厚生委員会速記録第十八号

平成二十年十二月十五日(月曜日)
第七委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十二名
委員長東野 秀平君
副委員長野島 善司君
副委員長かち佳代子君
理事野上 純子君
理事山加 朱美君
西崎 光子君
橘  正剛君
斉藤あつし君
田代ひろし君
門脇ふみよし君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 二名

 出席説明員
福祉保健局局長安藤 立美君
総務部長松井多美雄君
病院経営本部本部長中井 敬三君
経営企画部長及川 繁巳君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 付託議案の審査(決定)
・第二百四号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、債務負担行為厚生委員会所管分
・第二百五号議案 平成二十年度東京都病院会計補正予算(第一号)
・第二百二十六号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに係る地方独立行政法人法第五十九条第二項に規定する条例で定める内部組織を定める条例
・第二百二十七号議案 東京都立老人医療センター条例を廃止する条例
・第二百二十八号議案 老人総合研究所の助成等に関する条例を廃止する条例
・第二百二十九号議案 食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
・第二百三十号議案 食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
・第二百四十五号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期目標について
・第二百四十六号議案 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬(リン酸オセルタミビルカプセル)の買入れについて
・第二百四十七号議案 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬(ザナミビル水和物吸入剤)の買入れについて
・第二百四十八号議案 東京都石神井学園外五施設の指定管理者の指定について
・第二百四十九号議案 東京都品川景徳学園外一施設の指定管理者の指定について
・第二百五十号議案 東京都八王子自立ホームの指定管理者の指定について
・第二百五十一号議案 東京都視覚障害者生活支援センターの指定管理者の指定について
・第二百五十二号議案 東京都聴覚障害者生活支援センターの指定管理者の指定について
・第二百五十三号議案 東京都清瀬園の指定管理者の指定について
・第二百五十四号議案 東京都清瀬療護園の指定管理者の指定について
・第二百五十五号議案 東京都日野療護園の指定管理者の指定について
・第二百五十六号議案 東京都清瀬喜望園の指定管理者の指定について
・第二百五十七号議案 東京都八王子福祉園外三施設の指定管理者の指定について
・議員提出議案第三十号 高齢者の医療費の助成に関する条例
・議員提出議案第三十一号 心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○東野委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書三件につきましては、いずれも調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○東野委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第二百四号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、債務負担行為、厚生委員会所管分、第二百五号議案、第二百二十六号議案から第二百三十号議案まで、第二百四十五号議案から第二百五十七号議案まで並びに議員提出議案第三十号及び第三十一号を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○佐藤委員 私は、本来ですと、こういう形での意見をいうというのは余り好きじゃなくて、意見があるのならば質疑の中できちっといえばいい、意見開陳をやればいい、こういう立場なんですが、共産党提出の議員提出議案第三十号及び三十一号、高齢者の医療費の助成に関する条例案及び心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例案について、心情的には、これ、理解できる点もなきにしもあらずなんですが、今日までの東京都議会としての議論の経緯、そして現在の我が国を取り巻くさまざまな情勢をかんがみる中で、反対の立場から意見を申し上げたい、このように思います。
 東京都が老人の医療費助成を開始したのが昭和四十四年。その当時と比べますと、国の制度としては、医療保険制度や社会福祉といった社会保障制度の充実が図られ、都民、国民の生活水準が大きく向上したのは事実であります。
 このような社会経済情勢の変化を踏まえ、世代間の負担の公平性などにも配慮しながら、限りある資源を緊急性や必要性の高い施策に重点的に配分するために、見直しをしてまいったところであります。
 平成十二年の第一回定例会では、高齢者の医療費助成だけの問題ではなく、東京の福祉を全体として充実をし、将来にも安定的に運営していくため、さまざまな議論を行い、その結果として廃止を決めたものであります。
 その際、激変緩和のために七年間に及ぶ経過措置も設け、昨年六月末で廃止となったものであります。
 今回の共産党の条例案は、このような廃止の経緯を踏まえず、ただ廃止した条例の復活を図ろうとするものであるといわざるを得ません。
 もう一つの提案である心身障害者の医療費助成条例の一部改正案も、全く同様であります。
 先ほど述べましたように、都議会としてしっかりと論議を尽くして廃止したという経緯や、現在国が高齢者医療のあり方を議論しようとしている中で、このような条例案を提案されても、政策的な整合性を図ることができず、同じ轍を踏むことになるのではないかと危惧いたします。
 今回、共産党がこのような条例案を提出した意図はどこにあるのか、理解できません。
 現在の都民の生活や将来の東京の福祉のあるべき姿を考えると、他に優先すべき政策課題は数多くあります。
 そのような見地から、共産党の条例案につきましては、我が党としては賛同しかねるものであります。
 以上です。

○斉藤委員 それでは、議員提出議案第三十号、高齢者の医療費の助成に関する条例と三十一号の心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例について、都議会民主党として意見を述べさせていただきます。
 まず、前段の三十号については、民主党は、国政において、後期高齢者医療制度の廃止と高齢者の医療保険の保険料負担、また医療費の負担のあり方を見直すことを求めており、政権交代によりこれを実現したいと思っております。
 この条例案については、窓口負担を軽減するという内容ですが、制度そのものの見直しにより保険料の負担軽減で高齢者の生活全体に余裕を持たせるということの方が、年金生活者の生活全般を考えた上で、より重要と考えております。
 よって、反対をいたします。
 さらに、第三十一号につきましては、高齢者については、障害のみならず加齢によって心身が不自由となる場合が多く、六十五歳以上の方にとって、介護保険制度の充実、医療保険における低所得者対策全体を見渡した施策の充実、さらには難病対策の充実などが必要と考えます。
 加齢などによって疾病を持って障害者となった方と、障害ゆえに医療が必要で、なおかつ資産形成や年金が得られないことが多い六十五歳以下の障害者とは、異なる事情があります。そのため、高齢になって、ある一定の年齢における区分には相応の根拠があるものと考えます。
 高齢者の実態、障害者の実態を丁寧に見て考えるべきところ、単に昔に戻すという今回の提案の条例案についてはなかなか賛意を示すことができませんということで、二つの三十号、三十一号について反対といたします。

○かち委員 私からも、採決に先立って意見を述べます。
 まず、第二百二十七号議案、東京都立老人医療センター条例を廃止する条例及び二百二十六号、二百二十八号、二百四十五号議案は、都立老人医療センター及び老人総合研究所を廃止し、両者を統合し、地方独立行政法人化し、中期目標を定めるものであり、また、その関連の条例案であります。
 今回示された中期目標では、具体的な経費削減や運営交付金の削減目標などを数字で示してはいないものの、全人的、包括的医療の明文を中期目標から外したことは極めて重大です。
 病院全体を効率優先で、今まで老人医療センターが果たしてきた役割を後退させるものです。
 質疑を通して、高齢者に多い脳卒中やリハビリ、整形外科などの比較的長期療養を必要とする病床の縮小が検討されていることも明らかになりました。それは、地域住民や都民、板橋区、区議会挙げての七百床確保の声に背くものであります。
 また、非公務員型であり、制度上、来年四月一日をもって都職員から自動的に固有職員に移行するということは、本人の意思にかかわりなく行われることであり、余りにも職員をないがしろにした制度であります。
 都が作成した第二次病院改革実行プログラムの中でも、都の財政状況によって影響を受けるおそれがあると指摘していることから、本制度は慎重に検討すべきだという結論であるにもかかわらず、同じ都立病院でありながら、老人医療センター及び老人総合研究所だけが、何ら正当な理由も示せないまま、この独法化を進めることは反対です。
 次に、第二百四十八号、東京都石神井学園外五施設の指定管理者の指定について及び二百四十九号から第二百五十七号までは、いずれも、十九の都立福祉施設の指定を特命で、民間移譲を前提に、三年ないしは一、二年間の更新をするものです。
 指定管理者制度は、都として原則五年ということであり、短期間で、その先の保障がないという不安定な運営管理制度であり、継続性を重視しなければならない福祉施設に導入すること自身が不適切であります。
 さらに、今回の更新においても、継続性を重んじるならば、最大三年ではなく、延長することも可能であるにもかかわらず、押しなべて三年以内というやり方は、民間移譲先にありきの手法であり、反対です。
 議員提出議案、高齢者の医療費の助成に関する条例及び心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例は、不十分な年金生活の高齢者にとって医療費の負担が重く、生活を圧迫している中、本案は、六十五歳以上の高齢者の医療費の一部をそれぞれ軽減するものであり、少しでもその願いにこたえる内容であり、都の豊かな財政力のほんの一部の活用によって十分可能であり、賛成です。
 最後に、補正予算については、周産期医療の拡充や低所得者対策及び福祉施設への経営支援、耐震補強などが含まれており、一定の前進であり、賛成です。
 特に、周産期医療については、厳しい施設不足、医師などの不足の中で、当面、搬送調整機能が求められます。有効な手だてを積極的に取り入れるとともに、医師確保や全体の体制整備にさらなる対策強化を求めて、意見とします。
 以上です。

○東野委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第三十号及び第三十一号を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○東野委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第三十号及び第三十一号は、いずれも否決されました。
 次に、第二百二十六号議案から第二百二十八号議案まで、第二百四十五号議案及び第二百四十八号議案から第二百五十七号議案までを一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○東野委員長 起立多数と認めます。よって、第二百二十六号議案から第二百二十八号議案まで、第二百四十五号議案及び第二百四十八号議案から第二百五十七号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第二百四号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、債務負担行為、厚生委員会所管分、第二百五号議案、第二百二十九号議案、第二百三十号議案、第二百四十六号議案及び第二百四十七号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認めます。よって、第二百四号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、債務負担行為、厚生委員会所管分、第二百五号議案、第二百二十九号議案、第二百三十号議案、第二百四十六号議案及び第二百四十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○東野委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○東野委員長 この際、所管局を代表して、安藤福祉保健局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○安藤福祉保健局長 お許しをいただきまして、当委員会所管両局を代表して、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程でちょうだいいたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。
 また、病院経営本部ともより一層緊密に連携を強めまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 今後ともよろしくご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○東野委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十六分散会

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