委員長 | 遠藤 守君 |
副委員長 | おときた駿君 |
副委員長 | 小宮あんり君 |
理事 | 斉藤やすひろ君 |
理事 | 山加 朱美君 |
理事 | 野島 善司君 |
小松 大祐君 | |
和泉なおみ君 | |
中山 信行君 | |
あさの克彦君 | |
松田やすまさ君 | |
神野 次郎君 | |
斉藤あつし君 | |
大山とも子君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉保健局 | 局長 | 梶原 洋君 |
次長 | 砥出 欣典君 | |
技監 | 前田 秀雄君 | |
理事 | 宗田 友子君 | |
総務部長 | 山岸 徳男君 | |
指導監査部長 | 飯塚美紀子君 | |
医療政策部長 | 小林 幸男君 | |
保健政策部長 | 笹井 敬子君 | |
生活福祉部長 | 芦田 真吾君 | |
高齢社会対策部長 | 枦山日出男君 | |
少子社会対策部長 | 手島 浩二君 | |
障害者施策推進部長 | 高原 俊幸君 | |
健康安全部長 | 中谷 肇一君 | |
企画担当部長 | 後藤 啓志君 | |
事業推進担当部長 | 西村 信一君 | |
医療改革推進担当部長 | 矢内真理子君 | |
医療政策担当部長 | 西山 智之君 | |
地域保健担当部長 | 本多由紀子君 | |
生活支援担当部長 | 松浦 慎司君 | |
施設調整担当部長 | 村田 由佳君 | |
子供・子育て施策推進担当部長 | 松山 祐一君 | |
障害者医療担当部長 | 平賀 正司君 | |
食品医薬品安全担当部長 | 仁科 彰則君 | |
感染症危機管理担当部長 | 上田 隆君 | |
特命担当部長 | 成田 友代君 | |
病院経営本部 | 本部長 | 醍醐 勇司君 |
経営企画部長 | 中野 透君 | |
サービス推進部長 | 野瀬 達昭君 | |
経営戦略担当部長 | 高野 豪君 |
本日の会議に付した事件
請願の取り下げについて
病院経営本部関係
陳情の審査
(1)二七第一号 精神科病棟転換型居住系施設の構想等に関する陳情
福祉保健局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
・権利の放棄について
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
陳情の審査
(1)二七第一号 精神科病棟転換型居住系施設の構想等に関する陳情
(2)二七第五号 浸水が想定されるぽかぽか広場内の障がい者支援施設への補助金交付反対に関する陳情
(3)二七第七号 精神障害者保健福祉手帳及び自立支援医療受給者証の更新期日の事前案内に関する陳情
○遠藤委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、ご紹介をいたします。
議事課の担当書記の五井恵子さんです。
よろしくお願いをいたします。
〔書記挨拶〕
○遠藤委員長 次に、請願の取り下げについて申し上げます。
お手元配布のとおり、二七第二号及び二七第三号、障害のある青年・成人の余暇活動に関する請願につきましては、議長から取り下げを許可した旨の通知がありました。ご了承を願います。
○遠藤委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせをいたしましたので、ご了承を願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、病院経営本部及び福祉保健局関係の陳情の審査を行います。
なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより病院経営本部関係に入ります。
陳情の審査を行います。
陳情二七第一号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○中野経営企画部長 それでは、お手元の資料、厚生委員会付託陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
整理番号1、陳情二七第一号につきまして、ご説明申し上げます。
この陳情は、墨田区の特定非営利活動法人こらーるたいとう内、病棟転換型居住系施設を考える東京集会実行委員会世話人、加藤真規子さんから提出されたものでございます。
陳情の要旨は、精神障害者が地域社会において自立した生活を送るため、次のことを実現していただきたいといたしまして、全十一項目から成るものでございます。このうち、第一項から第十項までにつきましては、後ほど福祉保健局よりご説明がございますので、私からは第十一項、都立総合病院の精神科病棟を復活させることについて、現在の状況を説明させていただきます。
都立病院では、精神科急性期医療を中心に、精神科救急医療、精神科身体合併症医療、一般の精神科病院では対応困難な専門性の高い精神疾患等、行政的医療を提供しております。
都立の総合病院におきましては、都立広尾病院、都立墨東病院、都立多摩総合医療センターにおきまして、それぞれ三十床の精神科病床を運営しております。また、平成十八年に財団法人東京都保健医療公社に移管いたしました荏原病院では、三十床の精神科病床を運営しております。さらに、平成二十一年に同法人に移管いたしました豊島病院におきましては、二十八床の精神科病床を運営しておりまして、平成二十三年八月には、急性期の集中的な治療を必要とする精神疾患の患者さんを対象とした精神科スーパー救急も実施しております。
以上、簡単ではございますが、ご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○遠藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○和泉委員 ただいま病院経営本部の方から説明があったとおりだと思います。
ただ、この陳情の、陳情者の意図するところは、都立病院、それから公社病院で、病床数を決して減らすことなく公的病院としての役割をしっかりと果たしてほしいということにあるんだというふうに思います。
今後も都立病院あるいは公社病院が、そのような公的病院として、精神病床を減らすことなく、きちんとその役割を発揮していただけるように求めておきたいというふうに思います。
発言を終わります。
○遠藤委員長 ほかに発言がなければ、本件は福祉保健局所管分もございますので、決定は福祉保健局所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二七第一号は継続審査といたします。
以上で病院経営本部関係を終わります。
○遠藤委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、福祉保健局長から紹介があります。
○梶原福祉保健局長 それでは説明に先立ちまして、このたびの人事異動によりまして当局幹部職員の交代がございましたので、新任幹部職員を紹介させていただきたいと存じます。
事業推進担当部長の西村信一でございます。地域保健担当部長の本多由紀子でございます。子供・子育て施策推進担当部長の松山祐一でございます。障害者医療担当部長の平賀正司でございます。特命担当部長の成田友代でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○遠藤委員長 紹介は終わりました。
○遠藤委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○梶原福祉保健局長 平成二十七年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
今回、ご審議をお願いいたします議案は、条例案一件、事件案一件、専決処分の報告及び承認案二件の合計四件でございます。
初めに、条例案の概要をご説明申し上げます。本定例会に提案しております条例案につきましては、女性福祉資金貸付事業の充実を図るものでございます。
続きまして、事件案でございますが、東京都が有する遺贈財産に係る権利を放棄するものでございます。
最後に、専決処分の報告及び承認案でございます。地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例及び東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の報告を行い、承認を求めるものでございます。
なお、詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。
以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○山岸総務部長 お手元の資料、平成二十七年第二回東京都議会定例会条例案等の概要をごらんください。
資料の順に沿ってご説明いたします。
初めに、条例案についてご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。整理番号1、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
女性福祉資金貸付事業の充実を図るため、延滞利子の利率を引き下げるとともに、修学資金の貸付限度額を引き上げるものでございます。
この条例は、公布の日から施行することとしていますが、改正後の延滞利子の利率及び貸付限度額は、平成二十七年四月一日から適用することとしています。
続きまして、事件案一件についてご説明申し上げます。
二ページをお開き願います。整理番号1、権利の放棄についてでございます。
東京都に対して遺贈財産が寄附されましたが、そのうち不動産については、遺贈目的である都の福祉事業に供する使用用途がないなどのため、また、古銭及び外国硬貨については、通貨としての資産価値が認められないため、遺贈財産に係る権利を放棄させていただくものでございます。
最後に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき知事が行った専決処分の報告及び承認案についてご説明申し上げます。
三ページをごらんください。整理番号1、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてでございます。
地方分権改革に係る、いわゆる第四次一括法の施行による関係法令の整備に基づき、都道府県知事に権限が移譲されたことなどにより、所要の改正を行う必要が生じましたが、議会を招集する時間的余裕がないことが明らかと認められたため、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく知事の専決処分により所要の措置を講じ、本年三月三十一日に条例第九十二号として公布し、同年四月一日に施行させていただきました。
本件は、そのご報告を行い、ご承認をお願いするものでございます。
四ページをお開き願います。整理番号2、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてでございます。
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令の施行に伴い、保育所の運営について重要事項に関する規程等に係る規定を設けるなど、所要の改正を行う必要が生じましたが、議会を招集する時間的余裕がないことが明らかと認められたため、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく知事の専決処分により所要の措置を講じ、本年三月三十一日に条例第九十一号として公布し、同日、及び同年四月一日に施行させていただきました。
本件は、そのご報告を行い、ご承認をお願いするものでございます。
以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○遠藤委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 資料要求はなしと確認をさせていただきました。
○遠藤委員長 次に、陳情の審査を行います。
初めに、陳情二七第一号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○高原障害者施策推進部長 お手元にお配りしております陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号1、陳情二七第一号、精神科病棟転換型居住系施設の構想等に関する陳情は、墨田区の特定非営利活動法人こらーるたいとう内、病棟転換型居住系施設を考える東京集会実行委員会世話人の加藤真規子さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、精神障害者が地域社会において自立した生活を送るため、次のことを実現していただきたいというもので、1、地域移行支援型ホームについて撤回するよう、国に対し意見書を提出すること。
2、一年以上の入院となった社会的入院者の退院、地域移行、地域定着支援に向けた活動費(交通費、体験宿泊外泊費用など)を支給すること。
3、入院中から移動介助など介助者を使うことができるように、制度を拡充すること。
4、精神障害者本人、特に一年以上の入院となっている社会的入院者本人からの申し出、主張、希望を把握するアドボカシー制度を早急につくること。
5、障害者欠格条項を設けている資格や免許等について精神障害者が相談をしてきた場合は、丁寧に相談に応じ、必要な情報提供を行うよう、区市町村を支援すること。
6、都における新規の措置入院が他府県と比較して、人口比で突出して多いため、精神科医療のあり方を根本的に見直すこと。
7、精神科病院が八王子、青梅地域に偏在しているため、東部地域で暮らす精神障害者が精神科救急で遠くの八王子、青梅方面の精神科病院に搬送されることが多い。これにより、東部地域で暮らす精神障害者が日常の病院で受ける治療と救急搬送により八王子、青梅地域の精神科病院で受ける治療との間に一貫性がなく、安心して療養することができないため、都内における精神科病院の偏在の是正を行うこと。
8、精神科の治療を受けている人が他の診療科目を受けなくてはならないときに拒否されることがないように、協力システムの強化拡充を図ること。
9、心身障害者医療費助成制度の対象者に、精神障害者も加えること。
10、精神障害者の地域社会での移動をしやすくするため、交通費の助成制度を予算面及び制度面から拡充すること。
以上の十点でございます。
現在の状況についてご説明をさせていただきます。
第一につきましては、国の省令で定める指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準では、グループホームは、住宅地または住宅地と同程度に利用者の家族や地域住民との交流の機会が確保される地域にあり、かつ入所施設または病院の敷地外にあるようにしなければならないとされています。
平成二十七年一月の同基準の改正により創設された地域移行支援型ホームは、平成三十六年度末までの間、所定の条件を満たす場合に限り、病院敷地内へ試行的に設置できることとされており、その将来的なあり方については、平成三十年度に改めて検討することとしています。
第二につきましては、都は、入院中の精神障害者の円滑な地域移行、地域定着を進めるため、相談支援事業所等に地域移行のためのコーディネーターを配置し、退院への働きかけや病院と地域の関係機関との調整を行うとともに、グループホームに専用居室を確保し、入院中に地域生活を経験できる体験宿泊等を実施しています。
第三につきましては、精神障害者に対する福祉サービスの実施主体である区市町村は、屋外での移動が困難な障害者の自立と社会参加を促すため、地域の実情に応じ、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業として、移動支援事業を実施しています。
第四につきましては、平成二十四年六月に、新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チームから出された精神障害者の入院制度に関する報告では、入院した人は、自分の気持ちを代弁し、病院などに伝える役割をする代弁者であるアドボケーターを選ぶことができる仕組みを導入するべきとされました。
国は、代弁者の実施主体、活動内容等についてさまざまな意見があることから、平成二十五年六月の精神保健福祉法改正には盛り込まず、引き続き、具体化に向けた調査研究を行っていくこととしています。
第五につきましては、都の精神保健福祉センターでは、精神障害者からの相談に適切に対応できるよう、区市町村職員等を対象として、精神保健福祉に関する専門知識、援助技術の向上を図ることを目的とした研修や、関係法令及び制度に関する情報提供などの技術援助を実施しています。
第六につきましては、都は、医療及び保護のために入院させなければ自傷他害のおそれがあると認められる精神障害者に対する措置入院について、精神保健福祉法及び国が定める基準に従い実施しています。
第七につきましては、都では、医療法に基づき、東京都保健医療計画において、都全域を対象として精神病床の基準病床数を定めています。
第八につきましては、都は、精神疾患早期発見・早期対応推進事業において、地域の一般診療科医師を対象として、精神疾患や精神保健医療の法制度等に関する研修や精神科医師との合同症例検討会を実施し、精神疾患に関する理解促進に努めています。
また、精神障害者が急なけがや病気になったときにも、身近な地域で適切な救急医療が受けられるよう、地域精神科身体合併症救急連携事業を実施し、地域における精神科の拠点となる医療機関において、一般救急医療機関に対する助言や、治療後の精神科医療機関への受け入れ調整等を行い、連携体制の強化を図っています。
第九につきましては、障害者総合支援法では、精神疾患があり、通院による精神医療が継続的に必要な方が、法で定める自立支援医療(精神通院医療)を申請し認定された場合には、医療費が助成されます。自己負担については、所得、疾病、症状及び高額な治療の継続の要否等に応じ、上限月額が設定されており、負担上限月額が設定されていない方については、原則一割負担とされています。
これに加え、都では、区市町村民税非課税世帯について、自己負担を全額無料とする独自の軽減策を実施しています。
第十につきましては、都は、精神障害者の自立と社会参加を促進するため、都内に住所を有する精神障害者保健福祉手帳所持者に対し、都電、都バス、都営地下鉄及び日暮里・舎人ライナーに無料で乗車することができる都営交通乗車証を発行しています。
また、国に対し、他の障害の手帳所持者と同様に、交通機関の運賃割引制度などのサービスを受けることができるよう、関係機関への働きかけの強化を要望するとともに、関東鉄道協会等の民間事業者に対しても、精神障害者に対する割引運賃制度の適用について要望しています。
説明は以上でございます。ご審議のほど、どうぞよろしくお願いをいたします。
○遠藤委員長 説明は終わりました。
念のために申し上げます。陳情二七第一号中、病院経営本部所管分に対する質疑は、既に終了をいたしております。
本件について発言を願います。
○小宮委員 精神科病棟転換型居住系施設の構想等に関する陳情についてですけれども、精神障害者に対する医療の提供体制や地域移行、地域生活支援の充実などについて、さまざまな要望が出されております。
その中で、一つ目の項目である地域移行支援型ホームについて確認をしてまいりたいと思います。
都の説明によりますと、国の省令で定められた基準では、グループホームは入所施設または病院の敷地外にあるようにしなければならないとされておりますけれども、本年一月の改正によって創設された地域移行支援型ホームというのは、所定の条件を満たす場合に限り、病院敷地内へ試行的に設置できることとされているということであります。
陳情を出された方は、今回の国の基準改正で創設されたこの地域移行支援型ホームについて反対をされており、国に対して撤回をするよう都に求めております。
そこでまず、今回の国の基準改正によって創設された地域移行支援型ホームというものはどういうものなのか、確認をしておきます。
○高原障害者施策推進部長 平成二十六年七月に公表されました国の長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会の取りまとめにおいて、入院中の精神障害者が地域移行する際には、地域生活に直接移行することを原則としつつ、入院医療の必要性が低い精神障害者の居住の場の選択肢をふやすという観点から、病院の敷地内でのグループホームの試行的な実施についての提案がなされました。
この検討会の取りまとめを踏まえ、国は、本年一月に基準改正を行い、入居者の生活の独立性が確保されていること等の所定の条件を満たす場合に、地域移行支援型ホームとしてグループホームを病院敷地内に設置することができる特例が設けられました。
地域移行支援型ホームは、長期間入院している精神障害者の地域移行を支援するための選択肢の一つとして試行的に実施するものであることから、平成三十六年度末までの間の時限的なものとされ、また、国は平成三十年度にその将来的なあり方を検討するとしております。
○小宮委員 ただいまの答弁の中で、入院中の精神障害者の居住の場の選択肢をふやすという観点から、国は、病院敷地内におけるグループホームの経過的な特例として、地域移行支援型ホームというものを創設したということでありました。
しかしながら、国の検討会の中でも、病院資源をグループホームとして活用することに対して、賛否を含めさまざまな意見が出されたと伺っています。特に、病院と同じ建物内や敷地内である限り、その自由意思というものは担保されず、入院中と何ら変わらず、地域生活といえない、そういう生活を強要される懸念があるといった強い否定的な意見も出たというふうに聞いております。
東京都においても、今回の国の基準改正を受けた対応を検討するに当たっては、当事者である精神障害者の方、また医療関係者、それから地域生活の支援を担う事業者の方など、当事者の方や、実際に精神障害者の地域移行、また地域の定着への支援に携わっている、そういうさまざまな方々から幅広く意見を聞くことが重要であると考えます。
そこで、今回の国の基準改正に当たって、東京都はそうした当事者の方や精神科病院、地域生活を支援している事業者の方などから意見を聴取したと聞いていますが、その内容について確認しておきます。
○高原障害者施策推進部長 今回の国の基準改正を受け、都では、本年二月に開催をいたしました東京都障害者施策推進協議会、また五月に開催をした東京都地方精神保健福祉審議会において、地域移行支援型ホームの創設について意見を聴取いたしました。
このうち障害者施策推進協議会は、障害者基本法に基づき障害者のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るために設置するもので、学識経験者、障害者、障害福祉事業者、関係行政機関の職員などの委員により構成をされております。
この協議会では、地域移行支援型ホームの創設に対して、一部の委員からは、退院後の生活に不安を持つ中、病気を抱える方にとって病院が近くにあるのは安心といったような意見も出されましたが、病院敷地内に居住施設をつくるのは時代に逆行している、なるべくまち中へグループホームをつくってきた都の地域移行に反するといったものや、病院敷地内につくらなくても精神科医療と生活支援のサポートを地域に用意すればよいことであるなど、否定的な意見が多く出されました。
また、地方精神保健福祉審議会は、精神保健福祉法に基づき精神保健及び精神障害者の福祉に関する事項を審議するために設置するもので、学識経験者、医療関係者、社会復帰関係者、関係行政機関の職員などの委員により構成されております。
この審議会では、委員から、敷地内グループホームはやはり病院の中で、当事者から見れば病院と変わらないというものや、東京都では障害福祉計画で病院からの地域移行を進めていくということなので、今までどおり地域移行を進めてほしいといったような趣旨の意見が出されたところであります。
○小宮委員 地域移行支援型ホームを創設した国の基準改正に対して、東京都の各協議会における状況はよくわかりました。
今回の国の基準改正を受けた都の対応を検討するに当たっては、これらの協議会等の委員から出された意見というものを十分に踏まえる必要があると考えます。
そこで、国の省令である基準改正を受けた条例の改正について、東京都はどのように考えているのか伺います。
○高原障害者施策推進部長 今回改正されました国の基準は参酌すべき基準でありまして、地方自治体は地域の実情に応じて条例の内容を定めることができるというふうにされております。
先ほどもご答弁いたしましたとおり、今回の国の改正に対して、都は障害者施策推進協議会、地方精神保健福祉審議会において意見を聴取いたしましたが、否定的な意見が多く出されたところであります。
また、都は現在、精神障害者地域移行体制整備支援事業を実施し、コーディネーターを配置するなど、長期入院中の精神障害者の地域移行や地域定着を進めるとともに、第四期東京都障害福祉計画において、障害者・障害児地域生活支援三か年プランを定め、グループホーム等、障害者の地域生活基盤の整備促進に取り組んでいるところであります。
このような状況から、現状においては、地域移行支援型ホームを創設するための条例改正を行う状況にはないと考えております。
なお、国は地域移行支援型ホームについて、平成三十年度にその将来的なあり方を検討するとしております。今後とも国の施策の動向に注視してまいります。
○小宮委員 地域移行支援型ホームについては、東京都は、都民意見も踏まえ、現状では創設のための条例改正を行う状況にはないということでした。また、国の基準省令はあくまでも参酌すべき基準であって、各都道府県が地域の実情に応じて判断すべきものです。
今、あえて都が、その撤回までも国に求める必要はないと私は考えます。
また他の事項については、現在の状況の説明にもありましたけれども、都として既に取り組んでいることも多く、引き続き着実に進めていただくことが重要と考えております。
そういう意味で、本陳情については不採択とすべきであるとの意見を述べ、私の質疑を終わります。
○和泉委員 私からも、この地域移行型支援ホームについて伺いたいと思います。
陳情者は、地域移行支援型ホームについて、撤回をするように国に対して意見書を提出してくださいというふうに求めています。
地域移行支援型ホームは、端的にいえば、精神科病床を減らしたときに、その部分を改装してグループホームとして利用できるというものです。
独立性のある構造にするとか、それから職員を病院とは別にしなければいけないとか、自由に出入りできるようになっている必要があるとか、一定の条件をクリアしている場合の特例的な扱いということにはなっていますが、実際には、病院だった部分を改装してということになるわけですから、これで地域移行ということになるのかということが国会でも議論されています。
先ほど、都の障害者施策推進協議会ではどのような意見が出ているかということも、その他の審議会などでの意見も踏まえてご答弁がありましたので、繰り返し同じ答弁を求めることは避けたいというふうに思いますが、障害者施策推進協議会には、当事者を含めて障害者団体も多く参加しています。
そこで、この制度に反対する声が圧倒的な意見として出されている、ここをやはり都としてしっかり受けとめる必要があるだろうというふうに思います。病院の敷地内につくるというのでは、この地域移行支援型ホームは、本来の地域移行支援とはいえないんじゃないかというふうに思います。
先ほど答弁にもありましたけれども、都は第四期障害福祉計画で数値目標を設定して退院率を引き上げるという方針を明確にしています。また長期ビジョンでも、そのための受け皿にもなる障害者グループホームの増設目標を引き上げて、受け入れ体制を整えようとしています。この流れにも逆行するものになるだろうというふうに思います。
グループホームの増設目標については、障害者団体などからの要望を考えれば、十分とはいえないと私は思いますが、それでもそのような努力がなされているところです。
しかし、その一方で、病院が病床を減らした分をグループホームにして、病院敷地内に居住できるようにしてしまえば、逆に本来の地域移行をますますおくらせてしまう懸念もあります。
国の動向がどうであろうと、都として、当事者や団体の意見を踏まえた対応をすることが必要だと思いますが、確認のためにもう一度答弁をお願いいたします。
○高原障害者施策推進部長 先般、策定いたしました東京都障害者計画、第四期東京都障害者福祉計画を初め、都は、これまでも障害者施策の取り組みにつきましては、障害者施策推進協議会等を通じて、障害者の方を初め、さまざまな方の意見や要望を聞きながら施策を進めてきたところであります。
この地域移行支援型ホームについては、国は、先ほども申し上げましたが、平成三十年度にその将来的なあり方を検討するとしております。今後とも国の施策の動向を注視してまいります。
○和泉委員 先ほど、答弁の中では、現段階においては条例改正を行う状況にはないということでしたが、その立場には変わりないということでよろしいんですよね。
○高原障害者施策推進部長 そのとおりでございます。
○和泉委員 私は何よりも、精神障害者自身の意思が尊重されて、住みたい場所で生活できるということが重要であり、その方向こそが本来の地域移行支援だと思います。国のやり方が時代に逆行しているという指摘も、もっともだというふうに思います。
改めて、国の方向がどうであれ、都は、本人の意思が尊重され、できる限り本人が住みたい場所で生活できる、本来の地域移行を支援する立場を貫くよう重ねて求めておきます。
本陳情にはほかにも多くの項目が挙げられています。陳情者にも直接話を聞きましたが、精神障害者がほかの障害者と同様の支援が得られるようにしてほしい、その願いから、そうなっていないと思われる事項について陳情を上げたとのことでした。入院中を含む移動支援も、退院後の地域移行が定着する上では、リハビリ的な外出、移行先の下見など何回も行う必要が出てくると思います。
そして、とりわけ精神疾患の場合には、健常者よりも不安や恐怖を強く感じてパニックを起こしやすいわけですから、丁寧な支援が必要です。
また、精神障害だけでなく、障害を持っている人が他の診療科を受けるとき、入院が必要になったとき、一般の病院で受け入れてもらえないという話は、これまで私自身も何度も耳にしてきました。
さらに、連携体制の強化を図っているということですが、実際に当事者や団体などの声を踏まえた取り組みを強めていただきたいというふうに思います。私たちのことを私たち抜きに決めないで--これが障害を持った方たちの声です。この当たり前のことが当たり前に行われてこなかったからこそ、今、改めて、このような声を上げているわけです。
私も含めて健常者には、障害を持った方たちが何に困っていて、どんな支援が必要か、頭で考えるだけでは限度があります。
障害者権利条約は、障害が、機能障害を有する者と、これらの者に対する態度、環境による障壁との間の相互作用であって、これらの者がほかの者との平等を基礎として社会に完全かつ効果的に参加することを妨げるものによって生ずるというふうに指摘しています。
五年後にパラリンピックを開催する東京が、この条約の立場で、障害者施策拡充を推進して、国に対してイニシアチブを発揮するよう求めるとともに、本陳情は採択されるべきという意見を述べて、発言を終わります。
○斉藤(あ)委員 それでは、私の方からも、この陳情は項目が多岐にわたりますが、1の地域移行支援型ホームの設置について伺います。
この地域移行支援型ホームの概念については、先ほどからるる説明及び答弁がございました。ぜひ伺いたいのは、こういった施設建設、そしてまた運営と、最初のイニシャルのコスト、運営コストの部分についてどのくらいかかるのかというのが、運営している側、病院を運営する側から見れば、自分のところの施設をこういうふうに転換してどういうメリットがあるのかというふうな部分を考えるときに、やはりイニシャルコストと運営コストの部分というのは、当然、非常に大きな判断のファクターになると思います。
施設建設と運営に関して、医療機関側のメリット、デメリットについてぜひ把握したいと思うんですが、この施設の建設と運営に当たって、条件について詳しく教えていただきたいと思います。
○高原障害者施策推進部長 地域移行支援型ホームの運営等に関する基準につきましては、国の基準省令や解釈通知において規定をされております。
具体的な条件といたしましては、まず、定員について、病院の精神病床数の減少を伴うものであって、病院の定員一以上の削減に対し、地域移行支援型ホームの定員を一とする。つまり、病院の定員の削減数の範囲内で、地域移行支援型ホームの定員を設置することとされております。
また、地域移行支援型ホームの入り口は、病院の患者等が利用する病院の入り口と異なるものとするなど、構造的に病院から一定の独立性が確保されていなければならないとされているほか、従業者は病院の従業者と兼務してはならないなどの制限がございます。
さらに、運営期間は指定を受けてから六年間と時限的なものとされており、国は将来的なあり方を平成三十年度に検討するとしてございます。
○斉藤(あ)委員 ありがとうございます。
まず、退院促進が進む中で、病院の定員数を減らさなきゃいけないというふうなことがあったときに、それを運営上補う意味で、こういった移行支援型ホームというものがふえていくんじゃないかという懸念は当然あるわけです。
それは恐らく患者さんたちや陳情者にとっても同様のものだと思うんですけれども、今、伺うと、病院の病床数、定員の削減をした場合には、その数の分だけ地域移行支援型ホームの定員はつくれるけれども、それを超えてつくるということはできない。ということは、つまり、一方で減らしたけれども、それを補ってなお余りあるような定員数をホームの方でつくるというふうなことはできないわけですので、これは運営する側から見ればプラスになる部分というのがなかなか見込みづらいかなというのを感じます。
また、従業員も病院と兼務してはならない、つまり独立してホーム側の方に職員を配置しなきゃいけないとなると、この部分で職員の削減といったコストの削減ということがなかなか難しいわけでして、そうすると、かなり人材確保の部分でも、病院側としては決して、物すごくメリットがあるというふうな運営にならないんじゃないかなというふうなことも、今、答弁いただいただけでも感じるところであります。
そうすると、なかなか運営側としては喜んで手を挙げるという環境にないのかなというふうな印象を受けるわけなんですが、これはわかればというところではありますけれども、実際にこの施設への転換を検討しているという医療機関があるんでしょうか。そこを伺います。
○高原障害者施策推進部長 先ほどもご説明をいたしましたが、都は本年五月に改正をいたしました東京都地方精神保健福祉審議会において、この地域移行支援型ホームに対して意見聴取をいたしました。
そこで、さきにご答弁を申し上げました以外にも、医療機関代表の委員からは、所属する協会で調査をしたが、条件も厳しく、設置を希望する病院はほとんどなかった。建てかえ時なら検討の余地ありとした病院も少数あったが、積極的にやりたいということではなかったといった意見が出されたところでございます。
○斉藤(あ)委員 ありがとうございます。
今の審議会は私も一時期メンバーとして参加をさせていただきましたが、医療機関の関係の方は大変精神保健に対して熱心な方でありますので、かなり具体的な発言があったんじゃないかなというふうに想像されますけれども、今、聞いた限りでは、東京都内において積極的に転換を図る計画をしているという医療機関がないということであります。
私も先ほどの条件を聞いてみて、なかなか積極的にプラスになるという感じじゃないなという印象を持ったわけですが、実際に意向調査の部分では、手を挙げる病院がほとんどないということで、ちょっとほっとしている感じでもあります。
今回この移行について、平成三十年度にはもう検討しなければならないと。また、今、現状の制度では手を挙げるところがほとんどないということで、国の方の制度に対して積極的に意見書をというふうな環境にはまだないのかなと思うと同時に、三十年度のときの検討について、実際にどういうふうになっていくか、この辺に着目をしていきたいなというふうに思っております。
また、この陳情に関して、ほかにも多岐にわたっておりますが、実際に実行されている部分、また同時に、具体的に制度を直していく中で、慎重に丁寧に現場の部分の状況を踏まえて対案をつくっていくようなものもかなりたくさんございますので、今回のところでは、私どもの会派としては、不採択というふうに判断をしたいなというふうに思っております。
以上でございます。
○遠藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決をいたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二七第一号は不採択と決定をいたしました。
○遠藤委員長 次に、陳情二七第五号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○高原障害者施策推進部長 お手元にお配りをしております陳情審査説明表に従いましてご説明をさせていただきます。
整理番号2、陳情二七第五号、浸水が想定されるぽかぽか広場内の障がい者支援施設への補助金交付反対に関する陳情は、狛江市の南雲光男さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、都において、浸水が想定される危険な場所である狛江市ぽかぽか広場内に建設予定の障害者支援施設への補助金を交付しないでいただきたいというものでございます。
現在の状況についてご説明させていただきます。
都は、国庫補助制度を活用した障害者児施設の整備について、障害者(児)施設整備費補助要綱で、補助対象となる事業、交付額等の基準などを定め、補助を行っています。
補助対象事業の選定に当たっては、学識経験者等の外部委員等で構成した社会福祉施設整備費補助対象法人審査委員会において、都が定めた施設整備基本指針に基づき施設整備計画を審査するとともに、対象法人の適格性、事業計画の妥当性、建築関係法令との適合性等を審査しています。
当該施設については、同審査委員会において、審査基準に基づき審査を行った結果、適格と認められたことから、国庫補助協議書を国に提出しております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いを申し上げます。
○遠藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○大山委員 この陳情は、ぽかぽか広場というところに障害者施設をつくらないでほしいというか、補助を許可しないでほしいという陳情ですけれども、私も現地に行って、市からも経過を伺いました。どこが適地なのかということも、ぽかぽか広場を含めて四カ所検討してきたということもわかりました。
障害者施設、現在三カ所ある福祉作業所は、それぞれ場所が狭いし、施設が不十分だし、建物も弱くなっているという問題があって、作業環境も十分だとはいえないということだとか、それから、居住支援のグループホームや施設入所などとか、ショートステイも、日中活動系のサービスなどの機能をあわせ持つ施設もないんだということで、いろいろな場所を探したけれども、地域生活支援拠点をつくるということでは、ここが適地なんだということなんです。実際、ショートステイも市内に三カ所しかないということですから、非常に急がれるということがいえると思っています。
ハザードマップで、確かに、多摩川が氾濫したら二メートルの浸水が想定されているわけです。ハザードマップは危険を知って対策をとるためのものですから、陳情者が述べているように、障害者は災害に対して、より被害も大きくなりがちですから、だからこそ浸水を想定した、建物での避難場所の設定だとか、気象情報などでのいち早い判断なども含めて対策を十分にとることが求められていると思っています。
障害者の施設をつくるとき、残念ながら反対されることが時にあるわけですけれども、私の地元でも知的障害のグループホームを建てるときに大きな反対運動があって、でも、何とか建てて十年たったんですけれども、今は非常に、町会の皆さんとも一緒に行事に参加したり、それから、外にも出ていくということでは、いい関係になっているんです。
障害者施設をつくることへの反対というのは、わからないからということが大きいのではないかと思っています。実際に、この狛江の現地でも、強く反対していた方々が現在はもう反対していないという状況もあるようです。
ですから、今後も丁寧な説明を引き続きしていくということが重要だと思っていますという意見を述べて、これは反対ということです。
○遠藤委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二七第五号は不採択と決定をいたしました。
○遠藤委員長 次に、陳情二七第七号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○高原障害者施策推進部長 お手元にお配りしております陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
整理番号3、陳情二七第七号、精神障害者保健福祉手帳及び自立支援医療受給者証の更新期日の事前案内に関する陳情は、港区の神浦信生さん外二百六十一人の方々から提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、都において、精神障害者保健福祉手帳及び自立支援医療受給者証の更新期日の到来に関する事前案内を送付していただきたいというものでございます。
現在の状況についてご説明させていただきます。
精神保健福祉法等により、精神障害者保健福祉手帳の有効期間は原則として二年、自立支援医療受給者証(精神通院)の有効期間は原則として一年と定められています。
都においては、有効期間の終了する三カ月前から更新申請を受け付けており、手帳及び受給者証にその旨、明記しています。
また、平成二十五年度からは、更新申請手続に関するリーフレットを作成し、これを活用して手帳及び受給者証所持者に更新手続の案内や有効期間の注意喚起をするよう、区市町村や指定医療機関等に対して協力依頼をしているところでございます。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○遠藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○中山委員 陳情二七第七号につきまして、都議会公明党を代表して意見を表明します。
これまで都は、陳情に代表される都民要望に応えて、精神通院に関する自立支援医療受給者証の有効期間が原則一年であること、精神障害者保健福祉手帳の有効期間が原則二年であること、そして、有効期間の満了日の三カ月前から更新申請が可能であることを、既に我が党の過去の質疑に応える形でチラシを作成し、区市町村の窓口などで配布しています。
今回、陳情では、港区の取り組みの例が言及されています。港区の取り組み例は、該当区民が希望する場合、あらかじめ希望者が郵送用の切手を張った封筒を窓口に提供する形で、更新時期が到来する際に、申請手続を勧奨するお知らせを区役所から発送するものであります。
この取り組みは、自治体側の特段の予算組みを必要としないという点で、自治体財政力の強弱に左右されるものではなく、さらに、お知らせを望まない世帯には届かないようにするものでもあり、効果的と考えます。
しかしながら、当該更新申請の受け付けそのものは、都事業ではなく区市町村事業であるため、都が直接履行できる性質のものではありません。
とはいえ、改めて都の福祉保健局として、港区の実施例の効用などを調査いただき、利点が多く区民から喜ばれている場合には、関係課長会などの機会を通じて、港区の取り組み例を都内区市町村に周知し、関係者からも好評である旨をお伝えいただくことは可能であると考えるものです。
この点のご努力の実施を要望し、本陳情の趣旨に賛同する意見表明といたします。
○大山委員 私からも意見を述べます。
同様の陳情が二年前にも趣旨採択されていて、福祉保健局も改善しているということなんですけれども、陳情の理由にもあるように、高次脳機能障害の方の困難というのはわかりますし、それから、自立支援医療受給者証の有効期限が一年で、精神障害者保健福祉手帳の有効期限が二年ということなわけですから、やはり高次脳機能障害の方の困難というのは非常に大きいということはわかるわけです。
したがって、その障害をどうすれば障害にしなくて済むのかというのは、施策としてできることだということなんですよね。ですから、この陳情にあるように配慮してくださいということなんです。
申請主義です、書いてあります、リーフレットもつくってありますということなんですけれども、やはり実際、通知が来て助かっているんですということなわけですから、やはり一声かけて、あなたのこの手帳の更新時期ですよということで、もう一歩進めていってほしいと思いますので、趣旨採択していただきたいと思います。
○あさの委員 私からも何点か確認をした上で意見を述べさせていただきたいと思いますが、今、ほかの委員からも発言があったとおり、これは以前に同様のものが陳情二五第四号という形で出されておりまして、厚生委員会、それから本会議を通じて趣旨採択という形になっております。
その当時、自立支援医療受給者証や精神障害者保健福祉手帳の有効期限が到来する前に、郵便などで連絡をもらえるよう体制を整備することということが、当時の願意の中の一つでありましたけれども、それについて、都としても努力をしてきていただいた、この趣旨採択から都として努力したことについては評価できると思います。
しかし、やはり今述べたように、郵便などで連絡をもらえる、港区は独自にやっているということでありますが、個々人に更新のお知らせを届けるということができていないということも事実でありますので、まず、そもそも更新のお知らせを届けるということができないということの原因について伺いたいと思います。
○高原障害者施策推進部長 精神障害者の方においては、鬱病や統合失調症など疾病は多岐にわたり、その症状も軽い方から重い方までさまざまでございます。中には、自分が精神科に通院していることや精神障害者保健福祉手帳を所持していることを、ご家族に知らせていない場合もあるやに聞いております。
こうした方々にとっては、一律に手帳等の更新申請の案内を送付することは、かえってご迷惑になることも想定されること等から、更新申請の案内を送ることは現在してございません。
○あさの委員 確かにそういった原因もさまざまあると思います。恐らく、この陳情者の方もそういった話をいろいろ聞いてきたんだと思うんです。なので、この陳情の中でさまざまな対策、自分たちで考え得る個人情報だったり、それを望まない人たちについてどうしたらいいかということについても、こうしたらどうかというような意見まで述べているわけであります。
私もいろいろ考えますが、もちろん郵送してほしいというのは前回のものではありますけれども、通知をするという観点でいけば、今の時代、別に郵送にこだわらなくても、インターネットのメール等も使えると思います。自分でアドレスと更新日時を手帳を見ながら登録するだけで、リマインダーのように勝手に来るというようなものをつくったりすることも考えられるのではないかと。
特に郵送物の場合、最大だとこれは二年、原則としてあるわけですけれども、二年間、つまり郵送物をちゃんと保管しておいた上で、あるいは郵便局に依頼するにしても、やはり切手で負担してもらっても多少のコストはかかるという状況でもありますし、責任の所在もはっきりさせなきゃいけないというのがありますが、自動的にオートマチックにできるシステムというのもあるわけで、そういったものの活用というのも検討できるんじゃないかなというふうに思います。
望んでいることがあるのであれば、結果は、つまり要望している人たちはみんな通知をもらえるという状況をつくるには、そして、そこに近づくためにはどうしたらいいかという知恵を絞って、でき得ることを最大限考えて取り組んでみてはどうかと思いますけれども、それについての見解はどうでしょうか。
○高原障害者施策推進部長 精神障害者の方は、医療機関や訪問看護を利用されており、また区市町村や地域の相談支援事業者などの支援を受けていらっしゃることから、手帳等の有効期間の終了期日が近づいてきた際に、これらの関係機関から、更新申請の手続について声かけをしてもらうことは有効であるというふうに考えております。
このため、平成二十五年度からは更新申請手続に関するリーフレットを作成、配布し、対象の方に案内してもらえるよう、区市町村等の関係機関には協力依頼をしております。
今後とも区市町村を初め、関係機関と協力もしながら、精神障害者の方が円滑な更新手続を行えるよう努めてまいります。
○あさの委員 区市町村はもちろん窓口になりますので、そこに連携を求めるというのも大事なことですし、それはこれからもどんどん取り組んでいただきたいと思います。
一方で、都としては、やはり大きな、広域的な自治体ということで考えれば、区市町村の窓口のサービスがどうであっても、自分たちがそうしたいなと望んだ人は自分がちょっと努力するだけで、先ほどいったメールサービスでも何でも、できるようなものを用意してあげる、あるいはそれを用意するような組織なり団体なりというのを探してみるとかということも、一つの努力としてはあり得るのではないかと思います。
そういった意味で、今までの説明にあったとおり、家庭を含めた生活環境や、それから障害の程度など、考慮すべきことは本当に多岐にわたっておりますので、一律でやるとか、あるいは陳情者の願いにあるとおり、一律でやることに決めておいて、やってほしくない人だけいってもらうというシステムというのは、やはりちょっと難しいのかなという気はいたしますが、とはいっても、まだまだ技術の進歩等も含めると取り組める余地はきっとあるんだろうというふうに思いますので、民主党としても、これは趣旨採択が妥当ではないかというふうに考えます。
以上です。
○おときた委員 陳情二七第七号について、意見を申し述べます。
本陳情については、同内容のものが以前にも厚生委員会で趣旨採択をされております。
そこから東京都は、該当の手帳内で記載を目立たせるなど、更新手続への注意喚起を行ってきたことは一定の評価がされるところですが、根源的な解決には至っておりません。精神障害者の方々の症状はさまざまであり、どうしても更新期日を管理できないという当事者の声は深刻なものがございます。
東京都が課題としている、先ほどの質問でもありました個人情報、プライバシーの問題については、陳情者の提案のとおり希望制にする、あるいは内容のわからないはがきを送付する、個人宛てのインターネット、Eメールを使うなど、一定の解決が可能だと考えられます。
以上の理由から、かがやけTokyoは本陳情を趣旨採択とし、東京都のより一層の対応に期待をするものです。
以上です。
○遠藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二七第七号は趣旨採択と決定をいたしました。
以上で福祉保健局関係を終わります。
なお、本日審査いたしました陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
午後二時散会
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