厚生委員会速記録第十七号

平成二十八年十二月九日(金曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小林 健二君
副委員長上田 令子君
副委員長木村 基成君
理事大場やすのぶ君
理事和泉 武彦君
理事中山 信行君
前田 和茂君
和泉なおみ君
藤井  一君
斉藤あつし君
畔上三和子君
山加 朱美君
石毛しげる君
野島 善司君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長梶原  洋君
次長理事兼務山岸 徳男君
技監笹井 敬子君
総務部長後藤 啓志君
指導監査部長松浦 慎司君
医療政策部長西山 智之君
保健政策部長上田  隆君
生活福祉部長坂本 尚史君
高齢社会対策部長西村 信一君
少子社会対策部長松山 祐一君
障害者施策推進部長高原 俊幸君
健康安全部長小林 幸男君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務奈良部瑞枝君
事業推進担当部長古賀 元浩君
医療改革推進担当部長成田 友代君
医療政策担当部長矢沢 知子君
地域保健担当部長本多由紀子君
生活支援担当部長高橋 博則君
施設調整担当部長村田 由佳君
子供・子育て施策推進担当部長横手裕三子君
障害者医療担当部長平賀 正司君
食品医薬品安全担当部長仁科 彰則君
感染症危機管理担当部長矢内真理子君

本日の会議に付した事件
意見書について
福祉保健局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百八号議案 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の買入れについて
・第二百九号議案 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについて
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第二十号 東京都子どもの医療費の助成に関する条例

○小林委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書五件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○小林委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の付託議案の審査を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、付託議案のうち知事提出議案の審査を行います。
 第二百八号議案及び第二百九号議案を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。

○小林委員長 次に、付託議案のうち議員提出議案の審査を行います。
 議員提出議案第二十号を議題といたします。
 本件について提出者の説明を求めます。

○畔上委員 議員提出議案第二十号、東京都子どもの医療費の助成に関する条例の趣旨説明を申し上げます。
 東京都は、中学生までの子供に対する医療費助成を行っていますが、都の制度には所得制限があり、小中学生に対しては通院一回当たり二百円の自己負担もあります。そのため多くの区市町村が、さらに医療費助成を充実し、負担を減らしております。
 しかし、区部では、全ての自治体で中学校卒業まで所得制限がなくなり、通院費も無料化されているのに対し、多摩地域と島しょ地域では、多くの自治体で所得制限と通院の負担があり、支援に差が生まれています。
 このため東京都市長会から、区部が所得制限を撤廃している状況に対して、市部では義務教育就学児医療費助成制度において二十市が所得制限を設けており、同じ都民でありながら地域間格差が生じている、この事実に鑑み、東京都に暮らす子供にひとしく福祉が行き渡るよう、都制度による所得制限の撤廃及び補助率の引き上げなどを検討することと要望が出されております。
 七月、八王子市は所得制限をなくしましたが、まだ多くの自治体で残っています。都内の地域間格差を是正するため、都の子供の医療費助成制度を拡充するとともに、市町村の負担を軽減するため、条例案を提案するものです。
 以下、条例案の内容について申し上げます。
 本条例案では、小中学生の通院時の自己負担一回二百円をなくすとともに、所得制限をなくします。また、現在二分の一となっています補助率を、三分の二に引き上げます。これにより、市町村で約七万人がふえ、五十五万人の子供たちが東京都の医療費助成制度の対象となります。必要経費は約四十七億円と見込んでおります。施行日は二〇一七年四月一日です。
 ご審議の上、ご可決くださいますようお願いを申し上げまして趣旨説明とさせていただきます。

○小林委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○野島委員 なるべく早目に終わらせるようにいたします。
 最初にお願いしておきますが、きのう、本会議でこの議案が厚生委員会に付託されました。私も昨晩徹夜して議案調査をしたんですが、ぼけちゃって、まだ論点整理が十分になされてないんです。したがって、質疑が正鵠を欠くかもしれない。その際は、委員長、議事整理の中で、異例なんですが、提案者からも私に質疑していただいても結構かと思います。そんな前提で、ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いをいたします。
 いつの日であったか、何新聞であったか失念しているんですけれども、地方議会の権能という記事が掲載されました。議会は条例提案権を持っているけれども、この機能を十分に発揮していないと。たしかワーストワンは東京都議会だったというふうに記憶をいたしております。それで、識者の方から、議会無用論とはいわないが、怠慢だというふうなコメントが寄せられたようなことを記憶いたしております。
 私、いろいろ調べてみたんです。そうしたら大体成立しているのは、議会の内部管理条例、いわば委員会設置条例だとかそういったふうなこと。それからフラッグ条例。フラッグ条例なんて俗語ですから、いわゆる理念条例、こういうことをやっていきましょうということ。そういうのは財政出動を伴わないんです。財政出動を伴うのも何件か散見されました。だけどそれは、そこには書いてないんだけれども、多分、執行側から、知事側から財源担保を取りつけているんじゃないか。書き込みとしては、本条例にかかわる財政負担について知事は所要の措置をとると書き込めば、そのことは担保できると。これが条例なんですよ、大体ね。
 そこで、共産党提案のこの条例は、新設であります。しかも、財政負担を伴う内容なんですね。そういう意味では、条例提案については、極めて議会機能を発揮しているというふうにいって、私は--極めて価値のあるというと賛成しなきゃいけなくなっちゃう。価値があるかどうかは別にして、重たい提案だというふうに受けとめておりまして、以下、簡単に質問いたします。
 さて、この条例が可決いたしますと、条例というのは実効性を担保する--フラッグ条例なら別ですよ、実効性を担保するためには、それぞれの当事者に、この条例でいえば、都、それからこの条例の受け皿の市町村、そして市町村民、さっき十何市とか恩恵を受けてないといってたその人たちに、それぞれ、権利を得ると同時に義務を課すんです。そういうのが条例のつくりですから、実効性を伴う条例というのはそれでなければいけないわけですね。
 しからば、このことによって、東京都は、どんな権利を得て、どんな義務を負うのか。市町村は、どんな権利を得て、どんな義務を負うのか。市町村住民は、どんな権利を得て、どんな義務を負うのか。それぞれ、そのセクター別にお示しをいただければと思います。

○畔上委員 地方行政に大変お詳しい野島委員のご質問をいただきまして、ありがとうございます。
 今ご質問がございました東京都の義務でございますが、東京都は予算を組む、その義務が発生するということでございます。また、市町村におきましては補助を受ける、こういう権利が発生し、また、今後この市町村が、独自の判断になりますが、住民に対して、これを執行するかどうかの判断をしなければならないということになると思います。その判断は市町村が行うということだと私は思います。また、住民は補助を受ける、そういった権利を持つことになります。
 本条例制定をいたしましたならば、先ほど野島委員もおっしゃいましたけれども、東京都内の全ての子供たちの医療費の助成制度、これが実現する可能性に近づくと。あくまでも市町村が判断をされるということでありますので、その予算的な裏づけを持つという点では大きな一歩になるのではないかというふうに考えております。ぜひ、野島委員を初め、皆様方の賛同をいただければと思っております。

○野島委員 都は財政負担を負いますよと。多分、あと一つあるんですよ。これは多分ですよ。私がさっきいったように、徹夜してぼうっとしてたから。市町村に条例改正をさせなきゃいけないんですよ。さっきいった所得制限のあるところの条例を持っている市町村に、それを外しなさいと。じゃないと受け皿にならないんですよ。実効性が担保できないんですよ。そういうことになると思うんですが、いかがお考えですか。

○畔上委員 これは、あくまでも東京都がこの予算措置を講ずるということでありまして、各市町村が、今、現に条例を持っております。その条例の中で、市町村が現在持っている条例を変えなければいけないと、そういう義務づけをするものではございません。
 一方で、先ほど私が趣旨説明でも申し上げましたけれども、市長会からも先日出されました都への重点要望におきましても、地域間格差が生じていると、こういう事実に鑑みて、東京都に暮らす子供たちにひとしく福祉が行き渡るよう、都の制度による所得制限の撤廃及び補助率の引き上げ等を検討することが要望されております。
 そして、町村会の来年度の東京都の予算への要望におきま……

○野島委員 それは俺は聞いてないから。聞いてないことに答えなくていいです。

○畔上委員 はい。補足をさせていただきましたが、そういうことでございます。

○野島委員 先ほど提案理由で、あまねく、二十三区と同じに市町村の住民も負担軽減がなされますという提案理由の説明がありました。今の答弁は、市町村が独自の判断で、条例改正をすれば可能ですよということになりますと、あまねく受けられないんですよ。そのために都は、先ほどいったように、条例改正を働きかけなきゃいけない。
 地方分権の中で、東京都という自治体は広域調整行政なんですよ。市町村は基礎的自治体として、地方自治としては同じなんですよ。それを上から目線で強要することになるんですよ。これは地方分権に逆行するんですよ。いかがお考えですか。民主集中制をとる日本共産党であればあり得るけれども、今、我が国はそうなっていないですから、その辺はいかがお考えでございましょうか。

○畔上委員 先ほども申し上げましたけれども、この本条例につきましては、市町村に実施を義務づけるというものではございません。ですから、地域間格差をなくすという、こういう条例案は、市町村からも理解が得られるものというふうに考えております。

○野島委員 だから、さっきいったでしょう。どんな権利を得て、どんな義務を負うんですかということですよ。それで冒頭、提案理由で説明をした、あまねく受けるためには、所得制限をつけている条例をお持ちの市町村は、これを外さない限りできないんですよ。
 今やっている補助金行政なら構いませんよ。補助金行政で全部お金を出しますよと--あり得ない話だけれども、補助金行政ですから。全部お金を出すから、今回は東京都の条例なんですよ。補助金行政なら可能なんです。補助金を受けるかどうかは、当該市町村の判断だから、それは、今、提案者のご説明のあった、そちらにお任せしますよということと全く違うんですよ。全く違うと私は思うんですが、いかがでしょうか。

○畔上委員 私どもは、繰り返しになって申しわけありませんが、本条例は、市町村を縛るというよりは、むしろ市町村の要望を支えるというふうに考えております。しかも、今回の条例が可決されますと、市町村の負担の増減を試算いたしましたら、この補助率を二分の一から三分の……

○野島委員 いやいや、俺そんなこと聞いてないんだよ。制度論を聞いているんですよ。

○畔上委員 ええ。しかし、補助率の引き上げによって、二十六億円、市町村の負担も減るわけです。そういう点では、縛るというよりは、むしろ市町村が望んでいるこの制度を実現するために支援を行っているというふうに私たちは考えております。

○野島委員 これは条例の法理解釈なんですよ、この質疑は。市町村が自由に手を挙げて決めてくださいよという条理解釈はこの条文からはできない。それができるとするのであれば、補助要綱なんですよ。補助要綱は執行専属なんですよ。これ、あなた方、議会に提案したんですよ。その議会が、私も、極めて重たい、貴重なというのか、そういう表現を使ったけれども、その条理解釈が、認識を一にしなければ、我々は賛否ができないんですよ。そういう意味合いで聞いているんです。
 法令上の枠組みの問題なんです。市町村の支援をしましょうというなら、補助金行政なんですよ。これは違うんですよ、条例化なんですよ。条例は、権利を与えると同時に義務を生じさせるんですよ。その条例の中で、いや、市町村の選択ですからって。条例改正しない限り、市町村は受け皿にならない。これが私の条理解釈です。

○畔上委員 今現在行っているのは要綱ですよね。そういう点では、要綱を条例に引き上げるということで、条例改正にはもともと私たちは義務づけはしてないけれども、先ほどの繰り返しになりますが、市長会の要望に応えていると。しかも財政的にも負担が減ると。そういう点では、条例改正のお願いには市町村が応えてくださるというふうに思っております。
 市長会、それから町村会にも、私たちは条例を出すということで、事前に資料もお渡しをいたしましたが、問題があるということはいわれておりません。

○野島委員 だからいったでしょう。補助金行政なら受ける側の裁量権なんですよ。条例で、市町村が所得制限を外さない限り、このスキームは成り立たないんだ、条理解釈上。それを、市長会の要望もあったし、あれもあったと。で、市長会も条例改正をしてくれるものと思いますと。それで、つくったの、これ。法定ですよ。貴党の思いや願いを入れ込んだ条例なんてあり得ない。一般質問、代表質問でその旨述べるならば一向に構わない。議決しなきゃいけないんです。条理解釈の上でやらなければ、私が笑われちゃう、我々が。さっきいった条例提案権を発揮してないじゃないか。それぞれ事情があるんですよ。自治法上は書いてあるんですよ。行政実例はさっきいったとおりですよ。だから、ちゃんとした法理解釈をしなければならないから、いかがでしょうかと聞いているんです。認識の違いというのはあり得ないんです、条理解釈というのは。

○畔上委員 条例文をお読みいただければと思いますけれども、条例では市町村に義務づけはしておりません。その点では要綱と違いはないというふうに考えております。あくまでも判断は、私たち都として条例で、子供の医療費の助成の条例を出すということでありまして、それを受けて各市町村が、ご自身の条例をどうするかを判断するのは、その市町村に委ねられているということでございますので、条例を抑えるというような、先ほど来のご指摘でありますけれども、そういうことはないというふうに思っております。

○野島委員 済みません、それはどこから読み取れるの、この条例の。--いいや、もういい。答弁、時間かかるでしょうから、それはそれでいいです。いいですというのは、答弁を了としているんじゃないんですよ。全くかみ合ってない。だからいいといったんです。時間の浪費だから。
 それで、どこから読めるのと聞いたんですよ。どうぞ、それは市町村の裁量権ですといったらば、これ、最初の提案理由は成り立たない。だから、逆にいうと市町村が、思いますといいました。その思いが実現すればいいかと思いますよ。
 それで、きのう、貴党の尾崎議員が質問されていました。僕もぐちゅぐちゅ書きとめただけだから必ずしも正確じゃないんですが、市長会からも要望が出ており、所得制限をなくすため、都の対策が早急に求められているが、知事の見解をいただく。市町村から要望が出ているから、東京都が対応するためには、市町村に制限条例を外せということを指導しない限り--議会側じゃないですよ、執行側が。あり得ないんです。あり得ない。ただ一つ、財源担保でいっています。
 福祉施策の一環であり、一定の所得制限の自己負担は必要だと認識しています。これ、知事答弁なんです。私はという主語なんです。知事がかわりました。だから政策判断は知事です。東京都はじゃないです。私はという、東京都の知事、私はであります。それでそういうふうにいった。要するに、所得制限があることは当然ですよという認識を持っていますということなんですよ。次に、この事業の実施主体は区市町村であり、それぞれの議会においてさまざまな審議を経て条例を定め実施しているんですよ。
 だから、答弁者は先ほど、思いますといった。だけど実現するためには、東京都から、所得制限を外した条例にしなさいというふうに上から目線で--さっきいった、自治体としてはイコールなんですよ。そこに対して、上から目線でやることは地方分権に逆行するんです。そういうものだと思いませんか。
 さて、その辺にしましょう。その話を延長していきますとね、市町村のそれぞれの判断なんですよということです。仮に、条例改正しないときに、私の解釈では、補助金行政じゃないんだから、その条例改正しない限り、提案者のいったあまねくはあり得ない。市町村が条例改正すれば可能だ。
 そうすると、どういうややこしい問題が起きてくるかというと、僕はこれを精査したわけじゃないからあれなんだけれども、市長が条例改正をしないのは、東京都にこういう条例があるのにもかかわらず、やらないということは、行政処分の不作為だという監査請求が出せると思うんだ。思うんですよ、僕も詳しくは監査制度を知らないから。受理されるかどうかもわからない。市長がやるかどうかもわからない。わからないけれども、地方行政というのは、とりわけ住民に身近なところは、そういうことでちゃちがつくような条例は避けなきゃいけないんです。行政の執行の安定性を害するから。いわば信頼感なんですよ、市民との。それが担保できないんですよ、これだと。
 その先は、僕もよくわからぬけれども、具体的な逸失利益は、直さない限り生ずるんですよね。もらえないんだから、所得制限かかってる対象の人は。そうすると、さっきいった、あまねく市民の中には、東京都が条例をやってるのに、やらなくて、私は損失をこうむったという行政訴訟も案件としては可能なんです。それが具体的な利益損失にいってないから門前払いということも考えられるけれども、可能なんですよ。そういう人たちは大体、記者会見で、こういうことを提訴しましたとやるんです。そうすると、行政執行が不安定化しちゃうんですよ。基礎自治体として、行政執行の不安定化は絶対に避けなきゃいけない。そういう課題を抱えてます。
 ですから、財源の話もさっきしました。財源担保はとれてないですよね、知事がこういうふうにいってるんだから。白地手形が滑った転んだという知事の発言があったけれども、少なくとも約束手形は取りつけなきゃ、水面下でも。それと、市町村もちゃんとそういう対応してくれるということをやらなきゃいけないんです。それはあなた方の責務じゃないんです。都の責務であり、市町村の責務なんですよ。だから東京都は、こういう制度改正の場合には、協議会を持って丁寧懇切に説明するんですよ。それでも、だめだ、だめだということはありますよ。最後は、それぞれの立場ですから、東京都はこれでやらせていただきますということで協議が成り立つんです。それはなぜかというと信頼関係なんです。だから、制度改正のときには、そういうふうなちゃんとしたことをやるわけですよ。
 今回、財源担保の話は、知事のこの答弁にあったとおりだと思いますよ。約手も取りつけられてないんです。約手を取りつけたら、経費については所要の措置を講ずるというふうに書き込めばいいんですよ。幾らもらったとかなんとか、手形幾らもらったなんて、そんなことは書けないから、所要の措置を講ずるものとするということを義務づければいいんです、条例の中に。それで初めて実効性が担保されるんです。いいですよ。もうやめます。申しわけない。
 それで、最後にします。市長会からの要望がありました。そうなんです。市長会というのは法定機関ではないはずです。任意機関なんです。それぞれの市町村、市から出てきたことを、まあ、いいんじゃないのと。決していいかげんという意味じゃないですよ。そういう要望もあるなと。私たちもそういう要望書を書くんですよ。だから市長会も了承してます。歓迎はしてますよ。都が財源を持ってくれてやってくれれば、歓迎しますよそれは。
 前、こういう話がある。固定資産税の減免。知事が選挙中に多摩で街頭演説でいったんです。たしか区部は減免してたんじゃないかな、率を落としてたはずだ。三多摩は落とせない。税財政制度が違うんだから無理なんです。それぞれの市が判断すればいいことなんです。でも、市長会は、いったんだからやれやれと来た。こっちもいろいろ知恵を絞って、これ、執行側じゃないですよ、我々ですよ、議会サイド。じゃあ、やろうじゃないかと。ただし、都内でこれだけだからこれだけだ、半分は持つようにしようかと、半分はあなた方が持たなければ成り立たないの。条例じゃないんだから、それぞれ。二十三区の条例と多摩の税条例は、枠組みが違うんです。だから、別途で面倒を見ますよと、ただし半分だと。そしたら市長会の方は、え、そんな負担が出るんですか。当たり前なんですよ。それで押し切りました。押し切ったというのは、実施したわけじゃないですよ。
 三多摩の市長は、ほぼ、その当時、私どもの立場と一にしてました。それでも私どもは、こういうことはいわぬ方がいいんじゃないですかというふうにいいましたよ。それでこの二百円、このときもいろんな経過がありました。それはまだ生々しいから、きょうはいわない。ということなんですね。
 ですから、もう質疑は終わります。条理解釈をすることで、私と意見が合いませんでした。それと、この条例は、ある意味では、財源担保の問題、所要の措置を講ずるも入ってない、市町村に、私からすれば、義務づけなければ成り立たないことについて、補助金行政と一緒ですよという答弁なんですよ。そんな条例ないんですよ。
 したがって、いかがでしょうか、提案者さん、条例を撤回されてはいかがでしょうか。あるいは、私どもも答弁できなかったから、私も、必ずしも正鵠を得た質疑をしていると思ってない。したがって、共産党さんから、ぜひ継続審査にしてくださいというお願いもあれば、それは一つの方法でしょうから、判断はそちらに委ねます。きょうは質疑でございますので、これで質疑を終わります。ありがとうございました。三十分ちょっと過ぎちゃった。おわびを申し上げます。--いや、いいんだよ、もう俺が終わったといっているんだから。

○小林委員長 質疑者が答弁を求めておりませんので。

○畔上委員 撤回したらどうかって。

○野島委員 いやいや、私は提案しただけなんだよ。採決はあさってだから、別に今ここでいうことじゃないんだよ。

○畔上委員 委員長、先ほどのご意見に。

○野島委員 いや、いいんですよ、終わったんだから。

○小林委員長 答弁を求めておりませんので。

○畔上委員 委員長、まだきちんと答弁したいところが残っておりますので、ぜひお願いいたします。

○野島委員 いいんですよ、終わったんだから。

○小林委員長 質疑者が答弁を求めておりませんので、これは差し控えてください。
 ほかに発言ございませんでしょうか。

○上田委員 るるすばらしいご議論の方を拝聴させていただきました。私の方は意見表明ということでございます。
 所得制限というものの考え方につきましては賛否が分かれるところであると思います。ただ、所得制限するならする、しないならしないというのがあって、あるときはお金持ちから取りましょうとか、あるときは所得制限なしということに関する違和感というのは、我が会派は持っておりました。
 今回のご提案に関しては、私も子育て真っ最中の保護者でもございますし、そうした格差が本来あってはならないとは思うんですけれども、税制競争の中での格差というのもあったりもします。頭を切るようなこともあってはいけませんし、野島委員もおっしゃっていたところと私は共通するのが、やはり各区市町村が自主裁量権を持ち考えていくことが、多少でこぼこがあっても、本当に見るに見かねた子供の貧困の問題とか手を差し伸べなきゃいけない喫緊の課題は別といたしましても、苦労しながら、乾いた雑巾を絞ってでも、各自主経営権に委ねられているところでございまして、今回のような一律としたものを都が提唱していいのかということを我が会派は議論したところでございます。
 あわせて予算措置が、一応ちょっと調べさせてもらったら、これは四十七億ということを仄聞しておりますが、十年もたちますと四百七十億になります。このたびの決算で私どもは、法人二税が二〇二六年、ちょうど十年後に福祉費を上回るというような算定をさせていただいている中におきまして、財源的には厳しいのではないのかなというような感想を、この条例提案において読ませていただいたところであります。
 きょうの議論も含めまして審査には参考にさせていただきたいと思います。これが私どもの意見表明でございます。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十二分散会

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