委員長 | 小林 健二君 |
副委員長 | 上田 令子君 |
副委員長 | 和泉 武彦君 |
理事 | 和泉なおみ君 |
理事 | 中山 信行君 |
理事 | 山加 朱美君 |
前田 和茂君 | |
大場やすのぶ君 | |
木村 基成君 | |
藤井 一君 | |
斉藤あつし君 | |
畔上三和子君 | |
石毛しげる君 | |
野島 善司君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉保健局 | 局長 | 梶原 洋君 |
次長理事兼務 | 山岸 徳男君 | |
技監 | 笹井 敬子君 | |
総務部長 | 後藤 啓志君 | |
指導監査部長 | 松浦 慎司君 | |
医療政策部長 | 西山 智之君 | |
保健政策部長 | 上田 隆君 | |
生活福祉部長 | 坂本 尚史君 | |
高齢社会対策部長 | 西村 信一君 | |
少子社会対策部長 | 松山 祐一君 | |
障害者施策推進部長 | 高原 俊幸君 | |
健康安全部長 | 小林 幸男君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 奈良部瑞枝君 | |
事業推進担当部長 | 古賀 元浩君 | |
医療改革推進担当部長 | 成田 友代君 | |
医療政策担当部長 | 矢沢 知子君 | |
地域保健担当部長 | 本多由紀子君 | |
生活支援担当部長 | 高橋 博則君 | |
施設調整担当部長 | 村田 由佳君 | |
子供・子育て施策推進担当部長 | 横手裕三子君 | |
障害者医療担当部長 | 平賀 正司君 | |
食品医薬品安全担当部長 | 仁科 彰則君 | |
感染症危機管理担当部長 | 矢内真理子君 | |
病院経営本部 | 本部長 | 内藤 淳君 |
経営企画部長 | 矢田部裕文君 | |
サービス推進部長 | 谷田 治君 | |
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 大久保達也君 |
本日の会議に付した事件
病院経営本部関係
付託議案の審査(質疑)
・第八十三号議案 平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 病院経営本部所管分
報告事項(質疑)
・広尾病院の改築に係る検討状況について
福祉保健局関係
契約議案の調査
・第五十九号議案 都立府中療育センター(二十八)改築工事請負契約
・第六十七号議案 都立府中療育センター(二十八)改築空調設備工事請負契約
・第六十八号議案 都立府中療育センター(二十八)改築給水衛生設備工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第八十三号議案 平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 福祉保健局所管分
付託議案の審査(決定)
・第八十三号議案 平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 厚生委員会所管分
○小林委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
初めに、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十九年三月二日
東京都議会議長 川井しげお
厚生委員長 小林 健二殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第五十九号議案 都立府中療育センター(二十八)改築工事請負契約
第六十七号議案 都立府中療育センター(二十八)改築空調設備工事請負契約
第六十八号議案 都立府中療育センター(二十八)改築給水衛生設備工事請負契約
2 提出期限 平成二十九年三月三日(金)
○小林委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部及び福祉保健局関係の中途議決に係る付託議案の審査、福祉保健局関係の契約議案の調査並びに病院経営本部関係の報告事項に対する質疑を行いたいと思います。
これより病院経営本部関係に入ります。
付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第八十三号議案、平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、病院経営本部所管分及び報告事項、広尾病院の改築に係る検討状況についてを一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○矢田部経営企画部長 去る二月十七日の本委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、都立広尾病院の改築に係る検討経緯でございます。
(1)に、これまでの経緯、(2)に、今後の予定を記載しております。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終了いたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○小林委員長 説明は終わりました。
これより、ただいまの資料を含めまして、本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○山加委員 広尾病院が都民にとっての命綱である重要な施設であることを、私はこれまで何度となく当委員会で発言をしてまいりました。都立病院はさまざまな役割を担っているわけでありますが、特に広尾の場合、区部で唯一の基幹災害拠点病院として災害医療を担い、近いところでは平成二十五年の伊豆大島の大規模災害時にも、率先して患者を引き受けてきたと認識をしております。
また、島しょ医療の拠点病院として、画像伝送装置により島しょ地域での診療を支援するなど、まさに島しょ医療、東京都の医療体制の中でも重要な役割を担っているわけであります。
加えて、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会の開催を控え、東京都には私たちの想像を超えた多くの外国の方が訪れることが想定されるわけでありますが、広尾病院は、都立病院の中でも日ごろから最も多くの外国人患者を受け入れていらっしゃいます。外国人が安心して医療機関にかかれるよう、その体制をしっかりと整備してきた、そのことは高く評価をいたしております。
例えば、平成二十七年度には、これは全国でも十九病院しかないんですが、厚労省の補助金事業である医療通訳拠点病院に選定をされています。全国で十九、都内では六病院あるわけですが、うち都立病院は広尾一病院だけであります。さらに先月、二月ですが、外国人患者受け入れ医療機関認証制度であるJMIP、都立病院では初めて受審をし、現在その結果待ちであると聞いております。
このJMIPは、和泉先生はドクターですからご存じだと思いますけれども、多言語での診療案内、日本人とは異なる文化や背景などに配慮した外国人患者受け入れ体制が整っている医療機関に与えられるものであります。
やはり国際的にも、この認証を受けているということは、海外の皆様には私たちが思っている以上に高く評価をされています。こうした取り組みは、認証いただきましたら積極的に、ぜひともPRをしていただきたいと願います。
訪日する外国人のほとんどは、その多くがスマートフォン、タブレット端末を持参していらっしゃいます。恐らく日本でぐあいが悪くなれば、その端末で医療機関を調べることが想定されます。広尾病院が外国人患者を受け入れる体制を整備しておくということは--オリンピック・パラリンピックを控え、都民だけでなく国民にとっても、外国からいらした皆様が旅先の我が国で安心して医療サービスを受けることができるというのは、まさにおもてなしの心として重要なことであります。
このように、広尾病院は都民の命と健康を支えるとともに、時代の変化に対応して、ソフト面を強化してきています。
一方で、厚生委員会のメンバーで以前広尾病院を視察した際には、委員の誰もが施設の老朽化を痛感し、ソフトだけでなくハード面においても、今後検討していく必要があると感じておりました。現在、改築に向けて検討が進められていることは望ましいことであり、私も、ぜひとも都民の命をしっかりと守る、その意味においては、広尾の改築に大きく希望を持っていたわけであります。
そのような中、先般の厚生委員会で、事前説明として都立広尾病院の改築に係る検討状況についての報告がありました。私自身、本委員会の事務事業質疑で広尾病院の施設老朽化への対応の必要性、また改築が都民にとって喜ばしいものとなるよう検討を進めてほしいとの思いから、これまでも基本構想検討委員会の進め方を確認してまいりました。
その際、今後は将来を担うべき医療や地域との協働関係のあり方など、さまざまな観点から議論を深めていく必要があるとの答弁をいただいております。地域医療構想が昨年七月に策定をされ、地域の医療体制に関する議論もされている状況もありますので、改築後の病院像を考えていく上でも、この動きを踏まえていくべきだと思っております。
こうした中、今回、これまで五回にわたって検討委員会が開催された旨の報告がなされましたが、具体的にどのような議論がなされたのか、まず伺います。
○谷田サービス推進部長 首都災害医療センター、仮称でございますが、首都災害医療センター基本構想検討委員会では、新病院が担うべき医療機能につきまして、災害医療機能、それから広尾病院の特徴、地域への貢献、この三つの視点から検討を進めてきてございます。
まず、災害医療機能ですが、災害時を想定した患者対応スペースやDMAT隊などの受援チームを受け入れるスペースの確保、災害医療人材の具体的な確保、育成など、ハード、ソフト両面から多様な意見をいただいてございます。
次に、広尾病院の特徴では、広尾病院の果たしている島しょ医療や救急医療の重要性が確認されるとともに、循環器系医療や外傷系医療など広尾病院の強みとなっている医療を生かしていくべきとの意見をいただいてございます。
それから三つ目として、地域への貢献の視点では、小児の救急や通常の産科、婦人科があるということが地域への安心感につながるという意見があったほか、地域包括ケアシステムの構築に向けた貢献を地域が期待しているという意見をいただいているところでございます。
このように、老朽化した広尾病院を改築し、今後も地域に貢献していけるよう、委員それぞれの専門的見地から積極的なご意見をいただいているところでございます。
○山加委員 今ご答弁いただきましたように、検討委員会の委員それぞれの専門的見地から活発に議論をしていただくことは、もちろん大事なことだと思います。
さきの事前説明において、さまざまな状況変化も踏まえ、当初今年度内を予定していた検討委員会を来年度も継続することとし、用地取得も一旦見送ることとなった旨報告がありました。今年度は、広尾病院の改築について基本構想を取りまとめること、その検討にあわせて、財務局では国有地取得に向けての手続を進めていくための所要の予算が計上されていたはずであります。
そこで、検討を継続することとなった背景と、改めて今後の進め方について伺います。
○谷田サービス推進部長 東京都地域医療構想が昨年七月に策定され、地域ごとの機能分化について議論が開始されたことから、地域との協働関係のあり方を検討するに当たり、こうした動きを見守っていく必要がございます。
また、検討委員会の議論において、新病院の病床規模は現在の病院運営状況を踏まえるべきとの意見もいただく中、広尾病院の病床利用率は、回復傾向にありますものの、平成二十七年度、六三・一%に低下したものが、今年度一月までの実績でございますが、六四・四%にとどまっている状況でございます。
新病院の整備を考える上で、こうした前提事項の変化も踏まえまして、目指すべき病院像を見定めていくためには、さらに議論を深めていく必要があり、また、検討委員会の委員からも時間をかけて検討すべきとの声をいただいていることから、当初今年度末までを予定しておりました検討委員会を来年度も継続し、夏ごろをめどに取りまとめることといたしました。
引き続き、検討委員会における議論の推移を見きわめ、改築のあり方全体を検討していき、その状況について改めてご報告させていただきたいと思います。
○山加委員 丁寧なご答弁ありがとうございます。回復途中であるものの、一月までの実績において病床利用率が六四・四%、若干上がったようでありますが、まだ七〇%に満たないという状況であります。
私は、災害医療など、都立病院としての広尾が担っている役割を考えますと、病床利用率が高い、低い、このことだけで一概には判断をできないと思っております。しかし、持続可能な病院運営という点では、この病床利用率、大事な指標であることは理解をしております。
何度も申し上げておりますが、広尾病院の改築において一番大事なことは、改築が真に都民にとって喜ばしいこととなるかどうかということであります。都民の生命を守る都立病院の建てかえは重要事項であることから、基本構想等の検討に当たっては、ぜひとも厚生委員会に適時適切にご報告をいただき、私どももその情報を共有しながら、これからも必要に応じてしっかりと議論をしていかねばならないと思っております。
そして、検討委員会では結論を急ぐというよりも、いろいろな角度から、ぜひとも慎重に検討を進めるべきだと思っております。今後も引き続き丁重に議論を進めていただきたいと申し上げ、質問を終わります。
○中山委員 私からも、広尾病院用地取得に係る予算の減額補正について、何点か質問させていただきます。
まず、事実経過の確認を改めてさせていただきたいと思うんですけれども、二十七年五月に、みずほ情報総研に委託した調査を行って、五カ月後の十月に二度目の調査を伊藤喜三郎建築研究所に委託して、そしてその年の年末には青山移転ということを局として意思決定されて、その後の予算要求に至ると。
一方で、その後、きょうの資料にもございますけれども、去年の八月の時点で基本構想検討委員会の第一回目が開かれて、その段階で、拙速を嫌うといいますか、慎重に検討すべきだというようなご意見も出たりしていると。そして、その一カ月後の九月の段階で、小池知事が、七年先の話であり、慎重に検討したいという旨の話を記者会見でされると。また、去年の十二月の段階で、小池知事がテレビ番組に出られて、青山移転については白紙ということを表明され、今回、減額補正予算をするということに至ったというふうに理解をするものでありますが、大まかにいってですけれども、この事実経過で間違いないかどうか。もし間違いがあれば、何か訂正をお願いしたいと思います。
○谷田サービス推進部長 ただいま中山理事からお話ありました経過につきましては、先ほどご説明したとおり、検討経緯ということで本委員会の資料に提出したとおりでございます。
一点申し上げるとすれば、知事が十二月の時点で青山移転白紙というふうにお話をされたというふうなことがございましたけれども、それにつきましては、移転を白紙というようなことではなくて、いわばその白紙の状態で、今、専門委員会、検討委員会で議論をしていただいているというような趣旨のことを申し上げたというふうに認識してございます。
○中山委員 それで、また確認しておきたいんですが、一部の報道だとは思いますけれども、一回目のみずほ情報総研の調査の段階では、病院経営本部は現地改築方針だったんだと、それが二回目の伊藤喜三郎建築研究所の調査を経て青山移転に変わったんだというような報道があったりして、伊藤喜三郎建築研究所に委託した際には、他の候補地への移転可能性についても検討する旨を委託項目の中に入れたということが特筆されたりしているわけですけれども、お伺いしたいことが二点ございまして、一つは、一回目の調査の段階で病院経営本部が現地改築といいますか、そういうようなことを意思決定したりとか、あるいはそう思っていたと思われても仕方がないようなことがあったのかどうか。それから二点目は、この一回目、二回目の調査がありますが、その調査の内容として、移転するべきだとか、現地で改築するべきだとか、そういうような事柄に言及するような報告といいますか、そういうものが入っていたのかどうか、その点を確認させていただきたいと思います。
○谷田サービス推進部長 ただいま中山理事からお話ございましたが、二つの調査がございました。
両調査とも、この調査というのはそれぞれの、移転あるいは現地等に関しましてメリット、デメリットを比較するために、あるモデル等を立てましてやっていることでございまして、両調査とも、その中で移転あるいは現地、そういったものを決めたというような事実はございません。(中山委員「一回目の段階での現地調査云々というのは……。病院経営本部の」と呼ぶ)
一回目の調査の段階にいたしましても、それにつきましても、調査の趣旨としては、移転あるいは現地ということを比較して、メリットはどうか、デメリットはどうか、そういったことを、それぞれをその中で調べるために、そしてそれを参考にして我々が施策に生かしていくというものが調査の趣旨でございますので、その調査でそういった移転あるいは現地といったことを決定したことは一度もございません。
○中山委員 今ご説明がありました、要するに、現地改築から青山移転に変じたとか、そういうことはないんだというようなことですよね。最終的に青山移転ということで予算計上したけれども、現地改築という方針があって、それを変更したということではないんだというご発言だったと思います。また、調査の内容としてそういうものを示唆するものでもなかったというようなことだったと思うんですけれども、よろしいですね。
その上でちょっと質疑を重ねていきますが、一つは、先ほども山加理事からお話がありました基本構想の検討委員会、過去五回行われているわけですが、五回目はことしの二月に行われて、論点整理というのがなされたというふうにお伺いしておりますけれども、その論点整理では、こういう機能を持つべきとか、こうあるべきとかいろんな話が出たと思うんですが、そういう中で、その機能のいろんな話の中で、だから現地で改築した方がいいんだとか、だから移転した方がいいんだとか、そういったようなことに付言している意見というのは出されているのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○谷田サービス推進部長 この検討委員会では、まず、新しい広尾病院、これがどのような医療機能を備えるべきか、あるいはどんな規模でいくべきか、そういったことを優先して議論していただいているところでございます。
したがいまして、今、現段階におきまして、立地についての議論がなされているということはございません。
○中山委員 今は検討委員会の委員の方々におかれて病院の機能としての意見をいろいろいただいていて、その中では今のところ、現地改築あるいは移転とかに関する言及というのはないということですね。
それで、今後、論点整理というのがもう既に五回目の検討委員会で終わったというふうに認識しているのか、それとも今後も続いていくというふうに認識しているのか、これはいかがですか。
○谷田サービス推進部長 論点整理案というものに関しましては、今回の第五回の検討委員会で提示がされたものでございますが、これは、それまでの議論を重ねたところを、新病院の機能を重ねたところをまとめて、議論に資するためにそれを提示したものでございます。
今後は、そうした論点整理案に加えまして、今後また委員から新たにいただいた意見などを踏まえまして、検討委員会としての取りまとめというのを行っていくものと思ってございます。
○中山委員 これからも論点整理、取りまとめに向けて、何回か会合が開かれるということだと思います。
そこでお伺いしたいことは、今後の広尾病院において望まれる役割や機能、そして規模感というものについて、ある程度合意形成というものがなされていくのかどうかということです。
一つ、役割や機能というのは、ある面ではいろんなものを並べても結構だとは思うんですけれども、規模感というのは、確かに場所ということについてある程度意味合いを持つといいますか、そういうことですから、そこがある程度触れられていないと今後の検討に差しさわりが出てくるんではないかと思いますけれども、必ずしも全員一決で一本化するというわけにはいかないかもしれませんけれども、そういう機能や役割、規模感といったものが合意形成されていく方向で論議を進めていきたいとお考えなのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○谷田サービス推進部長 検討委員会につきましては、それぞれ専門家の立場からご意見をいただいてやってございますので、医療機能、規模等についても、そういった見地から今ご意見をいただいているものだと思っております。
そういった意味では、先ほどもちょっとご答弁申し上げましたけれども、今三つの視点で検討させていただいているというところでございますので、そういったものが今後集約をされていくというふうに、我々事務局としては考えてございます。
○中山委員 それで、特に今、規模感ということを申し上げましたけれども、これは非常に大事なことで、ある意味で、広尾病院一つでほかの都立病院が要らないぐらいの規模感を持ってもしようがないわけですし、要するに、かといって現実がこれだからということで、広尾病院に期待されるものとは別に規模感を決めてもしようがないわけですよね。
そういう面では、この規模感というものがある面ではいろんな大事な要素を持ってきますので、それに関するデータというのは--よく、行政がこういう審議会とか検討会をやるときに、事務局として提示する資料とかデータというものがある程度方向づけをもたらしているという疑いを招きがちなわけですけれども、その点については、あくまでも客観的なデータと資料を整えると、そういう姿勢を貫いていただきたいと。そうじゃないと、暗に意図して導いたんだとか、そういうようにいわれかねないと思いますが、その点いかがでしょうか。
○谷田サービス推進部長 ただいま行われております基本構想の検討委員会におきまして、例えば、そのデータという意味では、DPCデータと申しまして、それぞれ包括診療群として、広尾病院も参加しているわけですが、そういった中でどういった医療機能、広尾病院がどういった位置にいるかといったようなことが検討委員会の中でも示されてございます。
それで、その中で、先ほどもお話を申し上げました、例えば広尾病院は外傷系が強いですねというような話もございますので、理事おっしゃるとおり、そういった形のものをもとに、この検討委員会で議論がさらに深まっていくものというふうに考えてございます。
○中山委員 それで、今後取りまとめに当たりまして、いわゆる機能、役割、規模感といったものを取りまとめるだけではなくて、やはり現地改築なのか、それとも移転なのか、そうした事柄に結びつく、この専門的な委員の方々の言及というものもなされないと、何のための検討委員会なのかということがわからなくなってしまって、ただ時間をかけているということにもなりかねないので、病院経営本部としては、そうした事柄までこの検討委員会の報告書に期待をしているものなのかどうか、導こうとしているのかどうか、そこら辺をお伺いしたいと思います。
○谷田サービス推進部長 検討委員会の中で、今は医療機能、規模等を中心に、それをまずは優先して議論をしていくといった段階だと認識してございます。
そういった意味では、今後、委員会の報告に向けて議論が必要な事項ということについては、検討委員会の中で、検討委員会の委員長が委員とも諮りながら、そういったようなことが決まってくると思っておりますので、そういった中で、機能、規模に限らずお話というものがされていくものだというふうに考えてございます。
○中山委員 今申し上げましたのは、いわゆる平成二十七年のときの一回目、二回目の調査というものが、現地改築なのか移転整備なのかということについて論陣を張らない、そういうものであったりしたために、最終的に青山移転が決まった経緯だとか、あるいはそれを一旦見直すとか--見直すことについてはトップダウンで、小池知事の英断かもしれませんけれども、そうした事柄についてのあやふやさというものを与えているんだと私は思っております。
したがって、こうあるべきだという病院機能の問題と、一番肝心かなめの、移転する必要があるのか、現地でできるのかといったあたりをきちっとそこまで書き込まないと、それは私はまた同じことを繰り返すことになると。結論が出たときに、それが、またどうしてそういうふうな結論になったのかわからないとか、あるいは覆ったときに、どうして覆ったのかわからないとか、そういうふうにいわれることになる。論理的必然性というのはきちっとその中で明らかにしていただきたい、それを目指していただきたいというふうに思っております。
それで、もう一つは、お伺いしておきたいのは、これは別の委員会の所属ですけれども、知事の海外出張をめぐる庁内検討の報告書というのがありました。それについては、昨年の八月の段階で、実は副知事決裁まで得ておりまして、まとまっていたはずですけれども、都政改革本部マターとなって、表には出てきておりません。
今回の問題に関しては、小池知事の方から、都政改革本部に論議を引き取るというようなことの意向が示されているのかどうか、そのことについてお伺いしておきたいと思います。
○谷田サービス推進部長 今お話のあった点については存じ上げてございません。
○中山委員 ということは、基本的に、この検討委員会で出た報告書をもとに病院経営本部として責任を持って基本構想をつくり上げると。その基本構想については、決裁権者が誰なのかわかりませんけれども、大事な内容ですから、仮に決裁権者が知事じゃなかったとしても、知事にきちっと報告をしながらやっていくんだと思いますけれども、病院経営本部として移転する、しないということを含めて結論を出した基本構想としてつくり上げていくということだと思っております。そういう面で、これは慎重に、結論といいますか、そういうものを見守っていきたいと思います。
それで、その上で、この基本構想をまとめる時期ですけれども、いつごろを考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○谷田サービス推進部長 ただいま開催されております基本構想の検討委員会、こちらの方は夏をめどに取りまとめをしていくといったことが、検討委員会の中でも確認をされているところでございます。
その検討委員会の報告を私どもが受けまして、その取りまとめた結果を受けて、都側において行政として整理をして、基本構想を策定していく、その状況について、改めて議会にもご報告させていただくというようなところの筋は描いてございますが、まだ時期等については未定でございます。
○中山委員 そういうことで、基本構想を当委員会なり、都議会全体なりにかけていただく、報告していただくのは、三定から事務事業質疑、四定といったあたりの流れの中で出てくるというふうに認識をさせておいていただきたいというふうに思います。それが議会としても、ちゃんとした審議を尽くして、それに対してどういう質疑をしたのかということを問われる非常に大事なタイミングになるんだろうというふうに思っております。
本来なら検討委員会の報告というのは、開催されるたびごとに、こう委員会を開いて報告してもらいたいぐらいですけれども、なかなか、私どもも通年議会ということを今回代表質問の冒頭いわせていただきましたけれども、それぐらい議会のチェック機能というのは求められていると思っておりますが、少なくとも二定でもう一回ちゃんと、こういうような論点整理がなされていますということ、それに付言してさらにいえば、移転すべきか、移転すべきじゃないかとかいったあたりについても、こういう意見が出てきていますというようなことも含めて報告をしていただきたいというように思いますが、いかがでしょうか。
○谷田サービス推進部長 先ほども申し上げましたが、検討委員会の方につきましては、検討委員会の委員の間で、いつ、どういう形で開催するということも決まってくるものでございますから、今、夏を目途に精力的に委員会の方もやっていくというような認識をしてございまして、そうした進捗状況に応じて、適切なタイミングで議会の方にもご報告をしたいというふうに思ってございます。
○中山委員 都議選の最中を狙ってやるとかはないと思いますが、ちゃんと早目早目にお願いをしたいというふうに思います。
それから、あと、各検討会の内容は、ホームページにきちっと報告していただいているとお伺いしました。しかも、できる限り一カ月以内にアップする方針で頑張っていますということなんですけれども、二月に行われた第五回目の内容はまだアップされていません。
まだ一カ月未満なのかもしれませんが、そこら辺、今どういうふうに努力されているのか、お伺いしたいと思います。
○谷田サービス推進部長 いろいろと心配をかけて申しわけないと思ってございますが、資料等については、委員会の開催等があるたびに、直近でホームページ上にアップをさせていただいております。
今ご指摘があったものについては議事録のことかというふうに認識してございますが、議事録については、速記が上がってくるタイミングと、それからまた各委員に確認するタイミングもございます。
しかし、ご指摘の点もございますので、なるべく早くアップできるように努めてまいりたいと思います。
○中山委員 議事録の問題は、我々議会の側も非常に耳の痛い話でありまして、なかなか去年の事務事業質疑もまだちゃんとアップされていなかったりするような状況があったりするので、ただ、全面公開といっても、余りにも時間がかかって公開しているのでは、それは全面公開の本当の役割を果たさないというふうに思います。
私が勉強したイギリス法なんかでも、ローズディレイといって、法の遅滞といいますけれども、裁判に余りにも時間がかかり過ぎることは正義とはいえないんだという考え方がありまして、やっぱりその時点、その時点で論議になっている事柄というものについてどう議論がなされたのかというのが都民にとってわかるようではないと、もうわかった段階では次のステージを迎えているというんでは、ちゃんと議論したのかどうかというチェックにもならないということになりかねませんので、ご努力いただいていることはわかりますけれども、今後も改善を目指して、よろしくお願いしたいと思います。
それからもう一つ、外的要因です。いわゆる検討委員会の論議のほかに、外的要因というものもこの問題についてはすごい大事になってまいります。例えば、移転ということに関していうと、青山移転を決める前の段階でNHKという話もあったと思うんですけれども、そうした事柄ができないと、選択肢として選べないという状態が出てきたりとかしたということもいわれたりしています。
そういう外的要因の変化というものについても、検討委員会の議事録等の内容だけじゃなくて、きちっと厚生委員会の方に報告を願いたいというふうに思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○谷田サービス推進部長 今回の広尾等に限らずということかもしれませんけれども、事情の変化ということにつきましては、私どももしっかりと、こちらの委員会とも情報共有をさせていただきながら進めてまいりたいというふうに思います。
○中山委員 今、部長、しっかりと丁寧にお答えしていただいたというふうに思います。
一連やらせていただきましたけれども、基本的にいえば、論理的必然性というものがきちっとわからない形のものを議決したりとか、あるいは覆したりということについては、異常に疑いを持たれるということがあります。またもう一つは、結論が移転なのか、現地なのかということも大事ですけれども、もちろん大事なんですけれども、それだけではなくて、そのプロセスというものが、なぜそうなったのかということがきちっとわかってもらえる、議会に対しても都民に対してもそうですけれども。そうでないと、幾ら結論自体の正当性を声高に主張しても、プロセスが不透明だったりすると、もう全てがだめといわれかねないというふうになると思います。
そういう面で、これから大事な広尾病院の移転、あるいは現地含めて、機能の充実含めて、結論を基本構想という形で出していくわけですけれども、それに向けて、都民の信頼に応える、そういう内容にしていきたいということについての本部長のご決意をお伺いして、終わりとしたいと思います。よろしくお願いします。
○内藤病院経営本部長 まず、広尾病院のこの一連の検討経過等々で、委員の皆様方にご不安をおかけしたことを、本当に私も残念といいますか、私も七月に着任いたしまして、着任早々この広尾病院のお話があり、正直戸惑った日々を過ごさせていただきましたが、ただ大切なことは、先ほど担当の部長がるる申し上げましたように、きちんと説明していく、きちんと公開の場でさまざまな意見に耳を傾け対応していく、このことに尽きるのかなと。
おかげさまで基本構想検討委員会、当初いろいろな意見ございましたが、今は非常に前向きな検討がなされております。私も、逆にいいますとその検討自体、本来であればこの年度末と思っておったんですが、その後、昨年七月に地域医療構想が策定され、また広尾病院の稼働状況等、いろいろ課題が出てまいりました。その中で委員の方から、きちんと機能も含め、また規模感も含め議論すべきだという声も出てきたことから、この夏を目途にとなった次第でございます。
いずれにいたしましても、専門家の会議である構想検討会の報告を受け、それを私ども行政として責任を持ちまして基本構想という形で案として取りまとめ、またそれを厚生委員会の先生方の前でご説明、ご審議いただいた上で、次の計画等々のステップへ進んでまいりたいと考えております。
先生方のお話を聞いてみますと、広尾病院に対する期待、またこれまでの広尾が担ってきた機能に対する思いといいますか、非常にありがたく受けとめております。そのことをきちんと肝に銘じまして、引き続き適切に対応してまいりたいと思います。
今後とも広尾病院等々のご支援をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いします。
○石毛委員 それでは、中途議決、厚生委員会、都立広尾病院改築に当たる検討状況報告への質問をさせていただきます。
私、三番バッターでございますので、山加理事、また中山理事に重なる点があるわけでありますが、お許しください。
この改築の前段階として、移転用地取得の予算が三百七十億確保されていたわけですが、既に昨年つくられていた複数の調査報告書があったにもかかわらず、予算審議では活用されていませんでした。
このような経過に着目した私ども東京改革議員団の議員が、改めてこの調査報告書を読み込み、予算書に盛り込まれるまでの流れに矛盾を感じ、いち早く厚生委員会で、また本会議においても質疑を、課題をぶつけた次第であります。
その後、小池知事が、先ほども出たところでありますが、年末に、移転計画は白紙である旨の発言があった。この趣旨はちょっとわかりませんが、そう発言したわけであります。
これまで病院経営本部自身は、知事はこの用地取得の適、不適については関心がないという認識を持っていたのではないかと思われる節がありました。しかし、関心がないからといって、どちらでもよいので白紙にということにはならないと思います。金額三百七十億ですから、実際にどうだったのか、大変気になるところでございます。
その後も、二月一日には第五回首都災害医療センター基本構想検討委員会が開催されています。知事の発言を病院経営本部はどのように受けとめているのか、ご見解をお伺いします。
○谷田サービス推進部長 広尾病院の改築につきましては、知事は慎重に対応していく旨、当初から発言しているところでございます。
病院経営本部といたしましては、老朽化した広尾病院の建てかえにつきまして、立地や施設規模を考えるに当たり、いわば白紙の状態から、どのような病院にしていくのか、これまで外部の専門家を加えた首都災害医療センター基本構想検討委員会を開催して、議論を重ねていただいているところでございます。
これまでもご説明してきたとおり、こうした検討委員会での議論の推移をしっかりと見きわめながら、今後も適切に対応してまいりたいというふうに思います。
○石毛委員 名前が変わりましたが、我が東京改革議員団の議員が継続的に、その検討委員会を傍聴しておりまして、検討委員会では、現在の都立広尾病院の病床利用率を八五%に設定してはどうかというある委員の発言が出るなど、今より小規模にしてはという空気があったんだと聞いております。
仮に、病床規模が縮小するのであれば、理屈上は現地建てかえがより容易になると思うのですが、この点どうでしょうか。
○谷田サービス推進部長 検討委員会では、これまでさまざまな観点からご議論いただく中で、広尾病院の現在の病床利用率に照らして病床規模を見直すべきとの意見も出されておりますが、これにとどまらず、新病院が担うべき機能についての意見などを幅広くいただいているところでございます。
現在、検討委員会において、その具体的な機能、規模等に関する審議が継続中であることから、引き続き議論の推移を見守ってまいります。
現地建てかえか移転かの判断に当たっては、病床規模に加えまして、災害医療機能など、新病院に求められる機能全体を踏まえまして適切に見定めていく中で、総合的に判断する必要があると認識してございます。
○石毛委員 我が東京改革議員団の議員がこれまで、現在地と購入予定用地での建てかえのための調査資料の不自然さを指摘してまいりましたが、それ以上に、ヘリコプター発着の、また車のアクセスの懸念、こういったものも指摘してきたわけであります。
ヘリコプターについては、私も青山の移転候補地に着陸させることに危険がないのか、心配しているところでございます。青山の予定地での車両やヘリコプターのアクセスの面はいかがでしょうか。
○谷田サービス推進部長 まず、青山の予定地につきましては、四車線の国道二四六号線に面している点で、車両のアクセス面に支障はないものというふうに考えてございます。
次に、ヘリポートの整備では、法令上の要件を満たした施設には離発着ができることを前提にいたしまして、これまでに行った調査において設定したモデルケースで、ヘリコプターの進入ルートなどを想定しております。
もっとも、いずれの場合におきましても、関係機関や近隣との協議など、病院整備に当たってはアクセス面での解決すべき課題があるため、基本構想に関する議論も踏まえながら、具体的な施設計画や運営方法などの詳細を詰めていく中で適切に対応する必要があると思ってございます。
○石毛委員 ともかく、心配がないような状況の中で、しっかりと私どももそれなりに見守っていきたいと思います。
本件では、私どもが問題と考えるのは、それなりの金額で契約された調査報告書が複数あったにもかかわらず、それを通じて病院経営本部が議論をしてきたという経過が若干不透明であり、最後に出てきた調査報告書では、課題が示されているものの、既に移転が前提になったような感じであります。
このことは、昨年の事務事業質疑で、私ども会派の斉藤委員が指摘したところでございますが、さらにはその報告書を予算審議に生かしていないことも反省点であります。これは、病院経営本部のみならず、私どもも認識しなくてはいけないことだと思います。
今後、検討委員会の結論が出て、この移転にかかわる審議が都議会でされるときには、これらの過去の報告書を活用していかなければなりません。そして、病院経営本部にとどまらず、他の案件においても、このようなしっかりした調査報告書があるような事案では、それを活用した審議をすべきであるということを、意見を申し上げて、終わらせていただきます。
○畔上委員 それでは、私からも報告事項についてです。
用地取得は一旦見送ると、そして検討委員会で夏ごろまでをめどにまとめるという確認をし、そしてそれを受けて行政が取りまとめるという、先ほどご報告がありました。
都立広尾病院の今後については、現在、首都災害医療センター基本構想検討委員会の中で、この間、五回議論をされているということです。
私は、昨年の十一月二十二日の事務事業質疑の中で、広尾病院の島しょ対策、それから都立病院としての役割を果せるよう、ベッド数の維持や、また医療水準の引き上げなどを求めてまいりましたが、都民の命のとりでとしての役割を十分発揮できる病院にさらに発展できるように求める立場から何点か確認をしておきたい点があるので、質疑をさせていただきたいと思います。
先ほど、ご答弁の中で、広尾病院の役割については、さまざまな議論が出されているというご説明がありました。この検討委員会の中で、広尾病院が都立病院として果たしている救急医療の役割についてはどのような意見が出ているか、まず伺います。
○谷田サービス推進部長 広尾病院は、三百六十五日二十四時間体制で総合的な救急医療を提供いたします東京ER・広尾を担っていることから、初期救急、二次救急において地域の頼りにされていることですとか、外傷系医療において強みを発揮していること、さらには他の病院では受け入れが困難な患者についても受け入れてもらっているなどの意見をいただいているところでございます。
また、島しょの重症患者さんを搬送する際には、圧倒的に広尾病院を希望される方が多いということを紹介する委員の意見もございました。
○畔上委員 今のご答弁では、救急の困難事例も広尾病院で受け入れ、頼りにされているということですね。
第五回の検討委員会の中で病院の強み、弱みという議論がされていますが、この中で、健康づくりへの貢献や外国人の急性期医療などは、経営上プラスにはならない、救急も、収益上プラスの疾患もマイナスの疾患もあると、そして、新型のインフルエンザ対策や放射能汚染対策についても、最後のとりでとして受け入れているのが広尾病院だと、これらが本当に病院の弱みといえるか、都民目線ではやはりプラスになると、こういったご発言もあったというふうに伺っています。
この点は非常に私は大事な点じゃないかというふうに思います。まさに、都民だけじゃなく外国人を含めて、命のとりでとしての大切な役割を果たされている都立広尾病院の必要病床数については、やはりこうした役割も踏まえて、現行の水準を上回るようにすべきだということを私は改めて申し上げておきたいと思います。
第三回の首都災害医療センター基本構想検討委員会におきまして、災害医療の拠点としてのあり方が議論されていますけれども、都内には現在、災害拠点病院に八十の施設を指定しております。そして、都立広尾病院は、その中でも中心的な役割を果たす病院であるという位置づけがされています。
この基幹災害拠点病院と災害拠点病院の医療の機能の違い、これはどういうことでしょうか。教えてください。
○谷田サービス推進部長 厚生労働省の通知によれば、基幹災害拠点病院と災害拠点病院との違いといたしまして、基幹災害拠点病院は、複数のDMATを保有していること、救命救急センターであること、災害医療の研修室を有すること、耐震構造を有すること、敷地内にヘリコプターの離着陸場を有することが求められてございます。
加えまして、福祉保健局の要綱においては、基幹災害拠点病院は、地域災害拠点中核病院の役割のほか、他の拠点病院への訓練、研修機能等を有するものというふうにされてございます。
○畔上委員 中核病院の機能は、二次医療圏の代表病院として二次医療圏内の情報連絡機能などを有するほか、地域災害医療コーディネーターを配置するというものですね。
今こうしたご説明をいただいたような重要な役割を果たす基幹災害拠点病院、やはり継続的にその役割が果たせるようにすること、これが非常に重要だというふうに私は思います。
そうした役割を果たす上で、当然それなりのスペースとか機能とか設備が必要になるんじゃないかと思いますが、この検討委員会の中で、基幹災害拠点病院として、今後の機能強化についてどのような議論がなされているんでしょうか。
○谷田サービス推進部長 現在、基本構想検討委員会における議論が継続中でございますが、災害時の患者受け入れスペースの確保ですとか、災害時動線を考慮した敷地内の配置など、幅広い観点からご意見をいただいているところでございます。
○畔上委員 いろんな議論があるということなんですが、私たちも実は広尾病院を視察させていただきましたが、やはり病棟は六床室が中心ということで、廊下も狭く、現行の病院機能でもスペースの拡大が必要だなというふうに感じています。
その上、今ご答弁のあったような機能を持つということになりますと、やはりかなりスペースが必要になるのではないでしょうか。現在の広尾病院の災害時の増床余力、これは通常四百七十八床ですよね。これが、災害時は六百三床までにとどまっているというふうに伺っています。災害時は、入院で二倍、外来で五倍の増床能力を確保できるスペースの確保ということが、第三回の検討委員会の配布資料をホームページで見させていただきましたけれども、それに記載されていました。そういう点では、十分なスペース確保に努めていただきたいというふうに思います。
また、現在は看護師の寮がございますけれども、緊急時にすぐに対応することができるためには、やはり職員住宅も拡充することが必要ではないかというふうに考えます。
今も実施しています島しょの家族の方々が泊まれるこういった施設も含めて、住宅施設の拡充もあわせて求めておきたいと思います。
検討委員会の中では、災害時に医療従事される方を含めて、被災される可能性が少なくない中で、長期的、継続的に全体のチームとして医療を提供できる体制をあらかじめ整えることと、それから事前の訓練を行うことが必要ではないか、こういったご意見なども出されていました。
そういう点では、先ほども議論がありましたけれども、ハード面だけではなく、やはり基幹災害拠点病院としての人材確保、これも大変重要であるというふうに考えます。ぜひハード、そしてソフト両面の拡充を求めておきたいと思います。
検討委員会では、委員の方々から、小児医療や高齢者の救急などの要望が出されておりましたが、以前の委員会において、地域住民や島しょ関係者の方々の声をどう反映するんですかという質問をさせていただきました。
その際に、ご答弁では、意見箱や退院時のアンケート等を活用して把握に努めますというご答弁をされていました。現在、地域や都民の皆さんからどのような要望が出されているんでしょうか。
○谷田サービス推進部長 病院利用者の声ということですが、病院に設置した意見箱ですとか患者退院時アンケート、それから病院経営本部や広尾病院に寄せられた意見といたしまして、移転案に反対との声ですとか、あるいは移転するとしても、しっかりと議論をしてよい病院をつくってほしいといった声をいただいてございます。
○畔上委員 同じ地元の地域住民といっても、確かに渋谷区と港区では医療事情が異なっていますし、また、やはり要望もさまざまあると思います。
こうした要望を広く聞いていただくことは、都立病院の役割を果たす上で何が重要なのかが定まる上で、とても大切だというふうに私は思います。
検討委員会は、専門家の方々が専門的な観点から議論されていること、これは、議事録を読んでそのことは非常によくわかりましたが、やはり都民からもしっかり要望を聞いていただいて、それも踏まえて決定していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
そのことを申し上げて、質問を終わります。
○上田委員 資料の方おつくりいただきまして、どうもありがとうございました。
私、前回の事務事業質疑のとき、去年の十一月ですか、同様の資料を取り寄せまして、これは十月で終わっていて、その後、ほかの議員も指摘がありましたように、知事の、白紙というか、一旦立ちどまるというような宣言といいますか、表明があり、二十九年、ことしの一月に減額補正というふうな流れになっておりまして、二十六年五月は現地建てかえ、全面改修、移転というような三つの選択肢を検討しておりまして、多分二十六年だったと思うんですが、秋ぐらいでしたか、広尾病院百五十周年でしたっけ、記念式典。百五十……(発言する者あり)百二十ですか、済みません。百二十周年式典で、大変喜ばしいということで私も参加をさせていただきまして、現場のドクターの皆様、殊に若いお医者さんたちが、現地建てかえに非常に意欲を持たれて語られていたことがすごく私の中ではインパクトがあって、こうやってドクターの声が反映されている組織風土というのは非常に健全だなというふうに見ておったのですが、ここで一気に去年の一月に予算に計上されて、私たちもそのときは、前の会派では予算を追認したのは、そのイメージがあって、きっちりとお医者さんたちや現場の方々の意思確定があってお決めになったことを、医者でもない門外漢の私たち議会人が拙速に判断してはどうなのかなということで、ちょっと首を、はてなマークを抱えながらも追認といいますか、予算の方は通させていただいたと思います。
その後のこもごものここに至るまでの議論を見ますと、一つ一つの議案とか、あれっていうことはしっかり--豊洲の問題もそうですけれども、この広尾が、まさに第二の移転問題というふうにいわれるようになってしまったことに鑑みますれば、私自身、議会人として少し踏み込みが足りなかったのかなというふうに反省をしている次第であります。
改めまして、ここまでに至る、結果的にはここで二十八年一月に計上しちゃって、二十九年一月に減額補正と、余りないことだと思いますので、ここに至りますまでの庁内の検討経過と減額、たしか三百七十億と聞いておりますけれども、積算根拠等、財務ということにはなるかと思いますけれども、細かくご説明をいただければと思います。
○谷田サービス推進部長 基本構想検討委員会での議論が昨年末の時点で継続中である状況を踏まえまして、平成二十八年度最終補正予算案についてのことし一月の知事査定において、今回の減額補正が決まったものでございます。
減額補正の内容についてでございますが、外部の鑑定委託を行ったものに時点による修正を加えて、用地会計に計上しました三百七十億円、この全額を減額するというものでございます。
○上田委員 用地会計の減額補正の詳細については財政委員会さんでやっているとは思うので、そちらの委員会でその内容についての精査はされていると思いますので、議事録でも拝見させていただきたいと思います。
また、先ほどから広尾病院の地域医療としての重要性につきまして、質に至るまでの議論がほかの委員さんからもあったと思います。特に高齢者などは、同じ区内とはいえ近いところが通いやすい等々、ロケーションからやはりどうしても広尾病院と、今の現状で通われている方もいらっしゃると思います。
長期の治療が必要な患者さんとかは、移転するに当たって、近隣に主治医をかえようとか、ほかの病院にしようという、要するに計画といいますか、予定もあると思いますので、この移転問題は、入院患者さんや、あるいは通院者の皆様も自分の医療はどうなるのかなと見守っていると思われますので、入院者と通院者様への影響並びに対応、あるいは新聞報道で知るだけではなくてしっかりと、ホームページで出しましたというのはわかるんですが、院内でもきちっと患者さんたちが理解しているかということについて、状況をご説明ください。
○谷田サービス推進部長 今の広尾病院入院、通院などの患者さんへの影響ということでございますが、仮に青山に移転した場合でも、不便になる方がいる一方で、また便利になる方もいらっしゃるということで、一概にはいえないんだろうというふうにも思っております。
また、現地建てかえの場合でも、一時的に不便をおかけすることが想定されてございます。
いずれにしましても、現在は、老朽化した広尾病院の建てかえについて、立地や施設規模を考えるに当たり、どのような病院にしていくのか、検討委員会で議論を重ねていただいているところでございます。
今後、基本構想に関する議論も踏まえながら、その影響と対応について検討してまいります。
なお、今お話がございましたが、現在、基本構想検討委員会の検討状況については議事録をホームページで公開しているというところでございまして、また、患者さんからの問い合わせ等に対しても丁寧に対応しているということはございますが、今後とも、きちんと患者さんに対しても適切に情報を発信してまいります。
○上田委員 病院といいますと待ち時間も長いので、議事録なり何なりも、雑誌とかいろんなパンフレットのところに置いておいていただきまして、ご利用者さんにも、これは情報公開の一つだと思いますので、手にとれるところに置いておくのもいかがかなという、ちょっと提案もさせていただきたいと思います。
私、ちょうどきのう終わったばっかりの一般質問の中で、内部統制とコンプライアンスについて、豊洲を類例に挙げまして確認をさせていただいた次第であります。
同じことが、この移転問題あるいは建てかえなのか、広尾病院問題にもいえるのではないかなというふうに考えておりまして、病院経営本部と現場のお医者さん、看護師らや事務職の方もいらっしゃると思います、患者さんに一番近い人たちの意見というのは非常に重要だと思いまして、こうした病院職員との情報共有、課題共有、たくさん前向きな提案も、あるいはここがちょっと心配だというような指摘もあると思います。
こういった意見集約をしているのかなということと、今後の広尾病院におきましての--正直、前の院長が週刊誌に告発する等の問題が起こったことは事務事業質疑でも確認させてもらいましたけれども、組織風土、こうしたトップダウンではなくて、ボトムアップの組織風土になっているのか、また内部統制がしっかりとできて、都民が求める広尾病院をこれから展開できていくのかという思いを込めて、もう一度、組織風土と内部統制の、病院経営本部にあります、この件を通したあり方を伺いたいと思います。
○谷田サービス推進部長 病院経営本部と現場の病院との間では、毎月幹部間の会合を持ちまして課題認識等を共有するとともに、職員間におきましてもふだんから必要な情報を共有し、随時打ち合わせを行うなど、意思疎通を図りながら仕事を進めてございます。
また、個々の都立病院の運営においては、院長をトップといたします運営会議を通じて病院の課題を共有し、患者サービスの向上、風通しのよい組織づくりなどを進め、院内マネジメントを実施してございます。
広尾病院に関しても同様でございまして、今回の改築の検討におきましても、病院経営本部との間で継続的に情報を共有いたしまして、意見交換をしながら進めるとともに、院内では、今年度からの新たな経営体制のもと、適宜情報を共有しながら進めておりまして、今後も着実に取り組んでまいります。
○上田委員 一般質問でしたか、ほかの議員からも改めて、やっぱりこどもの城に対するニーズがあった等の声もいただいておりますし、まさにあの土地は、東京都でもいただけば有効活用できるかと思いますが、土地があるから病院を移転するのではなくて、やはりニーズにのっとった病院の運営をしていただきたいと思います。
また、同僚委員の中では、消防官の経験がある議員もいらっしゃいまして、やはりヘリコプターがあそこに飛ぶことは、消防職員の命に関しても、私もあっと心配になりました。やはり病院において事故が起こってはなりませんので、患者の命や何よりも職員の命、また地域住民の安全性を最優先にしました広尾病院の今後の展開を期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。
以上で病院経営本部関係を終わります。
○小林委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第五十九号議案、第六十七号議案及び第六十八号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○野島委員 冒頭、事前の質問通告なしにもかかわりませず、質疑をお認めいただいた小林委員長に心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
さて、簡単に質問させていただきます。
私、この席に十二年間在籍をさせていただいております。本案件については、構想段階からかかわってきた一人でございます。この間、患者の保護者会といったかな、正式名称はちょっと、ここで書いたので失念しているんですけれども、さまざまな要望をお聞きしました。
その中で一番大きな要望は、あそこは隣に府中病院がありまして、あそこはPFIでやりましたんで、こちらもPFIでやられるんじゃないですかというふうな、極めて当然の心配をしておりまして、いやいや、PFIというのはこれこれこういう趣旨だから、この案件には合わないんじゃないですかということもお話し申し上げた経緯はございます。
ハード面では、病室はこちらに向けてほしい、こういう要望もありました。私は担当として、それは、この件は自民党の考え方と合うから、局側にはお伝えいたしましょうと。しかし、建物にしても敷地面積の絡みもありますよと、あるいは予算の関係もありますよ、こういうことで一〇〇%というふうにはいかないかもしれないけれども、ご要望はごもっともでございますので、局側にお伝えいたしましょうと、こういうこともありました。
それは無理と、それは私どもの自民党のこの件に関する政策に合わないから、それは無理ですよと明確にお断りを申し上げて進めてまいった次第でございます。
これが、ブラックボックスとやゆされている我が都議会自民党の政治手法でありまして、私は、執行側もその間、患者側の保護者会の皆さんとも多分いろいろ意見交換していただいたと思いますよ。
この間の中で、今、木村委員がここにおりますけれども、木村委員がこの患者団体との窓口になっていただいて、ありがとうございました。
そして今回、ハードの部分の工事案件が出されたものと、このように理解をしております。この間の局側の--これは大変厳しい案件だったんですよ、いろいろね。努力に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
小池知事は都民ファーストといっております。当然ですよ、公金を使うんです。と同時に、しかしじゃないですよ、と同時に、この案件は、今現在、患者で入院している、そしてその保護者会の皆さん、そして一日も早くここに入りたいと渇望している患者予備軍がたくさんいらっしゃるんです、その保護者の皆さん、その方に正面から向き合って進めていかなければ、僕は、今回の案件の提案にはならなかったと思います。恐らく局側も、そういう認識の中で今回の案件提出になったと思います。
そんなことで、局側の認識をお聞かせいただければと思っております。
質問者が答弁者を希望するというのは委員長の職権を侵すのでありますけれども、この間、僕の記憶の中では、一番苦労なさったのは山岸次長さんだというふうに僕は受けとめているんです。したがって、できれば山岸次長からご答弁をいただければ、委員長さん、大変ありがたく思いますので、よろしくお取り計らいをお願いいたします。
○山岸次長理事兼務 府中療育センターは、先生もご案内のように、昭和四十三年に開設をされておりまして、老朽化、狭隘化をしてございます。このたび、多摩療育園と一体の施設として、府中キャンパス内に整備をすることにいたしたものでございます。
設計に当たりましては、さまざまお話がありましたように、家族会からもご要望をいただきました。私自身もお話を何度も伺いましたし、また現在に至るまで、局の方から出向きまして要望をいただいているところでございます。
特に建物に関しましては、採光でありますとか、通風でありますとか、あるいは利用者の方が安心して療育ができるようにということでご要望もいただきましたし、また通所、通園機能の充実につきましても、その実現を図らせていただいているところでございます。
新たなセンターの開設はご家族の悲願でございまして、利用者サービスの一層の充実に向けまして、今後も密に情報交換を行いながら整備を進めてまいりたいと考えております。
○野島委員 ありがとうございました。
質問をお認めいただいた小林委員長に重ねて感謝を申し上げます。
その上で、実は、この場でつくった質問ですから、知事がいっているように、局側とは一切事前調整も何もしておりません。したがって、文言等で不適切な部分もあろうかというふうに私は思っておりますので、質問の趣旨を損なわない範囲内で、小林委員長の崇高な議事録調整権に委ねますので、何かとご厄介をかけますが、小林委員長、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。
○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、いずれもそのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○小林委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第八十三号議案、平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、福祉保健局所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○後藤総務部長 去る二月十七日の厚生委員会で要求のございました資料のうち、本日ご説明申し上げますのは、平成二十八年度補正予算案に関連するものでございます。
お手元の厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。表紙の目次にございますように、資料は一項目となっております。
一ページをお開き願います。東京都地域医療介護総合確保基金における計画事業数及び執行状況の推移といたしまして、東京都地域医療介護総合確保基金を設置いたしました平成二十六年度以降の計画事業数と執行済額を事業区分ごとに記載してございます。
以上、簡単ではございますけれども、要求資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いします。
○小林委員長 説明は終わりました。
これより、ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○斉藤委員 それでは、私の方からは一般会計補正予算に関して、その中で説明の中にも登場いたしました福祉先進都市基金について伺います。
平成二十七年度の当初予算において、本基金は最初創設されたわけなんですけれども、創設時のときに配布された条例においては、基金の設置目的は、子育て家庭への支援や超高齢化への対応など、福祉先進都市実現に向けた施策を推進し、もって誰もが地域で安心して暮らすことができる社会を構築するためというふうになっております。
創設時には四百億円の積み立てでありましたが、本基金をこれまでどのような事業に充ててきたのか、伺います。
○奈良部企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 福祉先進都市実現基金は、平成二十七年度に創設したものでございまして、当初予算で四百億円、最終補正予算でさらに二百億円を積み立てており、二十八年度当初予算においては、そのうち約七十九億円を取り崩し、三十八事業に充当しております。
今年度予算で充当した事業といたしましては、子供家庭分野で、妊娠期から切れ目のない支援を行うゆりかご・とうきょう事業、賃貸物件によります保育所の開設準備経費補助事業、高齢福祉分野では、例えば介護職員宿舎借り上げ支援事業、また障害福祉分野におきましては福祉施設の自主製品を販売する福祉・トライアルショップ、今、KURUMIRUと呼んでおりますけれども、その展開などとなっております。
昨年九月の補正予算における待機児童解消の緊急対策につきましても、本基金を財源としておりまして、約百二十六億円を充当いたしております。
○斉藤委員 この条例文、そしてまた、福祉先進都市基金というタイトルも、目的が若干抽象的に感じられる方も多いんじゃないかなというふうに思います。私もちょっとそういうふうに思いまして、どういう事業に充当するのがこの基金の場合は適当なんだろうかということで確認をさせていただきました。
今回、さらに積み増しをするわけですけれども、福祉保健局としては、今後どういった事業にこの基金を充当していくべきと考えているのか、そこを伺います。
○奈良部企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 この基金は、先ほどもお話しいただきましたように、誰もが地域で安心して暮らすことができる社会の構築に向け、保育サービスの充実など子育て家庭への支援や、介護基盤の整備、介護人材の確保など超高齢化への対応など、福祉施策を安定的に推進するために活用することを目的としております。
どの事業に基金を充当するかにつきましては、予算編成過程の中で知事が判断するものではございますけれども、都の単独事業で先駆的な取り組みなどが基金の目的に合致するものと考えております。
○斉藤委員 それでは、私の方からちょっと意見をいわせていただきますが、基金の条例所管及び充当事業が福祉保健局というふうになっていることでありますので、伺わせていただいたんですが、どうもこの基金を充当するかという判断については、予算編成過程の中で、いわゆる知事が行うことというふうなことでありました。
福祉保健局の事業そのものは、生活及び人生に密着した事業が多岐にわたっておりますし、どの事業もそういう意味では、これを享受する者にとっては非常に重要な事業もしくは予算というふうなことであります。
その中で、特に少子、高齢、障害分野については、これまで充当した事業のところもまたそれと同じ分野でありますが、これからもそういった分野が充実をしていかなければいけないというふうに思います。
私、これを知事の方で、また東京都の単独というところで事業をする場合に使うものというふうに理解をいたしましたので、私どもも、議会側もしっかりと、いろんなアイデアを出す中で、こういった基金のことを認識して提案をしていきたいというふうに思います。
以上でございます。
○上田委員 私は、東京都地域医療介護総合確保基金積立金についてお尋ねしたいと思います。
こちらなんですけれども、この基金が財源となる医療介護総合確保法に基づく東京都計画というのがありまして、ちょっとこの平成二十七年度というのも取り寄せております。
こちらの趣旨は、介護人材が本当に足りないということで、一般質問でも非常に皆さん議論したところでありまして、国の方も加速度をつけて対応していこうというところのあらわれだと思いますが、基金って、結構、中をチェックすると、うちの同僚議員の両角なんかも質問もさせていただいたと思いますが、無駄になっていないのかな、費用対効果はどうかなというものがあったりいたします。
この中で、東京都計画の個票37、介護従業者の確保に関する事業、各種研修に係る代替要員の確保対策事業というのがあります。
代替職員の確保による現任介護職員等の研修支援事業なんですが、この総事業費が一億三千万ぐらいなんです。事業の目標は、都内の介護事業所等ヘ代替職員を年間で百人派遣することにより、介護職員の研修受講を支援するとありまして、単純に一人当たりで割り戻すと百三十万になってしまうんですね。
これ、すごいニッチな感じですが、一例なんですが、こういうこと、ちょっと一人百三十万円というふうに思ってしまいまして、相当人材派遣会社に中間マージンがいってしまって、税が無駄になっていないか、あるいは肝心の職員の手元に適正価格が支払われるか懸念するものがありましたので、状況をご説明くださればと思います。
○西村高齢社会対策部長 本事業は、都内の事業所等が介護職員に資質の向上を図るための研修を受講させる場合に、研修中の職員にかわって介護業務に従事する労働者を人材派遣会社から派遣するものでございます。
派遣労働者に支払われる賃金は、資格や経験年数などを考慮して、派遣会社と派遣労働者との雇用契約に基づいて設定されております。
平成二十七年度に本事業で派遣された労働者の平均時間給は約千四百円で、介護労働安定センターが実施した平成二十七年度介護労働実態調査における都内の介護職員の平均時間給千九十五円より高い水準となっております。
また、派遣会社は、派遣労働者に支払う賃金に加えて、派遣会社の事業主負担分である社会保険料、雇用保険料や労災保険料、派遣労働者の教育訓練費や福利厚生費、派遣会社の社員の人件費などを負担しております。
このため、派遣料金と賃金には差があり、この差額の割合を一般的にはマージン率と呼んでおります。
平成二十七年度実績をもとに本事業のマージン率を計算いたしますと約三〇・五%で、厚生労働省が平成二十八年三月に発表した、平成二十六年度労働者派遣事業報告書の集計結果により計算した約三一・五%とほぼ同水準となっております。
○上田委員 また、平成二十七年、労働者派遣法改正がありまして、そこに基づいているようだということも確認させていただきました。
この事業が、人材派遣会社を活用して代替職員の確保による現任介護職員等の研修支援事業ということになっておりますので、結果的に人材確保につながっているのかどうかにつきまして、ご所見をお示しいただければと思います。
○西村高齢社会対策部長 平成二十七年度の介護労働実態調査において、介護サービスを運営する上での問題点として、教育、研修の時間が十分にとれないことが課題として挙げられております。
このように、人材育成に取り組もうとする事業者にとっては、職員の研修中の労働力の確保が課題の一つとなっております。
このため、都は、即戦力の人材を柔軟に確保することができるという派遣制度の利点を生かし、研修中の職員にかわって介護業務に従事する労働者を確保することにより、介護職員のキャリアアップと介護人材の定着を図ることを目的として本事業を実施しており、事業者団体の方からは、人材育成のために本事業を有効に活用しているというご意見もいただいております。
今後とも、本事業はもとより、施設等で働きながらの資格取得支援や福祉の仕事の魅力ややりがいを発信する若者向けのイベントを実施するなど、介護人材の確保、育成、定着に向けて総合的な取り組みを実施してまいります。
○上田委員 適宜適正に基金が活用されていることを確認させていただきました。
この基金を活用した事業は、例えば介護職員等によるたんの吸引等の研修等、非常にニーズのあるものも展開されていますので、多くの事業所さんや介護職員さんに使っていただくように、今後は、意外に知られていなかったりするので、周知徹底をしていただいて、大いに都民に活用していただければと思います。
質問を終わります。
○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉保健局関係を終わります。
○小林委員長 これより付託議案の審査を行います。
第八十三号議案、平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、厚生委員会所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に質疑を終了しております。
これより採決を行います。
第八十三号議案、平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、厚生委員会所管分を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認めます。よって、第八十三号議案、平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、厚生委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時三十一分散会
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