厚生委員会速記録第十六号

平成二十年十一月二十八日(金曜日)
第七委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長東野 秀平君
副委員長野島 善司君
副委員長かち佳代子君
理事松下 玲子君
理事野上 純子君
理事山加 朱美君
西崎 光子君
橘  正剛君
斉藤あつし君
門脇ふみよし君
野村 有信君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 一名

 出席説明員
福祉保健局局長安藤 立美君
次長杉村 栄一君
技監桜山 豊夫君
総務部長松井多美雄君
指導監査部長鈴木 賢二君
医療政策部長吉井栄一郎君
保健政策部長住友眞佐美君
生活福祉部長永田  元君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長吉岡 則重君
障害者施策推進部長松浦 和利君
健康安全部長梶原  洋君
事業調整担当部長蒲谷 繁夫君
地域保健担当部長宮垣豊美子君
生活支援担当部長芦田 真吾君
食品医薬品安全担当部長奥澤 康司君
感染症危機管理担当部長月川由紀子君
参事日置 豊見君
参事大久保さつき君
参事飯塚美紀子君
参事菊本 弘次君
参事別宮 浩志君
病院経営本部本部長中井 敬三君
経営企画部長及川 繁巳君
サービス推進部長都留 佳苗君
経営戦略・再編整備担当部長黒田 祥之君

本日の会議に付した事件
 病院経営本部関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十年度東京都病院会計補正予算(第一号)
請願の審査
(1)二〇第四一号 都立八王子小児病院の存続と八王子の小児医療体制維持・拡充に関する請願
 福祉保健局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに係る地方独立行政法人法第五十九条第二項に規定する条例で定める内部組織を定める条例
・東京都立老人医療センター条例を廃止する条例
・老人総合研究所の助成等に関する条例を廃止する条例
・食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
・食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期目標について
・備蓄用抗インフルエンザウイルス薬(リン酸オセルタミビルカプセル)の買入れについて
・備蓄用抗インフルエンザウイルス薬(ザナミビル水和物吸入剤)の買入れについて
・東京都石神井学園外五施設の指定管理者の指定について
・東京都品川景徳学園外一施設の指定管理者の指定について
・東京都八王子自立ホームの指定管理者の指定について
・東京都視覚障害者生活支援センターの指定管理者の指定について
・東京都聴覚障害者生活支援センターの指定管理者の指定について
・東京都清瀬園の指定管理者の指定について
・東京都清瀬療護園の指定管理者の指定について
・東京都日野療護園の指定管理者の指定について
・東京都清瀬喜望園の指定管理者の指定について
・東京都八王子福祉園外三施設の指定管理者の指定について
請願陳情の審査
(1)二〇第四一号 都立八王子小児病院の存続と八王子の小児医療体制維持・拡充に関する請願
(2)二〇第三七号 旧牛込消防署跡地利用に関する陳情
(3)二〇第三九号 公共施設室内での殺虫剤の使用に関する陳情
(4)二〇第五〇号の二 飼い主のいない猫に関する陳情
(5)二〇第五一号 東京都愛の手帳の交付に関する陳情
(6)二〇第六一号 港区の事務の処理についての是正の勧告及び医療機関に対する指導に関する陳情
(7)二〇第六二号の一 パーキンソン病を始めとする難病患者の救済施策等に関する陳情

○東野委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部及び福祉保健局関係の第四回定例会提出予定案件の説明聴取及び請願陳情の審査を行います。
 なお、本日は、提出予定案件につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中井病院経営本部長 平成二十年第四回定例会に提出を予定しております病院経営本部関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 ご審議をいただきます議案は、平成二十年度補正予算案一件でございます。
 それでは、平成二十年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 平成二十年度補正予算案の内容は、都立病院における周産期医療緊急対策でございます。
 病院経営本部では、産科医確保のため、これまでも大学医局や地域医師会に何度も足を運び、医師の派遣要請を行うとともに、医師の勤務環境改善に関する意見などを伺い、給与面での大幅な改善や働きやすい環境の整備に努めてまいりました。また、今年度は、東京医師アカデミーを開講し、産婦人科コースを設置し、若手医師の確保、育成に積極的に取り組んでおります。
 しかしながら、産科医不足の根本的原因は絶対数の不足であり、都立病院における産科医は欠員の状態が続いております。
 このため、産科医不足に関して、緊急かつ効果的な対策を講じるよう国に対して強く要請していくとともに、地域医療機関との協力体制の強化やさらなる働きやすい環境の整備など、都独自の緊急対策を講じることにより、周産期医療体制の充実に努めてまいります。
 なお、議案の詳細につきましては、この後経営企画部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○及川経営企画部長 平成二十年第四回定例会に提出を予定しております議案の概要についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております資料1、平成二十年度補正予算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。平成二十年度病院経営本部所管予算総括表でございます。
 病院経営本部が所管する一般会計と病院会計について記載してございますが、補正予算の対象は病院会計のみとなってございます。
 三ページをお開きください。病院会計の総括表でございます。
 上の表、収益的収支でございますが、収入は医業外収益に一般会計繰入金を、支出は医業費用を同額計上しております。補正予算額は九千八百二十二万余円でございます。
 下の表、資本的収支でございますが、建設改良費に五百二十万円計上しております。収支差引不足額は、損益勘定留保資金その他で補てんいたします。
 四ページをお開きください。Ⅱ、事項別内訳でございます。
 補正予算の事項は周産期医療緊急対策でございます。1、医療体制の充実及び2、産科医師確保対策の充実で一億三百四十二万余円を計上しております。
 1、医療体制の充実でございますが、都立病院における出産等を地域の医師と協力して実施する産科診療協力医師登録制度の創設や、ハイリスク患者受け入れ、紹介機能の充実を図るため、総合周産期母子医療センターヘの助産師等のコーディネーター配置に必要な費用を計上しております。
 2、産科医師確保対策の充実でございますが、都立病院の産科への専任医療クラークの配置や大塚、墨東病院の院内保育室の充実など、働きやすい環境の整備に必要な費用を計上しております。
 以上で平成二十年度補正予算の概要の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○東野委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○かち委員 それでは、四点お願いします。
 まず、都立病院医師の給与水準の全国の自治体病院との比較。
 二番目が、都立病院における産科、産婦人科、新生児科の医師数、助産師数、病床数、NICU病床数、取扱分娩数の推移、過去十年分。
 三つ目が、都立病院における産科、産婦人科、新生児科の医師のうち、女性医師の人数。
 四番目が、都立病院における周産期医療センターの受け入れ状況、NICU稼働状況、夜間、当直の医師の配置状況をお願いします。

○東野委員長 ほかにございませんか。--ただいま、かち副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○東野委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願二〇第四一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○及川経営企画部長 それでは、お手元配布の資料2、厚生委員会付託請願・陳情審査説明表に沿ってご説明をさせていただきます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。整理番号1、請願二〇第四一号についてご説明申し上げます。
 この請願は、八王子市の都立八王子小児病院を守る会代表矢代美知子さん外一万六千五百七十九人から提出されたものでございます。
 請願の要旨についてでございますが、都において、次のことを実現していただきたい。第一項、都立八王子小児病院を存続させることというものでございます。
 現在の状況について、第一項でございますが、都立病院は、限られた医療資源を最大限に有効活用し、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供することを基本的役割としております。
 都立八王子小児病院は、都における良質な小児医療サービスの確保を図るため、都立清瀬小児病院及び都立梅ケ丘病院と統合し、心から体に至る総合的で高度専門的な医療を提供する、都における小児医療の拠点となる小児総合医療センター(仮称)として、新たに多摩メディカル・キャンパス内に整備することといたしました。
 整備に当たりましては、平成十九年七月に病院本体工事に着手し、平成二十一年度末の開設に向けて、着実に準備を進めております。
 簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○東野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○野島委員 本請願は、八王子小児病院の存続というのが願意でございます。そこから逸脱しないように質疑をしたいと思いますが、どうしても、小児医療体制をどうするか、こういうことと密接に関連してまいりますので、その辺、いささかのにじみ出しはご了承をいただきたいと、あらかじめお願いを申し上げたいと思います。
 今回の請願につきましても、私が十一月十一日に当委員会で事務事業質疑で取り上げました清瀬小児病院、この件についても、府中に設置される小児総合医療センターの機能、役割と、都立小児病院--清瀬、八王子、そして梅ケ丘というふうにあるわけでありますが、これが地域で果たしてきた機能、役割をどういうふうに認識し、しからば地域の小児医療体制をどのようにしていくか、こういう点においてその本質は一緒であろうというふうに認識をいたしております。
 事務事業質疑を通じまして、高度で専門的な医療、先ほどの請願の本部側の説明によりますと、行政的というふうに表現されておりますけれども、いわば三次医療は小児総合医療センターが担う、初期、二次については、機能分担に基づきましてそれぞれの機関が担うということ、その基本に立ち、移転後の地域の小児医療体制の確保、充実を図っていく。そして、かつそれぞれのセクターが連携をより強固なものにしていくことが必要かつ重大なことだろうということで認識をいたしております。
 さて、この八王子につきましても、八王子市と都で鋭意協議を行ってきたというふうに承知をいたしておりますし、本年九月に協議会のまとめを作成するに至ったということを聞き及んでおります。新聞報道等でも、本件についてはいろいろ報道がなされているということも承知をいたしております。清瀬小児と同様に、八王子小児病院が果たしてきた役割の大きさを考えますと、地元としては極めて苦渋の決断であっただろうというふうに思っております。特に八王子は、仄聞するところによると、小児病院の移転先の予定も立っていたというふうな事情もあるやに伺っております。これは、都立病院改革のマスタープランができる前の段階の話でありますけれども。そういう中にあっても、最終的には、限られた医療資源ですね、社会保障財源というのは、行き着くところすべて国民負担に行き着くわけでありますから、それらの現状を踏まえ、新しい小児医療体制の整備に向けて、各般にわたって前向きな議論がなされたということだろうと認識をいたしております。
 そこで、八王子と都が協議してきた経過と八王子地域の小児地域医療連携の観点から、協議会のまとめの内容についてお伺いをしておきたいと思います。

○及川経営企画部長 八王子市との協議経過でございますが、まず、市とは、平成十四年の八月に、八王子地域の保健医療に関する検討会の中で、行政としての専門的、客観的な視点に立ちまして、八王子小児病院における新生児医療や心臓血管外科医療など小児専門病院としての取り組みや地域の小児医療における役割、また、八王子地域を中心とした地域小児医療の実態を共同で把握、分析を行いまして、平成十六年十月に、八王子地域の保健医療に関する検討会まとめ、いわゆる検討会のまとめというものを作成しております。この検討会のまとめを踏まえまして、市と都で平成十七年四月に八王子地域における小児医療に関する協議会を設置いたしまして、協議を重ねた結果、本年九月に協議会のまとめを行ったところでございます。
 この協議会のまとめでは、八王子小児病院移転後の八王子地域における新たな小児医療体制について基本的な方向を示したところでございます。そこでは、一次医療の担い手として、かかりつけ医となる診療所、そして、二次医療の担い手として、中核病院の中心である東京医科大学八王子医療センター、それと東海大学八王子病院の二つの大学病院、そして三次の高度専門医療として小児総合医療センター、こうした役割分担を明確にした上で、それぞれの医療機関相互の連携の強化を八王子市と協議しながら構築していくといったことにしたものでございます。
 このことは、地域医療との連携の観点からも非常に重要な意義を持つものと考えておりまして、今後は、八王子地域の小児医療体制の充実に向けて、連携強化に対する支援など具体的な内容について、都として市や地元関係者とさらに協議を進めて、その詳細を詰めていく予定としております。

○野島委員 八王子においても、それぞれの医療機関の役割分担と連携の強化ということで地域の小児医療体制の充実を図っていくということだろうと今答弁をいただきました。そういう意味では、さっきの事務事業質疑とわだちを一つにするものだというふうに改めて確認をいたしたところでございます。ぜひとも今後さらなる努力を、病院経営本部も含めて各機関にお願いを申し上げておきたいというふうに思っております。
 また、現在八王子小児病院に通院、入院されている患者さんたちに対しては、患者さんあるいはご家族の個別の事情に十分配慮しながら、きめ細かく対応していくように、今からでも遅くないですから、進めていっていただきたいということをお願いしておきます。
 センター開設まであと一年半、こういう段階になったわけでありまして、今最も大事なことは、小児総合医療センターの役割、使命、これを都民に、とりわけ地域の皆さんは、小児病院がなくなって、私たちはどうしたらいいのという不安があるわけでありますから、十分に理解してもらうように、しっかりとPRをしていただくということが重要だろうと思っております。そのことが地域の小児医療に対する皆さんの不安を少しでも少なくしていくことになるだろうと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 一次、二次、三次とか行政的とか専門的とかいいましても、なかなか市民、都民の皆さんというのはぴったりこないですよね。自分の子どもが病気になったときに、どこでもいいからちゃんと診てくれればいいというのが、これは素朴な気持ちでございますので、しかし、行政は、一定の財源と一定の人と、とりわけ医療資源を最終的には国民負担によって賄っていく、こういう中でやっていく医療行政でありますし、病院経営でありますから、ぜひその辺のPRをしっかりやっていただきたいというふうに思っております。
 そういうことでいきますと、今回の請願理由の中で、「都内に在る三つの小児病院を一つにするこの計画は、財政再建の一環であると聞いたが」と。一環というのは、ほかに環があるけれども、財政再建も一環だろう、こういう趣旨だろうと思うのですが、ここに至りますと、お金がないからやむなく統合するのであって、これしか都立病院を今後続けていく方法はありませんみたいな、そんな受けとめ方をされてもまずいと思うのですね。やはり、都立病院改革という大きな目的というのは、大きな理念があって、その上で具体的に進めていくということだろうと思います。
 この必要性は、今までるる答弁もいただきました。私も述べてきたのではありますが、小児医療の厳しい現実を踏まえて、初期、二次、三次のこういったような重層的な小児医療の整備の必要性から出てきたものであるというふうに思っておりますので、お金のみだということになりますと、お金より命が大切だということになるわけですから、そういうことにならないように、ぜひ小児総合医療センターの必要性、こういったところを、質疑の中では再確認をいたしましたが、もっとPRしていくことが必要だろうと思っております。
 そこで、小児総合医療センターの必要性や地域の小児医療体制の充実、連携強化について、都民に対する今後のPRをどうされていくのか、こんなところをお伺いしておきたいと思います。

○及川経営企画部長 小児総合医療センターに関するPRについてでございますが、副委員長からご指摘をいただいていますように、都民そして地域の方々に対しまして、先ほどご指摘いただいた理念も含めて、これらの取り組みを十分理解していただき、ご安心いただくために、このPRを充実していくということは非常に重要であるというふうに認識をしております。
 また、今回、八王子市におきましては、小児総合医療センターとの連携を含めた今後の小児医療体制につきまして、市の広報紙「広報はちおうじ」の十一月一日号でございますが、こちらで特集を組まれまして、市民の方にわかりやすく情報発信をしているというふうに聞いております。
 このように市でも積極的にPRに取り組んでいただいていることでもありますけれども、今後は、都といたしましても、センターの必要性、地域の小児医療体制の充実、連携強化の取り組みにつきまして、地元の自治体、医師会などと連携をして、例えばわかりやすいパンフレットなどを作成するなど、地域の方により一層わかりやすい仕組みづくりについて取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○野島委員 この八王子のPRの広報を、私どもの八王子選出の議員から、八王子はこういうのを出しているよというようなことでいただいたのですよ。
 見開きが、産み育てられる環境を、連携を強化した新たな医療体制にというようなことで、これを見ますと極めてわかりやすいのですね。と同時に、機能分担論も明確に述べられているということで、ぜひこういうふうなことを、病院経営本部は病院経営本部として、都立病院改革で府中の小児医療センターですよということはあるわけだけれども、それを含めてトータル的に地域の小児医療体制を、市民、都民にどうやってこたえていくかというのは--実は、さっき申し上げましたけれども、そこに住む人たちにとっては、今まで存在が大きかっただけに、それは都立であれ私立であれ、そんなものはどうでもいいというところはあるのですよ。
 だけれども、それは現実問題として、機能分担をしながら、限られた医療資源を使って医療行政、都立病院経営をやっていくのだということになりますと、そういう願い、思い、あるいは情緒的なというと失礼に当たるかもしれませんけれども、それにこたえていくということは、現実的には判断としてあり得ないわけでありますから、ぜひこういったふうな広報も、さっき部長に答弁いただきましたけれども、直接初期にかかわる市町村あるいは医師会の皆さん、こういったふうなところとも連携しながら、平易にわかりやすく--一次医療といってもなかなかわかりにくいのですよ、我々にとっては。だから、それは地域のお医者さんの医師会なりのコメントで、私たちはこういう体制をとってそれにはこたえていきますよとか、市はそれをこういうふうにちゃんとサポートしていくのですよとか、そういうわかりやすい広報をぜひ心がけていただきたいなということをお願いしておきたいと思います。
 さて、いろんな知恵を絞ってもらいまして、そういうPRを進めていくと同時に、来年の今ごろはもう建物も完成するのですかな、移転に向けて最後の準備段階に入っているわけであります。もう残された時間も少なくなってまいりましたので、とりわけ対地域の都民的に、了解といいましょうか、安心を得ていただくために、多摩地域の小児医療体制の充実に向けて、小児総合医療センターの整備に対する病院経営本部長としての決意を伺っておきたいと思います。

○中井病院経営本部長 野島副委員長のご指摘のとおり、小児総合医療センターは、小児科医の不足など極めて厳しい小児医療の現実の中にあって、心から体に至る高度専門的な医療を提供するという形で現在整備を進めているところでございます。
 この新たな医療機関は、清瀬、八王子、梅ケ丘の三小児病院がこれまで果たしてきた機能、すなわち心臓病や小児がん医療といった小児専門医療、また小児精神医療、さらに結核、難病などの重点医療、こういったさまざまな分野の小児医療を集約し、それを拡充するという形で現在整備を進めさせていただいているところでございます。
 またさらに、救急医療や周産期医療などを現在同時に整備を進めております多摩総合医療センターと密接に連携させて運営することによって、全国に例のない総合的で専門的な小児病院としてつくり上げていこうと。これができ上がると、都民、とりわけ多摩地域に対する医療サービスの格段の向上が図れるということで、我々として現在取り組ませていただいているというものでございます。
 しかしながら、現在、ご承知のとおり、小児科医そして看護師と医療スタッフの全国的な不足があるわけでございまして、ただいま申し上げたような機能を十全に果たしていくためには、こういった医療スタッフの確保も今から十分に準備をしていかなければならないわけでございまして、現在、関係方面への働きかけや、私どもとしてのいろいろな新たな取り組みをさせていただいて、そういったソフト面の準備、体制づくりもあわせて進めさせていただいているところでございます。
 また、これと同時に、八王子小児病院また清瀬小児病院など、地域医療機関としてその役割を十分に果たしてきたという現実がございます。そういったことも踏まえまして、それぞれの地域の今後の小児医療体制の確保につきましても、地元市や関係機関との連携協議を引き続き十分に行いながら、都として責任を持って、それぞれの地域の今後の小児医療体制の確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、この小児総合医療センター開設まで既に一年半を切ったという状況に来ております。ただいま副委員長からご指摘のあったさらなるPR、そういった課題も克服に努めながら、小児総合医療センターの着実な整備、そして、これによって多摩地域の小児医療に対する住民の方々の期待に十分こたえていけるように、病院経営本部として今後とも全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

○野上委員 それでは、二〇第四一号、都立八王子病院の存続に関する請願について質問いたします。
 厚生委員会等でずっと質疑をしてきましたけれども、立て続けに起きたハイリスク妊婦の総合周産期医療センターに関する問題で、これから出産を控えている都民の方たちは大変な不安を覚えているのではないかと思います。昨年の東京都の出生数なんですけれども、東京二十三区、区部が六万九千七百九人、多摩地域が三万三千九百二十二人という状況の中で、総合周産期医療センターが区部には八カ所ありますけれども、多摩地域にはたった一カ所しかありません。これはかなり偏在をしているわけでございます。したがって、広大な多摩地域の唯一の総合周産期医療センターである杏林大学病院の今回の件も、起こるべくして起こったのではないかと関係者の間ではいわれております。
 このような事態を打開するために、平成二十二年三月に、都立の八王子、清瀬、梅ケ丘の小児病院を統合し、府中に小児総合医療センターを建設し、あわせて多摩総合医療センターと一体となって多摩地域に二つ目の総合周産期医療センターを設置することが決まりまして、多摩地域の都民には大変に大きな安心をもたらすことになると思います。他方、統廃合される地元の方からは、今回のように存続の請願が出されているわけでございます。そこで、なぜ八王子、清瀬、梅ケ丘の小児病院を統合せざるを得なかったのか、改めて都の見解を求めます。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 八王子小児病院など三病院を統合し、小児総合医療センターを整備する理由についてでございますが、八王子小児病院、清瀬小児病院及び梅ケ丘病院は、それぞれ小児専門病院、小児精神専門病院として機能してまいりました。しかしながら、小児医療を取り巻く環境が一層厳しくなっている現状の中にありまして、小児科領域における医療の多様化、また小児期疾患の成人後、いわゆるキャリーオーバー患者への対応、さらには心の疾患を持つ患者の増加という医療需要に加えまして、医療資源の面からは、全国的な小児科医師の絶対的不足など、それぞれの病院が困難な課題に直面しております。また、各病院とも施設の老朽化が進んでおりまして、現施設において今後とも良質な医療を提供し続けることは困難な状況となってきております。
 こうしたことから、限られた小児の医療資源を最大限有効活用していくために、これらの三病院を統合いたしまして、小児医療に関しまして、心から体に至る高度専門的な医療を提供する病院としまして、小児総合医療センターを新たに多摩メディカル・キャンパス内に整備しまして、都における小児医療の拠点として充実を図っていくこととしたものでございます。

○野上委員 高水準で専門性の高い病院にすることによって、今大変小児科医の先生方がなかなか見つからないというか、絶対的な不足の状態になっているということと、あと、この三つの施設を建てかえるというのは結構大変な予算も要りますので、一つの大きな施設として、専門的な施設として、施設の老朽化に対応するために今回こういうような計画が出されたということだと思います。
 さらに、多摩地域の二つ目の総合周産期医療センターとなる小児総合医療センターと多摩総合医療センターによる総合周産期医療としての具体的な機能について説明を求めます。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 小児総合医療センターと多摩総合医療センターによります総合周産期医療としての具体的な機能についてでございますが、小児総合医療センターには、まず新生児集中治療管理室、いわゆるNICUを統合前と比較いたしまして九床増加の二十四床整備いたします。また、回復期中等症治療室、いわゆるGCUを六床増加の四十八床整備することとしております。また、多摩総合医療センターにおきましては、母体胎児集中治療管理室、いわゆるM-FICUを九床新たに整備することとしております。このことによりまして、母体と新生児を一貫して診療する体制ができることとなるということでございます。
 このことによりまして、杏林大学医学部付属病院に続きまして、多摩地域におきまして二つ目の総合周産期母子医療センターが整備されることは、小児総合医療センター、多摩総合医療センターの一体となった運営の大きなメリットといえるものと私どもは考えてございます。

○野上委員 今までよりも、NICUも九床ふえる、GCUも六床ふえる、さらにM-FICUが新たに九床ということで、かなり整備体制が充実するのではないかと思います。
 先日、私も名古屋第一赤十字病院に視察をさせていただいたのですけれども、やはり急に妊婦さんが、羊水が漏れてしまった妊婦さんが担ぎ込まれまして、なるべくおなかの中で、ある程度の週が、育つまではおなかにいた方が取り出したときのリスクが全然違うということで、羊水を注入して、絶対安静をしてその妊婦さんを守っているということがございまして、やはりこういうM-FICUがあることによって、また多くの赤ちゃんも、そして妊婦さんにも大変有効な施設になるのではないかなというふうに思っております。大変に期待をしています。
 この小児総合医療センターと多摩総合医療センターが一体となって運営されることによって、総合周産期医療センターとしての機能のほかに、幾つかのメリットがあると仄聞をしております。
 そこで、このメリットについて具体的に説明を求めます。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 小児総合医療センターと多摩総合医療センターが一体となって運営されることによります周産期医療以外の具体的なメリットについてでございますが、例えば、まず、小児期に発症しまして、成人になっても診療が必要ないわゆる移行期医療に関しまして、この二つのセンターが密接な連携を行いながら治療に当たることができるということがございます。
 さらに、小児神経難病につきましては、同じキャンパス内にございます神経病院と、さらには療育医療につきましては、やはり同じキャンパス内にございます府中療育センターと連携するなど、多摩メディカル・キャンパス内の各施設との密接な連携体制を構築することで、高度専門医療機能のより一層の向上を目指すことなど、さまざまな意味におきまして連携が可能となります。
 そのほかにも、心と体、大人と子ども、それぞれの分野にかかわる医療関係者の交流が容易に可能となりますことから、合同研修等を通じたスキルアップや総合的なレジデント教育が可能になるなど、人材育成面でのメリットも期待できるものでございます。

○野上委員 今まで縦割り行政で、小児は小児、成人は成人でぷつっと切れていた移行期医療なんかもかなり充実されるのではないかというふうに思います。それから、小児神経難病と療育医療、府中療育センターがございますけれども、こことも非常に密接に連携を組むことによって、子どもたちがどういう施設に行けば将来自立に向けてのステップアップができるかということもすっきりとできるのではないかというふうに期待をしております。
 ことしの予算特別委員会で我が党の東村邦浩議員が、八王子小児病院の統廃合後の八王子市の小児医療体制の確保に向けた都の支援策について問いただしました。その中で病院経営本部長から、小児の二次医療体制整備のために、八王子市が中核病院として位置づける二つの大学病院に対する医師の派遣について積極的に対応するとともに、緊急時の搬送手段としての小児用ドクターカーの配備に対する支援も協議を行っているという答弁をいただいております。
 そこで、都と市の協議の結果、医師の派遣や小児用ドクターカーの配備は具体的にどのようになったのか、明らかにしていただきたいと思います。見解を求めます。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 医師の派遣や小児用ドクターカーの配備についてでございますが、協議会では、八王子小児病院移転後の二次医療機能を中心となって担います二つの中核病院が、これまで八王子小児病院が診てきた患者さんを円滑に受け入れることができる医療体制を整えるとともに、この二つの中核病院と小児総合医療センターとの連携を確固たるものにしまして、中核病院の専門性の向上を図るため、当分の間、都は専門医師を中核病院に派遣することとしております。
 また、ドクターカーにつきましては、現在八王子小児病院にございます新生児ドクターカー一台を小児総合医療センターに移転して配備するとともに、新生児も搬送できます小児ドクターカーをさらに一台小児総合医療センターに配備することによりまして、さきの新生児ドクターカーと合わせまして二台体制で運行していくこととしております。
 これらの施策の具体化に向けまして、引き続き八王子市と協議を行いまして、八王子小児病院移転後の八王子地域における小児医療確保施策について着実に取り組んでまいります。

○野上委員 当分の間は中核病院に都が専門医師を派遣するということと新生児ドクターカー二台体制ということで、多分八王子の方たちも少しは安心できるのではないかなと思っております。
 小児総合医療センターは、限られた小児医療資源を最大限に有効活用し、多摩地域の小児医療の一大拠点として整備されるものであります。十分に機能が発揮できるよう、しっかりと頑張っていただきたいと思います。
 一方、八王子地域の住民の方にとってみましたら、八王子小児病院移転後の地域の小児医療体制がどうなるのかと心配されることは当然であります。今後、八王子市の新しい小児医療体制を充実させていくことが極めて重要な問題であり、具体的な対応策については、東京都は八王子市としっかりと協議をして、支援していくべきと考えます。
 最後になりますが、八王子市の新しい小児医療体制の充実に向けての中井病院経営本部長の決意を伺って、私の質問を終わります。

○中井病院経営本部長 小児総合医療センターは、理事ご指摘のとおり、多摩地域における新たな病院ではあるわけですが、これまでの三小児病院の機能を引き継ぎ、それをさらに拡充していくわけでございます。さらに、理事からもお話があったとおり、今日の周産期医療の非常に厳しい状況、とりわけ多摩地域はその状況が深刻なわけでございますが、そういった中で、母体搬送も可能な総合周産期医療センターがここにできるわけでございまして、これによって、現在三鷹市にある杏林大学一つが総合周産期医療センターであるわけですが、地理的にも非常に多摩地域にとっては心強い、格好の場所にセンターが整備されるということで、一刻も早い実現に向けて、私ども、現在鋭意取り組みをさせていただいているということでございます。
 また、このほかにも、慢性的な小児疾患の方にとっては、移行期の医療というのが常々課題とされてきたわけでございますが、多摩総合医療センターと併設されるということで、小児の医療から大人の医療へのつなぎ、連携というのも非常にスムーズにいくであろうというふうに考えておりますし、全国で初めての取り組みである心と体の総合的な医療を提供できる機関という形での効果も十分に期待できるというふうに考えております。
 こういったさまざまな機能を持ち、さらに多摩地域における小児の三次医療機関ということになりますので、これによって、八王子市を含む多摩地域の一次から三次の小児の医療体制が整備できるということであるわけでございます。
 しかしながら、その一方で、これまで八王子小児病院は八王子市における地域の医療機能に重要な役割を果たしてきたというのも事実でございまして、小児総合医療センターの整備とあわせて、八王子市の今後の医療機能の充実について、東京都として責任を持って対応していく必要があるという認識のもとに、これまで八王子市、関係機関と協議を重ねてきて、一定のまとめを、せんだって、協議会のまとめという形でさせていただいたわけであります。
 その中では、八王子市が中核病院として位置づけております二つの大学病院、そこへの専門医師の派遣、あるいは緊急時の搬送手段としての小児用ドクターカーの増強、こういった支援をこの報告書の中ではまとめさせていただいたというわけであります。
 今後とも、こういった協議会での取りまとめの一層の具体化、実現に向けて、病院経営本部は、福祉保健局とも連携をしながら、また、八王子市さんを初め関係機関との具体的な協議をさらに精力的に進めてまいりまして、八王子市地域の小児医療の充実に全力を挙げて努めてまいりたいというふうに考えております。

○かち委員 私からも、二〇第四一号、都立八王子小児病院の存続と八王子の小児医療体制維持・拡充に関する請願について質問いたします。
 願意が二項目ありまして、これは請願者の意思としては同じ部類だと思うのですけれども、東京都の仕切りとして病院経営本部と福祉保健局に分かれるということで、今は病院経営本部関係についてお聞きしたいと思います。
 本請願は、書いてありますけれども、一万六千五百七十九名の署名を寄せられた請願であります。平成十三年に都立病院改革マスタープランが出されて以来、都立八王子小児病院の存続を求める署名は延べ十四万筆になっているというふうに聞いております。この都立八王子小児病院は、二十七年前、一九八一年に設立され、百床未満で決して大きくはないけれども、NICUを九床持ち、八王子地域の小児医療と三次救急にもこたえられる小児の高度専門病院として、かけがえのない役割を果たしてきている病院です。それが、都立病院改革の名のもとに、三つの都立小児病院を統廃合して、府中に小児総合医療センターをPFI手法のもとに建設するということをもって八王子小児病院を廃止、統合しなければならないということですけれども、私は、これは道理がないと考えております。
 請願者の方から手紙をいただきました。ここには、八王子小児病院を考える集会のときの発言が記載されていましたので、紹介します。孫が過ってニトログリセリンを飲んでしまい、平岡町に救急で行ったが、小児科医がいないということで、すぐ小児病院に救急車で運ばれ、適切な処置を施してもらって事なきを得た。近くに専門病院があることが大事だ。小二の娘がダウン症で、生後六カ月で心臓の手術を小児病院で受けた。甲状腺、内分泌、頸椎、遺伝外来等幾つもの外来にかかっている。近くに病院があることのありがたさを感じている。ダウン症の子は夜中にぐあいが悪くなることがあり、すぐにぐったりしてしまう。小児科があるというだけでなく、小児の専門医師が必要なんですなどなど、切々と小児病院の必要性が述べられていました。
 改めて、病院経営本部としてこの八王子小児病院が果たしてきた役割をどのように認識されているのか、お聞きします。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 八王子小児病院が地域で果たしてきた役割についてでございますが、八王子小児病院は、小児専門病院として、他の病院では対応が困難な新生児医療、心臓血管外科医療、各種専門医療などに取り組むとともに、小児救急を初めとした地域の小児医療に役割を果たしてまいりました。
 しかしながら、小児医療に関する専門医師が不足している中で、限られた医療資源を最大限に有効活用しまして、小児に対する医療サービスの向上を目指していくために、八王子小児病院、清瀬小児病院及び梅ケ丘病院を統合いたしまして、小児総合医療センターとして整備することとしたものでございます。

○かち委員 前半のところでは、地域というばかりでなく、多摩地域における高度専門の小児医療にかけがえのない役割を果たしてきたという認識だというふうに思っておりますけれども、限られた財源の中で合理的な、三つの病院の統合で小児総合医療センターをつくるということが先ほど来繰り返しいわれているのですけれども、子どもの命よりも重いもの、大事なものがあるだろうかというふうに思うのですね。
 老朽化は、建物を建てれば必ず老朽化する時期は来ます。当然それを建てかえなければなりません。そして、この小児医療というのは、とりわけ一分一秒を争う、緊急性を要する医療ですよね。そういう意味では、より身近なところに分散してそうした医療があることが、どれだけ都民や地域住民の命を救うことに大きく役立っているかということなんです。
 そして、先ほど財政再建だけが問題ではないのだというお話もありましたけれども、この病院改革マスタープランが出されるのと軌を一にして、財政再建という問題が東京都の本当に大きな課題として打ち出されたのも事実であります。そういうことを踏まえての今回のマスタープランや実行プログラムであったということは、否定できないものなんですね。
 だから、そういう意味で、こういう統合化ということが今進められようとしているのですけれども、今回の周産期医療での問題なんかも含めても、一つの病院に一極集中するということが、本当にそれが効率的なのかということが改めて今問われている時期じゃないかと思うのですね。そういう出産する機能や高度医療というものがやはり点在していることの方が、むしろ命を救うという点では非常に大きな役割を果たしていると私は思いますので、ぜひその辺は再検討していただきたいというふうに思います。
 ことし九月に、八王子地域における小児医療に関する協議会報告が出されました。私もこれを読ませていただきましたけれども、その協議会のメンバーは、八王子市と病院経営本部と福祉保健局ということで、行政機関だけのようですけれども、この報告書のまとめの位置づけというものはどういうふうになっているのでしょうか。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 今回の協議会まとめの位置づけについてでございますが、今回のまとめは、八王子市と東京都の病院経営本部、福祉保健局がメンバーとなりました八王子地域における小児医療に関する協議会として取りまとめたものでございます。
 このまとめでは、八王子小児病院が移転した後の八王子地域におきます小児医療をいかに確保、充実させるかということにつきまして、基本的な方向を示したものでございます。

○かち委員 八王子地域における小児医療の確保、充実に向けた基本的方向を示したものだということなので、具体化はすべてこれからということなんですね。
 この統廃合計画によって、この地域の住民、患者、家族、また地域医師会などにも多大な影響をもたらすことになるわけですけれども、当然こうした関係者間の協議というものも必要ではないかと思いますけれども、それらの対応はどのように行われてきたのでしょうか。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 協議会のまとめの検討に当たってとのことでございますが、今回の協議会のまとめは、平成十四年八月から地元八王子市と検討、協議を重ねてまいりまして、医療関係者との意見交換も行いながら取りまとめたものでございまして、八王子地域の医療の現状や地域の要望を踏まえたものであるというふうに認識しております。

○かち委員 一つのところに総合病院が来るということでは、その周辺の皆さんにとっては大変望ましいことではあるのですけれども、そこから移転していく地域にとってみれば、本当に穴があくことになるわけですね。そこをどうやって穴をあけないで医療を確保、継続させていくか。これは大変な問題であり、東京都の責任でそこはきちんとやっていかなければいけない、こういうことだというふうに思うのですけれども、そういう地域の皆さんの意見を集約してあるのですというのですけれども、その経過が私たちには全く見えないということであり、どこまでこれが進んで、今後どうなるのか。
 これは、まとめは基本的な方向ですよと。その後、じゃ一体どうなるのということになるわけなんですけれども、その後の取りまとめを継続するというような、協議会を継続するというようなこともお聞きしていないので、具体化を進めていく今後の進め方、あり方というのは一体どういうふうになっていくのでしょうか。協議会を継続するのですか。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 協議会についてのご質問でございますが、八王子市及び東京都は、今後この考え方に基づきまして、八王子市の小児医療体制の充実や小児総合医療センターとの連携強化などの観点から、八王子小児病院移転後の八王子地域におきます小児医療確保施策につきまして、平成二十一年度末に予定しております小児総合医療センターの開設に向けまして、時期をとらえて具体的に検討をしてまいります。

○かち委員 協議会というような形ではなく、個別に具体的に検討していくのだということなんですけれども、その辺のことがどういう経過でどういう結論になったのかというのは、わかり得ない状況だと今の段階では思うのです。
 このまとめは、平成十六年に出された八王子地域保健医療に関する検討会のまとめを踏まえたものだというふうに書かれています。そのときのまとめがこれですね。(資料を示す)それはどんなものだったかということなんですけれども、今回のまとめにも書いてありますけれども、八王子小児病院が小児専門病院として、他の病院では対応困難な新生児医療、心臓血管外科医療、各種専門医療などを初め、小児救急医療など地域の小児医療に大きな役割を果たしている実態や、地域の中核病院、診療所の小児医療について、大変詳細な調査分析がされたものです。よく私も読ませていただきました。
 そして、この最後に後書きという形でまとめられているのですけれども、どう書いてあるかということですが、最後に、市側、都側から率直な意見交換を行った。市側からは、小児病院は八王子地域にとって極めて重要な役割を果たしており、特にNICUやドクターカーによる新生児救急医療を初め、三次医療に対応できる施設設備、マンパワーの配置など、八王子地域における小児医療にとって欠かすことのできないものであり、同病院の八王子市内での存続を強く主張したと書いてあります。都側は、小児病院の移転統合に当たっては、地域医療に不足が生じることのないよう配慮し、地元の地域特性を十分踏まえた上で、これまでの支援にとどまることなく、多面的で有効な支援策を講ずることなど、地域住民が安心して医療が受けられるように医療体制を確保した上で計画どおり整備を進めると強い意向を示したというふうに書いてあるのですね。
 両論併記的な、平行線のような書き方でありますけれども、少なくとも都は、医療計画遂行に当たっては、地域住民が安心して医療を受けられる体制を確保した上で進めると書いてあるのですが、この立場は今も変わっていないと理解してよろしいでしょうか。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 八王子市との検討会のまとめについてでございますが、ことしの一月に発表いたしました第二次都立病院改革実行プログラムにおきましても、八王子小児病院が地域の医療機能を実態として担ってきたことを踏まえて、地域の小児医療体制の確保について地元自治体が主体的に取り組めるよう、地域の特性を踏まえた必要な支援を講じていくという旨を実行プログラムでも明確に記させていただいているところでございます。

○かち委員 私が確認をしたいのは、体制を確保した上で計画を進めるということなので、それは変わっていないというふうに解釈をいたします。
 計画では、府中小児総合医療センターは平成二十二年の三月にオープンするということを聞いているのですけれども、それでは、これからあと一年三カ月ぐらいの間ですけれども、どのような段取りで医療確保の段取りを進めていくのでしょうか。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 東京都は八王子市とともに、今後この協議会まとめに基づきまして、平成二十一年度末の小児総合医療センターの開設に向けまして、時期をとらえて具体的に検討してまいります。

○かち委員 協議会のまとめでは、移転後は、特に二次医療においては、これまでの小児病院の患者を相当数、東京医科大学八王子医療センターと東海大八王子病院の中核二病院に分けることになるわけで、今でも両病院の患者数が増加傾向にある中で、キャパシティーが足りない、ベッド数をふやす必要があるということで、八王子市が小児病床数の拡充を要請してきたところだと書かれています。さらに、二つの中核病院における小児医療の専門性の向上を図るため、当分の間、東京都が二つの中核病院に専門医を派遣するとなっています。
 先ほども紹介がありましたけれども、この「広報はちおうじ」の中にも、当分の間、都が中核病院に専門の医師を派遣します、こう書いてあります。これを市民の皆さんが見れば、ああ、安心できるというふうに思われると思うのですけれども、じゃ一体どのような派遣体制を想定されているのか。どのような規模で、どのような回数で行うのか、その辺の想定はどうなんでしょうか。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 今回の協議会のまとめにおきましても、八王子小児病院移転後の二次医療機能を中心となって担う二つの中核病院、東京医科大学八王子医療センターと東海大学八王子病院が、これまで八王子小児病院が診てきた患者さんを円滑に受け入れることができる医療体制を整えるとともに、二つの中核病院と小児総合医療センターとの連携を確固たるものにして中核病院の専門性の向上を図るため、当分の間、都から専門医師を中核病院に派遣するというものでございます。
 派遣する医師の専門領域ですとか具体的な診療科、また派遣日数ですとか派遣の回数等につきましては、現在、八王子小児病院、それからこの二つの病院、また私ども病院経営本部、さらには八王子市との間で協議を行っているところでございます。

○かち委員 言葉の上では専門医の派遣をするよというふうには書いてあるのですけれども、これを具体化するというのはなかなか、いろんな問題があると思うのですね。それで、八王子市があり、東京都病院経営本部があり、民間中核病院があり、患者さんがいて、それらの皆さんの思いとどうやって一致していくのかなというのを思います。
 いろいろ私も聞いてみたり、また八王子市議会での議論の中身などを聞いてみますと、随分これは乖離があるなというのを感じました。八王子市議会でのやりとりでは、市としては三百六十五日二十四時間規模の派遣を想定しているというふうにいっているのですよね。でも、それは一人の医師だけではとても賄えないような中身でありますし、専門医師といっても、何の専門なのか。それは救急対応のできる専門なのか、それとも、いわゆる一般的な、ダウンとかそういう日常的に診ていく、専門外来的に診ていくのかというようなことでも違ってきますし、相手方の病院が何を求めているのかということでも、そういうことをいろいろ考えてみても、相当それをまとめていって一致していくということは、いろいろ、二山も三山も越えていかないとできないことだというふうに思いました。
 必要な医療体制を確保した上でといっても、相手側は民間病院です。あくまでもお願いの立場、この域を出ることはできません。相手ができないとか要らないとかいったら、それまでで終わってしまうのですよね。これまでの経過では、八王子市が交渉の前面に立って、いつも八王子が交渉していますというふうな書き方がしてあるのですけれども、本来この計画を進めているのは東京都なんですから、少なくとも都が前面に立って、あるいは市と一緒になってこの対策をとるべきだと思うのですけれども、どうなっているのでしょうか。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 これまでの八王子市と東京都の協議についてでございますが、先ほども答弁させていただきましたが、このまとめは、八王子市と東京都の私ども病院経営本部と福祉保健局がメンバーとなって協議会を行いまして、過去、平成十四年八月から数十回にわたりまして、さまざまな協議、打ち合わせ等も含めまして議論を重ねてきたものでございます。東京都としても引き続き、責任を持って八王子市と協議してまいります。

○かち委員 責任を持って協議するというのじゃなくて、具体的に対策に乗り出してほしいと思うのですね。
 それで、八王子は本当に苦渋の選択だったというふうに思うのです。本当に十六年のときにはここに存続すべきだといっていたにもかかわらず、今は--なぜかといえば、もうどんどん新しい病院が建ってしまう。でき上がれば都は引き揚げてしまう。その後、穴があいたらどうしようという中で、やはりそこは何とかしなきゃいけないという市の責任として一生懸命やっているのだと思います。そういう意味では、東京都が市を支えて医療を確保するということをやはり前面に立ってやるべきだというふうに思います。
 それで、新しく府中キャンパスでは、総合周産期医療とともに、先ほどもありましたけれども、キャリーオーバー受け入れを特色として挙げられていますけれども、八王子や清瀬、梅ケ丘病院でこれまで診てきた十五歳以上の患者さんを府中の小児総合医療センターで受け入れるのかどうか、この問題なんですけれども、いかがでしょうか。

○黒田経営戦略・再編整備担当部長 成人になられましても診療が必要な患者さんに対する小児総合医療センターの対応についてでございますけれども、第二次都立病院改革実行プログラムにおきましても、小児期に発症しまして、成人になっても診療が必要な患者さんへの円滑な対応を図るため、原則として、患者さんが十六歳から十九歳までの間は、小児総合医療センターが多摩総合医療センターや神経病院その他の医療機関等と密接な連携を行いながら治療に当たることとしております。
 その後は、役割に応じた最適な医療環境を提供する施設に円滑に引き継いでまいりますが、必要に応じて共同で診療を継続していくこととするという旨を第二次プログラムでも明記させていただいております。

○かち委員 今のお話では、十六歳から十九歳までは総合医療センターと小児センターで共同して診ていきますよという話はありましたけれども、その後については適切な施設などに行ってもらうのだというような話でしたよね。
 だけれども、八王子小児はもう二十七年前にできていますから、できた当時生まれた赤ちゃんがずっとかかっていて、今は二十七歳とかになっているわけですよね。そういう人も、八王子小児病院や清瀬ではちゃんと診てきているわけです。成育医療としてずっとその経過を追っているわけですよね。こういうダウンのお子さんや障害を持ったお子さんというのは、加齢とともにというか、年には合わないいろんな症状がやはり出てきます。非常に老化が早かったり、いろんな出方をしますので、一般的な症状では判断を誤るということも実際に起きておりますので、これは、やはり今まで診ていた八王子、清瀬、梅ケ丘などの成育医療は、引き続きこのセンターで診ていくというのが本来の役割ではないかというふうに思います。
 それで、八王子小児病院が大きな役割を果たしてきた新生児救急にこたえるドクターカーですけれども、これまでの実績を見ても、毎日一回以上出動しているわけで、フル稼働です。府中に集中させることによって、この地域ではこのドクターカーもなくなるということになるわけですけれども、府中のセンターに二台配置する計画のようですが、新生児などは一分一秒を争う問題です。少なくとも八王子地域でこれまでのような対応ができなくなるということは免れません。
 この後、福祉保健局にも質疑しますけれども、この計画は、八王子市や関係者、住民の合意も十分にとられていないまま、計画だけが着々と進められて、あと一年三カ月後には府中センターがオープンしてしまう中で選択を迫るというようなやり方です。たとえ府中センターができたとしても、今ある三つの小児病院を廃止、統合する必要はないということを重ねて申し上げ、本請願の趣旨採択を求めて、終わります。

○東野委員長 ほかに発言がなければ、本件につきましては、福祉保健局関係もございますので、決定は後ほどの福祉保健局所管分の審査の際に行い、現在のところは継続審査といたします。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認めます。よって、請願二〇第四一号は継続審査といたします。
 請願の審査を終わります。
 以上で病院経営本部関係を終わります。

○東野委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。

○安藤福祉保健局長 平成二十年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明を申し上げます。
 今回ご審議をお願いいたします議案は、平成二十年度補正予算案一件、条例案五件、事件案十三件の合計十九件でございます。
 初めに、平成二十年度補正予算案についてでございますが、一般会計歳出予算の補正でございまして、先月末に発表いたしました緊急対策を踏まえ、その柱である都民の不安にこたえる生活者支援として、生活困難者への緊急自立支援、福祉施設における安心・安全対策、周産期医療緊急対策を今年度中に講じる必要があるため、所要額を増額補正するものでございます。
 次に、条例案についてでございますが、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの設立に伴うもののほか、事業者が消費者の健康被害に関する情報を受けた場合の情報提供等にかかわる規定を設けるものがございます。
 最後に、事件案についてでございますが、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの中期目標を定めるもののほか、新型インフルエンザの流行に備えた医薬品の購入に関するもの、当局が所管しております公の施設の管理運営を行う指定管理者の指定に関するものがございます。
 以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。
 なお、詳細につきましては総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○松井総務部長 初めに、平成二十年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成二十年第四回都議会定例会補正予算概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。一般会計の総括表でございます。
 右側の(2)、歳出予算でございますが、上段の福祉保健費の欄をごらんいただきたいと思います。補正予算額は六十四億九千八百九十二万五千円でございまして、これにより、歳出合計は八千三百七十二億八千二百六十六万三千円となります。
 その下の(4)、債務負担行為でございますが、一億二千十万五千円を補正するものでございます。これにより、債務負担行為限度額の合計は百二億二千八百八万四千円となります。
 二ページをお開き願います。事項別内訳でございます。
 1、福祉施設経営改善のための特別融資制度でございますが、右側の概要欄をごらんください。
 特別融資制度に要する経費といたしまして、貸付原資五十億円、事務費等で一千九百七十八万三千円を計上してございます。
 三ページをお開き願います。2、周産期医療対策でございますが、周産期母子医療センターの機能強化といたしまして五千八百一万四千円、周産期連携病院の新たな指定といたしまして七千七百九十八万八千円を計上してございます。
 四ページをお開き願います。3、再就職支援貸付事業でございますが、再就職支援貸付事業に要する経費といたしまして、貸付原資九億九千九百万円、広報経費、事務費で六千三百万円を計上してございます。
 五ページをお開き願います。4、福祉施設等の耐震化等でございますが、福祉施設等の耐震診断経費補助といたしまして六千六十四万円、周産期連携病院の設備整備費補助といたしまして二億二千五十万円を計上してございます。
 六ページをお開き願います。債務負担行為でございます。
 離職者支援資金(特例措置)利子補給に要する債務負担行為といたしまして、平成二十一年度から平成三十年度までの債務負担限度額一億二千十万五千円を計上してございます。
 以上が平成二十年度補正予算案の概要でございます。
 続きまして、条例案及び事件案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成二十年第四回東京都議会定例会条例案及び事件案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。条例案についてでございますが、整理番号1、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに係る地方独立行政法人法第五十九条第二項に規定する条例で定める内部組織を定める条例でございます。
 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの設立に際しまして、当該法人に職員を引き継ぐ東京都の内部組織を定める必要があることから、条例を新設するものでございます。
 この条例は、東京都規則で定める日から施行することとしております。
 次に、整理番号2、東京都立老人医療センター条例を廃止する条例でございます。
 東京都老人医療センターの業務を行う地方独立行政法人を設立することに伴いまして、同センターを廃止するものでございます。
 この条例は、平成二十一年四月一日から施行することとしております。
 次に、整理番号3、老人総合研究所の助成等に関する条例を廃止する条例でございます。
 老人総合研究所の業務を行う地方独立行政法人を設立することに伴いまして、条例を廃止するものでございます。
 この条例は、平成二十一年四月一日から施行することとしております。
 二ページをお開き願います。整理番号4、食品衛生法施行条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例と、次の整理番号5、食品製造業等取締条例の一部を改正する条例につきましては、事業者が消費者の健康被害に関する情報を受けた場合の情報提供等に係る規定を設ける必要があることから、規定を整備するものでございます。
 両条例とも、平成二十一年四月一日から施行することとしております。
 続きまして、事件案についてご説明いたします。
 三ページをごらん願います。整理番号1、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期目標についてでございます。
 地方独立行政法人法第二十五条の規定に基づきまして、東京都が地方独立行政法人の中期目標を定めるものでございます。
 中期目標に規定する事項といたしましては、中期目標の期間、都民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項などでございます。
 この中期目標は、平成二十一年四月一日から施行することとしております。
 次に、整理番号2及び3につきましては、備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の買い入れについてでございます。
 都内での新型インフルエンザの大規模流行時に備えた医療に必要な医薬品の供給及び流通用として買い入れるものでございます。
 タミフルの買い入れ数量は一千万カプセル、予定価格は二十五億四千八百三十五万円、リレンザの買い入れ数量は二百万箱、予定価格は五十四億六千万円としております。
 四ページをお開き願います。整理番号4から、六ページに参りまして整理番号13までの十件につきましては、公の施設の指定管理者の指定についてでございます。
 それぞれ、公の施設の名称及び所在地、指定管理者の名称及び主たる事務所の所在地及び指定の期間を記載してございます。
 条例案及び事件案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、平成二十年第四回東京都議会定例会条例案及び事件案をご参照いただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○東野委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○かち委員 補正予算関係で三点。
 都内周産期医療センターにおける産科、産婦人科、新生児科の医師、助産師の配置状況、夜間当直の状況、患者の受け入れ状況、NICUの稼働状況のわかるものをお願いします。
 二つ目が、都内周産期医療センターにおける産科、産婦人科、新生児科の医師のうち、女性医師の人数。
 三つ目が、全国の周産期センターにおける搬送コーディネーターの配置状況。
 独法化の関係で三つお願いします。
 他の地方公共団体の病院事業における地方独立行政法人の導入例、そこでの導入前後の利用者負担の変化。
 二つ目が、国立病院及び国立大学病院における運営交付金の推移。
 三つ目が、首都大学東京及び東京都産業技術研究センターにおける運営交付金の推移。
 最後に、指定管理者関係で、各施設の指定管理者導入前後の職員配置、運営費の予算、決算の推移。
 以上、よろしくお願いします。

○東野委員長 ただいま、かち副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○東野委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願二〇第四一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○日置参事 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号1、二〇第四一号、都立八王子小児病院の存続と八王子の小児医療体制維持・拡充に関する請願は、八王子市の都立八王子小児病院を守る会代表矢代美知子さん外一万六千五百七十九人の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいとしまして、2、都が責任を持って、新生児集中治療室、新生児専用ドクターカー、障害児対応など、八王子の小児医療体制を維持、拡充することというものでございます。
 現在の状況につきましてご説明いたします。
 まず、これまでの経緯でございますが、都は、平成十三年十二月に都立病院改革マスタープラン、平成十五年一月に都立病院改革実行プログラムを策定し、その中で、都立の清瀬小児病院、八王子小児病院及び梅ケ丘病院を府中病院のある敷地内に移転統合し、新たに小児総合医療センター(仮称)を整備することとしており、平成十九年七月に着工、平成二十一年度末の開設に向け、現在準備を進めているところでございます。
 この間、八王子市及び都は、平成十四年八月に設置いたしました八王子地域の保健医療に関する検討会に続き、平成十七年四月、八王子地域における小児医療に関する協議会を設置いたしまして、八王子市と病院経営本部及び福祉保健局で協議を重ねてまいりました。
 本年九月に取りまとめました「八王子地域における小児医療体制について」におきまして、八王子市と都が相互に連携、協力して取り組むべきものとして、八王子小児病院移転後の小児医療体制の確保、充実に向けた基本的な方向性を取りまとめたところでございます。
 主な事項といたしまして、1の一次医療(外来診療)でございますが、八王子小児病院移転後の一次医療につきましては、引き続き医師会の協力を得まして、市内の診療所を中心に担っていけるよう、八王子市が市医師会に要請していくこととしております。
 2の二次医療(入院医療)でございますが、八王子市は、市の中核病院である東京医科大学八王子医療センターと東海大学八王子病院に対しまして、小児病床数の拡充を要請しており、今後、二つの中核病院の小児科運営の拡充に当たりまして、施設整備等について市と都は必要な支援を検討していくこととしております。
 また、これまで八王子小児病院で診療してきました患者さんを二つの中核病院が円滑に受け入れることができる医療体制等を整えるため、当分の間、都は二つの中核病院に都立病院から専門医師を派遣することといたしております。
 3の三次医療、いわゆる高度専門医療でございますが、高度専門的な新生児医療や心臓血管外科医療等について、小児総合医療センター(仮称)が二つの中核病院と緊密な連携を図り、三次医療体制の確保を図っていくこととしております。
 また、NICUにつきましては、小児総合医療センターに二十四床整備するほか、八王子市は二つの中核病院と検討を行い、将来的にNICUを整備する際には、市と都は必要な支援を行うことについて検討していくこととしております。
 4の救急医療でございますが、八王子市は、現在保健センターにおきまして実施しております小児初期救急平日夜間診療事業を八王子小児病院の跡地に整備する施設に移転し、医師会の協力を得まして実施するとともに、初期、二次救急医療の振り分けを行うこととしております。
 また、八王子小児病院の新生児ドクターカーを小児総合医療センターに移転配備いたします。
 さらに、都は、新生児も搬送できる小児ドクターカーを一台小児総合医療センターに配備するとともに、東京型ドクターヘリによる新生児の緊急搬送の検討も含め、多摩地域の小児救急搬送体制を充実させることといたしております。
 5の八王子小児病院移転後の施設活用でございますが、八王子市は、八王子小児病院移転後の施設を活用して、小児の外来診療及び重症心身障害児者通所事業などを実施することといたしており、都は必要な支援を行うことといたしております。
 今後、八王子市及び都は、さらに支援内容の詳細を継続して検討し、八王子小児病院が移転した後の小児医療体制の確保を目指しまして、相互に連携、協力して取り組んでいくことといたしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○東野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○野上委員 それでは、請願二〇第四一号について質問いたします。
 先ほど病院経営本部に対しましても、府中キャンパスに建設される小児総合医療センターと多摩総合医療センターが一体となって運営されることによる総合周産期医療センターの具体的な機能や八王子市の新しい小児医療体制の充実に向けた都の支援策について質問いたしました。
 福祉保健局に対しても、さらに詳しく、八王子市の新しい小児医療体制の充実に向けた都の支援策について質問いたします。
 八王子地域における小児医療に関する協議会、冊子をいただきましたが、平成二十年九月にまとめた報告書では、八王子地域の二次医療体制について、東京医科大学八王子医療センター、それと東海大学八王子病院の二つの中核病院の小児科運営の充実に当たり、施設の整備や機器の整備について、八王子市と東京都は必要な支援を検討していくとされております。
 現在、二つの中核病院の小児科の病床数は合計で四十六床ということになっております。これが、八王子小児病院が閉鎖されれば、八王子小児病院が担ってきた二次医療の病床数をこの二つの中核病院でふやさなければなりません。
 そこで、この二つの中核病院における小児科の病床数の増床の見通し、そのことに対する都の具体的な支援策について、見解を求めます。

○吉井医療政策部長 現在、八王子市におきまして、両中核病院に対して小児病床の増床を働きかけております。今後、具体的な協議を進めていく予定と聞いております。その協議がまとまりまして、都としても、八王子市とともに施設整備等に対する財政的な支援を行う予定でございます。

○野上委員 ここはとても大事なところなので、ぜひよろしくお願いいたします。
 また、この協議会のまとめでは、三次医療について、府中キャンパスに整備される総合周産期医療センターだけではなく、将来的に二つの中核病院がNICUを整備する際に、八王子市と東京都は必要な支援を行うことについて検討していくと中に書いてあります。このことについて、我が党は本会議や予算特別委員会で何度も質問をし、都は財政的な支援だけでなく、人的な支援も検討すると局長答弁をいただいております。
 協議会のまとめが出た今もこのスタンスに変わりはないか、改めて確認をいたします。

○吉井医療政策部長 八王子地域におきます小児医療の支援策につきましては、平成十七年四月の協議会開催以来、福祉保健局と病院経営本部、八王子市が検討を行ってまいりました。
 平成二十年九月の協議会のまとめにおいては、将来的に二つの中核病院がNICUを整備する際には、八王子市と東京都は必要な支援を行うことについて検討していくとしております。これまでのスタンスを踏まえ、適切に対処してまいります。

○野上委員 八王子市の二つの中核病院における小児医療の充実とともに、八王子小児病院の跡地の活用も重要であると考えております。我が党の東村邦浩議員が、ことしの予算特別委員会の質疑の中で、八王子小児病院の跡地にぜひとも重度重複障害児通所施設をつくっていただきたいと強く要望して、今回の協議会のまとめにおいて、八王子市が移転後の施設を活用して小児外来施設や重症心身障害児通所事業を展開するとしたこと、これは高く評価するものであります。
 そこで、八王子市はどういった手法で重症心身障害児通所施設を運営しようとしているのか、また事業開始はいつごろを予定しているのか、説明を求めます。

○松浦障害者施策推進部長 八王子市によります重症心身障害児者施設の運営についてでございますけれども、八王子市が施設設置者となりまして運営事業者を選定し、事業委託または指定管理者制度で運営することを検討しているということでございます。
 また、この重症心身障害児者通所事業の開始時期につきましても、八王子市においてあわせて検討中であるというふうに聞いております。

○野上委員 八王子小児病院の施設を活用して重症心身障害児通所施設を設置することは、現在八王子小児病院の周辺に住んでおられる重症心身障害児の方や保護者の方にも安心を与えることになると思います。したがって、八王子小児病院が移転した後、可能な限り早期に開設されるよう、都が積極的に支援をしていくべきであると考えております。都の見解を求めます。

○松浦障害者施策推進部長 都内におきます重症心身障害児者通所施設につきましては、全体で見ますと、地域的にばらつきが大きいというふうに認識しております。
 また、八王子市内について見ましても、知的身体障害者施設に併設で定員五名の重症心身障害児者通所施設を実施している施設がございますけれども、この施設には医療施設は併設しておりません。
 こうした中で、この新たな通所施設が開設されることによりまして、これまで通所施設を利用されていなかった在宅の重症心身障害児者の方々も新たに利用することが可能になります。
 また、今般予定されている施設でございますけれども、小児外来診療を行う医療施設に併設されるものでございまして、医療的ケアの必要な方々にとって利便性が高い施設というふうに考えております。
 都としましても、早期に開設されるよう八王子市と連携するとともに、施設整備に当たっては補助を行い、開設後は、都の重症心身障害児者通所事業の委託実施施設としまして、必要な委託経費を支出する支援を行ってまいります。

○野上委員 大変大事な答弁だと思います。八王子市と連携して、施設整備に当たっては補助を行っていただくということと、開設後は都の重症心身障害児者事業の委託実施施設として必要な委託経費を支出していただくということで、支援をしていただければと思っております。
 先ほどの病院経営本部の質疑の中で、東京都は、八王子小児病院にある新生児ドクターカーだけでなく、新生児も搬送できる小児ドクターカーをもう一台、建設される小児総合医療センターに配備して、多摩地域における小児救急の搬送体制を充実させるという答弁がございました。
 ただ、広範な多摩地域を考えれば、一刻を争う場合に、ドクターカーだけでは限界があるのではないでしょうか。我が党の東村邦浩議員は、このことも本年の予算特別委員会の質疑の中で取り上げております。東京型ドクターヘリの活用を提案しているところでございます。福祉保健局長からは、東京型ドクターヘリを活用した多摩地域の新生児の救急搬送については、医学的見地からの必要性などを踏まえ、関係局とともに今後検討を行っていくという答弁をいただいております。
 そこで、この協議会のまとめにおいて、東京版ドクターヘリを活用した多摩地域の新生児の救急搬送をどのように位置づけているのか、都の見解を求めます。

○吉井医療政策部長 多摩地域は、区部に比べましてNICUの病床数が少ない中で、新生児搬送の必要性も依然として高いと認識してございます。
 この九月の協議会のまとめにおきましても、昨年十一月に運用を開始した東京型ドクターヘリによる新生児の緊急搬送の検討も含め、多摩地域における小児救急搬送体制を充実させるとしております。

○野上委員 広い多摩地域、ドクターヘリをとめるところもたくさんございますので、ぜひこの東京型ドクターヘリを活用して、新生児の緊急搬送の検討をしっかりと行っていただいて、多摩地域における小児救急搬送体制を充実させていただきたいと思っております。
 今回のまとめに示された内容を実施して、八王子市の新しい小児医療体制を充実させていくためには、福祉保健局が、病院経営本部はもとより八王子市とも歩調を合わせて、今述べた東京型ドクターヘリの活用や八王子市並びに中核病院への積極的な支援が重要となると思います。
 そこで、最後になりますが、これらの施策を実現していく福祉保健局長の力強い決意を伺い、私の質問を終わります。

○安藤福祉保健局長 ただいま八王子小児病院の件と多摩の小児医療についてのご質疑をいただきました。
 小児総合医療センターは、小児専門医療そして小児精神医療等を集約して、限られた小児の医療資源を最大限に活用する、同時に整備される多摩総合医療センターと一体となりまして、多摩地域の皆さんが待ち望んでいらっしゃいます二つ目の総合周産期母子医療センターとしての役割を担うものでありまして、私どもも、多摩地域の医療、特に小児、周産期医療の向上に大きく寄与するものであるし、大事な拠点であるというふうに考えております。
 センターの整備に当たりまして、これまで八王子小児病院が地域の医療機能を実態として担ってきたということを踏まえまして、地元の八王子市、そして病院経営本部とともに協議を重ねまして、病院移転後の八王子地域の医療のあり方について議論を重ね、今回、基本的な方向性を取りまとめることができました。
 ドクターヘリでありますとか、ドクターカーでありますとか、さまざまなご提言もいただいたところであります。私どもとしましては、このまとめを受けまして、引き続き八王子市と相互に連携、協力いたしまして、最大限の支援を行っていきたいと考えております。

○かち委員 私からも、八王子小児病院の存続と八王子の小児医療体制維持・拡充に関する請願について、何点かお聞きします。
 本請願の願意は、八王子小児病院を存続することによって、八王子地域にNICUや新生児専用のドクターカー、障害児対応など、今小児病院が果たしている機能を確保してほしいということだと思いますが、二つに分かれましたので、重複を避けてお聞きします。
 八王子小児病院の統廃合については、協議会も進めてきたということで、その協議会メンバーとしても福祉保健局がかかわってきた、その立場から、八王子地域の小児医療と高度専門医療の確保の課題についてお聞きしますが、福祉保健局として、この都立八王子小児病院がこれまで果たしてきた役割をどのように認識しているのか、まずお聞きします。

○日置参事 八王子小児病院は、小児専門病院といたしまして、他の病院では対応が困難な新生児医療、小児心臓血管外科医療、各種専門医療などに取り組むとともに、小児救急を初めといたしまして、地域の小児医療に大きな役割を果たしてまいりました。
 しかしながら、小児医療に関する専門医師が不足している中、限られた医療資源を最大限有効活用し、小児に対する医療サービスの向上を目指していくため、八王子小児病院、清瀬小児病院及び梅ケ丘小児病院を統合いたしまして、新たに小児総合医療センターとして整備することといたしたものでございます。

○かち委員 大変重要な役割を果たしてきたんだと。しかし、限られた財源を有効に活用するために一つにまとめるんだというお話ですけれども、本当に小児医療をどう確保していくのか、拡充していくのかという点におきましては、この小児病院が果たしてきた役割をさらにそこで発揮させることこそ私は必要だというふうに思っております。
 この多摩地域では、人口比でも四七%を占める地域でありながら、NICUは二割程度ということで、区部に比べ大変格差があるわけです。昨今の周産期医療をめぐる東京都の医療実態からしても、NICUは特に多摩地域に不足しているというのが実態です。その中で、八王子地域で唯一の小児病院のNICUがなくなるという影響ははかり知れないものがあります。
 先ほども質疑にありまして、二つの病院のNICUを統廃合して、十五床から二十四床に九床ふやすんだという計画でありますが、それは当然、今すぐにもふやさなければいけない数でありますし、ドクターカーも二台にするというお話ですけれども、一つに集中してしまう。八王子市、細長いこの地域の中で、八王子地域のNICU搬送にやっぱり大きな支障を来すという問題も免れません。
 協議会のまとめでは、小児病院の廃止と統合の後、東京医科大医療センターと東海大病院の二つの中核病院に、小児科の増床とNICU整備を検討していくとありますけれども、その見通しはどのように見ているんでしょうか。

○吉井医療政策部長 八王子市において、両中核病院に小児病床の増床について現在働きかけを行っており、今後、具体的な協議を進めていく予定と聞いております。具体的な協議がまとまれば、東京都といたしましても、八王子市とともに、施設整備等に対する財政的な支援を考えてまいりたいと考えております。
 また、NICUにつきましては、現在、八王子小児病院と清瀬小児病院で十五床のところ、先ほど先生おっしゃられましたけれども、新たな小児総合医療センターには二十四床を整備する予定としてございます。
 今回のまとめにおきましては、将来的に中核病院がNICUを整備する場合には、東京都と八王子市が支援を行うこととしてございます。

○かち委員 ベッド増床についてもNICUについても、八王子市は一生懸命交渉したり検討したりしているけれども、この問題の発生は、東京都がそこから集中させるということから出てきている問題ですので、その立場に立って、福祉保健局としてはそこの地域の医療をどう確保していくのか、その後の医療の拡充に責任のある立場だと思うんですけれども、そういう問題に八王子と一緒になって、あるいはその前面に立ってやるという姿勢が全くこの間の協議会の報告を見ても見られないのは非常に残念です。
 このまとめを受けて、私どもの八王子市議団が、実際どうなのかということで、直接東京医大の本院に伺ったところ、無理ですというふうにお答えがあったそうです。将来のことを約束できないということなんです。
 さらに、一次医療としての機能、小児外来についても、八王子が診ていた、地域医療に参加をしていた部分もあるんですが、それもなくなるわけで、そこの部分をどうするのかという点では、地域の医師会にお願いをして受けてもらうということ、これも八王子市が一生懸命今やっているところなんですけれども、本当にそういう意味では、もっと東京都が一生懸命に前面でやっていただきたいというふうに思います、協議会のまとめでもそういうことになっておりますので。
 それで、跡地利用という点では、八王子市が都から土地を取得して、重度心身障害児者の通所施設及び小児外来診療などに利用するということになっているようですけれども、具体的にどのような検討がされているのか、お聞きします。

○松浦障害者施策推進部長 重症心身障害児者通所施設事業についてでございますけれども、先ほども野上理事に答弁いたしましたとおり、八王子市の方で通所事業の運営や開始時期などを検討中ということだけ聞いております。

○かち委員 検討中だということですけれども、実際には、一年と三カ月後、二十二年の三月にはこちらがオープンするということですから、その前には少なくとも病院は閉じるわけですね。閉じた後に改修工事をやって、その後、開設ということになるんだろうと思いますけれども、そういう意味では、その間、どのぐらいあるかわかりませんけれども、ブランク、空白が生まれるということでもあるわけです。
 そういうことも含めて、重度心身障害児の通所施設が不足していることはもう明らかであり、八王子市としてもその開設に取り組むということは大変重要なことではあります。しかし、病院の移転をもってやらなければならないということではなく、ほかの空き地で探して--小児病院の跡地でなくてもできるものなんです。
 重度の障害を持つお子さんを抱えた親御さんたちの中には、八王子小児病院があったから、安心して医療が受けられるようにということで、わざわざ転居されてきた方もおられます。今度は病院が統廃合で、また遠くに行ってしまうということで、本当に不安の中にさらされているわけです。
 八王子小児病院は、小児医療、とりわけ高度専門医療を担ってきた、かけがえのない病院です。廃止統合の後の医療の確保、拡充の方向は示されたものの、確かな保証はありません。よって、小児病院を存続させ、必要な医療の確保、拡充を求める本請願の採択を求めて、質問を終わります。

○西崎委員 都立八王子病院の存続と八王子医療体制維持・拡充に関する請願について、これまで議論がされましたので、私からは意見だけ述べます。
 近年、子どもを取り巻く環境は変化し、医療についても高度専門医療が求められてきています。その意味では、心から体に至る高度専門的な医療を提供する病院としての小児医療センターを新たに多摩メディカル・キャンパス内に整備し、都における小児医療の拠点として充実を図っていくことは重要だと考えますが、今回の整備については、八王子小児病院、清瀬小児病院、梅ケ丘病院が統合、再編されることによって新たな小児医療センターが誕生するため、それぞれの地域では病院がなくなるための市民の不安も大きいと思います。
 今回請願が出されました都立八王子小児病院では、先ほどお話がありました重度障害児の子どもたちが周辺に移り住んでおり、障害児を持つ親御さんにとっては都立病院の存在は命綱でもあり、今後も今まで以上に適切な治療を受けることができるのか、大きな不安になっているのではないでしょうか。
 障害児の診療には特別な医学的な蓄積が必要であり、普通の小児科医ではなかなか対応ができないとも聞いています。また、NICU、新生児専用のドクターカーの設置については、現時点での医師不足のことを考えますと、ハードは設置できても、現実に機能させることについて課題は多くあると考えます。
 この九月の八王子市との協議は、一次、二次、三次医療について話し合いが行われていますが、細部にわたっての検討が必要であります。地域で安心して子どもを産み育てられる医療環境を整えるためには、まだまだ市民の不安も残っていることから、今後も東京都に課題解決に向けて取り組むことを求め、生活者ネットワークの意見といたします。

○東野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○東野委員長 起立少数と認めます。よって、請願二〇第四一号は不採択と決定いたしました。

○東野委員長 次に、陳情二〇第三七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○狩野高齢社会対策部長 整理番号2、二〇第三七号、旧牛込消防署跡地利用に関する陳情は、新宿区の田中竜雨さん外七十四人から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、新宿区矢来町百四の四ほか(牛込消防署跡地)の土地について、特別養護老人ホーム等施設整備予定地として民間に賃貸する計画を廃止し、神楽坂地区の一画にふさわしい、由緒ある神楽坂の歴史に根差した低層の商業施設としての利用を図っていただきたいというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、東京の高齢者は十年後に三百万人を大きく超え、新宿区でも高齢者人口は今後も増加し続けることが予測されております。
 一方、特に地価の高い都市部では、特別養護老人ホームの整備が進まない状況であり、新宿区の高齢者人口に対する整備率は平成十九年度末現在〇・六六%と、都内の自治体の中では最も整備がおくれております。
 都では、特別養護老人ホーム等の福祉施設を整備する場合、都有地を民間事業者に低廉な価格で貸し付ける、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業を実施しております。この整備事業に基づき、旧牛込消防署跡地について、新宿区の意向を確認したところ、新宿区からは、区民の強い要望がある特別養護老人ホームを整備したい旨、回答を得られました。
 このため、都では整備事業を進めることとし、計画の公募に先立ち、新宿区とともに平成十九年二月十六日に町会長等に対し説明を行い、また、同月十七日及び二十日には、近隣住民に対する説明会を開催いたしました。
 そこでの意見や要望等について都と区で対応を協議し、地域交流スペースの設置や神楽坂の景観に配慮した外観などを公募条件とすることを町会長等に回答するとともに、近隣住民への説明会を再度開催した結果、おおむね計画に対する賛同を得られました。
 これらの経緯を踏まえて、平成十九年五月二十三日に、整備事業に基づく公募要項を発表いたしました。
 さらに、事業者決定後、平成十九年十二月十六日に、近隣住民に対する説明会を開催し、新宿区及び選定事業者から具体的な整備内容を説明いたしました。
 都は新宿区と協力して本整備事業を進めており、今回選定された事業者の提案内容は、神楽坂周辺の歴史、文化、景観に調和するものとなっていることから、まちづくり方針に反するものではないとの回答を区から得ております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○東野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二〇第三七号は不採択と決定いたしました。

○東野委員長 次に、陳情二〇第三九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○梶原健康安全部長 整理番号3、二〇第三九号、公共施設室内での殺虫剤の使用に関する陳情は、西東京市の反農薬東京グループ代表辻万千子さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、第一に、東京都が管理する公共施設で、直近の年度におけるネズミ、衛生害虫駆除のために使用されている殺虫剤等の使用状況を各施設ごとに調査して公表すること。
 第二に、平成十七年二月に東京都ねずみ防除指針を策定しているが、これはネズミ対策だけなので、衛生害虫対策についてもIPM(総合的有害生物管理)で実施するための指針を作成して、広く都民に啓発することというものでございます。
 現在の状況についてご説明いたします。
 まず第一についてでございますが、公共施設など多くの人が利用する一定規模以上の特定建築物につきましては、建築物における衛生的環境の確保に関する法律により、環境衛生を確保するための維持管理基準が定められております。
 平成十四年の省令改正によりまして、ネズミ、衛生害虫の防除による人や環境への影響を最小限にするため、生息調査を実施してから薬剤による駆除などの必要な措置を講ずる、いわゆるIPM(総合的有害生物管理)の考え方に基づく防除手法が導入されましたが、都におきましては、この省令改正が行われる以前から、IPMの考え方に基づいた指導基準を定めております。
 都はこの指導基準に基づきまして、定期的な立入調査等の際に、都が管理する公共施設を含む特定建築物における適切な害虫防除の実施を指導する中で、生息調査や殺虫剤等の使用に関する記録を確認しております。
 また、特定建築物の所有者に対しまして、ビル衛生管理講習会を開催いたしまして、IPMの考え方に基づいたネズミ、衛生害虫の防除について具体的な方法を周知しております。
 さらに、都庁各局の施設管理者に対し、講習会の資料や厚生労働省が定めた要領等を送付しており、各局が管理する公共施設では、これらを踏まえて、施設の状況に応じた防除を実施し、殺虫剤等の使用状況について管理しているところでございます。
 次に、第二についてでございますが、IPMの考え方に基づくネズミ、衛生害虫対策につきましては、東京都ねずみ防除指針のほかに、都民から相談の多いアタマジラミや蚊などの防除につきましても、パンフレットの作成、ホームページへの掲載などにより、都民への情報提供を行っております。
 また、居住環境対策といたしまして、健康・快適居住環境の指針や化学物質の子どもガイドライン(室内空気編)を策定し、害虫が生息しにくい環境整備や適切な殺虫剤の使用など、IPMの考え方に基づく衛生害虫対策について普及啓発を行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○東野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 二〇第三九号、公共施設室内での殺虫剤の使用に関する陳情について、意見を述べます。
 本陳情の願意は二項示されていますけれども、殺虫剤などの乱用や不適切な使用によって人体や健康に被害が及ぶことがないよう、都が管理する建物でのネズミ、害虫駆除は、厚生労働省がことし一月に示した通知に基づき、IPM、すなわち総合的有害生物管理で実施し、さらに民間の建物でもIPMで実施されるよう啓発に努力せよということだと思います。
 この限りにおいては妥当な要望であり、都としてもこの方向で実施をしているならば、趣旨採択が妥当だと思います。
 なお、陳情の要旨の1に、都が管理する公共施設での対応状況を調査し、公表せよということは、それだけ徹底すべきとの意見だと受けとめられます。都が管理する施設へのIPMに基づく対応の一層の徹底を求めるとともに、三万施設の公表が困難であったとしても、個別の問い合わせ等については誠実に対応することを希望するものです。
 また、都民に対して普及啓発を行っているとの説明でしたけれども、IPMという概念自体どれだけ普及されているのかということを考えれば、決して十分ではないといわざるを得ません。普及啓発についても一層の努力をされることを求めて、意見といたします。

○東野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○東野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第三九号は不採択と決定いたしました。

○東野委員長 次に、陳情二〇第五〇号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○梶原健康安全部長 整理番号4、二〇第五〇号の二、飼い主のいない猫に関する陳情は、中野区のやさしさに手をつなごう会代表臼井幸子さん外三百八十九人の方から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、生涯飼育を指導して、捨て猫の発生をやめさせ、都は、地域猫として都民に問題を押しつける前に、率先して対策を立て、実行することというものでございます。
 現在の状況でございますが、都では、猫の飼い主に対して、猫を生涯にわたり適正に飼育するため、室内飼育、身元表示、不妊去勢、以上三つを原則とする飼い方の普及啓発を行っております。
 飼い主のいない猫につきましては、地域特性や地域住民の意向を踏まえた住民主導によるルールづくりを基本に、都と区市町村が連携してさまざまな施策を講じております。
 都におきましては、平成十六年度に飼い主のいない猫対策のガイドブックを作成し、区市町村やボランティア団体、動物愛護推進員等に配布をいたしました。
 また、平成十七年度から、区市町村が推薦する地域におきまして、ボランティアに対するさまざまな助言や不妊去勢手術の実施を内容とする、飼い主のいない猫との共生支援事業を開始いたしました。
 さらに、平成十九年度からは、包括補助制度を活用いたしまして、区市町村が実施する不妊去勢費助成や猫対策の普及啓発事業に対して財政支援を行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○東野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○かち委員 二〇第五〇号の二の飼い主のいない猫に関する陳情について意見を述べます。
 近年、核家族化、少子高齢化が進む中で、ペットを家族の一員としての意識の高まりを初め、動物が地域社会に深いかかわりを持つ時代となり、今後ますますその状況が高まっていくことが予測されます。
 その反面、動物飼育に無理解や無責任な行為、虐待や遺棄、飼育のマナーの欠如などによって、近隣への迷惑行為、いわゆる地域猫の管理をめぐっての住民間の対立など、さまざまなトラブルが発生しているのも現実です。
 猫の問題については、好きな人、嫌いな人、どちらでもない人などさまざまな考え方があり、解決していくことはなかなか困難な課題です。
 都としては、平成十六年から、人と動物の調和のとれた共生社会の実現に向けた取り組みの十カ年計画に取り組んでいるところであり、国においても、平成十七年に動物の愛護及び管理に関する法律を改正し、基本指針に基づき、都道府県に区域の動物愛護管理推進計画を定めることを義務づけました。
 都は昨年から、地域猫の不妊去勢にかかわる支援を包括補助として具体的な補助対策にも取り組み始めているところです。現在、猫不妊去勢事業は十六区十市四町で実施しているとのことであり、その対策も徐々に広がりつつあるとは思っております。
 しかし、これらを実施していくためには、実態的には緒についたばかりという感を否めません。引き続き区市町村との協力で一層啓発啓蒙を進め、猫の好きな人も嫌いな人もともに地域猫との共生ができる、地域の実情に合わせたルールづくりも含め、支援されることを求めて、本陳情を趣旨採択としてお願いします。

○東野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○東野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第五〇号の二は不採択と決定いたしました。

○東野委員長 次に、陳情二〇第五一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○松浦障害者施策推進部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号5、二〇第五一号、東京都愛の手帳の交付に関する陳情は、足立区の中澤輝夫さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨でございますが、都において次のことを実現していただきたいというものでございます。
 内容につきまして、順にご説明いたします。
 まず第一項でございますが、東京都愛の手帳の交付の判定基準を、知能指数、すなわちIQ重視から、現在の社会の実情に合ったものにすることというものでございます。
 第二項でございますが、発達障害者が社会の支援を得られやすくするために、IQ重視ではなく、援助の必要性の程度に応じた度数の愛の手帳が交付されるための整備を早急に行うことというものでございます。
 第三項でございますが、成人後に愛の手帳を交付する際に、障害を本人以外に告知していないケースを想定して、本人単独での判定に配慮することというものでございます。
 次に、現在の状況について、まず第一項と第二項でございますが、愛の手帳は、知的障害者児の保護及び自立更生の援助を図るとともに、知的障害者児に対する社会の理解と協力を深めることを目的に、昭和四十二年四月、国の療育手帳制度に先駆け、東京都が東京都愛の手帳交付要綱を定め、独自に制度化したものでございます。
 愛の手帳の交付申請があったときは、対象者が十八歳未満の児童であれば児童相談所で、十八歳以上の成人であれば心身障害者福祉センターで、医学的判定及び心理学的判定を行った上で、知的障害の程度を判定し、一度から四度に該当する場合、愛の手帳を交付しております。
 判定は、本人の年齢により、ゼロ歳から六歳までの就学前、六歳から十七歳までの児童、十八歳以上の成人に区分しまして、知能指数、つまりIQ測定値だけでなく、社会性、意思疎通、学習能力、職業能力などの状況から総合的に判断することとしております。
 発達障害のある方につきましては、総合判定により愛の手帳の交付対象とならない場合でも、精神疾患及び能力障害の状況が精神障害者保健福祉手帳の基準を満たすときは、精神障害者保健福祉手帳の取得が可能でございます。
 第三項でございますが、成人期の愛の手帳交付の判定に当たりまして、正確を期すため、十八歳以前の障害状況を把握することが必要でございまして、本人の同意を得て、状況を知る方に同席をお願いしております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○東野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○斉藤委員 それでは、伺います。
 精神そしてまた知的障害の程度を判定するのは、なかなか見た目でわかることばかりではありませんし、疾病と社会的不自由さというものが一致しないということからすると、大変判断が難しいことになっています。それは判定が正しい、正しくないということじゃなくて、当人や家族にとって納得のいく認定結果になるかということについては、必ずしもいつもそうなるというふうにはならないと思います。
 今、認定の流れの概略が説明されたわけですが、割と一言で説明されている部分もあるんですが、実際にはかなり慎重な作業がその中にあるんだと思います。過程の詳細な説明をさらにいただきたいと思います。
 重ねて、認定結果を受けて、家族等からどのような問い合わせがあり、またどのような対応、そして回答をしているのか、そこも伺いたいと思います。

○松浦障害者施策推進部長 まず、愛の手帳の申請があった場合の判定についてでございますけれども、十八歳以上の場合で申し上げますと、心理判定室におきまして、心理判定員が面接等によりまして、本人の応対の仕方、日常生活の様子などのほか、生育歴や生活環境、就労状況などについてきめ細かく聞き取りを行った上で、知能測定検査を行います。
 また、医学判定室におきまして、精神科の医師が、心理判定で得た情報も踏まえまして、問診、触診などの診察を行い、医学的見地から、十八歳以前の発達期の知的障害の状況の確認や障害程度の判断を行います。
 これらの結果から、心理学的所見、医学的所見をまとめまして、知能測定値、IQ、知的能力、社会性、意思疎通、日常行動などの各項目を集めまして、総合的に判定しているということでございます。
 次に、判定後のお問い合わせの内容でございますけれども、愛の手帳の活用方法はどうなのかとか、障害程度の意味についてのご質問や、障害程度区分への疑問が寄せられることもございます。
 これらのお問い合わせにつきましては、判定基準の説明はもとより、具体的事例により障害程度の違いを具体的かつ丁寧に説明するなど、きめ細かな対応を行っているところでございます。

○斉藤委員 一度認定が出ても、必ずしも納得できるかどうか、そしてまた同時に、その後、自立支援法に基づいて障害者支援が満足できる程度受けられるかというのは、必ずしもそうではないのだろうかなと思います。
 また、今お話を伺う中で、特に理解をする上で、数値的なものというと、どうしてもIQが大きな柱になってしまって、そのほかはなかなか数字で表現できない部分が項目として多い、ほとんどではないかなというふうに思いますが、そういった点でもなかなか関係者の理解というのは難しいところがあるのかなと思います。
 実際、こういったときに不服があった場合には、不服申し立てや、本人の状態が何年かして変わった場合というのがあると思うんですが、そういった場合には再認定ということもあると思うんですけれども、そのような手続はどのようになっているか、伺います。

○松浦障害者施策推進部長 先ほど答弁申し上げましたとおり、愛の手帳の判定につきましては、心理職や精神科医師がきめ細かく、かつ専門的に行っております。
 再判定についてでございますが、十八歳までの方につきましては、成長に伴いまして障害の程度が変わることから、三歳、六歳、十二歳、十八歳の年齢に達したときに再判定を行うこととなっております。
 十八歳以降につきましては、本人の状態が変わった場合においては、申請に基づきまして再判定をするということになります。
 障害の程度区分が変更されるケースの例としましては、先天性または十八歳以前に発生しましたダウン症とか難治性てんかん等の疾患が原因で、全体的かつ恒常的に障害の状況が重くなっている場合には、再判定の結果、障害程度区分が変更になるということもございます。
 しかし、こうした障害程度区分が変更されるケースというのは極めて少ないというのが実情でございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。そういった点では、なかなかそういったことの基礎知識がない中で、すぐにその判定の結果を理解するというのは難しいと思いますし、先ほど申しましたみたいに、数字ですぐわかるものであればいいんですけれども、そうでないものが大半であるということからすると、納得のいく説明というものがどうしても不十分と感じる方はいらっしゃるのかなと思います。ぜひともそのあたりの理解がきちんとできるように、判定と同様に、今答弁がありましたような説明についても、かなり力を入れていただきたいと思います。
 私、個人的には、こういった判定のほかにも、全く違う制度として、社会保険庁管轄の障害者年金の判定のわかりにくさという部分についても課題であるかなと思いますが、こちらは国の方の話でございますので、何かの機会にその部分についてはご意見させていただきたいと思います。
 以上でございます。

○吉田委員 私も、二〇第五一号、東京都愛の手帳の交付に関する陳情について、意見を述べます。
 今の説明によっても、陳情の願意は、現在の制度の拡充あるいはより実態に即したものとなることを求めているものであり、当然の要望だと受けとめます。
 陳情書を見ますと、いわゆる発達障害者が認定や施策の枠から外れることがないように求める立場からの内容となっております。これまでも本委員会では、発達障害者への対応が議論されてきた経過がありますけれども、適切な認定も含め、発達障害者への対策の強化、拡充を求めて、本陳情について趣旨採択を求めるものであります。
 以上です。

○東野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○東野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第五一号は不採択と決定いたしました。

○東野委員長 次に、陳情二〇第六一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○吉井医療政策部長 整理番号6、二〇第六一号、港区の事務の処理についての是正の勧告及び医療機関に対する指導に関する陳情は、港区の系正一郎さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、港区の事務の処理についての是正の勧告及び医療機関に対する指導をしていただきたいというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、地方自治法第二百四十五条の六の規定に基づく、都が特別区に対して行う是正の勧告は、特別区の事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き、かつ明らかに公益を害していると認めるときにのみ行うことができるものとされております。
 港区の事務処理は、不適正な行為ではなく、是正の勧告の対象には該当いたしません。
 なお、港区は、陳情者の受診希望医療機関に確認した上で、発行済みの紹介状で受診可能であること、再発行の必要性はないことを陳情者に説明済みでございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○東野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二〇第六一号は不採択と決定いたしました。

○東野委員長 次に、陳情二〇第六二号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○住友保健政策部長 整理番号7、陳情二〇第六二号の一は、東京都小平市の東京都パーキンソン病友の会会長清徳保雄さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、パーキンソン病を初めとする難病患者の救済施策等について、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 内容について順にご説明いたします。
 まず第一項でございますが、パーキンソン病は、初期の段階からの薬物治療により薬効の持続が可能とされており、治療効果の得られる投薬開始時から東京都の公費負担の助成対象にすることというものでございます。
 次に、第二項でございますが、特定疾患治療研究事業に参加する見返りとして、医療費の自己負担の一部を公費負担しているが、その率の割合は、国が三、地方自治体が七の現状と聞いており、早急に一対一に是正するよう国への意見書を提出することというものでございます。
 第三項でございますが、介護保険の審査は、パーキンソン病の一日に占める状態を総合的に見た判定をするよう、国に意見書を提出することというものでございます。
 現在の状況についてご説明いたします。
 まず第一項でございますが、パーキンソン病は、体の震えや動作のぎこちなさなどを特徴とする進行性の神経疾患で、国の特定疾患治療研究事業の対象疾病となっております。特定疾患治療研究事業では、体の震えなどの病状と日常生活で介護を要する程度により、国が医療費助成の対象範囲を定めております。
 次に、第二項でございますが、特定疾患治療研究事業では、地方自治体が支出した費用に対し、その二分の一を国が補助することとされておりますが、実際の負担割合は、おおむね国が三、地方自治体が七となっており、地方自治体に超過負担が生じております。
 都は、本年六月、希少で原因不明、治療法が確立していない疾病の治療研究を一層推進するため、特定疾患治療研究事業について確実な財源措置を講じることを国に提案要求しております。
 なお、都議会におきましても、平成十九年三月に国会及び政府に対し難病対策の充実に関する意見書を提出し、その中で、都道府県の超過負担解消のための財源確保にも努めるべきであるとしております。
 第三項でございますが、介護保険サービスの利用に当たっては、事前に申請を行った上で、区市町村の要介護または要支援の認定を受ける必要があります。認定は、調査員が申請者の心身の状況の調査等による一次判定の結果及び主治医の意見書等をもとに介護認定審査会が審査判定する二次判定により行われております。
 パーキンソン病患者など日内変動や季節変動、気候の変化等により状況に変化がある方に対する認定調査方法については、認定調査に関する国の通知や国が作成した認定調査員テキストにおいて、調査当日の状況だけでなく、日ごろの状況を総合的に勘案して判断することや、より頻回な状況に基づいて判断を行うことが示されております。
 また、必要に応じて調査員が特記事項を記載することで、対象者の総合的な状態像を踏まえた適切な認定を行える仕組みとなっております。
 都としては、こうした点に十分留意して調査を行うよう、認定調査員の研修などで周知徹底しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○東野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○斉藤委員 それでは、二、三伺います。
 まず、パーキンソン病患者、実際に都内に何人いらっしゃるのか、数を確認したいと思います。

○住友保健政策部長 特定疾患治療研究事業に基づくパーキンソン病の医療費助成制度の認定患者数は、平成十九年度末では八千四百二十人でございます。なお、認定基準を満たしていないパーキンソン病の患者数については把握しておりません。

○斉藤委員 この三つの要望の要旨の中で、二番目などについては東京都の方は既に国に働きかけを行っているというふうなことで、詳細な説明がございました。
 その中で、一番の方が大変気になったことなんですが、パーキンソン病、レベルが三の状態になったときに初めて難病の医療費支援対象ということになるわけですが、それでは、レベル二までの間では、実際に薬物治療等の医療行為、どのようなものが一般的か、伺います。
 実際には二のレベルまででは症状がよくわからないとか、もしくはなかなかその部分に特定ができないということであれば、確かに治療というものがなかなか一般的にはできないことになるわけなんですが、実際にはどのようになっているか、伺います。

○住友保健政策部長 パーキンソン病と診断されました場合、その初期段階にはパーキンソン病治療薬による薬物療法を行うのが一般的でございます。
 なお、薬物療法を行う場合には、ドパミンと呼ばれております物質の不足を補うための薬剤を使用することが多く、薬剤の種類や量は、患者さんお一人お一人の病状や年齢などに合わせて主治医が調製をいたします。

○斉藤委員 今回、タイトルの方では、パーキンソン病を初めとする難病のというふうになっています。実際には要望の部分の要旨ではパーキンソン病に限定するのはちょっと私としては残念なんですが、最近、文書質問を出しまして、その中で難病全般について私は一度そのとき質問しております。
 一般的に難病として特定できていない疾患についても、そういった専門性の高い医師が診断をして、病名もはっきり明言をした上で、大変希少で治療方法が確立していない、一般的な人のイメージからすれば難病といわれるような疾患が実際にはかなりたくさんの数ございますし、その患者さんもたくさんの数いらっしゃいます。
 しかしながら、狭義の難病としては、特定疾患として対象疾患というふうにならなければ、何らの支援も実際にはなかなか受けられないわけです。実際、私が質問したときは、たまたま知り合いの方の息子さんが二十代で脊椎空洞症を発症して、結局亡くなってしまうんですが、亡くなった後二年ぐらいしてから、脊椎空洞症が難病指定になって、実際には、その後であればある程度の支援が公的に受けられた、そういったことがあったものですから、質問したんですが、その上で、文書質問では、いわゆる特定疾患にならなくても、ある程度難病に基づいて、生活がほとんどできなくなる、働くことはもちろん自立した生活も送れなくなる、また、通院も一人ではできなくなるというケースが幾つかの疾患で見られるために、そういった場合には、現行の制度である介護保険とか自立支援法などについて特例の制度をつくって、ある程度支援をしていったらどうだ、実際にそうしないと生活がままならなくなってしまうというふうなことで、要望と、同時に意見をさせていただきました。
 実際に、パーキンソン病に関しても、難病指定となるレベル二以前の段階では、やはり何も支援ができないということになるのでしょうか、そこを確認したいと思います。

○住友保健政策部長 症状が軽いパーキンソン病患者さんに対しましては、保健所や東京都難病相談・支援センターにおきまして、病気の治療や日常生活に関する相談を行っております。
 あわせまして、都民などを対象といたしまして、パーキンソン病についての講演会やリハビリ教室を保健所が開催するなど、パーキンソン病患者さんへの支援に努めております。

○斉藤委員 私としては、パーキンソン病に限らずというところが正直なところでございます。希少性からすると、やや数が多いために、予算的にはいろいろ考慮する部分があるのかなというところであります。
 ただ、一方で国の方の政策の部分でもありますので、国への要望はさまざまな形で続けていただきたいと思います。
 以上です。

○かち委員 私も、二〇第六二号の一、パーキンソン病を始めとする難病患者の救済施策等に関する陳情について、一、二伺います。
 私の周りにもパーキンソンといわれる方はよく見かけるんですけれども、こんな状態でもまだ認定が受けられないのというようなお話をよく伺います。歩き方とか手の振戦など特徴的な症状とともに、個々によって症状の出方もさまざま。進行していくと、気管切開や胃瘻で全面介助が必要となる場合もあります。また、しゃべりにくくなり、コミュニケーションも困難になったりします。長い経過をたどるのも特徴です。人によっては、薬のコントロールが難しく、副作用の精神症状に悩まされている方もいます。
 特徴として、薬の効いている間は症状が安定しているけれども、切れると一日の間でも変動が激しいという特徴もあります。なかなか本人の実態を周囲に理解してもらうことが困難だという実態を聞いております。
 そこで、伺いますが、このパーキンソン病の病態はどういうものなのか、どういう転帰をたどるのか、また治療法としてはどのような効果が見込まれるのか、お聞きします。

○住友保健政策部長 パーキンソン病は、体や手が震えたり、動作がぎこちなくなるなどの症状を特徴とする、進行性の神経疾患でございます。脳内のドパミンという物質が減少することが原因とされておりまして、主な治療法は、不足するドパミンを補うための薬物療法でございます。
 主に五十歳代から六十歳代で発病することが多く、徐々に進行して病状が重くなりますが、進行の速さや重症度は人によって異なりまして、歩行が困難になるなど非常に重症の方もいらっしゃる一方で、日常生活に大きな影響がない程度の経過をたどる方も数多くいらっしゃいます。

○かち委員 四十代からもう発症する方がいるというふうに聞いておりますけれども、中年以降ということなんですが、結構長い経過をたどるのが特徴だと思います。治療は主にドパミンなど内服治療を継続するということですけれども、いずれも対症療法であり、症状を一定程度抑える、あるいは進行をおくらせるという程度だということなんです。
 先ほどもありましたが、厚生労働省が三年ごとに行っているワンデー調査によると、パーキンソン病は推計で十四万人ともいわれていますけれども、現在、難病指定を受けている方は、東京では八千四百二十人と伺いましたが、全国では何人でしょうか。

○住友保健政策部長 医療費助成の認定患者数は、全国の数でございますが、平成十九年度末で九万二千九人でございます。

○かち委員 実態からすると、約半数程度の人しか認定されていないということです。治療的には、初期から内服治療を開始した方が有効だといわれていますけれども、たとえパーキンソンと診断されても、一定の重症度基準に満たなければ認定されないという問題があるわけです。
 ここでは、ヤールの重症度分類では三度以上で、かつ日常生活、通院に部分または全面介助を要する生活機能障害度でなければ認定されないということなんです。そこまで症状が進むにはかなりの年月がかかりますが、その間、高額な内服治療を続けなければならず、家計にも重い負担となっています。
 パーキンソン病については、かつて都が国に先駆けて独自認定をしてきた経緯もあり、認定基準の見直しも含めて、救済対策を考えるべきだと思います。また、医療費の公費負担分について、要綱では国と自治体が半々で負担することになっていながら、実際には国が三、地方自治体が七になっており、自治体の超過負担が続いていることは早急に解決すべき問題です。
 二年前に議会としても意見書を上げ、都としても提案要求されているとのご説明でありましたが、一向に改善していないという点では、引き続き国に求めていくべきだと考えます。
 よって、本陳情は趣旨採択を求めます。
 以上です。

○東野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○東野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第六二号の一は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十五分散会

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