厚生委員会速記録第一号

平成二十五年二月十四日(木曜日)
第七委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長大津 浩子君
副委員長遠藤  守君
副委員長早坂 義弘君
理事三原まさつぐ君
理事三宅 茂樹君
理事門脇ふみよし君
加藤 雅之君
くりした善行君
岡田眞理子君
伊藤まさき君
ともとし春久君
野島 善司君
斉藤あつし君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長川澄 俊文君
次長梶原  洋君
技監前田 秀雄君
総務部長中川原米俊君
指導監査部長高原 俊幸君
医療政策部長浜 佳葉子君
保健政策部長高橋 郁美君
生活福祉部長小林 秀樹君
高齢社会対策部長中山 政昭君
少子社会対策部長桃原慎一郎君
障害者施策推進部長山岸 徳男君
健康安全部長中谷 肇一君
企画担当部長篠原 敏幸君
事業調整担当部長萱場 明子君
医療改革推進担当部長笹井 敬子君
医療政策担当部長小林 幸男君
地域保健担当部長松浦 慎司君
生活支援担当部長市川郁美子君
施設調整担当部長枦山日出男君
事業推進担当部長廣瀬  豊君
障害者医療担当部長熊谷 直樹君
食品医薬品安全担当部長鈴木 達夫君
感染症危機管理担当部長清古 愛弓君
病院経営本部本部長塚田 祐次君
経営企画部長和賀井克夫君
サービス推進部長中野  透君
経営戦略・再編整備担当部長齊藤 和弥君

本日の会議に付した事件
 副委員長の辞任及び互選
 理事の互選
 病院経営本部関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 病院経営本部所管分
・平成二十五年度東京都病院会計予算
・平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 病院経営本部所管分
・東京都立病院条例の一部を改正する条例
 福祉保健局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・平成二十五年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
・平成二十五年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 福祉保健局所管分
・障害者自立支援法施行条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都障害者支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都地域活動支援センターの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都福祉ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都障害者介護給付費等不服審査会条例の一部を改正する条例
・東京都障害児通所給付費等不服審査会条例の一部を改正する条例
・東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
・東京都肢し体不自由者自立ホーム条例の一部を改正する条例
・東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例
・東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
・東京都立多摩療育園条例の一部を改正する条例
・東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
・東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
・東京都医療施設耐震化臨時特例基金条例の一部を改正する条例
・東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例
・東京都介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
・東京都介護職員処遇改善等臨時特例基金条例の一部を改正する条例
・東京都地域自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例
・東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例
・東京都介護福祉士等修学資金貸与条例を廃止する条例
・東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
・食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
・食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
・墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の一部を改正する条例
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期計画の認可について
・都立荏原看護専門学校(二十四)改築工事請負契約
陳情の審査
(1)二四第一一二号 介護職員の処遇改善に関する陳情
(2)二四第一一九号 大都市における障害のある子どもの放課後支援の充実に係る意見書の提出に関する陳情

○大津委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る二月十三日付をもって、当委員会から、しのづか元議員が経済・港湾委員会に、また、滝沢景一議員が都市整備委員会に所属変更となり、新たに、門脇ふみよし議員が都市整備委員会から、また、斉藤あつし議員が経済・港湾委員会から当委員会に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の門脇ふみよし委員及び斉藤あつし委員をご紹介いたします。

○門脇委員 民主党の門脇でございます。
 途中からで、いろいろ、委員長を初めご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

○斉藤委員 斉藤あつしでございます。
 戻ってきた感がございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

○大津委員長 紹介は終わりました。

○大津委員長 次に、くりした善行副委員長から、副委員長を辞任したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認めます。よって、申し出のとおり、くりした善行副委員長の辞任は許可されました。

○大津委員長 次に、くりした善行副委員長の辞任に伴い、副委員長一名が欠員となりましたので、これより副委員長の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○伊藤委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○大津委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には、早坂義弘理事をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には、早坂義弘理事が当選されました。
 早坂副委員長からご就任のごあいさつがあります。

○早坂副委員長 ただいま副委員長にご選任いただきました自民党の早坂義弘でございます。
 委員長を助け、公平公正かつスムーズな委員会運営に努力をいたします。
 以上です。

○大津委員長 次に、早坂義弘理事の副委員長就任及び滝沢議員の所属変更に伴い、理事二名が欠員となりましたので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○伊藤委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○大津委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認めます。よって、理事には、三宅茂樹委員及び門脇ふみよし委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認めます。よって、理事には、三宅茂樹委員及び門脇ふみよし委員が当選されました。

○大津委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席につきましては、お手元配布の議席表のとおりといたしたいと思います。ご了承願います。

○大津委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部及び福祉保健局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに福祉保健局関係の陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○塚田病院経営本部長 平成二十五年第一回定例会に提出を予定しております病院経営本部関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 ご審議いただきます議案は、平成二十五年度当初予算案二件、平成二十四年度補正予算案一件、条例案一件の合計四件でございます。
 それではまず、平成二十五年度当初予算案につきましてご説明申し上げます。
 病院経営本部は、地方公営企業法第三条の経営の基本原則にのっとり、公共の福祉の増進と経済性の発揮のため、都民に対する医療サービスの向上と日々の経営改善努力を不断に積み重ねながら、都立病院を運営してまいりました。
 一方、少子高齢化の進展や疾病構造の変化、都民の医療に対する意識の高まりなどから、これまで以上に都民ニーズに応じたきめ細かな医療サービスの提供や、医療安全対策の強化など、医療の質をより一層向上させることが重要な課題になっております。
 これらを踏まえ、一般会計予算では、公益財団法人東京都保健医療公社の運営費などを計上するとともに、病院会計予算では、医療の質の向上と良質な患者サービスの提供、医療を担う人材の育成と資質の向上、危機管理体制の強化、経営力の強化を四つの柱といたしまして、都立病院が持てる医療資源を最大限有効活用し、高水準の医療機能を生かして、より多くの都民に適切な医療を提供していくための経費を計上したところでございます。
 予算案に盛り込みました事項につきましては、後ほど経営企画部長からご説明申し上げますので、私からは主要な施策についてご説明させていただきます。
 まず、一般会計予算でございます。
 公益財団法人東京都保健医療公社が所管する六つの地域病院の運営に要する経費などを計上しております。
 次に、病院会計予算でございます。
 まず、一つ目の柱は、医療の質の向上と良質な患者サービスの提供でございます。
 救急医療、小児医療、周産期医療、精神科医療などの各医療課題に対し、医療体制、医療機能の充実を図るとともに、情報通信技術の進展に適切に対応し、質の高い医療を効果的に提供するため、電子カルテシステムの更新などを行ってまいります。
 二つ目の柱は、医療を担う人材の育成と資質の向上でございます。
 東京医師アカデミーや東京看護アカデミーの運営などを通して、質の高い人材の確保や資質の向上に努めてまいります。
 三つ目の柱は、危機管理体制の強化でございます。
 新型インフルエンザ等の感染症への対策として、墨東病院に入院、外来機能を備えた独立の感染症対応病棟等を整備いたします。また、災害時においても医療を継続して提供していくため、これまで進めてきた対策を着実に推進するとともに、ライフラインを強化するなど、災害対策のさらなる充実を図ってまいります。
 四つ目の柱は、経営力の強化でございます。
 安定的かつ強固な経営基盤を確立するための経営力向上に向けた取り組みや、医業未収金管理体制の強化を行ってまいります。
 以上が平成二十五年度当初予算案における主要な施策の概要でございます。
 次に、平成二十四年度補正予算案につきましてご説明申し上げます。
 平成二十四年度補正予算案の内容は、公益財団法人東京都保健医療公社を担当する病院経営本部の職員に係る給与費の更正等でございます。
 次に、条例案につきましてご説明申し上げます。
 今回ご審議をお願いいたします条例案は、東京都立病院条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例は、地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律の施行による障害者自立支援法の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 この条例は、平成二十五年四月一日からの施行を予定しております。
 以上が本定例会に提出を予定しております議案の概要でございます。
 最後になりますが、病院経営本部は、平成二十四年度までの二次にわたる都立病院改革実行プログラムに基づき、再編整備によるハード面の整備を着実に進めるとともに、ソフト面にも重点を置き、都立病院改革を推進してまいりました。
 今後につきましては、再編整備により充実強化した医療機能を生かして、これまで以上に良質な医療サービスを提供してまいります。
 また、救急医療、周産期医療、小児医療及び精神科医療など、都民が期待する医療を都立病院が十全に提供していくためには、医師、看護師等の医療人材の確保、育成及び定着が引き続き重要な課題となっております。
 私ども病院経営本部といたしましては、職員一丸となって、全力でこれらの課題に取り組む所存でございます。何とぞ委員の皆様方のご指導、ご支援を、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 なお、議案の詳細につきましては、この後、経営企画部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○和賀井経営企画部長 平成二十五年第一回定例会に提出を予定しております議案の概要についてご説明申し上げます。
 初めに、お手元にお配りしております資料、平成二十五年度当初予算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、表紙をお開きいただき、目次をごらんください。平成二十五年度病院経営本部所管当初予算総括表から始まりまして、一般会計、病院会計と順に概要をご説明申し上げます。
 なお、これから申し上げます予算額等につきましては、百万円未満は四捨五入をしております。
 一ページをお開き願います。平成二十五年度病院経営本部所管当初予算総括表でございます。
 上段、一般会計は百六十六億九千万円、病院会計は千七百九十六億七千七百万円で、合わせまして千九百六十三億六千七百万円を計上しております。
 三ページをお開き願います。以下七ページまで一般会計予算についてご説明をいたします。
 まず、Ⅰ、総括表でございます。
 上段の歳出は、公益財団法人東京都保健医療公社の運営費や施設整備費及び公社を担当する病院経営本部職員の人件費などで、合わせまして百六十六億九千万円を計上しております。
 下段は、財産収入などの特定財源で六億一千五百万円を計上しております。
 四ページをお開き願います。Ⅱ、予算定数でございます。
 公社を担当する病院経営本部職員の定数でございます。
 五ページをお開き願います。Ⅲ、事項別内訳でございます。
 まず、1、地域病院等の運営でございますが、百六十億一千七百万円を計上しております。
 概要欄にありますように、ア、病院運営として、公社所管の六病院の運営に要する経費を計上しております。
 六ページをお開き願います。イ、備品整備から、カ、病院管理等まで、所要の経費をそれぞれ計上しております。
 次に、2、地域病院等の施設整備でございます。
 荏原病院における防災設備改修工事など、病院の施設改修などに要する経費として六億七千三百万円を計上しております。
 七ページをお開き願います。平成二十五年度予算において、新たに債務負担行為限度額を計上したのは二件で、二億四千二百万円でございます。
 1、多摩南部地域病院中央監視装置改修工事につきましては、老朽化が著しい中央監視装置を、平成二十五年度から二十六年度にかけて改修するものでございます。
 2、多摩北部医療センター外壁改修工事につきましては、劣化が見られる外壁を、平成二十五年度から二十六年度にかけて改修するものでございます。
 続きまして、病院会計予算についてご説明申し上げます。
 九ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
 上の表、1、収益的収支でございますが、収入は、医業収益、医業外収益及び特別利益を合わせまして千六百六十一億三千九百万円を計上しております。支出は、医業費用、医業外費用及び特別損失を合わせまして千六百三十億七千万円を計上しております。収支差引額は三十億六千九百万円の利益を見込んでおります。
 なお、収入欄の括弧内の数値は一般会計繰入金で、収入計欄にありますように、合計で四百十二億五千五百万円でございます。
 次に、下の表、2、資本的収支でございます。
 収入は、企業債、国庫補助金などを合わせまして七十三億五百万円、支出は、建設改良費及び企業債償還金を合わせまして百六十六億七百万円を計上しております。資本的収支の差引額は九十三億二百万円の不足となりますが、損益勘定留保資金その他で補てんをいたします。
 収益的支出と資本的支出の合計は千七百九十六億七千七百万円、平成二十四年度と比較して、二十八億四千三百万円、率にして一・六%の増となっております。
 一〇ページをお開き願います。Ⅱ、予算定数でございます。
 平成二十五年度の予算定数は、表の合計欄にございますように六千六百二人で、平成二十四年度と比較といたしまして、二人の減員となっております。増減員内訳につきましては、表の右側に事項別に記載してございますが、墨東病院の病棟等改築工事に伴う体制の強化などによる増員を行うとともに、再編整備の進行に伴う見直しなどの減員を行っております。
 一一ページをお開き願います。Ⅲ、患者規模総括表でございます。
 上の表、1、入院でございますが、平成二十五年度の病床数は合計四千九百九十二床で、平成二十四年度と同数でございます。延べ人員は、松沢病院の新病棟開設による影響の平準化などにより、平成二十四年度に比べ、一万二百二十人の増加となっております。
 下の表、2、外来でございますが、平成二十五年度の一日当たりの患者数は合計七千二百三十五人で、松沢病院の新病棟開設による影響の平準化により、平成二十四年度に比べ、五十五人の増加となっております。延べ人員は、営業日数が平成二十四年度に比べ一日増加することを含め、二万三千三百五十人の増加となっております。
 一二ページをお開き願います。Ⅳ、事項別内訳でございます。
 平成二十五年度の病院会計予算を六つの分野に区分して整理したものでございます。
 まず、一、病院管理運営でございます。
 都立八病院の管理運営に要する経費で、千五百八十八億一千万円を計上しております。
 一三ページをお開き願います。二、医療の質の向上と良質な患者サービスの提供でございます。
 1、各医療課題への取組強化から、一四ページの3、電子カルテの導入等までで七億三千六百万円を計上しております。
 まず、1、各医療課題への取組強化でございます。
 都立病院が、地域の実情を踏まえ、他の医療機関等と密接に連携しながら、さまざまな医療課題に対して中核的な役割を果たしていくため、救急医療、小児医療、周産期医療、精神科医療について、医療体制や医療機能の充実を図ってまいります。
 次に、2、病院施設の維持・強化でございます。
 コスト縮減と環境対策を両立させたESCO事業の着実な実施や、患者の療養環境にも配慮した緑化の推進など、都立病院の環境対策を実施いたします。
 次のページをお開き願います。3、電子カルテの導入等でございます。
 質の高い医療を、より効果的かつ効率的に提供するため、電子カルテシステム等の整備を行います。
 一五ページをお開き願います。三、医療を担う人材の育成と資質の向上でございます。
 1、東京医師アカデミーの運営から、一六ページの3、人材の育成・確保までで四十七億八百万円を計上してございます。
 まず、1、東京医師アカデミーの運営でございます。
 臨床を重視した患者本位の医療を提供できる質の高い若手医師を育成するため、平成二十年四月に開講した東京医師アカデミーを引き続き運営してまいります。
 次に、2、東京看護アカデミーの運営でございます。
 質の高い看護職員の確保、育成及び定着を図るため、東京看護アカデミーの運営を着実に実施してまいります。
 次のページをお開き願います。3、人材の育成・確保でございます。
 院内保育室の運営や医療クラークの配置など、働きやすい勤務環境を整備するとともに、引き続き質の高い看護師採用の活動を推進するなど、人材の育成、確保に努めてまいります。
 一七ページをお開き願います。四、危機管理体制の強化でございます。
 1、感染症管理体制の強化から、一九ページの4、情報セキュリティー対策の推進までで四十九億三千七百万円を計上しております。
 まず、1、感染症管理体制の強化でございます。
 医療資器材等整備三カ年計画に基づいた医療資器材等の保管配送体制を整えてまいります。
 また、区東部保健医療圏を中心とした地域の感染症診療機能を強化するため、墨東病院において、入院、外来機能を備えた独立の感染症対応病棟等を整備いたします。工事期間は平成二十七年度まででございます。
 次のページをお開き願います。2、災害に備えた体制強化でございます。
 災害時において、都立病院が十分な医療機能を果たすため、医療資器材を整備するなど、災害対策を充実いたします。
 また、基幹災害拠点病院である広尾病院において、老朽化した給排水衛生設備などの改修や自家発電設備を整備するなど、ライフラインの強化を実施いたします。
 次のページをお開き願います。3、医療安全管理体制の充実強化でございます。
 安心できる医療を着実に推進するため、医療安全管理対策の充実強化に取り組みます。
 次に、4、情報セキュリティー対策の推進でございます。
 院内LAN統合データセンターへの運用を引き続き行うなど、強固な情報セキュリティー対策を推進いたします。
 二〇ページをお開き願います。五、経営力の強化でございます。
 1、経営の効率化及び経営分析力の向上及び2、医業未収金対策の強化で一億二千八百万円を計上しております。
 まず、1、経営の効率化及び経営分析力の向上でございます。
 都立病院が今後も安定的、継続的に行政的医療を提供していくために、収益力の強化や経営分析力の向上のための取り組みを実施いたします。
 次に、2、医業未収金対策の強化でございます。
 医業未収金の確実な回収と発生防止のための方策として、未収金管理体制を強化してまいります。
 二一ページをお開き願います。六、病院施設整備でございます。
 1、病院一般施設整備から、3、企業債の償還まで、都立病院の施設改修や医療器械等の整備などに要する経費として百三億五千八百万円を計上しております。
 二二ページをお開き願います。Ⅴ、債務負担行為でございます。
 平成二十五年度予算において、新たに債務負担行為限度額を計上したのは三件で、三十四億九千二百万円でございます。
 1、旧都立府中病院解体工事につきましては、老朽化が進んでいる建物を平成二十五年度から二十六年度にかけて解体するものでございます。
 2、都立広尾病院空調設備等改修工事につきましては、老朽化した空調や給排水衛生設備などを平成二十五年度から二十七年度にかけて改修するものでございます。
 3、都立墨東病院病棟等改築工事につきましては、現在実施している墨東病院における感染症対応病棟等の整備の関連工事でございます。工事期間は平成二十七年度まででございます。
 次に、Ⅵ、企業債でございます。
 都立墨東病院病棟等改築工事など、病院建設改良事業に要する財源として計上しております。限度額は五十億七千四百万円でございます。
 以上で平成二十五年度の病院経営本部におきます当初予算案の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、平成二十四年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成二十四年度補正予算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。平成二十四年度病院経営本部所管予算総括表でございます。
 病院経営本部が所管する一般会計と病院会計について記載してございますが、補正予算の対象は一般会計のみとなっております。
 三ページをお開き願います。一般会計の総括表でございます。
 上段、歳出に関しましては、人件費、通勤手当等及び事業費の補正予算額として、四億二千五百万円の減額を計上しております。下段、今回の歳出補正予算に対する財源でございますが、予算額の補正に伴い、財源の減額を行うものでございます。
 四ページをお開き願います。Ⅱ、事項別内訳でございます。
 1、地域病院等の運営でございますが、ア、職員費及びイ、地域病院等の運営のうち、不用となった額を減ずるものでございます。
 次に、2、地域病院等の施設整備でございます。
 これは、実施設計に伴う起工額の減少及び契約差金の発生などに伴い不用となった額を減ずるものでございます。
 以上で平成二十四年度補正予算の概要の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料、平成二十五年第一回東京都議会定例会条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。整理番号1、東京都立病院条例の一部を改正する条例についてでございます。
 障害者自立支援法の題名が、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に改正されるため、規定の整備をするものでございます。
 この条例は、平成二十五年四月一日からの施行を予定してございます。
 条例案の詳細な内容につきましては、お手元にお配りしてございます資料、平成二十五年第一回東京都議会定例会条例案をご参照いただきたいと存じます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大津委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。

○大山委員 一つ目は、都立病院及び公社病院における医師の診療科別定員及び現員。
 それから、職種別定員及び現員。
 そして、看護要員の採用、退職者数の推移。
 そして、研修医受け入れ状況です。
 それから、都立病院におけるPFI事業に係る経費の推移。
 そして、都立病院の一般会計繰り入れの推移ですけれども、これは施設整備関連経費と施設整備費以外のものに分けて、病院別でお願いします。
 あと、都立病院における経営指標の推移。
 それから、各公社病院における経営指標の推移。
 そして、各公社病院に対する運営費補助金の推移。
 以上です。

○大津委員長 ほかにありますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で病院経営本部関係を終わります。

○大津委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○川澄福祉保健局長 平成二十五年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 今回ご審議をお願いいたします議案は、平成二十五年度予算案三件、平成二十四年度補正予算案一件、条例案三十三件、事件案一件、契約案一件の合計三十九件でございます。
 それでは、お手元の議案概要説明をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、平成二十五年度予算案についてご説明申し上げます。
 平成二十五年度東京都予算案は、時流を先取りし、首都として国を動かし支えていく原動力となるとともに、将来に向けて財政基盤を一層強化し、東京の輝きを高めていく予算として編成されております。
 この方針に基づき、福祉保健局では、福祉、保健、医療を一体的に提供するとともに、社会環境に迅速かつ的確に対応するため、各種施策にさまざまな工夫を凝らし、充実を図っております。
 また、東日本大震災の教訓を踏まえ、災害時における医療機能の確保や、高齢者、障害者など災害時要援護者への支援などについても着実に取り組んでまいります。
 福祉保健局所管の一般会計一般歳出予算の総額ですが、九千六百十七億六千百万円、今年度に比べて、二百四十六億二千万円、二・六%の増でございます。
 また、母子福祉貸付資金会計及び心身障害者扶養年金会計の二つの特別会計を合わせ、会計間重複を控除した全会計の総額は、九千七百二十四億一千百十四万五千円となっております。
 子ども家庭分野では、子どもが健やかに生まれ、はぐくまれる社会を目指し、待機児童解消に向けた取り組みや、要支援家庭を早期に発見し、必要な支援につなげるための体制づくりを強化するとともに、相談体制の充実など児童虐待の未然防止に向けた支援にも、より一層取り組んでまいります。
 高齢者分野では、高齢者が健康で自分らしく暮らせる社会を目指し、大都市の特性を生かした地域包括ケア体制の整備や多様な手法による介護サービス基盤の整備、サービスを支える介護人材の確保、定着に取り組んでまいります。
 障害者分野では、障害者が地域で安心して暮らせる社会の実現を目指し、居住の場や在宅サービス等の基盤整備に努めるとともに、医療支援体制の充実や自立に向けた就労支援を図ってまいります。
 生活福祉分野では、低所得者、離職者の生活の安定に向けた支援を行うとともに、福祉人材の育成、確保に取り組んでまいります。
 保健分野では、がん予防、早期発見のための取り組みや、生活習慣病への対策、健康づくり等の取り組みを充実するとともに、地域の特性を踏まえた自殺対策を強化してまいります。
 医療分野では、迅速かつ適切な救急医療を確保するとともに、災害時の医療体制の強化を図ってまいります。また、医療と介護が連携した在宅療養支援体制の整備や、がん医療、小児医療、周産期医療体制の取り組みを着実に推進し、だれもが安心して質の高い医療を受けられる体制を整備してまいります。
 健康安全分野では、新型インフルエンザの流行に備え、引き続き医療提供体制の強化に努めるとともに、違法、脱法ドラッグ等の多様化する健康危機から都民を守る体制の強化を図ってまいります。
 災害に強いまちづくりに向けた取り組みとしては、医療施設及び社会福祉施設の耐震化や災害時要援護者対策などに取り組んでまいります。
 次に、平成二十四年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 一般会計歳入歳出予算の補正でございます。
 国が経済対策として実施した予備費等の活用により、東京都医療施設耐震化臨時特例基金などの既存基金への積み増しを行うもの、また、歳入歳出予算の執行状況を精査し、増額または減額するものでございます。
 続きまして、条例案の概要をご説明申し上げます。
 地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律の施行による障害者自立支援法の改正に伴い、法律の題名が改められたことにより規定を整備するもの、国の予備費等の活用を受けて基金に係る規定を整備するもの、また、そのほかには、介護福祉士等修学資金貸与事業を廃止するものや、児童相談所の移転に伴い、児童相談所の名称及び位置に係る規定を整備するものなどがございます。
 続きまして、事件案の概要をご説明申し上げます。
 地方独立行政法人法の規定に基づき、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期計画を認可するものでございます。
 最後に、契約案についてでございますが、都立荏原看護専門学校の改築を行うものでございます。
 なお、詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。
 以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中川原総務部長 初めに、平成二十五年度予算案につきまして、お手元の資料、平成二十五年度当初予算概要によりご説明申し上げます。
 表紙に続いて、目次を二枚めくっていただきますと、平成二十五年度福祉保健局所管予算の概要がございます。
 一般会計のほか、母子福祉貸付資金会計、心身障害者扶養年金会計の二つの特別会計がございます。
 以下、会計別にご説明させていただきます。
 初めに、一般会計でございます。
 次の一般会計の中扉をおめくりいただき、一ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
 歳出の計欄をごらんください。二十五年度は九千六百十七億六千百万円で、二十四年度当初予算に比べて、二百四十六億二千万円、二・六%の増となっております。
 次に、歳入でございますが、特定財源の計欄をごらん願います。二十五年度は一千六百四十五億四千七百十八万八千円で、二十四年度に比べて、三百四十七億四千七百五十二万七千円、一七・四%の減となっております。
 二ページをお開き願います。Ⅱ、職員定数でございます。
 表の下段の合計欄をごらん願います。平成二十五年四月一日における職員の定数は四千百四十人で、二十四年度と比較して三十六人の減員となっております。
 主な増減員は表の右側にお示ししてございます。
 三ページをごらんください。Ⅲ、事項別内訳でございますが、科目別に記載してございます。
 主要な事業につきまして、新規事業を中心にご説明申し上げます。
 概要欄の2、福祉保健改革の推進の(1)、がん総合的高次研究の推進でございます。
 これまで開発した、がん診断の基盤技術をもとに、各種がんの診断薬、医療機器の早期実用化に向けた研究を推進し、各種がんの早期発見や術後の適切な病勢診断、予後判定に活用してまいります。
 一三ページをお開き願います。(7)、こども救命センターの運営でございます。
 重篤な小児患者を迅速に受け入れるこども救命センターにおいて、円滑な退院、転院に向けた調整を行う退院支援コーディネーターをモデル配置し、その効果検証を踏まえ、安定した病床確保を進めてまいります。
 一六ページをお開き願います。中ほどの(4)、災害拠点連携病院整備事業でございます。
 中等症者や容態の安定した重症者を受け入れる医療機関を新たに災害拠点連携病院として指定し、重症者を受け入れる災害拠点病院などとあわせて、災害時の医療提供体制の強化を図ってまいります。
 (5)、EMIS、広域災害救急医療情報システム、イーミスと呼んでおりますけれども、このシステムの整備でございます。
 これは、現在、救急告示病院に配備しております本システムを再構築するものでございます。救急告示以外の病院や保健所、区市町村等の関係機関とネットワーク化することにより、災害時の情報収集能力及び情報連絡体制の強化を図ってまいります。
 一九ページをお開き願います。(6)、東京都小児がん診療連携推進事業でございます。
 東京都における小児がん医療水準向上のため、都内の小児がん診療に携わる病院が連携、相互支援できるよう、ネットワークを整備してまいります。
 (7)、がん患者就労等普及啓発事業でございます。
 がん患者の就労等の現状を把握し、患者の家族や事業主等に対し、がんに対する正しい理解を広めることにより、がん患者の治療と就労の両立を支援してまいります。
 (8)、がんポータルサイトの運営でございます。
 がんの医療や相談等に関する情報を一元化したポータルサイトを開設し、都民のニーズにこたえるとともに、がん患者やその家族の治療及び療養環境改善を推進してまいります。
 二一ページをお開き願います。中ほどの(13)、かかりつけ医リハビリテーション普及促進事業でございます。
 かかりつけ医のリハビリテーションに対する意識向上を図るとともに、基礎的な研修を行うことにより、在宅療養患者などを適切なリハビリテーションへと誘導してまいります。
 二三ページをお開き願います。中ほどの(7)、周術期口腔ケア体制の基盤整備でございます。
 周術期と申しますのは、免疫力を低下させる手術の前後の期間でございますが、この期間における口腔ケアの重要性を広く普及し、医科、歯科連携のための基盤整備を進めてまいります。
 三一ページをお開き願います。1、東京都健康推進プラン21(第二次)の推進でございます。
 今年度末に策定を予定しております東京都健康推進プラン21(第二次)の着実な推進に向け、都民の健康などに関する意識調査を行うとともに、都民等に対する普及啓発や、区市町村等において指導的役割を担う人材の養成を図ってまいります。
 三二ページをお開き願います。(4)、がん予防・検診等実態調査でございます。
 都民のがん検診に対する意識や職域での検診実施状況を把握するため、調査を実施してまいります。
 三五ページをお開き願います。(7)、人工呼吸器使用患者非常用電源設備整備事業でございます。
 在宅で人工呼吸療法を受けている難病患者の停電時等の安全確保のため、医療機関が患者に無償で貸与する非常用発電機等の購入費を補助してまいります。
 四一ページをお開き願います。2、地域福祉推進区市町村包括補助事業でございますが、区市町村が地域の実情に応じて主体的に行う事業を支援するものでございます。
 平成二十五年度は、新たに社会福祉法人指導検査強化促進事業を追加し、区市における社会福祉法人検査の充実に向けた支援を行い、効果的な指導検査体制の確立を図ってまいります。
 四五ページをお開き願います。中ほどの6、被保護者自立支援に関する普及啓発等事業でございます。
 都が行ってきた生活保護の被保護者の自立支援に関する調査研究の成果を普及していくことにより、各区市における取り組みを支援し、被保護者の自立を図ってまいります。
 四九ページをお開き願います。4、組織マネジメント力強化推進事業でございます。
 社会福祉施設において組織マネジメント力の強化を進め、経営の健全化などを図ることにより、従事職員が継続して勤務できる環境づくりを推進してまいります。
 5、福祉・介護人材キャリアパス支援事業でございます。
 介護福祉士等の養成施設の教員が事業所を巡回訪問し、介護技術等に関する研修を行うことで、事業所職員のキャリアアップや職場への定着を支援してまいります。
 五八ページをお開き願います。(8)、介護療養型医療施設の転換支援でございます。
 平成二十九年度末の介護療養型医療施設の廃止に向け、当該施設の介護老人保健施設等への転換を支援するため、施設運営医療機関に対する転換支援セミナー等を実施してまいります。
 六〇ページをお開き願います。中ほど下の(3)、訪問看護人材確保育成事業でございます。
 要介護高齢者の在宅療養生活を支える訪問看護サービスの安定的供給を図るため、地域の大規模訪問看護事業所を中心とした新任訪問看護師の育成等を実施し、訪問看護師の確保、育成、定着を図ってまいります。
 (4)、訪問看護ステーションIT化支援事業でございます。
 モバイルITシステムの導入による中小訪問看護ステーションの業務効率化を促し、訪問看護ステーションの安定的運営と経営の大規模化を推進してまいります。
 六二ページをお開き願います。中ほどの(3)、認知症早期発見・早期診断推進事業でございます。
 現在十二カ所指定している認知症疾患医療センターと地域包括支援センター等が連携することにより、認知症の早期発見と初期における適切な診断を実施する体制を構築し、対応のおくれによる認知症状の悪化を防ぐとともに、認知症高齢者と家族が住みなれた地域で可能な限り生活を続けていけるよう支援を行ってまいります。
 (4)、医療従事者等の認知症対応力向上支援事業でございます。
 認知症疾患医療センターにおいて、地域の医療従事者等への研修を体系的に実施するため、研修拠点を設置し、多職種共通のテキストの作成やセンターの研修実施を支援することにより、都内の医療従事者等の認知症対応力の向上を図ってまいります。
 六八ページをお開き願います。7、高齢社会対策区市町村包括補助事業では、二つの新規事業を追加しております。
 まず、見守りサポーター養成研修事業でございますが、高齢者の見守り活動の担い手を育成、確保するため、集合住宅管理人や元気高齢者等を対象とした見守りサポーター養成研修を実施する区市町村を支援してまいります。
 次の、認知症の人の家族を支える医療機関連携型介護者支援事業では、認知症疾患医療センター等の医療機関周辺に認知症介護者支援の拠点を設け、医療機関の専門職と連携した介護者支援を行う区市町村を支援し、介護者の孤立化防止を図ってまいります。
 七三ページをお開き願います。一番下の4、新たな次世代育成支援計画の策定でございます。
 子ども・子育て支援法に基づく、子ども・子育て支援事業支援計画を包含する新たな次世代育成支援計画の策定に向け、検討会議の設置やニーズ調査を実施してまいります。
 七六ページをお開き願います。5、子供家庭支援区市町村包括補助事業では、三つの新規事業を追加しております。
 まず、現任保育従事職員資格取得支援事業でございます。
 区市町村が保育サービスの新たな施設整備を行う際などに、そこで必要となる保育士を確保するため、保育士資格の取得支援を行うことにより、保育人材の確保を支援してまいります。
 二つ目の、保育人材確保・育成のための地域ネットワーク事業でございます。
 地域の複数の保育施設がユニットを形成して合同で職員研修等を行うことにより、保育人材の定着、育成を支援してまいります。
 三つ目の、保育施設の非構造部材耐震対策支援事業でございます。
 東日本大震災で、多くの学校において天井材落下などの被害が発生し、天井や窓ガラスなど非構造部材の耐震対策の重要性が再認識されたことから、子どもの日中活動の場である保育施設に対して非構造部材の耐震化に係る経費の一部を補助することにより、子どもの安全確保のための取り組みを促進してまいります。
 七九ページをお開き願います。中ほどの11、ジョブ・トレーニング事業でございます。
 自立援助ホームの入退所者の就労支援及び就労定着支援の充実を図るため、施設に専任の支援担当職員を配置し、自立支援体制の強化を図ってまいります。
 八〇ページをお開き願います。中ほどの16、保育人材確保事業等でございます。
 保育人材の確保のため、保育士OB等を対象とした研修会及び就職相談会等を実施することにより、保育士有資格者の再就職を支援してまいります。平成二十五年度は保育士有資格者の就労状況等の調査を行いまして、未就職者の保育施設への就労支援や、保育人材確保、定着に向けた取り組みにつなげてまいります。
 八五ページをお開き願います。5、虐待防止支援モデルプランの開発でございます。
 虐待の未然防止に資するため、区市町村がショートステイなどの在宅サービス等を効果的に活用し、地域の子育て家庭への支援を行うモデルプランを策定いたします。
 九一ページをお開き願います。一番下の18、小規模保育整備促進支援事業でございます。
 待機児童の解消と子ども・子育て関連三法本格施行時の円滑な事業実施を目的としまして、小規模保育の整備を促進する区市町村を、国に先駆けて支援してまいります。
 九二ページをお開き願います。19、事業所内保育施設支援事業でございます。
 (2)の区市町村が事業所内保育施設に対して行う取り組みへの支援でございますが、平成二十五年度から新たに企業の次世代育成に対する取り組みを支援するとともに、区市町村が事業者と連携して定員の一部を地域開放分として活用し、待機児童解消を図る取り組みに対して支援してまいります。
 一〇〇ページをお開き願います。(2)、障害者施策推進区市町村包括補助事業でございますが、平成二十五年度は新たに重症心身障害児(者)在宅レスパイト事業を追加し、在宅生活を送る重症心身障害児者に対して、訪問看護師が自宅に出向いて一定時間ケアを代替することで、当該家族の休養を図ってまいります。
 一〇二ページをお開き願います。中ほどの(4)、障害者福祉施設授産活動普及促進のための展示即売事業でございます。
 展示即売会を実施し、地元企業や官公庁等に対する授産品等の優先調達に向けた普及啓発を行うことにより、障害者福祉施設の受注機会の拡大や工賃向上への主体的取り組みを促進し、授産活動の活性化を図ってまいります。
 一〇三ページをごらん願います。(6)、障害者就労促進パートナーシップ事業でございます。
 区市町村などが設置する就労支援機関と法定雇用率未達成の企業が一緒に参加するセミナー事業と、企業の実際の職場で体験してもらう実習事業をあわせて実施することにより、就労支援機関と企業間の連携を強化し、障害者の一般就労を促進してまいります。
 一一〇ページをお開き願います。11、障害者の地域生活移行に向けた支援の(1)、地域移行促進コーディネート事業でございます。
 障害者の入所施設に地域移行促進コーディネーターを配置し、担当するブロックの施設における課題を分析するとともに、問題の解決や区市町村との密接な連携を図るなど、施設入所者の地域生活への移行を促進してまいります。
 一一三ページをお開き願います。(3)、聴覚言語障害者福祉事業の一番下のカ、中等度難聴児発達支援事業でございます。
 身体障害者手帳の認定基準に該当しない中等度難聴の子どもたちが早期に補聴器を使用することにより、言語を獲得して生活能力やコミュニケーション能力を身につけられるよう支援してまいります。
 一二〇ページをお開き願います。(4)、地域精神科医療体制整備事業のア、精神科医療地域連携事業でございます。
 精神障害者が地域で必要なときに適切な医療が受けられる仕組みを構築するため、地域連携を推進するための協議会を設置するなど、精神疾患に関する地域連携体制の整備を図ってまいります。
 一二八ページをお開き願います。2、薬物乱用防止対策の(3)、違法、脱法ドラッグ対策でございます。
 現在でも脱法ハーブによる健康被害が後を絶たないため、ヘッドショップと呼ばれる販売店舗の調査区域を拡充し、監視指導の強化につなげるほか、インターネットを活用した効果的な普及啓発を行ってまいります。
 また、その下の(4)、違法、脱法ドラッグ緊急啓発対策により、若者を中心に違法、脱法ドラッグの有害性等を緊急的に普及啓発してまいります。
 一三四ページをお開き願います。4、新型インフルエンザ対策でございます。
 新型インフルエンザによる健康被害や、社会、経済的混乱を最小限に抑えるため、治療薬や医療資器材を確保するとともに、引き続き、地域医療体制及び監視、検査体制等の充実強化を図ってまいります。
 一四二ページをお開き願います。10、東京都医療施設自家発電設備整備事業でございます。
 大規模災害発生時において診療の継続が望ましい救急、透析、産科を標榜する診療所に対して、自家発電装置の整備を促進してまいります。
 一四六ページをお開き願います。29、都市型軽費老人ホーム整備費補助でございます。
 都市部における低所得者で介護や見守りが必要な高齢者向けの都市型軽費老人ホームの整備に要する経費の一部を補助することにより、設置促進を図ってまいります。また、平成二十五年度からは補助単価を増額し、整備をさらに加速させてまいります。
 次に、特別会計でございます。
 一五七ページをお開き願います。Ⅰ、母子福祉貸付資金会計でございます。
 母子及び寡婦福祉法に基づく母子福祉資金の貸し付けに要する経費として、四十九億四千万円を計上してございます。
 一五九ページをお開き願います。Ⅱ、心身障害者扶養年金会計でございます。
 東京都心身障害者扶養年金条例を廃止する条例に基づく年金給付等に要する経費として、六十三億六千三百万円を計上してございます。
 以上で、平成二十五年度予算案についての説明を終わらせていただきます。
 続きまして、平成二十四年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成二十四年度補正予算概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。左側の(1)、歳入予算の補正予算額欄をごらんください。
 国庫支出金で二百三十六億七千五百七十二万六千円の増額、諸収入で三十億五千九百万の増額などにより、補正後の歳入合計は二千二百五十七億三千九百五十万三千円となります。
 右側の(2)、歳出予算の補正予算額欄をごらんください。
 福祉保健費で二百三十九億四千二十三万二千円の増額、諸支出金で二十四億八千六百四十三万円の増額、総額で二百六十四億二千六百六十六万二千円を増額補正いたします。これにより、補正後の歳出合計は九千六百三十五億六千七百六十六万二千円となります。
 二ページをお開き願います。Ⅱ、事項別内訳の1、医療施設耐震化臨時特例基金でございますが、国の経済危機対応・地域活性化予備費等の活用(第二弾)に基づき拡充する基金への積立金として三十五億七千万円を計上してございます。
 三ページをごらんください。2、介護職員処遇改善等臨時特例基金でございますが、国の予備費の活用に基づき拡充する基金への積立金として十一億七千万円を計上してございます。
 四ページをお開き願います。3、介護基盤緊急整備等臨時特例基金でございますが、国の予備費の活用に基づき拡充する基金への積立金として三十九億六千万円を計上してございます。
 五ページをごらんください。4、安心こども基金でございますが、国の予備費の活用に基づき拡充する基金への積立金として百二十五億五千万円を計上してございます。
 六ページから一一ページにかけまして、予算の執行状況の精査により当初予算に不足が見込まれるものにつきまして、事項別に所要額を記載してございます。
 また、一二ページから二四ページにかけまして、歳入歳出予算の更正を行う経費について、歳出科目ごとに記載してございます。
 二五ページをお開き願います。12、国庫支出金返納金でございます。
 精算の結果、受け入れが超過した国庫支出金の返納に要する経費として、各局分を取りまとめて二十四億八千六百四十三万円を計上してございます。
 以上で最終補正予算案についての説明を終わらせていただきます。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成二十五年第一回東京都議会定例会条例案及び事件案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。整理番号1、障害者自立支援法施行条例の一部を改正する条例から、六ページに参りまして、整理番号18、東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例までの十八条例につきましては、昨年六月に成立いたしました、地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律の施行による障害者自立支援法の改正に伴い、法律の題名が改められたため、条文中に障害者自立支援法を引用している条例につきまして、改正後の法律名称である、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に改めるほか、規定を整備するものでございます。
 これらの条例は、平成二十五年四月一日から施行することとしております。
 続きまして、七ページをごらん願います。
 整理番号19から23までの五条例は、国の交付金により造成された基金について、国の予備費の活用による交付金の追加交付や基金の設置期限の延長などを受けまして、規定を整備するものでございます。
 整理番号19、東京都医療施設耐震化臨時特例基金条例の一部を改正する条例でございます。
 医療施設耐震化臨時特例交付金により造成された基金の期限が延長され、平成二十六年三月三十一日までに着工した事業を交付対象とすることとされたことに伴いまして、規定を整備するものでございます。
 整理番号20、東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例でございます。
 緊急雇用創出事業臨時特例交付金事業が平成二十六年度まで延長されることに伴いまして、基金の期限を延長するものでございます。
 整理番号21、東京都介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例でございます。
 介護基盤緊急整備等臨時特例交付金及び介護支援体制緊急整備等臨時特例交付金により造成された基金の期限が延長され、平成二十六年三月三十一日までに着手した事業を交付対象とすることとされたことに伴いまして、規定を整備するものでございます。
 八ページをお開き願います。整理番号22、東京都介護職員処遇改善等臨時特例基金条例の一部を改正する条例でございます。
 介護職員処遇改善等臨時特例交付金により造成された基金の期限が延長され、平成二十六年三月三十一日までに交付対象として認められた事業に交付できることとされたことに伴いまして、規定を整備するものでございます。
 整理番号23、東京都地域自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例でございます。
 地域自殺対策緊急強化交付金により造成された基金の期限が延長され、平成二十六年三月三十一日までに行われた事業に交付できることとされたことに伴いまして、規定を整備するものでございます。
 基金に係る以上の五条例は、いずれも公布の日から施行することとしております。
 整理番号24、東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例でございます。
 平成二十四年度及び平成二十五年度における東京都国民健康保険調整交付金の総額に係る特例を設けるものでございます。
 この条例は、公布の日から施行することとしております。
 九ページをごらん願います。整理番号25、東京都介護福祉士等修学資金貸与条例を廃止する条例でございます。
 介護福祉士等修学資金貸与事業の実施主体の変更に伴いまして、都の事業実施根拠である条例を廃止するものでございます。
 この条例は、平成二十五年四月一日から施行することとしております。
 整理番号26、東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例から、一〇ページに参りまして、整理番号29、東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例までの四条例につきましては、ユニット型特別養護老人ホーム等のユニットの入居定員に係る規定を改めるほか、規定を整備するものでございます。
 これらの条例は、平成二十五年四月一日から施行することとしております。
 整理番号30、東京都児童相談所条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都墨田児童相談所の移転に伴いまして、その名称及び位置を改めるものでございます。
 この条例は、東京都規則で定める日から施行することとしております。
 一一ページをごらん願います。整理番号31、食品衛生法施行条例の一部を改正する条例及び整理番号32、食品製造業等取締条例の一部を改正する条例でございます。
 両条例は、食品の自動販売機に係る施設基準ガイドラインを厚生労働省が定めたことに伴いまして、食品衛生法施行条例に規定しております自動販売機による乳類販売業に係る営業施設の基準及び食品製造業等取締条例に規定しております自動販売機による食料品等販売業を営む製造業者等の衛生基準を改めるものでございます。
 これらの条例は、平成二十五年四月一日から施行することとしております。
 整理番号33、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 墓地、埋葬等に関する法律の規定による墓地等の経営許可等の事務を、市町村の事務処理の特例に関する条例により、瑞穂町、日の出町、檜原村及び奥多摩町の四町村に移譲することに伴いまして、本条例の対象区域に係る規定を改めるものでございます。
 この条例は、平成二十五年四月一日から施行することとしております。
 続きまして、事件案についてご説明申し上げます。
 一二ページをお開き願います。整理番号1、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期計画の認可についてでございます。
 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが地方独立行政法人法第二十六条の規定に基づき作成した中期計画につきまして、同条及び第八十三条の規定に基づき認可する必要がございます。
 中期計画の期間は、平成二十五年四月一日から平成三十年三月三十一日までの五年間としており、中期計画の項目といたしましては、都民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置、業務運営の改善及び効率化に関する事項などがございます。
 最後に、契約案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成二十五年第一回東京都議会定例会契約案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 本契約案は、財政委員会に付託の上、本委員会でご調査いただくものでございます。
 一ページをお開き願います。都立荏原看護専門学校(二十四)改築工事でございます。
 昭和四十六年に設立した都立荏原看護専門学校は、築四十一年が経過し、老朽化が進んでいるため、改築工事を行い、安全かつ良好な環境で看護師を養成することができる施設を整備するものでございます。
 工事場所は大田区東雪谷でございます。敷地面積は五千三百六十・八七平方メートルでございます。建物の構造は鉄筋コンクリートづくり、階数は地上四階でございます。工事の規模でございますが、延べ床面積は六千七十三・二五平方メートルで、教室、実習室のほか、視聴覚室、パソコン教室、図書室などを設置することとしております。
 次の二ページに施設の案内図を、三ページに配置図をそれぞれ記載してございます。
 四ページをお開き願います。本工事請負契約の概要をお示ししてございます。
 契約金額は十一億七千六百万円で、契約の相手方は大日本・白井建設共同企業体でございます。工期でございますが、契約確定の日から平成二十七年一月三十日まででございます。契約の方法その他につきましては記載のとおりでございます。
 なお、五ページ以降に議案の内容を記載してございますので、ご参照いただければと存じます。
 以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大津委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。

○大山委員 八つです。
 一つは、二次保健医療圏別のNICU病床整備状況。
 二つ目が、都有地活用での福祉施設整備状況。
 三つ目は、療養病床数の推移。
 四番目は、地域密着型施設の整備状況の推移。
 五つ目は、宿泊サービスを実施しているデイサービス事業所の届け出状況。
 六つ目は、福祉保健区市町村包括補助事業の補助額。
 七つ目は、介護予防・日常生活支援総合事業の実施状況。
 八つ目は、介護福祉士等修学資金貸与事業の貸与実績の推移。
 以上です。

○大津委員長 ほかにありませんか。--大山委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○大津委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情二四第一一二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○中山高齢社会対策部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号1番、陳情二四第一一二号、介護職員の処遇改善に関する陳情は、豊島区の、介護をよくする東京の会、杉山美恵子さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第一に、介護職員の処遇を改善するために、介護事業者に係る人件費等の補助を行えるような施策を実施すること。第二に、介護職員処遇改善交付金を復活するよう国に要望すること。以上の二点でございます。
 現在の状況についてご説明いたします。
 介護職員処遇改善交付金は、平成二十一年度の国の補正予算において、他の業種との賃金格差を縮め、介護が確固とした雇用の場として成長していけるよう、平成二十三年度までの時限措置として創設されました。
 介護保険制度におきましては、事業に要する経費は、人件費も含め、介護報酬で賄われることが基本であることから、都は、平成二十三年七月、平成二十四年度以降の交付金の取り扱いについて、一時的な予算措置ではなく、制度本来の仕組みである介護報酬に組み入れるよう、国に対し緊急提言を行いました。
 平成二十四年度の介護報酬改定において、国は、都のこうした緊急提言や、平成二十三年十二月の社会保障審議会介護給付費分科会の審議報告を受け、交付金相当分を介護報酬の本体に円滑に移行するため、平成二十七年三月三十一日までの間、例外的かつ経過的な取り扱いとして、介護職員処遇改善加算を創設いたしました。
 都は、介護事業者が介護人材の定着、確保を図り、健全な事業運営が行えるよう、人件費割合を見直すなど、大都市にふさわしい介護報酬水準の設定について、国に対し提案要求をしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○大津委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。

○大山委員 質疑します。
 超高齢社会をいち早く迎える東京都ですけれども、高齢者が安心して暮らせる東京をつくるためにも、必要な介護が、必要なときに、必要に応じて受けられることは基本です。介護の社会化とのうたい文句で導入された介護保険ですけれども、介護保険の改定のたびに、家族を介護から解放するどころか、家族がいれば介護保険も制限、給付も制限されるなど、安心できるとはいいがたい状況になっています。
 同時に、陳情にもありますように、在宅を中心にということで、医療依存度が高く介護度の高い利用者が在宅に帰ってくるし、今後、超高齢社会を迎え、ますます介護職員が大幅に必要となってきます。
 介護の質の向上にとっても、介護職員が人間らしく安心して安定して働き続けられること、同時に、研修の充実なども欠かせません。介護職員の働きを正当に評価して賃金を引き上げていくことは重要なことです。それを介護報酬に入れることは基本ですけれども、国の負担割合が変わらない中で介護報酬が上がれば、利用料の引き上げに直結しますから、ますます介護保険を利用したくてもできない状況になりかねないということになります。だから、この要望、陳情は、介護報酬とは別に、人件費などの補助をというものですね。
 昨年の立川市での高齢のお母さんと娘さんの共倒れの事件のときも、介護認定は受けているけれども、お金がないから介護サービスを受けていなかったということがあって、立川市は昨年、介護認定は受けているけれど介護保険サービスは利用していない方々への日常生活の状況調査を実施しました。その調査の結果、介護保険サービス未利用の理由に、利用料支払いが困難という方が四十一人、六%もいました。このような状況をどう認識していますか。

○中山高齢社会対策部長 ただいまお話のありました立川市の調査でございますが、平成二十四年三月に、死亡後約一カ月経過した高齢の母とその娘さんが発見されたという事例を踏まえて、立川市において調査したものでございます。対象は、要介護認定を受けているが介護サービスを利用していない高齢者に対して実施をされました。
 この調査によりますと、総数七百六十三件のうち、介護サービスを利用していないとの回答が六百七十九件ございまして、その内訳として、入院中が二百六十六件、サービス利用に至らない状況が二百十七件などの理由のほか、ただいまお話のありました利用料支払いが困難という回答が四十一件ございました。ただし、これらは複数回答でございまして、いずれもさまざまな事情があると推定されておりまして、その詳細については把握してございません。
 都は、所得が低く生計が困難な高齢者に対しまして、平成十四年から社会福祉法人等による利用者負担軽減の国制度に上乗せして、対象となる介護サービスを拡大するとともに、社会福祉法人以外にも事業主体を広げた都独自の利用者負担軽減事業を実施しているところでございます。

○大山委員 実際、利用料支払いが困難という答えをした方が四十一人いるわけですね。今のご答弁ですと、いかにも介護利用料軽減があるから大丈夫なんだというようないい方ですけれども、利用料軽減を利用している人というのは、この全都でどれぐらいいるんですか。

○中山高齢社会対策部長 平成二十三年度末の数字となります。これは、お一人の方が複数のサービスを利用しておるケースもありますので延べ人数となりますけれども、国制度による利用人数は一万一千七十五人、それと都制度による実施の方は七千八百四十九人、合計一万八千九百二十四人ということでございます。

○大山委員 この広い全都でわずか一万八千九百二十四人ということなんです。しかも、今ご答弁されたように、これは延べ人数ですから、例えば、お一人の人がデイサービスと訪問介護と、それから訪問入浴を利用していれば三ということですから、この一万八千九百二十四人というのは、二分の一にも三分の一にも、もっと少ないかもしれない実数だということなんですね。
 余りにも利用者が少ないのはなぜかといえば、この基準が収入要件だけではなくて、例えば貯金が三百五十万円以下でないとだめだとか、余りにも要件が厳しいからなんですね。だから、利用したくてもできない人がかなりいるということをいわざるを得ないわけです。つまり、利用料軽減があるから大丈夫だとはいえないということなんです。
 保険料の負担が大きい上に、利用料を払うことが大きな負担になっているわけです。調査したのは立川市ではありますけれども、東京都自身が区市町村と協力して、認定を受けていても介護サービスを受けていない、利用していないという方たちの実態を調査するぐらいのことはしなきゃいけないと思います。利用料負担はこれ以上ふやせないし、しかし給与の改善は必要、だからこそ介護報酬とは別に人件費の補助をと陳情は要望しているわけです。
 財団法人の介護労働安定センターが平成二十三年度介護労働実態調査結果についてというのを発表していますが、働く上での悩み、不安、不満等について、何が一番多い割合になっていますか。

○中山高齢社会対策部長 財団法人介護労働安定センターが実施いたしました平成二十三年度介護労働実態調査に基づく介護労働者の就業実態と就業意識調査によりますと、東京都分の回答は一千三百一名でございましたが、仕事内容の割に賃金が低いという項目が四四・七%で最も高い割合となっておりました。その他、人手が足りない、四三・四%、有給休暇がとりにくい、三六・五%などがありますが、これも複数回答可という調査でございます。

○大山委員 今ご答弁されたように、仕事内容の割に賃金が低いが全体が四四・七%で、入所系では五六・一%ですね。人手が足りない、四三・四%、入所系では五一・九%が人手が足りない。入所系の職場では、有給休暇がとりにくいが四七%にも上っています。
 つまり、どういう状況が見れるかといえば、人手が足りない、過密労働の上に休みもとれない、そういう状況の中で働いているのに、それに見合った賃金ではないということが浮かび上がってくるということですね。
 訪問介護員及び介護職員の勤務年数で、五年未満の職員の割合はどれぐらいですか。

○中山高齢社会対策部長 同じく財団法人介護労働安定センターが実施いたしました平成二十三年度介護労働実態調査によりますと、これは全国でございますが、訪問介護事業所の介護職員の勤続年数で五年未満の職員の割合は五七・二%、また、訪問介護以外の介護サービスに従事する介護職員の勤続年数で五年未満の職員の割合、これは六五・六%となっております。

○大山委員 訪問介護員は五七・二%が五年未満、それ以外の介護職員は六五・六%が五年未満の職員で占めているということですよね。私も改めてこの数字を見てびっくりしたわけですけれども、十人いたら五、六人は五年未満の職員だということですよね。いかに離職者が多いのかということです。
 さらに、十年未満までの職員を加えますと、訪問介護員は八五%、そのほかの介護職員は八八・七%、圧倒的に多くが十年未満の職員で、圧倒的には五年未満なんだけれども、八割を超えて十年未満になっているということです。いかに継続して働き続けられない職場なのかということなんじゃないんでしょうか。これでは質を向上させるという基本がぐらついているといわざるを得ません。
 そんな中でも、先ほどの介護労働安定センターの調査では、現在の仕事を選んだ理由は、五六・一%の人が働きがいのある仕事だと思ったところであって、五九%の人は、仕事の満足度について、仕事の内容、やりがい、これを挙げているんですね。これらの思いにきちんとこたえることが、国や東京都の役割なんじゃないんでしょうか。
 ところが、今年度から生活援助時間の区分が変わって、例えば六十分での訪問が四十五分になるケースが多くなったわけですね。
 これは、全労連の介護報酬改定に関するヘルパー実態アンケートの一次集計です。昨年の十月四日に発表しています。
 生活援助時間が四十五分になったことにより、サービス時間内に終わらず、サービス残業がふえています。アンケートでは、時間内に仕事が終わらないと答えた方が四九・四%、五割近いわけですね。サービス内容を制限するようになりましたかに対して、五七・六%が、はいと答えています。しかし、サービス内容が終わらないので二回にふやしましたか、その問いには、はいと答えたのはわずか一二・一%です。そして、サービス残業は三三・六%がふえたといっています。
 そんな中で、今回の報酬改定によって、利用者さんと会話する時間がとれなくなったと答えている方が六八・二%となっています。介護サービスの多くの利用者は、独居または日中独居の方が多く、ヘルパーさんの訪問時に唯一会話するという方も多くなっています。その会話ができなくなっているという深刻な事態です。
 多くの介護関係者は、利用者とのコミュニケーションがないサービスは介護ではないと述べています。働きがいのある職場どころか、さらに状況を悪くしているのが国の制度改悪ですね。しかも、今回の改定で、訪問時間の減少や時給の切り下げなどが行われていることも明らかになりました。
 今紹介した調査では、六月の平均賃金は、五十七時間で七万六千二百十五円、平均して一万一千九百一円減ったと回答しています。喜ばれる介護サービスの提供と働き続けられる職場にするためにはという問いもありまして、必要なサービスができる時間の保障、六八・二%、利用者とのコミュニケーションが六五・三%、介護職としての賃金確立、五八・二%、介護報酬の引き上げ、五一・九%、安定した雇用環境、五一%と、こう続いています。これを実現するには抜本的な介護報酬の改定が必要ですが、それを介護利用料に反映させないことが求められています。
 したがって、介護保険財政への国の負担の大幅な増額、これが基本的に必要です。と同時に、陳情にあるとおり、介護職員の処遇改善のための人件費の補助、介護職員処遇改善交付金の復活などです。
 福祉保健局は、平成二十四年の介護保険法改正、介護報酬改定により、事業者や都民にどのような影響があったのか調査を実施しましたね。大都市において、事業者が質の高い介護サービスを提供することが可能な介護保険制度となるよう、調査を実施し、東京都の施策や国への提案に反映させていく予定ですと、こうホームページにも書いてありました。調査の結果をよく分析して、ぜひ生かしていただきたいと思っています。
 この陳情については、きちんと趣旨を酌み取るべきだと意見を述べておきます。

○大津委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大津委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二四第一一二号は不採択と決定いたしました。

○大津委員長 次に、陳情二四第一一九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○山岸障害者施策推進部長 お手元にお配りしております請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号2番、陳情二四第一一九号は、江東区の障害児放課後グループ連絡会・東京会長の村岡真治さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、障害のある子どもの放課後支援の充実について、国に対して次の事項を内容とする意見書を提出していただきたいというものでございます。
 意見書の内容としては、第一に、放課後等デイサービスの報酬単価の設定に当たっては、人件費、物件費等が高額である大都市の実情を反映させること。第二に、放課後等デイサービスにおいて、比較的重度の障害のある児童の利用に配慮するなど、事業の充実を図ること。以上の二点を求めておられます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 国は、学校通学中の障害児に対して、放課後や夏休み等の長期休暇中において、生活能力向上のための訓練等を継続的に提供することにより、学校教育と相まって障害児の自立を促進するとともに、放課後等の居場所づくりを推進するため、平成二十二年十二月に児童福祉法等を改正し、平成二十四年四月に放課後等デイサービスを開始しました。これまで、都においては、法定外事業を安定的かつ継続的に実施できるよう、放課後等デイサービスへの移行を進めてきたところでございます。
 さらに、大都市において、障害者児を支える人材確保、良質なサービス提供、安定した事業運営を図ることができるよう、都は、報酬単価の設定に当たっては、人件費、土地取得費、物件費等が高額である大都市の実情を適切に反映させることを、また、放課後等デイサービスについても、障害児童の放課後や長期休業期間の日中活動を支える事業として、比較的重度の障害のある児童の利用に配慮する等、事業の充実を図ることを、それぞれ国に対し提案要求しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○大津委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。

○加藤委員 それでは、ただいま説明をいただきましたけれども、児童福祉法の改正を受けまして、平成二十四年四月から放課後等デイサービスが開始され、数多くの事業者が放課後等デイサービスへの移行や新規参入をしていると聞いております。
 新規に参入を図る事業者は、新しい制度を前提にして参入してくるため、事業計画も立てやすいと思われますが、一方、既存の事業者にとっては、現状を変更することになり、また、このような事業者はどうしても規模が小さいものが多いことから、新しい制度に移行するに当たってさまざまな課題が生じるという声が、私のところにも届いております。
 そこで、まず、都はなぜ法内化を進めるのか、また、法内移行を望む既存の小規模な事業所に対して、これまでどのような支援を行っていたのか、さらに、今後どうしていくのか伺います。

○山岸障害者施策推進部長 心身障害者(児)訓練事業などの法定外事業を法内事業に移行することにより、国や地方自治体から必要な財政支援を得て経営が安定化し、また、運営指導など行政の関与を通じて事業の透明性も確保できますことから、利用者支援のより一層の充実が図られると考えられます。
 そのため都は、NPO法人の設立支援、法内化後の収支シミュレーションなど、各事業所の実情に応じた個別具体的な相談支援策、あるいは法内化に適合するための改修や送迎車両の購入など、必要な施設改修、備品購入経費の助成等の方策を講じております。こうした支援策を活用して、多くの事業者が既に法内化しているところでございます。
 また、現時点で移行していない事業所についても個別に相談を受けており、今後、利用している方へのサービスに支障がないよう、区市町村とも十分調整しながら対応してまいります。

○加藤委員 都がこれまで手厚い支援を継続的に行って、また、既に移行した事業者からは、法内移行により利用者がふえて経営が安定したということも聞いておりまして、その点については評価をしているところです。
 そして、今、答弁がありましたとおり、現時点で移行していない事業所につきましても、個別に相談を受けて対応しているということでありますので、今後も、事業者、利用者双方に支障がないよう、よろしくお願いをしたいと思います。
 さて、今回の陳情の願意は、大都市に特有の人件費等の高さといった実情に応じた報酬単価の設定や、比較的重度の障害のある児童の利用に配慮するなど、法内移行後も事業の充実を図ってほしいというものであります。これは当然ながら国制度を変えるしかないわけでありますけれども、都としても、法内化で終わりとせず、何らかの対応が必要と思います。
 そこでお伺いいたしますが、放課後等デイサービスの充実についてどのように考えているのか、都の見解を求めます。

○山岸障害者施策推進部長 放課後等デイサービスは、学校通学中の障害児に対し、生活能力向上のための訓練等を継続的に提供することによりまして、障害児の自立を促進するとともに、放課後等の居場所づくりを推進する、障害児を支援する重要な事業でございます。法内移行後は、開所日数をふやしたり、新たに利用者を受け入れるなどの事業所の経営努力や創意工夫が報酬額の増加という形で反映される仕組みに変わり、経営が安定化すると同時に、利用者支援のより一層の充実が図られると考えられます。
 また、大都市における放課後等デイサービスをさらに充実していくために、都はこれまで、報酬単価の設定に当たっては、人件費、土地取得費、物件費等が高額である大都市の実情を反映させること、また、放課後等デイサービスについても、比較的重度の障害のある児童の利用に配慮する等、事業の充実を図ることを、繰り返し国に提案要求しております。
 今後とも、事業の推移を見ながら、国提案など適切に対処してまいります。

○加藤委員 今、障害者福祉サービスに関しての答弁がありましたけれども、私は、特定の事業や障害者だけということではなく、これはやはり大都市における福祉や介護サービス全般にかかわる問題だと思います。都には、引き続き国に対して強く要望していくようにお願いしたいと思います。
 そして、陳情の審査に戻りますが、都も繰り返し国への要望をしているところでもあり、それは十分に陳情者の願意に沿うものであると考えられることから、私としては趣旨採択すべきと考えます。
 以上です。

○大山委員 今も質疑ありましたように、国は児童福祉法などを改正して、放課後等デイサービスを実施したわけです。
 都内では、障害児の放課後や長期休業中の生活をより豊かにと、それぞれの地域で放課後デイサービスなどが長年実施されてきました。それぞれのグループが、障害を持った子どもたちとおやつづくりや公園遊びなど、具体的な実践活動を通じて、一人一人充実した放課後になるように活動を組み立てています。また、音楽療法だとか作業療法を取り入れた活動を行っているところもあります。障害児者と健常児者がさまざまな行事を通じて、楽しく交流したり、学び合うことが特徴のグループもあるし、ダンスの数は半端じゃないというようなところもあります。大きい集団が苦手な子どもたちなどは小集団での活動にしたり、学校が長期休暇の間は、朝から夕方までの活動を行っていたり、プールに行ったり、宿泊したり、遠足に行ったり、内容はさまざまなんですけれども、障害児の放課後の生活を豊かにするとともに、一人一人に力をつける重要な場になっています。
 現在も財政的にはかなり厳しくて、東京都の補助と区市町村の家賃補助などで何とか運営しているところが多いわけです。幾つかの通所訓練事業の試算を見せていただきましたけれども、現在より増額になるところもあります。その中でも、区からの家賃補助がそのまま継続することを前提にして増額になっているところもあります。重大なのは、一施設六百万円とか五百万円の規模で減額になってしまうところがあることです。五百万、六百万といえば、正規職員一人分の人件費がなくなってしまうということです。
 法内移行することによって運営状況が厳しくなる、つまり、今までの補助金の額より減額される可能性がある放課後支援を実施するグループは、都内にどれぐらいあると把握しているんでしょうか。

○山岸障害者施策推進部長 心身障害者(児)訓練事業などの法定外事業を法内事業に移行することによりまして、事業所の経営努力や創意工夫が報酬額の増加という形で反映される仕組みに変わり、国や地方自治体から必要な財政支援を得て、経営の安定化が図られます。
 一方、補助基準額など一定の制約がある現行の都の補助制度と、利用実績に応じて支払われる報酬とでは基本的な仕組みが異なりまして、また、事業をどのように構築するかによっても報酬額が変わりますため、移行前後で収入額を単純に比較することは困難であると考えます。
 都は、法定外の事業所が法内化後に事業を安定的に運営できるよう、個別の相談支援を行うとともに、施設改修、備品購入経費の助成等、方策を講じておりまして、こうした支援策を活用して、多くの事業所が既に法内化しているところでございます。

○大山委員 ずっと子どもたちがいて、子どもたちにどう対応していくか、それから、どう力をつけていくかということで実践を積み重ねてきたわけですよね。それを法ができたからといって、やはりそれが、きちんと内容も充実し、発展していく中身でないとまずいと思うわけです。法律に基づく事業になること自体は重要なことです。しかし、そのために条件がさらに悪くなったり、財政的に困難になったり、職員を減らしたりしなければならないということになったら、これは本末転倒といわなければなりません。せっかく法内化するんですから、子どもたちの豊かな放課後と生きる力をつける活動、それが、それぞれが積み重ねてきた事業内容をより充実できるようにすることが、本来のあり方ではないでしょうか。
 法内移行することによって今までの補助金の額が減ってしまうなど、本来あってはならないことです。東京都は、比較的重度の障害のある児童の利用に配慮する等、事業の充実を図ることを提案要求しているということですけれども、これ自体は重要なことです。国に要求するということは、その必要性を東京都として認識しているということなんですから、国に要望するとともに、充実されるまでは都として財政支援するべきだと思いますが、どうですか。

○山岸障害者施策推進部長 先ほどもお答えいたしましたように、法内化によって、事業所の経営努力や創意工夫が報酬額の増加という形で反映される仕組みに変わりまして、国や地方自治体から必要な財政支援を得て、経営の安定化が図られると考えております。
 さらに、大都市における放課後等デイサービスを充実していくために、報酬単価の設定が大都市の実情を反映し、また、比較的重度の障害のある児童の利用に配慮したものとなるなど、その改善を図ることを、繰り返し国に提案要求しているところでございます。

○大山委員 せっかく提案要求をしているんですから、必要性を認めているわけですよね。もちろん、提案要求は引き続きやっていってもらいたいですよ。しかし、認めているんだったら、東京都としてもきちんとやるべきじゃないかということです。
 サービスを提供する人材の確保と、安定して働ける環境を整えることは欠かせないわけです。それには十分な報酬が必要です。区や市だって、家賃補助などは引き続き出すと約束しているところもあるんですよね。都は、報酬が不十分だといって認識しているわけですから、国に要求しているのですから、もう東京都は独自に補助をしてもらいたいと思います。
 最後に、ちょっと確認しておきたいんですけれども、法内への移行が困難な理由というのはそれぞれにありますよね。事業が充実できる立場で、最後まで丁寧に個別の対応をしてもらいたいと思うんですけれども、どうですか。

○山岸障害者施策推進部長 都は、法内化に際しまして、個別に相談支援を行うなどの対応を実施してきております。現時点で移行していない事業所につきましても、利用している方へのサービスに支障がないよう、区市町村とも十分に調整しながら対応してまいります。

○大山委員 利用者や家族へのサービス低下をしないで、職員の処遇を低下させないように移行できるように、最大限の努力をしていただきたいと思います。
 この陳情は、ぜひ趣旨をしっかりと酌んで採択して、都議会からも意見書を出せるようにしていきましょう。
 以上です。

○大津委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二四第一一九号は趣旨採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十五分散会

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