委員長 | 斉藤やすひろ君 |
副委員長 | 栗山 欽行君 |
副委員長 | 両角みのる君 |
理事 | 高倉 良生君 |
理事 | 早坂 義弘君 |
理事 | 山加 朱美君 |
西沢けいた君 | |
和泉なおみ君 | |
中山 信行君 | |
和泉 武彦君 | |
島田 幸成君 | |
畔上三和子君 | |
小宮あんり君 | |
野島 善司君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉保健局 | 局長 | 梶原 洋君 |
次長理事兼務 | 砥出 欣典君 | |
技監 | 笹井 敬子君 | |
総務部長 | 山岸 徳男君 | |
指導監査部長 | 松浦 慎司君 | |
医療政策部長 | 西山 智之君 | |
保健政策部長 | 上田 隆君 | |
生活福祉部長 | 芦田 真吾君 | |
高齢社会対策部長 | 西村 信一君 | |
少子社会対策部長 | 松山 祐一君 | |
障害者施策推進部長 | 高原 俊幸君 | |
健康安全部長 | 小林 幸男君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 後藤 啓志君 | |
事業推進担当部長 | 坂本 尚史君 | |
医療改革推進担当部長 | 成田 友代君 | |
医療政策担当部長 | 矢沢 知子君 | |
地域保健担当部長 | 本多由紀子君 | |
生活支援担当部長 | 高橋 博則君 | |
施設調整担当部長 | 村田 由佳君 | |
子供・子育て施策推進担当部長 | 横手裕三子君 | |
障害者医療担当部長 | 平賀 正司君 | |
食品医薬品安全担当部長 | 仁科 彰則君 | |
感染症危機管理担当部長 | 矢内真理子君 | |
担当部長 | 奈良部瑞枝君 |
本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
報告事項
・東京都東村山ナーシングホームの民設民営施設への転換について(説明)
・平成二十七年度東京都一般会計予算(福祉保健局分)の繰越しについて(説明・質疑)
請願陳情の審査
(1)二八第三号 十八歳までの子どもの医療費の無料化を求めることに関する請願
(2)二八第四号 安心して住み続けられる介護保険制度の充実を求めることに関する請願
(3)二八第六号 医療等に係る消費税問題の抜本的な解決に関する請願
(4)二八第八号 安全・安心の医療・介護の実現のための夜勤改善・大幅増員に関する請願
(5)二八第五号の二 軽度外傷性脳損傷・脳しんとうの周知と予防、危険性等の相談窓口等の設置に関する陳情
(6)二八第二一号 都議会議員及び都職員による動物殺処分施設の視察に関する陳情
(7)二八第二九号 動物愛護施策の推進に関する陳情
(8)二八第三三号 障がいへ表記を改めることに関する陳情
○斉藤委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
このたびの熊本地震により被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
ここに、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
皆様、ご起立をお願いいたします。
黙祷。
〔全員起立、黙祷〕
○斉藤委員長 黙祷を終わります。ご着席ください。
○斉藤委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、ご紹介します。
議案法制課の担当書記の矢野菜詠子さんです。
よろしくお願いいたします。
〔書記挨拶〕
○斉藤委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
次に、先般の人事異動に伴い、病院経営本部の幹部職員に交代がありましたので、病院経営本部長より紹介があります。
○真田病院経営本部長 四月一日付で当本部の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
特命担当部長の谷田治でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○斉藤委員長 紹介は終わりました。
○斉藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、報告事項の聴取並びに請願陳情の審査を行います。
なお、福祉保健局関係の提出予定案件並びに報告事項、東京都東村山ナーシングホームの民設民営施設への転換についてにつきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をするにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項、平成二十七年度東京都一般会計予算(福祉保健局分)の繰越しについてにつきましては、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
これより福祉保健局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、福祉保健局長から紹介があります。
○梶原福祉保健局長 それでは、説明に先立ちまして、このたびの人事異動によりまして当局幹部職員の交代がございましたので、新任幹部職員を紹介させていただきたいと存じます。
指導監査部長の松浦慎司でございます。少子社会対策部長の松山祐一でございます。生活支援担当部長の高橋博則でございます。子供・子育て施策推進担当部長の横手裕三子でございます。特命担当部長の奈良部瑞枝でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○斉藤委員長 紹介は終わりました。
○斉藤委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○梶原福祉保健局長 平成二十八年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
今回、ご審議をお願いいたします議案は、条例案二件でございます。
お手元の資料、平成二十八年第二回東京都議会定例会条例案の概要をごらんください。資料の順に沿ってご説明をいたします。
一ページをお開き願います。整理番号1、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例でございます。
介護保険法施行規則の改正を踏まえ、介護サービス情報の調査対象とされた地域密着型通所介護を追加するものでございます。
この条例は、平成二十八年十月一日から施行することとしております。
整理番号2、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
女性福祉資金貸付事業の充実を図るため、貸付利率を引き下げるとともに、就職支度資金の貸付限度額を引き上げるほか、規定を整備するものでございます。
この条例は、公布の日から施行することとしておりますが、改正後の規定は平成二十八年四月一日から適用することとしております。
条例案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、平成二十八年第二回東京都議会定例会条例案をご参照いただきたいと存じます。
以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○斉藤委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取します。
初めに、東京都東村山ナーシングホームの民設民営施設への転換について、報告を聴取いたします。
○村田施設調整担当部長 東京都東村山ナーシングホームの民設民営施設への転換、第二期の指定介護老人福祉施設分につきまして、お手元の資料、厚生委員会報告事項によりまして、ご説明をさせていただきます。
表紙をおめくりいただきたいと存じます。
一ページをごらんください。1、対象施設でございますが、東京都東村山ナーシングホームでございます。
施設の所在地、定員及び開設時期に関しましては、記載のとおりでございます。
現在の運営形態につきましては、都立の直営施設として運営をしております。
2、運営形態の見直し及び施設整備の概要でございますが、運営形態の転換に伴いまして、指定介護老人福祉施設、特別養護老人ホームにつきまして、規模を拡大して東村山キャンパス内に整備をいたします。
施設整備は二期に分けて行うこととしておりまして、第一期は平成二十九年度末の開設に向け、平成二十六年度に整備、運営事業者を決定しております。引き続き、平成三十一年度末に開設予定の第二期指定介護老人福祉施設を整備いたします。
3、第二期施設の定員規模でございますが、定員を九十名とし、ショートステイを併設いたします。
第一期施設の定員は現行と同じ百六十一名としておりまして、第二期施設と合わせまして二百五十一名とすることにより、民設民営化による指定介護老人福祉施設の定員を拡大いたします。
東村山ナーシングホームでございますが、第一期施設において現入所者の受け入れ終了後、廃止をいたします。
4、施設整備・運営法人の選定及び施設整備予定地の取扱いでございますが、第二期施設は、審査基準を定めまして、第一期施設と同様に公募により適切な法人を選定し、同法人による整備、運営といたします。
また、新施設建設に要する土地に関しましては、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業として、都有地の貸し付けを行う予定でございます。
5、第二期施設の今後のスケジュールでございますが、平成二十八年六月に公募を実施し、平成二十九年三月に事業者を決定いたします。平成三十年度中に工事着工いたしまして、平成三十一年度末に開設をする予定でございます。
資料の二ページ目は、東村山キャンパスの施設の配置図でございます。
報告事項は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○斉藤委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○斉藤委員長 次に、平成二十七年度東京都一般会計予算(福祉保健局分)の繰越しについて報告を聴取いたします。
○山岸総務部長 平成二十七年度東京都一般会計予算の繰り越しにつきましてご報告をさせていただきます。
お手元の資料、厚生委員会報告事項の三ページ、平成二十七年度一般会計繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
五ページをお開き願います。繰越総括表でございます。
表の右から二列目、繰越明許費予算議決額の欄に記載のとおり、平成二十七年度最終補正予算で一億七千五百七十四万七千円につきまして、繰越明許費として議決をいただいております。このうち、執行見込みの状況を踏まえまして、右側、翌年度繰越額の欄に記載のとおり、歳出予算一億二千四十万三千円を今年度に繰り越すものでございます。
その財源といたしましては、繰越財源内訳の欄に記載のとおり、全額繰越金でございます。
次に、六ページをお開き願います。事項別内訳でございます。
資料右側の説明欄をごらんください。事業名は、市場衛生検査所整備でございます。
繰越理由に記載しておりますように、市場衛生検査所の移転改築工事につきまして、平成二十七年度内に工事が完了しなかったため、今年度に繰り越して支出をするものでございます。
以上が平成二十七年度東京都一般会計予算の繰り越しについての報告でございます。よろしくお願いを申し上げます。
○斉藤委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
○斉藤委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
初めに、請願二八第三号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○上田保健政策部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号1、請願二八第三号は、豊島区の新日本婦人の会東京都本部会長の佐久間千絵さん外九千八百八人から提出されたものでございます。
請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
第一に、十八歳までの医療費負担を無料にすること。
第二に、国の制度として、十八歳までの医療費負担を無料にするよう国に働きかけること。
以上の二点でございます。
現在の状況についてご説明させていただきます。
第一についてですが、子供の医療費助成事業の実施主体は区市町村であり、それぞれの自治体が条例を定め、医療保険の自己負担額を助成しております。
都は、乳幼児は病気にかかりやすく、親の年齢が一般的に若く収入が低いこと、また、小中学校の学齢期は人間形成の核となる重要な時期であることから、市町村が実施する乳幼児医療費助成事業及び義務教育就学児医療費助成事業に対し補助を行っております。これらは、子育てを支援する福祉施策の一環であることから、児童手当に準拠した所得制限を設けるとともに、義務教育就学児医療費助成事業は、通院については自己負担額から一部負担金、通院一回につき二百円を控除した額を補助対象としております。
第二についてですが、都は、毎年国に対し、少子化対策の観点からも乳幼児医療費の患者一部負担金の割合を現行の二割からさらに軽減するとともに、対象年齢を義務教育終了まで拡大することを提案要求しております。
また、全国知事会などを通じて、子供の医療費助成制度の創設など子供に対する医療費の負担軽減に取り組むよう要望しております。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○和泉(な)委員 本請願は、十八歳までの子供の医療費の無料化を都に対して求めるとともに、国の制度として十八歳までの医療費負担を無料にするよう働きかけることを都に求めています。
本請願にあるとおり、東京都は、所得制限はあるものの、中学生までの医療費助成を実施しています。
国民健康保険料の算定方法が変わったことで賦課基準額が上がり、被保険者の数に応じて均等割がかかり、保険料の負担が重い状況で子供が病気やけがのときに、医療費の心配をせずに病院に行けるのは、子育て世帯にとって本当に助かります。
しかし、現状では、安心して病院にかかれるのは義務教育まで。中学を卒業すると、医療費は三割負担になります。高校になると、義務教育とは比較にならないほどお金がかかります。その上、病気やけがの医療費もかかるとなれば、一気に家計の負担は増します。
そこで伺いますが、義務教育中の一人当たり医療費の平均額、十六歳から十八歳までの一人当たり医療費の平均額は幾らになるんでしょうか、それぞれお答えください。
○上田保健政策部長 厚生労働省の統計では、年齢階級別の年間の一人当たり医療費はおおむね、義務教育年齢に相当する五歳から九歳が十二万一千八円、十歳から十四歳が八万八千五十五円でございます。
また、十六歳から十八歳を含む十五歳から十九歳は、七万百四十二円となってございます。
○和泉(な)委員 十五歳から十九歳になると、若干医療費の負担が減っていくと、少しずつ病院にかかる回数も減っていくということが数字にもあらわれていると思います。
けれども自分の、私自身の子育て時代の経験から見ても、それはいえるんだと思いますが、厚生労働省の資料を見ても、平均並みに病院にかかったとして、二十三区の場合だと一万六千円を超える負担が新たに発生することになります。まして持病のある子供さんや病弱な子供さんの家庭では、さらに大きな負担となります。格差と貧困が広がっている中で、子供の医療費助成を高校生まで広げてほしいという要求は、より切実さを増していると思います。
都内の区市町村で、独自に十八歳までの医療費助成を行っている区市町村は幾つあるのか伺います。
○上田保健政策部長 都内で独自に十八歳までの医療費助成を行っているのは、平成二十八年四月一日現在、六区町村でございます。
千代田区、日の出町、奥多摩町、神津島村、新島村につきましては、保険診療の自己負担分について、入院、通院ともに助成対象としており、北区は入院のみを助成対象としております。
また、神津島村、新島村は、それぞれ、村内の高校に在学する生徒に対して医療費助成を行っております。
○和泉(な)委員 都内でも既に自治体独自の支援が始まっているというわけです。
全国的にはどうなんでしょうか。ほかの県、市町村で十八歳まで医療費助成を行っている自治体について、都は把握しているんでしょうか。
○上田保健政策部長 全国で十八歳までの医療費助成を行っている都道府県は、平成二十七年四月一日現在で、福島県、新潟県の二県でございます。
福島県は、保険診療の自己負担分について、入院、通院ともに助成対象としております。
新潟県は、入院は小学校卒業まで、通院は三歳未満までを対象に助成を行っておりますが、子供が三人以上いる世帯についてのみ、高校卒業まで医療費助成を行っております。
また、全国の千七百四十二区市町村のうち、二百七十七の自治体が入院、通院ともに助成対象としてございまして、十五の自治体が入院のみを助成対象としております。
○和泉(な)委員 平成二十七年四月一日現在の状況ということでご答弁をいただきましたが、今年度の四月一日から、鳥取県でも十八歳まで助成が広がっているということです。県レベルでも、既に医療費助成の拡大に足を踏み出しています。
市町村では、都内も入れて二百九十二もの自治体が実施しているということになります。都としても、ぜひ十八歳までの医療費助成を実施する必要があるんじゃないかと思います。
東京で十八歳まで医療費助成の対象を拡大した場合の見込み額について、第一回定例議会の予算特別委員会で、我が党の大山議員の質問に対して都は、約六十四億円と試算しました。これはどのようなデータに基づいて算出されたんでしょうか、伺います。
○上田保健政策部長 厚生労働省が算出した平成二十五年度の十五歳から十九歳までの一人当たり医療費七万百四十二円に、平成二十七年一月の都内の十六歳から十八歳の人口三十万四千九百六十七人を乗じ、さらにその自己負担分の三割を乗じて試算したものでございます。
○和泉(な)委員 六十四億円あれば、十八歳までの子供の医療費無料化を都において実現することができるということです。東京都なら十分にできるんじゃないかというふうに思います。
子供の貧困が大きな問題となっている中で、都も子供の貧困対策に足を踏み出しています。家庭の経済状況にかかわらず安心して病院にかかることができる、その医療費助成の拡充は貧困対策にもつながると思いますが、都の認識を伺います。
○上田保健政策部長 医療保険制度は、相互扶助の精神に基づき、個人のリスクを加入者相互において分担し、一定の負担割合で医療サービスを受けることができる制度でございます。
また、低所得者に対しましては、高額療養費制度により、所得に応じて月ごとに負担する医療費の上限が定められてございます。
都が市町村に対して補助を行っている義務教育就学期までの医療費助成事業は、乳幼児は病気にかかりやすく、親の年齢が一般的に若く収入が低いこと、また、小中学校の学齢期は人間形成の核となる重要な時期であることから、子育て推進の一環として実施してございます。
○和泉(な)委員 医療保険制度というのは、相互扶助の精神に基づき、個人のリスクを加入者相互において分担するという答弁ですが、公的医療保険に対する都の認識がそういうことだとすれば、大変重大な答弁だというふうに私は思っています。公的責任というのは一体どこに行っちゃったんでしょうか。それでは、民間の医療保険と変わらないということになるんじゃありませんか。
しかし、あらゆる人に医療を受ける権利を保障する、そのために皆保険制度があるんです。そして、本当に医療を保障するためには、三割という自己負担が高過ぎるんだと、そういう請願内容なんです。都民の暮らしの実態と向き合っているとは、とても思えない答弁だといわなければいけません。
高額療養費制度のことも話されましたが、住民税非課税の世帯の一カ月の負担限度額は、三万五千四百円ですよ。しかも、これは暦月で計算しますから、月をまたいだら、それぞれの月で三万五千四百円、限度額まで負担しなければならないんです。課税世帯なら、さらに限度額は上がります。限度額は、この間引き上げられてきて、決して軽い負担ではありません。
さらに、今、年収が低いのは、乳幼児のいる若い世代だけではありません。子供の貧困が広がっている現実と向き合っていただきたいと思います。
十六歳から十八歳まで、平均するとこの年代が他のどの年代よりも一人当たりの医療費が低くなっています。ということは、医療費助成に係る都の負担も最も低くて済むはずです。しかし、それでも一つ一つの家庭にとっては、やはりその負担が重くなるんです。
本請願の求める切実な要求に都としてしっかり向き合って、子育てから不安な要素を取り除く最大限の努力をするべきだし、東京で暮らす全ての子供の健やかな成長を守るために都ができることは全てやる、そういう姿勢があってしかるべきだと思います。
その立場から、本請願は採択されるべきだと意見を述べ、質疑を終わります。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立少数と認めます。よって、請願二八第三号は不採択と決定いたしました。
○斉藤委員長 次に、請願二八第四号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○西村高齢社会対策部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
三ページをお開き願います。整理番号2、請願二八第四号、安心して住み続けられる介護保険制度の充実を求めることに関する請願は、豊島区の新日本婦人の会東京都本部会長の佐久間千絵さん外一万二百七十七人から提出されたものでございます。
請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
第一に、介護保険におけるサービス利用料の二割負担を撤回するよう国に要望すること。
第二に、要支援一、二の者に対する予防給付のサービスのうち、訪問介護及び通所介護を制度の見直し前と同様に予防給付により、利用できるよう国に要望すること。
第三に、低所得者に対し、保険料及び利用料の減免を実施すること。
第四に、介護関連の施設及び事業所が維持できるように補助をすること。
第五に、在宅で介護している世帯へ在宅手当を支給することというものでございます。
現在の状況でございますが、第一につきましては、平成二十七年の介護保険制度改正では、保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、制度の持続可能性を高めるため、合計所得金額百六十万円以上の方の介護サービス利用に係る自己負担について、これまでの一割負担から原則二割負担とされました。ただし、合計所得金額が百六十万円以上であっても、実質的な所得が二百八十万円に満たないケースや二人以上世帯における負担能力が低いケースを考慮し、年金収入とその他の合計所得金額の合計が、単身で二百八十万円未満や二人以上世帯で三百四十六万円未満の場合には、一割負担に戻す措置が講じられています。
第二につきましては、平成二十七年の介護保険制度改正により、従来、予防給付として提供されていた訪問介護、通所介護は、これまでの専門的なサービスに加え、住民等が参画する多様なサービスの充実により、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とし、地域の支え合いの体制づくりを推進することを目的に、平成二十九年度末までに区市町村の実施する地域支援事業に移行することとされています。
第三につきましては、六十五歳以上の方の介護保険料は、所得等の状況に応じて段階的に設定されており、平成二十七年の介護保険制度改正においては、区市町村民税非課税世帯の方を対象に公費の投入による保険料軽減策の強化が図られています。
また、月々の利用者負担額が一定の上限額を超えた場合には、超えた分が払い戻される高額介護サービス費の仕組みがあり、その上限額は所得等に応じて段階的に設定されています。
さらに、国は、社会福祉法人等による生計困難者等に対する利用者負担軽減の仕組みを設けており、都はこの仕組みをもとに、対象サービスや事業主体を独自に拡大して利用者負担の軽減を図っています。
第四につきましては、介護サービス事業は、サービス提供の対価として事業者に支払われる介護報酬等により運営されることが基本であり、都は国に対し、事業者が介護人材の定着、確保を図り、健全な事業運営を行うことができる介護報酬とするよう提案要求をしています。
第五につきましては、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして平成十二年に創設された介護保険制度では、施設入所者のみならず、在宅の要介護高齢者に対しても必要な介護サービスが提供されています。
また、家族介護者の支援については、介護保険制度の地域支援事業の一つに位置づけられており、区市町村は、リフレッシュ機会の確保など、さまざまな取り組みを実施しています。都は、これに加え、区市町村の先駆的な取り組みを包括補助で支援するとともに、家族介護者のレスパイトに有効なショートステイや小規模多機能型居宅介護など、在宅介護を支えるサービス基盤の整備を推進しています。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○畔上委員 下流老人、また老後破産などという言葉がマスコミにも頻繁に登場するようになっていますけれども、中間層の疲弊と貧困の新たな広がりが深刻になっております。
私のところにもさまざまな声が寄せられておりますが、年金だけでは暮らしていけず働いていましたけれども、体を壊して仕事をやめざるを得なくなり、不安ですというふうにおっしゃった方は八十三歳の女性です。
また、認知症になった妻が施設に入ったばかりという男性は、施設へ支払うお金は月約十五万、貯金を取り崩しながらの生活になって、不安で不安で仕方がないというふうにおっしゃっていました。
請願でも書かれていたように、安心して介護が受けられるようにすることは国の責務です。
ところが、現実はどうでしょうか。昨年の四月からの介護報酬引き下げと介護保険制度の改正によって、事業者にも利用者にも深刻な事態が生まれているわけです。
まず、利用料の二割負担の問題です。昨年の介護保険改定において介護利用料が二割負担になった方の割合、そして人数はどうなっているのか、まずお伺いしたいと思います。
○西村高齢社会対策部長 昨年の八月一日時点で、要介護や要支援の方、認定申請中の方の数は合わせて五十五万一千百二十人でございまして、そのうち、利用者負担割合が二割の方は八万六千六百九十七人、一五・七%となっております。
○畔上委員 つまり、六人に一人が二割負担というふうになったわけですね。しかも、今ご答弁あったように八万六千人を超える人ですから、影響は大変大きいと思います。
基準は、先ほどご説明があったように、単身で二百八十万以上、二人以上の世帯では三百四十六万以上ということであります。
国は当初、この収入の人たちなら、年間六十万くらいはお金が余って経済的に余裕があるはずだということで二割負担を導入したわけですけれども、国会で我が党の小池議員が、その世帯の実際の可処分所得が政府の家計調査で平均年百九十七万しかない、そういうことを明らかにいたしました。
そういう中で、政府も、余裕があると、この説明は撤回をいたしました。この説明は撤回したんですけれども、負担増を強いる根拠を失ったにもかかわらず、この法案は撤回しないで二割負担を導入したわけであります。
この二割負担になった影響調査を私はやるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○西村高齢社会対策部長 都は、六十五歳以上の都民を対象に高齢者の生活実態調査を定期的に実施しており、その中で、経済状況や介護サービスの利用状況についても把握しております。
○畔上委員 この三月に発表いたしました平成二十七年度東京都福祉保健基礎調査、高齢者実態調査、この速報、それから単純集計結果も見させていただきましたが、わかるのは本人の収入で、しかも二百八十万円が区切りになっていませんから、本人が何割の負担なのかわからないわけです。
また、介護の要認定を受けた人がサービスを受けていなかったり、それから抑制していたりと、こういう実態も調査はされていらっしゃらないわけですから、これをもって調査をしているというふうには、私はいえないと思います。
この調査では、約四割の高齢者の方が、ほぼ毎月赤字か時々赤字というデータも出ていました。そういう中での二割負担がどれだけ家計を苦しめているのか、やはり具体的にしっかりと把握することが私は大事だというふうに思うわけです。
例えば、脳梗塞で倒れた要介護五の夫、八十五歳の方を三十年間、在宅で介護されていて、一昨年末にようやく入れた特別養護老人ホームの利用料は、月額九万八千円だったものが、去年の夏から二割負担になって十三万円に一挙にふえたという女性はこういっています。年金収入は夫婦合わせて月三十万円、将来、ひとり暮らしになったときの蓄えもできない。
国に対して利用料の二割負担の撤回を求めるべきだと考えますけれども、いかがですか。
○西村高齢社会対策部長 先ほどご説明申し上げましたとおり、平成二十七年の介護保険制度改正では、保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、制度の持続可能性を高めるため、一定以上の所得のある方の介護サービス利用に係る自己負担について、これまでの一割負担から二割負担とされたものでございます。
また、実質的に負担能力の低い場合には、一割負担に戻す措置が講じられております。
こうしたことから、介護サービス利用に係る二割の自己負担について、撤回を国に求める考えはございません。
○畔上委員 先ほど事例を申し上げましたけれども、やはり東京都はこういう都民の、高齢者と家族の不安に本当にしっかり寄り添って、国にいうべきことはいう、それをしっかりやっていただきたいと思うんです。
介護保険料の上昇を可能な限り抑えて、持続可能性を高めるためというふうに、今ご答弁されましたけれども、制度が幾ら持続されても、生活が持続しない、こんなことがあったら元も子もないじゃないですか。
そもそも現在の介護保険制度は、サービスの利用がふえて介護職の労働条件を改善すれば、直ちに利用料の負担が上がる、保険料にはね返るという、この根本矛盾を抱えているわけですね。この介護保険料を抑えようとすれば、結局利用料がはね上がる、介護保険の対象を縮小する、こういうやり方になってしまうわけです。
本当に誰もが安心できるような、そういう介護保険制度を本当に持続可能な制度にするためには、やはり国庫負担、国の負担の割合を段階的に五〇%まで引き上げていく、そして公費の割合を七五%に引き上げる、そういうふうにしていくべきだと思います。もちろん、その公費負担の財源は、国民生活にも経済にも打撃になるような消費税じゃなくて応能負担の原則に立った税金の集め方をする、そういう税制改革をするだけでできると思います。
タックスヘイブンを利用した課税逃れが今、大問題になっていますけれども、この法人税だけでも世界では、二十兆から三十兆と国会の答弁の中でも出ていました。こうした不公平を正すことがやはり今、重要なんだというふうに思います。
介護保険の国庫負担の引き上げで介護利用料の二割負担の撤回、これは議会としてもやっぱりいわなきゃいけないと思いますし、東京都としてもしっかりと国にいっていただきたいと、意見として申し上げておきたいと思います。
介護報酬の改定では、基本報酬を平均四・四八%も下げました。職員体制に応じた加算などは上乗せできたとしても、引き下げの幅は二・二七%と過去最大規模になったわけです。とりわけ小規模のデイサービスは、要介護者で平均九・二%以上の大幅減となりました。
前回の委員会でも一部紹介しましたけれども、東京都高齢者福祉施設協議会が昨年の九月に行った特養ホームの調査では八%の施設が入所を制限していて、ある施設入所制限をしている、そういう都内の施設では、重度化に見合って介護職員の配置基準を見直し介護報酬を引き上げなければ人が集まらない、ネックは職員の賃金だといっているわけですね。
都が、福祉人材不足対策ということで、今年度から新たに介護職員の宿舎借り上げ支援事業をスタートしたことは前進だと思います。しかし、現場からは、介護職員の賃上げ、介護報酬の引き下げ撤回をしてほしいという切実な声も上がっているわけです。
都は国に対し、介護人材の定着、確保を図り、健全な事業運営ができる介護報酬となるよう提案要求していると、先ほどご説明がありました。その健全な事業運営が、本当にこれまで頑張ってきた事業所などで崩れてきているわけなんですね。
東京都は、昨年の介護報酬の引き下げの影響についてどういう見解を持っていらっしゃるんでしょうか。
○西村高齢社会対策部長 昨年四月の介護報酬改定については、国の社会保障審議会の答申に基づき行われたものでございまして、改定率は、賃金や物価の状況、平成二十六年の介護事業経営実態調査での各サービスの収支状況等を踏まえて算出されたものと認識しております。
事業者の運営状況につきましては、第七期の高齢者保健福祉計画策定に向けた取り組みの中で、必要な調査等を行ってまいります。
○畔上委員 調査はしっかりやっていただきたいと思うんですが、今、介護事業経営実態調査を踏まえて算出というご答弁があったんですが、やっぱり現場の実態をよく、詳細に把握していただきたいと思うんです。
ある機能訓練が中心というデイサービスの事業所は、介護報酬引き下げで一〇%収入が減少したと。処遇改善加算をとるために職員の方が介護福祉士の資格を取得した、それでも苦しいと。一番の基本は、やっぱり介護基本報酬なんだと。利用者がお休みすると死活問題になっている現状だけれども、利用者さんには本当にやめないでくれというふうにいわれて踏ん張っていますということでした。
また、ある小規模デイサービスでは、対応策として職員の夏のボーナスを中止した。自分の役員報酬を大幅に減らし、手取りは月八万にした。貯金を取り崩す生活です。施設改修の積み立てなど、とてもできませんといっています。
そもそも、介護報酬を引き下げる前でも、介護現場は厳しい状況なわけです。公益財団法人の介護労働安定センターの二〇一四年度介護労働実態調査によりますと、介護職員の働く上での悩みなどは、人手が足りない、仕事内容の割に賃金が低い、有給休暇がとりにくいなど、介護職員の採用が困難な理由は、賃金が安い、社会的評価が低い、仕事がきついということでした。
この調査の結果を、都はどのように認識していらっしゃるんでしょうか。
○西村高齢社会対策部長 都内の介護関係職種の有効求人倍率は全職種平均より高く、求人に対して人材が不足しておりまして、介護労働実態調査における、人手が足りない、仕事がきつい等の回答は、こうした状況を反映した結果であると考えております。
また、同調査における仕事の内容の割には賃金が低い、社会的評価が低いという回答は、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの仕組みが十分でないことなどが原因と考えております。
こうしたことを踏まえ、都は、昨年度から国のキャリア段位制度を活用して、キャリアパスの導入に取り組む介護事業者への支援を独自に行っているところでございます。
○畔上委員 私も読んだんですけれども、同じ調査の中に、採用困難な理由というところは、キャリアアップの機会が不十分だというのは約一割、八・七%ですよね。やっぱり、素直に賃金自体が問題だという結果を受けとめていただきたいと私は思うんです。
人手についていいますと、確かに、採用できずに職員が不足して、仕事が大変で離職を招くという悪循環もありますが、基本的には職員配置基準は満たしているはずですから、そもそも基準が低過ぎるということを考える必要があると思うんです。基本の賃金の引き上げとともに、職員の配置基準を引き上げられるような補助を東京都として実施すべきだということを意見として申し上げておきたいと思います。
また、従来、予防給付として提供されていました訪問介護、それから通所介護を区市町村の地域支援事業に移行するという問題についてです。
今、各区市町村での介護予防・日常生活支援総合事業が順次スタートし始めておりますが、要支援の訪問と通所サービスの総合事業に移行したことによって--総合事業に移行しても今期はサービス水準を下げないというふうにしているところもあれば、事業所がこれ以上の収入減に歯どめをかけなければ事業は続けられない、そういうことで利用制限を始めましたというところが出てくるなど、さまざまな影響が予想されるわけです。
総合事業に移行した区市町村の介護予防訪問介護などのサービスの実施状況を、東京都として把握されているんでしょうか。
○西村高齢社会対策部長 介護保険制度改正に伴いまして、本年四月までに地域支援事業の総合事業に移行した三十二区市のうち、従来の介護予防訪問介護及び介護予防通所介護に相当するサービスを実施しているのは三十区市でございまして、実施していない二区においても、独自に基準や報酬体系等を設定して訪問型サービスや通所型サービスを実施しております。
○畔上委員 介護保険制度は、要介護、要支援認定を受けることがサービスを受ける前提となっているわけですけれども、総合事業は、要支援認定を受けなくても、非該当も対象になっています。
国は、要支援を介護保険から外していくという方向なわけです。利用者にとって介護の現行水準を下げることのないように、東京都としては、やはりしっかり目配りしていただいて、指導、援助すべきだということを要望しておきたいと思います。
この問題の最後ですが、家族の介護者支援を行う際には、やはり介護だけではなくて、仕事や子育て、そのほか家族の状況や経済状況など、その方の生活全般、これを考慮すべきだと考えるわけですけれども、いかがでしょうか。
○西村高齢社会対策部長 高齢者を介護する家族の不安や悩みに応えられる相談支援を行うためには、家族介護者の生活全般の状況を踏まえる必要がございます。
このため都は、高齢者や家族の総合相談窓口でございます区市町村の地域包括支援センターの職員に対する研修におきまして、本人だけでなく、介護者の生活状況も踏まえた相談支援に関する演習を盛り込んでおります。
また、介護支援専門員の研修につきましても、国のカリキュラムの見直しを踏まえまして、家族への支援の視点が必要な事例を用いた講義、演習を今年度から実施することとしております。
○畔上委員 私は、家族支援の一つとして経済的負担軽減、これは大変重要な施策だと思います。
負担がふえて、介護で疲れ、外に出て発散したいけれども、自宅でじっとしています。地域に出ればお金がかかる、つき合いもある。つき合いを断るぐらいなら最初から外に出ない。こういう声も伺いましたが、介護している高齢者の中にも、孤独な方もふえているんじゃないでしょうか。ショートステイや小規模多機能施設の宿泊はお金の都合で利用を控えている、こういう人もいらっしゃるわけです。
東京都が一月に行いました都民の意識調査では、六六・五%の方が住みなれた地域で暮らしたい、こういうふうにいっております。介護が必要になったときでも地域で暮らし続けられるためには、やはり特別養護老人ホームの増設など、施設整備とともに、誰もがお金の心配なく在宅介護や看護、これが受けられるように在宅手当を支給する、このことを求めておきたいと思います。
請願は、私は採択すべきだと思います。そのことを申し上げて終わりたいと思います。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立少数と認めます。よって、請願二八第四号は不採択と決定いたしました。
○斉藤委員長 次に、請願二八第六号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○西山医療政策部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明をさせていただきます。
整理番号3、請願二八第六号、医療等に係る消費税問題の抜本的な解決に関する請願は、千代田区の東京都医師会会長の尾崎治夫さんから提出されたものでございます。
請願の趣旨は、国民と医療機関等に不合理な負担を生じさせている、医療等に係る消費税問題の抜本的な解決を求める意見書を、国に対して提出していただきたいというものでございます。
現在の状況についてご説明させていただきます。
現在、国は、中央社会保険医療協議会の診療報酬調査専門組織である、医療機関等における消費税負担に関する分科会において、過去の消費税導入及び改定時の対応と経過を検証し、医療機関等における消費税課税等の状況を把握するとともに、今後の消費税引き上げに向けた対応等について、検討を行っています。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○和泉(な)委員 東京都医師会から提出された医療等に係る消費税問題の抜本的な解決に関する請願について意見を述べます。
消費税は、負担するのは消費者ですけれども、納税義務は事業者にあります。通常、売り上げによって発生した消費税から、生産または仕入れ段階で負担した消費税を差し引いて、消費税の納税額が決まります。
けれども、医療費の場合には、非課税と、消費税非課税となっているために、医療機関は、仕入れの段階で負担した消費税をどこからも控除することができず、丸々負担することとなります。
これが不合理な消費税問題ということで、東京都医師会から指摘が上がっていることの内容だというふうに思いますが、一方で、ゼロ税率というのが適用されている輸出企業は、仕入れ税額控除分が還付されています。
医療費にゼロ税率を適用すると一・六兆円の減収となりますが、輸出企業に対する消費税の還付は二〇一四年度分で四・六兆円であると、ことし三月三十一日の財政金融委員会で、我が党の小池晃参議院議員に対して財務省がそのように答弁しています。
輸出企業に対しては四・六兆円、ゼロ税率で戻せるのに、それが医療機関には戻せないというのは納得のできない話だと思います。
消費税に見合う額は診療報酬に上乗せしているといっても、請願理由にもあるように、実際には、補填し切れず持ち出しになっている。しかも、消費税分の診療報酬を上げたということは、消費税非課税といいながら、実質、患者が消費税分を負担する結果となっている、これが不合理だという本請願の請願理由はもっともだと思います。採択されるべきだというふうに考えます。
さらに、医療費は、非課税ではなくゼロ税率を適用することが最も抜本的な解決であるということを述べて、意見といたします。
以上です。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 異議なしと認めます。よって、請願二八第六号は採択と決定いたしました。
○斉藤委員長 次に、請願二八第八号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○成田医療改革推進担当部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明申し上げます。
整理番号4、請願二八第八号、安全・安心の医療・介護の実現のための夜勤改善・大幅増員に関する請願は、台東区の東京医療関連労働組合協議会代表の千葉かやとさんから提出されたものでございます。
請願の趣旨は、次の四点について、国に対して意見書を提出していただきたいというものでございます。
第一に、看護師など夜勤交代制労働者の労働時間を一日八時間、週三十二時間以内、勤務間隔を十二時間以上とし、労働環境を改善すること。
第二に、医師、看護師、介護職員などを大幅にふやすこと。
第三に、国民、患者、利用者の医療費の自己負担を減らし、安全・安心の医療、介護を実現すること。
第四に、医療費削減を目的とした病床削減は行わず、地域医療に必要な病床機能を確保することという四点でございます。
現在の状況についてご説明申し上げます。
第一についてですが、我が国においては、看護職員を含めた労働者の労働条件は労働基準法により定められており、労働時間に関しては、原則として一週間について四十時間、一日について八時間を超えないこととされております。
第二についてですが、都においては、医師、看護師、介護職員の医療、介護サービスを担う人材確保のため、育成研修や資格取得、復職支援などのさまざまな事業に取り組んでおります。
また、国に対して、看護職員の確保、定着に向けた十分な財源確保、小児科など不足する分野の医師の早急な確保や勤務環境改善に向けた診療報酬の一層の充実、介護職員の確保、育成、定着のための対策の確立など、実効性ある総合的な対策を講じるよう提案要求を行っております。
第三についてですが、医療、介護を含めた社会保障制度の枠組みについては、社会経済状況の変化を踏まえ、負担と給付のバランスに考慮して、国が定めております。
第四についてですが、病床整備の基準となる基準病床数は、国が示す算定式に基づき、都道府県が策定する医療計画において圏域ごとに定められております。
なお、平成二十六年六月の医療法の改正により、都道府県は地域医療構想の策定が義務づけられており、構想には、患者に応じた質の高い医療提供体制の確保に向けて地域にふさわしい医療機能の分化と連携を推進するため、平成三十七年の医療需要と目指すべき医療提供体制、それを実現するための施策について盛り込むこととしております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○和泉(な)委員 本請願は、国に対して、夜勤改善、大幅増員に関する意見書を提出することほかを求めています。
私は、都立病院における勤務体制の改善のために人員をふやすよう繰り返し求めてきました。もちろん抜本的な解決策を国においてとるべきだというふうに考えますので、本請願については採択の立場で質疑を行います。
日本医療労働組合連合会が行っている労働実態調査によると、やめたいと時々思う、いつも思う、そういう看護職員は合わせて七五%にも上ります。その理由が、人手が足りず仕事がきついが四割超、賃金が安い、休暇がとれない、夜勤がつらいがそれぞれ三割超となっています。
このような医療現場の勤務環境を改善するために、東京都では、医療勤務環境改善支援センターを設置して、社会保険労務士や医業経営コンサルタントのアドバイザーを派遣していると聞いていますが、年間何カ所の医療機関に対して派遣しているんでしょうか。また、支援を受けた病院ではどのような改善がされているんでしょうか、伺います。
○成田医療改革推進担当部長 医療勤務環境改善支援センターでは、平成二十六年度、二十七年度、いずれも要望のあった九医療法人にアドバイザーを派遣しております。
この事業では、医師や看護師など全職種を対象として、アドバイザーが職員満足度調査やヒアリングを実施し、改善策を助言いたします。
助言を受けた病院では、例えば職員の意思が管理職に伝わるよう組織を見直したり、職員から寄せられた意見に対して、全職員を集め、直接院長が回答するなどの取り組みを行っております。
○和泉(な)委員 大体年間十法人程度のようですけれども、都内の膨大な医療機関の数と比べると、まだまだわずかな数だなというふうに思います。
今ある条件のもとでも、個々の病院ができる限りの努力をすることで、勤務環境の改善を図っていくことは必要だと思います。そのための専門家活用を都が支援することも重要です。
さらに、支援センターの取り組みをもっと知ってもらって、勤務環境改善の必要性を理解してもらうことが必要だと思いますが、都として、今後どのように取り組む予定でしょうか、伺います。
○成田医療改革推進担当部長 勤務環境の改善には管理者が主体的に取り組むことが重要であるため、本年二月に院長等を対象としたセミナーを開催し、支援を受けた病院の院長が具体的な取り組みを紹介されました。
終了後には、参加病院から、新たな支援の申し込みがございました。
また、支援センターの利用を促すため、平成二十七年度は、都内の看護部長等の定期連絡会にあわせて、臨時の個別相談会を二回開催し、具体的な労務相談に応じております。
加えて、都医師会を通じて、都内医療機関に対して、支援センターの取り組みを紹介した資料を配布し、普及啓発を図っております。
○和泉(な)委員 労務管理を専門に扱う社会保険労務士としては、病院管理者に対する意識啓発と同時に、管理者教育などもどうしても必要なんじゃないかというふうに思います。
例えば、年次有給休暇一つとっても、理由をいわせたり、理由いかんによって許可するかどうかを決めるというような事業所はまだまだ少なくありません。また、残業についても、あらかじめ許可を受けた分しか残業と認めないというような誤った対応をしている事業所も多いというのが現状です。
適正に労務管理を行うためには、その業務に精通していることに加え、労働法の基礎的な知識が必要なんです。そのような取り組みの積み重ねの中で、結婚し、出産後も働き続けることができ、また、それを支えられる、そういう環境づくりをそれぞれの病院の風土として醸成することは必要なことだというふうに思います。
けれども、個々の病院の個別的努力だけで、人員不足という根本的な問題が解決するわけではありません。本請願項目の1にあるような、労働時間一日八時間、週三十二時間、勤務間隔十二時間以上、これは決してぜいたくな要求ではありません。二十四時間体制で命と向き合う医療の現場で働く人たちの健康を守る上で必要な条件だと思います。
例えば、夜勤回数の平均が八回以内に抑えられていたとしても、その平均の中には、育児中で夜勤に入れない職員なども含まれていて、実際には十回以上夜勤をする人が相当数いるというのが実態です。
働き続けられるという環境が一部の労働者の負担によって成り立っているという状況は、いつまでも放置されていいはずはありません。誰もが心身ともに健康で働き続けられる、それが重要であり、国に対しても必要な要望をしていくことを求めるというのが請願の願意です。
都としては、これまで国に対してどのような働きかけをしてきたんでしょうか、伺います。
○成田医療改革推進担当部長 都は毎年、国に対する提案要求の中で、看護職員の確保、定着に向けた十分な財源の確保を求めております。
○和泉(な)委員 看護師だけでなく、医師も介護職員も同様だと思います。
医療を提供する側を減らして医療費の抑制を図ろうとし、患者や介護利用者の負担をふやして、医療、介護を受ける側からも医療費の抑制を図ろうとした、そのツケが深刻な医療、介護現場の人員不足を招き、医療、介護を利用できない医療難民、介護難民を生み出しています。
この政策の矛盾は、全国でも大きく格差が広がっているこの東京で深刻さは際立っているんじゃないかと思います。
都は、このような国の政策から都民の命を守る盾となって、国に対して強く意見をいうとともに、都民の命と命の現場で働く人の暮らしと健康を守る立場で力を尽くしていただくよう求めて、質疑を終わります。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立少数と認めます。よって、請願二八第八号は不採択と決定いたしました。
○斉藤委員長 次に、陳情二八第五号の二を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○西山医療政策部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号5、陳情二八第五号の二、軽度外傷性脳損傷・脳しんとうの周知と予防、危険性等の相談窓口等の設置に関する陳情は、大阪府の軽度外傷性脳損傷仲間の会代表、藤本久美子さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、次の三点の内容を要請する意見書を、国、政府等関係機関に対して提出していただきたいというものでございます。
第四に、脳震盪を疑った場合には、直ちに脳神経外科医の診断を受け、CTやMRIだけでなく、神経学的検査の受診も義務づけるとともに、脳震盪を受傷していないかどうかを評価するための標準化したツールであり、十三歳以上の者を対象とするSCAT3(十二歳以下の場合はチャイルド SCAT3)を実施し、対応できる医療連携体制の構築を進めること。
第五に、脳震盪について、各自治体の医療相談窓口等に相談対応ができる職員を配置し、医療機関はもとより、国民、教育機関への啓発、周知及び予防をより一層図ること。
第六に、保育園で発生した事案が、昏睡などの重篤な場合は、直ちに保護者へ連絡するとともに、第三者調査機関を設置し、迅速に事故調査及び開示を行うことというものでございます。
現在の状況についてご説明させていただきます。
第四についてですが、脳震盪を含む頭部外傷の対応については、日本脳神経外傷学会などにおいて提言がなされており、医師は、これらを参考にしながら、検査や治療の要否、時期、方法の選択などを決定しております。
第五についてですが、都は、東京都保健医療情報センターにおいて、医療に関する相談や問い合わせに相談員が電話などで応対するとともに、東京消防庁救急相談センターでは、急患時の対応や医療機関への受診に関する救急相談を実施しております。
また、住民に身近な自治体である区市町村では、保健センターなどで住民からの健康相談や保健指導などを行っております。
第六についてですが、平成二十六年四月三十日に出された内閣府令、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準では、各事業者が、事故発生時に速やかに区市町村及び当該子供の家族などに連絡を行うとともに、必要な措置を講ずることが定められております。
また、平成二十八年三月三十一日に国から、特定教育・保育施設、特定地域型保育事業、地域子ども・子育て支援事業、認可外保育施設及び認可外の居宅訪問型保育事業における重大事故の再発防止のための事後検証に関する通知が出され、事故が発生した場合には、施設、事業の種別に応じて、区市町村または都道府県が外部委員で構成する検証委員会を設置して検証を行うこと、プライバシー保護及び保護者の意向に十分配慮した上で、原則として検証結果を公表することなど、検証を実施する際の基本的な考え方や進め方などが示されました。
さらに、同日付で国から、各事業者が事故発生後に速やかに保護者へ連絡することなどが記載された教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインが出されております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○高倉委員 今、議題となっております陳情について質疑をさせていただきたいと思います。
二〇一四年の十一月に行われましたフィギュアスケートの中国大会で、日本のエース、羽生選手が他の選手と接触し転倒する事故が起こったわけでございます。
応急手当ての後、競技に復帰をし、見事に演技を完遂したことに多くの称賛が寄せられましたけれども、その一方で、競技を中止すべきであったのではないかといったような意見も少なくなかったわけでございます。その理由は、羽生選手が転倒した際に、脳震盪を起こしていた可能性があるからでございます。
フィギュアスケートに限らず、脳震盪を起こした場合、同日の競技復帰は禁止というのが今日の国際的なコンセンサスになっているそうでありますけれども、なぜ競技を続行したのか、選手の安全管理はどうなっているのかといったことで議論が巻き起こったということでございます。
先ほどの説明の中でも、脳震盪を含む頭部外傷の対応については、日本脳神経外傷学会等において提言がなされているということでありますけれども、今回の陳情にあるSCAT3とはどういったものであるのかについてご説明をいただきたいと思います。
○西山医療政策部長 SCAT3は、スポーツ選手が脳震盪を受傷していないかどうかを評価するためのツールでありまして、自覚症状、認知機能、身体機能などについて、複数の評価項目に基づき、総合的な判断を行うものでございます。
二〇一二年に開催された国際スポーツ脳震盪会議で提唱され、国際サッカー連盟や国際アイスホッケー連盟などの国際競技団体で採用されております。
○高倉委員 今ご答弁いただいたように、SCAT3というのは、スポーツの外傷の世界では有名なツールであるというふうにいえると思います。
しかし、先ほども説明がありましたとおり、どのようなツールを使い、どういった検査や治療を行うのかといったことは個々の医師の裁量でありまして、そこにはさまざまな判断があるものというふうに思います。
受診や具体的な検査方法などを一律に患者や医師に義務づけるといったことは難しいというふうに思いますけれども、スポーツや交通事故、転倒などで頭部に衝撃を受け損傷しても、事故後にすぐに症状があらわれないといったこともあるわけでありまして、対策はしっかりと進めていかなければならないということはいうまでもありません。
脳震盪を起こした場合に、あるいはその疑いのときも含めて、なるべく早く病院を受診し、専門医の診察を受けることが望ましいというふうに思います。
東京都では、保健医療情報センターを設置しまして、日常的な医療に関する相談や医療機関案内を行う一方で、救急相談センター、いわゆるシャープ七一一九には、二十四時間、医師や看護師が常駐をして、緊急受診の要否や適応する診療科目、診察可能な医療機関などについて相談業務を行っているわけであります。
そこで、この救急相談には、年間どれぐらいの相談が寄せられ、また、内容としてはどういった病気やけがの相談が多いのか、お伺いをしたいと思います。
○西山医療政策部長 救急相談センターにおける相談件数は、平成二十七年実績の速報値で十四万五千五百五十件でございます。
相談内容として一番多かったものは、小児の発熱で一万四百六十九件、全体の七・二%を占め、二番目に多かったものが小児の頭部外傷で七千八百八十四件、全体の五・四%、三番目が腹痛で六千三百九十三件、全体の四・四%でございます。
○高倉委員 ただいまの答弁の中で、相談の内容について、その中で小児の頭部外傷が全体の約五%程度といったことでありました。
もちろん、この中にはいろいろなけがが含まれますので、全部が脳震盪ということにはならないと思いますけれども、多くの患者が潜在している可能性も否定できないと思います。
WHOでは、世界で毎年一千万人が外傷性脳損傷に罹患をしているというふうに発表をしております。誰もが脳震盪について正しい知識を持つことは大切でありまして、引き続き相談体制の充実にも努めていってほしいというふうに思います。
今、質疑を行わせていただきまして、この陳情についての都の認識、また、現在のさまざまな体制についてもご説明をいただいたところでございます。
この陳情については、国等に対して意見書を出してほしいといった陳情でございますけれども、今、質疑をさせていただいて、この陳情が求めている内容については、この形でよいのかどうかといったようなこともあろうかというふうには私ども考えておりまして、したがって、今回のこの陳情の取り扱いについては継続審査をすべきではないかというように考えているわけであります。
いずれにしても、こうしたことについて、私どもも関心を持って、これからもいろんなことを考えていきたいなというふうに思っておりますので、そのことを申し述べて質疑を終わりたいと思います。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二八第五号の二は不採択と決定いたしました。
○斉藤委員長 次に、陳情二八第二一号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○小林健康安全部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号6、陳情二八第二一号、都議会議員及び都職員による動物殺処分施設の視察に関する陳情は、埼玉県北葛飾郡の小畑孝平さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、都において、都議会議員及び都職員による動物愛護センター、保健所等の動物殺処分施設の視察を、恒例のものとして行っていただきたいというものでございます。
現在の状況をご説明いたします。
都は、さらなる致死処分数の減少を目指し、引き取り収容した動物の譲渡や飼い主のいない猫対策の推進に取り組んでおります。
致死処分は、引き取り収容した動物が、生まれて間もないため育成困難な場合や負傷等により耐えがたい肉体的苦痛がある場合など、譲渡ができない動物について、東京都動物愛護相談センターで実施しており、都議会議員や都職員等の視察にも随時対応しております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二八第二一号は不採択と決定いたしました。
○斉藤委員長 次に、陳情二八第二九号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○小林健康安全部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号7、陳情二八第二九号、動物愛護施策の推進に関する陳情は、江戸川区の松濤理恵さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、1、墨田区内にある猫カフェねこのての実態及び現況を把握すること。
2、上記の願意1の実態に基づき、ねこのてに対して、速やかに法律、条例等にのっとり、第一種動物取扱業者の登録の取り消し、業務の停止命令等の処分を行うこと。
3、都内におけるねこのての類似事例の有無を把握し、適切な対処をすること。
以上の三点でございます。
現在の状況をご説明いたします。
1及び2につきまして、都は、利用者からの苦情を受け、平成二十七年七月から十二月までに当該事業者に対し、十回の立入検査を行い、施設及び動物の適正な管理など、動物愛護管理法で定められた基準の遵守について繰り返し指導をしてまいりました。
しかし、施設の管理状況等の改善が認められなかったため、平成二十八年一月八日に、飼育頭数の適正化、動物の適正な管理、飼養環境の改善、清掃消毒の徹底、台帳類の整備等について、法第二十三条第一項に基づき、同年二月六日までに改善を求める勧告を行いました。
改善状況を確認するため、同年二月八日に再度立入検査を行いましたが、改善が認められなかったため、弁明の機会を付与した上で、同年二月二十六日に、勧告と同様の内容について、法第二十三条第三項に基づき、同年三月二十六日を期限とする改善命令を行いました。
さらに、同年三月二十八日に行った立入検査においても、施設の管理状況や動物の取り扱い状況等に改善が認められなかったため、弁明の機会を付与した上で、法第十九条第一項に基づき、同年四月二十一日に、同日から同年五月二十日までの業務停止命令を行いました。
業務停止命令期間中は、毎日、営業していないことを現地確認するとともに、同年四月二十七日及び同年五月十一日に、改善に向けた取り組み状況の確認や指導を行うため、立入検査を実施しました。業務停止命令期間終了後となる同年五月二十一日には、最終的な改善状況を確認するための立入検査を実施いたしました。
3につきまして、都は、第一種動物取扱業者に対し、定期的に立ち入り、法令で規定する飼育施設や設備の管理、動物の管理などの基準の遵守状況について、監視指導を実施しております。また、都民等から苦情を受けた場合は、速やかに立入検査を行っております。
問題のある事業者に対しては、重点的に監視指導を行い、改善が図られない場合は、法に基づき、勧告、命令を行っております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○高倉委員 本陳情で取り上げられております猫カフェにつきましては、動物愛護管理法に照らして、非常に問題のある状況でありまして、福祉保健局としての厳正な対処といったものは、これまで求められてきたというふうに思っております。
今、陳情に対する現在までの福祉保健局の対応について説明があったわけでございますけれども、この陳情の中では、具体的に三つの項目について対応を求める内容になっております。
今、説明の内容を聴取しまして、この三つの項目について、おおむね福祉保健局として、今日まで必要な取り組みを進めてきているというふうに考えております。
そこで、今、説明の中で、業務停止命令期間終了後の五月二十一日に改善状況の確認のため立入検査を行ったということでありますけれども、どのような状況であったのかについて、その詳細をお伺いしたいと思います。
○小林健康安全部長 都は、当該事業者に対して三十三項目の改善を命じ、業務停止命令を行いました。
業務停止命令期間終了後の五月二十一日、動物愛護相談センターが立入検査を行ったところ、猫の個体帳簿、取引台帳等において、生年月日などの未記載、帳票間での不整合等、猫の個体管理が適切に行われておりませんでした。
また、飼養管理を行っている猫二十三頭のうち、呼吸器症状等のある猫が十八頭おり、獣医師の診療を受けた記録も一部しかなく、健康管理が適切に行われておりませんでした。
さらに、個体ごとに適正に管理を行っていないため、交配、由来不明の猫が生まれるなど、繁殖管理も適切に行われておりませんでした。
これらを初めとし、多くの項目で改善が認められない状況でございました。
○高倉委員 今、状況の説明をしていただきました。
動物愛護管理法では、第一種動物取扱業者が法に違反した場合には、改善命令、業務停止命令といった行政処分が定められているわけであります。また、これらの命令に違反した場合には、事業者への聴聞なども行った上で、登録を取り消すことができるとされているわけであります。
この陳情で取り上げられております猫カフェにつきましては、今の説明では、現時点でもなお多くの点で改善が認められないということでありました。
したがって、私は、この事業者については、登録取り消しという厳しい処分があってしかるべきであるというふうに考えております。
ただし、現在、行政としての手続を進めているさなかだというふうに私は認識しておりまして、きょうの委員会の時点で結論を出していくということは、必ずしも適切ではない面があるのではないかなというふうに思っております。
また、登録取り消しということになれば、その判断というのは行政庁に属するものであると思います。
そこで、都は今後、当該事業者に対してどう対応していくのかについてお伺いをしたいと思います。
○小林健康安全部長 お話のとおり、動物愛護管理法で定める基準を遵守していない場合は、その状況に応じて改善命令、業務停止命令、登録の取り消しができるとされております。
都といたしましては、五月二十一日の立入検査の結果等を踏まえ、今後とも動物愛護管理法の規定に基づき、適切に手続を進めてまいります。
○高倉委員 先ほども申し上げましたけれども、今、そうした手続の過程にあるというようなことであって、この委員会で結論を得るということが、私は適切でないというふうに申し上げたわけでありますけれども、そうした意味で、私どもは、継続審査をすべきであるというふうな考え方に立っているわけでありますが、ただ、状況を見る限り大変厳しい状況でありますので、ぜひ、しっかりとした手続を進めていただいて、厳正な対処はお願いをしたいと、このように思います。
○畔上委員 本陳情は、墨田区内にある猫カフェねこのての実態を把握し、処分を求めるものです。
私もこの陳情を受けて、墨田区内にありますこの猫カフェに行ってまいりましたが、既に都は業務停止命令を行っていて、玄関には、五月二十日まで休業という張り紙がございました。
しかし、現場に行ってびっくりしたんですけれども、東京都から厳しい業務停止命令を受けているということになっているのに、ドアの入り口には、スリッパとか、バケツとか、かごとか、非常に物が雑然として置いてあると。とても衛生的とは思えない、そういう環境でした。こんな状態で再開はあり得ないなというのが、私自身、率直な実感でありました。
これまでの対応については報告がありましたが、幾つかもう少し確認をさせていただきたいと思います。この猫カフェがいつから営業していたのか、また、昨年度の苦情件数とその内容はどうだったのか伺います。
○小林健康安全部長 当該事業者は、平成二十二年六月二十二日に第一種動物取扱業の登録を行っております。
また、平成二十七年度に都に寄せられた苦情は三十件で、その主な内容は、施設が不衛生、猫の健康状態が悪い等でございました。
○畔上委員 苦情が結構あったわけですけれども、そのたびに立入検査を行ったと。
陳情者の方がくださいました情報公開請求での資料、これによると、開業から二年後の七月九日から衛生面などの苦情がもう既に始まっていて、前兆があったのだということがわかりました。
東京都は、ことしの一月八日には、五項目にわたる改善勧告を行っています。先ほどもご説明がございましたが、飼育頭数の適正化、動物の適正な管理、飼養環境の改善、清掃消毒の徹底、台帳類の整備などです。しかし、その一カ月後には、また同じ項目で改善命令というふうになったわけです。つまり、先ほどの五項目全てで、全く改善が見られなかったということであります。
そこで伺いたいんですが、二月二十六日に同じ内容で改善命令を出しましたけれども、それまでの間、つまり改善勧告期間中ですね、どのような指導を行ったんでしょうか。
○小林健康安全部長 一月八日から二月六日までの改善勧告期間中に動物愛護相談センターは四回の立入検査を行い、改善状況の確認や改善に向けた指導を行いました。
○畔上委員 勧告をして、指導に入ったと。それでもこうした事態は変わらなかったということです。
また、さらに改善なく業務停止命令になったということでありますから、残念ながら、ご報告を聞く限り、事業者に改善する意思は感じられないというのが率直な印象であります。
陳情者から写真のコピーもいただきましたけれども、カフェも収容場所もひどい衛生状態の中で七十匹近い猫たちが生活をしていて、写真に写っていた猫は何らかのウイルス感染による結膜炎で目が腫れ上がっていて、ひどく痩せておりました。
陳情によりますと、動物の取扱業者が遵守すべき動物管理の方法などの細目で禁止されている繁殖、これも行っていたようなんですが、この問題については、都はどう指導されたんでしょうか。
○小林健康安全部長 動物愛護管理法の細目では、販売等のために動物を繁殖させる場合には、遺伝性疾患等の問題を生じさせるおそれのある動物、幼齢の動物、高齢の動物等を繁殖に用いないことや、遺伝性疾患等の問題を生じさせるおそれのある組み合わせによって繁殖をさせないことが規定されております。
当該事業者に対しては、個体別帳簿を早急に整え、個体ごとの状態を正確に把握した上で、適正な繁殖を行うよう指導いたしました。
○畔上委員 今のお話を聞いていても、そもそもこの事業者は、動物愛護管理法に基づく管理も行うことができなかったということですね。
立入検査に入ったのが昨年の七月で、約半年間の指導、そして一月には改善勧告、二月に改善命令、そして四月に業務停止命令となっているわけです。その長い間、猫たちは不衛生な環境に置かれて、また、カフェとして営業も続いていたということは、動物愛護や保護の観点からも、それから都民の衛生管理の上からも、ゆゆしき問題だというふうに思うわけです。
先ほど、現在の猫の状況、それから二十一日の立入調査の報告、詳しくお話がございました。業務停止命令期限が切れて、二十一日に立入調査をしたと。しかし、健康管理が適切に現在も行われていなかったと、改善が見られなかったということであります。
今、この間の経過を見てきたわけですけれども、指導をされても改善をしないと、勧告を受けても改善なしということを繰り返し、そして、業務停止命令を受けても改善がなされていないと。そうなった場合には、やはり登録の取り消し、私はそういう厳しい処分をすべきだというふうに思います。
やはり動物愛護及び管理に関する法律の基本原則、この基本原則の立場で厳正な処分をしていただきたいというふうに思います。
また、最近では、猫だけでなく、ヤギやウサギ、犬、小鳥など、そういった動物カフェ、これが非常にはやってきています。動物と人が共生する社会において、動物と触れ合うということはとてもよいことなわけですけれども、その動物の習性を考慮して適正に取り扱うようにしていくという指導が非常に重要になってくるわけだと思うんですが、監視指導を適切に行っているというふうに先ほどのご説明でありましたが、都内には、現在、何件の第一種の動物取扱業者があって、苦情件数、これは何件あるのか。そういった場合、どういう体制で立入検査を行っているのか、その点について伺います。
○小林健康安全部長 平成二十七年三月末時点で登録されている第一種動物取扱業施設数は四千三百三十三施設であり、平成二十六年度の苦情受理件数は二百七十六件でございました。
立入検査等の体制につきましては、動物愛護相談センターの獣医師等の職員が複数で第一種動物取扱業の登録更新時に監視指導を行うとともに、都民から苦情を受けた場合等、速やかに立入検査を行っております。
○畔上委員 人にとってはかけがえのない存在である動物たちの命を守って、真に共生できる社会になるように、所管の動物愛護センターの体制強化もお願いし、適切な指導監督を行っていただくことを求めます。
陳情は採択すべきと思います。そのことを申し上げて、私の質疑を終わります。
○西沢委員 今、話が出ていますけれども、とんでもない事業者だという話がございました。私の方からは、質疑ではなく、意見だけ申し上げさせていただきたいと思います。
既に立入調査を行って、勧告を行って、改善命令も行って、そして業務停止命令をして、そして今、答弁も既に出ていますけれども、それでも今改善がなされていないということも確認したということで、いよいよ取り消しをするという段階に来ているということから、既に願意は満たされている、もしくは、または満たされつつあるというように現時点で感じます。
そういった意味から、現時点で採択には、私どもとしては賛同はできるものではないというように思いますが、これも氷山の一角でありまして、同じようなものがあれば同様に、ぜひスピード感を持って対応していただきたいということ。
それから、もし取り消された後、所有権をぜひ放棄してほしいというような声が上がっているようでございまして、これは都の権限で当然できるものではありませんけれども、ぜひそうした声に、相談に乗るであるとか耳を傾けてもらいたいということを申し上げて意見表明とさせていただきます。
○両角委員 陳情二八第二九号につきまして、何点か質問させていただきたいと思います。
まず、猫カフェなるものを私、余り知らなかったんですけれど、そこでこの陳情対象となっております猫カフェというのがどのようなものなのかということと、都内で現状何店舗程度、こうした事業者が営業しているのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○小林健康安全部長 法令上の定義はございませんが、いわゆる猫カフェとは、猫が店内を自由に歩き回った状態で展示されており、猫を眺めたり、さわったりしながらお茶などを飲むことのできる施設でございます。
都内の猫カフェ数は、平成二十七年十月時点で五十八軒でございます。
○両角委員 二十七年十月時点で五十八軒、猫カフェ、いろんな形態があるんでしょうが、あるというお話でございました。多分十年前にはこういう形態はなかったのかなと思いますので、近年ふえているのではないかと思うわけでございます。
そこで、ここから具体的に、ねこのての状況等、都の認識ということで伺いたいと思いますけれど、この陳情の陳情文に基づいて何点か確認をさせていただきます。
この陳情によれば、店内及び収容施設は七十匹の猫のふん尿にあふれていると、そういう表記があるわけでありますけれど、この当該施設の猫の頭数がどのようなものなのかということを伺いたいと思います。
○小林健康安全部長 立入検査を行った平成二十七年十二月二十一日時点で、猫カフェに六十二頭、収容施設に十五頭おりました。
平成二十八年五月二十一日時点で、猫カフェに十頭、収容施設に十三頭の猫がおりました。
○両角委員 ご答弁によりますと、一時、六十二頭プラス十五頭いたということで、大変な数だったんだなということを確認させていただきたいと思います。
また、施設の状況について確認をさせていただきたいんですが、この陳情の文面によれば、これは冬場に出されたものですから、冬でもひどい悪臭がし室内はかなり寒く、生まれたばかりの子猫は全て共食いされていたとあるわけでありますけれど、このスペースなどの施設の状況は、動物の愛護及び管理に関する法律に照らしてどのようなものなのか、その実態を東京都が把握している範疇でお答えをいただきたいと思います。
○小林健康安全部長 平成二十七年十二月二十一日の立入検査において、三十平米の猫カフェ内に六十二頭、十平米の収容施設に十五等の猫を確認し、管理されていた猫の多くに呼吸器症状等が認められました。
施設の規模や職員の数に見合わない数の猫を管理していたため、施設の衛生的な管理、猫の健康管理、繁殖の管理、個体別帳簿の作成などができていない状況でございました。
業務停止命令終了後の平成二十八年五月二十一日に、改善状況の確認のため立入検査を行ったところ、猫カフェの猫の数は十頭、収容施設の猫は十三頭に減少しましたが、そのうち十八頭の猫に呼吸器症状等が認められるなど、改善をしてきた違反項目の全てを改善することはできておりませんでした。
○両角委員 何度もこれは検査に行かれたりしているわけでありますけれど、三十平米のスペースに対して、一時、伺ったときには六十二頭なりの猫がいて、改善を確認しても、それなりに減ってはいるけれど、問題があるという認識で確認をさせていただきました。
もう一つ、この陳情書の中では、猫の健康状態ということで書かれております。大半がひどい結膜炎で目が腫れ上がっていると。毛並みは悪く、覇気がないと、こういうふうにあるわけでありますし、一方でこの猫カフェというのは、猫がいるスペースで一緒に飲み物も供されているというようなことでありますが、この猫の健康状況や施設の状況について、東京都がどのように把握をしているのか、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
○小林健康安全部長 立入検査を行った十二月二十一日時点で、猫カフェにいた猫六十二頭中四十四頭に猫風邪の症状を認めました。
約三十平米の店舗で過密飼育していたため、衛生状態は適切ではございませんでした。そのため、清掃、消毒の徹底を繰り返し指導いたしました。
○両角委員 衛生状況も非常によろしくないということであったということですが、そこで、この陳情の中で、人畜共通感染症であるトキソプラズマやコロナウイルスが検出をされたと、こう文面にあるわけでありますが、こうした事実はあるんでしょうか。感染症の実情をお聞きしたいと思います。
○小林健康安全部長 動物愛護相談センターでは、目視により猫の健康状態の確認を行っており、結膜炎や鼻汁など、いわゆる猫風邪の症状を示したものにつきまして、獣医師の診断を受けさせ、適正な健康管理を行うよう繰り返し指導いたしました。
なお、都は、ウイルス検査は行っていないため、事実を把握しておりませんが、疾病の蔓延の未然防止のため、動物の適正な管理、施設の衛生管理の徹底などを繰り返し指導しております。
○両角委員 今、ご答弁ですと、わからないということですよね。目視でわかるものはわかるけど、実際に菌があるとかないとか、そういうことまではわかりませんということでありますが、人と猫が触れ合うような猫カフェのようなところで、そこが感染症に侵されているとすれば、影響は広い範囲に及ぶということで、これは大きな問題ではないかというふうに思うわけでありますけれど、この感染症に関する都の対応と現在の状況をお伺いします。
○小林健康安全部長 先ほどもご答弁しましたとおり、感染症の発生や蔓延防止のために施設の衛生管理、獣医師による診察や治療を受けさせることについて指導をしております。
さらに、動物から人へ感染する感染症の予防のために、顧客との接触に際して十分注意するよう指導しております。
○両角委員 感染症が起こらないように清潔にしましょうよとか、そういう対応をとられているということなんですが、実際に感染症が広まっているのかどうかという、そこまでは権限上できないというお答えなんですけれど、その権限の問題もありますけれど、それでいいのかという感じはするんですよね。
今、ここでは、そこまで深くはお話をしませんけれど、しかし、こういう業態のところでそういう影響が大きく広がってしまったときに、皆さんの立場では、環境をしっかり清潔に保つとか、そういうことで防ごうということでありますけど、実態がどうなっているというのをもう少し、知るすべがないかなということを率直に感じた次第でございます。
そこで、今回のこの陳情がございまして、今、幾つかの観点から都の当局にお話を伺うと、この陳情書のとおりであると。要は、施設面、健康管理面等々で問題があるということを東京都はおっしゃっているわけでございますが、そこで、これまでの都の取り組みと業者の対応ということで確認をさせていただきたいんですが、東京都は当該業者に対しまして、法に基づき指導を繰り返した上で、勧告、改善命令を行っておりまして、さらに、本年四月二十一日付で業務停止命令を出したということであります。
この業務停止命令を出すに至るには、その指導内容に対して改善を図る、そういう期間とか余地を十分与えていると思うわけでありますけれど、この業務停止命令を出したことで--それに対して指導したことに対して、誠実な対応が十分なかった等、相応の理由があったから業務停止命令に至ったということであるわけですね。
そこで、この一カ月の業務停止命令期間中の東京都の対応と期間後の対応について、期間後というのは、五月二十日から二十五日の間の対応を確認させていただきたいと思います。
○小林健康安全部長 業務停止期間中の対応といたしましては、業務停止命令期間中は、毎日、営業していないことを現地確認するとともに、平成二十八年四月二十七日及び同年五月十一日に、改善に向けた取り組み状況の確認や指導を行うため、立入検査を実施いたしました。
期間後の対応といたしましては、業務停止命令期間終了後となる五月二十一日には、最終的な確認状況を確認するため立入検査を実施しましたが、十分な改善が認められませんでした。
都といたしましては、立入検査の結果を踏まえまして、今後とも動物愛護管理法の規定に基づき、適切に対応してまいります。
○両角委員 十分な改善が図られなかった。
あと、他の委員の質問に対して、先ほど、三十三項目の改善命令を出したけれど、改善が認められていないということでもありましたが、業務停止期間を通じた改善に対して、都の当局としてはどんな評価をされているのか、そこをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○小林健康安全部長 業務停止命令期間中に指摘した動物の管理や飼養環境の改善については、一部改善は見られましたものの、多くの項目において改善が認められませんでした。
現在、二十一日の立入検査の結果につきまして精査中でございまして、その結果を踏まえまして、動物愛護管理法の規定に基づき、適切に対応してまいります。
○両角委員 まあ改善が見られなかったということであります。そういう認識を持っていると。
先ほど、ねこのてのホームページを見させてもらったんですが、先日見たときとちょっと変わっていまして、四月二十一日から五月二十日まで休業しますと、来店予約はそれ以降でお願いしますということでありましたから、これからまた再開するんだという意欲が感じられるわけでありますけれど、この当該業者のこれまでの対応を伺うと、もちろん、法に基づく行政処分を実施命令、業務停止命令とスパイラルに時間を置いてやってきている中で、しかしながら、動物の命を扱う事業者として余りにも誠意が、この対応状況を見ていると、しっかり対応していこうという誠意が感ぜられないというふうに思いますし、あるいは、この指導内容に十分に対応できる能力そのものが欠けているのかなというふうにも感じるわけであります。
これから東京都としての対応、取り消し検討も十分視野に入れていくべきではないかと思うんですけれど、お伺いをしたいと思います。
○小林健康安全部長 副委員長お話しの登録取り消しというのは、行政処分の中で最も重い処分でございまして、違反事実に照らし合わせ、法に基づく慎重な判断と適正な手続が求められます。
都といたしましては、五月二十一日の立入検査の結果を踏まえまして、法の規定に基づき適切に対応してまいります。
○両角委員 適切に対応ということなので、それを期待させていただきたいと思いますが、今、お話がございましたように、登録取り消しは営業の権利を奪うという重大な行政行為でありますから、一般論としては、軽々に処分を下すべきとは思いません。
しかしながら、これまでの都の指導とそれに対する業者の対応を見ていますと、今後の改善余地というのがどれだけあるんだろうかということを、疑問を強く感じるところでもあります。
今、空前のペットブームが続いている中で、猫カフェなどの新たな業態は、気軽にペットに触れたいというニーズに応じて、今後もふえていくんではないかというふうに想像するわけでありますけれど、であればこうした状況を踏まえて、動物の命をとうとぶという法の趣旨が実質として担保されるような対応を東京都、行政はしていくべきではないか、このように思います。
そのためには、東京都が動物愛護の視点からこうした新種の業態の実態を、猫カフェというのを、ただの動物の展示というくくりではなくて、実態をしっかりと把握するということが必要だと思いますし、そのありようにしっかりと対応するということで、東京都の姿勢を今回示していくことが重要であると思います。
そのように考えますので、私は、この陳情については採択をすべきという意見を申し述べて、発言を終わります。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二八第二九号は不採択と決定いたしました。
○斉藤委員長 次に、陳情二八第三三号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○高原障害者施策推進部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号8、陳情二八第三三号の障がいへ表記を改めることに関する陳情は、埼玉県北葛飾郡、小畑孝平さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、まず第一に、都において、次のことを実現していただきたいというもので、(1)、障害者に係る障害を意味する文言において、日本語表記を「がい」の字を平仮名にした障がいへ、外国語表記をhandicappedへ改めること。
(2)、給付金等の福祉サービス、障害者手帳等の福祉制度、部署名、例規等または法令に係る表記については、その機構改革、改廃または制定時などの機会を利用して徐々に改めることの二点でございます。
また、第二としては、上記の願意1を求める意見書を国に対して提出いただきたいというものでございます。
現在の状況についてご説明させていただきます。
国は、平成二十二年一月、障害者権利条約の締結に必要な国内法の整備等のため、障害者、福祉事業者、学識経験者等を構成員とする障がい者制度改革推進会議を設置し、障害者に係る制度の改革及び法令等における障害の表記のあり方について検討を行いました。
会議では、障害者団体のヒアリング等を踏まえて、平成二十二年十二月、障害者制度改革の推進のための第二次意見を取りまとめ、障害の表記については、さまざまな主体がそれぞれの考えに基づきさまざまな表記を用いており、法令等における障害の表記について、見解が一致をみなかった現時点において新たに特定の表記に決定することは困難であると判断せざるを得ないとしております。
また、障害者の英文表記は、平成十八年十二月に国連総会で採択された障害者権利条約においてpersons with disabilitiesが用いられています。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○畔上委員 意見表明をさせていただきたいと思います。
国において、今説明がありましたように、障害の表記のあり方についての検討もされたこともありましたけれども、現在はさまざまな主体がそれぞれの考えに基づいて表記をしているのが実情です。
最も大切なことは、当事者がどう考えるかということであり、当事者の間でもさまざまな意見があるのが現状です。その中で、都議会として平仮名の表記だけを認め、ほかの表記を否定することを決めるのは適切ではないと思います。
障害者分野において最も急がれるべき今日的課題は、障害者権利条約を履行する観点から、障害者差別を解消し、障害者の権利をどう守るのか、本質的な課題に取り組むことであると考えます。
よって、本陳情には反対をいたします。
以上です。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二八第三三号は不採択と決定いたしました。
以上で福祉保健局関係を終わります。
なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時散会
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