委員長 | まつば多美子君 |
副委員長 | 塩村あやか君 |
副委員長 | 早坂 義弘君 |
理事 | 遠藤 守君 |
理事 | 和泉 武彦君 |
理事 | 山加 朱美君 |
山内 晃君 | |
栗山よしじ君 | |
田中 健君 | |
和泉なおみ君 | |
今村 るか君 | |
ともとし春久君 | |
野島 善司君 | |
大山とも子君 |
欠席委員 なし
出席説明員病院経営本部 | 本部長 | 醍醐 勇司君 |
経営企画部長 | 和賀井克夫君 | |
サービス推進部長 | 中野 透君 | |
経営戦略担当部長 | 野瀬 達昭君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
病院経営本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 病院経営本部所管分
・第十七号議案 平成二十六年度東京都病院会計予算
○まつば委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○まつば委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○まつば委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
平成二十六年度予算は、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十六年三月十四日
東京都議会議長 吉野 利明
厚生委員長 まつば多美子殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十日(木)午後五時
(別紙1)
厚生委員会
第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中 歳出 債務負担行為 厚生委員会所管分
第五号議案 平成二十六年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
第六号議案 平成二十六年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第十七号議案 平成二十六年度東京都病院会計予算
第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中 歳出 厚生委員会所管分
(別紙2省略)
○まつば委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の予算の調査を行います。
これより病院経営本部関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、病院経営本部所管分及び第十七号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○和賀井経営企画部長 去る二月二十五日の本委員会で要求のございました資料につきまして、お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料に基づきご説明申し上げます。
資料は、目次にございますように、十項目でございます。
恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、都立病院及び公社病院における医師の診療科別定数及び現員(平成二十六年二月一日現在)でございます。
(1)は都立病院、次ページの(2)は公社病院における医師の診療科別定数及び現員を記載しております。
三ページをごらんください。2、都立病院及び公社病院における職種別職員定数及び現員(平成二十六年二月一日現在)でございます。
(1)は都立病院、(2)は公社病院における職種別職員定数及び現員を記載しております。
四ページをお開き願います。3、都立病院及び公社病院における看護要員の採用、退職者数の推移でございます。
(1)は都立病院、(2)は公社病院における看護要員の採用者数及び四月一日から三月三十日までの退職者数と、三月三十一日の退職者数について、平成二十年度から平成二十四年度までの推移を記載しております。
五ページをごらんください。4、都立病院及び公社病院における研修医受け入れ状況でございます。
(1)は初期臨床研修医について、次ページの(2)は後期臨床研修医について、それぞれ平成二十四年度及び平成二十五年度の定数を病院別に記載しております。
七ページをごらんください。5、都立病院におけるPFI事業にかかわる経費の推移でございます。
平成二十二年度から平成二十六年度までのPFI事業にかかわる経費の推移を各事業別に記載しております。
八ページをお開き願います。6、一般会計繰入金の推移(施設整備関連経費以外・病院別)でございます。
一般会計繰入金のうち、施設整備関連経費以外の経費について、平成二十二年度から平成二十六年度までの推移を病院別に記載しております。
九ページをごらんください。7、一般会計繰入金の推移(施設整備関連経費)でございます。
一般会計繰入金と、このうち施設整備関連経費について、平成二十二年度から平成二十六年度までの推移を記載しております。
一〇ページをお開き願います。8、都立病院における経営指標の推移でございます。
平成二十二年度から平成二十六年度までの都立病院における経営指標の推移を、入院、外来別に記載しております。
一一ページをごらんください。各公社病院における経営指標の推移でございます。
平成二十年度から平成二十四年度までの各公社病院における経営指標の推移を、入院、外来別に記載しております。
一二ページをお開き願います。10、各公社病院に対する運営費補助金の推移でございます。
平成二十二年度から平成二十六年度までの各公社病院に対する運営費補助金の推移を記載しております。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○まつば委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○栗山委員 まず、都立病院における院内保育についてお伺いしたいと思います。
子育て支援について、希望しても保育所に入ることができない、いわゆる待機児童の問題が今、喫緊の課題となっています。
平成二十五年七月に福祉保健局が発表した、平成二十五年四月一日現在の保育サービス利用状況等のまとめによりますと、都内の保育所待機児童数は八千百十七人で、前年よりも八百六十人増加しています。また、保育所入所申込率も年々増加の一途をたどっており、平成二十五年は就学前児童人口の三四・六%と、前年よりも一・三ポイントの増となっています。
こうした状況に対し、都としても区市町村と連携し、さまざまな保育サービスが提供できるよう、取り組みを強力に推進していく必要があります。
私は、さきの第一回定例会本会議の一般質問において、都内の病院内にある職員向けの保育所について、区市町村と連携し、事業者以外の児童も受け入れるようにすべきと考え、都の見解をお伺いいたしました。
福祉保健局長からは、都はこれまでも、事業所内保育施設整備促進のため、独自基準の設定や施設整備等の補助を実施してきたが、今年度からは、子ども・子育て支援新制度において、定員の四分の一以上、地域の待機児童を受け入れる事業所内保育施設に対する補助を区市町村を通じた補助に変更し、区市町村と連携しながら設置を促進している、さらに来年度は、設置費補助の区市町村負担分を都が全額負担することにより、地域開放を行う事業所内保育施設の設置を一層促進していくとの答弁がありました。
待機児童の解消に向けて、都として政策的に取り組んでいくべきことは幾つかありますが、都立病院としても、制度上可能な範囲で連携することが望ましいと考えております。都立病院では、六病院に院内保育室が設置されていますが、最大定員百五十六人に対し、利用人数は平成二十五年十一月現在で百二十一名と、定員に達している状況ではありません。
そこでお伺いいたしますが、都立病院の院内保育室の利用状況について、数字だけを見ると定員にはまだ多少余裕があるように見受けられますが、実態としてはいかがでしょうか。
○和賀井経営企画部長 産休、育休明けの医師、看護師等がスムーズに復職できるようにするために、年間を通じて随時、児童を受け入れられるよう最大定員を設定しております。
利用実態につきましては、例年、年度途中の復職者が新たに院内保育室を希望し、年度の後半にかけて利用人数が増加する傾向にありますため、ある程度余裕を持って定員を設定しているものでございます。
○栗山委員 待機児童対策の一環として、まず都立病院の院内保育室において、職員の利用状況を見ながら、職員以外の地域の児童を受け入れることを、まず率先してすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○和賀井経営企画部長 条例におきまして、都立病院は都民に対し医療を提供し、医療の向上に寄与することを目的に設置すると規定されております。都立病院で地域の子供を受け入れる保育事業を実施するとなりますと、この本来の事業目的であります病院事業とは別に、新たに保育を事業目的として掲げ、都立の保育所を運営することになります。
一方で、保育事業の実施は、児童福祉法第二十四条で区市町村事業と規定されております。院内保育室は、病院職員のみを対象としました福利厚生施設として設置、運営している、いわゆる認可外保育施設ではございますが、地域の児童を受け入れるとなると、区市町村事業であります保育事業との関係を含め、十分な調整、整理が必要でございます。
都立病院が、みずから主体となって保育事業を実施する、つまり都立保育所を設置するということになれば、都立病院だけで検討すべき問題ではなく、法的な整備や都と区市町村の役割分担等の観点から、事業の位置づけについて都全体での十分な議論が必要であると考えております。
○栗山委員 都立病院の院内保育室への地域の児童受け入れには、現状では制度上の課題があるということは理解いたしました。
今後も、ぜひとも課題解決に向けて努力していただきたいと思います。
続きまして、都立病院の病後児保育についてお尋ねします。
働きながら子育てをしている保護者にとって、子供が病気のときの対応は特に不安や困難を感じるものです。
平成二十四年度に福祉保健局が行った東京都福祉保健基礎調査、東京の子供と家庭によれば、子供を預けていて不満に思うことで最も多いのは、子供が病気のときに利用できないで、回答者の三分の一が不満であると答えています。
こうした保護者に対する支援策の一つとして、保育所に通所中の児童等が病気の回復期にあって、集団保育の困難な時期などに一時預かりを行う病後児保育があります。
都では、福祉保健局所管の東京都病児・病後児保育事業により、区市町村が主体となって、医療機関や保育所等の併設施設、あるいは専用施設で病児、病後児保育所を実施しています。平成二十六年一月一日現在の都内における病児、病後児保育実施施設数は百十八カ所となっていますが、地域により実施状況に差があるのが現状です。
子供は家庭で育て、保護者が子育てについては第一義的に責任を有するものでありますから、病児については、そもそも家庭の中で看護すべきもので考えています。
また、現実的に、病児保育は体調不良の子供を保育施設まで連れていく必要があるため、実際には利用が難しい場合も多いかもしれません。
一方、病後児保育は、病気は回復しているものの、ほかの児童への感染防止等の理由で、保育所に預けることができない期間に対応するための施設であり、保護者の負担軽減に大変有用であると考えます。
しかし、都内ではまだまだ不足しており、いつでも、誰でも利用できる状況ではありません。
都立病院の院内保育室に、地域の児童を受け入れるには難しい課題があるとのことでしたが、例えば都立病院の職員にとっても、病後児保育を利用できれば、より仕事と育児の両立がしやすい環境になるのではないでしょうか。
しかしながら、私が調べたところでは、現在、都立病院では病後児保育室は実施されていないようです。
とりわけ、交代制勤務に従事しながら育児をしている医師、看護師等にとって、子供が病気になっても回復期に院内保育室に預けることができれば、安心して仕事に専念することができます。また、病院にとっても、勤務の調整など業務への影響を減らすことにつながるなど利点が多いと考えます。
そこでお尋ねします。都立病院が率先し、院内保育室の定員の余裕分を活用するなどして、まずは職員向けに病後児保育を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○和賀井経営企画部長 委員ご指摘のとおり、子供を持つ医師、看護師等が安心して医療に専念できるような環境を整備し、有用な人材を確保していくためには、病気の回復期に院内保育室を活用できる制度も検討していく必要がございます。
つきましては、まずは院内保育室での病後児保育実施に関して、職員のニーズを確認したいと考えております。その上で、既存の院内保育室を活用し、新たに病後児保育を実施する場合は、他の児童等への感染防止のための安静室の整備等、施設の改修ですとか、専任の看護師配置など、一定の対応が必要となりますため、各施設の状況等を踏まえまして検討してまいります。
○栗山委員 ただいま、都立病院の院内保育室での病後児保育実施について、職員のニーズの確認や施設の状況等を踏まえて検討していくとの答弁がありました。
知事は、四年間で待機児童ゼロを目指すとしています。また、都有地の有効活用も掲げています。
都立病院が、直接、保育事業を実施することは制度上難しいと理解しましたが、病院運営に支障のない範囲で、例えば病院の施設や土地の一部を提供し、地元の区市に病後児保育施設を設置、運営してもらい、地域住民と協働で利用するといった方策も考えられるのではないかと思います。
今後、都立病院を活用した病後児保育実施に向けて、福祉保健局及び区市町村とも連携し、実現可能な方策を検討していただくことを要望して、私の質疑を終わります。
○ともとし委員 二十六年の第一回定例会、予算議会になっているわけですが、それを踏まえて質問をさせていただきたいというふうに思います。
ましてや、新しい知事を迎えての定例会でございますので、知事の意向を受けたところの、さまざまなそういったこともあるのかなと。
病院経営本部としても、何らかのそういうものがあるのかなというふうに思っておるわけですが、主な取り組みとして、医療の質の向上と良質な患者サービスの提供、医療を担う人材の育成と資質の向上、あるいは危機管理体制の強化です。もう一点は経営力の強化と、四つを、大きな病院経営本部としての一つの命題として出されてきていると思うんですが、これは新しい知事を迎える前の状況のときも同様なものであったかなと思うんですが、その後、新しい知事ができて、それらを受けて一定の日数がたってきたわけですけれども、醍醐本部長も当然、知事との懇談等があったかと思うんです。
そうした中を踏まえながら、この二十六年度、どのような病院経営本部としての特徴のある経営をされようとしているのか、その辺をまずお聞きしたいと思います。
○醍醐病院経営本部長 舛添知事でございますが、立候補の際の公約ですとか、それから就任以降も、安心と希望の医療の確保といったものを掲げまして、高齢社会に対応した救急医療体制の整備ですとか、在宅療養の推進などの医療課題に全力で取り組んでいくというふうにおっしゃっております。
こうした医療課題というのは、今、ともとし先生からもお話が出ました、都立病院改革推進プラン等で、現在、都立病院においていろいろな取り組みがなされているところでございますが、その中で、次世代の医療環境に対応した救急医療機能の強化ですとか、患者サービスの向上などの、知事のいっている事業内容、その他と軌をまさに一にするものでございまして、これまで、もう十年以上たちますけれども、取り組んでまいりました都立病院改革の理念にも一致をしているというふうに私は考えております。
こうした考え方に基づきまして、平成二十六年度予算の中でも、やはり墨東病院の救急部門の拡充ですとか、それから小児総合医療センターにERの病棟を設置するなど、救急医療の強化を図る予定でございます。
また、加えて今後は、医療と介護の連携が必要でございまして、都立病院は、区市町村が主体となって実施をしている地域包括ケアシステムとの結びつきが当然重要というふうに考えておりますので、この間、いろいろご議論もいただいております、全ての都立病院また公社病院に患者支援センターも設置してまいりたいというふうに考えているところでございます。そのための予算も今回計上しております。
それから、引き続き、都民に安全・安心な医療を提供するために、私ども病院経営本部、都立で八つの病院を持っております。
それから、公社病院におきましても、都立病院改革推進プランに準じまして、公社活性化プランⅢといったものを出しておりますけれども、公社病院は六つの病院がございます。八つの都立病院と六つの公社病院がそれぞれの力を十分に発揮いたしまして、職員一丸となって、舛添知事の指揮のもと、全力で医療課題に取り組んでまいりたいと、このように考える次第でございます。
○ともとし委員 今、本部長の方から、二十六年度におけるさまざまな角度からの予算を伴った形のご提案等も聞かせていただきましたし、同時に決意も聞かせていただきました。
一千三百万都民の生命、あるいはまた、昼間人口にすれば一千五百万とも一千六百万ともいわれる方たちの命にかかわるような、そうした救急医療について、今、本部長も触れましたので、若干お伺いしたいというふうに思うんですが、一つには、いつでも、どこでも、誰でも受けられると、こういう医療体制というのは非常に大事かというふうに思います。
また、都立についても、いろんな計画の中では初期、二次、三次という分け方もしながら、救急医療体制をつくられているというふうには既にお伺いをしているところですが、これだけ膨大な夜間、昼間の人口がいる中で、救急については、まさに全国一大変な状況があるんではないかなというふうに思うんですが、そうした救急患者が発生した場合の都立並びに公社病院の救急医療体制についてお伺いをしておきたいと思います。
○野瀬経営戦略担当部長 まず、都立病院、公社病院における救急の実績から申し上げますと、二十四年度の実績でございますけれども、都立病院の一日当たりの救急患者数は四百七十五人、そのうち救急車による搬送受け入れ患者は九十五人となっております。
それから、先ほど本部長の方から公社にも触れましたので、公社病院についても申し上げますと、一日当たりの救急患者数は二百三十九人、そのうち救急車による搬送受け入れ患者は五十人となっております。
あらゆる疾患に迅速な対応が必要な救急医療では、受け入れ要請の際に、該当する疾患を担当する医師が手術中であったり、あるいは診療に当たる専門医がいないなどの状況もあり、限られた医療資源の中で常に病院が全ての救急要請に応えることは難しい状況にございます。
このことから、救急車の受け入れ要請に対して実際に受け入れ割合を示す応需率でございますが、都立病院が約七〇%、公社病院が約六一%となっております。
こうした中ではございますが、墨東病院は救急車による搬送受け入れ患者数が都内第二位でございまして、高度な医療が要求される三次救急患者の受け入れ患者数に限りますと、都内第一位となっております。
さらに、小児総合医療センターでは、重症、重篤な子供の救命救急の受け入れ患者数は都内の約三割を担っておりまして、都内における救急医療の重要な役割を担っております。
○ともとし委員 都立病院、公社病院が重要な役割を担っていると、公社病院と都立病院を合わせると、まさに一カ月に四千五百人前後の大変な患者数を扱っていることになるかと思うんです。
恐らくドクターというかお医者さんも大変だと思いますし、看護師さんも大変だと思います。なおかつ二十四時間ですから、夜中も当然そういうことがあるのかなというふうに思いますけど、最近何だかわかりませんけれど、労働基準監督署の方から夜中の取り扱いについていかがなものかというようなお話等もあるやに聞いていますけれど、しかしながら、もし都立病院、公社病院の中で、それらの扱いについて、それこそ独特な給与体系というか、そういう方向性でやっていたり何かすれば、それは即、東京都にあるところの中堅の救急病院全てにかかわるような問題になってくるかというふうに思いますので、慎重に扱っていただきたいなという思いがするわけですが、追及するのは私はいたしません。よろしくお願いしたいと思います。
実績についてはよくわかりました。同時にまた、都立また公社の救急医療は重要な立場にあるということもよくわかりました。
それだけ期待が大きいわけですので、実際に要請してきている数というのは、これは受け入れ体制が四千五百人ぐらいになったんですけれど、実際にはそれのパーセンテージはもっと高いものが、救急車等から要請があってくるんではないかなというふうに思うんですね。
そういう面について、一人でも多くの方を受け入れていただきたいという思いもするわけですが、これは救急医療体制の機能を強化していく、そういうような状況にならないと、なかなかできないのかなと思いますが、今後はどのような体制で行われるのか、お伺いしたいと思います。
○野瀬経営戦略担当部長 これまで都立病院では、救急搬送患者の受け入れ強化のため、三次救急を担う広尾病院、墨東病院、多摩小児総合医療センターに東京ERを設置、運営してまいりました。
また、都立、公社病院とも、東京医師アカデミーの運営による医師の育成や、さまざまな看護師確保策を実施することで、救急医療に必要な人材を確保してまいりました。
今後、都立病院では、平成二十六年度完成予定の墨東病院の新館建築工事により、ERを含めた救命救急センターを一新するなどの取り組みを行うとともに、公社病院では、老朽化した東部地域病院及び多摩北部医療センターの救急部門を含めた大規模改修を行ってまいります。
これらの救急医療体制の強化策により、今後の救急搬送患者の増加、特に高齢化による合併症を有する患者や重症の患者の増加に対応してまいります。
○ともとし委員 よろしくお願いしたいと思います。
先ほど、本部長のお話の中にも、患者サービスについてのお話等もありました。毎日毎日、都立病院、公社病院にいらっしゃる患者さんは、これはまた物すごい膨大な患者数に上るのかなと思うんです。
私もいろんな都立病院、あるいは公社病院の方にも行かせていただくんですが、とにかく待合室に人の多いこと。聞くと、もう一時間待っています、二時間待っています、三時間待っていますという人が結構いらっしゃるんですよ。
そういう中で、先ほどの本部長のお話にも、患者サービスについてしっかりやりたい旨のお話もあったかというふうに思うんですが、これは本当に大きな課題だというふうに思っていますし、病院経営本部の中の患者サービス部、あるいはサービス課長が一生懸命やっているのも我々は肌身で感じています。もう電話しても電話が通じないぐらい、とにかくあらゆる人からいろんな要請を受けて、電話でいろいろ手配されているという状況を見たり聞いたりしたりするだけでも、患者サービスというのを大変な思いの中でやられているんじゃないかなというふうに思うんですね。
しかしながら、この待ち時間、数時間というところは、これぐらいもったいない時間はないんですよ。この時間を何らかの形で、しっかりした対応をしていくことが大事かなというふうに思うんですね。
また、そうすることによって、確かに痛いとか苦しいとかいろんな思いをして病院には来ているんでしょうけれど、待ち時間の中、余計それを思っちゃいますから。痛いとか、自分自身の病気のことを中心にして、それこそ大変な思いをするので、待ち時間の軽減というか、それは患者さんの痛みの軽減にもつながるし、苦しい思いの軽減にもつながってくるんじゃないかなと、そんな思いもするんですね。
先日、テレビ等を見ていましたら、待ち時間対策ということで、いろんなところでいろんな対策を練っているというのも報道等で見させていただきました。
あるところでは健康セミナーをやってみたり、科によっては高齢者が非常に多い待合室というのがあるわけです。そういう人たちに対しては、それこそ詐欺まがいの、そういったことに関して警察の人が来たり、あるいは病院関係者が来たりなんかして、要するにそういう病院以外のことでも、そういったところで、こういったことには注意した方がいいですよというようなお話をしている、そういう状況もありました。
待ち時間というのは、ただ座っているだけですから、そういったものを見ながら、自分の身に当てはめながら、いろいろ考えている状況の感想等も聞かせていただいているわけですが、この病院の待ち時間、特にこれは大病院になればなるほど時間が長いんです。都立病院や公社病院、本当に状況からいって、非常にこれが大きいものがあるんですね。
そういう意味で、都立病院、あるいは公社病院の待ち時間を有効に利用するというか、使えるような工夫についてお伺いしたいと思います。
○中野サービス推進部長 これまで都立病院は、電子カルテシステムの導入や医療クラークの配置などにより、診療を円滑に行うことによりまして、待ち時間の短縮に努めてまいりました。
また、待ち時間を有効に活用していただくため、患者呼び出し装置を導入するなどの取り組みを進めてまいりました。
委員ご指摘のような、患者さん向けの活動といたしましては、多摩総合医療センターにおける糖尿病講習会や、駒込病院における患者サロンなど、患者さんが気軽に立ち寄ることのできる講座、イベントなどを行っているところでございます。
これらの病院では、患者呼び出し装置の導入などで、待ち時間においても患者さんが参加しやすい工夫をしているところでございます。
待ち時間につきましては、さらに短縮に向けた努力を重ねてまいりますが、今後、患者、家族の待ち時間を有効に活用できる、こうした取り組みを充実させてまいります。また、墨東病院に患者誘導用のモニターを増設するなど、設備の整備も進めてまいります。
○ともとし委員 ありがとうございました。患者本位でいろいろ考えていただくことが大事かなというふうに思います。
二十六年度、病院経営本部、これからもさまざまな角度でいろいろ手は打っていくとは思いますが、どうか安心できる、そういう体制を敷いていただきたいというふうに思います。
今、患者サービスについて、特に病院等の待ち時間についてお話をさせていただきました。また、答弁もいただきました。本当にそういう意味では、できるだけ短く、そうしていくのが大事だなと思っています。
議会においても、質問も答弁も短くすることが大事だなと思っていますので、私は以上にしたいと思います。
○和泉(な)委員 質問もお答えも短くということですが、ご要望にお応えできるかどうかわかりませんが、まず、子供の甲状腺がんの医師不足について伺いたいと思います。
福島では、三十三人の子供が甲状腺がんを発症しています。子供の甲状腺がんの診療ができる医師の不足もいわれています。
私は、この問題で、事務事業質疑でも一般質問でも取り上げましたけれども、東京の子供たちの放射能による健康被害、本当に心配しているんです。ただでさえ不足している小児科医の中で、甲状腺がんを診察できる医師をふやそうというよりも、小児の甲状腺がんが診られる、診察できる内科医をふやすことが今、一番早く体制を整えられる方法だというふうに指摘している医師もいます。
そこで、都立病院での甲状腺がん治療の体制について伺います。(野瀬経営戦略担当部長発言を求む)ごめんなさい、まだ終わっていません。都立病院における甲状腺がんの実績はどうなっていますか。また、小児の甲状腺がんの患者さんはいますでしょうか。お願いいたします。
○野瀬経営戦略担当部長 平成二十四年度の都立病院における甲状腺がんの入院患者実績でございますが、百八十人でございました。病院別では、駒込病院が最も多く百十一人、次いで、多摩総合医療センターが四十五人、墨東病院が十六人、大塚病院が八人となっております。
そのうち、多摩総合医療センターの一人が小児患者でありました。
○和泉(な)委員 確かに、ほかのがんに比べると、大人の症例でさえ少ないという状況ですけれども、実際に小児の甲状腺がんの症例も一件あります。
都立病院における甲状腺がんの診療体制はどのようになっているんでしょうか。
○野瀬経営戦略担当部長 五つの都立総合病院で、耳鼻咽喉科、外科などに二十九名の甲状腺がんを診療できる医師が在籍し、診療が可能となっております。
また、甲状腺がんの診療には、甲状腺細胞診検査や甲状腺エコー検査、CT、MRIなどを実施する必要がございますが、全ての総合病院で対応が可能でございます。
○和泉(な)委員 多摩総合医療センターでは、甲状腺がんの患者実績に小児患者が一名含まれているということですけれども、この小児の患者さんへは、どのように対応したんでしょうか。診察できる小児科医というのはいるんでしょうか。
○野瀬経営戦略担当部長 小児の甲状腺がんは症例が少ないため、甲状腺がんを診療できる小児科医は全国的にも少数であります。
小児総合医療センターには医師はおりません。該当の患者は小児総合医療センターから紹介を受け、多摩総合医療センターで手術を行い、手術後は両病院で連携をとりつつ、小児総合医療センターにおいて経過観察を行っております。
このように、小児患者に対しても、小児科と耳鼻咽喉科、外科など関係する診療科が連携をとりながら対応しております。
○和泉(な)委員 年に一件、二件という状況でしたら、そのような対応で済むと思います。
しかし、原発事故との因果関係を別にしたとしても、今まで潜在化していた小児の甲状腺がんが表面化してくる、今後、症例がふえてくる、そういう可能性は十分あり得ることだと思うんです。
葛飾で、区にも働きかけ、対策を求めてきたお母さんたちは、親として子供を守りたい一心で三年間、行政に求め続けてきたし、自分たちでできることは精いっぱいやってきた。未来を担う子供たちのことなのに、行政はなぜ起こっている現実と正面から向き合ってくれないんでしょうかと、日々成長していく子供たちを前にして、親としての無力感を感じて、自分を責めてさえいるんです。
母親として子供を守りたいと思う、この当たり前のことに都は応えるべきだと思います。小児甲状腺がんの研究を進めることも必要ですし、各診療科が連携して体制を構築していくことも必要だと思います。
それだけでなく、医師アカデミーの中に小児の甲状腺がんの研修を組み入れて、小児科医、内科医などの育成をするよう強く要望しておきます。
続いて、都立病院における医師の勤務体制について伺います。
医師、看護師などの夜間勤務が、宿日直として労働基準法による労働時間から除外される、そのためには一定の基準を満たしている必要があります。
通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること、夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外に、病院ですから病院の定時巡回や異常事態の報告、少数の要注意患者の定時検脈や検温等、特殊の措置を必要としない軽度の、あるいは短時間の業務に限ること、夜間に十分睡眠が取り得ることというふうになっています。
この基準に適合しない場合には、宿日直とは認められず、許可されず、勤務、つまり労働時間に参入しなければいけません。都立病院においても、この基準に従って勤務体制が組まれる必要があります。
昨年、墨東病院では、この宿日直に関して労働基準監督署から指摘を受けたと聞いていますが、事実ですか。事実であれば、どのような内容でしょうか。
○和賀井経営企画部長 平成二十五年三月八日に、向島労働基準監督署より是正勧告及び指導を受けております。
具体的な内容は、断続的な宿直または日直勤務許可を受けていないにもかかわらず、宿日直勤務に従事させていること、時間外労働に関する協定届に定める範囲を超えて、法定時間外労働を行わせていたことなどでございます。
○和泉(な)委員 つまり、宿日直の許可を受けなければ労働時間から除外されませんから、その時間の賃金支払い義務がある。そして、労働時間としてカウントしなければならない。その結果、時間外労働に関する協定で届け出ている時間外労働の限度を超えてしまうという指摘を受けたわけです。
それらの指摘事項に対して、どのような対策をとり、どのように改善がなされたんでしょうか、伺います。
○和賀井経営企画部長 一部診療科の宿日直系列に関しましては、五月三十日に向島労働基準監督署に許可申請を行い、その後、労働基準監督署の調査を経て、七月十二日に許可を受けております。
その他に関しましては、平成二十六年度予算及び職員定数におきまして、是正勧告を踏まえた必要数を計上しております。
○和泉(な)委員 ERや救急救命センター、これは本当に重要だと思います。
ただ、これを運営していれば、実際には夜通し、患者さんの受け入れ体制を整えて待機している状態ですから、とても宿日直の基準に合致するような勤務じゃありません。その意味でも必要な規模を確保して、深夜帯の勤務扱いの体制をとりながら、宿日直は宿日直の条件をきちんとクリアすることは重要だと思います。
都立病院は、墨東病院のほかに広尾病院、多摩総合医療センターも、ERや救命救急センターを運営しています。
これらの病院では、どのような状態になっているでしょうか。実態を把握しているんでしょうか、伺います。
○和賀井経営企画部長 ER実施病院の勤務形態につきましては、日勤の後、準夜、深夜を当直といたします、いわゆる通常の一直一勤務体制に加えまして、日勤に引き続き、救急対応が多い準夜勤帯を勤務とし、業務から解放される深夜帯を当直とする一直二勤務体制を多く導入しております。
この勤務形態を墨東病院は一系列で導入しているのに対しまして、例えば、多摩総合医療センターでは二十系列で導入をしております。広尾病院におきましても、救命救急センターやER、総合診療科等で導入をしております。
さらに、非常勤医師等を活用し、準夜帯、深夜帯も勤務として運営している部分もございます。
○和泉(な)委員 では、今回、墨東病院で改善が図られたような内容で、既にほかの病院では勤務体制ができているということでよろしいんでしょうか。
ほかの病院で、是正勧告を受けたというような病院はないというふうに考えてよろしいんでしょうか、お答えください。
○和賀井経営企画部長 本件に関しまして、是正勧告を受けているのは墨東病院のみでございます。
○和泉(な)委員 是正勧告が出されないような、そういう体制をしっかりと、どの病院でも確保していただきたいというふうに思います。
たとえ、宿日直の許可が労働基準監督署から出ているとしても、実態がそれに適合しているかどうかは常にチェックして把握しておかなければいけないし、それを管理する責任が都にはあるはずです。
ERなど救急体制を整えようと努力していることは高く評価していいと思います。しかし、それが医師を含む現場の職員の過重労働の上に成り立っているというのは、あるべき姿ではないと思います。毎日、命と向き合う緊張と苛酷な長時間労働で、職員自身の命と健康がおろそかにされるというようなことがあってはならないし、その状態が続けば医療事故にもつながりかねません。
墨東病院も、ほかの病院も、勤務の状態を常に把握して、実態は勤務なのに、許可を受けているからといって宿日直で扱うというようなことがないようにしていただきたいというふうに思います。
都立病院が是正勧告を受けるなどということは、今後はないようにお願いいたします。質問を終わります。
○和賀井経営企画部長 病院経営本部は、事業主として、医師の体と心を守ること、また、適切な労務管理を行っていくことは、当然のことと考えております。
一方で、医師不足が叫ばれる中、厳格に運用した場合、医師の供給がふえない以上、全国の病院で医師確保が難しくなり、医師不足に拍車をかける事態にもなりかねません。また、仮に確保できたとしても、高額な人件費増を生じることから、財力が乏しい病院が淘汰されていくおそれもあり、全国の地域医療の安定供給に深刻な影響が生じるものと思われます。
我々のような公的病院がこのような人材のかき集めに積極的に関与した場合、地域医療の確保と人材の安定供給のバランスをみずから壊しかねないのではないかという葛藤があるのが正直なところでございます。
今後とも、法令を適切に遵守しながら病院を運営していきますが、この問題につきましては、周囲への影響についても中長期的な視点を持ちながら、慎重に対応していく必要があると考えております。
〔和泉(な)委員発言を求む〕
○まつば委員長 質問は……
〔発言する者多し〕
○まつば委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○まつば委員長 速記を開始してください。
○今村委員 都はこれまでに、都立病院改革マスタープランに始まり、その後の二次にわたる改革実行プログラムにより、施設の大規模改修などのハード面の整備、また、医療人材の確保、育成などのソフトの面にも重点を置いた都立病院改革を進めてまいりました。
そこで、医療人材について伺います。
都立病院の医療人材確保については、この数年、さまざまな取り組みを行ってきたと聞いております。
とりわけ、看護要員については、二〇〇六年の診療報酬改定において七対一看護基準が導入されたことにより確保が困難になったといわれる中、一層の取り組みの強化が必要だと思います。
そこでまず、過去五年、二〇〇八年度と比較をし、二〇一三年度の看護要員の配置についてどのようになっているのか伺います。
○和賀井経営企画部長 看護要員の配置数の比較でございますが、二〇〇九年四月一日に公益財団法人東京都保健医療公社に移管されました豊島病院の分を除きますと、二〇〇八年十月一日現在の実人員は三千七百二十一人、それに対しまして、平成二十五年、二〇一三年十月一日現在は四千三百七十七人で、六百五十六人増加しております。
○今村委員 看護要員が大幅に増員をしていることが理解できましたけれども、看護師確保対策として具体的にどのような取り組みを行ってきたのか、改めて伺いたいと思います。
○和賀井経営企画部長 まず、採用選考方法におきまして、教養試験及び専門試験の廃止や、大学卒程度と専門学校卒程度の二つに分かれていた選考区分の統合など、受験者の負担軽減と試験の簡素化を行う一方、採用選考を複数回実施し、受験機会の拡大を図りました。
ちなみに、平成二十五年度、二〇一三年は、新卒の採用選考を東京で五回、地方では三カ所で各一回実施をしております。
また、経験者の中途採用につきましては、年齢制限を引き上げて、受験者の増加と経験豊かな即戦力の看護要員の獲得を目指しております。
ちなみに、平成二十五年度は、東京で六回、地方では三カ所で各一回実施をしております。
さらに、採用した看護要員の定着を図るため、さまざまなライフスタイルに対応した働きやすい職場となるよう、二交代制勤務職場の拡大ですとか、院内保育室の二十四時間保育の実施、育児短時間勤務制度の導入など、勤務環境の整備にも取り組んでいるところでございます。
○今村委員 医療人材の確保に積極的に取り組み、看護の体制が強化されたことはわかりました。
都立病院が持つ高度な医療機能を十分に発揮していくためには、質の高い看護の提供も求められます。
そこで、看護の質の面において、どのような取り組みを行い、その結果どのようになったのかを伺いたいと思います。
○和賀井経営企画部長 質の高い医療を提供する取り組みの一つとしまして、平成二十二年度に東京看護アカデミーの運用を開始しております。
そこでは、看護職員としての自立を目指す基礎コースに始まり、看護実践能力に磨きをかけるジェネラルコース、そして高度看護実践能力及び管理能力を高めますマスターコースを設けまして、看護職員一人一人が日々進化する医療技術に対応できるスキルを磨いております。
また、専門分野において卓越した看護実践や指導コンサルテーション能力等を有する看護師を育成するために、日本看護協会が認定する認定看護師の認定取得に向けた派遣研修などを実施し、人材育成に取り組んでおります。
その結果、認定看護師の数は、平成二十年度に三十名であったのが、平成二十六年一月一日現在は九十四人となり、全都立病院の各部門に満遍なく配置し、質の高い看護の提供を図っております。
○今村委員 都立病院が看護師の確保や質の向上にさまざまな対策を行い、運営体制が強化されてきていることが理解できました。今後もこれらの取り組みを継続し、患者サービスのさらなる向上に努めていただきたいと思います。
次に、町田市を初めとする南多摩地域五市の中核病院として設立をされました、多摩南部地域病院の経営状況についてお伺いをしたいと思います。
多摩南部地域病院では、医師、看護師の確保が困難な状況が続いたことにより、二〇〇八年度には一部病棟の休止がありました。その後の人材の確保に向けた積極的な取り組みにより、二〇一三年度には病棟の全面運営が再開したと聞いています。
まず、医師や看護師の確保策にどのように取り組んできたのかを伺います。また、医師、看護師の人数について、過去五年、二〇〇八年度と二〇一三年度の比較もあわせて伺います。
○和賀井経営企画部長 医師確保の取り組みとしましては、大学医局への粘り強い働きかけや、多摩総合医療センターとの連携強化による医師の人事交流など、さまざまな人材確保策に取り組んでまいりました。また、看護師確保に関しましては、採用活動の強化や看護師の処遇改善等に積極的に取り組んでまいりました。
これらの取り組みを、公社事務局と病院が一体となって取り組んだことによりまして、医師につきましては、二〇〇八年十月一日現在、三十八人であったのに対し、二〇一三年十月一日現在では四十五人となり、七人増加しております。
また、看護師では、二〇〇八年十月一日現在、百四十三人だったのに対し、二〇一三年十月一日現在では二百二十七人となり、八十四人増加しております。
その結果、二〇一一年度には小児病棟を再開し、二〇一三年度には緩和ケア病棟を開棟するなど、医師看護師不足による休止病棟が解消されております。
○今村委員 人材確保に向けた積極的な取り組みにより、一定の成果を出すことができたことが理解できました。
また、医師、看護師が確保されたことによりまして、地域における医療サービスの向上が図られたというふうに思いますけれども、どのような成果があったのかお伺いします。
○和賀井経営企画部長 医師が充足されたことによりまして、小児科では、平成二十三年度には、これまで休止をしていました入院診療を再開いたしました。また、小児科診療体制が強化されたことによりまして、平成二十年度の年間の小児科救急患者受け入れ数は千八百九十五人であったものが、平成二十四年度には二千九百三十九人と千四十四人増加し、地域における小児救急医療に貢献をしております。
また、今後増加が見込まれます、がん患者に適切に対応するため、平成二十四年度には東京都大腸がん診療連携協力病院の認定を取得し、平成二十五年度には緩和ケア病棟を開棟するなど、地域におけるがん医療の中核病院としての役割を担っております。
○今村委員 病院のホームページを見ておりましたら、先週の金曜日でありますけれども、院内で緩和ケア研修を行うとの案内がありました。患者さんの人生に最後に寄り添う、とても大切なケアをなさるわけですから、どうぞお一人お一人の希望にかなうケアがなされるように取り組んでいただきたいというふうに思います。
さて、緩和ケアも大切な医療サービスでありますけれども、質の高いサービスを継続していくためには、経営にも目を向けなければなりません。
そこで、二〇〇八年度と二〇一二年度と比較をして、経営指数がどのようになっているのか伺います。
○和賀井経営企画部長 看護師確保に伴いまして、いわゆる七対一入院基本料の取得による患者サービスの向上を図ったほか、積極的な救急患者の受け入れなどにより、経営改善を実現することができました。
医業収益では、診療報酬プラス改定の影響も加味されますが、二〇〇八年度決算では四十五億四千五百万円でありましたが、二〇一二年度決算では五十二億二千五百万円と、六億八千万円増加をしております。
また、自己収支比率につきましても、二〇〇八年度決算では七九・三%であったものが、二〇一二年度決算では八五・六%と、六・三ポイント上昇しております。
○今村委員 多摩南部地域病院は、設立時から地元医師会や地域の医療機関と連携をした取り組みを進めておりますけれども、そうしたよいところを生かし、今後、経営改善にどのように取り組んでいくのか伺います。
○和賀井経営企画部長 平成二十六年度の診療報酬改定は、消費税増税分を除きますと、六年ぶりのマイナス改定となっておりまして、今後の病院経営は厳しいものになることが見込まれております。このような状況下におきましても、引き続き、診療報酬改定の内容を踏まえた新たな施設基準の取得ですとか、DPC分析をさらに強化するなど、収益確保に努めてまいります。
また、積極的な救急患者の受け入れ、平成二十五年七月に開棟しました緩和ケア病棟の地域医療機関への周知に努めるとともに、地域におけるがん医療の中核病院として医療連携をさらに推進するなど、一層の経営改善に取り組んでまいります。
○今村委員 一時の大変な状況を積極的な取り組みにより改善されてきたことに改めて評価をいたしますし、地域としましても、特に小児科の問題は大変深刻でありましたので、皆さんが大変喜んでおられるのを私も聞いております。
今後も、より医療の充実に向けた取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
なお、先ほどの医師確保についても全体的に伺いましたが、女性診療科、いわゆる婦人科においては、外来のみから、現在は入院診療、手術もできる体制になっています。
公社病院の中では多摩南部地域病院のみ、常勤、非常勤合わせても女性の医師がいらっしゃいません。
次は、患者様からの要望も多い、こうした女性特有の診療科への女性医師の配置についても努力をしていただくよう要望して、終わります。
○塩村委員 平成二十六年度予算から質問いたします。
先ほど、ともとし委員も述べられていましたが、医療の質と患者サービスの向上など四本柱を立てて、都民に対する医療サービスの向上を目指していると感じます。
予算書の中に患者サービスの向上があり、こちらは九千万余円の予算額となっております。概要を見てみますと、患者の療養生活を総合的に支援していくため、患者支援センターを設置し、円滑な転退院、在宅移行に向けた相談支援機能を強化していくとあります。
患者さんは、けがやご病気で病院にかかっているわけで、万全ではない状況ですから、不安を感じたりしているはずです。患者さんの相談支援は重要だと感じます。予算も倍増以上ですので、しっかりと取り組んでいただきたく思います。
さて、こちらには緩和ケアに関してまでは書かれていませんでしたが、緩和ケアの患者さんの支援サービスも重要です。
そこでまず、都立病院と公社病院にはどれくらいの緩和ケア病床があり、どのくらいの患者さんが利用しているのか、緩和ケア病棟の状況についてお伺いいたします。
○中野サービス推進部長 都立、公社病院には、緩和ケア病棟を有する病院が三病院ございます。
まず、都立駒込病院の緩和ケア病棟は二十二床でございまして、平成二十四年度の病床利用率は八二・九%でございます。
次に、東京都保健医療公社豊島病院の緩和ケア病棟は二十床で、平成二十四年度の病床利用率は八八・五%でございます。
また、公社多摩南部地域病院におきまして、平成二十五年七月に、新たに十六床の緩和ケア病棟を開設いたしました。開設から平成二十六年一月までの病床利用率は五二・一%でございます。
○塩村委員 ありがとうございます。
治療をしていた診療科から緩和ケア病棟に移る際、それまで信頼関係を築いていた主治医がかわるケースがほとんどです。そのため、不安になる患者さんが多いと聞きます。
実際に、一昨年亡くなりました私の父も緩和ケア病棟に入りたがらず、理由がわからなかったんですが、看護師より主治医の先生がかわるのが嫌だ、不安だ、そもそも入ったら出られないといっており、やはりそういう患者さんも多いですと看護師から聞いて、なるほどと思いました。
患者さんも大人ですから、本音を表に出さず、そのまま転棟される方もいらっしゃると思いますが、主治医がかわってしまうという不安の患者さんのケアはどのようにしているのでしょうか。
○中野サービス推進部長 緩和ケア病棟では、患者さん及び家族の方を対象に、悪性腫瘍により生ずる身体的な苦痛や、精神的な苦痛などに対する緩和ケアを、医師、看護師、薬剤師、栄養士、心理士等の多職種のチームにより提供しております。
また、緩和ケア病棟に移る際には、緩和ケアの目的、対応内容などを医師、看護師が十分に説明し、患者さんや家族の方が納得していただいた上で転棟しております。
また、医師や看護師は、日々病棟で接している中で、患者さんなどの不安を把握いたしまして、必要に 応じて専門の医師や看護師、心理士などがきめ細かく対応しております。
また、例えば、患者さんの状態に変化があった際には、緩和ケア病棟に移る前の院内の医師、あるいは紹介元の医療機関の医師が患者さんの様子を見に来るなど、患者さんの気持ちに配慮した対応が行われておるところでございます。
○塩村委員 ありがとうございます。しっかりと対応していただいているようで安心をしました。
ところで、がんについては、告知をされたときから患者さんが不安になり、精神的なケアが必要になるケースがあります。また、治療中に身体的な痛みが生じる場合もあります。
最近、そうした場合に対応できるよう、治療をしながら、主治医もかわることなく、緩和ケアを並行して行うパラレルケアを取り入れている病院もあると聞きます。それを前面に打ち出している病院もありますが、都立病院と公社病院ではどのように対応されているのでしょうか。
○中野サービス推進部長 がん治療におきましては、がんの診断があったときから、治療を進めることはもとより、切れ目のない緩和ケアを提供することが重要であるとされております。都立、公社病院におきましても、この考え方を基本に据えて、がん診療を行っているところでございます。
具体的な取り組みといたしましては、緩和ケアに関し専門的な知識と技術を持つ医師、看護師、薬剤師、心理士等の職員から成る緩和ケアチームが、がん治療の主治医と連携協力しながら、患者さんの身体的、精神的症状に対応しているところでございます。
○塩村委員 ありがとうございます。こちらもしっかり、世間でいうパラレルケアの考え方を取り入れて対応していただいているようです。システムはあればいいというものではなくて、やっぱり大事なのは、患者さんの不安を取り除く心のケアだと思います。
今後も、患者さんの不安にできるだけ親身に対応していただきたく思いますし、そのための予算の確保をしていただきたいと引き続きお願いしまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○山加委員 未曽有の東日本大震災から早三年を迎えたわけであります。
先週三月十一日には都議会議場でも、全員で改めて哀悼の意を表し、黙祷をささげさせていただきました。心の中でさまざまな新たな誓いを皆立てたことと思います。被災地の一日も早い復興、そして長期避難を余儀なくされている方々の生活復興を望むばかりであります。
また、私たちの東京においても、首都直下地震は三十年以内に七〇%の確率で起きると想定をされています。大震災への備えは、まさに待ったなしの急務であります。その災害への備えの一つとして、東日本大震災後、事業継続計画、BCPが注目をされてまいりました。
都では、大震災前の平成二十年度には、既に都政のBCPを作成していますが、最近の調査、これは日経新聞夕刊、三月四日ですが、都道府県の政令指定都市等の大規模自治体でBCPを策定したところはまだ六割ということであります。
国では、BCPの策定率を二〇二〇年までに、大規模はほぼ一〇〇%、中堅企業は五〇%という目的を掲げているようですが、これも先ほど、読売新聞社ですが、帝国データバンクと共同で全国約二万二千八百社に対してアンケート調査を行っています。
ここでも、BCPを策定済みと回答した企業はわずか約一四・四%でありました。ほとんどの企業が、策定中、ノウハウがない、やり方がわからない、どうやってつくったらいいかわからないと回答しています。今後は、そうした企業に対して何らかの支援が必要と考えます。
ところで、東日本大震災では、被災県の災害拠点病院が三十三カ所、このうち二十一の病院で、被災直後に患者の受け入れを制限せざるを得なかったと聞いております。災害時に医療機関がその機能を失わずに業務を継続させることは最も期待されることの一つであり、その点で私は、早期に病院経営本部が各都立病院のBCP作成に取り組んできたことに注目をしてまいりました。東日本大震災後は、いち早く広尾病院で都立病院BCPのモデルプランの検討を開始し、平成二十四年度には、全都立病院と病院経営本部で作成済みと聞いております。
病院は企業と異なり、発災直後から傷病者の救命治療、医療救護班としての活動を立ち上げることになるわけですから、平時に増してその役割は大きく大きくなります。常に想定外を想定し、事前の備えを万全にしておく必要があります。そして、BCPを作成する上でも、企業のBCPとは異なり、現場感覚に基づいた実践的な計画内容とすることが必要だったことと思います。
そこで改めて、都立病院BCPはどのような視点で作成を行ったのか伺います。
○和賀井経営企画部長 都立病院BCPの作成に当たりましては、発災直後に一気に患者さんが押し寄せるため業務量が膨れ上がること、また、時間の経過とともに医療需要が変化するという病院業務特有の特徴を捉えることから始めました。
また、首都直下地震等による東京の被害想定から、各都立病院での対応が予想される傷病者数、重傷者数を想定し、さらに阪神・淡路大震災で発生しました重傷者の傷病調査結果をもとに、受け入れ重傷者の傷病内容についても想定をいたしました。
こうした具体的な想定をもとに、発災に備えた医薬品などの備蓄内容の見直しを行っております。
一方、病院の事業継続の可否は、医師、看護師のマンパワーが鍵を握ることから、発災直後から一時間以内、三時間以内、二十四時間以内、七十二時間以内の部門別の参集人員を詳細に予測した上で、業務の優先順位づけと部門間の応援体制を具体的に検討し、実践的なBCPとして文書化を図ったところでございます。
○山加委員 綿密なBCP作成がなされていることを評価いたします。
されどBCPは作成することが目的やゴールではなく、災害時にも業務継続を可能とする不断の取り組みを組織にしっかりと根づかせ、危機管理体制を強化する、事業継続マネジメント、BCMを実践することが、私は真の目的であると考えます。
そこで、病院経営本部でのBCMの取り組み状況及び平成二十六年度の取り組み予定を伺います。
○和賀井経営企画部長 理事ご指摘のとおり、BCPを生きた計画として活用するためには、PDCAサイクルを通じた事業継続マネジメント、いわゆるBCMの実践こそ重要だと認識をしております。
BCPの作成後も、平成二十四年十一月の東京都地域防災計画等の修正に基づきまして、被害想定の見直しへの対応を行うとともに、平成二十五年四月施行の帰宅困難者条例の趣旨を踏まえ、外来患者や見舞い客への対応等を加筆するなど、適宜要所の改定を行っております。
また、今年度から各病院の副院長を中心メンバーとしました都立病院医療危機管理ネットワーク運用委員会におきまして、災害対策の点検、検証を行い、常に対策を見直す観点から各病院の災害対策の状況を共有し、共通課題の解決に向けた検討を行っております。
一つ、具体的な例を申し上げますと、平成二十三年度に配備しました衛星通信機器は、通信訓練の際に通信に支障が生じる病院が多かったことがございました。
こうしたことから、屋外アンテナを各都立病院に設置するという提案がございまして、平成二十六年度予算案において経費を計上しているところでございます。
○山加委員 BCPが、いざというときにその機能を十分に発揮するためには、今、ご答弁にもありましたが、点検、検証、そこから生じる新たな共通課題の解決に向けた検討、このように常に見直しを繰り返し、最新の状態を維持していくことが重要だと考えます。今後も、ぜひとも継続した取り組みをお願いしたいと思います。
そして、想定外の状況に陥ることが十分予測される災害時に、あらかじめ作成したBCPだけをもって、次々に起こる状況変化に対応していくことは困難であります。
平常時の医療は、資源を最大限に活用し、一人一人に最良の治療を提供することを目指しますが、災害などの有事には、限られたマンパワー、また、限られた医療資源で一人でも多くの人を救うことを目的に発想を転換することが必要であります。
平時から、しっかりとそのことを認識しておくことが大切と思います。BCPを作成し、そのBCPを職員にしっかりと浸透させ、発災時には確実に業務継続を実行していく、職員の育成が必要と考えます。
研修、訓練、これは行っているとのことですが、具体的にどのように行っているのでしょうか。
○和賀井経営企画部長 災害時の業務継続には職員一人一人の災害対応能力が不可欠であり、これまでも、各病院及び病院経営本部では防災訓練や研修を実施してまいりました。
今年度からは、病院経営本部への転入職員、新規採用職員全員を対象としました、災害医療入門研修を実施しております。また、東京都の中で、東京都の災害医療体制や災害時の都立病院の役割などの講義を行っております。
また、災害時に的確な判断と指揮命令を行えるようにするために、災害対策本部員として病院内で指揮をとる立場にあります病院の幹部を対象に、実践的なシミュレーション訓練、コンフリクトゲームというものを盛り込んだ研修を実施いたしました。このコンフリクトゲームというのは、例えば、職員の参集がおくれまして、想定の半分しか職員が来なかったというような状況を想定しまして、その上で医療救護班の派遣要請を受けた場合にどのような決断をするか、参加者同士で討論をするというゲーム形式での訓練でございます。
平成二十六年度もこれらの取り組みを着実に実施し、職員のさらなる災害対応力の向上を図ってまいります。
○山加委員 私は昨年、警察・消防委員長を務めさせていただきました。さまざまな現場に足を運ばせていただいたわけでありますが、当時の北村消防総監が、いかなる現場においても訓練以上のことはできないと、常々に訓練の重要性を口になさっていらっしゃいました。
私も、医療救護活動では警察や消防との連携は絶対に欠かせない、その思いを強くしたところであります。特に、患者搬送を担う消防機関とは、日ごろの訓練時からしっかりと連携を図っていくことが大切だと思います。
現在放映中のTBSドラマ、毎週木曜日、私も見ているんですが、「Dr.DMAT」の中で、十秒迷えば一つの命が消えていく、私はこのフレーズを大変、心に刻んでいるんですけれども、このドラマの中では、有栖川総合病院は都立広尾病院がモデルと聞いております。また、ドラマの監修は佐々木勝院長がなさっていらっしゃいますが、災害時には、押し寄せる傷病者を的確にトリアージする知識と技術が多くの命を救うことにつながってくるわけであります。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、一刻も早く災害に強い世界一の都市を実現することが望まれます。
都立病院では早くからBCPの取り組みをスタートさせていますが、今後も訓練や研修を通じ、災害時にはその力を十分に発揮できる職員を育成する不断の取り組みをお願いしたいと思います。
そして、有事、これはあってはならないことでありますけれども、しかし、いつあるかわからない、あったときには日ごろの訓練の成果をいかんなく発揮することが、一人でも多くの命を救うことにつながってまいります。
ぜひとも医療救護活動の先頭に立つ都立病院が、都民にとって力強い病院となっていただくことを大きく期待し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○遠藤委員 私の方からは、在宅医療充実、この一点に絞って何点か質問させていただきたいと思います。
今定例会の代表質問並びに予算特別委員会等でも議論がありました患者支援センターについて、まず一問目であります。
この患者支援センターにつきましては、昨年の事務事業の質疑の中で、いろいろやりとりをさせていただきました。
その際、答弁として、検討委員会を設けて、その中で検討を進めて、モデルとなる病院を選定して、モデル病院での検証を経て他の病院に拡大をしていく、こういう趣旨の答弁があったと思います。昨年の秋で、今が春でございます。
半年たっていないですけれども、これまでの検討状況について、まずご報告をしていただきたいと思います。
○中野サービス推進部長 患者支援センター整備に関する検討委員会につきましては、これまで六回開催いたしまして、国の医療法改正の動きや診療報酬の改定内容等を含め、検討を行ってまいりました。
患者支援センターは、患者、家族のさまざまな相談支援を行う組織として運営するとともに、入院生活や手術等について入院前に説明し、患者さんの不安を解消する入院前サポートにも取り組んでまいります。
また、患者支援センターを、在宅療養への移行支援に積極的に取り組む組織としても位置づけまして、在宅療養に移行する患者さんに関しては、ソーシャルワーカーや看護師等の複数の職種から構成されます在宅移行支援サポートチームが、地域包括支援センターですとか訪問看護ステーションなどの職員と退院前カンファレンスを実施いたしまして、患者さんの状況に適した移行支援を行うなど、きめ細やかな対応を行ってまいります。
なお、モデル病院としましては多摩総合医療センターを指定いたしまして、モデル病院での実績、検証を踏まえながら、平成二十七年度以降、他病院に展開してまいりたいと考えております。
○遠藤委員 患者、家族の相談支援の事業というのは、安全、そして確かな医療を提供するということとあわせて二本の柱のうちの一つだと、このように思っております。都立病院、公社病院が患者支援センターということで、準備を進めていただいているということで感謝申し上げたいと思います。
この患者、家族の相談事は多岐にわたりますけれども、これは私がこだわって、ずっと病院経営本部、さらには福祉保健局ともやりとりをしておりますけれども、この相談の中には、病院から他の病院へ移るという、いわゆる転院もなかなか難しいケースがあるということで、ずっと指摘をしてまいりました。
福祉保健局では、来年度、転院支援の情報システムを構築するというように聞いております。そこで、都立病院、また、公社病院も、福祉保健局が構築するという転院支援情報システムの輪の中にぜひ加わって活用すべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
○中野サービス推進部長 転院支援情報システムでございますが、医療機関の所在地やアクセスなどの基本情報に加えまして、リハビリテーション医療の内容ですとか、おおよその月額費用など、転院先の選定に必要な情報を簡単に検索できるものであると聞いております。
来年度は試験運用期間であると聞いておりますが、このシステムの情報は、都立、公社病院が保有している情報と比べまして、より地域的な広がりを持つものと理解しております。
都立、公社病院といたしましては、使用させていただいた上で、よりよいシステムとなるよう、内容の改善に協力してまいりたいと考えております。
○遠藤委員 今、答弁がありましたけれども、都立、公社病院が保有しているものより、より地域的な広がりを持っているというシステムになるようであると認識をしていると、こういうことであります。
一部には、都立、公社が持っているネットワーク情報だけで事足りているというようなことをいう向きもありますけれども、私は、現場から吸い上がってくる声ですとかニーズからすると、その認識は誤りであると思っております。
今、答弁で最後、都立、公社としても、よりよいシステムになるように協力をしていきたいというようにいわれましたので、どういう形で協力を求められるかわかりませんけれども、通り一遍に聞かれたから通り一遍に答えるということではなくて、しっかりと都立、公社として、こういう現場ではニーズがあるんだと、ぜひこうすべきだということで、ぜひ強く現場の声を伝えていただきたいと、このように思っております。
それで、できた暁には、共同運用というわけじゃないですけれども、福祉保健局がやる事業でありますけれども、都立病院、公社病院も活用してもらいたいと、このように要望をしておきたいと思います。
次いで、公社病院の在宅医療の取り組みに移らせていただきたいと思います。
二〇二五年、団塊の世代の方が七十五歳を迎えるという、いってみれば高齢化の最大のピークの年代に向けて、今、さまざまな準備が進められているわけであります。
一言でいうと、地域包括ケアシステムの構築ということで、二十四時間三百六十五日、医療、介護、それのみならず生活支援、さまざまなものを、主に中学校区を中心に提供していこうという取り組みなんだと思います。こうした地域包括ケアシステムをつくるに当たりましては、やはり地域における医療、福祉、介護の連携システムを構築するというのが、その取り組みのコアになるんだろうと思います。
中でも、在宅医を中心とした地域の医療機関や訪問看護ステーション、さらには介護事業所が連携して、地域で患者さんの病気が急変したとき、どこの病院が受け入れるんだということも、しっかりとあらかじめ体制を構築しておくことも必要だろうと思います。
先ほど議論しました患者支援センター整備に関する検討委員会の中に、公社の方も事務局として参加しているということを聞いております。
公社病院というのは、地域医療支援病院ということで指定をされて、まさに地域医療の、ある意味中心となって、つかさとなって、かなめとなっているわけでありますけれども、そういった意味では、今後ますます地域医療機関等と連携して、在宅療養支援の充実強化を公社病院がしっかりと果たしていく、目に見える形にしていくということが都民の安心につながるんだろうと、このように思っております。
そこで、公社病院におけるこれまでの在宅療養の支援の取り組みと、二十六年度を含めて、今後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
○中野サービス推進部長 これまで公社病院は、地域の実情に応じまして、退院患者の急変時の受け入れ対応や、在院時から訪問看護師やケアマネジャーと連携した退院支援計画の作成、必要な医療処置等を支援する在宅療養支援外来を設置するなど、在宅移行支援を行ってまいりました。
今後、いわゆる二〇二五年問題を念頭に、住民が安心して住みなれた地域で医療を受けられますよう、地域の医療機関や在宅療養患者への支援を行うなど、これまで以上に地域医療連携を進めていくことが重要でございます。
地域医療充実の観点から、地域の医療機関や訪問看護ステーション、地域包括支援センター等との連携を強化するため、患者支援センターを全公社病院に順次整備するとともに、在宅移行患者の急変時における受け入れ体制を強化するなど、在宅療養支援の充実強化に取り組んでまいります。
○遠藤委員 在宅移行患者の急変時における受け入れの観点でいえば、平成二十六年の診療報酬改定で新しい動きがあったわけであります。すなわち、在宅療養後方支援病院、こういう新しい概念を取り入れたわけであります。
在宅療養後方支援病院は、二百床以上の病院で、入院希望患者については緊急時にいつでも対応し、必要があれば入院を受け入れる等を施設基準とする病院であるわけであります。入院希望患者というのは何なのかというと、緊急時に入院を希望する病院として、あらかじめ当該病院に届けている患者さんのことを入院希望患者ということであります。
私、遠藤守が一応在宅に戻るけれども、私の近所には荏原病院がありますけれども、荏原病院に、いざとなれば受け入れてくださいねということを、あらかじめ私と荏原病院の方で意思を疎通していくということ。さらに、私が入院希望患者であれば、在宅医療を提供している医療機関と荏原病院さんが常に、三カ月に一回以上、私、遠藤守の医療情報について交換をしていると。私が在宅にいて調子が悪くなれば、荏原病院にすぐ入れてくれといっても荏原病院は断りませんよということだと思いますけれども、こういうことが二十六年の診療報酬改定でしっかりと算定をされるということであります。
これまで公社病院は、繰り返し、言及したとおり、地域医療支援病院として、地域の医療機関と密接に連携して地域医療を担ってきたわけでありますけれども、今後はその力量がさらに試されると思いますし、また、期待も高まるんだろうと思っております。ぜひ在宅療養後方支援病院の施設基準の取得を目指していただきたいと思います。
しかしながら、目指していただきたいと、また、目指しますといっても、これは地域の医師会を初めとするさまざまな現場で汗をかいていただいている皆さんとの事前の調整、協力というのが必要だと思いますので、その辺のところを丁寧に進めていただいて、ぜひ公社病院が在宅療養後方支援病院の指定を受けることに向けて取り組んでいただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大山委員 質疑に先立って一言申し上げます。
先ほど、和泉委員の質疑のときに、質問者は質疑を終わりますといっていたにもかかわらず、立ち上がって、都立病院が医師をかき集めてしまったら、他の病院と摩擦が起きてしまう旨の発言がありました。
全く本末転倒の議論です。法令違反に目をつぶり合って夜間救急医療体制が保たれるのは、あるべき姿ではありません。法令遵守、当たり前というんだったら、なぜ是正勧告が出されるんでしょうか。
現に、宿日直許可も受けずに行っていたわけです。重く受けとめるべきです。患者に安全な医療を提供するためにも、労基法を守るなど、病院経営本部の最低限の責任です。
医師が不足しているのは事実ですから、国へもきちんと医師養成を要求するとともに、都としても医師アカデミー等での養成をさらに拡充することです。
都立病院が労基署から是正勧告及び指導を受けるなどあってはならないことです。都立だからこそ、労働条件も率先垂範すべきであることを強く指摘しておきます。
それでは、質疑に入ります。
障害者優先調達推進法が今年度から施行されました。障害者就労支援施設等からの部品等の調達を進めるための法律です。
障害者就労支援施設等からの調達を推進する意義として、雇用就業は障害者の自立の促進のための重要な柱であることから、障害者がその能力に応じて適切な職業に従事することができるようにするため、障害者の多様な就業の機会を確保することが重要、こう述べているんです。
障害者就労施設等が供給する物品及び役務に対する需要の増進を図ることが極めて重要である、その際、通常の経済活動の主体として国民経済に大きな位置を占め、かつ他の自治体にも大きな影響力を有する国及び独立行政法人等、並びに地方公共団体及び地方独立行政法人が果たす役割は極めて大きい、こう述べています。
だから、国は障害者優先調達推進法をことしから施行し、国や地方公共団体に率先して、障害者就労施設等から物品や役務の調達を推進することを求めていますが、障害者就労支援施設等からの調達を推進する意義について、病院経営本部はどう認識していますか。
○中野サービス推進部長 平成二十五年四月に施行されました障害者優先調達推進法に基づきまして、東京都は、東京都による障害者就労施設等からの物品等の調達方針を策定いたしました。
同方針では、障害者が就労によって経済的な基盤を確立し、自立した生活を送るため、障害者雇用を推進するための仕組みを整え、障害者が就労する施設等の仕事を確保し、その経営基盤を強化することが重要であるとしております。
病院経営本部では、この方針に配慮しつつ、適正な価格及び品質が確保できるよう調達を行っております。
○大山委員 東京都も調達方針を策定してきちんと位置づけたし、病院経営本部もこの方針に配慮をしつつ実施しているということですね。
実際に、都立病院、公社病院で、障害者就労施設等、福祉作業所だとか障害者の作業所などから物品や役務を調達しているところはありますか。
○中野サービス推進部長 平成二十五年度では、都立大塚病院におけるお絞りタオル洗濯委託のほか、公社大久保病院でも同様の委託を行っております。
このほかにも、封筒の印刷請負及び災害備蓄品の調達等について、障害者就労施設等と契約しているところでございます。
○大山委員 今、ご答弁があった大塚病院、大久保病院のお絞りタオルの洗濯委託--新宿区内の知的障害者の作業所が、このお絞りタオル洗濯委託を受けているんです。
この作業所の主な作業が、このお絞りタオルの洗濯です。洗濯したり、乾燥が終わったものを畳んだり、それぞれが分担して作業しています。夏場などは、蒸気が立ち込めてミストサウナ状態になっているという状況ですけれども、信頼できる仲間や職員と一緒に仕事をすることが生きがいであり、自立につながっています。
障害者就労施設等が物品や役務を受注できるように、どのような仕組みになっているんでしょうか。
○中野サービス推進部長 障害者就労施設等が物品や役務の受注を受けるためには、地方自治法施行令第百六十七条の二第一項第三号を適用し、いわゆる政策目的随意契約の方法によることが可能でございます。
政策目的随意契約におきましては、契約相手方の選定基準を障害者就労施設等に限定した上で、要件を満たす申込者から見積書を徴取し、予定価格の範囲内で最も低い者を契約相手方に選定する契約方式でございます。
○大山委員 つまり、契約の相手方を障害者就労施設等に限定をして、入札して選定するというわけですね。
大塚病院でも、今後もお絞りの洗濯の契約について、政策目的随意契約を継続するということでいいんですね。
○中野サービス推進部長 障害者優先調達推進法の趣旨や東京都による障害者就労施設等からの物品等の調達方針を踏まえまして、契約手続の透明性、公平性及び経済性を確保した適切な契約方法を選択してまいります。
○大山委員 経済性を優先したら、障害者の作業所は排除されかねません。障害者の仕事を保障してきた重要な役割を引き続き継続してもらいたいということを強く求めておきます。
大塚や大久保病院以外の病院が障害者就労施設等からの調達をしていない理由というのはどうしてなんでしょうか。
○中野サービス推進部長 病院におけます物品等の調達では、緊急、大量かつ不定期に発注することが多く、また、感染予防の徹底を図るなど、病院施設の特性を踏まえた上で発注する必要がございます。
一方で、発注量や履行期間の制約が少ない封筒の印刷請負や災害用備蓄品の調達等もございます。都立病院、公社病院におきましては、こうした制約の少ない物品等について、障害者就労施設等に発注しているところでございます。
○大山委員 そういう印刷だとか備品、災害の備蓄品などもそうですし、それから大塚病院や大久保病院というのは、ずっと以前からお絞りタオルの洗濯を障害者の作業所に発注してくれているんです。
病院のクリーニングというのは、お絞りだけじゃなくて、ほかのものもたくさんあるわけですが、お絞りだけを分割して障害者作業所に発注してくれているわけです。これは非常に重要なことで、お絞りを分割発注してくれるからこそ、障害者の作業所が受けることができているんです。
大塚や大久保病院がやってきたように、他の病院でも分割できるものは分割して発注することだとか、封筒の印刷なども、必ず必要なものなどは障害者就労施設等が受けやすくするよう、ほかの病院でも積極的に障害者就労施設等に優先発注できるようにするべきだと思いますけれども、どうですか。
○中野サービス推進部長 契約におきましては、経済性、公平性、競争性を基本に置きながらも、障害者就労施設等が対応可能な発注量や履行期間について制約の少ない物品等につきましては、東京都による障害者就労施設等からの物品等の調達方針の趣旨を踏まえながら発注してまいります。
〔「民間だって障害者を使っているところ、たくさんあるんだよ」と呼ぶ者あり〕
○大山委員 障害者を使っているところも資格があるんです。大丈夫です。
調達方針を踏まえるというんだったら、調達方針にはちゃんと書いてあります。障害者就労施設等の受注機会増大のための措置として、一つは、物品等の調達が新たに生じた場合には、障害者就労施設等からの調達が可能かどうか検討する。二つ目は、可能な限り分離分割発注を行うなど、発注方法を工夫する。三つ目は、履行期間及び発注量を考慮することなどが書かれているわけです。そして、随意契約を積極的に活用することとなっているんです。
そうやって、全庁挙げて取り組むことが求められているのです。病院経営本部としても積極的に取り組んでいくよう強く求めておきます。
もう一つなんですけれども、先ほどもありました院内保育所についてです。
この問題は、二〇〇四年にも私、取り上げたんですけれども、その当時は、院内保育室の定員よりも在籍児が少なくなっていた時期なんです。その一方、地域では待機児が増大してきた、そういう時期でした。
うちの近所に、国立国際医療研究センター、ここで保育室、院内保育室ですけれども、都の保育室の補助を受けて、地域の子供もずっと受け入れてきたんです。だから、都立病院の院内保育室も地域開放をと要求しました。国立国際医療研究センター、そのとき保育室だったところが、今は認可保育園になりました。
都立病院には、先ほどの質疑で、六病院に院内保育室を設置しているということで、最大定員が百五十六人ということですね。
例えば、国立国際医療研究センターは、以前は、保育室だったときには、東京都の保育室の制度を活用して、福祉保健局の補助制度も活用していました。職員の子供たちの保育を保障するというのが、病院経営本部の本来の第一義的な役割です。
しかし、待機児がこれだけ多くなっている、認可保育園に申し込んでも、この四月に認可保育園に入れない子供たちが二万人を超える勢い、そんな状況です。
こんな状況だからこそ、きちんと院内の子供たちの定数は確保しながら、例えば建てかえなどを機会に保育室も改築するなどして、地域の子供たちも受け入れられるようにするべきではないでしょうか。
病院経営本部の予算だけでなくて、例えば地域の子供たちの保育に係る予算は、福祉保健局と相談をして運営費補助を受けることは可能ではないでしょうか。
ぜひ福祉保健局や地元自治体とも相談してほしいんですけれども、どうですか。
○和賀井経営企画部長 院内保育施設は、いわゆる認可外の保育施設でございまして、例えば園庭もなかったり、あるいは、あっても貧弱なものでございます。委員が従来こだわっていらっしゃった認可保育施設ではないということが、まず問題があろうかというふうに考えております。
さらに、これ以外にも、先ほどご答弁いたしましたように、区市町村との役割分担等さまざまな課題があり、地域の児童を受け入れることは都全体での十分な議論が必要だというふうに思っております。
○大山委員 認可保育園にこだわっているということを発言していただきました。ありがとうございます。
議論が必要だということだったら、ぜひ議論してくださいよ。
そして、国立国際医療研究センターだけでなくて、例えば、東大駒場にも職場内保育室があります。ここは、保育室の制度を東京都がなくしちゃいましたから、今はどうしているかというと、認証保育所なんですね。
別に認証保育所だって、保育室だって、園庭をつけることは十分可能なんです。ですから、ここは、東大駒場のところは園庭もありますよ。国の施設では、やってきたことなんですね。ですから、東京都でできないことはありません。
独立行政法人になってしまいましたけれども、国立国際医療研究センターでは、今年度、敷地の一部を提供して認可保育園を整備しました。運営は社会福祉法人が行っています。
同様に、同じように、都立病院の敷地の一部を使って認可保育園を設置することは、だから、区市町村に貸し出してということになると思いますけれども、それ、検討してはどうでしょうか。
○和賀井経営企画部長 都立病院の敷地の一部を活用した保育所の整備ということでございますけれども、庁内に設置された福祉インフラ整備のための土地活用検討チームの検討結果を踏まえて対応してまいります。
○大山委員 ぜひ積極的に対応していただきたいと思います。
病院本体と連携して、不足している病児保育を実施するなど、さまざまな展開が考えられますので、積極的な検討、そして実施を求めて終わります。
○田中委員 昨年、我が厚生委員会では、管内施設の視察として、健康長寿医療センターと都立広尾病院を訪問させていただきました。これに関連して質問をさせていただきたいと思います。
健康長寿医療センターにおきましては、一般病棟や緩和ケア病棟、手術室、ICU、最新の機材、病院全体を分刻みで見学しました。高齢者の専門医療機関としての機能はもちろんのこと、幅広い世代や多くの患者を受け入れ、また、さまざまな研究を行っていることもよくわかりました。
その中で、今回はリハビリテーション科を取り上げたいと思います。
手術後、自立した生活を送れるか否かは、このリハビリにかかっているともいわれています。そもそも、厚労省が二〇〇〇年に介護保険の導入と同時に全国で地域リハビリテーション計画を始め、都としても、これを受け、東京都リハビリテーション協議会を立ち上げて議論を進めてきたところであります。
また、都内にリハビリテーションの病院が少ないというのが課題として挙げられている中、都立病院においても、その役割に期待がかかっているところであります。
リハビリテーション病院を都立病院全体ではどのように考えているのか、考えをお聞きします。
○野瀬経営戦略担当部長 リハビリテーション医療は、急性期リハビリテーション、回復期リハビリテーション、維持期リハビリテーションの三つに区分されております。
急性期リハビリテーションは、後遺症の軽減、合併症の予防を目的として、内科的、外科的治療と並行して実施するものでございまして、回復期リハビリテーションは、原因となる疾患が安定してから、理学療法、作業療法、言語聴覚療法などを集中的に実施するものであり、維持期リハビリテーションは、回復した機能の維持を目的として実施するものでございます。
病院経営本部所管の都立病院は、急性期医療を提供していることから、脳卒中などの患者に急性期リハビリテーションを実施しております。
今後も、急性期リハビリテーションを実施するとともに、回復期リハビリテーションを実施する地域の医療機関との連携を深め、高齢化が進行する中でも、患者が切れ目なく適切なリハビリテーションを受けられるよう対応してまいります。
○田中委員 この東京における都市部においては、リハビリ病院のベッド数の不足が問題となっております。特に、今もおっしゃってもらった急性期病院との数のバランスがとれていないといわれています。
急性期の医療は、患者が急性期から脱するための治療に重点を置く余りに、その後のリハビリの認識に乏しい部分があり、手術を終えてすぐに自宅に帰してしまうなどということが問題となってきました。
東京都としては、この急性期リハビリテーションを担うということでありますので、この役割は大変に重要になってくると思っております。
また、地域の医療機関と連携という答弁がありましたが、これは福祉保健局になりますが、リハビリテーションの医療機関名簿も発行し、当該施設の詳細情報も提供していることも聞きましたし、また、地域の医療連携パスにおいても、急性期と慢性期の連携を密にとっているという現状もお聞きをしました。
その他においては、理学療法士の人材確保の問題や教育の問題といった多くの課題があるわけでありますが、ぜひ今いった取り組みを進めてもらって、急性期から維持期といわれておりますが、一貫した切れ目のない医療を提供し、少しでも早く機能、能力を改善し、最終的にはやっぱり、先ほども在宅の話が出ていましたが、在宅に戻って在宅医療を続けられるかどうかに大きくかかわっていますので、そのような体制を都立が率先して整備することを要望したいと思います。
もう一つは、見学しました広尾病院についてお聞きします。
広尾病院では、病棟全般や屋上のヘリポート、十二月ですから大変寒い時期でありましたが、風が強かったのも覚えておりますが、そこを見学させていただきまして、災害医療や東京DMAT等の説明も受けました。
広尾病院は歴史が長く、この間、少しずつ補強し、整備をしながら拡張していったため、施設的にも老朽化が進み、機能面でも、初期診療所と手術室、これは皆さんも見たかと思うんですけど、ドア一枚でつながっておりまして、まだまだ大変課題が多いということを見ました。
一般的には、あの初期診療室と入り口は、もう一枚ドアがあって部屋があって、患者のプライバシーや、また、衛生面が守られることが本来必要であるということもお聞きをしました。
都立広尾においては、このER機能の強化を掲げておりますが、このような現状をどのように考えているのか、整備の計画も含め、今後の対策を伺います。
○野瀬経営戦略担当部長 一次から三次までの救急医療に対応する東京ER・広尾は、他の医療機関では対応困難な患者を積極的に受け入れており、今後も高齢化の進行に伴う合併症患者や重症患者の増加を背景に、その役割はますます重要になっていくものと考えております。
一方、設備の老朽化や共用化が課題となっていることから、今後はER関連設備の機能強化を図ってまいります。
具体的には、救急の初期診療室の改修や、内科と外科が一体で治療を行うハイブリッド手術室の設置に向けた検討を行ってまいります。
○田中委員 初期診療室の改修もその計画の中に入っているということで、安心をしました。
また、その際、先ほど山加理事からもお話が出ましたが、DMATがドラマ化されるという話も伺って、実際、一月から現在も放映をされているということを伺っています。そもそも、この話は、「グランドジャンプ」という漫画で連載中のコミックの「Dr.DMAT」を連続ドラマ化したものであります。広尾病院の佐々木院長が監修をしていて話題となっております。
これに関して広尾病院はどのようなかかわり方をしたのか、まず伺います。
○和賀井経営企画部長 「Dr.DMAT」の題材となっています東京DMATは、大震災などの自然災害ですとか大規模交通事故などの都市型災害の現場に消防隊とともに出動します、救急災害医療の知識を持つ専門の医療チームのことでございます。
ドラマでは、災害現場で救命治療を行う東京DMATの活動の場面が多いことから、誤った情報を発信することがないよう、東京DMAT隊員の資格を持ちます広尾病院の佐々木院長が監修に携わっております。
また、先ほど質疑にもありましたとおり、ドラマの舞台となります病院は広尾病院をモデルとしているということもあり、ドラマ制作に当たりまして、外観、救急外来等のロケに協力をいたしました。
○田中委員 私も視聴していて、多くの委員の皆さんも見ていらっしゃるかもしれないんですが、大変手に汗握る場面も多く、また、私も知らないことも多く、大変勉強になっておりますが、このドラマは、今週が最終回でありまして、三月二十日であるようであります。
これで終わってしまうのはもったいないなという思いもあり、これ、権利の問題やお金の問題もあると思うんですが、なかなか、都立病院を舞台や参考にして取り上げたドラマというのはこれまでなかったかと思いますので、さらにDMATだけではなくて災害に対する意識も高まるドラマだと思いますので、ぜひこのドラマや出演者を何とかしてうまく利用して、都民への啓蒙も進めていただければなと思い、要望とさせていただきたいと思います。
さらに、このDMATというのは、今、広尾病院を取り上げましたが、他の病院でも行われております。この広尾病院を初めとする東京DMAT全体としての活動実績と、また、主な活動の事例を伺います。
○和賀井経営企画部長 都立では、広尾病院、墨東病院、多摩総合医療センターの三病院が東京DMATの指定病院となっております。平成二十二年度から二十四年度の三年間で、三病院合わせまして二十六件の出場実績がございます。
都立三病院は、昨年十月の台風被害による大島の土砂災害現場ですとか、東日本大震災の際に宮城県気仙沼市へ出場いたしました。
このほか、最近では、広尾病院の東京DMAT隊が、昨年七月ですけれども、秩父宮ラグビー場で行われましたアイドルグループのコンサートが雷雨で中断された際に、四十一名が低体温症や過呼吸の体調不良を訴えた事案ですとか、あるいは少し古くなりますけれども、世間を騒がせました平成二十年六月の秋葉原無差別殺傷事件、それから平成十九年六月の渋谷温泉施設爆発事故現場へも出場した実績がございます。
○田中委員 さらに具体的な活動を聞きますと、どなたも知っている大きな事件、事故に東京DMATがかかわっていることがわかります。
この東京DMATのドラマの話に戻るわけではないんですが、これ、見た人は、初めてDMATって言葉を聞いたとか、特に若い人が見ているというのもあって、そういう声を多く聞きます。ぜひとも、こういった活動をしているということを、実際、都民に広く知らしめていただいて、さらにDMATの強化も図っていただきたいと思います。
最後に、また話は変わりますが、今回、福祉保健局の予算の中で、医療施設の防火対策緊急整備事業というのが新規で計上されています。
詳細については福祉保健局の中で伺いたいと思うんですが、そもそも都立、公社病院の防火対策設備というのはどのようになっているのか、確認も含めて現状を伺いたいと思います。
○野瀬経営戦略担当部長 委員からお話がございました医療施設防火対策緊急整備事業は、現行の消防法でスプリンクラーの設置義務がない有床診療所などに対して、その設置に関する費用を補助するものでございます。
都立病院及び公社病院は大規模な病院であり、防災設備については、消防法関係法令や建築基準法関係法令などによる厳しい規制を受けております。
具体的には、消防法では、スプリンクラーのほか、災害情報を集中監視する防災センターなどの防災設備の設置、点検及び報告が義務づけられております。
また、建築基準法では、建物の耐火性の確保や防火扉の設置などが義務づけられており、都立病院及び公社病院は、これらの規制に的確に対応しております。
なお、運営面におきましても、毎年の防災訓練などを通じて職員の防災力、対応力を強化するなど、万全の体制を整えております。
○田中委員 都立や公社病院は、そもそも、スプリンクラーはもちろん、その他消防法によっても、多くの規制のもとで整備をされてきたということであります。
また、今、答弁にありました定期的な消防訓練を行っているということも聞きました。
有床診療所は、スプリンクラー設備、これで済むかと思うんですけど、なかなか消防訓練等もできていないようなところもまだある中でありますので、ぜひこれを機にではありませんが、都立病院や公社病院が率先して、そういった施設の整備だけでなく防災訓練の先頭にも立って、これからその役割を果たしていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○野島委員 何点か質問させてください。
平成十三年の夏に都議会議員選挙がございました。私も当選をいたしたわけでございます。その後、初めて会った都の職員は、当時の病院経営本部総務課長、今、本部長でございます醍醐さんでございました。
私、当時、まだ厚生委員会に所属していたわけではないので、何で来たのかなと思ったんです。話を聞いてみますと、都立病院改革を進めますと、その上で、清瀬小児病院が廃止になりますと。私の選挙区は清瀬なものですから、どちらかというと、恐らく清瀬小児病院の廃止の問題の方がウエートが高かったというふうに認識をいたしております。
実は当時、小児科医の不足もあって、小児医療が大変危機的な状況にあるというふうな状況がございました。そういう中では、その充実強化をしていくには、医療サービスを向上していくと。そのためには、やっぱり一次医療を担う地域の医療機関と二次医療圏、それと三次という、東京都全体が三次になるんですが、これをどうリンクさせて、緊密な連携をとりながら、それぞれの医療資源が有効に機能すると同時に、それが連携してやらなければいけないと、こんな状況だったように私、理解をしていたんです。
そういう中で都立病院が担う役割って、もうそれは病院改革の真髄でありますけれども、行政的な医療ですよということでございました。
しからば、それを小児という医療領域に当てはめたときはどうなるのかと。一般的な医療機関では対応が困難な部分は、多摩小児総合医療センターを府中につくりますと。府中につくるよさは、総合診療基盤に支えられた病院でありますから、それとの連携も極めて高くなるということで全体が上がるというふうなことがあるわけであります。しかし、私ども地域の選出の都議会議員というのは、地域ネタがやっぱり一番関心があるんですよ。清瀬小児病院がなくなっちゃう、とんでもないというのが正直な印象でございました。
もちろん、医師会も反発したし、当然のことながら、それぞれの行政区、とりわけ地元の清瀬市というのは猛反発だったというふうな形が状況としてあったわけであります。
しかし、私は、全体として、病院経営本部が進めるこの都立病院改革は、これからのことを考えたときに必要だろうと思って、私の記憶では、十四年の六月であったか、一般質問で、これはもうわかったというふうに明言したことを記憶しているんです。
しかし、そのためには、やっぱり同時並行的に、小児病院がなくなった後、地域の一次医療、二次医療がどうしたら守れるんだろうということを見える形でやっていかない限り、絶対に理解が得られないというふうに思いまして、このことについてはいろいろ提言もいたしました。病院経営本部も極めて積極的に活動していただきました。当該市の行政当局はもちろんでありますけど、地域の医療機関、こういったふうなところも極めて精力的にやっていただきました。本当にありがとうございました。
例えば、一次医療、二次医療、とりわけ二次医療との連携というのが大変大きな課題だったと思っております。
それについては、ここに平成二十五年版多摩北部医療センター事業概要の抜粋というのがあるんですね。ここに詳しく載っているんですけれども、例えば多摩北部医療センターに小児科外来を開設いたしましたと。
それから、これは特筆すべきだったんですが、北多摩北部の医療圏、この中で、平日夜間の小児初期救急診療を、多摩北部医療センターを使って、そこでやってもらったんですね。それは、初めはちっちゃな種だったんですが、大きく育ちまして、今は五日間やっているはずでございます。
あるいは、病床数も、最初に小児科病棟を開設したのは十七年六月ですが、こういったふうなものを順次ふやしていただいた。あるいは、多摩の方からお医者さんを派遣してもらうというふうな、そんなことで大変ありがたく思っています。
特に僕がありがたいと思ったのは、医療人材として、地域の医療、とりわけ、お子さんはすぐ病気になるわけじゃないですね。いろんな積み重ねで病気になるんですよ。そういうことだから、家庭もちゃんとしっかりしてください、行政もそういうことを支援してください、そういう講習会も何回も開いてもらった。そういう経過があって、徐々に反発もおさまって、やっていただいたわけであります。
いわば、この間、行政というのは縦割り縦割りというふうにいわれているわけであります。病院経営本部は、都立病院の経営、それから公社病院の支援ということだと思うんですが、例えば、さっきいった平日夜間なんていうのは、あれは福祉保健局マターなんですよ。だから、ある意味では縦割り行政を乗り越えて調整していただいた。そのことで都立病院改革が進んでいったというふうに、僕は大変ありがたく思いまして、最初に難癖をつけていただいた本部長に大変ありがたく思っております。
そんなことで一連の経過があるわけでありますけれども、こういうことについて、都立病院改革とのかかわりで、多摩地域における小児医療を、ぜひこの際、病院経営本部長には自己評点をしていただいて、その上で、今後どういうふうに考えていくのかということで病院経営本部長にお伺いできればと思っております。
○醍醐病院経営本部長 野島先生お話しのとおり、都立病院改革、平成十三年に提唱されたわけでございます。私、そのときの担当の課長ということでもありまして、また、病院経営本部が平成十四年に立ち上がったときの、ちょうど庶務担当課長をやっておりました。
今も先生のお話がございましたとおり、そのときに提唱されました都立病院改革というのは、病院の新たな役割といたしまして、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に提供することと、これは、そのときに初めて定義したわけでございます。その考え方に基づきまして、医療機能の集約と再編整備を進めてきたものでございます。
その当時でございますが、全国的に小児科医の減少が進む中、次の世代を担う子供を健やかに育てるために、小児医療の充実というのは最も重要な課題でございました。当時ございました清瀬、八王子、梅ケ丘、都立の小児三病院は、いずれも単体の小さな病院でございますが、それだけでは、単体の病院だけでは、やはり立ち行かないという考えのもとに、この三つの病院を移転統合し、小児医療の拠点を整備するというのは、都立病院改革の象徴的なものであったというふうに認識をしておるところでございます。
この結果、現在、平成二十二年にできました小児総合医療センターでございますが、小児の専門医療を担うセンター的機能病院といたしまして、世田谷にございます国立成育医療研究センターに肩を並べ、全国で十五の小児がん拠点の一つに指定されるまでになっております。
また、小児救急では、多摩地域唯一のこども救命センターとして、小児救急医療の最後のとりでとなってもおります。
また一方、野島先生からもお話が出ました、清瀬小児病院のあった北多摩北部地域におきましては、お話のとおり、福祉保健局と連携して小児医療の充実を進め、多摩北部医療センターに新たに小児科を設置いたしました。
また、地元の医師会の先生と密接な連携を図り、小児初期救急平日夜間診療を行うなど、一次と二次の医療連携を図っているとともに、小児総合医療センターから多摩北部医療センターに医師を派遣するなど、二次、三次の連携も図っております。
ご案内のとおり、多摩北部医療センター、これはかつては多摩老人医療センターでございました。小児科というものが全くない中で、清瀬小児病院移転の際に、地域病院として多摩北部医療センターとして整備をした上で、新たにそこに小児科を設置し、平日夜間の救急医療も始めたところでございます。
さらに、医師不足の解決策として取り組んだ東京医師アカデミーの開講によりまして、豊富な臨床の経験を積めることから、小児総合医療センターには、現在、多くの医師が集まり、都内を初め他の公立病院にも小児科医師を送り出しております。
こういった成果は、多少手前みそかもしれませんが、まさに都立病院改革が目指した医療機能の集約とネットワークの充実強化によるサービスの向上であるというふうに考えておるところでございます。
今後とも、東京都の小児医療の充実に向け、不断の取り組みを進めてまいります。
○野島委員 ありがとうございました。おかげさまで、そういう状況で今日に至ったわけでございます。
その後、十七年、二十一年と選挙がございました。私たちは、何も病院だけで選挙をぶっているわけではございませんが、共産党を含め対立候補は清瀬小児病院廃止反対ということでやってまいりましたけれども、冒頭いったように、何もその一つだけで選挙をやっているわけじゃないですから。
しかし、地域のお医者さん、医師会の皆さん、あるいは議会のいわば自民党系、あるいは当該市の市長さん、こういったような方は理解をしていただいたんですよ。その中で勝ち残ってきたと、大変ありがたく思っております。
その上で、これからも不断の取り組みを進めていくという決意表明をいただいたわけでありますが、実は舛添知事が誕生しまして、多摩に肩入れというか、多摩を重視するということであります。
三多摩部会でもいろいろ話をいたしました。よく日本共産党さんが、NICUが不足しているじゃないか、多摩には足りないなんて、こういうことでいわれておりまして、私どもの中にもそういう話があるのも現実であります。
しかし、NICUの設置は病院経営本部マターじゃないんですね。福祉保健局が、都立病院だけじゃないですから、ほかも含めてどうやったらいいか。機械は買えばいいですよ。スタッフは育てなきゃいけないんだから、それは簡単にはいかないですよ。(発言する者あり)それとやっぱり、僕はそのときにいったんだけど、があがあ騒ぐんじゃなくて、しからば、NICUが必要になるような部分というのは、やっぱり母体管理の精度を上げていけば、その需要量というのは予測ができるわけですよね。だから、必要な分はそこでやらなきゃいけないけれども、そういう過程の中では、母体管理の精度を高めることに福祉財源を使っていくという、同時並行的にやっていかなければ施策の実は上がらないというふうに、私はそのときにそのことをおっしゃる方にはお話をしておきましたけれども、これからそういうことも、我が自由民主党の厚生政策推進本部では積極的に取り組みますので、その際にまた病院経営本部長のご協力、ご支援もお願いしたいということで、これは終わります。
そのときに、立つ鳥跡を濁さずという話をしました。清瀬小児病院の跡地の有効利活用の問題でございます。
要件を三つほどつけまして、いろいろお願いしました。これも病院経営本部マターでは解決できない問題、これはちゃんと伝えてくれということで積極的に伝えていただきまして、いろいろ局間調整もやっていただきました。あるいは、地元市との意見調整もやっていただいた。
その結果は、この間の一般質問で質問をし、答弁をいただいておりますので触れませんが、これも本当にありがとうございました。火つけ役のその当時の若い醍醐総務課長が今現在、病院経営本部長ということで、始まった話がきれいに終わったのが今回ということだと思っておりますので、心から感謝を申し上げる次第でございます。
また、この間、大変多くの皆さんに大変なお力添えをいただきましたことを、ぜひお伝えいただきますようお願いも申し上げて、この件は終わります。
それで、あと一つだけ聞かせてください。
先ほど、ともとし委員、それから遠藤理事の質疑でも出てきましたけど、高齢化が進む中で、どういうふうに地域の医療資源と、いわゆる介護資源とはいわないですが、具体的には、そういう介護領域、それから医療領域がどう連携していくのかということが、私は大変大きな課題になってくると思うんです。
東京都医師会の会長さん以下、皆さんとお話しするときも、それなんですね。これからの地域の医療というのは、そこをやっていかなきゃいけないよといいます。それから、いろいろな介護領域の人たちも、それなんです、連携。
何が問題かというと、やっぱり、どうしても介護領域の方が位落ちしちゃうという、変ないい方だけど、そういうところもあるんですね。そんなことはそっちに置いておきまして。
それから、国においては、僕は、まだよくわからないんだけど、総合医、いわば在宅なり、それは自宅であったり施設だったりするんだけど、それをどういうふうに医療のところから支えていくのという--僕は、総合医ということ、総合専門医みたいなことが今、国で制度設計が始まっているやに聞いております。
そんなことを考えますと、これから患者が急性期、亜急性期を脱して戻ると、また再発して来るんだよね。そうすると、その連携を介護とどうつないでいくかということが大変大きな課題。それは先ほど、ともとし委員なり遠藤理事のいった患者支援センターの充実強化ということで、これも病院経営本部で取り組んでいただいていると思いますが、こういう行政的医療、これは介護あるいは医療の行政のつくりをどうやっていくかということであって、そこに行政的医療をやる病院経営本部がどういうふうにかかわるかという課題だというふうに思っているんですが、ぜひこんなことにも取り組んでいただきたいというふうに思っております。
いわば、病院経営本部が発足したときに、都立病院改革ということで始まったわけでありますけど、さっきもあるように、地域医療との連携も含めてしっかりやっていただいた。これを今度は、医療と介護と、このことの領域のつくりを行政としてどうやっていくかということで、もちろん福祉保健局マターですが、病院経営本部の果たす、都立病院の果たす役割、あるいは亜急性期の問題なんかは、僕は二次医療圏の問題だと思いますよ。
そういうことでは、病院経営本部が運営をし、携わっている、いわゆる多摩北部医療センター、こういったふうなところが大きな役割を果たしてくると思いますので、その辺も含めて、今後、こういう新たなステージに入ってくる日本の後期高齢者の医療需要に、介護という視点も含めてどういうふうに取り組んでいくのか、病院経営本部長の所見をお伺いいたしたいと思います。
○醍醐病院経営本部長 まさにお話のとおり、団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年というのは、大変なターニングポイントになろうかと思います。
現在、国におきましては、患者ニーズに応じました病院病床機能の役割分担や医療と介護の連携強化を通じて、より効果的、効率的な医療、介護サービスの提供体制を構築するため、検討を進めております。
そのような中で、都立病院でございますが、これまで進めてまいりました都立病院改革の理念のもと、引き続き、都全域あるいは複数の二次保健医療圏を対象とした急性期病院として、一般医療機関では対応が困難な行政的医療、これは変わることなく、やはり担っていくことになりますが、それに加えまして、今後は、都立病院といたしましても、地域包括支援センターや訪問看護ステーションなどの、区市町村が主体となった在宅医療支援のネットワークに患者のニーズを適切に結びつけていく必要も生じているというふうに考えております。
したがいまして、この間、議論いただいております患者支援センターを都立病院としても設置し、患者やその家族が抱える診療や転院、退院、それからまた在宅移行などに関する相談支援機能を一層強化いたしますとともに、地域の関係機関と協力体制を構築しながら、患者の在宅療養への移行を支援してまいりたいと考えております。
今後とも、患者中心の医療の実現に向けまして関係機関とのネットワークづくりを進め、安全・安心していただける医療提供体制を確立してまいります。
○野島委員 ありがとうございました。終わります。
○まつば委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○まつば委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
以上で病院経営本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時十五分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.