委員長 | 小林 健二君 |
副委員長 | 上田 令子君 |
副委員長 | 和泉 武彦君 |
理事 | 和泉なおみ君 |
理事 | 中山 信行君 |
理事 | 山加 朱美君 |
前田 和茂君 | |
大場やすのぶ君 | |
木村 基成君 | |
藤井 一君 | |
斉藤あつし君 | |
畔上三和子君 | |
石毛しげる君 | |
野島 善司君 |
欠席委員 なし
出席説明員病院経営本部 | 本部長 | 内藤 淳君 |
経営企画部長 | 矢田部裕文君 | |
サービス推進部長 | 谷田 治君 | |
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 大久保達也君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
病院経営本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 病院経営本部所管分
・第十七号議案 平成二十九年度東京都病院会計予算
○小林委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○小林委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
平成二十九年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十九年三月十六日
東京都議会議長 川井しげお
厚生委員長 小林 健二殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十六日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(木)午後五時
(別紙1)
厚生委員会
第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中
歳出
債務負担行為
厚生委員会所管分
第五号議案 平成二十九年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第六号議案 平成二十九年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第十七号議案 平成二十九年度東京都病院会計予算
(別紙2省略)
○小林委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の予算の調査に対する質疑を行います。
これより病院経営本部関係に入ります。
初めに、予算の調査に対する質疑を行います。
第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、病院経営本部所管分及び第十七号議案を一括して議題といたします。
予算案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者に説明を求めます。
○矢田部経営企画部長 去る二月十七日の本委員会で要求のございました資料につきまして、お手元にお配りした厚生委員会要求資料に基づきご説明を申し上げます。
まず、表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。
目次は二枚にわたっており、資料は合計二十四件でございます。
恐れ入りますが、一ページをごらんください。1、都立病院及び公社病院における医師の診療科別定数及び現員でございます。
(1)は都立病院、二ページの(2)は公社病院における平成二十九年二月一日現在の医師の診療科別定数及び現員を記載しております。
三ページをごらんください。2、都立病院及び公社病院における職種別職員定数及び現員でございます。
都立病院と公社病院における平成二十九年二月一日現在の職種別職員定数及び現員を記載しております。
四ページをお開き願います。3、都立病院及び公社病院における看護要員の採用、退職者数の推移でございます。
都立病院と公社病院における看護要員の採用者数及び退職者数につきまして、平成二十三年度から平成二十七年度までの推移を記載しております。
五ページをごらんください。4、都立病院及び公社病院における看護要員の夜勤回数の分布でございます。
(1)は三交代制勤務職場、次の六ページの(2)は二交代制勤務職場の看護要員の夜勤回数につきまして、それぞれ平成二十八年十月の実績を病院別に記載しております。
七ページをごらんください。5、都立病院及び公社病院における看護要員の年次有給休暇平均取得日数でございます。
平成二十七年の看護要員の年次有給休暇平均取得日数を病院別に記載しております。
八ページをお開き願います。6、都立病院及び公社病院における研修医受入状況でございます。
(1)は初期臨床研修医について、九ページの(2)は後期臨床研修医につきまして、それぞれ平成二十七年度及び平成二十八年度の定数を病院別に記載しております。
一〇ページをお開き願います。7、都立病院におけるPFI事業に関わる経費の推移でございます。
平成二十五年度から平成二十九年度までのPFI事業にかかわる経費の推移を病院別に記載しております。
一一ページをごらんください。8、一般会計繰入金の推移(施設整備関連経費以外・病院別)でございます。
一般会計繰入金のうち、施設整備関連経費以外の経費につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの推移を病院別に記載しております。
一二ページをお開き願います。9、一般会計繰入金の推移(施設整備関連経費)でございます。
一般会計繰入金と、このうち施設整備関連経費につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの推移を記載しております。
一三ページをごらんください。10、都立病院における経営指標の推移でございます。
平成二十五年度から平成二十九年度までの都立病院における経営指標の推移を、入院、外来別に記載しております。
一四ページをお開き願います。11、公社病院に対する運営費補助金の推移でございます。
平成二十五年度から平成二十九年度までの各公社病院に対する運営費補助金の推移を記載しております。
一五ページをごらんください。12、小児総合医療センター児童・思春期精神科における入退院患者数の推移でございます。
平成二十三年度から平成二十七年度までの小児総合医療センター児童・思春期精神科における新入院患者数及び退院患者数の推移を記載しております。
一六ページをお開き願います。13、小児総合医療センターにおけるデイケア年間登録者数の推移及びプログラム内容でございます。
(1)は平成二十三年度から平成二十七年度までのデイケア年間登録者数の推移を記載しております。
(2)は平成二十八年度のプログラム内容を記載しております。
一七ページをごらんください。14、小児総合医療センター児童・思春期精神科における入院患者への心理検査・面接等実施件数の推移でございます。
心理アセスメント検査、心理面接及び心理相談につきまして、それぞれ平成二十三年度から平成二十七年度までの実施件数の推移を記載しております。
一八ページをお開き願います。15、小児総合医療センター児童・思春期精神科における入院患者の相談等実施件数の推移でございます。
平成二十四年度から平成二十七年度までの相談等実施件数の推移を記載しております。
一九ページをごらんください。16、小児総合医療センター児童・思春期精神科における入院患者の接遇等に係る苦情件数の推移でございます。
平成二十三年度から平成二十七年度までの苦情件数の推移を記載しております。
続きまして、二〇ページをお開き願います。17、都立病院における行動制限実施患者数の推移でございます。
(1)は身体的拘束、(2)は隔離につきまして、それぞれ平成二十四年度から平成二十七年度までの実施患者数の推移を病院別に記載しております。
二一ページをごらんください。18、都立病院における電気けいれん療法の実施件数の推移でございます。
平成二十三年度から平成二十七年度までの電気けいれん療法の実施件数の推移を病院別に記載しております。
続きまして、二二ページをお開き願います。19、都立病院における措置入院件数の推移でございます。
平成二十三年度から平成二十七年度までの措置入院件数の推移を病院別に記載しております。
二三ページをごらんください。20、都立病院におけるベンゾジアゼピン系薬剤に係る院内処方枚数の推移でございます。
平成二十四年度から平成二十七年度までの院内処方枚数の推移を病院別に記載しております。
続きまして、二四ページをお開き願います。21、都立病院及び公社病院に対する医療法・精神保健福祉法に基づく指導等の状況でございます。
平成二十五年度から平成二十七年度までの医療法、精神保健福祉法に基づく指導件数を事由別に記載しております。
二五ページをごらんください。22、多摩総合医療センター及び松沢病院における精神保健指定医の資格失効に関する対応状況でございます。
(1)は当該指定医が行った指定医業務に係る有効性の検証状況、(2)は再発防止の徹底につきまして、それぞれ記載しております。
二六ページをお開き願います。23、都立病院における精神保健指定医資格の失効の有無とその確認状況でございます。
平成二十九年三月一日現在における精神保健指定医資格の失効者数とその確認状況について記載しております。
二七ページをごらんください。24、都立病院及び公社病院における妊産婦への向精神薬投与の状況でございます。
(1)は都立病院、(2)は公社病院における妊産婦人数と、そのうち向精神薬を投与された妊産婦の人数を記載しております。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○小林委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○山加委員 きょうは来年度予算にかかわる審議ということでありますので、当初予算の概要を拝見いたしました。がん対策に必要な医療機器の購入予算を初めとし、着実な事業執行に必要な予算内容ではないかと感じております。
病院経営本部は、事業局として、病院運営を通じて行政的医療を基本として良質な医療を都民に継続的に安定して提供することがその役割であります。
これまでも予算の構成は、病院経営本部の長期計画である都立病院改革推進プランに基づき、またその実現に向け、必要な予算を計上していらっしゃいます。
現在の改革プランの期間中においては、大きな成果を残していらっしゃいます。
例えば、東日本大震災という未曽有の大震災から得られた教訓から、不測の事態においても継続的に医療を提供すること、また、医療機関の集約とネットワークを生かし、多摩メディカルキャンパスを再構築すること、二〇二五年に向けた、医療機関、医療と介護の間の連携強化を通じて、効果的、効率的な医療、介護サービス提供支援を支援するための患者支援センターの設置などを進めてきたこと、これらが大きな成果であると思います。
これは、時代の変化に対応していくことが常に求められる当事業局としての対応能力であるといえると思います。高く評価をさせていただきたいと思います。
昨年の十一月から、民間の医療機関も含め、東京都地域医療構想を受け、都内十三の医療圏全て、医療関係者による、今後の医療をどのような提供体制にするのか、医療の役割分担をどのようにするのか、そんな観点から、都が主宰のもと地域医療構想調整会議が開かれています。
民間医療関係にとっては、今後予定されている診療報酬制度の改定、みずからの医療提供体制を変化させ新しい枠組みにするなど再構築することが求められているなど、これまでの経験のない局面となっていると思います。
まさに高齢社会の到来であり、超高齢社会ですね、平成三十二年、三年後であります。恐らくここにいらっしゃる方の中にも、三十二年には私もそうでありますが、そちらのグループに入っていくわけであります。東京に住む四人に一人が六十五歳以上の高齢者になる現実、この現実に真に向き合わなければならない、そんな時期が来たと危機感さえ感じるところでございます。
このような中、都立病院の事業計画となっている都立病院改革推進プランが、平成二十九年度、最終年度を迎えているわけであります。
私は、平成十三年に都政に上がりました。この平成十三年、当選をして、厚生委員会所管でございました都立病院改革マスタープランからスタートをし、まさに四期十六年、この間、財政委員長、それから警・消委員長の二年間だけはここを出ましたけれども、十六年の中、まさに十四年間、皆様とともに歩ませていただいております。
そんな中で、改めて、二十九年度は都立病院改革推進プランの最終年度に当たるわけでありますが、どのような方針で病院経営に臨むのか、その後の将来的な展望とあわせまして、本部長の強い決意を伺わせていただきたいと思います。
○内藤病院経営本部長 現在の事業計画でございます都立病院改革推進プランは、平成十三年度に策定された都立病院改革マスタープランから三期にわたるプランを経まして、平成二十九年度はその最終年度になってございます。この間、医療機能の集約とネットワークの充実強化に努め、患者中心の医療の推進に取り組んでまいりました。
平成二十九年度は、これまで築いてきた各都立病院の医療機能を確実なものとし、今後直面する医療環境の変革期に対応する次期計画策定の重要な時期であると認識してございます。
現在、外部委員を含めました都立病院経営委員会で意見を聞くとともに、病院と本部が一体となりまして議論を進めているところでございます。
このプロセスにおきまして、何よりも大事なことは、職員一人一人が目指すべき目標に向かいまして、高い使命感とさまざまな課題に対して必ず答えを出していくと、こういった強い意思も求められるのかなと考えております。
先ほどお話ございました、医療環境の変革期でございます。引き続き安定的な医療提供体制を持続し、質の高い医療サービスを将来にわたって提供してまいる考えでございます。よろしくお願いいたします。
○中山委員 では、私から質問させていただきます。いろいろ自由に質問させていただきますので、理事者の方々も自由に答えていただいて、本部長も自由にご発言いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
初めに、都立病院や公社病院におけますオストメイト対応トイレの整備状況についてお伺いいたします。
毎年、オストメイト団体の皆さんからは、我が都議会公明党に対してもさまざまな予算要望を承っているところであります。その一部に関し、さきの第一回本会議の一般質問におきまして、我が党の大松あきら都議会議員に取り上げてもらって、福祉保健局長に答弁してもらったところであります。
その中で、ストーマ用品というのは一人一人の状況に応じて調整が必要であって、種類も多岐にわたっているという課題があることを認識した上で、来年度、二十九年度からは、区市町村の公共施設に設置されている和式トイレの洋式化支援において、オストメイトに対応できる設備とするなどのバリアフリー改修経費の一部についても、新たに補助対象にしていくと、また災害時のオストメイト用器具の確保においても、今後は熊本地震の際の対応を先例といたしまして、日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会といった関係団体との連携を図って、災害時に確実に調達できるよう取り組んでいくとの、このような答弁をいただいたところであります。
昨年、平成二十八年四月一日から障害者差別解消法が施行されたところでありますが、障害者差別の解消を現実的に図っていくためには、さまざまな障害者への合理的配慮が適切かつ確実に行われていく必要があります。
一足飛びに、すぐに全ての人が満足できる状態に到達することは困難なのかもしれませんが、東京都におきましては、少なくとも常に至らない点、不足している点を素直に認めて、たゆまず予算措置を増強し、前進していく姿勢に立たなければなりません。
その意味で、都内の病院はそれぞれ、バリアフリー法や建築物バリアフリー条例、福祉のまちづくり条例が適用される対象であり、特に都立病院や公社病院はそうした取り組みの模範に立たなければならないと考えるものであります。
そこで、都立病院や公社病院におきますオストメイト対応トイレの整備状況は、現状どうなっているのか、答弁を求めたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 病院は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法、建築物バリアフリー条例、福祉のまちづくり条例が適用されております。改築時に、オストメイト対応トイレの設置が義務づけられているところでございます。
条例改正後に改築した松沢病院では、基準にのっとって整備をしております。条例改正前に建設された病院も、順次、設置を進めているところでございます。
二十九年三月現在、都立病院は八病院中七病院、公社病院は六病院中四病院で設置をしてございます。
○中山委員 ただいま答弁の中で、都立病院では八病院中七病院、公社病院では六病院中四病院でオストメイト対応トイレが整備されているというお話をいただきました。
整備されている七つの都立病院、四つの公社病院では、全てのトイレ施設、これは数個の便器から成っているものは一個と数えるわけですけれども、その全てのトイレ施設にオストメイト対応トイレが整備されているということなのでしょうか。それとも、病院内に一カ所ずつはあるということなのでしょうか。率直にお答えいただきたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 オストメイト対応トイレが整備されております病院につきましては、少なくとも院内に一カ所以上設置してございます。
条例改正後に改築した松沢病院では、規定に基づき、複数のオストメイト対応トイレを整備しております。
また、ただいまご答弁差し上げましたけれども、順次整備を進めている他の病院につきましても、病院の治療の特性上、数カ所設置している病院もございます。
○中山委員 数カ所設置している病院もあれば、一カ所ずつ設置をしているということの病院もあるということでございますが、そうした取り組みを現状として是として行っている理由というものを、考え方というのをお聞きかせいただきたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 オストメイト対応トイレは、バリアフリー法を基本といたしまして、建築物バリアフリー条例及び福祉のまちづくり条例がそれぞれ、法律、条例に上乗せする基準を定める形となっております。
オストメイト対応トイレの設置基準といたしましては、バリアフリー法が根拠となっております。障害者用トイレを置く場合には、そのうち一以上をオストメイト対応、水洗器具を伴っているものにという規定がございまして、病院は、特別特定建築物に該当し、建築時の基準適合義務がございます。
バリアフリー法及び建築物バリアフリー条例においては改築時の義務づけ、また、福祉のまちづくり条例では大規模改修時に設置の遵守がそれぞれ求められており、先ほど答弁いたしました松沢病院以外の病院については、法律、条例の適用あるいは改正前の建物であるため、設置の義務が生じておりません。
しかしながら、病院ではオストメイトの患者さんの来院や、新たに人工肛門等を造設した患者さんへの訓練など、オストメイト対応トイレが必要なため、法令の趣旨にのっとって、少なくとも院内に一カ所以上になるように整備を進めてきたところでございます。
○中山委員 まずは最低一カ所ずつだけでも、全ての都立病院と公社病院にオストメイト対応トイレが整備されている状態を目指すということが最優先だという考え方というのは、ある程度理解するものであります。
その上で、やはり目指すべき最終段階というものはどういう姿であるべきなのかということはあらかじめ俯瞰しておく必要もあると考えますので、その観点に立っていくと、まだまだ努力しなければならないということだと思います。
当然な話ですが、もし自分がオストメイトであったらということを考えますと、トイレを必要とする場合に、病院内に一カ所しか配置されていないという状態では大変不便を生じる場合があります。
現実的には、人工肛門を扱う泌尿器科とか、そういった診療科で受診することが多いとは思いますけれども、それだけではなくて、耳鼻咽喉科ですとか、呼吸器科ですとか、さまざまなところでオストメイトの方も受診する可能性があるわけでありまして、障害者差別解消への取り組みは、決して日本が最先端を行っているというわけではありません。
確かに日本よりおくれている国もあるのかもしれませんけれども、そこと比べてまだましということで安心していたのではどうしようもないわけでありまして、むしろ先進よりも後発であるということを自覚して、後から整備を図る上では、先進を超えるぐらいの取り組みを目指すべき、せめて二度目のパラリンピックを開催する都市である東京の都立病院、公社病院におかれましては、それぐらいの自負を持って臨んでいただきたいと思います。
そういう面で、さらに三十年度は、二十九年度予算の審議をしているときに申しわけございませんけど、三十年度はさらに意欲的に予算要望に取り組んでいただくことを期待するものであります。
オストメイトは、排せつ物を一定時間ごとに便器や汚物流しに捨てる必要がありまして、パウチや腹部を洗浄する必要も抱えております。ご承知のとおりだと思います。汚物流しと洗浄台が別々に設置される場合もありますし、機能を兼ね合わせて設置する場合もあるということは、既にご案内のとおりかと思います。
しかし、こうした機能を全ての便器、洋式トイレに設置することは困難でありますし、かえって便器の設置数を減らすことにもつながりかねません。
そうした意味で、先ほども申し上げましたが、複数の洋式トイレが設置されている中に一個ずつはオストメイト対応トイレが用意されていてほしいという要望になるわけであります。
しかし、オストメイトを使用したくても既に使用中である、そういう場合もあるわけでありますので、そうした場合には、普通の洋式トイレよりも臀部、お尻の部分が、腰かける部分が広めになっていて、深く奥に腰かけることができるようになっているトイレが、便座があるそうでございまして、そのおかげで前方の開口部が広く開いた状態で腰かけられる洋式型便座が工夫されているようであります。
俗に前広便座と呼ばれるものだそうですが、これは、オストメイトが腰かけたままパウチを取り外して汚物を廃棄することができるという点で、オストメイト団体も歓迎しているということをお伺いいたしました。
なぜオストメイトがこうした便座を喜ぶのかと申しますと、汚物流しは高さ調節の機能がついていないものが今のところはほとんどでありますので、それぞれの人の腰の高さというものに合っているわけじゃないんだそうですね。パウチは外しにくいということもあるそうであります。恐らくそういう面では、前広便座は腰かけて広くなった洋式便座の開口部で汚物処理ができますので、高さ調節の必要がなく、助かるのだそうであります。
また、私も指摘を受けるまで思い至りませんでしたが、女性の方が採尿を求められる場合にも、このいわゆる前広便座は採尿処理がしやすいというメリットがあるとお伺いしました。
その話は一種の暴論かもしれませんけれども、いわゆる前広便座は、便座を交換するだけで普通の洋式トイレをオストメイト対応トイレ風に変えていく効果があるものと考えます。
あくまで基本としては、全てのトイレ施設で一カ所ずつは専用の洗浄施設などがつくなどの法令で認められているオストメイト対応トイレの整備を着実に進めていくことを前提とした上で、病院経営本部は、いわゆる前広便座に限らず、こうした比較的廉価で実施できるオストメイトへの配慮に取り組むため、オストメイト当事者から丁寧に意見聴取、意見交換を重ねるべきと考えますけれども、答弁を求めておきたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ただいま中山理事からお話のあった前広便座につきまして、少し勉強させていただきました。
便座に座って楽な姿勢でパウチ処理ができることや、健常者との共用が可能であること、便座の交換だけで安価に対応できるなど、一般家庭で導入するにはすぐれた機能を持った製品であるというふうにも考えてございます。
一方、病院で何が現時点でできるかということになりますけれども、病院におきましては、福祉相談を案内するパンフレットや患者団体が発行する情報紙など、オストメイト当事者に係る有益な情報を置くことについては、各病院と調整の上、対応できることもあるというふうに考えております。
具体的な例でございますけれども、駒込病院では、昨年十月以降、オストミー協会のパンフレットを相談窓口に置いてございます。
近年、オストメイト対応の設備機器につきましては、開発途上のものもあり、製品開発や法令の整備基準への採用状況などを踏まえまして整備を検討する必要があるとも考えています。
今後も、病院での設備面での課題の検討や、患者の声相談窓口、あわせて患者支援センターの相談機能などを通じまして、患者さんの声に耳を傾けて、治療中の療養環境の配慮に努めてまいります。
○中山委員 これからも当事者の方々との意見交換を丁寧に進めていただきたいと思います。
四点にわたってオストメイト対応トイレについて伺ってまいりましたが、次に、そのほかの障害のある患者の方々への対応について、現状と取り組みを伺ってまいりたいと思います。
まず、聴覚障害者への配慮のあり方でありますけれども、聴覚障害者への合理的な配慮のあり方として、QRコードによる情報提供や積極的な文字情報での情報提供などが、社会のさまざまな分野で求められ始めております。
都立病院や公社病院におきましても対応が求められる社会的な背景は、既にオストメイト対応トイレについて申し述べた質問のとおりでございます。
病院経営本部では、原則として、筆談を用いて丁寧に、診療時やさまざまな説明の際に対応を心がけていると伺っております。
しかし、時に聴覚障害者の方々の側から説明を試みる必要があったり、質疑応答を重ねて理解を深めなければならない、そういった場合には、筆談よりも手話の方が早いという実感を持っていらっしゃる、その方が便利だという実感を持ってらっしゃる障害者の方々も多くいらっしゃるようであります。
病院の各種窓口や診察ブースなど、聴覚に障害のある患者さんに対して、都立病院の現場ではどのような対応を行っているのか。全ての窓口での取り組みの充実には時間を要するのかもしれませんが、その突破口を開くために工夫に努めていくべきと考えますが、その内容についてお伺いしたいと思います。
○谷田サービス推進部長 都立、公社病院では、聴覚障害のある方に適切に対応するために、外来受付などに筆談用のバインダーやメモボードを用意しているほか、患者さんからの申し出があれば職員が必要な援助を行う耳マークの掲出などを行っております。
こうした対応をさらに充実するために、多摩総合医療センターでは、昨年七月からですが、福祉保健局のモデル事業であります東京都ICT遠隔手話通訳等モデル事業に参画いたしまして、遠隔手話通訳システムや、会話をリアルタイムで字幕表示するコミュニケーションアプリを搭載いたしましたタブレット端末の活用を試行的に開始したところでございます。
さらに、十二月からは、聴覚障害者が自力で診療予約ができるよう、一部の病院でファクスによる予約受け付けを試行的に実施しているところでございます。
○中山委員 今答弁ありましたファクスとかは大変すばらしいことだと思います。
また、ICT遠隔手話通訳モデル事業、これは私もいろんな場面でそうした趣旨のことをお話しさせていただいたり、あるいはタブレット端末を用いての会話のリアルタイムでの字幕表示、これもいろいろ開発をしている事業者さんから提案をいただいたりしてまいりましたけれども、そうした活用ということを促してきたつもりでございますけれども、そうしたものが早期に、いろんな検証を重ねて改善もしなくちゃいけないと思うんです。できれば早期に全都立病院、公社病院で実施をお願いしたいと思いますけれども、今後の適用の拡大の考え方、見込みについてご見解をお願いしたいと思います。
○谷田サービス推進部長 今、中山理事からもお話がありましたように、遠隔手話等の通訳モデル事業、こちらの方は、そういった意味で、先ほど申し上げましたが試行という状況で行っておりまして、そういったような状況も十分これから検証しなければいけないというふうに思ってございます。
そういった意味では、そういったところの検証、あるいは障害のある方々からのニーズ、お話もお聞きしながら、今後の都立病院の拡充ということを考えていきたいと思います。
○中山委員 ぜひ、よりよい形で全病院に適用できるように、前向きなご検討をお願いしたいと思います。
聴覚障害者に関して、モデル事業としての新たな取り組みのお話がございましたけれども、それに限らず、昨年四月の障害者差別解消法の施行と相まって、都立病院、公社病院として、今後、障害者全般が利用しやすい環境づくりに向けて、どのように意欲的に取り組んでいくつもりなのか、その考え方をお伺いしたいと思います。
○谷田サービス推進部長 病院にはさまざまな疾病や障害を持った方が訪れますが、例えば人工関節や難病の方など外見からは障害がわかりにくい方もいらっしゃることから、都立、公社病院では、昨年十二月からヘルプマークの配布を開始するとともに、職員が適切にお声がけを行えるよう対応を進めております。
ご指摘ありましたとおり、昨年の障害者差別解消法の施行によりまして、行政機関においては意思疎通や施設環境など合理的配慮を講じる義務があることから、障害者に優しい病院づくりがより一層求められているところでございます。
こうした対応を全ての病院でさらに推進するために、障害者対応の充実をテーマとした、病院横断、多職種によるPTを設置したところでありまして、今後、施設やサービスなど、さまざまな視点から精力的に検討を進めてまいります。
○中山委員 今のご答弁に関連して、二点、ちょっとお尋ねしたいと思います。
まず一つは、昨年十二月から着手されたヘルプマークの配布の取り組みについての言及がございました。ヘルプマークは、本委員会の山加理事も先ほどお話があったとおり厚生委員会でご活躍されてこられまして、その取り組みの大切さを私も実感しているところでございます。さらに普及を求めたいというふうに思います。
その上で、ヘルプマークが、主に内部障害者、妊婦さんなど、そうした方々への配慮において効果を発揮するという点であるのに対して、知的障害者などがパニックに陥ったときなどに周囲からの援助を求めたいと、そういうときにかざすヘルプカードというものも、我が党の伊藤こういち議員が積極的に推進を図ってきたところであります。
ちなみに、東京駅の帰宅困難者の対策訓練のときに、私も何年か前に訪れて、駅長さんと話しましたけれども、ヘルプカードを知らなかったんですよ、その時点で。だから、かざしていても、知らない人が対応していたのでは何もできない。
ヘルプカードを見れば、当事者が衰弱などで声に出して説明できない場合にも、その障害者への援助の仕方などをカードを通して把握することができるわけであります。しかし先ほど申し上げたように、当事者がせっかくヘルプカードを掲げていても、周囲の人がその意味するところがわからなければ、効果が薄らいでしまいます。
ヘルプカードについても周知を図っていくべきと考えますが、考え方、答弁を求めたいと思います。
○谷田サービス推進部長 今お話のありましたヘルプカードにつきましては、区市町村の方が事業主体という形になっていることもございます。
ただ、お話の趣旨としては、ヘルプマーク同様、外見からはわからないというときに、そうしたもので助けを求める一助になるというようなことだと思っておりますので、事業主体である区市町村とも連携をしながら、今後、我々の方も進めてまいりたいというふうに思っております。
○中山委員 また、先ほどご答弁の中で、病院横断的、多職種によるPTを設置して取り組み始めているということがございました。
そのPTの設置とはいつごろなのか、いつごろ設置したのか。そしてまた、今後どういうふうにPTを通じて対策を練ろうとしているのか。その点について、今お答えできる範囲で結構ですので、ご答弁いただきたいと思います。
○谷田サービス推進部長 今お話のありました、病院横断、多職種のPTでございますが、こちらの方は今月になって設置をしているところでございます。
本格的な活動につきましては来年度からでございますが、今後、検討すべきポイント等を整理いたしまして、進めてまいりたいというふうに思っております。
○中山委員 最後、本部長に聞いていただければと思うんですけれども、今、話がありました病院横断、多職種によるPTというのはすばらしいことだと思うんですね。そうした取り組みを、ぜひ今後も進めていっていただきたいと思います。
都立病院、公社病院に限らないかもしれませんけれども、病院の存在価値の示し方として、こうした患者本位の、特に合理的配慮を要する患者の方々へのきめ細やかな配慮、分野というのはとても大事だと私は思います。
すぐれた先進的な医療機器を多くの都民が利用できるように、廉価な費用で提供していくといいますか、そういうことも大切であり、そのことはそのこととして改めて病院経営本部に求め続けていきたいという点でもありますし、また、先進的な医療技術を持つすぐれたドクターをたくさん確保していただいてということも大事なことですから、その点もご努力をお願いしたいと思います。
けれども、なかなか医療機器の先進性というのはずっと保てるというものでもありませんし、なかなか、常に先進的な医療機器を更新し続けるということも大変な作業でもあります。また、せっかくドクターをつかんでも、いつまでもいてくれるというわけじゃないかもしれません。
そうした面では、こうした合理的配慮を要する患者への対応を初め、患者本位の医療に重んじる仕組みを本当の意味で確立することができれば、それは伝統として、都立病院や公社病院の、時の移りに左右されない魅力として光るわけでありますし、納税者の方々もご納得いただける、そうした存在価値の発揮につながっていくものと考えます。
内藤病院経営本部長におかれましては、ぜひこうした点での努力を、他の多くの課題、対応しなくちゃいけない課題がいっぱいあるから大変だと思うんですけれども、それとともに念頭に置いていただいて、運営、指揮に励んでいただきたいと思います。
私の質問を終わらせていただきます。
○斉藤委員 それでは、私の方からは二テーマ質問しますが、その前に、先ほど説明いただいた資料の十七番目の都立病院の行動制限実施患者数の推移というのを見ていましたら、この四年間で、精神科病院であります松沢病院の身体拘束が半分以下になっているのに気がつきました。
隔離の方は若干ふえてはいるんですけれども、隔離にせよ身体拘束にせよ、どういうふうに判断をしていくかというのはなかなか現場で悩めるところであるのは承知をしておりますけれども、それでも身体拘束の部分について、その数を減らしていこうという努力があった数字ではないかなというふうに推察されます。大変、この部分については評価をしていきたいと思います。
それでは質問に入ります。
二つのテーマの一番目です。府中にございます多摩メディカルキャンパス、先般も契約などがあったりして、二十九年度もまだ大分、解体及び工事というものがたくさんございますけれども、平成二十九年度では、このキャンパス内の工事予定というのはどのようになっているんでしょうか。そこを伺います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩メディカルキャンパスでは、現在行っております旧都立府中病院のB館解体工事が二十九年八月まで、また、二十九年四月から新たに、福祉保健局所管の都立府中療育センター改築工事が予定されております。
○斉藤委員 私の方でこちらを質問したのは、以前より、工事と直接関係ない部分でも、キャンパス内に自家用車もしくはタクシーで入ろうとすると、バスもそうだと思うんですけれども、車寄せのところまでタクシーがたどり着くまでに大変時間がかかるというぐらい、車の関係の渋滞が非常にキャンパス内でも強く、大変しょっちゅう、頻繁に起こっております。
また、それに接する東西道路のところでも多少渋滞してしまうような場合もあるんですが、特に中に入りますと、せっかくタクシーで幾らでおさまりそうかななんて思っていたら、車寄せに着くまでにメーターが上がってしまうというご意見もいただきまして、恐らくいろんな科があるメディカルキャンパスですけれども、しかしながら、入ってくる方に共通で気になる点としては、このキャンパス内に入ったときの車の渋滞が思ったよりも多いし、また長いと。
駐車場は目の前であいているのがわかっているにもかかわらず、なかなかそこにたどり着けないというふうなことがあるということで、大変厳しいご意見を町場などでいただいております。
そんなことで、それに加えてまた工事の関係で支障が出ると大変心配でありますので、二十九年度も途中から療育センターの方の工事も入りますので、平成二十九年度の工事による車の渋滞への影響、これは極力なくしていただきたいと思うわけなんですけれども、今年度、この工事の中で渋滞の発生を防ぐような工夫というものがどのようになっているのか、そこをきちんと伺いたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩メディカルキャンパスにつきましては、多摩総合、小児総合医療センターを初め、医療機関の施設が集積しております。このため、来院する車が特定の時間帯に集中し、渋滞している状況がございます。
病院のホームページでは公共交通機関のご利用をお願いしているところですが、渋滞については課題となっております。
施設内の工事の際には、これまでも公共交通や一般の車両と交錯しないよう、敷地西側にあります府中都市計画道路三・三・八号府中所沢線といいますけど、通称、新府中街道といわれているようでございます、工事の車両の出入り口を指定して、車両動線を分離してございます。
また、大型クレーン車など特殊車両の搬入につきましては、早朝や夜間に行うなど、周辺道路の渋滞を起こさないよう配慮しているところでございます。
二十九年度の工事におきましても、こうした取り組みにより、渋滞への影響を最小限にするよう努めてまいります。
○斉藤委員 ぜひよろしくお願いします。
工事がなくても、ちょっと渋滞の指摘が以前もあったやに思いますので、車両動線については、工事の有無にかかわらず、いろいろ工夫をしていただきたいと思いますし、また工事ということで、なおさら渋滞が発生しやすくなるようなことにならないように、ぜひご留意をいただきたいし、またいろんな工夫をしていただきたいと思います。
それでは、二つ目のテーマでございます。都立広尾病院の稼働率について、ちょっと伺いたいと思います。
今、首都災害医療センターとして、検討委員会で、広尾病院の経営については運営や実際の医療の専門家の皆さんに議論をいただいているのは周知のとおりでありますので、その部分の議論については私の方もお任せをして、特段ここで口を挟むようなつもりは全くございません。
しかしながら、その中で何度も出てきております病床の稼働率、都立病院の方の収益に関しては随分話題になっております。
そこで、今回、平成二十九年度の予算ということで伺うわけなんですが、今現在の都立広尾病院の病床利用率の最新状況というものがどうなっているのか、伺いたいと思います。
また、それに加えて、平成二十九年度の予算では、収益と利用率についてどのように見ているのかを伺いたいと思います。
特に、現在、広尾病院の病床利用率については非常に低いというふうに聞いておりますが、この背景として、ほかの病院と一体何が違うのか、そこもつまびらかにしながら、お答えをいただきたいと思います。
○谷田サービス推進部長 平成二十八年度の病床利用率でございますが、一旦落ち込みましたけれども、今、回復傾向にあるところでございます。
直近の状況でございますが、平成二十九年二月、先月単月の速報値は七三・〇%でございますが、平成二十八年四月から平成二十九年二月までの累計では六五・一%にとどまっているところでございます。
また、平成二十八年度の予算におきましては、広尾病院の病床利用率は九五・六%、入院診療単価は六万一千五百八十七円と見込みまして、入院収益は百二億円を計上しているところでございます。
それから、利用率が低かった主な要因でございますが、医師の退職者が予定外に急増して、平成二十七年度につきましては消化器内科の診療体制の維持が困難となるなど、入院患者の大幅な減少につながったことが挙げられますが、今年度に入りまして運営体制を一新しまして、医師の確保にも努め、病床利用率も回復傾向にあるものと思っております。
○斉藤委員 今、答弁をるるいただきました。
大変気になるところでありますが、二十八年の四月からことしの二月までということで、ほぼ二十八年度の中では、平均して、累計で六五・一%と。今ちょっと、少し、七三%程度ということですが、もともとこの二十八年度予算では、今答弁ありましたように、病床利用率については六五%では全然なくて、予定では、予算の段階では九五・六%とほぼ一〇〇%の、すごい効率のいい稼働率を設定していたんだなというふうなことが、大変正直な答弁でよくわかります。
それまでも、四月からの累計で六五%ですから、恐らくその前も大変厳しい状態、ほかの理想的な病床利用率から比べれば、大変それなりに厳しい状態だったと思うんですが、二十八年度予算では九五%と、何か物すごいフル稼働という設定をしているというのは、ちょっと私なんかが聞いていると、計算上、無理があるんじゃないかなと。
ちょっと悪い影響にならなきゃいいなと思うのは、ややもすると、こういうふうな利用率を想定しているから、もうちょっとこうしろああしろといって現場に無理をさせてしまったり、恐らくそういうことは現実にはないと思うんですけれども、余り違う利用率を設定していくというのもどうかなというふうに思うわけでありますね。
平成二十九年度、来年度につきましては、この病床利用率が、それこそ二十八年度予算で設定したように九五%ぐらい行ったら本当にいいなと思うんですが、実際には今現在が七三%ですから、これはなかなか、それに届かせるというのは相当なウルトラCが必要なんだろうなというふうに思っております。
そこで、二点目に伺うんですけれども、都立病院として、先ほども話がありましたように、引き続き行政的医療を提供するという、また大変難しい役割を果たしながらというふうなことになるわけですけれども、平成二十九年度という病院改築前の短期間で利用率及び収益を改善できる工夫というものをどのように考えているのか、その工夫はあるんでしょうか。そこを伺います。
○谷田サービス推進部長 都立病院の基本的役割であります行政的医療を適正に都民に提供していくには、病院の経営基盤の確立が重要でございます。
そのため、今年度四月からですが、広尾病院につきましては、病院現場と本部が一体となって、病床利用率、収支の改善に向けた取り組みを進めてきたところでございます。
具体的には、地元医師会や連携医療機関等への訪問に加えまして、昨年七月からですが、地域の医療機関向けに救急ホットラインを設置しまして、着実に対応実績を重ねております。
また、よりスムーズな救急車の受け入れに向け、院内のルールを見直し、消防署からも評価の声をいただいております。
さらに、広く地域に広尾病院を知っていただくために、公開講座等を精力的に実施しております。
先ほどもお答えいたしましたとおり、必要な医師の確保に加えまして、こうした取り組みもありまして、病床利用率は先月、速報値で七三・〇%に回復してきておりまして、来年度も取り組みを継続し、病床利用率、収益の改善に努めてまいります。
○斉藤委員 ありがとうございます。もちろん私の方も、行政的医療をやっている以上、何でも病院の収益率を上げろとか、病床利用率を上げろ上げろみたいな話ということは全然思ってはいません。むしろ、そういった部分のところに少し距離を置いて考えるぐらいでも公立病院はいいのかなというふうに思っております。
ただ、もちろん経営というものは非常に重要ですので、その部分も配慮すべきところではありますけれども、しかしながら、ちょっと心配なのは、もちろん保育園にしろ特養ホームにしろ、自分たちが設定した病床数に合わせて、もしくは定員数について、そこに少し足りないぐらいの設定というのは理想的ですし、そういうふうな建物の構造とか人事配置である以上、そういうふうに設定したくなるのもよくわかります。
ただ、ちょっと現実の部分と設定が、距離があり過ぎるというのになるのは、どこまでが適切なのかということを大変心配しているということであります。決して私どもとしては、病床利用率、過去の部分とあわせて考えれば、必ず一〇〇%にちょっと落とすぐらいというふうなことが全てではないんじゃないかなと、現実問題として、というふうな思いもあります。できれば、昨年度などの数字も踏まえて設定をするというのが現実的なところなんだろうかなというふうな理解もするつもりであります。
ですので、今、七三%、本当に病床利用率の累計を二十九年度全体とかで九割とかというふうにしていくとしたら、かなりそれに向かって無理なことをしなきゃいけないような設定では、ちょっと現実との乖離が大き過ぎて、予算といえどもなかなか現実を踏まえないような設定になってしまうんじゃないかなという心配をしております。つまり、そういった数字が無理をかけるんではないかということを心配しているわけです。
これについては、どういうふうなところを注意すればというふうな、なかなか答えがないと思うんですが、質問の趣旨としては、やはり多少現実の部分を踏まえて、行政的医療もありますから、少し正直な設定というものがあっても私はいいのではないかなというふうに提言をいたします。
もちろん二十九年度において目標とする利用率を達成するということがあれば、それはそれで喜ばしいことだとは思います。ただ、現場に無理をかけないような設定、現場に無理をかけないような方向性で病院運営と患者の入退院を考えていただきたいということを申し述べて、質問を終わります。
○畔上委員 それでは、私から大綱二点、伺いたいと思います。
最初に、母体救命対応総合周産期母子医療センターについて伺いたいと思います。
昨年の事務事業質疑におきまして、区の東部地域のハイリスクの妊娠とか、五百グラムぐらいで生まれた赤ちゃんの命を守る、こういった高度な新生児医療、こういう重要な役割を果たしている都立墨東病院について質疑をいたしましたが、この都立墨東病院が、今年度、母体救命対応総合周産期母子医療センターになったと。都内では六つ目の指定ということになりました。
二〇〇八年に妊婦さんが亡くなって、本当に痛ましい事件から九年がたちました。現場の皆さんは本当に重く苦しい思いを乗り越えられて頑張って、今や都内一の母体救命対応の総合周産期母子医療センターに発展されたと。そのことには、私は心から敬意を表したいというふうに思います。
その役割を大いに発揮していただきたいと、そういう思いで質問したいと思いますが、一つは、都立墨東病院が母体救命対応総合周産期母子医療センターとして指定をされ、どのような具体的な体制整備が行われたのでしょうか。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 墨東病院では、母体救命対応総合周産期母子医療センターの指定に向けまして、産科医、新生児科医及び助産師について人員体制の強化を図っております。
また、新棟の整備に合わせまして、救急搬送患者の受け入れ強化のため、初療室を二室から三室に増室するとともに、CT検査と血管撮影を一カ所で行える救命撮影室を新たに整備するなど、母体救命に対応する救命救急機能の強化を図ってまいりました。
さらに、今年度におきましては、ハイリスク分娩への対応力強化のため、MFICUの改修やハイブリッド手術室の整備を行い、今月末に稼働する予定でございます。
○畔上委員 今のご答弁では、ドクターと助産師さんをふやして最先端の手術室などが整備されたということですね。
こうした新しい体制整備がなされるとなれば、やはり私はさまざまな職種でそれなりのやっぱり人員配置、これも必要になるんじゃないかというふうに思うんですが、スタッフの増員などについて、病院側からはどのような要望が出されて、どのような取り組みをされているんでしょうか。
○矢田部経営企画部長 墨東病院からはこれまで、救命救急部門、ハイブリッド手術室、周産期部門といった母体救命対応総合周産期母子医療センターの運営に必要な人員の要望が出されてまいりました。
こうした要望を受けまして、これまで医師、看護師、助産師等の必要な人員を措置してまいりました。
○畔上委員 今、必要な体制は整備したというお答えだったんですが、私も、昨年も視察をさせていただいたときに、周産期の病棟では三交代夜勤で月十回を超えているということを伺いました。
母体救命対応も行って、そして都内の総合周産期母子医療センターの中でも最も多く受け入れているという状況ですから、現場の声をよく聞いていただいて、やはり必要なスタッフ、きちんと拡充をしていただきたいというふうに要望したいと思います。
女性のドクターもかなりふえておりますし、また看護師も女性が多いわけですから、育児時間の勤務とか、それからあと育休に入っている方、こういう方もいらっしゃると思います。
十分な体制で、やはり女性職員も働きやすく、そして母体搬送もしっかり受け入れられる、そういう母体救命対応の総合周産期母子医療センターとしての役割を発揮していただけるように、果たしていただけるように強く求めておきたいと思います。
大綱の二点目は、都立病院における職員の勤務時間についてです。
知事は、さきの本会議におきまして、我が党の米倉議員が過労死や長時間労働の防止を求める一般質問を行いましたが、その答弁の中で、個人のライフスタイルに応じた働き方こそ、一人一人の力を一〇〇%引き出して社会全体の生産性を高めることにつながります、都庁では、隗より始めよとの認識のもとで、残業ゼロを目指して取り組んでいるとご答弁されていました。
残業ゼロを目指す取り組みは、病院経営本部としてはどのように取り組んでいらっしゃるのか、まず伺います。
○矢田部経営企画部長 病院経営本部におきましては、超過勤務は例外的また臨時的なものであり、真にやむを得ない場合に限って命ずるものであるといった原則につきまして、これまでも各病院に周知を図ってまいりました。
また、昨年九月に出されました知事から職員へのメッセージを受けまして、都として行う超過勤務の縮減に向けた取り組みの趣旨を周知するとともに、各病院におきましても、早く帰るための工夫や業務の見直し等の取り組みを推進するように指示したところでございます。
さらに、全ての管理職がイクボス宣言を行いまして、ライフワークバランス実現のための組織風土づくりに努めております。
○畔上委員 それが現場でどのように具体化されているかということが私は重要なんだというふうに思いますが、労働時間の管理、これについては、各都立病院では誰が把握をされているんでしょうか。
○矢田部経営企画部長 職員の労働時間につきましては、各病院、職場の管理職が管理をしております。
○畔上委員 そうしますと、労働時間の管理はどのようなやり方で管理をされているんでしょうか。
○矢田部経営企画部長 超過勤務につきましては、超過勤務命令簿によりまして、管理職による事前命令、事後確認を徹底しております。
さらに、超過勤務命令を受けずに職場に残っている職員がいれば声をかけまして、業務であれば超過勤務命令を行っております。
○畔上委員 そうしますと、残業の実態は改善されているんでしょうか。超勤の申請は全て認められているんでしょうか。
○矢田部経営企画部長 都立病院におきます職員一人、月当たりの平均超過勤務時間数は、平成二十七年度は六・九時間でありまして、前年度と比較しまして、これはわずかながらふえております。
超過勤務につきましては、管理職による事前命令、事後確認を徹底するとともに、病院内の各部署への超勤パトロールを行いまして、超過勤務命令を受けないままに職員が職場にいる場合は帰宅を促す声かけをする一方で、業務と確認した場合には適切に命令を出すといった取り組みを行っております。
患者の急変対応とか、また緊急の診療業務などで、三六協定に規定する上限を超えて超過勤務を命ずる場合等もございますけれども、この場合には特例協議の手続を適切に行っております。
二十四時間医療を提供しており、患者の状況などにより、やむを得ず超過勤務を命ずることが避けられない、こうした医療現場の特性がございますけれども、業務の実情に合わせまして、勤務時間設定の見直しなどを随時行っているところであり、今後も超過勤務の縮減に努めてまいります。
○畔上委員 そうすると、今のご答弁だと超過勤務はふえていると、微増ということであります。
実は、私たちのところに、業務がふえているのに人員がふえていないために超過勤務をやらざるを得ない状態で、それなのに超過勤務の申請が認められないという、そういった深刻な声が、最近、ごく最近なんですけれども寄せられました。
都庁職がホームページで公開をしています、新人看護師疲労度調査報告というのが載っていました。私もこれを見ましたら、全ての病院で新人は勤務前後に超過勤務を行っている実態が示されていまして、しかも勤務前超勤は一〇〇%ただ働きだと。勤務後の超勤は七・六%しか超過勤務申請がされていないということが書いてありました。これは、超勤申請は半分ぐらい申請するのが常識という、都立病院に蔓延する非常識を新人が職場のマナーとして学んでいるということですというふうに、そこの報告書には書かれておりました。
職場の特殊性の特例事項、先ほどお話がありましたけれども、それ以前の問題なわけです。厚労省は、労働時間の管理については、出勤か退勤かの時間が記録できる形が望ましいというふうにしています。
ICカードや、少なくともタイムカードなどで時間の管理が必要なんじゃないでしょうか。その点についてちょっと伺います。
○矢田部経営企画部長 都立病院では現在、出勤時にICカードの使用によりまして、所定の勤務開始時間までに出勤したことの確認は行っております。
しかしながら、退庁時間につきましては、例えば医師の場合、業務の特性上、診療と研究の側面がなかなかこう複雑に絡み合って区別が判然とせずに、病院内にいた時間と勤務時間とを分けて記録することが非常に難しいといった実態がございます。
また、こういった観点から、必ずしも退庁時のICカード使用が労働時間を管理するのに容易ではないといった実態がございます。
また、病院では、業務の実情に応じまして部署ごとに勤務時間の設定が異なりまして、通常、一つの病院当たり約百種類ぐらいの勤務時間の設定がございます。こういうふうに非常に複雑になっております。
このため、現在、都立病院におきましては、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の施行規則に基づきまして、超過勤務は、超過勤務命令簿により管理しているところでございます。
なお、委員のお話の国の動きでございますけれども、厚生労働省がガイドラインで、労働時間の把握のためには、使用者はみずから現認するか、タイムカードなどの手法を用いて確認するといったことを挙げていることについては承知しておりますけれども、その一方で、やむを得ず自己申告制で労働時間を把握する場合は、労働者への十分な説明を行うことなどを伝えておりまして、都立病院におきましては、こうした対応を適切に行うことによりまして労働時間の把握を行っているところでございます。
○畔上委員 適切に把握されているということだったんですが、実際には、こうした超勤申請ができないという事実があるということをしっかり受けとめていただきたいと思います。
そういう点では、改善の一つとして、タイムカードで打刻するなど具体化する必要があるんじゃないでしょうか。ただ働きはしていないと、してはならないという方針を出されているのに、現場で徹底されないと意味がないわけです。
過労死、改善されない長時間労働という実態の中で、厚労省は、先ほどもお話がありましたが、ことしの一月に、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずるべき措置に関するガイドラインを策定したわけです。そのガイドラインでは、時間外労働削減のための社内通達等が労働時間の適正な申告を阻害する要因になっている場合には、改善のための措置を講ずることとしています。これは、残業しているのに残業をしないことにしなさいという職場があるという現実に即して、厚労省は、このことにもガイドラインで言及しているわけです。
厚労省の労働時間の適正な把握のために使用者が講ずるべき措置に関するガイドラインをどう具体化されているんでしょうか。
○矢田部経営企画部長 都立病院ではこれまでも、適切な労務管理の徹底について取り組んでまいりました。
このたび、国からガイドラインが示されたことから、労働時間の適正な把握のため、労使合同の超勤パトロールなどによりまして、実態調査の実施や、また超過勤務事前命令、事後確認のさらなる徹底を図っていくこととしております。
また、各病院におきましては、安全衛生委員会等を活用しまして、労働時間管理上の問題解決を職場の実情に合わせて検討しております。
○畔上委員 ガイドラインでは、実際には延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上は時間外に関する労使協定、いわゆる三六協定を守っているようにすることが、実際に労働時間を管理する者や労働者等において、慣習的に行われていないかについても確認することとしております。
また、このガイドラインでは、適用の範囲、労働時間の考え方、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずるべき措置が明確にされています。
ガイドラインについて、各職場にどのように周知徹底されているのか、伺います。
○矢田部経営企画部長 既に、三月上旬に各病院の庶務担当課長を集めた会議を開催いたしました。この場で、ガイドラインについて説明するとともに、各職場の管理監督者に、ガイドラインの趣旨の周知徹底を図るように指示したところでございます。
あわせまして、管理監督者だけでなく一般の職員にも働く際のルールについて研修を実施するなどして、ガイドラインの趣旨を伝えることとしております。
こうした取り組みにより、職場全体での早く帰るという意識の浸透と雰囲気の醸成を図っていくこととしております。
○畔上委員 労働時間の厳密な管理、これを強く求めたいと思います。
病院現場では、人手不足による過密労働、長時間労働が大変です。そうした中で、せっかく入ったのに離職する職員もふえていると聞いています。いただいた資料でも、看護師の離職数、これは確かにふえております。労務管理は、労働時間や有給休暇の管理、そして健康管理を含め、就業規則全般にわたって働く人たちの労働条件を保全管理することをいいますが、相応に高い専門性が求められます。
職務上の必要な管理にとどまらず、働く人たちの健康管理、労働各法のコンプライアンスなどの研修がやはり必要なのではないでしょうか。そして、業務に見合った人員配置で過重労働を一掃し、健康で働き続けられる、そういう都立病院にしていただくことは、患者にとってもよりよい医療環境になるということを申し上げて、私の質問を終わります。
○木村委員 きょう、間際の質問で、病院経営本部の方々にはご迷惑をおかけしました。申しわけありません。時間のない中で対応していただきまして、本当にありがとうございます。
府中にある小児総合医療センターのことについて質問をさせていただきます。
国も東京都も待機児童対策に力を入れておりまして、今年度、都は百二十六億円の補正予算を組んでおります。国も補正予算を組むなどして対応しているところですが、政府や区市町村と一丸となって、子育てしやすい環境づくりを進める姿勢を打ち出しております。
この背景というのは、端的にいえば、子供を預けるところが不足している、例えばこのような状況で子供が入院した、加えて、入院した子供以外にも兄弟がいると。親は兄弟が小さい場合、急遽預ける場所を考える必要があるんだと。
当センターは、ほかの病院と同様に、未就学児の面会は認められておりません。しかし、家族が面会している際に、未就学児を預かるキッズルームがございます。
そこで、このキッズルームの運営状況についてお伺いします。
○谷田サービス推進部長 小児総合医療センターでは、入院している患者の保護者が面会や付き添いを行う際に、院内感染防止の観点から、小さなお子様を病室にお連れいただくことはご遠慮をいただいております。
このため、生後三カ月から就学前までの、患者の兄弟姉妹を一時的に見守り、世話をする場所としてキッズルームを設けております。
常時、三名程度のボランティアの方々に協力をいただきまして、主に平日の午前十時から十二時までと、午後二時から午後四時までの間、運営をしております。
定員は十名でございまして、データは若干古くなって恐縮ですが、平成二十七年四月の利用実績は延べ百四名、一日当たりで換算いたしますと、約五名程度ということになっております。
○木村委員 私が調べた限り、全国にキッズルームがある病院というのはそんなに多くありませんでした。小児総合医療センターは、本当に頑張っているし、これは誇るべき取り組みだと思います。
保育サービスは、一時保育やファミリーサポートなどがある市区町村もあって、ところが、事前登録が必要であったり、埋まっていれば使うことができないなど、機動性に欠ける側面がございます。
しかし、キッズルームだと事前の登録や予約もなく当日受け付けてくれるし無料なので、緊急時などにも便利だと思います。もちろん、予約できないので、当日あきがないと利用できないというマイナスな側面もあります。
キッズルームは、病院によって預かる対象の年齢がさまざまで、小児総合医療センターが預かる基準としている生後三カ月というのは、中でも早い方だと思います。
一般的に、ゼロ歳から二歳あたりまでは目が離せないわけで、例えば、有償、無償の違いはありますけれども、この年齢を対象としている、いわゆる保育ママ制度の家庭的保育者には、有資格者または研修を受けた者などの要件があります。
また、ファミリーサポートでは、子供を預かる人は、区市町村による講習などを受けておりますが、小児総合医療センターのボランティアさんについては、何か要件を設けているのでしょうか。
○谷田サービス推進部長 小児総合医療センターでは、患者さんとそのご家族が病院をより快適に利用できるよう、ボランティアを募集いたしまして、外来での患者案内やキッズルームでの見守りなど、さまざまな活動を行っていただいております。
ボランティアの登録に当たりましては、特に専門資格等の要件は設けてございませんが、登録時に必ず、個人情報の取り扱いや守秘義務などについて説明を行いまして、活動の趣旨や留意事項を十分ご理解いただきまして、活動に従事していただいております。
また、保険料を病院での負担とした上で、参加者全員にボランティア保険に加入していただきまして、万が一事故が発生した場合の補償にも対応しております。
○木村委員 万が一事故が起きた場合だとか、そうすると子供や家族は傷つくし、それからボランティアさんも傷つくと。善意あるボランティアさんを守るためにも、ぜひ要件を設定していただきたいと思います。
病院によっては、キッズルームを設けるのではなくて、院内保育所で一時預かりをしているところもあります。同じ敷地内の東京都立多摩総合医療センター院内保育室を活用して、ゼロ歳から二歳までを預かるという選択肢はないだろうかと、私はこう思うのですが、このことについては、直前だったので回答を準備する時間もなかったと思いますし、回答は求めません。ぜひ、無理なんだと決めつけないで、検討していただきたいなと、そんなふうに思います。
ボランティアの力を活用することはとっても大切だと思いまして、今から申し上げるのは、ボランティアの力を活用することを否定するものではありません。
学会紙に掲載されている論文で、このような兄弟を預かる家族のニーズなどを調べたものがありました。兄弟預かりを必要としている人たちの特徴は、子供の年齢が低い、兄弟の人数が少ない、子供の緊急入院の割合が高い、母親の年齢が低い、母親の精神状態が悪い、兄弟の情緒及び行動で気になる程度が高い。つまり、この論文によれば、兄弟預かりのニーズが高い人は、余裕がなく、不安が大きい人が多いというふうに読み取ることができます。
相談もするところがなくて抱え込んでいる、だとすると、兄弟を預けたときに、保育士などの専門家に相談できたり、何よりも家族が安心して預けられる環境というのが望ましいのかなと思います。それが、より効果的な家族支援につながるのではないでしょうか。
そこで、キッズルームにボランティア以外にも専門職を配置できないものか、お伺いをいたします。
○谷田サービス推進部長 キッズルームは、お見舞いに来たものの、病室に入ることができない患者の兄弟を一時的にお預かりする場所であり、保育や子育ての悩みに対応する場所ではないことから、保育士等の専門職は配置しておりません。
しかしながら、ボランティアさんの中には、保育学科に通う学生もいることから、こうした方々の特性や経験等を考慮いたしまして、配置場所を決定し、適正にキッズルームの運営を行っているところでございます。
○木村委員 現行の運営についてはよくわかりました。
先ほども申し上げたんですけれども、兄弟預かりを必要とする人のニーズを、どうぞ今以上に反映していただきますよう要望して質問を終わります。ありがとうございます。
○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時十九分休憩
午後二時三十六分開議
○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○石毛委員 それでは、先日、都立墨東病院の管理栄養士・病院専門調理師が考えた家族みんなで健康ごはんというのが配られまして、(資料を示す)目を通したところでございます。これは、大変すばらしく、なかなか凝っているなと、このように感じたところであります。
食は、健康の源で、患者や健康な人にとっても生活習慣病予防につながると思います。この本には、こうした配慮したメニューとなっております。カロリー、塩分、こういった含有量等はもちろんでありますが、和洋中、インドも入ったかな、ブラジルとか、こういった世界の料理が数々入っておりまして、各ページには、病院専門調理師、また管理栄養士のコメントがイラストを添えて丁寧にわかりやすく書かれております。
これは、全体では四十一のメニュー、毎日の健康ごはん二十七メニュー、マーボーナスとか、郷土料理は六メニューで、横川の釜飯とか、また世界のメニュー八メニューでは、ブラジルのフェジョアーダと、どれも見るとおいしそうで、先ほど昼食べたんですが、これも食べてみたいよなと、こんなような感じでございまして、患者じゃなくても非常に食欲をそそるような本でございます。
値段もびっくりしちゃうんですが、これはきっと利益が出ないような値段ではないかと思います。大変財布に優しい、ワンコインで四十円お釣りが来るという、四百六十円。これだけのボリュームでカラーですよ、カラー。考えられないですね。四百六十円、こういうことでございまして、ぜひともこの本、レシピ本を作成するに至った経緯、作成目的、期待する効果はどこにあるのか、お聞かせください。
○矢田部経営企画部長 都立病院における管理栄養士や病院調理師は、日ごろから、個々の患者の病状などに応じた食事の提供などを通じまして、ほかの職種の職員とともに取り組むチーム医療の一翼を担っております。
このたび、退院後、栄養バランスのよい食事をとるにはどうすればよいかといった患者や、また家族の皆様からの要望があったことから、これまで培ってきた病院食のレシピをもとに、家庭料理に低エネルギーでおいしい食事を取り入れることを目的として、職員が知恵を出し合って、四十一のメニューを厳選したレシピ本を作成したものでございます。
調理のコツや栄養量を調節する工夫についてのアドバイスを掲載しておりまして、多くの方々の健康づくりのお手伝いができるものと考えております。
○石毛委員 わかりました。こうした取り組みが病院の現場の職員に与える影響をどのように考えるのか。特にこれ、二枚目ぐらいを見ますと、皆さん、ここに携わった人たちの顔が写っておりまして、最後の方にも、栄養士、また調理師の顔が写っているわけでありますが、どうでしょうか。
○矢田部経営企画部長 管理栄養士や病院調理師は、病院の特徴ある医療に合わせまして経験を積み、患者さんのご意見を直接伺いながら食事づくりに工夫を重ねております。
今回のレシピ本は、こうした日ごろの成果が形になったもので、本書によりまして、質の高い都立病院の食事だけではなく、病院調理にかかわる職員の取り組みも広く紹介できることは、都民の方に栄養科の業務を理解していただくよい機会となり、職員にとって一層の励みとなると考えております。
○石毛委員 わかりました。
私の住んでいるまちで、駅でひばりヶ丘という駅があるんです。地名もひばりが丘というのがあるんですけれども、ここのところから大きな企業というんでしょうか、ファミリーレストランを起業した人がおりまして、この、ひばりを英語に直しまして、そんなレストランがちょろちょろとあると思うんですけれども、このレストランを展開した方は、最初、ハンバーグのメニューをいろいろ考えまして、五色盆、ハンバーグは白い皿、それに肉は黒、野菜には赤とか黄色とか緑、この五原色をきれいに盛ってお客に出すわけです。このハンバーグを注文して、お客さん、特に子供たちが、ニンジンを全て食べ切って、大変人気があって、いつもなら家ではニンジンを残す子供たちもぺろっと食べておいしいと喜んで食べたというんですね。
これ、実はこのニンジンに秘密がありまして、当時のニンジン、和ニンジンは味に癖があって、輪切りをすると中が黄色くなっていて、円錐形ですから、こういう感じのニンジンですよね。丸いのをとっていこうとすると、歩どまりが四五%というものだったんです。それをこの社長が品種改良をお願いして、最終的には、つり鐘形のニンジン、そして中まで全部赤いニンジン、味も甘いと。輪切りにしていって、歩どまりが七二%まで使えるというニンジンをつくったんです。そのニンジンをこのお皿に乗っけて売ったところ、メニューで出したところ、子供たちが本当においしいといったところなんです。
それと同時に、先ほど緑といったところでは、ホウレンソウも品種改良いたしまして、当時のホウレンソウ、今でもそうですけど、和の--先ほどのニンジンは名前がついておりまして、彩紅五寸という品種だそうでございます、このホウレンソウはホウレンソウで、実はゆでたものだと日本のやつはお浸しにはいいんですが、バターソテーのようにするとくしゃっとなって、非常に見た目がくしゃくしゃと、味もよろしくないと。そこで、やはりF1をこれもお願いをして、和と違って洋のホウレンソウを幾つかかけ合わせてつくったそうです。それで、日本のは下に赤いのがついているんだけど、それはついていなかったり、葉っぱがギザギザになっておりまして、炒めて、ソテーしてもしっかり食べられると、こういうものが一緒にセットされることによって、実は多くハンバーグが売れて、なおかつ全国展開になったと、こういう話なんです。
ちなみに、このホウレンソウは、上を刈っていってとったもので、下に根っこがまだ残っていて、時間がたつとまたその根から出てきて、通称ボーナスとも呼ばれていたホウレンソウだそうです。今は、そういう状況の中でホウレンソウもいろんな種類があるわけでありますが、そうしたものがひばりが丘という洋文字のレストランがふえていった原因というか、要因なわけです。
さて、私は、この話は、子供がニンジンを好きになってその栄養をとれたとか、体にいいとかという話は当然あるんですが、そこに対して農業の影響があって、なおかつ日本は今、食の世界遺産という形で、いろんな形で日本食が注目を浴びている、そんな状況に、この一つのメニューであるけれども、それが大きな影響を与えたというふうに私は思っているんです。
食の改革なんていうのは、いろんな場面で、ドライフードであったりいろんな場面であると思うんですが、私はこの墨東病院の本というのは、そういう意味で、やはり病人、患者さんはともかくそうでありますけれども、しっかりそうした健康人にも、健康な方にも影響が、いい意味で影響があるのではないかというふうに思うわけであります。
今後、そういったものを含めて、販路の拡大や治療食などの紹介など、充実すべきだと考えますが、その見解をお聞かせください。よろしくお願いします。
○矢田部経営企画部長 先ほどのレシピ本につきましては、現在、都庁第一本庁舎の都民情報ルームで販売しております。
今後は、都立八病院、また公社六病院の売店で順次販売予定でございます。
また、今後も食事療法の進め方や、また今回のレシピ本で紹介したレシピ以外の情報につきましても、病院経営本部や、また主な都立病院のホームページを通じて充実させてまいります。
○石毛委員 わかりました。多分、本当に皆さんの励みになると思いますし、四百六十円ということでございますので、もっと売れるんではないかなというふうに思いますので、しっかり販路を拡大してください。
最後になりますけれども、医師の育成についてお伺いいたします。
都立病院の医師が海外の最新の医療行動等について学び、その結果を都立病院に還元することで、これまで以上に都民に質の高い医療の提供が可能となるなど、大きなメリットがあると思います。
また、海外経験のある医師の存在は、東京二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを契機として増加が予想される外国人観光客、また患者への対応向上という面でも一助になるのではないかと思います。
こうした観点から、都立病院の医師が海外において学ぶ機会を提供することは、都立病院の医療水準の向上や患者サービスの充実につながると、有効な手段だと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○矢田部経営企画部長 都立病院の医師が、海外において最新の医療技術などを学ぶことは、医師みずからの資質向上はもとより、都立病院の医療水準の向上や、また効率的な病院運営にもつながるものと考えております。
このため都は、都立病院の医師等を海外の医療施設や、また国際会議等に派遣する海外派遣研修を行っております。
今年度は、延べ七十六名がこの制度を活用しております。
例を挙げますと、イタリアの小児病院で小児集中治療に関する最新の知見を獲得するなど、海外医療施設で研修を受けたり、また国際学会で演題発表を行った際に、これとあわせて医療施設を見学するなどによりまして、海外の医療動向や、また先進的な医療技術を把握しております。
こうして得られた知見は、都立病院に確実に還元されまして、都民に対する医療水準の向上に貢献しているものと考えております。
○上田委員 病院経営本部の予算につきまして質疑をさせていただきたいと思います。
病院といえば、その名前、ホスピタルの名前のとおり、ホスピタリティーが大切と考えております。都立病院、公社病院におけます接遇、ホスピタリティーの確保についてまずお尋ねします。
過日、柏市立病院で、窓口で難病指定を受けた患者さんが、タクシー代がたまたま持ち合わせがないまま対応せずに、歩いてお帰りになり、凍死をされたという痛ましい事件がありました。そこはさまざまな、大変忙しい職員さんという状況もあったのかなとか、接遇について非常に私は胸に残る事案でありました。
さて、昨年の事務事業質疑にて、過去三年の処分は、看護師の患者に対する暴力事案一件につき懲戒処分が下されたものの、患者、家族へのハラスメントに関する統計はないということでありました。
しかしながら、加害事案の対応については、被害者の救済を第一とし、その経験を蓄積していくことが重要でございます。
ついては、組織全体として、いかにこうした事案につき共有していくのか、お考えをお示しください。
○谷田サービス推進部長 患者への暴言、暴力などハラスメントが疑われる場合には、詳細に事実関係を確認した上で適切に対応しているところでございます。
ご指摘の、看護師による加害事案につきましては、発覚後に緊急の事務局長会を開催いたしまして、情報の共有、それから再発防止の徹底を行ったところでございます。
また、各病院では、患者の権利章典に関する研修ですとか院内掲示、それからホームページへの掲載等を行っておりまして、患者の権利を尊重する組織風土の醸成に努めております。
○上田委員 窓口相談の対応をしているということでありますが、ハラスメントに至るというのはかなり珍しい例かと思います。日常の行き違いからクレームに発展する事態もあると思われます。
全病院におけます対応の手順を、時系列で具体的にご説明いただければと思います。
○谷田サービス推進部長 病院に対する患者等からの苦情や要望については、全病院に設置されております患者の声相談窓口において、電話や窓口で受け付けております。
窓口では、医事課の職員が、患者一人一人の申し入れを迅速かつ誠実に対応しております。
対応内容は、院内の関係部署で情報共有いたしますとともに、事実確認を行った上で、必要に応じて職員への指導を行うなど、適切に対応しているところでございます。
病院に寄せられた苦情の状況は、患者の声相談窓口に寄せられたものも含めまして、各病院のサービス向上委員会等に報告を行いまして、必要に応じて病院としての対応策を検討し、病院業務や職員の接遇の改善につなげております。
○上田委員 私はかねてより、福祉保健局の方でも患者の声相談窓口が活用されているのか常に確認をさせていただいておりますが、平成二十七年に、全都立病院ではどのような相談が寄せられて、どのような支援をしたのか、実績、成果を具体的にお示しください。
○矢田部経営企画部長 平成二十七年度における都立病院の患者の声相談窓口に寄せられました相談等の件数は八千七百七十六件であり、その内訳は、苦情、要望、感謝など多岐にわたっております。
苦情や感謝に関しましては、職員の患者対応に関するものが多く、要望としては、病院食や設備に関するものが多くあります。
これらの相談等につきましては、毎月集計して院内で情報共有し、業務運営の参考にするとともに、個別の事例に関しましては、その内容を確認して、問題等があった場合には、職員に注意、指導を行うなど改善を図っております。
○上田委員 活用状況の方を確認させていただきました。私の方が福祉保健局にも確認しているということでございまして、過去三年間で福祉保健局の患者の声相談窓口で受けた都立病院に対するクレームについて、寄せられた内容及び対応状況について確認をさせていただきたいと思います。
あわせて、福祉保健局と病院経営本部の患者の声相談窓口における、クレーム発生時や日常的な連携体制、これはちょっと重要だと思いますので、縦割りになっていないかも含めて確認させていただきたいと思います。
○矢田部経営企画部長 都内には、病院が約六百四十、また診療所は約二万三千ございます。
お話の福祉保健局の患者の声相談窓口は、こうした都内の全ての医療機関の医療に関する相談窓口でございます。
福祉保健局の統計資料によりますと、平成二十七年度は合計で一万三千件の相談があり、対処方法の提案、助言、説明など相談窓口での対応で終わるケースが七〇・八%、また医療機関、関係機関などの案内を行ったケースが二七・三%と聞いております。
都立病院との連携といたしましては、必要に応じて、相談者に対して病院経営本部をご案内いただいておりまして、その件数は、全体の一%に当たる五十四件でございました。
○上田委員 もし苦情が多いのかなとすれば、東京都で全体の病床が四%ということで、そのうち一%ということなので、これはよい数字なのかなというふうにとらせていただきました。
こうしたことから、クレームの対象となるのは患者対応、その他やはりハラスメント等も心配なところでございますけれども、職員の確保、質の担保について、これらを受けまして、医療安全管理体制確立に向けての職員の能力向上と、こうしたホスピタリティーにあふれた人材確保についてのお取り組み状況と成果をお示しください。
○谷田サービス推進部長 職員の接遇能力やホスピタリティーを高め、患者に安全・安心な医療を提供する体制を構築するために、各病院では毎年、外部講師による講演や職員のロールプレー方式等による接遇研修を実施しているほか、身だしなみや接遇に関するチェックリストを使用いたしまして自己点検を行いまして、日ごろの対応やマナーを振り返る機会としております。
また、福祉保健局と合同でクレーム対応研修を開催いたしまして、傾聴のスキルや対応の基本姿勢などを習得し、職員の能力向上を図っております。
○上田委員 現場及び都庁サイドの組織内での努力はよく理解をいたしました。また、それだけではなくて、しっかりとチェック機能も働いていることと思います。
平成二十七年度に行いました内部監査、外部監査の実績と具体的な業務見直しへの反映について、具体的にご説明ください。
○谷田サービス推進部長 接遇や患者対応に関する取り組みについて、組織内外からチェックを行いまして、業務の見直しに反映しているところでございます。
まず、組織内部の視点からの取り組みといたしましては、毎年実施しております患者満足度アンケートの結果等について各病院のサービス向上委員会で対応策を検討し、業務の改善につなげているところでございます。
さらに、病院経営本部に設置しておりますサービス向上委員会において、サービスアップキャンペーンを展開し、八病院共通で取り組むテーマや強化月間を設定するなど、都立病院全体でサービス向上、接遇やマナーの改善に取り組んでおります。
また、組織外部の視点からの取り組みといたしましては、専門の外部団体が演じる模擬患者を病院職員が診療し、外部団体や参加者で対応を評価し合う医療コミュニケーション研修を、各病院持ち回りで実施しております。
このほか、各都立病院では、日本医療機能評価機構が実施しております病院機能評価を実施しております。この病院機能評価の評価項目には、患者中心の医療の推進等が含まれておりまして、受診準備を進める中での見直しや審査結果報告書に示される改善要望を受けての見直しを行っております。
○上田委員 八千七百件もの相談がありまして、早目早目の誠実な対応が医療訴訟等を防いでいくものと思います。しかしながら、病院ということでございますので、争うことが出てくることもなきにしもあらずということで、事務事業でもいわせてもらいましたが、難病など、行政医療は代替がきかない病院が都立病院は多うございますので、仮にいろいろな訴訟等ございましても、引き続き患者には誠意を持った接遇を変えないことを望みたいと思います。
今ほど、患者中心の医療の推進等が評価項目には含まれているということでございまして、都民の命を守る行政的医療の中心を担っている都立病院、公社病院は、公的医療の最後のとりででございます。そのためには、医師、看護師、現場の医療従事者が、心身健康で意欲を持って働ける環境が重要でございます。ついては、知事の推進する残業ゼロ、イクボス宣言、ダイバーシティーの見地からお尋ねをします。
過去に労働基準監督署の是正勧告で、医師について、断続的な宿直または日直勤務許可を受けず宿直勤務等に従事させていることで、時間外労働に対する協定届に定める範囲を超えて時間外労働を行わせていたことを受けたことを重く受けとめ、必要な人員確保を初め、労働環境改善に取り組んでいくとのご答弁をいただきました。
例えば、救急医療など救急救命機能を有する病院においては、毎日昼は病棟や外来医療、夜は発熱、せき、気分不良など軽症患者を診察せざるを得ない、精神的にも具体的にも疲労こんぱいという医師の声も聞かれ、軽症患者対応のため、本来、三次救急が果たすべき役割が十分発揮されず負担となり、医療現場に過度な負担となることを懸念するものでございます。
このような一つ一つのケースを見ながら、専門性を持って個別の事案に適切に対応しつつ、組織として現場の声を聞きながら、どのように取り組みを進めていらっしゃるのか、労働環境につきましては、先ほど同僚委員の指摘もありましたが、人の命を預かる医療現場ではやむを得ぬ事態もどうしてもあるのは十分わかった上で、本部長のご所見をお示しください。
○内藤病院経営本部長 都立病院が三百六十五日二十四時間、安全・安心の医療を提供していくためには、最前線で働く職員が、健康な生活を維持し、生き生きと仕事ができる勤務環境を整備することが重要であると認識してございます。
そのために、これまでも病院現場を支える各職種の管理職との意見交換や全職員を対象とした調査など、さまざまな機会を通じまして、個別の事案も含め現場の声を聞いてまいりました。
これにより、医師の長時間労働解消に向けた勤務体制の導入や、若手の看護職員にニーズの高い二交代制を拡大するとともに、診療や看護の周辺業務を担う補助者を病院の実情に応じて配置してまいりました。
さらに今年度は、私自身はもとより、医師、看護師を含む全ての管理職がイクボス宣言を行ったところでございまして、引き続き職員のライフワークバランスを実現するための組織風土づくりに努めてまいりたいと考えております。
○上田委員 局とは分かれた、本部ならではの現場第一義が生かされたお取り組みを今確認させていただきました。事務事業でも、既に男性職員で育休をとっているというご報告も聞いております。今後とも、男性職員、殊にドクターが、育休、あるいは介護休がとれる風土となりますことを期待させていただきたいと思います。
次に、広尾病院の進捗についてです。
事務事業質疑では、広尾並びに青山地域の住民に関して、緊急車両やヘリ等の地上、上空の交通についての説明について、対外的な説明は、当時、国からの用地取得に向けた交渉を続けていたことから差し控えていたとのことでありました。
一方、本年三月三日の委員会では、首都災害医療センター(仮称)基本構想検討委員会の内容について、現在、検討状況については議事録をホームページで公開しているとともに、患者さんからの問い合わせ等に関しても丁寧に対応しており、今後とも適切に情報を発信していくとご答弁を頂戴しております。
あわせて、現場と病院との間でふだんから情報を共有し、意思疎通を図っていること、院長をトップとする院内マネジメントを実施していること、三百七十億円の減額補正の経緯も、適正性を確認させていただいたところでございます。
つきましては、知事のトップマネジメントを仰ぎ、新年度におけます目標設定をいかにして確実なものとしていくのか、具体的なこの広尾病院に関します内部統制のあり方のご所見を求めます。
○谷田サービス推進部長 平成二十九年度につきましては、基本構想検討委員会での議論を経て、夏ごろをめどに報告を取りまとめ、それを踏まえまして、都として基本構想を策定する予定でございます。
その過程では、引き続き、広尾病院と本庁の間で情報共有、意見交換をするとともに、広尾病院では、院長のマネジメントのもと、適宜現場の職員と情報共有をしてまいります。
今後の検討の進捗状況に応じまして、必要なタイミングで知事に報告し、判断を仰ぎながら進めてまいります。
○上田委員 現在、豊洲の問題で百条委員会で、各担当者、副知事、知事の責任の所在が判然とせず、都民の批判の目が寄せられておりますので、費用については、責任分界点と責任の所在を明らかにして、今後また情報も公開をいたしまして、進めていただきたいと思います。
次に、精神医療についてです。
精神疾患は近年、その患者数が増加しており、二十五年度からの第六次東京都保健医療計画に新たに追加されております。自立精神医療費も年間三億ずつ増加し、二十七年度は三百五億とまでなっておりまして、財政負担がじわじわと広がってきており、新たな取り組みが早急に求められているところでございます。
また、昨年私は予算特別委員会で、小児総合医療センターのI顧問が二年間にわたりまして七百万円の報酬を製薬会社からいただいていたこと、ここを指摘させていただいておりました。この件はいろいろ指摘をしていたんですが、当初は、顧問医であるから報酬をもらっても構わないんだというご答弁をいただいておりました。
よく調べましたら、利益相反マネジメントというものが、この東京都にもあったことを私は調べました。同時に、ちゃんと利益相反マネジメントにのっとって、製薬会社から報酬をもらっているドクターたちは、もう事前に、予算委員会の随分前ですが、情報公開させていただいておりましたが、そこの中に、小児総合医療センターのトップにいるI顧問の名前はなかったことを確認させていただきました。
また、その小児総合医療センターのデータを使っていないといわれてしまえば、またこの利益相反マネジメントの報告義務から免れてしまいますが、丹念に調べました結果、予算委員会でもお示ししましたが、十七項目にわたりまして、I顧問が都立小児総合医療センターの患者を使いましたデータで、さまざまなところで研究報告をしていることを突きとめまして、I顧問はおやめになるといいますか、おやめになるということを委員会で聞いたわけでございます。
このI顧問は、日本発達障害ネットワークの理事長も兼任されまして、福祉保健局発行の発達障害者支援ガイドブックにて報酬を得ていた製薬会社二社のADHD治療薬について、副作用としては、消化器症状、頭痛、不眠などがありますが、一過性であることが多いようですと、副作用を軽視するかのような表現にて投与に干渉する著述をしていたことに関して、私は大きな疑義を持ちまして予算委員会で質問をいたしまして、おやめになるということを報告いただいた次第でございます。
つきましては、この件に関連しまして、利益相反マネジメントについてお尋ねいたします。
この利益相反につきまして、I顧問のほかに、手続いかんに抵触する事例はなかったのか、また、いかに現場に周知徹底をしていくのか、ご報告をください。
○谷田サービス推進部長 先般の事案を受けまして確認した結果、ほかに利益相反手続に抵触する事例はございませんでした。
病院経営本部では、全都立病院に対して、研究活動に係る利益相反管理の徹底を図るため、利益相反に関する基本姿勢や管理方策等を定めました利益相反ポリシーや、利益相反に関する審議を行う利益相反委員会の設置等を定めました管理指針の策定を指示いたしまして、平成二十八年四月から全病院で運用を開始いたしました。
○上田委員 当初私が、利益相反手続なるものがあるのを、ちょっとあずかり知らなかったんですが、なかなか最初に私が確認したときには、前倒しで教えていただけなかったのかなというところがありまして、さまざまな私の質疑も通しまして、I顧問に関します事案につきまして、院内及び病院経営本部として反省、そして共有しているのか、ご説明いただきたいと思います。
○谷田サービス推進部長 先般の事案を踏まえまして、各都立病院では、利益相反ポリシーや利益相反管理指針を策定するとともに、適切に利益相反マネジメントを行う体制を構築いたしました。
引き続き、この体制を維持するとともに、継続して職員の意識啓発を図りまして、研究活動における公正性及び適正性を確保してまいります。
○上田委員 では、そのお取り組みにつきまして、いかに手続等が担保されていくのか、ご所見をお示しください。
○谷田サービス推進部長 各都立病院では、利益相反ポリシーや利益相反管理指針を徹底した上で、利益相反の申告基準や委員会での審議手順等を定めて院内周知を図り、理解を促したところでございます。
また、研究活動を行う職員に対して、利益相反を含む倫理指針の研修を実施するなど、利益相反マネジメントに関する意識啓発の取り組みも始めております。
さらに、病院経営本部では、各都立病院の利益相反委員会の活動状況等に関しまして定期的な報告を受け、利益相反マネジメントが適切に行われていることを確認しております。
○上田委員 しっかりと対応策がとられていることを安心するとともに、引き続き、私の方も定点観測をさせていただきたいと思います。
このように、病院経営本部もしっかり取り組んでいらっしゃるので大丈夫だと思いますが、よもやI顧問が都立病院事業にかかわることがないと思ってはおりますけれども、その後のI顧問との関係について、病院勤務だけではなくて、さまざまな医療に関する講座とか、あるいはさまざまな、先ほどいったような研究報告とかコメントとかありますけれども、一切そういったことに携わっていないのか、あるのか、そこをご確認させていただきます。
○谷田サービス推進部長 お話の顧問は、既に都を退職しておりまして、都立病院とのかかわりはございません。
○上田委員 承知をいたしました。再発防止にさらに取り組んでいきたいと思います。
次は、精神保健指定医についてです。
過去に不正取得にかかわって処分を受けた聖マリアンナ大の前例を見ますと、精神保健指定医の資格を剥奪された後、医師免許停止の処分を受けております。不正に申請した医師は停止一カ月、関与した指導医は二カ月となっております。
先日、三月三日にも厚生労働省は、医道審議会の答申を受けて医師の行政処分を発表しましたが、今回発覚した不正取得にかかわった精神科医は、その対象にはまだ入っておらず、処分は次回に持ち越されました。
ただ、その処分が出るまでの間、松沢病院に残る元指定医は、通常どおり診察できるのでしょうか。医師免許停止がほぼ確実な医師の診察を受けて、患者は不安にならないか、診察に当たって、ちゃんと患者に説明しているのかと不安に思っているところでございます。この件につきまして、ご所見をいただきたいと思います。
○谷田サービス推進部長 今回の厚生労働省が行った処分は、精神保健指定医の資格を取り消すものでございまして、これを受けまして適切に対応しているところでございます。
また、今回の事案につきましては、病院のホームページに、おわびと対応について掲載してございますが、当該医師の診察に際して、患者さんへの説明という形では行っておりません。
○上田委員 できれば、長期で診療に当たる方が多いと思いますので、患者への説明もお願いしたいとは思っております。
また、情報公開請求によって、平成二十八年十一月なんですが、総務局長決定案件に関する情報を取り寄せましたところ、病院経営本部の四十六歳の専門副参事が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第十九条の四、指定医の職務等について訓告処分されていることがわかりました。ちょっと資料の22、23をご参考にしていただきたいと思います。これは、厚生労働省によって処分された人物と年齢が異なるため、別人ではないかなと思っております。
かつて、指定医の資格失効中の業務が判明して議会で問いただしたことがございましたけれども、また失効が判明したのでしょうか。
○谷田サービス推進部長 ただいまお話のありました訓告の措置がなされた案件でございますが、こちらにつきましては、都として、資格失効の再発防止を徹底する以前のものでございます。
再発防止を徹底いたしましてからは、同様の事案は発生していないところでございます。
○上田委員 いずれにしろ、訓告処分等々もホームページで公表されるものとそうでもないものがありまして、たまたま私が、発見といいますか、タイミング見てちょっと気づいたことでございますので、それ以降は出ていないということではありますけど、それ以前は私の方も気づいてしまったということでございますので、引き続き、これも再発防止に取り組んでいただきたいと思います。
ご報告と資料22、23の資料を受けまして、精神保健福祉法、医療法に基づく指導に当たっての見解と所見を伺いたいと思います。
○谷田サービス推進部長 都立病院を含む医療機関は、医療法に基づき、院内感染管理、個人情報の取り扱い、防災体制、廃棄物処理など広く病院の管理運営に関しまして、立入検査を定期的に受けているほか、精神科病棟を有する医療機関においては、さらに精神保健福祉法に基づく実地指導を定期的に受けているところでございます。
都立病院における過去三年間の指導件数は、本委員会の要求資料のとおりでございますが、指導事項については、院内に注意喚起をするとともに、速やかに改善を行うなど、適正な業務執行に万全を期しております。
○上田委員 次に、電気けいれん療法についてです。
電気けいれん療法におけます適用の有無、患者と家族への説明、施術の際の医師、医療従事者の立ち会い体制、その後のケアについてご説明いただきたいと思います。
特に、小児総合医療センターでは、年間七十一件の施術があるようですが、未成年者への施術の場合、説明や同意はどのようになっているのか、またその施術そのものの有効性や危険性はどうなのか、お示しいただきたいと思います。
○谷田サービス推進部長 電気けいれん療法につきましては、薬物治療の効果が見られない場合や自殺の危険が迫っているなど、早急に状態の改善が必要な場合でありかつ、治療効果が見込まれるものに限るなど、適用を十分検討した上で実施しております。
実施に当たりましては、患者本人やその家族に対して、電気けいれん療法の説明書をお示しし、治療内容や治療の必要性だけでなく、副作用の可能性や出現率等の危険性についても丁寧に説明しております。
また、電気けいれん療法の実施に当たりましては、精神科医師、麻酔科医師、看護師等が立ち会いまして、全身麻酔下で行う修正型電気けいれん療法で行うこととしております。
さらに、電気けいれん療法実施後は、全身麻酔から覚醒するまでの間、精神科医、麻酔科医、看護師等が患者の呼吸や血圧などについて十分経過観察を行っております。
また、小児総合医療センターにおきましても、未成年者へ施術する際には、大人以上に慎重に適用を検討した上で、患者本人や家族に対して説明書を示して丁寧に説明を行っております。
電気けいれん療法を実施した場合、自殺念慮や興奮が消失するなど顕著な効果が見られ、臨床的に有効な治療法であると考えております。
一方で、万全を期すため、施術の際には、電気けいれん療法の経験のある医師二名以上と麻酔科医が立ち会っているところでございます。
○上田委員 ありがとうございました。国際標準では、なるだけ電気けいれん療法は廃止の方向というトレンドでございますが、毎回ご答弁では有効な治療法だというふうには伺っておりますが、今回はかなりご丁寧に、ところてん方式にはやっていないということを確認させていただいたと思います。
資料12から23を見ていただければおわかりのとおり、年間三千人が身体拘束、五千人が隔離をされていると思います。I顧問の利益相反問題や指定医の失効を見ますと、今、駅前に心療内科、精神科クリニックというのは本当にどこにでも建っていて、多分皆さんのお知り合いの中で抗鬱剤のお世話になった、精神科のお世話になっているという知り合いがいない人っていないと思うんですね。ですので、私、これを、まして発達障害で子供たちへの投与ということも非常に問題になってきている中で、ちょっと私も、私のフィールドワークとして確認をさせていただいておる次第でございます。
指定医の失効などいろいろ見ますと、入院しているときは人権を制限されている患者さん、これを鑑みますと、改めて、さらに不適切治療や人権侵害から守ることを心より強く強く求めるところでございます。
最後に、財政経営力問題についてお尋ねいたします。
公立病院の改革ガイドラインと都立病院改革推進プランでは、どのような点で連動をしているのか、また、連動をしていない点はどこなのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十七年三月に総務省が策定いたしました新公立病院改革ガイドラインでは、病院事業を設置している地方公共団体において、改革プランを策定し、病院機能の見直しや病院事業経営の改革に総合的に取り組むことを求めております。
この中では、既に以前のガイドラインを踏まえて改革プランの改定を行っている場合には、新ガイドラインにおいて要請している事項を追加することで足り得るとしております。
これを受け、都では、平成二十七年十二月に既存の都立病院改革推進プランの追録版を策定いたしまして、必ず設定することとされた医業収支比率の目標を追加するとともに、各年度の収支計画を、新ガイドラインが求めている平成三十二年度まで引き延ばしております。
一方、新ガイドラインでは、地域医療構想を踏まえた役割の明確化を新たに視点に加えておりますけれども、東京都地域医療構想が平成二十八年七月に作成されている関係から、この部分については反映されておりません。
なお、新ガイドラインでは、公立病院をめぐる状況は、その立地条件や医療機能などによりさまざまであり、改革にかかわるプランの内容は、一律のものとはなり得ないともしております。
○上田委員 現状について確認をさせていただきました。連動すべき点、ご報告いただいたようにさまざまであると、一律もあり得ないというところはしっかり洗い出しをしているというふうに受けとめさせていただいておりますが、平成二十六年の公営企業会計の決算特別委員会第二分科会の質疑において、私は、一般会計繰入金医療費比率が、総務省による公立病院改革の推進として通知した新公立病院改革ガイドラインと都独自のものでは計算法が異なるということを判明させていただきました、わかりました。
総務省としては、公立病院経営の全容を把握するための全国統一基準を設けているとのことですが、この点について、公立病院改革ガイドラインと都立病院改革推進プランは連動しているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 新公立病院改革ガイドラインにおきましては、経営指標にかかわる数値目標を設定することとされており、経常収支比率と医業収支比率につきましては、必ず定めることになっており、平成二十七年十二月に策定いたしました都立病院改革推進プラン追録版におきまして、経常収支比率については一〇〇%程度、医業収支比率につきましては八六%程度と、それぞれ目標数値を設定しております。
また、医業収益の捉え方につきましては、各自治体によって必ずしも統一されているものではありませんが、経常収支比率及び医業収支比率につきましては、通常用いられる考え方によって計算しております。
なお、お話の一般会計繰入金対医業収益比率につきましては、都立病院では繰入金への依存度をより明確にする観点から国の基準よりも厳しく見ているということから、都立病院改革推進プランの追録版には記載しておりません。
○上田委員 なかなかこういうのは目を皿にして見る人もいないとは思うんですけれども、一応、国の取り組み等々もわかるようなことも必要なのかなというふうには考えております。
また、知事がかわりまして、先ほどの広尾病院のことに関しても、しっかりと確認体制を整えてほしいと、内部統制とマネジメントをお願いしたところでございますが、都立病院改革の取り組みとして、患者中心の医療の提供と、医療機能の集約とネットワークの充実強化を中心に抱え、都立病院改革推進プランの基本的な考え方として、十年程度先の医療環境、次世代の医療環境を見据え、四つのクオリティーを充実強化し、急速に変化する医療環境下においても、都立病院が継続的かつ安定的に行政医療を提供していくことを構築すると、都は二〇一三年四月の報道発表資料として東京都のホームページに掲載をされています。
この都立病院改革の取り組みと基本的な考え方について、知事がかわったことで現状として何か変更されたことはありますでしょうか、お聞かせくださいませ。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十九年度までを期間とする都立病院改革推進プランでは、充実強化する病院経営に必要な四つのクオリティーといたしまして、医療の質と患者サービス、都立病院を支える人材、迅速で的確な危機管理体制、経営力を掲げております。
小池知事にかわり、都民ファーストや税の有効活用といった視点が示されておりますが、これまで取り組んできた都立病院改革と基本的には同じ方向性にあると認識しております。
また、改革の推進体制につきましては、本部と病院とがこれまで以上に一体となって進めていくため、平成二十八年十月に都立病院改革本部を設置しております。
○上田委員 都立病院改革本部で、なお一層の議論活性化をしていただきたいというふうに思っております。
さらに、やはり気になるのがモニタリング体制でございます。また平成二十五年度の公営企業決算特別委員会において、私は、モニタリング機能を病院経営本部としてどう取り組まれるのかと質疑しましたところ、インシデント・アクシデント・レポート制度により、軽微なこともレポートとして提出するよう職員に指導、平成二十五年度の報告件数は二万四千二百三十五件とご答弁いただきました。
また、レポート制度を活用しながら外部有識者を含めた都立病院医療安全推進委員会で定期的に議論するなど、医療安全対策の充実強化に努めるともご答弁いただきました。
さて、知事がかわりまして、病院経営本部のモニタリング、まさに情報公開が小池新体制の真骨頂でございますので、モニタリング機能体制に何か変化はありましたでしょうか、お聞かせくださいませ。
○谷田サービス推進部長 インシデント・アクシデント・レポート制度は、都立病院が従来から取り組んでまいりました患者中心の医療を提供する上で基礎となります重要な仕組みの一つと認識しております。
そのため、レポート制度を継続いたしまして、引き続き、些細なことでも積極的にレポートとして提出するよう職員に働きかけまして、安全で質の高い医療の提供に努めているところでございます。
○上田委員 最後になります。本当に二万四千といいますと、今きっとまた同じぐらいの数字だと思うんですけれども、現場の声が聞こえてくるような数字だと思います。
このインシデント・アクシデント・レポート制度ですが、平成二十八年度の報告件数、現状のも聞きたいと思います。中身についてもちょっとお聞かせいただければと思います。それらの貴重なご意見とか声について、問題について、どのような対策を講じていくのかもお示しください。
○谷田サービス推進部長 平成二十八年度の上半期のインシデント・アクシデント・レポート報告件数でございますが、こちらは一万三千二百九十七件でございました。
報告された事象の主な内訳は、薬剤が四千二百八十四件、転倒・転落が二千九件、点滴等の管が外れる抜去が一千七百八十四件で、これら三つの事象が全体の約六割を占める傾向、こちらは従前と変わりがないところでございます。
そこで、これまでのレポート集計結果をもとにいたしまして、平成二十八年度は、薬剤、転倒・転落、それから抜去などの予防対策に関する都立病院医療事故予防マニュアルの改定に取り組みまして、都立病院医療安全推進委員会における外部有識者からの意見も参考にした対策を講じたところでございます。
今後、改定したマニュアルを各病院に配布いたしまして、予防対策の周知徹底を図ってまいります。
○上田委員 まず、患者様の接遇から始まりまして、アクシデントが起こったときの対応、また病院経営本部におけますこれからの計画等も確認もさせていただいたところでございますが、さきの予算特別委員会で、うちの両角議員が、高額医療機器を購入することと保守管理一体の契約は、やろうと思えばできるのではないかというようなご質問をさせていただいたところ、財務局の方からは、できるということで、本部長からは、制度上は可能であるとの見解を示され、今後は契約手法の選択肢が広がる余地があるということで、コスト削減を一層図るため、保守委託の複数年数契約の導入も試行的に実施するという前向きなご答弁もいただいております。
こちらのきょういただいた資料8、9の一般会計繰入金は、施設以外が三百六十六億、施設は三百八十七億ということになっておりまして、資本的収支は七十億円不足額が出ているという現状の中、こうしてワイズスペンディングの観点から、こうした一つ一つの高額医療の機器に関しても見直すという姿勢に関しては大いに評価をしたいと思っております。
私がかねてより申し上げておりました、病院経営本部へ求める、こうしてねちねちと質問をたくさんさせていただくのは、経営の効率化もしなければいけない、シビアなガバナンスを進めなきゃいけない一方で、行政的医療にしかできない、もうやらざるを得ない医療があり、患者中心の医療の実現のためには、苦労しながら進めていかないと、ということであります。
東京都が目指す行政的医療の提供から、人権と命を最優先にします、お金をかけ過ぎず、過不足ない、しかしながら、救う命はしっかり救い、命を守っていくという医療を提供する自治体病院の原点であり、頂点である東京都の住民医療となるよう、地域住民、医療従事者の声を受けとめてくださるようお願い申し上げて、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
以上で病院経営本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時三十二分散会
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