厚生委員会速記録第五号

平成二十六年三月十九日(水曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長まつば多美子君
副委員長塩村あやか君
副委員長早坂 義弘君
理事遠藤  守君
理事和泉 武彦君
理事山加 朱美君
山内  晃君
栗山よしじ君
田中  健君
和泉なおみ君
今村 るか君
ともとし春久君
野島 善司君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長川澄 俊文君
総務部長中川原米俊君
病院経営本部本部長醍醐 勇司君
経営企画部長和賀井克夫君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 厚生委員会所管分
・第五号議案 平成二十六年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
・第六号議案 平成二十六年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・第十七号議案 平成二十六年度東京都病院会計予算
・第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 厚生委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第六十四号議案 東京都社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
・第六十五号議案 東京都後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例
・第六十七号議案 東京都介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
・第六十八号議案 東京都介護職員処遇改善等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
・第七十号議案 東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
・第七十一号議案 東京都民生委員定数条例
・第七十二号議案 東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例
・第七十三号議案 介護保険法施行条例の一部を改正する条例
・第七十四号議案 東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十五号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに係る地方独立行政法人法第四十四条第一項の条例で定める重要な財産を定める条例の一部を改正する条例
・第七十六号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第七十七号議案 東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十八号議案 東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十九号議案 東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第八十号議案 東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
・第八十一号議案 東京都肢(し)体不自由者自立ホーム条例を廃止する条例
・第八十二号議案 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定による任意入院者の症状等の報告に関する条例の一部を改正する条例
・第八十三号議案 東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十八号議案 東京都医療施設耐震化臨時特例基金条例の一部を改正する条例
請願の審査
1 二五第四六号 東京の待機児童の解消と「保育の質」の向上のための予算増額に関する請願
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○まつば委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○まつば委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案及び請願の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、厚生委員会所管分、第五号議案、第六号議案、第十七号議案及び第百二十九号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、厚生委員会所管分を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○栗山委員 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十六年度予算案は、都民の安全・安心の確保に向けた取り組みや、都市の活力を向上させる取り組みに重点的に財源を投入しており、その結果、政策的経費である一般歳出が二・五%の増となるなど、オリンピック・パラリンピックに向けて東京の魅力を一層高めていくために必要な取り組みを推進するものとなっています。
 また、緊急輸送道路の機能確保などの都市基盤の高度防災化や、国際競争力の向上に資するインフラ整備など、投資効果の高い事業に積極的に財源を振り向けた投資的経費は、十年連続の増加となっております。
 一方で、事業評価などを通じ、施策の効率性や実効性を向上させる自己改革の取り組みをさらに推進した上で、都債を計画的に活用し、基金の残高確保に努めるなど、財政基盤のより一層の強化を図っています。これは、必要な施策の充実とそれを支える財政基盤の堅持という二つの課題にしっかりと対応したものであり、評価するものであります。
 景気の回復を受け、都税収入は三年連続で増加となりましたが、景気変動の影響をまともに受ける構造にある都財政の歴史を踏まえれば、決して楽観視できる状況にはありません。東京を世界で一番の都市にの実現に、引き続き堅実な財政運営に徹することを望みます。
 最後に、現下の都民生活を取り巻く状況を適切に踏まえ、都民が施策の効果をできる限り早期に享受できるよう、各局とも、迅速かつ着実な予算執行に努められるよう強く要望いたします。
 それでは、各局について申し上げます。
 初めに、福祉保健局関係について申し上げます。
 一、東京都地域防災計画に基づき、災害医療コーディネーターを核とした災害医療体制を構築し、医療機関の役割分担と機能強化を図るため、都内全ての病院の耐震化の促進や災害拠点病院の拡充など、災害医療体制の充実に努められたい。
 二、ハイリスクの妊産婦や新生児、重篤な小児救急患者に係る高度な医療を確保するため、施設、設備整備の支援に加え、医師の確保など、NICUの増床に取り組む医療機関の総合的な支援に努められたい。
 三、今後の高齢化の進展を見据え、切れ目なく医療、介護サービスを受けられるよう、区市町村の在宅療養推進の取り組みを支援するとともに、医療機関から在宅への円滑な移行を担う人材の育成、確保を支援するなど、在宅療養環境のさらなる充実に努められたい。
 四、がん診療連携拠点病院、東京都認定がん診療病院、東京都がん診療連携協力病院の拡充、機能強化を図りつつ、これらの病院と地域の病院、診療所の効果的な連携や、各医療機関の機能、専門性を生かした役割分担の実現など、都全体のがん医療提供体制の充実に努められたい。
 五、特別養護老人ホームの計画的な整備を進めるとともに、身近な地域での在宅サービスの基盤整備を図るため、区市町村が行う地域密着型サービス拠点や訪問看護ステーションの整備を図られたい。
 六、今後の急速な高齢化と生産年齢人口の減少に対応するため、将来に向けた介護人材の安定確保を図られたい。
 七、特養経営支援事業などにより、特別養護老人ホームに入所する医療的ケアが必要な方々への支援を充実されたい。
 八、高齢化の進展に伴い急増する認知症の人とその家族を地域で支え、安心できる暮らしを確保していくため、認知症施策の一層の充実を図られたい。
 九、待機児童の解消に当たっては、保育の実施主体である区市町村が行う取り組みを広く柔軟に支援するとともに、保育人材の確保、育成を推進されたい。また、多様な主体による認可保育所の整備、認証保育所の設置促進のほか、認定こども園、家庭的保育、小規模保育の充実などにも取り組み、保育サービスの拡充を図られたい。
 十、全ての人が安心して子供を産み育てられるよう、特定不妊治療に要する費用の助成や、出産前後に家族等の援助を受けられない母子への支援体制の充実を図られたい。
 十一、児童虐待を早期に発見し、より適切に対応していくため、児童相談所や子供家庭支援センターの組織体制などの機能を一層強化するとともに、虐待の未然防止に関する区市町村の取り組みについて支援を充実されたい。
 十二、子育て支援の一層の充実を図るため、企業やNPO法人などが地域で行うさまざまな取り組みを支援するとともに、地域子育て支援拠点の整備を促進し、利用者支援や地域支援の実施など、機能強化を図る区市町村を支援されたい。
 十三、障害者が入所施設から地域生活に安心して移行できるよう支援するとともに、地域で安心して生活するためのグループホーム等のサービス基盤について、引き続き整備促進を図られたい。また、新たな障害者福祉計画及び障害福祉計画を策定する際には、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えたものとされたい。
 十四、身近な地域において、精神障害者が治療を継続し、安心して地域で生活していけるよう、区市町村等と連携した訪問型支援の実施や精神疾患に関する地域医療連携体制の整備、民間等による短期宿泊事業の実施など、地域精神科医療の仕組みづくりに引き続き取り組まれたい。
 十五、保育所や特別養護老人ホーム等の福祉サービス基盤整備及び老朽施設の建てかえを促進するため、公有地のさらなる活用を図るとともに、民有地の活用策についても検討されたい。
 十六、平成二十五年十一月に策定した東京都新型インフルエンザ等対策行動計画に基づき、抗インフルエンザウイルス薬、個人防護具等の備蓄や地域保健医療体制の強化を図るなど、対策に万全を期されたい。
 十七、違法、脱法ドラッグの監視指導や規制の強化に加え、乱用防止に向けた普及啓発を強化し、都民の健康と安全の確保を図られたい。
 次に、病院経営本部について申し上げます。
 一、患者中心の医療の実現と高水準で専門的な医療を幅広く都民に提供できる体制を構築するとともに、都民の医療ニーズを的確に見据えながら、都立病院改革を着実に推進されたい。
 二、患者の療養生活を総合的に支援していくため、患者支援センターを設置し、地域との連携を図りながら、円滑な転退院、在宅移行に向けた相談支援機能を強化されたい。
 三、小児三次救急を担う小児総合医療センターと地域の小児医療の中核を担う小児二次救急医療施設間において、情報システムを活用し、空床情報の共有や画像診断等による支援など、施設間連携により多摩地域の小児医療体制の強化を図られたい。
 四、都立病院は災害拠点病院として中心的な役割を果たせるよう、関係機関との連携を強化するとともに、自家発電設備の設置等によるライフラインの強化を行うなど、災害対応能力の一層の向上に努め、首都直下型地震などへの備えに万全を期されたい。また、台風二十六号による大島町の大規模災害を踏まえ、風水害への備えの重要性についても改めて認識し、災害時の医療体制の充実にも努められたい。
 五、区東部保健医療圏における新型インフルエンザなどの新興感染症の発生に備え、感染症医療の拠点である墨東病院において、ほかの病棟から独立した感染症病棟及び外来の整備を進めるとともに、大規模流行期に必要な医療を確実に提供するため、地域医療機関等との連携体制を構築されたい。
 六、急性期医療、高度専門医療に積極的に取り組み、安定的で良質な医療サービスを提供していくため、次代を担う若手医師を育成、確保する東京医師アカデミーによる臨床研修の充実を図るとともに、看護師を初めとする医療人材の確保、定着対策を引き続き講じられたい。
 七、公益財団法人東京都保健医療公社病院は、地域の中核病院として、ほかの医療機関や都立病院との緊密な連携を推進し、住民が必要とする地域医療の充実に努めるとともに、災害拠点病院として災害対応能力の一層の向上に努められたい。
 以上で意見開陳を終わります。

○遠藤委員 では、私から、都議会公明党を代表して、本委員会に付託された平成二十六年度予算関係議案について意見開陳をさせていただきます。
 平成二十六年度の一般会計当初予算案は、引き続き堅調な企業収益や地方消費税率の引き上げなどによって増加した都税収入を活用し、政策的経費である一般歳出を、前年度比二・五%増の四兆七千八十七億円と二年連続で増加させております。
 その中身は、都民の安全・安心を守る取り組みや都市の活力を向上させる施策に財源を重点的に投入することとしており、東京の存在感を高める施策が盛り込まれた積極的な予算編成であることがうかがえます。
 具体的には、公明党がこれまで提唱してきた社会資本の老朽化対策はもとより、日本の成長を牽引するインフラ整備などに取り組むこととし、投資的経費は十年連続で増加させております。とりわけ、単独事業は前年度に比べ一〇・七%の増となっております。さらに、公明党が一貫して充実を求めてきた福祉と保健の分野については、予算額、構成比とも過去最高としております。
 一方、都財政は景気動向の影響を受けやすい不安定な歳入構造にあることに加え、平成二十六年度税制改正では法人住民税の一部が国税化されるなど、その先行きは予断を許す状況にありません。今後の税収動向に備え、財政基盤の強化を図ることは、将来にわたり安定的、持続的に行政サービスを提供していく上で必要な取り組みであります。中長期的な観点に立って、都債や基金の計画的な活用を図るとともに、事業評価などを通じ、施策の無駄をなくし、効率性や実効性の向上に努めていかなければなりません。その際には公明党提案の複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用しながら、きめ細かく分析、検証を行うよう求めておきます。
 今後とも、都民生活を守るという都政の役割をしっかりと果たすために、将来に向けて責任ある堅実な財政運営に努めることを強く要望するものであります。
 あわせて、予算の執行に当たっては、都民の期待に応えられるよう、より一層効率的に行うとともに、実効性の高い施策展開により、首都東京が日本経済の成長を牽引し、経済の好循環の波を全国に波及させていくことを要望いたします。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、福祉保健局について申し上げます。
 一、認知症高齢者を地域で支える体制づくりを進めるとともに、若年性認知症の人やその家族のためにワンストップ相談窓口を設置し、相談体制を強化するなど、認知症対策を総合的に推進すること。
 一、特別養護老人ホームの整備促進に努めるとともに、高齢者が身近な地域で暮らし続けられるよう、認知症グループホームやケアハウス、小規模多機能拠点などの地域密着型施設の整備に対する支援の充実を図ること。
 一、在宅療養体制を推進し、高齢者が在宅で安心して暮らせるよう、訪問看護ステーションの整備促進、訪問看護師の確保、育成、定着を図ること。
 一、保育所待機児童の解消に向けて、区市町村が地域の実情に応じて実施する事業を広く柔軟に支援すること。また、多様な保育ニーズに対応するため、さまざまな主体が運営する認可保育所や大都市特性に合わせた独自の基準を持つ認証保育所、認定こども園、家庭的保育事業、小規模保育を設置促進するなど、取り組みの充実を図ること。
 一、妊娠、出産に関するさまざまな不安を抱える女性を支援するため、相談支援の充実を図ること。また、妊婦健康診査の受診の重要性について普及啓発を行うこと。
 一、子育て支援を推進するため、産前、産後ケアの充実や、企業やNPO法人などが独自に行っている子育てに関する取り組みへの支援を行うこと。
 一、都外を含む入所施設利用者の地域移行を円滑に進めるためのさまざまな支援を行うとともに、障害者の地域での生活を支えるため、グループホーム及び通所施設等の基盤整備を引き続き推進すること。また、新たに障害者福祉計画を策定する際には、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えたものにすること。
 一、精神疾患に関する地域医療連携体制の整備や民間等による短期宿泊事業の実施など、地域精神科医療の仕組みづくりに引き続き取り組むこと。
 一、ハイリスクの妊産婦や新生児を受け入れるため、周産期母子医療センターやNICUの整備を図るなど、二十四時間体制で対応できる周産期医療システムを整備、拡充すること。特に、整備のおくれている多摩地域においては、重点的に対応すること。
 一、重篤な小児救急患者を迅速に受け入れるため、こども救命センターに退院支援コーディネーターを配置するなど、搬送システムの安定的な運用に努めること。
 一、平成二十五年に改定した東京都がん対策推進計画に基づき、がん教育や小児がん対策、がん患者の就労支援など、新たな取り組みを含め、さらに強力に推進していくこと。
 一、女性の健康を総合的に支援することを目的とした三月の女性の健康週間において、女性のがんについての普及啓発の取り組みを充実させること。また、子宮頸がん予防ワクチンに対する正しい知識の普及を行うこと。
 一、救急搬送に対する都民の不安を払拭するため、より多くの救急患者を受け入れる医療機関への支援の強化や、救急患者の受け入れを調整する地域救急医療センターの充実を図り、救急患者の円滑な受け入れに努めること。
 一、医師、看護師などの医療人材の効果的な確保策を推進すること。小児科、産科の専門医や地域医療を担う医師を育成するため、奨学金制度の取り組みを進めるほか、病院勤務医の離職防止のため、勤務環境改善に向けた取り組みを図るとともに、離職した医師の再就職支援を推進すること。
 一、新型インフルエンザの発生に備え、平成二十五年十一月に策定した東京都新型インフルエンザ等対策行動計画に基づき、抗インフルエンザウイルス薬、個人防護具等の備蓄や、地域保健医療体制の強化を図るなど、万全の対策を講じること。
 一、介護人材不足の解消に向け、有資格者の再就職支援や職員の資質の向上及び定着に向けた支援を実施するなど、介護人材の確保、育成、定着に向けた対策を推進すること。
 一、大規模災害の発生時における都民の安全・安心に資する医療提供体制の確保に向け、地域の実情に応じた医療救護体制の確立など、災害医療体制の強化に努めること。
 一、都民が身近な場所で安心して在宅療養できる仕組みを構築するため、地域の実情に応じた区市町村による取り組みを支援するとともに、病院、診療所、訪問看護ステーションなど、地域のネットワーク構築、転退院調整に必要な情報の効果的な提供、退院調整マニュアルの普及、調整を担う人材の育成、確保など、在宅療養を支える基盤の整備に努めること。
 一、脱法ドラッグの乱用による死亡事故や健康被害を防止するため、監視指導や規制の強化に加え、若者を中心に危険性を普及啓発するなど、脱法ドラッグの対策の強化に努めること。
 次いで、病院経営本部関係について申し上げます。
 一、一般の医療機関では対応困難な行政的医療の充実強化など、さまざまな医療課題に積極的に対応すること。
 一、患者の療養生活を総合的に支援する患者支援センターを早期に設置し、円滑な転退院支援、在宅移行に向けた相談支援機能の強化を図り、患者の期待に十分応えること。
 一、小児総合医療センターは、こども救命センターとして、他の医療機関では救命治療の継続が困難な小児重篤患者を二十四時間三百六十五日受け入れることで、多摩地域における小児専門の高度医療を担うとともに、今後も都民が安心できる小児救急医療体制を維持すること。
 一、大規模災害時の迅速な初動体制を確保するとともに、診療機能を維持するためのインフラの強化や、発災後、一定期間が経過した後も継続的に医療を提供するため、BCPに基づき、着実にBCMを推進するなど、災害対策を一層強化すること。
 一、東京医師アカデミーによる専門性の高い優秀な医師の育成、確保に取り組むため、学習環境の整備や指導医向けの研修会、指導体制などを充実させ、医師にとって魅力的な病院づくりに積極的に取り組むこと。
 一、多くの優秀な看護職員を採用し、都立病院の医療の質向上を目指すとともに、東京看護アカデミーによる研修を引き続き充実させることで、認定看護師、専門看護師の養成派遣研修や、助産師資格取得支援など、看護職員のキャリア開発を支援すること。
 最後に、公益財団法人東京都保健医療公社病院は、地域の中核病院として、救急医療、脳血管疾患医療などの重点医療に加え、今後も増加が予想されるがんの早期発見、早期治療への取り組みをさらに強化し、地域の医療ニーズに的確に対応するように努めること。
 以上をもちまして、公明党を代表して、意見の開陳を終わります。ありがとうございました。

○大山委員 日本共産党都議団を代表して、二〇一四年度予算案について意見を述べます。
 都民の収入が減り続けている中、年金はさらに削減、七十歳から七十四歳の医療費自己負担を二割に引き上げる、四月一日からは消費税の大増税、その上、国保料も後期高齢者医療保険料も値上げなど、給付削減と負担増が暮らしを直撃します。こんなときだからこそ、都民の暮らしを守り抜く、地方自治体としての東京都の役割はますます重要になっています。
 舛添知事就任後初めての定例会であっただけに、待機児をゼロにする、特養ホームをふやす、介護士や保育士の賃金をどう引き上げていくのか、知事の公約をどう具体化するのかが問われました。
 福祉保健局予算は、来年度ようやく一兆円を超えます。しかし、ふえた主な要因は、高齢者人口増に伴う介護保険などへの法律で定められた義務的負担や、安心こども基金の積み立てなど、国の施策によるものです。都税収入が約三千九百億円伸びている中で、福祉、暮らしの予算は極めて不十分です。重い国保料の軽減などが含まれているものではありません。また、都が支援すれば、後期高齢者医療保険料負担もさらに軽減できるのです。
 日本共産党都議団は、都民の暮らし、福祉最優先の予算にすることを求めるものです。
 福祉保健局です。
 一、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料を軽減するため、区市町村、後期高齢者医療広域連合及び国保組合への財政支援を抜本的に拡充すること。
 一、四月以降に七十歳になる方々から二割に引き上げられる医療費窓口負担を、現行と同様に一割負担となるよう、都独自の補助を実施すること。
 一、認可保育園を大増設するために、整備費の増額、公立保育園への補助を実施すること。
 一、認可保育園、特養ホームを初め、福祉施設用地として都有地をさらに活用しやすいように情報提供を進め、賃貸料は無償もしくはそれに近い値段にすること。また、国有地の貸し付けに関し、無償、減額など、さらに拡充できるよう国に強く求めること。民有地の場合の補助などを実施すること。
 一、特養ホーム、老人保健施設、認知症グループホームなど、高齢者施設等の整備を促進するために、整備費補助を増額すること。
 一、保育士の確保、定着を促進するため、保育士の処遇改善費は、都加算配置職員分などを都が上乗せして実施すること。また、サービス推進費を拡充し、職員の経験年数加算を再開すること。介護保険施設などサービス推進費の対象になっていない民間の福祉関係労働者の給与も増額できるように、サービス推進費の対象とすること。また、認可外保育施設で働く職員の処遇改善のため、処遇改善費を増額すること。
 一、介護者、介助者の孤立化防止と総合的支援策の確立に向け、実態調査及び要望調査を実施すること。また、介護手当を支給すること。
 一、NICUの整備を促進するとともに、周産期連携病院、多摩新生児連携病院をふやすなど、周産期医療、小児救急医療体制を拡充すること。NICUを、多摩地域でも二次医療圏ごとに整備すること。
 一、小児科の休日・全夜間救急診療事業の委託料を拡充し、都内六十カ所に向け、整備を促進させること。
 一、二次医療圏内での医療機関の偏りを是正するため、実態に合わせて二次医療圏の見直しをすること。
 一、地域における災害医療体制強化に向け、中小病院に対し、応急資器材等の整備費補助を実施すること。
 一、在宅緩和ケアや産科、小児科医療などに取り組む有床診療所をふやすため、開設促進補助を実施すること。がん検診の無料化、受診率向上に取り組む区市町村を支援するとともに、都民のがん検診に対する意識や職域での検診実施状況の調査を行うこと。人間ドック助成を実施すること。また、がん治療での経済的負担軽減のため、医療費助成を実施すること。
 一、療養病床の増床を大幅に進めるため、運営費補助を実施するなど、支援を拡充すること。
 一、無料低額診療事業を実施する医療機関への支援を行い、実施医療機関をふやすこと。
 一、看護学校の奨学金制度の充実を図ること。廃止した看護専門学校を再開または新設するなど、定員をふやすこと。
 一、難病相談・支援センターを多摩地域にも設置すること。
 一、被爆者の高齢化による相談件数の増加等に対応するため、健康指導委託費を増額するとともに、被爆者実態調査を実施すること。
 一、心身障害児者医療費助成の六十五歳以上の新規受け付けを再開し、段階的に制度の拡充を進めること。
 一、乳幼児医療費助成及び義務教育就学児医療費助成の所得制限を撤廃すること。また、義務教育就学児医療費助成の通院一回二百円の一部負担をなくし、通院も無料にすること。また、高校生年齢までの医療費無料化を実施すること。
 一、七十五歳以上の医療費の無料化を進めること。
 一、コミュニティバス運行費の助成の要件を緩和し、区部の路線も補助を受けられるようにするとともに、運行開始から三年限りの運行補助を五年に延長すること。
 一、生活保護世帯に対する冷房機器設置を初め、都加算援護を拡充するとともに、住宅に困窮し日常生活に不安のある低所得の高齢者に、住まいの確保と見守り、日常生活支援、介護、相談等の一体的な提供を進めること。
 一、小規模多機能型居宅介護施設の利用促進に向け、宿泊利用料の軽減補助を実施すること。また、低所得でも利用できるように、グループホーム入居者への家賃補助を実施すること。
 一、小規模多機能施設など、地域密着型サービスの整備予算を増額、拡充すること。
 一、介護保険の利用料減免制度を拡充すること。
 一、シルバーパスは所得に応じた三千円パスを発行し、住民税課税者の負担を軽減するとともに、多摩都市モノレールを対象交通機関とすること。
 一、子供の貧困対策計画の策定に向けた検討を行うこと。
 一、都型学童クラブの補助対象に公設公営施設を加えること。
 一、ひとり親家庭の当事者団体等が実施する相談支援事業に対し補助を行うこと。
 一、都立児童養護施設に個別ケア職員等を配置し、専門的機能を強化すること。
 一、心身障害者福祉手当を増額するとともに、精神障害者にも適用すること。
 一、視覚、聴覚の両方に障害がある盲ろう者の通訳・介助者派遣事業の派遣時間数を抜本的に増額するとともに、盲ろう者支援センターを多摩地域にも設置すること。
 一、障害者総合支援法に基づく意思疎通支援事業として、東京都レベルの広域的、専門的な手話通訳者派遣事業と、広域的利用及び個人のみでなく集会の主催者が利用できる要約筆記者派遣事業を実施すること。
 一、難聴の高齢者、障害者の社会参加促進に向け、磁気ループを設置する区市町村の購入費を補助すること。
 一、精神障害者と家族への多職種訪問型支援、アウトリーチ支援を拡充すること。
 一、内部障害者の生活支援施設、清瀬喜望園の待機者が順次入所できるように、受け入れを再開すること。
 一、都内避難者の孤立防止や総合相談窓口などの支援を拡充するとともに、都民と同様の行政サービスを受けることができるよう、支援を強化するとともに、福島県の十八歳までの医療費助成を、都内に避難している子供たちにも現物給付にできるよう、県、区市町村と相談すること。
 病院経営本部です。
 一、小児総合医療センター及び大塚病院の児童精神科について、医師、看護師、保育士などの増配置を行い、初診の待ち時間を短縮すること。医師アカデミーを修了した医師が都立病院に就職できるよう、定数増すること。
 一、医師アカデミーを拡充するとともに、小児甲状腺がんの医師養成も行うこと。
 一、都立病院の運営は直営を堅持して拡充し、地方独立行政法人化はしないこと。
 一、駒込病院、多摩総合医療センター、小児総合医療センター、松沢病院のPFIは、契約解除を検討すること。
 一、がん医療などに高度に対応できる医療技術職員の計画的な養成のために、医療技術者アカデミー、あるいはコメディカルアカデミーを開設すること。
 一、がん患者の在宅療養支援のため、がん在宅医療支援チームをつくって実施すること。
 一、松沢病院を初め、精神科がある都立、公社病院で、多職種で構成したアウトリーチチームを実現すること。
 一、早期に医療につながる、患者を理解することなどに有効な、小中学生から心の病気に関する学習ができるように、病院の事業として積極的に取り組むこと。
 一、都立病院で院内助産所、助産師外来を実施すること。
 一、都立病院、公社病院の医師の待遇改善、看護師の夜勤三人以上体制、病棟薬剤師の常駐が実施できるように、医師、看護師、薬剤師等の配置をふやすこと。
 一、小児科の広大な空白地域になってしまった南多摩保健医療圏の八王子市内に、また、児童精神科については、梅ケ丘病院の跡地に世田谷区と協力し、小児総合医療センターのブランチを設置すること。
 一、多摩地域及び区部の小児医療、周産期医療、障害児医療を拡充すること。また、都立病院での自家発電施設整備を促進し、災害医療体制を拡充強化すること。
 一、都立病院、公社病院で無料低額診療事業を実施すること。
 一、都立病院の院内保育室を改築などをきっかけに拡充し、地域の子供たちも利用できるようにすること。また、地元区市町村と協議し、可能なところは敷地の一部を認可保育園設置に提供すること。
 一、豊島病院のNICUを再開させること。
 以上です。

○田中委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼されました平成二十六年度予算に係る議案について意見の開陳を行います。
 二十六年度予算は、知事不在という事態の中で暫定案が編成されました。都議会民主党も要望したように、都民生活への支障を招かないという視点から編成に取り組まれた関係者のご努力を多としたいと思います。
 また、暫定案の発表後、舛添知事のもとで約七十七億円の事業が追加されています。
 予算案は、大島の災害復旧、復興対策、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの準備、福祉の人材確保、創業サポートなどの予算が計上されており、総じて時宜にかなったものといえます。
 今後、二十七年度予算を見据え、舛添知事の標榜する世界一の都市東京の実現に向けた事業展開が本格化するものと思いますが、私たち都議会民主党は、都市ランキングの指標にあらわれないような、いじめや自殺、虐待などにもしっかりと光を当て、さらには、さまざまな価値観、考え方、言語の住民が暮らす大都市東京にふさわしい、多様性のある施策を展開していただきたいと要望するものです。
 また、予算編成に当たっては、事業評価などを通じて全ての施策を厳しく検証し、その効率性や実効性の向上に取り組んでいるとのことですが、今後とも、施策のあり方を不断に検証しながら、東京の特性を踏まえた費用対効果の高い施策の展開を要望するものです。
 さらに、監理団体、報告団体も含めた外郭団体改革として、外部有識者による評価、検証を恒常的に行う仕組みの構築についても、引き続き強く求めておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まずは、福祉保健局について申し上げます。
 一、子育て環境を整備するため、国に認証保育所を認めさせることや保育所分園の設置推進、民間認可保育所の活用を進めること。また、保育人材の確保のため、保育所と養成校との連携推進や潜在保育士とのきめ細かいマッチングを実施すること。さらには、認可、認証保育所の保育料格差の是正や育児不安を解消する相談サービスの充実、認可、認証保育所の交流、連携による子育てネットワークを構築すること。
 一、四年後の待機児童解消に向けて、工程表を作成すること。
 一、高齢化社会に対応するため、特別養護老人ホームを初めとした施設の整備や建てかえを促進すること。
 一、認知症になっても住みなれた地域で安心して暮らせるため、地域包括支援センターにおける職員増員や財政確保など、区市町村を支援すること。また、地域で認知症診療にかかわる医師や看護師の育成、認知症の鑑別、診療を行う認知症疾患医療センターと地域の医療、介護機関との連携体制を構築すること。
 一、訪問診療、在宅医療に支障が出ることのないよう、診療報酬改定の影響を現場の声を聞くことでしっかり把握すること。また、改善が必要な場合は国への提案要求を行う等の対策をとること。
 一、患者紹介ビジネスによって患者の選択の制限や過剰な診療が引き起こされるおそれがあることから、サービスつき高齢者向け住宅の入居者が狙われないような取り組みを行っていくこと。
 一、東京都の健康行政においては、都民の健康を守るという立場から、誤解を招くことのないよう、正確な情報を都民に周知すること。
 一、地域救急医療センターの強化や中小病院への体制確保支援、シャープ七一一九の利用促進など、救急医療の体制を強化すること。
 一、島しょ地域の診療困難な救急患者に対応するため、ヘリコプターによる患者搬送時間短縮体制を強化すること。
 一、新生児集中治療室の開設を予定している周産期連携病院などに対し、準備経費を補助すること。
 一、小児がん早期診断推進事業を実施し、早期に診断、治療を行う体制を構築すること。
 一、がん患者在宅移行支援事業を実施し、初期治療を終えたがん患者を地域病院で受け入れ、退院に向けた医療が提供される体制を確保すること。
 一、ことし感染が拡大しているはしかや昨年大流行した風疹への対策など、感染症対策を進めること。
 一、予防接種の推進には職場での集団接種も有効なため、取り組みを進めること。
 一、地域保健の推進や感染症発生時の健康危機管理対応に従事する公衆衛生医師を確保すること。
 一、児童虐待未然防止活動を行う団体などとの連携、支援を行う区市町村をサポートすること。
 一、児童虐待が年々深刻化しているため、大都市東京の特性を踏まえ、児童相談所の一層の体制強化を図ること。
 一、児童養護施設の小規模化に対応するためにはベテラン、中堅職員が求められ、職員を育てるにも各施設で必要なことがあるため、人材育成支援を行うこと。
 一、所在不明児童や虐待が疑われる児童を早期に発見するため、区市町村や児童相談所、警察などが連携して、関係機関がお互いに情報を共有し、早い段階から対策を講じること。
 一、障害者総合支援法が一部施行されたが、各障害者団体から切実な要望が寄せられているため、障害を持つ当事者からの要望を踏まえて障害者施策に取り組むこと。
 一、発達障害のある児童の保護者に対して適切な案内ができるよう、特別児童扶養手当に関する問い合わせ方を定期的に周知するなど、区市町村に丁寧な周知を行うこと。
 一、障害者福祉施設の広域的な共同受注体制を検証し、その基盤づくりを行うこと。
 一、社会に出たときに、トラブルを抱えても自殺へと追い込まれることのないようにするため、自殺のゼロ次予防を推進するなど、若年層の自殺対策を充実すること。
 一、生活困窮者支援の先駆的取り組み事例を区市に紹介し、自立支援の体制整備を促進すること。
 一、災害医療・在宅医支援センターを整備し、迅速な医療救護活動体制を確保するとともに、在宅医の養成、確保を図ること。
 次に、病院経営本部について申し上げます。
 一、他の医療機関では対応困難な患者を積極的に受け入れる都立広尾病院のER機能を強化すること。
 一、多摩南部地域病院は、積極的な救急患者の受け入れや緩和ケア病棟の開棟、地域におけるがん医療の中核病院としての機能を発揮し、医療連携をさらに推進するなど、一層の経営改善に取り組むこと。
 一、小児総合医療センターが小児がん拠点病院の指定を受けていることから、重症合併症を持つがん患者や難治性腫瘍患者などの高度医療に対応していくこと。
 一、急性期リハビリテーション医療を実施する都立病院と回復期リハビリテーションを実施する地域の医療機関が連携を深め、高齢化が進展する中でも、患者が切れ目なく適切なリハビリテーションを受けられるようにすること。
 一、都立病院が持つ高度な医療機能を十分発揮するためには看護師の確保や質の向上が求められるため、引き続き対策を行い、患者サービスのさらなる向上に努めること。
 一、都民だけでなく外国人にとっても安全・安心の医療を提供できるよう、外国人患者受け入れ体制を充実させること。
 一、都立病院では患者の個人情報等、重要な情報を多数扱っているため、院内LANの整備、充実を行い、そして個人情報保護対策を不断に見直し、強固な情報セキュリティー環境を構築すること。
 一、都立、公社病院の防火対策を推進すること。
 一、都立、公立病院の女性診療科、いわゆる婦人科などに女性医師の配置を進めること。
 以上で都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○塩村委員 みんなの党Tokyoを代表しまして、意見開陳を行います。
 まず、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十六年度の一般会計当初予算案と補正予算案を合わせた都の一般会計は二年連続で増加をしており、総額六兆六千六百六十七億円、前年度比六・四%の伸びとなりました。
 一方、歳入の柱である都税収入は四兆六千六百九十八億円と、こちらは前年度比九・一%増となっており、リーマンショック直後の水準にまで回復をした前年度をさらに上回っています。
 この結果、都債の発行額は四千三百八十億円にとどまり、歳入に占める割合は六・六%、おおむね堅実な予算案になっています。ただし、都債の累積債務残高六兆三千八百億円につきましては、解消に向けての経営努力を注視してまいります。
 また、都民の安全・安心、都市の活力向上などを重視して編成されたとされ、その内容も十分に評価できるものであると考えます。
 しかし、公共事業の費用である投資的経費が十年連続の増加となっており、これは平成十一年度以来の水準です。都民の安全・安心の確保のため、公共事業投資が必要であることは十分に理解ができるものの、それぞれの施策が真に効果的なものなのかどうか検証が必要だと考えます。
 一方で、目的別内訳を見ると、福祉と保健に関するものが二年連続で一兆円の大台を超え、一般歳出に占める構成比でも過去最高になっています。特に現役世代向けの支出に効果的なものが多く見られ、例えば補正予算で、企業やNPO法人などが保育サービス事業を始める際に一定の助成をするために九億円が組まれております。現役世代にとって大変心強い施策の数々といえ、大きな期待が持てます。
 この四月には消費税増税を控えており、過去の消費税増税時の経済情勢の変化を振り返れば、油断は禁物です。今後も健全な財政運営を心がけていただきたく思います。
 一方で、昨秋の伊豆大島の土石流災害や今冬の大雪などの異常気象、首都直下型地震の危険性など、都民の暮らしを脅かす要因が数多く顕在化してきています。これまで以上に費用対効果と優先順位を勘案した施策の実行を図っていただきたいと考えます。
 次に、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、福祉保健局についてです。
 一、家庭的、小規模保育にてゼロから一歳児の受け入れを強化するなど、待機児童問題に引き続き取り組むこと。
 一、待機児童問題解消のため、保育の質を確保しつつ保育事業への民間参入等を促せるよう、自治体を通じた事業者への助成を引き続き促進すること。
 一、待機児童問題解消のため、事業者への助成に加え保育バウチャー制度などの利用者助成を導入し、株式会社やNPO法人などによる保育事業へのさらなる参入を促すよう検討すること。
 一、区市町村における保育のサービス、質、利用者負担の格差を解消すること。
 一、病児保育と病後保育をより一層拡充すること。
 一、待機児童問題の解消に向けて、区市町村の事業への支援を継続するとともに、女性がさらに働きやすい環境を整備することを目指し、ワークライフバランス政策を充実、推進させること。
 一、幼保一元化を推進すること。
 一、ふえ続ける児童虐待の相談に対応するために、人的資源の確保と質の向上に努めること。また、児童相談所については区市町村への移管を検討すること。
 一、虐待の早期発見と防止、また少子化対策を踏まえ、妊娠、出産への支援を一層充実させること。
 一、非婚、父子、母子間やひとり親における補助制度の格差を是正すること。
 一、都と区市町村の福祉資源の情報共有を徹底すること。
 一、子供から大人までを対象とした発達障害者対策を進めること。
 一、被爆者の実態を把握するため、調査の検討と検診病院の数をふやすこと。
 一、障害者の地域における自立、就労支援施策を講じ、障害者福祉の増進を図ること。
 一、二〇二〇年のパラリンピック開催に向け、バリアフリー化の一層の推進を通じてノーマライゼーションを実現すること。
 一、多様なニーズに対応できる民間障害者支援施設、介護施設の新規参入を促進して入所待ちを解消すること。
 一、利用者が望むサービスを受けるため、介護バウチャーを導入すること。
 一、高齢者の貧困の実態を把握し、自立支援を促進すること。
 一、セクシャルマイノリティー等の社会的少数者のための相談ダイヤル充実など、誰もが暮らしやすい生活環境を整備するよう努めること。
 一、動物愛護、福祉を世界標準にまで向上させ、動物殺処分のない成熟都市を目指すよう努めること。
 次に、病院経営本部です。
 一、都立及び東京都所管の病院を中心として、かかりつけ医との役割分担を通じて地域医療との連携強化を図ること。
 一、公的医療機関の将来的な民営化を検討すること。
 一、地域がん登録を推進し、在宅緩和ケアの支援体制を拡充すること。
 一、難病を含めた小児医療、高度周産期医療の量的、質的充実を図ること。
 一、災害時における迅速な医療救護活動、薬事コーディネートの実現を図ること。
 一、医療療養病床と在宅医療を組み合わせ、病院難民を解消すること。
 一、東京医療特区の導入を目指し、医療への株式会社参入、混合医療解禁などの規制緩和やICT化促進を通じて多様な医療サービスの実現を図ること。
 一、健康づくり、予防医療、重症化予防対策への取り組みを強化すること。
 一、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、外国人患者の受け入れ体制を整えること。
 以上をもちまして、意見の開陳を終わります。

○まつば委員長 以上で予算案に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○まつば委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第六十四号議案、第六十五号議案、第六十七号議案、第六十八号議案、第七十号議案から第八十三号議案まで及び第百二十八号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、発言の申し出がありますので、これを許します。

○和泉(な)委員 今定例会に提出された第六十五号議案、東京都後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例並びに第八十号議案、東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例に反対し、他の議案に賛成の立場で意見を述べます。
 第六十五号議案、東京都後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例について、保険料率の増加を抑制するために、平成二十六年度及び平成二十七年度の特定期間を追加することについては賛成ですが、拠出率をゼロにすれば、広域連合の拠出がなくなるだけではなく、広域連合の拠出額を基準に拠出することとなっている都や国の拠出もなくなります。都も国も拠出すれば、さらに保険料の増加を抑えることだってできるはずです。
 四月から消費税の増税が行われようというときに保険料の負担まで上がることは、七十五歳以上の高齢者の暮らしをさらに大変な状況へと追い込みます。広域連合も、都も、国も拠出をして、さらに保険料の引き下げに都が積極的な役割を果たすよう求めます。
 第八十号議案は、東京都大泉障害者支援ホームの民間移譲を前提とするものであり、反対です。
 また、多様な主体による保育所緊急整備事業で、株式会社にも建設費補助を出すこととしています。かつて認証保育所に株式会社が参入したとき、利益率をふやすために、結局、子供にしわ寄せがいってしまった。このことを考えれば、株式会社の参入は慎重に対応する必要があるという意見を述べておきます。
 以上です。

○まつば委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第六十五号議案及び第八十号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○まつば委員長 起立多数と認めます。よって、第六十五号議案及び第八十号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第六十四号議案、第六十七号議案、第六十八号議案、第七十号議案から第七十九号議案まで、第八十一号議案から第八十三号議案まで及び第百二十八号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認めます。よって、第六十四号議案、第六十七号議案、第六十八号議案、第七十号議案から第七十九号議案まで、第八十一号議案から第八十三号議案まで及び第百二十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○まつば委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願二五第四六号を議題といたします。
 本件につきましては、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○まつば委員長 起立少数と認めます。よって、請願二五第四六号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。

○まつば委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○まつば委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。

○まつば委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、醍醐病院経営本部長から発言を求められておりますので、これを許します。

○醍醐病院経営本部長 お許しをいただきまして、当委員会所管両局を代表して、一言御礼の挨拶を申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で頂戴をいたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事業執行に反映させてまいります。
 また、福祉保健局とも、より一層連携を深めまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○まつば委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十三分散会

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