厚生委員会速記録第一号

平成二十九年二月十七日(金曜日)
第七委員会室
午後一時一分開議
出席委員 十四名
委員長小林 健二君
副委員長上田 令子君
副委員長和泉 武彦君
理事和泉なおみ君
理事中山 信行君
理事山加 朱美君
前田 和茂君
木村 基成君
大場やすのぶ君
藤井  一君
斉藤あつし君
畔上三和子君
石毛しげる君
野島 善司君

欠席委員 なし

出席説明員
病院経営本部本部長内藤  淳君
経営企画部長矢田部裕文君
サービス推進部長谷田  治君
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務大久保達也君
福祉保健局局長梶原  洋君
次長理事兼務山岸 徳男君
技監笹井 敬子君
総務部長後藤 啓志君
指導監査部長松浦 慎司君
医療政策部長西山 智之君
保健政策部長上田  隆君
生活福祉部長坂本 尚史君
高齢社会対策部長西村 信一君
少子社会対策部長松山 祐一君
障害者施策推進部長高原 俊幸君
健康安全部長小林 幸男君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務奈良部瑞枝君
事業推進担当部長古賀 元浩君
医療改革推進担当部長成田 友代君
医療政策担当部長矢沢 知子君
地域保健担当部長本多由紀子君
生活支援担当部長高橋 博則君
施設調整担当部長村田 由佳君
子供・子育て施策推進担当部長横手裕三子君
障害者医療担当部長平賀 正司君
食品医薬品安全担当部長仁科 彰則君
感染症危機管理担当部長矢内真理子君

本日の会議に付した事件
副委員長の辞任及び互選
理事の辞任及び互選
議席について
病院経営本部関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 病院経営本部所管分
・平成二十九年度東京都病院会計予算
・平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 病院経営本部所管分
報告事項(説明)
・広尾病院の改築に係る検討状況について
福祉保健局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・平成二十九年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
・平成二十九年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 福祉保健局所管分
・東京都国民健康保険運営協議会条例
・東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例
・東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
・都立府中療育センター(二十八)改築工事請負契約
・都立府中療育センター(二十八)改築空調設備工事請負契約
・都立府中療育センター(二十八)改築給水衛生設備工事請負契約
・八王子市指定介護療養型医療施設の指定等に係る事務の受託について
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに対する出資について
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター定款の変更について
・東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
(1)二八第四九号の二 子どもの貧困対策を求めることに関する請願
(2)二八第五一号 精神障害者を東京都心身障害者医療費助成制度(マル障)の対象とすることに関する請願
(3)二八第一二六号 介護従事者の処遇改善に関する陳情
(4)二八第一三六号 一律的で過度な受動喫煙防止条例の制定に反対することに関する陳情
(5)二八第一四二号 東京都動物愛護相談センター多摩支所の調布市多摩川河川敷での犬の保護に関する陳情

○小林委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、木村基成副委員長から、副委員長を辞任したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。よって、申し出のとおり、木村基成副委員長の辞任は許可されました。

○小林委員長 次に、木村基成副委員長の辞任に伴い、副委員長一名が欠員となりましたので、これより副委員長の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○木村委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○小林委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には、和泉武彦理事をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には、和泉武彦理事が当選されました。
 それでは、和泉武彦副委員長から就任のご挨拶があります。

○和泉(武)副委員長 ご推挙いただきました和泉武彦でございます。
 小林委員長をお支えし、公平公正な運営に努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

○小林委員長 次に、大場やすのぶ理事から、理事を辞任したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。よって、申し出のとおり、大場やすのぶ理事の辞任は許可されました。

○小林委員長 次に、大場やすのぶ理事の辞任及び和泉武彦理事の副委員長就任に伴い、理事二名が欠員となりましたので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○木村委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○小林委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。よって、理事には、和泉なおみ委員及び山加朱美委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。よって、理事には、和泉なおみ委員及び山加朱美委員が当選されました。

○小林委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○小林委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部及び福祉保健局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、病院経営本部関係の報告事項の聴取並びに福祉保健局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○内藤病院経営本部長 平成二十九年第一回定例会に提出を予定しております病院経営本部関係の議案につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 ご審議いただきます議案は、平成二十九年度当初予算案二件、平成二十八年度補正予算案一件の合計三件でございます。
 病院経営本部は、企業の経済性の発揮と公共の福祉の増進という地方公営企業の経営の基本原則にのっとりまして、都民に対する医療サービスの向上と日々の経営改善努力を不断に積み重ねながら、都立病院を運営してまいりました。
 一方、少子高齢化の急速な進行や国の医療制度改革など、医療をめぐる環境は大きく変化しております。また、首都直下型地震などの大規模災害の発生に備えた医療提供体制の確保につきましても、ますます重要性が増してございます。
 このような医療環境の変化などにも的確に対応し、今後とも、行政的医療を継続的かつ安定的に提供していくことが重要であると認識しております。
 これらを踏まえ、平成二十九年度予算は、昨年十二月に策定されました二〇二〇年に向けた実行プラン及び平成二十五年三月に策定いたしました都立病院改革推進プランを着実に実施していくための予算として、一般会計予算では、公益財団法人東京都保健医療公社の運営費などを計上するとともに、病院会計予算では、医療の質と患者サービスの向上、都立病院を支える人材の確保と資質の向上、迅速で的確な危機管理体制の強化、経営力の強化を四つの柱といたしまして、都立病院が持てる医療資源を最大限有効活用し、高水準の医療機能を生かして、より多くの都民に適切な医療を提供していくための経費を計上したところでございます。
 予算案に盛り込みました事項につきまして、主要な施策についてご説明させていただきます。
 まず、一般会計予算でございます。
 公益財団法人東京都保健医療公社が所管する六つの地域病院とがん検診センターの運営に要する経費などを計上してございます。
 次に、病院会計予算でございます。
 まず、一つ目の柱は、医療の質と患者サービスの向上でございます。
 多摩地域の医療水準のさらなる向上を図るため、多摩メディカルキャンパスにおける医療機能を強化するとともに、神経病院を改築し、都の難病医療の拠点として整備いたします。
 また、都心部唯一の基幹災害拠点病院である広尾病院につきまして、災害時の医療提供体制を強化するとともに、将来を見据えて地域に必要とされる医療を提供するため、改築整備いたします。
 それぞれ基本構想及び基本計画の策定に向け、引き続き検討を行ってまいります。
 さらに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催等により、今後増加していくことが見込まれます外国人患者の受け入れ体制を充実してまいります。
 がん医療の一層の充実を図るため、先進的な医療機器の導入を行うとともに、小児医療、周産期医療、精神科医療及び救急医療等の医療課題に対しまして、医療体制、医療機能等を強化してまいります。
 二つ目の柱でございます。都立病院を支える人材の確保と資質の向上でございます。
 東京医師アカデミーや東京看護アカデミーの運営などを通しまして、質の高い人材の確保や資質の向上に努めてまいります。
 三つ目の柱は、迅速で的確な危機管理体制の強化でございます。
 新型インフルエンザやエボラ出血熱等の脅威に対しまして、都民が安心できる医療提供体制を確保するため、引き続き感染防護具を整備するなど、万全の準備を進めてまいります。
 四つ目の柱は、経営力の強化でございます。
 安定的かつ強固な経営基盤を確立するための経営力向上に向けた取り組みや、医業未収金管理体制の強化を行ってまいります。
 以上が平成二十九年度当初予算案における主要な施策の概要でございます。
 次に、平成二十八年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 平成二十八年度補正予算案の内容は、公益財団法人東京都保健医療公社が所管する地域病院等に対する施設整備費の更生でございます。
 以上が本定例会に提出を予定しております議案の概要でございます。
 病院経営本部におきましては、地域医療構想の策定など、地域医療のあり方が変化していく中、各地域の状況に応じまして、都立病院が担うべき医療を見定めるとともに、これまで以上に効率的な運営を実現していく必要がございます。
 現在、次期中期計画の策定に向けて議論を重ねているところでございます。
 今後とも、都民の皆様の生命と健康を守るため、病院経営本部職員一丸となって、これらの課題に取り組んでまいります。何とぞ委員の皆様方のご指導、ご支援を引き続きよろしくお願い申し上げます。
 なお、議案の詳細につきましては、この後、経営企画部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○矢田部経営企画部長 引き続き、平成二十九年第一回定例会に提出を予定しております議案についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております資料1、平成二十九年度当初予算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、表紙をお開きいただき、目次をごらんください。平成二十九年度病院経営本部所管当初予算総括表から始まりまして、一般会計、病院会計と順にご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。
 なお、これから申し上げます予算額等につきましては、百万円未満は四捨五入して説明させていただきます。
 平成二十九年度病院経営本部所管当初予算総括表でございます。
 上段、一般会計でございますが、予算額は百三十五億三千五百万円でございます。病院会計は、千八百九十六億二百万円で、合わせまして二千三十一億三千七百万円を計上しております。
 三ページをお開き願います。これ以降七ページまで一般会計予算についてご説明いたします。
 Ⅰ、総括表でございます。
 上段の歳出は、公益財団法人東京都保健医療公社の運営費や施設整備費及び公社を担当する病院経営本部職員の人件費などを合わせまして百三十五億三千五百万円を計上しております。
 下段は、財産収入などの特定財源で一億七千二百万円を計上しております。
 四ページをお開き願います。Ⅱ、予算定数でございます。
 公社を担当する病院経営本部職員の定数でございます。
 続きまして五ページをお開き願います。Ⅲ、事項別内訳でございます。
 まず、1、地域病院等の運営でございますが、百二十五億六千七百万円を計上しております。
 概要欄にありますように、ア、病院運営として、公社所管の六病院の運営に要する経費を計上しております。
 六ページをお開き願います。イ、備品整備から、キ、病院管理等まで、所要の経費をそれぞれ計上しております。
 次に、2、地域病院等の施設整備でございます。
 多摩南部地域病院における外壁屋上改修工事など、病院の施設改修などに要する経費として、九億六千八百万円を計上しております。
 七ページをお開き願います。平成二十九年度予算において、新たに債務負担行為限度額を計上したのは一件で、一億八千九百万円でございます。
 1、豊島病院外壁改修工事につきましては、劣化が進んでおります豊島病院の外壁タイルの補修工事を実施するものございます。
 続きまして、病院会計予算についてご説明申し上げます。
 九ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
 上の表の1、収益的収支でございますが、収入は、医業収益、医業外収益を合わせまして千七百十二億六千二百万円を計上しております。支出は、医業費用、医業外費用及び特別損失を合わせまして千七百十八億三千五百万円を計上しております。収支差引額は五億七千三百万円の純損失を見込んでおります。
 なお、収入欄の括弧内の数値は一般会計繰入金で、収入計欄にありますように、合計で三百八十七億円でございます。
 次に、下の表、2、資本的収支でございます。
 収入は、企業債及びその他資本収入を合わせまして三十四億七千万円、支出は、建設改良費及び企業債償還金を合わせまして百七十七億六千七百万円を計上しております。資本的収支の差引額は百四十二億九千七百万円の不足となりますが、損益勘定留保資金その他で補填いたします。
 収益的支出と資本的支出の合計は千八百九十六億二百万円、平成二十八年度と比較しまして三十一億二千万円、率にして一・六%の減となっております。
 一〇ページをお開き願います。Ⅱ、予算定数でございます。
 平成二十九年度の予算定数は、表の合計欄にございますように六千八百二十人で、平成二十八年度と比較いたしまして十人の増員となっております。増減員内訳につきましては、表の右側に事項別に記載してございますが、多摩総合医療センター薬剤師の病棟常駐業務の実施による増員などを行っております。
 一一ページをお開き願います。Ⅲ、患者規模総括表でございます。
 上の表、1、入院でございますが、平成二十九年度の病床数は合計四千九百九十七床、延べ人員は百七十万五百三十五人で、前年度と同数となっております。
 下の表、2、外来でございますが、平成二十九年度の一日当たりの患者数は七千二百三十五人、延べ人員は二百十一万九千八百五十五人で、こちらも前年度と同数となっております。
 一二ページをお開き願います。このページから二一ページまでが、Ⅳ、事項別内訳でございまして、平成二十九年度の病院会計予算を六つの分野に区分して整理したものでございます。
 まず、一、病院管理運営でございます。
 都立八病院の管理運営に要する経費で、千六百八十三億二千四百万円を計上しております。
 一三ページをお開き願います。二、医療の質と患者サービスの向上でございます。
 1、質の高い医療の提供から、一五ページの7、電子カルテの更新等までで、二十六億七千万円を計上しております。
 まず、1、質の高い医療の提供でございます。
 東京都地域医療構想を踏まえ、都立病院が担うべき医療を検討し、次期中期計画を策定いたします。
 また、多摩地域の医療水準を向上させるため、医療拠点である多摩メディカルキャンパスにおいて、医療機能の強化を図るほか、災害時の医療提供体制を強化するため広尾病院を改築し、首都災害医療センター(仮称)として整備いたします。平成二十九年度は、整備に向けた検討を引き続き行い、基本構想及び基本計画を策定いたします。
 次に、2、重点医療課題への取り組みでございます。
 都立病院が地域の実情を踏まえ、他の医療機関等と密接に連携しながら、さまざまな医療課題に対しまして、中核的な役割を果たしていくため、がん医療、小児医療、周産期医療、精神科医療、救急医療につきまして、医療体制や医療機能の充実を図ってまいります。
 具体的な取り組みとしては、高精度放射線治療機器等の導入や、小児総合医療センターにおけるこども救命センターの運営などがございます。
 一四ページをお開き願います。3、患者サービスの向上でございます。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催等により、今後、外国人来訪者の増加が見込まれます。都内に居住、滞在する外国人にとっても、安全・安心の医療を提供できるよう環境整備を進めてまいります。
 また、患者の療養生活を総合的に支援していくため、患者支援センターにおきまして、円滑な転退院、在宅移行に向けた相談支援機能を強化してまいります。
 次に、4、病児、病後児保育の実施でございます。
 小児科のある都立病院におきまして、地域の子育てを支援するため、医療資源を活用し、病児、病後児保育を実施してまいります。
 一五ページをお開き願います。5、病院施設の維持、強化等でございます。
 安全に医療を提供し、患者が安心して快適な療養生活を送れるような環境を整備するため、設備の老朽化が著しい大塚病院における大規模改修工事等を実施してまいります。
 次に、6、臨床研究、先進医療等の推進でございます。
 東京圏国家戦略特別区域の対象医療機関に選定されました小児総合医療センターにおきまして、保険外併用療養に関する特例を活用した先進医療を実施いたします。新たに配置する薬剤師一名の人件費を病院管理運営に計上してございます。
 次に、7、電子カルテの更新等でございます。
 診療業務の安定的、効率的な運用を確保するため、電子カルテシステムの更新を行ってまいります。
 一六ページをお開き願います。三、都立病院を支える人材の確保と資質の向上でございます。
 1、東京医師アカデミーの運営から、一七ページの3、人材の育成、確保までで、五十億八千八百万円を計上しております。
 まず、1、東京医師アカデミーの運営でございます。
 高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を都民に提供していくため、平成二十年四月に開講した東京医師アカデミーを引き続き着実に運営し、次世代を担う若手医師の確保、育成を図ってまいります。
 次に、2、東京看護アカデミーの運営でございます。
 質の高い看護職員の確保、育成及び定着を図るため、東京看護アカデミーの運営を着実に実施してまいります。
 一七ページをお開き願います。3、人材の育成、確保でございます。
 医師事務作業補助者の増員等により、医師の業務負担軽減を図るなど、働きやすい勤務環境を整備するとともに、職務住宅の確保や看護師採用活動を推進するなど、人材の育成、確保に努めてまいります。
 一八ページをお開き願います。四、迅速で的確な危機管理体制の強化でございます。
 1、感染症医療体制の充実強化から、一九ページの4、情報セキュリティー対策の推進までで、四億五千二百万円を計上しております。
 まず、1、感染症医療体制の充実強化でございます。
 新型インフルエンザやエボラ出血熱等の脅威に対して、都民が安心できる医療提供体制を確保するため、医療資器材等を引き続き整備するとともに、資器材等の保管、配送体制を確保いたします。
 次に、2、災害に備えた体制強化でございます。
 災害時におきまして、発災直後の迅速な対応や関連機関との連携等、都立病院が十分な医療機能を果たすため、医療資器材の整備等を行うとともに、診療情報を確実に保全するためのバックアップシステムを運用してまいります。
 3、医療安全管理対策の推進でございます。
 安心できる医療を着実に推進するため、医療安全管理対策の充実強化に取り組んでまいります。
 一九ページをお開き願います。4、情報セキュリティー対策の推進でございます。
 情報セキュリティー外部監査を実施するなど、情報セキュリティー対策を推進いたします。
 二〇ページをお開き願います。五、経営力の強化でございます。
 1、未収金対策の強化及び2、経営の効率化及び経営分析力の向上で六千六百万円を計上しております。
 まず、1、未収金対策の強化でございます。
 医業未収金の確実な回収と、発生防止のための方策を引き続き実施してまいります。
 次に、2、経営の効率化及び経営分析力の向上でございます。
 都立病院が今後も安定的、継続的に行政的医療を提供していくために、経営力の強化や経営分析力の向上のための取り組みを引き続き実施いたします。
 二一ページをお開き願います。六、病院施設整備でございますが、1、病院一般施設整備から、3、企業債の償還まで、都立病院の施設改修や医療器械等の整備などに要する経費として、百三十億二百万円を計上しております。
 二二ページをお開き願います。Ⅴ、債務負担行為でございます。
 平成二十九年度予算におきまして、新たに債務負担行為限度額を計上したのは一件で、五億二千九百万円でございます。設備の老朽化が著しい大塚病院におきまして、改修工事を実施するものでございます。
 次に、Ⅵ、企業債でございます。
 医療器械の整備など、病院建設改良事業に要する財源として計上しております。限度額は三十四億五千百万円でございます。
 以上で、平成二十九年度の病院経営本部におきます当初予算案の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、平成二十八年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、平成二十八年度補正予算案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。平成二十八年度病院経営本部所管予算総括表でございます。
 病院経営本部が所管する一般会計と病院会計について記載してございますが、補正予算の対象は一般会計のみとなってございます。
 三ページをお開き願います。一般会計の総括表でございます。上段、歳出に関しまして、事業費の補正予算額として、二億四千六百万円の減額を計上しております。
 四ページをお開き願います。Ⅱ、事項別内訳でございます。
 1、地域病院等の施設整備において、工事起工額の減少及び契約差金の発生などに伴い、不用となった施設整備費を減ずるものでございます。
 簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小林委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○和泉(な)委員 資料を十一点お願いいたします。
 都立病院及び公社病院における医師の診療科別定数及び現員、二〇一七年二月一日現在のもの。
 都立病院及び公社病院における職種別職員定数及び現員、二〇一七年二月一日現在のもの。
 都立病院及び公社病院における看護要員の採用、退職者数の推移。
 都立病院及び公社病院における看護要員の月ごとの夜勤回数の分布、二〇一六年十月分の実績。
 都立病院及び公社病院における看護要員の年次有給休暇平均取得率、二〇一五年実績。
 都立病院及び公社病院における研修医受け入れ状況。
 都立病院におけるPFI事業にかかわる経費の推移。
 一般会計繰入金の推移、施設整備関連経費以外を病院別にお願いいたします。
 一般会計繰入金の推移、施設整備関連経費でお願いいたします。
 都立病院における経営指標の推移。
 最後に、各公社病院に対する運営費補助金の推移。
 以上です。

○上田委員 私も大きく十点となりましょうか。
 まずは、都立小児総合医療センターの精神科病棟についてでございます。
 小児、思春期の入退院状況。
 デイプログラムの実施状況。
 入退院後のカウンセリング、心理検査等計画の状況。
 子供や家族のための相談窓口の設置、運用状況。
 子供、保護者への言葉がけや接遇に関する苦情対策状況。
 いずれも過去五年分をお願いしたいと思います。
 また、都立病院におけます行動制限、身体拘束及び隔離、電気けいれん療法、措置入院の件数等、過去五年分をお願いしたいと思います。
 都立病院におけますベンゾジアゼピン系薬剤の処方の状況。
 そして、都立公社病院に対する精神保健福祉法、医療法に基づく指導監督の実績、事由別で過去三年分。
 精神保健指定医失効問題を受けまして、都が松沢病院と多摩総合医療センターに対して講じた指導監督の内容と対応状況がわかるもの、現在の指定医の失効の有無とその確認状況。
 最後に、都立公社病院におけます妊産婦への向精神薬投与の実績と、胎児、乳児、母親と母乳への影響がわかるもの、これは直近となります。
 以上です。

○小林委員長 ほかはよろしいでしょうか。--ただいま上田副委員長、和泉理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○小林委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○矢田部経営企画部長 今年度、基本構想を策定するとともに、用地を取得することを予定しておりました都立広尾病院の改築に係る検討状況につきましてご報告申し上げます。
 お手元に、資料3、都立広尾病院の改築に係る検討状況をお配りしてございます。
 まず、経緯についてでございますが、都立広尾病院につきましては、老朽化対応や災害医療機能の強化を図るため、改築に係る基本構想検討費と用地取得費を平成二十八年度予算に計上しております。
 今年度は、災害、救急医療や国際化など、各分野の専門家に加え、医師会代表者、行政関係者で構成する首都災害医療センター(仮称)基本構想検討委員会を設置し、これまで五回にわたり検討を進めてまいりました。
 これまでの検討状況としては、新病院として担うべき災害医療機能や広尾病院の特徴としての強み、弱み、地域への貢献などにつきまして、幅広くご議論いただいているところでございます。
 今後の予定でございますが、地域医療構想の策定や現在の広尾病院の運営状況などの状況変化も十分踏まえ、検討委員会におきまして、引き続き丁寧に議論を重ねる必要があることから、来年度も検討を継続し、夏ごろを目途に報告を取りまとめることといたしました。
 このため、今年度の用地取得は一旦見送ることとなりました。来年度、検討委員会の報告がまとまりましたら、改めてご報告させていただきます。
 以上、簡単ではございますが、報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○小林委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○上田委員 広尾病院移転に係るこれまでの、また直近までの検討経緯につきまして、情報を更新していただきまして、事務事業でもやらせていただきましたけれども、刻一刻と状況が変わりましたようですので、直近の更新した検討経緯につきましてご提出いただければと思います。

○小林委員長 ほか、ございませんでしょうか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 ただいま上田副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。
 以上で、病院経営本部関係を終わります。お疲れさまでございました。

○小林委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○梶原福祉保健局長 平成二十九年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 今回ご審議をお願いいたします議案は、平成二十九年度予算案三件、平成二十八年度補正予算案一件、条例案七件、事件案三件、契約案三件の合計十七件でございます。
 初めに、平成二十九年度予算案についてご説明を申し上げます。
 平成二十九年度東京都予算案は、新しい東京の実現に向けた改革を強力に推し進め、明るい未来への確かな道筋を紡ぐ予算と位置づけ、編成されております。
 この方針に基づきまして、福祉保健局では、福祉、保健、医療を一体的に提供するとともに、社会環境の変化に迅速かつ的確に対応するため、各種施策にさまざまな工夫を凝らし、充実を図っております。
 当初予算案のうち、福祉保健局が所管する一般会計歳出予算は総額一兆一千四百九十四億三千六百万円、二十八年度に比べ三百七十億七千五百万円、三・三%の増となっております。
 さらに、特別会計が二つございまして、まず、母子父子福祉貸付資金会計が予算額四十四億六千七百万円、次に、心身障害者扶養年金会計が予算額四十九億二千七百万円となっております。
 分野ごとの取り組みについて簡単に紹介させていただきますと、まず、子供家庭分野では、待機児童の解消に向け、保育サービス基盤の整備を加速するほか、安心して産み育てることができる環境づくりや特別な支援を要する子供と家庭に対する取り組みの拡充に努めてまいります。
 高齢者分野では、介護人材の確保、定着等を図るための取り組みや地域包括支援センターへのさらなる支援など、地域包括ケアシステムの構築を推進するとともに、新たな仕組みを創設し、特別養護老人ホームなどの介護保険施設の整備を促進してまいります。
 障害者分野では、共生社会の実現に向け、障害の特性や障害のある方への理解の促進を図るとともに、グループホームなど障害者や障害児が地域で安心して暮らせる基盤の整備や障害者の就労を支援してまいります。
 生活福祉分野では、区市町村と連携しながら、低所得高齢者などの生活の安定に向けた支援を行うとともに、福祉人材の確保、育成に取り組んでまいります。
 保健政策分野では、生活習慣病対策などにより都民の健康づくりを支援するとともに、がん検診の受診促進や難病患者への支援、肝炎対策などに取り組んでまいります。
 医療政策分野では、都民の安全と安心を守る救急、災害医療体制を充実するとともに、将来あるべき医療提供体制の実現に向け、医療と介護の連携を進め、在宅療養を支援する体制づくりに努めてまいります。また、がん医療、小児医療、周産期医療などの取り組みを着実に推進してまいります。
 健康安全分野では、新型インフルエンザを初めとする新興、再興感染症の発生に備え、体制の強化に努めるとともに、危険ドラッグ対策をさらに強化するなど、多様化する健康危機から都民を守る施策を進めてまいります。
 次に、平成二十八年度最終補正予算案についてご説明申し上げます。
 一般会計歳入歳出予算の補正でございますが、内容は、福祉先進都市実現に向けた安定的な施策展開を図るため、東京都福祉先進都市実現基金への積み増しを行うほか、在宅、施設サービスの整備及び介護人材対策の加速化のため、国からの交付金及び既存基金への積立金を計上するものなどがございます。
 続きまして、条例案の概要をご説明申し上げます。
 本定例会に提出を予定しております条例案につきましては、国民健康保険法の改正を踏まえ、新たに協議会を設置するもののほか、東京都国民健康保険調整交付金の配分割合について平成二十九年度の特例を設けるもの、児童福祉法の改正に伴い規定を整備するもの、都立施設改革に伴い都立施設を廃止するものなどがございます。
 続きまして、事件案でございますが、八王子市から指定介護療養型医療施設の指定等に係る事務を受託するため、規約を定めるもの、地方独立行政法人健康長寿医療センターに対し財産を出資するものなどがございます。
 最後に、契約案でございますが、都立府中療育センターの改築を行うものでございます。
 なお、詳細につきましては、総務部長からご説明を申し上げます。
 以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○後藤総務部長 それでは、平成二十九年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております議案の詳細をご説明申し上げます。
 初めに、平成二十九年度予算案でございます。お手元の資料、平成二十九年度当初予算概要によりご説明申し上げます。
 表紙に続きまして、目次を三枚おめくりいただきますと、平成二十九年度福祉保健局所管予算の概要でございます。
 1、一般会計のほか、2、特別会計歳出予算として、母子父子福祉貸付資金会計、心身障害者扶養年金会計の二つの特別会計がございます。
 以下、会計別にご説明させていただきます。
 まず、一般会計でございます。
 次の一般会計であります青色の中扉をおめくりいただきまして、一ページでございます。Ⅰ、総括表でございます。
 歳出の計欄をごらんください。平成二十九年度当初予算額は一兆一千四百九十四億三千六百万円で、二十八年度に比べまして三百七十億七千五百万円、三・三%の増となっております。
 次に、歳入ですが、表の下から二段目、特定財源の計欄をごらん願います。平成二十九年度は一千九百四十三億九千八百七十一万三千円で、二十八年度に比べまして三百四十九億七千百四十二万三千円、二一・九%の増となっております。
 二ページをお開き願います。Ⅱ、職員定数でございます。
 表の下段、合計欄にありますように、平成二十九年度の職員定数は四千百四十九人で、二十八年度と比較いたしまして三十七人の増員となっております。
 主な増減員の内訳は、表の右側にお示ししたとおりでございます。
 隣の三ページから、Ⅲ、事項別内訳を科目別に記載してございます。
 主な事業につきまして、新規事業を中心にご説明申し上げます。
 まず一一ページをお開き願います。一一ページ中ほどの(5)、転院搬送体制等整備事業でございます。
 限られた資源を有効に活用し、救急患者を適切な医療に確実かつ迅速につなげるため、医療機関からの転院搬送の際に必要となります医療従事者の同乗や患者等搬送車の活用のほか、高齢者施設等での救急対応の円滑化に向けました関係機関の連携体制の構築を支援いたしまして、搬送体制の整備を図ってまいります。
 一四ページをお開き願います。(5)、NICU等入院児の在宅移行支援事業でございます。
 退院後も医療ケアが必要となりますNICU等入院児の在宅療養への円滑な移行を一層推進するため、医療機関等が実施いたします外泊訓練等を支援してまいります。
 隣の一五ページの(13)、新生児医療担当医育成支援事業でございます。
 臨床研修終了後の専門的研修で小児科を選択し、かつNICU等で新生児医療を担当いたします医師に対します研修医手当等の支給を行う医療機関を支援いたしまして、将来の新生児医療を担う医師の育成、確保を図ってまいります。
 二〇ページをお開き願います。一番下、(11)、区市町村在宅療養推進事業でございます。
 平成二十九年度は新たなメニューを加えまして、区市町村が地域の実情に応じて行います小児等在宅医療の推進を図っていくための取り組みを支援いたします。
 隣の二一ページ、(17)、地域リハビリテーション支援事業でございます。
 平成二十九年度は、地域リハビリテーション支援センターを中心とした災害時の支援体制を構築いたしますため、災害時リハビリテーション支援体制モデル事業を実施いたします。
 二二ページをお開き願います。(19)、外国人旅行者等への医療情報提供体制整備でございます。
 民間医療機関に対します外国人患者受け入れ体制の充実に係ります第三者認証の受審費用等の支援及び外国人患者への対応力向上を目的といたしました研修の実施に加えまして、平成二十九年度からは、医療機関案内サービスひまわりで行っております救急通訳サービスの英語、中国語の利用時間等を拡大いたしますとともに、新たに案内表示やフロアマップの多言語化など、医療機関での外国人患者の受け入れ体制の充実を支援してまいります。
 少々飛びますが、三二ページをお開き願います。4、職域健康促進サポート事業になります。
 都がこれまで蓄積してまいりました健康づくり、がん対策、肝炎対策及び感染症対策等の知見の普及啓発と事業者の取り組みの促進を図りますため、東京商工会議所が育成しております健康経営アドバイザーを活用いたしまして、事業者に対する訪問支援を行ってまいります。
 三五ページをお開き願います。一番下、(6)、難病対策地域協議会の運営でございます。
 難病患者の方が地域で安定した療養生活を継続できますよう、関係機関で構成する難病対策地域協議会を設置いたしまして、課題の把握や連携体制の構築を図りますとともに、地域の実情に応じた支援体制の整備につきまして検討を行ってまいります。
 三六ページをお開き願います。(7)、在宅難病患者生活環境把握事業でございます。
 在宅難病患者の方の就労に関する実態調査を実施いたしまして、療養生活の課題を明らかにすることで、今後の取り組みに活用してまいります。
 その下、(8)、難病患者就労等サポート事業でございます。
 難病患者の方や、そのご家族などが集まり、就労に関する悩みなどを相談するとともに、各支援機関へとつなぐための場を設けることによりまして、難病患者の方の就労等を支援してまいります。
 さらに、(9)、難病医療ネットワークの整備でございます。
 これまでの神経難病医療ネットワークに加えまして、平成二十九年度からは、新たに難病の全疾患を対象といたします難病医療ネットワークを構築いたしまして、早期診断から在宅療養まで適切な医療を提供できますよう、地域の医療機関の連携によります医療提供体制の整備を図ってまいります。
 また若干飛びますけれども、四七ページになります。6、ユニバーサルデザインのまちづくり緊急推進事業でございます。
 東京二〇二〇大会に向けまして、ユニバーサルデザインのまちづくりを一層推進していくため、障害者等を含め地域住民によりますまち歩き点検での意見を踏まえまして、障害者等のスポーツ活動の場や誘導ブロックの設置など、バリアフリー化に取り組む区市町村を支援してまいります。また、区市町村の公共施設のトイレの洋式化についても、あわせて支援してまいります。
 四九ページをお開き願います。5、働きやすい福祉・介護の職場宣言情報公表事業でございます。
 人材育成や職場環境改善など、働きやすい職場づくりに取り組む福祉、介護事業者を公表することで、就職後のミスマッチを防ぐとともに、福祉業界が安心して働くことができる場であることをお示しし、福祉人材の確保、定着を図ってまいります。
 五〇ページをお開き願います。一番下、(3)、支援付地域生活移行事業でございます。
 路上生活が長期化した高齢の方が地域生活に移行できますよう、アウトリーチを実施いたしまして、本人の状況に応じた支援を行ってまいります。
 五二ページをお開き願います。中ほど10、自立相談支援機関窓口の体制強化支援事業でございます。
 生活困窮者自立支援法の施行に伴いまして、各区市が設置した自立相談支援機関窓口で生活困窮者に対して適切で効果的な支援を行えるよう、窓口職員に対する研修や助言、相談を実施してまいります。
 五九ページをお開き願います。(9)のア、東京都介護予防推進支援センター設置事業でございます。
 介護予防に係る総合的、継続的支援を行いますため、全ての区市町村を支援する中核的センターとなります介護予防推進支援センターを新たに設置いたします。
 六七ページをお開き願います。(4)、広域的に利用する特別養護老人ホームの整備に伴う地域福祉推進交付金でございます。
 都全体での特別養護老人ホームの必要定員数の確保に向けまして、区市町村が地域のニーズを超えた整備に同意する場合に、地域福祉推進に柔軟に活用できる基金を造成するための資金を交付いたします。
 その下、(5)、認知症高齢者グループホーム整備に係るマッチング事業でございます。
 オーナー型グループホームの整備促進に向けまして、不動産オーナーとグループホーム事業者とのマッチング及び手続等のアフターフォローを行ってまいります。
 また少々飛びますが、七九ページをお開き願います。中ほどにあります20、子供の貧困対策支援事業でございます。
 各種手当や教育支援、生活支援、就労支援など、子供の貧困対策に関する事業の周知や関係機関の連携強化を図るため専任職員を配置いたしまして、生活に困窮する世帯やひとり親家庭等を必要な支援につなげる取り組みを行う区市町村を支援してまいります。
 その下、一つ挟みまして、22、保育所等ICT化推進事業でございます。
 保育所などで保育士等が行っている指導計画やシフト表作成などの書類作成業務をシステム化するために必要な経費を支援することによりまして、保育士等の業務負担の軽減を図ってまいります。
 八三ページをお開き願います。一番下、41、不妊検査等助成でございます。
 子供を望む方が早期に検査を受け、必要に応じて適切な治療を開始できるよう、これまでの特定不妊治療費の助成に加えまして、不妊検査及び一般不妊治療に係る費用の一部を支援いたします。
 八四ページをお開き願います。一番下、46、子供手帳モデルの検討でございます。
 妊娠期から乳幼児期、学齢期に至るまで、子供の成長や健康に関します必要な記録や子育て情報などを盛り込んだ手帳モデルを作成いたしまして、切れ目のない支援の仕組みづくりを推進してまいります。
 八九ページをお開き願います。一番下、8、新生児委託推進事業でございます。
 乳児院に専任職員を配置いたしまして、養子縁組里親の養育力向上のための研修や新生児と養子縁組里親の交流支援を実施することによりまして、家庭で適切な養育を受けることができない新生児の里親委託を推進してまいります。
 九二ページをお開き願います。一番下、21、東京都保育士等キャリアアップ補助でございます。
 保育サービス事業者が保育人材のキャリアアップの仕組みを導入することを条件に、処遇改善に要します経費の一部を支援する事業でございますけれども、平成二十九年度から支援内容を拡充いたしまして、さらなる人材の確保、定着を支援してまいります。
 隣の九三ページ、中ほどにございます24、保育補助者雇上強化事業でございます。
 保育所等で日誌の作成や行事の準備など、保育士の補助業務を行う保育士資格を持たない短時間勤務の保育補助者を雇い上げまして、保育士の職場環境の改善などを行う保育事業者を支援することによりまして、保育士の負担を軽減いたしまして、離職防止を図ってまいります。
 九六ページをお開き願います。35、保育士に対する居宅訪問型保育利用支援事業でございます。
 保育士が育児休業等から復職するに当たり、自分の子供が認可保育所等を利用できない場合に、認可外の居宅訪問型保育、いわゆるベビーシッターの利用を支援することによりまして、保育士の復職を促進してまいります。
 九九ページをお開き願います。一番下、4、企業CSR等連携促進事業でございます。
 障害福祉サービス事業所や障害者団体等のニーズと企業等の社会貢献活動との連携を促進いたしますため、両者のマッチングを行います専任のコーディネーターを配置するとともに、取り組み事例などを広く発信、共有することによりまして、障害者の社会参加を推進してまいります。
 一〇三ページをお開き願います。(2)、障害者施策推進区市町村包括補助事業でございます。
 平成二十九年度は、都外の障害者支援施設に入所する障害者の地域生活への移行及び定着を促進する都外施設入所者地域移行特別支援事業や、医療的ケアが必要な障害者を地域で支えていくための仕組みの一つとなります医療連携型グループホーム事業、さらに、障害者(児)通所施設、グループホームなどの利用者の安全確保を図るための障害者(児)施設防犯緊急対策事業を新たにメニューに追加して実施いたします。
 一〇七ページをお開き願います。中ほど(6)、医療的ケア児に対する支援のための体制整備でございます。
 医療的ケアを必要とする障害児、いわゆる医療的ケア児の支援にかかわります関係機関による連絡会を開催しますとともに、関係機関職員に対して基本的な理解を促す研修を行いまして、医療的ケア児に対する支援体制を整備してまいります。
 その下、(7)、障害児通所支援医療的ケア対応促進モデル事業でございます。
 医療的ケア児が身近な地域で療育を受けられる環境整備を進めるため、障害児通所支援事業所への看護師の配置をモデル実施いたします。
 一一〇ページをお開き願います。(4)、ペアレントメンター養成・派遣事業でございます。
 発達障害児(者)の子育て経験を生かして相談、助言を行いますペアレントメンターを養成いたしますとともに、ペアレントメンター・コーディネーターを配置いたしまして、家族への適切な支援に結びつけることで、家族支援体制の整備を図ってまいります。
 また少々飛びますが、一三二ページをお開き願います。(3)、動物譲渡推進事業でございます。
 動物の殺処分ゼロを早期に実現いたしますため、動物譲渡事業の普及啓発を行うほか、離乳前子猫の育成、譲渡を新たに実施するなど、保護動物の譲渡活動に対する都民の理解を促進しまして、譲渡を推進する施策を展開してまいります。
 一三七ページをお開き願います。中ほどにございます(3)、民間社会福祉施設建替促進施設、仮称でございますけれども、こちらの整備でございます。
 老朽化に伴って建てかえ時期を迎えている民間社会福祉施設の建てかえを促進するため、都立清瀬小児病院跡地を活用いたしまして、民間事業者が建てかえ時に利用する代替施設を整備いたします。
 一三九ページをお開き願います。一番下、(16)、動物愛護相談センター本所の整備でございます。都の動物愛護施策の拠点であります動物愛護相談センター本所の整備に向けました基本設計を実施いたします。
 一四七ページをお開き願います。33、区市町村所有地の活用による介護基盤の整備促進事業でございます。
 社会福祉法人等が区市町村から未利用の公有地を借り受けて実施いたします介護基盤整備に対する区市町村の補助を支援することによりまして、介護基盤の整備を促進してまいります。
 一五〇ページをお開き願います。一番下、(3)、障害者(児)施設防犯緊急対策事業でございます。
 障害者(児)施設の利用者の安全の確保を図るため、障害者支援施設及び障害児入所施設に対しまして、防犯設備等の設置を支援いたします。
 次に、特別会計になります。
 一五九ページをお開き願います。母子父子福祉貸付資金会計でございます。
 母子及び父子並びに寡婦福祉法に基づきます母子・父子福祉資金の貸し付けに要する経費等といたしまして、四十四億六千七百万円を計上してございます。
 一六一ページをお開き願います。心身障害者扶養年金会計でございます。
 東京都心身障害者扶養年金条例を廃止する条例に基づく年金給付等に要する経費等といたしまして、四十九億二千七百万円を計上してございます。
 平成二十九年度予算案につきましては以上でございます。
 続きまして、平成二十八年度補正予算案についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料、平成二十八年度最終補正予算概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。左側の(1)、歳入予算の補正予算額欄をごらんください。
 国庫支出金で五十四億一千九百七十四万六千円の減額、繰入金で八十四億八千三百九十三万六千円の減額、諸収入で四十四億一千四百四十万二千円の増額など、合計で九十七億七千八百二十八万円の減額でございます。これによりまして、補正後の歳入合計は一千六百二十二億五千七百十二万八千円となります。
 右側の(2)、歳出予算の補正予算額欄をごらんください。
 福祉保健費で一千三百二十二億九千八百九十万六千円の増額、諸支出金で三十四億四千九百八十二万円の増額、合計で一千三百五十七億四千八百七十二万六千円の増額でございます。これによりまして、補正後の歳出合計は一兆二千六百七億一千七百八十四万四千円となります。
 二ページをお開き願います。Ⅱ、事項別内訳の1、福祉先進都市実現基金でございますけれども、福祉先進都市の実現に向けました安定的な施策展開を図るための基金への積立金といたしまして、二千三十四億七千七百三十六万八千円を計上しております。
 隣の三ページ、2、地域医療介護総合確保基金でございます。
 在宅、施設サービスの整備及び介護人材対策の加速化を図るための基金への積立金といたしまして、十六億五千二百六十三万二千円を計上しております。
 以下、四ページから二三ページにかけましては、歳入歳出予算の更正を行う経費を歳出科目ごとに記載しております。
 したがいまして、飛びまして、二四ページをお開き願います。最後のページになりますけれども、4、国庫支出金返納金でございます。
 精算の結果、受け入れが超過いたしました国庫支出金の返納に要する経費といたしまして、三十四億四千九百八十二万円を計上しております。
 最終補正予算案につきましては以上でございます。
 続きまして、条例案についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料、平成二十九年第一回東京都議会定例会条例案及び事件案の概要をごらんください。
 資料の順に沿ってご説明を申し上げます。
 一ページをお開きいただきたいと思います。整理番号1、東京都国民健康保険運営協議会条例でございます。
 国民健康保険法の改正を踏まえまして、国民健康保険事業の運営に関する事項を審議させるため、東京都国民健康保険運営協議会を設置することとし、所掌事項や委員の定数などを定めるものでございます。
 この条例の施行日は、平成二十九年四月一日を予定しております。
 整理番号2、東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例でございます。
 平成二十九年度の東京都国民健康保険調整交付金の総額に係る特例を設けるものでございます。
 この条例の施行日は、平成二十九年四月一日を予定しております。
 整理番号3、東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 児童福祉法の改正に伴いまして、施設名称及び引用条文を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、平成二十九年四月一日を予定しております。
 二ページをお開き願います。整理番号4、東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令の施行に伴いまして、指定放課後等デイサービス事業者の基準を改めますとともに、情報の提供等に係る規定を設けるものでございます。
 この条例の施行日は、平成二十九年四月一日を予定しております。
 整理番号5、東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準の改正に伴いまして、指定就労継続支援A型事業者の運営規程、賃金及び工賃の支払い等の基準に係ります規定を設けるものでございます。
 この条例の施行日は、平成二十九年四月一日を予定しております。
 整理番号6、東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準の改正に伴いまして、就労継続支援A型事業者の運営規程等に関する規定を設けるものでございます。
 この条例の施行日は、平成二十九年四月一日を予定しております。
 隣、三ページにあります整理番号7、東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 都立施設改革に伴いまして、東京都練馬障害者支援ホーム等を社会福祉法人に移譲するため、規定を整備するものでございます。
 この条例の施行日は、平成二十九年四月一日を予定しております。
 次に、事件案についてご説明を申し上げます。
 四ページをお開き願います。整理番号1、八王子市指定介護療養型医療施設の指定等に係る事務の受託についてでございます。
 旧介護保険法に規定されております市指定介護療養型医療施設の指定等に係る事務を八王子市から受託するため、地方自治法に基づきまして、都と八王子市が協議により規約を定めるものでございます。
 整理番号2、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに対する出資についてでございます。
 地方独立行政法人法の規定に基づきまして、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの財産的基礎とするため、板橋構内敷地を財産として出資するものでございます。
 整理番号3、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター定款の変更についてでございます。
 ただいまご説明申し上げました整理番号2の財産の出資に伴いまして、総務大臣に対し、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター定款の変更の認可申請を行うものでございます。変更の内容といたしましては、都が法人の設立の日以後に出資を行った場合の規定を整備するもの、都が出資する財産に板橋構内敷地を加えるものでございます。
 条例案及び事件案のさらに詳細な内容につきましては、お手元の資料、平成二十九年第一回東京都議会定例会条例案及び事件案をごらんいただきたいと存じます。
 続きまして、契約案について申し上げます。
 本契約案は、財政委員会に付託の上、本委員会でご調査いただくものでございます。
 お手元の資料、平成二十九年第一回東京都議会定例会契約案の概要をごらんください。
 一ページをお開き願います。都立府中療育センター(二十八)改築工事外二件でございます。
 昭和四十三年に開設した東京都立府中療育センター及び昭和五十一年に開設した東京都立多摩療育園は、築四十年以上が経過し老朽化も進んでおりますことから、東京都立府中療育センターの隣接地への移転改築を行いまして、両施設を一体的に整備することで、在宅療養の継続に向けた支援のより一層の充実を図りますとともに、質の高い療育サービスを提供してまいります。
 工事場所は、府中市武蔵台二丁目でございます。
 敷地面積は、二万五千百六十・九八平方メートルでございます。
 建物の構造は、療育センターが、鉄筋コンクリート造、地上三階、地下一階建て、医療ガスボンベ庫となります附属棟が、鉄筋コンクリート造、地上一階建て、駐車場及び渡り廊下が、鉄骨造、地上一階建てでございます。
 建物の規模でございますけれども、延べ床面積が二万四千九百六十・三八平方メートルで、病棟のほか、医局、管理部門、多目的室などを設置することとしております。
 次の二ページに施設の案内図、三ページに配置図をそれぞれ記載してございます。
 四ページをお開き願います。本工事請負契約の概要をお示ししてございます。
 まず、上段の改築工事請負契約についてでございますけれども、契約金額は六十九億七千五百五十万四千円で、契約の相手方は戸田・日本・林・協栄建設共同企業体でございます。工期は、契約確定の日から平成三十一年十二月三日まででございます。
 次に、中段の空調設備工事請負契約でございますけれども、契約金額は二十三億三千二百八十万円で、契約の相手方は日本設・三菱・総和建設共同企業体でございます。工期は、契約確定の日から平成三十一年十二月三日まででございます。
 次に、下段の給水衛生設備工事請負契約でございますけれども、契約金額は十五億三千三百六十万円で、契約の相手方は日管・新和・町田建設共同企業体でございます。工期は、契約確定の日から平成三十一年十二月三日まででございます。
 契約の方法その他につきましては記載のとおりでございます。
 なお、五ページ以降に議案の内容を記載してございますので、ごらんいただければと存じます。
 以上で提出予定議案のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小林委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○和泉(な)委員 七点の資料をお願いいたします。
 二次保健医療圏別NICU病床整備状況。
 療養型施設数及び療養病床数、医療保険適用、介護保険適用の推移。
 地域密着型サービスの事業所数の推移。
 地域包括支援センターの設置状況。
 障害者グループホームの定員数。
 都内の浸水想定区域内にある福祉施設の数と、そのうち水害避難計画を作成済みの施設数及び作成率、福祉施設の種類別にお願いいたします。
 被爆者の子の健康診断受診票の交付数と一般検査の受診者数及びがん検診の種類別受診者数の推移。
 以上です。

○上田委員 一兆円を超えるというところで、二十八点お願いします。
 都内の児童養護施設から里親への措置基準及び措置する子供、措置しない子供の乳児院、児童養護施設の通算入所期間別の人数及び構成比。
 都内の児童養護施設出身者と里親養育者について中学及び高卒後の進路状況、学校種別、公立、私立別の実績及び比率がわかるもの。
 都内の児童養護施設退所者アフターケア施設からの要望事項の内容と、その対応状況がわかるもの。
 児童養護施設入所者の死亡者数。
 児童養護施設入所者が施設内外において死亡及び重体となった件数と状況がわかるもの。
 都所管の各児童養護施設に対する指導検査における事項別文書指導、指摘数の事由別推移。
 養護施設、児童相談所、一時保護所における人権教育、外部通報について、取り組み状況、実績がわかるもの。
 児童相談所への区市への移管の検討、協議等、対応状況が時系列にわかるもの。
 障害児入所施設の待機者の障害者別の推移、待機期間がわかるもの。
 都外の障害児入所施設への入所者の障害種、等級別の推移。
 都が所管する社会福祉法人への指導検査における文書指導、指摘の事由別推移。
 都が所管する社会福祉法人が運営する施設入所者の死亡数。
 同上入所者が施設内外において死亡及び重症となった状況。
 都内にある障害者グループホームの障害種別、区市町村別、規模別、運用スタイル別設置状況。
 都内における死体検案、解剖実績が地域と実施者別にわかるもの。
 監察医務院における妊産婦自殺の死因別検案、解剖実績と向精神薬等薬物の検出数。
 次に、医療法人に関してです。
 都内に施設を有する医療法人への立入検査、行政指導、処分の事由別実績。
 医療法人の管理監督について、債務超過等、認可要件と根拠法令、それに基づく行政指導、命令等の状況。
 医療安全課所管の附属機関の各メンバーについて、出身大学、現在の所属組織、役職、選定基準、在任年数のわかるもの。
 医療安全課所管の附属機関の各メンバーについて、製薬会社などからの報酬、寄附の受け取りの有無、金額の状況、報告の状況がわかるもの、いわゆる利益相反の確認状況のわかるものです。
 保育園についてです。
 区市町村別、年齢別待機児童一覧及び平均待機期間、事由別取り下げ数。
 保育園入園不承諾による育休延長、切り上げなどの状況のわかるもの。
 東京都病児、病後児保育施設の施設種別と受け入れ実績。
 家庭保育事業、いわゆる保育ママ制度の区市町村別実施状況及び家庭的保育者数と保育児童数、直近の保護者負担額。
 区市町村別、年齢別待機児童数と待機率の一覧。
 区市町村による認証保育所等、認可外、保育ママを含むあらゆる保育サービス利用者負担軽減制度の実施状況。
 とうきょう保育ほうれんそうへの問い合わせ状況のわかるもの。
 最後に、東京都地域医療介護総合確保基金事業におけます事業費の積算根拠と事業実績でございます。
 年数や詳細につきましては福祉保健局と調整をさせていただきます。
 以上です。

○小林委員長 ほかにございませんでしょうか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 ただいま上田副委員長、和泉理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○小林委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願二八第四九号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○上田保健政策部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号1、請願二八第四九号の二、子どもの貧困対策を求めることに関する請願は、豊島区の新日本婦人の会東京都本部会長の佐久間千絵さん外二千七百三十三人の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第十三に、学齢期の子供たちの生活の場を公的な制度のもとで量及び質において確実な保障をするため、学童保育の正規職員配置や環境改善、増設による待機児童解消促進の補助を実施すること。
 第十四に、子供の医療費の都内窓口における完全無料化を目指すため、都の制度を拡充するとともに、国に対し、医療費助成を実施する自治体への国民健康保険の国庫補助を減額するペナルティー制度の中止を早急に求めること。
 第十五に、国民健康保険の子供の均等割を免除できるよう補助を実施することという内容でございます。
 現在の状況でございますが、第十三につきまして、学童クラブの設備及び運営に関する基準は、児童福祉法第三十四条の八の二第一項の規定に基づき、区市町村が条例で定めております。
 都では、学童クラブの運営に必要な職員の人件費や事業費などの補助を行うほか、学童クラブの整備を進めるため、施設の新設や改築、小学校の余裕教室など既存施設を利用する場合の改修に係る経費の補助を行っております。
 また、民家、アパート等の賃貸物件を活用する場合には賃借料補助を行うとともに、今年度からは、借地料や受け入れ児童数をふやすための移転費用も補助対象としております。
 さらに、学童クラブのサービス向上のため、都独自に民間事業者が運営するクラブを対象に、午後七時までの開所や常勤の放課後児童支援員の配置などを条件に運営費を補助する都型学童クラブ事業を実施しております。
 第十四につきましては、子供の医療費助成事業の実施主体は区市町村であり、それぞれの自治体が条例を定め、医療保険の自己負担額を助成しております。
 都は、乳幼児は病気にかかりやすく、親の年齢が一般的に若く収入が低いこと及び小中学校の学齢期は人間形成の核となる重要な時期であることから、市町村が実施する乳幼児医療費助成事業及び義務教育就学児医療費助成事業に対し補助を行っております。
 これらは、子育てを支援する福祉施策の一環であることから、児童手当に準拠した所得制限を設けるとともに、義務教育就学児医療費助成事業は、通院については自己負担額から通院一回につき二百円を控除した額を補助対象としております。
 また、地方自治体が独自に行う医療費助成事業により、自己負担額が法定割合より軽減される場合、国は、一般的に医療費が増嵩するとして、この波及増分について国民健康保険の国庫支出金を減額する措置を行っております。
 都は国に対し、国民健康保険における地方独自の医療費助成制度に対する国庫支出金減額調整制度を廃止するよう、繰り返し提案要求するとともに、全国知事会を通じても子供の医療費助成に係る減額調整措置を早急に廃止するよう要望しております。
 これに対し国は、平成二十八年十二月、地方自治体が独自に行う子供医療費助成に係る国民健康保険の減額調整措置について、平成三十年度から、未就学児までを対象とする医療費助成については国民健康保険の減額調整措置を行わないこととしました。
 第十五につきまして、区市町村の国民健康保険料は、法令に基づき、世帯加入者の人数分が賦課される均等割と、所得に応じて賦課される所得割等を組み合わせて、各区市町村が算定することと定められております。低所得者世帯に対しては、所得に応じて均等割額の二割、五割、七割が軽減され、都は軽減相当分について、法令に基づき応分の負担を行っております。
 都は、少子化対策の観点から子供に係る保険料均等割を軽減する制度を設けるよう、全国知事会を通じて国に要望しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○小林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○和泉(な)委員 子どもの貧困対策を求めることに関する請願、これについて質疑します。
 東京都は、深刻な待機児問題の解消のために、二〇一七年度予算案でも大幅な予算の増額を図って保育園の増設に努力していることは大変重要です。と同時に、保育のニーズは就学前だけのものではありません。育児休業を繰り上げたり、とりあえず認証保育園に預けたりして保活に奔走し、やっと保育園が見つかっても、すぐに学校に行くようになってからの放課後対策を心配しなければなりません。
 親御さんたちにとって、保育園も学童クラブも、大事な我が子を安心して預けられる場所でという願いに、いささかも差があるものではありません。けれども、学童保育クラブの増設は、保育園ほど進んでいないのが実態です。
 先ほど、都からは、学童クラブの整備を進めるために、施設の新設や余裕教室など既存施設を利用する場合の改修に係る補助、あるいはアパートなどの賃借料補助、さまざまな補助を行って、受け入れ児童数をふやすために移転費用なども補助してきた、このような説明がありました。
 これらの取り組みは、果たしてどのような成果につながっているんでしょうか。学童クラブの数、登録児童数、そして、待機児童数の直近三年間の推移について教えてください。

○松山少子社会対策部長 平成二十六年五月一日現在、学童クラブ数は千七百四十八カ所、登録児童数は八万九千三百二十七人、利用できなかった児童数は千七百十七人でございます。
 平成二十七年五月一日現在では、学童クラブ数は千七百七十七カ所、登録児童数は九万八千二百十六人、利用できなかった児童数は三千百四十人でございます。
 平成二十八年五月一日現在では、学童クラブ数は千七百四十二カ所、登録児童数は九万五千七百四十一人、利用できなかった児童数は三千四百十七人でございます。

○和泉(な)委員 ありがとうございます。そうしますと、実行プランでは登録児童数を二〇一四年度から二〇一九年度末までの六年間で一万二千人分ふやすとなっているうち、平成二十六年度から一年で八千八百八十九人ふえて、次の一年で二千四百七十五人減って、二年間のトータルでは六千四百十四人分を増設したということになるかと思います。しかし、平成二十六年五月一日に千七百十七人だった待機児童数が、平成二十八年五月一日には三千四百十七人にふえています。
 都は、待機児解消のために、増設目標を引き上げ、さまざまな補助を拡充して取り組んできました。それでもなお、保育園の待機児問題は深刻で、さらに四年で七万人分と大幅に増設目標を引き上げたわけです。このような計画に、学童クラブの増設目標は追いついていないんじゃないでしょうか。
 実行プランには二〇一九年度末までに学童保育の待機児解消とありますが、どのように解消していくのか伺います。

○松山少子社会対策部長 東京都子供・子育て支援総合計画では、平成三十一年度末までに学童クラブの登録児童数を一万二千人ふやすことを目標としております。
 本計画においては、計画期間を平成二十七年度から三十一年度までの五年間としており、計画期間の中間年となる来年度、各施策の成果や子育て家庭のニーズ及び社会状況の変化、区市町村子ども・子育て支援事業計画の見直し状況等を踏まえ、必要な場合には計画の見直しを行うこととしております。

○和泉(な)委員 重要な答弁だというふうに思います。
 今、自治体の中では、全児童対策に学童保育を置きかえていこうとする動きが広がっています。しかし、学童保育クラブは、放課後の居場所というだけにはとどまりません。専門性のある指導員が一人一人の子供の発達を見ながら、安全に子供が放課後を過ごせるよう、カリキュラムに沿って保育が行われています。親が働いている間、親にかわって指導員が発達を保障する責任を担っている、これが学童保育クラブです。
 保育園の職員の処遇改善とともに、学童の正規職員の配置、環境改善は、整備を進めていく上でもどうしても必要です。ぜひ現場の声、親たちの声、しっかりと受けとめていただいて、目標の引き上げをしていただくようお願いしたいと思います。
 非正規雇用が広がって、働く人たちの実質賃金が大幅に減ってしまった中での子育ては、本当に厳しいものがあります。保育園に入れるか、学童に入れるか、病気やけがの経済的負担に耐えられるか、厳しい家計の中から年々上がる国民健康保険料をどうやって捻出するか。安心して子供を産めない、育てられない要素を数えたら切りがありません。
 本請願の一つ一つの項目に、その切実な願いが込められています。この声に安心を示せるかどうか、大丈夫というメッセージを政治が伝えられるかどうかが、都民ファーストを掲げる都政に求められていると思います。
 議会としても、この願いを正面から受けとめるという立場から、本請願は採択されるべきということを申し述べ、質疑を終わります。

○上田委員 こちらの請願でございますけれども、願意は非常に理解できるものであります。非常に重要なことでございます。
 今回の予算案におきましても、七九ページで子供の貧困対策支援事業ということも、堂々、子供ファーストの観点で新規予算にも計上をしております。
 また、学童クラブですけれども、我が江戸川区では、すくすくスクール事業といって、東京都とはまた少し離れて、自治体独自の事業を推進することで、区の予算、都からもご予算の方は一般会計でいただいておりますけれども、事実上待機児童ゼロというような実績も残しておりまして、こうした区市町村の独自努力の取り組みということの評価も含めて、引き続き東京都福祉保健局におきましては現状把握を続けていただきまして、子供の貧困対策には結びつけていただきたいなということを申し述べます。
 私の意見表明でございます。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○小林委員長 起立少数と認めます。よって、請願二八第四九号の二は不採択と決定いたしました。

○小林委員長 次に、請願二八第五一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○上田保健政策部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号2、請願二八第五一号は、世田谷区の東京都精神保健福祉家族会連合会(つくし会)会長の眞壁博美さん外一万三千百六十六人から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において、精神障害者を心身障害者医療費助成制度の対象にしていただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 心身障害者医療費助成制度は、重度の身体障害者、知的障害者の方を対象として実施しており、身体障害者手帳一級、二級、内部障害は三級及び愛の手帳一度、二度の方のうち、国の特別障害者手当に準拠した所得制限に該当する方に対して、医療保険の自己負担額の一部を助成しております。
 また、障害者総合支援法では、精神疾患があり、通院による精神医療が継続的に必要な方が、法で定める自立支援医療(精神通院医療)を申請し認定された場合には、医療費が助成されます。自己負担については、所得、疾病、症状及び高額な治療の継続の要否等に応じ、上限月額が設定されており、負担上限月額が設定されていない方については、原則一割負担とされております。
 これに加え、都では、区市町村民税非課税世帯について、自己負担を全額無料とする独自の軽減策を実施しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○藤井委員 ただいま、精神障害者を心身障害者医療費助成制度の対象にしていただきたいという請願がございました。
 この請願につきましては、つい先日、我々都議会議員の紹介議員の方が追加になりまして、自民党さんから十四名、公明党から十名、東京改革から一名の追加する紹介議員がございました。この委員会の中でも、野島委員、山加理事、和泉副委員長、そして中山理事、私と紹介議員にもなっているところでございます。
 そこで、改めまして、この心身障害者医療費助成制度、いわゆるマル障の対象と、それから、現在どのぐらいの方が受給しているのかについてお伺いをいたします。

○上田保健政策部長 心身障害者医療費助成制度は、重度の身体障害者、知的障害者を対象として実施しており、身体障害者手帳一級、二級、内部障害は三級まで、愛の手帳一度、二度の方のうち、都が定める所得制限の範囲内の方に対して、医療保険の自己負担額の一部を助成しております。
 受給者数は、平成二十七年度実績で十万五千二百三人でございます。

○藤井委員 対象が、約十万五千人の方がこの助成制度で治療しているということでございます。
 それでは、この精神障害者保健福祉手帳を所持している人はどのぐらいいるんですか。

○平賀障害者医療担当部長 平成二十七年度末時点で、精神障害者保健福祉手帳を所持されている方の数は九万三千九百三十五名でございます。
 その内訳は、一級の方が五千八百五名、二級の方が四万七千二百九十三名、三級の方が四万八百三十七名となっております。

○藤井委員 精神障害者手帳の方も九万三千人、およそこのマル障の対象とほぼ近い方たちが持っていらっしゃるということだと思います。
 そこで、この精神障害者に対する医療費助成として、現在、どういう助成制度があるのか伺います。

○平賀障害者医療担当部長 精神障害者及び当該精神障害に起因して生じた病態を有する方で、通院による精神医療を継続的に要する方に対しまして、医療費の自己負担額の軽減を図るものとして、自立支援医療費(精神通院医療)を実施しております。
 自立支援医療費(精神通院医療)認定者数は、平成二十七年度末で十八万七千七百十五人でございます。

○藤井委員 それでは、このマル障の制度と、ただいまご説明がありました自立支援医療費、いわゆる精神通院の医療費の中身の違いは何なんでしょうか。

○上田保健政策部長 自立支援医療費(精神通院医療)は国制度でございまして、精神障害及び当該精神障害に起因して生じた病態に対する通院医療を医療費助成の対象としております。
 一方、都が実施している心身障害者医療費助成制度は、診療科を限定せず、入院、通院ともに医療費助成の対象としてございます。

○藤井委員 今ありましたように、いわゆるマル障であれば、入院、通院、そしてまた診療科目も問わない治療が受けられる。しかし、この自立支援医療費、精神の方の場合は、精神科の通院だけということだと思います。内容が全く違うわけですよね。
 この精神通院の医療は精神科に限られておりますけれども、精神科以外にも受けられるようにしてほしいというのが今回の請願の趣旨だと思いますけれども、ちょっと余談ですけど、心身障害者医療費助成制度となっていますが、心身の心と身となっておりますけど、この心身の心というのはどこまで対象が入るんでしょうか。知的障害だけですか。

○高原障害者施策推進部長 個別制度におきますと、その対象者というのはその制度の中で限定定義されてございますので、今の医療費助成制度の場合ですと、知的障害者と身体障害者を東京都の助成制度の対象としてございます。
 ただ、一般に心身障害者という場合には、必ずしも決められた定義があるわけではございませんで、例えば精神障害者であれば、精神障害者保健福祉法の中で、精神障害者とは、統合失調症等、云々かんぬんということで、精神疾患を有する者といったような、個別法の中での定義はございます。

○藤井委員 要は、今回の請願の趣旨、述べておられますように、精神障害者の方たちは、非常に劣悪な環境のもとで生活をされている方が多いと。どうしても、働きたくても精神的に働けない、あるいはいろんな要因で厳しい状況に置かれている方も、私たちも相談もよく受けますが、そういった方たちが、今回、ぜひとも精神科だけではなくてほかの診療科目も受けられるように、いわゆる障害者として扱ってほしいということだと思うんですね。
 昨年の四月から、障害者差別解消法が施行されましたけれども、そういった意味で、まさにこの精神障害者といわゆるその他の障害者と、こういった医療費助成の制度について、こんなにも違いがあることは差別にならないのかどうか、この点について最後に局長にお伺いいたします。

○梶原福祉保健局長 現行の福祉制度としてやっている医療費制度ということと、障害者差別解消法での差別というのは、ちょっと区別して考えなきゃいけないというふうに思います。
 区別というのは、いわゆる障害者差別解消法でいう差別というのは、障害者の方に対して、正当な理由がなく、障害を理由として障害者の権利、利益を侵害するということで、例えば不当な差別取り扱いの禁止、あるいは合理的配慮の提供を規定しているわけです。
 例えば障害があることを理由にして窓口での対応を拒否されたり、医療でいえば、精神障害であることをもって医療を拒否される、あるいは別の取り扱いをされるというのが、障害者差別解消法での差別ということになります。ですから、ここでいう障害者の障害特性によってサービスが異なるというのは、これは障害者間でのそれぞれの特性が異なるということですから、差別解消法での差別ということとはちょっと区別して考える必要があるだろうというふうに思います。
 日本においての医療保険の制度というのは基本的にフリーアクセスで、誰もが一定の負担で医療を受けることができる国民皆保険制度なわけです。例えば義務教育就学前の子供は二割、後期高齢者は原則一割、そして高額療養費制度によって所得に応じた負担軽減がある。その上で、例えば医療のところに着目して、小児慢性疾患であるとか、難病であるとか、そして精神の通院だとか、そういうところでの国の制度としてある。
 それ以外の制度は、国の制度としてはないわけですね。つまり、障害を理由として、例えば今の都が持っている心身障害者医療費制度というのも、これは全都道府県が独自の基準でそれぞれの考え方のもとでやっている。
 ですから、例えば収入基準も違えば、どこまでを対象とするかというのも違えば、あるいは精神医療費の中でもどこまでを対象にするのか、精神科の入院までを対象にするのか、その前までも対象にするのか。これは知的障害でも、例えば愛の手帳一度、二度が対象ですけれども、これをもっと拡大してほしいという考え方もあるし、これはいろいろあるわけですね。
 これはなぜかというと、こういう医療費助成制度というのが、本来ならば医療保険制度なわけですから国が制度設計をするということなんですけれども、国は、そういう障害の有無に着目せずに、所得に着目した制度というのをつくっている。その上で、疾患に着目して制度をつくっている。その上で、それぞれの自治体が自治体の判断として福祉政策としてやっていると、こういう実態であるというふうに思います。ですから、差別解消法の話とは区別をした段階でこの制度の有無というのは考えていかなきゃいけない、あるいは今後のあり方というのは考えていくことが必要だというふうに思います。
 ですから、我々としては、さまざまなご意見があって、今回の請願陳情の中でも、あるいは、この後も含めて、先生方からの、委員皆様での議会でのご議論というのも十分あると思います。
 そういうのも含めながら、今後、こうしたもののあり方について、そういうことも含めながら幅広く検討していく必要があるというふうに考えてございます。

○藤井委員 さすが福祉一筋のベテラン局長だけありまして、非常に理路整然と答弁いただきましたが、いずれにしましても、今後の課題として、福祉保健局が今、待機児童対策で非常に力を入れていると、小池知事も大変評価していると、そういったことと同じように、やっぱりこういった精神障害者の方も少しでもマル障に近づけるようなそういう制度改正、充実をぜひやっていただきたいと、そういうことで要望して終わります。

○斉藤委員 それでは、私の方からは、先ほどの藤井委員の質疑とちょっとかぶらないようにして一問伺いたいと思います。
 先ほど質問の中にもありました厚生労働省が行っている自立支援医療、よく精神の世界の中では、手帳の取得の方は、手帳をとるという部分での抵抗感とか、手続がなかなか、一人でやるのに非常に難しかったり、自力でやるのが大変だったりというふうなことで、手帳の取得というところに結果的に至らないというケースがあります。ただ一方で、この厚生労働省の自立支援医療の方は手帳の取得がなくても医療費の負担軽減が図られますので、こちらの方だけは使うというふうな方が大変多い。
 結果的には、手帳の方の取得は、先ほどの答弁にありましたように約九万四千、そして一方で、自立支援医療についてはその倍の十八万八千弱、本当に倍ですね。ということで、実際にはこの自立支援医療の対認定者数の方が、現実には都内の精神障害者に当たる人たちの数に近いのではないかというふうにいわれたのは、結構昔から業界の中ではいわれているところであります。
 ところが、今回、身体、知的と同様に、手帳取得に伴って医療費の軽減が図れるといった場合に、マル障の仕組みであれば対象の幅も広がるということでありますので、実際には、マル障が精神の方にも拡大された場合には、かなりこの自立支援医療の認定者数にこの手帳の取得者が近づいていくだろうというのは、そんなに想像に難しくありませんし、私もそうなるんじゃないかなというふうに思っています。
 ただ、ある程度、先ほど申しましたように、直接、精神の医療だけではなくて、ほかの医療費の部分についても対象となるというふうなことになりますと、例えば精神科病院ですね、私も実習があったりして行っていたのは二十年ぐらい前の話なので、大分今とは少し様子が違うと思いますが、例えば、病院の中で完全に管理をされている中で、精神そのものでなくても、どうしても風邪を引くとか、そういった部分に関しても、ある程度、病棟管理の中で防ぐことはできます。
 ところが、実際には、入院しないで一方で地域で生活をしているといった場合に、同じ病気であっても、やっぱりなかなか自分の自己管理が難しい方も多い。また、お金のことが心配で十分な栄養をとらないで、栄養が偏った食品で食事を済ましてしまうという方も多い。もしくは、当然、不眠などが続いていれば、普通の人間でも体の抵抗力は落ちますから、それに伴って風邪を引いてしまうというふうなことがあって、なかなか自分で在宅で生活をしているというふうになると、医療費のみならず、もろもろお金がかかっていくということがあります。
 したがいまして、重い方であれば、逆に入院という形で完全管理というふうなことがあると思うんですが、在宅の方の方は、いろいろ健康に生活をするというのには大変なハードルがたくさん待ち構えているというふうなことで、非常に頑張っている皆さんが、それでもどうしても医療費が、もしくは医療費を少し削ってでも生活費に回すといった、さまざまな生活の経済的な安定という部分については、課題があるんじゃないかと思います。
 重い方の方が入院している確率は高いだろうというふうな予測がおのずと出てくるわけなんですが、近年、退院促進が非常に、東京都も含めて日本でも本当に以前より進むようになりまして、経費も人も、配置をされるようになりました。
 そこで伺うんですが、退院促進が進む中で、先ほどございました精神障害の手帳の取得、これに関して、一級と二級で地域生活をしている人の比率、これについて実態把握というものがなされていれば、ぜひお答えいただきたいと思います。

○平賀障害者医療担当部長 平成二十五年度東京都福祉保健基礎調査、障害者の生活実態によりますと、精神障害者保健福祉手帳を所持している方で、グループホーム、ケアホームを含め在宅で生活している方の割合は、一級の方が七四・四%、二級の方が九四・四%となっております。
 一方、病院を含む施設等に入所または入院している方の割合でございますが、一級の方は二五・六%、二級の方は五・六%となっております。

○斉藤委員 ちょっと意見をいわせていただきます。
 今お話がありましたように、一級の方の四分の一の方は入院をしているけれども、二級ですと五・六%しか入院している人はいない。それでも、一級の四分の三、七四%は地域で暮らしている、二級は九五%近く暮らしている。かなり、本当に地域で、在宅でという方が多いわけですね。そうしますと、先ほどのように、少し医療の対象が精神単独ではなく、やや広がるとしたら、手帳の部分で非常に助かる方が多いのも事実であります。
 また、先ほどちょっと話になりましたこの三障害の平等という部分でいえば、私どもも行く行くは、ある程度、医療の負担に関しても何らかの形で進めていくべきと考えておりますので、今回は、そういう意味ではいい機会かなというふうに思っております。
 一方で、手帳を取得すれば、今までですと手帳がない中で医療費だけ軽減をしてもらっていた人が、手帳を持てば、当然いろんな場面で自分の病気を説明できるようになります。いろんな部分で、手帳があることによって説明をしやすくなって、トラブルを避けることができる、そういうメリットもあります。
 一方でさらには、今、地域でさまざまな整備が進んでおります精神障害者のためのサービスなども、手帳があることによって、非常にスムーズに別のサービス、医療以外のサービスを受けられるようなきっかけになるというのもまた事実であります。
 そういう意味では、今後、自立支援医療が倍の数というふうなことでいえば、対象者数がふえて、もう恐らく予算規模も現行の九万四千人ぐらいを対象にして予算設定をすると、なかなかその後対象者がふえて、予定したものに最初の部分ではおさまり切れないという課題が出てくるということは、私どもも理解をしなくてはならないというふうに思っておりますが、一方で地域サービスをよりよく上手に使うことができてきて、そのために悪化が防げるという想定の中ではなかなか見えづらいところではありますが、そういう効果が出てくることも大変期待されるものであります。
 その部分でいえば、今回のこの議論、そしてまた提案というのは非常に今きちんとやるべきことではないかなというふうに思いますので、前向きに考えていきたいと思います。
 以上で終わります。

○和泉(な)委員 私の方からは、初めに精神障害者の方の生活実態について伺いたいと思います。
 奈良県では、精神障害者福祉手帳一級、二級の方を対象に医療費助成事業を行っています。奈良県が、精神障害者の暮らしや受診状況の実態に関するアンケート調査を行っています。本人の年収では六一%の人が百万円未満という結果でした。平均年収九十五万という結果が出ています。
 東京都ではどのような状況になっているんでしょうか。伺います。

○平賀障害者医療担当部長 平成二十五年度東京都福祉保健基礎調査、障害者の生活実態によりますと、精神障害者保健福祉手帳を所持している方の生活保護費を除く平成二十四年中の収入額は、収入なしが二五・三%、五十万円未満が一五・一%、五十万円以上百万円未満が二七・七%、百万円以上百五十万円未満が一一・二%、百五十万円以上二百万円未満が六・一%、二百万円以上が八・九%となっております。

○和泉(な)委員 そうしますと、年収百万円未満という方が六八・二%と。同じ調査で、身体障害者では年収百万円未満の方が三六%、知的障害の方は四九%、いずれも深刻な数字だと思いますが、それと比較しても精神障害者の経済状況が厳しいということがわかります。にもかかわらずマル障の対象外となっていることは、全く合理性がないと思います。
 先ほど既に、障害者総合支援法に基づく精神通院医療で医療費の助成が行われていると説明がありました。住民税非課税世帯に対しては、都独自の軽減もあると。障害者なら合計所得百二十五万円までは非課税なので、給与収入の場合でも約二百万まで非課税ということになります。今お答えのあったデータから考えれば、二百万円以上の方、八・九%ですから、精神障害者本人はほとんどの方たちが非課税ということになります。
 では、伺います。先ほど精神通院医療の給付を受けている人は十八万七千七百十五名という答弁がありました。合っていますでしょうか。このうち住民税非課税世帯で、都独自の軽減の適用となっている人がどのくらいいるのか伺います。

○平賀障害者医療担当部長 自立支援医療費(精神通院医療)認定者は、平成二十七年度末で十八万七千七百十五人でございます。うち、住民税非課税世帯に対して自己負担額を全額無料とする都独自の軽減策の適用となっている方は、一万二千二百四十七名となっております。

○和泉(な)委員 精神障害者本人はほとんど住民税非課税ですけれども、精神通院医療の認定患者のうち、都独自の医療費軽減を受けられるのはわずかに六・五%ということになります。
 約三分の一の方が生活保護を受けていて負担がないことや、精神保健福祉手帳を持っている方と自立支援医療対象が一致しないことを考慮しても、数字の開きは明らかです。これはすなわち、家族と同居している精神障害者は、家族の収入が合算されて住民税課税世帯となるために、都の独自軽減から除外されているということではないんでしょうか。
 先ほど紹介のあった東京都の調査では、精神障害者の親と暮らしている方は、三十代で五六%、四十代で三六%、五十代で二一%に上ります。
 また、これは全国のデータですが、きょうされんという団体で行った調査でも、五十歳から五十四歳の方の四一%、五十五歳から五十九歳の方でも二四%が親と同居しています。これは公的支援の不十分さのために、家族に頼って生活せざるを得ない方がいかに多いかということを示すものです。本人の年収がきわめて低いことを考えれば、医療費の負担はそのまま家族の肩に重くのしかかっているということになります。
 精神障害者本人の団体である東京都精神障害者団体連合会から話を聞いたところ、一人で暮らしている人は生活保護受給者が多い、家族と暮らしている人ほど医療費の負担が重くなるということでした。今の精神通院医療の都独自の軽減は、家族と同居している精神障害者に支援が余り届かないものになっているといえるのではないでしょうか。都の認識を伺います。

○平賀障害者医療担当部長 自立支援医療費(精神通院医療)は、所得階層別に月額負担上限を設けるなど低所得者への負担に配慮するとともに、重度で継続的に医療費を負担する方には、中間所得層以上についても月額負担上限を設けるなどの措置を行っているところでございます。
 これに加えまして、都は独自の負担軽減策として、区市町村民税非課税世帯について自己負担全額を助成しております。

○和泉(な)委員 精神障害者のほとんどが住民税非課税なのに、六・五%しか都の独自軽減が適用されていないんです。負担軽減を行っていること自体は大事なことだと思いますけれども、ひとり暮らしの方が生活保護を受けると対象にならず、住民税課税されている家族と暮らしていても対象にならない。そのために、都の独自軽減の適用がない方が圧倒的に多いということになるんではありませんか。
 しかも、もっと重要なことは、精神通院医療は、先ほどもお話があったとおり、対象となっているのは精神疾患に関する医療だけだということです。
 先ほどの奈良県の調査では、六割を超える方たちが精神科以外の病気をあわせ持っているという結果が出ています。都内における精神障害者の受診状況について、都は把握しているんでしょうか。伺います。

○平賀障害者医療担当部長 平成二十五年度東京都福祉保健基礎調査、障害者の生活実態によりますと、精神障害者保健福祉手帳を所持している方で、過去一年間に精神疾患以外の病気やけがなどで医者にかかったことがあると答えた方の割合は七二・六%となっております。

○和泉(な)委員 本当に深刻な実態だというふうに思うんです。精神障害者の方も高齢になると医者にかかること多くなります。精神薬には、体重が増加したり、あるいは減りにくくなったりする副作用で、糖尿病や高血圧、脂質異常症を発症する可能性が高まることもあるといわれています。
 実際に奈良県の調査でも、精神以外の病気による受診では、歯科、糖尿病、高血圧、高脂血症と慢性疾患が多いという結果が出ています。これらの疾患から入院することになっても、医療費への支援はありません。もちろん副作用に苦しむ状況そのものの改善が重要ですけれども、現に苦しんでいる方への支援が必要です。都が独自助成を行っても、精神通院医療だけでは不十分です。
 何度か奈良県のことをご紹介していますけれども、奈良県が全ての診療科の医療を対象に精神障害者への助成を始めたのは二〇一四年十月からでした。実はその前から、精神通院医療への負担軽減は行っていたということです。
 しかし、そのもとでも、先ほどの調査では医療費の負担が大きいと半数の方が回答し、収支状況に余裕のない世帯の割合は八五%に上っています。さらに、精神科以外の病気にかかっている方のうち、約一割は経済的理由から治療を受けていませんでした。
 精神通院医療の負担軽減だけでは、精神障害者と家族の生活を十分支えることができないということをはっきり示す結果だと思います。
 奈良県は正面からこの結果を受けとめて、全診療科の通院、入院費用の助成に踏み出したわけですが、東京でも同じような状況があるというふうに思います。受診抑制の実態なども含めた調査を行っていただくよう求めておきます。
 我が党は、二〇一五年の第四回定例議会に心身障害者福祉手当の改正条例案を提出し、精神障害者を支給対象に加えることを提案しました。残念ながら否決にはなりましたけれども、知的、身体、精神が三障害として一元化されてから十年以上が経過しても、なお都の心身障害者医療費助成や心身障害者福祉手当の対象から精神障害者が除外されている現状は合理的配慮を欠いています。
 他の自治体を見ると、岐阜県、山梨県、奈良県は精神保健福祉手帳一級、二級の方まで精神科以外を含めた医療費助成を行っており、一級までの道府県も含めれば、さらに数は多くなります。愛知県では、多くの市町村で手帳二級の方までの医療費助成を行っています。
 精神障害者の主な介護者は、六十五歳以上が四割を超えています。きょうの質疑に向けて、さまざまな方からお話を聞く中で、八十五歳の母親が六十歳の子供のケアをしながら一緒に生活しているという事例もお聞きしました。高齢になれば働き続けることも難しくなり、年金も減らされている中で、自分の生活だけでも大変だと思います。公的支援の不十分さから、本人の自立が困難にされ、家族に大きなしわ寄せがされているのが、今の日本社会だと思います。
 この現状を少しでも改善するため、本請願が採択され、一日も早く改善のための予算が計上されることを強く求めて、質疑を終わります。

○上田委員 各委員の議論がございましたが、先日も、福祉保健局からのご答弁いただいたように、精神障害者は、医療助成制度においては自立支援医療がそのかわりとなっているというようなことだったと思います。
 昨年十一月の私の事務事業質疑では、自立支援医療につきまして調べさせてもらったところ、毎月二億ずつふえて、今、三百億ですかというような状態になっています。
 その三百億かけてどのぐらいの効果が出ているのかというところですが、手帳の返還を、自立支援医療費の受給者証でちょっと見たらば、死亡による返還数が二百六十五で、病状改善はわずか三十九件にとどまっているということでございます。
 これは疾患の治癒に本当につながっているのかなと思ったところで、福祉保健局からのご答弁は、経済的負担の軽減、通院医療を継続することで病状の悪化の防止や障害の軽減などに寄与とお答えいただいたんですけれども、どうだったのかなというふうに思っております。
 先ほどもありますけど、平成二十七年は十八万七千のうちの三十九人の返還ということでありまして、やはりこれは複合的な要するに治療に結びつかないとなかなか結果が出せないのかな、コストをかけてもというふうに思いました。
 やはりちょっとコスト面が、どうしてもない袖は振れません。めり張り予算というところで想定予算措置、もしもマル障の願意を満たして改正するようになった場合につきまして、一級のみの場合と全てに措置をした場合についての想定予算措置がお幾らになるか、ご答弁いただければと思います。

○上田保健政策部長 心身障害者医療費助成制度の平成二十七年度実績における医療費助成額は約百四十八億円、対象者数は約十万五千人で、一人当たり年間助成額は約十四万一千円でございます。単純に平成二十七年度末時点の精神障害者保健福祉手帳の所持者数にこの一人当たり年間助成額を乗じますと、一級のみでは約八億円、一級から三級まで、全ての方を対象とした場合では約百三十三億円の増となります。

○上田委員 八億と、全部だと百三十三億という金額を把握させていただきました。
 マル障でございますけれども、知的、身体だけの障害というのも昨今少なくなってきまして、精神も重複をするというとこであります。
 こうした知的や身体のある方で、精神の重複についての医療費助成はどのようになっているのか、確認をさせていただきたいと思います。

○上田保健政策部長 心身障害者医療費助成制度は、重度の身体障害者、知的障害者を対象として実施してございまして、身体障害者手帳一級、二級、内部障害は三級及び愛の手帳一度、二度の方のうち、都が定める所得制限の範囲内の方に対して医療保険の自己負担額の一部を助成しております。
 身体障害と知的障害が重複した状態にある方に関しましては、いずれかの障害者手帳をお持ちであれば、本制度の対象となります。

○上田委員 先ほど局長から、るる平成二十五年の障害者総合支援法の制定や国連障害者権利条約にも批准していまして、去年、障害者差別解消法も施行されている中で、これは差別ではなくて、国の設計は所得に着目していて、ばらつきがあるのは自治体判断によるものというふうなところのご説明をいただきました。
 法のもとの平等についてどうなのかなと。今いったように、重複の場合は身体の方には出るというふうになっておりますので、自治体判断という意味合いも含めまして、精神障害者のみ対象外であったことにつきまして、ご説明をいただければと思います。

○上田保健政策部長 先ほど局長からも答弁いたしましたが、我が国の医療保険制度は、誰もが一定の自己負担で医療等を受けることができる国民皆保険制度でございます。義務教育就学前の子供は二割、後期高齢者は原則一割の自己負担割合で受診できるほか、高額療養費制度によりまして、所得に応じた負担軽減が図られてございます。
 こうした医療保険制度を基盤としつつ、長期の療養を要し、多額の医療費を必要とする難病や小児慢性疾患などにつきましては、国の公費負担医療制度がございます。
 自立支援医療(精神通院医療)もこの公費負担医療制度の一環でございまして、疾病と障害が共存するという特性を持つ精神障害者に対しまして、精神障害の状態の軽減のために必要な医療に係る費用の一部を助成してございます。
 一方、都が実施する心身障害者医療費助成制度は、心身障害者の保健の向上と福祉の増進を図ることを目的に、重度の身体障害者、知的障害者に対し、医療費の一部を助成する福祉施策として実施しているものでございます。

○上田委員 でも、障害を、こうやって重複もありますし、また病気も、精神医療と身体の病気というのも切っても切り離せないのかなと強く思いますのが、松沢病院におけます死亡退院患者数の推移というのを、私は常にフューチャーをしておりまして、これは通常の場合だとがんが多いのに呼吸器疾患が多いということで、オーバードーズによる死亡ではないかということを心配しまして、ずっと説明を求めておりましたけれども、都は、患者の誤嚥性肺炎も含めて呼吸器疾患などによる死亡退院が多い状況となっているが、これは精神疾患を持つ患者が高齢化して身体の疾患を併発し、一般の精神病院から松沢病院の合併病棟に転院することが多くなっているということ、要するに病気になって、精神も病気になって、ほかの病気も併発してきて重篤化して、松沢病院に来ているんだというのをご説明しているということは、やはり精神疾患の方というのは、私も向精神薬の後遺症とか依存症についての研究も進めていく中で、通常のほかの病気も併発をして、医療費がかさんでいるのではないかというふうに思っております。
 また、自立支援医療についてやっているということではありますが、こちらにつきましても生活保護者を囲い込んで、厚生労働大臣から異例の指導を東京都は受けていると。そして、二年前でしたか、一昨年の十月は、デイケアの最中に重大事故も起こっているということも私は把握をしております。
 トータルこの三百億の自立支援医療がありまして、これから百億となりますけれども、一回、精神医療に対してどういうこういった助成制度が必要かということ、大きな組み直しも鑑みつつも、これはやはり精神医療だけはというマル障は含まないということに対しての、一つの考え直すターニングポイントが来たのではないかというふうに思っております。
 というのは、心の健康と体の健康というのは、切り離しては考えられないというふうに私自身も思っておりますことから、総合的な組み直しとか、自治体判断をいま一度、先進事例につきましてはほかの委員からも出たところでありますので、情報をしっかりと把握した上で、この請願に対する私ども委員会の判断も尊重していただきまして、検討していただければと思います。
 私どもも早くに紹介委員とならせていただきましたので、こちらの請願につきましてはぜひ採択をしていただきたいと全議員に申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。よって、請願二八第五一号は採択と決定いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時九分休憩

   午後三時二十五分開議

○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 次に、陳情二八第一二六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○西村高齢社会対策部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号3、陳情二八第一二六号、介護従事者の処遇改善に関する陳情は、豊島区の介護をよくする東京の会事務局長の相川和義さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいといたしまして、第一に、介護報酬による加算ではなく、国の一般財源を活用して介護職員の処遇改善を図るよう国に要望すること。
 第二に、介護職場で働く多くの職員を対象にした恒久的な処遇改善の施策を実施すること。
 第三に、都内の区市町村に、介護職員確保のための処遇改善等の施策を行うよう指導することというものでございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 第一項につきましては、介護サービス事業は、サービス提供の対価として事業者に支払われる介護報酬等により運営されることが基本であり、介護報酬から利用者負担分を差し引いた介護給付費等は、保険料と公費で五〇%ずつ負担することとなっております。
 国は、平成二十一年度補正予算において、介護職員処遇改善交付金を政策措置として創設し、平成二十四年度からは同交付金相当分を介護報酬の介護職員処遇改善加算に移行し、平成二十七年度には同加算の拡充を図りました。
 都は国に対し、事業者が介護人材の定着、確保を図り、健全な事業運営を行うことができる介護報酬とすることや、介護職員の処遇のさらなる充実を図り、キャリアパスの構築を評価する仕組みを含めて介護報酬の基本部分に組み込むことなど、恒久的なものとすることなどを提案要求しております。
 第二項につきましては、都は、学生、主婦、離職者等の職場体験や資格取得への支援、国のキャリア段位制度を活用して、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの導入に取り組む事業者への支援、福祉避難所の指定を受けた施設等に対する職員宿舎の借り上げへの支援など、介護人材の確保、定着を図るためのさまざまな取り組みを行っております。
 第三項につきましては、区市町村は介護保険制度の実施主体であり、社会福祉法に基づき厚生労働大臣が定める社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針において、ボランティア活動の振興や広報活動等を通じて、福祉、介護サービスの意義や重要性についての啓発に努めるとともに、従事者に対する研修の実施や関係団体等のネットワークの構築など、地域の特色を踏まえた福祉、介護人材確保の取り組みを進めていくことが重要とされております。
 都は、介護従事者を対象とした研修や介護事業者団体のネットワーク化などに取り組む区市町村を包括補助により支援しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○小林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○斉藤委員 それでは、何点か伺います。
 項目の一に関して伺うんですけれども、現在の介護職員処遇改善加算は、狙いとして報酬がちゃんと介護職員への直接の利益となるようにということで、使途への条件や事務手続というものがなされているわけですが、なかなかこれを縛っていくというのは工夫が必要であります。
 実際には、使途への条件、事務手続、どのように定めているのか伺います。

○西村高齢社会対策部長 介護職員処遇改善加算は、国通知、介護処遇改善加算に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示についてに基づき、基本給、手当、賞与、一時金等を対象とした介護職員の賃金改善の実施を要件としております。
 介護職員処遇改善加算の取得において、事業者は賃金改善等に関する計画を作成し、事業所内の全ての介護職員に周知するとともに、都へ届け出を行い、加算の算定額相当の賃金改善を図ることとなっております。
 また、事業者には、事業年度ごとに介護職員の処遇改善に関する実績の報告を義務づけておりまして、都においてその内容を確認しています。

○斉藤委員 今、答弁聞いただけでも、結構手続的にこれだけで幾つものハードルというか、いろんなことをやらなきゃいけないということであります。
 ただ、それでも過去の処遇改善交付金制度の時代では、さらにもう少し事務負担がたしか大変だったのかなというふうに思っています。
 例えば介護職員に対して、こういった交付金をこういう目的でもらっているので、その目的について職員がちゃんとわかって、処遇改善交付金を手続的にはもらっているのに、全然職員に還元していないじゃないかというのをちゃんとチェックできるようにとかいって、もう少したしか事務的に煩雑だったという記憶があります。それに比べたら、少し加算の方が楽なのかなというのがあります。
 ただ、もちろん利用者への自己負担ということで、若干加算ですと交付金と違って、少し利用者の負担金に反映してしまうという、そういう特徴があるんですけれども、ただ、いずれにせよ、過去、交付金時代にはこの手続が面倒くさくてやれない事業所があったり、もしくはチェックする仕方が大変で、事務的になかなか進めなかったりというふうなこともあったので、広く介護職員を助けるという点では、制度としては非常にシンプルな方がいいというふうなことがあります。ですので、加算の方式のメリットというのは、それなりに僕はあると思っているんですね。
 今回の東京都が出している提案というものについては、今の説明では、恐らく報酬加算方式と交付金的な報酬の組み合わせというふうになるのではなくて、実際にはいわゆる加算方式の見直しを提案しているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そのような理解でよろしいでしょうか。

○西村高齢社会対策部長 介護職員の処遇改善につきましては、平成二十一年度から取り組みが開始されておりますけれども、平成二十八年度の状況を見ますと、加算を取得している介護事業所等は九割に上り、そのうち最上位の加算一を取得している事業所等が八割を超えるなど、事業所等における処遇改善の取り組みとして浸透してきております。
 しかし、処遇改善加算はあくまでも経過的な取り扱いであり、恒久的なものとはなっておりません。
 こうしたことを踏まえまして、介護職員の処遇について、さらなる充実を図り、キャリアパスの構築を評価する仕組みを含めて介護報酬の基本部分に組み込むなど、恒久的なものとすることを提案要求しております。
 ご質問の趣旨は、この提案により、事業所の負担がふえることへのご懸念かと思いますけれども、現在の加算を基本部分に組み込むことから、事務負担は軽減されるものと考えております。

○斉藤委員 加算に当たって、事業所側の方で煩雑な手続というものがふえないだろうということで、その方が普及には非常にいいかなと思いますし、実際、障害者の方の国保連に対する報酬請求でも加算というのが同様にあるんですが、行く行くは一々加算なんていわずに、それこそ先ほど答弁にありましたように、恒久的に基礎的な報酬がちゃんとなされて、何を一体加算と指すのと、もともと報酬としては十分じゃないというふうにいわれるのが理想なんだと思いますけれども、その部分までは経過的なものも含めて、ぜひ提案の努力と加算の努力をしていただきたいと思います。
 あと、この陳情について、三番目の項目には、都内の区市町村に介護職員確保のための処遇改善等の施策を行うように指導することというのがあります。
 これについてちょっと所見を伺うんですが、市区町村独自で介護職員確保というのは、なかなかこれは東京都が旗を振って推奨したとしても、実際に行おうと思うと、市区町村の方の人手はある程度必要ですし、何より財政的な余裕がないと難しいというところであります。特に今、地域包括ケアとか、今度の介護保険改正に基づく総合事業などの準備があるこの時期にだと、なかなか市区町村の方の人手を割くのが難しいという部分もありますので、非常に進めるのが大変かなというふうに思っています。
 特に自治体によっての格差が大きいですし、また施設面でいうと、地元施設がイコール地元住民を介護しているというふうには限らない場合もありますので、現実的に方策としては大変かと思うんですが、東京都の所見を伺います。

○西村高齢社会対策部長 先ほど申し上げました人材確保のための国の指針では、国、都道府県、区市町村の役割が示されております。
 その中で、国は事業に係る費用の一部を負担するとともに、福祉、介護制度等の制度を企画立案し、基準、報酬等を策定するという役割を担っており、人材の確保のためにどのような政策が必要かを定期的に検討し、適切に福祉、介護制度等の制度設計、見直しや介護報酬等の設定を行うものとされております。
 都道府県は、従事者に対する研修体制の整備、経営者や関係団体とのネットワーク構築など、広域的な視点に立って人材確保の取り組みを進めていくことが重要とされております。
 また、区市町村は、福祉、介護サービスの意義や重要性についての啓発に努めるとともに、従事者に対する研修の実施や経営者や関係者団体等のネットワークの構築など、地域の特色を踏まえた取り組みを進めていくことが重要であるとされております。
 こうしたことを踏まえ、都は、介護従事者を対象とした研修や介護事業者団体のネットワーク化などに取り組む区市町村を包括補助によって支援をしております。

○畔上委員 この間、私も介護福祉士会、介護事業所や介護施設、在宅介護で働く方々、こういったところに伺いまして、いろいろとご意見を聞いてまいりました。共通していたのが、介護現場の人材不足の深刻さと処遇改善の切実な要求でした。
 実は私、江東区が活動拠点ですけれども、この江東区でも住民の強い要望によって特別養護老人ホームが昨年の九月に開設されるということになりました。
 しかしながら、開設がおくれて、去年の十一月になったんですけれども、スタートはいたしましたけれども、九十八床の特養が実際には三十床からスタートせざるを得ない。なぜかというと、人が集まらなかった、職員の確保ができなかったということです。
 介護労働安定センターの介護労働実態調査、これによりましても、介護職員は仕事の割に賃金が低い、有給がとりにくい、人手が足りない、こういった仕事についての悩みや不安、この三点が上位だったわけです。
 先日も、介護福祉士の出願激減という報道もなされておりました。このままいったら、ほんとに福祉、介護の、崩壊しかねないという深刻な事態だと思います。
 この介護人材不足の深刻な実態について、東京都の認識をまず伺いたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 平成二十七年度の都内介護関連職種の有効求人倍率は四・九四倍と、全職業平均一・五四倍よりも高く、求人に対して人材が不足している状況となっております。
 こうしたことを踏まえますと、第六期の東京都高齢者保健福祉計画でも示したように、将来の介護職員の必要数も踏まえながら、介護人材の確保、育成、定着に向けた総合的な取り組みを推進することが必要と考えております。

○畔上委員 実は私も障害者の施設で働いた経験があるんですが、生きがい、働きがいのある、人と向き合う、本当にすばらしい仕事だというふうに思っています。同時に、肉体的にもそれから身体的にもかなりハードで、長く働き続けられるそのためには、やはり職員の人員配置と、それから仕事内容にふさわしい賃金、ここが非常に重要だというふうに痛感しています。それは介護の現場にも共通した問題だというふうに思います。
 賃金構造基本統計調査のデータを経年的に見てみますと、介護保険の制度がスタートした翌年の二〇〇一年の所定内給与の月額これを調べてみますと、福祉施設介護員で二十二万七千七百円だったんです。二〇一五年は二十二万三千五百円と当時よりも下がっているんですね。ホームヘルパーはどうかというと、二〇〇一年には二十万八千二百円、二〇一五年には二十二万五千百円と、約一万七千円ぐらいふえていますけれども、東京都の最低賃金の推移を見てみますと、二〇〇一年を一〇〇%として、二〇一五年は一二八・一%ですから、やはり最低賃金の上がり方よりも低いということがわかりました。
 介護の従事者の不足の原因、これを東京都としてはどのように分析されているんでしょうか。

○西村高齢社会対策部長 公益財団法人介護労働安定センターが実施した平成二十七年度の介護労働実態調査では、介護事業所においては、職員の採用が困難である原因として、賃金が低いことや、社会的評価が低いこと、キャリアアップの機会が不十分なことなどが挙げられております。
 また、介護従事者からは、前職の介護関係の仕事をやめた理由として、職場の人間関係に問題があったこと、法人や事業所の理念や運営のあり方に不満があったこと、ほかによい仕事、職場があったことなどが挙げられております。
 こうしたことから、介護人材の確保に向けては、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの仕組みの構築や、事業者としてのマネジメントの充実強化を図ることなどが必要と考えております。

○畔上委員 今ご答弁のありました介護労働安定センターが実施した介護労働実態調査の結果、これはやっぱりしっかりと重く受けとめなければならないというふうに思います。同時に、キャリアパスの仕組みが不十分ということよりは、仕事の内容に見合った給与でないことや厳しい労働環境が悪循環を起こしているんではないでしょうか。
 この間、都の社会福祉審議会で、地域包括ケアを支える人材の在り方と役割という意見具申案が議論されてきたわけですが、その分科会の議事録も読ませていただきました。その中でも、人材が不足している中で、大変深刻な実態があることが明らかになっています。例えば、平成二十五年度の労働基準監督年報で、労働基準法違反率は全産業で六八%、これ自体大変高いわけですけれども、福祉関係の施設、事業所では七四・七%と、実に全産業よりも六・七%も高い。分科会では、このデータを示して、相当従来の施策とか従来の考え方では追いつかないぐらい状況変化が起こっているということを認識する必要があるんじゃないか、こういった発言もこの分科会の中で出されておりました。
 また、二〇一五年の、平成二十七年の福祉施設の労災の申請は全国で七千件に上っているんですけれども、厚労省の労災補償状況まとめというのを見たんですけれども、これによりますと、過労死等の労災補償状況では、精神障害の労災の業種別請求数というのがあったんですね。この請求数は、福祉が全産業の中で一番多い。全請求数の一割強が福祉施設、介護施設だったわけです。つまり、介護の分野というくくりがなかったんですけれども、福祉全体になっているんですけれども、こうした介護や福祉の人材を取り巻く職場環境は相当に厳しいということが示されているというふうに思いました。
 こういった介護現場、福祉現場での労働災害について、東京都としてどのように受けとめられて、また具体的にどのような対策を講じているのでしょうか。

○西村高齢社会対策部長 労働者の安全衛生につきましては、労働関係法令に基づきまして、国の東京労働局及び都内十八の労働基準監督署が事業者への指導監督を行っております。第三次産業、特に小売業、社会福祉施設、飲食店を最重点業種に位置づけて集中的な取り組みを実施することとしております。
 都におきましては、指定居宅サービス事業所等を新たに開設する事業者や指定の更新時期を迎える事業者を対象とした研修会の中で、労働基準監督官による講義を行いまして、労働関係法規の周知徹底を図っているほか、介護職員の身体的負担の軽減や介護の質の向上を目的として、ロボット介護機器の導入促進などに取り組んでおります。

○畔上委員 研修をやることについては否定をしませんし、もちろん使用者には法を守るその責任がありますけれども、なぜこうした福祉分野、介護の分野で精神障害の労災請求数が三年連続で増加をし、そして全業種の中でも最も多いのか、そして、ご答弁にもありましたけれども、なぜ労基署が最重点業種に位置づけたのかと、やはりそのことにしっかりと今、目を向ける必要があるというふうに私はいいたいと思います。
 その背景には、現場の方々にお話を伺ったところ、休憩や仮眠がとれない、宿直回数が異常に多い、残業が多いなどの実態があるということでありました。労基署等と連携して、改善に向けた措置を講ずるとともに、やはり人材不足の悪循環を断ち切るために、その大もとにある労働環境の改善、処遇改善は、待ったなしの課題だというふうに思います。
 陳情では、介護報酬による加算ではなく、国の一般財源を活用して、職員の処遇改善を図るよう国に要望してほしいというふうにされておりましたが、私は当然の要求だというふうに思います。
 東京都は、昨年の三月の私の質問に対しまして、都内の約九割の事業所が処遇改善加算の取得をし、そのうち八割は加算区分一を取得していると、つまり一人当たり二万七千円相当が上乗せされ、改善が図られたものと認識しているというふうに答弁されました。しかしながら、介護職員処遇改善加算が介護報酬のマイナス改定と一緒に行われたために、現場では、相当上乗せされたとはいいがたいものなわけです。
 二〇一五年の賃金構造基本統計調査によりますと、都内の職種別所定内給与の月額平均が三十八万三千円となっています。ところが、ホームヘルパーは約十三万円、福祉施設介護員は約十二万六千円、その平均よりも低くなっている。賃金の引き上げができるような補助、これを東京都として実施すべきではないでしょうか。

○西村高齢社会対策部長 介護サービス事業は、サービス提供の対価として事業者に支払われる介護報酬等により運営されることが基本であり、都は国に対し、事業者が介護人材の定着、確保を図り、健全な事業運営を行うことができる介護報酬とするよう提案要求しております。
 また、都は独自に、国のキャリア段位制度を活用して職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの導入に取り組む事業者への支援や、福祉避難所の指定を受けた施設等に対する職員宿舎の借り上げの支援を行っております。

○畔上委員 国に介護報酬の引き上げを求めるのは、引き続きやる必要があります。ただ、介護報酬だけでは、利用者の負担の引き上げにつながるということで、限界があるのも事実だと思います。国に対して一般財源での処遇改善も求めていただきたいと思います。同時に、都としてどういう介護職員の給与引き上げに取り組むのかが本当に問われているんじゃないかと思います。
 キャリアパスの導入促進事業は、昨年度の執行は、東京には一万以上事業所があるわけですが、この事業所の中でこの事業を活用したのはわずか五十二事業所、人数でいいますと八十三人です。この予算の執行率を見ましても、五・三%、大変低い。こうした実態からも、ただでさえ人材不足の中で、段位の評価を行うアセッサーを別枠で、人件費まで事業所が負担して養成すること自体、実態からかけ離れたものでありますし、人材確保、定着事業としても実効性のある施策とはいいがたいものだということを示しているんじゃないでしょうか。しかも、来年度の予算案で見ますと、今年度は二十六億円でしたが、来年度は十億円も減らしていると。
 今、東京都として、やっぱりしっかり行うべきは、陳情にもありますように、介護現場での働く、こうした多くの職員を対象にした恒久的な処遇改善の施策の実施だと思います。私はそのことを強く求めて、この陳情の採択を主張して、質問を終わりたいと思います。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○小林委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二八第一二六号は不採択と決定いたしました。

○小林委員長 次に、陳情二八第一三六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○上田保健政策部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号4、陳情二八第一三六号は、新宿区の東京都社交飲食業生活衛生同業組合理事長の澤木義平さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、一律的で過度な受動喫煙防止条例を制定しないでいただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 現在、国は、二〇二〇年東京大会の基本方針に基づき、健康増進の観点に加え、近年のオリンピック・パラリンピック競技大会開催地における受動喫煙法規制の整備状況を踏まえつつ、幅広い公共の場等における受動喫煙防止対策を強化するため、受動喫煙防止対策強化検討チームを設置し、検討を行っており、都もオブザーバーとして参加しております。
 平成二十八年十月には、厚生労働省から検討チームに、受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)が示され、その後、検討チームは、飲食業や経済団体、鉄道会社など三十の関係団体からのヒアリングを行いました。
 たたき台では、施設の管理者等における十分な準備期間を確保するよう、できるだけ早期に作業を進め、我が国における受動喫煙防止対策をオリンピック・パラリンピック開催国と同等の水準とすべく、必要な法律案を国会に提出することを目指すこととしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○斉藤委員 それでは、私から何点か伺います。
 この陳情については、陳情の表現としては大変珍しい、一律で、そして過度なというふうな表現がございます。一律については何となく理解できますけれども、なかなか、過度なというのはどういうふうに理解をしていいかというのがあります。内容のよしあしにかかわらず、どういうふうに理解をするのか、東京都はどのようなものを、この過度といったものについて指すと理解をしているのか、所見を伺います。

○上田保健政策部長 受動喫煙の防止に関しましては異論はないところでございますが、その対策、方法につきましては、さまざまな意見や議論がなされております。
 諸外国では、学校、医療機関、官公庁等の公共性の高い施設や飲食店を屋内全面禁煙とするなど、罰則を伴う受動喫煙防止対策が講じられてございます。
 受動喫煙防止対策は健康増進の観点から重要なものでございます。
 現在、国では法制化に向けさまざまな議論がなされておりますが、都としましては、実効性のある受動喫煙防止対策を講じていただきたいと考えてございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。なかなか、この過度という部分については、それぞれ理解の仕方に差がある可能性はありますけれども、答弁の部分については、一定程度、東京都の方の見方というものがわかりました。
 先ほど、説明の中では、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの東京大会を目指すということでありますが、私どもは以前より、二〇一九年のラグビーワールドカップが世界的なイベントとして、このあたりが一つ、この受動喫煙の防止のルールづくりの目標であるべきというふうに主張してまいりました。また一方で、がん対策推進条例の設定などを目指した際には、この受動喫煙の防止については議論を重ねて、どういうものが現実的にいいんだろうかということも随分議論を重ねてまいりました。
 もちろん、この陳情の部分については、例えば、建物の規模、そしてまた事業者の規模というところを配慮して、一律にしないでほしいというふうな解釈なのかなというふうには思っていますが、一方で、現実的なところでいいますと、都市部とそうじゃない地域も大分違うと思います。
 例えば、この新宿あたりでは、二十階ぐらいのビルからすれば、敷地外で吸ってくださいというふうになれば、敷地の外に出ても人がいっぱいいる。そしてまた、二十階、十九階あたりのフロアから一々敷地の外にたばこを吸うためにおりてくるというと、労働効率が下がってしまうみたいな話もあると思うんですが、私の地元の小平市あたりになると、そもそも二十階の建物がないので、全くそういう心配がないというふうなことになります。こういう意味では、地域によっても、なかなか、一律といっても反応が違ってくるんじゃないか、実効性が変わってくるんではないかというふうに思います。
 この都市部と住宅地域で分煙の対策というのは具体的に違ってくるというふうな認識を、つまり、そういった地域性というものを東京都が持っているのか、そこを伺います。

○上田保健政策部長 受動喫煙による健康問題は、普遍的なものでございまして、地域的な特性があるとはいえないかと存じます。
 都はこれまで、受動喫煙防止対策を強化するための法律を早期に整備するよう、国に対して提案要求をしているところでございます。

○斉藤委員 これは普遍的なので余り地域特性がないということです。
 では、一方で、東京都の中のそういった地域特性はなくて一律というふうなことでありますが、同時に、先ほど国の方の議論というふうなことも例にありましたけれども、逆に都市部という点でいえば、東京都は非常に他の県から見れば群を抜いているわけであります。
 そういう意味では、東京都における独自の受動喫煙の防止のための対策ルールは、これはやはり必要であるというふうに考えるのかどうか、そこの所見を確認したいと思います。

○上田保健政策部長 現在、国では、平成二十九年通常国会に健康増進法の改正案を提出することを目指し、準備を進めております。
 都は、国の動向を注視しながら対応を検討していきたいと考えております。

○斉藤委員 今、答弁の最後に、都として国の動向を注視しながら対応を検討というふうなことでありますが、その検討、議論の場というものは、現在、東京都ではどのようになっているのか、教えてください。

○上田保健政策部長 都は、国の受動喫煙防止対策強化検討チームにオブザーバーとして参加しております。
 また、都におきましては、東京都健康推進プラン21推進会議や東京都がん対策推進協議会におきまして、受動喫煙防止対策の取り組み状況を把握し、受動喫煙防止対策の推進に向け、議論をしてございます。

○斉藤委員 ありがとうございました。今るる聞きまして、都内の中で地域性を持ったルールというのはなかなか適当ではないんじゃないか、そしてまた東京都としても独自かどうかは、また今後の様子を見るというふうなことであります。
 ただ、一方で、先ほどいいましたように、二〇二〇年、そしてまたその前のラグビーワールドカップは二〇一九年と、ちょっとお尻が決まっている感じもしますし、それに向けての議論というのを、やはりきちんとタイムスケジュールを持ってやっていかなければいけないというふうに思っています。
 国の方の議論も今現在やっているということでありまして、その部分がある程度方向が示された際には、東京都は迅速に議論を進めていただきたいと思いますが、一方で、現在のところは検討中、国の議論を注視しているところということで理解ができましたので、私としては今回のところは継続にしたいというふうに最後に意見を申しまして、質問を終えます。

○畔上委員 受動喫煙の防止条例につきましては、私たちの会派は、条例を制定して積極的に受動喫煙の防止対策を行うことを求めてまいりました。
 能動喫煙だけでなく、受動喫煙により、多くの致死的な疾患、脳卒中や肺がん、心疾患、そしてぜんそくなどが引き起こされることは科学的に明白です。だからこそ、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約を二〇〇四年に日本も批准をしているわけです。そのたばこ規制枠組条約のガイドラインに沿って、世界の国々や、また地域で、職場や多くの人が出入りする公共の場での喫煙を法律や条例で禁止しているわけです。
 都の場合は、条例制定は先送りされ、現在は、普及啓発、区市町村、民間企業などに対して研修会や参考資料集の作成、都立施設の受動喫煙防止策などを行っているわけですが、私は率直にいって、まだまだ受動喫煙防止の意義が浸透しているとはいいがたい状況だなと感じております。
 そこでまず伺いたいと思いますが、都内における現行の受動喫煙防止対策と現状についての都の認識を伺います。

○上田保健政策部長 都では、喫煙の健康影響に関する普及啓発、禁煙希望者への支援、未成年者の喫煙防止、受動喫煙防止対策を大きな柱といたしまして、受動喫煙防止対策の推進に向けたさまざまな取り組みを行っております。
 特に受動喫煙に遭う機会が多い施設である飲食店に対しましては、入店前にその店舗の禁煙、分煙等の状況が把握できるよう、店頭表示の貼付促進を行っております。
 また、店舗の受動喫煙防止対策の事例を用いた研修会も開催しております。
 平成二十七年度に実施いたしました飲食店等の受動喫煙防止対策実態調査では、前回調査に比べ、一般飲食店は五四・六%から五九・七%へ、遊興飲食店は一二%から一三・九%に、受動喫煙防止対策を実施している店舗の率が向上してございます。

○畔上委員 しかしながら、禁煙にしている店の割合はふえてはおりません。多数の者が利用する施設を管理する者は、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないとしています健康増進法の趣旨からいうと、なかなか厳しいわけですね。
 東京都は、二〇一五年度に都民の受動喫煙に関する意識調査を行っています。法的な規制について、都民の意識調査の結果はどのようになっているんでしょうか。また、それをどう受けとめていらっしゃるんでしょうか。

○上田保健政策部長 平成二十七年度に都内の二十歳以上の男女一万人を対象といたしまして、都民の受動喫煙に関する意識調査を初めて実施いたしまして、五千四百九十人から回答を得ております。
 回答者のうち、施設に対して法的な規制がある方がよいと答えた人の割合は、喫煙者では約三二%、非喫煙者では約七二%、全体では約六六%でございました。
 都として、受動喫煙防止対策は健康増進の観点から重要と考えてございまして、これらの調査結果を踏まえ、受動喫煙防止対策を推進してまいります。

○畔上委員 今のご答弁では、約七割近い方が法的規制を求めていることがわかりました。しかしながら、私は、受動喫煙の害についての周知が日本の場合にはまだ弱いというふうに思います。テレビやネットがこれだけ普及しているのに、たばこの直接的なコマーシャルはさすがになくなっていますけれども、受動喫煙の普及啓発はほとんど見られません。
 東京五輪まであと三年となりました。WHOとIOCは、たばこのないオリンピックを目指すことで合意をしております。過去のオリンピックを見ても、二〇〇四年以降、開催国では、室内全面禁煙とするなどの法律や条例で受動喫煙防止対策を講じております。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック成功に向けて、一昨年五月には日本学術会議が提言を、それで、昨年の九月には日本医師会や全国保健所長会、全国老人クラブ連合会などの構成によります受動喫煙のない日本をめざす委員会が東京都受動喫煙防止条例の要望を提出されていますが、どのような内容だったのか、お示しください。

○上田保健政策部長 平成二十七年五月、日本学術会議からは、オリンピック・パラリンピック開催都市において、法律や条例で建物内の喫煙を禁止しており、都は速やかに公共の場での受動喫煙を防止するための法整備、条例化を行う旨の提言をいただいております。
 また、平成二十八年九月、受動喫煙のない日本をめざす委員会からは、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、北京やソチと同様、大会開催までにレストランやバーを含む完全な受動喫煙防止条例を制定するよう要望が出されているところでございます。

○畔上委員 今の状況のままだと、やはり公共の場での禁煙が当たり前になった海外の国から多くの選手や、また観客が訪問してくるわけですから、海外からも、受動喫煙防止対策のおくれた国、おくれた東京と見られてしまうということだと思います。
 本陳情においては、陳情者の皆さんが営業を心配されての声を上げられ、個人消費が冷え込んでいる中で本当に苦労して営業されていることは、よくわかります。しかし、厚労省の検討会の報告書では、全面禁煙化によるマイナスの経済影響は認められなかったとしており、影響については慎重に見ていく必要があると思います。何よりも、飲食店従業員の皆さんは、禁煙にしなければ、受動喫煙を防ぐことはできません。
 私は、この五輪は受動喫煙防止条例制定のチャンスとして捉えて、制定することが求められていると思います。受動喫煙防止対策の一層の強化を図り、受動喫煙防止に対する都民の合意と、そして納得をつくるよう求めまして、質問を終わりたいと思います。

○上田委員 受動喫煙の防止については、世界的なトレンドということでも動いているかと思います。東京都では、厚生労働省の検討チームでオブザーバー参加をされているということですけれども、江戸川区においても、私が区議会議員時代に、ポイ捨て、歩きたばこ条例を議会一丸となって制定をしましたし、この間、区長選のありました千代田区など、先進的に過料を取ってというような先進事例もあります。
 このように独自に進めている各区市町村のポイ捨て、歩きたばこ、あるいは屋外喫煙の施策と東京都の政策の整合性はどうとっていくのか、現時点での見解をお示しください。

○上田保健政策部長 現在、国では、平成二十九年通常国会での法案提出に向けて、官公庁や社会福祉施設等は建物内禁煙、学校や医療機関等は敷地内禁煙、飲食店等のサービス業は原則建物内禁煙、喫煙室設置可とする内容について議論がされております。
 一方、各区市におきましては、環境美化の観点から、ポイ捨てや歩きたばこ禁止の条例が整備されており、法の施行に当たりましては整合性を図ることが必要であると認識してございます。

○上田委員 区市でもかなり濃淡もあるとは思います。やはりそれぞれ行っているということではなくて、整合性を図っていくということに強化をしていただいて、二〇二〇に向けて、積極的には取り組んでいただきたいと思います。
 また、都道府県ですと神奈川県等、先進自治体の取り組みなどがあるかと思います。こうした都道府県等の先進事例をどう把握されて都の施策に反映していくのか、ご所見をお示しください。

○上田保健政策部長 国の受動喫煙防止対策強化検討チームでは、近年のオリンピック・パラリンピック開催国の状況を把握するとともに、神奈川県や兵庫県の取り組みも参考に検討を進めているところでございます。
 神奈川県の条例では、飲食店に対して禁煙または分煙を義務づけておりますが、客席面積等が百平米以下の店舗については、例外規定で努力義務としております。
 都といたしましては、こうした状況を踏まえ、対応を検討していきたいと考えているところでございます。

○上田委員 実は、私の実家も文京区湯島で居酒屋を営んでいまして、数年前に母も、のれんをおろしたんですけれども、やはりなかなかこの分煙並びに禁煙は難しいかなと。さはさりとても、やはり売り上げにすぐ直撃する小規模飲食店などの事業者のご意見は取りまとめていかなきゃならないかと思います。それらをどのように受けとめて、反映されていくのか、お示しください。

○上田保健政策部長 都はこれまで、飲食店に対して先行事例を紹介する受動喫煙防止対策研修会を実施するなど、飲食店の受動喫煙防止対策を支援してまいりました。
 受動喫煙防止対策に関しまして、さまざまな意見があることは承知しており、国においても、関係団体のヒアリング等での意見を踏まえ、規制内容の検討を進めているところでございます。
 今後、国の動向を注視しながら対応を検討していきたいと考えてございます。

○上田委員 小池知事も、所信表明の中でスモークフリーを明言もされております。また、売り上げには確かに直結するんですけれども、先ほども、やはり七割ぐらいの人たちは禁煙でいいのではないかということと、喫煙率もどんどん若い人たちの中では下がっていく傾向もあるやに思われます。
 また、私も神奈川の事例を調べた中では、禁煙にすることで親子連れのお客さんが来やすくなる、女性客がふえるとか、売り上げが上がるということもあるようでありますので、その売り上げが上がるという啓発事業という切り口もあるかと思っております。
 こうして、民営、何ていうんですか、民間の人たちに受動喫煙防止についてお願いをしていくに当たりましては、私たちのこの役所といいますか、官公庁は建物内禁煙、学校等敷地内は禁煙というのは当たり前の世の中になってきたなと思っております。
 私、ここの都議会議事堂に来たときに、喫煙室がドアがないのも驚きましたし、議事堂の外に灰皿が置いてあって、そこでぷかあっとたばこ吸っているのも非常に衝撃を受けたので、まずは議会からも襟元を正して、この飲食店の皆様にご理解を進めていく、都議会、都庁一丸となって、スモークフリーの東京に進めての対策を一緒に模索していきたいと思いまして、この陳情につきましては、私ども都民ファーストの会は継続ということでお願いをしたいと思います。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二八第一三六号は継続審査と決定いたしました。

○小林委員長 次に、陳情二八第一四二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小林健康安全部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号5、陳情二八第一四二号、東京都動物愛護相談センター多摩支所の調布市多摩川河川敷での犬の保護に関する陳情は、調布市の多摩川の自然と安全を守る会代表の武藤幸子さん外千二百六十二人から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、調布市の多摩川河川敷における都民の安全と健康的な生活のために、河川敷のホームレスA氏所有の犬二十頭を、東京都動物愛護相談センター多摩支所で保護していただきたいというものでございます。
 現在の状況をご説明いたします。
 動物愛護相談センター多摩支所は、犬による咬傷事故を防止するため、放し飼い状態の犬を速やかに捕獲できるよう、不法に建てられた小屋等がある多摩川河川敷の都市公園を平成二十七年四月から継続的に巡回しており、平成二十八年十一月からは、巡回頻度をふやすなど対応を強化しております。
 巡回は、平成二十九年二月十六日までに計五十四回行っており、飼い主に対しては、巡回等の機会を通じて、狂犬病予防法に基づく登録や予防注射を行うこと、放し飼いにしないことなどを二十三回にわたって繰り返し指導しております。
 本件は、狂犬病予防法や動物愛護管理法を所管する動物愛護相談センターに加え、河川を管轄する国土交通省、公園管理者であり狂犬病予防法に基づく犬の登録等の事務を所管する調布市及び咬傷事故等に対応する警察が連携して対応する必要がある事案であることから、課題を解決するため、平成二十八年十二月に関係機関で連絡会を設置しました。
 連絡会では、河川敷からの退去に向けた指導や咬傷事故の防止対策について検討を行っており、各機関が連携して指導等を行うための合同巡回を平成二十八年十二月に一回、平成二十九年一月に二回、同年二月に一回の計四回実施しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○小林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○中山委員 都議会公明党を代表して、陳情二八第一四二号に関する意見を表明します。
 本陳情は、多摩川の河川敷に小屋を建て、二十頭の犬を不衛生な環境で飼育し、狂犬病の予防接種も未接種のまま、咬傷事件も起きているという問題であります。
 我が党は、当該地の住民から不安の声を受けている調布市市議会議員と調布市を担当する中嶋義雄都議会議員を中心に、昨年末、河川敷を不法占拠するこの小屋の撤去を求め、多摩川を管理する国土交通省を訪ね、国土交通大臣に直接要望を手渡してきたところであります。
 これを受け、先ごろ、多摩川を管理する国土交通省所管の京浜河川事務所、都が所管する動物愛護センター、そして調布市が集まり、合同会議が開かれました。そして、強制撤去に向け、動き出したところと受けとめているものであります。
 この機会を逃しては犬を保護することは難しい状況にあります。ぜひ、地域住民の不安を解消するために、また動物の愛護と管理という問題からも、東京都動物愛護センターに保護することを求めるものであります。
 以上の観点から、本陳情は趣旨採択とするべきと考えるものであります。
 以上です。

○和泉(な)委員 私からもこの問題で質疑を行います。
 この陳情は、多摩川五本松公園内の竹林に小屋を建てて住んでいる方が飼っている犬を動物愛護相談センター多摩支所で保護してほしいという内容です。
 最初に伺いますが、東京都動物愛護相談センターが、狂犬病予防法及び東京都動物の愛護及び管理に関する条例に基づいて動物を保護するのは、どのような場合でしょうか。

○小林健康安全部長 狂犬病予防法では、登録や予防注射を受けていない犬などを確認した場合は、これを抑留しなければならないとされております。ただし、国は、人の居住する家及びそのほか建物内に所有者の意志に反して立ち入り、捕獲、抑留することは適切でないという見解を示しております。
 東京都動物の愛護及び管理に関する条例では、飼い主が逸走させた犬や、公共の場所で発見された負傷している犬などで、その所有者が判明しないときは、これを収容するものと規定しております。また、所有者が継続して飼養することができず、やむを得ない理由があると認めるとき、所有者の判明しない犬または猫で、やむを得ないと認めるときは、これを引き取るものとしております。

○和泉(な)委員 ただいまの答弁ですと、抑留、すなわち一時的な身体の拘束、あるいは施設に入れることを意味する収容、引き取りということになるわけです。
 私は先日、調布市の職員の方たちにも案内してもらって、実際にここに行ってご本人の話も直接聞いてきました。この方が住んでいるところは、人間の手を入れない状態で保護されている自然林のような場所です。確かに陳情書にあるように、自分以外の人が入ってこないように扉のようなものが設置してあって、中には木製の家のような建物や、それよりもはるかに小さな小屋のようなものをしつらえて、たくさんの犬を飼って住んでいます。私たちが近づくと、あちこちから犬の鳴き声も聞こえてきます。
 けれども、私が行ったときには、犬はケージか、本人がかつて住んでいた小屋に全て入っていて、放し飼いになっている犬は一匹もいませんでした。ほえるといっても、歯をむいてほえるというようなものではなく、恐怖を感じるほどの鳴き方でもありませんでした。
 このような場合に、犬を狂犬病予防法に基づいて捕獲し抑留する、あるいは都条例に基づいて収容する、これは可能なんでしょうか。

○小林健康安全部長 放し飼いにされている犬を発見したときは、狂犬病予防法や東京都動物の愛護及び管理に関する条例に基づき、捕獲、収容することができます。
 ただし、本件につきましては、先ほどご答弁申し上げましたとおり、国は、人の居住する家及びその他建物内に所有者の意志に反して立ち入り、捕獲、抑留を実施することは適切でないと、そういう見解を示しております。

○和泉(な)委員 そうしますと、少なくともこういう状態で飼っているということになると、なかなか法の適用が難しいということになろうかと思います。
 この方の話によれば、もう何十年もホームレスの状態だということです。本当に困って、役所も含めていろんなところに相談に行ったけれども、どうにもならなかった、好きでホームレスになったわけではないと話をしてくれました。
 石を投げられたり、小屋をたたかれたりという嫌がらせを受け、身の危険を感じるようなことがたびたびあって、番犬として犬を飼い始めたのが始まりだった、そのうち、引っ越す人が飼えなくなったからと連れてきたり、不妊手術を受けていない犬が繁殖したりして、いつの間にかふえてしまったんだという話でした。
 そして、話を聞く限りでは、決して犬に愛情を持っていないわけではないということです。犬たちも、この方が声を荒げて話している間はほえていましたが、落ちついて静かに話をしてくれるようになってからは、ほえなくなりました。
 しかし、狂犬病の予防注射を打っていないし、衛生上も問題がないわけではない。本人の話では十六頭いるということですけれども、近所の方やNPOの方たちの支援があって何とかなっているものの、一人で適正に飼える頭数をはるかに超えていることは事実だと思います。
 この状態が決して望ましいものでないことは明らかです。だからこそ、都も市も、もし放し飼いの状態を確認した場合には、万が一にも周辺の住民に危害が及ばないよう、直ちに犬を捕獲するために、頻繁に現地に出向いているということなんだと思います。
 動物愛護相談センターでは、狂犬病予防法に基づいて捕獲した、または東京都動物の愛護及び管理に関する条例に基づいて収容した動物というのは、その後どのような手続で、どのような扱いになるんでしょうか。

○小林健康安全部長 動物愛護相談センターは、狂犬病予防法または動物愛護管理法等に基づき、捕獲、収容した犬の所有者が判明している場合は、所有者に引き取るよう通知をしております。
 また、所有者が不明な場合は、狂犬病予防法または動物愛護管理条例に基づく公示を実施しております。
 所有者への通知または公示によっても飼い主が犬を引き取らない場合は、ボランティア団体と連携しながら、可能な限り譲渡を行っております。

○和泉(な)委員 そうしますと、仮に放し飼いとなっている瞬間を捉えて、この方の犬を狂犬病予防法に基づいて捕獲をしたとしても、本人が引き取りにきて、予防注射を行って登録をすれば、この方のもとに返還するということになるわけですね。
 そのことと、先ほど答弁のあった狂犬病予防法、動物愛護管理条例上の権限を考慮すると、今の法制下では、なかなか根本的な問題を解決するためには、この方自身の意思がないとなかなか難しいんではないかというふうに思います。
 私は、この方が自分の意思で今の生活そのものを立て直そうと前向きに決意をしたもとで、犬たちの今後のことを本人と一緒に考えられるようにするということが重要だと思います。こうした取り組みを通して信頼関係を築きながら、この方の暮らしの立て直しを図りつつ、犬の飼養環境の改善と譲渡を進めるという対策を進めていくことが必要だと思います。
 社会への不信、人や行政への不信から、竹やぶに自分の身の安全を委ねて、近寄ってくる人たちに時には大きな声を出したりして暮らしてきた。その背景は単純ではないはずです。もちろん、放し飼いにしたり、近隣の住民にけがをさせるようなことがあれば、そのときには速やかに適正な対応をする必要があります。都は、市との連携を続けながら、先ほど説明があったように、粘り強く働きかけていただきたいと思います。
 その上で、周辺住民の安全と安心を守ること、これが非常に重要ですので、その点での陳情の趣旨に考慮し、法律や条例に基づく適正な対応をとれるよう備えていただくことを求めて、質疑を終わります。

○上田委員 端的に現状を確認させていただきたいと思います。
 ご説明のとおり、指導を重ねて大分ご苦労されている愛護センターとして、現在まで本当に指導に従っているのか、従っていないのか、実際のところ気になるところでございます。
 現在までの苦情の状況と対応について、時系列でご説明ください。

○小林健康安全部長 都は、多摩川河川敷で放し飼いにされている犬に囲まれたとの苦情を平成二十七年四月十三日と十七日に続けて受理をしました。この苦情を受け、動物愛護相談センターは、同月二十二日に現地を巡回し、飼い主に対して、放し飼いにしないことを指導しており、その後、同年六月十六日、八月三日にも現地巡回と指導を行っております。
 平成二十八年一月八日には、放し飼いの犬にかまれた人がいるとの情報を国土交通省河川事務所から受けたため、同月二十六日に同事務所、警察と打ち合わせを行い、翌二月一日に合同の調査及び指導を初めて実施しており、その後も継続的に指導を行っております。
 こうした巡回や指導を重ねてきましたが、改善が図られないため、平成二十八年十二月には、動物愛護相談センター、国土交通省河川事務所、調布市、警察の関係機関で連絡会を設置し、対応に当たっております。
 本件に関する苦情は、これまで計二十二件受理しており、現地巡回は平成二十七年四月二十二日から平成二十九年二月十六日までの間に計五十四回行いました。飼い主に対しては、巡回などの機会を通じて、狂犬病予防法に基づく登録や予防注射を行うこと、放し飼いにしないことなどを二十三回にわたって繰り返し指導を行っております。

○上田委員 やはり公園というのは周辺住民のものであり、調布市民のものであり、こういったことに、まず不法占拠しているということ自体に問題があるかなというふうに思っております。そしてまた、今のお話を聞いた限りでは、動物愛護センター、国土交通省、調布市、警視庁と、大変な手間暇をかけて、大分税金もかかっているんだなというふうに思いました。
 五本松公園管理者、調布市とはどのように連携をして対応しているのか、ちょっと私もこの不法占拠ということの是非について着眼をしましたので、ご説明していただきたいと思います。

○小林健康安全部長 本件は、河川敷の公園区域内に不法に建てられた家屋等で犬を多頭飼育し続ける事案であることから、公園管理者と連携して対応することが必要であると考えております。
 このため、公園管理者であり、狂犬病予防法に基づく犬の登録等の事務を所管する調布市を初め、河川を管轄する国土交通省河川事務所、咬傷事故等に対応する警察と連絡会を設置するとともに、合同巡回や指導を行うなど、連携して対応しております。

○上田委員 これだけいろいろな行政体がかかわっておりまして、法律もいろいろと重なっていると思います。
 公衆衛生や動物愛護の観点からの問題点を改めて整理してお答えいただければと思います。

○小林健康安全部長 現時点での問題点は、狂犬病予防法に基づく鑑札や注射済み票の装着が確認できないこと、鳴き声や逸走により人に迷惑を及ぼす可能性があること、衛生的ではない環境で犬を飼育しており、適正飼養ができていないことなどが挙げられます。

○上田委員 では、適正飼育をしていないということで、犬の所有権についてもう一度ご説明の上、譲渡や引き渡しに犬の飼い主が応じなかった場合はどうされるのか、応じた場合はセンターのみならず、民間団体の引き取りや譲渡の協力を得るかどうかについても確認をお願いします。

○小林健康安全部長 犬は所有者の財産とみなされ、現在の狂犬病予防法や動物愛護管理法では、所有者の同意なしに強制的に犬を取り上げることはできないものと解されております。
 飼い主が犬の所有権放棄の意向を示した場合は、新しい飼い主を探すよう指導しますが、新しい飼い主を見つけられないなど、やむを得ない事情がある場合には、動物愛護相談センターが引き取りを行います。
 引き取った犬につきましては、ボランティア団体と連携して、可能な限り譲渡に努めることとなっております。

○上田委員 最後になりますが、そうした今までのご説明を踏まえて、関係機関連絡会で検討された指導内容と今後の対応策につきましてご説明いただければと思います。

○小林健康安全部長 連絡会では、各機関が所管する法律の中で対応できる事項について、さまざまな観点から検討を行い、河川敷からの退去に向けて、警告板を設置するとともに、巡回頻度をふやすことによる事故防止対策の強化などについて、連携して対応していくことを確認しております。
 現在、この確認に基づいて、現地巡回を行い、繰り返し指導、警告を行っております。

○上田委員 ありがとうございました。類似事例の再発防止について、今後また検討になる事例になったと思います。オン・ザ・ジョブ・トレーニングということで、行政のご苦労がありますが、とにかく周辺住民の健康と危害や事故が起こらないということと、何よりワンちゃんたちの動物愛護について一番いい結果が出るように、この陳情に関しましては、願意を受けとめまして、趣旨採択というふうに当会派はさせていただきたいと思います。
 以上です。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二八第一四二号は趣旨採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時三十七分散会

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