厚生委員会速記録第十一号

平成二十年十月二日(木曜日)
第七委員会室
   午後一時十分開議
 出席委員 十四名
委員長野上 純子君
副委員長山加 朱美君
副委員長かち佳代子君
理事くまき美奈子君
理事長橋 桂一君
理事野島 善司君
西崎 光子君
大松  成君
佐藤 広典君
田代ひろし君
石毛しげる君
野村 有信君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長安藤 立美君
総務部長松井多美雄君
病院経営本部本部長中井 敬三君
経営企画部長及川 繁巳君

本日の会議に付した事件
 意見書について
付託議案の審査(決定)
・第百五十七号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 厚生委員会所管分
・第百七十号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百七十一号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに係る地方独立行政法人法第四十四条第一項の条例で定める重要な財産を定める条例
・第百七十二号議案 東京都リハビリテーション病院条例の一部を改正する条例
・第百七十三号議案 医学系総合研究所の助成等に関する条例の一部を改正する条例
・第百七十四号議案 老人総合研究所の助成等に関する条例の一部を改正する条例
・第百七十五号議案 東京都婦人保護施設条例の一部を改正する条例
・第百七十六号議案 東京都障害者スポーツセンター条例の一部を改正する条例
・第百七十七号議案 東京都肢体不自由者自立ホーム条例の一部を改正する条例
・第百七十八号議案 東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例
・第百七十九号議案 東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
・第百八十号議案 墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十一号議案 東京都感染症の診査に関する協議会条例の一部を改正する条例
・第百八十二号議案 東京都立病院条例の一部を改正する条例
・第百九十七号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター定款について
・第百九十八号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(仮称)に承継させる権利を定めることについて
・第百九十九号議案 遺伝子組換え実験等に係る拡散防止装置外六点の買入れについて
・第二百号議案 中央実験台外二点の買入れについて
・第二百一号議案 実験動物飼育用架台システム(個別換気型)の買入れについて
・第二百二号議案 個人防護具(ガウン等セット)外七点の買入れについて
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○野上委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書中一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

障害のある学齢児の放課後活動支援に関する意見書(案)
 障害者自立支援法の基本理念は、就労支援の抜本的な強化や民間社会資源の活用などにより、障害者が自立し、地域で安心して暮らせる社会の実現を目指すことである。
 その中にあって、学齢期の障害のある児童に対する放課後や夏休み等長期休業期間における療育に対する支援は、社会的な支援の仕組みが不十分であった中で、地域の発想による障害児とその家族の地域での自立を支援する事業として、大きな役割を果たしている。
 しかし、障害者自立支援法においては、こうした学齢期を対象とした児童デイサービスは経過措置的な位置付けしかなされておらず、その報酬も未就学児を対象としたものの半分程度に抑えられている。
 学齢期の障害のある児童が、放課後や長期休業期間における療育等を通じ、地域とのふれあいを持ちながら健全に育成されていくことは、将来における障害のある児童の地域での自立した生活へと結び付いていくものであり、障害者自立支援法の基本理念と軌を一にするものである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 学齢期の障害のある児童の放課後や長期休業期間の日中活動を支える事業として、新たな類型の児童デイサービス又は新規の訓練等給付事業を障害者自立支援法に位置付けること。
二 その際は、運営に必要かつ十分な報酬単価を設定すること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十年十月 日
東京都議会議長 比留間敏夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣  
総務大臣
厚生労働大臣   あて

○野上委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○野上委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百五十七号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、厚生委員会所管分、第百七十号議案から第百八十二号議案まで及び第百九十七号議案から第二百二号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○かち委員 採決に先立って意見を述べます。
 まず、第百九十七号議案、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター定款について外関連する第百九十八号議案、第百九十九号議案及び第百七十一号議案についてです。
 本案は、いずれも都立老人医療センターと老人総合研究所の地方独立行政法人化に伴う定款及び承継される権利の範囲などについてです。
 老人医療センターと老人総合研究所の独立行政法人化については、その検討過程も検討会の内容も明らかにされないまま、第二次病院改革実行プログラムで非公務員型の独法化については見送ると判断したにもかかわらず、老人医療センターだけがその独法化を選択することは整合性を欠くものです。
 国の独法化のねらいは行政機能の減量化であり、実際、運営交付金については、毎年削減が求められるものです。こうした経営効率強化が、高齢者を対象とした病院医療に導入されることは、医療サービスの低下を招きかねません。
 さらに、老人総合研究所についても、収支改善という理由によって、民間資金を確保されやすい研究に偏重する懸念や、高度専門的医療の研究に特化し、社会科学的、基礎的研究は後退しかねません。
 これまで養育院として一体的に事業展開してきた貴重な都有地もばらばらに切り売りするような板橋キャンパスの整備計画は見直し、都立老人医療センターと老人総合研究所は都が直接改築し、直営で行うべきです。よって反対です。
 第百八十二号議案、都立豊島病院の公社化についてです。
 豊島病院が都立病院として、これまで緩和ケアや精神科救急、周産期医療、感染症など行政的医療を重点医療として果たしてきた役割は大きく、今後も継続するとともに、地域医療に貢献する都立病院として継続すべきです。板橋区及び区議会からの強い要望である全ベッド開設は、都として責任を持って開設すべきであります。また、NICUを医師不足を理由に廃止することも認められません。よって本案には反対です。
 次に、第百七十号議案、東京都福祉保健局手数料条例の一部改定についてです。
 本案は、准看護師が行政処分を受けた後、再教育を受ける場合の手数料を定めるものです。何らかの処分を受けた者が社会復帰するための再教育制度は必要であり、そのための一定の費用負担は必要であると判断します。
 しかし、国制度で行う医師、看護師の負担よりも、准看護師の方がはるかに重い負担になるのは適切ではありません。原価主義による費用負担は見直すべきであり、反対です。
 次に、報告事項、都立児童養護施設の民間移譲について述べます。
 今回計画されているのは、品川景徳学園とむさしが丘学園の二施設ですが、今日社会的養護を必要とする子どもたちの状況は大きく変化してきており、被虐待児童がその七割を占めるに至っていることが質疑の中でも明らかになりました。
 こうした中で、対応が一層専門的、高度なスキルを必要とする中学、高校生など、高年齢児の受け入れを重点に受け入れているのが都立施設です。
 児童虐待などによる要保護児童が急増しているもとで、都立施設の民間移譲という方向ではなく、都立、民間とも拡充することを強く求めておきます。
 最後に、第百五十七号議案、厚生委員会付託分の補正予算については、新型インフルエンザ対策が急務となっている中での拡充策であり、賛成であることを申し上げ、意見といたします。
 以上です。

○野上委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百七十号議案、第百七十一号議案、第百八十二号議案、第百九十七号議案及び第百九十八号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立多数と認めます。よって、第百七十号議案、第百七十一号議案、第百八十二号議案、第百九十七号議案及び第百九十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百五十七号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、厚生委員会所管分、第百七十二号議案から第百八十一号議案まで及び第百九十九号議案から第二百二号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、第百五十七号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、厚生委員会所管分、第百七十二号議案から第百八十一号議案まで及び第百九十九号議案から第二百二号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○野上委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○野上委員長 この際、所管局を代表して、中井病院経営本部長から発言を求められておりますので、これを許します。

○中井病院経営本部長 お許しをいただき、当委員会所管両局を代表して、一言お礼のごあいさつを申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程でちょうだいいたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、十分に尊重させていただきまして、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。
 また、福祉保健局とも、より一層の連携を深めまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 甚だ簡単ではございますが、御礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○野上委員長 この際、私の方からもごあいさつを申し上げます。
 昨年十月から一年間、厚生委員会の委員長を務めさせていただきました。この間、山加副委員長、かち副委員長を初め、理事、委員の皆様方にも、委員会運営に際しまして多大なるご協力とご指導をいただきまして、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 また、福祉保健局、病院経営本部の理事者の皆様方のご協力をいただきまして、会の円滑な運営を行うことができました。さらに、議会局の皆様にも細やかなご配慮をいただきまして、委員長の職務を全うすることができました。重ねて感謝申し上げます。ありがとうございました。
 福祉保健局関係では、福祉、医療分野の人材育成や確保策について、特に産科、小児科の医師確保、看護師の再就職問題等を含めて、また新型インフルエンザの対策の強化について活発に議論を展開してまいりました。
 また、病院経営本部関係では、都立病院経営委員会の報告や、ことし一月に策定いたしました第二次都立病院改革プログラムを基本として、行政的医療のあり方とか、また都民の期待にこたえるために、都立病院のハード、ソフト両面の改革についても真剣な質疑を行ってきたところでございます。
 また、ことしの五月二十二日、二十三日、一泊二日の日程で、この厚生委員会による管外視察を実施いたしました。兵庫県では、神戸市総合児童センターこべっこランドを視察いたしました。また、大阪では、大阪厚生年金病院の視察を実施し、大変に参考になったところでございます。
 結びに当たりまして、本委員会は、都民の福祉、健康、医療を担当する委員会でございます。東京都民の福祉向上のために、ますます活発な議論が展開されますことをご祈念いたしまして、委員長としてのごあいさつとさせていただきます。
 本当にありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十二分散会

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