・都立病院経営委員会報告について
福祉保健局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・平成三十年度東京都国民健康保険事業会計予算
・平成三十年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
・平成三十年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・平成二十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 福祉保健局所管分
・東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例
・心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
・東京都国民健康保険広域化等支援基金条例の一部を改正する条例
・東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
・東京都国民健康保険調整交付金条例を廃止する条例
・介護保険法施行条例の一部を改正する条例
・東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例を廃止する条例
・東京都立ナーシングホーム条例を廃止する条例
・児童福祉法施行条例の一部を改正する条例
・東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
・東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
・東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
・東京都立多摩療育園条例の一部を改正する条例
・東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期計画の認可について
・東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例
・東京都養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
(1)二九第四一号 「原子爆弾被爆者健康指導事業」委託事業費に関する請願
(2)二九第四六号 東京の待機児童の解消と保育の質の向上を求めることに関する請願
(3)二九第五三号 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願
(4)二九第五四号 病院給食の自己負担引上げの撤回に関する請願
(5)二九第一一六号 ペットを受動喫煙から守る条例の制定に関する陳情
(6)二九第一二九号 東京二〇二〇大会に向けた路上喫煙対策の実施に関する陳情

○伊藤委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○伊藤委員長 本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部及び福祉保健局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、病院経営本部関係の報告事項の聴取並びに福祉保健局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○内藤病院経営本部長 平成三十年第一回定例会に提出を予定しております病院経営本部関係の議案につきまして、まずはその概要をご説明申し上げます。
 ご審議いただきます議案は、平成三十年度一般会計及び病院会計当初予算案二件でございます。
 病院経営本部は、企業の経済性の発揮と公共の福祉の増進という地方公営企業の経営の基本原則にのっとり、都民に対する医療サービスの向上と日々の経営改善努力を不断に積み重ねながら、都立病院を運営してまいりました。
 一方、少子高齢化の急速な進行や国の医療制度改革など、医療をめぐる環境は大きく変化しております。また、平成二十八年七月に策定されました東京都地域医療構想では、地域包括ケアシステムの構築に向けまして、地域全体で治し、支える地域完結型の医療の確立が求められてございます。
 このような状況の中、都立病院は、これまで充実強化してまいりました医療資源を最大限活用し、継続的かつ安定的に行政的医療を提供するとともに、地域医療の充実にも積極的に貢献していくことが重要であると認識してございます。
 これらを踏まえまして、平成三十年度予算は、平成二十八年十二月に策定された二〇二〇年に向けた実行プラン及び本年三月までに策定を予定しております次期中期計画を着実に実施していくための予算としております。
 一般会計予算では、公益財団法人東京都保健医療公社の運営費などを計上するとともに、病院会計予算では、都の医療政策推進への貢献、安全・安心で質の高い医療の提供など六つの戦略を定め、より多くの都民に適切な医療を提供していくための経費を計上したところでございます。
 予算案に盛り込みました事項につきまして、主要な施策についてご説明させていただきます。
 まず、一般会計予算でございます。
 公益財団法人東京都保健医療公社が所管する六つの地域病院とがん検診センターの運営に要する経費などを計上してございます。
 次に、病院会計予算でございます。
 まず、一つ目の戦略は、都の医療政策推進への貢献でございます。
 多摩地域の医療水準のさらなる向上を図るため、多摩メディカルキャンパスにおける医療機能を強化するとともに、神経病院を改築し、都の難病医療の拠点として整備いたします。
 また、都心部唯一の基幹災害拠点病院である広尾病院につきまして、災害時の医療提供体制を強化するとともに、将来を見据えて地域に必要とされる医療を提供するため、改築整備いたします。
 それぞれ基本計画の策定に向け、引き続き検討を行ってまいります。
 さらに、難病医療の一層の充実を図るため、ロボットスーツを活用した先進的なリハビリテーションの導入を行うとともに、がん医療、精神疾患医療、救急医療などの医療課題に対し、医療体制、医療機能等を強化してまいります。
 二つ目の戦略は、安全・安心で質の高い医療の提供でございます。
 患者の遺伝情報をもとに、個々のがん患者に最適な医療を提供するため、駒込病院におきまして、がんゲノム医療を推進するための基盤を整備してまいります。
 三つ目の戦略は、地域の医療提供体制の確保充実への貢献でございます。
 地域包括ケアシステムの構築を支援するため、地域の高齢者等を対象とし、医療や予防、健康づくりに関する講座の実施を通じまして、仮称でございますが、東京ヘルスケアサポーターの育成を行ってまいります。
 四つ目の戦略は、専門性が高く良質な医療人材の確保、育成でございます。
 東京医師アカデミーや東京看護アカデミーの運営などを通じまして、質の高い人材の確保や資質の向上に引き続き努めてまいります。
 五つ目の戦略でございます。サステーナブルな病院運営体制の構築でございます。
 安定的かつ強固な経営基盤を確立するため、働き方改革の推進を初め、経営力の強化や経営分析力向上のための取り組み、医業未収金管理体制の強化を行ってまいります。
 六つ目の戦略でございますが、都民にわかりやすく病院の状況を見える化でございます。
 都立病院が提供いたします医療内容や経営状況等につきまして、都民にわかりやすく情報を発信してまいります。
 以上が本定例会に提出を予定しております議案の概要でございます。
 病院経営本部におきましては、地域医療構想の策定など、地域医療のあり方などが変化していく中、行政的医療の安定的かつ継続的な提供はもちろん、地域医療機関とのネットワークを強化いたしまして地域医療の充実への貢献を行うことで、都立病院が果たすべき役割を着実に推進していく所存でございます。
 現在策定中の次期中期計画におきまして、こうした都立病院の役割について明確にしてまいります。
 今後とも、都民の皆様の生命と健康を守るため、病院経営本部職員一丸となりまして、これらの課題に取り組んでまいります。何とぞ委員の皆様方のご指導、ご支援を引き続きよろしくお願い申し上げます。
 なお、議案の詳細につきましては、この後、経営企画部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○児玉経営企画部長 引き続きまして、平成三十年第一回定例会に提出を予定しております議案の詳細についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております資料1、平成三十年度当初予算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。平成三十年度病院経営本部所管当初予算総括表から始まりまして、一般会計、病院会計と順に概要を説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。
 なお、これから申し上げます予算額等につきましては、百万円未満は四捨五入してご説明させていただきます。
 平成三十年度病院経営本部所管当初予算総括表でございます。
 上段、一般会計でございますが、予算額は百三十億九千五百万円でございます。病院会計は、二千六十七億六千六百万円で、合わせまして二千百九十八億六千百万円を計上しております。
 初めに、一般会計についてご説明いたします。
 二枚おめくりいただき、三ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
 上段の歳出は、公益財団法人東京都保健医療公社の運営費や施設整備費及び公社を担当する病院経営本部職員の人件費などで、合わせまして百三十億九千五百万円を計上しております。
 下段は、財産収入などの特定財源で一億七千四百万円を計上しております。
 四ページをお開き願います。Ⅱ、予算定数でございます。
 公社を担当する病院経営本部職員の定数でございます。
 続きまして、五ページをお開き願います。Ⅲ、事項別内訳でございます。
 まず、1、地域病院等の運営でございますが、百二十二億二千四百万円を計上しております。
 概要欄にありますように、ア、病院運営として、公社所管の六病院の運営に要する経費を計上しております。
 六ページをお開き願います。右側の概要ですが、イ、備品整備から、キ、病院管理等まで、所要の経費をそれぞれ計上しております。
 次に、2、地域病院等の施設整備でございます。
 豊島病院における外壁改修工事など、病院の施設改修などに要する経費として八億七千百万円を計上しております。
 七ページをお開き願います。平成三十年度予算において、新たに債務負担行為を計上したのは多摩南部地域病院空調設備改修工事一件で、限度額は一億三千百万円でございます。
 本件は、劣化が進んでいる多摩南部地域病院の空調設備の改修工事を実施するものでございます。
 続きまして、病院会計予算についてご説明申し上げます。
 二枚おめくりいただきまして、九ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
 上の表、1、収益的収支でございますが、収入は、医業収益、医業外収益を合わせまして一千六百八十二億六千二百万円を計上しております。支出は、医業費用、医業外費用及び特別損失を合わせまして一千六百八十二億六千二百万円を計上しており、収支均衡を見込んでおります。
 なお、収入欄の括弧内の数値は一般会計繰入金で、収入計欄にございますように、合計で三百七十八億三千九百万円でございます。
 次に、下の表、2、資本的収支でございます。
 収入は、企業債の二十六億二千三百万円、支出は、建設改良費及び企業債償還金を合わせまして三百八十五億四百万円を計上しております。資本的収支の差引額は三百五十八億八千百万円の不足となりますが、損益勘定留保資金その他で補填いたします。
 収益的支出と資本的支出の合計は二千六十七億六千六百万円、平成二十九年度と比較して百七十一億六千四百万円、率にして九・一%の増となっております。
 一〇ページをお開き願います。Ⅱ、予算定数でございます。
 平成三十年度の予算定数は、表の合計欄にございますように六千八百十八人で、平成二十九年度と比較いたしまして六人の増員となっております。増減員内訳につきましては、表の右側に事項別に記載してございます。薬剤師の病棟常駐業務の実施や患者支援センターの充実強化による増員などを行います。
 一一ページをお開き願います。Ⅲ、患者規模総括表でございます。
 上の表、1、入院でございますが、平成三十年度の病床数は合計四千九百五床で、前年度と比較しまして九十二床の減、延べ人員は百五十九万五千五十人で、前年度と比較しまして十万五千四百八十五人の減としております。
 これは、広尾病院及び大塚病院におきまして、病床稼働状況を勘案して一部病棟の休止を行うほか、平均在院日数の短縮化に伴う患者実績の減少を見込んだものでございます。
 次に、下の表、2、外来でございますが、平成三十年度の一日当たりの患者数は七千二百三十五人、延べ人員は二百十一万二千六百二十人としております。前年度と比較しまして外来日数が一日少ないことから、延べ人員につきましては七千二百三十五人の減となっております。
 続きまして、一二ページをお開き願います。このページから二三ページまでが、Ⅳ、事項別内訳でございまして、平成三十年度の病院会計予算を八つの分野に区分して整理したものでございます。
 まず、一、病院管理運営でございます。
 都立八病院の管理運営に要する経費で、一千六百七十三億四千百万円を計上しております。
 一三ページをお開き願います。二、戦略1、都の医療政策推進への貢献でございます。
 1、都の医療体制の充実から、一四ページの2、その他の政策実現への貢献までで、十二億一千万円を計上しております。
 まず、1、都の医療体制の充実でございます。
 多摩地域の医療水準を向上させるため、医療拠点である多摩メディカルキャンパスにおいて、医療機能の強化を図るほか、基幹災害拠点機能を強化するため、老朽化した広尾病院を改築します。平成三十年度は、整備に向けた検討を引き続き行い、基本計画を策定いたします。
 また、都立病院が地域の実情を踏まえ、さまざまな医療課題に対して中核的な役割を果たしていくために、多摩総合医療センターにおいて、外科手術とカテーテル治療を同時に行うことが可能なハイブリッド手術室を整備するほか、神経病院において、ロボットスーツによる先進的なリハビリテーションの導入等を行います。
 続いて、一四ページをお開き願います。2、その他の政策実現への貢献でございます。
 地域の子育てを支援するため、区市のニーズを踏まえて、病児、病後児保育を実施するとともに、施設におけるLED照明の拡充を実施するなど、都の政策実現に貢献してまいります。
 一五ページをお開き願います。三になりますが、戦略2、安全・安心で質の高い医療の提供でございます。
 1、情報システム管理体制の強化から、一七ページの5、医療安全管理対策等の充実までで、二十一億五千六百万円を計上しております。
 まず、1、情報システム管理体制の強化でございます。
 診療業務の安定的、効率的な運用を確保するため、電子カルテシステムの更新を行うとともに、患者の個人情報など重要な情報を多数取り扱っているため、強固な情報セキュリティー環境を構築してまいります。
 一枚おめくりいただき、一六ページをお開き願います。2、誰もが利用しやすい環境づくりでございます。
 患者サービス向上の取り組みを推進するため、電子マネーによる決済方法の導入等を行うとともに、今後増加が見込まれる外国人に対し、安全・安心の医療を提供できるよう環境整備を進めてまいります。
 次に、3、高度で先駆的な医療の提供でございます。
 患者の遺伝情報をもとに、個々のがん患者に最適な医療を提供するがんゲノム医療を推進するための基盤整備等を行ってまいります。
 一七ページをお開き願います。4、患者支援機能の充実強化でございます。
 患者の療養生活を総合的に支援していくため、患者支援センターにおいて、円滑な転退院、在宅移行に向けた相談支援機能を強化してまいります。
 次に、5、医療安全管理対策等の充実でございます。
 都民の医療に対する信頼を確保し、安全な医療を提供するため、患者の安全・安心につながる医療安全管理対策を推進してまいります。
 一八ページをお開き願います。四、戦略3、地域の医療提供体制の確保充実への貢献でございます。
 1、地域包括ケアシステム構築への支援等に要する経費として一千四百万円を計上しております。
 都民が安心して暮らせる地域医療体制の実現に向け、民間医療機関や他の公的医療機関等との適切な役割分担と連携を推進いたします。また、都立病院の医療機能や人材を活用し、地域の高齢者等に医療や予防、健康づくりに関する啓発を行い、仮称でございますが、東京ヘルスケアサポーターの育成を行うなど、地域包括ケアシステムの構築を支援してまいります。
 一九ページをお開き願います。五、戦略4、専門性が高く良質な医療人材の確保、育成でございます。
 1、医師の確保、育成と専門性の発揮から、次ページ、二〇ページの3、コメディカル職員の確保、育成と専門性の発揮までで、七億一千百万円を計上しております。
 まず、1、医師の確保、育成と専門性の発揮でございます。
 高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供していくため、東京医師アカデミーを引き続き着実に運営し、次代を担う若手医師の確保、育成を図ってまいります。
 次に、2、看護職員の確保、育成と専門性の発揮でございます。
 看護職員のキャリア開発を支援する仕組みを体系化した東京看護アカデミーにより、質の高い看護職員の確保、育成及び定着を図ってまいります。
 二〇ページをお開き願います。3、コメディカル職員の確保、育成と専門性の発揮でございます。
 コメディカル職種の専門性を向上させ、医療の高度化、専門化に対応できる職員を育成するため、学会認定資格等の取得支援を行ってまいります。
 一枚おめくりいただきまして、二一ページをお開き願います。六、戦略5、サステーナブルな病院運営体制の構築でございます。
 1、働き方改革の推進から、2、経営力の強化までで、十一億七千七百万円を計上しております。
 まず、1の働き方改革の推進でございます。
 医療の高度化、専門化が進む中で、都立病院が良質な医療を提供し、安定的な運営を継続していくため、多様な働き方の実現を可能にする体制を構築することで、優秀な人材の確保を図ってまいります。
 次に、2、経営力の強化でございます。
 都立病院が将来にわたって良質な医療サービスを安定的に提供していくため、経営力の強化や経営分析力の向上のための取り組み等を推進してまいります。
 二二ページをお開き願います。七、戦略6、都民にわかりやすく病院の状況を見える化でございます。
 1、都立病院が提供する医療内容等の情報発信に要する経費で、一千八百万円を計上しております。
 都立病院が提供する医療内容や経営状況等について、都民にわかりやすく情報発信するため、ホームページの再構築を実施してまいります。
 恐れ入ります、二三ページをお開き願います。八、病院施設整備でございます。
 1、都立病院施設整備から、3、企業債の償還までで、三百四十一億三千九百万円を計上しております。
 まず、1の都立病院施設整備でございます。
 都立病院の施設改修や医療器械等の整備に要する経費を計上しております。
 次に、2の病院施設の維持強化等でございます。
 大塚病院や墨東病院におきまして改修工事を行うとともに、多摩メディカルキャンパスにおける駐車場整備等の設計を行ってまいります。
 次に、3、企業債の償還でございます。
 都立病院整備のために発行した企業債の元金償還に要する経費を計上しております。
 最後になりますが、二四ページをお開き願います。Ⅴ、債務負担行為でございます。
 平成三十年度予算におきまして、新たに債務負担行為限度額を計上したのは二件で、合計十四億一千万円でございます。
 多摩メディカルキャンパスにおいて、病児、病後児保育実施のために保育施設を建築するとともに、墨東病院において、昇降機設備の改修工事を実施するものでございます。
 次に、Ⅵ、企業債でございます。
 医療器械の整備など、病院建設改良事業に要する財源として計上しております。限度額は二十六億二千三百万円でございます。
 以上で、病院経営本部所管の平成三十年度当初予算案についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○藤田委員 十二点の資料をお願いいたします。
 都立病院及び公社病院における医師の診療科別定数及び現員、二〇一八年二月一日現在。
 都立病院及び公社病院における職種別職員定数及び現員、二〇一八年二月一日現在。
 都立病院及び公社病院における看護要員の採用、退職者数の推移。
 都立病院及び公社病院における看護要員の月ごとの夜勤回数の分布、二〇一七年十月分の実績。
 都立病院及び公社病院における看護要員の年次有給休暇平均取得率、二〇一六年実績。
 都立病院及び公社病院における研修医受け入れ状況。
 都立病院におけるPFI事業にかかわる経費の推移。
 一般会計繰入金の推移、施設整備関連経費以外を病院別に。
 一般会計繰入金の推移、施設整備関連経費。
 都立病院における経営指標の推移。
 各公社病院に対する運営費補助金の推移。
 東京都保健医療公社において、二〇一三年四月一日以降継続して雇用されている有期契約労働者で、契約期間が二〇一八年三月三十一日までの者及び二〇一八年四月一日以降の日までの者の人数及び各団体の労働契約法における有期労働契約の無期労働契約への転換の規定への対応方針。
 以上です。お願いします。

○伊藤委員長 ほかによろしいでしょうか。--ただいま藤田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○伊藤委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院経営委員会報告についてご報告を申し上げます。
 お手元に、資料2、都立病院経営委員会における検討経過、資料3、都立病院経営委員会報告(概要)及び資料4、本文の冊子をお配りしてございます。
 それでは、資料2及び3に基づいてご説明させていただきます。
 まず、資料2、都立病院経営委員会における検討経過をごらんいただきたいと存じます。
 1、経営委員会の概要でございますが、都立病院経営委員会は、都立病院における医療の質の向上と効率的な経営を実現するため、病院や企業の経営等に精通した専門家による助言、提言等を得ることを目的として、平成十四年六月に設置したものでございます。
 委員構成でございますが、(3)、委員名簿のとおり、企業経営者、民間病院長、学識経験者、東京都医師会代表、患者団体代表等の計十二名により構成されております。
 恐れ入りますが、一枚おめくりを願います。2、検討経過でございますが、平成二十八年度第一回経営委員会において、医療を取り巻く環境が大きく変化していることなどを踏まえ、今後の都立病院が担うべき医療の方向性について、病院経営本部長より、本委員会に検討を付託いたしました。
 その後の検討において、今後の都立病院が担うべき役割は効果的かつ一層効率的に果たしていくべきであるとの委員からの意見を踏まえ、平成二十八年度第二回経営委員会において、今後の都立病院の経営力向上に向けた取り組みについて、本委員会に追加で検討を付託いたしました。
 同委員会では、詳細な検討をするため、(2)、今後の都立病院の担うべき医療の方向性に関する検討部会と、次ページになりますが、(3)、今後の都立病院の経営力向上に向けた取組に関する検討部会を設置し、記載のとおり検討を行っていただきました。
 今後の都立病院の経営力向上に向けた取組に関する検討部会は、実際に病院の経営に携わられている立場のご意見をいただくため、都立病院経営委員会設置要綱第十三に基づき、三名の方をアドバイザーという形でお招きいたしました。
 その検討結果が、本年一月二十六日に、資料4にありますとおり、病院経営本部長に報告書として提出されたところでございます。
 それでは、資料3、都立病院経営委員会報告(概要)に従いまして、報告内容をご説明いたします。
 第1章、都立病院の現状では、1、都立病院の概要として、八病院で都内総病床数の約四%となる五千百十八床を有していること、2、都立病院が果たしてきた役割として、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供していることなどを記載してございます。
 3、都立病院の経営状況として、平均在院日数は短縮傾向、病床利用率は低下傾向にあり、医療収支比率、自己収支比率、一般会計繰入金は、近年横ばいで推移しているとされてございます。また、病院運営上の判断を実行に移すまでに、地方公共団体としての手続が求められ、医療ニーズや環境変化に即応することができない場合があるなど、制度面での制約があることを挙げております。
 第2章、医療を取り巻く環境の変化では、1、都における医療需要の変化として、高齢者人口の増加に伴い入院を必要とする医療需要は増加傾向にあることなどを、2、都の医療提供体制として、大学病院など特定機能病院が集積していることや、民間病院、中小病院の割合が高いという特色があること、また、東京都地域医療構想が策定され、各医療機関には役割の検証や病床の機能分化が求められることを挙げております。
 第3章、今後の都立病院が担うべき医療の方向性では、前章に記載されたような医療環境の変革期においても、都立病院が公立病院として都の医療の充実に大きく寄与していくための三つの方向性が提言されてございます。
 恐れ入りますが、一ページおめくりください。
 まず、方向性Ⅰ、行政的医療の安定的かつ効率的な提供でございます。
 提言の内容は、都立病院が担う行政的医療を再点検した結果、現状、いずれの医療課題においても中核を担い、重要な役割を果たしていることから、一点目として、都立病院は、全ての都民のための病院として、都民の健康と生命を守るため、今後とも、行政的医療を安定的かつ効率的に提供していくことを基本的役割とすべきであること、二点目として、都立病院が基本的役割である行政的医療の提供を継続して安定的に果たしていくための経営基盤の強化が必要であることが示されてございます。
 具体的には、今後とも行政的医療を安定的に提供していくことは都立病院の基本的役割であり、医療機関が集積している都心部においては、果たすべき役割や地域の医療提供体制の充足状況を踏まえ、適切な規模の検討が必要であるとされております。
 また、都の医療のセーフティーネットとして行政的医療の中核的な役割を果たしていくには、安定的な経営基盤の確立が前提であり、抜本的な経営基盤の強化策を検討するなど、持続的な運営のための経営基盤の強化が必要であるとされております。
 次に、方向性Ⅱ、特性や専門性を生かした高水準な医療の提供でございます。
 提言の内容は、一点目として、都立病院は、医療の高度化、多様化を図るとともに、高齢化による患者の症状の複雑化に対応するため、都立病院の強みである総合診療基盤を総動員し、都民に専門性を生かした質の高い医療を提供していくべきであること、二点目として、都立病院が一体となり、保有する特性や専門性を一層効果的、効率的に発揮し、都民に還元できる仕組みづくりが必要であることが示されてございます。
 具体的には、希少疾患への対応などで培ってきた専門性を活用した高度、先駆的な技術の開発導入や、合併症への対応など、今後さらに必要となる複数の専門性の組み合わせによる高度な医療を拡充することが必要であるとされております。
 恐れ入りますが、一枚おめくり願います。
 また、豊富な症例や希少疾患への治療実績を活用した臨床研究の推進に取り組むべきであるとされております。
 こうした取り組みを進めるに当たっては、各都立病院の強みを相互に生かす都立病院全体のガバナンス体制の構築など、都立病院の強みの効果的、効率的な発揮に向けた新たな仕組みづくりが必要とされております。
 次に、方向性Ⅲ、地域医療の充実への貢献でございます。
 提言の内容は、一点目として、地域完結型の医療の実現に向け、都立病院は、長年にわたり培った技術やノウハウ、専門性の高い人材などの医療資源を最大限に生かして、地域の状況に応じて地域医療の充実に貢献すべきであること、二点目として、地域医療機関等との機能分化と連携に、より迅速かつ柔軟に対応できる病院運営を実現していく必要があることが示されてございます。
 具体的には、地域医療との切れ目のない医療連携を推進するため、都立病院の人材が地域に出向き、地域医療機関等との活動に柔軟に対応する仕組みの構築や、公社病院とのスケールメリットを生かした連携、ネットワークの推進などが必要であるとされております。
 また、入院早期からの適切な支援など、患者の円滑な転退院、在宅療養移行や、都立病院の人材の地域への派遣等を通じた人材育成など、地域医療機関等への支援の充実に取り組むべきであるとされてございます。
 恐れ入りますが、一枚おめくりください。
 こうした取り組みを進めるに当たっては、医師を中心とした医療連携の取り組みの充実や、職種ごとの問題意識に立った地域医療等への貢献を促す仕組みと体制づくりなど、地域のニーズ、医療提供体制の変化に即応できる運営体制の確保が必要とされております。
 第4章、都立病院の経営のあり方では、都立病院が第3章で提言された三つの方向性に取り組み、公立病院としての使命を果たし続けるためには、経営基盤の強化、持続可能な運営を実現できる体制を早期に構築することが必要であるとされております。
 1、変化に即応する経営基盤の構築として、都立病院が担うべき医療の方向性の明示など、都立病院の役割の明確化と経営意識の改革に取り組むことや、収益力向上や経費圧縮など、あらゆる面から経営力強化に向けた仕組みづくりに取り組む必要があることなどが示されております。
 2、経営形態の検討の必要性として、経営力向上の取り組みの実効性を高めるためには、迅速かつ柔軟な病院経営の意思決定などが不可欠であるが、現行の病院運営においては、組織、定数などの面で制度的な課題が見られるとされております。
 このような状況にある都立病院が安定して経営基盤を確立し、今後も担うべき役割を持続的に果たしていくためには、現行の地方公営企業法の一部適用では限界があり、経営形態の見直しについても検討を進めることが必要であるとされております。
 恐れ入りますが、一枚おめくり願います。3、今後の都立病院にふさわしい経営形態として、新たな経営形態の検討に当たっては、ア、公立病院としての責任を果たせること、イ、効率的かつ効果的な経営の促進の二つの条件を前提とする必要があるとされております。
 こうした前提条件を踏まえ、新公立病院改革ガイドラインで示された各経営形態について、メリット、デメリットを比較考量した結果が示されております。
 一般地方独立行政法人は、公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業で、民間の主体に委ねた場合には、必ずしも実施されないおそれがあるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的とした制度であり、公立病院の責任を果たし、効率的、効果的な経営を図る上で、制度的に最も柔軟で今後の都立病院にふさわしい経営形態であり、今後、移行について検討すべきであるとされております。
 なお、検討に当たっては、経営形態の変更のみをもって経営改善が図られるわけではなく、病院を支える多様な人材が意欲と能力を最大限に発揮できる運営を実現することが重要であること、また、検討を通じて都立病院を支える職員の意識改革の契機とすることなど、留意点が示されております。
 最後に、第5章、新たな都立病院に向けてでは、今後、都立病院は、行政的医療の提供に加え、地域医療構想の実現に向け、率先して取り組むべきであること、また、現在の厳しい経営状況の改善や現下の経営形態においても対応可能な取り組みは速やかに実施すべきであるとされてございます。
 その上で、東京の医療の充実に貢献するという都立病院の存在意義を高められるよう、次代の要請に応える新たな都立病院への改革が都民の理解を得ながら進められることを大いに期待するとされております。
 以上、簡単ではございますが、報告を終わらせていただきます。どうぞお願い申し上げます。

○伊藤委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で病院経営本部関係を終わります。

○伊藤委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○梶原福祉保健局長 平成三十年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 今回ご審議をお願いいたします議案は、平成三十年度予算案四件、平成二十九年度補正予算案一件、条例案三十一件、事件案一件の合計三十七件でございます。
 初めに、平成三十年度予算案についてご説明申し上げます。
 平成三十年度東京都予算案は、将来を見据えて財政の健全性を堅持しつつ、東京二〇二〇大会の成功とその先の未来に向けて、都政に課せられた使命を確実に果たしていく予算と位置づけ、編成をされております。
 この方針に基づき、福祉保健局では、福祉、保健、医療を一体的に提供するとともに、社会環境の変化に迅速かつ的確に対応するため、さまざまな工夫を凝らし、施策の充実を図っております。
 当初予算案のうち、福祉保健局が所管する一般会計歳出予算は総額一兆一千五百三十八億五千四百万円、二十九年度に比べ四十四億一千八百万円、〇・四%の増となっております。
 さらに、特別会計が三つございまして、まず、来年度新たに設置をいたします国民健康保険事業会計が予算額一兆一千二百八億一千四百万円、次に、母子父子福祉貸付資金会計が予算額四十億六千百万円、最後に、心身障害者扶養年金会計が予算額四十五億八千四百万円となっております。
 分野ごとの取り組みについて簡単に紹介させていただきますと、まず、子供家庭分野では、待機児童の解消に向け、サービス基盤の整備を加速するとともに、サービスを支える人材確保の取り組みを強化するほか、安心して産み育てることができる環境づくりや特別な支援を要する子供と家庭に対する支援の充実に努めてまいります。
 高齢者分野では、介護人材の確保、定着等を図るための取り組みや認知症高齢者へのさらなる支援など、地域包括ケアシステムの構築をより一層推進するとともに、特別養護老人ホームなどの介護サービス基盤の整備を促進してまいります。
 障害者分野では、共生社会の実現に向け、グループホームなど障害者や障害児が地域で安心して暮らせる基盤の整備や障害者の就労を支援するとともに、障害者差別の解消に向けた取り組みを進めてまいります。
 生活福祉分野では、区市町村と連携しながら、低所得者などの生活の安定に向けた支援を行うとともに、福祉人材の確保、育成や、福祉のまちづくりに取り組んでまいります。
 保健政策分野では、生活習慣病対策などにより都民の健康づくりを支援するとともに、がん検診の受診促進や受動喫煙防止対策、自殺対策などに取り組んでまいります。
 医療政策分野では、都民の安全と安心を守る救急、災害医療体制を充実するとともに、将来あるべき医療提供体制の実現に向け、医療と介護の連携を進め、在宅療養を支援する体制づくりに努めてまいります。また、がん医療、小児医療、周産期医療などの取り組みも着実に推進してまいります。
 健康安全分野では、梅毒など性感染症の予防啓発や検査等の取り組みを強化するとともに、食品の安全確保や危険ドラッグ対策など、多様化する健康危機から都民を守る施策を進めてまいります。
 次に、平成二十九年度最終補正予算案についてご説明申し上げます。
 一般会計歳入歳出予算の補正でございますが、内容は、待機児童の解消に向けて保育サービスの基盤を整備するため、待機児童解消区市町村支援事業の増額補正を行うもののほか、予算の執行状況を踏まえ、減額補正を行うものなどがございます。
 続きまして、条例案の概要をご説明申し上げます。
 本定例会に提案を予定しております条例案三十一件の内訳は、新たに制定する条例案が一件、改正する条例案が二十七件、廃止する条例案が三件でございまして、介護保険法やいわゆる障害者総合支援法等に基づくサービス等の基準に係る規定を整備するもののほか、心身障害者医療費助成制度の対象に精神障害者を加えるもの、都立施設改革に伴い都立施設を廃止するものなどがございます。
 続きまして、事件案でございますが、地方独立行政法人法の規定に基づき、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの中期計画を認可するものでございます。
 なお、詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。
 以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○後藤総務部長 それでは、私の方から議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、平成三十年度予算案でございます。お手元の資料、平成三十年度当初予算概要によりご説明申し上げます。
 表紙に続きまして、目次を三枚おめくりいただきますと、平成三十年度福祉保健局所管予算の概要でございます。
 1、一般会計のほか、2、特別会計といたしまして、国民健康保険事業会計、母子父子福祉貸付資金会計、心身障害者扶養年金会計の三つの特別会計がございます。
 以下、会計別にご説明させていただきます。
 まず、一般会計でございます。
 次の一般会計でございます青色の中扉をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
 歳出の計欄をごらんいただきたいと思います。平成三十年度は一兆一千五百三十八億五千四百万円で、二十九年度当初予算に比べまして四十四億一千八百万円、〇・四%の増となっております。
 次に、歳入でございますけれども、表の下から二段目、特定財源の計欄をごらんいただきたいと思います。平成三十年度は一千七百八十二億四千三百二十万五千円でございまして、平成二十九年度当初予算と比べまして百六十一億五千五百五十万八千円、八・三%の減となってございます。
 二ページをお開きいただきたいと思います。Ⅱ、職員定数でございます。
 表の一番下、合計欄にございますように、平成三十年度の職員定数は四千百二名でございまして、二十九年度と比較いたしまして四十七名の減員となってございます。
 主な増減員の内訳は、表の右側にお示ししております。
 隣の三ページから、Ⅲ、事項別内訳といたしまして科目別に記載してございます。
 以下、主要な事業につきまして、新規事業を中心にご説明を申し上げます。
 四ページをお開き願います。6、東京都地域福祉支援計画推進委員会の運営でございます。
 都内全域で地域福祉を推進していくため、今年度末に策定いたします東京都地域福祉支援計画の進行管理及び施策の検討を行います。また、区市町村を対象といたしまして、地域福祉支援計画に係る情報共有の場を設けまして、普及啓発を図ってまいります。
 その下の7、ICTを活用した福祉職場働き方改革推進事業でございます。
 福祉職場における業務の効率化や利用者サービスの向上に向けまして、ICT導入が効果を発揮する仕組みなどを検討するため、福祉職場におけるICT導入の現状を調査いたしまして、先進事例の収集や業務分析などを行ってまいります。
 一六ページをお開き願います。一六ページ一番下、(6)、大規模イベント時における医療提供体制の強化でございます。
 東京二〇二〇大会などの都が主催いたします大規模イベント開催時の自然災害、テロ等の発災直後における関係機関との連携体制や医療チームの派遣方法につきまして検討を行いまして、平成二十一年四月に作成いたしました東京都が主催する大規模イベントにおける医療・救護計画ガイドラインを改定するなど、医療救護体制を充実してまいります。
 隣の一七ページ、(7)、SCUにおける体制の強化でございます。
 大規模な災害が発生した際に、傷病者を円滑に被災地の域外に搬送するための航空機搬送拠点臨時医療施設、いわゆるSCUの体制を強化いたしまして、広域医療搬送体制の充実を図ってまいります。
 一九ページをお開き願います。(6)、緩和ケア推進事業でございます。
 がんと診断されたときから、治療、在宅医療などの各場面で切れ目なく適切な緩和ケアが受けられるよう施策の充実に向けて、都内の医療機関における緩和ケアの実態把握のための調査を行います。
 その下の(7)、AYA世代等がん患者支援事業でございます。
 都内の十五歳から三十歳前後の思春期、若年成人、いわゆるAYA世代のがん患者への医療の提供の実態や患者ニーズ等を把握するための調査を行い、適切な医療提供体制や相談支援体制の構築や、必要な情報提供等のあり方に関して検討いたしまして、AYA世代のがん患者に対する医療等の充実を図ってまいります。
 その下、(8)、がん患者の治療と仕事の両立支援事業でございます。
 がん患者の治療と仕事の両立を支援いたしまして、都民がライフスタイルに沿ったがん治療を受けることができるようながん医療提供体制を構築するための検討会を設置いたしますとともに、がん患者の就労等に関する実態調査を実施いたします。
 二〇ページをお開き願います。(4)、入退院時連携強化事業でございます。
 医療機関で円滑な退院支援に対応できる人材を育成するとともに、地域との入退院連携を担う人材を配置する医療機関に対して支援を行うことで、円滑な在宅療養移行体制の整備を図ってまいります。
 一番下、(6)、在宅医療参入促進事業でございます。
 今後見込まれる在宅医療等の需要増に対応するため、訪問診療を実施していない医師を対象に、在宅医療に関する基礎的な知識や地域における二十四時間往診体制の手法などの研修を実施いたしまして、在宅医療の重要性について認識を深めていただき、地域の医師の在宅医療への参入を促進してまいります。
 二二ページをお開きいただきたいと思います。(17)、外国人旅行者等への医療情報提供体制整備でございます。
 民間医療機関における外国人患者受け入れ体制の充実に向けまして、平成三十年度からは、救急通訳サービスに新たにフランス語を追加いたしますとともに、外国人患者の受け入れ体制を議論するための協議会を設置するほか、都内でも特に外国人の多い地域において、地域の特性に応じた外国人患者受け入れ体制を構築してまいります。
 三〇ページをお開き願います。三〇ページ一番下、(6)、SNS自殺相談でございます。
 若年層向けの自殺防止対策を強化いたしますため、近年、若者のコミュニケーション手段として浸透しておりますSNSを活用した自殺相談をモデル実施いたします。
 三二ページをお開き願います。(4)、がん予防、検診等実態調査でございます。
 今後の効果的ながん対策の立案に向けまして、都民のがん検診に対する意識や職域での検診の実施状況につきまして調査を実施いたします。
 隣の三三ページの(2)、受動喫煙防止対策の推進でございます。
 受動喫煙防止対策を推進するため、都民や東京を訪れる方に対しまして普及啓発を実施するともに、喫煙専用室設置に係りますアドバイザーの派遣や相談窓口の設置など、事業者及び区市町村に対する支援を行います。
 三八ページをお開き願います。三八ページ、1の心身障害者(児)医療費の助成でございます。
 平成三十年度からは、対象者に精神障害者保健福祉手帳一級所持者を加えまして、障害者の保健の向上及び福祉の増進を図ってまいります。
 四一ページをお開き願います。(8)、国民健康保険新制度移行支援事業でございます。
 国民健康保険制度改革に伴いまして、新たな制度への円滑な移行を図りますため、都独自に区市町村に対する財政支援を行うものでございます。
 その下の(9)、国民健康保険事業会計繰出金でございます。
 都が保険者として事務を行う上で必要となります人件費及び事務費を、新たに設置いたします国民健康保険事業会計に繰り出すものでございます。
 四六ページをお開き願います。7、心のバリアフリーサポート企業連携事業でございます。
 心のバリアフリーの推進に向けまして、従業員向けの研修などに取り組むとともに、都や区市町村の取り組みに協力する企業を心のバリアフリーサポート企業として登録いたしまして、その取り組み状況をホームページ等で公表してまいります。
 五九ページをお開き願います。五九ページ、(10)、住み慣れた地域での居場所づくり事業でございます。
 高齢者の相談機能と障害者や子供など多様な都民が集える交流機能をあわせ持ち、地域のネットワークとなる拠点を整備する区市町村を支援いたします。
 その次、(11)、ICTを活用した地域包括ケアシステムの構築モデル事業でございます。
 地域包括ケアシステムのモデルケースの一つとして、ICTを活用したサービスつき高齢者住宅を拠点とした地域の見守り体制の構築を支援いたします。
 六〇ページをお開き願います。(12)、人生一〇〇年時代セカンドライフ応援事業でございます。
 高齢者の誰もが地域で活躍できる社会を実現するため、高齢者の生きがいづくりや自己実現の機会を提供する区市町村の取り組みを支援してまいります。
 隣の六一ページ、(7)、認知症とともに暮らす地域あんしん事業でございます。
 認知症の初期から中重度となりましても住みなれた地域で安心して生活が続けられるよう、認知症の段階に応じまして、適切な支援体制を構築してまいります。
 六三ページをお開き願います。一番下、(6)、介護職員奨学金返済・育成支援事業でございます。
 事業者が、新卒者など若手常勤介護職員の奨学金返済相当額を手当として支給する場合に要する経費の一部を支援することによりまして、介護人材の確保、定着を図ってまいります。
 六四ページをお開き願います。(11)、東京都区市町村介護人材緊急対策事業費補助金でございます。
 区市町村が取り組む介護人材対策への支援を行うことによりまして、地域の特色を踏まえたきめ細かな人材の確保、定着、育成を図ってまいります。
 隣の六五ページの一番上になりますけれども、(13)、外国人技能実習制度に基づく外国人介護実習生の受入支援事業でございます。
 介護職種の外国人技能実習生を受け入れる特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの高齢者施設に対しまして、実習生への技能移転及び日本語学習に要する経費の一部を支援いたします。
 その次、(14)、次世代介護機器の活用支援事業でございます。
 介護事業所での次世代介護機器の適切な使用及び効果的な導入を支援することによりまして、介護職員の定着及び高齢者の生活の質の向上を図ってまいります。
 さらにその次、(15)、ICT機器活用による介護事業所の負担軽減支援事業でございます。
 居宅サービス事業所における介護業務の負担軽減に資するICT化を支援いたしまして、離職率の低下や職場環境の改善による介護人材の定着を図ってまいります。
 六八ページをお開き願います。六八ページ、(6)、介護施設内保育施設運営支援事業でございます。
 都内の介護施設及び介護事業所が運営する職員のための保育施設を支援することによりまして、介護従事者等の離職防止及び再就業を促進いたします。
 その次、(7)、老健ショートステイ機能活用促進事業でございます。
 在宅介護の支援強化のため、介護老人保健施設の特性を生かしたショートステイに関する情報発信の取り組みを支援するとともに、介護支援専門員などの理解促進に向けたパンフレットを作成するほか、研修会を実施いたします。
 一番下、7、高齢社会対策区市町村包括補助事業でございます。
 平成三十年度は、介護職員宿舎借り上げ支援事業を新たなメニューとして追加いたしまして、地域密着型サービス事業所に従事する介護職員の住宅借り上げを支援することで、介護人材の確保、定着を図りますとともに、施設による防災の取り組みを計画的に進めまして、地域の災害福祉拠点として災害時の迅速な対応を推進してまいります。
 七七ページをお開き願います。七七ページ、11、子供食堂推進事業でございます。
 子供食堂を運営している事業者や区市町村等に対しまして、運営経費の一部を支援いたしまして安定的な実施環境を整備することで、地域に根差した子供食堂の活動を支援してまいります。
 その次、12、空き家を活用した子育て親子の交流スペース創設事業でございます。
 地域の子育てサークルやNPO法人等が空き家や空き店舗を活用して行う子育てに関する情報交換や交流イベント等を支援する区市町村を支援してまいります。
 八〇ページをお開き願います。八〇ページ一番下、30、保育人材確保支援事業でございます。
 保育の受け皿拡大に伴って必要となります保育人材を確保するため、区市町村が行います新規資格取得者の確保、就業継続支援、離職者の再就職支援などの取り組みを支援してまいります。
 隣の八一ページ、33、元気高齢者など多様な人々が輝く子育て支援員等の確保促進事業でございます。
 保育人材不足解消に向けまして、高齢者や主婦等を積極的に雇用するため、子育て支援員研修受講者等の東京都福祉人材情報バンクシステム、ふくむすびへの登録を促進してまいります。
 八四ページをお開き願います。八四ページ一番上、46、産後ケア支援事業でございます。
 退院直後の母子に対して、心身のケアや育児のサポート等を行うなど、産後に安心して子育てができる支援体制を確保する区市町村を支援してまいります。
 その次、47、産婦健康診査支援事業でございます。
 産後鬱の予防などの観点から、出産後間もない時期の産婦に関する健康診査を実施する区市町村を支援してまいります。
 さらにその次、48、在宅子育てサポート事業でございます。
 保育サービスを利用していない生後一歳未満の子を持つ家庭を対象に、家事支援サービスの利用を支援することで保護者の負担を軽減するとともに、要支援家庭の早期発見や要支援家庭への移行の未然防止を図ってまいります。
 九三ページをお開き願います。23、森と自然を活用した保育推進事業でございます。
 保育の質的向上を促進するとともに、子供の生きる力を育むため、保育所などが実施いたします自然環境を活用した園外活動への支援を行います。
 九四ページをお開き願います。27、待機児童解消区市町村支援事業でございます。
 この事業は、保育の実施主体である区市町村が待機児童の解消に向けて地域の実情に応じて実施する事業を広く支援いたしまして、保育サービスの拡充への取り組みを加速させていくものでございますけれども、今年度の区市町村の取り組みが進んでおりますことから、平成三十年度は予算を大幅に増額いたしまして、区市町村における保育サービスの拡充に向けた取り組みをさらに一層支援してまいります。
 その次、28、区市町村認可居宅訪問型保育促進事業でございます。
 地域型保育事業の一つでございます居宅訪問型保育事業における区市町村の財政負担の軽減を図ることで、居宅訪問型保育事業の活用促進を図ってまいります。
 その次、29、緊急一歳児受入事業でございます。
 新設の認可保育所の空き定員や余裕スペースを活用いたしまして、一歳児を緊急的に受け入れる区市町村の取り組みを支援してまいります。
 九六ページをお開き願います。37、認証化移行支援事業でございます。
 認証保育所への移行を目指す認可外保育施設に対しまして、運営費や改修費などの一部を支援することによりまして、認可外保育施設における保育の質を確保いたしますとともに、待機児童解消に向けました受け皿の拡大を図ってまいります。
 隣の九七ページの39、ベビーシッター利用支援事業でございます。
 待機児童を抱える保護者や育児休業を一年取得された保護者の復職を支援いたしますため、認可外のベビーシッターを利用する場合の利用料の一部を支援してまいります。また、あわせまして、事業の担い手となりますベビーシッターの養成、確保も図ってまいります。
 一〇二ページをお開き願います。一〇二ページ、(2)、障害者施策推進区市町村包括補助事業でございます。
 平成三十年度は、新たに障害児支援体制整備促進事業をメニューに追加いたしまして、区市町村がそれぞれの障害児福祉計画に基づいて実施する取り組みを支援することによりまして、地域の実情に応じた障害児支援の体制整備の促進を図ってまいります。
 隣の一〇三ページ、(5)、区市町村ネットワークによる共同受注体制の構築でございます。
 障害者就労施設の受注の拡大と工賃向上を図りますため、共同受注推進協議会を設置いたしまして、共同受注体制の構築や民需及び官公需の開拓を行ってまいります。
 一〇四ページをお開き願います。(8)、精神障害者就労定着連携促進事業でございます。
 精神障害者の就労定着支援の充実に向けまして、就労移行支援事業所などに対しまして、医療機関との情報交換技術の向上のための研修を実施いたしますとともに、関係機関との連携を進めるための精神障害者就労定着支援連絡会を設置いたしますほか、医療機関、企業などと連携いたしまして、就労支援を行うモデル事業を実施してまいります。
 その次、(9)、就労継続支援A型事業所経営改善支援事業でございます。
 就労継続支援A型事業所に対しまして、経営改善セミナーの実施やアドバイザーの派遣などによりまして、企業的経営手法の導入を図ることで、収益性の向上や業務の効率化など、適正な事業所運営に向けた取り組みを支援してまいります。
 一〇六ページをお開き願います。(8)、医療的ケア児訪問看護推進モデル事業でございます。
 医療的ケアを必要とする障害児の訪問看護に対応できる訪問看護ステーションの拡大を図りますため、ノウハウを有する訪問看護ステーションが新規参入事業所や未実施事業所に対しまして、同行訪問等の研修や運営相談等を行うモデル事業を実施いたします。
 一〇九ページをお開き願います。(4)、発達障害者生活支援モデル事業でございます。
 医療的な支援を必要とする青年期、成人期の発達障害者を対象といたしました専門的なプログラムによる支援手法の標準モデルを作成し、マニュアル化するとともに、その普及啓発を通じまして、発達障害者の自立生活に向けました支援体制の整備を図ってまいります。
 一一〇ページをお開き願います。下から二番目、(1)、障害者支援施設等支援力育成派遣モデル事業でございます。
 障害者支援施設やグループホームにおける利用者の高齢化や障害の重度化等への対応力を向上させるため、専門職等を派遣いたしまして、施設の支援力強化を図ってまいります。
 その次、(2)、グループホーム従事者人材育成支援事業でございます。
 グループホームの従事者に対しまして、利用者支援に必要な知識を習得するための研修を実施することで、グループホームのサービスの質の向上を図ってまいります。
 隣の一一一ページでございます。(3)、障害福祉サービス等職員宿舎借り上げ支援事業でございます。
 福祉避難所に指定されている施設に対しまして、職員住宅の借り上げに要する経費の一部を支援することで、人材の確保、定着を図りますとともに、地域の災害福祉拠点として災害時に迅速に対応できるよう、施設における計画的な防災の取り組みを推進してまいります。
 その次、(4)、代替職員の確保による障害福祉従事者の研修支援事業でございます。
 障害福祉サービス事業所などが職員に研修などを受講させる場合に、受講期間中の代替職員を派遣することで、福祉介護職員の資質向上を図ってまいります。
 その次、(5)、現任障害福祉サービス等職員資格取得支援事業でございます。
 障害福祉サービス事業所などで働く職員が国家資格を取得する際に必要となります経費の一部を支援することによりまして、職員の育成及びサービスの質の向上を図ってまいります。
 さらにその次、(6)、障害福祉サービス等事業者に対する経営管理研修事業でございます。
 障害福祉サービス事業所などの経営者等に対しまして、人材マネジメント等の研修を実施することで、事業所における職員の定着や資質向上を図ってまいります。
 一一四ページをお開き願います。イ、ICTによる聴覚障害者コミュニケーション支援事業でございます。
 ICTを活用した遠隔手話通訳などを都庁内で試行いたしますとともに、その普及啓発を通じまして、聴覚障害者の社会参加を推進してまいります。
 次に、一番下、(4)、失語症者向け意思疎通支援者養成事業でございます。
 失語症のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等が自立した日常生活、社会生活を営むことができるよう、失語症者向け意思疎通支援者の育成を図ってまいります。
 一三一ページをお開き願います。一三一ページ上から二番目、(2)、墓地等許可状況等調査でございます。
 地域の実情に応じた適切な墓地等の管理のため、都内の墓地等の許可、供給状況の調査を行います。
 一三四ページをお開き願います。一番下の(2)、性感染症対策でございます。
 性感染症の予防啓発や検査など総合的な対策を実施しておりますけれども、平成三十年度は、近年、年間患者報告数が増加しております梅毒に関する対策を強化いたしまして、感染の拡大防止を図ってまいります。
 一四四ページをお開き願います。23、認知症高齢者グループホーム緊急整備でございます。
 多様な設置主体によります認知症高齢者グループホームの整備を進めますとともに、整備率の低い地域には重点的緊急整備地域として加算を設けまして、整備に一層の促進を図っておりますけれども、平成三十年度からは、重点的緊急整備地域を拡大いたしますとともに、建築価格高騰に対する加算、いわゆる高騰加算も実施してまいります。
 一四六ページをお開き願います。29、地域密着型サービス等重点整備事業でございます。
 区市町村が行います地域密着サービス拠点やショートステイなどの整備に要する経費の一部を支援することによりまして、地域密着型施設の整備促進を図っておりますけれども、認知症高齢者グループホーム緊急整備と同様、来年度からは、高齢加算を実施してまいります。
 右側の一四七ページ、31、介護老人保健施設の整備でございます。
 介護老人保健施設の整備に要する経費の一部を支援することによりまして、整備の促進を図りますとともに、整備率の低い地域に整備費を加算いたしまして、地域偏在の緩和、解消を目指しておりますけれども、来年度からは、大規模改修に係る経費の支援を実施してまいります。
 一四九ページをお開き願います。一番下、(1)、障害者(児)施設整備助成(重点的整備)でございます。
 障害者の地域生活を支えるサービス基盤の充実を図りますため、施設整備に係ります設置者負担の特別助成を実施いたしまして、グループホーム等の整備を促進してまいります。
 次に、特別会計になります。
 一五七ページをお開き願います。まず、国民健康保険事業会計でございます。
 国民健康保険事業につきましては、これまで区市町村が個別に運営してまいりましたけれども、平成三十年度からは、財政運営の責任主体が都道府県に移ることになりますことから、新たに国民健康保険事業会計を設置いたします。
 このページでは、本会計における職員定数を記載してございます。
 平成三十年度の職員定数は六名でございます。
 一五八ページをお開き願います。国民健康保険事業会計には、国民健康保険法に基づきます保険給付等に要する経費といたしまして、一兆一千二百八億一千四百万円を計上しております。
 一六三ページをお開き願います。次に、母子父子福祉貸付資金会計でございます。
 母子及び父子並びに寡婦福祉法に基づく母子、父子福祉資金の貸し付けに要する経費といたしまして、四十億六千百万円を計上しております。
 一六五ページをお開き願います。最後になりますけれども、心身障害者扶養年金会計でございます。
 東京都心身障害者扶養年金条例を廃止する条例に基づく年金給付等に要する経費といたしまして、四十五億八千四百万円を計上しております。
 平成三十年度予算案は以上でございます。
 続きまして、平成二十九年度補正予算案についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料、平成二十九年度最終補正予算概要をごらんいただきたいと思います。
 まず、一ページをお開きいただきたいと思います。Ⅰ、総括表でございます。
 左側の(1)、歳入予算の補正予算額欄をごらんいただきたいと思います。
 国庫支出金で三十七億八千六百五十七万七千円の減額、繰入金で五十億九千二百四十六万円の減額、諸収入で二千百三十五万一千円の減額など、合計で八十九億六千八百三十八万八千円の減額でございます。これらによりまして、補正後の歳入合計は一千八百五十四億三千三十二万五千円となります。
 右側の(2)、歳出予算の補正予算額欄をごらんいただきたいと思います。
 福祉保健費で三百五十四億一千三百五十七万五千円の減額、諸支出金で四十億三千四百十三万七千円の増額、合計で三百十三億七千九百四十三万八千円の減額でございます。これらによりまして、補正後の歳出合計は一兆一千百八十億五千六百五十六万二千円となります。
 二ページをお開き願います。Ⅱ、事項別内訳の1、待機児童解消区市町村支援事業でございますけれども、待機児童の解消に向けまして、保育の実施主体であります区市町村が地域の実情に応じて実施する事業を支援する経費といたしまして、九十億五千百八十九万七千円を計上しております。
 隣の三ページから二二ページにかけましては、歳入歳出予算の更正を行います経費につきまして歳出科目ごとに記載してございます。
 二三ページまで飛びますけれども、お開き願います。二三ページ、3、国庫支出金返納金でございます。
 精算の結果、受け入れが超過いたしました国庫支出金の返納に要する経費といたしまして、四十億三千四百十三万七千円を計上しております。
 最終補正予算案は以上でございます。
 続きまして、条例案についてご説明を申し上げます。
 本定例会に提出を予定しております条例案は、先ほど局長が申しましたように、新たに制定するものは一件、一部を改正するものが二十七件、廃止するものが三件の合計三十一件でございます。
 お手元の資料、平成三十年第一回東京都議会定例会条例案及び事件案の概要に沿いましてご説明を申し上げます。
 一ページをお開き願います。整理番号1が新たに制定する条例案でございまして、東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例でございます。
 介護保険法の改正に伴いまして、新たな介護保険施設となります介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準を定めるものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 次の整理番号2から、一一ページの整理番号28までの二十七件が一部を改正する条例案でございまして、まず、整理番号2、東京都養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例から、四ページの整理番号9、東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例までの八件についてでございます。
 これらは国の指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の施行によります養護老人ホームなど各種施設、サービスの基準の改正に伴いまして、身体的拘束等の適正化を図るための措置を義務づける規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 これらの条例の施行日は、平成三十年四月一日及び平成三十年十月一日を予定しております。
 続きまして、四ページ、整理番号10、東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例から、隣の五ページの整理番号12、東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例までの三件につきましては、国の児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の施行によります児童福祉施設等の基準の改正に伴いまして、福祉型障害児入所施設等の基準を改めるほか、規定を整備するものでございます。
 これらの条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 六ページをお開き願います。整理番号13、東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例から、整理番号15、東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例までの三件につきましては、国の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の施行によります指定障害福祉サービス等の基準の改正に伴いまして、共生型居宅介護等の基準に係る規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 これらの条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 続きまして、隣の七ページの整理番号16、児童福祉法施行条例の一部を改正する条例から、八ページの整理番号19、東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例までの四件につきましては、児童福祉法の改正に伴いまして、引用条文を改めるものでございます。
 これらの条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 次に、八ページの下になりますけれども、整理番号20、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例でございます。
 介護保険法の改正に伴いまして、介護医療院の開設許可等の申請に係る手数料の規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 整理番号21、東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 国の医療法施行規則の一部を改正する省令の施行等に伴いまして、二次保健医療圏ごとの病床数の算定に係ります規定を改めますほか、規定を整備するものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 隣の九ページの整理番号22、心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 一定の要件を満たす精神障害者を医療費助成の対象者に加えますほか、規定を整備するものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十一年一月一日及び公布の日を予定しております。
 整理番号23、東京都国民健康保険広域化等支援基金条例の一部を改正する条例でございます。
 国民健康保険法の改正に伴いまして、東京都国民健康保険広域化等支援基金を廃止する必要が生じますことから、条例の失効等に係る規定を設けるものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 整理番号24、東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都国民健康保険財政安定化基金の運用益金を、東京都国民健康保険事業会計に計上するため、規定を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 一〇ページをお開き願います。整理番号25、介護保険法施行条例の一部を改正する条例でございます。
 介護保険法の改正に伴いまして、指定居宅介護支援事業者の指定権限が東京都から区市町村に移譲されますため、指定居宅介護支援事業者の指定の欠格事由に係る規定を削除するものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 整理番号26、東京都認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 国の内閣総理大臣、文部科学大臣及び厚生労働大臣が定める施設の設備及び運営に関する基準の改正に伴いまして、引用条文を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 整理番号27、東京都児童相談所条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都八王子児童相談所の移転に伴いまして、位置を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年五月二十一日を予定しております。
 隣の二一ページにありますけれども、整理番号28、東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 都立施設改革によりまして、東京都東村山福祉園を社会福祉法人に移譲することに伴いまして、規定を整備するものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 次の整理番号29から整理番号31までが廃止する条例案でございます。
 まず、整理番号29、東京都国民健康保険調整交付金条例を廃止する条例でございます。
 国民健康保険法の改正によりまして、都道府県が交付いたします国民健康保険調整交付金が廃止されることに伴いまして、条例を廃止するものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 整理番号30、東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例を廃止する条例でございます。
 介護保険法の改正に伴いまして、指定居宅介護支援事業者の指定権限が東京都から区市町村に移譲されますため、条例を廃止するものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 整理番号31、東京都立ナーシングホーム条例を廃止する条例でございます。
 都立施設改革によりまして、東京都東村山ナーシングホームを廃止することに伴いまして、条例を廃止するものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年四月一日を予定しております。
 続きまして、事件案一件につきましてご説明を申し上げます。
 一二ページをお開き願います。整理番号1、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期計画の認可についてでございます。
 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが、地方独立行政法人法第二十六条の規定に基づいて作成いたしました中期計画につきまして、知事が認可するに当たりまして、同法第八十三条の規定に基づきまして、都議会にお諮りするものでございます。
 中期計画の期間は、平成三十年四月一日から平成三十五年三月三十一日までの五年間としておりまして、中期計画の項目といたしましては、都民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標や業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置などを定めるものでございます。
 それぞれの議案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、平成三十年第一回東京都議会定例会条例案及び事件案をごらんいただきたいと存じます。
 以上、雑駁ではございますけれども、提出を予定しております議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○藤田委員 十点の資料をお願いいたします。
 一つ目、二次保健医療圏別NICU病床整備状況。
 二つ目、療養型施設数及び療養病床数、医療保険適用、介護保険適用の推移。
 三つ目、地域密着型サービスの事業所数の推移。
 四つ目、地域包括支援センターの設置状況。
 五つ目、障害者グループホームの定員数。
 六つ目、被爆者の子の健康診断受診票の交付数と一般検査の受診者数及びがん検診の種類別受診者数の推移。
 七つ目、全包括補助事業、各メニューの区市町村別実施状況。
 八つ目、都内障害者グループホームの各種国加算算定状況。
 九つ目、ベビーシッターの利用支援事業の従事者の要件。
 十個目に、東京都健康長寿医療センター及び福祉保健局所管の各管理団体において、二〇一三年四月一日以降、継続して雇用されている有期雇用労働者で、契約期間が二〇一八年三月三十一日までの者及び二〇一八年四月一日以降の日までの者の人数及び各団体の労働契約法における有期労働契約の無期労働契約への転換の規定への対応方針。
 以上です。お願いします。

○伊藤委員長 ただいま藤田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時二十四分休憩

   午後二時四十一分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願二九第四一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○矢内保健政策部長 お手元にお配りしております請願審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号1番、請願二九第四一号は、文京区の一般社団法人東友会代表理事の大岩孝平さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において、高齢化、病弱化が進む原爆被爆者の実情に見合った事業の実施ができるよう、原子爆弾被爆者健康指導事業委託事業費を支給していただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 原子爆弾被爆者健康指導事業は、被爆者の健康の保持、増進及び福祉の向上を図ることを目的として、一般社団法人東友会に委託して実施しており、被爆者の高齢化が進む中、医療生活相談や訪問相談指導等について必要な経費を確保しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○古城委員 請願二九第四一号に関連して、原子爆弾被爆者健康指導事業について質問いたします。
 広島、長崎での原子爆弾投下による原爆被害から七十三年となります。請願の願意にあるとおり、原爆被害者の方々におかれては高齢化、病弱化が進み、支援の重要性はより高まっており、この健康指導事業を通じた被爆者への適切な対応が不可欠です。
 まず、本事業の委託事業の内容と委託事業費の内訳を伺います。

○矢内保健政策部長 原子爆弾被爆者健康指導事業では、医師や専門相談員などによる相談、医療講演会、介護保険利用の手引書の作成などの普及啓発事業、相談員の育成、被爆者の慰霊事業などを実施しております。
 主な事業経費の内訳は、相談事業が約千二百六万円、医療講演会が約九万円、普及啓発に関する経費が約二百万円、相談員の育成が約五十四万円、慰霊事業が百万円となっております。

○古城委員 ありがとうございます。被爆者の方々の高齢化が進む中で、本事業の役割はますます重要になると考えます。
 そこで、都の見解を求めます。

○矢内保健政策部長 被爆者の高齢化が進む中で、被爆者の健康の保持及び不安の軽減を図ることを目的といたしました本事業は、東京都といたしましても重要であると認識しております。

○古城委員 ありがとうございます。東京都においても重要であるというご認識をお示しいただきました。
 以上で、質問を終わります。

○藤田委員 請願二九第四一号について、原子爆弾被爆者健康指導事業について、私からは、意見表明をさせていただきます。
 今請願には、全ての会派から紹介議員の皆さんが署名されています。請願書の願意と被爆者の思いに寄り添っているからだと認識しています。
 広島、長崎に原子爆弾が投下されて、ことしで七十三年目を迎えます。昨年七月七日、歴史上初めて核兵器に悪の烙印を押し、核兵器を違法化し、核抑止力論を全面的に否定する核兵器禁止条約が百二十二カ国の賛成により採択されました。
 長年の核兵器のない世界を求める世界的な運動の成果であり、歴史的、画期的な快挙です。核兵器禁止条約の実現に最も尽力したのは被爆者であり、その人々の健康の保持と向上を図ることが、この事業の役割であると思います。
 都内在住の被爆者の平均年齢は八十・六歳なりました。請願理由にもあるように年々高齢化し、相談内容も介護に関することが非常に多くなっているとのことです。
 被爆者の方々は、筆舌に尽くしがたい痛みや苦しみ、不安の中で生き抜いてこられました。誰にも相談できなかった方やひとり暮らしの方も多く、この事業はそうした被爆者の方の不安の軽減と、今を生きる上で必要な制度が活用できるよう援助しています。これは相談の件数だけではあらわせない、力の必要なものとなっています。
 また、東友会への相談は、高齢被爆者とその家族から寄せられています。この実態を見て、東友会は家族や被爆二世などにも被爆者政策を知ってもらうことが重要だと考え、この委託事業で出している刊行物、常緑樹と、相談のしおり以外にも、被爆者援護法・都被爆者援護条例25のポイントを作成し、被爆者と医療機関、介護保険関連施設に無料で配布しています。
 東友会は、委託事業と関連するこれらの事業を行うために、委託費とは別に毎年二千万円を超える費用を支出しているとのことです。
 被爆二世についても、都は、健康診断に項目を追加し、がん検診を無料で実施できることなど先駆的な政策を講じています。被曝二世は年々増加し、最高齢は七十一歳です。被爆者同様、将来健康不安などの問題を抱えることが予測されます。
 実際、現在でも、被爆二世からは年間二千五百件から三千件の相談を受けているとのことでした。
 東京都におかれましては、委託事業での被爆二世への対応も含めて考慮し、実態に見合ったものとして検討する必要があると思います。
 被爆者のために、被爆者みずからが相談、啓蒙活動に取り組んでいるこの事業を、今後も維持、継続できるよう、実態に見合った増額も要望いたします。
 よって、本請願の採択を呼びかけまして、私からの意見表明を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。よって、請願二九第四一号は趣旨採択と決定いたしました。

○伊藤委員長 次に、請願二九第四六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○加藤子供・子育て施策推進担当部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いましてご説明をさせていただきます。
 三ページをお開き願います。整理番号2番、請願二九第四六号、東京の待機児童の解消と保育の質の向上を求めることに関する請願は、新宿区の公的保育・福祉を守る東京実行委員会の丸山麻利子さん外六万一千五百四十三人の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第一に、公立保育所を含む認可保育園の増設を基本とした待機児童解消施策を進めること。
 第二に、都内で働く全ての保育園に従事する職員が安心して働き続けられるよう、処遇や労働条件を改善するための補助制度を拡充すること。
 第三に、子供の健やかな発達を保障できる保育環境や安全基準を定めたガイドラインを策定すること。
 第四に、子供が必要な保育を受けられるよう、保育予算の増額を求める意見書を国に提出することという内容でございます。
 現在の状況でございますが、第一につきましては、都は、保育の実施主体でございます区市町村が地域の実情を踏まえ、認可保育所や認証保育所、認定こども園、小規模保育事業など、多様な保育サービスを拡充できるようさまざまな支援を行っております。
 第二につきましては、国は、保育士の処遇改善を図るため、平成二十九年度から二%相当の処遇改善を行うとともに、保育士として技能、経験を積んだ職員につきまして四万円程度の追加的な処遇改善を行ってございます。
 都は、保育人材の確保、定着を図るため、平成二十七年度からキャリアパスの導入に取り組む事業者への独自の補助を実施しておりまして、平成二十九年度からは、各施設の財務情報等の公表や非常勤職員の賃金改善を行うことなどを条件にいたしまして、補助の拡充を図っております。
 第三につきましては、職員配置や必要な面積などの認可及び認定の基準は、認可保育所及び認定こども園は都道府県が、小規模保育事業や家庭的保育事業等の地域型保育事業は区市町村が、それぞれ児童福祉法に基づき定めることとされております。
 都におきましては、東京都児童福祉審議会や東京都子供・子育て会議での意見を踏まえた上で、都議会の議決を経て、認可及び認定の基準を条例等で定めております。
 第四につきましては、都は国に対しまして、待機児童対策を初めとした子供、子育て支援施策の強化推進を図るため、恒久的、安定的財源を十分確保するよう、繰り返し提案要求を行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○和泉委員 待機児童の解消と保育の質の向上に関する請願について質疑します。
 都が、この一年間で多くの保育の定員増を図ってもなお、平成二十九年四月時点での待機児童はふえています。
 請願者は、この実態に触れつつ、保育の質を確保し、認可保育園を増設することで待機児解消を図るよう求めています。
 今、保育園の入所を申し込んでいる家庭には、区市町村から一次選考結果の通知が送られています。
 不承諾の通知が届いた親御さんたちがどんな思いでいるか、保育園への入所がかなわなければ仕事をやめざるを得ないのに保育園が決まらない、その焦りや失望、かわいい盛りの我が子と仕事の板挟みに悩まなければならない切なさ、そんな思いの中で日々の子育てと向き合い、一日一日を過ごしている、その心の中を推しはかると胸が詰まります。
 待機児問題の深刻さは、ことしも変わりません。
 都も、この間、待機児解消のさまざまな施策を展開してきました。昨年八月から九月にかけては、東京都保育ニーズ実態調査を行って、その結果をことし一月に発表しています。
 この調査の目的は何でしょうか、初めに伺います。

○加藤子供・子育て施策推進担当部長 都は、保育ニーズ等を取り巻く状況を把握し、今後の保育・子育て支援施策に活用していくため、就学前の子供がいる都内約三万八千の世帯を対象に、保育ニーズ実態調査を実施いたしました。
 具体的な調査項目でございますが、就労状況や就労意向、育児休業の取得の状況、保育サービスの利用状況や利用の意向、希望する保育料の水準などでございまして、現在保育サービスを利用していない方々の保育ニーズも含め、調査を行ったところでございます。

○和泉委員 第四回定例会でも我が党の質問に対して、都は、潜在ニーズを含む調査であると答弁しました。
 待機児をなくすという知事の発言をどう実現していくのか、実態調査で都民の願いに沿った施策を展開することは重要です。
 では、この調査結果から都民の保育ニーズの傾向について、どのような分析を行ったんでしょうか。また、どのような施策の展開が求められていると考えているんでしょうか、伺います。

○加藤子供・子育て施策推進担当部長 保育ニーズ実態調査におきましては、保育料金のみを保育所利用の決定要因と仮定した場合の料金別の認可保育所の利用意向を調査いたしました。
 その結果を分析いたしますと、回答者のうち、認可保育所利用者の平均保育料でございます二万八千三百円、こちらに対応するニーズは六四・三%でございまして、年齢別に見ますと、ゼロ歳児が六九・七%、一歳児が六七%、二歳児が六二・三%、三歳児が六二・〇%、四歳児が六一・六%、五歳児が六〇・八%と子供が低年齢であるほどニーズが高くなっております。
 また、育児休業の取得希望でございますが、一年未満が三〇・二%、一年以上二年未満が三九・四%、二年以上が一五・九%、取得しないが一四・四%となってございます。
 このうち、二年以上の育児休業を希望する人を除きました八四・一%、およそ八千四百人でございますが、こちらの方々に対しまして、二年以上の育児休業を希望しない、その理由を聞きましたところ、収入が減る期間が伸びるから、仕事のスキルが低下しそうだから、周囲の迷惑になりそうだからといった理由が挙げられました。
 これらの育児休業を長く取得することに対する懸念、これらの事項が解消した場合の育児休業の取得意向を訪ねましたところ、二年以上の取得を希望する割合が三一・九%、約二千七百人となりました。
 これらを踏まえますと、希望どおりの育児休業が取得できる環境が整ったならば、保育ニーズは六四・三%よりも低下すると考えられます。
 こうした保育ニーズや育児休業の取得意向も踏まえまして、先月策定いたしました実行プランの政策の強化版におきましては、目標の上方修正を行ったところでございます。
 具体的には、平成二十八年十二月に策定いたしました二〇二〇年に向けた実行プランで、二十八年度からの四年間で七万人分の増を目指しておりましたが、二十八年度中に整備をいたしました一万六千人分を差し引いた五万四千人に六千人分を上乗せいたしまして、二十九年度から三十一年度末までの三年間で六万人分を整備するということといたしました。
 この新たな目標を達成し、待機児童を解消するため、保育の実施主体でございます区市町村が地域の実情に応じた施策の展開ができるよう、さらに支援を行ってまいります。

○和泉委員 もちろん目標を引き上げたことは重要だというふうに思いますけれども、都民がどのような保育サービスを望んでいるのか、これも把握して、そしてその願いに沿って施策を行うことが求められているんじゃないんでしょうか。
 この調査では利用していた教育、保育サービスの種類も尋ねています。
 希望が多かったのはどのようなものでしたでしょうか、種類のみ、お答えください。

○加藤子供・子育て施策推進担当部長 上位から順に、公立の認可保育所、私立の認可保育所、幼稚園の順となってございます。

○和泉委員 保育園への入所を申し込んでいる保護者は、その半数以上が公立の認可園、そして私立の認可園も三九・三%希望しているわけです。複数回答などで単純にこの数字を足すことはできませんけれども、とても多いということがわかります。
 私たちは、これまでさまざまな調査結果を示して認可保育園のニーズが高いということを示してきました。今回、都が行った調査でも明らかな傾向が出ているし、認可保育園中心の保育施策を進める必要があると思います。
 人材の確保も引き続き深刻です。保育園の事業者は、保育士紹介会社に払う紹介料を通常のランニング経費の中に組み込んでおかなくてはならないという状況です。
 ことしになって、私立の保育園経営者にお話を聞いたところによれば、紹介料は保育士に支払う年収の三割だそうです。それでも保育士が定着するかどうかはわからないため、この紹介料の支出はとても負担の大きなものになっているということでした。
 保育士が安定して確保できていれば、このお金は子供のために使えるものです。保育士の確保は、そうした点でも非常に重要だと思います。
 都は、保育士等キャリアアップ補助、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業など人員不足の解消のための施策を展開してきました。
 その効果はどのように検証、分析されているんでしょうか。そしてまた、どのように施策に反映されてきたんでしょうか、伺います。

○加藤子供・子育て施策推進担当部長 まず、キャリアアップ補助についてでございます。
 平成二十七年度から開始いたしました保育士等キャリアアップ補助につきましては、保育士等のキャリアアップや処遇改善等の状況を把握し、より効果的な支援策を検討するため、補助対象施設等から提出されました賃金改善実績報告書や財務情報に基づきまして、賃金改善月額や賃金月額等の集計、分析を行いました。
 その結果、平成二十七年度の実績では、保育士一人当たり月額平均約二万三千円の処遇改善が図られていることを確認いたしました。
 また、平成二十九年度からは、財務情報の公表や非常勤職員の賃金改善等を行うことを条件にいたしまして、モデルケースで月額二万一千円、従来分と合わせますと四万四千円相当の引き上げができるように補助を拡充いたしました。
 続きまして、宿舎借り上げ支援事業でございますが、国が平成二十五年度に開始いたしました宿舎借り上げ支援事業につきましては、認可保育所等で勤務する採用後五年目までの常勤保育士に限定されていたところ、平成二十七年一月からは、都独自に認証保育所及び定期利用保育事業へ対象を拡大いたしますとともに、保育士以外の常勤保育従事職員も補助対象に追加いたしました。
 また、採用後五年以下の職員と六年以降の職員との間で、実質の手取り額が逆転するおそれがあることから、採用後六年目以降も安心して働き続けられるよう、平成二十八年十一月からは、補助対象期間を採用後六年目以降の職員に拡大いたしました。
 平成二十八年度の実績でございますが、前年度の十八区市、対象戸数九百三戸から三十四区市、四千二百八十四戸に拡大しておりまして、今年度の当初交付申請では四十二区市から申請がございまして、対象戸数は七千戸を超えております。

○和泉委員 保育士一人当たりの平均で月額二万三千円上がったというご答弁でした。
 ただ、平均で見るだけでは、これはわからないことも多いんじゃないかと思うんです。例えば、勤続年数、経験年数に見合った給与月額になっているかどうか、職種によって給与月額に差があるか、さまざまな情報をクロスして分析した上で施策を行うということが必要だと思います。
 また、全職種と比べて、いまだに大きく差がある状況にも変わりはありません。
 保育の職場が長く働き続けられる仕事として選ばれる、このことは保育の豊かな経験が蓄積されて、継承されていくということであり、保育の質を確保する上でも重要です。
 ぜひ、そのような視点に立って分析を続けていただいて、必要な施策のさらなる拡充へとつなげていただくよう求めておきたいと思います。
 そもそも国単価の人件費設定は低すぎます。配置基準も現場の実態に合っていないというところが大きな問題点です。
 国の単価を抜本的に変えなければ、保育園で働く方たちを安定的に確保することは困難であり、都として国に強く求めていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○加藤子供・子育て施策推進担当部長 現在の公定価格の基本分単価や減価償却費加算、賃借料加算等の額、保育所等の施設整備費補助、利用者支援事業等の運営費などが大都市の実情に応じた額になってございません。
 そのため、都は国に対しまして、喫緊の課題でございます保育所待機児童対策を初め、地域の子育て支援、社会的養護の充実など、子供、子育て支援施策の強化推進を図るため、恒久的、安定的財源を十分に確保するとともに、大都市の実情に応じた財政支援を行うよう繰り返し提案要求を行っております。

○和泉委員 地域加算の問題も重要ですけれども、もとになる給与設定が低過ぎる、経験年数に応じた加算が十一年で頭打ちになる、十一時間開所に見合った保育士配置の前提になっていない、これらの大きな問題があります。結果的に、職員の長時間労働、重労働につながって保育士がやめていく、人員の確保が難しくなるという悪循環を招いているんじゃないでしょうか。
 都として、強く国に意見をいうべきだと思いますし、議会としても国に意見書を上げてほしいという請願者の願意はもっともだと思います。
 また、請願者は職員配置や面積基準とは別に保育の質の確保や、健やかな発達を保障するための保育環境や安全基準を定めたガイドライン策定を求めています。
 保育事故が繰り返されている中で、都が独自にガイドラインを策定する意義は大きいと思いますが、いかがでしょうか。

○加藤子供・子育て施策推進担当部長 都におきましては、東京都児童福祉審議会や東京都子供・子育て会議での意見を踏まえました上で、都議会の議決を経て、職員配置や面積基準など認可及び認定の基準を条例等で定めております。
 保育の環境や安全確保も含め、保育所における保育の内容や運営に関する事項につきましては、厚生労働大臣が定める指針でございます保育所保育指針で定められております。
 都は、この指針に基づく保育が提供されるよう区市町村と連携し、運営指導を行っております。

○和泉委員 認可、認定基準は極めて重要ですけれども、都の条例では、保育園などは最低基準を超えて常にその設備及び運営を向上させなければならないとされており、そうした取り組みの前進のためにも、ガイドラインをつくるということは有効だと思います。
 保育園は、保護者が働き続けることを保障する施設であるというだけでなく、子供の最善の利益、豊かな発達が保障される場所でなければなりません。それが最も優先されるべきであり、保育園の入所を希望する全ての保護者の願いでもあると思います。
 しかし、実際には劣悪な保育環境で小さな命が犠牲になるケースはなくなりません。
 先日も、私の住む葛飾区内のベビーホテルで一歳の赤ちゃんが亡くなりました。二十四時間営業、夜間一人体制で子供を保育していたことが、繰り返し指導対象になっていました。
 都が問題を把握しながら、このような事故がまたも起きてしまったことを重く受けとめるべきです。二度と幼い命が犠牲になることがないよう、都みずからが保育の質の確保、子供の健やかな発達を守る立場を明確にすると同時に、徹底することを強く求めたいと思います。
 この請願の願意に賛同し、私の質疑を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○伊藤委員長 起立少数と認めます。よって、請願二九第四六号は不採択と決定いたしました。

○伊藤委員長 次に、請願二九第五三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○成田医療改革推進担当部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明いたします。
 整理番号3番、請願二九第五三号、安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願は、台東区の東京医療関連労働組合協議会代表の千葉かやとさんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、次の四点について、国に対して意見書を提出していただきたいというものでございます。
 第一に、医師、看護師、医療技術職、介護職等の夜勤交代制労働において、次の項目を実現し、労働環境を改善すること。
 一つ、労働時間は一日八時間以内を基本とし、上限規制や勤務間インターバルの確保、夜勤回数の制限など、労働環境改善のための規制を設けること、二つ、夜勤交代制労働者の労働時間を短縮すること、三つ、介護施設等における一人夜勤を早期に解消すること。
 第二に、安全・安心の医療、介護を実現するため、医師、看護師、医療技術職、介護職を増員すること。
 第三に、患者、利用者の負担軽減を図ること。
 第四に、費用削減を目的とした病床削減は行わず、地域医療に必要な病床医療を確保することという四点でございます。
 現在の状況についてご説明いたします。
 第一についてでございますが、我が国においては、医療、介護従事者を含めた労働者の労働条件は労働基準法により定められており、労働時間に関しては原則として一週間について四十時間、一日について八時間を超えないこととされております。
 平成二十九年三月に国の働き方改革実現会議が、時間外労働時間の上限規制や勤務間インターバル制度導入などを盛り込んだ実行計画を取りまとめ、平成二十九年九月には、労働政策審議会から、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案の要綱について、おおむね妥当とする答申が提出されました。国はこれを受け、今通常国会に同法律案を提出する予定でございます。
 都は、医療機関の勤務環境改善に向け、医療勤務環境改善支援センターにおいて、アドバイザーの派遣や電話相談対応などの支援を行っております。
 特別養護老人ホーム等の介護施設における人員等の基準は、厚生労働省令に基づき条例で定めており、夜間及び深夜については、入所定員等に応じて一定数以上の介護職員または看護職員を配置することとしております。また、基準を上回る職員配置については、介護報酬の夜勤職員配置加算により評価する仕組みとなっております。
 第二についてでございますが、都は、医師、看護師、介護職員等の確保のため、育成研修や資格取得、復職支援などの事業を行うとともに、国に対しましては、看護職員の確保、定着に向けた十分な財源確保、小児科など不足する分野の医師の早急な確保や勤務環境改善に向けた診療報酬の一層の充実、介護職員の確保、育成、定着のための対策の確立など、実効性ある総合的な対策を講じるよう提案要求を行っております。
 第三についてでございますが、医療、介護を含めた社会保障制度の枠組みについては、社会経済状況の変化を踏まえ、負担と給付のバランスに考慮して国が定めております。
 第四についてでございますが、病床整備の基準となる基準病床数は、国が示す算定式に基づき、都道府県が策定する医療計画において圏域ごとに定めることとされており、現在、平成三十年度を初年度とする第七次東京都保健医療計画を策定しております。
 また、都が平成二十八年七月に策定した東京都地域医療構想では、患者に応じた質の高い医療提供体制の確保に向けて、地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を推進するため、平成三十七年の医療需要と目指すべき医療提供体制、それを実現するための施策について盛り込んでおります。この地域医療構想は、第七次東京都保健医療計画と一体化する予定でございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○藤田委員 請願二九第五三号、安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願について質疑いたします。
 本請願は、都議会が国に対して、看護師などの夜勤交代制労働者の夜勤体制の改善を初めとして、医師、看護師、介護職員の大幅な増員、患者、利用者の負担軽減などを求める意見書を提出するよう求めるものです。
 私は、都内の民間病院で二十年以上看護師として働いてきましたので、医師も看護師も介護職員も本当に人手が足りないということを実感してまいりました。さらに厚生労働省は、二〇二五年に向けて、さらなる在宅医療の推進を図るためとして、これまで医師が直接指示を出して行っていた薬剤の処方や患者への実施を看護師の判断で行ってもよいものとする、特定行為に係る看護師研修制度を二〇一五年に制定しました。
 必要な専門職をふやさず、業務をほかの職種にシフトするタスクシフティングでは、今度は、看護師の業務を介護職へ、介護職の業務をボランティアなどへの無資格者へと移行するものであり、質も安全性も守ることができない重大な問題だと考えてまいりました。
 診療報酬のたび重なる削減の中、収益を維持するため、多くの病院で患者の入院期間短縮のための努力を行っています。二〇〇六年の診療報酬改定では、従来の看護師の必要人員の計算とは異なり、患者の入退院がふえればふえるほど看護師の必要数もふえる、人員が少なくなれば労働時間をふやして対応するという仕組みになりました。この診療報酬改定当時からは、さらに医療の高度化、重症化が進んでいます。
 加えて、高齢化のために介護が必要な方、認知症の患者も大幅にふえているので、看護ケアも煩雑化しています。
 例えば、できるだけ身体拘束しないために、点滴のチューブを自分で抜いてしまおうとする方につきっきりになったり、患者やご家族にどのように病状を説明して、どのような反応であったかを詳細に残すために電話の内容までカルテ記載したり、点滴一つ交換するたびに、患者名だけでなく、日時、薬剤名、投与量、投与速度、方法などを毎回指さし確認していたり、安全のためには、本来は看護師二人で行うべき業務も、こうした人手不足によって一人で行ってしまうことも多々あります。
 看護の基本である個人の尊重や個別性を大事にするということに時間が割けない状況で、看護師不足のしわ寄せは明らかに患者さんに及んでいます。
 看護師不足は明らかだと思うのですが、東京都において、直近でわかるもので、看護師需要見通しに対して、現状がどのようになっているのかを教えてください。

○成田医療改革推進担当部長 看護職員の需給推計は、国が示す推計方法をもとに都道府県が具体的に推計を行うこととなっております。しかし、別途検討されている医師等医療従事者の働き方改革を踏まえた需給推計が必要となったため、現時点で、いまだ国から推計方法が示されていない状況でございます。
 このため、看護職員の需給推計といたしましては、平成二十三年から平成二十七年までの需給見通しが直近のものでございまして、平成二十七年における看護職員の需要を十二万五百七十五人と見込んでおりました。
 これに対しまして、都内の平成二十八年十二月末現在の看護職員従事者数は、実数では十二万五千七百七十四人、常勤換算では十一万六千八百八十・九人となっております。

○藤田委員 私が勤めていた病院の看護師も、非常勤だと夜勤しかやらないとか、日勤でも扶養との関係から、一週間に三日しか働かないといった看護師は四人に一人いました。常勤換算で供給数を見るのが実態と合っていると思うので、十二万人必要なところに対して、看護師は十一万六千人であるので、約四千人不足しているという状況だと思います。
 需要推計が二〇一五年、実数は二〇一六年なので、年数をそろえればもっと差は大きくなると思います。
 都内の看護職員数は全国平均を大きく下回り、人口十万人に対して八百九十人、四十七都道府県中四十四位です。都は、効果的、安定的な看護人材確保のための政策を推進するとしながらも、少子化の中では養成数の大幅増は見込めないとしています。
 少子化でありますが、看護職は依然として、なりたい職業ランキングで十位以内に入っており、大学、専門学校を問わず、受験倍率は定員割れすることはなく、高いところでは六倍です。
 東京都は、二〇〇三年から三年間の間に四校も看護師養成所を閉校にしてきましたが、子供の貧困が社会問題となる中、学費の面から見ても、都立看護専門学校は大変貴重なものです。養成数の増加に対して、都の責任も大きく問われると思います。
 また、東京都保健医療計画第六次改定案では、都は、離職率が全国平均よりも高いこと、離職の理由は、結婚、出産、育児、介護が三十代で四五・二%であるとしています。また、再就業希望者の七割、特に未就学児のいる看護師に限ると九割以上が短時間勤務を希望しているのに対して、現在就業している看護師の中で短時間勤務の割合は一割にとどまっていると書かれていました。
 女性の多い職場でありながら、同僚への配慮を考えると短時間勤務を申請しにくい環境にあります。そもそも根底には、人手が足りないという問題があるからです。
 この間、都が行ってきた子育て世代の看護師の定着及び再就業対策はどのようなものですか。その事業によって、どの程度看護師がやめずに働けているとか、再就業につながったとか、わかるような実績があれば教えてください。

○成田医療改革推進担当部長 都はこれまで、二次医療圏ごとに配置した就業協力員が中小病院を巡回訪問し、看護職員確保や定着に向けた病院の取り組みへの支援を実施しております。
 平成二十八年度は十一病院を支援いたしまして、離職率の低下や超過勤務の削減につながったというようなご意見をいただいております。
 また、離職した看護職員を対象に、身近な地域の病院で復職支援研修を実施しておりまして、平成二十八年度は、復職支援研修の受講者二百三十一人のうち、平成三十年一月末現在、百五十三人と、約三分の二が再就業しております。
 あわせて、東京都ナースプラザにおいて無料職業紹介や専門相談を受けた方のうち、平成二十八年度は千八百二十人が就業につながっております。
 さらに、都内の病院及び診療所において運営される院内保育施設に対して助成を行っておりまして、平成二十八年度は百二十一施設に助成し、医療従事者の離職防止及び再就業を促進しております。

○藤田委員 東京都としてもできる限りの支援を行い、再就業にもつながっているということがわかりました。
 しかし一方で、昨年六月の東京都看護人材確保対策会議の資料にある退職率の調査によると、既卒で常勤採用した看護師の約四割が一年以内にやめているということが明らかになっています。さらなる離職率低下のために大幅な人員増が必要なのではないでしょうか。
 看護職の年齢別推移では、一般的な女性労働者に比べて、三十五歳から三十九歳という年齢階級での落ち込みが激しいと評価されています。まさしく、子育て世代が働き続けることが難しいことを象徴している結果だと思います。
 私も看護師として働きながら三人の子供を育ててきましたが、これが可能となった背景には院内保育があり、産休明けであれば何月でも預けることができること、配偶者も育児に協力してくれること、両親が近所に住んでいて、保育園に預けられないときなどに援助してくれること、母性保護などの観点を管理者が学習していて、職場づくりの上で配慮していることなどの条件があったからだと思っています。
 同時に、抜本的な人をふやす対策が必要です。日本医労連の調査によると、一九九九年以降、看護師不足により、多くの病院で二交代制夜勤の導入が進み、夜勤回数も四割の看護師が五回以上、つまり、一カ月に約二十二日ある労働日のうち十日以上が夜勤という生活であることがわかりました。五割の病棟で二交代夜勤の拘束時間が十六時間以上であり、休日でも疲れが回復しない方が五割近くに上っています。
 一方、何とか三交代勤務を行っている病院でも、日勤をした日の夜から夜勤に入る日勤深夜勤務や、夜の零時に勤務が終わった八時間後に日勤を行う準夜日勤勤務など、時間間隔が極端に短いサイクルで働いています。三交代勤務で働いている看護師のうち五割近くは、一番短い勤務間隔が八時間未満であると答えています。
 仕事をやめたいといつも思う、または時々思うと答えた看護師は七五%、その理由は、人手不足で仕事がきついというものがトップで四七・七%でした。こうした人手不足のために、妊娠者の五割が夜勤免除されておらず、切迫流産を経験した看護師は三五%でした。これは一般女性労働者より高い比率であり、女性保護に対する対策強化が求められます。十分看護ができていないと答えた看護師は半数に上り、その八割が人手不足を理由に挙げているため、やりがい搾取につながり退職するという負のスパイラルを生み出していると指摘しています。
 知事は、就任後から、ライフワークバランスを徹底していきたいと述べていますが、医療や介護の現場こそ、この徹底が急務であると思います。直接人にかかわる仕事であるために、長時間夜勤や短い勤務間隔により、働く人の生活の質を大きく低下させています。
 二〇〇一年、国立循環器病研究センターで二十五歳の村上優子さんが過労で亡くなりました。これは残業時間が八十時間ではなく、五十時間から六十時間という過労死認定の基準からは低い時間で労災認定されました。しかし、この背景には、夜勤勤務や、また、変則の交代制勤務があったということで労災認定されました。
 看護師だけでなく、医師や介護職員も、こうした夜勤を行いながら日常生活を送っています。医療労働者の心と体の健康を保つためにも長時間夜勤はなくすべきですし、また、こうした回数を減らすためには人材の確保が急務です。
 女性の多い看護師では、育児と仕事の両立のために睡眠時間を削って対応する、さらに介護や育児の中ではこうした体調の面で配慮が必要となります。医療機関が集中する東京都におかれましては、さらなる積極的な取り組みをお願いするとともに、ぜひこの請願が採択されるよう、委員の皆さんの賛同を心から呼びかけて、質問を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○伊藤委員長 起立少数と認めます。よって、請願二九第五三号は不採択と決定いたしました。

○伊藤委員長 次に、請願二九第五四号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○本多地域保健担当部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明をさせていただきます。
 整理番号4番、請願二九第五四号は、台東区の東京地方医療労働組合連合会給食対策委員会委員長の鶴渕弘之さん外八百九十五人の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、次の事項について、国に対し意見書を提出していただきたいというものでございます。
 一つ目は、病院給食一食四百六十円への自己負担額の引き上げを撤回すること。
 二つ目は、病院給食を公的保険の療養の給付に含めて自己負担を解消することでございます。
 現在の状況についてご説明をさせていただきます。
 一つ目についてですが、平成二十七年五月に成立した持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律により、入院患者の負担する食事代について、在宅療養との公平等の観点から見直しが行われ、一般病床等の入院患者及び療養病床の六十五歳未満の入院患者の負担額は、家計調査から算出した食材費相当額である一食当たり二百六十円に調理費相当額を加え、平成二十八年四月からは三百六十円、平成三十年四月からは四百六十円に段階的に引き上げられることとなりました。ただし、低所得者や難病患者等については、負担額が据え置かれております。
 なお、療養病床の六十五歳以上の入院患者、一部の疾患等の患者を除きますが、こちらの負担額は、介護療養病床との均衡を図り、従来から、食材費相当額の二百六十円に調理費相当額の二百円を加えた四百六十円となっております。
 二つ目についてですが、入院患者の食事代は、平成六年九月以前は、療養の給付、診療報酬として算定され、患者はその一部を自己負担する仕組みでありましたが、平成六年十月に、入院と在宅の費用負担の公平を図る観点から、入院時の食事代が療養の給付から分離され、新たに入院時食事療養費制度が創設されました。これにより、入院と在宅双方に係る費用として、入院患者は食材費相当額を自己負担することとなりました。
 また、療養病床については、介護病床と同様に住まいとしての機能を有していることに着目し、食材費相当額に加え、介護施設において通常本人や家族が負担している調理費相当額と光熱水費相当額を自己負担とする入院時生活療養費制度が平成十八年に創設されました。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○藤田委員 請願二九第五四号、病院給食の自己負担引上げ撤回に関する請願について質疑いたします。
 この請願は、都議会から国に対して、病院給食費一食四百六十円への自己負担引き上げを撤回すること、病院給食を公的保険の療養の給付に含めて自己負担を解消すること、この二点について意見書を上げるよう求めるものです。
 医療を受けるための支払いがさまざまな部分で値上げされている実態を見れば、当然のことと思いますので、賛成の立場から質疑したいと思います。
 病院での給食は、当然、治療の必要があって入院しているわけですから、その食事も病気の治療のために考えられた内容になっています。私が勤めていた病院では、NSTサポートチームを組んで、医師、看護師、栄養士、褥瘡など低栄養に詳しい看護師が毎週、栄養状態の悪い患者のベッドサイドを回って、検査データやその他の病状、認知機能などを確認した上で、どのような栄養管理が必要かを検討しています。そこでは、点滴や経管栄養と同様に、経口摂取、口からどのように食べるかについても検討し、言語聴覚士とも連携しています。元気な方であっても、退院後の食事の工夫について理解してもらえるように、病院給食を通じて、医師や看護師も働きかけています。入院中の栄養管理とは、ただ食事を提供していることとは違うのです。
 そもそも、病院での食事は、病気回復のためには重要な治療の一環なのではないでしょうか、東京都の認識をお伺いします。

○本多地域保健担当部長 入院時食事療養費は、健康保険法等に規定されておりまして、国の通知によれば、食事は医療の一環として提供されるべきものであり、それぞれ患者の病状に応じて必要とする栄養量が与えられ、食事の質の向上と患者サービスの改善を目指して行われるべきものとされております。
 平成二十八年度から段階的に実施されております入院時の食事代の見直しは、入院と在宅療養との負担の公平を図る観点から、入院時の食事について自己負担となっている食材費相当額に加え、在宅療養では負担していると考えられる調理費相当額の負担を入院患者にも求めることとされたものでございます。
 栄養管理代や治療食が提供された場合の特別食加算等は、引き続き入院時食事療養費として保険から給付されております。

○藤田委員 ご答弁いただいた通知とは、二〇〇六年に厚生労働省から出されたものだと思うのですが、この通知には同時に、特別食ではなく一般食であっても、治療方針に沿って、身体活動レベルや体重の増減を考慮することや、食事摂取基準については、日本人の食事摂取基準の策定についての推定エネルギー必要量及び栄養素の食事摂取基準の数値を適切に用いることや、患者の体位、病状、身体活動レベルなどを考慮することなどというように、在宅における健康な方の食事とは明らかに--行っている目的が治療の一環であるわけであり、保険給付で賄われるべきものであるといえます。
 しかし、国は、医療保険制度改革法によって、二〇一五年度に一食二百六十円だった病院給食を二〇一六年度には三百六十円に、二〇一八年度からは四百六十円に段階的に引き上げることを決定しています。二〇一七年の八月からは高額療養費の改定もあり、七十歳以上で年収三百七十万円以下の課税世帯では、限度額四万四千四百円だったのが五万七千六百円となり、一万三千二百円も値上がりしました。
 例えば、四人家族で月額十二万円程度の所得の人が一カ月入院したら、昨年七月までなら、限度額四万四千四百円に加え食事代は三万二千四百円で、その他の費用がなかったとしても七万六千八百円の入院費です。これでも負担は高額だと思うのですが、それがさらに、ことし四月以降では、収入は変わらないのに高額療養費制度利用でも入院費が五万七千六百円、食事代は四万一千四百円、合計九万九千円と、同じ入院でもこの二年間で二万二千二百円も患者負担がふえるという計算になります。さらに差額ベッド代などを払うとなると、退院してからの生活が成り立たなくなり、せっかく病院で治療して改善した病状も維持できなくなり、再入院ということも起こりかねません。
 格差と貧困が広がる中、今、健康格差も問題になっています。こうした療養にかかわる費用が自己負担でふえてしまえば、患者さんは病院にかかることができなくなり、さらなる病状悪化を招き、医療費の増大が懸念されます。病院給食が重要な治療の一環として位置づけられているのであれば、公的保険の療養の給付として位置づけ、自己負担額の引き上げは撤回すべきだと考えます。
 ぜひこの請願を採択し、議会として国に意見を出していくことを心から呼びかけまして、私からの質問を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○伊藤委員長 起立少数と認めます。よって、請願二九第五四号は不採択と決定いたしました。

○伊藤委員長 次に、陳情二九第一一六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高橋健康安全部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号5番、陳情二九第一一六号、ペットを受動喫煙から守る条例の制定に関する陳情は、栃木県宇都宮市の中山一行さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、ペットを受動喫煙から守る条例を制定していただきたいというものでございます。
 現在の状況をご説明いたします。
 動物の愛護及び管理に関する法律では、動物を取り扱う場合には、必要な健康の管理並びに動物の種類、習性等を考慮した飼養または保管を行うための環境の確保を行わなければならないと規定されております。
 また、環境省が平成二十二年二月に策定した住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドラインには、たばこの副流煙は人だけでなく一緒に暮らす犬や猫の健康にも悪影響を与える可能性があり、受動喫煙の害に気をつけるよう記載されております。
 都においては、動物の健康管理や、そのための環境確保等について、適正飼養の講習会を実施するとともに、パンフレットやホームページを通じて、受動喫煙の害や、消臭剤、殺虫剤などの化学薬品の使用に注意するよう、都民に普及啓発を行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○岡本委員 質問させていただきます。
 先ほどのご説明で、パンフレットやホームページを通じて普及啓発を行っているということでしたが、どのような内容か、具体的な記載内容をお伺いいたします。

○高橋健康安全部長 ホームページでは、たばこの副流煙は人だけでなく一緒に暮らす犬や猫の健康にも悪影響を与える可能性があります。受動喫煙の害に気をつけてくださいと記載しております。
 また、犬の飼い方や猫の飼い方のパンフレットにつきましても、それぞれ同様に記載をしておるところでございます。

○岡本委員 ありがとうございます。条例の制定がない現状においても、一定の普及啓発がなされているということがわかりました。引き続き、ペットの受動喫煙防止の普及啓発がなされることを期待いたします。
 私の質問は以上で終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○伊藤委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二九第一一六号は不採択と決定いたしました。

○伊藤委員長 次に、陳情二九第一二九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○矢内保健政策部長 お手元にお配りしております陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号6番、陳情二九第一二九号は、杉並区のダイバーシティ政策カルチャースクール路上喫煙検討チームの山崎武志さん外三人の方々から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第一に、各区市町村の路上喫煙ルールの情報発信を支援すること。
 第二に、各区市町村の路上喫煙所のマークに対し、必要な指導を行うこと。
 第三に、各区市町村の臨時路上喫煙所の設置に対する情報提供などの支援を行うこと。
 第四に、路上喫煙所の設置に関するガイドラインを制定し、情報開示することという内容でございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 都内における路上喫煙防止対策は、地域によって交通事情や人口、自然環境などが大きく異なっていることから、地域の特性を踏まえ、区市町村が条例等を定めて実施しており、その内容は、全域を路上喫煙禁止の対象とし義務違反者に対して罰則を適用しているものや、駅前などの一部の地域を規制しているもの、歩きたばこやポイ捨てのみを禁止しているものなどさまざまでございます。
 また、屋外喫煙所や路上喫煙禁止、歩きたばこ禁止等のマークや、路上喫煙所の設置場所や基準についても各区市町村が条例等で定めております。
 現在、都では、こうした各区市町村の取り組みを都のホームページに掲載し、広く都民に情報発信する準備を進めております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○古城委員 陳情二九第一二九号に関連して、路上喫煙防止対策について一点質問いたします。
 都内における路上喫煙防止対策は、各区市町村が独自に条例等を制定しており、その条例の内容もさまざまであるとのことでございます。この点について、東京都の見解を伺います。

○矢内保健政策部長 区市町村の路上喫煙や歩きたばこに関する条例は、環境美化や煙による迷惑防止などの観点から制定されております。
 区市町村における条例は、地域の特性を踏まえ、独自の対策を定めており、都は、各区市町村の路上喫煙防止条例等の取り組みを取りまとめ、都のホームページに掲載し、広く都民に情報発信する準備を進めております。

○古城委員 都の取り組みについてお伺いをいたしました。ありがとうございました。

○和泉委員 私からも、東京二〇二〇大会に向けた路上喫煙対策の実施に関する陳情について意見を表明します。
 この陳情は、区市町村が定めている路上喫煙ルールや路上喫煙マークなど、区市町村それぞれに違いのある施策を、東京二〇二〇大会に向けて情報発信することなどに都の支援を求める内容です。
 確かに、路上喫煙ルールについては、喫煙できない地区を指定している自治体、喫煙所などを除いて全域で喫煙を禁止している自治体、違反に対して罰則のある自治体やない自治体など、それぞれの区市町村の取り組みはさまざまです。
 オリンピック・パラリンピックに向けて、海外渡航者だけではなく、全国から多くの人がこの東京を訪れたときに、知らなかった、あるいは情報が不十分だった、そのために路上喫煙で罰則が科されたり、トラブルが発生したりするということは防ぐ必要があると思います。
 区市町村ごとの対策についての意見や賛否は脇に置いて、少なくとも、どの自治体ではどのようなルールになっているのか、喫煙できるところはどこで、できないところはどこか、わかりやすい表示や情報発信は意味のあることだと思います。
 その観点から、本陳情の趣旨は理解できるという意見を述べて、発言を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二九第一二九号は継続審査といたします。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十六分散会

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