厚生委員会速記録第四号

平成二十六年三月十八日(火曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長まつば多美子君
副委員長塩村あやか君
副委員長早坂 義弘君
理事遠藤  守君
理事和泉 武彦君
理事山加 朱美君
山内  晃君
栗山よしじ君
田中  健君
和泉なおみ君
今村 るか君
ともとし春久君
野島 善司君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長川澄 俊文君
次長梶原  洋君
技監前田 秀雄君
理事藤田 裕司君
総務部長中川原米俊君
指導監査部長飯塚美紀子君
医療政策部長小林 幸男君
保健政策部長高橋 郁美君
生活福祉部長高原 俊幸君
高齢社会対策部長中山 政昭君
少子社会対策部長浜 佳葉子君
障害者施策推進部長山岸 徳男君
健康安全部長中谷 肇一君
企画担当部長篠原 敏幸君
事業調整担当部長手島 浩二君
医療改革推進担当部長笹井 敬子君
医療政策担当部長村田 由佳君
地域保健担当部長松浦 慎司君
生活支援担当部長望月 秀夫君
施設調整担当部長枦山日出男君
事業推進担当部長廣瀬  豊君
障害者医療担当部長熊谷 直樹君
食品医薬品安全担当部長古屋 正裕君
感染症危機管理担当部長清古 愛弓君

本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・第五号議案 平成二十六年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
・第六号議案 平成二十六年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 福祉保健局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第六十四号議案 東京都社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
・第六十五号議案 東京都後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例
・第六十七号議案 東京都介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
・第六十八号議案 東京都介護職員処遇改善等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
・第七十号議案 東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
・第七十一号議案 東京都民生委員定数条例
・第七十二号議案 東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例
・第七十三号議案 介護保険法施行条例の一部を改正する条例
・第七十四号議案 東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十五号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに係る地方独立行政法人法第四十四条第一項の条例で定める重要な財産を定める条例の一部を改正する条例
・第七十六号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第七十七号議案 東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十八号議案 東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第七十九号議案 東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第八十号議案 東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
・第八十一号議案 東京都肢(し)体不自由者自立ホーム条例を廃止する条例
・第八十二号議案 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定による任意入院者の症状等の報告に関する条例の一部を改正する条例
・第八十三号議案 東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十八号議案 東京都医療施設耐震化臨時特例基金条例の一部を改正する条例
請願の審査
(1)二五第四六号 東京の待機児童の解消と「保育の質」の向上のための予算増額に関する請願

○まつば委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の予算の調査、付託議案及び請願の審査を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案及び請願の審査を行います。
 第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、福祉保健局所管分、第五号議案、第六号議案、第六十四号議案、第六十五号議案、第六十七号議案、第六十八号議案、第七十号議案から第八十三号議案まで、第百二十八号議案及び第百二十九号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、福祉保健局所管分並びに請願二五第四六号を一括して議題といたします。
 予算案及び付託議案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料及び請願について、理事者の説明を求めます。

○中川原総務部長 過日の厚生委員会でご要求のありました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。資料は目次にございますように、全部で十一項目となっております。
 一ページをお開き願います。二次保健医療圏別NICU病床整備状況といたしまして、都内各二次保健医療圏のNICU病床数を記載してございます。
 二ページをお開き願います。療養型施設数及び療養病床数(医療保険適用・介護保険適用)の推移といたしまして、施設数と病床数の推移を、医療保険適用と介護保険適用に区分して記載してございます。
 三ページをごらんください。地域密着型サービスの事業所数の推移といたしまして、認知症対応型共同生活介護につきましては、平成十六年から二十五年まで、その他の地域密着型サービスにつきましては、創設された年から二十五年まで、それぞれ四月一日現在の事業所数の推移を記載してございます。
 四ページをお開き願います。介護予防・日常生活支援総合事業の実施状況といたしまして、平成二十五年度における本事業の実施保険者について記載してございます。
 五ページをごらんください。小規模保育の実施状況といたしまして、新規開設と既存施設の移行に分けて、本年三月までの定員と四月に予定している定員、あわせて主な基準について、自治体ごとに記載してございます。
 六ページをお開き願います。地域包括支援センターの設置状況といたしまして、区市町村ごとのセンター設置数、六十五歳以上人口、あわせて職員の配置基準について、七ページにかけて記載してございます。
 八ページをお開き願います。自治体別シルバー交番の設置状況といたしまして、本年二月現在のシルバー交番設置事業の補助実績を自治体ごとに記載してございます。
 九ページをごらんください。地域福祉コーディネーターの配置状況といたしまして、平成二十二年度から二十四年度までのコーディネーターの配置人数について、自治体ごとに記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。障害者グループホーム及びケアホームの定員数といたしまして、平成二十五年三月一日現在のグループホームとケアホームの定員数の総数について、区市町村ごとに記載してございます。
 一一ページをごらんください。原爆被爆者保健福祉費の予算額の推移といたしまして、平成二十四年度から二十六年度までの事業に関する予算額の内訳を記載してございます。
 一二ページをお開き願います。動物の愛護管理に係る予算額の推移といたしまして、平成二十四年度から二十六年度までの事業に関する予算額の内訳を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。

○浜少子社会対策部長 お手元にお配りしてございます請願審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 一ページをお開き願います。整理番号1、請願二五第四六号、東京の待機児童の解消と「保育の質」の向上のための予算増額に関する請願は、新宿区の公的保育・福祉を守る東京実行委員会代表の橋本宏子さん外十二万四千九百六十五人の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第一に、認可保育園の待機児童を一刻も早く解消するために、速やかに次の施策を実施していただきたい。
 (1)としまして、区市町村が認可保育園の増設をさらに進められるよう、現在の補助制度を拡充し、予算を増額すること。
 (2)としまして、区市町村が公立保育園の新設、増改築を進めるための補助制度を創設すること。
 (3)としまして、認可を目指す認可外保育施設を支援し、必要な予算措置をすること。
 (4)、認可保育園の設置を促進するために、区市町村や社会福祉法人に都有地を無償で貸与すること。
 第二に、認可保育園の増設に欠かせない保育士を確保するため、国の保育士等処遇改善臨時特例事業に東京都独自の上乗せ補助を行い、保育園の職員が都内で生活できる賃金を保障すること。
 第三に、児童福祉法第二十四条第一項に基づく公的保育制度を維持、拡充するよう、国に意見書を提出することという内容でございます。
 現在の状況でございますが、第一につきましては、都は、東京都保育計画において、平成二十二年度からの五年間で保育サービス利用児童数を三万五千人ふやすことを目標に定め、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所に限らず、認証保育所、認定こども園、家庭的保育事業など、地域のさまざまな保育資源を活用して保育サービスの整備を進められるよう支援を行っております。この結果、平成二十四年度までの三年間で、保育サービス利用児童数は約三万人増加しております。
 (1)につきまして、認可保育所のうち、民間保育所の新設、増改築につきましては、安心こども基金による支援に加え、事業者及び区市町村の負担を軽減する都独自の支援策を実施しております。
 (2)につきまして、公立保育所の整備費につきましては、平成十八年度に区市町村へ税源移譲されております。
 (3)につきましては、認可保育所への移行を目指す認可外保育施設に対して支援を行う区市町村に対し、今年度から、安心こども基金による補助を実施しております。
 (4)につきましては、平成二十年三月から、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業の対象施設に民間保育所を加え、都有地の貸付料を五〇%減額しております。
 また、民有地につきましても、定期借地契約の際に支払う一時金への補助など、区市町村の取り組みを支援しております。
 第二につきましては、賃金などの労働条件は、事業主と労働者との労働契約により決められるものでございます。
 国は、今年度から認可保育所のみを対象として、保育士確保を目的とする保育士等処遇改善臨時特例事業を実施しております。
 都は、保育人材の確保は、全ての保育サービスに共通する課題であることから、認証保育所や小規模保育、家庭的保育等を対象にした独自の補助を実施しております。
 第三につきましては、都は、都民の保育ニーズに応えるため、保育の実施主体である区市町村が、地域の実情に応じて多様な保育サービスを整備できるよう積極的に支援を行っております。国に対しても、待機児童の早期解消に向けて、認可保育所を初め、多様な保育サービスへの支援を強化するよう、提案要求を行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○まつば委員長 説明は終わりました。
 これより、ただいまの資料を含めまして、本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○山内委員 私からは、大きなくくりで二点お伺いをさせていただきたいと思います。
 まずは、児童虐待の早期発見、支援についてを伺います。
 大きな社会問題に発展をしてしまった児童に対する虐待については、本当に大変残念であります。庁内では、虐待防止の観点から、キャンペーンを意味する児童虐待防止オレンジリボン、皆さん首からかけ、そしてPRを積極的に行っております。
 私自身は、ただいま二歳の子育てをするイクメンでありまして、働くイクメンというスローガンで、昨年の都議会議員選挙を戦ってまいりました。
 子育てを通じて、毎日がその喜びの大きさであると同時に、特に母親でありますが、育児の大変さを感じる方も多いと思います。核家族化が進む今日の都会では、周囲から支援もなく、子育てに不安や悩みを感じてしまい、地域から孤立してしまって、どうしたらいいのかというような適切な判断を失ってしまうことや、密室の中でストレスがたまってしまい、虐待に至ってしまうリスクが高いといわれ、こうした家庭には、地域の子育てサービスにつなげるなどとして、育児の負担や不安を軽減し、虐待のリスクを減らすことが必要であります。
 そこで、虐待防止の観点からも、出産前後の女性を含め、地域で孤立化している家庭を行政機関がさまざまな機会を捉えながら早目に把握し、支援につなげることが大変重要と考えますけれども、都の取り組みについてを伺います。

○浜少子社会対策部長 区市町村では、母子健康手帳の交付や乳児家庭全戸訪問事業、乳幼児健康診査などを行うとともに、保健師等の専門職が保護者の相談に応じております。
 ほぼ全ての子育て家庭と接する機会となりますこれらの事業を活用いたしまして、地域の子育て家庭の状況把握に努めております。
 区市町村は、こうした機会を通じて支援を要する家庭を発見した際に、育児支援ヘルパーなどの子育てサービス事業や、子供家庭支援センターにおける各種相談事業などに結びつける取り組みを行っておりまして、都は、包括補助事業を活用して、そうした取り組みを支援しております。

○山内委員 健診の受診状況などから、支援が必要な家庭を早期に発見し、適切に支援に結びつけることで、虐待の未然防止が可能となることですが、私も非常にこれは大切なことだと思います。
 最近、マスコミで取り上げられている、健診などを受診せず、子供の住居実態が把握できない、いわゆる所在不明児童なども心配であります。ぜひとも、しっかりとここは、取り組んでいただきたいと思っております。
 ただ、残念ながら、現状を見ると、児童虐待の件数が年々増加しております。本会議や予算特別委員会でも取り上げられておりまして、児童虐待の対応は喫緊の課題であると思います。
 対応の中心となるのは、児童相談所と区市町村の子供家庭支援センターであり、その役割はますます重要になっていくと思いますけれども、そこで伺います。
 児童相談所と子供家庭支援センターが連携を図りつつ、児童虐待により適切に対応するために、都は今後どのように取り組んでいくか見解を伺います。

○浜少子社会対策部長 児童相談所におきましては、来年度、子供や保護者によりきめ細かな心理的ケアが行えるよう、児童心理司を十三名増員いたします。
 また、児童福祉司とともに、虐待ケースの初期対応に当たる虐待対応協力員につきましては、増加する虐待対応件数に迅速に対応するため、順次増員を図っておりまして、来年度は、十四名から十七名に増員いたします。
 また、演習型研修などにより、新任職員の援助技術の向上を支援する児童福祉司OBを四名から八名に増員いたします。
 さらに、区市町村の対応力の向上を図るため、都は、子供家庭支援センターへの虐待対策ワーカー等の配置を支援いたしますほか、児童相談所と合同で事例検討などのケースワークの実践力を高める研修も実施いたします。
 今後とも、児童相談所と子供家庭支援センターがそれぞれの役割分担のもとに機能を発揮し、緊密に連携しながら、児童虐待に迅速的確に対応してまいりたいと思います。

○山内委員 次に、高齢者の課題について伺います。
 これからさらに進む超高齢社会を見据え、医療と介護の連携の充実を、都は市区町村としっかりと連携を深めて、高齢者が安心して住みなれた地域で生活を送ることができる環境を、さらにさらにこれは整備をしていかなくてはならないと思います。
 そういった観点から、在宅療養についてを質問をさせていただきたいと思います。
 東京都の高齢化率は、皆さんもよく耳にすると思いますけれども、平成二十七年には二四%を超え、これからの二十年後は、平成四十七年には三〇%に達して、都民の三人に一人が六十五歳以上になるという、高齢者という、極めて高齢化が進んだ社会がまさに到来をしようとしております。
 また、都内の六十五歳以上の単独世帯数は、やはりこれからの十年後、平成三十七年には八十万世帯を超えるという、そういった推計がされておりまして、高齢になっても、自分らしく人生を全うできるような在宅療養生活の実現が求められていると思います。
 在宅療養患者が三百六十五日二十四時間、いつでも安心して生活を送ることができるために、在宅療養支援診療所や在宅療養支援病院の増加とともに、より多くのかかりつけ医の在宅療養へのかかわりが、今後どんどんと必要になってくると思います。
 そこで、在宅療養支援病院及び在宅療養支援診療所の現状について伺います。

○笹井医療改革推進担当部長 現状ということで、まず、都内の在宅療養支援診療所につきましては、平成二十四年一月には千三百六十五カ所でございましたが、平成二十五年四月には千五百二十二カ所まで増加しており、これは都内診療所全体の約一二%に当たります。
 次に、在宅療養支援病院につきましては、平成二十四年一月時点で二十五カ所でございましたが、平成二十五年六月には五十六カ所まで増加しておりまして、これは都内病院全体の約八・六%に当たります。

○山内委員 施設がともに増加をしているということであります。これは、平成二十二年の在宅療養支援病院の要件拡大や、平成二十四年のみとり加算の新設と診療報酬改定の影響が非常に大きいのかなと考えられます。
 平成二十六年の四月に予定されている診療報酬の改定では、在宅不適切事例の適正化として、在宅時医学総合管理料、特定施設入居時等医学総合管理料について、同じ日に同じ建物に住む複数の患者を訪問した場合の点数が大幅な引き下げを行うということになりまして、現場からはさまざまな声が上がっていると思います。
 先週の予算特別委員会の代表質問で、他党から質疑した内容でありますけれども、改めて確認の意味で質問をさせていただきたいと思います。
 診療報酬の改定は、二年に一回行われており、厚生労働省が中央社会保険医療協議会に対し、改定案の審議を行うよう諮問し、答申を受けて、告示、そして施行します。
 そこで、今回の診療報酬の改定の基本方針について伺います。

○小林医療政策部長 今回の改定は、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、急性期から回復期、慢性期、在宅医療まで、患者が状態に合った適切な医療を受けることができるよう、昨年八月に取りまとめられた社会保障制度改革国民会議の報告を踏まえて行うものでございます。
 基本方針は、入院医療、外来医療を含めた医療機関の機能分化、強化と連携、在宅医療の充実等に取り組み、医療提供体制の再構築、地域包括ケアシステムの構築を図ることとしております。

○山内委員 十分な緊急往診、みとりの実績がある在宅療養支援病院及び診療所に対する加算点数の新設や、地域包括ケアシステムの中で、複数の医療機能を担う有床診療所の評価の引き上げなど、在宅医療の充実に向けた改定が行われております。
 一方、施設に入居者を紹介するかわりに見返りを求める、いわゆる患者紹介ビジネス等の悪質な事例の抑止を目的に、同一建物における複数訪問時の点数を大幅に引き下げがされました。
 通院が困難な患者には、患者の同意のもと、計画的かつ定期的に訪問診療を行った場合に、週三回を限度に算定する在宅患者訪問診療料は半分に、そして、月二回以上の定期的な訪問診療を行っている場合には、月一回に限り算定する在宅時医学総合管理料、特定施設入居時等医学総合管理料は、約四分の一でありますけれども、減額がされます。
 ただし、一律に減額する制度ではないとのことでありますけれども、例えば一軒のグループホームに居住する三人の患者に訪問診療をする際の在宅時医学総合管理料について、同一建物以外の場合、すなわち高い管理料を算定する事例、また、同一建物の場合、すなわち低い管理料を算定する事例についてを伺います。

○小林医療政策部長 月に一回以上、一人の患者のみを訪問診療した場合には、高い管理料の同一建物以外を算定することができます。例えば月二回の訪問のうち、一回は三人同じ日に診療し、もう一回は三人それぞれ別の日に診療した場合が該当いたします。
 一方、月二回とも、毎回同じ日に三人の患者を診療した場合には、低い管理料を算定することとなります。
 ただし、同一建物内の複数の患者を訪問する場合でも、患者数としてカウントしない場合がございます。
 例えば患者の求めに応じて行う往診、それから、末期の悪性腫瘍の患者と診断された後、訪問診療を始めた日から六十日以内の訪問診療、それと、死亡時からさかのぼって三十日以内の患者に対する訪問診療等が該当いたします。

○山内委員 中央社会保険医療協議会の答申時には、一律引き下げると示されていたため、在宅医療へのダメージを懸念する医療施設の現場から多くの声が上がったことは、東京都も十分認識をされていると思います。
 こうした状況を受けて、厚生労働省は、往診の患者数にカウントしない等の通知をいたしました。日本医師会は、改定後の動向も注視しながら、次回改定に向けて検証しつつ、必要な意見を主張したいとしております。
 今回の改定の影響が、患者を囲い込んで必要性の低い訪問診療を行う悪質な事例というものがなくなって、この訪問診療を行う医師の間に、単価引き下げを補うというような、訪問先をふやそうとする動きや、複数の医師が協力して多くの患者を訪問する動きが生まれるとか、こういったことがプラスの効果であればいいのですが、もし、この減収を理由に施設への訪問診療を打ち切る、予定していた在宅医の採用を中止する等のマイナスの動きが大きければ、一番被害をこうむるのは、在宅医療を受けながら、安心して生活して最期を迎えようとしている、まさに、つまり、みとりの環境を失われる入居者であり、これは多くの都民であると私は考えます。
 そこで、都には、ぜひとも東京都医師会と連携して、診療報酬のこの影響について情報収集をして、そして改善が必要な事項は、国へしっかりと提案をしていただきたいと思います。
 それで、都はこういった国への提案要求をこれまでも行っていると思いますけれども、その方法についてを伺います。

○小林医療政策部長 都は、毎年二回、新たな制度の創設、改正、財政措置などについて国への提案を行っており、定期的な要求以外の時期におきましても、必要に応じて緊急提案を行っております。
 引き続き、制度改正等、改善が必要な事項については、国へ提案を行ってまいります。

○山内委員 先ほども述べたとおり、在宅療養の推進には、在宅療養支援診療所や在宅療養支援病院の増加だけではなくて、より多くの地元のかかりつけ医の在宅療養へのかかわりがすごい重要ではないかと思っております。
 そういった観点から、この在宅療養にかかわる医師の裾野をしっかり広げていくための在宅医の確保について、都独自のこの取り組みについてをお伺いいたします。

○笹井医療改革推進担当部長 在宅療養環境を整備するためには、地域で在宅医療に携わる医師をふやしていく必要がございます。
 そのため、都では、複数の在宅医が相互に補完し、訪問看護ステーション等と連携しながら、チームを組んで二十四時間体制で訪問診療などを行う地区医師会へ支援を行っております。
 今年度まで十六地区医師会で実施しており、来年度も積極的な実施を働きかけ、引き続き、在宅医の確保に努めてまいります。

○山内委員 在宅療養の推進には、これは重要なポイントであると思うんですけれども、医療と介護の連携による切れ目のない、サービスの提供が非常に重要であり、必要であると思います。
 そのためには、在宅医の確保のみならず、地域において医療、介護にかかわる多職種の人材確保、そして育成が重要であると思います。
 そこで、地域での連携を深めるための医療、そして介護にかかわる多職種の人材の育成にかかわる都の取り組みについて確認をさせていただきたいと思います。

○笹井医療改革推進担当部長 都ではこれまで、病院スタッフと在宅スタッフとがお互いの診療方針などについて理解し合うための相互研修や、地域における多職種間の連携を推進するための症例検討会などを実施してまいりました。
 来年度からは、在宅療養地域リーダーを養成し、リーダーを中心とする多職種連携研修を実施することにより、医療、介護の連携強化に向けた人材育成の取り組みを一層充実させてまいります。

○山内委員 高齢化の進展に伴い、在宅療養の推進は、本当に喫緊の課題であると思います。昨日なんですけれども、病院経営本部の質疑の中で、野島委員からも触れられましたけれども、国においては、今後の急速な高齢化を踏まえ、幅広い領域の病気や障害等について、適切な初期対応と必要に応じた継続医療を行う総合診療医が必要であるとしており、そのような総合的な診療能力を有する医師の専門性を評価し、新たな専門医の仕組みに位置づけることとしております。
 在宅療養を推進する上で、総合診療医の役割は不可欠でありまして、都としても、今後の国の動きをぜひとも注視をしていただきたい、そのように思っております。
 また、都における在宅医を初めとした多職種人材の確保と、そして育成、これを引き続き実施していただいて、この医療と介護の連携のさらなる充実を図るよう要望いたしまして、質問を終了いたします。

○ともとし委員 川澄局長、今回のこの第一回定例会は、知事に次いで答弁回数が多いのは局長じゃないかなと思うんですね。非常に福祉あるいはまた保健という、そういう事業について、知事は本当に前向きにいろいろ考えていらっしゃるのかなと。それに対して局長も応えるべく、全力を尽くして、いろんな質問についても答えていらっしゃるのかなと、そんな状況を見させていただいているわけですが、まさに人間の一生を、よくいわれるのは揺りかごから墓場までというふうに、こういわれるんですが、その節目節目、そこのところが福祉保健局のほとんどの事業がつながっているんですね。その意味では、本当に福祉保健局というのは、都民にとって大事なそういう事業局というふうに思うんですね。
 この福祉保健局の二十六年度の予算、一兆円を超えました。これは四十六道府県の中堅の県の一般会計の予算にも匹敵するような、膨大な予算なんですね。それだけに、使い方についてもいろいろと局長なりに精査しながら、新たな思いの中で、仕事をあるいは事業を進めていかなければならない。そんな思いをしているんではないかなというふうに思うんですね。
 この二十六年度における、あるいはまた補正予算等も出ています。それらについての局長の思い、あるいは決意、お伺いしたいと思っています。特に新しい知事になって、知事と直接、いろいろとそうした問題について話し合いをする機会も多いかと思いますので、それも含めてご答弁いただきたいと思います。

○川澄福祉保健局長 今お話しのとおり、まず東京の状況でいいますと、二〇二〇年に人口が減少していく。それから、二〇二五年には四人に一人が高齢化、六十五歳以上の高齢者になると、そういうふうな状況がまずございます。
 そうした中で、まず我々としては、こうした少子高齢化が急速に進展している中では、東京都の福祉保健行政を本当により一層充実強化していかなければならないというふうに思っております。
 そうした中で、世界一の福祉先進都市にするという、知事が公約を掲げて就任をされました。就任直後から、我々はいろいろとブリーフィングに入っております。詳細な資料を入れて、かなりの時間をかけて知事といろいろ議論して、その際に、いろいろと指示を既に就任直後から受けております。そうした中で、我々もまた、新たにしっかりやっていかなければならないという決意を持ってやらなければいけないと、局一同、そういうふうに今思っております。
 特に高齢者対策、いろいろいわれております、今回もいろいろ答弁させていただきましたけれども、やはり特別養護老人ホーム、そういった介護サービス、施設の部分、それから在宅療養をバランスよく、やっぱりきちっとやっていかなければいけない。それから、そういうような工程表もきちっと出していって、区市町村と連携していかなければならない。
 それから、子育ての分野では、まず四年で解消するという、こういう大前提がございますので、そうした中で、あらゆる手段を使って頑張っていくということもございます。
 また、障害者の部分についても、これは、どうも高齢と保育に、間に挟まってしまうんですけれども、これもしっかりやっていかなければ。
 それから、当然、知事も非常に関心の高い救急医療、これもしっかりやっていかなければ。
 そういう意味では、非常に我々としては、しっかりやっていかなければならない項目が山積をしております。それでもやはり、今まで以上に知恵を絞って、新たな施策を組み立てて、それから区市町村と連携して、それから関係機関とも力を合わせて、本当に全力を挙げて、局一丸となって福祉行政を推進してまいりたいというふうに思っている次第でございます。

○ともとし委員 相当な決意を持って、この二十六年度の予算を考えていらっしゃるのかなというふうに思います。
 今までの知事とちょっと違うのは、毎日出勤しているということなんですよ。普通、常識的にはそんな当たり前のことをされていなかったということについて、非常にある意味では恥ずかしい、そういう状況かなというふうに思っているんですが、それが普通の状況に変わってきた。毎日出勤して、そして、各部、各局のいろんなそういう仕事の進捗状況も見ながら、新たな思いの中で一千三百万都民のための施策というものを推進しているのかなというふうに思うんですね。
 私は、今回の補正予算、補正予算ですから、普通は、本予算がある程度できてきて、途中で補正予算が出てくるかなというふうに思ったら、最初から補正予算が出てきたんですね。これは恐らく知事がかわって、その知事の意向に沿った形の中のそういう事業を推進したいということから補正が出てきたのかなというふうに思うんですが、この補正の中の約半分ぐらい、これも福祉保健局なんですね。
 その中でも大半な部分を占める子育て応援ファンド、このことをいろいろと見させていただいたんですが、一つには、企業だとかNPO、そうしたところに、このファンドを通して、一段と都民のために頑張っていただけるような仕組みをつくりたいというところから出されているのかなというふうに思うんですね。
 ある意味では、官民一体となって頑張ろうよということかなというふうに思うんですが、まず、この事業の目的、そしてまた、どのような事業を支援対象としているのか、この辺についてお伺いします。

○篠原企画担当部長 子育て応援ファンドの事業でございますけれども、議員からお話のあったとおり、子育て支援など少子化問題に取り組んでいくために、NPO法人や企業の持つアイデアあるいは人材などを活用していこうとするものでございます。
 あわせまして、社会全体の子育てに関するムーブメントを高めていくということを目的にしております。
 具体的な支援対象でございますが、NPO法人や企業が実施します子育てに関するテーマでの研修、あるいはセミナー等の実施のほかに、妊産婦や若いカップルなどを対象とした普及啓発事業、あるいは子供の一時預かりといったサービスの提供などを想定しているところでございます。

○ともとし委員 このファンドについては、いつ、どこに置くのか、そしてまた補助事業はいつ始めるのか、そうした具体的なスケジュールというのがあるのかなというふうに思いますが、この辺について伺います。

○篠原企画担当部長 子育て応援ファンドの設置先でございますが、都の関連団体を想定しておりますけれども、具体的には、事業の詳細とあわせまして検討していく予定でございます。
 ファンド自体は、二十六年度中に、二十億円を当該団体に出捐して設置する予定としております。
 二十六年度にはモデル事業を先行実施する予定としておりまして、NPO法人などの取り組み状況などを調査して、詳細を検討した上で、できるだけ早期に実施したいと考えております。
 二十七年度以降は、ファンドを運営していただく都の関連団体によりまして補助を実施する予定でございます。

○ともとし委員 日にちがなかったというのはよくわかるんですよ。新しい知事が誕生してまだ一カ月半ぐらいしかならないんですから。それはそれとしてよくわかります。
 その意味の中で、この補正を組まれてきたのかなというふうに思うんですが、詳細については今後検討していきたいと。
 しかしながら、二十億超という予算は、これ、一兆円からの予算にすると低いんですよ。だけど、仮にこれが区市町村といったら、大変な金額になるわけなんですが、やはり効率的に効果的に利用していただくということが大事かなというふうに思うんですが、その辺の取り組みについてお伺いします。

○篠原企画担当部長 この補助事業の検討に当たりましては、NPO法人などの調査を行った上で、実態に合った効果的な仕組みを構築していきたいと考えております。
 また、助成事業の実施に当たりましては、わかりやすく広報に努めまして、広く周知を図りますほか、外部の審査員を登用しまして公平な審査を行うなど、二十億円を超える予算がしっかりと効果を発揮するように努めてまいります。

○ともとし委員 部長がしっかりやっていくという、そういう思いのこもったご答弁でございますので、それを信じて、しっかりと詳細を詰めて、そして効果的な仕組みをさらに洗い出して、早期にこの事業が実施されるように要望しておきたいというふうに思います。
 待機児童について質問させていただきます。
 共産党さん、よく調べているんですよね、待機児童のことについてね。感心しています。よく調べているなというふうに思うんですが、ただ、数字が行ったり来たりあるんですよ。
 一回、公のそういうプレス発表したものというのを、それを差し戻したり、また、これは記事の書き方は各マスコミによるわけですから、いろいろあるかというふうに思うんですけれど、認可保育所二万六千人が入れないと、そういうふうに最初の報道がありました。それが三月三日です。三月十一日になると、これは間違いでしたと。そして、二万四千人に訂正されました。この数字については、今後、二次募集や子供の転出等によって変化するかもしれませんと、そういうような内容も載っておりました。
 行政の方が、数字というのは、そういうふうにくるくるくるくる変わるような予算組みか何かをしたら、これは大変なことになります。少なくとも前年度、あるいはまた今年度、そういう調査の中でやっていただくのが実数として各区市町村から出てくる、そういう内容のものを掌握しながら、しっかりした数字というものを見きわめながらやられていくことが大事かなというふうに思うんですね。
 舛添知事も、あるいはまた福祉保健局の方からいわれている数字--これは二十四年度でしょうけれど、共産党の発表では二万二千人というのが出ていましたけれど、都が発表したのは八千百十七名なんですよ。これはもうすごい差なんです。今年度についても、同様な趣旨のものが出ておりますけれど、知事は立候補に当たっては、八千人を一つの目安にしながら待機児童をなくしていきたいと、そういうように公約をしていきながら選挙戦をやりまして、圧倒的な都民の負託を受ける票数で知事というふうになってきたわけなんですが、まさにこの八千人対二万二千人、あるいは今日で修正された二万四千人、この数字の違いというのは、局はどのようにして受けていらっしゃるのか、その辺の見解をお聞きしたいと思います。

○浜少子社会対策部長 都が発表いたしました待機児童数は、昨年、二十五年四月一日現在で八千百十七名でございますが、こちらには、保育サービスの必要量を適切に把握するため、認可保育所の入所要件に該当している入所申込者のうち、認可保育所、認証保育所、家庭的保育などのサービス利用児童や、ほかに入所可能な保育所があるにもかかわらず、特定の保育所を希望して待機している児童などの数を控除した数字でございます。
 一方、共産党が発表されました数字は、認可保育所を申し込んで入所できなかった数字でございまして、この中には、都が控除した数字が含まれているものでございます。

○ともとし委員 わかりました。少なくても、子育てについて、都民の皆さんは本当に真剣なんです。何とかしたいという、そういう思いがあるわけですよ。これが数字でこれだけ違っていますと、都民の人はどうなっているのという、そういう思いが出てくるんではないかなと。やはり、都民の皆さんには正確な数字というのを周知していただくことが大事かなというふうに思います。
 要するに、最初から、その数字の出し方の違い、これが違った形の中で出てくるということは、物差しが違うわけですから、おのずと数字も違ってきちゃうんですが、物差しの部分を明確にしないで、数字だけをひとり歩きさせるようなことがあっては、私はいけないのかなと思うんですね。その意味では反省をしていただければなというふうに思っております。
 その意味で、次に移りたいと思うんですが、知事は、何としてもこの待機児童解消、全力を挙げてやっていきたいということをいっております。確かに今部長からご答弁があったように、認可保育園だけじゃないんですよ。認証もあれば、本当に少人数で一般家庭と同じような雰囲気の中で子育て、保育をしていくという、そういう環境もあるんです。それはその保護者というか、親のニーズに合わせて、いろんな保育のそういう方向性を持っていただいて、それはそれで結構なんじゃないかなと。全てが認可ということでは、私はないと思います。
 その意味で、来年度の予算についても、多様な保育サービスがあるかと思いますが、その拡充について、都としては、局としてはどのようなことを考え、そしてまた、事業者の負担、保護者の負担、そういったものができるだけかからないような、そういう方向性というものはどのように考えていらっしゃるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。

○浜少子社会対策部長 東京都といたしましては、待機児童対策としては、認可保育所、認証保育所、家庭的保育や小規模保育など、さまざまなサービスを区市町村が地域の実態に合わせて整備していかれるように支援していく仕組みを充実させていくことが大切と考えております。
 このため、事業者の負担を軽減する取り組みといたしましては、来年度は、今後四年間での待機児童解消に向けまして、平成二十九年度までの緊急対策として、認可保育所や認証保育所などの施設整備に係る事業者の負担を八分の一から十六分の一に、区市町村負担を十二分の一から十六分の一にまで軽減をいたしまして、多様な保育サービスの拡充を促進してまいります。

○ともとし委員 その中には、保育の整備に対して、通常でいけば社会福祉法人というか、そういったものになってくるかというふうに思うんですね、認可の場合や何かはね。ところが、株式会社も、この中には入るような方向性もあるかというふうに思います。
 こうした安心こども基金等を利用した、区市町村に徹底をする、そういう内容の中で、この株式会社等のそういったところも利用できるんですよというものがあるならば、多様な保育サービスの主体者がそういう事業者であるということも、それは参加者として大いに結構だという、そういうことからきちっとした周知をすることも、これも大事かなと。そしてまた、取り組みの経緯と、あるいはまた、来年度の二十六年度の取り組み内容、これらのことを踏まえながらお伺いしていきたいと思います。

○浜少子社会対策部長 株式会社等が行う施設整備につきましては、平成二十年度に、都は国に先駆けて、賃貸物件を活用して認可保育所を新設する際の内装費に補助する事業を創設いたしました。国も、平成二十年度末に安心こども基金を創設する際には、都と同様に、株式会社等への補助を行うことにいたしました。
 都は、平成二十一年度からは補助対象を拡大いたしまして、賃貸物件に限らず、自己所有物件を活用する場合にも独自に補助を行っております。
 さらに、来年度からは、新設時の内装費だけでなく、建物全体の建築費や土地借料等に対しても補助を行うことといたしました。また、既存保育所の定員をふやすために行う増改築等の整備費も対象といたします。
 これらによりまして、多様な保育サービス主体の参入や事業展開を促して、待機児童解消の取り組みを加速させてまいります。

○ともとし委員 八千人からの待機児童を解消するということは、これは並大抵のことじゃないかというふうに思います。
 しかしながら、東京都内全部を見ても、あるいはまた一つ一つの区を見ても、市町村を見ても、ここは満杯ですよと、でも、ここはちょっとまああきがありますというところは、この区市町村の中でも、やはり交通の便の悪いところとか、そういったところについては結構あきが出ているんですよ。(「よく見た方がいいよ」と呼ぶ者あり)それについては--よく見ているから大丈夫だよ、共産党にいわれなくても、ちゃんとやっているから。
 そういうことをきちっと見ますと、やはりきちっとした、全てのところが利用できるような方向性のものをつくってあげることが大事かなというふうに思います。
 そういうような思いの中、今回は、本会議の中でもうちの党から質問もさせていただきましたけれども、送迎保育ステーション、これらについても、今回の中ではいろいろ考えていらっしゃるようでありますけれど、これは私立も公立も、認可も認証も、ある意味では保育ママや何かも全部ひっくるめた形の中で、そういうシステムがつくれれば、それは最高なんですよ。
 ですから、区市町村に、それらのことをきちっといろんな面で協力していただきながら、そういったことも進められるような、そういう方向性のものを考えるべきだというふうに思っているんですが、その辺の事業スキームはどういうふうになっているのか、お聞きします。

○浜少子社会対策部長 送迎保育ステーション事業は、一つの送迎保育ステーションから一つの保育所への送迎だけでなく、送迎保育ステーション、保育施設、いずれも複数施設間の送迎も可能としておりまして、地域の実情に応じて、多様な形式で実施できるものでございます。
 また、送迎先は、公立や民間の認可保育所だけでなく、認証保育所や小規模保育なども対象にしております。
 学校や児童館など、保護者の利便性のよい場所に送迎保育ステーションを設置し、専用のバスなどで定員に余裕のある保育所まで児童を送迎する本事業の実施によりまして、空き定員のある既存の保育施設の有効活用を図ることは、待機児童解消のための有効な方策の一つであると考えております。
 また、待機児童の多い地域に必ずしも保育所を設置する適地がない場合でも、あいている土地のある場所に新たに保育所を整備することで、拡大する保育ニーズに応えることができるなど、地域全体を活用した保育所の設置計画が可能となると考えております。

○ともとし委員 ありがとうございます。とにかく待機児童をなくしていくという、それを最大の目標にしながら、今あるそういう施設についても十二分に活用できるようにしていただきながら、新設の認可を含めた形の中で、新しいものをつくっていく。それで、一日も早く、それらの問題が解消できるように、これは要望しておきたいというふうに思います。
 そうじゃないと、きのう、きょうの新聞、テレビ等でも、子育て中の方がどうしても預けなきゃいけない。そして、そうした資格がない、そういった場所のところにでも預けて、そして、最終的にはその子供が帰らぬ人になって、自分の手元に帰ってきてしまう。こういうような事故、事件というのは、一日も早くなくさなきゃいけないと思うんですね。それには、やっぱりきちっとした保育のそういう環境づくりというものが大事かなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 先ほど、局長の方からも、特別養護老人ホームの整備促進ということでお話等がありました。
 まず、少子化の場合も数字が大事だという、子供たちのその数字が、待機児童の数字が大事だというふうに申し上げましたけれど、この高齢者対策、特養ホームに入りたいといっている人、局の方でつかんでいるところの人数というのは、どのぐらいなんですか。

○中山高齢社会対策部長 平成二十二年の調査になりますけれども、特別養護老人ホームに申し込んだ方の総数は、約四万三千人でございました。

○ともとし委員 四万三千人、これは、保育園が八千人という待機児童、それを解消するためにも、大変なそれこそ日にち、時間、そうしたものがかかる。片っ方は四年間のうちに何とか解消しようということで今進んでいるわけですが、この特養ホームについては、この四年間でとてもじゃないけど、解決できる、そういう問題ではないのかな。今の人数を聞いただけでも、まさに気の遠くなるような、そういうご答弁かなというふうに思うんですが、しかし、現実、今、待機しているわけですから、これも一日も早く何とかしてあげたいというのは、これは舛添知事のみならず、全ての都民の方もそのように思っているんだというふうに思うんですね。
 この整備促進については、今回の二十六年度の予算の中にも入っていることは事実だというふうに私たちも認識しております。
 さらに、この四万数千という数は、これは逆に、年々高齢化していく率というのは高まっていくわけですから、ある意味ではもっとふえるんではないかなという危惧さえも持つわけですね。
 私はそういったことを考えていくと、事業者が、社会福祉法人を初めとするその事業者が、やはり、どんどんどんどんそういった特養ホームをつくりたいという、そういうような思いをしていただくということが大事かなというふうに思うんですが、この整備事業について事業者にそういう思いをしていただけるような、そういう一つの環境づくりという、そのことについて局の意向を聞きたいと思います。

○中山高齢社会対策部長 特別養護老人ホームの整備につきましては、都は、来年度、整備費補助単価を増額する予定でございます。
 整備が十分でない都心におきまして、標準的な定員百人規模の特別養護老人ホームを整備する場合の平均的な建築費は、約十二億五千万円でございます。
 都の整備費補助では、ユニット型個室の場合、定員一人当たりの単価を四百三十万円から五百万円に引き上げることといたしまして、これに促進係数一・五倍を掛けた補助額は、約七億五千万円となります。
 この額は、平成二十五年度に比べまして一億円余りの増額となりまして、建築費に占める補助割合は、これまでの五割から六割に増加することになります。したがいまして、事業者の自己負担割合が少なくなるというメリットがございます。

○ともとし委員 まさに、事業者の人たちがとにかく一人でも多くの待機高齢者の人たちがそうした施設に入れるように、一日も早く、我々も何とか努力したいというふうに思えるような、そういうような環境づくりが大事かなというふうに思います。
 今、部長がご答弁をいただいたように、ユニット型のそうした単価が四百三十万から五百万に上がる。それによって、通常試算されるところの状況からいくと一億円上がるということで、これは社会福祉法人にしてみれば朗報かなというふうに思います。
 ただ、特養ホームだけで全てが、じゃ、進められるかというと、そんなふうにもならないんですね。先日も、新聞等の報道によりますと、江東区の方では、特養ホーム、そして介護専用型のケアハウス、あるいは診療所、そういったものを合築しながら進めている、併設しながら進めているという、そういう記事もありました。
 多様なそういう仕組みの中で、こういうふうに待機している、あるいはまた、その方たちの介助をしている家族にとっても安心できるような、そういう合築型、併設型のそういったものも進めることが大事かなというふうに思うんですが、その辺についてお伺いします。

○中山高齢社会対策部長 お話のように、特別養護老人ホームに訪問看護ステーションや小規模多機能型居宅介護等の地域密着型サービス等を併設することによりまして、施設全体でスケールメリットが働き、安定した運営が可能となります。
 と同時に、地域の高齢者に継続的なサービスを提供する地域包括ケアの拠点としての役割も期待できます。
 都は、今月六日には、事業者向け説明会におきまして、こうしたメリットや既に実施されております複合型施設の先駆的事例などを紹介いたしました。
 今後も、施設整備費補助説明会など、機会を捉えて広くPRをしていきたいと考えております。

○ともとし委員 ぜひとも推進の方、よろしくお願いしたいと思います。
 区市町村で実施計画的には、今こうした施設をつくるということについては、非常に厳しい状況になってきているのかなと。要するに、当初の予定された長期、中期の目的、目標、それがこの実施計画の中でほぼ達成できてきている、そういう区市町村もあるんですね。
 そうすると、新たなものというものを考える財政上のことが非常に厳しくなっているという、そういう実態もよく聞くわけですが、よく、今回の本会議の中でも予算特別委員会の中でも、知事初め局長の方から、長期的な一つの方針を新たにつくり出したいというようなことも聞かせていただいているんですが、どうか、本当に状況的には、人口一千三百万、その中での今の現状ですと、やはり高齢化していく率というのはどんどん高まりますので、どうしても足りなくなる。
 そういう意味では、多様なそういう方向性の中で、そうしたことを進めていくということが大事であると同時に、区市町村に対しても、それを前向きに進めていただけるような、そういう周知徹底というか、一緒になって考えていただけるような環境づくり、これも必要かというふうに思うんですが、見解をお伺いしたいと思います。

○中山高齢社会対策部長 今後の高齢化の進展を踏まえますと、地域包括ケアの推進に当たって、施設サービスや在宅サービス等のサービス基盤をバランスよく整備することが求められておりまして、特別養護老人ホームの定員もふやしていかなければならないと考えております。
 来年度は、東京都高齢者保健福祉計画の策定年度に当たっておりまして、中長期的な視点に立って、特別養護老人ホームの需要を推計することが必要であります。
 計画策定におきましては、高齢者保健福祉計画作成委員会での議論の内容を十分踏まえますとともに、区市町村とのヒアリングにおきまして意思疎通を図りながら、区市町村が中長期的な視点に立って、特別養護老人ホームを初めとする介護基盤整備に積極的に取り組むよう働きかけてまいります。

○ともとし委員 ありがとうございました。一日とか一週間とか一カ月とかという、そういうレベルででき上がるものじゃありませんので、本当に継続的なそういう思いの中から、高齢者に対しても優しい都政というものが大事かなというふうに思います。しっかり推進の方をお願いしたいというふうに思います。
 ソチのパラリンピックも終わりました。金メダルが三個、銀メダルが一個、銅メダル等々、合計で六個とって、非常に感動的な冬季オリンピック、そしてパラリンピックのそういう状況があって、国民の皆さんも本当に感動した場面がたくさんあったのかなというふうに思うんですね。
 二〇二〇年には、東京オリンピック・パラリンピックが開かれます。そのときの環境づくりもしっかりしなければいけないのかなというふうに思いますけれど、同時に、弱者というか、障害者に対する対策というのも、これもきちっとしておかなきゃいけないというふうに思います。
 特に、今回の本会議の中でも、一般質問の中でやらせていただきました聴覚障害者に対する手話通訳というか、そのことについての質問等もあったかというふうに思うんですが、この手話について、普及促進ということを東京都では真剣に進めているというような答弁をいただいたんですが、具体的にどういうことなのか、お伺いいたします。

○山岸障害者施策推進部長 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックには、国内外から多くの来訪者があることが想定されます。
 特にパラリンピックの際には、障害のある方が多数来訪することが見込まれるため、都内での活動に不便や不安を感じることがないよう、さまざまな配慮が必要でございます。
 そのためには、施設のバリアフリー化など、ハード面の整備とあわせて、障害特性に配慮した情報環境など、ソフト面の整備も重要となります。
 その一環として、聴覚障害者の受け入れ体制を強化するため、手話のできる都民の拡大に向けた取り組みを行うこととしたものでございます。

○ともとし委員 最近ではテレビ等でよく、総理の記者会見、国会中継、あるいは東京都においても本会議の内容等がテレビ報道される際に、画面の左側のところで、手話通訳の方が一生懸命やられている。そういうのを見て、最初のころは、あれは何なんだろうというふうに、何であの人だけあそこにいるんだろうという、そういう感じで見ている子供たちもたくさんいたわけですけど、最近では、あれが手話通訳なんだと、だんだんだんだん認められてきているのかなというふうに思うんですね。
 この手話通訳を促進するについて、子供たちから見ても、ああいうことをやってみたいなというように思われるような、講習というか、機会というか、そういったことも大事かなというふうに思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。

○山岸障害者施策推進部長 都はこれまでも、手話通訳者養成講習会を通じて、手話通訳者や手話を教える指導者の養成に取り組んでまいりました。
 来年度は、広く都民に関心を持っていただき、理解を深めてもらえるよう、入門書やパンフレットを作成し、小中学校や公共施設に配布するほか、都民が初めて手話を学ぶ際や、地域で実施される手話サークル活動に活用できる教材を作成し、手話人口の裾野を広げてまいります。
 今後とも、さまざまな手法を駆使して、手話のできる都民の育成を進め、二〇二〇年を目指して、関係各局とも連携しながら、身につけた手話を活用できる環境づくりに努めてまいります。

○ともとし委員 質問の内容が前後して本当に申しわけないんですが、先ほど、パラリンピックの話をさせていただきました。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、それらがありますと、要するに日本人だけじゃないんですね。外国の方も、パラリンピックの中では、たくさんの障害を持たれた方、聴覚障害の方もいらっしゃるんじゃないかというふうに思うんですけど、この国際的なそういう手話というのは、ちょっと日本の手話とは違う部分もあるというふうに聞いているんですが、その辺についてはいかがですか。

○山岸障害者施策推進部長 手話は、それぞれの国の歴史や文化を背景に、独自に発生、発展をしているため、国ごとに異なった手話がございます。
 国際的にはアメリカ手話が普及しておりますが、聴覚障害者が集まる国際会議などでは、会議用の共通手話ともいえる国際手話も使われております。
 このため、アメリカ手話を中心とした外国語手話や国際手話などの普及促進を行う団体等の活動を支援することを通じて、外国語手話の普及促進に努めてまいりたいと考えております。

○ともとし委員 国際手話というのは、今部長からご答弁があったとおり、大変なそういう内容のものがあるのかなというふうに思うんですが、国際的手話の中で思い出すのは、ノーベル平和賞をいただいたマンデラさんが亡くなって、国際的な手話というか、国内的な手話でも通じないという手話だったらしいんですが、堂々と世界にあの手話通訳の方が出ちゃったんですよ。それで、一体何なのかという、大変なセンセーショナルなそういう状況があったわけなんですが、講習会等で日本における国際的な手話、これをしっかり皆さんに覚えていただきながら、そういった方たちが、ぜひともパラリンピック等のときにボランティアや何かで活躍できるような、そういう環境づくりも大事かなというふうに思っております。
 手話通訳で講習を一生懸命受けて、こういうふうにできるようになった、何とか役立てたい、それは国内の中でいろんな人がいらっしゃるわけですから、日本人同士のそういう中で、ボランティアという形でやられることも大事だし、国際的なそういったものを習ったんであれば、そうした機会をやっぱりつくってあげることも大事かなというふうに思うんですね。
 ぜひともこれは福祉保健局だけでできる内容でもありませんので、各局を横断しながら、そうしたボランティア活動ができるような仕組みづくりをぜひともやっていただけるように要望して終わりたいと思います。以上です。

○まつば委員長 この際、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○和泉(な)委員 まず、七十歳から七十四歳の医療費の窓口負担の引き上げについて伺います。
 ことし四月以降に七十歳に到達する方たちから順次、医療費の窓口負担は一割から二割へと引き上げられていく予定です。高齢者医療制度改革会議の委員をされていた日本福祉大学の近藤克則教授のプロジェクトチームが取り組んだ二万六千人を対象にした調査では、所得が低いほど費用負担を理由に治療を控えた人が多く、所得によって死亡率に二倍から三倍の健康格差があるという結果が出ています。
 低所得者にとって、窓口負担がふえるということは命に直結するということが現にデータをもって示されています。このような結果を踏まえれば、窓口負担の引き上げは受診抑制につながるんじゃないかと考えますが、都はどのように認識していますか。

○松浦地域保健担当部長 今回の国の措置では、既に七十歳となっている高齢者については引き続き一割負担を継続しており、また、新たに七十歳となる方から順次二割負担とするもので、個々人で見れば六十九歳までの三割に比べ自己負担は減ることとなります。
 さらに、低所得者の方などについて、自己負担の上限額を据え置いており、必要な受診が抑制されることのないよう十分な配慮がなされているものと認識しております。

○和泉(な)委員 自己負担の上限額を据え置いたといっても、この自己負担限度額はずっと繰り返し引き上げられてきたんです。
 七十歳以上で一割負担となっている方たちの自己負担限度額は、外来だけの限度額は別に設定されていますけれども、住民税を課税されていれば四万四千四百円、非課税でも二万四千六百円か一万五千円です。しかも、高額療養費は暦で算定しますから、入院期間が一カ月未満でも、月をまたいでいればそれぞれの月で上限額まで負担することになります。それ以外に、入院時食事療養費や入院時生活療養費も負担しなくてはなりません。決して十分な配慮とはいえないんじゃないでしょうか。
 厚生労働省が二〇一〇年に行った調査でも、高齢者の窓口負担についての問いに、減らすが一八%、現在と同じが五九・六%。これは高齢者だけを対象にしているのではなく、二十歳以上の人たちを対象にして行われた調査です。実に七七%の人たちが、窓口負担を上げるべきじゃないと答えているんです。
 受診抑制がかからないようにするためには、やはり窓口負担を引き上げるべきではないと思います。医療費の窓口負担を据え置くための都独自の財政支援が必要ではありませんか。伺います。

○松浦地域保健担当部長 国は毎年、予算上の特例措置により一割負担を継続してまいりましたが、世代間の公平性の観点から特例措置を是正すべきとの国民会議報告等を踏まえ、来年度から本則どおりの二割といたしました。
 今回の対応は、高齢化に伴う医療費の増加が見込まれる中、給付と負担のバランスを図り、将来にわたって持続可能な制度を確保するためにとられた措置であると認識しており、本則化される二割負担について都独自に財政支援をすることは考えておりません。

○和泉(な)委員 そうはいっても、年齢とともに医療費がかさむのは仕方のないことです。収入源が年金だけという方たちは、それも毎年減額されて、保険料も毎年上がって、四月には消費税増税が重くのしかかって、その上医療費の窓口負担も上がる。これを本当に世代間の公平というんでしょうか。
 実際に受診抑制がかかれば、病気は重症化し、長期化し、医療費が逆に増大することにもつながるんじゃないでしょうか。大体、世代間の公平といいますが、どの世代だって、順番に年をとれば七十代になっていくんです。窓口負担を現行のまま据え置くよう国に求めるとともに、都としてもこれ以上都民の医療費負担を増大させない制度をつくるように強く求めます。
 続いて、後期高齢者医療制度について伺います。
 昨年三月に、東京都後期高齢者医療広域連合が、平成二十五年度の東京都後期高齢者医療保険料収納対策実施計画というのを策定しています。その内容は、収納率を全国平均の九九・二%まで引き上げることを目的として、短期被保険者証の活用を進め、滞納処分を積極的に行うこととされています。
 被保険者は七十五歳以上です。被保険者証の交付を差しとめて、短期被保険者証も窓口まで行かなければ交付されないということになれば、結局、保険証が手元にない間にぐあいが悪くなれば命の危険にもさらされます。
 このような区市町村の対応は是正されるべきだと思いますが、いかがですか。

○松浦地域保健担当部長 短期被保険者証は、通常よりも有効期間の短い被保険者証で、保険料を滞納している被保険者に対して面談等の機会をふやし、保険料の納付につなげることを目的として交付するものでございます。
 このため、短期被保険者証は原則として区市町村の窓口で交付することとされております。ただし、個々の状況によって窓口で交付することが困難な場合には、職員が被保険者の自宅に出向いたり、郵送するなどの運用が行われております。

○和泉(な)委員 繰り返しますけれども、被保険者は七十五歳以上の方たちなんです。区市町村から送られてくる書類に目を通すことや、記載されている専門的な内容を理解するのが困難な場合だってあります。面談する機会をふやすというのであれば、繰り返し出向いて、生活実態をよく把握して、丁寧に対応することこそ重要ではないでしょうか。
 さらに、この保険料収納対策実施計画では、東京都の取り組みとして、広域連合の収納対策を十分に把握した上で、広域連合や区市町村と協力連携し、滞納整理に関する職員のレベルアップを図ると書かれています。
 その内容としては、東京都広域連合との共催による研修の実施、徴収指導専門員による個別相談の実施、広報の効果的、効率的な実施ということですが、広域連合と共催で行っている研修の具体的な内容はどのようなものでしょうか。また、徴収指導員とはどのような経歴の人たちですか。お答えください。

○松浦地域保健担当部長 後期高齢者医療の保険料が納期限までに納付されないときは、地方税の滞納処分の例により処分することができるとされております。
 滞納処分を行うためには法に基づいた適切かつ慎重な対応が必要であることから、都では、国民健康保険や後期高齢者医療の徴収部門の区市町村職員を対象に、滞納処分についての専門的知識及び技術を付与するため研修を実施しており、平成二十五年度は法令知識や手続等について、テーマ別に年間五回の研修を行いました。講師はいずれも国保料・税徴収指導員が担当しております。
 国保料・税徴収指導員は、都の専務的非常勤職員で、税務に関する専門的知識と税徴収事務の経験を有する者でございます。

○和泉(な)委員 要するに、いかに滞納処理を行うかということを区市町村レベルで進めるという研修を都が、主催して行っているということじゃないでしょうか。
 この実施計画の中には、納付能力を有するにもかかわらず滞納している被保険者に対する差し押さえを的確に行うとされています。もちろん、十分払えるだけの現預金がありながら払わない、これは公平性を欠くということにもなるんでしょう。
 そこで伺いますけれども、納付能力を有するのに滞納している被保険者、これは全体の滞納者のどのぐらいの比率でいるんでしょうか。そして、それはどのような基準によって判断されているんでしょうか。

○松浦地域保健担当部長 滞納者のうち、納付能力を有するにもかかわらず滞納している者がどれくらいいるかということについては把握しておりません。
 東京都後期高齢者医療広域連合によれば、平成二十四年度末現在の滞納者数は三万四百人、同年度の差し押さえ実績は百八十二人で、滞納者数に占める割合は〇・六%でございます。
 差し押さえを行うに当たっては、区市町村が財産状況の十分な調査を行い、生活実態など個別の事情をしんしゃくした上で判断しているものと認識しております。

○和泉(な)委員 実際にはどういう基準で行われているのか、果たしてそれが本当に適正な差し押さえといえるのかどうか、都は検証していないということになるんじゃないんでしょうか。
 この間、差し押さえは年を追ってふえています。二〇一一年度は百七人と、先ほど二十四年度は百八十二人という答弁もありましたが、差し押さえの対象となるのはどのような種類の財産でしょうか。

○松浦地域保健担当部長 差し押さえの対象となる財産は、滞納者に帰属する財産であって、金銭的価値を有し、譲渡や取り立てが可能で、国税徴収法や他の法律で差し押さえを禁止されていない財産でございます。
 例としては、預金や有価証券、不動産が挙げられます。

○和泉(な)委員 先ほど、区市町村がそれぞれの事情をちゃんとしんしゃくした上で適正に行っていると認識しているという答弁でしたけれども、結局みずから主催して滞納処理の研修を行いながら、実際に納付能力がありながら滞納している人がどのくらいいるのか、納付能力があるかどうかの判断をどのような基準でしているのか、実際に滞納処理が、納付能力があるのに払わない人に本当に限定して行われているのか、これらのことは検証しないし、把握していない。せめて、生活が困窮に陥る心配がないかどうか、生活権が侵害されるような無謀な差し押さえが行われていないかどうか、しっかりと調査をして把握するぐらいのことを都が、やるべきじゃないでしょうか。
 差し押さえ禁止財産というのは、生活に必要な衣服や家具、三月分の食料などや、自家労働による農漁業者の業務や、技術者、職人等に不可欠な器具、学習用具などの絶対的禁止財産のほかに、給与や退職金、社会保険制度に基づくこれらに類する給付に関して一定程度生活保障に必要な範囲は差し押さえができないこととなっています。これが、先ほどご答弁があった差し押さえが禁止されていない財産から除かれる部分だと思いますが、しかしながら、後期高齢者医療制度だけではなく国民健康保険も、実際にはこれらの給与や年金が振り込まれる口座を差し押さえるということが行われています。
 この対応は改められるべきだと思いますが、いかがですか。

○松浦地域保健担当部長 国保料の滞納処分については、地方税法に基づき国税徴収法に規定する滞納処分の例によることとされております。
 給与や年金は生計を維持する上で重要であることから、国税徴収法には給与や年金等の一定割合について差し押さえを禁止する規定がございます。
 保険者は、滞納整理を行うに当たっては、納付相談を通じて生活実態など個別の事情をしんしゃくするなどきめ細かな対応を心がけており、機械的に差し押さえを行っているわけではございません。

○和泉(な)委員 先ほど、後期医療制度の滞納処分でも、都はどのような人をどのような基準で、納付する能力があるのに納付しない人と判断するのかということについては、区市町村の判断だと答弁し、具体的な検証も把握もしていませんでした。それで、きめ細かく対応しているかどうかということが、どうしてわかるんでしょうか。
 いうまでもなく、差し押さえは本来の私有財産を凍結し、没収し、強制的に国税や保険料を徴収する行為です。慎重な判断と対応が求められるんじゃないでしょうか。
 昨年十一月二十七日に、広島高裁で児童手当が振り込まれる口座を差し押さえた鳥取県に対して違法な判決をいい渡して判決が確定しています。都は、この判決をどのように受けとめますか。

○松浦地域保健担当部長 ただいまのご質問に答弁をする前に、先ほどのお話で判断基準がないのではないかというお話がございましたけれども、これは判断基準が、所得が幾らだったらどうだとかいうことではなくて、個々の事情を勘案して判断するということでありまして、基準が明確にあるということではないということでございます。
 また、区市町村に対しては指導検査を行っておりますので、その中で適正に行われているかどうかの確認を行っております。
 ただいまのご質問についてのお答えです。最高裁の判例では、児童手当のように法律で差し押さえが禁止されている債権であっても、金融機関の口座に振り込まれた場合、差し押さえ禁止債権としての性質を失って預金の一部になるとされております。このため、一般的には口座に振り込まれた児童手当についても預金債権として差し押さえすることができるものと理解されております。
 お尋ねの高裁判決は、このような最高裁の判例を踏まえた上で、鳥取県が、残高がわずかの口座に児童手当が振り込まれた直後を見計らって預金債権を差し押さえたという行為に着目し、このような県のやり方は実質的に児童手当を受ける権利自体を差し押さえたのと変わらないので、児童手当法の趣旨に反し違法であるとしたものでございます。
 なお、判決では、滞納者が税金を任意に納付することが期待できないとして差し押さえ処分によって徴収するとした判断自体は、不当でないとしております。

○和泉(な)委員 先ほど私が申し上げたのは、区市町村が個々に判断をしていると認識していると都が答えたからです。結局は区市町村任せになっているというところを私は申し上げたんです。
 今回の広島高裁の判決ですけれども、預金がわずかだったのに、児童手当が入った途端に差し押さえたのが違法というだけの判例ではありません。確かに、預金債権に係る最高裁判決も踏まえ、差し押さえ徴収自体は不当ではないというふうに判示しています。
 しかし、その口座が児童手当のみを原資としていて、児童手当の特定ができないほどにほかの入金と混在していない、だからこの口座預金の児童手当相当額は児童手当としての属性を失っていなかったと判断しているんです。そして、県はそれを知っていたし、十分に知り得る状況であったにもかかわらず差し押さえを行った、この行為が児童手当を受け取る権利自体を差し押さえたものと変わりないと判決文の中で述べています。
 その口座の原資が何だったのか、そして、それを行政が知り得る立場にあったのか、知ることができたのか、そこが問われているんです。この判決を都も重く受けとめるべきだと思います。
 今後の滞納処分の方法について見直し、預金財産であろうと生活の原資である年金や給与の全額差し押さえはやめるよう強く求めます。
 続いて、国民健康保険料について伺います。
 そもそも、国民健康保険も後期医療保険も、保険料が払えなくなるのは高過ぎることが一番の原因です。昨年、葛飾では、我が党の区議会議員団が区民アンケートを行いました。その中でも、負担が最も重いものとして一番多かったのが税金や保険料という回答でした。
 さらに、ことしも多くの区市町村で国民健康保険料の値上げが計画されています。国民健康保険、我が党が行った調査に応じた区市町村の集計を行った結果、国民健康保険に加入している世帯は所得二百万円未満が六八%、そして滞納している世帯も所得二百万円未満が六七%を占めています。
 所得の低い世帯ほど保険料の負担が重いという実態をどのように受けとめますか。

○松浦地域保健担当部長 ただいまのご質問にご答弁をする前に、今の判決についてのお話の中で、都の方に引用してのお話でしょうけども、都は実態をよく理解した上でというお話があったかと思いますけども、今回のこの判決では、認定事実の中で、県税の徴収吏員が電話面談を申し入れたときにもこの方は避けていたということで、結果として収入状況や家族の詳細な事情などを説明できていないという状況の中で起こった不幸な事例だというふうに思っております。
 では、ただいまのご答弁をしたいと思います。保険料は大きく、被保険者の支払い能力に応じてご負担いただく所得割と、一律にご負担いただく均等割に分かれております。所得の大きさにかかわらず賦課される均等割の保険料については、低所得者の負担を軽減するため、現在、所得金額に応じ保険料の七割、五割、二割の軽減措置がとられているところでございます。
 この軽減措置につきましては、来月から五割及び二割の軽減の対象となる所得基準額が引き上げられるといった対象世帯の拡大が予定されており、所得金額が低い世帯の保険料負担がさらに緩和されるものと認識しております。

○和泉(な)委員 どうしても判決から離れられないようですが、そのような認識であれば、あえていわせていただきます。今のご答弁は、この地方裁判所での裁判に当たって控訴をした鳥取県のいい分です。裁判所はそうは認定していません。よく読んでください。
 裁判所は、県は、この間のやりとりを通しても十分にその実態を知り得たと、知り得ていなければおかしいというふうに認定しているんです。その上で児童手当を差し押さえた、これは児童手当を受け取る権利そのものを差し押さえたことと変わりない、そういう判決なんです。ちゃんと正面から受けとめてください。
 先ほどの国民健康保険に関する答弁ですけれども、保険料に占める均等割の比率を上げて、住民税非課税で所得割がかからない世帯の負担を実際に引き上げてきたじゃありませんか。保険料の計算方法も旧ただし書き所得方式に変更されて、激変緩和措置として軽減措置が行われてもなお、低所得者ほど保険料が重く、払えないというのが実態なんです。軽減対象を拡大しても、所得が低い世帯ほど保険料負担が重いことには変わりありません。
 国民健康保険は、自営業者や定年退職後の高齢者、非正規労働者などが加入しています。国民皆保険を根底で支えているセーフティーネットとしての役割が求められているし、そもそも公的な負担の比率を上げなければ成り立たない保険制度なんです。だからこそ、その第一条に、この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とすると、日本の社会保険制度の中で唯一、社会保障と記載しているんです。
 費用負担の方式が社会保険であっても、国民健康保険は社会保障だということを都は踏まえるべきだと思います。国庫負担をふやすことを国に求めると同時に、払える保険料にするために、都が積極的に財政支援を行うよう強く求め、質問を終わります。

○田中委員 それでは、質問に入らせていただきます。先ほど山内委員からもあった質問でありますので、かぶっているところは省いて質問をさせていただきたいと思います。
 都は、有料老人ホームの入居者の数を今年度までには四万人超に、またサービスつきの高齢者住宅の数も九千戸、一万人に増加させる見込みを持ち、高齢者の施設の充実を掲げております。
 一方で、今回の診療報酬改定で上記の施設の診療報酬が四分の一となりました。結果、多くの在宅医療支援診療所が、この施設を対象としてきた訪問診療からの撤退を検討しているという声が上がっています。しかし、現実には、それまで行っておりました施設には、医療的ケアを必要とする高齢者が数多く入居しているのが事実であります。
 四月から老人ホームに医療が来ない、また、東京都に突如として医療の過疎地が出現するというようなことを警告する医師もいる中、この現状をどのように認識しているのか、都の見解を伺います。

○小林医療政策部長 今回の診療報酬改定では、在宅時医学総合管理料、特定施設入居時等医学総合管理料の見直しが行われ、月二回以上、毎回同じ日に同じ建物を複数の患者が訪問した場合に減額される仕組みが導入されました。
 この仕組みに対しては、医師会等から特段の反対意見はなかったと聞いておりますが、一方で、集合住宅を中心に訪問診療を行っている医師から、大幅な減収になる、また、施設からは、医師が来なくなるといった声が厚生労働省に寄せられていることは承知しております。

○田中委員 医師会からは意見がなかったということではありますが、実際、施設の方からはかなりの不安の声が届いているのは確かでありまして、多くの関連新聞や関連雑誌にもこの特集が組まれるほどであります。
 先ほどもありました、困るのは今の入居者だけではなくて、ふえ続ける高齢者、今後ふえる施設入居者、つまり多くの都民であります。ぜひともこの現状をしっかりと認識をしていただきたいと思っております。
 この問題を進めますと、また、この医療が施設から離れると、潜在的な認知症の患者が通院困難になるため、医療機関にアクセスできない可能性が高まり、施設が認知症医療等の真空地帯になってしまうとも懸念が上がっています。
 この医療のはしごを外された施設の高齢者は、何かあれば救急車に頼らざるを得ず、救急搬送患者における高齢者の割合というのは毎年一、二%、現在でも都内で増加をしておりますが、ますます救急搬送のリスクも高まる可能性を秘めています。
 さらに、この救急搬送がふえれば入院患者も増加して、国が掲げる病院から施設、また施設から住まいといった在宅医療への推進は大きく揺るぎかねない現状であります。
 高齢化の問題は都市問題といわれるように、東京に特有な課題であります。この高齢者施設にかかわる今回の改定に関しては、これも先ほどご意見がありましたが、ぜひ、東京都はこれまでもいろいろな形で、私も厚生委員会を前期もやらせていただきましたが、国に都としての現状を伝え、また、それに対する改定も意見書を上げる形で対策をとってきました。
 ぜひとも意見書を上げたり、また、委員の中でも皆同じような認識であるということを先ほども認識しましたので、これは対策をとる必要があるかと思われますが、都の取り組みについても伺いたいと思います。

○小林医療政策部長 今回の診療報酬改定に関する国の中央社会保険医療協議会答申では、附帯意見として、改定の影響について調査検証すべき事項の一つに、在宅不適正事例の適正化として実施される在宅時医学総合管理料等の見直しが挙げられております。
 また、厚生労働省は、サービスつき高齢者向け住宅等の施設の医師の確保は施設と医師会が連携して行うこととしており、都道府県等の担当者向け説明会の中でも、施設等に医師が訪問しなくなる事例が発生した場合には、医師会等と迅速な対応をお願いすることとしております。
 都としても、東京都医師会と連携して対応するとともに、改善が必要な事項については国へ提案を行ってまいります。

○田中委員 先ほどの答弁でも医師会というのが出てきましたが、医師会、医師会とはいうんでありますが、サービスつきの高齢者向け住宅においては、地元医師会だけではなくて他県からの参入も数多く見られ、医師会があくまで全て把握できていないといった場合が多いことも聞いております。
 医師会に迅速な対応をお願いするというだけではうまくいかない可能性もありますので、しっかりとこの特有の問題を、先ほどと同じになりますが、都が認識をしてもらって、また必要であれば国に、今、意見書も検討するという話でありますので、行っていただければと思っております。
 そもそも、今回のこの改定の発端としては、在宅医療の患者紹介ビジネス等の不適切な事例が多く発生したということがいわれております。特に関西の方で新聞報道等でも話題となりましたサービスつきの高齢者向け住宅などの施設の入居者を囲い込んで、過剰な診療を繰り返す手口というのが問題であるようであります。
 この患者紹介ビジネスにおいて、昨年末、厚労省が地方厚生局や都道府県に報告を依頼したと聞いています。都が把握して報告した事案はあるのか伺います。

○飯塚指導監査部長 お尋ねのいわゆる患者紹介ビジネスについては、平成二十五年八月に厚生労働省から地方厚生局と都道府県に対して、在宅医療において有償で患者紹介が行われ、患者の選択の制限や過剰な診療を引き起こすおそれがある事案について報告の依頼がございました。
 都では、把握している事案がないため、該当なしと報告いたしました。
 なお、関東信越厚生局東京事務所では、二カ所の医療機関の事案を報告したと聞いております。

○田中委員 先ほども申しましたが、この問題は、特に関西から事案が発覚して大きな問題となったということも聞いておりまして、東京都では現時点ではないという答弁を聞いて、ひとつほっと安心したわけでありますが、今回、地方厚生局が把握している範囲での報告をあくまで依頼したということでありますし、網羅的な調査でもなくて、また、精度もまちまちであるということも聞いておりますので、ぜひともこのような調査もこれから引き続き行っていただきたいと思います。
 それに関連して、都においても、このような問題が今後起きないとも限りません。特に、サービスつきの高齢者向け住宅の入居者がふえる中で狙われないかということが心配に挙げられます。
 このサービスつき高齢者向け住宅において、こうした不適切な事態が起こらないように、都としてはどのような取り組みを行っていくのか、また対策が考えられるのか伺います。

○中山高齢社会対策部長 都では、高齢者向け住宅におきまして、入居者が安心して生活を継続できるよう、事業者向けに、高齢者向け住宅における生活支援サービス提供のあり方指針を独自に策定しております。
 この指針には、利用者に対するサービスの提供主体やサービス内容の明示、重要事項説明書の作成、苦情相談窓口の設置など、事業者がサービスを提供する上で取り組むべき事項を規定しております。
 この指針の遵守とサービスの契約書及び重要事項説明書の届け出を、サービスつき高齢者向け住宅の登録要件とするとともに、契約書等を福祉保健局のホームページに公表するなど適切なサービス提供を図り、利用者の安心を確保しております。
 また法令に基づき、サービスつき高齢者向け住宅への実地調査を実施し、この指針の遵守の状況を確認しております。

○田中委員 先ほども述べましたが、このサービスつきの高齢者住宅というのは、中身がなかなか見えないというのが地元でも不安な声であります。
 急速に整備をすることで、多くの事業者が今、相集って参入していますので、中の医療も介護もどういうことをしているのか、特に地元の医師会などは地元の医療を守り、またしっかりと監督をしていく中にありながら、その現状が見えないといった声が上がっています。
 指針をつくってサービス契約書届け出を要件としているということでありますが、先ほどの指導監査部の監査や高齢社会部の実地調査も連携してもらって、ぜひとも徹底をして、地元医師会とも情報提供等を含めた連携もしていただいて、利用者のサービスを地域全体で守っていけるような整備体制を要望させていただきたいと思います。
 次に、感染症対策について伺います。
 今月に入って、都内の大学病院の小児病棟で、子供入院患者五人、また医師一人、計六人が麻疹、いわゆるはしかに感染して、小児病棟においては今月中の新規患者受け入れを取りやめるといった報道がありました。
 ことしに入ってはしかの感染が拡大しておりまして、患者数は、二月の二十三日までには全国で百十九名となっており、昨年一年間の患者報告数の半数を超えている状況だということです。このはしかは、昨年前の流行期に比べ大幅に減少したとはいえ、対策の手だてを緩めてはならないと感じております。
 さらに都では、直近で昨年十一月の二十二日に、東京都麻しん対策会議というのを開催していると聞いております。都として、この麻疹対策をどのように進めているのか、まず伺います。

○清古感染症危機管理担当部長 東京都麻しん対策会議では、医療、教育、保育、行政など多方面の関係者が参加し、都内における麻疹の発生状況や各区市町村における定期予防接種の実施状況、麻疹の予防等に関する効果的な普及啓発の方法等について協議を行っております。
 また、関係者が連携した取り組みなどについても協議を行い、本年度は医師会及び保育、教育関係者の協力を得て、保育所に勤める職員向けの研修会を開催いたしました。
 ことしに入ってからの麻疹患者報告数の増加に際しては、都内病院、医師会、保健所のほか、教育、保育関係機関等にも通知を発出し、各機関を通じて広く麻疹に対する注意を呼びかけております。
 麻疹は感染力が非常に強く、重症化することも少なくない感染症であり、発生状況には注意を怠らず、今後とも手綱を引き締めて取り組んでまいります。

○田中委員 昨年大流行した、今度は風疹の対策もしっかりとした取り組みを進めていく必要があると思っております。
 十一月のこの委員会において、風疹対策というものを取り上げさせていただいたんですが、その際にはワクチンの確保について伺いました。子供たちが定期予防接種を受けられなくなるといったような大きな混乱が生じる懸念は、まず解消されたといった答弁がありました。
 現在、風疹に免疫がない二十代から四十代の男性人口は、全国で約四百万人いると推計されています。また、妊娠希望の女性など、免疫を確実につけるため二回の接種が必要な風疹の予防接種を一回しか受けていない女性も多数いると推測されています。
 これら数百万と推計される方の予防接種を速やかに実施するためには、それに見合う量のワクチンが必要なのはいうまでもありません。
 昨年九月の国の審議会の資料によれば、MRワクチンなどの風疹予防のためのワクチンの生産量は年間で四百七十一万本、これですと先ほどの四百万人が全て賄えるように思うんですが、そのうち二百十万本は小児の予防接種のため、成人が接種を受けるために利用できるのは残りの二百六十一万本になっております。
 風疹の免疫獲得が必要な数と比較した場合、十分とはいえないワクチンの量だと思いますが、この現状について都としてのお考えを伺います。

○清古感染症危機管理担当部長 子供の定期予防接種に必要なワクチン量は十分な量が確保されておりますが、ワクチンの接種需要が増大した場合にはワクチン供給が滞ることなども懸念されるため、定期予防接種や妊娠を希望する女性への接種など、必要度の高い方への接種のためのワクチン供給を確保することが重要でございます。
 そのため、昨年春から夏にかけ、MRワクチンの供給不足が懸念された際に、都では区市町村、医師会、医薬品卸業団体等の関係者との調整を進め、定期予防接種等に必要となるワクチンを円滑に医療機関に供給するため、関係者が協力する仕組みを整備いたしました。

○田中委員 このワクチン確保とともに必要なのは、もちろん接種率を上げることであると思っています。これに関してはさきの委員会で、緊急対策の事業を利用して、昨年の九月末までに九万人強の方が接種を受けたとの報告も受けました。しかし、まだまだこの数では足りず、接種が必要な方は都内に数多くおり、より多くの接種が受けられるような対策が必要だと考えています。
 接種が必要な働き盛り、先ほどの二十代から四十代の年齢層の方に多いということでありますが、この年代にとって、やっぱり仕事の合間を縫って予防接種に行くというのはなかなか難しい現状であります。
 会社側の理解や、接種を後押しする主体的な取り組みが望まれるのですが、そんな中で、都内のサイバーエージェントという会社では、会社が主体となって、社員を対象に集団接種を行うというような積極的な取り組みを行った例もあります。この中には三千人社員がおりますが、そのうちワクチンの接種歴がない、あるいは接種歴不明の約七割もの多くの人がこれによって接種をしたと聞いております。
 この予防接種を推進するためには、多くの人たちの意識に働きかけるのももちろん大事であるんですが、それに頼るだけではなくて、企業の側も風疹の予防の必要性を感じて予防接種を後押しすることがいかに重要で、さらにこの結果を見れば効果的であるかを示す例であると思います。
 企業やさまざまな職場において風疹を予防すべきと、また、意識の向上や啓発のため、都としてどのような取り組みを考えているのか伺います。

○清古感染症危機管理担当部長 昨年の風疹の大きな流行においては、成人が患者報告数の大部分を占めており、働く場において、風疹に対する注意の意識を高めていただくことは重要と考えます。
 このため、風疹患者報告が増加した際には、報道発表等のタイミングに合わせ、商工会議所などの企業団体等に通知を発出し、風疹の流行状況や予防策について情報提供を行いました。企業団体等においても、ホームページやメールマガジンへの掲載等の協力をいただきました。
 なお、ことしに入っての麻疹患者の報告数の増加の際も、職場での注意を促すため通知を行うとともに、各団体からの情報提供や、個々の職場で周知を図りやすくするためパンフレットを作成し、麻疹、風疹の混合ワクチンであるMRワクチンの接種について検討を促しております。
 今後も、感染症の流行時における注意喚起や、職場における感染症の予防意識向上のための情報提供を行ってまいります。

○田中委員 確かにいろいろな働きかけはしていただいているようであるんですが、先ほどもいったように、意識に働きかけるだけではなかなか接種率が上がらないのが現実であります。
 この風疹の予防接種をより多くの人に接種してもらうためには、先ほどの例でもありましたが、職場での集団接種、子供たちは学校で受けられるという機会がありますが、大人になってしまうとなかなかそういう機会がありません。職場での集団接種の方法というのは一つ大きな有効な手段と考えておりますが、この集団接種について、都の考え、取り組みを伺います。

○清古感染症危機管理担当部長 予防接種は、接種を受ける方の健康状態等に合わせ、接種を行うことができるかを慎重に判断することが必要であり、また、接種時の事故や副反応の発生の際には即時に適切な対応をとることが必要となるため、医療機関において個別接種で実施することが望ましいものとされております。
 定期予防接種においても、この考え方から医療機関での個別接種が原則とされ、実施に適した要件を備えた施設で安全対策が十分にとられていることを前提として、集団的な接種方法も取り得るものとされております。
 職場での集団的な接種を行う場合には、接種を実施する上での安全性の確保が個別の事例ごとに確認された場合において認められるものと考えます。

○田中委員 なかなか安全性確保が必要だということで難しいということも今の答弁でわかるんですが、しかし実際的にはそれを進めていかなきゃならないといった、ぜひ東京都も強い意思を持って取り組んでほしいと思っております。
 この質問をしたのは、我が国での風疹の流行を受けて、昨年六月、米国の疾病予防管理センターは、風疹にかかったことのない、あるいは予防接種を行っていない妊婦が日本へ渡航するのを延期するように勧告を出したことがありました。また、それ以外の旅行者にも予防接種を打つように勧告するなど、海外から見て日本の対策はおくれているという印象は拭えません。二〇二〇年の、オリンピック・パラリンピックの際に風疹が大流行しないということを確実にいえる人は誰もいません。
 厚生労働省は、風疹対策のための中期的な方針として、本年度内に風しんに関する特定感染症予防指針を策定するということでありますが、この指針では、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催までに風疹を国内からなくすということを掲げてはいるということであります。これを受けて、都としてどのような対策に取り組んでいく考えであるか伺います。

○清古感染症危機管理担当部長 国が平成二十六年度からの中長期的な取り組みの方針として作成する風しんに関する特定感染症予防指針原案では、早期に先天性風疹症候群の発生をなくすことと世界保健機構の掲げる風疹排除の目標を踏まえ、平成三十二年度までに風疹の排除を達成することを目標としております。
 都では、予防指針の目標を踏まえ、最優先の課題を、一日も早く先天性風疹症候群の発生をなくすことと捉え、そのための重点的な取り組みを行っていく考えでございます。昨年三月から、先天性風疹症候群発生防止のための緊急対策として実施しています妊娠を予定または希望する女性等への予防接種を推進する取り組みは、平成二十六年度からは新たに風疹に対する免疫の保有状況を確認する風疹抗体検査と一体的な取り組みとして実施していきます。
 都は、今後も区市町村や医師会、その他の関係団体と連携し、先天性風疹症候群の発生防止対策に取り組むとともに、風疹の予防のための意識向上に取り組んでまいります。

○田中委員 国に先駆けてというか、国よりプラスして対策をとっていくということも聞きました。
 先ほどもいいましたオリンピックになったときに、もちろん今、それに対するハード、ソフトの整備が急ピッチで進められていきますが、このような感染症対策、衛生面についての取り組みも福祉保健局一丸となって取り組んでいただくことを要望して、最後の質問を伺いたいと思います。
 昨年、当委員会において、私は生活習慣病の質問をさせていただきました。ちょうど食生活の改善普及運動期間でありまして、脂質異常、いわゆる油の取り過ぎについて、飽和脂肪酸の都の見解を伺いました。
 これについては、同じく遠藤理事からも、これは子供の給食といった観点からも質問があったかと思っております。その際に答弁で、日本におけます大規模な疫学研究におきましては、飽和脂肪酸の摂取量の増加と心筋梗塞等の動脈硬化性疾患の増加には必ずしも関連が認められておりませんという答弁をいただきました。
 この一文について、確認も含めて幾つかお聞かせをいただきたいと思います。まず、このときに述べました日本における大規模な疫学研究というのは、いつどこで行われた研究のことをいっているんでしょうか。

○高橋保健政策部長 日本で行われた大規模な疫学研究としては、名古屋大学の青木教授を中心に、約五万八千人の日本人を対象として一九八八年に開始され、十六年間追跡されたものが知られております。
 この研究では、飽和脂肪酸の摂取量の増加が心筋梗塞による死亡を増加させる結果にはなっておりません。

○田中委員 その論文は、事前にこのようにしていただきまして、(資料を示す)私も何とか辞書を引き引き読ませていただきました。この論文では、今、答弁もありましたが、あくまでも死亡率との関連を論じている内容であります。
 日本では、心筋梗塞の治療の進歩によって、死亡率というのがさまざまな進歩によってふえていないのは事実でありますが、答弁してもらったのは、飽和脂肪酸の摂取の増加と心筋梗塞等の動脈硬化性疾患の増加には必ずしも関連が認められていないという、いわゆる罹患率についての答弁であります。これは大きな根本的な違いであります。
 このようなものに対して、今、部長からは、この名古屋大学の研究をもとに今の答弁が行われたということでありますが、それでよろしいんでしょうか。

○高橋保健政策部長 さまざまな生活習慣のリスクにつきましては、罹患率で分析する場合と死亡率で分析する場合とがございます。
 今回は、まだ研究の、論文の例といたしまして、先ほど申し上げました例を申し上げたところでございます。

○田中委員 つまり、前回答弁していただいた罹患率については、この相関関係は認められないといった理解でよろしいんでしょうか。

○高橋保健政策部長 この論文につきましては、そういう解釈でよろしいかと存じます。

○田中委員 そうしますと、冒頭に述べました前回の答弁をしていただいた内容は、そこまではっきりと、認められておりませんといった答弁は、間違っていたということでよろしいでしょうか。

○高橋保健政策部長 このほかにもいろいろと論文がございますが--今申し上げました論文につきましては、飽和脂肪酸の摂取によって心筋梗塞がふえないということ、また逆に、飽和脂肪酸の摂取が少ない場合に脳出血などの出血性の疾患がふえるというようなデータも出ております。
 そういったところを申し上げたものでございまして、その後、私どもの政策でございます健康推進プランなどの計画にもございますが、都民の生活習慣病の予防のためにはこういった一つの成分に着目した指導というよりも、さまざまな食品、またその量を適切にとるというバランスのとれた食生活や生活習慣というものが大事であるということを申し上げているわけでございまして、そういう施策をご紹介するための一つの根拠といたしまして、この論文を紹介させていただいたということでございます。

○田中委員 済みません、行ったり来たりで、聞いている方もわからないかもしれないんですけど、私への答弁の中で、日本におけます大規模な疫学研究におきましてという前提があって、飽和脂肪酸摂取量の増加と心筋梗塞等の動脈硬化性疾患の増加には関連が認められておりませんという答弁でありました。
 なぜこれを取り上げたかというと、これを専門としております東京大学の佐々木教授を初め、日本人の食事摂取量基準をつくっている先生たちから、この認識は大変に誤認があるということを連絡いただきました。しっかりと東京都の考えを聞いていただきたいということで、私も専門家ではないのですが、高橋部長は医師でもありますので、その認識を聞かせていただいているわけであります。
 となりますと、先ほどの研究においてということでありますと、答弁にありましたように、研究では罹患率ではなくて死亡率に関する論文でありまして、死亡率は確かに関係はないんでありますが、罹患率は上がっているということでありますので、この答弁は正確ではないんではないかということを述べているわけでありますが、いかがでしょうか。

○高橋保健政策部長 答弁に多少言葉の足りなかったところはあろうかと存じますけれども、日本人の食事摂取基準の設定に当たりまして、このような論文を応用したというふうにとられたかと存じますが、この論文だけではなくて、ほかにもいろいろな論文の中に同様の結果が出ているものがございます。
 そういったものを踏まえまして、国の方はまたそれとは別に、さまざまな科学的根拠ということで、百を超える文献を有しておりますが、そういったものをもとに食事摂取基準というものを制定したということでございまして、答弁にはそういったところで矛盾はないというふうに考えてございます。

○まつば委員長 そろそろ予定時間となりますので、まとめていただきますようお願いいたします。

○田中委員 ありがとうございました。
 先ほどの答弁では足りないところがあったということが私もわかりましたが、バランスをもちろん私も否定するものではありませんし、野菜をとった方がいいとか、バランスのいい食事というのはあるんですが、医学的な常識を取り間違えているとしたら大問題でありまして、病気の原因、もしくは予防というものをしっかりと都民に伝えていくというのが東京都の立場であると思っておりますので、幾つか、きょうは時間がなくて取り上げられませんでしたが、厚生労働省も、また専門家もこのことについてはしっかりと関連性というものを述べておりますので、正確な情報を都民に伝えて、都民の健康、安全というものを東京都が率先して守っていただくことを最後に要望して質問を終わります。

○まつば委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十三分休憩

   午後三時三十分開議

○まつば委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○塩村委員 まず、待機児童問題についてお伺いいたします。
 待機児童解消のため、多様な保育サービス主体の参入促進費として、およそ九億円の予算がつきました。これは、株式会社やNPOが認可保育園を設置する際の整備を補助するものです。
 認可保育園に入れない子供たちは、先日の新聞報道によると二万一千人余り、昨年の同じ調査より二千二百人もふえています。
 今回の、この多様な保育サービス主体の参入促進費でどのような効果が出るのか、都の見解をお伺いいたします。

○浜少子社会対策部長 株式会社やNPO法人等が行う認可保育所の施設整備につきまして、これまでは新設時の内装費のみが補助対象でしたが、施設の建設費や土地借料、既存施設の定員増を伴う増改築の整備費も補助対象といたします。
 昨年度、新規に開設した認可保育所のうち約四割は株式会社立でありまして、新たな補助により、さらに株式会社等の参入が促進され、認可保育所の整備が一層進むものと考えております。

○塩村委員 ありがとうございます。
 次に、保育関係の予算全体では、およそ七百八十二億円となっております。待機児童問題に、熱心に取り組んでいる証拠だと思います。
 保育サービスの拡充に向け、認可保育園など施設への補助の拡充も一つの対策ですが、施設だけに補助を出すのではなくて、利用者側にバウチャー等を支給し、多様なサービスの中から、利用者に合ったものを自由に選択して利用してもらうことにより、需要に見合った最適なサービスを供給していくべきではないかなとも思います。これについて、都の考えを伺います。

○浜少子社会対策部長 バウチャー制度は、施設への補助ではなく、個人に対する補助でございます。
 そのため、バウチャー制度の保育サービスへの導入に当たっては、サービスの質の確保、在宅で子育てをしている方との受益と負担の公平性の確保、対象者の認定の仕組みや利用者負担のあり方、現在の施設への補助のあり方、低所得者に配慮した利用方式など多くの課題があると認識しております。

○塩村委員 ありがとうございます。保育の質を担保しながらというのが大前提ですが、多様な事業者の参入が促進されるということで期待をしております。
 とはいえ、報道によりますと認可に入れない子供は、私の地元、世田谷区では三千二百十六人と、これは新聞報道なんですけれども、昨年より六百二十五人も増加しました。
 入れない割合、六割、六〇%超えているんです。認可に入れない場合、認証や無認可に預けることになると思うのですが、保護者からは認可の条件や差額の費用負担を考えたときに、基準が緩いところに預けて保育料が高くなるという不満の声もありまして、認可にこだわる保護者の方々の気持ちもわからなくはありません。
 そこで伺います。そのような保護者の声をどのように捉えているのか、バウチャーはいろいろと問題があるということでしたが、利用者負担軽減に対する都の所見を伺いたいと思います。

○浜少子社会対策部長 保育事業の実施主体は区市町村でございまして、認可保育所の保育料は、それぞれの自治体の議会の議決を経て定められております。
 認可保育所以外の保育サービス利用者への補助につきましても、区市町村の判断で実施しているものでございまして、都として実施する考えはございません。

○塩村委員 ありがとうございます。
 事業主体は区とのことですが、待機児童問題において、今まで東京都はさまざまな施策を打ち出してきました。何かしらの検討を期待しております。
 続きまして、予算書の中の生涯を通じた女性の健康支援事業についてお伺いいたします。
 東京で働く女性の問題を考えたとき、ほかの都市よりも晩婚で、晩産であると考えられます。都道府県別の第一子出産時の母の平均年齢は、東京がずば抜けて高く、三十二歳近いわけです。平均は三十・三歳なんですね。東京特有の問題といえると思います。
 女性が社会に進出をしていくことは、IMFのラガルド専務理事もおっしゃっていましたが、日本の経済には必要なことです。
 こちらの予算、二十五年度は五百万円程度でしたが、二十六年度は二千五百万円ほどに増額されております。
 東京の女性の生涯を通じた健康の支援事業になると思うのですが、その事業内容と効果の見込みをお伺いいたします。

○浜少子社会対策部長 この事業は、女性の健康相談に幅広く対応する女性のための健康ホットラインと不妊症、不育症に関する電話相談である不妊・不育ホットラインを実施しております。
 来年度は、さらに妊娠出産に関する相談の専用ホットラインを開設いたします。このホットラインによりまして、悩みを抱える妊婦の方を適切な支援につなげられるものと考えております。
 また、妊娠適齢期などについて正しい知識を伝える普及啓発も行っておりまして、今年度は医師による大学での講義を実施いたしました。
 来年度はこれに加えて、さまざまな媒体の活用も検討しながら、男性も含め若い世代を中心に妊娠、出産に関する知識の啓発に努めてまいります。

○塩村委員 ありがとうございます。妊娠適齢期の普及啓発はとても重要なことだと思います。さまざまな媒体を活用していくとのことですので、そこにも注目をしております。
 妊娠をされた方の中には、東京でさまざまな不安を一人で抱えている人も多いと聞きます。そのような方々の支援はとても大切なことです。
 妊娠、出産に関する相談の専用ホットラインを開設ということですが、具体的にどのようなものなのでしょうか。

○浜少子社会対策部長 この窓口では、看護師等の専門職が必要な助言を行うとともに、内容に応じて適切な関係機関の紹介を行います。
 また、メールの活用についても検討して、若い女性がより利用しやすいよう相談事業を実施してまいります。

○塩村委員 ありがとうございます。看護師等の方々が必要な助言を行ってくれるということでとても期待をしております。兄弟も少ない時代ですし、地方から上京したりと、周囲に相談できる人が身近にいない妊婦さんを支える仕組みはとても重要ですので、充実を図っていただきたいと思います。
 特に、メールなどを利用した相談は、若い人に敷居が低くて相談もしやすいと思います。ぜひ実現をお願いいたします。
 妊婦さんの健康に目を向けますと、妊婦さんにとって一番重要なことは、妊婦健診を適切に受けてもらうことだと思います。健診を受けない妊婦さんは、分娩の際のリスクが母子ともに高まるという話や子供の虐待率が高いという話も聞きます。
 妊婦の方に適切に健診を受けてもらうために、都ではどのような取り組みを行っていくのでしょうか。

○浜少子社会対策部長 都では、区市町村や医師会、産婦人科医会等の関係団体と連携しながら妊婦健診の重要性の啓発に努めてまいりました。
 来年度はバナー広告やツイッターなど、さまざまな媒体を活用いたしまして、早期の医療機関受診と区市町村への届け出を促進してまいります。
 都は今後とも、妊婦の方が妊娠期間中を心身ともに健康で過ごし、母子ともに安全な出産を迎えられるよう支援してまいります。

○塩村委員 ありがとうございます。
 ツイッターの活用は費用もかかりませんし、妊婦さんなど若い世代にリーチがしやすいと思いますので、積極的に行っていただきたいと思います。取り組みに期待をしております。
 次に、動物の愛護管理に係る事業の予算についてお伺いをいたします。
 平成二十六年度予算は、二億一千七百二十八万余円となっております。二十五年度と比べておよそ百万円の減となっております。
 昨年、動物愛護法が改正され、動物の適正飼養の適正化、動物取扱業者にかかわる規制強化など、やるべきことが一層ふえると予想されているのですが、そんな中の減額はなぜでしょうか。

○中谷健康安全部長 動物の愛護管理に係る平成二十六年度の当初予算案において、動物愛護事業と動物取扱業者に関する予算は、平成二十五年度当初予算と比較して、合わせて約百二十万円の増額となっております。
 全体では、今、百万円というお話がございましたが、約九十万円の減額になっておりますが、主に、動物愛護管理推進計画の改定終了に伴う経費の減によるものでございます。事業に必要な予算については、確実に確保されております。

○塩村委員 ありがとうございます。
 つまり昨年行われました審議会等がなくなった分の減額だと思います。その審議会なんですが、同じ予算であるならば、審議会の内容を高めて実のあるものにしていかなくてはいけません。
 私は審議会に委員の一人として参加しましたが、審議会答申素案のパブリックコメントを募集した後の審議会は一回で、その審議会で意見が紛糾したにもかかわらず、内容は修正されなかったのはもちろん、その場で授与式みたいなセレモニーまで行われ、そのまま午後には発表されてしまいました。
 残念ながら、都民の声が、パブリックコメントあったんですが、反映しているとはいい切れず、仕組みに問題があるのではないかなと思われるような状況です。あるべき社会や目指す方向に向けて、正しい方向で審議会を開催するべきだと思います。
 せめて審議会であれば、答申素案のパブリックコメントを受け付けた後に、発表まで一回は審議会で議論をして、都民の皆様の多数の意見を反映させる場を設けるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○中谷健康安全部長 東京都における今後の動物愛護管理行政のあり方について、平成二十四年八月に、東京都動物愛護管理審議会に諮問いたしまして、小委員会を含め、延べ八回にわたりご審議をいただき、昨年十月に開催された第三回審議会において答申の素案が取りまとめられました。
 昨年十一月末から二週間、答申素案についてパブリックコメントを実施し、四百件を超えるご意見が寄せられました。
 本年一月の第四回審議会において、パブリックコメントに対する審議会としての考え方について、十分ご議論をいただき、パブリックコメントを一部反映して、知事に対する審議会の答申がなされたものでございます。
 このように、審議会として修正が必要と判断した場合には、答申内容に反映することとなっております。都は、この答申を受けて速やかに公表したところでございます。

○塩村委員 ありがとうございます。
 最終的には入れてはいただいたんですけれども、そのまま発表されたというところで、その場にいた者としてはどうかなと思っております。
 ほかの県はどうなのかと思い、九つの県で、そのときにパブリックコメントを受け付けていましたので調べてみました。
 二つの県が、パブコメの後に審議会や委員会を開いてはいなかったんですが、委員と直接やりとりをして、県民の皆様の意見を反映させる時間を確保した上で答申案を発表していました。その他は、パブコメの後に会議を設け、そこで出た意見を反映させて後日発表、ほかの自治体では、このように意見等を取り入れて後日発表というところが多いんですね。
 東京のように審議会当日に、終わった後すぐに発表ではなく、審議会後に傍聴者からクレームがついて騒然となるというようなことはないと思うんです。ぜひ参考にしていただけたらと思います。
 一般的な話なんですが、稲澤克祐関西学院大学大学院教授も、自治体情報誌で審議会や委員会が行政の追認機関であったという批判もあるとおっしゃっていますし、昨年、ここ、都庁で開催された子供・子育て会議にて、委員の読売新聞の榊原智子さんもおっしゃっていましたが、この会議を審議会のような形骸化したものにしないでほしいとおっしゃいました。
 つまり、一概にはいえないんですが、審議会が追認機関であるとか、形骸化しているという事実が日本全国津々浦々あるわけです。ぜひ審議会のあり方を見直していただきまして、次回以降に参考にしていっていただけたらと思います。
 今、いろいろと私は要望を述べたんですが、その後の答申素案を受けて決定される推進計画改定案等には、いろいろと反映をしていただいています。審議会等を通じて、この一、二年、動物愛護と福祉に大きく進歩したと感じる部分もありますが、それは審議会等の成果でもあると思います。東京都として前進した部分をぜひ教えてください。

○中谷健康安全部長 ご答弁の前に今、塩村副委員長の方から審議会の運営に対するお話がございましたけれども、私どもは審議会を開催するに当たって、やはり膨大な資料になりますので、各委員の方にも事前に資料もお配りをし、そして意見交換をしつつ、当日に臨んでおるというようなところもございます。
 私どもとしては、現在の審議会の運営については、仕組みとして特に変える必要はないというふうに考えておりますが、今後ともそういう意味ではパブリックコメント等を行いまして、都民の方からの意見等を、これも十分ご議論いただいて対応していくということは、必ずやってまいりたいというふうに考えております。
 今のご質問の内容についてでございますが、東京都はこれまで国に先駆けまして犬、猫の所有者からの引き取りはやむを得ないと認められる場合に限ることや、動物をその終生にわたり飼養するという終生飼養の責務を条例に規定するなど、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 現行計画では、飼い主の社会的責任の徹底、事業者の社会的責任の徹底、地域特性を踏まえた取り組みの推進、致死処分数減少への取り組み、都民と動物の安全の確保を五本の柱といたしまして各施策に取り組み、犬、猫の引き取り数の減少、致死処分数の減少などの目標値を大きく上回る成果を上げているところでございます。

○塩村委員 ありがとうございます。
 審議会のところにまた話が戻ってしまったんですけど、やはり見ていた方から終わった後にクレームといいますか、騒ぎが起こるようなことがあるのは、やっぱり私はよくないと思うんですね。ですので、そこの部分はしっかりと改善といいますか、していただきたいなと思います。
 時間の関係もあるので、次に移るといいますか、今の答弁に対して答えさせていただくんですけれども、審議会等でも八週齢規制につながる幼齢期に、親や兄弟と過ごす大切さの周知徹底をお願いしてきまして、推進計画のハルスプランにも盛り込んでいただきました。
 まだまだできることもあると思います。今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、動物愛護事業、一千七百万余円についてお伺いをいたします。
 動物の愛護、適正飼養の普及啓発、犬猫の譲渡、動物愛護推進員制度、負傷動物の保護、収容などが含まれていると聞いております。
 動物殺処分がなくならない根本原因は二つありまして、一つは、ペットをショーケースに入れて物のように売っているということです。衝動買いをあおる売り方である上、命が在庫として仕入れられていまして、売れ残りも出てしまうわけです。
 ドイツなどの先進国では、動物を展示販売をする際に、動物福祉に配慮した厳しい条件があるので、そのような光景を見ることはありません。スイスでは、展示販売は完全に禁止されています。
 もう一点、これが重要なんですが、購入をした人、つまり飼い主さんのモラルです。昨年度、飼い主からセンターに持ち込まれた犬、猫は五百五十頭です。一人の方が複数持ち込んでいるケースもあると思いますので、五百五十人の方だとは単純には計算できませんが、多くの飼い主がセンターに動物を持ち込んでいるという事実があります。
 捨ててしまう理由は一つではないとは思いますが、現代におきまして、ペットは立派な家族の一員であるはずです。それを、しつけの失敗や引っ越し等で捨ててしまうことは飼い主の自覚が足りなかったといわざるを得ません。
 こういった現実を踏まえますと、動物の愛護、適正飼養の普及啓発はとても大切だと思います。
 実際に都は、どのようにこの動物愛護、適正飼養の普及啓発を行っていくのか、お伺いしたく思います。

○中谷健康安全部長 動物愛護管理施策の推進に当たりましては、都民、事業者、ボランティア、関係団体、区市町村とが連携、協働し、多様な施策展開を図ってまいります。
 そのために、動物の終生飼養や適正飼養などについて、講習会やポスター、パンフレット等を活用いたしまして、飼い主や事業者等に対して積極的な普及啓発を実施してまいります。また、区市町村の相談窓口の周知や、動物愛護推進員への研修などを行ってまいります。

○塩村委員 ありがとうございます。ぜひお願いいたします。
 二〇〇八年九月には、ヨーロッパで最も厳しいといわれるスイスの動物保護法に新たな規則が加わり、犬の飼い主は、飼い主養成講座を公認の施設で受講することが義務づけられました。この講座は、犬の特性や行動を理論的、実践的に学ぶことで、飼育に関する知識をつけ、飼い主の責任を認識させることができます。
 また、昨今、日本では飼い犬の咬傷事故がふえています。飼い主に対しての啓発は公共の安全にもなるはずですので、ぜひ積極的に周知徹底をよろしくお願いいたします。
 続きまして、啓発グッズについてお伺いします。
 日常生活で周囲にコマーシャルもできるステッカーのように安くて効果のあるグッズの製作等の計画があるのかお伺いいたします。

○中谷健康安全部長 都は、動物愛護や動物由来感染症に関するパンフレット、リーフレットのほか、飼い主のマナー等を訴える犬型とネコ型の普及啓発プレート、愛護にかかわるキャッチコピーを入れたボールペンやマグネットクリップなどの普及啓発資材を毎年作成いたしまして、イベント等で配布をしてございます。今後ともこうした取り組みを実施してまいります。

○塩村委員 ありがとうございます。
 特にプレートなんかは町でよく見かけて、人気も高いと思いますので、続けてお願いしたいなと思っております。
 ステッカー等は、昨年の事務事業でもお願いをしたんですけれども、非常に安くて携帯等に張ることができますので、周囲のコマーシャルにも、とてもなるんです。私も実は埼玉県のものをもらって張っていたんですけれども、よく話しかけられるんです。これ、かわいいねと、ぜひくださいといわれるんですが、済みません、私は都議なので埼玉県のものは持っていませんと答えるような状況になっております。
 埼玉県に聞いてみますと、このステッカー一枚に六個、猫のマークなら六匹ついているものが三十七円だそうなんです。これは雨とか水にも、撥水加工もしてあるので、携帯につけていても問題のないものですので、こういった安くできるものがあれば、ぜひ東京都でも採用していただきたいなと思います。費用対効果のあり、人気の出るものをぜひよろしくお願いいたします。
 その埼玉県なんですが、動物愛護事業に民間との協力やタイアップをしています。
 例えば、ショッピングセンターのペットショップに、センターに収容された犬の譲渡コーナーをつくって、殺処分される犬、猫をペットショップとともに救っています。
 また、同じくショッピングセンターとタイアップをしまして、プリペイドマネーを発行し、〇・一%が寄附をされるシステム、さらに、動物愛護週間には民間企業と協力をし、リーフレットを作成して、その費用を企業に持ってもらい、愛護の普及啓発をしているそうです。
 このように民間と連携をしていくのも一つの手ですが、東京都は何か民間との連携は考えているのでしょうか。

○中谷健康安全部長 動物愛護相談センターでは、これまで飼育経験が豊富で実績のあるボランティア団体と連携し、やむを得ない理由により引き取り収容した犬、猫の譲渡の拡大を図ってまいりました。現在、三十五の団体と連携し、平成二十四年度では譲渡した動物の約八割が、これらの団体を通じて新たな飼い主に渡っているところでございます。
 今般改定する推進計画では、譲渡を一層拡大するため、都の譲渡事業を理解し、適正飼養の体制が整備されているなど、一定の条件を満たす動物病院やペット関連企業等と連携した、譲渡の仕組みづくりを検討していくこととしております。

○塩村委員 期待のできる答弁をありがとうございます。民間と連携し、先進的で効果的な取り組みを期待しております。
 同じく、動物愛護事業についてお伺いいたします。
 動物愛護推進員制度が含まれているとのことです。動物愛護推進員は、動物への理解と知識の普及のため、地域の身近な相談員として住民の相談に応じたり、求めに応じて飼い方の助言をするなど、動物の愛護と適正飼養の普及啓発等の活動を行う方で、東京都には現在三百八名の方がいらっしゃるそうです。ボランティアでやっていただいており、非常にありがたいと思いますが、せっかくですので、善意をより有効的に活用するべきだと思います。例えば、研修を受け専門分野の資格を生かした活動をお願いするなどです。
 しかし、現状は地区によって推進員が一人もいない、または知識や経験に差があり過ぎるなどの課題も見えていると聞きます。
 今後の推進員の方の活用をどう考えているのか、都の所見を伺います。

○中谷健康安全部長 動物愛護推進員の活動は、動物の愛護及び管理に関する法律によりまして、適正飼養について住民の理解を深めること、住民の求めに応じて繁殖防止措置の助言をすること、災害時に国または都道府県が行う施策に協力することなどが規定されております。
 こうした動物愛護推進員の活動を地域で一層広げていくことが課題となっておりまして、このため、推進計画の改定案におきましては、区市町村と動物愛護推進員との連携を推進するとともに、必要な知識の習得やスキルアップのための研修を充実していくこととしております。

○塩村委員 ありがとうございます。ぜひ推進していただきたく思います。
 すぐには、欧米のような権限を持たせて活動してもらうということは難しいのかもしれませんが、アニマルポリスなどの活動も兵庫などでは始まっています。
 まずは、虐待などの場合に推進員の方と、都や警察が連携をとれるような体制づくりから始めるという方法もあると思いますので、すぐには難しいと思いますので、将来的に検討していただけたらと思います。
 次に、譲渡事業についてお伺いをいたします。
 譲渡数をふやすことは殺処分の数を減らすことにもつながりますので、積極的に行っていくべきだと思います。
 東京都として、今後どのように譲渡を行っていくのかお知らせください。

○中谷健康安全部長 動物愛護相談センターでは、これまでボランティア団体と連携いたしまして犬、猫の譲渡の拡大を図ってまいりました。
 先ほどご答弁申し上げましたとおり、今般改定する推進計画では、譲渡を一層拡大するため、都の譲渡事業を理解し、適正飼養の体制が整備されているなど、一定の条件を満たす動物病院やペット関連企業などと連携した譲渡の仕組みづくりを検討していくこととしております。

○塩村委員 ありがとうございます。ぜひ推進していただきたく思います。
 おっしゃっていたように、一定の条件をしっかり設けないと静岡県のように、かえってマイナスになってしまうというケースもありますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 あと、動物愛護センターはこの間も申し上げたんですけれども、土日は閉所しております。先進的なセンターで有名なところ、例えば、下関市などでは土日を開所し、家族連れでセンターに来てもらい、収容された犬、猫を家族で見て、話し合って引き取りができるような機会を設けています。
 新潟市は愛護センターの隣に触れ合いセンターがあり、こちらにはヤギやウサギなどもいるんですけれども、もちろん土日オープンしており、そこにセンターに収容されて譲渡対象となった犬、猫が新しい家族を待つ愛護コーナーがあります。
 東京都もぜひ、ボランティアさんたちは結構いっぱいいっぱいの状況もあったりとかすると思いますので、すぐには難しいと思うんですが、土日にセンターを開所することなども検討していただきたいと思います。
 まず普通の人が殺処分される犬、猫を家族に迎えようとしたときは、動物愛護センターから引き取ろうと思うと思うんですよね。動物愛護センターから譲渡された愛護団体に連絡をしようとはならないと思いますので、ぜひ土日、センターを開所して、家族で行けるような方向で考えていただきたいと思います。
 愛護関係については最後です。飼い主のいない猫、地域猫対策についてお伺いします。
 千代田区などのように、猫の持ち込みがゼロになるなど、TNR、トラップ・ニューター・リターンが注目を浴びています。
 致死処分のうち、猫が九割を占めている今、地域猫対策をより推進していくべきだと考えますが、この数年の地域猫対策の効果、今後の取り組みについてお伺いいたします。

○中谷健康安全部長 都は、包括補助事業によりまして、飼い主のいない猫対策を行う区市町村を支援しております。
 その実績は、事業を開始した平成十九年度の十七区市町村から、平成二十四年度は二十九区市町村に増加しており、猫の引き取り数の減少につながっております。
 今後も引き続き、区市町村に必要な支援を行い、取り組みを拡大してまいります。

○塩村委員 ありがとうございます。
 TNRは、確実に効果があると報道等でも見ます。ボランティアさんたちからもそのような声を聞きますので、取り組みの拡大をお願いしまして次に移ります。
 原爆被爆者保健福祉費についてお伺いいたします。
 私は被爆二世ですので、ここの施策については非常に興味を持っております。
 現在東京都は原爆被爆者の援護事業としまして、来年度は三十二億五千六百万円を組んでいます。その内容は被爆者に対する手当の支給や被爆者、被爆二世の健康診断や医療費助成などです。
 二十五年度の予算は三十二億七千六百万円、二十四年度は三十四億二千五百万円と年々額が減ってきております。その理由をお伺いいたします。

○高橋保健政策部長 都内の被爆者の数は、平成二十三年度末は六千七百五十八名、平成二十四年度末は六千四百七十六名と年々減少しておりまして、今年度末については六千二百名程度と推計されております。
 これに伴い健康診断の受診件数、手当の受給件数も年々減少しておりまして、予算額は減少しておりますが、事業実施に十分な額を確保をしているところでございます。

○塩村委員 ありがとうございます。
 被爆者の数が減少し、予算額が減っているとのことですが、現在の被爆者の方々の平均年齢は八十歳近くになっています。
 そこで、被爆者の実態調査についてお伺いをいたします。
 東京都は、一九七〇年に最初の実態調査を行いました。この結果は一九七五年の東京都被爆者援護条例の制定につながったと聞いております。
 また、国は国勢調査の実施年に合わせて、これまで何度か調査を実施しており、最新は二〇〇五年に行われました。
 これらの調査結果は、都道府県別に分析されていないため、東京に住んでいる被爆者が結成をしました、被爆者と家族のための事業を行う団体である東友会が、都の独自の実態調査を行うことを要請してきましたが、実施されませんでした。そのため東友会は自前で調査をしたとのことです。
 平成九年に実施をされた被爆者援護のための要求調査の結果は、東京都の被爆者介護サービスの施策の具体化とレベルアップに役立ったと聞いております。
 さらに、昨年二月にも自費で実態調査を行いまして、その結果は、十一月に東京都在住原爆被爆者実態調査第一次報告としてまとめられました。この実態調査については集計、解析には三人の研究者の方が携わっているということで、自費での調査は大変だったと思いますが、財政的には、亡くなった被爆者からいただいた遺産を活用したとのことです。
 東京都は被爆者の援護事業の予算を組んでいますので、高齢となった被爆者と被爆二世の健康状態等の実態を把握するために、将来的に一度ぐらいは調査をすることが望ましいと思いますがいかがでしょうか。
 東京に住む被爆者とその二世の現状、東京都はどのように実態を今、把握をしているのでしょうか。

○高橋保健政策部長 被爆者に対する援護施策は、基本的に国の責任で実施されるべきものであり、国は被爆者の生活、健康状況等の把握を目的に昭和四十年以降、十年ごとに原子爆弾被爆者実態調査を実施しております。
 この調査は、一部の項目が都道府県別に集計されており、都内の被爆者の概要をこれによって把握をしております。なお、次回の調査は平成二十七年に行われる見込みでございます。

○塩村委員 ありがとうございます。
 援護施策は国の責任との回答で、それはわかりました。
 しかし、東京に住む被爆者は特徴などもあるそうですので、実態の把握は東京都としてもお願いしたく考えます。
 国の調査が、次回は平成二十七年度とのことですので、そのときに費用を抑えるためにも国と何かしら連携をして、調査項目を追加したり、都内在住の方々の調査結果を共有するなど実態把握をしたらいかがでしょうか。
 次の調査までに時間もありますし、どうか国の方に要望をお願いしたいと思います。
 次に、被爆者と被爆二世の健康診断についてお伺いいたします。
 東京都は現在、被爆者は年四回の一般健診、被爆二世は年二回の一般健診と、そのうちの一回をがん検診に変えることができる施策を用意しており、特に被爆二世のがん検診については、東京都の独自施策で感謝をしている二世も多いはずです。私もずっと使わせていただいておりまして、ありがとうございます。
 平成二十六年度の健康診断の予算は九千二百三十八万円です。調査によると被爆者のがん検診は、一般健診よりも受診状況が二割も低いことがわかっています。調査に答えた被爆者の七割の方が不安を感じているという結果からも、がん検診の受診率が低いことはなぜだろうと気になります。
 その理由として考えられるのは、がん検診は特定の医療機関での受診が義務づけられており、近所に病院があるので行ってくるというわけにはいかないことなんです。特に後期高齢者となった被爆者の方が、生活圏外に出ることはいろいろな意味で負担になると考えられます。
 今後は被爆者だけではなく、被爆二世も平均年齢が五十歳ですから高齢化していきます。がん検診は、できれば同じ医療機関で継続をして受けることで、積み上げられたデータによって、がんを早期に発見できるというメリットもあるそうです。
 特に肺がんなどは発見が難しいため、何年間ものエックス線写真を総合的に見て、がんの疑いを発見できるという話も聞きますし、被爆者のがん検診に含まれ、一般の高齢者のがん検診には含まれていない多発性骨髄腫の検査は、放射線との一定の因果関係があるのではないかといわれています。
 被爆者や二世の方ができるだけ受診をしやすいよう、被爆者健診を受けることのできる医療機関をふやすことも必要ではないかと考えますがいかがでしょうか。

○高橋保健政策部長 被爆者及び被爆者の子に対する健康診断は、現在都と契約を締結した二百二十一カ所の医療機関において実施をしております。
 契約に当たっては、被爆医療に関して一定の知識を持つ医師がいること、また被爆者援護事業に理解のある医療機関であることが必須であり、今後とも事業に理解、協力の得られる医療機関の確保に努めてまいります。
 なお、がん検診を受診しない理由につきましては、先ほど議員からご発言のありました東友会の報告書によりますと、がん検診を受診しない理由で最も多かったのは病気で通院中のためであり、他の健診を受けているためと合わせますと約七割を占めているということでございますので、つけ加えさせていただきます。

○塩村委員 ありがとうございます。
 協力の得られる医療機関の確保に努めていくとのことですので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 調査に回答した被爆者の八割が、何かしらの病気を抱えているんです。
 被爆者ではない一般の六十五歳以上の都民を対象とした結果と比較をすると、健康状態に関しては同程度の構成比となっており、被爆者に特有の傾向があるというわけではないということです。しかし、心臓疾患、がん、血液疾患、白血病などにおいて被爆者の罹患率が高いということがわかっているそうです。
 健康状態の構成が類似をしていても、その内容において被爆者と一般の高齢者には違いが存在していると考えられますので、理解のある病院の確保をよろしくお願いいたします。
 最後に、被爆体験の伝承事業についてお伺いをいたします。
 予算の中で、健康指導委託費に一千五百七十九万円とあり、その中で東友会は健康相談や被爆者慰霊事業をしています。
 慰霊祭でも体験談に時間を割いたりと、後世に被爆体験を伝えるために腐心をしている様子がうかがえます。証言活動が世界平和の世論をつくる力になるかとの問いに、八五%の被爆者が思うと答えています。
 被爆者と二世の体験や健康状態等も含めて、さまざまな記録をとり、後世に伝承し、平和の大切さや核兵器がいかに残忍であるかなど後世に伝えていくことは重要です。
 原子爆弾被爆者等の救援に関する条例を持つ唯一の都道府県である東京都、また唯一の被爆国の首都である東京都が伝承のお手伝いをしていくべきだと考えますが、福祉保健局だけではなく他局との連携も必要なのかもしれません。
 今後、被爆体験や記録に残す伝承作業について方針があれば、また、被爆者と二世から要請があった場合、どのように対応するのかお伺いをいたします。

○高橋保健政策部長 被爆体験の伝承事業を行うべきとのご質問でございます。
 原子爆弾被爆者等の援護に関する条例は、被爆者及び被爆者の子に対し必要な援護措置を講じ、福祉の向上を図ることを目的としております。
 こうした観点から、条例を所管する福祉保健局では手当の支給、健康診断の実施等の事業を行っておりまして、今後とも条例に基づき、被爆者等の福祉の向上に努めてまいります。

○塩村委員 ありがとうございます。
 確かに福祉保健局ですし、厚生委員会ですのでそのような答弁になるかと思います。
 最後に、要望なんですけれども、被爆者の方の数は、年々減ることはあってもふえることはありません。
 機会があれば他局との連携も含めて被爆者の体験等の伝承事業に協力をお願いしまして、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。

○山加委員 前半、ともとし委員からもねぎらいのお言葉がございましたが、私からも、平成二十六年度の予算案、一兆円を超える本当に大きな予算案が、どれもこれも大事な分野でございます。
 しかし、目先だけではなくしっかりと将来を見据えた、さまざまな分野において知恵を絞って、今日までこの予算の案を組み立てていただいていることと思います。
 川澄局長は一回りお痩せになったように、それだけ全力で頑張っていただいているのかなと、まずはねぎらいを申し上げたいと思います。
 私たち人間も揺りかごから墓場まででありますが、しかし、私たち人間とともに、命あるものとしての動物も墓場までしっかりと、揺りかごから墓場まで考えてあげなければならないわけであります。
 先週の予算特別委員会総括質疑におきまして、我が党から人と動物との共生についての知事のお考え、今後、動物愛護管理施策をどのように進めていくのかを局長にお尋ねをしています。
 確認の意味で申し上げれば、知事からは人と動物とが地域の中で共生していくためには、飼い主がルールやマナーを守り、飼い続ける責務を果たすこと、動物を飼っている人もいない人も理解を深めながら生活できる環境づくりに取り組み、人と動物との調和のとれた共生社会を実現していくとの答弁をいただいております。
 また、局長からは飼い主への適正な飼養の啓発、事業者による動物の適正な取り扱い、致死処分数のさらなる減少、災害対策を初めとする危機管理への対応を新たな動物愛護管理推進計画の四つの柱に掲げ、都民、事業者、ボランティア、関係団体、区市町村、都が連携をしながら施策展開を図っていくとの答弁をいただいております。
 いうまでもなく動物愛護管理施策を効果的に展開していくためには、施策を担う各主体が動物愛護に対する共通の認識を持ちながら、連携、協働しながら取り組んでいくことが重要であります。そのためにもこうした役割を担う人材の育成は欠かすことができません。
 中でも都民や飼い主に深くかかわる動物取扱業者、動物愛護推進員、ボランティア等に対する人材育成には、今まで以上に取り組むことが大事と思いますが、都の今後の取り組みを改めてお伺いいたします。

○中谷健康安全部長 動物愛護管理施策につきましては今、山加理事の方からもお話がございましたとおり、都民、事業者、ボランティア、関係団体、区市町村、都のそれぞれが各主体の役割を果たしながら、一層連携、協働し施策を推進していくためには、役割を担う人材の資質の向上が極めて重要でございます。
 動物取扱業に設置が義務づけられております動物取扱責任者に対しては、法令遵守と事業者責任を徹底させるために、専門家を講師として、動物の適切な取り扱いや管理について、最新の知識を踏まえた情報を提供するなど研修の充実を図ってまいります。
 また、動物取扱業の従事者の資質向上を図るために、将来動物取扱業に従事する人材を養成する、専門学校などの学生や教職員を対象といたしまして、動物の保護管理や関係法令に関する研修会を開催してまいります。
 さらに動物愛護推進員、ボランティア等が地域住民からの相談に的確に対応できますよう、動物の適正飼養に必要な知識習得やスキルアップのための研修の機会をふやしていくとともに、動物愛護推進員の人材情報を共有するため、区市町村や関係団体に対し、情報提供を行ってまいります。

○山加委員 しっかりと裾野を広げていただいていること、また、都の明確な方針をお聞きし、大変心強く思うところであります。ぜひとも、今後とも力強くこの取り組みを進めていただきたいと思います。
 その中でも、とりわけ動物を飼い始めるきっかけとなる、動物取扱業の動物愛護に対する意識向上と実践が重要であります。
 このたびの法改正では、動物取扱業者による動物の適正な取り扱いのさらなる推進を目的として、動物取扱業に対する規制が強化されています。犬、猫等販売業の特例が設けられ、動物を販売する際の対面説明の徹底、幼齢、つまり小さな子猫や子犬の犬、猫の販売制限等が義務化されました。
 そこで、都は今後、動物取扱業に対する監視指導をどのように行っていくのか伺います。

○中谷健康安全部長 動物取扱業者が法令を遵守し、動物の適正飼養、終生飼養を徹底することによりまして、飼い主の範となることを社会に示すことが求められております。
 そのために、動物取扱業者において販売時の対面説明、現物確認など法改正に伴い規制が強化された事項が遵守されるよう、都独自の事業者評価制度を活用した効率的かつ効果的な監視指導を行ってまいります。
 あわせまして、動物取扱業者が事業運営をより適切に行うために、業種に応じた自主管理の具体例をまとめましたリーフレットなどを新たに作成いたしまして、監視指導の際に配布して活用を促すなど、自主管理の実施を強く指導してまいります。

○山加委員 今後の、都の力強い指導を期待するところであります。
 また、このたびの法改正では、飼い主にも、動物をその命を終えるまで適切に飼養するという責務が課せられました。一度家族の一員として迎えた動物を、その動物との生活を将来にわたって考えることは、動物を飼っている人もこれから動物を飼おうと考えている人にとっても重要なことであります。
 最後まで適正飼養、終生飼養ができるように飼い主に対する適正飼養、終生飼養の徹底について、都は今後、具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。

○中谷健康安全部長 このたび改定をいたします推進計画におきましても、飼い主が動物をその終生にわたり、適正に飼養するよう努めなければならないということを明記してございます。安易な飼養の防止や動物の適正飼養、終生飼養についての意識向上を図るため、引き続き適正飼養講習会、ホームページ、パンフレットなどにより普及啓発を強化してまいります。
 具体的には、餌代等の飼養にかかる費用や、動物が病気になったときの医療費などの経済的負担、動物が高齢になったときや飼い主自身が高齢になったときの動物の世話など、飼い主としての心構えを周知してまいります。
 さらに、区市町村の相談窓口を周知するほか、都民からの相談に対して動物愛護推進員等が適切に対応できるよう研修会を開催するなど、能力向上のための支援を行ってまいります。

○山加委員 ぜひ今、答弁いただいた、さまざまなそういった取り組みを推進してもらいたいと思います。
 そして、さらに事業者の監視指導や飼い主への啓発によって適正飼養、終生飼養を徹底したとしても、例えば攻撃的な性格を有する動物や、重度の負傷等により回復がもはや見込めない動物、また、高齢による病気など健康上の問題があり、やむを得ず致死処分となる動物もいると聞いております。
 理想的には殺処分ゼロを目指す、いうのは簡単でありますが、数字だけゼロを見て、それは都はやってないじゃないか、それはちょっと現実とはかけ離れていくと思います。今、申し上げたように、さまざまな理由によって致死処分をせざるを得ないという、そういう状況もあることをしっかりと頭に入れておかなければならないと思います。
 都には、その理由をしっかりと見きわめた上で、可能な限り譲渡につなげていくためのさまざまな取り組みを、ぜひ積極的に推進をしていただきたいと思います。
 動物に優しい町は人にも優しい、動物に優しい国は人にも優しい国である。私は以前もこのように申し上げましたが、これこそがまさに人と命あるものとしての動物との調和のとれた共生社会の実現であると考えます。
 今後とも、新たな推進計画に基づき、各施策に着実に取り組んでいただき、都の動物愛護管理行政をさらに発展させていただくことを要望して質問を終わります。

○遠藤委員 それでは、私からも質問させていただきます。
 質問はたくさんありますので、答弁は簡潔明瞭によろしくお願いいたしたいと思います。もちろん私も簡潔明瞭に質問を心がけていきたいと、このように思っております。
 初めに、地域医療の提供について質問させていただきます。
 地域における医療と介護の総合的な確保を図るための改革、これが今、国会で議論されております。その中でも、医療法の改正案が先般閣議決定をされたわけであります。
 この改正案、いろいろありますけれども柱は二つ、一つは新たに地域医療構想、こうした計画を策定すること、そしてそれに、その前提となる病床機能報告制度、この二つが大きなポイントなんであろうと思っております。
 この前提となる病床機能報告制度は、医療機関が持っている病床、この病床が担う医療機能の現状及び今後の方向性を選択し、都道府県知事に報告をするものと、こういうことであります。医療機能とは、いうまでもなく高度急性期、急性期、そして回復期及び慢性期の四区分に分類をされているわけであります。
 一方の地域医療構想、これについては、今、申し上げた情報や地域の将来の医療需要等々を活用して、都道府県が地域の医療提供体制の将来のあるべき姿を示すもの、これが地域医療構想といったことであります。
 国の方針では、平成二十六年度から病床機能報告制度をスタートさせて、翌年の二十七年度から都道府県が地域医療構想を策定をすると、こういう予定になっております。
 ところで、都はこれまで現在の病床区分、すなわち療養病床、一般病床、精神病床、結核病床、そして感染症病床、これについて、それぞれ全国一律の算定式により基準病床数を定めてきたわけであります。
 そこで、二十七年度に新たに策定をされる地域医療構想では、国として今回も全国一律の算定式を示そうとされているのか、国の動向についてまず答弁をいただきたいと思います。

○小林医療政策部長 お話のとおり、地域医療構想には高度急性期、急性期、回復期及び慢性期の四つの医療機能別の必要量を示すことが予定されております。
 国は法案成立後、平成二十六年度から都道府県における地域医療構想策定のためのガイドラインを策定する予定であり、詳細な内容や算定式についてはいまだ明確に示されておりません。

○遠藤委員 詳細な内容はまだ示されていない、こういうことであります。
 しかしながら、東京は高度な医療を行う病院が集中している。さらに、東京のこうした医療資源をめぐって、全国から多くの患者が入ってこられると、こういった特性があるわけでありますので、現行の基準病床制度は、都民の特性があるけれども、現行の基準病床制度は都民の人口をもとに算定をするため、こうした今、挙げたような状況を十分反映をしていない、こういうことであります。
 さらに、今後高齢者人口の大幅な増加等が見込まれるわけでありますので、現在の基準病床制度というのは、とても現状の東京の特性を踏まえたものではないと、このように思っております。
 それでは、現行の基準病床制度と同様の全国一律の算定式では実態に即した、今回新たに策定するという地域医療構想、これを策定するのは非常に困難であると、仮に策定したとしても、また現行と同じような、同じ轍を踏んでしまうと、こういうことになりかねないと思います。
 そこで、こうした都の特性を反映した算定を行えるように、国に存分に働きかけを行うべきと思いますけれども、どうでしょうか。

○小林医療政策部長 地域医療構想は、その地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化、連携を進め、今後増大する医療、介護サービスの需要に対応できる地域医療体制を構築するために策定するものでございます。
 将来の医療機能別の必要量の算定に当たっては、国が示した標準的な算定式等を用いた上で、都道府県が地域の事情に応じた工夫や補正を行うなど、地域特性を適正に反映することが重要でございます。
 都は、こうした考えのもと、各都道府県にふさわしい地域医療構想が策定できるよう、平成二十六年度のガイドライン策定段階から積極的に国へ働きかけてまいります。

○遠藤委員 知事も、さきの本会議等々で国と協力すべきことは協力をすると、しかし、東京都の特性を踏まえていない制度については徹底して戦っていくと、こういう所信を述べられておりました。
 私は、まさに今回の改定については、その類に属するものであると、このように思っております。
 現行の基準病床制度をめぐっては、東京都が繰り返し全国知事会、または九都県市首脳会議を通じて制度の改善の要求をしておりますけれども、一向に変わってないという、こういう現状があります。
 本当に二十六年度のガイドライン策定段階から国に働きかけていくと、こう決意を述べられましたので、必ずかち取っていくと、こういう決意で臨んでもらいたいと思いますし、我々都議会も、これを支援していきたいと、このように思っております。
 また、制度面での対応に合わせて、国は消費税の増税分を財源として、新たな財政支援制度を創設して都道府県に基金を設置すると、こういう制度改革と並んで、お金の方もしっかり面倒を見ますよと、こういうことであります。
 しかしながら、これも同じロジックでありますけれども、東京ほど人口が集中している地域はないわけでありますし、高齢者の数も全国最大になる、こういうことから想像すれば、それに見合う財源をしっかりと確保するということも必要であります。
 したがって、何がいいたいかというと、しっかりと制度も東京都に合うものをかち取る、そしてそれに見合う財源もかち取る。しかし、これは国が握っているわけなので財源の確保についても、しっかりと国に要望していっていただきたいと、このように要望して次の質問に移ります。
 次は、在宅医療であります。在宅医療の促進についてであります。
 高齢者が、住みなれた地域で人生の最晩年、これを過ごすには、住民に最も身近な区市町村の主体的な取り組みを基盤にして、さまざまな職種が緊密に連携をしていくということは重要である。これはもう共通の認識であろうと思います。
 東京都は、こうした観点に基づいて、これまで在宅療養の実施主体を区市町村として、この区市町村を包括的に支援をする区市町村包括補助事業、これを行っておりますけれども、今年度この取り組みについて、まず報告いただきたいと思います。

○笹井医療改革推進担当部長 都は医療保健政策区市町村包括補助事業を活用して、在宅療養推進協議会や在宅療養支援窓口の設置、在宅療養後方支援病床の確保を行う区市町村の取り組みについて支援をしております。
 それぞれについて、今年度補助申請している区市町村数は、協議会が二十カ所、支援窓口が十五カ所、後方支援病床の確保が九カ所でございます。このうち、今年度新規に申請をした区市町村数は協議会が五カ所、窓口の設置が二カ所でございます。

○遠藤委員 今、報告ありましたとおり、包括補助事業の申請数は例年ふえてきていると思います。
 しかし、今、答弁ありましたとおり、まだまだ実施していない区市町村も多数ありますので、今後もこの事業は積極的に働きかけを行ってもらいたいと、このように思います。
 今、報告がありました三つの補助事業のメニューの中で、在宅療養支援窓口、これは私も非常に重要だと思いまして、当委員会でも繰り返し、その充実というものを主張させていただきました。この在宅療養支援窓口については、そこで働く、従事する職員を都においてしっかりと育成をする事業、これは在宅療養支援員養成事業、こういった事業がこの事業であります。
 このこれまでの取り組み状況、並びに来年度の実施について答弁を求めたいと思います。

○笹井医療改革推進担当部長 在宅療養支援員養成事業は、各区市町村が設置する在宅療養支援窓口に従事する職員に対し、窓口業務に必要な退院支援に関する制度や、在宅への移行支援のプロセスについての知識などをつけていただくために行う研修でございます。
 これまでの実績でございますが、平成二十四年度、二十五年度の二年間の受講者の数は三十の区市町村から合計八十四名となっております。
 支援窓口設置の取り組みをさらに進めていくため、来年度もこれまで同様に研修を実施し、過去二年間で申し込みのない区市町村に対して、積極的な受講を働きかけてまいります。

○遠藤委員 今、種々答弁いただきました包括支援事業、区市町村の取り組みに対する支援として、やってこられたわけでありますけれども、今年度から新たに国の地域医療再生基金、これを活用した、国というか国と都ですね、この基金を活用した在宅療養推進区市町村支援事業、なかなか耳で聞いていると、どこがどう違うのかわからないと思いますけれども、今年度から在宅療養推進区市町村支援事業、これを実施しております。
 これまでの事業と、今回この基金をもとにして行っている事業、どこがどう違うのか説明していただきたいと思います。

○笹井医療改革推進担当部長 在宅療養推進区市町村支援事業は、これまで包括補助事業において支援してまいりました協議会や窓口の設置以外で、区市町村が在宅療養の推進に向けて実施する取り組みに対して支援を行うものでございます。
 主なメニューは、在宅療養患者さんの災害時の支援体制の確保や搬送体制の構築などで、そのほか区市町村が在宅療養の推進に向けて実施する取り組みについても、幅広く補助対象としております。
 また、本事業の特色といたしましては、事業の実施主体は、原則区市町村としておりますけれども、事業開始当初からの区市町村との連携を条件に、医師会や医療機関なども実施主体として認めております。

○遠藤委員 最後の答弁だと思います。
 あくまでも区市町村との連携を、あらかじめの条件としつつも、医師会や医療機関なども実施主体となり得ると、ここにしっかりと補助ができると、こういう、より幅広い、これまでの包括補助事業ではカバーされなかった点において、より幅広く支援していくというもので、これは評価できる内容だと思います。
 いずれにしても、在宅療養の推進における実施主体たる区市町村への支援については、医師会など事業者の力も十分に活用して、引き続き実施をしていただき、こういういい事業があるので実のある成果を期待したいと、このように思っております。
 ここまでは実施主体、区市町村に対する支援ということで質問をしてまいりましたけれども、それを支える医療機関への支援について、次は質問させていただきたいと思います。
 在宅療養への円滑な患者さんの移行、これを支援していく観点では、来年度予算に新規事業として在宅療養移行支援事業、こういう事業が盛り込まれております。
 まず、この事業内容について答弁を求めたいと思います。

○笹井医療改革推進担当部長 在宅療養移行支援事業は、入院患者の方の在宅への移行支援とともに、在宅療養患者の方が、病状が変化した際の緊急受け入れを一層促進するために、地域医療を担う二百床未満の指定二次救急医療機関に対しまして、看護師や社会福祉士などの職員配置を支援するものでございます。

○遠藤委員 これ、職員の配置を支援する、人件費の補助だと思いますけれども、これはいい事業ですね。こういうのができればいいなと思っていましたけれども、やっとできた感があります。
 二百床未満の指定二次救急医療機関に対して、看護師や社会福祉士などの職員配置を支援すると、これによって在宅の移行を円滑にすると、こういうことであります。
 これは、何も患者さんを在宅に円滑に移行していただくだけではなくて、やはり救急のベッドも大変でありますので、救急医療をしっかりと確保する観点からも非常に重要な事業であると思います。
 こうした人的な派遣、人的な配置を支援するということとあわせて、来年度の補正予算案には、こうした人材に対する育成、人がいればいいというものじゃなくて確かなスキルを持っていないといけないわけで、こうした人材の育成のための事業も予算化されておりますけれども、この人材の育成は、来年度どうされるんでしょうか。

○笹井医療改革推進担当部長 人材の育成ということで、患者さんや家族が安心して病院から在宅療養へ移行できるように、退院後の療養生活で必要となる医療や介護のサービスについて入院時から準備、調整を進めることが重要でございますが、新たな事業といたしまして、在宅療養支援員育成事業というのがございまして、病院でこうした退院支援を行う人材を育成する事業で、来年度はその研修カリキュラムを作成いたします。
 カリキュラム作成後、研修などを実施して、退院支援の取り組みを全ての病院に広げてまいります。

○遠藤委員 来年度は人材を育成するためのカリキュラムを作成すると、こういうことでありますので、このカリキュラムどおりに人材が育成されるよう、しっかりとしたカリキュラムをつくっていただきたいと、このように思っております。
 次いで、入院中の病院から在宅並びに他の病院へ転院をする、これについて、私も本当に、しつこいというぐらい転院支援の話は取り組んでまいりました。
 きのうの病院経営本部とのやりとりでも一部明らかになりましたけれども、本家本元の福祉保健局の事業であります。
 今年度、このシステムを構築していくと、こういうことでありますけれども、現在の転院支援情報システムの構築に当たっての現状の取り組み状況、これについて、まず報告をしていただきたいと思います。

○笹井医療改革推進担当部長 転院支援情報システムにつきましてでございますが、学識経験者や、病院で実際に転院支援に当たっていらっしゃる医療従事者から成る検討会を設置いたしまして、具体的な内容について検討を行いました。
 システムは医療機関の所在地や提供しているリハビリテーションの内容、おおよその月額入院費用など、転院先選定に必要な条件を選択すると、該当の病院が地図や一覧表で表示され、そこから病院の詳細情報を検索できるものとしております。
 現在、検討結果を反映させたシステム構築を進めておりまして、三月末に完成する予定でございます。

○遠藤委員 三月末に完成をすると、この辺が新しい答弁なのかなと思います。いずれにしても、新たに構築するシステムは、病院で転院支援に当たる医療従事者の負担軽減になると、これはもちろんでありますけれども、あくまでも患者や家族、この病態や希望に応じて、転院先を幅広く情報を提供できるということが目玉であるわけなので、そんなことはないと思いますけれども、医療従事者の負担軽減につながると、こういう視点ではなくて、あくまでも主はどっちなのかということを、しっかりと見定めてつくっていただきたいと思います。
 今後、どういうように運用していくのか、今後の見通しと取り組みについて、答弁を求めたいと思います。

○笹井医療改革推進担当部長 来年度でございますが、システムの試験運用を開始するとともに、病床規模や機能の異なる複数の病院で、システムを使った転院支援のモデル事業を行います。
 都内全域の病院の情報を容易に入手でき、その中から患者さんの病態や希望に応じた転院先を検討できるシステムとするために、モデル事業の実施結果をシステムの改修や改善に反映させて、早期の本格運用を目指してまいります。

○遠藤委員 昨日、病院経営本部とのやりとりでも、病院経営本部の皆さんにはお話ししました。
 今、部長の方から検証作業、さまざまな医療現場とやりとりをするということでありましたけれども、ぜひ都立、公社病院とも協力をして、しっかり連携していいものをつくってもらいたいと、このように思っております。
 特に、公社病院は地域医療支援病院ということで、まさに地域と大病院と患者さんの移行、または受け入れということで、非常に大事な役割を担ってきております。しっかりお願いします。
 では、次に移ります。
 次は、在宅に関連して、やはり地域で患者さんを受けとめる、いろいろな仕組みがあるわけでありますけれども、訪問看護サービスの需要は、今後ますます増加していくんだろうなと思います。
 したがって、訪問看護サービスを確実に提供できる体制づくりというのが急がれているんだろうと思います。こうした中で、訪問看護ステーション、常勤換算にすると五人以下の小規模な事業所が半数を超えていて、事業規模が小さいほど経営状況が悪いと、こういうデータもあるわけであります。したがって、経営基盤の安定化、そして業務運営の効率化を支援していくことが重要であると思っております。
 都は、訪問看護ステーションに対するさまざまな支援を行ってきておりますけれども、この運営基盤の強化、これについて、これまでどんな取り組みをしてきたか、答弁を求めたいと思います。

○中山高齢社会対策部長 お話のように、訪問看護ステーションは比較的小規模な事業所が多く、運営基盤は必ずしも安定的ではないため、経営基盤の強化を支援する必要がありまして、今年度は新たに三点の事業を開始いたしました。
 一点目は、経営基盤強化のための合同の実務研修会と個別の相談会を行う経営セミナーの実施、これは年四回開催いたしました。
 二点目としまして、医療専門の経営コンサルタントがステーションを直接訪問して、助言等を行う経営相談事業を実施しました。これは四十事業所に対して実施をしております。
 三点目としまして、ITシステムを活用しまして、利用者宅で看護記録の確認や入力を行い、業務の効率化を推進する補助事業を実施しました。これは六十五事業所に対して実施したところでございます。

○遠藤委員 さまざま相談会をやったり、コンサルを派遣したり、ITを普及させたりということで、いろいろやっておられるんだなと思います。
 その一方、こうした基盤を整備するのとあわせて、それにもまして、やはり重要なのは、訪問看護師の方の確保並びに育成であると、このように思っております。訪問看護師の方は、基本的には単独でそれぞれのお宅を訪問して、責任を持って患者さんと相対峙するわけでありますので、スキルや支援体制というのは非常に重要になってくると、このように思っております。
 今年度から実施された新たな人材の確保または支援策、これについて答弁を求めたいと思います。

○中山高齢社会対策部長 訪問看護ステーションの人材確保や育成支援につきましても、今年度から四点の新たな取り組みを実施しております。
 一点目としまして、訪問看護ステーションの管理者、指導者に対し、実務的な管理能力の向上等を目指す研修会を年四回実施いたしました。受講者数は合計で百九十九名でございました。
 二点目としまして、規模が大きく経験豊富な訪問看護ステーションを指定し、地域の小規模ステーションの人材育成等を支援する、教育ステーション事業をモデル実施いたしました。昨年十一月から実施をいたしまして、五カ所を指定しております。
 三点目としまして、訪問看護師の指導育成を担う立場となる、認定看護師の資格取得を応援する事業を実施しました。六事業所に対して補助をしております。
 四点目、広く看護師等に訪問看護の内容や魅力をPRし、人材確保につなげるための訪問看護フェスティバル、これは講演会を開催するとともに、就業相談ブース等を設置いたしましたが、このフェスティバルを開催いたしました。ことしの一月十一日に行いまして、参加者は約四百名でございました。このようにさまざまな取り組みを実施したところでございます。

○遠藤委員 さまざまな取り組みをされておられますけれども、やはり小規模な事業所において、厳しい勤務環境であるということは間違いないわけであります。この労働環境、これをしっかりと整備していくということも、また別の課題であると思っております。
 こうした課題に対して、本会議でも議論がありましたけれども、来年度、訪問看護師が看護業務に専念できるように、いわゆる事務所の作業をする、その事務作業を補助するクラークを派遣する、これはモデル事業として新規事業をやると、こういうことであります。
 あらかじめ説明を聞きますと、事務作業を担う職員、これは民間の人材派遣という形態をとる予定であると聞いております。民間の人材派遣が悪いというわけではないですけれども、一般的にこうした形態をとると、実際に働くクラークの賃金が低く抑えられる、また、それによって事務がうまくいかない、滞る、こういう懸念も否定できないのではないかと思います。
 そこで、この事業の実施方法について答弁を求めたいと思います。

○中山高齢社会対策部長 この事業は、訪問看護師が看護に専念できるよう、介護報酬や診療報酬の請求などの事務作業を補助するクラークを派遣するモデル事業でございます。
 事業の実施に当たりましては、訪問看護ステーションに事業の趣旨を適切に説明し、派遣を予定している事業者に対して協力依頼をするとともに、クラーク採用予定者には必要な事前研修を行うなど、十分な準備期間を設ける予定でございます。
 このため、平成二十六年度の事業開始は、平成二十七年一月からの三カ月間としておりまして、予算も人件費の三カ月分を計上しております。
 都といたしましては、この事業の円滑かつ適正な事業執行に努めてまいります。

○遠藤委員 モデル事業として、都が事業所の負担軽減を図るために委託事業をすると、こういうことであります。基本的な考えはわかりますけれども、我々の懸念もありますので、どうか事故のないようにモデル事業を進めていただいて、その成果を広げていただきたいと、このように思っております。
 この訪問看護は、地域包括ケアシステムの根幹をなすサービスであると、このように思っております。特に、医療ニーズのある要介護高齢者が住みなれた地域で在宅生活を継続するに必須のサービスであります。
 今、それぞれ多くの委員の方から議論がありました。答弁もありましたとおり、二〇二五年、ここが高齢のピーク、山であります。そこに向け、需要の増大に対して、中長期的な構想、取り組みが必要であると思いますけれども、この中長期的な取り組み計画について、東京都はどう考えておられますでしょうか。

○中山高齢社会対策部長 高齢者が急増する中で、可能な限り住みなれた地域で暮らし続けるためには、医療と介護をつなぐ訪問看護が高齢者の在宅での療養生活を支える重要なサービスでございます。
 都は現在、東京都在宅療養推進会議のもとに訪問看護推進部会を設置しまして、訪問看護の質、量の充実のための施策の検討を行うとともに、現行の事業の検証を行っております。
 来年度は、平成二十七年度を初年度とする第六期東京都高齢者保健福祉計画の策定年度に当たっておりまして、中長期的視点に立ちました都の訪問看護の推進について、具体的に検討してまいります。

○遠藤委員 こうした、今、答弁いただいたさまざまな事業、これを地域で担っていく最大のとりで、拠点は、地域包括支援センターであると思います。二十四時間三百六十五日、医療、介護、生活支援、さまざまなサービスを提供する地域包括ケアシステムの構築に当たって、さまざまな必要不可欠な要素があると思いますけれども、この地域包括支援センターはその拠点である、これは論をまたないわけであります。
 この地域包括支援センターは、区市町村が設置するわけでありますけれども、平たくいうと、高齢者のよろず相談所であります。介護保険サービスの利用に関する相談はもちろんでありますけれども、医療や、またひとり暮らしの高齢者の見守りなど、その守備範囲は非常に広い。高齢者から見れば、私たちにかかわること全て地域包括支援センターの仕事だ、こう極端ないい方をされる方もいらっしゃいますし、またそれが高齢者の思いなんだろうと思います。
 こうした中で、私も地域を回っていますと、この地域包括支援センターの人手が足りない、もっと職員を配置してもらいたい、東京都として何とかできないのか、こういう声を聞きます。
 先ほど、冒頭の要求資料の報告に、区市町村における地域包括支援センターの現状について、若干の報告がありましたけれども、より幅広く、現状、都内においてどういう整備、またはどういう人数になっているのか答弁を求めたいと思います。

○中山高齢社会対策部長 地域包括支援センターの現況でございますが、地域包括支援センターは、地域の高齢者の相談支援の拠点でございまして、一センター当たりの職員数は、法令により、原則として、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員、それぞれ一人と定められております。
 都内の設置数は、資料にもございますように、昨年十二月一日現在でございますが、三百九十一カ所であり、運営法人は社会福祉法人、医療法人、株式会社などさまざまでございます。
 区市町村によりましては、職員を独自に増員するなどしてセンター機能の充実を図っているところもございます。
 昨年度、都が実施した調査では、センター一カ所当たりの職員の平均人数は、常勤換算で六・四人、このうち四・六人が高齢者からの相談や見守り等に係る業務に従事しておりますが、そのうち三・八人は介護予防ケアプランの作成業務を兼務しておりました。
 一方、センターが抱える課題について聞いたところ、業務量が過大と回答するセンターが最も多く全体の八割、次いで多かったのが、業務量に対する職員数の不足で全体の七割でございました。これは複数回答です。
 また、都としましては、センターの存在や設置場所の認知度がいまだ高くないという現状もございまして、都は、区市町村に対し、積極的に周知するよう働きかけております。

○遠藤委員 今、答弁にありましたセンターが抱える課題は、業務が過大が八割、業務量に対する職員数の不足が七割で、複数回答、こうありました。何とかしてあげたい、何とかすべきだ、こうあるんだと思いますけれども、何とかするためには、お金、財源が必要であるわけであります。
 そういった意味では、この地域包括支援センターの充実について、財源の問題は避けて通れないわけであります。
 この地域包括支援センターの設置及び運用については、介護保険会計の中で賄われるものと、このようにされており、上限は給付費の三%であります。この上限三%でいいのか悪いのか、悪ければどう手当てをするのか、誰が手当てをするのか、ここだと思うんですね。非常に悩ましい問題だと思います。
 そんな中で、東京都が独自に考えてきた事業というのがあります。あえて都として独自に、一般財源で区市町村の支援を講じているわけでありますけれども、一つは、高齢者の見守りを行うシルバー交番設置事業、そして、もう一つ、来年度の新規事業で、機能強化型地域包括支援センター設置促進事業であります。
 区市町村が設置主体である地域包括支援センターの業務を、都が独自に、個別事業で支援するというのは、これはそれなりの説明、整理が必要であると思います。
 現場を回っていますと、別にシルバー交番なんてつくらなくても、地域包括支援センターがワンストップでやってくれた方がいいじゃないと。いってみれば、そのお金があるんだったらば、地域包括支援センターの充実に使ってほしいと、こういうような声も聞いておりますし、シルバー交番と地域包括支援センターはどこがどう違うのか。もっといえば、ダブった仕事をやっているんじゃないのか、こういう声もあるわけであります。
 こうした懸念について、東京都はどう答えますでしょうか。

○中山高齢社会対策部長 介護保険制度は、基本的に公的な制度でございまして、原則として全国一律の基準で運営されております。
 しかしながら、急速に高齢化が進む東京におきましては、ひとり暮らしや夫婦のみの高齢者が多く、また近隣関係も希薄になっているといわれております。
 地域包括支援センターの現在の運営状況を見ましても、委託型センターの占める割合が高く、必ずしも区市町村との連携がうまくいっていないという現状がございます。
 そのため、都におきましては、区市町村が地域の実情に応じた多様なサービスを提供する仕組みの構築が求められておると考えておりまして、都独自に、これまでシルバー交番設置事業や、また来年度から機能強化型地域包括支援センター設置促進事業を実施し、区市町村の見守りや相談体制を強化するとともに、区市町村と地域包括支援センターとのより一層の連携を図るなど、大都市東京にふさわしいサービスを提供する体制を構築したいと考えております。
 相談体制につきましても、区市町村によっては地域包括支援センターにシルバー交番を併設し、ワンストップの相談窓口として一体的に運営している例もございまして、地域の実情に応じて柔軟に対応できる仕組みとすることが必要だと考えております。

○遠藤委員 この地域の実情に応じてというのがくせ者の言葉で、しっかりと本当に二〇二五年に向けて地域包括支援センターが担うべき役割、シルバー交番を設置する意義、また今回、機能強化型といって、これもまた人の配置を支援すると、こういうことだと思いますので、しっかりとそれぞれの事業等々の効果を精査してやっていただきたいと、このように思っております。
 私も、局の意気込みを理解して応援しますので、しっかりと都における地域包括ケアの推進の体制をつくっていただきたい、このように思います。
 関連して、広義の在宅療養という観点から、次に、これも来年度の新規事業で、寄りそい型宿泊所事業、こういうのがあるんですね。ひとり暮らしで、かつ低所得者の高齢者が急に体を崩してしばらく入院して、その後、病院から退院するに当たり、もとのアパートでは生活できない、あるいは戻る場所がないんだと、こういうお声を耳にいたします。
 さらに、病院からの退院時だけではなくて、ひとり暮らしで、通院や買い物など日常生活の支援や随時のケアを必要とする、気になる高齢者の方も地域には数多くいらして、そうした方々のお姿というのも見受けられるわけであります。
 都は、来年度予算で、寄りそい型宿泊所事業を新たに創設して、無料低額宿泊所を活用して、低所得高齢者などの見守りが必要な人たちの居場所を整備する、こういう新たな取り組みを提案されております。
 そこで、この舞台になる無料低額宿泊所、これはどういうものでしょうか。

○高原生活福祉部長 無料低額宿泊所とは、社会福祉法に規定される第二種社会福祉事業の一つで、生計困難者のために無料または低額な料金で簡易住宅を貸し付け、または宿泊所その他の施設を利用させる事業の用に供されるものでございます。
 具体的には、主に居所のない生活保護受給者が、アパート等に移るまでの一時的な滞在場所として利用されており、ほとんどの宿泊所が、居室の提供だけではなく、食事などの付加サービスも提供しております。
 また、建物の利用形態といたしましては、社員寮やアパート、一軒家などの空き物件をNPO法人等が借り上げて事業を行う事例が多く見受けられるところでございます。

○遠藤委員 では、今回の事業は、病院から退院をされてアパートになかなか行かれない人、または病院には行ってないけども、地域でいろんな不安を抱えている気になる高齢者の方、この方々をこの無料宿泊所にそのままの機能でどうぞお入りくださいと、こういうわけじゃないと思いますけれども、どこがどう違うのか答弁を求めたいと思います。

○高原生活福祉部長 今回、予算要求をさせていただいております、この寄りそい型宿泊所事業は、無料低額宿泊所の機能を活用いたしまして、見守りが必要な低所得の高齢者等が、本来的な居場所を確保するまでの間も安心して暮らすことができる中間的な居場所の提供を目的としておるものでございます。
 具体的には、バリアフリー化やスプリンクラーの設置等を行うとともに、一定の資格を有する生活支援員を配置し、二十四時間体制での見守りや関係機関との連携、調整などの日常生活支援を行っていくものでございます。
 なお、平成二十六年度は、モデル事業として三区市での実施を予定しているところでございます。

○遠藤委員 今、答弁いただいた中身であれば、非常にニーズは高いんだろうなと思います。生活保護を受けていない、生活保護を受けるまでには至らないけれども、それに近いような方々がこの事業を利用する場合、一体どんな人を想定してこの事業を組んだのか。また、先ほど答弁にありましたけれども、中間的居場所とありますけれども、中間というのはその先があるということでありますけれども、その先というのは、もう一回在宅に戻るか、または施設に移行するまでの間ということだと思いますけれども、この利用される方はどういった方を想定して、期間的にはどれぐらいの利用期間を想定されているのか、それぞれお答えいただきたいと思います。

○高原生活福祉部長 この事業の対象者といたしましては、年金収入はあるものの、現に生活が苦しく身寄りのない、随時見守りが必要な高齢者、障害者などを考えております。
 例えば、先生のご指摘にもございましたが、病院などに入院中で、退院後、帰る先を確保できない方や認知症などにより居宅生活を続けることが困難になった方などを想定しているところでございます。
 また、利用期間はおおむね一年程度というふうに考えており、その間、居宅生活への復帰や施設入所に向けて、生活支援員が福祉事務所やケアマネジャーなどと相談しながら、個々の利用者に適した居場所の確保を支援していくものでございます。

○遠藤委員 かつて、単身高齢者孤独死とか、こういうお話がいろいろニュースを騒がせたわけでありますけれども、この事業がうまくいけば、このような悲劇は防げる可能性が大であると、このように思っております。これも来年度のモデル事業ということでありますので、しっかりとこのモデル事業をしていただいて、検証していただいて、早くそれぞれの地域に普及をしていただきたいと、このように思います。
 医療と介護の話はこれで終わります。
 次に、医薬品のインターネット販売、この制度について、二点お伺いしたいと思います。
 一般用医薬品のインターネット販売が、六月十二日からいよいよスタートをすることになりました。昨年の六月に閣議決定をした日本再興戦略において、消費者の安全性を確保すると、これが大前提でありますけれども、適切なルールに基づいて、インターネットで一般用医薬品を販売すると、こういうことになったわけであります。
 この法改正によって、薬局等における医薬品の販売制度がどう変わるのか、何が変わって何が変わらないのか、まず説明いただきたいと思います。

○古屋食品医薬品安全担当部長 消費者が薬局等で購入できる一般用医薬品につきましては、法令で、リスクの程度に応じて、第一類医薬品から第三類医薬品までの三区分ございまして、現在は、原則として第三類医薬品のインターネット販売が認められております。
 今回の法改正により、第一類から第三類医薬品まで、全ての一般用医薬品のインターネット販売が認められることとなります。
 医療用から転用されて間もない医薬品等につきましては、新たに要指導医薬品に分類され、インターネット販売は認められず、医師の処方箋により交付される医療用医薬品も同様の取り扱いとなります。
 インターネット販売につきましては、薬局等の許可を得た店舗において行うことが必要とされております。また、インターネット販売の営業時間を明確に定め、営業時間中は、薬剤師等の専門家が購入者の相談に常に対応できる体制を確保することなどが義務づけられております。

○遠藤委員 制度の概要はわかりました。今後は、多様なルートで一般用の医薬品が入手可能、こうなるわけであります。必要なことは、都民にこの制度の改正をしっかりと周知すること、そして、事業者への監視指導、この二つが重要であると思います。
 この二つについて、六月十二日にスタートするわけでありますけれども、東京都の具体的な対応について答弁を求めます。

○古屋食品医薬品安全担当部長 都民に対しましては、ホームページや都の広報紙、イベントなどを活用し、新たな販売制度の内容を周知してまいります。
 薬局等の事業者に対しましては、都、特別区、保健所設置市が連携して監視指導を実施し、新たな販売制度の遵守を徹底いたします。
 また、プロバイダー事業者、ショッピングモール事業者等のインターネット関連企業と連絡会を開催し、適正かつ円滑な制度の運用に向け、連携を図ってまいります。
 こうした取り組みを通じて、都は今後とも、医薬品の安全・安心を確保してまいります。

○遠藤委員 都内には、聞いたところによりますけれど、おおむね九千の薬局等があるわけであります。今回、この全てがインターネットで販売をするというわけではないと思いますけれども、やはり死活的に重要なのが、この監視指導であります。
 さっきの答弁では、ただ単にネットがつながっているから、はい売っていいよということではなくて、必ずそのネットの向こうには薬剤師等の専門家がいると、これが大前提の上であります。そこをしっかりとチェックするのが都道府県、東京都の役割だということでありますので、この制度がスタートするまでの準備はもちろんのこと、スタートしてからも、さっき申し上げました消費者の安全性の確保が大前提という新しい制度でありますので、それを担保するのは東京都の役割だと思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。
 残り十分で最後の質問です。食品の安全について質問をいたします。
 冷凍食品への農薬混入事件がありました。その前は学校給食での集団食中毒、そして、レストランでの食材偽装表示など、都民、国民の食に対する信頼は揺らいでおります。
 この食品の安全確保については、実際においては、法令に基づいて事業者を指導監督していると思いますけれども、この膨大な都内の食品衛生、今、直近の監視体制は、東京都はどうなっていますでしょうか。

○古屋食品医薬品安全担当部長 都内では、保健所を初め、健康安全研究センター、市場衛生検査所、芝浦食肉衛生検査所におきまして、食品の製造、輸入から流通、販売の各段階で食品関係営業施設への立入検査を実施しております。
 平成二十四年度には、都、特別区、保健所設置市の食品衛生監視員七百十五名により、五十万二千件の営業施設に対しまして、延べ六十八万六千回の監視指導を実施いたしました。

○遠藤委員 都内の五十万件の施設を七百人の監視員で監視指導を行っているというのはすごい業務量です。大きな事件、事故が起こらないというのは不思議なぐらいであります。
 食の安全を確保するために、こうした監視員の皆さんの血のにじむような努力があるわけでありますけれども、一方で、事業者においてもコンプライアンス意識を向上させて、自主的な衛生管理に取り組んでもらう、これが重要であるわけであります。
 それを促進する、担保する仕組みとして、東京都には、食品衛生自主管理認証制度、こういった制度がございます。この制度は、都が指定した審査事業者が認証を希望する食品関係営業者等からの申請に基づいて審査を行って、基準に合致した場合に証明を与える、東京都がお墨つきを与えるという認証制度であって、現在、三百二社がその認証を受けておられるわけであります。
 しかし、この認証制度、もちろんこの食品関連施設には、小売店、本当に町のお魚屋さんから、都内でたくさんの食品を製造する大規模製造業までさまざまな業態があるわけであります。そういった意味では、それぞれの業態、また実情、ニーズに合わせて、この都の制度や、または国際規格等々も--国際規格というのはすぐ変えるわけにはいかないんですけれども、少なくてもこの都の制度というものは、時代やこうした業態等々に合わせて不断の見直し、充実を図っていかなければいけないと、このように思うわけでありますけれども、東京都のその辺の取り組みについて答弁を求めたいと思います。

○古屋食品医薬品安全担当部長 都は、事業者に対しまして、コンプライアンス意識や自主的衛生管理を向上させるため、監視指導や講習会を通じて啓発しております。
 平成二十四年度は、都、特別区、保健所設置市におきまして二千六百十三回の講習会を開催し、延べ十万二千名が受講しております。
 また、東京都食品衛生自主管理認証制度をより多くの事業者が活用できるよう、昨年十月、チェーン店を一括して認証できる仕組みを導入いたしました。
 あわせて、国際的な認証の取得につながるよう、従業員の教育訓練や事故発生時の対応等につきまして、都の認証基準と国際規格との整合を図るなど、自主管理認証制度を充実させております。
 さらに、事業者の実情に合わせて、衛生管理の達成状況を段階的に評価し、公表するなど、事業者の継続的な取り組みを支援してまいります。

○遠藤委員 何でこの認証制度のことを取り上げたかといいますと、いい制度なんですけれども、これは多くの事業者、町の小売から大規模の製造業者まで、いろんな多くの事業者に適応できることが利点の反面、この制度の実施要綱の中を見ますと、幅広い解釈を持たせているので、食の安全・安心を担保することを困難にしているという弱点があると、こういうことを指摘する向きもあるわけなので、今、部長答弁ありましたとおり、都の認証基準と国際規格との整合性を図るなど、制度の充実をしっかりと国際的なものに近づけるべきものは近づけていくと、こういう答弁でありますので、これをしっかりやってもらいたいと思います。
 オリンピック・パラリンピックに向けて、多くの海外旅行者の方が東京を訪れるわけであります。東京の魅力はいろいろあるけれども、やはり東京の食の魅力というのが一番であると、こういうようにもいわれているわけでありますので、安全確保の取り組みを総合的に進めていってもらいたいと思います。
 最後の答弁になりますけれども、総合的に進めていくべきであると思いますけれども、どうでしょうか。

○古屋食品医薬品安全担当部長 都は、食品の生産から消費に至る各段階で確実な安全確保を図るため、東京都食品安全条例に基づきまして食品安全推進計画を策定し、関係各局が連携して取り組みを推進しております。
 本年二月、平成二十七年度以降の食品安全推進計画の改定につきまして、食品安全審議会に諮問したところでございます。
 審議会では、検討部会を設置し、自主管理の推進や大規模食中毒の未然防止、適正表示の徹底などの課題に対する取り組みを具体的かつ専門的に検討しております。
 今後、審議会での検討を踏まえ、食品安全推進計画を改定し、食品の安全を確保するための取り組みを一層推進してまいります。

○遠藤委員 最後に意見です。さきの食品への農薬の混入事件、このようなことが起こったわけであります。非常に社会不安を惹起した事件だと思います。意図的な毒物の混入などに対する防御、いわゆるフードディフェンス、こういう今日的課題が明るみになったわけでありますけれども、これについて厚生労働省では、具体的な対策の研究を、このフードディフェンスという概念で行われているということを聞いております。
 意図的な毒物の混入を完全に防ぐというのは、これは非常に難しいことだと思いますけれども、今後、東京都としても、自治体としても果たすべき役割はあるのであろうと、このように思っております。
 都としても、国の動向を注視しつつ、こういった課題についても積極的に検討していただいて、必要な取り組みをすべきであると、このように申し述べて質問を終わります。部長の皆さんの簡潔な答弁によりまして、ちょうど一時間、時間内でおさまりました。ありがとうございました。終わります。

○大山委員 私は、きょうは保育のこと、それから内部障害者の施設、喜望園のこと、そして、社会福祉審議会の意見具申をめぐってということで、主には三つのテーマで質疑したいと思います。
 最初に、待機児に関する発言が先ほどありましたので、大事なことですので、私からも一言申し上げておきたいと思います。
 待機児を把握するというのは、保育要求をきちんとつかむということです。現在、国は、待機児の数え方を新定義にしてしまいました。だから私たちは、予算特別委員会の資料でも旧定義と新定義、両方の待機児数を出してもらっています。ことしの資料でも、一三年の四月一日現在では、新定義が八千百十七人、旧定義は二万一千三百六十人です。
 新定義は、国が待機児ゼロ作戦を打ち上げたものの、なかなかゼロにならない。何とか待機児を少なく見せようということで定義を変えたわけです。旧定義は、認可保育園に申し込みながら認可保育園に入れなかった子供の数、それから、新定義は、その待機児数から認証保育所だとか保育ママだとか、それから、保育室だとかに入れた子供は待機児から抜かすということなんです。
 しかし、この新定義の定義は非常に曖昧なんです。私たち、今回、新定義の基準について調査をしました。各区市町村でその基準はばらばらでした。例えば、認可保育園に申し込みながらベビーホテルに預けている子供、それを待機児に入れていないという自治体も五自治体あるんです。それから、預け先が見つけられずに育児休業を延長したり、退職してしまったり、内定した仕事を辞退したり、それから、引き続き求職活動をしているのに待機児から抜かしてしまうという新定義の基準にしている自治体もありました。
 ですから、新定義というのは、このように基準がばらばらだといわざるを得ないんです。実態をきちんと把握するというんだったら、旧定義の方がふさわしいし、各自治体で基準が統一しているのは旧定義、つまり、二〇一三年の四月一日だったら二万一千三百六十人ということなんです。
 さて、保育に関して、予算特別委員会で私は、待機児ゼロにするための目標設定、それから、保育の質を支えるものとして、主に園庭の問題、その質を支える面からも、保育園の保育の最低水準である保育指針を実現する上でも、認可保育園を大増設する場合の土地の確保の問題を中心に質疑しました。
 きょうは、来年度予算と請願の審査も含め、予特の質疑を踏まえて質疑したいと思います。
 まず注目したいのは、この請願の署名が十二万四千九百六十五筆に上っていることなんです。それだけ、そんなにも多くの皆さんの思いがこの請願に込められているということなんです。このことを議会の私たちも、そして理事者の皆さんも重く受けとめる、それが必要だと思っています。
 大きな問題になっている保育士の確保、定着についてです。
 必要な保育士を募集してもなかなか集まらず、多くの保育園が本当に苦労しています。東京における保育士の不足数をどれぐらいと考えているでしょうか。また、この問題をどのように受けとめているでしょうか、まず伺います。

○浜少子社会対策部長 現在、都における保育士登録者数は約十万人でございます。毎年約六千人が新たに保育士資格を取得しております。
 一方、都内には四万人程度の潜在保育士がいると推計されており、また、保育士養成施設卒業者のうち保育所に勤務する方も約五割であることなどから、都においては、現在、保育に従事していない保育士の就労や定着を進めていくことが必要であると認識しております。
 そのため、就職支援研修や就職相談会未経験の有資格者を対象としたセミナー等のさまざまな取り組みを実施し、保育人材の確保に努めております。

○大山委員 今のご答弁にあったように、資格を取得しても、実際は就職しないことが多くて、東京都の保育士の有効求人倍率は、昨年の十二月には四倍を超えています。保育士の不足は深刻です。不足数については、お答えありませんでしたけれども、厚労省だって、需要に対して供給が足りない、二〇一七年度末における保育士は約七万四千人不足する、こういっています。
 重要なことは、どうして保育士資格を持っているのに就職しないのかということ、そして、仕事を継続することができないのかということなんです。
 昨年五月に厚労省がハローワークにおいて実施した、保育士としての就職を希望しない求職者に対する調査結果では、賃金が希望と合わない人が四七・五%でトップになりました。この調査結果についてどう受けとめていますか。

○浜少子社会対策部長 お話にありました昨年のハローワークの調査では、保育士としての就業を希望しない理由について複数回答を可としておりまして、賃金が希望と合わないと回答した人が四七・五%のほか、他職種への興味が四三・一%、責任の重さ、事故への不安が四〇%、自身の健康、体力への不安が三九・一%などさまざまな理由が挙げられております。

○大山委員 保育士として就職を希望しない理由は、今、答弁されたように、他職種への興味だとか責任の重さ、事故への不安、これも四〇%を超えています。しかし、何といっても賃金が希望と合わない、これが四七・五%で一番多いんですね。つまり、責任が重い割に賃金が安過ぎるということなんです。だからマスコミも報道し、保育士の賃金の低さが社会問題になっているんではないでしょうか。
 賃金が低過ぎることが保育士を確保できない、定着できないことの一番大きな要因であることは明確ではないでしょうか。
 二〇一二年賃金構造基本統計調査によれば、保育士の決まって支給する現金給与額、つまり、税金もさまざまな手当、超勤手当も全て込みの額です。これが何と、三十五歳、勤続七・八年で二十一万四千二百円です。全職種だと三十二万五千六百円ですから、いかに低いのかということです。
 舛添知事は、二〇〇九年四月の参議院行政監視委員会で答弁に立って、今最大の問題は、保育士の確保なんです、そして、これは介護士の場合と同じで、待遇は余りよろしくありません、だから、ぜひ保育の質を充実しながら、数をふやすために、財源問題も含めて、今後精力的に検討したい、こう述べています。当時、厚労大臣だった知事は、待遇が、つまり賃金ももちろん低いことを認識していたと思われます。
 本会議で我が党の代表質問に、都は既にさまざまな補助を実施しており、国の動きに合わせ、そのあり方も十分議論していきたい、こう答弁していますけれども、どのような方向で議論するんですか。

○浜少子社会対策部長 現在、新しい制度における保育の運営費に関する公定価格は国で検討されておりますので、この検討状況を踏まえまして検討してまいります。

○大山委員 この公定価格を、東京都独自のあり方については検討していくということですよね。東京都独自のあり方を、公定価格がこれから出るだろうから検討するというんですけれども、都の独自補助をどんどん削ってきたのは東京都自身です。公私格差是正事業をサービス推進費にし、さらに改悪して経験年数を加算しなくしてしまいましたから、働き続けること、つまり定着を非常に困難にしてしまったのは東京都自身ではありませんか。
 都は、このことをわきまえて、東京から賃上げの流れをつくるべきなんです。認証保育所、それから小規模保育所に都独自に補助するのは当然です。しかし、まだまだ少な過ぎます。
 保育士、介護福祉士等に限らず、障害者の分野も、児童養護施設なども、福祉職場での賃金の底上げは待ったなしです。どう認識していますか。

○篠原企画担当部長 複数の分野にまたがる質問ですので、局の施策を調整する立場でお答えいたします。
 福祉施設の運営は、介護報酬や措置費等で賄うということが原則でございまして、その介護報酬や措置費等の仕組みは国が整備すべきものと認識しております。
 そうした上で、賃金等の労働条件は、各職場において労使で協議して決めるべきものでございます。
 都は国に対して、介護報酬等が大都市の物価水準に見合うものとなるように提案要求してきておりまして、今後も引き続き強く求めてまいります。
 先ほど、都が昭和四十年代から行っておりました民間社会福祉施設職員に対する公私格差是正事業の話がございましたけれども、本来、労使の雇用関係の中で決定されるべき民間施設の職員の給与につきまして、都が補助金の交付を通じて実質的に関与しているというようなことがありまして、平成十二年度に見直しを行って、利用者一人当たりを単位とした民間社会福祉施設サービス推進費を創設したものでございます。
 さらに、平成十六年度におきまして、施設のサービス向上に向けた努力が真に報われるものになるようにという方向をもって、制度を再構築したものでございまして、ご提案の改悪というものには当たらないと考えております。

○大山委員 何をいっているんですかね。この公私格差是正事業で、幾らそれぞれの施設で減ったんだと思っているんですか。総額を減らしといて、どこでどう工夫するんですか。基本を引き上げない限り賃金は上げられないんです。
 しかも、今の答弁では、都としては国に要求するだけで、独自に賃金が上げられるようには何もしないということなんですか。
 知事は、当選した翌日、NHKの番組で、保育士や介護士の賃金が低いことを指摘して、何とか国のレベルより少しでも賃金を上乗せするということをやる、こう発言しています。その後、司会者に、それは東京都として独自におやりになりたいとと聞かれて、国に上乗せしてとわざわざいっているんです。きめ細かい上乗せということは、やっぱり地方自治体でやる、こうるる述べて、その発言の最後に、福祉の東京から出るという形で日本中に広がってもらえばと思っている、こういっているんですよ。
 都として、独自に賃金引き上げができるようにすることが、舛添都政の方針なんじゃないんですか、どうですか。

○篠原企画担当部長 先ほどもご答弁したとおり、福祉施設の運営というのは、介護報酬や措置費など、国が整える仕組みによりまして賄うことが原則になっております。
 そうした上で、賃金等の労働条件を各職場の労使で協議して決めるべきものというのが基本でございまして、今後とも、国に対しては、介護報酬等が大都市の物価水準に見合うものとなるよう提案要求してまいります。

○大山委員 世界一の福祉都市とかいうのが本当に泣きますよ。
 例えば、ベネッセ教育総合研究所、第二回幼児教育・保育についての基本調査、これは二〇一二年ですけれども、保育者の資質向上のために必要なことの質問に、私立保育園では八三・四%もの園が、保育者の給与面での待遇改善を上げています。
 ベネッセの次世代研究室長は、公立の保育園と比べても賃金が低いことを指摘するとともに、経験年数に応じた昇給幅も少なく、結婚などを機に保育の場を離れる、そうすると、もう戻らない保育士が多いとコメントして、ある二十五歳の男性保育士は、大学では公立保育園で働く道を勧められる。民間と違って給料も安定して上がっていくし、福利厚生も手厚い。将来、家庭を持つことを望むなら公務員を目指せと指導するんだと話しています。
 かつて東京都は、福祉施設で働く職員の賃金を保障していました。保育園、高齢者施設、それから障害者施設等で働いている職員に対して、公立でも私立でも、同一資格、年齢、経験年数だったら同じ賃金になるように、それぞれの職員に出していました。これが、今なくしたという公私格差是正事業ですよ。東京都独自にやろうと思えば十分にできることなんです。圧倒的に保育士が不足している今こそ必要な制度ではないんでしょうか。
 質の向上、確保をいうんだったら、職員が定着して働き続けることができるようにすることが最低条件です。公立でも私立でも同一資格、年齢、経験年数だったら同じ待遇になるような制度を新たにスタートさせるときですけれども、いかがですか。さっきいった同じ答弁はいわないでくださいね。

○篠原企画担当部長 都が昭和四十年代から行っておりました民間社会福祉施設職員に対する公私格差是正事業は、本来、労使の雇用関係の中で決定されるべき民間施設の職員の給与について、都が補助金の交付を通じて実質的に関与しているという事情がありまして、それがゆえに、施設経営者の自主的かつ柔軟な経営を困難にしているということから、平成十二年度に見直しを行って、民間社会福祉施設サービス推進費をつくったものでございます。
 しかし、この補助の仕組みは、必ずしも施設における実際のサービス内容やサービス向上に向けた施設の努力に連動していないという事情がありましたので、都として望ましいサービス水準を確保しながら、施設のサービス向上に向けた努力が真に報われるものになるようにということで、平成十六年度に制度を再構築したものでございます。
 こうした経緯から、ご提案のような賃金を保障する補助を実施する考えはございません。

○大山委員 さっきからそんなことばっかりいっていますけれども、総額を下げておいて、自主的、柔軟な施設運営などの保障はできないじゃありませんか。福祉職場では、公私格差是正事業があったからこそ働き続けることができ、保育園だったら保育内容の職員集団としての積み重ねができていたんです。
 保育園にしても、高齢者、障害者、児童養護施設にしても、職員集団としてのレベルアップが重要な職場だからこそ働き続けられることが重要なんです。
 保育士等の現実は深刻です。例えば、妻と子の三人家族だけれども、生活はできるけれども貯金はできない。私や家族や祖父母は、今は健康だけれども、何かあったときに金銭的にも心配と、四十代の男性の保育士ですよ。十年間働き、やっと手取り二十万円を超えるようになりましたが、残業のない月は超えない。労働内容はどんどんハードになっていますなど賃金の低さを訴えています。
 また、勤務時間内ではできない文章書き、多分、児童票だとか日誌だとか計画の類と思いますけれども、仕事が多くて、時間差勤務によって睡眠時間がほとんどない日もある三十代の女性など、超勤や持ち帰りの仕事がほとんど常態化しています。
 本定例会では、保育士、介護福祉士等に限らず、障害者の分野も、児童養護施設も、福祉職場での賃金の低さが、我が党だけでなく、ほかの会派からも出されたことは、福祉職の賃金の低さを初めとした労働条件を改善していかなければならないことが共通の認識になってきているということではないでしょうか。抜本的な賃金の底上げを強く求めておきます。
 そんな中で、当面、直ちにできることがあります。現在、都がやっている認可保育園への処遇改善費ですけれども、東京都は、国が認可保育園の保育士等に出している分だけですね、上乗せも何もやっていません。
 どうなるかといえば、例えば東京都内では、標準的な百人規模の認可保育園だったら、国基準だと職員は保育士が十一名だけです。しかし、東京都内の標準的な人員配置だったら、都加算分がありますから、調理師、看護師なども含めて約二十二名の職員になります。いかに国基準の職員配置が低過ぎるかということです。そして、各園に来る予算は国からのだけで、東京都は上乗せしていませんから、国基準の配置の分だけなんですね。それをみんなで分けるわけですから、せっかく給与を引き上げるための予算ですから、せめて、都内の標準的な人員配置、旧都加算分の職員に対する給与引き上げ分を都は、上乗せすることです。これなら東京都独自に直ちにできることですけれども、いかがですか。

○梶原次長 この間のるるのお話なんですが、処遇の話ということで、今回、知事の方からもいろいろお話ありました。私どもは、それを踏まえてさまざまな補助を実施しており、国の動きに合わせ、そのあり方も議論していく。知事もいつもいわれていますように、万機公論に決すべしと、さまざまなご議論を経てやっていくということはもちろんのことだと思います。
 ただ、今までの公私格差是正というものの過去の経緯、それから、公私格差というものが法人の自主的な経営を圧迫していた、もしくは、それはもっとサービスを向上させるためにサービス推進費というのはできたんです。その結果、国の補助金というのは、普通の標準でいくと九千五百万ですよ、標準的な一保育所って。それにプラスしてサービス推進費補助と子育て推進交付金が五千万行っているんですよ。つまり、都加算と、さらにそういうコア人材加算だとか努力加算で五千万行っているわけです。
 つまり、我々はいろんな工夫をしながらやりましょう。それは、いろんな工夫をやるためには人材が必要なわけです。その人材に対して、実質的にいろんなサービスの補助をやっている。
 先ほど、削った、削ったといっていますけれども、例えば保育に対してのサービス推進費補助は、平成十五年は九十三・二億ですよ、来年の二十六年度予算は百十四・八億ですよ、減らしてはいませんよ。
 それから、子育て推進交付金は市町村のみですが、二十四の予算額は百六十五億ですよ、二十六の予算案は百七十一億ですよ。
 それぞれの数値の部分について、我々は来年度から新制度に入るわけです。新制度に入るということは、全体の認可保育所から認証保育所、家庭的保育、新たな制度にするわけです。そうすると、公定価格も変わる、仕組みも変わる、その中でどういうふうに財源を配分するか、それに伴って都の補助制度を変える、それは当然の話であります。
 それから、今の質問、その流れでいくと、いわゆる都加算、東京都保育所運営費補助というのは平成十七年度に廃止をして、十八年度である子育て支援の主体である区市町村が、地域の実情に応じて創意工夫により施策を展開できるよう、区部には財政調整交付金で算定し、市町村については児童数と子育て支援施策の実績に基づき交付する子育て推進交付金として再構築しています。
 ですから、区市町村や保育所が国基準を上回って独自に配置している職員の処遇改善を行うかどうかというのは、この交付金の性格からいっても、区市町村及び保育所において判断すべきものだと考えております。

○大山委員 知事の発言に基づくんだったら、きちんと東京都独自で賃金を上げられるようにすると、そうなんじゃないですか。自主的な経営を圧迫していたと、ずっといっていますけれども、自主的な運営を圧迫されていたなんていう施設がありますか。自由に使っていいんですよっていうんだったら、結局、人件費として出しているお金をほかに回していいですよってことじゃないですか。そうでしょう。
 サービス推進費がふえたっていっても、施設数がふえているんですから、サービス推進費だって当然ふえるでしょう。都加算は廃止しましたけれども、ちゃんと子育て交付金には、その基本に十三項目の都加算補助の算定基礎にしたことは厚生委員会でも何度も明らかにしてきたことですし、都区財調の算定基礎はやはり都加算なんですね。東京の保育の基本は、旧都基準配置であることは明確です。
 実際、毎年、人員配置などを調べている都内の団体、保育園を考える親の会の調査を見ても、都内の自治体で都基準以上の人員配置をしている自治体はありますけれども、都基準を下回っているところなどどこもないんですね。賃金が低いということを認識しているんだったら、低過ぎる国基準以上に配置している東京都内の人員配置の標準である職員全員に処遇改善が行き渡るようにすることぐらい当然なんじゃないんでしょうか。
 認可保育園とともに、認証保育所など他の保育施設で働く保育士等もきちんとレベルアップ、同じレベルになるように補助を拡充すべきであることを要望しておきます。
 予特の質疑で、私は、公立保育園をつくれるように都として補助するべきだとただしました。この請願でも要望しています。また、一般財源化されてもなお、区市町村の一貫した根強い要望です。しかも、現在のように、緊急に大量に質を保ちながら増設を進めようとするときは、区市町村が直接整備して運営することが一番の早道なんですね。
 ところが、都は、税源移譲されているから、都として補助を行うことは考えていないと冷たく切り捨てました。選択肢をふやすとかいいながら、一般財源化されて、都もそれに乗じて補助をなくしたために、公立保育園の整備ができないと選択肢を減らしてしまったんです。しかも、保護者が認可保育園を求め、区市町村もふやそう、そう躍起になっているときに公立保育園の数が減っている、それはもうご存じですよね。
 二〇〇〇年に千十二カ所あった公立保育園が、一三年には九百四十八カ所に六十四カ所も減っているんです。公立保育園を民間移譲するんじゃなくて、そのまま存続させて、新たに認可保育園をつくれば、純粋に総数がふえたんです。
 今、認可保育園がふえているのは、国の安心こども基金で整備費の補助率を上げ、さらに都独自に補助率を引き上げていることが大きな力になっています。ところが、この安心こども基金も都の整備費補助も公立保育園には適用されません。
 例えば、国が公立保育園の整備費や運営費補助を一般財源化したときには、安心こども基金はありませんでした。少なくとも、拡充した分は一般財源化の税源には入っていないんですから、都はその分と都の補助分だけでも区市町村に補助するべきではないんでしょうか。

○梶原次長 先ほど国保の話でもあったんですけれども、区市町村に私どもが補助をするとか区市町村に指導をするというのは、都道府県と区市町村は、それぞれ対等な自治体であるわけですね。対等な自治体のもとにそれぞれが議会を持って、それぞれが限られた財源のもとでどうやってその施策を推進していくか。区市町村にも議会は当然あるわけで、その中で、例えば保育について保育料をどうしようか、保育園をどうつくろうか、予算をどうつくろうか、そこの中でやられているわけです。
 私どもは、その独立した対等な自治体である区市町村に対して、どういう形で話をして、そして支援をするという部分について、財政秩序ののりを超えるまで、ダブルで財政措置をしていくというのは、独立した地方自治制度というか、地方自治体の地方自治法というのをよくご存じないご議論ではないかというふうに思っています。
 我々、公立保育所の運営費については平成十六年度に、整備費については十八年度に区市町村へ税源移譲されておりまして、都として補助を行うことは考えておりません。
 当然のことながら、先ほど申しましたように、区市町村がみずからの財源である一般財源をどのように活用して、どういう施策に振り向けていくか、これは区市町村が主体的に考えるものだと思っています。

○大山委員 よく質問をちゃんと聞いてくださいよ。ダブルで補助するなんていうことはないでしょう。必要な税源が移譲されていないことは国会の議論でも明らかになっています。これはそれとして。ですから、もちろん、補助全てをといって今の質問、求めているわけではないですよ。
 私が質問したのは、一般財源化したときには安心こども基金はありませんでした。整備費の補助率を上げたのは安心こども基金ですから、それは税源移譲に入っていない、そういうことでしょう。だから、せめてその分ぐらいは出してもいいじゃありませんか、そういったんです。よく検討してください。せめてもの対応です。
 革新都政の十二年間では認可保育園を七百八十四カ所ふやしましたが、ほとんど公立保育園でふやしました。そして、都基準をつくって、低過ぎる国基準の人員配置もふやして、面積基準も広げて、公私格差是正事業で私立保育園の職員給与も保障して、量も質も両方拡充してきたではありませんか。やろうと思えばできることなんです。保育士の確保だって、公立保育園をふやす方が雇用が安定するのではないんですか。(発言する者多し)今ね、ちょっと不規則発言が多いのでいっておきますけれども、革新都政のときには、福祉で厳しくなったんじゃなくて、全てが不況で大変だったんですよ。それで、東京都だけ減収補填債を国が発行させなかったんですよ。だから、自民党政権が破綻させたというのも同じですよ。
 ですから、最後までやらなきゃだめ。やろうと思えばできることなんですよ。保育士の確保だって、公立保育園をふやす方が雇用が安定するんじゃないんでしょうか。
 来年度の補正予算で、同時補正で、株式会社にも建設費補助を出すことにしましたね。実際、現状でも株式会社の認可園がふえています。しかし、これは慎重にやらなければなりません。
 東京都が認証保育所で一気に株式会社に開放したとき、もうけを優先させたらどうなりましたか。東京都は苦い経験を持っているではありませんか。
 じゃんぐる保育園は、補助金の不正受給で認証保育所初の取り消しになりました。それから、この補助金の不正受給は、大手の大企業グループの小田急ムックでも起こりました。食材費を極端に削減して、おやつが卵ボーロ五粒、ヨーグルト大さじ二杯、そんなところまでありました。開園してわずか二カ月で突然倒産し、閉園した東中野のハッピースマイル、常に一番の犠牲者は子供たちなんです。
 このような苦い経験こそ教訓にしていくべきだということを申し上げておきます。
 また、もうけを上げようとすれば人件費比率を下げる。つまり、さらに賃金を下げることになりかねません。知事がいっている保育士、介護士等の処遇が低過ぎるというんだったらば、さらにそういうことに拍車をかけることになりかねません。
 保育園は、保育指針を引けば、生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期にある乳幼児の現在が心地よく生き生きと幸せであることを保育の目標にするとともに、その未来を見据えて、長期的視野を持って生涯にわたる生きる力の基礎を培うことを目標として保育することが重要です。だからこそ、園庭もあるし、ホールもある環境と同時に、保育士等が安定して働き続けられる、職員集団としてともに育ち合いレベルアップしていくことができる条件整備が不可欠です。
 介護の現場でも、障害者の分野でも、児童養護などの分野でも利用者の尊厳を守り、多職種の専門職が専門性を発揮して、その職員集団としてのレベルを上げながら、利用者の処遇に当たることになります。だからこそ、福祉職場では定着が欠かせないんです。請願は、採択することを求めます。
 私は、保育に関連して伺っておきたいんですけれども、ベビーシッターに預けた二歳の子供が死亡していたという事件が衝撃を広げているわけです。ネット上には、ベビーシッターを探す人とシッターのなり手が情報交換するサイトが複数あって、必要に迫られた親が利用しているようなんです。
 東京都は、これらの実態を把握しているでしょうか。

○浜少子社会対策部長 ベビーシッターにつきましては、民民の契約でございまして、都に指導監督の権限も有しておらないため、現状について把握することは困難でございます。

○大山委員 現状を把握していないということなんですけれども、やはり今の状況を見れば、きちんと都としても把握することが必要なんじゃないんでしょうか。

○浜少子社会対策部長 今回の事件を受けて、今後、国において、事件の検証及びベビーシッターの実態把握についての検討が行われるものと思われます。
 都としても、必要な措置を講じるよう国に求めていきたいと思っております。

○大山委員 今、国において実態把握をするんだということなんですけれども、東京都としては、今回の事件をどう受けとめて、どう対応しようとしているんですか。

○浜少子社会対策部長 今回の死亡事故につきましては、刑事事件として今後捜査が進むものと考えております。
 今後、その動向や国による検証を踏まえまして、都としても必要な措置を講じるよう国に求めていきたいと考えております。
 東京都といたしましては、今後とも子供の安全の確保に万全を尽くしていきたいと考えております。

○大山委員 きちんと実態を都としても把握してもらいたいと思っています。
 それで、このネットのニュース、これはヤフーニュースですけれども、(資料を示す)このニュースの画面のところで、同じ画面を下の方に行くと、無資格可と書いてあって、びっくりマークがついて、ベビーシッター募集と書いてあるんです。それで、一対一で子供を温かく見守る仕事って会社名があって、病児保育スタッフ募集中なんですね。それで無資格可。病児保育で無資格可、本当にこれでいいのかということなんです。
 ぜひ実態を把握して、子ども・子育て支援法でベビーシッターの認可の基準も定められるといいますけれども、継続して見ているわけではない子供を預かるわけですから、その子の特性だとか行動だとか把握を初め、より専門性の高さが求められていることだと思うんです。密室になるだけに、より信頼できるということも不可欠です。
 ですから、それらが守られるような基準となるように東京都もリードしてもらいたいと思います。保育はこういうことです。
 次は、喜望園という内部障害の施設のことなんです。
 東京都清瀬喜望園は、日本で初めて重度呼吸機能障害者の授産施設として東京都が設置して、社会福祉法人東京アフターケア協会が運営の委託を受けて、一九七六年四月に開園しました。
 平成二十二年四月から障害者自立支援法の障害者支援施設として、呼吸機能障害を初め、心臓機能障害、直腸、膀胱機能障害等を持つ内部障害者全般の受け入れと支援を行っています。
 障害者自立支援法に基づいて、内部障害を持つ人たちが入園して、日中は生産活動、創作自主活動、リハビリを行うとともに、適切な健康管理と介護支援をして、自立的な生活に向けての支援を目的としている、これが清瀬喜望園です。
 この清瀬喜望園の役割をどう認識していますか。

○山岸障害者施策推進部長 清瀬喜望園は、昭和五十一年に、肺結核後遺症などの呼吸器機能障害者の入所授産施設として開設しました。
 その後、近年の疾病構造の変化や在宅酸素療法の普及等により、現在は呼吸器機能障害者以外の内部障害者も受け入れております。

○大山委員 時代とともに役割を発展、拡充してきたわけです。現在は、合併症や重複障害の利用者がほとんどで、主な障害への対応だけでは済まない多様なケアや支援が必要となっています。
 また、医療的管理やケアが必要になっていることは内部障害者の特性ともいえますけれども、その内容はというと、例えば在宅酸素療法でも、利用者の血中酸素飽和度に合わせて調節するんですね。人工呼吸器の管理など、高度なんです。つまり、障害区分はそれほど高くなくても、医療的管理やケアが綿密に必要だとのことなんです。年齢層も二十代から七十代と幅広い方々です。
 現在、清瀬喜望園は入所をとめているようですけれども、その理由は何ですか。

○山岸障害者施策推進部長 清瀬喜望園は、建物の耐震化が必要でございまして、その対応のため、入所を停止しております。

○大山委員 二〇一一年に耐震補強工事のために一時停止になったんですね。その理由は、アスベスト対策を含めると、東棟、南棟、中央棟と三棟ありますので、分割して工事を行わなければならない。したがって、居住棟である東棟と南棟の工事の際は、どちらか一方の棟は数カ月にわたって閉鎖になるから、利用者人数を五、六十人規模に減らさなければならない、そういう事情でしたね。
 しかし、耐震補強と、それから動力設備の老朽化などもあって、結局、建てかえることになったんじゃないんですか。

○山岸障害者施策推進部長 現在、工事工法を検討するために、専門業者に整備計画の調査委託を実施しておりまして、工事工法につきましては、その結果を踏まえて検討してまいります。

○大山委員 仮設の建物をつくると聞いていますけれども、定員は何人にするんでしょうか。

○山岸障害者施策推進部長 先ほど申し上げました専門業者に委託しております整備計画の調査委託、この結果を踏まえて検討してまいります。

○大山委員 規模等も含めて、調査検討中ということなんですけれども、今、喜望園への入所を申し込んでいて、というか待機者は何人いらっしゃいますか。

○山岸障害者施策推進部長 入所を停止いたします前に、施設への入所を希望していた方は五名と聞いておりまして、障害程度区分につきましては、区分四の方が三名、区分三の方が二名、年齢については六十五歳以上の方が四名でございます。

○大山委員 障害程度区分はそれほど高くなくても、さっき私がいったように、医療的ケア、医療的管理が非常に複雑であり、高度なわけですよね。入所の要望がどうか、これが重要だと思っているんです。
 喜望園は、二〇一一年当時、耐震補強工事をするため、入園待機者や入園問い合わせのあった利用者、家族、実施機関から病院等に電話で事情を説明して、利用時期が大幅に先送りとなる旨の説明をして、了承を得ていました。
 二〇一一年九月の入所停止時点で、既に入所判定会議が済んで、いつでもあきが出ればすぐに入所できる状態の方が十名いました。ところが、入所を停止している二年半の間に五名が亡くなってしまったんです。
 しかも、待っている方は五人だけではありません。入所事務停止後も、切実な利用の問い合わせが相次いだために、実際の入所時期は大分先になるけれども、書類上の申し込みは受け付けを行って、時期が近づいてきた段階で面接から判定会議を開催する手はずにしました。この方々が現時点で十名います。
 この方々の状況も深刻です。例えば、六十一歳の男性で直腸機能障害、両下肢機能障害、合わせて一級の方です。奥さんと二人暮らしなんですけれども、その奥さんも上肢、下肢に障害があるんですね。五十歳の男性で腎臓機能障害、四肢機能障害合わせて二級の方は、人工透析でC型肝炎でもあります。最近、お母さんが本人の介護を苦にして自殺しているんですね。五十歳の女性は、呼吸機能障害一級、四肢体幹機能障害です。主な介護者は七十六歳のお母さんですけれども、虐待に移行するおそれがあるとケースワーカーは心配しています。
 本当に、介護している人もぎりぎりになっているんですね。この方たちを一刻も早く入所できるようにすべきじゃないんでしょうか、どうですか。

○山岸障害者施策推進部長 今後、耐震化の工事を実施することになり、現利用者の安全確保が最優先でありますので、現時点では、新規の入所者を受け入れることについては考えておりません。

○大山委員 待機者の状況は、今いったように、もう共倒れしかねないというかなり深刻な状況なんですね。喜望園では、昨年三月に都内の各実施機関への入所アンケートを行ったところ、二十三名の利用希望者がありました。現時点だけでも、二〇一一年から待っている方が五人、その後受け付けた方が十人、合わせて、今のアンケートを含めて三十八人も待っているというのは明らかなんです。
 喜望園本来の定員は、生活介護が八十人、自立訓練二十名でした。待機者との関係で見ても、縮小してきた現在の人数を定数にしてしまうということなどは許されないことです。せめて入所停止する前の定員で再開するべきですが、どうですか。

○山岸障害者施策推進部長 新規の入所者の受け入れにつきましては、今後の施設の運営見通し、現時点での利用者の施設に対するニーズ増を十分に把握し、施設定員を検討した上で行うべきものと考えております。

○大山委員 今いったように、今、明らかになっているだけでも三十八名も待っているんですね。内部障害者の入所施設は喜望園だけです。入所を希望する主な理由は、介護施設に入所できないから、知的または精神障害があるが、ほかの障害者施設に入所できないからというもので、どうしてそれらの施設が利用できないかといいますと、医療的ケアの対応が困難、夜間支援の対応が困難ということが共通しています。また、疾病や障害が重くなって、在宅生活の継続が困難になったという理由や、家族の負担が大きくなり、介護し切れなくなっているなどもあります。内部障害者の入所施設でなければ、受け入れられない方々をしっかりと受けとめているのが喜望園です。
 三つある建物を、順次、耐震補強するから、定員を六十名に減らす。そのために入所停止をしていたのに、計画が変わって仮設をつくって工事することになったんですから、今、検討中なんだといっていますけれども、施設にはちゃんとそういうふうに話しているじゃありませんか。今、入所している方は五十九名、二年半も待っている方の入所は一人、今、六十で五十九ですから一人ですけれども、二年半も待っている方の入所は可能になったということじゃないんでしょうか。
 今直ちにやれることは、定員があいたら、待機している入所希望者を速やかに、せめて速やかに受け入れることなんですけれども、いかがですか。

○山岸障害者施策推進部長 先ほどもお答え申し上げましたように、今後、耐震化の工事を実施することになりますので、利用者の安全確保が最優先、現時点では、新規の入所を受け入れることについては考えておりません。

○大山委員 利用者の安全を確保するなんていうのは、もう当然のことですよ。仮設だといっても、当然、施設の機能が果たせるようにするわけですし、安全を確保するために仮設をつくるわけですよね。今、六十人の定員にしたところが一人あいた。だから、せめて入れてほしい、そういう切実な要求なんですよね。
 自治体からも切実な声が寄せられています。長く呼吸器障害と肢体不自由をあわせ持つ娘さんをお母さんが介護してきたが、家庭状況の変化及び介護者の高齢化から介護が困難になりつつある。そういうケースや、ほかにも、両親の加齢に伴う体力の低下、年々家族への負担が大きくなって介護ができなくなっている、虐待の可能性がある、ケースワーカーさんが心配しているケースもあるというように、もう切実なんですね。
 ほかの施設に入所したくても、医療ケアがある方の施設入所は受け入れ側から拒否される、そういうことが多いんですと、自治体からもこういう意見が上がっています。在宅で家族が共倒れしかねない状況が、本来なら喜望園に入れる方々のところで起きているんです。放置していいんでしょうか、知らぬ顔していいんでしょうか、どうですか。

○山岸障害者施策推進部長 清瀬喜望園は、障害者入所支援施設でございまして、基本的には、障害程度区分が四以上であるということが施設入所の対象になります。
 こうしたことも踏まえながら、適切に対応してまいります。

○大山委員 さっきからいっているように、障害区分程度はそれほど重くなくても、医療ケアや医療管理が非常に複雑で高度だから、清瀬喜望園にしか入れない、そういう人たちなんですよね。
 新規入所をさせないんだったら、在宅で家族が共倒れしないように、都としてどういう役割を果たす気なんですか。

○山岸障害者施策推進部長 在宅の障害者に対しましては、日中活動の場の整備、あるいは地域での住まいの場の整備等に、三か年プランに基づきまして充実を図っているところでございます。

○大山委員 待機者とその家族の状況を考えたら、一刻も早く入所できるようにすべきではないんでしょうかね。それで、在宅での支援といったって、結局、介護する人が、家族の介護が主なところになっていて、その家族がもう共倒れしかねないという状況なんですね。だから、その家族をどう支援するのかということをちゃんと真剣に区市町村と相談しながら実施してほしいと思います。
 安全を確保するということは当然です。そして、入所できるまでの間、もう本当に今いったように区市町村とも相談しながら、家族が共倒れしないように支援すべきであるということを要望しておきます。
 もう一つですけれども、高齢者が地域で住まうこと、とりわけ低所得、低資産の高齢者の施策についてです。
 第十八期の社会福祉審議会が二月に、二〇二五年以降を見据えた施策の方向性、東京における地域包括ケアシステムの構築に向けて、この意見具申を知事に提出しました。東京の現状と将来の姿では、高齢化と世帯規模の縮小が進行し、ひとり暮らし高齢者が二〇一〇年と比べると一・七倍、五十七万世帯になると見込まれていますと、こう書いてあるんですね。世帯主が七十五歳以上の高齢者のみ世帯も、東京では一・七倍、三十九万世帯となることが見込まれています。
 また、非正規雇用の割合が非常に高くなっており、現在の若い世代が就労期における社会保険加入や自己資産形成がされないと、将来的に経済的に困窮する世帯が増加して、今後、社会への負荷を増大させることも懸念される、このように意見具申の中にも書いてあります。
 雇用問題も今後の重要な課題なわけです。厚労省の国民生活基礎調査では、世帯年収二百万円未満の層が三七・八%を占めて、総務省の全国消費実態調査では、高齢単身世帯の貯蓄額が、男女とも百万円未満が断然トップ、男性は一九・一%、女性は一〇・二%にも上ります。
 本会議の我が党の代表質問に、知事は、都民の暮らしについて困難な事情を抱えている方もいることは十分承知している、こう答弁しました。つまり、経済的に困窮している高齢者がいることを認めたわけですね。都民の誰もが安心して、尊厳を持って暮らすことができる東京にするためにも、都として、経済的に困難な高齢者への支援を位置づけて、力を入れていかなければならないことだと思いますけれども、どうですか。

○篠原企画担当部長 生活や雇用に関するセーフティーネットは、国全体の社会保障制度を支える基盤でございまして、その整備は、基本的には国の責務でございます。
 現行制度におきましても、高齢者を含め、経済的に困窮している方には、各種の手当のほか、医療保険制度や介護保険制度などで軽減措置の仕組みがございまして、最後のセーフティーネットとして生活保護制度も用意されております。
 東京都は、福祉サービス基盤の整備など、広域自治体としてさまざまな福祉施策を展開していくことが責務でございます。

○大山委員 国の社会保障もどんどん改悪されているわけですよね。ぜひ、主体的に責務を果たすというんだったら、果たしてもらいたいと思います。
 二月に出た社会福祉審議会の意見具申でも、低所得高齢者への対応を避けて通ることはできない、住まいの問題も含め、施策の整合性を図り、セーフティーネットの網をしっかりと地域に構築してほしい、こう書かれています。セーフティーネットの網を幾重にも張ることが求められていますけれども、この意見具申を受けて、どう具体化していくんでしょうか。

○篠原企画担当部長 東京都は、これまでも生活に困窮する都民に対しまして、独自に生活支援策や就労支援策を重層的に実施してきております。
 また、東京都は国に対して、セーフティーネットの強化を提案要求してきておりまして、国はこうした動きも踏まえて、最後のセーフティーネットである生活保護と雇用のセーフティーネットである失業給付との間に、第二のセーフティーネットとして、住宅手当や求職者支援などの制度を整備してきております。
 東京都としましては、今般の社会福祉審議会の意見具申の趣旨も踏まえまして、今後とも重要な事項につきましては国に対して提案要求してまいりますとともに、都民ニーズに応えるさまざまな福祉施策について引き続き実施してまいります。

○大山委員 さまざまな都民ニーズに応える福祉施策を今後ともやっていくんだということなんですけれども、例えば低所得者・離職者対策事業といったら、包括補助の中の一つですよね。それから、受験生チャレンジ支援貸付事業、住居喪失不安定就労者・離職者等サポート事業、今、これぐらいですよね。これはこれで重要なんですよ。しかし、とても十分とはいえません。
 とりわけ、高齢者施策では、シルバーパスは全面有料化するし、老人医療費助成は廃止するし、老人福祉手当も廃止するし、やってきたのは、今いっていたそのセーフティーネットを張るどころか、剥がすことばかりでした。
 今回の社会福祉審議会の意見具申は、住まいが中心に位置づけられています。住まいは、住みなれた地域で暮らし続けるための基盤である、そこは単なる住まう場所というだけではなくて、高齢者や障害者等が尊厳を持って安心して生活するために必要な生活支援や介護、医療等のサービス提供の場でもある、こう述べています。
 新宿区内で、低所得者への支援を中心に、住まいの確保、介護、見守り、生活支援、それから相談などの活動をしている団体があります。お話を聞きに行ったときに、例えば、ごみ屋敷の人とホームヘルプサービスは社会的には遠いんです、こういわれたんですね。非常に印象的なんですけれども、助けてともいえない、しかし、何らかのメッセージは出しているんだ、そういうことなんです。家があってもサービスは受けられない、そういう状況なんですね。
 この団体は、まず条件を整えるところから支援しているんです。住む場所の提供とともに、日常生活支援、見守り、介護、それから相談などが必要です。地域で暮らせるように総合的に支援することが必要ですけれども、どうですか。

○高原生活福祉部長 総合的な支援ということでございますが、都では、地域において、高齢者がニーズに応じて必要なサービスを受けることができる環境整備を進めるため、来年度より、住宅に困窮し、日常生活に不安のある低所得の高齢者等に対して、居住支援協議会等を活用し、住まいの確保と見守り等の生活支援の提供を一体的に行う区市町村の取り組みを支援することとしております。

○大山委員 ぜひ区市町村と連携して取り組んでほしいわけです。
 特養ホームなどにも入れないで、老健施設だとか病院を転々として過ごさざるを得ない高齢者が社会問題となっているわけです。さっきの団体が出会う方々も、施設や病院を転々としてきた高齢者も多くて、会の常任理事さんが、自分たちの施設に入居する高齢者から、いつまでいられますかと、こう聞かれることが多いというんですね。十年で二十カ所も病院などを転々とした人もいたとのことなんです。この方は特養ホームに入れないので、この団体のところに来たわけです。今は地域で支援を受けながら暮らしています。このようなモデルもあるわけです。
 また、社会福祉審議会でも、検討部会の資料として、明治大学の園田眞理子氏がこの地域のフィールドワークを実施して報告しています。この地域には、この団体の都市型ケアハウスがあり、空きビル、空き家を活用した互助ハウス、そしてこのNPOの事務所、誰でも立ち寄ることができる喫茶店なども設置しています。地域の診療所や介護関連施設も把握しています。
 園田氏は、そのまとめの中で、空き家資源を発掘し、生活困窮者の住まいとして、空間の質を高めた具体的な提案を行うことで、地域の中でよりよい住空間を確保できることが明らかになった、こう述べています。
 来年度予算案では、都市整備局に居住支援協議会の予算が計上されていますが、高齢者を初め、非正規雇用などの経済的困難を持っている方々が安心できる住宅を確保できるようにすることは重要です。
 空き家の活用なども含め、福祉保健局は居住支援協議会に積極的にかかわってほしいのですけれども、どうですか。

○篠原企画担当部長 居住支援協議会は、住宅セーフティーネット法に基づきまして、住宅の確保に特に配慮を要する方の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るために設置する組織でございまして、地方公共団体や関係業者、居住支援団体などが連携して住宅情報の提供などの支援を実施するものとされております。
 このうち、地域の高齢者などに対しまして、空き家の活用も含めて、地域の実情に応じたきめ細やかな支援を行うというのは、区市町村が設置する居住支援協議会の役割と考えております。
 来年度、都市整備局が設置を予定しております東京都の居住支援協議会につきましては、区市町村の協議会について設立を促進し、活動の支援を行うということで、住宅の確保に配慮が必要な方々への居住の安定的確保を図るということを目的としておりまして、福祉保健局としましては、協議会の一員として適切にかかわってまいります。

○大山委員 住まいが基本であるということは、社会福祉審議会の意見具申でも位置づけられたわけですし、住宅があるだけでは不十分で、見守りや日常生活支援、介護などとの関連で発言していくことができるのは、やはり福祉保健局ではないでしょうか。ぜひ居住支援協議会でも積極的な役割を果たしてもらいたいということを求めて、終わります。

○まつば委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後六時二十六分休憩

   午後六時四十五分開議

○まつば委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○今村委員 昨日十七日、また幼い二歳の子供の命が奪われる事件の報道がありました。亡くなられた子供のご冥福をお祈りしますとともに、子供の命が大人によって奪われることのない社会のために、都民、都庁の皆さんとともに協力して取り組みを進めてまいります。
 さて、私は、これまでも機会のあるごとに社会的養護についての質疑を行ってまいりました。国も二〇一一年に児童福祉施設最低基準の一部改正を行い、職員、看護師や保育士、心理士などの加算、居室面積の基準引き上げや居室定員の上限引き下げなど専門職の充実と、施設の小舎化、小規模ユニットケア化などを打ち出しています。
 そこで、まず伺います。児童養護施設における養育単位の小規模化の現状と小規模化に向けた考え方を改めて確認をさせていただきたいと思います。

○廣瀬事業推進担当部長 都では、個別ケアが必要な児童に対し、本園施設から独立した地域社会で、より家庭的な環境の中で養育をするグループホーム制度を昭和六十年から実施しており、現在、児童養護施設の八一%に当たる四十八施設で実施しております。
 また、施設内に小規模で家庭的な養育環境を整備し、きめ細やかなケアを行う小規模グループケアは、現在、全体の八八%に当たる五十二施設で実施しているところでございます。
 今後とも、できる限り家庭的な雰囲気で子供たちを養育することができるよう、グループホームの設置や小規模グループケアの整備を進めてまいります。

○今村委員 児童養護施設においてもきめ細やかなケアを行うために、小規模で家庭的な運営に向け努力をされていることを確認させていただきました。
 基本的には、親と子供は一緒に暮らすことが望ましく、施設から家庭に復帰をするための支援も大変重要と考えます。社会的養護の必要な子供たちやその家庭にはさまざまな事情があるため、慎重に対応すべき側面もありますが、こうした背景を十分理解した上で、家庭復帰が望ましいケースに対しては、入所中から施設と連携し、子供と家庭を支援していくことが求められます。
 そこで重要な役割を果たすのが児童相談所です。児童相談所が家庭復帰に際し、高い専門性を発揮しながら子供と家庭を支援していくために、どのように対応していくのかを伺います。

○浜少子社会対策部長 児童相談所では、家庭復帰に向けて、児童が施設に入所している段階から施設と連携して保護者や児童の心理状況などを確認しつつ、面会や自宅への短期帰宅、長期帰宅と、段階を追った親子の交流に取り組んでおります。
 来年度は、保護者や児童の心理状況をよりきめ細かく把握し、必要なケアが行えるよう児童心理司を十三名増員するとともに、児童相談センターにおいて、家庭復帰に向けた医師や心理職によるグループカウンセリング等を引き続き実施してまいります。
 児童が家庭に戻った後は、区市町村の子供家庭支援センターなど関係機関と連携して定期的に家庭訪問を行うなど、児童と家庭に対する支援を行っております。
 今後とも、児童相談所は、家庭復帰に向け、施設や区市町村と連携しつつ、専門性を発揮しながら親と子を支援してまいります。

○今村委員 昨年の事務事業質疑でも、虐待対応件数の具体的数値を聞きながら、小規模化、家庭的な環境のさらなる拡充について質疑をし、要望してまいりました。社会的養護の児童がふえるということは、そうなる前の子供たちも確実にいるということになります。
 社会的養護から家庭に戻すためにも、小規模化、家庭的養育を進め、今後もきめ細やかに対応していただきますとともに、社会的養護になる手前での対応も非常に大切であります。まだまだ担い手、優しい手不足ですけれども、現在、議論が進められております児童福祉審議会の答申が出る前でも、都庁横断的な取り組みを進めていただき、また、施設や市区町村とも協力し、担い手、優しい手の確保にも努められるよう要望をしておきます。
 次に、発達障害児者への支援について伺います。
 二〇〇五年四月に発達障害者支援法が施行されてから、はや九年が経過をいたしました。発達障害もまた、できるだけ早期に支援を行うことが重要です。
 文部科学省が二〇一二年に実施した調査によると、普通学級に通う公立小中学校の六・五%に発達障害の可能性があることが公表されています。推計すると、全国の小中学生約六十一万人に上り、都内にも五、六万人ともいわれるかなりの数の発達障害を持つ児童生徒がいると考えられます。このことは、発達障害があるお子さんを身近で支える家族もそれだけ多くいらっしゃるということであり、その苦労を思えば、本人やそのご家族を支援していくことは非常に重要です。
 都は、これまでに、発達障害者支援センターの運営を初め、専門的な人材の育成や、市区町村の取り組みに対する補助を行うなど、発達障害児者に対する支援体制の整備を図っています。
 また、国においても二〇一〇年、当時の障害者自立支援法の一部改正により、発達障害が法の対象となるとともに、二〇一一年には障害者基本法の一部改正により、精神障害に発達障害を含むと明記されるなど、発達障害児者に対する支援体制は制度化されてきています。
 これに伴い、障害福祉サービス、障害者手帳制度など多方面から支援体制が制度的に整備されてきていますが、とりわけ障害が重度であるご本人、ご家族に対しては経済的支援も必要です。
 さて、重度から中軽度の障害児を持つ父母などへの経済的支援の一つに、特別児童扶養手当があります。この手当は、精神の発達が遅滞しているか、精神の障害があるため日常生活に著しい制限を受ける状態にある場合、もしくは身体に重度、中度の障害や長期にわたる安静を必要とする症状があるため日常生活に著しい制限を受ける場合、これらの要件に該当する二十歳未満の児童を監護している父母に対して、一級で月五万五十円、二級で月三万三千三百三十円支給されるものであります。
 この特別児童扶養手当の支給対象として、二〇一一年に発達障害が新たに明示をされましたけれども、どのように明示をされたのか、また、どのように申請をすればよいのかを伺います。

○山岸障害者施策推進部長 特別児童扶養手当の支給については、平成二十三年、二〇一一年でございますが、八月の国通知によりまして、近年の医学的知見を踏まえ、精神の障害に発達障害の障害認定基準が明記されました。
 具体的には、精神障害のうちの一区分でありました知的障害(精神遅滞)が知的障害と発達障害に区分されることになりました。
 認定に際しては、知能指数が高くても、社会行動やコミュニケーション能力の障害により、対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために、日常生活に著しい制限を受けることに着目することとしております。
 申請手続については、申請書に診断書を添付して、窓口である区市町村に申請し、東京都心身障害者福祉センターにおいて、申請時に提出された診断書による障害程度などの要件を審査し、受給資格の認定を行っております。

○今村委員 特別児童扶養手当は、これまでは知的障害という一つの区分だったため、知的障害で愛の手帳を所持している方のうち、一度及び二度、いわゆる最重度、重度の方は児童相談所の証明をもって手当が支給されておりました。
 しかしながら、発達障害がある児童の中には、知能指数が高い、いわゆる知的におくれのない方もいらっしゃいます。このような方々は愛の手帳の対象とならないために、この手当の支給認定が難しかったわけですが、発達障害を別に分けて明示したことによりまして、発達障害の特性に着目して、発達障害のある児童を養育する保護者の方に支給される道が開かれたことは、大変喜ばしいことであります。
 ところで、知的障害では対象にならなくても、発達障害に着目して新たに手当を支給してもらおうと思っても、診断書をどこで書いてもらったらいいのかわからないという保護者もいらっしゃいます。
 そこで、新たに発達障害のある児童の保護者が特別児童扶養手当の支給を申請するため、診断書はどこで作成してもらうのがよいのかを伺います。

○山岸障害者施策推進部長 まず、発達障害の診断については、対象となる児童の詳細なこれまでの成長の把握、社会的適応に係る聞き取りや行動観察等を考慮した専門的かつ総合的な判断が必要であり、一定程度の時間を必要といたします。
 このため、手当の支給という理由で新たな医療機関に診断書の作成を依頼すると、児童に初めて接するために、発達障害に関する診断からやり直すこととなり、時間がかかってしまいます。
 そこで、診断書の作成については、申請する児童をこれまで診断してきた医師に依頼することが適切だと考えております。

○今村委員 この手当の申請窓口は、先ほどの答弁にあったように市区町村でありますけれども、市区町村の窓口では、愛の手帳など知的障害からの申請と混同して、児童相談所を紹介するケースもあると聞きます。
 しかしながら、本来、愛の手帳を判定する児童相談所では、発達障害の診断が簡単にできるとは考えにくいということがありますので、発達障害として特別児童扶養手当を申請する以上、発達障害と診断している医師がいるのですから、その医師に作成してもらうことが適切であるのは、ある意味当然のことであります。
 保護者の方は、福祉サービスはどのようなものがあるのか、また、それを受けるためにはどのようにしたらよいのか、まずは身近な行政機関であります市区町村に相談をいたします。今回のように制度が改正された場合、その窓口となる市区町村に対して、制度の改正の趣旨と必要な対応を十分に周知することが重要であります。この手当は、発達障害のある児童の保護者にとって経済的に大変大きなものがあります。
 しかし、市区町村で対応する窓口の職員も数年たてば異動し、大切なことが引き継がれず、適切なサービスに結びつかないことも想定をされます。
 そこで、特別児童扶養手当に関する問い合わせへの対応の仕方を定期的に周知するなど、市区町村に対し、丁寧な周知を行うことが必要と考えますけれども、都の見解を伺います。

○山岸障害者施策推進部長 発達障害の障害認定基準については、国から通知がなされた段階で速やかに区市町村に周知を行っております。
 保護者からの診断書の作成に関する問い合わせへの対応についても、年度当初の区市町村への説明会で周知を行っておりますが、今後も引き続き、年度当初の説明会で定期的に周知するなど、窓口で適正なご案内ができるよう、区市町村へ丁寧な周知に努めてまいります。

○今村委員 さまざまな制度を利用しながら、障害のあるなしにかかわらず、ともに育ち生活するソーシャルインクルージョンを進めることが大切だと考えます。
 また、今、成人している方でも、発達障害の認定が二十前にされていることが証明されれば、年金支給へもつながります。発達障害の場合には、精神障害の手帳を申請することにちゅうちょされる方もいらっしゃいます。こうした方もいらっしゃることを含め、今後も発達障害に対する必要な支援が市区町村と連携をし、適切に行われるよう要望しておきます。
 最後に、昨日報道のあった、インターネットを通じてベビーシッターを頼んだところ、保育士の資格がないにもかかわらず、引き取りで無資格者が子供を預かり、子供を死亡させるという痛ましい事件がありました。
 東京都は、先ほどの質疑の中にもありましたけれども、こうしたさまざまな、民間も含めて、子供たちの環境をしっかりと支えていく責務を負っているわけでありますけれども、ここで、未来ある子供たちの成長を支える東京都の担当として、福祉保健局長の決意をお伺いして、終わりたいと思います。

○川澄福祉保健局長 子供の安全ということでございますけれども、都はこれまで、保育の実施主体である区市町村とも連携し、保育施設の職員に対して、安全管理に関する指導や研修を実施するとともに、事故等が発生した場合には、速やかに都に報告することを義務づけております。
 また、報告等に基づき、調査が必要と判断した場合には、区市町村とともに速やかに施設に立ち入り、他の保育施設等に対しましても注意喚起を行っているところでございます。
 今般のベビーシッターのケースでございますけれども、インターネットを利用した申し込みというようなことで、法が想定していないということで、現時点では、東京都は指導監督というような権限を有してございません。
 本ケースは、警察も入っておりまして、今後、刑事事件としても捜査が進んでいくと思われますけれども、また国においても事故の検証が行われるものと思われます。
 都といたしましては、今後、国に対しまして必要な措置を講じるよう求めていくとともに、子供の安全の確保につきましては、今後とも万全を尽くしていきたいというふうに思っております。

○栗山委員 私は本会議の一般質問で、待機児童対策として、病院内にある職員向けの保育所、院内保育の定員充足率は七割程度であり、院内保育も含めたいわゆる事業所内保育の積極的な活用について質問をいたしました。昨日の厚生委員会においても、都立病院における地域開放について質問をいたしたところでございます。
 本会議の一般質問に対し、福祉保健局長から、定員の四分の一以上、地域の待機児童を受け入れる事業所内保育施設に対し、区市町村を通じた補助を行うことや、設置費補助の区市町村負担分を全額都負担とすること等により、区市町村と連携し、地域開放を行う事業所内保育施設の設置を一層促進していくというご答弁をいただきました。
 これにより、地域の待機児童を受け入れる事業所がふえることを期待したいと思いますが、一方で、事業所側にとっては、地域の待機児童を受け入れることについては、少しハードルが高いのではないかと危惧しております。
 事業所内保育は、従業員の仕事と家庭の両立を助けることにつながるものであり、特に院内保育においては、不足する看護師など医療従事者の離職防止や再就業を促進するものであります。そのため、仮に定員にあきがあったとしても、従業員の子供をすぐ受け入れられるように、ある程度は受け入れ枠としてとっておきたいのではないかと思います。
 そこで、長期の利用を希望する地域の待機児童をいきなり受け入れるのではなく、もう少し柔軟な運営が可能な一時預かりや、数カ月単位の利用契約で、パートタイム労働者向けの定期利用保育として活用してはどうかと考えております。
 まず、一時預かり事業、定期利用保育の実績についてお伺いいたします。

○浜少子社会対策部長 一時預かり事業の平成二十四年度実績でございますが、二十三区二十六市三町で実施しておりまして、延べ約四十四万一千人が利用しています。
 また、定期利用保育は、九区十二市で実施し、延べ約十四万五千人が利用しています。

○栗山委員 一時預かり、定期利用保育の実績が高いことがわかりました。それだけニーズが高いのだと思います。
 私は、こうしたニーズの高い一時預かり事業や定期利用保育事業が、事業所内保育施設で実施されるべきと考えております。
 実際に、事業所内保育所で一時預かりや定期利用保育を実施しているところはあるのでしょうか。都内における事業所内保育所の数と、その中で一時預かりや定期利用保育を実施しているところの実績をお伺いいたします。

○浜少子社会対策部長 平成二十六年三月一日現在、都内には院内保育施設も含めた事業所内保育施設は三百六十一施設ございます。この中で、一時預かりや定期利用保育を実施している施設はございません。

○栗山委員 事業所内保育施設が三百六十一施設もあり、都内に八千人を超える待機児童がいる中、なぜ事業所内保育施設で一時預かりや定期利用保育が実施されていないのでしょうか。もっと事業所内保育を活用すべきであると考えますが、事業所内保育施設で一時預かりや定期利用保育を実施するに当たり、何か問題があるのではないでしょうか。
 それでは、どのようにすれば、こうしたニーズの高い一時預かりや定期利用保育を事業所内保育で実施することができるのでしょうか。
 まず、事業所内保育施設で一時預かり事業を実施する場合の要件についてお伺いいたします。

○浜少子社会対策部長 事業所内保育施設で一時預かり事業を実施する場合には、専用スペースと専任保育士の確保が実施要件となっております。

○栗山委員 現行の枠組みで実施するには、専用のスペースと保育士が別途必要になるということですね。
 では、次に、東京都がパートタイム利用者等を対象として推進している定期利用保育事業は、事業所内保育施設で実施できますか。実施する場合の要件についてお伺いいたします。

○浜少子社会対策部長 定期利用保育は、専用施設での実施のほか、認可保育所や認証保育所、認定こども園、家庭的保育、一時預かり実施施設の空き定員、空きスペースを活用して実施できることとしております。
 事業所内保育施設で一時預かり事業を実施している場合には、定期利用保育の実施が可能でございます。

○栗山委員 ただいまのご答弁によりますと、現在の要件では、なかなか実施が進みにくい面もあるように思われます。
 しかし、二十七年度から始まる子ども・子育て支援新制度において、保育サービスの利用対象が、保育に欠ける子から、保育を必要とする子になります。保育を必要とする子供の要件として、親がパートタイム労働者である場合なども幅広く認められるようになります。
 これらの方は、短時間利用として保育の必要量の認定を受け、保育サービスを利用できるようになりますが、今でも八千人を超える待機児童がいる中、実際に利用できるサービスの供給が追いつくのか、危惧をしております。
 そこで、私は、都内に四百近くある事業所内保育施設を活用し、まずは空き定員で一時預かりや定期利用保育に取り組むところから始めていただくことも有効かと思いますが、都の所見をお伺いいたします。

○浜少子社会対策部長 お話のように、一時預かり事業や定期利用保育の拡充は必要と考えております。
 このため、事業所内保育施設のより一層の活用も進むよう、今後、一時預かり事業や定期利用保育の実施要件の見直しについても検討してまいります。

○栗山委員 フルタイムだけではなくパートタイムなど、さまざまな働き方がある中で、民間活力も利用し、ぜひとも多様な保育ニーズに応えられるようお願いいたしまして、質問を終わります。

○早坂委員 我が国は、世界史上例のない速さで高齢化が進んでいます。高齢化率、すなわち総人口に対して六十五歳以上の高齢者人口が占める割合ですが、我が国は、一九七〇年に七%を超え、高齢化社会に、そして一九九四年に一四%を超え、高齢社会に、さらに二〇〇七年に二一%を超え、超高齢社会に入りました。今日ではそれが二五%を超え、二〇五〇年には四〇%、二一〇〇年には四六%にまで上昇すると見込まれています。
 人は誰しも高齢者になれば、さまざまな支援が必要になってきます。このうち、肉体的な衰えに対する支援は医療と介護ですが、知的判断の衰えに対する支援は成年後見です。
 高齢化の問題を語る上で、医療と介護の話は頻繁に出てまいりますが、もう一つの柱である成年後見の話をする人はまれであります。
 そこで、制度のおさらいを含め、成年後見に対する東京都の施策について伺います。
 成年後見という制度がスタートしたのは二〇〇〇年ですが、それ以前は禁治産というものでありました。そこで、まず、この両者の違いについて伺います。

○高原生活福祉部長 二〇〇〇年、平成十二年四月から施行されました成年後見制度は、介護保険制度の導入により、福祉サービス利用の方式が行政による措置から契約へ移行することに伴いまして、判断能力が十分でないため、契約等の法律行為における意思決定が困難な人の権利を擁護することを目的に創設されたものでございます。
 ご指摘の禁治産、あるいは準禁治産といった旧制度では、判断能力の低下が軽度の方などが保護の対象となっていなかったことから、成年後見制度では、軽度の認知症の方などを対象とする補助という類型が創設されました。
 また、配偶者がいる方の場合には、後見人等は必ず配偶者に限定されていたものが配偶者以外にも選任できるようになったほか、あらかじめ後見人を選任しておく任意後見制度が創設されるなど、柔軟かつ弾力的な利用しやすい制度に改正されたものでございます。

○早坂委員 生活の実態面を支援する介護保険制度が二〇〇〇年からスタートしました。それまでの福祉サービスは行政による措置でありましたが、このとき導入された介護保険制度は、利用者と事業者による契約という大きな制度変更がなされました。
 契約である以上、当事者には十分な判断能力が要求されます。したがって、認知症高齢者など、契約当事者としての能力が欠如している方には、介護サービスを受けるための契約、すなわち法律行為に支援が必要になります。これが成年後見制度であり、ゆえに、介護保険制度と成年後見制度は、しばしば車の両輪に例えられることがあります。
 さて、知的判断能力の衰えが将来なのか、それとも今現在なのかで、二つの分類がなされます。
 まず、将来の判断能力が不十分になる場合に備えて、誰にどのような支援をしてもらうかをあらかじめ契約によって決めておくのが任意後見です。
 一方で、今現在、判断能力が不十分である場合に、誰にどのような支援をしてもらうかを家庭裁判所が審判で決定するのが法定後見です。法定後見の申し立ては、本人、配偶者、四親等以内の親族、親族がいない場合には区市町村長ができることになっています。
 本人の判断能力に応じて、より手厚い支援から順に、後見、保佐、補助という三段階で法的保護が行われ、代理権、取り消し権、財産管理権などが与えられます。
 この法定後見において、後見人、保佐人、補助人となるためには、何か特別の資格が要るのか、また、実際にはどのような方がその役割を担っているのか伺います。

○高原生活福祉部長 後見人等は、家庭裁判所が後見等の開始の審判をする際、職権で選任されることとなります。
 その際、民法では、未成年者や破産者など、一定の欠格事由は定めておりますが、その他特段、資格要件等についての規定はございません。
 実際の後見人等の選任状況を見ますと、平成二十四年の全国実績では、親族が四八・五%、弁護士、司法書士、社会福祉士が四三・八%と多数を占めておりますが、社会福祉協議会等の法人や、親族、専門職以外の市民等も担い手となっております。

○早坂委員 東京都における成年後見の申し立て数は、二〇〇〇年には年間一千件であったのに対し、二〇一二年には年間五千件を超えるようになっています。
 当然、後見人となる人材が必要となります。こちらは全国の数字になりますが、二〇〇〇年の制度発足当初には、九〇%以上が配偶者、子供、兄弟、姉妹などの親族が後見人に選任されていました。
 しかし、成年後見の社会化という大きな流れがあり、ご答弁にありましたとおり、現在では、親族の後見人は五○%以下となり、かわりに、弁護士、司法書士、社会福祉士という職業後見人が四〇%を超えるようになっています。
 その一方で、職業後見人には、最低でも月額二万円程度の後見報酬を支払うことが必要となるため、身寄りのない低所得者が利用できないという問題が表面化してまいりました。
 そこで、注目されるのが、親族後見人、職業後見人に続く第三のカテゴリーである市民後見人です。その市民後見人とはどのようなものか、また、その養成に係る東京都の取り組みについて伺います。

○高原生活福祉部長 市民後見人に明確な定義はございませんが、都におきましては、社会貢献的、ボランタリーな精神に基づき、後見人の重要な職務を全うするために必要な知識や技量を身につけた上で後見人となっていただく方を、同様の意味で、社会貢献型後見人と称してございます。
 身近に頼りになる親族がおらず経済的余裕もない場合や、地域住民によるきめ細かな見守り等の支援が必要な場合、地域の権利擁護の担い手として活動する、いわゆる市民後見人が果たす役割は重要でございます。
 都では、平成十七年度から成年後見活用あんしん生活創造事業を開始し、区市町村の推薦に基づき、基礎講習を実施するなど、市民後見人の養成を実施いたしまして、平成二十四年度までに四百九十余名が講習を修了しております。

○早坂委員 日本成年後見法学会の定義によれば、市民後見人とは、弁護士や司法書士などの資格は持たないものの、社会貢献への意欲や倫理観の高い一般市民の中から、成年後見に関する一定の知識や技術、態度を身につけた良質の第三者後見人とされています。ざっくりいえば、意識の高い方にボランティアで、身寄りのない低所得者の成年後見人になってもらおうということです。
 後見人に与えられる権限は大きく、課せられる職責は大きいものがあります。このことは、悪意を持った人物の参入で、そこに新たな権利侵害が発生する危険性もはらんでいることを私たちは十分に認識する必要があります。
 全国の家庭裁判所調査官は、後見人の選任のみならず、後見人の監督も行うものとされていますが、申し立て件数に調査官の数が追いついていない現状があるようです。それを正面から認めるものではありませんが、家庭裁判所は、必要があると認めるときには、後見人を監督する成年後見監督人を置くことができるとされています。この必要があると認めるときとは、所有財産が多かったり、あるいは親族間で対立があって、後見人の事務処理に紛争が起きる可能性がある場合のことを指します。
 市民後見人は、親族でもなく、弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職でもありません。ご本人と同じ一生活者としての感覚を大切にして、ご本人やご親族などとの信頼関係を築いていくことが重要だとされています。
 市民後見人を、弁護士や司法書士が足りないから、あるいはボランティアでやってくれるからという消極的な視点からの供給源として捉えるのではなく、本人と同じ地域に住み、この人に助けてほしいと思うような、人間味のあふれた市民こそが後見人に最もふさわしいという積極的な視点からの供給源として捉えるべきとする考えがあります。
 そのためには、市民後見人を今後どうやってふやしていくかと同時に、その市民後見人に対する支援や監督も必要だといえます。
 そこで、改めて、今日までの東京都内における市民後見人の選任件数の推移について伺います。

○高原生活福祉部長 平成十七年度の成年後見活用あんしん生活創造事業の開始以降、市民後見人の選任件数は、本年二月現在の累計で百八十四件となっております。
 年ごとに見ますと、事業開始当初の平成十八年度は一件、十九年度八件から、二十年度には十八件と年々増加し、ここ数年は三十件から四十件で推移しているところでございます。

○早坂委員 二〇一二年に老人福祉法が改正され、成年後見に関する部分も改正されました。その内容と、東京都の今後の取り組みについて伺います。

○高原生活福祉部長 平成二十四年四月の老人福祉法改正では、新たに後見業務等を適正に行うことができる人材の育成及び活用を図ることが区市町村の努力義務となりました。
 都といたしましても、制度の活用促進のためには、申し立ての支援、市民後見人の養成、後見人のサポート等を住民に身近な区市町村が一体的に実施し、地域のニーズに対応した取り組みを総合的に進めることが重要と認識してございます。
 このため、市民後見人の養成につきましては、平成二十六年度から、区市町村において候補者の選考、基礎講習の実施及び選任後の支援までを一貫して実施する体制へ移行することとし、包括補助により区市町村の体制整備を強力に支援してまいります。

○早坂委員 市民後見人の養成と活用が区市町村の努力義務になったとのことであります。東京都は、成年後見活用あんしん生活創造事業で、これを後方支援することになっています。
 冒頭で申し上げたとおり、高齢化への取り組みは待ったなしです。医療、介護の充実とともに、法律行為のサポートである成年後見の充実も極めて大切です。東京都のさらなる支援をお願いいたします。

○野島委員 私は、表題的には福祉インフラ整備に係る土地活用について、こんなことでお伺いをいたしたいと思います。
 ただ、この課題は一局事業じゃないものですから、質疑をして答えられないという部分も結構あると思うんですね。したがって、提案なり要望なりと、こういうこともありますが、そういうことも含めて何点かお伺いしたいと思います。
 実は、平成二十二年の予算特別委員会で、私、未利用の都有地の有効利活用というふうなことで質疑をしているんですよ。質疑録を持ってきたんですが、全部は読みませんが、何をいったかというと、福祉保健局事業が優先権を持つと。いわば行政財産を所管がえしていきますよと。そのとき、ルールとしては当然各局にさらすわけですね。それがなければ当該所在区市町村にさらしたり、そうでなければ普通財産に渡して売却すると、こういうふうなのが一定の部分だったんですが、ぜひ福祉保健局がプライオリティーを持つべきだというふうな提案であります。
 それから、あと一つは、都有地を洗い出しをしていただきたいと。財産の数をふやしてほしいと、そういうふうに使えるような都有地を。これは数の拡大であります。
 それと、やっぱりその洗い出した中から、いわば福祉基盤の整備ということですから、当然、当該区市町村の事業が多くなるわけでありますから、そういういったふうなところとのマッチングに積極的に調整をかけてほしいというふうなことを要望いたしました。
 それで、それなりに、当時の財務局長からご答弁を頂戴いたしております。その結果がどうだったかということは、ぜひ今後、検証していただきたいと思うんです。かなり僕は効果を上げているなというふうには思っております。
 具体的には、手前みその話になっちゃうんですが、清瀬小児病院跡地の問題がありました。これは実は、大変大きな跡地でありますから、とても一局事業ではできぬだろうというふうに思っていまして、いろいろ提案もしてきました。
 結果、福祉保健局は、老朽化した社会福祉施設の建てかえの一時施設として、これを使いましょうと。水道は水道で、水道の事業でつくりましょうと。いわば都の政策目的に従って、地域のいろんな声を聞きながらつくり上げていただいてこうなったというふうに私は理解をいたしております。
 それと、あと一つは、これも東久留米なんですが、ケアハウス、こういったふうなものの非常に要望が強かったんですね。これも実は、今、事業を進行させていただいているわけでありますけども、そんな効果もありますので、ぜひやっていただきたいと思うんです。
 その際に、検証していくときに、実はこのときの答弁が、いろいろな課題、要するに、こういうふうにやっていくことによってそういうふうなことに応えられますよという答弁をいただいているんです。具体的にはさっきの部分で、当時、ちっちゃな規模の土地も出しましょうというふうなことだったんですね。それが実はケアハウスに結びついたと、こういうこともあるんですが、ぜひそういう検証をしてほしいと。その際に、この当時の財務局長答弁の要件、これもあわせて、マトリックスで考えていただきたいなと思っております。
 それから、あと、実は去年の十二月に、東京を世界で一番の都市にということで政策提言をいたしました。(資料を示す)これは私ども夏の東京都議会議員選挙で、これの旗をかけて戦いました。そのときに幾つか柱立てをしたんですが、それをより具体化した具体的な政策の提言ということで取りまとめました。
 福祉保健領域は、厚生政策推進本部、私が本部長をやっておりましたので、当時、ここの委員の皆さんも全員、今ここの政策推進本部に入っていますけれども、そこでいろんな議論をいたしまして、やりました。
 そのときに、実はこれは行政のカテゴリーでいきますと、高齢者や障害者領域なんですね。なぜそこに入っているのかと。福祉、子育てもあるんですけど、なぜここに入ったかという問題意識というのは、実は、さっきいった障害者のグループホームやケアハウス、こういったふうなものの整備がこれから需要が多くなるだろうと。
 一つには、当該者は当然高齢化していきます。それを支えていた両親も、もう高齢化しちゃっているわけですから、ついの住まいをどうするかと、非常に深刻な悩みなんです。そういう背景があり、ただ、そういう部分というのはロットがあんまり大きくないんですよ、地積の、必要数が。あと一つは、こういったふうな事業者は、極めて資金力が弱いというのがあるんですね。
 それと、あと、一番悩ましいのは、用地を手当てして、それから上物整備ですよと、こうなりますね、当然。そうしますと、用地を手当てするときに、資金力の問題もあるんですが、それ以上にそういうふうな施設に対する周囲の理解というのがまだまだ至っていないんですよ。そうすると、用地は買っちゃったはいいが建てられないとか、そういうことでちゅうちょしちゃうんですよ。
 したがって、用地取得の安定性を高めていくために、ぜひそういうふうな部分からやっていただきたいというふうなことで、具体的に申し上げますと、福祉インフラの整備を推進するため、都有地の活用を一層進めることと。それに当たり、都有地のほか、国有地、さらには民間の遊休地等も積極的に利活用できるよう、仮称でありますが、福祉基盤整備型土地バンクを創設するなど、柔軟で多様な制度としていただきたいと、こういう政策提言をしたんですね。
 加えて、先日の本会議において、我が党の吉原幹事長が福祉施設の整備のための土地活用について代表質問を行いました。
 これに対して、知事からは、関係部局による検討チームを設置し、都有地、国有地、民有地の活用について検討していく旨の答弁をいただいたんです。いわば、私は、今回のこのチームというのは、そういう意味では舛添マターだというふうに思っております。
 我が党はこれまでも、都有地の有効利活用について、申し上げたような形で、着実に僕は進めてきているなというふうに自負は持っているんです。
 そこで、今後、このチームはどのような体制で、どういうふうなことを検討していかれるのか、こんなところを最初にお伺いしておきたいと思います。

○中川原総務部長 検討チームでございますが、構成メンバーは、知事本局、財務局、福祉保健局、都市整備局の部長級で構成いたしまして、オブザーバーとして、総務局や公営企業局も参加することとなってございます。
 また、検討事項につきましては、これまでの都有地活用の状況について検証するとともに、今後の土地活用策について、広範に検討することとしております。
 都有地につきましては、現在の活用実態を踏まえ、都営住宅の建てかえにより生ずる土地や、公営企業所管の土地等も含め、活用策の充実について検討してまいります。
 また、国有地につきましては、区市独自の取り組み等も参考に、民有地については、都市づくりの視点もあわせ、具体策を検討してまいります。

○野島委員 広範にわたって、都有地もさることながら全てにわたって、そういう福祉基盤整備型の土地を今までどういうふうにやってきたのか、そして、これからどういうふうにやっていったらいいのかと、こういうことだろうと伺っております。
 かつ、これは所管局が複数にわたるということで、何もこれは福祉保健局事業じゃないんでしょう、共管になっているんでしょう。そういうことだろうと思うので、これからいうことは、そういう意味では、提案なり要望になっちゃうんですが、お許しをいただきたい。大変大きな課題だというふうに思っています。私ども政策提言していますからね。
 そこで、まず、きょうは、所有者別、権利者別の関係で何点か提案なりしてみたいと思います。
 まず、未利用都有地の活用ということ、都が現に持っている土地、これはやっぱり、私が二十二年の予特でいったように、ともかくプライオリティー、これは福祉保健局ですよと、こういうルール化をした方がいいと思いますよ。そういったふうなことが一つ。
 それから、見込まれる土地がありますよね、事業の進捗でここが出るだろうと。それも情報共有して、その俎上に上げて、プライオリティー一番で福祉保健局が検討できるというふうなところをぜひ提案してみたらいかがでしょうかと。
 いわば行政財産の所管がえのときに、そういうルールを明確にしていこうじゃないかということでございます。それは今までの、これの答弁もそういうことでいただいているんですよ。そんなことで、ひとつお願いしたい。
 それから、あと一つは、新たにつくると。何も民有地を買って都有地にするという、こういうことじゃないですよ。あるいは財政規律も無視して補助金を出せよと、こういうことでもないんです。新たに創設する、こういう視点が僕は必要だと思うんですね。
 例えば都住の建てかえの問題があります。これは私の経験則でいうと、地域開発要綱をやっているんですね。地域開発要綱で、地域のいわゆる公益施設は出しましょうよと、こういうことなわけです。規模感にもよりますけれども、これは何もここの団地の建てかえじゃなくて、トータル的に見てどのくらいの需要が発生するかというようなところでやるわけですね。
 そういうことで、その精度をぜひ高めていきたいということであります。ただ、問題は、こういう問題なんですよ。問題というか課題ですね。これは積極的に活用していくときに、都住の建てかえというのは、一団地概念でやっているというところもあるんです、いわば用途地域の関係。その地域の都市マスに合わなきゃいけないんですね、その見直しのときに。したがって、当該市町村がどういう都市計画マスタープランを持っているのか、それで、具体的にはここの用途地域はどうするのか、建蔽はどうするのかと、こういう作業をやっていかなきゃいけない。だから、そういうものの精度を上げていただきたいというふうに思っています。いわば当該市町村との綿密な事前の協議をやっていただきたいというふうに思っております。
 そういう中で出てきても、実は、経験則的にいいますと、なかなか小規模な障害者施設というのは出てこないんです。それはロットが小さいということよりも、対象として、公共事業はありますよ、道路とかなんとか。公益事業なんですね。もちろん、障害者施策も公益事業なんですが、建てかえのときに、どういうことでそういう需要が発生するから、したがって、これは地域開発要綱で確保しましょうという、そういう理屈ですから、基本的に。そうすると、それじゃないところは出てこないんですよ。
 したがって、これは逆にいうと、余剰地を生み出してもらって、それを活用していくよということにしなきゃいけないんですね。
 そんなことでいきますと、例えば失敗例もあるんですよ。清瀬市に、都住の建てかえをやりました。そのときに、建物の住棟の一階をいわゆる地域コミュニティ施設ということで、ここから生み出した。生み出したんですが、そこが障害児の放課後デイ事業に貸し付けちゃった。そしたら、目的外使用だということで大問題になったのがあるんです。
 だから、それを避けるためには、その地域でどうしても必要ならば、一団地概念ということじゃなくして、都市計画マスタープランから生み出して、そういう需要があるから余剰地をつくってくれと、こういうふうにならなきゃいけないと思うんですね。
 したがって、そういう意味では、ただ都営住宅の地域開発要綱がありますよということではなくて、それをベースにしながら、どうしたら余剰地が生み出せるんだろうと、こういう手法も、住宅当局に考えてもらわなきゃいけないと思うんです。
 それから、余剰地を生み出すことでどういう効果があるかというのは、実はたくさんあるんですよ。
 例えば、さっき大山委員が公設公営のお話をしていました、保育園のね。東久留米も、公設公営というのが圧倒的に多かったんです。これは切りかえていかないけぬということで、私が副市長のときには公設民営をやりました。その後、いろいろ経過があって、前の市長のときには、これが頓挫しちゃったんです。共産党さんかどうか、私よくわからない。わからないんだけれども、そういう期待感もあって、公設公営なりということで、たしか共産党は支援したんです。しかし当選してみたら、そんなことはできないということで、離反しちゃった、共産党は。それで、今回の市長選挙では対立候補を立てたと、こういう経過もあるんです、政治的にはね。
 そんなことはどうでもいいんですが、要するにね……(発言する者あり)大事なことなんだ。要するに、例えば公設公営を公設民営にせざるを得ないところもあるんです。これは正直なところ、財産との関係で。URの土地なんかはそういうところがあったのね。それから、民設民営になりますと、これは財政効果が抜群にでかいんですよ。もう、とてもじゃないけれど、補助金の類いじゃないですよ、本当にでかい。これは具体的に検証したら出てくるの。
 だから、そういうことで、都住の余剰地を生み出して、目的的に生み出してもらうと。そのことで、保育所を民設民営、この指とまれでやればいいんですよ。そうすると、さっきいった財政効果が抜群に出てきますから。
 それから先は、処遇改善をどうするんですかということは、さっきいったように、梶原次長がいったように、市町村が判断するんですよ。そういうことで節約できた土地を、じゃ、処遇改善に回しましょうというふうにやらなきゃだめなの。要は、お金をくださいとか補助金出せとか、こんな行政は長続きしないし、それは財政規律という問題もあるし、金のあるうちはいいけれども、金がなくなったらできないんですよ。美濃部都政はその典型ですよ、ばらまいて。だから、そういうことをやっちゃいけないの。
 そういう知恵を使って、自治体がやっていくと……(発言する者あり)いや、俺が説教しているんだからさ。そういうことをちゃんとやっていけば、しっかりした政策ができるわけ、トータル的に。何も地方自治体は保育事業だけやっているんじゃないんだから、総合調整をしなきゃいけないんですよ、財源も。
 そういうことをちゃんとやっていくということを、それぞれ自治体、広域自治体で、基礎自治体ですから、これを命令するとかということはないけど、情報提供して、そういうやり方もおつくりになったらいかがでしょうかというふうなところで、じゃ、そのためには都住の建てかえのときに、一団地概念を最大限に有効に活用しつつ、余剰地を生み出すような都市マスからの導き出しの都市計画をつくると。建蔽率、容積率、こういったふうなことをやっていくことによって、私は大変進んでいくと思うんです。
 それから、あと一つ申し上げます。建てかえをするときに、これはもう保育所の質の格段の向上ができた。
 例えば、当時は住棟の下に保育所を抱えるわけ。そうすると、園庭もそこになるわけですよ。そうすると、保育環境としては、上から物が落ちてくるんじゃないか、下の子供たちうるさいよと、こういうふうなバッティングが出てきちゃうわけですね。
 建てかえのときに、建蔽率を上げて建てかえすれば、こちらの余剰地というか、土地が出てくるんですよ。そこで、質、量的に拡大をしていく、要するに受け入れ措置人数をね。あるいは園庭だってたっぷりになる。共産党が、園庭園庭ってうるさいから、しっかり、そういうふうなこともできるんですよ。これは成功事例がありますから、ぜひそういうことも検証していただきたい。
 いわば、いろんな意味で、例えば今は地べたの話をしました。合築という方法もあります。都住の建てかえは住棟をつくることですから、社会福祉施設を、要綱から出てこないのにつくるわけにいかないんですよ。それは市町村の独自の判断で、建物を建てるときに合築してくださいよと、こういうこともいいわけですよ。あるいは、そのほかに地域包括支援センターも入れましょうとか、そういうふうな知恵を働かせることによって、都住の建てかえを進めていくべきだというふうに僕は思うんです。
 そこで、いろいろ申し上げました。それから、あと一つ、国有地の問題がありました。公営企業会計の関係もあります。
 公営企業会計は、余剰地なんか持っていたら怒られちゃうんですよ。ともかくそんなもの、企業会計からいったらご法度ですから。ただ、これから、空きスペースもあるかもしれない、それは有効利活用すればいいんですよ、大家業で。
 それから、建てかえが来るかもしれない。そのときには、さっきいった地域のところとの合築にするよと。当然そのお金は入ってくるわけですよね。地上権設定にするのか、借地権にするのか、それはいろんな方法があると思う。あるいは所有権の共有にするとか。いろいろあると思うけど、そこに呼び込んで合築するということも可能なわけですね。そんなことも、ぜひやっていただきたい。
 それから、公社の土地、これは結構いろいろできると思います。ただ、問題は、東京都住宅供給公社は、既に、何だったっけな、八王子の方でやっているの、サービスつき特養、そういったのをやっているわけですよね。あれ、僕、やるときに、余計なことするなといったんですよ。考えてみると、行政の先駆的な事業だというふうに僕は納得をいたしました。そんなこともありますから、いろんなことをやっていただいて。
 それから、国有地については、これも国は、やっぱり売るのが第一順位なんです、第一順位。ところが、たしか平成二十二年の六月ですけども、新成長戦略における国有財産の有効活用についてと、こういうことで、保育や介護の分野における活用が進んできているんですね。具体的に申し上げれば、例えば東村山に全生園というのがあります。これは厚労省所管のいわゆるハンセン病の施設であります。この一角を東村山市は利用して、保育園を建てました。
 そのそんなに遠くないところ、これは都有地です。都有地で老人ホームがありました。それの建てかえに伴って余剰地ができました。これも借り上げて保育園を整備しました。そういう事例がたくさんあるから。
 国有地で一番大事なのは、情報の提供なんですよ。これが一番大事。それが市町村までちゃんと伝わっていくよという制度をつくらないとならないなと思うんです。そういったふうなものをぜひ心がけてほしい。
 それから、国有地の中でも、相続税の物納物件、これというのは、意外と規模感からいっても比較的利用しやすい。ただ、問題は、さっきいったような障害者施設は地域の理解が得られるかどうかという、これの怖さがあるんですよ。ただ、運用の仕方によって、僕はこれ一件携わったことがあるんだけど、財務局は売ることが仕事ですから。ただ、それは、じゃ、事業がちゃんと確定するまで、購入は代金支払いを留保するとしてくださいとか、そういうことができると思いますよ。そんなところでやっていきたい、がどうかなと思っております。
 UR、いわゆる都市再生機構というのかな、旧住都公団ね。これは結構、さっきの話じゃないけども、いろいろできると思います。具体例もあります。これは後でお伝えしておきますけど。
 そういうことで、地方の、いわゆる基礎自治体のいろんな保育事業の総量をちゃんと把握をして、その上で国有地の情報提供をしましょうと。あるいは、国有地の情報提供をするから、その上で市町村の事業をかなえてください、こういう情報のルートをしっかりした方がいいと思いますよ。
 それから、物納物件はいいやな。それから、あと、さっきいい忘れちゃったんだけど本当にいい忘れちゃったよ。(「持ち時間、あと五分しかないよ」と呼ぶ者あり)三十分ですから。
 民有地という部分でいくと、木密プロジェクトをやっていますよね。僕、これ、資料もらって、ちょっといろいろ意見交換してみたんですけども、街路単独事業でやれば、これはそんなに出てこない。大体木密というのは小さいから、所有地積が。街路つくるんでも、残地補償なんていったって、そんなばかでかい土地や、あるいはグループホームなんか、それを残地補償で都が手当てするなんてあり得ない。あり得るとすると、一緒にやっちゃおうという地主が出てくるかもしれない。これはやった方がいいと思う。
 それから、面的整備、これが区画整理でやるのか、立体換地でやるのかと、こういうことがあるんだけども、面整備でやる場合にどうかなということはあるわけ。そうすると、事業費に充てるために保留地をつくるわけですよ。保留地の充て先がこういうところにはまっていけばいいと思うんですが、これは地域の生活再編事業だから、なかなかややこしい。だけど、考え方としてはやってみた方がいい。あるいは、権利床というのを立体換地の場合は戻すわけよね。そういうときに、そういうところは、こういうところに、買い主が推測というか、確定していくと、これ、事業計画がすごくやりやすいんです。売却益を事業費に充てるわけだから。そんなところも提案していただきたい。
 いろいろ申し上げました。いうのはただですから、勝手にいろいろいいました。ぜひ、そういうことで今までの提案も含めて、これから福祉保健局でどのように取り組んでいくのか、こんなところをお聞かせください。

○中川原総務部長 都は、地価が高く、土地の確保が厳しい、難しい東京におきまして、都民ニーズに対応した福祉サービス基盤の整備を進めるため、未利用地の都有地を積極的に活用してまいりました。
 また、民有地の活用に際しましても、定期借地契約の一時金につきまして独自の補助を行うなど、支援を行っております。
 共働きの増加や高齢化の急速な進行、障害者の地域移行などに伴い、今後さらなる増加が見込まれる都民の多様な福祉ニーズに見合った福祉サービスを提供していくためには、土地確保に向けた一層の取り組みが必要でございます。
 今回、発足しました検討チームにおきまして、ただいま野島委員から、幅広い観点から、さまざまなご提言、ご指摘も踏まえまして、関係局と連携しながら、都有地、国有地、民有地の活用方策につきまして、可能なものについては年度内での実施も視野に入れ、精力的に検討を進めてまいります。

○野島委員 今いったように、関係局との連携というのが一番大事だと思うんです。と同時に、事業主体の、関係局の中に入るんだけど、福祉保健局の事業というのは、地域の事業が多いわけだから。そういったふうなことで、連携を強めていただきたい。
 僕もきょうは提案も含めてといったんだけど、具体的な答弁というのは難しい、できないですよ、都市整備の話だとか。国との関係は、恐らく知事本が調整に入るんじゃないですか。だから、私どももこれから各委員会で、ことしの事務事業質疑もありますから、そこに向けてもっともっと具体的な提案をしていきます。
 そのためにワーキンググループをつくっていきたいと思うんです。私どもは、ただただ旗を上げるんじゃなくて、それを、行政の実情、現状がどうなのか。それで可能なのか。可能でないとするならば、どういう方策をとるのか。それも、国、地方、さっき財政規律の話もあったけど、そういうしっかりした提案をしていきますから、これから都市整備局、財務局、あるいは知事本局、それぞれの事務事業質疑でしっかり提案もしていきたいというふうに思っております。
 そこで、さっき申し上げましたように、いうのは楽なんだ。やる方は大変ですよ、人手も金もかかると。だから、ぜひ、これはもう執行マターだから、人事とか組織立てというのは。じゃ、どのくらいの管理スパンにするとか、それはいろいろありますよ。ぜひ、福祉保健局に専管のところをつくった方がいい。それがどういうしつらえなのか、それは私はいいません。要は、人手と知恵と、金もかかります。だから、そういうものをやっていったらどうなのかと。
 と同時に、今は供給側の話をしました。需要側がどうなんですかと。需要がないのにやっちゃったら供給過剰なんですよ。それこそ余計な金使っちゃうわけですね。
 したがって、それぞれについては、ぜひ、私がいろいろ聞いた範囲では、少子、高齢、障害とも、二十七年から新たな法定計画をつくらなきゃいけぬということで、平成二十六年度内に改定作業を進めると伺っております。
 少子について、高齢について、障害について、それぞれ行政計画を持たなきゃいけないんですね。これは三年とかなんとかということになります。
 それで、そういう場合に、当然、地域の福祉需要というのはどういうふうに捉えるのか。高齢、少子あるいは障害者、じゃ、それに対してどの施設をやっていかなきゃいけないのか。あわせて、実施計画を市町村がつくりますから、多分。その中では、財源担保もしなきゃいけないんです。だから、そういう精度の高い策定計画を市町村につくってもらうというのも、大変大事なことだと思いますよ。
 それで、需要側と供給側がやっていくよと。それで、そういう情報をぜひ一つのものにしていくことによって、私は、冒頭提言を申し上げました福祉基盤整備型土地バンク、こういったふうなものが視野に入ってくるんではないかなと思っているんです。スケジュール感としては三年先ぐらい。
 ここで大事なのは、今回の土地の有効利活用は、知事もいっていたように福祉インフラの整備なんですよ。だから、土地バンクの事業主管局は、福祉保健局に置くべきなんです。これは、今の東京都の行政体の中の財務とか、難しい点がいろいろある。だけど、これを突破していくことによって、極めて有効的な土地バンクができるというふうに思っていますから、そんな思いで取り組んでいただきたいと思っていますが、局長の答弁がもしあるんであれば、答弁しておいていただければありがたいと思います。

○川澄福祉保健局長 土地の有効活用につきましては、知事からは、早い段階からいろいろ指示を受けておりますし、我々もいろいろお話をさせていただきました。
 今回は、いろいろな局が集まって、あらゆる視点から可能性を探っていくというところが、やはり大きなところなのかなというふうに思っておりまして、我々としましては、先ほどいろいろなご提言がございましたけれども、需要側の区市町村、そことやっぱりしっかりと連携してやっていくというのが一番大事だと思っていますので、我々としてもしっかりやってまいります。

○まつば委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び請願に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時五十二分散会

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