委員長 | 門脇ふみよし君 |
副委員長 | 野上 純子君 |
副委員長 | 吉田康一郎君 |
理事 | 早坂 義弘君 |
理事 | 斉藤あつし君 |
理事 | 三原まさつぐ君 |
栗林のり子君 | |
柳ヶ瀬裕文君 | |
新井ともはる君 | |
佐藤 由美君 | |
橘 正剛君 | |
山加 朱美君 | |
野島 善司君 | |
大山とも子君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉保健局 | 局長 | 安藤 立美君 |
次長 | 杉村 栄一君 | |
技監 | 桜山 豊夫君 | |
総務部長 | 松井多美雄君 | |
指導監査部長 | 松浦 和利君 | |
医療政策部長 | 吉井栄一郎君 | |
保健政策部長 | 住友眞佐美君 | |
生活福祉部長 | 永田 元君 | |
高齢社会対策部長 | 狩野 信夫君 | |
少子社会対策部長 | 吉岡 則重君 | |
障害者施策推進部長 | 芦田 真吾君 | |
健康安全部長 | 鈴木 賢二君 | |
企画担当部長 | 日置 豊見君 | |
地域保健担当部長 | 宮垣豊美子君 | |
生活支援担当部長 | 庄司 貞夫君 | |
食品医薬品安全担当部長 | 奥澤 康司君 | |
感染症危機管理担当部長 | 前田 秀雄君 | |
参事 | 枦山日出男君 | |
参事 | 角田由理子君 | |
参事 | 大久保さつき君 | |
参事 | 中川原米俊君 | |
参事 | 飯塚美紀子君 | |
参事 | 雜賀 真君 | |
参事 | 熊谷 直樹君 | |
参事 | 別宮 浩志君 | |
参事 | 中谷 肇一君 | |
病院経営本部 | 本部長 | 中井 敬三君 |
経営企画部長 | 黒田 祥之君 | |
サービス推進部長 | 牛島 和美君 | |
経営戦略・再編整備担当部長 | 斎藤 真人君 | |
参事 | 梅田 弘美君 |
本日の会議に付した事件
病院経営本部関係
付託議案の審査(質疑)
・第百十二号議案 平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出 病院経営本部所管分
福祉保健局関係
契約議案の調査
・第百号議案 東京都子ども家庭総合センター(仮称)(二十一)新築工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百十二号議案 平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出 福祉保健局所管分
・第百十五号議案 東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例
付託議案の審査(決定)
・第百十二号議案 平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出 厚生委員会所管分
・第百十五号議案 東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例
○門脇委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
初めに、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十二年三月四日
東京都議会議長 田中 良
厚生委員長 門脇ふみよし殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第百号議案 東京都子ども家庭総合センター(仮称)(二十一)新築工事請負契約
2 提出期限 平成二十二年三月五日(金)
○門脇委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部及び福祉保健局関係の付託議案の審査並びに福祉保健局関係の契約議案の調査を行います。
これより病院経営本部関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百十二号議案、平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、病院経営本部所管分を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取いたしておりますので、直ちに質疑を行います。
発言をお願いいたします。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○門脇委員長 特に発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門脇委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で病院経営本部関係を終わります。
○門脇委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第百号議案を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言をお願いいたします。
○佐藤委員 私からは、東京都子ども家庭総合センター新築工事請負契約に関して質疑をいたします。
平成十七年一月より設置された子ども家庭総合センター基本構想検討委員会で、一年にわたり検討が進められ、この工事に向けて準備が進められてきたところでございます。改めて、この子ども家庭総合センターの趣旨についてお伺いをいたします。
○雜賀参事 仮称子ども家庭総合センターは、福祉保健、教育、警察の各分野が連携し、東京都における子どもと家庭を総合的、一体的に支援する拠点として設置するものでございます。具体的な機能といたしましては、現在の児童相談センター、教育相談センター、新宿少年センターのほか、児童会館の機能が移転する予定でございます。
○佐藤委員 今お答えいただいた趣旨を支えるインフラとしてこの建物は設置される必要があります。そこで、改めて建物の建設コンセプト、概要についてお伺いをいたします。
○雜賀参事 センターの基本設計では、子どもと家庭を支える社会の核となる施設づくりを施設計画のポイントとしてございます。
具体的には、五点コンセプトに掲げております。
一つ目としまして、各相談機関の連携による総合相談窓口システムの構築。二つ目としまして、利用者にわかりやすい多機能でシンプルな施設づくり。三つ目としまして、プライバシーが守られ、利用者に優しい施設づくり。四つ目としまして、入所部門における子どもを見守る場の構築。最後に五点目ですが、都市景観に配慮をした施設づくり。
以上でございます。
○佐藤委員 ただいまの建設コンセプトに基づいて、各フロアの設計が進められているところでございます。事前で、議案書だけではわからない建物の概要を確認するために、工事概要、各フロアの平面図を資料としていただきました。この資料を見ますと、本当に、このセンターが目指す機能などが具体的にイメージされるところでございます。
この建物の施設について、一つ、二つ確認をさせていただければと思うのですが、この資料によると、一階に一時保護所が配置されているところでございます。一階は通常、他階に比較して防犯面で劣る傾向があるという見解もあるところです。また、当センターに出入りする人々との動線等の関係についてどう配慮をされているのか、一時保護所における児童の安全性、そしてまた、児童安全のために外に出られない、外出できない状況に置かれる中、生活環境面での配慮についてお伺いをいたします。
○雜賀参事 一時保護所は幼児の入所も多いことから、園庭での遊びを確保するため、一階に設置してございます。一方、一時保護所には、児童虐待などのケースで、保護者などの承諾を得ないで児童相談所の職権で保護している児童も少なくございません。こうしたことから、保護者などによる児童の連れ戻しなどを防ぐため、外から見えないよう、植樹などで目隠しを施すとともに、一時保護所の専用の出入り口を設置し、一般の来所者と動線が重ならないようにするなど、安全性の確保を図っております。
また、子どもの生活環境につきましては、園庭や体育館を設け、日中の運動の場所を確保してございます。さらに、教室の配置に当たりましても、日当たりを重視するとともに、周囲に植樹し、緑を確保するなど、生活環境にも配慮しております。
○佐藤委員 先日、厚生委員会として視察をさせていただいた一時保護所においても、広いスペースで過ごしやすい空間が保たれておりました。今度新築されるこのセンターにおける一時保護所においても、そのような施設になることを希望しております。
次に、児童相談所、教育センター、少年センターの共用スペースとして、面接室、会議室、研修室が配置されているところでございます。この点に関係して、いずれの機関においてもその機能が十分に果たされるためには、個別の案件におけるプライバシーが十分に保たれて、そして時期を誤らずに適切に支援が開始し継続ができること、また、支援をする職員の、相談員の質の向上が不可欠なところです。
その意味で、直近三カ年の児童相談所の相談実績の推移と、昨年度、そして今年度の児童福祉司の人数の推移についてお伺いをさせていただきます。
○雜賀参事 都内の十一の児童相談所の相談件数でございますが、平成十八年度は二万九千七百七十七件、十九年度は二万四千五百三十七件、二十年度は二万三千七百七十六件となってございます。これは平成十七年に児童福祉法が改正されまして、児童相談の第一義的な窓口は区市町村であるということが明記されたことによるものでございます。
一方、こうした中にありましても、児童相談所においては、児童虐待、非行など、複雑困難な相談事例は増加してございますことから、児童福祉司を平成二十年度、百五十九人から十三人増員いたしまして、平成二十一年度には百七十二人を配置しているところでございます。
○佐藤委員 ただいま児童相談所の方の実績をお答えいただきました。一方で、このセンターにおいては、児童相談所のほかに教育相談センター、少年センターが入るところでございまして、その相談の面接室、会議室、研修室が共用というところになっております。
基本構想検討委員会での報告書によると、古いデータになりますが、教育相談センターでは二万二千七百九十六件の相談のうち、来所の相談が六千百九回行われています。また、少年センターでは七千六十五件相談実績があり、来所は千五百六十一件という形になっております。
例えばこの中で教育相談センターの六千回を単純に割り出したときに、一日では二十五ケースの相談をする必要がある規模でございます。今回、このセンターにおいては、事前に資料をいただきましたところ、個別の面接室、合同の面接室、高校面接室、保護者聴取室など、さまざまなタイプの面接室がある中で、二十八用意をされております。
一方で、児童福祉司初め、その担当員に対しての研修を行う部屋として、大規模な研修室は百三十二名の収容が可能であり、また、会議室としては、大中小、六十名、三十名、十名という部屋を設けております。こうした会議室、研修室が有効に活用をされ、質の向上、そしてそこで行われる研修プログラムなどに工夫が凝らされることを期待しております。
最後に、この家庭総合センターの意義について趣旨をお答えいただきましたけれども、このセンターにおいては、多くの機関が連携していくことがセンターの中核であり、それを果たすためにこの建物が新築されること、ここに意義があると考えております。三機関、教育、警察、そして福祉が同一建物に入ることの意義について、改めてお伺いをいたします。
○雜賀参事 三つの機関が連携して相談支援を行うことによりまして、子どもに関するさまざまな相談に対してワンストップの対応が可能となること。また、各機関の専門性を生かして、多面的な角度から援助方針を検討し、迅速に支援を開始できることなどのメリットが生まれると考えております。
○佐藤委員 今お答えいただきましたように、日常業務の中で各フロアを職員同士が行き来をして、お互いに顔を見える関係を構築することが大事でございます。そして、その関係を前提として、個別の案件について支援を適切に迅速に開始すること、そしてそうした事案が蓄積されることで専門性が高められることが重要なことと思います。そして、その専門性を地域での連携に戻していくこともこのセンターの重要な役割と考えております。
同時に、また、このセンターは、各地に今ある、水道橋にある教育センターや馬場にあるセンターなどが、ただ物理的に寄り集まるだけではなくて、一つの新しい極めて困難な試みであると思います。すなわち虐待や非行、薬物乱用など、さまざまな少年が置かれている状況を立て直すというのは本当に容易なことではありません。それぞれの子どもたちが置かれた家庭環境など生育歴にかんがみるときに、さまざまな角度で、学校との交渉や、そして福祉、生活、日常生活などを支援していく。そしてそれが、そうした子どもたちが世代間連鎖をすることを阻むことが本当に強力な取り組みにならなければならないのであり、このセンターでの重要な役割と考えております。
ここでは教育、警察、福祉というのが一つの建物に入るところでございますが、個別のケースにおいては、家裁や更生、矯正との連携も不可欠になってくるところでございます。そういう意味で、当センターは、そうした機関連携の中核としての役割を果たすものになるということを評価します。
また、傍論にはなりますけれども、今現在においては矯正教育機関を終えても処遇困難な子どもたちを引き受ける中間施設が少なく、こうした少年の社会的自立に向けての支援体制が極めて不十分であります。里親型のグループホームを運営する方の尽力もあるところ、行政においても、こうした側面において、東京都においても支援をしていくことが重要と思います。
多機関の連携につきましては、今においては、例えば北九州の子ども総合センターを題材にして、北九州での取り組みを見ながら、科学振興財団での研究プロジェクトとして、まだまだ発展途上のところではありますけれども、適正でかつ有効な多機関連携モデルを実現するための諸条件とかの検討を進めていかなければならないと思います。本当にこのセンターが、どこに生まれても、どんな家庭に生まれても、いつ生まれても人生を豊かにすることができる一人の人間の人生の形成において、多大な支援をしていく取り組みになることを強く希望しまして、私からの質疑を終わります。ありがとうございました。
○野上委員 私も同じく、契約議案第百号の仮称子ども家庭総合センターについて質疑をさせていただきます。
先ほどのご答弁の中に、この子ども家庭総合センターが福祉保健、教育、警察が連携して、都における子どもと家庭を総合的、一体的に支援する拠点として建設が予定されているというご答弁もございました。また、児童相談センター、教育相談センター、新宿少年センターのほか、児童会館の機能も移転をするというご答弁もありました。
私の方は、特にその中で、七階に設置される予定になっております親子関係創造部門(児童会館移転機能)、この部分について取り上げさせていただきたいと思います。児童会館機能の移転ということなんですが、具体的にはどのような機能を移転していくのでしょうか。
○雜賀参事 児童会館機能の移転でございますけれども、移転後につきましては、区市町村に対するセンター的機能に重点化を図り、新たな遊びの開発や子育て支援等に関する情報発信、地域の児童館、学童クラブ、子育てひろば、ボランティア団体など、児童の健全育成を担う人材に対する人材育成研修など、幅広く区市町村の子育て支援にかかわる人材、機関への支援を強化してまいります。
○野上委員 児童会館において、今、芸術活動を行っている四つの団体なんですが、社団法人日本児童演劇協会、日本児童・青少年演劇劇団協同組合、NPO法人の日本青少年音楽芸能協会、また、全国専門人形劇団協議会の方々から石原知事あてに要望が出ておりまして、ぜひ東京都児童会館の存続をお願いしますという内容なんですね。
この東京都児童会館は、約四十年にわたってこうしたプロの児童劇団の方たちの、例えば演劇とか人形劇とか音楽とか、芸能団体の発表の場だけでなく、あるいは東京都内の小中学生の芸術の発表の場として、この拠点が今まで活動を続けてこられたということで、ぜひ東京都児童会館の存続をお願いしたいという要望が出ております。
しかし、今後の予定は未定というか、厳しいというのが回答なんですけれども、現在、今あります児童会館のホールの稼働率、稼働状況、どれぐらい使われているのかわかりますでしょうか。
○雜賀参事 現在の児童会館のホールでございますけれども、平成二十年度においては利用可能日数が三百四十一日ございましたが、それに対しまして、稼働日数は百八十四日ということで、利用率は五四%ということになってございます。
○野上委員 多分、使われる方が土曜、日曜が中心ですよね。子どもたちが学校に行っているので、平日の夜が中心なので、どうしても稼働率が低くなってくるのかなというふうに思うんですけれども、じゃ、その児童会館の機能が七階に移転をするということが書いてあるんですけれども、この子ども家庭総合センターの七階部分に、演劇の発表の場としたホール、それは設置されるんでしょうか。
○雜賀参事 子ども家庭総合センターの七階部分に移転することに予定しております児童会館の機能につきましてですが、ホールの設置は予定してございません。
○野上委員 例えば七階に、私なんかは思ったんですけれども、親子関係創造部門ということで、子どもの子育てに関するいろいろな情報発信の場みたいなものもできると思うんですが、例えば一ホール全部、ホールとしていろいろな発表の場として使えるようなところもあってもいいのかなと思うんですけれども、ホールを設置しない理由というのはどういうことなんでしょうか。
○雜賀参事 現在の児童会館が開設いたしました昭和三十九年でございますけれども、当時は数少ない公共ホールといたしまして、良質な児童演劇などの提供を行うことによりまして、児童の健全育成に貢献してまいりました。その後、地域における公共ホールの設置が進みまして、都内には現在五百人以上収容できる公共のホールが七十七施設に達しております。そういう中で、児童会館が独自のホールを持つ意義は薄れているというふうに考えてございます。
今後は、先ほど申しましたように、センター的機能に重点化を図っていくため、現在のようなホールを設置することは考えておりません。これまで児童会館のホール機能の中で実施してまいりましたさまざまな取り組みを、地区の児童館などに引き継いでいきたいと考えてございます。
○野上委員 最後になりますけれども、本が出ておりましたね。「証言・児童演劇」という本がありまして、その中で、日本が戦争に敗れて焼け野原になったときに、やっとの思いで国に帰ってきた青年が、何もすることがなくてみんなで芝居をつくったと。おなかはすいていたけれども、幕が上がったり幕がおりたりしたときのあの気持ちはと、涙とともに語る人がいます、もうすぐその人も八十歳になる、そのときお芝居を見ていた人も、もう六十歳を超えていると。
私はそうなんですけれども、小学校のころに、四年生までまだテレビがなかったので、皆さんは若いからあったと思うんですけれども、要するに、小学校とかに演劇団が来ますと、いつもわくわくして、本当に感動したことを覚えているんです。こういう子どもたちの健全育成に限りなく寄与してきたこういう演劇等、子どもにとっては演劇だけでなく、舞踏とか音楽とか、演劇も含めて、文化芸術というのはとても大事なことだと思っているんです。
さっき答弁にありました五百人以上収容できるホールが七十七もあるから、もういいやという答弁だとは思うんですけれども、ぜひこれからも、逆にいえば、今まで演劇界をリードしてきた方たちを講師みたいな形で、これから地区で、児童館の指導員の方とか、演劇を指導される方たちの人材育成研修の場の講師のような形で、また技術指導をしていただくとか、そういう七階の機能を非常に充実、発展させて、ホールはできなかったけれども、逆に人材育成のためによかったなといわれるような施設として、活躍の場として使っていただければということを要望して終わります。
以上です。
○大山委員 私からも契約議案の質疑をします。
今の質疑の中でいろいろと解明されたこともありますので、それにのっとってやりますけれども、福祉保健局の児童相談センター、教育庁の教育相談センター、そして警視庁の少年センターという三つの相談機能が、子どもということをキーポイントというか中心にして、一カ所に集約するということなんですけれども、それぞれ子どもの見方だとか、あと、それぞれの局での文化というのとは結構違っていると思うんですよね。
そんな中で、具体的に連携しながらというのは、非常に口ではいいやすいんですけれども、具体的にはどういうことになるんだろうというのが今の段階でわかれば教えてもらいたいんです。
○雜賀参事 三機関の方に相談する内容につきましては、それぞれの内容がございますけれども、重複する内容もございます。そうしたものにつきましては、一つの窓口で総合的に受けまして、ワンストップ対応ということを行うことが可能となります。それから、三機関の専門性を有しまして、それぞれが合同して調査に当たり、迅速に対応を行うということが可能になるというふうに考えてございます。
○大山委員 ワンストップサービスで総合的な窓口があって受けるんだということだと思うんですけれども、やはり、その受けたところが本当に連携できる、それから、かかわるようなところがきちんとチーム体制で子どもたちに当たる、子どもにどうしたら一番いいのかということを、チームで対応できることの利点がぜひ生かせるような方向で進めていっていただければと思います。
と同時に、一時保護所もできましたけど、拡充するんだということですが、一定のスペース、虐待などの子どもはほかの子との距離が一定なきゃ本当に安心できませんし、いつも一時保護所は定員がいっぱいという状況ですよね。その拡充の中には定員増ということも含まれているんでしょうか。
○雜賀参事 子ども家庭総合センター、仮称でございますけれども、一階には一時保護所を設置する予定でございますが、定員につきましては、今後の保護需要を踏まえまして検討してまいります。
○大山委員 ぜひ、新しくつくるということはめったにないことですから、このきっかけに、定員もきちんと余裕を持って設置してもらいたいと思います。
もう一つ、二〇〇六年の一月に子ども家庭総合センター構想が打ち出されて、その中に児童会館の機能移転という問題が出てきて、先ほどもありましたように、利用者だとか児童演劇、それから児童文化にかかわる方々がぜひとも存続させてほしいということがずっと要望としてあるわけですね。
七階の一部移転というところではホールはないんだということですし、それから、主な事業は、さっきの答弁からいいますと、区市町村に対する支援だとか、情報発信だとか、人材育成だとか、その強化が主な仕事なんだということですが、ホールはないと。子どもたちが自由に出入りして遊べるようなことは想定しているんでしょうか。
○雜賀参事 今度の子ども総合センターにつきましては、自由利用というようなことは設定してございません。
○大山委員 つまり、子どもたちは自由には出入りするところではないんだと。で、ホールもないんだ。新たな遊びの開発だとか、子育て支援などに対する情報発信とか、地域の児童館などの児童の健全育成を担う人材に対する人材育成研修だとか、区市町村の子育て支援にかかわる人材だとか機関への支援を強化していくんだ、そういう役割を移転するんだということですよね。もちろん研修の場だとか、情報発信だとかは重要ですし、遊びを開発していくということもとても重要なことだと思うんですけれども、やはり実践の場がなくて、研究や研修、支援というのは、説得力という点ではいま一つということになってしまうんじゃないんでしょうか。
地域児童館の設置促進という開設当初の役割を果たしということが書かれているわけですけれども、役割というのは、同じ例えば児童会館でも、時代によって要請される役割というのは発展していくわけですよね。さらに、都内のほぼ自治体全体に児童館が設置されているといいますけれども、区市町村の児童館と東京都児童会館というのはやはり違うんです。さまざまな点で違うわけですね。現在の渋谷の児童会館は、規模だとか事業内容、どうなってますか。
○雜賀参事 現在の渋谷の児童会館でございますけれども、事業内容につきましては、各階広場がございまして、そこで運動、図書、造形・音楽、木工、科学工作、リサイクル工作などの各種工作など、健全な遊びの場を提供してございます。そのほかにホール等でさまざまな催しを行っているということでございます。
○大山委員 地下一階から屋上まで、事務室などを除いても、子どもたちが本当に使える部分だけでも七フロアあって、六千百九十・二九平米です。そのほかに、六百八十席の立派なホールがあるわけですね。規模からしても、今度、一部機能移転だという総合センターのところの児童会館の移転分というのとでは全然違うわけですね。二十年度の実績を見ても、その児童会館を約六十六万人が利用しているわけですね。
館長さんがホームページで、最初のところで館長からのメッセージというのがあって、東京都児童会館にようこそとびっくりマークがついてます。ちょっと書いてあって、館内には運動、図書、造形・音楽、わくわく、のびのび、木工作の各広場があり、子どもたちが自由に楽しめるさまざまな遊びのプログラムを用意しています。また、ホールや講堂では、児童劇、人形劇、音楽などを随時上演して、東京の子どもたちの遊びと文化の拠点となっています。
これが今の児童会館の第一の役割なわけですよね。東京の子どもたちの遊びと文化の拠点なんだということですね。それで、各フロアで小さな子どもから中高生まで、音楽も思い切ってやれるわけですね。そういう遊び込める、そういう場所です。
都内のほぼ全自治体に児童館を設置しているから、児童会館の役割は終わったというようないい方ですけれども、七十七も全都にはホールがあるんだってさっき答弁していましたが、しかし六百八十席、子どものためだけのホール、これが都内どこにあるのでしょうかということもいいたいです。
ホールでは、ことし、今月のカレンダー、ホールの催しといったら、第三十五回ですよ、春休み音楽フェスティバル、春休みの一日、親子で音楽会を楽しんでみてはいかがですか。三月二十日、二十一日、二十二日、二十七日、二十八日、アニメソングだとか、ポップスだとか、アジアの響きだとか、子どものためのジャズコンサートもあるし、楽しさ満載コンサートというのもあるわけですね。これを本当に子どもたちのためのホールでできる。それから、ホームページでカレンダーを見ると、きょうは何の催しをしているかなということも一目瞭然でわかるわけですね。一日遊び込めるところなんです。
ですから、一部機能を移転するという計画ですけれども、できたとしても、子どもたちのための児童会館はやはりきちんと存続させていくべきだと思っています。
ところで、現在児童相談センターと障害者センターがある新宿の戸山の場所ですけれども、障害者センターだけが残るということになりますが、副都心線が開通して、比較的便利な場所になって、出入り口のすぐそばなんですね。ですから、障害者の皆さんも本当に使い勝手のいい場所になってきているときですから、せっかく単独で残る、せっかく単独で残るって変ないい方ですけれども、その障害者センター、どうするのかというのは、今どういう検討状況などあるんでしょうか。
○芦田障害者施策推進部長 心身障害者福祉センターにつきましては、平成十八年に公表いたしました福祉・健康都市東京ビジョンにおいて、今後のあり方を検討し、改革を実施することとしております。現在、あり方を検討しているところでございまして、土地や建物等につきましても、今後のあり方の検討を踏まえて考えてまいります。
○大山委員 今後あり方を検討していくということですので、割と広い土地もありますし、それから、高次脳機能障害の方の自立支援のための施設もあるわけですから、リハビリなども含めて、文字どおり障害者のセンターとしての役割が果たせるような検討をぜひしていっていただければと希望を述べて、終わりにします。
○門脇委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門脇委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、異議のない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門脇委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○門脇委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百十二号議案、平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、福祉保健局所管分及び第百十五号議案を一括して議題といたします。
本案につきましても、既に説明を聴取いたしておりますので、直ちに質疑を行います。
発言をお願いいたします。
○佐藤委員 私からは、最終補正予算の中で、生活福祉資金貸付事業補助について質疑をさせていただければと思います。
この生活福祉貸付資金は、雇用保険を第一の安全網とした場合に、生活保護を最後の安全網として、第二のセーフティーネットに位置づけられているものになります。
東京都においては、この年末年始緊急雇用対策に基づいて、ワンストップサービスを秋に試行実施し、そして年末年始においては、臨時宿泊施設を用意した上で、生活総合相談を実施し、失業者が二百八十五万人いる中での求職活動、そして生活再建に向けた支援に集中的に取り組んだところでございます。
そこで、この第二のセーフティーネットの状況を、今の現状を見るに当たり、この緊急雇用対策に基づいてのワンストップサービスにおける生活総合相談の実績について、まずお伺いをいたします。
○庄司生活支援担当部長 都は、国からの強い協力要請を受けまして、住居を失い、貧困、困窮状態にある方への緊急支援といたしまして、人道的な見地から、国の緊急雇用対策の一環であります年末年始の生活総合相談を実施いたしました。
実施期間につきましては、平成二十一年十二月二十八日から平成二十二年一月十八日まで実施をいたしまして、前半の十二月二十八日から一月四日までを、国の大規模宿泊施設で宿泊と食事の提供を行うとともに、就労相談、生活、住宅相談、健康相談を実施いたしました。
入所者につきましては、合計八百六十名の利用がありまして、相談件数の合計は千二百四十四件でありました。
○佐藤委員 今、閉庁期間の一月四日までの実績、その相談件数、そして、相談をされた、または施設に入られた方の人数などについてご説明をいただきました。一月五日以降のこの方々に対しての支援状況についてもお伺いをいたします。
○庄司生活支援担当部長 後半の一月五日から十八日までは、都の臨時宿泊施設におきまして、宿泊と食事の提供を行うとともに、生活相談、住宅相談、健康相談を実施いたしまして、入所者数につきましては合計五百七十三名の利用がございました。
○佐藤委員 今、その規模についてお答えをいただいて、東京都が所有する臨時宿泊施設に移った方々に対して支援をしていらしたところではございますけれども、この事業終了後のつなぎ先、生活保護あるいは第二のセーフティーネットを活用して生活を再建したそれぞれの実績についてお伺いいたします。
○庄司生活支援担当部長 事業終了時の一月十八日におきまして、住宅手当の申請者は二十九名、生活保護の申請者は四百九十七名でございました。また、臨時特例つなぎ資金の決定者が十三名、総合支援資金の決定者が一名でございました。
○佐藤委員 今お話がありましたように、五百七十三名のうち、四百九十七名の方が生活保護の申請をされています。そういう意味で、その大半が生活保護を受ける、そして、一方で第二のセーフティーネットが期待されるほどの利用実績になっていないことは、三月二日の日経新聞においても報道をされているところでございます。日経新聞においては、第二のセーフティーネットの利用については、全国において利用の想定の七・七%という報道をされております。
第二のセーフティーネットについては、仕組みのあり方、あるいは手続の煩雑さなど、さまざまな問題点が指摘をされているところではございますが、そういった認識を前提として、今回のこの生活福祉資金、総合支援資金補助についての東京都においてのあり方、執行の仕方、工夫などについて質疑をさせていただきたいと思います。
まず、生活福祉資金貸付事業についての貸付原資と今回の積み増しの規模について、改めて確認をさせていただきます。また、これまでの利用実績についてお伺いいたします。
○庄司生活支援担当部長 お答えします。
貸付原資の規模でございますが、昨年九月末現在の原資は約六十七億円でありますことから、これに約五十五億円の積み増しを行って約百二十二億円とし、平成二十三年度末までの貸し付けに対応いたします。貸付原資の積算に当たりましては、過去の貸付実績や償還状況をもとに、平均の貸付件数、貸付額を算出いたしましたところ、総合支援資金につきましては、一月当たり約三百件で、約一億八千万円、その他の資金につきましては、一月当たり約四百件で約三億二千万円となりました。これから一月当たりの償還見込額約九千万円を差し引き、制度改正があった昨年十月から平成二十三年度末までの三十カ月分の貸し付けに必要な原資を算出いたしますと、約百二十二億円となります。
次に、貸付実績でございますが、平成十九年度から平成二十一年度までの三カ年の各資金の貸付実績でございますが、平成二十一年度の件数は、平成二十二年一月末までの件数でございます。
まず、総合支援資金でございますが、平成二十一年度改正後の十一月から一月末で千七百七十五件。離職者支援資金が、平成十九年度五十九件、平成二十年度五十八件、平成二十一年度が、平成二十一年四月から平成二十一年十月まで、改正前まででございますが四百六十七件。福祉資金が、平成十九年度百八十七件、平成二十年度百六十二件、平成二十一年度二百五十五件。緊急小口資金が、平成十九年度三百九十件、平成二十年度八百五件、平成二十一年度千四百八十七件。教育支援資金が、平成十九年度七百四十四件、平成二十年度が九百七十八件、平成二十一年度が千五十八件。不動産担保型生活資金が、平成十九年四十七件、平成二十年度は七十三件、平成二十一年度四十三件となっております。
○佐藤委員 今お答えがありましたように、教育支援資金については、その利用実績については横ばいではありますけれども、離職者支援資金、組みかえられる総合支援資金においては、平成十九年度は五十九件、二十年度は五十八件というところ、二十一年度においては十月までで四百六十七件、十月から一月においては千七百七十五件と急増しているところでございます。
この今回の生活福祉資金は実施主体を社会福祉協議会としており、そして、実施主体は都の社会福祉協議会であり、その窓口は各市区町村の社会福祉協議会になっております。ここの人的体制についてお伺いいたします。
○庄司生活支援担当部長 区市町村社会福祉協議会では、組織の規模により異なりますが、事務局職員のうち貸し付けに係る業務を担当する職員は、おおむね二名から四名程度でございます。東京都社会福祉協議会で貸し付けにかかわる業務を担当する職員は、現在二十一名となっております。
○佐藤委員 今お話がありましたように、各市区町村で生活福祉資金を含め、こうした貸付事業を担当している職員は二名というお話でございます。一人一人の資金貸付というのは、一つの生活再建においての支援のツールの一つであり、必要なのは一人一人に寄り添って返済計画を立てたり、生活を再建していくことになってくると思います。
もちろん福祉事務所との連携などもあるとは思いますけれども、そうしたきめ細かな支援をしていくに当たっては、大変脆弱な人的な体制が実施されているのではないかと思います。
今その援助開始の市区町村での人的な体制についてお話をいただき、またその貸し付けについての債権管理については、都の社協において管理をされているということでございました。その債権管理における滞納の場合の回収の状況、また免除の実態についてお伺いいたします。
○庄司生活支援担当部長 お答えいたします。
三カ月連続して償還されない場合には、定期的に督促状を送付するなどの対応を行っております。また、利用者からの申請があり、やむを得ないと認められるときは、償還期間の一年以内での延長または償還の免除を行っております。
次に、生活福祉資金全体の償還免除件数でございますが、平成二十年度が六十五件、平成二十一年度が五十件となっております。
○佐藤委員 今お話がありましたように、特にその免除の件数については平成二十年度六十五件、二十一年度は五十件という形になっております。貸し付けの累積が積み重なっていく中で、こうした第二のセーフティーネットを利用されるその対象層の生活の状況を考えたときに、免除の件数がこの数にとどまっているのは、ある意味、職員の管理体制を厚くしなければならないことも考えていかなければならないと思います。
そうした中で、人的な体制を改善することも、この生活福祉資金貸付事業においては急務のところだとは思いますが、今回の補正予算において事務費八・五億円計上されているところでありますが、何人の増員が予定されているのかお伺いをいたします。
○庄司生活支援担当部長 お答えします。
平成二十二年度予算案では、区市町村社会福祉協議会が一人当たり五百八十万円で六十七名分、東京都社会福祉協議会が一人当たり五百八十万円で十一名分を人件費として積算いたしました。
○佐藤委員 社協の人的体制を厚くしていくことは、地域の福祉を増進していくという社協の目的に照らしても本当に重要なことだと思います。この生活福祉資金を初めとする第二のセーフティーネットの案内をしていくハローワークで、増員を予定されている就労支援員や住宅手当受給者に対しての就労支援員の増配置などを考えたときにもパラレルに考えられるところでありますけれども、こうした支援員は、臨時的にOBなどが雇用されるというよりは、むしろ専門性を高めていく、そうした人材を充てていくことが必要ではないかと思います。それがきめ細かな福祉というのが、文字どおり実効性のあるものになる第一歩であると考えております。
次に、必要な支援が必要な方に確実に届くための周知についてお伺いをいたします。
これまでの利用者はどこでこの制度を知ったか、そして紹介もとはどうなっているのか、また都や社協ではどのように周知を図っているのかお伺いをいたします。
○庄司生活支援担当部長 利用者がどこでこの事業を知り得たかにつきましては、詳細なデータは把握しておりませんが、昨年十月より住宅手当などの制度が開始されてからは、福祉事務所やハローワークからの紹介が多い状況となっております。
次に、広報でございますが、総合支援資金につきましては、「広報東京都」やホームページへの掲載のほか、本資金や関連施策を網羅し、適切な窓口を紹介するパンフレット、就労生活支援の総合案内を作成いたしまして、ハローワーク、福祉事務所などの各種窓口や民生委員などに配布しております。
福祉資金及び不動産担保型生活資金につきましては、福祉事務所などの窓口や民生委員にパンフレットを配布しております。
教育支援資金につきましては、福祉事務所などの窓口や民生委員のほか、区市町村教育委員会や国公立、私立の高校、大学などにもパンフレットを配布しております。
○佐藤委員 今お話がありましたように、関係機関での配布が多いのかなと思います。その中で、特に教育支援資金については、学校を通じて子どもや保護者に確実に伝えていく必要があるところだと思います。
現在、高校の実質無償化などの取り組みが国では検討されているところでありますけれども、一方で、今現在も授業料滞納ゆえに卒業させてもらえない高校生が一万七千人いるところです。卒業クライシス問題という意味では、それに対応する今回のこの生活福祉貸付資金の教育支援資金が三年さかのぼって適用されるということも、周知を確実に図っていく必要があるのではないかと思います。
最後に、こうした確実に支援を必要としている人に必要な支援をするために、利用者の目標値など目標達成に向けた取り組みはどうなっているのか、お伺いをいたします。
○庄司生活支援担当部長 利用者数の目標につきましては、特に定めておりません。今回の貸付原資の積み増しによりまして、総合支援資金につきましては先ほども申し上げましたとおり、一月当たり三百件、年間三千六百件の貸し付けに対応できることになりますが、今後の件数の推移も見ながら、国とも協議をいたしまして適切に対応してまいります。
○佐藤委員 今回の基金の積み増しで、東京都がそうした方々に利用できますという形で受け皿をつくることは、それが第一歩ではありますけれども、先ほどの実績の推移を見るように、広報の仕方であったりとかによって大きく利用実績というのは変わってくるところでございます。
ぜひ、この基金がしっかりと支援を必要とする人に届くような形で執行されるよう、事務体制含め、広報含めさまざまな工夫を持って目標達成に向かって取り組まれていくことを希望しております。
また、先日の二月五日には、セーフティーネットの強化に向けた緊急提案ということで、さまざまな仕組みについて、国に対して福祉保健局長から提言がなされております。今実際にこの仕組みが動く中での不都合点、そしてどういうふうな形がより一層、その仕組みが改善されていくかということを国に働きかけていくこと、本当に、本当に何というんでしょう、重要なことだと思っております。そうした都の取り組みが今後一層進められることを希望しまして、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○早坂委員 我が都議会自民党は、昨年十一月十六日、石原知事あてに厳しい経済環境と都民の雇用不安への対応を求める緊急要望を提出いたしました。そのことを踏まえ、東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例について伺います。そもそも、国が支出するこの基金の目的はどのようなものか伺います。
○永田生活福祉部長 緊急雇用創出事業臨時特例基金は、離職を余儀なくされた非正規労働者、中高年齢者等の失業者に対しまして、つなぎとしての一時的な雇用機会を創出する目的で、国が合計四千五百億円を都道府県に交付し、造成したものでございます。
今回、現下の厳しい経済雇用情勢の中、求職中の貧困、困窮者に対する支援をさらに強化するため、国は、補正予算によって七百億円をこの基金に追加交付することとなってございます。
都では、平成二十一年三月に基金を造成いたしまして、これまで国から約二百十四億円の交付を受けてございますけれども、今回新たに住まい対策のための経費といたしまして約八十億円の交付を見込んでいるところでございます。
○早坂委員 では、今回のこの条例の改正のポイントはどういうところにあるかについて伺います。
○永田生活福祉部長 今回の改正のポイントでございますけれども、基金を活用して実施できる事業は、住宅手当の拡充、生活保護受給者等に対する就労支援の強化、ホームレス対策事業の充実、生活福祉資金貸付事業における相談体制の充実の四つの事業でございまして、いずれも十分の十の国の補助事業として、区市や社会福祉協議会等がこれまで行ってきた事業でございます。
基金で事業を実施するため、年度が変わっても切れ目のない事業実施が可能になること、また国の交付決定が不要となるため、ニーズに応じて迅速な事業実施が可能となることといった利点がございます。
○早坂委員 昨年五月、当時の麻生内閣のもとに、新しいセーフティーネットが国の補正予算により創設をされました。これは、雇用保険という第一のセーフティーネットから抜け落ちた人を最後のセーフティーネットである生活保護に陥る手前で受けとめて支援を行うものであります。この新しいセーフティーネットは、第一のセーフティーネットである雇用保険の次という意味で、第二のセーフティーネットと呼ばれております。
では、この第二のセーフティーネットと今回の基金の関係について伺います。
○永田生活福祉部長 第二のセーフティーネットは、離職によって住宅等にお困りの方が生活保護を利用することなく、住宅の確保の支援、継続的な生活相談支援とあわせた生活費の貸し付け等を行い、生活を安定させながら一刻も早く就職できるよう支援していくものでございます。
今回の条例改正に係る基金に積み増しします国の交付金は、第二のセーフティーネットのうち、昨年十月から開始をいたしました住宅を喪失または喪失するおそれのある方に対しまして、賃貸住宅の家賃相当分を給付する住宅手当制度を引き続き実施するための経費に充てられます。
また、失業等により日常生活全般に困難を抱えている方に対しまして、生活福祉資金の貸し付けを行う区市町村社会福祉協議会に相談員を配置するなど、相談支援体制を充実するための経費に充てられるものでございます。
都は、実施主体でございます区市や社会福祉協議会等に対しまして、基金を活用して第二のセーフティーネットが一層有効に機能するよう働きかけてまいります。
○早坂委員 今回の条例改正には、第二のセーフティーネットに関する事業、すなわち生活保護に行き着く前の施策が含まれているというご説明でありました。
ところで、東京都は、国の要請を受け、昨年末から三週間にわたり、いわゆる公設派遣村を設置いたしました。正しくは、年末年始の生活総合相談というそうでありますが、この本来の目的は、住居がなく、都内に生活実態があり、ハローワークで求職していたが、仕事が見つからずに年末を迎えた生活困窮者への相談支援だと理解をしています。
では、この相談を何人が利用し、それを何人で対応したのか伺います。
○庄司生活支援担当部長 ただいま理事がお話しのとおり、東京都は国からの強い協力要請を受けまして、住居を失い、貧困、困窮状態にある方への緊急支援といたしまして、人道的な見地から宿泊と食事の提供とともに、就労相談、生活住宅相談、健康相談などを行いました。
年末年始の生活相談で、国の大規模宿泊施設におきまして、十二月二十八日から一月四日までの間に行った相談につきましては、入所者合計八百六十人の利用がありまして、相談業務に従事した職員は、実数で七十三人、延べ二百二十六人でございました。
○早坂委員 八百六十人の利用があったということでありますが、この相談において第二のセーフティーネットの一つである住宅手当の申請者は何人だったのか。また、最後のセーフティーネットである生活保護の申請をした人は何人いたのか伺います。
○永田生活福祉部長 住宅手当の申請者でございますけれども、二十九名でございます。生活保護の申請者は四百九十七名となってございます。こうした結果となりましたのは、第二のセーフティーネットである住宅手当が支給要件や申請手続などで利用しにくい部分があり、その機能を十分に発揮できていないといわざるを得ないと考えてございます。
このため、都は、この年末年始の生活保護相談の結果を踏まえまして、本年二月五日、セーフティーネットの強化に向け、厚生労働省に対しまして、住宅手当の支給要件の緩和や利用しやすい体制づくりなどの緊急提言を行ったところでございます。
国は、この提案内容も一部取り入れまして、住宅手当について収入要件の緩和や求職活動要件の強化など、本年四月一日から制度の見直しを行うとしてございます。
○早坂委員 いわゆる公設派遣村は、個別の相談、支援が本来の目的であったはずですが、結果的には、単にベッドと食事を提供するだけの場になってしまい、第二のセーフティーネットとしての機能は十分に果たされていなかったように感じます。
働く能力のある人には働いてもらい、生活保護を受けなくて済むような生活環境に誘導することこそが大切であります。したがって、年末年始に例えば日雇いの引っ越しの仕事がなくなるのであれば、それにかわる仕事、例えば公園のお掃除などを行政がつくるべきであります。生活に困っているからといって、ただお金を給付していてはだめで、働いた見返りとして報酬を渡すのが真っ当な姿であるし、その方が結果的に行政の支出も安く抑えられるものと思います。
雇用の状態を分類するならば、働いている人、働く意欲はあるが仕事がない人、働く意欲がない人の三つに分けられます。二番目の働く意欲はあるが仕事のない人に対しては、仕事をつくり、働いてもらって、決して生活保護を受けるような状態にはさせないこと。三番目の働く意欲がない人に対しては、個別の丁寧な対応で働く意欲を持ってもらうようにすること。そして、生活保護を脱却してもらう、あるいは生活保護すらも受けていないホームレス状態から抜け出してもらうこと、これがあるべき姿だと考えます。
このことは何も年末年始に限られたことではありません。年間を通じて働ける人には、その意欲を喚起し、就労に結びつけるような支援を実施していくことが必要なのはいうまでもありません。
ところで、今回の基金への積み増し分には、生活保護を受けた人が就労し、生活保護からの脱却を支援するための応援をする就労支援員の増員の経費も含まれています。そこで、就労支援員のこれまでの配置状況と支援実績について伺います。
○永田生活福祉部長 就労支援員は、福祉事務所に、ハローワークのOB等の就労支援の専門的な知識を有する職員を非常勤雇用または外部委託によりまして配置をいたしまして、就労支援員等活用プログラムに基づきまして、被保護者に対し、求職相談、ハローワークへの同行など、就労支援に向けた取り組みを実施しているところでございます。
平成十七年度から配置をしておりまして、平成二十年度は四十区市で七十六名が配置をされてございます。また、平成二十年度の支援実績でございますけれども、五千七百四十三名の方に支援をいたしまして、千九百四十一人の方が就職に結びついてございます。
○早坂委員 私は過日の厚生委員会で、セーフティーネットからトランポリンへという考え方を紹介しました。家がなく、食べ物がないという生活困窮者に地面すれすれのところで、はい、どうぞと支給し続けるのではなくて、精神的、肉体的、経済的活力を取り戻すまでの間だけ生活保護を受けてください。でも、それは早く終わりにして、トランポリンのように、もう一度自分の力でかつての暮らしのレベルまで、すなわち地面から高いところにまで戻ってきてもらうということが大切だという考え方であります。そのために何よりも必要なのは、雇用の充実であります。
その文脈からいえば、先ほどご答弁いただきました住宅手当について、就職活動要件を強化するのは当然のことであります。住宅を新たに確保する場合に、毎月の家賃は住宅手当で給付され、敷金、礼金などの初期費用は、総合支援資金から借りることになっていますが、例えば住宅手当の支給期間内に就職できた場合には、借り入れた資金の返済を免除するようなインセンティブを設けてもいいと考えます。
一方で、住宅手当の支給期間は最長でも九カ月間と限定されており、例えば本当に九カ月間で自立できるのかどうか、今後、実情を精査して、さらなる要件緩和を国に求めていくことも検討していただきたいと思います。
最後に、求職中の貧困、困窮者などに対し、支援にどのように取り組んでいるのか伺います。
○永田生活福祉部長 今般の厳しい経済雇用情勢の中で、働く意欲がありながらも就職できず、生活に困窮している方々に対しまして、一刻も早く就職し、生活を安定させるよう支援していくことは重要な課題だというふうに認識してございます。
今後とも、第二のセーフティーネットを有効に活用いたしまして、ハローワークや区市町村など関係機関、庁内各局とも密接に連携をしながら、離職者等の就職と生活の安定に向けて積極的に支援をしてまいります。
○早坂委員 経済雇用情勢が好転するまでの間、恐らくこれからも厳しい状況が続きますが、今ここで最後のセーフティーネットである生活保護に安易に流れてしまえば、社会全体がモラルハザードを起こし、我が国全体の活力が失われかねません。
現に、台東区では、生活保護費が平成二十二年度一般会計の二割を超えるまでに膨れ上がっており、国全体では百八十一万人が生活保護を受けています。東京都は、既に国に対し緊急提案をしていますが、今後とも現場感覚の中で豊かな発想力を養い、みずから効果的な施策を立案、実施するとともに、国を突き動かしていくようお願いをいたします。
○野上委員 私の方からは、生活福祉資金貸付事業補助について質問したいと思っております。
生活福祉資金の貸付事業は、低所得者、障害者及び高齢者の世帯を対象に、低利子または無利子で資金の貸し付けを行って、その世帯の生活の安定と経済的自立を図ることを目的とした国の制度で、都においては東京都社会福祉協議会が実施主体となり、各区市町村の社会福祉協議会が貸し付けの相談とか申請の受け付けを行っています。
先日も、実は自分の母親が急に亡くなって、葬儀をしたいんだけれども、その葬儀のお金が全然ないという方の相談を受けまして、貸してあげるわけにもいかないし、どうやって最低限のお葬儀のお金を工面するかというので悩んでおりましたら、社会福祉協議会の方でご相談に行きましたら、五十万円貸していただくということで、葬儀は、亡くなって早く葬儀をしないと体があれですので、葬儀は早く終わったんですけど、葬儀代金はずっと待っていてもらってて、その間に社会福祉協議会に行って相談をして、民生委員の方がその方の家に訪問して、家族状況を調べて、そしてこの人はきちっと返してくれるのかどうかというのをやって、そしてやっと五十万円を借りることができて本当に安堵したということがございました。
年金とかをもらっていても、そのお母さんが長い間病気で、病院の経費とかがかかっているので、本当に手持ちのお金がない。葬儀のわずかというか、五十万のお金もない方がたくさんいらっしゃるということで、本当に苦しい思いをいたしました。
もう一個は、同じく、大学三年生まで自分で一生懸命頑張ってきたんだけれども、自分の妹が薬科大学に入ったために、自分がアルバイトをして、妹を大学を出させるというので、大学三年生までやったんだけれどもやめてしまったという事例がございました。だから、本当にあと一年で大学が卒業できるのに残念だなという思いをいたしました。この方の場合はちょっと借りることがなかなかできなかったということでだめだったんですけれども、このように教育費とが冠婚葬祭、引っ越しとか運転免許に係る費用など、そういうものでも全部幅広く貸し付けの対象としているということで、実際に利用して助かったという方の多くの声を聞いております。
依然として厳しい経済雇用情勢に対応するために、国は昨年六月に緊急経済対策を打ち出して、その一環として総合支援資金の創設を初めとする生活福祉資金貸付制度の大幅な改正を昨年十月に行いました。今回の補正予算もこれに関連したものと思います。
まず最初に伺いますが、今回、生活福祉資金貸付事業補助に要する経費として八十八億円の補正予算を計上した理由、予算の内容及び費用負担についてお伺いいたします。
○庄司生活支援担当部長 補正予算を計上した理由でございますが、今回の制度改正によりまして、貸付利子の引き下げとあわせまして、連帯保証人が確保できない場合にも貸し付けが受けられるよう要件を緩和したことで、貸付件数の大幅な増加が見込まれ、現行の貸付原資等では対応できないため、今回補正予算を計上したものでございます。
補正予算八十八億円の内訳は、既存の生活福祉資金の貸付原資などへの積み増しが約八十億円、新規に開始した臨時特例つなぎ資金の貸付原資などが約八億円で、住宅手当及び臨時特例つなぎ資金の実施期間であります平成二十三年度までの所要見込みにより積算をしております。
なお、これらの経費につきましては、特例により国が全額負担をしております。
○野上委員 今回の制度改正は、前の自公政権が打ち出したものなんですね。失業等により生活に困窮する方々を積極的に支援し、必要な経費について国が全額負担するということは、これは大いに評価するものでございます。
次に、生活福祉資金の貸付件数ですけれども、平成二十年度より増加に転じております。昨年十月の制度改正後は、昨今の厳しい経済雇用情勢を反映して、新設された総合支援資金を中心に貸し付け件数が飛躍的に増加していると聞いております。制度改正により、それぞれの資金についてどの程度貸付件数がふえているのかお伺いいたします。
○庄司生活支援担当部長 まず、制度改正後の資金種別による平成二十二年一月末現在の実績でございますが、平成二十一年十月二十六日開始いたしました総合支援資金が千七百七十五件、同じく平成二十一年十月二十六日開始いたしました臨時特例つなぎ資金が五百八十五件、福祉費が平成二十年度百六十二件であったものが二百五十五件、緊急小口資金が平成二十年度八百五件であったものが千四百八十七件、教育支援資金が平成二十年度九百七十八件であったものが千五十八件となっております。
特に増加傾向が著しいものといたしまして、総合支援資金の中の生活支援費につきまして件数の推移を見ますと、この資金の前身であります離職者支援資金につきましては、平成二十年度は年間で五十八件であったものが、二十一年度に入って七月に連帯保証人などの要件変更を前倒しで行ったこともありまして、十月末までの実績で既に四百六十七件に上っております。さらに、制度改正後の生活支援費の貸付件数は、本年一月末までの約三カ月間で千六十五件となっております。
○野上委員 ただいまの答弁を聞きますと、どの資金も貸付件数が増加している状況です。特に失業中の生活費の貸し付けを行う総合支援資金や緊急小口資金の実績が著しく伸びていることがわかります。この補正予算による対応が全く必要であると考えております。この総合支援資金は、今回の制度改正の大きな柱ともいえるものです。総合支援資金の内容及び貸し付けに当たっての要件についてお伺いいたします。
○庄司生活支援担当部長 総合支援資金は、日常生活全般に困難を抱えた世帯に対しまして、生活の立て直しに向けた継続的な相談支援と生活費などの貸し付けを行うものでございます。
貸付内容は、生活再建までの間に必要な生活費、敷金、礼金などの住宅入居費及び家賃や公共料金などの滞納分の支払い費用などの三種類の資金がございまして、住居を喪失または喪失するおそれのある離職者への家賃補助を行う住宅手当との併給が行えるものとしております。貸し付けに当たりましては、生活再建に向けた自立計画の作成やハローワークなどでの就職活動などが要件とされております。
○野上委員 これまでの離職者支援資金においても、資金の貸し付けに当たって労働部門との連携による再就職支援が十分でないことが課題とされ、都では独自に東京しごとセンターと連携して就職活動報告書の提出を義務づけるなど、国に先駆けた取り組みを進めています。総合支援資金が生活再建に向けた支援策として有効に機能するように、さらにハローワークとも連携を進め、就労支援や相談機能の拡充を図っていただきたいと思っております。
次に、このような大幅な制度改正により新たな貸付メニューがふえ、より利用しやすい制度になったことについては、積極的に広報していく必要があると思います。先ほどでも少し答弁があったんですけれども、今回の制度改正に当たり、広報、周知の徹底をどう図っていくのかお伺いいたします。
○庄司生活支援担当部長 制度改正に伴う広報活動といたしましては、「広報東京都」やホームページの掲載のほか、生活福祉資金及び関連施策を網羅し、適切な窓口を紹介するパンフレット、就労生活支援の総合案内を作成し、ハローワーク、福祉事務所などの各種窓口や民生委員などに配布しております。
今後とも国や区市町村と連携いたしますとともに、さまざまな広報媒体を活用いたしまして、支援を必要とする方に情報が届きますよう、広報、周知に努めてまいります。
○野上委員 最後です。
失業や収入の減少により、生活に困窮している方が一人でも多くこうした支援策を活用できるように働きかけていくことが、これから年度末にかけて多分ふえていくだろうと思う自殺防止対策にもつながると思いますので、ぜひ積極的な広報をお願いしたいと思います。
また、総合支援資金は、住宅手当とともに生活保護になる前の段階の第二のセーフティーネットとしての役割を果たすべく創設された制度ですが、先ほども早坂理事の方からもお話がありましたけれども、貸し付けと給付という支援形態とか対象要件の違い、また取り扱う窓口も異なるといういろいろな問題がありまして、ワンストップで利用しやすい制度とするためにも、この見直しを早急に行う必要があると思います。
東京都においても、二月五日に、セーフティーネットの強化について国に緊急提案を行ったということですけれども、引き続き問題解決に向けて精力的に取り組まれることを要望し、質問を終わります。
○大山委員 まず、補正予算なんですけれども、今回の補正予算というのは、第一には、国からの支出金を受け入れるなどのための増額、それから第二は、本来だったら決算時に不用額として出すものを先に補正で減額するというものですね。不用額とするのを、執行見込みがないなら先に減額補正してほかに使うということについては、一概に否定するものではありませんが、どうして執行が少なかったのかということを検討して、次に生かしていくことが求められているということを意見として述べておきます。
きょうは、今回の補正で、昨年十月から実施している生活福祉資金の中の総合生活支援資金と緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の改正に関して質疑をします。
この二つがいわゆる第二のセーフティーネットといわれているものですが、年末年始の公設派遣村、福祉保健局の皆さんは年末年始もお疲れさまでした。私も何回か派遣村に行って、入所している方々から直接話も聞きました。
例えば証券会社の契約社員だった方が病気になったら翌月に解雇されてしまったとか、建設会社の現場監督をやっていた人、この方、自分では、現場のリーダーですから、まさか解雇されるなんていうことは思っていなかったんだけれども、会社が傾いてきて、準社員だったんですね、だから、その方が解雇されたんです。奥さんとも離婚して、自分が家を出てきたんだというんですね。皆さん、こんな不安定な雇用ではなくて、きちんと正規雇用で働いて自立したいんだ、そうおっしゃるんです。
仕事も住居も失った方々がどう生活再建していくのかといえば、やはり大多数の方は、まず生活保護を受けて仕事を探して、生活を再建するという道を選びました。新たなセーフティーネットも使えた方もありますけれども、東京都の資料で、一月十八日時点での速報値ですけれども、生活保護決定者が四百八十二人、住宅手当決定者、つまり第二のセーフティーネットですね、これが十名となっています。
第二のセーフティーネットの二つの事業内容を大まかに教えてください。
○永田生活福祉部長 第二のセーフティーネットは、離職によって住宅等にお困りの方々が生活保護を利用することなく、住宅の確保の支援、継続的な生活相談支援とあわせて生活費の貸し付け等を行い、生活を安定させながら一刻も早く就職できるよう支援していくために創設されたものでございます。
○大山委員 生活保護を受けることなくということで創設されたんだということなんですけれども、住宅手当は支給されるんですよね。しかし、敷金や礼金は貸し付け。住宅がない方のつなぎ資金は貸し付け。生活支援費も貸し付け。仕事だけでなくて、住居までもなくした人への支援にもかかわらず、貸し付けが中心の制度となっている。これが二の足を踏ませているといわざるを得ません。
このことは、福祉保健局の問題意識も同様なんだと認識していますが、二月五日付で国に対して福祉保健局長名で緊急提案を出していますね。第二のセーフティーネットについて三項目提案しています。
一つは、住宅手当の支給要件の緩和。二つ目は、再出発に当たり、マイナスからのスタートにならないよう配慮すること。これはそのとおりだと思います。もう一つがワンストップ体制づくりを行うこと、こう要望していますが、これらは私も重要なことだと思っています。国からの緊急提案に対する回答だとか改善点、どうなっていますでしょうか。
○永田生活福祉部長 都は、先ほどお話がございましたように、本年二月五日、セーフティーネットの強化に向けまして、厚生労働省に対して緊急提案を行ったところでございます。
その際、国からは、現在第二のセーフティーネットの見直しを考えているところであり、都からの提案内容も踏まえ、今後とも検討していくという回答がございました。その後、住宅手当につきましては、本年四月から収入要件の緩和や離職時期の要件の緩和が行われることとなり、提案事項の一部が反映されたものと考えてございます。
○大山委員 今度の四月からは、収入要件と、あと離職後二年以上経過した人にも、平成十九年十月一日以後に離職した人だったらいいですよということが改善点だと。この二つは改善されたということなんですけれども、都の要望にも緊急提案にもあるように、再出発に当たりマイナスからのスタートにならないように、これは非常に重要だと思うんですね。敷金、礼金を住宅手当に入れること、それから免除の要件を緩和することなども引き続き要望していってほしいと思います。
住宅についてなんですけれども、現在は不動産屋さんのリストをもらって、自分で家を探して、社協に申請をして審査してもらって、住宅貸付金が出るわけですね。保証人もいない状況で不動産屋さんで家を探すというのは、これはなかなか大変なことなんですね。何軒も何軒も探し回るということになります。
今、不動産屋さんなどに聞きますと、民間アパートでもワンルームなどはあいているんですよというんですね。だから、例えば東京都が一定期間、あいている民間アパートなどを借り上げて、そして第二のセーフティーネットを使うという人に提供する。そうすれば、大家さんも安心だし、それから家探しで挫折するということもなくなりますから、ぜひ検討をしてほしいと思います。
手続上というか、このことなんですけれども、住居がない離職者にはつなぎ資金が出ますね。身分証明と銀行口座が必要なんです。しかし、住居がなくてつなぎ資金の貸し付けを受けるわけですから、住所がないんですね。住所がなくて銀行口座をつくるというのは、これ大変なことなんです。銀行口座がないときは、つなぎ資金は、例えば当社協が各市区町村の社協の口座に振り込んで、各社協から本人に現金で渡せばそれで済むわけですよね。そういうつなぎ資金を使って家を確保できれば、使ってというか家を確保できれば、口座もないよりはあった方がいいわけで、使い勝手についても検討して、より実態に合った使い勝手のいいものにすることが求められていますが、どうですか。
〔委員長退席、野上副委員長着席〕
○庄司生活支援担当部長 国が示しました臨時特例つなぎ資金貸付制度要綱におきましては、貸付方法といたしまして、貸付金は一括の交付方法により、借入申し込みなどの口座に送金するものとするとされているため、借受人本人に現金で渡すことは、現行制度ではできないものと認識しております。
〔野上副委員長退席、委員長着席〕
○大山委員 現行の制度では現金では渡せないから、私も福祉保健局と同じように緊急の提案をしているわけです。ですから、ぜひ国にも、ちゃんとこういう実態なんだということを相談して改善していってほしいと思います。
次に、ワンストップサービスについてなんですけれども、住居を失った方が、住宅手当については区市町村の窓口に行くわけですね。しかし、敷金、礼金の貸し付けだとか生活費の貸し付けは社会福祉協議会の窓口に行くわけです。その貸し付けを受けるためには、ハローワークに行って、求職申し込み、雇用施策利用状況確認票というのをもらってこなきゃいけないんですね。
しかし、第二のセーフティーネットでは、自立するのは困難ということになったから、福祉事務所に行かなきゃいけないという方も出てくるわけですよね。ですから、つまり、第二のセーフティーネットを利用するだけでも、区市町村の窓口、社会福祉協議会の窓口、そしてハローワークに行かなければならないわけです。それから、生活をどう再建していくのかとか、この方がどの制度を使ったら一番いいのかということを相談するというのは非常に重要なことですから、福祉事務所のケースワークも大切だと思うわけです。
例えば、私、新宿ですけど、新宿区だと一階に福祉事務所がある庁舎の二階に社協の窓口と、それから住宅手当の区の窓口があるんですね。ハローワークもそれほど遠くありませんから、比較的近場で済むということになるんです。福祉事務所と社会福祉協議会、それからハローワークなどがワンストップになるように、国だとか区市町村と相談することが求められると思うんですけれども、どうですか。
○永田生活福祉部長 昨年、年末に国の要請に基づいて、ワンストップサービスの試行を行いましたけれども、今お話しのようなことも、実際にはご意見をいろいろ承ると、そういった話も聞こえてくることは聞こえてまいります。
そういったことで、今般、国の通知に基づきまして、福祉部門と雇用部門の各機関が密接な連携を図るため、既に設置をしているのではございますけれども、生活保護受給者等就労支援事業協議会を母体といたしまして、都道府県及び地域を単位といたしまして、生活福祉・就労支援協議会を設置することといたしてございます。現在、準備を進めているところでございます。
この協議会におきましては、各支援施策、事業の運営上の問題点、課題の点検を行うこととなっておりまして、地域単位の生活福祉・就労支援協議会において、それぞれの地域の実情に応じて検討することになろうかと存じております。
○大山委員 国と都と区市町村と本当に力を合わせていくということが今求められておりますので、ぜひ、その評議会の場も積極的に活用してよく相談して、今度の年末年始には派遣村をつくらなくて済むようにということで、日常的な支援ができるようにしてほしいと思います。
日常生活全般に困窮しているのは、解雇された方たちだけではないんですね。自営業者も仕事がなくて大変な状況になっています。例えば内装の仕事をしている方が、秋以降仕事が激減して、生活費さえも底をつくような状況になったんですね。保証協会を通じて既にもう信用金庫から借り入れをしているので、追加の融資は難しいと、こういわれちゃったわけですね。総合支援資金の生活支援費、これ申し込んだんですけれども、自営業者は対象にならない、こう断られちゃったんです。
ちょっと確認したいんですけれども、自営業者はどういう理由で対象にならないんでしょうか。
○庄司生活支援担当部長 自営業者の生計維持が困難となった原因が不況によるものである場合には、景気が回復すれば自営業を継続することで増収の見込みが立つと考えられる場合も想定されます。しかし、景気回復の時期や、それによる増収となるかどうか見通しが立たないために、単に景気回復を待つことだけで自立を見込むことは困難と考えます。また、事業資金と生活費の区別ができないところから、限られた貸付期間の中で自立の見込みが立つとは考えにくいため、東京都社会福祉協議会では対象といたしておりません。
なお、自営業者の生活費につきましては、お問い合わせがございました場合には、他の融資制度を紹介しております。
○大山委員 景気回復がいつになるかわからないし、それが景気回復したからといって自営業者の生活がちゃんと立ち行くかというのはわからないということと、事業資金と生活費の区別がよくわからないからなんだと。他の融資制度を紹介しているというんですけど、さっき紹介した方なんかも、保証協会を通じた保証つきの融資はもう難しい状況になっているわけですよね。その中で、生活費さえも事欠くという状況になっているわけです。
これ、いただいた生活総合支援資金のチラシですけれども、日常生活全般に困難を抱えた世帯の生活の立て直しのために、継続的な相談支援と生活費及び一時的な資金の貸し付けを行う制度ですと、こうあるわけですね。
仕事が激減する中で、保証協会の保証も追加できないし、自営業者も日常生活全般に困難を抱えているんです。仕事が来れば生活再建できるわけですけれども、それまでの生活が困難であるということは、自営業者でも変わりはないんですね。生活福祉資金の手引では、自営業者に対して貸し付けることは可能かというクエスチョンに対して、対象外と、こういっているんですけれども、その後で、自営業者の収入が少なく恒常的に生活に困窮している場合にはということで、よく相談して自立が見込まれる場合には貸し付けは可能となっていますから、厚労省も絶対にだめだということはいっていないわけですね。自営業者の実態から見れば切実ですから、どうしたら自営業者も含めて生活支援できるのかということをぜひ検討してほしいということを要望して終わります。
○新井委員 私からは、平成二十一年度最終補正予算の生活福祉資金貸付事業補助についてと、安心子ども基金積立金についてお伺いします。
まず初めに、生活福祉資金貸付事業補助についてお伺いします。生活福祉資金貸付事業補助について、雇用、経済情勢に対応し、雇用対策や福祉施策などによる重層的なセーフティーネットを構築する一環として、日常生活に困難を迎えた世帯の生活の立て直しの事業と伺っております。
そこで質問をいたします。総合支援資金及びその前身であります離職者支援資金の目的は、再就職により生活の立て直しを図ることが目的です。ですが、この制度の利用者のうち、再就職により自立を果たした人の割合はどのくらいでしょうか。
○庄司生活支援担当部長 本事業を構築しております国に確認をいたしましたところ、本資金を利用した就労による自立の割合につきましては集計をしておりませんので、把握をしていないというふうにご回答を得ました。また、現下の厳しい雇用情勢の中にあって、仮に集計した場合には、かなり厳しい数値が出るものと考えられるとの回答も得ております。都におきましても、同様に厳しい数値が出るものと推測されます。
このため国は、今般新たな緊急経済対策といたしまして、住宅手当や総合支援資金などによる第二のセーフティーネットを拡充し、求職中の貧困、困窮者を対象に、就労自立の促進を図る取り組みを進めております。
○新井委員 生活福祉資金貸付事業補助については、単に資金を貸し付けるだけが目的ではなく、その補助を受ける人が生活再建することが目的だと考えております。生活再建に向けた意識を持っていただけるような仕組みづくりなど、どのような方策をしているのでしょうか。
○庄司生活支援担当部長 貸し付けに当たりましては、生活再建に向けた自立計画の作成やハローワーク、しごとセンターでの就職活動などを要件としておりまして、個々の状況に応じた継続的な相談支援を行っております。また、こうした相談支援を行うための人件費補助を今般の条例改正で新たに開始いたしまして、社会福祉協議会の相談体制の整備充実を図っております。
○新井委員 貸付金の返済ができない理由ではどのようなものが多いのか。また、返済ができない場合などはどのように対応しているのでしょうか。
○庄司生活支援担当部長 本事業では、必要な資金の融資を金融機関などから受けることが困難な離職者などを対象としていることから、利用者からの申し出による返済ができない主な理由といたしましては、失業、病気、自己破産などが多く見られます。返済できない場合には、利用者からの申請により、やむを得ない事情があると認められたときには、返済期間の一年以内での延長、または返済の免除を行っております。
○新井委員 失業者などが日常生活全般に困難を抱えている人に対して、生活の立て直しをするために、継続的な相談支援により一人でも多くの方が自立していただけるようお願いをしまして、次の質問をさせていただきます。
次に、安心子ども基金積立金の母子家庭の在宅就業の支援についてお伺いします。
国の第二次追加経済対策の一環として、ひとり親家庭の在宅就業支援事業が制度充実されました。今回の補正予算では、都が福祉の支援事業に対して支援を行う安心子ども基金の増額と伺っております。ひとり親家庭の中では、母子家庭と父子家庭の割合では、母子家庭の割合がすごく多いんですが、その母子家庭では就労率が大変高いものの、なかなか収入に結びつかない、そういった面があります。また、子育てと仕事の両立、また子育てと自分の親の介護と仕事の両立、それが大変難しいケースもあると聞いております。
都としまして、ひとり親の家庭の在宅就業につきまして、どのような認識をしているんでしょうか。
○吉岡少子社会対策部長 在宅就業は、仕事と家庭の両立を図りやすい就業形態でございまして、小さい子どもがいたり、介護等が必要なひとり親家庭にとりましては、働き方の選択肢が広がる点で有意義でございます。
また、ひとり親家庭の母親、父親が在宅就業により一定の収入を得ることができれば、複数の仕事をかけ持ちするというような状況を避けることができますので、ひとり親家庭の自立に向けて効果が高いと考えております。
○新井委員 在宅就業とはどのようなものを想定しているんでしょうか。
○吉岡少子社会対策部長 在宅就業の例といたしまして、一般的には情報通信技術、いわゆるITを用いた分野といたしまして、ウエブサイトの作成、更新等や文書、画像など電子情報の作成、速記データの入力などが挙げられます。また、IT以外の分野では、衣服等のリフォームやリメーク、金属部品の加工などが挙げられます。
○新井委員 ひとり親家庭が在宅就業に従事する上でどのような課題があり、都としてどのように対応するんでしょうか。
○吉岡少子社会対策部長 在宅就業における課題といたしまして、発注企業と従事者の間での納品の品質管理や仕事の納期、契約の履行に関するトラブルなどが挙げられます。今般の安心基金の拡充におきましては、国は、区市が取り組むひとり親家庭の在宅就業事業について、都道府県がその内容の審査を行うものとしております。
都は、審査に当たりましては、在宅就業で想定される課題の防止や解決の方法が事業に組み込まれているかを確認するとともに、必要に応じて具体的な対応策につきまして助言を行ってまいります。
○新井委員 在宅就業におきましては、就業におけます研修などを実施している企業も少なく、従事者のスキルがまちまちなため、納品物の品質の管理など、発注業者の負担があったり、場合によってはトラブルにつながることもあるということです。まだまだひとり親家庭におけます在宅就業におきましては開発段階だとは思いますが、市区がこの事業にしっかりと取り組めるように、都としましても具体的な助言をしていただきたいことを望みまして、私からの質問を終わりにします。
○吉田委員 よろしくお願いします。
私からは、ホームレス対策についてお伺いをいたしてまいります。
今般、緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の設置目的に、求職中の貧困、困窮者等に対する生活、就労、住宅等に関する支援を加えることが提案されているわけであります。
この基金は、国の交付金により都道府県に造成されたもので、これに伴い、これまでの国庫補助事業として実施してきた四事業、すなわち、住宅手当緊急特別措置事業、生活保護受給者等に対する就労支援、ホームレス対策事業、生活福祉資金貸付事業における相談体制充実、この四つが基金で実施されることになるわけであります。
各委員からいろいろご質疑ありましたが、この中のホームレス対策につきましては、昨年十月にホームレスの自立支援等に関する東京都実施計画(第二次)が出されまして、今後、五年間の計画が示されたところであります。
そこで、まずホームレス対策、ホームレスの現状についてですが、国が毎年行う路上生活者概数調査によれば、二十三区内のホームレスの数は、平成十一年の五千八百人をピークに減少傾向にあり、昨年夏に二千五百人となっています。
自立支援システムなど、都区の対策事業の効果も大きいといわれているわけでありますが、まずこの自立支援システムというものがどのようなものか、確認のためお伺いをいたします。
○庄司生活支援担当部長 都は、特別区と共同で二十三区内に緊急一時保護センターと自立支援センターを設置しております。緊急一時保護センターでは心身の健康回復と以後の処遇方針を明らかにし、自立支援センターでは就労による自立を支援しております。
このように、各個人の能力に応じた一貫した処遇システムを構築し、ホームレスの着実な社会復帰を支援しております。
○吉田委員 ありがとうございます。そうしましたら、この自立支援センターの退所者の就労自立の状況についてお伺いをいたします。
○庄司生活支援担当部長 平成十二年度から平成二十年度末までの累計では、自立支援センターを退所した者九千三百九十七人のうち、就職した者は八千百七十三人、率にして八四%。そして、就労によって自立した者は四千七百七十六人、率にして五一%となっております。
○吉田委員 ありがとうございます。退所者のうち、半分の方が就労して自立と。つまり、住み込みとか、あるいは自分でアパートを借りたりして、仕事をして自立をすることができている。これは評価できることであります。
ただ、残り半分近くの方が自立できていないということで、これは残念なわけですが、この自立できなかった退所者の方が再び利用者として入所してくるケースというのはどれぐらいあるんでしょうか、伺います。
○庄司生活支援担当部長 平成二十一年四月から一月末までの間の緊急一時保護センター入所者のうち、約二五%が再利用者となっております。
なお、再利用の条件といたしましては、直近の利用承諾解除日から六カ月以上経過していること。また、通算で三回を超えないことを条件として定めております。
○吉田委員 一定数のリピーターが存在するということで、これはいろいろと対策のための重要な数字になってくるわけですが、次に、まず経費面の検証というのをちょっとさせていただきたいと思います。
このホームレス対策の経費、これが幾ら、どのくらいかかっているのか。そして、これを自立支援システムの施設に入所している利用者一人当たりということに割り返して考えると幾らになるのかお伺いをします。
○庄司生活支援担当部長 平成二十年度決算ベースで、緊急一時保護センター及び自立支援センターの運営費、整備費、巡回相談事業費等で、総額約二十八億円となっております。
自立支援システムの施設運営費を入所者一人当たりに割り返しますと、平成二十年度決算ベースで、緊急一時保護センターにおいては約二十八万円、自立支援センターにつきましては約六十万円となります。
○吉田委員 これは総額二十八億円ですね。国庫補助金で国が負担した分が約五・五億円、都と区の負担がそれぞれ十一億円ぐらい。
これ、施設入所者一人当たりに割り返した金額を過去三年の推移と比較するとどうなるんでしょうか。
○庄司生活支援担当部長 緊急一時保護センターでは、決算ベースで、平成十八年度で約三十一万円、十九年度で約二十九万円、二十年度で約二十八万円となっております。
自立支援センターでは、決算ベースで、平成十八年度で約七十五万円、十九年度で約七十八万円、二十年度で約六十万円となっております。
○吉田委員 これ、年によって多少の動きがありますけれども、一人の方が緊急一時保護センターと自立支援センター双方を利用した場合、直近の平成二十年度決算の数字では、係る経費が合わせて約八十八万円というご答弁でありました。
仮に生活保護をこういう方がお受けになるとなりますと、単身者の場合、月額約十三万五千円--これは家賃、住宅扶助ですか、これを入れて十三万五千円で、年額で百六十三万円程度ということになるわけです。
この生活保護に要する経費と比較しても、この八十八万円、行政が負担して、自立をしていただけるということで、大変効果のある事業だと。
そしてまた、さらに自立をしたご本人の、やっぱり誇りと自信と、こういうものにもつながると思いますので、この施策は評価できるパフォーマンスを示しているのではないか、このように考えるわけであります。
この自立支援システム、このルートに乗ってこない方への誘導ということにちょっと立ち戻りますが、これはどういうふうにやっているのかお伺いします。
○庄司生活支援担当部長 自立支援システムの利用に当たりましては、本人が二十三区の福祉事務所に相談に行き、申し込みをしていただくことになります。
なお、平成十八年度から巡回相談事業を開始いたしまして、相談員が公園や河川等に直接出向きまして、ホームレス個々人に面接相談を実施することによりまして、健康面や生活面での状況を個票に記載することで状況を把握しております。
そして、就労自立に意欲のある方に対しましては、緊急一時保護センター及び自立支援センターの紹介、利用のあっせんなどを行い、本事業の周知に努めております。
○吉田委員 誘導のやり方というのはわかったわけですが、ちょっと今、切り口というか、質問を変えまして、数日前の新聞で、ある研究グループが池袋で調査をしたところ、百六十四人の路上生活者のうち、三四%が知的障害の疑いがある、こういう記事がありました。この報道についてどのようにお考えになるか、見解を伺います。
○庄司生活支援担当部長 平成十九年一月に国が実施いたしましたホームレスの実態に関する全国調査報告書によりますと、本人への聞き取り調査で、身体、知的、精神の手帳を持っている、または過去に持ったことがある人は五・四%、障害はないので手帳を持っていないと答えた方が九四・六%となっております。
今回報道されました数字につきましては、詳細は承知しておりませんが、限られた地域、人数によるもので、国の調査と少々開きがあると考えております。
○吉田委員 母数にかなり差があるというか、国では大変大人数について調査しているわけで、そちらの方が全体の様相は示していると思うんですけれども、先ほどご答弁いただいた巡回相談において、知的障害や、あるいは精神障害、こういうものをお持ちの路上生活者について、きちんと把握して適切に対処しているのか、この点、現在どのような対処を行っているのか伺います。
○庄司生活支援担当部長 巡回相談において接触する中で、知的障害や精神障害の可能性が見込まれる方につきましては、福祉事務所への相談を勧めたり、必要に応じまして同行することにより、福祉事務所につなげております。
○吉田委員 障害があり就労できないという方については、ホームレスの方についても、福祉事務所なり、しかるべき機関でその人にふさわしい支援をきちんと行わなければいけないわけで、先ほど触れた記事のような、これは問題提起でもありますので、若干そのパーセンテージに差があったとしても、こういう現実があるんだという認識が一つ提起されているわけでありまして、改めてこの巡回などにおける、こういう方々、より密接にというか接して、そういう可能性があるかどうか、きちんと取り組みをするように徹底をしていただきたいと改めて思います。
しかし、働ける方についてはしっかりと働いていただかないといけないわけであります。この国のさまざまなインフラも福祉も、国民が助け合い、支え合うことで維持されていることを片時も忘れてはならないわけであります。この現下の厳しい経済状況の中で、一生懸命に働いている都民、国民の理解も得られなくなってしまうということになってはいけない。
また、公園、道路など、施設の適正な利用ということを確保することも、これは大変重要で、当然の要請であるわけです。このような各施策の目的と、その関係性とをよく認識して事業を実施する、こういう姿勢でいただかなければならないわけです。
具体的に動きをするのはそれぞれの現場かもしれませんけれども、庁内の担当部局同士も、実効性のある連携をしていただかなければなりません。
さまざまな観点から見て、ホームレス対策、これを有効に進めていくためには、福祉保健局だけではなく、各局との連携、これをやって取り組んでいただかなければいけないわけですが、この各局との連携ということについてご見解を伺います。
○庄司生活支援担当部長 ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法には、福祉施策のみならず、雇用、就業、居住、保健医療など、各分野での施策の必要性が掲げられております。
都庁内では、平成十二年十二月に路上生活者対策連絡会議が設置されまして、第一次及び第二次の実施計画策定に当たってもこの会議を活用したところでございます。
会議以外でも、産業労働局、都市整備局及び建設局とは日常的に連絡を密にして取り組みを進めております。
○吉田委員 いろいろ質疑をしてまいりました。この都区共同事業のホームレスの自立支援システムは、これは大変意義のある取り組みであると。
しかし、さらにトータルな意味での事業の効率性、成果の向上、こういうことを図っていただかなければなりません。就労自立率が五一%というお話でありましたが、これを本当に少しでも向上させていただくよう、あるいは、現在の予算額で、制約がある予算の中で、今の事業額で、より規模を大きくというか、実施できるように、各局連携のもとで、また、都や区や法人ほか関係各方面の皆様に頑張っていただきたいわけであります。
例えば、いろいろ報道を見たり調べたりしていましても、実はいろいろなところで仕事というのはあるわけであります。例えば、地方の農家などでは本当に人手不足で悩んでおられますし、あるいは、東京都でも、どういうふうにつないだらいいかわかりませんが、多摩の奥の方では森林が荒れていて、人手がないから荒れ放題というような状況もあるわけであります。
今後、就労先として、人手不足に悩む農林業にもマッチングでつないでいくような、そんなことも、なかなか難しいかもしれませんが、ぜひ考えていただきたいわけであります。
最後に、ホームレス対策で目指しているこの就労自立に向けて、少しでもこの自立率というのを上げて、一人でも多くの方に自立をしていただくために、今後どういう取り組みを行っていくのかお伺いをいたします。
○庄司生活支援担当部長 都はこれまでも、ホームレスの就労自立に向けて就業機会の確保に取り組んでおります。
昨年十月に公表いたしましたホームレスの自立支援等に関する第二次実施計画におきましても、求人の確保や職業能力の開発などを盛り込んでおります。
今後とも、ご提案の趣旨等を参考に、ホームレスの就労自立に向け、職域拡大に努めるとともに、技能講習の拡大など、職業能力の開発を図り、一人一人の特性に応じた就労支援をきめ細かく実施してまいります。
○門脇委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門脇委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉保健局関係を終わります。
○門脇委員長 これより付託議案の審査を行います。
第百十二号議案、平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、厚生委員会所管分及び第百十五号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に質疑を終了いたしております。
これより採決を行います。
第百十二号議案、平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、厚生委員会所管分及び第百十五号議案を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門脇委員長 異議なしと認めます。よって、第百十二号議案、平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、厚生委員会所管分及び第百十五号議案はいずれも原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時十分散会
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