厚生委員会速記録第十二号

平成二十四年十月二日(火曜日)
第七委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長今村 るか君
副委員長遠藤  守君
副委員長くりした善行君
理事山加 朱美君
理事三原まさつぐ君
理事増子 博樹君
小林 健二君
吉住 健一君
西沢けいた君
たきぐち学君
田の上いくこ君
ともとし春久君
野島 善司君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長川澄 俊文君
総務部長中川原米俊君
病院経営本部本部長塚田 祐次君
経営企画部長和賀井克夫君

本日の会議に付した事件
意見書について
付託議案の審査(決定)
・第百六十一号議案 東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例
・第百六十二号議案 東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例
・第百六十三号議案 東京都保護施設等の設備及び運営の基準に関する条例
・第百六十四号議案 東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例
・第百六十五号議案 東京都婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例
・第百六十六号議案 介護保険法施行条例
・第百六十七号議案 食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
・第百六十八号議案 食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
・第百八十二号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期目標について
・第百八十三号議案 特種用途自動車(災害時医療支援車)の買入れについて
・第百八十四号議案 磁気共鳴断層撮影装置(MRI)の買入れについて
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○今村委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書中、意見書二件については、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

慢性疲労症候群患者の支援等に関する意見書(案)
 慢性疲労症候群は、日常生活を送れなくなるほど強い疲労が持続し、又は再発を繰り返し、労作後の神経免疫系の極度の消耗、記憶力・集中力の低下、微熱、咽頭痛、筋肉痛、関節痛、筋力の低下、頭痛や睡眠障害等の症状を伴う病気であり、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD-10)において、神経系疾患に分類されている。
 これまでの我が国における慢性疲労症候群に関する研究は、一般的な疲労の解明に重点が置かれてきたが、疲労はこの病気の多様な症状の一つにすぎない。平成二十四年度、厚生労働省に十六年ぶりに慢性疲労症候群に関する専門の研究班が発足し、疫学調査が行われているが、この病気の原因・病態の解明や治療法の開発に向けた研究が必要である。
 慢性疲労症候群においては、患者の多くが職を失うほどの深刻な状態にありながら、病気の原因が解明されていないことから心因性と思われたり、詐病の扱いを受け、偏見と無理解に苦しんでいる。また、診療を行っている医師が非常に少なく、地域的な偏りもあり、十分な医療を受けられない状況にある。
 平成二十四年六月に成立した障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律において、障害者の定義に新たに難病等が追加され、障害福祉サービス等の対象とされたが、対象となる者の範囲等についてはいまだ明確に示されていない。
 慢性疲労症候群患者の多くは、働くこともできず、介護が必要であるにもかかわらず、障害者施策の対象にもなりにくいなど、「制度の谷間」で苦しんでおり、医療・福祉の両面からの支援が急務である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、慢性疲労症候群患者の支援等に関して、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 厚生労働省の慢性疲労症候群に関する研究班において、重症患者の実態等を調査し、この病気の原因・病態の解明、治療法開発のための研究を積極的に推進すること。
二 医療関係者や国民に対して慢性疲労症候群の正しい知識を広めるとともに、全国のどこにおいても、患者たちが診察を受けられる環境を整えること。
三 「制度の谷間」に置かれた難病・慢性疾患患者が、必要な福祉サービスを受けられる制度が確立されるよう、当事者の意見を十分に酌み取ること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十四年十月 日
東京都議会議長 中村 明彦
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣 宛て

父子家庭支援策の拡充に関する意見書(案)
 父子家庭が年々増えており、その多くは母子家庭同様、経済的に不安定で、子育て等においても多くの課題を抱えているが、父子家庭と母子家庭とでは、行政による支援の内容に大きな差がある。
 児童扶養手当法改正により平成二十二年八月から、母子家庭の母を支給対象としていた児童扶養手当が父子家庭の父にも支給されることとなったが、母子家庭が受けられる行政による支援制度(就労支援や技能習得支援、福祉貸付金、自立支援給付金など)の多くが、今も父子家庭では受けられない状況にある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、父子家庭支援策を拡充するため、対象が母子家庭に限られている母子寡婦福祉資金貸付金、高等技能訓練促進費等事業及び特定就職困難者雇用開発助成金について、速やかに、父子家庭も対象とするよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十四年十月 日
東京都議会議長 中村 明彦
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣 宛て

○今村委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書については、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○今村委員長 本日は、お手元配布の会議日程どおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百六十一号議案から第百六十八号議案まで及び第百八十二号議案から第百八十四号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○大山委員 第百六十四号議案と第百八十二号議案に反対の立場から意見を述べます。
 第百六十四号議案は、軽費老人ホームの設備運営基準を条例として定めるものです。
 低所得の高齢者向け住宅の整備は重要ですが、都市型軽費老人ホームについては、一人当たりの居室面積が七・四三平米、つまり、四・五畳以上あればよいという極めて狭小な住環境であり、通常の軽費老人ホームの居室の有効面積は十四・八五平米以上が基準ですから、その半分の広さしかありません。四畳半ではベッドを置いたらほとんどスペースはありません。
 幾ら都内で土地がないといっても、高齢者を狭いところに押し込めてよいというものではありません。整備が進まないなら、むしろ東京都が土地代の助成、積極的な土地などの提供こそやらなければならないことです。
 第百八十二号議案は、独立行政法人健康長寿医療センターの中期目標です。
 来年三月に新病院が完成しますが、建設費の東京都への返済は年間七億七千万円にも上ります。一方、現在の病院には医療上必要な患者への個室はありますが、差額ベッドはありません。ところが、新病院には五百五十床のうち二百十六室、約四割が個室となることが明らかになりました。差額ベッドが多数導入されることが懸念されます。
 中期目標では、収益増の取り組みに一層取り組んでいかなければならないとなっていますが、これでは患者負担増の道に踏み込むような方向に行っているといわざるを得ません。
 東京都は、患者負担の増大にならないように、最大限の支援をすべきであることを述べ、意見表明といたします。
 以上です。

○今村委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百六十四号議案及び第百八十二号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○今村委員長 起立多数と認めます。よって、第百六十四号議案及び第百八十二号議案は、いずれも原案のとおり決定をいたしました。
 次に、第百六十一号議案から第百六十三号議案まで、第百六十五号議案から第百六十八号議案まで、第百八十三号議案及び第百八十四号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 ご異議なしと認めます。よって、第百六十一号議案から第百六十三号議案まで、第百六十五号議案から第百六十八号議案まで、第百八十三号議案及び第百八十四号議案は、いずれも原案のとおり決定をいたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○今村委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 ご異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

○今村委員長 この際、所管局を代表いたしまして、川澄福祉保健局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○川澄福祉保健局長 お許しをいただきまして、当委員会所管両局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程でちょうだいいたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。
 また、病院経営本部とも、より一層緊密に連携を強めまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○今村委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ごあいさつを申し上げます。
 当委員会に付託をされた議案については、すべて審査を終了させていただきました。それぞれ委員の皆様、そしてまた理事者側の皆様は、一年間にわたりまして都政の発展のために、また、都民の福祉向上のために取り組みを進めてきていただきましたことに心から感謝を申し上げたいと思います。
 また、委員会の運営については、副委員長、そしてまた理事、委員の皆さんには、本当に多大なご協力をいただいたことに改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。
 私自身も短い間でありますけれども、委員長として仕事をさせていただきましたけれども、ぜひこの経験を生かして、それぞれ新たな委員会のもとで、ぜひ皆さんの力を発揮していただいて、都政発展のために、また、当委員会がこれからも都民のために有意義な審査ができるように、それぞれご協力をいただけるようにご祈念申し上げまして、感謝と御礼のごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時七分散会

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